1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年十一月十七日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
十一月十六日
辞任 補欠選任
天畠 大輔君 木村 英子君
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出席者は左のとおり。
委員長 山田 宏君
理 事
こやり隆史君
島村 大君
比嘉奈津美君
川田 龍平君
山本 香苗君
委 員
生稲 晃子君
石田 昌宏君
神谷 政幸君
友納 理緒君
羽生田 俊君
藤井 一博君
星 北斗君
本田 顕子君
石橋 通宏君
打越さく良君
高木 真理君
窪田 哲也君
若松 謙維君
東 徹君
松野 明美君
田村 まみ君
芳賀 道也君
倉林 明子君
木村 英子君
衆議院議員
修正案提出者 池下 卓君
国務大臣
厚生労働大臣 加藤 勝信君
副大臣
厚生労働副大臣 羽生田 俊君
大臣政務官
内閣府大臣政務
官 鈴木 英敬君
総務大臣政務官 杉田 水脈君
文部科学大臣政
務官 伊藤 孝江君
厚生労働大臣政
務官 畦元 将吾君
厚生労働大臣政
務官 本田 顕子君
事務局側
常任委員会専門
員 佐伯 道子君
政府参考人
内閣官房内閣審
議官 大西 友弘君
内閣府地方分権
改革推進室長 加藤 主税君
厚生労働省大臣
官房医薬産業振
興・医療情報審
議官 城 克文君
厚生労働省医政
局長 榎本健太郎君
厚生労働省健康
局長 佐原 康之君
厚生労働省労働
基準局長 鈴木英二郎君
厚生労働省子ど
も家庭局長 藤原 朋子君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に
関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/0
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001・山田宏
○委員長(山田宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、天畠大輔君が委員を辞任され、その補欠として木村英子君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/1
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002・山田宏
○委員長(山田宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長佐原康之君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/2
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003・山田宏
○委員長(山田宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/3
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004・山田宏
○委員長(山田宏君) 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/4
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005・友納理緒
○友納理緒君 自由民主党の友納理緒でございます。この度は、山田委員長を始め理事の皆様、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
私は、この夏の選挙で初当選をさせていただきました。大学で看護師、保健師の免許を取得し、その後、医療現場を経験する中で医療紛争に携わりたいと考え、弁護士となりました。弁護士となり、実際に起こってしまった事故に対応しながら感じたことは、そもそも事故が起こらないように、そういった体制を日頃からつくること、そのために必要な政策や法律を整備することの重要性でした。
今回の感染症法改正も、まさにそういった有事を見据え、平時からの備えを確実に推進しようとするものであり、大変重要な法律案でございます。今回が国会における初質問となりますので大変緊張しておりますが、この法律が国民の皆様にとってより良いものとなるように、また、その制度の中で働く看護職を始めとする医療関係職種の皆様にとって適切なものになるように、しっかりと質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、感染症対応医療機関による確実な医療の提供について伺います。
今回の法改正により、公立・公的医療機関等、地域医療支援病院、特定機能病院に感染症医療の提供が義務付けられ、感染症医療の提供に係る医療機関との協定締結に関する規定も創設されました。これらの規定は確実な医療の提供に資するものですが、この規定に実効性を持たせるためには、そこで働く医療者などへの支援について考えなければなりません。
令和二年十二月、大阪府は大阪コロナ重症センターを整備いたしましたが、一部の病床しか稼働できないという状況が発生しました。ここで働くことができる高い技術や豊富な経験のある看護師が不足したことが原因です。
人工呼吸器やECMOを装着した重症患者に対応するためには、手厚くかつ高い技術や経験のある看護職の配置が必要です。医療機関等における病床当たりの看護職員配置数については、慢性期も含め課題の多いところですが、今後新たな感染症に対応するためには、平時から余裕を持った人員配置をすること、看護職が就業を継続できる環境を整えることが重要だと考えています。
このコロナ禍が長引く中で、見通しの立たない現状や専門外のコロナ病棟への配属等への不安、感染対策の徹底等による高い緊張状態の継続、物資不足、慢性的な人員不足、変わらない処遇、行動制限、医療従事者への誹謗中傷等、看護職の置かれた状況はより一層過酷になっています。
今後、新たな感染症の発生、蔓延時に医療、看護現場の崩壊を防ぎ、より確実な医療を提供するためには、平時からの看護提供体制の強化が必要です。国としては具体的にどのような対策が重要だとお考えでしょうか。厚生労働大臣にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/5
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006・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の感染症拡大時に様々な課題を我々突き付けられたわけでありますが、そのため、そうした課題を解消していくために、平時から看護職員の確保や資質の向上を推進し、看護提供体制の整備を進めていくことが重要であると考えております。
看護職員の確保のためには、働きやすい環境の整備が重要であります。地域医療介護総合確保基金を通じて、勤務環境改善に取り組む医療機関に対して総合的に専門的な支援を行う医療勤務環境改善支援センターの運営に対する支援、また、仮眠室、休憩スペース等の新設、拡張に対する支援など、看護職員の皆さんの勤務環境の改善を推進をしているところであります。
また、有事において人工呼吸器等を装着した感染症の重症患者に対応するためには、高い技術を持った看護師の養成を進めていくことが重要であることから、特定行為研修修了者の養成も推進をしているところでございます。
こうした平時からの看護提供体制の整備に向けてしっかりと取り組んでいくとともに、看護の現場で働いている皆さん方の処遇改善、今回も取組をさせていただきましたが、引き続きそうしたことにも努力をしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/6
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007・友納理緒
○友納理緒君 ありがとうございます。
今大臣がおっしゃった処遇についてですけれども、八月末の公的価格評価検討委員会において増田座長から、看護師に係る国家公務員俸給表、医療職俸給表(三)の標準職務表の改正後、厚生労働省から医療関係団体に対して、国家公務員における見直し内容を踏まえつつ、看護師のキャリアアップに伴う処遇改善の推進を検討していただくよう要請してほしい旨の発言がありました。
これを受けて、厚生労働省の御見解をお聞かせください。政府参考人、よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/7
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008・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
ただいま委員御指摘いただきました公的価格評価検討委員会につきましては、その中間整理の内容を踏まえつつ、国の機関の実態に応じまして、人事院において看護師に係る国家公務員俸給表の標準職務表、いわゆる医療職俸給表(三)の級別標準職務表の改正を検討されているというふうに伺っております。
あわせて、八月三十日に開催されました、今委員御指摘いただきました公的価格評価検討委員会において増田座長の方から、中間整理の内容に沿って看護師のキャリアアップに伴う処遇改善を推進するために、人事院における標準職務表の改正後、厚生労働省から医療関係団体に対して、国家公務員における見直し内容を踏まえつつ、看護師のキャリアアップに伴う処遇改善の推進を検討していただくよう要請を行ってほしい旨の御指摘を頂戴いたしました。
このため、厚生労働省において、公的価格評価検討委員会中間整理や公的価格評価検討委員会の御議論に沿って、人事院における標準職務表の改正が行われた後に、医療関係団体に対して、看護師のキャリアアップに伴う処遇改善の推進を検討していただくよう要請を行ってまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/8
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009・友納理緒
○友納理緒君 医療者は、今この瞬間も新型コロナウイルスと闘う患者さんの、そしてその家族を支えながら、使命感を持って働いています。使命感だけでは乗り越えられない現状を御理解いただき、平時からの様々な体制の整備について努めていただければというふうに思います。
次に、発熱外来等を含む外来診療について伺います。
今回の改正により、発熱外来の確保も図られています。現在も季節性インフルエンザとの同時流行が懸念されるところですが、これまで発熱患者増加時には、発熱外来を有する医療機関は他部署からの応援人員等を配置することで対応してきました。
そもそも、この外来診療においては、平時から人が足りないという問題がありました。外来における看護職の人員配置標準は、昭和二十三年に医療法で一律三十対一と定められました。この三十対一とは、外来看護職員一人当たりの外来患者数を示しますが、昭和二十三年当時の外来の状況を前提にその数が規定されたと言われています。また、コロナ禍で同じく逼迫した救急外来には、看護職の配置基準すらありません。
患者の高齢化、複雑化、外来医療の高度化が進み、外来患者一人に向き合う看護職員の時間も増え、現在、三十対一以上の手厚い配置をしている医療機関も多くあります。二〇二一年の日本看護協会による調査では、外来看護の機能や看護職の配置は病院機能により大きく異なっています。
近年、療養の場は医療機関から地域へと広がっています。入院と在宅をつなぐ外来機能は地域包括ケアの一部であり、重症化予防や在宅医療の継続のため、その強化は必須です。
時代が変わり、法律を支える背景となる事情が変わったのであれば、その規定を見直す必要があります。昭和二十三年に制定された一律三十対一の人員配置標準は現在の看護の実態に見合っていません。今後の有事に対応するためにも、この外来職員の配置の在り方を見直すお考えはないでしょうか。政府参考人にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/9
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010・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
外来医療における看護職員の配置について御指摘を頂戴いたしましたが、医療法におきましては、個々の医療機関の提供いたします医療の内容や患者数などが大きく異なっている中、衛生規制としての最低基準として人員配置標準三十対一を定めているところでございます。
その上で、診療報酬においては、例えば外来において専門看護師や認定看護師あるいは特定行為研修の修了された修了者などを配置しておられる場合にこれを評価するなどして、提供される医療の内容に応じた評価を行っているところでございます。
各医療機関におきましては、それぞれの実情に応じて適切な人員を配置いただくことが重要というふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/10
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011・友納理緒
○友納理緒君 外来における適切な看護職の配置が進み、外来看護の機能が十分に発揮されるよう検討を進めていただければと思います。
次の質問に移ります。
今回の改正で、自宅療養者等への健康観察の医療機関等への委託が法定化されました。
このコロナ禍、自宅療養者の健康観察等の業務を担ってきた存在の一つに訪問看護ステーションがあります。訪問看護師は、健康観察だけでなく、療養生活の支援、日常生活の支援など、多くの業務を行ってまいりました。しかしながら、マスクを含む個人用感染防護具や検査キットの不足、人員不足、自治体やほかの事業所との連携不足などにより、サービスの継続に困難を来す事業所が多く存在しました。
小規模な訪問看護ステーションが多い中で、健康観察等を適切に行うためには、他事業所との連携やICT化、防護具、検査キットなどの備蓄や配布などの支援を国又は自治体主導で行っていく必要があると考えています。
そこで、このような訪問看護への支援の在り方ついてどのようにお考えでしょうか。厚生労働大臣にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/11
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012・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 今般の改正案では、都道府県による健康観察の実施に当たって、協定を締結した医療機関等に委託をして行うことができる旨を明確化しております。訪問看護事業所についても協定締結の対象として健康観察を実施していただくことを考えているところであります。
協定の履行に要する費用について財政支援を行うこと、また、平時からの設備整備に要する費用の一部を補助することができる旨の規定も設けております。訪問看護事業所が協定を締結した場合の支援の実施についても、そうした法律を踏まえて検討していきたいと考えております。
また、これまでも厚労省において訪問看護事業所に対する支援を行ってまいりました。訪問看護を含む在宅医療に関する専門知識や経験を豊富に備え、地域での人材養成を担うような高度人材の育成、地域医療介護総合確保基金を活用し、訪問看護の安定的な提供体制を整備するための支援、人材育成等に都道府県が取り組む際の財政支援などを行ってきたところであります。
引き続き、在宅医療に係る提供体制の整備、その充実に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/12
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013・友納理緒
○友納理緒君 訪問看護は在宅での療養を支える重要な役割を担っています。是非、厚生労働省に訪問看護施策のかじ取りをする部署をつくるなどして、その体制整備に取り組んでいただきたいと思っています。
次に、保健所の体制強化について伺います。
今回の改正で、都道府県と保健所設置市や特別区その他関係者を構成員とする連絡協議会が創設されるなど、平時から連携強化、綿密な準備を通じて、感染症発生、蔓延時における機動的な対策の実施が図られました。
今回のコロナ禍、保健所において感染症対策業務の中心を担ったのは保健師です。令和三年から四年の二年間で、全国の保健所で感染対策業務に従事する保健師を九百名増員する地方財政措置が講じられました。他の担当の保健師の振替などもあり、純増ではないなどの課題もありますが、この措置には感謝申し上げたいと思います。
もっとも単に数を増やしたとしても、改正法の肝である連携ができる保健師を配置しなければ意味がありません。健康危機発生時には迅速な体制整備が求められます。都道府県の保健所などに総合的なマネジメント、指導等を担う保健師を配置する必要があります。IHEATなど新たな枠組みへの期待もありますが、まずは今いる保健師に適切な機能を持たせ、市町村の保健師等と連携しながら適切な対応を行う体制を整えることが先決です。
そこで、都道府県の保健所などに感染症に対応する総合的なマネジメント、指導等を担う保健師を配置することについてどのようにお考えになりますでしょうか。政府参考人にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/13
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014・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
今般のコロナ対応において、保健所では、市町村の、市町村や地域の医療機関等関係機関との連携体制の構築、調整等、組織マネジメントや感染症に関する専門的な知見に基づく指導等が求められていることが改めて浮き彫りとなりました。
次の感染症危機に十分に対応できる体制を確保するためには、議員御指摘のとおり、総合的なマネジメントや指導に関する資質を有する保健師をより一層育成していくことが必要と認識しております。
国においては、こうした能力を有する保健師を育成するため、統括的な役割を担う保健師に対し、健康危機管理、組織マネジメントに関する研修等を実施しているところでありますが、今般のコロナ対応における課題を踏まえて、これらの更なる改善を図っていきたいと考えております。さらに、保健所設置自治体においても同様の研修が行われるよう、自治体に対する研修素材の提供等を行う予定としております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/14
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015・友納理緒
○友納理緒君 是非、連携ができる保健師の教育を積極的に進めていただければというふうに思います。
次に、DMAT等の法定化と履行担保措置について伺います。
災害の多い我が国では、この災害医療に携わる医療チームの皆様のおかげで数多くの命が救われてきました。DMATについては、国や都道府県の要請に対し、隊員が所属する医療機関の病院長らが許可しなければ派遣できないという課題があり、令和二年、ダイヤモンド・プリンセスの対応では、一部の医療機関が感染を懸念し、出動を許可しなかったケースがありました。同様の事態は日本看護協会の災害支援ナースについても発生しています。そのほか、労務上の取扱い、指揮命令系統や事故補償などについても課題がありました。
今回の法改正は、このような状況をどのように改善することが期待されるものでしょうか。改正の趣旨や内容についてお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/15
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016・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
今委員御指摘ございましたように、DMATにつきましては、感染症対応を想定した法令等の活動根拠がなかったということから、所属する医療機関においてDMAT隊員の派遣への理解が得られにくいなどの課題があったというふうに承知をしております。
このため、今般の改正案におきましては、厚生労働大臣が実施するDMAT研修などを受けた医師、看護師などにつきまして、災害・感染症医療業務従事者として医療法に位置付けることなどでその活動根拠の明確化を行うことによって、所属する医療機関の御理解も得られ、より派遣しやすくなるものというふうに考えております。
また、委員御指摘ありました看護協会の災害支援ナースについても、御指摘ありましたように、所属医療機関の御理解の問題のほか、手当が支給されずに休暇扱いとされている事例があったというふうにも承知をしております。
この災害支援ナースは、現在看護協会が要請、登録をしておりますことから、現時点では災害・感染症医療業務従事者には該当しないものでございますが、施行に向けて厚生労働大臣が要請、登録を行うこととすることを検討しておりまして、そうした体制が整えば、災害・感染症医療業務従事者に該当することとなりまして、DMATなどと同様の効果が得られるものと考えております。
また、今般の改正案におきましては、都道府県と各医療機関の間で締結する協定においては、人材の派遣に要する費用も含めて、協定の履行に要する費用の負担の方法についても盛り込むこととしております。具体的な内容は、協議、協定の協議の中で決定していくこととしております。
いずれにいたしましても、広域的な医療人材派遣の仕組みに関し、医療現場で混乱が生じることがないように、協定の協議の中で身分や処遇なども含めた諸条件を明確に御確認いただいて、派遣される医療人材の労働環境など、送り出す体制を適切に確保することについて丁寧に説明してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/16
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017・友納理緒
○友納理緒君 今回、履行担保措置の規定が設けられたと理解しておりますけれども、確認ですけれども、今回の履行担保措置の対象は医療機関であり、最終的に派遣に応じるか否かは当該医療者本人の意思に任せられているというふうに、済みません、確認ではなく、私は理解しておりますけれども、勧告、指示の前提となる正当な理由に病院等が個別事案において派遣に同意する災害・感染症医療従事者を確保できなかったということは含まれますでしょうか。参考人にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/17
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018・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
協定を締結した医療機関が感染症発生、蔓延時に協定に沿った対応をしない場合の正当な理由につきましては、感染状況や医療機関の実情に即した判断が必要となっておりますが、例えば、病院内の感染拡大などによりまして、医療機関内の人員が縮小して協定の内容を履行できない場合などが該当するものと考えてございます。
今般の改正案の施行に当たりましては、こうした考え方を医療機関等に十分に周知するなど、協定の締結が円滑に進むように丁寧に対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/18
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019・友納理緒
○友納理緒君 この法律の重要性も理解しております。ただ、災害派遣は時には命に関わるものでもあります。派遣対象となる医療者が、所属する医療機関から業務命令などに対して事実上拒絶が難しい場合があることなども考慮に入れて今後の制度の運用を考えていただければと思います。これによって登録者の人数が減るということになってしまっては困りますので、その辺りのことを考えた上で運用、医療者のことも考えた上で運用していただければというふうに思います。
最後に、予防接種等の担い手の確保について伺います。
今回新設される特措法三十一条の二、三十一条の三では、同三十一条による医療関係者の確保が困難であると認められる場合など、一定の要件の下で医師、看護師等以外の一部の者が診療の補助として予防接種のための注射行為などを行うことができる、業とすることができると規定されています。
感染症発生、蔓延時に国民の皆様に必要な予防接種を適時に行うことの重要性は理解しておりますが、これまで医療安全に携わってきた経験から、少し懸念もございます。
ここでは、予防接種について、少し法律論から考えてみたいと思います。
一般論として、注射行為のような人の身体への侵襲を伴う治療行為は刑法上の傷害罪等の構成要件に該当するものです。その上で、社会的相当性、これは本人の同意、医学的適応性、医術的適応性などから判断されるというのが有力説ですが、これが認められる場合に限り、刑法三十五条に規定される正当業務行為として違法性が阻却されることになります。医師、看護師が新型コロナワクチン接種を行う行為については、このように考え、違法性が阻却されます。
それに対し、医師、看護師以外の一部の者については、今回改正される特措法により予防接種等を行うことが可能になりますので、これは刑法三十五条の法令行為として違法性が阻却されるものと考えられます。
今回の筋肉注射のような注射行為が神経損傷等の一定のリスクがある行為であることからしますと、この法令を規定するに当たっては様々な事情が考慮されたものと思料いたします。今回はこのような状況ですから必要性は認められるとして、法令を規定した合理性の判断について御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/19
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020・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
ワクチン接種のための注射行為につきましては、本来、医師、看護師等が業務として行い得るものでございますが、感染症発生、蔓延時において医師、看護師等が不足する際に注射行為を行い得る職種をどこまで拡大するかにつきましては、今回の改正法案の立案に先立って、厚生労働省の検討会の中で検討を行いました。その結果、医療安全を確保する観点から、注射行為に関し基本的な教育を受けており、かつ実際に業務を行う上での技術的基盤を有していることが重要であるため、歯科医師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士及び救急救命士を対象とすることが適当であるとされたところでございます。
これを踏まえまして、今般の改正案では、感染症法発生、蔓延時に特に必要である場合にはこれらの者が診療の補助として注射行為を行うことができる枠組みを整備することとしておりまして、医療安全を確保しつつも迅速かつ法的に安定した立場で注射行為に従事できるようにするという観点から、法令に規定する合理性はあるというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/20
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021・友納理緒
○友納理緒君 繰り返しになりますが、注射行為は神経損傷等の一定のリスクがある行為です。例えば、筋肉注射と静脈注射から採血をする行為は、その接種部位や手技、注意事項は全く異なります。
医師等が行う注射行為についても、適切な知識、技術に基づく社会的相当性が認められて初めて正当業務行為となることに照らしますと、仮に医師、看護師以外の日頃からこの行為を行っていない職種が行う際には、あらかじめ法律や規則で研修の実施を明示して義務付けるなど、その安全性の担保を国が行う必要があると考えますが、この点についてはどのようにお考えになりますか。政府参考人にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/21
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022・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
今般の改正を踏まえた研修実施の要否や具体的な研修内容の検討につきましては、対象となる感染症の特性などに応じて異なってくるということが想定されるところでございます。
実際に、今般の改正の対象となります歯科医師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、救急救命士の方々にワクチン接種に御協力いただくに当たりましては、今委員御指摘いただきましたように、安全性を確保するということは重要であると考えております。
いずれにいたしましても、本改正案の要請を具体的に実施する際には、今般のコロナ対応も踏まえて、関係団体等の御意見もお聞きをしながら、しっかりと検討していくものと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/22
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023・友納理緒
○友納理緒君 医療安全という観点から、また医療者自身を医療事故のリスクから守るためにも、まずは特措法三十一条の規定どおり、本来の業務として行っている医師、看護師の確保を確実に行うことが重要です。
そして、このような有事に医師、看護師を確保するためには、平時からの取組が必要になります。特に、潜在看護師が多い状況に鑑み、国は平時からの看護職の確保対策についてどのようにお考えでしょうか。厚生労働大臣にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/23
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024・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘のとおり、有事において医療を安全に実施するというためにも、平時から必要となる看護職員の確保を進めていくことが重要であります。
看護職員の、これまでも看護職員の確保対策を進めてきているところであります。就業者数ベースで見ると、令和二年、二〇二〇年で約百七十三万人が、この十二年間で約三十三万人増加をしているところではあります。
今後も、潜在看護職が多いということも踏まえつつ、新規養成のほか、復職支援、定着促進を柱に病院内保育所の運営に対する財政支援など、看護職員の確保に向けた取組を引き続き推進をしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/24
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025・友納理緒
○友納理緒君 ありがとうございます。
今回の感染症法改正により、国民の皆様に有事においても安全、そして充実した医療、看護が提供されることになるよう祈念して、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/25
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026・生稲晃子
○生稲晃子君 自民党の生稲晃子です。
七月の参議院選挙で初当選をさせていただきました。今日、初めて質問をさせていただきます。委員長、理事、委員の皆様には感謝申し上げます。よろしくお願いいたします。
私は、四十二歳のときに乳がんの告知を受けまして、その後、二度の再発があり、働きながら全部で五回の手術を経験しました。そういったことから、二〇一六年に働き方改革実現会議の有識者議員として選んでいただきました。加藤大臣、会議では本当にお世話になり、ありがとうございました。
本日は、感染症改正法案への質問ではありますけれども、まずはコロナ感染症の患者さんが置かれた状況について少しお伺いしたいと思います。
私のがん闘病の経験を踏まえますと、治療しながら働くことについては長期的なフォローアップが必要で、そのためには会社の理解、協力というものが不可欠であると思っています。
コロナに感染した方たちも同じです。現在、コロナ感染者の中には、倦怠感や味覚、嗅覚の症状等、様々な罹患後症状に悩まれている方が多くいらっしゃいます。例えば、倦怠感は、働けるがしばしば感じる程度から、重い方では身の回りのことができず、終日横になっているという深刻な状況にある方もいらっしゃいます。衆議院の附帯決議案にも書かれていますが、こういった方々を医療側や会社側、様々な専門スタッフが守っていく、治療と就労を両立するためのシステムづくりが必要であると私は思っています。
まず、現状として、コロナ感染による罹患後症状に悩んでいる方の実態についてどのように把握されていますか。また、どのような対策をされていらっしゃるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/26
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027・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
厚生労働省ではこれまで、新型コロナの罹患後症状の実態や病態を明らかにするために、令和二年度から厚生労働科学研究費におきまして三つの調査研究を実施し、本年五月までに研究班よりそれぞれ総括報告を実施しております。多くの症状は経時的に頻度が低下する一方で、十二か月時点でも症状がある方が一定程度いるという結果でございました。
また、今年度も、厚生労働科学研究におきまして、新型コロナで入院した患者さんを対象に退院後の追跡調査を行うことで、罹患後症状の実態を把握し、中長期的な予後に関する要因や社会生活への影響等について検討する調査研究を実施しております。
罹患後症状に悩む方への対応につきましては、一般医療の中で対応できるものが少なくないため、まずはかかりつけ医等や地域の医療機関につなぐことが重要であります。このため、かかりつけ医等や地域の医療機関に受診できるよう、リーフレットやQA等を、QアンドA等を掲載した特設ホームページを公開し、ツイッター等のSNSを通じた積極的な情報の発信に努めているところであります。
また、医療現場等の方々に対しては、先ほど申し上げた国内の調査研究等によりこれまでに得られた知見も含めて診療の手引きに盛り込み、国内外の科学的知見につきまして診療の手引きに盛り込み、自治体や日本医師会、病院団体協議会、関係学会等を通じて周知をしております。
衆議院で可決されました修正を踏まえまして、引き続き新型コロナ罹患後の調査研究を進めるとともに、新たな科学的知見の収集や知見の医学、あっ、医療現場等への周知を行い、罹患後症状に悩む方が必要な医療を受けられるよう努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/27
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028・生稲晃子
○生稲晃子君 罹患後症状に悩まれている方への様々な対策をされていることが分かりました。ありがとうございます。
しかしながら、その罹患後症状ですが、無理をすれば仕事に行くことができる方も、まだその症状に対しての周囲の理解が進んでいないことから、なかなか病院や会社に相談するのも難しいと感じているのではないでしょうか。治療と仕事を両立していくためには、相談しづらい症状に悩んでいる方をどのように治療していくかも重要だと思います。
私は、働き方改革実現会議でトライアングル型支援というものを提案しました。これは、主治医と会社、そしてこの二つをつなぐ役目として、医療ソーシャルワーカー、心理カウンセラー、社会保険労務士等専門スタッフ等の両立支援コーディネーター、この三つがしっかり連携を取って患者である働く人々を支えようという支援のことです。
こうしたコロナ感染による罹患後症状に悩まれている方への治療と仕事の両立支援にこのトライアングル型支援を検討してみてはいかがでしょうか。お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/28
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029・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 平成二十九年三月に働き方改革実行計画を取りまとめまして、そのとき委員には有識者として御参加いただいて、まさにトライアングル型支援等の御提案もいただいたところであります。
その実行計画に基づいて治療と仕事の両立支援のためのガイドラインを厚労省で公表し、がんや脳卒中等の疾患を抱え、治療が必要な労働者の治療と仕事の両立を支援するため、トライアングル型支援を推進をしているところであります。
具体的には、主治医と会社、患者である労働者に寄り添い、主治医と会社をつなぐ役割を果たす者の三者によるトライアングル型支援体制を構築するために、独立行政法人労働者健康安全機構において、こうした役割を果たす人材として両立支援コーディネーターの養成を図っており、令和三年度末で一万二千名の方が養成を受けていただきました。こうした人材が全国の労災病院や都道府県の産業保健総合支援センターなどで活躍をしていただいているところであります。
新型コロナの罹患後症状を抱える方に関しても、先ほど申し上げた、これはがんと脳卒中等疾患を前提にしてきたわけでありますが、新型コロナの罹患後症状を抱える方の治療と仕事の両立においてもこのトライアングル型支援は有効であると考えております。シンポジウム、セミナーの開催等により、企業等に対してその活用を周知啓発を図っていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/29
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030・生稲晃子
○生稲晃子君 大臣、ありがとうございました。引き続き、取組を推進していただくようお願いいたします。
次に、ウイズコロナに向けた課題として、マスク着用について取り上げたいと思います。
ここまでマスク生活が続きますと、周りの環境などに影響されてなかなかマスクを外しにくい方が多いのが現状かと思います。最近では、ワクチン接種も進み、マスク着用ルールの緩和により、屋外等で少しずつではありますがマスクを外している方もいらっしゃいます。
私の知り合いは今年の二月に子供が生まれました。その知り合いから、マスク生活は子供が成長していく過程で発達に影響を与えるのではないかと心配しているという話を聞きました。私自身の育児経験でも、特に幼い子供は親や大人の表情や口元を見て笑ったり泣いたりの感情表現をして、そこから表情を読み取る能力、言葉を覚えて発する能力を学んできたことを思い出しました。
コロナ禍において、出生数は減少傾向にはありますが、例えば二〇二一年の一年間で八十一万人を超える新たな命が誕生しています。マスク着用が子供たちの心身や成長についてどのような影響を与えるか、厚労省の見解をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/30
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031・藤原朋子
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
新型コロナの流行下におきましても、子供たちの年齢に応じた健やかな成長を支援していくことは非常に重要な課題だと考えております。
子供のマスク着用につきましては、これまで小児科学会ですとか発達心理の有識者などから、夏場における熱中症等の健康面への影響や、表情が見えにくくなる、声が聞き取りにくいなど、コミュニケーションへの影響も指摘をされておりまして、政府といたしましては、二歳未満のお子さんには推奨しない、それ以外の就学前の子供についても一律には求めていないということにつきまして、リーフレットなどによりまして周知を図っているところでございます。
新型コロナの流行下における子供の心身への影響につきましては、厚生労働科学研究などを通じまして引き続き調査研究を進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/31
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032・生稲晃子
○生稲晃子君 厚生労働省は、二歳未満の子供に対してマスク着用を推奨しませんというふうにしていますけれども、そのことはまだまだ十分に認識が広がっていないと思います。引き続き、推奨しない理由等を分かりやすく伝えていただけるようお願いいたします。
こうした影響の観点からも、今後、感染状況を見ながらではありますけれども、マスクを外していく方向で考えていくことが必要かなというふうに思っております。
しかし一方で、現在、いまだコロナが完全には収束していない状況であります。感染者も増加傾向にあって、昨日は全国で十万七千百八十六人の新規感染者が出ました。第八波が起きる可能性がもう高くなってきています。マスク着用による感染リスクへの対応、そこからつながる医療現場への負担軽減、さらには、これから冬に流行するおそれのあるインフルエンザへの予防対策としてのマスク着用など、慎重に考えなければなりません。
