1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年十一月十七日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
十一月十五日
辞任 補欠選任
加藤 明良君 世耕 弘成君
十一月十六日
辞任 補欠選任
世耕 弘成君 吉井 章君
山本 啓介君 梶原 大介君
十一月十七日
辞任 補欠選任
梶原 大介君 山崎 正昭君
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出席者は左のとおり。
委員長 杉 久武君
理 事
加田 裕之君
三木 亨君
牧山ひろえ君
谷合 正明君
川合 孝典君
委 員
梶原 大介君
古庄 玄知君
山東 昭子君
福岡 資麿君
森 まさこ君
山崎 正昭君
吉井 章君
和田 政宗君
石川 大我君
福島みずほ君
佐々木さやか君
梅村みずほ君
鈴木 宗男君
仁比 聡平君
国務大臣
法務大臣 齋藤 健君
副大臣
外務副大臣 武井 俊輔君
文部科学副大臣 簗 和生君
大臣政務官
総務大臣政務官 杉田 水脈君
最高裁判所長官代理者
最高裁判所事務
総局総務局長 小野寺真也君
最高裁判所事務
総局人事局長 徳岡 治君
最高裁判所事務
総局経理局長 氏本 厚司君
最高裁判所事務
総局刑事局長 吉崎 佳弥君
最高裁判所事務
総局家庭局長 馬渡 直史君
事務局側
常任委員会専門
員 久保田正志君
政府参考人
内閣官房内閣参
事官 小玉 大輔君
内閣官房内閣人
事局内閣審議官 岡本 誠司君
人事院事務総局
人材局審議官 米村 猛君
人事院事務総局
給与局次長 岩崎 敏君
総務省自治行政
局公務員部長 大沢 博君
法務省大臣官房
政策立案総括審
議官 吉川 崇君
法務省大臣官房
サイバーセキュ
リティ・情報化
審議官 押切 久遠君
法務省大臣官房
審議官 柴田 紀子君
法務省大臣官房
審議官 小原 一人君
法務省大臣官房
司法法制部長 竹内 努君
法務省民事局長 金子 修君
法務省刑事局長 川原 隆司君
法務省矯正局長 花村 博文君
法務省人権擁護
局長 松下 裕子君
出入国在留管理
庁長官 菊池 浩君
出入国在留管理
庁次長 西山 卓爾君
外務省大臣官房
審議官 日下部英紀君
外務省大臣官房
参事官 今福 孝男君
外務省大臣官房
参事官 松尾 裕敬君
文化庁審議官 小林万里子君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○法務及び司法行政等に関する調査
(裁判記録の保存に関する件)
(名古屋出入国在留管理局における被収容者の
処遇に関する件)
(ウクライナからの避難民の受入れに関する件
)
(少年法に関する件)
(ウクライナにおける邦人男性の死亡に関する
件)
(外国人労働者の受入れに関する件)
(死刑制度に関する件)
○裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
○検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/0
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001・杉久武
○委員長(杉久武君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、加藤明良君及び山本啓介君が委員を辞任され、その補欠として梶原大介君及び吉井章君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/1
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002・杉久武
○委員長(杉久武君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官小玉大輔君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/2
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003・杉久武
○委員長(杉久武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/3
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004・杉久武
○委員長(杉久武君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/4
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005・加田裕之
○加田裕之君 おはようございます。加田裕之でございます。
大臣に早速お伺いしたいんですが、先般の大臣所信におきまして、大臣の方は、法務行政の具体的な取組ということで、共生社会の実現ということや再犯防止、そして様々な人権などの対応についての御発言がございました。
現状、法務省と地方自治体はつながりが薄いと言われておりますが、私も法務政務官をやらせていただいたときに、決してそうではないと思っております。やはりそういう地方自治体との協調というものは、やはり法的基盤を有する中におきまして大切なものだなというのは痛感いたしております。
大臣は埼玉県の副知事を経験されまして、地方自治ということにつきましても大変造詣が深いと聞いております。その経験をされた新大臣におかれまして、どのようにこの意味というのをお考えになりますでしょうか。そしてまた、これを本当に実現していくためにはどういった方向性を持って取り組んでいかれるのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/5
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006・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 私は、官僚として中央省庁に勤務をしておりまして、また埼玉県の副知事も務めましたので、中央政府と地方自治体、両方経験をいたしました。
私が初めて副知事で県議会に出たときに非常に強く印象を持ちましたのは、県議会の質疑の中でも、やはり国に関わる政策の質疑が実に多いなということを実感いたしました。それは取りも直さず、中央省庁と自治体の連携が非常に重要であるということの証左ではないかと思っております。その実感を踏まえても、中央省庁と地方自治体の緊密な連携が図られるということ、これに努力をしていきたいと思っています。
法務省におきましては、地方自治体と必要な連携を推進しております。具体的には、地方公共団体への支援として、外国人受入環境整備交付金によりまして、地方公共団体による一元的相談窓口の設置、運営を支援すると、そういった取組を実施しておりますし、地方公共団体における再犯防止の取組を促進する観点から、モデル事業の実施ですとか、その成果などの横展開等を実施していますし、あるいは、国、地方公共団体、人権擁護委員組織体等が連携をして人権啓発活動ネットワーク協議会を設け、人権に関するフェスティバルを開催するなど、人権啓発活動についても様々実施しているところであります。
こういった取組を、一つ一ついい連携を取りながら進めていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/6
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007・加田裕之
○加田裕之君 まさにその連携というものは大変大切だと思います。そして、その中におきまして、ちょっと大変残念な事件がありました。
最高裁に、先日、先月ですね、神戸家庭裁判所におけます神戸連続児童殺傷事件の全事件記録の破棄が判明しました。先般、葉梨大臣のときにもこれは質問させていただきましたが、この問題についてもちょっと取り上げていきたいと思います。
まず、これ基本的に、お伺いしたいんですが、事件記録を破棄、保存というのは司法としての判断なのか、それとも行政的な判断なのか、これは参考人の方にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/7
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008・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
委員から御指摘いただきました神戸家裁における記録の廃棄の問題につきましては、社会的に耳目を集めた事件として特別保存をするべきであったのに廃棄されているのではないかという点が問題になっているところでございます。このように、史料又は参考資料となるべきものを特別保存するという判断につきましては、裁判所における司法行政上の判断ということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/8
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009・加田裕之
○加田裕之君 実際問題、これは通達出してまで特別保存、永久保存するようにといった貴重な資料が、全国であちこちで結果的には破棄となっているものもあれば、保存となっているもの、そして期限を延長して保存となっているものなど、余りに私は現場の判断に委ね過ぎではないかという思いがいたしております。
先般の地元紙の方におきましても、この永久保存の対象となった事件記録に関しまして、全国の裁判所から提出された報告文書を五年で破棄されていたことが分かりました。この最高裁への取材でも分かった中でありますけれども、今回の問題が判明するまで各地の保存状況を十分に把握しておらず、現場任せであった実態というのが私は浮かび上がったんではないかと思っております。
もちろん、先日の答弁におきましても、各方面からの批判や指摘を重く受け止めると答弁されましたが、当時の担当者を責任追及するということではなくて、私は、やはりこのことにつきまして、本当に傷ついた、精神的にも本当にダメージを受けました遺族関係者に謝るべきではないかと思っております。その上で、今回の事態を御遺族の関係者の皆様にも説明するべきではないでしょうか。これについて答弁を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/9
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010・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
最高裁といたしましては、今件の事態につきまして重く受け止めて、一連の廃棄事案を教訓といたしまして、あるべき事件記録の保存、廃棄の運用とするために、これまでの特別保存の運用の在り方が適切であったのか、また適切な運用に向けた取組が十分であったのかどうかを有識者の委員会から客観的に評価をしていただくということを考えているところでございます。そして、その結果を含めて、事件に関係する方々を含めた国民に対する説明責任を果たしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/10
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011・加田裕之
○加田裕之君 今答弁されましたように、国民に対する説明責任の大切さというのは、私は大変重要ではないかと思っております。その中におきまして、先ほどお話、答弁されました有識者委員会の運営についてなんですけれども、例えばですけど、開催日や終了後のしっかりとした説明とか、透明性を確保していくべきではないかと思います。
また、この神戸連続児童殺傷事件の被害者でもあります土師さんを始めまして、犯罪被害者の方にこれは委員会としましても意見を聴取すべきではないかと思いますが、この点につきまして御答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/11
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012・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
有識者委員会の運営につきましては、委員から今御指摘いただいたようなことも含めまして、調査の客観性、透明性を確保するように努めてまいりたいというふうに考えております。
また、今回の件につきまして、犯罪被害者の方々から様々な御意見をいただいているところでございます。そのような御意見につきましては委員にお伝えしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/12
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013・加田裕之
○加田裕之君 委員に伝えていきたいという、先ほど様々な御意見があったということ、そして申入れ書とかも各地でも出ていると思うんです。
その点につきまして、これちょっと再質問なんですけれども、委員に伝えるという部分はいいとは思うんですけれども、実際にその方たちの声を聞くということについての検討はいかがなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/13
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014・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) 失礼いたしました。
お答えを申し上げます。
そのような点も含めまして、有識者委員会の意見を聞きながら対応してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/14
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015・加田裕之
○加田裕之君 これはちょっと大事なことなので、これはちょっと申し上げたいんですけれども、やはりこれ、有識者委員会という、皆さんは有識者であって、その専門家であります。その運用という部分につきましては、やはりこれは当局もしっかりとリーダーシップを持って言っていきたいと思っております。有識者委員会さんが全てを全て決めるというものではありません。これは厳に私も強く申し上げたいと思っております。
そしてまた、続いてなんですけれども、有識者委員会のこの結果について最終的に何らかの形で公表するのか、状況をお伺いしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/15
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016・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
有識者委員会自体まだ開催の準備中というところでございまして、その結果についてどのような形で、何をどのような形で公表するのかということにつきまして、これもやはりその委員会の委員の御意見を伺いながら決めていかなければいけないことだというふうに思っております。
委員会の意見を踏まえて検討してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/16
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017・加田裕之
○加田裕之君 これもそうなんですけれども、あくまで有識者委員会というのは依頼を受けて有識者で議論して答申をすると、その運用についてまでこれは委員会に委ねるものでは私はないと思います。最高裁がやはりこれはしっかりと今回の事案についてもリーダーシップを図るべきだと思います。
その点についてもう一度ちょっとお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/17
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018・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
今回の調査検討につきましては、当然、最高裁判所が主体的に検討していくべきものであるというふうに認識しております。その中で、有識者の意見を聞きながら進めていくということでございまして、その委員会の御意見をどのような形で聞いていくのかというのは、やはり委員の皆様の御意見を踏まえながらやっていくということになろうと思っています。
いずれにいたしましても、最高裁としてしっかり対応していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/18
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019・加田裕之
○加田裕之君 今回、やはりこの特別保存をするとなっていました事件記録というのがなくなったということは、やはりこれは私、ゆゆしきことだと思っております。やはりこの保存票とかそういうものの破棄が本当に適切であったかどうかとか、もちろん有識者の意見を聞きながらということでやっていくことはもう本当に大切だとは思うんですけれども、この点について、本当に事務方としましてもリーダーシップを持ってやっていかなければ、最終的には国民の信頼回復という部分がありますので、その点についての私は信頼回復は得られないと思っております。
次に、これは保存するための、やはり今回は私は、二つの言葉、仕組みと場所という部分ですね、この仕組みと場所の、この貴重な記録の保存の在り方についてお伺いしたいんですけれども、今回のことを教訓に、これは裁判所だけの問題ではなくて、今後、保存の仕組み、場所をつくっていくには、もちろんそういう予算とか、それから場所という部分についてはもちろん用地確保など、行政の方でも協力していかなければいけないと考えております。
加えて、原則これは破棄ということになっている。私は、今回、原則破棄という言葉というものも一つのキーワードではないかと思うんですが、この原則破棄というものではなくて、原則保存としてするべきではないかなという思いがいたしております。原則破棄だとしましたら、またこの度のようなことが起きる可能性も私はあると思っております。
保存規則の小手先だけの改定ではなくて、デジタル化も踏まえた形での記録保存の在り方についても御所見をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/19
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020・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
今委員の方から御指摘をいただきましたように、裁判手続のデジタル化が今後実現されてまいります。記録も電子化されていくということになります。そういたしますと、記録の保存という観点からは、記録を物理的に保管するスペースは不要になるということになりますし、職員による運搬も不要となるということが想定されるところでございます。
記録の電子化に伴う記録の保存の在り方につきましては、今後、このような電子化された記録の特性のほか、システムの維持管理に関するコストの問題でありますとか、事件記録等に表れる高度な個人情報を保有し続けることに関する問題等、様々な問題がございますので、そのようなものも踏まえつつ検討してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/20
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021・加田裕之
○加田裕之君 まさに、これ仕組みと場所の、この場所の部分ですけれども、電子化することによりまして、この部分についての問題というのは解消されます。
その一方では、このセキュリティーの問題とかそういう部分につきまして、本当に、これはもちろん、その保存するスペースの心配、運搬の心配、そういうものはなくなりましたけれども、一方では、そういうまさに電子化、サイバーセキュリティーの観点上、これはまた情報流出しないか。特に、この事件記録というのはまさにデリケートなこともかなりいろいろ記しておりますので、そういう部分につきましてもしっかりとした対策というものを、そしてまた、いろいろな各方面からの御意見というものも私は是非決めていただきたいと思っております。
続きまして、今度、大臣所信におきまして、これ大臣にお伺いしたいんですけれども、時代に即した法務、司法制度の実現は法務行政の喫緊の課題と述べられておりまして、デジタル化の推進やIT化の推進を積極的に取り組んでいくと述べられております。
もちろん、全体的なこのデジタル化、IT化の推進、積極的な推進というのも必要でありますし、そして、新大臣とおりまして、今日のこの一連のやり取りをちょっと聞いておりまして、大臣自身、今回のこの失われた事件記録という部分につきまして、どのような受け止めをしているのか。
そして、私自身も、この問題についても、前回の質問でも取り上げさせていただいたんですが、引き続き取り組んでまいりたいと思うんですが、これは本当にしっかりと御遺族の方たちの気持ちというものもやはり受け止めていただきたいと思っております。そうしたことを踏まえまして、大臣の受け止めをお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/21
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022・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 記録の保存をどうするかということにつきましては、それぞれの組織が実務の実態に応じて、その必要性に応じて判断をされていくものだろうと私は考えております。
今お聞きいただいているように、最高裁判所におかれては、記録廃棄の報道を受け、これまでの運用の在り方や取組について、外部の有識者の意見を聴取しつつ、今後の事件記録の管理の在り方について検討を行う予定ということであります。
法務大臣としてコメントをするのは控えたいと思いますが、事件記録の管理の適切な運用が確保されるよう、今後の裁判所の取組を見守っていきたいと考えています。
また、所信で申し上げたように、法務省においてもデジタル化は喫緊の課題だと考えておりまして、本年六月に閣議決定されましたデジタル社会の実現に向けた重点計画には、デジタル社会の実現のために政府が迅速かつ重点的に実施すべき施策が定められていますが、その中には、裁判関連手続、登記、戸籍関係など、法務省の取組についても多く盛り込まれているところでありますので、私としては、デジタル庁などとも緊密に連携しつつ、重点計画に従ってデジタル化を強力に推進していきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/22
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023・加田裕之
○加田裕之君 ありがとうございます。
実際、このデジタル化を進めていくこと、先ほど言いました保存の仕組みということ、そしてその場所という部分について、これはデジタル化が私はやっぱり不可欠だと思っております。このことについては、もちろんこれ、今回は裁判所がいろいろやることでということも答弁されましたけれども、是非これは、それをしっかりと包括する大臣といたしまして、リーダーシップを持ってやっていただきたいと思っております。
このことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/23
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024・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 立憲民主・社民の牧山ひろえです。
本日は、大臣の所信的挨拶に関する質疑というテーマでございます。僅か二十日ほど前にも葉梨前大臣の所信を聴取し、そしてそれに関する質疑を行ったばかりです。
齋藤新大臣の所信では、国内外を取り巻く課題が山積しているこの時期にですとか、国民生活の基盤を守ることを使命としているや、法務省、法務行政に対する信頼などと述べられています。今回の葉梨前大臣の問題発言は、これらを地に落とした大変な事態だったと思います。
それだけではなく、葉梨氏の発言のために国会日程も大きく乱れました。本日のような無理な日程組みを余儀なくされましたし、質問通告等の点で法務省を始めとする関係省庁の職員の皆さんにも大分御負担をお掛けしました。新大臣が所信で、前任者のこととはいえ多大なる迷惑とおわびしていたとおりでございます。
そこで、新大臣に質問なんですけれども、葉梨前大臣の発言は何が問題だったとお考えですか。このような事態を繰り返さないために、問題の本質を深く認識する必要があると思うんですね。通告していないんですけれども、これは基本的なことですし、大臣の資質に関わるので、どうぞ真摯にお答えいただきたいと思いますし、私が聞いているのは、前大臣の資質についてどう思われるかということをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/24
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025・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、お話ありましたように、この国会において、前任者のこととはいえ多大なる御迷惑をお掛けいたしましたことを改めておわびを申し上げたいと思います。
葉梨前大臣の発言につきましては、私は、前大臣自身がしっかりと説明責任を果たされるべきと認識をしておりまして、私自身からコメントをすることは控えたいと思っております。ただ、ただですね、私自身につきましては、自分が果たさなければならない職責に影響が出るような、そういう発言というものは厳に慎んでいかなくてはいけないと考えています。
いずれにしても、私としては、岸田内閣の一員として、緊張感を持って全力で諸課題に取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/25
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026・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 本当は私の質問にお答えいただきたかったんですが、残念です。
では、そのような問題発言をする葉梨氏を、新大臣がおっしゃるように、基本法制の維持及び整備、法秩序の維持、国民の権利擁護等を任務とする職責が特に重大な法務大臣に任じた岸田総理の任命責任について、大臣はどのような認識をお持ちでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/26
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027・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) これも、岸田総理が会見で説明されているとおりだと私は認識をしています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/27
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028・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 改めて御確認させていただきます。
齋藤大臣、統一教会とこれまでの関係について、政策協定があったかどうかも含めて具体的に御答弁いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/28
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029・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 実は八月四日の時点で、自民党の調査が行われる前に、多くの方からお問合せがあるということで、私は旧統一教会との関係についてホームページで公表をいたしております。
それによりますと、まず、十六年にわたる政治活動におきまして、私が挨拶や演説、ビラや個別の面会において同連合やその関係団体について言及したことは一切ありません。また、政治資金収支報告書を含む関係資料を確認したところ、寄附を受けたり会費を払ったりしたこともありません。
同連合や関係団体の会合への参加につきましては、私本人はありませんでしたが、秘書が認識をせずに一度だけ関係団体の会合に顔を出したことがある、そのことが判明をしました。
そのほか、選挙での応援につきましては、同連合やその関係団体から組織として支援を受けたことは一切ありません。これまで十六年間の政治活動で恐らく数百人の方々にビラ配りや集会などのお手伝いをしていただいておりますが、その中にお一人御関係の方がおられ、個人としてお手伝いいただいたのではないかということが分かりました。また、事務所のスタッフとしてお手伝いいただいたことはありません。
以上、これまで分かった範囲で御報告しました。短時間で調べた限りですので漏れがある可能性もございますが、早く御報告した方がよいと判断し、御報告させていただきましたというのを八月四日の時点で公表をさせていただいています。
また、お話にありました旧統一教会又はその関連団体との間で政策協定を交わしたことはあるかどうかということにつきましては、ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/29
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030・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 秘書さんが顔を出されたという統一教会の関係団体名を教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/30
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031・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 世界平和女性連合であったと聞いています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/31
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032・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
次は谷間世代についてお聞きしたいんですが、新大臣の所信的挨拶で言及された点に関連して、具体的な論点を一つ取り上げさせていただきます。高度複雑化する法務、司法制度を支える人材育成等に関連して、谷間世代の問題を取り上げます。
御承知のとおり、法曹になるためには、司法試験に合格した後、一年間の司法修習という研修を受ける必要がございます。この司法修習制度において、旧第六十五期の司法修習生までは公務員に準じた給与が支払われてきました。これを給費制といいますが、この給費制が新第六十五期から廃止され、無給となり、貸与制に変更されました。その後、二〇一七年四月に裁判所法が改正され、第七十一期から修習給付金が支払われるようになりました。ですが、新第六十五期から第七十期の司法修習生に対しては、無給のまま、何ら救済措置もとられていないんですね。この時期の修習生を谷間世代といいます。
今や法曹の主力ともいうべきこの世代に対する不公平の解消は、新大臣が所信でおっしゃられたような高度複雑化する法的需要に対応できる法曹人材育成確保、このためには必要ではないかと考えます。もちろん、谷間世代は既に法曹として活躍している方々ですが、人材確保ということならば、このような現役の方々がいいコンディションで働くことができる環境整備も含まれると考えております。
谷間世代からの救済の願いに対する大臣の所見をお伺いしたいと思います。是非、若い人たちが希望を持てるように、また納得がいくように応援の気持ちを込めてお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/32
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033・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 御指摘のように、貸与制下のいわゆる谷間世代の司法修習生につきましては、その前後の時期の司法修習生と比較すると経済的支援の内容に違いがあるのは認識しております。私自身も、貸与制が導入されるときに議員として多くの皆さんから御要請をいただいた記憶を持っております。
もっとも、いずれの経済的支援策も、その時々の司法修習生の規模ですとか我が国の財政状況等の事情を考慮しつつ、司法修習生が修習期間中の生活の基盤を確保して修習に専念できるようにし、修習の実効性を確保するための方策として採用されたもので、その時々において合理的な内容になっていると理解をしています。司法修習生となった時期により、結果としてその時々の法律に基づき実施された経済的支援の内容が異なるからといって、それが直ちに不合理又は不公平な差異となるものではないと考えています。
また、谷間世代の司法修習生に対して金銭給付などの事後的な救済措置を講ずるということにつきましては、もう既に法曹となっている方に対して国による相当の財政負担を伴う金銭的な給付等を意味することとなりまして、国民的理解を得るのはなかなか困難ではないかと考えています。仮に何らかの救済措置を講ずるとしても、従前の貸与制下において貸与を受けていない者等の取扱いをどうするかといった制度設計上の困難な問題もございます。また、経済的事情によりまして法曹として活動に支障を来すことがないようにするための措置として、貸与金の返済期限の猶予なんかの制度的な対応も認められるところであります。
したがって、谷間世代の司法修習生に対してそのような改善措置を講ずることは困難でありまして、法務省としては、谷間世代の方々を含め、多くの法曹が様々な分野においてその資質、能力を十分に生かして活躍の場を更に広げていけるよう、そのための環境整備など、情報発信等に努めてまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/33
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034・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 非常に残念な答弁です。国民的理解を得られないというふうにおっしゃいましたけれども、統計取ったんですかね。
その後、修習給付金という形で復活しているわけです。先輩も後輩も社会的インフラにふさわしい待遇を受けているのに、この時期に合格したという本人には何の責任もない理由だけでそれが受けられない。これは不合理、不公平と言わずして何と言えるんでしょうか。谷間世代は全法曹の四分の一ですよ。約一・一万人に当たるんです。この問題は長らく指摘され続けてきました。是非何らかの救済措置をとっていただきたいと思います。
平成九年に起きた神戸の児童連続殺傷事件で逮捕された当時十四歳の少年に関する全ての事件記録を神戸家裁、裁判所が廃棄していた事案に関し、前回に引き続き質問させていただきたいと思います。
最高裁は、神戸家裁による廃棄の発覚当初に、個別案件の調査は検討しないとしていましたが、前回の委員会質疑における私も含めた複数の委員の働きかけもありまして、聞き取り調査等を開始するなど、従来方針からの変更を行いました。神戸家裁の件については、個別案件についての具体的な調査を行うということです。外の意見に耳を傾け、柔軟に方針変更されたということについては評価させていただきたいと思います。
この方針変更がなされた理由、そしてこの調査の意義について御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/34
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035・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
当初、最高裁といたしましては、本件は庁全体の問題、ひいては裁判所全体の問題であるというふうに考えられることなどから、個別の聞き取り調査を行うか否かにつきましては慎重に検討する必要があるというふうに考えていたというところでございます。
その後、社会的に耳目を集めた事件の廃棄が複数確認をされ、その後、様々な御意見をいただく中で、最高裁として、事件記録の特別保存や廃棄に関するこれまでの裁判所の運用の実情、適切な運用に向けた取組の状況、これらを踏まえた今後必要な措置等についてやはり改めて検討する必要があるというふうに考えまして、有識者委員会を開催するというようなことにしたものでございます。
そして、その段階におきまして、委員会の開催前に事前の準備として一定の調査が必要であろうということを考えたところでございまして、その準備を進めていく過程で、各委員からお聞きした御意見も踏まえまして、今回の調査が必要であるというふうに判断したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/35
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036・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 では、今回実施に踏み切った個別案件についての具体的な調査につきまして、調査の内容ですとか事情聴取する対象者の範囲をお示しいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/36
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037・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
調査の内容、対象者の範囲等につきましては、今後の調査への支障ということも考えられるところでございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/37
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038・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 調査に支障って何なんでしょうか、廃棄した職員が証拠の隠滅をするとでも思っていらっしゃるのかなと思いますが。
個別案件についての具体的な調査の結果は公表されるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/38
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039・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) 今回の調査検討全体について、国民の皆様に対する説明責任を果たしていく必要があるというふうに考えているところでございます。
何をどのような形で公表していくかという具体的なその内容につきましては、各委員の意見も踏まえまして検討してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/39
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040・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 最高裁は、十一月二日の衆議院法務委員会で、裁判所の保有する記録は国民のものとして、廃棄した記録の重要性を認めました。
国民の財産であり被害者遺族も公表を求めているので、もうちょっとはっきりと公表を明言していただきたいと思います。納得のいく説明をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/40
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041・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) 繰り返しになって恐縮でございますが、私ども最高裁といたしましては、今回の件を重大に受け止めてございます。国民の皆様に対する説明責任は果たすべきというふうに考えておりますので、調査検討の結果につきましても、そのような説明責任を果たせるような形で進めてまいる所存でございます。
