1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年三月三十日(水曜日)
午後一時開会
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委員の異動
三月二十五日
辞任 補欠選任
上野 通子君 猪口 邦子君
清水 真人君 本田 顕子君
藤木 眞也君 石田 昌宏君
森屋 宏君 松山 政司君
山田 俊男君 藤井 基之君
水岡 俊一君 徳永 エリ君
三月二十八日
辞任 補欠選任
徳茂 雅之君 小川 克巳君
三月二十九日
辞任 補欠選任
藤井 基之君 藤木 眞也君
三月三十日
辞任 補欠選任
藤木 眞也君 こやり隆史君
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出席者は左のとおり。
委員長 青木 一彦君
理 事
青山 繁晴君
今井絵理子君
北村 経夫君
勝部 賢志君
高瀬 弘美君
大塚 耕平君
清水 貴之君
委 員
有村 治子君
石田 昌宏君
猪口 邦子君
小川 克巳君
加田 裕之君
こやり隆史君
佐藤 正久君
滝沢 求君
鶴保 庸介君
比嘉奈津美君
藤木 眞也君
本田 顕子君
松山 政司君
山本 順三君
石川 大我君
徳永 エリ君
羽田 次郎君
森屋 隆君
吉田 忠智君
河野 義博君
宮崎 勝君
榛葉賀津也君
石井 苗子君
鈴木 宗男君
井上 哲士君
紙 智子君
伊波 洋一君
ながえ孝子君
国務大臣
外務大臣 林 芳正君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(沖縄及
び北方対策)) 西銘恒三郎君
副大臣
内閣府副大臣 黄川田仁志君
外務副大臣 小田原 潔君
事務局側
第一特別調査室
長 岩波 祐子君
政府参考人
内閣府大臣官房
総合政策推進室
副室長 黒瀬 敏文君
内閣府政策統括
官 原 宏彰君
内閣府沖縄振興
局長 水野 敦君
外務省大臣官房
参事官 金井 正彰君
財務省大臣官房
審議官 彦谷 直克君
文部科学省大臣
官房審議官 出倉 功一君
厚生労働省大臣
官房審議官 大坪 寛子君
厚生労働省子ど
も家庭局児童虐
待防止等総合対
策室長 岸本 武史君
農林水産省農産
局農産政策部長 松本 平君
国土交通省大臣
官房審議官 石原 大君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/0
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001・青木一彦
○委員長(青木一彦君) ただいまから政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、水岡俊一君、清水真人君、山田俊男君、森屋宏君、上野通子君及び徳茂雅之君が委員を辞任され、その補欠として徳永エリ君、石田昌宏君、本田顕子君、松山政司君、猪口邦子君及び小川克巳君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/1
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002・青木一彦
○委員長(青木一彦君) この際、小田原外務副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小田原外務副大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/2
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003・小田原潔
○副大臣(小田原潔君) 外務副大臣の小田原潔であります。
政府開発援助等及び沖縄・北方問題について、林外務大臣を補佐し、外務副大臣としての職務を全うすべく、全力で取り組んでまいります。
青木委員長を始め、理事、委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/3
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004・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 小田原外務副大臣は御退席いただいて結構です。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/4
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005・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房総合政策推進室副室長黒瀬敏文君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/5
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006・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/6
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007・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/7
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008・有村治子
○有村治子君 自由民主党の有村治子です。
質問の機会を賜りましたこと、また西銘大臣始め答弁準備に当たっていただきました政府各位の皆様に感謝を申し上げます。
二十五分という限られた時間でできるだけ多くの往来をしたいと思いますので、御答弁は本質を簡潔におまとめいただけますれば大変有り難く存じます。御協力を仰ぎます。どうぞよろしくお願いいたします。
早速本題に入ります。
いよいよ五月十五日には沖縄が本土に復帰してからちょうど五十年の節目を迎えます。戦中戦後に沖縄がたどった歩みに真摯に思いをはせ、半世紀続いてきた沖縄振興特別措置法等について、今日は沖縄が置かれた特殊な事情という歴史的側面に焦点を当てて質問をさせていただきます。
まず最初に、沖縄戦の戦禍について伺います。
七十七年前、さきの大戦末期におよそ三か月続いた沖縄戦では、筆舌尽くし難い戦禍があり、二十万人を超える方々がお亡くなりになっています。三か月で二十万人が帰らぬ人となっている。哀悼の思いを携え、謹んでお伺いをいたしますが、沖縄戦ではどのような属性の方々がどのくらい戦死されていらっしゃるのか、御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/8
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009・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) お答えをいたします。
沖縄戦における戦没者約二十万人の内訳について、沖縄県の資料では、一般県民が約九・四万人、沖縄県出身軍人軍属が約二・八万人、他の都道府県出身の兵隊さんが約六・六万人、米軍が約一・三万人とされているものと承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/9
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010・有村治子
○有村治子君 熾烈な戦闘、飢餓や混乱の中で、最も犠牲が多かったのは無辜の沖縄県民であり、次いで地元沖縄県出身の軍人軍属であられたことを心に刻みます。
同時に、沖縄県以外の四十六都道府県からも多くの兵士六万六千人が沖縄戦で散華をされており、沖縄以外で戦没者が最も多いのは、実は沖縄から最も離れた北海道でありました。私が調べた限り、どの都道府県においても数百人から数千人、北海道では一万人を超える沖縄戦の戦没者がおられます。戦争末期、国内最大の激戦地となった沖縄に文字どおり全国各地から兵士が集結されていた当時の様子が伝わってまいります。
続いて、外務省に伺います。
昭和二十年の終戦以降、独立国家としての主権を失った日本は、アメリカを始めとする戦勝国によって六年八か月のGHQの占領下に置かれました。当時、既に沖縄の戦略的重要性を認識していた連合国、とりわけアメリカやイギリスは、沖縄に対してどのような統治をすべきだと考えていたのでしょうか。また、イギリスやアメリカの方針に対し、当時の日本政府はいかなる対応を取ったのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/10
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011・金井正彰
○政府参考人(金井正彰君) お答え申し上げます。
サンフランシスコ平和条約の交渉過程におきまして、沖縄の主権放棄といった厳しい内容を含みますイギリスの条約案がアメリカ側から内々示されたこともございました。これに対しまして、当時の吉田総理を始めとする日本側は、日米間の協議を踏まえて作成いたしましたアメリカ案の方がはるかに望ましく、アメリカ案の実現に努めてほしいと米国側に要望したわけでございます。
こうした経緯も踏まえまして、一九五一年九月にサンフランシスコで開催されました講和会議の場におきまして、ダレス米国全権代表が、沖縄等を含む北緯二十九度以南の南西諸島につきまして、連合国のこの意見の相違にもかかわらず、最善の方法は日本に残存主権を許すことである旨を述べまして、サンフランシスコ平和条約を締結するに至ったわけでございます。
我が国の吉田全権代表は、受諾演説におきまして、これら諸島に我が国の主権が残される旨の米国全権代表等の発言を了承する旨述べた上で、これらの諸島が一日も早く日本の行政の元に戻ることを期待する旨述べておられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/11
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012・有村治子
○有村治子君 すなわち、英国は、未来永劫、日本から沖縄をもう切り離す、主権を放棄させるという案を外交文書によると持っていた。そして、イギリスのそのような考えに対してアメリカは、半ば永続的に、永遠に沖縄を統治しようという考えも当時あったようでございます。その中で、せいぜい日本政府ができたのは、潜在主権ということでございました。
吉田茂首相が署名され昭和二十七年の四月二十八日に発効したサンフランシスコ平和条約によって、日本は晴れて主権を回復し、外交権を持つ独立主権国家として国際社会に復帰しました。今年は日本の主権回復からちょうど七十年という節目でもあります。私は、独立国家として、主権、すなわち自分の国の統治の在り方を自らが決め執行する権利の尊さをかみしめ、主権の存する私たち国民が主権を守り続けることの意義を確認することは極めて大事だと思っております。
と同時に、今御答弁ありましたように、七十年前、サンフランシスコ平和条約が発効して日本が主権を回復したこの四月二十八日は、時を同じくして、沖縄及び鹿児島県奄美群島及び東京都小笠原諸島が本土の動きから留め置かれ、引き続き米国の支配下に置かれることが決定的になったという意味で、厳しくつらい側面を持ちます。同じ日本にあって国土を同じくする同胞として、このような悲しい分離があったこと、またこの日を屈辱の日として記憶にとどめておられる民意が沖縄にあることにも深く思いを致さなければならないと私自身思ってきました。
七十年前の四月二十八日、主権回復という日本にとって大事な悲願が達成された喜びがある一方で、この日を境に国土、国民の分離統治が確定したという悲しい側面があることについて、歴代の首相や日本政府はどのような留意をし、沖縄に向き合ってこられたのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/12
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013・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) お答えいたします。
一九七二年、沖縄復帰に当たりまして制定された沖縄振興開発特別措置法におきましては、先ほど先生から御質問ありました、沖縄がさきの大戦で文字どおり筆舌に尽くし難い被害を被ったこと、その後二十七年間にわたり米国の施政権下にあったことという沖縄の歴史的事情等に鑑み、長年にわたる本土との隔絶により生じた格差の是正等を図るために沖縄の振興開発のための各種措置を講じるということで法律の制定があったわけでございます。現行の沖縄振興特別措置法におきましても、この沖縄の特殊事情に鑑みまして、沖縄振興のための措置を講じているところでございます。
政府といたしまして、これらの法律に基づき、また沖縄の発展のため、様々に意を用いながら沖縄振興に取り組んできたものと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/13
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014・有村治子
○有村治子君 昭和二十七年に日本が主権を回復してからも、なおのこと二十年間沖縄では米国統治が続きました。この間、沖縄はいかなる法的地位にあり、内外においてはどのような立場に置かれたのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/14
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015・金井正彰
○政府参考人(金井正彰君) お答え申し上げます。
ただいま御紹介いただきましたとおり、一九五二年、昭和二十七年四月に発効いたしましたサンフランシスコ平和条約におきまして沖縄に対する我が国の主権は残されることとなったわけでございますが、この条約の発効後もアメリカが沖縄の施政権を行使し、それに伴い、沖縄の住民の方々に日本国民としての権利も制約される面がございました。
例えば、日本国憲法は観念的には沖縄に施行されておりましたけれども、現実には米国が施政権を行使していたため、実効性を持って適用されることはなかったというふうに承知しております。具体的に申し上げますと、沖縄住民の方々は当時も引き続き日本国籍を有していたわけでございますが、本土を離れる際に、琉球列島米国民政府が発行いたします日本渡航証明書が必要であった等の制約があったと承知しております。
また、沖縄では、米国以外の国旗又は軍旗を政府庁舎等で掲揚することは基本的に禁止されておりましたほか、琉球船舶は船舶間の通信に利用される国際信号旗、旗でございます、旗を一部改変した特別の旗の使用が命じられていたといった事情もございまして、国籍不明船として拿捕される等の問題があったと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/15
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016・有村治子
○有村治子君 日本国憲法も適用されず、日本円も流通しない、国旗日の丸を掲揚することを禁じられ、その後も制約を受け、かといって米国の一部でもない、琉球国という国家が当時存在したわけでもない、まさに主権が発揮できない状態であり、国際的にも極めて不安定な立場を余儀なくされた沖縄でありました。
昭和四十年、佐藤内閣で佐藤首相が初めて米国統治下の那覇に飛び立たれ、沖縄の祖国復帰なくして日本の戦後は終わりません、この思いは日本国民全ての思いですということを演説された、まさにそれは当時の国民感情であったんだろうというふうに思います。
終戦から二十七年掛かりましたが、ともかくも、日米両国共に銃声を聞かれることもなく、ついに昭和四十七年、沖縄返還が実現しました。復帰の日、今日から日本人と教室の黒板に書かれた沖縄県内小学校の様子を当時の新聞は高揚感を持って伝えています。
そもそも、戦争に勝った国が負けた国の国土や国民を統治し、その後、両国の平和的な外交交渉によって本来の祖国に領土、主権、統治権が返還されるという事案は、国際社会、国際政治において間々あることなんでしょうか。時に起こり得ることなのか、ほかに似たような事例というのはあるものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/16
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017・金井正彰
○政府参考人(金井正彰君) お答え申し上げます。
沖縄返還時に当時の福田赳夫外務大臣が国会で御答弁されているとおりでございますけれども、戦争で失った領土に対します施政権、これが話合いで返ってきた、このようなことは史上まれなことであったと当時の福田外務大臣も答弁されておられると承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/17
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018・有村治子
○有村治子君 今の御答弁では、当時まれであったというふうに理解をしておりますが、通告のときに伺っている限りは、世界において最も外交をよく知っている外務省において、そのような事例はほかに承知していないという御答弁をいただいております。
すなわち、沖縄戦では米国側も一万二千人、先ほどの御答弁ですと一万三千人とありましたが、私が調べた自らのデータでは一万二千人を超える兵士の命をなくしています。戦火を交えて勝った国と負けた国ではそれぞれの戦没者遺族がおられ、全く異なる国民感情や歴史認識が出てきます。
戦争によって他国に占領された領土、とりわけ、その後の朝鮮戦争などもあり、沖縄の戦略的重要性を誰よりも理解している米国を相手にして行う返還交渉は、難易度が極めて高い国際交渉であったと思われます。事実、歴代の総理が沖縄返還の夢を胸に抱きつつも、佐藤栄作内閣が昭和四十七年に沖縄返還を実現するまでには長い年月を要しました。
では、なぜこれほどまでにハードルの高い沖縄の本土復帰が実現できたのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/18
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019・金井正彰
○政府参考人(金井正彰君) お答え申し上げます。
一九七二年にアメリカによる沖縄の施政権返還が実現したことは、その時々の政権による様々な外交努力に加えまして、沖縄県民を始めとする全国民が戦後四半世紀にわたって抱き続けてきた悲願、当時の佐藤総理のお言葉を借りれば、民族的な悲願、これを達成するための努力によるものであるというふうに考えております。
同時に、まさしく、当時佐藤栄作総理大臣が演説されておられますけれども、沖縄の施政権返還という日米両国の合意は、四半世紀にわたる日米両国の友好と信頼、理解と協力があって初めて達成された成果であったと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/19
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020・有村治子
○有村治子君 戦後の米国統治下における数々の苦難にも向き合いながら、日本の本土復帰に向け長年にじむような努力を重ねられた沖縄の方々の強い意思があり、沖縄戦で親族を亡くされた全国の御遺族を始め多くの国民が沖縄に心を寄せ続けられ、歴代の政権が匍匐前進を続けられ、粘り強い国際交渉によってついに成し遂げられた沖縄の本土復帰は、文字どおり国民的悲願でありました。立場や地域は、役割は違えども、復帰実現に向けてそれぞれの持ち場で尽力された先達の判断は、復帰後半世紀を経る今もなお歴史の評価に堪えており、現在の沖縄の基盤になっています。
沖縄が晴れて本土に復帰かなって、四十七都道府県全てに主権、施政権が日本に戻った五月十五日の歴史的意義を考えると、沖縄の本土復帰は、実は沖縄だけが向き合うローカルイベント、一地域の記念行事という位置付けではなく、本来であればもう少し国全体で大事に記憶されるべき歴史であり、まさに人々がきずなと望みを紡いで実現した我が国の歩みだと考えております。
平成二十五年、主権回復・国際社会復帰六十年を記念して開催された政府式典には、当時の天皇皇后両陛下の御臨席があった一方、当時の仲井眞沖縄県知事は、知事御自身ではなく副知事を代理出席されるという政治判断によって沖縄の複雑な気持ちを代弁されています。
ゆえ、令和の時代となった今、沖縄が復帰かなって五十年を記念するこの五月の式典にこそ、国民統合の象徴であられる天皇陛下の御臨席がかなうことが肝だと私は考えてきました。昨年十二月の参議院本会議において、記念式典は日本政府として最高位の真心を持って開催していただきたいと訴えたゆえんでございます。この度、岸田政権が沖縄に思いをはせる誠意として、天皇皇后両陛下の御臨席を調整され、正式発表されたことに心からの敬意と共感を申し上げます。
そこで、記念式典に向けて御尽力くださっている西銘大臣に伺います。
五月十五日に予定されています沖縄本土復帰五十年の記念式典に天皇皇后両陛下がオンラインで御臨席をされることになった意義及びその背景、意図をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/20
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021・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 本年五月の沖縄復帰五十周年記念式典については、復帰から五十年という重要な節目に、国民全体で復帰の歴史的意義を想起し、沖縄の歴史に思いを致すとともに、沖縄の魅力や可能性を国内外に発信するため開催するものであります。
この式典については、ただいま申し上げた開催趣旨や沖縄県を始めとする地元の御要望等を踏まえ、東京都と沖縄県のそれぞれに会場を設けた上で、両会場をオンラインで結ぶ形で開催することとしております。
政府としましては、東京都、沖縄県、いずれの会場についても同様に重要と考えているところであります。この式典の開催趣旨やただいま申し上げた両会場の位置付けも踏まえ、天皇皇后両陛下にはオンラインによる御臨席を賜ることとなったものであります。なお、開催趣旨等を踏まえ、岸田総理には沖縄会場に御参列いただくことを予定しており、私も沖縄会場に参列する予定であります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/21
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022・有村治子
○有村治子君 大臣、ありがとうございます。
沖縄の会場も大事、また日本ということでの東京の会場も、両方にオンラインで陛下がお言葉を賜れるというふうな背景であることを確認をさせていただきました。
資料一を御覧くださいませ。現在、政府、各省庁では沖縄復帰五十年の各種記念事業を検討されているようでございますが、既に財務省からは記念硬貨の発行が発表をされています。その意義や意図を御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/22
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023・彦谷直克
○政府参考人(彦谷直克君) お答えいたします。
記念貨幣は国家的な記念事業として閣議の決定を経て発行するものであり、このうち金貨につきましては、これまで皇室の御慶事を始め、広く国民的、国家的な意義を有する特に重要な行事について発行しております。
沖縄の本土復帰は、沖縄県民、そして国民全体の悲願で、まさに国家的事業として実現したものでございます。その五十周年の節目である本年は、沖縄の本土復帰の歴史的意義を想起し、沖縄の歴史に思いを致すとともに、沖縄の魅力や可能性を内外に発信する極めて重要な機会であり、今回は、銀貨に加えて金貨を発行することといたしました。
今回の記念貨幣につきましては、一万円金貨は純金製で首里城正殿と琉球舞踊の演目である四つ竹を図柄としており、千円銀貨は純銀製で首里城正殿と沖縄の県鳥ノグチゲラ及び県花デイゴを図柄としています。また、それぞれの裏面には沖縄の伝統的な染物である紅型をデザインしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/23
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024・有村治子
○有村治子君 当時、分離された奄美、小笠原が日本に、本土に復帰したときにも硬貨が発行されているというふうに理解をいたしております。そのときには銀貨が発行されたと理解をしておりますけれども、今回、五十周年ということで国民的な大事な行事として金貨が発行されるということを理解をいたしております。
復帰から五十年を経た今の時代、記憶の風化もありまして、残念ながら必ずしも国民的な認知度が高いわけでもない沖縄復帰の国民的、歴史的な意義について、より多くの世代や地域の方々にも認知を広げ、五十年を節目にして将来的な真の沖縄振興につなげていくことが大事だと考えています。
資料二を御覧ください。昨年春開催された超党派の議員連盟、新たな国立公文書館の建設を実現する議連においては、私は、沖縄復帰五十年を記念し、政府が保有する沖縄復帰前後の外交文書などの公文書を一挙に公開する特別展示を検討していただきたい旨提案をしておりましたが、せんだって、この企画を実現する方向だと内閣府からお電話をいただきました。議連における提案を文字どおり前向きに検討され、一年後、実現に向けて奔走くださった政府各位の御尽力に感謝をいたします。
そこで、国立公文書館における沖縄復帰五十年記念特別展の意図や特徴をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/24
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025・黒瀬敏文
○政府参考人(黒瀬敏文君) お答え申し上げます。
国立公文書館では、アメリカ統治下の時代の資料を含めまして、歴史資料として重要な公文書等を保存、管理しております。沖縄復帰五十周年に当たる本年、公文書を通して沖縄の本土復帰の歴史的意義を想起し、沖縄の歴史に思いを致すべく、琉球大学の高良名誉教授の監修の下、沖縄県公文書館とも連携をして、戦後の沖縄の歩みと日本政府の沖縄に関する政策を紹介する特別展を開催することとしたものでございます。
内閣府といたしましても、今回の特別展は時宜を得た大変意義深いものであると認識をしておりまして、多くの方に御覧をいただくことで、沖縄の日本復帰とその後の歩みについて知る機会としていただくとともに、歴史的な公文書を後世に残す意義についても関心を持っていただければというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/25
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026・有村治子
○有村治子君 西銘沖縄北方担当大臣は、御自身が米国統治下の沖縄に生まれ育たれ、沖縄返還前後における社会の激変を自ら経験されていると思います。国立公文書館の沖縄復帰五十年記念特別展には若宮公文書館管理担当大臣とともに是非御参加を検討いただきたい、そして引き続き沖縄応援団の最前線で御活躍をいただきたいというふうに御提案を申し上げます。
沖縄本土復帰から五十年を経た今、沖縄における世論の分断にただならぬ関心を寄せ注力をしている人たちの一部は、実は海外の勢力だったりもいたします。世論に対する分断工作は、現下のウクライナ危機においても危機感が高まっている典型的な認知影響工作に該当します。政府におかれては、この点も引き続き御留意をいただきたいと思います。
沖縄がたどった歴史に思いをはせ、今後も主体性を持って花開く沖縄の真の振興、発展に温かいきずなと真の共感を寄せられる国民世論が熱くなることを念じております。
今日の議論を聞いていただいて、西銘大臣の当事者としての、また五十年後に担当大臣になられているその本当に巡り合わせも含めての決意をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/26
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027・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 私の世代も、この場におられる伊波洋一委員、比嘉奈津美委員も、米国のドルを高校卒業ぐらいまで使って生活をしておったものであります。五十年の節目に本当に、沖縄担当の大臣として今、有村委員御指摘のように、この場に立っていることに非常に感慨深いものと同時に、責任の重さを痛感しております。
今のお話を聞きながら、改めて気合を込めて、沖縄振興五十年の節目に、これから更に一歩一歩確実に期待に応えていかなければならないなという思いを強くしているところであります。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/27
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028・有村治子
○有村治子君 西銘大臣の御活躍を念じ、現在の岸田総理も初入閣をされたのは沖縄北方担当大臣でございました。その巡り合わせも偶然ではないというふうに信じております。ますますの御活躍を念じて、また、沖縄の真の振興と発展に心を合わせられる、そういう動きが大きくなることを願って、私、自由民主党、有村治子の質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/28
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029・今井絵理子
○今井絵理子君 本日はよろしくお願いいたします。自由民主党の今井絵理子です。