めり張りを付けたマスクの適切な着脱が必要です。しかし、着用ルールが国民にしっかり伝わっていないと思います。大臣、めり張りを付けたマスク着用について、国民への周知のためにも、改めて分かりやすく説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/32
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033・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、マスクについてめり張りを持って着用していただきたいということをこれまでも申し上げております。
具体的には、屋外においては原則として不要であるということ、また、屋内でも、図書館や博物館など人との距離が確保できて会話をほとんど行わない場合にはマスクの着用は必要ないと。他方で、基本的には着用をお願いしていますけれども、そうした、こうした場合は不要であると、あるいは必要であると、こういったことをしっかりと発信していく必要があると考えております。
現在、足下で新規感染者数、今御指摘のように増加傾向にあります。特に北海道や東北などの地域で多くの増加が見られております。また、新型コロナとインフルエンザの同時流行のおそれも指摘をされております。そうしたことを考えると、まさにめり張りを付けて、マスクも、ついても場面に応じて適切な着脱、これをお願いしていきたいと思っております。
このため、政府としては、先月、十月十四日により分かりやすいというリーフレットを作らせていただいてマスク着用の考え方の周知を図っているところでありますが、引き続き国民の皆さんに、様々なコミュニケーションツールを活用しながらも、そうした広報を、広報の強化に努めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/33
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034・生稲晃子
○生稲晃子君 ありがとうございました。
次に、保健所の体制について伺います。
新型コロナへの対応では、感染拡大の波ごとに保健所業務の対応も逼迫しました。今回の改正案では、予防計画の記載事項として保健所の体制整備に関する事項を追加することや、また、感染症が起こったときに保健師等の専門家が保健所業務を支援する仕組みであるIHEATを法定化することなど、体制の強化が図られています。
地域において保健所が日常的に果たしてくださっている役割を考えますと、感染症対応を強化する一方で、感染症対応以外の通常業務の体制の確保に目配りをすることも重要ではないかと考えます。例えば、保健所の皆さんは感染症対応で大変だろうからといって国民が必要な支援を受けることをちゅうちょするようなことがあってはならないと思うんです。
感染症で危機的なときに国民が安心して健康に暮らすことができるよう、昨年から、感染症対応業務に従事する保健所保健師の恒常的な人員体制強化として、コロナ禍前の平成三十一年度の一・五倍の二千七百名に増員するために必要な地方財政措置が講じられています。しかし、感染症だけではなくて、感染症対応以外の通常業務も含めて保健所の対応を、体制を確保することが重要ではないかと考えます。大臣の見解をお聞かせ願えますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/34
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035・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まず、今般の改正案においては、次の感染症危機に備えて、保健所設置自治体において平時から計画的に体制整備を進めていただきたいということで、連携協議会において関係者が感染フェーズに応じた連携の在り方などを検討、議論した上で保健所の体制整備について予防計画に盛り込むことなどを盛り込ませていただいているわけでありますが、さらに、国において、保健所業務の一層の効率化、充実化を図るため、保健所における人材の活用、外部機関との連携、業務のデジタル化等に関する調査検討を行うことを予定をしておりまして、こうした結果を踏まえて、まさに健康づくりや疾病予防に必要な普及啓発、精神保健対策、心の健康づくりなど、感染症危機にも対応しながら、地域住民の健康増進を推進できる保健所体制の確保、確立に向け、自治体の取組を更に支援をしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/35
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036・生稲晃子
○生稲晃子君 ありがとうございます。
必要な支援を受けることができるよう、有事の際はもちろんなんですけれども、日常への対策もしっかりとお願いしたいと思います。
次に、休暇制度についてお伺いします。
今回の感染症改正法案には入っていないんですが、コロナ感染者は増加傾向にあって、国民にとっても重要なことだと思いますのでお聞きいたします。
コロナ感染や濃厚接触により職場を休むとき、多くの方は年次有給休暇を使っていると聞きます。しかし、コロナによる休みは一週間以上になることもあり、今年の有給休暇を使い切ってしまったという人も多くいます。
これから第八波が来ると言われていますが、再び感染や濃厚接触となるとあとは病欠扱いとなり、その分無給になってしまうと心配する人が多くいらっしゃると思います。年次有給休暇とは別に会社が独自に定める特別休暇として病気休暇の制度があると、年次有給休暇を使わずに安心して休むことができます。
そこで、まず、一般企業における病気休暇制度の導入状況についてお伺いします。また、病気休暇が有給であれば更に労働者の負担が減ることになると思いますが、病気休暇を導入している企業のうち、有給としている企業はどのくらいあるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/36
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037・畦元将吾
○大臣政務官(畦元将吾君) お答えいたします。
病気休暇制度を導入している企業の割合は、厚生労働省の令和三年就労条件総合調査において二三・八%となっております。また、病気休暇制度を導入している企業のうち、賃金の全額を支給することとしている企業の割合は四四・五%、一部有給としている企業の割合は一八・一%、無給としている企業の割合は三七・四%です。賃金の全額又は一部支給している企業の割合は六二・六%となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/37
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038・生稲晃子
○生稲晃子君 導入している企業が少ないというのはとても残念です。また、導入している企業の中で、病気休暇の有給の割合が六割強という数字でしたけれども、より有給での導入が増えれば、更に労働者の負担軽減につながると思います。ありがとうございました。
コロナ禍のような特別な状況下で、病院などの医療機関において最前線で働かれている医療従事者への方への負担軽減や、より安心できる働き方への改善のためにも、また、一般の企業において労働者が治療と仕事を両立しながら働き続けることができるようにしていくためにも、安心して休暇を取得することができるこの病気休暇の制度を推進していくべきだと思います。
今後、更に医療機関や企業に対して病気休暇の導入を働きかけていただきたいと思います。厚生労働省の見解をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/38
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039・畦元将吾
○大臣政務官(畦元将吾君) お答えします。
労働者が新型コロナウイルスに感染した場合やその他の病気にかかった場合に安心して休暇を取得できるよう、各企業や医療機関において、就業規則などに病気休暇制度を規定していただくことが望ましいと厚労省としても考えております。
厚生労働省では、これまでも病気休暇の取得促進のためのリーフレットを用いて周知を図ってきたところでございますが、御指摘を踏まえ、新型コロナウイルスに関わる病気休暇の対応状況や病気休暇導入の必要性、また導入事例などを示したリーフレットを新たに作成、また医療関係の団体や中小企業の団体などを通じてきめ細かく周知することを検討してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/39
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040・生稲晃子
○生稲晃子君 ありがとうございます。
今後の課題として、安心して休暇を取得できるよう制度化を目指すべきであるというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、かかりつけ医に関してお聞きします。
私は、自分ががんという大病を患ったにもかかわらず、このコロナが蔓延してから近所にかかりつけ医を持っていないという現実に気付きました。私のような世代もそうですが、特に健康である若い世代の方はかかりつけ医をお持ちではない方もまだまだ多いと思うんですね。そういったことを考えると、これを機会に、そもそもかかりつけ医とは何か、どういう存在なのか、そして、持つことへのメリットといったことについて国民に伝えて、理解を普及させることが大切ではないかなというふうに思います。
十一月の十一日にも政府の全世代型社会保障構築会議がかかりつけ医の新たな制度について考え方を示されましたが、特にかかりつけ医の機能や役割が何かをもっと分かりやすく示して、国民にきちんと理解されることが不可欠と思います。これについてはどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/40
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041・本田顕子
○大臣政務官(本田顕子君) 生稲委員からかかりつけ医について御質問いただきました。
高齢化が進展する中で、身近で頼りになるいわゆるかかりつけ医を持つことは重要であると認識しておりまして、厚生労働省ではこれまで、平成三十年からでございますが、上手な医療のかかり方を広めるための懇談会を開始し、開催いたしまして、さらに、令和元年度から、デーモン閣下にも御協力をいただきまして、上手な医療のかかり方を、普及啓発事業を始めているところでございます。医療機能情報提供制度による地域の医療機関のかかりつけ医機能に関する国民、患者への情報提供等の取組を現在進めております。
さらに、今後の医療ニーズや人口動態の変化、コロナ禍で顕在化した課題を踏まえ、かかりつけ医機能が発揮される制度整備を行うこととしております。その際、質の高い医療が効率的に提供されるよう、かかりつけ医機能を明確化し、患者と医療者双方にとってその機能が有効に発揮されるための具体的な方策を国民目線に立って検討し、取りまとめていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/41
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042・生稲晃子
○生稲晃子君 ありがとうございました。
大事なことは国民がメリットを理解することだと思いますので、国民の目線に立ってしっかりとした議論を進めていただきたいというふうに思います。
次に、コロナ禍でのかかりつけ医の役割についてお聞きします。
今回の新型コロナでは、かかりつけ医を受診しようとしたものの断られてしまったという話をよく聞きます。感染症対応という専門性を考えれば、かかりつけ医がすべからく受診に応じるものではないと思うものの、未知の感染症にかかっているかもしれないという患者さんの不安の大きさを考えると、自ら診療を行わない場合でも、例えば相談は受け付けて発熱外来をやっている近くのクリニックにつなぐなど、相応の役割を果たしていただけると患者さんはかなり気持ちの面で安心できるというふうに思います。
今回の改正案は協定の締結を通じて各医療機関の役割分担を明確化するものと理解はしていますが、かかりつけ医が感染症で果たす役割についてはどうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/42
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043・本田顕子
○大臣政務官(本田顕子君) かかりつけ医につきましては、感染症で果たす役割でございますけれども、おっしゃるとおりだと思っております。
こうした、今回、平時のかかりつけ医の機能を有する場合もあるかと思いますけれども、機能を有しない医療機関をかかりつけ医としている場合もあるかと存じます。いずれの場合といたしましても、感染症医療を担ういわゆる医療機関と、先ほども、いわゆるかかりつけ医でございますけれども、この連携の確保は重要な課題であると思いますので、感染が拡大し、医療が逼迫している中でどのような対応が可能であるかという観点も含めまして、関係者の意見を聞きながら検討していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/43
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044・生稲晃子
○生稲晃子君 ありがとうございます。
コロナ禍のような緊急時においても、身近なかかりつけ医の役割とその連携というのは重要ですので、引き続き議論を進めていただきたいというふうに思います。
時間が参りましたので、最後の質問にさせていただきます。
我が家でも娘がコロナに、コロナウイルスに感染しまして、かなり感染者が多かった時期でもあり、入院することができずに自宅療養でした。おかしくなったら救急車をという医師のお話だったんですが、どうなったら呼んでいいのか判断できずに、とても不安でした。
未知のウイルスと最前線で懸命に闘ってくださっている医療従事者の方々のおかげで徐々に日常の生活が戻りつつありますが、やはりこの闘いにおいては人それぞれ様々な不安がたくさんあります。こうした不安を取り除くためにも、今回の改正で、今後新たに起こるかもしれない感染症に対応できるように、医療従事者と国民がしっかりとつながって、人々が安心できるようなシステムづくりをしていきたいというふうに思っています。
最後に、大臣の決意をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/44
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045・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の新型コロナの対応において、医療機関における迅速な人員確保は大変難しい。また、それとも絡みますが、入院調整の病床確保の困難さ、保健所業務の逼迫、医療物資の不足等の課題が指摘をされ、平時から感染症危機管理に当たっていくことの重要性が浮き彫りとなったところであります。
これを踏まえて、平時からの予防計画に沿った医療機関との協定の締結、保健所機能や検査体制の強化、機動的なワクチン接種の実施等についてその枠組みを法定化し、流行の初期段階から速やかに機能する保健医療提供体制の構築を図ることを目的として、今般、感染症法等の改正案を提出をさせていただいたところでございます。
こうした法律的な枠組みなども踏まえて、国民の命と健康を守り、感染症に感染された方やその御家族が安心してお過ごしいただけるよう、医療機関、また地方自治体等の関係者とも協力を図って、次の感染症危機に万全を期していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/45
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046・生稲晃子
○生稲晃子君 大臣、力強いお言葉をありがとうございました。
質問は以上です。どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/46
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047・打越さく良
○打越さく良君 立憲民主・社民の打越さく良です。
昨日、旧統一教会が教義に基づいて信者同士で養子縁組を行っているとされていることについて、厚生労働省と東京都が教団に質問状を送るとの報道がなされました。これについて御報告をお願いします。
また、統一教会が養子縁組あっせん事業に当たる行為を行っていたことが明らかになった場合、罰則はどのようになっているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/47
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048・藤原朋子
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
どのような組織であっても、養子縁組あっせん法に規定する許可を受けずに養子縁組あっせんである養親希望者と児童との間を取り持って養子縁組の成立が円滑に行われるように第三者として世話をすることを反復継続的に行うのであれば、金銭の授受の有無にかかわらず、同法に違反するものでございます。
厚生労働省といたしましては、養子縁組あっせん事業に当たる行為が旧統一教会の中で行われているのかどうか、旧統一教会の本部が所在をする東京都と連名で事実関係の確認を行うための質問書を提示をし、回答を求める方向で調整を行っているところでございまして、調整が終わり次第、できる限り速やかに対応していきたいと考えております。
また、罰則についてでございますが、どのような組織であっても、養子縁組あっせん法に規定する許可を受けずに養子縁組あっせん事業を行った者は、同法に基づきまして、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金というふうになってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/48
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049・打越さく良
○打越さく良君 法令違反が確認された場合の対応について、大臣からも御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/49
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050・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 一般論としてお答えするということになりますが、あっせん法第六条に規定する許可を受けずに養子縁組あっせん事業を行っていた具体的な事実関係が確認された場合には、許可を受けないで養子縁組あっせん事業を行ってはならない旨行政指導を行うとともに、同法第四十四条の罰則の適用に関し、必要な対応を行うことになるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/50
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051・打越さく良
○打越さく良君 NHKの「クローズアップ現代」によれば、旧統一教会は、これまで七百四十五人の養子縁組が行われたことを認めているものの、民間あっせん機関等の認可は受けていないとコメントしています。教会のハンドブックには、養子縁組に教会が関わっていることを示唆する内容がございます。
法令違反は刑事罰であり、それが確認されれば、宗教法人法における解散請求の要件となり得ると考えます。旧統一教会には、事実確認を行った後、速やかに法律に照らした対処をお願いします。この問題の経過については今後も確認させていただきます。
未曽有のコロナ禍が我が国の医療制度にもたらした最大の危機は、フリーアクセスの阻害です。保険証一枚で誰でも、いつでも、どこでも医療機関にかかることができる医療提供体制は今や万全ではございません。こうした中、ウイズコロナの名の下に、医療制度における公的責任の後退が更に進んでいるように懸念されます。必要かつ万全な医療提供体制の整備は政府の責務であるとの問題意識から質問に入ります。
加藤大臣は、十月二十八日の衆議院厚生労働委員会における阿部知子議員との質疑で、今が平時でないことを認めながら、これだけ感染が一気に爆発をして患者さんが増えるということになれば、当然全ての方に対応できないと答弁されました。これはフリーアクセスの崩壊を目の当たりにしているというべきことではないかと感じました。
四類型、すなわち六十五歳以上の者、入院を要する者、重症化リスクがあり、新型コロナウイルス感染症治療薬の投与又は新たに酸素投与が必要と医師が判断する者、妊婦のハイリスク群以外を全数届の対象にしないとされています。大阪大学の忽那賢志教授は、オミクロン株の流行以降は世界的に検査数が減少しており、報告されていない感染により過小評価になっている可能性があると指摘されておられます。
忽那教授は、日本の感染者はアメリカなどよりも正確であることを示唆されてはいますけれども、今後、四類型に当てはまらない感染者が暗数化されてしまうのではないかと、そういった懸念にどのようにお答えになられるでしょうか。大臣、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/51
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052・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) ごめんなさい、ちょっと最後の質問で、何数化するとおっしゃった、ごめんなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/52
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053・打越さく良
○打越さく良君 暗数化されてしまうのではないかということです。暗数になってしまう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/53
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054・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 失礼をいたしました。
まず、今回、本年九月、ウイズコロナ移行に向けて、感染症措置について、全数届出の対象を限定する等、他方で、その対象外になる方が安心して自宅療養できるよう、抗原定性キットのインターネットでの販売、健康フォローアップセンターの全都道府県の整備、体制強化等、必要な環境整備を行ってきたところであります。また、この見直しを行っていても、全数については把握をするという形を取ってきて、今日までそれぞれ御努力をいただいているところでございます。
そのために、具体的に、医療機関を受診した方については、発生届の提出の有無にかかわらず、新型コロナの患者を診断した医療機関から報告をしていただく。また、医療機関を受診しなかった方については、自己検査の陽性の結果をもって健康フォローアップセンターに登録された方の数の報告を求めており、引き続き、医療機関を受診せず自己検査で陽性だった方にフォローアップセンターに登録していただけるよう、周知も図っていきたいというふうに考えているところでございます。
こうした対応によって、感染者数の全体の把握、これ、引き続き、それぞれ皆さんの御努力いただきながら進めているということ。
それから、先ほど申し上げたのは、平時においてはもちろんアクセスをしっかり確保していくと。ただ、やはり緊急時ということになりますと、やっぱりそれに応じた対応ということが求められてくる。まずは、その中の在り方として、先般、例えば同時流行についての考え方等もお示しをさせていただいたところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/54
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055・打越さく良
○打越さく良君 ちょっとこの以降の質問で今の御答弁に関わること、もう少し細かく伺っていきたいと考えております。
九月八日のウイズコロナに向けた政策の考え方には、ウイズコロナに向けた新たな段階への移行として次のように書かれています。オミクロン株については、若者の重症化リスクは低く、大部分の人は感染しても軽症で入院することはなく、一方で、高齢者の重症化リスクは引き続き高い。このようなウイルスの特性を踏まえて行う全数届の見直しについては、全国一律に導入することが基本である。移行に当たっては、発生届の対象外となる若い軽症者等が安心して自宅療養ができるようにするために必要な環境整備を進めてきたと。
若者の症例は一般的には軽症だとしても、ひとしく保険料を支払っている以上、医療提供を受ける権利は当然ございます。四類型に当てはまらなくても重症化する可能性もあります。医療の平等性を確保していただきたいと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/55
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056・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まず、今回の発生届の見直しをしましたが、それによってその届出対象になっていない方が受診機会を奪われるというものではなくて、当然、発熱外来等の受診、必要であれば受診をしていただくということ、これが前提になるわけであります。
その上で、先ほど申し上げたような重症化リスクの低い方に対する様々な環境整備も行ってまいりました。まさに、これから感染が拡大をして、今、発熱外来等の拡充等もお願いをしております。そして、これまでも各医療機関の皆さん方にも様々な御努力をしていただいているわけでありますが、やはり医療資源には当然有限でありますから、その中でより重症化リスクの高い方を守ることができるようにということで様々な措置を講じ、それに対して国民の皆さんにも御協力はお願いしているところでありますが、ただ、もう一度申し上げさせていただきますが、それぞれ、リスクの低い方でも症状が悪化する方もおられますから、そういう方にはしっかりと発熱外来等を受診をしていただきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/56
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057・打越さく良
○打越さく良君 さらに、後の質問で、今のお話も踏まえて質問させていただきたいと思います。
コロナの死亡要因が変化していることにも着目すべきであると思います。ワクチンの効果が現れているのかもしれないんですが、国立国際医療研究センターによりますと、コロナでお亡くなりになった方の中で重症は顕著に減っていると。第七波では僅か五%、ほぼ九割は中等症でお亡くなりです。死亡者の中には若年層も存在しています。
誰一人取り残さない医療を提供するのが国民皆保険制度であったはずです。四類型以外の感染者にもきめ細やかな対応が必要ではないでしょうか。参考人の方に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/57
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058・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
新型コロナにつきましては、変異を繰り返す中でその特性、変化しております。オミクロン株はデルタ株に比べて相対的に入院のリスクや重症化のリスクは低いわけでありますが、感染力は高いことが示されております。また、専門家によりますと、致死率がインフルエンザよりも高いと評価されておりまして、現時点ではこうした特性を踏まえた対策が必要であると考えています。
また、死因につきましては、今御指摘ありましたように、現在も各種調査、分析を行っておりますが、コロナ感染に伴いまして基礎疾患の悪化等の影響で死亡するなど、新型コロナが直接の死因でない事例も少なくない状況となっております。このような各種のデータを踏まえまして、高齢者や基礎疾患がある方を守ることが大切であることから、厚生労働省としては、発生届の見直し等による保健医療体制の強化、重点化を進めております。
また、こうした制度、体制面での対応に加えまして、例えば高齢者の方の感染の早期発見あるいは感染拡大防止、必要な医療の提供といった対応が有効に機能しますよう、高齢者施設等での定期的な検査を充実する、あるいは感染が判明した場合に基礎疾患が悪化することにより入院が必要となることがあるということを診療の手引きに盛り込みまして、医療従事者に情報提供をするなどの取組を行っているところでございます。
引き続き、科学的知見に基づきまして、必要な医療提供体制の整備に努めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/58
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059・打越さく良
○打越さく良君 今までの御答弁で、本当に厚生労働省としても頑張っておられることも重々分かるんですけれども、ただ、やっぱりこれ、自宅療養という言葉にどうしても私、引っかかりを感じます。もう三年にもなろうとするコロナ禍において、発生届の対象外となる若い軽症者等が安心して自宅療養ができるようにすると、こうしているのはもういかがなものかと思うんですね。医療が必要なのに自宅に押し込めている状態ともいうべきだと思うんですね。
それを療養と言うのはいいかげんにやめてはいかがかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/59
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060・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 普通でも自宅療養という言葉を、普通の医療でも使っているんじゃないかなというふうに理解をしておりまして、もちろん基本的に必要性に応じて入院措置あるいは受診をしていただく、様々その状況状況に応じて対応していただくということであります。
先ほどから説明させていただいていますように、今回の同時流行等も念頭に置きながら、あっ、ごめんなさい、まず、ウイズコロナの移行に向けて全数届出を限定する、あるいは同時流行を念頭に医療提供体制の充実強化等も図らしていただいて、また、そのときの流れのフロー、イメージ図も出させていただきました。
ただ、その全体の流れの中で、ただし、もちろん治療の必要がある方、症状の大変、大変症状の重たい方、そういった方にはしっかりと発熱外来等を受診をしていただくということが必要だというふうに思っておりまして、それに向けて現在、各都道府県に対しても、発熱外来等、医療提供体制の強化をお願いをしているところでございます。
いずれにしても、限りある医療資源の中で、こうした感染の拡大とする言わば緊急的な事態の中においても、重症化リスクの高い方等、そういった皆さんの命をしっかり守っていく、そういった観点に立ちながら対応していきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/60
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061・打越さく良
○打越さく良君 あるツイッターを御紹介します。医療を受けられるっていいですね、札幌は、軽症は自宅待機で薬ももらえず、検査キットを薬局にもらいに行って、自分で薬買って飲むだけです、発熱外来さえも行けないし、検査もしてくれない、こうした投稿がございました。
誰一人取り残さないことが皆保険制度の要であるはずです。医療が行き渡らない患者の声を聞き漏らすことがないよう、細心の注意を払うことが政府の責務であるはずです。
こうした中、第八波に入ったのではないかとの指摘が医療現場や各県知事から聞こえてきます。加藤大臣御自身、十一月九日の専門家会議において、前回、第七波ですけれども、第七波の感染拡大と同様のスピードで継続した場合、二週間後には前回のピークを超える可能性も想定されておりますとおっしゃっています。二週間後とは十一月二十三日頃です。
十一月十一日の分科会で取りまとめられた今秋以降の感染拡大で保健医療への負荷が高まった場合に想定される対応におけるレベル分けで、現状はレベル幾つになるのでしょうか。また、第八波のピーク時におけるレベルの想定はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/61
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062・鈴木英敬
○大臣政務官(鈴木英敬君) お答え申し上げます。
この十一日にコロナ分科会を開催いたしまして、この秋以降の感染拡大において保健医療の負荷が高まった場合に想定される感染拡大防止措置を整理する中で、レベル分類についても、オミクロン株に対応し、外来医療等の状況に着目する形で見直しを行いました。
レベル分類につきましては、私も知事やっていましたんで大変実感をしていますけれども、地域によって保健医療の状況や感染状況等の差が大きいことから、従前から都道府県ごとに設定していただくこととしておりまして、昨日、都道府県宛てに事務連絡を発出し、速やかに新レベル分類への見直しを行っていただくよう依頼をしたところであります。
現在の感染状況が新レベル分類のどのレベルに該当するかにつきましては、地域によって異なるものと考えておりまして、今後、地域ごとに判断されるものであると考えております。
また、今回の新レベル分類につきましては、単純に感染者数で判断するのではなく、外来診療を含む保健医療の負荷の状況、救急搬送困難事例の状況、社会経済活動の状況などを踏まえて都道府県が総合的に判断することとしておりまして、お尋ねの第八波で想定されるピークの感染者数がどのレベルに該当するかという点につきましては、ピークの感染者数のみで一概にお答えするのは難しいと考えております。
いずれにしましても、今後の感染状況の推移を注視し、都道府県ともよく連携をして、迅速かつ適切に感染拡大防止措置を講ずることができるよう対応してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/62
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063・打越さく良
○打越さく良君 そうすると、地域、自治体の方で判断するということになると、国の方でその判断が適切かどうかとか、そういったことについては特に自治体任せで判断なさらないんでしょうか。そうすると、何か、適切かどうか判断に迷って、国民は不安になるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/63
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064・鈴木英敬
○大臣政務官(鈴木英敬君) おっしゃるとおり、この判断が余りにばらつくといけないということでありますんで、実は昨日発出しました事務連絡にも、その事象及び指標を設定又は変更した場合には内閣官房に情報提供してくださいということとか、そのレベルへの、そのレベル3とか4とかの移行を判断する場合、時間的余裕を持って事前に内閣官房に情報提供してくださいということで、内閣官房としっかり議論しながら、であっても、地域によって異なりますから、地域でしっかり判断してもらうということでやり取りをさせていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/64
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065・打越さく良
○打越さく良君 先ほどの質問に戻りますけれども、例えば、今、現状だったら今新潟県ではレベル幾つということになるんでしょうか。そうしたことはお考えになっているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/65
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066・鈴木英敬
○大臣政務官(鈴木英敬君) 先ほども申し上げましたとおり、その新潟県がどうというのは、ちょっと新潟県の感染状況や地域医療の状況、そしてそれで、先ほど申し上げた外来医療とかあるいは救急搬送の状況、そういうのを見て都道府県で総合的に御判断いただくものと考えておりますので、国の方で一概に今現在こうですということを申し上げるのは難しいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/66
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067・打越さく良
○打越さく良君 ちょっと今の御答弁だと、いささか地元でも不安が起こるんじゃないかなと思いましたけれども。
これから、クリスマスや年末年始で多くの方々が移動されるんだと思います。尾身茂分科会会長は、レベル4の状況になっても緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を出さない形で対応すべきだというのが分科会での議論だったと、そのように語ったと報道されています。
しかし、レベル4、医療機能不全期において都道府県は医療非常事態宣言を出して、出勤の大幅な抑制や、帰省や旅行の自粛など、外出や移動は必要不可欠なものに限るよう要請し、飲食店や施設の時短営業は要請しないもののイベントは延期し、学校の授業は原則として継続するものの部活動の大会や学校行事は開催方法を変更するなど、かなり強力な行動制限等が予想されています。
また、第七波相当とされるレベル3においても、都道府県は対策強化宣言を行い、行動制限はしないものの、感染拡大を防ぐための自粛要請が可能です。
率直に言って、このレベル分けですけれども、国民にとってはまだなじみがない類型でして、これまでの緊急事態宣言やまん延防止等重点措置との違い、あるいはその周知方法について分かりやすく御説明いただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/67
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068・鈴木英敬
○大臣政務官(鈴木英敬君) お答え申し上げます。
十一日のコロナ対策分科会で取りまとめました新たな対応におきましては、オミクロン株と同程度の感染力、病原性の変異株による感染拡大であれば、若者等の重症化率が低いこと等を踏まえ、新たな行動制限は行わず、社会経済活動を維持しながら、高齢者等を守ることに重点を置いて感染拡大防止策を講じることを基本としております。
このことを前提としまして、対策強化宣言や医療非常事態宣言の仕組みにおいては、いわゆるレベル3に当たる医療負荷増大期において、住民に対して感染拡大の状況や医療負荷の状況等について情報発信を強化するとともに、混雑した場所や感染リスクの高い場所への外出など、感染拡大につながる行動を控えることなどの要請、呼びかけを行うことなどを取組の選択肢としております。この要請、呼びかけは、あくまでも住民への協力要請を中心としたものでありまして、緊急事態措置やまん延防止等重点措置による事業者への休業や時短営業のような強い行動制限とは異なるものであります。
また、委員御指摘のように、まだなじみがないということでありますので、その広報、周知についてはしっかり自治体とも連携をして丁寧にやっていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/68
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069・打越さく良
○打越さく良君 まさに今もう第八波というところですので、早急にお願いします。
ちょっと質問少し飛ばさせて、申し訳ないんですけれども飛ばさせていただいて、この冬のインフルエンザの流行規模について伺います。
この二年間インフルエンザの流行がほとんどなかったことから、国民の免疫性は弱いんじゃないかというふうに予想されています。コロナの第八波が現実になりつつある現在、インフルエンザの流行も一部の地域で増加傾向にあると言われています。この冬の流行規模は大きくなるという認識でよろしいのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/69
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070・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) まず、季節性インフルエンザの発生動向につきましては、全国約五千か所の定点医療機関による定点報告等によりまして動向を注視しております。医療機関当たりの週間報告数が一という数字を超えた場合に流行入りと判断して、例年その周知を行っているところです。
