1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年十一月十日(木曜日)
午前十時五十一分開会
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委員の異動
十一月九日
辞任 補欠選任
世耕 弘成君 高橋はるみ君
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出席者は左のとおり。
委員長 杉 久武君
理 事
加田 裕之君
三木 亨君
牧山ひろえ君
谷合 正明君
川合 孝典君
委 員
古庄 玄知君
山東 昭子君
高橋はるみ君
福岡 資麿君
森 まさこ君
山崎 正昭君
和田 政宗君
石川 大我君
福島みずほ君
佐々木さやか君
梅村みずほ君
鈴木 宗男君
仁比 聡平君
国務大臣
法務大臣 葉梨 康弘君
内閣官房副長官
内閣官房副長官 磯崎 仁彦君
副大臣
文部科学副大臣 簗 和生君
大臣政務官
総務大臣政務官 杉田 水脈君
最高裁判所長官代理者
最高裁判所事務
総局人事局長 徳岡 治君
最高裁判所事務
総局経理局長 氏本 厚司君
事務局側
常任委員会専門
員 久保田正志君
政府参考人
内閣官房内閣人
事局内閣審議官 岡本 誠司君
人事院事務総局
人材局審議官 米村 猛君
人事院事務総局
給与局次長 岩崎 敏君
総務省自治行政
局公務員部長 大沢 博君
総務省統計局統
計調査部長 岩佐 哲也君
法務省大臣官房
司法法制部長 竹内 努君
法務省刑事局長 川原 隆司君
出入国在留管理
庁長官 菊池 浩君
文部科学省大臣
官房審議官 西條 正明君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
○検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/0
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001・杉久武
○委員長(杉久武君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日、世耕弘成君が委員を辞任され、その補欠として高橋はるみ君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/1
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002・杉久武
○委員長(杉久武君) この際、葉梨法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。葉梨法務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/2
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003・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) おはようございます。
昨日、私、武井俊輔外務副大臣のパーティーに参加してスピーチを申し上げました。その発言の中で、職務を軽んじているような印象を与える発言であるとの報道があります。このような印象を与える発言については、おわびを申し上げるとともに撤回をさせていただきます。
本日朝、官邸において官房長官から、発言には十分注意するようにと厳しく注意を受けております。
ただ、この印象は、与えた発言というのは、私の本意ではございません。その上で、ここでしっかりと説明をさせていただきたいというふうに思います。
昨日のパーティーにおける私の発言内容、これ、出席者がテープを起こしたものがございまして、それを読み上げさせていただきます。
法務大臣を務めている衆議院議員の葉梨康弘です。私の宏池会の同志でもある武井さんの励ます会、「みらい」を創る会ですか、是非激励の言葉をということで、喜んで参上させていただきました。
法務大臣になり三月になりますが、大体、法務大臣というのは、朝、死刑の判こを押しまして、それで昼のニュースのトップになるのはそういうときだけという地味な役職なんですが、今回は、なぜかこう、旧統一教会の問題に抱き付かれてしまいまして、まあ、ただ抱き付かれたというよりは、一生懸命その問題解決に取り組まないといけないということで、私の顔も幾らかテレビに出るようになったということでございます。
さて、武井さんの話ですが、先ほど来いろいろな方から話がありますが、コロナ禍になる前は宏池会の中でもいろいろ飲み会とかをやっていました。非常に明るい、お酒を飲む声もでかいが歌う声もでかい、ヒノノニトンとかたくさん歌って、非常に明るいなという印象があります。もう一つは、情熱、地元に対する情熱と、それから国政、何とかしていかなきゃいけないという危機感があります。
そもそも、多分、外務政務官、外務副大臣というのも希望してなったと思いますが、私どもの法務省と外務省というのは似たようなところがあります。幾つかありますが、三つほど申し上げます。
一つは、今回のロシアの、ロシアとウクライナの関係で、当然、外務省が前面に出ていろいろな仕事をしていただいています。これは当然のことです。ただ、法務省はその下支えのような形ですが、ウクライナの難民を受け入れるというのが法務省です。それから、ロシアの戦争犯罪について、いろいろな国際的な連携を図るというのも法務省です。今度、十一月二十八日、二十九日には、法務大臣の会合としては初めてG7の法務大臣会合がベルリンで開かれるということで、一つは、ロシアのウクライナ問題への対応ということでも共通点があります。
もう一つは、国の根幹を成すという意味では非常に大事な仕事だと思う。外交、それから私ども法務省は、憲法を具現化する、理念を具現化する、そういう行政です。ちょっと難しいですけれども、そういうことをやっている。なかなかそういった意味でも、国の屋台骨を支えるという意味では、外務省と法務省は似たようなところがあって、それをしっかり希望されて外務副大臣になられたということは、やっぱり国士だなということを大いに感じるわけです。
そして、三つ目の共通点ですが、外務省と法務省、票とお金に縁がありません。外務副大臣になっても全然お金はもうかりません。法務大臣になってもお金は集まりません。なかなか票も入りません。しっかりと良い仕事を武井さんにしてもらうためには、今日お集まりの方々が物心両面で支えていただかないと、私も支えていただきたいところですけれども、なかなかこの日本の国を良くするということはできない、そういうことだと思います。
ですから、今日お集まりの方々、本当に皆さんがお支えだ。この武井俊輔というナイスガイをしっかりと支えていただくよう心からお願いを申し上げ、私からの挨拶とさせていただきます。今日は本当にありがとうございます。
これが私のスピーチでございます。この全体のスピーチからも皆様お分かりと思いますけれども、私が申し上げたかったことは、法務省の行政というのは国の屋台骨を支える重要な行政である、そういうことです。そして、憲法の理念を具現化する、人権の尊重と法秩序の維持、これをバランスを取った形で進めていく、これは所信でも述べたとおりですが、極めて重要な行政である。
ただ、残念ながら、マスコミに露出する機会が少ないということを冒頭述べたんですが、この点について、私の本意ではない、そういう印象を与えてしまった、このことについては、その発言について再度おわびを申し上げるとともに、改めて撤回をいたします。
今後は、私の真意がしっかりと伝わっていくように、発言には慎重を期してまいりたいというふうに考えています。
以上です。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/3
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004・杉久武
○委員長(杉久武君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省大臣官房司法法制部長竹内努君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/4
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005・杉久武
○委員長(杉久武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/5
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006・杉久武
○委員長(杉久武君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。(発言する者あり)
速記を止めてください。
〔午前十一時速記中止〕
〔午前十一時十一分速記開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/6
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007・杉久武
○委員長(杉久武君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/7
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008・石川大我
○石川大我君 立憲民主・社民の石川大我でございます。
今日は法案の審議ということで、私も、昨日の夜まで掛かりまして用意をしてまいりました。二法案の法案に関しての質疑ですとか、あと入管法の問題、入管に関する問題、ウィシュマ・サンダマリさんの死亡事件の問題。この最終報告書を読むと、ケトン体が三プラスということで、その看護師と医師との話の内容が異なっている問題、そしてウィシュマさんのことを映した名古屋入管の中でのビデオの問題。これ、私たち見ていないものですから、これを見せてほしいというような問題もお話ししようと思いました。
これは、ちなみに、理事会で是非このビデオの問題は協議いただきたいんですけれども、ビデオの公開の問題ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/8
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009・杉久武
○委員長(杉久武君) 後刻理事会で協議いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/9
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010・石川大我
○石川大我君 しっかりとこのビデオを遺族に公開するというような問題も質疑をしたいと思っておりました。また、入管庁の菊池長官にも来ていただきまして意見交換をしたいというふうにも思っておりましたし、簗和生副大臣にもいらしていただきました。簗和生文科副大臣は、LGBTについて生物学的に自然に備わっている種の保存にあらがっている感じだというようなことを述べたというような報道もありまして、この真意についてもお伺いをしたいというふうに思っていました。そして、昨日に引き続き、杉田水脈総務大臣政務官にもお越しをいただきまして、昨日の続きやりたいというふうに思っていたところ、生産性がないという発言についてもしっかりと質問をしたいというふうに思っていたんですけれども、昨日の夜、大きなニュースが飛び込んでまいりました。
先ほどもお話がありましたけれども、大臣は、九日、東京都内で開かれた自民党の武井外務副大臣のパーティーで、法相は、朝、死刑の判こを押し、昼のニュースのトップになるのはそういうときだけだという地味な役職だというふうに述べたとされています。このことは本当でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/10
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011・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 先ほど発言内容を読み上げさせていただきましたが、その発言、読み上げた発言をしたことは事実です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/11
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012・石川大我
○石川大我君 法務大臣になりまして三月になるんですけれども、大体、法務大臣ってのは、朝、死刑の判こを押しまして、昼のニュースのトップになるのはそういうときだけという地味な役職ですとか、旧統一教会の問題に抱き付かれてしまいまして、まあ、ただ抱き付かれたというよりは、一生懸命その問題解決に取り組まないといけないということで、まあ私の顔も幾らかテレビにですね、出るようになったということでございますとかですね、外務省と法務省、票とお金に縁がない、外務副大臣になっても全然お金がもうからない、法務大臣になってもお金も票も集まらない、なかなか票も増えない、このような御発言があったということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/12
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013・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) それは事実です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/13
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014・石川大我
○石川大我君 本当に全く軽率な発言だというふうに思います。法務大臣の責任は、昼のニュースのトップになることだというふうにお考えなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/14
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015・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) これ、私も先ほど、その発言自体について謝罪をして撤回をさせていただきました。印象を与えたのであればとか、そういうことは申し上げていません。私の発言について謝罪をして撤回をさせていただいたわけですけれども、実は、この本意は、先ほども全体を読んで、読ませていただいたんですが、まさに本意は、法務大臣あるいは法務省の仕事というのは非常に重要な仕事である、このことを申し上げたい本意なんですが、ただ、なかなかマスコミへの露出がそれほど多くないという一つの例として挙げさせていただいたということなんですけれども、この発言自体については、先ほども申し上げましたとおり、おわびをして撤回をさせていただきました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/15
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016・石川大我
○石川大我君 死刑の判こというふうに表現していますが、死刑執行のサイン、テレビに出る目的でやられているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/16
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017・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) そんなことは更々考えておりませんし、また、テレビのトップニュースになるのがそういう場面ぐらいだということで申し上げたんですけれども、先ほども申し上げましたとおり、この発言、やっぱり軽んじているような印象を与える、まあそういう報道もございます。ですから、おわびをして、発言自体をおわびをして撤回をさせていただいたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/17
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018・石川大我
○石川大我君 発言の中で、法務省の職務を軽んじているような印象を与えたとすれば率直におわびを申し上げるということをお伝えいたしましたというふうにぶら下がりでお話しになっているようですけれども、法務省の職責をまさに軽んじたんではないんでしょうか。印象を与えたというと何か相手の責任のように聞こえますけれども、御自身の責任ではないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/18
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019・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) ぶら下がりの場というのは、官房長官から注意を受けてという場ですが、あの時点でやはりしっかりとした発言というよりは、まあもちろん記者の方々には誠意を持った対応をさせていただいているわけですけれども、実際、謝罪をして撤回をする、そういうつもりでございましたので、やはりこの国会、今日国会審議があるということを私も存じ上げていましたから、この国会の場で明確に正確な発言をしたいということで申し上げましたので、国会での私の発言が、私のというか、まああれですね、オーソライズされた発言というように考えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/19
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020・石川大我
○石川大我君 具体的にどこの部分の発言について謝罪をし、撤回をしたということなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/20
