1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年十二月八日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
十二月七日
辞任 補欠選任
加田 裕之君 足立 敏之君
森 まさこ君 小林 一大君
山崎 正昭君 越智 俊之君
山本佐知子君 高橋はるみ君
十二月八日
辞任 補欠選任
高橋はるみ君 堀井 巌君
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出席者は左のとおり。
委員長 杉 久武君
理 事
三木 亨君
牧山ひろえ君
谷合 正明君
川合 孝典君
委 員
足立 敏之君
越智 俊之君
小林 一大君
古庄 玄知君
山東 昭子君
高橋はるみ君
福岡 資麿君
堀井 巌君
和田 政宗君
石川 大我君
福島みずほ君
佐々木さやか君
梅村みずほ君
鈴木 宗男君
仁比 聡平君
国務大臣
法務大臣 齋藤 健君
副大臣
文部科学副大臣 簗 和生君
厚生労働副大臣 伊佐 進一君
大臣政務官
総務大臣政務官 杉田 水脈君
外務大臣政務官 秋本 真利君
事務局側
常任委員会専門
員 久保田正志君
政府参考人
内閣官房内閣審
議官 黒田 秀郎君
総務省大臣官房
政策立案総括審
議官 武藤 真郷君
総務省大臣官房
審議官 三橋 一彦君
総務省自治行政
局選挙部長 森 源二君
法務省大臣官房
政策立案総括審
議官 吉川 崇君
法務省大臣官房
司法法制部長 竹内 努君
法務省民事局長 金子 修君
法務省刑事局長 川原 隆司君
法務省矯正局長 花村 博文君
法務省人権擁護
局長 松下 裕子君
法務省訟務局長 春名 茂君
出入国在留管理
庁次長 西山 卓爾君
公安調査庁次長 田野尻 猛君
外務省大臣官房
長 志水 史雄君
外務省大臣官房
参事官 松尾 裕敬君
文部科学省大臣
官房学習基盤審
議官 寺門 成真君
文部科学省大臣
官房審議官 里見 朋香君
文部科学省総合
教育政策局社会
教育振興総括官 森友 浩史君
厚生労働省大臣
官房審議官 野村 知司君
厚生労働省大臣
官房審議官 本多 則惠君
厚生労働省大臣
官房審議官 日原 知己君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○民法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/0
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001・杉久武
○委員長(杉久武君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日、山本佐知子君、山崎正昭君、森まさこ君及び加田裕之君が委員を辞任され、その補欠として高橋はるみ君、越智俊之君、小林一大君及び足立敏之君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/1
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002・杉久武
○委員長(杉久武君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
民法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省民事局長金子修君外二十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/2
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003・杉久武
○委員長(杉久武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/3
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004・杉久武
○委員長(杉久武君) 民法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/4
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005・古庄玄知
○古庄玄知君 おはようございます。自民党の古庄玄知です。
民事局長にお尋ねいたします。
今回、かなり大幅な改正、特に民法なんですけれども、その中でも親族に関わる分野に改正が行われますけれども、そこに至った経緯についてお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/5
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006・金子修
○政府参考人(金子修君) 今回の改正、無戸籍者問題、それから児童虐待問題という二つの問題への対応が中心になりますが、まず、無戸籍者問題は、国民でありながら戸籍という社会的な基盤が与えられておらず、社会生活上様々な不利益を受けるという人間の尊厳にも関わる重大な問題であると言えます。
これを踏まえまして、法務省は、平成二十六年から法務局において無戸籍者の把握と無戸籍状態解消のための寄り添い型の支援を継続し、民事基本法制の見直しにつきましても、平成三十年九月以降、嫡出推定制度を中心とした親子法制の在り方に関する研究会に担当者が参加するなどして検討を進めてきたところです。
また、児童虐待問題に関しましては、平成二十三年の民法改正により、民法の懲戒権が子の利益のために行使されるべきものであることを明示するなどの改正が行われましたが、その後も虐待事件が相次ぐなどしたことから、令和元年の児童福祉法等の改正により児童虐待防止法に親権者の体罰を禁止する規定が設けられ、その附則におきまして懲戒権に関する規定の在り方に関する検討規定が置かれ、令和元年六月からは監護権の在り方に関する研究会における検討が進められてきました。
これらの検討を踏まえまして、無戸籍者問題及び児童虐待問題に関し、令和元年六月、法務大臣から法制審議会に対し、民法(親子法制)の見直しに関する諮問がされ、同年七月から民法(親子法制)部会で調査審議が進められました。そして、令和四年二月、民法(親子法制)等の改正に関する要綱が法務大臣に答申され、法務省においてその要綱を踏まえた立案作業を進め、今国会に本改正法案を提出した、このような経緯がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/6
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007・古庄玄知
○古庄玄知君 それでは、本改正法案の意義につきまして、法務大臣にお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/7
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008・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 本改正法案は、親子をめぐる社会状況の変化に対応し、民法の嫡出推定制度に関する規律を見直し、生まれた子について母等が出生届の提出をちゅうちょする原因を取り除くことによって無戸籍者問題の解消に資するものと認識をしています。
また、このような嫡出推定制度の見直しに伴い女性の再婚禁止期間を廃止するとともに、同じく、実親子関係に関する規律である認知無効の訴えについて、提訴権者及び出訴期間を制限する規律を新設する、そういったことを行うこととしており、これらの点についても身分関係のより早期の安定を図る観点から大きな意義を有するものと考えています。
さらに、民法の懲戒権に関する規定等の見直しにつきましては、児童虐待を行う口実にされているとの指摘があることから、これを削除するとともに、民事基本法において親権者の監護、教育の在り方を示すものであり、児童虐待防止に向けて重要な意義を有するものと認識をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/8
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009・古庄玄知
○古庄玄知君 ありがとうございました。
それでは、嫡出否認に関しまして御質問させてください。
今度、改正法の中で、子の利益を害することが明らかなときにつきましては嫡出否認を行うことができるという文言が出てくるんですけれども、子の利益を害することが明らかなときという意義について、民事局長の方にお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/9
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010・金子修
○政府参考人(金子修君) 改正法案民法第七百七十四条第三項ただし書が規定する子の利益を害することが明らかなときにつきましては、子の福祉を図る観点から個別具体的な事案に応じて判断されるべきものでございます。
その上で、同項ただし書の趣旨が、母は嫡出否認の目的である父子関係の当事者ではなく、母の、母による否認権の行使によって子の利益が害されることは相当ではないという点にあることを踏まえますと、子の利益に害することが明らかなときの意義につきましては、母による否認権の行使が子の利益を害する意図で行われるなど、権利の濫用に当たることが明らかと、明らかと言えるかといった観点から判断されるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/10
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011・古庄玄知
○古庄玄知君 ありがとうございました。
そうしたときに、子の利益を害することが明らかなときというのは、具体的にどういうケースを想定しているのでしょうか。民事局長にお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/11
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012・金子修
○政府参考人(金子修君) いかなる場合に子の利益を害することが明らかなときに該当するかにつきましては、最終的には個別具体的な事案に応じて判断されるべきものでございますが、一般に、母が自ら子を養育する意思や能力もなく、父を失うことで子が困窮するにもかかわらず、父子関係を断絶させる目的で嫡出否認をするような場合が該当すると考えられます。その他、親権を行う母が虐待をしており、父による親権喪失の審判の申立てを排除する目的で否認権を行使するといったような場合にも、子の利益を害することが明らかであると考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/12
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013・古庄玄知
○古庄玄知君 その文言の中に、子の利益とか、明らかといった、こういう評価を伴うような文言がありますが、こういうふうな評価を伴う要件だと、その判断者によって評価が異なってしまうというふうな懸念があるんですけれども、この点について法務局の方はどのように考えているのでしょうか。民事局長にお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/13
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014・金子修
○政府参考人(金子修君) 御指摘の要件につきましては、一定の評価、すなわち規範的判断が伴うということになります。
このような要件とした趣旨は、個別具体的な事案に即した適切な判断を可能とし、もって子の福祉を図るという点にございます。最終的には裁判所の判断ということになりますが、裁判所の審理におきましては、このような規律の趣旨を踏まえた上で個別具体的な事案に即した判断がされるものと考えており、事案ごとに判断者が異なる場合を想定しても適切な解決が図られるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/14
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015・古庄玄知
○古庄玄知君 ありがとうございました。
それでは、次の質問に移らせていただきますけれども、本改正法案では、子供の否認権について、親権を行う母、それから親権を行う養親又は未成年後見人が行使する場合、子の利益を害することが明らかなときはこの限りではないという規律が設けられていないのですが、そこで差を設けたのはどういう理由からでしょうか。民事局長にお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/15
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016・金子修
○政府参考人(金子修君) 御指摘のとおり、親権を行う母、あるいは親権を行う養親又は未成年後見人が、子のために、子の利益、子の否認権を行使する場合につきましては、否認権の行使が子の利益を害することが明らかなときは否認することができないといった規定を設けておりません。
これは、親権を行う母等は、あくまでも子の利益のためにその権限を行使しなければならず、親権を行う母等が子の否認権を行使する場合において、それが子の利益を害することが明らかなときはそのような権限の行使が当然許されないと解されることから、この点について重ねて明文の規定を置く必要はないと考えられることによるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/16
