1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年十二月六日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
十一月二十四日
辞任 補欠選任
青島 健太君 柴田 巧君
十一月二十五日
辞任 補欠選任
柴 愼一君 吉田 忠智君
十二月五日
辞任 補欠選任
衛藤 晟一君 山本 啓介君
水道橋博士君 木村 英子君
十二月六日
辞任 補欠選任
山本 啓介君 衛藤 晟一君
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出席者は左のとおり。
委員長 古賀友一郎君
理 事
上月 良祐君
森屋 宏君
山田 太郎君
吉田 忠智君
塩田 博昭君
委 員
有村 治子君
磯崎 仁彦君
衛藤 晟一君
自見はなこ君
広瀬めぐみ君
三宅 伸吾君
山谷えり子君
山本 啓介君
塩村あやか君
杉尾 秀哉君
水野 素子君
三浦 信祐君
柴田 巧君
高木かおり君
上田 清司君
井上 哲士君
木村 英子君
国務大臣
国務大臣
(内閣官房長官) 松野 博一君
国務大臣
(国家公安委員
会委員長) 谷 公一君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(少子化
対策、男女共同
参画)) 小倉 將信君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(規制改
革)) 岡田 直樹君
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(経済財
政政策)) 後藤 茂之君
副大臣
内閣府副大臣 和田 義明君
厚生労働副大臣 伊佐 進一君
大臣政務官
内閣府大臣政務
官 自見はなこ君
総務大臣政務官 中川 貴元君
事務局側
常任委員会専門
員 宮崎 一徳君
国立国会図書館側
館長 吉永 元信君
政府参考人
内閣官房内閣審
議官 大西 友弘君
内閣官房内閣審
議官 齋藤 秀生君
内閣官房内閣審
議官 内山 博之君
内閣官房内閣審
議官 吉川 徹志君
内閣官房新しい
資本主義実現本
部事務局次長 松浦 克巳君
内閣官房内閣情
報調査室次長 柳 淳君
内閣府政策統括
官 村山 裕君
内閣府政策統括
官 笹川 武君
内閣府男女共同
参画局長 岡田 恵子君
内閣府子ども・
子育て本部統括
官 吉住 啓作君
警察庁警備局長 原 和也君
警察庁サイバー
警察局長 河原 淳平君
総務省大臣官房
審議官 的井 宏樹君
消防庁審議官 鈴木 建一君
外務省大臣官房
審議官 石月 英雄君
外務省大臣官房
参事官 林 誠君
文部科学省大臣
官房審議官 里見 朋香君
厚生労働省大臣
官房審議官 鳥井 陽一君
厚生労働省大臣
官房審議官 本多 則惠君
厚生労働省大臣
官房審議官 斎須 朋之君
厚生労働省大臣
官房審議官 森光 敬子君
厚生労働省大臣
官房審議官 朝川 知昭君
経済産業省大臣
官房審議官 藤田清太郎君
防衛省大臣官房
政策立案総括審
議官 石川 武君
防衛省防衛政策
局次長 安藤 敦史君
防衛省統合幕僚
監部総括官 大和 太郎君
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本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
(保育分野における公定価格の地域区分の在り
方に関する件)
(視覚障害者等の読書バリアフリーの促進に関
する件)
(新型コロナウイルス感染症に対する政府の取
組に関する件)
(サイバー空間における脅威への対処に関する
件)
(障害者差別解消に向けた取組に関する件)
○民間資金等の活用による公共施設等の整備等の
促進に関する法律の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/0
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001・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、青島健太君、柴愼一君、水道橋博士君及び衛藤晟一君が委員を辞任され、その補欠として柴田巧君、吉田忠智君、木村英子君及び山本啓介君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/1
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002・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 理事の辞任についてお諮りいたします。
塩村あやか君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/2
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003・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/3
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004・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に吉田忠智君を指名いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/4
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005・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官大西友弘君外二十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/5
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006・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/6
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007・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/7
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008・上田清司
○上田清司君 改めて、おはようございます。国民民主党・新緑風会の上田清司でございます。
故安倍総理が希望出生率一・八を掲げながらも、ますます出生率が下がるという皮肉な結果になってきております。少子化対策は、まさしく日本の極めて重要な最高位の政策になっていると私は思っております。
実は、今でこそ少子化で、ある意味では出生率を上げる世界を行っていますが、三十年前、一九七四年、田中内閣のときには、当時のローマ・クラブの「成長の限界」という著作、レポートが世界中に大きく広がって、日本は当時、人口抑制政策を取りました。人口問題懇話会、大来佐武郎先生を座長として、その答申は、子供は二人まで。当時の新聞を、社説を読むと、政府の対策は手ぬるい、こういう趣旨の社説が多く出ておりまして、よくある、人口庁をつくれとか、そんな話も出ておりました。
それから十年後には、失礼しました、二十年後にはですね、第一次のエンゼルプランができて、それ以来、少子化対策を行ってきているんですが、さしたる成果を国全体としては上げておりません。
地方自治体の中で、有力な政策を打ち込んだところで極めて有効な成果を出しているところが多々あります。
基本的には、まさしく子育て支援、物心両面からのですね、そこに尽きるというふうに私は思っておりますが、その重要な役割を果たすのが保育所あるいは保育園に準ずるようなところでございますが、そうした部分をどんな形で支援するかということについて、首都圏においては極めて不都合な真実が出ております。
資料一を御覧ください。
大臣、例えばこれ、埼玉県なんですが、埼玉県、東京の隣の川口だとか戸田だとか人口急増地域、非常に若い人たちが多い、こういったところの公定価格が極めて低いんです。お隣の東京は二〇%で、何と、この川口だ、戸田とか八潮は六%だと、なぜそうなんだと。
これは、御案内のとおり、人事院の公務員の給与、手当を根拠にして、内閣府もそれに準じてこの公定価格を決めているわけですが、これが根本的に間違っていると私は申し上げたいと思います。
人事院は各事業所で見ています、事業所の給料で。例えば、東京と隣接している各都市に事業所で勤めている人よりも東京に通っている人の方が多いんです。例えば埼玉県、七百四十万人いますけれども、その大体半分ぐらいが勤労者でありますが、そのまた三割ぐらいは非正規でありますから、大体八十万人が大体正規で東京に通っております。この人たちは東京の給与をもらっているんです。
ところが、埼玉に在している事業所の皆さんの給与ですが、当然東京都の大企業の事業所と埼玉県の中小零細の企業の事業所の給与は異なりますから、本当は県民所得あるいは各市町村の平均所得で見ていく方が確実にその地域の所得構成が分かるわけです。
御覧ください、資料の二を。あっ、先に資料の三の方を見ていただけますか。
例えば、川口市は東京の足立区よりも平均所得が高いんです。戸田市も板橋よりも高いんです。東京は無条件に、港区であろうが、北区であろうが、足立区であろうが、全部二〇です。東京に隣接している川口とか戸田の方が隣接している区よりも給与が高いんです。一方は六で、一方は二〇。まさしく子育て支援の公定価格で明らかに戸田の市民やあるいは川口の市民は不利を被っているわけであります。
これは、根本的に人事院の給与や手当に準拠しているから悪いんです。内閣が今すぐ、まさしくこういったことこそ補正の事業なんです。訳の分からぬ基金事業で五十もつくったりするよりは、今すぐやらなくちゃいけないのがこれなんです。
そうすると、私はあえてプラスワンという言い方をしております。子供を二人よりも三人と思っている方々がいらっしゃいます。一人よりも二人と思っている人がいらっしゃいます。しかし、それを埋めるだけの所得や環境がない。であれば、そのプラスワンを応援する仕組みをどんどんやることです。結婚の仲介、なかなか難しい。しかし、プラスワンの支援というのは難しくない。それを、大臣、もう決意してもらいたいと思うんですよ、公定価格変えますよと、人事院の給与の改定に合わせてやりませんよと。
埼玉県内でも、資料二見てください、いっぱい矛盾があるんです。資料を見てください。
例えば、今申し上げました戸田市、ここは実は埼玉県六十三市町村の中で所得が三番目に高いところなんです。鶴ケ島と比較して賃金指数は圧倒的に戸田市の方が勝っているんですが、ところが、公定価格見てください。戸田市が六で、少し北部の方のこの鶴ケ島が幾つかと申し上げますと、なぜか一〇%、なぜだと。たまに有力な企業があったりします。例えば深谷に東芝のテレビ工場があったりします、今は閉鎖されていますけど。そういうのが一つぽんとあったら跳ね上がっちゃうんです。しかし、もう今はないとかですね。だから、遅いんです、やり方が。十年一日みたいなことをやっているんです、前回どおりみたいな。
川口市と鶴ケ島というところも見てください。これも川口市が圧倒的に強いんです。こういうふうに賃金指数を見ても、あるいは一人当たりの市民所得、一人当たりの市民所得を、今申し上げた鶴ケ島と戸田市だったら全敗なんです、鶴ケ島が。で、川口と鶴ケ島だったら、これもまた鶴ケ島が全敗だ。全勝なんです。資料の二のところです。さっきは賃金指数を申し上げました。そして、一人当たりの所得で見ていくと、もう全然違うんです。にもかかわらず、どうかすると、一方は六で一方は一二とか、そういう数字になっているんです。どれだけ不合理なことを延々とやっているかということを私は強く申し上げたいんです。
大臣、もう十月からやりましょう、今年の。予算措置もやりましょう。多分、事務方はどの分お金が掛かるかというのは計算しているはずです。まずは、どのくらい、これを真っ当な数字で、例えば今申し上げたようなところが一五なら一五にしていくとか、二〇とは言わなくても、三段階目の一五なら一五にしたときにどのぐらい予算が掛かるか、その数字。そして、その数字を踏まえて決意を述べていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/8
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009・吉住啓作
○政府参考人(吉住啓作君) お答えいたします。
まず、数字の方を私の方から答えさせていただきます。
子ども・子育て支援新制度の公定価格における地域区分は、地域ごとに当該地域の国家公務員等の地域手当の支給割合の区分に準拠して設定しているものであり、特定の自治体について一定の支給割合を設定するという本制度が想定していない仮定を置いた試算額をお示しすることは困難です。
その上で、上田議員からの、例えば、おおむね国道十六号線以南の埼玉県南部の二十二自治体について、さいたま市の地域区分と同様に一五%まで引き上げた場合に必要となる追加の所要額を推計するようにとの御要望を受けまして、仮に機械的な試算によりごく粗い推計を試みましたところ、公費で約四十億円程度と見込んでいるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/9
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010・上田清司
○上田清司君 ありがとうございます。
例えば、今申し上げました地図を見ていただくと分かると思いますが、十六号から以南の方を比較的埼玉県では都市部と言い、十六号から北の方を埼玉県では比較的郡部というような言い方もしたりしております。いずれにしても、この埼玉県、さいたま市がその境目ぐらいになっておりまして、これに準ずるような形で線引きをしたら金額的に四十億増やす。基金事業で訳の分からぬのに三千四百億とかね、そういうのがいっぱいあるんですよ。
小倉大臣、これ、埼玉県だけの問題じゃないです。千葉県にもこういう事例があります。中京圏にもあるいは近畿圏にも若干あります。こういう部分を手直しすることで、まさに出生率プラスワンを実現していくということの大事さをもう、すぐ分かっていただけると思うんですよ。是非、決意のほどを。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/10
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011・小倉將信
○国務大臣(小倉將信君) 御質問、ありがとうございました。
上田委員がおっしゃるように、プラスワンといいますか、やはり第二子、第三子、持ちたくても持てない方にお話を伺うと、経済的な理由を挙げられる方が多うございます。しっかりとした経済的な支援は重要だというふうに考えております。
その上で、この子ども・子育て新制度における公定価格の地域区分についてどういう考えかというような御下問だったと思います。
この地域区分は、民間の給与水準が地域によって差があることを反映をするために設けているものであります。その反映に当たっては、委員御指摘のように、国家公務員や地域公務員の地域手当の支給割合の地域区分に準拠をしております。これは、全国的な制度である子ども・子育て支援新制度の性格上、統一的かつ客観的なルールである必要があること、また介護分野もございます、介護分野や障害福祉の分野等の他の社会保障分野でも導入されているものであることなどを踏まえて採用させていただいております。
このような公定価格の地域区分については、これまでも、地方公共団体の関係者も参加をする内閣府の子ども・子育て会議において議論を重ね、他の社会保障分野における地域区分の在り方なども踏まえて、補正ルールの見直しを累次行ってきたところでございます。
そういった中、令和二年四月に、様々な問題意識を踏まえて、全自治体を対象として地域区分の在り方に関する調査を実施したところ、都道府県では六割超が、市町村では九割超が特に見直しの必要はないと回答しておりまして、その結果も踏まえて、子ども・子育て会議で取りまとめた今後の検討の方向性についても、公務員の地域手当の支給割合に係る地域区分に準拠して設定するという基本的な考え方を維持しつつ、他の社会保障分野における補正ルールとの整合性を踏まえ、必要となる財源の確保と併せて検討などとされたところであります。
今後とも、国家公務員の地域手当の区分の見直しの動向、他の社会保障分野の状況なども踏まえながら、自治体や事業者団体の皆様の御意見を伺いながら、子ども・子育て会議において検討してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/11
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012・上田清司
○上田清司君 大臣、駄目ですよ、そんなの読んでちゃ。自分の言葉でしゃべらないと。
必要があるかないかのアンケートだって、誘導されているんですよ。正しいデータなんか出ていないんですよ。各、人事院でやっている事業所のその給与水準しか出さないんだから。今みたいに市町村別の所得を出すようなことになったら全然違うわけじゃないですか。そういう資料を出さないんですよ。だから私が今出しているんです。それを見て大臣は判断してくださいと言っているんです。
駄目なんですよ、人事院の給与を決めるやり方で内閣府がやっていたら。内閣府は少子化なんですよ、担当なんですよ。人事院は給与を決めればいいんでしょう、民間の事業所の割と高めの水準のところに合わせて給与を決めていきゃいいんでしょうけれども、違うんです、ここのレベルが。内閣府は少子化対策を担当して、大臣なんですから、御自身で決めなくちゃいけないんです、データをちゃんと見ていただいて。まるっきり違うんですよ。だから、データがまだ大臣の方に届いていなかったこともけしからぬ話ですよ、さっき眺めていらっしゃったから。そんなのもう眺めて答えを用意しなくちゃいけなかったんです。