現在、十月三十一日から十一月六日におきますこの数値は〇・〇六でありまして、これは新型コロナ流行以前、例えば二〇一八年の同じこの時期の〇・二一と比較しても低いレベルにございます。ただ、コロナ以降の直近二年間と比較しますと報告者数、報告数が多くなっておりまして、現在、全国的に増加傾向でありまして、またその傾向が急になっている地域もあると、そういうふうに承知しております。
諸外国におきましては、オーストラリアで例年の流行時期よりも数か月早く季節性インフルエンザの流行が見られておりまして、また米国においても現在、流行増加の傾向にあります。このため、日本においても、今後大きく流行する可能性は十分あるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/70
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071・打越さく良
○打越さく良君 十月十三日に新型コロナ・インフル同時流行対策タスクフォースが立ち上げられましたが、この位置付けを大臣にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/71
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072・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) この冬、新型コロナと季節性インフルエンザの同時流行のおそれがあることから、いろんな流れをお示しをさせていただきましたけれども、そうしたことについて国民の皆さんにしっかりとした情報提供を行い、協力を呼びかけていく必要があります。
そのため、まず、その対策に対する理解を得るとともに、国民の呼びかけについていろいろと御意見を伺い、また一緒になってそうしたことを呼びかけていきたい、そうした思いから、医療団体、学会関係者、経済団体、国、地方の行政機関に御参集をお願いして、新型コロナ・インフル同時流行タスクフォースを開催をさせていただいたところでございますので、今後とも、適宜必要に応じて開催をし、現在の状況に対する共通の理解をしながら、必要な、適切、必要であり、また適切なメッセージの発信、こういったことを行っていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/72
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073・打越さく良
○打越さく良君 今適切なメッセージの発信ということでしたけれども、ちょっと幾つか質問飛ばしますけれども、今、工夫されていると思うんですけれども、ホームページで様々な情報を提供していただいているんですが、感染症情報とタスクフォースが別々のURLになっていて、非常に、この質問を準備するに当たってもあっちこっちに確認しなければいけないという形で、とても分かりにくかったんですね、率直に申し上げて。分かりやすいサイト作りをお願いしたいというふうに、これは要望いたします。
そして、内閣官房の方に再び伺いますけれども、同時流行、新型コロナとインフルの同時流行の場合の想定ですが、新型コロナの患者が一日四十五万人、インフルの患者が一日三十万人規模という事態は、感染症対策分科会の想定される対応ではどのレベルに当たるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/73
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074・鈴木英敬
○大臣政務官(鈴木英敬君) お答え申し上げます。
先ほど御指摘いただきましたタスクフォースで、専門家の感染の見込みやオーストラリア等の状況も参考に、新型コロナの患者が一日四十五万人、インフルの患者が一日三十万人規模で同時に流行し、ピーク時には一日七十五万人の患者が生じる可能性が想定されているものと承知をしております。四十五万人というのは、この夏の感染拡大時に最も感染状況が悪化した沖縄県の感染状況と同規模という想定で、インフルの方は直近五年間の最大値であった二〇一八―二〇一九期と同規模を想定しています。
レベル分類につきましては、先ほどお答え申し上げましたけれども、地域によって保健医療の状況や感染状況等の差が大きいことから、従前から都道府県ごとに設定をしていただくことにしておりますので、先ほどの繰り返しになりますが、同時流行の場合も含めまして、この感染者数のみで一概にどのレベルに該当するかというのはお答えするのは難しいというふうに思っております。レベル判断を行う都道府県においては、こうした趣旨の下、単純に感染者数で判断するのではなく、外来診療を含む保健医療の負荷の状況や社会経済活動の状況を踏まえて総合的にレベルを判断していただきたいと考えておりまして、その旨、昨日発出しました事務連絡にも明記をしております。
こういうふうに都道府県で御判断いただきますけども、先ほどの更問いでもいただきましたように、内閣官房としても、しっかり都道府県に寄り添って、情報共有しながらしっかり検討していきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/74
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075・打越さく良
○打越さく良君 今の御答弁、私のような素人だと分かりにくいというか、結局、せっかく分科会とかあるのに、分科会の専門家たちと協議しながら専門的に積算しているというよりは、何か閣僚の皆さん、ああ、閣僚じゃない、済みません、官僚の皆さんたちで内輪で考えているのかなという印象を受けるわけですね。せっかく専門家の皆さんたちとの場があるわけですから、専門的な見地で表していただきたいと、これは要望させていただきます。
それで、済みません、大分時間が押し迫ってしまったので、ちょっと地方衛生研究所の体制強化について伺います。
衆議院の厚生労働委員会で阿部議員、西村議員からも御質問がありましたけれども、地方衛生研究所は予算、人員などに大きなばらつきがあって、法定化が求められています。自治労の調査でも、現場から是非とも法定化をという切実なお願いは私も受けております。
また、令和二年の参議院決算委員会に続き、本法案の衆議院における附帯決議にも、「地方衛生研究所について、本法の趣旨を踏まえ、法律上の位置付けを明確にしつつ、その体制整備等についての基本的な指針を地方公共団体に示すとともに、保健所及び地方衛生研究所の人員及び予算を確保し、試験及び検査、調査及び研究等のより一層の体制強化を図ること。」とされています。
内閣府地方分権改革推進室にお尋ねいたします。
今後の法改正、今般の感染症法改正案の法案作成過程において、厚生労働省から地方衛生研究所の法定化について相談はあったのでしょうか。
あと、済みません、鈴木政務官にはもう質問終わりですので、お取り計らいのほどお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/75
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076・山田宏
○委員長(山田宏君) 鈴木政務官には御退室いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/76
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077・加藤主税
○政府参考人(加藤主税君) お答え申し上げます。
閣議決定に先立つ条文案の協議におきまして、御指摘の事項でございますが、地方衛生研究所の法定化明記ということだと思いますが、存じますが、こちらにつきましては、私どもとしては協議は受けておりません。私どもが協議として目にした段階におきましては盛り込まれていなかったと、こういう認識でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/77
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078・打越さく良
○打越さく良君 そもそも、地方分権委員会第二次勧告が廃止又は緩和すべきものを個別具体的に示した中に地方衛生研究所は入っておりませんでした。現場の声、累次にわたる国会の意思を無視することは、もはや政府の不作為としか言いようがないと思われます。
直ちに必置化を含む法定化をお願いしたいんですが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/78
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079・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 地方衛生研究所については、各自治体の責任の下で、地域の実情に合わせて計画的に整備していくことが重要であります。
また、地方公共団体の自主組織権を尊重する旨の地方分権推進委員会の勧告も踏まえ、今般の改正案では、保健所設置自治体に対し、地方衛生研究所の機能を確保するために必要な体制整備等の責務を課すこと、また、連携協議会の設置や予防計画の策定により、自治体同士が連携しながら必要な検査体制を計画的に整備する仕組みなどを盛り込ませていただいたところであります。
地方衛生研究所の在り方については、今お話がありましたように、平成三十年度の決算審査措置要求決議において、法的位置付けの明確化を検討すべき、また、今般の改正案に対する衆議院厚生労働委員会の附帯決議において、法律上の位置付けを明確にしつつ、その体制整備等について基本的な指針を地方公共団体に示すとされたところであります。
こうしたことを踏まえて、地域保健法に基づく基本方針の中で、今般の改正案により保健所設置自治体が整備することとなる必要な体制には地方衛生研究所が含まれることを明記をしていくこと、また地方衛生研究所の体制整備の在り方、こういったことを示していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/79
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080・打越さく良
○打越さく良君 要望としては法定化なんですね。今答弁していただいたことも分かるんですけれども、是非とも法定化の方向というのは、今お話にあったところでは、厚生労働省の方からは協議にしていないということですので、是非ともイニシアチブを取っていただきたいというふうに思います。
そして、保健所の体制強化について伺いますが、保健師、医師、看護師等ですね、約三千五百人以上を確保したということを御説明受けていますけれども、この内訳を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/80
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081・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 済みません、御質問は、IHEATの要員の内訳でよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/81
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082・打越さく良
○打越さく良君 済みません。IHEATによる保健所の体制強化ということで、その確保した約三千五百人以上の内訳ということでお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/82
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083・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 失礼いたしました。
現在、IHEATの名簿に登録されている職種の内訳としましては、看護師が約四割、保健師が約三割となっておりまして、そのほか、医師、理学療法士、管理栄養士等となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/83
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084・打越さく良
○打越さく良君 今確保していただいているそうした要員の方たちについてですけれども、どのような規模の感染状況まで対応できるのかと。それを超えたらそれはもう対応できないとか、そういったシミュレーションをなさっているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/84
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085・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 現在、IHEATに登録されています保健師等の専門職の方々は、第一線で感染症対応に当たっている方々というよりは、教育機関等に所属している方あるいは保健所OB、OGが多いというふうに承知をしております。
したがって、全国に感染が拡大した場合であっても支援していただくことが可能と考えておりまして、感染拡大の中でも一定の機能を果たすことが期待されると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/85
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086・打越さく良
○打越さく良君 今の御答弁いただいたように、教育機関にいらっしゃる方なども含めていらして、そういう場合だと、全国的な感染状況といった局面になると、やっぱりその派遣元に居続けなくてはならないということで、派遣に結局は対応できないんじゃないかと、十分な支援ができない可能性があるんじゃないかということを様々な方が懸念されているんですけど、その点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/86
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087・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) それは今後の感染の状況によると思いますけれども、ちなみに、今回の令和四年八月末現在では延べ五千二百名の方に保健所への支援をしていただいておりまして、今般のパンデミックに当たりましては、必要な量、数、確保できたものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/87
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088・打越さく良
○打越さく良君 これまでのIHEATによる派遣実績について明らかにしてください。ピーク時でも対応できていたんでしょうか、断らざるを得ないということもあったのではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/88
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089・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) IHEATの派遣実績につきましては、済みません、先ほど申し上げましたが、令和四年八月末現在で延べ五千二百人が保健所等への支援を実施しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/89
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090・打越さく良
○打越さく良君 だから、対応、何というか、要請、派遣要請があったけれども断らざるを得ないこともあったのか、十分に対応できたのかという質問をしているんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/90
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091・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 今回、このIHEAT、現在四千五百名の方に登録をしていただいておりますけれども、IHEATに来ていただく、あるいはその保健所の業務を外注化する、そういったようなことで対応したものというふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/91
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092・打越さく良
○打越さく良君 断らざるを得ないときがあったのかどうかということを厚生労働省としては把握しているんでしょうか、していないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/92
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093・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 各、個々の全ての自治体の状況につきましては承知をしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/93
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094・打越さく良
○打越さく良君 個々の自治体について承知していないということだと、全体的に総合してどうかということももちろん把握していらっしゃらないということですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/94
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095・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 派遣の実績につきましては、先ほど申し上げましたような数について把握をしておりますけれども、実際にその需給の状況が現場現場で日々どうであったのかということまでは把握をできておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/95
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096・打越さく良
○打越さく良君 今後どうしたらいいかということを考えるに当たっては、やはり今までの現状の課題というものを是非認識するように、今までの、何というんですかね、そういった、やむを得ずその派遣の求めがあったのに断らざるを得なかったということも是非把握して改善点を考えるということをしていただきたいんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/96
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097・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) その点は、今般の改正案におきましても、都道府県におきまして予防計画を作成していただくことになっております。この中で、保健所の体制についても予防計画の中に盛り込む、また、保健所の専門人材が保健所等の業務を支援する仕組み、いわゆるまさにこのIHEATの整備につきましても計画の中に盛り込むことになっておりますので、こういった中でしっかり議論していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/97
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098・打越さく良
○打越さく良君 やはり、いろいろと取り組んでいただいているということは承知しているんですけれども、やっぱり課題を正確に認識するためには現状をしっかりとまずは把握していただくことからかというふうに思います。これは引き続き取り上げさせていただきたいと考えます。
そして、保健所の体制について今までも御質問ありましたけれども、保健師を増員していただくという財政措置については結構なことかと思いますが、以前から問題にしているとおり、保健師以外の専門職あるいは事務職も不足しているということで、保健師の方たちがパソコンに打ち込むとか、そういうこともしているという状態だそうです。
必要なのは保健所全体の増員であるという認識はあるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/98
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099・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 保健師、今般のコロナウイルスの感染症を受けまして保健所の業務全般が非常に逼迫したということについては、ヒアリング、またあるいは調査等を通じまして把握をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/99
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100・打越さく良
○打越さく良君 その改善点をしっかり受け止めて、これからも、何というか、取り組んでいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/100
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101・石橋通宏
○石橋通宏君 立憲民主・社民の石橋通宏です。
今日、法案の質問に入ります前に、大臣、前回の質疑で大臣とやり取りさせていただきました。家事労働者が労働者でありながら今に至るまで労働基準法の適用から除外をされているという問題について取り上げて、大臣からは早急に実態調査を行うという非常に前向きな答弁をいただきました。
しかし、ちょっと、実はですね、その後、私も今回裁判をやられた原告の方、支援されている弁護団の皆さんとその後、直接お話をする機会をいただきまして、二〇一五年に過労で亡くなられたこの家事労働の女性の方、どういう雇用実態だったのかということを改めて確認させていただいて、皆さんにもお手元に資料の一で雇用の実態ということでお配りをしておりますが、びっくりしたんですよ、これ明らかに脱法行為ではないかという。
この具体的な事例でいうと、ここに雇用の実態が書いてありますが、確かに家事の部分は直接個人契約にしているのですが、現実、現状は、これ派遣のこの会社、Yサービスと一応しておきましたけれども、そこが基本的には通知書、賃金の支払、そこからの紹介料の徴収、これ全部そのYサービスがやっているんですね、家事労働の部分も含めて。ところが、家事労働の契約部分だけは個人契約にしていると。これ、明らかに実態として、労働省時代に出した基発一五〇号逃れ、これをやるために事業者がこういう形を取ったとしか見えないのですが、一般論でお伺いします。
基発一五〇号逃れのために事業者がこういう形で家事の部分のみ契約を個人契約にさせる、これ、脱法行為ですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/101
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102・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まさに一般論としてお答えさせていただきたいと思いますが、家事使用人への労災認定、また労働基準法の適用においては、家事使用人に当たるか否かについては、その名称いかんではなくて従事する作業の種類、性質のいかん等を勘案して、当該者の実態に応じて個別具体的に判断をしてきたところでありますし、今後もそういった形で対応していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/102
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103・石橋通宏
○石橋通宏君 とすると、今の大臣答弁でいきますと、実態としてはこれ明らかに、介護、家事部分、これは事業者側も賃金明細から賃金の支払から手数料の徴収から全部一体でやっているわけです。これ、雇用の実態として一体じゃないですか。
とすると、これを、このケースでいったら、こういうケースでまたこういう過労死のような絶対あってはいけないような事態が発生した、でも、それに労災を認定しない。これは、こういう事業者による脱法スキームを厚労省が合法化してしまったことになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/103
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104・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) いや、ですから、その一般論と個別論を重ねられてもちょっと答弁できないわけでありまして、個別は個別として、今回裁判にかかっている係争中の事案でもありますから具体的な回答は差し控えたいと思いますが、一般論としては、先ほど申し上げたような姿勢で取り組んできており、今回もそうした観点に立って我々の方は判断をさせていただいたということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/104
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105・石橋通宏
○石橋通宏君 現実問題として、今回、厚労省がこういうケース、ここはこの個別のケースでいいますと労災認定をしなかった。このことが、もしこれ仮にこういった事業者が、現状、古い数字ですけど、今、一万人以上の家事労働者の方々が実際に家事労働ということで働いておられると。九五%以上は女性労働者です。中には御高齢の方も多数おられます。極めてやはり健康上の過労によるリスクも高い方もおられるんだと思います。そういった方々が、例えばこの女性の場合であれば、一週間ほぼ二十四時間就労させられていたと、しかし、その家事労働の部分は認定に含まれなかった。こんな実態許していたら、女性労働者の人権守られませんよ。差別扱いになりますよ。
だから、大臣、これ今度は一般論で申し上げますが、もし仮に事業者がこういう脱法スキームをスキームとしてやっているような事態が現にこの我が国であるのであれば、これ、極めて深刻な女性労働者の人権侵害、家事労働者の人権侵害問題だというふうに捉えるべきだと思いますが、大臣、そういう認識で実態調査をしていただけるということでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/105
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106・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) ちょっとその実態、今のその話というのは個別をどう認定するかという話でありますから、その話と、今般調査すると言ったのは、今のスキームだと家事使用人という立場に当たる場合に労災適用とかそういったことはなされていない、これは実際の制度の話、枠組みでありますよね。その中で、今実際にどういう形で家事の使用人の皆さん方が働いておられるのか、そういったことを調査しようということですから、ちょっとそのかぶるところはあるかもしれませんが、ただ、これはあくまでも全体の制度の議論に資するということで、今これは個別論でありますから、そこはちょっと違いがあるんじゃないかというふうに思いますけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/106
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107・石橋通宏
○石橋通宏君 いや、個別のこういう深刻な事態から学ぶべき実態、それについてきちんと調査に含めることが実態調査の意味なのではないでしょうか。仮にこういった脱法スキームが横行しているとすれば、これは家事労働の現場の深刻な事態だと思います。
大臣、これを是非、実態調査これからやられると、既に準備着手していただいているんだろうと思いますけれども、こういった基発一五〇号逃れのような実態があるのかないのかも是非調査含めていただきたいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/107
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108・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) これについて事実認定は今まさに……(発言する者あり)いやいや、訴訟でなされているわけですから、それを前提に議論することはできないと思いますけれども、ただ、その家事使用人に当たって様々な課題があるということは私ども認識をしておりますから、そこを念頭に置きながら、実際に家事の、実際働いている皆さん方から、等々からもしっかり話を聞きながら、労働実態がしっかり把握できるような調査を行いたいと、そして速やかに実施したいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/108
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109・石橋通宏
○石橋通宏君 今大臣、後段のところで、当事者の方々の話も聞きながらと言っていただきました。是非、これ実際に家事労働で現場で頑張って働いておられる方々、そしてそういった方々を支援されている方々、様々な、この間も、今回のこの個別の事案だけではなくて、もうずっと長い間、家事使用人、家事労働者、基準法から適用除外されているのがおかしいという声を上げていただいて、そういった取組をされてきておられる弁護士の皆さんおられますので、今回、実態調査、今大臣、早急にやりますと言っていただきましたが、その早急にやるにしても、やっぱりちゃんと実態が分かった上で、どういう問題があり得るのか、どういう現状が実はもう既に分かっているのか、そういったことをきちんと把握をしていただいた上で調査を掛けていただきたいのです。
今、もう大臣、当事者の方からの話も聞きながらと言っていただきましたが、是非、その実態調査をやるに当たって、何を見るべきなのか、どういう形の調査をすべきなのか、それを当事者の方々、弁護士の皆さんや支援されている皆さんに是非ヒアリングをしていただいて、それで実効性ある調査を是非お願いしたいと思いますが、大臣、それはそういうことでよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/109
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110・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) もちろん調査は単に調査すればいいわけじゃなくて、それを政策に反映していかなきゃならないわけでありますから、それに資するような調査になるように、先ほど申し上げた家事使用人として実際に働いている方々あるいは法律の専門家の方々、そういった様々な方々の話も聞かせていただきながら、調査の内容を確定して、そして先ほど申し上げた、できるだけ早くに実施をしていきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/110
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111・石橋通宏
○石橋通宏君 大臣、是非それお願いします。御要請あれば、私がいろいろヒアリングさせていただいた方もまた厚労省担当の方につながせていただきますので、是非いい形で調査、早急にしていただけるように、よろしくお願いします。
それでは、その上で、議題となっております法案の審議、議論に入りたいと思いますが、ちょっと大臣、確認なのですが、もう既にいろいろ何人かの委員の皆さんからありました、昨日、日本医師会からも既に第八波に入ったという話がございました。これ、政府としても、大臣、もう第八波に入ったのだという認識は共有されているということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/111
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112・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 何をもって八波、波に入ったかって、これなかなか難しいと思っていますが、この間、先日、アドバイザリーボードの発言でも、このペースが、当時の段階のペースが続けば八波につながっていくということであります。
ただ、その後の動向を見ていると、必ずしも一瀉千里にこれまでの波が、各波に入ったときほどのスピード感とはやや違う動向を示しているという指摘もありますんで、そこはよく見ていかなきゃいけませんが、ただ、トレンドとして増加傾向にあることは間違いない。そして、それが八波に、八波となると、そういう可能性、このことを十分認識をしていかなきゃいけないと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/112
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113・石橋通宏
○石橋通宏君 重ねて、昨日の段階で医師会は第八波に入ったという認識を示されている。さっき大臣も、適切なメッセージをやっぱり国民の皆さんに出すことが必要だということは言われた。であれば、むしろこの段階で、一部の都道府県、道府県では既に過去最多の感染者数を記録されているところも出てきておりますので、そういう意味では、やはり適切なメッセージを出すためにも、政府としても既に第八波に入った、そういった見解出されることはメッセージとしては必要なのではないかなというふうに思いますが。
大臣、じゃ、やっぱり政府は第八波に入った云々はこれからも言わないし、そういうメッセージは出さないということでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/113
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114・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まさに第何波何波ということ、必ずしもきちんと定義をして進めているわけではありませんが、ただ、先ほどから申し上げているように、感染動向が上がってきている、そして、こうしたペースでいえば、例えば前回、七波、七波と言われている状況に比べてどうなっていくのか、そういった先行きを一定程度、まあどうなるか分からない部分ありますけれども、一定程度先行きもお示ししながら対策を我々も講じていくし、また国民の皆さんの理解を求めていくことも必要だと思っております。
ただ、加えて、今回の感染動向もやや都道府県ごとによってかなり違いもありますから、そこは先ほどの議論させていただいた中で、各都道府県ともよく連携を取っていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/114
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115・石橋通宏
○石橋通宏君 重ねて、やっぱりリスクの高い方々に対しては、もう既にきちんとしたメッセージを発信すべきではないかというふうに我々も強く問題意識を持っておりますので、ここは適切にそれは対応を、各自治体も含めて対応いただけるように国としてのしっかりとしたメッセージを出していただきたい。それは重ねてお願いしておきたいと思うのですが。
一点、大臣、これから、先ほど第七波に比べれば感染爆発、拡大のペースは若干、今回は比較的まだ、まだなだらかだというのは確かにその認識のとおりだと思いますが、一方で、今後数週間、中には一月明けてからピークが来るのではないかという予測も出されておりますが、そうすると、これ大臣のお立場で、今水際対策について、逆に今どんどん緩和が進められて、もうコロナ前のほぼ規制がない状況に水際対策戻っていると、戻したということで、十月もいよいよ五十万人ぐらいのインバウンド来て、十一月、十二月、これから年末にかけて規制がなければ、より、ビザも緩和されるようですので、増えていくと思いますが、一方で、第八波がこういう状況になる、年末年始に向けて感染が更に拡大するのではないか。一方で、水際が、規制が全くなくなって、これから数十万人の方々が海外から来る。
これ、メッセージとしても対策としてもどうなのかという思いがあるのですが、大臣、この辺、インバウンドの制限の在り方、国内で一定の制限をお願いしながら、海外から来る方々については全く制限なしでこのままでいくのか。それは責任者の一人としての大臣、どういったお考えをお持ちか、ちょっと教えていただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/115
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116・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まず、水際は、その国内もありますし、海外の感染状況と、それぞれ総合的に勘案しながら今回緩和措置をとらせていただいたところであります。
それから、既に専門家の方からも、今回の感染の増加に対しては、緊急事態宣言等、そうした措置もとらないでそれを乗り越えていくと、そうした方向性も出していただいているわけでありますから、国内的には経済社会活動を普通のように回していく、当然海外からも入ってきていただく。
ただ、そのときに、気を付けていただくべき感染防止対策等々、こういったことはしっかりお願いをしていかなきゃいけないと思いますし、また、地域によって非常に医療の状況が逼迫していくと、こういった状況においては、それぞれにおいて、そこにおける行動、関しては様々なお願いをしていくという、その整理はこの間出させていただいたわけでありますから、これについては、日本人だけじゃなくて海外から来られた方に対しても同じように守っていただくべく、しっかりと広報、また啓発を図っていく必要があるというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/116
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117・石橋通宏
○石橋通宏君 これまでのインバウンド、水際の規制緩和の議論のときにも、一定緩和するけれども、またその大臣おっしゃったような状況を見ながら、また必要に応じて迅速にきちんとした対応をするのだということでやってきたんだと思いますので、これちょっと、今後の状況も注視していただきながら、また変異株の海外での状況などもしっかり注視をして、必要とあらばちゅうちょなく制限掛けていただくような対策も議論していただかなければいけないと思いますので、そこはまた大臣の責任においてしっかり対応いただきますよう、お願いをこの段階でしておきたいと思います。
その上で、既におとといの当委員会の質疑でも議論が出ておりました。改めて、今回の法案で、また新たな公的・公立病院に対する医療提供の義務付けも含めて、それがこれまでこの委員会でも議論してきた地域医療構想、いわゆる政府が強行的に、まあ強行的にと言うとそうではないとおっしゃいますが、進めようとしている公立・公的病院の統合、再編、整理縮小の問題とどう整合があるのか。我々は、それ整合が付かないと、このコロナ禍での実態、状況を鑑みれば、むしろ公立・公的病院の皆さんが果たしてきていただいた役割というのは極めて大きいものがあるというふうに理解しております。
おとといの大臣の御説明、答弁を聞いて改めて解釈をすると、今回の状況に応じて各地域でしっかり御議論をいただくのだと。ということは、必要に応じて、今回のコロナの教訓も踏まえて各地域で協議をいただいた上で、必要と判断をされれば、今後、公立・公的病院について、今回の法案での新たな医療提供の義務付けも含めてむしろ体制を強化していこうと、体制をより充実させていこうという判断も当然あり得るのだというふうに解してよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/117
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118・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 地域医療構想は、まさに中長期的な人口の構造の変化、地域の医療ニーズに応じて、病床機能の分化、連携により質の高い効率的な医療提供体制の確保を目指すと、まずそういうものであります。
