1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年十一月十日(木曜日)
午前十時開会
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出席者は左のとおり。
委員長 山下 雄平君
理 事
堂故 茂君
船橋 利実君
宮崎 雅夫君
徳永 エリ君
舟山 康江君
委 員
加藤 明良君
滝波 宏文君
藤木 眞也君
山田 俊男君
山本 啓介君
若林 洋平君
石垣のりこ君
小沼 巧君
田名部匡代君
下野 六太君
安江 伸夫君
串田 誠一君
紙 智子君
須藤 元気君
寺田 静君
国務大臣
農林水産大臣 野村 哲郎君
副大臣
農林水産副大臣 勝俣 孝明君
大臣政務官
農林水産大臣政
務官 藤木 眞也君
事務局側
常任委員会専門
員 笹口 裕二君
政府参考人
総務省大臣官房
審議官 池田 達雄君
法務省大臣官房
審議官 小山 定明君
農林水産省消費
・安全局長 森 健君
農林水産省農産
局長 平形 雄策君
農林水産省畜産
局長 渡邉 洋一君
農林水産省農村
振興局長 青山 豊久君
農林水産省農林
水産技術会議事
務局長 川合 豊彦君
環境省大臣官房
審議官 松本 啓朗君
参考人
日本中央競馬会
理事長 後藤 正幸君
地方競馬全国協
会理事長 斉藤 弘君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○競馬法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/0
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001・山下雄平
○委員長(山下雄平君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
競馬法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省大臣官房審議官池田達雄君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/1
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002・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/2
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003・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
競馬法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本中央競馬会理事長後藤正幸君及び地方競馬全国協会理事長斉藤弘君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/3
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004・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/4
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005・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 競馬法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/5
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006・若林洋平
○若林洋平君 皆様、改めまして、おはようございます。この七月に初当選をさせていただきました自由民主党静岡県選出の若林洋平でございます。
まずは、質問の機会をいただきましたこと、山下委員長を始め理事の皆様、そして委員の皆様の御配慮に感謝を申し上げます。
また、改めまして、野村大臣、勝俣副大臣、藤木政務官におかれましては、御就任のお祝いを心から申し上げます。また、今までの御尽力に対しましても心から敬意を申し上げます。
この度、静岡県は台風十五号によります被災を受け、亡くなられた方、また、いまだ完全な日常を取り戻せない県民もいらっしゃいます。改めてお悔やみを申し上げますとともに、一日も早い復旧復興を願い、また努めるばかりでございます。
その際、大臣を始め、台風十四号、十五号にかかわらず一くくりにしていただいて、激甚災害、これに指定をしていただきましたことは過去に例のない取組で、心から感謝をしております。深く感謝を申し上げます。また、ここにいる全ての委員の皆様、そして農地や林道回復へ応援をいただいていますことに深く感謝を申し上げます。ありがとうございます。
それでは、一昨日説明をいただきました競馬法一部改正につきまして、質問を幾つかさせていただきます。
その前に、もう一言だけ。私事ではございますが、参議院議員になる前は、静岡県は富士の麓、御殿場市の市長を十三年ほどやっておりました。市長時代は質問に答えるだけでありまして、議員経験もございませんでしたので、今日が記念すべき人生初の質問となりますので、何とぞよろしくお願いいたします。(発言する者あり)はい、ありがとうございます。
では初めに、説明では、改正の趣旨として、地方競馬への支援措置の拡充とありますが、地方競馬が更に盛り上がるためには何が一番のポイントになるとお考えか。また、国民の信頼を確保するための措置の充実とありますが、改めて大臣の意気込みをお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/6
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007・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) 若林委員が初めての御質問だということで、私も十八年前に、初めての質問はやはりこの競馬法の改正でありました。それで、そのときの大臣が熊本の松岡先生でありまして、そのとき申し上げたのが、大臣、私は一回も競馬場に行ったこともないし、馬券も買ったことがありません、先輩から言われて質問に立ちましたけれどもって、こういう話をしたら、大臣が、いや、野村さん、心配しなくてもいい、俺も一回も馬券は買ったこともないと、こういうことで、ほっとしながら実は質問をしたことを今思い出しました。
今のお尋ねでございますが、これから何が一番重要だと考えるのかということでありますが、おかげさまで地方競馬につきましては活性化法に基づきまして収支改善が行われておりまして、今、売上げが二年連続で九千億を超える、こういったようなことになってございます。したがいまして、今後とも、また、それはインターネット投票の増加などがあったものですから、そういった九千億という大台に乗ってきておりますが、これからその売上げを維持拡大するためには二つありまして、一つは、地方競馬全体で競走体系を構築して地方競馬の競走馬が勝ち上がっていく過程をファンに提供する、そういう仕組み方、あるいは、もう一つは、地方競馬所属馬の能力を向上させて交流競走において中央競馬所属馬との白熱した競走をやらせたいと、こういうような大きな変革をして、そしてできるだけファンの皆さんや、あるいはまたインターネットでの投票等をさせていただきたい。
地方競馬でやっぱり名馬が出てきますと全然売上げが違いまして、御承知のように、オグリキャップというあの馬が、有名な馬がおりましたが、これは地方競馬出身でありまして、ここの競馬場には銅像まで建っておりまして、私も、競馬は見たことないんですけども、この委員会で視察に行きましてオグリキャップの銅像を拝顔をしたところでありまして、やはりそういう名馬が出てくるとまた盛り上がっていくのではないかと、こんなふうに思っておるところでございます。
したがいまして、そのほか、先ほど御指摘のありましたような、競馬の馬券の不正購入に関する罰金額を、今までは百万円でありましたが、これを二百万円に引き上げるとか、あるいは競馬主催者が競馬の円滑な実施を確保するために必要な処分を行うことを可能とする、こういったような措置を講じまして、不適切な措置が、事案が発生しないよう取り組んでまいりたいと思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/7
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008・若林洋平
○若林洋平君 大臣、ありがとうございました。
私は学生時代から何度も競馬場にも行ったりとか、馬券はたくさん買っておりまして、貢献はしていたと思います。
次に、馬産地への支援措置の恒久化とありますが、競馬の生産基盤を強化する中で、中央競馬との交流競走におきましても、今大臣おっしゃったように、勝てるような強い馬、これをつくること、また、これが大きな話題となり盛り上がるためにも地方馬の能力向上が肝だと思いますが、どのようなことが一番効果的であるとお考えか、勝俣副大臣にお聞きいたします。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/8
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009・勝俣孝明
○副大臣(勝俣孝明君) ありがとうございます。
若林委員御指摘のとおり、今、地方競馬と中央競馬との間には、依然としてその所属馬には大きな能力格差があると考えております。
このため、平成二十九年度に、地方競馬全国協会において地方競馬における強い馬づくり計画を策定し、地方競馬全体で、馬、環境、人の観点から強い馬づくりに取り組んでいるところであります。具体的には、地方競馬全国協会が、馬強化のため、優良二歳馬の入厩促進への支援、環境の整備のため、走路等の調教施設や厩舎の整備への支援、それから、人の強化のため、厩舎関係者を募集するポータルサイトの運営や厩務員の住環境の整備への支援等により、中央競馬所属馬と伍して戦える地方生え抜き馬の輩出を目指してきたところであります。
今後とも、このような強い馬づくりに向けた取組を後押ししてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/9
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010・若林洋平
○若林洋平君 副大臣、御丁寧な御答弁ありがとうございます。
その中で、やはり強い馬をということになりますと、種牡馬ですとか繁殖牝馬という話になると思いますが、現状、地方競馬への種牡馬や繁殖牝馬の提供等はございますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/10
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011・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
地方競馬全国協会では、日本中央競馬会の資金交付措置も受けつつ、軽種馬生産農家の生産基盤強化対策といたしまして競走馬生産振興事業を実施しております。この事業の中で、優良な種牡馬ですとか繁殖牝馬の導入への支援を行っております。
具体的には、種牡馬でございますけれども、日本軽種馬協会の種馬場に導入をいたしまして、軽種馬生産農家の繁殖牝馬への種付け料を安価に設定するといったことですとか、繁殖牝馬につきましては、軽種馬生産農家が優良な繁殖牝馬を導入することに対して助成をすることによりまして、軽種馬生産基盤の維持向上のための支援を行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/11
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012・若林洋平
○若林洋平君 ありがとうございます。
それでは、その軽種馬の生産者に関わる担い手育成は現状どのようになっておりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/12
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013・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
軽種馬生産の現場では人材確保が喫緊の課題でございますので、競走馬生産振興事業におきまして、牧場への就農に関心を持っておられる方に情報提供をするためのウエブサイトの開設ですとか、あるいは人材育成や就農促進に関するイベントの開催といったような人材確保の取組を後押しをしてきたところでございます。
しかしながら、馬産地では軽種馬の生産農家戸数が約二十年間減少し続けてきておりまして、現在も多くの経営体におきまして後継者が確保できていないといったような生産基盤の弱体化が進展をしてございます。
本法案におきましては、JRAから地方競馬全国協会の競走馬生産振興勘定への資金交付措置を恒久化することによりまして、競走馬の生産振興のための財源を恒久的に確保をして、これまでの対策に加えまして、新規就農ですとか、あるいは円滑な事業の承継といった担い手への対策を充実強化していきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/13
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014・若林洋平
○若林洋平君 御丁寧な御答弁ありがとうございます。
それでは次に、実際の交流競走、この現状についてお聞きしたいと思います。
中央競馬と地方競馬におきまして交流競走が行われていると思いますが、過去十年、特にG1競走、G1レースですね、における地方馬の勝率及び連対率はどの程度になっているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/14
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015・後藤正幸
○参考人(後藤正幸君) お答え申し上げます。
過去十年間で、中央と地方のダートのG1、地方側はJpn1競走という呼び名もありますけれども、合わせて合計百十九競走実施されております。地方所属馬は、そのうち延べ七百十四頭が出走しているところであります。地方所属馬が一着となったのは十一競走、勝率で申し上げますと九・二%。二着以内となったのは二十競走、連対率で申し上げますと一六・八%となっております。
なお、中央のダートG1競走、全部で二十三競走ございますけれども、これへの地方馬の連対実績はございません。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/15
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016・若林洋平
○若林洋平君 ありがとうございました。ちょっと興味があったものですから、ありがとうございます。
それに引き続き、大臣のお話もありましたとおり、過去、地方から中央に出て活躍をしたまさにオグリキャップであるとか、またイナリワンですとか、また、交流元年には地方在籍のままで中央競馬で芝のG2に勝って桜花賞にまで出たライデンリーダーとまた鞍上、安藤勝己騎手など、過去には芝の競走でも非常に盛り上がった時期もあったと思いますが、中央競馬ではやはり芝のG1競走が多い中で、芝に出てこそというところもあると思うんですが、ここ十年におきまして地方在籍馬のままで中央競馬での芝競走における実績はあるのか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/16
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017・後藤正幸
○参考人(後藤正幸君) お答えいたします。
過去十年の中央の芝競走には、地方所属馬が延べ七百二十七頭出走し、一着となったのは延べ九頭、勝率で申し上げますと一・二%となっております。そのうち重賞競走は二勝しております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/17
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018・若林洋平
○若林洋平君 ありがとうございます。二勝していたんですね。ありがとうございます。
次に、中央の騎手が地方在籍馬に騎乗することはあるとは思いますけども、地方在籍の騎手が中央の馬に騎乗するような交流はあるのでしょうか。また、ないとすれば、今後どのように考えるか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/18
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019・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
JRAが指定いたします中央競馬の交流競走におきまして、地方競馬に在籍する騎手がその競走にのみ効力を有する免許を受けまして中央の馬に騎乗する例はございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/19
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020・若林洋平
○若林洋平君 ありがとうございます。
免許の関係で難しいのかなと思っていたら、そのレースによって免許があるということで、ありがとうございます。今後、またそういう、更に乗りやすい環境になればいいなというふうに思います。
また逆に、その馬や騎手以外、例えば調教師など、そのほかの人的交流はありますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/20
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021・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
地方競馬の調教師や騎手が中央競馬の厩舎におきまして調教技術などの向上を目的といたしまして短期間の研修を受けるというようなことはあると聞いてございます。ただ、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、現在、ちょっと、このような交流はちょっと止まっているというふうに聞いてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/21
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022・若林洋平
○若林洋平君 ありがとうございます。
ここでもちょっとコロナの影響というのはあったと思いますし、また、一番人気の馬がなかなか勝てないというのも、記者がなかなか情報を得られないという、そういう影響もあったんじゃないかなというのもあったと聞いております。
いずれにしても、交流を更に深めることで技術や情報を共有して、何といっても地方で強い競走馬を育て地方競馬を盛り上げるために現状を確認する質問を幾つか、細かくですが、させていただきました。今後は更なる交流を期待をいたします。
次に、セカンドキャリアについてお聞きをいたします。
好成績を収めた馬や血統がいい馬は種牡馬や繁殖牝馬になるなどセカンドキャリアが確立されていると思われますが、大半の競馬、特に競走馬、特に地方馬はそうならないというふうに思っております。
ホースセラピーや馬術競技、こちらもセカンドキャリアになると思いますが、それらに対する支援をどうお考えか、また、負傷した騎手、セカンドキャリア、負傷した騎手のセカンドキャリア、例えばパラ馬術への支援など、藤木政務官の御見解をお聞かせ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/22
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023・藤木眞也
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えをいたします。
引退をした競走馬の多様な利活用が図られ、命ある馬が可能な限り充実したセカンドキャリアを送ることが重要と考えております。
こうした中、現在、JRAでは、引退競走馬の利活用に対する取組を支援しております。具体的には、馬術用などの転用のためのリトレーニング技術講習会の開催経費であったり、引退競走馬を対象とした馬術競技会での賞金への助成、また、乗馬施設等が行うホースセラピー等への利活用の取組に係る費用の助成などを実施しているところでございます。加えて、JRAでは、パラ馬術競技の強化、振興に取り組んでおり、その中で、元騎手で障害を抱えられた方の馬術競技活動の支援も行っております。
農林水産省としましても、こうした取組は非常に重要な取組だと考えており、引き続き後押しを行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/23
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024・若林洋平
○若林洋平君 藤木政務官、御丁寧な答弁ありがとうございます。
また、JRAの皆様におかれましては、馬術競技を盛り上げ、さらには、今、パラ馬術、どうしてもまだ施設で、施設自体にトイレがないとか、そういったところもまだ見受けられるところもありますので、また引き続きの御支援をいただければ有り難いというふうに思います。
最後に、競馬活性化計画の目的を経営基盤の強化に変えるとございますが、それによりどのような目標を掲げ、またその成果を公表していくお考えがあるのか、大臣の御見解をお聞かせ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/24
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025・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) お答え申し上げます。
事業収支の改善から経営基盤の強化という形に今後変えようということでありますが、それにつきましては、先ほど申し上げました、収支につきましてはここ非常に上がってきておりまして、先ほど数字も申し上げたとおりでございますが、ただ一方では、地方競馬においては施設の老朽化が相当進んでおりまして、おおよそ七割の施設がもう耐用年数を超えていると、こういう状況にあるものですから、何とかここをやっぱり改善していかないとお客さんがなかなか来ていただけないと、こういう実態があるものですから、経営基盤を継続していくための、基盤の弱体化を防ぐために中長期的な取組によりその強化を図る必要があると、こういったことから、今回の法改正でお願いしておりますのは、収支改善から経営基盤の強化に見直すことにいたしたところでございます。
そういったようなことで、耐用年数をもう超過した施設が驚くことに七割も超えているというものでありますので、計画的にこれを四割以下まで減少させたいと、こういう考え方でおるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/25
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026・若林洋平
○若林洋平君 大臣を始め、本当に御丁寧な答弁をありがとうございました。
この改正法案が更に地方競馬、そして競馬全体が盛り上がって経営基盤の強化につながることを期待申し上げ、質問を終わりにいたします。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/26
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027・小沼巧
○小沼巧君 立憲民主党の小沼巧です。
今日は、法案審議の前に二、三、幾つか問い合わせて、質問をさせていただければと思います。
通告しておらなかった質問で大臣にまずお伺いしたいと思うんですが、昨日の通告が終わった後ぐらいの夜から今朝にかけての報道なんですけれども、同じ閣僚の葉梨法務大臣の発言等々がニュースになっております。何かというと、法務大臣の仕事は何か、死刑の判こを押して昼のトップニュースに入るだけの地味な仕事という内容だと、旧統一教会の問題に抱き付かれてしまったと、このようなことについて発言があったということでございました。
法務大臣の資質として果たして大丈夫なのかということ、私自身もちょっとこれは疑問に、問題と思わざるを得ないと思いますし、私だけじゃなくて立憲民主の会派としてもこれは問題じゃないかという声が相当高まっております。
この点について、通告しておりませんで大変恐縮ですけれども、同じ閣僚の一員として、野村大臣の受け止めについて御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/27