もうこれは、この問題は終わりますが、本当に違うんですから、中身が全然。さっき見て分かったでしょう、データ見て。賃金指数あるいは一人当たりの給与所得、全然中身が違うのに、古いデータをそのまま使っているんですよ。駄目ですよ。だから、三十年も遅れた、失われた日本と言われるんですよ、そんなことばっかりやっているから。少子化対策だってちゃんとできていないんですよ、本気でやらないから。過去のデータ、今までのやり方、そればっかりやっているからですよ。これは終わります。
続きまして、女性高齢者の貧困問題について若干質疑をさせていただきます。
資料の四を見ていただきたいと思います。
年齢層別・性別の相対的貧困率、二〇一八年でございますが、御覧ください。赤の棒線グラフが女性でございますが、六十五歳ぐらいから、ワニの口ではありませんが、大きく男女差が開いてきております。それまでは行ったり来たりしながら大体パラレルに男女の貧困率の差はさほど差がないんですが、六十五歳超えたら突然に女性の貧困率が高くなってきております。
御案内のように、この世代の方々は日本の高度成長を支えた方たちです。電機、電子部門なんかの、まさにパートタイムということで、いろんな部品なんかの製造に関わった人たち、あるいはスーパーなどのレジを打つメンバーとして日本の経済を支えてきた人たちでありますが、しかし、現実に、この六十五歳以上から極めて女性の貧困率が高い。
これをどのような形で、政府、今少子化担当でありますが、内閣府として、どのような形で認識をして、どのような対応をしようと考えておられるか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/12
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013・小倉將信
○国務大臣(小倉將信君) 改めてこのデータを拝見をさせていただきました。
高齢女性の方々のこの貧困対策につきましては、福祉的な観点から厚労省の様々な施策があり、今後答弁もあろうかと思いますが、私ども内閣府といたしましては、御指摘の高齢期の女性の貧困は、高齢期に達するまでの働き方、家族形態等の影響が大きく、また、新型コロナウイルスや就職氷河期など深刻な事象の影響や、長年にわたって様々な分野における男女格差が継続している社会経済状況の影響が凝縮、固定化されていること、されて現れていることに留意した取組が必要であると考えております。
こうした認識を踏まえまして、高齢期の女性の貧困については、第五次男女共同参画基本計画において、高齢期に達する以前の女性が老後の生活の備えを十分にできるよう、男女共同参画の視点から施策の検討を行うとされているところです。女性が長い人生を通じて経済的困窮に陥らないよう女性の経済的自立を実現をすることが、高齢期の女性の貧困を防ぐためにも重要です。
女性の経済的な自立が遅れている背景としては、男女間の賃金格差や女性は男性に比べて非正規雇用労働者の割合が高いこと、また、男性が働き、女性は家計の補助といった固定的な性別役割分担意識など構造的な問題が存在していると認識しております。
このため、政府としては、今年の六月に策定した女性版骨太の方針二〇二二において、女性の経済的自立を柱として位置付け、男女間の賃金格差の是正や女性デジタル人材の育成、同一労働同一賃金の徹底を通じた非正規雇用労働者の待遇改善、固定的な性別役割分担意識の解消など、様々な観点から取組を進めているところであります。
いずれにせよ、高齢者が安心して暮らせる環境の整備に向けて、引き続き、男女共同参画の視点に立って、あらゆる面で関係府省とともに取組を進めてまいりたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/13
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014・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 時間が来ておりますので、おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/14
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015・上田清司
○上田清司君 二〇一五年の八月のいわゆる女性活躍推進法、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律ということで、安倍内閣の目玉の一つにもありましたが、労働者四割が非正規、うち七割が女性、非正規の女性の八割が二百万円以下と、逆に非正規が増えて、女性が一番しわ寄せがそこに来ているというこの現実。どこが女性活躍の条件をつくったんだと、条件を崩してきているじゃないかという強い認識を持っていただきたいということを申し上げて、終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/15
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016・井上哲士
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
障害者権利条約に基づく日本政府の取組について、国連の権利委員会がこの夏初めて審査しました。総括所見では、障害関連の国内法及び政策が条約に含まれる障害の人権モデルと調和していないこと、法律や規制、実践にわたる障害の医学モデルの永続化に懸念を表明をしております。
共生社会の担当大臣としてのこの総括所見への認識及び政府の対応をまず求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/16
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017・小倉將信
○国務大臣(小倉將信君) お答えさせていただきます。
先般公表されました総括所見の中では、情報アクセシビリティー、差別解消、バリアフリー、雇用促進及び文化芸術活動などの障害者の権利を促進する法律やガイドラインなどの幅広い施策の取組が肯定的な側面として挙げられました。他方で、残念ながら、意思決定、地域社会での自立した生活、インクルーシブ教育、精神障害者の入院などに関する事項に関し、障害者権利委員会としての見解及び勧告が示されたものと承知しております。
委員御指摘の内容も含め、この総括所見は法的拘束力を有するものではありませんが、今般示された障害者権利委員会の勧告などについては、関係府省庁において内容を十分に検討していくものと考えております。
また、次期障害者基本計画案について、これまで障害者政策委員会で幅広く議論を積み重ねていただき、御指摘の総括所見も踏まえながら議論も行われております。
私ども内閣府といたしましては、引き続きこの次期障害者基本計画の策定に向けて必要な対応を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/17
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018・井上哲士
○井上哲士君 障害者の権利に関して、視覚障害者等の読書バリアフリーの促進についてお聞きします。
二〇一八年に、視覚障害者等による著作物の利用機会促進マラケシュ条約が締結をされ、関連して著作権法の改正が行われました。そして、翌一九年に、関係者の粘り強い運動と世論の中で、議員立法で読書バリアフリー法が制定をされました。以来、四年になります。
私、読書バリアフリーの促進のために、特に二つのことが重要だと思うんですね。一つは、視覚障害者等が利用できる点字や音声化されたアクセシブル図書の数を、購入する場合も借りる場合も量、質共に充実させること。二つ目は、そうしたアクセシブルな図書を利用できる施設を増やすとともに、インターネットによる検索や入手などを拡充する連携、ネットワーク化の促進が必要だと思います。
まず、このアクセシブルな図書の充実についてお聞きします。
図書の点字化、音声化を進める上でテキストデータがあると非常に便利で、その提供が現場から切望されております。マラケシュ条約の質問の際に、販売されている図書のごく一部だけれども、視覚障害者向けにテキストデータの引換券が付いているものがあるということを紹介をして、出版社からのテキストデータ提供の取組の推進を求めました。
その後、経産省を中心に検討会も行われておりますが、現在、出版数の二割が電子書籍になっているという変化もあります。点字、音声化のためのテキストデータの提供促進について、この間の取組や現状、課題はどうなっているか、経産省、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/18
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019・藤田清太郎
○政府参考人(藤田清太郎君) お答えいたします。
読書バリアフリー環境整備のためには、視覚障害者等が利用しやすい電子書籍の普及を進めるとともに、出版社からのテキストデータの提供の促進が重要であると認識しております。
経済産業省では、令和元年六月に成立した視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律に基づき、出版社からのテキストデータの提供における課題の洗い出しやその解決方策について、以来検討を進めてきているところです。テキストデータの提供の促進に向けては、出版社やレイアウトの違いによりテキストデータの抽出方法が異なるなどの課題があり、今後はより具体的なテキストデータの提供方法に関する基準の設定等について議論を進めていることが必要であると認識しております。
経済産業省としましては、引き続き、視覚障害者等の御意見なども踏まえながら、関係省庁と連携し、出版業界によるテキストデータの提供を促してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/19
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020・井上哲士
○井上哲士君 電子図書、書籍化が進んでいるというような条件も生かして、視覚障害者の意見をよく聞いて前に進めていただきたいと思います。
視覚障害者がアクセシブルな図書を購入できるようにすることについては今の答弁なんですが、既に所蔵されている図書をアクセシブルにするということやネットワーク化をして誰でも借りれるようにする上で図書館の役割が非常に大きいわけです。
全国の点字図書館の所蔵データや音声図書の検索、ダウンロードができるネットワークシステムサービスがサピエ図書館でありますが、個人会員、団体会員で成り立って、ボランティア等による点字・音声図書の製作の支援も行っています。マラケシュ条約で質問した際に、厚労省に対して、この財源が脆弱で運営に苦労されているサピエ図書館への支援の強化、それから全国の公共図書館のうち五%程度しか加入していないという下で加入促進を働きかけを求めましたけども、その後、現状はどうなっているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/20
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021・斎須朋之
○政府参考人(斎須朋之君) お答え申し上げます。
視覚障害者情報総合ネットワーク、サピエの経費につきましては、令和元年度からシステム管理費に加えて運営費を予算措置するなど、サピエの安定的な運営に取り組んでいるところでございます。
サピエに加入している公共図書館につきましては、令和四年三月時点で二百三十四施設と承知しております。
引き続き、文科省や関係団体と連携いたしまして、リーフレットやPR動画の作成などを通じて周知、広報に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/21
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022・井上哲士
○井上哲士君 一定の前進や支援があるわけですけども、まだまだ課題は多いと思うんですね。
全国には、公共図書館、大学図書館、学校図書館、関係施設で三千三百十六あるわけでありまして、今、二〇一八年のときには百六十一館でありましたから七十三館増えてはおりますけども、まだ一部にとどまっているわけで、更に促進を求めたいと思います。
そして、その上で、国立国会図書館の果たす役割も大変重要だと思います。今日は図書館長においでいただいておりますけども、読書バリアフリーの推進の意義を国会図書館としてどう捉えて、点字化や音声化、またデジタルデータ化など、国会図書館のこの間の取組、今後の計画について、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/22
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023・吉永元信
○国立国会図書館長(吉永元信君) 障害の有無にかかわらず、全ての国民がひとしく読書を通じて豊かな文字・活字文化を享受することができる社会の実現は、極めて重要なことであると考えております。
国立国会図書館では、昭和五十年以降、書籍等の録音図書、音声データの製作を行ってきました。令和三年度からは、新たな取組としてテキストデータの製作を行っています。テキストデータは、利用者の引用のニーズに応えることが可能である上、音声自動読み上げも可能であり、録音図書、音声データとは異なる利点を持ち得るものであると考えています。
また、原本からの製作とは別に、国立国会図書館が昭和四十三年までに受け入れた図書等約二百四十七万点をデジタル化した画像データから、OCR、すなわち光学的文字認識の処理により作成したテキストデータを今後提供することを予定しております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/23
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024・井上哲士
○井上哲士君 過去の様々な書籍、資料も含めて、テキストデータ化など推進をしていただいています。更に求めたいと思います。
このサピエ図書館と国立国会図書館が連携をして、お互いが収蔵する視覚障害者向けの図書データの検索、提供ができるようにネットワーク化をされております。条約の質問の際にもその促進を求めました。
国会図書館がインターネット上で提供している視覚障害者向けの図書資料数は四年前と比較してどうなっているのか、また、全国の図書館とのネットワーク化の進捗状況、特に全国三千三百十六か所ある公共図書館等とのネットワーク化の進捗状況、その都道府県ごとの特徴というのはどうなっているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/24
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025・吉永元信
○国立国会図書館長(吉永元信君) お答えします。
国立国会図書館が提供する視覚障害者等向けデータは、サピエ図書館との連携による分を合わせ、四年前は約二十八万件でしたが、現在は約三十八万件です。そのうち、三万七千件が当館が製作、収集、提供する視覚障害者等用データ送信サービスのデータです。
視覚障害者等用データ送信サービスは、公共図書館、大学図書館等を含む計二百六十六館が参加するネットワークとなっています。現在、三十六の都道府県においてはいずれかの公共図書館が加入しています。また、三十の都道府県では都道府県立図書館も加入しています。
まだ加入していない館に対しては、地域ごとの事情を踏まえつつ、引き続き働きかけをしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/25
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026・井上哲士
○井上哲士君 お手元に資料がありますけれども、今ありましたように、こういうネットワークにいまだ一館の加入館がない県が十一県あるんですね。そして、都道府県において障害者サービスをリードする立場にある都道府県立図書館でも、加入していないのが十七館もあるということなんですね。今、様々な事情の中で更に促進をしていくということでありました。是非、一層の努力をお願いをしたいと思うんですね。
今、こうやって都道府県ごとの特徴も述べていただいたんですが、視覚障害者らが実際にアクセシブルな図書を活用する上で、身近な地方自治体の取組は非常に重要だと思います。
バリアフリー法に基づいて国が基本計画を作成をしました。これを勘案した地方自治体の計画策定のために、文科省は、二〇二〇年に、都道府県、政令市、中核市の百二十九自治体に対して、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画についてという通知を出しておりますけれども、主な内容をお述べいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/26
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027・里見朋香
○政府参考人(里見朋香君) お答えいたします。