その上に立って、今後の高齢化の増加により医療需要の増加が見込まれる、こうした場合に新たな病床を整備することも必要になる、こういった判断も、今申し上げた目指すべき議論の中でそうした判断もあり得るんだろうというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/118
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119・石橋通宏
○石橋通宏君 我々は、このコロナ前に厚労省が突然出されて、各地域本当に大混乱になりました。心配、御懸念の声が非常に大きく全国的に出された。なので、我々は、一旦これ白紙に戻した上で、改めて公立・公的病院の皆さんが持つしっかりとした役割というものをむしろ支えていけるような議論、体制をつくるべきではないかと思います。
今の大臣の御答弁に出てきた、地域でしっかり御議論いただいた上で、むしろやっぱり拡充、再編強化していこうという判断も、地域でそうされれば国としても支援をしていただけるのだというふうに理解をします。ちょっとそういった方向も含めて、今後、この法案に基づく議論というものもさせていただければと思いますが。
今回、感染症対応協定、それから流行初期医療確保協定、この提案がなされておりまして、厚労省的には、この説明資料でもありますが、流行初期医療確保付協定については約五百医療機関、それから感染症対応協定については千五百医療機関という大体の想定をお示しになっておりますが、これ、この数字というのは何を根拠に出されている数字なのでしょうか。例えば、今回のコロナの経験でいうと、これは過去、第一波から第八波、第七波まで一般的にはあったわけですけれども、どれぐらいの規模に対応でき得るとしてこの五百、千五百というものが提案されているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/119
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120・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 予防計画については、まさにその時々の状況も踏まえながら最終的には対応していかなきゃいけないというふうに思いますけれども、現在、現に対応し、これまでの対応の教訓を生かすことができる新型コロナへの対応、これを念頭に取り組むことを想定をしているわけであります。
病床の確保を担当する医療機関の数については、地域における医療の確保に関し、重点医療機関として今般の新型コロナ対応に実際に対応いただいている医療機関の数を踏まえて全国で約千五百医療機関程度、流行初期の医療を担う特別な協定の締結の対象となる医療機関の数は、現在四百床以上の医療機関であって重点医療機関に指定されているものが約五百あることから、その五百機関程度をそれぞれ目安としてお示しをさせていただいていますが、ただ、これ今申し上げたように、あくまでも目安でありますので、実際の予防計画において数値目標の設定に当たっては、都道府県において各医療機関の意向、対応能力を調査して、より現状に即した内容にしていただくことが大事だというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/120
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121・石橋通宏
○石橋通宏君 あくまでも目安で、各自治体でやってくださいといったって、自治体が、じゃ、どのレベルを想定してこれ協定を結んでいけばいいのか、どれだけの医療機関を確保しておけばいいのか。ばらばらな対応、さっきの話もありましたが、ばらばらにやられちゃったら国としての対応にならないんじゃないかと思いますが、一定のやっぱり指針、方針は示さなければならないのではないかというふうに強く思います。
昨日のレクでは昨年夏の第五波ぐらいを想定しているみたいな話があったので、そういう答弁があるのかなと思いましたら、今の大臣のような答弁でした。私は、もうちょっとはっきりと国としての水準、ここぐらいの対応ということで目安示した方がいいのではないかなと思いますが。
今日お聞きしたいのは、先ほど友納委員が質問されたことと全く問題意識が同じでございまして、今回、医療機関との協定確保、しかし大事なのは、それを支えていただく医療従事者の方々、その医療従事者の方々がどうこの体制づくりに御協力いただけるのか。
一点確認なんですが、これまでのいわゆる第七波までのところで、一体その、病床は確保していただいた、でも医療従事者が確保できなくて病床がフルに活用することができなかったというのは我々もさんざん自治体から問題として提起をいただいてきましたが、厚生労働省として、じゃ、これまでの第一波から第七波において、この確保された病床と、しかし確保できなかった医療従事者と、一体どういう実態、実情にあったのかという確認と分析はできているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/121
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122・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
今回この各協定の履行に当たりまして、各医療機関において必要な医療従事者を確保していただくということを前提として各協定のその履行を求めるということになってございます。個別の医療機関において、当然それぞれ医療従事者を確保しながら、取組をしていただきながら、取り組んでいただいております。
実際に、これまでの各波の中で、とはいえ、従事者自身が感染されたり、あるいは家族の方が感染されたりするといったようなこともあって、その人員の確保がなかなかできないような実態もあったということも承知しているところでございますが、一方で、そういった中でこれまで取組を進めながら必要な病床の確保に当たってきていただいていたというふうに承知しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/122
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123・石橋通宏
○石橋通宏君 全然答弁になっていないんですけれども、つまり、実態を厚労省として把握したわけでもないし、分析したわけでもないということをおっしゃっているの。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/123
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124・山田宏
○委員長(山田宏君) 答弁できますか。
速記止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/124
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125・山田宏
○委員長(山田宏君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/125
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126・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) 今般のその病床確保使用率自体も、今委員からお話ありましたように、いろいろな事情、当然あったわけでございます。そういった状況の中で、私どもとしても、各県の状況などもきちんと踏まえながら必要な対策を講じ、また、そういう各県の方のいろいろな現場の取組がうまく回りますように、状況把握をしながら取組の対策を講じさせていただいています。例えば、これまでも、その第七波の中においても、病床確保使用率、大変厳しい状況の中でございましたが、府県によっては非常に高い水準を抱えたといったところもございます。
そういったところに対して、私どもとしては、入院対象者の適切な調整を行っていただくとか、あるいは、なかなか難しいような状況がある中で、こういったやり方で対応することもできるのではないかといったようなことをいろいろと技術的に助言をさせていただきながら取組を進めさせていただいたという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/126
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127・石橋通宏
○石橋通宏君 結局答えていただいていないのですが、そういうこれまでの波の中で、当然、都道府県によって、これまでのどの波でどれぐらいの感染状況だったのか、どれだけ確保された病床で、どれだけ医療従事者の方々が確保できなかったがためにその病床が使えなかったのか。
いや、今おっしゃられた各県の事情も鑑み、じゃ、事情鑑みたんですか、全部チェックしているんですか、その上でこれを提案されているんですか。そのことを答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/127
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128・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) 私どもとしても、当然、各地域におけるその病床の確保状況、またそれぞれの地域のその陽性患者の増加に対応して、どのようにその対応されているかということについては常にウオッチをさせていただきながら対策を講じさせてきていただいております。
そういった中で、今般、非常に厳しい状況の中でいろいろな人的な問題の確保といったようなこともあったといったことから、今回のこの法案の中で、必要な協定を結ぶことによって人材の派遣などができるようなスキームをつくっていくといったようなことなども提案させていただくようにしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/128
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129・石橋通宏
○石橋通宏君 全然答えていただけないということは、まあやっていないんでしょうね、そういう実態調査も確認も。大切な担い手の方々が、どう、これからまた来るべき、もう来るかもしれない感染症、これ将来どんな感染症がまた来るかもしれない。でも、そういったときに、医療機関とは協定結びます、でも従事者のことが何かすとんと抜け落ちていないかという気がして仕方ないんですよ。
だから、友納さんも言われた、じゃ、医療従事者に対する支援はどうなのかと。それに対する大臣の答弁も、いや、医療機関には様々な助成金付けています、いや、そうじゃなくて、医療従事者の方々が、これはどうやって安心してこの大切な命を守るための感染症対策に御協力いただけるのかということもしっかりと本来であれば法律の中に明記をして、医療従事者の皆さんに対する支援ということをちゃんと書き込んでいかないといけないのではないかと思うのですが、そこが何にもないような気がして仕方ないんですけれども。
これ協定結んで、では医療従事者の方々は、さっきのこれ、ちょっと友納委員の質問にも若干かぶりますけれども、特に公立・公的病院は医療提供義務付けられるわけですが、そこで従事をされている従事者の皆さんは、同時にこれ医療提供義務を課されるんですか、課されないんですか。ちょっとそのことは確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/129
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130・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) 失礼しました。
今回、この協定につきましては、医療機関に対して、その責務としてこれの履行を確保していただくことを求めているところでございます。
ただ、これは医療従事者自身に対して名宛て人となっているわけではございませんで、あくまでも医療機関に対してその履行を求めていくということになってまいりますので、ただ、これを実際に適切に進めていくためには、やはり医療従事者の方々にもよく御理解をいただきながら進めていく必要があるというふうに認識しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/130
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131・石橋通宏
○石橋通宏君 いや、何か御理解をと言われますが、重ねて、これまでの実態も調査をされていない、きちんと把握をされていない。なぜ医療従事者の方々がこれまでの波の中で、中には本当に現場から離れられた医療従事者の方々もおられるわけです。
厚労省、そういった実態も把握をされていないというふうにお聞きをしておりますが、それで本当に、じゃ、医療機関と協定結んだからといって医療従事者の方々の確保ができるのか。結局、医療従事者の確保ができなければ、せっかく協定結んで病床は確保できました、体制は確保できましたといったって、やっぱり担い手の視点が欠落していたら医療提供できませんよ。そこをどう医療従事者の方々への支援を考えているのか。
ちょっといま一度、これ聞いておられる医療従事者の皆さんにメッセージちゃんと出してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/131
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132・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
私どもとしても、やはり医療現場におけるその状況というものを今委員御指摘のようにしっかりと把握をする必要があるというのは全く同じような考えで考えております。
このため、これまでも私どもとしても、自治体向けあるいは医療機関向けにちょっとアンケートを行いまして、今後の新たな体制を構築していくためのベースとして、自治体や医療機関の皆様向けに、それぞれどのような実態があったのか、また人材の確保などがどうだったのか、あるいはその施設、新型コロナ対応においてその人材確保はどのような状況だったのかといったことなどをお聞きをしながら、今回のその法案の立案に当たって取り組ませていただいてきているという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/132
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133・石橋通宏
○石橋通宏君 ちょっとよく分からない。
そういった実態を調査をされてこの法案を出してきたと今答弁された。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/133
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134・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) 失礼しました。
今回、今、先ほど御紹介させていただきましたが、立案に当たっては、当然、現場のいろいろな医療機関の関係者の方々にも当然お話を伺ったりしてきております。
そしてまた、今後、実際施行に向けては恐らくいろいろと細かく、今委員御指摘のような点についてもよく整理をしながら、各自治体に対してしっかりと整理したものをお示ししていくということも必要だと思っておりますので、そういったことも含めながら、先ほど申し上げたようなアンケートの結果も含めながら、しっかりと整理をしていきたいというふうに考えているところでございます。
なお、当然、今回の改正案の中では当然医療従事者の皆様にもしっかりと取り組んでいただくということが必要でございますので、協定を結んでいただいた医療機関においては、平時からやはり感染症発生したときに果たすべき機能、役割をよく御理解をいただいた上で、必要な物資の備蓄とかあるいは医療従事者への訓練、研修なども含めて必要な準備をしていただこうといったことを考えているところでございます。
そういったことなど、ほかにもいろいろ、PPEの確保とかいろいろな課題もございますが、そういったことに対する対策も今回の法案の中で盛り込ませていただいているところでございますので、できるだけその対応に当たっていただく医療機関の医療従事者の方々のいろんな不安が和らげられるように、またそういった環境をしっかり整えていくようにしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/134
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135・石橋通宏
○石橋通宏君 長々と答弁されましたけど、ほとんど何か実質的な中身がないような印象です。それで現場で頑張っていただいている医療従事者の方々が本当にこれから安心して頑張っていただけるのかといったら、甚だ不安です。
これから、ちょっと今日はもう時間がないのでやりませんが、働き方改革を更に進めていく。これ本当に、現場の皆さんが、これからも安心して仕事に従事をしていただきながら、でもやっぱり家庭との両立、御自身の生活の安心、安定、そういったことも確保していく。労働時間の縮減、これを更にやっぱり進めていかなければいけないと。
そうすると、これとどう両立していくのかというのがほとんど何かメッセージとして出てこないんですね。そういったことも含めて、やっぱり医療従事者、担い手の方々への支援、これをしっかりとやっぱり明記してメッセージ出していただく、これは重ねてお願いしておきたいと思います。
済みません、時間なくなりましたので、最後に、ちょっと飛ばして、今日は最後の質問で、新型コロナウイルス感染症と筋痛性脳脊髄炎、慢性疲労症候群、ME、CFSとの関係について確認して終わりたいと思いますが、これ、もう皆さん御存じの、昨年の委員会におられた方は、昨年、当委員会で請願を採択しております、全会派一致で。このME、CFSとの関係性について、このCOVID―19とこの関連性に焦点を絞った研究、脳神経、神経免疫の専門家を中心にこの研究を、絞った研究をするようにという請願を採択させていただきました。進捗状況教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/135
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136・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) この新型コロナウイルス感染症のいわゆる遷延する後遺症につきましては、今、厚生労働科学研究におきまして実態調査等を行っているところでございます。また、この中で今御指摘のような疾患のことも含めまして実態を幅広く今把握をしているというところでございます。
御指摘のME、CSFにつきましては、神経系あるいは免疫系の全身の機能に異常が生じる複雑な病態でありまして、世界的にもいまだ明確な病因、病態が解明できていないという状況にはなっておりますけれども、こういったことも含めまして今研究を進めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/136
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137・石橋通宏
○石橋通宏君 いや、ちょっと待ってください。ME、CFSとの関係について絞った研究は行われているんですか、いないんですか。
昨日のヒアリングでも、それは、今広くって言ったけど、後遺症についての研究は確かにやられています。でも、ME、CFSに絞った研究はやっているんですか。それ請願ですよ、昨年の。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/137
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138・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 今、ME、CSFに絞ったコロナの後遺症との関係という観点では現在は行われておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/138
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139・石橋通宏
○石橋通宏君 時間が来たので、まとめなきゃいけないんですが。
ということは、請願を無視されているということ。この全会派一致で請願採択をさせていただいた、この参議院の、それを厚労省、無視されて、いまだに何もしていないということを今答弁された。それでいいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/139
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140・山田宏
○委員長(山田宏君) 時間を過ぎておりますので、お答え簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/140
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141・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 請願におきましては、罹患後症状とME、CFSとの関連に関する研究の推進が求められておりますところ、それぞれの疾患概念も確立していない、いない中ではそのような研究を進めることはできませんけれども、まずは今後もそれぞれの病態に関する研究をしっかり実施していくということとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/141
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142・石橋通宏
○石橋通宏君 ちょっとこれ、極めて請願に対する態度としても問題だと思いますので、そのことを指摘して、今後もちょっと追及していきますので、以上で質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/142
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143・山田宏
○委員長(山田宏君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
午後零時八分休憩
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午後一時三十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/143
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144・山田宏
○委員長(山田宏君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/144
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145・山本香苗
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
まず、現下のコロナ対応についてお伺いさせていただきます。
十一月十一日、新型コロナ感染症対策分科会におきまして、この秋以降の感染拡大で保健医療への負荷が高まった場合に想定される新たな対策が示されました。
十月十三日のインフルエンザとの同時流行を想定した対策との関係性はどうなのか、どのレベルでインフルエンザとの同時流行の対応を発動することが想定されているのか、簡潔に御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/145
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146・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 十一月十一日に、内閣官房においては、新たなレベル分類、お示しがされたと理解しております。具体的な段階については、感染小康期、そして感染拡大初期等四つのレベルになっております。
また一方で、厚生労働省では、同時流行対応を想定しまして、重症化リスクの高い方に適切な医療を提供できるよう、感染状況や地域の実情に応じて国民の皆様への呼びかけを行うこととしております。
この二つの対策の関係性につきましては、まずは内閣官房の対応におけるこのレベル分類は、保健医療負荷や社会経済活動の状況を踏まえて都道府県が総合的に判断するものと承知をしておりますけれども、例えば感染拡大初期には患者数が急増していることを想定しておりまして、この段階においては、厚生労働省の同時流行の対策、対応におきましても、自己検査の上、健康フォローアップを活用していただくなどの呼びかけを行っていただくものと想定をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/146
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147・山本香苗
○山本香苗君 ちょっとよく分からなかったので。
今回、どちらにしても、新たな対策におきましては、現在のオミクロン株であれば新たな行動制限を行わないという前提に立っているわけですけれども、なぜ行動制限を行わなくていいのか、その理由であるオミクロン株の特性を幅広く周知しなければ、適切な行動につながらないと思っております。特に、学校における対応はいつまでたっても変わらないのではないかと懸念しております。
先日、京都の舞鶴市にお住まいの小学校二年生のお子さんのお母さんからお手紙をいただきました。つい先日、息子さん、学校に行きたくないと言い出したそうです。詳しく理由を聞くと、一番の理由はマスクで、マスクを取るときはおしゃべりしないと、給食中もおしゃべりしないなど先生から指導を受けていると。もう三年近くたつのにいまだに学校は黙食、登下校中のマスク、運動会、参観日での人数制限と、過剰とも思えるコロナ対策を続けているそうです。
長いマスク生活で友達や先生の表情が読み取れない、コミュニケーション能力や人格形成に支障が出ないか、今後はマスク世代と呼ばれるであろう子供たちがどんな大人になっていくのか、子供の三年と大人の三年は全く違うと、子供にとってほとんど重症化しない感染症をいつまでも二類相当のままにしていることの弊害はとても大きいのではないか、早く感染症法上の分類を見直してもらいたいと、こういった内容のお手紙だったんですけれども、マスク着用とこの感染法上の位置付けがリンクするわけではありませんが、これ本当にこの二類相当としている弊害は日に日に大きくなっていることを感じております。
第八波におけます急拡大が懸念されている中で感染症法上の位置付けをすぐさまに見直すのは難しいかもしれませんが、オミクロン株の特性を数値などで分かりやすく情報発信をして、国民の皆様がその特性に応じた適切な対応を取れるようにしていただきたいと。そして、学校における対応もオミクロン株の特性を踏まえた対応となるよう、いま一度見直しをしていただきたい。
最初に鈴木政務官から、そしてその後、伊藤政務官からそれぞれ御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/147
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148・鈴木英敬
○大臣政務官(鈴木英敬君) 前段の行動変容を促す発信について答弁させていただきます。
まさに委員御指摘のとおり、科学的知見に基づき、社会経済活動を維持しながら適切に感染対策を行うことが必要であると考えております。
その考え方の下、この秋以降の感染拡大期における感染対策についても、オミクロン株に関する科学的知見に基づき、かつ社会経済活動との両立を図る内容としたところでありまして、その内容については、著名なインフルエンサーの方にも御協力をいただいてSNSで発信する取組や、アスリートなどによるユーチューブでのメッセージ動画配信など、国民の皆さんの行動変容を促すことにつながるよう、積極的な周知、広報に取り組んでおります。
また、各業界団体で感染防止策を取りまとめている業種別ガイドラインにつきましても、実は多くが昨年から改定されていませんので、そのオミクロン株に対応した合理的な内容となるよう、関係省庁と協力しながら見直しを促しています。
引き続き、社会経済活動を維持しながら、適切に感染拡大防止が図られる、図れるような行動変容につなげていくという点をしっかり意識をし、国民の皆様への周知、広報に積極的に取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/148
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149・伊藤孝江
○大臣政務官(伊藤孝江君) 山本香苗議員にお答えいたします。
文部科学省におきましては、基本的対処方針等も踏まえつつ、衛生管理マニュアルの作成や事務連絡等の発信を通じて、感染拡大を防止し、学校教育活動を継続していくための感染対策の考え方をお示しをしております。その中においても、児童生徒が充実した学校生活を送ることができますように、例えば着用が不要な場面におきましては積極的にマスクを外すなど、活動場所や活動場面に応じためり張りのあるマスクの着用を求めるとともに、給食の場面において、必要な対策を講じた上で児童生徒同士で会話をすることも可能としているところであります。
先ほど給食のときの黙食という点についても御指摘をいただいたところではありますけれども、この学校給食の場面における感染対策につきましては、飛沫を飛ばさないよう、例えば机を向かい合わせにしない、大声での会話を控えるなどの対応が必要等としており、必ずしも黙食とすることは文科省としては求めておりません。実際、子供たちの心身の健やかな成長の観点から、向かい合っての席の配置や大声での会話を控えた上で、給食の場面において子供同士で会話をすることも認めている教育委員会もあるものと承知をしております。引き続き、地域の実情に応じた対応をお願いしたいと考えております。
その上で、文部科学省としましては、これからも新型コロナウイルスに関する知見の蓄積や、政府全体のウイズコロナにおける感染対策の在り方等の検討も踏まえ、衛生管理マニュアル等の見直しを含めて必要な対応を行ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/149
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150・山本香苗
○山本香苗君 是非、学校現場そうなっていないという実態を踏まえて、いま一度対応お願いしたいと思います。
伊藤政務官、ここまででございますので、委員長、お取り計らいお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/150
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151・山田宏
○委員長(山田宏君) 伊藤政務官には御退室いただいて構いません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/151
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152・山本香苗
○山本香苗君 子供も大人もみんな疲れています。同じことの繰り返しで、みんなしんどいと。
そこで、是非お願いしたいんですが、少なくとも、どういう状況になったらコロナ収束というのかと、収束に向けて何をしなければならないのかと、この収束に向けてのロードマップというものを是非速やかにお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/152
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153・鈴木英敬
○大臣政務官(鈴木英敬君) お答え申し上げます。
新型コロナウイルス対策につきましては、令和四年九月にお示ししたウイズコロナに向けた政策の考え方に基づき、発生届を重症化リスクのある方に限定する、患者の自宅療養期間を短縮するなど、ウイズコロナに向けた新たな段階への移行の取組を着実に進めてまいりました。
他方、足下では全国的に新規陽性者数が増加傾向にあり、地域によっては高い水準となっていることから、可能な限り社会経済活動を維持しつつ、重症化リスクの高い高齢者等を守ることに重点を置いて感染拡大防止策を講じていくことが優先的な課題であると考えております。
その上で、その上で、委員御指摘のロードマップも含め、国民の皆様の関心も高い中長期的なウイズコロナにおけるコロナ対策の在り方についても、今後の世界的な感染の動向を踏まえながら、ウイルス学的見地やリスク評価も含めて検討していくこととしておりまして、本年九月八日、政府として対策本部決定をし、九月十六日の分科会におきましても今後の検討課題として取り上げているところでありますので、引き続きしっかり検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/153
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154・山本香苗
○山本香苗君 その出口を考える上で、是非ちょっと整理しておきたいと思うんです。二類相当から五類に引き下げた場合に特措法上の取扱いはどうなるのか、また、そもそも現在のオミクロン株というのは特措法上の対象なのかと、コロナといえども、変異して毒性が低くなった場合も特措法で対応すべきなのかどうかと。こうした点についても、今後の対応を考えていく上できちんと整理、検討しておくべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/154
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155・大西友弘
○政府参考人(大西友弘君) お答えいたします。
感染症法上、新型インフルエンザ等感染症の要件といたしましては、一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速な蔓延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるということが規定をされてございます。オミクロン株でございましてもこの要件に該当するということで、新型インフルエンザ等感染症に該当するというふうに考えてございます。
仮に、今先生から御指摘ございましたようなことで、この要件に該当しなくなり、感染症法上の新型インフルエンザ等感染症ではなくなったと、感染症法上五類というふうに指定された場合におきましては、特措法の定義上、適用対象にはならなくなるということでございます。
その場合の対応でございますけれども、特措法上の緊急事態措置やまん延防止等重点措置といった措置は、感染拡大防止措置を講ずることはできなくなるわけでございますけれども、その時点での感染状況等を踏まえて五類感染症としての対応を考えていくということになろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/155
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156・山本香苗
○山本香苗君 とにかく、ちょっとこの辺り整理をして、また来年の通常会のこともありますので、しっかりと検討させていただきたいと思います。
そうした中で、コロナはこの二〇二〇年三月に特措法の適用対象としたわけですね。それによって、本来であったらこの行動計画というのは、未発生期、海外発生期、国内発生早期、国内感染期、小康期と感染フェーズに応じた対応というものが求められていたわけですが、この間のコロナ対応はこの政府行動計画に沿った対策がちゃんと取れていたんでしょうか。この認識を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/156
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157・大西友弘
○政府参考人(大西友弘君) お答えいたします。
新型インフルエンザ等対策特別措置法におきましては、政府は、政府行動計画を策定して、実際の発生時にはその政府行動計画に基づいた基本的対処方針を定めるということにされております。今般の新型コロナウイルス感染症におきましても、政府行動計画に基づいた基本的対処方針が定められて、その方針に沿って対応を行ってきたところでございます。
一方、本年六月の新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議、ここでこれまでの対応の御検証をいただきましたけれども、その報告書の中で、政府行動計画につきまして、感染症危機時に実際に病床を確保するために必要な対応など実際の具体的な運用に関して、感染症法に基づく予防計画や医療法に基づく医療計画との連携ができていなかったのではないか、あるいは個人防護具等の具体的な品目や数量については計画等に明記されていなかったといった御指摘をいただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/157
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158・山本香苗
○山本香苗君 御指摘をいただいているんだったら、そういう認識を持っていただきたいと思うんですね。
私は、このコロナ対応の大きな反省の一つは、やっぱりこのせっかく行動計画を作っていたにもかかわらず、それに沿った対応ができていなかった、フェーズに沿った対応ができていなかったことにあるんじゃないかと思っております。
例えば、今年九月末に陽性患者の全数届出の見直しが行われましたけれども、政府行動計画では、国内感染期に至った場合には、患者の増加に伴い全数把握は中止という考え方が示されていたわけです。先ほど大西さんが御紹介いただいた有識者会議においても、なぜこれが実現されなかったのかということも指摘されております。コロナ対応の現場の不満もこの点にあると伺っております。
なぜ政府行動計画がありながら、これを金科玉条のようにやれと言っているわけじゃないんですけれども、フェーズが変わっても漫然と継続をされ、業務の縮小や廃止がなぜ行われなかったのかと。この点は是非検証していただいて、その上で、今度行動計画をしっかり見直しをしていただきたいと思いますが、政務官、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/158
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159・鈴木英敬
○大臣政務官(鈴木英敬君) お答え申し上げます。
先ほど政府参考人が答弁いたしましたとおり、新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議の報告書では、政府行動計画に対する課題を御指摘いただいたところであります。このため、次の感染症危機に備えて、今般の新型コロナウイルス感染症への一連の対応を振り返る中で、政府行動計画についても、報告書で御指摘いただいた課題も含めて見直しを検討してまいりたいと考えております。
また、その際、自分の経験から申し上げましても、都道府県や市町村の行動計画にも様々課題があります。是非連動して、自治体と一緒になって、先ほど委員からあった現場が有効に機能するような、そんな検証についても検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/159
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160・山本香苗
○山本香苗君 鈴木政務官、ありがとうございます。是非よろしくお願いしたいと思います。
政務官、こちらで終わりというか、ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/160
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161・山田宏
○委員長(山田宏君) 鈴木政務官には御退室いただいて構いません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/161
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162・山本香苗
○山本香苗君 次に、予防計画についてお伺いしたいと思います。
今回の感染症法改正におきましては、予防計画の記載項目を大幅に拡充するとともに、病床や発熱外来など、感染症医療の提供に関する数値目標を新たに定めることとなっております。
