1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年十一月十日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
十一月八日
辞任 補欠選任
梅村 聡君 高木かおり君
十一月十日
辞任 補欠選任
磯崎 仁彦君 長谷川英晴君
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出席者は左のとおり。
委員長 古賀友一郎君
理 事
上月 良祐君
森屋 宏君
山田 太郎君
吉田 忠智君
塩田 博昭君
委 員
有村 治子君
磯崎 仁彦君
衛藤 晟一君
自見はなこ君
長谷川英晴君
広瀬めぐみ君
三宅 伸吾君
山谷えり子君
塩村あやか君
杉尾 秀哉君
水野 素子君
三浦 信祐君
柴田 巧君
高木かおり君
上田 清司君
井上 哲士君
国務大臣
国務大臣 河野 太郎君
政府特別補佐人
人事院総裁 川本 裕子君
事務局側
常任委員会専門
員 宮崎 一徳君
政府参考人
内閣官房内閣人
事局人事政策統
括官 窪田 修君
内閣官房内閣人
事局人事政策統
括官 横田 信孝君
人事院事務総局
総括審議官 池本 武広君
人事院事務総局
職員福祉局長 柴崎 澄哉君
人事院事務総局
人材局長 西 浩明君
人事院事務総局
給与局長 佐々木雅之君
内閣府科学技術
・イノベーショ
ン推進事務局統
括官 奈須野 太君
警察庁交通局長 太刀川浩一君
デジタル庁審議
官 山本 和徳君
デジタル庁審議
官 阿部 知明君
デジタル庁審議
官 犬童 周作君
財務省主計局次
長 中村 英正君
文部科学省大臣
官房総括審議官 井上 諭一君
防衛装備庁長官 土本 英樹君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/0
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001・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、梅村聡君が委員を辞任され、その補欠として高木かおり君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/1
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002・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣人事局人事政策統括官窪田修君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/2
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003・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/3
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004・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/4
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005・有村治子
○有村治子君 皆様、おはようございます。自由民主党の有村治子です。
本日の十分という限られた質疑時間において、将来につながる政策提言を目指します。ゆえ、政府御答弁は本質を簡潔にお聞かせいただけますれば大変幸いに存じます。御協力を仰ぎます。
米国や中国を始めとする先進国各国は、この二十年間、自国の産業競争力や防衛力、国際的影響力を高めるためにも、明確な国家的意思を持って科学技術や研究開発力をてこ入れし、その担い手としての博士号取得者を増やしてきています。しかし、その一方で、先進国の日本だけが博士号取得者を減少させており、我が国の科学技術力の凋落が指摘されます。博士号取得者が不当に低い評価を受けている日本の風土を変えていくには、社会が持つ縮図としての国家公務員人事制度自体を手入れし、時代に即してアップデートしていくことが重要だと考えます。
そこで、内閣府にお伺いします。
政府が昨年春に閣議決定された第六期科学技術・イノベーション基本計画には、国家公務員における博士号取得者の待遇改善について検討を進め、早急に結論を得ると明記されています。この一年半でどのような進捗があり、いかなる結論を日本政府として出されたのか、御答弁ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/5
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006・奈須野太
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
昨年春の科学技術・イノベーション基本計画に基づきまして、現在、博士号取得者の待遇改善について、人事院において具体の検討が進められています。また、国家公務員制度を所管する内閣人事局とともに、各府省庁における博士人材の実務や処遇などの調査を開始しています。この調査結果などを踏まえて、国家公務員制度における博士人材の活用について、我が国のイノベーション創出の観点から、引き続き当事務局としても共に検討を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/6
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007・有村治子
○有村治子君 かなり総合的な調査を進めていただいているというふうに伺っております。公開を前提としておりますので、是非、包括的な報告を国民にしていただきたいと思います。
この春行いました国会質問では、各省庁に博士号を持った公務員が何人在籍されているのか、その実数を日本政府が正確に把握しておられない現実が明らかになりました。
そこで、私は、博士号取得者の省庁別採用者数、在籍者数を政府が正確に把握し、公表することを提案し、当時の大臣からもその意義を明確に支持する答弁をいただきました。
あれから半年がたちます。この間の日本政府の進捗状況をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/7
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008・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 四月の有村委員の御質問を受けまして調査をしているところでございまして、先月末締め切りで、まだ提出されていないところがあるので、まだ集めているところでございます。集計、分析終わり次第、御報告をさせていただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/8
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009・有村治子
○有村治子君 各省庁がどのくらい最高学位を持った人がいるのか公表することは、学生にとってもメディアにとっても、また国民にとっても、どの省がPhDクラスを大事にしているのかということを可視化する第一歩だと御期待を申し上げます。
残念ながら、日本では博士号取得者に対する社会的敬意が余り醸成されていません。この背景には、博士号を取得することを積極的に評価したり、人事上のインセンティブにしてこなかった現行の国家公務員人事制度の課題もあります。大学卒業後約二年の修士と卒業後約五年以上掛かる博士を同じ大学院卒カテゴリーで遇していては、優秀な博士号取得者を公官庁に引き付けることは困難です。
高い倫理観と実務能力を持つ優秀な博士が公務を志願し、行政の最前線で国家国民のために力を発揮できるよう、政府は、博士人材を評価し、引き付ける人事制度をどのように構築されるおつもりなのか、展望を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/9
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010・佐々木雅之
○政府参考人(佐々木雅之君) お答えいたします。
科学技術・イノベーション基本計画等に基づき、産学官の全ての分野において博士人材が活躍する環境を社会全体で整備する取組が進められております。また、特に技術系の人材獲得競争が厳しい中、公務においても博士課程修了者の専門性を給与面で一層評価する必要があると考えます。
現在でも博士課程修了者と修士課程修了者の初任給に差はございますが、博士課程修了者の専門性を評価して、更に高い初任給に決定できる仕組みを、今般、一般行政職についても新たに導入することといたしました。これにより、総合職院卒試験の採用者であれば、給与月額で五千円程度、年間給与で八万円程度の引上げとなります。
今般の初任給引上げを契機に、今後は、採用後のキャリアパス構築も含め、高い専門性を有する博士課程修了者が活躍できるような人事管理が推進されていく必要があると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/10
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011・有村治子
○有村治子君 今まで修士、博士を取っても、その年数がマイナスにならない程度の処遇でございましたけれども、明確に大学院博士課程を修了した人に五千円、年間八万円という金額を出していただきました。来年四月からの施行を心から本当に楽しみにしております。
現在、努力して博士号を取得した国家公務員でさえ、御自身の名刺に工学博士など博士の称号を書いていない事例が各省庁で見受けられます。名刺に書くのはごく自然な国際慣行です。正当な評価を受けずもったいないですよ、なぜ書かないんですかというふうに公務員に私が尋ねますと、博士号を持つ上司や他省庁の人も書いていない中で、若い自分が博士とは書きにくいです、自慢していると思われたくないと、日本特有のそんたくや周囲への遠慮があることを皆さん告白されます。
しかし、優秀な博士が公益のために活躍している実像が、ロールモデルとして社会で可視化されることは、日本が再び科学技術立国として復権していくためにも重要なことだと考えます。まずは行政が進んで博士を正当に評価し、博士に社会的敬意を向ける土壌を日本で定着させるためにも、博士号を保持する公務員が名刺に博士と遠慮なく書ける環境を整えることを提案してまいりました。
この提案を最初に真摯に受け止めていただいたのは、実は防衛装備庁さんです。防衛装備庁長官、どのような意図で動かれたのか、御見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/11
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012・土本英樹
○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
将来にわたりまして我が国の防衛を全うするためには、技術力を結集し、優れた機能を備えた装備品を実現していく必要がございます。このため、防衛装備庁におきましては、約五百九十名の研究職技官等を擁しており、そのうち約百六十名が博士号を取得しております。
博士号を有している職員が自身の名刺に博士との肩書を記載することは、その職員の能力を示すことができる一手段でありまして、ひいては防衛装備庁の技術力をアピールすることができると、その有効な手段と考えております。このため、防衛装備庁におきましては、博士号の肩書を有する職員に対しまして、名刺に博士の肩書を記載することを推奨しておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/12
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013・有村治子
○有村治子君 力強い御答弁、ありがとうございます。
およそどの国においても、その国が持てる最高技術を防衛の最前線に持ってくるというのは、国民を守るためでも極めて大事だと思います。技術力を持っているということは国際的に日本の安全を高めることにも寄与すると思うので、本当に有り難いというふうに思います。
では、我が国の科学技術や研究力を推進していく立場にある文部科学省ではこの提案をどのように認識されたのか、御見解をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/13
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014・井上諭一
○政府参考人(井上諭一君) お答えいたします。
文部科学省におきましては、新しい政策の企画や実行において課題解決力や俯瞰的視野からの提案力がより一層重要となっておりまして、そのようなトレーニングを受けた博士号取得者にこうした役割を担わせることで行政の高度化を図っているところでございます。
このため、採用活動の強化のほか、委員御提案の名刺への明記を含め見える化を進めており、来年度入省予定の総合職職員のうち、博士号、博士課程修了予定者は約一五%と過去最大の割合となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/14
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015・有村治子
○有村治子君 このように人数、割合が具体的に出てき始めるのは、科学技術立国復権への第一歩だと歓迎をいたしたいと思います。
防衛装備庁と文部科学省が明確な方針を省庁全体で打ち出されました。事務次官通達も出ました。厳しい試練を乗り越えて築いた博士の称号を名刺に明記することは、国際慣行に鑑みても、本来、日本政府どちらの省庁にあっても奨励されるべきことだと考えます。これは、個々人の自慢などではなく、学術的に最高位の修練を成し遂げた方への敬意を示せる社会になっていけるかどうかの指標ではないでしょうか。
米国の大学で学ばれ、外務大臣、防衛大臣を歴任された河野大臣は、博士号取得者が第一線で活躍している国際社会の現状を誰よりもよく御存じだと思います。努力した成果としての博士の称号を遠慮やそんたくなく、当然のこととして名刺に明記できる機運を政府全体で各省庁とも高めていくことについて、国家公務員制度担当大臣としての御見解を最後に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/15
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016・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 時間が来ておりますので、簡潔に御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/16
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017・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) はい。
ありがとうございます。
PhDを持っている、そういう人がその旨名刺に表記をする、これはもう海外の方と名刺交換すると当たり前のように行われていることでございますので、霞が関でもそういうことがきっちりと進められるように、内閣人事局としてもいろんなことを考えていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/17
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018・有村治子
○有村治子君 以上で、自由民主党、有村治子の質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/18
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019・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 立憲民主・社民の杉尾秀哉です。
冒頭、通告しておりませんけれども、河野大臣に伺います。