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028・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) 葉梨大臣とは非常に、この農林族として私ども自民党の中でも一緒に仕事をしてきた仲間ですので、まあ法務大臣、警察官僚出身でございますから、法務にも明るい方であります。ですから、友人のパーティーでちょっと軽口が過ぎたなと、こういう印象を受けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/28
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029・小沼巧
○小沼巧君 軽口の問題で、過去、御党が野党だったときに大臣の実際に首を取るということもあったということを承知しております。軽口で本当に済まされるのかということについては、今後、ほかの委員会等で厳しく問わせていかなければならない課題であります。
通告がないところでありましたが、まずはお答えいただいて、この件については感謝申し上げたいと思います。
その上で、ほかにも、法案に入る前に、本当はほっこり、農林水産委員会というのはほっこりやる感じなので、ちょっと御挨拶がてら質問していきたいと思っておるところでありますけれども、同じ茨城のところでありますが、十一月四日に茨城県内においては鳥インフルエンザの疑似患畜が発生をいたしました。
これについて、国会でどうなっているのかという議論がなされている形跡ありませんので、ここで確認しておくことは有益じゃないかなと思って質問しようと思っておりましたら、藤木政務官がちょうど十一月の四日に現地に訪問なさっているということでございました。ここでの会談の内容と、茨城県等々からのリクエストに対する進捗状況、これについて御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/29
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030・藤木眞也
○大臣政務官(藤木眞也君) 茨城県出身の小沼委員には大変、自県で発生をしたということで心配も大きいんだろうと思います。実際、十一月の四日の日に、私、茨城県のかすみがうら市の養鶏場において、今シーズン四例目の、茨城県一例目となる高病原性鳥インフルエンザを確認された後、これを受けて、私自身が茨城県庁に伺いました。茨城県知事とお会いをし、国と茨城県が緊密に連携をすることを確認してまいりました。
また、その際、知事からは、防疫措置の実施に当たり、県に加え、発生農場自身の取組や自衛隊の支援が必要とのお話をいただきました。防疫措置については、発生確認後速やかに開始されており、県や市町村、関係団体に加えて、発生農場の従業員、さらには知事の災害派遣要請を受けて派遣された自衛隊が協力して、殺処分を始めとする防疫措置を実施中と報告を受けております。
また、農林水産省としましても、本省のリエゾン、職員をリエゾンとして派遣したり、農政局等からの人的支援、原因究明のための疫学チームの派遣等を実施しているところでございます。知事自身も翌日にはその殺処分に参加をするというお話であったり、最初の段階での自衛隊とのやり取りがうまくいかなかった等々、いろいろと小さいところの御指摘もいただいております。一つ一つ改善はさせていただいて、今、進捗状況も、本日終われば七割を超えるんではないかというところまで来ております。
一週間を目標に殺処分を終わらせたいという非常に強い大井川県知事のお話を受けて、やる気というのも感じましたけども、実際、その結果としても、十日程度では、この規模の鶏舎で殺処分が終わるというのはすごい、すばらしい取組を行っていると、いただいているというふうに受け止めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/30
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031・小沼巧
○小沼巧君 ありがとうございました。
それではもう一つ、おととい、我が会派の徳永委員から質問を通告をしていたんですけれども、ちょっと時間の関係で質問ができなかったところについて、私からも質問をしたいと思います。
当時、徳永委員は資料を配っておりました。何の資料かというと、農水省所管の独法の運営費とか施設整備費の推移についてという資料配っておりました。
まず、政府参考人に伺います。
施設整備費に係る令和四年度の概算要求額と予算額、この事実関係を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/31
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032・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
十一月八日の農林水産委員会において、徳永エリ委員が配付された資料に記載されました令和四年度の施設整備費補助金の概算要求額と予算額につきましては事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/32
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033・小沼巧
○小沼巧君 数字を聞いているんで、要は三十・四億の概算要求額に対して実際の予算額が十四・一億であるということで理解を、正しいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/33
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034・川合豊彦
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。
そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/34
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035・小沼巧
○小沼巧君 最初からそう言ってくれりゃいいんですけどね。
さて、大臣、農水省を挙げて三十・四億円の概算要求をしました。政府全体で半分以下に査定されてしまいましたということが令和四年度の実際です。非常に切な過ぎるかなと思うわけでありますけれども、今回の概算要求、令和五年度の概算要求は行って、予算の査定を行っている最中だと思います。
少なくとも、五年度においては概算要求した金額を満額確保するぐらいの勢いでやらないと、本気でこれやるつもりがあるのかと疑いを持たれてしまってもしようがないと思うんですけれども、大臣のこの点に対する認識をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/35
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036・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) お答え申し上げます。
今、川合局長の方からもちょっとお答えしたんですが、少し誤解があるというか、正式なる数字をちょっと申し上げたいと思いますが、補正予算を含めた確保でやっぱり見ていただきたいと、本予算で全てが取れるわけじゃありませんので。
したがいまして、概算要求は確かに令和四年は三十億でありました。それで、三年度の補正予算の十一億と四年度の当初予算の十四億、今委員が御指摘されたのは、この十四億が概算要求に比べて非常に小さいのではないかと、半分じゃないかと、こういう御指摘だったと思うんですが、この補正予算と合わせますと二十六億で、充足率は八六%でございます。
したがいまして、やはりこの補正と本予算とでちょっと比較をしていただいた方がいいのではないかと、こんなふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/36
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037・小沼巧
○小沼巧君 補正にずらすということで概算要求とはまた別のことにするというのは、ゴールポスト動かしているだけで一緒でありまして、じゃ、何を、補正予算って緊急なものなのかよということ全体に寄与する問題だと思いますので、この点については、ちょっと今のはよろしくないなと思います。
いずれにせよ、概算要求全体でやった金額を守る、取るということは大事なことだと思いますから、概算要求でやったんだったら概算要求で満額取るんだぐらいの勢いでやってもらわないと、これは困っちゃうよということであります。
さて、そういうことで、そろそろ法案のところに入りたいと思いますが、まずは逐条解釈についてちょっと伺っていきたいと思います。
この改め文の五ページの四行目にあるところについて伺いたいんです。具体的には、二十四条と二十五条三項の改め方、これで本当に大丈夫ということ、質問です。
これ、公正のっていうところ、公正の下に何ちゃらを確保し、又は競馬の円滑な実施を加えるという改正案になっております。本当にこれは「又は」でいいのかっていうことが質問なんですね。
何でかっていうと、例えば同じ法体系でいうと、二十三条の十では地方競馬の公正かつ円滑な実施となっています。こっちは「かつ」なのに、今回の改めでは「又は」になっている。整合性取れていないと思うんですけれども、この改め方でよいのかということについて説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/37
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038・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えを申し上げます。
委員御指摘のとおり、競馬法の第二十三条の十の方では地方競馬の公正かつ円滑と規定をしてございます。これは、地方競馬全国協会が地方競馬の実施につきまして公正さと円滑さの両方を推進することを目的とする法人であることから、「かつ」ということで規定をしてあるものでございます。
一方、改正競馬法の第二十四条と第二十五条では、確かに委員の御指摘のとおり「又は」でございます。これは、競馬と、競馬の公正さと円滑さの両方を確保するために必要な事項だけではなくて、公正さや円滑さのいずれかを確保するために必要な事項についても農林水産大臣などが指示をできるとか、あるいは政令で規定をすることができるということを明確化するために「又は」ということで規定をしているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/38
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039・小沼巧
○小沼巧君 現実で考えてもらいたいんですね。公正さっていうところの「かつ」のところと円滑なっていうところ、地方競馬の目的は、二十三条の十でいうと「かつ」の部分だけですね。でも、ここの部分では、「又は」ということで、「かつ」じゃないところまで規定をしなければいけないということの合理的な理由が分かりません。そこについての解説をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/39
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040・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
二十三条の十は、地方競馬全国協会の目的でございます。これは、地方競馬が公正かつ円滑に実施されると、で、公正さ、かつ、公正さと円滑さが両方必要だということで「かつ」という規定になっているものでございます。
一方、二十四条と、あっ、改正後の競馬法の二十四条と二十五条でございますが、これは農林水産大臣が必要な事項を指示できるといったような場合を規定するものでございますので、これは、公正さを確保する観点から指示をすることもできますし、また円滑さを確保する観点からも指示ができるようにするといった、そういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/40
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041・小沼巧
○小沼巧君 余り時間掛けたくないんですけど、公正さからの指示というのは今までの現行法でもできました。じゃ、円滑なということの具体的な指示の内容って何なのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/41
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042・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) この今回の改正は、国民の信頼を確保するための法改正という意味もございます。その中で、一時、競馬関係者が中企庁の給付金を不正に受給をしたといった事案がございました。
ただ、そういった不正事案がございますと、そんな競馬は、そんな不正事案、給付金を不正に受給するような競馬は行かないよなんていうようなことになりますとこれはまずいわけでございますけれども、そういった補助金ですとか給付金を競馬関係者の多くが不正に受給するといったような事案、これは競馬の公正さとは基本的に直接の関係がないものですから、例えば、そういった場合は例えば処分の対象になるかというと、処分の対象には現行法上はならなかったと。
で、円滑な実施ということを今回規定をすることで、そういった、競馬関係者の多くがそういった補助金の不正受給ですとかいったようなこと、あるいは、例えば、これは現実にはなっておりませんけれども、例えば競馬の主催者が税務に関する研修をしていながら、競馬に関係して得た報酬についての所得税の関係でちょっと不祥事が広範に発生したというような事案で、そういった場合に、競馬に皆さんが、来場者が少なくなるですとか、競馬、馬券を余り買ってくれなくなるとか、そういったようなことがおそれられる、そういったおそれがある場合にも例えば処分ができるといったようなことが、公正さとは直接関係がないわけでございますけれども、円滑な実施のために必要なときに必要な措置をその競馬の主催者などがとれるようにすると、そういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/42
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043・小沼巧
○小沼巧君 それは公正さなんじゃないのかなという気がするんですけど、まあいずれにせよ、農水省については、不正受給みたいな、持続化給付金の不正受給とかについては、公正ではなくて円滑で読むんだという解釈をしているということで伺いました。
その上で、じゃ、もう一個だけ更問いしておきます。
地方競馬はそれでいいかもしれません。でも、こう改めちゃったら、二十五条三項には地方競馬だけじゃなくて中央競馬に対しても指摘がありますけれども、中央競馬との平仄って本当これ取れますっていうことが質問なんです。
何でかっていうと、例えば現行法の六条五項では公正かつ適正になんですって、実施なんですって。十六条の二項では公正かつ安全な実施なんですって。円滑って単語は中央競馬については全く触れられていないんですけれども、円滑なっていう、又は、円滑なっていうところを本当に入れちゃって、中央競馬の話も含めて平仄が全体で取れなくなっちゃうのではないだろうかと危惧しますが、この危惧は当たらないんだということの御説明をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/43
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044・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 答えられますか。答えられますか。(発言する者あり)
速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/44
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045・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/45
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046・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) 中央競馬会につきましても、この競馬法の、例えばその持続化給付金の受給をしたことで円滑な実施が定め、確保できないような場合の処分などは、中央競馬会につきましてもこの競馬法の方の規定に基づいた処分になりますので、競馬法を改正すれば足りるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/46
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047・小沼巧
○小沼巧君 違う、違う、答えてない。
平仄がずれるでしょっていうことを言っているんでありまして、中央競馬だったら、円滑にじゃなくてですよ、適正にっていう単語が六条の五項で示されています、安全な、公正かつ安全なっていうのが十六条の第二項で記されています点で、中央競馬についても円滑なっていうことの縛りが掛かっていないこととずれが生じちゃうんじゃないのか。だから、この改め方っていうのは本当にこれでよいのかっていうことは、私は疑問に思います、平仄がずれるから。
この点についての質問でありますので、もう一度正確に御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/47
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048・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 答えられますか。
速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/48
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049・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/49
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050・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
この六条の五項の規定は、農林水産大臣は、勝馬投票の実施体制その他の事情を勘案し、勝馬投票券が公正かつ適正に実施されると認められる場合に限り前項の認可をするということでございます。
これは、農林水産大臣が勝馬投票券、この認可をするときに、その勝馬投票券が公正かつ適正に実施されると認められる場合ということでございますので、これは適正という方が適切でございまして、これはちょっとやはり公正かつ円滑にというのは、ここはちょっと法のですね、ここの規定する目的からすると、円滑というよりは適正という語の方が適当であるというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/50
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051・小沼巧
○小沼巧君 何で、じゃ、円滑と、これ余り時間まじで使いたくないんだけれども、適正と円滑の定義は違うということなんでしょうか。それは説明していただけます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/51
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052・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
適正さというのは、それが本当に、まあかなり公正に近い概念でございますけれども、公正に近い意味でございまして、何というんでしょうか、適正の意味といいますと本当に適切に行われているということでございましょうし、一方、円滑というのは競馬がうまくいくというような意味であるというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/52
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053・小沼巧
○小沼巧君 大丈夫ですか。うまくいくということと適正ということで、表記ずれ過ぎておりませんか。ちょっとこれらの定義について、真面目に定義まとめておいていただいた方がいいと思うんですけれども、もう一回聞きます。
じゃ、ちょっとこれは、この適正さというところと円滑にというところと、さらに表記のところでいえば安全な実施ということ、それぞれ表記が例えば中央競馬について分かれております。で、この改め方でよいのかということについては正確に資料を出していただければと思うんですが、それの資料について理事会に提出するよう、委員長に御配慮いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/53
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054・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 後刻理事会で協議します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/54
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055・小沼巧
○小沼巧君 ありがとうございます。
時間が、ごめんなさい、相当使っちゃいまして恐縮ですけれども、じゃ、競馬法のところについてほかにも入ってまいりたいと思います。
今日のお伺いしたい論点は、厩務員の待遇改善ということについて絞っていきたいと思っておりました。というのも、中央競馬は、御案内のとおり、昨年度、売得金三兆円を超えまして、地方競馬は一昨年度に売得金九千億円を超えまして売上げが堅調でありまして、こんな光の部分である一方、影の部分となって問題が先送りになりがちなのは、競馬を下支えする厩務員の処遇の、待遇の改善であろうということだと理解をしております。だからこそ、この構造問題を議論しておくことが有益であろうと思いますので、以下、それぞれ質問してまいりたいと思います。
時間も相当使っておりますので、早速、通告幾つか飛ばしまして、今日は参考人で日本中央競馬会さんと地方競馬全国協会さんからそれぞれお越しいただいております。
実際、現場の話を例えば聞いてみますと、こういう指摘がありました。厩務員の方々で社会保険に入れていないというような指摘がありますけれども、これの指摘に対する事実関係がどうなのかということについて、日本中央競馬会、地方競馬全国協会からそれぞれ御答弁をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/55
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056・後藤正幸
○参考人(後藤正幸君) お答え申し上げます。
厩舎従業員の社会保険につきましては、雇用主団体でございます日本調教師会が事務を取り扱っているところであります。
JRAは、日本調教師会の財務諸表等におきまして社会保険へ適切に加入していることを確認しております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/56
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057・斉藤弘
○参考人(斉藤弘君) お答えいたします。
地方競馬における調教師、騎手、厩務員等の厩舎関係者は、基本的にはいずれかの社会保険に加入しているというふうに認識してございます。
中でも、被用者保険、厚生年金、健康保険等の加入については労使関係に基づき適用されるものであり、そこで厩務員の加入状況について把握したところ、厚生年金又は国民年金、健康保険又は国民健康保険に加入しているという実態であるというふうに考えております。
厩務員が被用者保険、特に厚生年金等に加入してより手厚い保障を望んでいるということは事実でございますので、協会としては厩務員等の関係者の待遇改善を重要であると考えまして、今後とも主催者と協議いたしまして待遇改善にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/57
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058・小沼巧