そこで、確認をさせていただきたいんですが、先ほど来、特措法の行動計画については感染フェーズに応じた対応が定められていると申し上げましたけれども、今回大幅に拡充されるこの感染症法上における予防計画についても感染フェーズごとの対応が定められるということでよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/162
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163・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
予防計画における数値目標の設定や詳細な内容につきましては、都道府県において各医療機関の意向や対応能力を調査すること等により、現実の医療提供体制を踏まえたものとすることを想定しております。
委員御指摘のようなフェーズに応じた対応を示すことも重要だと認識しており、今後は専門家や自治体の意見も聞きながら詳細を検討してまいりたいと思います。また、こうした考え方については、今後国が策定する基本指針を通じてお示ししていく予定にしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/163
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164・山本香苗
○山本香苗君 是非この感染フェーズに応じた形で出していただきたいと。といいますのも、感染症部会で委員の先生が、フェーズオリエンテッドな要素が非常に抜けているのではないかと、したがって、検査にしても治療にしても、通達が非常に多くて、それを現場で消化して実践するのにとてもハードルが高くてやりにくくなっているのではないかと指摘をされていたわけです。是非そうした指摘を踏まえて、フェーズごとにということをお考えいただきたいと思います。
そうした中で、午前中からも議論ありました、平時から医療体制を整えるために、今回の改正案に、改正案におきましては、予防計画に沿って都道府県等と医療機関等との間で病床や外来医療等の確保に関する協定を締結することとなっています。
協定の前提をどう置くかによって内容が変わってくると思います。今日もいろんな議論聞きながら大変難しいなと思っているんですけれども、私は、ある意味締結して終わりじゃなくて、実際機能するためにも、この病床の確保のみならず、それに付随する担い手の問題や物資の問題、様々そうしたものを確保できるかどうか、定期的にシミュレーションしていくことが必要なんじゃないかと思います。いかがでしょうか。
また、この病床の全体数だけではなくて、コロナの中でいろいろありましたけど、子供だとか妊産婦さんだとか、また障害者、こうした患者の属性に配慮した、そうしたものにすべきだと考えるんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/164
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165・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答えいたします。
今御指摘ございましたように、今後そのフェーズということも考えていく必要があるということでございますが、これまでのコロナ対応におきましても、病床確保につきましては、都道府県が策定する病床確保計画においてフェーズを設定をして、フェーズごとの病床数を各医療機関と書面を締結した上で確保してきたという経緯がございます。
また、今御指摘ありましたように、障害児者の方あるいは妊産婦さんの方などなど、それぞれの障害特性やそれぞれの特性といったものを踏まえて、また必要な配慮も行って、あらかじめ受け入れる医療機関の検討を行うといったようなことなど、特別な配慮が必要な患者さんに対する必要な体制整備についても併せてこれまでお願いしてきたという経験がございます。
そういった中で、こういったもろもろの経験も踏まえて、どのようなフェーズにおいても、障害者などの配慮が必要な方も含めて、必要な医療が提供できるようにしていくということを実現するためにはどのような準備体制が必要になるかといったことも検討していく必要がございます。
国としても、この施行に向けて、それぞれちょっと課題として捉えてしっかりと検討を進めて、基本指針等で考え方をお示しできるようにしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/165
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166・山本香苗
○山本香苗君 是非よろしくお願いしたいと思います。
それで、医療の提供体制のみならず、非常に今回のいろいろな対策の反省すべき点の一つは、検査体制、これをやはり平時から整えておくことが極めて重要だと思っております。
今回の改正案では、都道府県知事等は、新型インフルエンザ等感染症等の検査体制を確保するため、検査機関と管理者と協議をし、合意が成立したときは検査等措置協定を結ぶことができると定められています。
この検査等措置協定の締結主体と想定される検査機関を確認させていただきたいと思いますが、公的な検査機関とも協定を結ぶことはあり得るのでしょうか。また、大学や医療機関も含まれるのか。また、民間機関も当然含まれると思いますけれども、具体的にこの想定される締結主体をお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/166
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167・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
今般の改正案では、都道府県等と病原体等の検査を行っている機関の間で協定を締結し、感染症発生時における検査の実施能力を確保することとしております。
この協定の締結の相手方としては、公的はもちろんですが、民間の検査会社、あるいは研究機関としての大学、例えば○○薬科大学のPCR遺伝子検査センターみたいなところがあるかと思いますが、そういったものが対象になり得ると考えております。
なお、発熱外来としての医療機関、例えば大学病院などがあると思いますが、につきましては、検査を行うものの、これら医療機関との協定は基本的には医療措置協定の方で対応することとなると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/167
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168・山本香苗
○山本香苗君 今現在も様々な民間企業がこのコロナ禍におきまして検査事業に参入をしてきたわけでありますけれども、コロナ禍において今と同じようなレベルで検査体制、維持確保できると厚生労働省では見ていらっしゃるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/168
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169・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
今般の新型コロナの対応におきましては、コロナの発生初期、非常に検査能力限られておりましたが、随時検査能力の増強を図ってきたところでありまして、現在は民間の検査会社のPCR検査の最大検査能力、これは一日当たりに三十一万件となっております。
ただ、今後、新型コロナが収束して、そして検査の需要がぐっと少なくなる、あるいはなくなったといった後に、こういった民間の検査会社においてこうした新型コロナ対応のピーク時の最大検査能力を維持し続けることというのは、現実的にはなかなか厳しいものではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/169
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170・山本香苗
○山本香苗君 現実的に難しいと私も思うんですね。実際、この検査体制を維持管理するにはコストが掛かります。ですので、提携、あっ、この協定締結に二の足を踏むような民間検査機関が出てくるのではないかと懸念するところなんですが、そうした事態を想定して、本来はこの地方衛生研究所と公的検査機関でしっかり広く検査ができる体制を整えていくことこそが求められていると思うのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/170
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171・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 今の御指摘のとおりだと考えております。
今後の新興・再興感染症の発生に備えまして、特に地方衛生研究所には、民間の検査機関が検査体制を整えるまでの間、感染初期における検査需要にしっかりと対応していただくということが求められていると我々としても認識をしております。
議員御指摘のとおり、感染初期から十分に対応できる地方衛生研究所を整備しておくためには、このため、今の法改正でも、検査の実施件数や施設整備の、検査設備の整備数といった体制整備の数値目標を定める等のことを平時のうちから計画的に実施していくことが重要であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/171
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172・山本香苗
○山本香苗君 計画の中に盛り込むに当たって、しっかりとそれが実現できるような支援も含めて御検討いただきたいと思います。
次に、都道府県と市町村の情報連携についてお伺いしたいと思います。
第五波の際に保健所がパンクをいたしまして、都道府県による自宅療養者等に対する食事配送などの生活支援が滞り、市町村が都道府県に代わって生活支援を行いたいと、そのために患者情報等を共有してもらいたいと、そう訴えたにもかかわらず、一部の都道府県が拒否するといった事態が発生をいたしました。
そこで、昨年八月二十六日、九月七日と、コロナ本部や総務省と連名で通知を出していただきまして、多くの都道府県が市町村との間で情報共有ができるようになりました。しかし、それでも頑として拒否されている県が幾つかあり、残念ながら今もその状況が続いております。
そこで、お伺いいたしますが、今回の感染症法改正でこうした状況は確実に解消できるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/172
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173・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
自宅療養者等への良好な療養環境の整備及び感染の蔓延防止等におきましては、広域的な観点から都道府県が主体的に対応する中で、住民により身近な市町村の役割も重要となります。
しかしながら、今回の新型コロナ対応では、御指摘のように、生活支援を行うために必要となる自宅・宿泊療養者等の情報について、個人情報保護を理由に都道府県から市町村に情報が共有されず、連携が十分に進まないといった課題がございました。
このため、今般の改正案では、都道府県は自宅療養者等への生活支援等の実施について必要に応じ市町村に協力を求めるもの、これは義務規定でございますけれども、とした上で、市町村は生活支援等に協力する場合には都道府県に対して情報の提供を求めることができることとするなど、都道府県と市町村の間で確実に情報連携が図られるよう必要な見直しを盛り込んでいるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/173
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174・山本香苗
○山本香苗君 それ、感染症法上の第四十四条の三の六なんですけれども、そこには、今局長がおっしゃったように、都道府県が市町村長に対し必要な協力を求めるときは、必要に応じ市町村長に対し協力を求めるものとするとなっています。
都道府県が必要ないなどといって市町村に協力を求めず、情報提供を拒むといったことはこの規定によってできないということでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/174
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175・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
今般の改正案では、次の感染症危機に際しまして、必要な情報が都道府県から市町村に共有されないということがないように、都道府県、市町村間の協力、連携の下、市町村が生活支援等の役割を果たす際に確実に都道府県から市町村に情報提供がなされるよう規定を盛り込んだところでございます。
このような改正の趣旨がしっかり果たされるよう、今後は、国が定める基本指針におきまして、感染症対策における市町村の役割を明記する予定であるほか、都道府県が定める予防計画に市町村との情報連携に関する事項を盛り込んでいただくことを考えております。
この予防計画の策定に当たりましては、都道府県は市町村の意見を聞かなければならないこととされており、さらに、市町村との情報連携の具体的な内容について、都道府県に設置する連携協議会において関係市町村と協議を行うよう基本指針に記載することを考えております。
仮に、市町村がその役割に応じた具体的なニーズに基づきまして生活支援への協力の意向を表明した場合に都道府県がそれを拒むような場合には、都道府県は拒否する理由をしっかりと説明する責任が生ずるものと考えています。
こうした仕組みを通じまして、都道府県と市町村の間で必要な情報共有が確実になされるよう取り組んでいきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/175
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176・山本香苗
○山本香苗君 重ねて伺いますが、都道府県が市町村との情報共有を図ることを拒む理由として、先ほど局長から最初の答弁のときにもありましたが、個人情報保護との関係が挙げられていました。この点についても今回の法改正でクリアになるということでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/176
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177・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 今般の改正案は、市町村への情報提供を促す観点から、それを可能とする明文の根拠規定を法定化するものであります。委員の御認識のとおり、個人情報保護の一般的なルールに照らして特段支障はないものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/177
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178・山本香苗
○山本香苗君 ありがとうございます。
自宅療養者等への食事提供のみならず、介護だとか教育、保育など、市町村が本来業務に当たってもこの患者の情報提供というのが極めて重要でありまして、必要不可欠なんです。
もらって、もらえなかったというか、生活支援を一生懸命やっている市町村の首長さんの方からお話をお伺いしたんですが、例えば患者さんが市役所、市役所にいろいろ助けを求めて連絡をするときに、保健所の方にいろいろもう既に疫学調査の段階で言っているわけですね。なので、もう保健所に話したのに何でしんどいのにもう一回市役所に言わなあかんねんと、そういう形で、もう非常に職員たちも一生懸命やっているにもかかわらず、怒られたりするようなこともあったそうです。是非しっかりこの都道府県と市町村との間で情報共有が確実に全ての都道府県で図られるようにしていただきたいと思います。
この規定は、皆さんに頑張っていただいて、公布日施行となっております。是非、罹患された方の立場に立った運用がなされるように、また、情報提供を行っている県に対しては、法律が成立しましたら直ちに厚生労働省から直接連絡を取っていただいて速やかな対応を促していただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
市町村による食料品の配送など生活支援につきましては、コロナ患者に対してはコロナ緊急包括支援交付金が活用でき、それ以外の濃厚接触者等については、この地方創生臨時交付金が今使えるということで、支援を行っている自治体があります。
今回の法改正では、市町村への財政支援について、あらかじめ都道府県と協議をし合意を得ておくとのことでございますが、市町村の生活支援に対する財政支援を都道府県と市町村の協議に任せてしまいますと、都道府県によってばらばらになってしまいます。また、市町村丸投げで財政支援をしないというようなところも出かねません。
ですので、災害時のように、あらかじめ国としてある一定のルールを定めて、それに基づいて都道府県と市町村が協議をして取り決めるとすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/178
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179・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
市町村による都道府県への協力につきましては、職員の派遣や食料品の配送の代行のほか、市町村が独自に行う生活支援等、これは地域の実情に応じた様々な方法が考えられるため、都道府県間の費用負担の在り方について一律に国が基準をお示しすることは難しいと考えております。
しかしながら、都道府県の、各都道府県の予防計画の策定過程におきまして、都道府県と市町村の間で協議し、役割分担とともに費用分担についてもあらかじめ合意を得ておくことが肝要と考えられます。この点については、国としてもしっかりと周知をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/179
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180・山本香苗
○山本香苗君 いやいや、周知じゃなくてですね、一律に決めろと言っているわけじゃなくて、ある程度のメルクマールみたいなものを示して、考え方を示していただきたいということなんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/180
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181・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) そこは地域の実情に応じた様々な状況があると思いますけれども、御指摘を踏まえてよく検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/181
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182・山本香苗
○山本香苗君 あわせて、この情報共有と一言で言っても、いろんなやり方があります。内容も、また実施方法も様々あります。その地域の実情に応じてとおっしゃるのかもしれませんが、ここもある程度、いい事例も今たくさん各都道府県でなされておりますので、そういう事例も調べていただいて、全てこの都道府県、市町村の協議に任せるというわけじゃなくて、ひな形を国としてもお示ししていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/182
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183・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) これまでも、都道府県から市町村への自宅・宿泊療養者への情報提供につきまして、今回の、実際に、失礼しました、提供につきまして、実際に都道府県と市町村が連携して生活支援を行っている事例を全国に紹介しまして、自治体の取組を促してきたところであります。
具体的には、市町村が自宅療養者に対して食料品等の提供を行うことや、これに当たりまして都道府県が市町村に対して、例えば自宅療養者の氏名、住所、連絡先、それから外出しないことを求めた期間などを提供することなどを内容とする覚書を締結している事例も紹介をしているところでございます。
今般の改正案を受けた対応に当たりましても、都道府県と市町村の円滑な情報共有が図られるよう、改正案の趣旨や内容について周知徹底を図ることはもちろんですけれども、情報提供を行う際の具体的なツールを含めまして、御指摘のように更なる好事例の収集、提供にも努めて、それをしっかりと各自治体にお伝えしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/183
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184・山本香苗
○山本香苗君 ひな形も是非示していただきたいと思います。
それで、済みません、加藤大臣、是非お伺いしたいと思うんですが、この市民に対するきめ細やかなこの感染症対策の中で、きめ細やかな支援を実施していくために、やっぱり一般市町村、基礎自治体の役割って極めて大きいと思っております。
感染症、医療部会に全国市長会を代表して岐阜県の飛騨市の市長がお出ましいただいていたんですが、その岐阜県の市長さんも、市町村、基礎自治体の役割はもっと強化していただいてもいいのではないかと、健康観察あるいは生活支援の部分について、一般市町村との連携ということが出ておりますけれども、もっと広範にわたってもいいんじゃないかと、そして介護施設や障害者施設への検査キット配布も市町村がやればもっときめ細やかにできると、そういったお話を、発言をされておられました。
是非、感染症対策においてこの市町村の役割というものをしっかり位置付けて強化を図っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/184
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185・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 感染症対応については、専門的、広域的な観点からは、保育所を設置する、保健所を設置する都道府県、また保健所設置市区が主体的に対応するわけでありますが、今委員お話しになりましたように、自宅療養者への良好な医療管理の整備など、まさに住民にとって身近なサービスの提供が必要になっているわけでありますので、そういった面においてはまさに一般の市町村の役割も非常に重要だと思っております。
今回の改正案では、次なる感染症の危機に市町村が必要な役割を果たせるよう、これまでの新型コロナ対応において明らかになった課題を踏まえて、都道府県は自宅療養者の生活支援について市町村に協力を求めた上で、市町村は都道府県に対して必要な情報の提供を求めることができるとか、あるいは都道府県が市町村に対して感染状況等の情報提供をすることができると、法的な根拠を明示するなどさせていただき、さらに、国が定める基本指針において感染症対策における市町村の役割を明記する予定であります。さらに、都道府県が定める予防計画に市町村との情報連携に関する事項も盛り込んでいただきたいと考えているところであります。
これらによってその市町村が担っていくべき役割を明確化した上で、都道府県と市町村の連携強化を図っていただきたいと思っておりますが、厚労省としても、今委員との間でいろいろなやり取りがありました一つ一つの事項についての様々な御示唆も頂戴をしたところでありますし、今お話があった、首長さんからもいろんなお話も伺っているところでございますので、そうしたものもしっかり踏まえながら、都道府県、市町村、国、これが連携して、万全たる感染症危機体制が構築できるように努力をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/185
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186・山本香苗
○山本香苗君 どうしても、都道府県が一元的にという話で、やっぱり遠いんですね。是非市町村の役割というものをしっかりと強化をしていただいて、きめ細やかな支援ができるような体制をつくっていただきたいと思います。
次に、コロナ患者に対するリハビリについてお伺いしたいと思います。
コロナに感染した高齢者が病院に入院すると、治療ができたとしても体力が低下しがちです。そして、入院が長期化すればするほど退院後に日常生活を取り戻すのが難しくなります。
そこで有効なのが入院直後からのリハビリで、WHOのアメリカ地域事務局汎米保健機構が二〇二〇年四月、感染予防を取った上でのコロナ患者への積極的なリハビリ治療が必要であると、患者の活動を低下させず、治療効果を最大限に引き出し、病床の有効利用と社会的資源の活用につながると提唱し、日本リハビリテーション医学会などからは高齢者への発症早期からのリハビリの実施を促していますが、そこでお伺いしたいんですけれども、厚生労働省といたしましては、厚生労働省として、コロナ患者へのこのリハビリの必要性、重要性をどう認識をし、そしてこの間どう対応してこられたのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/186
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187・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
今委員御指摘いただきましたように、高齢の入院患者さんが非常に多数発生したといったような事態もございました。特に、今回のオミクロン株においてはそういった特性ございました。
そういった状況を踏まえますと、特に高齢のコロナ患者さんの皆さんにおいては、やはり隔離によって運動量や活動量が低下をするといったことで、隔離期間中であっても発症早期から適切なリハビリテーションが行われるということが重要だというふうに考えてございます。
国といたしましても、確保病床におけるリハビリ専門職などの配置の必要性を周知をするとともに、診療の手引きにおきまして、高齢者における療養の在り方として、リハビリテーションの必要性と、それから学会が取りまとめましたリハビリテーションに関する感染対策の指針、これを周知をしているところでございます。
また、診療報酬におきましても、本年十月から、入院中の新型コロナウイルス感染症患者に対して必要な感染予防策を講じた上で疾患別のリハビリテーションを実施をしていただいた場合に、一日につき二百五十点を加算するといった仕組みを開始したところでございます。
こういった取組も含めて、高齢のコロナ患者が入院によって生活の質を損なわないように引き続き取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/187
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188・山本香苗
○山本香苗君 和歌山県立医大におきましては、このリハビリテーション科の医師が全てのコロナ患者を診察をして、理学療法士や作業療法士の方々が医師の指示に従って感染予防対策をしっかり取ってリハビリを行っておられます。聞いてびっくりしたんですが、ICUでECMOを付けているような方も、治療している、ECMOを付けて治療している重症患者についてもリハビリテーション治療を行っておられると伺いました。
今年四月に厚生労働省のアドバイザリーボードでお話ししてくださった和歌山県立医大の田島先生にも現状を、最近の状況をちょっとお伺いさせていただきましたら、現在まで二千人を超える患者さんを受け入れられて、誰一人入院時よりも悪化された方はいらっしゃらないそうです。それ以上に、逆に元気になって退院されていらっしゃるということです。そして、リハビリを行っていらっしゃる理学療法士や作業療法士の方々も、これまで誰一人感染されていないと伺いました。
しかし、今、榎本局長の方から御紹介いただいて、報酬上の評価もしていただいて、一つの、大変喜んでいらっしゃいましたし、いい契機になったとは思うんですが、医療現場においてこのコロナ患者にリハビリを行うこと自体がまだまだ浸透していないと伺っております。ここを何とかしてほしいんだという話でありました。
第八波に向けまして、コロナ患者に対するこのリハビリをもっと強力に推進をしていただきたいと思います。また、医療機関のみならず、自宅療養する患者へのリハビリもできる体制を整えていくことも必要ではないかと、ここも推進していくことが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/188
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189・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど、概略、局長から答弁させていただきましたが、特にオミクロン株の特性で、今回高齢者の方で入院する方が多かったということで、それに伴って、入院に伴って運動量等が低下をし、また低下をすると。
こうしたことから、隔離期間中であっても発症早期から適切なリハビリテーションを行うことが重要でありますし、私も医療関係者から、本当にリハビリするかしないかで全然違うんだというお話も聞かせていただきました。診療報酬の取扱い等もさせていただきましたけれども、こうした取組の必要性について医療関係者の皆さんともいろいろ話をしながら、まだ取組をいただけていないようなところを積極的に展開をしていきたいというふうに思います。
また、自宅療養しているコロナ患者の方においてもこれ当然リハビリが必要でありますので、必要な訪問リハビリテーションが適切に実施されることが大事であります。在宅の要介護高齢者がコロナに感染した場合も、居宅介護支援事業所等が訪問リハビリテーションの事業所等と調整し、必要な介護サービスを確保するようお示しをさせていただいたところでありますし、コロナ患者に対応した介護保険の訪問リハビリテーション事業者に対して、緊急雇用に係る費用や割増し賃金、手当等の掛かり増し経費への補助も行わせていただいているところでありますので、入院している、また自宅療養かかわらず、必要なリハビリテーションがしっかり実施できるように体制を構築するとともに、更に周知等も図っていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/189
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190・山本香苗
○山本香苗君 ありがとうございます。是非推進を図っていただきたいと思うんです。やっぱりアドバイザリーボードでも医療関係者の方が、急性期の内部で、いわゆるレッドゾーンの中にセラピストが入ってリハビリやっているとか、あんまり情報は伝わっていなかったと、そういった御発言もありました。
まだまだその部分でそこまで対応ができていないというのが現状だと。和歌山県立医大が非常に進んではいるんですけれども、突出しているんですが、なかなか進んでいないんだなということを実感しておりますし、この質問をするに当たって、やっぱり医政局、また老健局、リハビリというだけでいろんなところにまたがるんですね。それこそリハビリって物すごく大事なのに、厚生労働省にそれをちゃんと見る、担当する部署がないというのは、また別途、検討、議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
羽生田副大臣、お待たせをいたしました。もう最後の質問で、本当にできるかと言われていたんですけど、ちゃんとたどり着きましたので、よろしくお願いしたいと思います。
医療や介護、保健、あっ、保育などの人材確保することは、コロナ禍、ますます厳しくなってきています。そうした中で、職業紹介事業者に頼らざるを得ないという事業者の方々も増えています。また、コロナ禍において職業紹介事業者に支払う手数料が更に上がって、このままでは経営が立ち行かなくなってしまうと、廃業せざるを得ないといった切実な声も寄せられています。
そこで、羽生田副大臣にお伺いさせていただきたいと思うんですが、以前、医療や介護等分野の職業紹介事業の実態調査を行いましたけれども、その調査、コロナ前なんですね。是非コロナ禍における実態を詳細に把握をしていただきたいと思います。
また、この間、与野党問わずこの問題は大変関心が高い話で、職業安定法改正で職業紹介事業者に採用から二年の転職勧奨を禁止するとか、また転職者に就職お祝い金を提供することは望ましくないとか、そういうことを事業主指針に示している、示して、就職してから短期間でころころころころ転職するようなことは、そして繰り返し手数料を得ようとすることを防止しようということはいろいろやってきてはいるんですが、現場では三か月で辞めたらまた次紹介するよみたいな話がもう後を絶たないわけなんです。
こうした悪質なケースをどこに訴えたらいいのか分からないというお声もいただいています。厚生労働省のどこに言ったらいいのと言ったら、各労働局の需給調整部にっていうんですね。そんなの一般の人、分かるわけがないわけでありまして、是非こうした悪質なケースやトラブルをすぐに相談できる窓口を設置していただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/190
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191・羽生田俊
○副大臣(羽生田俊君) ありがとうございます。
医療、介護、保育分野で今お話のあった有料職業紹介事業については、本当にお話しされたとおり、転職の勧奨などですね、早期離職ということが実際に起こっているという、そういった課題も我々の下にも届いてきておりますし、十分把握をしているところでございます。
これまで、手数料の情報開示、幾ら手数料を取るということですね、そういったこととか、それはもう義務化されておりますし、それから適正な事業者を認定する制度もつくっておりまして、それも利用してほしいと思うわけでございますし、もう大分前になりますけれども、この認定制自体が、届出制だったものを認定制にしたということで、認定制ということは認定取消しということも場合によってはあり得るという制度になっているということもあるわけでございます。
今お話あったようなことについては、やはりまだまだ取り組まなければいけない点が十分あると思いますし、またコロナによってどう変わったかという点も十分調査しなければいけないというふうに思っているところでございます。
今お話の相談事業でございますけれども、御指摘いただいたように、各都道府県労働局の需給調整担当課、あるいは大きいところでは担当室と、あっ、担当部となっておりますけれども、そこがこの相談を受けるということになっておりますけれども、その情報が十分行き届いていないということも自覚しておりますので、そういった情報をどう広めていくかということ、それから、こういった医療、介護、保育分野の事業者の方々が相談しやすくなるような方策について、そういった相談窓口も含めて検討してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/191
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192・山本香苗
○山本香苗君 ありがとうございます。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/192
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193・東徹
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。今日も感染症法のことについて質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず最初に、今回の感染症法ですが、衆議院の方で修正の協議を行っていただいて、そして三項目について修正が付け加えられました。その三項目の中の一つについて、今日、是非お伺いをさせていただきたいというふうに思います。
二つ目のところで、これは、政府は、新型コロナウイルス感染症に関する状況の変化に勘案し、当該感染症の新型インフルエンザ等感染症への位置付けの在り方について、他の感染症の類型との比較等の観点から速やかに検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするという規定がこれ追加されました。
位置付けの在り方についてのこれ修正になるわけですけれども、この場合の、その感染症に関する状況の変化に勘案して、当該感染症のインフルエンザ感染症への位置付けの在り方、これについて検討して、そして必要な措置を講ずるというところなんですけれども、必要な措置の講ずるというところについてはどのようなことを想定しているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/193
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194・池下卓
○衆議院議員(池下卓君) 東徹議員の御質問にお答えいたします。御質問いただきましてありがとうございます。
委員御指摘の検討条項は、新型コロナウイルス感染症に関する状況の変化を勘案した上で、新型コロナウイルス感染症の新型インフルエンザ等感染症への位置付けの在り方について、他の感染症の類型との比較等の観点から速やかに検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることを政府に対して求めるものであります。
委員御指摘の必要な措置としては何を行うかは政府において検討されるところではございますが、政府が必要な措置を講ずるに当たっては、新型コロナウイルス感染症に関する状況の変化を勘案しつつ、人権保障の観点と感染症対策の必要性とのバランスを適切に取っていく必要性があると考えるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/194
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195・東徹
○東徹君 これ、附則のところにこの修正が入ったというふうなことで、なかなか今の答弁だと非常にちょっと具体的に分かりにくい部分もあるのかなというふうに思っています。ただ、何か、尾身会長の方は、第八波が終わればその位置付けも検討するというふうなことも報道で出ていますので、こういった対応になっていくのかなというふうにも私も思ったりもしています。
以上で修正の部分については質問を終わりますので、ありがとうございました。御退席いただいて結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/195
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196・山田宏
○委員長(山田宏君) 池下卓君には御退席いただいて構いません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/196
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197・東徹
○東徹君 続きまして、ちょっと今回の感染症法と直接関係はないんですが、サイバー攻撃のことについて、医療機関のサイバー攻撃のことについてお伺いをさせていただきます。
皆様のお手元にも資料をお配りさせていただいておりますが、これは十一月一日の新聞記事です。
大阪府立病院機構が運営する大阪府急性期・総合医療センターというのがありまして、ここは災害拠点病院になっておるわけであります。この病院というのは病床数も八百六十五床ありまして、大変大きな病院でありますし、重症患者の受入れのプレハブを建ててやったのもこの急性期・総合医療センターの敷地内に建てたということです。
この大阪府急性期・総合医療センターがランサムウエアによってサイバー攻撃を受けて、そして電子カルテの使用とか診療報酬の計算がこれできなくなりました。今もなんですけども、緊急以外の手術とか外来診療、こういったものがこれ制限されておるという大変深刻な状況になっておりまして、これ全面復旧が何と来年の一月になるということで、これ二か月以上もこういった状態が続くということです。これ、大変な深刻な事態です。
ただ、やっぱりこれは大阪だけではなくて、これまでにも他府県でもありました。徳島県のつるぎ町の病院は、町立病院でありましたけども、半田病院というんですかね、二〇二一年の十月、攻撃を受けて電子カルテルが閲覧不能になったということでありました。
ランサムウエアというのは、これ、サイバー攻撃をして、そしてビットコインを要求する、そういった文言が画面上に出てくるというふうなことになってまして、これは本当に、災害拠点病院でありますし、災害時、今も本当コロナで大変な病院というのは業務を抱えておる中で、こういったことが起こるというのはもう本当に病院の従事者にとっては物すごく負荷が掛かっていくというふうなことで、これもう本当深刻な事態だと思います。
