1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
令和四年四月十五日(金曜日)
午前十時一分開議
━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十七号
令和四年四月十五日
午前十時開議
第一 地域の自主性及び自立性を高めるための
改革の推進を図るための関係法律の整備に関
する法律案(内閣提出)
第二 裁判所職員定員法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
第三 裁判官の育児休業に関する法律の一部を
改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
一、裁判官訴追委員辞任の件
一、裁判官訴追委員の選挙
一、関税暫定措置法の一部を改正する法律案及
び外国為替及び外国貿易法の一部を改正する
法律案(趣旨説明)
一、日程第一より第三まで
一、国会法及び国会議員の歳費、旅費及び手当
等に関する法律の一部を改正する法律案(衆
議院提出)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/0
-
001・山東昭子
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
この際、お諮りいたします。
野村哲郎さんから裁判官訴追委員を辞任いたしたいとの申出がございました。
これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/1
-
002・山東昭子
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
よって、許可することに決しました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/2
-
003・山東昭子
○議長(山東昭子君) この際、欠員となりました裁判官訴追委員一名の選挙を行います。
つきましては、本選挙は、その手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/3
-
004・山東昭子
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
よって、議長は、裁判官訴追委員に古川俊治さんを指名いたします。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/4
-
005・山東昭子
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/5
-
006・山東昭子
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。鈴木俊一財務大臣。
〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/6
-
007・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) ただいま議題となりました関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
まず、関税暫定措置法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
本法律案は、ロシアによるウクライナ侵略を踏まえ、G7と連携し、ロシアに対する外交的、経済的圧力を一層強める等の観点から、貿易優遇措置である最恵国待遇を撤回するものであります。
以下、その大要を申し上げます。
国際関係の緊急時において、WTO協定による関税についての便益を与えることが適当でないときは、特定の国からの、特定の国から輸入される物品に課する関税の率を基本税率等とすることとしております。
次に、外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
本法律案は、ロシアによるウクライナ侵略を踏まえ、G7と連携し、ロシアに対する外交的、経済的圧力を一層強める等の観点から、暗号資産が制裁の抜け穴として悪用されないよう、制裁の実効性を更に強化するものであります。
以下、その大要を申し上げます。
第一に、暗号資産に関する取引を資本取引とみなす取引として新たに定義することにより、資本取引規制の対象とすることとしております。
第二に、暗号資産交換業者に資産凍結措置に係る確認義務等を課することとしております。
以上、関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/7
-
008・山東昭子
○議長(山東昭子君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。小野田紀美さん。
〔小野田紀美君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/8
-
009・小野田紀美
○小野田紀美君 自由民主党の小野田紀美です。
自民、公明を代表して、関税暫定措置法改正案及び外為法改正案に対して質問をいたします。
まず、ロシアのウクライナへの侵略に強く抗議します。ロシアの即時かつ完全な撤退を求めます。ロシアの侵略行為はエスカレートしており、許すことはできません。首都キーウ近郊の都市では、ロシア軍による民間人虐殺の痕跡が明らかになっています。マリウポリへの攻撃に化学物質を使用したとの懸念もあります。ロシアが主張するフェイクニュースだというプロパガンダは必ずや暴かれ、国際法に違反する卑劣な行為は厳しく処罰されるべきです。私たちとしても、困難に直面するウクライナにしっかり寄り添って対応してまいります。
二十一世紀となり、世界各国が自由貿易、自由投資を介して密接に結び付いているにもかかわらず、力による一方的な現状変更の試みと民間人への殺りくが起こっています。武力により他国を踏みにじり、無辜の民の人生を奪う事態が起きている現実に、我が国国民そして世界は大きな怒りと憤り、同時に失望と脅威を感じています。
先週、林外務大臣は、日本の外務大臣として初めてNATO外相会合に出席しましたが、そこでも、力による一方的な現状変更はどの地域においても許されるものではないし、欧州とインド太平洋地域の安全保障を切り離して論じることはできないと語りました。今回の侵略行為に対しても、現に中国はいまだロシアを非難していません。北朝鮮もICBM級の弾道ミサイル発射を繰り返しています。
このような環境の中、岸田総理は、インド太平洋地域での力による一方的な現状変更への懸念の高まりに対して、我が国と我が国国民、そして国際社会における普遍的価値である自由、民主主義、人権、法の支配を守り抜くために、価値観を共有する国々と連携しながら、外交、そして安全保障政策をどう進めていくおつもりでしょうか。お聞かせください。
日本を始めとするG7各国は、ロシアのウクライナ侵略に一致団結して制裁措置を発動しています。今回の関税暫定措置法の改正案は、ロシアに対するWTO協定税率の適用を撤回し、基本税率等の適用を可能とすることで、現地時間の三月十一日に発出されたG7首脳声明を受けた最恵国待遇の停止を行うものです。
まずは、ロシアによるウクライナへの侵略は、ロシア自らに深刻な結果をもたらし、得るものは何もないだけではなく、国際的な名誉も信頼も地に落とす行為であると理解させるために、G7各国と足並みをそろえて厳しい金融経済制裁を課すべきと考えますが、その一環として最恵国待遇の停止に踏み切る理由と期待される制裁効果について、総理からお話しください。
また、ロシア産の木材や水産物の関税の引上げ、代替となるロシア産以外の産品への需要の増加により、世界的な品不足と価格上昇が心配されます。特に水産物については、漁獲量を決める日ロ間の漁業交渉への影響も予想されます。
コロナ禍で厳しい状況にある上に、ロシアのウクライナ侵略により先行きが懸念される水産関連業や食品製造業等、国民生活への影響に対して政府としてどう対処していくお考えでしょうか。総理に伺います。
G7は、四月七日、ロシアによる民間人への残虐な行為を許さないとの姿勢やウクライナとの連携を改めて結束して示すべく首脳声明を発出いたしました。その中には、石炭輸入のフェーズアウトや禁止も含むエネルギー面でのロシアへの依存を低減するための計画の加速化が盛り込まれています。EU加盟国はロシア産の石炭の輸入停止などを含む制裁案を承認し、日本も、G7声明を踏まえて、早速、ロシアからの石炭輸入の禁止などを含む追加制裁を課す方針を表明いたしました。
ロシア外交官の国外退去などと併せて、G7メンバーとして、ロシアに対する日本の強い姿勢を示すものとして評価できます。同時に、石炭禁輸の影響による電力需給の逼迫を回避するために、再生可能エネルギーや原発の再稼働など、脱炭素の効果の高い電源の活用など様々な対応を講ずることも求められます。この点についての総理のお考えを伺います。
我が国は、二月二十一日のロシアによるウクライナの親ロ派支配地域の独立承認、二十四日のロシアによるウクライナ侵略開始直後から、G7と連携しながら、ロシア政府による新たなソブリン債の発行、流通等の禁止や金融機関を対象とした資産凍結、中央銀行への制裁措置などを立て続けに決定し、実行してきました。二月二十六日には、ロシアは、国際金融の送金を手掛ける世界的な決済ネットワークであるSWIFT、国際銀行間通信協会から排除されることが決定いたしました。
ロシアの企業の貿易決済が困難となることから、大きな経済的苦痛を与える措置です。事実、ロシア通貨は、SWIFTと中央銀行への制裁発表の前後で、ドルベースで三割も急落しました。ルーブルの価値が大幅に下落すると、ルーブル建ての貿易への敬遠、そしてロシア国内の物価高騰による生活への打撃となります。ただ、三月上旬を底にルーブルの為替レートは徐々に元に戻っていることから、ポーランド首相はロシアへの制裁効果に疑問を呈しています。
経済制裁の効果を判断するには、為替だけではなく、総合的に見るべきだと思いますが、ここまでの金融制裁による効果をどのように評価しているのでしょうか。財務大臣の御所見を伺います。
G7が課している厳しい経済・金融制裁措置が効果を上げるためには、世界各国で緊密に連携して、制裁の回避や迂回、バックフィルを防ぐことが重要です。総理がゼロ泊三日という強行日程で参加したベルギーでのG7首脳会合でも、制裁措置の抜け道を与えてはならないという考え方が確認されています。今回の暗号資産を使った制裁回避を防ぐための法改正もその一環として、一刻も早く成立させ、施行させなければなりません。
ロシアで暗号資産の利用が急増しているとの指摘があります。米国も、サイバー攻撃や違法行為に関与しているとして、暗号資産も扱っているロシアに拠点を置くダークウエブサイトのサーバーを停止し、ビットコインも押収しています。
我が国としても、暗号資産を使った制裁回避を防ぐために、G7を始めとした関係国と連携した対応が不可欠と思いますが、外為法の改正を機に、どう対処していくお考えでしょうか。財務大臣にお伺いします。
ロシアによる民間人への無差別攻撃もあり、ウクライナから国外へ逃れる避難民は四百五十万人を超え、うちポーランドでは二百五十万人を上回っています。
過日、ポーランドから戻る政府専用機は避難民の方々を乗せてきましたが、その後も、政府は、避難民の日本渡航を支援するために、当面の間、ポーランドとの民間直行便の座席を借り上げるなど、対応を強化しています。自衛隊機を活用した人道支援物資の輸送も実現すべきです。
また、ウクライナの邦人保護のために、隣国ポーランドへの陸路での退避を支援する現地連絡事務所の設置や、ポーランドから他国への移動用チャーター機手配などに加え、今後も、引き続き、在留邦人の方からの退避要請に、退避要望に寄り添った対応にしっかり取り組んでいただくよう要望いたします。