○小沼巧君 地方競馬全国協会様にちょっと更問いで聞きますけれども、十月の時点で聞いた際には必ずしも一部入っていないということがあったと聞きました。いわゆる国保だけじゃなくて、厚生年金保険であったり、いわゆる協会けんぽと言われるようなものであったり、こういったものも受け取れるようにしたいんだというような要望に対してどう応えるかという問題意識からこの質問を聞いております。
改めて聞きますけれども、地方競馬におきましても社会保険には皆さん希望して全て入れているということで間違いがないのか、確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/58
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059・斉藤弘
○参考人(斉藤弘君) お答えいたします。
基本的には、国民年金も含めまして、社会保険という大枠のくくりの中では全て加入しているという事実でございます。
そのときに、厩務員からの要望では、厚生年金に入りたい、それでもなかなか待遇的に入れない状況があるということですので、一部要望に対して入れない状況があるという形の認識をしていたというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/59
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060・小沼巧
○小沼巧君 そうなんですね。やっぱり、厚生年金とかについて入りたいという要望があってもなかなか入れていない現実があるということが事実だと思うんですね。ありがとうございます。
その上で、ここからは大臣について、今までの答弁を踏まえてお伺いなんですけれども、社会保険のところについて、入りたいという現場からの要望はあるけれども実際にはなかなか完全には入り切れていないという現実があるということでございます。やっぱり、各地方の競馬の主催者、これが全ての場において社会保険の導入、これに努めるように農水省が知恵を出して頑張っていく必要があるのではないかと、このように考えますけれども、大臣の御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/60
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061・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) コヌマ委員の質問があるまで、私も初めて知ったんですけれども……(発言する者あり)済みません。
通常は、雇主がこのいろんな保険なんかについては、従業員といいますか、厩務員の人たちにもちゃんと保険に入るという手続等もやるわけですが、初めて知ったというのは何かといいますと、私は競馬場の主催者が入る入らないというのをやっているのかと思いましたら、調教師の皆さん方の下で入る入らないということをやっているというのを初めてこのレクを受けましたときに分かったんですけれども、そのぐらい競馬については音痴だということがここで分かったんですけれども。
そういった意味でも、先ほど答弁していただきましたように、各種の保険には入っているということでありますが、これはもういわゆる労働、労使の関係によってそこが決まっておりますので、なかなか農水省としても、本来適用されるべき制度に加入していない事実があれば、事実があれば見直さなければならないと、こんなふうに思っております。
ただ、複数の地方競馬主催者では保険料に補助する例もありまして、今現在、八か所のこの競馬主催者の方で補助を二分の一出しているところもあるんですけれども、あとの六か所は補助が出ていないという例も聞いておりますので、このような取組を周知するとともに、地方競馬の経営基盤の強化が厩舎関係者の待遇改善につながるものと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/61
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062・小沼巧
○小沼巧君 おっしゃるとおり、長々と演説するつもりはありませんので、本当に複雑なわけですね。使用者、労使ということが実はこの業界、相当大変な構造になっていると。競馬サークルといっても、本当に大変な構造になっているからこそのゆがみであったりいろんな知恵であったりということが積み重なっているところだと思いますが、好況だ、今だからこそ、そういったことは真剣に考えておくことが必要であろうと。
地方においても、やっぱり全ての競馬事業に従事する者の社会保険の加入といったことは大事だと思いますし、そういったことがもしこの委員会で合意されたら、大臣には、先ほどおっしゃっていただいたような知恵もある、例もありました。そういったことも含めて出していただけますようお願いできればと思っております。
もう一つ、中央競馬について伺ってみたいんですが、これも実際、例えば話を聞いてみますと、いわゆる中央競馬の厩務員については、いわゆる同一労働同一賃金にはなっていないんだというような指摘もなされていると承知しております。
日本中央競馬会に伺いますが、このような指摘に対しての事実関係を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/62
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063・後藤正幸
○参考人(後藤正幸君) お答え申し上げます。
雇用関係で申し上げますと、厩舎従業員は調教師に雇用されております。労働条件や賃金は、日本調教師会と厩舎従業員組合との交渉に基づき定められているところであります。
こうしたことから、私どもJRAといたしましては、厩舎従業員の賃金体系について言及する立場にはございませんが、平成二十三年に、労使合意の下、現在の賃金体系が制定されたものと認識しております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/63
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064・小沼巧
○小沼巧君 賃金体系が要は二つあるということでございます。
おっしゃるとおり、JRAとその競馬サークルの中の様々な関係性をやると、直接ということではないということも理屈として、まあ実際そうなんですけれども、理解はできます。ただ、このような状況でありますので、こういった好況な状況になっているというのは、厩務員それぞれの頑張りに支えられてこの全体が潤っているような状況があると。新しい資本主義の文脈でいうと、いわゆる分配の原資はそれなりにそろってきつつあるという状況だと思います。
だからこそ、もし仮に競馬主催者間とかの間で賃金格差があるということなのであれば、そういった賃金格差の解消といったもの、これを処遇や環境、職場環境が改善されるように努めていくということも大事だと思いますし、それに向けて、処遇改善に向けて農水省としても何らか知恵を出し合っていく、じゃないと担い手もいなくなっちゃうような気もしますんでね。
そういった経営処遇改善を通じて同一労働同一賃金の実現に努めていくべく、農水省としてもこれも知恵を出していく余地があるのではないかなと思いますけれども、大臣についてそこの見解をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/64
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065・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) お答えいたします。
いずれにしましても、我々農林省としましては、競馬の円滑な実施に不可欠な厩舎従業員が持続的に確保できるように、この待遇につきましては注視をしてまいりたいというふうに思っております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/65
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066・小沼巧
○小沼巧君 これもやっぱり、そうですね、よろしくお願いできればと思います。そういった処遇の改善とか、やっぱり賃金格差が解消したということに向けて、その趣旨がこの本委員会でも合意されたらやっぱり頑張っていただきたいと思っております。
地方競馬についてもう一つだけ伺いたいと思います。
これも現場の指摘の一つなんですけれども、いわゆる引き馬手当とか進上金なんかが正しく支払われていないのだというような指摘があるということも承知しております。
地方競馬全国協会に伺いますが、このような指摘に対しての認識をお伺いさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/66
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067・斉藤弘
○参考人(斉藤弘君) お答えいたします。
そのような事実に関しましては、現時点で承知しておりません。ただし、今回こういう御指摘を受けておるところですので、早急に調査をして状況の把握というものに努めたいというふうに思っております。仮にそのような事実が確認された場合には、厳正に対処してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/67
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068・小沼巧
○小沼巧君 調査をして、そうですね、前向きな答弁だと思います。もし調査、もしそんなことがあってしまったら、ちゃんと調査をして是正に向けて取り組むんだということだと思っております。もし本当に完全解決に至っていないんだとすれば、それは完全解決を目指して頑張るべき、農水省が頑張るべきだと思いますが、今の答弁をもって、大臣にもこれも通告していましたけれども、今の答弁をもって、それはもう同じ共通認識だと思いますので、この点については指摘にとどめたいと思います。
ネットの手数料についてもお伺いをさせてください。
売上げが相当伸びているというけれども、このネットの手数料、ネットのシェアが相当伸びているということもあって、売上総利益はすごく高水準になっているんだけれども、販売費がめちゃくちゃ高止まりしちゃって、結果として福利厚生に資するべき一般管理費までトリクルダウンするに至っていないというような指摘もあると承知しております。ネット手数料については、利益のほとんど、これは手数料で支払っちゃうから数字どおりに経営が改善されているわけではないという指摘もあると承知しておりますけれども、この点について農水省から認識をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/68
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069・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
現在、四つの事業者さん、インターネット販売を手掛ける事業者さんが地方競馬の主催者さんから委託を受けて契約をしておりまして、馬券のインターネットの販売を実施しております。
その委託手数料、これ、個々の民間で契約されるものでございますので詳細な金額など承知しているわけではございませんが、その委託手数料でございますけれども、販売金額の約一〇%前後であるというふうに承知をしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/69
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070・小沼巧
○小沼巧君 まあ事実関係としてはそうなんですけれども、質問の趣旨はですよ、売上総利益は飛ぶように高いけれども、販売費が同様に一〇%もあって高い、そもそもの売上げのうち七五%は払戻金で、一〇%がネット手数料で引かれると、手元に残るのは一五%ですよねという話で、それ大丈夫かと、本当に待遇とかの改善とかにもつながっていくのかということでありますし、数字が増えたといって手放しで喜べる状況ではちょっとないよねということが問題意識です。
そのネットの手数料等々も含めてなんですけれども、まあ高過ぎるということを言ってしまうと、それぞれあると思いますが、これが、ネットの手数料が高コストになり過ぎてかさんでしまっていて、実際に営業利益の増加幅と比例していないという現状があるのだとすれば、これを、ネット手数料について、水準について見直していくということも一つの考え方として経営基盤の強化という考え方に資するのではないかと思いますけれども、農水省の見解をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/70
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071・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
このネット販売の委託手数料の水準でございますけれども、これは、地方競馬の主催者、競馬十四あるわけでございますが、その地方競馬の主催者さんが毎年度、四つ事業者あるわけでございますけれども、そういったその販売事業者と個別に交渉をして、いわゆるその民民の契約に基づいて定められるというものでございます。
もちろん、農林水産省としてそういった交渉にもちろん直接介入するようなことはないわけでございますけれども、私ども、競馬の振興を図るという観点からそういった交渉の動向を注視をしていきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/71
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072・小沼巧
○小沼巧君 もう一歩踏み込んでほしいところですね。さっき、逐条解釈のところで相当、円滑な実施についてがんがんやりましたよね。まさにこういったところも円滑な実施として法改正して、これが正しいと主張なさるんであれば、これも農水省がリーダーシップを発揮すべき対象の一部じゃないかと思いますよ。もう一回答弁ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/72
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073・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
私どもも、競馬の主催者さんなどといろいろお話をする中で、このインターネット販売の委託手数料についても話題として議論をさせてきていただいております。競馬の主催者さんには、もちろん、インターネット販売事業者さんの方で委託手数料を下げてほしいというような動きがもちろんございます。現在、一部のインターネット販売事業者におきまして、委託手数料を徐々に引き下げる動きが実際出てきてございます。
農水省といたしましても、このインターネット手数料の水準が競馬の経営改善に資するような委託手数料の水準となるように関係者を促しているところでございまして、引き続きそういった促しに当たりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/73
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074・小沼巧
○小沼巧君 分かりました。それ、分かりました。
順番を入れ替えてしまって、ちょっと先に、前の方に戻りまして、厩務員のところの位置付けについて改めて確認をしておきたいと思います。
端的に農水省の政府参考人に伺うんですけれども、この厩務員というのは競馬サークルの一員であるという見解が前々回の法改正の頃から持続しているだろうと私は理解しておりますが、その理解で合っているのか、位置付けを御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/74
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075・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
厩務員さんでございますけれども、これは競馬を実施する上で欠くことのできない存在でございます。まさに競馬関係者の一員であるというふうに認識をしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/75
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076・小沼巧
○小沼巧君 明確に競馬サークルの一員であるということの答弁がございました。ありがとうございます。
今回の法改正のきっかけになりました、一つのきっかけとなりました例えば笠松の競馬場における不適切事案もありましたけれども、参議院の農水調査室がまとめた資料の四十八ページなんかを見ると、要は賞金とか手当の低さ、これが一因として指摘されているということでもございました。
全体として好況になっている、だからといって浮かれるのではなくて、その陰に隠れてしまいがちなこの厩務員の処遇の改善とかっていうものを今回真剣に考えて法改正に、法改正とそれの実際の運用に当たっていただきたい、このことを切に申し上げまして、質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/76
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077・安江伸夫
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。本日、この農水委員会で初めての質問の機会をいただきました。感謝を申し上げる次第でございます。
早速でございますが、競馬法の一部を改正する法律案について御質問をさせていただきたいと存じます。
まず初めに、競馬場への入場人員を増加させるための取組を強化する必要性について伺います。
地方競馬の経営は、日本経済の状況や、趣味及びレジャーの多様化などの社会状況を背景に、平成三年度以降売上げが低迷し、厳しい状況に陥っておりました。そこで、地方競馬主催者は、競馬法に基づき競馬活性化計画を策定をし、インターネット投票の導入など関係者一丸となった取組の結果、昨年度の売得金は過去最高を記録したものと承知をしております。
その一方で、競馬場への入場人員につきましては、平成十年頃までは一千万人を超えていましたが、その後は減少傾向で推移をし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が本格化する前の令和元年度には三百五万人まで減少、さらに、コロナの感染拡大に伴う無観客開催や入場者数を制限しての開催となった影響から、昨年度は百三十五万人となったと聞いております。
開催競馬場への入場人員を増加させることは、売得金の増加にとどまらず、場内での飲食業や、さらには競馬場の周辺地域、商店街等の地域経済の活性化にも寄与するのではないでしょうか。こうした観点から、入場者数を増加させる取組を進めてはどうかと考えます。
そこで、勝俣副大臣にお伺いをいたしますが、競馬場への入場人員を増加させることの、増加させていくことの意義についての御認識と、中央競馬、地方競馬における入場人員の増加に向けた現在の取組状況及び今後の取組方針についてお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/77
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078・勝俣孝明
○副大臣(勝俣孝明君) ありがとうございます。
競馬場へ直接来場していただくことが競馬に対する理解を醸成する上で大変重要であると考えております。また、競馬場への来場は、競馬の売上げの増加のみならず、競馬場の雇用を確保し、競馬場周辺の商店街ににぎわいをもたらすなど、地域経済の活性化にもつながると考えているところであります。
このため、各競馬主催者においては、地元の農畜産物を販売する施設の併設、また地元グルメの出店や家族向けイベントの実施、地域の観光ツアーの訪問先としての競馬場の活用、女性限定ラウンジの設置や女性限定プレゼント、またウマ娘とのコラボイベントの実施等の来場促進策を実施しているところであります。
各競馬主催者が今後も行政や地域の観光組合など様々な主体と連携しつつ来場促進策を講じることにより、競馬場や地域ににぎわいがもたらされるよう後押しをしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/78
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079・安江伸夫
○安江伸夫君 ありがとうございました。引き続きのお取組をお願いしたいと存じます。
続きまして、地方競馬の関係施設の整備、施設整備に関連してお伺いをいたします。
新たな競馬ファンを獲得をし、競馬場への入場人員を増加させるためには、魅力ある整備、施設の整備が重要と考えております。
地方競馬では、これまでの売上げの低迷に伴う長年にわたる施設投資の抑制により、厩舎やスタンド等の老朽化が進んでいると承知をしております。例えば、前回、平成二十九年の改正時に、この競馬法の改正時におきましては、地方競馬の十四主催者中五主催者で耐震基準が不十分との診断も出ていて、耐震強化の改修等に着手しているという答弁もございました。また、地全協は、令和三年度から厩舎関係者の宿舎なども競馬活性化事業の補助対象に追加をして、施設の整備を通じた強い馬づくりを担う厩務員や騎手の人材育成に取り組んでいると承知をしております。
そこで、地方競馬の関係施設についての老朽化の状況をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/79
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080・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
地方競馬の関係施設の老朽化の状況でございますが、現在、地方競馬においては、耐用年数を超過した施設が数えてみますと六百か所以上、これは全体の七割を超える状況となっております。令和五年度以降の施設整備の需要額が主催者の施設整備に充当可能な基金の残高の合計を大きく上回る水準となっている状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/80
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081・安江伸夫
○安江伸夫君 大変厳しい状況ということを認識を共有させていただきましたが、こうした現状も踏まえまして、今後、長期かつ多額の施設整備費用を計画的に確保する必要性があることから、本改正案では、本年までとなっているJRAからの地全協への資金交付措置を五年間延長するとともに、地全協の畜産振興勘定から競馬活性化勘定への繰入れ措置を恒久化するということで、引き続き地方競馬への支援を行うこととなったということでございます。
そこで御質問でございますが、本改正案に基づいて地方競馬への支援措置を引き続き行うことによって、地方競馬の関係施設の整備に関してはどのような効果がもたらされていることを期待しておるのかを確認させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/81
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082・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
今後、地方競馬の売上げが不透明なこともございますので、委員御指摘のとおり、畜産振興勘定から競馬活性化勘定への資金繰入れ措置の恒久化などを取り組むわけでございます。今五年間の時限措置となっていますので、地方競馬の主催者さんが長期的な見通しを持って施設整備に取り組むことが難しい状況であると考えてございます。
こういった資金繰入れ措置の恒久化などによりまして、現在、耐用年数を超過した施設、先ほど七割を超えると申し上げましたけれども、それを、その割合を四割以下にまで減少させることを目指しているというものでございます。その結果によりまして、働く人たち、厩務員さんですとか競馬関係者の皆さんの職場環境の改善ですとか、あるいは人、あるいは馬の安全性の確保、あるいはその来場者の増加といったような効果を期待しているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/82
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083・安江伸夫
○安江伸夫君 是非、その魅力の向上と関係者、働く人の環境整備という意味でも引き続きのお取組をお願いしたいと思います。
続きまして、女性の厩舎関係者が活躍するための環境整備についてお伺いをいたします。