本日は、沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案についてお伺いいたします。
先ほど有村委員も触れていましたが、沖縄は本年、本土復帰から五十年を迎えます。これを節目に更なる沖縄の発展が期待されるところです。
そこで、まず初めに、子供の貧困問題についてお伺いいたします。
沖縄県の県民意識調査によると、最も取り組むべき課題として、基地問題を抑えて一番多かった声が子供の貧困問題でした。平成二十八年度より、子供の貧困緊急対策事業として六年間にわたり支援員の配置や居場所づくりを行うなど、国も対策を講じてまいりました。今国会で提出されている沖縄振興特別措置法の改正案にも子供の貧困対策を努力義務とすることが盛り込まれることなど、一刻も早い問題解決が望まれるところです。
そこでまず、沖縄の子供の貧困に関する問題の所在と現状について大臣の基本認識をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/29
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030・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 貧困の状況にある子供については、個々の家庭により状況は異なるため一概に述べることは困難でありますが、家庭の経済的な問題に加えて、家庭が地域からも孤立をする、将来への希望がそがれ学習意欲も低下するなどの困難を抱えていることも多く、こうした状況により子供たちの将来の就職の選択が狭まるなど、結果として貧困の状況が連鎖することが指摘をされております。
沖縄の子供を取り巻く環境は、一人当たりの県民所得が全国最下位であり、また母子世帯の出現率や高等学校等進学率などの指標を見ても全国ワーストのものが多いなど、現状において全国と比較して深刻な状況であると認識をしております。このため、沖縄においては、貧困の連鎖を断ち切るための取組が特に重要であると考えております。
委員御指摘の県民意識の調査で子供の貧困対策の推進が一位になっているということとしっかりと対応していかなければいけないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/30
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031・今井絵理子
○今井絵理子君 ありがとうございます。
さきの三月二十五日の本特別委員会において参考人で御出席された西田琉球大学学長から、沖縄の子供の貧困問題の解決に向けて必要な取組は、本当に困っているたくさんの子供たちへ手を差し伸べる対症療法的な取組と、抜本的な解決策として生産性向上による県民所得の改善の二面作戦が必要であるというお話をされていました。私もそのとおりに思います。子供の貧困ではなくて、親の貧困でもあると考えております。
そこで、これまで六年間の政府の沖縄子供の貧困対策を対症療法的施策と原因療法的施策に分類し、それぞれの結果とまだ対策が不足する点についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/31
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032・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 今井委員御指摘の二つの面というのは極めて重要だと認識をしております。
子供の貧困問題への対応につきましては、平成二十八年度に国の主導により沖縄子供の貧困緊急対策事業を開始し、令和三年度までを集中対策期間として県や市町村に対して取組を促してきたところであります。
具体的には、子供を福祉等の支援につなげるための調整等を行う子供の貧困対策支援員の各市町村への配置や、食事の提供や学習支援などを受けながら子供が安心して過ごせる子供の居場所の運営等の支援を行ってきたところであります。
平成二十八年度と実施数が確定している令和二年度を比較してみますと、子供の貧困対策支援員は百五人から百十八人に、子供の居場所は百二十二か所から百五十五か所にそれぞれ増加をしております。特に子供の居場所における利用者数の延べ人数は、平成二十八年度の約十七万人から約三十万人にまで増加をしております。このように、平成二十八年度と比較すると、沖縄県及び市町村の理解が進み、支援が広がってきたものと認識をしております。
引き続き、若年妊産婦を始め、手厚い支援が必要な子供の支援の強化などが必要であると考えております。
他方、この問題への対応について、より根本的には所得の向上が重要であります。これまで産業の振興を中心に各般の沖縄振興策の中で取り組んできたところであります。県民一人当たり、沖縄県の一人当たり県民所得は最下位ではあるものの、コロナの影響が出る前の平成三十年度までは全国平均を上回る伸び率を示すなど、成果も出てきております。
引き続き、事業者の生産性や稼ぐ力の向上を図るなど、産業の振興を図ることが重要であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/32
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033・今井絵理子
○今井絵理子君 ありがとうございます。
支援員を増加させる、また子供の居場所が増加になっていることは本当に有り難いことであります。ただ、西田先生からは、支援員、支援について、この支援員さんの処遇の問題であるとか、短期で退職される方も多く、これ人材がなかなか育たないという課題も指摘されておりました。支援員の質の向上であったり、人材育成の視点に立った取組も併せて進めていくことも必要だと考えております。
令和四年度予算では、新たな事業展開に伴う予算増の一方で、国庫補助率の減少する事業もありました。以前は十分の十、国が予算を措置していたんですけれども、その補助率も減少する事業もあり、地方自治体の負担が増加いたします。財政力の弱い自治体などで、これまで継続していた事業が廃止されたり支援の充実が見込めなくなるなどのおそれはないか心配している声もあります。政府の御見解をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/33
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034・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 今井委員御指摘のように、平成二十八年度のスタートの時点では、例外的に国が十分の十の補助率としておりました。その後、事業の進展を踏まえ、三年前に補助率を見直し、十割から九割の補助率に引き下げました。県や市町村においても主体的にこの課題を捉え事業の効率化も進めていただいた結果、実施箇所数が拡大するなどの好影響も見られたところであります。
今回、今年度で集中対策期間が終了することや事業の更なる進展等を踏まえ、令和四年度から、子供の居場所や支援員に係る補助率がその多くを八割としたところであります。県内の各市町村に対して令和四年度の事業展開について聴取したところ、新たに支援員や子供の居場所を増やす自治体もあり、国の補助率が下がっても、県内の各自治体において子供の貧困対策の重要性に対する理解が深まり、実施箇所数の拡大や事業の効率化が進むものと期待しているところであります。
内閣府としましても、令和四年度予算においては対前年度比一億円増の十六億円を計上しております。沖縄の子供の貧困問題への取組が後退することのないように、改正法案においても、創設している努力義務規定に基づいてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
今井委員御指摘の、補助率が下がったから子供の貧困の事業がなくなって子供たちが困ったという状況が決して起こらないように、しっかり県や市町村と連携取りながらやっていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/34
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035・今井絵理子
○今井絵理子君 是非、自治体の声、また県民の声を聞きながら進めていっていただきたいなと思います。
もう一つ、沖縄では、十代の女性の出生率が全国平均の〇・二八%に対して沖縄県は〇・八四%、母子世帯の割合も全国平均の一・四一%に対して沖縄県は二・五八%となっております。沖縄の子供の貧困の連鎖を防ぐには、このような沖縄の実情も踏まえて、若い妊産婦やその子供に対する支援も進めることが重要だと考えますが、政府の御見解をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/35
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036・水野敦
○政府参考人(水野敦君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、沖縄では、十代女性の出産や母子世帯の割合が多いといった現状がございます。沖縄ではそうした現状を踏まえて取り組むことが必要でございます。沖縄の女性が若くして子供を出産されたとしても、子供の貧困が連鎖しないよう、若年妊産婦に対する支援などを適切に行うことが重要と考えてございます。
このため、内閣府では、沖縄独自の追加支援として、沖縄子供の貧困緊急対策事業におきまして、令和元年度より、若年妊産婦の居場所の設置を進めるなど、若年妊産婦に対する支援に取り組んできてございます。また、来年度、令和四年度におきましては、子供の貧困対策支援員が一人親家庭における養育費の支払状況を確認するとともに、必要に応じて相談支援機関につなげる取組を進めることとしてございます。
また、沖縄の子供たちが自分の将来の人生計画を自己決定できるよう必要な取組も進めることが必要であると考えています。このため、令和四年度予算におきまして、新たに県の保健師を一名配置いたしまして、子供の居場所等において子供等を対象に保健に関する教育や相談支援を行う事業などに取り組むこととしているところでございます。
内閣府としては、引き続き、十代女性の出産や母子世帯割合が多いといった沖縄の現状を踏まえつつ、必要な支援の充実等に努めてまいりたい、かように考えてございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/36
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037・今井絵理子
○今井絵理子君 ありがとうございました。
次に、沖縄県民の希望である鉄軌道建設についてお伺いいたします。
沖縄振興特別措置法第九十一条二項には、国及び地方公共団体は、新たな鉄道、軌道に関し、その整備の在り方についての調査及び検討に努めるとあり、国は、平成二十二年度から調査費を計上し、沖縄における鉄軌道建設の可能性を検討されてきました。毎年度約一億円の調査費が計上され、今日までの累計で約十億円が執行されてきました。来年度にも八千万円が計上されています。
令和二年度の時点でBバイCは〇・七三という、調査開始時の〇・三九からは大幅に改善したものの、まだまだ鉄軌道建設の実現可能性は低いままだということです。率直な感想として、この十一年以上に及ぶ調査の出口が全く見えません。
そこで、改めてこの調査の目的、調査のための調査になっていないのかという疑問を感じるんです。この調査の目的とは何なのか、お尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/37
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038・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) お答えいたします。
今井委員御指摘のとおり、内閣府におきましては、沖縄県が平成二十二年三月に策定した沖縄二十一世紀ビジョンに、中南部都市圏を縦貫し、北部圏域に至る軌道系を含む新たな公共交通システムの導入を図ると盛り込まれたことを踏まえ、平成二十二年度から沖縄における鉄軌道等の導入可能性に関する調査を開始したところでございます。
平成二十四年度以降は、御指摘ありましたとおり、沖縄振興特別措置法に努力義務規定が創設されたことを踏まえ、沖縄における新たな鉄道軌道、その他の公共交通機関に関し、その整備の在り方を検討することを目的として調査を行ってきたところでございます。
沖縄における鉄軌道等の導入については、これまでの内閣府による調査において、事業効率性を評価する費用便益比、BバイCが御指摘のとおり一を下回っているほか、開業後四十年間の累積損益が黒字転換しておらず、事業採算性が確保されていないなどの課題が明らかになっており、直ちに事業化を決定する段階にはないと考えておりますが、一方で、沖縄本島北部が世界自然遺産に登録されたほか、北部テーマパークの開業も予定されるなど、需要の増加につながる動きが見られることもございます。こういった点を踏まえますと、BバイCへの影響などについて引き続き調査を進める必要があるものと考えております。
調査のための調査という御指摘がございますけれども、決してそのようなことはございませんということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/38
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039・今井絵理子
○今井絵理子君 採算性を無視してとは思いませんが、分かりやすく説明していただきたいのが、県が行う調査とも大きな差が生じており、どちらの調査結果に信憑性があるのか県民には分かりにくいものとなっております。
そこでお尋ねしたいのですが、国の調査と県の調査、それぞれやっています。その調査で乖離が生じる理由は何なのか、また両者が別々に調査を行う理由はなぜか、政府の見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/39
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040・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) お答えいたします。
まず、国と県の調査結果の乖離について申し上げますと、まず内閣府の調査におきましては、先ほど申しました沖縄県の沖縄二十一世紀ビジョンで定めます中南部都市圏から北部圏域に至る沖縄本島を縦断するルートにつきまして、沖縄振興計画の実施計画で定める観光客数の目標値を前提といたしまして、国土交通省が定める評価マニュアルに準拠して行ってございます。
沖縄県が行った調査の内容につきましては私ども内閣府において必ずしも詳細を承知しているものではございませんけれども、先ほど述べました県の目標値とは異なる値でありますとか、評価マニュアルとは異なる手法を用いている部分があるというふうに伺っています。
次に、国と県がそれぞれ調査を行っていることについてという点でございますけれども、まず国の方でございますが、仮に国費を投入するとすればやはり数千億以上という多額の予算が必要となることでございます。事業の効率性や採算性を含めて様々な観点から客観的に調査検討を行うことが必要と考えています。こうした点を踏まえまして調査を行っているところでございます。
県の方についてでございますが、県におかれましては、鉄軌道の事業化を国に要望しているところでございます。鉄軌道の構想段階として調査をしていると承知をしておりますけれども、国の調査に当たりましては、鉄軌道の需要動向等につながる各種統計や開発計画に関する情報を沖縄県から提供してもらうなど、これまでも一定の連携を図りながら実施してきたところでございます。
今後とも必要な連携を図りながら調査検討を進めてまいりたいと考えています。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/40
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041・今井絵理子
○今井絵理子君 ありがとうございました。もっと国と県が一体的になって、そして何かチームを、協議体のチームをつくりながら進めていただきたいなと思います。
時間もありませんので、最後に、本年、本土復帰五十年を迎える沖縄の更なる振興と発展に向けて、最後に、西銘大臣のこれからの沖縄に対するビジョンと決意を最後にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/41
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042・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 本年五月の十五日に沖縄の復帰から五十年という大きな節目を迎えてまいります。沖縄出身、選出の議員として、この重要な時期に担当大臣として時期を迎えることを改めて職責の重さを痛感しております。
復帰から五十年たって、これから十年、二十年、沖縄をどういう方向に持っていくのか。子供の貧困で、今井委員御指摘のように、対症療法と原因療法しっかり両面で取り組んでいかなければなりませんし、沖縄が本当に心豊かな地域として我が国全体の経済成長の牽引役になるように、どうすれば沖縄が、この沖振法、税制改正、あるいは沖縄公庫、様々な施策を総動員して強い沖縄経済をつくりながら頑張っていかなければいけないなという職責の重さを痛感しております。
全力で、全身全霊取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/42
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043・今井絵理子
○今井絵理子君 以上、終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/43
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044・勝部賢志
○勝部賢志君 立憲民主・社民の勝部賢志でございます。
沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして質問をさせていただきます。
一九七二年五月十五日の沖縄復帰から五十周年を迎えます。沖縄振興特別措置改正案質疑に際しまして、私は、今回のこの時限立法である振興特措法の十年延長論議のみではなく、返還五十年の来し方と今後五十年の行く末を見据えた議論が必要だと考えます。論点は多々ありますけれども、本日は、五十年を経てもなお過度の基地負担が残るその現状について、近年特に大きな課題となっていて、今、今井委員からも指摘があった子供の貧困と教育について、そして将来を見据えた鉄軌道を含めた公共交通システムについて、大きく三点質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに、基地負担の是正についてでありますが、戦後二十七年に及んだ米国占領統治、祖国復帰後五十年を経て、いまだ過度の基地負担は是正されておりません。何よりもこの厳しい現実に私たちはやはり謙虚に向き合わなければならないと思います。
玉城デニー知事は、米軍専用施設の集中や辺野古新基地建設問題など、現状がどのように乖離しているのか幅広く県民の意見を伺い、建議か宣言の形で五月十五日の記念式典で発表したい、このようにおっしゃっています。そして、県内の各層各界から意見やアンケートを実施して現状を取りまとめていきたいと、このように言われています。
一方で、政府も、岸田総理肝煎りの強い沖縄経済、そしてその経済を構築する戦略ということで、五月十五日に取りまとめるとしています。これまで観光一本足打法から脱却しなければならないということで、観光・リゾートはもちろんのことですけれども、それに加えて、農水産業あるいは加工品、IT産業、さらには科学技術・産学連携を戦略の柱に据えたいと考えているようであります。
西銘大臣も、二月、三月、計八回に及ぶ関係者とのヒアリングを精力的に進めてこられましたし、また、明日には、明日三月三十一日ですけれども、内閣府の特設サイトで行っている国民アイデア募集というのも明日締め切られるということであります。
ただ、この県と国が進めている五月十五日に向けた取組が、実は、同じ方向を向いているかのように見えますけれども、実際には基本的な姿勢に大いなる相違があるのではないかと思えてなりません。
そこで、大きく二点ほどお聞きをしたいと思うんですけれども、まず初めに、日米地位協定の抜本的な見直しについての考え方をお伺いをしたいというふうに思います。
日米地位協定は、御案内のとおり、一九六〇年の締結以来一度も改正されたことがありません。沖縄県で相次ぐ事件や事故の際、沖縄県外でも米軍機による事故が発生した際、あるいは今般のオミクロン株でも在日米軍基地が蔓延の発端となった際には、日米地位協定の見直しを求める声が大きく上がりました。けれども、結果としては変わりませんでした。
長きにわたり、再三、全国知事会等を筆頭に抜本的見直しを求める提言等が行われてきましたけれども、これに対しても日本政府は、米国、米軍との間で環境や軍属に関する補足協定の締結はしたものの、依然として、基地問題が発生する都度運用改善という形で対応をされてきました。
一方、同様の駐留軍問題を抱えるNATOあるいはヨーロッパ諸国においては、例えばですが、ドイツやイタリアでは、米軍機事故をきっかけに改定や新協定の締結を実現させました。また、ベルギーやイギリスでは、駐留軍に対する国内法を米軍に適用させることも行っており、自国の主権を確立し、米軍の活動をコントロールしてきたという経緯がございます。さらに、騒音軽減委員会や地域委員会などを設置して、地元自治体への説明、意見聴取等も実施されています。米軍機事故に際しても、受入れ国が主体的に関与したと承知をしています。このような状況がNATO、ヨーロッパ諸国における標準的な状況であると考えておりますけれども、しかし、日本はこのような状況になっていません。
そこで、お伺いをしたいと思いますが、政府は、我が国同様の駐留軍問題を抱えるNATOあるいはヨーロッパ各国との大きな相違をどのように認識をされているのか、日米地位協定の抜本的な見直しの必要性をいかに認識し、今後どのように見直しをしていこうとお考えか、外務大臣の見解をお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/44
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045・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 政府といたしましては、日米地位協定と米国が他国と締結している地位協定との比較につきましては、地位協定そのものの規定ぶりのみならず、各国におけます米軍駐留の在り方、また実際の運用、さらには安全保障環境等の背景等も含めた全体像の中で検討する必要があり、単純に比較することが適当というふうには考えていないところでございます。
日米地位協定は大きな法的枠組みでございまして、政府としては、事案に応じて効果的にかつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じ、一つ一つの具体的な問題に対応してきているところでございます。
これまで累次の日米合同委員会合意を通じて日米地位協定の運用の改善を図ってきたことに加え、今委員からも御指摘がありましたが、二〇一五年には環境補足協定、また二〇一七年には軍属補足協定、これを締結したところでございます。
また、日本側に第一次裁判権がある犯罪の被疑者たる米軍人軍属の拘禁についても、日米合意に基づき、実際に起訴前に日本側への移転、これが行われてきているところでございます。
日米地位協定の見直しは考えておらないところでございますが、今申し上げたような取組を積み上げることによって日米地位協定のあるべき姿を不断に追求してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/45
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046・勝部賢志
○勝部賢志君 政府は、世界一危険な普天間飛行場の返還と繰り返しています。大きく聞きたい二つ目は、普天間基地問題についてですけれども、県内辺野古での新基地建設では沖縄県の過度の基地負担軽減にはつながりません。それは沖縄県民投票でも示された県民の意思であり、誰の目にも明らかな事実であります。政府は、所信表明や挨拶で沖縄県民の気持ちに寄り添いという言葉を繰り返されますけれども、そうであるならば、県外、国外への長期ローテーションによる訓練移転などを含めた移転可能性の研究など、辺野古が唯一というデッドロック状態から脱することができる代替策を検討すべきだと考えます。
政府は、この状況から脱することができる代替策の検討、更なる沖縄県の過度の基地負担軽減、その策についてどのように進めていこうとお考えなのか、これまた外務大臣に見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/46
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047・林芳正
○国務大臣(林芳正君) この戦後七十五年以上を経た今もなお、国土面積の約〇・六%の沖縄県内に全国の約七〇%の在日米軍専用施設・区域が依然として集中しておりまして、沖縄の基地負担の軽減は大変重要な課題であると認識をしております。
私も、防衛大臣在任中でございましたが、二〇〇八年の八月に辺野古と普天間飛行場の現場を視察いたしました。普天間飛行場の周辺、実際に歩いて視察をしたわけですが、大変に大きな騒音、これが周辺地域住民の皆様にとって大変深刻な問題であるとの認識を強め、地元の皆様の御理解を得る努力を続けながら、沖縄の負担軽減、そして普天間飛行場の一日も早い全面返還に向けて全力で取り組まなければならないと感じたところでございます。
この普天間飛行場の固定化、これは絶対に避けなければならないと考えておるところでございまして、日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去、これを考え合わせたときに、辺野古移設が唯一の解決策であり、米側との間でも、本年一月の日米2プラス2の機会も含め、この点を累次にわたり確認してきておるところでございます。
外務省としては、普天間飛行場等の辺野古移設を始めとする在日米軍再編、米軍の運用や日米地位協定をめぐる課題について米側と連携して一つ一つ前に進めてきており、引き続き沖縄を始めとする地元の負担軽減に全力で取り組んでまいる考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/47
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048・勝部賢志
○勝部賢志君 今、大きく二点について外務大臣から答弁をいただきましたけれども、この課題の踏み込んだ議論は別な機会にしたいというふうに思いますけれども、冒頭にこの点をお聞きをしましたのは、沖縄の振興特措法の今議論をするに当たり、私は、この問題が大きく沖縄県民の皆さん方にのしかかっていると、依然としてこういう状況が続いているということを踏まえた上で議論をすべきだと思いましたものですからこのことを聞かせていただきました。
今、外務大臣にお聞きしましたけれども、西銘担当大臣、この件につきまして、沖縄の振興に向けてどのような認識をお持ちか、お伺いをさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/48
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049・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 勝部委員御指摘のように、沖縄には米軍基地の多くが集中をしております。県民の皆さんにとっても大きな負担となっていることから、引き続きこれを軽減することが重要な課題であると認識をしております。
沖縄担当の私としましては、引き続き、沖縄の振興策を推進する立場から、基地の跡地利用の推進を始め沖縄振興に全力で取り組まなければならないと考えております。土台のところでそういう課題があるということを十分認識しながら沖縄振興策に全力で取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/49
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050・勝部賢志
○勝部賢志君 それでは、二つ目の課題ということで、特に近年大きな課題になっております子供の貧困について伺います。
沖縄県での子供の貧困率は、県の独自調査、少し、五、六年ほど前になりますけれども、その結果によりますと、二九・九%と、全国平均、今、最近の数値では二〇一八年で一三・五%ということですから、二倍以上の数字となっています。特に衝撃的なのは、県独自の調査で、子供が小学校一年生の段階で貧困家庭の親の二八%が大学の進学を断念していると、子供が一年生の段階で親がこの子は大学には行かせられないというふうに思っているという、そういう人が三割近くいるということなんですね。
子供の貧困が教育格差を生み、教育格差が更に貧困を生むと。先ほど連鎖という言葉がありましたけれども、これは断ち切らなければならないという御発言もありました。沖縄の振興を考えたときに、沖縄に住む全ての子が生まれた環境に左右されず夢と希望を持って育つこと、そのことが沖縄の将来を築き上げていく力となり、そのような基盤をつくることが極めて重要だと考えます。
その観点でお聞きをしてまいりたいと思いますけれども、子供の貧困が深刻な状況にある沖縄の現状を担当大臣としてどのように受け止めておられるのか。先ほど全国と比較をした数字をお示しいたしましたが、沖縄の現状についての受け止めと、さらに、この原因、歴史的な経過や子供の実態に即してどのように分析をされているのか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/50