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017・古庄玄知
○古庄玄知君 ありがとうございます。
今度、出訴期間についてお尋ねしますけれども、嫡出否認の訴えについて、出訴期間がその状況状況に応じて、三年以内、一年以内、あるいは六か月を経過するまでというふうに分かれていますけれども、その理由や根拠はどういうことなんでしょうか。民事局長にお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/17
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018・金子修
○政府参考人(金子修君) 御指摘の、三年以内、一年以内、六か月を経過するまでというそれぞれの規定の趣旨について御説明します。
本改正法案におきましては、まず三年以内とする点ですが、本改正法案におきましては、嫡出否認の訴えの原則的な出訴期間を三年としています。その趣旨は、否認権を行使するか否かの判断を適切に行うための期間を実質的に保障するとの観点を踏まえる必要がある一方で、子の利益を保護する観点からは長期間身分関係が不安定となることは相当でなく、また子の発達の観点から見ても、子が三歳頃までには父子関係が確定していることが望ましいと考えられることによるものであります。
次に、一年以内とする点ですが、本改正法案では、再婚後の夫の子との推定を否認する裁判が確定した場合における嫡出否認の訴えの出訴期間を一年としております。これは、かかる裁判が確定した時点では既に子の出生から相当の期間が経過していると想定されることや、かかる裁判が確定したことを知った時点から直ちに前夫の子との推定を否認するか否かの検討を行い得るということなどを踏まえたものでございます。
次に、六か月を経過するまでという規定ですが、本改正法案では、子の否認権の行使期間の満了前に親権を行う母等がいない場合については、その時点において否認権の行使ができませんので、否認権の行使が可能となったときから六か月を経過するまでの間は嫡出否認の訴えを提起することができるとしたものでございます。これは、時効の期間の満了前に未成年者に法定代理人がいない場合に六か月の時効の完成猶予を規定する民法百五十八条の規定を参考としまして、子の権利利益を図る趣旨でこのようにしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/18
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019・古庄玄知
○古庄玄知君 ありがとうございます。
もう一つ、改正法案では、子は、その父と継続して同居した期間が三年を下回るときは、二十一歳に達するまでの間、嫡出否認の訴えを提起できるというふうにされておりますけれども、この二十一歳とした理由あるいは根拠はどういうものでしょうか。民事局長にお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/19
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020・金子修
○政府参考人(金子修君) 御指摘の点は、子の否認、子が自ら嫡出否認の訴えを提起する場合の出訴期間の特則でございますが、この特則は、法律上の父子関係の消滅という重大な効果を生じさせるという嫡出否認の訴えの重大性に鑑みまして、子が十分な判断能力を有することを前提にその行使の当否を判断すべきものと言うことができます。他方で、出訴期間の特則を過度に長期間とすることは身分関係を不安定にするため相当でないと考えられます。
このような観点からは、子が成年年齢に達した、成年年齢である十八歳に達した後三年間、否認権の行使をするかどうかについて熟慮するための期間を確保することが相当であると考えられることから、二十一歳に達するまでの間としたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/20
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021・古庄玄知
○古庄玄知君 ありがとうございました。
いずれにいたしましても、今回の子の嫡出に関する嫡出問題は、今までの親子関係に関してかなり重大な変化をもたらすものですので、是非、法務当局の方で徹底を図るとともに、この漏れがないように現場でも徹底した指導をしていただければと思っております。
ありがとうございます。以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/21
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022・石川大我
○石川大我君 立憲民主・社民の石川大我です。どうぞよろしくお願いいたします。
早速質問に入らせていただきます。
まずは、時事的な話題からお話をしたいと思います。
先週、十一月の三十日ですけれども、東京地裁でいわゆる同性婚訴訟の判決の言渡しがありました。私も、傍聴席で裁判長の言葉に耳を傾けると、そういう機会に恵まれました。判決の内容ですけれども、憲法二十四条二項に違反する状態、違憲状態というようなものでした。とても踏み込んだ内容だったので少し御紹介をしたいと思いますけれども、違憲状態というふうに言った部分ですね。
同性愛者についてパートナーと家族になるための法制度が存在しないことは、同性愛者の人格的生存に対する重大な脅威、障害であり、個人の尊厳に照らして合理的な理由があるとは言えず、憲法二十四条二項に違反する状態にあるということができるというような判決でありました。
そしてまた、このパートナーシップをしっかり法律で認めるべきだというようなところ、そこもこんなことを言っております。
判決文ですけれども、国において同性間の人的結合関係について婚姻に類する制度を構築することについて大きな障害となるような事由があるということはうかがわれないと。むしろ、上記のような制度を構築することは、その同性間の人的結合関係を強め、その中で養育される子も含めた共同生活の安定に資するものであり、これは、社会的基盤を強化させ、異性愛者も含めた社会全体の安定につながると、こういったような判決でして、非常に会場内、判決を聞いている皆さんも、この部分で非常におおっとどよめくようなシーンが違憲状態というところで沸き起こったというところを、十一月三十日、私も経験してまいりました。
大臣にお伺いをいたしますけれども、前回、大臣は御友人にLGBTの当事者がいるというお話もいただきまして、そういった御答弁もいただいているわけですけれども、御友人に会ったとしたらどういった言葉を掛けられるでしょうか。そういったところから少しお話をしていきたいなと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/22
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023・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、御指摘の東京地裁の判決におきましては、同性愛者についてパートナーと家族になるための法制度が存在しないことは憲法二十四条二項に違反する状態にあるが、どのような法制度を構築するかは立法裁量に委ねられているから、婚姻に関する民法等の諸規定が憲法に違反するものではないとの判断が示されたものと承知をいたしております。
今、私のこれ高校の同級生なんですが、当時は全くそういうことは表に出していませんでしたけど、社会人となり、弁護士になってからカミングアウトされて、彼から話を聞いたりする機会も私としてあったということでありますので、この問題についてはそういう経験がない人以上に関心を持っているということは事実でありますが、今日は法務大臣としての答弁でありますので、そこは御容赦いただきたいと思いますけれども、今申し上げましたように、同性婚制度又は婚姻に類する制度の導入の問題は我が国の家族の在り方の根幹に関わる問題でありまして、国民的なコンセンサスと理解をしっかり得ながら進めていかなくちゃいけないなというふうに考えています。
そのため、まずは、国民各層の御意見や国会における議論の状況に加えまして、同性婚に関する同種訴訟の動向、地方自治体におけるパートナーシップ制度の導入や運用の状況等をしっかり注視していく必要があるんだろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/23
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024・石川大我
○石川大我君 御答弁ありがとうございます。
まさにお友達にいらっしゃるというようなお話で、例えば、アメリカで同性婚がまだ認められていないときには、第六十五代のコリン・パウエル国務長官、この方はブッシュ政権で国務長官を務めたわけですけれども、共和党ということで同性婚にはネガティブな、否定的な本来であれば政権なんですけれども、娘さんがレズビアンであることをオープンにしているということで、このパウエルさんは非常に同性婚に対して理解があったということで、やっぱり身近なところに当事者がいるということは非常に大きなことなんじゃないかなと思いますし、また、そういったところから実は国の制度というのが変わっていくのかなというのはアメリカでも思っていたところですので、是非、齋藤大臣には非常に期待をさせていただきたいと思います。
そして、先ほど御答弁の中でもお話がありましたけれども、ボールは我々に投げられているというふうに思うんですね。裁判の中でも、立法裁量についてこんなことを言っております。
パートナーと家族になるための法制度をいかなる制度とすべきかについては、現行の婚姻制度に同性間の婚姻も含める制度とするのか、婚姻に類する制度とするのか、法的効果を現行の婚姻制度と全く同じものとするのかなどについて、国の伝統や国民感情を含めた社会状況における種々の要因を踏まえつつ、また、子の福祉等にも配慮した上で、立法府において十分に議論、検討がなされるべきであり、その立法裁量に委ねられているということで、まさに我々がしっかりとこれ議論をしていかなければならないというふうに思います。
今までですとなかなか議論が進みませんでした。しかし、私は齋藤法務大臣の中で、齋藤法務大臣が大臣としてしっかりこの議論を是非進めていただけたらと思うんですけれども、やっぱりこれ議論することは大切だということだと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/24
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025・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 立法府の在り方についてちょっとコメントは差し控えますけど、法務大臣としての答弁は先ほど申し上げたとおりでありまして、やはりこの問題は、家族の在り方の根幹に関わるという重大な問題でありますので、国民的なコンセンサスと理解を得た上でなければやっぱり私は進めていくのは難しいなと思っています。
ただ、国民各層の意見や国会における議論というものは非常に重要だと思っていますので、そういうものについてはしっかり注視をしていながら、その状況に応じて政府としても検討を進める必要があるんだろうと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/25
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026・石川大我
○石川大我君 是非、機は熟してきているというふうに思っておりますので、今が大きなチャンスということで、同性婚、きちんと法律で定めるということをこれから国会の中も、自民党の皆さんも是非議論をしていただきたいというふうにお願いをしたいというふうに思います。
続きまして、民法の改正についてお伺いをいたします。民法等の一部を改正する法律案について、お伺いをいたします。
新設される国籍法三条三項ですが、子の認知が事実に反して行われてしまった場合、日本で生まれ日本人として育ってきた子が出生時までに遡り国籍を剥奪される、そしてその子は不法在留者として強制退去の対象者となってしまうということで、大変危惧をいたしております。
子供の国内におけるこれまでの生活基盤を全て覆して奪ってしまう、日本での生活の継続の機会を行政が奪うということはあってはならないというふうに思いますけれども、これ人権の問題だと思います。人権の観点から、法務大臣、いかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/26
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027・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 法務省では、既に無国籍の発生を防止する観点から、令和三年八月に、当省民事局から事務連絡として、無国籍等の状態にある外国人からの国籍相談に係る留意事項についてというものを発出をいたしまして、無国籍状態の解消に向けて、外国の大使館等における所要の手続に係る案内ですとか、日本の国籍を取得するための手続に関する案内を行う等の取組を行っています。