競馬の騎手は、ほかのスポーツと異なりまして、性別に関係なく同じレースを戦うことも魅力の一つというふうにお伺いをいたしました。中央競馬では、平成二十八年にデビューをした藤田菜七子騎手や今年デビューをした今村聖奈騎手などが人気があって活躍をしているというふうに伺いました。また、地方競馬では、宮下瞳騎手が競馬の発展に大きく貢献をしたとして女性騎手として初めて農林水産大臣賞を受賞し、十月の十四日には通算一千百勝を達成されたとのことで、多くの女性騎手が活躍をされている状況ということでございます。そして、騎手だけではなくて、調教師、厩務員など、厩舎関係者にも女性も増え始めてきているともお伺いをいたしました。
他方で、平成六年、大分の中津競馬場でデビューして御活躍をされた小田部雪さんいわく、当時、騎手用の女性トイレがなかった、女性のための環境整備が十分でないために御苦労されたという経験を語っておられたり、また、中央競馬初の女性騎手である細江純子さん、子育てとこの騎手という仕事の両立が非常に競馬界においても重要な課題であるというふうに指摘をされておられます。
そこで、お尋ねをさせていただきますが、中央競馬及び地方競馬における女性厩舎関係者向けの施設や制度面の現状、また女性厩舎関係者の更なる活躍に向けての環境整備に取り組むべきと考えますが、政府の御所見をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/83
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084・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) 中央競馬、地方競馬共に、委員御指摘のとおり、女性の騎手さんですとか厩務員などの厩舎の関係者が増えてきておりまして、やはり女性が働きやすい環境を整備することが重要な課題と認識してございますけれども、確かに、そう増えてきている中で女性用の施設などが十分かというと必ずしもそうでないというような現状はあるというふうに認識をしてございます。
このため、各競馬主催者でございますけれども、例えば厩舎従業員の寮ですとか騎手の、騎手さんの調整ルーム、そういったところ、あるいは競馬学校ですとか、競馬学校の居住区ですとかそういったところに女性専用のエリアを設けようということですとか、あるいは厩舎地区に女性用の浴場あるいは女性トイレを増設をするというようなことなど、女性の更なる活躍に向けた環境整備に努めているところであると認識をしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/84
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085・安江伸夫
○安江伸夫君 ありがとうございます。
女性の活躍ということは、もう日本国として、国を挙げてやっていかなければいけないというところでもございますので、競馬界がそこに取り残されることがないようにお願いをしたいと思いますし、また、とりわけ当事者の声、女性の騎手や厩舎関係者、女性の当事者の声をしっかりと聞いていただきたいということを御要請申し上げる次第であります。
続きまして、競馬の売上げの増加に向けた取組についてお伺いをいたします。
インターネット投票の増加等で売上げが堅調に推移をしているという状況でございますが、引き続き、適正な範囲で多くの方に競馬に親しんでもらい、売上げを増加させていくための工夫が必要ではないかと考えております。競馬の売上げを引き続き増加させていくためには、従来からのファン層をしっかりとどめ置きながらも、それと同時に新たなファンを開拓をしていく挑戦的な取組も重要ではないかと考えます。
例えば、地方競馬におきましては、ライトなファンや新規参加者をターゲットとした地方競馬の特色の一つである女性騎手を総合的にプロモーションするレディースジョッキー事業を実施しているとお伺いをいたしました。そして、先ほども御紹介いただきましたが、現在、ウマ娘というゲームもはやっているということで、こうしたゲームと連動したプロモーションなども功を奏しているとのことです。あるいは、ファミリー層向けに競馬場内に託児スペースや子供向けの遊具を設置するなど、子供連れにも配慮した取組も行っているということでございます。
ポストコロナ禍にあっても競馬が健全なレジャーとして発展していくためには、競馬の新たな魅力を発信していくなど、活性化に向けた一層の取組強化が求められると考えます。今後、どのような取組を期待しておられるのか、藤木政務官にお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/85
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086・藤木眞也
○大臣政務官(藤木眞也君) ありがとうございます。
競馬の健全な発展を図っていくためには、競馬の魅力を向上させ、発信していく必要があると考えております。このため、例えば、新たなファン開拓に向け、地方競馬の女性騎手が競い合うレディースジョッキーシリーズの開催、また、長年競馬を楽しんでいただいている方などに向け、中央競馬のレース中に参加する全ての馬の位置関係を表示できる新たな映像システムの開発であったりなどを取組を行っております。
また、本法案においては、地方競馬全体での競走体系を構築し、地方競馬の競走馬が勝ち上がっていく過程をファンに提供することができるよう、競馬活性化計画を見直し、地方競馬の主催者の取組を後押しすることとしております。
引き続き、競馬の健全な発展を図るため、また競馬の活性化を図るための取組を後押ししてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/86
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087・安江伸夫
○安江伸夫君 政務官、ありがとうございました。
競馬の魅力を向上させるための取組、これを強化するためのインセンティブを強化していくことも重要ではなかろうかというふうに考えております。
そこで、一つの御提案でございますけれども、協会の業務報告書や事業計画の認可に当たりましては、競馬の魅力向上の取組を積極的に評価をし、そしてそれが予算加算にも反映されるような仕組みを設けてはどうかというふうに考えます。農水省の御所見をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/87
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088・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
地方競馬全国協会の今後の予算あるいは事業計画におきましては、御指摘のとおりでございますけれども、本法案によりまして見直されます競馬活性化計画に基づいて、地方競馬主催者が行う地方競馬の魅力の向上を図る取組を促すために必要な事項が盛り込まれる必要があるというふうに考えてございます。
このような認識に立ちまして、我が省といたしましては、予算や事業計画にこのような事項が盛り込まれているのかをしっかり確認をした上で認可をさせていただきまして、地方競馬全国協会ですとか地方競馬主催者さんの競馬の魅力の向上に向けた取組を促したいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/88
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089・安江伸夫
○安江伸夫君 是非、様々な工夫も講じていただきたいと思います。
次に、ギャンブル等依存症対策についてもお伺いをしておきたいと思います。
本年四月、公営競技におけるインターネット投票の利用が増加するなどの社会状況の変化を踏まえまして、ギャンブル等依存症対策推進基本計画の変更が決定されたものと承知をしております。変更後の基本計画では、公営競技のインターネット投票利用者に対し、より効果的な注意喚起を行うため、投票サイトにおいて購入制限を視覚的に訴えるための新たな表示方法について検討を行い、これを令和六年度までに導入をすることを目指すということになっております。
既に売得金の九割を占めるこのインターネット投票でございますが、やはり競馬場や場外馬券売場を訪れる必要がないことから、場所を問わずいつでも投票することができる反面、お金を使っている実感が乏しいという問題点も指摘されているところです。公営ギャンブルとしての健全性を確保していくためには、このギャンブル依存症対策についてしっかりと行っていただきたいと思います。
そこで、新たな基本計画を踏まえまして、ギャンブル等依存症対策についての今後の取組方針についてお伺いをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/89
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090・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
御指摘のとおり、ギャンブル等依存症は重大な社会問題であるというふうに認識をしてございまして、政府といたしまして、ギャンブル等依存症対策基本法に基づく基本計画によりまして、総合的かつ計画的に取組を進めているところでございます。
これら取組のうち、競馬における取組といたしましては、射幸心をあおらないために広告、宣伝を抑制する、あるいは本人や家族の申告によってネット投票における購入の制限をする、あるいはネット投票の購入限度額の設定をするといったような取組などを着実にこれまでも実施をされてきたところでございます。
また、令和四年三月の閣議決定になります基本計画では、新たな取組といたしまして、近年のインターネット投票の増加へ対応するための、御指摘の投票サイト画面での注意喚起表示の強化といったものが盛り込まれたところでございます。
こういった取組が着実に行われるよう、農林水産省としてもしっかり関係者を指導していきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/90
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091・安江伸夫
○安江伸夫君 競馬に対する国民の信頼を確保するという意味でも、このギャンブル等依存症対策は重要でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
最後に、野村大臣にお伺いをいたします。本改正案を踏まえまして、今後の競馬振興に対する大臣の御決意をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/91
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092・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) ありがとうございます。
お答え申し上げますが、先ほど来御答弁申し上げておりましたように、この競馬をめぐっては、地方競馬の売上金が令和二年度に二十九年ぶりに九千億を超えたといったようなことも御報告させていただきましたけれども、さらに軽種馬生産頭数も五年連続で増加をいたしております。したがいまして、競馬法に基づく地方競馬や馬産地への支援措置の効果が着実に現れていると、こういう認識をいたしております。
また一方では、地方競馬については施設の老朽化のことも先ほど来御答弁申し上げておりますが、今後長期にわたりまして多額の施設整備の費用が必要となるほか、馬産地については軽種馬生産農家が二十年間減少し続けておりますので、多くの経営体に後継者がいない状況であります。また、近年いろんな馬券の不正購入などが発生しておりまして、国民の信頼も揺らぎかねない状況になっております。
したがいまして、このために、地方競馬や馬産地の経営基盤を強化するとともに、国民の信頼を確保するための措置を充実させることとしたものであり、引き続き競馬の振興に尽力したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/92
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093・安江伸夫
○安江伸夫君 大臣、ありがとうございました。
本改正を機に、一層国民の理解を得られる健全なレジャーとして競馬が発展をし、また競馬のこの人気が高まっていくことを期待をしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/93
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094・串田誠一
○串田誠一君 日本維新の会の串田誠一でございます。
冒頭、野村大臣が馬券を購入することがないというような話で、私もそれに近いんですけれども、ただ、出てきたオグリキャップ、私は、大ファンといいますか、いとおしいというか、元気がなくなったときにはもう何度映像を見たことかというようなことでございました。地方競馬から中央競馬に進出して、期待されていないサラブレッドが活躍をし、そして最後の一九九〇年の有馬記念のときにはもう、引退レースということでもうほとんどは期待されない中で優勝したという、そういうことで、私も本当に感激をした人間の一人でございます。そういう意味では、馬券を購入しなくても競馬に関心を持っている人ってたくさんいらっしゃるんじゃないか。
そういう意味では、今日は引退馬について質問させていただきたいと思うんですけれども、まず、この競馬法の改正に関して、引退馬という言葉が入っていないことに対して、私、大変不満なので質問させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/94
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095・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) 本法案でございますけれども、これは、地方競馬への支援措置の拡充と馬産地への支援措置の恒久化、あとは競馬に対する国民の信頼の確保といった措置の充実を図ることを目的とするものでございますので、本法案について、引退馬につきまして規定を設けているものではございません。
ただ、引退競走馬に対する支援について、これはJRAが競馬の健全な発展を図るために必要な業務として実施をしておりますので、日本中央競馬会法の法体系において、JRAの業務の一つとして位置付けられているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/95
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096・串田誠一
○串田誠一君 そこで、基本的なところをお聞きしたいんですけれども、引退馬についての所管というのは農水省でよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/96
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097・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
引退した競走馬の所管でございますが、特に特定の行政機関が全てそれを所管するということであるとは承知をしてございません。例えば動物愛護の法律は環境省の所管でございますが、ただ、現在、農林水産関係では、競馬関係者全体として引退競走馬の状況改善を推し進める観点から、JRAに検討委員会を設置をして、利活用に関する施策の提案を行うとともに、利活用への支援などをしているところでございます。
農林水産省が所管する部分でございますけれども、これは、もちろん競馬の監督あるいは競馬や畜産に対する助成に関する事務を所掌しておりますので、そういった中で引退競走馬に関する事務を実施しているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/97
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098・串田誠一
○串田誠一君 引退馬になった瞬間に競走馬ではなくなって農水省の所管というのが明確にならなくなってしまうのが、これ、私はやはり引退馬に対する支援というものが少し欠けてしまうのではないかなと思います。そういう意味で、競馬法に引退馬ということを明記していただくことによって、引退した後もこれは農水省しっかり責任取っていくんだ、監督していくんだということを私は明示していただきたいということでございます。
先ほどセカンドキャリアの質問もございましたが、セカンドキャリアの後にどうなっているのかという数字的なものの調査をしているのかという質問させていただきましたが、これは行っていないと。やはり、これも引退馬に関する農水省の所管ではなくなってしまっているのではないかというようなことを大変危惧をしているところでございますけれども。
そういう意味で、先ほど動物愛護法の話がありましたが、訓練の中で虐待的な行為を行っているとは、私は競馬関係者の方にも何人かお会いしまして、行われていないようでございますけれども、例えば、犬の場合には癖を直すために殴ったり蹴ったりをするというようなことが行われている人もいるようなことでございまして、大変あってはならないことだと思うんですけれども、私はこれはもう虐待であるというふうに思っています。
二〇一九年に動物愛護法の改正が行われまして、この法定刑が上がったというのは、このような訓練とか体罰というようなことの理由で殴る蹴るというようなものを認めるようなことはあってはならないということで、全会一致で国会で法定刑を上げたというようなことでもございますので、このようなことが捜査関係や司法に関してもしっかりとこの国会の意向というものを酌み取っていただきたいというふうに思いますし、そういうところにまた戻すというのは虐待の幇助というふうにもなっていくことでもありますので、こういうことは許されないようなことを進めていきたいと思っております。
そういう意味で、今日は引退馬ということで質問させていただきますので、それ以外は環境省が所管するところではないかなというふうに思っているんですけれども、この引退馬に対する経済的支援というのはJRAも行われてきたということでございますが、この経済的に支援をすることによって何らかの問題が発生しているという認識を、私、JRAの本部でお聞きをしましたが、どのようなことがあるのか、御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/98
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099・後藤正幸
○参考人(後藤正幸君) お答えいたします。
まず、引退した競走馬への対応につきましてですけれども、我が国の競馬サークル全体で取り組むべきものとして、馬主、厩舎関係者、生産者、中央競馬及び地方競馬、監督官庁である農林水産省の各代表者から成る引退競走馬に関する検討委員会を立ち上げ、定期的に諸施策を検討し、具体的な取組を進めているところであります。
具体的には、引退した競走馬のセカンドキャリアを促進、拡充すること、そして、全てのキャリアを終えた馬、いわゆる養老、余生を過ごす馬をケアすること、この二点を柱といたしております。
今後も、引退馬を取り巻く環境の改善などについて、農林水産省や関係各所と連携しながら様々な取組に、様々な施策に取り組んでいきたいと考えているところであります。
問題点というお尋ねもあったと思います。
今申し上げたような検討委員会の中で調査、審議を行っているんですけれども、そうした中で、少し具体的な支援の内容を申し上げますと、セカンドキャリア促進、例えばホースセラピー活動ですとか教育、観光などへの利活用、あるいは、セカンドキャリアをリタイアした引退馬の養老、余生に関するものとして、引退馬の受入れ団体などへの活動支援、優良な成績を残した引退馬の係養支援などを行っております。
このような取組の中で、日本では馬がいる場所、あるいは馬に関われる人が極めて限られているということから、課題の一つであると認識しているところであります。このため、引退馬のための場所の確保、拡充や、馬に関われる人の育成などにも取り組んでいるところであります。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/99
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100・串田誠一
○串田誠一君 JRA本部のところに行きましたところ、引退馬に関してはJRAも一生懸命取り組んでいるというお話を聞きました。
その中で、かつて引退馬に対して支援金を一頭当たり幾らという、付けるやり方をしたところどういうことが起きたかというと、支援を受けるために馬が次から次へと交代されていって、要するに押し出されていってしまうというような現象、要するに、支援を受ける側としては、新しい馬を、支援を受けるたんびに支援金をもらえるんだけれども、そのためには前にいた馬を押し出していってしまうということが起きてしまって、今言ったような形で、本当の引退馬支援のためには、その経済的支援だけではなくて、場所や人もちゃんと支援していかなければならないというようなお話を伺いました。
是非、この点についても農水省、しっかりと場所や人員の配置というものも考えていただきたいと思うんですが、その一つとして、島根県のあさひ社会復帰促進センターという、これ刑務所なんですけれども、PFIで行われているんですが、そこでは馬による受刑者の更生プログラムが行われているということでございます。
これに対する意義、そして効果、説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/100
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101・小山定明
○政府参考人(小山定明君) お答えいたします。
今委員から御指摘のありましたように、島根あさひ社会復帰促進センターにおきましては、外部団体の協力を得まして、施設内に設けました厩舎や馬場において受刑者が馬の洗体やブラッシング等の世話をするホースプログラムというものを実施してございます。
受刑者は、馬の洗体やブラッシング等の世話を通じまして、人間よりはるかに大きい動物とコミュニケーションを図ることで、力に頼らない他者との関係構築方法を学ぶということができるものと考えてございます。また、受刑者同士が互いに協力し合って一つの命を育てるということで、責任感や協調性を身に付ける効果もあるものと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/101
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102・串田誠一
○串田誠一君 私もそこの島根あさひの視察に行かせていただきましたら、受刑者が本当に一生懸命と世話をしていたわけでございますが、このあさひ社会復帰促進センターというのは極めて珍しい刑務所でございまして、馬以外にも犬もやっているわけですよね。プリズンドッグというのをやっているんですが、犬と馬とを受刑者が世話をするに当たっては、何らかの効果の違い、あるいは意義の違いというのはございますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/102
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103・小山定明
○政府参考人(小山定明君) お答えいたします。
馬を用いたプログラムと犬を用いたプログラム、それはそれぞれ目的が異なりますので、犬と馬の違いについて直ちに比較することは難しいと考えております。
犬を用いたプログラムといたしましては、今御指摘のありましたように、外部団体の協力を得まして、受刑者が生後四か月から一年程度までの盲導犬の候補である子犬、これを、パピーと申しますが、これを育成して、基本的な社会化訓練を実施する盲導犬パピー育成プログラムというものを実施しております。
受刑者は、この飼育期間の平日にパピーを預かることから、責任感が向上したり、非言語的なコミュニケーションを通じまして他人を思いやる心が醸成されたりするものと考えております。また、このパピーを育成することを通じまして、誰かほかの方の役に立っているという気持ちが生まれてまいりまして、受刑者自身の自己肯定感を高めるといったような効果もあるものと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/103
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104・串田誠一
○串田誠一君 今、要するにプリズンドッグというのが世界でも非常に採用されているんですが、その一つのカリキュラムなんだろうと思います。
そして、馬の場合には、やはり、先ほどちょっと答弁にもありましたように、大変動かない、大変馬力もあります。で、ホースコーチングという、そういう馬の利活用もございます。北海道で私視察に行ってまいりましたけれども、ホースコーチングには、大きな日本の有数な企業がそこに従業員を送り出して、そして受講させているというようなこともございます。