現在、ロシア軍はキーウなどにおける作戦規模縮小を表明しているものの、その部隊を東部及び南部へと移動させ、攻撃を強めており、一般市民の犠牲が増加しています。
困ったときはお互いさまの心で、岸田総理が先頭に立って、国を挙げ、ゼレンスキー・ウクライナ大統領が国会演説の中で語った、避難した人たちがふるさとに戻れるようにしなければならないという気持ちをしっかりと受け止めていただきたい。そして、完全な撤退に向けたロシアへの制裁とともに、必ずやってくる侵略終えん後の復興を見据えて、避難民を受け入れている近隣諸国への支援など、ニーズに合った対応の更なる強化を図るべきだと考えます。
この点について総理のお考えをお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/9
-
010・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 小野田紀美議員にお答えをいたします。
インド太平洋地域における力による一方的な現状変更への懸念の高まりに対する外交・安全保障政策についてお尋ねがありました。
今回のロシアによるウクライナ侵略や緊張する米中関係に見られるとおり、国際情勢は厳しさと複雑さを増しています。私は、理想へ、未来への理想の旗をしっかりと掲げつつ、普遍的価値を重視し、したたかで徹底的な現実主義に、主義を貫く新時代リアリズム外交を展開してまいります。普遍的価値に基づく多国間主義や同盟国、同志国との連携を重視し、インド太平洋地域を始め国際社会において、力による一方的な現状変更の試みに対抗する国際的な取組を主導してまいります。
また、国民の生命と財産を断固として守り抜くため、新たな国家安全保障戦略等を策定し、我が国自身の防衛力を抜本的に強化してまいります。同時に、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化してまいります。
最恵国待遇停止の理由と期待される効果についてお尋ねがありました。
今般のロシアによるウクライナ侵略は、ウクライナの主権や領土の一体性を侵害し、武力の行使を禁ずる国際法の深刻な違反であり、厳しく批判、非難されるべきものであります。
今回の法改正は、国際社会と一致団結して、ロシアに対して厳しい措置をとるという我が国の意思を強く示すことに大きな意義があります。三月十一日のG7首脳声明を踏まえ、ロシアに対する関税についての最恵国待遇を迅速に撤回することとしております。
制裁の効果については、輸出入禁止措置等を含め、様々な措置と併せて制裁全体の中で判断していく必要がありますが、一連の制裁措置は、ロシアに対する外交的、経済的圧力を一層強める効果が期待できるものと考えており、引き続き、G7を始めとする国際社会と緊密に連携して、ロシアに対する国際的な経済制裁の実効性確保に努めてまいります。
ロシアのウクライナ侵略による国民生活への影響に対する対処についてお尋ねがありました。
今回の法改正による木材の一部や水産物の関税率の数%程度の引上げ自体による影響は限定的ではあるとは考えておりますが、この影響を含め、ロシアによるウクライナ侵略をめぐる影響全般について、今後も注視していく必要があると考えております。
また、日ロ漁業交渉への影響について予断を持ってお答えすることは差し控えますが、我が国の漁業活動に係る権益の維持、確保を踏まえ、適切に対処してまいります。
水産物を含め、国民生活に不可欠な食料等の安定供給に支障が生ずることがないよう、総合緊急対策の策定を指示したところであり、政府として、直面する危機に緊急かつ機動的に対応すべく、四月中に具体的な対策を取りまとめてまいります。
ロシア産の石炭の禁輸を踏まえた電力の安定供給の確保策についてお尋ねがありました。
今年の夏や冬の電力需給は厳しい見通しですが、ロシア以外の生産国やスポット市場からの燃料の代替調達、再エネ、原子力など脱炭素の効果が高い電力の活用、事業者間の広域的な融通、公募による供給力の追加的な確保などにより、電力の安定供給を確保してまいります。
復興を見据えたウクライナ、そして近隣諸国への更なる支援の強化についてお尋ねがありました。
ゼレンスキー大統領が国会演説で述べたように、避難した人々がふるさとに戻れるようにするためにも、まずは、ロシアが国際社会の声に耳を傾け、侵略をやめるよう、ロシアに対する強力な制裁措置を含め、国際社会が団結して取り組んでいく必要があります。
また、我が国は、これまでウクライナ及びウクライナの近隣周辺国に対して合計二億ドルの緊急人道支援を実施していますが、引き続き、G7を始めとする国際社会と連携し、現地のニーズを的確に把握しつつ、ウクライナの人々に寄り添った支援を実施してまいります。
今後、国際社会が支援できるようなウクライナの復興が見通せる段階になった暁には、今日までの経験も生かし、我が国として積極的に役割を果たしてまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/10
-
011・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 小野田紀美議員の御質問にお答えいたします。
まず、金融制裁の効果についてお尋ねがありました。
経済制裁の効果は、為替だけでなく総合的に見るべきとの御指摘は、そのとおりであると思います。これまで、G7各国等と緊密に連携しつつ、各種の厳しい制裁措置を迅速に講じてきた結果、株価の下落、国債利回りの上昇が見られるほか、生活必需品も含めた消費者物価が急上昇するなど、様々な面でロシア経済に影響が出ていると認識いたしております。引き続き、G7を始めとする国際社会と緊密に連携して、ロシアへの圧力を強化してまいりたいと考えております。
最後に、暗号資産を使った制裁回避への対応についてお尋ねがありました。
御指摘のとおり、暗号資産を使った制裁回避を防ぐためには、G7を始めとした国際社会との連携が重要であると考えております。
今般の外為法改正は、G7首脳声明を踏まえ、暗号資産が制裁の抜け穴として悪用されないよう、法的手段を講ずることで規制の実効性の更なる強化を図るものであり、国際的な情報共有の促進を含め、引き続き、G7を始めとした国際社会と緊密に連携して対応してまいります。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/11
-
012・山東昭子
○議長(山東昭子君) 熊谷裕人さん。
〔熊谷裕人君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/12
-
013・熊谷裕人
○熊谷裕人君 立憲民主・社民の熊谷裕人です。
会派を代表して、ただいま議題となりました関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案について質問いたします。
初めに、ロシアの侵略で犠牲になられたウクライナの人々に心から哀悼の意を表しますとともに、たった今も戦禍の苦しみの中におられる多くの罪なき人々に心よりお見舞い申し上げます。そして、一刻も早い戦争の終結を望みます。
去る三月二十三日、私たちは、ウクライナのゼレンスキー大統領の演説をオンライン形式で聞きました。大統領は、日本はこうした役割を果たすアジアのリーダーです、日本は、ロシアが始めたこの残酷な戦争を止めるために、ウクライナの平和のため、すぐに動き出してくれましたと感謝の言葉を述べられました。
岸田総理、ゼレンスキー大統領からの感謝の意に応えるために、ウクライナを訪問し、大統領とお会いして直接支援のメッセージを伝えてはいかがでしょうか。
そして、ロシアに対しては、プーチン大統領と安倍晋三元総理は、ウラジミール、シンゾーと呼び合う親密な関係であり、安倍政権下で十一回訪ロし、プーチン大統領とは計二十七回の首脳会談を行っていますので、安倍元総理の豊富な外交経験を我が国のために是非生かしてもらうべく、安倍元総理を外交特使としてロシアに派遣し、プーチン大統領の真意を確かめ、これ以上の軍事行動をすぐさまやめるように働きかけてはどうでしょうか。岸田総理、いかがですか。
中国は、国連総会の三月二日のロシア軍の即時撤退を求めた決議、同月二十四日のウクライナでの人道状況の改善を求めた決議では棄権し、今月七日の国連人権理事会でのロシアの理事国資格を停止する決議では反対しています。
林外務大臣は、中国に対して責任ある活動を呼びかけていると発言されていますが、責任ある活動を呼びかけるだけでなく、首脳会談や外相会談を開催して、国際社会と協調してロシアへ厳しい対応を取るように直接働きかける必要があるのではないでしょうか。総理と外務大臣のお考えをお聞かせください。
ロシア軍は、ウクライナ各地で公共施設や学校、病院、住宅等へ無差別に近い攻撃をし、多数の民間人に死傷者が発生していること、そして、キーウ近郊の地域では無辜の民間人が多数虐殺されたと報じられています。民間人や民間施設への攻撃及び虐殺は重大な国際法違反と国際人道法違反であり、到底正当化できず、断じて許すことはできません。
我が国も、ロシアのウクライナでのこの残虐な事態を国際刑事裁判所、ICCに付託し、責任追及を後押しする姿勢を示しています。ウクライナにおける捜査体制を強化するためのICCに対する人材面、財政面からの支援が必要ではないでしょうか。
また、今月八日、岸田総理はICCへの分担金の支払を前倒しすると表明しましたが、どれほどの支援を上乗せするのでしょうか。総理と外務大臣、それぞれどうお考えですか。
ウクライナ侵略を契機に、SWIFTからの排除やロシア中央銀行を対象に含む資産凍結措置など、ロシアに対する各種の経済制裁措置が実施されたことで、直後には通貨ルーブルの相場下落やロシア国内金融機関における取付け騒ぎなどが見られました。その後も、格付会社によるロシア国債の一部デフォルトが認定されたほか、主要格付会社がロシア関連の格付そのものを撤回したことにより、国際金融市場から資金調達の途も閉ざされたことで、ロシア国内の金融システムは引き続き大きく動揺することが想定されています。
政府には、経済制裁自体の実効性を確保するためには、こうした状況がロシア国内のみならず世界経済、金融全般に及ぼす影響にも十分注意を払う必要があり、国際的な金融システムの安定を確保すべく、各国の金融監督当局や中央銀行は、状況の変化を監視しながら協調して対応することが求められているのではないでしょうか。総理と財務大臣はどう取り組まれますか。
今月十一日、政府は、ウクライナからの避難民への住居や生活費、医療費などの支援の具体的な内容を発表しましたが、その対象は日本に親族や知人がいない避難者でした。日本に親族や知人がいる避難者に対しても、その親族や知人を含め、生活費などの支援が必要ではないかと考えますが、総理、いかがでしょうか。
そして、そもそもウクライナからの避難民は、難民条約上の難民として認定するべきと考えます。
政府は、これまで、同条約が定める人種、国籍、宗教、特定の社会集団の構成員であること、政治的意見の五つの理由に当てはまらないということで、難民認定申請をほとんど認めてきていません。
国連難民高等弁務官事務所が二〇一六年に公表した国際的保護に関するガイドライン12にある武力紛争及び暴力の発生する状況を背景とした難民認定申請に従えば、ウクライナからの避難民は難民条約上の難民として認定、保護される人がほとんどであると考えています。総理は準難民制度の創設を目指すと表明しておりますが、この際、我が国の難民政策を抜本的に転換するべきだと考えます。総理と法務大臣、それぞれお答えください。
ウクライナ危機の影響などで、円相場は一ドル百二十六円という二十年ぶりの急速な円安水準に達し、原油高、そして鉱物資源、食料価格の高騰によって、国民生活を損なう物価高が到来しています。我が国の国民生活を守るためにも、有効な物価抑制策を取る必要があります。
立憲民主党は、四月八日に総額二十一兆円規模の緊急経済対策を発表し、時限的な税率五%への消費減税や、エネルギー購入費補助、さらにはワーキングプアの方々や低年金者、低所得子育て世帯に五万円を給付する生活支援策などと同時に、債務減免や事業復活支援金の上限額二百五十万円の倍増などの事業者支援策を公表しています。
