1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年三月二十三日(水曜日)
午前十時開会
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委員の異動
三月十五日
辞任 補欠選任
和田 政宗君 山本 順三君
塩村あやか君 吉田 忠智君
宮口 治子君 石川 大我君
三月二十二日
辞任 補欠選任
有村 治子君 清水 真人君
佐藤 正久君 竹内 功君
徳永 エリ君 森本 真治君
三月二十三日
辞任 補欠選任
小川 克巳君 こやり隆史君
竹内 功君 佐藤 正久君
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出席者は左のとおり。
委員長 青木 一彦君
理 事
青山 繁晴君
今井絵理子君
北村 経夫君
勝部 賢志君
高瀬 弘美君
大塚 耕平君
清水 貴之君
委 員
石田 昌宏君
猪口 邦子君
小川 克巳君
加田 裕之君
こやり隆史君
佐藤 正久君
清水 真人君
滝沢 求君
竹内 功君
鶴保 庸介君
比嘉奈津美君
藤井 基之君
本田 顕子君
松山 政司君
山本 順三君
石川 大我君
羽田 次郎君
森本 真治君
森屋 隆君
吉田 忠智君
河野 義博君
宮崎 勝君
榛葉賀津也君
石井 苗子君
鈴木 宗男君
井上 哲士君
紙 智子君
伊波 洋一君
ながえ孝子君
国務大臣
外務大臣 林 芳正君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(沖縄及
び北方対策)) 西銘恒三郎君
事務局側
第一特別調査室
長 岩波 祐子君
政府参考人
内閣府大臣官房
審議官 望月 明雄君
内閣府沖縄振興
局長 水野 敦君
内閣府北方対策
本部審議官 伊藤 信君
外務省大臣官房
地球規模課題審
議官 赤堀 毅君
外務省大臣官房
審議官 徳田 修一君
外務省大臣官房
参事官 實生 泰介君
外務省大臣官房
参事官 北川 克郎君
外務省アジア大
洋州局南部アジ
ア部長 加納 雄大君
外務省中東アフ
リカ局長 長岡 寛介君
外務省国際協力
局長 植野 篤志君
厚生労働省大臣
官房総括審議官 達谷窟庸野君
水産庁資源管理
部長 藤田 仁司君
経済産業省大臣
官房審議官 矢作 友良君
中小企業庁事業
環境部長 飯田 健太君
国土交通省大臣
官房審議官 石原 大君
環境省大臣官房
審議官 松本 啓朗君
参考人
独立行政法人国
際協力機構理事 中村 俊之君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に
関する調査
(政府開発援助等の基本方針に関する件)
(沖縄及び北方問題に関しての基本施策に関す
る件)
○沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/0
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001・青木一彦
○委員長(青木一彦君) ただいまから政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
委員の異動について報告いたします。
昨日までに、宮口治子君、塩村あやか君、和田政宗君、有村治子君、佐藤正久君及び徳永エリ君が委員を辞任され、その補欠として石川大我君、吉田忠智君、山本順三君、清水真人君、竹内功君及び森本真治君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/1
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002・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官望月明雄君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/2
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003・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/3
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004・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に独立行政法人国際協力機構理事中村俊之君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/4
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005・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/5
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006・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に関する調査を議題とし、政府開発援助等の基本方針に関する件及び沖縄及び北方問題に関しての基本施策に関する件について質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/6
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007・猪口邦子
○猪口邦子君 恐れ入ります。私は、自由民主党、猪口邦子です。
外務大臣は、この連休を活用して、重要な海外出張、トルコとUAE、アラブ首長国連邦にされました。
トルコは、ウクライナへのロシアの軍事侵略に対して、最初の両外相を自国内に呼んでの仲介会合を三月十日、ここで開催しており、外交的解決への重要な役割を果たしていくと思いますが、大臣のお考えを伺いますとともに、日本からも広い意味での協力や支援も含め考えなければならないかと思いますので、お考えを伺います。
また、UAEは日本のエネルギー安全保障の観点から大切でありますけれども、実は私は、少し別の観点ですが、自民党一億総活躍推進本部長として選択的週休三日制を推進しています。報道で知りましたが、UAEは世界に先んじて週休二・五日制を電撃的に最近導入したとのこと。今後、日本とUAEの二国間関係において、エネルギー問題を超えた社会発展やSDGsの協力関係、こういうことを築く可能性もあるのか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/7
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008・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 三月の十八日から二十一日の日程で、ウクライナ、ロシア双方との緊密な関係に基づき仲介努力を行っているトルコ、そして、今月の安保理議長国であり、かつOPECプラスの主要メンバーとして重要な役割を担うUAEそれぞれと、目下のウクライナ情勢とそれに伴う原油価格高騰の問題につき連携を確認でき、非常に有意義であったと考えております。
まず、トルコでございますが、チャブシオール大臣からトルコの外交努力についてかなり突っ込んだ詳細な説明をいただいた上で、ロシアによる侵略が、ウクライナの主権及び領土の一体性を侵害し、武力の行使を禁ずる国際法の重大な違反であると、この認識で一致をいたしまして、緊密な連携を確認をすることができたところでございます。
また、UAEでございますが、今、猪口委員、自民党一億総活躍推進本部長ということで、私も参議院時代はお世話になりましたけれども、この週休二・五日制というのはちょっと事前に私も承知をしておりませんでしたのでそのこと自体には話題は及びませんでしたけれども、まずはロシアによるウクライナ侵略に対する日本の確固たる立場をお伝えし、国際場裏での協力、これを確認することができたところでございます。
それに加えて、今般の原油価格高騰を踏まえた国際原油市場の安定化、これ働きかけをいたしまして、UAE側からは、日本を強く支えていきたいとの心強い考えが示されたところでございます。
また、このUAEとの間で二〇一八年の四月に両国で発表されました包括的・戦略的パートナーシップ・イニシアティブ、これの下で、まさに今委員から御指摘がありましたように、伝統的なエネルギー分野における協力に加えて、再生可能エネルギー、それから水素、アンモニアを始めとする脱炭素燃料、さらには科学技術、教育、インフラ、宇宙等の幅広い分野での協力を進めて、次の五十年に向けて両国間の協力を一層強化していくということを確認をしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/8
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009・猪口邦子
○猪口邦子君 大臣、ありがとうございます。今後でも、この週休二・五日制、こういう努力によってむしろ競争力は高まるとUAEでは言っていますので、フォローアップをしていただければ有り難いと思います。
それでは、開発援助につきまして大臣所信を伺いましたのでお伺いするんですけれども、まず、ロシアのウクライナ侵略、これは厳しく非難すると明言されまして、経済制裁、これは非軍事的対応のメソッドでありまして、これの中枢を日本は担ってきて、さらに一億ドル規模の借款と一億ドルの緊急人道支援、電光石火の対応であったかなと思うんですね。
岸田政権は聞く力、そして大臣、大臣としてはその成果を具体的な政策執行能力にばっと生かしていくということで、有り難いと思っております。UNHCR議員連盟の事務局も務めていますけれども、このように、戦争の人道災害の面に焦点を当てた、これは大変重要で、しかも早くこれをなし得た我が国の対応に感謝したいと思いますが、今まではツーリトル・ツーレートとよく言われるわけですけれども、今後は是非、地理的にはウクライナ遠くても支援の距離は近いんだという感じで、ツーリトル・ツーレートじゃなくてジャパン・スピーディー・アウトリーチ、こういう形でばっと対応するという流れをつくっていただきたいと思うんです。
そこで、私は一つお伺いしたいのは、クラスター爆弾禁止条約というのがあります。ロシアがクラスター爆弾を先日使ったとある駐日大使から伺いました。これは特定通常兵器の一種で、完全禁止の国際法が存在します。もしそのような事実があるとすれば、停戦交渉の結果ウクライナに平和が戻ったとしても、農村、農業の復活、その大前提が崩れて、特に、一つの爆弾からもうたくさんの小さな爆弾が飛び散りまして、これは爆発性戦争残存物と呼ばれる、国際法の分野でエクスプローシブ・レムナンツ・オブ・ウオー、ERWと呼ばれるもので、この除去をウクライナ政府が行わなければならなくなります。
安全な大地回復のために、例えば対人地雷などについてかつて我が国は金属探知機搭載したロボットで地雷原を爆破して安全な大地を回復するのに手伝ったこともありますけれども、このような支援、ODAの枠で可能でしょうかということもお伺いしたいし、まさにジャパン・スピーディー・アウトリーチのために、戦争まだやっていますけれども、戦後是非考えていただいて、停戦合意の翌日には岸田総理からそのような努力をみんなでやっていこうと発表してもらって日本に続けと世界を諭していく、こういう展開を外務大臣として準備していただきたいと思います。
G7議長国、来年日本が務めますので、そのような観点からも、戦後復興の支援、特にERWの除去などを含めてちょっと考えていただけないかとお願いしたいんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/9
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010・林芳正
○国務大臣(林芳正君) ロシア軍はウクライナ各地で大変激しい攻撃を続けておりまして、学校、病院、住宅等も攻撃し、多数の民間人に死傷者が発生しております。また、民間人や民間施設への攻撃、これはもう釈迦に説法ですが、国際法違反であり、断じて正当化できないものであり、強く非難をするところでございます。
また、今お話のありましたこのロシア軍のクラスター弾の使用でございますが、国際人権団体でありますヒューマン・ライツ・ウオッチ、これがロシア軍が繰り返しクラスター弾を使用した攻撃を行っている旨発表していると承知をしておりまして、強い懸念を持って状況を注視しております。
そして、今お話のありましたあるべきウクライナの復興支援という将来の問題に現時点で具体的にお答えするということは大変難しいわけですが、まず、復興のこの大前提としてロシアにまずはこの侵略を止めさせなければならないと考えております。我が国としては、ロシアが国際社会の声に耳を傾けるよう、引き続きG7始めとする国際社会と連携して適切に対応してまいりたいと考えております。
我が国はウクライナの国民と共にあり、ウクライナ及び周辺国に寄り添った支援を引き続き実施していく考えでございます。ウクライナの復興支援段階を含めて、それぞれの局面で、我が国の得意分野生かしながら、我が国ができることについて不断の検討を続けてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/10
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011・猪口邦子
○猪口邦子君 外務大臣、ありがとうございます。
戦時中からやはり戦後、これを展望する、外務大臣きっとそれをやってくださると思いますので、今私が申し述べた懸念も含めて、積極的に、何が日本のまさにおっしゃった得意分野、実績分野としてできるのか、これを考えていただきたいと思います。
国連改革についてもお伺いしたいんですけれども、先に沖縄復興について御質問申し上げたいと思います。
西銘大臣、有り難く、この分野準備されています。沖縄復帰五十年のこの節目迎える中で、西銘大臣は、重要な国家の節目の政策と方針準備され、とりわけ丁寧な意見集約の過程を経まして、沖縄振興特別措置法等の一部改正法案、これをまとめてくれました。
大臣は所信で、このような振興策が県内総生産や就業者数、全国を上回る伸びを示すなど成果は上げてきたと評価しつつも、他方で、全国最下位一人当たり県民所得の問題、子供の貧困問題など指摘しました。私は、この質問の機会を活用して大臣に御指摘のこの問題の解決策を一つ提案したいと思いますので、大臣の御意見も伺います。
私は、沖縄の子供の英語教育を重点してはどうかと提案したいんですね。沖縄にはアジア太平洋との距離的近さがありますし、広く世界から留学生や研究者も滞在している。グローバル化の時代、英語は、かつてのヨーロッパ世界のラテン語のような、リンガフランカといいますか、共通学術用語になっているので、英語に卓越するということは、学問のみならずビジネスでも成功する確率高めます。子供の生涯所得の向上に役立ちます。これからの時代、どの分野に進もうとその道を極めれば必ず国際的な接点があるので、英語に卓越するということは沖縄の子供たちの将来の競争力を強化することにつながると思います。
この本土復帰五十年の節目、あの激戦の中生き延びた方々の孫やひ孫たち、この方たち、亡くなった方の分も含め、リスペクトされる力強い人生、長生きしてもらいたいと、私の願いです。そのためにも、沖縄の子が日本一の分野つくってあげたい、振興策、そのようなことも含めて展開していただきたいと思います。英語の学力日本一の沖縄の子供たちと、こんな感じです。
例えばOISTというのがあります。沖縄科学技術大学院大学、ここにはたくさんの研究者や学生が来ていますので、地域の保育園から高校まで毎週教えに出向くボランティアなどやってくれたらいいと思うんですね。科学者にとっても非常にプラスです。科学は人間の幸福につながることを考える基礎であると彼らも考えるでしょう。
このような私の意見ですけれども、大臣、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/11
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012・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 猪口委員御指摘のように、沖縄の更なる発展の鍵となるのはそれを支える人材であり、社会情勢が変化していく中でも、様々な分野においてその変化に対応し、沖縄振興に資する多様な人材の育成が極めて重要と考えております。このため、今般の沖縄振興特別措置法改正案では、多様な人材を育成するための教育の充実について第七十六条第二項に明記したところであります。
その上で、委員御指摘の英語教育について申し上げますと、アジア太平洋地域の玄関口に位置し、諸外国・地域との交流の中で発展してきた沖縄の経済、文化の今後の発展を考えたとき、英語教育の推進は意義のあることと考えております。例えば、沖縄県においては、これまでソフト一括交付金等を活用し、国際性に富む人材育成に向け、高校生の長期海外留学などの取組を行っているところであります。また、猪口委員御指摘のOISTについて申し上げますと、地域連携活動として小中高生向けのOIST見学会等を行い、子供たちの英語学習意欲向上にも貢献しており、今後も連携していきたいと考えております。
今後の沖縄の発展を担う人材の育成は極めて重要であり、内閣府としましても、県や市町村等の地元関係者とも必要な連携を図りつつ、その取組をしっかりと支援してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/12
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013・猪口邦子
○猪口邦子君 西銘大臣、前向きな御答弁ありがとうございます。
では、最後に、林外務大臣に、私は国連改革について伺いたい、また意見を述べたいと思います。
安保理改革必要であり、私は日本こそ常任理事国になるべきと考えます。日本はG7で二番目の経済の規模です。今回の軍事侵略に対して、G7主導経済制裁という非軍事的手段、これによって交渉、停戦交渉のテーブルに侵略国を着かせるという、こういう展開、民主的でかつ大きな経済体は平和を実現する能力を持っているということなので、これを考えれば、今まで安保理改革幾つかありましたけれども、いずれもちょっとうまくいっていなかったんじゃないか。その理由は、平和との直接の関連性をきちっと議論してこなかったと。まあ経済制裁は元々国際法が予定している対応オプションでありますから、その中核を担って、しかも経済の力で平和をつくれるという、こういう明快な歴史を今つくりつつあるわけです。
そして、大臣おっしゃったとおり、ここを最後きちっとやってもらわなきゃなりませんが、ウクライナに平和が戻った後には、ODA、外交のツールということであれば、日本の国連安保理常任理事国入り、これを目指す、ODAを戦略的活用、こういうことを考えていただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/13
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014・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 今お話がありましたように、ODA、これは我が国の重要な外交ツールでありまして、国際社会の平和と繁栄に貢献し、ひいては我が国の平和と安定の実現といった国益を確保するためにODAを積極的かつ戦略的に活用していくことが不可欠であるというふうに考えております。
安保理改革における我が国の常任理事国入りへの各国からの支持も、我が国の長年にわたるODAの実施が築いてきた国際社会の信頼、これによるところが大きいと考えておるわけでございますので、今後とも、今お話がありましたように、ODAも有効に活用しながら、日本の常任理事国入りを含む安保理改革の実現に全力を挙げていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/14
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015・猪口邦子
○猪口邦子君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/15
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016・羽田次郎
○羽田次郎君 立憲民主・社民の羽田次郎です。
質問の機会をいただきましたことを青木委員長、各会派理事の皆様、そして委員の皆様に御礼を申し上げます。ありがとうございます。
今日は、政府開発援助における民主化支援の実例を挙げながら、被援助国と日本の経済発展、そして日本が国際社会において名誉ある地位を占める方法について質問と提案をさせていただきたいと思います。
日本のODAは、二〇〇〇年代初頭から、従来の開発援助だけでなく、平和の構築や人間の安全保障、そして民主化支援に注力するようになってきていると認識しております。