昨夜、葉梨法務大臣がこういう発言をされました。都内の会合ですけれども、大体、法相は朝、死刑執行の判こを押す、昼のニュースのトップになるのはそういうときだけだという地味な役職だ、法相になってもお金は集まらない、なかなか票も入らない、こういう発言です。
法と人権をないがしろにするとんでもない暴言だというふうに思いますけれども、同じ内閣の一員として、河野大臣、どう思われますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/19
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020・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 正確なところを聞いておりませんので、コメントは差し控えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/20
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021・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 まあそういう発言になるんだと思いますけれども、これは即刻辞任をすべきであるというふうに思います。直接葉梨大臣にほかの委員会の方で聞いておると思いますので、この件は冒頭、触りだけにしまして、法案について伺ってまいります。
昨年八月十日、人事院勧告が出されました。給与法改正の閣議決定は翌年、つまり今年の二月でした。法案成立が年度をまたいだ四月初旬という、極めて異例の事態となりました、私も質問しましたけれども。その中で、当時担当の二之湯大臣が、今回は例外中の例外で、人事院勧告が出された場合には速やかに法案を提出するのが基本だと、こういうふうに答弁をされました。
そこで、河野大臣に伺いますけれども、今回の措置はそうした答弁を踏まえたものなのか、また人事院勧告後の速やかな法案提出と実施は政府の責務ではないのか、さらに、人事院勧告について恣意的な運用をすべきではない、こうしたことの三点について、大臣のお考え、聞かせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/21
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022・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 人事院勧告につきましては、速やかに政府として対応するべきだと思っております。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/22
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023・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) もう一回、じゃ、質問してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/23
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024・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 恣意的な運用をすべきではない、こういうふうに思われますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/24
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025・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) そのとおりだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/25
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026・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 そして、もう一つ、今回の給与勧告について伺います。
今回は、初任給、それから若年層に限定した引上げになりました。コロナ禍への対応、それから物価高など影響は、これは地方公務員も含めて全ての公務員に及んでおります。しかも、岸田総理大臣は繰り返し物価上昇をカバーする賃上げをというふうに訴えております。公務員ももちろん例外ではないというふうに思います。
であるとするならば、広い世代での給与の引上げがあってもよかったのではないか、そう思いますけれども、大臣の見解、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/26
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027・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 政府としては人事院勧告どおりの改定でございますので、人事院にお尋ねください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/27
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028・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 もう一言あっても私はよかったんではないかと思いますけれども、これはこれぐらいにします。給与関係はこの後、吉田議員が詳しく聞きますので、私は、人材確保の課題について、中心に、これから伺ってまいります。
本委員会でも度々指摘されておりますとおり、公務員の採用試験の申込者の減少、それから若年層職員の退職者、中途退職ですね、近年著しい。
そこでまず、人事院総裁に伺います。
社会一般の課題として、若者の意識の変化や生産年齢人口の減少などがあるというふうに思いますけれども、これらの問題と公務員採用試験の申込者減少との相関関係、これについてはどういうふうに考えておられますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/28
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029・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) お答え申し上げます。
人事院といたしましては、学生や若年層の職員が仕事と家庭の両立や職業を通じたキャリア形成について高い関心を持っていると認識しています。
近年の若年層職員の退職者の増加や採用試験の申込者の減少には様々な要因があると思いますが、より多くの優秀な方に公務を就職先として選んでいただき、国のために持てる力を十全に発揮していただくためには、若年層の意識に十分留意していくことが必要であると考えております。
少子化との関係ですが、長期的に見ると二十二歳人口は減少していますので、人口減少が申込者数の減少の一つの要因であった可能性はありますが、一方、十年前からの推移で見ると、二十二歳人口はほとんど減少していないのに対して総合職試験申込者数は約二割減少しておりますので、過去十年については若年者人口の影響はほとんどないと認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/29
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030・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 今総裁の説明されたとおり、資料一としてお配りしましたけれども、これは公務員制度の制度が変わってからのこの十年間の推移なんですが、実際には二十二歳人口はほとんど変わってないにもかかわらず、申込者の推移がこれ急速に落ちているんです。今二割という話ありましたけれども、おととしでは三割、済みません、去年では三割、そして今年は少し上がったと、一万五千人ぐらいですか、上がったというふうに聞いておりますが、トレンドは多分変わらないんだろうというふうに思っております。また、自己都合退職も特に二十歳代、三十歳代で急増している。
つまり、こうした人口動態の変化が採用試験申込者の減少の原因ではないというふうにしますと、その原因や背景どう考えればいいのか、人事院総裁、もう少し説明していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/30
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031・西浩明
○政府参考人(西浩明君) お答え申し上げます。
昨年度、人事院が就職活動を終えました学生を対象に実施した意識調査によれば、就職先として国家公務員を選ばなかった理由といたしまして、過半数の者が、採用試験の準備が大変、長時間労働等の勤務環境への不安を挙げました。
採用試験申込者数の減少の要因は様々あると思いますが、優秀な人材に公務を就職先として選んでもらい、その力を国のために十全に発揮してもらうためには、意識調査の結果から見えてくる学生の意識に留意し、公務の魅力を高めていくことが不可欠であると考えております。
こうしたことから、人事院では、長時間労働の是正はもとより、より柔軟な働き方の実現、受験しやすい採用試験といった重要課題に対し積極的に取り組んでいくこととしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/31
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032・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 資料二を御覧ください。これも人事院の年次報告書です。
今説明がありましたとおり、職業として、これ赤線引っ張ったところですけれども、国家公務員を選ばなかった理由として、採用試験の勉強や準備が大変、業務内容をこなすことが大変そう、こうした項目が挙がっているんですけれども、ただ、上の方の、これ全体の図見てもらえますか。
今説明いただきましたけれども、上から三つ、公務員を選ばなかった理由、これスコアでいうと高いのはどういうスコアですか、説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/32
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033・西浩明
○政府参考人(西浩明君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、この資料、上の欄で赤い線が引っ張ってある項目、三項目ございますが、この数字を見ていただきますと、三点、三以上のスコアになっております。この数字は、全体の公務員を選ばなかった理由の中では数字の高い方は比較的理由としては低い、そういう傾向を表しております。
したがいまして、私が先ほど申し上げましたのは、スコアの数値が小さいもの、これが選ばなかった理由として多く挙げる者がいたというものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/33
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034・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 選ばなかった理由が多いのがこの三つじゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/34
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035・西浩明
○政府参考人(西浩明君) 選ばなかった理由に挙げられているという意味ではこれらの項目も入りますが、相対的に数値が高い方は選ばなかった理由として挙げる学生が低いというもので、数値が低いものが選ばなかった学生が多いという、そういうものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/35
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036・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 私、これ見たら、このスコアが高い方が選ばなかった理由だと、三つ、多いものだというふうに思ったんですけれど、違うんですか、これは。これはちょっと私は意外な答弁だったんですけれども。
これ、だけど見てみると、仕事のスケールが小さくてやりがいがなさそうとか、不祥事によってイメージが悪化したとかっていうのは、やっぱりこれかなり選ばなかった理由の中に入っているんじゃないかと思うんですけれど、そういう実感はないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/36
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037・西浩明
○政府参考人(西浩明君) お答え申し上げます。
まず、この資料の説明として、お示しいただいている資料の左、上段の左にこの説明が書いてございます。平均値が高い方が国家公務員を選ばなかった理由として弱い傾向ということでございます。ただ、委員御指摘のように、赤い数値を示しているものについてもその影響がないとは言えない、我々としてもそういう認識は持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/37
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038・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 確かに、この数字を見るとちょっと、この表の書き方自体が私はちょっとおかしいんじゃないかと思うんですけれども、今の説明を聞くと、まあ確かに選ばなかった理由の高いのがスコアが高いと、こういうことなんですが、ただ、どうなんでしょうか。
先ほど総裁もおっしゃいましたけれども、やっぱり仕事のやりがい、そういう意味において、かつての公務員と今の公務員は随分違うんじゃないだろうか。しかも、つい最近もありましたけれども、例えば政府の給付金の詐欺事件ですね。これ、キャリア官僚、税務署の職員、公務員が摘発何件もされているわけですよね。こうした市民の、やっぱりこうした不祥事が重なったこともあって市民の信頼感が低下しているんじゃないか。
それから、さらには、まあかつては官僚の夏という、これTBSでもドラマ化されました、城山三郎の小説でもありますけれども、かんかんがくがく、口角泡を飛ばしながら大臣にもしっかり物を言って、そして官僚が、一人一人が自分たちが国家を背負っているんだと、そういう意識でもって公務員が仕事をしてきた、そういう時代と今は大きく変わっている、こういう認識は、総裁、ないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/38
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039・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) お答え申し上げます。
公務員にとって信頼というのは非常に大事なものであると思っております。公務員が信頼されるためには、行政が適切に機能すること、公務の遂行に当たって規律を厳正に保って国民全体の奉仕者として信頼を得ていくことが何より重要だと思っております。組織の基本は人でございますので、一人一人の公務員が高い意欲を持ってその能力を十全に発揮することによって初めて組織として重要な役割を果たしていくことができるというふうに思っております。
ですので、人事院は、今年八月の公務員人事管理に関する報告において、人材の確保や育成、勤務環境の整備など、四つの柱について提言を行いまして、国民から信頼され、魅力ある行政組織を実現するために好循環をつくっていきたいというふうに思っておりますし、何よりも就職先として魅力ある働く場所として認識していただくことが大事だというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/39