読書バリアフリー法の第七条第一項におきまして、文部科学大臣及び厚生労働大臣は、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画を定めなければならないとされております。同条に基づきまして、関係行政機関との協議及び関係者協議会において関係者から聴取した意見を踏まえまして、令和二年七月に、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画、いわゆる読書バリアフリー基本計画を策定いたしました。
御指摘の令和二年七月の通知は、この基本計画の内容を周知するものでございまして、アクセシブルな電子書籍等の普及及びアクセシブルな書籍の継続的な提供など三つの基本的な方針、視覚障害者等による図書館の利用に関する体制の整備等など八つの施策の方向性のほか、地方公共団体において国の基本計画を勘案した計画を策定し、関連施策を推進するよう求められたい等の留意事項を記載しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/27
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028・井上哲士
○井上哲士君 読書バリアフリーは自治体全体で取り組む課題でありますから、関係する部局にまたがるような連絡会等の開催とか、そしてやっぱり計画を策定をするということは地方自治体全体で取り組む上で非常に重要だと思います。
もう一度お手元の資料の方を見ていただきたいんですが、都道府県の読書バリアフリー計画、既に、今年二月時点でありますけれども、百二十九自治体のうち、計画策定済みまた策定作業中というのは二十五自治体で、一九%にとどまっております。検討中は四十二自治体で三三%、予定がないのは六十二自治体で四九%であります。
国会図書館の先ほどの答弁にありました、都道府県立図書館がネットワークに未加入だという十七都府県、資料の真ん中のところになりますが、このうち、この計画策定が検討中にとどまるのが九、予定がないのが五なんですね。ですから、都道府県の図書館が、ネットワークに未加入のうち十四が策定作業にも入っていないということになっているわけで、やはりしっかり計画を持つということが諸課題を促進する上で重要であることを、私、これは示していると思います。
全体で百二十九自治体のうち、計画の策定及び策定中が一九%、とどまっているというのは、何が障害になっているのか。そして、数値目標なども設定をして諸課題を促進を図ることが必要かと思いますけれども、文科省、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/28
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029・里見朋香
○政府参考人(里見朋香君) お答えいたします。
読書バリアフリー法第八条におきまして、地方公共団体は、国の基本計画を勘案して計画を策定するように努めなければならないとされているところでございます。
令和三年度における都道府県、指定都市及び中核市の計画策定状況でございますが、既に策定済みと現在策定作業中を合わせまして二十五自治体、御指摘のとおり全体の一九%であると承知しております。他方、策定に向けて検討中は四十二自治体、全体の三二%となっているところでございます。
未策定の自治体の中には、他の障害者支援に係る計画等を策定済みであったり、計画の策定に当たって県の計画を参考にするため策定が遅れているとする指定都市、中核市があったりいたしますけれども、いずれにせよ、法律の趣旨を踏まえまして、引き続き未策定の地方公共団体に対し計画策定を促してまいります。
また、現在の令和二年度から六年度を対象期間とする政府の読書バリアフリー基本計画においては、数値目標を定めずにその方向性を示しているところでございますが、次期基本計画の策定に際しまして、更なる環境整備の促進について検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/29
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030・井上哲士
○井上哲士君 今の計画は数値目標などないということでありますけど、いろんな課題も明確になってきておりますので、是非その辺も明確にしてしっかり促進をしていただきたいと思うんですが。
バリアフリー法には、関連諸施策促進に当たり、国は必要な財源の確保に努めることが明記をされております。日本図書館協会は、今年八月、総務大臣に対して、従前措置されている公立図書館経費に加えて、アクセシブルな書籍、電子書籍の拡充を図るための図書費の拡充とともに、DAISYプレーヤー等の読書支援機器の購入費、障害者サービス担当職員の人件費や研修のための旅費等の新設等々を求めております。
読書バリアフリー法の制定以降の地方交付税における公立図書館経費の推移がどうなっているのか、また、日本図書館協会が求めているこうした費用の拡充、新設について積極的に応えるべきと思いますけれども、認識はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/30
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031・的井宏樹
○政府参考人(的井宏樹君) お答えいたします。
公立図書館の運営に要する経費につきましては、普通交付税措置を講じているところでございます。
このうち、委員お尋ねのいわゆる読書バリアフリー法、その制定以降の図書館費の推移についてでございますが、人口百七十万人規模の道府県の標準団体ベースで、令和二年度は二億一千六百一万五千円、令和三年度は二億一千六百一万五千円、令和四年度は二億一千二百八十一万四千円となっているところでございます。また、人口十万人規模の市町村の標準団体ベースでございますが、令和二年度は八千六百八十九万七千円、令和三年度は八千六百六十一万七千円、令和四年度は八千四百六十六万一千円となっているところでございます。
また、委員お尋ねいただきました公立図書館における視覚障害者等の読書環境整備の推進等につきましては、まずは公立図書館を所管する文部科学省において御検討いただく必要があるものと考えておりまして、総務省といたしましては、所管省庁のお考えをよく伺ってまいりたいと、このように考えているところでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/31
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032・井上哲士
○井上哲士君 むしろ減っているんですよね、これ、二枚目の表にあります。是非増やしていただきたい。
そして、今文科省の意向に沿ってという答弁がありました。是非、文科省、積極的に予算要求してほしいと思うんですけど、追加でいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/32
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033・里見朋香
○政府参考人(里見朋香君) お答えいたします。
公立図書館の図書館資料の購入費を含めた図書館費につきましては、財政措置が講じられているということでございます。
公立図書館の運営等については、設置者である各地方公共団体が地域の実情に応じて適切に御対応いただくことを基本としておりますけれども、文部科学省といたしましても、読書バリアフリー法の趣旨などを踏まえまして、視覚障害者等の読書環境の整備が推進されるよう、各種会議等の場を通じて各地方公共団体関係者へ働きかけをしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/33
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034・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 時間が来ておりますので、おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/34
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035・井上哲士
○井上哲士君 時間ですので要望にとどめますが、これ全体にやはり関わる問題でありますから、是非、共生社会担当大臣として大臣のお力を是非発揮していただきたいということを強く求めまして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/35
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036・吉田忠智
○吉田忠智君 立憲民主・社民の吉田忠智でございます。今日はどうぞよろしくお願いします。
私事でございますが、新型コロナウイルスに感染をいたしました。十一月の二十三日から二十九日まで七日間、自宅療養させていただきました。その間、十一月二十四日に内閣委員会が開かれまして、やむなく欠席をさせていただきまして、差し替え対応をお願いをいたしました。その際、御配慮、御協力いただきました皆様に、この場をお借りをしまして改めて感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
まあ、幸か不幸か、いいか悪いか分かりませんが、私も感染を経験をさせていただきましたので、その経験を踏まえて、後ほど現下の新型コロナウイルス対策について質問をさせていただきます。
その前に、今日は官房長官に出席をいただきました。安保関連三文書に関する諸課題について三点ほど、四点、質問させていただきたいと思います。
政府が現在検討し、今月中旬にも閣議決定が目される、国家安全保障戦略、中期防衛力整備計画、そして防衛政策大綱、いわゆる安保関連三文書に関し、自民、公明両党は、二日、自衛目的で他国領域のミサイル基地などを破壊をする反撃能力、敵基地攻撃能力を保有すると合意したと報じられております。
このことについて、松野官房長官は、十二月二日午後の記者会見で記者からの質問に対し、政府としては、そうした与党間での議論を踏まえ、いわゆる反撃能力についても検討を加速し、年末までに結論を出す考えであります、いわゆる反撃能力の検討も含め、防衛力の抜本的強化について国民の皆様の御理解をいただくことは重要であり、今後とも丁寧に説明してまいりたいとお答えになっておられます。
反撃能力を有するということは、日本がこれまで平和憲法の下で取ってきた専守防衛を揺るがしかねない政策の大転換となり、隣国を始めとする諸外国の危機をあおり、軍拡競争を加速することになると考えますけれども、改めて政府の要である官房長官の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/36
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037・松野博一
○国務大臣(松野博一君) 吉田先生にお答えをさせていただきます。
ミサイルなどの技術が急速なスピードで変化、進化するなど、安全保障環境は急速に厳しさを増しており、我が国はこれらに対応しなければならない状況に置かれています。
こうした中で、いわゆる反撃能力は、国民の命や暮らしを守るために十分な備えができているかと、問題意識の下、あくまで抑止力を高め、ミサイルなどによる攻撃の可能性を一層低下させるために検討しているものであります。また、この検討は憲法及び国際法の範囲内で日米の基本的な役割分担を維持しつつ進めており、今後とも専守防衛は堅持していく考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/37
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038・吉田忠智
○吉田忠智君 確かに、ロシアによるウクライナへの侵攻、そして北朝鮮による度重なるミサイル発射、また台湾をめぐる状況、これは多分に、例えばアメリカのペロシ下院議長が台湾を訪れたり、あるいはアメリカの議員が台湾に行きましたけれども、多分にこれは中間選挙を意識した動きではなかったかと私は見ておりますけれども。
そうした中で、国民の防衛に対する意識が高まっているということは、私もいろんなところでお伺いをして話を聞いて感じますけれども、だけど、こういうときにこそやっぱり冷静な私は議論が必要だと、安全保障のジレンマと言われるように、軍拡競争は果てしがないわけであります。
昨日、今日の朝刊にも、五年間で約四十三兆円の防衛費、従来の一・五倍にすると。岸田総理も最初に額ありきじゃありませんと言いながら、額が先に来てそういう議論が進められている。そのことはやっぱり極めて問題だと思っております。
平和憲法を堅持をして、G7の中で日本は唯一のアジアの国であります。そして、唯一の戦争被爆国であります。そうした日本の立場をしっかり踏まえた、改めて、ぎりぎり、十二月十六日とも言われておりますけれども、残念ながらこれは三文書とも閣議決定でございまして、内閣の判断で決定するということで、これだけ重要なことが、まあいろいろ御意見がこの間ありましたけれども、国会で十分な議論がなされない、そして決定をされるということ自体が私は問題であると思いますけれども、そのことを踏まえて、改めて冷静な議論、専守防衛に徹するという観点からの議論を強く要請をしたいと思います。
次に、二番目ですが、沖縄防衛集団、仮称と、沖縄の基地負担軽減について伺います。
十二月四日の報道によれば、防衛省は、那覇市に司令部を置く陸上自衛隊第十五旅団を増強し、二〇二七年度までをめどに沖縄防衛集団、仮称として新たに編成する検討に入った、南西諸島防衛の強化の一環で、月内に閣議決定する防衛力整備計画、現中期防衛力整備計画に編成方針を盛り込む方向だ、有事に住民を退避させる国民保護の強化や、侵攻の前後に相手国が偽情報を拡散するなどして住民を動揺させる認知戦への対処も狙う見通しだと報じられています。
沖縄での部隊増強、この間、離島における増強も行われてきました。そうした部隊の増強は、中国を過度に刺激し、有事で標的となるおそれを増しかねないとの指摘が出る可能性も、まあ既に出ておりますけれども、あるわけであります。
この増強により、台湾有事を想定した共同作戦で、自衛隊が米軍の先兵として一層大きな役割を担わされる可能性がある。さらに、今後、九州に配備されている陸上自衛隊の水陸両用作戦部隊、水陸機動団の一個連隊を沖縄に移駐させることも考えられる。台湾は内政問題との立場を貫く中国の反発を強める懸念があると。緊張を高め、有事の際に沖縄が戦場になるリスクは更に高まるとの専門家の指摘もございます。
そこで、沖縄基地負担軽減担当でもあります松野官房長官に二点目を伺いますけれども、このような沖縄への兵力増強は沖縄への新たな基地負担増になるのではないでしょうか。沖縄の基地負担軽減という視点で、政府でどのように考えておられるのか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/38
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039・松野博一
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。
南西地域の防衛体制の強化については、年末の新たな国家安全保障戦略の策定に向けて現在検討を進めているところであり、その内容についてはお答えを差し控えさせていただきます。
その上で、南西地域への部隊配備について申し上げますと、力による現状変更を許容しないとの我が国の意思を示し、島嶼部への攻撃に対する抑止力、対処力を高め、国民の安全、安心につながるものであり、また、部隊配備によって大規模災害や国民保護における対応の迅速化にもつながるものと考えます。
政府としては、地元の皆様からの御理解、御協力をいただけるよう、引き続き丁寧な説明に努めていくことが重要であると考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/39
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040・吉田忠智
○吉田忠智君 官房長官が今国民保護というお言葉もありましたけれども、次に、国民保護と地方負担、地方自治体の負担について質問いたします。
有事に住民を避難させる国民保護の強化ということで検討されているということでございますけれども、国民保護法に基づく保護計画が二〇〇五年度に全ての都道府県に、二〇〇六年度以降にはほとんど全ての市区町村で策定されてきたとはいえ、所詮これは絵に描いた餅、機能しない計画になるおそれが高いと言われております。人員削減で、この間の行政改革で一層業務が逼迫している地方自治体に、戦争への備えと住民保護を行う人的余裕は率直に申し上げてありません。
国民保護は政府主導、防衛省主導で考えるのでなく、あくまでも地方自治体の意見を取り入れ、そして必要な予算や人員をしっかり確保して計画をやり直すべきというふうに考えますけれども、官房長官の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/40
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041・松野博一
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
南西地域の防衛体制の強化については、先ほど申し上げましたとおり、年末の新たな国家安全保障戦略の策定に向けて現在検討を進めているところであり、その内容についてお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
その上で、国民保護法上、国、地方公共団体、指定公共機関等が連携して国民保護に当たることとされており、有事の際に住民の避難等をできるだけ早く実現するため、平素から地方公共団体も含めた関係機関が連携して必要な訓練、検討を進めることが重要と認識をしております。
