1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年十二月一日(木曜日)
午後四時五十二分開会
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委員の異動
十一月二十五日
辞任 補欠選任
佐々木さやか君 西田 実仁君
十一月三十日
辞任 補欠選任
野田 国義君 石川 大我君
西田 実仁君 高橋 光男君
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出席者は左のとおり。
委員長 河野 義博君
理 事
佐藤 啓君
中西 祐介君
三浦 靖君
小沢 雅仁君
山本 博司君
委 員
井上 義行君
江島 潔君
高野光二郎君
柘植 芳文君
長谷川英晴君
舞立 昇治君
牧野たかお君
松下 新平君
山本 順三君
石川 大我君
岸 真紀子君
古賀 之士君
高橋 光男君
片山 大介君
柳ヶ瀬裕文君
竹詰 仁君
伊藤 岳君
浜田 聡君
国務大臣
総務大臣 松本 剛明君
副大臣
総務副大臣 尾身 朝子君
農林水産副大臣 勝俣 孝明君
事務局側
常任委員会専門
員 佐藤 研資君
政府参考人
内閣府政策統括
官 水野 敦君
内閣府地方創生
推進室次長 黒田 昌義君
総務省大臣官房
地域力創造審議
官 大村 慎一君
総務省自治行政
局長 吉川 浩民君
総務省自治行政
局公務員部長 大沢 博君
総務省自治財政
局長 原 邦彰君
総務省自治税務
局長 川窪 俊広君
財務省主税局国
際租税総括官 小宮 敦史君
農林水産省大臣
官房統計部長 菅家 秀人君
農林水産省農産
局農産政策部長 松本 平君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/0
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001・河野義博
○委員長(河野義博君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、佐々木さやか君及び野田国義君が委員を辞任され、その補欠として高橋光男君及び石川大我君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/1
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002・河野義博
○委員長(河野義博君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
地方交付税法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官水野敦君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/2
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003・河野義博
○委員長(河野義博君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/3
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004・河野義博
○委員長(河野義博君) 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。松本総務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/4
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005・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) 地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
令和四年度の第二次補正予算により、同年度分の地方交付税の額が一兆九千二百十一億円増加することとなりますが、本年度においては、このうち四千九百七十億円を交付することとし、これに対応して、経済対策の事業や経済対策に合わせた独自の地域活性化策等の円滑な実施に必要となる財源を措置するため、令和四年度に限り、臨時経済対策費を設けることとしております。また、残余の額一兆四千二百四十二億円を令和五年度分の地方交付税の総額に加算して、同年度に交付することができることとしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/5
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006・河野義博
○委員長(河野義博君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/6
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007・岸真紀子
○岸真紀子君 立憲民主・社民の岸真紀子です。
松本大臣となってからは初めての質問となりますので、よろしくお願いいたします。
前回の野田国義議員からも地方自治に関する質問がされていましたが、改めて私も大臣に確認させていただきます。
私は自治体職員の経験がございまして、二〇〇〇年以前までは地方自治体において様々な地域の課題を住民のために取り組むことができていました。ですが、この二〇〇〇年という地方分権の年でもあったんですが、これ以降できなくなる状態に追い込まれていた経験があります。三位一体改革で地方交付税が当時は大幅に削られたり、市町村合併や行財政改革、いわゆる合理化というものをせざるを得ない状況がつくられてきました。また、追い打ちを掛けるように、夕張市の財政破綻で見せしめのように財政健全化法というものができましたので、見事に地方公務員の数というのは大幅に減っていきました。こういったことがかえって地域の活力を奪って、結果として地方の人口減少に歯止めが掛からなくなったのではないかと考えます。
ただ、この政策云々については今日は聞きませんので、地方公務員の数を大臣はどのように考えているのかというのをお聞きしたいと思います。
自然災害やコロナ禍を踏まえて、国家公務員と同様に地方公務員の数というのも業務量と見合っていないというのが実態です。相当疲弊しています。必要な人員を確保すべきと考えますが、大臣の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/7
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008・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) 岸委員に御答弁申し上げたいと思います。
地方公共団体の定員につきましては、各団体において行政の業務の合理化、能率化を図るとともに、行政課題に的確に対応できるよう、地域の実情を踏まえつつ、適正な定員管理に努めていただくことが大切であると考えております。
各団体においては行政需要の変化に対応しためり張りのある人員配置を行っていただいているものと承知をしており、かつて地方公務員の職員数が減少基調であった時期にあっても、例えば防災対策に携わる職員や福祉事務所の職員は増加しております。近年では、一般行政部門の職員数は、地方創生や子育て支援などへの対応もあり、平成二十六年を境に七年連続で増加し、令和三年四月までの間で約二・六万人の増となっているところです。
今般の新型コロナや大規模災害のような事態に対しては、全庁的な応援体制の確保や会計年度任用職員などの採用のほか、団体間の応援により対処していただくこともありますが、各団体においては様々な工夫も交えながら適正な定員管理に努めていただいているものと認識いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/8
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009・岸真紀子
○岸真紀子君 徐々に確かに増えてはきているんですが、まだまだ足りているとは言えない実態にあります。また、大臣の答弁にもあった会計年度任用職員というのも大幅に増えていたり、委託先の労働者も増えています。非正規雇用で働く労働者、いわゆる官製ワーキングプアの問題も深刻となっています。
このことについてはまた別な機会に、公共サービスを支える立場というのをどうやって守っていくかということをまた別な機会に質問させていただきたいと思いますが、是非この非正規公務員ということもしっかりと大臣には念頭に置いていただきたいと言いまして、次の質問に入ります。
総務省は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、保健所で対応業務に当たる保健師を二〇二一年から二二年度の二年間で約九百人増員するために地方交付税を充ててきましたが、今年度で一応その財政措置は終了するということになるのでしょうか。効果はどうであったのかという検証と併せて、保健師以外の専門職や事務職も不足しています。保健所の交付税措置の増額は必要不可欠と私は考えています。何度も要請をしているところではございますが、恒久化を含めて増員措置を継続していただきたいのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/9
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010・原邦彰
○政府参考人(原邦彰君) お答えいたします。
保健所において感染症対応業務に従事する保健師について、今御指摘ありましたが、コロナ禍前と比べて、令和三年度と四年度の二年間で四百五十名ずつ、合計九百名の増員を行っております。
厚生労働省の調査によりますと、今分かっている段階で、令和三年度の感染症対応業務に従事する保健師は、コロナ禍前の平成三十一年から実質的に約七百名増員されているというふうに承知しておりまして、自治体の実情に応じた保健所の体制強化が一定程度図られているものと認識しております。
今御指摘ありました令和五年度以降のお話でございます。保健所の保健師の方、それから、今御指摘ありましたのは、その他の職員の方の体制の在り方については、現在、厚生労働省において、地方団体の意見を踏まえるとともに、保健所の実態を把握した上で検討を進めていると承知しておりまして、総務省としても所管省庁の検討結果を引き続きよく伺って対応してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/10
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011・岸真紀子
○岸真紀子君 今答弁いただいたとおり、厚生労働省が所管となるので、もちろんその厚生労働省での検討というのも大事だと思いますが、やっぱり総務省というのはそもそも地方自治体を管轄するところなので、ここは待ちの姿勢ではなくて、これだけやっぱり疲弊している保健所の実態を見ると、これは考えていくべきではないかということを再度言っておきます。