どういったところが効果があるかといいますと、中間管理職が部下に対してこれをやれ、あれをやれと言ってもなかなかやってくれないというところに、その中間管理職と部下が一緒に行って、そして、その部下が馬を引こうとすると、もう安易に動くわけですよ、容易に。ところが、その中間管理職が、ずっとがみがみがみがみ言っている人間が引こうとすると、全く動かないと。力ずくでやっても動かないということを学ぶんだそうなんですけどね。
そういったようなホースコーチングというのがこれからは日本でもはやっていくんじゃないかなというふうに思っておりますが、先ほどの受刑者の話もそうですけれども、今まで何か自分が思うことに関して力ずくでやってきたのが、そうではなくて、相手を思いやるようなことで馬というのは動いていくんだということを私は学べるんじゃないかなと思いますから、是非、こういう馬を使った利活用というものを、乗馬だけじゃなくて、そういったようなことも活用していただきたいんですが、こういったような成果、まだ日本でも文献が見当たらないんですが、こういったような成果を、農水省、JRA、これを行っていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/104
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105・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) 馬が持つ、先ほど委員御指摘のような刑務所におけるその効果、あるいはホースコーチングですか、詳しく承知してございませんけれども、そういったことに馬というのはもちろん有効な活躍ができるというふうに考えてございます。いろんな事例について調べてみたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/105
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106・串田誠一
○串田誠一君 その引退馬に対する支援というものを競馬ファンも求めているんだというようなことを千葉にある引退馬協会に行ったときにお話を聞いてきたんですけれども、単勝と複勝を同時に買うと、「がんばれ」という名前の馬券が、「がんばれ馬券」というのが競馬ファンで大変有名で、そこの馬券を購入したときには勝っても換金をしないというようなこともあるそうなんですけれども、そういったようなことに関しては、その引退馬に対してその支援金を回していくということも私考えていいんじゃないかなと思うんですけれども。
ふるさと納税で引退馬に対する支援というものをつくってほしいという声も多いんですが、ふるさと納税の中でそういう動物関係の特定をした納税方式、これは実現できませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/106
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107・池田達雄
○政府参考人(池田達雄君) お答えを申し上げます。
ふるさと納税のこの趣旨というのは、委員もよく御承知のことかと思いますが、この受け入れた寄附金の使途につきましては、総務省が決めることではございませんでして、本制度の趣旨を踏まえて各地方団体において適切に御判断していただくものでございます。一方で、地方団体の間では、クラウドファンディング型のふるさと納税を始めといたしまして、寄附金の使い道をあらかじめ明示いたしまして募集を行う事例が増えております。実際、引退した競走馬の支援のために寄附金を募集している地方団体というのも既にございます。
私どもといたしましては、ふるさと納税を募集する際にあらかじめこの使い道を明確にする取組というのは非常に重要だと考えておりますので、こうした優良事例の横展開など、地方団体の取組を支援してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/107
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108・串田誠一
○串田誠一君 先ほど、引退馬は経済的支援だけではなくて場所と人が必要だという話をさせていただいたんですけれども、是非、地方で、引退馬を受け入れられる場所を確保できる地方自治体って、私たくさんあると思うんですよ。是非、そういうような地方自治体が積極的に引退馬を引き受けるので、ふるさと納税、是非お願いしますというようなことをすれば、かなりの人たちがその納税をして、そして、その引退馬支援につながっていくんではないかなと思いますので、是非こういったような広報活動も、農水省を含めまして、JRAもしていただければなというふうに思います。
次に、引退馬支援をするためには引退馬という馬を専門に扱ってきた人がこれを携わっていくということが私大変大事なんだろうと思うんですけれども、この前、石川県の能登半島で角居勝彦元調教師の行っている引退馬支援の場所に視察に行ってまいりました。そのときにお話を伺ったところ、この調教師は世界的に有名な調教師でして、JRAの賞もたくさん取っているんだけれども、この調教師が引退馬について動物取扱責任者になろうと思ったら、なれないんだと言うんですよ。で、動物取扱責任者の講習に行くと、馬の話は一切なくて犬と猫等の講習しかないんだというようなこともJRAから聞いてきましたけれども、こういう引退馬を支援するという声が国民に非常に多いのであるならば、このある程度経歴、これ二十年やっているんですね、角居さんなんというのは、世界で有名ですから。こういう方は自動的に動物取扱責任者に認めてさしあげて、そして引退馬支援に対して携わってもらいたいと思うんですけれど、この動物取扱責任者の資格要件、説明していただけませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/108
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109・松本啓朗
○政府参考人(松本啓朗君) お答えいたします。
動物取扱責任者でございますが、第一種動物取扱業者が事業所ごとにその業務を適正に実施するために配置しなければならない人員でございます。このため、取り扱う動物の飼養管理について、十分な知識及び技術を習得していることが求められます。
したがいまして、第一種動物取扱業を営もうとする者が、業の登録をその都道府県等に対して申請したときに、その都道府県等におきましては、取り扱う動物の飼養管理について十分な知識及び技術を習得している者を当該責任者に選任しているか否か、これを審査いたします。
例えば、今お話のありましたような乗馬クラブなど、引退馬を活用して馬との触れ合いなどを行おうとする者が、今お話ございました調教師の方を動物取扱責任者として選任し、業の取扱いを申請した場合、当該調教師が馬の飼養管理に関する十分な知識及び技術を有していれば動物取扱責任者として認められることは十分あるところでございます。
また、先生御指摘ございました石川県の事例でございますけれども、私ども石川県に確認をさせていただきました。この角居勝彦氏でございますが、この方が有するJRA調教師免許の内容を石川県において審査をし、動物取扱責任者の選任要件を満たしたものと判断いたしまして、動取業の申請につきまして受け付けて、ちゃんと登録を、これは平成、失礼しました、令和三年十月でありますけれども、登録をされております。
また、研修についての御下問でございますけれども、都道府県が主催して内容も都道府県が企画しておるところでございますが、犬、猫以外の動物に関する内容につきましても、必要に応じて研修に盛り込んで、より充実したものとなるよう技術的助言を努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/109
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110・串田誠一
○串田誠一君 最後に、大臣、今のを聞いている中で、どうか引退馬に関して支援を強化していただきたいんですが、大臣の意向を最後にお聞きできますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/110
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111・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 時間が来ておりますので、簡潔に答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/111
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112・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) はい。
引退馬のセカンドキャリアというのが非常に大事だなと思っておりますのが私の地元にもありまして、そこの場所に行っていろいろお話を聞きましたが、いずれにしても、餌代が物すごく掛かるんだと、経費が掛かるんで、おいそれとその頭数を増やすわけにもいかないと、こんな話をされておりましたが。
今、先ほど、もう手短に申し上げますけれども、予算額で申し上げますと、二十九年には一億九千万の支援だったんですが、令和四年で十二億八千万ということで年々増額をさせていただいておりますので、そういった引退馬の多様な活用も今後いろいろ出てくるのではないかなと、こんなふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/112
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113・串田誠一
○串田誠一君 競馬は馬あってこその競馬ですので、是非、引退馬についての支援、厚くお願いして、終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/113
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114・舟山康江
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。
質問の順番を変えまして、まず畜産振興勘定から競馬活性化勘定への繰入れについてお聞きしたいと思います。
配付いたしました、ちょっとカラーの図を御覧ください。地方競馬全国協会には、ここに書かれている四つの勘定、真ん中に書いてありますこの勘定と、全体を統括する管理勘定、合計五つの勘定があります。それぞれ右側に目的等書いてありますけれども、目的に応じた役割、使途の下に配分が決められていると承知しています。財源は、地方競馬主催者からの交付金とJRAからの交付金であり、特に黄色の部分、一号交付金は使途が限定されていまして、競走馬生産振興勘定と畜産振興勘定に繰り入れられています。まあ、これしか使えないとなっているんですね。
そんな中、喫緊の課題への対応として、勘定間、つまり畜産振興勘定から競馬活性化勘定、時限措置と書いているところですけれども、特例として平成十六年の法改正で創設され、これまで十八年が経過をいたしました。これまでこの繰入れによって何がどう改善したのか、これまでの成果について、地方競馬全国協会からお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/114
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115・斉藤弘
○参考人(斉藤弘君) お答えいたします。
地方競馬は、バブル崩壊後、日本経済の低迷やレジャーの多様化によりまして、平成四年度以降、二十年にわたって売上げが低迷いたしました。平成二十三年度には、平成三年ピーク時の三分の一ぐらいまで売上げが減少いたしまして、残念ながらこの期間に我々の仲間であります競馬場が、十三競馬場が廃止に追い込まれたという状況でございました。また、地方競馬の目的の一つであります畜産振興に関しましても大きく後退するということになっております。
こうした中、平成十六年に、競馬法の改正によりまして一号交付金を競馬事業に活用することが可能となったということから、全主催者、そしてJRAと連携して、馬券のネット販売環境の整備、さらには中央競馬と相互発売の施策に取り組み、この結果によって、平成二十四年度以降、売上げが徐々に回復傾向に向かってきたというところで、令和三年には九千九百億円余という平成三年のピーク時と同様の売上げまで回復してきたというのが現状でございます。このような状況になったのは、まさしく競馬法改正によりまして資金確保の措置を講じていただいたということにあるものでございますので、本当に感謝しているところでございます。
しかしながら、これまで経営が苦しかったときには競馬場の存続ということを中心にやってきましたので、長年にわたって施設整備の先送りをしてきたことから、施設自体が、耐用年数を超過する施設の割合が七割にも達するというような状況ですし、長いものでは築六十年を経過する厩舎も存在するというところで、馬や人の確保、さらには飼養環境、労働環境の観点で大きな課題というふうになっているところでございます。
今回の競馬法改正によりまして、一号交付金の競馬活性化勘定への繰入れが恒久化されるということになれば、長期的な視点に立ってこうした老朽化施設の整備計画をすることが可能となりまして、これによって、より良い環境をつくり、将来にわたって競馬開催を継続し、畜産振興や地方財政への貢献をしていきたいと考えておりますので、地方競馬界としては本案の成果を強く期待しているところでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/115
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116・舟山康江
○舟山康江君 これまでの成果をお聞きしたわけなんですけれども、この措置によって非常に厳しかった経営状況がまあ多少立て直すことができたという成果があったということでありました。
ただ、冒頭に私、説明させていただきましたけれども、やはり、この勘定が分かれているということは、それぞれに使途があって、その使途に応じた使い方をするのはこれ当然だと思います。とりわけ、この一号交付金、畜産振興勘定は、馬の改良増殖その他畜産の振興に資するための事業ということで、やはり基本はここに使うべきだということだと思うんですね。そんな中、目の前の非常に厳しい環境、喫緊の課題への対応として、特例として認められたという経緯があったと私は理解しております。
この資料の裏側を御覧いただきたいと思うんですけれども、前回、五年前、二〇一七年十二月五日衆議院農林水産委員会での生産局長の答弁を抜粋させていただきました。
ここを読ませていただきますと、競馬活性化事業に必要な経費は、本来、使途制限のない二号交付金により行うべきものであるが、主催者の経営改善が緊急に必要とされている事情に鑑み、これを集中的に取り組むための時限措置と答弁をされています。さらに、経営改善が道半ばだから延長。しかし、最後ですけれども、この措置は一時的に必要なものと、時限的、一時的と強調しています。
まさしく使途が限定され、また使途ごとにわざわざ勘定を分けている中、本来は勘定間繰入れは好ましいものではないと私、理解しております。そうである以上、行うにしても時限的に行うべきではないんでしょうか。ですから、これまでも時限を切って、検証してやってきた。やはりそれは、こういった特別な措置というのは恒久化に私なじまないんではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/116
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117・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
地方競馬におきましては、施設の老朽化ということが著しく進行しまして、地方競馬の主催者が今後長期にわたりまして多額の施設整備費用を確保しなければならない状況となっております。特に、耐用年数を超過した施設が六百か所以上あるというような状況でございまして、主催者ごとに施設整備の開始時期ですとか完成時期などこれ様々ですので、地方競馬全体として十年よりも長期にわたって整備していく必要があるというような状況になってございます。
このような競馬活性化事業につきまして、五年よりも長期かつ計画的に措置すべき資金需要が発生しているというような状況の変化を踏まえまして、今回、畜産振興勘定から競馬活性化勘定への資金繰入れ措置を恒久化するというふうにしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/117
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118・舟山康江
○舟山康江君 五年より長期に計画をしなければならないという事情を理解するにしても、でも、だとすれば、五年の時限からもう少し長い十年とか、そういった時限を切るなり、そしてまたそのときが来たときに再度延長するとか、そういった形にしていかないと、恒久というのはずっと続くという印象だと思うんですね。でも、これはあくまでも私、最終的にはどこかで終わりを迎えるべき特例措置だと考えています。
そういう中で、なぜ時限を長くしなかったのか、なぜ恒久化ということにしたのか、もう一度お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/118
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119・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
先ほど申し上げましたとおり、耐用年数を超過した施設が六百か所以上あるということで、それを各主催者さんが順次更新をしていくということになります。
施設整備、これ一気に、もちろん土地が限られていたりしますので一気に全部を建て替えるということは無理ですので、徐々にやっていくということにもなりますし、そうしますと、主催者さんごとに、施設整備をいつ始めるか、あるいはそれがいつ完成するかといった時期も様々でありますので、地方競馬全体として見ますと、十年よりも長期にわたって整備していく必要があるという状況でございまして、その終期をあらかじめ想定することが難しい状況であるというふうに認識をしてございまして、このため、今回、この繰入れ措置につきまして、時限措置ではなくて恒久化しようというものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/119
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120・舟山康江
○舟山康江君 本来、今お話しいただいたような事業というのは、競馬活性化勘定そのものからやるべきだと思うんです。しかも、繰入れの元である畜産振興勘定、その元である一号交付金は、使い道が限定されているんですね。だから、限定された使い道だけれども、目の前の課題に対応するためには時限的にどうしても繰入れが必要だということで、この法律の中で明確に審議をしながら都度都度延長してきたと思うんです。
本来、繰り返しになりますけれども、競馬活性化勘定からやるべきこと、それを時限的に、じゃない、ごめんなさい、恒久的に繰り入れなきゃいけないのであれば、例えば競馬活性化勘定の方を、勘定そのものを増やすとか、そういったことにしていかずに繰入れを恒久というのは、なかなか理解が私できないんですね。
ですので、今言われたような長期の期間を要する事情があるにしても、改めてこれ恒久措置ではないということは明確にすべきだと思うんです。終わり、しっかりと状況を報告しながら措置の見直し、恒久ではないんだと、やはりこういった一定の目的が達成された場合にはこの措置を見直すんだということをやはり明確にするべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょう。やっぱり私、恒久化というのはおかしいと思うんですよね。しっかりと終わりがあるんだということを明言していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/120
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121・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) 舟山委員のおっしゃることも私も理解できます。
ただ、先ほど来説明いたしておりますように、なかなかこの年限を五年間とか区切ってやりますと、施設整備が、先ほど来ずっと話がありますように、七割がもう耐用年数を超えておる。そうすると、十年掛かるものもあるかもしれない、あるいは十五年掛かるものもあるかもしれない。こういった中で、途中で打ち切られるのではないかというのがやっぱりこれは主催者の皆さんの心配事でありますから恒久としたわけでありますが、ただ、舟山委員おっしゃるように、やっぱり御心配の向きがあります。
ですから、今回の法律改正の中で、ちょっと読み上げますが、農林水産大臣は、前項の規定というのが二十三条の四十四でありますが、前項の規定による繰入れが、第二十三条の四十二各号に掲げる業務の遂行に支障がなく、かつ、競馬活性化業務を通じた地方競馬の事業の経営基盤の強化に必要であると認められる場合に限り、認められる場合に限り、同項の承認をするものであるということで、農林水産大臣の承認が必要になったということが、これが大きな特徴でございます。
ですから、そういう意味で、ただ限りなくこの畜産振興勘定からじゃぶじゃぶと競走馬のこの振興勘定の方に行くということも、これは農水大臣の認可がなければ、承認がなければできないというふうにこれは規定しておりますので、御心配の向きもあると思いますけれども、こういった歯止めもしてあるということでございまして、今まではどっちかというと附則で定めていたものをきちっと条文化したと、明確にしたということを御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/121
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122・舟山康江
○舟山康江君 じゃ、改めて確認しますけれども、今回、施設整備に時間が掛かる、長期間を要するということですけれども、その一定の目的を達成した際にはこの措置は終わりにするということも考え得るということでよろしいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/122
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123・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。(発言する者あり)お答えをいたします。
仮に、老朽化した施設の整備が完了をして、地方競馬の経営基盤が十分に強化をされまして、全ての地方競馬の主催者さんが収益金を継続的に分配できるようになって、畜産振興勘定から競馬活性化勘定への資金繰入れが長期にわたり実施されていないというような場合になれば、それはもちろん繰入れ措置の在り方の検討を行うことになるというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/123
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124・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) 舟山委員から大臣、大臣と言われたものですから、まあ、局長では……(発言する者あり)はい。
私の方からもお答えしたいと思いますが、全ての地方競馬主催者が収益金を継続的に分配しておりまして、畜産振興勘定から競馬活性化勘定への資金繰入れが長期にわたり実施されていない場合などには繰入れ措置の在り方の検討も行うと、このことだけはお約束をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/124
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125・舟山康江
○舟山康江君 ありがとうございました。
改めてですけれども、勘定がしっかりと目的に応じて分かれていて、交付金にも使途が決められている、そういう中で、やはり本来的には勘定間の繰入れ、まあ流用ですよね、言葉を換えて言えば、流用は厳に慎むべきだという前提に立ち、やむを得ないから、競馬活性化勘定だけではどうしても喫緊の課題への対応には追い付かないからということで繰入れが行われるということ、この前提に立てば、やっぱり私は、最小限にするべきだと思いますし、ある目的を達成したときにはしっかりと見直し、この措置をやめるということをしていかないといけないんだと思いますし、是非、こういったことに対して、これ法案の、例えば都度都度、期限が来たときに、果たして続けるべきなのかやめるべきなのかという審議があるときには我々国会での議論になりますけれども、恒久化してしまうとそういった議論の場もなくなってしまいますので、何らかの形でしっかりとこの国会にも状況分かるように御報告いただきたいと思っております。よろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/125