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021・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 今御指摘ありましたけれども、前段の部分ですね、先ほど読み上げましたけれども、法務大臣になり三月になるが、テレビにですね、出るようになったということでございます、この部分はおわびを申し上げて撤回をいたします。後半の部分どうするかという扱いはあるんですけれども、後半の部分については、政治資金パーティーですからこのような発言というのは意外と多くの来賓の方はされているというふうに認識しておりますので、特に前段の部分については、まあこれは政治家としての話なんで、後段はですね、前段の部分についてその発言をおわびをして撤回をする、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/21
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022・石川大我
○石川大我君 今日の朝、官房長官にお会いしたというような報道が流れておりますが、このことは事実でしょうか。まず最初に説明をするのは国民なんじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/22
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023・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 国民に対する説明というのはどういう場で申し上げるのがいいかということなんですが、それは記者会見の場なのか、あるいは国会の委員会の場なのかということですけれども、私は、この委員会の場で、まさに国民の代表者である皆様に対して、そういった内容、質疑の中でも明らかにすることが大事なことだというふうに思います。
官房長官からのお話は、これは時間が先後するということでございまして、委員会の後ということになりますと、また遅くなって、時間も遅くなってしまいます。
やはり、私は、まずはこの国会を、国民の代表者である皆さんの前でしっかり説明するということが第一義的には大切なことだというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/23
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024・石川大我
○石川大我君 総理にはお会いしたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/24
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025・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) お会いしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/25
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026・石川大我
○石川大我君 今日は磯崎副官房長官にお越しをいただきました。
総理は、この件、御存じなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/26
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027・磯崎仁彦
○内閣官房副長官(磯崎仁彦君) 御存じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/27
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028・石川大我
○石川大我君 この件、どのように認識をされているんでしょうか、どう受け止められているんでしょうか、総理は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/28
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029・磯崎仁彦
○内閣官房副長官(磯崎仁彦君) このような発言を踏まえまして、先ほどお話ありましたように、本日朝、総理の御指示を踏まえて、官邸において官房長官から法務大臣に対して、発言には十分注意するようにと厳しく注意がなされ、法務大臣からは軽率な発言があったと陳謝する説明があり、また先ほど、冒頭発言の中で、発言についても撤回をするという発言がございました。
官房長官のこの厳しく注意をしたということが、総理の意向を踏まえてということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/29
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030・石川大我
○石川大我君 この発言、職務の本当に軽視であり、人の命を預かる法務大臣としては余りに軽い発言だというふうに思います。本当に非常識極まりない発言でありまして、法務大臣としての職責が果たせるかどうかといったら、私は果たせないというふうに思います。
発言を撤回、謝罪をしましたけれども、そういった問題ではなく、法務大臣を辞任すべきではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/30
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031・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) ここの部分、先ほど謝罪をして撤回をさせていただきました。
全体として、やはりこの法務行政というのは極めて大切な行政で、人権と、基本的人権の尊重、それから法秩序の維持、これをしっかりバランスを取っていくということを私自身も申し上げさせていただいて、あの場では法務行政の大切さというのを是非参加者の皆さんにも訴えたいということでございました。
ですから、その前段の部分、これについては私の真意と異なる印象が持たれている、印象を与える報道もされております。ですから、謝罪の上、撤回をさせていただきました。発言についてですよ。
それで、その上で、私も法務大臣としての職責を全うしていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/31
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032・石川大我
○石川大我君 いや、印象の問題ではないというふうに思いますよ。発言の重さを全く考えていないと思いますし、大臣からは極めて大切な職責だというお話もありました。私たちもそういうふうに思っております。
こうした極めて大切な職責、民法の改正や刑法の問題もあります。私の取り組んでいる同性婚の問題もあります。入管の中での人権保障の問題もある。様々な極めて大切な問題を扱う法務大臣としては、もう不適切である、不適格であるというふうに思いますけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/32
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033・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 今後、軽率な言動がないように、しっかりと気を付けてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/33
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034・杉久武
○委員長(杉久武君) 石川大我君。(発言する者あり)
速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/34
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035・杉久武
○委員長(杉久武君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/35
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036・石川大我
○石川大我君 大臣、先ほどから印象の問題という言葉を使われますが、この印象という問題はおっしゃらない方がいいんじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/36
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037・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) その発言自体について、謝罪をして撤回をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/37
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038・石川大我
○石川大我君 本当に軽い発言だったというふうに思っております。
こうした軽い発言がある中で、今後、死刑の執行、大臣の下で行えるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/38
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039・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 死刑についてはいろんな形で御議論のあるところですけれども、まあ国民的な議論がある、国民の間でもいろんな議論がございます。
法務大臣としては、やはり慎重に、粛々とですね、慎重に慎重を期しながら法の執行をしていく、そういう立場にあると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/39
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040・石川大我
○石川大我君 これは、死刑を執行する可能性があるということですか、大臣の下でも。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/40
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041・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 法律にのっとって責務を果たしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/41
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042・石川大我
○石川大我君 いや、大臣の発言がこれだけ問題になっている中で、軽々しく死刑を執行する可能性があるということは言っていただきたくないというふうに思います。
法務大臣になりまして三月になるんですけれども、大体、法務大臣てのは、朝、死刑の判こを押しまして、昼のトップニュースになるのはそういうときだけという地味な役職というふうにおっしゃっている。もう大臣は、この死刑執行、サインをする、そういった資格はないんじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/42
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043・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 法律にのっとってその職責を全うしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/43
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044・石川大我
○石川大我君 全く納得がいきません。
こうした発言をする法務大臣の下では、もうこれ以上審議ができないというふうに思いますけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/44
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045・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 審議を行うかどうかというのは委員会においてお決めになることだと思います。
私は、法律にのっとって職責をしっかりと果たしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/45
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046・石川大我
○石川大我君 ある意味、死刑というのは人の命を絶つという、その判断をしなければならない法務大臣というのは、地味な仕事とか、死刑の判こを押すと、そういった表現では尽くせない苦悩、葛藤というものがある職責なんではないかというふうに思います。
判こを押すこと、幾ら死刑囚といっても、一人一人に命、この命のともしびを消すわけですから、その最終決定を行うわけですから、そういった任に当たることはできないというふうに思います。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/46
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047・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 死刑執行の判断については、個別の事案に応じて慎重に判断をしていくということになります。
私の発言、非常に軽率だったと思いますが、この死刑執行の判断について申し上げたわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/47
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048・石川大我
○石川大我君 この判こを押す仕事というのが、非常にちょっと軽率だったというふうに言わざるを得ないんじゃないでしょうか。それどころか、やっぱり資質に関わる問題、根本に関わる問題だというふうに思っています。
事務仕事のように判こを押すというふうに言いますけれども、この死刑を執行する刑務官、三名の方がこのボタンを押すわけですけれども、相当なストレスがある。そうした方々に思いをはせたことというのはあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/48
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049・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 死刑を執行、判こを押す仕事というつもりで言ったんではないんで、まあ、もちろんもう撤回していますからあれなんですが、死刑の判こを押したときぐらいにトップニュースになるというようなファクトを言ったつもりなんですが、やはり軽率であったということで、これはもう謝罪をして撤回をさせていただくわけなんですけれども、もちろん、私、副大臣のときに刑場も見させていただきました。そういうこともございまして、刑務官の方々に対する思い、非常に強く持っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/49
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050・石川大我
○石川大我君 死刑を執行する刑務官の方には特殊勤務手当という死刑執行の手当が出るそうですけれども、この件について御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/50
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051・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) もちろん、それぞれ危険業務あるいは心理的な負担、これに応じた手当を支払っているということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/51
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052・石川大我
○石川大我君 そうした方たちの苦悩が様々なところで表現されているわけですけれども、二万円を限度に出るそうなんですが、その二万円の手当というのが現金で出るそうですね。つまり、振り込みでこれを行いますと、それが家族の方とか、様々個人情報が分かってしまう危険性があるということで、現金で支給をされるということで、そこまでセンシティブな問題であるということは言うまでもないわけですけれども、こうした方たちが、そのお金を例えばお寺とか教会に行って死刑囚の供養のために寄附をするということもあるそうだということをお伺いをいたしました。
そこまでしないと耐えられない仕事があると。それを判こを押すというふうに言われたら、やはり刑務官の方たちも、そして刑に処せられる死刑囚もたまったもんではないというふうに思うわけですけれども、それでも死刑を執行する法務大臣を続けるおつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/52
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053・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) あの発言、先ほど申し上げましたとおり、私の本意、真意とは異なるので、謝罪をして撤回をさせていただきました。
そして、その上で、私ども、法秩序と基本的人権の尊重、そのバランスを取りながらしっかりと法執行をしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/53
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054・石川大我