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051・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 沖縄の子供の貧困問題の原因としましては、沖縄復帰以来、一人当たりの県民所得が全国最低水準であるなど、所得水準の低い家庭が全国と比べても多いことが挙げられます。また、貧困の状況にある子供は、勝部委員御指摘のように、結果として家庭が地域社会から孤立をしたり、あるいは将来への希望がそがれ学習意欲も低下をするなど、貧困の状況が連鎖することが指摘をされております。
先ほどの対症療法と原因療法、この二つの点からしっかり取り組んでいかなければならないと考えております。まず、そもそもの原因である県民所得の向上を図ること。そして、対症療法的には、ライフステージに応じた子供の貧困への支援策、子供の居場所であったり、あるいは学習支援の状況を強化していくなど、必要な課題はまだまだあると認識をしております。
県民所得の改善のためには、各種産業の高付加価値化、あるいは教育を含めた人材育成などによって労働生産性の向上や高度化を図ることが重要だと認識をしております。子供の対策支援員や子供の居場所、対症療法的な対応をしながらも、根本的な原因というところでは、教育を含めしっかり所得を上げていくということを取り組まなければいけないと思っております。今般の沖振法の改正案には努力義務の規定を明記をいたしました。
引き続き、地元自治体や県とも連携しながら、しっかり子供の貧困に対策として取り組んでいかなければならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/51
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052・勝部賢志
○勝部賢志君 文部科学省にも来ていただいていると思いますが、この子供の貧困が、子供の健全な育ちや、あるいは、学習機会の確保、その子の将来にどのような影響を与えるというふうにお考えか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/52
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053・出倉功一
○政府参考人(出倉功一君) お答えいたします。
委員からも御指摘がありましたように、我が国の子供の貧困率は平成三十年時点で一三・五%となっておりまして、沖縄県では県独自の平成二十七年度の調査によりますと二九・九%と、こういうことになってございます。
貧困にある家庭では様々な要因によりまして体験活動や学習の機会が得られにくいこともあって、全国学力・学習状況調査の結果でも、家庭所得等の社会経済的背景が低い児童生徒の方が平均正答率が低い、こういう傾向が見られているところでございます。また、生活保護世帯の大学等進学率が全世帯平均の半数以下にとどまるなど、家庭の経済状況が子供の教育環境を介しまして貧困の連鎖を招く、こういうことも懸念されているところでございます。
文部科学省といたしましては、家庭の経済状況にかかわらず、全ての子供たちが安心して育ち学べる環境の整備を行うことが大変重要であるというふうに考えてございまして、幼児期から高等教育段階までの切れ目のない形での教育費負担の軽減や、貧困による教育格差の解消のための教員定数の加配措置やスクールソーシャルワーカーの配置の充実、また地域の教育資源を活用した子供たちへの学習支援や家庭教育の支援の充実、こういうことに取り組んでいるところでございます。
私たち文部科学省としましては、全ての子供たちがそれぞれの夢にチャレンジできる社会の実現に向けまして関係省庁とも緊密に連携をいたしまして全力で取り組んでいきたいと、こういうふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/53
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054・勝部賢志
○勝部賢志君 貧困によって、子供たちはまず食事が取れないことがあります。コロナで学校がなくなって昼の食事が食べられない、学校の給食がないものですからそういう子供たちが大変増えました。つまり、健康に発育することがそがれる可能性があるということです。それから、学ぶ機会を奪われる、あるいは自ら諦める、人生の選択肢を狭めてしまう、これは取り返しがつかないことでもあると私は思っています。それから、生きる力あるいは生きた学力、その発達段階に応じてやはり付けなければならない力あると思うんですが、それが、それを身に付けるチャンスが失われている、奪われているということなんだと思うんですね。
もう一つお聞きしますが、これはどの省庁にお聞きしたらいいのか、文部科学省かもしれませんし、厚労省かもしれませんが、ヤングケアラーの問題です。
これは皆さん御存じだと思いますけれども、大人に代わって病気や障害のある家族の世話などを担うと、そのことによって、結局、学習する時間がなかったり、あるいは学校に行けなかったりという子供たちも増えてきています。
そういったヤングケアラーが、これは沖縄県の教職員組合が実は調査をしたそうなんですけれども、大変難しい実態調査なんですね。ですが、その結果によりますと、全体の〇・八六%くらいの児童生徒にヤングケアラーの実態があったという報告がありました。その子供たちの状況で一番多かったのは、家族の代わりに幼いきょうだいの世話をする、次に多かったのが家事の手伝いをする、半分ぐらいがこの回答でした。
これ普通に考えれば、家事の手伝いをするとか弟や妹の面倒を見るというのは、悪いことではないし、当たり前かのようにそれはやるべきだという意見も出てきたりするんじゃないでしょうか。しかし、この子はそういうことではなくて、ほかに面倒を見る人がいないのでその子が専らその役割を果たす。結果として、中学生、ある子はですね、毎朝弟を幼稚園に、失礼しました、保育園に、保育所に送っていくために学校に遅刻をしてくる、一時間目の途中ぐらいじゃないと学校に行けないという、そういう実態があり、結果として学習にもなかなか付いていけなくなりますので、周りの子からもなぜという目で見られるものですから、子供、弟を面倒見て学校に遅刻していますとなかなか言いづらくて、結局不登校ぎみになるというような実態が報告されています。
こういったヤングケアラーの実態、これも非常にこの何か行政や政治の手が全く届いていない子が実際にいるんだということを感じる実態報告です。
このような状況についてまずは把握を全国的にあるいは沖縄県等で把握をされているのか、そのことについてお伺いをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/54
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055・岸本武史
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
昨年度、中学二年生と高校二年生の子供本人を対象といたしまして、全国規模のヤングケアラーの実態調査を実施をいたしました。それによりますと、世話をしている家族がいると回答されたのが、中学二年生で五・七%、高校二年生で四・一%であったなどの実態が明らかになったところでございます。
また、沖縄県に関しましては、今申し上げました国の実態調査とは別に、令和三年度に今御指摘されました教職員に対して行われた実態調査があるというふうに承知をしてございます。十二万七千人の児童生徒の実態としまして、ヤングケアラーと思われる方が千人強、〇・八六%いらっしゃった、こういう結果が出ているものと承知をしております。
厚生労働省といたしましては、地域ごとの実態把握に資する自治体単位での実態調査を支援するため、令和四年度予算に自治体の実態調査に要する経費を計上しているところでございます。これらの調査が推進されまして、実態を踏まえたヤングケアラー支援が行われるように取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/55
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056・勝部賢志
○勝部賢志君 それで、今日は、先ほど来議論をさせていただいていますと、西銘担当大臣もこういった状況を改善するために様々努力をするというお話がありましたし、文科省からはこういうことをやっていますという具体の例も出されたんですけれども、そもそもですが、親の所得が低い子は学校に行けなくていいんでしょうか。私はそこが物すごく大きな問題点だと実は思うんですね。親の所得が、県民所得が低いものだから沖縄の子は学校に行けない状況があってもいいということではもちろんないと思うんですよね。そこのところをやはりもう少し厳しく見詰めていく必要があるのではないかと実は思っています。
それで、本当に皆さんには釈迦に説法といいますか、ちょっと今日は日本国憲法と教育基本法、資料で出させていただきました。
ちょっとこれを見ていただきたいんですけれど、憲法二十六条は、ひとしく教育を受ける権利を有するということと、全て国民は保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負うと、これが憲法二十六条、教育、いわゆる義務教育ですね、教育を受ける権利ということです。
それから、これを具現化するという意味で、教育基本法。私は、この教育基本法が一度改正されているんです、平成十八年にですけれども。旧の教育基本法の方が非常に私は、中身が実は、条文は少ないんですけれど、中身というか、包含されている思いが強いなというふうに実は思っていて、前文を御覧いただきたいと思うんですけれども、戦後の日本を復興していくその目標を達成するためには教育の力にまつべきものであるというふうに書かれていて、その下のところに、下線引いてありますが、教育の普及、教育を普及徹底しなければならないと。つまり、その意気込みが非常に強いんですよ。戦後だからなおさらということなのかもしれません。これが十八年に改正されたところでは、教育を推進するとか振興を図るという言葉になっています。
次のページちょっと見ていただきたいんですけれども、これは、教育基本法は、もちろん抜粋でもうちょっと条文は長いんですが、下の方に、三条、改正案では四条となっていますけれども、三条、要するに、能力に応ずる教育を受ける機会が与えられなければならないと書いてあって、経済的理由によって修学困難な者に対しては奨学の方法を講じなければならない。奨学っていわゆる奨学金のように受け取られるかもしれませんけれども、要するに学習に就くための手だてをしっかり取れということなんですね。これは、改正された教育基本法にももちろん書かれています。
こういうことが法で定められていますけれども、私は、この憲法や教育基本法にのっとって、そういう状況にない者はこれは国の責任において対処しなければいけないと思います。とりわけ先ほど申し上げたヤングケアラーなどは、いろんな理由によって、家庭でお手伝いをしたり、障害のある、病気のある人たちを面倒を見たりすることによって学校に行けないという事実がある。そのいろいろな状況それぞれ違うとは思うんですけれども、例えばですが、先ほど言ったような子供の場合は、朝の時間帯だけその子と代わってやれる人がいればその子は学校行けるわけですよね。でも、そういうことが実は放置されているというか、手が届いていないんですよね。
ですから、私は、先ほど厚生労働省がこの実態把握に努めたと、いいことだと思いますよ。その上で、具体、これから何をするかということが大事なんです。そのことにもっともっと積極的に取り組んでほしいし、私は、もう一つここで申し上げたい。
ちょっと長い間しゃべって恐縮なんですけど、実は、この憲法の中にある、能力に応じてという言葉が私は実は誤解をされているのではないか。つまり、どういうことかというと、その子が、教育を受けたいと思う意欲がある人は高学歴にまで進んでいっていいですよ、あるいは、意欲があっても能力がなければ行けませんよというように解されているのではないかなと。
これは実は、その能力に応じてというのは、その学年や段階に応じてということで、その子が発達が、学力などが付いていれば次のステップに行ってもいい、逆に、行っていなければ、届いていなければもう一度立ち止まって修学すべきだよという意味で、ですから、入学試験などの考え方も本当はもっと違う意味で検討すべきだと実は私は思っているんです。高校入試も大学入試も、そういう意味では弊害もあると思っているんですね。
この言葉が実は親の中にも、この能力に応じてという部分で、親の経済力がないので子供は学校に行けなくてしようがない、例えば沖縄の先ほどの調査では、小学校一年生の子供の時点でうちはもう大学には行かせられないと思ってしまっていると。これは、親の経済的な能力が低いから仕方がないんだというふうに思ってしまっているのではないかと。そういう県民の調査の結果、そういうふうに思っている人たちがけしからぬという話ではなくて、これは自己責任ではなく、そういうふうに思わせない施策を奨学の手だても含めてやるというのが私は国の責任ではないかと思うんですね。
その考え方に基づいて、私は、今回のこの沖縄振興の中で、やはり子供たちの教育を沖縄あるいは国を挙げてしっかり取ると。これはどうしてかというと、二十七年間米国の支配下にあって、例えばこの日本国憲法や教育基本法で教育一生懸命やっていこうといったときには、その法律の外に実はいたわけですよ、沖縄の子供たちは。それが二十七年間続いてきたわけですよね。いいこともあったのかもしれませんけれども、やはり全国的に比べると、そのような義務教育とか奨学をして何とか国のために、あっ、国のためにじゃなくて、子供たちのために頑張ろうと国がやるということが届いていなかったという事実がある。
だから、なおさら今こそ、私は、集中的に様々な政策資源を投入して子供たちの教育に全力を尽くすべきではないかと、これは言葉じゃなくて具体的にやるべきじゃないかと思っていますが、西銘大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/56
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057・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 極めて重要な視点といいますか、お話を拝聴しておりました。
沖縄の子供の貧困の連鎖を断ち切るためにも、教育の充実は極めて重要な課題であると考えております。教育施策については、一義的には県や市町村の教育委員会で担っていただくものと考えますけれども、内閣府としましては裁量の高い一括交付金を措置しておりまして、県や市町村においては、この一括交付金を活用して、学習教室を設置し、貧困世帯の子供に対して学習指導などを行う取組等を実施をしております。ICTの通信の技術を使って離島の子供たちの無料塾を開設している市町村も見受けられます。
このため、今般の沖縄振興特別措置法改正案では、多様な人材を育成するための教育の充実について第七十六条第二項に明記したところであります。この努力義務規定の趣旨やこの度の法案の御審議における沖縄の教育や人材育成の重要性をめぐる御議論については、沖縄県や市町村に伝えてしっかり県や市町村と連携をして、勝部委員御指摘の点も踏まえながら取り組んでいかなければいけないなという思いを今お話を伺いながら感じたところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/57
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058・勝部賢志
○勝部賢志君 それで、具体的に何をすればいいかということなんですけど、これは一つの例です。ここで議論をすることももちろん大事なんですが、本当は、沖縄県の地元の方々がどういうことを望んで、現状どうで、それにどう対応するかということが一番大事になりますので、これは一つの例としてお話をしますが、お配りをした資料の四ページ目に、子供の一人一人の学び、育ちに応える教育への転換ということで、それぞれの専門家の英知を結集する十分な人員配置。私は、やっぱりマンパワーだと思います。先ほどちょっと例挙げましたが、そうやって支援をする人がいれば子供は学校へ行くことができるということでですね。
実は文科省もいろいろメニューというか、これは恐らく林外務大臣が文科大臣の頃にもこういうことを検討されてきたんだというふうに思うんですけれど、いろんな名称の支援をする人がいるんですね。いるんですけれども、例えばですけど、学習には、一般的な教員のほかに、学習支援員だとか学校司書だとかICTとか、まあいっぱいいるんです。だけれども、基本的にほとんどそれが目標の数に、あるいは希望される数に達していない、ほとんど達していません。一般的な教員も定数に達していないという状況ですね。
それから生活相談。例えばですが、先ほどのヤングケアラーなどは、学校にそういうことを相談する人がいれば担任は例えばそのスクールカウンセラーやソーシャルワーカーに聞くんです、こういう子がいるんだけどどう思いますかと。いや、これはきっと家庭でもなかなか大変だと思うよというところを糸口にしてその子にどういう対応できるかということが考えられるんですけれども、こういうスクールカウンセラーももうほとんど使い物にならないぐらいの数しかいないんです。これ、表現ちょっと誤解を招くといけないんですけれども、例えばですけど、一週間に午前中しか来ないとかそのぐらいの程度しか人が配置されていない。
これは、例えばですが、沖縄は試行的にでもあるいは少し何人か特別にその枠を超えるぐらいにでも人を配置してみると。そのことによってどの程度その効果が出てくるかということも検証する、そういうような取組をやったらいいんじゃないかと思うんですね。
先ほど、補助、今井先生の質疑にもありましたが、補助率十割だったものが半分になって、その割合がもっと下がって補助がなくなったと。何となくこの教育、自治体に任せっきりになっていて、もうそれこそ、何というんですか、自己責任みたいな形になっているんですけど、沖縄は例えばその補助率もかさ上げして十割にするとか、これはもう特区みたいな形で私はやるべきだと思います。
それは二つの効果があって、一つは直接的に子供たちにそういう施策が届くということと、もう一つは、全国的なこの流れをつくり出していく上でやはり沖縄が先頭に立ってそういうことに取り組む、そのことの結果が現れてくればこれはもう全国的にやろうということにもなるので、私は、決して、何というんですかね、文部行政だけに限らず、全国的な取組として非常に大事ではないかというか、効果があるものだと思いますので、私は、是非そういうことを県の方々あるいは教育関係の方々、それから厚生、何というんですか、福祉に関わる方々などなどと十分に検討されてそういうことに大きく一歩踏み出していただけたらと思いますけど、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/58
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059・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 教育行政、県や市町村の教育委員会がまず第一ではありますが、内閣府の一括交付金というのは市町村にとりましても非常に使い勝手がいいということで、今般の予算編成のときにも強い要望を受けて市町村の分の一括交付金を確保したという経緯もあります。この一括交付金、使い勝手のいい割と自由度の高い部分を、無料の学習支援員とかあるいは今先生が御指摘のカウンセラーとか配置の、実際はその実態の数が足りていないというところにも市町村や県で考えていただけたら対応できるのかなという思いで聞いておりました。
私が沖縄担当大臣の指名を受けたときにも、総理からの指示は、沖縄が日本のこれは経済成長の牽引役となるようにと。沖縄の振興が全国の振興、発展にも寄与するようにという視点を常に持ちながら対応しているつもりでありますが、勝部委員御指摘の点はいい話だなと思って聞いておりますが、現実に教育委員会、市町村や県がどう対応するのか機会があったらお話を聞いてみたいなという思いで委員のお話を聞いておりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/59
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060・勝部賢志
○勝部賢志君 急にお尋ねをして、丁寧に御答弁いただきました。
私、やはり子供の貧困という言葉が世の中からなくなってほしいと思っています。本当に恥ずかしい言葉だし、この言葉をみんなが使うこと自体いかがなものかというふうに思ってはいます。ですから、沖縄がそういう地域だと言われることも、私も日本国民として沖縄の県民の皆さんの思いを感じたときに、こういう言葉をなくさなきゃ、それが一番多い地域だということをなくさなきゃいけないというふうに思うんですね。
逆に、沖縄に行けば教育が物すごく進んでいるとか、あるいは子供を育てるのに物すごく大事にする地域なんだと言われるような、過去五十年間もう様々な苦労をしてきたその沖縄が未来の五十年に向かって、子供たちが本当に生き生きと育つ、そういう沖縄というふうになっていけたらいいなという思いで質問させていただきました。
三点目に移りますが、鉄軌道の話、先ほどありましたんで、私は、これは整備をするのに相当時間の掛かる話ですので、これもやはり沖縄の将来に向けての話だというふうに思っています。
是非検討をし、実現に向けて御努力をいただきたいというふうに思うんですけれども、国交省から今日政府参考人来ていただいていますので、導入の必要性と、あわせて、この交通、公共交通システムの導入の際にどのような対応ができるのか。全国新幹線の鉄道整備法というのにのっとって進めるべきだという声もあるようですけれども、その辺の考え方についてお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/60
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061・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) お答え申し上げます。
委員御指摘の先ほど出てまいりました全国新幹線鉄道整備法でございますけれども、これを参考として設けられた特例制度の例という意味でいうと、先ほど御質問にありましたとおり国土交通省の所管でございますので、私ども、いまだ、まだ詳細に関してここで御答弁できる状況にはないということでございますけれども、本年三月九日の衆議院の沖縄北方委員会の附帯決議におきまして、調査及び検討を行うこととされたということがございました。
このことを踏まえまして、今後、内閣府において鉄軌道等の整備の在り方を検討していく中で今おっしゃられたような仕組みについても検討してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/61
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062・勝部賢志
○勝部賢志君 冒頭に申し上げましたけれども、今年の五月十五日で沖縄返還五十周年を迎えます。沖縄住民の念願だった琉球政府行政主席の公選が一九六八年十一月十日に行われ、十二月一日初の公選行政主席に就任された屋良朝苗主席、この方が、沖縄の本土復帰を翌年に控えた一九七一年十一月十七日、米国統治下にあった沖縄から東京へと向かいました。その主席が、私は復帰の主人公たる沖縄百万県民を代表し、本土政府並びに国会に対し、県民の率直な意思を伝え、県民の心底から志向する復帰の実現を期して県民の訴えをいたしますと、そう記された百三十二ページ約五万五千字に及ぶ復帰措置に関する建議書というものを手に東京に向かいました。
それには、基地があるゆえに起こる様々の被害公害や、取り返しの付かない多くの悲劇等を経験している県民は、復帰に当たっては、やはり従来どおりの基地の島ではなく、基地のない平和の島としての復帰を強く望んでおりますと建議のゆえんが書き込まれていましたが、しかし、屋良主席が羽田空港に降り立ったちょうどその頃、沖縄返還協定承認案が衆議院特別委員会で抜き打ちに強行採決されたということであります。沖縄は多くの米軍基地を残したまま日本復帰することが決定的になった瞬間でした。
この建議書の提出は結果として間に合いませんでした。記者からそのことを聞いた屋良主席はその場へへたり込んだそうであります。この日の心境を、党利党略のためには沖縄県民の気持ちというのは全く弊履のように踏みにじられるものだ、沖縄問題を考える彼らの態度、行動、象徴であるやり方だと日記に記したと言われています。弊履とは、破れた草履という意味です。
それから五十年経過をして……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/62
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063・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/63
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064・勝部賢志
○勝部賢志君 はい。
まあこの日を迎えることになりますので、そのことを十分念頭に置いた運営を大臣にお願いをして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/64
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065・河野義博
○河野義博君 公明党の河野義博です。
政府は、沖縄復帰後五十年にわたりまして、沖縄の特殊事情を鑑み、その責務として沖縄振興に取り組んできました。インフラ整備を中心に本土との格差は縮小傾向にありますけれども、依然として、全国との大きな所得格差や学力格差、そして深刻な子供の貧困など、問題や課題が存在しておりまして、民間主導の自立経済の構築も道半ばとなっている状況にあります。
政府は、この原因をどのように分析し、そして今後どのような沖縄振興政策に取り組んでいかれるおつもりなのか、大臣の御所見をまずお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/65
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066・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 昭和四十七年の復帰以降、政府においては各種振興策に取り組んできたところであります。この間、県民の努力もあり、河野委員御指摘のとおり、県内総生産や就業者数が全国を上回る伸びを示したほか、社会資本整備等の面でも本土との格差が縮小するなど、沖縄振興は着実に成果を上げてきております。
しかしながら、全国最下位の一人当たり県民所得や、全国的に見て低い労働生産性などの課題がなお存在しております。また、これらに関連して、子供の貧困も深刻な課題となっております。これらの背景には、本土から遠隔の地に位置するという地理的な事情やこれまでの歴史的な経緯等に起因して、全国的に労働生産性が低いサービス産業への依存度が高くなっていること、またサービス産業において非正規雇用の割合が高いことなどもあると考えております。
今後の沖縄振興におきましては、沖縄の潜在力、優位性を生かした産業の高度化、高付加価値化や、それを支える人材の育成等に取り組むことにより、域外の競争力の強化や生産性の向上を図ることが重要だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/66
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067・河野義博
○河野義博君 私が事務局長を務めました公明党の沖縄二十一世紀委員会、この委員会では、昨年来頻繁に委員会を開催をいたしまして、次期沖縄振興計画の在り方を議論をしてまいりました。沖縄振興全般、産業政策、離島振興、北部振興、跡地利用、子供の貧困対策、観光政策、酒税の在り方、カーボンニュートラル実現に向けた課題など、幅広いテーマを大学教授の皆さんたちの有識者や企業、諸団体、そして自治体の首長さんなどからヒアリングを行いまして、党の沖縄県本部所属の議員の皆様ともかんかんがくがくの議論を経まして意見集約を行いました。
昨年七月二十九日、今後の沖縄振興に向けた提言と題しまして、現行の沖縄振興特別措置法及び沖縄振興計画の期限であります令和三年度末以降においても引き続き沖縄政策に取り組むべきとした上で、沖縄振興特別措置法に基づく沖縄振興計画の仕組み自体の延長、そして一括交付金などの特例措置の継続、そして沖縄振興開発金融公庫の存続、そして跡地利用特措法の延長を柱とするこの四項目の申入れを沖縄振興担当大臣に行わせていただきました。この公明党二十一世紀委員会の申入れ、大臣はどのようにお受け止めをいただいたでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/67
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068・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 河野委員も含めた公明党の沖縄二十一世紀委員会におかれては、これまでも沖縄の発展のため御熱心に取り組んできていただいておりまして、改めて敬意を表したいと思います。
今御指摘の、令和三年七月二十九日、斉藤委員長の名で公明党沖縄二十一世紀委員会から内閣府の特命担当大臣への提言を私も拝見をしております。令和四年度以降の新たな沖縄振興に関しましても、昨年五月以降、精力的にヒアリングや議論を重ねられたものと承知をしております。