政府としては、引き続き、地方公共団体の御意見も踏まえながら、連携の推薦、失礼しました、連携の推進、改善策の検討などにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/41
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042・吉田忠智
○吉田忠智君 先日、沖縄県の自治体議員の皆さんにも御意見を聞きましたけれども、もし有事となったときにはもう避難できない、国民保護計画を作ってもどうにもならないという悲痛な声もいただきました。いずれにしても、そうした状況が起こらないような努力が必要だと考えております。
その上で、最後に、危機管理メカニズム等の構築、危機管理メカニズム構築と戦争防止のための外交について伺いたいと思います。
もう台湾有事は絶対あってはならないというのは、もちろん官房長官も政府の皆さんも共通した認識だと思います。しからば、どういう形でその回避をしていくのか。防衛、南西諸島の防衛を強化して、今政府がやっているようなそういう備えをして抑止力を高めるんだと言いますけれども、結局それが中国を刺激することになるのではないか。アメリカもこれからまた大統領選挙が近づきますとどういう動きになるか分かりませんけれども、いずれにしても、まだそういう、まだといいますか、台湾有事を防ぐための日本政府の努力がやっぱり見えない、外交努力が見えないと率直に申し上げたいと思います。
そして、戦争というのは、もうこれまでの経験でございますとおり、何らかのきっかけで発生し得るものでありまして、私もかつて社民党の党首をしておりましたときに中国を訪問して、当時のナンバーフォーでありました兪正声先生と会談をさせていただきました。やっぱり危機管理メカニズムが大事ですよねと。
もう一触即発の状況は絶対招かない、そうした連携強化、最近政府の関係者に聞いたら、なかなか十分できていないというふうに聞いておりますけれども、そうした危機管理メカニズムをいかに徹底していくのか、そして台湾有事を招かない外交をどのように進めていくのか、最後に官房長官に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/42
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043・松野博一
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
台湾海峡の平和と安定は、我が国の安全保障はもとより、国際社会の安定にとっても重要であります。台湾をめぐる問題が対話により平和的に解決されることを期待するというのが従来から一貫した我が国の立場であります。この点、これまでも、日米やG7を始め各国との間で台湾海峡の平和と安定の重要性について一致しています。
先般の日中首脳会談においても、岸田総理から習近平中国国家主席に対し、台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて強調したところであります。こうした立場を中国側に直接伝えるとともに、各国の共通の立場として明確に発信していくことが重要と考えます。
加えて、先般の日中首脳会談では、防衛当局間のホットラインの早期運用開始や、日中安保対話等による安全保障分野における意思疎通を強化していくことで一致いたしました。
日中両国の間には隣国であるがゆえに様々な問題もありますが、今後とも、首脳レベルを含め、あらゆるレベルで緊密に意思疎通を行い、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案も含めて対話をしっかりと重ね、共通の課題については協力する、建設的かつ安定的な関係の構築を双方の努力で進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/43
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044・吉田忠智
○吉田忠智君 改めまして、平和憲法を持つ日本の冷静な外交政策の見直しを求めますとともに、徹底した外交努力を要請をしておきたいと思います。
それでは、続きまして、新型コロナウイルス対策について質問をさせていただきます。
私も、夕方、熱が三十八度九分出まして、自分の自宅で体温を測りました。で、研究用の、インターネットで買った抗原検査キットで自分で検査しましたら陰性でございました。ただ、ちょっと心配なものですから発熱外来にお願いをして、夜診てくれまして、そして、精密な抗原検査をしたら、一時間以上掛かったんですけど、結果が出るまで、陽性と、陰性じゃなくて陽性ということになりまして、そして、モルヌピラビル、抗ウイルス薬を処方していただきました。五日間、朝夕四錠ずつ飲みました。カロナールも処方していただきましたけれども、結果的に飲みませんで、次の日もう三十六度台に熱が下がりましたので、結局解熱剤は飲まずに済みました。
風邪のひどいときの症状がほとんどでございまして、熱は下がりましたけれども、せき、喉の痛み、鼻水、それがずっと続きました。今、時々せきが出るというのが私の今の現状でありますから、それほど後遺症は残っていないということでございます。
発熱外来から保健所にすぐ連絡をいただきまして、次の日、保健所の看護師さんから、多分保健師さんじゃなかったと思います、看護師さんから電話がございました。そして、次の日から東京都健康フォローアップセンターの看護師さんから毎日電話、三日目から私もMy HER―SYSに自分で入力しまして、それを東京都の健康フォローアップセンターの看護師さんが見て、それで症状はいかがですかということを聞いていただいて、で、七日目に電話でやり取りをして、もうあしたから現場に、職場に復帰していいですよという承認をいただいて、何とか回復をしたということでございます。
私の場合は、妻とそれから秘書の皆さんにサポートしていただきましたから自宅療養に困難はありませんでしたけれども、これはやっぱり、一人で例えば東京都内で暮らしておられて、感染して、そして療養生活を送られるというのは、いや、随分不安ではないかなと、食料などの買い出しも含めて、改めて私も経験してそのように感じたところでございます。
コロナウイルスとの闘いも三年に、約三年に近くなりました。東京都においても、全国そうだと思いますが、都道府県、市区町村、自治体も一定のこれまでの経験を踏まえて非常にシステム的には整備されてきたということを私自身は実感をいたしました。
昨日時点の全国の感染者が二千五百二十九万千九百十八人ということでございまして、国民の二〇・五%、まあ二回かかった人はちょっと計算に入れていませんけれども、四・八七人に一人と。先般、厚生労働省が発表したいわゆる抗体率、抗体保有率ですね、これは全国は二六・五%ということが公表されています。沖縄が四六%、やっぱり感染者が多かった沖縄県ですから高くなっているのかなと。長野などは一〇%弱という、これ、新聞報道でございますけれども、見させていただきました。
要は、第一次感染の入口と言われておりますけれども、これを、いかにこの山を小さくしていくのか、年末年始で人が集まる時期になりますから。そして、もう山を極力小さくしてこの第八次を乗り切ったら、もうほかのインフルエンザなどの感染症と同じような扱いができるように、対応ができるようにするというのがこれからのやっぱり対策の私は眼目ではないかと思っております。
それで、官房長官のちょっと日程の関係で、先にワクチンの質問をさせていただきます。
政府の十二月五日時点の公表された数字を見ますと、全体の三回目接種完了者が六七・一%、高齢者は九〇・九%。さすがに高齢者は高いと。それから、オミクロン株対応のワクチンの接種回数が二一・三%と。特に若い人の感染が、なかなか伸びないということも聞いておりますし、政府は、岸田総理も一日百万回を目指すんだと言われておりましたけれども、どうも百万回に行った日はなかったようでありますけれども。
現下のどうしてワクチン接種は思うように進まないのか、その原因と、そして、今後どのように接種、私はやっぱり接種は有効だと考えている立場でございますけれども、ワクチン接種をどのように進めていかれるのか、担当である官房長官に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/44
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045・松野博一
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。
九月から接種を開始したオミクロン株対応ワクチンにつきましては、当初、前回の接種から少なくとも五か月以上の間隔を空けることとされており、接種時期が来ていない方が多くいらっしゃいました。また、接種の開始以降、ワクチンの効果や副反応について積極的に周知してほしいとの要望が自治体などから多く寄せられたところであります。
その後、十月下旬に接種間隔が五か月以上から三か月以上に短縮され、多くの方が年内に接種時期を迎えることとなったとともに、政府として一層の広報強化に努めてきました。こうしたことを受け、新型コロナワクチンの接種回数は増加傾向にあり、十一月後半の週末には一日当たり接種回数が百万回近くに達しています。また、全人口に対するオミクロン株対応ワクチンの接種率も、昨日公表時点で二一・三%となっており、G7のうち接種率を公表している六か国の中ではイギリスに次ぐ高い水準となっています。
引き続き、テレビCMやSNS、ウエブ動画など様々な媒体により情報発信に努めるなど、希望する全ての対象者が年内にワクチン接種を受けられるよう取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/45
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046・吉田忠智
○吉田忠智君 私の身の周りの人も、副反応がひどかったからちょっともう接種はしたくないと言われる方が結構多いんですね。また、最近は重症化率が下がってきたものですから、このコロナも、ですから、もうわざわざ接種しなくてもいいやという意見が結構あるんですけど、そうした声を踏まえて、官房長官としてはどのようにしたら接種が進むと思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/46
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047・松野博一
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。
今、ワクチンの接種についての意識について先生から御質問をいただきました。
若い方であっても重症化する方もいらっしゃいますし、また後遺症で苦しんでいらっしゃる方もいらっしゃいます。そういったことをしっかりと広報に努めるとともに、地方自治体、医師会、また大学等を始めた、教育機関、企業等も含めて、若い層に向けてのワクチン接種の推進を今お願いをしているところでございまして、政府としてしっかりと継続的に取り組んでいきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/47
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048・吉田忠智
○吉田忠智君 是非、接種促進に向けて、官房長官も御多忙だと思いますが、陣頭指揮を執って取り組んでいただきたいと思います。
それでは、松野官房長官は御退室いただいて結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/48
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049・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 松野官房長官は御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/49
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050・吉田忠智
○吉田忠智君 続きまして、今後の感染の見通しについて伺います。
私も、先ほど私の経験を通して申し上げましたけれども、政府として、現下の様々な諸情勢を踏まえて、今後の感染についてどのような見通しを持っておられるのか、今日は厚生労働副大臣にもおいでいただきましたが、答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/50
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051・伊佐進一
○副大臣(伊佐進一君) 新型コロナの全国の感染者数につきましては、十月の中旬頃から増加に転じておりまして、現在も引き続き増加が継続しております。
先週十一月三十日に、厚生労働省のアドバイザリーボードでは、北海道ではこの夏の感染拡大の最高値を超えた後に足下では減少に転じているという一方で、首都圏、また近畿、九州、沖縄などでは、十万人当たりで全国を下回ってはおりますが、増加幅は全国よりも大きい傾向にあるということで、今地域差があるという評価がございます。
今後につきましては、変異株の置き換わり、あるいは接種機会がこの年末に、年末年始に向けて増加していく、さらには季節性のインフルエンザについても一部の地域で増加傾向が継続しておりますので、感染動向に注意が必要であるというふうに思っております。今後も引き続き感染動向を注視してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/51
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052・吉田忠智
○吉田忠智君 ありがとうございました。
私の資料の二ですね、直近の感染状況の評価等ということで、今、伊佐厚生労働副大臣から答弁がございましたけれども、十万人当たりの感染者、北海道が一番高いということでございます。沖縄が一番、二百八人で、十万人当たり、低いというのは、先ほど抗体率の、保有率の話もしましたけれども、かなり抗体保有、持たれている方が多いのではないかというふうに感じました。それから、北の方がやっぱり感染者が多いのは、やっぱり冬になって、感染が非常に、換気、換気やりにくくなっているということが起因しているのではないかと思います。
御覧のとおり、病床使用率が五〇%を超えているのは十八県ございまして、現時点でもかなり病床は逼迫の状況に近づいているというふうに考えております。
そういう認識に立って、次の質問ですが、新型コロナウイルス感染症対策分科会が決定した、今秋以降の感染拡大で保健医療への対応の負荷が高まった場合に想定される対応におけるレベル分類ということで、お手元の資料の一ですね、表裏でありますけれども、これを御覧をいただきたいと思います。
この感染症対策分科会においてこれがまとめられたわけでございます。保健医療の負荷状況に応じて、感染小康期、レベル1、感染拡大初期、レベル2、医療負荷増大期、レベル3、医療機能不全期、レベル4に分類した上で、医療負荷増大期においては、感染が著しい都道府県は、地域の実情に応じて医療ひっ迫防止対策強化宣言を行い、住民に対して大人数の会食や大規模なイベントへの参加見合せ等の要請や呼びかけを行うことが考えられるとしました。また、感染拡大のスピードが急激な場合等においては、医療逼迫を回避するために、地域の実情に応じて医療非常事態宣言を行い、住民、事業者に対して、帰省、旅行の自粛要請を含めて外出、移動は必要不可欠なものに限ることを要請したり、イベントの延期等の慎重な対応を要請したりするなど、人との接触機会の低減についてより強力な要請、呼びかけを行うこととしております。
こうしたレベル分類を行った背景と理由について、後藤大臣に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/52
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053・後藤茂之
○国務大臣(後藤茂之君) 季節性インフルエンザとの同時流行が懸念される中で、委員御指摘のとおりに、十一月十一日のコロナ分科会取りまとめを踏まえまして、同十八日の政府対策本部におきまして、オミクロン株に対応してレベル分類を新たなものに見直した上で、感染が拡大し、保健医療への負荷が高まった場合にとり得る感染拡大防止措置を決定をいたしております。
元々、レベル分類につきましては、昨年十一月のコロナ分科会提言、新たなレベル分類の考え方を受けまして、医療の逼迫度をより重視する形に見直しを行っていたわけでございます。その前は、ステージということで、ステージ分類は感染状況でつくっておりました。
今回、こうした基本的な考え方を維持しながら、今夏の感染拡大において特に発熱外来や救急外来といった外来医療が逼迫した経験等を踏まえまして、オミクロン株に対応して外来医療等の状況に着目したレベル分類に見直すことといたしております。
現在、各都道府県において新レベル分類への切替えを進めているところでございまして、引き続き、地域をよく知る都道府県に緊密に連携をすることによりまして、迅速かつ適切に感染拡大防止措置を講ずることができるように対応してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/53
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054・吉田忠智
○吉田忠智君 ありがとうございました。