○石川大我君 過去、この死刑を執行した大臣がおりますけれども、そういった方たちの御発言を見ますと、上川法務大臣は、私としても鏡を磨いて、磨いて、磨いて、そういう心構えで慎重にも慎重な検討を重ねた上で死刑執行命令を発したものですですとか、谷垣元法務大臣は、死刑執行に至る過程については、私はかなり時間を掛けて丁寧に記録を検討しているところですというようなお話をしてみたり、この場にもいらっしゃいますけれども、森元法務大臣も、申し上げるまでもなく、死刑は人の生命を絶つ極めて重大な刑罰でございますので、その執行に際しては慎重な態度で臨む必要があるものと考えてまいりましたというような、こうした歴代の法務大臣の御発言もあるわけです。
そうした中、こういった大臣の軽率な発言がある中で法務大臣を続けるというのは、もう無理なんじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/54
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055・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 死刑執行の判断というのは極めて重要な判断でございます。この発言とその死刑執行の判断というのは、直リンクするものではございません。そして、実は私も法務副大臣をやっておりまして、死刑の執行非常に重いんですよね。ですから、副大臣がしっかりと決裁をして、それから大臣に上がっていく、そういう種類のものでございます。
ですから、私自身も、その記録をしっかりと吟味した上で、いろんな判断、苦悩をしながら決裁をして大臣に上げさせていただいているという、そういうような経験も持っておりますので、それぞれ個々に極めて重いということ、これについては十分認識をしているつもりです。しっかりと職責を果たしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/55
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056・石川大我
○石川大我君 その重い職責は果たせないというふうに思います。
このほかにも、今回はなぜか旧統一教会の問題に抱き付かれ、解決に取り組まないといけないということで、私の顔も幾らかテレビに出るようになったというふうに御発言されています。
旧統一教会の問題は、大臣の顔をテレビに出すための手段だというふうに考えているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/56
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057・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 結果としてそういうことになったということですけれども、抱き付かれというよりは、この問題を被害者救済のためにしっかりと進めていかなければならないという趣旨も併せて申し上げているところです。テレビに出るためではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/57
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058・石川大我
○石川大我君 旧統一教会の問題、何が問題だというふうにお考えでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/58
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059・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 今もいろんなところで議論をされているところですけれども、旧統一教会の問題というのは、相手を社会的な破滅にまで追い込むほど寄附なりあるいは印鑑なりを売る、こういうような団体というのは極めてまれです。しかも、それが、かつて霊感商法等が問題となった時期だけではなくて、私ども合同相談窓口というのを開いていますと、この一年ぐらいでも、その相談のうち一八%は最近一年間の相談である。ですから、今でもそういうような問題が継続している、そういう団体だと。やはり、国会議員それぞれは、日本国民、これを幸せにする、そういう責務がありますから、自民党のガバナンスコードにおきましても、旧統一教会とはきっぱりと縁を断ち切るということ、これが示されたわけです。
問題点というのは、政治家も幾らかのつながりありましたけれども、つまり旧統一教会というのが今でもそういうような行為を行っている団体であるという認識、ここはなかなか欠けていた、まあ私自身は付き合いないんですけど、方もいるかも分からない。それからもう一つは、やはり、旧統一教会がいろんな形で関連団体をつくりまして、それで近寄ってくる、それでついついその会合に出てしまったという方もいるかも分からない。
ただし、その不明はしっかり恥じながらも、今後はそれを断ち切っていくし、被害者の救済をやっていかなければいけない。また、被害者の救済を行っていくために、もしも新しい法律が必要であれば、これも積極的に私どもも協力して検討していかなければいけないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/59
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060・石川大我
○石川大我君 もう一つ発言があります。外務省と法務省は票とお金に縁がない、外務副大臣になっても全然お金がもうからない、法相になってもお金は集まらない、なかなか票も入らない。
大臣になること、これはお金がもうかるんですか。もうかるためにやっているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/60
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061・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) これは逆説的な言い方でありまして、極めて利権と遠い役所であって、またそういう職責である。だから、私、国士という言葉を使いましたけれども、そういったような、いろんな形でのいわゆる金銭的な利益とか、あるいは経済的に何かをして歓心を買う、国民の歓心を買う、そういうことはできないけれども、国士としてしっかりと働いていかなければいけない役所である、そういうふうな趣旨で申し上げたところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/61
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062・石川大我
○石川大我君 逆に、そうしますと、もうかる大臣というのはいらっしゃるんでしょうか。つまり、業界に業務権限がある、あるいはその、職務権限ですね、ごめんなさい、職務権限、業界に職務権限があって、そしてそこからお金をもらうとか、献金をしてもらうとか、賄賂があるとか、そういう省庁があるというふうに御認識なんでしょうか。そうしたら、それはどこですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/62
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063・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 少なくとも法務省と外務省についてはそういうところとは縁がないけれども、ほかの役所がどうかということについては、私自身はここではお答えは差し控えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/63
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064・石川大我
○石川大我君 お答えを差し控えるということは、これまで大臣は、様々な省庁のそうした賄賂の体質、そういったものを見てきたということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/64
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065・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 様々な省庁というわけではないんですけれども、私、かつて何十年か前に警察で捜査二課長というのを四年ほどやったことがありまして、地方公務員でありますけれども、何件かの汚職事件、首長さんの汚職事件をやらせていただいた。これ、国家公務員というのはなかったんですけれども、そういうことで考えると、法務関係とかあるいは外務省の関係というのは、少なくとも私どもが、つまりそういった捜査機関が関わるというようなことはなかったというふうに記憶しています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/65
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066・石川大我
○石川大我君 まだまだ聞きたいことたくさんあるわけですけれども、もうすぐ私の持ち時間が終わってしまいます。
委員長、私、様々、法案の質疑とかその他入管の問題、そして副大臣の問題、政務官の問題、様々用意をしてきたんですが、全く質疑ができませんでした。また別の場でこの質疑の時間を設けていただけるよう、お取り計らいをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/66
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067・杉久武
○委員長(杉久武君) 後刻理事会で協議をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/67
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068・石川大我
○石川大我君 以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/68
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069・梅村みずほ
○梅村みずほ君 よろしくお願いいたします。日本維新の会の梅村みずほでございます。
冒頭、報道でもございました葉梨大臣の御発言について、私からも一言申し上げます。
他の委員からも厳しい御意見がございましたが、死刑囚もその刑の償いを終えるまで、この日本社会に生きる一人の人であります。人の命に関係する軽率と思われる発言が、所信表明において人権の重要性を強調しておられた大臣の口からあったということは非常に残念でもあり、また、票や金といった言葉もございまして、見え方によっては政官業の癒着を想起させる御発言も問題があろうかと考えております。
一方で、私も、人の親になって初めて母親というものの苦労が、永田町に参りまして政治家の苦労というものが分かった身でもございます。大臣がこの法務大臣という重責を担いながら日々政務に当たられている、そういった御苦労であるというものは、私の想像には及ばないところでもございます。光が見える仕事ばかりでなくとも、必ず見ている方はいますし、おてんとうさまも見ていると私は信じております。
葉梨大臣におかれましては、重々御発言に御留意いただきまして、また御反省いただいた上で、より一層真摯に法務、司法、検察行政に当たっていただき、国内治安の維持や人権擁護のための職責を果たしていただきますようにお願いを申し上げます。
また、死刑の執行命令書に押印なさる際には、その一枚の紙によって命を終えることになる方にも無垢なる乳幼児期があったということを忘れずにいていただければというのは、これまでの法務大臣にも思っていたことですし、葉梨大臣を含め、これからの大臣にも誰たがわず私が願うところでございます。人の心を傷つけもするし、救うのも言葉であるというふうに思っております。
今日は、一つだけこの発言について質問させていただきたいと思っているんですけれども、昨日、私、武るり子さんという方とお話をしておりました。私の選挙区、大阪に住む方で、少年犯罪被害当事者の会の会長をなさっている方です。武さんの息子さんは、十六歳のときに、少年犯罪、少年らによって命を奪われたわけです。武孝和さんとおっしゃいます。
武さんの息子さんは十一月に亡くなられて、もうすぐ命日を迎えられるわけなんですけれども、そのときに、息子さんの四十九日を迎える前に少年審判が終わってしまったんです。そのときに、年末、電話で家裁の調査官に言われた言葉が、お正月をまたぐので切り上げましたと言われたのだそうです。それは、裁判官から言われた言葉を調査官がお伝えになったということなんですけれども、武さんはその言葉に随分と傷つかれたんですね。ひょっとしたら、調査官にとってみたら事実を申し述べただけかもしれないんですけれども、痛みを抱える方にとってはその言葉が何倍にもなって響くことがございます。
今回の大臣の御発言によって傷つく方が、どなたがいらっしゃるだろうというふうに考えました。ひょっとしたら一般の国民も傷つく方いらっしゃるかもしれませんが、ひょっとしたら刑の執行を待つ方々あるいはそういった御家族の方は、また、私たちそういった対象ではない人間以上に、何か感じていらっしゃるのではないかというふうに思いまして、ちょっと質問させていただきたく思うんですけれども。
先ほど他の委員に答える形で、大臣は、法律にのっとって職責を果たすとおっしゃっていらっしゃいましたので、これから恐らくその死刑の執行に関わる命令書にも押印をされることも可能性としてはございます。その際に、改めて、死刑執行命令書に押印なさる際どのような姿勢で臨まれるのか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/69
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070・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) これ、やっぱり慎重の上にも慎重を期すということが非常に大切だと思います。
今までも、私の知り得る限りということですけれども、まず確定判決であることはあるんですけれども、やはりその事実関係がしっかりと確実であるというようなこと、あるいは、その他やはり諸般の事情があります。これ個別の案件でそれぞれ違うものですから、なかなか一概にお答えすることは非常に難しいんですけれども、いずれにしても、そういった事実関係、それから被害者の方の感情等々も含めて、本当に慎重の上にも慎重を期して判断をしていくということになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/70
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071・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
本当に、大臣がおっしゃったとおり、個別によって全く違うということで、その方の命を考えながら職責に当たっていただきたいというふうに思っております。
先ほどまでは報道の皆様もたくさんこの議場にいらっしゃったわけなんですけれども、恐らく、今日、まあ皆様もお仕事ですので、報道としての仕事が一段落したなと思ったらこの議場から出られる報道各社の方もいらっしゃると思うんですね。けれども、私は、本日冒頭に大臣が全文を御紹介いただいたというのは大変良かったというふうに思っております。
言葉というのは、文字に起こしたときと、その場にいて表情を見て聞くときとでは全く受け止め方が変わってくるものでございまして、ここはマスコミの方にお願いする場ではないことは重々承知ではありますけれども、報道の在り方というのもいろいろと意見が国民の中であるわけでございます。SNS社会、情報化社会になりまして、事一つのフレーズが躍りやすい昨今にありまして、報道各社の皆様には、是非今日の葉梨大臣の全文を、QRコードを貼るなりURLを貼るなりということで、できれば動画で発信をしていただきますと、気になっていらっしゃる国民の皆様が様々お考えを持たれるのではないかというふうに思っております。
それでは、質疑に入らせていただきます。
今日は法案審議ということで、裁判官の報酬法、検察官俸給法についての質問を私も用意しておりましたので、質問をさせていただきたく思います。
まず、毎年毎年出てくるんですけれども、民間企業のお給料水準が上がったら公務員の皆さんもお給料を上げましょう、民間のお給料水準が下がったら公務員の皆さんも少し下げましょうということで、民間と肩を並べてというような考えで人事院勧告というものがございます。
人事院勧告の説明は、人事院のホームページを見ますとこのようにございます。労働基本権制約の代償措置として、職員に対し、社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保する機能を有するものであり、国家公務員の給与水準を民間企業従業員の給与水準と均衡させることを基本に勧告を行っているということで、前半部分は私もそうだなと思って見ております。
社会一般の情勢に適応した適正な給与に合わせていきましょうと、なるほど、そうだなと思うわけなんですけれども、後半部分ですね、国家公務員の給与水準を民間企業従業員の給与水準と均衡させるとありまして、皆さん御存じのように、かつての日本とは違いまして、今は働き方が大変多様になってきております。この水準の中にどういった方が含まれるのかといいますと、非正規の方であるとかアルバイトの方であるとかフリーランスの方であるとかという方は含まれないということになっているんですね。それが本当に今のこの日本社会の、この社会一般の情勢に適応した適正な給与を反映できるのかというところに私ども日本維新の会は疑念を持っておりまして、毎年毎年このように訴えをさせていただいております。