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126・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) 御指名ですので、お答えをさせていただきます。
委員御指摘のとおり、この競馬活性化事業への繰入れの金額ですとか繰り入れて行われた事業につきましては、しっかりと私ども検証をしまして、しっかり明らかにしていきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/126
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127・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) 舟山委員の非常に熱心な御質問があるものですから、私の方からも一言お答えさせていただきたいと思います。
まず、五年後をめどに、この競馬活性化事業の取組について、繰入れ金額や事業の内容の妥当性を検証してその結果を公表したいと、こんなふうに思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/127
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128・舟山康江
○舟山康江君 ありがとうございます。
本来の趣旨を踏まえて、是非よろしくお願いいたします。
さて、競馬というのは一歩間違えば刑法で禁止されている富くじと同じような違法行為とも言えるわけですよ。賭博行為とも言えるわけですけれども、競馬法において違法性を阻却されているということだと思います。その背景には、やはり畜産振興という側面とか地方振興という側面があるということで、単なる賭博ではないんだよということになっていると思うんですね。
一方で、今、インターネット投票の導入拡大が続いています。確かに、売上げの増大には貢献し、また収支改善に大きく寄与していると思いますけども、ただ一方で、畜産振興の側面が見えにくくなっているんじゃないのかなという気がするんですね。
競馬場に行って馬を見ながら、ある意味、投票はするけれども、馬を見て、畜産への理解とか動物への理解ということが進むという意味では畜産振興だと思いますけども、これが単にインターネット投票だけで終わってしまうとすれば、畜産振興の側面が見えにくくなっちゃうんじゃないかなって気がするんですね。
まあコロナ禍という事情があるにしても、売得金の九割以上が今ネット投票によるものである現状下、本当に畜産振興に資すると言えるのか、単なる賭博との違いが分かりにくくなっているんじゃないか。ここをしっかりと、畜産振興の側面をもっと見せていかないとなかなか理解が得られにくいんじゃないのかなと思うんですけれども、この辺りいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/128
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129・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
中央競馬でございますけれども、これは、日本中央競馬会法に基づきまして売上げの一部をこれ国庫納付することが定められておりまして、その国庫納付された額の、例えばおおむね四分の三に相当する額は畜産振興に、残り四分の一は社会福祉に充てるということになってございます。令和三年度でございますと、三千四百八十億円が国庫納付されております。それがそういった畜産振興や社会福祉に充てられると。また、地方競馬でございますけれども、これは、売上げの一部が地方競馬全国協会に対する交付金を通じて畜産振興に寄与しているという状況でございます。
中央競馬、地方競馬共に、この売り方にかかわらず、これ売上げが増加いたしますとそういった畜産振興などに充てられる額は増加するということでございますので、そういったことをしっかりと皆さんに御理解をいただけるように取り組んでいきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/129
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130・舟山康江
○舟山康江君 まあその側面も分かるんです。でもそれ、やっぱりまずそれをしっかりとアピールすることも必要だと思いますし、やっぱりネット投票もそれはそれで一つの手法としていいんですけれども、できるだけやっぱり会場に足を運んでいただくとか、そういったことで畜産、また競馬、こういったものに対する理解の増進に努めるべきだと、そんな趣旨で私質問させていただいたんですけれども、是非、大臣、こういったことも必要ではないかと思います。
何かもう時間が来ておりますので残念ながら御答弁いただく時間がないんですけれども、その思いだけは受け取っていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/130
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131・紙智子
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
法案に入る前に、まずJRAで働く労働者の処遇改善についてお聞きします。
二〇二〇年に発生した新型コロナウイルス感染症は、競馬界にも大きな影響を及ぼしました。騎手や調教師始め、競馬関係者はレースを継続するために感染症に万全の対策を講じてきたと思います。しかし、国内での感染拡大の影響を受けて、約七か月半、無観客競馬を実施せざるを得ない状態になったと。無観客競馬の間は、勝馬投票券、いわゆる馬券の窓口での販売業務は休止となって、馬券売場で働く従事員は自宅待機とされ、休業を余儀なくされました。
従事員は、土日の業務がなくなると収入が絶たれます。そこで、労働組合が労使交渉を行って、JRAから雇用の継続とともに賃金の六割の保障を勝ち取るなど、労働組合の果たした役割は大きいというふうに思うんですね。インターネット販売などが普及しても、JRAで働く従事員がいることによって、この競馬場や場外馬券売場、ウインズでお客さんが困ったときなんかは丁寧に対応できるということだと思うんです。
従事員は競馬ファンと競馬をつなぐ重要な役割を果たしているというふうに思うんですけれども、まず最初にJRAの後藤理事長に御認識を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/131
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132・後藤正幸
○参考人(後藤正幸君) お答えいたします。
私どもJRAは、競馬場やウインズに御来場いただいたお客様に、より快適かつ安全に競馬をお楽しみいただくため、ホスピタリティーの向上に努めているところであります。
お客様に満足していただける競馬を提供するために従事員の皆様は必要不可欠な存在であり、雇用の確保を行いつつ、引き続き、JRAは従事員の皆様とともに競馬の開催に取り組んでまいりたいと考えているところであります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/132
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133・紙智子
○紙智子君 ありがとうございます。
JRAの昨年度の事業収益が二年連続して三兆円を超えていると。国庫への納付金は三千四百六十四億円に達しています。これは、JRAで働く労働者や従事員の皆さんの苦労なくしてはなし得ないということだと思います。JRAの売上げは十年連続して増加しているんですけども、これベースアップは十年以上行われていないと聞きました。
今は物価が高騰して、一方で賃金が上がらないことが問題になっております。賃金などの処遇改善を考えるべきではないかと思いますけども、いかがでしょうか。もう一度。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/133
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134・後藤正幸
○参考人(後藤正幸君) お答え申し上げます。
従事員の皆様の賃金や労働条件などにつきましては、毎年、JRAと従事員の労働組合との間で労使交渉を行っており、良好な関係を維持していると理解しております。
労使交渉に当たりましては、JRAの売得金や社会情勢に鑑みて誠実に行っており、今後も十分に意見交換をしながら真摯に対応してまいりたいと考えているところであります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/134
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135・紙智子
○紙智子君 十分に意見交換をしながら真摯に対応するというお答えでした。
JRAの馬券売場で働く皆さんからは、競馬というのは人と馬、そして騎手、調教師、厩務員、厩舎関係者の皆さん、そして馬主と馬産地で働く皆さん、それから運営に関わるJRAの関係者の仲間、人と人とのつながりがあるからこそ感動があるんだというふうに言われます。競馬界もやっぱり様々な人に支えられて今日に至っていると思います。現場で働く人を大切にする経営をしてこそ今後にもつながるものだというふうに思います。
次に、ギャンブル依存症対策についてお聞きします。
前回、二〇一七年の競馬法の改正案の質疑の際に、私は、競馬場や場外馬券場にあるATMクレジットカードを使って借金までして現金化できるサービスというのはこれ速やかにやめるべきじゃないかと求めました。当時の齋藤健農水大臣は、キャッシング機能のある全てのATMを二〇一七年の年度内に廃止するというふうに答弁しました。その後、二〇一八年三月にはクレジットカードによる現金化はできなくなりました。次の課題として、現金を引き出せるATMの撤去が残ったわけです。
ギャンブル等依存症対策推進基本計画では来年度までに全てのATMを撤去するとしているんですけれども、現状はどこまで進んでいるのか、進捗状況をお聞きします。これ大臣にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/135
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136・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) お答え申し上げます。
紙委員から今お話がありました二十九年の十二月九日のこの当委員会で紙委員の質問に対して当時の齋藤大臣が答弁いたしておりまして、そのとおり今行われておりました。
ただ、そのときには、競馬場で七か所、そして場外馬券で四か所、計十一か所だったと思うんですが、これらにつきましては廃止されまして、ただATMが大井競馬場にまだ二台設置されております。このATMについても、計画どおり令和五年度中に全て撤去することといたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/136
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137・紙智子
○紙智子君 ありがとうございます。二〇二三年の三月末には全て撤去されるということですよね。是非、ギャンブル依存症対策というのを着実に進めていただきたいと思います。
次に、競馬法の改正案についてお聞きします。
日本共産党はこれまで、競馬法の改正においては、ギャンブル性を拡大し射幸心をあおるような改正については反対をし、競走馬を育てる馬産地への支援を始め公営競技としての競馬の振興については賛成をしています。
地方競馬はこれまで、売上げの低迷などによって経営難の時代が長く続きました。二〇〇五年の競馬活性化計画に基づいて、各主催者において単年度の収支の改善を図ってきたと思います。その中で十の地方競馬が、赤字経営の長期化や、構成団体から借入れを行ったんだけれども経営改善が見通せずに撤退をしたんですよね。
現在、地方競馬主催者は十四あるわけですけれども、前回改正時の二〇一七年から各主催者の決算状況というのは改善されたんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/137
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138・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
現在の競馬活性化計画ですけれども、これは五年間の計画期間で収支の黒字化を目指す、収支の改善を目的といたしまして、各主催者さん、様々な取組を進めてまいりました。
その結果、収益金を分配している主催者、平成二十八年度には五主催者しかなかったんですけれども、令和三年度には八主催者が収益金を分配できるようになりまして収支の改善が進んできていると、そういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/138
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139・紙智子
○紙智子君 赤字が二主催者あるんですよね、まだね。ですよね。赤字のところまだ二つあるんですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/139
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140・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) 累積赤字を持つところが二ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/140
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141・紙智子
○紙智子君 それで、二〇〇四年の競馬法の改正を受けて事業収支改善計画に取り組んできたと思うんです。それによって各主催者は繰入れができる水準まで一応来てはいるということだと思うんですね。
北海道の帯広のばんえい競馬について、地元の関係者から話を伺いました。ばんえい競馬は、帯広、旭川、岩見沢、北見、この四市の共同開催で行っていたんですけれども、二〇〇六年に累積債務が増大したことから、これ廃止をされたんですね、一旦。それで、その後、二〇〇七年から、やっぱり必要だということで帯広単独開催で復活をして、二〇二一年度は二億七十四万円をばんえい競馬の財政調整基金に積み立てて、帯広市には二千四百五十二万円の分配金が出せるまで収支が改善されてきました。ただ、全十四主催者のうち六主催者は、構成団体である自治体に分配金を出すまでには至っていません。
競馬は、地方財政の改善を図ることを目的にしています。改正案は、競馬活性化計画の目的に合った収支の改善という言葉がこれ今回法文上から消えるわけなんですけど、収支の改善消えるんですけども、今後、経営基盤の強化を図る計画においてこの収支の改善というのはどのように位置付けるのか、大臣の方からお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/141
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142・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) 今回のこの改正の中で、収支改善から経営改善に変わっているじゃないかと、収支改善本当に図られるのかと、まあこういった御指摘だと思うんですけれども、当然この経営改善の中には収支改善というのは包含されておりますので、当然に黒字化を目指していくものであると、こういう認識をいたしております。
したがいまして、何回も申し上げておりますが、老朽化した施設の改善等によって、それだけお客さんにもたくさん入っていただいて、そしてそこでまた収支が改善していくという、いい形での循環になっていくように支援をしていきたいと、こんなふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/142
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143・紙智子
○紙智子君 あれですよね、競馬活性化計画の中に引き続いてこの収支の改善を図ることは明記されるんですよね、計画の中には。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/143
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144・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) 競馬活性化計画でございますけれども、これ、事業の経営基盤の強化ということになりますけれども、もちろん事業収支の改善もその中に盛り込まれるということになろうと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/144
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145・紙智子
○紙智子君 再び赤字経営にしないために事業収支の改善を図ることは必要だと思いますので、そこはしっかりやっていただきたいと。
それから、事業収支の改善に続いて、老朽化した厩舎や厩務員の宿舎の改修が課題になっています。先ほども紹介をした帯広競馬場は、厩舎の改修に今手を着けているんですけどもなかなか進んでいないと。北海道の道営競馬の門別競馬場は施設の改修が競馬法で定める期限内には終わらないというふうに言われているんですよね。
それで、改修費用の支援ということと厩舎や厩務員の宿舎の改修による調教師や厩務員の労働環境の改善というのが急がれていると思うんですけれども、大臣の認識を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/145
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146・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) お答え申し上げます。
今、紙委員からの御質問でありますけれども、厩舎だけではなくて厩舎関係者の住宅なり施設整備についてもやってほしいと、こういうお話だと思うんですが、当然、今回、畜産振興勘定から競馬活性化勘定への資金繰入れ措置を恒久化するということで法案をお願いをしているわけでありますが、それによりまして厩舎関係者の労働環境や住環境の改善が図られますように促してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/146
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147・紙智子
○紙智子君 畜産業界全体が抱える大きな課題の一つに産業獣医師の確保が挙げられているんですよね。それで、競馬界でも、競走馬の健康維持ということや故障への治療を行うために獣医師の確保というのは重要だと思うんです。
JRAにおける産業獣医師を確保するための取組について簡潔に説明いただきたいんですけど、これ、JRAの理事長さんにお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/147
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148・後藤正幸
○参考人(後藤正幸君) お答えいたします。
私どもJRAを始めといたしまして、生産地などの競馬産業に携わる獣医師不足は認識しているところであります。
毎年、獣医学生向けのインターンシッププログラムとして、JRA競走馬総合研究所とJRA日高育成牧場で滞在型の研修を行っているところであります。今年、二二年につきましては、総合研究所の方で二十四名、日高育成牧場の方で十二名が参加しているところです。
馬の獣医師を目指す学生に対しましては、二〇一九年から、日本国際教育支援協会を通じて給付型奨学金を支給しているところであります。また、奨学金受給者には、JRA施設での実習やJRA研究発表会への参加とレポートの提出を課すことで馬への認知度も高めているところであります。今年、二二年につきましては、十三大学から三十四名が受給しているところです。全ての獣医大学におきまして、また本会の業務内容や各種研修を紹介する企業セミナーなども行っているところであります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/148
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149・紙智子
○紙智子君 ありがとうございます。
競走馬に対する産業獣医師の確保は、今お話ありましたけど、JRAの特別振興資金で行われているということだと思うんです。それで、改正案では、地方競馬全国協会の畜産振興勘定から競馬活性化勘定への繰入れが可能な期間を恒久化ということで、さっきもちょっと議論ありまして、議論、私も聞きながら、そこはちょっと同じ気持ちというか、本当に恒久化ということでいいのかというのは思ったわけですけれども。
農水大臣が、この法案上、畜産振興の業務の遂行に支障がない場合に承認するというふうに書いています。畜産振興勘定は原則この畜産の振興を図るために使途が限定されてきたというふうに思うんですけれども、二〇二一年の決算額を見ても、畜産振興事業に十五・五億円で、競馬活性化勘定への繰入額が二十二・四億円って、こっちの方が多くなっていて、七億円多いんですよね。それで、畜産振興勘定から七億円も繰入れするというのであれば、その前に、今、畜産振興勘定を産業獣医師の確保に活用するということもできるんじゃないかというか、そうすべきなんじゃないかというふうに思うんですけども、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/149
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150・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) 今御指摘がございました畜産振興事業では、現在、獣医師を確保するための支援は行っておりませんが、地方競馬場では支援は行っておりませんが、国やJRAの産業獣医師確保に向けた事業との重複を避けつつ、現場のニーズを踏まえて対応を検討したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/150
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151・紙智子
○紙智子君 対応を検討したいというふうに考えているということでよろしいんですよね。
それで、地全協、地方競馬全国協会の理事長さんにもお聞きしたいんですけども、畜産業の全体でこの産業獣医師を増やすというために、畜産振興事業に獣医師確保に向けた支援策を追加してはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/151
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152・斉藤弘
○参考人(斉藤弘君) お答えいたします。
当協会では、畜産振興事業として、これまで、馬の関係の獣医師の対象として、技術検討会とか臨床実習に対する補助という形で獣医師の育成というものを図ってきているところでございます。産業獣医師確保の対策については現在実施していないというのが現状でございます。
先ほどもありましたように、国の施策、JRAの施策というものが何なのかということをしっかり把握しまして、地方競馬としてできるものをこれから現場のニーズを踏まえて検討していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/152
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153・紙智子
○紙智子君 よろしく検討してください。
それで、産業獣医師の確保というのは国も畜産業界も挙げて取り組む差し迫った課題だというふうに思うんです。競馬を行う目的に、畜産の振興に寄与することが挙げられているわけですね。現場の課題である産業獣医師の確保策を強化するように求めておきたいと思います。
最後になりますけども、岐阜県の笠松競馬、二年前に発生した調教師と騎手による馬券の不正購入によって、競馬開催を八か月もの間自粛をしたと。それに関わった騎手や調教師は、免許の停止とか罰金ということになったわけですけれども、繰り返されてきているんですよね、研修やっているけれども。なぜこれ繰り返されているのか、地全協の方にお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/153