巷間、二〇二〇年度に百三十二万人が利用した小中学生への就学援助制度ですが、昨年夏の概算要求を基に決定された国の基準額では、今般の急激な物価上昇で、保護者の支出が支給額を上回るだろうとも言われています。
物価高対策は迅速に行わなければなりません。我が党の提案を、是非、岸田総理の聞く力をもって取り入れ、このような想定されていなかった事態において、早急に補正予算を組み、大胆な政策を打ち出すべきと思いますが、総理、いかがでしょうか。
今回の二法案は、いずれも国際社会からも厳しく糾弾されているロシアに対する経済制裁を強化する手続整備であり、速やかに進めていくべきものですが、不十分な点もあります。
関税暫定措置法改正案は、WTO協定上の最恵国待遇原則に基づくWTO協定税率をロシアに適用しないようにするための措置を講ずるもので、国際社会と緊密に連携して実施するロシアへの制裁措置の一環であり、その意義は認めます。
ただし、今回のロシアによるウクライナ侵略を受けた対応ということであれば、ロシアに特化した特別措置法という形式を取ることも考えられたはずで、その方が国際社会への明確なメッセージになります。関税暫定措置法を改正し一般的な制度を創設することとしたのはどういう理由によるものでしょうか。総理、お答えください。
また、WTO協定税率の適用を撤回して国定税率を適用するに当たり、具体的な対象国や対象物品、適用期間については政令で定めることとしています。そのため、国会はあらかじめ決定手続に関与することができません。また、国際関係の緊急時においてとの要件もありますが、何をもって国際関係の緊急時とするのか、判断基準も明確でありません。
対象国や対象物品、適用期間が野方図に拡大するなど、不適当な政令が決定されないようにしなければなりません。政府としては、どのような立法府への対応を考えているのでしょうか。財務大臣、お答えください。
外為法改正案は、暗号資産交換業者が行う顧客の暗号資産の移転について、制裁対象者に対する移転に該当しないこと等を確認する義務を新たに課すこととしています。
暗号資産交換業者については、平成二十八年の法改正により、登録制度が導入されるとともに、マネーロンダリングやテロ資金供与規制の対象とされてきました。一方、外為法に基づく資産凍結措置については、銀行等には制裁対象者への送金でないことなどを確認する義務が課せられているものの、暗号資産交換業者に対しては義務が課せられていませんでした。
マネロン、テロ資金供与対策を強化する観点から、こうした外為法に基づく確認義務等についてももっと早く課すべきだったのではないでしょうか。今日に至るまで措置されなかった理由は、財務大臣、何だったんでしょうか。
暗号資産交換業者の規模は様々であり、比較的新しい事業者も多いものです。今次改正によって新たに課せられる適法性確認義務や本人確認義務などについて、全ての暗号資産交換業者が速やかに対応することができるのでしょうか。
制裁の実効性を高めるためには、事業者が確認義務等を適切に履行できているか等について政府が十分にモニタリングを行い、必要な対応を取ることが重要ですが、政府はどのように取り組んでいく方針でしょうか。金融担当大臣、お答えください。
また、制裁対象者から第三者への暗号資産の移転が外為法上の規制対象に追加されることとなりますが、現状、暗号資産を活用した制裁回避が実際にどの程度行われているのでしょうか。そもそも、暗号資産交換業者を介さない個人間のやり取りを全て把握することは困難との指摘もあります。
政府は、暗号資産をめぐる取引実態の把握をどのようにして行うのでしょうか。金融担当大臣、お答えください。
また、今次改正は、G7で足並みをそろえ、暗号資産が制裁の抜け穴とならないように規制を強化するものであり、国際協調としても意義のある対応です。しかし、主要国だけでこうした措置を実施したとしても、大きな効果は期待できないのではないでしょうか。制裁に参加していない国、地域が抜け穴となり、そこに制裁対象者の暗号資産が逃避できる状態では、制裁が意味を成さなくなってしまいます。暗号資産の規制も含め、より多くの国がロシアに対する制裁に参加するよう働きかけることが不可欠です。我が国としてどのように取り組んでいくのでしょうか。総理、外務大臣、お答えください。
最後に、岸田総理、ゼレンスキー大統領は、国会に向けての演説の中で、遠く離れた両国ですが、私たちは似たような価値観を持っています、同じように温かい心を持っているので、実際には両国間の距離は感じられません、両国の協力、そしてロシアに対する更なる圧力によって平和がもたらされるでしょう、そして、私たちの国を復興し、国際機関の改革も実現できるでしょう、そして、そのときも、今と同じように日本が私たちと反戦の連帯を組んでくれていると確信していますと締めくくっています。
ゼレンスキー大統領を始めウクライナ国民の期待に沿い、両国の距離を感じさせない私たち国会議員の真摯な取組、そして岸田総理の反戦と来るべき復興支援の決意を示すべきではないでしょうか。
日本国憲法前文には、「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」とあります。この前文を念頭にした岸田総理の強い決意を改めて問い、私の質問を終わりたいと思います。
御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/13
-
014・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 熊谷裕人議員の御質問にお答えいたします。
ゼレンスキー大統領との面会、ロシアへの外交特使の派遣、中国への直接の働きかけ、そして国際刑事裁判所への支援についてお尋ねがありました。
我が国はウクライナと共にあります。私はこれまで三回、ゼレンスキー大統領と電話会談を行い、我が国の連帯を伝達したところです。ロシアによる侵略を一刻も早くやめさせるために、G7を始めとする国際社会と連携しながら、現地の状況も含め総合的に勘案し、我が国として何をすることが適切なのか、こうした観点から不断に検討を行っていきたいと考えています。
ロシアへの外交特使の派遣について、ドイツ、フランス、オーストリア等がプーチン大統領に対して直接働きかけを行っていますが、プーチン大統領が歩み寄ろうとする兆しは見えません。このような状況において、ロシアが国際社会の声に耳を傾け、侵略をやめるよう、ロシアに対して強い制裁措置を講じていくことが必要であり、現時点で特使を派遣する考えはありません。
中国に対しては、様々な機会に責任ある行動を呼びかけてきています。引き続き、G7を始めとする関係国と緊密に連携し、中国に対して直接訴えかけていきたいと考えています。
ICCへの支援について、我が国はICCの最大の拠出国であり、ICCの活動を支援する観点から、先週、ICC予算の一割弱に当たる分担金の支払、これを前倒しして行いました。そしてICCから評価されたところであります。引き続き、ICCの活動を後押ししてまいります。
経済制裁の影響や各国の金融監督当局等による対応についてお尋ねがありました。
議員御指摘のとおり、SWIFTからのロシアの特定銀行の排除や、ロシア中央銀行を含む資産凍結措置等の経済制裁によって、ロシアだけでなく日本を含む世界経済・金融システムにどのような影響を及ぼすのか十分注意を払う必要があると考えます。
制裁がもたらす国内外の経済・金融システムへの影響を注視しつつ、ロシアへの圧力を強化すべく、G7を始めとする各国の金融監督当局等と緊密に連携をしてまいりたいと考えます。
ウクライナ避難民への支援及び難民政策についてお尋ねがありました。
我が国へ受け入れたウクライナ避難民の方々への支援については、官房長官を長とするウクライナ避難民対策連絡調整会議を司令塔として、政府一体となって避難民の円滑な受入れと生活支援等を行っております。
身寄りのない避難民の方々に対しては、既に一時滞在場所の提供、生活費や医療費の支給を始めており、今後は、カウンセリング、日本語教育、就労支援等、受入れ後の各場面に応じた具体的な支援策を実施することとしております。
そして、日本に知人、親戚や、親族や知人のいる避難民の方々に対しても様々な、様々提供されている支援の状況を含め、その方が置かれている状況を個別に把握した上で、政府としても必要な支援を行ってまいります。
難民認定については、難民条約に従い、難民と認定すべき者を適切に認定しているところです。また、難民と認められない方であっても、今回のウクライナ避難民のように、本国情勢等を踏まえ、人道上の配慮が必要と認められる方については我が国への在留を認めるなど、適切に対応してまいります。
政府としては、引き続き、人道的な観点から真に庇護を必要とする方々を適切に保護するため、法務省において、難民に準じた保護の仕組みの創設など、制度の在り方も含め検討をしており、まずはこの取組をしっかりと進めていきたいと考えております。
国民生活を守るための有効かつ迅速な物価抑制策についてお尋ねがありました。
足下の物価上昇の動きについては、円安の影響も見られるものの、原油を始めとする世界的な原材料価格の上昇が主な要因であると承知をしております。
このような状況も踏まえ、ウクライナ情勢に伴う原油価格や物価の高騰等による国民生活や経済活動への影響に緊急かつ機動的に対応するための総合緊急対策を四月中に取りまとめます。その際、まずは予備費を活用した迅速な対応を優先してまいります。
関税暫定措置法の改正についてお尋ねがありました。
今回の法改正案は、三月十一日のG7首脳声明を踏まえ、ロシアに対する関税についての最恵国待遇を迅速に撤回するためのものですが、国際情勢等に応じて、対象国等について迅速かつ適切に対応できるよう、ロシアに特化した特別措置法という形式ではなく、関税に係る暫定的特例を定める関税暫定措置法を改正することといたしました。
暗号資産に係る制裁の国際協調についてお尋ねがありました。
今般の外為法の改正は、三月十一日のG7首脳声明を受けて、暗号資産が制裁の抜け穴として悪用されないよう、速やかに講ずべき措置について対応することで、金融制裁の実効性の強化を図るものです。
その上で、御指摘のとおり、暗号資産を含め、ロシアによる制裁回避を防ぐには、より多くの国がロシアに対する制裁に参加するよう働きかけることが重要であり、アジア諸国との関係では、先般のインド、カンボジア訪問を始め私自身が先頭に立って働きかけを行ってまいりました。
三月二十四日のG7首脳声明においても、我々の制裁の効果を低下させ、あるいは軽減するための回避、迂回及び穴埋めを行わないことについて、他国政府と関与することを含め、引き続き緊密に協力をしていくとしているところであり、引き続き、G7を始めとした国際社会と緊密に連携し、制裁の実効性強化に努めてまいります。
ウクライナについての真摯な取組、反戦及び今後のウクライナへの復興支援に係る決意についてお尋ねがありました。
ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす行為であり、断じて許容できません。ロシアが国際社会の声に耳を傾け、一刻も早く停戦が実現し、侵略をやめるよう、G7を始めとする国際社会と連携して、厳しい対ロ制裁措置を講じています。
また、ウクライナとの更なる連帯を示すために、ウクライナ及び周辺国に向けた合計二億ドルの緊急人道支援を実施するとともに、ウクライナ避難民の方々の受入れを進めています。引き続き、ウクライナの人々に寄り添った支援を実施してまいります。
今後、国際社会が支援できるようなウクライナの復興が見通せる段階になった暁には、今日までの経験を生かし、我が国として積極的に役割を果たしてまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/14
-