人事院のホームページから、こちらも出ておりました。今回のその基準となるベースの民間の給与実態というのはどのように調査したかなんですけれども、全産業の企業規模五十人以上かつ事業所規模五十人以上の全国の民間事業所、約五万五千あるわけですけれども、そこから抽出したおよそ一万二千事業所、このサンプルをもって民間がお給料上がっているか下がっているかというのを判断するということなんです。で、今回は、裁判員と検察官、あっ、裁判官と検察官ということで、主に若手の方を対象にはしておりますけれども、この人事院勧告というのが大本になっておりますので、お伺いしたい質問をしていきます。
今現在、日本の有する企業の総数を教えていただきたく思います。総務省さん、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/71
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072・岩佐哲也
○政府参考人(岩佐哲也君) お答えします。
平成二十八年経済センサス活動調査の結果によりますと、民営企業等数、総数で約三百八十六万企業となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/72
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073・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
三百八十万台ということで、最後の末尾がちょっと聞き取れなかったんですけれども、その企業のうち従業員数五十名未満の企業数、お分かりになりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/73
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074・岩佐哲也
○政府参考人(岩佐哲也君) ただいま申し上げました三百八十六万企業のうち、常用雇用者数五十人未満の企業等数は三百七十四万企業となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/74
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075・梅村みずほ
○梅村みずほ君 三百八十六万企業のうち三百七十四万企業が従業員数五十名未満、すなわち、今回の人事院勧告の調査基準には含まれないということでよろしいでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/75
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076・杉久武
○委員長(杉久武君) どなたに。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/76
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077・梅村みずほ
○梅村みずほ君 じゃ、聞き方変えます。
もう一回確認です。三百八十六万企業中三百七十四万企業が従業員数五十名未満の企業数ということですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/77
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078・岩佐哲也
○政府参考人(岩佐哲也君) おっしゃるとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/78
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079・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
今回の調査の対象になっていないということでございます。
では、企業数ではなく人数で聞きたいと思います。同じく総務省さんに質問です。従業員数五十名未満を含めた日本の企業の常用雇用者数について教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/79
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080・岩佐哲也
○政府参考人(岩佐哲也君) 常用雇用者総数は、四千七百六十二万人となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/80
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081・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
四千七百万人超の方が社会保険料を払っている常用雇用者数ということで、例えば、大学生の、仕送りがあって、上乗せのアルバイトさんとかは多分除外されるのかなというふうに想定をしております。ありがとうございます。
それでは、続きまして、同じく総務省さんに、従業員数五十名以上の日本の企業の正社員数を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/81
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082・岩佐哲也
○政府参考人(岩佐哲也君) 同じく調査によりますと、常用雇用者数五十人以上の企業における正社員の数は約二千四十四万人となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/82
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083・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
この二千四十数万人というのが今回の調査対象になっているというふうに考えられますので、常用雇用者数、全体の四千七百、これ企業限定ですけれども、個人事業主とか含まれないわけなんですけれども、その半数以下の方しか対象になっていないということなんですね。
ここで、人事院にお尋ねいたします。
五十名以上の企業を対象とする理由を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/83
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084・岩崎敏
○政府参考人(岩崎敏君) お答え申し上げます。
給与は、一般的に、職種のほか役職段階や勤務地域等の給与決定要素を踏まえてその水準が定まっていることから、国家公務員給与と民間給与の比較を行う際には、単純平均で比較するのではなく、給与決定要素を同じくする同種同等の者同士を比較することとしております。
調査対象につきましては、企業規模五十人以上かつ事業所規模五十人以上としておりますが、その理由についてのお尋ねでございますが、企業規模五十人以上の多くの民間企業におきましては、公務と同様、部長、課長、係長等の役職段階を有しており、公務と同種同等の者同士による比較が可能であり、また、現行の調査対象となる事業所数であれば調査員による精緻な調査が可能であり、調査の正確性を維持することができるといったことにより、このような調査対象としているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/84
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085・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
同種同等というような言葉も出てきたわけなんですけれども、要は類似しているのでということかなと理解しております。
けれども、人事院勧告の説明には、社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保する機能を有するものでありということで、社会一般の情勢というのを反映させる必要がございます。
そう考えたときに、企業、フリーランサーとかではなく、企業という縛りであっても、常用雇用者数に照らして半数以下となっているこの実態が社会の一般の情勢に適応しているのかということなんですけれども、この個々の時代と言われている現代ですけれども、この基準というのは社会一般情勢を反映していると言えるでしょうか。人事院にお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/85
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086・岩崎敏
○政府参考人(岩崎敏君) お答え申し上げます。
非正規雇用やフリーランスが入っていないのではないかというお尋ねかと承知いたしました。
非正規雇用者につきましては、労働時間が短く時給制が多いなど、雇用形態や賃金形態が様々であり、職務や職責の重さを共通の尺度で測ることが難しく、精密な比較を行うことは困難であるものと考えております。
また、会社に所属せずに業務に応じて個人が契約を結ぶいわゆるフリーランスにつきましては、個別の業務単位で報酬が定まるものであり、組織的に業務を分担しながら毎月の給与を得る者とはその報酬体系が根本的に異なることから、比較になじまないものと考えております。
このため、国家公務員の常勤職員の給与につきましては、官民の常勤同士の給与比較により社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保し、国家公務員の非常勤職員の給与につきましては、常勤の職員の給与との権衡を考慮して決定することとしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/86
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087・梅村みずほ
○梅村みずほ君 まあ比較対象としては適切ではないのではないかというようなお考えを私は受け取ったわけなんですけれども。
けれども、配付資料を御覧いただきたいんですけれども、お配りしているのは民間のアンケート調査を載せているものです。公務員大人気で、高校生のなりたい職業ランキングですとか、パパ、ママに聞いた子供に将来なってほしい職業ランキングということで、トップになってくるわけですね。かなり上位にどのアンケートでも入っている昨今でございます。それ、理由のところに、安定している、ボーナスがいい、貢献できるし安定している、食いっぱぐれがない、収入がいいというふうに、土日が休みだというふうに続くわけですね。
やはり、公務員というのは公僕でございまして、やはり国家国民、地域のために尽くす仕事でございます。やりがい、この人々のためになりたいという気持ちも非常に重要で、どちらかではないと思うんですね。ワーク・ライフ・バランスも大事ですし、やっぱりやりがいというのも非常に重要だと思っているんですが、今物価高で国民があえいでいる中、何かやっぱり政府の方針って私たちと違うよねと思われるのはなぜかっていったら、私たち入ってないじゃんって思う、こういった人事院勧告もその一端あると私は思っています。
例えば、私のママ友は夫婦でコーヒーショップ営んでいます。私も元々フリーランサーです。夫は中小企業の従業員です。というふうに、周り皆、見回すと、この人事院勧告の基準の対象にならない人というのが山ほどいるわけですね。それで、お給料をこの物価高で上げましょうというふうになると、今回は特に若手の方ですので、私も気持ちとしては上げてさしあげたい、その上でやりがいも感じてもらいたいとは思いますけれども、それが、じゃ、一般の民間の若者もそうかといったら、そうではない実情もあることを鑑みますと、やはり世間とずれてきてしまっているのではないかというふうに思うわけです。
この基準、もっとその幅を広げるなり、基準を見直す必要性があると思いますが、いかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/87
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088・岩崎敏
○政府参考人(岩崎敏君) お答え申し上げます。
民間給与実態調査の調査対象規模、調査対象企業規模につきましては、現行より小さい規模の企業も含めるべきとの議論がある一方、国の公務の規模等の観点からより規模が大きい企業のみとすべきとの議論もあるところでございます。
また、民間企業等との人材確保における競合がある中で、公務に有為な人材を計画的かつ安定的に確保、維持する必要があり、そのような観点を踏まえた適正な給与水準の確保の重要性についての指摘もございます。
調査につきましては、これまでも、こうした御議論等も踏まえつつ、調査対象企業規模のほか、調査対象産業などについても見直しを行ってきておるところでございます。
今後におきましても、各方面の御意見を幅広く聞きながら、必要に応じて見直しを行うなど、適切に対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/88
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089・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
いずれにしましても、こういった議論が足りていないと思うんですね。給与水準を、公務員の給与水準を決めると、その調査の在り方についてどうなんだという議論が全く足りていないというふうに私どもは思っております。
さて、今日は、この法務委員会ですので、裁判官報酬法、検察官俸給法でございます。裁判官や検察官という仕事は大変重要な職責を世間に対して担っているわけで、それぞれの仕事に真摯に向き合っていただいているとは思いますけれども、ワーク・ライフ・バランスというのも個々人にあるのは当然承知の上でございます。裁判一つを取っても、不当だというふうに記事になること時々ございます。
最後に、大臣にお伺いしたいんですけれども、例えば性犯罪刑法見直しに向けての議論も進んでおりますけれども、余りにも不当判決ではないかという事例もございます。障害者の方が被害に遭った場合なんかも特にそうだと思いますし、例えば先日質疑でも取り上げました親子の問題、これ、総務省のDV等支援措置によっても、DV加害者というふうになった場合に、会えなくて、やっぱり監護権というものにも影響及んでくる、不当だという声も聞こえてきます。一件一件真摯に当たる、問題は何なのか適切に見定める、そういった裁判官の役割もあろうと思いますし、検察官も一件一件本当に、その個人の力量や熱意が試されるシーンもございます。
大臣も多くの公務員とともに仕事をする立場にあり、御自身も特別職国家公務員という立場で、月額報酬の何割かは返納されているわけなんですけれども、ワーク・ライフ・バランスや働きがい、社会貢献という視点も含めて、これまでの質疑をお聞きいただき感じた感想、御所感をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/89
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090・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 実際、裁判官の仕事も、あるいは検察官の仕事も、非常に社会が複雑困難化していますんでなかなか、例えば刑法犯の件数自体は減ってきてはいるんですけれども、一個一個に掛かる時間というのは極めて大きなものがございますし、また非常に複雑困難化しているという状況の中で、その仕事をしっかりバックアップして風通しの良い職場をつくっていくということは極めて大切なことだというふうに思います。
その上で、やはり、もちろん民間準拠ということにはなるんですけれども、それに見合った形での報酬も確保してあげなければいけない、そういう意味で、今回、裁判官、それから検察官、これについて俸給、報酬ということを提案をさせていただいておるわけです。
ですから、この職場の環境づくりと待遇面の処遇と両面でしっかりとやる気を、使命感と緊張感を継続させることができるように我々もバックアップしていかなければいけない、そういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/90
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091・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
時間が参りましたので、質疑終了します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/91
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092・川合孝典
○川合孝典君 国民民主党の川合孝典です。
私も、昨日の葉梨法務大臣の発言について残念ながら触れざるを得ませんので、冒頭幾つか確認をさせていただきたいと思います。
私は、上川法務大臣の時代から法務委員会で仕事をさせていただいておりますので、上川大臣、そして古川大臣、で、葉梨大臣が三人目ということになります。前両大臣とは様々な課題について御議論させていただいた上で、入管の問題等も含めて様々な問題に対して前向きにお取組をいただいてまいりました。
名古屋入管の事件については、医療提供体制が極めて不備が生じているということを繰り返し指摘させていただいたことを受けて、その後、医療提供体制の改善等の取組も行っていただいておりますし、今後、入管法の改正等の議論が始まるに当たって、前さばきで様々な議論を事前にしておかなければいけないといったようなこともありまして、実は古川前大臣とは大変いろんな踏み込んだやり取りをさせていただいて、私自身非常にやりがいを感じてこの法務委員会で仕事をさせていただいてきた者の一人であります。
残念ながら、昨日の報道を、私も、いわゆる書き起こしの文章も含めて拝見させていただいて、これから一年間、一年間というか、これから葉梨大臣と前向きに議論をやっていけるのだろうかということについて、残念ながら疑問を持ってしまいました。熱量が非常に落ちてしまったということを自分自身で感じております。撤回し謝罪ということで繰り返しおっしゃっていますけれども、今回の発言がどれほどその信頼を傷つけたのかということをやはり大臣御自身がもっと御認識される必要があると思うんです。