いずれにいたしましても、具体的にどういうことを公表するのかということについては、今後開催されます有識者の委員会の御意見も踏まえながら検討していくことになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/41
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042・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 できるだけ納得がいくような公表をお願いしたいと思います。
今回、詳細調査が決まったのは神戸家裁の事件のみです。神戸連続児童殺傷事件以外も、二〇〇四年の佐世保小六女児殺害事件や二〇〇六年の奈良医師宅放火殺人事件など、全国各地の重大少年事件で記録の廃棄が相次いで判明しているんですね。ですが、全国的に行われたそのほかの不適切廃棄については、今のところ詳細調査の対象とされていないんです。
神戸の事件は具体的な経緯の調査を行って、さきに挙げたようなそのほかの重大事件の調査は行わない。整合性がないのではないかなと思うんですが、最高裁の御説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/42
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043・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
先ほども御説明した部分に関わるのですけれども、神戸家裁の件につきましては、各委員にも御相談をした上で、委員会を今後行う事前準備として必要と考えて調査を行うこととしたものでございます。
他の事件については、今後、同様に、各委員から意見をお聞きした上で調査を行うかどうかを検討していくということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/43
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044・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 廃棄に至る具体的な事実が再発防止や管理方法の改善への基礎となると思います。神戸以外の重大事件についても、詳細な経緯の調査を行うべきだと思います。
その前提として、現在定められている特別保存の運用要領に記載されている基準で特別保存の対象とすべきだった重大少年事件についての記録の現状、保存されているのか廃棄されているのかということについて全国の裁判所から報告をさせるべきだと思うんですね。迅速に実施していただけますでしょうか。
現在の特別保存の基準とは、主要紙のうち二紙以上に終局に関する記事が掲載されていた事件という条項を指します。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/44
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045・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
今、最高裁といたしましては、現在、各庁に対しまして、特別保存の件数でありますとか特別保存に付された事件記録等の保存状況についても照会を行っているところであります。各庁における特別保存の状況の把握に努めているところでございます。
委員御指摘の調査を含めまして、今後どのような調査が考えられるのか、その手法や範囲につきましては、有識者の委員の皆様の御意見も踏まえながら更に検討してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/45
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046・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 事前のレクでこの提案をした際の当局の回答は、新聞に載ったか調べるのは難しいというふうに言われたんです。厳密性を求めればそのとおりかもしれませんけれども、全国紙二紙以上に終局記事が載る少年事件なんて、その地方では大事件だと思うんですね。関係者等、周囲の記憶にも当然残っているはずだと思います。候補となる事件さえピックアップできれば、事件の終局が掲載されていたか新聞記事を検索するのは容易だと思います。早い話ですけれども、例えば国会図書館のデータベースで検索すればすぐ分かります。
ここで必要なのは全国の要保存事件記録の現状の概要を把握することで、厳密性はその次の段階の話だと思います。いかがでしょうか。私の主張の趣旨を御理解の上、もう一度御答弁ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/46
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047・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
委員の方から今御指摘をいただいたところに関わると思うのですが、過去に遡って網羅的な調査を行うということはやはり大きな困難があるというのは言わざるを得ないのかなというふうに思っているところであります。
いろいろな手法があるというのは私どもも承知しておりますので、どのような手法や範囲で調査を行っていくのか、有識者の委員の皆様の意見も踏まえつつ、更に検討してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/47
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048・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 そんなに難しいことじゃないと思いますよ。網羅するのはというふうにおっしゃいますけれども、事実関係の確認さえ行うことでいいわけですから、それは本当に国会図書館を使うなり検索するなりでもうぱっと分かることなので、何でこんなに消極的なのかなと思うんですけど、しかも有識者委員会の意向聴取を理由付けとしているようにしか思えないんですね。有識者委員会の存在を盾に事件の風化を待っているのではないかという印象さえ持ってしまいます。
最高裁は、年内にも初会合が持たれるとされる有識者委員会に何についての諮問を行うのでしょうか。有識者委員会へのオーダーの内容について御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/48
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049・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
最高裁といたしましては、有識者委員の皆様に、これまでの特別保存の運用の在り方が適切であったのか、また適切な運用に向けた取組が十分であったのかどうかについて第三者の目から客観的に評価をいただき、御意見をいただきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/49
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050・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 では、確認の答弁を求めたいと思います。
神戸児童連続殺傷事件以外の重大事件についての廃棄案件につきまして、経緯等についての職員への聞き取りも含めた具体的な詳細調査をするべきではないかなと思います。この件を始めとして、今まで国会や報道への説明で有識者委員会の意向待ちを理由に明確な回答をしてこなかった各種論点について、こうした正面からの問いかけを有識者委員会に対して行っていただけるということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/50
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051・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
神戸家裁の事件以外の事件につきましても、先ほど申し上げたような点について、有識者委員に実情などを把握していただいた上で御意見を述べていただくというために、今後どのような手法、範囲で調査を行うことが考えられるか、有識者の委員から意見をお聞きするというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/51
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052・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 公文書は多かれ少なかれそうですが、事件記録も貴重な記録であり、ある意味で国民全体の共有財産だと思うんです。とりわけ、今回のような神戸家裁のケースの場合、少年審判ゆえに被害者や研究者でも閲覧を許されていなかったため、家裁の失態は、社会に衝撃を与えた重大事件の全てを闇に葬ることになります。この廃棄による不利益を少しでも回復する狙いで、廃棄された記録の復元に取り組む意向の有無を前回の質疑において確認したところ、こういう御答弁でした。
当該事件の記録の復元につきましては、二十五年前の事件関係の資料が現時点においてどの程度残っているかという問題、あるいは、仮に資料が残っていたとして、一部にとどまるとすれば史料としての価値があるのかといった問題など、検討には難しい問題を含んでいるものと考えておりますという御答弁でした。検討したが難しいではなく、検討するのも難しい。極めて後ろ向きな答弁だったと思います。
年数の経過ゆえに完全とはいかないのは当然ですけれども、不完全ではあっても不正確とは限りません。鑑定など廃棄された裁判所記録の言わば元データに当たるものもあるはずだと思うんです。事件発覚後早々に出され、繰り返された方針が、廃棄の具体的経緯を調査しないとのことでした。最高裁も家裁も、単なる事務上のミスと、事態を本当に軽く、問題をとっても小さく考えているんじゃないかなと思います。
今回の事案、記録を廃棄してしまったことの重大性の認識について、最高裁の認識をお伺いしたいと思います。通告しておりませんが、前回の関連ですので是非御答弁いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/52
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053・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答え申し上げます。
これまで、今回の件について様々な厳しい御指摘をいただいてまいりました。最高裁といたしましては、これまで行ってきた保存や廃棄の在り方ということについて、これで本当によかったのかということについて改めて考えなければいけないというふうに真剣に思っているところでございます。
そういう意味で、これは裁判所独りで勝手にやるのではなくて、有識者、第三者の意見もきちんとお聞きして、できるだけ客観的に検討を進めていく必要があるということで、今回、有識者の委員の委員会も開催するということにいたしまして、かつ、最高裁として主体的にこれに取り組んでいきたいということを申し上げてきているところでございます。
有識者の委員の方々の意見をお聞きするというのは、申し上げましたように、私どもだけで勝手にやるというのが適切でないと思っているからでございまして、私どもの今回の件に対する重く受け止めているというその思いは御理解いただきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/53
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054・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 最高裁もお認めになったように、本来は保存すべき国民の財産を自らのミスで廃棄してしまったわけです。そういったことについて反省のお気持ちがあるならば、このような不適切な廃棄を二度と起こさないために、事件記録について原則廃棄、例外保存としているところを、逆に原則と例外を入れ替えて原則保存とするべきではないかなと思うんです。
以前、当局は、原則廃棄としている理由を二つ挙げられていました。保管スペースの問題があると、それからもう一つは個人情報の関係だというふうにおっしゃっていましたけれども、保管スペースに関しましてはデジタル化という解決策がありますし、個人情報の問題は管理と公開ルールの問題ではあっても廃棄ということに直結する要素ではないと思います。
この重大事件を機に原則保存へ制度設計自体を切り替える検討をすべきだと思います。最高裁、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/54
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055・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
裁判手続のデジタル化が実現いたしまして記録が電子化された場合には、委員から今御指摘いただいたように、記録の物理的な保管スペースというものの問題が生じないというところでございます。
もっとも、これを原則として永久に保存するということにいたしますと、今度は、やはり、事件記録等に表れる高度な個人情報を保有し続けることに関する問題ということはやはり慎重に検討する必要があると思っておりますし、システムにおける保存容量が累積的に増加するということになりますので、それに伴うシステムの維持管理に関するコストが増大するといった問題も考慮する必要があるというふうに考えております。
いずれにいたしましても、記録の電子化に伴う記録の保存の在り方というのは今後しっかり検討を進めていく必要があるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/55
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056・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 是非前向きに検討していただきたいと思います。
時間となりましたので、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/56
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057・石川大我
○石川大我君 立憲民主・社民の石川大我です。
本日は、齋藤大臣の所信に対しての質問となります。どうぞよろしくお願いをいたします。
先日、所信挨拶をお聞かせいただきましたけれども、この中で、大臣所信の中に死刑制度に関する事項が一切触れられていなかったわけですけれども、この件についてはどのように御認識をされていますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/57
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058・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 死刑の執行については、私の立場としては刑の執行の判断に関する事柄かなと思っておりまして、法務行政が抱える様々な政策課題に関する所信として述べるのはどうかなと思ったものですから、そのようにさせていただきました。
いずれにしましても、私は、死刑執行の判断は法務大臣の果たすべき重要な職責であると認識していまして、法務大臣として、裁判所の判断を尊重しつつ、法の定めるところに従って慎重かつ厳正に対処してまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/58
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059・石川大我
○石川大我君 前葉梨法務大臣の発言に伴いまして、まさに様々な方が、ニュースなんかでもかなり取り上げられたものですから、明らかになってまいりました。例えば、刑務官の方、本当に死刑執行に立ち会う方、そして死刑囚と向き合う方たちも、退職をしても、もうそのときの夢を見ない年はないといったようなお話も出てきましたし、また、法務大臣の皆さんもそれぞれ苦悩されながらサインをするといったようなお話もありました。
そういった意味で、私は死刑は廃止をすべきだというふうに考えておりますけれども、廃止といいますか、やっぱりこれは世界的な流れの中では死刑を廃止をするということですので、やはり我々としては、この死刑制度というのをどう乗り越えてこの社会の在り方を構成していくかということだというふうに思います。まさに克服するというか、この死刑制度を乗り越えて民主制度を更に発展をさせていくということをしっかり大臣ともお話を今後させていただきたい、議論させていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
そして、大臣は所信で入管問題にもお話をしております。退去強制令書が発付されたにもかかわらず、様々な理由で送還を忌避する者が後を絶たず、収容の長期化が生じており、この問題の解決の必要性が指摘されてきましたというふうに述べられております。一刻も早く送還忌避者を本国に帰すことということが問題解決の最短ルートというふうに、これは法務省がずっと言っていることですけれども、そういった趣旨だったのではないかなというふうに思っています。
ただ、大臣、この問題、私も長年関わっておりますけれども、もう帰りたくても帰れないというような方たちが本当にたくさんいらっしゃるということも僕も分かってまいりました。そういった意味では、昨日の衆議院法務委員会では、山田委員に対して、被収容者や支援者等当事者に会うことは白紙だというふうに述べられたわけですけれども、やっぱりこれ会うことというのはとても大切だというふうに思っております。
私、この入管の問題関わらせていただいて、収容者の方から支援をしてほしいというようなお話をいただきますと、必ず会いに行って、その方のお話を三十分とか一時間話を聞いて、そして、ああ、これは本当にひどいんじゃないかということであれば、何かお手伝いができることがあればやりますよという形で御支援や御相談をさせていただいているんですが、やっぱり現場の方々に会うということ、とても大切だというふうに思います。
時間の調整などいろいろあると思いますけれども、是非、施設を見学するだけでなくて、視察をするだけでなくて、中に入っている人たちの声を聞いていただきたいんですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/59
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060・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 収容されている一部の外国人とだけ直接お会いして話をするということになることについて、私も行政経験が長いものですから、その実施の仕方次第によってはいろんな、職務の公平性の観点とかいろんな問題があるなということが頭に浮かぶわけであります。
ですから、昨日の時点で、御質問があった時点ではそういうものが頭に浮かんだものだから、まだいいとも悪いとも言えないかなということで白紙だということを答弁させていただいたということでありますが、いずれにいたしましても、現場で対応を行う職員には、外国人やその支援者としっかり向き合い、人権の尊重という意識を持って執務に当たってもらいたいと考えているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/60
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061・石川大我
○石川大我君 是非、前向きな御答弁いただいたというふうに思っておりますので、是非検討いただきたいというふうに思います。もちろん全員に会うということも不可能ですので、そこはいろいろ工夫をしていただいて、例えばアンケートを取っていただいて、そういうような声も含めながら、何人かと会うとか、いろいろ公平性という意味では、いろいろそういった工夫ができるんだと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
そして、名古屋入管での女性死亡事案についても御発言がありました。ウィシュマさんの死亡事件のことですけれども、この死亡事案での最終報告書の問題、これ非常に我々注目をしておりますので、是非大臣にも御注目をいただきたいというふうに思います。
特に、死亡直前の尿検査の件なんです。ここ、とても、大臣、非常に大事なところなので是非注目していただきたいんですが、死亡直前に尿検査をしています。そのときに、ケトン体という物質が三プラスという数字が出ているんですね。この三プラスと言われましても、私たち医学の素人からすれば何のことなのかなというふうに思うわけですけれども、これ、我が党、我が会派にも医師の議員がおりまして、その医師の議員に聞きますと、このケトン体の三プラスというのは本当に異常な数字で、一度聞けば忘れられないと。ケトン体がプラス三になっているんだったら、三プラスになっているんだったらもうすぐ対応しなきゃいけないんだと、飢餓状態ということでですね、というふうに、まあ異常な数値なんだというふうにおっしゃっておりました。
ただ、これ担当した看護師は医師にこの数字を伝えたと言っているんです、最終報告書の中で。しかし、医師は尿検査結果を把握したかどうか記憶が定かでないというふうに言っているんです。これ、お二人の内容に矛盾があるわけです。
ウィシュマさんを映した入管のビデオは、私たち新しく法務委員会になりましたので、見ていない方もいらっしゃるので、私も見ていませんので、前回もお話をしましたけれども、このビデオの件に関しては、委員長、改めてビデオの開示というものを御協議をいただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/61
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062・杉久武
○委員長(杉久武君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/62
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063・石川大我
○石川大我君 是非、大臣も積極的にこれを開示をしていただくという決断をしていただきたいと思うんです。
そして、これ矛盾しているということは、やっぱりここに大事なポイントがあるというふうに思います。これ、中間報告ではこの結果が出てこなかったんですね。これを入管庁に聞いてみますと、これ、事務的なミス、たしかファクスだったと思いますが、ファクスが届かなかったんだとかいう、そういう理由でこれが中間報告に出てこなかったということで、それはちょっとあり得ないだろうということで、意図的に隠したのではないかなということも、私、疑わざるを得ないような状況でして、是非、この最終報告書の当該看護師さん、そして医師の方、この二名の、委員長、この方たち、しっかりこの委員会に招いて、委員会で参考人招致をよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/63
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064・杉久武
○委員長(杉久武君) ただいまの件につきましても、後刻理事会において協議いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/64
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065・石川大我
○石川大我君 この最終報告書の中にも、これだけじゃなくて多くの疑問が本当にあるわけです。そういった意味で、是非、こうした問題に大臣として丁寧にやっぱり向き合っていただきたいと。
私たちは、この最終報告書、これではなくて、例えば日弁連の定める第三者委員会の規定に従った形でしっかりもう一回これ作り直すべきだというふうに私たちは思いますけれども、是非これ丁寧に大臣として向き合っていただきたいのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/65
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066・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 当然、この調査報告書についてはしっかりと向き合っていきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/66
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067・石川大我
○石川大我君 是非よろしくお願いいたします。
菊池長官に来ていただいております。お伺いします。
昨年三月十二日の参議院予算委員会で、佐々木長官、前長官ですね、様々な事情で送還に応じることができない方に関する質疑を行いまして、佐々木前長官からは、本当は不法滞在だけれども法務大臣が特別に在留を許可することができると御答弁をいただきました。
日本に生まれ育って、日本語も話し、日本文化の中で生活をして、地域でまさに活動してきた方、この方は、まあ小さなお子さんたちも含みますけれども、こういうような方を全部不法滞在者というふうに呼んでいいのかどうかというのは非常に疑問だというふうに思います。
このような方々、法務大臣の職権で在留特別許可を出すことができるというふうにおっしゃっているわけですけれども、長官、これは改めて確認ですけれども、これは正しいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/67
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068・菊池浩
○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。
退去強制手続の中におきまして、法務大臣の裁量によって特に在留を認めるという措置が法律上規定されてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/68
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069・石川大我
○石川大我君 まさにこの在留特別許可というのは法務大臣が下せる、そういった制度になっておるわけですから、そういった意味では、様々な事情を抱えて帰るに帰れないという方たち、そういった方たちを、その命を救うことができるのが法務大臣の権限であるということを是非御認識をいただいて、これは積極的に運用すべきだというふうに、そういった積極的に運用した時期もあったわけですから、そういった積極的に是非運用していただきたいというふうに思っております。
そして、また名古屋入管の問題ですけれども、今年の七月二十九日に名古屋入管で、男性被収容者との面会、そして名古屋局長との意見交換を私、してまいりました。その方は厳格なムスリム、イスラム教徒の方でして、完全なハラル食しか食べられず、ただ、入管で出てくる食事というのはハラルではないわけですね。そうすると、なかなか食べられるものが本当に少なくて、空腹で十キロ以上痩せてしまったと、もう何とかしてほしいということで、助けてくれということで私のところに連絡がありました。
実際に名古屋に行きまして御本人に会ったんですけれども、本当にもうずっと、何というんですか、胃酸が出てくるというか、げっぷをしまして、胃酸が出てきてもう気持ちが悪いというような状況の中で面会をしたわけですけれども、これ、何とかやっぱり改善すべきではないかということをお話をしましたところ、局長からは、特定の人にだけ特別な食事、この方の場合はハラルですけれども、それを提供することは行政運営の在り方として公平ではないというようなことを言われてしまいました。
別に好き嫌いで、今日は牛丼が食べたい、今日はカツ丼が食べたいと、それを全部出せというふうに僕は言っているわけではなくて、やっぱりこれはおかしいんじゃないかというふうに思います。
そして、食べられないものを出すということは宗教への冒涜でもあると思うんですよね。食べられないものを目の前に出して食べろということは、それは宗教を信じている方にとっては非常に冒涜であり、屈辱であり、苦痛であるというふうに思っております。
一般論として、様々な理由で特定のものしか口にすることができない被収容者の官給食の提供については、これが正しい行政運営だとは私は思わないわけですけれども、齋藤大臣、そして菊池長官、それぞれ御見解をお示しいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/69
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070・菊池浩
○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。
個別の事案についてのコメントは差し控えさせていただきますけれども、一般論で申し上げますと、入管収容施設では、被収容者処遇規則に規定された糧食のエネルギー等を満たす官給食を提供しており、また、食事の献立についても、個々の被収容者の宗教や健康状態等を踏まえ、可能な範囲で個別に対応しているところであります。
具体的には、宗教上の禁忌や食物アレルギー等により食べることが難しい食材等がある場合には、その旨給食業者に伝達し、他の食材で栄養基準を満たすことができるよう特別な給食を用意してもらうなどして対応してございます。今後も被収容者に対する適切な食事の給与に努めてまいる所存でございます。
言及のございました名古屋入管局長の発言につきましては、いかなる経緯、文脈、意図の下になされたものであるかの詳細を承知しておりませんが、入管庁としては、あくまでも入管収容施設においては、食事の献立についても、個々の被収容者の宗教や健康状態等を踏まえ、可能な範囲で個別に対応すべきと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/70
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071・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 今長官答弁したように、私も、入管収容施設では、被収容者処遇規則に規定された糧食のエネルギー等をしっかりと満たす官給食を提供していて、また、食事の献立についても、個々の被収容者の宗教や健康状態等を踏まえ、可能な範囲で個別に対応していると承知をしていますが、結論として、その官給食によってもう過度に健康が害されるよというようなことはあってはならないと考えていますので、今後とも、外国人のニーズを的確に把握しつつ、人権等に配慮した適切な処遇には私も目を配っていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/71
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072・石川大我
○石川大我君 是非よろしくお願いいたします。
これは、まさにイスラム諸国との外交問題にも発展するようなものだと思います。やはり、豚肉が食べられない方に豚肉を出してこれを食べろということは、それはやっぱりあってはならないことだというふうにも思います。
そして、これいろいろ話を聞いてみますと、やはり予算の問題もあるようです。お弁当を作る給食の業者がやっぱりこのお値段ではちょっとハラル作れないよというようなお話もあるようですので、そこら辺は財政措置もしっかり御検討いただいて、そういった対応をしていただきたい、改善をしていただきたいというふうに思います。
時間が大分なくなってまいりましたけれども、LGBTの問題について大臣に是非お伺いをしたいというふうに思っております。齋藤大臣と、LGBTについてお伺いをしたいと思います。
同性婚を求めるマリッジ・フォー・オールというイベントがありますが、第一回から出席をいただいたりメッセージを寄せていただいているということで、非常に感謝を申し上げております。また、二〇二一年の衆議院選挙のNHKのアンケートには、同性婚についてどちらかといえば賛成というふうに答えをいただいております。非常にうれしい思いはしているわけですけれども、大臣のLGBTへの思いをまずお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/72
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073・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 実は、私の高校の同級生で一人、当時はカミングアウトしていなかったんですが、社会へ出てからカミングアウトされた方がおられまして、そういう方のお話を聞くと、やはり全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にして生き生きとした人生を送ることができる、そういう多様性が尊重される社会、これを実現することは重要であるというふうに考えています。そのような思いから、一人の国会議員としてメッセージを送らせていただいたし、一人の国会議員としてアンケートに答えさせていただいたということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/73
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074・石川大我
○石川大我君 当事者の方が身近にいらっしゃるということで、やはり身近な存在として感じることで、様々私たちLGBTの問題も非常に御理解をいただけているというふうに理解をさせていただきました。一人の国会議員としてというお話ですが、是非、中身は変わらないわけですから、そこは法務大臣として、是非職責を果たす中でこの人権の問題も積極的に取り組んでいただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。
同性同士の事実婚、内縁関係についてちょっとお伺いをしたいというふうに思います。
男女の内縁関係、まあ事実婚ですけれども、一定の権利義務関係が認められております。二人の者が支え合って生活をしているという事実状態、これを保護しようということだというふうに思うんですけれども、同性同士でも、この事実婚、内縁関係として保護すべきなのではないかというふうに思うわけです。
最高裁判決でも、婚姻に準ずる関係というふうに言及をされています。これ、二〇二〇年三月ですけれども、同性カップル間で不貞行為があったということで、異性間の内縁関係と同じ権利が認められるかというのが争われた裁判で、東京高裁では、同性間でも婚姻に準ずる関係として法律上保護されるべきだというふうに判決を下しまして、その後、一年後に最高裁でもやはりこれを、この判決が確定するというような状況になって、世界はどんどん変わっている、日本も変わっているということで、せめてこの内縁関係というのをしっかり認めていったらいいのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/74
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075・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 同性カップルにつきましては、法律上の婚姻関係にある者と同様に取り扱われるべきか否かということにつきましては、それぞれの制度との関係において検討していく必要があるだろうと考えておりまして、一概に申し上げることは私は困難だなと思っています。
御指摘の裁判例の中には、同性カップルに関する具体的な事情を詳細に認定をした上で、婚姻に準ずる関係があったと言うことができるとした上で、同性カップルの一方が第三者と性的関係を結んだことにより関係を解消するに至った場合には、法律上保護された利益を侵害されたというものとして、不法行為による損害賠償を求めることができるとしたものがございます。
いずれにしても、繰り返しになりますが、それぞれの制度との関係において検討されるべき問題であって、ちょっと一概に申し上げることは困難であると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/75
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076・石川大我
○石川大我君 時間が来たのでまとめますけれども、やはり制度によってというお話ですけれども、男女の間でも、普通に同居をしているカップルと、内縁関係、事実婚関係にあるというカップルは分けて考えまして、一定の条件の下にこれ認めているわけで、そういった検討もできるのではないかということを御指摘して、午後にも時間ありますので、この続きはやらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/76
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077・谷合正明
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
大臣が農林水産大臣を務められたときに副大臣としてお支えしておりましたので、今回、法務大臣として国民から信頼される法務行政の先頭に是非立っていただきたいと心からエールを申し上げたいというふうに思います。
今日の限られた時間でありますけれども、大臣所信に対する質問ということで、何聞こうかなと考えたんですけれども、難民、避難民問題について取り上げていきたいなというふうに思いました。
私は、緒方貞子さんに大変影響を受けてきた一人であります。一昨日、緒方貞子さんを振り返る会というのも開催されまして、そこの場にも行かせていただきました。UNHCRのトップとして、国内外の尊敬集められた希有な人だったと思います。その後、JICAの理事長にもなられましたけれども、その緒方貞子さんにも直接御指導いただく機会があったんですが、ちょうどシリア難民問題が起きたときに、国際的にこの受入れに関してヨーロッパも非常に国内政治問題化しているときに、緒方さんの見解を伺ったときに、もう少し日本が人道、博愛主義というんでしょうか、もう少しオープンになっていかなきゃならないというような御指摘もいただいたところでございました。
それから月日がたちまして、今年に入りまして、ウクライナの侵略ということでウクライナ避難民が相当世界に出たということなんですけれども、我が国は、今回、ウクライナ避難民を積極的にしっかり保護する、受け入れるという政策を取っております。これは非常に現地でも評価されておりますし、私自身も今回大きくかじを切ったなというふうに思っております。
既に日本には二千人を超える方々が避難されておりますが、ただ、一点、これ何を、法律の根拠もなく今受け入れているという状態です。また、第三国定住のような閣議了解という、そういう手続も経てやっているわけではございませんので、もちろん総理の決断という重い意思で内閣全体としてやっているわけでありますけれども、やはりこの法整備の必要性というのはあるんだと思います。
もう一点は、これ、ウクライナの問題のみならず、今後、世界の有事に際しまして、例えば防衛三文書の今議論を与党でも行っておりますが、国民保護ということが大変重要な課題になっておりますが、これ同時に、在外に住んでいる国民を保護すると同時に、その国の人も日本に保護を求めてくる可能性も同時にありまして、そうしたときに、戦争を理由として、この避難する方をなかなか難民条約上、正面から難民として認定を受けることが難しいということで、補完的保護という今概念が出てきているわけでありますが、大臣に、この補完的保護の法整備の必要性についてどのように認識をされているのか。
大臣所信の中では、人道上の危機に直面する人をより確実に保護する制度の必要性に触れられておりますけれども、具体的に言及していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/77