まず、我が国のODAにおいて平和の構築や民主化支援に注力するようになった理由や経緯について教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/16
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017・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 途上国の平和や安定、そして安全の確保、これは国づくり及び開発の前提条件でありまして、民主化の促進と定着は、公正で包摂的な社会を実現するための鍵であります。
こうした観点から、我が国は、二〇一五年に策定をいたしました開発協力大綱におきまして、普遍的価値の共有、そして平和で安全な社会の実現、これを開発協力の重点課題と位置付けまして、平和構築や民主化支援を行ってきたところでございます。具体的には、例えばフィリピンにおいてはミンダナオにおいて紛争地域の復旧支援等を実施し、また、カンボジアにおいては若手行政官に対し民主的な統治に関する研修、これを実施してきております。
国際情勢の悪化に伴って、平和構築や民主化支援、これのニーズ高まってきておりまして、今後も、紛争後の緊急人道支援から復旧復興・開発支援まで切れ目のない支援、そして選挙支援や法制度整備等を進めて一人一人の権利が保障される公正で安定した社会のための支援、これを進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/17
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018・羽田次郎
○羽田次郎君 まさに普遍的な価値、大変大切なことだと思います。
そうしたODAを進める上で留意すべきは、隣国の中国の存在だと私は考えております。これまで開発途上国に対して民主化の推進を開発援助の条件にすることで、被援助国政府にとりましては民主化を進める動機となってきたと思います。ところが、民主化をしなくても豊かになれること、それを追求し、他国に対する援助も民主化を前提とせずに進めているように見える中国の存在は、強権的なリーダーにとっては都合がよく、開発援助をめぐる構造を変容させつつあります。この変化に伴い、日本のODA戦略もこれまでとは変えざるを得ないと考えます。
外務大臣にお伺いいたします。我が国がODAを進める上で中国と競合した場合、日本はどのような戦略で臨んでいるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/18
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019・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 先ほどお答えしたとおり、我が国は、一人一人の権利が保障され、社会が公正かつ安定的に運営されると、このことが重要であると考えております。そして、途上国がこの質の高い成長、これ果たしていくためには、やはりインフラ等の需要を単に量的に満たすだけでなくて、自由や民主主義、基本的人権の尊重、そして法の支配、このような普遍的価値が共有される社会基盤の整備というものが必要になってくると考えております。
こうした観点で、我が国は、質の高いインフラ整備や相手国のニーズにきめ細かく対応する息の長い人材育成等を通じて、途上国の自立的な発展に資するODAの実施に努めてまいりました。
今後とも、こうした我が国のODAの強み、これを生かして、平和構築や民主化支援を始め、相手国の国民の一人一人が本当の意味で豊かさを実感できるような支援、これを提供していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/19
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020・羽田次郎
○羽田次郎君 中国との競合、そこのことについては今お答えはいただけなかったと思いますが、いずれにしましても、今後も中国とは開発支援で競合することが多いと思いますが、これからは、ODAを通じた平和構築や民主化支援そのものを目的とするだけでなく、それが確実に開発途上国の国民一人一人の生活を豊かにすることにつなげられる戦略を持つことが必要だと考えます。これは、ウクライナでの戦争が終結した後の復興支援、そして平和構築に日本が関わっていく上で戦略になると考えます。
日本がJICAを通して支援した具体的な事業として、先ほど大臣も幾つか挙げられましたが、カンボジアにおける選挙制度改革支援、その中でも、選挙人登録の電子化とその成果について検証し、より良い形でのODAによる平和構築の在り方について議論したいと思います。
今月二十日、ASEAN議長国カンボジアでフン・セン首相と会談された岸田総理も、カンボジアの選挙支援活動中に銃撃を受け落命された中田厚仁氏や文民警察官の職務中に落命された高田晴行氏の墓前で手を合わせていらっしゃいました。こうした御努力をされた先人に敬意を表すると同時に、改めて故人の御冥福をお祈りいたします。
カンボジアでの選挙制度改革支援は、日本が主要な役割を果たした平和構築の貴重な成功例だと一定の評価がされています。カンボジアの選挙は、選挙人登録のプロセスに不正が入り込む余地が大きいことが選挙のたびに問題になっていました。二〇一八年の総選挙に際しては、このプロセスを電子化するという、日本として一国の統治機構の在り方に大きな影響を与える選挙制度改革の本丸に踏み込んだことは英断であったとの高い評価も耳にしております。それまでは、壊れない投票箱の寄贈、投票用紙の印刷、電気がない地域でも夜の開票作業を可能にするランタンの提供など、必要ではあったと思われますが、選挙制度改革支援としては限られた貢献だったと言わざるを得ません。
電子化について、具体的には、選挙管理委員会のメーンサーバーの技術的支援を日本が担当いたしました。軍と基礎自治体であるコミューンにおける端末コンピューターへの選挙人登録はEUが支援をしていました。また、カンボジア内務省は、オーストラリア、ユニセフ、そしてノルウェーの民間会社のサポートを受けて国民IDカードを電子化するなど国民情報のIT化を進め、独立した組織である選挙管理委員会が選挙人登録カードを作りました。そして、有権者の指紋認証システムを導入した際、日本はEUとともに、カメラ、スキャナー、PC、サーバーなど、指紋照合のための機材提供と使い方の技術訓練も実施いたしました。
その結果、二〇一三年の総選挙における選挙人登録者数約九百六十八万人が、二〇一八年の選挙では約八百三十八万人にまで減りました。減った百三十万人の多くが二重登録だったのではないかと見られております。実際にカンボジアの選挙制度改革支援に携わった方にお話をお聞きしましたが、日本の選挙以上に電子化されたシステム構築が実現していたとの評価でした。
そこで、外務大臣にお伺いいたします。このようなシステム構築に踏み込んだ日本政府としての戦略について、その意図をお聞かせいただけたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/20
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021・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 我が国は、このカンボジアが民主主義に基づいて安定的に発展することを重視をしておりまして、これまでもそうした観点から様々な支援を行ってきております。
二〇一八年の総選挙に向けまして、当時、今、羽田委員からもお話がありましたように、有権者名簿への二重登録、これ大きな問題となっておりました。この課題解決に向けて、カンボジア側から、有権者登録プロセスの電子化、これに関する支援要請があったところでございます。このお話ししていただきました技術支援、これはまあ先方の支援要請に基づき実施したものではございますけれども、今お話のあったように、選挙プロセスの透明性の向上、これに寄与したと考えておりまして、普遍的価値である民主主義や、この、まあ、ある意味では法の支配といいましょうか、しっかりと公正な選挙が行われるということを担保するという意味で大変大きなこの役割を果たしたと考えておりまして、こうした形も含めて、今後とも様々な形でこのカンボジアの民主主義の促進、これを支援してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/21
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022・羽田次郎
○羽田次郎君 ありがとうございます。
今回、このシステム構築で日本が負担した予算総額と、カンボジア、EU、オーストラリア、ノルウェーなどシステム構築に関わった国や機関が負担した予算総額を教えていただけたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/22
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023・植野篤志
○政府参考人(植野篤志君) お答え申し上げます。
今委員からのお話にもございましたとおり、この選挙人登録プロセスの電子化、そのためのシステム構築には、EU、オーストラリア、ノルウェー等複数のドナーが関わっておりまして、我が国もそうしたほかのドナーと協力しながらお手伝いをしたわけですけれども、恐縮ながら、そのほかのドナーが負担した金額については把握できておりませんので総額で幾ら掛かったかということも分かりかねるのですけれども、我が国の負担については、システム設計やリストを管理するサーバーの設置等の支援、それからこのシステム構築のために複数の専門家を何年かにわたって派遣しておりまして、支出した金額は総額で約二億円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/23
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024・羽田次郎
○羽田次郎君 他国の状況がどうか分からないというのは、まあ確かにおっしゃるとおりかもしれません。
そのカンボジアのシステムについて、今以上に更に不正を防止し、運用を向上させる改善部分があれば教えていただけたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/24
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025・中村俊之
○参考人(中村俊之君) お答え申し上げます。
羽田委員御指摘のとおり、日本その他の支援国の協力により、生体認証機能を有する有権者登録システムが導入され、その結果、有権者の二重登録等が大幅に減り、選挙結果の選挙当日の速報などの新たな取組と相まってカンボジアの選挙プロセスの透明性は大幅に改善したと考えております。
こうした成果を公正な選挙に向けて更に向上させるためには、ハード面の協力に加え、ソフト面の協力、すなわち選挙管理委員会に対する継続的な能力強化、特に有権者に対する主権者教育に係る選挙管理委員会の能力強化が重要と考え、現在、これを担う専門家を同委員会に派遣し、そのための協力を実施しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/25
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026・羽田次郎
○羽田次郎君 まさに今、選挙人の教育というのは我が国においてもきっとまだまだ必要な部分があるんじゃないか、そんな思いもありますが、どんなに優れたシステムであっても、それを運用する国に不正の意思があった場合それを阻止する対策があるのかという懸念は残りますが、是非今後もそうした努力を政府としても続けていただければと思います。
そこで、選挙人登録で活用したカンボジア内務省にある国民情報を医療や福祉、教育などに生かしていくこと、その支援に日本が関わり、日本企業が参入するという戦略や計画はありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/26
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027・植野篤志
○政府参考人(植野篤志君) お答え申し上げます。
現時点では、このシステムの構築により整備された有権者情報を医療、福祉、教育分野等において活用するということは、カンボジア側からもそういう話はございませんので、日本政府としての支援というのも現時点では想定はしていないんですけれども、今委員の御指摘のように、そういう活用は有効だということも踏まえて、御指摘も踏まえて、カンボジア、それからさっきも申し上げたようにほかのドナーも関わっておりますので、カンボジア政府やほかのドナーとも相談しつつ、こういうそのシステムを医療、福祉、教育分野においてどういうふうに活用することができるかということは相談をしていきたいと思います。
それから、そういう話がないということで、このシステム構築で整備された情報を医療、福祉、教育分野に活用するに当たって、そこに参入したいという日本の企業がある、あるいはそういう計画があるということも現時点では私どもは承知はしていないわけですけれども、仮にそういう意欲のある日本の企業がおいでになるということであれば、是非その企業のお話、御意向も踏まえつつ、我々政府としてどのようなお手伝い、サポートができるかということも検討していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/27
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028・羽田次郎
○羽田次郎君 前向きな御検討の御答弁をありがとうございます。せっかく日本がシステム構築に深く関わってきた経緯がございますので、是非そのシステムを生かして、国民の福祉向上、教育の向上に貢献していただきたいと思います。そうした取組が日本が国際社会で名誉ある地位を占めるきっかけの一つになると私は考えております。
選挙制度の信頼向上が必要とされる国、例えば選挙の不正を口実にして軍事クーデターを起こしたミャンマーのような国の選挙制度改革支援に日本として貢献するお考えはありませんか。外務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/28
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029・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 我が国は、先ほども御答弁いたしましたとおり、普遍的価値の共有、そして平和で安全な社会の実現、これを開発協力の重点課題と位置付けておりまして、今後とも、選挙支援や法制度整備等を進めて一人一人の権利が保障される公正で安定した社会のための支援を進めていきたいと考えております。
ミャンマーについてでございますが、昨年二月一日のクーデター発生直後から、我が国としては、この暴力の即時停止、そして被拘束者の解放、民主的な政体の早期回復を要求してきております。これらの三点やASEANの五つのコンセンサス、これが実現していない中で選挙制度改革支援を検討するということは時期尚早であり、まず、ASEANを含む国際社会とともに、今の事態の改善、これを強く働きかけてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/29
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030・羽田次郎
○羽田次郎君 御答弁ありがとうございます。先ほど猪口先生からも御質問の中にあったとおり、戦中のときから戦後についても考えていく、こういったことも日本として必要なんじゃないかと思います。今、林外務大臣がおっしゃったとおり、平和の回復が先ではございますけど、選挙人登録の支援を通じて平和の構築、ひいては福祉や教育の向上につながれば、日本の貢献が被援助国にとって記憶に残るものになると考えます。
ミャンマーにおいては、おっしゃるとおり、昨年二月に軍事クーデターが起こり、民主的な選挙で選ばれた政府が転覆されました。クーデターから一年が経過した今年一月末の時点で弾圧によって殺害された無抵抗の市民は千五百三人に上ると現地の人権団体、政治犯支援協会はまとめています。この死者数には国軍への武装闘争で死亡した若者は含まれていません。そして、日本が農業支援を行った地域なども国軍によって空爆されている、そうした現実がございます。
そこで、日本政府としては、ミャンマー国軍によるクーデターとその後の経緯についてどのように評価しているか、また国軍による権力機構を政府として承認するおつもりなのか、お答えいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/30
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031・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 日本政府は、国軍によるクーデター、これの正当性を認めておらず、クーデター発生以来、ミャンマー国軍に対して、先ほど申し上げました暴力の即時停止、拘束された関係者の解放、そして民主的な政治体制の回復、これについて具体的な行動を取るよう強く求めてきております。
こうした中、昨年五月でございますが、邦人のジャーナリストが解放をされたほか、十一月には米国人のジャーナリストが解放されるということなど一部前向きな動きは見られるものの、事態の改善の努力、事態の改善のために努力を継続していく必要があると考えております。
クーデターから一年を迎えた今年の二月一日でございますが、外務大臣談話を発出いたしまして、ミャンマーで今なお事態の改善に向けた動きが見られないということに懸念を表明し、改めてミャンマー国軍に対して具体的な行動を取るよう強く求めるとともに、国際社会の度重なる呼びかけにもかかわらず、暴力によって多くの死者、今御指摘がありました、この多くの死者が発生している状況を強く非難をいたしました。
また、ミャンマー問題の事態打開に向けては、国際社会との連携も不可欠であります。日本は、五つのコンセンサスに向けたASEANの努力を一貫して後押しをしてきております。私自身、ASEAN議長国カンボジアとの電話会談を始め、様々な場でミャンマー情勢について議論をしてきております。
我が国は、引き続き関係国と緊密に連携し、また、ミャンマー国民に寄り添う人道支援も実施してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/31
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032・羽田次郎
○羽田次郎君 是非、ASEAN諸国とも連携しながらそうした支援続けていただきたいと思いますが、ただ、民主化、民主派による国民統一政府の代表部が今日本にもございます。政府として国民統一政府への対応はどうされているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/32
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033・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 二月一日に民主派勢力が組織したNUG、ナショナルユニティーガバメント、これが日本事務所を開設をしたというふうに承知をしております。
民主的体制への回復に向けて、ミャンマー国民の声、これをしっかり聞くことは重要であり、日本はミャンマー側との間で対象を国軍に限ることなく様々な主体とやり取りを行ってきております。他方、依然として現地では緊迫した情勢が継続しており、事態を改善させ民主的な体制を回復させるためにも、そうしたやり取りの対応について詳細を明らかにするということは差し控えさせていただきたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/33
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034・羽田次郎
○羽田次郎君 今のお答えによりますと、特にその民主化、国民統一政府の代表部から何か具体的な御要望とか、物資ですとか、何かの支援をしてほしい、ウクライナに関しては多くの要望が寄せられて、それに対して、国際社会、G7、特にG7と連携して対応をしていると思いますが、そうした取組というのはミャンマーに対してはないのかどうか、もしお伺いできればと思いますが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/34