015・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 熊谷裕人議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、経済制裁の影響や、各国の金融監督当局等による対応についてお尋ねがありました。
総理から御答弁があったとおり、SWIFTからのロシアの特定銀行の排除や、ロシア中央銀行を含む資産凍結措置等の経済制裁によるロシア経済金融への影響が、日本を含む世界経済・金融システムに及ぼす様々な影響については、十分注意を払う必要があります。
日本について申し上げれば、日本の金融機関によるロシア向け与信は、海外向け与信全体から見れば僅少であり、現時点でロシア向けの与信が日本の金融機関の健全性に与える影響は限定的であると考えていますが、引き続き、G7を始めとする各国の金融監督当局等と連携し、国内外の経済・金融システムへの影響やその経路を注視し、適切に対応してまいります。
次に、関税暫定措置法に係る政令についてお尋ねがありました。
本法案においては、今般のロシアによるウクライナ侵略のように、国際社会が連携して厳しい措置を迅速にとることが求められるような場合を念頭に、国際関係の緊急時においてと規定しており、政令によって対象国等が野方図に拡大することはございません。今後とも、国会には丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。
次に、暗号資産交換業者に対する確認義務についてお尋ねがありました。
暗号資産交換業者については、二〇一九年のFATF国際基準の見直しにより、銀行等と同様に、顧客の本人確認や、取引が制裁対象者に係るものではないことの確認義務が求められるようになりました。
我が国では、こうした見直しが行われる以前から、国内の関連制度を整備し、暗号資産交換業者を登録制とした上で、顧客の本人確認義務等を課すとともに、マネロン対策等の実施状況の検査、監督の対象としてきたところです。
暗号資産の取引が制裁対象者に係るものでないことの確認義務についても、昨年夏のFATF対日審査を受けて鋭意検討を進めてきたところですが、今般、G7首脳声明を受けて、金融制裁の実効性の更なる強化を図る観点から、速やかに講じるべき措置について外為法の改正案を提出した次第です。
次に、暗号資産交換業者に対する当局の対応についてお尋ねがありました。
暗号資産交換業者が確認義務を適切に履行できているか等については、必要に応じて立入検査や報告徴求等を行うことにより、その適切な履行を確認してまいります。また、令和四年度においても、経済安全保障やマネロン対策等のための定員を大幅に拡充しておりますが、規制の実効性を確保するべく、引き続き、体制整備も図りつつ、しっかりと臨んでまいります。
最後に、暗号資産取引の実態把握についてお尋ねがありました。
今般の外為法の改正は、制裁対象者から第三者に暗号資産を移転する取引等も規制対象として捕捉するとともに、暗号資産交換業者に対し、銀行等と同様に、制裁対象者に係る暗号資産の移転でないこと等を事前に確認する義務を付与、賦課することで、制裁の実効性を更に強化するものです。
暗号資産に係る取引について、必要に応じて業者に対する報告徴求や立入検査等を行うことで、取引の実態把握に努めてまいります。(拍手)
〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/15
-
016・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 熊谷議員にお答えをいたします。
中国に対するウクライナ情勢に関する働きかけについてお尋ねがありました。
ロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、国際秩序の根幹を揺るがす行為であります。明白な国際法違反であり、断じて許容できず、厳しく非難をいたします。今こそ、国際秩序の根幹を守り抜くため、国際社会が結束して対応することが必要です。
我が国としては、これまでも中国に対して、様々な機会に責任ある行動を呼びかけてきております。引き続き、このG7を始めとした関係国と緊密に連携し、適切な機会に適切なレベルで対応をしてまいります。
次に、国際刑事裁判所、ICCへの支援についてお尋ねがありました。
ウクライナ政府の発表や各種報道により、ウクライナ各地において、無辜の民間人が多数殺害されるなどロシア軍による残虐な行為が繰り広げられていたことが明らかになっております。我が国として、極めて深刻に受け止め、強い衝撃を受けております。
多数の無辜の民間人の殺害、これは重大な国際人道法違反であり戦争犯罪です。断じて許されず、厳しく非難します。こうした残虐な行為の真相は徹底的に明らかにされなければならず、ロシアは責任を厳しく問われなければなりません。我が国としても、ウクライナの事態を国際刑事裁判所、ICCに付託をいたしました。
我が国はICCの最大の拠出国であり、捜査の実施を始めとするICCの活動に必要となる資金フローを支援する観点から、先週、ICC予算の一割弱に当たる分担金約十八億円の支払を例年よりも前倒しして行い、ICCから評価をされたところでございます。
今後の支援について決まっているものはございませんが、引き続きICCの活動を後押ししていく考えでございます。
次に、暗号資産の規制も含めたロシアに対する制裁に関する国際協調についてお尋ねがありました。
今般の外為法の改正を含め、G7各国が足並みをそろえて暗号資産に対する規制を強化することで、暗号資産が制裁の抜け穴として悪用されないよう、規制の実効性を更に高めていくことが重要と考えます。
その上で、御指摘があったとおり、暗号資産を含めて、ロシアによる制裁回避を防ぐためには、より多くの国がロシアに対する制裁に参加する、このことが重要であり、三月二十四日のG7首脳声明においても、制裁の回避や迂回、バックフィルを行わないことについて、G7で連携し、各国に働きかけていくことで一致をいたしました。
こうした制裁回避のために協力していくことは四月七日のG7外相会合でも確認をしておるところでありまして、私といたしましても、今後も様々な外交機会を活用して、ロシアのウクライナ侵略に対する日本の立場を説明して、各国との連携を強化してまいりたいと考えております。
引き続き、G7を始めとした国際社会と緊密に連携し、より多くの国がロシアに対する制裁に参加するよう働きかけることも含め、制裁の実効性強化に努めてまいります。(拍手)
〔国務大臣古川禎久君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/16
-
017・古川禎久
○国務大臣(古川禎久君) 熊谷裕人議員にお答え申し上げます。
難民政策についてお尋ねがありました。
現在、我が国は、未曽有の人道危機に直面しているウクライナとの連帯を示すため、難民条約上の難民に該当するか否かにかかわらず、ウクライナから逃れてきた方々の受入れと支援を進めております。
法務省では、出入国在留管理制度全体を適正に機能させ、真に庇護を必要とする方々を適切に保護するとともに、送還忌避、長期収容問題という喫緊の課題を一体的に解決するため、補完的保護対象者の認定制度や送還停止効の例外の創設等を含む入管法の改正について検討を行ってまいりました。
難民政策を含め入管制度全体を適正に機能させるため、引き続き、これらの課題の一体的解決に必要な法整備に向けて着実に検討を進めてまいります。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/17
-
018・山東昭子
○議長(山東昭子君) 大塚耕平さん。
〔大塚耕平君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/18
-
019・大塚耕平
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。
ただいま議題になりました関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問します。
ロシアによるウクライナ侵攻は断じて許されません。制裁強化が必要ですが、初めに、他国との足並みを確認するために、米国、英国、EU等主要国の最恵国待遇撤回措置の現状について、総理に伺います。
次に、ロシアから輸入するエネルギー資源に対する基本税率及びWTO協定税率について伺います。
両者に差がなければ、最恵国待遇を撤回しても制裁効果は得られません。そもそも、どちらもゼロ税率のはずです。事実関係と基本的認識を総理に伺います。
エネルギー資源以外についても、基本税率及びWTO協定税率の実情、及びどのような品目にどのような効果が出ると予想しているのか、総理に伺います。
外為法改正案について伺います。
制裁対象者から第三者へ暗号資産を移転する取引等も規制対象とすること、及び、暗号資産交換業者に対し、制裁対象者に関わる移転でないことを事前に確認する義務を賦課することは理解できますが、実際にそうした取引を行っているか否か、事前確認の義務を果たしているか否かを当局は具体的にどのようにチェックするのか、その手法及び体制を財務大臣に伺います。
ロシアは、制裁を受けつつも、引き続きエネルギー資源輸出によって多額の収入を得ています。石油輸出はウクライナ侵攻前より増加し、価格高騰で収入も増加しているとの情報も聞きます。制裁によってロシアが困窮して撤退や停戦を決断するという見方は楽観的に過ぎます。
以下、制裁に関連して何点か伺います。
第一にエネルギー資源についてです。
ロシアは、世界二位の天然ガス産出国、三位の原油産出国であり、二〇二〇年の資源輸出総額は約三千三百億ドルです。二〇二一年時点で約六千億ドルの外貨準備を有しています。制裁で凍結されたドル資金は約一千億ドルと推定されますが、資源輸出が継続されれば制裁による資金凍結効果は減殺されます。
ロシアのウクライナ侵攻前のエネルギー資源輸出収入規模、そのうち制裁によって途絶した規模及び現状について、総理の認識を伺います。
G7のうちロシア産原油の禁輸措置を打ち出したのは、輸入量が少ない米国、英国、カナダのみです。EUは石炭の段階的輸入禁止を打ち出しましたが、輸入額は年間約五十億ドルにすぎません。原油と天然ガスのロシア依存を見直す方針も表明しましたが、実行は二〇二四年の話です。
欧米諸国のロシアからのエネルギー資源輸入に関する制裁の事実関係と効果について、総理の認識を伺います。
第二は資金です。
SWIFT排除に関して、ロシア最大手ズベルバンクと国策企業ガスプロムバンクは制裁対象に入っていません。日米欧諸国における両銀行に対する措置について、事実関係と各国対応の背景について、総理の認識を伺います。
国債デフォルトも起きていません。各国中央銀行がロシア政府の外貨準備を凍結したため、ロシアは米ドルを引き出せないはずですが、現実にはドルによる利払いが行われています。各国が自国の債権者への影響回避のために例外を認めているのか、ロシアが別ルートで調達しているのか、定かではありません。どのようにデフォルト回避をしているのか、政府の分析と総理の認識を伺います。
また、制裁対象は政府の外貨準備だけであり、民間金融機関保有の外貨は凍結されていません。これがロシア政府に回っている可能性もあります。ロシア民間金融機関保有の外貨について、日本国内及び国外の状況について、財務大臣に伺います。
第三は食料です。
ロシアとウクライナは小麦の世界輸出量の三割を占めます。ウクライナ危機の影響で、今年の小麦輸出量は約三百六十万トン減少すると見込まれています。両国の小麦に依存している人口は約八億人と推定されます。今後の食料不足に対する政府の認識と、需給逼迫、価格高騰に対する日本の小麦対策について、総理に伺います。
第四は米ドルについてです。
ロシアは、制裁への対抗措置として、資源輸入国に対して代金をルーブルで支払うことを求めています。米国債は中国等の海外投資家が約七・一兆ドル、約八百八十兆円を保有しています。これは、ドルの強さである一方、売却されれば弱点にもなります。