これ大阪府も警察に相談しているというふうなことでありますけれども、厚生労働省として、これは一都道府県の県警だけではなかなか対応もできないんではないのかなと。本当、国挙げてこれやらないといけない問題だというふうに思っております。
このことについて大臣がどのように対応を行っていくべきというふうに考えているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/197
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198・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 医療機関のまさに業務をそうした形で阻害をしていくと、これはしっかりと防いでいかなければならないと考えております。
医療機関へのサイバー攻撃、今、大阪府の病院のお話もありました。これまでもそうした事例があり、本年九月に医療機関のサイバーセキュリティー対策の更なる強化策を取りまとめさせていただき、その中で医療機関で対応が困難な初動対応の支援の仕組みというのを設けました。
そして、この十月三十一日に発生した大阪急性期・総合医療センターのサイバー攻撃事案については、まさにこの仕組みを活用して専門家を速やかに派遣をし、感染原因の特定や対応の指示といった初動対応の支援も行ったところであります。
さらに、十一月十日に、全国の医療機関に対して、リスク低減のための措置とインシデントの早期検知や発生時の適切な対処等のサーバー、サイバーセキュリティー対策が適切に講じられているかについて改めて注意喚起を行ったところでありますが、特に今回の大阪急性期・総合医療センターの事案では、委託先事業者を含む関係事業者のセキュリティーがこれも一つ課題になっておりましたんで、その管理体制を確認した上で、関係事業者とのネットワーク接続点を全て管理下に置き脆弱性対策を実施することを求めたところでありますし、また、関係事業者を含め、今後G―MISを用いた医療機関への調査も実施をしていき、その中で医療機関の対応状況も確認していきたいと考えております。
引き続き、医療機関におけるサイバーセキュリティー、これしっかり行っていく、また、こうしたサイバーアタックがあるということ、我々も危機感を持って、関係省庁連携しながら必要な対策を講じていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/198
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199・東徹
○東徹君 これ非常に大事なことだというふうに思ってますし、非常に深刻なことだと思います。
病院というのは、もう本当に最も人の命を預かる大事な社会資源でありますから、そういったこと、そういったところに対してこういうサイバー攻撃をやるというのはもう本当許されないことなんですけれども、ただ、やっぱりこういったことが起こるし、そういったところがあるということです。
もちろん大臣が言うように、そういったことの対策というのは本当はやっていただきたいし、必要だと思いますが、これは国挙げてのやっぱり何か対策ということで、例えば防衛省のサイバー部隊というのが五百人規模、これ海外に比べると非常に小さいんですけれども、そういったところも何か活用していくことも時と場合によっては必要なんではないのかなというふうに思ったりもいたします。
是非、加藤大臣におかれては、今後そういったことの対応も是非視野に入れていただきたいなというふうに思っておりまして、何か検討していただけたらと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/199
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200・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まさに、相手は必ずしも医療機関だから狙ったのか、別途お金を獲得する目的等で弱いところを狙ってきているかというと、多分後者なんだろうと思いますから、日本全体として守るという意味において、単に医療機関だけではなくて、いわゆる重要インフラをどう守っていくのかということだと思います。
そういった意味で、たしかNISCでしたかね、何かそういったところを含めてよく連携を取らせていただいて、トータルとしてのセキュリティーを上げていく。また、全体としては、今医療DXを進めさせていただいていますけれども、そういった流れの中で、個々の医療機関ではなくてシステム全体として守っていく、こういった発想も必要ではないかなというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/200
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201・東徹
○東徹君 是非、たまたまこの大阪府立の病院だけでしたけれども、国の病院もたくさんありますし、そういったことをどう守っていくのか、是非国挙げての検討をお願いしたいと思います。
ちょっと時間の関係で、ワクチンのことについては、ちょっと先、後回しにさせていただいて、ちょっと法案の中身について質問を続けさせていただきたいと思います。
この間からいろいろと病床の確保であったりとか、それから外来診療、これをやっぱり増やしていくべきじゃないですかとか、その辺の質問をさせていただきました。日本維新の会としても、この法案については修正もしていただいて、賛成ではありますが、やはりこういったところは問題じゃないですかというところをしっかりとこの参議院の厚生労働委員会の中で質疑をさせていただきたいと、そのように思っております。
感染症対策の物資等の確保についてお伺いをさせていただきます。
今回の法改正では、感染症対策物資の確保のための仕組みを新たに設けていただいております。コロナの当初、体温計がなくなったりとか、そしてマスクがないとか、それから防護服がない、パルスオキシメーターがない、検査キットがない、そういったところがあって、特にマスクについては、朝、何か店の前にずらっと行列が出ている、できていて、何かなと思ったら、薬局が開くのを待って皆さんが並んでいたというような状況が目に浮かびます。
そういったこともあったのでこの感染症対策物資の確保の仕組みが新たに設けられたんだろうと思いますが、その発動の要件なんですけれども、要件は、これ、感染症の発生予防、蔓延防止が困難となり、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある場合というふうになっております。
これは、対象となる感染症がどの程度広がればこの規定で想定している感染症の発生予防、蔓延防止が困難となり、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある場合に該当するのか、まずこのことについてお伺いをさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/201
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202・城克文
○政府参考人(城克文君) お答え申し上げます。
この感染症対策物資の生産要請等でございますが、御指摘いただきました要件に加えまして、感染症対策物資等の供給が不足し、そしてこういったおそれがあるということでございまして、今般の新型コロナウイルスの感染症におきましても、その発生初期の患者数が少ない段階から個人防護具等の需給は逼迫し、受注しにくい状況となったところでございます。
ですので、必ずしも実際の感染症の患者がどれぐらい増加したかということに限らず、感染症の世界的な拡大状況でありますとか、その時点での物資供給不足の状況とか見通し、将来的な患者の増加の可能性などを総合的に考慮して判断していくということといたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/202
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203・東徹
○東徹君 まあ大体そういう答弁なのかなと思っておったんですが、じゃ、具体的にお伺いしたいと思います。
この二年以上にわたる、もうこれ三年近くになるんですけれども、コロナ禍の状況の中で、このときがそうだったというふうに言える、どの時点がそれに値するのか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/203
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204・城克文
○政府参考人(城克文君) 今般のコロナウイルス感染症におきましては、これは発生初期の患者数が少ない段階から個人防護具等は需給の逼迫が生じておりました。その経過を踏まえますと、新型コロナウイルス感染症の対応が継続しております現在においても、本法案で規定いたします生産要請等の要件には該当し得るものとは考えております。
こうしたことからこういった規定を位置付けることといたしたものでございますし、引き続きちゃんと物資の確保には努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/204
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205・東徹
○東徹君 済みません、ちょっとよく分からない。
この二年間の中で、当たるわけですよね、この今回の感染症対策物資の確保が当たるわけです。だから、恐らく初期の段階だと思うんですけれども、どの段階なのかちょっと具体的に、大体令和何年の何月頃というふうに説明していただけると、ああ、こういうときだったなというのがちゃんと分かりますので、ちょっとそこまで説明していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/205
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206・城克文
○政府参考人(城克文君) 改めて、繰り返しになるかもしれませんが、今回のコロナウイルス感染症では、もう発生初期の段階から需給は逼迫しておりました。その経過を踏まえますと、その発生初期から現在に至るまででございますが、発生初期の段階からこの要件には該当し得るというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/206
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207・東徹
○東徹君 分かりました。発生初期ということですね。
じゃ、続いて質問させていただきますが、コロナ禍の当初ですけれども、国内でマスクの生産ができなくて、輸入にこれは頼らざるを得ませんでした。でも、これ輸入に頼らざるを得なかったんですけれども、中国、大体皆さん、どこの企業も中国でマスクを生産しておったというふうなところが多かったと思います。でも、中国はマスク外交していて、なかなか日本に持ってこなかったというふうな状況がありました。それでまた、どんどんとマスクがこれは高騰していったということもありましたけれども、やはり感染対策に必要なものというのは、やはり自国、国内で生産できる体制を取っておくと、取っておくことが非常に重要だと思います。
事業者が国内で安心して生産できるようにするためには、これ平時から政府が、例えば余ったときはこれぐらいは余剰分を買い上げますよとか、また備蓄のために置いておきますよとか、そういった対策も必要になってくるのかなと思ったりするわけですが、自国生産の拡充についてどのようにこれ進めていこうと考えているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/207
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208・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まさに今回のコロナの中で、個人防護具、マスクの話もありました。また、医薬品とか医療機器、あるいは検査機器ですね、そういったものの不足、そして大半は輸入に大きく頼らざるを得ない、こういったものでそうした不足感があったというふうに認識をしております。
そういうことを考えますと、今般の新型コロナ対応を踏まえると、国内で開発、生産できる体制を確保していくということも危機管理の観点から極めて重要であります。
ワクチンについては、経済産業省においてデュアルユースワクチンの製造拠点などを決定したわけでありますし、また、検査キット、個人防護具等については、経済産業省において、感染症対策物資の生産に関する設備の導入を行った事業者に対し補助金による支援を行い、国内での生産能力の向上を図ったところでありますし、検査キットの増産に関して、等に関しては買取り保証も行ったわけであります。
今回の法律では、厚生労働大臣又は事業所管大臣は平時から事業者に対し報告を求めることができるとする規定の整備が盛り込まれており、感染症対策物資の国内での需給状況を把握することができるわけでありますから、今後はこうした規定を活用しながら、そしてこれまでの対応等も踏まえて、必要な感染症物資の確保、その強化に取り組んでいきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/208
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209・東徹
○東徹君 是非、自国生産についても取り組んでいっていただきたいと思います。
ちょっと質問飛ばしちゃったんですけれども、その不足しそうなものがどうやってこれ把握していくのか、そのことについてもちょっとお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/209
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210・本田顕子
○大臣政務官(本田顕子君) 東委員にお答えいたします。
今回の法案においては、感染症対策について、平時より厚生労働大臣等が事業者に対し国内の需給状況等の報告を求めることができる規定を盛り込んでおりまして、お尋ねの内容につきましては、生産事業者等から生産、在庫等の状況について情報収集することで把握してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/210
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211・東徹
○東徹君 では、続きまして、この仕組みについてなんですけれども、事業者からすると、これ、経営の自由を大きく制約する仕組みになってしまうわけですけれども、この仕組みの対象となる感染症対策物資等なんですが、医薬品や医療機器そのものだけでなくて、その生産に必要不可欠な部品などもこれ含まれているというふうにされております。
例えば、よく言われたのが、パルスオキシメーターがないないと言われたときには、パルスオキシメーターには半導体があるんですかね、だから、それの不足もしていたのでパルスオキシメーターが生産できなかったというふうなことも聞いた記憶があります。こういったものまで含まれるのかどうか、お伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/211
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212・城克文
○政府参考人(城克文君) 感染症対策物資等の範囲でございますが、感染症の予防と感染症患者への医療に必要な医薬品、医療機器、個人防護具等や、これらの生産に必要不可欠な原材料、部品ということでございます。
御指摘の半導体につきましても、例えば医療機器の部品としてであれば含まれ得るということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/212
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213・東徹
○東徹君 ありがとうございます。
では、続きまして、感染症対策物資等についてですけれども、厚生労働大臣から要請があれば、事業者は生産又は輸入し、それを厚生労働大臣が指示する相手にこれ売り渡さなければならなくなるということなんですけれども、その価格とかはどのように決められるのか。また、その価格は通常の販売価格になるのか、それとも供給不足になった後、高騰した金額になるのか、この辺についてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/213
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214・本田顕子
○大臣政務官(本田顕子君) お答え申し上げます。
結論から申し上げますと、厚生労働大臣が定めることとはしておりません。
その根拠となりますのが、今回の法案におきましては、感染症物資対策の確保を強化する観点から、特定の地域において物質が不足する場合等に厚生労働大臣が事業者に対して物資の売渡しの指示を行うことをできるとしております。指示に際しては、厚生労働大臣が売り渡す数量や売渡しの先を決めることはしておりますけれども、売渡しの価格については売渡しをする側とされる側の調整の結果として決定されるものとしているからでございます。同じように、買占め防止法四条に基づく物資の売渡し指示、命令でも販売価格は決めていないものでございます。
上記を鑑みまして、売渡しの指示に当たっては、こうした規定の活用も視野に入れて当事者との円滑な調整を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/214
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215・東徹
○東徹君 価格については示さないということですね。ただ、そうなってくると、高騰したときどうするのかなと思ったりもしますが、その点については指示はしないということなので、分かりました。
続きまして、この仕組みについてなんですけれども、厚生労働大臣から事業者にこれ生産等を促進する要請がなされて、事業者は生産や輸入の計画を作成してこれ届出をした後、計画どおりに生産を行う義務がこれあるわけですけれども、もし計画どおりに生産をしなかった事業者は、これ、事業者名の公表、それから報告徴収、それから立入検査、そこで虚偽報告とか、立入検査を拒否すると罰則、五十万円以下の罰金、こういったものの適用もあるということなんですね。
これ、強制力が非常に強い仕組みになっておって、これはちょっと強過ぎるんじゃないのと、こう正直思うところがあるわけですけれども、これは改正案の中に、医療機関との協定、この間も質問しましたが、医療機関との協定について、別に協定に違反しても立入検査もなければ罰則の規定がこれ一切ないのに、事業者に対しては立入検査とか罰則まで掛けられるというのは非常にバランスもおかしいし、ちょっとこれやり過ぎなんじゃないのかなと思ったりもしますが、この点についてはいかがなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/215
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216・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まず、結論的に言えば、仕組みの内容というのは目的、あっ、失礼、仕組みの目的、内容に応じてそれを担保する措置、これは変わってくるということだということであります。
今の感染症対策物資等の確保においては、これはまさに、緊急時において物資確保するというのは、まさに国民生活そのものを守っていくということでもあります。その指示を実施する際に、段階を追っていくわけでありますが、立入検査において個別事情をまず詳細にかつ的確に把握をしていく、それでも必要な報告をしない場合には実効性を確保するため罰金の措置を規定したという、こうした仕組みになっているところであります。
一方で、医療機関との協定、これは合意に基づく協定ということであります。したがって、罰則による履行担保措置は設けていないところでありますが、医療機関が正当な理由がない、締結協定にのっとった対応をしない場合には、のっとった対応をするよう都道府県知事が指示、公表等を行えるようにするという、こういった仕組みを設けているところでありまして、最初、冒頭申し上げたように、それぞれの仕組み、内容、目的、それを踏まえながらそれを担保するための措置を具体的に決めさせていただいている、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/216
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217・東徹
○東徹君 事業者に対しても、やっぱり私は、これ協力をお願いして、向こうも、ああ、いいですよというふうな合意に基づくようなものだというふうに私は思うんですけれどもね。
ただ、事業者についてはやっぱりそういった罰則、五十万円以下の罰金まで規定されておって、医療機関もこれもやっぱり合意に、まあ当然なんですけれども、お願いしてやっぱり協力してもらうということですから、これはちょっとこの事業者に対する罰則規定というのはちょっと行き過ぎではないのかなというふうに思ったりもします。
続いて、患者の移送についてお伺いをいたします。
今回の法案には、新感染症の患者を都道府県の区域を越えて移送する場合、厚生労働大臣は総合調整を行うことができる仕組みが含まれています。これ、今回の第五十一条の二というところに厚生労働大臣による総合調整というところがあるわけですけれども、厚生労働大臣の総合調整をする前に、原則として厚生科学審議会の意見をあらかじめ聴くことというふうにされております。
これ新感染症というのはもう本当に未知の感染症で、治療方法や感染対策が十分に分からない状況で非常に対応がもう迫られている、また、感染がどんどんどんどんと拡大していく、そんな中で、自分のところでは患者を診れないので他の都道府県に移送しなければならない状況にあるという、非常にこれ、そうなっているときというのは緊急事態なんですね。緊急事態でもあるにもかかわらず、原則として厚生科学審議会の意見をあらかじめ聴くこととするといったら、迅速にこれ対応できないと思うんですね。これ厚生労働大臣であればその都道府県間ですぐ電話でもいいから調整して、やっぱりすぐ対応するということが大事だと思うんですけれども、そうなっていない。
これは法文上、ただし書で、緊急を要する場合であらかじめ意見を聴くいとまがないときはこの限りではないというふうになっているんですね。これ、原則と例外が逆になっているんではないのかなというふうに思うわけですが、これ原則として厚生科学審議会の意見を聴くこととしたと、まずその理由についてお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/217
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218・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
今般のコロナ対応におきまして、例えば、ダイヤモンド・プリンセス号で入院を要する感染者の方が一時的に多数生じた事例がございました。また、その際、一部の都道府県では感染拡大期に病床の確保が追い付かず、都道府県の区域を越えた患者の入院調整が困難な事例というのがございました。今般の改正案では、そのような反省を踏まえて国による総合調整の仕組みを設けたところでございます。
御質問の新感染症につきましては、これは今御指摘のとおり、指定感染症でもなく、新型インフルエンザ等感染症でもありません。全く新しいものでございますが、新型インフルエンザ等感染症を含めました他の感染症と異なりまして、未知の疾患であり、特に専門性を担保した上で対応を行う必要があることから、総合調整に当たってあらかじめ厚生科学審議会の意見を聴くものとしたものでございます。
移送の際に厚生科学審議会に何を聴くのかということなんですが、聴取の内容としては、これは例えば、移送の可否ということのみならず、移送、例えば移送先の医療機関の受入れ体制はどういうものであるべきなのかとか、あるいは移送に当たっての感染防御の措置はどういったものをとるべきなのか、それから、移送に当たっての人材、どんな専門性を持つ人が行ったらいいのかということを、非常に時間がない中ではありますが、しっかりと専門家の皆さんの御意見を聞いた上でやっていくということを想定しております。
その上で、御指摘のように、大臣が知事に総合調整を行うものは非常に緊急的なことが想定されますので、時間的余裕がない場合には事後でもよいとはしておりますが、この緊急性、緊急対応と専門性の担保の調和を図ったというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/218
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219・東徹
○東徹君 私は、これ、大臣には、これは原則、やっぱりもう緊急事態ですから、そういったときにはもうそういう時間を掛けるようなことをせず、審議会とか言っていないで、審議会とか言ってないで、もちろん専門家の意見は聞かないといけないと思いますし、もちろん周りの方々の意見も聞いた上で、すぐ行動ということが大事だというふうに思いますが、加藤大臣、私はやっぱり加藤大臣だったらそうするんじゃないのかなと思っているんですけれども、加藤大臣、どのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/219
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220・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まさに、そのときの新感染症の実態がどうなっているのか、そういったことを見ながら判断するんだろうと思います。
こうした総合調整をするためには、様々な意見を聞きながら進めていかなきゃいけない、他方ですぐに対応しなきゃいけない、まさにこのバランスをどう図っていくのかということに尽きると思いますので、ケースによっては委員おっしゃるような状況もあるんだろうと思いますし、しかし、そういう中でも、できる限りはこういう条件をできる、手続を踏むことによって円滑に総合調整を行っていくということ、その努力はしていく、あるいはしていくという姿勢は大事なんではないかなというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/220
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221・東徹
○東徹君 原則、厚生科学審議会の意見を聴くというのはちょっとこれはやり過ぎなのかなというふうには思います。やっぱり緊急事態ですから、やっぱりそういった審議会ではなくて、専門家の意見を聞くぐらいは必要だと思いますけれども、そういった対応を是非していただきたいなというふうに思います。
続きまして、残っておりましたワクチンについてお伺いをさせていただきたいと思います。
ワクチン、先日も松野委員からも話がありましたが、私は、これ従来型のワクチンも有効期限が切れて廃棄することのないよう、従来型ワクチンもこれ活用を考えるべきじゃないのかなと思っているんですが、これ従来型のワクチンというのは、ファイザー社製は四百万回分、モデルナ社製は四千七百万回分、合わせて五千百万回分が国にこれ納入されているということですけれども、自治体にはこれ配送されていないということですけれども、従来型のワクチンをどのようにこれ活用するのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/221
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222・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
まず、新型コロナワクチンを確実に確保すること、国民の生命、健康を守るために極めて重要であると考えております。国としては、希望する全ての国民の皆様にワクチンがお届けできるよう、様々な可能性を視野に入れて、従来株の新型コロナワクチンの確保に取り組んできたところでございます。
御指摘のとおり、ファイザー社とモデルナの従来型ワクチンの納入量とそれから配送量の差分は、今五千百万回分が未配送の在庫というふうになっております。
この従来株ワクチンの接種の促進につきましては、初回接種についてこれ年内に完了していただくよう今自治体に事務連絡を発出しまして、まだ打っていただいていない方について、リーフレット、しっかり打っていただくように周知、広報を行っているところであります。引き続き、こうした様々な媒体を活用しながら、国民の皆様に丁寧に周知し、できるだけ多くの方が年内に初回接種を受けていただくよう取り組んでまいりたいと思います。
ただ、このように最大限の活用を図ってまいりたいと考えておりますけれども、結果として有効期限を迎えてしまったものは医薬品の適正管理の観点から廃棄せざるを得ないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/222
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223・東徹
○東徹君 ワクチンの確保は非常に大事ではありますが、やはり、廃棄すると非常に税金の無駄遣いだというふうに言われかねないようにですね、やっぱりしていかないといけないというふうに思いますので、その活用をやっぱりしっかりとしていただきたいなと思います。
続いて、オミクロン用のワクチンについてでありますけれども、これ、ファイザー社とそれからモデルナ社合わせて一億九千五百万回分契約しているということになっております。このワクチンの対象になるのは初回接種を完了した十二歳以上の人であって、人数としては約これ一億人になるわけですね。契約数としては対象者全員が二回打てるだけの数がありますが、今一回とされているオミクロン用ワクチンの接種をこれ二回にすることも含めて、今後のそういうふうな活用をするのかどうか、お伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/223
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224・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 従来型ではなくて、オミクロン株対応ワクチンにつきましては、これ、いずれの企業がこの新しいタイプのワクチンの開発に成功するかが分からない中で、確実に確保するためにファイザー社、モデルナ社の二社と契約したものでございまして、総計しますと現在一億九千五百万回分、御指摘のとおり確保しているところでございます。
オミクロン株対応ワクチンにつきましては、初回接種を完了した十二歳以上の全ての方を対象に本年九月二十日から接種を開始しておりまして、既に自治体に対して十二月末までに合計一億二千、いや、一億二百万回を配送する計画をお示しをしております。
それ以外の残りのワクチンの活用方法につきましては、これは今後の感染状況あるいは新型コロナの感染症法上の位置付けなどにもよるところでありますが、今後の新型コロナワクチン接種の在り方の検討の中で判断してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/224
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225・東徹
○東徹君 ワクチンが不足しているということよりかは確保しているということは大事なのは分かるんですけれども、ただ、このオミクロン用のワクチンの接種率なんですけれども、十一月九日の時点ですけれども、たった七・八%だということで報道で見ました。
国民の間には、もう何回もこれワクチン打っていて、もういいわというふうに思う人も結構おられたりもいたします。副反応があって非常につらいからもういいのかなと思う人たちもいるんじゃないのかなと思いますが、私の周りにも結構そういった人もいます。抵抗感とか、ワクチンの効果、そういったものに対する疑問もこれ広がってきたりとかもしています。
これ、オミクロン用のワクチン効果、これがどういったものなのか、今までのワクチンと比べて効果があるのかどうか、これについてお伺いをさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/225
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226・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
オミクロン株対応ワクチンにつきましては、これはBA.1対応かBA.4―5対応かというのはありますけれども、このどちらであるかにかかわらず、オミクロン株の、今流行しておりますオミクロン株の成分を含んでおります。したがいまして、従来株のワクチンの場合を上回る重症化予防効果があると。
また、今回は従来株とオミクロン株の二価ワクチンになっておりますので、今後の変異株に対してもより効果が高いということが期待されると厚生科学審議会の議論の中において報告をされているところであります。
こういったワクチンの有効性、そしてまた安全性などにつきましては、厚労省のホームページあるいはSNSなど様々な媒体を通じまして国民の皆様に周知、取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/226
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227・東徹
○東徹君 そうやってやっているけれども、ワクチンのこれ接種率がそんなにやっぱり進んでいないじゃないですか。ということは、そうやってやっていますとおっしゃるけれども、なかなか実際にはそのような効果があんまり伝わっていないということが現状だというふうに思うわけですね。
ですから、これ一億九千五百万回分契約しているわけですからね、これ本当どうやってこれからワクチンの接種率を上げていくのか、しっかり進めていっていただきたいというふうに思います。
以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/227
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228・田村まみ
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。
感染症法の審議に当たり、本会議に引き続き、お尋ねをしたいと思います。
まず初めに、加藤大臣にお尋ねしたいと思います。
本会議で、感染症医療に関する計画について、特措法の行動計画、医療法の医療計画、感染症法の予防計画と、計画ばかり作ることになって、重なる部分も多くなり、内容の、計画、同じような内容、それを別々に作らせることに関しての合理性、お伺いしました。それぞれの計画の整合性に留意するとの答弁でしたし、法案の条文にも調和を図る規定、これが盛り込まれていることも確認はしております。
ということは、現段階でも、それぞれの計画の内容に重複や、もしかしたら屋上屋になるような部分があると厚労省側が認識しているものだと私は拝察します。今回の改正で、政省令含めて、予防計画の充実や体制整備に関して項目、数字など、計画作成求められていますが、こうした事項について、どの部分が医療計画や行動計画と重複し整合性を図らなければならないのか、現状の整理をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/228
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229・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の改正案において予防計画を充実化することとしておりますが、今委員からお話がありましたように、予防計画の策定、また医療法に基づく医療計画、そして新型インフルエンザ特別措置法に基づく都道府県の行動計画、これらがあるわけでありますから、その整合性はしっかり図っていかなきゃならない。
それらの計画は、それぞれ趣旨、目的に応じて盛り込むべき事項がそれぞれに定められておりますが、例えば医療提供体制の確保に関わる事項については同様の内容になり得る部分がそれぞれの計画にあると認識をしておりますので、こうした部分については、都道府県においてそれぞれ計画ごとに異なる内容を検討していただくという必要はなく、計画の目的や構成に応じた記載としつつ、基本的には同じ内容のものを盛り込んでいただくことを想定をしているところでありますし、特に予防計画の充実化は、新たに新興感染症への対応に関する事項を追加することとなる第八次医療計画と密接に関わることから、この八次医療計画は令和六年四月から開始されるわけでありますが、その医療計画の議論と並行して進める必要もあると考えております。
実際、それぞれの記載の書き方について、先ほど申し上げたように、医療提供を体制する事項というのは予防計画にも医療計画にも行動計画にも同じ項目がございますが、ただ、数値目標に関しては、予防計画にはそれぞれ記載を書かせていただいておりますが、医療計画にはそうした根拠規定はなく、ただ、八次医療計画の策定時においては、そうした数値目標を都道府県が策定する医療計画には定めていきたいというふうにも考えているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/229
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230・田村まみ
○田村まみ君 民間企業で働いていた私からしてみると、もう計画に数字がない時点でちょっと、法的根拠がなきゃ数字がない時点でまず驚きなんですけれども、それができていなかったという反省の下で、今回、数値も入れていくというような法改正に、法改正も含めて今議論をしているんだというふうに認識をしています。
ちょっと今日の議論から少しずれるんですが、医療提供体制については全てに関わるところだという御発言もありました。
これまで、コロナ蔓延期に高齢者介護施設などは、コロナ治療以外の例えば介護、処置が必要なような入所者の人たちが入所している施設でクラスターが発生したときに、特に第七波では、病床逼迫や病院での対応困難を理由になかなか入院先が決まらなかった、その実情というのは多くの委員からも発言がありました。施設内で陽性者同士で見なければいけないような状況が発生して、本当にもう悲痛な声が毎度のように届いてくるというのがありながらも、そのままの状況であったというふうに私自身も認識をしております。
今回の法改正では、確実な医療提供に向けてのものです。充実をさせていく項目や数値目標がありますけれども、感染症流行期でも全ての入所患者を医療機関が受け入れられる体制を整える、こういう方向性のものなのか、それとも、現実的には病床確保が困難になることのもう前提の下、施設での訪問診療等やそういうことで対応していかなきゃいけない体制を構築するのか、こうした点も例えば予防計画や医療計画の中にも入っていくのか。これも病床確保に大きく関わることだと思いますので、大臣の見解伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/230
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231・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まず、基本は、入院が必要な方はしっかり入院ができるようにしていく、それを目指して私どもも医療提供体制の充実を図っていきたいと思っておりますが、他方で、その感染の状況によっては、医療資源が有限な中で、どうしても高齢者施設等で療養するという場合、これも実際これまでもあったわけでありますから、そういったことも想定しながら、高齢者施設等における医療支援の充実、それも図ってきたところであります。
次の感染症に備えては、そのウイルスの性状や感染状況によっては今回の新型コロナと同様な事態も想定されるわけでありますから、自宅や高齢者施設等での療養者の医療の提供、発熱外来を要望する医療機関についても、それぞれ予防計画、医療計画で数値目標を掲げるとともに、都道府県と医療機関の間でその機能、役割に応じて協定を締結していただきたいというふうに考えております。
こうした取組を進めることで、地域の実情や高齢者の症状等に応じて、病床確保のみならず、高齢者施設における訪問診療等も含めて必要な体制を図っていきたいと思っております。
ただ、実際の感染症がどういうものなのかというのは、その中になってみなければ分かりませんので、当然、その感染症の特性に合わせて協定の内容を見直すなど、状況に応じた機動的な対応は図っていきたいと思っておりますが、いずれにしても、まず、できる限り医療提供体制の準備をしながら、しかし、それで賄い切れないということも当然想定しながら、その場合の対応も併せてできるような体制を構築していきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/231