昨年の提言では、新たな沖縄振興における重要なポイントを的確におまとめいただいたものと理解しております。当時私は自民党沖縄振興調査会の幹事長でありましたが、二十一世紀委員会においていち早く同じ方向性の提言を示していただいたことに心強く感じたところであります。
沖縄振興を進めるためには、幅広い理解と共感が必要であります。引き続き一層の御理解と御協力をお願いをしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/68
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069・河野義博
○河野義博君 理解と共感という重要なお言葉をいただきました。寄り添うんではなくて、やっぱり共にあるということが大切なんだろうと私自身も感じております。
次に、所得格差の解消に向けた政策についてお伺いをしたいと思います。
沖縄は、相対的貧困率や所得格差を示すジニ係数、これは全国で二番目に高い数字であります。一人当たりの県民所得は全国平均の七割程度にとどまっているということもさることながら、非正規雇用が多い、そういったことから、低所得者層が分厚い構造となっているという点が挙げられると思います。地理的な不利な条件もありますし、昨今、生活必需品を中心に物価が高いというふうに指摘もされておりまして、多くの人々は厳しい生活を強いられております。
全国的に格差への問題の認識が高まっておりまして、岸田内閣では成長と分配の好循環、これを基本的な政策の柱として掲げられているわけでありますが、沖縄での新しい資本主義の実現は沖縄振興にとって非常に重要な視点ではないかというふうに考えております。
沖縄では中小企業で働く人が多く、そうした人々の所得を幅広く上げていく必要があります。今回の法案では、特区における税制優遇措置を受けるに当たっては、給料の引上げなども要件に入れることが検討されていると承知をしておりますけれども、これまでの特区税制の活用状況を考えると、やや心もとない面もあるというのが率直な感想であります。
ただ、特区税制に関しては、強い企業を育てるという対策でその重要性を否定するものではありませんし、もちろんこれ進めていかなければなりませんけれども、トリクルダウンという効果が限定的であるということが支配的な考えとなる中で、沖縄においてより直接的な沖縄独自の分配政策に取り組む必要があるんではないかというふうに私は考えますけれども、政府としてはどのように認識をされ、どのように取り組んでいかれるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/69
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070・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 河野委員御指摘のとおり、全国最下位の水準にある一人当たりの県民所得などの課題を解決するためには、事業者の生産性や稼ぐ力の向上を図るなど、企業の成長を促進するとともに、成長の果実を雇用者に適切に還元してくことが重要だと考えております。
今般の法改正では、事業者が課税の特例を受ける場合には、特区地域制度に確認制度を設け、企業の付加価値額や雇用者の給与の増加等を要件とする予定であります。こうした特区地域税制や賃上げ促進税制も活用し、事業者に給与の増加を促してまいりたいと考えております。
また、成長と分配を併せて実現していくためには、各種の予算事業なども活用し、産業振興を図るとともに、教育や人材育成といった人への投資を通じ雇用や所得の安定向上につなげていくことが重要であります。沖縄型産業中核人材育成活用事業や一括交付金等を活用し、地元の取組をしっかり支援してまいりたいと考えております。
引き続き、税制や予算など、政策金融を含めて、政策ツールを様々活用しながら沖縄における成長と分配の好循環の実現を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/70
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071・河野義博
○河野義博君 直接的な分配という視点も持っていただきながら沖縄政策を考えていきたいなというふうに思っています。
次に、離島振興に関して伺います。
離島の居住者について、世帯収入に占める教育費の負担割合がその世帯収入自体を超えているという沖縄振興開発金融公庫の調査結果が出ました。離島に住んでいる学生が島外へ進学する場合、居住費などの負担が大きくなる、こういったことが要因の一つとされておりますけれども、教育費は一例であります。
このように、離島の地理的不利性による本島との格差についてどのようにお考えか。また、そうした格差是正に向けた取組について、政府の考えを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/71
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072・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) 委員にお答えいたします。
恒常的な地理的不利性によりまして、離島におきましては、例えば沖縄本島に比べ移動や物流のコストが割高となり産業競争力の阻害要因となっているという点、教育や福祉、医療等へのアクセスが限定されているという点など、本島と比較いたしましても、産業の振興でありますとか、移住、定住条件の整備を図る上で様々な課題を抱えていると認識してございます。おっしゃるような教育の話も当然問題だろうというふうに思っております。
こうした状況を踏まえまして、これまで内閣府におきましては、離島の割高な船賃、航空賃への一部負担を通じた住民等の交通コストの負担の軽減、児童生徒が教育活動により島外、県外の大会などに参加する際の交通コストの負担の軽減、高校のない離島出身者のための寄宿舎の整備等の取組に支援を行うなど、各般の施策を通じて離島の不利性の解消に取り組んできているところでございます。
今般の改正におきましては、離島振興に関する国及び地方公共団体の包括的な努力義務を新たに設けたところでございます。
今後とも、離島の不利性の緩和、解消に向けまして、県や離島市町村とも連携を図りつつしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/72
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073・河野義博
○河野義博君 不利性ばかりが注目されがちでありますが、有利な点も多数あろうかと思います。しっかりとこれからも離島振興取り組んでいきたいと思います。
次に、子供の貧困問題です。
全国と比べまして倍近い子供の貧困率に示されるように、沖縄における子供の貧困問題は近年喫緊の政策課題であります。
平成二十八年度、これは島尻沖縄担当大臣だったと思いますけれども、十億円の予算を確保しまして子供の貧困緊急対策事業を始めました。毎年一億円ずつ積み重ねまして、支援員の配置や居場所づくり、着実に成果を上げつつあるんだろうというふうに思っています。
一方で、そもそも子供の貧困というのは、親の貧困であります。沖縄県全体で依然として県民所得が低い水準にあるということ、全国と比べて若年出産率が高いということ、離婚率が高いということ、そして母子世帯出現率が高いという複雑な事情を抱えております。
加えて、養育費の不払、これは沖縄県の平成三十年の調査によりますと、現在養育費を受け取っていない母子世帯の割合は七八・四%、約八割の母子世帯は養育費を受け取っていません。これは単純に全国と比較できる数値がありませんので一概にそれが高いからというふうには言えないかもしれませんけれども、実データとして、絶対値として八割のお母さんは養育費を受け取っていないという状況にあります。
これまでも議論されてきましたが、子供の貧困問題、根本的に解決をしていくためには、まず何よりも産業振興を通じた県民所得の向上、これが不可欠であることは論をまちませんけれども、性教育や結婚、子育て、就労といった社会活動を具体的に学ぶ環境を充実させるとともに、先ほど申し上げました困窮する母子世帯が確実に養育費を受け取れるように自治体の取組を国としてしっかりと後押しをする必要が私はあると考えています。
沖縄県外ですけれども、全国的に見ますと、この養育費の支払は義務でありますから、義務である養育費の不払への対応としまして、公正証書を作成する費用を自治体が負担したり、強制執行に必要な費用を助成をしたり、さらに、公費による養育費の立替えとともに第三者による債権回収を実施する、こういった自治体も出てきているわけでありますが、沖縄県内の自治体の養育費対策、これは大臣としてどのように後押しをしていただけますでしょうか。是非養育費支払率がもう日本一だというような沖縄県を目指していただきたいなというふうに思いますが、大臣の御所見をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/73
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074・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 沖縄県においては、委員御指摘のように、全国と比べて母子世帯割合が高いことから、母子世帯などの一人親家庭が安心して子供を育てていくためには、養育費の確保は重要であると考えております。
この養育費の問題への対策に関しては、法務省と厚生労働省の連携により、各市区町村において、離婚届を受理する戸籍担当部署と一人親家庭への相談支援等の実務を担う部署の相互連携を図る取組が進められているところであります。沖縄県においても、養育費の取決めに関し専門知識を有する相談員を配置し、相談対応を行うなどの取組を行っているものと承知をしております。
また、内閣府におきましても、沖縄の子供の貧困緊急対策事業にて、一人親家庭等を訪問して支援を行っている子供の貧困対策支援員の業務として、令和四年度から新たに養育費の支払状況を確認するとともに、必要に応じてこれらの養育費の確保に向けて相談支援機関につなげるなど、養育費の確保に向けて積極的に取り組むこととしております。
こうした取組を通じ、引き続き関係省庁や沖縄県とも連携しながら必要な支援の充実に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/74
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075・河野義博
○河野義博君 是非よろしくお願いします。
次に、教育の問題です。
小学校六年生と中学校三年生を対象とした全国学力テスト、これは二〇〇七年度に始まって以来、沖縄県では小中学生共に正解率が六年連続で全国最下位を喫しておりました。しかしながら、令和三年八月に公表されました二〇二一年度の全国学力テストにおきましては、小学生は全国水準を維持することができ、また中学生も全国平均との差を縮めたとされております。
こうした結果につながった学力向上の取組例でいいますと、沖縄市において二〇一三年度から実施された、市内全小中学校の教員を学力先進地である秋田県に派遣し、授業改善などに対する教員の意識を高め、学力向上の中心的リーダーを育成するといったことを目的としたものが挙げられていますが、これは一括交付金を活用した基礎学力向上のための学習支援事業の一環として行われたものであります。
その後も、学力先進地域から講師を今度は招いたり、実際に生徒を派遣したり、こういう取組が検討、実施をされておりますけれども、教育環境の一層の充実に向けて沖縄担当部局としてはどのように取り組んでいかれるおつもりでしょうか。
〔委員長退席、理事北村経夫君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/75
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076・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) お答えいたします。
一括交付金につきましては、地元自治体が地域の実情に即して自主的な選択に基づいて様々な事業を実施することが可能な予算でございます。これまでも地元の自治体におきましては、この一括交付金を活用いたしまして、教育の先進地域に児童生徒や教師を派遣するあるいは講師を呼ぶといったような事業など、子供の学力向上のための様々な事業を実施してきたものと承知をしております。
委員御指摘の教育先進地における取組を沖縄に更に導入するという事業の実施につきましても、今後、地元の自治体からの具体的な御相談があれば、内容を丁寧にお伺いしつつ地元の取組をしっかり支援してまいりたいと思っております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/76
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077・河野義博
○河野義博君 これだけデジタル化も学校現場において進んでまいりましたので、いろんな先進事例を先駆的に取り組んでいくということが非常に大事なんだろうと思います。しっかり後押しをしていただきたいというふうに思います。
続きまして、泡盛振興策に関して伺います。
去る二月二十五日、国の文化審議会は、ユネスコの無形文化遺産候補に泡盛を始めとする日本の伝統的酒造りを選んだことを受けまして、政府としては、三月十日に開催された関係省庁連絡会議におきまして、伝統的酒造りをユネスコ無形文化遺産へ提案することを決定をいたしました。
今後、今月末までにユネスコに提案書を提出する予定とされておりまして、二〇二四年秋頃までに審査をされる見通しと報じられております。登録が実現すれば、世界的にも泡盛の知名度が高まり、輸出拡大や観光振興にもつながることが期待をされています。
この点に関して、政府として、泡盛などの無形文化財遺産登録をどのように後押しをしていく予定か、また、それと併せて、泡盛の国内外における消費の促進に向けた現状や今後の取組についてお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/77
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078・水野敦
○政府参考人(水野敦君) お答え申し上げます。
まず、ユネスコ無形文化遺産登録に関する御質問でございます。
政府といたしましては、泡盛を始めとして日本酒、焼酎などの伝統的酒造りについてユネスコ無形文化遺産の登録を目指すこととしている、委員御指摘のとおりでございます。
関係省庁におきまして、伝統的酒造りの継承、発展を目的としたシンポジウムの開催やPR動画の作成、全国での広報活動を行っていくことを予定しておりまして、沖縄でも広報活動を予定しているところでございます。内閣府といたしましても、様々な機会を通じ泡盛の特徴や価値についてできるだけ多くの方々に伝わるよう努めるとともに、一層関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと考えてございます。
それから、二点目の泡盛の国内外の消費の促進に向けた現状、今後の取組についてという御質問でございました。
まず、現在の泡盛の国内における消費の促進に向けた取組としては、沖縄県が一括交付金を活用して琉球泡盛新発展戦略ブランディング事業を行ってございます。今月一日には、若い世代にも泡盛をアピールするための統一ロゴ、スローガンを発表したところでございます。沖縄県は、来年度も引き続き泡盛のブランディングに注力した事業を行うこととしてございます。
また、国外につきましては、泡盛の輸出を促進するため、官民の関係者が一体となった取組を推進することを目的とした琉球泡盛海外輸出プロジェクトを平成三十年から実施しているところでございます。これにより、泡盛の海外輸出量は、平成三十年の三十一キロリットルから、令和元年には四十四キロリットルに拡大したところでございます。令和二年はコロナ禍の影響も受け残念ながら三十六キロリットルに減少したものの、令和三年には再び拡大し、まだ集計中でございますが、過去最大の輸出量になる見込みと聞いてございます。
内閣府におきましては、県外及び国外に向けた事業として、沖縄の製造業等の域外競争力強化を図るため、来年度より沖縄域外競争力強化促進事業を行うこととしてございます。成果指標に基づき創意工夫に満ちた取組を行う事業者へ個別に支援することにより広く産業界の自立的発展を促してまいりたいということで、今後とも泡盛の消費拡大については関係機関と連携して取り組んでまいりたい、かように考えてございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/78
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079・河野義博
○河野義博君 次に、沖縄における再生可能エネルギーの活用施策に関しまして伺います。
〔理事北村経夫君退席、委員長着席〕
ロシアのウクライナ侵略によりまして、このエネルギー安全保障、これまでにない高い関心が寄せられています。日本のエネルギー自給率は僅か一一%であります。これはエネルギーの九割を輸入した石油、石炭、天然ガスに依存しているという状況を示しておりまして、昨今のこの世界経済の回復とともに、このウクライナ侵攻によってエネルギー価格は高騰しております。エネルギー自給率の向上というのは、非常に大きなテーマとして挙げられるわけであります。
二〇五〇年カーボンニュートラルという言葉は非常に大事なんですけれども、その実現に向けては、やっぱりこの輸入に頼っている、輸入の化石燃料に頼っているこのエネルギー構造を着実に再生可能エネルギーに置き換えていくという作業が大事なんだろうというふうに思います。水素を輸入するのではなくて水素を作っていく、また、環境価値を海外から買っていくということではエネルギー自給率は上がっていきませんので、しっかり、自然豊かな再エネ資源に恵まれた沖縄県は、この再エネのフロントランナーとしてこのアジアの先駆的な立場を占めるような取組をしっかり後押しをしていかなければならないのではないかというふうに思っています。
例えば、沖縄電力では、火力発電所、ガス火力発電所の中に水素を入れて混焼させる取組、若しくは、また久米島では海洋深層水を使った温度差発電、また宮古島では太陽光を用いた人工光合成によってエネルギーを取り出すといった実証事業も行われております。こうした新たな技術については、二〇五〇年カーボンニュートラルの政府の目標の貢献に加えまして、沖縄の産業振興における広がりも期待されることから、沖縄振興において好循環を生み出す起爆剤となり得ると私は考えます。
そういった観点を踏まえまして、沖縄振興における再生可能エネルギー活用促進策の位置付けと今後の取組について大臣から御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/79
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080・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 四方を海に囲まれまた亜熱帯に位置する沖縄においては、海洋に由来するエネルギー源を含め、再生可能エネルギー資源の活用に大きな可能性があると認識をしており、例えば、再生可能エネルギーを活用した水素、アンモニアの製造や供給などが沖縄の新たな産業の創出につながる可能性があると考えております。
政府が掲げた二〇五〇年カーボンニュートラルを沖縄においても実現するため、今般の法改正において脱炭素社会の実現に関する国及び地方公共団体の努力義務を設けるとともに、令和四年度沖縄振興予算において沖縄におけるクリーンエネルギーの導入促進に係る予算を新たに計上したところであります。
再生可能エネルギーを利用した新たな技術の導入については解決すべき様々な課題が存在しているものと承知をしておりますが、技術開発の動向を注視しながら、また関係省庁等ともよく連携しながら、産業振興の観点も踏まえた脱炭素社会の実現に向けた地元の取組を支援してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/80
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081・河野義博
○河野義博君 あと数問通告をさせていただきましたが、時間が参りますので、これで終わらせていただきます。引き続き沖縄振興をライフワークとして取り組んでいく決意を申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/81
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082・青木一彦
○委員長(青木一彦君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、藤木眞也君が委員を辞任され、この補欠としてこやり隆史君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/82
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083・大塚耕平
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。
今日、外務大臣にもおいでいただきましたので、外務大臣への質問から先にさせていただきたいと思います。
沖縄にも米軍基地があるわけでありますが、今回のウクライナ問題に絡んで、沖縄の米軍基地から他国の米軍基地等へ人員、装備等の移動等が起きているのかどうか。もちろんおっしゃれる話とそうでないことがあろうかと思いますが、可能な範囲で御開示をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/83
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084・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 在日米軍の人員等の他国における米軍基地等への移動状況を含めて、米軍の運用に関することについてはお答えは差し控えたいと思いますが、いずれにしても、ウクライナ情勢を受けて在日米軍の人員や体制に変更があるということは承知をしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/84
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085・大塚耕平
○大塚耕平君 承知をしておりませんということですね。はい、分かりました。
大臣にはそれ一問でおいでいただいて恐縮だったんですけれども、今朝ほどのニュースの情報を今お話をしますので、可能な範囲で最新情報をもし御開示いただければと思うんですが。
今朝のニュースでは、停戦協議がそれなりに前進をしているような報道がありました。ロシア軍はキエフからかなり後方に撤退をし、そして、ウクライナ軍はロシアが不法占拠しているクリミア半島奪還のために軍事力は行使しないと、そういうお互いに条件を出し合って、かつNATOとは別の枠組みのあの地域の集団安全保障体制が確立できるならば歩み寄る余地があると。こういう報道を朝から聞いたわけでありますが、事態が好転する可能性があるのかどうか、外務省として今把握している範囲で何か御説明いただけることがあればお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/85
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086・林芳正
○国務大臣(林芳正君) 報道は私も承知をしておりますけれども、依然としてウクライナ各地でロシア軍が激しい攻撃を続けておりまして、学校、病院、住宅等も無差別に攻撃して多数の民間人に死傷者が発生しております。
この今御指摘のありました停戦交渉ですが、断続的に行われているところでございます。まあ報道等いろいろな角度からなされておるようでございますけれども、この双方からの発信を見る限り、立場の隔たりは依然として大きいと見られております。ロシアは依然として、例えばトルコ、イスラエル、独、仏といった各国の働きかけにもかかわらず、停戦に応じるというところまでは来ておらないわけでございまして、今後の交渉の行方はまだ予断できないというふうに思っております。
このウクライナとロシアの両国間、この停戦交渉の行方は我が国としても高い関心を持って注視をしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/86
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087・大塚耕平
○大塚耕平君 外務大臣への質問は以上ですので、委員長にお取り計らいをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/87
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088・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 外務大臣、どうぞ御退席、結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/88
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089・大塚耕平
○大塚耕平君 それでは、沖縄に関連してでありますけれども、今日、資料として跡地利用特措法の特例措置の内閣府の資料の配付をさせていただきました。
米軍基地の用地をいずれは返還をされるということを前提にその基地内の土地を行政が早めに取得をするというこの措置、平成二十四年に施行されてそのときも議論に参加をさせていただいていたんですけれども、平成二十四年というタイミングなので、ひょっとすると沖縄返還五十周年のタイミングでかなりの基地が返ってきて、その準備としてこういう特例措置がとられるのかなと当時は思ったんですけれども、残念ながらそれほど多くの進展はないんですが。
まず、数字をちょっと教えていただきたいんですが、沖縄の特定駐留軍用地全体の面積と、現時点で返還予定となっている面積、並びにこの特例措置によって既に現在までに取得した土地の面積、取得金額、それに応じた売却者、つまり所有者ですね、土地の、の人数、並びに、これはお手元の資料にも譲渡所得からの特別控除最高五千万円というふうに書いてあるんですが、どのぐらいの減税規模になったのか等々、数字についてお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/89
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090・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) お答えいたします。
令和四年三月現在で今後の返還が予定されているのは、平成二十五年四月に公表されました沖縄統合計画に基づく返還区域その他日米合同委員会で返還合意された区域を合計した千九百ヘクタールと承知をしております。この返還が予定されている駐留軍用地のうち現在までに跡地利用特措法に基づいて特定駐留軍用地に指定されているものの面積は、九百六十九ヘクタールとなってございます。
続きまして、同措置に基づいて現在までに行政等が取得した土地の面積等々でございますけれども、沖縄県によりますと、昨年、令和三年の三月末時点で、譲渡所得の課税の特例措置の対象となる地方自治体等が取得した土地の面積の合計は約六十八・六ヘクタール、取得金額は約三百八十九億円、売却件数につきましては千七百十二件でございます。
ただし、委員が御質問になりました人数ですね、頭数につきましてはデータがないということであります。
それから、特別控除によります減税規模は、推計をいたしまして約九十億円ということでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/90
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091・大塚耕平
○大塚耕平君 今、返還が予定されている駐留軍用地とそのうちの特定駐留軍用地に指定されているものの面積、両方で約千九百ヘクタールというお話だったんですが、米軍基地全体は一万九千ヘクタール、大体そのぐらいだと思いますので、約一〇%なわけですね。
もちろん、その米軍基地の返還というのは、今回のこのウクライナ情勢等々もあると今後もそう簡単にその返還が進むとは思えないんですけれども、大臣に一つお伺いしたいのは、今現在、この特措法の措置に基づいて、米軍の一万九千ヘクタールのうちの、そのうちこの特措法の対象となり得る用地としてそのうちの一〇%、千九百ヘクタールが指定をされていて、その中から六十八ヘクタールを買ったと、これまでに行政がですね、こういうことになっているんですが、この措置を適用して行政が取得をしようとするその土地に目標水準とかあるいは何か計画というのはあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/91
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092・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) 済みません。その前に少し訂正をお願いいたします。
先ほどの答弁で千九百ヘクタールと申し上げたのは、千九ヘクタールでございます。申し訳ございません。修正させていただきます。済みません。
先ほど申された約一万九千のうちでいうと、済みません、改めます。沖縄県総面積の、済みません、千九ヘクタールです。済みません。申し訳ございません。