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078・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 今回のウクライナ避難民の方々のように、本国情勢等を踏まえ、人道上の配慮を要する方々を一層確実に保護する制度を設けることは重要な課題だと認識しています。
昨年の通常国会に提出した入管法改正法案において、難民条約上の五つの理由以外の理由により迫害を受けるおそれがある者を補完的保護対象者として認定する制度を創設する予定であったんですけれども、法案は残念ながら成立に至りませんでした。
真に庇護を必要とする者を確実に保護するとともに、送還忌避、長期収容問題という喫緊の課題を一体的に解決するためには必要な法改正が必要で、早期の実現に向けて全力を尽くしていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/78
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079・谷合正明
○谷合正明君 分かりました。
それで、私も、このウクライナの避難される方々に何度かお会いする機会もあるんですけれども、是非大臣も、お忙しい中でありますけれども、そうした機会も一度はつくっていただきたいなというふうに思っております。
さて、この補完的保護制度が創設されたといたしましても、現在日本に来ているウクライナ避難民の中には、その保護申請希望する方もいるかもしれないけれども、しない方もいるかもしれない。それは、ウクライナが安定になればウクライナへ戻りたいということもありますから。
そうしたことを考えますと、保護申請を希望しない、この補完的保護に乗らない方であったとしても、在留資格や生活支援に不利益が生じないような対応をすべきだというふうに、私は今後そうすべきだと考えておりますが、入管庁の今の考えについて確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/79
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080・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 委員御指摘の補完的保護対象者の認定制度につきましては、先ほど大臣から答弁がございましたように、創設を検討しているところではございますが、現在、その検討中の法案の内容を前提としてお答えすることは困難ではございますけれども、仮にこの補完的保護制度の申請を希望しない方がいらっしゃるということになったとしても、ウクライナを取り巻く情勢を注視しつつ、個々の置かれた状況等にも十分配慮しながら、在留資格を付与するなどの適切な対応をしていくことになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/80
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081・谷合正明
○谷合正明君 大変大切な答弁いただいたと思っています。
先日も、私、ウクライナの方々に会ったときに、半年先、一年先と言ったかな、自分自身がこの日本で暮らしていけるんでしょうかとかいうこと、結構不安に思っていらっしゃる方がいて、それは当然日本として、今のウクライナ情勢の中でウクライナに強制的に戻すというようなことはあり得ませんよと言ってはいますけれども、やはりこの法制度の根拠というか担保がないと不安だということは、やっぱり当事者じゃないと分からないなというふうに思った次第でございます。
それでは、政府全体に今置かれておりますウクライナ避難民受入れ連絡調整会議の体制、役割、開催実績について確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/81
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082・小玉大輔
○政府参考人(小玉大輔君) お答えします。
ウクライナ避難民対策連絡調整会議は、ウクライナ避難民に対する支援を適時適切に行うため、内閣官房長官を議長、法務大臣及び外務大臣を副議長、その他の関係閣僚等を構成員として、本年三月に設置された会議体でございます。
これまでに、本年三月及び四月に開催され、政府一体となってウクライナ避難民の受入れや必要な生活支援等を行っていくことを確認するなどしておりまして、この方針に基づき、本連絡調整会議の下に設置されたタスクフォースにおきまして、支援の具体的な在り方を議論、調整するなどしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/82
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083・谷合正明
○谷合正明君 済みません、三月、四月に開催されたままなんですか。それ、今はやっていないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/83
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084・小玉大輔
○政府参考人(小玉大輔君) この連絡調整会議の開催自体は本年三月と四月でございますが、その下に設置されたタスクフォースでは随時開催して議論や調整などを行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/84
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085・谷合正明
○谷合正明君 関連しますけれども、今、内閣官房の下に難民対策連絡調整会議というものがあると思いますが、この難民対策連絡調整会議の体制、役割、開催実績について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/85
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086・小玉大輔
○政府参考人(小玉大輔君) 難民対策連絡調整会議ですが、難民をめぐる諸問題について、関係行政機関の緊密な連携を確保し、政府として必要な対応を検討するため、事務の内閣官房副長官を議長、内閣官房副長官補を副議長、関係省庁の局長級等を構成員として、平成十四年八月に設置された会議体でございます。
本連絡調整会議におきましては、これまでに、条約難民や難民認定申請者への支援策、第三国定住難民の受入れや支援策を決定するなどしておりまして、直近では令和元年六月に開催され、第三国定住難民の受入れの対象及び規模を拡大することを決定するなどしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/86
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087・谷合正明
○谷合正明君 これも令和元年ですから、そうするともう三年以上やっていないということなんですけれども。
これはそもそも、インドシナ難民を日本が受け入れて、その後、難民条約、日本が批准して、インドシナ難民を受け入れるときにまず連絡調整会議というのができて、それから難民全体の問題に関しての調整会議の位置付けになって、それから日本が第三国定住を受け入れるということになったときに、特に第三国定住について大変議論してきたと。今回、難民問題全体にわたっての調整会議という位置付けになったというふうに理解しました。
では、このウクライナの方の調整会議と、今のその調整会議以外に、難民、避難民に関する政府の調整会議というのはあるんでしょうか。あるかないか、確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/87
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088・小玉大輔
○政府参考人(小玉大輔君) お答えします。
内閣官房を含めまして、関係閣僚、また関係省庁から構成され、難民、避難民の受入れや支援の実施等を主たる目的とする会議体としましては、御指摘のとおり、ウクライナ避難民連絡調整会議及び難民対策連絡調整会議の二つのみと認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/88
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089・谷合正明
○谷合正明君 そこで、ウクライナ避難民に関しては調整会議を、これは官房長官を議長としてやっていると。一方で、難民問題全体にわたる難民対策連絡調整会議、事務方がトップになってやっているわけですね。
今後、いろいろ考えますと、第三国定住難民だとか、あるいは、難民の留学生を受け入れているということもJICAの方でやっておりますし、条約難民に関する問題もあります。私は、ここで包括的な政府連絡調整会議というのが必要じゃないかなというふうに思います。
その際に、関係省庁だけでやるんではなくて、受入れは実際これは自治体がやっていきますから、自治体とかあるいはUNHCRなどを含む官民の知見を共有する場というものをつくっていくべきじゃないかと思います。常設の委員会でありながら、何か三年間やっていませんとか、ウクライナについてもこの春にやったきりですというんでは、なかなか、どういったらいいでしょうか、緒方貞子さんの精神が日本に生かされないのではないかというふうに思います。
この点について、内閣官房の見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/89
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090・小玉大輔
○政府参考人(小玉大輔君) お答えします。
お尋ねにつきましては、それぞれの対象者の特性、受入れや支援等に関する各施策の内容の異同等を踏まえつつ、それぞれの対象者に関する制度の状況等に応じまして、より実効的な施策の実現に資する観点から、その会議体の在り方についても検討されるべきものと認識しております。この点につきまして、内閣官房としても、関係省庁とよく意思疎通を図りながら、必要な調整機能を果たしてまいりたいと考えております。
また、実際に支援を担う自治体等の支援内容やニーズ、国際的な動向等に関する知見を関係省庁間で共有することは、委員御指摘のとおり、難民、避難民の受入れや支援等を適切に行う上で非常に重要であると考えております。内閣官房としても、引き続き、関係省庁間でこれらの各種知見等が共有され、より実効的な支援につながるよう努めてまいりたいと考えております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/90
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091・谷合正明
○谷合正明君 我が国も受入れについてはなかなか進んでいなかったとも指摘されてきてはいましたけれども、もう今やこのアフガンとかミャンマーとかウクライナとか、様々なやっぱり国際課題にしっかり取り組もうという時期に来ているわけでありまして、それなりに実績も経験も積んできております。ですから、個別のアドホックな課題で対応するんじゃなくて、包括的なものが必要じゃないかなと私は思います。
今回、補完的保護を、法整備を進めていくということであれば、それも一つの私は喫緊の課題じゃないかなというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/91
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092・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 我が国に避難された方々の受入れや支援につきましては、様々な省庁の施策と関連するものであるため、関係省庁が連携した上で政府全体で対応していくことが重要であることは言うまでもないことであります。また、御指摘のように、こうした方々の受入れや支援に当たっては、地方自治体あるいはUNHCRを始めとする国際機関との連携も重要だというふうに認識しています。
委員御指摘の難民、避難民に関する包括的な政府対策本部については、現行の取組の状況等もしっかり踏まえながら、その必要性も含めて政府全体で検討していくべきものだろうと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/92
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093・谷合正明
○谷合正明君 来年は、UNHCRがグローバル難民フォーラムというものを開催する。このグローバル難民フォーラムについては、特にこの避難民を、難民を受け入れている国、共催という形で開催したいということで、日本もその共催国の一つとして手を挙げるということ、決まったというふうに聞いております。その議題の中では、難民、避難民問題もそうなんですが、無国籍問題についても議論されるというふうにUNHCR側から聞いております。
先般、フィリッポ・グランディ、UNHCRのハイコミッショナーが来日されましたけれども、私自身もそのフィリッポ・グランディから、無国籍問題について、日本の積極的な取組について期待する声を伺ったところであります。
我が国として、無国籍地位条約、無国籍削減条約について批准すべきではないかというふうに考えますが、外務省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/93
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094・今福孝男
○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。
議員御指摘のとおり、無国籍者の地位、権利、これを保障すること、また、新たに無国籍者を発生させないような配慮をすることは我が国において重要であると認識しており、現行法の枠組みの範囲内で、無国籍者の置かれた立場に配慮しながら、適切にこれまで対応してきていると認識しております。
無国籍者の地位に関する条約及び無国籍の削減に関する条約の締結に関しては、政府全体で多岐にわたる検討が必要になる課題でございます。そういったことから、今後慎重に検討することとしております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/94
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095・谷合正明
○谷合正明君 その政府全体というのもよく分かりますが、慎重に検討するというのもちょっと慎重過ぎるんじゃないかなと私は思います。もう少し何か、方向性として何か、どうなんでしょうかね、積極的なのか前向きなのかよく分からないんですけど、どっちなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/95
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096・今福孝男
○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。
無国籍者の地位に関する条約は、これは原則といたしまして、外国人を含む全ての者を対象としている市民的及び政治的権利に関する国際規約及び経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約等々と重複する部分が見受けられるようなところもございます。そういった観点からも、本条約の定める権利の性質等を精査した上で慎重に検討する必要があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/96
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097・谷合正明
○谷合正明君 いずれにしましても、今の世界情勢の中で、難民問題というだけで一くくりにできない、避難民ですとかこの無国籍の問題とか、もう幅広くなってきていまして、そういうことも踏まえて法務省としても議論を進めていただきたいと思います。
最後になりますけれども、ちょっと若干趣旨が変わってくるんですが、G7の司法大臣会合の件で、最後、齋藤大臣に伺いたいと思います。
先週、私、ウクライナ大使であります松田大使とオンラインで会談をさせていただきました。その際、司法外交議連の会合だったものですから、特に松田大使からは、ウクライナに対する人道支援のみならず、司法支援を是非日本からお願いしたいという話でありました。あのウクライナという国は、実は元々、司法についてやはりいろいろな課題もあって、汚職の問題だとか専門家の人員体制の問題であるということで、特に日本側からのこの司法協力の必要性というのがあると。
そうした中で、ドイツ、議長国のドイツが、この十一月、近く司法大臣会合を開催するということで、急遽この開催を決めたわけです。これ、多分何年ぶりかだと思います。来年、日本が議長国でG7の関係閣僚会議というのがもう既に決まってしまっているんですけれども、ただ、今のこの世界情勢考えたときに、ロシアのこの非道な行為の責任というものをどう問うていくのかということをやはりこの司法大臣会合という場でしっかりやっていかなきゃならないんじゃないかと。
日本は、まさに京都コングレスなど、様々な経験を持っています。G7の中で唯一のアジアの国ですから、ASEANの司法大臣会合をやるということはもう決まっておりますが、このG7の中で司法大臣会合というものを、追加開催ということをやっぱり真剣に検討しなきゃいけないと思っておりますが、大臣の見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/97
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098・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、今年のG7司法大臣会合については、残念ながら私が出席することはできませんが、副大臣が出席するという方向で今検討を進めています。
今回の会合では、G7各国が、戦争犯罪等の捜査、訴追に関するG7の知見や経験を共有し、ウクライナにおける戦争犯罪の解明にどのような協力ができるかといったことを協議することが予定されていると承知しております。G7及びウクライナとの連帯というものを国際社会に示すべく、法務省としてもしっかり対応していきたいと考えています。
来年の対応につきましては、今年の会合まだこれからですので、今年の会合の結果や国際情勢等を踏まえながら判断をしていきたいというふうに考えています。
いずれにしても、我が国は次期G7サミット議長国としてG7との連携強化に努め、また司法外交を国際社会で一層強く推進してまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/98
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099・谷合正明
○谷合正明君 是非、このドイツの会合へ副大臣が行かれるということでありますけれども、もう日本開催も視野に入れながら積極的に発言、コミットしていただきたいなというふうに思っております。
時間が参りましたので私からの質問は以上とさせていただきますが、是非また齋藤大臣、今後とも引き続きよろしくお願いいたします。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/99
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100・梅村みずほ
○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほでございます。齋藤大臣、どうぞよろしくお願いいたします。
私は、前大臣のときにも御紹介申し上げたんですけれども、二人の子供を育てながら普通のワーママをしておりましたところ、もう子供が減って減って仕方ないこの国で、国際競争力も低下していく、子供が大きくなったときには今ある仕事もたくさん失われているだろうという中で、また安全保障環境も悪化していくという状況の中で子供を育てていくのが何とも不安になったという経緯がございます。そして、一般の母親ではありますが、子供たちの未来のためにどうにかしないとということで今この議席に立たせていただいているという経緯がございます。
そして、この法務委員会、自ら志望して参りましたが、リーガルマインドというものが私の中にどれぐらいあるかと言われましたら、この法務委員会、大臣も御存じのとおり、法曹界出身の委員の方々が多い中で、全くそういったものと御縁がない人生を歩んでまいりました。私が大臣に投げかける質問の多くは、素朴な一般の親目線のものも含まれると思っていただければと思っております。
さて、大臣所信ということで、聞きたいこともたくさんあるのですが、来年四月のこども庁創設へ向けて準備室も動きを本格化させているところでございます。法務行政においても子供に関わる多くのマターがございまして、岸田総理のおっしゃる、こどもまんなか社会の実現のためには、法務省も大変大きな役割を担っていらっしゃるものと理解しております。齋藤大臣におかれましては、御就任の経緯も伴って時間の大変タイトな中で、その責任の重みを感じながら早速の御公務に当たられているかと存じますけれども、本日は、青少年と犯罪、そして刑事責任について主にお伺いしたいと思っております。
私も今日はパソコンを開きながら質疑をしていますけれども、インターネットは大変便利なもので、私、あるワードを先ほど調べました。成年という言葉です。今年の四月から成年年齢が引き下がりまして十八歳になりました。この成年年齢と民法とは切り離すべきという議論もありまして、また様々な御意見、御議論がありまして、少年法に関してでは、先般の改正に当たって、十八歳、十九歳を特定少年というふうに定めました。
私ども日本維新の会は、その改正の際に反対をした立場でございます。それは、単純に言えば、なぜかというと、この十八歳、十九歳、じゃ、大人なんですか子供なんですか、そこをはっきりさせてあげなければ、若い人たちが大人になったという自覚が持てないのではないか、責任を負えないのではないか、そういった意識に立つものでございます。
そこで、まず最初の質問ですけれども、インターネットで先ほど成年という言葉を調べましたのでありますが、最初に出てきた言葉がこれでした。成年の説明として、人の心身が十分に発達し一人前と認められる年齢とのことだったんですね。この説明は国の考えと合致しているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/100
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101・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、私も二人の子供を育ててまいりましたので、是非いい議論が委員とできればいいなと思っています。
この御質問、事前にいただいていたので、私も事務方と大いに議論しながら、どう答弁するかと考えてまいりました。
まず、特定の辞書における成年の定義がどうこうということを法務大臣の立場としてコメントすることは控えたいと思っていますが、成年という文言は、社会的には一人前の大人という意味で使われていると私は思うんですけれども、一人前の大人になったら何ができるようになるかですとか、その年齢は何歳かなどについては、やっぱり事柄によって異なるのではないかなと。そういうことで、いろいろな法律で個別に定められている。例えば、御指摘の民法において用いられている成年年齢は十八歳ということであります。
契約などの法律行為を単独ですることができる年齢という意味や、親権者の親権に服さなくなる年齢という意味で使われているわけでありますが、民法上の成年年齢は、法律行為をするかどうかについて単独で適切な判断をすることができる能力を定型的に有している年齢という観点から定められたものというふうに考えておりまして、繰り返しになりますが、やはり法律によって、何ができるようになるかとか、その年齢は何歳が適切かということについては、事柄によって異なることもあるんだなというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/101
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102・梅村みずほ
○梅村みずほ君 齋藤大臣、大変丁寧に御答弁いただきまして、ありがとうございます。
これは合っていますかと、心身共に成熟して発達して一人前、これが成年で合っていますか、これは私の周りに多くいる保護者や、若い方々、おじいちゃん、おばあちゃん、普通の市井の方々がシンプルに問いかけるような質問ではないかなと思います。
けれども、私もこの世界にやってまいりまして、法律というのはかくも細やかに、これはやはり国のため、国民のためを思って一つ一つ慎重に検討されたことではあるんですけれども、大変難しい。大臣がおっしゃいましたように、一人前の大人というのが成年であろうと、まあごく一般の、全員ではありませんけれども、多くの方が思っている中で、では、じゃ、喫煙はどうでしょうかとか、ギャンブルはどうでしょうか。一つ一つ具体になると、それはもうちょっと上でいいんじゃないか、下でいいんじゃないか、いろんな議論があると思います。けれども、やっぱり分かりにくいというのが率直な私の感想でもございますし、多くの有権者にも話を聞いてみても思うところでございます。
そして、この少年法ですけれども、十八歳、十九歳というのが特定少年というふうに定められました。先ほども申しましたように、我が党は、この少年法の適用年齢をそれまでどおりの二十歳未満にとどめつつ、特定少年、十八歳、十九歳は検察の逆送致の罪種の範囲を拡大して、起訴後も実名報道を解禁するとしている、この理解ができないわけではないんですけれども、この中途半端な、大人なのか子供なのかというところが子供たちの自立の妨げになっているのではないかというふうにも思うのですけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/102
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103・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 少年法は、御案内のように、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的としておりまして、十八歳及び十九歳の者を含め、少年の再非行の防止と立ち直りに一定の機能を果たしてきたと思っています。
一方で、公職選挙法の定める選挙権年齢が十八歳に引き下げられ、民法の定める成年年齢も十八歳に引き下げられることになるなど、社会情勢の変化を踏まえ、御案内のことと思いますが、本年四月に施行された改正少年法においては、十八歳以上の少年を特定少年として、十七歳以下の少年とは異なった特例が定められた、そういう経緯があるわけであります。
このように、今般行われた法改正では、罪を犯した十八歳及び十九歳の者について、これらの方々が成長途上にあって可塑性を有する存在であることから、その改善更生、再犯防止を図るため、全ての事件を家庭裁判所に送致し、原則として更生のための保護処分を行うという少年法の基本的な枠組みを維持することとしつつ、社会情勢の変化を踏まえ、刑事司法制度においてもその立場に応じた取扱いをするため、原則逆送事件を拡大をして、実名等の報道を一部解禁するなど、十七歳以下の少年とは異なる特例を定めることとしたものであります。
このように、特定少年に係る特例の趣旨や内容に鑑みれば、特定少年という制度が設けられたということには一定の意味があるんだろうというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/103
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104・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
御答弁、丁寧にいただきましたけれども、まだ発達の段階であると、成熟していく途中なんだということも重々承知なんですけれども、じゃ、二十歳はどうですかといったら、まだ若いと言えると思います。これは本当にグラデーションで、どこで線を引くんですか。私も四十四歳ですけれども、まだまだ発展の途上だと思っていますし、まだまだ未熟者でございます。そういった中で、じゃ、十八歳、十九歳と二十歳とどう違うのかというふうになると、これまた個別によるわけですね。人によるというのが実情だと思います。また、更生の可能性、これも二十歳以上にも当然あるわけでございます。
私は、選挙区が大阪でございまして、先日、少年犯罪被害当事者の会の武るり子さんという方とお話をさせていただきました。少年犯罪によって犠牲に御家族がなられた場合、大変な苦しみを抱きながら御遺族というのは暮らされるわけなんですけれども、この少年法の意義というのは理解されている方が大変多いと思います。けれども、じゃ、その少年法の目的である更生、一つである更生ですね、これがしっかり行われているのかどうかというのは大変重要だというふうに思っております。
心から罪を悔い改めることができれば、被害者や遺族へわびたいとするのが発達した心身を持つ成年であり、社会の構成員として求められるべき姿勢であると考えております。大臣が先ほどおっしゃった一人前の大人というものは、やはり反省し罪を認識したら謝りたいと思うのが成年ではないかというふうに思います。少年が未成熟であること、十分な更生の可能性があることで大人とは違う処分というふうになっていますけれども、まあ処分といいますか、扱いになっていますけれども、殺人という罪を犯して入所して退所してきても、被害者の仏前に手を合わせることはおろか、遺族に対し謝罪も手紙もない少年たちがいるのもまた事実なんです。
少年院から出てきて被害者に対しておわびの手紙も言葉もない、彼らのことを更生したと言えるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/104
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105・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 被害者やその家族に対する謝罪など慰謝の気持ちの表し方は、少年本人、その家族が置かれた状況、被害者やその家族の御事情など様々な事柄が関わるもので、複雑なものなんだろうと認識しています。
御指摘のような例があることは承知していますが、個々の事情は多様であって、少年がどのような場合に更生したと言えるかを一概に答えることは困難だと思いますが、以下、私の所感になりますが、少年の特性や発達段階等には様々なものがあって、中には、表面的な被害者理解にとどまって、自らの加害事実に対する反省の気持ちや被害者に対する謝罪の気持ちが必ずしも十分に涵養されていない場合もあるのではないかと承知をしています。
少年が被害者及びその家族に対して心からの謝罪の気持ちを持って、誠意を持って対応していくための方策を考えていくことは、少年の立ち直り、再犯防止において極めて重要な課題でありますし、被害者及びその家族のお気持ちにお応えするものであると認識をしています。少年が加害事実と向き合い、被害者やその家族へ誠意を持って対応していけるよう、私としても処遇の一層の充実に努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/105
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106・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
私も、言葉で言えばそれでいいとは思っていません。心が伴わなければ、たとえ仏前で手を合わせ土下座して謝ったとしても、心が伴っていなければ意味はないと思っています。
ここでちょっと認識を共有したいんですけれども、ただ少年院などで物理的な時間を過ごすことだけが罪を償うことにはならないというのは共通の認識としてあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/106
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107・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 少年院は、健全育成の理念に基づいて、在院者の改善更生及び円滑な社会復帰を目的として、個別の問題性及び生活環境等に応じたきめ細やかな矯正教育を行っております。
NPO法人等の協力を得て、ゲストスピーカーとして被害者等による講話の機会を設けるなど、償いは、在院中のみならず、出院後も含め長きにわたり向き合うものであることを指導しております。
また、被害者を死亡させ、又は生命、身体等に重大な影響を与えた事件を犯した者等に対しては、体系的な教育プログラム、被害者の視点を取り入れた教育ですが、を行っておりまして、被害者やその家族の立場に立った事件の振り返り、自己の責任と被害者及び家族が置かれている状況の深い理解、具体的な償いに向けた保護者等との話合い等を進め、在院者が謝罪に向けた決意を固めるよう努力をしているところであります。
そのほか、職業上有用な知識、技能を習得させることで、出院後の安定した就労による生活再建を図り、被害者やその家族へ被害弁済をするよう指導もしています。
在院者が被害者やその家族に対して心からの謝罪の気持ちを持ち、誠意を持って対応していくための方策を考えていくことは、被害者及びその家族のお気持ちにお応えする上で、繰り返しますが、重要な課題であると認識をしています。被害者やその支援団体などの意見や要望を取り入れながら、これらの指導の一層の充実に努力していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/107
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108・梅村みずほ
○梅村みずほ君 入所中、出所後も続く青少年に対する様々なプログラムがあるということで、必ずしも質問の明確な御答弁になっているかというのがちょっと疑問ではあるんですけど、ごめんなさい、物理的な時間過ごすだけ、ただ時間過ごす、その少年院で過ごすことだけが罪の償いとは考えていらっしゃらないということでよろしいですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/108
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109・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) そのことを具体的に申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/109
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110・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
では、こちらも是非共有をしたい認識なんですけれども、犯罪によって家族の命が奪われました際に、遺族の悲しみや加害者に対する憎悪の気持ちというのも時には当然生まれるものです。加害者が少年である場合と成年である場合は違いはないと私は考えておりますけれども、大臣はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/110
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111・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) これは人間の感情に関する大変難しい御質問だと思いますが、加害者が少年であるか成年であるかによって犯罪により御家族等の命を奪われた方々の悲しみなどに違いがあるかについては、それぞれの事案にもよりますので、私は一概にお答えすることは困難かなと思っています。
もっとも、誰しも、ある日突然卑劣な犯罪によりまして最愛の御家族等の命が奪われることになることは予想だにしていないはずであって、御遺族の方々の混乱や悲しみは、加害者が少年であるか成年であるかを問わず、いずれも非常に大きいものだと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/111
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112・梅村みずほ
○梅村みずほ君 おっしゃるとおり、数字に表せるものではありませんので、個別によって全く細かいところでは違ってくるとは思います。けれども、やはりお子さんを亡くされた、配偶者を亡くされた、いろんな御遺族のお話を聞きますと、やはりそこに違いは余りないのだろうというふうに私自身は思っております。
少年犯罪で家族を失った御遺族は、大変な苦しみを味わいながら時間を過ごされます。家族の時間は止まったまま、時にはいわれない言葉をぶつけられることもあり、本当に、病気でたとえ大切な人を失ったとしても苦しむわけですけれども、事苦しみながら生きなくてはいけないという現状を鑑みますと、こういった、犯罪によって大切な方の命を失った方全てにと言いたいところなんですが、せめてこの少年犯罪で家族を失った御遺族には公的なグリーフケアが必要だと考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/112
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113・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 犯罪の被害に遭われた方やその御家族、御遺族が被害から回復し、平穏な生活を取り戻せるよう、犯罪被害者等一人一人に寄り添ったきめ細やかな支援を行っていくこと、これは必要なことであると認識しています。また、犯罪被害者などの保護、支援のための制度について、犯罪被害者等の方々に適切に情報提供することも重要であると認識しています。
政府においては、第四次犯罪被害者等基本計画等に、支援等のための体制整備への取組を重点課題に係る具体的施策の一つとして掲げ、例えば、事件発生直後からの犯罪被害者等への付添い等の犯罪被害者等に寄り添った支援に取り組むなどしているところであります。
法務省においては、少年審判に関する制度を含む犯罪被害者等の保護、支援のための制度等を解説したパンフレットを全国の検察庁に配付しているところ、検察官においては、犯罪被害者等からお話を伺う際などに必要に応じてパンフレットを手渡し、それぞれの犯罪被害者等に応じた適切な情報提供を行っているものと承知しています。
また、全国の地方検察庁におきましては、犯罪被害者等支援に携わる被害者支援員を配置し、様々な相談への対応や犯罪被害者等に寄り添った支援に取り組む関係機関、団体等の紹介を行うなどしているほか、被害者ホットラインを設けて電話等により被害相談や事件に関する問合せをできるようにしているところでございます。
私も、グリーフケアの必要性、重要性については認識をしておりますので、今後も警察庁等の関係府省庁と連携しつつ、犯罪被害者等の方々を支援する取組の更なる推進、充実に努力していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/113
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114・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
御遺族の苦しみや悲しみというのは、時間を経るごとにまた変化してまいります。最初から伴走型の支援があると、御遺族の方がどれだけ救われるかと思います。
本日は、いじめの問題も絡めて刑事責任年齢についてもお伺いしたいと思っておりましたが、また改めたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/114
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115・鈴木宗男
○鈴木宗男君 質問に入る前に、委員長にお願いというか、これ相談したいんですけれども、十月二十七日の当委員会で、委員長は私に、鈴木宗男君に申し上げます、法務委員会の申合せでマスクの着用をお願いしておりますのでよろしくお願いいたします。私はマスクをしておりました。これ、今議事録に載っているんですね。私はこれは是非とも削除していただきたい。