いずれにしても、このレベルが上がっていかないのが一番いいわけでありまして、こうした状況をいかに止めていくのかということが最大の眼目だと思っております。
次に、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時検査キットについて質問をいたします。
薬局やインターネットでも買えるようにしたということでございまして、富士レビオというメーカーが初承認をされたということでございます。
今後のこの同時検査キットについての取組について伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/54
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055・伊佐進一
○副大臣(伊佐進一君) この新型コロナと季節性インフルエンザの同時流行も想定した対策というものを講じさせていただいておりますが、その中で、同時検査キットのOTC化について、これ供給量に制約がございますが、ただOTC化が必要ではないかという御意見もいただいておりました。
様々な意見がございましたが、厚労省としては、医療逼迫の回避に資するといったことも考えられるという観点から、この新型コロナ対策の一環として、OTC化について、十一月二十二日には厚労省のアドバイザリーボードで専門家の皆様から御意見を伺いました。また、その後、薬事・食品衛生審議会におきましてこのOTC化に係る要件をまとめたガイドラインについて御了承いただきまして、各製造販売業者が一般用検査キットについて承認申請することが可能となりました。
これを受けまして、昨日、十二月五日でございますが、先ほど委員も言及いただきました一つ目の製品の承認が行われたところでございます。今後、製造販売業者の準備が整い次第、薬局等への出荷が開始されるものというふうに承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/55
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056・吉田忠智
○吉田忠智君 ちょっとこれ、調べて分からなかったので伺いますが、政府参考人で結構ですが、一個幾らで買えるんですかね、分かりますか、今。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/56
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057・鳥井陽一
○政府参考人(鳥井陽一君) お答え申し上げます。
これにつきましては、まだ承認手続の途中でございまして販売されておりませんため、価格が決まっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/57
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058・吉田忠智
○吉田忠智君 これは、クリニックに行って検査をすれば、これは保険適用になるんですかね。それから、市中で買えば一〇〇%負担ということになるわけであります。
キット、例えば東京都や大阪府は、インターネットで例えば抗原検査キットの申込みをすれば、それがもう一日、二日で自宅に届けられるというふうな仕組みができているようでございます。これは厚生労働省が直接なかなかできることではありませんので、それぞれ都道府県で、それから市区町村にも厚生労働省の方で事務連絡でも流していただいて、地方創生臨時交付金を活用して無料で検査ができるように、そういうことを是非やっていただきたいと思いますけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/58
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059・伊佐進一
○副大臣(伊佐進一君) 薬局等におけますこの検査キットの購入に関しては、医師あるいは診療、処方でないために保険適用になじまないということがございます。なかなか、現在ではその購入費用の補助を行うことは考えてございません。
コロナの検査は、リスクの低い方がまず自分で検査をしていただいて、その陰性、陽性で行動が変わるという枠組みを現在国の方からお願いをしてございます。そういう観点から、この自ら新型コロナの検査キットを購入することが困難な方も考慮いたしまして、有症状者等に新型コロナの検査キットを無料で配布する取組の実施する準備を行うように国から都道府県等に対して依頼をしまして、今現在多くの都道府県で対応していただいているというふうに承知をしております。
こうした取組含めまして、自己検査が円滑に行われますようにしっかり都道府県と自治体と連携して取り組んでまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/59
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060・吉田忠智
○吉田忠智君 是非この同時検査キットもそういう取扱いができるように、これは是非検討してください。今日はもう要請にとどめますけれども、お願いしたいと思います。
それから、インフルエンザ検査キットのところはちょっと飛ばしまして、発熱外来の体制整備について伺います。
新型コロナウイルスで三十万人、それからインフルエンザで四十五万人、トータル七十五万人の一日ピークの感染者を想定して準備をされておられるということでございます。
この発熱外来、オンライン診療を含めた現在の準備状況についてお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/60
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061・伊佐進一
○副大臣(伊佐進一君) 発熱外来につきましては、都道府県また日本医師会とも連携しながら、累次にわたって拡充の要請をさせていただいて、また必要な財政の面での支援についても強化を取り組んでまいりました。その中で、様々な方がしっかりとこの医療につながるように、発熱外来の診療時間のまず拡大をお願いする、箇所数も増加していただいて、そしてまた、かかりつけ患者以外の方にも対応をお願いするという取組でありますとか、あるいは電話診療、オンライン診療の体制強化にも取り組んでまいりました。
こうした強化、体制強化の現在の状況でありますが、先週十二月二日の取りまとめで公表させていただきました。その中では、今までと比較して最大診療能力が約十三万人分強化されまして、今現在約九十万人というふうになる見込みでございます。単純の積み上げとしましては、この政府が想定しておりますピーク時の受診見込み者数約七十五万人を今回九十万人ですので、一定程度上回る診療能力が確保される見通しということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/61
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062・吉田忠智
○吉田忠智君 これ、厚生労働省から資料をいただきましたけれども、平日は最大九十万人、ただ、土曜日が五十五万人、日曜、祝日が二十三万人なんですね。だから、土曜それから日曜、祝日がまだ対応できないという状況であります。
これはどのように今後体制を整備されていかれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/62
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063・伊佐進一
○副大臣(伊佐進一君) この医療の、医療提供をしっかり確保していくということは、これは不断に取り組んでいかなきゃいけないというふうに思っております。
土曜、日曜日につきましても、例えば一つの医療機関だけではなくて、地域で連携してネットワークで対応していただくなどの取組を進めていただくよう、しっかりこれからも政府としても協力のお願いをしたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/63
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064・吉田忠智
○吉田忠智君 体制整備をしっかり進めていただきたいと思います。
それから、飲み薬、ゾコーバ、まあやっと特例承認ということになりました。ただ、非常に使い勝手が悪い、待望の国産飲み薬なんですけど、非常に使い勝手が悪いという声も聞いております。
このゾコーバについての現状、今後の取組について伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/64
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065・鳥井陽一
○政府参考人(鳥井陽一君) 答弁の前に、先ほど同時検査キットの価格についてでございますけれども、承認手続中と申し上げましたが、承認は一部終わっておりますので、市場流通をまだしておりませんのでまだ決まっておらないということでございます。
そこで、ゾコーバでございますけれども、ゾコーバ使用対象者が、感染症学会のガイドラインにおきまして、重症化リスク因子のない軽症から中等症の患者のうち、高熱、強いせき症状、強い咽頭痛などの臨床症状がある者とされております。また、妊婦等には禁忌でございまして、複数の医薬品が併用禁忌となっております。このために、必ずしもコロナの患者様全て、患者さん全てに処方されるものではございません。
確保につきましては、当面は供給量も限られることから、まずは厚生労働省が確保することといたしておりまして、現時点で最大可能な量として百万人分を確保しております。これは本剤の使用対象者が先ほど申し上げた患者に限られることですとか、あと新薬であること等を考慮しますと、当面十分医療現場のニーズに応えられるものではないと考えております。
引き続き、製薬企業や都道府県と連携いたしまして、使用対象者等の周知を図りつつ、円滑な配送等に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/65
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066・吉田忠智
○吉田忠智君 待望の治療薬でもございますから、しっかり禁忌、その辺は御留意をしていただいて、有効に使われるようにしていただきたいと思います。
それから、二類から五類への見直しということで意見がいろいろ出てきております。また、先般の感染症法の改正の附則にもうたわれたところでございます。二類から五類への見直しについてのいわゆる見直しのめどについて、今後の検討についてどのように取り組んでいかれるのか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/66
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067・伊佐進一
○副大臣(伊佐進一君) 二類から五類への見直しについてでございますが、これは今年の九月に、ウイズコロナに向けた新たな段階への移行の全体像というのをお示しをさせていただきました。その中では、例えば全数報告の見直しであるとか、あるいは療養期間の短縮と、実は既に相当の緩和を行って社会経済活動との両立を強化したところでございます。
先月の、先ほど委員の御指摘いただきました法案の審議の中におきましても、この改正案の中で感染症法上の位置付けの在り方について速やかに検討を加える旨の規定が追加されております。
現在、先日、十一月三十日の厚生労働省のアドバイザリーボードにおきましては、例えばこの感染法上の扱いについて、病原性、感染力あるいは変異の可能性をどう評価するのかということを国民の皆様と理解を共有できるようなまず基盤づくりが必要だということで、このアドバイザリーボードで専門家の皆様にまず分かりやすい考え方を深掘りして示していただくようお願いしたところでございまして、総合的に早期に議論を進めてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/67
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068・吉田忠智
○吉田忠智君 いずれにしても、二類、五類の見直しにつきましては、公費負担については当面しっかり残していただきますようにお願いしたいと思います。
この新型コロナウイルスの最後の質問ですが、消防の救急搬送困難事案の対応についてでございます。
全国消防職員協議会の説明によりますと、救急自動車による救急出動件数は、令和四年は過去最多になる見通しということでございます。消防庁が行った救急搬送困難事案に関わる状況調査では、令和四年八月第二週に、調査対象の五十二消防本部において六千七百四十七件になると言われています。東京消防庁では患者の搬送に三十五時間超の事例があったとも報道されております。
現場の消防救急に当たられている方からの御意見にありますけれども、救急車から電話して直接受入れ機関を探すのではなくて、マッチングシステム、もうしっかりこれを構築していただいて、コロナ禍を踏まえたこのシステムの構築と、それからあわせて、消防力の整備指針の見直し、整備率の向上に向けた取組をしてほしいと強い要望が出されておりますけれども、総務省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/68
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069・中川貴元
○大臣政務官(中川貴元君) お答えをさせていただきます。
救急搬送時の受入れ医療機関の選定につきましては、地方公共団体において、システムを活用し、傷病者に係る医療機関との情報共有や医療機関に受入れの一斉確認を行っている例が少なからずあると承知をしているところでございます。ただし、医療機関においてリアルタイムでの情報更新がされにくい状況にありますことから、医療機関の情報に変更がないかなど最終的な受入れ可否の確認のために救急隊から医療機関に電話がなされているのが実情であると認識をしているところでございます。
消防庁におきましては、これまでも、消防本部に対しタブレット端末等を用いた医療機関との情報連携の取組例の情報提供などに取り組んできたところでもございまして、引き続き、消防本部や厚生労働省等と連携をして緊急搬送の円滑化に向けて取り組んでまいります。
一方、各消防本部がその責任を果たすために必要な施設、人員の目標につきましては、消防組織法に基づき消防力の整備指針として定めているところでございます。同指針におきましては、救急隊の車両や人員について、各消防本部の人口規模に応じて定められた必要台数や人員数を基準に、高齢化の状況や救急業務に係る出動の状況等を勘案し目標値を設定することとしており、各消防本部はこれに基づき計画的な整備に取り組んでいるところでございます。
この中で、新型コロナウイルス感染症の流行下で救急搬送が逼迫する状況では、救急隊は予備の車両も活用するなどして対応していると承知をしているところでもございます。
引き続き、消防本部に対し車両や人員の計画的な確保を要請するなど、救急搬送体制の整備に取り組んでまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/69
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070・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 時間が来ておりますので、おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/70
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071・吉田忠智
○吉田忠智君 はい。
ありがとうございました。是非、マッチングシステムがうまくいっている地域もあると聞いております。それを横展開していただいて、救急搬送されている方々の負担軽減をしっかり図っていただきたいと思います。
新型コロナウイルス対策の質問で終わって、新しい資本主義、予定しておりましたけれども、これ通常国会の方に回したいと思いますので、ちょっとまた内容を磨いて質問させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
ありがとうございました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/71
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072・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、山本啓介君が委員を辞任され、その補欠として衛藤晟一君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/72
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073・柴田巧
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。よろしくお願いします。
まず最初に、いわゆる中国派出所についてお聞きをしたいと思います。これについては隣の国民民主の上田先生からも先般この委員会で取り上げておられましたが、他国のこの問題に対する対応と比較しても、我が国の対応の在り方、大変心もとないなと感じるところでありまして、そういう観点からお聞きをしてまいりたいと思います。