ロシアと中国は、ルーブルや人民元の外貨準備や市場におけるシェアを高め、ドルの基軸通貨としての価値低下につながる戦略を取っていると思います。総理の認識を伺います。
第五は武器です。
ウクライナ危機に伴って、各国の国防費増大傾向が顕著です。ドイツはGDP二%超を国防費に充てると宣言し、米国も二〇二三会計年度で過去最大五・八兆ドルの国防費を計上すると表明しました。武器産業の重要性も高まります。
十五世紀イタリアの政治家マキャベリは次のような言葉を残しています。戦争は、始めたいときに始められるが、やめたいときにやめられない。プーチン大統領に伝えたい言葉ですが、始めさせない抑止力と始められたときの相手に対する打撃力が国家の安全保障の要諦です。
防衛費や武器産業の世界的潮流にどのような方針で臨むのか、総理の考えを伺います。
米国では、第二次制裁、すなわちロシアと協力関係を維持する第三国にも制裁を課すことが検討されています。
一九七四年、ニクソン大統領は、キューバと貿易を継続していたバングラデシュへの食料支援を中止しました。二〇一一年、オバマ大統領は、イランから石油を購入していた日欧諸国に制裁措置を打ち出した結果、イランの財政は行き詰まり、核開発凍結に向けた交渉に応じました。
米国にはこうした成功体験がありますが、今回は事情が異なります。第二次制裁の想定対象は中国やインドです。ロシアのラブロフ外相は、今月一日、突然インド外相と会談しました。第二次制裁を念頭に、対ロ制裁に同調しないことを求めたと推測されます。
米国による第二次制裁の可能性について、現時点での総理の認識を伺います。
日本の場合、水産資源についても留意が必要です。
二〇二一年の日本のロシアからの水産物輸入額は千三百八十一億円であり、中国、チリに次ぐ第三位です。日ロ間では、北方領土沖合や、相互の二百海里水域における魚種別漁獲量等の協議が行われ、安全操業と漁業継続を担保しています。昨年は三月二十九日から四月二日まで交渉が行われましたが、今年はウクライナ危機の影響でサケ・マス漁開始日の四月十日に間に合わず、十一日にようやく始まりました。
日ロ漁業交渉の現状と見通しについて、農水大臣に伺います。
また、今回の最恵国待遇撤回で水産物の税率と輸入にどのような影響が出るか、総理に伺います。
政府はロシア産水産物の輸入禁止は行わないとしていますが、米国は輸入禁止を決めました。水産物はロシアの外貨獲得手段です。政府の方針、及び米国の第二次制裁の対象となる可能性について、総理の認識を伺います。
ロシア高官は、経済制裁に加わった日本を非友好国とし、報復措置を講じると発言しています。制裁の反射効果や対抗措置への対策について、総理の認識を伺います。
ウクライナ危機は日米欧と中ロ両国との対立構図を浮き彫りにしました。従来のグローバル化の前提は成り立ちません。食料やエネルギー資源の確保戦略、自給率向上戦略に真剣に取り組むことが急務です。
この点に関する総理の考えを伺うとともに、ウクライナ国民に連帯の意を表して、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/19
-
020・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 大塚耕平議員の御質問にお答えいたします。
主要国によるロシアへの最恵国待遇撤回の状況、ロシアからの輸入品に対する我が国基本税率とWTO協定税率の関係、そして我が国によるロシアへの最恵国待遇撤回の効果についてお尋ねがありました。
主要国の関税率の引上げに関して申し上げますと、カナダが既存の法律に基づき三月二日から、英国及び米国が立法措置等を行い、それぞれ三月二十五日、四月九日から、ロシアに対するWTO協定税率の適用を停止した上で高い関税を課しているものと承知をしております。
一方、EUは、関税率の引上げではなく輸出入禁止措置で対応する方針を表明し、三月中旬以降、様々な措置を講じております。
ロシアから輸入される主要なエネルギー資源である液化天然ガス、石炭、原油については、今回の法改正でロシアに対してWTO協定税率を適用しないこととした場合でもこれらの関税率は引き続き無税となりますが、例えば魚介類や木材の一部の品目については関税率が数%程度引き上がることとなります。
ロシアに対する制裁の効果については、輸出入禁止措置を含め、様々な措置と併せて制裁全体の中で判断していく必要があると考えております。今回の法改正は、国際社会と一致団結してロシアに対して厳しい措置をとるという我が国の意思を強く示すことで大きな意義があります。
政府として、引き続き、G7を始めとする国際社会と緊密に連携して、適切に対応してまいります。
ロシアのエネルギー資源輸出収入の現状、また、欧米諸国のロシアからのエネルギー資源輸入に関する制裁の事実関係及びその効果についてお尋ねがありました。
ロシアにおいてエネルギー資源は輸出の中核を占め、二〇二一年の輸出全体に占める割合は五割強、約二千七百億ドルであると承知をしています。
G7各国は、持続可能な代替供給を確保しつつ、ロシアのエネルギーへの依存を低減することで一致をしています。米国はロシア産原油などのエネルギー輸入禁止を、カナダもロシア産原油の輸入禁止、英国はロシア産原油、石炭の二〇二二年末での輸入禁止、EUはロシア産石炭の輸入禁止を発表したと承知をしています。
現時点では、制裁によって途絶したエネルギー分野の輸出収入の規模や制裁の効果に関する十分なデータはありませんが、これまでの各国の措置により、物価の上昇や外国企業の撤退など、様々なロシア経済への影響が出ていると認識をしています。
ロシアの二銀行に対する制裁措置とロシア国債のデフォルトについてお尋ねがありました。
ズベルバンクについては、G7の中で日本、米国、英国、カナダは資産凍結の対象としている一方で、EUはSWIFTからの排除や資産凍結の対象としておらず、ガスプロムバンクについては、英国及びカナダが資産凍結の対象としていると承知をしております。
個別の金融機関に関して、制裁の対象となった、あるいは対象とならなかった理由や、他国の対応の背景について申し上げることは控えますが、一般論として申し上げれば、各国が制裁の内容を決定するに際しては、基本的な方針をG7等で共有した上で、各国の事情も踏まえながら具体的な対象の指定等を行っているものであると認識をしております。
ロシア国債のデフォルトを回避するためにロシアがどのように償還、利払いの資金繰りを付けているのか、確たることを申し上げることは困難ではありますが、ロシアがドル建て国債の元利払いをルーブル建てで実施したことなどを受けて、主要格付会社の一つが外貨建てのロシア国債を一部デフォルトとみなす選択的デフォルトとするなどの動きもあるということを承知をしております。
ロシア国債をめぐる状況については、引き続き緊張感を持って注視をしてまいります。
今後の世界の食料不足、小麦対策についてお尋ねがありました。
ロシアによるウクライナ侵略によって、小麦を始め食料等の国際価格が高騰しており、予断を許さない状況ですが、G7と協調し、緊張感を持って、影響を受けている国々への支援を含め、食料安全保障の確保に取り組んでまいります。
輸入小麦の価格上昇等に対しては、ウクライナ情勢を受け、総合緊急対策の策定を指示したところであり、政府として、食料の安全供給対策を含め、直面する危機に緊急かつ機動的に対応するべく、四月中に具体的な対策を取りまとめてまいります。
基軸通貨をめぐる動きについてお尋ねがありました。
米ドルについては基軸通貨として広く国際的に利用されている一方、ルーブルや人民元については資本規制等がその利便性に及ぼす影響等も踏まえて見ていく必要があります。
ロシアや中国の政策について予断を持ってお答えすることは控えますが、こうした点も踏まえながら、ロシアに対する一連の制裁措置や、ロシアによる対抗措置、さらには中国の対応等が国際的な資金の流れなどに及ぼし得る影響について、引き続きしっかりと注視していく必要があると認識をしております。
ウクライナ危機に伴う各国の国防費増大等の動向についてお尋ねがありました。
今般のロシアによるウクライナ侵略を受けて、各国は、御指摘の点を含め様々な動きを見せています。
現在、新たな国家安全保障戦略等の策定に取り組んでいるところであり、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討し、防衛力を抜本的に強化をしてまいります。
また、防衛産業は我が国の防衛力の一部であり、基盤強化が急務です。防衛産業活性化のための抜本的な対策も検討してまいります。
米国による第二次制裁の可能性についてお尋ねがありました。
一刻も早い停戦を実現し、ロシアによるウクライナ侵略をやめさせるためには、国際社会が結束して強固な制裁を講じていくことが重要です。三月二十四日のG7首脳会合において、制裁回避や迂回、バックフィルは行わないことについて、G7で連携し、各国に働きかけていくことで一致をいたしました。第三国による制裁の回避や迂回を防止するための方策については、G7でも、また日米間でも様々な議論を行っていますが、米国による今後の対応を含め、外交上のやり取りであり、お答えすることは差し控えます。
今回の法改正による水産物への影響等についてお尋ねがありました。
今回の法改正により、水産物の一部の品目について、WTO協定税率に代わり国内法に基づく関税率が適用されることにより、関税率が数%程度引き上がることになりますが、この措置自体による国民生活への影響は限定的であると考えます。
水産物の対象とした、水産物を対象とした更なる制裁について、予断を持って申し上げることは控えますが、ロシアへの制裁については、G7を始めとする国際社会と緊密に連携するとともに、国民生活への影響にも目配りしながら、今後ともしっかりと対応していく必要があると考えています。
外務省を中心に、米国を含む諸外国の動向も含め、情報収集等を行うとともに、政府一丸となって必要な施策、適時適切に実行をしてまいります。
対ロ制裁の反射効果、またロシアによる対抗的な措置への対策についてお尋ねがありました。
今般のロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす行為です。一刻も早くロシアが国際社会の声に耳を傾け、侵略をやめるよう、我が国は、G7各国、国際社会とともに、ロシアに対して迅速に厳しい制裁措置を打ち出してきています。
そうした中で、ロシアが日本の国民や企業に不利益が及び得るような方針を示しており、様々な対抗措置をとる可能性があることを念頭に置きながら、強い懸念を持って注視をしていきたいと考えております。
ロシアのウクライナ侵略によってエネルギーや食料の価格が高騰し、我が国のみならず、世界各国の人々が苦しんでいます。エネルギー市場を安定化させるため、IEA加盟各国と協調し、我が国として、IEA割当て量の一・五倍の千五百万バレルを初めての国家備蓄の放出として行いました。
また、ウクライナ情勢に伴う原油価格や物価の高騰による国民生活や経済活動への影響に緊急かつ機動的に対応するための総合緊急対策を四月中に取りまとめます。国民生活を守るために、国際、国内双方で最大限の対策を迅速に講じてまいります。
食料やエネルギー資源の確保戦略、自給率向上戦略についてお尋ねがありました。
食料やエネルギーなど、国民生活にとって重要な物資が、必要なときに確実に確保できるようにすることは重要です。
食料は将来にわたって安定的に確保していくため、食料を将来にわたって安定的に確保していくためには、国内で生産できるものはできる限り国内で生産していくことが重要であり、農林水産業の成長のための投資と改革を更に進め、食料安全保障の観点も踏まえつつ、国際競争や災害にも負けない足腰の強い農林水産業を構築し、食料自給率の向上を図ってまいります。