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035・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げましたように、我々としてはミャンマー側との間で国軍に限ることなく様々な主体とやり取りを行ってきておるところでございます。現地の状況に鑑み、どういう方とどういうやり取りをしたかということは、この事態を改善させて民主的な体制を回復させるため、現地で非常に緊迫した状況続いておりますので、こうしたやり取りについての詳細、これは明らかにすることは差し控えたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/35
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036・羽田次郎
○羽田次郎君 余りにも今ウクライナの問題注目されており、多分、ミャンマー国民の皆さんからしたら、少しちょっとミャンマーの皆さんが忘れられているような、そんな気持ちにならないように、是非ミャンマーに対する支援も引き続き行っていただきたいと思います。
そして、ミャンマーのクーデターに関して、国内問題とはいえ、力による現状変更という考え方もできると思いますが、政府としての見解はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/36
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037・林芳正
○国務大臣(林芳正君) このミャンマーの国内で起きていることにつきましては、昨年二月一日に発生した事案と国軍による政権奪取を含むその後の経緯、これを踏まえれば、クーデターに該当するというふうに考えております。国際社会の度重なる呼びかけにもかかわらず、暴力によって多くの死者が発生しておりまして、ミャンマー国内におけるこうした状況を日本として強く非難をしております。
ASEAN始めとする国際社会は、今まさにこうした事態を打開するための努力を行っておりまして、本日までASEAN特使がミャンマーを訪問しております。二十日には、岸田総理とフン・セン・カンボジア首相との間でミャンマー情勢についても踏み込んだ議論を行っております。
日本としては、ASEANの五つのコンセンサスが着実に実施されますように、ASEAN諸国を含む国際社会と緊密に連携して事態の改善に向けて最大限努力をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/37
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038・羽田次郎
○羽田次郎君 是非引き続きの御努力をお願い申し上げます。
我が国が国際貢献をするにも、これまで話してまいりましたとおり、一筋縄ではいかない問題が多く横たわっていますが、日本としては被支援国の民主主義を発展させるパートナーを目指さなければならないと考えます。選挙制度の信頼性が低い開発途上国に対する民主化支援をODAにおける日本の大きなテーマにして、特にアジア諸国においては、押し付けではなく、その国の文化、宗教、歴史を踏まえた民主主義の在り方を一緒に考えるスタンスで挑むことが重要だと考えます。被支援国に寄り添うスタンスで関わることで、日本は欧米諸国や中国に対する優位性が発揮できると私は確信しております。このことを申し上げ、時間となりますので、私の質問を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/38
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039・宮崎勝
○宮崎勝君 公明党の宮崎勝でございます。
最初に、ODA予算について伺いたいと思います。
ODA予算は、平成九年度の一兆一千六百八十七億円をピークに長年減少傾向にございましたが、平成二十八年度以降は増加傾向にありまして、令和四年度は五千六百十二億円、前年度比〇・二%増となっております。円借款は、あっ、済みません、円借款、それからODA予算、そして国際機関向けの拠出国債などを合わせたODA事業量は、令和三年度は二兆六千八百六十億円と過去最大となりまして、四年度も過去二番目の水準となる二兆四千四百八十一億円というふうになっております。
一方、二〇二〇年、令和二年の債務残高対GDP比が一〇三・七%に上ったイギリスにおきましては、悪化する財政状況を踏まえて、将来世代のお金から対外的な支援を行うのは不適当という考えから、公的債務残高が減少に転じるまでは支援の抑制を継続する方針ということであるというふうに伺っているところでございます。
私は、参議院のODA調査団としてカザフスタン、モンゴルを視察したことがございますけれども、我が国のODAが途上国の安定、発展に貢献していることを確認をさせていただきました。
ODAは日本の重要な外交ツールであり、今後も必要な予算をしっかりと確保すべきというふうに考えております。その上で、国民の理解をいただく観点から、イギリスよりも更に財政状況が厳しい我が国におきましてODA予算の水準を維持し続ける理由につきまして、林外務大臣の御所見をまずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/39
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040・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 自由で開かれたインド太平洋の実現や地球規模課題への取組、こうしたことのために、こうしたことなど、我が国の外交を推進していく上で、ODAの積極的かつ戦略的な活用は不可欠であると考えております。
外務省として、新型コロナウイルス感染症の収束に向けた支援、また今般のウクライナ危機を始めとする国際情勢の悪化による人道支援などなど、ODAのニーズはますます高まってきていると認識しておりまして、我が国の外交政策にとって大切なODA予算、これを質とともに充実させていかなければならないと考えております。
厳しい財政状況の中ではございますけれども、令和四年度予算においても、無償資金協力やJICA予算などの二国間支援、また国際機関への拠出金等の多国間支援のために必要なODA予算、これ前年を上回る額を計上しておりますが、それは今述べたODAの重要性に鑑みてのものでございます。引き続きODA予算確保の努力を続けてまいりたいと思います。
イギリスの話がありましたけれども、確かに財政状況の悪化によりODA予算を抑制していると認識をしておりますが、非軍事的な国際協力を主体とする我が国におきましては、ODAを活用して外交を推進する必要性、これは一段と大きく、そのためODA予算の確保に向けてしっかり努力をしていくことが必要でございます。
もとより、原資が税金であるわけでございますから、ODAに対する国民の皆様の理解と協力を得られますように、その意義と効果についてもしっかりと説明してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/40
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041・宮崎勝
○宮崎勝君 ありがとうございました。
今ほど大臣からもお話がありましたが、やはりODA予算が効果的、効率的に使われているかという検証も重要だと思っております。
そこで、途上国への新型コロナウイルスワクチンの支援について伺いたいと思いますが、日本は、新型コロナウイルス感染症との世界的な闘いにおきまして、誰の健康も取り残さないという理念の下でユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成に向けて国際的な協力を進めているところであります。この考え方に基づいて、新型コロナの発生直後から、二国間支援及び国際機関を通じた支援を活用して約四千三百億円以上の支援を実施してきております。
また、令和三年六月のCOVAXワクチンサミットにおきましては今後更に八億ドルを追加拠出して合計十億ドルの貢献を行うことを表明をいたしまして、令和三年度の補正予算に七百一億円の予算を計上をいたしました。COVAXを通じた途上国へのワクチン支援につきましては、我が党といたしましても積極的に後押しをしてきたところでございます。
その一方で、アフリカではコロナワクチンの廃棄が相次いで、その規模が百四十万回分に達する見通しだという報道もございました。
これら途上国へのワクチン支援につきまして、相手国や拠出先国際機関における事業執行の効果の検証状況につきまして、外務省の御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/41
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042・赤堀毅
○政府参考人(赤堀毅君) お答えいたします。
我が国は、あらゆる国・地域において新型コロナワクチンへの公平なアクセスの確保が重要との考えの下、COVAXへの合計十億ドルの財政支援や、各国・地域に対する約四千二百万回分のワクチン供与、ワクチンを接種の現場まで届けるためのラストワンマイル支援など、積極的にワクチン関連支援に取り組んでおるところでございます。
COVAXは、三月上旬時点で百四十四か国・地域に約十三億回分のワクチンを供与しており、特に低所得国においてはワクチンの約八割がCOVAXによって供給されているなど、ワクチンへの公平なアクセス確保に大きく貢献しております。
我が国からのワクチン供与に関しては、ワクチンが届いた各国・地域においてワクチンの到着や引渡し式典の様子が現地のテレビや新聞などのメディアで大きく報じられたほか、SNSなどを通じて感謝の声が多数寄せられております。
また、我が国によるラストワンマイル支援を通じたワクチンの保冷設備や運搬用車両などの機材供与等は、現地のニーズを踏まえた時宜にかなった支援であるとして各国・地域から高い評価が寄せられているところでございます。
ワクチン廃棄の問題は、ワクチンの使用期限と関係いたします。COVAXでは、供給先国・地域のワクチン接種計画や接種能力に応じて接種可能な量、使用期限のワクチンを適切なタイミングで供給すべく、先方当局と緊密な調整の上でワクチンを供給していると承知しております。我が国のワクチン供与に際しても同様の調整を行っております。COVAXからは、毎週、執行状況の報告を受けております。COVAXは、日常的な調整に加え、幹部レベルでも緊密な連携をしているところでございます。
引き続き、途上国の実情とニーズを踏まえ、COVAXを始めとする国際的な枠組みとも連携しつつ、途上国におけるワクチン接種率の向上に向けた支援を行うとともに、在外公館及びJICA等を通じて適切にフォローアップをしてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/42
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043・宮崎勝
○宮崎勝君 よろしくお願いいたします。
林外務大臣は、今国会の外交演説におきまして、新型コロナの収束に向け、途上国を含めた、ワクチン、診断薬、治療薬への公平なアクセスの確保の支援に引き続き取り組みますというふうに述べられまして、本委員会での政府開発援助に係る所信におきましても、来年度に重点的に取り組む分野の一つとして新型コロナを含む感染症への対応を挙げております。
新型コロナなど感染症に打ちかつためには、途上国でのワクチンの普及、公平なアクセス、ワクチン接種体制の確保などが喫緊の課題となっておりますけれども、改めて、途上国に対する今後の支援の在り方について、大臣の御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/43
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044・林芳正
○国務大臣(林芳正君) この国内で新型コロナが収束したといたしましても、世界のどこかでウイルスが残っておりますとまたこれが再拡大の可能性が残ってしまうと、こういうことになりますので、世界的な感染拡大防止に取り組むということが不可欠であるというふうに考えております。
日本は、新型コロナ対策として、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、この達成を念頭に総合的な支援を行っておるところでございます。特にワクチンに関しては、我が国はCOVAXファシリティーの立ち上げ当初から議論に貢献してきておりまして、昨年六月には、COVAXワクチンサミットを共催して、資金調達目標の達成、これに貢献をするとともに、日本としても合計十億ドルの財政支援を表明をしてきております。
また、ワクチンの現物供与についても、これまで約四千二百万回分、これを各国・地域に届けるなど積極的な支援を行ってきております。
引き続き、途上国の実情とニーズを踏まえまして、途上国におけるワクチン接種率の向上に向けて貢献をしていかなければならないと考えておりまして、COVAXを始めとする国際的な枠組みと連携した支援を継続するとともに、現在課題となっております途上国の接種能力、この強化の観点から、ラストワンマイル支援、これを通じて医療関係者等に対する能力強化支援やワクチン忌避対策等も含む支援、これを行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/44
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045・宮崎勝
○宮崎勝君 ありがとうございました。
続きまして、沖縄の世界自然遺産の保護と利用についてお伺いしたいと思います。
昨年七月、ユネスコ世界遺産委員会におきまして、奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島の世界自然遺産登録が決定をいたしました。決定の理由は、島の成り立ちを反映した独自の生物進化を背景とした国際的にも希少な固有種に代表される生物多様性保全上重要な地域であるということが評価されまして、世界遺産の登録基準を満たしたことから決定をしたというふうに認識しております。
我が国の世界自然遺産への登録は、白神山地、屋久島、知床、小笠原諸島に次いで五番目で、これが最後と言われております。そこでまず、今般の世界自然遺産登録の受け止めについて、西銘大臣の御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/45
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046・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 沖縄島北部及び西表島が我が国の世界自然遺産の候補の一つとされたのは、私が衆議院議員に初当選したのと同じ二〇〇三年、平成十五年であります。その後、様々な検討や準備を経て、また、世界遺産委員会の諮問機関、国際自然保護連合による登録延期勧告に伴う推薦の取下げという難局もありました。それらの難局を乗り越えて、昨年七月登録が実現したものと承知をしております。
登録地域の価値が世界で認められたことは大変喜ばしいことであり、地元の方々を始めとする関係者の長年にわたる御努力に対し、改めて心から敬意を表したいと思っております。
同時に、貴重な自然環境を将来にわたって保全し、活用していくことが重要であると感じております。内閣府としまして、地元の様々な取組をしっかりと支援していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/46
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047・宮崎勝
○宮崎勝君 ありがとうございました。
今大臣からも御紹介ありましたとおり、今般の登録に至る経緯ですけれども、二〇〇三年からスタートしたということでございます。様々この間、沖縄の北部訓練場返還地の追加など曲折を経た上で最終的にこの決定をしたというふうに承知をしているところでございます。
そこで、環境省にお伺いいたしますけれども、二〇〇三年の候補地選定から登録決定までの間に環境省としてどんな取組を行ってきたのか、また、今回の登録の意義についてお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/47
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048・松本啓朗
○政府参考人(松本啓朗君) お答えいたします。
今回登録された奄美、沖縄地域の島々では、豊かな自然環境の中で、大陸では絶滅したヤンバルクイナなど、国際的にも希少な固有種が生き続けております。このような唯一無二の自然の価値が国際的にも認められました。地域の宝を世界の宝として保全することが持続的な地域の発展にもつながるという観点で意義深いものと考えております。
なお、二〇〇三年に候補地として選定して以降ですが、環境省ではその価値を保全するための取組を強化してまいりました。西表石垣国立公園を拡張し西表島のほぼ全島を国立公園にするとともに、沖縄島北部ではやんばる国立公園を新規に指定しました。さらに、イリオモテヤマネコといった希少種の保護対策やマングースなどの外来種の駆除等を進めてまいりました。こうした対策は、沖縄県や地元市町村を始めとする地域の方々と現地の自然保護官が様々な議論を行い、関係者の御協力を得ながら実施してきたものと考えております。
なお、二〇一七年の最初の推薦では、お話ありましたとおり、審査機関から更なる取組が必要という評価を受けまして、一度は推薦書を取り下げることになりました。しかし、その後、沖縄の北部訓練場返還地のやんばる国立公園の編入などを進め、二〇一九年に二度目の推薦を行いました。地域の方々の熱意と関係者のたゆまぬ努力に支えられながら、今般の世界遺産登録という悲願の達成に至ったものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/48
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049・宮崎勝
○宮崎勝君 ありがとうございます。
この登録を決定した際の世界自然遺産、失礼しました、世界遺産委員会決議では、世界遺産一覧表への記載決定に合わせて、四項目にわたって今後の更なる取組が求められました。具体的には、観光管理の徹底、希少種の交通事故対策、包括的な河川再生戦略、緩衝地帯における森林伐採の適切な管理の四項目でございますが、今年十二月までにそれぞれの対応策を世界遺産委員会に報告することになっております。
現在、この四項目についてそれぞれタスクフォースが設置をされ対応策の検討が行われておりますけれども、沖縄県は観光管理を担当しているというふうに伺っております。世界自然遺産登録を機に、コロナ禍が収束をいたしますれば観光客の増加が見込まれる中で、受入れ体制が必ずしも十分とは言えない西表島などでは、オーバーユースによる自然環境、生態系への悪影響が懸念されております。
今後どのように保護と利用の両立を図っていくかが課題になると認識しておりますけれども、この点につきまして内閣府としてどのような支援を行っていくのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/49
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050・望月明雄
○政府参考人(望月明雄君) お答えいたします。
今回の世界自然遺産登録に関しまして、地元自治体では、しっかりと保全して持続的な活用を図るということが大切だというふうな課題認識の下、ガイド制度の普及、また観光客の入域管理など、登録地域における持続可能な観光客の受入れ体制の構築を進めていると認識しております。
内閣府におきましては、沖縄振興予算を活用し、世界自然遺産周辺地域への観光客の計画的な誘導、また子供たちへの環境教育など、登録地域の自然環境の保全と活用の両立を図る地元自治体の取組を支援しておりまして、先ほど大臣からもありましたが、引き続き地元の様々な取組をしっかりと支えていきたいと考えております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/50
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051・宮崎勝
○宮崎勝君 国立公園を管理する環境省といたしましても、自然遺産地域の魅力の発信であるとか、あるいは利用者のルールやマナーの啓発ということが必要になってくると思いますけれども、今後どのような取組を行っていくのか。また、環境省は、世界遺産委員会のこの勧告のうち希少種の交通事故対策を担当しておりますけれども、特にこの希少種の多い沖縄島北部や西表島におきましてどのような対策を検討しているのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/51
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052・松本啓朗
○政府参考人(松本啓朗君) お答えいたします。