委員部に確認しますと、委員長発言あるいは私のそのやり取りの中で、委員長がその部分を削除すれば私の話も自動的に削除されるというのが何か事務的な話として聞いていますので、この点お願いします。
なぜかというと、私はこのときは反応しなかったんですけれども、最後の部分で私は委員長に言っているんです。私は、委員長と、マスクは外しておりませんでしたと、マスクを着けてくださいと言われるのはどういうことですかと言ったら、委員長が、マスクが、鼻と口が見えている状態でお話しになっていた。しゃべっていてマスクがずれてきただけのことなんですね。
着けていないとずれたのでは全然違いますので、ここは正確を期すために、また、このまま残っていると私がルール違反したことになっていますから、この点、法務委員会には、プライバシーや人権にはうるさい、あるいは統括する委員会だと思いますので、ここは是非とも委員長、委員長の発言を消してくれれば私のこのやり取りも自動的に消しても構いませんので、この点、是非とも御理解をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/115
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116・杉久武
○委員長(杉久武君) 今手元に議事録がございませんので、議事録の内容を確認の上、理事会の先生方の御意見も踏まえながら、今の御発言の趣旨を踏まえて適切に対応したいというふうに思っておりますので、また内容につきましては個別に相談をさせていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/116
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117・鈴木宗男
○鈴木宗男君 委員長、理事会にかける話じゃないんですよ。私はこれ委員部ともきちっとすり合わせして聞いたところ、ルールとして、委員長が事実でないことを言ったから、それは委員長が分かりましたって了解して外せば、次の私のやり取りもこれ自動的になくなるということなんですよ。
これ、委員長、私もそれなりの議員経験持っているんです。慣例主義でこの委員会が動いている。何でもかんでも理事会協議というのはおかしいんです。委員長のこれ判断で決められる話なんです。分かりますね。だから私は、委員長の判断はどうかと聞いているんです。理事会マターの話じゃないんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/117
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118・杉久武
○委員長(杉久武君) 御趣旨は理解をいたしましたので、具体的な中身につきましては後刻御相談をさせていただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/118
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119・鈴木宗男
○鈴木宗男君 委員長、中身じゃないんですよ。私はマスク着けていたわけですから、委員会の申合せではマスクを着けることになっていますというのは事実じゃないんですよ。だから、それは外すのは当然じゃないですかと言っているんですよ、発言録から、議事録から。これ委員長の判断なんで、済むということなんです、事務的には。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/119
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120・杉久武
○委員長(杉久武君) 御趣旨は理解しましたので、どこをどういうふうにするか、具体的に御相談をさせていただいて、適切に対処をしたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/120
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121・鈴木宗男
○鈴木宗男君 その相談というのは私になるんです、この場合は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/121
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122・杉久武
○委員長(杉久武君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/122
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123・鈴木宗男
○鈴木宗男君 だから、私は、何も、何か付け加えてくれだとか、こうしてくれって要望しているんじゃないです。事実だけ残していただきたい。事実だけはきちっと正確にしていただきたいということなんです。だから、それだけ委員長が理解してくれればいいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/123
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124・杉久武
○委員長(杉久武君) その点は理解をいたしましたので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/124
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125・鈴木宗男
○鈴木宗男君 あとは委員部の方とちょっとすり合わせをして、議事録作ってもらえればいいと、こう思っていますので、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/125
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126・杉久武
○委員長(杉久武君) じゃ、質疑続けて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/126
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127・鈴木宗男
○鈴木宗男君 外務副大臣に来てくれています。お忙しい中、ありがとうございます。
外務大臣に一点だけ確認したいし、その前に一言お礼申し上げます。
十月二十九日、ソウルの梨泰院で雑踏事故が起きました。残念ながら、日本人二人が亡くなりました。改めて哀悼の意を表しながらも、そのうちの一人が私とは家族ぐるみの人の娘さんでした。
遺体が日本に帰る際、韓国側からは当初二週間ぐらいという時間が掛かるやに言われましたが、在ソウルの日本大使館を始め、外務本省、領事局長を始めアジア局長等々、特に担当課長さんですね、北東一課長も一生懸命やってくれまして、もうお願いしてから五日目で無事日本に全くきれいなお姿で戻ることができました。この点、外務省に心から感謝申し上げますので、担当の皆さん方に、お礼と感謝を言っていたと、こうお伝えいただければ幸いであります。
あわせて、韓国側もよくやってくれましたので、私は逆に日韓新時代のこれ一助になるなと、こんな思いもして、尹大統領にも、私は十一月の四日、直接お礼も申し上げたし、朴振外務大臣、外交部長官にもその旨お伝えしておりますので、皆さん方によろしくお伝えをいただきたいと、こう思っております。
そこで、外務大臣、これ報道で知ったんですけれども、十一日、外務省が、ウクライナで日本人がいわゆる戦闘参加していて亡くなったという報道がありました。外務省が発表されました。日本のメディアは余り大きく扱っていないんですけれども、官房長官も記者会見でこの事実は言っていますが、誰が、いつ、どんなルートで入って、どこで亡くなったのか、こういったことは全く国民に知らされていないんですね。
邦人保護という観点で外務省が一生懸命事後処理等をやっていると思われますけれども、そのちょっと詳細をお知らせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/127
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128・武井俊輔
○副大臣(武井俊輔君) お答え申し上げますが、その前に、先ほどお話もございましたが、鈴木委員におかれましては、さきの梨泰院の事故につきましては、大変様々な情報の御提供また御指導をいただきまして、また、私どもの前副大臣でもございますが、衆議院の鈴木議員とともに大変御指導をいただきましたこと、心からまず感謝を申し上げます。
質問にお答えをさせていただきますが、先ほどお話ございました、このウクライナでの戦闘に参加をしていた邦人男性が死亡したという件でございますけれども、現地時間の十一月の九日でございますが、ウクライナでこの邦人男性亡くなられたわけでございますが、邦人保護の観点から、現在、在ウクライナ日本大使館が、御家族の御意向も踏まえ、御遺体を管理しているウクライナ政府との調整等の支援も行っているところでございます。
加えまして、また、お話ございましたが、旅券等のことでも御質問ございましたが、これにつきましては、死亡した当人の旅券またルート等につきましては、個人情報保護等の観点から、これ以上の詳細についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/128
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129・鈴木宗男
○鈴木宗男君 武井副大臣、どこで亡くなったのか、外務省として、邦人保護の観点から、いつこの人が入って、どういうルートでまた入ったのか、それは何も隠す話ではないんではないでしょうか。あと、これ、氏名公表しないのはどういうことで氏名公表しないのか。少なくとも、大使館の皆さん方が全力でサポートしていると思うんです、その御遺族、御家族の皆さん方に対しては。これはやっぱり国としての責任でやっているわけでありますから、ここは私は、開かれた外交という意味からも、極力国民に知らせるのが当たり前でないかと思うんですね。そういった意味でも、できるだけ私は、公にできる部分ではお知らせした方がいい。
外務省は、ウクライナには行かないでくださいと言っているわけですから、言っていて逆に公にしないということは、どうぞ隠れて行っていいですよということを言うようなものですからね。この点、どうぞしっかりと、こういった不幸なことが二度と起きないようにするためにも、びしっと私はやっぱりめり張りを付けて、知らせるものは知らせる、あるいは公にしないものはしないというふうに分けた方がいいんじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/129
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130・武井俊輔
○副大臣(武井俊輔君) 御指摘の点でございますけれども、これは個人の行動の履歴に関わる点でもございますので、重ねてでございますが、これ以上の詳細についてはお答えを差し控えたいと存じます。
また、委員より、氏名の、御当人のですね、公表という必要性ということにも御言及もございましたが、これにつきましても、個人情報また御家族の御意向等々を含めまして、慎重に対応することが必要だというふうに考えております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/130
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131・鈴木宗男
○鈴木宗男君 副大臣、じゃ、亡くなった場所はどこで亡くなったんでしょうか。戦闘で亡くなったというんですけれども、ウクライナのどこでの戦闘で亡くなったんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/131
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132・武井俊輔
○副大臣(武井俊輔君) 今公表していますのは、そのウクライナの戦闘に参加をしていた方が十一月の九日に亡くなったということの公表はしておりますが、具体的な場所またその対応については公表していないところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/132
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133・鈴木宗男
○鈴木宗男君 外務省は、現地の大使館とか、掌握はしているけれども公表はしていないという理解でいいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/133
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134・武井俊輔
○副大臣(武井俊輔君) もちろん、これ戦地での状況でありますので、必ずしも、必ずしもつまびらかに詳細を承知しているかということについては不明な部分もありますが、当然、詳細、状況、可能な限りは把握をしているところでございますが、先ほど申し上げた観点から公表は控えているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/134
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135・鈴木宗男
○鈴木宗男君 武井副大臣、邦人保護というのはやっぱり外務省の大きな仕事でありますから、しっかりやってください。
あわせて、外務省が国益の観点で秘匿するものは秘匿しなければいけませんけれども、ただ、結果としてこういう不幸なことになった。皆さん、やっぱり行かないところには行かないでくださいというのを徹底する上でも、極力私は公にした方が外務省のためにもなると、こう思っております。二人目、三人目なんということ起きたら困るわけですから、やっぱり危ないところには行かないでくださいと絶えず外務省は指導するわけですから、それをやっぱり実行してもらう上でも、私は、やっぱり国民に少しでも知らせる方がいいのではないかなと、こう思っております。
外務大臣をしっかり、林外務大臣をしっかり補佐して、武井副大臣、頑張ってください。もうあとは質問ないですから、どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/135
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136・杉久武
○委員長(杉久武君) では、武井外務副大臣は御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/136
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137・鈴木宗男
○鈴木宗男君 ありがとうございました。
齋藤大臣、御苦労さまです。葉梨前大臣の後を継いでの任務ですから、非常に齋藤大臣、実に緊張感を持っていると思いますが、私も昭和五十八年に国会に出てきてから今年で四十年目ですけれども、歴代法務大臣見ていまして、久しぶりに将来性のある大型法務大臣だと、こう思っております。
二〇〇〇年の第七十代法務大臣は高村正彦先生でした。十二年前は谷垣禎一先生。やはり自民党のそれぞれ後々重鎮になって、大きなリーダーシップ発揮されましたが、歴代の大臣、個性もあったり、それなりに真面目だったり、様々なタイプの大臣おりましたけれども、齋藤健大臣は、私は期待できるし、これから日本のためになれる、あるいは大きな役割を果たす人だと、こう思っております。
なぜ私がそこまで言うかというと、一回目の選挙、大臣失敗していますから、これがいい経験になっていると思います。二回目も厳しい選挙でしたけれども、それ以後はずっと当選してきて今日あるわけですから、ですから、あなたの能力買われて、当選三回で既にもう大臣、農水大臣経験しているんですからね。私は、そういった意味では過去のあなたの足跡を見ても評価しているんですね。
そこで、齋藤大臣、葉梨大臣が十月二十五日、大臣としての挨拶されました。そして、その二十日後に齋藤大臣が新たに大臣所信というか挨拶されていますが、葉梨大臣のときとは違って、二つ新しいことを言っています。
葉梨大臣の挨拶じゃなかった中で新しいのは、一つは所有者不明土地問題への対策等であります。これ、普通、通常国会になれば、葉梨大臣の挨拶がそのまま法務行政として踏襲されるものだと思うが、新しく付け加えた、この大臣の判断、認識はどこにあるのかと。
もう一つ、法務省施設の耐震化・老朽化対策も新しく入っております。もう来年度の予算は概算要求は決まっていますから、もう枠は決まって新たなことはできないと思いますね。私は、大臣は恐らく来年、再来年の予算を見据えての、逆に前向きな気持ちでの新たな施策展開をしたいという意味で入れたのかなという理解をしているんですが。
この二つ、この臨時国会も時間のない中で、なぜ大臣がこういう発想になったかをちょっとお教えいただければ有り難いと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/137
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138・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、鈴木先生におかれましては、大変過分なお言葉を頂戴いたしまして、本当に身が縮むような思いをしています。
実は、鈴木先生とは、私、一九九九年から二〇〇〇年にかけまして深谷通産大臣の大臣秘書官を務めておりました。そのとき、先生は官房副長官でおられまして、大臣と副長官のやり取りの中で、二点ほど当時の副長官が政治的にすごい動きをされてびっくりをして、政治というものはこういうものなんだということをしみじみ経験をしたことが二回もございまして、その経験は、今、私の中でも生きているんじゃないかと思っていますので、感謝を申し上げたいと思っています。
御指摘の二点ですけど、まず、大臣所信が前大臣からまだ間もなかったものですから、基本的には施策に大きな変更はないと、それから、臨時国会中の交代でもありますので、継続性を重視して私はやっていくべきだろうと考えました。
ただ、御指摘の二点について、まず、所有者不明土地については、私も農林大臣その他やっていましたものですから、この問題が非常に大きな問題であると考えておりましたし、耐震の問題につきましても、私も農林大臣で数々の、熊本の地震へも対応しましたし、そういう思いもありまして、ちょっと書かせていただいたということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/138
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139・鈴木宗男
○鈴木宗男君 今の大臣の答弁を聞いているだけでも、やっぱり大臣は先を見ているというか、それだけでも期待できると、こう感じましたので、しっかり職責を果たしていただきたいなと思います。
一分ほど早いんですけれども、午後からまた委員会ありますから、そこで質問させていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/139
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140・杉久武
○委員長(杉久武君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
午後零時九分休憩
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午後一時三十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/140
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141・杉久武
○委員長(杉久武君) ただいまから法務委員会を再開いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、梶原大介君が委員を辞任され、その補欠として山崎正昭君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/141
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142・杉久武
○委員長(杉久武君) 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/142
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143・川合孝典
○川合孝典君 国民民主党の川合孝典でございます。
本日は、大臣の所信に対して質疑を行わせていただきたいと思います。
まず、大臣所信の冒頭に、共生社会の実現ということで、外国人との共生社会の実現をするためにということでかなり文字数を取って所信を述べていらっしゃいますが、この中に、解決しなければいけない課題の一つとして、退去強制手続を一層適切かつ実効的なものとするための制度の整備を挙げていらっしゃいます。
そこで、大臣に基本的な認識をお伺いしたいんですが、齋藤大臣は、そもそも、この退去強制令書が発付されたにも様々な理由で送還を忌避する方が後を絶たないそもそもの理由は一体何だと御認識されているのか、これをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/143
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144・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 送還を忌避される方が確かに後を絶たないわけでありますが、どのような理由により送還を忌避するかについては、御案内だと思うんですけど、個々によってそれぞれ事情が異なっているため、一概にこうだというふうにお答えするのは困難かなと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/144
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145・川合孝典
○川合孝典君 外国人の方を受け入れて、結果、毎年何千人もの方が失踪されているわけであります。その方々にはそれぞれ、日本の国としてのルールはもちろんあるわけでありますが、彼らがそうせざるを得なかった理由というものが元々はあるはずなわけでありまして、起こった事象をもって、要は、日本の法令に違反したから強制退去させるんだというこの出口の部分だけの議論を行うことは、正直、私は十分ではない、不適切だと考えております。
このことを、そもそもなぜこんなに多くの方が失踪して、かつ不法在留者になって、長期にわたって入管施設に要は収容されなければいけないのかという元々のそもそもの理由の部分をきちんと改善していかない限り、いつまでたっても同じ問題の繰り返しになるのではないかということを是非大臣に御認識いただきたいんです。その意味でこれ質問させていただいております。
ちょっとこれ、法務省の方に確認させていただきたいと思いますが、入管施設における長期収容者の元々の在留資格別の割合というものはお分かりになりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/145
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146・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) お尋ねのような統計は作成をいたしておりませんので、お答えは困難でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/146
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147・川合孝典
○川合孝典君 そうなんですよ。実は、どういう属性の方が長期収容されているのかということについて確認しておられないんです。確認していないというか、そういう指示も出されていないわけでありますし、起こったことに対してどう対処するのか、対応するのかというこの一点でのみこれまで入管が対応してこられたことなわけでありまして、ここを見直していかないといけないということであります。
私、外国人の受入れ拡大に伴ってどういう方々が日本に入ってこられているのかということを在留資格別に、これ二〇一九年だったと思いますが、数字確認してみましたところ、いわゆるその身分に基づく在留資格、定住者、永住者、日本人の配偶者といったような形で身分に基づく在留資格の方が全体の三二・一%、そして技能実習が二三・一%、そして資格外活動、これ留学生がアルバイトをしていらっしゃるようなケースでありますが、これが二二・五%、そして専門職や技術分野での在留資格が二〇%弱ということになっています。
この中で、当然のことながら、類推するに、いわゆる不法在留者になっている可能性の多い方というのは、資格外活動や技能実習のような短期の在留資格で働いていらっしゃる方々の割合が当然高くなってくると思うんですよね。この方々、実は全体の四六%ぐらいを占めるということでありまして、したがって、このいわゆる短期の在留資格で働いていらっしゃる方々が、なぜ、どういう理由で要は不法在留者になってしまったのかというこの入口のところをきちんと精査した上で、今後のあるべき外国人との共生の在り方はどうあるべきなのかということ、こうした議論につなげていかなければいけないと私は考えております。
私の今の指摘に対して、通告はいたしておりませんけれども、齋藤大臣はどうお感じになられますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/147
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148・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 当然のことながら、私は、社会経済のボーダーレス化が今後進展をますますしていくだろうということの中で、外国人とともに生きていく共生社会の実現は日本に限らず世界における時代の趨勢だと思っていますので、適切な受入れ、共生のためには、外国人の人権に配慮しながら、ルールにのっとって外国人を受け入れて、適切な支援を行っていくことのみならず、ルールに違反する者に対しては厳正に対応していくことということで、とりわけ送還拒否ですとか長期収容問題、先生御指摘のようにありますので、それを解決するとともに、保護すべき方々を確実に保護するための法整備というもの、これが課題だと思っていますので、早期に実現するよう努力していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/148
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149・川合孝典
○川合孝典君 前向きに御答弁いただきまして、ありがとうございます。
大臣御存じかと思うんですけれども、まず技能実習制度なんですが、これ厚生労働省は、技能実習制度の目的を、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の発展途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力をすることと定義しているんです。これが技能実習制度の表の看板ということであります、言い方は悪いですけど。
しかしながら、公益財団法人国際研究協力機構さんの調査によりますと、いわゆる団体監理型の技能実習なんですが、外国人技能実習生を受け入れている企業の従業員数に着目して見ますと、実は全体の五〇・四%、五〇%以上の方が従業員数、十人未満の零細企業で働いていらっしゃいます。百人以上の企業で働いていらっしゃる方は一〇%弱、三百人以上のいわゆる大企業で働いていらっしゃる方の比率は全体の僅か三%なんですね。
要は、一方で、技能実習制度自体の目的を人づくりだと、そのための、先進国としての日本の技術を移転するために人を育てるんだという、こういう目的で人を受け入れているにもかかわらず、実態としては、中小零細企業の労働力不足を補完するために、実際、技能実習生が国内で働いている。このこと、要は制度の表の趣旨と実際の運用との間に大きな乖離がある。
そのことの結果として、日本に来られた技能実習生の方々が話が違うということに結局なってしまうわけでありますし、同時に、契約がきちんと守られずに、賃金の不払ですとか、様々ないわゆる寮費や食費といったようなものを含めてたくさんのものをいわゆる給料から天引きをされることによって、結果、技能実習生の方々は自分が思っていたような働き方にならない、収入を得られない。このことの結果として、失踪せざるを得ない、失踪してでも仕事を探さないと本国に残してきた借金を返すことすらできない、こういう状況に陥っているわけです。このことを知っていただきたいんです。
今私がお話をさせていただいたことを大臣お聞きいただいて、技能実習制度というものをどう今後見直していくべきだと大臣は思われますでしょうか。制度どおりにきちんとした、技能実習制度なら技能実習制度、外国人労働者の受入れの枠組みつくるべきだと思うんですけれども、この点について御意見をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/149
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150・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 今委員がおっしゃいましたデータの実態ありましたですよね。あれ、私も農林の副大臣、大臣やっていましたので、現場の実感とその数字が、数字そのものは持ち合わせていませんが、そういう印象を持っています。
それで、御指摘の点ですけど、技能実習制度の目的と実態が乖離をしている現状、これにつきましては、古川元法務大臣が勉強会において課題と論点を整理をされております。私としても、しっかりその課題、論点を受け止めたいと考えています。
今後は、政府全体で本格的な検討を行おうということで、内閣官房長官と法務大臣が共同議長を務めます外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議の下に有識者会議を設置し、様々な御意見があるものですから、その様々な御意見を伺いながら丁寧に議論を進めて、外国人が適正に受け入れられる制度を目指してまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/150
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151・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。是非、この問題については本質に切り込む議論をしていただきたいと思います。
では、次の質問に移らせていただきたいと思います。
特定技能がこれから動き始めることになりますが、特定技能での受入れの現状について、法務省さんの方から御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/151
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152・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 特定技能の資格で在留している外国人の数は、制度施行以降着実に増加しておりまして、本年九月末時点において約十万九千人となっております。
まず、国籍、地域別で見ますと、ベトナムが約六万五千人と最も多くなっており、また、特定産業分野別では、飲食料品製造業が約三万六千人と最も多くなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/152
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153・川合孝典
○川合孝典君 当初の予定、目標どおり、特定技能の方の受入れは、コロナの影響もありましたけれども、進んでいるという理解でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/153
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154・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 先ほど申し上げたように着実に増えておりまして、制度導入当初の期待どおりであるというふうには認識をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/154
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155・川合孝典
○川合孝典君 御承知のとおり、今回、特定技能の一号、二号が始まるということになりますが、要は、特定技能の二号はごく限られた業種ではありますけれども、期間を限らずに日本で働き続けることができるという制度であります。
そもそも技能実習制度の時代から私、言い続け、の問題から言い続けてきているんですけれども、日本は技能実習という言葉でこの外国人労働者の問題をずっと議論してまいりましたけれども、海外で、一年以上外国に所在をしていらっしゃる場合には、その方は国際的な認識では移民なんですよね。移民なんです。ですから、したがって、日本では特定技能、移民政策は認めていないといったスタンスをずっとこの間取られてきておりますけれども、実質的移民政策というのが既に始まっている。その状況の中で、今回、特定技能の一号、特定技能のカテゴリーをつくって、二号では期間を区切らずに日本でいられるという制度に変更するわけであります。
ここは、大臣、これまでどちらかというとアンタッチャブルな分野ではありましたけれども、この特定技能の二号が導入されたことで、本格的にこの移民政策というものと向き合わなければいけない時期が来ているんじゃないのかと思いますけれど、この点について大臣はどのように御認識されていますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/155
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156・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 移民という言葉自体は恐らくいろんな意味を持っていろんな人が使われているので、移民政策と言われてもなかなか明確に申し上げることはできないわけでありますけれども、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、この有識者会議でしっかりと議論した上で今後の方向については結論を出していくべきだろうと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/156
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157・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。
ちょっと切り口を変えて質問させていただきたいと思います。
先ほど冒頭に申し上げたその失踪に関わる話にもつながってくるんですが、外国人労働者の労働条件についてなんですが、御承知のとおり、日本が元々外国人の労働者を受け入れるということの背景には、人口減少と生産年齢人口がかなりのスピードで減ってきている、労働力不足になっている、この問題を解決するために、外国人の労働力を始めとして、女性、それから様々な働き方の方々を労働力として社会に参画していただけるように促すという、そういう趣旨で元々導入されたと私は理解しておるんですけれども。
一方で、この特定技能の分野も含めて、人手不足を解消するため、日本の労働力を維持するために外国人労働者を受け入れるということを考えたときに、かつてのように、先進国で、豊かな国で、円が強くてといった時代には、ある意味、日本の側の都合で様々な制度の設計をすることもできたのかもしれませんけれども、日本に憧れて日本に来たいと言って来ていただいている方々が、実際蓋を開けてみたら、労働条件もきついし、賃金も言っていた、当初考えていたような金額もらえない、そういう状況が起こっているわけですね。それがある一定のレベルを超えてしまうと、失踪にもつながってしまうということになるわけでありますが。
私、危惧いたしておりますのは、今SNSを始めとして情報発信のツールを皆さんお持ちになられていますので、実際、日本に憧れて来てみたんだけれども、行ってみたら、とんでもない奴隷労働のような過酷な環境で働いているということが結果的にSNS等を通じて要は拡散され、世界中がそういう理解をすることで、結果的に将来、近い将来、政府の計画どおりに外国人労働力の受入れができなくなってしまうこと。昔では、円が強かった時代の日本では考えられなかったことなのかもしれませんけど、今の状況では実際そういった問題とも向き合わなければいけない状況になっていると思うんです。
そうした観点からいくと、外国人労働者のいわゆる労働条件をどのように改善していくのかということは極めて重要な課題になってくると思うんですが、この点について齋藤大臣の御認識をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/157
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158・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 私も委員と同様の危機感は共有をしております。外国人労働者を受け入れるに当たりましては、委員御指摘のとおり、適正な労働条件や待遇の確保、これが重要なことであると認識しています。
このため、法務省におきましては、外国人労働者の在留資格に係る審査に当たりましては、原則として、その報酬が日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上であるということを確認をしています。加えて、元々我が国の労働関係法令は日本人か外国人かにかかわらず適用されるものとされてはいますが、外国人労働者は日本の労働関係法令等に関する知識が十分でない場合も少なくないことから、在留中にも適正な労働条件に関する情報提供等に努めていく必要があると思っています。
そのため、法務省におきましては、生活全般の基礎的な情報を盛り込んだ生活・就労ガイドブックによる労働条件に関する情報提供ですとか、外国人在留支援センター、FRESCにおける労働条件についての適切な相談対応、こういったことに取り組んでおりまして、引き続き関係省庁と連携して、適正な労働条件の確保に向けて必要な取組を実施していって、やはり選ばれる国であり続けるように努力していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/158
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159・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。
この一、二年の間に、かなりそういったきめの細かい当事者に寄り添った取組、いわゆる通訳も含めてですけど、を進めていただいていることについては本当に感謝をしております。
その上でなんですが、今すぐできることも含めて何なのかということを考えたときに、実際、その団体監理型の技能実習で日本に来られている方の場合、監理団体が間に入って様々なことをやっていらっしゃいます。これ、実は葉梨前大臣のときにも指摘させていただいたんですが、監理団体が間で、要は企業に対して、受入先企業との間の調整作業や様々な研修等の取組していただいているんですが、この監理団体自体がいわゆる中小企業や地元の経営者団体等が集まってつくって、その監理団体が傘下の企業に要は技能実習生を送り出すという、そういう枠組みで動いております。
よって、いわゆる非営利の団体であるといいながらも、受入先企業との間に利害関係が当然そもそも存在しているということがあるわけです。そのことが結果的に、賃金の不払ですとか契約の不履行等の問題が生じたときに、表に問題が顕在化しにくいことの一つの理由になっています。
よって、私、これ葉梨さんに問題指摘させていただいたのは、そもそも受入先の企業が賃金の支払能力があるのかどうかということですね。きちんとした処遇をしているのかということ自体を、そもそもの技能実習生の受入れの基準として、認定の基準とするべきなんじゃないのかということを、実は問題を指摘させていただいていたんです。
