1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年十二月九日(金曜日)
午前九時四分開会
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委員の異動
十二月五日
辞任 補欠選任
川田 龍平君 石橋 通宏君
十二月七日
辞任 補欠選任
倉林 明子君 山添 拓君
十二月八日
辞任 補欠選任
小沢 雅仁君 岸 真紀子君
羽田 次郎君 石垣のりこ君
梅村 聡君 串田 誠一君
十二月九日
辞任 補欠選任
串田 誠一君 梅村 聡君
山添 拓君 田村 智子君
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出席者は左のとおり。
委員長 松沢 成文君
理 事
こやり隆史君
中田 宏君
石橋 通宏君
安江 伸夫君
委 員
赤松 健君
生稲 晃子君
神谷 政幸君
古賀友一郎君
島村 大君
三木 亨君
宮本 周司君
山田 太郎君
石垣のりこ君
岸 真紀子君
村田 享子君
宮崎 勝君
梅村 聡君
串田 誠一君
田村 まみ君
田村 智子君
山添 拓君
衆議院議員
消費者問題に関
する特別委員長 稲田 朋美君
修正案提出者 宮崎 政久君
修正案提出者 山井 和則君
国務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(消費者
及び食品安全)
) 河野 太郎君
副大臣
内閣府副大臣 大串 正樹君
文部科学副大臣 簗 和生君
大臣政務官
内閣府大臣政務
官 尾崎 正直君
事務局側
第二特別調査室
長 荒井 透雅君
政府参考人
消費者庁次長 黒田 岳士君
消費者庁審議官 植田 広信君
法務省大臣官房
審議官 松井 信憲君
法務省大臣官房
司法法制部長 竹内 努君
文化庁審議官 小林万里子君
参考人
中央大学大学院
法務研究科教授 宮下 修一君
公益社団法人全
国消費生活相談
員協会理事長 増田 悦子君
旧統一教会元2
世信者 小川さゆり君
全国霊感商法対
策弁護士連絡会
弁護士 阿部 克臣君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○消費者契約法及び独立行政法人国民生活センタ
ー法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
○法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/0
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001・松沢成文
○委員長(松沢成文君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、川田龍平さん、倉林明子さん、小沢雅仁さん、羽田次郎さん及び梅村聡さんが委員を辞任され、その補欠として石橋通宏さん、山添拓さん、岸真紀子さん、石垣のりこさん及び串田誠一さんが選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/1
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002・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/2
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003・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に石橋通宏さんを指名いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/3
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004・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案及び法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、消費者庁次長黒田岳士さん外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/4
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005・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/5
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006・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案及び法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に中央大学大学院法務研究科教授宮下修一さん、公益社団法人全国消費生活相談員協会理事長増田悦子さん、旧統一教会元2世信者小川さゆりさん及び全国霊感商法対策弁護士連絡会・弁護士阿部克臣さん、参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/6
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007・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/7
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008・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案及び法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。河野内閣府特命担当大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/8
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009・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) おはようございます。
ただいま議題となりました消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
社会経済情勢の変化等に対応して、消費者の利益の擁護を更に図るため、消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができる範囲を拡大するとともに、取消し権の行使期間を伸長する等の措置を講ずるほか、独立行政法人国民生活センターの業務として適格消費者団体が行う差止め請求関係業務の円滑な実施のために必要な援助を行う業務を追加する等の措置を講ずる必要があるため、この法律案を提出した次第です。
次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一に、消費者契約法に関しては、意思表示を取り消すことができる不当な勧誘行為の類型を改正し、事業者が消費者に対し、霊感等による知見として、当該消費者又はその親族の生命、身体、財産その他の重要な事項について、そのままでは現在生じ、若しくは将来生じ得る重大な不利益を回避することができないとの不安をあおり、又はそのような不安を抱いていることに乗じて、その重大な不利益を回避するためには、当該消費者契約を締結することが必要不可欠である旨を告げることとしています。
この不当な勧誘行為に係る取消し権の行使期間を、追認をすることができるときから三年間、消費者契約締結のときから十年を経過したときに伸長することとしています。
第二に、独立行政法人国民生活センター法に関しては、独立行政法人国民生活センターの業務に、適格消費者団体が行う差止め請求関係業務の円滑な実施のために必要な援助を行うことを追加するとともに、和解仲介手続及び仲裁の手続について、適正かつ迅速な審理が実現されるように所要の規定を新設するほか、消費者紛争の当事者である事業者の名称等を公表することができることとするなどの改正を行うこととしています。
その他、所要の規定を整備することとしています。
引き続きまして、法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
法人等からの寄附の勧誘を受ける個人の権利の保護を図る観点から、法人等による不当な寄附の勧誘を禁止し、当該不当な寄附の勧誘を行う法人等に対する行政上の措置等を定めるとともに、寄附の意思表示の取消しの範囲の拡大及び扶養義務等に係る定期金債権を保全するための債権者代位権の行使に関する特例の創設等の措置を講ずる必要があるため、この法律案を提出した次第です。
次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一に、法人等は、寄附の勧誘を行うに当たり寄附者等に配慮しなければならないことを規定するとともに、寄附の勧誘に関する禁止行為として、不当な勧誘により寄附者を困惑させてはならないこと及び借入れ等による資金調達を要求してはならないことを規定しております。
第二に、法人等が禁止行為に違反した場合の勧告、命令等の行政上の措置等について規定するとともに、当該行政措置に係る罰則について規定しております。
第三に、不当な勧誘により寄附者が困惑して寄附を行った場合における意思表示の取消しについて規定するとともに、扶養義務等に係る定期金債権について、確定期限の到来していない部分を保全するための債権者代位権の行使に係る特例を設けることとしております。
第四に、国は、寄附者等が権利の適切な行使により被害の回復等を図ることができるようにするため、日本司法支援センターと関係機関及び関係団体等との連携の強化を図り、利用しやすい相談体制を整備する等必要な支援に関する施策を講ずるよう努めなければならないこととしております。
その他、この法律の運用上の配慮に関する規定など、所要の規定を整備することとしております。
政府といたしましては、以上を内容とする各法律案を提出いたしましたが、衆議院におきまして、法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案につきまして、次の事項を内容とする修正が行われております。
第一に、法人等は、寄附の勧誘を行うに当たり、寄附者等に対して十分に配慮しなければならないとすること。
第二に、法人等が配慮義務を遵守しない場合について、勧告、公表等を可能とすること。
第三に、この法律の規定について検討を加え、必要な措置を講ずるために目途とする期間を、法律の施行後二年とすること。
以上が、これらの法律案の提案理由及びその概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/9
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010・松沢成文
○委員長(松沢成文君) この際、法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案の衆議院における修正部分について、衆議院消費者問題に関する特別委員長稲田朋美さんから説明を聴取いたします。稲田朋美さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/10
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011・稲田朋美
○衆議院議員(稲田朋美君) ただいま議題となりました法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案の衆議院における修正部分について、その趣旨を御説明申し上げます。
衆議院における修正案は、今国会における質疑の状況はもちろんのこと、それに先立ち開始され今日まで続いてきた、与野党の枠を超えた建設的で粘り強い熱心な協議の成果を踏まえて、与野党において真摯な修正協議を行い、被害者救済と被害の再発防止の見地に立った迅速かつ柔軟な合意形成に基づいて取りまとめたものです。すなわち、この修正は、政府提出の原案における寄附の勧誘を行うに当たっての配慮義務について、その遵守を図るための規定を加えるべしとの御意見等を踏まえ、被害者の救済と被害の再発防止のために、原案を前提に、その実効性と不当な寄附勧誘への抑止力を更にもう一段引き上げたいとの思いに基づいております。
次に、修正部分の主な内容について御説明申し上げます。
第一に、法人等が寄附の勧誘を行うに当たっての配慮義務を定める第三条の規定について、「配慮しなければならない」とあるのを「十分に配慮しなければならない」に改めるとともに、同条を第一章の総則から第二章の寄附の不当な勧誘の防止に位置付けることといたしました。
第二に、配慮義務の遵守に係る勧告等に係る規定を創設いたしました。
すなわち、内閣総理大臣は、法人等が配慮義務を遵守していないため、当該法人等から寄附の勧誘を受ける個人の権利の保護に著しい支障が生じていると明らかに認められる場合において、更に同様の支障が生ずるおそれが著しいと認めるときは、当該法人等に対し、遵守すべき事項を示して、これに従うべき旨を勧告することができることといたしました。
そして、内閣総理大臣は、勧告をした場合において、その勧告を受けた法人等がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができることといたしました。
さらに、内閣総理大臣は、勧告をするために必要な限度において、法人等に対し、配慮義務として掲げる事項に係る配慮の状況に関し、必要な報告を求めることができることといたしました。
第三に、この法律の規定についての検討に関して、この法律の施行後「三年を目途」とあるのを「二年を目途」に改めることといたしました。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/11
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012・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/12
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013・こやり隆史
○こやり隆史君 おはようございます。自民党のこやり隆史でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/13
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014・松沢成文
○委員長(松沢成文君) ちょっと答弁者そろうまで、ちょっと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/14
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015・こやり隆史
○こやり隆史君 お待ちしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/15
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016・松沢成文
○委員長(松沢成文君) ごめんなさい。
もう大丈夫でしょう。
それでは、改めて、こやり隆史さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/16
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017・こやり隆史
○こやり隆史君 改めまして、おはようございます。自民党のこやり隆史でございます。
今日は、早朝から質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
時間も限られておりますんで、早速質問に入らせていただきたいと思います。
先ほど河野大臣あるいは稲田委員長からお話がございましたこの二法案について、今回のこの法案策定プロセス、まさに政府案を作る段階においても与野党において様々な協議をなされ、それを、内容を反映した上で法案が出され、そしてまた、衆議院で与野党合意の下、修正案が可決をされたということでございます。
先ほど趣旨説明いただきましたけれども、まず、この二法案がいかに作用し合って、この旧統一教会の被害者の皆様を始め、被害に遭われた皆様の方の救済にどのような効果を持ってくるのか、改めて御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/17
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018・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) この一連の法案は、旧統一教会問題のいわゆる霊感商法、契約に当たる寄附について、取消し権の対象範囲の拡大や取消し権の行使期間の伸長の措置を講じ、被害の防止あるいは救済の可能性を高めるものであります。
また、新法では、現行の我が国の法体系の中で許される範囲で、最大限実効ある法案とすべく、消費者契約には当たらない寄附も含め、社会的に許容し難い悪質な寄附の勧誘行為を禁止し、これに対する勧告、命令などの行政措置を導入するとともに、不適切な勧誘行為を受け困惑した中で行われた寄附の意思表示には瑕疵があることから、取消しを認める制度としております。
また、寄附の勧誘に当たっても配慮義務を定め、これに反するような不当な寄附勧誘が行われた場合、民法上の不法行為の認定や、それに基づく損害賠償請求の容易化を図ることとしております。
この法律案によりまして、これまで救済できなかった被害を救済することも可能となり、かつ、これから先の被害の防止にも資するものと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/18
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019・こやり隆史
○こやり隆史君 大臣、ありがとうございます。
今の大臣の御説明の中にも、特にこの新法については、我が国の憲法を始め法体系、そうした枠組みがある中で、ぎりぎり、最大限この被害者の皆さんを救済をする、あるいは未然防止をしていく、そのための内容を含んでいるという法律であるということを理解をいたしました。
他方で、昨日の本会議でも様々な議員、委員から指摘があったんですけれども、まさにしっかりと、法体系ぎりぎりの中でこの実効性のある措置を講ずるということの裏返しとして、まさに様々、この寄附行為というのは、NPOを始め様々な宗教法人も含めて、寄附をいただいて、それを財源として活動をされております。こうした多様な法人等の皆様が、この新たな法体系に、法律によってその活動が阻害されるんじゃないか、悪影響を及ぼされるんじゃないかと、そうした御懸念が、私もそうですし、様々な委員の皆様にもお声が届いているというふうに承知をしております。
まさにバランスというか、大変難しい問題であるとは思いますけれども、適切に活動されている法人等がその悪影響を及ぼされる、せっかく寄附文化を醸成しようと、我が国が今、これまで取り組んできたその取組に影響を及ぼすようなことになってはならないというふうに思っています。
そこで、具体的に、そうした悪影響が及ばないと、及ぼさないためにしっかりとした措置になっているということをお示しいただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/19
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020・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) お答え申し上げます。
今般の新法の運用に当たりましては、NPO法人等の様々な法人の活動における寄附の重要性に留意しなければならない旨を規定しております。また、新法における禁止規定や配慮義務は、社会通念上不当な勧誘行為に限っているところでございます。
このため、通常のNPO法人等であれば寄附の勧誘に支障があるといったことはなく、寄附文化への醸成に対する不当な抑制にはつながらないものと考えております。むしろ、不当な寄附の勧誘行為が防止されることによりまして、寄附への理解や寄附への、寄附の勧誘への安心感が高まることにもつながり得ると考えております。
いずれにいたしましても、NPO法人等の関係者の方々の御懸念を丁寧にお伺いした上で、新法の趣旨についてしっかりと説明を尽くしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/20
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021・こやり隆史
○こやり隆史君 ありがとうございます。
まさにしっかりと、この趣旨が誤解されないように、そして適切に、まず活動されている多様な法人等の皆さんが安心してこれからも活動ができるように、これはしっかりとこの法律の中身や趣旨を周知をしていただくということが一番大事かなというふうに思っておりますので、その点、これからも政府におかれては努力をしていただきますように、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
それでは、衆議院の修正法案の提出者に御質問させていただきたいと思います。
先ほど、修正の趣旨あるいは概要について御説明がありました。お伺いしていて、配慮規定についてより実効性を高めていく、そのための措置として勧告等の、まあこれは行政行為になると思います、それの規定を新たに設けたということが大きな変更点の一つかなというふうに思っています。
この行政行為である勧告等を今回新たに入れる、このことによってどのようにその実効性が高まっていくか等々につきまして、済みません、教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/21
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022・宮崎政久
○衆議院議員(宮崎政久君) お答え申し上げます。
新法案は、寄附の勧誘を行う法人等に対する行政措置を定めることによって、被害の未然防止、拡大防止の実効性を高めて、被害救済のための民事ルールと相まって、寄附の勧誘を受ける者の保護を図ること、点に特徴がございます。
一方、配慮義務の規定というのは、個人側の事情や誤認させるおそれといった幅広い概念で捉えることで不適切な寄附の勧誘を幅広く捉えることができ、これによって不法行為の認定が容易になるという効果が期待できるとされておりまして、必ずしも規制対象となる法人等の行為の類型、要件を規定していないため、禁止行為規定としたり、行政処分や刑事罰の対象とすることは困難であると考えております。
それで、修正案は、そのような配慮義務の特徴を踏まえました上で、現行法体系の下で可能な範囲、すなわち命令や刑事罰の対象とまではしないけれども、勧告や公表といった行政措置の対象とすることによって、行政措置と民事ルールが相まって、寄附の勧誘を受ける者の保護を図るという法案の趣旨を更に追求することを目的としているものでございます。
具体的には、第三条に十分にという文言を加えて、法人等の、個々の寄附者の実態などについて法人等の配慮義務への注意が十分に更に促されるようにしていること、これにより実効性が高まる効果が見込まれるものと考えております。
また、今御指摘ございました、配慮義務を勧告、公表及び報告徴収の対象としました。これによって、配慮義務を遵守されないことによる支障が拡大することを防止するとともに、勧告をした旨を公表することによって被害の未然防止の実効性を図ることができるものと考えております。
また、見直しのタイミングを早くしようということで、見直し期間を施行後の三年目途から二年目途に修正することによって、こちらも実効性の担保に資するものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/22
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023・こやり隆史
○こやり隆史君 ありがとうございます。
まさに実効性を高めるために様々な工夫をしていただいたということかというふうに思います。先ほどの質問の中でも、その中で、行政行為である勧告等についての措置を新たに加えたというのは大きな修正点であるかというふうに思います。まさに、禁止行為としてしっかりとした規定がなかなか難しい、この我が国の今の法制下の中では。そうした中で、行政行為としての勧告を入れることによって実効性を高めていくということであります。
なかなか、理解はできるんですけれども、どういった、具体的にですね、どういった行為についてどういった勧告あるいは命令等の行政行為が行われるのか、これを明らかにしていくことがやっぱりその抑止力にもつながりますし、大事かなというふうに思いますけれども、この今想定されている勧告等の具体的な中身、内容について、想定されるものがあれば教えていただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/23
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024・宮崎政久
○衆議院議員(宮崎政久君) 第六条一項は、遵守すべき事項を示して、これに従うべき旨を勧告することができると定めております。これは、配慮義務を定める第三条が、法人等の行為の類型ではなくて何らかの行為の結果である個人の状態を定めていることから、勧告において遵守すべき事項を示すという定めにしております。
今御質問がございましたように、具体的な遵守すべき事項について考えてみますと、例えば、威迫的、威圧的な勧誘や閉鎖的な環境での長時間にわたる勧誘を避けて、個人が寄附をするか否かを自由な意思に基づいて判断することができる状況を確保することとしたり、個人ごとに寄附の累積額などを把握して過度な寄附勧誘とならないように留意すること、また、相当程度高額な寄附額に至った場合には、改めて寄附者に意向を確認して生活の維持に支障が生じる事態になっていないかを確認することであったり、勧誘に際して書面によって法人等の名称や所在地及び寄附の使途を明らかにすること、こういったことが考えられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/24
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025・こやり隆史
○こやり隆史君 ありがとうございます。
まさに今御説明がありましたけれども、具体的な行為として規定をしていくということが難しい、そうした中での様々な工夫があり、そしてまた、今具体的に想定されている勧告等の内容、行政行為としてどういうことが想定されるかということを例示をしていただきました。
これ、幅広い、結果としての事項ということになりますので、幅広いことが想定をされます。まさにこうした措置をとることによってこの実効性を高める、そうした効力は確実に上がっていくというふうに思います。
他方で、この配慮義務、まさにいろんな行為の結果としての状態を規定をしているということで、様々なことも、幅広く考えればいろんなことが想定をされると。こういった、これはもう今回の法律に限らず、こうした規定を設けるときに、行政側としての過度な関与、あるいは、ちょっと不透明性のある曖昧な根拠に基づいて何かその行政行為が行われる、そうしたことをよくいろんな形で指摘をされ、あるいは批判をされたりもいたします。
そういう意味で、表の、表と裏というかバランスの問題にはなるんですけれども、恣意的に、行政としてこうした勧告等の行政行為が行われるんではないか、そうした懸念もありますし、そうしたことはないということを担保することも大事だというふうに思っておりますが、この法案ではどういった工夫がなされているか、ありましたら教えていただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/25
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026・宮崎政久
○衆議院議員(宮崎政久君) 御指摘のように、第三条が個人の状態を定めているということから、遵守すべき事項を勧告することによって実効性を高めたい、そういうことでありますので、この恣意的な勧告を抑止すると、この観点は重要だと思っております。
法文では、具体的には、個人の権利の保護に著しい支障が生じていると明らかに認められる場合において、更に同様の支障が生じるおそれが著しいと認めるときという要件を掛けております。
この個人の権利の保護に著しい支障が生じているときというのは、例えば特定の法人等による寄附の勧誘を受けている者が自由な意思を抑圧されているという場合に、その抑圧の程度や期間が著しい場合や、抑圧状態に置かれている者が多数に及んでいる場合、特定の法人等への寄附をし始めたことでその家族の生活レベルが著しく低下をして学費、食費にも事を欠くような状態が生じている場合、特定の法人等が不特定多数の者に被災者支援など公益目的のための寄附であると偽って高額の寄附を募集しているような場合、こういった場合が考えられると思っております。
また、そのような支障が生じていると明らかに認められる場合というのは、要件を客観的に認めることができる場合を意味しております。例えばですけれども、当該法人等の勧誘行為につき、配慮義務違反を認定して不法行為の成立を認めた裁判例が存在する場合がこれに当たると考えております。
更に同様の支障が生じるおそれが著しいというのは、過去に支障が生じていたが、既に勧誘の在り方が見直されて今後は改善が見込まれるような場合ではなく、今後も義務違反行為、配慮義務違反行為の状態が改善される見込みが薄くて、このまま放置すると同様の支障が生じ続けるというような場合が考えられると思っております。
こういった形で勧告の要件を厳格に定めることにより、御指摘のような恣意的な勧告を抑止できるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/26
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027・こやり隆史
○こやり隆史君 ありがとうございます。
まさに両面の効果があり、あって、そうした効果をしっかりと法案でも措置をしていただいて、様々な想定の下に、これからまた細部の解釈であるとか施行令であるとか、そうした下部法令でしっかりと規定をしていただきながら両方の側面にもしっかりと対応して、この法律によってしっかりと、より安全な基盤が、安心できる基盤がつくられるということを国民の皆さんにお示しをいただければというふうに思っております。
提案者の皆様はここで。質問はありませんので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/27
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028・松沢成文
○委員長(松沢成文君) じゃ、提案者の皆さんは御退席ください。宮崎衆議院議員、そうですね、宮崎衆議院議員です。修正案の提案者ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/28
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029・こやり隆史
○こやり隆史君 ありがとうございます。
質疑を続けさせていただきます。
今ちょっと、法案の概要あるいは措置の概要、修正案の措置の内容についてお話をお伺いをしました。こうした様々な、いろんな想定がある中で、工夫をしながらこの制度を組み立てていただいております。こうした制度と同じぐらい重要なのが、しっかりとした、これを運用していただく。実際に相談に来ていただき、それが、この被害があった場合にはそれが救済をされていく、未然防止がなされていく、そうした体制をしっかりと整えていくということも何より大事かなというふうに思っています。
特に、この新法では債権者代位権の行使の特例というのが設けられておりますが、これ実際、被害者の二世の皆様であるとか、幅広い、まさに場合によっては未成年の方も含めて幅広い方々が相談に行き、そしてこの措置をしたいというふうな形で来られることが想定をされます。まさにこの救済を実効的なものとするためには、こうした幅広い方々に対してしっかりと受皿をつくり、そしてそれが容易にその措置が講ぜられるように支援制度あるいは体制を組んでいかないといけないというふうに思っています。
特に、法テラス、日本司法支援センターと関係機関、これが横に一体となって体制を組んでいくとともに、民事法律扶助制度、これをしっかりと充実強化をしていく。今は、例えば融資はできます、できるけれども、やっぱり、なかなか資力として、弁護士さんを雇いながら訴訟まで、あるいは和解まで行くのが難しい、そうした方々がたくさんいらっしゃいます。そうした方々がよりアクセスが可能となるように、この民事法律扶助制度も充実強化が不可欠かなというふうに考えておりますけれども、この点について法務省の取組を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/29
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030・竹内努
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
被害者の実効的な救済を図るため、法テラスと関係機関との連携強化、支援体制の整備や民事法律扶助制度の充実強化が重要であると認識をしております。
法テラスでは、弁護士、心理専門職等の配置、活用に加えまして、日本弁護士連合会等の関係機関、団体等や福祉専門職を始めとする各種専門職との更なる連携の強化、それからこれらの連携の枠組みを生かしたワンストップ型の相談会、あるいは民事法律扶助の積極的活用等によりまして問題の総合的解決を図っていくものと承知をしております。
法務省といたしましては、法テラスと関係機関等との連携を強化し、包括的な支援体制の整備を図りますとともに、様々な被害実態やニーズを十分に把握し、民事法律扶助制度についても、その課題の有無や内容等について必要な調査検討を行うなどしまして、より利用しやすい制度となりますよう、その充実強化に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/30
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031・こやり隆史
○こやり隆史君 今の民事法律扶助制度についてもしっかりと充実強化をしていくという旨の御答弁いただきました。
具体的に、さっき申し上げましたように、なかなか資力がない方々、幅広くこれからも裾野が広がっていくというふうに思います。そうした方々がしっかりと相談し、そしてこの民事扶助制度を使えるように、具体的に給付制度であるとか、いろんな新しい取組を入れながら充実強化を図っていただきたいというふうに、これは要請をしておきたいというふうに思います。
あともう一つ、今回、国民生活センター法の改正があり、活用が重要視されているのが、あっ、ごめんなさい、国民生活センター法の改正によってADRの活用、これが期待をされております。現状、この国民生活センターにおけるADRの実績、これは一体どういうものになっていて、今回新たなこうした救済措置を講ずると、そのために、より使いやすくするためにどのような工夫をしていくつもりなのか、教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/31
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032・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) お答え申し上げます。
ADRの、二〇〇九年に創設されておりますが、その創設以来、国民生活センターでは、令和三年度末まで延べ二千三十九件の申請に対応してきたところでございます。直近の和解率は七割に上っております。申請日から手続終了までの日数は、制度開始後十年の平均で見ると百十日を超えたものが、最近、直近では、試行錯誤をしたこともありまして、平均九十三日程度まで短縮されてきております。
ADRをより使いやすいものとしていくため、消費者の申請に関する負担を軽減する観点から、ウエブ会議システムを利用しているほか、事前に申請に関する問合せに対応し申請のサポートを行う、また、申請後においても事務局にて資料の収集などを行うなど、積極的に支援を行ってきております。また、今般の補正予算も活用し、ADR手続のデジタル化も進めてまいるところでございます。
今回の法改正も相まって、相まちまして、今後、ADRの更なる活用を促進し、消費者と事業者の間の紛争の迅速な解決、被害の拡大防止等を図ってまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/32
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033・こやり隆史
○こやり隆史君 よろしくお願いを申し上げたいと思います。
こうした取組の更に幅広い受皿となるのが、各地域で、まさに全国各地域に設置されている消費者生活センターで、幅広い消費者の皆さんの御相談を受けるということになると思います。この受皿が極めて大事かなというふうに思っています。
今回、法制度、あるいは今、民事法律扶助制度も含めて、あるいはADRの活用も含めて様々な取組行われますけれども、この一般的な窓口となるこの消費生活センターを始めとして、各地域における消費者行政の強化というのをしっかりとやっていくということも大事かというふうに思いますけれども、これからの取組について教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/33
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034・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 地方消費者行政の強化について御指摘をいただきました。
消費者庁では、令和二年四月に地方消費者行政強化作戦二〇二〇を策定いたしました。消費生活センターの設置や消費生活相談員の配置、レベルアップ、見守りネットワークの人口カバー率向上を目指し、様々な取組を進めてきているところでございます。
今般の法案や衆議院の附帯決議も踏まえまして、消費者がどこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられるよう取り組んでまいります。
具体的には、消費者庁では、霊感商法を含めた悪質商法対策について、令和四年度補正予算で三十億円を確保させていただきました。具体的には、地方消費者行政強化交付金において、地方の取組を支援するための五億円の特別枠を創設いたします。また、国民生活センターにおいて、相談現場である地方の相談員向けのオンライン研修等を充実し、相談員の専門性やスキルの向上を支援いたします。
こういった取組につきまして、地方の相談体制の充実強化に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/34
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035・こやり隆史
○こやり隆史君 ありがとうございます。
まさに、幅広い潜在的なこの相談者の皆様にどうアクセスをしていただくか。今、先ほど、法テラスであるとか、消費者生活センターであるとか、あるいは国民生活センターであるとか、そうした話をさせていただきましたけれども、恐らく、各市町村の窓口であるとか、もうあらゆるいろんなところが受皿となって最初、入口として相談を受けるということが想定されます。だから、こうした幅広いところから、いかにこの今申し上げた中核となる拠点につないでいくか。それが常にその情報を基にしっかりとした課題の解決に向けた前進がなされていくか。
これ多分、いろんな連携をしながら、情報交換をしながらやっていかないといけないということになりますので、まさにそれぞれのセンターの取組だけではなくて、まさに幅広くこのセンター自体の位置付けもしっかり周知をしながら、こういう課題があったら必ずいろんな窓口からも、こうした窓口に相談してください、そうすれば解決の糸口がある、そうしたことが分かるように、是非体制をしっかりと整備をしていただきたいというふうに思います。
最後に、時間も来ましたので、最後に大臣に説明を、あっ、質問させていただきたいというふうに思います。
大臣就任、八月、大臣就任以降、本霊感商法等の問題に関する検討会をつくられ、大臣の御指示によって様々な検討が進み、そして指摘がなされ、そしてそれが骨格となって今回の法案の提出にもつながってきたというふうに思っています。今、後半で質問をさせていただきましたように、やっぱり法制度をしっかりつくっていくというのも大事ですけれども、それを動かすための体制、これが実際に、何というか、機能していく、これがやっぱり一番大事かなというふうに思います。
そういう意味で、この大臣のリーダーシップが引き続き、これからまさにより重要になってくるかなというふうに思っておりますけれども、大臣の決意を最後にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/35
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036・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) ありがとうございます。
この法案が成立をいたしました暁には、この法律が実効性のあるものとなるように、被害の救済、そして被害の未然防止ができるように、消費者庁を始め関係省庁と連携をしまして、しっかり体制を組んで対応してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/36
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037・こやり隆史
○こやり隆史君 ありがとうございました。強いリーダーシップの下に実効性のある体制を構築をしていっていただきたいというふうに思っております。
時間が来ましたので、これで私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/37
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038・岸真紀子
○岸真紀子君 立憲民主・社民会派の岸真紀子です。
本日質問をする石橋議員、そして石垣議員、そして私の三人は、七月に立憲民主党の中に立ち上げました旧統一教会被害対策本部の事務局をさせていただきました。この後、合わせて百四十分質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
この私たちの対策本部では、これまでも何度も何度も会合を重ねて、被害当事者であったり被害者を支援してきた弁護士や団体の方々からお話を聞いて、被害者のこの救済に向けて取組を進めてきました。この法案に至るまで様々な方に御協力をいただきましたことに、この場を借りまして感謝を申し上げます。また、政府、そして与野党協議において御尽力いただいた議員の皆様にも、この間の取組に敬意を表します。
その上で、衆議院において法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案の修正をされた事項について、提出者に何点か質問をさせていただきます。
修正案によって、第三条、法人等は寄附の勧誘等を行うに当たっての配慮義務に十分にと追記しました。十分に配慮しなければならないとしたことでの効果や意義、意味をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/38
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039・山井和則
○衆議院議員(山井和則君) 御質問ありがとうございます。
配慮義務の規定にいかに実効性を持たせていくかということがこの間の与野党協議の一大論点でございました。第三条に十分にとの文言を加えることによって、法人等が個々の寄附対象者の状況や実態に応じて第三条各号に掲げられている事項についてより細心かつ慎重な配慮が求められることとなり、これにより法人等の配慮義務への注意を更に促し、配慮の実効性がより一層高まる効果が見込まれ、新たな被害者発生をより防ぐことができるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/39
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040・岸真紀子
○岸真紀子君 ありがとうございます。
より細心かつ慎重なということで、これから被害の防止に向けて取り組む意味ということでお伺いをしました。
次に、第三条に規定する配慮義務について、その遵守がなされていないため、個人の権利の保護に著しい障害、支障が生じていると明らかに認められる場合に、勧告、報告、公表と加えられる修正がされました。
これまで被害の当事者や被害者弁護団からはヒアリングを重ねてきて、その中心となったのも実は山井議員だったんですが、この山井議員がその現場の目線を踏まえた観点でまだまだ不十分とされる点はどこにあるとお考えなのか、また、その課題を踏まえた上で、被害の救済と防止の実効性をより高めるための方策についてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/40
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041・山井和則
○衆議院議員(山井和則君) 御質問ありがとうございます。
今、野党案作成者から見た積み残しの課題、解決の方向性についての御質問をいただきました。
二世の方々を中心に、被害者の方々は、今、最大の積み残し課題は宗教二世の方々の救済、支援だということをおっしゃっておられます。また、債権者代位権の実効性にも懸念があるという発言をされておられます。野党案では、特別補助制度、いわゆる家族取消し権、本人に代わって二世や家族が財産を取り戻す権利が提案されていました。また、配慮義務の実効性も積み残し課題となっております。
つきましては、一昨日も河野大臣が衆議院で答弁されたように、法律成立後に速やかに検討会を立ち上げ、二世被害者などの声を聞きながら、法律の施行状況や実効性の検証などの議論を進めていくことが期待されると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/41
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042・岸真紀子
○岸真紀子君 ありがとうございます。
昨日のテレビ、衆議院で法案が可決されたのでテレビでも報道がされていて、その宗教二世の方が番組に出られて、一歩前進ではあるんだけど、やっぱりまだまだ積み残された課題があるとおっしゃっていました、涙ながらに。そして、決してこの法案ができたとしてもこの後も私たちを忘れないでほしいというようなメッセージを私も昨日見て、今、山井議員から、積み残された課題というか、まだまだ残っている課題のことを共有できたと感じています。
次に、附則第五条の法律の見直し規定は、施行後三年としていたものを与野党協議によって二年にしたと承知しておりますが、それでも残念ながら、まだ長いといった不安の声であったり懸念の声があります。
なぜ二年としたのか、全国霊感商法対策弁護士連絡会や被害当事者も一年にしてほしいという声が多いところなんですが、このことについてどうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/42
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043・山井和則
○衆議院議員(山井和則君) 御指摘のように、当事者や弁護団からは見直し期間は一年に短縮をしてほしいという要望も強くいただいておりました。そういう中ではありますが、当初の三年後の見直しから二年後の見直しに一年短縮されたことは大きな一歩前進だと考えております。
この意味は、本法案は、被害者救済に向けた終わりではなく初めの一歩、しかし歴史的な一歩であるとの認識を踏まえ、国会質疑等様々な場面で政府に見直しを促すとともに、立法府における検討もこれからも与野党協力して継続していきたいと考えてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/43
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044・岸真紀子
○岸真紀子君 ありがとうございます。
また、今のこの修正案の提出者の答弁も踏まえまして、河野大臣にお伺いをします。
与野党協議により、配慮義務に十分を追記したことであったり、見直しの時期のめどを早めたことは評価をしていますが、事態は深刻であって、かつ、法案、本法案で足らざるところがあると被害者を支援してきた全国霊感商法対策弁護士連絡会からも指摘をされているところです。
この修正を踏まえて、十分に配慮した行政の対応と早期の見直しを政府にお願いしたいのですが、河野大臣の御答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/44
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045・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 衆議院で行われました修正の趣旨を十分に踏まえた法律の運用、適切に行ってまいりたいと思っております。
また、法律の施行状況、あるいは社会経済情勢の変化、こうしたものをしっかりと捉えながら適切に対応していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/45
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046・岸真紀子
○岸真紀子君 河野大臣にもう一点お伺いしますが、見直しに当たって、先ほど山井議員の答弁にもありました、十二月七日開催の衆議院消費者問題に関する特別委員会で、立憲民主党の柚木道義議員から、法施行後に様々な運用状況を含めての検討会の設置を大臣に求めたところ、大臣、かなり前向きな答弁をいただいたところです。
そこで、再度確認させていただきますが、法施行後、この法案の施行後の状況確認を行う検討会の設置に向けて実行していただけると期待してよいか、大臣にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/46
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047・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) はい、しっかりやってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/47
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048・岸真紀子
○岸真紀子君 ありがとうございます。是非引き続きお願いいたします。
それでは、修正案に対する質疑は以上なので、委員長、修正案提出者の御退席いただいても構いません。お取り計らいをお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/48
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049・松沢成文
○委員長(松沢成文君) じゃ、宮崎さんと山井さんはここで御退室いただいて結構です。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/49
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050・岸真紀子
○岸真紀子君 新法の債権者代位権は不十分な状態であることは、先ほどの答弁のやり取りであったり、この間のいろんな議員からの指摘されてきた事項です。扶養義務などの制限があって実際には使えないのではないかと。
新法の中の債権者代位権は民法に関連してのことなので、確認をさせていただきますが、例えば、不当な寄附の勧誘により老後のための備えが、蓄えがない親の面倒を子供が見ている場合、子供が支出している親の介護や生活のための費用を被保全債権として債権者代位権における活用ができるのか、政府の参考人にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/50
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051・松井信憲
○政府参考人(松井信憲君) 現行の民法についてお答えいたします。
債権者代位権は、自らの権利を保全するために必要な限度で他者の権利を行使することを認める制度です。
介護等費用に係る債権が発生するかどうかは、個別の事案における具体的な事情によるため、一概にお答えすることは困難でございます。
その上で、一般論としてお答えすれば、介護等を受けている者のためにその費用を立て替えていることなどにより介護等を受けている者に対する立替金償還請求権等の債権が発生している場合において、保全の必要性など債権者代位権のほかの要件が満たされるときは、その介護等の費用を負担した債権者は、その債権を被保全債権として介護等を受けている債務者に属する権利を行使することができます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/51
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052・岸真紀子
○岸真紀子君 個別のことなのでそのケース、ケースによっても違うけれども、一般論として当たり得る場合があるという御回答ということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
でも一方で、個別のケースなので、もしかしたらこの債権者代位権では救われる幅が狭いかもしれないというところがまだ残っているということだと存じます。
衆議院の附帯決議に、六番目として、「親権者が寄附をしている場合には未成年の子が債権者代位権を行使することは困難であることから、未成年者の子の援助を充実すること。」というのが附帯決議として付けられました。
これはとっても大事な指摘であり、現実的に、例えばですが、中高生が信者である親の寄附によって生活が困窮し著しい状況であるとした場合、それが献金等によって貧困だったり困窮な場合であっても、それを認識している未成年の子が自ら自力で債権者代位権を行使するというのは相当難しいと考えます。
そのため、こういった状況下でどういった相談や支援、援助ができるのか、政府の見解をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/52
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053・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 既に御説明ありましたように、債権者代位権は、自らの権利を保全するために必要な限度で他者の権利を行使することを認める制度でございます。新法案におきましては、これを使いやすくすることで家族らの被害の救済に資することができないかということで検討をしてきたことでございます。
今御指摘がありましたように、未成年の子供たちが行使するのは難しいのではないかという御指摘でございましたけれども、それにつきましては、家族らが債権者代位権の適切な行使により被害回復等を図ることができるようにしっかり支援をしていくことが大事だというふうに考えておりまして、法テラスと関係機関が連携した相談体制の整備など、特に未成年の子供の被害救済に資するような相談体制の整備、必要な支援を行ってまいりたいと思います。
具体的には、未成年者の権利行使については、親権者による適切な親権の行使が期待できないなどの場合、親権の停止、未成年後見人の選任、親権者と子との利益が相反するときの特別代理人の選任など、各種の手続が生じるということと承知しております。
もっとも、困窮している未成年者が自ら訴訟等の手続を行うことは実際上困難だということでございますので、例えば新法案における債権者代位権の行使等を行う場合には、特に法的な支援を含めた支援が……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/53
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054・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 審議官、もう少しはっきりと発言してください。聞こえません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/54
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055・植田広信
○政府参考人(植田広信君) はい。
ちょっと繰り返しになって恐縮ですけれど、よろしいですか。(発言する者あり)
困窮している未成年者が自ら訴訟等の手続を行うことは実際上困難な場合もあり得ると考えられますので、例えば新法案による債権者代位権の行使等を行うとする場合、特に法的な支援を含めた支援が重要になってくるというふうに考えておるところです。
引き続き、その支援の在り方も検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/55
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056・岸真紀子
○岸真紀子君 前段のところ、ちょっと聞き取りづらかったんで、なかなか聞こえなかったんですけど、恐らくいろんな政府としても支援をしていくということで御答弁をいただいたと思います。
その中には、法テラスだとか専門的な知識を持った方もそこにやっていくというふうに聞こえたんですが、ただ、それをまだまだ残念ながら周知がされていないというか、どこに支援すれば、この間も相談窓口というのはあったんですが、なかなか本当に、じゃ、全体的に広がっているかというとそうではないので、ここの周知は引き続きこの支援というのが大事になってくるので、国としても、政府としてもしっかりと行っていただくようにお願いいたします。
私たち立憲民主党は、先ほどからも言っていますが、七月の下旬から旧統一教会による高額献金などの状況を被害者等から聞いてきました。様々な問題がある勧誘で入会をさせられたというか、いまだに残念ながらその教義を信じ込んでしまっていて、自分自身は問題がないと思っている方も多いというような二世の話とかを聞きました。あと、ちょっと環境に興味ないって言いながら勧誘をして、何の団体かは言わずにビデオセンターに連れていって、もう何か月も掛けて、気が付いたらもうすっかり信じ込ませられていたというような事例も多く聞きました。
なので、最初から、旧統一教会なんだよと、家庭連合なんだよと言っているわけではなくって、自分に、その方に興味があるようなこととか、親しい仲を利用してきた方が多いと聞きました。で、気が付いたら、さっきも言ったように教義を信じ込んでしまっていて、家族に黙って、高額な献金を教団から求められるので寄附をしてしまったり、あとは、とても高い、普通の本なんですが、三百万円で購入をさせられたとか、そういった、何でしょうね、物なども購入させられて、それは自分のお金があればというところなんですが、それだけではなくて、例えば親戚に借金をしてまで、その借金の仕方も、それに使うんだということを言わずに、例えばお子さんの大学に通わせたいからというようなことを言って借金をしただとか、気が付けば、自分は借りていないんだけれども、家族が献金をするために金融機関に借金をして、金融機関から連絡が来て初めて分かったというような実態もありました。
本当に私も正直、あの事件があって以降、初めてこんな実態があるんだというのを知ってびっくりしましたが、本当に壮絶なものです。宗教二世など、この家族の暮らしまでもがむしばまれる実態が多くあります。で、そのことからいえば、債権者代位権の行使ができるのかどうかが救済にとっては重要な観点です。
この法案によって被害者が救済されていくのかを政府として把握することは重要です。債権者代位権の行使がされた事例の把握が必要ではないかと、何回もこれ名前出して申し訳ないですが、柚木議員からの衆議院での質問がありましたが、民事ルールによる私人間の権利行使の状況を政府が把握することは困難であるというような答弁がなされていました。
それでは、この救済法の障害というか課題はどのように確認していくのかというところなんです。より救済の実効性を高めるための見直しにつなげるためにも、施行状況、運用状況の確認はどのようにしていくのか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/56
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057・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 御指摘のありましたとおり、債権者代位権は民法上の民事ルールであることから、その運用状況の全容の把握は困難な面があるというふうに考えておりますけれども、法テラスと関係機関による相談対応の結果などを分析しながら、運用面の課題などについてしっかりと把握してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/57
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058・岸真紀子
○岸真紀子君 法テラスや相談だけで把握できないと思うので、何かもう一つ工夫が必要なんではないかなと考えます。そこも是非検討をお願いします。
第四条の寄附の勧誘に関する禁止行為について、禁止行為の類型が六類型だけ列挙されていますが、六類型だけでは限られていて狭過ぎるのではないかと、これほかの方も再三にわたって質問していますが、家庭連合の被害には、信仰による使命感や義務感から表向きは進んでお金を出しているように見えるものも多くって、それらは困惑したものとは言えないと、先日の衆議院の参考人質疑で弁護士会の川井弁護士が、家庭連合の実態に即した禁止行為を策定していただきたいと政府に要望をしておりました。
消費者契約法の困惑類型に限定することなく、被害の実態に合わせて問題行為を幅広く列挙する必要があると考えますが、この点についていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/58
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059・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 新法案でございますけれども、現行の法体系の中で可能な限り最大限、禁止行為や取消し権の対象を規定したというふうに考えております。社会的に許容し難い悪質な寄附の勧誘行為を禁止するということとともに、不適切な勧誘行為を受け困惑した中で行われた寄附の意思表示は瑕疵があることから、寄附者を保護するための取消しを認める制度ということでございます。
更にということでございますけれども、寄附の勧誘に当たっての配慮義務を規定するという二段構成を取っております。これにより、配慮義務に反するような不当な寄附勧誘が行われ、寄附の勧誘が行われた場合、民法上の不法行為の認定や、それに基づく損害賠償請求が容易となるということで、これまで以上に実効性が高まったものというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/59
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060・岸真紀子
○岸真紀子君 植田審議官、もう少しマイク近づけていただけると幸い、ちょっと聞こえづらいところがあります。
第四条の六号に、禁止行為の一つとして霊感等による知見を用いた告知が禁止されていますが、この禁止行為には、重大な不利益を回避するためには、当該寄附をすることが必要不可欠である旨を告げることが要件に含まれています。
禁止行為における必要不可欠であることを告げることは、全国霊感商法対策弁護士連絡会からも、この必要不可欠を要件とするのは余りにも厳格が過ぎて、これでは実務上、結局被害救済に用いることが今以上に困難となると指摘がされています。
これまでもこの部分の質疑が出されていますが、私もこれはやっぱり問題だと考えています。河野大臣、この不可欠の文言の削除はなぜできないのでしょうか。削除すべきではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/60
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061・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 必要不可欠要件は、必ずしも必要不可欠という言葉をそのままに告げる必要はなく、勧誘行為全体としてそれと同程度の必要性や切迫性が示されている場合には適用可能と考えております。多額の寄附に至るような悪質な勧誘事例の多くはそのような必要性や切迫性を有しているものと考えられることから、政府案で十分実効的に対応できるものと考えております。
御指摘の部分を単に必要とすると、厄払いなど一般的に許容されている宗教活動などにまで対象が広がってしまいかねず、真に取消しに値する程度に不当な勧誘行為を適切に捉えることが困難になると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/61
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062・岸真紀子
○岸真紀子君 私の父は、実は神主でもあるんですが、厄払いに頼んでくる方というのは自分から、自ら来るのであって、こちらから言うわけではないので、その事例だと余り当てはまらないのではないかとやっぱり思ってしまいました。
次に、第九条の取消し権の行使期間について、一年、五年となっていますが、やはりこれでは、マインドコントロールから抜け出すためには相当程度の時間を要することからいえば、改善とはなるものの、結局救えない人が多いのではないでしょうか。ここをもっと伸ばすことはできないのか。なぜなら、脱退した信者は、脱会してからもしばらくは精神的に不安定だったり、すぐに弁護士等に相談することができない場合が多いからです。
河野大臣、民法の不法行為のように、少なくとも二十年間は取消し可能とすべきではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/62
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063・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 取消し権の行使期間については、民法よりも取消し対象が広がることとの比較考量で、権利を適切に行使することができない状態から脱するために相応の期間を要する事例があることを踏まえ、寄附の意思表示をしたときから十年間とするなど、いわゆるマインドコントロール以外の類型の取消し権の行使期間よりも長い期間を設定をすることとしておりますので、これで十分ではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/63
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064・岸真紀子
○岸真紀子君 長い設定期間というふうに一般的なものよりはしてはいるんですが、でも、やっぱりこれではなかなか旧統一教会の状況でいうと難しいのではないかと考えます。そうですね、これはなかなか、なかなか納得がし難いところでございますが。
次の消費者契約法及び国民生活センター法の改正法案についての質疑に移ります。
本法律案では、霊感商法に係る取消し権の要件を当該消費者又はその親族の生命、身体、財産その他の重要な事項について、そのままでは現在生じ、若しくは将来生じ得る重大な不利益を回避することができないとの不安をあおり、又はそのような不安を抱いていることに乗じて、その重大な不利益を回避するためには、当該消費者契約を締結することが必要不可欠である旨を告げることに改めるとしていますが、これはどのような消費者被害の実態を踏まえたものなのでしょうか。これによって消費者庁の霊感商法等の悪質商法への対策検討会で使い勝手が悪いと言われていたものが改善されて使い勝手が良くなるのか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/64