すなわち、子が無国籍となる事案が生じた場合におきましても、国籍法上の要件を満たしていれば帰化による日本国籍の取得が認められる余地がありますし、帰化を認めるか否かの審査におきましても、日本人の子として日本で安定的に生活していたなどの個別事情も考慮され得るというところでございます。
また、所定の手続を取ることで母親側の国籍が認められる余地がある場合には、無国籍とならないよう、当該外国の大使館若しくは領事館又は本国政府において所要の手続を取ることができます。
そこで、生活を日本で送っていて、教育も日本で受ける、受けているような子が無国籍になったということで不利益を被るようなことがないよう、法務局においては、日本の国籍を取得するための手続や外国の大使館等における所要の手続に係る案内を無国籍者の身分関係や意向等を踏まえて行う等の取組を行ってきているわけでありますが、引き続きこうした取組をしっかり行っていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/27
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028・石川大我
○石川大我君 ありがとうございます。
ちょっと事務的なお話を法務省にお伺いをしたいんですが、日本国籍が認知時に遡って剥奪されるというのは非常に大きな問題だというふうに思っています。つまり、喪失をさせられてしまうと、健康保険にも入れませんし、就労もできない、将来に向かって夢を抱くこともできないということで、一度も行ったことのない国へ帰れということでありますから、非常にしんどい思いをされると思います。
我が党の、あと例をちょっと挙げたいんですが、我が党の山田委員からも衆議院の法務委員会で発言がありました。仮に国籍を剥奪されてしまった人、この方が過去に選挙権を日本人として行使した場合はどうなるのかという質問に、前任の葉梨法務大臣、前任の葉梨前法務大臣は、その一票が抜かれるということではないと聞いているというふうに答弁をされているんですね。
では、例えば、仮に、日本国籍がその職業に就くために必要とされている職業というのがあります。例えば我々国会議員もそうですし、外交官とか自衛官、警察官なんかもそうだと思うんですが、こういった方が仮に国籍を剥奪をされたということになると、その職業を辞めなきゃいけないということでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/28
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029・金子修
○政府参考人(金子修君) 国籍法第三条の適用において血縁上の親子関係がないことが判明するなどして認知が事実に反することが明らかになった場合には、当該認知に基づく国籍取得の届出は効力を生じず、認知された本人は当初から日本国籍を有しなかったこととなります。
その上で、一般論として申し上げれば、外国人として各種の行政手続等においてどのように対応すべきかにつきましては個別の法令等において定められておりまして、これに応じて取扱いが定まるものと承知しております。
今御指摘のあったような部分につきましては、いずれも法務省の所管外ですので、一概にお答えすることが困難でありますけれども、資格の喪失など影響が生じる場合もあるのだろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/29
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030・石川大我
○石川大我君 今まさに、資格の喪失が問題になると。我々国会議員は当然辞職をしなければならないでしょうし、外交官や自衛官、警察官といった方はお辞めにならざるを得ないということになると思います。
そうなると、総理大臣だったらどうなのかということなんです。つまり、総理大臣が任期の途中で、まあ仮定の質問ですけれども、総理大臣が任期の途中でこの事由に該当して国籍が遡って喪失をする、つまり、生まれたときに総理大臣が、日本国の総理大臣が生まれたときに遡って日本国籍を喪失するということは、その総理大臣として行ってきた様々な外交ですとか法律の起案ですとか、いろんなものがこれ全部無効になるという理論なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/30
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031・金子修
○政府参考人(金子修君) 総理大臣の地位は国会議員としての地位と関係すると思うので、その点では影響があると思いますが、その間に行われたいろいろな政策等についての効力、これは恐らく個別に判断されることになるんだろうと思います。ちょっと一概にお答えすることは難しいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/31
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032・石川大我
○石川大我君 遡って無効になるわけですから、少なくとも日本人でない人が総理大臣として様々な決裁や様々な外交関係を結ぶということは、ちょっと論理的にこれはやっぱりしんどいんじゃないかと。そう思うと、やはり未来に向かってこれ喪失をするというのはある程度考えられるのかもしれませんが、過去に向かって遡るというのは、過去に向かって喪失をするというのは非常に問題だと思います。
それに加えて、国際化の中で、日本には、お母さんが外国人であってお父さんが日本人で認知をされるといったケースも、これはそんなにレアケースではないというふうに思います。そういった中で、そういった子供たちが将来総理大臣になって、万が一お父さんが日本人ではないということが分かったときにはその効力を遡って失わせるというのは、ちょっとやっぱり子供たちに対して夢のない話なんじゃないかなというふうに思うんです。
そういった意味で、子供の権利利益を保護する観点から、どういった、国としてこれを防ぐのか。そしてまた、葉梨法務大臣は、血も涙もないというふうに言われないように、しっかり血も涙もあるように我々として対応しなければならないというふうに言っています。どういった対応ができるのか。
弁護士の皆さん、有志の弁護士の皆さんは、少なくとも民法上の認知無効の裁判が確定しない限り認知の反対事案が判明してもそれを理由として日本国籍を喪失させない仕組みをつくるなど、様々な提案をしています。これ、未来に向けてやっぱりこれをしっかりと見詰めていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/32
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033・金子修
○政府参考人(金子修君) 一律に、国籍を取得しなかったという扱いを何か一律に例外をつくるというのはなかなか難しい問題だと思いまして、個別の事案に応じて帰化等の、あるいは在留特別許可等の対応をするのが適切だと考えております。その対応を取るために、今後、法務省が、あるいは法務局が情報のハブとなって、市町村の窓口とかあるいは入管当局と連携するような役割を強化、そういう連携の強化をしていくということが肝要だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/33
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034・石川大我
○石川大我君 最後に法務大臣にお伺いをいたしますけれども、国籍法三条三項、やっぱりこれちょっとしんどいと思うんですね。そういった意味で、この三条三項を抑制的に、あるいは限定的にこれを使っていくべきなんじゃないか、そういうふうに思うんですが、法務大臣の受け止めをお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/34
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035・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 先ほど御答弁させていただきましたけど、できるだけ無国籍者にならないように、法務当局としては、その、今、大使館への手続ですとか、それから、例えば退去強制手続を受けるようになった場合でも、個別の事案に応じて、本邦で学校教育を受けているなどの事情を考慮して子供の場合は法務大臣の裁量によって在留特別許可がなされるようなことをしておりますし、そういったことで無国籍者の不利益の解消に向けて力を入れていくというのが今の我々のスタンスでありますが、先ほど総理大臣のお話ありましたが、ちょっとそこまでははっきり言えば想定はできていないわけでありますし、なかなかないケースではないかと思いますけれども、まあ頭の体操はしっかりしていく必要があるんだろうなとは思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/35
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036・石川大我
○石川大我君 これから是非よろしくお願いをしたいと思います。
杉田水脈政務官にお伺いをいたします。
急に謝罪を、撤回をするというふうにお話しになりましたが、どの部分を謝罪して撤回するんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/36
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037・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) 過去の私の発言等に対する厳しい御指摘については、非常に重く受け止め、配慮を欠いた表現であるということは反省しているということは繰り返しお伝えしたところでございます。
国会におきまして様々な御指摘をいただいておりますということについて、松本総務大臣とお話をしている中で、重く受け止めて反省しているということをお伝えいたしました。そうすると、その中で松本大臣から私に対して、重く受け止めて反省しているというのであれば、チマチョゴリやアイヌの民族衣装をやゆしたもの、そしてLGBTには生産性がないといった表現について、傷つかれた方々に対し謝罪し、そうした表現を取り消すようにという指示をいただきまして、私としても、内閣の一員としてそれに従い、傷つかれた方々に謝罪をし、そうした表現を取消しをさせていただいたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/37
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038・石川大我
○石川大我君 コミンテルンが家庭を崩壊させようと仕掛けてきたというこの産経新聞社のニュースサイトですけれども、これは塩村委員の質問に対して撤回するというふうに答弁をしたと思います。この件に関して謝罪はされないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/38
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039・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) この件に関しましては、事実が確認できていないということを書いてしまったということに関しての取消しでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/39
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040・石川大我
○石川大我君 謝罪はされないということですね。
今、二つおっしゃいました。新潮45のLGBTは生産性がないという表現、まずそこから行きたいと思いますけれども、これはこの部分を撤回するんですか。それとも、この寄稿文全体を撤回するんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/40
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041・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) まず申し上げておきたいのは、在日の方やアイヌの方、そしてLGBTの方に対する差別はあってはならないというのは、従来からも、そして今もそのように考えております。
それにもかかわらず、私の拙い表現で差別したかのように伝わってしまったことを重く受け止めており、それをおわびするとともに、その表現を取消しをさせていただきました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/41
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042・石川大我
○石川大我君 部分的に撤回するということですか。その寄稿文全体を、ちょっと時間がないので的確に答えていただきたいんですが、全文を撤回するということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/42