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154・斉藤弘
○参考人(斉藤弘君) お答えいたします。
確かに、帯広、笠松競馬におきまして馬券の不正購入等の不正事案というものが発生しております。その背景には、一つとしては、地方競馬全体での公正確保の質の低下というところと、厩舎関係者のモラル、コンプライアンスの意識が低かったというところが挙げられるというふうに思っています。またさらに、笠松の不適切事案に関する報告書という中にも触れられておりますように、厩舎関係者の所得が低い水準だったというところも要因の一つではないかというところが挙げられているというふうに考えてございます。
このため、協会としては、今後、主催者の公正確保に関する取組の支援というものをしっかりしていくというところで、先ほどもありましたけれども、研修の指導だとか、さらには勉強会だとかというところはありますけど、具体的には、例えば調整ルームにおける金属探知器だとか電波遮断装置の設置などハードに対する助成というものを行いながら、有効な取組に関する情報というものを全国主催者で共有するという活動、さらには課題に対する技術的な専門的な助言、研修会の開催というものをやりまして、再発防止というものに努めてまいりたいというふうに思ってございます。
また、競馬活性化計画に基づいて各主催者の経営基盤の改善というものの取組を行うことによりまして、賞金、諸手当の向上を図ることで厩舎関係者の処遇の改善というものにも取り組んでいければというふうに思ってございます。
今回の法改正によりまして、当協会、地全協が、公正確保に関する業務の拡大というものが挙げておりますけれども、それがなされたときには、全国の地方競馬主催者における公正確保の取組を、高位の平準化というものをしっかりと図っていきたいというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/154
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155・紙智子
○紙智子君 ちょっと時間になりましたので。
こういうことを繰り返さないということと、それから、やっぱり言われていた、第三者の報告の中にもあったように、騎手だとか競馬関係者の待遇がやっぱりもっと改善されなきゃいけないということもあると思います。是非、競馬を通じて畜産振興に寄与をして、地方財政の改善を図れるように、またこのギャンブル依存の対策もちゃんと進めるということを最後に繰り返し申し上げまして、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/155
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156・須藤元気
○須藤元気君 よろしくお願いします。うま年生まれの須藤元気です。
さて、私の地元でもある錦糸町にはJRAの場外馬券場があります。当時の錦糸町辺りは結構なカオスでして、道路で酒飲んで寝ているおやじが当たり前のようにいました。あと、予想屋という人がいまして、道端にいまして、レースの予想を、小さな紙切れを百円で売っているんですが、それを買った人が、見た後にそこら辺にポイ捨てをするんですけれども、子供の頃はそれを拾って新聞を見ながら友達と予想をしておりました。もちろん、子供ですから馬券は買えませんが、勝手に予想をして、そこで勘を鍛えたおかげで、今こうやって勝負強い男になれました。ありがとうございます。
そんな競馬ですが、当時のイメージががらっと変わり、若者のファンも増えて、大変すばらしいことだと思います。
さて、そんな競馬の馬の生産農家戸数の推移を見ますと、減少傾向で推移しており、特に小規模農家の減少が進んでおります。そこで、生産農家の経営基盤を強化することは、馬の安定的な生産、供給にもつながり、競馬活性化計画で掲げる強い馬づくりにも寄与することになると思います。
今回の法改正案により馬産地への支援措置が恒久化された場合、地方競馬全国協会としてどのような支援を行っていく方針か、あわせて、恒久化により期待される効果について、政府の見解を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/156
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157・斉藤弘
○参考人(斉藤弘君) お答えいたします。
当協会では、当協会の一号交付金とJRAからの交付金を原資といたしまして、これまで、時限的措置でございますけれども、競走馬生産事業を実施して馬産地への支援というものを行ってきたというところでございます。将来にわたって我が国の競馬産業を安定的に発展させていくためには、今後とも、特に生産頭数の約半数を占める中小規模農家にスポットを当てた競走馬生産振興というものが不可欠だというふうに思っているところでございます。
馬産地の支援につきましては、これまでも担い手の確保、育成と、さらには、放牧地、採草地の整備などを実施してきたところでございますけれども、今回法改正によりまして事業の恒久化が図られれば、これまで以上に長期的視点に立って計画的に馬産地の振興施策を図ることが可能になるというふうに思っていますので、馬産地の要望にしっかりと耳を傾けて、国、JRA、日本軽種馬協会とともに十分に連携をして、後方的な支援というものを行っていきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/157
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158・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
競走馬生産でございますが、今、地方競馬全国協会理事長から答弁ありましたとおり、これまでそういった馬産地の支援などをしっかりやってきたところでございまして、生産頭数は増加しましたが、委員御指摘のとおり、農家戸数は減少し続けているという状況にございますし、経営体の中にやはり後継者のいないところが多いという状況にございます。
委員から、政府の、効果についての見解を御質問いただきましたけれども、今回、資金交付措置を恒久化することで、今理事長からも答弁ございましたとおり、馬産地への生産振興のための財源を恒久的に確保をして、中長期的に立って対策を行うことが可能になるということだと思いますので、今後、新規就農ですとか円滑な事業承継といったような担い手対策などを拡充するなど、引き続き現場の声を伺いながら、軽種馬経営の体質強化あるいは強い馬づくりといった取組を支援をいたしまして、馬産地の生産基盤の強化に当たりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/158
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159・須藤元気
○須藤元気君 地方競馬といえば、大臣も若林議員もおっしゃっていたオグリキャップでしょうか。最後の方のレースでは余り勝てなくなり、オグリキャップの時代は終わったと誰もが思っていたところ、武豊騎手とともに引退レースの有馬記念で奇跡を起こし優勝。とても感動いたしました。
あと、皆さん覚えていますかね。オグリキャップのあの小さな縫いぐるみ。あれ、はやりましたよね。僕も、ゲームセンターでオグリキャップの小さな縫いぐるみ取るのに何千円もつぎ込んだのを今でも覚えています。
さて、次の質問に入ります。
馬の寿命は約二十年、中には三十年生きる馬もいるとお聞きします。馬は長生きですが、競走馬としての活動期間は短く、競馬界では毎年七千頭の子馬が競走馬として生まれていますが、生まれた競走馬の多くは、活躍できなくなる四歳以降になると殺処分の対象となってしまいます。
実は、うちのおやじも競馬をよくやっていまして、僕が子供の頃に、おい、元気、見てみろ、ゲンキクンという馬がいるぞと言って教えてくれました。おやじはゲンキクンがレースに出るたんびに馬券を買ってくれたんですが、全然勝てなくて、ゲンキクンは弱いなといつもつぶやいておりました。そして、ある日、ゲンキクンが全然レースに出なくなり、おやじに聞いたところ、ゲンキクンはもうソーセージになっちゃったよと言いまして、まるで自分がソーセージになったようでショックを受けたのを覚えております。
そこでお伺いします。
先ほど、串田議員が既にこの馬のセカンドキャリアであったり引退した競走馬に対してのお話、本当にたくさんしていただきましたが、あえて私も聞かせていただきます。
この引退した競走馬に対する活躍の場、もっとあると思うんですけれども、現在どのようなものがあって、そしてどれくらいあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/159
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160・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
令和三年でございますけれども、中央競馬、そして地方競馬から登録抹消される競走馬の頭数が一万二百四十九頭でございまして、そのうち三千八百八十頭が中央競馬又は地方競馬に移籍をするということで再登録になります。その差の六千三百六十九頭が競走馬を引退したというふうに考えられます。このうち、繁殖用に回るのが、回ったのが千二百頭、乗用、乗馬用に回ったのが二千五百八頭というふうになっております。
乗馬用の馬がどのように過ごしたというか、セカンドキャリアごとにどれぐらい頭数がいるかというのは把握をしてございませんけれども、ホースセラピー、あるいは観光資源、教育現場、馬術競技、そういったところで活躍をされているということだと認識をしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/160
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161・須藤元気
○須藤元気君 それでは、政府の今後の取組方針をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/161
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162・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
現在、JRAにおきまして、競馬関係者全体として引退競走馬の状況改善を推し進めるといった観点から、引退競走馬に関する検討委員会というのを設けまして、引退競走馬の利活用に関する施策の提案などを行っているということと、それとともに利活用に資する取組の支援をしてございます。
具体的には、乗馬施設などが行うホースセラピーに利活用するという取組に費用が掛かりますので、ヨウケイ費用あるいは施設の補修、補改修といったようなところへの支援ですとか、あるいは、養老馬、余生といいますか、養老馬のこれもヨウケイを行う牧場、あるいは引退競走馬の受入先の調整といったようなものを行う団体さんに対する奨励金の交付ですとか、あるいは、競走馬を乗用馬に転用するためにはゆっくり歩くというような形のリトレーニングが必要ですが、そういったリトレーニング技術を磨くための講習会の開催経費ですとか、あるいは、引退競走馬を対象に競技会、対象として競技会での賞金への助成といったものをしてございます。
これは予算額かなり伸ばしてきておりまして、平成二十九年には一億九千万円でございましたけれども、令和四年には十二億八千万円に拡充をしてきてございます。
農水省といたしましては、今後とも、引退競走馬の多様な利活用が図られるように、こういった引退競走馬に関する検討委員会の下での取組を後押しをしていきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/162
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163・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。是非しっかりと取り組んでいただき、このゲンキクンがソーセージになってしまった悲しい思い出を解消してください。
さて、次の質問ですが、海外では、一レース中のむちの使用回数をトータルの回数で制限を掛けている国があります。聞くところによると、イギリスでは一レースにおけるむちの回数制限は七回、フランスでは五回、違反すると騎乗停止の処分が下され、むちの使用ルールが厳しいことが分かります。
それに対して日本では、一レースの中で連続十回を超える使用があると制裁対象です。ここで言う連続使用の定義は二完歩以内となっていて、二完歩以上の間隔を空ければむちの連続使用回数はリセットされます。つまり、日本のルールではトータルでのむちの回数に制限がないことになってしまい、結果的にむち使用の制限にはなりません。
むちの回数を制限してもレース自体には問題ないと思いますが、ルールの見直しなど検討しているのか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/163
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164・後藤正幸
○参考人(後藤正幸君) お答えいたします。
レース中のむちの使用につきましては、動物愛護と競走の安全確保の観点から、競馬に関する国際会議において使用方法に関するガイドラインを作成し、これを各国が批准して運用しているところであります。
JRAにおきましても、二〇一一年から、この国際的なガイドラインに基づきましてむちの使用に関する禁止事項を定め、騎手に対して適宜指導を実施するとともに、違反した者には処分を科しているところであります。
近年、動物愛護の考え方がより重要視される中、国際的にむちの使用制限は強化される傾向にあります。これを踏まえて、JRAといたしましても、来年一月から使用回数をより制限するなど、むちの使用に関してルールの厳格化を図る予定であります。
これからも、騎手に対してむちの使用について継続的に指導を行っていくとともに、国際会議などの議論を踏まえながらルールの変更について検討してまいりたいと考えているところであります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/164
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165・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。とてもうれしく思います。来年一月から変わっていくということで、是非この国際基準に合わせていただければと思います。よく格闘技の道場にもむち置いてあったりするんですけど、結構痛いんですよね。あれ十回連続でと思うと、本当、ちょっと勘弁してほしいなと思うので、是非よろしくお願いいたします。
さて、次は熱中症のリスクについてお聞きします。
昔、少年サンデーで「じゃじゃ馬グルーミン★UP!」という漫画がありました。主人公が北海道でバイクで旅をして、そこで馬の農家と関わることになり、日本一の競走馬の育成を目指す物語です。私は北海道に住んだこともありますが、この漫画の影響も少しあります。
その北海道ならこの熱中症のリスク、そこまで高くはないと思うんですが、ほかの都府県ではリスクがあります。二〇一九年に地方競馬で重賞を二度勝利したウインムートが熱中症の症状になり、安楽死の処置がとられる悲しい事故もありました。今後も炎天下でのレースが行われる中、熱中症対策を進めることは、競走馬がレースで本来の実力を発揮し、公正な競走を確保するために加え、アニマルウエルフェアの観点からも重要であると考えます。
二〇一七年夏に、競走馬の熱中症対策の一つとして、小倉競馬場のパドックにミストが設置されました。その後、ミストは全国の競馬場に広がり、現在パドックに設置されているのは六競馬場、装鞍所に設置されているのは五か所、馬場の待避所では本州以南の八競馬全てに設置されているとのことです。
そこで、お尋ねいたします。競走馬の熱中症対策の必要性に対する認識と、その取組状況について教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/165
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166・後藤正幸
○参考人(後藤正幸君) お答えいたします。
夏の間の競馬開催期間中における暑熱対策につきましては、私どもJRAといたしましても重要な課題として強く認識しております。また、これまでも様々な対策を講じてきたところであります。
具体的に申し上げますと、夏の間の暑熱対策期間においてパドックの周回期間を短縮するなどの対策を講じ、炎天下での運動時間を短縮しております。また、設備面では、今委員からも御指摘がありましたが、パドック、あるいは馬場内の待避所、装鞍所などにミストを設置するほか、馬房にエアコンや馬体冷却シャワーの設置などを随時進めているところであります。
これからも、気候の変動を注視しつつ、更なる対策が必要か検討していきたいと考えているところであります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/166
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167・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。
レース後に競走馬の体温を下げるため、従来は厩務員が競走馬を引く間に別の厩務員がバケツなどを使用してクールダウンさせる方法を取っていました。そこで、馬用シャワーがあれば馬を引く一名でクールダウンさせることが可能になり、厩務員の負担軽減にもつながることが期待されております。馬用シャワーの設備を促進することも含め、競走馬の熱中症対策を強化する必要性について、政府の見解について教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/167
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168・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
夏の競馬におけます熱中症対策ですけれども、これ、競走馬のストレス軽減、安全の観点から重要なことだというふうに認識をしてございます。
先ほど理事長から答弁ございましたとおり、競馬の主催者は、委員御指摘のミスト、パドックや装鞍所のミストですとか、今御指摘のあった出走後のシャワー施設、そういったものの設置のほか、夏の開催時にはパドックや装鞍所に滞在時間を短くするですとか、装鞍所に日よけのための屋根ですとかサンシェードを設置をするといったようなことに取り組んでおりますので、我が省と、政府といたしましても、こうした熱中症対策の取組を促していきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/168
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169・須藤元気
○須藤元気君 人でもこの熱中症対策というのはやはりしっかり取り組んでいます。馬は毛があってより熱をこもりやすいですから、やはり人以上にこの熱中症対策というものを意識してやっていただきたいと思います。
この競馬法改正でこの日本の競馬界が発展し、そして海外に誇れるようなものになることを期待しております。私も政界のハルウララ状態ですけれども、いつかはオグリキャップになれるように頑張りたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/169
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170・寺田静
○寺田静君 無所属の寺田と申します。本日もよろしくお願いいたします。
法案の質問に入る前に、前回の質疑のところから一つお伺いをしたいんですけれども、農業における女性活躍の質問の際に、最後のところの大臣の御答弁で、大臣の農協時代の御経験を披露される中で、女性に役員に入ってくれと頼んでも女性が尻込みをされるんだということをおっしゃっておられました。
私、ここを政策秘書から詰めが甘いと怒られたんですけれども、逆の立場だったらと考えてほしいと。ほとんどが女性が占める中で、もし声を上げて、男のくせに何を言っているんだという目で見られる環境で、大臣はその組織に尻込みをしないでいられるのかと。不合理で理不尽な思いをするということが分かっている中で、あえてそこの役員に入らなくてもいいという判断をするという気持ちが理解できるのではないでしょうかということでした。どうか、その尻込みをする女性ではなくて、尻込みをさせる組織の方に問題があるということを認識して改革に取り組んでいただきたいというふうに思います。
例えばですけれども、一人の女性に声を掛けるのではなくて、三人の女性に同時に声を掛けて、そしたら、一緒ならといって承諾をしてくれる方があるかもしれないと。これは消防団の話でしたけれども、消防団に入った女性の話では、現職の消防団員の男性から、うちの妻も一緒にやるから一緒にやってくれないかというふうに声を掛けられて、それではということで、女性二人、同時に入れるんではということでチャレンジをしてみることにしたというふうに聞かせていただきました。
また、責任が伴うのでやりたがらないというニュアンスもありましたけれども、それは場数を踏んでいないだけであるというふうに考えます。女性にも若いうちから場数を踏ませるということをさせていただきたいというふうに思うんです。
同じ年の男女がいたときに、男性は五つの部署を経験してきたけれども、女性は二つしか経験がなくて、そのうち大半が窓口であったから昇進する条件が整っていないということが市役所などでもあるというふうに聞いております。
そしてまた、このコロナ禍の中で、飛行機に乗っているとスーツの男性ばっかりだったということも私も目にしてきました。また、今の時期、霞が関と永田町を歩いておられる陳情団の皆さんを見ていてもそうですけれども、出張するのはまだ圧倒的に男性が多いという実情があると思います。子供がいるから出張は無理だろうとか、そういう勝手に判断をしないで、どうにかして行けないかと何度でも声を掛けていただきたいというふうに思います。こういうことをして初めて場数を女性に踏ませることができるんだというふうに思います。
通告をしていないんですけれども、前回の更問いですので、大臣、一言いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/170
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171・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) 先般の委員会で寺田委員からそういう御質問があったときに、私は実体験の中で回答をしたというふうに思っておりますが、やはり当初、女性を役員に登用するというのは、これは国の方針として出てまいりました。しかしながら、それで進めようとしたんですけれども、なかなか引受手がない。いろんな方というよりも、JAの場合は女性部というのがありまして、女性の皆さん方が集っておられる会合でありますけれども、組織でありますけれども、その皆さん方に話しかけて、そしてその中から誰か出してもらえませんかということも申し上げるんですけれども、なかなか承諾をいただけなかった。
それは、一つの理由として、大きな理由として、男社会というのがJAの役員の構成でありましたからそれもあったんでしょうけども、もう一つ大きいのは、役員の責任というのが、これは農協法上あります。ですから、善管注意義務違反で責任を問われると、そういうことにはもう絶対なりたくないということで、女性の方々が御主人と相談してもそんなの引き受けるなというようなこともありまして、なかなかなり手がなかった。
だけども、今は女性枠という形で女性の方々の役員が誕生するようになって、ただ、農業委員さんよりは少ないんですけども、徐々に増えていることだけは事実でありますから、何もその突っ込みが足らなかったということじゃなくて、そういう実態があるということを秘書さんに言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/171
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172・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。丁寧に御答弁をいただきまして感謝しております。
女性部とか婦人部って確かにあると思うんですけれども、それは一方では女性の確かにエンパワーメントにつながるのかもしれないですけど、別の見方としては、そうやって女性を寄せている、本体からは寄せているという見方もできると思うんです。それをマージナライズドされているなどと海外では言いますけれども、こうしたことも、その本体にどんどん女性を入れていくということを進めていただきたいというふうにお話し申し上げて、この件について終わりにしたいと思います。