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065・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 旧統一教会の被害の関係でございますけれども、裁判例などや報道されている例から見ますと、献金、旧統一教会の被害につきましては、自発的に献金であるとか物品の購入をしているように見えていますけれども、実は、本人や親族の不利益が生じる旨を告げて不安をあおったり、その不安に乗じて、そのような不安を解消する手段と称して教義を教え込まれ、困惑させられて悪質商法や悪質な被害に遭っているのではないかというふうに考えております。
こうした被害につきまして、今回の改正で、親族の不利益を対象に追加することや不安に乗じる場合も対象にすると、不安に乗じる場合も対象にするなどの措置を行ったところでございます。これによりまして、脱会等で困惑状態から脱した後、購入時は困惑していたということを後から気が付いていただければ、それを主張、立証していただければ、消費者契約法第四条三項六号に基づき、その契約、意思表示を取り消し得るものというふうに考えておりますので、今回の改正で十分実効的なものになったというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/65
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066・岸真紀子
○岸真紀子君 確認をさせていただきますが、この文言に現在とか将来というふうに入っているので、これは死後又は来世の不利益や既に亡くなっている親族の不利益について不安をあおった場合にも取り消し得るものなのでしょうか。例えば、あなたのお母さんがあの世でというか、天国で苦しんでいると言われたりした場合は当てはまるのか、お答えをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/66
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067・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 消費者契約法の改正法案では、第四条三項六号の取消し権の要件として、本人の不利益だけでなく親族の不利益も対象としたところでございますけれども、その対象となる親族は存命の親族を想定しておりますけれども、亡くなられた親族の不利益、例えば亡くなったお母さんが地獄で苦しんでいるといったようなものは、本人自らの不利益というものと同等のものと捉え得るものというふうに考えております。また、本人の死後でありますとか来世の不利益といったものについても、本人の現在生じ又は将来生じ得る不利益として捉え得るものというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/67
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068・岸真紀子
○岸真紀子君 ありがとうございます。
たとえ、現在とか、現存し、現在生きている方じゃなくても、そのことを脅すことによって自分の心身にもやっぱり不利益が生じるからという解釈ということでよろしいんですね。ありがとうございます。
次に、本改正案では、独立行政法人国民センター及び地方自治体は、適格消費者団体の求めに応じて、必要な限度において消費者紛争に関する情報を提供することができるものとすると改正をされていますが、検討会においてはこのような施策について具体的に議論がされていなかったと思います。なぜこのような改正を行うのでしょうか。適格消費者団体への協力に関する法改正を行う理由を教えてください。また、適格消費者団体側からこのような要望があったのか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/68
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069・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) お答え申し上げます。
旧統一教会問題に対する政府の方針が、被害者の救済に向けた相談体制を強化する、また、今後同様の被害を生じさせないための法制度の見直しにしっかり取り組んでいくといったその方針がある中で、この事前のその被害の拡大の防止を図るという観点から、この適格消費者団体による不当勧誘や、不当勧誘に対する差止め権の強化を図ろうというものでございます。
国民生活センターによる重要消費者紛争に関するその情報を提供するということで、今までよりも情報の幅を広げるとともに、適格消費者団体の支援を行うということを措置しようとしております。
こういった差止め請求権等を行使したい適格消費者団体、常に情報を接しており、情報を欲しておりますのでニーズがあるものというふうに考えておりますし、今後、適格消費者団体がこの被害者、被害の拡大の未然防止に資するよう積極的に活用を促していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/69
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070・岸真紀子
○岸真紀子君 じゃ、その中身についてちょっとお伺いをしますが、当該団体が差止め請求権を適切に行使するために必要な消費者紛争に関する情報で内閣政令で定めるものというのを提供すると、ことができるとしていますが、提供される情報は具体的にどのようなものを想定しているのでしょうか。また、この情報提供によって、先ほども被害防止にとか救済にって言っていたんですが、被害の予防、救済にどのような効果があるのか、再度お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/70
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071・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 御指摘の第四十条第一項に規定する内閣府令で定めるものとは、国民生活センターにおける重要消費者紛争に関する情報のうち、例えば紛争当事者である事業の名称、当該事業者の住所等の属性、消費者被害の態様等といったものを想定しております。これはまさに、その差止め請求権をどういった事業者又は、この場合ですと法人等にしていくに当たって必要な情報だというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/71
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072・岸真紀子
○岸真紀子君 今聞いたような名称だとか属性だとかのものであれば必要なものをしっかりと出していくと、適格消費者団体側に出す、提供していくというのはいいかと。
一方で、この内閣府令なので、後でどんどんどんどん幅を広げていくと、いろんな情報の管理の問題もありますので、そこは私は若干慎重にするところも必要なのではないかと。ただ、この救済には必要な情報はやっぱり出していって、一緒に取組を進めていただくというのが重要かと感じます。
次に、この適格消費者団体は、現在、消費者庁のホームページで検索をすると全国で二十三団体しかありませんでした。しかも、内容を見ると一部の大都市に限られていて、これ、できれば各都道府県に一つはあるべきなのではないかと。ここをもうしっかりとその救済とか相談とかに協力してもらおうと思うのであればもう少し広げていくことが必要なのではないかと考えますが、今後、この適格消費者団体を広げ、更なる相談、救済の一助としていく考えがあるのか、政府として、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/72
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073・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 適格消費者団体という団体は、その消費者が一人一人の力だと泣き寝入りしてしまうといったことを防ぐために、その消費者に代わって、なかなか一人では太刀打ちできないような事業者に対して不当な勧誘やその不当条項の削除等を求めるものでありますから、できる限り多くの消費者がアクセスできるということが重要だと考えております。
全国で今二十三ということであります。地図に落としてみると、いろいろ薄い、例えば四国は一つしかないとか、東北も少ないとかあります。ただ、東京の団体では例えば全国から受け付けているというところがございますので、そのカバーとしては、見かけは全国を今カバーできているんではあるんですけども、ただ、やはりアクセスが、あと、今デジタル化も進んでおりますので、昔に比べれば、直接行けなくてもオンラインで会議するとかいったことでカバーできるようにはなっていると思いますけども、やはりできる限り多くの消費者の方がアクセスできるということが大事だというふうに思っておりますので、現在存在している適格消費者団体の方々が活動しやすいような環境整備に取り組むとともに、さらに、この適格消費者団体になりたいと考えている消費者団体に対して適切な指導、あっ、支援を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/73
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074・岸真紀子
○岸真紀子君 ありがとうございます。
適格消費者団体がしっかりした団体なのかというチェックは必要なものの、やっぱりそれを地域でアクセスしやすくするというのはすごく重要な観点だと思いますので、引き続き取組を政府としてもお願いいたします。
改正案では独立行政法人国民生活センターの役割強化となっています。国民生活センターにも期待するところなんですが、とはいえ、限られた、国民生活センターも限られた人員でカバーできるのかなという若干の不安があります。
政府として予算の拡充などをしていくのか、河野大臣にお伺いをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/74
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075・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 二次補正でまず十億円を確保いたしました。これでADRあるいは消費生活相談の拡充をしっかりやっていきたいと思います。
オンラインなどを使ってこの相談員の研修みたいなことを速やかにやっていかなければいけないと思っておりますし、相談員の質、量の拡充といったものも必要になってくると思います。やはり人が肝腎でございますから、拡充すると同時に、やはり研修などをしっかりやって能力を高めていかなければいけませんので、まずこの補正でいただいたものでしっかりそれを努めていきながら、将来的に更にどの程度必要になるのか見極めながら、リソースは確保していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/75
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076・岸真紀子
○岸真紀子君 大臣、ありがとうございます。
補正予算、二次補正で十億円というところなんですが、大臣がおっしゃられたように、これでまだ十分というわけではないということだと思うので、是非引き続き予算の確保、頑張っていただくようにお願いいたします。
次に、衆議院の附帯決議の八番目に、「親族間の問題、心の悩み、宗教二世を含むこどもが抱える問題等の解決に向け、法的支援にとどまらず、心理専門によるカウンセリング等の精神的支援、児童虐待や生活困窮問題の解決に向けた支援等を一体的・迅速に提供するなどの支援体制を構築すること。」とあります。
これまでも宗教に関する相談は、地方では、地方です、大都市じゃなくて地方、地方では、相談窓口や支援を専門とする人材がいないなど、適切な支援に至らなかったという問題が残念ながらありました。今後、地方や地域での相談や支援体制をどのように考えているのか、河野大臣にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/76
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077・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) これまでも、地方における相談体制の強化ということで、この統一教会に関する合同電話相談窓口における対応などを基にしたQアンドAを配布しております。また、相談内容が宗教に関わるということのみを理由として消極的な対応を行わないようにするよう通知をしているところでございます。
また、このほかに、補正予算の中で、例えば、この地方の取組を支援するための五億円の特別枠の創設、あるいは先ほど申し上げましたけども、現場の相談員の方々に対する研修、これはオンラインを使ってやれるんだろうと思っております。そのようなことで、まず相談員のスキルあるいは専門性の向上にしっかり取り組んでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/77
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078・岸真紀子
○岸真紀子君 多くは、いろんな窓口が地方でできてくると思うんですが、地方自治体における被害者救済の役割も大きくなると考えています。国は地方自治体に対してどのような支援を行っていくのかというところをお伺いしたいと思います。
大臣も今おっしゃったように、オンライン研修とか、すごく大事だと思うんです。財政確保の問題であったり、相談支援等を担う人材の確保というのも、すぐできるわけではないので、やっぱり徐々に強化をしていくということが重要です。
それで、これまでの相談や支援など、特に宗教に関するものというのは地方にとってなかなか蓄積データがないというような実態なので、先ほど大臣がおっしゃったQアンドAというのをこの間も相談として活用されたというところなんですが、このQアンドAを是非データ化をしていただいて、AIの技術なんかも取り入れて、例えばこういう質問のキーワードみたいのを入れたらぴぴっと、こういう対応をしましたよみたいなシステムを構築していただけた方が、恐らくどの地域に行っても、初めて、例えば件数が少なくても対応ができるのではないかというふうに考えますので、そういった自治体への支援をしていただきたいのですが、大臣のお考えをお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/78
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079・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) ありがとうございます。それはなかなかいいアイデアだなと思います。
また、それ以外にも、専門性の高いスキルを持った方、これ電話なりオンラインの相談であれば、これどこにいてもそこへ振り分けるということができますので、デジタルの技術を使いながら、いろんなことが考えられるというふうに思っておりますので、実効性の上がるようなことをこれからしっかり検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/79
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080・岸真紀子
○岸真紀子君 ありがとうございます。
なるべくたらい回しにならないような連携を取っていくというのも大事だと思いますので、その点は気を付けていただくようにお願いいたします。
消費生活相談員もきっとこれからいろんな相談を受けていくことになると思うんですが、処遇が全然改善されていない実態にあります。
去年の二〇二一年の五月二十一日の本会議で特定商取引法の改正のときに私が質問させていただきましたが、この二〇一四年六月に成立した改正消費者安全法を踏まえて、当時の森消費者担当大臣から「いわゆる「雇止め」の解消を含む消費生活相談員の処遇改善について」という書簡が出されています。内容は、消費生活の専門性を考慮し、相談員が日々の研さんと実務経験の積み重ねにより獲得した技術、知識を生かせるように、雇い止めを解消したり処遇を改善していくことを強く期待するといった書簡になっています。
しかし、残念ながら、今も非正規で雇用そのものが不安定かつ低賃金といった課題があります。消費者相談は複雑化、高度化する中、本法案によって更なる宗教など業務過多が想定されます。
消費生活相談員の処遇改善に向けて、担当大臣としての決意をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/80
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081・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) この問題は、もう統一教会の問題にかかわらずやっていかなければいけないことだと思います。しっかりとした専門性を身に付けてもらってスキルを向上させていくためにも、このキャリアパスというものがしっかり見える形にならなければいけないんだろうと思っております。
まずは任用回数に上限を設けないとか、この雇い止めの問題、これはもう森大臣を始め、これまでも様々取り組んでまいりましたが、これは地方公共団体にしっかり働きかけをしていきたいと思っておりますが、このキャリアパス、将来の姿というのが見えるようなことができるように、そこはちょっと消費者庁としても心を砕いてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/81
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082・岸真紀子
○岸真紀子君 ありがとうございます。
是非、その雇い止めも実は本当毎年毎年問題が起こっていて、法制度としては別に再度の任用は認めているんですが、どうしても運用面で自治体が間違った任用をしているので、しかも、消費生活相談員というのはやっぱり蓄積が何よりも大事です。どれだけ経験を積んだかによって対応が高度な技術になっていくということがありますので、是非ともここの部分も積極的に処遇改善に向けて取り組んでいただくことをお願いいたします。
この救済法については、あくまでも悪質な法人等の寄附であったり不当な勧誘を防止するものであります。NPO法人などからは、公益法人とかいろんな様々な団体がありますが、寄附が集まりづらくなるのではないかといった懸念も出ています。昨日の石橋議員の質問にも盛り込まれていた問題です。
一般的な団体の活動を止めるものでは決してないものなんですが、不適切な献金と一般的な寄附募集を区別する何か明確かつ客観的な基準は必要ではないかと考えますが、大臣の御見解をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/82
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083・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) この法案の第十二条で、様々な法人の活動において寄附が果たす役割の重要性に留意をしなければならないということを規定をしております。また、この法案で定めております禁止規定は、社会通念上かなり悪質、不当な勧誘行為と考えられるものであって、真っ当に寄附を募っている法人であれば、禁止規定もとより、配慮義務についてももう当然に配慮されているものというふうに思っている、そういうものに限らせていただいております。
ですから、通常のNPO法人、公益法人その他に関して申し上げれば、寄附の勧誘に支障がある、あるいはこの寄附文化の醸成といったものに支障が出るとは想定し難いと思いますし、逆に、こうしてこういう不当な勧誘がきっちり規制されるということが、この寄附の勧誘行為に対する、何ていうんでしょう、安心感みたいなものを生み出していく、そういうことにもつながっていくようにしなければならぬと思っております。
必要な広報活動はこれしっかりやって、法人の皆さん、あるいは寄附をされる国民の皆様にきちんと広報していくことが大事だと思っておりますので、その部分についてしっかりやってまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/83
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084・岸真紀子
○岸真紀子君 ありがとうございます。
本当に、本当、本来であれば真面目にいろんな活動をしているNPO法人を止めるものではないですし、むしろ、この法案によってそういう悪質なものを排除していくとか除外をしていくということが大事だということなので、そこはやっぱり広報の仕方というのが大事になってくるかと思います。
ちなみに、NPO法人とか公益法人からこういうような御意見が出されていますが、参考人でも構いません、そういった方々と対話はされてきたのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/84
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085・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 対話という形ではありませんけども、直接話を伺う機会もございました。率直な御意見もいただけまして、何で消費者庁なんかにこんな寄附のところを所管されていろんな執行されるのはけしからぬということで、内閣府に所管を持っていってくれないのかとか、いろいろそういった御意見も直接いただきました。私の方からも、この中身についても説明させてはいただいたんですけども。
他方、やはり実際にお金を集めるところでの御苦労というのも直接伺うことができまして、そのときに感じたのは、私もこの寄附の話については何度も似たような答弁をしてきているんですけども、まだまだ、この消費者庁、また別の事業といたしまして、消費者のそういった社会課題の解決に消費者自身が参加していくという意識を高めるというのも消費者のミッションの一つだと認識しているんですけども、その部分ももう少し頑張っていかないと、お金を出す方の意識も高めていかなきゃいけないというふうに感じたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/85
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086・岸真紀子
○岸真紀子君 是非とも引き続き、法案成立後もNPO等の声も聞いていただくことをお願いいたします。
最後の質問になりますが、法案はどうしても難しいんです。私たち立憲民主党も議員立法出したときに、内容をなかなか皆さんに御理解いただくというの相当難しいというのを感じたところです。
ただ、この被害の、先ほど大臣もおっしゃっていましたが、被害の防止と救済、この内容をいかに国民に分かりやすく伝えていくかというのはとても大事だと思うんです。大臣としてこの広報とか分かりやすさというのをどのようにされていくのか、最後にお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/86
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087・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 今回措置されます禁止規定ですとか配慮義務といったことについて、関係の団体のみならず、国民の皆様一般にもしっかりと認識をしていただく必要があると思いますので、なるべく分かりやすい資料を作って、広報の仕方も少し考えて、全国隅々に行き届くように考えていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/87
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088・岸真紀子
○岸真紀子君 ありがとうございます。
本当に法案というのはどうしても分かりづらいというのがあるのと、どうしても行政の広報の仕方だと一部の方にしか、例えば自治体の職員とかそういうところにしか行かなくって、広く一般、特に、今被害を受けているのは、残念ながら家族が一番被害者だと思っている方が多いんです。そうなると、お子さんであったり未成年の方というのも含まれてくるので、ここに対しても相談を含めてどうやって分かりやすく広めていくかというのがとても重要になってくると思います。
引き続き、大臣、先頭に立ってこの被害救済に向けて広報等を進めていただくことをお願い申し上げ、私の質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/88
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089・石垣のりこ
○石垣のりこ君 立憲民主・社民の石垣のりこでございます。どうぞよろしくお願いいたします。消費者特では初めて質問をさせていただきます。
まず最初に、私からは、政府・与党に対しまして率直に感謝を申し上げたいと思います。と申しますのも、今回の政府法案なんですが、法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案、この法案に関しまして、政府と与党、自民党さんは、あれ、これ本当に自民党さんなのかなというような、譲歩に譲歩を重ねてくださったということがございます。
今国会の冒頭で、政府は、岸田総理の所信表明にもありましたように、統一教会を始めとする悪質な法人が引き起こす陰惨な被害に対しまして、消費者契約法の改正だけで対応されて、対応されようとなさっていました。しかし、その後、統一教会の引き起こす極めて凄惨な被害に関する社会的な認知も広まりまして、やはりこの深刻な被害の防止と救済のための法律が必要であると、そのような認識に皆さんがなっていったと。世の機運が高まるにつれて、与党、自民党さんも、我々野党各党が目指す悪質献金被害救済法案に徐々に関心を示してくださるようになったというふうに認識しております。
十一月の上旬になりまして、我が立憲民主党と日本維新の会が救済新法に関して、マインドコントロール下の寄附の取消し、あと家族など第三者による本人の取消し権の行使、あとは寄附の上限目安の設定ですとか刑事罰の導入などを求める提言書を提出したわけなんですが、その際に自民党の茂木幹事長は、本来的には野党には国会審議を通じて議論をし賛否を決めてもらいたいとしつつも、今回は早急に成立させるべき法案で、事前に野党に示せる内容は示していくと、このような異例の発言をなさったわけです。その後、様々なレベルで本件に関する与野党の協議が持たれましたけれども、本当に時間も掛けて回数も重ねられたと思います。政府・与党サイドは本当に譲歩に譲歩を重ねていただいたというふうに認識しております。
もちろん、今審議の対象になっていますいわゆる救済法案、今回の新法ですね、もう消費者契約法改正案も、我々野党が当初から企図していた内容とは程遠く、不十分であると言わざるを得ないわけなんですが、またさらに、この内容、いわゆる宗教二世の方々の深刻な被害を救済することができないという点も本当に今後の課題残していると思います。さらには、寄附行為以外での財産の収奪の被害を防止することもなかなか難しいという、まだまだ限られたこれからの法案だと。そういう意味では、救済法という通称を使うこと自体似つかわしくないということも事実であるかと思います。
しかし、政府・与党がここまで大幅に、かつ迅速に我々野党側の要求に譲歩されたということは、長年にわたって統一教会とずぶずぶの関係を築き上げていらっしゃった議員を多数抱えておられる自民党さんの状況を考えたときに、よくぞここまで運んできてくださったと感嘆せざるを得ません。与党内に統一教会とがんじがらめの関係にある議員を多数抱える中で、政府においてこの法案の取りまとめに尽力された河野大臣、そして党内において調整に当たられた茂木幹事長の手腕、そして胆力、素直な称賛と感謝の意を述べたいと思います。
その上で、今の段階ではまだまだ不十分な救済法案の内容を更に拡充して、根本的な統一教会による被害の救済の実を上げていくことが必要です。次の総選挙では、是非とも我が党が議席を伸ばして、自民党さんから政権を奪取することが必要不可欠であるとの決意を申し述べて、具体的な内容に入りたいと思います。
さて、今申し述べましたように、国会の冒頭、政府は旧統一教会問題の対応は既存の法律の改正で可能という判断でした。これが、途中からなんでしょうか、新法が必要だと判断を変えられたのはどのような理由からでしょうか。河野大臣、お答えいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/89
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090・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 消費者庁は当初から新法が必要と考えておりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/90
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091・石垣のりこ
○石垣のりこ君 それ、私ども野党が法律を作って十月の十七日に提出をいたしましたけれども、その一か月、二か月ほど前から準備を進めてきたわけなんですが、是非とも法律を作らなければいけないと、既存の法体系の中では、改正の範囲内では対応できない、是非とも新法を検討してくれということに対して、実際国会答弁で、岸田総理も所信表明の中でもう消費者契約法そのほか改正案の中で対応されるというふうに、ここで御答弁されていらっしゃるわけですね。なので、最初から考えていたというのは、その心の中に思っていたのかもしれませんが、それを昔から考えていましたというふうに言われても、じゃ、その証拠はどこにあるんだということになるかと思います。
まあそれはいいとして、既存の法律で対応可能という、具体的に、本当に、十月三日始まった今国会の冒頭から当初はなかったというふうに私は認識しております。立憲始め野党から法案を提示したことが議論のたたき台として新法成立の具体的な動きを後押ししていったということも大きいのではないかと自負はしておりますけれども、さらには、やはり被害者の方々が勇気を持って声を上げて、様々な立場の支援者各位が最大限の後押しをして、メディアで報道されることで多くの方が知ることになって、統一教会の悪行をこれ以上野放しにしてはならないと、被害者を救わなくてはならないという、その世論となって救済法案への機運を醸成していったということは言をまちません。
さて、新法案の寄附の勧誘行為に係る規制対象について、河野大臣が十二月六日の衆議院本会議でこのように述べていらっしゃいます。寄附の勧誘をしている者が個人であっても、法人等の行為と評価される場合には新法の規制対象になりますと、このようにお答えになっているわけですね。その上で、具体的には法人等の代表者、役員又は使用人等が行った勧誘行為は法人等が行ったものと認められることになります、また、宗教団体と委任や雇用関係がない信者が、宗教団体と該当信者間の明示又は黙示の契約の有無など使用人と同程度の法人との関係性がある場合には、法人等の行為と、行為をって書いてありますが、行為を評価することができ、新法の規制の対象になると考えていますと、このように具体的に答弁されていらっしゃいます。
ここで伺いますが、使用人と同程度の法人との関係性というのは、これ具体的にはどのような関係性が想定されるのか、宗教法人の中で特段の役職にないような一信者は使用人と同程度と認め得るのか、お答えいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/91
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092・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 同程度と認め得ると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/92
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093・石垣のりこ
○石垣のりこ君 一信者は同程度と認めるということですけども、これは、じゃ、もう誰しもその信仰を持っているということであれば、役職問わずこれはもうその法人との関係が認められるということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/93
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094・植田広信
○政府参考人(植田広信君) おっしゃったことの繰り返しになるかもしれないですけれども、寄附の勧誘している者が個人であっても信者であっても、法人等の行為と評価される場合には対象になるということでございます。そこは、具体の事例でそう判断できない場合もあるかもしれないですけれども、そう判断できる場合には対象になるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/94
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095・石垣のりこ
○石垣のりこ君 いや、何かその使用人と同程度ということの内容がイメージしづらいわけですよね。一個人、どうしてこういう質問をするかといいますと、統一教会の被害の場合は該当の、当該の個人がいるであろうことはもちろん推測できるんですけども、基本的に個人の責任にして、組織としての責任を追及されないようにいわゆる責任を押し付けてしまうということが生じているわけです。
一信者が勝手にやっているとか、若しくはその支部の単位でやっているとか、あとは関係の法人だったり団体がやっているということで、そうやって責任を転嫁するのが悪質な手口としてありますので、法人との関係性をどこまで認定し得るのかというのが被害救済を図る上で非常に重要なポイントだと思いますので、これはちょっともう、改めてもう一回ちょっと答弁求めたいと思いますけれども、特に役職とかもなくごくごく普通の一般の信者でも、その信仰を持って寄附の行為をしていれば、それはもう信者として、あっ、信者って、組織としての関係は認められるということでいいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/95
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096・植田広信
○政府参考人(植田広信君) そこは現実にどうなっているかということでして、今おっしゃったように、実はやらせているのにやらせてませんって言っているのはうそですので、そこは調べていけばきっちりと事実が認定できるはずだということです。
一方、本当に何の関係もない場合には関係ございませんので、そこは関係ないという当たり前の話かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/96
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097・石垣のりこ
○石垣のりこ君 いや、あなたがやったんでしょうっていって、ある意味、法人側としては、あなたの責任ですよね、私たちは言っていませんみたいなことで、その役割を与えられた一個人の信者さんは、自分が責任を負うことが今ここでの私のこの教団の中の役割なんだと思って、責任をあえて自ら引き受けようとされたりすることもあるわけですね。
そういう場合に、本人が例えば否定して、いや、私の個人のことですと言った場合には、それはこの団体というのか法人との関係というのは、これは認められないんですか、否定された場合には。済みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/97
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098・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) そういう実態を把握するために報告徴収ができるようになっているものと認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/98
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099・石垣のりこ
○石垣のりこ君 それ報告徴収まで行けばいいんですけども、なかなかそこまで行かないという実態があったので、これがどの程度また使われるかということになってくるんだと思いますが、取りあえず一個人でも、まあこれもケース・バイ・ケースということにはなるんでしょうけども、一応法人との関係は認められるというふうに御答弁いただいたというふうに私としては受け止めますが、その上で、新法案の寄附の勧誘行為に係る規制対象についての話を今伺ったわけなんですが、この禁止の対象についてちょっと伺いたいと思います。
今回の法案では、禁止の対象を寄附に限定しています。で、売買契約やサービス提携契約が除外されていると。政府からは、無価値なものの売買契約は事実上寄附と認定できる旨の答弁がなされておりますが、この宗教的な物品やサービス提供というのは、これ、いわゆる無価値というふうに判断され得るんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/99
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100・植田広信
○政府参考人(植田広信君) そこは一般論で申しているわけではございませんで、例えば、それは信仰されている方にとってはその紙一枚でも貴重なものであると、価値があるものというのは当然だと思いますけれども、答弁で申し上げたのは、その物品の原価でありますとか販売の経費でありますとかと比べて販売価格が釣り合ってないというような場合に、その信者、信じてない方から見ればそんなに価値のあるものなのだろうかというようなことということでございます。
信じている間にはもちろんそれで構わないわけですけれども、これが、マインドコントロールが覚めて、それはだまされていたということであれば、そのときにその方にとっても無価値なものになるということではないかというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/100
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101・石垣のりこ
○石垣のりこ君 例えば、寄附と認定できるのか、まあ宗教的なサービス提供と言ってもいいのかもしれませんが、祈祷を例に挙げると、祈祷というのはこれ消費者契約法の対象になるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/101
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102・植田広信
○政府参考人(植田広信君) はい、対象になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/102
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103・石垣のりこ
○石垣のりこ君 これで祈祷が対象になるんだったら、消費者契約法では、言ってみると適切な役務提供と霊感商法としての役務提供との区別ができるということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/103
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104・植田広信
○政府参考人(植田広信君) ちょっともう一度御質問いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/104
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105・石垣のりこ
○石垣のりこ君 祈祷が消費者契約の対象になるという場合に、まあなるというふうにお話があったんですけども、その場合、適切な、いわゆる祈祷の中でも適切な役務であり得るのかそうでないのか、若しくは祈祷以外のほかのものもあり得るかもしれませんけれども、霊感商法としての役務提供であるのかということの区別ができて消費者契約法の対象として扱っているということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/105
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106・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) サービスの内容が適当か適当でないかということでこの消費者契約の後の取消し権について議論されるのではなくて、その祈祷のサービスを提供するに当たっての勧誘の仕方が不適切な勧誘の仕方になって、さらにそれが、その困惑を受けて、それを、本来そんな祈祷サービスなんか受けたくもなかったのに何か受けてしまったというのを後から取り消せるといった考え方がこの消費者契約法の考え方でございますので、その実際の祈祷サービスがどういうものかとか、その価値が幾らとか、そういうことが一義的に関係するわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/106
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107・石垣のりこ
○石垣のりこ君 それは、でも、消費者契約法の対象になって、その霊感商法であり得るのか、それとも適切なサービスであるのかということが判断され得るということだと思うんですが、そうではないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/107
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108・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) そもそも、別にその消費者契約法は霊感商法イコール悪という位置付けでやっているわけではございません。別に霊感商法一般に、その呼び方としては、この霊感商法と一くくりしていいのかどうか分かりませんけども、そういった、例えばこの招き猫を置いておけば商売繁盛につながるとか、広げ始めれば入り得る、例えばこの数珠を売ると運勢が良くなるとか、そういうのも含めた概念でありますので、別に霊感商法イコール悪いものとして位置付けてその取消し権の対象にしているというわけではなくて、そういった霊感というふうに呼んでいますけども、そういった、なかなか科学的な説明できないようなことを言うことによって更に不安をあおったりとか、それに乗じるという、その勧誘の仕方が問題ということで、そういった、逆に言うと、その霊感商法を悪用する、宗教などを皆さんがいろいろ信じているのを悪用して不当に勧誘するということについては、意思表示に瑕疵をもたらすので後で取消しができるというふうにしているというのが消費者契約法の考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/108
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109・石垣のりこ
○石垣のりこ君 消費者契約法の中で、個別の具体的な例というか、ある程度その条件というのはあると思うんですけども、判断できるということであれば、新法案の四条六項の禁止行為において、政府が必要不可欠であると、必要性と切迫性の両条件を課す理由としてこう挙げていらっしゃるわけです。必要不可欠を単に必要とすると、厄払いなど一般的に許容されている宗教活動等にまで対象が広がってしまいかねず、真に取消しに値する程度に不当な勧誘行為を適切に捉えることが困難になると考えられるというふうに答弁はあると思うんですけども、これ、消費者契約法で適切であるか、それとも霊感商法であるのかということが判断できるならば新法案でも区別し得るので、必要不可欠にする必要がないということにはならないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/109
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110・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) そこの、その困惑、その不適切な勧誘をどういったもので類型化するという部分の考え方については、消費者契約法も今回提出させていただいている新法もそこの部分は基本的には同じでございます。
先ほどから申し上げていますように、霊感商法だから駄目だということではなくて、そういったものを悪用して不当に勧誘をした上で、今回の事例でいいますと、とても考えられないような多額な寄附を募っていることについて禁止していこうとか、そういったことをやろうとしているのが新法でございますので、その霊感、何度も繰り返しになりますが、霊感商法そのものを悪者として扱っているわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/110
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111・石垣のりこ
○石垣のりこ君 なので、祈祷も入ってしまう場合もあるかもしれませんけど、入らない場合もあって、それは、判断基準が消費者契約法の中で判断できるのであれば、その新法の中で祈祷が入るからそこに必要不可欠としなきゃいけないんだということが成り立たないのではないだろうかというふうに思ったわけなんですけども、必要不可欠とまで書く必要がないのではないかということを申し上げたいなというふうに、私はこういうふうにちょっと解釈をして今質問させていただきました。
続いて、配慮義務について伺います。
この寄附の勧誘を行うに当たってなんですが、これ、いわゆる配慮義務というふうに今回付されました第三条ですけれども、この配慮義務に違反する行為っていうのは、これ具体的にどんな行為が挙げられるんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/111
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112・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 配慮義務につきましては、今、三条の書き方でございますけれども、例えば、第一号では適切な判断をすることが困難な状態であるとか、第二号では生活の維持を困難にすることがないようにすることといったように、勧誘によってもたらされた結果の個人の状態を規定しているということでございます。
これは、いかなる行為によったものであったとしても、寄附勧誘の際にはそのような結果をもたらさないようにすべきという規範を示しているものでございますので、だから、何をやったかっていう、にかかわらず、こういう状況に陥らせないようにというような規定でございます。
なので、ここに、こういうことに陥るような勧誘の行為というのは様々ございますけれども、例えばということでいいますと、一のその適切な判断をすることが困難な状態に陥ることがないようにすることというのは、例えば統一教会がやっているような洗脳の方法であるとか、それから、生活の維持を困難にすることがないようにすることということであれば、通常の年収に比べて巨額の寄附を要求するとか、そういった様々な行為が入り得るということで、ここはもう限定して列挙するのはちょっと困難かなというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/112
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113・石垣のりこ
○石垣のりこ君 結構抽象的なお話もあったと思うんですけども、その配慮義務で今ちょっと挙げていただいたようなものの中に、いわゆる四条、五条の禁止行為に該当するようなものというのはないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/113
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114・植田広信
○政府参考人(植田広信君) それは当然ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/114
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115・石垣のりこ
○石垣のりこ君 ということは、物に、具体的な物によって、今、配慮義務にカテゴライズされるようなものも四条、五条の禁止行為といわゆるかぶっているところがあり得るっていうことなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/115
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116・植田広信
○政府参考人(植田広信君) はい、おっしゃるとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/116
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117・石垣のりこ
○石垣のりこ君 その場合は配慮義務が優先されるのか禁止行為が優先されるのかっていったら、禁止行為の方なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/117
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118・植田広信
○政府参考人(植田広信君) そこは主張の仕方と思いますけれども、一番主張したいことを実現するためのものが優先されるということとなると思います。
取消しがされ、取消しを、契約ないし寄附の意思表示の取消しをされたいのであれば四条で主張すべきですし、不法行為で要求するということであれば三条ということもありますし、五条ということもあるということだと思います。併せてやるということも当然あるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/118
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119・石垣のりこ
○石垣のりこ君 何か非常に漠然としていて、禁止行為でもあり得て配慮義務でもあり得るという場合に、結局その主体が何を求めるのかによってどちらかを取り得るという、主張し得るということになるということで、どう判断したらいいのかちょっと私も今悩ましいところなんですけども。
私もその配慮義務の中でも、やはり、もちろん全部これ基本的には禁止行為として格上げというか、規定すべき内容であるということは、もう私以外にも今までもいろんな方が御主張されていることですけれども。
どうしてかというと、これも皆さんある程度共通の認識があるかと思いますが、統一教会の被害実態を考えたときに、この第四条における禁止行為ありますが、これ、この禁止行為が起こる前段として、自由な意思の抑圧であったり、例えば三条の三項に該当するのではないかと思われる正体隠しの勧誘みたいなものがこの被害実態の中で多くを占めているわけですね。
四条に挙げられているような行為はもちろん禁止すべきなんですが、四条に示されている禁止行為を成立させる要件の一つとして、その前段に勧誘、勧誘における配慮義務違反的な行為があった上で四条が成立しているということで、前段が配慮で後段が禁止ということになると非常につじつまが合わないというか、この成立要件の前段をちゃんと否定してあげないと後段の意味が薄れてしまうのではないかという懸念がございます。
寄附が必要不可欠であるとの働きかけがなくても寄附をするということが起こりやすくなるということで、信仰からの使命感とか責任感を利用することによって教団への寄附がなされるというケースが多いからこそやはり問題で、そういう状況が生じるのは何かというと、その第三条に掲げられている配慮義務が前段にあって、そこが入口となって禁止行為というふうにこの法律の立て付け上は掲げられている行為が生じてしまっている、そこに陥りやすくなっているという、そういう被害実態を鑑みると、やはり配慮義務は禁止規定にすべきものであるというふうに申し上げたいと思います。
特に、正体隠しの勧誘というのがこれ非常に罪深くて、正体を隠していいことをしてくれる足長おじさんみたいなんだったらいいんですけど、真逆なことをするわけですよ。そう考えると、やっぱり正体隠しというのは、これは司法の場でもこれ違法性は指摘されているわけですから、この部分はしっかりこの新法の規制の対象として禁止行為とすべきであるというふうに申し上げたいと思います。是非今後前向きに検討していただきたいと思っております。
さて、では、ちょっと修正部分について一点伺いたいと思います。
六条の、配慮義務の遵守に係る勧告等が加えられました。この一項には、勧告の条件として、第三条の規定を遵守していない当該法人から寄附の勧誘を受ける個人の権利の保護に著しい支障が生じていると明らかに認められる場合において、支障が生ずるおそれが著しいと認めるときはというふうにあります。
これ、法人が規定を遵守していないと把握し、著しい支障が明らかに認められると判断する基準というのはあるんでしょうか。何を指標とするのかと、かつ、どのようなプロセスで把握されて判断されるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/119
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120・山井和則
○衆議院議員(山井和則君) 御質問ありがとうございます。
今、石垣委員からお話ございましたように、六条に定めておられる要件、すなわち寄附の勧誘を受ける個人の権利の保護に著しい支障が生じていると、それが明らかに認められる場合、更に同様の支障が生ずるおそれが著しいと認められる場合には、当該法人等に対して勧告が行われます。
それで、ついては、今ありました具体的なことでありますけれど、勧告の個別の要件についてもお尋ねいただきましたが、最終的には個別事案に応じての判断になりますけれど、例えば、個人の権利の保護に著しい支障が生じていると明らかとは、例えば、寄附の勧誘を受ける個人の権利が侵害されたことを認定した判決があるなど、著しい支障が生じていることが客観的に明らかになっている場合等を念頭に置いております。
また、更に同様の支障が生ずるおそれが著しいとは、例えば、今述べたような寄附の勧誘が組織的、計画的に行われ、現に多くの被害が生じているなどの事情から、将来的にも被害が繰り返されると容易に予見される場合などが該当するのではないかと考えております。
政府においては、行政措置の要件について判断基準の策定を行うことなどにより、適時適切な判断を行うことができるよう体制を整備していただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/120
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121・石垣のりこ
○石垣のりこ君 今かなり高いハードルが示されたと私は受け止めたんですけども、以上で修正案の提出者の方は退室していただいて結構です。ありがとうございます。
お計らいいただいてよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/121
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122・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 修正案の提出者の皆さんはここで御退室いただいて結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/122
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123・石垣のりこ
○石垣のりこ君 今の御答弁をいただいた上で、この配慮義務の実効性が高められたということでこの六条の項目が付加されたわけなんですけども、一方で、著しいとか明らかにと、程度が甚だしいという点で配慮義務違反に対する行政措置のハードルが高くなるのではもしかしたらないだろうかというの、今のちょっと回答からちょっと若干懸念を感じております。
その上で、ちょっと、七条の禁止行為に係る報告、勧告等についてとちょっと比較して伺いたいんですが、この禁止行為に係る報告、勧告等の措置基準、意思決定プロセスについて、これ六条との違いというのはあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/123
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124・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 基本的に、その六条に書いてある部分の、例えば、引き続き当該行為をするおそれが著しいと認めるということについては同じ文章が書いてありますので、基本的にその同じ部分については同じような考え方が適用されるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/124
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125・石垣のりこ
○石垣のりこ君 同じプロセスで、ある程度その流れは同じということなんですけども、先ほどの配慮義務違反の遵守に係る勧告等が、その違法の判決例であるとか組織的に大きく関わってというようなことが同等にあって、通常であれば、配慮義務の方が間口が広くて、より初期の段階で行政の介入ができる、その後、もし禁止行為に至るようなことがあれば、これは、その流れはその時々によって変わるかもしれませんけれども、七条の禁止行為に至るというのが段階としては自然なのかなと思いますが、この六条の配慮義務の遵守に係る勧告の方のハードルが余りにも高くなってしまうのは、ちょっとこれは今後実際に運用していく中で要検討していただきたいなというふうに思います。
禁止行為に関してなんですが、七条の四項において行政措置を行ったことを公表することが定められています。
公表することによってどんな効果が期待されているのかということを考えますと、行政処分された法人名が公開されることによって、この法人に対して、あるいは法人の行った行為と同等の手口に関して注意喚起をする、被害が広がらないように周知するといった効果が期待できると思うんですが、しかし、問題となっている今回の法案につながったこの統一教会の被害実態というのは、何度も申し上げていますように、いわゆる正体隠しをして信仰に誘うということが多いわけですよね、あるいは関連団体を名のって誘うということで。とすると、正体隠しの勧誘行為が配慮義務であると、事業所名を公表することの抑止効果というのは、これ、どうしても乏しくなってしまう、低減してしまうのではないかと考えますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/125
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126・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 仮に事業者名の変更があったとしても、変更前後の名称を公表するなど、事業者名を特定するために必要な情報はしっかり公表する必要があると認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/126
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127・石垣のりこ
○石垣のりこ君 その公表された事業名が皆さんに伝わっていなかったら、その分の抑止効果であったり注意喚起の力が弱まってしまうということで、やっぱりこの部分はしっかりと、配慮ではなくて禁止行為にすべきだということの理由の一つにもなるのではないかというふうに考えます。
続いて、今回の新法案なんですけども、法人等による寄附の不当な勧誘の防止に関する法律案ということで、法人等による寄附が対象になっております。
これ、新法案と宗教法人法、公益財団法人法、こういうこと、まあ法律が関わってくるというふうに考えますが、禁止規定に違反する行為というのは、宗教法人法の八十一条の解散命令におけるこの法令に違反しという文言がありますが、これに当てはまるのかと、また配慮義務の第三条の違反には当てはまるのか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/127
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128・小林万里子
○政府参考人(小林万里子君) お答え申し上げます。
新法案の四条、五条の禁止行為に違反した場合はもとより、三条の配慮義務違反の行為があった場合も、宗教法人法八十一条一項一号の法令に違反しに該当し得ることとなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/128
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129・石垣のりこ
○石垣のりこ君 含まれるのであれば、新法案によって違法行為が認められた場合も解散命令の要件に積み重なっていくということになりますよね。今国会では、当初、刑法等の等に民法の違法行為が含まれないという話でしたけども、答弁修正なされまして民法も含まれるということで、今回の法案がこういう形では生きていくということになるんだと思います。
その上で、より実効性をこの法律が発揮していくためにちょっと運用の面で考えていただきたいことがあるんですが、宗教法人法と公益法人法との兼ね合いについて、やっぱりこれ、よりその関係省庁、主管省庁と連携を深めていくということが必要になると思うんですが、他省庁との情報共有というのをした方がよいのではないかというものがあります。
これ、宗教法人法の収支決算書なんですけれども、まず確認したいのが、宗教法人のこの収支決算書、まあ会計帳簿のようなものですが、この閲覧について現行の運用状況をまず確認したいんですが、ちょっと十二月の八日の文芸春秋にこんな記事が掲載されていまして、ちょっと内容の確認をさせていただきたいと思います。
九五年の宗教法人法改正によって宗教法人は毎年、収支計算書を文科省の外局である文化庁に提出することが義務付けられました。これは、オウム真理教事件を機に最低限の実態把握が必要だという問題意識によるものでしたが、各宗教団体は信教の自由に触れると猛反発。そのため当時の文科省は公開された書類は一切外に出さないと約束し、何とか了承を得たと。これが文科省の関係者の言です。
さらに、九七年、宗教法人を所管、管轄する文化庁文化部宗務課長に就いた前川喜平元文科事務次官がこんなことをお話しされています。宗務課では、書類の提出を受けた担当の係長が、収支計算書や財産目録の体裁が整っているかという最低限の確認をするだけ。それ以降は、誰も見られないように、宗務課の金庫で保管していました。それは課長の私ですら見ていないのですから、部長や大臣も見ることは一切ないというふうに、このようにお話をされていらっしゃいます。
その上で、現行、これ、九五年に宗教法人法が改正されて、九七年の当時のお話ということで語られていますけども、当時、実際どうであったのか、また、現在の宗教法人のこの収支計算、あっ、決算書の運用状況どうなっているか、この二点、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/129
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130・小林万里子
○政府参考人(小林万里子君) お答え申し上げます。
御指摘の平成七年の宗教法人法改正によりまして、財産目録や役員名簿などの事務所備付け書類の写しの所轄庁への提出が義務付けられたところでございます。
これらのうち、事務所備付け書類の写しの提出を認める、あっ、求める趣旨は、当時、所轄庁が設立後の宗教法人の実態について把握できるのは、規則変更、合併、任意解散の認証の場合等、一定の登記事項の届出の場合のみに限られていたため、所轄庁が権限を適正に行使できるようにするためには宗教法人の管理運営に関する実態の把握を継続的に可能にする制度を設ける必要があったからと承知しております。
なお、御紹介ございました記事につきまして、私も拝見いたしましたけれども、その記事の中で例えばございました、公開された書類は一切外に出さないとお約束したとか、そういった詳細の事実関係については承知しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/130
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131・石垣のりこ
○石垣のりこ君 その上で、現在の運用状況ってどうなっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/131
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132・小林万里子
○政府参考人(小林万里子君) 失礼いたしました。
現在は、文化庁におきまして、宗教法人から毎年度提出されます財産目録及び収支計算書等の写しの確認を担当者がいたしまして、当該法人からの相談の機会などを通じまして宗教法人として実際に活動しているかなどの実態を継続的に確認させていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/132
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133・石垣のりこ
○石垣のりこ君 その閲覧に関して、宗教法人が信者そのほかの利害関係者に不当な目的でなければ閲覧させなければならないというような運用の規定ってありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/133
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134・小林万里子
○政府参考人(小林万里子君) 宗教法人法二十五条にございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/134
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135・石垣のりこ
○石垣のりこ君 その二十五条のそのほかの利害関係者に消費者庁というのは入り得るんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/135
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136・小林万里子
○政府参考人(小林万里子君) 今回の先生御指摘の点は、恐らくそういった情報の共有、文化庁と消費者庁での情報の共有ということだと思います。
宗教法人法二十五条といいますよりは、今回もしお認めいただけます新法の第十三条の方で、まず、内閣総理大臣が新たに関係行政機関の長に対して資料の提供、説明その他必要な協力を求めることができるということになるかと存じます。