御存じのように、スペインのNGOでありますセーフガード・ディフェンダーズが今年の九月に、この中国警察が日本や欧米等三十か国四十二都市七十か所でしょうか、海外警察サービスセンターと言ったりもしますが、ここでは中国派出所と呼んでいきたいと思いますが、これを設置しているという指摘をしました。
この中国派出所は、中国の公安当局が在外中国人に向けた組織で、中国の国外にいる反体制派などを非公式に監視をして、帰国を迫るための拠点であると。そして、悪質な違法行為なども行われているというようなことを報告をしたということであります。
これを受けて、今、各国では、国際的には懸念が広がっていまして、閉鎖要求やあるいは実態調査に乗り出す国が相次いでいるところでございます。例えば、報道によると、ドイツやイギリス、チェコ、カナダなどでは調査を行う方針を既に示しておりますし、オランダでは外務大臣が中国大使に即時閉鎖を求めております。アイルランドでも活動停止を中国大使館に求めたということでございますけれども、我が国においては、林外務大臣も先月二十九日の記者会見で、この中国派出所について、外交ルートを通じて、仮に我が国の主権を侵害するような活動が行われているということであれば断じて認められない旨の申入れを行っているということを述べて、関係省庁とも連携して対応する考えを示したということであります。
海外での実態もいろいろ注視、調査する、情報を収集する必要もありますが、我が国でもこの東京の秋葉原などにあるとも言われているところでありまして、この外国又はその機関が我が国の領域内において公権力の行使と呼ばれるような行為を我が国の同意を得ずに行うということは、言うまでもなく、我が国に対する主権の侵害に当たるわけで、そういう意味でも、まずは関係省庁が連携をして実態把握をしっかりやるということが大事なことだと思いますし、もし本当に存在して今述べてきたようなことが行われているとすれば、これはもう厳しく断固たる対処をすべきだと思いますが、どのように取り組むのか、官房長官にお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/73
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074・松野博一
○国務大臣(松野博一君) 柴田先生にお答えをさせていただきます。
ある行為が主権の侵害に当たるか否かにつきましては、個別具体的な状況に即して判断すべきものと認識をしております。
その上で、本件について申し上げますと、先生から御指摘をいただきましたとおり、中国側に対して、外交ルートを通じ、仮に我が国の主権を侵害するような活動が行われているのであれば断じて認められない旨申し入れたところであります。
引き続き、情報の収集及び分析に努めるとともに、適切な措置を講じてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/74
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075・柴田巧
○柴田巧君 それでは確認ですが、この関係省庁連携の下に調査をしっかりやるという理解でいいわけですね。これを確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/75
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076・松野博一
○国務大臣(松野博一君) 繰り返しになりまして恐縮でございますが、情報の収集及び分析に引き続き努めてまいるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/76
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077・柴田巧
○柴田巧君 そういうような答弁がずっと続いているような感があるんですが、果たしてそういう物の言い方でいいのかどうか。
やっぱり、犯罪であれ、テロであれ、有事であれ、隙があれば、甘いところがあれば、入ってくるところがあれば、どんどんどんどんこういうものは入ってくるものだと思います。そこが入りやすい国だ、ところだといえば、ますます不当な影響力を行使しようということになりかねないと思っていますので、これは他国の例にも倣って、そういう行為があるかどうかはきちっと調べなければ分からないわけですから、政府として全力でそういうものは調査をするんだということをもっと強く、まあ官房長官は大変お優しい性格なのでなおさらそう感じるのかもしれませんが、もうちょっと厳しく政府としては発信をすべきではないかと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/77
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078・松野博一
○国務大臣(松野博一君) 先生からお話をいただきましたとおり、本件につきまして緊張感を持って対応してまいりたいと思いますけれども、事柄の性質上のこともございまして、先ほど申し上げたとおり、適切な措置を講じてまいりたいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/78
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079・柴田巧
○柴田巧君 ここでこの後どれだけ言っても同じような答弁が返ってきそうなのでこれ以上はお聞きをしませんが、繰り返しになりますが、やはり毅然たる態度でやっていかないと、ますます、ただでさえいろんな形で、政財界であったり、いろんな形で日本に不当な影響力を行使しようということがますます助長されかねないと思いますので、しっかりやっていただきたいと思いますし、またタイミングを見ながらいろんなことを申し上げてまいりたいと思います。
それでは、次の質問に移りますけれども、「世界一安全な日本」創造戦略の改定に関連をしてお聞きをしたいと思います。
今、政府においては、来年のG7サミット、そして二〇二五年の大阪・関西万博を控える中で、二〇一三年にこの改定もしましたが、「世界一安全な日本」創造戦略を、もう昨今のテロの諸情勢の変化なども踏まえて改定をしようということで作業が進んでいると承知をしています。既にパブリックコメントなども終えているんだろうと思っておりますが、国民の安心、安全を確保するためにテロ対策の充実強化を図ることは極めて重要なことだと思います。
そこで、幾つかお聞きをしてまいりたいと思いますが、今回のこの改定に当たって、NBC、核・生物・化学対応能力、このNBC対応能力、ゲリラ、特殊部隊対応能力を始め、高いテロ対応能力を有する防衛省・自衛隊と警察、消防との連携を更に進めていく必要があると考えますが、今回の改定を機に、このテロ対策にも有効と考えられる、テロ対策に有効と考えられる施策がこの防衛省・自衛隊、そしてこの警察、消防との連携強化によってどのように進んでいくということになるのか、お尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/79
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080・松野博一
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。
治安出動下令時などにおける自衛隊と警察の連携については、平素から共同訓練を行うなどしてその強化を図っているところであります。また、住民の避難など、国民保護法の下で行う措置についても、国民保護訓練への参加などを通じ、自衛隊と消防を含む関係機関相互の連携を深めてきています。
現在の「世界一安全な日本」創造戦略においても、緊急事態への対処能力の強化のため、関係機関相互の連携強化等を図ることとされていますが、同戦略の改定後もこうした連携強化に継続して取り組んでまいる考えであります。
引き続き、こうした取組を進め、いかなる事態でも国民の生命、財産を守り抜くべく万全を期していく考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/80
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081・柴田巧
○柴田巧君 心配をしますのは、この後の質問ともみんな関連をするんですが、ややもすると縦割り行政の弊害があって、それぞれの縄張があってうまく連携ができていないところが見受けられるというところがあります。したがって、この改定を機にそういったものがなくなっていくように是非やっていただきたいと思っているわけですね。そういう観点で質問しているということですが。
ちょっと順番を変えて、先に治安出動のことについてお聞きをしておきたいと思いますけど、武力攻撃に該当はしませんが、一般の警察力で治安を維持することができない場合は、御存じのとおり、治安出動が自衛隊に命じられるということになります。しかし、我が国においてはこの治安出動は、岸内閣で一時検討されたこともありましたが、結局行われず、今日まで一度も行われたことはありません。災害派遣であれば円滑に行われる部分がまだあるのですけれども、この治安出動は大変機微な問題で、ハードルが非常に高いように思います。
先進民主国、他の民主国では、この出動した軍の部隊というのは警察などの指揮統制下に入るというのはよく知られていることで、例えばフランスでは活動事項が書面で付与されていますし、イギリスでは具体的な活動は警察の指揮官が決定する旨の対テロ行動計画というのが存在して、そういう仕組みでやっているということですが、日本にはそういう仕組みが、自衛隊の部隊を警察の指揮下に置くという仕組みは今のところないというふうに承知をしております。
そこでお聞きをしますが、この「世界一安全な日本」創造戦略の改定に当たって、この治安出動により自衛隊の出動が必要になった際の自衛隊と警察との役割分担、連携方法はどこまで検討しているものなのか、官房長官にお尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/81
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082・松野博一
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。
治安出動下令時における自衛隊と警察との間の連携につきましては、両者の間であらかじめ協定を締結し、その要領や役割分担などを定めているところであります。事柄の性質上、協定や連携要領の細部についてのお答えは差し控えさせていただきますが、自衛隊と警察との共同訓練を通じて要領の細部の確認などを行うことにより、協定の実効性も確保してきています。
こうした連携要領の具体化などについては、「世界一安全な日本」創造戦略の改定に併せて行うといったものではなく、継続的に取り組むべきものであります。引き続き、あらゆる事態への実効的な対処を確保するため、両者の連携を深めるための不断の取組を続けていく考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/82
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083・柴田巧
○柴田巧君 いろんな連携あるいは役割分担をしっかりして、他国の例にもありますように、きちっとこの警察の指揮下で動くということがやっぱり明確になっている必要があると思いますし、そのことが両者間で明確に合意があって、国民にもよく伝わっているということが私は極めて大事なことだと思います。
治安出動のときに自衛隊が独断で行動して暴走するのではないかとか、そういう無用な不安をなくしていくためにも、今申し上げたことをきっちりと国民にも分かるようにやっぱりしていくということが大事だということを求めておきたいと思います。
次に、順番元に戻って、原発の警備等についてお聞きをしますが、この原子力発電所に有事が起きた際のシミュレーション、これも綿密に複数の場合を想定をしておくべきだと思います。
現在のところ、武力攻撃対応については想定をしていないということになるわけですが、ウクライナの例を出すまでもなく、いつ何どき我が国もこの原発が武力攻撃を受けないとも限らないわけでありまして、テロ対応にとどまらずに、武力攻撃対応もしっかり検討の上で細かいシミュレーションを行う中、有事における自衛隊、警察、都道府県等の連携を平時から強化すべきと考えますが、どのようにやっていくか、官房長官にお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/83
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084・松野博一
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
国民の命と平和な暮らしを守るため、政府として、武力攻撃事態を含む様々な事態への対応について平素から不断の検討を行っているところであります。その中で、原子力発電所に関する各種事態発生時における関係機関相互の連携確保につきましても、政府全体で必要な備えを行ってきております。
例えば、これまでも、原子力発電所の敷地内で行うものも含め、自衛隊と警察による共同訓練なども積み重ねているところであります。また、各原子力発電所の警備に関する更なる連携強化のため、現在、関係機関及び事業者による連絡会議の設置も検討しています。さらに、保護措置の実施に当たっての都道府県を含む関係機関間の連携についても、国民保護共同訓練などを通じて深化を図っています。
引き続き、あらゆる事態への対応に万全を期すため、平素から関係機関相互の連携強化にも不断に取り組んでいく考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/84
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085・柴田巧
○柴田巧君 この原発の警護、警備というか、大変多岐にわたって、警察、自衛隊、海上保安庁も関係してくるでしょうし、消防、地方自治体あるいは原発の関係の機関などなど多岐にわたります。今答弁ありましたように、しっかり訓練を積み重ねる、あるいは連携がしっかりいざというときに果たすことができるように訓練を積み重ねる、あるいはいろんな手だてを講じていただきたいと思います。
次に、サイバー攻撃などについてお聞きをしていきたいと思いますが、報道によると、安全保障、エネルギー分野への研究者を狙うサイバー攻撃が相次いでいるということのようであります。これは、先月の三十日に警察庁と内閣サイバーセキュリティセンターが、このサイバー攻撃が、そういう学者や研究者を狙った攻撃が相次いでいると発表したところでございます。
情報を取られた例は確認されていないということでありますが、こうした分野の情報に関心を持って情報窃取を試みる動きと思われますけれども、こういった情報が他の国に渡って、それがまた兵器や武器や、あるいは日本を脅かす、そんなものにつながっていくと大変なことでありまして、しっかりとこの実態を把握をして未然に防止をしていく、拡大を防いでいくということが大事かと思います。
そこで、この問題の実態はどうなっているのか、また、今後、関係者への注意喚起など、これ、今申し上げたように未然防止や被害拡大防止に取り組む必要がありますが、どのようにやっていくのか、お尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/85
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086・河原淳平
○政府参考人(河原淳平君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、近年、日本国内の学術関係者、シンクタンク研究員等に対し、講演依頼や取材依頼等を装ったメールをやり取りする中で不正なプログラムを実行させ、当該人物のメールやコンピューター内のファイルの内容を盗み見るサイバー攻撃が多数確認されております。警察が把握している限りでは、二〇一九年以降、政治、経済、安全保障、エネルギー等の分野の者へ数十件の攻撃が確認されており、複数回のやり取りを経て信頼させた後に攻撃を行うなど、非常に巧妙な手口であります。
先月三十日、こうしたサイバー攻撃の中で一定の共通点を有する事案を把握するに至りましたところ、情報窃取の被害の発生が深く懸念されることに鑑み、広く手口を公表し、関係省庁と共同で注意喚起を行いました。
また、被害の未然防止、拡大防止についてでありますが、これまでも、各種協議会の枠組み等において、民間事業者等に対し、サイバー事案の脅威や手口等について情報提供等を行ってきたところでございます。
今回の注意喚起を契機に、改めて、警察庁から都道府県警察に対し、管内の学術関係者、シンクタンク研究員等に対しての注意喚起を行うよう指示しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/86
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087・柴田巧
○柴田巧君 昨今は、病院であったり、あるいは企業はもちろんですが、そしてこの学術界というか大学や研究機関等々にもこうやってサイバー攻撃が広がっています。警察の方としても、相談体制の強化であったり、今お話しされた、答弁されたことなどなどやっていただいて、この注意喚起をして、かつ被害が広がっていかないように取り組んでいただきたいと思います。
そこで、こういったサイバー攻撃の被害を少なく、防止をしていくためにも、いわゆるアトリビューションの向上というのは極めて重要なことになるということですが、この情報インフラや先端技術を狙うサイバー攻撃が非常に今激化をしている一方で、国をまたいだ攻撃者の特定や摘発は難航をしています。ただ、これ、摘発をできなくても、誰がやったかやその手口を公表することで攻撃の抑止と被害拡大防止にもつながるところだと思います。