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040・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 ここまでの議論を聞いていて、今の川本総裁の答弁も聞いていて、河野大臣、どういうふうに思われますでしょうか。
例えば、いわゆる官邸主導、それから政治主導がやや行き過ぎた面、これがもちろん悪いと言っているわけではないですけれども、行き過ぎた面がないか。それから、唐突な指示が下りてくる、逆に言うと指示待ちになっている公務員、これがすごく最近目立つというふうに言われますけれども、率直な意見具申がしにくいとか、こうしたことも含めて、今の公務員の働き方、そしてそのやりがいの問題、大臣どうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/40
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041・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 給料がそんなに高くないのが分かっていて霞が関に来てくれるというのは、やはり国民のために仕事ができる、大きな仕事ができる、やりがいのある仕事ができる、そう思って来てくれている職員が多いんだろうと思っております。
ただ、残念ながら、今の霞が関を見ていると、極めて長時間なおかつ予見性がない働き方で家庭と仕事が両立できない、あるいは、何というんでしょうか、本来思っていた仕事と違う雑用のような仕事が多い、このままでは思っていたことができない、そういう理由で残念ながら早期に退職してしまう職員が多くなっているのかなと。
まずは霞が関をしっかり働き方改革をして、家庭と仕事が両立できるように働き方を変えてホワイト化していかなければならないと思っておりますし、デジタル化を進めることで効率化できる業務はしっかりと効率化をし、本来の霞が関の働き方ができるように霞が関をしっかり変えていく必要があるなというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/41
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042・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 私も大臣と認識を同じくするところでございます。
確かに長時間労働という、これはもちろん問題なんですけれども、かつて、本当に寝ずに仕事をしてもそれだけのやりがいが得られるとか、嫌々やっているんじゃなくて自らやっぱりやるということが、私も本当に残業百五十時間とか二百時間とかしていたこともある、まああんまり、もう今からいったらもうちょっと考えられないようなこともあったわけですけれども、こうした実態は異常としても、やっぱり何といってもその仕事にどれだけのその生きがいを見出せるかということが、やっぱりその新規の採用者であったり途中退職の減少を防ぐその大きな道だというふうに思いますので、それを指摘して、もう一つ、人事管理報告について人事院に伺いたいんですけれども、この中に、今回、公務と民間の間に人材の流動性を高め、民間の知見を積極的に公務に取り入れることが重要、こういう記述があります。これ自身は私も全く否定はしません。
問題はその後なんですが、一般任期付職員の採用は、本府省の課長、室長級についても人事院の事前審査手続を不要とする、こういうくだりがあります。これまでは課長補佐級になっていますけれども、課長級、室長級になっています。元々これらの事前審査や協議は、人事院の存立意義の一つである人事行政の公平性、中立性の確保のための重要な措置であったというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/42
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043・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) お答え申し上げます。
任期付職員の採用に係る人事院の事前審査や協議は、採用予定者の専門性や任期の合理性、公務の公正性、任用の公正性などの観点からチェックを行うことにより、制度の適切な運用を確保するために設けられたものであります。
今回、その任期付職員の各府省限りで採用できる範囲を拡大し、さらに、課長級の官職で採用する場合には、課長補佐以下の官職への採用の場合に満たす必要がある公務及び任用の公正性等の確保に関する要件に加えて、各府省が選考委員会において採用予定官職の職務遂行に必要とされる管理的又は監督的能力を確認することを要件として明示しております。また、採用予定者を従事させる業務に、採用予定日前三か月以内にその者が所属していた企業に係る処分や契約に関する事務が含まれない由の要件を設けています。
その上で、各府省限りで行った場合、採用の場合には全て人事院への報告を義務付けており、人事院が事後チェックを行うことにより公務及び任用の公正性等に問題が生じることがないよう徹底してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/43
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044・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 今、事後チェックという話だったんですけれども、人事行政の公平性、中立性というのは、事前に具体的な対応措置をするからこそ有効に機能するのではないか。とすれば、今申し上げましたように、人事院の事前審査を不要とする措置というのはその判別を採用の府省に委ねるもので、これ問題ないんですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/44
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045・西浩明
○政府参考人(西浩明君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、事前審査の必要性、目的については、公務の公正性を確保するために設けられた仕組みでございます。
今回の措置は拡大措置を更に広げるものでございますけれども、人事院の事前承認を事後チェックに改めるに当たりましては、それまでに運用において積み重ねられました実績を踏まえまして、あらかじめ、人事院が審査するに必要な要件、着目する点についてあらかじめ明示的に各省に示しておりまして、各省に委ねても問題ないように指導を徹底してまいるということで臨んでおります。
さらに、各省から実績が上がったものについては事後チェックをいたしまして、適正な運用がなされるよう、そういった面でも確保してまいっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/45
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046・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 ちょっとこれ例が悪いんですけれども、仮に河野大臣が、こういう人物がいるから例えば課長にしてくれ、室長にしてくれ、こういうことだってできなくはないわけですよね。その、あくまでも事前に示されたものがあって、これ事後チェックですから。
こうした、例えば、まあ今、河野大臣例に挙げて大変恐縮ですけれども、そうした、例えば一本釣りとか、閣僚がそうしたその恣意的な人事をする、こういうことというのは今回のこの改正で本当に防げるんでしょうか、どうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/46
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047・西浩明
○政府参考人(西浩明君) お答え申し上げます。
そもそも任期付職員につきましては、公務部内では得られない高い専門性を持った者を公務内に外部から受け入れるというような仕組みの中で設けたものでございます。
したがいまして、一般任期付あるいは特定任期付、いずれにいたしましても、公務部内では得られない高い専門性を持っているということが、まず審査、審査といいますか、採用に当たって確認すべき要件でございます。さらに、任期を付すということでございますので、その任期が妥当なものかどうかという点からもチェックが必要でございます。
そういう意味で、任期付職員の採用に当たっては、公募をやり、審査委員会で審査をやり、要件を満たしていると、そういうところのチェックを経て行われますので、委員御指摘のような問題はないものというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、各省において適正な運用がなされるよう我々としても指導、周知を徹底するとともに、事後チェックで更にその適正な運用を確保してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/47
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048・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 時間が来ておりますので、おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/48
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049・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 はい。
人事院が本来果たすべき役割というのをもう一度明確にすることを求めまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/49
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050・吉田忠智
○吉田忠智君 立憲民主・社民の吉田忠智でございます。
この度、この臨時国会から内閣委員会の野党筆頭理事を仰せ付かりました。与党、森屋筆頭理事と緊密に連絡を取りながら、また委員長、理事、委員の皆さんの御指導もいただきながら、円滑かつ有意義な委員会運営になるように私もしっかり努めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
今日は、河野大臣に質問させていただきます。また事務方の皆さん、また人事院総裁にも質問させていただきますが、まあ、次か、次の次か、総理大臣になるかもしれないと言われている河野大臣に質問できることを大変光栄に思っております。
また、河野大臣は以前、同職におられるときに、超過勤務手当の実績支給に向けての予算の増額にも努められました。また、非正規の職員の勤勉手当の支給に向けてもリーダーシップを発揮されました。そういう意味では、今日、是非踏み込んだ答弁をお願いを申し上げたいと思います。
さて、感染症対策や大規模災害への対応などに、常勤、非常勤という任用形態や、若年又は中堅、高齢層という世代の違いを問わない全ての職員の奮闘がなされているというのが今日の職場実態でございます。
そのような下で、本年の人事院の調査による月例給の官民較差は〇・二三%、九百二十一円という、まあ額としては小さいものでありましたけれども、先ほど御議論もありました、人事院に聞いてくれという河野大臣の答弁もございましたけれども。
人事院にお伺いしますが、どのような考え方に基づいて、今回、初任給及び若年層に限定した、三十歳代半ばまでの職員が在籍する俸給月額、三十代半ばまでしかベアがなかったわけでありますけれども、ないわけでありますけれども、こうした俸給月額の引上げを勧告されたのか、まず伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/50
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051・佐々木雅之
○政府参考人(佐々木雅之君) お答えいたします。
近年、民間企業等と人材獲得競争が熾烈になる中、国家公務員採用試験の申込者数は減少傾向にある一方、若年層職員の退職者数は増加傾向にあり、公務における人材の確保は厳しい状況でございます。
こうした状況を踏まえ、近年、給与勧告において引上げ改定を行う場合には、人材確保の観点や民間企業における初任給の状況等を考慮し、初任給及び若年職員の給与水準の改善を重点的に行っております。
このような考え方に基づき、本年におきましても、委員御紹介のとおり、相当額の初任給の引上げを行うとともに、三十歳代半ばまでの職員が在職する号俸について改定を行うこととしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/51
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052・吉田忠智
○吉田忠智君 その上で、非常勤職員の給与改定について伺います。
本年の人事院勧告が、初任給及び二十歳代半ばに重点を置いて、若年層の俸給月額の引上げを求めたこととの関係におきまして、人事院の非常勤給与決定指針が、類似する職務に従事する常勤職員の属する職務の級の初号俸の俸給月額を基礎とするとしていることから、非常勤職員について、常勤職員の初任給の引上げと同等の基本となる給与の引上げが各府省において当然に行われるものと理解をしておりますけれども、その認識を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/52
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053・佐々木雅之
○政府参考人(佐々木雅之君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、人事院が発出しております非常勤職員の給与に関する指針におきましては、基本となる給与について、当該非常勤職員の職務と類似する職務に従事する常勤職員の属する職務の級の初号俸の俸給月額を基礎として決定する旨規定しております。
本年の人事院勧告におきましては、常勤職員の月例給について初任給及び若年層の俸給月額を引き上げることとしたところでございまして、これを踏まえて常勤職員の給与改定が行われれば、非常勤職員の給与についても常勤職員の給与との権衡を考慮し、適切に改定されるべきものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/53
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054・吉田忠智
○吉田忠智君 官民較差をどう配分するかにつきましては、本年は人材確保となお低位に置かれている非常勤職員の処遇改善を優先した措置と、そのように思っておりますけれども、極めて小さい官民較差であっても、人事院は、公務の実態や職場の実情も十分に考慮して、丁寧に労使の意見を聞いた上で配分を判断する必要があることを改めて指摘をしたいと思います。
ところで、常勤職員に準じている非常勤職員の基本となる給与の改定時期、問題は改定時期でございます。平成三十年十月の内閣人事局の調査によれば、遡及して改定が四・五%、僅か四・五%です。そして、施行の当月又は翌月の基本となる給与改定が九〇・一%、これが一番多い。次年度四月の基本となる給与改定が三・八%。改定しないというところも一・七%あります。
常勤職員が四月に遡及して改定していることから、極めて問題であるということは当時から指摘されているところでありますけれども、その後改善が図られているのかどうか、内閣人事局に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/54
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055・窪田修
○政府参考人(窪田修君) お答えいたします。