ただ一方で、新法の十二条におきましても、信教の自由に十分配慮しなければならないとされていますのと、先生も今御紹介ございましたような宗教法人法上も、所轄庁が宗教法人から提出された書類を取り扱う場合に、宗教法人の宗教上の特性及び慣習を尊重し、信教の自由を妨げることがないように留意しなければいけない、これ御紹介ございました点でございますが、そういったことに鑑みますと、宗教法人の書類の取扱いは具体的には個別具体に判断させていただくことになるとは思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/136
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137・石垣のりこ
○石垣のりこ君 収支報告書、あっ、収支決算書について、やみくもに別に公開してくれともちろん言っているわけではなくて、もちろんその信教の自由もろもろ様々な諸事情もあり、それを何か今誰にも見せろということではなく、あくまでも新法案の実効性を高めていく上で、関連する省庁との情報共有をしていく中のその情報の一つとして有益、有効であるのではないだろうかという考え方の下に伺っておりますので、その点は重ねて申し上げておきたいと思います。あくまでもその省庁間の中で有用な情報として共有していただくということもあるのではないかという御質問でございました。ありがとうございます。
今の件に関して、河野大臣、済みません、ようやく質問させていただきますけども、この情報共有という点で、宗務課が入手した宗教法人のこの財務状況の情報ですね、これを消費者庁側に伝えてもらう、その有効性であったり必要性についてはどのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/137
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138・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 新法の十三条ですか、内閣総理大臣は関係行政機関の長に対して、資料の提供、説明その他必要な協力を求めることができる、そう規定をしております。
文化庁を始め関係省庁に資料の提供等は依頼をするということに当然なるだろうと思いますし、また、文化庁から必要な協力を得ながら、連携して必要な法の執行に当たっていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/138
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139・石垣のりこ
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
あくまでも統一教会のような被害を今後生まないために必要な情報を連携して得ていくという、その実効性を高めていくというために有効な手段の一つであると思いますし、今前向きの御答弁いただいたというふうに考えます。ありがとうございます。
続いてなんですが、債権者代位権について伺います。
これ、債権者代位権の行使についてなんですが、今回の法改正の特例規定がなくても、もし適切な行政の支援があれば、現在までの扶養請求権、この扶養請求権に基づいてこれ救済ができるのではないかというふうに考えますが、消費者庁ではこれどのぐらい救済ができるというふうに、見通しというか、何かこういうケースが救われるというような、そういう御見解はございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/139
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140・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 現行の制度につきましては、今回、個人の扶養義務等に係る定期金債権を対象としておりますけれども、そのうち、現行の制度でいいますと、確定期限が到来している部分だけが対象になるということでございます。なので、毎月仮に十万円支払えと、月末に払えといったものが、これまで支払期限が来ているものは対象になりますけれども、将来の部分については対象ではないという制度でございますので、現行でも確定しているものについては代位で取り返すことができるということに限られるということでございます。
確定期限、今で申し上げた例でいいますと、毎月毎月期限が到来しますので、それを毎月毎月請求していくのかということは余り現実的じゃありませんので、将来に生じる分も含めて対象として、それについては保全をするというようなやり方が今回の仕組みということでございますので、おっしゃるとおり確定しているものについては現在でもできると、期限が未到来のものについてを今回対象にしたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/140
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141・石垣のりこ
○石垣のりこ君 使いづらい、余りこの扶養請求権使われないというようなことも聞いております。なので、逆に言うと、この扶養請求権を使いやすくし得るということももしかしたら可能だったのではないだろうかと。既存の法律という点では、ちゃんと行政の支援が行き届いていればこういうことも一つの対処、対応の選択肢の一つとして使えたのではないかというふうに考えますけれども、河野大臣、この件に関してはどのように総括されますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/141
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142・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 今御説明申し上げましたように、これまで確定したものについてはこれできるわけですけども、恐らく将来にわたってこの特例を使って権利を行使するというのが大事なんだと思います。一月ごとにやるわけにもいきませんし、今日までの分をまとめてやったにしろ、またどっかの段階で過去の分をやらなければいけないというのは、これは余り現実的ではないと思います。
今回の特例によって、将来のある程度のところまできちんと供託をさせるということでその分を確保することができるようになったわけでございますので、やっぱりこの意義というのは非常に大きいものがあるというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/142
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143・石垣のりこ
○石垣のりこ君 新法では債権者代位権ということでこれが適用し得るということではあるんですが、条件として、親が無資産であるという、こういう非常に高いハードルが設けられております。この無資産であることの妥当性について伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/143
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144・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 無資産が要件といいますのは、現行の制度、民法上そうなっておるということでございまして、今回そこには特例を設けていないということでございます。
無資産、無資力の、無資力が要件に、失礼いたしました、債務者が無資力である場合に限って認められるというのが現在の民法上の仕組みでございます。これを外すということはその民法自体の考え方をまた整理する必要がありますので、大きな変更になるということで、今回は対応、対処、そこの特例については設けていないということでございます。
仮に、債務者、この事例でいいますと、親が無資力でない場合については親にまずは請求することができるという点からも、そこまでここの要件を外すということについて今の時点では必要であるということには判断をしなかったということかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/144
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145・石垣のりこ
○石垣のりこ君 未成年で、親が信仰を持っていて、その扶養されているという立場にあって、親を何らかの形で、こういう形で要求をするということ自体が非常にハードル、それこそハードルが高いことでありますので、これ本当に大きな課題だというふうに考えます。
現状のその民法に沿ってということなんですが、現状、だから、現状で対応できないものがたくさん、多いからこそ新法を作っているわけですから、それを当てはめたということだと余り進歩がなさ過ぎると思うんですよね。なかなかその検討する時間がなさ過ぎたということはもちろん重々承知の上ですけれども、ちょっと余りにもこの無資力であるという、そのまま用いるということ自体は非常に安易なのかなというふうに、今後の課題としてこの点もしっかりと検討していただきたいと思います。
そろそろ時間ですのでまとめたいと思いますが、冒頭でも述べましたように、半世紀にもわたろうという統一教会による深刻な被害実態というのがこのおよそ半年にわたって本当に明らかになってまいりました。その中で、半世紀にわたる被害実態というのが本当にここの数か月の間にこう一気に噴き出して、もちろんそれまでもいろいろ指摘はされてきたわけですけれども、そのときには分からなかったことも含めて、様々噴出してきたわけでございます。そんな中で、冒頭にも申し上げましたように、今回のこの新法ができたというのは非常に画期的なことであるというふうには考えます。だからこそ、今回の法律が施行されたときに、真に被害者の救済となるような実のあるものでなければならないということを改めて申し上げたいと思います。
この法案、まだまだ苗木の状態だと思いますので、私たちは、今申し上げたようないわゆる宗教二世の問題が今回のこの法案ではなかなか救い難い、救済し難いという大きな課題もございます。その課題、もう深刻で本当に深遠、深い課題を私たちがやっぱり政治の責任としてしっかりと引き受けて、これを解決に向けて取り組んでいく、そのことが私たち本当に求められていると。私も議員の一人としてしっかりと取り組んでいくことを申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/145
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146・石橋通宏
○石橋通宏君 立憲民主・社民の石橋通宏です。
会派三人目で質問させていただきますが、まずは、今回理事を務めさせていただいている立場で、やっぱり一言苦言を呈しておきたいと思います。
参議院でも、この大切な法案、みんなでしっかりとして与野党挙げて真摯な議論をしていかなければならないと強く使命感も持って思っておりますが、今回の立て付け、昨日衆議院で参議院に送られてきたばかりであの本会議、そして今日、いきなりまあ八時間、トータルで質疑をさせていただく。今日質問に立たれる皆さんも、まあ本当に昨日いつの段階で通告をされたのか。それに対して、役所の皆さん、寝てないんじゃないですかね。これで充実した審議と言えるのかということは、私たち参議院、熟議の府としての役割としてもやっぱり極めて遺憾だと思います。本来であれば、衆議院での質疑、答弁、しっかり精査させていただいた上で、どこが足らざるところなのか、そういったところをやっぱりやらなきゃいけないと思うんですよ。
それが、残念ながら、こんな何か時間のない中での対応になっていること、極めて遺憾ですし、そんな中で河野大臣先頭に役所の皆さんも御奮闘いただいていることには感謝を申し上げたいと思いますけれども、最後まで我々は審議尽くしていきたいと思いますので、大臣始め政府側にも真摯な答弁、丁寧な答弁、少しでも前進的な形がつくれるようにということで対応いただきたいと思っておりますので、そのことを苦言とお願いも込めて申し上げておきたいと思います。
その上で、質問に入りたいと思いますが、今日、前段で、今日、文科副大臣、簗副大臣おいでいただいております。
改めて、この間の経過ということで、なぜ旧統一教会に対して長年の間解散命令請求が行われなかったのか、そして同時に、二〇一五年の旧統一教会の名称変更に係る経過について、なぜいまだに文化庁はその経緯を明らかにしようとしないのかという点について改めて確認します。
副大臣、この国会のさきの予算委員会で、僕らびっくりしたことが起こりました。岸田総理が一夜にして答弁を百八十度転換してしまうと。衆議院の予算委員会で我が党の長妻議員に対して、解散命令請求、その要件は刑事罰だけなのだとおっしゃった翌日に、参議院の予算委員会で我が党の小西委員に対して、いや、民法の不法行為も入るのだと。このむちゃくちゃな百八十度の転換はなぜ起こったのか。副大臣、そもそも衆議院での答弁が間違っていたのではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/146
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147・簗和生
○副大臣(簗和生君) 御指摘の点についてですけれども、まず、これは十月の十八日の総理の答弁ということでございますけれども、こちらについて、民法上の不法行為は入らないと総理が答弁をされたのは、この宗教法人の解散命令の要件として東京高等裁判所が示した、この刑法等の実定法規の定める禁止規範又は命令規範についてに関連をした中で、この決定の内容についてのお尋ねがありましたので、これまでの考え方を説明されたものというふうに理解をされています。
そして、十九日の、十月十九日の総理の御答弁では、この十八日の国会審議を受けて関係省庁で集中的に議論をした結果、今後、個別の宗教法人について解散命令請求を検討するに当たっては、報告徴収・質問権を行使して把握した事実関係等を踏まえ、東京高裁決定に示されている内容も参考に、宗教法人法に基づき、行為の組織性、悪質性、継続性等をその個別事案に応じて判断していくと整理したことを説明されたものというふうに承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/147
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148・石橋通宏
○石橋通宏君 なかなか総理答弁が間違っていたと正面から認められないからいろいろ理屈を考えられたんだと思いますが、そもそも宗教法人法八十一条にはどこにも刑事罰でなければならないなんて書いてないのはずうっと我々が指摘をしてきた。何でですかね。
じゃ、民法の不法行為も入るというならば、それを確認していただいた時点で旧統一教会に対しては解散命令請求できるじゃないですか。なぜその場ですぐにしなかったのか、そのこともお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/148
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149・簗和生
○副大臣(簗和生君) 解散命令の要件は宗教法人法に厳格に定められております。したがいまして、この宗教法人法に照らしてこの解散命令の請求の適否を判断するためにも、まずは報告徴収・質問権の行使等を通じて旧統一教会の業務等に関して客観的な事実を明らかにする必要があり、その上で法律にのっとり必要な対応を行ってまいるというふうになっております。
報告徴収・質問権の行使による情報収集の結果として、あるいはその途中であっても、解散命令を請求するに足る事実関係を把握した場合には、速やかに裁判所に対して解散命令を請求することとなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/149
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150・石橋通宏
○石橋通宏君 それを言うなら、なぜ今の今まで報告徴収・質問権を行使しなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/150
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151・簗和生
○副大臣(簗和生君) 先ほど来申しましたけれども、この解散命令の要件につきましては宗教法人法に厳格に定められているところでありまして、この、従来、旧統一教会については、この解散命令の請求を行う事由等に該当する疑いがあるとの判断には至っていなかったというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/151
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152・石橋通宏
○石橋通宏君 いや、おかしいじゃないですか。不法行為の実例というのは既に過去からずうっとあった。であれば、とっくに質問権の行使をしていてもおかしくなかった。にもかかわらず、長年ずっとそれをしなかった。今になって慌ててやっている。その間にどれだけの犠牲者が出たんですか、被害者が。どれだけの家族が崩壊したんですか。
そのことについて、副大臣、反省があるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/152
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153・簗和生
○副大臣(簗和生君) 旧統一教会の被害者の方々が存在するということにつきましては、政府として深刻に受け止めなければならないと考えております。
このため、政府としては、旧統一教会に関し、宗教法人法に基づく報告徴収・質問権の行使等を通じた事実把握、実態解明、そして相談体制の強化等による被害者の救済、そして今後同様の被害を生じさせないための法制度の見直しという三つの対策を並行して進めているというふうに承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/153
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154・石橋通宏
○石橋通宏君 全然過去の反省に立った答弁ではないのが極めて遺憾です。そこをしっかり反省しないと前に進めない。だから、我々は、この三十年以上の政治の不作為、昨日も本会議で申し上げました、それを我々みんながしっかりと受け止め、反省して、なぜこれだけの被害者を生み出し続けてしまったのかと、そこをしっかりやらなきゃ駄目じゃないですか。
質問権の行使がされました。既に旧統一教会は質問に対する回答を寄せたと言っておりますが、届きましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/154
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155・小林万里子
○政府参考人(小林万里子君) そのような報道があったことは承知しておりますが、現時点で、私ども、まだ受け取ってございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/155
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156・石橋通宏
○石橋通宏君 これ受け取ったら、その中身はどういう対応されるんですかね。これ、公開していただけるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/156
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157・小林万里子
○政府参考人(小林万里子君) 受け取ったということはお知らせをさせていただきたいと思いますけれども、中身につきましては、今後執行させていただきます報告徴収・質問権の効果的な執行に影響いたしますので、それは差し控えさせていただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/157
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158・石橋通宏
○石橋通宏君 公開すべきじゃないですか。そして、国民の皆さんにもこの実態というものをしっかり見ていただいて、そしてまたこれがいたずらに先延ばし、引き延ばしになって、うやむやになって、結局は解散権の行使に至らないということにならないでしょうね。
副大臣、責任持って、これ今手続を、じゃ、この質問、回答返ってきた、それ、まあ手続上やりました、じゃ、解散権請求へ行っていただけるんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/158
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159・簗和生
○副大臣(簗和生君) 先ほど来申しておりますけれども、この報告徴収・質問権の行使というのは、まずしっかりとこの旧統一教会の業務等に関して客観的な事実を明らかにするということでございます。そして、こうしたものが、客観的な資料、証拠としてしっかりとしたものが認識をされれば、先ほど申したように、これはこの解散命令の請求の要件に該当するということで判断をされれば、速やかにそれは裁判所にそうした請求をしていくというふうになる、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/159
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160・石橋通宏
○石橋通宏君 なぜ我々が心配するかというと、これ先ほど前川喜平元文科事務次官の話もありました。前川さんは、残念ながら質問権は恐らく使えないだろう、役に立たないだろうという懸念を既に示しておられます。現在の法律の立て付けでは、仮に質問権行使して質問返ってきても、それを解散命令請求に結び付けるのは極めて困難だろうとおっしゃっている。だから、皆さんが質問権を盾に取って、それでプロセス、プロセスと言うと、結局解散命令請求に行かないのではないかという懸念をみんな持っているわけです。
副大臣、責任持ってこれ御答弁いただきたいと思いますが、これ、そんなことはないと、必ずこれ精査した上で解散命令請求につなげるのだと、それが現在の質問権の法律上の立て付け上も可能なのだということを責任持って答弁いただけますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/160
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161・簗和生
○副大臣(簗和生君) まずはこの旧統一教会から提出される文書等をしっかりと確認すると、これをまずしっかりとやらせていただきます。
その上で、今後の対応については、予断を持ってお答えするということは直接的には控えさせていただきますけれども、いずれにしても、解散命令請求の適否について適正に判断するために、まずは、この旧統一教会の業務等に関しての具体的な証拠や資料などを伴う客観的な事実を明らかにすると。そして、その上で、法律にのっとり必要な対応を行っていくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/161
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162・石橋通宏
○石橋通宏君 密室で、結局うやむやになって、先延ばしになって、今後も被害者を出し続けるようなことは絶対にやめてください。そのことを強く申し上げておきたいと思いますし、できるだけ、それはもう当然様々公開できない部分があろうかということは理解はしますが、しかしやっぱり、これだけ国民的な大きな議論になっている問題です。是非速やかにいろんな対応、具体的にいただけるように、それを責任持って我々もチェックできるように、せめて国会にはしっかりと報告をいただきたい、そのことはお願いし、我々もウオッチしていきたいと思いますが。
もう一つ密室というのが、二〇一五年の名称変更に係る経過、プロセスです。これによってどれだけ、結局誤解を与えて旧統一教会という名称隠しに加担をしてしまった、極めて重たい責任がある、そのことは副大臣、共有されているんでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/162
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163・簗和生
○副大臣(簗和生君) まず、事実的なことから申しますと、この二〇一五年の名称変更については……(発言する者あり)答弁続けてもよろしい……(発言する者あり)あの、事実関係の説明をさせていただきたいんですが。
この名称変更、二〇一五年の名称変更につきましては、宗教法人法の規定に従って手続を行い、その審査の過程において法的な検討を重ねた結果として、本件、認証すべき案件であると事務的に判断したものであります。このことは、担当の宗務課において当時の資料の内容の確認を行うとともに、当時の担当者から聞き取りを実施したところによっても、特定の政治家の政治的な関与を受けて申請の受理や認証を行ったものではなかったと考えております。
同時に、いわゆるこの二〇一五年八月の認証書の交付に当たっては、旧統一教会に対して、民事裁判の確定判決で指摘されている状況を解消することを求めるとともに、正体隠しなどの批判をされることがないように、とり得る最大限の措置を講ずるよう強く求めたという経緯があると承知をしております。
また、文化庁のホームページにおいて掲載されているこの宗教年鑑でも、変更前の旧統一教会の名称が併記されているというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/163
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164・石橋通宏
○石橋通宏君 今るる言われたけれども、だから、そのプロセスが正しく行われたかどうかを確認するために国会にちゃんと資料を出してくれと。
十月十九日の予算委員会で、小西委員の質問に対して永岡文科大臣はこう答えておられます。当時の文書を把握を確認しております、今聞き取り調査の精査を進めていて、宗務課定員八名の職員のうち七名が一生懸命フォルダの捜索をしております。岸田総理がそのときにこう答弁されています。御指摘の点については、できるだけ早く確認をするように指示をしたいと思いますと。
岸田総理からの指示は何だったですか。岸田総理の指示、ちゃんと来ていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/164
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165・小林万里子
○政府参考人(小林万里子君) はい、承知しております。国会の審議の方も伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/165
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166・石橋通宏
○石橋通宏君 じゃ、その岸田総理の指示に対して、この文書を早く国会に出せと。全然出てきていませんよ。一ミリも出てきていませんが、一体いつこの確認したものを出していただけるんですか。岸田総理の指示じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/166
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167・小林万里子
○政府参考人(小林万里子君) 文化庁宗務課におきまして、今探索しました結果、認証した際の決裁文書、それから文化庁と旧統一教会の応接録、名称変更の申請を受理する旨を文科大臣に報告した資料、それから同様に、認証する旨を文科大臣に報告した資料に極めて類似する資料、これらについては把握しております。
ただ、これらにつきましては、宗教法人の非公知の事実に関する情報を含みまして、また行政内部の意思形成過程に関する文書でございますので、不開示として扱わせていただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/167
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168・石橋通宏
○石橋通宏君 それが極めて隠蔽体質だと。これだけ多くの被害者を出していながら、その行政のプロセスが適正に行われたのかどうか、それに対して、極めて重要な国民の知る権利の侵害です。
改めて、そんな理屈でこの大切な文書を出さないなんて、これは国民が認めません。この法案の審議においても、重ねて、これまでになぜ、なぜここまで政治の不作為によって被害者を出してしまったのか、極めて重要なプロセスです。重ねて、これを出してください。
副大臣、今日、これ以上答弁求めませんが、これもう一回持ち帰って、これ文科大臣、あした総理おいでになります、なることをこの後協議しますけれども、総理にもただしますので、総理に答弁いただけるように、用意していただくように、これはお伝えいただきたいと思います。
そのことをお願いして、済みません、今日、二問、二点にだけ絞って、副大臣、確認をさせていただきました。いずれの点も極めて重要な点です。これから本当に絶対にもうこれ以上被害者を出さない、絶対にこういう過去の経過を踏まえた上で対応していく、そのことについて責任持って対応いただきたいと思いますので、そのことをお願いして、以上で副大臣、これで結構ですので、退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/168
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169・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 簗副大臣、退席いただいて結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/169
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170・石橋通宏
○石橋通宏君 そういったこの間の経過、やっぱりこれをしっかりと明らかにした上で、我々はこの法案の中身について審議、議論する必要があるということで、改めて確認をさせていただきました。
その上で、昨日、本会議で登壇、質問させていただきまして、政府から、岸田総理そして河野大臣からもるる御答弁をいただいて、その内容について、ちょっと前向きな答弁をいただけたところ、そうではないところ、たくさんありますので、一つ一つ確認はしていきたいのですが。
今日、先に既に岸委員、それから石垣委員からも、衆議院からの発議者、今日、ありがとうございます、おいでをいただきまして。修正部分についての御説明をいただいて、幾つか質問させていただいておりますが、私から改めて、今回の衆議院の修正部分において、配慮義務、我々はこれは禁止規定にすべきだということをずっと訴えてきた。衆議院で様々与野党で真摯に御協議いただいた結果、こういう修正がまとまったということですが、私が気になりますのは、これ、前向きに受け止めたいと思います、勧告、公表、そしてそのための報告、その対象になったということは前向きに受け止めたいと思いますが、気になりますのが、この勧告の要件、これ極めて厳し過ぎるのではないか。
著しい支障が生じていると明らかに認められる場合、更に同様の支障が生じるおそれが著しいと。著しい、著しいと、一体これでどういう場合に勧告の対象になり得るのかと思うのですが、なぜここまで限定的な要件にしてしまったのか、御説明いただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/170
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171・山井和則
○衆議院議員(山井和則君) 非常に重要な御質問ありがとうございます。
不当な寄附の勧誘活動を規制するに当たっては、規制すべきものは漏れなく規制の対象とする必要がある一方で、不当とまで言えない寄附の勧誘活動までも萎縮させてしまうといったことがないよう慎重な要件設定を行う必要があると考えております。
しかし、一方では、新法で定められた要件を満たし、行政的措置による対応が必要となる場合には勧告等の所要の措置をとることは極めて当然であり、政府においては、修正部分も含め、不当な勧誘を防止し、不当な寄附の勧誘による被害を二度と生じさせないという本法案の目的に遺漏がないように運用してくれることを修正案提出者として期待しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/171
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172・石橋通宏
○石橋通宏君 これ、法案の、報告、第六条、第七条ですね、報告があって、勧告、命令がある。これ、禁止行為に係る第四条、第五条に関わる部分ということで、その立て付けは、四条、五条の規定に、特に必要と認めるときはと、それでもう報告求められるんですね。これ、当然だと思います。
ところが、今、山井委員から御説明いただきましたけれども、今回のこの配慮義務の方の勧告は、まずこの勧告の極めて厳しい要件があって、さらにその厳しい要件に関係して報告の求めができるというふうにしているので、一体それ、じゃ、どういう場合に報告を求めることができるんだろうかということが、ちょっと先ほどの御説明でも、なかなかこれ、報告にすら至らないのではないかと思うのですが、これ重ねて、じゃ、どういったときにこれは報告ができるのでしょう。もっと報告はせめて広くできないといけないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/172
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173・山井和則
○衆議院議員(山井和則君) おっしゃるとおり、ここはもうちょっと具体的に言わないとイメージ湧きにくいと思います。
例えばでありますが、特定の法人等による寄附の勧誘を受けている者が自由な意思を抑圧されているという場合においては、その抑圧の程度や期間が著しい場合や、抑圧状態に置かれている者が多数に及んでいる場合、また、特定の法人等への寄附を始めたことでその家族の生活レベルが著しく低下し、学費、食費にも事欠くような状態が生じている場合などが考えられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/173
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174・石橋通宏
○石橋通宏君 そういった形で要件示していただけると分かりやすく、そしてそれを、今日も話ありましたけれども、広く、今お話しいただいたことに限られないと思いますので、それをやっぱりしっかりとリストアップ、ガイドラインなりなんなり作っていただいて、そしてそれをしっかりと周知をしていただいて、これ広く、そういった被害に遭われている方々、そのおそれがある方々、声を上げていただける環境をつくらないと報告に至らないはずですので、そうしたらその環境をつくることが極めて重要だと思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/174
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175・山井和則
○衆議院議員(山井和則君) おっしゃるとおりだと考えております。
例えば、同様の支障が生ずるおそれが著しいということに関しても、今後配慮義務違反の状態が改善される見込みが薄いとか、そういうふうなこともきっちり今後明確に要件をしていく必要があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/175
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176・石橋通宏
○石橋通宏君 あと、確認なのですけれども、これは法案の方もそうなんですが、これで、例えば今のおっしゃられたような要件に合致して報告を求めた、それに対して、その報告の求めに対して法人側が真摯な対応をしない、例えば報告を拒否してしまった、そこから先に進まなくなってしまいますが、それに対しては何らか措置ができるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/176
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177・山井和則
○衆議院議員(山井和則君) これも非常に重要な質問であります。これ、報告がなければ話になりませんので。つまり、そのことに関しては、報告をしないことにより法人にとって有利な情報も取れなくなり、その結果、規定を遵守していないと判断されるとなれば勧告が出されることもあり得ます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/177
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178・石橋通宏
○石橋通宏君 これは極めて重要な御答弁だと思いますけれども、ちょっと行ったり来たりして申し訳ないのですが、今の点、法案の第六条を確認させていただけないでしょうか。
法案の第六条の報告については、これまあ報告を求めることができるなのですが、この報告を求めた場合に法人等がこの報告に従わなかった場合には、これはどうなるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/178
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179・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 報告に、求めに応じなかった、この法案の第十七条に、第六条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたときは、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処するというふうに規定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/179
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180・石橋通宏
○石橋通宏君 こちらの第六条の方は、この第十七条においてこの罰まで行くということ。ただ、まあ、今回の衆議院での修正では、そこまでは至らないけれども、先ほど山井委員が言っていただいたとおり、報告、真摯に報告義務を果たさない場合には、それをもってやはり勧告にまで至る可能性があるということですので、是非そういったこの修正の趣旨、これを是非確立をしていただいて、これを徹底していただきたいということはお願いしておきたいと思いますが、河野大臣、今のやり取りで、この修正部分、報告について、報告に真摯に対応しない場合には、今発議者が言っていただいたとおり、それをもって勧告の対象になり得るのだということで政府の理解もよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/180
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181・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 修正部分も含めた法の趣旨にのっとった運用をしっかりとしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/181
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182・石橋通宏
○石橋通宏君 ありがとうございます。
この部分だけ確認させていただきたかったので、衆議院の発議者のお二人、ありがとうございました。これで退室いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/182
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183・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 宮崎さん、山井さん、御退室いただいて結構です。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/183
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184・石橋通宏
○石橋通宏君 あとは、主に河野大臣始め、政府参考人の皆さんとのやり取りをさせていただきたいと思いますが。
河野大臣、改めて、昨日総理には伺ったのですけれども、大臣にも改めて。
この三十年以上、残念ながら、本当に政治の不作為によってこれだけ多くの被害者、特に二世の方々含めて、私たちもヒアリングで多くの家族崩壊、家庭崩壊、人生そのものが破壊されてしまった、そんな本当に多くの皆さんの声を改めて聞かせていただいて、私たち、今まで本当にこれ対応できなかったこと、真摯に我々自身も反省しなければならないと、そう思って、この間、立憲民主党でももう三十回以上の対策本部会合、様々やらせていただいて、先んじて法案も作らせていただきましたし、維新の会との共同での法案提出もさせていただきました。
河野大臣御自身は、今回の旧統一教会問題、これ対応するに当たって、その過去のこれまでの経過、その反省、そういったものをどう受け止めてここまで、この法案作ることも含めた対応をされてきたのか。是非、大臣の思いを、被害者、これ、この法案を待ち望んでおられる被害者の皆さんへのメッセージも込めてここでお答えいただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/184
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185・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 私が高校生の頃ですかね、遡ってみると、多くの学校に原理研あるいは統一教会といった集団がございました。当時から、私の個人的な認識では、カルトというものに該当するんであろうというものでありました。
さらに、様々、献金の問題ですとか多くの問題があった、あったというか、それが引き続いているという状況であるわけでございますから、この問題にしっかりと対応をしてこなかった政治の責任というのは、これはしっかりと受け止めて、反省をしなければならぬというふうに思っております。
私が以前、消費者担当大臣をしていたときに、これまでも衆議院でも答弁をいたしましたけども、この消費者庁の対応がもっと速やかに対応できていれば被害が防げた案件というのがあったと思っておりまして、まあそれはいろんな意見はあるかもしれませんが、私は、個人的にもう少し早く対応すれば被害を防ぐことができたというじくじたる思いがございましたので、再び岸田内閣でこの消費者問題の担当大臣に任命をされたときに、少なくとも消費者庁としてはできることをやらなければいかぬということで、検討会の設置を速やかに決めさせていただきました。
おかげさまで、与野党の御協力もございまして法案の審議に至ることになりましたので、この法案が成立をした暁には、そこがスタートでございますから、これまでもいろいろ御議論をいただきましたように、この法案が成立して終わりではなくて、この法律を使って被害の救済あるいは被害の未然防止というのをやらなければなりません。
これは、今までもいろいろありましたように、情報をきちんと集めるというところからやっていかなければいけませんし、文化庁を始め法務省、警察庁、政府の中の各機関と連携をするのは、これはもちろんのことでございますが、その他の関係団体、この問題に長く取り組んでくださってきた方も大勢いらっしゃるわけでございますから、関係する団体あるいは関係者の皆さんとしっかり連携をし、情報を集めながら、どう現実的にその問題を解決するか、あるいは被害を防ぐかということができなければ意味がないわけでございます。
確かに、野党の皆さんからはまだ不十分というお声もいただいておりますが、この法律でできることは多々あるんだろうと思っております。消費者庁を預かる担当大臣として、これはもう法律が成立し、施行しましたら、もうその日からそうした目的に向けてしっかり走ってまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/185
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186・石橋通宏
○石橋通宏君 大臣にお願いは、今おっしゃられた思い、熱意、約束、それは、仮にこの後大臣替わられても、後にしっかりとつないでいただくことは是非お願いしておきたいと思いますが、大臣、それだけの思いを持っておられる、であれば、今回、我々が、なぜこの法案、政府案は不十分なのか。やっぱりどうしても第四条の立て付けが、結局政府は、寄附に際して禁止行為があって、困惑をさせて寄附を強いるというこの立て付けが極めて厳し過ぎるというか、旧統一教会の被害実態に合っていないのではないか。だから、多くの皆さんが、これでは救済されないと、これでは不十分だという声を、これ私たちだけじゃない、当事者の方々が、その支援をしてきた弁護団の方々が、この間、参考人質疑も聞いていただいたと思いますが、声を上げてこられたわけです。
河野大臣は、当然今回の一連の議論、これに当たって、旧統一教会によるこの手法といいますか、やり方、これ重々分析をされて考えてこられた。つまり、入口の部分は恐怖をあおったりする。でも、次第に次第に、いろんな手法によって、いずれやがて義務感を持つに至る。そしてその後は、今度は使命感を持って献金を繰り返す。さらには、ほかの勧誘もしていく。借金までして、子供たちの奨学金まで投入して、そういう状態に置かれてしまう。
この手法というのは、大臣、しっかりと認識をされて、その手法も今回で、悪質、不当な献金なのだと、だから、それは今回で取り締まれるし、そして救済の対象になるのだと、それはここで約束していただけるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/186
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187・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 消費者庁あるいは政府各部内、これは内閣法制局を含め、様々議論をしてまいりました。政府内でもいろんな意見がありましたが、政府として、現行の憲法を始めとする我が国の法体系の下でぎりぎりの法案にしたという認識でございますので、まずはこの法律で実効性を上げていく。で、政府の認識として、実効性を上げられるという認識で法案を提出をしておりますので、それに向けてしっかり体制を組み、実際に執行してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/187
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188・石橋通宏
○石橋通宏君 決意、熱意は分かります。
私が聞いているのは、ただ、この法案で、先ほど申し上げた典型的な旧統一教会の被害者、その方々がきちんと救済されるのですねというふうに申し上げている。先ほどの第四条の立て付けで、これでは救済されないと多くの方々が声を上げている。そうではないのだと、この第四条の立て付けでも、先ほど言った義務感、使命感で寄附を繰り返されているような今もなお信者の方々も救済の対象になるのだと、そのことを聞いています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/188
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189・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 先ほど申し上げましたように、政府として、この法律、実効性のあるものだと思っておりますので、被害の救済あるいは未然防止、しっかりとこの法律でまずはやってみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/189
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190・石橋通宏
○石橋通宏君 大臣、そこだけ言われても、深掘りした議論になりません。
昨日の本会議の総理答弁で、私は少し踏み込んだ御答弁をいただいた、この寄附の勧誘に際して、さらには困惑の要件について、総理、こういう答弁をされています。
寄附当時は自分が困惑しているか判断できない状態で、外形的には義務感や使命感で寄附を行っているように見える場合でも、後から冷静になって考えると不安に乗じられ困惑していた寄附だったと気付いたということであれば、そのような主張、立証を行って取消し権を行使することが可能であるというふうに、ちょっとこれまで以上にこの旧統一教会の被害実態に合った答弁をされたのではないかと思います。重要な答弁だと。ただ、ちょっとこれ心配は、これ、後から主張、立証を行うのは極めて難しいのです。
主張すればよろしいんですね。立証はできないと思います、証拠がないですから。だから、これまでも裁判で相当弁護団の皆さんは苦しんでおられる。今回、総理は、主張すればよいという要件も加えていただきました。主張すればよろしいんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/190
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191・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 実際には困惑というのも内心の問題ですので、御本人しか結局は分からないところですけれども、そこは裁判の過程で、まずどういう接触があった、どういうことを言われて勧誘をされた、そのときどういう気持ちになったということをきちんと説明していただければ、そこはそういったことが立証できるということにつながるのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/191
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192・石橋通宏
○石橋通宏君 ということは、主張してもらえれば、そこのところを、それで足りるのだという答弁ということでよろしいですね。
重ねて。証拠ないんですよ。しかも、時に十年、二十年、ひょっとするともっと前の話ですから、証拠出せと言われたって証拠がないんです。でも、やっぱりあのときはというその主張をしっかりしていただければ足りるという答弁であるということでよろしいですね。いや、それは確定してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/192
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193・植田広信
○政府参考人(植田広信君) そこは裁判で、記憶、記録がないとおっしゃいますけれども、そこは、例えば御自分の記憶であったり、ノートに書いてあったものだとか、お友達の証言であったりとか、いろんなことで確認をしていく、いただくというのはやっぱり必要になるのではないかと思います。
それ、内心ですので、もちろんそのときどうだったというのは御本人にしか分からないということかもしれないですけれど、そこはある程度説得的にお示しいただく。相手もあることですので、相手が反証している場合には、そのどちらが蓋然性が高いかということは裁判所で判断をされるということになるのだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/193
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194・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 申合せの時間が来ました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/194
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195・石橋通宏
○石橋通宏君 ちょっと、ここ整理してください、ちゃんと。あしたまでにここのところ整理して、きちんと我々に示してください。そうしないと、ここ極めて重要なところで、重ねてこれまでの、裁判を起こしてもなかなか証拠がない、認めてもらえない、その結果救済されないと。だから、この新法がある。この新法がある。今おっしゃられたように、証拠、これは主張をして、そうだったと言えばそれで足りるのだということであれば、その辺をきちんと整理をして、そして、ちょっとあしたの審議に間に合うように出していただきたいと思いますので、ちょっとこれは、委員長、お願いして、それ確認していただいて、今日のところの質問は時間が来ましたので終わりにさせていただきますが、委員長、そこだけ確認をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/195
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196・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 消費者庁の方であしたまでにその答弁用意できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/196
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197・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) あしたまでに準備したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/197
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198・松沢成文
○委員長(松沢成文君) よろしいですか。
まとめてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/198
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199・石橋通宏
○石橋通宏君 じゃ、よろしくお願いして、質問を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/199
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200・松沢成文
○委員長(松沢成文君) それでは、午後一時に再開することとし、休憩いたします。
午後零時六分休憩
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午後一時開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/200
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201・松沢成文
○委員長(松沢成文君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案及び法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/201
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202・安江伸夫
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。質問の機会をいただき、ありがとうございます。
まず初めに、これまで、今日ここに、この参議院の法案の委員会の審議に至るまでに御尽力をいただいている全ての皆様に心から感謝を申し上げますとともに、なかなかタイトな日程の中で質疑の準備をしていただいている関係者の皆様に御礼を申し上げまして、私から、冒頭、修正部分について初めにお伺いをさせていただきたいというふうに存じます。
先ほどの稲田委員長の御説明にもありましたとおり、衆議院の方でも熱心な御議論を重ねていただき、与野党の枠を超えた建設的で粘り強い熱心な協議の成果を踏まえて、真摯な修正協議が行われた結果として提出をしていただいたことにも感謝を申し上げるところでございます。
午前中の委員の質問とも重複する部分ございますが、公明党としても、改めて確認の意味で質問をさせていただきたいと思いますので、御答弁よろしくお願いいたします。
今回の修正によりまして、配慮義務の違反につきまして、行政の措置の規制が設けられることとなりました。元々、配慮義務として規定をされていた第三条各号をこれを禁止行為にすることができないかとの議論もあるところでございますが、規制の明確性等の観点から禁止行為とすることはなかなか困難であるという、こういう判断に至っているわけでございます。他方で、旧統一教会の被害の本質、それこそまさに各号の状況にあるという実態にも照らして、どうすれば現行の憲法、現行法体系の下でぎりぎりの調整ができるのかというふうにやっていただいたというふうに理解をしているところでございます。
ただ、他方で、第三条各号の要件、これがなかなか明瞭性に欠かざるを得ない部分がある、これに行政措置の規制を重ねるとすれば、不明確な要件の下で行政権の行使が行われる、すなわち立法が行政のこの権限を縛るというところに対して、立法府としてもその責任を十分に果たしたことにならないのではないかと、こういうような懸念も踏まえて検討していかなければいけない、行政の恣意的な判断を許すことにつながらないように一定の明確性が求められるものと理解をしております。
こうした観点を踏まえまして、条文案について確認をいたします。
先ほどもありましたが、第六条第一項につきまして、当該法人等から寄附の勧誘を受ける個人の権利の保護に著しい支障が生じていると明らかに認められる場合において、更に同様の支障が生ずるおそれが著しいと認めるときに勧告を行うことができると定められているわけでありますが、それがどういった場合を意味するのか。とりわけ、明らかに認められる場合とはどういった場合を想定しておられるのかについて確認をさせていただければと思います。宮崎先生にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/202
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203・宮崎政久
○衆議院議員(宮崎政久君) 御説明申し上げます。
第三条配慮義務にあるのは、例えば第一号ですと、自由な意思の抑圧、適切な判断をすることが困難な状態という要件がございます。第二号でありますと、生活の維持を困難にするというような要件もございます。いずれも勧誘によってもたらされる結果としての個人側の状態を示しているものでありまして、その結果をもたらす法人等の不適当な寄附の勧誘行為については様々なものが想定されるというような事情がございます。
このように、配慮義務は、禁止行為と比較して包括的である分、より穏やかな規制であるということも踏まえると、原則としては、その不遵守があったとしても、謙抑的、慎重に行政権限の行使がされるのが相当であるというふうに考えられます。
こういった考えに基づきまして、勧告の要件は、個人の権利の保護に著しい支障が生じていると明らかに認められる場合において、更に同様の支障が生ずるおそれが著しいと認めるときとしております。
この個人の権利の保護に著しい支障が生じているというのは、例えば、特定の法人等による寄附の勧誘を受けている者が自由な意思を抑圧されているという場合や、その抑圧の程度や期間が著しい場合、また、抑圧状態に置かれている者が多数に及んでいるような場合、特定の法人等への寄附を始めたことによってその家族の生活レベルが著しく低下をしてしまい、学費や食費にも事欠くような状態が生じているような場合、特定の法人等が不特定多数の者に被災者支援などの公益目的のための寄附であると偽って高額の寄附を募集しているような場合が考えられます。
同様な支障が生ずるおそれが著しいというのは、過去にその支障が生じていたが、既に勧誘の在り方が見直されて今後は改善が見込まれるような場合ではなく、今後も配慮義務違反の状態が改善される見込みは薄くて、このまま放置をすると同様の支障が生じ続けるような場合であります。
そして、お尋ねにありますこの明らかに認められる場合というのは、要件を客観的に認めることができる場合を指すと考えております。例えば、当該法人等の勧誘行為について配慮義務違反を認定して不法行為の成立を認めた裁判例が存在する場合がこれに該当すると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/203
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204・安江伸夫
○安江伸夫君 ありがとうございました。繰り返しになって恐縮でございますが、改めて確認をさせていただいたところでございます。
そういう意味におきましては、例えばという事例でもありますけれども、司法判断、裁判所等の判断等も場合によっては加味して、これをしっかりと行政の、行政権の場、時にはその暴走というものをしっかり抑えていく、こういうことが確認をできたかというふうに思います。
続いてお伺いをさせていただきます。
条項に従って六条の二項についても確認をさせていただきますが、同条第一項の勧告に従わなかった場合には、その旨を公表することができると規定されております。他方で、この現行法の条文と対比をいたしますと、できる規定、つまり行政裁量にこれが委ねられているという条文構造になっておるわけでございますが、公表するか否かについてはどういった指標で判断することになるのか、確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/204
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205・宮崎政久
○衆議院議員(宮崎政久君) 確かに、御指摘のとおり、第六条二項におきましては、第一項の勧告に従わなかった場合に、直ちに公表に結び付くというわけではなく、公表するか否かについて御指摘のような行政裁量が与えられているものでございます。
この場合、法人等が第三条の規定を遵守していない場合の悪質さや、そのために当該法人から寄附の勧誘を受ける個人の権利の保護について生じている支障の程度、また、更に同様の支障が生じるおそれの程度などのほか、勧告に対する遵守の程度なども、こういった要素を総合的に判断をするものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/205
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206・安江伸夫
○安江伸夫君 重要な指標を御提示をいただいたところです。
なお、先ほど対比と申しましたのは、政府案の七条の三項との対比の話でございます。
続きまして、六条の第三項についても確認をさせていただきますが、必要な報告を求めることができるという規定が設けられております。この勧告をするために必要な限度というものの意義について確認をさせていただきたいと思います。すなわち、どういった場合に報告徴収がなされるのかをお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/206
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207・宮崎政久
○衆議院議員(宮崎政久君) 第三条は配慮義務にとどまることを踏まえて、報告徴収は謙抑的にすべきという観点から、六条三項においては、あくまでも第六条第一項の勧告をするのに必要な限度で、第三条各号に掲げる事項に係る配慮の状況に絞って報告を求めることができるとしております。
したがって、報告徴収も、第六条第一項の勧告の要件、これは、法文を読みますと、法人等が第三条の規定、これ配慮義務ですが、法人等が第三条の規定を遵守していないため、当該法人等から寄附の勧誘を受ける個人の権利の保護に著しい支障が生じていると明らかに認められる場合、すなわち、例えばですが、必ずしも確定判決である必要はないものの、配慮義務違反を認定して不法行為責任を認めた裁判例が存在する場合などにおいて、更に勧告をするのに必要となる場合に必要な限度において報告徴収をすることになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/207
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208・安江伸夫
○安江伸夫君 ありがとうございます。
他方で、今の御答弁を踏まえて、なかなか要件としては厳しいんじゃないかという御意見も一方ではあるかもしれません。しかし、元々この配慮義務というそのものについての性質、また寄附の様々な社会的意義や権利性というところにも考慮をし、やはり現行法体系でぎりぎりのところで御調整をいただいた成果であるというふうに高く評価をさせていただきたいというふうに思っております。
そして、最後、もう一点。第三条の柱書きにおきましても、十分にとの文言も入れていただいたところでございます。午前中も御答弁ありましたが、改めて宮崎議員にその意義について確認をさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/208
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209・宮崎政久
○衆議院議員(宮崎政久君) 御指摘のこの十分にが入れる前の配慮義務でございますが、少し平易な言葉で申し上げますと、気を付けないといけない義務というふうに言ってもよろしいかと思います。この配慮義務に、第三条のところに十分にという文言を加えることによりまして、法人等が個々の寄附の対象者の状況や実態に応じて、この第三条各号に掲げる、掲げられている事項についてより細心かつ慎重な配慮を求められることとなり、これによって法人等の配慮義務への注意を更に促して配慮の実効性がより一層高まる効果が見込まれ、結果、新たな被害者の発生をより防ぐことができるようになる、実効性を高めるような、実効性を高めるための趣旨であると理解をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/209
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210・安江伸夫
○安江伸夫君 ありがとうございました。
以上確認させていただいた点からも、本当にこれ、より一層いい法案になったというふうに私自身も思うところでございます。本当に御調整、御協議いただいたことに感謝を申し上げたいと思います。
また、当然のことでございますけれども、これらの行政措置を行うに当たっては、十二条の運用上の配慮の規定についても十分に御留意をいただくことは当然であるということも申し上げて、修正部分についての説明は以上でございますので、宮崎議員についてはお取り計らいいただいて大丈夫です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/210
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211・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 宮崎さん、ありがとうございました。御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/211
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212・安江伸夫
○安江伸夫君 それでは、質疑を続けさせていただきます。
まず冒頭、河野大臣にお伺いをさせていただきます。
この法律案が提出されるに至った直接の端緒は、言うまでもなく旧統一教会の問題、これが改めて社会的にも注目を集め、その深刻な被害の状況が認知をされたということは言うまでもありません。したがって、本法案の内容は基本的には旧統一教会の被害実態を考慮して構成されたものと理解をしています。