そこで、このサイバーテロ等の攻撃の未然防止、拡大防止のためには、外国治安情報機関等との情報交換であったり、あるいは情報収集機能及び収集した情報の評価、分析機能の強化を図るなど、このアトリビューションに関する能力向上を図るべきだと思いますが、どのように取り組んでいくのか、官房長官にお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/87
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088・松野博一
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
サイバー攻撃がますます複雑化、巧妙化している現下の情勢を踏まえれば、攻撃元や手口を特定するアトリビューションに関する能力の向上並びにその前提となる関係国との情報交換や情報収集、評価、分析の強化は極めて重要であると認識をしております。
政府においては、平素から、関係国との連携を図るとともに、情報コミュニティー省庁が、内閣の下に相互に緊密な連携を保ちつつ、情報収集、評価、分析活動に当たっているところであります。
今後とも、情報収集及び評価、分析の一層の強化に向けた体制整備や各種研修の充実を図り、サイバー攻撃等への対応を含めた政府の情報収集機能の強化に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/88
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089・柴田巧
○柴田巧君 このアトリビューションは、ただ、これ難しいのは、相手国との場合によれば関係悪化の懸念も出てきますし、自国の、我が国のこの情報収集能力を相手に知られてしまうというところもあるんですけれども、おそれもありますが、またその公表にはタイミングを含めて政治的判断の側面も大きいと、難しさはありますけれども、やっぱりこの能力をしっかり向上させていくということが大事なことだと思っておりますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
そして、質問ではないのですが、今、これから政府においてはこのサイバーセキュリティーの司令塔をつくっていこうということでいろいろ作業が進んでいると承知をしていますけれども、まあ悪いことではないのですが、このサイバーセキュリティーに関しては、先ほどからもお話をしていますように、警察であったり防衛省であったり内閣官房であったり、あと細かく言えばデジタル庁もそうかもしれませんし、総務省、経済産業省等々、大変多岐にわたるわけですが、これまでもこのサイバーセキュリティーについてはいわゆる縦割りがあってなかなかうまくいかなかったという例があります。
そういう意味では、きっちりこのサイバーセキュリティーの司令塔がそういったものを乗り越えてやれるものにしていただきたいと思いますし、デジタル庁もそうですが、やってみたらさほど余り、びっくり変わらないというか、あるいは、こども家庭庁もこのままだったら今までと余り変わらないようなことになりかねないというところが見えつつありますが、もしこのサイバーセキュリティーの面でつくるなら今申し上げたことをしっかり念頭に置いてやっていただきたいということを、これは要望に代えさせていただきますが、お願いをして、官房長官の質問はありませんので、関係の皆さんには御退席いただいて結構です。委員長、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/89
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090・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 松野官房長官及びその関係者は御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/90
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091・柴田巧
○柴田巧君 ありがとうございました。
次に、サイバー犯罪、攻撃などに対する警察の対応についてお聞きをしていきたいと思いますが、このサイバー攻撃などに対応していくためには、対処していくためには、まず専門人材の育成、またこの資機材の充実というのが欠かせないことだと思います。そのためにも、この専門知識や技能を有する者の採用及びこの能力向上を図るとともに、必要な捜査用、解析用資機材の充実強化が求められますが、どのように取り組んでいくのか、警察庁にお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/91
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092・河原淳平
○政府参考人(河原淳平君) お答えいたします。
人材の確保、育成についてでございますが、都道府県警察におきましては、民間企業での経験や情報通信技術に関する高度な資格の保有等を条件として中途採用、特別採用を行っており、令和四年四月一日現在、全国で約四百五十人の職員が在籍しております。また、警察庁においても、情報通信に関する専門的な技術を有する者を技術系職員として採用し、高度な解析技術を持つ職員の育成を推進しているところでございます。
さらに、職員の技能レベルに応じた学校教育や能力検定、実践的な捜査演習や事案対処訓練、民間企業への派遣研修等による人材の育成にも努めております。
また、高度化、複雑化するサイバー事案に的確かつ機動的に対処するため必要な資機材等の整備を推進しており、例えば、実践的な訓練環境や解析環境を遠隔で提供する基盤の整備を推進しております。
このほか、令和四年度に新設したサイバー特別捜査隊や都道府県警察等における資機材の拡充、更新に要する経費等の予算も要求しておりまして、緊急性や重要度の高いものについては令和四年度補正予算(第2号)によって前倒しするなど、早期整備を推進しているところでございます。
引き続き、深刻化するサイバー空間をめぐる情勢に的確に対処するため、人的、物的基盤の強化を推進し、対処能力の向上に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/92
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093・柴田巧
○柴田巧君 ありがとうございます。
この人材の育成、資機材の充実の上で、新たな捜査手法ということについてもいろいろこれから検討する必要性があるのではないかと。この日に日に深刻化、複雑化、巧妙化しているサイバー犯罪、攻撃でありますので、その捜査能力を向上させていくためにも、海外におけるサイバー事案捜査の法制度や捜査手法等に関する研究を推進して、新たな捜査手法がやれるように、それを目指していくべきだと思いますが、どのようにやっていかれるか、お尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/93
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094・河原淳平
○政府参考人(河原淳平君) お答えいたします。
警察庁におきましては、諸外国の制度や手法に関する情報収集、研究を継続的に行っているところでございます。我が国としての捜査手法や権限に関する制度化については、刑事訴訟法等の基本的な法制度に関わることであり、国民の理解が不可欠であると考えております。
いずれにしましても、サイバー事案等の新たな治安上の脅威に対しまして、安全、安心を効果的に確保するため、今後これらの取組を更に充実させてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/94
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095・柴田巧
○柴田巧君 今も海外のいろんな先進事例なども調査をしながらということでありましたが、いずれにしても、我が国のみならず諸外国との連携を強化していくというのは、このサイバー攻撃が複雑化、巧妙化、そして容易に国をまたいで行われるという事案になっていますので、これに対処する上ではその国際的な連携強化というのが求められると思います。
このため、警察職員の海外派遣を通じた外国捜査機関との連絡体制を強化したり、外国捜査機関の職員を招聘して意見交換、情報交換をしたり、あるいはこの国際共同捜査への参画に向けた、そういう意味ではその連携を諸外国と進めていくというのは大事なことだと思いますが、どのように取り組んでいかれますか。国家公安委員長にお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/95
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096・谷公一
○国務大臣(谷公一君) サイバー事案の捜査に当たっては、委員御指摘のように、外国捜査機関との連携が不可欠であることから、本年四月に設置いたしましたサイバー特別捜査隊が外国捜査機関との捜査会議などに参加しているところであります。
また、本年六月から、欧州各国の捜査機関との緊密な連携を図るため、いわゆるユーロポール、欧州連合法執行協力庁でございますが、警察職員を連絡担当官として初めて常駐させるなど、信頼関係を構築し、情報交換を行っているところであります。
引き続き、これらの取組を通じた外国捜査機関との連携を推進し、サイバー空間における一層の安全、安心の確保が図られるよう、警察を指導してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/96
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097・柴田巧
○柴田巧君 この国際連携を進めていくということが極めて重要なことだと思いますのでしっかりやっていただきたいと思いますが、そんな中で、北朝鮮によるサイバー攻撃が大変頻繁に、かつ大きなものになってきております。
御存じのとおり、国連安保理北朝鮮制裁委員会専門家パネルが本年の十月に、北朝鮮の下部組織とされるラザルスと呼称されるものを含む北朝鮮のサイバー攻撃グループが引き続き暗号資産関連企業及び取引所等を標的にしていると指摘をしました。このラザルスは、よく知られているように、北朝鮮の対外情報工作機関、偵察総局というんでしょうか、ここに関係があるとされて、二〇一四年にはソニーのアメリカ子会社に対する攻撃もやりましたし、あるいは、二〇一七年には、世界中で被害が出たコンピューターウイルス、ワナクライを使った攻撃などに関与したと言われています。
この同じく十月には政府からも注意喚起の文書を出したところでもありますが、この北朝鮮によるサイバー攻撃に対してどのように対策を講じていくか、国家公安委員長にお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/97
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098・谷公一
○国務大臣(谷公一君) 北朝鮮は外貨獲得を目的として様々な形でサイバー攻撃を行っていると見られており、米国を始めとする諸外国などもその旨を明言しているところであります。
こうしたサイバー攻撃に対して、警察では、サイバー特別捜査隊を中心とした、サイバー攻撃の攻撃者及び手口に関する実態解明、また国内外の関係機関と連携した情報の収集、分析、先ほどお答えしたとおりでございますが、さらにそれに加えて、我が国独自に、あるいは各国と共同して、攻撃者を公表し、非難することでサイバー攻撃を抑止するいわゆるパブリックアトリビューションを始めとした総合的なサイバー攻撃対策を推進しているところであります。このような取組として、本年十月、委員御指摘のとおり、関係省庁と共同でラザルスに関するパブリックアトリビューションを行ったところであります。
引き続き、サイバー攻撃の被害拡大の防止及び被害の未然防止に努めるよう、警察を指導してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/98
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099・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 時間が参りましたので、おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/99
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100・柴田巧
○柴田巧君 時間が参りましたのでこれで終わりますが、このサイバー攻撃、犯罪に対しては、警察の能力を上げるのはもちろん、また関係省庁との連携、そして民間等の皆さんとのオールジャパンでやっていくということと、国際機関とのまた連携協力をしてやっていくことを更に進めていただくことをお願いをして、ほかにも質問がありましたが、時間が来ましたので終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/100
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101・木村英子
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。
障害者差別解消法について質問いたします。
全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、障害者差別解消法が二〇一六年に施行されました。
そして、今年、国連による障害者権利条約の対日審査が行われ、九月には日本に対して厳しい勧告が出されました。これにより、障害者の強制入院によって自由を奪うことを認める全ての法的規定を廃止することが勧告されましたが、日本政府は、今国会で提出した精神保健福祉法改正案では、本人の同意なしに入院させることができる範囲を広げようとしています。また、日本の分離された特別支援教育を廃止することも勧告されていますが、文部科学大臣は、特別支援教育の中止はしないと明言しており、勧告を無視して分離教育を推し進めようとしています。
この日本政府に対しての総括所見では、二〇二八年までに改善の義務と報告が課されています。障害者差別解消法は障害者権利条約に批准するための国内法として整備されたものであり、今回出された勧告は障害者差別解消法を所管する内閣府としての責任と義務が課せられていると思います。
大臣は、日本国内の差別解消に向けてこの勧告に従って改善していくことができるでしょうか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/101
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102・小倉將信
○国務大臣(小倉將信君) 木村委員言及していただいた対日審査の総括所見におきましては、情報アクセシビリティー、差別解消、バリアフリー、雇用促進並びに文化芸術活動などの障害者の権利を促進をする法律やガイドラインなどの幅広い施策の取組が肯定的な側面として挙げられました。
他方で、委員御指摘のように、意思決定、地域社会での自立した生活、インクルーシブ教育、精神障害者の入院などに関する事項に関し、障害者権利委員会としての見解及び勧告が示されたものと承知をいたしております。
そういった中で、委員も御案内かもしれませんが、先般公表されたこの総括所見は法的拘束力を有するものではありませんが、今般示された障害者権利委員会の勧告などについては関係府省庁において内容を十分に検討していくものと考えております。
そこで、私ども内閣府といたしましても、次期障害者基本計画の策定に向けて、障害者政策委員会において総括所見の内容も踏まえつつ幅広く議論を積み重ねていただいておりますところでありまして、引き続き、次期障害者基本計画の策定に向けて必要な対応を行ってまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/102
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103・木村英子
○木村英子君 しかし、この権利条約に基づいて作られた差別解消法が施行されて今六年がたっています。しかし、いまだに段差やエレベーターなど、ハードのバリアは十分には解消されていません。
また、資料一から三のとおり、交通機関の乗車拒否や障害を理由としたスポーツジムや公衆浴場への入店拒否など、障害者への理解や合理的配慮が進んでいないことで、私たち障害者の現状は、バリアを感じずに安心して暮らせるほどの差別解消にはまだまだ至っておりません。
そして、何よりも改善を妨げている要因は、日常生活の中でいわれなき差別をされたときに相談できるところがほとんどないという現実です。相談窓口を周知されていないどころか、たとえ窓口が見付かってそこで差別を訴えても、それは内閣府に言ってくれとか国に言ってくれとか、入店拒否については民事だから関われないと言われ、自治体からは受け付けてもらえず、たらい回しにされることが多く、結局泣き寝入りしている障害者がたくさんいる現状です。
このように、多くの障害、差別事例が放置されている現状を内閣府は把握しているのでしょうか。そして、内閣府の責任として、差別解消に向けた相談体制の構築はどのようになっているのかを、内閣府に設置されている障害者政策委員会での検討の内容も含めて、済みませんが、もう一度、大臣、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/103