次に、自治体からの要望に森林環境譲与税の譲与基準の見直しを求める声があります。
現在は、人口割りによる配分が多い、大きいために本来必要とする山林地域への配分が小さくて、森林を持たない大都市への配分が多いのが実態です。これは税負担のこともあるので一定程度理解はするものの、実際には使い切れない大都市が出てきたり、森林を多く有しているのに金額が少額過ぎるといったことで、有効な活用ができていないというような実情を招いています。
森林環境譲与税を使って森林の整備等を着実に進めるためにも、山林、山村地域等の再生に一層取り組むことができるように、対象となる森林面積割合の見直しなどが必要と考えますが、今後の方針をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/11
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012・川窪俊広
○政府参考人(川窪俊広君) お答え申し上げます。
森林環境税及び森林環境譲与税は、納税者の理解を得つつ、森林の有する公益的機能を維持増進するために創設された制度であり、全国の地方団体において森林整備や木材利用等に有効に活用されることが極めて重要であると考えております。
御指摘のありました譲与基準の見直しに関しましては、これまでの衆参両院の総務委員会の附帯決議におきまして、各自治体の森林整備の取組や施策の効果を検証しつつ、必要がある場合には所要の見直しを検討するとされていることも踏まえまして、地域の実情に応じた様々な取組の内容や森林環境譲与税の活用状況等を勘案して、地方団体の意見も十分に伺いながら丁寧に検討してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/12
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013・岸真紀子
○岸真紀子君 自治税務局としても大事だということは認識していただいていると思いますので、引き続き前向きにお願いいたします。
今回の補正予算に関連する地方交付税法の改正案は何と評価すべきなのか、若干悩みます。
二〇二一年度の国税決算に伴う地方交付税法定率分の増加が一兆六十七億円、二〇二二年度の国税収入の補正に伴う交付税法定率分の増加が九千百四十四億円の計一兆九千二百十一億円なのに、本年度の交付税増額分は四千九百七十億円、残りの一兆四千二百四十二億円は次年度への繰越しとするとなっています。
この分け方でよいのかどうか。例えば、二〇二一年度の補正予算は交付税特別会計借入金の償還に八千五百億円として充てていましたが、なぜ今回はしなかったのか。このような内訳が最適だと考えた理由をお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/13
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014・原邦彰
○政府参考人(原邦彰君) お答えいたします。
今御指摘もございました今回の補正予算、地方交付税の増が一・九兆生じました。これに伴いまして、今年度の普通交付税の調整額分の追加交付、あるいは地方自治体が独自の地域活性化策等を円滑に実施されるための財源、こうしたことのために、四年度、今年度の交付税を約五千億円増額するとしております。残りました一・四兆円は翌年度の財源に繰り越すこととしております。
その考え方でございますけれど、まず令和三年度は、当初予算において、新型コロナ感染症の影響で地方税や交付税の法定分が大きく落ち込むという見通しの下に臨時財政対策債の発行を大幅に増やしておりました。また、元々予定していた交付税特別会計借入金の償還を後年度に繰り延べるということといたしました。
そうした中にあって、令和三年度の補正は、法定分が四・三兆円という形で大幅な増となりましたので、当初想定していた臨時財政対策債を増やしたものですから、その償還費を措置するということ、また、交付税特会の借入れも後年度に繰り延べておりましたものですから、これを元に戻して繰上償還するということを実施いたしました。
今年度においては、そもそも交付税の法定分の増が一・九兆円と令和三年度よりも大幅に少ないという事情がございましたし、また、当初予算で臨時財政対策債は抑制することがある程度できていたと。
こうした事情もありまして、令和三年度にありました臨時財政対策債の縮減や交付税特別会計の償還などは、一・四兆円、今、来年度に繰り越しましたので、来年度の予算の中でしっかりと検討したいと、こういう考え方で今回の措置を講じたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/14
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015・岸真紀子
○岸真紀子君 本当に、先にもらうのがいいのか、後にもらうのがいいのかというのは悩ましい問題ではあります。
今回の増額分の扱いについて、地方自治体からの要望や意見は聞いたのでしょうか。地方の意向をどのように把握をして改正案に反映しているのか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/15
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016・原邦彰
○政府参考人(原邦彰君) お答えいたします。
地方の意見ということでございます。いろんなチャンネルを通じまして、我々、地方団体の意見を聞いております。
特に主なもの申し上げますと、まず地方からは、地域の生活、経済への更なる支援に国と地方が総力を挙げて取り組むことができるよう、令和四年度の地方交付税を増額してほしいということ、それから一方で、令和五年度においても、やはり地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源総額の確保をしてほしいということ、特に安定的な交付税総額を確保していく、こういうような御要望をいただいております。
こうしたことも踏まえまして、先ほど申し上げましたとおり、今年度に地方交付税約五千億円を増額し、残りました一・四兆円を来年度の財源として繰り越すということとしたところであります。
なお、今回の補正予算の内容につきましては、全国知事会、市長会、町村会からそれぞれ高い評価をいただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/16
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017・岸真紀子
○岸真紀子君 今の答弁にもあったとおり、令和五年度においても安定的な確保をお願いしたいという要望があったと言っていました。
次の質問なんですが、次年度への繰越し一兆四千二百四十二億円は、過去の経過から見ても大きな額となっています。総務省が八月に発表した二〇二三年度地方債計画案を見ますと、臨時財政対策債に一兆三千十三億円と見込まれています。
今回、一兆四千二百四十二億円を繰り越すと、臨時財政対策債を発行せずに済むという見方もありますが、来年度のその臨時財政対策債の抑止となるのか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/17
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018・原邦彰
○政府参考人(原邦彰君) お答えいたします。
今、令和五年度の概算要求時の御指摘がございました。
概算要求、夏の段階の仮試算でも、やはり、今おっしゃったとおり、財源不足がかなり引き続き生じております。
一方、御案内のとおり、ウクライナ情勢ですとか資源価格の動向等々、いろいろと経済には非常にリスク要因があるというようなのもここに来て見えてきております。
そうしたこともございまして、財源不足、経済の動向の不透明さ、こういったものもございまして、一・四兆円を先ほど申し上げましたとおり繰り越し、来年度の繰越財源として活用することとしております。
いずれにいたしましても、令和五年度の当初予算、こうした税収動向もにらみながら、この一・四兆円も活用し、交付税総額を適切に確保しつつ、臨時財政対策債の発行抑制など、地方財政の健全化にも努めてまいりたいと思っております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/18
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019・岸真紀子
○岸真紀子君 今言われたとおり、そもそもこの臨時財政対策債は地方自治体からは不評の制度で、地方財政の安定的な、不安定さを、地方財政の不安定な状態を避けることは重要になっています。そのためには、やはり根幹として、地方財源の確立には法定率の引上げが欠かせません。総務省の悲願でもあると私は考えます。
この法定率について、松本大臣の就任中に達成していただきたいと強くお願いするところですが、大臣の答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/19
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020・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) 地方財政の健全な運営が大切であることは委員御指摘のとおりであると私も認識しております。
そのためには、本来的に交付税率の引上げなどにより地方交付税総額を安定的に確保することが望ましいというふうに考えられるところでありますが、この交付税率の引上げについては、現在、国、地方共に厳しい財政状況にあるため、容易ではないということでもございます。
今後も、交付税率の見直しなどにより地方交付税総額を安定的に確保できるよう、粘り強く主張いたしまして、政府部内で十分に議論してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/20
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021・岸真紀子
○岸真紀子君 岸田総理も来年度の交付税増額に言及されていたと思いますので、当然、法定率の引上げなのかなと期待していたところなんです。是非、引き続きお願いいたします。大臣に精力的に財務省に掛け合っていただくこともお願いいたします。
昨年に続いて今年と二年連続で国税収入の増加に伴う交付税の増ですが、一方で、二〇二二年度の臨時財政対策債は一兆七千八百五億円です。コロナ禍で国税収入の見積りは確かに難しかったと承知はしますが、二〇二一年度当初予算や二〇二一年度補正予算での税収見積りも甘かったがゆえに、地方自治体は本来発行が必要なかった多額の臨時財政対策債を発行したという見方もあります。補正だけ見ると上回ったからいいでしょうとなるかもしれませんが、今年度の臨財債は大きかったという問題です。