競馬法ですけれども、用意していた質問がほとんど出尽くしてしまったということもありますけれども、何点かこの部分はというところを聞かせて、飛ばしながらですけれども、聞かせていただきたいというふうに思います。
一点、地方競馬の売上げのところでございます。
地方競馬の売上げは、二〇一一年以降に回復をして、令和三年度には過去最高になっていたというふうなことですけれども、累積赤字を抱えていたり単年度収支が赤字の競馬場も依然としてあって、地方競馬の中でも格差が生じているということですけれども、その原因というものをどのように分析されているかということを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/172
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173・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。
競馬活性化事業などの取組によりまして、売上げ、二年連続で合計九千億円を超えるということで、地方競馬、堅調な状況がございますけれども、このような中で、地方競馬の競馬場間、競馬場を見渡しますと、競馬場間でやはり収支に差が見られるというような状況にございます。
これはやはり、過去に多額の借入金を抱えまして、返済を優先しなければならない主催者があるですとか、あるいは、例えばインターネット投票というものが進みまして、地域間の格差、立地の格差を埋めるツールが普及をしてきたと、そういった普及を見据えて、例えばナイター競馬を早期に開始するというような創意工夫に効果的に取り組めたかというようなことが競馬場間の差につながってきているというようなことがあろうかというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/173
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174・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
先ほど、副大臣の方からも詳細にどういうふうにしてこれから支援をしていくのかというところは教えていただきましたので、この部分は割愛をさせていただきたいというふうに思います。
競馬場に関してですけれども、先ほど、午前中、若林委員の方から学生時代からというふうなお話もありましたけれども、済みません、通告していないんですけれども、一点、馬券を買うのは学生は駄目だったということでよかったでしょうか。一応確認でございます。済みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/174
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175・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) 年齢制限ございますけれども、学生だから駄目ということにはなってございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/175
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176・寺田静
○寺田静君 済みません、私の知識が古かったようで、失礼いたしました。
私も、二十代の頃に初めて友人と連れ立って大井競馬場に行ったのが初めてだったかなというふうに記憶をしています。行く前はどこか怖い、賭博というイメージがあって、ただ、実際に行ってみると、デートしている若いカップルがたくさんいたりとか、ポニーに乗れるからといって家族連れも多かったりとか、トゥインクルレースでという時期でしたけれども、すごくいい季節で、風に吹かれて馬が走るのを見ているのはすごく心地いいなと、東京にこういうところがあるんだなという思いをしたのが初めての経験でした。まだ連れていったことはないんですけれども、息子も連れていきたいなというふうに思うこともあります。
ただ、やっぱり引っかかりがあるのも事実で、そこは先ほど来何度も質問出ております引退した後の馬のことです。SDGsの観点のところから、この引退馬のところ、つくる責任、使う責任という観点からも、この引退した後の馬たちがどうなるかというところをしっかりと関心を持って見詰めていきたいと私自身も思います。どうしてかというと、やっぱり人間が楽しむために走らせて見せ物にして、その後、利用価値がなくなったら殺処分ということは、もし息子を競馬場に連れていったときに説明ができないからだというふうに私自身は感じています。
この今回の法案ですけれども、例えばですけれども、この引退した馬が寿命を全うできるように払戻金の一部を活用するなどということは検討されなかったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/176
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177・渡邉洋一
○政府参考人(渡邉洋一君) 委員にお答えをいたします。
払戻金というのは、馬券を買った方で、その馬券に勝った方に払い戻されるお金ということだろうと思いますけれども、払戻金はもちろん馬券買って勝った方に帰属しますので、その活用というのは特に政府において検討した経緯はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/177
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178・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
今後は、その一部を引退した馬のことに使うなどということを検討されても私自身はいいのかなと思います。それであれば、何となく、馬券を買う立場でも、そういうところにも配慮があるんだということが、思いがあって、何となく罪悪感がそがれるところもあるのかなというふうに私自身は感じます。
るるこの質疑を聞いておりますと、やっぱりこのアニマルウエルフェア、動物愛護のところに覚醒度が低いんだなということをまだまだ感じております。私自身、この委員会の所管ではありませんけれども、子供の人権とか障害者の権利とか入管の問題といったときに関心を持って見詰めておりますと、まだまだ人間の権利すら守られていないような実情もあるのだから、いわんや動物をやというところがあるのかなというところも感じて、すごく残念な思いがいたします。
息子に説明できるような状況になるように私も努力をしていきたいと思うんですけれども、ここで、競馬法に関して用意していた質問はほとんど重複してしまったということで、動物つながりというわけではないですけれども、大臣が所信で述べられていたジビエの利活用についてお伺いをしたいというふうに思います。
所信でもジビエの利活用述べられていましたけれども、現時点で検討されているようなことがあれば、お話しできる範囲で教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/178
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179・青山豊久
○政府参考人(青山豊久君) お答えいたします。
先般の大臣所信においては、活力ある農山漁村を次の世代に継承していくための一つの方策としましてジビエの利活用を示したところでございます。これ、農業者が苦労して育ててきた作物を野生鳥獣に収穫前に一夜にして食べられてしまうということは大変ショックなことでございます。被害を引き起こす野生鳥獣を捕獲しジビエとして利活用することは、鳥獣害の被害の軽減と地域資源となるという点で大変重要な取組でございます。このため、ジビエ処理加工施設の整備や商品開発、販路開拓等の支援、ジビエに関する情報発信等の取組を行ってきましたが、今後はさらに、捕獲鳥獣の施設への搬入促進や需要の喚起が重要と考えております。
こうしたことから、令和四年度の第二次補正予算においては、広域搬入体制の展開に向けたモデル整備やジビエを取り扱う飲食店の拡大の支援を位置付けていく方針としているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/179
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180・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
この利活用のお話がありましたので、私も地元の猟友会の若手の方にお話を聞いてみました。猟友会の出動要請があって、わなの設置に所要二時間掛かったと、日当は五百円でしたと。はっきり言ってガソリン代にもならなくて、また、食肉処理は二時間以内にしなければいけないというルールがあって、肉も売れなくて活用できないと、せいぜい家族と仲間内で消費するしかないということでは誰も行かないんだよなということを言われました。
この食肉処理は二時間以内というルールについて調べてみたんですけれども、これは厚生労働省の野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針、ガイドラインの中で、野生鳥獣の運搬時における取扱いに、狩猟個体は速やかに食肉処理施設に搬入することという決まりがありまして、趣旨は、内臓が腐敗して熱を出すので衛生上速やかな方がいいからということでこのような取決めがありますけれども、ただ、国として二時間というふうに一律に時間を定めてはいないということも分かりました。
ただ、これを受けて自治体の方で具体的に定めているところがあって、定めているところでは、長くて二時間、季節によって、また三重県のようなところは、夏場六十分、冬に九十分というふうに定めているようでした。私の地元のことで恐縮ですけれども、秋田県自体は定めていなかったんですけれども、ただ、猟友会の方などに聞くと、やっぱり地元の共通事項、共通の了解事項としてやはり二時間以内ということがあるというふうに聞いております。ここを変えないと、なかなかこのジビエの利活用が進んでいかないのかなというふうに私自身思うんです。
この広域搬入の、いろいろな加工場の整備とかありましたけれども、こういうことをしていくことでこの利用拡大というのは進むというふうに考えていいでしょうか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/180
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181・青山豊久
○政府参考人(青山豊久君) お答えいたします。
ジビエの利活用を図っていく上では、安全なジビエを供給するということも必要なんですけれども、捕獲から処理、加工、それから消費に至る様々な取組が求められてまいります。そういった意味で、今おっしゃられましたような処理加工施設へいかに搬入していくかというのは重要な点だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/181
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182・寺田静
○寺田静君 恐れ入ります。通告、ちょっとしておりませんでしたけれども、この二時間ルール、この速やかにというような辺りも厚労省と協議をするということも含めて検討しておられるということでいいでしょうか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/182
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183・青山豊久
○政府参考人(青山豊久君) お答えいたします。
私どももしっかりと、食品衛生を所管する厚労省でございますとか、そのほか関係省庁と協議をしながら進めていくこととしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/183
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184・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
いろいろ調べていきますと、鳥獣被害というところでは農水省ですけれども、この食肉の活用というところでは今度厚労省になって、また熊の人的被害みたいなところになると今度環境省になるとか、様々省庁が横断しておりまして、なかなか進んでこなかったかなという思いがあります。
こういう省庁横断の課題、どこが主導的にやっていくのが望ましいのかということを、もし、大臣からお答えをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/184
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185・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) お答え申し上げます。
今、どこが主体的に取り組んでいくのかということの御質問だと思いますが、その被害に遭っているのは農作物でありますから、当然これは農水省だと思います。
それで、今まで農水省の方でもこの、まあジビエというよりも鳥獣害被害対策という視点から取り組んできておりまして、それに付随して、ただ、イノシシ、特にイノシシ、鹿なんですけれども、ただ駆逐すればいいのかということだけではなくて、これを何か活用できないか。そうしましたらジビエというのがありまして、特に長野のジビエの全国の会長さんがそういったようなことで我々の会合の中にも出てきていただきまして、ジビエを改めて我々も認識をしたと。
そして、トヨタ、まあ名前言っちゃったけれども、自動車会社の方でも、キッチンカー、ジビエ専用のキッチンカーを造っていただきまして、そうでないと、今、さっき時間の問題をおっしゃいましたが、山奥から運び出してまたジビエ処理場に持ってくるのは時間が掛かるものですから、キッチンカーで処理できないかということで車の開発もしていただいたようなことでありまして、そこまでいろんなことを今までやってきたんですが、要は、どこが主催、主かとなりますと、農水省が主体になって、環境省、それから厚労省にもお願いをしていると、連携しながらやっているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/185
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186・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。是非よろしくお願いしたいと思います。
ちなみに、県で、地域によってかなり、どの野生鳥獣による被害が多いのかということはばらつきがあるようですけれども、秋田県、実は合計被害額の三分の一を熊が占めていて一番多いんです。ですので、どうかこの熊のことも視野に入れていただいて対策を進めていただきたいというふうに思います。
最後、残り時間少なくなりましたけれども、一点だけちょっと、時期が来ているものがあって聞かせていただきたいと思います。プラスチックの被膜、被覆肥料のことについてでございます。
農業で使われる被覆肥料のことを少し先日も頭出しをさせていただきましたけれども、プラスチックでコーティングされているこの肥料、一度まけばじわじわとしみ出すので何度もまく手間がないということで、一発という通称で呼ばれているこの被膜肥料、対策は、被覆肥料ですね、対策は進んでいるということなんですけれども、一つだけお伺いしたいのが、令和四年度、プラスチックを使用した被覆肥料の実態調査委託事業が七月に公募をされる予定でありましたけれども、十一月になった今でも公募が開始されていないということで。
事前にお伺いしたところでは、肥料の高騰対策などで忙殺されていて追い付いていないというようなお話も聞いておりましたけれども、調査自体を三月末までに終えなければいけないということで、このままではもう今年は無理だということになるのではないかと環境問題に関心の高い方たちや環境配慮をした農業をしたいという方たちから心配する声も上がっておりますけれども、いつ公募を開始されるのか、端的にお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/186
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187・平形雄策
○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。
委員御指摘の実態調査でございますが、本年で三年目ということでございます。二年目、令和三年度、冬の代かき作業を対象に、湛水の水位を変えた場合に流出量がどう変化するかということを調査いたしました。
その調査結果もじきじき公表したいと思っておるんですが、この調査結果を踏まえながら、三年目、今年度につきましては、同じように冬の代かき作業を対象に、圃場の排水口の形状ですとか位置によってどのように違いがあるのかということを調査したいと考えておりまして、今月中の公募開始を目指して鋭意準備を進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/187
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188・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。安心しました。
今日、これで終わります。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/188
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189・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
競馬法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/189
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190・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、徳永君から発言を求められておりますので、これを許します。徳永エリ君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/190
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191・徳永エリ
○徳永エリ君 私は、ただいま可決されました競馬法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党の各派並びに各派に属しない議員須藤元気さん及び寺田静さんの共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
競馬法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
我が国は古くより農耕や神事・祭事において馬に関わる文化を育み、現在も乗馬、在来種の保存、ホースセラピーなどが行われており、競馬が健全に発展することで、こうした馬事文化の継承・発展に寄与することが期待される。
インターネット投票が普及し、地方競馬においては、競馬活性化計画に基づき、主催者が収支改善のための取組を実施してきた結果、中央競馬は令和三事業年度に売得金が三兆円を超え、地方競馬でも令和二年度に二十九年ぶりに売得金が九千億円を超えるなど、その売上は堅調な状況にある。引き続き堅調な売上を維持するためには、地方競馬の魅力の更なる向上、施設の老朽化への対応、馬産地の生産基盤の強化等が必要である。
一方、競馬関係者による不適切事案の発生は、競馬に対する国民の信頼が揺らぎかねない状況を生じさせた。
こうした状況を踏まえ、地方競馬がこれまで畜産振興や地域経済等に重要な役割を果たしてきたことに鑑み、更に地方競馬の振興を図るとともに、競馬に対する国民の信頼を確保していく必要がある。
よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
一 地方競馬への支援措置の拡充に当たっては、長期にわたり計画的に競馬活性化事業を実施することにより地方競馬の経営基盤の強化が図られ、地方競馬が畜産振興及び地方財政の改善に一層貢献できるよう指導すること。また、畜産振興勘定から競馬活性化勘定への繰入れはあくまで必要最小限とすべきものであり、繰入れの趣旨、目標を明確化した上で毎年の繰入れ状況を公開すること。併せて、繰入れに当たっては、法律の趣旨である畜産振興への寄与が阻害されないよう十分配慮すること。さらに、目標達成状況を常に点検・検証し、繰入れ措置の見直しも含めて検討すること。
二 馬産地への支援の恒久化に当たっては、長期にわたり計画的に競走馬生産振興事業を実施することにより馬産地の生産基盤の強化や新たな発想をいかした就農の促進が図られ、競走馬の安定供給と強い馬づくりが推進されるよう指導すること。
三 競馬の売上げの一部が畜産振興、社会福祉事業等への貢献及び地方財政の改善に活用されていることについて、国民一般の理解が一層深まるよう努めること。また、ギャンブル等依存症対策を総合的かつ計画的に推進すること。
四 日本中央競馬会のレース映像提供施設に関しては、地方公共団体や広く地域の理解を得て設置するよう指導すること。
五 売得金に占めるインターネット投票等の割合が年々増加する中にあって、競馬場の入場者数の増加は、競馬関連事業の継続発展や雇用を創出するなど地域経済へ寄与することが見込まれるため、家族連れで入場しやすい親しみのある競馬場づくり、ファンサービスの向上、競馬場周辺の観光との連携等来場促進の取組がなされるよう指導すること。
六 競馬における職場環境の整備や人材の確保が競馬の魅力の更なる向上に果たす役割に鑑み、警備員や厩舎で雇用される厩務員なども含めた全ての競馬事業に従事する者の社会保険の加入や競馬主催者間の賃金格差の縮小といった処遇や職場環境が改善するよう、また、研修の充実や技術の継承等による人材の育成・確保が図られるよう努めること。
七 本法に基づく地方競馬全国協会の資金確保措置による地方競馬の経営基盤の強化の状況を常に分析・検証し、その結果を公開するとともに、これに基づき、地方競馬の振興の在り方について必要な措置の検討を進めること。
八 競馬関係団体間の密接な協力連携体制を構築し、競馬関係者に対する研修指導を強化すること等を通じて不適切事案の未然防止を図り、競馬に対する国民の信頼を確保すること。
九 引退した競走馬の多様な利活用による社会貢献等の観点からも命ある馬が可能な限り充実したセカンドキャリアを送ることができるようにすることの重要性に鑑み、こうした取組に対する競馬関係者による支援の拡充を促し、取組内容の充実が図られるよう指導すること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/191
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192・山下雄平
○委員長(山下雄平君) ただいま徳永君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/192
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193・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 全会一致と認めます。よって、徳永君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、野村農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。野村農林水産大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/193
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194・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。
附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/194
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195・山下雄平
○委員長(山下雄平君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/195
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196・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015007X00420221110/196
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