他方、新法案につきましては、寄附一般の規制として構成をされていることから、法体系全体のバランスや他の権利利益との状況も考慮する形となっています。そのため、旧統一教会による被害者の救済につながらないではないかという御指摘もあるわけでございますが、その理由としては、やはりこの法体系の全体のバランスをどうやってぎりぎりのところで調整をしようかという結果かと理解をしています。
その上で、既存の法体系の中でも健全な団体に対する影響などが及ばないようにといった配慮もしてきたところでもありますけれども、仮に、あくまでも仮の話でありますけれども、旧統一教会の被害により特化した形であれば、より被害救済に適した法律になるわけですけれども、そうではなくて、今回はあくまで寄附一般の、寄附の勧誘行為一般の規制をするものとして法案を提出された、その御趣旨について河野大臣にお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/212
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213・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 旧統一教会問題に関し、いわゆる霊感商法として悪質な行為がなされることがありますが、加えて、同様に社会的に許容し難い悪質な寄附の勧誘行為があるとの実態も認められたところでございます。寄附については、消費者契約に該当しないものもあり得るため、消費者契約法により取り消すことができる範囲を拡大するなどの同法の改正のみでは全てに対応することはできないものと考えられました。
そこで、一般に法人等からの寄附の勧誘を受ける個人の保護を図る観点から、法人等による不当な寄附の勧誘を禁止するなどの規律を設ける新法案を制定することにより、消費者契約法と新法とが相まって寄附の勧誘を受ける者の保護を図ることを目的に新法案を提出する、そういうこととしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/213
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214・安江伸夫
○安江伸夫君 より多くの人を救済していこうという意味も込めて、今回、寄附一般の規制という体裁を取っているということと理解をいたしましたし、もちろん、被害者の救済という観点にあっては、この法律、法案のみならず、相談体制の強化、法テラスやまた消費生活相談の強化、予算措置も今回の第二次補正でもやらせていただいている、やっていただいているというところでございますが、そうした総合的なところでの被害の防止と救済を図っていただいているものというふうに受け止めさせて、理解させていただきます。
次の質問でございますが、旧統一教会の被害を受けた方々の多くは、数十年前といった時間が長く経過してしまっていらっしゃる方も少なくありません。そのため、民法あるいは消費者契約法の消滅時効に掛かっていらっしゃる方もいらっしゃいます。また、今回の新法の債権者代位権の特則を利用しようと思っても、既に被保全債権となる扶養請求権等の時効が到来しているという場合ももちろんあろうかと思います。
しかし、ここで被害者をより救済すべきだという観点に着目を、のみに着目をして、これを遡及をして失った債権等を復活させるということも理念的には考えられるわけでありますけれども、なかなかそうした対応は難しいという上で今回の法案の形になっているかと思います。
そうした手法を取らなかった理由について、消費者庁に確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/214
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215・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 取消し権を遡及的に復活させるという手法を取らなかった理由について御質問いただきました。
消費者契約法等による取消し原因が存した場合であっても、それが既に時効により消滅しているときや、債権者代位における被保全債権たる債権が既に時効により消滅している場合について、新法案によって取消し権や債権が遡及的に復活するものとすることは、法的安定性を害するおそれなどがあり適当でないと考えられたことから、このような規律とはしていないものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/215
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216・安江伸夫
○安江伸夫君 ただ、それでも現行法体系の下でできる限り広く被害者を何とか救済していこうという、こういう観点から、取り消すことができる範囲を拡大をし、消費者契約法の取消し権の行使期間の伸長等も本法律案には含まれているというところであります。
追認をすることができるときから一年が三年に、契約締結時から五年だったものが十年に伸長をされることになりますし、新法においても同様な規律があるわけでございます。また、施行時においてまだ時効が完成していない場合にも時効期間が伸長されることになり、より多くの被害者の方を救うことができる内容になっています。
そのことの意義について、改めて消費者庁にも確認をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/216
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217・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 時効期間の伸長でございますけれども、消費者契約法上、不当な行為により消費者契約が締結されたことを理由とする取消し権は、追認することができるときから一年、契約締結のときから五年で時効により消滅するものとされております。
しかしながら、消費者庁の霊感商法等の悪質商法への対策検討会におきまして、霊感等による告知を用いた勧誘を受けた場合に当該勧誘を受けた者が困惑状態から脱するには一年では短いという趣旨の御指摘があったこと等を踏まえまして、霊感等による告知を用いた勧誘に対する取消し権の行使期間については、追認をすることができるときから三年間、意思表示をしたときから十年に伸長することとしたものでございます。
そして、消費者契約法の改正法においては、従前の契約で取消し原因があった場合に、既に時効により取消し権が消滅しているものではなく、現行法によって取り消すことができるものについては伸長した新たな取消し権の行使期間が適用されるものとしており、この点においてもより救済につながるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/217
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218・安江伸夫
○安江伸夫君 時効の伸長をされるわけでありますが、実務的にはその起算点をどう判断するかというのが非常に重要な問題になります。契約や意思表示のときは時点を特定しやすいわけでありますが、文言で言いますと追認をすることができるときという判断は困難なときも少なくないかと思います。
この当該規定における追認をすることができるときとはどのような場合をいうのか、一般的な解釈について消費者庁にお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/218
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219・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 追認をすることができるときでございますけれども、消費者契約法における取消し権の行使期間の起算点である追認をすることができるときといいますのは、同法の逐条解説によれば、同法第四条第三項の困惑類型の場合、消費者が同条項に規定する事業者の行為による困惑から脱したときであるとされております。
この点、新法案についても同様に理解することができると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/219
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220・安江伸夫
○安江伸夫君 その上で、困惑とは何かということも、これまでも何度も御答弁出てきております逐条解説によれば、困り、戸惑い、どうしてよいか分からなくなるような、精神的に自由な判断ができない状況をいう、畏怖をも含む広い概念という答弁も出てきておりますけれども、なかなか人の精神状態の判断自体は困難な面が少なくないという基本的な認識に立ちまして、実際には、例えば裁判の実務などを想定したときに、勧誘行為の外形に着目して困惑しているかどうかの状況を判断していくことになろうかと思います。そうすると、この追認をすることができるときについても、困惑に陥った状態がなくなったことをやはり認定のときと同様に外形的に判断をしていくというのが基本になるのではないかなというふうに思っております。
すなわち、本人の主観的な主張にのみよるのではなくて外形的判断がなされるというふうに想定をされますが、消費者庁の御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/220
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221・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 困惑から脱したときでございますけれども、困惑していたことについてどのような事実から認められるかは個別具体的な事案に応じた個別の判断によるものであるため、一概にお答えすることは困難でございますけれども、例えば献金に至るまでの具体的な勧誘行為や献金当時の状況等の外形的事実もその判断に用いられ得る事実であると考えられ、その困惑から脱したことについても同様に外形的事実から判断されることもあり得ると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/221
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222・安江伸夫
○安江伸夫君 元々、検討会の議論などにおいても、この時効の伸長の議論については当初よりなされていたところでございます。元々、この追認をすることができるときという現行法の解釈の下で柔軟に判断ができるんじゃないかという意見も一方ではあったんですけど、これをより明確化するという意味で伸長されたという経緯もございました。元々それだけ、今の御答弁にもあったとおり、弾力性のある規定なんだということも言えるかというふうに思います。もちろん、法的安定性、これをしっかりと踏まえた上ではありますけれども、事例の集積等を行って被害救済につながるように運用していただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。
続きまして、配慮義務の内容についての周知の徹底の必要性についてお伺いをいたします。
本法案が成立したとすれば、早いものは公布の日から二十日以内に施行され、配慮義務の規定についても法人等に適用されることになります。これらは当然の配慮の義務を規定したものでございまして、基本的には現場に大きな混乱はないと考えられる一方で、法人等の当事者からすれば、要らぬ疑念を持たれないためには適切な対応や注意も必要になってくるかと思います。また、今回の修正部分も踏まえますと、これは公布から一年以内にということになりますが、行政措置の対象にもなり得るということにも留意して周知されるべきかと思います。少なくとも、寄附によって成り立っているNPO法人などの関係者の皆様からも心配の声が事実上がってきておりますし、健全な寄附に萎縮効果が及ばない、健全な寄附の勧誘行為に萎縮効果が及ばないためにも万全の対応をしていただきたいと思います。
公布後短期間で施行となる本法律案の内容、特に配慮義務については、法人等を始めホームページや関係団体などを通じ、関係者等に周知徹底を行っていただくことを改めてお願いをしたいと思います。消費者庁の御答弁を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/222
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223・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 短期間で施行となる法案の内容、特に配慮義務について関係者への周知徹底ということでございました。
新法案においては配慮義務を定めており、その規定は公布の日から起算して二十日間を経過した日から施行されるということになっております。この配慮義務は、真っ当に寄附を募っている法人等であれば当然に配慮されているものに限っており、通常のNPO法人等であれば寄附の勧誘に支障があるといったことにはなりません。
もっとも、御指摘のような御懸念や疑義が生じないよう、新法案成立後、その規定や趣旨についてできるだけ速やかに周知を図ってまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/223
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224・安江伸夫
○安江伸夫君 続きまして、資金の借入れ等による資金調達の要求等を禁止する規定について伺います。
寄附の勧誘を受ける個人に対して、借入れ、現住居の処分、個人の生活の維持に不可欠な事業の用に供している資産の売却によって原資を調達することを要求してはならない旨を規定いたしております。そして、当該規制は実質的にはいわゆる上限規制としての効果を有するものと考えます。
他方で、所得割合等での上限規制を設定することが必要との見解もあろうかと思いますが、本法律案についてはそのような規制を設けるに至らなかった、その理由について改めて消費者庁に確認をさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/224
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225・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 年収等に応じた金額の目安を設ける又は一律の金額を決めて上限規制を設けることにつきましては、寄附を勧誘する法人等が寄附者の所得を把握する口実に使われるなど悪用されるリスクもあると考えております。
新法案では、むしろ借入れによる資金調達の要求等の禁止という形で明確に寄附を勧誘する側の行為規範として設定しており、これにより裁判上立証しやすいと同時に、実質的に上限を設ける考え方としております。
また、新法案では、この禁止規定と併せ、配慮義務規定で寄附者やその家族の生活の維持を困難とすることがないようにすることを求めており、双方の規定で寄附者やその家族の生活の維持を困難とすることがないようにすることを求めており、双方の規定で過度な寄附の要求がなされないようになると考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/225
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226・安江伸夫
○安江伸夫君 今の御答弁にも次の質問の趣旨も一部含んでいただいたかなというふうに思うんですが、改めて、今回の法案は、いわゆる金額の多寡にはかかわらずに、ある意味、行為態様、この悪質性に着目をして救済を可能とする意味で、上限規制を設けた場合よりもより柔軟に対応することによって多くの被害を救済する道を開くことができると、評価できると考えますが、消費者庁の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/226
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227・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 申し上げます。
年収等に応じた金額の目安を設ける又は一律の金額を決めて上限規制を設けることについては、寄附を勧誘する法人等が寄附者の所得を把握する口実に使われるなど悪用されるリスクもあると考えております。
新法案では、むしろ借入れによる資金調達の要求等の禁止という形で明確に寄附を勧誘する側の行為規範として設定しており、これにより裁判上立証しやすいと同時に、実質的に上限を設ける考え方ということとしておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/227
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228・安江伸夫
○安江伸夫君 ありがとうございます。先ほどの答弁と今の答弁とで、併せて答えていただいたというふうに理解いたします。
次の質問、括弧三番の質問をさせていただきます。
他方で、旧統一教会による霊感商法や献金等の行為、勧誘の違法性が争われた裁判例を見ますと、被害金額というものは違法性の判断の中で枠組みとして、判断枠組みの中での要素になっているというふうに理解されております。
この部分につきましては、法案の三条二号、生活の維持を困難にしないようにする配慮義務の内容に包含されることにより、より違法性の主張を行いやすくなった、被害救済の実効性が高まったというふうに評価できると考えますが、消費者庁の御答弁を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/228
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229・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 新法案におきましては、この禁止規定と併せまして、配慮義務規定で寄附者やその家族の生活の維持を困難とすることがないようにすることを求めており、双方の規定で寄附者やその家族の生活の維持を困難とすることがないようにすることを求めております。双方の規定で過度な寄附の要求がなされないようになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/229
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230・安江伸夫
○安江伸夫君 続きまして、禁止行為等に関する行政措置についても改めて確認をさせていただきます。
修正後の条文で申しますと、第七条第一項の規定について、第四条及び第五条の規定の施行に関して特に必要と認めるとき、その必要な限度において、法人等に対し、寄附の勧誘に関する業務の状況に関し、必要な報告を求めることができると規定をされております。
前者の特に必要と認めるときという場合について、これはどういったものを指すのか、また、後者の寄附の勧誘に関する業務の状況というのは、どのような寄附の勧誘を行っているかということであって、法人等の業務全般にわたらないという解釈でよいかについて確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/230
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231・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) お答え申し上げます。
まず、前者の特に必要があると認めるときとして報告を求めるのは、例えば禁止行為が不特定又は多数の者に対して繰り返し組織的に行われており、社会的な影響が大きいと考えられる場合などが想定されるというふうに考えております。
また、同項は、寄附の勧誘に関する業務の状況に関し、必要な報告を求めることができると規定しており、報告を求めることができるのは寄附の勧誘に関する業務の状況に関するものであって、委員御指摘のとおり、それを離れて、法人等の業務全般にわたるものではないというふうに認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/231
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232・安江伸夫
○安江伸夫君 最後にさせていただきますが、七条二項について、引き続き当該行為をするおそれが著しいと認めるとき、当該法人に対し、当該行為の停止その他の必要な措置をとるべき旨を勧告することができると規定されていることの意義も確認をさせていただきたいというふうに思いましたが、ちょっと時間が参りましたので、また次の質疑者と協議をして質問させていただきたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/232
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233・串田誠一
○串田誠一君 日本維新の会の串田誠一でございます。
立憲の石橋先生ともずっと実務者協議をさせていただきまして、早期に被害者救済法案、共同で提出をさせていただいたことが、今回の臨時国会中に、政府提出法案ですが、修正も含めて実現できたのではないかなと思います。そういう意味で、与野党が迅速にこの被害者救済をしていかなければならないということで力を一致して実現できたということなのかなと、大変うれしく思っております。
このようなことの中で、今後発生するであろう、まだ参議院は採決はなされておりませんけれども、今後発生するであろう問題等も含めまして質問をさせていただこうと思うんですけれども、まず、この消費者契約法改正と新法に関する立法事実というのは何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/233
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234・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 旧統一教会問題などに関し、いわゆる霊感商法として悪質な行為がなされることがあります。加えて、同様に、社会的に許容し難い悪質な寄附の勧誘行為がなされることがあるとの実態も認められたところでございます。もっとも、寄附については、消費者契約に該当しないものもあり得るため、消費者契約法により取り消すことができる範囲を拡大するなどの同法改正のみでは全てに対応することはできないものと考えられました。
そこで、一般に法人等からの寄附の勧誘を受ける個人の保護を図る観点から、法人等による不当な寄附の勧誘を禁止するなどの規律を設ける新法案を制定することにより、消費者契約法と新法とが相まって寄附の勧誘を受ける者の保護を図ることを目的に新法案を提出することとしたものでございます。
新法案は、これまで救済できなかった被害をより幅広く救済し、また将来に向けて被害の防止にも役立つものであるとは言え、立法事実に対応したものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/234
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235・串田誠一
○串田誠一君 立法事実というのは、法律を制定する際にその法律の合理性を支える社会的事実というような形で定義付けられているわけでございますが、そうしますと、今、旧統一教会が立法事実の中に入ってきたわけですけれども、政府としてはこの社会的事実をどのような形で調査されたんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/235
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236・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) これまで消費生活相談窓口に寄せられました全国各地の相談情報を分析したり、また、この夏からは検討会も開きまして、旧統一教会の被害者の方々の話、弁護団の方々のお話等を伺いまして、事実を調べたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/236
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237・串田誠一
○串田誠一君 そういう事実を確認していって、今回の、立法事実ですから、それに対応した法律になっているんだろうと思います。
そういうところが随所に見られるわけでございまして、例えば三条の配慮義務に関しては、個人の自由な意思を抑圧している、抑圧している事実があるからこういう法律を作っているんだろうと思います。適切な判断をすることが困難な状態に陥る、陥らせることがあったからこういう法律を作ったんではないかと思います。また、個人又はその配偶者若しくは親族の生活の維持を困難にする、困難にしている事実があるからこういうことをするなという法律になっているんだろうと思います。
また、禁止行為に関しては、退去しないとか、あるいは連絡をさせないとか、あるいは拒否できないような場所に同行させるとか、こういう事実があったからこういう法律になっているんだろうと思います。
また、この六号に関しては、言うまでもありませんけれども、将来生じる重大な不利益を回避することはできないという不安をあおる、こういう事実があるからこういうことはするなということになっているんだろうと思います。
そういう意味で、岸田総理が何度も、旧統一教会は社会的に問題のある団体と、こういうふうに言っているのも、今のような調査結果、事実の認定、こういったようなところでこのような表現を公の場でされているんだと思いますが、この認識は政府全体の認識としてよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/237
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238・簗和生
○副大臣(簗和生君) 旧統一教会については、悪質商法に関する問題や親族の入信に起因する家族の困窮等の問題等、様々な問題が指摘され、政府が設けた合同電話相談窓口においても、金銭トラブルから心の健康に関するものまで多数の相談が寄せられていると承知をしています。また、特定の宗教であること等を意図的に隠し、社会的に相当と認められる範囲を逸脱した方法によって勧誘等を行い献金等をさせたことが不法行為として裁判上認められた事案も承知しております。こういったことから考えて、政治の判断として社会的に問題があるということを岸田総理は答弁されたものと認識しております。
文部科学省としましては、宗教法人法を所管する立場から、法令にのっとり適切に対応していかなければならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/238
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239・串田誠一
○串田誠一君 政府が社会的に問題のある団体と認識している、し始めたのはいつ頃なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/239
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240・松沢成文
○委員長(松沢成文君) どなたがお答えになりますか。
速記止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/240
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241・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 速記起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/241
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242・簗和生
○副大臣(簗和生君) 今ほど答弁をしたように、この旧統一教会につきまして、悪質商法に関する問題、親族の入信に起因する家族の困窮等の問題等、様々な問題が指摘をされ、政府が設けたこの合同電話相談窓口においても、金銭トラブルから心の健康に関するものまで多数の相談が寄せられていると、こうしたことを踏まえて、総理は、政治の判断として社会的に問題があるというふうに御答弁をされたものというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/242
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243・串田誠一
○串田誠一君 具体的には何年頃を言っていらっしゃるんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/243
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244・簗和生
○副大臣(簗和生君) 今申したように、総理が社会的に問題があるということを答弁されたということについて申しますと、今申し上げたように、様々な社会的な問題が指摘をされ、そして、政府が設けた合同電話相談窓口においても多数の相談が寄せられていると、こういった状況を踏まえてそういった答弁を総理はされたということであると認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/244
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245・串田誠一
○串田誠一君 そうすると、この社会的に問題のある認識というのを始まったのは今年ということでよろしいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/245
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246・簗和生
○副大臣(簗和生君) 総理が答弁をされたということに関して申し上げれば、そのようなお話として総理はそのような御答弁をされたというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/246
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247・串田誠一
○串田誠一君 当初、立法事実の質問をさせていただきましたが、何らかの社会的な事実に基づいてその法律を支える合理性があるのが立法事実というんですけど、今年それを認識したのでこの法律を作ることにしたと、そういう理解でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/247
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248・簗和生
○副大臣(簗和生君) 新法の立法事実につきましては所管ではございませんので、答弁は差し控えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/248
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249・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 政府の方で答弁ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/249
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250・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 統一教会の問題については、様々なところで情報収集し、最終的に社会的な問題がある団体として総理が答弁をし、そこでその最終的な、何といいますか、トリガーといいますか、きっかけについては、まさに今年の夏ぐらいの話だというふうに認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/250
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251・串田誠一
○串田誠一君 まあ申し訳ないけど、余りにも世間知らずというか、国民が聞いたら、何、国会議員やっているんだと思うんじゃないですかね。
そういう意味で、この社会的に問題のある団体という認識、まあ今年からだということでもいいですけれども、そういう認識があったのであって、その確定したのであるならば、今更報告徴収や質問権要らないんじゃないですかという、そういうのが皆さんからの質問だと思うんですよ。だって、そういう認識したわけでしょ。そして、こういう法案作ったわけじゃないですか、現実にそういう事実があるという。そういう団体を存続をさせ続けるということ自体、もう一度確認しないとできないことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/251
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252・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 統一教会の存続をさせ続けるかどうかということはまたちょっと別の問題だと思いますが、この新法につきましては、これまでのそういった事例も踏まえまして、また、統一教会以外のそういった団体においても、こういった悪質な勧誘行為が行われることによって新たな被害者を生み出すことはあってはならないという認識の下に立法したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/252
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253・串田誠一
○串田誠一君 一国の総理が公の場で社会的に問題のある団体と断定している、そこにまたいろいろ報告徴収や質問を行使して、いや、これはまあ存続のままでいいんだっていうふうになれば、社会的に問題のある団体って撤回するんですか。この法律は立法事実がないということになるんですか。ここに書かれていること自体、存続させちゃいけないようなことがずっと書かれていて、それで法律作ったんだと思うので、そんなことをやって時間が経過するということが被害者を増やしていくことになるのではないかというふうに指摘されているのではないかと思います。
さあ、そこでですね、この仮に解散が請求される場合というのは、どの団体なんでしょうか。今までは関連団体、多数の関連団体、そして、その関連団体に何らかの形で加わっている場合には問題があるということで指摘されてきました。さあ、この解散ということの請求をするときには、この関連団体も含めて全てに対して請求するものだと私は思っているんですが、それは間違いないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/253
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254・簗和生
○副大臣(簗和生君) 宗教法人法第八十一条一項に基づく裁判所による解散命令につきましては、宗教法人が対象となり、当該宗教法人以外の団体は対象ではありません。
関連団体に宗教法人法は適用されませんが、関連団体について法令に違反するような事案があれば、適切に諸法令を適用して対応されることとなるということは付言したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/254
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255・串田誠一
○串田誠一君 関連団体がずっと問題にされている中で、仮にその宗教法人が解散されたときに、関連団体等も含めてほとんど変わらない宗教団体が新たに設立をされるということは国民も大変心配していると思うんですが、その点について、この問題の御説明をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/255
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256・簗和生
○副大臣(簗和生君) お尋ねについて、その仮定の話につきましては個別具体の事情により判断すべきこととなりますので御了承いただきたいと思いますが、一般論として申し上げれば、この宗教法人法では、宗教法人の設立に係る規則の認証について、所轄庁はその申請が同法に掲げる要件を備えているかどうかを審査するということになります。
また、その審査基準では、認証に当たり、宗教団体性の確認の観点から、法令に違反し、公共の福祉を害する行為を行っていると疑われる場合には、その疑いを解明するための調査を行うことというふうになっております。
この第八十一条第一項第一号又は第二号前段のこの部分によりまして、あっ、失礼しました、このですね、認証しないという旨の決定をする場合には、宗教法人審議会の意見を聞いた上で判断するということにもなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/256
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257・串田誠一
○串田誠一君 せっかくこういう法律を作り、そしてそれに関する、今回、まあ非常に注目を受けている報告徴収や質問権による解散命令請求がどうなるのか。これで解散になったからといってまた同じようなものが出てきてしまったら何にもならないわけですから、それに対する対応というのもしっかりと、仮定の話というよりは、仮定の話というのは被害者出てから考えるじゃ駄目なんだと思うんですよね。それは仮定の問題ではなくて、今後予想されるべき被害を阻止していくというのはこれ仮定の問題ではありませんので、しっかりと対応していただきたいんですが。
その解散命令に関して、解散が命令が出される直前に宗教法人法の任意解散をすることは可能ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/257
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258・簗和生
○副大臣(簗和生君) お尋ねにつきましては仮定の話でありまして、個別具体の事情により判断すべきことでございますけれども、一般論として申し上げれば、一定の手続を経た上で宗教法人は任意に解散することができることとされています。
具体的には、宗教法人が任意解散しようとするときは、信者その他の利害関係人に対し、解散に意見があれば二か月を下らない一定の期間内に申し述べるべき旨を公告すること、また、その期間内に信者その他の利害関係人が意見を申し述べたときは、その意見を十分に考慮して、その解散の手続を進めるかどうか再検討しなければならないこととされ、その後にその解散について所轄庁の認証を受けなければならないこととされています。
こうした手続が行われない場合は、解散についての認証が得られない理由となると考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/258
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259・串田誠一
○串田誠一君 ほかの規制法案に関しても、何らかの形で制裁が加えられる直前に任意に解散をするというようなことが指摘されることって結構あるんですね。ですから、今回もそういうことがないよう、例えば任意解散の届出がなされた場合には受理しないとか留保するとかいうようなことを政府としてしっかりと取っていただきたいと思います。
さあ、そこで、今回の場合、被害者救済の法律になっているんですが、解散がなされた場合に被害者の救済というのは実現されていくんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/259
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260・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) お答えいたします。
今の解散がなされた場合というのが宗教法人法上の解散だとすれば、ここで言う、この新法における法人等というのは必ずしも法人格が必要とされておりませんので、いわゆる権利能力なき社団といったような形で、団体ということであれば適用が可能ですので、そういったところに追いかけていろいろ行政的な措置をしていくということになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/260
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261・串田誠一
○串田誠一君 せっかく債権者代位権だとかそういったような規定があるんですけど、先ほど任意解散と申し上げたのは、被害者からの請求が想定されるときには、任意解散をして財産を逸失してしまうというようなこと考えられるわけですから、しっかりとそういったようなところを被害者救済ができるような形を政府も事前に検討していただきたいと思います。
次に、弁護団、今回も参考人として出てこられるんですけれども、弁護団がこの法律は被害者の救済にならないんではないかという懸念を示されました。これ法律というのは、それを救済している本当に直前の、直接の窓口が一番現状をよく知っているんだと思うんです。その現状を知っている弁護団が懸念を示しているということに関して、弁護団に何らかのこの新法、説明されているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/261
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262・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 政府としては、この本年八月から十月までにかけて、この法案を作るに際しまして、五回にわたり霊感商法等の悪質商法への対策検討会を開催し、その報告書をまとめ、それを基に作っておりますが、その検討会の中には、長年統一教会の関係で被害の方を弁護されている弁護士の方にも入っていただいております。また、途中、団体として面談したというわけではございませんが、この弁護団の方ともこの内容について、まだその途中の段階ではありましたけども、議論する機会はございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/262
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263・串田誠一
○串田誠一君 一番その困惑だとかの精神的な状態が、そういう行為が行われる時点で寄附をしていない、事前、かなりマインドコントロールがなされた段階で寄附をするというようなことはこの法案では救えないんじゃないかというような発言が予算委員会でもあったかと思うんですけれども、こういうその弁護団の懸念、せっかく国会にやってきてくださって、そういったようなアドバイスをしていただいたわけですから、これに関して政府としては検討しているということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/263
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264・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 政府としてはいろいろ検討してまいりましたけれども、政府内での判断としては、現行法でできる限りのところまで取消し権、禁止について検討して取り組んできているということで、この後しっかりと説明をして御理解いただきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/264
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265・串田誠一
○串田誠一君 そこの中で、今、国会でいろいろな議論がなされています。例えば必要不可欠というのは、現実には必要不可欠という言葉を言う必要もないんだというような話もありましたが、こういう国会での議論と、現実に被害者が司法の場で争うというようなときに、この議論というのは、裁判をするに当たってはどういう形で反映されていくんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/265
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266・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 失礼しました。
必要不可欠、困惑などいろいろ御議論をいただいているところでございますけれども、規定につきましては、政府内でいろいろ検討しまして、用例などを調べ、誤解のないような表現をできるだけしておるつもりでございますけれども、一般の方について見ていただくと、なかなかすっと入ってこない用例が使われているということは承知をしております。
実際には、できるだけ趣旨でありますとか意味につきまして解説をするということで、丁寧に説明をするということで政府の見解を示そうとしているところ、逐条の解説のような形で示そうとしておるところでございます。そういった解釈の疑義が生じないように、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/266
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267・串田誠一
○串田誠一君 今質問したのは、救済をするに当たっては、すぐに、分かりましたと、お返ししますというように任意にやってくれるんだったらそれは一番いいんですけれど、そうでない場合には訴訟の場で争わざるを得ないわけですよね。そうすると、この法律を見ると、必要不可欠というものの言葉を告げるってなっているわけです。
今はこの議論をしているわけですから、全ての人たちは、いや、これは違うよねというのは覚えていると思いますよ。だけど、これが何か月、何年かたって、じゃ、この問題はどうなんだろうといってこの法律の条文を見たときには、必要不可欠ということを告げるというふうに書いてあって、告げるかどうかという立証責任が被害者に課せられてしまう可能性があるわけですよね。
そのときに、こういう問題は解釈論としてはそうじゃないんだということをどういうような形で被害者に提供していくのかというのをお聞きしているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/267
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268・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 被害者の方々にできるだけ、今回新しい法律でございますので、この法律の周知を図る際にしっかりとまずやっていくことかというふうに思いますし、これが定着していく中でも、解釈の疑義が生じないようにしっかりと、まず法律の逐条解説のようなコンメンタールなどで詳しく解説をしていきたいと思いますし、その他、また裁判例などもフォローする中でしっかりと用語として定着していくように取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/268
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269・串田誠一
○串田誠一君 場合によっては、その司法の場で裁判官が、そういう国会審議というものを、判決を出すに当たって、必ずしもそれに従うとは限らないというところがあるわけですよ。ですから、今の話ですと、この審議が司法をも拘束をするということでよろしいでしょうか。それ、明確に言っていただいた方がいいかもしれません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/269
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270・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 今現在国会で用語も含めて新法の御議論をいただいておるわけでございますけれども、国会での御議論は立法者の意思が示されて御議論をいただいているということでございまして、今後仮に、法人等と寄附者の間で仮に訴訟になったような場合でございまして、今回の新法の規定が争われるようになった場合には、現在行われているこの国会での議論がその立法趣旨として裁判官に参照されるという場合があるものというふうに考えております。立法趣旨を法廷において示されるということが言えるということかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/270
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271・串田誠一
○串田誠一君 その参照するときに、この膨大な議事録を確認するってすごく大変なんですよね。ですから、野党の方からもそういう解釈は条文の文言にした方がいいんじゃないかと、疑義がないようにというような提案もあった中で、いやいや、こういう解釈があるから大丈夫なんだよという政府の説明があったわけです。
ですから、ある程度重要なポイントに関しては、消費者庁の方でしっかりとこの条文の文言の注釈のようなものを一覧にしてホームページ上で掲示等をされた方が私いいと思うんですけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/271
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272・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 今の委員の御意見も参考にしながら、しっかり分かりやすく広めていきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/272
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273・串田誠一
○串田誠一君 少し細かいことなんですけれども、二条の単独行為というのがあるんですけれども、この単独行為というのは、法律契約になる場合ばかりなんでしょうか、それとも法律行為、契約ではない場合も入るんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/273
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274・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 単独行為は契約ではないです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/274
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275・串田誠一
○串田誠一君 契約ではないとすると、八条で取り消すことができるとなっているんですが、契約でないものは取り消せるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/275
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276・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 例えばここでの、まず、ここのその単独行為まで入れた趣旨でございますが、基本的にここは、寄附、不当な寄附の、に向けた勧誘について禁止しようという場合に、その寄附について、そもそも契約なのか、そうじゃないのかといった様々な議論がございました。
そういった意味で、多くのものは我々の議論の整理では契約で読めるというふうに整理はしたんですけども、やはり単独行為というのも残った場合に、また、そういったその、そもそも寄附って契約なのかどうかということを議論するのではなくて、しっかり、そういった不当な勧誘があった場合にはこの法律でもってしっかり禁止を、その行政措置ができるようにするという趣旨でこの両方設けているんですけども。
例えば、今お尋ねの単独行為の場合は債権放棄などが考えられます。実際にこの勧誘で債務放棄というのはあるのかどうかというのは、なかなかレアなケースではあるかと思いますが、例えば債務放棄でもって実質的に寄附をするといったような部分があった場合に、それを取り消すことであれば債務放棄が遡及的に無効だったということになりまして、放棄された、あっ、債権放棄ですね、債権放棄、自分がその相手に貸してあるお金についても返さなくていいよという形で実質的に寄附をするといったことが考えられるんですけども、そういった債権放棄の意思表示を取り消す場合には債権放棄が遡及的に無効だったということになりまして、放棄された債権がせず、ずっと存続していたということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/276
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277・串田誠一
○串田誠一君 今、債権放棄というのがありましたが、単独行為は意思表示ばかりなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/277
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278・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) はい、御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/278
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279・串田誠一
○串田誠一君 事実行為は入らないんですか。意思表示に限らない事実行為というのは入らないという理解なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/279
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280・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 入りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/280
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281・串田誠一
○串田誠一君 いや、これは今、今日初めて聞きましたが、少し問題があるんじゃないかなと。改めてまた明日の質疑もあるので、同党に、議員にもちょっとお話をしておきたいと思うんですけれども。
そうすると、取消しができるのは意思表示、そして、それは契約には限らないけれど、しかし意思表示に限るんだと、そういうこの部分での定義付けでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/281
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282・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) ここで取り消すのは意思表示の取消しということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/282
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283・串田誠一
○串田誠一君 この世界、この今の中では、意思表示に限らないで財産的なものが移動されていくということもあると思うんですが、そういうものは存在しないという理解ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/283
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284・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) そういうものが存在しないということは、済みません、分かりませんけども、少なくともこの法律で対象としようとしているものにつきましては、契約の場合と単独の行為の場合で、取り消すのは意思表示ということと、そういう立て付けとなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/284
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285・串田誠一
○串田誠一君 この点に関してはまた改めて問うことがあるかと思いますけれども。
次に、これもいろんな委員から質問されているところなんですが、この無償で寄附という部分には売買は入らないんだということなんですけれども、どうしてこの売買と無償の寄附とを別建てにしたんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/285
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286・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) まず、今回の法律を作るに当たっての立法事実として、高額な寄附が問題になっているということでこの法律を立法したということでございまして、このような今回の法律のような規制を一般の売買を含む取引まで広げてしまうと、該当する部分が大きくなり過ぎまして、そこまでの今回の法律を作るほどの立法事実、そういったこの売買にまで今回のその禁止行為等を適用するというところまで行くと、ややその全体の経済取引の関係から行き過ぎだというふうに判断したということで、その悪質な寄附の勧誘にこの法律を、禁止するために本法律を作ったという次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/286
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287・串田誠一
○串田誠一君 立法事実ということであるならば、世の中で一番知られているのは、つぼの購入なんじゃないかと思うんですよね、高額なつぼ。あれは売買なんでしょうか、無償の寄附なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/287
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288・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 基本的には売買というふうに考えておりまして、消費者契約法の規定で取消しが行われるものかと思いますけれども、例えば、その原価といいますか、原価とその販売価格のようなものに大きな乖離がある場合、それは、まあそこは契約ではない、契約ではないと、寄附、寄附ではなく契約を装ったという、寄附を装ったような場合に、外形上契約の、売買契約の体裁を取ったにすぎないと判断されるような場合にはその実態は寄附と認められますけれども、寄附に該当するか否かにかかわらず、不当な勧誘行為があれば消費者契約法の取消し権の対象になり得るというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/288
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289・串田誠一
○串田誠一君 私の認識と立法事実というのはかなり違う気がするんですけど。
世の中で社会問題になっているのは、つぼがよく取り上げられますよね。そして、そのつぼって対価的に合ってないんじゃないですか、一般的には。それを、つぼの場合は売買だからこれに入らないって言っちゃったら、この立法事実に対する法律にならないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/289
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290・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 申し訳ありません。
申し上げたかったのは、そういう場合に、見合っていない場合には寄附と考えてよろしいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/290
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291・串田誠一
○串田誠一君 まあ要するに、その時価的なものと寄附と、あっ、金額とが合致していない場合、乖離というのはどのぐらいのことを想定されているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/291
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292・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) それはまさにケース・バイ・ケースとなろうかと思います。一般論ではなかなか申し上げられないということだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/292
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293・串田誠一
○串田誠一君 こういう、いろいろな意味で不当なマインドコントロール等を行っている場合には、それが無償の寄附であろうが売買だろうが、それはちゃんと救済すべきなんであって、被害者の側で、ケース・バイ・ケースだからどちらかの法律かは被害者の方が考えて訴えてくださいと、そういう立場なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/293
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294・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) この売買の場合におきましても、その取消し権を主張するということであれば、まさに消費者契約法を用いれば後から取消し権を主張することができます。そこはやはり、確かに裁判を実際に起こすとなると、一般の方がどうやって起こすというのは難しいというふうに思われますので、まさに法テラスといったような、そういったことで一般の方が実際に被害を回復することを支援していくということも非常に大事だというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/294
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295・串田誠一
○串田誠一君 この法律のタイトルが法人等による寄附の不当な勧誘の防止等にって書いてあるんですよ。不当な勧誘ってどういうものかというのも書いてあるじゃないですか。不当な勧誘があると思われるような場合には、契約をしたことが、無償な寄附なのか、それが形として売買なのか、そういうことにこだわらずにこの法律によって適用されるんだということを明言された方がいいと思いますよ。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/295
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296・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) この法律で未然に防ごうとしているのは、その不当な寄附でございます。その禁止行為については、売買というよりは寄附でございますので、そういう意味では、委員が御指摘のような、ちょっと、明言というのはちょっとできかねるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/296
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297・串田誠一
○串田誠一君 例えば時価とかいっても、時価は合っているかもしれないけど、買いたくないもの買わされるということだってあるわけでしょう。そういう場合、時価と金額とを比べるだけなんですか。やっぱり、そういうものを含めて不当な勧誘があったらば、どんなものであったとしても救ってあげようよと、不当な勧誘した方が悪いんだから。そうじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/297
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298・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) まさに委員の御指摘のとおりでございまして、不当な勧誘等を受けた場合には、今私ここにそのバッジ付けておりますけども、まずは一八八というところに電話をしていただければ、お近くの消費生活センターが、一般の方は別に何法に何が関わるかとか一々ふだんの生活で認識していただく必要はなく、消費生活センターの相談員の方がその専門知識に基づいて必要な助言を差し上げたりとか、場合によっては事業者と直接間に入ってあっせんをするということでございますので、是非、そういった不当な、この場を借りて申し上げれば、不当な勧誘等を受けた場合には是非一八八にお電話をいただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/298
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299・串田誠一
○串田誠一君 今、一八八に電話させていただきました、時価は一緒です、これはどちらに当たるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/299
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300・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) もう少し、実際に助言する場合には、まずはしっかり、今いただいたような情報だけではなくて、しっかり、どういった業者からどういった状況と聞き取ってからお話しするというふうに思いますので、今この場で今のお尋ねについてお答えするのは差し控えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/300
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301・串田誠一
○串田誠一君 国会でも差し控えられるんですから、一八八掛けたってちゃんとした答え得られないような気がいたしますよ。
さあ、そこで、こういうような売買になってしまったときには、今回の法案ではなくて消費者契約法の方に該当するということになれば、この新法で書かれている救済の債権者代位権の定期債権の将来的なものとか、いろいろな取消し権とか、こういったようなことが書かれている、こちらは救済を受けられなくなるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/301
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302・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 御指摘の取消し権については、こちらの法律で対応、消費者契約法の取消し権もこちらの法律で代位できるような仕組みになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/302
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303・串田誠一