最初から、中小零細企業で、人手がないだけではなく、安い労働力でないと企業を回していけないような差し迫った状況に置かれている企業の場合には、いずれにせよ外国人労働者にそのしわ寄せが行くことが懸念が高いわけでありますので、企業の支払能力というものをチェックの対象にすべきだと思うんですけど、この指摘について齋藤大臣はどう思われますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/159
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160・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 御指摘もよく分かるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、この委員の御意見も一つの貴重な御意見だと思っておりますが、有識者会議でこれからの在り方についてこれから議論が始まるわけでありますので、まずはこの有識者会議での議論の方向について、多分様々な意見が寄せられると思いますので、これを見守った上で判断をしていきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/160
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161・川合孝典
○川合孝典君 あともう一点、今後その有識者会議の議論を進めていただく中で取り上げていただきたいことについて御認識をお伺いしたいと思うんですが、外国人労働者に対するいわゆる差別の問題ですね。
これもよく耳にする課題ということでありまして、残念ながら、日本は島国であるという地政学的な要因もあるのかもしれませんけれども、外国人労働者に対する差別やいじめ、パワハラといったようなものが残念ながら散発しております。あわせて、人権侵害に当たるような、いわゆる旅券の取上げですとか、恋愛や結婚や妊娠の禁止といったような完全な人権侵害の事例というものも実は出てきてしまっています。その結果、PTSDやうつになるといったようなケースも指摘されているわけであり、結果、最悪の場合には自死、自殺をされることにもつながっている。
特に、やはり欧米に比べてアジアからの労働者に対する差別が相対的に強いということもこれ指摘されておりまして、徐々にですが、そうした国の方々の日本に対する目線、まなざしが厳しくなってきているという、こういう実は指摘も広がってきております。
今後、外国人労働者の確保、労働力を確保していくという観点からも、外国人労働者に対する差別の問題をこれ是非解決するということで、今後の有識者会議の議論の中で検討のテーマに挙げていただきたいんですけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/161
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162・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 当然のことながら、いろんな御意見の中で検討していくことになると思いますけど、ちょっと重要な御指摘なので少しだけお話ししたいんですけど、私も海外で生活をしていたことがありますので、逆の思いを持ったことが正直あります。
法務省が実施した令和三年度在留外国人に対する基礎調査などから、委員おっしゃるように、依然として職場など社会の様々な場面において外国人に対する差別や偏見が生じていて、その個別事案に適切に対応することに加えて、外国人との共生社会の実現に向けた意識醸成というものがやっぱり課題になっていると思います。
法務省もいろいろ対応しているわけでありますけれども、この問題は非常に重い問題だと思って、私としても、この外国人労働者に対する差別や偏見の問題については、実態把握に努めるとともに、関係機関と連携して個別に適切に対応しつつ、差別や偏見のない共生社会の実現に向けた取組を着実に進めていきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/162
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163・川合孝典
○川合孝典君 大臣、前向きな御答弁いただきまして、本当にありがとうございます。
私の家族も、このコロナの間、ニューヨークに住んでおりましたけれども、大変怖い思いをしたことがあるということをやっぱり言っておりました。
やられて嫌なことは相手にもやらないというのはこれ当然のことだと思いますし、本当の意味での共生社会を実現するという意味では、制度や枠組みを見直すということのみならず、内的な、内面的なことも含めてやはりきちんと国民の皆さんの理解を醸成する取組を行うということが極めて大事だと思いますので、是非そうした切り口で取組を進めていただければ有り難いと思います。
どうやら時間が来たようでありますので、私の質問、これで終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/163
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164・仁比聡平
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。齋藤大臣、どうぞよろしくお願いいたします。
所信をお伺いしたいと思います。
一週間前のこの委員会で、葉梨前大臣の、朝、死刑の判こ押しまして、昼のトップニュースになるというのはそういうときだけという地味な役職などという発言に問われたのは、死刑執行の決裁の重みと倫理でした。
刑事訴訟法第四百七十五条一項は、「死刑の執行は、法務大臣の命令による。」と定めています。国家として生命を剥奪する命令を大臣が決裁すると。この文書のひな形の提出を求めて提出いただいたのが一枚目の資料です。
刑事局長、この起案者や決裁者、この決裁の流れというのを御説明いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/164
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165・川原隆司
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。
今、死刑事件審査結果というこの資料でございます。これにつきましては、私ども刑事局の担当者の方で起案をいたしまして、下の方から、下の右から御覧いただければよろしいかと思いますが、刑事局総務課長から始まり、刑事局長、秘書課長、官房長、事務次官、法務副大臣、法務大臣とございます。これらの刑事局総務課長から法務副大臣までのいわゆる決裁と申しますか、ここを経由いたしまして、最終的に大臣の決裁をいただくという流れになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/165
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166・仁比聡平
○仁比聡平君 大臣、その決裁の重み、そして問われる倫理をどう考えているかなんですよね。葉梨前大臣は、朝、死刑の判こ押して、昼のトップニュースになるなどと、この書類に決裁をすることを軽々しく政治資金パーティーで同僚副大臣の持ち上げの中で発言をしたわけです。どう思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/166
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167・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 同様の答弁をさせていただいておりますけど、葉梨前大臣の発言については、葉梨前大臣自身がきちんと説明責任を果たされるべきものと認識しておりまして、法務大臣としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、どう思うかと言われれば、私自身については、自分が果たさなければならない職責に影響が出るような発言は厳に慎まなければいけないというふうに考えていますし、私は、この法務大臣の内示といいますか、やれと言われたときに真っ先に浮かびましたことは、この死刑の執行についての責任の重さでありました。
死刑執行の判断は、私は法務大臣の果たすべき重要な職責であると認識しておりまして、法務大臣として、裁判所の判断を尊重しつつ、法の定めるところに従って慎重かつ厳正に対処してまいるという決意であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/167
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168・仁比聡平
○仁比聡平君 アムネスティ・インターナショナルによりますと、一九八〇年代に五十か国以下だった完全な死刑廃止国は、今日、百八か国にまで増え、これに、過去十年間執行がなされていない、あるいは死刑を適用しないという国際公約をしているなどの事実上の死刑廃止国を含めると百四十四か国に上ります。お手元の二枚目の資料がそれを示しているわけですが、国連加盟国の七割以上に上っているわけですね。
法務省、そのとおりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/168
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169・川原隆司
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。
私どもの方で把握している死刑廃止国というのは、ちょっと今委員がお示しになった資料と異なっておりまして、死刑制度に関する国連事務総長の報告というものがございます。これによると、令和二年五月の時点の数字がございますが、この数字をちょっと私の方からはお答え申し上げたいと思いますが、これによりますと、死刑制度を廃止した国又は地域は百十九であるということになってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/169
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170・仁比聡平
○仁比聡平君 後できちんと突き合わせますけれども、恐らく事実上の廃止という国々の評価が、今刑事局長の御答弁と評価が違うだけなのかなと思うんですけれども、(発言する者あり)いえ、もう、これはまたいずれ確認していきましょう。
いずれにしても、アムネスティの調査でいえば七割以上、今の御答弁の百十九か国にしても、国連加盟国の多くが死刑の廃止ということになっているということですよね。
OECD加盟三十八か国で見るとどうか。このOECD諸国の中で死刑制度を残している国の名前を挙げてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/170
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171・川原隆司
○政府参考人(川原隆司君) 済みません、今の質問のお答えの前に、先ほどの質問、ちょっと私、言葉足らずのことがありましたので。
先ほど申し上げた百十九は死刑制度を廃止した国又は地域でありまして、このほかに事実上の死刑廃止国又は地域が四十九ございますので、これをちょっと補足させていただきます。
その上で、今、OECDの関係、お尋ねがありましたのでお答え申し上げます。
OECD加盟国のうち死刑制度を存置している国は、死刑制度に関する国連事務総長の報告によりますれば、令和二年五月の時点におきまして、日本及びアメリカ合衆国の二か国であると承知しております。なお、大韓民国につきましては、この国連事務総長の報告によれば、事実上の死刑廃止国とされているものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/171
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172・仁比聡平
○仁比聡平君 ありがとうございました。御答弁いただいてよかったですね。
つまり、国連事務総長報告でも、廃止国が百十九か国、そして事実上の廃止国は四十九か国ということで、合わせて百六十八か国ということになりますか。この私の配付している資料よりも極めて多くの国々が事実上も含めて廃止していると。
韓国について、事実上の廃止国と評価をされているというお話がございましたとおりです。二十年以上執行がなく、さらに、死刑を法律上廃止するべきかどうかが憲法裁判所の課題となっているわけですね。法務省、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/172
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173・川原隆司
○政府参考人(川原隆司君) 済みません、今の韓国の関係で、私ども、ちょっと、その憲法上の問題という形はちょっと、済みません、把握しているものではございません。
諸外国における死刑の執行状況について網羅的に把握していないということで、ちょっとその点は把握がございませんけれども、韓国につきましては、先ほど来申し上げておりますが、法制度上は死刑を失効していないものの、平成九年、一九九七年以降は死刑を執行しておらず、先ほども申し上げたように、国連事務総長の報告において事実上の死刑廃止国とされているというところを承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/173
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174・仁比聡平
○仁比聡平君 いや、韓国、お隣の国がどういう動向にあるのかということはそれは把握すべきですよ、法務省は。
アメリカについては二十三州が死刑を廃止していると承知をしています。トランプ政権が連邦政府として十七年ぶりに死刑を執行したということが厳しく批判をされました。死刑廃止を掲げたのがバイデン政権と。
その下で、昨年、二〇二一年の七月に、司法長官が連邦レベルでの死刑執行を一時的に停止するという通知を発していますが、法務省はどう受け止めていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/174
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175・川原隆司
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。
死刑執行のモラトリアムに関する国連事務総長の報告というのがございまして、これによりますれば、今委員御指摘のように、令和三年の七月一日付けで、アメリカの司法長官が、司法省の政策と手続の見直しの結果が出るまでの間、連邦の死刑執行を一時的に停止する旨の覚書を発出したということは承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/175
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176・仁比聡平
○仁比聡平君 どう受け止めていますかと問うたんですが、そこのお答えはないんですけれども。
齋藤大臣、つまりOECD諸国で国家として死刑執行をしているのは日本だけなんですよ。これ、重い話じゃありませんか。世界は死刑を廃止しているんです。それは、死刑が生命を奪うものだからだと私は思います。大臣はどう思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/176
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177・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 死刑制度の存廃につきましては、おっしゃるように、国際機関における議論の状況や諸外国における動向等を参考にしつつも、基本的には各国において、国民感情、犯罪情勢、刑事政策の在り方等を踏まえて独自に決定すべき問題であると考えています。
国民世論の多数が、極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えており、多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況等に鑑みますと、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては死刑を科すこともやむを得ないのでありまして、私は死刑を廃止することは適当でないと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/177
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178・仁比聡平
○仁比聡平君 いや、そうでしょうか。世界で死刑を廃止する国が、先ほど確認がされたように、著しく増えている。今御答弁の中にありましたように、国際人権条約の関係ももちろんあるんですね。そういう中でやむを得ないと本当に言うのかと、そこが問われているんですね。
平野啓一郎さんという作家の方を大臣もきっと御存じだと思いますが、最近、「死刑について」という御本を書かれました。二十代のときは死刑存置論、必要論という立場だったということもおっしゃった上で、なぜ死刑制度に対して心底嫌気が差して反対するようになったのかということをお書きになっておられます。
まず、そのまま読みますけれども、実際に取材をしてみると、捜査の実態はひどいもので、また、警察は冤罪だと分かっていても決してそれを認めようとせず、むしろ自分たちの正当性を守るために、場合によっては証拠の捏造まで行っています、その結果、死刑判決が下され、執行されるというのは言語道断ですと。
大臣はどう思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/178
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179・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 私も、平野啓一郎さんの本は、その本じゃないですけどいろいろ読んで、なかなか筆力のある方だなというように思っていますが、そのケースについて私は具体的なことを存じ上げませんので、ここでコメントすることは差し控えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/179
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180・仁比聡平
○仁比聡平君 続けて、死刑判決が出されるような重大犯罪の具体的事例を調べてみると、加害者の生育環境がひどいケースが少なからずあります、そうした中で犯してしまった行為に対して、徹底的に当人の自己責任を追及するだけでよいのかと疑問に感じたことも死刑に反対するようになった理由です、果たしてどこまでを当人の責任として問えるのだろうかと。
少し飛ばしますが、本来なら、そういう状況に置かれている人たちを私たちは同じ共同体の一員として法律や行政などを通して支えなければならないはずです、しかし、支えられることなく放置されていることがあります、放置しておいて、重大な犯罪が起きたら死刑にして存在自体を消してしまい、何もなかったように収めてしまうというのは、国や政治の怠慢であり、そして私たちの社会そのものの怠慢ではないでしょうかと。
どう思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/180
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181・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、現実に凶悪な犯罪が存在をしているという前提に立って御答弁させていただきますと、我が国の裁判の実務におきましては、令状主義及び厳格な証拠法制が採用され、三審制が保障されるなど、捜査、公判を通じて慎重な手続により有罪が確定され、確定された裁判に対しても再審、非常上告等の救済制度が設けられており、これらは誤判を防止するために有効に機能していると承知しています。
その上で、一般論として申し上げれば、その上で、死刑に関しては、個々の事案につき関係記録を十分に精査し、刑の執行停止、再審事由等の有無等について慎重に検討し、これらの事由等がないと認められた場合に初めて死刑執行命令を発するということとされてきたものと承知をいたしまして、私といたしましても、我が国では死刑は厳格な制度の下において極めて慎重に運用されているものと承知をしております。
その上で、死刑執行の判断は法務大臣の果たすべき重要な職責であると認識をしておりますので、法務大臣として、裁判所の判断を尊重しつつ、法の定めるところに従って慎重かつ厳正に対処していくというのが私の考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/181
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182・仁比聡平
○仁比聡平君 今大臣がおっしゃる我が国の司法制度の下で数々の冤罪が、死刑を含む誤判が繰り返されてきたということについて何の認識もなく今の役所が書かれた答弁をお読みになるようでは、私は法務大臣務まらないと思いますよ。
もう一点、この平野さんの指摘を御紹介したいと思いますが、なぜ人を殺してはいけないのかという問いを突き詰めていったときに考えたのは、人を殺してはいけないということは絶対的な禁止であるべきだということです、おまえが殺したのなら自分たちも殺すというように、同じレベルにまで国家や社会が堕落してしまっては、法制としての刑罰を科すことは倫理的にできなくなってしまうはずです、たとえ人を殺すような罪を犯した共同体の構成員がいたとしても、その人はあくまで規範の逸脱者であり、規範自体は維持されなければならない、あくまで私たちは、人を殺さない社会であり、人を殺さない、命を尊重する共同体の一員であるということを絶対的な規律として守るべきではないでしょうかと。
これは世界が死刑を廃止していっている大きな理由でもあると思うんですが、大臣、いかがですか、うなずいていらっしゃるけど。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/182
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183・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 平野さんや委員のような御意見があるということは十分承知をしておりますが、国民世論の多数が、極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えていて、現実に多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況などに鑑みますと、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては死刑を科すこともやむを得ないのでありまして、死刑を廃止することは適当ではないと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/183
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184・仁比聡平
○仁比聡平君 私、大臣の答弁は極めて苦しいと思います。
極めて慎重にと何度もおっしゃいますが、二〇一七年以降、再審請求中に執行された方々が十九人にも上ります。日弁連の資料をお手元にお配りしていますが、二〇一七年七月十三日の金田法務大臣の執行に始まって、しばしば、それまでは行われていなかった極めて異例である再審請求中の執行ということがこんなに続いているのは一体なぜなんですか。大臣、この方々を死刑に執行するというその判断基準というのは一体何なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/184
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185・川原隆司
○政府参考人(川原隆司君) 私ども法務省では、死刑を執行した場合に、その者の氏名等一定の情報は公開しておりますが、執行した者が再審請求中であったかということについては私ども法務省としては明らかにしていないところでございまして、大変申し訳ございません、委員の御質問は、その個々の執行された者について、これが再審請求中であるということを前提に御質問をなさっている部分がありますので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/185
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186・仁比聡平
○仁比聡平君 大臣、それでいいのかということを私は問うているんですね。
鳩山大臣の頃に名前は明らかにするというふうになったけれども、再審請求中の執行について、その下の欄に金田当時大臣の記者会見の文章が記載をされています。何とおっしゃっているかというと、仮に再審請求の手続中は全て執行命令を発しない取扱いとした場合は、死刑確定者が再審請求を繰り返す限り永久に死刑執行をなし得ないということになり、刑事裁判の実現を期することは不可能となるものと言わなければなりません、したがって死刑確定者が再審請求中であったとしても、当然に棄却されることを予想せざるを得ないような場合は、死刑の執行もやむを得ないと考えていますと。
この答弁を局長なんかがされるのかと思ったんだけど、そうではなかったので読みましたが、私、大臣に聞きたいのは、当然に棄却されることを予想せざるを得ないような場合というのは一体どんな場合ですか。法務省がそれを判断するというのはおかしいじゃありませんか。
再審請求というのは、そうした確定判決があったとしても、裁判所にその再審を求める請求でしょう。再審制度があるのに再審請求中に死刑の執行をする、それは当然棄却されることを予想せざるを得ないからだと、さっき刑事局長おっしゃったように、その理由を明らかにしない。つまり、ブラックボックスの中で、冒頭の決裁文書にあるような、課長から大臣までの法務省の中だけの決裁で、そのプロセスは国民には何にも明らかにせずに人の生命を奪う。大臣、あり得ないじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/186
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187・川原隆司
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。
まず、個々の執行された者に対して、再審請求中であるか否かをお答えしないという点でございます。これは、再審請求の手続が非公開であることに加えまして、死刑確定者によっては、再審請求をしている事実自体を公表することにより、死刑確定者や被害者の御遺族の感情を害するおそれも懸念することから、個別の死刑確定者の再審請求の有無については明らかにしていないところでございます。この点は御理解を賜りたいと思います。
次に、再審請求、一般論としての再審請求の関係でございます。これは、委員も御案内と思われますが、刑事訴訟法四百三十五条で再審請求のすることができる理由について定めております。個別の請求が、この理由があるとされるものであるかどうかということを判断することになることでございまして、その結果、その刑事訴訟法の定めた理由及び当該再審請求の理由及び当該事件の証拠関係に照らして内容を検討した結果、当然棄却されることを予想せざるを得ない場合があるということでございまして、例えばの例で申し上げますと、同一の理由によって再審請求を既に以前に行っていて、それについては再審請求の理由がないとして再審請求が棄却されているような場合、こういったような場合につきましては今言ったものに当たり得るということでございます。あくまで一般論のお答えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/187
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188・仁比聡平
○仁比聡平君 今、刑事局長が条文の解釈についてあれこれおっしゃって、それは条文の解釈としては大事ですよ。
だけど、例えば、再審請求中の死刑執行について、今、冤罪弁護団が徹底して争っています。裁判所でそれは議論されるでしょう。それは、法律家の議論として、それはそういう議論はあるけれども、だけど世界が死刑を廃止していっている中で、再審請求を行っている人を死刑執行すると、そんな判こが押せますか。そこが大臣に問われているんじゃないですか。
私は、少なくとも再審請求中の死刑執行というのはもうやめるべきだと思いますけれど、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/188
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189・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 私は、自分の職務として、再審請求中であろうと再審請求がなされていないものであろうと、一件一件の事案に真摯に向き合って、厳正かつ粛々と、慎重に判断をしていきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/189
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190・仁比聡平
○仁比聡平君 葉梨大臣の辞任という経過で大臣に就任された齋藤大臣には、この問題は正面から突き付けられていると思います。今後も議論していきたいと思います。
もう一問、統一協会の問題について、文科省審議官にもおいでいただいていたんですが、質問時間がなくなってしまいまして、後ほどの時間にもしおいでいただけるなら続けたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/190
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191・杉久武
○委員長(杉久武君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/191
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192・杉久武
○委員長(杉久武君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省大臣官房司法法制部長竹内努君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/192
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193・杉久武
○委員長(杉久武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/193
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194・杉久武
○委員長(杉久武君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/194
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195・福島みずほ
○福島みずほ君 立憲・社民の福島みずほです。
いわゆる判検交流と言われているものについてお聞きをいたします。
東京地方裁判所行政部の部総括裁判官であった人物が、次の日、今年の九月一日付けで国側の行政訴訟の責任者である法務省訟務局長に転任しました。この人事を決めたのは法務省ですか、最高裁ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/195
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196・吉川崇
○政府参考人(吉川崇君) お答えします。
訟務局長の任命権者は法務大臣でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/196
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197・福島みずほ
○福島みずほ君 これ、極めて問題です。判検交流は、御存じ問題になったので、二〇一二年、検察官と裁判官の交流はなくなりました。しかし、東京地裁、四つある行政部の総括裁判官、まさに裁判長が次の日に国側の訟務のトップに就くと。つまり、これは、ある弁護士が言ったのは、試合をやっていて、アンパイアがハーフタイムの後に相手方の監督になるようなものだと言っています。
私は、もう一つ、原告勝訴か原告敗訴しかないんですよ、採点の答案者がいつの間にか答案Bというのを書く側になっていると。それは余りにひどいんじゃないかというふうに思いますが、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/197
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198・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) この個別の人事についてどうかということについては、お答えは、人事のことでありますので差し控えたいと思っていますが、一般論として申し上げますと、法曹は法という客観的な法律に従って活動するものでありまして、裁判官、検察官、弁護士のいずれの立場においても、その立場に応じて職責を全うするものであると考えています。したがって、裁判所において国を当事者等とする訴訟を担当した裁判官が訟務局に異動し当該訴訟に関与することについて、直ちに職務上問題があるとは考えていません。
ただし、国の当事者等とする訴訟の遂行に当たっては、裁判の公正性や職務の中立公正な遂行に疑念を抱かれることのないよう、かつて裁判所において担当していた訴訟には関与しないなどの対応を行っているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/198
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199・福島みずほ
○福島みずほ君 実際、その裁判に関与しなくても、訟務局長ですよ、トップですから、アドバイスをしたりすることってあるじゃないですか。これは駄目だというふうに思います。行政訴訟をやっていた裁判官がというか、裁判官と、それから国の代理人になる、裁判官がいつの間にか国の代理人になる、これはやっぱりおかしいですよ。
それからもう一つ、裁判官は評議の秘密があります。自分たちの合議体の協議は外に出してはいけないんです。だけど、裁判長は最もそのことをよく知っている。つまり、国側の代理人の総元締になったときに、右陪席、左陪席、あるいは訴訟の見方、国側の主張の何が弱いか、知り尽くしているんですよ。ぼうっと仕事をしないで、これきちっとやれ、ここは弱いというのを、もし真面目であればあるほどやるじゃないですか。
裁判官やっていた人間が、行政部で訴訟指揮やっていた裁判官がやるのは、評議の秘密、これも侵すと考えますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/199
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200・吉川崇
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。
今大臣からも御答弁ございましたが、国を当事者とする訴訟の遂行に当たっては、裁判の公正性や職務の中立公正な遂行に疑念を抱かれることがないよう、かつて裁判所において担当していた訴訟に関与しないなどの対応を行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/200
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201・福島みずほ
○福島みずほ君 たくさんの弁護士やたくさんの当事者から、これ批判が上がっているじゃないですか。そのとおりですよ。疑念そのものじゃないですか。だって訟務局長ですよ。トップの総元締になっているんですよ。国側の代理人の総元締です。だったら、責任持っていろんなアドバイスをする、あるいは、やっぱり行政訴訟とはこういうものだということをやるわけじゃないですか。何で判検交流がなくなったんですか。検察官と裁判官が入れ替わり入れ替わりになっていたら公平ではないからでしょう。疑念を抱くからでしょう。今回の人事は明らかに疑念を抱くものです。
かつては、一年間ぐらい間を置いて異動したというのが二例あります。しかし、行政部の人間が国側の代理人になる、国側の代理人をやっていた人間が裁判官になる、これもういいかげんやめましょうよ。
訟廷部とそれから裁判官の人事交流、やめるべきだと考えますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/201
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202・吉川崇
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。
法曹間の人事交流につきましては、法務省の所掌事務の適正な処理のためや、国民の期待と信頼に応え得る多様で豊かな知識、経験等を備えた法曹の育成、確保のために意義があるものと考えております。このような観点から、いわゆる民事裁判分野での法曹間の人事交流について、適材適所の配置として裁判所出身者をも訟務検事として配置しているものでございます。
このような人事交流が持つ意義を念頭に置きながら、御指摘の裁判の公正性や職務の中立公正な遂行に疑念を抱かれることのないよう、適切な人事配置を行っていくことが必要であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/202
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203・福島みずほ
○福島みずほ君 疑念が生じています。だから、いいかげんやめてください。
裁判官が民事局で民法の法案を作る、まだこれはいいです。法制局で法案作る、これは分かります。こういうのは分かります。しかし、裁判で判決を出す人間が次の瞬間に国の代理人やっていたら、原告、たまったものじゃないですよ。裁判、本当に公平だって思えないじゃないですか。いいかげん、こんなのやめてください。判検交流やめたように、行政部で行政訴訟やっていた人間、それで訟務部と裁判官の交流をやめるように、これはしつこくやっていきますので、これ、やめるようによろしくお願いします。
次に、牧山理事も質問されましたが、谷間の世代について一言申し上げます。
これは、司法修習制度において、第一期から旧第六十五期の司法修習生までは公務員に準じて支給されていた給与が新第六十五期から無給となり、第七十一期から再び司法給付金が支払われるようになりました。一年違うともう払われない、最高裁から三百万円貸与でお金を借りる。私自身、司法修習生のときに給付制で大変お世話になりました。アルバイトをしませんから、まさにこの給付、お金をもらうことで、勉強も本当にできたわけです。一年違って三百万ですよ。
これ、三権分立における司法における財政、もっとちゃんと豊かにすべきだとも思いますが、この谷間の世代、残っている問題、解決すべきだと思いますが、大臣、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/203
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204・竹内努
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
従前の貸与制下で司法修習を終えましたいわゆる谷間世代の司法修習生に対して事後的な救済措置を講じるということにつきましては、既に法曹となっている者に対して国による相当の財政負担を伴う金銭的な給付等を意味することとなりますので、国民的な理解を得ることは困難であると考えております。