また、今回のウクライナ侵略を受け、エネルギー安全保障の重要性を再認識しています。早急に代替策を確保し、エネルギー分野でのロシアへの依存を低下、低減させます。加えて、エネルギー自給率の向上も重要であり、再エネ、原子力などエネルギー安保及び脱炭素の効果の高い電源の最大限の活用を図ってまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/20
-
021・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 大塚耕平議員の御質問にお答えいたします。
まず、暗号資産交換業者に対する当局の対応についてお尋ねがありました。
暗号資産交換業者が事前確認義務を適切に果たしているか否かについては、必要に応じて、立入検査や報告徴求等を行うことにより、その適切な履行を確認してまいります。
また、令和四年度においても、経済安全保障やマネロン対策等のための定員を大幅に拡充しておりますが、規制の実効性を確保すべく、引き続き、体制整備も図りつつ、しっかりと臨んでまいります。
最後に、ロシア民間金融機関保有の外貨についてお尋ねがありました。
ロシア中央銀行の公表資料によれば、対外融資等を含め、ロシアの銀行セクターが保有する対外資産については、日本向けの対外資産は約一・八億ドル相当、全世界向けの対外資産は約二千億ドル相当で、うち九割程度は外貨建て、ただし、外貨建ての資産の日本国内、国外の内訳は明らかにされていないと承知をいたしております。
なお、ロシア中央銀行の外貨準備に加えて、制裁対象となっている民間金融機関保有の外貨につきましても、G7を始めとする各国において資産凍結の対象になっているものと承知をしております。(拍手)
〔国務大臣金子原二郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/21
-
022・金子原二郎
○国務大臣(金子原二郎君) 大塚耕平議員の御質問にお答えいたします。
日ロ漁業交渉についてのお尋ねがありました。
日ロサケ・マス漁業交渉につきましては、十一日から日ロ漁業合同委員会を開催しまして、日本漁船による日本水域でのロシア系サケ・マスの操業条件等について協議を行っているところであります。
交渉の見通しにつきましては、現在交渉中であるため、予断を持ってお答えすることは差し控えますが、日本の漁業者が受入れ可能な操業条件等が確保されるよう、しっかりと交渉に当たってまいりたいと考えています。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/22
-
023・山東昭子
○議長(山東昭子君) 浅田均さん。
〔浅田均君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/23
-
024・浅田均
○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案について質問いたします。
初めに、関税暫定措置法改正について質問します。
本改正に伴う日本の関税収入の増加予想額、及びロシアが対抗措置を講じた場合、日ロのどちらに関税上の影響が大きいのかという問いに対し、四月一日の本会議において、鈴木大臣は、ロシアが代わりにどのような関税率を適用するのか不明であることからお答えをするのは困難と答弁されていますが、関税増による国内での物価上昇が消費に与える影響についてどのようにお考えか、財務大臣の認識をお伺いいたします。
また、今お尋ねした貿易収支と民間消費への影響により、我が国のGDPにどれだけのマイナス効果をもたらすとお考えか、財務大臣にお伺いします。
先般、総理は、ロシアからの輸入全体の一八%を占める石炭輸入を段階的に削減し、最終的に禁止する措置を発表しました。そうした措置及び本改正によりロシア経済が被る影響をどのようにお考えか、総理の認識をお伺いいたします。
次に、外為法改正についてお伺いいたします。
今般、パリに本部を置くFATF、ファイナンシャル・アクション・タスク・フォース、FATF、マネーロンダリングに関する金融活動作業部会の勧告により、暗号資産交換業者に対して、暗号資産の送信者と受信者に対し、該当する顧客情報を両取引所間で共有するという厳しいルールが適用されることとなったため、個人情報の捕捉が可能になりましたが、交換業者を介さない個人間の直接取引の場合には捕捉が可能なのでしょうか。総理の認識をお伺いいたします。捕捉が難しい場合には、実質的に制裁が効かないケースも想定されますが、どのように対応されるつもりかも併せて答弁願います。
政府は、三月一日、ウクライナに軍事侵攻するロシアへの制裁として、ロシア中央銀行が日本国内に持つ資産を凍結すると発表しました。
松野官房長官は、ロシア中銀が日銀に保有する円建て外貨資産について約三・八兆円規模に上ると明らかにされましたが、ロシアの外貨準備は、実際には国債若しくは民間銀行で運用されているのではないでしょうか。そうした場合、資産を凍結することができるのでしょうか。ロシアの外貨準備の運用状況及び凍結による効果について、総理の答弁を求めます。
各国がこうした措置を協調して行えば、通常はルーブルを買う原資が凍結されるわけですから、ルーブル安を防ぐことができません。そして、ルーブルが急落すれば、ロシアでのインフレが加速し、景気悪化や国民の不満を招くことになると想定されます。しかし、現在のところ、ルーブル安はそうした想定どおりには推移していません。
ウクライナへの侵攻後、ルーブル相場は一ドル百五十ルーブルまで下落しましたが、三月末に九十ルーブルに上昇し、現在は八十ルーブル前後で取引されており、侵攻前の水準に戻っています。その原因は何か、総理の認識をお伺いいたします。
ロシアの銀行が、外国企業が振り込んだ外貨をルーブルに替えて自国企業に支払うということを行うことにより、結果としてルーブルが買われ、ルーブルの安定につながっていると考えられますが、現時点でロシアの銀行がロシア国内で保有しているドルの残高はどのぐらいあるとお考えか、総理の認識をお伺いいたします。
あわせて、資源大国であるロシアは、ロシア中銀が金を購入することにより、ルーブルを金と結び付け、ルーブルの信用を金で担保する、言わば金本位制を実行している向きもありますが、こうしたロシアの対抗策に対して、G7を始め我が国は経済制裁の実効性を一層高めるためにどのような対応策を考えているのか、総理にお伺いいたします。
ロシアの侵略が長期化する中、ロシアに対する制裁はどんどん強化されています。経済制裁を行うことは、当然、ロシアの報復措置等による我が国へのマイナスの影響もあるわけですが、総理は、ロシアへの経済制裁と我が国の経済成長を両立させることは可能とお考えでしょうか。あるいは、日本経済にとってはマイナスとなることは避けられないとお考えでしょうか。総理の認識をお尋ねいたします。
これまで政府は、経済制裁に関し、国連安保理決議などがあるとき、あるいは日本の平和や安全の維持のために特に必要があるときなどの場合に、外為法に基づいて経済制裁を発動できるとしていましたが、今回は、国連安保理が機能しない中、G7主導で実施された対ロ経済措置に我が国が追随するという形で制裁を行ってきました。
もちろん、日本単独で経済制裁などの措置を講じても、それをはるかに上回るような報復措置がなされ、結果としては国益を大きく損なう可能性もあり、効果は期待しにくいといった面もあります。しかしながら、多くの国が歩調を合わせることにより効果は上げられます。主要国がそれぞれ制裁手段を持ち、必要に応じて各国が協調して発動するという体制を我が国として整えるべきであると考えます。
そこで、人権侵害に関与した外国当局者らに制裁を科すことができる、いわゆる人権侵害制裁法についてお伺いいたします。
米英やカナダ、EUなど、ほとんどの主要先進国が制定している人権侵害制裁法について、岸田総理は昨年十二月、超党派での議論をよく見守り、これまでの日本の人権外交を踏まえて引き続き検討していくと述べられましたが、ロシアが戦争犯罪を続けている現状も踏まえ、今こそ政府として主体的に人権侵害制裁法制定を検討すべきと考えますが、総理の現在の考えをお伺いいたします。
罪のない市民が巻き込まれている悲惨な現状を見るにつけ、長期化する戦争を一刻も早く終結させる必要があるとの思いを強くします。NATOあるいはアメリカは、第三次世界大戦に拡大するおそれがあることから、ロシアを直接攻撃することをせず、ウクライナへの武器提供等にとどめています。仮にNATOあるいはアメリカが、ロシア本土ではなく、ウクライナに展開しているロシア軍に核ではない通常兵器で攻撃した場合、ロシアがNATO、アメリカあるいはウクライナに核で反撃する可能性について、総理はどのように分析していますか。お答えください。
今回のロシアによるウクライナ侵略は、ロシアと国境を接している我が国にとって他人事ではありません。加えて、我が国は、核保有国である北朝鮮、中国をも隣国に持っています。北朝鮮の長距離弾道ミサイルがニューヨークに届くようになり、中国がICBM戦力の急激な増大と戦域核戦力を増大している今、我が国がウクライナと同じような状況になった場合、アメリカは果たして侵略国に反撃してくれるのか、多くの国民が不安になっています。日米同盟に基づき、アメリカが、日本への武器提供等のみならず、侵略国を直接攻撃してくれるという保証はどこにあるのでしょうか。総理の認識をお伺いいたします。
核抑止力とは、相手に第一撃を思いとどまらせることができるかという視点で考えられるべきものであります。様々なレベルでの核シェアリングを同盟国と検討すること、そのこと自体が核抑止力の効果を高めることになると考えます。総理が核シェアリングについて、政府として議論することは考えていないと発信すること自体、敵国からすればその分、核抑止力の効果を薄めているという認識はありませんか。総理の認識をお伺いして、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/24
-
025・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 浅田均議員にお答えいたします。
石炭禁輸措置及び今回の関税暫定措置法改正によりロシア経済が被る影響についてお尋ねがありました。
ロシア産の石炭の禁輸措置や今回の関税暫定措置法の改正は、国際社会と一致団結してロシアに対して厳しい措置をとるという我が国の意思を強く示すものであり、大きな意義があると考えております。
これらの措置がロシア経済に与える影響については、他の輸出入禁止措置を含めた制裁措置全体の中で判断していく必要があると考えており、引き続き、G7を始めとする国際社会と緊密に連携をして、ロシアに対する国際的な経済制裁の実効性を確保するべく努めてまいります。
個人間のこの暗号資産の取引への対応についてお尋ねがありました。
御指摘のとおり、暗号資産交換業者を介さない取引の把握の難しさは国際的にも指摘をされており、どのように対応するかは各国共通の課題であると認識をしています。適切な対応の在り方について、引き続き、国際的な場において議論をしてまいります。
その上で、今般の外為法の改正は、三月十一日のG7首脳声明を踏まえ、暗号資産交換業者を介した取引を規制の対象とすることで、暗号資産が制裁の抜け穴として悪用されないよう、できる手当てを速やかに講ずるものであります。
引き続き、G7を始めとする国際社会と緊密に連携して、制裁の実効性を高めるべく、適切に対応してまいります。
ロシアの外貨準備や、通貨ルーブルの価値、経済制裁の実効性を高めるための対応策等についてお尋ねがありました。
ロシアを含め、他国の外貨準備の我が国における保管、運用状況について開示することは差し控えますが、今般のロシア中央銀行に対する制裁措置により、民間金融機関も含めて日本に所在する銀行が同行と取引を行うことは禁止されています。
ルーブル相場については、足下では、議員御指摘のとおり回復してきておりますが、これは、ロシアの輸出企業に対する外貨売却の義務付けや国民に対するルーブルの外貨への両替停止など、ロシア当局の措置により相場が支えられている側面も大きいと理解をしています。他方、いわゆる闇市場においては大幅な安値でルーブルが取引されているという指摘があるということも聞いております。