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043・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) この寄稿は既に休刊をしております雑誌に投稿したものでございまして、私としましては、その部分の表現を取消しをさせていただきたいということで、これは国会の場においておわびと取消しをさせていただいたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/43
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044・石川大我
○石川大我君 全く分かりません。撤回をするという部分を読んでください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/44
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045・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) LGBTには生産性がないという、そこの表現を撤回をさせていただきました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/45
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046・石川大我
○石川大我君 LGBTは生産性がない、そこの部分だけ撤回するということだということが分かりました。
これ、全文撤回しなきゃ駄目だというふうに思いますよ。ほか読みましても、本当にひどい文章が書かれている。これは全文を撤回するよう強く申し上げます、申したいというふうに思います。
そして、謝罪をすると言いますけれども、具体的にはこのLGBTの皆さんと会って謝罪をするということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/46
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047・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) 謝罪につきましては、先ほども申し上げたとおり、この間の国会の場で謝罪をさせていただきました。これで広く人々に伝わるというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/47
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048・石川大我
○石川大我君 とんでもない話ですよ。国会の中で謝罪しますと言ったら、それが謝罪したことになるんですか。それが何、国民に伝わるということですか。あなたがテレビでしゃべるから報道されて、それで我々LGBTは謝罪されたと思えということですか。ばかにするのもいいかげんにしてくださいよ。ちゃんと会って謝罪すべきでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/48
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049・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) 繰り返しになりますが、国会という公の場で発信させていただいたことで多くの方に伝わったのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/49
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050・石川大我
○石川大我君 ひどい話ですよ。
そうすると、チマチョゴリやアイヌの民族衣装をやゆしたもの、これ、杉田政務官、アイヌ政策も担当しているんですね。私、知らなかったんですけれども、驚きましたよ。
十二月四日には札幌駅前の広場で、アイヌの人々、性的少数者の人たちによる抗議活動がありました。主催の高校生十七歳は、アイヌでゲイであるということをカミングアウトした上で、差別は人を傷つけ、自殺に追い込んだりしてしまうと言って抗議をしています。こうした人たちに直接会って謝罪をすべきじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/50
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051・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) これも繰り返しになりますが、在日の方やアイヌの方、LGBTの方に対する差別はあってはならないとその頃からも思っておりますし、今もそのように考えております。それは変わりはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/51
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052・石川大我
○石川大我君 答えになっていないというふうに思います。
これ、国連の場で、アイヌやチマチョゴリの民族衣装をやゆした、コスプレおばさんというふうにやゆした、そのやゆされた方々ですね、マイノリティ女性フォーラムという方たちが公開の要請文がこれ来ています。これはお読みになりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/52
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053・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) 申し訳ありません。事務所の方に届いているというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/53
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054・石川大我
○石川大我君 昨日の省庁の方とのレクでこれはお渡しをして、しっかり目を通していただくようにというふうにお伝えをしました。しっかりしていただきたいと思います。
これを読んだ上で、直接の謝罪を求めていますよ。この方たちに直接謝罪、会って謝罪をするお気持ちはありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/54
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055・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) この民族衣装をやゆするような表現につきましては、私のブログへの書き込みを既に削除したところでございます。民族衣装をやゆするような表現を含め、ブログ全体の記事を削除したものでありますので、全体の記事を取り消して、そして国会の場で謝罪をさせていただいたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/55
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056・石川大我
○石川大我君 あなたの答弁を解釈するに、謝罪をしますというふうに言ったことが謝罪なんですか。その謝罪をしますという数文字で全ての謝罪が済んだと、そうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/56
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057・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) 改めてこの場でも申し上げたいと思います。在日の方やアイヌの方、LGBTの方に対する差別はあってはならないと、従来からも、そして今もそのように考えているにもかかわらず、私の拙い表現で差別したかのように伝わってしまったことを重く受け止めており、おわびするとともに取消しをさせていただきました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/57
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058・石川大我
○石川大我君 差別をしたかのようなというふうにおっしゃいますけれども、あなたは差別をしたんですよ。差別をしたんですよ。差別をしたという認識はありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/58
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059・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) 私は、差別は全くしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/59
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060・石川大我
○石川大我君 なぜ差別をしていないんですか。これだけのひどい発言や寄稿文、ツイッター、様々ある中で、あなたのやっていることを差別と言わずして何を差別と言うんですか。あなたは差別をやったとしっかり認めなければ駄目でしょう。差別を認めてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/60
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061・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) 繰り返しになりますが、私はあらゆる差別はあってはならないというふうに思っております。それは従前からもそのように考えております。ただ、拙い表現によって傷つかれた方々がいらっしゃるのであれば、その傷つかれた方々に対して謝罪をしたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/61
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062・石川大我
○石川大我君 本当にひどい答弁だというふうに思います。改めて怒りが込み上げてまいります。
そのほかにも、精査をしてしかるべき対応をするというふうに言っております。何について精査をしているんですか。その精査はいつまでに終わるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/62
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063・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) 他の発言につきましても、人を傷つけている可能性のあるものや明らかに内閣の方針に反しているものなど、私の過去の発言について、これは松本大臣の指導も仰ぎながらしっかりと精査を行って、適切に対応したいと思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/63
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064・石川大我
○石川大我君 それは過去の答弁です。私が聞いているのは、いつまでにこの精査が終わるんですかということを聞いているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/64
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065・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) 今のところいつまでにということはお答えできませんが、できるだけ時間を掛けずに精査をして、適切に対応してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/65
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066・石川大我
○石川大我君 精査すると言ってから一週間、あしたで一週間がたとうとしています。いつになるか分からないというのは、あなた、逃げ切ろうとしているんでしょう。
いつまでに精査するんですか、言ってください。少なくても、もう一週間たっているんですから、年内までに精査するとか、そういったことは言えるんじゃないですか。そんなに時間掛かるんですか。あなたの差別発言がたくさんあるから時間が掛かるんですか、そうじゃないでしょう。そうじゃないんだったら、しっかりと今年中にはやるとか、期限を区切ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/66
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067・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) これまでに既に国会で御指摘をいただいているものから順次精査を行って、適切に対応したいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/67
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068・石川大我