御指摘のように、三十年の調査において、九割の、九割超の非常勤職員について、そのとき、その前年の二十九年に各府省で申合せをしておりまして、当面、遅くとも改正法の施行月の翌月の給与から改定するということを申し合わせておりまして、九割超の非常勤職員について、その当面の目標について達成されているということを確認しておりました。
その後、ここ二年間は、特に月例給の引上げについて人事院の勧告も行われておりませんので、特段の状況等を調査は行ってございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/55
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056・吉田忠智
○吉田忠智君 幾ら改定がないといっても、やっぱり、この間の努力はやっぱり必要ではなかったかと思います。
河野大臣に質問します。
河野大臣は、八月十二日の就任時の記者会見においてこのように述べられております。期間業務職員の方々にもっと能力を引き出してもらい、一般職、総合職との業務の切り分けというものをきっちりとし、期間業務職員の採用のための予算を概算要求の中にきっちり入れてくれということは各省庁に対して指示をしたいと思っておりますと言われました。これは、期間業務職員を含めた非常勤職員について、行政運営に欠くことのできない存在として改めてその役割を期待されたものと思いますが、当然それに応じた適正な処遇への改善も大臣自身が考えてのことだと、そのように思います。
給与の改定について、非常勤職員だけが四月に遡及しないというのは、同一労働同一賃金の原則からも明らかに不合理であります。各府省において非常勤職員との権衡から本年四月に遡及して非常勤職員の給与の引上げが遅滞なく確実に行われるということについて、是非河野大臣にリーダーシップを発揮していただきたいと思いますが、是非前向きな答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/56
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057・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 非常勤職員の給与の改定が常勤職員と同様に行われるのが基本だと思っております。
先ほど内閣人事局から答弁がございましたように、ここしばらく引上げがなかったものですから実態の調査というのができておりませんので、まずは実態をしっかりと調査し、把握をした上で、必要ならば申合せを改定をして、きっちりと四月に遡及をさせるということを徹底していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/57
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058・吉田忠智
○吉田忠智君 大変前向きな答弁をいただきました。
もう改めて申すまでもなく、非正規の公務員の皆さんが本当に懸命に頑張っていただいております。本来であれば正規の職員でしっかりやっていただかなければなりませんけれども、この間の行政改革等によってこういう実態になっておりますから、同一労働同一賃金の観点から、実施時期についても先ほど河野大臣から前向きな答弁をいただけましたので、答弁どおりできるようにお願いをしたいと思います。
続きまして、現下の物価高への対応について質問させていただきます。
ちょっと時間が押してきましたので、ある程度まとめてもう質問をさせていただきます。通告の括弧一番から括弧三番まで一括して質問をいたします。
まず、人事院の報告及び勧告の根拠とされる国家公務員法二十八条の情勢適応の原則は、勤務条件決定の基準として、社会経済上の一般情勢の変化に応じて機動的に定められるべきであるものということを表明したものとされていますが、これを人事院が具体化するに際しての基本的な考え方について。
また、この間、過去二回、複数回ですね、報告又は勧告を行ったことがございます。その行われたことについての事実と、それから背景と理由、どのようなものであったのか。
また、三番目として、情勢適応の原則を具体化するに際しての基本的な考え方とされる官民均衡、具体的には民間準拠の原則の下で、人事院の給与に関する報告、勧告における月例給に関する民間給与及び国家公務員給与の対象となる時点を四月としているのはどのような理由によるものか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/58
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059・佐々木雅之
○政府参考人(佐々木雅之君) お答えいたします。
国家公務員の給与について、国家公務員法第二十八条は、国会において社会一般の情勢に適応するように随時変更することができるものとしており、人事院に対し、その変更に際して勧告することを怠ってはならないとしております。また、国会及び内閣に対し、毎年、少なくとも一回、俸給表が適当であるかどうかについて報告を行う責務を人事院に課しております。
この情勢適応の原則に基づき、人事院は、国家公務員の給与水準を民間企業従業員の給与水準と均衡させるという民間準拠を基本として給与勧告を行っております。これは、公務員の給与は、その時々の経済・雇用情勢等を反映して労使交渉等によって決定される民間給与に準拠することが合理的な選択だと考えられることによるものでございます。
それから、過去、複数回の勧告、報告を行った例ということでございますけれども、昭和四十九年と平成二十一年の事例がございます。
昭和四十九年におきましては、いわゆる第一次オイルショックの影響によりまして同年四月の消費者物価が対前年同月比で二三・七%上昇するなどしていたことから、民間給与実態調査に基づく給与改定が行われるまでの間の月例給に係る暫定的な措置として全職員の俸給月額を一〇%引き上げる勧告を五月に行った後、七月に改めて勧告を行っております。
平成二十一年におきましては、世界的な金融危機を発端とした景気の急速な悪化の影響により、いわゆる春闘期におきまして民間の夏季一時金が大きく減少することがうかがわれたことから、臨時に特別調査を実施して民間の夏季一時金の決定状況を把握した上で、特別給に係る暫定的な措置として六月期の期末・勤勉手当の支給月数の一部を凍結する特例措置を講ずる勧告を行っております。
それから、四月を調査をしているという理由でございますけれども、民間におきましては、主として三月のいわゆる春闘期に賃金改定に関する労使交渉が行われていることから、月例給について春闘期の四月分の給与を調査し、これに基づき官民比較を行った結果を公務員給与に速やかに反映させるため、八月に勧告を行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/59
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060・吉田忠智
○吉田忠智君 通告の四番、五番はちょっと飛ばしまして、まあ生計費の考え方を私は質問するつもりでありましたが、そういうことも考慮して、物価が非常に上がっておりますので、対前年で三%、まあ実感としてはそういうものではないと思いますけれども。
で、通告六番、人事院総裁に伺います。
八月八日の報告以降、具体的にどのようにそうした状況を注視して、その結果に基づく対応はどのようになっているのか、どのようにお考えか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/60
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061・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) お答え申し上げます。
人事院としては、八月に給与勧告、報告を行った後も、各種の労働経済指標等を通じて民間における賃金、雇用情勢や物価の動向などを注視しており、例えば消費者物価指数は四月以降二%以上の上昇となっており、九月は前年同期比で三%の上昇となっているものと承知しております。
人事院としては、引き続きこれらの労働経済指標等の動向や今後の民間給与の状況などを注視してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/61
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062・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 時間が来ておりますので、おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/62
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063・吉田忠智
○吉田忠智君 はい。
最後、河野大臣に質問する予定でありましたけれども、時間が来ておりますので、今後の一般質疑でまた取り上げたいと思います。
いずれにしても、総理は構造的な賃金引上げと言われておりますから、公務員それから民間の賃金引上げの好循環をいかにつくっていくのか、それは人事院も内閣人事局も私は責任を担っていると、そのことを改めて申し上げまして質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/63
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064・三浦信祐
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
今回の給与改定では、行政職俸給表(一)にて初任給及び若年層の俸給月額を引き上げることとしております。若年層への給与の手厚さは人材確保の面でも重要であると考えますが、中堅世代も重要であります。責任も重く、仕事量も増える中、やりがいにつながり、離職防止にも直結する給与での処遇改善が必要だと私は強く訴えたいと思います。
その上で、国家公務員行政職(一)の中途退職者数とその年代別状況について、近年の傾向はどのようになっているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/64
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065・西浩明
○政府参考人(西浩明君) お答え申し上げます。
人事院が毎年実施しております一般職の職員の任用状況に関する調査により、三十歳代の離職率について申し上げますと、行政職俸給表(一)の三十歳から三十四歳の離職率は、平成二十二年度は〇・九%でございましたが、令和二年度には一・六%となっております。また、三十五歳から三十九歳の離職率は、平成二十二年度は〇・六%でしたが、令和二年度には一・三%となっております。
このように、近年の三十歳代の離職率は上昇傾向にございます。また、二十歳代や四十歳代前半の離職率についても同様に上昇傾向が見られるという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/65
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066・三浦信祐
○三浦信祐君 今御答弁いただきましたけれども、行政職(一)の年齢別辞職率は、二十から三十五歳及び四十五歳から五十五歳までの退職者数は若干下がっておりますけれども、三十五から三十九歳では過去十年間で〇・六パーから今御答弁いただいた一・三と倍増していると。また、四十から四十四歳では〇・四パーから〇・七%へと約倍となっております。
今回の俸給表改定は三十代半ばまでとなっております。中堅世代の労働時間と給与の見合いについて、やはり三十代半ばまでではなくて、中堅世代への給与の厚みが労働の整合性につながると私は考えます。今後、中堅世代への給与と処遇改善への手当てについてどう考えるのか、希望が持てるように、意気込みも含めて、今後の対応について人事院総裁に御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/66
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067・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) お答え申し上げます。
本年の勧告は、月例給とボーナスをいずれも引き上げるものであり、そのうちボーナスについては、世代にかかわらず、年間で〇・一〇月分引き上げることとしております。また、本年の勧告時報告の中において、能率的で活力ある公務組織を実現するため、社会と公務の変化に応じた給与制度のアップデートに取り組む方針について述べております。その取組の一つとして、中堅層を含むキャリアの各段階における職員の能力、実績や職責の給与への的確な反映を挙げております。
今後、委員御指摘の中堅世代につきましても、能力、実績に応じた処遇がより適切になされるよう取組を進めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/67
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068・三浦信祐
○三浦信祐君 是非、ここ、非常に希望を持てることになりますので、取り組んでいただきたいと強くお願いをさせていただきたいと思います。
給与勧告に際して、民間給与の調査を実施して、較差是正を基本として勧告、改定がなされております。その際、調査対象が企業規模五十人以上としておりますが、この妥当性について、業種、業態とその能力に見合った比較なのか、どのような見解か伺いたいと思います。
また、国家公務員となった者が就職活動の際に民間企業から得た内定先の企業規模は、千人以上が六二・七%、百から九百九十九人の企業が三一・二%、そして五十から九十九人が四・二%、五十人未満で一・九%となっております。この調査結果と企業規模五十人以上としていることのギャップについてどう考えているのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/68
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069・佐々木雅之
○政府参考人(佐々木雅之君) お答えいたします。
公務と民間の給与の比較におきましては、役職段階や勤務地域等の給与決定要素を同じくする同種同等の者同士を比較することとしております。この給与比較を行うため、人事院は、全ての業種を対象として、毎年、企業規模五十人以上かつ事業所規模五十人以上の事業所を対象とします職種別民間給与実態調査を実施しております。
これは、企業規模五十人以上の多くの民間企業は、公務と同様、部長、課長、係長等の役職段階を有しており、公務と同種同等の者同士による給与比較が可能であることに加え、現行の調査対象となる事業所数であれば精緻な調査が可能であり、調査の精確性が維持できるということ等によるものでございます。
この公務と民間の給与比較に関しましては、現行より小さい規模の企業も含めるべきとの議論がある一方、国の公務の規模等の観点から、より規模が大きい企業のみとすべきとの議論もございます。また、委員御指摘のとおり、民間企業等との人材確保における競合がある中で、公務に有為な人材を計画的かつ安定的に確保、維持する必要があり、そのような観点も踏まえた適切な、適正な給与水準の確保の重要性についての指摘もございます。
今後とも、各方面の意見を幅広く聞きながら、必要に応じて見直しを行うなど、適切に対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/69
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070・三浦信祐
○三浦信祐君 是非、いろんな幅広い意見取っていただいたら分かるんですけれども、人材確保ということなくしてこの国、運営ができませんから、強くこれは要望しておきたいと思います。能力をきちっと評価できているかどうかというのはよく若い世代見ていますから、いろんな声も大事ですけれども、人材確保、それを中心に頑張っていただきたいと思います。
公務員は、能力、経験等の向上を重ねることもキャリアプランとしているゆえ、異動や引っ越しが極めて多くなっております。現状、物価高、ドライバー不足等によって引っ越し費用負担が増加していることへの負担支援はどう対応しているのでしょうか。いわゆる引っ越し貧乏にならないようにするために対応は欠かせないと思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/70