ロシアの銀行がロシア国内で保有しているドルの残高は把握はしておりませんが、ロシア中央銀行が保有する金については、G7で足並みをそろえて、ロシア中央銀行に対する取引制限等を行うことで金の取引を阻止する措置を講じております。
あわせて、ロシアの一部銀行の資産凍結等やSWIFTからの排除を実施してきているところであり、引き続き、G7を始めとする国際社会と緊密に連携をして、制裁の実効性を高めるべく適切に対応してまいります。
ロシアへの経済制裁と日本の経済成長についてお尋ねがありました。
今般のロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす行為です。一刻も早くロシアが国際社会の声に耳を傾け、侵略をやめるよう、我が国はG7各国、国際社会とともにロシアに対して迅速に厳しい制裁措置を打ち出しています。
ロシアのウクライナ侵略によってエネルギーや食料の価格が高騰しています。我が国のみならず、世界各国の人々がガソリン価格、電気代、食料価格などの高騰に苦しんでいます。
エネルギー市場を安定化させるため、IEA加盟各国と協調し、我が国として、IEA割当て量の一・五倍の千五百万バレルを初めての国家備蓄の放出として行いました。また、ウクライナ情勢に伴う原油価格や物価の高騰等による国民生活や経済活動への影響に緊急かつ機動的に対応するための総合緊急対策を四月中に取りまとめます。
国民生活を守るため、国際、国内双方で最大限の対策を迅速に講じてまいります。
人権侵害制裁法整備についてお尋ねがありました。
私の内閣では、人権を始めとした普遍的価値を守り抜くことを重視しており、初めて任命した専任の補佐官とともにしっかりと取り組む覚悟です。深刻な人権侵害については、省庁横断的に取り組むとともに、米国などの同盟国、同志国と緊密に連携してしっかりと声を上げていきます。
我が国は、今回のロシアによるウクライナ侵略を受けて、G7を始めとする国際社会と緊密に連携をし、迅速に厳しい措置を打ち出しています。その上で、人権侵害制裁法整備については幅広い理解を、理解が重要との観点から、超党派での議論が進んでいると承知をしています。その議論をよく見守るとともに、これまでの日本の人権外交を踏まえ、引き続き検討してまいります。
ロシアの核兵器による反撃の可能性、日米同盟に基づく米国の防衛義務、核シェアリングと核抑止力についてお尋ねがありました。
NATOや米国がウクライナに展開したロシア軍を攻撃した場合、それに対しロシアが核兵器で反撃する可能性といった仮定の質問にお答えすることは控えますが、いずれにせよ、唯一の被爆国として、核兵器による威嚇も、ましてや使用もあってはならないということを引き続き強く訴えてまいります。
いわゆる核共有については、非核三原則の堅持や原子力基本法を始めとする法体系との関係から認められず、政府としては議論を行うことは考えておりません。
その上で、米国は、累次の機会に日米安保条約の下での自国の対日防衛義務や日本への拡大抑止の提供を確認してきており、このことは本年一月の日米首脳テレビ会談及び日米2プラス2においても改めて表明されています。日本としては、米国が核を含むあらゆる種類の能力を用いて条約上の義務を果たすことに全幅の信頼を置いています。
日米間では、核抑止を含む米国の拡大抑止に関し、日米拡大抑止協議の場を含め様々なやり取りを行ってきており、引き続き、米国の拡大抑止の信頼性の維持強化に向け、日米間でしっかりと協議を行ってまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/25
-
026・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 浅田均議員の御質問にお答えいたします。
本法案による関税率引上げの影響についてお尋ねがありました。
今回の法改正により、例えばロシアからの魚介類や木材の一部の品目について、WTO協定税率に代わり国内法に基づく関税率が適用されることにより、関税率が数%程度引き上がることになりますが、この措置自体による影響は限定的であると考えております。
また、GDPへの効果について定量的にお示しすることは困難ですが、この措置を含め、ロシアによるウクライナ侵略をめぐる影響全般について、今後とも注視をしてまいりたいと思います。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/26
-
027・山東昭子
○議長(山東昭子君) 大門実紀史さん。
〔大門実紀史君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/27
-
028・大門実紀史
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
会派を代表して、関税暫定措置法及び外為法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
ロシア・プーチン政権による残虐なウクライナ侵略を一刻も早くやめさせなければなりません。そのためには、国際社会が侵略やめよの世論を更に強め、プーチン政権を包囲することが何より重要です。
政府は、ウクライナからの避難民への物資輸送のために自衛隊機の周辺国への派遣を検討していると聞きます。なぜ民間のチャーター機ではなく、自衛隊機でなければならないのでしょうか。日本は憲法九条を持つ国です。非軍事の人道的支援に全力を尽くすべきであります。
経済制裁も重要ですが、真に実効性のある措置でなければ意味がありません。今回の改正案の柱の一つは、外為法の改正によるプーチン政権中枢への金融面からの制裁措置です。
プーチン大統領を含む政権幹部と並んで制裁の対象となっているのが、ロシアの財閥グループ、オリガルヒです。オリガルヒとは、ギリシャ語で少人数が権力を握る政治体制、つまり寡頭支配を意味します。ロシアでは、ソ連崩壊後の一九九〇年代、国営企業が民営化される過程で巨万の富を築いた人たちが政治的にも大きな影響力を持ち、オリガルヒと呼ばれました。二〇〇〇年に大統領に就任したプーチンはオリガルヒの排除を進めましたが、自分に忠誠を誓う者には利権の継続を許し、見返りにプーチン政権を資金面で支えるよう求めたと言われています。
オリガルヒの経済基盤を崩せば、プーチン政権に打撃を与えることは間違いありません。政府は既にオリガルヒとその家族を含む経済関係者四十九人に対し資産凍結などの経済措置を閣議決定しています。また、オリガルヒは、手持ち資金を仮想通貨など暗号資産に替えた上で海外の不動産を購入する動きを見せています。今回の外為法の改正で、暗号資産も凍結の対象にするのは当然のことです。
一方、今週、四月十二日、国際調査報道ジャーナリスト連合、ICIJは、ロシアの富裕層が、タックスヘイブン、すなわち富裕層の税逃れや資金洗浄に悪用される租税回避地に資産を移動していることを明らかにしました。プーチン大統領を含む政権中枢や、オリガルヒの資産の多くはタックスヘイブンに存在すると考えられます。
この間、タックスヘイブンに対しては、各国の税務当局間の情報交換やペーパーカンパニーへの不正などの対策が進められてきました。この点で日本も一定の役割を果たしてきたことは承知をしております。
しかし、まだまだ抜け道だらけです。ロシアへの経済制裁を実効性のあるものにするためにも、鈴木財務大臣、G20において、タックスヘイブンにおける資産凍結を含め対策の強化を急ぐよう日本から各国に提案すべきではありませんか。答弁を求めます。
急激な物価高騰が国民生活を直撃しています。
物価の引下げに直接的な効果があるのは消費税の減税です。世界では既に八十三の国や地域が何らかの形で付加価値税の減税に踏み出しています。
岸田総理は、社会保障の財源だからと消費税減税を拒否してきましたが、社会保障の財源は、所得の再分配という点からも、消費税ではなく、利益を拡大している大企業や富裕層に求めるべきです。今こそ消費税の五%への減税を決断すべきだと考えますが、総理の認識を伺います。
中小企業の多くが苦境に追い込まれている中、インボイス制度の導入など、きっぱり中止すべきではないでしょうか。鈴木財務大臣の答弁を求めます。
年金の減額も直ちに中止すべきではありませんか。総理の答弁を求めます。
現在の物価高は、賃金が上がらないのに物価だけが上がる悪い物価上昇です。したがって、賃金引上げも急ぐ必要があります。中小企業への手厚い支援とセットにした最低賃金の大幅な引上げが急務だと考えますが、総理の認識を伺います。
現在の物価高騰は、三つの要因が複合的に重なったものです。
第一に、新型コロナからの経済回復に伴う世界的な需要増によって、原油や小麦など、穀物価格が上昇いたしました。
第二に、ロシアのウクライナ侵略によって、エネルギーや小麦価格などが更に上昇しました。
これらのことは、エネルギーや食料を外国に頼ることがどんなに危ういかを改めて私たちに示したのではないのでしょうか。
今こそ、省エネルギー、再生可能エネルギーの大規模推進によるエネルギーの自給や食料自給率の向上に真剣に取り組むべきです。総理の認識を伺います。
第三に、物価を押し上げる要因となったのが日本銀行による異次元の金融緩和政策です。円安を誘導したことによって輸入品の価格が上昇し、物価全体を押し上げました。一体いつまでこんな政策を続けるんでしょうか。
二〇一三年の安倍政権と日銀の共同声明によってスタートした異次元の金融緩和政策は、二%の物価上昇目標を掲げ、日銀が大規模に国債を買い入れ、代わりに円を大量に世の中に供給する。そうすればデフレを克服して景気も良くなるだろう、そんなシナリオでした。しかし、金融緩和で大量に供給されたマネーは株式市場に流れ込み、株価をつり上げて大株主と大企業を大もうけさせただけで、実体経済は少しも良くなりませんでした。
しかも、これ以上異次元の金融緩和に固執すると、今の物価高騰が一時的なものにとどまらず、経済停滞の下で物価だけが上昇し続ける悪性インフレにつながりかねません。今こそ異次元の金融緩和からの転換を明確にし、金融政策の正常化に踏み出すべきです。
第一に、もはや何の意味もない二%の物価上昇目標を取り下げることです。
第二に、日銀の国債保有残高を減少させる方向に明確にかじを切ることです。
第三に、政策転換時に、国債の空売りなどでもうけを狙う海外投機筋の動きを牽制する特別措置をとることです。
第四に、日銀が巨額に保有している国債などについては、長期的な市場への売却計画をはっきり示し、市場との意思疎通、理解の促進に尽力をすべきです。長期保有の投資家を優遇して国債などを購入してもらう措置も検討されるべきでしょう。
これらのことは何度も日銀に提案してきましたが、もはや日銀は自分の判断では政策転換ができない行き詰まり状態に陥っています。
そもそも、安倍元首相がわざわざ日銀総裁を替えてまで政治主導で始めた異次元の金融緩和政策です。岸田総理の責任で異次元の金融緩和政策を転換し、金融政策の正常化に踏み出すべきではありませんか。総理の答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/28
-
029・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 大門実紀史議員の御質問にお答えをいたします。
ウクライナへの物資輸送のための自衛隊機派遣についてお尋ねがありました。
今回のロシアによるウクライナ侵略に対しては、国際社会が結束して対応することが重要です。現時点で自衛隊機の派遣について具体的に決まったことはなく、御指摘の点についてお答えできる段階にはないということは御理解いただきたいと思います。
いずれにせよ、我が国は合計二億ドルの緊急人道支援等を実施しており、今後も、G7を始めとする国際社会と連携しながら、ウクライナ及び避難民を受け入れる近隣国に寄り添った支援を実施してまいります。
消費税、消費税減税等についてお尋ねがありました。