税収見積りと実績がなぜこんなに乖離したのか、理由を財務省に、そして総務省には税収見積りが地方財政に及ぼした影響について伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/21
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022・小宮敦史
○政府参考人(小宮敦史君) お答え申し上げます。
令和三年度決算税収は、補正後税収を三・二兆円上回り六十七・〇兆円となりました。これは、受取配当を始めといたしました所得の全体的な増加、世界経済の回復に伴う需要増や円安等による好調な企業収益、円安、資源高を背景とした輸入の増加などの要因により、所得税、法人税、消費税等が増加したことによるものです。
また、令和四年度補正後税収は、当初予算税収を三・一兆円上回り六十八・四兆円となる見込みとしております。これは、見積りの土台となる令和三年度の税収が決算において上振れをしたことに加えまして、足下の課税実績、雇用、賃金の伸び、企業業績の見通しなどを反映し、所得税、法人税、消費税等が増加すると見込んでいるためです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/22
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023・原邦彰
○政府参考人(原邦彰君) 地方財政への影響について私の方から御答弁申し上げます。
税収については、今財務省の方からも御答弁ありましたが、見積りの時点では適切であったものと存じますけれども、経済には不確実性が伴うものでありまして、国税収入額の見積りから増減が生じることはある程度やむを得ない面もあると考えております。ただ、このように国の税収動向によりまして地方交付税の額が増減するということになりますので、これまでも、国税の増額補正の場合、あるいは逆に減額補正の場合は臨財債を年度途中で更に追加することはできませんので交付税で補填するということもやっております。
いずれにいたしても、その都度その都度法律改正をお願いして、財政当局とも協議の上、必要な対策を講じて、地方団体の財政運営に支障が生じないということが一番大事でございますので、そういったことでこれまでも対応してまいりましたし、これからも対応してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/23
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024・岸真紀子
○岸真紀子君 なるべく、本当に計画がずれてしまうと大分影響が出るので、しっかりとそこら辺をしていただきたいということです。
ちょっと質問を順番入れ替えまして、最後の質問を先にさせていただきます。
十月十八日に地方のデジタル化の現状や課題を共有するためのデジタル車座対話というのが全国知事会とデジタル庁で行って、その中で知事会から、基幹システムの標準化になるに当たっての違約金ですね、システムの違約金が発生するから、これを国として対応できないかという要望に、政府は違約金は国が負担しないといけないと言及したという報道がありました。
報道も含めて、このシステム標準化に係る経費は全て国が負担するということでよろしいか、大臣に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/24
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025・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) デジタル基盤改革支援補助金は、地方公共団体情報システムの標準化に関する法律を踏まえて、ガバメントクラウド上の標準準拠システムへ各自治体のシステムを移行させるために、これまで合計千八百二十五億円を計上し、国費による財政支援を行っているところでございます。
具体的な補助対象は、移行計画策定などの準備経費やシステム移行に要する経費等でありますが、委員御指摘の違約金など、リース残債等の現行契約期間の変更等を行う場合に不可避的に発生する追加的な経費についても対象と含めることとしております。
本年十月に閣議決定された標準化基本方針では、全ての自治体における移行スケジュールや移行に当たっての課題を把握し、その解決に自治体と協力して取り組むこととされたところです。これを踏まえ、まずはこれらの課題を把握するため、移行スケジュールや違約金の発生月数に関する調査を実施しており、今後、移行経費に関する調査も実施する予定としているところでございます。
これからも自治体の実情や御意見も丁寧に伺いながら、令和七年度末の移行目標に向けて、総務省として移行経費を始めとした必要な支援を検討してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/25
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026・岸真紀子
○岸真紀子君 是非、引き続き財政確保をお願いいたします。
次に、マイナンバーカードについてお伺いをします。
もう時間もなくなってきたので、まず、来年度の地方交付税にマイナンバーカードの交付率を算定に入れるというのはやめてほしいというのを強く要望しておきます。答弁は、これで時間がなくなったので要りません。やっぱり、オンラインシステム進めたとしても、普及率の一〇%だろうが八〇%だろうが、実はシステムに係るお金というのは変わらないので、これは決してやるべきではないということを言っておきます。
このマイナンバーカードの事務は、その交付税の普及率反映すると言ったときから、すごく自治体の担当者が圧力が掛けられてしまっているような実態もあります。でも、この事務というのは、二〇一九年十一月二十八日、参議院総務委員会で江崎孝議員が質問していますが、交付、カードの発行については法定受託事務です。国の仕事なので、自治体に国がいろんな口出しをするのは分かるんですが、カードを作ってくださいとかという普及活動は自治事務だというふうになっています。なのに、なぜここまで圧力を掛けられなきゃいけないのかというのが疑問です。
このニュースが出てから、本当にいろんな自治体の担当者は相当疲弊していまして、しつこく国から普及率を上げろと言われたり、毎週のように都道府県からどうなっているんだと、先週よりも交付率が上がっていないんじゃないかというようなことを再三にわたって聞かれていて、もう今やマイナちゃんというあのキャラクターを見ただけで具合が悪くなる、精神的に、本当に笑い事ではない、追い込まれているような実態にあるんです。
大臣は、この自治体の混乱とか、首長がこの交付税に反対しているんだと、算定に入れるのは反対しているといったような、こういった声を聞いているのかどうかというのをお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/26
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027・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) この交付税の算定に当たって、マイナンバーカードの交付率というのは指標の一つということですが、何よりも、地域のデジタル化に係る財政需要を全体的に拡充する中で、そうした財政需要を的確に算定に反映する観点から指標の一つとして用いる方向で検討している、是非この申し上げたところを御理解をいただきたいと思います。
その上で、各自治体においても御尽力をいただいているところと承知をいたしております。マイナンバーカードの普及促進は重要な政策テーマであるデジタル社会の基盤となるもので、私どもも大変重視をしているところであることはそのとおりでございます。政府全体としてカードの取得の加速化に取り組んでいるところですが、出張申請を始めとする申請促進策に取り組む市町村の役割も大変大切であると考えているところでございます。
総務省では、市町村と十分に協力して普及促進に取り組むため、自治体との間の連携体制を活用し、国の最新情報や全国の先進的な取組事例を提供するとともに、それぞれの自治体から現状や課題を丁寧に聞き取らせていただくなど、現場の立場に立って自治体の取組の後押しに取り組んでまいってきておるところで、引き続きそのようにしてまいりたいと思います。
自治体からは、例えば、安定的な交付体制が確保できるように必要な財政支援が必要だ、カードの安全性や利便性について国において広報を強化をしてほしいといった御意見、御要望もいただいておりますので、そういったことをいただいているということをしっかりと踏まえてまいりたいと思っております。
各市町村においては、補助金なども活用しつつ、企業や地域への出張申請受付など精力的に普及促進に取り組んでいただいているものと承知をしておりまして、各団体、御尽力いただいている職員の皆様に改めて敬意を表したいと思います。
総務省としては、引き続き、自治体と緊密に連携いたしまして、マイナンバーカードの普及促進に取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/27
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028・岸真紀子
○岸真紀子君 いろいろ言いたいことがありますが、時間なので質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/28
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029・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文でございます。
ベーシックな点を何点か聞いていきたいと思います。
今回の法案では、地方交付税の法定率分でプラス一・九兆円となったうち、地方が独自の経済施策を実施するために〇・五兆円、翌年度の財源として一・四兆円の繰越しとなっていますけれども、まず、これ、この配分がなぜこうなったのか、この点についてお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/29
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030・原邦彰
○政府参考人(原邦彰君) お答えいたします。
現在、地方自治体においても、今回の経済対策に合わせまして、きめ細かい物価対策、あるいはインバウンドの地方誘客、農産物の輸出拡大、デジタル技術の活用、子ども・子育てなど、国と連携して地域の実情に応じた様々な独自の地域活性化策等に取り組んでいくことが求められております。
こうした状況も踏まえまして、今年度の交付税法定分の増が昨年度よりも大幅に少ない中でも、自治体が今申し上げたような事業を円滑に実施するための財源ということで、令和四年度、昨年度並みの約五千億円を増額するということといたしたところであります。