仮に何らかの救済措置を講ずるといたしましても、従前の貸与制下において貸与を受けていない者等の取扱いをどうするかといった制度設計上の困難な問題もございます。また、従前の貸与制下の司法修習生が経済的な事情により法曹として活動に支障を来すことがないようにするための措置として、貸与金の返済期限の猶予も制度上認められているところでございます。
以上から、谷間世代の司法修習生に対して立法措置による抜本的な救済策を講ずるということは困難でありまして、救済策を講ずることは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/204
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205・福島みずほ
○福島みずほ君 いや、何とかしてください。一年違って本当に三百万お金が違うんですよね。やはりここは三権分立の中で、そしてやはり三権分立の司法を担う人たちがどんどん数が少なくなるような事態、これを避けたいとも思いますし、この谷間の世代の救済を是非よろしくお願いいたします。
次に、裁判所内におけるまさに法廷内の手錠、腰縄はやめるべきではないでしょうか。
刑事訴訟法上、刑事被告人無罪の推定があります。私は、大学生のとき、刑事訴訟法のゼミで初めて法廷に行って、この手錠、腰縄を見てやっぱりショックを受けました。家族によっては涙を流す人もいます。腰縄、手錠、もう本当に江戸時代の罪人という感じのそんなイメージで登場するんですね。それで、何とか、現在でも入口で手錠、腰縄を外すというのもありますが、これ運用で変えられるわけです。
裁判官がそれぞれやる、弁護士が言ったら考えるというのではなくて、思い切ってこれ改善してほしい。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/205
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206・吉崎佳弥
○最高裁判所長官代理者(吉崎佳弥君) お答え申し上げます。
入退廷時の手錠、腰縄の使用につきましては、各裁判体が法廷警察権に基づいて個別に判断する事項でございます。逃走防止の観点から、押送機関側の検討も踏まえた上で、裁判体において措置の要否を判断されているものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/206
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207・福島みずほ
○福島みずほ君 いや、これ何とかしてくださいよ。ずっと取り組んできて変わらないんですよ。刑事被告人無罪の推定があるでしょう。法廷でこの状態で入ったらもう本当に罪人という感じですよ。考え直してほしい。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/207
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208・吉崎佳弥
○最高裁判所長官代理者(吉崎佳弥君) お答え申し上げます。
繰り返しで恐縮でございますけれども、裁判体において法廷警察権に基づいた個別の判断をしている事項でございます。事務当局からお答えする点については差し控えさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/208
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209・福島みずほ
○福島みずほ君 個々で判断されるのではなく、是非これまとめて意見を聞き、人間の尊厳に関わることですので、最高裁、是非検討していただきたいということを強く要望として申し上げます。
次に、十月十三日と十四日、自由権規約委員会で日本の人権状況、法制度が議論になりました。総括所見と勧告がたくさん出ております。全部でパラグラフでいえば四十八出ております。この中で、かなり法務省マターが多いと思います。
私自身、三十四年前、自由権規約委員会に弁護士として傍聴に行って、世界のトップクラスの法学者たちが日本の法制度、新土民法の規定はこれの規約のこの条項に反するんじゃないかと熱心に議論して的確に判断していることに、とてもエンカレッジというか、とても感銘を受けました。
やはりこれは日本の法制度の通知簿ですよね。日本はもっとここを変えたらもっと良くなるという私は通知簿だと思います。今までもこれによって革手錠を廃止したり、監獄法の改正をしたり、いろんな改善がされてきました。これ、通知簿と思ってやっぱり改善に努力していく、そのことが必要だと思います。大臣の受け止め、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/209
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210・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 御指摘のように、先月十三日及び十四日、スイス・ジュネーブにおいて、市民的及び政治的権利に関する国際規約に基づいて我が国が提出した第七回政府報告について、自由権規約委員会による審査が行われて、本月三日に同委員会の総括所見が公表をされました。
この審査の場におきまして、委員から質問がたくさんありますし、法務省としても我が国の制度等について真摯に説明を行って、それで、総括所見において法務省に関連する事項に関しても委員会としての見解及び勧告が含まれているわけで、こういう経緯ででき上がってきたということであります。
法務省としては、今後、総括所見の内容を精査して、その趣旨を尊重しつつ、我が国の実情等を踏まえて関係省庁と連携して対処していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/210
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211・福島みずほ
○福島みずほ君 是非、これを十分検討した上で改善を図られるよう強く申し上げます。
何点かお聞きをいたします。
死刑について、二十一パラグラフがあります。死刑の廃止を検討し、必要に応じて死刑廃止に向けた世論を喚起するための適切な啓発措置を通じて死刑廃止の必要性について国民に周知すること。世論がとさっき齋藤大臣おっしゃいましたが、世論も変えていく必要があるというふうに思います。いかがですか。
それから、再審請求中の死刑について、やはり再審請求に関する死刑囚とその弁護士のことについて、これが言及をされています。死刑事件についての必要的で効果的な再審査のシステムを確立することなどなどあります。再審請求中の死刑もやめるべきではないでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/211
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212・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、国民的議論の話について御指摘がありました。
現時点において、私は、国民世論の多数が、先ほど申し上げたように、極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑はやむを得ないと考えていて、多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪、いまだ後を絶たない状況などに鑑みますと、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては死刑を科すこともやむを得ないと考えており、廃止することは適当でないと考えているわけであります。
この死刑の在り方については、我が国の刑事司法制度の根幹に関わる問題でありまして、多くの国民の皆様がその必要性感じて自ら議論に参加する形で、幅広い観点から議論がなされることが適切であるというふうに考えています。そのような御議論の動向については、私としても関心を持って注視してまいりたいと考えています。
それから、再審請求中の御質問がありました。
御案内のとおりだと思いますが、再審請求中であることは、刑事訴訟法上、死刑の執行停止事由とはなされていないところであります。先ほどの委員とのやり取りでもありましたが、一般論として申し上げれば、死刑確定者が再審請求中であったとしても、当然棄却されることを予想せざるを得ない場合もあり、そのような場合は死刑の執行を命ずることもやむを得ないというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/212
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213・福島みずほ
○福島みずほ君 飯塚事件は冤罪だったのではないかと言われています。免田栄さんと一緒にヨーロッパ、ストラスブールのヨーロッパ人権裁判所に行って、人権裁判じゃないですね、ヨーロッパの評議会に行ってやはり発言したことがあります。
日本で死刑台から生還した人たちいっぱいいるじゃないですか。冤罪ですよ。再審請求が認められて無罪になったんですよ。そういう人たちいるじゃないですか。再審請求中に処刑されたら、それ冤罪である可能性は十分あるじゃないですか。やっぱりそれは、再審請求中に死刑執行してこなかったかつての法務省は、それは一つの判断だったんですよ。
それから、世論がとおっしゃいますが、ヨーロッパ、EUは、加盟するのに、死刑停止、廃止してなければ入れません。オブザーバーステータスを持っている五つの国、アメリカは今もう死刑廃止に向かう。日本だけですよ、死刑執行しているの、アメリカと並んで。
日本政府に対して、二〇〇一年、ヨーロッパ評議会から、二年ですか、勧告も出されています。今回も出されています。フランスは四十年前に死刑廃止しているので、ええっ、日本ってまだ死刑執行しているのというのは、ヨーロッパの人たちは本当にそう思っている。日本と違うんですよ。でも、日本では死刑の執行が世界的になされていると思っている人も多いかもしれない。
だとしたら、法務省の役割は、死刑が一体、廃止しているところがある、まさにこの勧告が言っているとおり、死刑の廃止を検討し、必要に応じて死刑廃止に向けた世論を喚起するための適切な啓発措置を通じて死刑廃止の必要性について国民に周知すること、これまさにやるべきじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/213
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214・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 死刑制度の存廃については、私は、国際機関における議論の状況や御指摘のような諸外国における動向等を参考にしつつも、基本的には各国において、国民感情、犯罪情勢、刑事政策の在り方等を踏まえて独自に決定すべき問題であると考えております。
また、再審請求中のお話ありましたが、再審請求中であろうとなかろうと、私といたしましては、裁判所の判断を尊重しつつ、法の定めるところに従って慎重かつ厳正に対処してまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/214
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215・福島みずほ
○福島みずほ君 再審請求中の死刑執行をやめてください。また、死刑廃止に向けての世論の喚起をお願いします。
また、難民や入管制度についてもかなりたくさんのことを勧告受けています。国際基準に沿った包括的な難民保護法制を早急に採用すること、仮釈放中の移民が、必要な支援を提供し、収入を得るための活動に従事する機会の確立を検討することなどなどたくさんあります。
そして、時間がもうありませんので、選択的夫婦別姓と同性婚についてもこれは勧告を受けております。先ほどもありましたが、齋藤大臣は、同級生にその当事者の人がいたということもあり、同性婚についてどちらかといえば賛成であると答えていらっしゃいますし、まさにこの同性婚、選択的夫婦別姓、勧告を受けていますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/215
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216・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、アンケート等においての私の見解は、念のためですけど、一国会議員としてのものでありますので、御承知おきいただきたいなと思っています。
同性婚と選択的夫婦別姓のお話ありました。
同性婚につきましては、御案内のように、本月三日の自由権規約委員会の総括所見の中にも、導入するように勧告がなされております。全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を送ることができる、多様性が尊重される社会を実現することは重要であります。もっとも、同性婚制度の問題は、我が国の家族の在り方の根幹に関わる問題であり、国民的なコンセンサスと理解を得た上でなければ進めることができないというふうに考えております。
また、同じ総括所見におきまして、社会における男女の役割に関する固定観念が、法の下の平等に対する女性の権利の侵害を正当化するために用いられることがないように、夫婦同氏を定める民法第七百五十条の改正を含め、取組を継続すべき旨の勧告がなされております。
その上で、夫婦の氏の在り方につきましては、現在でも国民の間に様々な意見がありまして、今後とも国民各層の意見や国会における議論を踏まえてその対応を検討していく必要があるものと考えているところであります。
そのため、国民の間はもちろん、国民の代表者である国会議員の間でもしっかりと議論していただき、コンセンサスを得ていただくため、法務省としては引き続き積極的に情報提供を行っていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/216
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217・福島みずほ
○福島みずほ君 情報提供ということなので、まさに選択的夫婦別姓や同性婚を実現するため、多様性のある人権を保障される社会をつくるために法務省が啓発などをしっかり行ってくださるようお願いして、私の質問を終わります。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/217
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218・石川大我
○石川大我君 立憲民主・社民の石川大我でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
まず、二法案について先にお伺いをしたいと思います。
最高裁にお伺いをいたします。
長く続くコロナ禍において様々な業種の方が廃業を余儀なくされ、本当に日本の経済、危機的な状況だというふうに思っております。政府のコロナ対策の失敗であるというふうに言わざるを得ないというふうに思います。
私は、LGBTのG、ゲイの男性当事者、男性同性愛者の当事者として、全国各地で今パレードが、LGBTのですね、パレードが催されているものですから、全国各地お邪魔をするんですけれども、地方の活力がどんどん失われているといったような様子を目の当たりにしているところで、大都市と地方との活力の格差、こういったものを感じているところでございます。
裁判官の報酬に地域手当がありますけれども、これで差が出ていることに、裁判官、そして裁判所職員の方々も含め、地域による報酬の差に対する当事者の方の声などがあれば御紹介をください。また、裁判所においてテレワークや時差通勤などの導入が遅れているという話もありますが、この辺りの事情も含めて教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/218
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219・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
最初の地域手当等の関係で、職員等から何か話がということではございますが、そのような手当の問題等も含め、裁判所の職員が全国において働きやすい執務環境を整備することが重要であろうというふうに考えております。
裁判所におきましては、これまでも管理職員を通じて現場の職員の様々な声を可能な限り拾い上げるなどして、執務環境の整備に努めてきたところでございますけれども、今後も全国各庁において、現場の職員がその能力を十分に発揮することができるよう、良好な執務環境の整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
もう一点、テレワーク等の関係、働き方改革の関係で御質問があったかと存じます。この点でございますけれども、裁判所におきましては、国民の期待に応える司法サービスの一層の充実を図るためにも、育児や介護を担う男女を含む組織全員の力を最大限発揮するようにすることは必要であるというふうに考えております。
御指摘のテレワーク、あるいは長時間労働の是正、業務の合理化、効率化、育児休業等の仕事と家庭生活の両立支援制度の利用促進などを通じて、働きやすい職場環境の整備に取り組みたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/219
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220・石川大我
○石川大我君 ありがとうございました。引き続き、是非取組をよろしくお願いいたします。
午前中の少し積み残しがありますので、齋藤法務大臣にお伺いをしていきたいと思います。
先ほどからるる、同性婚に対する思い、LGBTに対する思いもお聞かせいただきました。また、福島委員からの質問の答弁で同性婚に関するお話などもいただいたところだと思うんですが、大臣として、こうした同性婚の制度がないことによってどういった不都合が生じているのかといったことを大臣としては御認識されているでしょうか。
自治体のパートナーシップ制度というのも確かに広がっているんですけれども、こういったところでは保護し切れない不都合というものが非常に多くあるということで訴訟なんかも起こっているわけですけれども、そういったところ、どのように大臣として御認識でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/220
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221・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 御指摘のように、一部の自治体におきましては、パートナーシップ制度を導入して、同性のカップルに対して証明書を発行し、その証明書を取得したカップルに家族向け住宅の申込み等を認めるなどの取組を行っているところがあるものと承知しています。ただ、このパートナーシップ制度は、婚姻に類する法的効果を認めるものではありませんので、行政サービスとして行われているものであると認識をしています。
大事なことは、この婚姻によって生じる法的権利、まあいろいろあると思いますけど、例えば配偶者の相続権等が認められていないなど、そういう問題があろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/221
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222・石川大我
○石川大我君 ありがとうございました。
相続の問題、お話をいただきましたけれども、税制度で不利益を被る、配偶者控除などもありませんし、パートナーが外国人の場合、これ配偶者ビザが下りないといったようなこともあるかと思います。また、面会も、病院における面会とか手術の同意といったものも、これ一部、同じ市だったら認めてもらえるけれども、これが私立だったりほかの町では認めてもらえないとか、様々不都合がありますので、やはり同性婚というものが必要だというふうに私は強く思います。
世界を見れば、G7でこうした同性パートナーシップに法的な保障を与えていないのは日本だけということで、G8では日本とロシアだけになるということで、やっぱりこの法整備を進めていくべきだというふうに思うんですが、改めて、大臣、いかがでしょうか、福島委員の答弁にもありましたけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/222
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223・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 全ての人々がお互いの権利や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を送ることができる、多様性が尊重される社会を実現することは重要であると考えています。
そして、同性婚制度の導入の問題でありますが、本件は我が国の家族の在り方の根幹に関わる問題であり、国民的なコンセンサスと理解を得た上でなければ進めることができないと考えています。ですから、まずは、国民各層の意見、国会における議論の状況に加え、同性婚に関する訴訟の動向、地方自治体におけるパートナーシップ制度の導入や運用の状況等をしっかり注視してまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/223
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224・石川大我
○石川大我君 今、ただいま国民的なコンセンサスと理解を得た上でというようなお話がありました。
今、世論調査を是非、法務大臣、注目をしていただきたいと思います。これ、二〇二一年の三月のものですけれども、朝日新聞の世論調査で、同性婚、法律で認めるべきというのが六五%もあるというような現実もあります。認めるべきだというのは若い人ほど非常に高くて、十八歳から二十九歳では八六%、三十代では八〇%、六十代でも六六%が認めるべきだという意味で、私としては、この同性婚の問題というのは、もうある意味、国民的な合意が得られている、コンセンサスがあるんだというふうにも思うわけですけれども、是非、法務大臣におかれましては、そういったことも引き続き考慮していただいて、検討を重ねていただきたいというふうに思っております。
もう一点伺いたいというふうに思います。
同性婚を認める国で同性婚をした日本人がそのパートナーである外国人と日本で生活を行う場合、ちょっと複雑なんですけれども、例えばフランスで同性婚が認められていると、その場合に、フランス人とフランス人のカップルであれば、片方の方が日本で何かお仕事をするときには、パートナーの方、特定活動が認められるようになったわけですけれども、片方の方が日本人だと、我が国の国民である日本人だとそのパートナーに対して特定活動のビザが発給されないという問題、これ非常に前向きに御検討いただいていると思うんですが、改めて、これ認めるべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/224
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225・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 同性婚の当事者がいずれも外国人であって、それぞれの本国で有効に同性婚が成立している場合、在留資格を有する外国人の同性パートナーについては、本国におけるのと同様に安定的に生活できるようにという配慮から、特定活動の在留資格による在留を認めているわけであります。
当事者の一方の本国において同性婚が認められていない場合、仮に当事者のもう一方の本国において同性婚が認められていたとしても、身分関係の明確性や確実性の点などにやはり課題があるものですから、一律に在留資格の変更を認めていくことは困難であると考えています。
その上で、一般論として、在留資格がない場合であっても、個々の事案ごとに在留を希望する理由や人道的な配慮の必要性など諸般の事情を総合的に勘案し、法務大臣が例外的に在留特別許可を与える場合があるなど、在留を認めるべき者に対しては在留資格を付与する運用を行っています。
同性パートナーの在留資格の在り方につきましては、これもまた様々な御意見がございますので、そういうものを踏まえながらしっかりと前向きに検討していきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/225
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226・石川大我
○石川大我君 この問題、与野党を問わず取り組んでいただいております。この委員会でも、福島先生、そして公明党の谷合先生、そして自民党の森先生もこの問題取り上げていただいていることには心から感謝をしたいと思うんですが、あと少し、是非法務大臣の御決断で、もうあと一歩のところまで行っておりますので、是非その一歩を法務大臣に超えていただきたいというふうにお願いをしまして、次の質問に移らさせていただきたいというふうに思います。
簗和生文部科学副大臣にお越しをいただきました。ありがとうございます。
二〇二一年五月二十日に開催されましたLGBTなどの性的少数者をめぐる理解増進法案を議論した自民党の部会で、複数の出席者から、簗和生文部科学副大臣がLGBTについて生物学的に自然に備わっている種の保存にあらがっている感じだと述べたと、新聞報道などもあります。また、こうした主張を口にできなくなる社会はおかしいとの趣旨の発言もあったとされますが、これは事実でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/226
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227・簗和生
○副大臣(簗和生君) まず、委員、今その断定的なお話をされたわけですけれども、当該の会議は明示的にこれ非公開の形式で行われた会議でありまして、議事録といったものも公表されていないわけであります。委員がどのように事実関係を把握されているかというところ、まず分からないところでありますが、こちら答弁席でありまして、質問等する立場にはありません。
ここでとどめますが、その上で申しますと、この非公開という会議の性質上、その内容等に関わることであったり、それに関連した質問についてはお答えすることは差し控えたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/227
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228・石川大我
○石川大我君 今、副大臣、断定的にお話しになったとおっしゃいましたけれども、私は、述べたとされていますと、そういった新聞報道があるから、これは事実かという確認をしたんです。
非公開の場だから何を言ってもいいということではないわけです。うそや科学的な根拠のないもの、これを非公開だからといって何を言ってもいいと、そういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/228
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229・簗和生
○副大臣(簗和生君) 今のお話ですと、私が何か委員御指摘のような、非科学的等ともおっしゃいましたけれども、何か問題のあるようなことを言ったかのような発言をされましたけれども、私はこれまで、あらゆる公の場において、御指摘のようなそういった発言をしたことは一切ありません。そういった趣旨の発言をしたことはありませんし、また人格的にも、そのようないわゆる差別といったようなものを、報道されているような、そういうものを肯定するような考えは一切持ってございません。この際、はっきりと申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/229
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230・石川大我
○石川大我君 それでは、新聞報道が誤報である、あるいは副大臣のお仲間の自民党の先生たちがうそをおつきになっていると。じゃ、抗議したらいいんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/230
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231・簗和生
○副大臣(簗和生君) ここは委員会の場ですから、あくまでも事実関係に基づいて議論をするような場というふうに思います。その今のお話を取り上げられたのは委員の方でございますので、そちらで御確認はそれはされればよろしい話だというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/231
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232・石川大我
○石川大我君 それでは、文部科学省にお伺いします。
事前に事務所から調査の依頼をしましたが、同性愛は生物学的に自然に備わっている種の保存にあらがっているという見解に関しまして、日本や海外においてこうした言説を裏付ける生物学上の論文などはありますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/232
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233・簗和生
○副大臣(簗和生君) 文部科学省といたしましては、個々の論文の内容に関しては把握をしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/233
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234・石川大我
○石川大我君 この問題、皆さん、お手元に資料を配らさせていただいておりますけれども、国立国会図書館の方にも問合せをいたしました。日本や海外において、LGBTは生物学上、種の保存に背くといったような言説を裏付ける生物学上の論文や資料があるかというようなことを問い合わせたところ、今回の調査の限りでは見当たらなかったというふうに回答が来ました。
これ当たり前の話でありまして、こうした生物学的にLGBTQは種の保存にあらがっているとする、これは生物学的には誤りであるということを、簗副大臣、これはお認めになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/234
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235・簗和生
○副大臣(簗和生君) 先ほど申しましたように、私が当該の会議の場でそのような発言をしたという、そういう委員の御理解の下で、そういうお考えの下で、それを前提にしたこれは質問だというふうに思いますので、これについて、先ほど申しましたように、これは非公開の形式で行われたものでございますから、お答えをすることは差し控えたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/235
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236・石川大我
○石川大我君 その部会の場ではこういったような発言はしていないというふうに明確に御答弁いただけるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/236
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237・簗和生
○副大臣(簗和生君) 報道等で私が差別的な発言をしたとされるとか、あるいは発言をしたと断定的な言い回しで報道がなされていることは承知をしておりますけれども、先ほど来申しましたように、私はこれまで、あらゆる公の場において、いわゆる差別を趣旨あるいは目的とした発言をしたことは一切なく、また私の人格的にも、そのようないわゆる差別を肯定するような考えというものは一切持ってございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/237
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238・石川大我
○石川大我君 いや、副大臣、答えていないですよ。今まで差別的な発言をしたことはないんだというのはおっしゃったけれども、この会合で、LGBTなど性的少数者をめぐる理解増進法の中で、生物学的に自然に備わっている種の保存にあらがっている感じだという趣旨の発言をしたのですかと聞いたんだけれども、それに対して副大臣は答えていらっしゃらない。答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/238
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239・簗和生
○副大臣(簗和生君) 一般論として申しますと、どのような会議等においても、これは非公開という形式が採用される理由にはその必要性があるからであるというふうに考えております。
そういう性質のものでございますので、非公開という形式が取られている以上、その内容についてはお答えを差し控えたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/239
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240・石川大我
○石川大我君 やっぱり答えないじゃないですか。
幾ら非公開の会議であったとしても、科学的根拠を欠くもの、そしてうそ、そういったものを言っていいということでは、差別や偏見を言っていいというわけではないと思いますよ。
文部科学副大臣として、小学生や中学生、高校生、そういった子供たちに接する、あるいはそういった規範とならなければいけない副大臣として全く資質を欠いていると思います。言っていないなら言っていないというふうにきちっと言えばいいじゃないですか。
簗副大臣の辞任を求めます。資質がありません。副大臣の資質がないというふうに考えます。辞任をいただきたいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/240
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241・簗和生
○副大臣(簗和生君) 辞任をしなければいけないいわれはないと考えております。文部科学省としての職責をしっかりと引き続き果たしてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/241
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242・石川大我
○石川大我君 杉田水脈政務官にもお越しいただきました。LGBTは生産性がないという発言、全く撤回をしませんが、謝罪、撤回すべきでありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/242
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243・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) そういった配慮を欠いた表現をしたことを反省し、理解を深め、差別のない社会、暮らしやすい社会の実現のためにこれまでも努力をしてきたところでございます。今後とも、そういう努力をもってお応えしていきたいと考えております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/243
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244・石川大我
○石川大我君 時間が来たようなのでまとめますけれども、引き続き、謝罪そして撤回を求めていきたいと思います。
ありがとうございました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/244
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245・杉久武
○委員長(杉久武君) この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に文化庁審議官小林万里子君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/245
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246・杉久武
○委員長(杉久武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/246
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247・梅村みずほ
○梅村みずほ君 よろしくお願いいたします。日本維新の会の梅村みずほでございます。
この質疑は、裁判官報酬法、そして検察官俸給法に関する質疑ということで、割と最近同じ法案の質疑をしまして、我が党の考え方というものも一通り御説明をしたのですが、齋藤大臣が御就任ということで、我が党の考え方も知っていただきたく、少し前回と同じような内容にはなりますけれども、人事院さんにお答えを求めたいと思っております。
我が党は、社会一般の労働者の広い給与水準に合わせて公務員のお給料も増減させるべきだという観点で、現在は企業限定、しかも事業規模として五十名以上の従業員を有する方々のお給料が上がったか下がったかという基準によってこの人事院勧告というのはなされているわけなんですけれども、これが現在の日本の現状を反映できていないのではないかという考えから、いつもこの給与法というのは出されるわけなんですけれども、上がるときには、国民の皆様が苦しんでいる現状で上げるのが適正ですかということで反対を申し上げてきたという経緯がございます。
総務省さんなどにお伺いすると、日本全国には今三百八十六万企業、民営企業があって、そのうちこの人事院勧告が基準としている民間給与水準の調査対象、従業員数五十名未満の企業数というのは、対象にならないですね、対象にならない従業員数五十名未満の企業数というのは三百七十四万企業ということですね。日本の企業の九割は中小企業と言われるように、多くの企業が対象の外に置かれているということです。
これが企業の数でございますけれども、人数ではどうかということでございます。従業員数五十名未満を含めた日本の企業の常用雇用者数ということで、大学生さんの仕送りでパートしている、アルバイトしているとか、そういったものは除いた常用雇用者数ですね、これは四千七百六十二万人と。このうち人事院勧告が基準としている民間給与水準の調査対象、すなわち従業員数五十名以上の日本企業での正社員数となると、二千四十四万人ということなんですね。企業というくくりにしても、もう対象が半分以下というふうになっている現状があるわけです。
御存じのとおり、日本は、フリーランス、個人事業主、派遣社員、多様な働き方をする方がいらっしゃいますけれども、彼らはもちろん対象の外に置かれているということでございます。私も一般に暮らしていまして、ケーキ屋さんを営む夫婦もいらっしゃいます。私の夫は中小企業の従業員でございます。私自身も、この仕事に就く前は、フリーランスのアナウンサーといいますか、しゃべり手をやっておりまして、周りを見回してみたら、この人事院勧告の基準の対象外だなんという方がもうたくさんいらっしゃるわけですね。
けれども、人事院勧告のホームページ見ますとどのように書いてあるかということなんです。社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保する機能を有するものでありというような言葉があるんですね。この社会一般の情勢というのを企業限定で測るというのはもはや難しい現在になっているのではないかというふうに思うわけであります。
そこで、お伺いしたいと思いますが、この従業員数、事業規模、従業員数五十名以上という基準は一体いつから採用されているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/247