それから、今御質問のありましたところで、どの程度の面積を買い上げるのかという御質問だったというふうに思っておりますけれども、それぞれ、その土地でどのように道路を引くのかとか公園を造るのかとか、あるいは学校をどういうふうに置くのかということで都市計画法等々に基づいて決めるわけでございますけれども、それぞれ土地の利用がどうなっていくのかというのは御地元等々と協議して決める話でございますので、クリアな形での目標の面積というものは今のところございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/92
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093・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) お尋ねの譲渡所得の課税の特例措置は、沖縄において今後返還が予定されている広大な駐留軍用地の大部分は民有地であり公有地が極めて少ないことから、この措置によって県や市町村等による返還後の必要となる土地の先行取得を促進するための特例措置と認識をしております。
今統括官から答弁がありましたように、なかなか市町村、あるいは市町村等で跡地利用の具体的な計画が進みにくいという状況等もありまして、目標とかいうものが設定しにくいということがあります。
ただ、例えば私の身の回りでも、普天間飛行場の中に持っている土地所有者が国に対してその土地を売りたいというような動きはあります。先ほど確認をしたんでありますが、そういう人も、そういう人は人で五千万円の譲渡控除の特例は適用されているようであります。
直接の大塚委員の御質問に答弁にはなっておりませんが、そういう事例もあるということを御報告しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/93
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094・大塚耕平
○大塚耕平君 大臣、ありがとうございました。
いや、かねがねちょっとこの米軍基地用地の先行取得の実態をお伺いしたいと思っていたので今日お伺いをしている次第なんですけれども。
今まさしくおっしゃったように、何か飛び地になっている小さな米軍の用地をそれを返してもらってそこに何か行政の施設を造るとかそういう話ももちろんあるんですけれども、大臣御自身がおっしゃったように、普天間基地もその返還予定になっているわけですよね。ところが、これ、なかなかそう簡単に返ってきそうにないという現状がある中で、そうやって先行取得をし、そこにはどういう行政施設を造るとか公園を造るとかって今計画を立てることがどれほどその優先度が高いことなのかというちょっと問題意識を持っていまして。
というのは、今日、他の委員の方が、貧困の問題とか教育の問題とか沖縄が喫緊の課題として解決しなきゃならない問題が結構いっぱいある中で、いつ、まあ、返ってきてほしいんですけれども、しかし、いつ返ってくるか分からない用地の取得に予算を投入し、そこには相当な人的リソースも掛けていると思いますので、その優先度というのが一体どういうふうにお考えなのかなということもちょっとお伺いしたい内容なんです。
というのも、さっき申し上げたように、元々この特措法ができるときに、ああ、これは返還五十周年を一つの目途として何か一気に進めようとしているのかなと当時は期待していたんですけれども、残念ながらそうではなくてこの取得が行われている。しかし、取得しても結局そこで何かが行われるわけではないわけですよね、現在。
そこで、三番目の質問になるんですが、今お伺いした既に取得した土地の中で、既に都市計画法等に掲げる事業、道路とか公園等に現に利用されたという土地面積というのはどのぐらいあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/94
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095・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) 済みません、ちょっとクリアでないところがございましたので、ちょっと補足の説明も含めて御説明させていただきますけれども、今日、大塚先生お配りいただいているペーパー、内閣府のペーパーでございますけれども、この二番目の箱の中に、措置概要というところの米印の三番をちょっと御覧いただきますと、こういうことになっていまして、都市計画法等に掲げる事業、道路、公園などで、事業の種類と土地の面積を見通しとして公表することになっておりまして、一応、こういうぐらいの金額だ、済みません、面積だということに関しては見通しとして公表するという仕組みがございます。これが一点でございます。
それから、御質問の中で、既に都市計画法等に掲げる事業として利用された土地面積ということでございまして、平成二十七年の三月に返還をされましたキャンプ瑞慶覧の西普天間住宅地区跡地においての例を申し上げますと、学校用地といたしまして十七・四ヘクタール、緑地、公園といたしまして七・三ヘクタール、墓地として二ヘクタールとなっているというふうに承知をしております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/95
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096・大塚耕平
○大塚耕平君 現に返ってきたところは、もうおっしゃるように利用していけばいいわけですからそれでいいんですけれども、今おっしゃった学校用地と緑地と墓地を足して二十六・七ヘクタール、これは、さっきおっしゃった既に取得した六十八・六ヘクタールの三分の一ぐらい。更に言うと、米軍基地の返還予定の千九ヘクタールからするとごく僅かな土地なんですね。
だから、もういよいよ返ってくることが、もう例えば三年後とか二年後とか決まったところに対してそういうアクションを起こすのは非常によく分かるんですけれども、いや、本当にいつ返ってくるか分からないところについてどういう計画で取得をしていくのかというのはなかなか難しいだろうなと。
それで、今おっしゃったように、お手元の資料のところに、読んでいただいたところですね、事業の種類と土地の面積を見通しとして公表、しかも、都市計画法等に掲げる事業ですから、これというのは、その地域がしっかり返ってきて、その都市計画が立って具体的にこういうインフラを造ろうとか道路を造ろうとかということが決まってきて初めて行政としてアクションを起こすその説得力とか説明力とか合理性があると思うんですが、ちょっとこの現在の米軍基地の返還の見通しの中では随分見切り発車をしているなという印象を、まあ、平成二十四年にこれがスタートして、いよいよ五十周年を迎えるに当たって振り返ってみるとそんな気がいたします。
それで、調査室が整理してくれている資料集の中に、防衛省の返還予定米軍基地、区域の最近五年間の賃借料及び所有者数という、こういう資料もあるんです。令和二年度直近のデータですと、所有者の方は一万四千二百八十八人、年間の賃借料が二百五十億五千七百万円と、まあ随分大きな金額のような気がするんですが、所有者一人当たりに直すと百七十五万円ぐらいなんですね。
せっかくの機会なのでお伺いしたかったのは、この賃借料は所有者に対して誰が払っているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/96
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097・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) 防衛省の方でお支払をしております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/97
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098・大塚耕平
○大塚耕平君 ということは、つまり、日本国側が払っているわけですよね、米軍が払っているわけじゃなくて。
それで、この返還予定施設や区域でない人たち、この今申し上げた数字は返還予定施設・区域の所有者なんですけれども、そうじゃないところ、つまり、当分返ってきそうにないと、そういうエリアの所有者に対しても賃借料というのは払われているという理解でいいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/98
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099・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) お答えいたします。
公有地以外で民間の方が所有されております軍用地に対しましては防衛省の方から賃借料が出ておりまして、それは返還予定であろうとなかろうと変わらず賃借料が出ているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/99
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100・大塚耕平
○大塚耕平君 全国で日本は地籍図が完全に整備されていないということが、土地家屋調査士の皆さんの世界とか土地売買においては我が国の課題なんですけれども。
米軍基地内の地籍図というのはあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/100
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101・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) つまびらかに存じ上げておりませんのでちょっと明快に御答弁はできないわけでございますけれども、少なくとも、賃借料を払うという意味で、賃借料を払う根拠の何らかの面積比みたいなものに関してはあるものと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/101
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102・大塚耕平
○大塚耕平君 別に何か疑義があってお伺いしているわけではないんです。実際一度聞いてみたかったなということなんですが。
つまり、広い米軍基地、しかも沖縄戦のときには相当な戦地になって、どういうふうに土地を皆さんがお持ちだったのか、住んでいたのかというのはなかなか確認するのも難しいということだと思うんです。そういう中で、私が調べた限りでは、地籍図も余り十分にない中で、こうやって所有者の方がたくさんいらっしゃって、まあ国から賃料も出ているし、こうやって先行的に買い上げられる仕組みがこう回っているんですね、今ね。中にはこれが売買もされていると、その土地そのものが、というふうにも伺っておりますけれども。
こういう実情について、沖縄の住民でもいらっしゃいます大臣として、何かこの問題というか、この先行取得の話ですね、ここまで急いでやる必要があるのかどうかということにはどうお感じでしょうか。私としては、この予算もマンパワーのリソースももうちょっとほかのことに投資、投下していった方がいいんじゃないかなという気がしているんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/102
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103・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 今、大塚委員のお話を聞きながら、かつて政治の世界に入る前に政策金融公庫にいたときに地籍明確化法という話が出てきまして、実態はなかなか地籍明確化されていないんだなということを若いときの職業柄の意識として残っております。
普天間飛行場の面積に例えますと四百七十ヘクタールぐらいの広大な土地がありまして、現実に普天間飛行場の中に土地を持っている方々は、どういう理由か分かりませんが、自分の事業のために資金が必要なのかどういう理由かは分かりませんが、国の方に自分の持っている民有地を売りたいという人も実際いるのは話としては聞こえてまいります。
私たちは、普天間飛行場が町のど真ん中にあって、固定化は絶対許されなくて、設計変更が認められたら、まあ、私の所管ではないんですけれども、この広大な跡地利用を沖縄振興にどう取り組んでいくかという視点から見ますと、必要な先行取得という今回の大塚委員の御懸念の点は、私の立場からすると、町づくりを進める上でも、結構大規模な町づくりが起こってきますので、先行取得、あるいは個人の理由で売買したいという方が国に売りたいというときであれば買ってもいいのかなという感じで見ております。
ただ、具体的にイメージしますと、あれだけの広大な基地が返還された場合、何が出てくるか分からないなという心配も個人的にはしておりますが、いずれにしましても、町づくりをしていくという観点からすると、先行取得は必要な制度ではないかなというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/103
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104・大塚耕平
○大塚耕平君 今日はちょっと事実関係をお伺いしたかったわけでありますので、いろいろお答えいただいてありがとうございました。
とはいえ、当分返ってきそうにない米軍の土地を買うというのは、その取引においてどういうインセンティブがあるのかというのはやっぱり国として関心を持っていただいた方がいいと思いますし、そういうことの透明性が確保されてこそ沖縄の発展に対して全国民の気持ちが一つになるわけでありますので、もろもろしっかりフォローをしていただくことをお願いして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/104
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105・鈴木宗男
○鈴木宗男君 私の与えられた時間十分ですので、端的に大臣に聞きます。
この沖縄振興特別措置法の一部改正、まあ延長ですけれども、これはもう当然だと思います。
そこで、大臣、前回のこの振興策というか、延長では、一括交付金の創設だとか、あるいは振興策は沖縄県も策定できるだとか、琉球大学、専門学校あるいは私立学校等に教育に重点的に力を入れるだとかという一つのイメージと具体的な提案がありました。今回のこの十年の延長と振興策について、何か新しいものがあるかどうか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/105
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106・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 沖縄の自主性を尊重しつつ自立型経済の発展を図る観点から、平成二十四年の法改正では、沖縄振興計画の策定の主体を国から県に変更をし、一括交付金の制度を創設する等の措置を講じております。平成二十四年の法改正であります。一括交付金と振興計画の策定の主体が県に移ったというところが十年前の法改正では大きな点だったと思っております。
これによりまして、現行計画の十年間では、県内総生産や就業者数が全国を上回る伸びを見せるなど着実な成果は見られております。他方、御案内のように、県民所得や子供の貧困の課題等が引き続き存在するとともに、時代が大きく変化をする中で、脱炭素社会やデジタル社会という、急速に展開するなど、沖縄を取り巻く環境が変化も生じているところであります。こうした時代の潮流に合わせて沖縄の課題を解決を図っていくためには、生産性や稼ぐ力の向上を図ったり、強い沖縄経済をどう実現していくかなどの課題はまだ存在しているものと考えております。
そうした観点から、今般の改正では、沖縄振興計画の枠組みや一括交付金制度を継続させた上で、課税の特例を受ける場合の県知事の認可の制度等を新たに創設をしておりますし、人材育成や子供の貧困、あるいは脱炭素、デジタル社会などの各政策の努力義務規定を新たに創設したところであります。
これらの措置を講じて、政策金融の沖縄公庫、あるいは先ほどの基地跡地利用等の法改正も含めて、引き続き県や地元の市町村と連携しながらしっかり沖縄振興策に取り組んでいかなければならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/106
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107・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、新しいことを何するかと聞いているんですよ。前の説明や何かはいいんです。私も時間ないわけですからね。
ここら辺、簡単に言うと何もしないということですよ、はっきり言って。この十年間の延長はただ継続するというだけの話です。私は、これは沖縄をばかにしていると私は思っているんですよ。私は沖縄の応援のために言っているんですよ。
大臣、今回の予算で沖縄の予算何ぼ減っています。まあこれも時間の無駄ですから私の方で言いますけど、三百億円減っていますよ、七年間下がりっ放し。一般会計のパイは、皆さん方知っているとおり、もう百七兆になっていますよ。今年は復帰五十年ですよ。記念の年であるならば予算は増やす、これは当然じゃないですか。あるいは、沖縄に夢と希望を与える、それが政治の価値じゃないでしょうか。
この減っていることに対して、大臣、どういう受け止めですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/107
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108・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) かつて那覇空港の第二滑走路を七年間の計画を五年間で短縮する等、年間三百億円台の予算が付いておりましたが、これが完成したということ、あるいは、名護東道路の全線供用開始等々を始めとしまして事業が大幅に進捗したということも総額としては減額の一つの要因になっているものと考えております。
昨年の十二月に令和三年度の補正予算で二百十八億円の補正を加えておりますので、十五か月予算としますと二千九百億円台の額は確保できたのかなという思いで見ております。
鈴木先生がおっしゃるように、額が減ったというところは見ておりますが、当初、内示で示されたときのことから、一括交付金の市町村分を是非とも回復しないとという思いで取り組んで、最後のところ、効率的に、効果的に使いなさいという財務大臣から指示は受けましたが、そこそこ必要額は確保できたんじゃないかというふうに私は思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/108
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109・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、遠慮しちゃいけませんよ。予算は、ある種、力ずくなんですよ。特に今年復帰五十年ならば、強く出ていいと思いますよ。しかも、コロナもあって、観光がメッカと言われている沖縄が今一番沈んでいるんですから、ここは強く出るべきなんです。黙っていたら切られるだけなんですから。
まあ、今年の予算は前の政権のときの概算要求ですから、もう令和五年度の予算始まっていますから、概算要求はもう八月までできるんですから、ここは大臣、せっかく沖縄出身のあなたが大臣なわけですから、ここは思い切って取り組んで、事務方もしっかり西銘大臣を支えていただきたいと、私は逆に激励しながらお願いするところであります。
そこで大臣、沖縄へ行くとよく鉄軌道の話出るんですよ。これも、調査費、最初二億円だ。それ四年続いて、その後一・五億円でした。今、一億に下がっている。鉄軌道やってくれという沖縄の声に対して、これやる気あるのかどうか全く見えてこないけれども、大臣としては本当に鉄軌道必要だと思って沖縄の声に応えようとしているのかどうか、その考えをお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/109
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110・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 鉄軌道は、私も選挙公約のときに推進すべきだという選挙のときの公約に掲げております。
具体的に私自身が悩んでいるところは、事業主体がなかなかイメージできないというところに来ておるのであります。思いとしてはがんがんやりたいという思いはあるのでありますが、調査をしてみると、四十年たっても黒字、あるいは国土交通委員長のときのいろんな地域の鉄軌道の話等も見てくると、慎重にやりながら、うまくどうすればいいのかというところで悩んでいるというのが本音でございます。やりたいとは思っておりますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/110
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111・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、せっかく選挙公約にも掲げたならば、やっぱり頑張ってくださいよ。それが沖縄の人に応える話だと思います。
最後になりますけど、大臣、普天間の移設、今、名護で進めていますね。これ、二十五年掛かっています。これ、本当にあの場所で、あなた沖縄出身の閣僚として、地盤も軟弱でお金ももう予算当初の三倍も四倍も掛かっています。恐らく十倍以上掛かるでしょう。当初三千億でスタートしたのがもう一兆円近くなっていますから。もっともっと掛かると言われているけれども、あなた本当にあの場所でよかったと思っているかどうか。私は、当初のいきさつから知っている者として、どうも合点いかないんですよ。大臣はどう思います、沖縄出身の政治家として、大臣として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/111
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112・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 鈴木先輩の難しい質問にどう答えていいのか。
所管外でありますので、沖縄担当大臣としては、返ってきた跡地の利用、沖縄振興にどう取り組んでいこうかという強い思いがあるという答弁だけで御勘弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/112
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113・鈴木宗男
○鈴木宗男君 西銘大臣の人柄分かるし、あなた見ているとお父さんを思い出しまして何となく感慨無量ですよ。ただ、しっかり頑張ってくださいよ。沖縄の声というものを強く出してください、応援しますから。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/113
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114・石井苗子
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
残りの時間、沖縄応援団として夢と希望のお話をさせていただきます。
アメリカのサンタクララ郡にシリコンバレー、カリフォルニアにあります。これは、スタンフォード大学というのは一八九一年にできました。アメリカで初めて工学部というのを、初めて工学部というのをつくりまして、この大学の特徴は、まず男女共学、そして宗教の自由、実務的な教育、これはすぐ役に立つ、すぐ役に立つ工学部ということでスタートして、一八九一年から、沖縄の面積の約二倍、四千八百平方キロメートルで人口三百十万人のところで、やっとですね、一九二〇年ですからそこから二十九年たって、フレデリック・ターマンという教授を呼んでベンチャービジネスというのを始めました。で、四十八年後にヒューレット・パッカードというのをつくって、このシリコンバレーという、向こうではベイエリアと言うんですけれども、何にもありませんでした。学問といえば東側だったんです。西側のサンタクララだとかというところには何にもなく、こんな教授が来るなんということはなかったんですが、その後は、皆さん御存じのように、七十六年がたちまして今シリコンバレーの役割は終わりましたということになっていますが、これは、世界的にベンチャービジネスというのを、このITという意味で、パソコンだとか何だとかというのをつくったんです。
これを是非私は、目玉でありますこの、OISTと書いてオイストと読むらしいんですが、沖縄科学技術大学院大学というところですね。これ、学園法を改正されたようでございますが、今日、それについて七つぐらい質問させていただきます。
非常に細かいことで恐縮でございますが、施行状況の検討期間を十年から五年に短縮されました。これは、単に沖縄振興特措法の改正に平仄を合わせたということでしょうか。それとも、OISTの運営自体に関して五年で検討した方がいいという理由がほかにあったんでしょうか。これを最初にお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/114
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115・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) OIST法の施行から約十年が経過をしております。法の施行状況等について、令和三年の八月に有識者会議において最終報告が取りまとめられたところであります。この報告では、これまでの十年のOISTの取組はおおむね良好と総括評価されております。しかし、沖縄振興等への貢献については一定の評価には達しているものの道半ば、国の財政支援については当面の間維持する必要とされつつも、国は一定の期間を経過するごとに支援の在り方を検討すること等の提言がなされております。この提言も踏まえ、昨年八月に内閣府が公表した新たな沖縄振興策の検討の基本方向についてにおいては、まずは今後五年間で百PI達成となるよう国は財政支援を行うこととしております。
今後は、今述べた五年の期間におけるOISTの成果等を踏まえるとともに、沖縄振興特別措置法の見直し等における議論も考慮しつつ、おおむね五年ごとに改めて国の財政支援の在り方等の法の施行状況を見直しすることとしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/115
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116・石井苗子
○石井苗子君 大臣、答え長過ぎる。
多分ですけれども、五年で見直して、今の教員の数を百人以上にしようとしているというのが結論で、それが理由なんですね。五年で見直す、十年じゃなくて五年で見直すということなんです。
そうすると、このOISTという大学院大学の業績についてお伺いしますけれども、研究成果について、今おっしゃったように、僅か十年とおっしゃいましたが、これすごく大きな評価を得ています。ネイチャーインデックス二〇一九年、ここで世界ランキング九位、日本で一位という、これはすごいことなんです。もうとにかく大学というのは、論文、論文が全てでございます。この国際的に卓越したこれAI、科学技術に関する成果を上げているということなんですけれども、この最終報告で書かれております。インデックスというのは順位なんですけれども、世界トップクラスの研究成果を分析するデータベースのことをネイチャーインデックスといいます。この二〇二二年で論文が引用された数というのが世界でも最も多いということで、沖縄科学技術大学院大学、OISTが選ばれています。
ということは、世界的に評価されているということなんですが、OISTというのは、論文の数が少ない、だけど質が高いということになっています。これは、単に教員の数が少ないから論文の数が少ないという問題なのでしょうか。
それともう一つ、上位一%に入る論文の割合が多いということなんですが、ここちょっとお聞きしたい。上位一%に入った論文というのは、幾つあってどのような研究であったかを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/116
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117・水野敦
○政府参考人(水野敦君) お答えいたします。
先生御指摘のとおり、OISTは、設立十年、若い大学ながらも、研究成果、非常に高い国際的な評価を得ているところでございます。
御質問の論文の輩出数が少ないということに関しては、やはり開学十年という歴史が浅いということに加えまして、教授の数がやはり百人足らず、現在で八十八名ということでございます。研究分野数も限られているところであるということなので、やはり世界水準にある理工系大学と比べて小規模であるということが一因となっていると考えられるところでございます。
また、お尋ねのトップ一%論文に該当する論文数は、開学から令和三年四月、昨年の四月までの間においては、五十七本となっているところでございます。また、トップ一%論文の代表例といたしましては、太陽電池の新素材に関する論文、あるいは海洋生物のゲノム解読に関するものがございます。
お答えは以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/117
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118・石井苗子