環境省としては、貴重な自然環境の魅力を地域内外に発信しその理解を深めていくことは、大変重要と認識しております。このため、地域住民との意見交換会、やんばるや西表島の野生生物保護センターにおける普及啓発活動などを積極的に実施してまいりました。また、魅力の発信と同時に、やんばるや西表島を含む四島全てにおいて、利用者に対しルールやマナーについて普及啓発する拠点施設が必要と考えてございます。このため、関係機関や自治体の連携協力を得ながら、順次世界遺産センター等の整備を進める予定としてございます。
なお、御質問ありましたイリオモテヤマネコなど希少種の交通事故対策につきましては、地元関係機関の協力をいただきながら、ドライバー向けの注意喚起を行う看板の設置などを行ってまいりました。また、沖縄県が進めるアンダーパスの設置事業にも、環境省として積極的に協力をしてまいりました。
今後とも、こうした希少種の交通事故、いわゆるロードキルの発生状況や各種対策の有効性を分析し、関係機関と連携しながらより効果的な対策を実施してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/52
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053・宮崎勝
○宮崎勝君 ありがとうございます。
最後に、西銘大臣にお伺いしたいと思いますが、世界自然遺産登録は、沖縄の振興、また特に地域レベルの自立経済の確立であるとか、地域の文化、誇りなどの面も含めて地元にどのような効果をもたらすと考えているのか、御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/53
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054・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 今般の沖縄島北部及び西表島の世界自然遺産への登録は、沖縄の自然環境の魅力を改めて世界に認知される絶好の機会となりました。同時に、今般の登録は、県民にとっても、沖縄の自然環境の価値を再認識する機会になったと感じております。
沖縄の豊かで美しい自然環境は、既に世界遺産に登録されている首里城などの独自の文化とともに県民が誇りとしているものであります。沖縄の県民が自然環境や文化などの沖縄ならではの魅力を次世代にしっかりと引き継ぎながら適切に活用していくことは、地域経済の活性化のみならず、文化の発展にとっても重要と考えております。また、沖縄が独自の地域特性を生かして発展することは、我が国やアジア太平洋地域の発展にも寄与する可能性を有していると考えております。
内閣府としましても、こうした点を踏まえつつ、引き続き県や市町村等と緊密に連携しながら沖縄振興に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/54
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055・宮崎勝
○宮崎勝君 終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/55
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056・大塚耕平
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。よろしくお願いいたします。
今、宮崎委員もCOVAXの話を、質問をしておられましたが、私もちょっと確認をさせていただきたいんですが、COVAXへの拠出金は、これまでの御答弁で、十億ドルとか、それから四千二百万回分の接種に対応してきたというのは伺いました。
したがって、私がお伺いしたいのは、COVAXから日本の製薬メーカー等への補助であるとか支援金、これはどうなっているかということを関係省庁からお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/56
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057・達谷窟庸野
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
COVAXファシリティーの関係で、CEPIという機関がございます。CEPI、感染症流行対策イノベーション連合と日本語で申し上げますが、このCEPIは、新型コロナウイルスワクチンの開発供給を支援する国際的枠組みでございますCOVAXファシリティーにおいて、製薬企業、研究機関に資金を拠出すること、資金を拠出することで新型コロナウイルスワクチンの開発を支援しているところでございます。現在、日本企業が開発している新型コロナウイルスワクチンはCEPIによる支援対象に入っておらず、CEPIからの金銭的な支援を受けていないところでございます。
厚生労働省といたしましては、CEPIと日本企業のマッチングといった日本企業への支援を増やしていくべく努力してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/57
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058・大塚耕平
○大塚耕平君 外務大臣にお伺いします。
今CEPIの説明がありましたが、外務大臣は、COVAXが途上国へのワクチン供給だけじゃなくてワクチンの開発に関する資金支援をしているというのを御存じでしたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/58
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059・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 今厚労省から答弁がありましたように、このCEPIですね、こういう枠組みを通じてやっていたということは承知をしておりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/59
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060・大塚耕平
○大塚耕平君 実は、一年ぐらい前ですけれども、茂木大臣のときに、COVAXの話をしている過程でたまたま生産支援の方の話になりましてお伺いをしたところ、その時点では茂木大臣も御認識がなかったようでありましたので、実は生産支援もしているので、そこは日本も応分の働きかけをするべきではないかというやり取りをさせていただきました。
その後、厚生労働省にも個別においでいただいて、やはり、もちろん途上国支援は必要なんですけれども、ワクチンを開発してそれを日本のワクチンとして世界に供給するというところもこのCOVAXがサポートしているならば、そこも日本はしっかりそのプラットフォームに入り支援を受けるべきではないかとやり取りをしたところ、そこが大事なんですと、これからやりますというやり取りをしたのが今から数か月前でありますが、現状は今の答弁にあるとおりであります。
我が国の外交のおおらかさと言ってしまえばそれまでですけれども、やはり、かつてのように、アジアで唯一の西側先進国との対等な立場にある国、財政も経済も余力があって様々な支援を一方的にする立場という状況でないということはもう多くの議員の皆さんや関係者が理解しているところでありますので、このCOVAXについて、一年前にそういうやり取りがあった中で、現状は今答弁があったとおりでありますが、何か交渉をしていたり、あるいはこれから日本が資金提供を受ける可能性があるのかどうか、その辺りはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/60
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061・達谷窟庸野
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
CEPIにつきまして、CEPIにおいてどのような機関を選ぶかということにつきましては、私ども、CEPI側の情報でございますので、詳細は承知していないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/61
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062・大塚耕平
○大塚耕平君 一度調べてそれでは個別で結構ですので報告をいただきたいんですが、その一年前の議論のときにも間接的に申し上げましたし、その後、厚生労働省との個別のやり取りの中では事務官にはお伝えしましたけれども、拠出するものはもちろん先進国として拠出をしつつ、しかし、拠出した先のプラットフォームが持っているファシリティーは使えるものは使うというふうにしないと、もう一方的に持ち出しばっかりではほとんど日本の外交が機能しているとは言い難いと感じていますので、存じていないだけではちょっと承知しかねますので、一応、その後どういう状況になっていて、今どういう働きかけをしていて、日本の製薬メーカー等がなぜ相手にされないのか、能力がないのか、それとも資金は自分たちで用意するから遠慮すると申し上げているのか、その辺りについて確認をして報告していただきたいと思いますが、よろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/62
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063・達谷窟庸野
○政府参考人(達谷窟庸野君) 先ほども申し上げましたとおり、私ども、やはりCEPIと日本企業がマッチングしてCEPIの支援を受けられるように努めているところでございますが、今先生御指摘いただいたものにつきましては、引き続き御報告をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/63
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064・大塚耕平
○大塚耕平君 これは厚生労働省だけに任せておいていい話ではなくて、外務省としても、日本がいろんな資金を拠出している、その言わば土台の上で日本外交のレピュテーションというもの、あるいはそのパワーが維持できているわけでありますので、今厚生労働省から答弁があった点については外務省としても関心を持って調査をするという理解でよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/64
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065・赤堀毅
○政府参考人(赤堀毅君) お答えいたします。
当省といたしましても、平素より厚生労働省とコロナワクチンの全体の枠組みについて緊密に連携しておりますので、この点につきましても協力していきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/65
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066・大塚耕平
○大塚耕平君 それでは、また改めての両省からの報告をお待ちしていますので、よろしくお願いいたします。
次の質問ですが、外務大臣、ウクライナ問題での御対応、大変お疲れさまでございます。
本当に、日本がどういう役割を果たせるかというのは、この帰趨、このウクライナ問題の帰趨にも関わると思いますので是非御尽力をいただきたいと思いますが、最近、プーチン大統領に誰が影響を与え得るのかということでロシアの新興財閥オリガルヒのことが随分報道されるようになりました。
オリガルヒと日本の経済界あるいは投資家との関係、取引関係、こういうことについてどのような情報を現時点で政府として有しているのか、あるいは、もし情報がないのであればどういう認識をお持ちであるのか、外務大臣にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/66
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067・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 今委員がおっしゃるように、今回のロシアのウクライナに対する侵略を受けて、G7と国際社会と協調しながら制裁等行ってきたところでございます。
今、このお尋ねのあった他国の政府高官と、今オリガルヒというお言葉もありましたが、こういう政府高官等の皆様、皆様と言うとあれですが、政府高官等の日本国国内における資産、これについて現在は公表していないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/67
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068・大塚耕平
○大塚耕平君 今、最後の部分、済みません、私が聞き逃したのかもしれませんが、オリガルヒと日本の経済界との関係については公表していないというふうにおっしゃったという理解でよろしいですか。そうですか。
その公表していないというのは、公表できない理由としてはどういうふうに考えたらよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/68
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069・徳田修一
○政府参考人(徳田修一君) お答え申し上げます。
個別具体のものに対します資産等の情報、あるいは今後のあり得べき行政上の対応につきましては、これを公表することで当方の行政上の言わば手のうちをさらすということにもなり得ることから、お答えすることは困難ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/69
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070・大塚耕平
○大塚耕平君 ちょっと質問の趣旨が違うんですけれども、このオリガルヒとの取引等によって何らかの資産凍結等の処置をしているとかそういうことをお伺いしているわけではなくて、このオリガルヒと日本の経済界、日本の企業とどういう取引関係があるかということについて外務省として何か情報を持っているのか、どういう認識を持っているのかという質問であって、制裁措置を加えているのかどうかということをお伺いしているわけではありません。
もう一回お伺いしますけれども、オリガルヒと日本の経済界、企業との取引関係について外務省はどのように把握していますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/70
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071・徳田修一
○政府参考人(徳田修一君) 改めてお答えを申し上げます。
ロシアの個別のオリガルヒと日本企業の個々の取引について、外務省として網羅的に承知しているという立場にはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/71
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072・大塚耕平
○大塚耕平君 いや、それは、現下のこの国際情勢の中でそういう姿勢でいいのかどうかということは、随分疑問に感じます。
一つ例を挙げますけれども、直接ロシアとの関係じゃないんですけれども、一つの頭の体操として申し上げますと、コロナの問題で、抗原検査キットを去年、おととしですか、今やおととしですけれども、日本の企業からも調達できるということで、富士レビオという企業から調達をするということになって、そのときにいろいろ調べたら、その企業は、親会社の一〇〇%子会社で、その親会社の最大株主は中国の政府ファンドで中国人民解放軍が出資していたということが分かったので、それを財務省と外務省にお伝えしたところ、知っていますかとお伺いしたところ、知りませんでしたという話がおととしありました。
これは一つの例なんですけれども、これだけの事態が起きていてですね、しかもプーチン大統領に影響を与え得る人たち、ないしは、まあ一緒にこの事態を起こしているとも言えなくもないわけですが、そのオリガルヒについてこれだけ報道が出始めている中で、日本の外務省として、日本の経済界、企業がオリガルヒとどういう取引関係にあるかということについて外務省として存じ上げる立場ではないという、そういうことでよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/72
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073・徳田修一
○政府参考人(徳田修一君) 存じ上げるつもりはないということを申し上げたつもりではございませんで、もしそういうふうに受け止められたのであれば訂正いたしますけれども、外務省としても、日本企業とロシアのそれぞれの企業との取引については様々な相談を受けることもございます。そういう面からいろんな情報は得ているところではございますけれども、個別具体的にどういう情報を持っているかということについてこの場でお答えすることは困難であると、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/73
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074・大塚耕平
○大塚耕平君 個別具体的にお伺いしているつもりはなくてですね、まあ今のお話で大体理解できましたけれども、つまりオリガルヒと日本の経済界もかなりの取引関係があるということは外務省としても理解をしていると。
したがって、そこは、そこで終わりなのか、注視していて必要とあらば適切な対応をするというスタンスなのか、そこはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/74
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075・徳田修一
○政府参考人(徳田修一君) 基本的には民間レベルの取引ということではございますけれども、もし必要な状況があれば、外務省あるいは関係省庁から適切な助言ないしアドバイスをするということは一般論としてあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/75
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076・大塚耕平
○大塚耕平君 まあ、その御答弁の印象は各議員がそれぞれお感じだと思いますが。
先般、財政金融委員会の方では、二〇一四年のクリミア半島に対するロシアの侵攻の直後から、まあ、あのときもSWIFT排除をやったんですけれども、それを受けてロシアでは独自の決済インフラ、SPFSの開発を始め、中国はその翌年からCIPSをつくり始めて、そしてSPFSには、まあ今ヨーロッパはかなりロシアに対して厳しく対応していますが、そういいながらドイツとスイスは参加していると。それから、CIPSに関しては、日本の、中国の銀行以外では最も多くの銀行が参加しているのは日本であるということをこれは財政金融委員会の方で申し上げて、少し鈴木大臣と意見交換をさせていただきました。
そういう事例及び他の委員会での議論からもお分かりのとおり、やっぱりこの事態において、外務省としては、このオリガルヒと日本の経済界との関係についてはより深く関心を持って必要な場合には適切な対応を取るということも一般論としてはあるという理解でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/76
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077・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 今委員がおっしゃいましたように、先ほど申し上げましたように、いろんな制裁措置等とってくる中で、このSWIFT等の措置も対応してきたところでございます。
そうした意味で、外務省としても財務省とも連携しながらしっかりとした対応をしていくということでございますし、今答弁したとおり、この内容をいろいろと、この知っていることをここで申し上げることは個別には差し控えたいと思いますけれども、把握をしながら適切に対応していくということが非常に肝要なことだというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/77
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078・大塚耕平