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248・岩崎敏
○政府参考人(岩崎敏君) お答え申し上げます。
給与は、一般的に、職種のほか、役職段階や勤務地域等の給与決定要素を踏まえてその水準が定まっていることから、人事院において国家公務員給与と民間給与の比較を行う際には、単純平均で比較するのではなく、給与決定要素を同じくする同種同等の者同士を比較することとしております。
調査対象につきましては、企業規模五十人以上かつ事業所規模五十人以上としておりますが、これがいつからかというお尋ねでございますが、平成十七年の給与勧告時の報告において、当時様々な議論が行われたことも踏まえまして、人事院として、官民給与の比較方法について検討を行うことを表明し、その後、慎重に検討を行った上で、平成十八年から官民比較における比較対象企業規模を百人以上から五十人以上に変更いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/248
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249・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
十数年、十七年前後といったところでしょうか、前に定めているということで、五十名という数字はですね、お伺いしましたけれども、この社会の移り変わりのスピードが激しい今にあって、もう政府としても、スタートアップを増やしましょうとかアントレプレナーたくさん輩出しましょうというような動きもあるわけです。個の時代とも呼ばれる今にあって、この基準というのは社会一般情勢を反映していると言えるでしょうか。人事院にお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/249
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250・岩崎敏
○政府参考人(岩崎敏君) お答え申し上げます。
国家公務員の給与と民間企業従業員の給与との比較につきましては、役職段階、勤務地域などの給与決定要素を同じくする者同士を比較することとしております。
お尋ねの非正規雇用者やフリーランスにつきましてですが、非正規雇用者につきましては、労働時間が短く時給制が多いなど雇用形態や賃金形態が様々であり、職務や職責の重さを共通の尺度で測ることが難しく、精密な比較を行うことは困難であると考えております。
また、会社などに所属せず業務に応じて個人が契約を結ぶいわゆるフリーランスにつきましては、個別の業務単位で報酬が定まるものであり、組織的に業務を分担しながら毎月の給与を得る者とはその報酬体系が根本的に異なることから、比較になじまないものと考えております。
このため、国家公務員の常勤職員の給与につきましては、官民の常勤同士の給与比較により社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保し、また、国家公務員の非常勤職員の給与につきましては、常勤の職員の給与との権衡を考慮して決定することとしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/250
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251・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
同種同等ということで、結局似た業態といいますかシステムのところと比較しましょうということで、じゃ、もう人事院勧告に、社会一般の、文言ちょっと間違えるといけませんので確認をしながら、社会一般の情勢に適応したというふうな言葉、抜かれたらいいんじゃないかなというふうに思うんです。非常に限定されているというふうに思いますし、周りから見て政治ってやっぱり私たちと感覚違うよねと言われるの何でかといったら、自分たちが対象になっていないからというのもあるんではないかと思いますし、少なくとも私は以前からそのように思っていたという実態があります。ですので、是非ともこの基準について見直していただきたいというのが我が党の姿勢でございます。
また、民間の調査などで、今やっぱり不景気ですと公務員が人気になってきます。好景気だとやっぱり民間企業が人気だったりもするんですけれども。公務員は非常に、一度、公務員になりたくない人も増えているということで、私も省庁の皆様とも仕事していますので、本当に働き者で、コロナでも安定していていいなみたいな声が聞こえると、いやいや、コロナだからこそ本当に大変で皆さん頑張っていらっしゃったんだよ、公務員の方々の御苦労というのがなかなか伝わらないなというのも私存じ上げているんですけれども、どうしても世の中から見ると、安定、福利厚生というところが非常に魅力というふうに映っているようなんです。実際には働き方改革が進まない実態等もありますけれども、お給料面においてはやはり優遇されているという認識が強いのかなとも思います。
そのように、やっぱり公務員というものは公僕ですので、やっぱり国民のために、国のために仕える仕事です。志望理由として、面接を受けるときに、何でうちを希望するんですかと言われると、安定ですと言われると、採用者側というのは、ううん、安定かと思うわけですね。やっぱりやりがいというものを前面に、熱意でぶつかってきてほしいというのが本音ではないかと思います。
そこで、国や地方は公務員としてどのような人材を求めているのか、国として内閣人事局、地方として総務省にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/251
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252・岡本誠司
○政府参考人(岡本誠司君) お答えいたします。
我が国の社会経済情勢や行政を取り巻く環境が刻々と変化する中で、政府には複雑高度化する行政課題を的確に処理することが求められているところでございます。
このため、職員には、企画立案能力、迅速かつ正確な業務処理能力等を発揮するとともに、高い気概、使命感及び倫理観を持って職務に全力を傾注することが求められておりまして、採用に当たっては、国民全体の立場に立ちながら、幅広い視野を持ち、行政課題に的確かつ柔軟に対応できるような人材を確保することとしています。
各省庁においても、それぞれ対応すべき行政分野を踏まえ、多様で有為な人材を確保し、計画的な育成を図っているところと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/252
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253・大沢博
○政府参考人(大沢博君) お答えいたします。
地方公務員の採用は、各地方公共団体において、地域の実情や行政需要の変化を踏まえながら実施されるものでございますが、一般的に申し上げますと、住民や地域企業など多様な主体と連携、協働をして、地域の課題解決に取り組むことができる人材が求められていると考えております。
また、例えば、自治体の中には、採用するときに、目標に向かって自ら歩むことができる人であるとか、現状に安住しない開拓心のある人など、求める人材像を志望者に明示しているケースもあると承知をしておりまして、こういった取組は重要であると総務省としても考えております。
また、これに加えまして、有為な人材の確保に向けて、職員が成長を実感し、組織や仕事への貢献意欲を高めることができる人材マネジメントの取組であるとか、長時間労働の是正、男性の育児休業の取得、テレワークの導入などの働き方改革の推進も助言をしているところです。
引き続き、各自治体が求める有為な人材を確保していただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/253
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254・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
そうですね、今お二方の答弁を聞いていても、そういった方に来ていただきたいなと私も賛同するところでございます。
非常に重要なのは、公務員の皆様の働き方改革であろうと思っています。人はパンのみに生くるにあらずでございますので、高いお給料をいただいていても、その業務内容によって、人間関係によって、労働環境によって全く満足度が違うものでございます。ですので、まずは皆さんに公僕として、本当に自分の身をささげ、国を支え、国民の幸せのために、地域の発展のために尽くしていただくためには、やりがいというものに魅力を持っていただく必要があろうと思っています。
そして、お給料は、私ども日本維新の会としましては、身を切る改革というものをずっとやっております。それはなぜかというと、私も議員になりましてから、いや、そんなにおいしい仕事ではないよということを肌身をもって感じるわけでございますけれども、なかなかそれが国民には伝わりませんし、今なかなか国全体で景気が良くならない中で、お給料が働けども働けども増えることはない。そして、追い詰められてお母様もお父様も働きに出て、お子様を預けるのにもお金がないという方もいらっしゃいますし、様々な国民の実情を鑑みますと、私どもは随分恵まれていると思うわけです。
ですので、まずは私たちから国民の皆様が少し豊かになるまでは我慢しましょうというのが私どもの思想でございまして、国民の皆様が少し上向いてきたなという実感があったら胸を張って上げさせていただきたいというのが我が党の考えであるということを申し上げたいと思います。
あと少しだけお時間があるようですので、今回は裁判員の皆様のお給料にも関係があるということで、裁判に関しては、一般の方にとっては遠い存在かもしれませんけれども、お給料をしっかりもらっていただくに当たって、公平公正なジャッジがなされているという満足感というのも非常に重要かと思っております。
私は、この法務委員会を志望した理由の一つとして、親子法制に関する議論を積極的にこの場で行いたいというものがありました。私は女性ですので、DVの被害を受けた方からの声も聞く一方で、昨今では子供と会えない別居親の方の声もよく聞くわけです。まさに法制審家族法制部会の中間試案が出されて、それに対するパブリックコメントが集められるという段になっておりますけれども、この親子の関係をめぐる裁判、家裁が中心になるかと思いますけれども、そのジャッジに不服だという方の声、大変多く聞いてまいりました。特にスピードの遅さです。子供の成長というのはあっという間でございます。本当に、次はいつか、次はいつかということで、一か月、二か月と待っているうちに子供が大きくなってしまう。そのうちに、片親疎外というような言葉が使われることもありますけれども、同居親の影響なども多少ありまして、お子さんが別居親に会いたがらないというような事例もあるというふうに聞いております。
スピードを持ってこの結果を得るということが大変重要かと思いますけれども、いかがでしょうか。最高裁にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/254
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255・馬渡直史
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) お答えいたします。
裁判所は家事事件の手続が公正かつ迅速に行われるように努めなければならないということは、家事事件手続法二条にも定められているところでございます。
先生御指摘のような子の監護に関する事件につきましても、子の利益を最も優先して考慮するという観点から、必要な審理を適正に行うとともに、その事案に応じた適切なスピード感を持って手続を進めることは重要であるというふうに認識しているところでございます。
最高裁判所といたしましては、引き続き各裁判所に対する必要な支援を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/255
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256・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
慎重さも非常に重要ですけれども、子供の成長を考えると、スピーディーにというのも非常に重要かと思っております。そのためには仕組みづくりが何よりも肝要かなと思っております。引き続きよろしくお願いいたします。
以上で質問終了します。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/256
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257・鈴木宗男
○鈴木宗男君 給与法については我が党の梅村委員が前々の委員会でも十分質疑しておりますので、私は、維新の考えは十分反映されていると思いますから避けまして、午前中、質問通告していてできなかった部分をこれから質問したいと思っています。
法務大臣、刑法十一条では、「死刑は、刑事施設内において、絞首して執行する。」と、こうなっていますね。これは時代に合っていると思いますでしょうか。私は、もう少し科学的な、あるいは人道的な、あるいは時代に合った処置の仕方があるんでないかという気するんですけれども、大臣はいかがお考えでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/257
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258・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) この瞬間において私が鈴木委員に御答弁できるとしたら、今直ちに見直すという必要性はないのではないかなというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/258
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259・鈴木宗男
○鈴木宗男君 先ほど福島委員の質問等も聞きながらも、私は、やはりちょっと昔の制度、仕組みそのもので来ていますから、ここはやっぱり思い切って変えるところは変えていった方がいいと私自身そう思っております。
あと、大臣、福島委員が、手錠だとか腰ひもだとか、いろいろ拘束されていると言われましたね。凶悪犯と一般の経済だとかあるいは軽い事犯と、これみんな同じ扱いしている。これは私はちょっと公正ではないと思っています。この点、大臣、いかが考えていますか。
やっぱり凶悪犯ならば、私はそれなりの拘束しておかぬと危ないなり心配がありますけれども、一般の軽い事犯も、あるいは経済犯や詐欺の事犯なんかも同じく凶悪犯と扱うということ自体が私はちょっと合わないと思うんですけれども、大臣の認識としてどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/259
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260・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 鈴木委員の御意見については個人としてはいろいろ思うところございますが、本件は裁判所において判断をされるべきかなというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/260
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261・鈴木宗男
○鈴木宗男君 私は、やはりこれは、国民から選ばれた国会議員がそれなりの認識を持ってしっかり議論してもらいたいし、さっき言ったように齋藤大臣には期待しておりますので、やはり新しいレールというか枠組みというものはつくってほしいなと思っています。
そこで、大臣、大臣が死刑囚に対しての執行権限持っていますね。そこで、死刑囚本人には、執行はいつするという告知はいつされるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/261
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262・花村博文
○政府参考人(花村博文君) お答えします。
死刑執行の際に事前に、死刑執行当日に本人に告知をしておるというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/262
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263・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、私はこれも、もう人生の最後なんですから、家族なりあるいは友人なり会いたい人にはきちっと、本人の口から聞いてですよ、いわゆる被害者には告知をするわけですから、いつ執行しますという、あるいは手続取りましたというのは、要請、申請があった場合ですね。しかし、それ以上に、命を落とす人には、家族なりあるいは友人なり、本人の希望を聞いて、それなりの私は配慮をすべきでないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/263
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264・花村博文
○政府参考人(花村博文君) お答えします。
死刑執行の告知につきましては、先ほど申し上げましたとおり、死刑確定者本人に対しまして、執行の当日、執行に先立って行っているところでございます。
本人に対して執行当日より前に告知した場合には、その心情の安定を害することが懸念されますとともに、かえって過大な苦痛を与えることにもなりかねないことから、現在の取扱いはやむを得ないものと考えておるところでございます。
また、死刑確定者の家族に事前に執行を通知した場合には、通知を受けた家族に対して無用な精神的苦痛を与えること、仮に通知を受けた家族と本人との面会が行われた場合、本人が執行の予定を知ることにより同様の状況が懸念されますことから、現在の取扱いはやむを得ないものと考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/264
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265・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、今の答弁聞いて、大臣、人間として、一人の人間としてどう受け止めます。今の局長の事務的な話では、私は人間性を疑いますね。それは代々の答弁ですから、それを踏襲しているけれども、大臣、大臣も人の子の親であり、一人の人間ですよ。最後にそれなりの優しさだとか思いやりだとか愛情だとか慈しみがあって私はしかるべきだと思っているんですよ。それをやっぱり大臣が強く指導すればできる話ですからね。ここは是非とも大臣に改革に向けて取り組んでもらいたいと思いますが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/265
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266・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 今、事務方からも答弁をいたしました。何が当事者にとって本当の愛情なのかというのはなかなか難しい問題があろうかなと思います。事務的にも申し上げたように、事前に告知してその心情の安定を害するということが本当に愛情なのか、それから、家族に対して無用な精神的苦痛を与えかねないことが本当に愛情なのか、いろんなことを考えながら今の制度ができているということなんだろうと理解しています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/266
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267・鈴木宗男
○鈴木宗男君 現状では大臣も今の答弁しかないと思いますけれども、ただ、ここら辺は私は検討課題だと思いますけれども、是非とも、大臣、新しいこの土俵というか枠組みつくってほしい、あるいは検討に向けての私は判断をしてほしいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/267
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268・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 重く受け止めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/268
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269・鈴木宗男
○鈴木宗男君 昭和五十年頃までは前もって告知して、刑務官なんかがその死刑囚と向き合って落ち着かせてきている例が多々あって、最近でも報道なんかでそのやり取り、公になっていますね。私はやり方あると思っています。あの場所にいても人間関係はできているわけですからね。是非とも、大臣、これを重く受け止めて検討してほしいと思います。
もうこれ時間がありませんから、大臣、袴田事件は御存じでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/269
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270・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) おおよそのことは聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/270
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271・鈴木宗男
○鈴木宗男君 袴田さんは今も死刑囚です。それでも釈放されております。私は、やはり袴田さんなりに、もう四十年、死刑囚として大きな責任は果たしてきたと思いますね。私は、即時抗告を検察は取り下げれば、私は逆に、袴田さんはこれはまさに再審請求を今までずっとしてきたけれども、そこで私は一件落着だと思っているんですよ。十分な私は責任を果たしてきたと言っていいと思いますね。
あと、年齢的にも、もう袴田さん、来年で八十七歳。あの一生懸命世話してきたお姉さん、秀子さんはもう九十歳ですよ。もう人生限られていますね。ここは、齋藤大臣、私は人間的な配慮があってもいいかと思うんですよ。
これは検察が判断すればできる話、その検察は大臣が指揮監督持っているわけですから、私は国民世論だって反発する人はいないと思っています。
この点、是非とも、大臣、これ齋藤大臣のときにこの即時抗告を取り下げてほしいと思いますが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/271
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272・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 袴田事件については、御案内のように、第二次再審請求に関して、令和三年十二月二十二日、最高裁判所が、再審請求を棄却した東京高等裁判所の決定を取り消し、審理を東京高等裁判所に差し戻す決定を行い、現在、同裁判所に係属中であるということであります。
いわゆるこの事件については、第十次再審請求に関し、令和四年三月八日に、再審請求棄却決定に関する異議申立てを棄却した名古屋高等裁判所の決定に対し訴求人が特別抗告を申し立て、現在、特別抗告審係属中であるものと承知しておりますので、私としては見守っていきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/272
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273・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣が決断すれば済む話だけれども、その決断というのはなかなか難しいことも分かります。それは、ルールの中で、法律の中でやっているわけですから十分分かるんですけれども、これも私は拳々服膺の余地があってもいいんでないかと思っているんですね。ここは人間性がまた問われる件だと思うんです。
そこで、大臣、この袴田事件で一番の問題は、あの作業着に付いた血痕なんですよ。警察が出したあの衣類の着色、同時にそれを追認した検察がやった、再度やった着色の血痕、これは全くでたらめであったことが明らかになっているんですよ。これ、誰が何と言おうとも、これはもう科学的な検査をした結果出ているわけですから、ここら辺は、大臣、私は理屈の世界じゃないと思いますね。
ここは非は認めた方がいいし、私はチャンスを与えるべきだと、こう思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/273
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274・川原隆司
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
今、鈴木委員御指摘の点は、先ほど大臣が答弁されましたように、現在再審請求審が係属しているものでございますので、法務省としてはお答えを差し控えたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/274
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275・鈴木宗男
○鈴木宗男君 三権分立で、司法は司法の立場で粛々とそれは進めるべきです。ここは、だけど立法府です。国民から選ばれた委員会という場であります。大臣も一人の政治家として国民から選ばれた立場で、当然、大臣は権限持っているんですよ。その権限は人のために、世のために私は尽くすのが大臣のためにもなると、こう思っているんですね。
是非ともこの点、大臣、頭に入れて対応をいただきたい、こう思っていますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/275
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276・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 委員が御指摘されたその血痕の話について、一つ一つ私がコメントをすることは差し控えなくちゃいけない案件だと思っております。
実は、おわびなんですけど、先ほど私の答弁の中で、袴田事件に関する中で、第十次再審請求に関し、令和四年三月八日以下、現在、特別抗告審係属中であるものと承知というところについては、ちょっと焦って答弁したものでありますから、この部分については割愛をさせていただけたらなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/276
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277・鈴木宗男
○鈴木宗男君 今の、大臣、その話は私は余り関心持っていない、それはいいんです。
ただ、ここは、大臣、大きな、人としての私は配慮をお願いしたい。私も何回も袴田さんに会って、あるいはそのお姉さんですね、是非ともお願いしたいと思っています。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/277
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278・川合孝典
○川合孝典君 国民民主党の川合孝典です。
給与法の質疑に入らせていただきたいと思いますが、先ほどの所信への質疑で少し、どうしても聞きたかったことを、大臣に質問したかったことで積み残しがございましたので、一つ二つ確認をさせていただきたいと思います。
大臣所信の中に、様々な人権問題等への対応という項目がございました。この中に、お互いを尊重し合える社会を目指し、人権相談や調査救済活動を充実強化するとともに、効果的な人権啓発活動等の取組を推進してまいりますと、こう書かれていまして、次に、また、インターネットの利用に関し、関係府省庁や民間事業者と連携し、そのルールやマナーの啓発と不適切な書き込みの解消に取り組みますと、こういう記載がございました。それと同時に、デジタル化、IT化の推進の項目で、このことも含めて、情報通信技術の進展等に伴って生じる事象に刑事法としての対処することを検討してまいりますと、このような記載も実はしていらっしゃるわけであります。
このいわゆる情報通信技術の進展等に伴って生じる事象に刑事法として対処するという、具体的にどういった事象をイメージしてこの所信を述べられているのかということについて、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/278
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279・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 私の挨拶において申し上げましたとおり、本年六月、法制審議会に対して、情報通信技術の進展等に対応するための刑事法の整備に関してなされたまず諮問なんですけど、これは、刑事手続において情報通信技術を活用することのほか、そうした手続の実施を妨げる行為その他情報通信技術の進展等に伴って生じる事象に刑事法として対処できるようにすることでありまして、その法整備の在り方について、現在、法制審議会の部会において調査審議をいただいていると、まずこういう諮問をしているということであります。
委員御指摘の進展に伴って生じる事象への対処ということでありますが、刑事手続に情報通信技術を活用する施策を制度化し、実施するに当たりましては、書類が電子的方法により作成、管理、利用、発受され、手続が映像、音声の送受信により行われることとなった場合におきましても、それらを妨げる行為に対し刑法等の規定について対処できるようにしておくことがその適正な実施に当然必要であるというふうに考えられ、それ以外にも、情報通信技術が犯罪に悪用されるなどの事象に刑事法として対処できる、そういう必要があるだろうと考えられております。
部会での議論では、例えば、電子的に作成される文書の信頼を害する行為に対処できるようにすることですとか、新たな形態の財産生成、取得、保管、移転により行われる犯罪事象に対処できるようにすることなどが検討項目として挙げられているところであります。
刑事手続における情報通信技術の活用は重大な課題であることですので、法制審議会においてこうした諮問について充実した調査審議が行われることを今期待しているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/279
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280・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。
大臣、この実は質問させていただきましたことの背景には、実はさきの通常国会でも取り上げられた問題なんですが、SNSへの書き込みの関係で、非常にその対象者となった方が苦しい思いをされる、又はお亡くなりになった方も実は出てきているといったような状況を受けて、このSNSを使ったいわゆるハラスメントというか、いわゆる侮辱行為といったようなことについて、これをどう取り締まっていくのかといったようなことがこの間実はずっと議論されてきているわけであります。
非常に難しい問題かとは思いますが、書き込む方はただの一回ぽっと書き込むだけでありますけれども、一旦書き込んでしまいますと、それが無限に拡散され続けることになりますので、結果、一回書くことで何百回、何千回、その誹謗中傷を受け続けるというのが実はこのいわゆるSNS書き込みによる被害ということと指摘されておりますので、こうしたことも要は今後のいわゆる罰則規定の検討を行っていく上での対象にすべきかと私は考えているんですけれど、大臣、どう思われますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/280
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281・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) インターネット上の誹謗中傷などの人権侵害というものはやっぱりあってはならないと思いますし、我々国会議員も始終いろいろ思うところがあるわけでありますが、ただ、我々はもう一応諮問をしています。その諮問をしていますので、その中で、こうだああだというものを今ここで申し上げることは差し控えたいと思いますが、法制審議会の審議をしっかり見守っていきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/281
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282・川合孝典
○川合孝典君 そうですね、大臣としてという質問の仕方が不適切だったのかもしれませんけれども、事の重要性については御認識をしていただいているということだと今の御答弁で受け止めさせていただきました。
その上で、もちろん諮問をするということですから、まずは有識者、専門家の方からの御意見を取りまとめていただいて、それを聞き取る、聞くということになるんだと思いますけれども、政治が主体的にこの問題にどう取り組んでいくのかということのやはり方向性については、大臣としてお示しになられることは私は可能だと思っておりますので、そうしたことも含めて、今のこのSNSを使った誹謗中傷行為ということについて、これから御議論、是非テーマの俎上に上げていただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/282
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283・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 改めまして、インターネット上の誹謗中傷等の書き込みは重大な人権侵害につながるものであって、決してあってはならないというのが大前提で申し上げたいと思います。
その上で、法務省におきましても、まずは個人の名誉やプライバシーに関する正しい理解を深めることなどを目的として、法務省の人権擁護機関では様々なことを行っております。
具体的にお話ししますと長くなってしまうので割愛しますし、また、法務省の人権擁護機関では、被害者から相談を受けた場合には、その意向に応じて削除依頼の方法等を助言をしたり、違法性を判断した上でプロバイダー等に対して削除要請を行って、そういうこともやっているんですね。また、その実効性を高めるために、総務省とともにプロバイダー事業者等との意見交換を行うなど、削除要請に対する事業者側の理解も求めていかなくちゃいけないということで、そういうことも行っているわけであります。
インターネット上の誹謗中傷等の対策については大事な対策だと思っておりますので、しっかり取り組んでいきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/283
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284・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。
この問題、私がずっと取り上げ続けてきていることの背景には、もちろんこれ表現の自由に関わる問題ということがあり、そことの折り合いを付けながらどう規制していくのかということが極めて重要になるという、その論点も理解はしているんですが、実はコロナが始まりましてから自殺者数が増えているんです。
国会の中で、特に参議院が主体となって超党派で様々な議論や取組をこの間進めてまいりまして、自殺対策の取組を積極的に本格的に始めてから、実はコロナが始まる前年までは十一年間連続で自殺者数が減り続けておりました。一番多かったときに三万四千人を超えていたのが二万人辺りまで実は低下しました。四割以上減ったと。まだそれでも二万人いらっしゃるわけでありますが。これが、コロナが始まってから、家庭での問題だとか様々なストレスが顕在化したことで上昇基調に転じたと。
これを何とかしなければいけないということの議論をする中で話題になりましたのが、問題になりましたのが、いわゆるどういう理由でその自殺者が増えるのかということの検証を行う中で、いわゆる情報の発信の在り方が影響していると。
端的に申し上げますと、有名人の自殺がいわゆるその自殺者数の上昇に影響しているといったような実は数字も出てきております。一定の検証がなされた上でこれは議論されておりますので明らかな証拠があるということだと思いますが、他方、これは報道、表現の自由の問題にも当然関わる話ということでもありますので、自主規制ということで、どうこの問題と向き合っていくのかが実はこの間議論されてまいりました。しかしながら、この表現、報道の自由というものと同時に、公共の福祉ということとのバランスをどう考えていくのかということ、このことがもっと積極的に議論されなければいけないと思っているんですよね。
したがって、事の軽重は、当然その質、中身は完全に同じ問題ではありませんけれども、この情報の発信の在り方ということ、同時に、IT化が進展する中での情報の伝達スピードの速さといったようなことを考えたときに、従来の考え方での対応ではなかなかもう追い付かない状況に実はなってきているということを踏まえた上で、どういう対策を打たなければいけないのかということの議論をしなければいけないということをかねがね関係する議員の皆さんとも議論させていただいているところでありまして、そうした問題意識があるということを是非心にとどめておいていただいて、今後の議論に是非生かして、反映させていっていただきたいと思います。
本論の給与法の方に戻らせていただきたいと思います。
まず、法務省さんと最高裁の方にお伺いしたいと思いますが、実は、令和元年六月二十八日付けの内閣人事局長通達で、令和二年度以降の五年間の定員合理化計画というものが発出されております。この定員の合理化計画の現時点での進捗の状況がどうなっているのかということを、法務省さん、最高裁さん、それぞれ御報告をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/284
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285・竹内努
○政府参考人(竹内努君) まず、法務省の定員合理化につきましてお答えいたします。
令和二年度から令和六年度までの五年間で五千三百七十二人を合理化することとされておりますところ、現在、この政府方針の趣旨にのっとりまして取り組んでいるところでございます。
これまで、令和二年度に一千七十五人、令和三年度に一千七十五人、令和四年度に一千七十四人、合計三千二百二十四人が合理化され、残る令和五年度及び令和六年度におきまして合計二千百四十八人の合理化が求められているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/285
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286・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
裁判所といたしましては、裁判所の事務への支障の有無等を考慮しつつ、政府の定員合理化に協力するため、定員合理化を行っているところでございます。
具体的な数値を申し上げますと、令和二年度におきましては五十七人、令和三年度には五十六人、令和四年度は六十五人の合理化を行ってきたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/286
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287・川合孝典
○川合孝典君 突然何を聞き出すんだと、大臣、思われたかもしれませんけれども、御承知のとおり、いわゆる司法の手続も非常に複雑化、高度化している、さらには、今後、様々な法改正によって、いわゆる司法へのアクセスの基盤を充実強化させるといったようなことがこれから議論なされなければいけない局面に入ってきているわけであります。