○石井苗子君 太陽電池と海洋生物、そうですよね、沖縄、もうやっぱりシリコンバレーとはちょっと違うと思うんです。ここのところで、大目玉な世界的な研究機関ということをどうベンチャーにつなげていくかということなんです。
この地元への貢献についてということで、やはり論文というのは新規性と社会貢献性とそれからスピード感ということで、この論文をベンチャーにつなげていくということで、プラクティカル、実務的な大学にしていくということで、OISTの存在がこの沖縄の振興の自立発展ですか、それとともに目的が果たせるんではないかと私は考えますけれども、今のところ、インドとかアメリカからの教授を呼んでいるということで、その人たちが果たして沖縄のために貢献できるようにベンチャーをそこでどのような研究で立ち上げていくことができるかということなんです。
この学園の法の中で、第一条、沖縄の興進及び自立的発展並びに世界の科学技術の発展に寄与することを目的とすると、そう書かれてありますけれども、これはやっぱり貢献してもらわなければ困るわけですが、この十年間でこれまで沖縄の経済、教育、そのほかの分野でどのような貢献をしてきたか例を挙げていただきたい。そして、今後どのように貢献していくかというこの希望的観測もお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/118
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119・水野敦
○政府参考人(水野敦君) お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、OISTは、世界最高水準の教育研究を行うことにより、沖縄の振興と自立的発展、そして世界の科学技術の発展に寄与することを目的としてございます。
地元沖縄の振興に係る具体的な取組としては、最先端の科学技術に関する教育研究を進める中で、先ほど申しましたような沖縄の亜熱帯性気候や海に囲まれた特性等を生かした研究、あるいは地元企業と連携した共同研究を行っているところでございます。また、沖縄の若者、子供の教育、育成に資する活動として、県内の小中高生を対象としたキャンパス見学プログラムや科学イベントを開催するなどしてございます。
今後でございますけれども、こうした以上申し上げた取組に加えまして、今後は、OIST発のスタートアップ企業の創出を推進すること等によりこうした取組の効果がより大きくなるよう内閣府としても適切に支援してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/119
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120・石井苗子
○石井苗子君 まだ具体的なのがないんですが、沖縄は昆布の消費量が日本でも多くて、その昆布というのは、北海道でできているものを富山県の、あれは東洋医学、まあ漢方ですね、そこの大学が沖縄まで運んで中国と貿易をしたという過去の歴史があります。その成分の中にフコイダンというのがありまして、これががんの治療に今効くか効かないかすごく論文が出ております。
海洋的なことであれば、私だったら、沖縄が今、肝疾患の死亡率、男女共に日本一です。だから、この全体の平均の二倍の死亡率になっているような生活習慣病の対策などについて研究をしていただけたらすばらしいなと思うんですが。
さて、今度はOISTの予算についてお伺いします。経常的経費の九五%、これが沖縄振興予算で出ています、OISTの予算です。八条を見ますと、学園の業務に関する経費についてはその二分の一を超えて補助することができるとなっていて、これを当面維持するということなんですが、ちょっと憲法なんかに照らし合わせますと、ほかに類を見ない特別な例かなと思うんですが、しかし、財務省から二〇一九年に、OISTは外部資金の少なさや教員一人当たりのコストが高いということを指摘されています。
さっき、百人に増やすと、それで五年に見直すとおっしゃっていましたが、これ、OISTの教員一人当たりの国の運営費の補助二億六千八百三十三万円。すごいんですね。北陸先端技術大学院とか奈良先端科学技術大学院大学というのと比較しましてもすごく多い。OISTの補助金は多いんですね、突出しています。東京工業大学教員一人当たりに係る同じ運営費の補助は二千百七十五万円です。先ほどのは二億六千八百三十三万円ということなんで、補助金の二分の一以内というふうに普通の私立大学はされているんですよ、補助金は二分の一以内とね。
OISTの補助金について今後どうしていくと大臣はお考えでしょう。もし減らしていくんだったら、いつまでに何割というような目標で減らしていくかという、これとっても大事なところなんですけれども、是非頑張ってやっていって目玉になっていただきたいんですが、どのくらいの割合で減らしていらっしゃるおつもりでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/120
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121・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 委員御指摘のように、OISTは現状九割以上を補助しております。OISTが当初できる経緯を見てきた者としましては、とにかくベスト・イン・ザ・ワールドでノーベル賞クラスの先生が中心になってやる、あるいは、日本では尾身先生と有馬先生が熱心に取り組んできている姿を目の当たりに見てきたものでありますが、今現在百に満たない八十八PI、これを三百PIまで持っていかないと世界の、対抗できないという話等も頻繁に出ておりました。
私が大臣に入ってから、外部の資金調達を二割をめどにするようにという、引継ぎ事項の中でそういうこともあったんでありますが、これからの課題として二割を目標にという動きはやっておりますが、今現実にそこまでは来ておりません。民間資金の調達の部分、財源の多様化をどう進めていくのか、自立的な財務基盤を確立していくことは必要と考えております。
一方、OISTの設置目的を達成していくためには国の財政支援は必要であり、OIST法第八条の規定についても当面の間は維持する必要があると考えております。自立的財務基盤の確立を促すとともに、一定の期間を経過するごとにどのような支援を講じるべきか検討すべき等の提言があったところであります。
そのため、今般、OIST法附則第十四条において財政支援の在り方等の見直し時期をおおむね五年ごとと改正することにより、OISTの成果や外部資金の獲得状況を見つつ定期的に国の支援の在り方を見直し、OISTの自立的財政基盤の確立を促してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/121
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122・石井苗子
○石井苗子君 そうなんです。漫然と大学だけ置いておいてはいけなくて、やっぱり過去において歴史でどんな成功をしてきたかということは、地元に根差した学生を卒業させていってそこでベンチャーをつくった、シリコンバレーがそうですよね、スタンフォードで勉強した人間が出ていってベンチャーをつくるわけです。
ですから、先ほど、太陽電池だとか海洋生物というようなことを勉強してそれが外部資金調達をしてベンチャーを起こさなければ、全然関係ないところで何かやっていても、外国の教授を呼んできただけに終わってしまうわけなんです。OISTがあるところって山の上ですよね。たしか海には面していない。だから、余りちぐはぐなことをやっていてもいけないと思うんです。もう一回見直す必要があると思う。もうこれは地に足を付けて、腰を据えてやっていっていただきたい。
民間企業、個人からのファンド、基金をつくるということなんですが、最終報告読みますと、これまた厳しいことが書いてあります。OISTは、民間資金の獲得の財源多様化を求めて自立的財務基盤というのを確立しなきゃいけないのでありますが、自らが掲げた外部資金獲得目標、ほとんど達成できていないと、近年では目標自体も引き下げてしまった、この点は明らかな改善が必要であるというふうに厳しく指摘されているんです。
ここが肝腎だと思うんです。ここが肝腎なんです、大臣、沖縄の方でいらっしゃるんですからね。これ、とってもいいチャンスだと思うんです、私は。若者の夢、そしてこれからの沖縄の貧困、こういうのも、絶対的にこの外部資金獲得目標というのを高く掲げてですよ、予算も取って、達成割合を上げていく。
この達成割合、今どうなっていますか。分かりましたらどなたでもいいです、政府参考人の方でも結構です。達成割合、どうなっていますか。お答えいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/122
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123・水野敦
○政府参考人(水野敦君) お答え申し上げます。
今OISTの外部資金調達割合は、直近の数字でいくと大体六%ぐらいと、六%ぐらいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/123
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124・石井苗子
○石井苗子君 六%ですか。
じゃ、今後その達成についてどうしていくおつもりでしょうかね。外部資金調達は大体何%であるべきだと大臣お考えでございましょうか。その達成に向けてどんな方法を取るかというところを最後お聞きしたいんですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/124
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125・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 石井委員が御指摘したように、有識者会議の最終報告でも、民間資金の獲得等により財源の多様化を進めて自立的財務基盤を確立していくことを求めるという提言があります。
具体的にOISTの研究そのものは元々基礎研究の部分が厚くて、スタートアップやってほしいんですけれども、基礎研究をやるとなかなか直にスタートアップに結び付かないというところもあろうかと思っております。ですけれども、今現在六%の外部資金の活用でありますから、それをどう一五%、二〇%に持っていくか、事務方も含めて話合いをしているところであります。最終報告の提言にもありますように、そこのところはしっかり取り組んでいかなければいけないなと思っております。
ですけれども、今、百PIまでは見えるんですけれども、当初の話からすると三百PIまでという話もあったことを記憶をすると、これはもう確実に五年ごとに見直していくのか、しっかり取り組んでいかなければという思いで今いるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/125
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126・石井苗子
○石井苗子君 鈴木宗男先生、鈴木宗男さんの先ほどの御質疑にもございましたけれども、もうちょっとがめつく意気込んでやっていただきたいと思うんですよ。やっぱりふんだくってくるぐらいの意気込みがないと駄目だと思います。やっぱり民間のファンドというのを取ってくるというのがこの成功の一つ。
で、大体七十六年たって一つの時代というのは終わるわけですから、そのぐらいの気持ちを持って、五年見直しでだんだん少なくなっていくようだったら何のためにこの世界のランキングの、論文ランキングが一位になったんだか分からなくなってしまう。最初は勢いがよかったけどもう駄目だねというようなふうに是非ならないようにしていただきたいと思います。
私の質疑、これで終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/126
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127・紙智子
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
今年は沖縄の本土復帰から五十年です。県民が求めているのは基地のない平和な島です。しかし、その願いはかなわず、沖縄の米軍基地は一九七二年の復帰当時から減ったとはいえ、国土面積の僅か〇・六%の沖縄に過重な負担が負わされています。
一方、半世紀にわたる沖縄振興策を通じて、本土との格差の是正、沖縄の自立型経済の構築を目指して一定の成果を上げたとはいえ、一人当たりの県民所得は依然として全国最下位と、子供の貧困や高い失業率など、いまだに格差はなくなっていません。
五十年掛けてきてなぜ格差はなくなっていないのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/127
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128・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 昭和四十七年の復帰の時点では、一人当たりの県民所得は全国の国民所得に比較しますと五七・八%でありましたが、平成三十年度のデータを見ておりますと七五・一%となるなど、全国との格差は縮小してきております。
しかしながら、先ほど来お話に出ておりますように、一人当たりの県民所得の最下位であったり、あるいは子供の貧困問題など、解決すべき課題はまだまだ存在をしております。
御審議をお願いしている法案には、そのような課題の解決に向け、沖縄振興の一層の推進を図るため、十年の延長をした上で努力義務規定等を盛り込んで所要の改正を行うこととしておるところであります。
復帰時点の人口が百万足らずの九十何万で今現在百四十五万ぐらいまで人口も増えてきたというのは、沖縄振興法に基づいた社会資本の整備等々を着実に進めてきた成果も現れてきているものと私は理解をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/128
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129・紙智子
○紙智子君 五十年掛かってなぜ格差がいまだに残っているのかということについてはお答えになっていないんですよね。私は、やっぱり基地があることが沖縄経済の発展を遅らせてきた最大の要因だと思います。
四年前のこの委員会で、沖北の委員会で参考人質疑がありました。沖縄からは三人の方が来られて、そのときに基地経済のことが議論になりました。強く印象に残っているのはこういう意見です。在日米軍の専用施設の七〇%が沖縄に集中し、経済の上でプラスになっているのか検証してほしいと、基地があることが抑止力になると言うけれど、米軍基地があることで復帰後四十六年だけでも六千件犯罪が起きた、何人もの人が殺されて犠牲になっているにもかかわらず、この基地が沖縄を守ってくれているのか、県民はほとんどそうは思っていない、救済を求めても聞く耳を持たないこの国って一体何だろうと思う、こういう発言があって、非常に厳しい意見が出されて、ずっともういまだに耳に残っているんですね。
基地のない平和な島というのは一体いつになったら実現するのかと。基地に依存しない、自主的、自立的な沖縄に向かうことなしには本当の振興にはならないんじゃないかと思いますけど、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/129
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130・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 紙委員御指摘のように、沖縄には米軍基地の多くが集中をしております。土地利用や町づくりの制約となっているほか、県民にとっては大きな負担になっていることから、引き続きこれらを軽減することは重要な課題であると認識をしております。
政府として沖縄の基地負担の軽減に全力で取り組んでいく考えであり、私としましては、沖縄の振興策を推進する立場から、基地の跡地利用の推進を始め、引き続き沖縄振興に邁進していく所存であります。
沖縄の基地負担の軽減に全力で取り組みながら、しっかり沖縄振興策を活用して沖縄振興に取り組んでいきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/130
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131・紙智子
○紙智子君 やっぱり、沖縄の経済と基地の問題というのは切り離すことができないことだと思います。
基地への依存度は、復帰当時一五・五%だったのが、その後五・七%に低下しました。ところが、この五%台というのが、平成二年、一九九〇年から三十年間変わってないんですよね。復帰してその後二十年間はずっと減ってきたんだけど、その後の三十年は余り変わってないんですよ。
この現状を何とかしようということもあり、やはり一括交付金というのが活用されてきたと思います。一括交付金は、沖縄の自立的な経済をつくっていくためのもので、自由度が高く、積極的に活用されてきたわけですけど、翁長知事以降、予算額は削減が続いてきました。
沖振法には、沖縄の自主性尊重というふうに文言があります。しかし、二〇一九年に沖縄振興特定事業推進費というのがつくられました。県を通さずに国が市町村に交付する仕組みです。一括交付金が八年連続して減る中で、推進費は拡大傾向になっている。
県と市町村に分断を持ち込むことになったら、これは沖縄の自主性の尊重という理念が変質してしまうと思うんですね。そうならないように、やっぱり国会としては、この沖縄県の自立的な発展と豊かな住民生活の実現に向けてしっかりとこれからも議論をしていく必要があるんだというふうに私は思っております。
そこで、沖振法の改正が沖縄が抱える課題を解決するものになっているのかということで聞きたいと思います。
まず、離島の医療についてです。改正案には国と地方公共団体の努力義務規定というので新設をされて、その中に医療の確保という文字が盛り込まれています。この医療の確保というのはどういうことを示すのかお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/131
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132・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) お答えいたします。
沖縄の離島は、その多くが沖縄本島から遠く離れているということ、東西千キロ、南北約四百キロに及ぶ広大な海域に点在をしているということ、人口規模や市場規模が小さいということ等の恒常的な不利性を有しておりまして、こうした不利性によりまして、離島の地域は、産業の振興や移住、定住条件の整備を図る上で様々な課題を抱えているというふうに認識をしてございます。
このため、今般の改正で離島の振興に関する包括的な努力義務規定を設けたわけでありまして、この中に医療の確保に言及しているということでございます。
具体的には、国及び地方公共団体が講ずるように努めるものとされる離島の地域の振興を図るために必要な措置の例示といたしまして、雇用機会の拡充、教育の振興、福祉の増進、生活環境の整備とともに、今般、医療の確保について規定をしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/132
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133・紙智子
○紙智子君 医療の確保を聞いているのに、中身ちょっともう一回、長くならないで答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/133
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134・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) お答えいたします。
失礼いたしました。
医療の確保ということでいえば、やはり診療所でありますとか、医師の確保でありますとか、あるいは緊急搬送でありますとか、そういったもの、これが包括的に医療の確保ということだろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/134
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135・紙智子
○紙智子君 幅広く見ていくということだと思うんです。
それで、離島の医療現場を見たときに、この救急搬送が課題になっているヘリポートの問題の改善が必要になっていると思うんです。小離島から八重山圏域への救急搬送は、年間で七十件飛びます。八重山病院に暫定ヘリポートがあるんですけれども、しかし、この救急搬送の六割が夜間だと。夜間なのにヘリポートには照明がないんだというんですね。病院の守衛さんが、自力でヘリの到達時間に合わせて四つの隅に照明を持っていって照らすということをやっているというんです。今の時代の話なのかということなんですね。地震による津波とか、防災対策となり得る高台の八重山病院とヘリポートというのは、本島や近隣の小離島にとっては避難所としても必要不可欠だということなんです。ですから、今すぐこれ解決すべきじゃないのかと。
離島の医療現場の改善と充実に取りかかることが大事だと思いますけれども、大臣の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/135
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136・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 委員御指摘の八重山病院に隣接するヘリポートにつきましては、沖縄県が暫定的にヘリポートを整備し、八重山地域における離島急患輸送等に活用されているところであります。八重山病院周辺への恒常的なヘリポートの整備については、現在、沖縄県において、旧石垣空港跡地の活用に係る石垣市の検討状況等を踏まえつつ検討を行っていると聞いております。
私としましては、小規模な離島が数多く存在する八重山地域における医療体制の確保は極めて重要であると考えております。沖縄県や石垣市の検討状況を見守りながら、しっかり支援をしていかなければいけないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/136
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137・紙智子
○紙智子君 いろいろあると思うんですけど、やっぱり救急搬送ですから一刻を争う事態だと思うんですね。やっぱり命を優先するという必要があると思うんですよ。
海上保安庁の巡視船では八重山から石垣まで片道で四時間、重症者が乗船して船酔いになって余計重篤になったということもあったと聞きました。ドクターヘリは沖縄の風強いのでとても耐えられず、どちらも救急搬送には適さないというんですね。そこで、自衛隊に頼まなきゃいけないとなってヘリを要請しているんですけど、その場合に、まず病院から沖縄県に搬送を依頼して、要請から搬送先に到着するまでに全体で六、七時間掛かるというんですね。
これでは救急と言えないと。救急搬送にふさわしい改善策はあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/137
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138・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 現在、石垣島から沖縄本島までの緊急搬送に関しては、自衛隊の協力により那覇駐屯地等にあるヘリコプター等で搬送できる体制を整えているところであります。
この緊急搬送に関して、防衛省・自衛隊は、沖縄県知事からの要請に迅速に対応できるよう隊員が二十四時間体制で待機したり、沖縄県知事からの正式要請の前に石垣市の消防指令センター等から直接自衛隊に対して派遣要請の手続に入る旨を通報してもらうなどの取組を行うことにより、迅速な緊急搬送に努めていると承知をしております。
しかしながら、沖縄本島と石垣の間は四百キロを超える距離もありますし、この間の緊急搬送の場合、那覇から石垣島に向けてヘリコプター等が離陸するまでに一定の時間を要し、また沖縄本島と石垣島の間を空路往復することについても一定の時間を要することから、これ以上の時間の短縮はなかなか難しいと聞いているところであります。
地元選出である私としましては、石垣島から沖縄本島までの緊急搬送の迅速化は、八重山における医療体制において極めて重要であると考えております。引き続き、関係者間が緊密に連携して対応することを見守りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/138
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139・紙智子
○紙智子君 なかなか大変だなというのを確かに遠いし思うんですけれども、やっぱり命に関わる問題ですので解決が求められていますので、引き続きその時間短縮など含めて検討していただきたいと。
これに加えて、コロナ感染で新たな課題に直面しました。沖縄の離島は、観光客などの出入りもありましたけれども、米軍関係者の緩慢さから大きな問題になりました。
県立八重山病院からお話を伺ったんですが、八重山病院は近隣と小離島を支える中核病院です。コロナ患者を抱えながら、コロナに特化せず、通常の医療も行いました。その結果、外科手術などは遅らせた。医師や看護師も足りないので、病棟を閉めて対応せざるを得なかったということもあったそうです。
八重山病院の医師の定員が五十人、三百六十五日二十四時間体制だと。この状況を続けていくとなるととっても難しいというふうに思うんですけれども、これについての見解を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/139
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140・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 私の同期生も、中部病院の院長を兼ねながら八重山病院の副院長を兼ねたりしながら、もう定年しておりますが、コロナ対応については、OBとなったものの、市長と協力して支援をしたという話も聞いております。
沖縄県に確認をしたところ、県立の八重山病院では、医師の人数は一定数確保できているものの、医師の中には専門研修の一環として離島での医療に従事するため、例えば専門研修期間の三年目の一年間に限り離島に勤務している医師がいることから、定着率、定着率という視点で見ると低くなる面があると聞いております。一方、県の尽力によりまして、研修期間終了後も次の医師の補充等が行われており、医師が足りないという事態には陥っていないと承知をしております。
いずれにしましても、県立八重山病院の医師の確保は重要な課題であります。引き続き、沖縄県において適切に対応されるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/140
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141・紙智子
○紙智子君 ちょっと今の話にも係るんですけど、八重山病院で三月に病院から二十三名の医師などが辞めていったという話を聞きました。大体同数の補完は何とか、大変だったけれども何とかできたというんですけれども、しかし、離島の医師が定着しない、今の話の中にあり、人の確保がとても難しい問題もやっぱりなかなか解決しないままあると。県も、国も県も医師の使命感に頼っている段階なんですね。頼り切りではいけないと。
命を支える医療体制の改善の対策をしっかり考えてほしいという病院関係者からの言葉なんですけど、この言葉にどういうふうに大臣答えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/141
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142・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 現場の声は重く受け止めております。県も県で医師の確保には自治医科大や関係するところで医師の確保に懸命に努めているという話も承知をしております。
内閣府としましては、県の動き、県からの話を聞きながら、離島の医療をしっかり守っていかなければいけないという思いでしっかり対応していかなければならないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/142
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143・紙智子
○紙智子君 では次、振興法に、農林水産業の振興に対しても国と地方公共団体の努力義務というのが明記されました。
そこで、離島の黒糖、いわゆる含蜜糖についてお聞きします。
サトウキビの生産量は様々な要因で大きく変化してきました。まず、生産量に影響のあった近年の状況を示していただきたいし、それとサトウキビの特性についても説明をお願いいたします。農水省。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/143
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144・松本平
○政府参考人(松本平君) お答えいたします。
サトウキビの生産につきましては、台風の常襲地帯であり、病害虫被害や干ばつに見舞われやすい沖縄県、鹿児島県、南西諸島で行われており、このことから生産の豊凶変動が大きい作物となっております。