その上で、令和五年度、先ほども御議論ありましたが、夏の概算要求のときに引き続き財源不足があるということ、それから、これも先ほど御答弁申し上げましたが、ウクライナ情勢、資源価格の動向、また感染症の動向など、経済の不確実性が高いということ、そういうこともございまして、残りの一・四兆円を来年度に繰り越しまして来年度の財源として活用すると、このような考え方で今回の措置を講じているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/30
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031・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。丁寧にありがとうございました。
補正予算関連でこの地方交付税法の改正案が出てきたときには、毎度臨財債について質疑をさせていただいてまいりました。今回の法案に関してはこの臨財債には触らないという内容になっているわけですけれども、この理由を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/31
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032・原邦彰
○政府参考人(原邦彰君) お答えいたします。
令和三年度は、当初予算で、かなり新型コロナの影響を受けると見込みまして交付税の法定分等が大幅に減少になったことから令和三年度の当初では臨財債が物すごく発行額が大幅に増えたということ、また、元々予定していた交付税特会の償還を後年度に繰り延べるということを当初予算でしておりました。その後に補正でこの法定分が四・三兆円と大幅な増になりましたので、当初大幅に増えておりました臨財債への償還費というものを措置したり、あるいは繰延べとしました交付税特会の借入れをしっかりと返すといったことを行いました。
今年の補正は、法定分の増が一・九兆と昨年よりも大幅に少なかったということ、また、当初予算でも臨財債を抑制していたという事情もありまして、今回は昨年のような臨財債の縮減といったようなことは行わずに対応するということとしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/32
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033・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
ちょっと、その説明は何回も聞いているんですけれども、それでいいのかなということなんですね。これ、補正予算は緊要性が求められるもので編成するという原則に立てば、決算で法定分が増額した分について翌年分に繰り越すということはこれは原則から外れるというふうに考えます。
一・四兆円分を翌年度に繰り越すという内容ですけれども、これ全額今年度中に臨財債の繰上償還に充てるべきというふうに考えるわけですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/33
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034・原邦彰
○政府参考人(原邦彰君) お答えいたします。
今御指摘のような考え方もあるとは思います。これまでも、年度途中で地方交付税が増加する場合の扱いでございますけれども、これはやはり地方の要望も踏まえまして、現下の必要な地方の財源、どういったものがあるのか、また、翌年度の交付税総額がどんな感じになりそうなのか、それから財政健全化の当時の取組、それぞれの取組、こうしたことを総合的に勘案してその都度取扱いを検討して法改正を行っているところでありまして、今年度については、先ほど来申し上げているような対応をしたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/34
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035・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
これ、いずれにせよ、臨財債をいかに縮減していくのかというのが大きな課題であるということの中で、歴代総務大臣に毎回同じことを言ってきたわけですので松本大臣にもお伺いしたいわけですが、これらが積み上がってきたと、大変な巨額の金額になっているわけですけれども、原因はこれ国にあるというふうに考えています。
ですので、これを国債で全て借り換えるということを財務省としっかりと協議していただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/35
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036・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) 地方の財源不足につきましては、国、地方とも厳しい財政状況にある中、地方税を徴収し、地域の行政サービスを提供する地方財政の運営主体である地方と、法令等により、多くの行政分野で地方に支出を義務付けている国の両者が責任を持つ必要があることを踏まえ、国と地方が折半して補填することを基本としているところでございます。このため、地方負担分の財源不足を補填するための臨時財政対策債や交付税特別会計借入金は地方の負担で償還するところがあるというのも、その必要があるということも申し上げなければならないと思っております。
御指摘のように、五十二兆円の臨時財政対策債や三十兆円の交付税特別会計借入金の縮減は大変大切な喫緊の課題であるというふうに認識しております。令和五年度当初予算において今回繰り越すこととした一・四兆円も活用し、交付税総額を適切に確保しつつ、臨時財政対策債の発行抑制や交付税特別会計借入金の償還に努めてまいりたいと思っております。
先ほど局長からも御答弁を申し上げましたように、地方自治体が課題に対応するために必要な財源の措置、そして財政健全化への取組など、バランスを考慮しながら総合的に勘案をし、財源の確保に努めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/36
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037・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 この臨財債、大変な巨額になっておるということで、どこかでこれはしっかりと解消していかなければいけないというふうに思っています。で、そのやり方としては、やっぱりこれは国債で借換えをするというのが私は妥当だと、我が党ずっとこれを主張してきましたけれども、是非これを御検討いただきたいというふうにお願い申し上げたいと思います。
地方分権改革についてちょっとお伺いしたいというふうに思いますけれども、この分権改革もずっと言われてきました。もう三十年来、分権改革が必要だということで税財源の移譲ということを言われてきたわけですけれども、大臣の基本的な認識をお伺いしたいんですけれども、この分権改革は進んできたという印象をお持ちなのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/37
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038・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) 御案内のとおりでありますが、平成五年に衆参両院において地方分権の推進に関する決議がなされて以来、平成十一年の地方分権一括法の制定を始めとして、累次の一括法による義務付け、枠付けの見直しや、国から地方への権限移譲の推進などによりまして、自治体の自主性、自立性を高める地方分権改革は着実に進められてきたものと認識をいたしております。
自治体は、保健、福祉、教育、消防など様々な行政分野で広く住民生活に身近な行政サービスを担っておりまして、日頃から地方自治の第一線で住民の福祉の増進のために力を尽くすなど、大変重要な役割を果たしていただいているところでございます。このような自治体の機能を最大限に発揮し、地域の実情に応じて住民ニーズにきめ細やかに対応していく上で、地方分権の推進は大変重要なテーマであると考えております。
地方の声を十分に伺いつつ、関係省庁と連携して、地方の自主性、自立性の向上に向けて取り組んでまいる決意でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/38
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039・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 地方分権、着実に進んできたということなんですけれども、それはちょっと私たちとは認識が違うなというふうに思っているところです。
やっぱり、地方分権をなぜ進めるのかといったならば、それは地域の自立、地方の自立のためですよね。私たち日本維新の会は、国家の自立と地域の自立、それから個人の自立というのを理念に掲げている政党であります。ですから、地域は自立しなくちゃいけない、でも、そのためには税財源しっかりと移譲をして分権をしていく、このことが必要だと、こういった観点からこの地方分権改革が必要だということを申し上げてきたわけですけれども、残念ながら、私も地方議員も長くやらせていただきましたけれども、そのときから考えても、地方分権が進んでいるという実感全くありません。
ですので、やっぱりこれは、これまで分権一括法とか提案募集方式ということで、一つ一つの小さな課題を分権していこうということでやってきたんだけれども、やっぱりそれには限界があるなというふうに思っておりまして、やっぱり統治機構の在り方そのものを変えていくという大胆な改革をしなければ、この分権ということには至らないだろうというふうに思うわけであります。
それで、所管とは違うと思うんですけれども、私たち、ずっと道州制ということを申し上げてまいりました。道州制についての大臣の見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/39
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040・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) 今、柳ヶ瀬委員からもございましたように、総務省の所管ではございませんので、直接お答えする立場にはございませんということをあらかじめ申し上げなければなりませんが、道州制は地方経済の活性化や行政の効率化を実現するための考え方の一つであるということはそのように認識をいたしております。他方で、その導入は都道府県制度の見直しにとどまらず、国と地方の在り方を根底から見直す大きな改革でありまして、検討課題は広範にわたるとともに、国民生活に大きな影響を及ぼすものになるというふうに考えております。