○大塚耕平君 まあ、林大臣には状況は十分御理解いただいたと思いますので適切に御対応いただけると思いますが、先ほどのCOVAXに対する問題もそれからこのオリガルヒとの関係の話も、それからSWIFTの代替システムであるCIPSやSPFSの話も含めてですね、まあやっぱり日本の外交とか国際関係における緊張感が少し足りないのではないかという懸念を持っておりますし、その事態が、今から二十年前、三十年前の我が国の国際社会におけるポジションからそのまま踏襲している心理状態にあるのではないかということを懸念しています。
外務省においては、そういう点を十分御留意いただいて、この先日本外交が、あえてちょっと厳しい言葉を使わせていただくと、惰眠をしているというふうに言われるようなことのないように適切に御対応いただきたいと思いますので、最後に外務大臣から、その辺りの日本外交の今後のあるべき姿も含めてコメントをいただいて終わりにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/78
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079・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 今委員からるる御指摘があったように、国際的にしっかりとこの役割を果たしていく、また、こうした今まで余り見たことのなかったような状況、国連安保理事国のP5の一員がこうした国際秩序の根幹を揺るがすような事態を引き起こしていると、それに対応して、G7で普遍的価値を共有する我々が一致団結してしっかりとした対応していくと、こういう局面でございますので、そうした認識を持って、惰眠と、こういうふうに言われないようにしっかりと対応していくという必要があると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/79
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080・大塚耕平
○大塚耕平君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/80
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081・清水貴之
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。
私も、ウクライナ問題について質問させていただきたいと思います。
冒頭に猪口委員からもありましたとおり、外務大臣は、この週末、連休にトルコとUAEを訪問されました。本当に短時間のしかも遠距離の出張というところで、本当にお疲れさまでした。
このトルコとUAEです。トルコは特に、猪口委員からもあったとおり、ロシアとウクライナの間に入って、この仲介、交渉の本当にキーとなる国ではないかと言われている。そしてもう一つ、インドもキーとなる国ではないかと言われておりまして、こちらを総理が訪問されたということで、本当に日本の外交にとっては非常に意味の深い訪問だったのではないかというふうに感じています。
実際行かれてどのような話がされたのか、感触を持って帰ってこられたのか、停戦交渉、進捗状況、そのもう本当に現場の最新の情報を得てこられたと思いますので、この辺りですとか、日本が果たす役割などどういった感触を持って帰国されたのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/81
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082・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 今委員からお話がありましたように、総理がインドに行かれるということはこの前提として、それで私がどこへ行くかということを考えさせていただいたということでございまして、まさに今御指摘があったように、インドというのが、実はこの間の国連の特別総会における決議、残念ながら棄権ということもございましたので、そういった意味でも、またいろんなこのインドが持っておるほかの国との関係という意味でも、大変なポイントになるということは御指摘のとおりでございます。
一方、トルコも、そういった意味で、まさに私が訪問する前に、アンタルヤというところに行きまして、これは、チャブシオール大臣のお地元ということもございますが、まさにこのアンタルヤで、安全保障の会議をやったその会場で、実は三か国、ウクライナとロシアとそしてトルコのチャブシオール外務大臣の仲介による三者会合が行われたと、そういうことでございました。さらに、そのアンタルヤでの三大臣会合の後、チャブシオール大臣は、ロシアとウクライナとそれぞれ訪問されておられたと。こういう状況の中で、トルコに行って、チャブシオール大臣と昼食も挟みながらかなり長時間の間に、長時間掛けて意見交換をすることができたわけでございます。
大臣からは、トルコが今まで果たしてきた外交努力についてかなり詳細な説明をいただくことができました。この詳細、中身について、相手のおっしゃったことですからなかなか御披露することは難しいわけでございますが、私の方からは深い感謝と敬意を表したところでございます。
そして、このロシアによる侵略、これがウクライナの主権及び領土の一体性を侵害して、武力の行使を禁ずる国際法の重大な違反であると、こういう認識で一致をしたところでございまして、今後も緊密に連携をしていくということを確認できたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/82
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083・清水貴之
○清水貴之君 お話聞いて、大分深いお話をされてきたんだなというのが伝わってきましたが、会談ではロシアに対する制裁の話などもされたというふうにこれ報じられておりまして、ロシアにはこれまで国際社会が様々な、この日本も含め、様々な制裁を科しています。
こういったものが実際にどれぐらい効果として出てきているのか、この辺りも、停戦交渉、ロシアとの交渉において重要になってくるのではないかと思っているんですけれども、この辺りについてはどのように今見ているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/83
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084・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 先ほど大塚委員とのやり取りの中でも申し上げましたように、我が国はG7を始めとした国際社会と連携しながらこの一連の制裁措置を講じてきたところでございます。そして、このロシアの今のこの為替の状況や、それに対して中央銀行がとられておるような措置、また、これはニュースで拝見したところですが、ATMに行列ができたりしておると、こういうことを見ても一定の効果を上げてきているんではないかというふうに考えてきております。
先ほど申し上げたように、このチャブシオール大臣とは、仲介努力を含めた外交努力についていろんな御説明を聞きながら議論を深めたところでございます。中身について詳細に申し上げることはなかなか難しいわけでございますけれども、先ほど申し上げましたような国際法の違反であるという認識で一致をしたということで、今後も対応をしっかりと連携をしていくということで確認をしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/84
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085・清水貴之
○清水貴之君 そして、その後UAEを訪れられていらっしゃいますが、やはりこの国際的なエネルギー問題、これはもう本当に大きな問題となっています。日本国内だけ見ても、停電の話なんかも昨日、今日もあったりとか、エネルギー価格も相当高騰していまして、物価全体が上がってきている中で本当に対策が急がれるところですが、UAEをこの時期にまた訪問されたということで、その辺り、国際的なエネルギー価格の高騰ですとか、日本国内のこのエネルギー不足の解消につながるような、そういった前向きな会談になったのかどうか、お話聞かせていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/85
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086・林芳正
○国務大臣(林芳正君) まさに、UAE、日本の原油の輸入のかなりの部分をUAEからの輸入によって、UAEの輸入が占めているわけでございます。
まずは、このUAEで、ロシアによるウクライナ侵略に対する日本の確固たる立場をお伝えして、国際場裏での協力、これを確認することができたわけでございます。そして、先ほど申し上げたようなUAEの産油国としての立場も踏まえて、今般の原油価格高騰を踏まえた国際原油市場の安定化、これを働きかけたところでございます。UAE側からは、日本を強く支えていきたいという大変心強い考えが示されたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/86
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087・清水貴之
○清水貴之君 で、そのさなかなんですが、今度はロシア側が、北方領土問題ですけれども、日本とロシアとの平和条約交渉、これを打ち切るということを発表いたしました。確かに、こういった今状況ですからこれまでどおり順調にこの交渉が進んでいくとはこれはなかなか思えないところはありますけれども、とはいえ、相手国から一方的にこういった通告を受けるというのは、まあ言葉は悪いですが、気分のいいものではないなというふうに感じます。そうなると、やはり今後の外交戦略の練り直しなどもこれしていかなければいけないんではないかと思いますけれども、現在、政府としてはどのように考えているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/87
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088・林芳正
○国務大臣(林芳正君) まず、ロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、国際秩序の根幹を揺るがす行為であります。明白な国際法違反であり、断じて許容できず、厳しく非難をいたします。
で、今回の事態でございますが、これは全てロシアによるウクライナ侵略に起因して発生しているものでありまして、それにもかかわらず、日本側に責任を転嫁しようとする今般の今御指摘のあったロシア側の対応、これは極めて不当でありまして、断じて受け入れられず、強く抗議をいたすところでございます。
昨二十二日でございますが、こうした日本政府の立場をロシア側に伝達をいたしまして、強く抗議をしたところでございます。
今般のウクライナ侵略について、我が国としては、国際秩序の根幹を守り抜くために、国際社会と結束して引き続き毅然と行動していく考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/88
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089・清水貴之
○清水貴之君 そして、ここで考えなければいけないのが、島民、元島民の皆様方への対応といいますか、お気持ちだというふうに思います。
これまで長い年月を掛けてやっとここに来て、ビザなし交流だ、自由訪問だ、墓参、お墓参りができるようになったりとかですね、交流を深めていって、その先には、やはり自分たちが生まれ育った場所が返ってくるというその願いを込めてこういう活動をされてこられているわけですね。
交流は、コロナでここ二年ぐらいは止まってしまっていたところがありますが、やっとここに来てまた再開できるんじゃないかと思っていた矢先のこういったロシア側の対応。元島民の皆様、大体平均年齢もう八十歳台半ばぐらいになられるということですから、もうなかなか、率直に申して時間が限られている中で、こういった島民の皆様の気持ちにも寄り添って対応していかなければいけないというふうに思いますけれども、大臣、どのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/89
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090・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 日本政府といたしまして、領土問題を解決して平和条約を締結すると、この対ロ外交の基本方針は不変であるわけでございます。
そして、私もこの間、テレビでこの元島民の皆様のインタビュー拝見して、本当に胸が締め付けられるような思いでございました。
御高齢に、今お話のありました御高齢になられた元島民の方々の思い、これ何とか応えたいという考えに変わりはないわけでございますが、現在、この平和条約締結、また北方墓参の実現に向けた今後の対応について、この時点で申し上げるべき状況にはないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/90
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091・清水貴之
○清水貴之君 そして、ロシア側もいろいろと日本に対する対抗措置をとってきている中で、この平和条約交渉の打切り発表前には、これロシア政府がクリル諸島に進出する企業を税制優遇すると、こういった法案に署名をしたと、こういった報道も入ってきています。これに対して日本政府としては遺憾の意を表したということではありますが、こういった混乱している状況で、そうやってどんどんある意味既成事実をつくろうとしているというのも、これも見過ごすわけにはいかないなというふうに感じています。
今後、どれぐらいの企業がこの制度によってロシア側から北方領土などを含むところに進出していくか分かりませんけれども、かなり厳しい措置を日本側としてもとっていく必要があるのではないかと、遺憾と言うだけでとどまらず、具体的にもっと対応するべきではないかとも感じますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/91
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092・林芳正
○国務大臣(林芳正君) ロシア法令に基づくことを前提として北方四島を含む地域の経済開発に関する特恵制度、これを導入すること、そして、日本企業及び第三国企業にそのような経済開発への関与、これを広く呼びかけることは、北方四島に関する日本の立場と相入れないと考えております。
こうした日本側の立場につきまして、これまでロシア側に累次申し入れてきている中で、今般ロシア側がこうした制度の導入に踏み切ったということは大変遺憾であり、三月九日、在ロシア大使館参事官からロシア外務省第三アジア局日本部長に対しまして、改めて我が国の立場を申し入れたところでございます。
そして、今、清水委員からお話がありました日本企業や第三国企業が北方四島においてロシアの管轄権を前提としたかのような各種活動、これに従事するということは、北方四島に関する我が国の立場と相入れないわけでございます。これまでも、北方四島における第三国等の企業の活動、これ確認される場合には、その都度、このような日本側の立場について当該企業に対して申し入れてきておりまして、引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/92
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093・清水貴之
○清水貴之君 是非よろしくお願いいたします。
続いて、ロシアと取引をする企業、これ日本にもたくさんあるわけですが、こういった企業に対する対策を聞かせていただきたいと思います。経済産業省さんだと思うんですけれども。
対策というのは、なかなか経営的に厳しくなっている企業も出てくるんじゃないかというような話です。ロシアから、こういう状況ですから輸入が減る、禁止されるということで、止まるということで、業績が悪化する企業も出てくるのではないかというふうに思います。特に水産物などは、もう輸入額はロシアは世界三位です。一千三百八十一億円、日本は毎年輸入をしています。ほかにも、例えば木材なども、ロシア材のシェアは一割程度とされまして、額にしたら非常に大きいわけですね。
こういったのがなかなか入ってこなくなって、我々も、水産物などで新聞記事など見ていますと、なかなか回転ずしが困っているとか記事が出て、我々がなかなか食べにくくなって困るぐらいでしたらこういった状況ですからそれはもう我慢して乗り越えてなんですが、こういったコロナの状況も続いている中で、そういった飲食店もそうですし、卸の会社とか輸入会社とかこういったところもずっと疲弊してきている中で、こういう状況になるとそういった企業対策というのもますます必要になってくるのではないかと思いますが、これについて、経産省、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/93
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094・飯田健太
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、今回のロシアに対する経済制裁に伴いまして様々な影響があるということが想定されるわけでございます。
特定の業種ということでなく、中小企業庁でやっております広く一般的に中小企業対策でございますが、対策の一つ目として、相談窓口の設置をしております。ジェトロでございますとか、日本貿易保険、NEXI、それから政府系金融機関、中小企業団体、こういったところに窓口を設置しておりまして、これまでも、資金繰りの関係でございますとか、いろんな原材料などの輸入への影響があるといったような声が寄せられているところでございます。
二つ目はその資金繰りでございまして、日本公庫によるセーフティーネット貸付けの金利の引下げでございますとか要件緩和でございますとか、こういったことを行っているところでございます。
三点目は価格転嫁でございまして、原油価格高騰などの影響を受ける下請企業がコスト上昇分を適切に価格転嫁ができる環境を整備するという観点から、下請Gメンによるヒアリング、あるいは業界団体を通じて価格転嫁について配慮することを親事業者に対して要請なども行っております。
それから、中小企業に限った話ではございませんが、燃料油の急激な価格高騰を抑えるための元売事業者に対する支給額の上限、五円を二十五円に引上げと、こういったようなことも行っております。
引き続き、今後の事態の推移を注視しつつ、事業者支援に万全を期してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/94
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095・清水貴之
○清水貴之君 同じように、輸入だけじゃなくて、輸出するとかロシア国内で商売しているそういった企業も、まあ輸出の禁止だとか、例えばロシアの航空機リースしている会社が、もう返してもらえないんじゃないかと、こんな話もありますので、いろいろ注視していく必要がおっしゃるとおりあるんじゃないかというふうに思っています。
続いて、避難民、日本への避難民の受入れなんですが、これは先週の委嘱審査の際もお聞きをしたんですが、一週間少したちまして日本政府としても少しずつ門戸を広げていっているといいますか、非常に寛大に受け入れようという、いろいろ制度を緩和していってという動きが見られますので、再度、今の状況など教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/95
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096・林芳正
○国務大臣(林芳正君) このウクライナ避難民の我が国への受入れを進めるため、先週十八日でございますが、官房長官の下で、ウクライナ避難民対策連絡調整会議、これを開催をいたしました。ウクライナから避難を余儀なくされて日本への避難を希望するウクライナの方々について、同日以降はいつでも受け入れて、政府一体となり、国民の理解を得ながら必要な支援を行っていくと、こういうことを確認をしたところでございます。
今後、この新たに設置をされました関係省庁によるタスクフォースにおきまして、連絡調整会議の場で確認された支援、この運用の在り方を議論、調整していくこととしております。ウクライナ情勢や避難民の方々のニーズ、これを踏まえながら必要な支援を迅速かつ的確に行うことができるように対応してまいりたいと思っております。
外務省としては、円滑な査証発給に加えて、周辺国において、訪日希望者からの照会対応や連絡調整、こういった訪日に向けた支援や、国内関係機関への情報提供、訪日希望者へのフィードバック、こういうことを行って関係省庁と協力をしてまいります。