○串田誠一君 だから、こういう答弁をすると、考えられるのは、無償な寄附ではなくて売買という形態にしていこうというふうに団体考えるんじゃないですか。そういった心配ないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/303
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304・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) まさにそういった心配はございますが、我々としては、そういった脱法行為は絶対許さないという姿勢を示し続けることが大事だというふうに認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/304
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305・串田誠一
○串田誠一君 姿勢示してもね、そういうふうにやっちゃうわけですよ、売買にして。そうしたら、消費者契約法だけになるわけでしょう。今回の新法のいろいろな救済の、勧誘のこととか、そういったようなことの禁止条項とかはここには該当しなくなっちゃうわけじゃないですか。
でも、やっているのは、金銭的な対価が大きくなれば新法だよと、近くなっていくと消費者契約法だよと、そういう違いなんですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/305
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306・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) およそ悪質商法に対応する法律というのは、消費者契約法とこの新法だけではございません。もちろん、それぞれ特定のいろんな手口に応じた法律がございますが、私どもは、そういった悪質な勧誘を受けた場合には、いろいろしっかりと情報を承って、適用できるいろんな法律を当てはめることによって悪質商法にしっかり対応していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/306
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307・串田誠一
○串田誠一君 例えば身近な例として、おみくじっていうのは売買なんですか、無償の寄附なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/307
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308・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) おみくじにもよろうかと思いますけども、自分自身の経験でいえば売買だというふうに、自分が今まで買ったことがあるおみくじは売買だったというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/308
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309・串田誠一
○串田誠一君 例えば、車の安全祈願というのをしますよね。かなり高額な、何万円か払う人もいますよね、事故が起きないようにと。で、もらうのはステッカーだったりするわけですよ。これは売買なんですか、無償の寄附なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/309
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310・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) そういったことについても、まさに私どもが、さっき五回と申しましたが、七回にわたって行った検討会でも議論がございました。例えば、そのステッカー、プラスの部分の値段については、まさにおはらいサービスといった対価だという見方もありますし、そこの部分については、そういった御利益に対する、まあ寄附といいますか、そういった形でも捉えられるんじゃないかということで、実際にはなかなか議論が定まっていない部分もございます。
いずれにいたしましても、ここは、先ほどから申したいのは、実際にそれが寄附だとか売買とか、そういったことに限らず、我々が問題にしているのは、そういったことについて自分が進んで高いお金を出してステッカーを買ったというのでは問題はないんですけども、それをいろいろこう、勧誘を受けて無理やり買わされたとか、だまされて買わされたとか、そういった悪質な勧誘行為があるのを問題にして、で、今まではいろいろな、例えば特定商取引法とか消費者安全法とか様々な法律がございますが、そこではなかなか拾い切れないその悪質な寄附の勧誘について今回新しい禁止行為として規定したということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/310
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311・串田誠一
○串田誠一君 ですから、車の安全祈願でさえどっちか答えられないわけでしょう。法律変わるんですよ、被害者、救済を受ける側の。答えられないわけでしょう。そんな答えられないようなことを被害者に委ねちゃ駄目ですよ。
いずれにしても、金銭的な隔たりがあればこれはもう新法になるんだということは、ステッカーとその安全祈願を出したお金に隔たりがあれば新法になるんだと、こういう言い方でいいんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/311
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312・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) まさにケース・バイ・ケースだということでございます。そこの部分をどう認定するかという部分が、その実際の事案の悪質性等に鑑みて決めていくということだと思います。一般論でそこの部分がどうだということはここでなかなか申し上げることはできないということは御理解いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/312
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313・串田誠一
○串田誠一君 理解するのは私たちじゃなくて国民なんですよ。国民が判断できるような法律にしないとおかしいと思いますよ。しっかり政府、やっていただきたいと思います。
ちなみに、取消しをする場合に、例えばつぼを壊してしまった、あるいは見付からない、こういう場合、取消しをすることはできるのか、取消しをした場合、どういう法律的な問題が発生するのか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/313
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314・松沢成文
○委員長(松沢成文君) どなたがお答えになりますか。
ちょっと速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/314
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315・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/315
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316・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 消費者契約法に基づきまして寄附の意思表示を取り消した場合の効果といたしましては、給付を受けた当時、取消し者が意思表示を取り消せることを知らなかったときは、現に利益を受けている限度においての返還義務を負うと。
したがいまして、そのような場合には、寄附者はつぼを紛失している場合には返還する必要はなく、つぼが壊れている場合はその壊れたつぼを返還することで足りるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/316
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317・串田誠一
○串田誠一君 何か受け取っていたとしてもそれが今ない場合、あるいは破損した場合でも取り消すんだよ、取り消せるんだよというのは、これ告知していただきたいと思うんですよ。随分前の話でもありますし、壊しちゃったから取り消せないのかなというふうに思うこともあると思うので、そういう場合でも取り消すことができるというのは是非政府として広報していただきたいというふうに思うんですが。
この三条の点の御質問を、質問をさせていただきたいんですけれど、この第二号で個人又はその配偶者若しくは親族の生活の維持を困難にすることがないように配慮しなきゃいけないとなっているんですが、ここには事実婚だとか同性婚だとか法律上の親族、配偶者とは言えない者に対しては入らないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/317
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318・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 審議官、もうちょっとはっきりしゃべってもらえますか、ちょっと聞き取りにくいので、マイクに近づくかして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/318
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319・植田広信
○政府参考人(植田広信君) はい。
第三条の配偶者でございますけれども、条文上は法律婚をした者を指すものでございますけれども、個別の事情を踏まえて、事実上婚姻と同様の関係にある者について同条の類推適用をすることは否定されるわけではないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/319
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320・串田誠一
○串田誠一君 ここも明確にしていただきたいと思いますのは、生活の維持を困難にすることがないように配慮するわけですから、これ法律上婚姻していようがいまいが関係ないと思うんですよ。生活の維持に困難にさせるわけだから。
だから、私としては、こういう言い方ではなくて、生活を共にする者という言い方の方が適切ではないかと個人的には思っているんですけれど、今のお話の中で、配偶者若しくは親族というのは法律にはこだわらないということを明言されたということでよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/320
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321・植田広信
○政府参考人(植田広信君) はい、そういうことで結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/321
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322・串田誠一
○串田誠一君 この生活の維持を困難にすることがないということなんですけれども、仮に、ある程度資産があって生活には困難にはならないんだけれども、こういう自由意思を抑圧されるような段階で財産を取得するような場合、生活に困難にならないんだからいいんじゃないかというような解釈もされるおそれもあるんですが、それはどういうふうな形で対応できるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/322
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323・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 法人等が当該資産家やその家族の生活の維持を困難にすることがない程度の寄附の勧誘をしている場合でございますけれども、たとえその寄附金額が平均的な資産収入の家庭から見れば相当程度高額であったとしても、第三条第二号の寄附により個人等の生活の維持を困難にすることがないようにすることの配慮義務違反に該当することはないと考えられます。
もっとも、個別の事案次第でありますけれども、第三条一号や第三号といった別の配慮義務違反が問題になる場合もあると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/323
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324・串田誠一
○串田誠一君 今の説明は、第三条は一号と二号というのは重畳的に要件として要求することではなくて、二号というのは、とにかくそういう自由な意思を抑圧しようが何しようが、そういうことがなくても、生活の維持を困難にすることがあれば、もうそれは駄目なんだと、こういうことでよろしいですか。
そして、その資産家の場合には、生活に困難なことではないんだけれども、自由な意思を抑圧しない限りは許されるという理解なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/324
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325・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) まず、この一号、二号、三号の関係につきましては、別にそれが両方関わる場合でも単独で掛かる場合でも結構だということだと思います。
そして、二号については、繰り返しになりますが、困難にならない程度であれば、金額が相当高額だったとしても、その三条二号に当たらない場合はあるということだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/325
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326・串田誠一
○串田誠一君 この困惑というのがずっといろいろ出てきたんですけれども、いろいろな意味で質疑もあったと思うんですが、困惑という言葉、これ消費者契約法の中には困惑というのがあるとかないとかそういう答弁があったんですけど、これ新法になっていくに当たっては、この困惑という言葉、これはこだわる必要がないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/326
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327・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 新法案では、いわゆるマインドコントロールによる寄附について、現行の日本の法体系の中で許される限り最大限、禁止行為や取消し権の対象としております。具体的には、不適切な勧誘を受け困惑した中で行われた寄附の意思表示には瑕疵があることから、寄附者を保護するため取消しを認めるという考え方に基づき、条文を整理を行ったものでございます。
可能な限り明確な条文としているつもりではございますが、具体的にどのような行為が該当し得るかにつきましては、国会審議や新法案の成立後、法律の解釈を示す中で可能な限り示してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/327
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328・串田誠一
○串田誠一君 この部分は明日、石橋議員の方からも質問されるということなんで、ちょっとその事前の部分を、前提を用意しておきたいと思うんですけれども。
この困惑というのは内心であると、だから、これは当事者が、主観的なものなんで、困惑していると言えば困惑なんですよね。だけど、それでいいのかどうかと言われたときに、先ほどの答弁だと、困惑をする、いろいろな、何を言ったとか言われたとかということを総合的に勘案してというような、そういう答弁でしたね。その、何を言ったのかということの立証責任は困惑を主張する側が証明しなければならないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/328
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329・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 困惑をしたと、していたと言った側が立証する必要がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/329
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330・串田誠一
○串田誠一君 だから、大変な立証が残っているわけですよね。内心であるだけならば、被害者が困惑しているんですよと言えば済むわけですよね。だけど、どうして困惑したのか、いや、こういうふうに言われたから、こういうふうに言われたからだ。録音取ってないですよ。それを証明させるってことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/330
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331・植田広信
○政府参考人(植田広信君) そこは記録があればもちろん確実だと思いますけれども、そこは、記憶でありますとか関係者の証言でありますとか、そういったものを積み重ねて、現在でも不法行為の訴えをされて勝訴しているものは、そういった丁寧な積み上げをして、裁判上そういった困惑というものが認められているということだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/331
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332・串田誠一
○串田誠一君 政府提案、提出法案であえて困惑にこだわったわけですから、内心でいいんだということなんで、記憶に基づいて困惑をしていたということであるなら立証責任としては十分認められるということを今明言されたと聞いていますけれども、よろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/332
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333・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 当時困惑していたことの立証につきましては、例えばでございますけれども、献金に至るまでの悪質な勧誘行為を具体的に示しつつ、入信当時にあおられた不安が根底にあったことや、被害者本人が献金当時の状況を客観的に振り返れば困惑していたと考えられることを主張することで、相当当時困惑していた蓋然性が立証できるというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/333
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334・串田誠一
○串田誠一君 これから現実にこの法律に基づいて救済を受けようというのがスタートするわけだし、先ほど大臣も、しっかりこれでき上がった後は被害者救済に邁進していきたいというような答弁されていましたよ。だったらば、どうやったら保護できるのかということ自体をもう少し具体的に示していただかないと、困惑していたというのはずうっと前の、特にですよ、債権者代位権を行使するときに、本人じゃないわけでしょう。本人じゃないのに、どうやって困惑させられた事実関係を証明するんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/334
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335・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 仮に、同居していたお子さんであれば親がどのような勧誘を受けていたかということはつぶさに見ていた可能性もありますし、そうじゃない場合には、おっしゃるとおり、なかなか難しい場合もあるというふうに思いますけれども、立証につきましては、法テラス、それから国民生活センター、消費生活センターでも、これまで詳細に、どういった接触があった、勧誘を受けた、どういうことを言われたということを聞き取って、相手方とあっせんなり、また裁判の助言をするということございますので、そういったことを丁寧にやっていくということはしっかりとやっていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/335
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336・串田誠一
○串田誠一君 その弁護団がこれでは救えないって言っているんじゃないですか、困惑に関してとか。
そういう意味で、この困惑というのの証明が、内心困惑な上に、例えば対価的に払った金額と受け取ったものとに大きな隔たりがある、これ普通だったら考えられないわけですから、これ、困惑している以外にないという理解もできますよね。あるいは、生活の維持を困難になっている、生活の維持に困難になるほど何らかの形で寄附をしている。これ、困惑以外には普通ないんじゃないですか。こういう事実関係だけでもこの困惑ということが証明できることになると私は思うんですけど、それでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/336
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337・植田広信
○政府参考人(植田広信君) その際に、御本人が困惑していないと言った場合でも、恐らく困惑しているという、本当は困惑をしているということだと思いますけれども、それは御本人が後から気付かれて、やはりあのときは困惑をしていたということであれば、困惑を主張、立証していただくということにつながるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/337
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338・串田誠一
○串田誠一君 その今の整理をいたしますと、対価的に隔たりがあったり生活に困難な状況になった場合というのは、これはもう困惑されていたであろうということは推測できるわけですよ。ですから、もうそこの部分で十分証明がなされたというふうに実務としては扱ってもらいたいというのが政府の意向ということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/338
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339・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) なかなか、行政府の方から司法の方に注文を付けるというのはなかなかできるということはないんでしょうけども、できる限りそういった被害者の方が一生懸命出しているそのいろいろな事実関係の積み重ねについてはしっかりよく見て判断していただきたいというふうに希望しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/339
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340・串田誠一
○串田誠一君 司法をコントロールすることは三権分立からできないんですけど、その司法がどう判断するのかは法律にのっとってやるんですよ。ですから、その法律にのっとっている法律の文言は、作った側が、国会が最終的に決断するんでしょうけど、これはこういう意味なんだということがあったら、それは司法は従いますよ。本当に救済をするんだったら、立証責任が難しいような法律ではなくて、こういう不当な勧誘をしているわけだから、そのものを助けるための法律として今作っているわけでしょう。その作った法律が立証が難しかったら何にもならないじゃないですか。
是非、その立証しやすいようなことを提示、今その格差があるとか生活が困難な場合には困惑されていることが推測されるという、それはいいですよね。困惑が証明できたとは言い切れないんですか、それとも推測までは許されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/340
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341・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 御本人が、あのときに何の対価もないものをもらって高額なお金を払った、ということは私はあのときに困惑をしていたという主張をされるのは当然構わないというか、そういう主張をされることで困惑が立証されるということであれば、もちろんそれで構わないということかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/341
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342・串田誠一
○串田誠一君 まあ立証されるというような言い方になっていましたんで、そういう、政府としての理解としてはそういうふうな法案条文というふうに受け止めました。
次に、中小企業の代表者が企業の財産を寄附する場合、これは個人に該当するのかどうか、五条との関連もありますので、明確にしていただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/342
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343・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) オーナーが有するアパート、あっ、中小企業の代表者の寄附については、個人の、個人が事業のためにしたものについてはその新法案における寄附には該当いたしませんが、この寄附した方が企業の経営者であろうと、当該企業が、他の法人等に対する寄附ではなく、その寄附者が個人として行う寄附であって、それが何らかの事業のためにしたものでなければ、この新法案の適用の対象となろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/343
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344・串田誠一
○串田誠一君 ここはちょっと明確にしておきたいんですが、日本の場合、非常に中小企業多い、零細企業多いですよ。もう個人と企業というのが一体となっているところも多いと思うんですね。そういうような代表者がそういうマインドコントロールによって一応形として会社上の財産というものを寄附するような場合、これは該当するんですか、しないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/344
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345・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) この自らの事業のためということでした寄附であれば、この法案の個人としての寄附には当たらないというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/345
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346・串田誠一
○串田誠一君 その事業のためというのは、どういう意味なんですか。事業にプラスになるだろうということなんですか。それとも、法律上の効果が事業に反映されるという意味で使われていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/346
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347・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) そこは一つの今概念を申し上げまして、実際にその寄附が事業のためであるかどうかにつきましては、個別の事案に即して理解すると、当てはめていくということになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/347
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348・串田誠一
○串田誠一君 それは日本は非常に多いと思いますよ、中小企業、零細企業がね。そういうふうに、代表者がそういうふうな勧誘を受けて、会社の財産といってももう個人財産と変わらないんですよ、家族からしてみると。しかし、名目上は中小企業、零細企業の財産であった場合に、その代表者が勧誘を受けて寄附をした場合に当たるか当たらないかって、ケース・バイ・ケースってのが意味がよく分からないんですが、どういうケースが考えられるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/348
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349・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 政府、答弁できますか。
ちょっと速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/349
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350・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/350
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351・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 済みません。
繰り返しになるかもしれませんが、事業のためというものについては、その行っている、その中小企業が行っている事業の用に供するといいますか、その事業に何らかの貢献をするといったもののために行うものというふうに理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/351
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352・串田誠一
○串田誠一君 要するに、企業にプラスにならない場合にはここに該当すると、この法律によって取消しをすることもできるという、そういうことでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/352
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353・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) それが最終的にプラスになるかどうかということについてはまさにそれもケース・バイ・ケースだということになろうかと思いますが、例えば、個別の個人商店とかやっている場合に、その売上げのアップを狙ってとか、そういった、例えばそういったことでその事業活動と結び付いていれば、これはもう事業のためということになろうかと思います。
ただ、その意図した結果どおりに上がらない場合もそれは当然あろうかと思いますけども、その目的においてその事業の用に供するということでみなされれば、この個人から法人に寄附をするということには当たらないということになろうかと思います。
ただ、逆に言うと、逆に、所有に関わりなく、例えばこの二条の考え方でいいますと、個人のオーナーといったことで、その企業の財産を寄附してしまって、個人として寄附してしまった場合に、もうその事業の継続がもう困難になって、その生活の維持にも困難になってしまうというような場合においては例えばこの配慮義務違反に当たると、そういったそのことで勧誘を受けていれば配慮義務違反に当たるような場合もあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/353
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354・串田誠一
○串田誠一君 今、三条の二号はそういうところでも当たるんですね、そしたら。まあそういう答弁でしたが、まずその一つ目として。
そして、例えば、これをやれば商売繁盛しますよという場合には、今のお話ですとこれ取り消せなくなりますよね。企業のためにやっているってことでしょう。まさにそういうことが許されないんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/354
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355・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) ここの、そうですね、ここのその今のおっしゃられたケースというのは、まさにどちらにも当たり得るような場合があろうかと思いますので、まさにその個別の、何といいますか、状況に応じては、この法律に該当する場合もあればそうでない場合もあろうというふうに思われます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/355
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356・串田誠一
○串田誠一君 今この法案の説明を聞く場なんですよ。全然説明できないような法案じゃ困るんですよ。ケース・バイ・ケースばっかり言われてもね。そこはやっぱり政府としても明確にしていく必要があると思いますよ。これから、やはり個人だけじゃなくて、日本は、中小企業、特に零細企業が、財産を持っているけど一応会社の財産という場合が多いと思うんです。それを寄附した場合どうなるのか悩んでいらっしゃる方多いと思うので、そこの部分のメルクマール明確にしていかないと、全部ケース・バイ・ケースとか言われても、何のための法律なのということになるんじゃないかなと思うんですが。
四条でもいろいろ議論がこれまでなされておりました。必要不可欠という文言は必要ないと、しかし、こういう状況の場合にはこれに該当するという説明がありましたが、もう一度その点説明していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/356
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357・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 必要不可欠の要件でございますけれども、必ずしも必要不可欠という言葉をそのまま告げる必要はなく、勧誘行為全体としてそれと同等程度の必要性や切迫性が示されている場合には適用可能と考えており、多額の寄附に至るような悪質な勧誘事例の多くはそのような必要性や切迫性を有しているものと考えることから、十分実効的に対応できるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/357
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358・串田誠一
○串田誠一君 これまでの質疑であるのは、この第四条六号の中で、そのままでは現在生じ、若しくは将来生じ得る重大な不利益を回避することができないとの不安をあおり、不安をあおった上で、さらに、その重大な不利益を回避するためには、当該寄附をすることが必要不可欠である旨を告げることが必要だというんだけれども、この不利益を回避することができないとの不安をあおっている状況であるならば、緊急性というか逼迫性というのは十分にもう受けていると思うんですけれども、それと今言われたような要件、どこにずれがあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/358
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359・植田広信
○政府参考人(植田広信君) まず、不安をあおられるということは必要なわけですけれども、不安をあおっておいた上で、もう手はないと、何もないと言う場合があり得るかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/359
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360・串田誠一
○串田誠一君 もう手はないと言う、必要不可欠ということは言わなくていいわけでしょう。だから、その言わなくていいときに、こういう状況だったらという説明をされるものだから、この不安をあおりっていう状況の中で十分その状況に達しているんじゃないかと。もしそれが達していないんだったら、どこが足りないのかという質問なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/360
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361・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 繰り返しになるかもしれないですけど、不安をあおって、仮にこの契約を結んでも、でもあなたは助からないと言うようなケースがあるかと思います。なので、この契約を結べばあなたは助かると言うことが不可欠だということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/361
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362・串田誠一
○串田誠一君 全く常識的には考えられないんだけど、不安をあおっていると、しかし、この契約を結んでもあなたは助からないよと言う場合と、これを契約すれば助かるよと言う場合、これをすれば助かるよと言わない限りは不安をあおっているだけでは駄目だって、そういうことですか。常識的にはそんな、この不安をあおった人間がですよ、この契約をしても助からないけど契約してくださいって、そう言うことを想定しているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/362
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363・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 不安をあおった上で、契約の必要性を、必要不可欠性を告げなければならないと、分からないということでございます。不安をあおられて、どうすればいいのか答えを示されないと分からないのではないかということを申し上げたつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/363
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364・串田誠一
○串田誠一君 団体がするのは不安をあおるところまでなんですよ。そして、最後の必要不可欠なんというのはあえて言わないわけですよ。何のためにこれ不安をあおるんですか、そしたら、わざわざ。もうこれ以上回避することはできないと不安をあおって、そこまで追い詰めた上で、さあ、契約をしてくださいっていうときに、何のために不安をあおるんですか。
それでね、不安をあおることだけはいいよと、この言わない限りはそれは構わないんだよというのはおかしくないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/364
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365・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 不安をあおった上で、告げなくてもそれと同等の効果が生じているということであれば、あえて告げる必要はないということかと思いますけれども、それは不安を、契約が必要不可欠だと告げたことと同じということと理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/365
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366・串田誠一
○串田誠一君 今聞いている人は、不安をあおりという場合にはもう同等だというふうに聞こえたと思うんですけど、それでいいんですね。不安をあおっている状況で契約をする場合には、必要不可欠だと告げたのと同じだという答弁でしたよ、今。それでよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/366
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367・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) その不安を、ちょっと今の言い方がちょっと分かりづらかったかもしれませんが、その不安をあおっている状況がまさに必要不可欠だと告げているような不安のあおり方であれば、不可欠だと言わなくても、まさに今先生がおっしゃるような、不安をあおっているということでもって告げたのと一緒だということを答弁したというふうに理解しています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/367
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368・串田誠一
○串田誠一君 だって、ここに書いてあるのは、そのままでは現在生じ、若しくは将来生じ得る重大な不利益を回避することができないという不安をあおっているんですよ。どうしようって思っているわけじゃないですか、言われた方は。そしたら、それでこの契約をと言われたら、そういう言っている側がそういう提案をするんだったら何とかこれで救われるんだろうと思うんじゃないですか。
だから、そういう不安をあおられた状態であるなら必要不可欠ということを言わなくてもいいけど、そういう状態であるという状態と一致しているんじゃないかと。不安をあおりさえされれば、必要不可欠だと言われているのと同等程度の心理的な状態に追い込まれているんじゃないかと言っているんです。そういうんで、それでいいんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/368
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369・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 多分、実質的には同じことだと思います。そういう意味では、その実態上、まさにそのあおっている状態自体が、まさにそのあおり方が必要不可欠だと思わせるようなあおり方をしていれば、ここで言う告げているということとしてその自分が困惑したということで主張すれば取り消し得るという場合があるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/369
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370・串田誠一
○串田誠一君 こういう不安をあおりという状況が発生すれば、あえて必要不可欠ということを言わなくてもその状態として六号に該当するというような答弁と受け止めておきます。
次に、旧統一教会の名称変更についてお聞きをしたいと思うんですけれども、再三再四、手続、宗教法人法の手続にのっとって行ってきたというのはお聞きしているんですけれども、問題はこれからなんですね。これからなんですけれども、この名称変更を、この要件を改正していくということはなさらないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/370
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371・簗和生
○副大臣(簗和生君) 宗教法人法は、戦前に幅広い権限が主務大臣に与えられていたことが信教の自由の侵害へと結び付いたことの反省に立って制定をされており、所轄庁の権限は限定をされています。宗教法人が名称変更する場合の規則変更の認証申請については、同法二十八条に基づき、変更しようとする事項が法令の規定に適合していること、変更の手続が同法の規定に従ってなされていることを審査することとされています。
同法の制定経緯や目的を踏まえれば、同法を改正し、名称変更に新たな要件を加える等の関与を強化することについては、憲法の規定する信教の自由の意義を十分に踏まえて議論することが必要であるとともに、全国の宗教法人に大きな影響を与えることも考慮する必要があることから、改正を考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/371
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372・串田誠一
○串田誠一君 もうこれは質疑が、そのやり取りが何でこれ名称変更したんだという話になったときに、名称変更を勧めたとか勧めていないとかって議論があって、ところが、政府の答弁は、これ、粛々と法律にのっとって変更したのであって、便宜を図ったわけではないんだというような説明を受けているわけです。
だけど、その説明を受けている前提の中には、名称が変更したことによって被害が拡大していった、どの団体だか分からないということがあって、政府の、自民党の方々も、いや、そういう党、そういう団体とは知らなかったというお答えをされているというのは、まさに自らが、名称が違うんだったらそれに介入してしまうこともあったんだと、だから責任はその程度で考えてくださいという意味で答弁されているんだと思うんですよ、知らなかったということ自体は。ということは、名称がすごくその政党のいろいろな、今回新法を作ったわけだから、その新法に関する団体なのかどうかということの判断基準として非常に重要だと思うのであるならば、名称変更は今までどおり言われればしますよということであれば、これ国民分からないですよ、本当に問題のある宗教団体であるかどうかというのは。
そういう意味では、この名称変更に関して何らかのやはり制限なり規制なりというのをつくるべきだと思うんですが、なぜそれ考えていないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/372
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373・簗和生
○副大臣(簗和生君) 今申し上げたとおり、御指摘は踏まえたいと思いますけれども、同法の制定経緯や目的を踏まえれば、この同法を改正して名称変更に新たな要件を加える等の関与を強化することについては、憲法の規定する信教の自由の意義を十分に踏まえて議論することが必要であるとともに、全国の宗教法人に大きな影響を与えることも考慮する必要があると、そういう認識でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/373
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374・串田誠一
○串田誠一君 名称変更はできないわけじゃなくて、名称変更するには、だって、憲法だったにしても公共の福祉に従わなきゃいけないわけですよね。個人の幸福追求権をも侵害するようなことは許されないわけでしょう。そういう意味で、信教の自由が万能なわけじゃないじゃないですか。ある程度公共の福祉によって制限される必要があるわけで、憲法に違反するというのはどういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/374
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375・簗和生
○副大臣(簗和生君) 御指摘のように、もちろん公共の福祉というものも重要な観点であるというふうに思いますけれども、同法の制定経緯や目的ということを踏まえて今お話を申し上げますと、そうした、先ほど申したように、この憲法の規定する信教の自由の意義を十分に踏まえて議論することが必要であると、そのように申したところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/375
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376・串田誠一
○串田誠一君 今回の新法の制定に関しては憲法上の議論はしたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/376
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377・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 各条文を規定していくに当たって、憲法上の財産権の侵害、財産権の話とか信教の自由、そういったことについては議論しながら策定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/377
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378・串田誠一
○串田誠一君 名称変更に関しても、是非、憲法の問題がありましたけど、どういう場面でその憲法上の疑義が発生するかどうかという議論をされたんですか。どの場面で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/378
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379・簗和生
○副大臣(簗和生君) まあ議論、議論と申しますか、今私が申したのは、同法の制定経緯や目的というところに関してお話をしたというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/379
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380・串田誠一
○串田誠一君 ここまで国民の被害が拡大している中で、名称変更することによってどの団体であるかが分からないとか、そこの一致ができないとかということがこんなに世界で、世間で問題になっているわけじゃないですか。だったら、憲法で違反するかしないかという疑義があるんだったら、それはそれで議論をしないという、するべきじゃないとは思っていないですよ。
どこの、憲法の何条がどういうふうな問題になっていくのか、是非議論した上で、この名称変更に関しても制限を加えていくということを議論していただきたいと思うんですが、検討していただきたいと思うんですが、最後にお答えいただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/380
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381・簗和生
○副大臣(簗和生君) 繰り返しになりますが、この宗教法人法につきましては、やはり同法の制定経緯や目的というものがありますので、そちらを踏まえた上で検討をしていくべきものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/381
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382・串田誠一
○串田誠一君 こんなに名称変更の問題があって、どこの団体か分からなくなってしまうんじゃないかということが国民も心配しているわけですから、改正のことは考えてないというんではなくて、しっかりとこの改正、名称変更に関しても制限をするということを検討していただきたいということを最後にお願いいたしまして、質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/382
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383・田村まみ
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。
本日、消費者問題に関する特別委員会なんですが、この先ほど来皆さん議題にされている法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案、昨日の本会議に続き、この委員会ということなんですが、ほとんどその本会議の質疑の中身というのをなかなか質問の、今日の質問の方に反映させながら質問を準備していくというところが難しい中でのこの委員会の運び。そもそも成立させるということ自体は、多くの被害者の方やこれから被害を防止していくということでは大変必要だというふうに私自身も、会派でも話し合ってこの法案に臨んできましたけれども、しかしながら、この国会の最終盤でのこの運び自体に対しては、特に私は、やはり参議員を三年少しやらせていただいている中で、本当このままじゃ、現場行ったとき参議院要らないんじゃないと言われるんじゃないかなと思って、この国会終わった後に現場回るの、本当ちょっと怖いなというふうに思っています。そういうことも思いつつ、質疑時間、まあ時間数は取っていただいていますが、この進め方であれば議論を深めるというのは少し難しい運びだったということだけは申し述べておきたいというふうに思います。
そんな中でも、私たち国民民主党、今日、お手元資料二枚配付しております。これも少し時間がなくてページ付けていないんですが、いわゆるポンチ絵風に法案の概要という形で付けております。刑法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する等の法律案の概要という縦書きの方、こちら、議員立法として本日の十二時に参議院の方に提出をさせていただきました。
今回の閣法として出されたもの、これについては国民民主党も、参議院の本会議で質疑が大塚議員の方からあったとおり、提出前に自公と国民民主党でも協議の場を持っていただいたわけで、その中で悪質な寄附を防ぐためのその協議をどういうふうに、協議をしていって、どうやって防げるかということでの最大限の工夫、そして提案させていただいた内容を盛り込んでいただいたというふうに認識はしております。
しかし、まだそれでは足りないという部分を改めて精査して、議員立法としてこうやって提出をさせていただいております。是非、今後の、二年後の改正に向けてということにこだわらず、今足りないものについてということでの議論をしていただきたいということはお願いをしておきたいというふうに思います。
さて、串田議員と申し合わせたわけじゃないんですが、まさしく私も宗教法人法、この改正必要なんじゃないかというのがまさしく一問目だったんですね。今日、簗副大臣に来ていただいております。朝から少し元気がないようで心配ですけれども、大変難しい問題に向かわれているということは私自身も承知をしております。しかし、これこそ国会議員全員で立ち向かっていかなければいけない問題だというふうに思いますので、私も質問させていただきたいというふうに思います。
提出されている新法、法人等による寄附の不当な勧誘の防止に関する法律案、宗教法人法だけではなくて、法人一般、例えば、これもずっと言われていますが、公益財団法人や環境問題や人権問題に取り組むNGO、NPO等まであらゆる法人に対して広く規制が掛かってしまう法律案となっている。そういう中で、今問題になっているいわゆる旧統一教会の問題、被害者の皆さんの実態に合わせて、そこに焦点を絞っての法律になっていないという指摘もあります。
素直に考えれば、旧統一教会等の問題に起因しての課題をもって宗教法人法の改正が私は検討されていくということ自体が当然の流れだというふうに受け止めていました。今回、宗教法人法改正の是非、これを検討されたのか、そして、政府としての課題の整理など、どのように今取り組まれているのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/383
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384・簗和生
○副大臣(簗和生君) 宗教法人法は、憲法に定める信教の自由や政教分離を基本として、宗教団体に法人格を与え、自由で自主的な活動をするための基礎を確保することを目的として、そのための手続を定める法律です。
この宗教法人法の改正に、御指摘のその改正という点についてですけれども、これ先ほども申しておりますけれども、憲法の規定する信教の自由の意義を十分に踏まえて慎重に議論することが必要であるとともに、全国の宗教法人に大きな影響を与える可能性があることも考慮する必要があると考えております。
旧統一教会の問題に関しましては、法人や信者等の行為に関する不法行為責任を認めた判決が多数あり、それにより法令違反による広範な被害や重大な影響が生じている疑いがある状況であると認められることから、宗教法人法に基づく措置として、報告徴収・質問権を行使し、その事実把握、実態解明を進めているところであり、現行法に基づき必要な対応をすべきと考えたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/384
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385・田村まみ
○田村まみ君 しかし、衆参のこの委員会の質疑の中では、やはりその被害が拡大した中での問題として、この宗教法人法の中での先ほど指摘がありました名称変更の在り方はもう十分課題提起されているというふうに私は認識をしている、認識しているものだというふうに思っているんですが、いまだ答弁が変わっていないというのは、少し、先ほど来ありましたけども、本当に法律が分からない一般のいわゆる国民の皆さんも、何でそこが問題だというふうになって法律を変えるという話にならないんだろうと。私自身もこの質疑に臨む前に多くの方たちに、そもそもそこを変える検討が始まっていないのおかしくないというふうに声として伺っております。
そういう中で、この宗教法人法の第八十一条第一項、第二項では、解散命令の該当事由として、宗教団体の目的を著しく逸脱した行為、これが挙げられています。
十一月の二十九日の衆議院の予算委員会では、脱会や献金の返金を防ぐために念書にサインをさせたり、ビデオで撮影までするケースというのも、もう国会の委員会等でも紹介を何度もされております。これは、一般に逸脱行為には当たらないんでしょうか。もしこれが当たらないとするならばどのような行為がこの第二号に該当するのか、御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/385
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386・簗和生
○副大臣(簗和生君) 寄附の勧誘に際して念書の作成やビデオ撮影等が行われ、法人等の勧誘の違法性が基礎付けられる行為が行われた場合、個別事案に応じて判断していくこととなりますが、その結果や影響、動機等を踏まえた上で、宗教法人法八十一条一項二号前段の目的を著しく逸脱した行為と認められることもあり得ると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/386
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387・田村まみ
○田村まみ君 あり得ると考えられるけれども、これまでその被害を、先ほど、いつ認識したのか、どれだけ問題があるのかというところの時期の問い詰めの質疑もありましたけれども、今、可能性があるという中で今質問権を行使されて質問をされているというふうに認識しております。
この宗教法人法の第二条では、宗教団体について、宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするというふうに法律では定義されています。
憲法により個人の宗教を信じる自由も確保されていますけども、信じない自由、個人の福祉、公共の福祉、これも阻まれてはならない、自由の、双方の自由が守られなければならない中で、この宗教団体による教化育成、このスタイルについても、一定の何か、こういうことやり過ぎなんじゃないかというようなことの目安や、また第三者の目が入ることが必要なんじゃないかというふうに今回の事例で感じているんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/387
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388・簗和生
○副大臣(簗和生君) 憲法第二十条の信教の自由には信仰の自由、宗教的行為の自由等が含まれますが、信仰の自由として、宗教を信仰し又は信仰しないことについては個人の内心における自由として絶対に侵すことができないものと考えます。
一方で、宗教的行為の自由については、例えば、宗教法人法第八十一条では、一定の事由があると認めたときには裁判所が宗教法人の解散を命ずることができる旨を規定するとともに、第八十六条では、宗教団体が公共の福祉に反する行為をした場合において他の法令の規定が適用されることを妨げるものと解釈してはならない旨を規定しており、公共の福祉に反する場合など一定の制約はあり得るものと考えております。
新法案についても、宗教団体を対象に含め、各法人が寄附の勧誘のためにする行為に着目して不当な寄附の勧誘を禁止するとともに、そのような法人等に対する行政上の措置等を定めるものと承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/388
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389・田村まみ
○田村まみ君 内心の自由はそうなんですけれども、かつての問題となった宗教団体、それもやはりこの教育、育成、ここの部分での問題があって、それが徐々に明らかになって社会的な大きな問題になったという事案も私は認識をしています。
内心の自由はもちろん守られるべきものですけれども、この教化育成のスタイル、ここについてのいわゆる第三者の目というのが、先ほどの適応されるかもしれないと言っていただいたところを誰がどうやってチェックするのかというところ、宗教というのは信じている人たちの中でのどうしても閉鎖的になりがちな部分もあります。ですので、ここの、私は教育、育成、こういうところが実際には寄附行為だったりとか様々な無償の行為につながるというふうに思っていますので、ここについても是非、今後、宗教法人法の関連として何か課題がないかというようなところを是非議論していただきたいというふうに指摘をしておきたいと思います。
そして、お手元の資料、配付資料の横向きの方を御覧ください。
これ、新法による手続イメージということで、まず、私、法律の専門家ではないので、今回の条文でき上がったときに、どういうふうに手続がされていくのかなということで事務所の方で一緒にみんなで整理をしたものになっていますので、もしかしたらこの修正案がかかったりとか質疑の中で変わっていく部分もあるかなということで、そういう視点で見ていただければというふうに思います。こちらは、新法の配慮義務及び禁止規定と、そしてこの宗教法人法や民法も含めた対応のその関係を一番私ははっきりさせたいなと思って作ったものです。
宗教法人法に定められている質問権について、平成八年改正の新設以降の二十六年、一度も行使されることなく、ようやく今回初めて行使されましたが、きちんと法律を法律として機能させるためには、行使に一定の基準を定めるということが私は必要だと考えています。
例えば、新法で規定される勧告以上に当たる場合には質問権を行使するといった具合に、質問権を宗教法人法の中で発動させるトリガーみたいなことで組み込む、そういう改正が必要じゃないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/389
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390・簗和生
○副大臣(簗和生君) 御指摘の基準については、宗教法人法に基づく報告徴収・質問権を行使する際の一般的な基準として、既に宗教法人制度の運用等に関する調査研究協力者会議において取りまとめられております。
この基準では、例えば法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたことに該当する疑いに関して、公的機関において当該法人の属する者による法令違反や当該法人の法的責任を認める判断があることといった客観的な資料、根拠があり、その法令違反による広範な被害や重大な影響が生じている疑いが認められる場合に報告徴収・質問権を行使できることとなっております。
宗教法人法に基づく報告徴収・質問権を行使する際には、この一般的な基準に基づき、個別の事案に応じ、客観的な資料、根拠に基づいて判断する必要があります。
いずれにしましても、個別具体に判断し、宗教法人審議会の意見を聞く必要がありますが、新法案により勧告等がされる場合は、法人等が新法案の義務に違反する行為をしていると内閣総理大臣により認められたことを意味することから、一般的な基準に照らして、報告徴収・質問権の行使を判断するに当たっての疑いの根拠となり得ると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/390
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391・田村まみ
○田村まみ君 私も、その令和四年十一月十八日の宗教法人制度の運用などに関する調査研究協力会議、その内容、報告書を見させていただきました。明確、もちろん、一般的なというところなんですけれども、相当明確に、詳細に基準として使えるような形で私は報告書まとめられていたというふうに思います。私は、あれを基にしっかりと、この質問権が使われなかったという反省を基に、この宗教法人法に十分組み込むための検討できる内容になっていると思っているというのを指摘したかったんですね。
もう一度、いかがでしょうか。それも検討しないんでしょうか。参考人でも結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/391
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392・小林万里子
○政府参考人(小林万里子君) お答え申し上げます。
今副大臣の方から申し上げました最後の結論のところでございますけれども、一般的な基準に照らしまして、その質問権の行使を判断するに当たってのその疑いの根拠となり得ると申し上げました。
そもそも、この二つの法律、新法とあと宗教法人法の目的は異なる法律でございまして、それぞれ手続があるかと存じます。その一般的な基準は、質問、宗教法人法の質問権を行使する際の基準でございますけれども、例えば、先ほど副大臣申し上げましたような、審議会に諮るとかそういった手続もございますし、個々の判断でございますので、内閣総理大臣の方から新法で義務違反があるということで認定されたものでございましても、それを個々個別に一般的な宗教法人法の手続にのっとりまして、その一般的な基準の方で改めて判断するということが個々に必要になってくるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/392