要は、司法行政をこれからしっかりと取り組んでいくという御発言は繰り返しなさっているわけでありますけれども、とはいいながらも、この間の御答弁聞かせていただいておりますと、真意と異なる印象を与えたということを繰り返しおっしゃっていますが、日頃頭の中で考えていらっしゃるからこそ、つい口をついて出てしまうんだと思います。皆そのことを肌で感じているから、マスコミも、これはとんでもない発言だということで注目を集めて、これだけの騒ぎになってしまっているわけなんです。
そういう意味では、真意とは違うとか、誤解だとかということではなく、ただただ不適切な発言であったということを率直に認めた上できちんと謝罪を国民の皆さんに対してもされるべきだと思いますけど、大臣、いかが思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/92
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093・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 先ほど来、私、印象を与えたことについて謝罪をしているということではなくて、その発言について謝罪をして撤回をさせていただいております。軽率な発言がないように、しっかりと、私、言動には慎重を期していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/93
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094・川合孝典
○川合孝典君 今回、この問題が生じたことで、そうでなくてもタイトな臨時国会の委員会審議の時間が更に後ろにずれることになってしまいました。委員会審議に影響を及ぼしたことについて、当法務委員会に対して大臣から御発言されることはございますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/94
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095・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 委員会の運営は委員会で決めていただくことになるわけですけれども、私としては、しっかり説明を尽くして皆様の御疑念にも答えていかなければいけない、そういうふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/95
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096・川合孝典
○川合孝典君 丁寧に御答弁いただいていることは分かるわけですが、御自身の発言によって委員会が不正常化してしまったという事実はあるわけであります。そのことについて大臣がどう受け止められているのかということを、私は大臣の御意見を聞かせていただきたかったということだけ指摘させていただきます。
この問題についてはここまでとさせていただきまして、時間がほとんどございませんので、いわゆる給与法の頭出しだけ、問題提起を少しさせていただきたいと思います。
通告させていただいた質問の一番ということですが、先ほど梅村議員からも御質問がありましたいわゆる給与の官民較差の問題について、少し法務大臣の現在の賃金水準の官民較差をどのように捉えているのかということの認識をお伺いさせていただきたいと思います。
この背景にあるのは、これまでその公務員給与を引き上げるということの議論を行うたびに必ず賃金水準の官民較差の問題が指摘をされるわけであります。同時に、デフレ不況が長く続いておりましたので、公務員も含めて賃金デフレが生じている状況が続いてまいりました。
しかしながら、今回、物価高等々もあり、賃上げ機運が極めて高まっているというこういう状況、局面に来ているわけでありますので、この局面では、ある意味、公務員の給料を引き上げるということについても前向きな受け止めをしていただける世論は高まってきているわけですね。
こういう機会だからこそ、官民較差の問題について、どう捉えて、今後どうこの問題と向き合っていくのかということの議論が必要だと実は私は思っておりまして、そういった趣旨から、この賃金水準の官民較差をどのように捉えているのかということ、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/96
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097・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) この官民較差の問題ですけれども、これ、私の基本的には所管外ということになるんですが、今までの経験から申し上げますと、従来も問題となっておりまして、ちょうど平成二十一年の政権交代前になるんですが、私も議員としていろんな形で発言をさせていただいて、当時、やはり公務員の方が優遇されているじゃないかというような議論がありました。そこで、かつては二百人の事業規模で事業所規模が五十人だったものを、五十人の事業規模で五十人の事業所という形で基準を人事院の方にも変えていただいた、そういう経緯もございます。
人事院勧告というのは、労働基本権の代償として与えられているもの、そして民間準拠ということです。確かに、委員がおっしゃるように、どうしても一年遅れ、四月に調査をいたしまして、人事院勧告が出て、今それを改定をする、それが四月一日に遡るということで、一年遅れにはならないんですけれども、法律が出る、法律が成立するのはちょっとタイムラグがあるというようなことはどう考えるかという問題は残ろうかというふうに思います。
しかしながら、現状の官民較差との関係では現在の人事院勧告というのはやはり一定の合理性があるというふうに思っておりまして、そこに準拠をして、今回、検察官の報酬、それから裁判官の俸給、その提案をさせていただいているというところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/97
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098・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。
今大臣から御答弁ございましたとおり、労働基本権の代償として人事院勧告で賃金水準が決められているという、こういう枠組みでありますから、そういった意味では、一定のルールに基づいてこの賃金の見直しを行うということには法的な合理性はあるということなわけです。
同時に、この公務員給与が高いか安いかということについての議論がよく景気が良くなったり悪くなったりすると行われるわけでありますが、客観的に高いか安いかの要は判断尺度がないわけでありまして、ここで求められるのは、その給与に見合うだけの成果を、期待役割を果たしているのかということが本来問われなければいけないわけで、そういった議論がこの間少し足りていないのではないのかということを、このことはちょっと指摘させていただきたいと思います。
その上で、実は私自身、若い頃から、いわゆる民間企業の賃金とか処遇とか労働条件に関する様々な議論を行わせていただいてまいりました。この官民較差の、賃金水準の官民較差の議論を行うときに一点注意しなければいけないのではないのかと思っておりますのが、これ実は、これも、済みません、先ほどの梅村先生の配付資料の中に、要はなりたい職業のランキングということでございましたけれども、まさに産業の少ない地方に行けば行くほど、東京や大阪、大都市圏とは違って、地方に行けば行くほどいわゆる官民較差、いわゆる官民較差と呼ばれる、公務員の給料が高いんですよね、相対的に、産業のない地域に行くと。結果的に、地方に行くほど官民較差というものがよりクローズアップされる状況というのがこれまで四半世紀ずっと続いてきております。
で、そのことは事実なんですが、一方で注意しなければいけないと思っておりますのは、公務員の給与の水準や見直し、引上げも含めて、その水準というものを一つのベンチマークにして地方の中小零細企業の賃金が決定されていくという、そういう枠組みも実はあるわけであります。
よって、公務員給与がある意味、地方の中小労働者の賃金を引き上げるための一つの指標になって使われてきているということもございますので、この点についてはきちんと理解、認識しておかなければいけないと思うんですけど、大臣、御存じかもしれませんけど、この問題については御承知でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/98
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099・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) この点について申し上げますと、いわゆる人勧の勧告というのは一般職の国家公務員に対して行う、まあ検察官等を除く一般職の国家公務員。それから、人勧の勧告が出て給与法を変える。そして、その後に、人勧の勧告が出た後に今度は人事委員会の勧告というのがそれぞれ各地方自治体でなされると。もう御案内のように、そういう仕組みになっているわけです。その人事委員会の勧告自体がおおむね人勧、人事院勧告に準拠するというふうに聞いておりますけれども、基本的にはそれぞれの自治体の人事委員会が決めるという状況です。
そして、事業所規模五十人、それから事業規模五十人というような企業が地方においてどれだけ存在しているんだという御指摘だろうと思いますが、それが少ないという地方も当然あるかと思います。ですから、その公務員の給与というのが一つの民間が何らかの給与を決めるときの参考になっているという例もあるのかなというふうに私も考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/99
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100・川合孝典
○川合孝典君 岸田総理はこの賃金、日本人の給料を引き上げていくということを一つの政策目標として掲げられているわけで、この方向性というのは私は歓迎すべきことだと理解を、受け止めております。
大切なことは、その官民較差があるから公務員の給料をどうやって要は抑えていくのかということの議論を行うことよりも、私は公務員の給料が上がっていくことに合わせて民間の給与をどうやって引き上げていくのかということに対して、もっと政策的な誘導を行うべきなんじゃないのかということだと思っております。
今から二十年、三十年前、日本人の給料が世界でも最もトップ水準に高かった時代と今は違いますので、当然、ここには、賃金の考え方についても政策を大転換していただいて、賃上げということについて、いわゆる民間も含めて国民の所得を増やしていくという切り口からの議論というものを是非進めていきたい、いっていただきたいと思います。
これは、法務委員会ということでありますので、国全体の賃金のことではございませんけれども、の議論ではございませんけれども、法務省、裁判所等々に働いていらっしゃる職員の皆さんについてもこれは同様のことだと思っておりますので、是非、そういった切り口から、この給与、いわゆる給与に関する議論というものをこれから進めていただきたいと思うんですけど、しっかり進めていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/100
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101・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) まさに政府全体の議論になってこようかと思います。人事院勧告自体は、先ほども申し上げましたけれども、一定の合理性があるというふうに私自身も評価しておりますし、ですから、だからこそ人事院勧告に準拠した形での裁判官それから検察官についての俸給、報酬、これを御提案させていただいているわけですけれども、やはり政府として、構造的な賃上げと企業の生産性の向上、これの好循環を生み出していく、各種の施策を新しい資本主義の中でつくっていくということは極めて大切だと思います。
岸田総理、四つの方向性、つまり、社会課題を成長のエンジンにするということで、科学技術、スタートアップ企業、あるいはGX、DX挙げておりますけれども、政府全体としてそういう取組に我々も関わっていきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/101
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102・川合孝典
○川合孝典君 是非、様々な政策を動員して、民間の実はこの二十数年間のトレンドを見ておりますと、賃上げを行うということに対して極めて抵抗感が強まってしまっております。物の値段が上がっていてもなかなか価格転嫁が進まないといったようなことについても、値段が上がると物が売れなくなってしまうんじゃないのかという恐怖感、そういったことも含めて様々なことがやっぱりデフレに慣れてしまって、なかなか感覚の切替えが行えない状況になっていると思うんですね。したがって、是非、葉梨大臣には、政府、閣僚のお一人として、今後この問題についての議論を行う上で積極的にそうした切り口から議論をリードしていただければ有り難いと思います。
おおむね時間が参りましたので、私の質問、これで終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/102
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103・仁比聡平
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
大臣の昨晩の発言は、軽率な言動がないようにとか今後慎重になどで済む話ではない、法務大臣として不適格であると私は思います。
そこで伺いますけれども、大体、法務大臣というのは、朝、死刑の判こを押しまして、それで昼のニュースのトップになるというのはそういうときだけという地味な役職という、その発言部分についてですが、今朝の記者とのやり取りの中で、大臣はその真意を説明するというくだりで、法務大臣があの光が当たるような形でニュースのトップニュースになるというのはそういうときぐらいだと述べておられます。
この光が当たるような形でトップニュースになる。大臣は死刑執行を決裁するということを何だか高揚感みたいなものを感じておられるんでしょう。光が当たる、トップニュースになるというのはそういう意味でしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/103
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104・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) いえ、全くそういう意味ではございませんで、現実に、ファクトとして、ライトアップされる形でトップニュースになるというのはそういうときぐらいだけれども、そういうのは実は本意ではなくて、もっともっといろんな形であの仕事をしているということも知っていただきたいということであったんですけれども、まさに、今、仁比委員がおっしゃられたような形で受け止められる方もいると思います。ですから、私自身は、その印象を与えるということじゃなくて、この発言についてはしっかりおわびをして撤回をさせていただいたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/104
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105・仁比聡平
○仁比聡平君 大臣のおわびと撤回というのは、つまりその程度の話なんですよ。
私が問うているのは、死刑執行の決裁、この重みについて光が当たるというような表現が自分の中から出てくるという、そこに適格性があるのかと、大臣としての、そこを問うているんです。今の御答弁でも、今朝の御発言でも、死刑執行以外に大切な仕事をほかにもいっぱいしているということを何だか弁明しておられるけれど、死刑執行の決裁、死刑の判こを押すということの重みをどう認識をしているのか。その死刑執行の決裁についてこうしたパーティーの場でですね、ほかの政治家の持ち上げのために、何だか軽い形でこの発言をするというその大臣の適格性、そのことが私は大問題だと思うんですね。
大臣、先ほど他の委員の議論でもおっしゃっていましたが、法務副大臣を二回されました。そして、法務委員長、衆議院の法務委員会委員長もしてこられて、死刑の問題についてのいろんな議論は少なくとも見聞きはしておられるはずなんですが、副大臣として死刑の執行に関与した、大臣に上げると、それ何回ぐらいあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/105
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106・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 個別案件について何件というのはちょっと申し上げるのは差し控えさせていただきますけれども、あの発言自体、軽率で撤回をさせていただいたんですが、死刑の執行の判断、これについて申し上げたわけではありません。死刑の執行の判断というのはやっぱり極めて重いものでございますから、慎重に検討しながら厳正に対処する、このことが必要だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/106
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107・仁比聡平
○仁比聡平君 いや、死刑の執行の判断の重さということが本当に大臣の体にといいますかね、信念に刻まれていれば、パーティーの他の政治家の持ち上げのための材料として出したりしないですよ。
先ほど、副大臣として関わった決裁については御答弁がありませんでしたから、私もちょっと調べてみたいと思いますけれども、大臣は、死刑が誤判の下で行われる、死刑判決が確定しているけれどもその判決が誤っていることがあるということについてはどんな御認識ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/107