現在まで避難を目的として本邦に入国された方は、総理がウクライナ避難民の受入れを表明された三月二日以降でございますが、三月二十一日までで百六十人になっておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/96
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097・清水貴之
○清水貴之君 外務省さんが、受入れ、入国しやすい環境を整えて、その後、入ってこられた後どういった処遇をしていくかということで、もうこれ、様々な分野にこれもう及んでいるんだと思います。宿泊先どうする、食事どうするとか、日本語、長期滞在される、仕事されるならそういった訓練とか日本語の手当てどうするとか、様々な処遇、必要だというふうに思っています。
こういったことを詰めるために関係省庁集めた組織横断型の会議で具体策を詰めていくという話なんですが、これはやはり時間掛けていてはなかなか良くないというふうに思います。これスピード感を持ってやっていただきたいというのと、これもう時間がありません、もう最後一緒に聞かせていただきますが、こういったことをしっかり日本で整えた上で、ウクライナと距離がありますのでなかなか日本に来るのを希望される方はそれほど多いんじゃないかなというような話もありますけれども、でも、日本としてはしっかりと皆さんを支えていきますよということを示していくのは、これは国際的にプレゼンスを高めていく上でも大事かなと。例えばチャーター機みたいなものを飛ばしてまで日本に来てもらうようなことも考えるとか、いろいろやり方はあるというふうに思います。
この辺りも対応しっかりお願いしたいと思いますが、これ最後の質問にさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/97
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098・徳田修一
○政府参考人(徳田修一君) お答え申し上げます。
先ほど大臣からの御答弁ございましたとおり、関係省庁から成る、ヘッドは内閣官房副長官補でございますけれども、関係省庁が一体となって日本の支援策を議論、調整していく体制を整えているところでございます。
ウクライナ情勢あるいは避難民の方々のニーズを踏まえ、必要な支援を迅速かつ的確に行うことができるようスピード感を持って対応できるように取り組んでまいりたいと思いますし、今委員からお話のございました様々な選択肢、支援の選択肢あろうかと思いますので、あらかじめ予断することなく最も適切な方法を関係省庁と一体となって検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/98
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099・清水貴之
○清水貴之君 以上で終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/99
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100・紙智子
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
まず初めに、昨日三月二十二日付けの新聞報道で、ロシア外務省は日本との北方領土問題を含む平和条約交渉について継続する意思はないとする声明を発表したと報じていますけれども、これはこれまで取り交わしてきた日ロ間の約束に反するものではありませんか。外務大臣に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/100
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101・林芳正
○国務大臣(林芳正君) ロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、国際秩序の根幹を揺るがす行為であります。明白な国際法違反であり、断じて許容できず、厳しく非難をいたします。
今回の事態、これは全てロシアによるウクライナ侵略に起因して発生しているものであり、それにもかかわらず、日本側に責任を転嫁しようとする今般のロシア側の対応、極めて不当であり、断じて受け入れられず、強く抗議をするところでございます。昨二十二日、こうした日本政府の立場をロシア側に伝達し、強く抗議をしたところでございます。
今般のウクライナ侵略について、我が国としては、国際秩序の根幹を守り抜くため、国際社会と結束して引き続き毅然と行動していく考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/101
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102・紙智子
○紙智子君 我が党は、日ロ領土問題については、領土不拡大の原則に反して秘密協定を結んできた不公正を正して、戦後処理の原則に立って、国際的な道理に基づいて外交をするべきだと、展開するべきだということを繰り返してこれまで言ってまいりました。
ところで、安倍元総理の進めた新しいアプローチと称するこの日ロの外交というのは、今度のウクライナの侵略によって抜本的な見直しが求められているのではないでしょうか。これは、林外務大臣と西銘北方担当大臣にお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/102
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103・林芳正
○国務大臣(林芳正君) ロシアとは、平和条約締結問題を含む政治、経済、文化など幅広い分野で日ロ関係全体を国益に資するよう発展させるべく、領土問題を解決して平和条約を締結するとの方針の下で、これまで粘り強く交渉を進めてきたところでございます。
しかしながら、今回のロシアによるウクライナ侵略に対しては、G7始め国際社会と結束して毅然と行動する必要があると考えております。日本政府として領土問題を解決して平和条約を締結すると、この対ロ外交の基本方針は不変であります。その上で、対ロ関係の展望につきましてはこの時点で申し上げるべき状況にはないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/103
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104・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 総理も外務大臣も繰り返し述べられているとおり、今般のウクライナ侵略につきましては、我が国としては、国際秩序の根幹を守り抜くため、国際社会と結束して引き続き毅然と行動していく考えであります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/104
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105・紙智子
○紙智子君 新しいアプローチというのは、安倍元総理が、戦後の領土交渉は一ミリも進まなかったといって、二〇一六年の五月にロシア南部のソチでプーチン大統領と会談をし、北方領土問題を含む平和条約交渉を進める方針ということで確認をしたわけですよね。今までの発想にはとらわれないんだと、新しいアプローチで交渉を進めると、今までの停滞を打破する、突破口を開く手応えを得ることができたんだと。プーチン大統領も同じ認識だと成果を強調しました。
同年の十二月には山口県でプーチン大統領と首脳会談を行って、北方四島における共同経済活動に関する協議を開始するということが平和条約の締結に向けた重要な一歩になるんだというふうに言われたんですね。相互の理解に達したというふうにも言われました。
そこで、質問なんですけれども、共同経済活動で何か成果があっているのでしょうか、あるのでしょうか。北海道の北方隣接地域の経済は発展しているのでしょうか。担当大臣にお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/105
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106・徳田修一
○政府参考人(徳田修一君) お答え申し上げます。
北方四島をめぐる共同経済活動につきましては、これまでロシアとの間で、日ロ双方の法的立場を害することなくという大前提の下に様々な協議を重ねてきたところでございます。
例えば、具体的には、北方四島への観光パイロットツアー、あるいはごみ処理専門家の交流、こういったことが実現してきているところでございますけれども、今この状況で、平和条約交渉もそうですけれども、共同経済活動につきまして、その展望については現時点では申し上げる状況にはないと言わざるを得ないということだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/106
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107・紙智子
○紙智子君 まあ、ごみの減容の対策だとか、ツアーだとか、観光の問題とかといろいろ言われるんですが、私、何回も今までもレクチャーでどう進んでいるのかと聞くんですけれども、なかなかはっきりしないというふうに思っていて、やっぱり、隣接地域の人たちに聞くと、何をやっているのか見えないという話をよく出されます。
それで、共同経済活動というのは、両国の法的立場を害さないと、ここ重要ですよね。害さないという下で行うというふうにされてきたわけです。しかしながら、ロシア側は、これはロシアの主権の下で行われるんだと繰り返し表明してきました。
プーチン大統領は、ロシアに領土問題は存在しないというふうに言っているわけです。そして、二〇二〇年には、領土割譲禁止ということを明記したロシアの憲法の改正もやったわけですね。今年に入って、三月九日には、ロシアで経済特区法が成立をしたと。進出する日本も含めた内外の企業に対してこれ二十年間にわたって税の優遇措置を適用するというものですよね。
現実にはこうやって北方四島でロシアの実効支配がますます進んでいるんじゃないのかと、そういう認識は、外務大臣、おありでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/107
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108・林芳正
○国務大臣(林芳正君) この北方四島につきましては、我が国が主権を有する島々でありまして、我が国固有の領土でございます。ロシア憲法の改正を始めとするロシア側の一方的措置により、こうした北方四島の法的地位、これが変わるものではないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/108
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109・紙智子
○紙智子君 実効支配が進んでいるという認識はありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/109
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110・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げましたように、法的地位が変わるものではないと、こういうふうに考えております。
また、この実効支配について、我々としてのこの評価、これを申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/110
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111・紙智子
○紙智子君 私は、この共同経済活動は領土交渉を前に進めるものにはなっていないと思うんですよ。ロシアのウクライナの侵略を受けて、今回ロシアは、ロシア側がですね、継続しないというふうに言っているわけですね。
共同経済活動、そういう中で、中止すべきではないかと思うんですけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/111
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112・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 我々として、領土問題を解決して平和条約を締結するという対ロ外交の基本方針、これは不変でございます。
その上で、この今お尋ねがありました共同経済活動、これに対する今後の対応につきましてはこの時点で申し上げるべき状況にはないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/112
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113・紙智子
○紙智子君 新しいアプローチの名で進めてきた領土交渉というのは、一ミリでも進めるどころか、ロシアの実効支配が進んでむしろ後退していると思うんです。今回のプーチン大統領の発言によって、これ事実上破綻していると思うんですね。ですから、この外交路線というのは抜本的に見直すべきだと、改めるべきだということを申し上げておきたいと思います。
ロシアへの経済制裁などについてお聞きします。
日ロの経済協力、政府の事業は八項目の協力プランについて当面見合わせるとしながら、民間企業への支援はその都度判断ということなんですけど、しかし、マスコミが書いていますよね、欧米企業は早々に事業を撤退、停止したけれども、日本の企業の動きは鈍いと、そして、企業は経済戦略の見直しをすべきじゃないかという見出しで書いています。
日本政府の姿勢がこの企業の決断を遅らせているんじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/113
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114・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 現下のこのウクライナ情勢を踏まえますと、我が国としても、もはやロシアとの関係で新たな経済分野の協力、これを進めていく状況にはなく、八項目の協力プランも含めまして、ロシアとの経済分野の協力に関する政府事業については当面見合わせることを基本に、国際的な議論も踏まえて、エネルギー安定供給、また人道上の配慮に留意しつつ対応してまいる所存でございます。
他方、今後のウクライナ情勢や国際的議論の展望、これを正確に見通すことは困難でありまして、これら事業を具体的にどう取り扱うべきか、これにつきましては、今後の状況を踏まえて政府として適切に判断をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/114
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115・紙智子
○紙智子君 サハリン2はシェルが撤退をしたとして、EUも二七年までに撤退を表明しているわけです。日本も直ちに撤退すべきだと思うんですけれども、直ちにというふうに言えないのであれば、せめて撤退の時期ぐらいは明確にするべきではないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/115
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116・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 我が国としては、これまで一貫して、エネルギーの安定供給と安全保障、これを最大限守るべき国益の一つとして、G7を始めとした国際社会と協調しながら適切に対応していくことを方針として述べてきたところでございます。
三月十一日に発表されましたG7首脳声明では、秩序立った形で、世界が持続可能な代替供給のための時間を確保しつつ、ロシアのエネルギーへの依存を削減するため更なる取組を進めていくことで一致をしたところでございます。
今お話のありましたサハリン2につきましても、このG7首脳声明の方針に沿って、我が国のエネルギーの安定供給等の観点を十分考慮しつつ、経済産業省とも連携し、適切な対応を考えてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/116
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117・紙智子
○紙智子君 サハリン2の今後のことも今ちょっと述べられましたけど、私、民間企業だったら普通はリスク分散ということは考えているというふうに思うし、それくらいの力を日本の企業というのは持っているというふうに思います。
二〇一四年のクリミア半島の併合のときにも、EUが対ロ経済制裁を行っていた下で日本がロシアとの経済協力を進めていて、このときも我が党は、それでは国際的なロシアへの経済制裁の取組を壊すことになりかねないというふうに批判したんですけど、結局そのままし続けて、北方領土の問題も、実効支配が更に強まったということを見るならば断固とした態度を示すべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。
それから、ビザなし交流についてもお聞きします。コロナでこの間、二年間やられていません。
二月の七日の北方領土返還要求大会のときに、これオンラインで参加をして発言する予定だった千島歯舞諸島居住者連盟の根室支部長の宮谷内亮一さんが亡くなりました。七十九歳だったんですね。元島民の平均年齢が八十六歳と。元島民が生きている間に解決してほしいということを私たち何度も訴えられてきたんですよね。ですから、元島民の皆さんはじくじたる思いだと思うんです。
今回の事態を受けて、もう言葉が出ないとか落胆されている人もいるし、でも諦めるわけにはいかないんだという話もあるわけで、是非、この問題、足を運んで今の状況を島民の皆さんに説明をしながら励ましていただきたいなと思いますけれども、西銘担当大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/117
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118・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 私も全国大会に参加をしておりました。島民の方々の思いは本当に重たいものがあります。
高齢となられた元島民の方々、平均年齢八十七歳と承知をしておりますが、その思いに何とかお応えしたいという強い思いはありますが、この二年間、コロナ禍でビザなし交流等が途絶えてしまって、やっと何らかできるんじゃないかという思いのときのウクライナ侵略であります。現時点でこの状況に鑑みると、当事業の具体的な展望については申し上げる状況にはないと考えております。
なお、私自身の隣接地域、一市四町への隣接地域への訪問につきましては、現時点で申し上げられませんが、状況を見極めた上で適切に判断してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/118
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119・紙智子
○紙智子君 難しい状況であることはよく分かりますけれども、やっぱり行って、ちゃんと丁寧に説明して聞いてあげてやっぱり励ましていただきたいと思うんですよね。
それから次に、日ロの漁業交渉についてお聞きします。現在、交渉はどうなっているのか、水産庁に簡単に説明をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/119
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120・藤田仁司
○政府参考人(藤田仁司君) お答えいたします。
まず、我が国とロシアとの間の漁業交渉につきましては、三つの政府間協定と一つの民間協定に基づきまして四つの交渉が行われてございます。
このうち、日ロ地先沖合漁業交渉及び北方四島周辺水域枠組み協定に基づく交渉につきましては、昨年十二月に本年の操業条件等についてロシア側と一致しているということでございます。また、日ロのサケ・マスの漁業交渉、これにつきましては、本年四月からの漁期に向けまして、現在、関係省庁と連携しつつ日程を調整しているところでございます。
民間協定に基づいて行われます貝殻島昆布交渉につきましては、本年六月からの漁期に向けまして現在日程を調整しているところと承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/120