こうした状況の中、もちろん、政府の方針として合理化の方針を立ててというか、組織自体が、たゆまざる組織の見直し等、無駄を省くということについての議論をずっと継続して行わなければいけないのも、これはその必要性は重々承知した上で、他方、現状、法務省や裁判所が置かれている状況を考えたときに、目標だからという理由で削減をするということが果たして適切なのかどうなのか。一方で、充実強化しますということも様々な局面で御答弁をされるわけでありますので、この一連の人員削減の動向の中で、どうやっていわゆる裁判所の機能や法務省、司法行政処理の機能を維持するのかということは非常に難しい課題になってくると思うんですけど、この点について、大臣、どう思われますか。どう思われますかというのもちょっと漠然とした質問になりますけど、そういう状況の中で今様々な議論を行っているということについて大臣はどうお感じになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/287
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288・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 私も二十三年間霞が関に勤務しておりますので、常に新しい政策や新しい行政ニーズというものは当然出てきて業務は増加をしていくわけで、それに必要な人員の確保にどの役所も努めているところだと思います。
一方で、ややもすると、先生、目標設定することがいいのかという御発言ありましたけれども、目標を設定しませんと、ややもすると、要らなくなった業務についても何となく残っていくということがやっぱりあり得るんですよね。
ですから、そういう意味では、目標を作って業務の不断の見直しを行っていくということは私は一定の合理性を持つ考え方なんだろうと思っていますが、しかし、これによりまして法務省が果たすべきお仕事に支障が出るということはあってはならないわけでありますので、私としても、政府の方針の趣旨にのっとり定員合理化についてはしっかり取り組みますが、その点については頭に入れて取り組んでいきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/288
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289・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。
継続的に業務の見直しを行わないと、いわゆる組織は放置すると肥大化するのは世の常でございますので、大臣が御指摘されていること自体は私も理解はしております。
しかしながら、こうしたそのいわゆる削減のトレンドの中で新たなミッションをプラスアルファで何か始めるというのが、これが極めて難しいのも一面の事実ということでありますので、そういったところを意識しながらやらなければいけないんですが、じゃ、どうしたらそれができるのかということを考えたときに、合理的、客観的なその判断の基準になるものが何かあればいいんじゃないのかということを考えております。
私は民間の出身でありますので、民間は、必要ないわゆる要員、人員についてカウントするに当たって、徹底的にいわゆる工数と労働時間についての調査を行います。労働時間管理をきちんと行う中で、実際にいわゆる余業がどの程度出ているのかといったようなことも把握した上で、ここは余っているとか、ここは要は増やさなければいけないということの判断をすることになります。
よって、どういう形でやっていらっしゃるのかは分かりませんけれども、法務省さん、特に裁判所さんがどういう労働時間管理をされているのかということ、この辺りのところについてはちょっと是非聞かせていただきたいと思うんですが、ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/289
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290・竹内努
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
職員の勤務時間の実態を正確に把握いたしまして適切な勤務時間管理を行うことは、必要な人的体制を整備するために必要であることはもとより、長時間労働を是正し、職員の心身の健康を守るためにも必要であると認識をしております。
法務省におきましては、職員の勤務時間を見える化し、その実態を把握した上で勤務時間を適切に管理できるようにするため、勤務時間管理のシステム化に向けた取組を進めているところでございます。
具体的には、現在、職員の出退勤や休暇取得等の申請管理等を一元的に行うことができるシステムである勤務時間管理システムの導入作業を行っているところでありまして、法務本省におきましては、令和五年度から同システムの運用を開始する予定であります。
引き続き、職員の勤務時間管理を徹底しまして、適正な職務環境の整備に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/290
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291・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、勤務時間の適切な管理は重要であると認識をしております。裁判所職員につきましては、一般職の国家公務員の勤務時間に関する規定が準用されておりまして、これに基づき勤務時間の管理を行っております。
具体的には、正規の勤務時間の勤務については、始業時刻までに登庁しているかを登庁簿を用いて確認するとともに、管理職員が勤務状況を現認するなどの方法によって終業時刻まで勤務していることを確認をしております。
また、超過勤務につきましては、職員が事前に管理職員に申告して、管理職員が超過勤務の必要性や緊急性を個別具体的に判断し、実際の超過勤務の状況につきましても管理職員が現認することを基本として、適切な把握に努めているところでございます。
今後とも、職員の勤務時間の適切な把握に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/291
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292・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。
法務省さんはシステムが令和五年から動くということで、是非そのデータに注目をしてみたいと思います。
最高裁さんの方に重ねて質問させていただきたいと思うんですが、超過勤務も含めて登退庁の時間管理はしていらっしゃるということではあるんですが、部署ごとのいわゆる時間外労働というものは取っていらっしゃいますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/292
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293・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
確かに、御指摘のとおり、繁忙度ということにつきましては、庁や部署ごとにきめ細かく把握していくことが必要であるというふうに考えております。先ほど御説明申し上げましたとおり、超過勤務については、管理職員が超過勤務の必要性や緊急性を個別具体的に判断をし、実際の超過勤務の状況についても管理職員が現認することを基本として、適切な把握に努めてきたところでありますけれども、そういう部署ごとの繁忙度ということの確認ということも含めて、職員の勤務時間の適切な把握に努めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/293
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294・川合孝典
○川合孝典君 重ねて御質問させていただきましたのは、仄聞するところによりますと、いわゆる早出や残業、さらには昼間の昼休み時間の勤務ですとか、さらには持ち帰り仕事といったようなものが、この一連の人員の削減、定員減の動きも含めて、この間増えてきているといったような声が現場から実は上がってきているんです。
したがって、トータルとしての、いわゆるマクロでの数字というところではそれほど問題が顕在化していないのかもしれませんけれども、裁判所ごとで調べた場合又は裁判所のいわゆる職種ごとに調べた場合にどういう問題が生じているのかということ、この辺りのところは実はこれまでデータとしては、私、見たことがございません。
この問題を指摘させていただきますのが、いわゆるその合理化、定員減ということの取組を行う中で人の動きを見ておりますと、特に裁判所は、地裁からいわゆる都市部の訴訟が多い裁判所の方に人を動かしたりということをこの間ずっとやることで現状の状況に対応してこられているんですけれども、そのことの結果、当面はそれでも対応ができるのかもしれませんが、その後の訴訟数の推移によっては当然問題がその後生じることも可能性として出てくるということであります。
このいわゆる裁判所ごとの、職場ごとのいわゆる労働、勤務時間実態というものをきちんと把握しておかないと、今後どうしようもなくなったところで慌てて人の手配といったようなことになりかねないということを実は危惧しておりまして、したがって、労働時間管理と定員、要員の管理というものはもっときちんと精査してやるべきなんじゃないのかということの問題提起を実はさせていただいているわけであります。
齋藤大臣に是非お願いしたいんですけれども、今私が問題提起させていただきました部署ごとのよりきめの細かい時間管理、労働実態管理というものを是非法務省そして裁判所の方でお進めいただけるように御指導いただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/294
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295・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、裁判所の件については、ちょっと私、コメントすることができませんが、委員御指摘のように、職員の勤務時間の実態を正確に把握をするということは、適切な人事管理上は必要不可欠なことだと思っています。
それで、既に事務方から答弁をいたしましたように、法務省においては、勤務時間を見える化をしていこうということで、そして、その上で勤務時間を適切に管理できるようにするために、勤務時間管理のシステム化に向けた取組を進めているところでありまして、これは私は大変すばらしいことだなというふうに思っています。
具体的には、出退勤や休暇取得等の申請管理などを一元的に行うことができるシステム、勤務時間管理システムの導入作業を行っているところでありますので、しっかりと業務管理ができるようなシステムとなるように令和五年度から運用を開始していきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/295
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296・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございました。
適正なその人員、要員がどういうものなのかということがきちんと精査できていれば、そのことを前提として給与水準がどうあるべきなのかということにもつながってくると思いますので、是非これから積極的にお取組進めていただきたいと思います。
時間が参りましたので、これで終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/296
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297・仁比聡平
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
まず、統一協会による重大な反社会的不法行為についてお伺いをします。
大臣は所信の中で、社会的に問題が指摘されている団体としか述べられませんでした。そこで、資料をお配りしていますけれども、十月二十七日の当委員会の質疑で私の方で紹介をさせていただいた一九九九年の日弁連意見書から、宗教的活動にかかわる人権侵害についての判断基準という部分を抜粋をさせていただいたものです。
今日、文化庁が所管をされている統一協会に対する解散命令請求、あるいはその前提としての質問権の行使について、民法の不法行為の判決が二十二件把握されていると。あるいは、その下で被害総額十四億円に上ると。それがあの質問権行使を初めて行う大きな根拠という趣旨で文科大臣が繰り返し発言をしておられるわけですけれども、そうした不法行為判決というのは既に四半世紀以上前から、やむにやまれぬ当事者の闘いによって勝ち取られてきたものなんですね。
この一九九九年の日弁連意見書は、八四年のヨーロッパEC議会の取組や、その時点、九九年時点での各地の判決例などを深く分析をしながら、御覧いただきますように、反社会的な宗教的活動がもたらす消費者被害等救済のための指針として示されています。
一番の献金等勧誘活動について。ここには、献金等の勧誘に当たって、次の行為によって本人の自由意思を侵害していないかと。先祖の因縁やたたり、あるいは病気、健康の不安を極度にあおって精神的混乱をもたらす。二、本人の意思に反して長時間にわたって勧誘する。三、多人数により又は閉鎖された場所で強く勧誘する。四、相当の考慮期間を認めず、即断即決を求めるなどなど。今日、統一協会による被害者、高額献金や霊感商法という、被害者の言葉で皆さんがよく共有するようになった指摘が既に九九年にされています。
二の信者の勧誘について。勧誘に当たって、宗教団体等の名称、基本的な教義、信者としての基本的任務、特に献金等や実践活動等を明らかにしているか。本人の自由意思を侵害する態様で不安感を極度にあおって、信者になるよう長時間勧めたり、宗教的活動を強いて行わせることがないか。統一協会は、正体を隠して巧みに近づく、そして人々の人生めちゃくちゃにすると。ここに対する厳しい批判がここにあるわけですね。
信者及び職員の処遇の問題として、外部との連絡を保障しているか。施設から離れようとする者の意思を妨げていないか。
そして、四項目めに、未成年者、子供への配慮という項目があります。親権者、法定保護者が反対している場合には、未成年者を長期間施設で共同生活させるような入信を差し控えているか。逆に、親権者、法定保護者が未成年者本人の意思に反して宗教団体等の施設内の共同生活を強制することはないか。小中学校の教育を受けさせているか。本人にとって到達可能な最高水準の身体及び精神の健康を確保するよう配慮されているかと。
この九九年の時点から考えれば四半世紀がたって、成人をされた二世被害者、祝福二世などと呼ばれる方々が当時からどんな状況に置かれていたかと。それは、今日の私たちにとっても真摯に受け止めるべき、そして今に生かすべき基準だと思うんですが、まず文化庁、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/297
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298・小林万里子
○政府参考人(小林万里子君) お答え申し上げます。
今、先生の方から御紹介いただきました指針の中の基準につきましては、今御紹介いただきましたような消費者被害事件や、市民や信者、とりわけ未成年者に対する不当な人権侵害の事案に対して、弁護士が適正に対処し、被害を抑止することを目的に作成されたものと承知しておりまして、法律家の視点から具体的な事例などに基づき検討された御提言であると認識しております。
私ども、現在、報告徴収・質問権の行使に当たりまして、その内容の検討を行っているところでございますが、情報収集が極めて重要であると考えておりまして、長年にわたり旧統一教会の問題に携わってこられました弁護士の方々や被害者の方々にお会いして情報収集を進めているところでございます。
今御紹介いただきました意見書の内容も参考にしつつ、十分な収集を行い、効果的な報告徴収・質問権の行使になるよう検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/298
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299・仁比聡平
○仁比聡平君 弁護団の方では、そうした一連の事件の証拠を政府に提供するということも考えておられるということですし、本当にもうこの機に力を合わせて質問権の行使を成功させて、速やかな解散命令請求、そして解散命令に至るように全力を尽くしていただきたいと心からお願いを申し上げたいと思います。
そこで、大臣、この四半世紀の間の政府の不作為は重いと私は申し上げてきました。社会的に問題が指摘されているというこれまでの、これ、岸田総理もそうなんですが、そしてほかの関係大臣に御答弁をお願いしてもそういう表現を使われることが間々あるんですけれども、この社会的に問題が指摘されているというような人ごとのような表現はもうおやめになるときが来たんじゃないですか。大臣の思いはいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/299
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300・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 私の認識は、旧統一教会について、悪質商法に関する問題ですとか、親族の入信に起因する家族の困窮等の問題等、様々な問題が指摘されていると。このような状況を踏まえて、社会的に問題が指摘されている団体という表現を使っているというふうに認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/300
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301・仁比聡平
○仁比聡平君 やっぱりそういう答弁にとどまるんですね。
法務相が座長になって相談が続いています。その相談を、つまり、生きている今の現在の相談を解決していくためには、その当事者、被害者や家族がどんな被害を受けているのかということをちゃんと認識し、相談に乗る人たちが共有していかないことには問題の解決に至らない。ずっと声を上げられないで、初めてやっと電話をしたけれども、この宗教活動に関する人権侵害という問題について、この感覚を持っていないということになったら、話しようもないじゃないですか。やっぱりこの問題が指摘されているってなったら、一体誰がどう指摘しているんですかという話になるじゃないですか。これはもう改めるべきだということを、今日はもうそこまでにしておいて、法案の質疑に入らせていただきたいと思います。
文化庁審議官、ありがとうございました。御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/301
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302・杉久武
○委員長(杉久武君) 文化庁小林審議官は御退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/302
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303・仁比聡平
○仁比聡平君 給与法関連の、裁判所の報酬法、検察官俸給法の質問ですが、今回の法案は、若手、特にですね、特に若手、五年目までの裁判官や検察官のお給料を上げようというもので、賛成です。
ただ、僅か四百円とか、そういうことですからね、上がるのが。これは、今の御苦労や、それから抜本的な賃上げがこの日本社会に求められているということを考えても、これは私はもっと抜本的に引き上げるべきものだというふうに思っております。
関連して、最高裁の概算要求、来年度、令和五年度概算要求の重点事項についてという資料を最高裁からいただいて、お配りをしています。
御覧のとおり、裁判手続等のデジタル化関係経費として、これ六十七億円が計上されているわけです。今後、デジタル化が民事を始めとしていろんな形で裁判所の中で行われる中で、この経費というのはもっともっと増えていくということが当然想定をされるわけですね。
けれども、先ほど川合先生の議論の中にもありましたけれども、今でも事件をさばいていく事件関係経費というのはこれいっぱいいっぱいなわけですよね。私は、もういっぱいいっぱいを超えているじゃないかと、もうぎりぎりを割っているじゃないかと言ってきました。
事件数見たって、その民事事件のところに出てくる労働審判というのは高止まりですし、家裁の審判事件も増えていますし、あるいは成年後見の事件というのは、開始決定がされればそれはずうっと後見事件として積み上がっていくわけですから、どんどん増えていくわけですよね。
こういう中で、このデジタル関係の経費が増えていくんだけれども、これは事件関係の経費や施設や人件費とは別枠、外枠で確保されなければ、ちょっと裁判維持できないじゃないですか。最高裁、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/303
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304・氏本厚司
○最高裁判所長官代理者(氏本厚司君) お答え申し上げます。
ただいま委員御指摘のとおり、裁判手続等のデジタル化は喫緊の課題でありまして、これを実現するために必要な予算を確保することは重要なことであると考えております。
あわせまして、もとより、ただいま委員御指摘のとおり、適正かつ迅速な事件処理を安定的に行うために、事件処理のために必要な経費、人件費や施設費等の確保も重要であると考えているところでございます。
いずれにいたしましても、裁判所といたしましては、引き続きこれら必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/304
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305・仁比聡平
○仁比聡平君 つまり、このデジタル化以外のところの予算、とりわけ事件の経費、裁判事務処理の経費、この予算を削るというのは、これはあり得ないですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/305
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306・氏本厚司
○最高裁判所長官代理者(氏本厚司君) お答え申し上げます。
ただいま委員御指摘のとおり、適正かつ迅速な裁判を実現するために必要な予算を確保することは重要なことであると考えております。裁判所といたしましては、引き続き必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/306
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307・仁比聡平
○仁比聡平君 いや、あり得ないと思うんですよ。最高裁は、もうあり得ないと、財務当局やあるいは法務大臣に言うべきなんですよ。つまり、デジタル化が進んでいく中でも、裁判の経費を削るということはあり得ないと。
ところが、概算要求における定員がどうなっているかと。下の方に七十人という大きくくくった数字があるんですけれども、これ内訳見ると、事務官は六十五人の増員なんですが、うち四十六人は最高裁のデジタル化検討、準備のための配置になる。それ、そうですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/307
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308・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答え申し上げます。
委員御指摘いただきましたその四十六人という数字、これですけれども、御指摘いただきましたとおり、最高裁における、失礼しました、もう一度やり直させていただきます。
増員を要求する事務官に関しまして、最高裁、これ五十一人がトータルの増員数ということになります。うち、ワーク・ライフ・バランスに関するものが五人、それからデジタル化対応等を含むものについて四十六人ということになってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/308
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309・仁比聡平
○仁比聡平君 すぱっと答弁してください。通告はしております。
つまり、デジタル対応で最高裁に四十六人が必要だというわけですよ。それはそうでしょうね。
一方で、下級審はどうなるかというと、十九人増員の要求なんだけれども、それは事務官から事務官への振替というのが十九人。一方で、先ほども議論のあった定員合理化のために二十八人マイナスというのがあって、下級審において二十五人減。さらに、裁判所共済組合の統合に伴って下級裁から最高裁への事務官振替が二十五人。ですから、合計、下級裁から五十人の減員になると。これは事実ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/309
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310・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答え申し上げます。
御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/310
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311・仁比聡平
○仁比聡平君 だから、デジタル化対応の人員は別枠で確保すべきなんですよ。最高裁にその対応をしてもらうために下級裁の人員が、ただでさえもうぎりぎりを割っているのに、そこから五十人引き剥がすというのは、それは駄目ですよ。
その下で健康を害して長期に休職をせざるを得ない職員の皆さんがどんな推移になっているかと、資料の二枚目をお配りをいたしました。
私の方でちょっと申し上げると、つまり、二〇一八年九十人、二〇一九年八十七人、二〇年百五人、二一年八十六人で、二〇二二年は百二十三人と。これが九十日以上の長期病休取得者数、そしてその割合と。
割合としては、今年度、書記官さんで〇・五五%、家裁調査官で〇・二五%、事務官で〇・六九%と。これまでの経過に比べても増えていっているという、こういうことになっているわけですが、最高裁、これどういうふうに評価しているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/311
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312・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、令和四年につきましては、確かにそれまでよりもやや高い数字となっております。ただ、年によって波もあるところでございまして、ここは引き続き状況をよく注視してまいりたいというふうに考えております。
いずれにいたしましても、裁判所といたしましては、これまでも全ての職員が心身共に健康に職務に精励できるよう職員の健康保持に取り組んできたところではございますけれども、メンタルヘルス対策も含めて、引き続き職員の健康保持に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/312
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313・仁比聡平
○仁比聡平君 注視している場合じゃないでしょう。よく注視してまいりたいとおっしゃるけど、見詰めていてどうするんですか。
この数字は、先ほども申し上げたとおり、九十日以上の長期病休取得者ですから、つまり三か月超えているという方なんですよね。それはよほどのことですよ。裁判所の大変繁忙なそれぞれの現場の下で、書記官さんや事務官さん、あるいは家裁の調査官さんたちが休むということ自体がとても大変なことだろうと思います。
ですから、三か月以上と、そして三か月以上になるとこういう形で最高裁にも数字がつかまれるという状況になりますから、そこに至らない、三か月に届かないメンタルを含めた病休者というのはやっぱりかなりの数に上るのではないかと思いますが、その数字は把握しているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/313
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314・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答えを申し上げます。
九十日に満たない病休者につきましては統計を取っていないところから、数の多少について正確なお答えはできないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/314
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315・仁比聡平
○仁比聡平君 それが今の裁判所での現実なんですよね。
その下で、私は特に心配をしておるのは、任官五年以内の若手の職員さんたちが周囲のサポートを十分に受けられないという状態の中で、とても責任の重い、しかも一つ一つの事件というのはそれぞれ個別の事件ですから、とても幅の広い仕事に心痛めておられるのではないかということなんですね。
一年目の書記官さん、大臣御存じでしょうか、事務官として採用されて数年で書記官の採用試験を受けて書記官になっていくというようなプロセスになるわけですけれども、ですから、入職して数年間で書記官になって一年目という方は、毎日出勤準備をするときに体が重く、着替えるのに三十分掛かる、夢の中でも仕事をしていて深い眠りに就けない、何事にも興味を持てない、休日は一日中家で寝ている、周囲の職員も忙しそうにしているためSOSを発することもできない、あとどれぐらい自分が耐えられるか分からないとおっしゃっていて、先ほども議論があったように、地方裁判所から最高裁に人がどんどん動いていっているわけですね、あるいは大都市の裁判所に動いているわけですね。ですから、地方の裁判所では人が減っていっているわけです。
その下で、新任の例えば書記官さんが部に配属されるというときには、同時に過半数の職員が入れ替わって、みんながそこに来るのは初めての人たちという中で、先輩たちは大変な繁忙、忙しくなっていると。だから、これって、いろんなSOSを出したいと思うけれども、それが出せるような状況じゃないと。これは、裁判所の将来にわたって、これまで日本の裁判所が積み重ねてきた実務を継承していく上でも、とても重大な、重要な課題になっているんじゃないかと思うんですね。
同様の悲痛な声、例えば、あと一年同じ部署にいたらメンタル不全を発症していたかもしれないという若い皆さんもいます。こうした若い世代の皆さんがこのメンタルの心配なく、本当に安心できる、元気に働ける、そういう職場にしていくために、まず最高裁、下級裁を五十人減らすって、これ、あってはならないと思いませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/315
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316・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答え申し上げます。
定員合理化を行う下級裁の事務官につきましては、これまで各庁各部署において事務の見直しや業務フローの見直しなどに取り組んできたところでございます。既存業務の見直しによる合理化が可能な部署について個別に減員を検討しているというところであります。
例えば、庁舎新営の終了に伴う事務の減少分などについて合理化による減員が可能と考えているところであり、今回の減員によって事務に支障が生じないものというふうに考えております。
また、裁判所共済組合の組織統合に伴います下級裁から最高裁への振替二十五人につきましては、下級裁内の組合支部を最高裁内の組合本部に統合することによるものでございますので、業務とともに定員が最高裁に移るというものでありまして、下級裁の事務に支障が出るものではないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/316
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317・仁比聡平
○仁比聡平君 最高裁だからそうした細かい答弁をされるのかもしれませんけど、その合理化が可能なところを減員しているので、だから問題ないと言うんだったら、若手職員の先ほど御紹介したような声が出るはずがないじゃないですか。現場でそういう声が上がっている、よほどのことだと思うから国会で私は取り上げているんですよ。それを問題はないというふうに言おうとしても、それは無理があると思います。
最後に、大臣、そうした中で問題なのは、先ほど裁判所のことは私言えないというふうなお話があったけれども、日本の社会の司法予算の国家予算の中に占める割合が極めて低いということなんですよ。世界から見て異常なんです。全体の国家予算からすると、今年度〇・三一%。今度の概算要求でいうと、〇・三%も割っちゃって〇・二九%ということになるんですね。
こうした司法予算の現状を、これ抜本的に変えるべきだと私は思います。裁判あるいは司法というのは人で成り立っているわけで、この人を本当に大切にするという、それこそ法の支配を世界に発信しようという大臣の所信もありましたけれども、まず隗より始めよと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/317
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318・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 個人的な経験になりますが、私は、実は経済産業省、通産省でしたけど、そこで大臣官房秘書課の課長補佐、それから人事企画官ということで若手職員の人事管理やっていまして、その中で仕事によって悩んでメンタルになる職員とも向き合ってきまして、人事当局にとってこれほど深刻で悩ましい話はないという認識を強く持っています。
その上で、恐らく想定されている答弁になってしまうのかもしれませんが、とりわけ裁判所の予算、とりわけ裁判所の予算ですので、これは司法権の独立に配慮する必要があると思っていまして、これは独立して国の予算に計上するものとされているわけです。裁判所の予算の原案は、独立の機関たる最高裁判所が独自の判断に基づいて内閣に提出するということとされていますので、したがって、予算編成過程における財務当局との協議も最高裁判所の事務当局が当たるということで、我々ではないわけです。
法務省として、これにいいとか悪いとか言うことは、司法権の独立に鑑みまして、私からはコメントを控えたいなと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/318
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319・仁比聡平
○仁比聡平君 前段で大臣が述べられたこの認識がとっても大事だと思うんですよ。それを実現するためには裁判所予算の抜本的な拡充が必要だと、今日はいませんけれども、財務省にも含めて強く申し上げて、今日は質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/319
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320・杉久武
○委員長(杉久武君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
これより両案について討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/320
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321・梅村みずほ
○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほでございます。
私は、会派を代表し、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案について、反対の立場から討論をいたします。
まずは、日々重責を担い職務に当たられている裁判官、検察官、職員の皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。
人事院勧告と同時に発表された公務員人事管理に関する報告には、長時間労働の是正など働き方改革の必要性が盛り込まれており、私どもといたしましても、皆様が心身共に健やかに公務に邁進していただけるよう、実効性ある措置の実現を求めるものです。
一方、日本維新の会といたしましては、従来より、人事院勧告制度が事業規模として従業員数五十名以上の企業の賃金水準を前提としたものであり、報酬及び俸給の決定に関して本当の国民の生活水準を反映していないという理由から、これらの法案には一貫して反対をしてまいりました。今回の勧告も、これまでと同様の調査を基本にしたものです。
労働環境の変化に伴い、現代は、派遣、非正規、フリーランスで働く人たちが増加し、個の時代とも言われます。公務員に対して社会一般の情勢に適応した適正な給与をというのであれば、賃金及びその統計や分析にも社会一般の多種多様な働き方をする国民を想定して調査基準を改革すべきと考えますが、人事院勧告は従来の制度のままです。
社会変化のスピードに日本政治が立ち遅れている現状がこの法案にも表れております。激変を続ける民間の労働環境を反映したいわゆる社会値に基づく報酬、俸給となっているのか、官民の賃金較差を本当に埋めることができるのかどうかの議論が不足しております。国民が相次ぐ物価高にあえぐ今、国民に説明して納得が得られる制度となっているかどうか、目線を合わせる必要があります。
我々日本維新の会は、民間感覚に照らし、厚遇、優遇が過ぎる自らの身分を鑑み、議員歳費の在り方も含め、見直すべきと主張してまいりました。公僕たる公務員給与、裁判官報酬、検察官俸給の基準となる人事院勧告制度の抜本改革の必要性を訴え、私の反対討論とさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/321
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322・杉久武
○委員長(杉久武君) 他に御意見もないようですから、両案に対する討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
まず、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
本案に賛成の方の起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/322
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323・杉久武
○委員長(杉久武君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
本案に賛成の方の起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/323
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324・杉久武
○委員長(杉久武君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/324
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325・杉久武
○委員長(杉久武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時三十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X00720221117/325
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