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104・小倉將信
○国務大臣(小倉將信君) 今年も十二月の三日から九日まで障害者週間を実施をしております。今日もその週間のうちでありますが、私もそれに合わせて東京駅の構内で行われておりましたワークショップに参加をしてまいりました。視覚障害者の疑似体験、あるいは手話の教室、さらには盲導犬を使っていらっしゃる方との対話、こういったものに参加をしておりました。やはり、盲導犬を使っていらっしゃる方から話を聞いても、なかなかまだまだ入れる場所が少ない、入れない場所の方が多いというような、そういった御意見も伺ったところであります。
そういった意味では、私ども内閣府としては、しっかり個々の障害のある方の事情を丁寧にお伺いしたいと思いますと同時に、障害者政策委員会におきましては、昨年六月に公布された改正障害者差別解消法の施行に向けて、政府全体の方針となる基本方針の改定に係る議論をこれまで行ってきたところであり、先般、その議論が取りまとめられたものと承知をしております。
委員御指摘の相談窓口に関してでありますが、この委員会におきましても、相談等の体制整備に関する事項として、相談対応等においては、市区町村、都道府県、国が役割分担、連携協力をし、一体となって適切な対応を図ることができるような取組を内閣府が中心となって各府省庁や地方公共団体などと連携して推進することが重要であること、そして、内閣府においては、各省庁に対する事業分野ごとの相談窓口の明確化の働きかけや適切な相談窓口につなぐ役割を担う国の相談窓口の検討を進めるほか、相談対応を行う人材の専門性向上などの取組を進めることなどが指摘されたものと承知しております。
こういった指摘を受けまして、内閣府においては、各省庁や地方公共団体などと連携をしつつ、相談が適切に受け止められるような仕組みの整備に向けた取組を引き続き進めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/104
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105・木村英子
○木村英子君 まだ、相談体制についてなんですが、各市町村でも差別解消協議会というものが立っているところと立っていないところがあります。そういう意味では、まだまだ相談を受け付ける市区町村というのはそんな全国的に広がっているわけではありませんので、今後もその相談窓口についての整備を周知徹底していただきたいというふうに思っております。
次に、障害者差別解消法に基づく基本方針には、主務大臣が事業所に対して行った助言、指導及び勧告については、取りまとめて毎年国会に報告するものとすると記載されていますが、差別事例が後を絶たない現状にもかかわらず、差別解消法が施行されてから一件も国会で報告されたことがありません。
内閣府のQアンドAには、主務大臣が特に必要と、必要があると認めるときは、報告の徴収、助言、指導、勧告といった措置を講ずることができることとしていますが、国会まで差別されている現状が届かず、何の手だてもない中で差別を放置されている現状は、主務大臣の権限が適切に執行されている、行使されているとは思えません。
これ以上差別を助長しないためにも、障害者が差別されたときにその声が大臣や国会にまで届く仕組みを早急につくっていただきたいと思っておりますが、大臣のお考えをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/105
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106・小倉將信
○国務大臣(小倉將信君) お答えをいたします。
木村委員御紹介いただいたとおりでございまして、障害者差別解消法では、事業者における障害者差別解消に向けた取組は、主務大臣の定める対応方針を参考にして、各事業者により自主的に取組が行われることが期待をされております。しかしながら、事業者による自主的な取組のみによってはその適切な履行が確保されず、例えば、事業者が法に反した取扱いを繰り返し、自主的な改善を期待することが困難である場合など、主務大臣は、特に必要があると認められるときには、事業者に対して報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができることとされております。
そしてまた、障害者差別解消法の附帯決議におきまして、主務大臣が事業者に対して行った助言、指導及び勧告については、取りまとめて毎年度国会に報告するものとされております。しかしながら、これも木村委員御指摘のとおり、現時点でこの助言、指導及び勧告といった行政措置が講じられた実績はございません。
そういった中で、内閣府において、主務大臣による行政措置に至らない事例であっても従前より事例の収集に努めてきたところでありまして、今般、参考となる事案の概要などを分かりやすく整理をしてデータベース化をし、そしてホームページ等で公表、提供するための取組の準備を行っているところであります。
障害の有無によって分け隔てられることのない共生社会の実現のためには、障害を理由とする差別の解消が重要だと認識しております。内閣府におきましても、今後、各省庁や地方公共団体と連携協力をして、障害を理由とする差別の解消に向けて何ができるか、そのような取組をしっかりと進めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/106
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107・木村英子
○木村英子君 ありがとうございます。
データベースを収集したりとか、あるいは事例の収集ということだけではなかなか進まないという現状があります。そういった意味でも、幅広く、あるいは日本中にこの障害者の差別がまだまだあるんだということをやはり国会で報告できるような仕組みを皆さんでつくっていただけると、もっと差別解消に拍車が掛かって、私たちも生きやすくなりますので、今後ともその仕組みについて検討していただけたらと思います。
次に、障害者差別解消法では、第三条で、「国及び地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、障害を理由とする差別の解消の推進に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施しなければならない。」として、国の責務が定められています。具体的な差別の禁止や合理的配慮の提供を義務付けている第七条の規定については、立法府と司法府が対象とされておらず、努力義務すら課されていません。
先ほども言いましたが、障害者差別解消法が施行されてから六年がたっていても差別の解消に至っていないのは、国会や司法において合理的配慮の義務が課されておらず、十分な合理的配慮の提供がなされていないということが大きな原因だと思っています。多くの障害者が、障害者団体や日本弁護士連合会からも、立法府や司法府も差別の禁止や合理的配慮の提供の義務を課すべきではないかという要望が出されているところです。
行政府以外が検討されていない理由というのは何なのか、教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/107
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108・小倉將信
○国務大臣(小倉將信君) お答えをいたします。
障害者差別解消法第三条におきましては、国及び地方公共団体の責務として、法の趣旨にのっとり、障害を理由とする差別の解消の推進に関して必要な施策を策定し、これを実施しなければならないこととされておりまして、国会及び裁判所もこの責務を負っているものと考えております。
他方、障害者差別解消法においては、不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供といった具体的な措置については国会及び裁判所は対象外とされております。その趣旨といたしまして、三権分立の観点から国会及び裁判所は対象とされていないものと承知をいたしております。
したがいまして、国会及び裁判所については、政府としてはその具体的な在り方について申し上げる立場にはございませんが、障害者差別解消法の趣旨を踏まえつつ、まずは実態に即したそれぞれの自主的な取組を行うことが期待をされているというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/108
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109・木村英子
○木村英子君 しかし、行政府だけがその差別の取扱いの合理的配慮の提供が義務付けられている一方で、司法と立法が主体的な取組というだけではやっぱり差別というのは解消がされていかないというふうに思います。
例えば、資料四のとおり、裁判員裁判で裁判員に選任する手続において、聴覚障害者の方が事前に手話通訳を求めたにもかかわらず、手話通訳は準備しておらず、司法への参加が妨げられてしまったという事例があります。
この問題は、合理的配慮の提供が義務付けられていないことが問題であると当時から指摘されていましたが、現在に至っても裁判所の裁量に任されてしまっている状況は変わりありません。
資料五を御覧いただくと分かるように、視覚障害を持つ当事者の弁護士から裁判員制度に対し、適切な配慮がなされず、障害者が制度から取り残されていないかという、懸念するという声も上がっているところです。
市民の司法参加が現在進められている中ではありますが、障害者が合理的配慮を受けられるように、司法の場でも義務化するべきだと考えます。
そして、立法府においては、今年の七月に当選した天畠議員は言語障害があり、あかさたな話法という独自の話法を用いるため、発言をするためには健常者議員の何倍もの時間が掛かります。そのため、国会の質疑において、合理的配慮の提供として質疑時間の延長を求めているのにもかかわらず、まだまだ認められていません。また、本会議場では、ハードのバリアは整備されておりますが、議席については、車椅子を利用している議員は健常者議員と離されていて、同じ会派の議員とコミュニケーションが取れない状況にあるため、近くの議席に割当てを求めております。
障害者は、その障害によって独自のコミュニケーション方法があり、自分の障害から編み出した伝達方法でなければ他者とのコミュニケーションを取ることができません。ですから、障害者議員の言語障害や障害の特性に対する合理的配慮を認めていただけないことは、コミュニケーションや言葉を奪うことになり、国会があからさまに差別的取扱いを行っていることとなります。
このように、国民の負託を受けて国会に来た障害者議員が合理的配慮を受けられないことは、国会活動の妨げになり、差別的取扱いに当たると言わざるを得ません。どんな障害があっても、国民から選ばれた議員が国家や国民のために議員活動が行えるように、立法府においても合理的配慮の義務が課せられるべきだと考えております。
国連の対日審査の総括所見では、日本には条約の実施状況を監視するための仕組みが行政にはあるものの、範囲が限定的で立法や司法にその監視が及ばないことが指摘されております。そのため、人権の保護に関する幅広い任務と十分な人的、技術的及び財政的資源を備えた国内人権機関を設立するように勧告しています。
ですから、国会や裁判所が自主的な取組を行うべきとの答弁がありましたけれども、行政だけではなく障害者の、行政だけでは障害者の差別はなくなりませんし、司法と立法に対しても合理的配慮の提供の義務が課せられることによって、日本における障害者の差別解消が実現されていくと思います。
私たち障害者は、常に差別にさらされています。一日も早く、差別されず、安心して生きていける社会を実現していくためにも、障害者差別解消法を作ってきた内閣府がリーダーシップを取って、司法府や立法府と話し合い、そして法改正も含む差別解消に向けた取組を進めていくための検討を、検討の場をつくっていただけたらと思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/109
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110・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 時間が来ておりますので、簡潔に御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/110
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111・小倉將信
○国務大臣(小倉將信君) ありがとうございます。
繰り返しになって恐縮ですが、国会及び裁判所においては、障害者差別解消法の趣旨を踏まえつつ、まずは実態に即した自主的な取組を行うことが期待をされていると考えます。
ただ、立法府に関しましては、私も国会議員の一人であります。総理も同趣旨の答弁をしたかと思いますけれども、国会議員の一人として、同僚の皆様と御指摘等を踏まえて何ができるか、しっかりと考えてまいりたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/111
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112・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 時間が来ておりますので、まとめてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/112
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113・木村英子
○木村英子君 はい。
改めまして、司法、立法、そして行政、この三つの機関がきちんと差別解消に向けて動きますように、内閣府がリードして進めていただきたいと思います。
以上です。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/113
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114・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/114
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115・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
政府から趣旨説明を聴取いたします。岡田内閣府特命担当大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/115
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116・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
公共の施設とサービスに民間の資金と創意工夫を最大限活用するPFIは、新しい資本主義における新たな官民連携の柱であり、官民の適切なパートナーシップの下、民間のノウハウを活用して、事業の効率化やサービス水準の向上等を目指すために重要な取組であります。
特に、地域づくりの核となるスポーツ施設や身近な拠点となる集会施設など活用対象を拡大するとともに、PFIについて地方部への金融等の専門的ノウハウの浸透を図り、小規模自治体など全国各地で幅広く自律的に展開されることなどが求められております。
この法律案は、このような状況に鑑み、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用した公共施設等の整備等を一層促進するため、公共施設等の対象の拡大、公共施設等運営権に関する実施方針の変更手続等の整備、株式会社民間資金等活用事業推進機構への民間支援業務の追加及び同機構が保有する株式等の処分に係る期限の延長を行うものであります。
次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、特定事業の対象となる公共施設等にスポーツ施設及び集会施設を追加することとしております。
第二に、公共施設等運営権に関する実施方針のうち公共施設等の規模又は配置に係る事項について、公共施設等運営権者は変更の提案をすることができることとし、当該変更の提案を受けた公共施設等の管理者等が必要があると認めるときは、当該実施方針の変更をすることができることとしております。
第三に、株式会社民間資金等活用事業推進機構の業務に、特定選定事業を支援する事業を実施する民間事業者に対する専門家の派遣等を追加するとともに、同機構は、令和十年三月三十一日までにその保有する株式等の処分を行うよう努めなければならないこととされているところ、当該期限を令和十五年三月三十一日まで延長することとしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/116
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117・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121014889X00720221206/117
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