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121・紙智子
○紙智子君 まだ交渉には入れていないということだと思うんですよね。終わったものも、実際に出られるかどうかというのは分からない状態だと思うんです。
水産庁によると、政府間交渉というのは、一九九一年に旧ソ連が崩壊したときも含めて、一度も中止されたことがないというふうに聞いています。出漁できなければ、漁業者だけではなくて、関連する加工や、缶詰とか箱詰めとかですが、運送関係ですね、関連業全てに影響が出るし、隣接地域全体にも影響が出ると。
これ、どれぐらいの損失になるのか、つかんでいるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/121
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122・藤田仁司
○政府参考人(藤田仁司君) ちょっと流通業のところまでは正確に把握してございませんけれども、現時点では、民間協定を含みます四つの交渉全体で、二〇二一年におきまして、これ、漁獲量だけですけれども、約五千トン程度の水揚げがございます。水揚げ金額として把握しておりますのは、北方四島周辺水域操業枠組み協定に基づく操業では約二億円、貝殻島昆布協定に基づく操業では約三億円の水揚げが承知しているということでございまして、こういったものを、影響をしっかり丁寧に把握していくということが重要だと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/122
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123・紙智子
○紙智子君 ちょっと、流通関係把握できていないから、水揚げだけでも五億円これはもうなくなってしまうということになるわけですよね。もっと全体に大きな影響を考えれば、もっと大きな損失が出てくることになると思うんですよ。地域経済がこれ冷え込むことは避けられなくなると。出漁できたとしても拿捕されるかもしれないという不安もあるわけで、そういう場合にどういう支援ができるのか。
私、国内対策をちゃんと準備しておく必要があると思うんですけれども、これ、水産庁と担当大臣、一言ずつお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/123
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124・藤田仁司
○政府参考人(藤田仁司君) 今申し上げましたように、交渉自体につきましては、現在関係者と連携して日程調整を行っているという状況でございますので、現時点でその影響について明確に見通すということは難しゅうございますけれども、影響が生じる場合にはその状況をしっかり丁寧に把握して、努めてまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/124
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125・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 水産業に関する対応につきましては農林水産省の所掌でありまして、内閣府としましては、今回の事案が与える影響を注視してまいりたいと考えております。現地を訪ねる機会がありましたら、その辺の情報は農水省と連携したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/125
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126・紙智子
○紙智子君 やっぱり北方地域の隣接地域含めて、やっぱり、心配しなくても大丈夫だよと、こういう対応策を、水産も含めて、経済支えていくということで是非出していただきたい、そのことを申し上げまして、質問を終わります。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/126
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127・青木一彦
○委員長(青木一彦君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、竹内功君及び小川克巳君が委員を辞任され、その補欠として佐藤正久君及びこやり隆史君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/127
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128・伊波洋一
○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
西銘大臣は所信表明で、「強い沖縄経済を実現する」とおっしゃいました。「強い沖縄経済」とは今までの沖縄振興策とどのように違うのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/128
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129・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 沖縄の復帰以降これまで様々な振興策を講じてきた結果、県民の努力もあり、県内総生産や就業者数が全国を上回る伸びを示すなどの成果が見られたところであります。しかしながら、全国最下位の一人当たりの県民所得や労働生産性の低さなどが課題として残っております。また、コロナ禍によって沖縄経済全般に非常に大きな影響が生じたところであります。
強い沖縄経済の実現に向けましては、内閣府が取りまとめた政策パッケージにおいては、法律の延長のほか、沖縄振興予算や税制上の措置、そして政策金融など各般の政策手段も最大限に活用しながら、強い沖縄経済の実現に向けて取り組むこととしております。
その一環として、四つの重点検討分野を設けて具体的な戦略を取りまとめることとしております。現在ヒアリング等々も進めておりますが、このように現在進めている強い沖縄経済の実現に向けた検討は、沖縄振興全般にわたる分野のうち四つの重点検討分野、四つの分野というのは、観光・リゾート、農水産業・加工品、IT関連産業、そして科学技術・産学連携という四つの分野でありますが、域外の競争力の強化や生産性の向上等を図り、強い沖縄経済を構築するための方策等を五月頃をめどに国として取りまとめていくことを想定しております。
沖縄振興全般の中で四つの検討分野、重点的に絞ってヒアリングを今進めているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/129
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130・伊波洋一
○伊波洋一君 是非、今までとは違う新しい沖縄振興を実現していきましょう。さらに、沖縄が足りないもの、それから沖縄が求めるものを是非実現をしていただきたいと思います。
沖縄県における鉄軌道の整備について伺います。
鉄軌道は、沖縄の県土の均衡ある発展、交通渋滞の緩和、県民や観光客の利便性の向上に加えて、二〇五〇年カーボンニュートラルの取組と連動した脱炭素化に貢献することが期待されます。
昨日の予算委員会の締めくくり総括質疑では、白眞勲議員のローカル鉄道の経営悪化問題についての質問に、国交大臣は、鉄道には、医療、教育、福祉など他分野に与える波及効果、いわゆるクロスセクター効果があると答弁しました。また、鉄道は要らないという省庁はあるかとの問いにも、全ての大臣が鉄道は必要だと答え、岸田総理も、鉄道というものは、医療、教育、福祉を始め様々な分野に効果、影響をもたらすものであると認識をしております、鉄道の役割や、そして鉄道の重要性、これからの未来に向けてどういった存在であるべきなのかといった前向きな議論を期待していると確認をしています。
今回、沖縄振興特別措置法改正案の衆議院での附帯決議では、鉄軌道を含む新たな交通システムの導入に向け、全国新幹線鉄道整備法を参考とした特例制度についても調査及び検討を行うことが政府に求められています。政府として沖縄県内の鉄軌道の整備についてどのように取り組むのか伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/130
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131・望月明雄
○政府参考人(望月明雄君) お答え申し上げます。
沖縄における鉄軌道等の導入につきましては、これまでの内閣府による調査におきまして、事業効率性を評価する費用便益比、いわゆるBバイCでございますが、これが一を下回っているほか、開業後四十年間の累積損益が黒字転換しておらず、事業採算性が確保されていないなどの課題が明らかになっており、直ちに事業化を決定する段階にはないというふうに認識しているところでございます。
他方、沖縄本島北部が世界自然遺産に登録されたほか、北部テーマパークの開業も予定されるなど、需要の増加につながる動きが見られることを踏まえまして、鉄軌道のBバイCへの影響などについて引き続き調査を行う必要があると考えているところでございます。
また、昨年の八月に内閣府として公表いたしました新たな沖縄振興策の検討の基本方向についてにおいてはお示ししておりますが、バス専用レーンの活用など既存の公共交通との関係とか、また、町づくりとの連携などについても留意する必要があると考えております。
こうした点も含めまして、調査を行いながら、鉄軌道等の整備の在り方について引き続き検討をしてまいりたいと思います。その際には、今後の調査検討に当たり、三月九日にいただきました衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会の附帯決議を踏まえて対応をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/131
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132・伊波洋一
○伊波洋一君 沖縄県では、駅やレールなどのインフラを公共が整備、保有し、運行会社が運行のみを行う、公設民営型の上下分離方式を特例制度として求めています。県は、このような公設民営型の上下分離方式を採用すれば開業数年後にも単年度で黒字化が可能になると試算をしています。
全国新幹線鉄道整備法を参考とした特例制度についてはどのように取り組むのでしょうか。鉄道事業の採算性の問題である全国新幹線鉄道整備法を参考とした特例制度は、検討する余地があると理解してよいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/132
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133・望月明雄
○政府参考人(望月明雄君) お答え申し上げます。
先ほど御答弁申し上げましたが、まず、BバイCの課題等がございます。一方で、自然遺産登録とか新たなテーマパークとか、そういったプラスの要素ですね、そういったものも出てきているというふうな状況でございます。
そういったことを踏まえまして今後も調査検討をしてまいりたいと。その際には、今回の衆議院での附帯決議、これを踏まえましてしっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。
その中の、附帯決議の中で、委員御指摘の全国新幹線鉄道整備法を参考とした特例制度の調査検討についても触れられておりますので、新たな鉄軌道の整備の在り方について今後検討していく中で考えてまいりたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/133
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134・伊波洋一
○伊波洋一君 沖縄県では、配付資料の一ページ、二ページにあるように、さきの大戦で県内で運行されていた鉄道路線である軽便鉄道が破壊され、その後も再建されないまま、国内で唯一鉄軌道を持たない県となっています。
鉄軌道の整備は県民の悲願だということは大臣もよく御存じのことだと思います。沖縄担当大臣として、鉄軌道整備の必要性についてどのような見解か、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/134
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135・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 沖縄における鉄軌道の導入につきましては、県民、観光客の移動の利便性向上や交通渋滞の緩和など様々な効果が考えられるところであります。その意義は私も理解をしております。昨日のクロスセクター効果も目の前で聞いておりました。
しかしながら、内閣府による鉄軌道の導入調査においては、事業効率性を評価するBバイCが一を下回っているほか、開業後四十年間の累積損益の見通しが黒字転換しておらず、事業の採算性が確保されていないなどの課題が存在しております。
直ちに事業化を決定する段階にはないと考えておりますが、世界自然遺産登録やあるいは環境問題等を考えてこの辺のところがクリアできるのではないかなと、できたらいいなという思いで見守っております。
私の考えは以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/135
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136・伊波洋一
○伊波洋一君 ハワイでも、事業の費用便益分析や採算性に議論がある中で、計画から二十年近く経過した本年にも、初の高速鉄道、ホノルル・レール・トランジットが開通する予定です。住民や観光客の利便性向上、渋滞解消だけでなく、環境へ配慮が観光地としてのイメージ向上につながることにより、不動産価格の上昇も期待されています。ハワイはアフターコロナに間に合わせる形で国際観光地としての地位を高めています。
現行法の沖縄振興特措法には、鉄軌道の整備の在り方についての調査及び検討を行うよう努めるとの規定が盛り込まれています。今回新たに提出された特措法改正案には、沖縄県が求めてきた鉄軌道の整備の検討ではなく、現行法と同様に、整備に向けた調査及び検討という文言が繰り返されたことは残念でなりません。
国交省に伺いますが、調査において主要な内容となっている費用便益分析、いわゆるBバイCの分析とはどのようなものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/136
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137・石原大
○政府参考人(石原大君) お答え申し上げます。
費用便益分析と申しますのは、貨幣換算の手法が比較的確立されておりますこの効果を対象に便益を計算した上で、費用便益比、いわゆるBバイC等の指標により、社会的な視点からの事業効率性を評価、分析するものでございまして、このBバイCの数値が大きいほど社会的に見て効率的な事業と評価することができ、新規事業採択時評価を始めとしました公共事業評価において活用されているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/137
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138・伊波洋一
○伊波洋一君 新規の鉄軌道の整備にBバイC分析が求められるようになったのはいつからでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/138
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139・石原大
○政府参考人(石原大君) お答え申し上げます。
鉄道の新線整備に係る費用便益分析につきましては、平成十年三月に策定されました鉄道プロジェクトの費用対効果分析マニュアル九七というものがございまして、これより適用を開始しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/139
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140・伊波洋一
○伊波洋一君 現行沖振法の下で、調査の結果はどのようなものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/140
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141・望月明雄
○政府参考人(望月明雄君) お答え申し上げます。
内閣府におきましては、平成二十二年度から、沖縄における鉄軌道を始めとする新たな公共交通システムの導入可能性について調査を開始いたしました。また、平成二十四年度以降は、沖縄振興特別措置法の規定に基づきまして、その導入に当たっての課題などについて調査を行ってきたところでございます。
一連の調査におきましては、沖縄県が沖縄二十一世紀ビジョン等で示している鉄軌道整備の構想のほか、地形、人口集積の状況、将来想定される道路網や都市開発事業、社会情勢の変化など、様々な要素を勘案し、鉄軌道等を導入するとした場合におけるルートや高架、高い方の高架ですね、とかトンネルなどの構造形式などについて多数のケースを想定してきたところでございます。
また、そのほかにも、最新の需要動向を踏まえた需要予測の精緻化、需要の少ない区間の単線化、また小型車両の導入など様々なコスト縮減方策についても検討してきたところでございます。
こうした検討の結果、事業の社会的な、済みません、効率性を示すBバイCの方は、調査開始当初、これは平成二十三年度でございますが、〇・三九でありましたけども、昨年度、令和二年度の調査におきましては〇・七三という数値にまで上昇しているところでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/141
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142・伊波洋一
○伊波洋一君 現行法の下でのBバイC分析において、便益として、地価の上昇など駅周辺の活性化、商業施設の新規立地、観光客の増加、企業立地の促進とそれによる雇用の増加、定住人口の増加などについて国交省のものは考慮されているものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/142
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143・石原大
○政府参考人(石原大君) 今御指摘の費用便益分析でございますけど、この便益の算定の仕方でございますけれども、この便益につきましては、利用者便益、供給者便益、それから環境等改善便益と、こういうものを個別に計測して合算するということを基本にしてございます。
このうち、供給者便益というのは、供給者、すなわち鉄道事業者に帰属する便益として将来獲得する営業収入と営業支出を予測して、その差によって算出した値を、これを指すものでございますけれども、御指摘のありました観光客の増加ですとか、企業立地の促進とそれによる雇用の増加、定住人口の増加と、こういった要素については、この鉄道事業者に帰属する便益、供給者便益を計測する際の要素として考慮されているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/143
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144・伊波洋一
○伊波洋一君 確認ですが、鉄道事業法では、事業の許可に当たって、費用便益分析、BバイCの分析は求めていないということで間違いありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/144
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145・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 石原審議官、申合せの時間が参りましたので、審議をおまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/145
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146・石原大
○政府参考人(石原大君) はい。
お答え申し上げます。
鉄道事業の許可申請があった場合には、申請内容が鉄道事業法五条に基づく基準に適合するか否かで審査の上で許可を行うことになりますけれども、委員御指摘の費用対効果につきましては、この許可基準には含まれていないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/146