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071・中村英正
○政府参考人(中村英正君) ありがとうございます。
議員御指摘の国家公務員の赴任に伴う引っ越しにつきましては、旅費法に規定がございます。旅費法におきまして、距離等に応じまして定額の移転料が法律に載っております。ただ、これでは当然物価の動向等で不足する場合がございますので、協議する規定も置いておりまして、現在、協議に基づいて必要な手続を取った上で、各省において実費を支給することができる対応とさせていただいております。
引き続き、制度の見直し詰めていきたいと思っておりますけれども、この旅費法につきましては、引っ越しに加えまして内外の出張等々ありまして、物価高あるいは為替の動向等々ございます。これに対して、足下、迅速に対応していく必要があるとともに、手続の簡素化等々、課題も多いというふうに考えておりまして、速やかに見直しを行っていきたいというふうに考えております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/71
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072・三浦信祐
○三浦信祐君 速やかに是非やっていただきたいと思いますし、応援したいと思います。
最後に、河野大臣にお伺いしたいと思います。
多様化する社会構造とスピードが増す世界の外交、経済、技術の変化に対応するためには、行政においても専門的知見を有し、情報掌握能力ある、そして経験豊富な人材の確保は欠かすことができません。加えて、日本人博士号取得者の増加並びに就職先の確保を政府の方針としている中で、公務としての博士号取得者の採用増も検討していただきたいとお願いしたいと思います。
現状の採用先と期待すること、また処遇の状況とポストなど今後の展望について、河野大臣の決意を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/72
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073・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) ありがとうございます。
今、各府省における状況について実態調査をしているところでございますが、それを踏まえて、まずは内閣府の科学技術・イノベーション推進事務局、そして文部科学省にしっかり主体的に取り組んでもらいたいと思っております。
内閣人事局といたしましては、人事院と連携をいたしまして、好事例や制度の周知というものをしっかりとサポートしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/73
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074・三浦信祐
○三浦信祐君 先ほど有村先生からもありましたけれども、博士号人材のポストを確保するのは大学でも大変厳しい状況にもあります。一方で、海外とのやり取りを経済安全保障の観点から見たときにも、大変多くの機会として、どの経験値があるのかというのはよく世界で当たり前に見られてくることであると思います。名刺に書くことも当然だと思いますし、そのカウンターパートとしての位置付けがなくして相手は話もしてくれない、こうなっては国益の逸失になりますので、是非行政職の中に博士号をしっかりと確保できるように取り組んでいただきたいということを重ねてお願いさせていただいて、質問を終了させていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/74
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075・高木かおり
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
早速質問に入らせていただきたいと思います。今回の法案のベースになっている人事院勧告の手法について見直す必要があるのではないかという視点から、人事院総裁に伺いたいと思います。
昨今の円安などに起因する物価高、それに加えて賃金がなかなか上がらないという現状が続く中で、今の人事院勧告、この官民の給与実態が正しく比較できているんでしょうか。
今回、国家公務員の給与を上げることになる人事院勧告の内容は、先ほどもありましたが、調査対象を企業規模五十人以上かつ事業所規模五十人以上の事業所に限定しています。これは全ての事業所の上位一%にすぎません。
また、近年は非正規雇用者が大変増加傾向にあります。総務省の労働力調査によりますと、これ、非正規労働者の割合がこの十年間連続して三五%以上を推移しておりまして、三人に一人は非正規、そんな社会になっているわけです。しかし、そういった非正規の方々は調査対象には入っていません。
また、役職者への手当について見ていても、国家公務員は民間と異なって多くの方々がもらっている実態があるんではないでしょうか。係長以上が八割を占めておりますので、逆に役職手当をもらっていない方々というのは僅か二割ということになってきます。
人事院勧告は、毎年四月時点のいろいろなデータを取ってきて細切れに比較をしているわけですけど、今申し上げたような役職手当であったり退職手当であったり、こういったものを含めた、一人が一生涯を通じての生涯賃金まで考慮していないという現状があります。ですから、調査企業が上位一%にすぎないこと、非正規雇用者、生涯賃金、こういった観点が抜け落ちているということから、やはり現在の国民の給与実態とずれが生じているんではないでしょうか。
見直すべきではないか、人事院総裁に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/75
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076・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) お答え申し上げます。
人事院は、国家公務員の給与水準を民間企業従業員の給与水準と均衡させるという民間準拠を基本として給与勧告を行っております。
本年の給与勧告における公務、民間の給与比較時点である本年四月の民間の賃金・雇用情勢及び物価の動向などを見ると、新型コロナウイルス感染症の影響から持ち直しの動きが見られるとともに物価が上昇しており、こうした状況の下で本年の民間給与の改定が行われたものと考えられます。この改定後の民間給与と国家公務員給与を比較した結果に基づき、本年の給与勧告を行ったものです。
企業規模五十人以上かつ事業所規模五十人以上を調査対象としているのは、企業規模五十人以上の多くの民間企業においては、公務と同様、部長、課長、係長などの役職段階を有しており、公務と同種同等の者同士の比較が可能であり、また、現行の調査対象となる事業所数であれば調査員による精緻な調査が可能であり、調査の精確性を維持することができるといったことであります。
非正規雇用者については雇用形態や賃金形態が様々であり、精密な比較を行うことは難しい面があると考えております。このため、国家公務員の常勤職員の給与は官民の常勤同士の給与比較により、国家公務員の非常勤職員の給与は常勤の職員の給与との権衡を考慮して決定することとしております。
給与及び退職金も官民比較を行うことにより、官民の均衡を図っていくことが適切であるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/76
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077・高木かおり
○高木かおり君 我が党は、そもそもの人事院勧告の制度、ここをやはり見直していくべきではないかと毎回訴えさせていただいているわけです。その一つの事業所として五十人以上となると、そんな大きな職場というのがなかなか我々国民の身近にそうそうないというような現実もあるわけです。そのように改めて見ていきますと、一国民の実感として、官民の給与実態、正しく比較しているとは言えないのではないかと、そのように考えているわけです。今後も、様々な経済状況等、また官民の実態をしっかりと調査をしていただき、そして見直しを検討していただければというふうに思います。
それでは、次の質問に入らせていただきたいと思います。
今回の給与法の改正について、その大きな目的として、職場環境を整えることや有為な人材を確保する観点、これもあるというふうに伺っています。
人事院が八月に公表しました「令和四年人事院勧告・報告について」という文書でも、冒頭の基本的な考え方としてこのように書かれています。職員が能力を発揮できる職場環境や処遇、そして多様な有為の人材の確保、計画的育成が求められると。
給与を変えるだけでは達成できない職場環境の改善の観点から、人事院総裁に伺いたいと思います。
総合職試験等からの令和四年度新規採用職員へのアンケートの結果がつい先日、九月二十二日に報道発表されました。お手元に資料を配付しておりますので御覧ください。
男女共同参画進める役所から、まずは男性も女性も働きやすいという職場環境を求めていかなければならないという課題意識からお聞きするものであります。
どのような取組をより進めると、公務の魅力が向上し、優秀な人材の獲得につながると思いますかという問いに対して、三番目に、育児、介護等のための両立支援策を推進し負担に配慮するということが挙がってきています。
こういった結果についてどのような振り返りをして、どのような取組を進めていくのか、人事院総裁、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/77
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078・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) 委員御指摘のとおり、アンケートにおいて近年このような回答の傾向が続いており、職員の両立支援施策へのニーズが高いことは認識しております。人事院は、このようなニーズも踏まえつつ、両立支援制度の累次の改正やその周知などを行ってきました。
近年の取組として、育児については、男性職員による育児の促進や女性職員の活躍促進を更に進めるため、昨年八月、育児休業法の改正についての意見の申出を行いました。これに基づいて行われた育児休業法の改正により、本年十月一日から、職員が同一の子について育児休業を原則二回まで取得することが可能になりました。また、子の出生の日から六十七日間以内に二回まで、いわゆる産後パパ育休を取得することも可能となりました。また、これに併せて、妊娠、出産、育児等と仕事の両立支援のため、人事院規則の改正等により、不妊治療のための出生サポート休暇の新設などの措置を一体的に講じました。
介護については、平成二十九年一月から、介護休暇を請求できる期間を三回まで分割可能とするとともに、介護期間を、済みません、介護時間を新設しました。
今後、人事院としては、両立支援制度が広く活用されるよう、イベントを開催するなど、制度の周知を図るとともに、職員のニーズを把握し、両立支援制度について必要な調査研究を行うなど、更なる取組を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/78
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079・高木かおり
○高木かおり君 ありがとうございます。
不妊治療のための出生サポート休暇を設けたですとか、いろいろと取り組んでいただいているということは分かりました。育児等をめぐって、これ、男性も女性も働きやすい、そういった施策は大変喜ばしいと思っています。しかしながら、この制度ができても、制度をより利用してもらえるように職場の雰囲気も同時に変えていかなければいけないというふうに思います。
こんな報道がございました。「二十四時間働けません!」というNHKの記事でございます。いつでも対応できる二十四時間戦士が求められ、従来の人手不足もあって、仕事と家庭の両立ができないという声が紹介されておりました。また、月三百時間を超える残業を半年間にわたって続けた男性公務員の言葉として、男性の比率が高く、家庭のことは奥さんに任せっきりでひたすら仕事を続けるという幻想がいまだに残っていると。二十四時間対応できることが大事で、効率よく働いているかは評価対象になっていないと。ここ、ポイントだと思うんですよね。
やはり、このいかに効率よく働いているかということが評価対象になっていないと、このような現場の悲鳴を聞きますと、やはり別の、身軽な、言い方は良くないかもしれませんが、身軽な職員へしわ寄せが行くという結末になっている、こういったことも制度をもってなかなか利用しにくい、本当の意味で浸透するというのはなかなか難しいという現実があるというふうに思います。
先ほど御提示した資料で、三番目のところ申し上げましたけれども、一番目の職場全体の超過勤務や深夜勤務の縮減を図るですとか、フレックスタイム、テレワークの活用をし、働き方改革、これ三つ、本当に連動していることだと思っています。これを一体的に進めていくということが大変重要だと思いますが、総裁、これについて、より一層進めていくという御答弁いただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/79
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080・川本裕子
○政府特別補佐人(川本裕子君) 育児、御指摘の、ごめんなさい、委員御指摘のとおり、育児、介護などのための両立支援策を推進するためには、長時間労働の是正や、柔軟な働き方に対応した勤務時間制度の整備などの施策を一体的に講じることが重要だと思っております。
少し御説明いたしますと、長時間労働の是正については、本年四月、超過勤務の縮減に向けた指導を徹底するための組織として、勤務時間調査・指導室を新設いたしました。同室において、本年六月から、客観的な記録を基礎とした超過勤務時間の適正な管理についての調査、指導を行っております。
柔軟な働き方については、テレワーク等の柔軟な働き方についての委員会をいたしまして、そこにおいては、フレックスタイム制及び休憩時間制度の柔軟化が提言されておりますので、今後この提言の内容を基本として必要な措置を速やかに講じていきたいと思います。
それから、申し訳ございません、先ほど、私、子の出生の日から、産後パパ休暇について日にちが正確でなくて申し訳ございません、五十七日でございます。訂正させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/80
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081・高木かおり
○高木かおり君 是非、人事院のトップである総裁からそのような前向きな提言もいただきました。是非とも、国会業務に関する部分については私どもも身を引き締めて協力をしていきたいと思いますので、国家国民のために一層の改善をお願いしたいと思います。
それでは次に、国家公務員制度担当大臣である河野大臣に御質問をしたいと思います。
河野大臣は霞が関のデジタル化を一段高いところから進める立場としてのデジタル大臣でもいらっしゃいますが、本日は霞が関の働き方改革を進める国家公務員制度担当大臣ということでお答えをいただきたいというふうに思います。
霞が関のデジタル化を計画的に進めている中で、これらの対象に国会の関係施設が必ずしも含まれていないと、そして、国会関係業務が大きな比重を占める官僚の皆さんのこの働き方改革を考えると、必要な協議や投げかけをしていただくことでよりスムーズな働き方ができるのではないかと、そんな視点から質問をしたいと思います。
具体的に、実は先日、国家公務員の働き方に関して欠かすことができない通信環境の改善についてちょっとレクでお話を聞いている中で、すなわち、このLANとか、これハード面ですね、そして、パソコン上で用いて相手とつなぐアプリ、ツールなどのソフト面について説明を聞いていたところ、少しちょっと疑問が生じたんですけれども、といいますのは、こういったデジタル化の取組については、内閣府や各省庁という行政府の内側では既にこの計画を立てて進んでいるわけですけれども、国会の施設とは全く関係なく進んでいるわけです。詳しく聞いてみますと、国会議事堂の中でも、政府控室の部屋だけは行政府の一部という扱いで計画の対象にはなっているけれども、そのほかの国会議事堂の空間は対象外ですし、私たちが執務している議員会館も対象外ということでした。