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232・田村まみ
○田村まみ君 予防計画は、特に想定外、想定外までも計画することが、私、あえて予防計画が別にある意味だというふうに思います。
今ほどおっしゃったとおり、ウイルスの性質が毎回変わるわけですし、同じこの新型コロナウイルスでも変異をしているわけですので、その点に関しては、計画を分けていることの一つの利点としては、やっぱり今状況に応じた中で変えていく。そして、予防計画というのは、やはりパンデミックが起きたときの状況、そこの最大限、最悪な事態ですね、最悪な事態を想定しながらやはり計画を立てておかないと私は意味のないものになるというふうに思っていますので、段階的という、先ほどのフェーズごとにという山本先生のお話もありましたけれども、この施設入所の皆様の今回の実情に関してということも今後の計画には是非加味していただきたいことと、とはいえ、この法律というのは施行先です。まず、目の前のところでの医療提供体制も是非一緒に考えていただきたいということをお願いしておきたいというふうに思います。
そして、少し元に戻りますが、予防計画とほかの法令、医療計画、行動計画との整合性について、条文上では、国と都道府県の連携に関して、感染症法の十条の五で、予防計画の作成の手法その他予防計画の作成上重要な技術的事項について、都道府県に対し必要な助言をすることができるというふうにされています。また、十条の十でも、厚生労働大臣は、都道府県に対し、提出を受けた予防計画について、必要があると認めるときは助言、勧告又は援助をすることができるというふうになっております。
こうした技術的助言や勧告等について、具体的にはどのようなものを想定されているのでしょうか。参考人、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/232
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233・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
御指摘の改正後の感染症法第十条第五項に規定します大臣から都道府県に対する助言は、都道府県における予防計画をまず策定いただくに当たって、計画の策定等に関する技術的助言を行うものでございます。これに対しまして、十項、第十項に規定する助言、勧告、援助は、提出を受けた予防計画に対して行うことを想定しております。
今般の改正案による予防計画の充実化に当たりましては、これは十条の第五項の方に基づきまして、厚生労働省としては、都道府県において計画の策定を可能な限り効率的に行っていただけるよう、今後、国が策定する基本指針を通じてその考え方をお示ししていきたいというふうに考えております。
またその上で、これは第十項に基づくことになりますが、提出を受けた予防計画につきまして、他の計画との整合性を確保する観点から、必要があると認められる場合には国として必要な助言等を行うことになるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/233
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234・田村まみ
○田村まみ君 今は健康局長が答えていただいたですよね。ただ、これ相互に連携して、整合性があるかということをチェックしなきゃいけないんですよね。これ、どちらがやるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/234
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235・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) これはもちろん大臣の権限でやられるということですので、部下としては省内で連携をしてやっていくということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/235
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236・田村まみ
○田村まみ君 まさしく、計画を作る、その法律を作って都道府県に指示を出す、厚労省はそういうふうに明確に分かれているんですけれども、受け手側の都道府県が、実際の大きさにもよりますけれども、本当にそれだけの、何ですかね、局としてはっきり分かれた形でやれているかどうかと思ったときに、相談先だったりとか、あとは整合性持たせるというときに、本当にそこが、何でしょう、今回の法律を決めていたり、これまでも計画はあったけれども実効性がある計画になっていなかった、そのチェックができていなかったというまさしく原因だと思うんですよね。
本当に新型コロナウイルスに対応するために、厚生労働省の皆様、部署関係なく応援お互いしながら、縦割りということにこだわりなく頑張ってやられていた部分もあるとは思うんですけれども、その前の段階での計画がやっぱり不十分だったというか、使える計画ではなかったというのはまさしくそこが私は問題だったというふうに思っていますので、是非、答弁はもちろんどちらかがするという方が、はっきりしておいた方がいいと思うんですけれども、この計画の整合性、これ合わせていくというときには、しっかりとその局をまたいで連携していただきたいなというふうに思っています。
その上で、おとといの質疑でも御指摘が一部ありましたけれども、今回の法律案では、全ての医療機関に対して協議に応じる義務を課す規定があります。協議には応じる義務があります。しかし、医療提供が義務付けられたのは公立・公的病院だけで、それ以外の民間病院については、協議のテーブルには着いても実際の医療提供については、はっきり言ったら拒否ができるという内容というふうになっています。
コロナ感染後の重症から中等、軽症まで回復した人が、経過観察が必要だというような患者の方、そういう方たちが、コロナ病床が逼迫してしまったときに転院を何とか促したいというふうにやっていたんですけれども、なかなか受入れをいただける民間病院が、地域の中できちっと連携ができなかったという事例が多数ありました。
回復期の患者の転院の受入れですから、もちろん院内での感染、クラスターが起こるというような懸念など、様々な病院関係者の皆様の懸念も分かりますけれども、この都道府県と協定を結ぶことだけで計画の実効性の担保、そして公的病院だけこれを課すことだけで本当にいわゆる全体での医療提供体制を整えていくための計画が作れるのか。民間病院が協定に応じなければ不十分だというふうに私は考えますけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/236
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237・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まず、今回のコロナへの対応で、一つ一つのステージ、ステージというか、一波一波経験する中で、地域において民間医療機関の、あるいは全体の医療機関の協力体制を構築してきて今に至るわけでありますから、その構築できたこの枠組みを法律的にしっかり担保しておきたいというのは今回のベースにあるわけであります。そうすることによって、これから次の新たな感染が起きたときは初期からそれに対する対応が一応仕組みとしてはでき上がっているということであります。
また、今回いろいろ御協力をいただいたわけでありますから、民間医療機関にも引き続きそのお願いをさせていただきたいと思っておりますが、さらに、今回の改正案も、委員御承知のように、協定の協議に応じる義務等も課しておりますが、それに先立って、その義務を課すというよりは、やっぱり地域におけるいろんな役割をそれぞれが御議論いただいて、自分たちの役割はこういうことなんだ、そういう中で地域で役割を果たしていただこうと、こういった丁寧なコミュニケーションを重ねていただく。そして、予防計画、医療計画を策定の段階からそういう議論を重ねて、そして個々の協定に結び付いていただける、こういう形での取組を是非お願いをしていきたいと思っております。
我々厚労省としても、それぞれの医療機関あるいは団体に対して引き続きお願いをしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/237
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238・田村まみ
○田村まみ君 この三年近く医療現場を支えてきていただいた方々への敬意と感謝、この念には堪えません。しかし一方で、国民への医療提供における緊急事態と言えるときに、これに何らかの役割として応じられない病院があるというのは、私はないと思います。
というのも、どうしてもクローズアップするのが病床の確保をする病院だったり発熱外来を受け付ける病院ばかりですけど、そこを通常の医療を停止してそういう対応をされる病院があった場合には、やはり通常医療を受ける病院も私はそれは後方支援の一つだと思っていて、役割だというふうに思うんですよね。
ということは、私はそこの協定すらも結べないというのはおかしいと思うんですよね。私は、後方支援、通常医療をそういう機関が受け付けますというふうに、それも役割として私は明確にしていく、それがなければ、やっぱり一部の医療従事者や一部の医療機関だけが頑張らなければいけないという話に結果的になるんじゃないかという危惧があって、あえて民間病院で起きた出来事を出させていただきました。
今も皆さんチーム全体で、本当に全国の医療従事者の方たちが頑張っていただいているということは重々承知はしているんですけれども、逆を言えば、役割のない医療機関だったり医療従事者の人たちっていなかったはずなんですよね。私は、逆に、この協定結ぶ中に入れませんとか、入らない人たちがいますということ自体が私はおかしいなというふうに読んでいるんですよ。
ちょっと通告していないですけど、この私が今思っていることってどう思いますか。協定結ばないと言えるような、役割がないというような医療機関とか薬局とかありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/238
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239・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
おっしゃるように、実際の医療の場面においては、当然今コロナの、コロナ禍の下で大変その医療を担っていただく医療機関を確保するというのは大きな課題になっているところでございますが、一方で、今委員御指摘ありましたように、通常の医療を必要とされる方も当然おられるわけです。そういった方々に対して必要な医療を提供するというのも大変大事な役割でありまして、両者をきちんと両立させながら体制をつくっていく必要があるというのは全く委員の御指摘のとおりだと思っております。
そういう意味で、今回の法案の中におきましても、入院医療、コロナとかの感染症、新しい感染症のその入院病床を確保するということを、一つ大きな今回のコロナの教訓を踏まえて協定の締結事項としてございますが、一方で、そういった協力していただくところは逆に、今御指摘ありましたように、通常医療が逆にその分削らなきゃいけないということになってまいります。
やっぱりそういった方を、じゃ、今度通常医療をきちんと受け止めるという役割も必要になってまいりますので、そういったその入院医療をきちんと担っていただける、後方支援をしていただけるような医療機関についても今回協定を締結していただいて、その支えをしていただくといったことも今回の法案の中に盛り込ませていただいて、両者両立できるような体制を是非つくっていきたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/239
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240・田村まみ
○田村まみ君 考え方はそうだと思うんですが、現実が、これまでも計画立てたり、いろんな協議会がある中でなかなか役割分担が進まなかったというのがまさしく、次に質問する予定なんですが、地域医療構想、これ自体の中身の本当の目的の理解がされずに進んでいないことにまさしくつながっているんじゃないかというふうに思います。
地域医療構想についても、医療法上の医療計画の中でこれは今度定められているわけですよね。特に、病床確保の点については今回の改正にも大きく関わるわけなんです。今回、この地域医療構想について、都道府県の医療審議会や地域医療対策協議会での検討の上で策定されていくわけなんですけれども、一向に進んでいない。そんな中で、今回の改正法で予防計画の見直しが入って、そことの整合性まで取らなければいけない。
大きく関係するとすれば、本当にこれで地域医療構想自体も進むのかという懸念が私は改めて浮かんでくるんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/240
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241・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
今、地域医療構想について御指摘を頂戴いたしました。
今般の改正案におきましては、御承知のとおり、知事が各医療機関と協定を結んで、それによって感染症発生、蔓延時の病床の確保等を行うということにしてございますが、この協定は、基本的にその感染症が発生、蔓延したとき以外の平時におけるその病床をどうこうするということを定めるものでは基本的にないというふうに考えてございます。
そのため、平時において各医療機関が担うべき機能、役割というのは、やはりこれまでと同様に、地域医療構想を進める中で明確になっていくものではないかというふうに考えているところでございます。
地域におけるその医療提供体制の構築につきましては、地域ごとに当然医療資源、異なってまいりますので、各都道府県が主体となって取り組んでいただくことが重要だというふうに考えてございますが、私どもといたしましても、地域における業務が円滑に進むように、各都道府県の御意見もよく伺いながら必要な取組を行っていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/241
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242・田村まみ
○田村まみ君 それぞれ細かなところまで行けば立てなければいけない計画は別だというふうにおっしゃっておられましたし、平時と有事というふうに分けていらっしゃいましたけど、今日午前中からも、人材だったりとか人員の配置、そしてそもそもの設備の問題考えたときに、急に増やしたり減らしたりできるわけではないというのはこの委員会の中での質疑で明らかになったわけですよね。
やっぱりこの本会議で、私はこの協議会ばかりということに課題を、焦点絞って質疑させていただきましたけれども、加藤大臣の答弁は、連携協議会に対する定期的なフォローアップで予防計画の実効性を担保していくとおっしゃいました。私は、協議会というプロセスそのものが実効性の担保にならず、ここの計画のもう少し整理をまずしなければ進まないんじゃないかというふうに思うんですが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/242
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243・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の改正案では、都道府県が予防計画を作成する際には都道府県連携協議会で協議をすること、また連携協議会において、予防計画に基づく取組状況を定期的に報告し、進捗管理を行うこととさせていただいています。
予防計画の実効性を担保するには、こうした連携協議会などを通じて関係機関との連携が重要であります。連携協議会において、感染症発生、蔓延時に実際に患者の受入れ、移送、健康観察を行う機関の代表も含まれているわけですから、そうした機関の実態も踏まえた意見も伺いながら取組の推進を図りたいと思っております。
また、都道府県は、自らの予防計画の実施状況に関する調査、分析、評価を行うことになっておりますし、また、それに基づいて必要に応じ予防計画を変更することになるわけで、予防計画に基づく取組状況を毎年度国に報告することにもなっており、また、国は必要な助言をすることにも、できることにもなっております。
こうした取組によって、地域での関係機関の連携がしっかり図られて、実効性のある予防計画、これを作り上げていきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/243
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244・田村まみ
○田村まみ君 どう考えても、まとめれるところをもう少しまとめて、是非一緒に話し合ってほしいなと思うんですが。
先ほど少し話をしました。やっぱり有事に急に人材とか人員が増えたりするわけではないという話をしました。計画を幾ら策定しても、やはりその実際に求める人材が補充できなければ意味がないですし、必要な財源が確保できなければ意味がないというふうに思っております。
そこで、特に有事ということは、そのときに想定外の人材だったり人員だったり費用が要るということなので、私は、予防計画の中ではっきりと体制整備に向けての、例えば人員の人数だったり、必要な人材の人数だったり配置場所だったり、また必要になる財源も幾らかという数字を横に書いておかなければ実際にどれだけそれを準備すればいいかということが絵に描いた餅になるというふうに思いますので、これも必ず、病床の数がいつもクローズアップされるんですが、費用まで含めて数字を入れるべきだと考えますが、いかがでしょうか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/244
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245・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 予防計画においてまず想定すべきところが、今回のコロナを前提としながら作り上げていくわけでありますから、ということで多分、いや、多分です、ということでお願いしようというふうに思っているわけであります。
その段階においてはどこまで具体的に決めていくのかということ、そして、そのそれぞれの地域においてもそれぞれ実情もありますから、余り国が一律的に基準を作るというのは必ずしも適切ではないというふうに思いますが、ただ、地域において作っていただくに当たっては、その予防計画が要するにリアリティーを持ってもらう必要もありますし、その中で自分たちの、それぞれの医療機関が自分の役割を担っていただく。その辺はよく考えながら、各地域においてこの予防計画を作っていただけるように我々としても努力をしていきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/245
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246・田村まみ
○田村まみ君 現場からの声はもう人員が足りないというのは明確なんですが、そのときに、まずは必要人員、人材がどれだけ必要かということを考えた上で足りないところをどう手当てしていくかというのを考えていかなければいけないので、是非計画の段階では、いろんな感染症の場合があるとて、やはりそういう数値も明確に入れていく。特に人員、人材の数字、ここを明確に入れていかなければ、今回の病床は確保できたけれども、そこを対処する資格を持った人たちが手当てできなかったということに陥ると思いますので、是非そこも厚生労働省側でチェックをしていく中でやっていただきたいというふうに思います。
次に、大きく話題を変えまして、委員会でほとんど話題になっていません、流行初期医療確保措置についてお伺いをしたいと思います。
衆参の厚生労働委員会で、本会議では参議院側も相当質問が入っていましたけれども、厚生労働省の方でこの保険料の負担ですね、この流行初期医療確保措置に対して保険料負担、これを入れるということ自体を今提案されていますが、私は問題だと思いますし、全額公費負担というふうに考えますが、改めて大臣、このお考え伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/246
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247・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まず、感染症の態様が明らかでない流行初期において、診療報酬の特例を設けるまでの間に行われるこの感染症の医療は、本来であれば診療報酬の特例措置で上がったその報酬体系で実施されるべき部分があるということがまず一つであります。
また、流行初期医療確保措置を講ずることによって、感染症医療のみならず通常の医療の確保にもつながっていくこと、また、社会経済活動の維持にももちろんつながるわけでありますから、そういった意味においては、保険者が相当の負担をすることは必要な対応と考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/247
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248・田村まみ
○田村まみ君 とすると、保険者機能というのは何なんだという話に改めてなります。
厚生労働省は、二〇一三年の厚生労働省委託事業、保険者機能のあり方と評価に関する調査研究にて、保険者機能については、一、被保険者の適用、加入管理、二、保険料の設定、付加、徴収、三、療養費の給付、支給、そして四、健康管理、健康増進、五、レセプト審査、支払、六、医療の質、効果性向上に関する医療提供側への働きかけという六つの主な役割に整理をされています。
今回のこの減収補填、これはこの六つのどれに当たるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/248
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249・本田顕子
○大臣政務官(本田顕子君) 田村委員から厚生省委託事業についての保険者機能についての御質問いただきました。
流行初期の医療確保措置につきましては、感染症医療のみならず、通常医療の確保に直結するという点から考えますと、この三番の療養の給付、支給に関わるものではないかと考えられます。
加えて、当該報告書では、保険者は加入者の利益の最大化を図るため、医療制度の責任ある当事者として加入者の健康保健増進を図るとともに、良質で効率的な医療サービスの提供に関わっていく必要があるとされておりますので、保険者は被保険者の利益のため適切な保険診療の提供に関与することが求められております。
こうした中、特別な協定を締結した医療機関に対して、流行初期医療確保措置によって必要な財政的支援を行うということでは、報告書で示された機能のうちのこの六番目の医療の質、効率性向上に関する医療提供側への働きかけのための手段の一つでもあると考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/249
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250・田村まみ
○田村まみ君 説明が付かなければ審議会にもかかっていないと思うので、御説明ありがとうございました。
なかなか、この医療機関の減収補填についてなぜ私が取り上げているかというと、この本法案の事前審査の審議をされていた社会保障審議会の議事録、これを何度も見ましたけれども、保険者などからの全面的な賛同がとても得られているような議事録にはなっておりませんでした。今回の感染症対策に限らず、医療提供に関する施策の中で、保険料がどうしても安易に使われているというふうにも見えている、そんな声も現場から聞こえてきています。今後、こういうことが前例になってしまうのではないかというような懸念も、保険者や被保険者の方々から懸念をいただいております。
流行初期医療確保措置、これは将来、未知の感染症が訪れた際の例外的かつ限定的な措置だというふうに認識しています。このほかの施策でこの減収補填に対して保険料が安易に使われることはないということを大臣に是非明言いただきたいというふうに思いますし、是非、この流行初期医療確保措置、これが初めて発動された後は、必ず検証して、その内容を社会保障審議会でももう一度諮っていただきたいというふうに考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/250
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251・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 現行の医療保険各法においては、保険料を充てることのできる事業を法律上明確に規定をしておりまして、流行初期医療確保措置に要する費用については、今般の改正法、改正案が成立することによって初めて保険料から拠出することが可能となると。まさに法律において限定的に定められている措置であるということがまず言えるというふうに思います。
その上で、その今般の改正案では、施行後五年を目途として改正後の各法律の施行の状況等を勘案し、必要があると認めるときは、各法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするとこの附則第二条に書いてあるわけでありまして、当然、今回の法律の規定の中にはこの流行初期医療確保措置、これも含まれているというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/251
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252・田村まみ
○田村まみ君 そうなんですよね、五年なんですよね。ですけど、是非、初めて発動された際にはその内容について検証いただきたいというふうに思います。
いろんな意義があるという意味で、その初期に医療機関の皆様が御協力いただいたことに対して、減収に対して何らかの対処をしなければいけない、このことについては私も大事なことだというふうに考えています。
しかし、あっ、という中で、ごめんなさい、今回、二〇二〇年以降にこの今回の新型コロナ禍、あっ、コロナが流行したというときに、今回に当てはめるとこの流行初期というのはいつに当たるのかということを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/252
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253・本田顕子
○大臣政務官(本田顕子君) 流行初期の長さについての御質問と思いますが、この流行初期医療確保措置の期間については、感染症の様態が、態様がある程度判明し、当該感染症に対する診療報酬の特別措置や、あっ、済みません、特例措置ですね、補助金等の財政支援が整備されるまでの限られた期間と考えておりまして、今回の新型コロナウイルスの対応に当たっては、今般の法案で盛り込んでいる、具体的には、協定による医療機関の事前の役割分担の仕組みや流行初期医療確保措置のような財政支援の仕組みがない中で対応してきております。そのため、前提が大きく異なるので、今回の新型コロナウイルス対応の経験に単純に当てはめることは難しいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/253
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254・田村まみ
○田村まみ君 その期間のいろんな考え方があると思うんですけれども、決め方、考え方、いろいろあると思いますが、衆議院の厚労委員会では、保険局長が三か月を目安にというふうに答弁を実際にされておりました。委員会での発言ですので公式なものですけれども、あえて大臣にもお伺いしたいというふうに思います。
この三か月の目安という答弁、これ、私はその法律成立後に省令や政令に内容が盛り込まれるんだったらここまで言わないんですけど、この議事録に残っているだけの保険局長のその三か月を目安というのが妥当だというふうに、厚労省全体としての考えなのかどうなのか、これ厚労大臣にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/254
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255・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 流行初期医療確保措置の実施期間、これ政令で規定することになっているわけであります。感染症の態様、今説明がありましたように、感染症の態様がある程度判明し、その感染症に対する診療報酬の特例措置等々が整備されるまでの限られた期間として、できるだけ短い期間で設定したいと思っておりますし、これは衆議院の方の附帯決議においてもその旨が指摘をされているところでございます。
正直言って、どのような感染症が蔓延するか分からないわけでありますし、特に当初でありますから実施期間を一律に決められるわけではありませんが、今回の新型コロナ流行の波などを考えると三か月ぐらいというのが、短い期間として設定と言われていますから、一つの基本になるのではないかなということで、そういうイメージを申し上げさせていただいたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/255
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256・田村まみ
○田村まみ君 延長というのは規定として置きつつも、やはりその目安の期間ということが余りにも長過ぎるということであれば、やはり異論、保険者、被保険者の方々からの不安の声も収まらないと思いますし、是非そこについては、この三か月というところは念頭に検討いただきたいというふうに思います。
少し時間がなくなりましたが、最後、コロナの検査、ワクチン接種体制について、両方質問できればしたいと思いますが、既に八波が始まったと言われているけれども、今日はちょっとまだそれ、八波という話にはなりませんでした。そういうときの重症化リスクのある方とない方の発熱等の体調不良時の外来受診、診療の流れについて方針が出ました。
重症化リスクのない方については、新型コロナの検査キットでの自己検査をするように示されています。既にコロナ単独の検査キットはOTC化して薬局とドラッグストアで購入できますので、こうした製品についてはセルフメディケーション税制の対象としてもいいと思いますが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/256
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257・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
政府としては、この冬の新型コロナとインフルの同時流行に備えまして検査キットの確保に取り組んでおりますけれども、コロナのキットとインフルの同時検査キットとは生産ラインが競合するため、現在は優先順位を考慮しまして、まずは自己検査用も含めた新型コロナの検査キットを、そして同時に、発熱外来等で使用するものとして新型コロナとインフルの同時検査キットをしっかりと確保してきたところでございます。このOTC化につきましては様々な御意見があり、関係者の意見を丁寧に伺いながら検討する必要があると考えております。
また、したがいまして、セルフメディケーション税制、したがいまして、済みません、また、セルフメディケーション税制の対象は、疾病の治療のために療養の給付として支給される薬剤との代替性が特に高い一般用医薬品等とされておりまして、検査キット等は税制の対象とならないものとなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/257
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258・田村まみ
○田村まみ君 そうなんですよね。対象とならないって、そもそもの検査キットだからという答弁あったんです。
新型コロナについては自己負担による、でも自己検査をその重症化リスクのない人はしなければいけないと。でも、インフルエンザ、季節性のインフルエンザの検査については保険診療。その整合性が合わないんじゃないかというふうに私は思います。
その上で、コロナの検査と一緒にセルフメディケーション税制の対象にして、薬局薬剤師の方々を積極的に活用して、発熱外来に行かないその重症化リスクのない人たち、こういう人たち、自宅で自分で検査するよりかは、是非私は、薬局で薬剤師の皆さんに、その指導の下、検査をするという体制の構築が大事だというふうに思います。
そういう意味でいきましても、私は両方とも、今はセルフメディケーション税制の仕組みには入らないけれども、そのような考え方での何らかの措置も考えるべきだというふうに思いますけれども、厚生労働大臣、所感をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/258
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259・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど局長も申し上げたように、今回のコロナのキットについては、短期間、濃厚接触者の待機期間の短縮等に活用が可能であることと、また、限りある医療資源を重症化しやすい方に集中するために自己検査を推進する必要があるということでOTC化が図られたと。私自身、OTC化そのものの流れというのが一つ、本件の、具体的ではなく一般論として申し上げれば、これを推進していくということなんだというふうに私は思っております。
ただ、その中で、先ほども薬がどうかということで現在対象になっていないという、ここは税法の考え方なんですよね。これが簡単ではないなということは認識をしておりますが、ただ、広い意味でOTC化を進めながら、もちろん医療機関にかかっていただくものに関してはしっかりとかかっていただく、しかし一方で、自分の方でやれることは自分の方でやれるという、こういった流れをつくっていくことは大事なことじゃないかなというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/259
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260・田村まみ
○田村まみ君 本件ではないですけれども、大臣とのそのOTC化等の考え方というのは私は共通しているというふうに思っています。いつも社会保険との給付とのその関係の話をするときに、いつもバランスという話をされますけれども、今自分でできることはというふうにおっしゃっていただきました。
もちろん、医療機関にかかり、医師の皆さんに診断を下してもらわなければいけない場合という、なければいけないことの方が多いかもしれませんけれども、まずお医者さんに行くということ自体を選択するのは私たちですし、その手前で検査をするということを選択するのも私たちなわけですよね、患者側なわけです。そのときに、やはり保険料とのそのバランスだったり、膨大化していく医療費の課題を考えたときに、私は、この新型コロナウイルスの蔓延の中で、セルフメディケーションとか、自分たちのこういう予防をしていかなければいけないということに対しては、マスクってちょっと悪い面も出ているけれども、いい面も、やはり意識が高まったという、これチャンスだというふうに思いますので、是非これは、このこと、ピンポイントに限らず広く、OTC化とこのセルフメディケーション税制の適用を広い考えで進めていただくということを最後にお願いして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/260
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261・倉林明子
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
法案審議で五類相当への見直しの議論が衆議院の方でもされて修正案にも盛り込まれるということになりました、見直しの方向がね。感染拡大期の今、私はこれ議論すべきことではないんじゃないかと思っております。
現状では、感染症法上の位置付けについて見直さないとしているわけですけれども、その理由について簡潔な御説明をお願いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/261
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262・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
まず、感染症法上の分類を五類に見直すためには、現在の新型コロナが感染症法上、当該感染症の全国的かつ急速な蔓延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある感染症として定義される新型インフルエンザ等感染症に位置付ける必要がないと評価されることが必要でありまして、次に、五類の定義、すなわち感染力及び罹患した場合の重篤性に基づく総合的な観点から、危険性が高くない等の要件に該当する感染症として定義されることが必要となります。
現在、新型コロナは、オミクロン株であっても致死率がインフルエンザより高いと評価されておりまして、更なる変異株が出現する可能性もございます。新型コロナの感染症法上の位置付けの見直しにつきましては、衆議院における修正も踏まえまして、専門家の意見も聞きながら、引き続き内外の科学的知見に基づき議論を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/262
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263・倉林明子
○倉林明子君 エビデンスに基づいて判断されるべきものだというふうに改めて指摘したい。
今おっしゃったように、変異による毒性が高まる可能性が現状では否定できない、排除できないと。薬はいろいろ出てきたけれども、インフルエンザに対する特効薬のようなものはいまだありません。何より、感染防止の手段がなくなっちゃうっていうのと、自己負担も発生するということがありまして、五類への、五類相当への見直しっていうのは今やれることじゃないんだということを私からも指摘をしたいと思います。
次ですね、感染者数の全数把握の取りやめ、これは現場の負担軽減ということは大きかったと思うんですけれど、今、やめて以降の現場のお話を聞いていますと、逆に、現場の負担は必ずしも軽減していないという場合もあるというふうに聞いているんです。
問題は、問題だと、これやめたことによって問題だと思っているのは、軽症者らが自宅療養中に重症化しても見逃されると、こういうおそれはやっぱりあるわけですよ。
改めて全数調査っていうことを考えるべきじゃないか、戻すべきじゃないかと思いますけれども、その点いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/263
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264・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 今の委員おっしゃったようなことを背景に、またオミクロン株自体が若者の重症化リスクが低く大部分の人は感染しても軽症で入院することがない一方で、高齢者の重症化リスクは引き続き高い、そういう特性を持っているということと、さっきおっしゃった事務的な負担、これらも踏まえて、重症化リスクの高い方々に対して適切な医療提供をしていくという観点から、全数見直し、届出の見直しを行ったわけであります。
まさに今、感染数が増加している局面でありますから、まさに業務が逼迫するおそれがある、また、重症化リスクの低い方も含めた全ての患者等に対して健康観察を行うこともなかなか難しいといったことを考えると、少なくとも戻すことは適切ではないというふうに考えております。
引き続き、自宅療養を行っている方が体調悪化時などに相談できる体制及び必要に応じて適切な医療が受けれること、これ大変重要でありますので、そういった面について都道府県とも連携し、重症化リスクの低い方が安心して自宅療養などができる、こうした体制を引き続き整備していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/264
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265・倉林明子
○倉林明子君 軽症者が重症化に転じるということで命を落とした、在宅で命を落としたという事例は相次いだんですよね。