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147・伊波洋一
○伊波洋一君 時間来ましたので、引き続き、次回に質問を延ばしますけれども、内閣府からはBバイC分析は定量的な客観的な調査であると、この間繰り返して説明をいただいています。しかし、沖縄県は現在鉄道がない唯一の県です。そのことについての、次回、是非御理解いただきたいと、このように思っております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/147
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148・ながえ孝子
○ながえ孝子君 碧水会のながえ孝子です。
前回に続きまして、沖縄の子供の貧困問題について西銘大臣にお聞きをしたいと思います。
沖縄の県民意識調査の中で、最も優先されるべき問題としてこの子供の貧困対策が挙げられています。
早速ですが、大臣、今後のこの問題の解決の方向性といいましょうか、どのようにしていこうとお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/148
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149・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 沖縄の子供の貧困の実態につきましては、一人当たりの県民所得が全国最下位であり、母子世帯の出現率などの指標を見ても全国ワーストのものが多いなど、全国と比較して深刻な状況であると認識をしております。また、ながえ議員御指摘のとおり、平成三十年度の県民意識調査の結果を見ても、県民の実際の声として、沖縄の子供の貧困対策は重要な課題と認識されているところであります。
内閣府としましては、そもそもの貧困の原因である県民所得の向上とともに、ライフステージに応じた子供の貧困への支援の充実を同時並行的に進めていくことを通じて、引き続き沖縄の子供の貧困対策にしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。
まず、県民所得の改善のためには、各種産業の高付加価値化及びそれを支える人材育成など、労働生産性の向上や産業の高度化等を図ることが重要だと認識をしております。
また、沖縄の子供への支援に関しましては、内閣府において、沖縄独自の追加支援として、沖縄子供の貧困緊急対策事業により子供の貧困対策支援員の配置や子供の居場所の運営支援などを行ってきているところであります。令和四年度におきましても、予算を増額しまして約十六億円を計上するなど、引き続き施策の充実に努めているところであります。
内閣府としましては、これらの取組の成果も踏まえつつ、沖縄県や県内市町村と連携しながら、沖縄の子供の貧困対策の推進にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/149
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150・ながえ孝子
○ながえ孝子君 大臣おっしゃるように、この問題の解決には、原因療法に当たります沖縄全体の産業振興といいましょうか、この底上げも大事でありますし、対症療法に当たります現在の子供の生活のサポートというのも大変重要だと思っています。
去年、沖縄県は、沖縄県子供の貧困緊急対策ですね、これに関する最終報告書を提出いたしました。四十一項目のうち三十七項目が達成、改善されたという報告ですから、ああ、よく頑張ったなというふうに私拝見したんですけれども、達成できなかった四項目の中でも、例えば困窮世帯の割合目標値二〇%、これは達成できなかったんだけれども、しっかりと子供の居場所づくりを進めていく中で、居場所に支援員、指導員をきちんと配置をいたしますと、子供の問題に対処しようとすると必ず家族の問題が付いてきますよね。どうしても切り離せない。そういった意味で、保護者をサポートする体制がこのことによって大変進んだ、改善されたというふうな報告が上がっておりまして、やっぱり対症療法もしっかりやっていくと原因療法にもつながっていくんだな、いろんな連携が進むんだな、いい取組だなというふうに拝見をしておりました。というふうに、子供の居場所づくり、大変重要だと思っています。
この問題については、沖縄振興審議会でもこれからの課題として挙げていらっしゃいますよね。一つは、やっぱり普通の居場所ではなかなか対応し切れない手厚いやっぱりサポートが必要なケースが増えてきたということと、若年の妊産婦、おおむね十八歳以下の妊産婦へのサポートというのが重要であると課題として挙げられておりまして、これもしっかりと、これを受けて、一つは、食事や生活支援とかキャリア形成ですね、こういった専門的な支援を行って進学あるいは就職など自立に向けた総合的な支援を行うという大変重要な役割を果たす拠点型の居場所整備事業、これをやっていこうという方向性、それから、若年妊産婦に対しては、従来型の居場所だけではなくて、しっかりと、妊娠や出産、育児に関する相談や指導、それから家計管理に関する助言、それから就労のための支援、安定した生活を営むための自立に向けた支援を行う若年妊産婦の居場所の整備、これをやっていこうという方向性で進められていると伺っております。これも大変いいお取組だなというふうには思っております。
この拠点型子供の居場所運営事業、これは沖縄県が主体となって取り組まれておりますけど、まだ県下で十三か所と伺っております。ちょっと認識が違っていたらまた教えていただきたいんですけれども。それから、若年妊産婦の居場所というのは、県下では五か所ということですからまだまだこれからだなというふうには思っています。
だから、こういった全体の底上げが必要な状況では沖縄県のリーダーシップが大変重要と思っているんですが、大臣の御所見はいかがでしょうか。そうなりますと、あわせて、沖縄県として裁量度の高い財源確保、これ子供たちのためには大変必要だし重要だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/150
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151・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 私も、子供の居場所の問題あるいは若年妊産婦の問題等々、委員の方から指摘を受けております。若年妊産婦の場所はなかなか公表されておりませんが、私も機会があったら現場を訪ねて、まだ政府の支援が入っていないんですけれども、二年間の実績があると聞いておりますし、できれば現場を見たいという答弁をしたこともあります。
しっかり、地元の市町村が一番住民に近い立場で、今回の子供の貧困対策の予算も一億円増やしましたけれども、市町村の持分、県の持分も少し導入しながら予算は増やして、地元のことを一番よく知っている市町村や県と連携しながらしっかり取り組んでいかなければいけないなと思っております。しっかり対策を取ってまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/151
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152・ながえ孝子
○ながえ孝子君 前回、そのお金の送り方というんでしょうか、財源確保のこともお聞きをいたしました。そして、大臣のお答えが、必要な額はちゃんと確保しているということで、それは安心をいたしました。
ただ、財源というのは、量だけではなくて質の問題もあろうかと思っています。いかに使い勝手がいいかとか地元の意向に応えているかという質の問題ですよね。そういった点でしっかりコミュニケーションを取っていただきたいということを申し上げて、今も大臣もそれをおっしゃっていただいたんですけれども、現場の皆さんですね、支援員とか子供の居場所の現場からは、対策事業が単年度事業であるので次の年度の見通しがすごく立てにくいんだという指摘がされております。
それで、内閣府としては、これは平成二十八年度から六年間、継続して子供の貧困問題の集中対策期間ということを決めまして、継続した取組をやっていくんだという方針を示されてはいますけれども、これ一括交付金ではありません、この事業というのは。ですから、対策事業がこの規定に直接基づいた予算ではないので、事業を実施する自治体にとってはやっぱり先の見通しが立てにくい。補助率を決めるとか予算額とか大変その先の見通しから割り出していくのが難しいという声もよく聞くのですが、この辺についてはいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/152
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153・水野敦
○政府参考人(水野敦君) お答えいたします。
子供の貧困対策事業、内閣府の事業でやってございまして、これは毎年度の、委員御指摘のとおり、毎年度の予算で所要の額を確保して各関係自治体に配賦して、子供の居場所、あるいは支援員といった形で使われているものでございます。そういったことでございますので、過去、平成二十八年度から十億円で始まった事業でございますけれども、たまたまかもしれませんが、毎年一億円ずつ予算額は増額して手当てしているところでございます。
毎年度の予算の話ですので、じゃ、何ですかね、来年度以降どうなるんだという不安の声があるのは分からないではないのですが、我々としては、内閣府としては、この子供の貧困対策事業、非常に重要だと考えてございますので、今後とも引き続きしっかりと支援して、子供の貧困対策事業がきちっとできるようにしてまいりたいと、かように考えてございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/153
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154・ながえ孝子
○ながえ孝子君 さっきも申しましたように、やっぱり財源というのは、使い勝手が良くて初めて使えるものだというところもあります。ですので、先ほど大臣は、その地元のやっぱり意向を受けてしっかりとコミュニケーションを取りながらやりたいとおっしゃいました。そういった点では、この問題クリアしていくためには、やっぱり一括交付金を使っていくとか、そういった方向性も解決策の一つであろうと思うんですが、その辺りいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/154
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155・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 一括交付金につきましては、厳密な積み上げになじむものではありませんけれども、市町村からしますと、もうこれがないと市町村の財政運営できないというぐらい極めて期待感が強いものがありました。過去のこの一括交付金の使われた事業費の推移や、あるいは執行の実績等を勘案しながら毎年度所要額を確保してきたところであります。
令和四年度につきましては、当初、一括交付金、私も予算の最後の大臣折衝の場では、令和三年度の市町村の実績額三百八十一億円をこれは何としても確保しないと令和四年度以降市町村が大変困るなという危機感があったものですから、財務大臣との折衝では、この市町村分の三百八十一億円を確保して、それと同額の県分を確保したという経緯もあります。財務大臣からは、効果的に効率的に使うようにという指示を受けましたけれども、令和四年度の分については、そこそこ市町村の対応できる、県も含めて、一括交付金は確保できたのかなというふうに認識をしております。
いずれにしましても、必要な一括交付金は予算額をしっかりと確保していかなければいけないなとは思っております。
令和五年度以降の一括交付金の予算額について現時点で確たることを申し上げることはできませんが、これまでの進捗、実績、今後の事業の見通し等を踏まえて必要な所要額を確保していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/155
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156・ながえ孝子
○ながえ孝子君 大臣は重々御承知でいらっしゃって、頑張っていらっしゃるのは重々よく分かっております。
そもそも、予算、概算要求ですとか予算案が出てくるときですよね。沖縄振興というのは、やっぱり沖縄が多大な大戦で被害を受けたということで、償いの心を持って、そこはしっかりと、内閣総理大臣が沖縄振興基本方針を策定して、沖縄県知事が沖縄振興計画を策定してという流れの下に、沖縄の自主性を尊重しつつ、その総合的かつ計画的な振興を図って沖縄の自立的発展に資するものと決められているということですから、大臣おっしゃるように、そのための予算というのは、沖縄の自主性が損なわれないようにやっぱり一括交付金が一番だというふうに思っておりますが、残念ながら、近年本当に縮減傾向なんですよね。これは、自主性の尊重からいっても分権の方向性からいっても逆行だと思わざるを得ないんですね。
これからの方向性といいましょうか、最後に、やっぱり辺野古の問題を挟んで沖縄県と政府というのは今平行線ではありますけれども、その問題超えて、これからも西銘大臣には、沖縄の、まあ子供の事業というのはその一部だろうとは思うんですけれども、子供たちの将来のためにこれからもやっぱり御尽力をいただきたいと思っておりますが、御所見をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/156
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157・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) その前に、先ほど若年妊婦の居場所の件は公表されていないと言いましたが、シェルターの、シェルターの間違いでしたので、おわびして訂正させてください。
沖縄振興予算につきましては、もう一括交付金についての市町村や県の期待感の大きさは肌身をもって感じております。事業、積み上げになじまない部分があるにしましても、これまでの経緯や実績等を見ながら、しっかりと必要な部分は絶対に確保していくんだという強い思いで、沖縄振興予算、今年度は二千六百八十四億円に減額になりましたけれども、しっかり必要な額は確保していきたいという信念を持って取り組んでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/157
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158・ながえ孝子
○ながえ孝子君 是非よろしくお願いをいたします。
質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/158
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159・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
林外務大臣及び政府参考人は御退席いただいて結構でございます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/159
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160・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
政府から趣旨説明を聴取いたします。西銘沖縄及び北方対策担当大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/160
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161・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 沖縄振興特別法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
本年五月十五日、沖縄が本土に復帰してから五十年を迎えます。沖縄の振興については、これまで様々な振興策を講じてきた結果、県民の皆様の懸命な努力もあり、着実に成果を上げてきました。しかしながら、いまだ低い一人当たり県民所得や深刻な子供の貧困など、依然として様々な課題を抱えています。このような状況に鑑み、沖縄の一層の振興を図っていくため、沖縄振興特別措置法等の有効期限を延長するとともに、特区・地域制度をより効果的かつ計画的なものとする等の措置を講ずる必要があることから、本法律案を提案した次第であります。
次に、本法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、沖縄振興特別措置法について、法の有効期限を令和十四年三月三十一日まで延長するとともに、更なる産業振興のため、特区・地域制度において、事業者が作成する観光地形成促進措置実施計画等の沖縄県知事による認定制度を導入することとし、課税の特例のほか、中小企業信用保険法等の特例を設けることとしております。
加えて、沖縄振興の充実を図るため、北部地域や離島の振興、子供の貧困対策、多様な人材を育成するための教育、脱炭素社会の実現、デジタル社会の形成等に関し、国及び地方公共団体の努力義務規定を創設する等の所要の措置を講ずることとしております。
また、時代の変化に迅速に対応できるよう、この法律の施行後五年以内に改正後の沖縄振興特別措置法の施行状況について検討を加え、必要があると認めるときはその結果に基づいて所要の見直しを行うこととしております。
第二に、沖縄県における駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措置法について、法の有効期限を令和十四年三月三十一日まで延長するとともに、拠点返還地の指定制度について、駐留軍用地が段階的にアメリカ合衆国から返還される場合の指定要件を緩和する措置を講ずることとしております。
第三に、沖縄振興開発金融公庫について、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律に規定する株式会社日本政策金融公庫への統合時期を十年間延長するとともに、沖縄振興開発金融公庫法及び沖縄振興特別措置法に規定する出融資の範囲を拡大することとしております。
第四に、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律について、沖縄県産酒類に係る酒税の軽減措置を、単式蒸留焼酎については令和十四年五月十四日まで、単式蒸留焼酎を除く酒類については令和八年九月三十日まで延長し、段階的に縮減しつつ廃止することとしております。
このほか、沖縄科学技術大学院大学学園法の施行の状況について国が検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる時期をおおむね五年ごととすることとしております。
その他、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、本法律案の提案理由及び概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/161
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162・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/162
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163・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/163
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164・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 御異議ないと認めます。
なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/164
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165・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時四十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00420220323/165
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