道州制は我が国全体の統治機構に関する問題であることですから、地方の声も十分に伺ってまいりたいと思いますが、かつての議論の中では全国町村会から根強い反対があったりとか、各地域で様々な議論があったことは、私もそれなりの期間国政に携わらせていただいていますので聞いてきておりますけれども、まだ各党会派の議論や国民的な議論が深められる必要があると、そのような形になっているというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/40
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041・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 丁寧に答弁を、所管外ということではありますけれども、丁寧な御答弁ありがとうございました。
こういった大胆な地方の在り方、統治機構の在り方を変えていかなければ、地方分権なかなか進んでいかないだろうというふうに思います。
今の課題としては権限と税源の移譲ということですが、これはまだまだ不十分です。いつもよく言われるのが、国民負担を国税と地方税に区分すると、国が六、地方が四ということに対して、国の歳出と地方の歳出四対六となっている、これよく言われることだというふうに思います。
そこで、尾身副大臣にお伺いしたいと思いますけれども、この状況が是正に向かっているという認識をお持ちなのかどうか、それからどのようなこれを是正措置をとっているのか、また是正の目標をどのように設定されているのか、この点についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/41
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042・尾身朝子
○副大臣(尾身朝子君) お答えいたします。
国と地方の税源配分の割合については、近年、国税が六割、地方税が四割前後で推移しております。この割合に大きな変化が見られないのは、消費税率の引上げによる増収効果が国税の方が大きかったことなどによるものと考えておりますが、地方税収については着実に充実が図られてきたものと認識しております。
具体的には、実質的な地方財源である特別法人事業譲与税を含めた地方税収は、令和四年度地方財政計画では過去最高の四十三・三兆円となっております。税制度の改革についても、地方分権推進の基盤となる地方税の充実確保に向けた取組を進めてきたところです。総務省ではこれまで所得税から個人住民税への三兆円の税源移譲や地方消費税の拡充などに取り組んできており、こうした税制改革の効果もあり、先ほど申し上げましたように地方税収の充実が図られてきております。
地方の税源配分割合の目標については具体的な数値を設定しているものではございませんが、国、地方共に厳しい財政状況にあることや、地方団体間の財政力格差への配慮が必要であることも踏まえつつ、地方の行政サービスをできる限り地方税で賄うことができるよう、地方税の拡充、充実確保に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/42
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043・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
これ、目標については数値を定めていないということなんですけれども、これ平成二十一年の地方分権改革推進委員会第四次勧告の中で、これ五対五を目指すことが適当であるといった勧告もこれなされているところであります。ですから、まずはこの五対五という目標をしっかりとお持ちになった方がいいんではないかというふうに思います。
さらに、消費税、これをしっかりと地方税化していくということが重要だろうというふうに考えます。今、消費税の国、地方の割合は国七・八、地方二・二であります。軽減税率分については国六・二四、地方一・七六ということでありますけれども、これ地方分の割合を更に引き上げることが確実に地方に安定財源、税源を移譲すると、こういうことにつながるというふうに考えるわけですけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/43
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044・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) 消費税につきましては、その税率もめぐって国会でも今様々な御主張があるというふうには承知をいたしておりますが、総務省の立場から以下御答弁申し上げたいと思っております。
地方消費税は偏在性が小さく税収も安定的であり、地方の重要な基幹税であるということは、そのように認識をしております。
一方、消費税につきましては、社会保障・税一体改革において、法律の定めに従いまして引上げ分の税収について全額社会保障財源化されるとともに、年金、医療、介護、子育てといった社会保障における役割分担に応じて国と地方に配分することとされているところでございます。
消費税がこのように国、地方それぞれの社会保障の財源とされていることを踏まえれば、国、地方全体の消費税率が変わらない中で地方消費税率のみを更に引き上げることについては慎重な検討が必要にならざるを得ない情勢だと思っております。
今後とも、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に取り組むことは大変大切だと考えており、地方の行政サービスをできる限り地方税で賄うことができるよう、地方税の充実確保に努めてまいりたいと思います。
このように柳ヶ瀬委員に御答弁申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/44
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045・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございました。
いろいろと言いたいことはあるんですけれども、時間が参りましたので終了したいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/45
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046・竹詰仁
○竹詰仁君 国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。
この第二次補正予算、これは、物価高の克服・経済再生実現のための総合経済対策を踏まえて予算編成されたと承知しております。
この五千億円を活用して臨時経済対策費の創設とありますけれども、これが物価高対策、経済再生実現に資するものであるかどうかを確認するために、経済対策の事業あるいは地方独自の地域活性化事業の円滑な実施とは具体的にどういった内容なのか、そしてこれが物価高の克服のためのなる、なる施策であるかどうか、総務大臣にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/46
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047・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) 竹詰委員に御答弁申し上げたいと思います。
地方自治体におかれては、物価高克服などのために取りまとめられた今回の経済対策に合わせて、きめの細かい様々な物価対策やインバウンドの地方誘客、農産物の輸出拡大、デジタル技術の活用、子ども・子育て対策など幅広い分野で国と連携しつつ、地域の実情に応じた様々な独自の地域活性化策等に取り組んでいくことが求められていると承知をしております。
こうした状況を踏まえまして、現在御審議いただいている補正交付税法案において、地方自治体が経済対策の事業や独自の地域活性化策等を円滑に実施するために必要な財源を確保するため、令和四年度の地方交付税を約五千億増額することとしたところでございます。
各地方自治体におかれましては、こうした増額の趣旨を踏まえ、物価高対策を含めた独自の地域活性化策等にしっかりと取り組んでいただきたいとお願いをするところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/47
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048・竹詰仁
○竹詰仁君 御答弁ありがとうございました。
続いて、令和五年度の予算編成についてはもう既に岸委員、柳ヶ瀬委員から質問がありましたので、ちょっとスキップさせていただくことを御了承いただきたいと思います。
続いて、総務省の所管であります地域活性化の観点で、沖縄、鹿児島離島の地域課題について質問させていただきたいと思います。
資料をお配りさせていただきました。特に資料の一から三までを御参照いただきながら質問させていただきたいと思います。
沖縄及び奄美を始めとする鹿児島の離島ではサトウキビの栽培が農作物の多くの割合を占めて、こうした地域の経済を支える基盤産業となっております。こうした地域、地方では、自然環境が厳しいということからサトウキビ栽培しか成り立たないともされております。台風が多い離島ではほかに適した農作物が少なくて、島によっては作付面積のほぼ全てがサトウキビという島もございます。
これまで国や沖縄県、鹿児島県ではサトウキビ栽培の支援を行い支えてきたと承知しておりますけれども、国として、サトウキビ栽培への支援、具体的にどのような支援をされているのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/48
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049・松本平
○政府参考人(松本平君) お答えいたします。
サトウキビにつきましては、台風の常襲地帯であります沖縄県、鹿児島県南西諸島におきまして、他の作物に代替困難な基幹作物であります。砂糖の原料として生産されている状況でございます。国内産の砂糖につきましては、輸入品との内外価格差が大きいため、糖価調整制度によりましてサトウキビ生産等に交付金を交付することで価格差を補填し、その生産を支えているところでございます。
また、こうした支援に加えまして、サトウキビ生産に対しましては、台風など自然災害からの回復に必要な取組が機動的に行えるよう、セーフティーネット型の基金としましてさとうきび増産基金を措置しておりますほか、生産性向上に向けまして、ハーベスターなど農業機械の導入による省力化や土づくりなど、取組をこれまでも支援してきているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/49