具体的な生産状況につきましては、平成二十三年産につきましては、生育初期の台風の襲来、病害虫でありますメイ虫の被害によりまして、戦後最大の不作となりました。また、平成二十一年、二十二年及び二十八年産につきましては、台風等の大きな自然災害がなく、順調な生育であり、豊作だったところでございます。
また、サトウキビの特性についてでございますが、サトウキビにつきましては、台風常襲地帯である沖縄県において、先ほど述べましたように、影響はあるものの、自然災害の影響はあるものの、他作物に比べて、倒れても起き上がる、また表面が傷ついても糖分が抽出できると耐性が強いことから、他作物では代替困難な基幹作物でございます。産地の製糖工場や関連産業と相まって、地域の雇用、経済を支える重要な作物となっております。
また、サトウキビにつきましては、時間が経過すると品質が劣化し糖度が減少する、このような特性を持っておりますので、収穫後はできる限り早く製糖工場に運ばないといけない特性を持っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/144
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145・紙智子
○紙智子君 サトウキビの生産量は近年は増えているんですよね、こうジグザグあるけれども。で、製糖工場は、サトウキビを早く加工しないと糖度が下がって傷みやすい特性があるということで、生産者から引き受けたサトウキビを早く製品にする必要性に迫られると。で、消費が増えないとこれ工場に在庫が積み上がってしまうということですね。それが近年の黒糖の在庫が過剰になる問題だと思うんですね。
昨年、二〇二一年六月に沖縄県の黒砂糖工業会が会見をして、黒糖は安価な輸入黒糖などと競合して販売が伸び悩んでいると。そこに新型コロナの影響で在庫量が一万六千トンになったと訴えました。販売が振るわず収入が減っているため、工場の経営が悪化して赤字経営を余儀なくされ資金繰りに苦労していると訴えたわけです。沖縄タイムスでも、沖縄の黒糖、在庫過去最多のピンチというふうに報道しています。
製糖工場の生産コストと販売コストの差によって赤字分が生じてしまう、この調整はどのように行われているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/145
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146・水野敦
○政府参考人(水野敦君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、沖縄県産黒糖に関しては、ここ数年のサトウキビ生産量の増産傾向に伴って産糖量も増加している中、これも委員御指摘ですが、コロナ感染症拡大による需要低迷の影響もあって年々在庫量が増えてきていると、で、黒糖製造事業者の経営に懸念が出ている状況と承知してございます。
今、含蜜糖製造事業者あるいはサトウキビ生産農家についての支援ということでございますけれども、こちらは、沖縄振興特別推進交付金、いわゆるソフト交付金で支援してございまして、具体的には、沖縄県から含蜜糖製造事業者に対し生産農家と製糖工場の両方を併せた支援を行っているということで、含蜜糖製造事業者が生産農家にサトウキビ代金を支払っていると、こんなシステムになってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/146
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147・紙智子
○紙智子君 生産された黒糖製品がうまく流通されているときは、これ、工場も流通問屋も問題がないんですけれども、二〇二〇年からのコロナ禍でかなり苦労があったと地元の工場の方や黒砂糖工業会の方からお話を聞きました。
工場は、銀行からの借入れによってまずは生産者に支払うと。黒糖製品の販売の売上げで銀行に返済するわけです。コロナ禍で観光での販売はもう絶たれている中で、特に二つの工場では前期分が銀行に返済できずに借入れの枠を広げてもらっている状態だと。内閣府の一括交付金にはとても感謝していると言うんですね、感謝していると。が、交付金は総額では変動がある、まあ減ってきているというのもあるんですけれども、そのため、補填で賄わなくてもいい枠組みで安定供給したいという要望が出されています。
二〇二二年に入って積み上がった在庫を減らす施策に乗り出しているというふうに聞きましたけれども、どんな取組なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/147
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148・水野敦
○政府参考人(水野敦君) お答え申し上げます。
黒糖在庫の解決問題につきましては、沖縄県や関係団体とも連携いたしまして取り組んできてございます。内閣府においては、令和二年度、昨年度より、沖縄県産黒糖需要拡大・安定供給体制確立実証事業を実施し、黒糖製造事業者の販売部門の強化を図ることに努めてございます。
また、さらに、関係者と連携しながら黒糖の在庫問題に取り組んでいるところであり、その取組の一つといたしまして、全国の小中学校の給食で沖縄県産黒糖を使ってもらえるよう、沖縄県黒砂糖協同組合から全国学校給食会連合会を通して全国の学校給食会に対して沖縄県産黒糖の利用を呼びかけているところでございます。
内閣府といたしましては、様々な活用方法を取りながら、沖縄県産黒糖の魅力を多くの人に知ってもらい、一層の需要拡大に向け、関係者と一体となって引き続き取り組んでまいる所存でございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/148
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149・紙智子
○紙智子君 在庫を減らす施策というのは歓迎されているんですけれども、一括交付金の減額というのはやっぱり痛手なんですよね。大きい痛手になっています。
三月二十五日の沖縄振興法の改正に伴って行われた参考人質疑で、西田睦参考人が、農業について、食料を支える、むしろ国土、県土、島嶼を支える役割というのはすごく大きいと、総合的に見たときの農業支援というのは大事なんだというふうにおっしゃいました。
とりわけ、業界、町村からは、基幹産業としての黒糖事業の危機が迫っていると、危機が迫っているというふうに訴えられたんですね。
改正案では、農林水産業の振興が示されました。安定した黒糖産業の振興が必要だと思います。振興法の改正を受けて位置付けをどう変えていくのか、考えていくのかということを最後に西銘大臣にお聞きいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/149
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150・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 島の製糖工場の煙突を見ますと、サトウキビは島を守り、島は国を、国土を守ると。小さな国境に近い島々に人々の生活が営まれているということが、人が住んでいるという意味で、国を守るという指摘だと見ておりますが。
御指摘の黒糖問題は、私も前から要望を受けておりました。基幹作物であるサトウキビの生産は、島にとって、子供たちの教育にも必要であるし、あるいは関連産業も相まって、地域の雇用、経済を支える重要な産業であります。特に、黒糖が製造されている八つの離島においては非常に重要な役割を担っていると認識をしております。
ただいま局長から答弁がありましたように、過剰在庫の問題についても、内閣府として黒糖製造事業者の販売部門の強化を図っているところであり……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/150
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151・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/151
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152・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 安定供給を確立ししっかりと付加価値を高めた国産黒糖の販売戦略の構築など支援をしっかりして取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/152
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153・紙智子
○紙智子君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/153
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154・伊波洋一
○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
各委員からの沖縄応援の質疑に心から感謝申し上げます。
沖縄県での鉄軌道整備について伺います。
沖縄県は、現在、鉄道がない唯一の県です。鉄道にはクロスセクター効果もあることが認められています。沖縄県の鉄軌道について、鉄道が整備されることで新たに発生する経済的な波及効果の可能性を広く取り入れて費用便益分析、BバイCの評価を行うべきではありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/154
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155・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) お答え申し上げます。
内閣府が行っている調査におきましては、国土交通省鉄道局が公表しております鉄道プロジェクトの評価手法マニュアルに準拠して実施してございます。鉄軌道等を導入することによる移動時間の縮減や道路の混雑の緩和効果などを踏まえてBバイCの分析を行っているところでございます。
委員御指摘の鉄道整備に伴い新たに発生する経済波及効果をBバイC分析に取り入れることにつきましては、利用者便益や供給者便益において既に計上している便益が含まれることになる可能性があるわけでございます。こういう点につきましても、専門家の知見を伺いながら慎重に検討する必要があるものと考えています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/155
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156・伊波洋一
○伊波洋一君 現行法の下で内閣府は毎年一億円ほどの予算を掛けて調査を行ってきました。
今後の調査にはどのような意義があるのでしょうか。具体的に費用の項目から何かが落ちたり、便益の項目が何か新たに加わったり増えたりするというような、評価項目が変化するなど、現実的な想定の範囲内で、今後の調査においてBバイC分析の具体的な改善が期待できるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/156
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157・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) お答え申し上げます。
鉄軌道の調査につきましては、るるこれまで御答弁申し上げたとおり、沖縄本島北部の世界自然遺産登録あるいは北部テーマパークの開業予定など、南北間で需要の増加につながる動きが見られるところでございます。これらが鉄軌道のBバイCに与える影響などについて引き続き調査をする必要があるというふうに考えてございます。
また、来年度におきましては、令和四年度でございますが、沖縄振興計画のほかにも沖縄の様々な分野の基本計画などが刷新されるというふうに承ってございます。沖縄の将来構想や目標値等も新たなものとなるため、こうした基礎的な事項の変化に対応した需要予測やルート設定等を改めて行う必要もございます。
さらに、時代が進みますと、低コストな最新技術の導入など、これまでの調査と同様にコスト縮減方策についても引き続き検討する必要がございます。一方で、沖縄におきましては、建設工事費の上昇なども見られるところでございます。
こうした様々な要素を加味した上で、BバイCがどのような値になるのか引き続き調査検討を進めていく必要があるものと考えています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/157
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158・伊波洋一
○伊波洋一君 鉄軌道の復活は、沖縄県民の悲願です。調査をやめてしまえとは思いません。
しかし、定量的な評価に基づく客観的な調査ということであれば、毎年調査を繰り返しても具体的なBバイCの改善は本質的にあり得ないことになります。今のように毎年調査を行い国民の税金を使い続けるのは、税金の無駄とのそしりも免れません。
先日来、東日本大震災の鉄道の復旧が報道されています。また、大震災ではありませんが、配付資料四ページのように、JR東日本只見線の災害復旧に当たっては、BバイCばかりでなく、事業採算性にも議論のある中で復旧が進められています。
現状を国土交通省に伺います。現状、自然災害で被災した既存の鉄道についてはBバイC分析は適用されていないと認識していますが、なぜでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/158
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159・石原大
○政府参考人(石原大君) お答え申し上げます。
鉄道を始めとしますインフラというものは、地域社会を支える基盤でありまして、この存在を前提として人々の暮らしや地域の経済活動が存立しているところでございます。
したがいまして、既にその存在しているインフラが自然災害等で被害を受けてこれを復旧させると、こういう事業と、それからインフラの存在しないところに新たにインフラを整備する事業を比較した場合、後者の事業につきましては、特に事業採択に当たりまして透明性の確保、また、その効率的、効果的な実施が強く求められているところでございまして、このため、新規事業採択の場合には費用対効果分析を含みます事業評価を行うと、こういうことになっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/159
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160・伊波洋一
○伊波洋一君 災害復旧ではBバイCはしない、その理由はインフラは既に地域社会を支える基盤となっているからだということであります。
沖縄県においては、戦前、沖縄県営鉄道、いわゆる軽便鉄道が運行されていました。軽便鉄道は、一九一四年に那覇―与那原間、一九二〇年に那覇―嘉手納間、一九二三年には那覇―糸満間が開業し、地方鉄道法上の地方鉄道として運営されていました。総延長四十八キロ、一九四一年には乗客数も三百万人を超えたと言われています。しかし、沖縄戦での被災により破壊され、現在に至っています。
現在、沖縄県営鉄道はどのような扱いになっているか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/160
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161・石原大
○政府参考人(石原大君) ただいまの御指摘のございました戦前の沖縄県営鉄道は、昭和二十年の沖縄戦により壊滅的な被害を受け、事実上消滅したものと承知しております。その際、当時の地方鉄道法に基づき事業免許を失効させる手続を実施したか否かにつきましては、確認できていないところでございます。
なお、昭和四十七年に沖縄が本土に復帰する際、本土の法律の適用に関しまして沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律が制定され、交通関係法令の適用については沖縄の復帰に伴う運輸省関係法令の適用の特別措置等に関する政令、これにおいて整理されているところですけれども、ここに鉄道関係の規定は置かれていないところでございます。
このことから、いずれにせよ、現行法においては沖縄県営鉄道はその法的根拠を失っていると、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/161
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162・伊波洋一
○伊波洋一君 沖縄県営鉄道、軽便鉄道は旧地方鉄道法に基づく鉄道事業として現在も法的には廃止されていないことが確認できたと思います。
軽便鉄道は戦前の沖縄の社会インフラとしてしっかり機能していました。そのため、戦後すぐの一九四七年には米軍が復旧を計画し、測量調査も行われました。しかし、直後にアメリカの方針変更、いわゆる米軍の論理によって鉄道整備は否定され、自動車道、高速道路の、復帰後の高速道路の整備に取って代わられました。
このように、米軍施政下の沖縄県においては鉄軌道を復旧しないままの道路整備が行われる一方で、本土においては、道路だけでなく国鉄を中心に鉄道の整備が進められてきました。特に沖縄が復帰する一九七二年前後は、国土の均衡ある発展を目標に全国的な鉄道整備が進められ、鉄道建設ラッシュが生じていました。国鉄による鉄道整備は、当然のことから、全て国費で賄われました。一九七〇年の全国新幹線鉄道整備法では、全国的な鉄道網の整備を図ることを目的に北海道、東北、北陸、九州二ルートの五路線が整備新幹線として計画されました。
一方、一九七二年に沖縄が本土復帰を果たした後も、第一次沖縄振興開発計画に、沖縄戦とその後の米軍占領と米軍統治で失われた沖縄県営鉄道を復旧させる鉄軌道整備は明記されませんでした。
なぜ沖縄において鉄道の復旧が検討されてこなかったのでしょうか。当時、沖縄における鉄軌道の復旧について何らかの議論はなかったのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/162
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163・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) お答え申し上げます。
昭和四十七年の復帰前後の沖縄における鉄道の敷設に関する議論につきまして、必ずしも内閣府として当時の状況を網羅的に把握しているものではございませんけれども、例えば、昭和四十六年の十月二十二日の参議院本会議でございますが、都市交通機関整備、雇用促進の面から鉄道敷設の必要性を指摘する意見があるが、総理はどう考えるかという御質問がありまして、当時の佐藤栄作総理から、そのような意見があることを前提とした上で、もっと調査を行い、その上でその必要の有無等もよく検討を行いたいとの答弁が行われているものと承知をしております。
一例挙げさせていただきましたけれども、なかなか鉄道を具体的にどうこうするというような御議論ではなかったものというふうに認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/163
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164・伊波洋一
○伊波洋一君 いや、米軍基地の島である沖縄で、やはり鉄道を敷設することがなかなか米軍との関係でできなかったんだろうと思うんですね。だから、沖縄戦と米軍統治、その後の日本復帰の不作為によって沖縄県にだけ鉄軌道がありません。沖縄差別ではないでしょうか。
既に一九六〇年半ば頃には国鉄は赤字になっていたと言われています。一九八七年の国鉄分割・民営化を経た現在も、JR北海道、四国、九州、JR貨物会社のいわゆる三島、貨物については、経営努力ではどうにもならない客観的な条件不利が原因となって鉄道事業として黒字が出ていません。しかし、この三島、貨物については度重なる政府からの公費支援によって鉄道が維持されてきたのが本土での鉄軌道の歴史です。
自然災害からの復旧にはBバイCは適用されません。沖縄県民にとっては、鉄軌道の整備はゼロからの新規事業ではなく、かつて運行されていた沖縄県営鉄道、軽便鉄道の沖縄戦による破壊という戦災からの復旧であり、戦後処理の一環です。
前回、国交省が答弁されたとおり、新規の鉄軌道整備、BバイC分析が求められるようになったのは、本土において鉄軌道が、鉄道整備が完了した後の平成十年三月策定の鉄道プロジェクトの費用対効果分析マニュアル九七からです。
大臣、沖縄における鉄軌道整備は沖縄戦による災害復旧であり、平成十年より前に実施されるべきだった事業が不作為状態のまま引き継がれて現在に至っています。このような事業にBバイC分析を適用するべきではないと考えますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/164
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165・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 委員のお話を聞いておりまして、四島会社、当時、私も自民党の運輸専任部会長として四島会社の税制優遇の場面に、実際に四島の、貨物含めた四島会社の経営者と税制改正の点で議論したことを思い起こしております。
BバイCだけが全てではないと思っております。鉄軌道の導入につきましては、県民の思い、また、私自身も選挙の公約の中では推進する立場という回答もしております。自然災害の部分については先ほど局長から、統括官から答弁したところでありますけれども、私は、どうすれば、事業主体をどう持っていけばこれが実現できるのか、国民の税金も使うものですから、説得力のある形をどうつくっていけばいいのかという思いでずっと見ているところであります。
大臣としての答弁とはちょっと違うかもしれませんけれども、鉄軌道に対する思いは私は共有できるものと思っております。どう実現していくかというところを、しっかりもう少し調査が何か必要なのかなという認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/165
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166・伊波洋一
○伊波洋一君 今県が提案しているのも上下分離方式、いわゆる新幹線方式なんですね。そのことについても後でお話ししたいと思いますが。
鉄道は、本土では言わばナショナルミニマムとして国民に保障されていました。だからこそ鉄道が国民の税金で整備され、国民も移動の足が保障されることは当然の権利だと理解していたわけです。
このナショナルミニマムが現時点で沖縄県、沖縄県民にだけ保障されていない。便益やベネフィットは確実に見込まれるのに、費用、コストが掛かり過ぎるから日本復帰後も五十年も放置されています。私は、だから、これが沖縄差別だと言っているわけです。新幹線のように上下分離方式、そういうことであれば、これはその事業としての採算性で議論ができるというわけですね。
西銘大臣、前回、鉄軌道の事業化決定の段階ではないと答弁をされました。一方で、前任の河野大臣は、昨年六月、鉄軌道を導入した結果、気候変動対策にもなり、定時性も担保され、コストも下がるということならば、これは積極的にやるべきなんだろうと、積極的な鉄道整備を進めるべきであると答弁しています。
私の知る限り、沖縄県の全国会議員、全政党が公約として鉄軌道の整備推進を掲げています。西銘恒三郎大臣も、昨年の十月のNHK、沖縄四区の候補者アンケート調査結果を拝見しますと、そこにははっきりと鉄軌道を推進したいと答えていらっしゃいます。
選挙公約はやはり有権者との約束です。公約実現に向けても御尽力をいただきたいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/166
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167・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) その思いに全く変わりはありません。いかにすれば実現できるのか、先ほど来私が申し上げましたように、事業主体をどう組み立てていくのか。あるいは、都市モノレールの導入時点、那覇市が主体にやっていたものがなかなか進まなくて、県が乗り出していって、さらには事業化をする中でコストを圧縮していってスタートをしたという場面も見ておりますし、当時の有力な国会議員からは、こういう軌道の関係は何年も黒字になるまで時間が掛かるんだけれども、やっていく効果の方が大きいんだという話もモノレールの軌道のときには近いところで見ております。
いずれにしましても、鉄軌道は沖縄県にとって大きな課題であると思っておりますし、どうすれば実現できるのかという意味では共通の思いでいるということだけは御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/167
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168・伊波洋一
○伊波洋一君 大臣としてもやっていきたいという思いは伝わっておりますので。
実は、私たちが議論してきて、今BバイCが入口を塞いでいるんですよ。BバイCというのは、まさに投入する税金とそれによるベネフィット。でも、やっぱり人口も小さい、それ百万、百二、三十万の地域。でも、一千万人の観光客に到達したまさに国際観光地であるんですね。これから、先ほどのお話にもあるように、北部地区の自然環境に対する、あるいは様々な施設ができてくる。
何よりも大事なのは、定時定速の公共交通なんです、求めているのは。沖縄の渋滞というのは、今全国で一番なんですよね。道路幾ら造っても、車でしか通れないからみんな車を使って渋滞をまた引き起こしていく。でも、鉄道はそこが違うわけですね。
そこで、やはり沖縄県における鉄軌道の整備をBバイCを理由に門前払いしないようにするという、これが大変大事だと思います。幾らたたいても、BバイCが劇的に改善されることは、私はないと思うんですね。だから、やはり何といっても政治決断が必要なんです。そのためには、やはり強い沖縄経済を実現するとおっしゃっている今の西銘大臣、今までの沖縄振興策とは違う新しい一歩を踏み出していただきたいと思うんですね。
今日も鉄軌道を求める多くの方のお話ありました。やはり、先ほど申し上げたように、定時定速交通が必要であると。特にまた、この復帰五十年を迎える今年、鉄軌道の事業化に向けては、やはり新幹線整備法同様の特別措置法を制定する必要があると思います。
政治家、西銘恒三郎大臣のリーダーシップで、大臣在任中の鉄軌道整備に向けて特措法の制定を検討していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/168
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169・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 鉄軌道の導入につきましては、県民、観光客の移動の利便性、あるいは交通渋滞の、東京よりも交通渋滞がひどいという状況を目の当たりに見てきている者とすれば、様々な効果も考えられるし、その意義も十二分に理解をしております。
なぜ先輩方が鉄軌道の導入に踏み切れなかったのか。例えば、私の頭をよぎるのは、伊江朝雄先生、沖縄担当大臣をされた国鉄の出身の先輩方がいた頃になぜ鉄軌道の導入ができなかったのか、議論がなかったのか。まあ復帰当時はそれよりも優先する事項があったのか、あるいはアメリカ社会で車社会になっていてなかなか鉄軌道の導入まで踏み切れなかったのか、様々な思いがよぎっております。ですけれども、新幹線みたいな高速のものは沖縄には私はなじまないと思っておりますし、沖縄型の新しい時代を見据えた軌道、鉄軌道の必要性は感じております。
県民それぞれみんな共有していると思いますので、その辺のところも含めてもう少し考えさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/169
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170・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 時間が参りましたので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/170
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171・伊波洋一
○伊波洋一君 もう時間が参りましたのでまとめますけれども、新幹線と言ったのは上下分離方式ということなんです。
それで、やはり私たちは、沖縄の新たな交通体系をつくることによって沖縄の発展を後押しできると。これは、多くは地下なんですね、あの地域は。
是非御決断をして、検討していく流れをつくっていただきたいことをお願いして、終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/171
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172・ながえ孝子
○ながえ孝子君 碧水会のながえ孝子です。
沖縄振興に関する経済分野のことについて今日は質問させていただきたいと思います。