しかしながら、議員レクをする場合も、例えばオンラインのシステムが確立されるなどして効率よく実施されるだけでも助かる職員の方々が大勢いらっしゃるんだろうと思います。雨が降ったりする中で議員会館と往復する移動時間もなくなりますし、部屋の前に、数、たくさん来ていただいて、収まり切らずに議員会館の廊下でずらっと並んでいただく、レク待ちの順番をしていただいている職員の方も見受けられます。こういった時間も有効に、まあオンライン化が進むことによってなくなるわけです。
今、議員レクではオンライン化が少しずつ進んでいますが、そのツールもいろんなものが使われている現状があるということで、無料のツールだと何分間までしか使えないですとか、省庁の皆さんが使っているものと我々が提示するツールが違うツールだと使い勝手が悪いであるとか、本当に今試行錯誤しながらの段階であると思っております。
そんな中で、デジタル化は、国会議事堂や議員会館、具体的には政党事務室や議員事務室、こういった施設も視野に入れながら、今だったら府省庁間の間だけでしかなかなかその計画的にオンライン化というものが進んでいないということなんですが、こういった施設も視野に入れながら進めることでより有効になるんではないかと、そんなふうに思うわけです。
この行政の計画に立法府の施設も入れてほしいと、そこまで一足飛びに言うわけではないんですけれども、ある意味、これ両方協議をしながら、ある種の企画ですとかスケジュールの歩調などを合わせて進めるということでより実効性が高くなるんではないかと、そういうふうに考えております。
ここまでの話、長々と申し上げましたが、大臣に質問させていただきたいと思います。
国家公務員の働き方改革について、議員レクなどこの国会業務と密接に関連している現状にあっては、このデジタル化の取組についても、行政府の枠内で止まるのではなくて、立法府側とも十分に協議しながら進めていく、これ、より実効性が高いものになるのではないかと考えますが、国家公務員制度担当大臣、これについて御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/81
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082・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) ありがとうございます。
二つに分けてお話を申し上げたいと思いますが、レク、オンラインレクについてはだんだんと数が増えてきておりまして、非常に有り難く思っております。今委員御指摘いただきましたような移動時間ですとか、あるいは議員会館の廊下で二、三時間待ったというような経験をした職員もおりますので、オンラインでやっていただければ移動時間、待ち時間がなくなりますので、これは非常に霞が関の職員にとって有り難いと思っております。
様々なツールがございますが、それは議員の皆様と協議をしながら、一番使い勝手のいいようなものでやっていければというふうに思っておりますので、これはいろいろ御相談させていただきたいと思っております。
それから、もう一つが、コミュニケーションの手段としてファクスが結構立法府との間で多いわけでございますけれども、これは、各府省の中で情報を共有するときに一々打ち直しをしなければいけない、あるいはPDF化して電子メールに添付して発信をしなければいけないということになってしまいますので、なるべくファクスをやめて、メールなどデジタルでのやり取りにさせていただければ非常に有り難いというふうに思っております。
また、LANを始めとするハードウエアにつきまして、これはデジタル庁の方で技術的な支援をすることは十分可能だろうと思っております。そこは、立法府のことは立法府で予算を取っていろいろ計画を立ててお進めいただくことになりますが、御相談いただければそこはしっかりと対応してまいりたいというふうに思っておりますので、そこは前広に受け止めたいというふうに思っております。
また、今日御質問いただいております七人の委員のうち五人までが、昨日、就業時間内に答弁打合せまで全て終わることができまして、御協力に感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/82
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083・高木かおり
○高木かおり君 大臣、大変前向きな、様々改革を進めていく御答弁だったと思います。やはりこれ、計画を立てて進めていくせっかくのこの機会に歩調を合わせていくということ、本当にこれは重要なことであると私自身思っておりますし、また国家公務員の皆さんがより働きやすくなり、国家のために尽くせる環境をつくっていくことができればというふうに願っております。大臣、ありがとうございました。
続きまして、大学生の官僚離れへの対策、試験実施時期について伺っていきたいと思います。就職活動をする大学生の視点に立った質問を人事院にさせていただきたいと思います。
採用試験をめぐっては、ここまでの間も改革が行われてきたと認識をしております。法律や経済などを勉強しなくても受験ができるプレゼンテーション能力や企画力を重視する教養区分の試験を三年生の秋に受けることができるようにといった取組もされてこられたと思っております。
しかしながら、従来からあった法律区分や経済区分の試験については四年生の春に実施し続けているわけでして、民間企業の内々定の解禁時期が六月一日ですから、そこに向かって就職活動をしている中で、四月下旬に試験を受けて、内々定を確保した後の六月下旬に試験合格が分かって、その二日後から官庁訪問を始めて、七月に官庁で採用決定されると。そして、内々定を確保していた民間企業に対してお断りの連絡を入れるという、これが従来のパターンということで、まあ精神的にも負担感があるスケジュール感ではないかというふうに感じております。
この大学生の国家公務員離れへの対策として、民間企業への就職活動や、今申し上げた内々定の時期にも適合した試験実施や合格発表のスケジュールに変えていくべきではないかと考えますけれども、この点についていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/83
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084・西浩明
○政府参考人(西浩明君) お答え申し上げます。
総合職春試験につきましては、今委員から御紹介がありましたとおり、現在、最終合格者発表を六月下旬に行い、その後の官庁訪問を経て、七月上旬に内々定解禁となっております。政府が経済団体等に行っている要請におきまして、民間企業における内々定解禁は六月一日とされております。各府省からも、これに大幅に後れを取ることのないよう、試験の実施時期を前倒ししてほしいとの要望が寄せられておりました。
人事院といたしましても、優秀な人材を確保していく上で、民間企業の採用活動の早期化を踏まえた採用試験日程とすることが不可欠と認識しております。
このため、本年の人事院勧告時の報告において記載したとおり、総合職春試験の実施時期を一か月程度前倒しをすることといたしました。これにより、各府省の官庁訪問を民間企業の内々定解禁時期と同時期に実施できる環境が整うこととなります。具体的には、第一次試験の実施を現行の四月下旬から三月中旬に早め、最終合格者発表を五月中に行えるようにいたします。
なお、これに際しましては、志望者の受験準備に与える影響も考慮し、段階的に前倒しを行うこととしておりまして、令和五年の第一次試験は四月九日と現行より二週間程度早めまして、令和六年から第一次試験を三月中旬に実施し、最終合格者発表を五月中に行えるよう準備を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/84
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085・高木かおり
○高木かおり君 変えていこうと努力をしていただいているということは分かりました。
しかしながら、民間企業ではこの内々定の解禁が六月一日だという現状をやはり考えますと、それでもまだ少し遅いんではないかなというふうな視点を持って、引き続き試行錯誤を重ねていただければと要望しておきたいと思います。
内々定を出して、大学生確保できるのが六月という、ゴールの時期を繰り上げるのはよいと思うんですけれども、やはり五月下旬に試験合格を通知されてから、その二日後から官庁訪問がやっと始まるということですとか、民間企業の就職活動も同時並行で受けていることを考えますと、もう少し繰り上げていただくことでお互いにとって負担感を軽減できるんではないかというふうに思いますので、こういった視点も加味していただきまして、引き続き御検討いただきたいというふうに思います。
それでは、あと二問残してしまったんですけれども、時間が来てしまいましたので、要望だけさせていただきたいと思います。
まず、超過勤務、先ほどもアンケートの中で出てまいりました。大変この超過勤務の実態が厳しい状態だということの中で、実は、国家公務員の超過勤務についてはこの上限を超えても罰則というのがない、民間では罰則規定ありますけれども、この国家公務員の長期勤務に関しては、この勤務の上限を設定しているわけですけれども、その上限を超えても罰則規定がないというようなこともあって、この点についても御質問をしたかったんですけれども、時間の関係上。こういったことも、やはりなかなかこれを、なかなかこの、まあ言ってみれば罰則規定がないということでこの超過勤務ということを抑えることができないんではないかというような視点もございます。その点についても、是非しっかりとこの超過勤務が抑えられる、そういった工夫もしていっていただきたいと思います。
この点、ちょっと質問をしたかったんですが、また別の機会に御質問をさせていただきたいと思います。御質問できなくて大変申し訳ございません。
これにて終了させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/85
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086・上田清司
○上田清司君 国民民主党・新緑風会の上田清司です。
河野大臣、激務御苦労さまでございます。
早速、国家公務員への給与の支払についてお伺いしたい件がございます。
マイナンバーと関係なく従来の方法で振り込みが用いられていると聞いておりますが、せっかくマイナンバーカードを進めておられますので、マイナンバーを活用する形での振り込み手続をなされたらいかがか、この点と、今後、それをする場合には手数料なども含めたコストなどはどうなるか、大臣にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/86
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087・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 国家公務員の給与の支払はマイナンバーを使用する事務になっておりませんので、現時点でそれを使うことはできません。
また、銀行口座にほぼ全員振り込みをしていると思いますので、特に問題はないのではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/87
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088・上田清司
○上田清司君 それは私も今言ったばかりです。
そうでないということを知った上でマイナンバーを使った方が便利ではないかということをお尋ねしたので、質問の趣旨に答える形での御答弁でなかったと思いますが、もう一度伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/88
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089・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 国家公務員の給与の支払はマイナンバーを使う事務に入っておりませんので、利用することはできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/89
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090・上田清司
○上田清司君 したがって、今後そういったことを検討なされないのかということを聞いたんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/90
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091・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 特に必要ないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/91
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092・上田清司
○上田清司君 分かりました。
十月十四日の谷国家公安委員長の記者会見についてお伺いしたい件がございます。
谷国家公安委員長は、マイナンバーカードと運転免許証の一体化に言及されて、少し前倒しできないか検討を進めたいとも言いながらも、システム障害が起こらないことをするための品質の確保についても言及されております。
警察庁はそもそも政府のデジタル化を信用していないのではないかと、こういう言葉を発されるということは、そんなふうに、ちょっと私がひねているのかもしれませんが、感じました。この点について河野大臣はどのように思われるのか。
また、運転免許証を廃止しないということでございますが、これも最終的には統合されるというふうに私も伺っているところでございますが、当然統合されるべきものか、あるいはそうでないのか、合わせて二点お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/92
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093・太刀川浩一
○政府参考人(太刀川浩一君) お答えいたします。
まず、運転者管理システムの統合によって新たなシステムを構築する必要がございます。また、一体化に関しても同様でございますので、そのシステムを運用する上で発生し得る障害として、プログラムの欠陥などによるシステムの停止などが挙げられるかと存じます。警察としては、このようなことが生じることのないよう、試験を十分に行うなど、対策に万全を期してまいりたいと考えております。
それから、本年四月に改正をされた道路交通法においては、免許を受けようとする人や免許証を所持する人から申請があった場合にマイナンバーカードと運転免許証の一体化を行うこととされています。この制度が令和六年度末までに施行される予定であることから、まずはこの改正法の施行に向けて準備を進めてまいりたいと考えています。
その後の運転免許証の取扱いについては、改正法の施行状況を見ながら検討してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/93
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094・上田清司
○上田清司君 警察庁の検討はこういったお話でありますが、河野大臣、この免許証との、運転免許証との統合に関して、一体化に関してはどのように御判断されるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/94
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095・犬童周作
○政府参考人(犬童周作君) お答えいたします。