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108・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) ですから、死刑の執行に当たっての判断、これについては、先ほども御答弁をさせていただきましたけれども、確定判決が出た後であっても、いろいろな要素、個別の事案によって違いますが、一つは、やはりその事案がしっかり確実であるということをしっかり点検しないといけませんし、また被害者の感情等々、いろんな個別の事情をしっかり慎重に判断しながら厳正に対処するということだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/108
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109・仁比聡平
○仁比聡平君 今日になって取って付けたようにそんなこと言ってるけれども、朝、判こついて昼のトップニュースになる、そういうときがなかなかない地味な外務と法務と、だから皆さんよろしくお願いしますという挨拶でしょう。朝、判こついて昼のトップニュースになるというそんな発言出てきますか、死刑執行の決裁をするということの重みを御自覚になっていれば。
私は、誤判による死刑確定判決が執行されるということはあっているし、あり得るし、それは取り返しの付かない国家による人権侵害だと思いますが、大臣はどんなお考えなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/109
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110・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 誤判による死刑というのは、それは私もあってはならないというふうに思います。
今おっしゃられましたけど、実際に決裁をする前には極めて、まあケースによって違いますけれども、場合によっては何日もしっかりその記録を見ながら検討をした上で決裁をするわけですから、それを、朝、その場で持ってきたものに機械的に何か決裁をするというようなことは法務大臣としてはないというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/110
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111・仁比聡平
○仁比聡平君 免田事件あるいは財田川事件始めとした四大冤罪事件、再審無罪判決というのがあります。あるいは、現に今、我々の課題としてある一九六六年に起こった袴田事件。袴田巌さんが四十五年以上この死刑判決の下で拘禁されて、二〇一四年の三月に再審開始決定と死刑及び拘置の執行停止という決定の下で、この間、社会に出てこられましたよね。この当委員会の委員の皆さんも、この袴田さんの御様子、それから救援に頑張り抜いてこられたお姉さんの言葉を直接お聞きになった方がたくさんいらっしゃると思うんですよ。大臣だって、法務委員会あるいは副大臣として御覧になってこられたでしょう。検察は、この事件、あくまで争い続けている。
そうした死刑をめぐる深刻な問題、それを、光が当たるような形でトップニュースになるとか、ほかの政治家の政治資金パーティーで何だか持ち上げのために使うとか、私、あり得ないと思いますね。しかも、今日弁明をしておられるのは、法務の職務を軽んじるような印象を与えたとすればと言うだけで、その中身として今おっしゃっているのは、死刑執行だけではなくていろんな大切な地味な仕事をやっていると、国士だと、そう言いたいということなんでしょう。
肝腎のこの、朝、死刑の判こを押して昼のトップニュースになるというのを何だか高揚感を持って語ったこと自体というのは、これ全然反省されていないじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/111
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112・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) いや、高揚感を持って語ったというつもりはなくて、また他の政治家を持ち上げるということではなくて、やはり、この法務行政というのは極めて大切な行政であるということの逆説的な導入として扱ったわけなんですが、その逆説的な導入というのがやはりそういう印象を与えてしまったということで、この発言自体をおわびして撤回をしたということです。
また、この委員会における発言というのが最もオーソライズされた発言でございまして、私自身もいろいろと発言の仕方、これについては注意をしなければいけないということで、この法務委員会では、私の発言、このような印象を与える発言についておわびを申し上げるとともに、撤回させていただくというような発言をさせていただきました。印象を与えたとすればという言い方はこの委員会ではしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/112
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113・仁比聡平
○仁比聡平君 一九六一年に起こった名張毒ブドウ酒事件という事件がありますが、奥西勝さんという方が三十五歳のときに身柄を拘束されて、残念ながら死刑判決が確定をして、四十三年たって獄死をされました。再審請求が認められなかった。最期八十九歳。この死刑制度というのは、そうした人権の本当に恐ろしいほどの制約を伴っているものなんですよね。そこの認識がない大臣に、私は法務大臣は務まらない、そう思います。
先ほど、私の誤解でなければ、先ほどの委員の質疑の中で、謝罪し、撤回をするのは、今私が議論している部分、それから統一協会の問題に抱き付かれてしまいましたなどという部分、この前段の部分とおっしゃったと思うんですけれども、後段の、外務省と法務省、票とお金に縁がない、外務副大臣になっても全然お金がもうからない、法務大臣になってもお金は集まらない、なかなか票も入らないというくだりについては、政治家の資金パーティーでの挨拶ではよく言われていることだと、そういう御答弁だったと思うんですよ。
そうなんですか。自民党というのはそういう政党なんですか。自民党の皆さん、そうなんですか。大臣のこの発言というのは撤回の必要がないんですか。外務副大臣やあるいは法務大臣というのは票もお金も集まらないと。それは先ほども議論あったけど、そうしたら、ほかの大臣は集まるのかとか、あるいは所管との関係で贈収賄、賄賂などの話があるかないかもさっき答弁されなかったですよね。それが自民党の政治資金パーティーでの挨拶の当たり前だから謝罪も撤回もしないと言うんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/113
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114・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) いえ、ここで申し上げたのは、いわゆる経済官庁についてはいろいろな形で企業の皆様とのお付き合いができる、そういう中で、政治資金パーティーなんかでも来られる方が多い。ただ、なかなか外務省とか法務省というのは、そういう企業とのお付き合いというのはそれほどあるものではありませんし、ですから、そういった意味でなかなか、政治資金という意味で、政治資金という意味ではなかなか集めづらいところはある、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/114
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115・仁比聡平
○仁比聡平君 語るに落ちているんじゃないですか。公明党さん、あれですか、国交大臣は事業官庁でたくさん業界があるから、大臣の政治資金パーティーだとかやったら、その関係の企業がいっぱい来てくれてパーティー券買ってくれるんですか。今、葉梨大臣が言っているの、そういうことでしょう。そうした政治資金パーティーでの他の政治家の持ち上げのために、死刑制度やあるいは統一協会の被害救済に極めて重い責任を負っている法務大臣がこんな軽々しい発言をするっていうのはあり得ないことです。
私は、葉梨大臣は法務大臣として不適格だということを強く申し上げて、質問終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/115
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116・谷合正明
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
参議院の役割というのは、衆議院にないこの多様な民意を受け入れる、また再考の府、様々言われますけれども、行政監視を発揮していくということもこの参議院の役割の一つだと私は思っています。したがって、今日、給与法の法案審議ではありますが、私の方からも、昨日の大臣のこの発言に関しまして冒頭幾つかただしたいというふうに思います。
その上で、やはり、国会のこの委員会の場と、質疑の場というのは大変重要だと思います。大臣もこの委員会の場での発言がオーソライズされたものだというふうに申されましたから、私は、いたずらにこの委員会をやらないという判断なかったと思いますから、今回この委員会がしっかり、時刻遅れましたけれども、このように質疑ができているということは、辛うじて本当にそこは守ったんだというふうに思っております。
その上で、先ほどちょっと仁比委員の方から公明党の話が言及ありましたから、我々は別に、票とかパーティーのために例えば国交大臣を持っているとか、そういう認識は全くないということは私の立場からしっかりと明確に申し上げておきたいというふうに思います。
それで、大臣、今日の、官房長官に官邸でお会いされた後に、記者のぶら下がりの会見があったかと思います。そのときのやり取りは、直接聞いたわけじゃないんですけれども、発言の撤回はあるのですかと聞いたときには、大臣は今のところそういう考えはないというふうにおっしゃったというふうに認識しております。ただ、この委員会では発言を撤回し謝罪するということであります。
私も、昨日の発言をニュースで聞いた限り、これはすぐに発言を撤回、謝罪すべきだと考えておりましたが、大臣、この今朝の段階、その官邸ではですね、発言を撤回とは考えていないけれども、そしてこの委員会では発言撤回する。この間、何ですかね、どういう状況の変化があったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/116
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117・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 本日この委員会が開催されるということも伺っておりましたし、また、冒頭の説明ということではなくて、自民党の委員からもこの件について質疑があるというようなことも伺っておりました。
ですから、撤回というのをどこの場で初めて言うかということですが、その記者のぶら下がりの場で言うよりも、もう既に予定されている委員会というのがあるんであれば、委員会の場でオーソライズした形で謝罪して撤回するという方が、まさに国民の代表者の前で私の意思を明らかにするというようなことで適当だろうというふうに思いましたので、撤回するという最初の、最初の発言はここの委員会の場で行いたいと、そういう思いだったわけです。ですから、何の変化があったとかいうことではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/117
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118・谷合正明
○谷合正明君 発言の撤回の意思は元々あったということで受け止めました。
大臣就任以降、何件この死刑を執行したのかについては具体的な数字は申し上げられないという話でありましたけれども、副大臣の時代からも含めてで結構ですが、どのような思いでこの死刑執行に立ち会われ、立ち会われるというか、死刑執行の判断をされたのかについて、その真情を吐露していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/118
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119・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 私からも、あれですね、実際にその事案の概要、しっかりと精査をして、そして、先ほど申し上げましたように、事実がしっかり確定している、誤判でなく確定している、あるいは被害者の感情とかいろんな事情をですね、それぞれ個別の事情によって違いますけれども、相当慎重に判断をする、その上で、法を執行する立場ですから、慎重かつ厳正な判断を行っていくということであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/119
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120・谷合正明
○谷合正明君 そうであれば、なおさらやっぱり軽率だったと本当に指摘せざるを得ない今回のそのパーティーでの発言だったと私は思います。
今後どうしていくかということでありますけれども、これは、信頼回復、どう大臣御自身がこれから職務の中でされていくかということだと思いますけれども、改めて今後について、大臣のその今後の取組について、道のりはそう簡単ではないと思いますよ。このように委員会が時間を遅れて開会しているような状況でもございます。ですから、改めて、ここは真摯に受け止めていただいて、今後どうこの回復を目指していくのかについて、その気持ちをお伝えしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/120
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121・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) しっかりと真摯に受け止めさせていただいて、先ほども、今後は言動には慎重にしてまいるというふうに申し上げましたが、単に慎重にということ以上に、やはりこの審議の場で、私の思い、あるいは法務行政への熱意、さらにはその政策の内容、しっかりと丁寧に説明をしていくということが大事じゃないかなというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/121
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122・谷合正明
○谷合正明君 法務委員会の大臣所信を聞いていましたときに、大臣は副大臣を二回務められて、法務委員長も二回務められて、法務委員会の筆頭理事も同様に二回務められたというくだりがありまして、なかなか大臣所信でそういうことを聞く機会も、ほかの場面では聞く機会なかったものですから、それほど、何ですかね、その専門性、また矜持もあるということも伺いましたし、自負というものも伺えたところでございます。
ただ、これが慢心になってはならないわけでありますし、緩みになってはならないわけであります。岸田内閣を支える重要閣僚の一人として、まさに緊張感を持って仕事に就いていただかなければならないわけであります。
議院内閣制の下で、我々与党と政府のこの緊密な連携というのは極めて大事でありますけれども、しかしながら、言うべきことはこちらも言わなきゃなりません。その政府側にいる閣僚の方からこのような軽率な発言が出るということは、本当に遺憾なことだと私は思っております。まあそのことは指摘をせざるを得ないということですね、その上で質問に入らせていただきたいと思います。
さて、今回の裁判官報酬法改正案、検察官俸給法改正案に関する質問なんですが、まず、法曹における多様な人材確保について質問したいというふうに思います。
これからの社会は、例えば経済学や理数系とか医学系など、様々なほかの分野で学んだ者を幅広く司法の人材として受け入れていくことが必要であるということで一連の司法改革がなされてきたというふうに思っております。
改めて、例えば法科大学院に未修者コースを設置するなど、多様な知的背景を持った人材を法曹として養成するその意義について確認したいと思いますが、大臣、よろしくお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/122
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123・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 所信でも申し上げさせていただきましたけれども、複雑化、高度化する社会経済、この対応、さらには、誰一人取り残されない社会の実現、ですから、そのために、この法曹にはこれ以上に本当に幅広い分野で重要な役割を果たしていただくことが大切だと思います。この法的需要に的確に対応して、潜在需要はあるんですけれども、これをより顕在的な需要に広げていくという努力も必要だと思います。
その上で、国民にとって身近で頼りがいのある司法を実現するため、御指摘の法学未修者を含めた多様なバックグラウンドを有する層の、層の厚い法曹を確保することが必要だというふうに認識をしています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/123
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124・谷合正明
○谷合正明君 弁護士白書等によりますと、毎年の司法試験受験者におけます既修者コース出身者の司法試験合格率はここ三年ほど四〇%台で推移しているのに対しまして、未修者コース出身者は二〇%を割ることがあります。
報道によりますと、ある国立大学の法科大学院は、未修者コースを重視したものの、合格率の低迷に伴って入学者も減っている状況に陥ったということであります。