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393・田村まみ
○田村まみ君 その判断する資料というのが、私は、その検討会の取りまとめの報告のままでいいのかというのをお伺いしているんですよね。それをやっぱりもう少し、政省令なのか、本当は私は法律に入れてもいいんじゃないかと思うんですけど、何かもう少し、報告会の検討書じゃなく政省令などで、そこをしっかり目安にするということが分かるような形で書くべきだというふうに思うんですけれども、そこはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/393
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394・小林万里子
○政府参考人(小林万里子君) この報告書を作成いたしましたのは、宗教法人審議会のメンバーと同じ委員でいらっしゃいます。それは、宗教家とあと法学者によって構成されているわけでございまして、信教の自由、宗教法人法の執行をするに当たって、その信教の自由につきまして検討するために設けられた審議会でございますので、その審議会で策定された一般的な基準というものがやはりこの質問権行使というものをするに当たりまして必要だということで、そのような策定方法になってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/394
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395・田村まみ
○田村まみ君 策定方法は分かったんですけども、もう少し、どうもその検討会の報告書のままではどこまで実効性が、まあメンバーは一緒と言っていただいたんですけれども、どうなのかなというところ、もう少し。委員長、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/395
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396・小林万里子
○政府参考人(小林万里子君) 説明不足しておりまして、申し訳ございません。
その宗教法人審議会で、結局、この質問権行使、報告徴収・質問権行使を諮る、その質問内容ですとか報告徴収する内容というのを審議していただくことになりますので、その審議会で作成した一般的基準というのが、むしろ先生今おっしゃったような実効性という意味では高まるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/396
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397・田村まみ
○田村まみ君 審議をする自分たちでルールを決めて、それを自分たちで使うという意味で合っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/397
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398・小林万里子
○政府参考人(小林万里子君) 基本的には信教の自由について判断する審議会でございますので、その宗教法人に対して不利益といいますか、そういったものを検討するに当たりましてそのメンバーで審議するということでございますので、そこ、何といいますか、同じメンバーで作成した基準というのは確かでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/398
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399・田村まみ
○田村まみ君 自分たちで使うものを自分たちで作るということなので、よく御理解はされていると思うんですけども、外形的に見たときにどう見えるかというところが今この質問の私している意味ですので、もう少し受け止めていただいて、で、私もちょっともう少し整理してまた質問したいというふうに思います。
新法の第十六条から十八条では、七条の一と三項で報告、勧告を受けての虚偽報告や命令違反に対してですね、右下の、そこを、これ刑事罰が科されるということが規定されています。この刑事罰を受けた法人、宗教法人ですね、はこの宗教法人法に基づく解散命令が出される可能性はあるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/399
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400・簗和生
○副大臣(簗和生君) 新法に基づき刑罰が科された場合、宗教法人法八十一条一項一号の法令に違反してに該当し得ると考えられます。
宗教法人の解散命令は裁判所が行うものですが、個別の宗教法人について解散命令請求を検討するに当たっては、所轄庁等において把握した事実関係を踏まえ、宗教法人法に基づき、行為の組織性、悪質性、継続性等をその個別事案に応じて判断していくこととなり、その上で、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる場合には解散命令の要件に該当すると考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/400
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401・田村まみ
○田村まみ君 その先については裁判所も含めてということなんですけれども、これで一定の刑事罰という基準というところにたどり着く新しい法律ができたということは今確認できたんじゃないかなというふうに思います。
今日、文科副大臣に御質問させていただくのはここまでになりますので、委員長、御配慮をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/401
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402・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 簗副大臣、御退室いただいて結構でございます。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/402
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403・田村まみ
○田村まみ君 次に、新法の方に移っていきたいというふうに思います。
この法律について、報道では、河野大臣、被害者救済法案とか救済法案という見出しがいろんな新聞各社で通称として使われているんですよね。私、新聞毎朝見ると大体、目を向けると大体救済法案というふうに見出しになっているんです。この通称で使われていることと、今回の新法の法案名にはこの救済というのは一言も入っていない、入っていないんですよね。
なぜ救済法案という通称での報道になっているかということを、素直に河野大臣に今の受け止めをお伺いしたいなというふうに思いまして、今日御質問に入れされていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/403
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404・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 済みません、さすがに報道機関がどうしてそう呼んでいるかまでは分かりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/404
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405・田村まみ
○田村まみ君 その、今、どうして呼んでいるかというよりかは、その救済法案って呼んでいるんだけども、実際に法律名には一つも入っていないということ、このこととのこの乖離ということをどう受け止めていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/405
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406・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 報道機関が、まあ法案名それなりに長いですから、縮めて呼んでいるんだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/406
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407・田村まみ
○田村まみ君 救済というところで、先ほどもちょっと、私が質問する前に、一般の人たちがどう受け止めているかというのも私は被害を食い止めるという意味では重要だと思っていて話を聞いていっているんですけども、どうも救済というのは、これまでの被害に遭われた方々への金銭的なものを含む救いの手が差し伸べられるんじゃないかというふうに一般の人たちは受け止めているというふうに私は、数の中でいくとそういうふうに受け止めの人が多かったんですね。
名称については報道の自由なんですけれども、制度の実態と報道等によるイメージが乖離してしまうということは、私は余り、今後、救済をしたり、この事態をしっかりと一般の国民の皆さんに理解をしていただいて被害を防止していくということの観点からいけば問題かなというふうに思っていますので、もちろん報道の皆さんがどう報道するかは自由なんですけれども、それも含めてこの審議をしっかりと時間掛けてやることで報道各社の皆さんももう少し実態を報道してもらえるんじゃないかなというふうに感じているところです。
旧統一教会及びその関連団体の活動によってこれまで被害に遭った方、これを機会に被害を受けていることを認識した方、いわゆる宗教二世の方々に対する被害救済については、一部取消し権の行使期間の伸長が措置はされているものの、過去の被害に対して新法の規定を遡って適用するというわけにはいかないというのも、これ答弁でずっと出てきています。
こうしたこれまでに被害に遭われた方々の被害救済については、今回の法案とは別に政府として何か対応として取り組まれるのでしょうか。今の時点での大臣の見解をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/407
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408・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 被害者の救済のため、まずは相談体制の強化等を進めております。関係省庁において総合的な方策を先般取りまとめ、法テラスにおける対応窓口や心理専門職を配置した対応部署の新設などの抜本的な充実強化、これを行うこととしております。また、国民生活センターにおける裁判外紛争解決手続の充実など消費生活相談の強化、さらには、市町村、児童相談所における虐待対応に関するQアンドAの作成など、宗教二世も念頭に置いた救済や支援の充実などの諸施策を盛り込み、関係機関で連携して取り組んでまいります。
また、この改正法案では、霊感等の告知を用いた勧誘に対する取消し権について、現行の取消し権について時効が完成していないものにも適用いたします。また、国民生活センターのADRの機能強化を通じて現在の被害者の救済を図ります。
新法では配慮義務規定を規定をし、過去の被害に直接適用されるわけではありませんが、寄附を勧誘する法人等の行為規範が法律で規定されることにより過去の不法行為の認定にも役立つと考えており、そうしたこともあって現在の被害者救済にも資する、そういうことになるだろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/408
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409・田村まみ
○田村まみ君 時効が来ている、来ていないというところもそうですし、実際に今金銭的なやはり被害というところがどこまでこの法律で回復できるか、そこ大分争点になっているというふうに思いますので、今後もこの、あしたの質疑も含めて、そこについては今日の答弁を受けてもう少し聞いていきたいなというふうに思います。
寄附の取消しに該当する事由について、新法の第四条の第六項並びに消費者契約法の改正法の第四条第三項第六号ですね、では、当該契約が必要不可欠である旨を告げることと規定します。一方で、現行の消費者契約法の第四条の第三項第三号の不安をあおる告知では、物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものが当該願望を実現するために必要である旨を告げることと規定されています。どちらも契約の意思表示の取消しについて規定する条文の中で、既にある消費者契約法の方で必要と規定している条文があるにもかかわらず、今回の改正、作られる条文では必要不可欠と規定するということで、ここの整合性も相当質疑がありました。
これまでの答弁では、必ずしも必要不可欠と告げる必要はないというふうに答弁をされています。告げるか告げないか論争は相当長く行われているんですけれども、この二つの条文を見比べたときに、そもそも不可欠ということが本当に必要なのか、削除できるべきものなんじゃないかというふうに考えるんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/409
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410・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 済みません、ちょっと先ほどの、まず先ほどの答弁で、霊感等の告知を用いた勧誘に対する取消し権について、現行の取消し権について時効が完成していないものにも適用と申し上げましたが、正確には時効期間の伸長でございます。訂正を、おわびして訂正をいたします。
今の御質問でございますが、現行の消費者契約法第四条三項三号の対象は、社会生活上の経験が乏しい消費者が願望の実現に過大な不安を抱いているのを知りながら、実際には合理的な根拠がないのに、進学、就職あるいは容姿、体型等の願望を実現するために契約が必要である旨を告げる行為に対して取消し権を規定をしております。
例えば、体型に不安を抱いている消費者が、例えばこの当該商品に含まれる成分によって痩身効果があるなどとする告知について、本来は合理的な根拠がないのに合理的な根拠があると受け取ってしまうことで、契約の締結に向けた強い働きかけとなって意思表示に瑕疵が生じることを問題としております。つまり、このケースでは、一定の要件の消費者に対する必要である旨の告知そのものが意思表示に瑕疵を生じさせると考えられ、これに取消し権を認めるものでございます。
これに対して、新法四条六号あるいは改正法案における消費者契約法第四条三項六号の対象は霊感等知見を用いた告知であって、そもそも合理的に実証することが困難な知見によるものであることから、それだけで直ちに類型的に意思表示の瑕疵を生じさせるような勧誘行為であるとは言えず、そのような勧誘行為と言えるためには、必要性、切迫性を示すものとして必要不可欠であるということを告げるという要件が必要になるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/410
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411・田村まみ
○田村まみ君 ここ、その必要と必要不可欠の理由というところでいくと、要件の部分と、その商品というか、あるもののその合理的な根拠というところの説明の部分だということの御説明になりました。必要不可欠ということをどういうふうに読み取って今後の被害に対して適用させていくかというのは相当議論になっていたので、私なりに確認をさせていただきました。
次に、新法では配慮義務についての条文が二回出てきています。第三条の寄附の勧誘を行うに当たって法人等に係る配慮義務と、第十二条の法律の運用に当たって行政等に係る配慮義務がそれですが、この二つの配慮義務は同等の強度ということでしょうか。配慮義務というのは努力義務とどう違うんでしょうか。第三条を法的義務としない具体的な理由について消費者庁に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/411
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412・植田広信
○政府参考人(植田広信君) まず、新法の三条でございますけれども、法人等が寄附の勧誘を行うに当たって配慮すべき義務を規定するものである。で、十二条は、行政が本法の運営、運用に当たって配慮しなければならない内容等を規定するものであります。規定の趣旨、性格、性質、対象が異なるものであるため、互いに比較して強度を論じることはできないものと考えております。
一般論といたしまして、努力義務は努めることを求めるものであるのに対し、配慮義務は配慮することを求めるものであるというふうに理解しております。
なお、新法の三条の配慮義務については、衆議院における修正案により、勧告等の行政措置の対象になり得るものとされておるということでございます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/412
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413・田村まみ
○田村まみ君 法人と行政だから比べられないという理解でいいんですか、今のは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/413
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414・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 一律的にはそういうことで、一義的にはそういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/414
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415・田村まみ
○田村まみ君 主語が違ったら、同じ配慮義務でもその意味合いが違ってくるから比べられないと。じゃ、同等でもないし、違うとも言えないということなんですね。
そうすると、政府の方に、参考人にお伺いしたいんですけれども、今回、修正法案出て変わって、前段の方に十分という言葉が付いたと思うんですけれども、これが付くことによっての効果を政府はどう受け止めているか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/415
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416・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 三条に、次に掲げる事項に十分に配慮しなければならないということで、配慮する度合いをより強く配慮するようにという意味で付け加わったものと理解をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/416
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417・田村まみ
○田村まみ君 範囲が広がるというのは、何の、配慮の範囲というのは何の範囲なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/417
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418・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 失礼いたしました。配慮でございます。範囲ではなくて、配慮と申し上げました。失礼いたしました。
法人等の配慮義務への注意を更に促すということで同条の実効性が高まる効果が見込まれるということでございます。失礼しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/418
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419・田村まみ
○田村まみ君 では、逆に、済みません、今、通告していなくて、今答弁でちょっとずっと疑問なので質問しているんですけど、では、後段の方の行政の配慮は十分しなくても、じゃ、配慮されるということなんでしょうか。要は、同じ法律なのにその配慮に十分を付ける付けないとなると、先ほど比べられないとは言われましたけども、ここ、なぜこれ前段の方だけで必要なのかというところが分からなくなったんですけども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/419
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420・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 御指摘の十二条につきましては、既に十分配慮しなければならないというふうになっております。特にこの憲法上の話も書いてありますので、より、普通の配慮よりはより多くその配慮を、より実効的に、実質的な意味での配慮をしっかりしろという趣旨だと認識しておりまして、今回また十分にと前に付いたことが、その当初の案で我々が考えていたその配慮の度合いよりもよりその実効性の高い配慮を、配慮義務をもってしっかりその法律を運用すべしというその修正の趣旨だと理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/420
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421・田村まみ
○田村まみ君 では、最初に想定されていた、今後この法律でのなかなか分かりづらいところについてQアンドAだったり逐条解説とおっしゃっていたところが、もしかしたら、十分が付く前には少し範囲が、配慮の度合いが弱かったものが強い形でできるというふうに期待をしたいというふうに思いますが、そういう解釈のところの中身がはっきり分からないと、やはりこの言葉での十分とか配慮義務というところだけでは一般の人たちのそれぞれ解釈が違うということは政府参考人の皆様も理解して、今後の、この法律がもし可決された場合のとき、現実で使いやすい、使えるものにしていただきたいなというふうに思います。
新法の第六条、報告徴収について、施行に特に必要と認めるときは、その必要の限度において、法人等に対し、寄附の勧誘に関する業務の状況に関し、必要な報告を求めることができると規定されています。どのような場合に報告を求めることができるのかがかなり抽象的な規定になっているというふうに受け止めています。執行の場で萎縮してしまって実効性が損なわれてしまったら、被害者の救済や未然の防止につながらないというふうに考えます。
ここで言う必要の限度、これはどういった内容、程度を示すのか、できる限り具体的に示していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/421
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422・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) まず、ここの、ここで言う特に必要があると認めるときとして求めるのは、例えば、禁止行為が不特定又は多数の者に対して繰り返し組織的に行われており、社会的な影響が大きいと考えられる場合などが想定されます。実際にはこれは、実際に運用する感覚で申し上げれば、単に報告を求めるという、単に報告だけを求めるというよりは、基本的に報告を求める段階では、これは何らかのアクションを取ることをまず想定しながら実際に報告を受け取ることになります。
じゃ、その次のアクションは何かといいますと、そこの勧告、その必要な措置をとるべき旨の勧告ということになります。言わば行政指導のようなものでございますが、そういったものを行うのに必要な限度と。逆に言うと、それを行うのに必要のないところまであれこれあれこれ聞いて、そんな情報を集めて、逆に言うと、そういった法人等の活動を萎縮させることがないようにだという趣旨だと認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/422
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423・田村まみ
○田村まみ君 ありがとうございます。
もう一つ、ちょっと時間がなくなるので、もう一つだけどうしても聞きたいことを聞きます。
新法第七条では、違反に対する措置等として、禁止規定に違反した法人等に対する勧告及び命令について規定がされています。ここで言う当該行為の停止その他の必要な措置には、被害者への返金も含まれると考えられるのでしょうか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/423
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424・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 基本的には、お金のやり取りは民事不介入の原則がありますので、ここの措置でもって、ここの措置は違反をすると最終的にまた、最終的に刑事罰につながるような形になりますので、いきなりここでお金を返せという措置をとるということは考えられないんですけども、例えば返金を促したいということであれば、例えば返金等の窓口をしっかり設置をするようにとか、相談、その返金の、実際にお金を払った人がどこに、じゃ連絡をすれば返金が申し込めるのかということを設置するようにとか、また、その設置したことについてそれを周知するような措置をとれとか、そういったことも考えられるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/424
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425・田村まみ
○田村まみ君 時間になったのでまとめたいと思いますけれども、元々、消費者契約法もそうですけれども、様々なほかの所管する業法の間と間でなかなか取り締まれない消費者と法人等との契約の中でだったり行為の中でのルール決めということなので、どうしても最後は裁判でということで、消費者の皆さんにより分かりやすいことと、明日も御質問させていただきますが、相談体制含めて、その辺を明確にしていくというところを引き続きお願いして、質疑を終わりたいと思います。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/425
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426・山添拓
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
統一協会による加害行為の中核は、正体を隠して勧誘し、知らないうちに教義を教え込み、信者に仕立て上げる、すなわち信教の自由を侵害する点にあります。その下での献金被害の実態からすると、今審議している法人寄附不当勧誘防止法案では不足している点が幾つもあると、衆議院で全国霊感商法対策弁護士連絡会の川井参考人が指摘されました。政府案の時点で見直し規定が入っていたのも、残る課題があることを前提にしたものだと思います。
〔委員長退席、理事石橋通宏君着席〕
大臣に伺います。
現在の法案で、大臣としてはどのような点が不足していると認識されていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/426
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427・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 政府案として最大限努力して法案を作ったわけでございますので、法律が施行された後、その施行状況あるいは社会経済情勢の変化、そうしたものを見極めながら必要な見直しはやってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/427
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428・山添拓
○山添拓君 私は、本法案の現時点の法案に、その実効性に大いに疑問があり、それは看過できないと考えます。
資料をお配りしております。
消費者庁に伺います。
法案四条六号です。ちょっと簡略化しておりますが、法案四条六号は、寄附の勧誘をするに際し、不安をあおり、又は不安に乗じて、寄附が必要不可欠と告げることによって困惑させてはならないという条文です。この四つの要件、大まかに言えば四つの要件ですね、それを全て満たす行為を禁止するものです。寄附を勧誘する側に対する禁止規定として定められています。ですから、寄附を勧誘するその時点で四つの要件全てがそろっていることが必要ということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/428
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429・植田広信
○政府参考人(植田広信君) この要件について、二と三の間、三と四の間に因果関係が必要ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/429
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430・山添拓
○山添拓君 いや、私が伺っているのは、寄附を勧誘する側ですね、法人の側が勧誘する際に四つの要件全てがそろっていることが必要だと、そういう条文ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/430
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431・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 失礼しました。
寄附を勧誘するというのが要件かどうか別でございますが、この四つが必要ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/431
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432・山添拓
○山添拓君 それは、寄附を勧誘する際に、呼びかける際に全ての要件がそろっている必要ありますね。うなずいておられますけど、答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/432
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433・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/433
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434・山添拓
○山添拓君 そうでなければ行為者にとっては何が禁止されているか分からないことになりますから、総理や大臣が明確性が必要と繰り返されているのもこの趣旨であろうと思います。
既に指摘されているように、統一協会による被害では、入信し教義を植え付けられた下での寄附であり、寄附の時点では義務感や使命感に基づいて行われ、困惑していないケースが多くあります。
この場合に取消し権が行使できるかについて総理は、お配りしているように、いわゆるマインドコントロールによる寄附については、多くの場合、不安を抱いていることに乗じて勧誘されたものと言え、新法案による取消し権の対象となると考えられる、寄附当時は自分が困惑しているか判断できない状態にあったとしても、脱会した後に、冷静になって考えると、当時、不安に乗じて困惑して寄附をしたということであれば、そのような主張、立証を行って取消し権を行使することが可能であると述べています。
〔理事石橋通宏君退席、委員長着席〕
これは、事後的に被害者が主張すれば、遡って四条六号の要件を満たして禁止される行為になるという意味なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/434
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435・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 気が付いたとき時点から遡っているという意味ではおっしゃるとおりかもしれないですけれど、その遡った時点で既に困惑をしていたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/435
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436・山添拓
○山添拓君 いやいや、寄附の時点では、本人の自覚としては困惑していないんですよ。午前中の答弁でもありましたが、この困惑というのは内心の問題だと答弁されていましたよね。ですから、寄附の時点では、マインドコントロールされて義務感や使命感でやっていますから、困惑していないわけですよ。それを事後的に冷静になって考えると、当時、不安に乗じて困惑していたというふうに考えた場合にはそういう主張ができると。総理の答弁はそういうものですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/436
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437・植田広信
○政府参考人(植田広信君) その当時困惑していたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/437
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438・山添拓
○山添拓君 その当時困惑していたけれども、しかし、本人の内心としては困惑していないわけですよね。それは、寄附を勧誘する相手にとっても困惑しているようには見えないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/438
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439・植田広信
○政府参考人(植田広信君) そこは、本人の自覚といいますか、そのときに困惑していないと仮に言ったとしても、困惑していた、振り返ってみると困惑していたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/439
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440・山添拓
○山添拓君 しかし、振り返ってみると困惑していたというのは、本人がそのようになるかどうかに懸かっていますね。客観的には困惑していた場合には困惑に当たると、そうおっしゃりたいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/440
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441・植田広信
○政府参考人(植田広信君) そこは、不安をあおられ、又は不安に乗じてそういった状況になっていたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/441
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442・山添拓
○山添拓君 いや、条文はそうじゃないんですよ。不安にあおられ、不安に乗じてなら自動的に困惑には当たらないんですよ。条文は、その下で寄附が必要不可欠と告げられて困惑するかどうかと、そういう条文なんですよね。
ですから、当時、その寄附を求められて、義務感、責任感で自ら進んで寄附を行っていれば、それは困惑していたとは客観的にも言えないんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/442
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443・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 因果関係は二と三の間にありまして、不安をあおり、又は不安に乗じたことの下で寄附が必要不可欠が告げられるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/443
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444・山添拓
○山添拓君 ③と④の間にも因果関係は必要ですね。必要不可欠と告げられて困惑をするということになるはずです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/444
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445・植田広信
○政府参考人(植田広信君) はい。御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/445
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446・山添拓
○山添拓君 いや、ですから、私が伺っているのは、総理の答弁では、その当時は困惑しているか判断できない状態にあったと、しかし、脱会後に冷静になって考えると、当時、不安に乗じて困惑して寄附をしたということであれば、遡って取り消し得るような行為になるんだと、そういう答弁じゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/446
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447・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) この条文は、結局、いずれにせよですね、(発言する者あり)あっ、後からですね、後から、後にどう思って、そのときに困惑していたんだと主張するための条文なので、そのときにどうかということがどうだかというよりも、結局、自分が寄附してしまった行為について、後から遡って、あのときに困惑したと主張できるかどうかに懸かっているということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/447
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448・山添拓
○山添拓君 違うんですよ。この条文は禁止規定なんですよね、してはならないと。してはならない行為は、行為の時点で定まらなければおかしいですよ。後から遡って、あれは困惑していましたと、そういう条文ではおかしいと思うんですよね。
結局、その行為の時点で禁止されるものかどうかというのは、被害者が事後的に寄附当時困惑していたと考えるかどうか、マインドコントロールから抜け出して冷静に考えるかどうか、その被害者の主観に懸かっているというのがこれまでの総理の答弁だと思うんです。
そこで伺いますが、法案の七条は、不特定又は多数の個人に対して四条の規定に違反する行為をしていると認められる場合に行政が勧告できるというものです。被害者がマインドコントロール下にあって、自らは困惑したとは思っていない、あるいは判断できない状態、その段階では四条に違反する事実というのはないですね。困惑がないと。そういう段階では、行政による勧告というのは、これはできないことになるんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/448
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449・植田広信
○政府参考人(植田広信君) そこにつきましては、条文を見ていただきますと、法人等が不特定又は多数の個人に対してということでございますので、その方は困惑していなかった状況であれば、その対象、禁止行為の対象、仮に対象外だとしても、その目が覚めておられて主張されている方がいらっしゃる中で、同じ勧誘行為をしている当該法人についてはということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/449
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450・山添拓
○山添拓君 今答弁にあったように、少なくとも目が覚めて、あれは困惑だったと主張している被害者が少なくとも何人かはいないとこの勧告はできないということになりますよね。
つまり、家族から、本人がマインドコントロールされて被害に遭っている、そういう情報を得たとしても、そういう情報が一つの家族から来たとしても、本人がマインドコントロールから抜け出していないなら、その段階では困惑という要件を満たしていないことになります。禁止される行為はないということになって、四条に違反する行為はないので勧告できないということになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/450
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451・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 七条は不特定多数でございますので、一件であればそこはそういうことかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/451
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452・山添拓
○山添拓君 そもそも一件だとできないという答弁でした。
複数の家族がマインドコントロールされて大変だと、私の家族がマインドコントロールされて多数の献金をさせられている、そういう家族がたくさん出てきたときに、みんながまだマインドコントロールされた状態だったら、これは動くことはできないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/452
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453・植田広信
○政府参考人(植田広信君) そこは、行政庁が見て、何らかの根拠があって、その三条でありますとかそういった問題があるということであれば報告徴収をするということになるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/453
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454・山添拓
○山添拓君 いや、報告徴収をやったとしても、例えば統一協会の側が、困惑させていませんよと、みんな困惑していませんと。今訴えられている被害の中でも、先祖解怨をさせてくださいと信者の側から献金することを申し出て、献金をさせているんですよね。いや、困惑させていませんというふうに、報告を求めて法人側から言われてしまったら、その先の勧告には進めないということになってしまいませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/454
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455・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) それは、法人の言うことだけを聞いて全部決めるわけではないので、全体の状況をよく調べた上で総合的に判断していくということだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/455
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456・山添拓
○山添拓君 しかし、四条の規定に違反する行為をしていると認められる場合に勧告ができるわけですね。みんなが困惑していない状態、あるいはマインドコントロールから脱していない状態、そういうときが行政が介入する一番求められる場面だと思うんですけれども、必ずしもそのときに介入できないということになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/456
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457・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 実質的には、やはりこれ、事後的に情報を集めてから動くということにはなろうかと思います。実際にその勧誘している瞬間に我々が察知していくということは不可能ですので、そういう意味では、そこに行けないのかと言われれば、それは限界があります。
そういった意味で、しっかり相談の情報を集めた上で、いろいろ事情聴取して集めた上でしっかり対応していくということだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/457
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458・山添拓
○山添拓君 私は、この法案は、取消し権に加えて禁止行為とすることで行政措置や刑事罰の対象としていく、実効性確保のために肝になる点だと思うんですね。
ところが、今の話では、統一協会による最も典型的な被害であるマインドコントロール下での被害が続いている場合に、多くの信者がマインドコントロールから脱していないという状態では、この条文だと行政が介入できないおそれがあるんじゃないかと思います。
今の答弁でも、実際には事後的なものだというお話でした。それでは本当に実効性があるのかという疑念が生じます。
総理の答弁について更に伺います。
答弁戻っていただきますが、寄附当時は自分が困惑しているか判断できない状態であったとしても、脱会した後に、冷静になって考えると、当時、不安に乗じて困惑して寄附をしたということであれば、そのような主張、立証を行って取消し権を行使することが可能であると考えられますという答弁です。
確認ですが、寄附当時は困惑しているという自覚がなく、その後も脱会せず、マインドコントロールから抜け出していない状況では取消し権は行使できないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/458
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459・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) この一連の議論の中ではっきりしてきたことについて申し上げれば、困惑という状況がやはり何となく二種類あると。自ら、例えば、もう少し別の事例でいいますと、本当は帰ってほしいのに帰ってくれないような状況なにかは、内心では帰ってくれといいながら、無理やりサインをしてしまったということで、困惑して無理やりサインさせられたことは本人が自覚している状況と、いわゆるマインドコントロール下によって困惑していること自体に気付いていないという困惑もあり得るということで、そういった場合についても、後から、総理の答弁でいえば、そういったことで、そのときに考えれば、自分が自覚できないほど困惑していたということが立証できれば、その取消し権を行使することが可能であるという答弁の趣旨だと理解しています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/459
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460・山添拓
○山添拓君 それは、つまり今おっしゃった後段の方ですね。マインドコントロールされて困惑しているかどうか判断できない状態では取消し権の行使はできないと。事後的に、ああ、あのとき自分は困惑していたんだということを自覚して初めて取消し権の行使が可能になると、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/460
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461・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 極端な話を申し上げてしまえば、そのマインドコントロールから覚めないまま一生ハッピーでいってしまえば、それはそもそも取り消そうという気にもならないので、まさにおっしゃるように、それは取消し自体が起きないということだと思います。
ですから、やはり、この取消し権を行使しようと思えば、やはり本人が、ああ、あのときは困惑していたというふうに思っていただく必要があろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/461
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462・山添拓
○山添拓君 そこで、もう一点伺いたいんですが、今おっしゃったように、被害者自身がマインドコントロール下で困惑しているか判断できない状態では、その時点では取消し権を行使できない。行使する意思もないかもしれませんが、行使できないというよりも、この四条六号に基づくその要件を満たさないので取消し権が存在しないと、困惑していませんから取消し権が存在していないということになると思うんですね。この場合に、被害者の家族は債権者代位権の行使はできるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/462
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463・植田広信
○政府参考人(植田広信君) そこは、本人の自覚にかかわらず、もし家族が、親、その親が困惑しているということを立証できれば取消し権は生じているということかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/463
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464・山添拓
○山添拓君 いや、それはおかしいですよ。先ほどはそうはおっしゃらなかったんですよ。本人の取消し権がないと、本人は取消ししないだろうし、ない、できないと、困惑の要件を満たさないので。で、マインドコントロールから脱した後にあのとき困惑していたと振り返り、できるようになるんだと、それが総理の答弁ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/464
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465・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 先ほど申し上げましたのは、その時点で既に困惑をしているということで、本人が気付いていないというふうに申し上げました。そのときに、困惑しているという時点で取消し権はあるわけですけれども、そこの立証が困難だということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/465
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466・山添拓
○山添拓君 次長からも答弁ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/466
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467・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) なかなか難しいと思いますが、例えば家族の場合ですけども、家族が、本人も自覚していないような、自分の親がですね、本人も自覚していないような困惑に陥っているということを仮に主張して、それが立証できれば理論上はその代位権が行使できるということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/467
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468・山添拓
○山添拓君 ということは、今、次長もおっしゃったように、なかなか難しいということですよね。
本人が困惑し、いや、客観的には困惑しているけれども、困惑しているかどうかは判断が付かない、マインドコントロールの状態にある、そのことを家族が本人に代わって立証する。本人はまだ抜け出していない状態ですから、取消し権行使はおよそ期待できない。だからこそ、債権者代位という、代わって行使しようという仕組みが考えられたんだと思うんですが、次長がおっしゃったように、この債権者代位権の行使が一番活用が求められる、本人がマインドコントロールされているその状態で使うことがなかなか難しいというのは、これは実効性の点では極めて疑問があるんじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/468
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469・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) そこの部分は、債権者代位権の行使にかかわらず、そもそもここの条文に信教の自由に十分配慮しなければならないとか、議論の中で財産権の侵害に気を付けなきゃならないというような議論もあるように、そもそもマインドコントロールという言葉自体の定義も難しいということもありますし、通常のその信教活動に支障を来さないその勧誘と悪質な勧誘をどこで区別付けるかということもありまして、この法律を実際に使ったからといって、何といいますか、実際にその方がマインドコントロールに覚めたか覚めていないとか、実際にマインドコントロールにあるのかということについて、それを実際に立証することは難しいということは率直に申し上げておく必要があると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/469
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470・山添拓
○山添拓君 いや、ですから、私は、何だかこの法案を作ったことで、困惑していたこともマインドコントロール下では容易に認められるかのような答弁がされたり、多くの被害が救済されるかのように言われたり、あるいは不十分な点はないと、とにかく今後の社会情勢を見守ってという最初の大臣の答弁にもありましたが、今一番問われている統一協会による被害の救済に正面から本当に向き合うものになっているのかということをやっぱり問われると思うんですよ。
で、現実はどうなのかといえば、統一協会などの宗教二世でつくる宗教二世問題ネットワーク、最近設立されましたが、会見が行われました。今度の法案が献金被害の実態に即していないという主張が様々されています。先月末から緊急に行われたアンケートの結果が紹介されていますが、親は統一協会への返金請求やそのための訴訟に積極的かという問いに対して、積極的だと答えたのは四・七%にすぎませんでした。
ですから、親が統一協会に返金を求めない、その際、家族にとって取り得る手段として債権者代位だという説明がされてきているわけですが、親がマインドコントロールされていて、親自身は取消し権を行使しない。というか、法的には取消し権は発生していないように見えるわけですね、困惑していないように見えますから。それを親も証明しようとしない、証明できない、主張もできない、そのときに代わりに家族が主張を立証していくというのは、これは極めて困難な道になるんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/470
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471・植田広信
○政府参考人(植田広信君) おっしゃったとおり、一件一件であればそうなんですけれども、今回の新法の重要な点は行政措置が入っているところでございまして、仮にその方は目が覚めていないという場合はありますけれども、統一教会のように大勢の方が目が覚めて被害を訴えられておる、同じ手口でうちの親もやられているといったときに、まあいろんな手段があると思いますけれども、そういったことで、仮に行政処分がされるようであればお母さんを説得する材料にもなりますし、そういったことで、また仮に裁判、この当時困惑がしていたということを本人が認めない中でも主張して立証することが可能になるかもしれないと、そういった、はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/471
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472・山添拓
○山添拓君 いや、私は、その答弁では十分救済し得るとはとても受け止められないです。だって、現に今統一協会が行っている献金というのは、多くの信者に対して自発的に献金をさせているんですよね。そういうやり取りの、LINEなどのやり取りで、信者の側から先祖解怨をさせてくださいと、それに対してここにいつまでに振り込みなさいと、そういうことが行われているわけです。
ですから、困惑などないと統一協会の側が主張すれば、行政的な措置をとるに当たっても、何で違反行為がないのに勧告を受けなくちゃいけないんだという反論が容易に想定されるんじゃないかと思うんです。
大臣に伺いますが、被害者がマインドコントロールされている場合に、行政による勧告ができないのではないかと、あるいは債権者代位権の行使ができないのではないか、あるいは困難なのではないかという二つの点を指摘しました。これいずれも、マインドコントロールされて困惑せずに行った、本人の主観ではですね、少なくとも主観的には困惑せずに行った寄附が、事後的に寄附当時困惑していたと考えた場合には遡って取消し権の対象となる、そういう総理や大臣の答弁が、これが私は混乱のもとだと思うんですよ。法案の条文上は読めないようなことをこれまで言われています。困惑という要件は、勧誘をするその際になければならないのに、後から遡って困惑と認めればいいんだというような答弁をされてきたと。法案からはそう読めないですね。
ですから私は、やはり法案の修正か、あるいはこういう答弁の修正か、いずれかを行わなければ、マインドコントロール下での献金という被害の救済が最も必要な場面で十分機能し得ない法案になってしまうんじゃないかと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/472
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473・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 全く新しい教団が統一教会と同じようなことをやって、多くの方が困惑したままそれに気付いていないという状況であるならばそうなのかもしれませんが、もう既にこの統一教会の場合には、多くの方がこのマインドコントロールから脱して、困惑に気が付いて様々な対応をされております。これだけの不法行為という認定もあるわけでございますから。
政府として、財産権の問題あるいは信教の自由というような問題に十分配慮しながらこの法案を作ったわけでございますので、今の統一教会の問題については、この法案が成立した暁にはしっかりと現場で対応をし、様々な被害者の方々に十分な支援をすることで、後から困惑に気付いた、そして取消し権を行使をする、そういう方が増えてくれば、より多くの方がそれに気付いて、自分も困惑していたんだと言うことができるだろうと思いますし、家族の方が、家族がまだ信者ではあるけども、これは当然に困惑をして行った寄附であって、代位権を行使する、そういうことがこれは十分にでき得るんだろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/473
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474・山添拓
○山添拓君 統一協会だって、解散命令が出されるということになれば、そのまま存在することが難しくなり、別法人つくるかと、そういうことも懸念されると思うんですね。そういうときに果たして実効性あるものになるかということを問うているわけです。
もちろん、裁判を闘っていく上で、様々に法の趣旨を読み込んで解釈を求めていく、こういう場合も困惑と言えるんじゃないかと、そういう活用をしていくことはあり得ると思うんです。私もそれ期待したいと思います。しかし、ここは立法の場です。今、法案審議を通じて、より実効性のあるものに、誰が見ても統一協会によるこういう被害に対して使えるものと言えるように、困惑があったかなかったかということを、事後的に気付いたか気付いていなかったか、そういう議論をする必要のない条文にしていく、条文上読めないことを読めるかのように言うのではなく、そういう審議をして、条文そのものを変えていくということが必要だと思います。そういう努力を更に進めることができるはずだと思うんですね。
しかし、条文上はなかなか読めないことを読めるかのように言い張って、あたかも広く救済されるかのように主張されるのは、これは過度な期待を生じさせて、結局被害者を落胆させることになりかねないと私は思います。
次の点に行きたいと思います。入信から寄附の勧誘までタイムラグが長期にわたる場合について伺います。
法案の四条六号は、寄附の勧誘をするに際しという条文です。際しというのは、普通はそれほど長い時間を意味するとは読めないですが、これは何年ぐらいまで含むんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/474
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475・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 特に何年といった基準はございません。一連の、最初に勧誘する者がその勧誘、寄附者に接してから寄附するまでの間の時間を指しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/475
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476・山添拓
○山添拓君 今答弁されたのは、消費者契約法の逐条解説での際しの解釈かと思います。
統一協会は、入信させる当初の段階では、必ずしも寄附が必要不可欠と告げるわけではありません。数か月から数年掛けて伝道、教化し、信仰を利用して献金をさせます。
総理は、入信前後から寄附までが一連の寄附勧誘であると判断できる場合には取消し権の対象になると、こう答弁されていますが、当初の段階ですね、最初の接触、その段階で献金のことを全く触れていなくても、事後的に見て一連の寄附勧誘と、禁止される寄附勧誘ということになるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/476
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477・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 今委員の御指摘のように、勧誘と言える場合もあり得るということだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/477
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478・山添拓
○山添拓君 条文の普通の読み方ではそうはならないと思います。寄附の勧誘をするに際し、不安をあおり、不安に乗じて必要不可欠と告知し、困惑させたですから、すごく長いタイムラグ、スパンがある場合にそこまで読み込むのはなかなか無理があるんじゃないかと思うんです。
例えば、全国弁連の声明では、寄附の勧誘をするに際しという文言を、この六号の場合については注釈を付ける、その活動資金が寄附によって賄われている団体の場合には、当該団体の構成員になることを勧誘した際の言動も含めて同号への該当性を判断するものとする、そういう条文にすることを提案されています。これなら明確だと思うんですね。最初の段階から禁止行為に当たり得ますよということが明確になると思うんです。統一協会側の言い逃れを許しかねない条文のままにするべきではないと思うんです。
こういう、私から見れば無理が、解釈上の無理が法案の段階から、審議の段階から既にたくさん生じているのは、この法案が消費者契約法の困惑類型を借用するものだからです。
全国弁連が声明で述べているように、消費者契約法で想定しているのは、専ら一回的、単発的な取引です。しかし、統一協会における献金は、正体を隠して数か月から数年、長い期間を掛けて伝道、教化し、そうして持たせた信仰を利用することで、入信から何十年も経過した後まで継続的に献金をさせます。伝道、教化の際の言動が、あるときから遡って寄附の勧誘をする際にという文言で読めるかと言われれば、それはなかなか普通の条文の読み方としては無理があると思うんですね。
大臣に伺いますが、そもそも、なぜ困惑したと、そういう規制の在り方にこだわったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/478
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479・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 意思表示の取消しをするわけですから、その時点に困惑をした、つまり意思表示に瑕疵があったので取り消すということで、困惑していることが必要になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/479
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480・山添拓
○山添拓君 衆議院で宮下参考人からも指摘があったように、霊感商法の対策検討会は、いわゆる付け込み型の不当勧誘に対する取消し権が必要、霊感商法等に対応できるものとして法制化に向けた検討を急いで行うべきとしていました。
本来、困惑類型とは異なる救済のための法制度を検討していたんじゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/480
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481・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) この統一教会の議論が出る前から、そもそも、消費者契約法について、その前回改正したときの附帯決議に従いましてその消費者契約法の在り方については議論していたところでございます。
今回、この新たに消費者契約法を改正する六号の部分について、乗じと、不安を知りながらそれに乗じという部分については、ある種、この霊感のマインドコントロール的な勧誘については、いわゆる付け込み型について、ある程度その議論を反映できているんではないかというふうに認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/481
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482・山添拓
○山添拓君 しかし、困惑は残したわけです。
二〇一四年に日弁連の消費者契約法改正試案が出された際にも、いわゆる付け込み型不当勧誘、そういう類型として既に条文の形で提案されていました。