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050・竹詰仁
○竹詰仁君 ありがとうございました。
サトウキビ栽培は、ロシアによるウクライナ侵攻あるいは円安の影響によって、輸入する化学肥料の価格が高騰して大変厳しいという状況になっております。資料の四のとおりで、資料の四を御参照いただきたいと思いますけれども、サトウキビ生産費の内訳を見ますと、肥料費が一〇%程度とございます。
足下では化学肥料の価格どの程度高騰しているのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/50
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051・菅家秀人
○政府参考人(菅家秀人君) お答えを申し上げます。
十一月三十日に公表いたしました令和四年十月の農業物価指数によりますと、化学肥料等の無機質肥料の価格は前年同月に比べまして三八・九%の上昇となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/51
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052・竹詰仁
○竹詰仁君 約四割上がっているというふうに今お答えをお聞きしました。
サトウキビの生産費の内訳は労働費が三〇%程度ございます。この三〇%、占める割合が比較的高い、労働費というのは高い産業だと私は承知しております。
そして、ちょっと質問を一つ飛ばさせていただきます。御了承ください。
仮にサトウキビ産業が減少した場合に、この当該の地域の経済に与える影響、非常に大きいと私考えるんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/52
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053・松本平
○政府参考人(松本平君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、サトウキビは、台風常襲地帯であります沖縄県及び鹿児島県南西諸島におきまして、他の作物に代替困難な基幹作物で、農業生産額の約四割を占めており、地域の製糖工場、関連産業と相まって、地域の雇用、経済を支える重要な作物となっておるところでございます。
このため、農林水産省としましては、今後ともサトウキビの安定的な生産が維持されるよう、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/53
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054・竹詰仁
○竹詰仁君 サトウキビ産業が衰退すると、離島においては無人化するというおそれがあるとも言われています。サトウキビに限らず、離島における地域振興、これは非常に重要だと考えております。
そして、沖縄の離島が無人化しないためにも、この離島における地域振興対策を政府としてどのように考えているのか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/54
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055・水野敦
○政府参考人(水野敦君) お答え申し上げます。
沖縄の離島地域は、我が国の領海、排他的経済水域等の保全など多岐にわたる重要な役割を担っている一方で、狭小な市場規模や割高な生活コスト等の条件不利性を抱えているところでございます。委員御指摘のとおり、住民の方々が安心、安全に生活できる環境を整備し、地域の持続可能性の維持向上を図ることはとても重要であると認識してございます。
このため、内閣府といたしましては、沖縄の離島地域における産業振興や移住、定住条件の整備を進めるため、離島の割高な船賃、航空賃への一部負担を通じた住民等の交通コスト負担の軽減や、高速大容量通信サービスの提供を可能とする海底光ケーブルの整備による離島の情報通信環境の向上に向けた県の取組に対し、一括交付金により支援を行っているところでございます。
また、沖縄離島活性化推進事業費補助金というのもございますが、この補助金を通じまして、市町村が実施する気象条件、土壌環境の影響の少ない水耕栽培型農業ハウスによるホウレンソウ、トマトなどの生産や、特産品開発を通じた離島地域の産業振興のほか、新規移住者を受け入れるための住宅の整備に対する支援を行っているところでございます。
内閣府といたしましては、引き続き、こうした沖縄の離島市町村による条件不利性の解消等に向けた取組を支援し、離島地域における地域の持続可能性の維持向上に努めてまいりたい、かように考えてございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/55
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056・竹詰仁
○竹詰仁君 最後にもう一点お伺いいたします。
地域経済の観点、そして雇用の観点、安全保障上の観点などから、サトウキビ栽培は非常に重要な産業だと思っております。しかし、そのサトウキビ栽培が非常に厳しい状況にあり、今の危機を乗り越えないと、将来展望も見えずに、今後の担い手も不足すると、そういうふうになりかねないと考えております。
そして、お尋ねしますけど、政府として、今の肥料価格の高騰などの危機を乗り越えるための施策、さらには将来につながる施策を考えているのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/56
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057・勝俣孝明
○副大臣(勝俣孝明君) ありがとうございます。
今回の肥料価格の高騰に対しては、化学肥料の低減に向けた取組を行う農業者に対して肥料費上昇分の七割を支援する新たな支援金の仕組みを創設したところでございます。
また、農林水産省としましては、今後とも、サトウキビの安定的な生産が維持されるよう、堆肥を活用した土づくりや優良品種への転換等、必要な施策を講じてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/57
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058・竹詰仁
○竹詰仁君 御回答ありがとうございました。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/58
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059・伊藤岳
○伊藤岳君 日本共産党の伊藤岳です。
法案は、増額となった地方交付税の大部分を翌年度に繰り越すものです。地方交付税法は、年度途中に増額となった地方交付税はその全額を地方自治体に交付すると定めています。ところが、政府は、財源不足などを理由に、翌年度の交付税増額に繰り越すことを基本方針として続けてきました。
松本大臣に聞きます。
地方の財源不足に対応するために、地方交付税の法定率を抜本的に引き上げるべきではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/59
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060・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) 今御審議をいただいております法案の趣旨につきましては、ここまでの各委員の審議の中で御答弁を申し上げたとおりでございますので、御理解をいただきたいと思います。
その上で、伊藤委員からございました地方交付税の法定率についてのお話でございますが、地方財政の健全な運営のためには、本来的には交付税率の引上げなどにより地方交付税総額を安定的に確保することが望ましいと考えていることは私からも申し上げたいと思います。
この交付税率の引上げについては、現在、国、地方とも厳しい財政状況にございますので容易ではないところでありますが、今後も、交付税率の見直しなどにより地方交付税総額を安定的に確保できるよう、粘り強く主張いたしまして、政府部内で十分に議論してまいりたいと思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/60
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061・伊藤岳
○伊藤岳君 そもそも地方の財源不足は、国の政策に地方を巻き込んで、また三位一体改革等で地方交付税を削減してきた政府の責任です。是非法定率を引上げ図っていただきたい。
地方自治体が地域の実情に合わせてコロナ対策、物価高騰対策などに対応していくには、今年度の財源が足りていないのが現状です。
内閣府に聞きます。
第二次補正予算で増額される地方創生臨時交付金について、電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金の増額、拡充はありませんでした。これはなぜですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/61
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062・黒田昌義
○政府参考人(黒田昌義君) お答えいたします。
地方創生臨時交付金につきましては、物価高騰の影響を受けました生活者、事業者をより重点的、効果的に支援するために、予算額六千億円の電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金を九月に創設をいたしまして、補正予算に先行いたしまして物価高騰対策に取り組んできたところでございます。
自治体におかれましては、この六千億円を活用して、地域の実情に応じたきめ細かい支援を速やかに生活者、事業者の方々に行き渡るよう、しっかりと物価高騰対策を実施していただきたいと考えておりまして、私ども国といたしましても適切に後押しをしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/62
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063・伊藤岳
○伊藤岳君 首都圏の九都県市首脳会議は、物価高騰対策の財源などを議論を踏まえて、議長を務めた大野埼玉県知事が岡田地方創生担当大臣を訪ねて、既に不足が生じていると、地方創生臨時交付金の増額を要望しています。対応すべきであります。