そこで、法学未修者教育の充実に向けてどう取り組んでいくのか、文部科学省に尋ねたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/124
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125・西條正明
○政府参考人(西條正明君) お答えいたします。
法曹となる者の多様性の確保は重要であり、法科大学院における法学未修者に対する教育の充実が大きな課題であると認識しております。
文部科学省としては、これまで未修者の司法試験合格率について数値目標を設定し、継続的に把握、検証するとともに、未修者への教育を含む特色ある取組を行う法科大学院へめり張りある予算配分を行うなど、未修者教育の充実に努めてきたところです。
また、中央教育審議会においても、未修者教育の充実について議論を進め、令和三年に、オンデマンド方式を含めた教育効果の高いICTの活用、法科大学院修了生等による学修面、生活面、精神面での学生支援など、具体的な方法について取りまとめいただきました。
令和四年司法試験の未修者全体の合格率については、先生御指摘のとおり約二割となっておりますが、法科大学院修了後一年目に限れば、今年は三割を超え、また、修了後五年目までの累積合格率について見ると、数値目標である五割近くとなっております。
文部科学省としては、引き続き、多様な人材を質の高い法曹として輩出できるよう、未修者教育の充実に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/125
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126・谷合正明
○谷合正明君 法曹志願者の数に関連して質問しますけれども、政府は、平成二十七年に司法試験合格者数の目標を千五百人程度といたしました。今、三年連続でその千五百人という数字を下回っていると承知しております。司法試験合格率が低迷していることが法科大学院志願者数の減少を招いているという声も、指摘もあります。合格者数や合格率についての改善が必要との指摘の声もございます。
そこで、大臣に伺いますけれども、前回のこの報酬、俸給法の審査の際に、我が党の同僚議員の質問に対しまして、最高裁は、裁判官の採用について、判事補に採用するためには裁判官にふさわしい資質、能力を備えていることが必須でありますところ、判事補の給源となります司法修習終了者の人数が減少しておりますことから、裁判官としてふさわしい資質、能力を備えた上で裁判官への任命を、任官を希望する者の人数が伸び悩むという状況になっていると答弁しています。
そこで、大臣に伺いますが、有為な人材を確保するための今後の法曹養成の在り方について取組を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/126
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127・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 先ほど御答弁したとおり、やっぱりより多くの有為な人材を法曹に志望するようなこの環境整備というのは極めて大事だというふうに思っています。
まさに、環境整備の一環としては、法曹養成制度改革法、これを着実に実施するということが必要だと思います。法務省としても、関係機関と連携しながら、法科大学院教育等を一層充実させるための支援、新たな法曹養成制度、3プラス2とか、そういったものの更なる周知、法曹の魅力や幅広い分野についての環境整備と情報発信、こういったことを行うとともに、今まで以上に多くの法曹がその資質、能力を生かして活躍の場を更に広げていけるような環境整備に努めてまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/127
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128・谷合正明
○谷合正明君 是非、取組をしっかりと推進していただきたいと思います。
続いての質問は、司法の人材確保に関連して、障害者、また裁判のバリアフリーについて尋ねたいと思います。
過去問題となりました国の機関におけます障害者の法定雇用率水増し問題を受けまして、法務省、最高裁においても障害者の法定雇用率を遵守するための取組を続けていると承知しています。
令和三年六月の障害者雇用率は、法務省、また最高裁ともそれぞれに目標である二・六%を超えているということは承知していますが、今後も着実な取組が必要だと考えております。その取組についてどう取り組んでいくのかということとともに、法務省の方には、法曹人材の確保においては、障害の有無にかかわらず多様な人材が法曹となることのできる道を確保することが必要であります。現在でも聴覚障害者や視覚障害のある弁護士が活躍しているところでありますが、例えば、司法試験の受験に当たって障害のある受験者にどのような対応を取っているのか、特別措置をとった件数はどれくらいあるのか、この点、法務省に説明願いたいと思います。まずは法務省から、次、最高裁とお答えいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/128
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129・竹内努
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
法務省では、平成三十年に本省各組織の幹部を構成員といたします法務省障害者雇用推進プロジェクトチームを設置し、法務省障害者活躍推進計画を策定するなどして障害者雇用の推進に向けて取組を進めているところでございます。引き続き法定雇用率の達成を維持することはもちろんでございますが、障害のある職員が職場に定着し、生き生きと活躍できるよう、政府の基本方針及び当省の推進計画に基づきまして職場環境の整備等を着実に進めてまいりたいと考えております。
次に、司法試験でございますが、司法試験におきましては、障害のある方に対して受験機会を適切に確保するために、受験特別措置として、その障害等の種類、程度に応じた特別の措置を行っております。
具体的には、例えば、視覚障害を有する受験者の方には文字等を拡大した問題用紙、答案用紙等の配付、それから点字による出題。それから、肢体障害、手足でございますが、これを有する受験者の方には、パソコンを使用した答案作成ですとか試験時間の延長をしております。さらに、聴覚障害を有する受験者の方には、注意事項等の文書による伝達などの措置を行っておるところでございます。
令和四年の司法試験におきましては、三千八十二人が受験をしておりますが、このような受験特別措置を行った件数は延べ四十二件に上っております。
引き続き、障害のある受験者の方に対してもしっかりと受験機会を確保できるよう、受験特別措置を適切に運用してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/129
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130・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
裁判所におきましては、平成三十年十二月に裁判所における障害者雇用に関する基本方針を策定いたしました。この基本方針や障害者雇用促進法に基づきまして、これまで定期的な面談の実施により、障害のある職員と業務との適切なマッチングができているかなどの諸事情を確認し、業務内容や業務量の調整をきめ細かく行うなどして、障害のある職員が働きやすく、定着できる職場をつくるための取組を行ってまいりました。
今後とも、このような取組を継続することにより、障害者雇用を促進してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/130
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131・谷合正明
○谷合正明君 司法の多様な人材の確保に向けて、今後とも引き続きの努力を求めたいというふうに思います。
さて、裁判のバリアフリーですけれども、市民が裁判を傍聴する際においても障害の有無がハードルとなってはならないと思います。報道によりますと、聴覚障害者が裁判の傍聴を希望した場合に、統一的な運用基準はなく、各裁判所の判断に委ねられておりまして、手話通訳の手配や費用は傍聴者の負担となっているというふうに承知しております。
そこで、聴覚障害のある方が傍聴を希望する場合の運用基準の整備の状況について説明を願いたいと思います。まず、そうですね。
それに続きまして、聴覚障害のある傍聴人がいる場合に公費により手話通訳を手配することを検討課題としていくべきではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。併せてお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/131
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132・氏本厚司
○最高裁判所長官代理者(氏本厚司君) お答え申し上げます。
お尋ねのうち、まず運用基準の整備の状況についてでございますが、法廷における傍聴に関しましては、個々の裁判体の訴訟指揮権や法廷警察権等の観点から個別具体的に判断されるものでございますから、委員お尋ねのような運用基準といったものは整備されておりません。
他方、裁判所におきましては、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の趣旨を踏まえまして、裁判所における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領というものを定めております。この対応要領に基づきまして、個々の裁判体の判断によりまして、裁判所を利用する方々がお持ちの障害の特性や程度等の具体的な状況に応じた合理的な配慮が提供されているものと承知をしております。
引き続き、公費による手話通訳の手配についてのお尋ねでございます。
委員の御指摘のような聴覚障害のある傍聴人の方々に対しまして公費による手話通訳を手配することにつきましては、例えば全国の裁判所において一律に同様の対応をすることが裁判所の体制上可能かといった困難な問題などが考えられるところではございますけれども、先ほど御説明申し上げました裁判所における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領に基づきまして、個別具体的な事情を踏まえた対応を行ってまいりつつ、障害者の司法へのアクセスにつき、その属性に応じた一層の拡充を図るという視点から、今後も引き続き検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/132
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133・谷合正明
○谷合正明君 国会、参議院の傍聴については、手話通訳者又は要約筆記者の同伴が可能です、事前の申出をいただければ参議院事務局から手話通訳者又は要約筆記者の派遣を依頼いたします、費用は参議院事務局が負担しますとなっておりまして、参議院の、この国会においても不断の努力、努力というんですか、不断の改善に向けて取り組んでいるわけでございまして、裁判所におきましても、検討課題だというふうにおっしゃられましたけれども、しっかりこの委員会での指摘を受けて、改めて検討を更に深めて加速していただきたいというふうに思っております。
それでは、最後の質問になりますが、地方と都市の司法人材の格差解消に向けた取組についてお尋ねします。
現在、国内の弁護士の数は四万人を超えていますが、その約三分の二が東京、大阪などの大都市に集中しております。他方、身近に弁護士がいない司法過疎地域が生じているという問題は、地方を地盤とする議員の方であればよく実感しているところでありますけれども、どうしてこのような格差が生じているのか、法務省の認識をまず尋ねるとともに、法務省では司法過疎問題の解決のため、法テラスにおいて司法過疎地域事務所を設置しているということでありますが、その業務の概要、そして設置による成果について確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/133
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134・竹内努
○政府参考人(竹内努君) 委員御指摘のような司法過疎地域が生じていることは承知をしております。その理由でございますが、人口ですとか法的ニーズ、あるいは経営上の事情等様々であるとは思われますが、このような司法過疎地域に対する対策は重要な課題であると認識をしております。
そのため、法テラスにおきましては、司法過疎地域について、各地のニーズや地理的条件などの地域の実情に配慮をしつつ、三十四か所、全国三十四か所に司法過疎地域事務所を設置いたしまして常勤弁護士を配置するなど、司法過疎対策を実施してきたところでございます。司法過疎地域事務所は、民事法律扶助あるいは国選弁護制度を利用する法律事務のほか、一般の弁護士と同様の有償での法律の、法律サービスの提供もしておりまして、司法過疎地域の解消に努めてきたところでございます。
現在、法テラスではDXの推進を図っておりますところでございますが、DXが進みますと地域や利用者のニーズも変わり得ることが考えられます。法務省といたしましては、こうしたニーズを丁寧に把握いたしまして、司法過疎地域事務所を含む事務所の適正配置等の体制整備についてもしっかりと検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/134
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135・谷合正明
○谷合正明君 司法のDX化についても、この例えば地方と都市の司法人材格差解消に役立っていくということで御答弁いただいておりますので、DX化についてもしっかりと強力に進めていただきたいというふうに思います。
以上を申し上げまして法案の質疑を終えたいと思いますが、改めて、大臣におかれましては、引き続き岸田内閣の中での重要な役割を担っていただいて、その重みをしっかり認識していただいて仕事をしていただきたいというふうに思っております。
私の質問は終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/135
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136・加田裕之
○加田裕之君 自民党の加田裕之でございます。
私も、法案審査に入る前に、昨日の武井衆議院議員のセミナーにおいての葉梨法務大臣の発言について申し上げたいと思います。
そしてまた、この委員会の冒頭に、大臣よりこの度の一連のことにつきまして謝罪と撤回がございました。謝罪と撤回ございましたが、改めて、今日委員から様々な意見が出てまいりました。このことについては本当に重く受け止めていただきたいと思っておりますし、そして我々の方もお伺いしたい点もあると思います。
それと同時に、先ほど他の委員の方から、まあ自民党は、そういう意味で大臣や副大臣のポスト、何か経済閣僚がそうなのかとか、そしてまた外務や法務はそうでないのかという意見がありました。私の知っている限り、自民党の議員そして政務三役に就く者はそのような思いで就いている人間はいないと思います。先ほど公明党の谷合委員の方からもそういうお話ありましたが、我が党もそういう思い、同じ思いであるということも、これは誤解のないようにはっきりと、これは党の名誉でもございますので、申し上げたいと思います。
そして、それでは、大臣が昨日、法務大臣は、朝、死刑の判こを押し、昼のニュースのトップになれるのはそういうときだけという地味な役職だ、今回はなぜか旧統一教会の問題に抱き付かれ、解決に取り組まないといけないということで、私の顔も幾らかテレビに出るようになった、外務省と法務省は票とお金に縁がない、外務副大臣になっても全然お金がもうからない、法務大臣になってもお金は集まらない、なかなか票も入らないなどと発言をしたことについて、これはもう本当に、事実関係ということと、それからまた、先ほど来の委員の質疑について私は重く受け止めていただきたいと思っておりますし、改めて謝罪と撤回という部分も確認をしたいと思いますが、その点につきまして、大臣の受け止めと、そしてまた所感をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/136
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137・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 改めて、私の発言の該当部分、これしっかり謝罪をしますとともに、また撤回をさせていただくことは改めて表明をさせていただきます。
先ほど来のずっと委員の御質疑聞いておりまして、私自身も、本意と違う軽率な発言をしたこと、これについてはしっかり注意をしなければいけないし、今後、やはりいろんな職務執行に当たって、しっかりと慎重な判断、それから厳正な対処、これを行っていくということが必要だと思います。真意として申し上げた、法務行政が、基本的人権の尊重、さらには法秩序の維持、これのバランスを取った、取る形での日本の屋台骨を支える行政である、これが真意でありますが、このような軽率な発言によってその真意が疑われるようなこと、これは本当に私、これからは注意をしていかなければいけないというふうに思います。重ねて、該当部分については謝罪をして撤回をさせていただきます。
あわせて、票とか金のために私も仕事をしているわけではないし、与党も仕事をしているわけではありません。ただ単に事実関係として企業とのお付き合いというのが少ないということをそういうような言葉で申し上げたということも付言をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/137
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138・加田裕之
○加田裕之君 先般、私は、大臣が大臣所信で述べられました、先ほども答弁いただいておりますけれども、国民の生活の安定や我が国の平和と繁栄を図るため、我が国の法秩序の維持と国民の権利の尊重という二つの要請を、同時に、かつ、バランスの取れた形で実現することが不可欠です、法務行政はまさにこのことが求められていますと言われております。