そういう中で、やっぱりこの全数調査をしているということで救える命があったはずだということからも出ている声です。もちろん、その負担を軽減するということについては、それこそITの活用だとか、今もやられていると思う、省略化はかなり取り組まれていると思うんですけれども、マネジメントも含めて考えていく必要があるんじゃないかということを改めて指摘したい。命を落とす、救える命が救えなかったという教訓をやっぱり大臣に、この点では見直しを求めておきたいと思います。
政府は、第七波の真っただ中でコロナの療養期間を短縮、これ踏み切りました。医療機関等の人手を確保するということにつながるという歓迎の声もありましたけれども、これ感染拡大のリスクを高めることにもなりかねないわけですね。病院、高齢者施設等でのクラスター発生を防止すると、これ死亡者を減らしていくということの私は鍵になるとも思っておりまして、高齢者等リスクの高い全てのケア労働者に対して療養期間の短縮と、これリスクを高めかねないものでもあるんですよ。
こういう適用についてはやめるべきだ、見直すべきだと思うんですけれど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/265
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266・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 厚生労働省では、これまでの様々な科学的な知見、あるいは諸外国における陽性者の隔離の期間の状況を踏まえまして、ウイズコロナの新たな段階への移行に向けて、社会経済活動との両立の観点から、これは九月七日からですが、無症状者の療養期間については、検査を実施しない場合には引き続き七日間とするけれども、五日目の抗原定性検査による検査で陰性を確認した場合には五日間経過後に療養解除を可能としたところでございます。
ただ、療養を五日間で解除する場合であっても、七日間が経過するまでは感染リスクが残存することから、御自身による検温や、それから高齢者等重症化リスクのある方との接触など、感染リスクの高い行動を控えていただくようにお願いをしておりまして、ハイリスク施設の従事者等においてもこれを踏まえて対応していただく必要があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/266
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267・倉林明子
○倉林明子君 そうなんですよ。高齢者とかリスク高いところについては気を付けなさいという話と、早く職場に戻ってくるためにこれ使うということも可能になっているんですよ。対応は分かれているんです、現場で。
実際に医療機関が調べて、医療機関、医労連がこの点でも調査しているんですけれども、結局エビデンスがないということで、感染リスクが、それで大丈夫だというエビデンスがないということで期間短縮をしていないという病院が六割弱あるんですよ。それ当然だと思うんです。
ウイズコロナという話ありましたけれど、医療従事者は、世間はウイズコロナだけれども、スタッフには二年半ずっとゼロコロナを目指してプライベートも犠牲にして抑制的な生活してもらっていると。それでも感染してしまうことも、感染力すごい強いオミクロン株の下であったわけですよね。
さらに、この短縮、待機期間の短縮を病院や高齢者施設で働く人まで適用するのはやめた方がいいんじゃないかということを申し上げているんですよ。もう一回どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/267
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268・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) 今回の療養期間の見直しに関しましては、まず、国立感染症研究所の解析によりまして、五日間待機後では約九〇%の患者さんが感染力のあるウイルスを排出していないということを確認した上で行ったものであります。
御指摘の点あると思いますが、これは社会経済活動との両立の観点から考えていく必要があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/268
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269・倉林明子
○倉林明子君 医療現場ではそういうふうに六割ではやれてない、やれない、踏み出せないんですよ。それは、やっぱり病院にはゼロリスクが求められるからにほかならないんです。
そういう意味で、改めて、その点では高齢者、リスクの高いところについては気を付けなさいと、それはやっぱり、一番高齢者やリスクの高い利用者等に接しているところについては、期間は別途やっぱり厳しめに見ておかないと駄目だということは強調して、改めて申し上げておきたいと思います。
そこで、第六波、第七波の医療崩壊に伴いまして、深刻な事態に追い込まれているのが介護福祉事業所ということになります。
利用者が感染し、病状が深刻化しても、救急搬送、入院は何度も断られると、職員が看護せざるを得ないと。陽性者の利用者を陽性者の職員が面倒見るというようなことも、六波のときも紹介しましたけれど、七波でも続いたんですね。各地でクラスターが起こりました。現状は余りにも壮絶だと思うんですよ。
大阪府内の障害事業所、障害者事業所、六波でショートステイ、グループホーム、待機、隔離、療養の場になりまして、ある福祉職は月に二十四時間勤務を四回やったと。十日連泊した職員のことも紹介しましたが、こうした状況が六波、七波と続いたわけです。
要介護者から適切な、こういう実態というのは、要介護を受ける人たちの医療を受ける権利が奪われているというふうに私は思うんですけれども、大臣、そんな認識はおありでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/269
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270・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどもほかの方からも御質問がありましたけれども、やはり入院が必要な方がしっかりと入院ができる体制をつくっていく、そういう努力する、これはもう当然のことだと思いますし、我々やっていかなきゃいけないと思って、これまでも各都道府県を含めて医療関係者の方の御協力もいただいて取り組んできましたが、さはさりながら、医療資源には有限、限界があるわけでありますから、その中で高齢者施設等で療養する場合もこれは想定しておかなきゃいけませんし、またそれに応じた対応も図ってきたところであります。
具体的には、施設からの連絡により感染発生から二十四時間以内に感染制御・業務継続チームを派遣できる体制の整備とか、あるいは全ての施設で医師や看護師による往診、派遣が可能な医療機関の事前の確保を進めることで、必要に応じ高齢者施設に対してまた財政支援も行ってきたわけであります。
今般の改正案において、病床の確保や高齢者施設の入居者等を含めた自宅療養者等に対する医療の提供について、数値目標を盛り込んだ計画を平時から策定するとともに、各医療機関の機能や役割に応じて協定を締結することで確実な備えを図りたいと思っております。
こうした取組を進めることで、高齢者の方に対する、まずは入院ができる体制を整備するとともに、高齢者施設においても適切な支援が図られるように取り組みたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/270
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271・倉林明子
○倉林明子君 私、現場からは、福祉施設は病棟じゃないよという怒りの声が上がっているんです。そういうことで体制も整えていくということだけど、医療提供体制は急に膨らますことできないということになると、繰り返しかねないということです。
そして、今度の法案では、留め置き、施設への留め置きと、これ盛り込まれておって、留め置きそのものを前提とするということでいいんだろうかと。私は撤回すべきだと思うんですよ。端的にお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/271
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272・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) ただ、先ほど申し上げたように、必要な、入院が必要な方が入院ができるように提供体制を充実するべく努力をする、これは大前提だと思います。
しかし、その場合において、それを超えるような感染拡大が起きて、また患者さんが発生した場合にどうするかと、そういったことも当然想定しながら対策を講じていくということが大事だというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/272
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273・倉林明子
○倉林明子君 感染拡大のたびに繰り返される留め置きということが現場、福祉や介護の現場にどういうことを引き起こしているかというと、疲弊し切っていますね。このままでは職員が潰れると。
在宅の高齢者、障害者含めて要介護者の必要で適切な医療の確保と、こういうこと、前提だとおっしゃるんだけれど、できてきませんでした。本当にそれをどうやってつくるかということが今示されている中身では見えていないというのは私、実感なんですね。改めて、この体制をどうやってつくっていくのかということも議論必要だと思っています。
増員、要はキャパが足らぬのですよ、キャパが、医療提供体制の、人も病床も。ゆとりがないんですよ。ゆとり必要だっていう議論もあったけれども、本当にそこの、そこをどうやって増やすかということ抜きに、私はまた留め置き繰り返されると思います。
こういう留め置きが発生したところ、一旦クラスターが発生すれば、ほぼ一か月、新規入所制限に加えて、ショートステイ、グループホーム、療養、隔離のために利用の制限と。保健所の指示に従って通所系サービスの停止、これ余儀なくされます。減収規模が数千万円規模、こういうところが少なくないです。規模の小さい事業所、これ百万程度の減収でも事業継続が困難になるという事態さえ招いております。掛かり増し経費の上限の撤廃、減収補填ということなしに事業継続は私困難だと思うんです。
公費による減収補填ということをこの介護、そして福祉施設、福祉事業所に対してもしっかり行うべきだと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/273
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274・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 介護施設あるいは障害福祉施設において必要なサービスが安定的、継続的に提供されていくということは大事だと考えております。
感染者が発生した介護施設等に対しては、消毒、清掃や緊急時の人材の確保に係る掛かり増し経費への補助、施設内療養者一名当たり最大十五万から三十万の追加的な補助の全国拡大、これは介護事業所でありますけれども、さらには、一時的に人員や運営の基準を満たすことができない場合にも報酬を減額しないこと、こうした柔軟な取扱いも行ってきたところでありますし、さらに、通所介護事業所等については、利用者減の生じた月の実績が前年度の平均延べ利用者数から一定以上減少している場合には基本報酬に一定の加算を行うことも可能とした措置もとらせていただきました。
さらに、先般、物価高騰に対する支援策として創設された六千億の電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金において、効果的と考えられる推奨メニューの一つとして介護施設や障害福祉施設に対する支援も掲げられており、厚労省としても自治体にその活用をお願いしてきたところであります。
今後とも、こうした様々な対応を組み合わせながら、介護、障害福祉の現場をしっかりと支援をしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/274
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275・倉林明子
○倉林明子君 たくさんの支援メニューがあるんだという紹介いただいたけれども、それ全部事務作業を伴って、必死で、クラスターで大変な事態に陥っている下でも、そのお金、その様々な支援を受けようと思ったら、その手間が物すごい大変だったというお話も聞きました。
そうやっていろんな支援金をいただくために頑張ったんだけれども、ある事業所でいいますと二千百万円の支出がありましたと、クラスター発生したことによって。掛かり増し経費の補助、もらえた分が一切合財で七百七十二万円止まりでした。減収分含めると結局七千七百万円という損失になったっていうんですよ。メニューはあるんだけど、総額が足らぬのですよ。
私、医療崩壊のツケを全て事業所の責任ということで丸投げしていいのかというふうに思うわけです。改めて、こういう、そのコロナでも高齢者や介護が必要な人を受け入れなければならないというふうに決めているわけですよ、福祉介護の、社会福祉事業所に対して。そういうところがコロナで事業が継続できなくなったというようなことは絶対避けるべきだと思うんですよ。もう一回、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/275
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276・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 同じ答弁になって恐縮ですけれども、まさに介護施設や障害福祉施設において必要なサービスが安定的、継続的に提供されることが大事でありますし、それに対して必要な支援を引き続き行っていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/276
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277・倉林明子
○倉林明子君 絶対的に足らぬということと、このコロナを経て、介護事業所や福祉事業所が継続困難で潰れるというような事態を招いてはならないんだと、それはやっぱり国の責任だということは強く申し上げたいと思います。
次に、保健所職員について質問します。
過労死を防止して健康を確保していくこと、確保すると、これ極めて重要になっていると総理は答弁いたしました。それならば、私は、労基法三十三条三項の規定で、公務員は臨時の必要がある場合、青天井で働かせることができると、この規定の見直しこそやらないと守れないと思うんです。
臨時の期間のこれ上限を規定する、インターバルを規定する、こういう整備をしないと、保健所職員、過労死避けられないのではないかと思っています。いかがですか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/277
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278・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まず、新型コロナウイルス感染症の対応において、地方の公務員の皆さん方も大変な御努力をいただいていることに改めて感謝を申し上げたいと思います。
労働基準法第三十三条第三項で、公務のための臨時の必要がある場合には、非現業の官公署に勤務する職員については、三六協定を締結することなく時間外、休日行動を行わせることができるとされている、それ今御指摘の点なんだと思いますが、人命等の保護の観点から新型コロナウイルス感染症の対応はもちろん重要でありますが、その一方で、長時間労働などの職場環境を原因として働く方が健康を害するようなことはあってはならないわけであります。
このため、これまでも保健所業務の負担軽減を図ってきたほか、労働基準監督署においても時間外労働の削減に向けた指導を行うとともに、やむを得ず時間外となって、時間外労働となっている方々に対しては、労働安全衛生法に基づく医師の面接指導を徹底するよう指導もさせていただいております。
さらに、過労死等防止対策推進法に基づき定められた過労死等の防止のための対策に関する大綱において、地方公務員の勤務間インターバルの確保に関する内容が盛り込まれており、同大綱についても厚生労働省から地方自治体にお知らせをしているところであります。
引き続き、働く方々の健康確保対策の徹底を図るとともに、労働時間の縮減などに向けて必要な指導、また支援、これを粘り強く行っていく、まいるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/278
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279・倉林明子
○倉林明子君 現状ではこの指導の範疇ですよね。産業医の面接というところまでなんですけれど、産業医の面接までたどり着くのに随分掛かっているということで、具体的な時間、労働時間の短縮ということは、この間できていないんですよ。結局、やっぱり人が足らぬのですね。一保健所当たり、増員もしていただいたと、財政措置もとったということですけれども、一保健所当たりで見ると一・五人、一人か二人の範囲ですよね。焼け石に水と言うんですよ、こういうのね。
抜本的な解決には程遠いという事態になっております。踏み込んで、増員をどうしていくのか、今々働いている保健師の命をどう守るのかという点では、指導だけでは守れないということを強く申し上げておきたいと思います。
総理は本会議で、強化された保健医療体制の下、病床の逼迫を招くことなく、三年ぶりに緊急事態宣言を行わずに過ごすことができ、多くの国民の生活となりわい支えることができましたと答弁されました。
六割程度の病床の使用率だから病床の逼迫はなかったと言えるんでしょうか、確認です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/279
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280・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
今回、新型コロナの病床確保に向けては、昨年、全体像に基づいて確保を進めてまいりまして、今夏の感染拡大の中で、最大確保病床、ベッド数、約五万床のフル稼働に向けた対応を行ってまいりました。
この夏の感染拡大期での確保病床……(発言する者あり)あっ、済みません、確保病床使用率については、全国最大六二%でございましたが、都道府県においては更に高い数字で、八割を超えたところもあったところでございます。
また、これまで、五万床フル稼働に向けていろんな対応、また入院対象者の適切な調整など対策を講じてまいりました一方で、医療従事者やその御家族の感染、濃厚接触などで人員不足が生じて、確保していた病床について適切に稼働させることが難しい場合もあったといった課題も見られたというふうに認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/280
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281・倉林明子
○倉林明子君 いや、総理の答弁で、逼迫、医療の、病床の逼迫を招くことがなかったという答弁があったから、私はびっくりしたんですよ。医療は逼迫していたんですよ。使用率はフルにはならなくても医療の逼迫ということは起こっていたのが六波、七波、間違いなかったわけですよ。そういう総理発言を聞いて、現場を余りにも把握していないんじゃないかと、医療の崩壊、緊急搬送の崩壊というような現状を総理は把握されていないんじゃないかということを強く思ったんですね。
これ、成り行き任せに感染拡大を招いた政治の責任は極めて大きいと改めて申し上げたい。
緊急事態宣言を行わなかったことで生活となりわいを支えられた多くの国民がおりました。ただ一方、過去最大の感染者数となって過去最悪の死者数を回避できなかった、七波。感染者数を抑制できなければ、守れる命を守れないことを私は繰り返すことにならないかと。
前回の質疑で第八波に向けた感染拡大防止措置の実効性をただしたところ、大臣は、住民の協力要請が中心だと回答をされました。お願いだけで感染拡大防止できるのかと、改めて最後に問いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/281
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282・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) この夏のBA.5の対策強化宣言においても、国がBA.5対策強化地域に位置付け、国と県が緊密に連携し要請、呼びかけを行うことで感染者数の減少に一定の効果があったと考えており、今回もそうした仕組みを盛り込ませていただいたわけであります。対策強化宣言等の措置については、内閣官房において専門家の意見を伺いつつ、自治体と緊密に連携しながら対応がなされていくものと承知をしております。
一方、厚労省としては、アドバイザリーボードにおいて、新型コロナの感染状況や医療体制等についての分析、評価を行い、その内容を都道府県に情報提供していくことで、時機を逸することなく適切なタイミングでこうしたメッセージを発信していく、措置をとっていくと、こういったことを進めていきたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/282
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283・倉林明子
○倉林明子君 現場二年半頑張ってきた職員たちがどういう思いかと。目の前の命はもう失いたくないと、こういう声なんですよ。しっかり受け止めていただいて、感染拡大防止措置、実効あるものとして実行、行っていただきたい。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/283
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284・木村英子
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。
感染症法等の改正案について質問いたします。
資料一を御覧ください。
二〇〇七年の感染症法改正時の前文には、我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれない差別や偏見が存在していたという事実を深く受け止め、あっ、重く受け止め、これを教訓として、感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適確に対応することが求められていると人権について記されていますが、新型コロナが世界的に猛威を振るう中で、日本においても感染爆発により医療が逼迫し、多くの人たちが適切な医療を受けられずに亡くなっています。
先日の予算委員会でも質問させていただきましたが、特に日常的に介護者の支援が必要な障害者は、コロナの非常時には入院時の付添いを拒否されるなど、人権を尊重した対応がなされていない現状があります。介護者の付添いがなければ入院ができない障害者の人権について、大臣はどのようにお考えでしょうか。お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/284
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285・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 感染症法においては、過去の感染症患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在した事実を重く受け止め、教訓として今後に生かすことを前文に掲げた上で、国及び地方公共団体や国の責務として感染症の患者等に対する人権の尊重を規定をしているところであります。
新型コロナにおいても、こうした感染症法の基本的な考え方を踏まえて、新型コロナの患者等の人権に配慮しながら対応を行ってきたところでありますし、引き続き、障害特性に応じた対応を行うとともに、合理的な配慮がなされるよう取り組んでいきたいと考えております。
また、感染症対策のみならず政策全般にわたって、障害のある方あるいは様々な事情を抱えている方々の事情を踏まえながら、それぞれの政策を適切に、またそうした立場の方々にしっかりと寄り添う形で政策を推進させていただきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/285
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286・木村英子
○木村英子君 しかしながら、東京都では、既に感染者が昨日の時点で一万人を超えています。第八波が始まっていると言われていますが、日本で感染が広まり始めてから三年近くが経過しているのに、国の施策が後手後手に回り、医療の逼迫の状況は余り変わっておらず、障害者や高齢者、子供のような配慮の必要な人たちは医療の手がますます届かない現状が続いています。私の周りでも、障害者と介護をしている家族全員がコロナにかかり、事業所のヘルパーも打ち切られ、入院も断られ、病人同士で介護をするしかなく、過労で倒れてしまうほど悲惨な状況の人たちが何人もいます。
また、私たち障害者がコロナにかかった場合は、一人一人障害が違い、介護の仕方も異なるため、入院中の治療や入院生活を安全に行うことは日頃から慣れている介護者の付添いがなければ生活ができません。また、そのため、入院するときに介護者の付添いをお願いしても、感染拡大を恐れて拒否される状況です。入院時に介護者の付添いがなければ、病気を治すどころか命の危険にもさらされてしまいます。
私たち障害者のコロナ禍の厳しい現状については何度も質疑をさせて訴えさせていただきましたが、個々の障害を熟知した介護者の付添いが入院時に医療機関から拒否されないように、今回の法改正ではどのように改善していただけますか。お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/286
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287・佐原康之
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
医療機関における対応につきまして、今回の改正では、予防計画に沿って都道府県と各医療機関との間で協定を結ぶこととしておりますが、その際には、都道府県や管内の保健所設置市、医療関係者等が参画する連携協議会におきまして、保健医療体制の確保策について平時から議論、協議することとしております。
御指摘の重度障害者などの方々の支援者の付添いを始めとする障害者の方への必要な配慮につきましても、こうした医療機関との協定や連携協議会における議論の中で、院内感染対策に配慮しつつではありますけれども、可能な限りの支援者の付添いの受入れなど必要な配慮が進むよう、厚生労働省として促していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/287
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288・木村英子
○木村英子君 しかしながら、そのコロナの対策については自治体によってそれぞれ対応が違います。障害者のことは後回しになっているというところもほとんど、あります。コロナにかかっても、付添いが必要な障害者は入院できない現実っていうのが目の前にあります。自治体だけに任せるのではなく、障害者が付添いを付けて安心して入院できる体制を国が責任を持ってつくっていただきたいと思います。
今回の改正法で位置付けられている自治体と医療機関で結ばれる協定の中に、重度訪問介護を利用するなどして平時から支援している介護者が付き添って入院できる体制の整備についても国として盛り込むように検討していただきたいと思っていますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/288
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289・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) コロナ禍における障害児者に係る医療提供体制の整備については、これまでも、障害児者それぞれの障害特性と必要な配慮を踏まえながら、あらかじめ受入れ医療機関の検討を行うよう都道府県等には依頼をしてきたところであります。
今般の改正案においては、都道府県知事が平時に各医療機関と協議を行い、これまでの新型コロナウイルスへの対応も踏まえながら、地域における各医療機関の機能や役割に応じて協定を締結していただくこととなります。今御指摘のありました重度訪問介護の介護者等の支援者の付添いが必要な障害児者についても、地域における各医療機関の役割分担の中で必要な受入れ体制を確保いただくことが重要と考えております。
国としても、これまでのコロナ対応での経験を踏まえ、こうした考え方について都道府県や医療機関等に対してお示しをすることによって、各地域での議論や協定の締結が円滑に進むよう対応していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/289
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290・木村英子
○木村英子君 今の答弁では、自治体と医療機関の間で結ばれる協定に入れるというところまでは明言していただけませんでしたが、国が丁寧に都道府県や医療機関等に対して説明をすると言っていただきましたので、施行に向けて、協定の中にその重度訪問介護等を利用している、利用した付添いについてもう一度盛り込まれるように進めていただきたいと思っています。
ただ、この感染症法の施行が一年半後となっていると聞いていますが、既にもう第八波が来ているこの感染拡大になっていますので、その周り、私の周りでも障害者の人が次々にコロナにかかっていて、実際に入院が断られるという状況が出てきております。
このような逼迫した状況を食い止めていただくためにも、現在のコロナの対応の中で作られている保健・医療提供体制確保計画の中に平時から支援している介護者の付添いについて盛り込まれるよう、次回出す事務連絡に加えていただきたいと思っていますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/290
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291・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げましたけれども、障害児者一人一人の障害特性と必要な配慮を踏まえながら、あらかじめ受入れ医療機関との検討を行うよう都道府県にも依頼をしてきたところであります。引き続き、障害のある方も含め、必要な方が必要な医療を受けられるよう、機会を捉えて周知を図るなど、保健医療体制の整備に万全を尽くしていきたいと考えております。
また、コロナ禍においても重度訪問介護を利用している障害者の方が入院中も支援者の付添いによるコミュニケーション支援を受けられるよう、先週十一月九日に制度の内容や医療機関における対応例を示した事務連絡を発出したところであります。あわせて、より一層の周知を図るために、医療機関や医療従事者向けに新たなチラシも作成をさせていただきました。
これらを活用しながら、関係者が連携して円滑に支援ができるよう、医療関係や障害福祉サービス事業者に対して様々な機会を通じてしっかりと周知を図っていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/291
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292・木村英子
○木村英子君 今大臣から通知の話をしていただきましたけれども、これは厚労省が平成二十八年から入院時の介護の付添いを通知によって認めてきたという経過もありますが、さらに、このコロナ禍においては厚労省から令和三年一月二十七日と九月一日に事務連絡を出していますね。
これ、何度も出されているんですけれども、そして先月の予算委員会でも総理にも質問させていただきましたが、やはり今月九日にも厚労省から出された連絡も、何度もしていただいていますけれども、実際には入院できる体制に障害者の現状が至っていないという現実があります。ですから、感染症法の協定や、今ある保健・医療提供体制確保計画に盛り込んでほしいと改めて要望したいところですけれども、検討すらしていただけないというような御発言のように受け取れましたので、やはりこれ以上障害者の方の命の犠牲を出していただきたくないというふうに思います。
私たち障害者のことをやっぱり見捨てられたら困りますので、今後もこの現在ある保健・医療提供体制確保計画の中に盛り込むように再度お願いしたいと思いますが、事務連絡を出していただきたいです。
大臣、もう一度お考えをお願いいたします。お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/292
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293・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まず、先ほど、この法律に基づいて、失礼、地域におけるこの各医療機関の役割分担の中で必要な受入れ体制を確保していただくことが重要と考えておるということを申し上げ、国としても、これまでのコロナ対応の経験を踏まえて、こうした考え方について都道府県や医療機関等に対して具体的な通知のような形で各地域での議論、協定の締結、これが円滑に進むよう対応していきたいということは申し上げたところでございます。
そして、現状においては、まずはこれまでと、何度か出させていただいているわけでありますけれども、なかなか改善が進んでいないという今の御指摘もありましたので、今回のまず事務連絡を発出してその周知を図り、一層その徹底を図らせていただきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/293
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294・木村英子
○木村英子君 引き続き協定への盛り込みの方もお願いいたします。
次に、冒頭に大臣から人権の尊重について答弁をいただきました。同じ政府の一員として、要職に就いている杉田政務官の人権意識についてお聞きしたいと思います。
先日、九日の政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会で、天畠議員が杉田政務官に対して、LGBTの人は子供をつくらないから生産性がないと書いた論文に対し、撤回と謝罪を求めた質疑を行いました。舩後議員も昨日、同委員会で同じ趣旨の質疑を行っています。それに対して杉田政務官は、一切障害者を差別するような言及はしていない、考えも持っていないと答弁されました。
私は、その発言を聞いてとても愕然としました。先日の答弁では、障害を持つ方の福祉のために議員になる前からずっと頑張ってきておりましたと発言していましたが、障害者のことを理解している人がこのような生産性がないという発言をするでしょうか。杉田政務官の発言は、LGBTの人に対してだけではなく、障害者の人たちの抱える厳しい現状や苦しみを何も理解していなかったことに私は憤りを感じました。
資料二を御覧ください。
旧優生保護法下で強制不妊手術を受けた方の記事を御紹介します。西さんという方です。西さんは、九歳で障害児施設に入り、十四歳で初潮を迎えると、女性看護師から、自分の生理を処理するのも嫌なのにあなたの面倒まで見たくない、そんなもの取ってしまえと言葉を投げかけました。そして、二か月後、彼女は子宮を摘出する手術を受けさせられました。西さんは、子宮がどんなに大切なものか全然知らなかったにもかかわらず、子供を産むという選択肢を奪われたのです。
このようなひどい差別を受けている女性は西さんだけではありません。私の場合、施設や養護学校にいた十八歳まで、女性に生まれてよかったと思ったことはありませんでした。それは、私がいた施設では、生理のたびに怒られ、女性として扱われなかったからです。また、地域へ出て結婚し、子供が生まれたとき、当時のヘルパーからは、あなたのような障害者から生まれた子供はまともには育たない、障害があるのだから結婚できるだけでも有り難いと思いなさいと言われ、周りから差別を受けてきました。そして、私と同じ施設で育った障害者の女性のほとんどが同じような差別を受けています。
政務官は、個人ではなく政府の要職に就く方です。その方が自分の発言によって多くの差別に苦しんでいる人たちを傷つけている自覚はありますか。お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/294
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295・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) 私の発言につきましては、当時から多様性を尊重することは当然だと認識しているということ、当事者の方々の人権を否定するつもりも偏見を持って差別する意図もないこと、障害者や高齢者、難病の方、子供を持っておられない方々を差別するような言及は全くしておらず、また、自分自身、今まで考えたこともなかったこと、LGBTの方々への理解増進はもとより、差別やいじめのない社会の実現に向けて努力してまいることなどの見解を既に表明しているところでありまして、現在においても今申し上げたとおりの認識でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/295
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296・木村英子
○木村英子君 LGBTの方も障害者も、生産性がないといって差別されているのは事実なんですよ。障害者団体からも抗議の文書が出ていたはずです。この間、天畠議員が示してくれたと思いますが、それを見てもやっぱり差別を認めない、あるいは差別しているのを容認しているとしか思えません。そのことに私はとても怖さを感じます。
私たち障害者は、生産性がないものとされ、本人の意思を無視して不妊手術をされたり、子供を産めなくされている人がたくさんいます。その悲しみと無念を、政務官、あなたは知っていますか。日本は障害者権利条約に批准し、差別解消法が施行されていますが、杉田政務官の言っていることは紛れもない差別であり、そのような方が要職に就かれているということは、心や体に痛みを抱えている人たちにとっては脅威なんです。政府の要職にあり、国民を守る立場なのに、国民を傷つけてしまっています。認識していないのでは済まされません。
杉田政務官の言った生産性がないという言葉を今すぐ撤回し、政務官の言葉で傷つけた人たちに対して謝罪してください。お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/296
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297・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) そういった配慮を欠いた表現をしたことを反省し、理解を深め、差別のない社会、働きやすい社会の実現のためにこれまでも努力してきたところでございます。今後ともそういう努力をもってお応えしていきたいと思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/297
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298・木村英子
○木村英子君 少なくとも、傷つけた人たちには謝った方がいいと思いますよ、自分の発言から始まった問題ですから。それは今後も考えていってください。そして、これからも杉田政務官の発言に私は注視していきますので。
これで終わります。以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/298
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299・山田宏
○委員長(山田宏君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後四時二十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014260X00620221117/299
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