本来あるべき規制があるなら、この法案でマインドコントロール下での被害をほとんど救済できるかのように、そういう答弁はされない方がよいと思います。もっとあるべき規制の在り方というのは探求し得るんだと思うんですね、これまでにも積み重ねがあるわけですから。そして、本来はこの法案の審議を徹底させて、必要な法規制に変えていくべきだと思います。
法案の三条、配慮義務について伺います。
衆議院における修正で、十分に配慮しなければならないという条文になりました。衆議院の法制局に伺いますと、十分に配慮という文言がある法律は、ほかに十あるそうです。しかし、よく聞きますと、秘密保護法、組織犯罪処罰法、国民保護法など、国や地方公共団体など行政が国民の基本的人権を制限するおそれのある場面で十分に配慮するよう求めると、そういうものばかりで、権力と国民との関係ではなく私人間の契約関係での法律ではないわけです。
先ほど田村議員との質疑でありましたが、この法案の十二条も、国が権力行使をするに当たって十分に配慮せよと、そういう条文ですよね。
消費者庁に伺いますが、この法案の十分に配慮という文言は、これまでの使われ方とは違うと思います。この修正によって裁判所がその効果をどう考慮するかについて、現時点で何か言えることありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/482
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483・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 確かに前例はないのかもしれませんけども、実際の趣旨は立法、修正された方に、提案者にお尋ねいただきたいところでございますが、十分配慮と定められることによりまして配慮義務規定の実効性が更に高まることが、この原案を作成をいたしました我々としては期待されると考えておりますので、そういった修正を踏まえた運用を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/483
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484・山添拓
○山添拓君 裁判で損害賠償請求をしたときにこの配慮義務違反が考慮されるという答弁をされてきていますので、しかし、裁判上この文言がどれだけ意味を持つかということは、今の時点では分からないですよね。
例えば、労働法で言う安全配慮義務というのは、職場でけがをしたり病気を負ったりした労働者が裁判を通じて使用者の責任を認めさせる、その闘いの中で判例上確立してきたものです。使用者には、労働者が安全に仕事ができるよう環境を整える、そういう契約上の義務があるという考え方で、こういうときの配慮義務というのは極めて重いものです。
しかし、法律で罰則を付けない代わりに実効性があるように見せるために使われる配慮義務というのは、あくまで配慮を求めるというものにすぎません。まさに罰則がない、罰則による強制力がないことに意味があります。ですから、同じ配慮義務という言葉でも意味合いは全く違うと思うんですね。しかも、統一協会側からすれば、十分に配慮しましたと言いさえすれば義務を果たしたことになってしまいかねません。
この配慮義務規定について、総理は、民法上の不法行為の認定、それに基づく損害賠償請求を容易にする効果が高いと答弁してきました。そういう場合もあるかとは思います。しかし、取消し権とはやっぱり違いがあると思います。
不法行為責任に基づく損害賠償請求では、違法性だけではなく、故意や過失、因果関係、損害の主張、立証が必要になります。当然、反論もされるでしょう。
配慮義務違反を主張、立証できたとしても、それだけで献金した分が戻ってくるとは限らないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/484
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485・植田広信
○政府参考人(植田広信君) 第三条に掲げている事項につきましては、これまで統一教会を訴えた判決、判例、裁判などで不法行為として認められてきておるものでございますので、そうしたことを参考に今回規定しているということ。そうしたこと、何を立証すれば不法行為が認められるのかということの手掛かりになるものということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/485
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486・山添拓
○山添拓君 いや、私が伺っているのは損害賠償請求ですから、不法行為だと違法性が認められただけでは献金した分が戻ってくるわけではないですよねということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/486
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487・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) はい、それは、状況によってそういうこともあり得ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/487
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488・山添拓
○山添拓君 取消し権よりハードルがあるわけです。やはり私は、これは禁止規定とし、取消し権の対象とするべきだと思います。
総理は、昨日の答弁で、禁止行為は行為の規制、配慮義務は結果としての個人の状態を規定する、だから、より広い行為を捉えることができる、こういう答弁をしました。
そういう規定が作られることを否定はいたしません。しかし、統一協会の場合には、例えば正体を隠して接近する、使途を誤認させる、こういう行為によって被害を生じるという事実が現に存在しているわけです。ですから、その被害に見合った行為規制、やっぱり必要なんじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/488
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489・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 時間がない中でこういう事例を持ち出すのはちょっと恐縮なんですけども、ちょっと別の例えでいいますと、例えば交通安全に配慮義務という話と、じゃ、それを実際に交通安全を配慮しないことを禁じるというのではなかなか難しいと。
じゃ、実際に交通安全を配慮するのに担保させるような禁止行為というのは、速度違反とか信号を守れとか、そういったことで実際には規制しておりまして、今回の、ちょっとその例えがそのまま当てはまるかどうかは分かりませんけども、配慮義務と禁止行為の関係というのは、今言ったような、どちらかというとアウトカム的なところに配慮しろといったことで、じゃ、それを達成するためには余りにもその具体的な行為がありますので、むしろそれを個別に禁止し始めると、それを一々全部書き出さなきゃいけなくなりまして、そちらの方がかえって条件が狭まると。むしろ、一つ一つの取消し権を証明するよりは一連の行為として配慮義務違反とした方が裁判実務では使い勝手がいいということもあり、今回、配慮義務ということについて判例を踏まえて導入しているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/489
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490・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/490
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491・山添拓
○山添拓君 それを裁判の実務者が、裁判実務に当たっている弁護士の皆さんが、それでは使い勝手が悪いと、より対応必要だということを、意見を述べているんですから、現場の意見をもっと取り入れるべきだと思います。
まだまだ引き続き審議が必要だと思います。そのことを述べて、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/491
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492・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/492
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493・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 速記を起こしてください。
これより、消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案及び法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、中央大学大学院法務研究科教授宮下修一さん、公益社団法人全国消費生活相談員協会理事長増田悦子さん、旧統一教会元2世信者小川さゆりさん及び全国霊感商法対策弁護士連絡会・弁護士阿部克臣さんでございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多用のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、宮下参考人、増田参考人、小川参考人、阿部参考人の順にお一人十分以内で御意見を述べていただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず宮下参考人からお願いをいたします。宮下参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/493
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494・宮下修一
○参考人(宮下修一君) ただいま御紹介にあずかりました中央大学大学院法務研究科の宮下と申します。
大学では民法と消費者法の授業を担当しております。また、先般、消費者庁で開催された霊感商法等の悪質商法への対策検討会では座長代理を拝命しておりました。
本日は、先日の衆議院に引き続き、参議院でもこのように発言の機会を与えていただきましたことに御礼申し上げます。
それでは、現在、当委員会において審議されている消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案及び法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案に関して私の意見を申し上げます。
まずもって、先般の検討会での議論の結果を受け止めていただき、国会においてこのような形で法案の成立へ向けて真摯な審議を進めていただいていることについて、心から感謝申し上げます。
まず、消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案についてでございます。
本法律案のうち消費者契約法の改正案については、現行の消費者契約法四条三項六号、本年改正された法律が施行された後は八号となりますが、この適用範囲につき、一つ目に、当該消費者だけではなく親族の生命、身体、財産その他の重要事項、二つ目に、将来生じる可能性があるものだけではなく現在生じている重大な不利益、三つ目に、将来の不安をあおるだけではなく現在不安を抱いていることに乗じた状況にまで拡大した点は、被害者救済の観点から前進したと評価すべきであると考えております。とりわけ、乗じたという、いわゆる相手の現在の状況に付け込んだ形での勧誘を対象とした点は高く評価できます。
さらに、取消し権の行使期間の伸長につき、短期はもとより長期の行使期間を伸長したこと、また、二〇一八年の改正法が施行された後の部分に遡る形で網を広げた点は、被害者救済の観点からやはり評価すべきです。
もっとも、国会における審議の中では、例えば、契約の締結を必要不可欠とするという要件があることで適用範囲が狭められるのではないかという危惧も示されております。この点を含めて、被害者救済の対象を狭めることがないように、消費者庁が公表している消費者契約法の逐条解説においてその内容を丁寧に解説をするとともに、周知徹底することが必要であると思います。
また、資料として配付させていただいた霊感商法等の悪質商法への対策検討会報告書の六ページにある、いわゆる付け込み型の不当勧誘に関する取消し権の法制化については、幅広い被害者救済の観点から何としても実現する必要があると存じます。
もっとも、こちらは、二〇一六年、二〇一八年、二〇二二年の消費者契約法改正においても議論がなかなかまとまらなかったところですので、十分に時間を掛けて議論をしていく必要があります。逆に言えば、時間が掛かる可能性が高いとも言えますので、早急に検討を開始することが望まれます。
また、国民生活センター法の改正については、重要消費者紛争解決手続、ADRの迅速化、事業者名の公表、適格消費者団体への支援は、被害者救済の観点からいずれも重要であり、早期の実現が期待されるところです。
次に、法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案についてです。
こちらも、契約だけではなく単独行為も対象としたこと、寄附者への配慮義務の新設、禁止行為、すなわち不当勧誘行為の明確化と取消し権の新設、借入れ等による資金調達の要求の禁止、債権者代位権の行使の特例の新設、いずれも被害者救済の観点から一歩前進と評価すべきです。
さらに、昨日、衆議院で可決された修正案についても一定の評価が与えられるべきです。
まず、三条の配慮義務を十分に配慮しなければならないと修正した点は、配慮義務の程度を一段高めて厳格にしたものとして評価すべきです。また、三条の配慮義務を、第一章総則から、表題を寄附の不当な勧誘の防止と変更した第二章に移動し、第一節配慮義務として独立した形に修正した点は、一般的な配慮にとどまらず、寄附の不当な勧誘の防止に必要なものとして禁止行為と並んで明確に位置付けたことにより、配慮義務の程度を一段高めて厳格にしたものとして評価すべきだと考えます。
これに加えて、六条一項の配慮義務の遵守に係る勧告と、三項のそれに必要な報告の求め、さらに、二項の勧告に従わない場合の公表に関する規定の新設も、行政措置の強化により遵守義務の実効性を高めるものとして評価すべきです。
ただ、債権者代位権など、本法には一般の方々にとってなじみが余りない法制度も含まれております。この法律を活用するためには、一般の方々に向けてその内容を分かりやすく伝えるとともに、丁寧に説明をし、また啓発をしていくことが必要です。
ところで、被害救済に向けた法制度の整備については、検討会においても忌憚のない意見がございましたし、今回の法律についてもいろいろと御意見があることは承知しております。しかしながら、これまで何もなかったところに立法という形でまずは道を切り開く、そして、この切り開いた道に実際の運用という形でまずは一歩踏み出すことが大事です。
もっとも、道はできればそれでよいというものではありません。実際にでき上がった道を進んでいけば、様々な課題に直面することになると思います。そこで、今後は、制定された法律の具体的な運用状況を踏まえた上で、必要に応じて見直しを検討していくことが求められます。その意味で、昨日可決された衆議院修正案の附則五条において検討の期間が三年から二年をめどに短縮されたことは、迅速な被害者救済へ向けた対応を可能にするものとして高く評価するものです。
今回の法案が速やかに可決、成立し、被害者救済の新たな道が切り開かれ、そして、それがますます充実して大きな道となっていくための大きな第一歩を踏み出せるようになることを心から念じまして、私の意見とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/494
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495・松沢成文
○委員長(松沢成文君) ありがとうございました。
それでは次に、増田参考人からお願いいたします。増田参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/495
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496・増田悦子
○参考人(増田悦子君) 公益社団法人全国消費生活相談員協会の増田でございます。
この度は、発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
本協会は、全国の消費生活センターに勤務する消費生活相談員を主な構成員とする公益社団法人です。本日は、消費生活相談員の立場で意見を述べさせていただきます。
初めに、この度の消費者契約法の改正についてですが、現行四条三項六号が拡大され、対象範囲が広がることで被害救済に資するものと思います。現行の逐条解説においても、例えば家族の死亡や病気であっても、当該消費者に重大な不利益を与える事態に該当し得ると解説されていますが、法律に明記されたことで活用しやすくなると考えます。
しかし、元々活用が難しい規定ですので、逐条解説を更に充実していただき、消費生活相談において広く活用できるようにしていただくようお願いいたします。
また、取消し権の行使期間を伸ばすことについても、被害に気が付くまでに時間の掛かることが多くあるため、大変有効なものと思います。
しかし、この度の期間伸長は、霊感等による告知によるものが対象です。被害に気が付くまでに時間が掛かるのは、実は霊感商法だけではありません。知識、経験が少ない若年者は、精神的にもセンシティブで悩みを抱えていることが多くありますので、それに付け込む悪質な勧誘によって精神修養講座やマルチ取引などに引き込まれ、ある種マインドコントロールされてしまうケースがあります。
高齢者においても、話し相手や相談相手がいない、情報収集が困難などの環境に置かれ、付け込まれることがあり、孤立している場合、被害の発見が遅れます。このようなケースでは早期に本人から相談が寄せられることは期待できず、相当程度時間が経過してからやっと相談してきたり、高齢者の周りの方が気が付いて相談してくるということになります。当事者が気が付いたときには既に時間が経過していることから、諦めるということも多いのではないかと思われます。
マルチ取引、精神修養講座、占いサイトなどの相談においては、やめさせたいという親や友人からの相談を受けることがあります。当事者にどのような情報を提供するか、どのように問題点を伝えるかということを家族等に助言をしますが、家族にとっては大変難しく、その後何度も連絡が来ることがあります。当事者に消費生活センターに来てもらうことに時間が掛かり、やっと来てもらっても、その取引の問題点を説明して、解約の意思表示をするまでには更に時間も労力も掛かります。
消費者契約法の今後の課題として、いわゆる付け込み型の不当な勧誘があった場合の取消し権の導入、マインドコントロール下にあって合理的な判断ができない状況での契約を取り消すことができる制度としていただくこと、そして、霊感商法以外の取引においても取消し権の行使期間を伸長していただきたいと思っています。
次に、国民生活センター法の改正についてです。
国民生活センターのADR、紛争解決委員会は、消費生活センターにおいてあっせんをしても解決が困難である事案が多く寄せられています。紛争解決委員会では、申請人から丁寧な聞き取りや事案の整理を事務局でしていただき、委員会では、弁護士の先生の法的整理と、消費生活相談員とともに説明することの相乗効果によって、事業者の方にも理解していただきやすいと実感してきました。
法改正によって紛争解決委員会が強化されることは、消費生活相談員、一般の消費者にとって大変有益であると考えます。また、国民生活センターによる事業者名公表は、私たち消費生活相談員と非常に近い問題意識での速やかな公表となるのではないかと期待しています。そして、法律に明記されることで事業者に対しても説明しやすくなるのではないかと思います。適格消費者団体へのADR情報の提供も大変有益であると考えています。
法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案についてですが、非常に短期間に作成され、大変な御尽力であったと思います。新法ができたことは、今までよりも救済の幅が広がるスタートとして期待しています。そして、真に救済ができるかどうか課題があるという指摘がありますので、運用状況を見ながら、速やかな見直しを検討していただくことが必要だと考えます。
消費生活相談体制の充実についてです。
消費生活センターでは、寄せられた相談に対して、できるだけの助言、情報提供を行い、必要に応じてあっせん交渉をすることが基本です。これまで、相手方が宗教法人であっても、宗教に関連して商品や役務の取引をしたという場合は消費生活相談としても対応し、その取引に不当な勧誘等があれば、必要に応じてあっせん交渉を行ってまいりました。
しかし、寄附やお布施についての対応は困難でした。当事者が寄附、お布施という認識で金銭を渡している場合に、当事者から相談が来るということはほとんどありません。当事者がマインドコントロールされていたり信用してしまって合理的な判断ができなくなっているような場合、親族等が相談してくるケースでは、助言、情報提供にとどまります。消費生活相談だけでなく、一般の方や事業者、宗教法人においても、寄附やお布施が取消しの対象となったり無効になり得るという理解はされていなかったのではないでしょうか。
今後は、寄附、お布施の見解を広く周知していただく必要があります。それによって寄附、お布施に関する相談が寄せられるようになり、新法によって当事者でなくても子や配偶者に生じた被害の救済が一定程度可能となることを伝えることができます。
それらは恐らく大変困難な事案ですので、消費生活センターで解決できないことが多いと思いますが、相談を整理して問題点を明確にし、適切な相談窓口を案内することができます。消費生活相談員が対応することで、自分の落ち度ではないこと、自分だけの問題ではないことが分かり、心の整理が付きます。そして、相談員の助言によって次のステップに進むことができると考えています。被害に加えて、精神不安定になったり体調不良に追い込まれることがないようにする必要があります。
社会の変化に伴って消費生活相談も変化します。今回、寄附、お布施についての整理をしていただきましたので、消費生活相談において、消費者問題としてしっかり受け止め、できる限りのことを行うことが求められています。
しかし、現状では、消費生活相談員は、これらの相談にどうすれば適切な対応ができるのか不安に思っていると思います。今回の消費者契約法の改正、新法について十分な研修をしていただくこと、法テラス、弁護士会、精神福祉関係との強い連携が必要です。これまで、精神的、福祉的な支援をすることは難しかったと思いますが、今では、オンラインゲームやギャンブル等、依存症の問題においても非常に重要です。これらの連携がなければ、消費生活相談員は安心して相談を受けることができません。是非具体的に連携強化していただくようお願いします。
最後に、消費者啓発、消費者教育についてです。
被害に遭っている人が被害であることを認識しないと表面化しにくいと考えられますので、法律の内容を一般市民に向けて丁寧に説明、啓発すること、更なる消費生活センターの周知をお願いいたします。そして、全ての年代に対しての消費者教育、情報提供が何より重要だと思います。誰もが脆弱になる可能性があり、マインドコントロールされることがあり得ることを知ってもらいたいと思います。そのために教材作成や講座を展開していただくようお願いいたします。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/496
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497・松沢成文
○委員長(松沢成文君) ありがとうございました。
次に、小川参考人にお願いいたします。小川参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/497
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498・小川さゆり
○参考人(小川さゆり君) 旧統一教会の元二世信者の小川さゆりと申します。本日はよろしくお願いいたします。
まだ幼い子供と家庭がありますので、小川さゆりという名前が実名ではないことをお許しください。
今回、短期間で新法を作り上げてくださった政府、与野党、官僚の皆様に心から感謝いたします。
まずは、恐縮ですが、私のことについてお話しさせていただきたく思います。
私の両親は、二十歳前後の頃、旧統一教会に入信し、合同結婚式で結婚しました。父は元教会長、母は政治面でも教会から出馬した議員の選挙活動を手伝ったり、ウグイス嬢をしたりと、双方がとても熱心な信者でした。私はそこから生まれた二世信者で、現在は脱会しております。
次に、両親が信者であったために私が受けてきた被害についてお話しいたします。
幼少期から学生時代にかけて貧しい暮らしを強いられ、親戚からのお小遣い、お年玉はもらっても没収され、親からも当然ありませんでした。誕生日、クリスマスプレゼント、小学校の卒業アルバムなどはお金がないため買ってもらえませんでした。服はお下がりで、美容院等へは行かせてもらえず、小学校一年生の頃から見た目の貧しさからいじめに遭いました。二十歳の成人式に至っては、興味がないと言われ、してもらえませんでした。両親が親戚中を勧誘したり、お金を要求したり、そのことで怒られているところも見てきました。また、高校生から始めた五年間のアルバイト代、約二百万円ほどの給与も没収し、一度も返ってきませんでした。このような生活状況にもかかわらず、両親は私たち兄弟に一切相談なく教会への高額な献金を繰り返してきました。
そういった献金につながる教育は、幼少期から強制的に行われていきます。献金の歌を毎週歌わされました。感謝の献金、神の国を建てるため、真心込めてささげますという歌詞が入っていました。意味も分からず毎週その歌を歌って、献金箱に百円を入れていました。また、私がお配りした資料の一のレジュメの写真にあるとおり、礼拝では、サタンや天国、地獄を使って脅す教育を受けます。
私は、十八歳の頃、統一教会の公職者からセクハラを受け、その理由はあなたに悪霊がついているからだと言われて、韓国の清平へ除霊をしに行きますが、そこで精神崩壊する信者さんたちを複数見て、自分も精神が崩壊して、精神疾患を負い、精神病棟に入院しました。退院後も、うつ症状とパニックを起こして救急車で複数回運ばれました。また、もう一度入院もしました。
そんな中、両親は教会活動を平然と続け、当時体調を崩し引きこもっていた私のことを、家にお金も入れないで、いつになったら働いてくれるのかと、お金の当てにしか思われていなかったことを知り、限界を感じ、家を出た後に脱会しました。
私は、両親と統一教会のことで何年も悩まされて、死にたいと思うぐらい苦しんできたため、正直、もう統一教会のことは忘れたいと思っていました。しかし、事件後にたくさんの方の被害があることを知り、また、四月に子供も生まれて、その子に、また同世代の子供たちにもう同じような被害に遭ってほしくないと思って、顔を出して発信を、発言を始めました。
そして、たくさんの助けてほしいという被害者の悲壮な声も寄せられました。私はそういった声を国や政府に届けたいと思い、今年九月から献金被害を中心にアンケート調査を実施しました。現役信者、元信者が対象です。約六十件の被害報告が集まりました。
一部抜粋いたしますが、主な被害として、貧困、金銭の要求、教育費を使い込まれ進学に影響が出た、親の老後の不安、ネグレクト、信仰的な強制、脅迫などです。
さらに、事例を詳しく一部紹介すると、信仰を強制され、うつで不登校になった。信仰を破ると罰を受けた。兄弟共に学費を使い込まれ、弟の学費を肩代わりした。兄弟が養子に出された。私自身も実の兄弟が二人養子に出されております。妊娠中にも子供を材料に霊能者に脅迫され高額献金したという方。大学に行っていないのに奨学金を借りて生活費に使われた方。この方は妹二人の学費を稼いで肩代わりしましたが、結局、親は自己破産しました。
アンケートは資料としてお配りしておりますので、お時間のあるときに是非御覧いただきたいです。余りにもつらい内容が多くて、私は読んでいて体調が悪くなりました。このアンケートはただの被害報告ではありません。国によって放置された被害の事例です。そのことを重く受け止めていただきたいです。
このようなたくさんの被害の訴えによって作られた被害者救済法案だと思いますが、その課題についてもあえてお話しさせていただきます。
まず大前提として、この新法が本当に裁判で実効性を伴うのか検証をしていただきたいことと、見直しの期間を一年にして、また、検討部会を今すぐ立ち上げていただきたいです。
今回の法案の最大の積み残し課題は、子供の被害が現実的には全く救済できないということです。二世は声を上げることができないので、子供の被害防止、救済が、来年の国会で宗教的な児童虐待を防止する法案を与野党で協力して成立させるようにお願いしたいです。
そのほか、今後の被害者救済法案の改善点は、全国弁連の声明に同じですので割愛いたします。
被害者救済法案は、あくまでも献金の問題を解決しようとするものであり、問題はそれだけでは全くございません。残った課題についても、そして統一教会の解散についても議論を続け、早急に御対応をいただきたいです。
資料として、日本外国特派員協会での会見時に使用した資料を一部書き換えたものを配付しておりますので、御覧ください。
具体的な例として、マインドコントロール下にあって韓国へ嫁いだ日本人被害者の問題や、信仰の強制、養子縁組に見られる宗教二世の権利侵害や、そういった親から逃げる場所がない問題、劣悪な環境で育った宗教二世が精神的な診療を必要としていたり、老後資金のない親を介護しなければいけない問題、また、十二月九日発売の文芸春秋の指摘によれば、米国防総省情報局の報告書に、北朝鮮の金日成と旧統一教会の教祖である文鮮明の関係や、四千五百億円の資金援助を始め、毎年巨額の資金が送金され、核兵器やミサイル開発資金となっているとの指摘があるとのことです。
国際協力が必要な課題も多々あり、広い範囲において政府として積極的な被害防止、救済対策が必要不可欠な状況となっています。これだけ被害者を出している悪質な団体が、活動の一時停止もなく今日も国から税制の優遇を受けているということは、あってはならないことだと思います。これだけ被害者を生み出した、被害を見過ごしてきた政府としての責任を果たし、早急の対応をお願いいたします。
そして、この法案の成立に当たっては、被害者が何度も被害を訴え、そのたびに現役信者や一般の方から攻撃され、自分の経験を話すだけでも深く傷つき、皆が体調を崩しながらも訴え続けてきました。それは、政府が本当に動いてくれるのか信じられない、被害拡大の張本人の与党側にそのような動きが見られないから被害者がそこまでやるしかなかったという事実を忘れないでいただきたいです。今後は、積極的な政府の被害救済に期待いたします。
私は、毎日、現役信者や一部の方々からうそつき、偽善者と言われて、その言葉を意見の一つとして受け止めようとしましたが、自分の器では到底受け止め切れず、死んだ方がましなぐらい体調を崩したときもありました。本日、国会で正式な参考人として発言をさせていただけることを感謝いたします。
改めて、今回、三か月という短い期間の中でこの救済法案を作り上げてくださった政府、与野党、官僚の皆様、そして岸田総理に心から感謝し、私からの説明は以上になります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/498
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499・松沢成文
○委員長(松沢成文君) ありがとうございました。
次に、阿部参考人にお願いいたします。阿部参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/499
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500・阿部克臣
○参考人(阿部克臣君) ただいま御紹介いただきました全国霊感商法対策弁護士連絡会、弁護士の阿部克臣と申します。
本日は、お話しさせていただく機会をいただき、ありがとうございます。
私自身は、全国霊感商法対策弁護士連絡会に二〇〇九年から所属しており、統一教会、その他宗教被害、カルト被害の救済活動に当たっております。本日は、特に法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案、こちら新法と申し上げますけれども、こちらを中心に意見を申し上げたいと思います。
まず最初に、この間、新法の成立に向けて御尽力いただいた岸田首相を始め政府の皆様、与野党の皆様の取組と熱意に心より感謝申し上げます。統一教会被害者の救済という三十年以上にわたり国が対応してこなかった問題について、七月の銃撃事件を契機として真剣に議論を重ねていただき、悪質な寄附勧誘を規制した法律が成立に向けて審議されているということ自体、大変非常に意義が大きいと考えております。
ただ、統一教会の被害救済という意味では、新法の内容は余りにも不十分と言えます。見直すべき点は幾つもあります。また、今国会で議論できなかった問題もあります。
これから、そのうち特に重要と考える三点について意見を申し上げたいと思います。
まずは、家族被害の救済です。
新法では、家族被害の救済について、債権者代位権行使の特例、第十条により行うものとされています。しかし、この制度では、要件が厳しく、また、扶養義務に係る定期金債権の範囲で取り消せるにすぎず、ほとんど家族被害の救済になりません。特に、未成年者である二世が権利行使をするのが極めて困難な制度となっております。
消費者庁の霊感商法検討会でも、成年後見制度の改正を含めた財産管理制度を設けるべきとの意見が出されているように、家族被害を抜本的に救済し、かつ被害者本人の保護を図っていくためには、家庭裁判所の監督の下で第三者が本人に代わって寄附を取消しし管理する制度、すなわち立憲、維新案に入っていた特別補助制度のような制度が必要だというふうに思います。
債権者代位権という構成を取りますと、基本的には信者本人が相手方ということになります。すなわち、家族同士が対立する構図になってしまいます。この点、家庭裁判所の監督の下で第三者が権利行使する制度であれば、家族間の対立が生じにくいというメリットがあります。
政府は、このような制度は本人の財産権侵害になり憲法違反になるから難しいとしておりますが、違法な伝道、教化により本人の自由な意思が抑圧されていることを前提に、開始、終了の要件や取り消せる範囲などを合理的に定めることにより、本人の財産権等との調整をした上で制度をつくることは可能であると考えております。正面からこの制度を議論していただきたいと考えております。
次に、新法で現実的に家族被害の救済を図り得るものとしては、行政処分、勧告、命令しかありません。ここでは、遵守すべき事項を示してこれに従うべき旨、第六条一項、当該行為の停止その他の措置をとるべき旨、第七条二項、を勧告ないし命令できるとされておりますが、当該法人への寄附の返金を求めるところまで含まれるのかは明らかではありません。この点につきましては、被害救済の観点から、含まれることを明らかにしていただきたいというふうに考えております。
次に、禁止行為等の範囲、適用対象についてです。
新法では、禁止行為や取消し権等の対象となる行為の範囲が狭過ぎ、統一教会被害について言えば被害救済にほとんど役に立ちません。例えば、寄附の勧誘に関する禁止行為、第四条の寄附の勧誘に関し、あるいは困惑、あるいは必要不可欠などの文言では、裁判において禁止行為の範囲が限定される可能性が高く、統一教会の寄附勧誘手法を捕捉できません。この点、岸田首相は今国会で幾つかの文言についてかなり広い解釈を明らかにしましたが、そのような解釈を取るのであれば端的に条文に書き込んでいただきたいというふうに思います。
また、配慮義務には十分にとの文言が入り、勧告、公表に結び付けられましたが、そうだとしても実効性の観点からはやはり不十分であり、端的に禁止行為にすべきというふうに考えます。
また、新法では、適用対象が法人や代表者若しくは管理者の定めのある社団、財団に対する寄附に限られており、この点、狭過ぎます。統一教会では、解散命令により法人格を失ったとしても、その幹部信者が個人として、あるいは代表者等を定めないまま宗教団体として違法な寄附勧誘を勧誘するおそれが高いと思われますが、この法律では規制できなくなります。適用対象も広げるべきです。
さらに、宗教二世の支援です。
宗教二世問題に関し、衆議院の附帯決議では、子供が抱える問題等の解決に向け、法的支援、精神的支援、児童虐待や生活困窮問題の解決に向けた支援などの支援体制を構築するとされております。
このような体制を速やかに構築していただきたいのはもちろんですが、宗教二世問題は子供だけが抱える問題ではありません。成人した二世の方でも、かつて受けた虐待などにより、現在でも病院に通っていたり、働けなかったり、家族との葛藤を抱えていたりするなどして苦しんでいる方が多くいます。こうした成人した二世の方への支援体制も構築していただきたいというふうに思います。
最後に、結びとなりますけれども、以上のとおり、新法には被害者救済という意味では余りにも不十分な点が多々あります。その理由としましては、この間、特に政府・与党において被害者の生の声を聞いた時間、量が圧倒的に少なかったというのが大きいと思います。その被害実態についての情報量、理解の差が政府・与党側と被害者側の認識の差になっているというふうに思います。
現在、多くの被害者の方が勇気を出して声を上げております。是非、被害者の声を継続的に聞くための場を設けていただき、一人でも多くの被害者の生の声を聞いていただきたいというふうに思います。
以上の点について、少なくとも参議院での附帯決議案に入れていただきたいというふうに考えております。その上で、速やかに検討会を設置していただき、見直しなどを行っていただきたいというふうに考えております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/500
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501・松沢成文
○委員長(松沢成文君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/501
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502・松沢成文
○委員長(松沢成文君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、串田誠一さん及び山添拓さんが委員を辞任され、その補欠として梅村聡さん及び田村智子さんが選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/502
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503・松沢成文
○委員長(松沢成文君) これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/503
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504・山田太郎
○山田太郎君 自民党の、自由民主党の山田太郎でございます。
私自身、二〇二〇年頃からこの宗教二世の問題というのは取り組んでおりまして、児童虐待の一類型ということで積極的に関わってまいりました。これまで、実は小川さんも何回かお会いさせていただいて直接何度もお話しさせていただきましたし、十五名以上の二世の方々と接してきていました。
そんな中で、やはり今回の法案、急ピッチでいろいろ議論をしてきたんですが、確かに課題もすごく多いですし、今日、参考人の皆さんの方からは、本当にこれで子供が救えるのかということの御指摘があると思います。そういった意味で、その辺りをしっかり、今日、質疑で皆さん、参考人に聞いていきたいと、こういうふうに思っております。
まず、問題意識としては、多分、マインドコントロールというか、信者の子供というのは親権の下にいるので、どうやって保護すればいいのか。今回は、財産を取られたものを取り返すということが中心で議論をされたんですが、本来は、子供の場合ではまず保護されなければならないのではないかと、こんな問題意識もあると思います。
そこで、そういった意味で、今回の、消費者生活相談協会さんが、示唆として是非、増田理事長からお話しいただきたいんですが、そういう子たちからの相談というのはどこにどうつないでいくのかと。
現実的には、子供を親権の下から一旦切り離そうと思うと、児福法の三十三条というような非常に限られた状態、しかも、児相が協力しなければ非常に難しい、弁護士も関わっていかなければならないということだと思いますが、現実的に、その相談員がきちっと宗教のそういった問題や親権に関して理解して対応できる状態になっているのかどうか、その辺り、是非お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/504
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505・増田悦子
○参考人(増田悦子君) 御質問ありがとうございます。
現状では、その辺りの連携が不十分、ほとんどないというふうに考えております。消費生活相談という枠組みから離れることになりますので、それをどういうふうに対応するかというところが全国のセンターの方には周知徹底はされていませんので、そういう連携を、受け止めるところをきちんと案内できるような整備をしていただくこと、それから、相談員の方にそういう意識付けを研修などでするということが必要だというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/505
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506・山田太郎
○山田太郎君 あっ、失礼しました、もう一つ、個人情報保護との関係というのも非常に大きいと思っておりまして、いわゆる個人情報に当たるケースが多々あると思うんですね。その場合に、その相談センター、それから、その内容を行政につなぐとか、行政とも協力していく、要対協みたいな形になって、もう要保護児童という形になれば何とか対応できると思いますが、宗教虐待に遭っているのではないかという状態の中で、その情報を自治体等も含めて、あるいはNPO等の関係も含めて、いわゆるその情報を連携するというのは非常に難しい状況にあると思いますが、その辺りも教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/506
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507・増田悦子
○参考人(増田悦子君) 今、高齢者の見守りネットワークという制度がございます。それは、高齢者の被害を自治体とそれから見守りネットワークの方で共有して見守るということをしておりますので、その枠組みの中に、そういう子供の虐待の情報とか、そのようなものが入ってくるということはできるのではないかなというふうに思っております。そこでは、やはり法律を踏まえた個人情報の問題というのもきちんと整備されておりますので、そういうことがあればできるかなと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/507
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508・山田太郎
○山田太郎君 次に、阿部弁護士にお伺いしたいというふうに思っております。
実際に裁判をしなければこれは救えないんじゃないかということだと思いますが、阿部弁護士の方からも御指摘がありましたように、子供は非常に裁判を起こすのが難しいということだと思います。現実的に、保護された場合にどういうふうにして裁判を行うのか、これまでもそんなケースが現実的にあったのかどうか、そこをしっかり整えないと難しいと。しかも、先ほど申し上げましたように、債権者代位権の問題というのは、親との関係もありますし、親権との関係もありますので、非常に複雑だというふうに思います。保護された子供がいろんな状態にあると思いますが、例えば親戚に預けられているケースもあれば、もしかしたら児相に保護されているというケースも幾つかあると思います。
具体的なケースで、実際にこの法律を使って債権者代位権等を含めて子供たちを守っていく、将来の養育費をきちっと担保させるということは現実的に可能なのかどうか、その辺りの今の実務。それから、もしそれをやっていくためには、改めて、見直し規定も今回置いているんですが、何に迫らなきゃいけないのか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/508
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509・阿部克臣
○参考人(阿部克臣君) まず、子供が弁護士のところにたどり着かなければならない、特に小さい子供ですね。小さい子供が弁護士のところにたどり着けるのかという問題がありまして、特に小さい子供ですね、小さい子供が自分で気付いてというのはなかなか難しいと思いますので、子供に接する立場にある方、学校とか医療関係者とかそういう方々が最低限のこの宗教被害の理解を持っておくと、そういうことが必要じゃないかなというふうに考えておりまして、そういう方が気付けば、弁護士会の子供相談窓口とかそういうところにつないで弁護士につなぎ得る可能性があると、そういうふうに考えております。
今回の家族被害を救う制度、債権者代位権、これを使った場合にその子供を救えるかということですけれども、正直なかなか難しいところがあると思っておりまして、まず、特にその信者、両親二人とも信者の場合ですね。
両親二人とも信者の場合は、子供が債権者代位権を行使しようとしても、その親権者として同意しないだろうというふうに思われまして、その場合どういう手続を取るのかということになると、ちょっとそこら辺よく分からないんですけれども、恐らくは家庭裁判所に未成年後見人の申立てをするということになると思いますが、そうすると、その要件として、親権者がいないか、又は親権者が管理権を有しないということが要件になって、ただ、親権者というのは現にいますから、そうすると、その親権者の親権の停止とか喪失の申立てを恐らくすることになるのかなと思うんですけど、そうすると、その親権の停止とか喪失の申立てというのは一般的に虐待とか遺棄とかそういうことが想定されていると思うので、親権者として代位行使に同意しないということがその親権停止の要件に当たるのかと、そこら辺がなかなか難しいんじゃないかなと思いまして、あとは、特別代理人の選任の申立てというのもちょっと想定されているようなんですけれども、具体的な手続としてはよく分からないところがありまして。
いずれにしても、家庭裁判所ないし裁判所の手続というのが前提段階として必要になるということになりますので、かなり現実的には使うのが難しくなってくるというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/509
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510・山田太郎
○山田太郎君 実は、本件は党内でもかなり議論をしたんですが、多分、代位権を行使しようというふうに思うのであれば、一旦は保護されて切り離されていないとなかなか難しいだろうといったことがあります。そうなると、今度シェルターみたいな問題になるんですけれども、御案内のとおり、親権がありますから、単に民間のシェルターでは誘拐の扱いになってしまうと。おじいちゃん、おばあちゃんですら、信者が二人、お父さん、お母さんの場合には難しいだろうということで、是非これは我々国会で早急にまた改めて議論しなければいけないんではないかと。今回の法律の議論ののりは越えてしまっていますので、もうちょっと児童福祉法の観点であったりとか、あるいは親権ということであれば民法にまで抵触する問題でありますので、その辺りを今後の議論を併せてする必要があるんじゃないかという問題意識も持っております。
それからもう一つは、これは是非、宮下先生の方にもお聞きしたいというふうに思いますが、逆に、かなり今回頑張った部分もあるとは思っているんですが、やはり憲法の問題からは財産権の問題であったりだとか、あるいはNPOの方から、今回の寄附が非常に、寄附行為ということが結局いろんな幅広く問題になってしまうのではないかということで、一方でバランス取れているのかどうかという指摘もありましたが、その辺りの論点も含めて評価を是非いただきたいと思っております。
特に、そのバランスを今度、逆に行き過ぎた法律になっているのも問題でありますので、ここに関してはきちっと注意しておかなければならぬのだということを指摘いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/510
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511・宮下修一
○参考人(宮下修一君) 御質問ありがとうございます。
今お話がありましたように、この法律というのは、やはり法人、それから団体ですね、全体的にカバーする法律であると。そのところで、やはり一般的に禁止行為というのを広げてしまうと、これは寄附というのも今団体を支える文化ということであるわけですから、それを全て制約するということになってしまうとなかなかこれは動きが難しくなると。
そういう意味で、今回、三条で配慮義務と、四条で禁止行為ということで、勧誘という場面でこの禁止ということを限定して取りあえずはやりつつも、しかし、それを補完する意味で配慮義務という形で導入している。
この配慮義務というのは、三条一号から三号までですね、やはりこれはどのような団体であっても、恐らくこれは寄附として、寄附を受けるときには注意しなきゃいけないということでありましょうから、そうすると、ここのところ、配慮義務という形で、今回、十分に配慮という形で、十分にという言葉も入りましたけれども、一段慎重にやらなきゃいけないというところでこういう義務が入っていると。
ここは、これについて直接法的な効果がないではないかという意見もあるかもしれませんが、私は、ここは、やはり団体とか法人の活動を支える上ではぎりぎりの線なんだろうというふうに思っております。逆に言えば、ここまでよく踏み込んでやったという部分もあると思うんですね。一号、それから三号辺りは、やはりなかなかそう簡単には今まではできなかったというところを踏み込んでやっている部分というのがある。これは配慮義務という形でありますけれども、ここは十分評価に値するのではないかなというふうに考えております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/511
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512・山田太郎
○山田太郎君 次に、小川さんにお話を聞きたいというふうに思っております。
小川さんからも、私、直接幾つかお話しさせていただいたり、いろんな提言を党内でも届けるために一緒に活動をやらせていただいたんですが、率直に今回の法律に関する評価をいただきたいのと同時に、やっぱり小川さんの場合は、脱会できたというか、両親が信者にもかかわらず、非常に難しい状況の中で今こうやってある種立っていらっしゃって、勇気を持ってここにも参加していただいているんですが、その辺りのコツ、コツという言い方がいいかどうか分からないんですけれども、やっぱりそうなれない方もいると思うんですね。
それで、その人たちのために、経験から、何をその子たち救うためにやらなきゃいけないのか。逃げ場が必要なのか、相談するところが必要なのか、法律的な担保が必要なのか、弁護士さんが必要か、あらゆるものがあると思いますが、何から我々はやらなきゃいけないのか、その辺りも含めて、是非、小川さんの経験から教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/512
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513・小川さゆり
○参考人(小川さゆり君) ありがとうございます。
まず、皆さんも申し上げているとおり、私も先ほど申し上げたとおり、宗教二世だったり未成年の方々、信者の方々が本当にちょっと救われない、ハードルが高い。裁判で未成年が訴えることはできるのかと、そこは私もすごくちょっと難しいなと疑問に思っている部分が正直あります。ただ、そこがやはり財産権の問題だったりとか、先ほども山田先生申し上げていた親権の問題、シェルターに行ったら誘拐扱いになるのかとか、いろんなちょっとハードルがあって難しい部分はあると思いました。
なので、やっぱりせめて献金している本人を、しっかりとその返金が認められるようなものが作られてほしいと、そこだけでもと私は思うんですけれども、その上で、やっぱり配慮義務の部分、この一番、二番、三番の、自由な意思を抑圧し、適正な判断をすることが困難な状況に陥ることがないようにと、この三つなんですけれども、どれを見ても本当に違法な方法、悪質であることがもう明白で、やっぱりここをしっかりと禁止規定にしてほしいなと思いました。信者さんが訴えた際に、やっぱりここはしっかりと禁止されていることで、より裁判に実効性があるかなと思いました。
そして、脱会するために、そういった被害を受けている方が、そして二世の方ですね、気付いて、何が必要なのかという部分なんですけれども、やっぱり自分が当時本当に一番つらかったのが誰も相談できる人がいなかったということで、社会的にもこの宗教の問題というのがやっぱり認知されていなくて、それで私は一応行政にも相談に行ったことはあるんですけれども、もう本当にちょっと首をかしげる感じで、分からないんですね、全く。そしてまた、その宗教に対しての本当知識がない。そして、じゃ、どこまで味方できるのかといっても、やっぱり、親はもう信者ですから、私の場合、両方が信者ですから、親を説得するのは難しいですし、宗教組織を、じゃ、その相談員の方が敵に回すこともできないですし、なので、やっぱり私自身も、この問題をもっとマニュアル化して、行政の方々、相談員の方が理解できるような、そういった理解のある社会の、そういった社会に変わっていってほしいなというふうには今も訴えております。
なので、政府の方々には、そういった何か相談ができる支援体制の強化というか、理解というか、そういうものを充実させてほしいということですかね。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/513
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514・松沢成文
○委員長(松沢成文君) まとめてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/514
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515・山田太郎
○山田太郎君 我々、まだまだやらなきゃいけないこと、特に子供を救済するということでは早急にやらなきゃいけないことがまだあるんだということがはっきりしたんじゃないかなと思います。
以上です。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/515
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516・石橋通宏
○石橋通宏君 立憲民主・社民の石橋通宏です。
まずは、四名の参考人の皆様、今日は、本当にお忙しい中、この極めて重要な法案のこの参議院での参考人質疑御出席をいただきまして、大変貴重な意見提起をいただいて、本当にありがとうございます。
今日、限られた時間ですので、いろいろお聞きしたいのですが、全員の皆さんにしっかりお聞きできないかもしれませんが、そのことは御容赦をいただいて、早速質問に入らせていただければと思います。
まずは、小川参考人にお話を聞きたいと思います。
最初に、小川さん、本当にありがとうございました。小川さんに最初に我が党の被害対策本部、ヒアリングに来ていただいたのは八月二十三日でした。私たちも初めて被害当事者、二世の方の直接被害の実態、声を聞かせていただきました。あのとき、覚えておいでですかね、小川さんも、被害者を救済するのは今しかないのだと、何としても被害者を救ってほしいと、そのために新しい法律を是非作ってほしいと私たちに訴えかけていただきました。あのとき、私がまとめで必ず頑張りますというお話をあのときにさせていただいた。でも、正直、そのときは本当に政府・与党を動かせるだろうかと思いましたが、その後も、本当に小川さん、頑張って声を上げ続けていただいて、こうして様々なアンケート、声を上げることができない二世被害者の方々の代弁として懸命に頑張っていただいた。それがここにつながったんだと思っています。
改めて感謝を申し上げつつ、ただ、残念ながら、今回の法案、小川さんが発言されたとおりで、足らざるところはたくさんあります。とりわけ私たちが残念なのは、この法案、遡及しませんので、これまで被害を受けた多くの二世被害者の方々が直接は救われないということになります。ですので、私たちは、そうであるならば、これまで既に甚大な人権侵害、被害を受けてきた二世被害者の方々、成人された方々、今もなお未成年で被害に遭っている子供たちもいる、そういった方々も含めて、何らかの救済策をしっかりやっぱり改めてつくるべきではないだろうかということを訴えさせていただいております。
当事者として、小川さん、そういった既に成人された二世被害者、脱会された方々も含めて、生活困窮状態にある方々など、具体的に国としてどういう支援を、小川さん、御意見提起いただけるか、お話をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/516
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517・小川さゆり
○参考人(小川さゆり君) ありがとうございます。
そうですね、私たちも本当に自分の被害というのが、自分たちの被害が救われないということはもう本当分かった上で、本当に自分たちの利益、むしろマイナスの状況を分かった上で発言を続けてきました。それはもう本当どこまでも、未来の何の罪もない子供たち、そういったカルト宗教の家に生まれる何の罪もない子供たちがまた自分たちと同じ思いをしてほしくないということ、そして、今被害に遭っている一世信者の親の方々、また二世信者の方々も、そういった方々も救いたいと思っています。
で、成人された方々ですね、本当にたくさんの声を聞きます。PTSDを負っていたりとか、精神疾患を負っていたりとか。自分に当てはめても、ちょっと十八歳頃に初めて精神疾患発症したんですが、それがちょっと人格がおかしくなってしまう病気だったりとか、そういうことがありました。ただ、具体的に、じゃ、それが本当どういう状況だったのか、どういう病名が当てはまるのかだとか、その辺りのことがまだ不明確なので、そういった治療とかに関わることが行えていない、金銭的余裕がなくてそういうことが、治療が行えていない人もいるので、そういったところへの支援というのはできるのかなということがやっぱり被害者として思うところですね。
あと、また、話がもしそれてしまったら申し訳ないんですが、私がいた精神病棟ですね、清平の清心と書く、清い心と書く精神病棟にたしかいたと思うんですが、そこでは、入院して生活をするんですけれども、役事の時間といって除霊をする場所があるんですね、精神病棟内に。病院内でそのように除霊行為を行うと。そういうものが、でも、ただ、韓国の話にはなってしまうんですけれども、ただ、これは日本の教会でも、病的なものとかが霊的とか専門用語で言われてしまったりとか、何かその悪霊のせいとか、そういうものでごまかされてしまっている部分ってあるんですよね。
なので、そういった、健康不安をあおるとか、そういう何か病的なことをそうやってふわっとした言葉で、悪霊がどうとか、そういうことで見過ごされてきた問題というのをもう少しやっぱり何か見詰め直せないかなというふうに思っています。そういうことが今後ないように何かできないかなとは思っているんですけれども、具体的なちょっと解決案を今提示できなくて申し訳ないですが、そういったことをちょっと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/517
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518・石橋通宏
○石橋通宏君 ありがとうございます。
もう一点、小川参考人に。
こういった様々な今回の法案で足らざるところ、これから、検討、見直しが二年ということになりました。本来であれば、我々も一年で見直しをということで希望しておりましたけれども、仮に二年と。速やかに政府も検討会を立ち上げて様々対応していくのだという発言もありますけれども、その検討会に、私は、やっぱり当事者の方々とか弁護士の方々とか、そういった実際にこれまで長年支援をしてきた方々、実態が分かる方々をやっぱりしっかり入れていただいて、この法案の実効性ですとか足らざるところとか、そういうのをやっぱりしっかりみんなで検討して次なる改正につなげていくべきだと思いますが、小川参考人、御意見あればいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/518
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519・小川さゆり
○参考人(小川さゆり君) まさにおっしゃるとおりで、この法案を作って終わりではなくて、本当に実効性があるのかの検証を、そしてまた見直しですね、それをやはり一年とか短い期間でしっかり行ってほしいです。そしてまた、今も言ったとおり、検証してほしいですね。そしてまた、その検証の結果をしっかり公表すると。そういうこと、必ず必要になってくると思っています。
やっぱり、ただ運悪く悪質なカルト被害だったのか、たまたまそういった問題のある親の下に生まれた運の悪い話なのか。そうでなくて、この問題というのは、国が見過ごしてきた、被害を拡大させてきた問題があると思っていますので、そういった部分、しっかりと議論を続けていただきたいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/519
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520・石橋通宏
○石橋通宏君 ありがとうございます。
阿部参考人にお聞きしたいと思います。
まずは、本当に、弁護士連絡会の皆さんが長年にわたって支援をされてきたこと、心から感謝と敬意を表したいと思います。
今日は随行で木村弁護士にもお見えいただいておりますが、予算委員会での参考人も本当にありがとうございます。貴重な意見提起をいただいたおかげで、我々も様々な提案をさせていただくことができました。
阿部参考人に是非お伺いしたいのは、今日、意見提起にもございました。今回、我々は配慮義務を何としても禁止規定にということでずっと訴えてまいりましたが、今回、配慮義務、ただし、十分なというものが付いた。これ、現場で本当に実際に実務に携わっておられる立場で、これ、十分なが付いたことで、いかなる現場の運用上のメリットがあるのか。まあないよりはましだということなのか、いや、十分なが付いたことで何らか具体的なメリットがあるとお考えになるか、改めてそのことを御提起いただけるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/520
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521・阿部克臣
○参考人(阿部克臣君) お答えします。
単なる配慮義務に十分なという文言が加わったことによって、配慮義務より強い義務であることは間違いないと思うんですね。
ただ、どのぐらい強いかというと、当然その禁止規定との間にはかなり差があるような気はするんですけれども、ちょっとそのイメージが付きづらくて、他の法令でもその十分な義務ということで定められているものも調べたんですけれども、なかなか当事者間の直接義務の根拠になるような、そういう法文に書き込みされているものは、あるはあるんですけれども数が少ないということで、ちょっと解釈上のその価値がどのぐらいあるかというのはなかなか難しいところではあるんですけれども。
そこは一つは、宮下先生の発言にもありましたけれども、きちんとこの十分なというところに意味があるということであれば、まず政府の解釈、注釈で、きちんとこの十分な意味、具体的な意味を書き込んでいただくということと、あとは、我々弁護士が具体的な裁判で使う際に、この十分なというものが意味を持つように努力を積み重ねて具体化していくという作業が必要になるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/521
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522・石橋通宏
○石橋通宏君 ありがとうございます。
もう一つ、今回配慮義務にとどまった中で、勧告、公表、それから、そのための報告ということが加わりました。これについて、ただ、今の、今日質問でもやったのですが、規定ぶりが極めて限定的ではないだろうかという心配があるのですが、これも、実務に携わっておられる皆さんの立場で、今回、勧告、公表、そのための報告まで一応加わったということのメリットについて意見があればお聞かせいただけるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/522
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523・阿部克臣
○参考人(阿部克臣君) まず、この点も、単なる配慮義務だけではなくて、具体的なその報告、勧告、公表が加わったというのは、それは実効性が上がっているのは間違いないかなとは思うんですね。
ただ、統一教会に関してちょっと言いますけれども、公表というもの、公表というものは統一教会に関してはほとんど意味がないというふうに考えております。なぜかというと、ある程度社会的な信用が元々ある団体であれば、それは公表する意味はあると思いますけれども、統一教会のようなもう既に様々報道されている団体がその名前を改めて公表されたからといって、それは恐らく意味がないだろうというふうに考えております。
勧告につきましては、これは、それ自体は強制力がないものだと思いますけれども、ただ、使い方によっては、使い方というかその運用の仕方又はその解釈の仕方によっては被害救済に結び付き得るものかなというふうに考えております。
先ほどの意見でも申し上げましたけれども、条文のその書き込みとしては……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/523
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524・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/524
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525・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/525
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526・阿部克臣
○参考人(阿部克臣君) 済みません。
勧告ですけれども、法文の表現としては、当該行為の停止その他措置をとるべき旨というふうに書いてあって、当該行為とその他の措置をとるべき旨とあるので、その他措置をとるべき旨というのが、行政が統一教会に対して返金しろという、そういう指導のようなものも含むとすれば、それは被害救済の上で意味を持ち得るかなというふうに思います。なので、その点は、被害救済という観点からそこまでできるんだということをきちんと明らかにしていただきたいということですね。
ただ、この勧告も、その要件がかなり厳しい、著しくとか明らかなという要件が入っておりますので、なかなかそれがどれだけの使えるものなのかと。できるだけそこも低い要件で、できるだけ発動されやすいような解説なりを政府の方でしていただければ有り難いというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/526
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527・石橋通宏
○石橋通宏君 ありがとうございます。
ちょっと、債権者代位権の、法テラスの関係もお聞きしたかったのですが、ちょっと時間がなくなりましたので。
増田参考人に一点だけ。