私も政務官時代に、大臣が衆議院の法務の筆頭といたしまして、様々な発言や、そして行動を見ております。私は、この大臣所信というものは大臣の本当の本意であると思っております。是非とも、今日のこの各委員から、そして我が党の方も申し上げました意見というものを重く受け止めていただきまして、発言、謝罪と撤回の方はもうしていただいておりますのでこれ以上は言いませんけれども、この各委員の今日の一つ一つの言葉というものを胸に入れていただきまして、また先ほどの大臣所信の方針を進めていただきたいと思っております。これはもう強く要望いたします。
それでは、法案審議の方に入らせていただきます。
そもそも論でありますけれども、国家公務員の給与に関する、本年八月に、人事院勧告が出されました。このことについての概要と、今般の提出の法案の概要及び趣旨についてお伺いしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/138
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139・竹内努
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
令和四年八月八日に人事院は、官民較差を踏まえまして、初任給及び若手職員の俸給月額の引上げ等を内容とする一般職の職員の給与改定を勧告いたしました。
今般の法案は、一般の政府職員の給与の改定に伴いまして裁判官の報酬及び検察官の俸給を改定するものであり、裁判官の報酬月額及び検察官の俸給月額について、一般の政府職員の給与に準じて、判事補八号以下や検事十六号以下等の低い号俸の報酬、俸給月額を約〇・一四%から約一・三九%引き上げることとするものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/139
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140・加田裕之
○加田裕之君 趣旨については十分に理解しているんですけれども。
そこでなんですけれども、裁判官の報酬や検察官の俸給を引き上げることは、裁判官、検察官の人材確保につながるでしょうか。また、裁判官の報酬や検察官の俸給を、同じ司法試験で合格して活動する弁護士の所得水準に倣って引き上げるんではなくて、一般の政府職員に準じて引き上げる理由はなぜなのかということについて答弁を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/140
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141・竹内努
○政府参考人(竹内努君) 裁判官、検察官の人材確保のためには、より多くの有為な人材が法曹を志望していただけるような環境整備が必要、重要であると認識をしております。そのための取組といたしまして、法務省としては、法曹の魅力や幅広い分野での活躍についての積極的な情報発信などに取り組んでいるところでございます。
加えまして、裁判官、検察官の人材確保のためには、職務や社会の変化に対応した給与水準の確保もまた重要であると認識をしております。
委員御指摘の弁護士でございますが、一般的には、自ら顧客と契約を締結し、その契約に基づいて経費を負担しつつ報酬を得るという事業主的な営業形態を取ってその職務を行っているものでございまして、裁判官及び検察官とでは、その所得を得る態様や職務内容が大きく異なると認識をしております。
また、裁判官及び検察官も国家公務員でありますので、その給与につきましては、国家公務員全体の給与体系の中でバランスの取れたものにする必要もございます。裁判官、検察官の報酬、俸給月額につきまして、その対応する一般の政府職員の俸給月額と同じ改定率で改定額を定めるということは、一般職の国家公務員の給与に関する人事院勧告の重要性を尊重しつつ、裁判官、検察官の職務と責任の特殊性を給与に反映させるものとして合理性を有するものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/141
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142・加田裕之
○加田裕之君 ありがとうございました。
その上で、じゃ、裁判官、検察官の給与では、一般の政府職員に準じているにもかかわらず、一方で、超過勤務手当等の一部の手当がこの裁判官や検察官には支給されないのはなぜなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/142
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143・竹内努
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
まず、裁判官につきましては、事件の適正、迅速な処理のために、夜間など一般職の職員が勤務時間外においてもこれに対処することが要求される場合も少なくございません。そのため、一般職の職員と同様の勤務時間を観念することが困難でありますところから、時間外手当的な要素も考慮した上で、その職務と責任の特殊性を踏まえた報酬が設定されておるものでございます。そこで、裁判官には超過勤務手当は支給されないこととされております。
次に、検察官でございますが、検察官につきましては、事件の適正、迅速な処理等のために夜間などの勤務時間外においても対処することが要求されておりまして、時間外に勤務した時間等を計測して給与上の措置を講ずるにはなじみ難いという面もあります。そのために、そのような検察官の特殊性を踏まえまして、検察官の俸給等に関する法律第一条ただし書において、全ての検察官につきまして超過勤務手当は支給しないという規定がされておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/143
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144・加田裕之
○加田裕之君 裁判官、検察官、超過勤務手当は支給されないということなんですけれども、次に、職場の環境面について、先ほど来、長時間とか夜間にということもあったんですが、裁判所や法務省において長時間労働の是正についてどのように取り組んでいるのか、これは裁判所、法務省と双方にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/144
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145・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、長時間労働が生じないよう努めることは重要な課題であると考えております。
裁判所におきましては、合理的、効率的に業務を行うよう職場環境を見直していくという考え方の下に、一つには、仕事の仕方の見直し、計画的な休暇取得の促進、柔軟な働き方に向けた取組等を集中的に行う期間を設けたり、あるいは、職場ミーティングを通じて実情に応じた事務の見直しを行ったりするなどして、働き方改革に向けた取組を推進をしてまいりました。
今後とも、こうした取組を継続し、裁判所職員について長時間労働が生じないよう努めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/145
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146・竹内努
○政府参考人(竹内努君) 法務省でございますが、ワーク・ライフ・バランスの実現のために長時間労働の是正が必須であるとの認識は最高裁判所と同一でございます。
法務省におきましては、職員の勤務時間を見える化いたしまして、その実態を把握した上で勤務時間を適切に管理できるようにするため、現在、職員の出退勤や休暇取得等の申請管理等を一元的に行うことができるシステムであります勤務時間管理システムの導入作業を行っているところでございます。法務本省におきましては、令和五年度から同システムの運用を開始する予定でございます。
引き続き、長時間労働の是正に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/146
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147・加田裕之
○加田裕之君 実際、そういう取組ということで長時間労働の是正というものをやっていかないといけないんですが、幾ら制度をつくりましても、結局それが実行されなければ、職員の一人一人が適用していかなければ意味がありません。
また、それに続いて、昨今の裁判所、法務省における職員のワーク・ライフ・バランスの推進に向けた取組についてもお伺いしたいと思います。これは、双方それぞれお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/147
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148・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
裁判所におきましては、子育てや介護を担う職員を含め、組織全員の力を最大限発揮できるよう、職員のワーク・ライフ・バランスの推進に向けて特定事業主行動計画を策定するなどして、職場への仕事の進め方の見直し、職員の意識の改革、男性職員による育児休業取得の促進を始めとする仕事と生活の両立に向けた支援や環境整備等に取り組んできたところでございます。
今後とも、このような取組を続けてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/148
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149・竹内努
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
法務省におきましては、令和三年に策定をいたしましたアット・ホウムプラン・プラスワンに基づき、職員のワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取組を推進しておるところでございます。
具体的には、テレワークの活用、業務の効率化、デジタル化の推進、勤務時間管理の徹底、それから全ての職員が家事、育児、介護等をしながら活躍できる職場環境の整備、さらに、年次休暇の取得促進と、取得が当たり前な職場づくりなどの各種取組を進めておるところでございます。
引き続き、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取組を着実に進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/149
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150・加田裕之
○加田裕之君 ありがとうございました。
私も政務官のときに法務省のそのアット・ホウム・プラスワンの部分についても説明を受けました。大変いい制度だなという思いもいたしました。
ただ、やっぱりこれ、本省、本省とかそういう部分もあるんですが、特に裁判所におきましても、そして検察におきましても、地方のいろいろ、全国津々浦々、機関があります。その地方の部分においての本当に徹底のことについてはどのような対策、そしてどのような取組をしているか、呼びかけ、よくあります、本社で、会社でもそうですけれども、本社の方で呼びかけてなりましても、結局支社の方ではなかなか徹底していなかった、現場の方では徹底していなかったとなりましたら、絵に描いた餅みたいになってしまいますので、その点のまさに啓発といいますか、その部分についての徹底ということについての対策ありましたら、双方、一言ずつでも結構ですから、お願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/150
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151・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
裁判所の職員が、御指摘のとおり、全国で働きやすい執務環境を整備することは重要であるというふうに考えております。
裁判所におきましては、これまでも管理職員を通じて現場職員の様々な声を可能な限り引き上げるなどして、執務環境の整備に努めてきたところでございます。
今後とも、全国各庁におきまして、現場の職員がその能力を十分に発揮することができるよう、良好な執務環境の整備に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/151
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152・竹内努
○政府参考人(竹内努君) 法務省でございます。
先ほど御紹介申し上げましたアット・ホウムプラン・プラスワンでございますが、本省だけではございませんで、法務省の地方職員も対象になっておるところでございまして、本省からそのプランに基づいたワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取組を推進するよう通知をしておるところでございます。
このようにして、法務省全体についてワーク・ライフ・バランスの推進を着実に図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/152
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153・加田裕之
○加田裕之君 ありがとうございました。
やはりそのような形で、本省だけじゃなく、出先機関につきましても徹底していただきたいと思っておりますし、そうした中で、先ほども答弁ありました中で、コロナという部分につきましても大きく生活が変化いたしました。それと同時に、法務省、他の省庁に比べ、女性の職員の活躍というのも私も見させていただきましたし、裁判所においてもそういう女性の職員の方たちの、裁判官の活躍というものも注目されております。
最後に、この裁判所、法務省における女性活躍の推進に向けた取組について、法務大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
また、裁判所の事例についても、裁判所からございましたらお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/153
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154・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
裁判所においても、御指摘の女性の活躍推進は重要な課題であると認識をしております。これまでも、女性職員登用の目標を設定することはもちろんでございますが、本人との面談等を通じて長期的なキャリアに関する意向、あるいは登用に障害のある事情を把握することで、女性職員の計画的な育成を行ったり、あるいは女性職員にキャリアパスについての意識を持ってもらえるように、ロールモデルとなるような女性管理職員をできるだけ配置するというような様々な取組を行ってまいりました。
今後とも、女性の活躍の推進に向けた取組を継続することで、組織全員の力を最大限発揮できるよう努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/154
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155・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 加田委員も政務官されておりましたんで感じられたかと思いますけれども、法務省、非常に女性の率が、非常に職員の率高うございますし、本当にすばらしい戦力だというふうに思います。これを、女性にもっともっと活躍していただくということは極めて大切なことだと思います。
このため、社会や組織のダイバーシティー・アンド・インクルージョン、多様性と包摂性、これを進めることが社会や組織の活力、イノベーションの創出につながる、そういうふうに考えています。
先ほど司法法制部長から申し上げましたアット・ホウム・プラスワンに基づき、女性活躍推進のための取組として、仕事と生活を両立しながら活躍できる環境づくり、これを進めているほか、女性職員の採用拡大、女性職員の登用に向けた職務経験の付与や研修参加機会の確保等による女性職員のキャリア形成支援、計画的育成、女性職員が抱える悩みや心配事の相談ができる体制づくりなどの取組を進めております。
引き続き、第五次男女共同参画基本計画に定める政府全体の成果目標も踏まえ、法務省一丸となって女性職員活躍を推進し、全ての職員が生き生きと活躍できる職場環境の整備、これに努めていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/155
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156・加田裕之
○加田裕之君 ありがとうございました。
やはり、職場環境改善について、法務省が率先して取り組んでいただくことが私は重要だと考えております。大臣を先頭に、これまで以上に、今日のいろいろな御意見もしっかりと胸に刻んでいただきまして、そしてしっかりと取り組んでいただきますようよろしくお願い申し上げまして、私の質疑を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/156
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157・杉久武
○委員長(杉久武君) 本日はこれにて散会いたします。
午後一時十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00520221110/157
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