マイナンバーカードと運転免許証の一体化でございますけれども、先ほどございましたように、本年四月に改正された道路交通法におきまして、免許を受けようとする者、免許証を所持する者から申請があった際にマイナンバーカードと運転免許証の一体化が行われるものと承知してございます。
その後の運転免許証の取扱いにつきましては、その施行状況を踏まえて検討されるものと承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/95
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096・上田清司
○上田清司君 私は大臣に伺っているんです。給与法の話でありますけど、大きく回していくとつながるんです、この話は。
そもそも憲法六十三条で、内閣総理大臣その他の国務大臣は、いつでも議案について発言するため議院に、つまり院に出席することができる、また、答弁、説明のために出席を求められたとき、出席しなければならない。
答弁のために出席しているんです。なぜ答弁しないのか。大変失礼な話であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/96
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097・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 衆議院と違いまして、参議院ではデジタル大臣は地方創生デジタル特別委員会が所管委員会でございまして、デジタル大臣といたしましては内閣委員会は所管外でございますので、政府参考人に答弁をさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/97
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098・上田清司
○上田清司君 所管外ではありますけど、あなたはデジタル担当大臣でもありますし、別に所管関係なく、我々はちゃんと関連する質問について、質問することができるんです。憲法にそう書いてあるじゃないですか。九十九条に、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と。
そういう変な慣例つくったのは間違いなんですよ。憲法の方が正しいんですよ。義務があるんですよ。何やらいつの間にか関係ないことには答弁しませんよなんという、そういう分野を勝手につくっていらっしゃるんですけれども、出席するために、出席したら当然、答弁できることは答弁していいんです。しかも、能力の高い河野大臣ですから、いつ何どきでも、どんな質問でも答えられるはずです。そんな難しい話をしているわけではありません。
時間を掛けて一体化されようという警察庁の方針がある。それに対して、河野大臣としてしっかりそれを受け止めて進めていかれるのか、それとも警察は少し別なのか。
御案内のとおり、罰金や、あるいはまた運転免許証の停止なんかになってきたときには、デジタル、失礼しました、マイナンバーカードから運転免許証の部分を外したりする技術的な問題とかもありますから、そういうことも含めて、一体化についてやや難しいところもあるんではないかと思いますので、そのことも含めて伺っているところではございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/98
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099・犬童周作
○政府参考人(犬童周作君) お答えいたします。
繰り返しになりまして恐縮でございますが、本年四月に改正されました道路交通法の施行状況を踏まえて検討されるものと承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/99
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100・上田清司
○上田清司君 この問題は外しまして、健康保険証、保険証をマイナンバーカードに統合するということでございますが、みずほ銀行のようなシステム障害が長時間あった場合、健康保険証は医療行為と密接に結び付いていますので、もしマイナンバーカードが使えないというような形になったときに医療行為が非常にやりにくくなるということですので、こうしたことについての代替機能というのは考えられているのかどうか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/100
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101・犬童周作
○政府参考人(犬童周作君) お答えいたします。
お尋ねの件はオンライン資格確認システムでございまして、厚労省の所管ではございますけれども、停電等に起因するシステム障害によりましてオンライン資格確認システムが使用できない場合、医療機関においては、患者のマイナンバーカードの券面から四情報を記録し、停電復旧後等にシステム上に情報を入力することで事後的に資格確認を行う運用とするというふうに承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/101
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102・上田清司
○上田清司君 令和三年の六月七日の決算委員会でも指摘をしましたが、大変、個人情報の流出事件が大変多くなっております。無料通信アプリ、LINEの利用者の個人情報が韓国のサーバーに無防備に格納され、中国企業から閲覧可能だったことが発覚しておりますし、LINEサービスの利用状況の中で、政府機関は七八・二%で十八機関、二千、失礼しました、二百二十一業務のうち機密性を有する情報が四十四業務で一九・九%もございました。あるいは、郵便局の事例でも、全国五千七百の郵便局で、投資信託、国債などの金融商品を取引した顧客の情報を含む情報が紛失、少なくとも六万七千人分の記録が保管されていなかった件や、あるいは、富士通の情報共有ソフトが不正アクセスを受けて、内閣官房や国土交通省、外務省で個人情報が流出しておった例などを紹介したことがあります。一年と三か月ぐらい前の話であります。
まさにこの情報流出ということに関してこのマイナンバーカードというのはきちっとブロックができるのかどうか、この点について河野大臣はどのように掌握されているのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/102
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103・犬童周作
○政府参考人(犬童周作君) お答えいたします。
マイナンバー制度につきましては、制度面、システム面で各種の対策を講じてございます。
具体的には、制度面においては、例えば、マイナンバーを取り扱う者に対しまして漏えい防止等の安全管理措置の義務付け、個人情報保護委員会による監視、監督等を法律上定めているところでございます。
また、システム面におきましても、行政機関等の保有する個人情報は一元管理をせず、各行政機関等で分散管理し、情報連携の際にも機関ごとに異なる符号を利用するなど、個人情報が芋づる式に取り出せない仕組みとするなど配慮しているところでございます。
また、マイナンバーカードにつきましても、マイナンバーカードを利用する各業務やサービスの情報につきましては、従来どおり各業務やサービスの主体ごとに分散管理されたままでございまして、特定の機関に集約されたりカードのICチップに記録されたりすることはないため、芋づる式に情報が見られるようなことはございません。
なお、今後とも、マイナンバー制度、マイナンバーカードの普及、利活用の促進に向けまして、制度の安全性について丁寧で分かりやすい広報、周知を行い、国民の不安や誤解が払拭されるよう、関係省庁と一体となって取り組んでまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/103
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104・上田清司
○上田清司君 今、それ相応にブロックできるようなお話でございますが、そういったことを前提に組み立てられているんですが、過去に様々な流出が起こっているということについて、本当にそれができるのか、もし漏れたときには誰が責任を取るのか、そこまで確信を持って本当に言えるのか、お伺いしたいなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/104
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105・山本和徳
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。
デジタル社会の実現に当たりましては、委員御指摘のように、国民の生命や財産を守り、国民生活を維持することのできる安全、安心なデジタル社会の構築、これが重要でございまして、国民目線に立った利便性の向上とサイバーセキュリティーの両立が不可欠であると存じます。
ただいま御説明も申し上げたとおり、マイナンバー制度については種々の対応を凝らしておるところでございますし、個人情報につきましては、先ほどもありましたけれども、個人情報保護委員会において個人情報保護法を適切に執行していくということかと思います。
デジタル庁といたしましては、このような個人情報保護委員会、また内閣サイバーセキュリティセンター、NISCなどの関係省庁と連携しながら、安全、安心なデジタル社会の構築に取り組んでまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/105
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106・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 時間が参っておりますので、おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/106
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107・上田清司
○上田清司君 はい。
今の答弁はきちっと歴史に残るような答弁だと思います。一つもこういうものが流出してはならないという、そういう決意をデジタル庁としては持つべきだと私は思っております。くれぐれも、仮にも国会の公の席でこうした答弁をなさったわけですから、個人の情報が一切漏れない、こういう仕組みづくりをぎりぎりまで努力していただきたいと思っております。
河野大臣、頑固ですね。頑張ってください。
ありがとうございました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/107
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108・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、磯崎仁彦君が委員を辞任され、その補欠として長谷川英晴君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/108
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109・井上哲士
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
一般職の給与法の改正案は、人事院勧告どおり三年ぶりに月例給と特別給を引き上げるもので賛成ですが、この間の物価高騰には追い付かず、特別給の引上げも前回削減分の回復には至っていないなど問題点があります。特別職の給与法の改正案は、正規職員の定数減の一方で総理などの特別給を引き上げるものであり、反対であります。
非常勤職員の処遇改善について、河野大臣に質問をいたします。
この間、定員合理化計画の下で国家公務員の定員削減が進められてきました。二〇〇九年には二十八万九千四百九十人だった常勤職員は、二〇二一年の二十六万九千百一人へと二万三百八十九人減です。同時期に、非常勤職員は十四万八千百六十二人から十五万九千二百五十七人へと一万千九十五人増えました。その結果、一般職の国家公務員に占める非常勤職員の割合は、二〇〇九年の三三・九%から二〇二一年は三七・二%と増えて、実に四割近くに上っております。
その下で、非常勤職員の皆さんが担っている仕事は、国民のニーズや複雑困難化する業務に対応して公務・公共サービスを維持する上で欠かせないものだと思いますけれども、大臣の認識はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/109
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110・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 非常勤職員の業務の内容あるいは性質というのは様々だと思います。各府省において、必要に応じて様々な任用が行われていると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/110
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111・井上哲士
○井上哲士君 私は、本当に今の状況の下で非常勤職員の皆さんが、重要な任務、公務・公共サービスの維持の上で欠かせないものだと思うんですね。
非常勤職員のうち期間業務職員は二〇一一年に新設された任用・勤務形態ですが、当初の三万千五百二十六人から二〇二一年には三万九千五百八十七人と一・三倍に増加をしております。
人事院にお聞きしますが、この期間業務職員というのはどういう官職に就く任用制度でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/111
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112・西浩明
○政府参考人(西浩明君) お答え申し上げます。
期間業務職員制度につきましては、それまでの日々雇用の仕組みを廃止し、それに代わるものとして平成二十二年十月から導入された非常勤職員の制度でございます。
日々雇用の仕組みは、任用予定期間はあるものの任期は一日とされ、制度上いつでも退職させることができるなど、職員を不安定な地位に置くものとなっておりました。人事院では、こうした日々雇用の仕組みの問題点を解消すべく、政府の関係部局や職員団体の意見を聴取しつつ検討した結果、この仕組みを廃止し、同一の会計年度内で任期を定めることができる期間業務職員制度を設けることとしたものであり、お尋ねの期間業務職員が就く官職につきましては、一会計年度内に限って臨時的に置かれる非常勤官職でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/112
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113・井上哲士
○井上哲士君 一時的、臨時的な仕事を行う官職だと。逆に言いますと、恒常的、継続的な業務を行う官職には当てはまらないということだと思うんですね。
大臣は先ほどもありました八月十二日の就任会見で、期間業務職員の方々にもっと能力を発揮してもらって、今、一般職、総合職がデータの取りまとめみたいなものまでやっていますけれども、そこの業務の切り分けというものはきっちりやらなければいかぬと発言をされております。
大臣がこの期間業務職員に担ってもらおうというデータの取りまとめみたいなものという業務は、一時的、臨時的業務だという認識なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/113
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114・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 常勤職員、非常勤職員、適切に業務を分担をしていただくのが大事だというふうに思っております。