重点支援地方交付金について、地方自治体がより効果的な物価高騰対策を取るために、既に提出している地方創生臨時交付金の実施計画を変更申請することは今後も可能ですか。その場合、交付決定はいつ頃になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/63
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064・黒田昌義
○政府参考人(黒田昌義君) お答えいたします。
重点支援地方交付金につきましては、十月末を期限といたしまして各自治体から実施計画の提出をいただきました。現在、その内容を確認をいたしまして、今月中には交付決定を予定をしているところでございます。
お尋ねの交付決定後の実施計画の変更、これについても可能でございますので、各自治体、私どもといたしましても随時相談に乗りまして、効果的な対策が行えるようにしっかり対応していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/64
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065・伊藤岳
○伊藤岳君 実施計画の変更が確認されて交付決定となった重点支援地方交付金は、繰越しとされて、総務省から地方自治体に確実に交付されますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/65
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066・黒田昌義
○政府参考人(黒田昌義君) お答えいたします。
今回の補正予算案におきまして、地方創生臨時交付金に関わります令和四年度予算につきましても繰越明許費に位置付けられておりまして、補正予算の成立によりまして明許繰越しに向けた手続を行うことが可能となるわけでございます。自治体から提出のございました実施計画に基づき交付決定がなされた分の明許繰越しにつきまして、自治体におきまして関係機関の承認を得まして行っていただくことになるわけでございます。
補正予算の成立後、この繰越明許費に位置付けられたことに伴いまして、事業期間の翌年度までとする変更が可能となるなどの実施計画の見直しにつきましては、改めて内閣府から各自治体に通知をしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/66
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067・伊藤岳
○伊藤岳君 確認をいたしました。
前回の委員会に続いて、松本たけあき後援会の政治資金特定パーティーについて聞きます。
二十五日に、令和三年、二〇二一年の政治資金報告書が公表されました。それによると、特定パーティーは、十二月二十七日にホテル日航姫路において開催をされています。この二一年のパーティーでは、対価に係る収入、つまりパーティー券収入が千七百七十二万円と計上されています。一枚二万円で計算すると八百八十六枚が販売されていたことになります。
公開されているフェイスブックの中にパーティー当日の模様を写真で添付してあり、まだまだコロナの影響もあり会食はありません、着席のスクール形式のため挨拶回りができないなどの投稿がありました。挨拶する大臣の写真もしっかり写っています。講演されたのは甘利明元大臣だったと衆議院の委員会で大臣は答弁されています。
大臣、当然この二一年のパーティーには参加されていますね。そして、このパーティーは着席のセミナー形式で開催されたもので間違いないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/67
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068・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) 私は、政治活動における政治資金につきましては、政治資金規正法にのっとりましてこれまでも適正に活動をさせていただいているというふうに考えております。実際に、政治資金規正法で報告を求められているこのように定められた事項につきましては、全て報告できるようにいたしまして報告を申し上げているところでございます。
今、伊藤委員からもお話がありました令和三年の収支報告書、こちらの方にも、松本たけあき支援の集い・セミナーを開催をいたしましたので、その旨報告をし、収入を記載をさせていただいているところでございますが、この名称から松本たけあき支援の集い・セミナーとなっております。セミナーといったものは、通常のセミナー形式をお考えをいただければ、どのような形式であったかは御理解をいただけるものと思っておりますので、是非この収支報告書からお読み取りをいただくようにお願いを申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/68
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069・伊藤岳
○伊藤岳君 そうすると、立ってのセミナーではないですから、着席のセミナーだったと推測をいたします。当然、前の年の二〇年のパーティーもセミナー形式でしたから、着席で行われたんだと思います。
二一年のパーティー会場であるホテル日航姫路のホームページを見ますと、着席のスクール形式の場合、最大収容人数は三百十五人とされています。しかし、大臣が代表を務める松本たけあき後援会のパーティーでは、その会場収容人数の三倍近い八百八十六枚のパーティー券が販売されていた。間違いないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/69
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070・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) 今、伊藤委員からもございましたが、収入は既に収支報告書記載のとおりでございます。これは、一件、一枚二万円でお願いをいたし、申し上げておりますように、御来臨いただきますようお願い申し上げますと御案内を申し上げて、参加いただく対価としてお支払をいただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/70
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071・伊藤岳
○伊藤岳君 二〇年のパーティーでいいますと、最大収容人数は百十人でしたから、これ九倍近い九百九十四枚のパーティー券が販売されていることになりますよ。
御来臨いただいた方にと、対応しているというふうに言われましたけれども、会場収容人数をはるかに超えてパーティー券を販売したこと、これは、大臣、間違いないですね。そこを聞いているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/71
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072・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) 私どもといたしましては、参加いただく対価としてパーティー券を御購入をいただいており、御購入をいただいた方でおいでいただいた方を受け入れられるように準備をし、おいでいただいた方で入場をいただけなかった方はなかったものというふうに記憶をいたしております。
その上で、収支報告書からお読み取りをいただけたらと過日の衆議院の総務委員会でも申し上げさせていただきましたが、二〇二〇年、令和二年のパーティーにおきましてのセミナーの会場費であるとか、映像事業者に中継等の費用を払っていることから、どのような形態でセミナーを開催し、おいでいただいた方を受け入れられるように準備をしてきたかを御理解をいただくようにお願いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/72
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073・伊藤岳
○伊藤岳君 おいでいただいた方に準備したと言いますけれども、会場収容人数の三倍、九倍というパーティー券を売られているんですよ。準備していません。会場収容人数をはるかに超えてパーティー券を販売したことははっきりしたと思います。
これは、パーティーの対価ではありません。寄附です。収支報告書への記載が必要です。しかし、記載はない。政治資金規正法に違反すると指摘して、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/73
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074・浜田聡
○浜田聡君 NHK党の浜田聡でございます。
本日、総務委員会、最後の質問となります。委員長、委員の皆様、総務大臣、政府の皆様、よろしくお願いいたします。
地方交付税法の一部を改正する法律案の審議ということで、まず、地方交付税に関して意見申し上げます。
地方交付税交付金は、国債償還費を除いて、毎年、社会保障費に次ぐ二番目に大きな政府支出です。その使い道はもちろんのこと、その配分方法についても、誰もが納得できる方法で決定される必要があると思われます。
私、今年の通常国会におきまして、この地方交付税に関して質問主意書出させていただきました。地方交付税の基準財政需要額の根拠に関する質問主意書というものでございます。その内容は地方交付税の算出根拠に関する質問でありまして、地方交付税の算出根拠、でたらめなんじゃないか、特別交付税を決める際の資料を公開せよというものでございます。
地方交付税の算出式は数多くの数値や式から成っておりまして、個々の数値の根拠などを遡ると明治政府の時代にたどり着くなど、現状においてその妥当性が疑われます。
根拠となる数値や算出式が古過ぎる、そして複雑怪奇となっていることなどから、数多くの係数を掛け合わせて幾らでもつじつま合わせができる状態になっておりまして、総務省の官僚の方のさじ加減でどうにでもなるような状況であると思われます。現状、地方交付税の算出式に関しては誰もその妥当性を説明し切れるものではない、説明し切れる人はいないと思われます。答弁書の方を拝見させていただきましたが、やはり地方交付税の算出方法に関して納得いく説明ではありません。また、特別交付税を決める際の資料の公表はしないとの答弁書に記載ありました。
御意見として申し上げますが、日本政府には地方交付税の算出方法をできればシンプルなものにするなど見直すことを求めます。国債償還費を除いて、毎年社会保障費に次ぐ二番目に大きな政府支出である地方交付税はその削減をして、その分減税をすべきと考えますが、少なくとも地方交付税の算出根拠はしっかりしているものであるのは当然です。
今回、地方交付税法の審議ということで、その交付金をもらっている地方に注目して、地方税の減税は可能なのかという問題意識の下、地方税に関して基本的なことを伺っていきたいと思います。先ほど申し上げた地方交付税の算出根拠の関連が後ほど出てきますので、その際に改めて御意識いただければと思います。