○石川大我君 それがいつ終わるんですかと聞いているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/68
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069・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) 繰り返しになりますが、今、鋭意、順次精査を行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/69
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070・石川大我
○石川大我君 役所はサポートしていないんでしょうか。
役所に聞きます。総務省、いつ頃終わりそうなんですか、この精査は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/70
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071・武藤真郷
○政府参考人(武藤真郷君) 私どもは、政務官の国会対応を支える事務方として、議事録の発言内容であったり、また事実関係の確認など、事務的なフォローを行っているところでございます。
今後の精査につきましても、国会で大臣や政務官が御答弁された内容に従って、必要なフォローを的確に行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/71
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072・石川大我
○石川大我君 本当に、総務省の皆さん、本当に御同情申し上げます。
杉田水脈政務官、いつまでにこの精査をするというのをきちっと言ってくださいよ。言わなければ、これもううやむやにして逃げ切ろうと、そういうことだと思われても仕方ないですよ。いつまでにやるんですか。少なくても年内、これできるんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/72
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073・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) 逃げ切ろうとか、そのような意図は一切ございません。順次しっかりと精査をして、対応してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/73
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074・石川大我
○石川大我君 この委員会への報告を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/74
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075・杉久武
○委員長(杉久武君) 後刻理事会で協議をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/75
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076・石川大我
○石川大我君 逃げ切ろうということではないとおっしゃいました。
政務官をお辞めになってもこれまでのような言動は行わない、そして精査は続けるというふうに約束していただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/76
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077・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) これからも総務大臣政務官としてしっかりと内閣の方針に沿って頑張ってまいりたいと思いますので、辞めた後もというようなことはちょっとお答えは差し控えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/77
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078・石川大我
○石川大我君 いやいや、できますよ。政務官をお辞めになった後も数々の差別発言についてはきちんと精査をしてそれを公表するんだと、政務官をお辞めになった後もこの件に関しては精査を続ける、若しくは精査をしたものを公表するとしっかり約束してください。約束できないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/78
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079・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) 繰り返しになりますが、御指摘をいただいているような発言につきましては、順次しっかりと精査を行って対応してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/79
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080・石川大我
○石川大我君 逃げ切るということですね。逃げ切ろうということですね。
今日は簗和生文科副大臣にもいらしていただきましたけれども、時間がもうありません。杉田水脈政務官が誠実な答弁をいただかないので、時間がありません。ですので、一問だけ質問したいと思いますけれども、先日、十一月十七日の法務委員会に続き簗和生文科副大臣にお伺いをしますけれども、簗副大臣が自民党の部会の中で、LGBTについて生物学的に、LGBTについて生物学的に種の保存にあらがっている感じだと発言されたと、その真意をただしましたところ、公の場では言っていないというふうに言いました。これは、公の場でないからいいという、言ってもいいんだという、そういうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/80
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081・簗和生
○副大臣(簗和生君) その公の場という言葉については、明確な定義が可能なのか、私自身もそれ定かではないこともありまして、予断を持ってお答えすることは控えたいと思いますけれども、その言葉自体に特段の意味を含ませて発言したものではなく、一般的な言い回しとして使用したものであるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/81
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082・石川大我
○石川大我君 副大臣としては、部会はクローズドの場だから答えないということなんでしょうけれども、私も、部会などで、クローズドの場で議員同士だけでマスコミを入れずに話をする、議論をするということは一定当然認められてしかるべきだと思いますし、それが有意義なこともあるというふうには思っています。
しかし、部会ですから、バッジを付けて副大臣は参加をされているわけですから、そういった準公的な場でした発言で、しかも、このことは皆さんには言わないということが、それが、議員の中でこのときの発言は言わないよねという了承がある中で、あえて自民党の議員さんが複数名がこういった発言があったということを言ったということは、まあある意味そのルールを破って言ったということは、これはさすがにけしからぬということを、自民党の議員の皆さんも、出席していた議員の皆さんも思ったから言ったんだと思いますよ。
そういった意味では、杉田水脈議員、そして、あっ、杉田水脈総務大臣政務官、そして簗和生文科副大臣、二人に職責を果たす資質はないと思います。お二人に対して、辞任をすべきだと思いますが、改めてお二人、御答弁ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/82
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083・簗和生
○副大臣(簗和生君) 辞任を求められるいわれはないと考えております。職責をしっかりと全うしてまいる、その所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/83
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084・杉田水脈
○大臣政務官(杉田水脈君) 内閣の一員としてしっかりと職責を果たしてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/84
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085・石川大我
○石川大我君 これで終わりたいと思います。ちょっと時間が押しました。済みませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/85
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086・福島みずほ
○福島みずほ君 立憲・社民の福島みずほです。
まず、離婚後三百日以内に生まれた子の父親の推定のことで、この条文は削除すべきだと思います。しかし、残るんであれば、やっぱり工夫をして、無戸籍の子供たちを本当に出さないために運用面や様々な点で是非工夫をしていただきたいというふうに思っています。これは推定ですから、みなし規定ではないわけですから、カブトムシの、昆虫のようにがきがきがきといって覆せないという硬い殻ではなくて、薄い膜で、いろんなものでこれを覆して、実際本当の父親の子供であるということをちゃんと戸籍に載せると、そのことをしっかりやっていただきたいというふうに思っています。
親子関係不存在確認と強制認知でやるというのもありますが、この間、局長は、強制認知がやっぱり任意認知と違うということをおっしゃいました。でも、言いたいです。強制認知しなくちゃいけない、本当の父親が自分の子だって認めていても裁判で強制認知やらないと駄目だっていうのは違うと思います。実際の父親がちゃんと認知をする、で、親子関係が入って扶養義務も全部発生するわけですから、任意認知だって重いんですよ。任意認知あるいは窓口でのDNA鑑定の書面を出すことで前の夫の子と推定が及ぶというのをやっぱり遮断して覆すべきではないか。
つまり、何のためにこんなことを言っているかと、子供のためなんですよ。子供とお母さんのため。そうすれば、無戸籍が減るからなんですよ。無戸籍の人をゼロにするんだったら、子供のためと言いながら、三百日の推定をがっきがきにやって、それをやるというのは違うんじゃないか。
嫡出否認のことをおっしゃいますが、オンラインでも、相手のDV夫が同意しなければオンラインはできません。法テラスで裁判をやれっていったって、裁判はやっぱりハードル高いんですよ。だから、やはり本人たちが、例えばDNA鑑定や、実父が任意認知するということでこの推定を覆す、それ踏み込んでいただきたい。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/86
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087・金子修
○政府参考人(金子修君) まず、任意認知で覆せるかという問題ですが、今、実の父親が任意認知をした場合という御発言ありましたけど、そもそも認知をした者が実の父親かどうかが窓口で分からないという問題があります。認知をしたことをもって、それが取りも直さず実親の徴憑だという蓋然というか保証がないものですから、そこが難しいと思います。
それから、DNA鑑定は、鑑定書自体は高度の確率が示されているものが提出されると思いますけれども、検体がそもそも誰から取得したものかということを窓口できちんと判断するのもなかなか難しいという問題があるような気がいたします。
それから、先ほど裁判の難しさの中に、口頭弁論についての、をオンラインで、ウエブでやるということに、ウエブ会議を利用してするということにつきましては、今回、五月に成立した改正民訴法で、これは、当事者の意見を聴くことは要件とされていますけれども、同意がなければできないというものではないということは申し添えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/87
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088・福島みずほ
○福島みずほ君 当事者の意見聴いて、前の夫がいや駄目だと言ったら、やっぱりできないんですよ。
で、任意認知はやっぱり重いですよ。だって、自分の子だってやるわけだから、扶養義務が発生するし、法定相続人になるし、法律関係、親子関係が発生するわけじゃないですか。また、DNA鑑定だって、まさに、それだったら何で医者の妊娠証明でやるんですか。これは是非考えていただきたいというふうに思います。
それから、戸籍の身分事項欄に前夫の子と推定が及ばないと書かれることは問題だという発言が井戸まさえ参考人からありました。これ、改良できませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/88