データの取りまとめ、恒常的にあるものもあれば、季節変動だったり、あるいは特別にデータを収集しているようなときのものもございます。いろんなことがございますが、それぞれの府省において、それぞれの時期において適宜適切に対応していただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/114
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115・井上哲士
○井上哲士君 今恒常的なものもあると言われましたけれども、正確なデータの取りまとめ、これは行政の土台となる重要なものでありますし、しかも系統的な収集、取りまとめが求められて、一時的、臨時的な業務とは私は言えないと思います。
この発言に関わって、先ほど、非常勤の場合でも給与引上げを四月に遡って行うことの必要性について答弁がございました。予算の確保も含めて、これは私もおとついの委員会で求めたところでありますが、是非これは進めていただきたいと思います。
期間業務職員が常勤職員と変わらない仕事をしている実態があるにもかかわらず、原則一年の期限付の任期になっております。人事院が通知で、期間業務職員の公募によらない採用は同一の者について二回を限度にするよう努めるものとするとしております。これによって、期間業務職員が三年ごとに公募でふるいに掛けられるという状況があります。
矛盾が大きい職場の一つがハローワークなんですね。この間、働き方改革を始めとする新規政策が相次いで導入をされて、業務量の増大とともに執務が複雑困難化しています。
お手元の資料を見ていただきますと、常勤職員の数は二〇〇一年の一万二千六百九十二人から二〇二二年には一万百五十人に減っております。一方、非常勤の職員が担う労働相談員は一万一千六十八人から二万一千四百三十一人と増えて、現在は全て期間業務職員が当たっております。
コロナ対応などでぐっと増えた年もありますけれども、大体常に一万五千人以上なんですね。まさに、で、しかも今年度はハローワークの職員の実に六七・九%が非常勤であります。期間業務職員が恒常的、継続的な業務を担っていると。にもかかわらず非常に不安定な雇用にさらされております。
今年五月に、非常勤職員の皆さんが内閣人事局に対して、更新時の公募の撤廃、無期転換など雇用の安定を求めて署名を提出しました。その際に、ハローワークで働く方々が実態や思いを発言をされております。
例えば、仕事は恒常的で必要不可欠な業務ばかりだと。本来常勤職員が担うべき職務を非常勤職員が担っている。また別の方は、現在は職業相談部門にいるが、コロナで失職した方など大変困窮した方が多く訪れる、所内で暴れる方もいると。様々な方がいて苦労の多い職場だけども、困った方が路上に放り出される前のぎりぎりの状態でハローワークに来られる、そうした方が就職できてよかったと言ってくれるときが本当にこの仕事をしてよかったと思う瞬間だと。非常に誇りを持ちながら重要な業務を担っておられるんですね。
こういうハローワークの現状を見ても、常勤職員が削減される中で、期間業務職員の皆さんが、制度が新設したときの趣旨である一時的、臨時的な業務ではなくて、常勤職員の行うべき恒常的業務を担っていると、こういう実態があると思いますけれども、大臣の認識、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/115
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116・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 常勤、非常勤、あるいは期間業務職員の任用については、各府省が適切に行ってくれているものと思っております。
ハローワークについてお尋ねでございますが、まずは厚生労働省においてこれはしっかり検討していただくものだと思っております。
内閣人事局としても、厚労省の検討を見た上で、厚労省とよく議論していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/116
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117・井上哲士
○井上哲士君 ハローワークを典型として挙げましたけれども、いろんなところでこういうこの常勤職員がやるような業務を期間業務職員が担っているのではないかと。これ、是非実態をよく見ていただきたいんですね。今、厚労省とのお話もありましたけども。
先ほど紹介した署名提出の際には、こんな発言もあるんです。ハローワークの支援は相談者の人生を左右してしまう重要な仕事だと、しかし現実に目を向けると私たち非常勤職員は常に自らの雇い止めの心配をしなくてはならないと、私も公募を体験しているが本当につらいと、さらし首に遭うような感覚で受けている本人からすれば過酷だと、こう言われています。それから、現在はキャリアアップ助成金を担当しているという方は、人件費増額分の補助として国が税金を投入して正社員化を促進している、これがキャリアアップ助成金。その業務を担う私たちはずうっと非正規労働者のままで、毎年雇い止めの不安に脅かされ、公募に掛けられている、安心して働きたいと、こういう発言もされております。常勤職員が担うべき業務を、こんな不安の下で担っておられるわけですね。期間業務職員の中には、社労士であるとかキャリアコンサルタントの資格を自費で勉強して取得されるという方も多いんですね。そういう努力をされているのに、結局、この三年ごとの公募はこういう努力にも応えないものになっていると思います。
これはハローワーク、私、典型例として先ほどから紹介していますけれども、いろんなところで本来常勤職員が担うべき職務をこの非常勤、期間業務職員が担っているという、そしてその皆さんが雇用の不安にさらされているという実態があると思うんですね。
是非、各省庁任せではなくて、是非担当大臣としてこういう実態を把握をしていただきたい、現場の声を聞いていただきたいと思いますけれども、改めていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/117
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118・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 非常勤職員あるいは期間業務職員の任用については、各府省が一義的にやることになっております。
非常勤職員が常勤職員に採用試験や選考を経て任用される門戸は開かれておりまして、昨年度もそうした例が複数ございます。そういう中で、各省庁としては、行われている業務あるいはその内容に鑑みて、非常勤職員を常勤職員に任用するということを行ってきておりますので、まずは各府省にしっかりと必要な任用をやっていただくということかなと思っております。
委員おっしゃるような実態、どういうふうになっているのかというのは、これは内閣人事局としてもきっちり見ていかなければいかぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/118
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119・井上哲士
○井上哲士君 人口千人当たりの公的部門の職員数は、日本は非常に少ないわけですね。ところが、二〇一四年の閣議決定で、既存業務への増大の対応について、各府省は、自律的な組織内の再配置を原則として、新規増員を厳に抑制すると述べております。結局、恒常的な業務の増大に新規増員なしで対応しようというのは、本来、一時的な、臨時的な任用であるはずの非常勤職員に常勤職員の肩代わりをすることにほかならないと思うんですね。
今、正規への、常勤への登用というお話がありましたけれども、少なくとも非常勤職員と変わらない働き方をしている、あっ、常勤職員と変わらない働き方をしている非常勤職員は常勤に転換する。それから、恒常的な業務に雇用継続の不安がないように続けられるような改善が必要だと思いますけれども、改めていかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/119
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120・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 繰り返しで恐縮でございますが、非常勤職員の常勤職員への任用、あるいは非常勤職員の任用そのものについては、これは各府省が適宜適切に行っているというふうに認識をしておりますので、まずは各省庁がしっかりとその業務を見ていただくということだろうと思っております。
内閣人事局といたしましては、先ほど答弁申し上げましたように、常勤職員の給与が改定されたときには、それに合わせて非常勤職員の給与が改定される、そうした制度面について、また実態の把握についてしっかりやってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/120
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121・井上哲士
○井上哲士君 重要な業務を担っている期間業務職員、非常勤の方が、やっぱり雇用不安にさらされているということじゃなくて、しっかり安心して仕事ができるような条件づくりを改めて求めたいと思いますし、そもそも、今、更に国家公務員の定数が減らされようとしております。常勤職員を減らす一方で、雇用が不安定な非常勤職員を増やし続けるならば、結局、常勤と非常勤の格差、待遇格差が拡大するばかりだと思うんですね。
定員の抑制政策は中止をして、そして業務量に応じた常勤職員の増員を図るべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/121
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122・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 国家公務員の業務のニーズというのは、これはもう時々の国際情勢、経済情勢を始め、様々な情勢の変化によってニーズは変わります。ですから、これ毎年定員の合理化をした上で、それを原資として必要なところに再配分をするということはやってきておりますが、霞が関の働き方改革、あるいはニーズの変化に応じて、この恐らく五年間ですか、定員は増員をしてきているところでございまして、これからもこの定員については、必要に応じ定員の増減というのはやってまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/122
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123・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 時間が来ておりますので、おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/123
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124・井上哲士
○井上哲士君 先ほど申し上げましたように、日本の公務員というのはそもそも少ないわけですね。必要な人員をしっかり確保するということを改めて求めまして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/124
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125・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
これより両案について討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/125
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126・高木かおり
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
私は、我が党を代表して、ただいま議題になりました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の二法案に対し、反対の立場から討論いたします。
日本維新の会は、一貫して、政府が国家公務員の給与改定のベースとする現行の人事院勧告の在り方そのものに反対の立場を取ってまいりました。
人事院勧告は民間企業の給与の調査を基にしていると説明されていますが、調査対象の民間企業は、企業規模五十人以上かつ事業所規模五十人以上の事業所から選ばれており、事業規模が小さい企業は含まれておりません。加えて、対象者には非正規労働者は含まれず、正規雇用者に限定されています。ゆえに、調査方法そのものに大きな問題があることは歴然であり、勧告が唱える給与の官民較差解消はお題目にすぎません。
勧告が民間企業全体を反映させた適正な調査結果に基づくものであるならば従うべきかもしれませんが、年々非正規労働者が増える中で、民間企業全体の給与水準との乖離はどんどん広がり続けているのではないでしょうか。
また、人事院に勤務する公務員の給与を人事院が決定しているプロセスも適正性を欠いています。自分の給与のベースアップを自分で勧告できること自体、適切ではありません。調査及び勧告を続けるにしても、第三者機関に委ねるなどプロセスの適正化を図るべきです。
もちろん、国家公務員総合職の志望者が減少の一途をたどる中、有為な人材を可能な限り確保するために公正かつ適正に待遇の改善を図っていくことも必要です。しかしそれは、画一的かつ機械的に給与を改定する現行制度と並び立つものではありません。
日本維新の会は、人事院勧告制度の抜本的な見直しによって公務員の給与を適正化することで官民間の実質的な同一労働同一賃金を実現するとともに、大阪府で実際に断行されたように、公務員を身分から職業とすべく、いわゆる身分保障や評価制度を改め、能力・実績主義に徹した公務員制度に改革すべきだと考えます。
以上の理由により、我が党は今回の二法案に賛成する余地はないと申し上げます。
最後に、この場をお借りいたしまして、国会改革についても付言させていただきます。
先ほど触れた国家公務員の志願者減少に関連する働き方については、立法府の構成員にも改革が求められていると考えます。
隗より始めよという言葉がございますように、私たち日本維新の会も質問通告の二日前ルールを徹底するなど、官僚の皆様の業務負担を可能な限り軽減することにこれからも努めてまいることを申し上げ、私の反対討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/126
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127・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 他に御意見もないようですから、両案に対する討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について採決を行います。
本案に賛成の方の起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/127
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128・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
本案に賛成の方の起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/128
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129・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/129
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130・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
正午散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00420221110/130
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