ここで、あるエピソードを紹介します。
ある市民の方がその市の市議会議員に地方税の減税をお願いしたところ、地方税の税率は決まっているから下げることはできないと言われたという話を最近聞きました。しかし、名古屋市のように独自の減税で有名なところも考えると、この市議会議員の方の話は間違いであると思われます。
地方自治体は独自の減税が可能であるという考えの下、質問をさせていただきます。
まずお伺いしたいこととして、法律で定められている地方税の税率について、その概要を教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/74
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075・川窪俊広
○政府参考人(川窪俊広君) お答え申し上げます。
地方税の税率につきましては、地方税法におきまして税目ごとに定められておりますが、その定め方は、一定税率、標準税率及び制限税率のこの三つの方式となっております。また、このほか特定の税目につきましては、税率を特に定めず、地方団体が任意に定めるという税目もあるところでございます。このうち標準税率につきましては、地方税法上、「地方団体が課税する場合に通常よるべき税率でその財政上その他の必要があると認める場合においては、これによることを要しない税率」と規定をされているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/75
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076・浜田聡
○浜田聡君 ありがとうございます。
その標準税率を基にお聞きしたいんですけれど、現在、地方自治体の中で標準税率以下の減税を行っている自治体の名称、あとその減税の内容を教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/76
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077・川窪俊広
○政府参考人(川窪俊広君) お答え申し上げます。
現在、標準税率未満の税率で課税をしている地方団体は、愛知県の名古屋市と大阪府の田尻町の二団体となっているところでございます。その内容につきましてですが、いずれも個人住民税についてのものでございます。
市町村の標準税率は、個人住民税均等割においては年額三千五百円、また、所得割の税率、標準税率は六%、ただし指定都市は八%とされているところでございます。これに対しまして、名古屋市におきましては、均等割を三千五百円ではなく三千三百円、また、所得割を八%ではなく七・七%で課税を行っております。また、大阪府の田尻町におきましては、均等割を三千五百円ではなく三千二百円、また、所得割を六%ではなく五・四%によって課税をしていると承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/77
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078・浜田聡
○浜田聡君 ありがとうございます。
現在、標準税率未満の減税を行っているところが二つということで、まあ少なくて残念だなと思います。ただ、標準税率未満の減税を行っている自治体は現実に存在するということで、地方独自の減税は可能であると思います。
名古屋市と田尻町においては、安易な増税をせずに標準税率以下の減税を行っていることに敬意を表するとともに、今後もその減税を継続しつつ、更なる減税をすることを願っております。
ということで、このように地方自治体独自の減税は可能であることが分かりました。今回審議対象となっている法律に関連する地方交付税等含めた話をお伺いしたいと思います。
ここで、地方減税に関して、ある意味都市伝説のような風説を取り上げさせていただきます。それは、地方税の減税をすると地方交付税交付金が減額されるというものでございます。
地方自治体独自の減税を行った場合に、それを理由としてその自治体に対して地方交付税交付金の減額というのはあり得るのでしょうか。地方交付税交付金の算出方法の概要と併せて教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/78
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079・原邦彰
○政府参考人(原邦彰君) お答えいたします。
普通交付税は、基準財政需要額が基準財政収入額を超える地方団体に対して交付することとされております。このうち、基準財政収入額は、地方団体の標準的な税収入見込額等を前提として算定しております。したがいまして、地方自治体が独自に行う減税については、これらの措置がないものとして基準財政収入額に算定されますので、交付税の算定額には影響しないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/79
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080・浜田聡
○浜田聡君 ありがとうございます。
地方税の減税をすると交付金が減額されることはないということが分かりました。ありがとうございます。
ただ、地方税の減税をする際に、とあるペナルティーが科されると承知をしております。それは、標準税率より未満の減税をした場合に、その代表的なペナルティーとして、地方債の起債に条件が増えると承知をしております。この概要を教えていただきたいと思います。仮に標準税率未満に減税した場合でも、地方債の起債は可能であるか否かというのも教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/80
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081・原邦彰
○政府参考人(原邦彰君) お答えいたします。
標準税率が設けられている普通税の税率が標準税率未満の地方公共団体が建設地方債を発行する場合には、地方財政法の規定に基づきまして総務大臣等の許可が必要とされております。よって、標準税率未満の地方公共団体でも、総務大臣等の許可を受けることで建設地方債の発行は可能となります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/81
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082・浜田聡
○浜田聡君 ありがとうございます。
総務大臣の許可があれば、標準税率未満の減税した自治体においても地方債を起債することが可能であると理解をしました。
私は、この条件というのが必要ないのではないかと考えるわけでございます。減税をする際には、各地方、減税する際には、当然、首長であったり議会の同意の下で行われるわけでございます。総務大臣がある意味余計な配慮をして減税の歯止めを掛けるのは大きな問題があるんじゃないかと考えるわけでございます。地方自治体の自主性を否定することはやめるべきではないと、のはやめるべきだと考えて、大臣に最後提案させていただきます。
全国各地の地方自治体が安心して独自の減税を行うために、仮に標準税率未満の地方税率設定した自治体でも、その自治体における地方債の起債を不許可にしないと宣言をしていただきたいわけですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/82
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083・松本剛明
○国務大臣(松本剛明君) まず、今御議論をいただいていました標準税率未満の地方公共団体に対する許可制度でございますが、建設地方債を発行する場合には、その前提として、少なくとも借入れの時点において通常に確保すべき財源を確保していることが財政の健全性や世代間の負担の公平の見地から必要である、この考え方から設けられているものと認識をいたしております。これは地方債全体の信用維持にもつながるもので、そのためにも必要な仕組みだというふうに考えているところでございます。
許可そのものについてはそれぞれ判断をされることになろうかというふうに思いますが、地方財政法に基づく同意等基準において、世代間の負担の公平への影響や地方税収の確保の状況を勘案して個別の案件に従って許可をすることとしておりますので、私としても、今後もそのように適正に審査をして許可をさせていただきたいと思っております。
なお、これまでも許可をした実例はあるというふうに私も報告を聞いているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/83
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084・浜田聡
○浜田聡君 ありがとうございます。
既に決まっていることを突然変えようとしてもすぐにはいかないと思いますが、引き続き、地方自治体の自主性を尊重するよう私は訴えて続けていこうと思います。
今回の質疑において、各地方自治体は独自の減税をすることが可能であることが分かりました。そして、独自の減税をしたからといって、地方交付税交付金が減額されることはないということも分かりました。今後、数多くの自治体で独自の減税が進むことを願います。
最後に、この総務委員会の所管となるNHKに関して、残念な報告をさせていただきます。
住民税非課税世帯対象の五万円給付金について、今年の十一月九日にその差押えを禁止する法案がこの参議院で成立しました。今回、我々NHK党に寄せられた相談として、NHKがこの法律の立法趣旨を無視してこの五万円給付金を差し押さえたというものが複数あります。NHKには強く抗議いたします。
また、実際に差押えの実務を行っている東京丸の内法律事務所は、給付金が口座に振り込まれた後は差押禁止の対象とはならないといった訳の分からない説明をしております。東京丸の内法律事務所に対しても強く抗議をするとともに、今回の行為は弁護士の倫理に反する行為であるということをお伝えさせていただきます。
以上、質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/84
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085・河野義博
○委員長(河野義博君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
本日はこれにて散会いたします。
午後六時十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014601X00520221201/85
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