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089・金子修
○政府参考人(金子修君) ちょっと今質問お聞きして少し当惑しているんですが、ちょっと二つの問題の御指摘があるんではないかと思います。
親子関係不存在確認の裁判を踏まえて、その結果を前提に出生届をする場合は、子の身分、子の戸籍の身分事項欄に、親子関係不存在の裁判が確定したことと、その相手方となる、まあ前夫ですね、の氏名を記載するということが省令等に基づく戸籍の記載例において定められております。これは、こういう裁判がなければ前の夫の子というふうに扱われるところ、そのような裁判があったので、戸籍を、戸籍上、そういう推定が及んでいてもそれと違う扱いをしたということが分かるようにする、先々、戸籍を見て間違っているんじゃないかという疑念が起きないようにするためにそのような記載をしているものと思います。
それから、前夫の子と推定が及ばないと戸籍に書かれる場合がありますけれども、この推定が及ばないとされるのは、恐らく、医師の作成した懐胎時期に関する証明書を添付した出生届が出された場合は推定が及ばないと記載するという扱いになっております。
御質問は二つを含んでいたんじゃないかと思います。この取扱いの趣旨も、嫡出推定を看過して受理して、間違った戸籍が記載がされたものではないということを明らかにしておく必要がありますので、そのような取扱いをしているということで、これをなかなか改めるのは難しいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/89
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090・福島みずほ
○福島みずほ君 じゃ、是非、転籍すれば身分事項欄は消えるものもありますし、是非考えていただきたいと思います。
次に、嫡出という言葉について御質問します。
二宮周平参考人からもこの嫡出という言葉を使わないようにという指摘がありました。
十月十三日の国連の自由権規約委員会においてこのことが議論になっております。委員からこのことについて質問が出て、法務省は国連で答弁をしております。社会的な状況に基づいて見直していきたいと考えているので検討は続けていきたいということを答弁を、回答されています。
そして、この自由権規約委員会からの勧告の中で、パラグラフ四十四のところで、まさに公的な書類において、婚外子、チルドレン・ボーン・アウト・オブ・ウエドロックを嫡出でない、イレジティメート、子と定めている用語についての日本政府の説明に留意し、政府代表から、そのような用語を撤廃し、全ての子供の平等な権利を保障することを検討することにやぶさかではないという明言のあったことを歓迎すると言われているんですね。
そして、広報とフォローアップのパラグラフ四十七で、子供の権利についての実施状況を委員会手続規則第七十五条第一項に従い、締約国、つまり日本は二〇二五年十一月四日までにフォローアップで実施状況を報告してくださいというのがあります。
これに向けて、嫡出という言葉を使わないようにどうしたらいいか法務省は検討すべきだと思いますが、この自由権規約委員会での法務省の回答、それから勧告について、やるぞという受け止めをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/90
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091・金子修
○政府参考人(金子修君) 今、自由権規約委員会のパラグラフ四十四、四十五、四十七について御言及があったと思います。そのような勧告がされたこと、あるいは我が国が用語の削除に向けた検討する意思があるということの説明を歓迎するというような趣旨の発言があったということは承知しています。
で、これも、嫡出でない子という用語については、最高裁判所は差別的な意味合いを含むものではないと判示しているところであり、まあ社会の受け止めは別というお考えもあると思いますが、その上で、法令用語については社会情勢の変化等に対応して不断に見直すことは重要であると考えておりまして、この法案を提出する前に法制審議会でこの点についても一つの論点となり、検討しました。
例えば、婚外子というような用語を使用することはどうかというようなことも検討されたんですけれども、この婚外子という用語は、この用語は用語として差別的であるというような御指摘もあって、今回、この嫡出という用語を廃止するというところには至らなかったということでありますが、我々としても、ここは今後引き続き検討すべき課題だという認識を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/91
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092・福島みずほ
○福島みずほ君 もうこれは国際的には、嫡出でない、イレジティメートという言葉を使うのはあり得ないというふうに理解されているので、このフォローアップまでに変わるようにと思います。出生届における嫡出である子、嫡出でない子のチェック欄も廃止をすべきです。
そして、今日は戸籍の続き柄について一言お聞きをいたします。
私は、弁護士として、住民票の続き柄差別裁判、戸籍の続き柄差別裁判、法定相続分の差別撤廃裁判をほかの弁護士と一緒に担当してきました。
住民票の続き柄は、かつて長男、長女、二男、二女、養子、子。婚外子は子でしたが、自治省が当時、これを変えても何も実務上支障がないといって、一片の通達で、コンピューターを変えて一瞬のうちに全て子となりました。ただ、戸籍の続き柄欄は、長男、長女、二男、二女ではなくて、婚外子は男、女というふうに書かれます。申請すれば長男とか二男とか変えることができるということを今法務省はやっています。
これは、今何件ぐらいこれで申請している人がいるんでしょうか。窓口で自分は婚外子だから男を長男と変えてくれ、女を長女と変えてくれというのはなかなか言いづらいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/92
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093・金子修
○政府参考人(金子修君) 御指摘のように、男、女を長男とか二女とかいう記載をすることができるようにした平成十六年民事局長通達がありますが、戸籍の続き柄記載の更正があればそのような更正をするということになったわけですが、その申出があった件数は、平成十六年十一月から本年三月末日までの累計で四万九千二百四十八件であるということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/93
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094・福島みずほ
○福島みずほ君 婚外子の人が窓口で訂正してほしいと言うのは本当になかなか難しいと思います。
金子局長、長男、二男、二女、それから婚外子で法的な効力、何も変わらないですよね。長男、長女と書く意味ってあるんですか。十回結婚して十人男の子が生まれれば、十人長男がいるんですよ。そして、この婚外子で、名前を例えば変えるという、長男、長女に変えると、例えば二男って書いてあるけど別に二番目じゃないことだって世の中にはたくさんあります。意味がないんですよ、長男か二男か二女かって。
これ、もう続き柄欄、男、女にしたらどうですか。いや、男、女は続き柄欄じゃないという意見があります。でも、婚外子は今まで男、女って書かれてきたんですよ。この長男、長女、二男、二女、住民票はなくしました。なくしたらどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/94
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095・金子修
○政府参考人(金子修君) 今の御質問で、住民票は子と記載されるということは承知しています。
性別が分かるような記載、これはやはり戸籍から判明しないと、婚姻するときに、その両者が一方が男性、一方が女性かということが戸籍上判明しないということが問題があるので、性別の記載は現行法の下では、現行民法の記載からすると必須だと思います。
順番ですね、長幼の序といいますか、第一子、最初の男なのか、長男なのか二男なのかという、このことにつきましては、同一性確認に資する身分事項として公証してきたという歴史がありますけれども、今から思うに必ずしも必須ではないのかなという気もしています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/95
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096・福島みずほ
○福島みずほ君 必ずしも必要ないという答弁をいただきました。ありがとうございます。
そのとおりなんです。三回結婚して三人男の子生まれたら、三人長男なんですよ。二男って書いてあるからといって二番目とは限らないんですよ。意味ないんですよ、これ。ですから、意味がないということで、これはもうなくすべきだと。で、男女の別は必要だと思います。それはいろいろ議論あるかもしれないけど、日本でまだ同性婚を認めていない、ごめんなさいね、まあ男女の別はあるとしてというふうに、それは思います。
是非よろしくお願いします。
懲戒権についてお聞きをいたします。
今日は厚生労働省と文科省にも来ていただいています。
厚生労働省に設置された体罰等によらない子育ての推進に関する検討会の取りまとめにおいて、たとえしつけのためだと親が思っても、身体に何らかの苦痛を引き起こし、又は不快感を意図的にもたらす行為である場合は、どんなに軽いものであっても体罰に該当し、法律で禁止されますとの体罰の定義をしています。
厚労省のこのまとめは本当にすばらしいと思うんですが、このガイドラインに規定した背景というものについての説明をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/96
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097・野村知司
○政府参考人(野村知司君) 御説明申し上げます。
今御指摘がございましたいわゆる体罰ガイドラインでございますけれども、こちら、令和元年の児童福祉法等改正法で児童虐待防止法が改正をされまして、その際、児童の親権を行う者について体罰を加えることなどについて禁止をしたということを踏まえて、体罰の範囲、体罰禁止に関する考え方を国民、関係者に普及することを狙いとして策定をさせていただいたもので、今御紹介ありましたように、何らかの苦痛あるいは不快感を意図的にもたらす行為、罰である場合には、どんな軽いものであっても体罰に該当するというようなことを、こう表記をさせていただいているところでございます。
この記載をされた背景でございますけれども、今御紹介申し上げた体罰ガイドラインの策定の狙い、趣旨なども踏まえつつなんですが、まず、国連児童の権利委員会の一般的見解、こちらの方で体罰について、どんなに軽いものであっても、有形力が用いられ、かつ、何らかの苦痛又は不快感を引き起こすことを意図した罰と定義をされていること、それと、これはガイドラインの策定の狙いでもありますけれども、国民の皆さんにとって分かりやすい文言を用いつつ、体罰などによらない子育てを推進していくという必要があったことなどを踏まえて、そのように表記をさせていただいたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/97
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098・福島みずほ
○福島みずほ君 こちらの方が今回の民法改正案よりもいいと思うんですね。
今日は文科省にも来ていただきました。
懲戒の文言を今回民法の中からなくすということなんですが、学校教育法の中にはあります。学校教育法の改正を行わない理由は何でしょうか。削除すべきではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/98
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099・寺門成真
○政府参考人(寺門成真君) お答え申し上げます。
学校教育法に規定する懲戒は、学校が教育目的を達成するため、教育上必要な範囲で、叱責、注意、退学、停学等を行うことでございます。今般の民法改正の趣旨と異なることから、削除は考えてございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/99
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100・福島みずほ
○福島みずほ君 体罰についてのが、文科省そして厚労省の見解、そして今回の法務省の民法改正で違うんですね。
局長、これはいかなる体罰も許さないという意味だということを、条文からちょっと私は外れかねないと思うんですが、しっかりそのことを告知すべきだ、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/100
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101・金子修
○政府参考人(金子修君) 我々がここで体罰等を規定していることの趣旨は、まあ子の体罰というのは、子の問題行動に対する制裁として子の肉体的苦痛を与えることを意味すると思っています。