まさに本当に、御意見提起にあったとおり、今後相談に当たって相談員の皆さんが不安に思っておられると、ですから相談員の皆さんに対してしっかり周知、様々な研修も含めた提供が必要だと思っておられますが、今後、専門性を高めていく様々な支援、むしろ専門性を持った方に応援をいただいて、そして対応していただく、そういったことも必要だと思いますが、具体的に私たちに要望があれば改めてお聞きをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/527
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528・増田悦子
○参考人(増田悦子君) ありがとうございます。
各自治体に法的な支援とか福祉、精神福祉などの支援があるといいとは思うんですが、実際にはそれは難しいのかなというふうに思います。ただ、連絡をすれば必ずそういう専門家につながるような窓口、消費生活センターの業務をよく理解していただいている窓口というところをバックアップとして是非つくっていただき、相談員がいつでも連絡できるような、相談員が相談できるような体制というのがあると有り難いというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/528
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529・松沢成文
○委員長(松沢成文君) まとめてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/529
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530・石橋通宏
○石橋通宏君 ありがとうございます。
じゃ、最後、時間ですので一点だけ。
ちょっと阿部さんに戻って、債権者代位の使えないって言って、でも政府は、じゃ、法テラスと連携してっておっしゃるんですが、法テラスと連携して果たして実効性が増えるのか、そこだけ最後にお聞きして終わりにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/530
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531・阿部克臣
○参考人(阿部克臣君) 法テラスとの連携というのは必要だと思いますけれども、その要件が厳しいという話とは別なわけですね。要件が元々すごく厳しい、適用範囲が狭いものを法テラスに連携して法テラスに相談が来られても、そこで結局弁護士が対応するわけですから、そこの弁護士のアドバイスとしては、この制度は要件に当たらないのであなたは適用できませんという、そういう回答になるので、なので、連携することによって弁護士に相談しやすくなると、そういうメリットはあると思いますけれども、制度自体の要件の厳しさ、その効果の乏しさというものは、それはありますから。
なので、それは連携すれば解消できるというものではないと思いますので、やはりその制度自体を変える必要があるというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/531
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532・石橋通宏
○石橋通宏君 終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/532
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533・宮崎勝
○宮崎勝君 公明党の宮崎勝でございます。
本日は、参考人の皆様、大変貴重な御意見をいただきまして、心より感謝を申し上げたいと思います。
また、今回の法案の策定に当たりましては、短期間のうちに濃密な議論が行われて幅広い合意を得る形で法案がまとまったということに対しまして、関係者の皆様の御努力に敬意を表したいと思います。
最初に、法案の評価につきまして宮下参考人と阿部参考人にお伺いしたいと思うんですが、いわゆる社会的に許容されない悪質な寄附の勧誘行為に対しては、厳正に対処して新たな被害を防いで、被害を救済するための実効的な法律を作るということがまず重要だと思っております。他方で、社会通念上正当な寄附勧誘やそれに対する寄附を不当に萎縮させるような過剰な規則になってもいけないと思います。
その両方のバランスを取ることが重要だと思いますけれども、この点について今回どのように御認識されているか、まず宮下参考人からお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/533
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534・宮下修一
○参考人(宮下修一君) 御質問ありがとうございます。
まず、今実効性という話がありましたけれども、一つは、やはり取消し権を伴う禁止行為というものが導入されたと、これは一つ大きなものだというふうに思っております。実際、取消しということも可能な場面というのはあるんじゃないかなというふうに思っております。
その上で、配慮義務というところが先ほどから議論にもなっているところでございますけれども、こちらについては、やはり今お話もありましたように、また私も最初、先ほど申し上げましたように、やはり法人あるいは団体全てを対象にしているということで、ここはやはり余り踏み込み過ぎるというのは、これは過剰な規制につながりかねない。
しかし、配慮義務という形で挙げられている三つの項目というのは、やはり、これをもって単にこれはやっちゃいけないよという道徳的な意味とかそういうことにとどまらずに、法的にもこれは、こういったことに違反すれば当然不法行為その他のいろんな問題、例えば公序良俗違反の違法性判断とかというところに結び付いてくることでありますし、まずはこういったものを規定していくということで実効性というのはかなり高まっていくんじゃないかなというふうには認識しております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/534
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535・阿部克臣
○参考人(阿部克臣君) まず、法案自体の評価ですけれども、こういう悪質な献金を取り締まるという法案を作っていただいたこと自体は高く評価しております。感謝しております。
二点目のバランスというところですけれども、おっしゃるとおり、一方で個人の人権とのバランスを図って、かつ被害者の救済をいかに図るか、そのバランスが大事だというふうに考えております。
ただ、私としては、そのバランスを保ちながらも、まだより広く禁止行為を規定することは可能だというふうに考えております。例えば、四条、四条六号の霊感の禁止規定の規定ですけれども、必要不可欠という文言が入っております。この必要不可欠という文言は、まあ解釈があり得るものではありますけれども、一般的には厳しい文言になると思いますので、それを緩めるというのは、それはバランス上は可能かなというふうに思うんですね。
政府の解釈としては、そこを緩めると厄払いとかそういうものが当たり得るんだということですけれども、それは他の要件には恐らく、恐らくというか、当たらないと思うんですね。もし政府がそういう解釈を取るとすれば、必要不可欠以外の要件は極めて緩い要件ということになりますけれども、政府はそういう前提で解釈をしていませんから。
なので、その必要不可欠に関しての政府の答弁というのは、それは正しくないと思うんですけれども、例えばその一点をもっても、その必要不可欠という文言を取って被害救済を図りつつ、不可欠という文言を取って被害救済を図りつつバランスを取るということは可能だというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/535
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536・宮崎勝
○宮崎勝君 ありがとうございます。
次に、宮下参考人に債権者代位権による救済についてお伺いしたいと思うんですけれども、この新しい法律では、債権者代位権に特例を定めて、いわゆる養育費とか結婚費用など、将来の債権についても保全することが可能になっているわけですけれども、これに関して、家族にも取消し権を認めるべきであるとか被保全権利の範囲が狭いといった指摘がございますけれども、こうしたことについてどのように御認識されているのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/536
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537・宮下修一
○参考人(宮下修一君) 御質問ありがとうございます。
債権者代位権というものについてまず私が一つ強調しておきたいのは、これまで、こういった形で取消し権を行使すると、これ民法上取消し権を代位行使するということ自体をまず当然の前提とした上で、その上で特例を設けていると。ここのところは、まずそういったことが当然認められるんだということを確認しただけでも非常に大きなものであると思います。
ただ、おっしゃるように、この被保全債権というところがどれぐらい確保できるのかというところで定期金債権という、こういう問題というのがあるわけでございますけれども、ここのところは、やはり運用の中で、先ほど来、法テラスとの連携という話も出ておりますが、できるだけそういったことで使い勝手が良くなるように工夫をしていく必要はあろうかと思います。
ただ、なかなかやはりいろんな御意見がある中で、先ほど山田委員からも御意見ありましたけれども、まだまだ改善の余地はあるだろうと。ただ、これ、まずはここから始めるというところかなと思いますので、私自身は、取りあえずその取消し権というのが当然代位行使できる、そして、取戻しというのも、取消し権という、まあ限られた範囲ということになるのかもしれませんけれども、当然できるということを立法が認めた上で例外をつくっているというところは、非常にこれは大きな前進ではないかなというふうには考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/537
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538・宮崎勝
○宮崎勝君 ありがとうございます。
次に、小川参考人にお伺いしたいと思います。大変勇気ある御発言、ありがとうございました。
小川参考人におかれましては、これまでも様々な二世信者の方々等からもいろんな御相談も受けてきたと、アンケート等を通じてその声を聞いてきたというふうにおっしゃっておりましたが、そうした経験も踏まえて、参考人が必要と考える、また、これまでの自身の経験から、いろいろ、いろんな行政にも相談、先ほどの御発言で、様々な行政機関にも相談したけれども自分たちの立場に立った支援がなかなか受けられなかったという御発言が、趣旨の御発言があったと思いますけれども、小川参考人が必要と考える具体的な相談支援機関、こうしたものがあれば救われるという、法制度も当然そうなんですけれども、相談機関、支援機関の在り方みたいなことについて御意見があればお伺いしたいと思うんですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/538
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539・小川さゆり
○参考人(小川さゆり君) ありがとうございます。
そうですね、まず、相談のしやすさからいってネット上とか、今は宗教二世ホットラインというものがあったりするんですけれども、それを立ち上げた人が、NHKのニュースでもあったんですけれども、本当に若い女性、私と同年代の女性で、もうほぼボランティアでやってくださっているんですね。そしてまた、宗教二世のホットラインは今もうパンク状態、この事件後に、というふうになっているというのも聞いていまして、なので、やっぱりそういったところがもっとやりやすくなるような何か支援だったり、その相談の枠を広げられるようなことを議論していただきたいなと思うことと、また、子供がもうそもそも相談する段階にも至らない、自分が被害者であることに気付けていないというやっぱり宗教二世の子供たちが非常に多いです。どうしたらそれって気付くようになるのかというと、まずやっぱり学校などで先生方が気付けることだったりとか、ただ、そうなっても先生だけがパンクしてしまいますので、先生がそのつなげられる何か、児童相談所まではいかないけど、もっとその前段階の相談だったりとか、そういったものが充実すればいいなと私は思っております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/539
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540・宮崎勝
○宮崎勝君 ありがとうございます。
続いて、増田参考人にお伺いしたいと思います。
一つは、政府の、この報告書ですね、霊感商法等の悪質商法への対策検討会、この報告書の中で、消費者被害の未然防止及び解決の促進を図るためには、被害情報を迅速に公表するとともに、消費生活センターの存在の周知を強化することが重要であるということが提言をされております。特に、消費者ホットラインの一八八の、いややの周知とか、消費生活センターの存在の周知と必要性ってことも言われておりますけれども、これについて、もしこうしたことをもっとやってもらいたいというような御提言がありましたら、是非お願いしたいと思うんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/540
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541・増田悦子
○参考人(増田悦子君) 消費者ホットラインに関しては、消費者庁の方で非常に周知に御尽力いただいているとは思うんですけれども、まだまだ認知度が低いという状況にあります。ただ、今回、この機会に是非周知徹底をしていただきたいと。また、消費者問題であるということだけじゃなく、今回のような問題も受け付けているんだということを広報していただかないと相談が寄せられませんので、それも含めて周知していただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/541
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542・宮崎勝
○宮崎勝君 もう一問、増田参考人にお伺いしたいんですけれども、特にこの法律そのものの周知、まあもう少し、大変中身的には難しい法律ですので、国民の皆様に周知をするということが重要であると思いますし、幅広い世代への消費者教育というのも、これからそれが重要になってくるというふうに思いますけれども、こうした国民への周知とか消費者教育という観点で留意すべき点、こうしたところに留意して取り組んでもらいたいという御提案、御意見がありましたらお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/542
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543・増田悦子
○参考人(増田悦子君) 若年層に関しては、学校教育がやはりとても有益だと思います。ただ、学校教育の中で、こういう消費者問題について、あるいはこういう問題について時間を取るということが非常に難しい状況が続いています。そこを解決しないとやはり難しい。
それから、社会に出てから、社会人になって、それまでそういう教育を受けていない方に対して機会を、教育を受ける機会がないんですね。やっぱり高齢者ですと自治体でやるということもありますけれども、やはり真ん中の層ですね、そういう方たちに対する教育というのがなされませんので、そういう部分に関してはやはり企業の方の御協力も必要なのではないかというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/543
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544・宮崎勝
○宮崎勝君 ありがとうございます。
最後に、阿部参考人に一問伺いたいと思います。
いわゆる寄附の上限規制ということで、いわゆる、今回の法律では、借入れ等による資金調達の要求の禁止ということが規定されております。その上で、岸田総理は国会の答弁の中で、この禁止規制と配慮義務規定、その双方の規定で過度な寄附の要求がなされないようになってくるということを答弁されておりますけれども、この寄附の、で、これは実質的な寄附の上限規制でもあるというふうなことでおっしゃっていますけれども、こうした規定を設けた効果について御認識があればお伺いしたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/544
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545・阿部克臣
○参考人(阿部克臣君) 五条の規定だと思うんですけど、禁止規定にしていただいている、かつ行政処分と刑罰に結び付けていただいているということで、効果としては大きいと思うんですね、まあ取消し権はないですけれども。
ただ、やはり、要求してはならない、要求という形を取っているので、そこは要求しなければいいということになりますから、そこが弱いということと、あと適用範囲が狭い、まあ若干広くなりましたけど、狭い。あとは、不動産自体をその教団にあげるような場合をカバーできていない。そういう意味で、適用範囲の広さに問題を持っているというか、狭い印象を受けております。
ここの部分をカバーするものとして配慮義務の特に二号というのが入ってくるのかなと思うんですけれども、確かに配慮義務の三条二号と五条というのはかぶっているようにも思いますので、そこは弱い配慮義務と強い五条の禁止行為ということで、そこはカバーし得るところはあるんじゃないかなというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/545
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546・宮崎勝
○宮崎勝君 終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/546
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547・梅村聡
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。
今日は、四名の参考人の皆様、どうもありがとうございました。
順を追って質問をさせていただきたいと思いますが、まず、今回この法改正、そして新法は、旧統一教会の問題から端を発して、霊感商法であるとか、あるいは困惑させるような状況をどうしていくのかということで、法律の形としては、一般的な法人であるとか、あるいは団体にまで広げた法整備をしたと、こう、円が大きくなっていっている状況ではあると思うんですが。
まず、増田参考人と阿部参考人にお聞きしたいと思うんですが、いわゆる霊感商法ですね、数は年間千二百件とか千五百件、少ないかと思うんですが、その中身は、いわゆる旧統一教会とそれ以外の宗教団体があるかと思うんですが、これはやっぱり一定割合、旧統一教会以外も存在するのかどうか、また、そのそれぞれの宗教によって霊感商法の、阿部参考人の場合は被害ということになると思いますけど、その内容とか手口というのに差があるのかどうか、ちょっとこの辺り、定量的な御説明は難しいかと思うんですが、お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/547
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548・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 増田参考人からお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/548
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549・増田悦子
○参考人(増田悦子君) ありがとうございます。
最近の、いわゆる霊感商法というものが目立って多いというふうにちょっと受け止めができていない状況ですので、むしろ占いサイトというものが非常に多くあります。実際には個人がやっていたりするようなものなんですけれども、いわゆるマインドコントロールとか、その弱みに付け込むというようなことについては全く同じでございます。
そのようなものが今、やっぱり今すごく心が病んでいる方とか寂しい思いをしている方が多いので、どうしても、ネット上で簡単に占いサイトを利用できるということになりますと、この問題というのはずっと続くというふうに思いますので、そのようなものに対しても適用できるようにちょっと考えていきたいなというふうに思っているところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/549
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550・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 阿部参考人、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/550
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551・阿部克臣
○参考人(阿部克臣君) まず、統一教会以外の霊感商法の被害が存在するかということですけど、その霊感商法という言葉は、カルトとか宗教被害という意味で使わせていただきますけれども、たくさん存在します。
むしろ、統一教会よりも、近年は、名前も聞いたことがないような団体とか、ミニ、プチカルトとかですね、そういう団体の方が多かったぐらいで、初めて名前を聞くような団体はたくさんあります。かつては、十年ぐらい前は、高島易断とか神世界とか、そういうある程度の規模で被害を生じさせた団体というのはありましたけれども、最近はそういう小さい団体がまず多いということです。
あと、その内容、手口が差があるかということですけれども、それはその団体ごとに違います。なので、一つ新しい団体の相談が来たら、まずその団体を調べて、その団体の手口を調べてというところからスタートになります。もちろん、統一教会のやり方をまねている団体とかそういうのはありますけれども、キリスト教系とか仏教系とか、それぞれ宗派的なものも違っていたりしますし、そういう実情になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/551
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552・梅村聡
○梅村聡君 ありがとうございます。
つまり、今回法整備は一定をするんですけれども、やっぱりこの法整備のまた穴をついて新たな手口がいろいろ考え出されてくるんじゃないかと。だから、それをどう埋めていくかということがこれからの検証でやっぱり大事なことじゃないかなと思っておりますが。
その中で、先ほどからマインドコントロールという言葉が出てきております。これちょっと阿部参考人にお聞きをしたいんですけども、結局、マインドコントロールを定義するのは難しいという議論がありまして、今回、昨日の参議院本会議の質疑でも、マインドコントロール状態だけども困惑していない場合は、これは取消し権が使えるのかどうかという質問を実は私させていただいたんです。
そうすると、ちょっと正確に申し上げた方がいいと思うので、ちょっとこの岸田総理の答弁を読みますと、入信当初に不安をあおられる形で困惑して、だから入信したときには困惑するんだと、その後は自分が困惑しているか判断できない状態で、外形的には自由意思で献金を行ったように見えたとしても、その状態から脱した後に、寄附は自由意思によるものではなく困惑して行ったと本人が主張した場合は取消し権を行使ができると。
つまり、何かというと、一回は必ず困惑してくださいって話を言っているんです。だから、困惑しない状態で自由意思でやったという状態ではなくて、取り返すときは必ず一回は困惑してくださいという話なので、マインドコントロールはされているんだけども自由意思で献金をしたということは想定されていないんですけども、この辺りというのはこういう説明でカバーできるのかどうか、これちょっとお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/552
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553・阿部克臣
○参考人(阿部克臣君) ちょっと、法律の条文上、寄附を勧誘するに際しという条文になっていますので、それと困惑してですね。先ほどの岸田首相の説明だと、最初入信するときに寄附をして、その後、その不安に乗じてとかであれば、例えば十年後に自由意思に基づくような形で献金した場合も一応当たり得るということなんですよね。
ただ、それ、条文のなかなか解釈上難しいんじゃないかなという感じがしまして、寄附の勧誘に際しという文言にそこまで、その数年とか十年とかまで、それが果たして裁判所が認めてくれるかと言われたら、ちょっとかなり厳しいんじゃないかなというふうに思います。そういう広い解釈を首相がしていただいていることは有り難いんですけれども、端的にその条文上も広くしていただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/553
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554・梅村聡
○梅村聡君 ありがとうございます。
まあその条文で本当にそういうふうに読み取れるかどうかという、そこの問題はあると思うんですけども。
済みません、ちょっと、時間がありますので、次お聞きしたいと思いますけれども、小川参考人にお伺いをしたいと思います。
我々日本維新の会もヒアリングをさせていただいて、そのヒアリングとして来ていただいて、いろんなお立場がある中で御発言いただいたこと、これ我が党は感謝をしておりますので、今日はその旨お伝えしたいと思います。
その上で、先ほどから、この法案が成立したとしても、不断の見直しと検証というものが必要であって、見直しもできれば一年でというお話を聞かせていただきましたけども、果たして、じゃ、この法律ですね、今回の法律を見直していくだけで本当に実効性のあるものになるのかどうかという、ここ我々が非常に課題として持っております。
というのは、今回はこの法律によって、じゃ、例えば未成年の方も、あるいは成年した後もお金を取り返す手段はあるよということですけども、じゃ、現実的に、じゃ、それを皆ができるかというと、決してそうではないかと思います。例えば、そういう被害、例えば御家族がそうならなければ、そもそもそういう闘いをしなくても進学ができたり、例えば就職ができたりとかあるわけなんですね。ということは、この法律を作って、これで闘える材料があるじゃないかというだけでは、それは闘えない方もたくさんおられるわけですから、それは逆に、法律は用意したけども闘ってないのはあなたじゃないですかというふうなトラウマになる可能性も私あると思うので、やっぱりそういう意味では、見直しだけじゃなくて、新たな法整備であるとか新たなその対策を立てるということが必要だと思うんですけども、小川参考人の御見解をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/554
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555・小川さゆり
○参考人(小川さゆり君) おっしゃられているとおりで、この法案だけで救われない部分、非常に多くあると思っていますし、また、宗教の二世が、まず訴えるという、裁判をするという行為自体もすごくハードルがあると思っています。また、そういった二世の宗教的な虐待とかもまだ全然解決ができていない状況で、そしてまた、私は宗教法人法自体に問題があると思っています。余りにもちょっと、そのカルトが、そういった被害が野放しにされ過ぎている部分というのが感じられているので。
ただ、それは本当にもう時間が掛かることだと思うんですけれども、根本的な原因、そもそも、そういった親がカルト宗教に、この献金だけの問題を解決、裁判とか、法律を作っても解決できない部分たくさんあると思うので、私も、そういった宗教法人法の見直し、そして宗教二世のための、そういった人権が侵害されている問題、子どもの権利条約だったりとか、人権の問題が宗教の二世だからというだけで見過ごされてきた問題をもう少し政府は議論していただきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/555
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556・梅村聡
○梅村聡君 ですから、いわゆるカルトというか反社会的な活動を繰り返す団体ですね、やっぱりこういう団体をどう規制していくのかということと、それから、やはり宗教法人法の問題というのは避けて通れない、そういう御感想を持っておられると思いますので、これは我々立法府もしっかり受け止めなければならないと、そういうふうに考えております。
それでは、ちょっと先ほどから禁止行為と配慮義務という話題が出ておりますので、宮下参考人とそれから阿部参考人に、法律の実務家の立場からいえばという理屈を、理屈というか理論をちょっと教えていただきたいと思いますけども。
これも昨日、参議院の本会議で、先ほど阿部参考人がおっしゃったような、配慮義務を禁止に格上げというかですね、する方が一定の効果が出るんじゃないかと、幅広く救えるんじゃないかという問いかけをしたところ、答弁としては、これはもう衆議院からずっと同じ答弁が続いておりますけども、禁止行為というのは、法人等がどのような行為をしてはならないのか的確に認識できるよう、可能な限り客観的で明確なものとして規定すべきであると。これは確かにそのとおりだと思うんですけども、じゃ、配慮義務はどうなのかというと、これは、いかなる行為によるものであったとしても、寄附勧誘の際にはそのような結果をもたらさないようにすべきという規範を示すものであり、禁止行為とする場合よりもこうした結果を招くより幅広い行為を捉えることができるため、民法上の不法行為認定及びそれに基づく損害賠償請求を容易とする効果が高いと考えておりますと、こういう答弁なんですね。
つまり、どういうことかというと、何々をしてはいけないということをたくさんつくるよりも、こういう状態に陥らないようにという配慮という、まあちょっと言葉が正確かどうか分からないんですけど、ちょっとぼやっとした形の方が幅は広く捉えれるんだという、そういう答弁なんですけども、これは、その法律家、あるいは実際扱う、この法律を使って裁判をするときに本当にそういうことが適切な説明なのかどうかという、一瞬聞くと納得するんですけども、本当にそうなのかということをちょっとお二方に述べていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/556
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557・宮下修一
○参考人(宮下修一君) 御質問ありがとうございます。
例えば、民法では公序良俗違反というのがありまして、公の秩序、善良の風俗に反する行為は無効とすると。これは、過去には、こんな大ざっぱなものというのは使えるのかということで、むしろ使わない、使うには慎重にした方がいいなんて議論があったんですけど、ところが最近は、いや、むしろそういう幅広な要件だからこそいろんなきめの細かな法理として使えるのだという、こういう議論があるんですね。実際、公序良俗違反というのは、今、例えば不当勧誘の場面であるとか、そういうところでも使われておりますし、単に無効という効果だけではなくて、不法行為と言われるものの違法性判断要素としても使われているということなんですね。
ですから、この配慮義務というのは、ある意味ばくっとしたように見える条文かもしれませんけれども、使いようによっては非常に使い勝手のいい条文になり得るというふうに私は思っておりますので、確かに直接の効果はなくても、不法行為とか、あるいは逆に先ほど言った公序良俗違反という判断の中でこういったものを還元して、むしろ使い勝手のいいものにするということは十分できるし、私としては、それは自分としてもやっていかなきゃいけないなというふうには考えているところでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/557
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558・阿部克臣
○参考人(阿部克臣君) 幅が広いというところですけれども、現在の三条の配慮義務の規定は三号あって、それ、その三号がそれぞれその明確さが同じではないですね。
その禁止行為が客観的に明確なものということですけれども、少なくとも三条の三号については、もうこれは客観的に明確な規定ぶりになっていると思うんですね。法人名等を明らかにするということと、寄附の使途を誤認させないということですから。三号後段の寄附の使途を誤認させないというところは既に公益法人認定法の十七条の三号で同じ規定ぶりで規定されていますから、ということは明確な規定ですから、なので規定自体は可能だと思うんですね。
あとは、その公益法人認定法の十七条四号では、著しく不当な行為という抽象的な文言、それが寄附の禁止行為とされていて、さらにそれが報告、勧告、命令の行政処分の効果が付いていて、かつ報告違反には間接的な行政罰という制裁も定められている。なので、果たして、客観的に明確でないから配慮義務だ何だという、そういう答弁がその公益法人法等の規定と整合しているのかと、そこは問題としてあると思うんですね。
その上で、少なくとも三条三号については、それは禁止規定にし得る行為だと思うんですね。
一号については、政府は個人の状態という答弁をしておりましたけれども、それは書きぶりを工夫すれば、書きぶりを修正すれば、それは具体的な行為として書き込めるんじゃないかなというふうに思っております。
二号が一番三つの中で抽象的かなと思うんですけれども、それも具体的にその範囲、行為として書き込むことは五条の規定と併せて可能かなと思っておりますので、なので、禁止行為にすること自体は可能だと思いますので、なので、幅が広いというのはいいんですけれども、幅が広く、かつ強い禁止行為にしていただければ一番いいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/558
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559・梅村聡
○梅村聡君 終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/559
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560・田村まみ
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみと申します。
本日は、四名の参考人の皆様、本当にありがとうございます。私たちの都合でかなり急な予定で、しかもこんな夜遅くに、出にくい時間にこうやって私たちのために時間を使っていただいていることにまずもって感謝を申し上げるとともに、これまで消費者行政を守るために様々な御尽力をいただいたり、また、これからの被害を生まないためにという決心を持ってここに来ていただいた方にもまず感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。
さて、その上で、まず私がお伺いしたいのが、今日も昼の政府への質疑の中で、河野大臣に一つ聞いたことがあるんです。
今報道では、日々、特に新聞なんかでもそうなんですけれども、新聞を開くと、救済法案可決、救済法案の修正案とかいうふうに、略称が救済法案という形で報道がずうっとされているんですよね。このことについてのもう皆さんの受け止め、感想でもいいです。もう皆さんの全員の共通する立場は、ないよりかは、寄附行為に対してのこの生まれるであろう被害に対しては、ないよりかは必ず成立した方がいいと、しかし足りないところが多いという御意見だったと思います。
そういう中で、改めて四名の方にお伺いしたいと思います。報道の中での略称が救済法案というふうになっていることに対して、それぞれのお立場での御感想でもいいですし、マスコミの報道、自由はありますけれども、御意見等あれば伺いたいなというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/560
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561・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 皆さんにですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/561
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562・田村まみ
○田村まみ君 はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/562
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563・松沢成文
○委員長(松沢成文君) それでは、宮下参考人から。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/563
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564・宮下修一
○参考人(宮下修一君) 御質問ありがとうございます。
私自身は、冒頭申し上げましたように、まず何もなかったところからこの法律ができる、それこそまさに救済へ向けた一歩だということですので、決して救済法案という言い方自体、まあいろんな言い方はあると思いますけれども、不適切だというふうには受け止めてはおりません。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/564
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565・増田悦子
○参考人(増田悦子君) 救済法案の中身について理解していない一般市民の方などがそれをどう受け止めるかということを考えると、少々疑問がございます。
やはり、救済できる法案だということが頭の中に入ってしまっているということになると、これからの活動の中でやはり後押しがもうできてしまっているではないかという理解になってしまうとちょっとまずいかなと思いますので、言い方は少し考えた方がいいかなというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/565
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566・小川さゆり
○参考人(小川さゆり君) やっぱり、世間一般の方がそういった報道を見たときに、救済法案という報道を見たときに、統一教会の、じゃ、被害者だったり、そういうカルト宗教の被害者が救われるんだろうなと多分思うと思うんですね。ただ、ここに盛り込まれていることというのはもうほとんど献金の話だけなので、被害というのがもうそれだけではないと、この被害者の救済法案、今回の法案、新法だけで全て救われるわけではないということはやっぱり主張したいかなと思っています。
まだまだ人権の、信仰の強制の問題だったり宗教二世の問題が残っているので、この法案だけが被害の救済法案ではないということは被害者として述べたいかなと思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/566
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567・阿部克臣
○参考人(阿部克臣君) 救済法案という呼び方だと、これまでの過去の被害も救済するような印象を一般の方は抱く方もいると思うんですね。ただ、法律なので遡及効はないということなので、救済というのは将来の被害者の救済であるという意味になりますけれども、なので、若干一般の方については誤解を与え得るかなという気もするので、正しくは、規制法案とか、そういう呼び方の方がいいような気がします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/567
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568・田村まみ
○田村まみ君 ありがとうございます。
河野大臣と少しその感想でかみ合わなかったんですけれども、私自身もこの質問に立つに当たって周りの、もう本当に生活している人たちの感覚と思って聞いたんですけれども、それぞれ言っていただいたとおり、過去の方が救われるというふうに受け止めていたりとか、この旧統一教会の問題で被害を受けている方が、ほとんどの方が救済されるというふうに受け止めていたりというふうな形で皆さんは受け止めているという感想を私に述べてくれていたので、おっしゃっていただいたとおり、宮下参考人がおっしゃっていただいたとおり、ないよりかはもうこれは本当に画期的だというふうに思いますし、ただ、この内容についてということがきちっと伝わること自体が私は今後の被害のやっぱり拡大を防ぐことにも重要だというふうに思いますので、まあマスコミの報道の自由はあるにせよ、私たち国会議員がどういうふうに伝えるかというのは少し気を付けなきゃいけないんじゃないかなというふうに今受け止めました。ありがとうございます。
その上で、増田参考人にお伺いしたいです。
私も、当選した後、今四年目の議員なんですけれども、消費者問題特別委員会で四年間活動をさせていただいていて、改正がこの四年ぐらいで二回あって、本当にこの取消し権の伸長って、もう岩盤の、もうとてもじゃないけど乗り越えられないんじゃないかというふうに私思う、印象で、何度かの改正の法案に向き合ってきたんですけども、ここが今回霊感商法だけということになったということで、ここについての評価もある中で、今後に向けてということでは多様な類型があるということで、そのことについて少し御意見いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/568
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569・増田悦子
○参考人(増田悦子君) 今回議論いただいたことは非常に重要であったと。これが無駄にならないようにしていただきたいと思います。
前回の消費者契約法の改正のときにも、やはり、普通の方たちが脆弱になることもあって、その付け込み型というのが誰にでも起こり得る、それが人間の本質的な問題であるというところまで議論していただいたことがありました。それをまた再度継続して議論していただく、そのための一つのものになったのではないかなというふうに受け止めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/569
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570・田村まみ
○田村まみ君 ありがとうございます。
是非、小川参考人にこれ聞いてほしかったんですよね。
この問題をこうやって表面化させていただいて、活動していただいたおかげで、この消費者行政でなかなか乗り越えられなかった部分も少しだけ風穴が空いてきたというところは、一つ、この、何でしょう、霊感商法や旧統一教会、カルトの問題に悩んでいる人たちだけじゃない、もっと多くのところにこれが及んでいるというところは、私は一つ意義があったんじゃないかなというふうに思っています。
その上で、小川参考人にお伺いしたいと思います。
今日も何度も遡及されないことについてのお訴えされていました。私自身もその問題については対政府の質疑で質問させていただいたんですが、思ったような回答いただけませんでした。相談体制の強化によって、これから、そして今気付いた方に対しては何らかの対応ができるはずだというようなのが政府の答弁でした。
私、全て心配なことあるんですけど、一つ心配なのが、やっぱり虐待だったり、ちょっとひどいなというような、外形的にも犯罪に近い状態じゃないかということを家族、親族に受けたとしたら警察に相談に行くんじゃないかなというふうに思うんですけども、もし、今回いろんな皆さんの声聞いている中で、警察に御相談行かれたときの対応で何か事例があれば教えていただきたいなというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/570
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571・小川さゆり
○参考人(小川さゆり君) そうですね、私もアンケートを実施した中でそういったケースもありました。両親が信仰を余りにのめり込んでいて、もうそういった、例えば訓読といったりとかお祈りといったりとか信仰の行為というものがあるんですけれども、そういったものをしなかった場合に罰を与えたりだとかというのが、もう家庭によっては本当に体罰、もう一般的に明らかに虐待と見られるケースがアンケートでもありました。
そういった方が警察、弁護士、行政にも相談に行っていたんですけれども、やはりそこからの回答というのは、宗教と言った瞬間にもう門前払いされると。明らかに虐待と認められるであろうケースであっても児童相談所も対応してくれないということが、そういったケースをお聞きしています。この方だけではなくて、ほかの方も、複数そういった話を聞いています。
ただ、なので、この事件後に改善した部分というのもあって、児童相談所だったりとか、そういう行政が宗教の話もしっかりと聞き入れると、そういうふうに明言していただいたことも報道で確認していますので、ただ、それが本当に、じゃ、実際にしっかりとそれをやってもらえるのか。上のお立場の方々、児童相談所の、厚生労働省だったりがそういったふうにやっていますと言うことって簡単なんですけれども、実際に、じゃ、地方でとか、実際に現地でそれがしっかりとなされているかというのはやっぱり検証していかないと分からない部分あると思いますので、そこの確認、検証は忘れずにしっかりと行ってほしいなと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/571
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572・田村まみ
○田村まみ君 ありがとうございます。
この後は、阿部参考人と宮下参考人にお伺いをしたいというふうに思います。
今日の質疑や今までの参考人の皆様からのお話の中でも、やっぱり私は、これはあくまで寄附行為に対しての法律であって、いわゆるカルト的な行為を行っている団体だったりとか、いわゆる宗教、今回の旧統一教会に対して総合的に対応できるものではないというのが皆様から聞いている中身ですし、宮下参考人が参加されていました検討会でも、そもそもは宗教法人法の中での質問権等の行使に問題があるんじゃないかというようなところが議論の出発点だったというふうに思っています。
是非この宗教法人法の改正、難しい、ハードルが高いって言われていますけども、ここについての今何らかの御意見があれば言っていただきたいのと、あともう一つ、衆議院の質疑の中にも少し出ていましたが、フランス等のセクト法、反カルトに対しての法律など、そういう総合的な、取引とか寄附に限っていなくて、いわゆる反社会的な行為を行っている団体に対してのもう少し大きな法律みたいなことに対して、必要性について何らか御意見ありましたらお述べいただきたいと思います。
宮下参考人、阿部参考人の順番でお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/572
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573・宮下修一
○参考人(宮下修一君) 御質問ありがとうございます。
今、二点御質問いただいたかと思います。
宗教法人法については、私ども検討会でも大変いろんな議論もありまして、真摯に議論させていただいたところでございますけれども、まずはその宗教法人法、今までそもそも使われていないというところが問題だと。その使うというところから始めようということで質問権の行使と、これ自体も初めてのことでございますので、実際、今、質問権行使されている状況でございます。
その運用状況の中で、やはりまだ足りないんだということであれば、これは改正への議論ということになっていくと思うんですが、今まで使っていなかったものというのをまず使ってみたというところが今の出発点ですので、そこの状況を見てから、必要であれば宗教法人法の改正に、やっぱり次に行く、ステップアップすると、私個人はそう思っております。
もちろん、検討会の中、いろんな議論ありましたので、そうではないという御議論があることも承知はしておりますけれども、まずはやっぱり質問権の行使というところから始めたと、これは本当に大きなことだったなというふうに個人的には思っております。
それから、反セクト法のことについては、これも検討会の中でかなり議論が深くあったところでございます。
ただ、なかなか難しいのは、やはり多くの国民がキリスト教というか、そういった宗教にある国と、私どもの国というのが必ずしもそういう国ではないというところですね。そこの国の文化の違い、あるいは国の持っているバックボーンとか、そういう民族的背景の違いとか、いろんなものがあると思いますので、そういう中で、取りあえずそのセクト法というところまで行くのは難しいという中で、やはり宗教法人あるいは宗教団体というものがいろんな勧誘をする、そういうところに不正な行為があると、そういう行為規制というところからまず始めていこうではないかというようなことで、例えばそういう形で取消し権の充実とか、あるいは行為規制とか、そういうところを提言させていただいたということでございますので、またこの先もちろん議論はあり得ると思います。それはもちろんあり得るんですけれども、差し当たり検討会ではそういう議論だったということでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/573
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574・阿部克臣
○参考人(阿部克臣君) 一点目の宗教法人法の改正ですけれども、私としては、それはやはり必要なんじゃないかなというふうに考えております。
理由としましては、現在のそういう宗教法人法が戦前の宗教弾圧、国家による宗教団体への弾圧への反省から、現在の宗教法人法というのは、宗教団体の自律的運営に委ねる、つまり性善説に基づいていると、そういう立て付けになっている。国家は宗教団体のその宗教的な側面に介入しないと、そういう前提に立っておりますので、所轄庁もあくまで所轄庁であって監督庁ではないと、そういうことになっているわけですけれども、それによる結果として、宗教団体、法人による個人への人権侵害というのが起きていると。
そういう中で、オウム事件とか、あとは統一教会の被害とか、宗教法人、団体による個人への人権侵害が生じているということになっておりますので、そこはやはり個人の人権との関係でバランスを欠いていると思うんですね。なので、やはりそういうカルト的な宗教団体、宗教法人というものもあるわけですから、そこはやはりその性善説的なものだけでは駄目で、一定のより強い規制というものが一方で必要ではないかなというふうに考えております。
あと、反カルト法ですけれども、やはりそういう反カルト法的なものが法律としてできれば、それは非常にいいとは思うんですね。フランスの制度ですと、刑事罰とか解散とか、あとは民間の団体と連携して支援してやるような、そういうやり方になっていますので、そういう総合的な制度があれば、それが一番いいとは思っております。
ただ、やはりフランスと日本では、国民感情とか宗教に対する姿勢など、文化的なものも歴史的なものも全く違うと思いますので、あくまでそれを参考にしつつ、制度、法律を一つ一つ作っていくということが必要ではないかなというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/574
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575・田村まみ
○田村まみ君 ありがとうございました。
最後に、本当は小川参考人と増田参考人に孤独担当大臣の活躍についてお伺いしたかったんですけども、時間が参りましたので終わりたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/575
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576・田村智子
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
本当に、参考人の皆さん、ありがとうございます。
そして、皆さんの意見陳述を踏まえて、更なる修正への努力を最後まで行っていきたいというふうに私たちは考えています。
それで、まず禁止規定について阿部参考人にお聞きをいたします。
やはり統一協会の特徴的な被害を救済するということを考えれば、マインドコントロールから寄附までの間にタイムラグがあると、かなり長いタイムラグもあり得る、それでも救済するためにどうするか、あるいは、自ら進んで寄附をしてしまうと、こういう場合も寄附の取消しに持っていく場合にどうするかということが問われていると思います。
その点で、御指摘のあった、そのたびに不安をあおったり困惑にさせたり、あるいは寄附が必要不可欠だということを告げるというのは、このマインドコントロール下での寄附を救済する上での障害に、障壁になり得てしまうというふうに私たち考えていまして、修正の提案も衆議院では行いました。参議院でなかなか時間がなくて、修正提案できるかどうかなんですけれども。
まず、その四条六号について言えば、不安をあおることその他の方法により、寄附をするか否かについて適切な判断をすることが困難な状態に陥らせ、又は陥っていることに乗じ、寄附の勧誘をしてはならない、こういう修正をすることがやはり必要だし、可能ではないかというふうに考えますが、ちょっとこの間の政府の答弁で、不可欠を削除すると一般的な宗教活動に対象が広がってしまうとか、あるいは、今の条文でもタイムラグがあっても救済できる場合があるとかいう答弁もなされているんですけれども、この答弁との関係も含めて、私たちの修正提案について御意見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/576
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577・阿部克臣
○参考人(阿部克臣君) 共産党の修正案は、私もざっくりですけど拝見しましたけれども、内容としましては、我々全国弁連が出している修正案に近い内容ということで、そのマインドコントロール的な行為の捕捉も含めてかなり広い行為を禁止規定としていただいている、取消しの範囲が広い、かつ、その期間も十年ではなく二十年にしていただいているというふうに思います。そういう意味では、被害救済にかなり役立つ条文になっているだろうと、そのように感じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/577
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578・田村智子
○田村智子君 先ほどもちょっと質問があった、それで、配慮義務のところについてもお聞きをしたいんですけれども、先ほど来も意見があったんですけど、重なるところがあったら済みません。
昨日の本会議で、我が党同僚議員が、その三号ですね、正体を隠し寄附の目的を誤認させると、これがなぜ禁止規定にできないのかという質問に対して、岸田首相の答弁は、禁止行為とするために誤認させるおそれのある行為を規定すると、その範囲が限定的になってしまう可能性があり、適切ではないと言われたんですね。これ、つまりは、今の条文よりも厳密にしないと禁止規定にはできないんだという意味だと私は受け取りました。ちょっと非常に分かりにくい答弁なんですけれども。
しかし、この法案の禁止規定というのは、すぐに、この行為を、禁止されている行為を行ったら、その途端にその法人等が何かの罰則を受けるというものではないんですね。罰則はワンクッション置かれていて、行政による勧告がまず行われ、その勧告にも従わないというときの罰則なんですよ。
そうすると、他の法律を見てみても、そういう場合の禁止規定というのは、何も事細かく厳密にというものばかりではないと思います。もっと緩い禁止規定は幾らでも他の法律にあると思います。
そう考えると、今の一号から三号ですよね、適切な判断ができないような状態に陥らせる、それから、自分や家族の生活の維持を困難にする、そして、正体を隠し、寄附の目的もごまかすと。これらはこのままでも禁止規定にすることは可能ではないのかというふうに考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/578
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579・阿部克臣
○参考人(阿部克臣君) おっしゃるとおりでして、その禁止行為違反が直ちに刑罰とかに結び付いているわけではないということですね。この法律、刑罰というものは付いていますけれども、刑罰というのはあくまで行政処分としての命令違反の刑罰だと思いますので、そういう意味で間接的な立て付けになっているわけです。
禁止規定違反が直ちに刑罰になるということであれば、それは罪刑法定主義という原則から、それは条文の表現はかなり明確に厳格にしなければならない、そういう要請が強く働くというわけですけれども、三条の規定を禁止規定にしたからといって、それに取消しの効果も付与されていないわけですし、その刑罰とか命令という効果も付与されていないわけですので、それは禁止規定にすることは可能だと思うんですね。
先ほど申し上げたとおり、公益法人法十七条四号の規定もそうですけれども、禁止規定というその規定で、そういうより抽象的なものは幾らでもあるわけですね。かつ、この三条の三つある規定のうち、例えば一号とか三号前段というのは、統一教会に関する過去の判例で既に違法と認定する要素として裁判で認められているものであると。それは、判例によっては統一教会に限らず違法だと判示しているものもあります。
なので、そういう禁止規定とするもう根拠もある、立法事実もあるものですから、そういう意味でも、禁止規定にすることは、それは可能なんだというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/579
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580・田村智子
○田村智子君 それからもう一点、阿部参考人にお聞きしたいんですけど、配慮義務や禁止行為に関する勧告なんですけれども、この配慮義務については、著しい支障が生じている、それから当該行為、禁止行為をするおそれが著しいというふうに、著しいが二度も出てくるわけなんですね。そうすると、これは勧告のハードルが高くなってしまって、実効性があるんだろうかという疑問があるわけですね。この点についての見解をお聞きしたいのと、同じことで増田参考人に、こういう規定で、それじゃ、行政がやっていくことになるわけですね、勧告ということに。そのときにどのような対応が必要となってくると思われるか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/580
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581・阿部克臣
○参考人(阿部克臣君) 先ほども申し上げましたとおり、この新法の六条、新しく入った六条ですね、配慮義務の遵守に係る勧告という条文が、その勧告の要件として、著しい支障が生じていると明らかに認められる場合において、更に同様の支障が生ずるおそれが著しいと認めるときという書きぶりでして、つまり、その著しいという文言が二回出てくるのと、さらに、明らかという文言も入っていますので、一般的にはかなりハードルとしては高いんじゃないかなというふうに思います。
この勧告というのは、先ほどから繰り返していますけれども、被害救済に結び付き得る、内容によっては結び付き得る条文だと思っていますので、なので、この要件ができるだけ高くならないようにそれは解釈していただきたいというふうに思うんですね。なので、政府の方でもこの条文の解説を作っていただくときは、そういう被害救済という見地から、できるだけ広い、低い意味でこの条文を解説していただきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/581
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582・増田悦子
○参考人(増田悦子君) 私たちの立場としては、やはりこの著しいというところまで持っていくためにはやはり広く相談を受け付ける必要があって、一つの相談だけではなく、複数の同種の内容というものが寄せられたときには、やはりそれをしっかり具体的に聞き取りをしてデータとして残していく、それの集約が非常に有効ではないかというふうに思います。
この配慮義務に関しては、義務ではありますけれども、消費生活相談の現場においてはやはり国が決めた義務であるということをしっかりと伝えていくことはできますので、やはりこれを現場では活用していくということが求められていると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/582
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583・田村智子
○田村智子君 もう一点、増田参考人にお聞きしたいんです。
先ほど、寄附やお布施というのはとても難しい案件であったと、で、情報提供にとどまってきたということなんですけれども、やはり今後、こういう法案をやっぱり使って救済を裁判だけでなく行政においてもやっていかなければならないというふうに思います。その上で、行政措置を実効性確保するために求められる消費者行政の体制強化などについて御意見ありましたら、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/583
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584・増田悦子
○参考人(増田悦子君) 非常に難しいと思います。
ただ、私たちができることとしては、やはりしっかりと聞き取りをしていくことですね。それと、この寄附、お布施に関しても消費生活センターで受け付けるものであるという認識を強く持っていく必要があると思います。今までそこのところが十分ではなかったというふうに思いますので、そこをしっかりとやっていく必要があると思います。
そしてまた、子供の虐待とかそういうことについても、連携をするということはもう今でもやっているとは思うんですけれども、現状、その先どうなったのかとか、やはり情報共有というのが非常に重要だというふうに思いますので、そういう情報共有ができるような体制ということが必要かなというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/584
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585・田村智子
○田村智子君 最初の意見陳述の中で、やはり合理的な判断ができるかどうかと、その寄附がね。やっぱりそういう条文の根拠を持って消費者行政が対応できるようにという、やっぱり根拠となる条文にできるだけ修正をしていきたいなというふうに思います。
最後、小川参考人にお聞きします。
本当に御家族の、特に御両親のことをお話しされるのはいろんな意味でつらいものがあろうかと思います。やはり御両親も被害者であって、それが子供さんも含めた加害になってしまうという、この苦しさが統一協会の被害の大きな特徴になっていますよね。
それで、やはり最初に入信するときに、私たちは統一協会というのは信教の自由を侵しているんじゃないのかというふうに考えています。正体を隠して接近をすると、それで、いつの間にかセミナーとか受けているうちに教義を信じ込ませていくということなのでね。ですから、この統一協会に対するその救済の法案が、信教の自由との関係で救済が実効性が問われてしまうようなものになってはならないんじゃないかというふうに思うんですね。
その信教の自由との関係で、統一協会について思われていることをお話しいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/585
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586・小川さゆり
○参考人(小川さゆり君) まさにそうで、先ほど出た六番の霊感等による知見としてと、そして最後の方に、必要不可欠であることを告げること、これを岸田総理は、不可欠の文字を取ってしまうと範囲が広まるから、だからいろんな団体に当てはまってしまうというような言葉だったと、正確な言葉じゃなかったら申し訳ないんですが。しかし、この文章を読んでいても、どこを読んでも、不安をあおり、又は抱いていることに乗じて、当該不利益を回避するためには寄附をすることが必要不可欠、これ自体がどう考えても悪質であることが明白であるのに、その範囲が広まるからという理由で不可欠の文字を取れないということがすごく私は疑問に思っています。
なので、そういった信教の自由とか献金する自由を守るために、その債権者代位権の件も、ここも扶養の部分だったりとか理由のある部分しか返金が求められないというのは、カルト団体に献金することの自由を認めてしまっているのかなと私は思ってしまいますね。
なので、それがすごくおかしいなと思っている部分で、信教の自由、信じることの自由、宗教への信じる自由というのは認められていいと思っています。宗教というものはすばらしいものだと思っています。しかし、カルト団体への信仰の表現の自由を認めている、国が認めている、ここはどうしても納得ができない部分です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/586
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587・田村智子
○田村智子君 小川さん、もうこれが最後になると思うんです。言い足りなかったことがありましたら、やっぱり、国会三十年間動いてこなかった、行政も動いてこなかった、そこでもたらされた被害です。思いのたけを最後お述べいただけたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/587
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588・小川さゆり
○参考人(小川さゆり君) 本当に被害者の声をまずは聞いていただきたいなと思っています。特に与党の、政府の方々には、なるべくそういったヒアリングを開いて被害者の声を聞くことで、この法律というものがもっともっと、実際に、じゃ、この方に当てはまるのかというシミュレーションもできますし、それを私は強く望みます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/588
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589・田村智子
○田村智子君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/589
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590・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。
参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。
参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。(拍手)
本日はこれにて散会いたします。
午後六時二十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014536X00420221209/590
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