消費税については社会保障の財源として位置付けられており、当面、消費税について触れることは考えてはおりません。
また、公的年金制度については、将来世代の負担が過重なものとなることを避けつつ、長期的な給付と負担のバランスを確保する仕組みとしており、この仕組みの下で年金を支給してまいりたいと考えています。
最低賃金については、賃上げ税制の拡充や下請対策の強化等により、中小企業・小規模事業者を含め、広く賃上げしやすい環境を整備しつつ、できる限り早期に全国加重平均千円以上となるよう取り組んでいきます。
いずれにしても、現下のウクライナ情勢に伴う原油価格や物価の高騰等に対しては、総合緊急対策を四月中に取りまとめ、国民生活や経済活動への影響に緊急かつ機動的に対応してまいります。
エネルギー自給率や食料自給率の向上についてお尋ねがありました。
物価の高騰が続く中、省エネの推進や再エネの導入拡大を通じたエネルギー自給率の向上や、食料自給率の向上を図ることはますます重要です。
このため、省エネについては、設備導入補助金などの支援措置や省エネ法による規制的措置を通じて、高効率な機器、設備の普及や、住宅、建築物のゼロエネルギー化を推進してまいります。
また、再エネについては、国民負担の抑制と地域との共生を図りながら、住宅、建築物への太陽光の導入や洋上風力の案件形成などに官民が連携して取り組んでまいります。
そして、食料を将来にわたって安定的に確保していくためには、国内で生産できるものはできる限り国内で生産していくことが重要であり、農林水産業の成長のための投資と改革を更に進め、国際競争や災害にも負けない足腰の強い農林水産業を構築し、食料自給率の向上を図ってまいります。
金融政策についてお尋ねがありました。
岸田内閣において、平成二十五年の政府、日銀の共同声明が再確認され、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現に向け、今後とも緊密に連携して取り組んでいくこととしております。この共同声明の考え方に沿って、日銀の金融政策は二%の物価安定目標の実現のために行われており、為替を誘導するために行われているものではないと承知をしています。また、足下の物価上昇は、為替の影響もあるものの、主には原油を始めとする世界的な原材料価格の高騰等を背景としたものであると認識をしております。
金融政策の具体的な手法については日銀に委ねられるべきであると考えておりますが、日銀におかれては、引き続き、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、物価安定目標の実現に向けて努力されることを期待しております。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/29
-
030・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 大門実紀史議員の御質問にお答えいたします。
まず、いわゆるタックスヘイブンの対応策、対応強化についてお尋ねがありました。
タックスヘイブンに限らず、制裁回避やマネーロンダリングといった不正な資金移動を防止するためには、法人に関する情報の透明性を向上させることが重要です。こうした観点から、本年三月にFATFの国際基準が強化され、法人の実質的支配者の透明性向上のため、法人自身にその情報を取得させ、公的機関に登録させることなどが各国に求められることとなりました。
FATFの国際基準は、G20はもとより世界の多くの国に適用されるものであり、日本といたしましても、各国と連携しながら、実質的支配者の透明性向上のため、国際基準の実施推進を呼びかけてまいりたいと思っております。
最後に、インボイス制度についてお尋ねがありました。
インボイス制度は、複数税率の下で適正な課税を行うために必要なものと考えております。その上で、小規模事業者などの免税事業者については、いわゆるBツーC取引を行う事業者等に対してはインボイスの交付を求められることはなく、全ての免税事業者について影響があるわけではありません。
また、制度の円滑な移行を図る観点から、十年間の十分な経過措置を設けているほか、インボイス制度の対応も見据えた中小企業のデジタル化や、インボイス発行の事業者となる免税事業者の販路開拓などを支援することといたしております。
今後とも、制度の円滑な移行に向けて、関係省庁で連携しながら、これらの支援策や制度の周知、広報を始めとした取組を丁寧に進めてまいりたいと思います。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/30
-
031・山東昭子
○議長(山東昭子君) これにて質疑は終了いたしました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/31
-
032・山東昭子
○議長(山東昭子君) 日程第一 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員長古川俊治さん。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔古川俊治君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/32
-
033・古川俊治
○古川俊治君 ただいま議題となりました法律案につきまして、地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、地域の自主性及び自立性を高めるための改革を総合的に推進するため、地方公共団体等の提案等を踏まえ、都道府県から指定都市への事務、権限の移譲を行うとともに、地方公共団体に対する義務付けを緩和する等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、地方分権改革の意義と提案募集方式の課題、応急仮設建築物の存続期間延長に当たっての安全性の担保、地縁団体の役割と合併規定等の整備による効果、難病患者等の医療受給者証に関する見直しの内容の周知等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/33
-
034・山東昭子
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/34
-
035・山東昭子
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/35
-
036・山東昭子
○議長(山東昭子君) 日程第二 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案
日程第三 裁判官の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上両案を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。法務委員長矢倉克夫さん。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔矢倉克夫君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/36
-
037・矢倉克夫
○矢倉克夫君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案は、近年の事件動向及び判事補の充員状況を踏まえ、判事補の員数を四十人減少するとともに、裁判所の事務を合理化し、及び効率化することに伴い、裁判官以外の裁判所の職員の員数を二十六人減少しようとするものであります。
次に、裁判官の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案は、裁判官について育児休業の取得回数の制限を緩和しようとするものであります。
委員会におきましては、両法律案を一括として議題とし、裁判所職員の定員の在り方、家事事件数の増加に伴う人的体制整備の必要性、裁判官の勤務実態を把握する必要性、裁判所における育児休業取得の現状と今後の取組等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表し山添委員、沖縄の風を代表し高良委員より、それぞれ裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に反対、裁判官の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案に賛成する旨の意見が述べられました。
討論を終局し、順次採決の結果、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案は多数をもって、裁判官の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案は全会一致をもって、それぞれ原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
以上、御報告いたします。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/37
-
038・山東昭子
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
まず、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/38
-
039・山東昭子
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
次に、裁判官の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/39
-
040・山東昭子
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/40
-
041・山東昭子
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
国会法及び国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/41
-
042・山東昭子
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長福岡資麿さん。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔福岡資麿君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/42
-
043・福岡資麿
○福岡資麿君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、文書通信交通滞在費に関し、その名称を調査研究広報滞在費に改め、国政に関する調査研究、広報、国民との交流、滞在等の議員活動を行うために支給することとするとともに、日割計算による支給の導入について定めようとするものであります。
委員会におきましては、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/43
-
044・山東昭子
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/44
-
045・山東昭子
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
本日はこれにて散会いたします。
午後零時十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815254X01720220415/45
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。