具体的には、社会通念に、具体的事案を前提とした社会通念に照らした個別的判断になるというふうに考えておりますけれども、恐らく、子の健全な成長に悪影響を及ぼすということが付いていることで不当に狭められるような解釈を生まないのかということであると思いますけれども、今のような定義からしまして、そのような心配はないものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/101
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102・福島みずほ
○福島みずほ君 是非、厚生労働省のガイドラインと同じような形で適用していただくようにと思います。
国籍法三条三項についても質問したかったんですが、ちょっと時間がなくなりました。遡って、遡及して全て失う、やっぱりおかしいですよ。裁判官で、じゃ、その人、生まれたときから日本人じゃない、じゃ、判決どうなるのというふうにも思います。また、配偶者や子供、孫がいた場合、じゃ、その人が日本人でなくなったら全員日本人でなくなるという問題があります。いや、在留特別許可、そして帰化に向かうといっても、その裁量がありますから、全員が在留特別許可が認められるわけでも、全員が帰化が認められるわけでもありません。
その意味で、この三条三項は削除、遡及して無効になるというのは削除すべきだということを強く申し上げ、質問を終わります。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/102
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103・佐々木さやか
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。
まず最初に、無国籍者問題について、冒頭、大臣に伺いたいと思います。
〔委員長退席、理事三木亨君着席〕
度々ほかの委員の先生方からも御指摘がありましたこの国籍法三条三項の問題ですけれども、法務省は、これまでもこういった理屈としては取扱いだったんだということであります。確かに理屈としてはそうなのかなと私も思うわけですけれども、今回の改正によって、我が国に、この無国籍者問題についての議論ですとか理解というのがちょっと不十分だったんじゃないかなと。私は、この問題が今回の改正を通じて明確になったのではないかなというふうに思っております。ですので、この改正を契機に、やはりこの無国籍者問題について我が国としてどう取り組んでいくのかということをしっかり議論をしていかなければならないというふうに思っております。
先日の参考人質疑におきまして、UNHCRの金児参考人の方からは、例えば、諸外国では無国籍認定手続、こういったことも設置をされていたりとか、それから、UNHCRのハンドブック、ガイドライン、こういったものもあるので、日本としても是非参照をすべきではないかと、こういう御意見もいただいたわけでございます。
大臣にお聞きしたいと思いますけれども、この無国籍者の問題、我が国として、人権、また人道の見地から、発生の防止、また必要な支援についてしっかりと取り組んでいく必要があると思っておりますけれども、お考えをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/103
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104・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 無国籍者の方には様々な不利益が生じることがございますので、その発生防止に向けての取組は重要な課題だと考えています。
〔理事三木亨君退席、委員長着席〕
このような観点から、法務省では、令和三年八月に民事局から事務連絡、無国籍等の状態にある外国人からの国籍相談に係る留意事項についてを発出し、無国籍状態の解消に向けて、外国の大使館等における所要の手続に関わる案内や、日本の国籍を取得するための手続に関わる案内を行う等の取組を行っています。
その上で、ただいま御審議いただいている民法等の一部を改正する法律案についての衆議院の法務委員会における審議におきましても、この無国籍状態の防止等の重要性が指摘をされております。
無国籍状態をより円滑に解消するため、各地の法務局と入管当局との連携強化の取組を実施することを今検討をいたしております。
また、UNHCRのハンドブックなどに御言及がありました。
UNHCRの無国籍者に関するハンドブック及び無国籍に関するガイドラインは法的拘束力というものを有するものではありませんが、我が国において無国籍であることを認定する際におきましても、我が国の法制に照らして、これらの内容は必要に応じて参酌すべきだなというふうに考えております。
いずれにいたしましても、法務省としては、引き続き、無国籍者の置かれた立場に配慮しつつ、無国籍者の解消に向けて可能な対応をしっかり行っていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/104
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105・佐々木さやか
○佐々木さやか君 よろしくお願いします。
次に、民法の八百二十一条で、今回、親権に関しまして、子の人格の尊重に関する規定が新設をされました。この新設をした趣旨についてお聞きしたいと思います。
また、それと併せて、この条文では、体罰は、「体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならない。」という規定をしているわけでありますけれども、ここでいう体罰というのは、この条文が禁止をしている子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動の例示ということでいいんでしょうか。つまり、今回のこの改正というのは、体罰の禁止ということをより明確にした改正ではないかなと思っておりますけれども、この点についてお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/105
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106・金子修
○政府参考人(金子修君) まず、子の人格を尊重する旨の規定を設けた趣旨ですが、親権者による虐待の要因として、親が自らの価値観を不当に子に押し付けることがあるとの指摘などを踏まえまして、親子関係において、独立した人格としての子の位置付けを明確にするということにございます。
また、体罰を禁止する旨の規定を設けた趣旨は、親権者による体罰の問題については、民法が規定する親権の目的や範囲に関わる問題であると考えられるところであり、民法において親権者による体罰の禁止を定めることで、民事実体法の規律として、親権の行使としての体罰は許容されないということを明確にすることにございます。
本改正法案は、児童虐待を防止するという観点から、親権の行使として許容されない子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動の一類型として体罰を例示的に規定することで、これを明確にするということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/106
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107・佐々木さやか
○佐々木さやか君 今回の改正案では、児童福祉法ですとか児童虐待防止法なども併せて改正を同様にされているわけでありまして、より子の体罰の禁止ということが明確になった改正として評価をしたいと思います。
厚労省にお越しをいただいております。お聞きしたいと思いますけれども、体罰の禁止が更に明確に規定されることになりましたけれども、実際に体罰によらない子育てを行っていってもらうためには、子供に対する体罰をなくしていくためには、体罰によらない子育てについて、更なる啓発、そして様々な事情を抱えながら子育てに頑張っているお母さん、お父さん方への支援というものも重要だと思いますけれども、是非力を入れて取り組んでいっていただきたいと思います。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/107
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108・野村知司
○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。
体罰の防止といいますか、予防といいますか、体罰を防ぐことといいますのは、児童虐待防止対策の観点からも非常にこれ重要なポイントであるというふうに認識をしております。
厚生労働省といたしましては、この御指摘の体罰によらない子育てといったものを推進するために、先ほど、福島先生の質疑の中でも御指摘がありましたけれども、令和元年度に体罰等によらない子育てのためにといういわゆるガイドライン、こういったものを取りまとめをしたところでございます。その上で、体罰によらない子育てにつきまして、毎年度、ポスター、リーフレットを作成するなどの周知啓発を行うほか、今回、民法の改正法案、こちらについて成立を見た暁には、この民法でも体罰の禁止が明確にされるということを踏まえまして、法務省さんとも連携しながら、この体罰によらない子育てといったその趣旨、その徹底を改めて取り組みたいと思っております。
また、御指摘の虐待防止のために、この子育てに関する負担、悩み、孤立感を抱える保護者の方、あるいは子育て家庭の支援、こういったものもセットで考えなきゃいけないという御指摘、もっともであるというふうに認識をしております。
そうした認識の下に、今年の六月に成立をした児童福祉法でございますけれども、支援を要するお子さんや子育て世帯に対して、訪問で家事支援とか養育に関する相談援助などを行う家庭支援事業を創設するといったことであるとか、あるいは母子保健と母子福祉が連携して妊婦さんあるいは子育て家庭への支援に当たるこども家庭センターの設置、こういったものに取り組むこととしておりまして、引き続き、子育て世帯への支援についても強化を図った上で、児童虐待の予防、早期発見、こういったものに努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/108
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109・佐々木さやか
○佐々木さやか君 ありがとうございます。
子供たちへの虐待、これをなくしていかなければならないわけでありまして、厚労省さんは本当にいろいろな取組をしていただいておりますけれども、本当にこの親への支援というのが私はポイントになるんじゃないかなと思っております。引き続きお願いしたいと思います。
それから、最後にもう一問、厚労省さんにお聞きしたいと思います。
今回の改正では、親権の行使を行う者に関する体罰の禁止を改正をするということで、あわせて、児童福祉法三十三条の二、二項で児童相談所の長ですね、それから四十七条第三項では児童福祉施設の長、これについても同様の体罰の禁止ということに関する改正がされているわけでございます。
それを踏まえて、児童福祉施設には、例えば児童養護施設ですとか、それから保育園というものも入るわけですが、こういったところでの虐待防止、また体罰の禁止ということも更にしっかりと取り組んでいかなければならないと思っております。
ところが、大変残念なことに、今報道もされておりますけれども、静岡県にあります保育園で、一歳児に対して今年の六月から八月にかけて体罰、また虐待、こういったことが行われたということで保育士が逮捕されるような事件が報道されております。また、これに限らず、こうした保育園での不適切な保育ということが度々報道されているわけでございます。この保育園、子供たちが安心して健やかに育たなければならないところで、こういった虐待や体罰ということはやはりあってはならないわけであります。
こうした不適切な保育についてしっかりと厚労省として調査、また発生防止に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/109
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110・野村知司
○政府参考人(野村知司君) 子供の安全、安心というのが最も配慮されるべき保育所あるいは児童福祉施設、そういったところで、今回の静岡県裾野市でございますけれども、こういったような事案というのはあってはならないことでありまして、誠に遺憾であるというふうに考えております。
保育所の職員につきましては、児童福祉施設の設備運営基準などにおきまして、利用しているお子様、児童に対しまして、その心身に有害な影響を与えるような行為をしてはならないというようなことが規定をされているところでございます。そうした行為に対しましては、指導権限を持つ都道府県等におきまして、事実関係を把握をする、そして改善方策を指導するなど、適切に対処していく必要があるというふうに考えてございます。
こうした指導監督の枠組みの中で速やかに対応が行われることが重要ではあるんですが、今般の事案を受けまして、昨日、事務連絡を発出いたしまして、保育所等における虐待の発生防止を改めて徹底をしてほしいということ、虐待が疑われる事案が発生した場合には、行政に速やかに情報を提供し、その後の方策などについて相談、協議をすること、さらに、行政において迅速に事実を確認すること、あと、十分な事実確認の上でではございますけれども、保育士の登録の取消しなどについても対応することなどについての周知をしたところでございます。