沖縄県は、最新の中小企業庁の計算によりますと、開業、創業率日本一ですね。今お手元に資料をお配りをしていると思いますけれども、都道府県別に全国のがずらっと開業率並んだ表があるんですけれども、これを見ますと、大体開業といいますと大都市圏が高いんですけど、東京四・八%、福岡五・一%をしのいで沖縄県が六・六%ということで、十年連続なんですよね、日本一は。二〇一七年は、記録を取り始めた二〇〇九年以降最多件数で九・一%、全国平均の四・七%の倍近くとなっています。
これからの経済といいますと、コロナ禍からの再生をいかに支援していくかということになってくるので、この起業とか創業の機運が沖縄で高いというのは大変すばらしいことですし、ここに鍵があるのではないかとも思っています。
沖縄の地域特性を大事に考えれば、この法改正で沖縄振興開発金融公庫の新事業の創出促進業務を一層拡充しようというのは、大変歓迎したいなという改正だと思っています。もう既に、沖縄金融公庫、中小企業支援、コロナの中ですから大変力を入れているのは、当初予算の推移を見ても六倍に積み増しをされておりまして、大変重要な役割を担っているんだなということは分かります。
今回の改正でどういう成果を目指しているのか、これを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/172
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173・水野敦
○政府参考人(水野敦君) 済みません、お答えいたします。
委員御指摘の今般の法改正での沖縄公庫の関係の改正でございますけれども、沖縄公庫を引き続き単独の組織で残すということに加えて、委員御指摘の新事業創出促進出資の出資対象の設立要件を、今、現行法では事業開始後五年以内の会社を対象にするということだったんですが、その創業後五年以内という要件を撤廃してより幅広く創業支援の制度を拡充するということにしてございます。
委員御指摘のとおり、創業支援、事業継続の支援というのは沖縄でもとっても重要な課題だというふうに認識しておりまして、沖縄公庫の金融面からの資金繰りは非常に大切なものと考えてございます。
また、事業の継続を図るため、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた幅広い事業者に対する新型コロナウイルス特別貸付けを始めとして、沖縄公庫は迅速な資金繰り支援に努めているところということでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/173
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174・ながえ孝子
○ながえ孝子君 改正の内容はよく分かりました。
それを、そういう改正をすることでどういう効果を生み出したいと、何を目指しているのか教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/174
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175・水野敦
○政府参考人(水野敦君) この事業開始後の年数にかかわらず出資ができるようにするということで何が期待できるかと、何を期待しているかということでございますけれども、近年の様々な成長分野の事業、例えばバイオテクノロジーであるとか再生医療、健康関係の事業というのは、事業化までにやはり五年では足りない、五年を超えて事業化していくという、そういった業種が存在するということでございます。
各企業の成長段階に応じて多様化する資金ニーズに十分に応えるために、先ほど申しました創業後の年数制限というものを撤廃し、事業の新規性に主眼を置いて出資対象を考えていくと、こういう効果があると思っております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/175
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176・ながえ孝子
○ながえ孝子君 是非様々な新しい試みを力いっぱい応援していただきたいなと思います。
沖縄の創業の多さの特徴は、外国から来られた外国人で創業を始める人がいる、あるいは女性の起業家が占める割合が高いんですね。これも、資料をお配りした、さっきの開業率の裏側になるんですけれども、これを見ていただきましたら、上が、全国平均と沖縄での男性、女性の経営者の割合を比べたものです。沖縄の男性の経営者は全国平均より低いんですけれども、女性の経営者は全国平均を上回っていると。実際、下を見ていただいたら、新規開業者に占める男女の割合別を見ますと、沖縄は全国平均よりもぐっと女性が新しく商売を始めるといいましょうか、創業する方が多いということが見て取れるんですよね。
これ通告もしていないので、何か沖縄ならではのサポートの仕組みがあるんでしょうか、あるいは歴史的背景があるとか、これは何か理由があるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/176
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177・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) お答え申し上げます。
沖縄におきましては女性社長の割合が全国一というのが当該民間調査にあるということでございます。全国に比べましても女性の創業が活発であるということは認識をしているところでございます。
なかなか原因につきましては確たることを申し上げにくいわけでございますけれども、例えば、沖縄におきましては観光業や小売業など比較的女性が起業しやすいということ、これは実は全国的に女性管理職の割合が高いという業種でもあるのでそういう傾向があるのかなというようなことでありますとか、あるいは民間団体におきます女性起業家の支援などが影響しているんじゃないかというような認識でおります。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/177
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178・ながえ孝子
○ながえ孝子君 是非、この特徴は私は大きな成長の芽ではないかとも思っています。ですから、例えば外国から来られる方が多いのであれば、是非、アジア一創業しやすい町ですとか売り出していくとか、あるいは女性の皆さんに、沖縄に来ればあなたも女性社長になれるですとか、いろんな、何かこう、沖縄の売りとか強みとか特徴とかこれに重点支援をしていって、そしてそれが、何でしょう、本当に支えるような沖縄ならではの独自のサポート体制をつくっていくことで、それが成長の、小さな芽かもしれませんけれども、何か一つ突破口になるんではないかなというふうに思っていますが、そういった起業支援については、これからの方針といいましょうか、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/178
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179・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 強い沖縄経済をつくるという、様々な方からヒアリングをする中で、今委員のお話を聞いていて、ある方が、沖縄は事業を創業する、起業するのに他の地域と比べるとやりやすい地域だと認識をしているという話がありました。
一度失敗した方でもまた再チャレンジするという、再起業して挽回をしていくという事例も、実は私、社会人のスタートを沖縄政策金融公庫でスタートをしまして、当時は三百万円の生業資金の貸付等をしておったんでありますが、様々な方が一度失敗しても再挑戦してくるという事例等も先輩方から聞いておりましたし、ある意味では、今回の創業支援につきましても、私が社会人スタートをしたときには、企業、小売業、個人企業を見るときでも五年続いているかどうかまず見なさいという指導を先輩方から受けました。五年小売業が、個人業が続いていれば、企業維持力ありだということで。
今般の改正は、出資を、創業の時点から出資機能もできるというふうに聞いておりますので、沖縄公庫の存在は、様々な方から聞いても、必要性といい、県経済の方々と非常にがっちり組まれているなという印象を受けております。しっかり、創業を始め、起業を始め、金融公庫の方も、我々沖縄振興部局としても連携取って支援をしていかなければいけないなという思いでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/179
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180・ながえ孝子
○ながえ孝子君 今大臣の話を聞いていて、一度の失敗ではなく二度目のチャレンジも育んでくれるような風土が沖縄にあるということならば、それもまた一つすごい特性だなというふうには思いました。是非それらも強みに使っていただけたらなと思っているんですけれども。
ちょっと前の数字になるんですが、お配りした資料のまた先ほどの開業率を表したものの隣を見ていただきたいのが、開業率と廃業率を合わせたグラフになります。沖縄、赤でぽおんと右上の方にあるんですけれども、これは何を意味しているかといいますと、開業率も高いけど廃業率も高いよということなんですね。ほかは東京とか、この枠というのは大阪とか大都市圏が並んでいるんですけれども。
そうなりますと、やっぱり事業継続支援の方もすごく大事かなというふうに、いい芽があるんでしたらそれをきちんと育てるように継続支援がすごく大事かなと思っています。一番の経営者の悩みといいますと、やっぱり資金繰りですね。コロナからの再生が今テーマですから、なおさらのことだと思います。
それで、質問というよりこれ御提案なんですけれども、流動資産担保融資の保証制度というのがありまして、これは、これまでどうしても、経営者が何か資金を調達しようと思いますと不動産を担保に入れてということが重点的になります。でも、これを、個人事業主が持っている、小企業者が持っている在庫ですとか売掛債権を担保として金融機関が融資を行う、そのときに信用保証協会が債務保証を行うという制度です。
これまでの不動産担保にばかり依存しますと、どうしてもやっぱり、新規の事業者というのは元々資産がそんなにありませんので、担保に出すものがないということにもなりますし、大きな事業の拡大や転換を図るときにもこれでは足りないということになりますし、何よりも、今コロナで中小企業の皆さん、過重債務という心配が頭にかちんときます。今、コロナから何とか持ち直して再生に向かって少し明るい兆しが見え始めたよという中小企業も増えているところなんですけれども、それでも、売上げが何となく戻ってきて好調になってきても、一方で債務額が大きい過剰債務になりますと、金融機関、地域の金融機関というのはなかなかお金は貸してはくれません。そのときに、不動産だけではなくて、こういった、営業活動を頑張ればそれによって売り掛けも発生しますので、抱えている在庫とかそういう売り掛けが担保に使えることになれば資金調達がすごく楽になってくると思うんですね。
ですので、これ中小企業庁も勧めているんですけれども、まだまだ知らない事業主の方が多いので、是非これからの沖縄の中小企業支援としても力を入れてほしいなと思いますし、是非周知に努めていただきたいと思っているんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/180
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181・水野敦
○政府参考人(水野敦君) お答え申し上げます。
委員御指摘の動産・債権担保融資、アセット・ベースド・レンディングと申しますけれども、これは、委員御指摘のとおり、企業が有する在庫、売掛債権あるいは事業収益資産等を担保として活用する金融手法のことでございます。
創業や新事業の展開は、繰り返しになりますが、沖縄経済の振興や活性化にとって極めて重要であると。一方、委員御指摘のように、創業期の事業者にとりましては、事業実績あるいは担保提供可能な資産が十分でないため、一般に資金調達は容易ではないものと認識してございます。
このため、沖縄公庫では、事業者等のニーズを踏まえ、担保や保証に過度に依存しない融資を促進してございます。このほか、今委員からの御指摘のありました在庫等の動産を担保とする金融手法、ABLも取り扱っているところでございます。また、新型コロナウイルス感染症の影響が大きい現下においては、そもそも実質無利子でもう担保を取らないと。無担保の新型コロナウイルス特別貸付を中心に円滑な資金繰り支援に努めているところでございます。
政府といたしましても、今後とも沖縄公庫が沖縄経済の実態に即した適切な対応ができるよう注視してまいりたいと思いますし、委員御指摘のそのABLについても、こんなものがあるんだよということはまた公庫からも周知というか知らせていくというようなこともしていただければなと思っております。
答弁は以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/181
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182・ながえ孝子
○ながえ孝子君 コロナの中でもう中小企業支援っていろんな種類が出たと思うんですね。でも、アンケートを取ってみますと、実は七割の経営者の方が知らなかったというような答えも返ってきているので、まあ私たち政治の世界にいる者あるいは行政の世界にいらっしゃる皆さんとかというのは、一生懸命力入れて広告しているからみんな知っているだろうと思ったら、意外に、やっぱり情報過多だからかえって分からなかったりもするところがあるので、是非改めて力を入れていただきたいなというふうに思っています。
じゃ、続いて、IT人材の育成について伺いたいんですが、沖縄の地理的な特性からいっても、やっぱりあらゆる面で今後のITの活用というのは必須だと思われます。でも、これが、中小企業の皆さんが活用するためには何といっても人材の問題がすごく大きくて、まず従業員が使えない、あるいはこれを取り入れるための推進役の人材がいないということが大きな問題になってきます。
その問題解決のため、先日の参考人質疑で玉城参考人が、スタディケーションですとかワーケーションですとか観光型のリカレント教育などの取組をしているんだというのを御紹介いただきまして、これも沖縄の特性を生かしたすばらしい取組だなと聞かせていただきました。
このIT人材の育成については、国も努力義務を課せられることになりますが、今後の方向性といいましょうか、どういう取組をお考えなのか教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/182
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183・原宏彰
○政府参考人(原宏彰君) お答えいたします。
沖縄における情報通信関連産業の振興につきましては、これまでも通信基盤やインキュベーション施設の整備などの各種施策による企業立地の促進に取り組んできたところでございます。沖縄県の調査によりますと、県内に立地した情報通信産業関連企業数は四百九十社を超えておりまして、これらの企業における雇用者数も三万人以上となるなどの成果が見られるところでございます。この情報通信関連産業の振興は、やはり沖縄の産業全体の、まあある意味遅れている面もあるデジタル化や生産性向上につながることも期待をしているところでございます。
内閣府におきましては、令和三年度から、ITの利活用を通じて企業の現場の課題解決を行える人材育成に取り組んでおります。令和四年度からは、一人親のIT技術の習得など、複数の産業分野で活躍できる基盤的な人材の育成に取り組むことといたしてございます。
この情報通信関連産業そのものの発展は、これは当然もとよりでございますけれども、沖縄のあらゆる産業の生産性向上につなげていくという面でもこの話大事だと思っておりますので、IT人材の育成を重点的に進めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/183
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184・ながえ孝子
○ながえ孝子君 参考人質疑の際に琉球大学の学長の西田参考人からお話を伺いまして、そのときお話はなかったんですけど、資料としてニュースリリースが一つ入っておりまして、それは琉球大学がいろんな多くの大学や民間企業と一緒に産学官の連携研究プロジェクトをやっていて、それが採択されましたよというニュースだったんですね。
それはどんなものかといいますと、食の効率的な循環とエネルギーの循環とそのための情報の高度な技術開発と、三つの課題があります、デジタル化というのもそうですよね。その三つの課題を個々に解決していくというよりも、それらをつないでいくことで包括的な解決を目指していくプロジェクトで、これもすばらしい取組だなと思いました。みんなこう漠然とイメージはしているけれども、実際にそれを実証していくといいましょうか、つないでやっていくというのはすごい取組で、まあ何でしょう、世界の課題ですから世界の先進モデルともなれるんじゃないかなと思いました。
ただ、これ残念ながら、沖縄の何かこう独自の事業でとか予算でとかいうわけではなくて、国立研究開発法人科学振興機構のプロジェクトで採択されたということなんですよね。こういう研究が実際に成果を生み出したときに、それを実際に沖縄で広げて実施していくとかというときに沖縄県独自の取組がやっていけるように、やっぱり財源としては多岐にわたりますので、多くの分野に、使い勝手のいい広範な分野に使える一括交付金などそういった裁量度の高いものがいいのではないかと思うんですが、その辺りの財源の確保など、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/184
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185・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 今委員のお話を聞いていて、一括交付金が財源になり得るのかなという思いで聞いておりました。
一括交付金は、市町村や県にとりましても、独自の判断で裁量の幅が大きいところでありますので、ただいまのお話などは、一括交付金が、市町村、県がどういう具合にどこに使っていくかという裁量権は地元にありますので、地元の判断で対応できるのではないかなと思っております。一括交付金の、最終、財務大臣と交渉した折には、効率性と効果性はしっかり見ながらやりなさいよという指摘は受けております。
いずれにしても、内閣府としましては、沖縄の振興予算をしっかり確保しながら、また、今回の法改正もしっかり、金融公庫も含めて総合的に使っていただけたらと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/185
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186・ながえ孝子
○ながえ孝子君 私がお話ししたのは一例なんですけれども、今回の法改正で、沖縄の抱える政策課題に的確に対応していくため、子供の貧困対策、脱炭素社会の実現、多様な人材育成のための教育の充実、デジタル社会の形成などについて、国及び地方公共団体の努力義務規定を創設することとなっています。
こういった問題解決のためには、ソフトパワーがやっぱり重要ですよね。私も、前回も前々回も子供の貧困問題について質問をさせていただきました。ですから、こういった解決のためには、そのときも申し上げたんですけれども、やっぱり沖縄の自主性も尊重しまして、本当に、大臣からもお話もありましたけれども、裁量度の高い一括交付金、今減額傾向にあるという質問もずっと続いておりますけれども、ここの確保がとても重要だと思っています。是非そこについて引き続き御尽力をいただきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/186
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187・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 時間が参りましたので、質疑をまとめてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/187
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188・ながえ孝子
○ながえ孝子君 はい。
じゃ、一言、意気込みを聞かせていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/188
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189・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 手短にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/189
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190・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) 今、強い沖縄経済のヒアリング等をやっておりますが、予算は成立しましたので、概算要求に向かって、ヒアリングした部分もしっかり取り入れて必要な予算を確保していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/190
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191・ながえ孝子
○ながえ孝子君 ありがとうございました。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/191
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192・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/192
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193・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、勝部君から発言を求められておりますので、これを許します。勝部賢志君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/193
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194・勝部賢志
○勝部賢志君 私は、ただいま可決されました沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、国民民主党・新緑風会、日本維新の会、日本共産党、沖縄の風及び碧水会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点に十分配慮し、沖縄県と連携を図りつつ、今後の沖縄振興の推進に遺漏なきを期すべきである。
一、沖縄振興一括交付金制度が沖縄の自立的経済の発展に極めて重要な役割を担っていることを踏まえ、安定的な制度運用及び必要な予算額の確保を図るとともに、さらに効率的・効果的に活用できるよう、県及び市町村と十分協議を行う等連携し、沖縄の実情に即した運用を図るなど一層の充実に努めること。
二、特区・地域制度の十分な活用により産業集積が一層促進され、もって沖縄の自立的経済の発展が図られるよう、広く制度の周知に努めるとともに、制度が十分活用され、かつ政策目標の達成に向けた効果を発揮するよう、必要に応じ課税の特例その他の制度の改善を検討すること。その際、「措置実施計画」の作成など課税の特例等の要件が、事業者の過大な負担や産業集積の進展の阻害とならないよう、企業活動の実情等を的確に把握した上で制度設計を行うこと。
三、特に北部地域及び離島において、地方公共団体による産業の振興やワーケーションに係る取組を含む移住・定住の促進、雇用機会の拡充、ICT等を活用した教育の充実等に資する取組への支援を強化するとともに、離島が我が国の領海及び排他的経済水域の保全に果たしている重要な役割を踏まえ、離島住民の生活にとって欠かせない生命線である離島航路・航空路の維持及び充実を図ること。
四、沖縄において、いまだ子どもの貧困問題が解消されていない状況を踏まえ、子どもの貧困対策の推進に資するため、子どもの教育・生活安定の支援、保護者の就労支援、子どもに対する経済的支援、対策に関わる担い手の人材育成・確保・処遇改善等について、財政上の措置を含めた適切な措置を講ずるよう努めること。
五、情報通信産業の振興に係る施策を進める上で、今後成長が見込まれる事業を重点的に強化するよう努めること。あわせて、ICT人材を始めとする沖縄振興に資する多様な人材の育成に必要な教育の充実について、産学官連携の取組を推進し、県及び市町村の要望を踏まえた形での支援を行うよう努めること。
六、沖縄振興特別措置法の施行後五年以内の見直しについては、法の期限が十年間延長されることを踏まえ、計画期間全体を通じた取組を念頭に置いて設定される施策の成果指標等について適切に評価すること。
七、沖縄における米軍施設・区域の整理縮小及び早期返還の実現に努めるとともに、沖縄の基地負担軽減に一層全力を尽くすこと。
八、県及び市町村が駐留軍用地跡地の利用推進のために公共用地を取得する際には、過大な負担を生じさせることのないよう十分に配慮し、財政上の措置を含めた適切な措置を講ずること。
九、沖縄振興開発金融公庫について、沖縄の政策金融を総合的・一元的に担っていることを踏まえ、引き続き、沖縄振興策の展開において大きな役割を果たさせるとともに、新事業創出促進業務の範囲の拡大に当たっては、民間金融を補完して民間主導の自立型経済の構築等に貢献するとの役割を踏まえ、民業を圧迫することのないよう十分配慮させること。
十、泡盛製造業が沖縄の伝統文化や風土を現代に伝えるとともに、特に、離島地域において重要な雇用の基盤を提供してきたことを踏まえ、今後十年間において泡盛の販路拡大や製造場の創意工夫を支援する取組を強力に展開すること。
十一、沖縄科学技術大学院大学(以下「OIST」という。)については、世界最高水準の教育研究を推進していくための規模の拡充等の取組を支援するとともに、県や市町村及び沖縄の大学や企業と連携した沖縄の特性や資源をいかした研究の推進等を通じ、OISTの教育研究が沖縄の振興及び自立的発展に貢献するよう促すこと。
十二、戦没者の遺骨収集、不発弾処理対策等の地元からも強い要望のある戦後処理問題等の諸問題について、政府が県及び市町村の協力を得て対応を加速すること。
十三、沖縄の深刻化する交通渋滞を解消するため、道路等の整備に努めつつ、総合的な交通体系の整備を促進するとともに、鉄軌道を含む新たな公共交通システムの導入に向け、公共交通機関に関連する技術の進歩の状況その他の事情を踏まえ、全国新幹線鉄道整備法を参考とした特例制度についても調査及び検討を行うこと。
十四、沖縄島北部及び西表島等の世界自然遺産登録を踏まえ、沖縄における自然環境の保全等に資する生態系の維持・回復や生物多様性の確保、さらには海洋資源の持続可能な利活用に向け、関係各所と協議の上、全力で取り組むこと。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ各委員の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/194
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195・青木一彦
○委員長(青木一彦君) ただいま勝部君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/195
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196・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 全会一致と認めます。よって、勝部君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、西銘沖縄及び北方対策担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。西銘沖縄及び北方対策担当大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/196
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197・西銘恒三郎
○国務大臣(西銘恒三郎君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/197
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198・青木一彦
○委員長(青木一彦君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/198
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199・青木一彦
○委員長(青木一彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後五時十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120815359X00620220330/199
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