また、今後の対応に生かしていくためということで、保育施設における虐待などの不適切な保育の実態でございますとか、あるいはその通報などがあった場合の市町村などにおける対応とか体制、こういったものにつきまして全国的な実態調査に着手をしてまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/110
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111・佐々木さやか
○佐々木さやか君 よろしくお願いします。
時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/111
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112・梅村みずほ
○梅村みずほ君 よろしくお願いいたします。日本維新の会の梅村みずほでございます。
今回の民法改正では、八百二十二条にございました懲戒権という言葉を削除しまして、新たに八百二十一条に子の人格の尊重等についての条文を加えており、大変歓迎すべきものだと以前からも申し上げてまいりました。
一方で、八百二十一条では、「体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならない。」とありまして、健全なという言葉は不要であると私は思っております。懲戒権という言葉がなぜなくなったか。しつけのためにやったんだという口実を与えないためだということなんですけれども、この健全なという言葉が残っている段階で、いや、健全に育ってほしいと思って親心からやったことだという、また虐待の言い訳をつくりかねないというふうに思うからです。
親というものは、私も二人の子供を育てていて、善かれと思ってやることが多いんです。やっぱり衝動的に手が出そうになることも、私も何度もありました。ですので、そういった口実をつくらないために一言一言気を付けて使っていきたいと思いますので、この辺りはちょっと心残りなところでもございます。
例えば、この委員会でも、私、自らが宗教二世であるということも告白してまいりましたけれども、二世たちが親から多岐にわたる細かな指導やルールが課せられるわけなんですけれども、こういったものっていうのは、親がその信仰の道における健全さを求めるゆえなんですね。この道に照らして健全な子に育ってほしいと、善かれと思ってやっていることなんです。なので、いかなる場合でもシンプルに、子の心身の発達に有害な影響を及ぼす言動は許されないと、健全か否かといった親の主観を是としかねないような言葉というのは不要ではないかというふうに思っております。
さて、今日は参議院においても宗教問題のいわゆる被害者救済法が審議入りという運びになっておりますけれども、宗教に起因する虐待に対してどのような対応をしていくのか、これ重要だと思っていまして、今国会で終わるものではないと思っておりますし、多くの方々に共通の認識お持ちいただいていると思います。
今日は、厚生労働省から伊佐副大臣にお越しいただいております。ありがとうございます。
お尋ねしたいんですけれども、私はこの被害者救済法だけでは全く不十分だと思っているんですが、やっぱり子供に対する虐待に対して毅然と向き合っていただかなくてはならないというふうに思っております。この宗教に起因する虐待に対してどのように対応していくのか、また、どの辺りが問題だと思っているのかについてお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/112
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113・伊佐進一
○副大臣(伊佐進一君) 児童虐待につきましては、児童虐待防止法第二条各号に該当する行為を保護者が行った場合には、これは、宗教に起因するかしないかにかかわらず、また保護者の意図にかかわらず、児童虐待に該当し得るものというふうに認識をしております。
その中で、厚生労働省としましては、この児童虐待かどうかを判断する際には、保護者の信仰に関連することのみをもって消極的な対応を取らないようにという周知を厚労省からさせていただいております。また、厚労省のSNSにおいてもこの趣旨を国民向けにもさせていただいているところでございます。また、児童相談所が相談において適切に対応できるようにするためにQアンドAを今作成をさせていただいておりまして、当事者、支援者の方々の意見も伺いながら、年内をめどに作ってまいりたいというふうに思っております。
児童虐待の被害に苦しまれている宗教二世の方々の支援に着実につながるようにしてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/113
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114・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
まさにこのQアンドAによって様々な問題が浮かび上がってくると思いますので、是非ともしっかりと多くの意見を拾っていただきたいというふうに思っております。
例えば、友達としゃべってはいけないとか、こういう友達としゃべってはいけないとか、騎馬戦に出場してはならないとか、漫画を読んではならないとか、一個一個見ると虐待じゃないというふうに思うんですよ。それが無数に積み重なって子供を三百六十五日、二十四時間縛っていく、これはかなりのストレス。おまえは仕事できないやつだなというのを一日に四回、毎日仕事行くたびに言われたらどうなるか。仕事できないやつだな、一回だったら耐えられるけれども、千回、一万回言われたらどうなるのか、大人の皆さんでもメンタル病むということは皆さんよく御存じのはずです。
さて、今日は副大臣に虐待に関してもう少しお聞きしたいことがございます。
今回審議されているのは親子法制ということで、親子の在り方に関わる重要な法案です。また、一昨日から法制審の中間試案についてパブコメの募集が始まったのは家族法制でありまして、こちらも日本における家族の在り方を問う大変重要な問題です。上川元法務大臣が法制審議会に、例えば、養育費の問題であるとか面会交流であるとか離婚後の共同親権であるとか、諮問した理由というのは様々あろうかと思いますけれども、そこから始まり、やっとこのパブリックコメントまでたどり着いたということなんですけれども。
私は、この問題熱心に掘り進めており、子供の連れ去りというものは海外において虐待であるとされているという事実を知りました。厚生労働省は、この日本で行われているいわゆる子供の連れ去り問題、虐待だという御認識でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/114
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115・伊佐進一
○副大臣(伊佐進一君) 先ほど申し上げましたこの児童虐待防止法の第二条でございますが、ここに児童虐待の定義が書かれております。そこに示されているのが四類型ございまして、一つが身体的虐待、二つ目が性的虐待、三つ目がネグレクト、そして心理的虐待の四つでございます。
今御指摘いただいたこの子供の連れ去りについてでございますが、様々なケースが考えられて、また個別に判断されるものだというふうに思っておりますが、この連れ去ったという行為のみをもってこの四類型の定義に当てはまるとは一概には言えないというふうに考えております。
ただ、例えば、子供を連れ去るときに子供に対して、例えば、言葉による脅迫を行うというような場合であるとか、あるいは子供の面前でもう一方の親に対して暴言、暴力を振るうなどをした場合というのは心理的虐待に当たり得るというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/115
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116・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
即座には虐待という定義に今は当たらないかと思いますけれども、子供を連れ去られた場合、両親との関係が良好だった場合、子供に何が起こるかといったら、いわゆる片親引き離し症候群、片親疎外とも言われるような問題というのも取り沙汰されております。これ自体は医学的なものではなくて、こういった状況になりますという状況のワードだと私は理解しておりますけれども、片親と不当に引き離された場合に、PTSDですとか学習障害や摂食障害というように、あらゆる心理的な面からくる体調不良というのを起こすことがあるということで、海外ではこの片親疎外というのも虐待であるというふうに捉えられていたりもするんですが、この片親疎外、日本では虐待に当たりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/116
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117・伊佐進一
○副大臣(伊佐進一君) 子ども虐待対応の手引きというものがございます。この中で心理的虐待について具体的に例示をさせていただいておりまして、例えば、配偶者やその他の家族などに対する暴力や暴言でありますとか、あとは子供の心を傷つけることを繰り返し言うということも例示として示させていただいております。
つまり、子供に対して執拗にもう一方の親の悪口を言い聞かせると、あるいは子供の心を傷つけるようなことを繰り返し言うというような行為については心理的虐待に当たり得るものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/117
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118・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
副大臣に言っていただいたとおり、片親疎外というのは片方の親からもう一方の親について余り良くないことを聞かされるということで子供に引き起こされる心理的な状態でありますけれども、そういった片親疎外、あるいは子供の連れ去り自体を虐待だと日本も認定すべきだという声は国内外から上がっているところでございます。
でも、この子供の連れ去りと言われても、じゃ、なぜ起こるかといったら、私はやっぱりDV対策というのが日本は本当に脆弱であるからだと思っているんです。家庭内でもう耐え難い苦痛に身体的、肉体的に遭った場合に、かわいい我が子を連れて出ざるを得ないというような親が存在するのも事実であって、これ、DV対策というのは、私はもうアメリカを始めとして世界で広がっておりますファミリー・ジャスティス・センター方式というものを是非とも日本でも導入したいと思っておりまして、いろいろな機関が集まり、DV、そして虐待などの、まさにファミリーのジャスティスに関するセンターですので、問題をワンストップで対応するというところなんですけれども、そういったDV対策が余りに脆弱だから連れ去るしかないというのが日本の現状なのだということはしっかり捉まえておかなくてはいけないと思っています。
今日は、DV対策は他省の所掌でございますので質問しませんけれども、DV対策の脆弱性が様々な問題を生み出して、日本は連れ去ったら親権取れるんだということがちょっと知れ渡り始めていて、なので本当にDVじゃない人までDVですと言えばいいのだというふうになって、放置している状況が新たな被害者を生み出しているという側面がある。これは、慎重な議論をという声もあるんですけれども、家族法制については、だらだらとしていくと余計に被害が広がっていきますよというのが現状であるというふうに私は認識をしております。
さて、この離婚後の共同親権制度、是か非か導入について議論されてきた法制審の中間試案に対するパブリックコメント、受付は二月の十七日までということで、パブコメにしては大変長いんですね。それだけ国民の皆さんを広く取ろうということなんですけれども、このスケジュールだと来年の通常国会での法案提出、間に合わないのではないかというふうに私は危惧をしております。
子供の成長は本当に早いです。一か月、二か月たつだけでもう全然違ってくるんですね。なので、この法案が出されないということになると、また会えない子供たち、親子というのがたくさん出てくるということであって、政治の世界にいると、私はもう竜宮城のようだと思っているんですけれども、時間の流れというのが大変スローで、半年ぐらい延びてもいいんじゃないか、一年ぐらいどうってことないんじゃないか、一歩前進だで済まそうとするんですけれども、子供の人生の時間で見ると本当に一か月一か月が大きいということを認識していただきたいと思っています。
上川法務大臣から続きまして、この家族法制、今回は親子法制ですけれども、家族法制というのは諮問から順調に議論を積み重ねてきました。スピード感を持ちながらしっかりと引き継ぐべきと考えますけれども、法務大臣の御見解をお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/118
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119・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 御指摘のとおり、この問題はスピード感、子供の成長を考えますと非常に重要な要素だと思っております。
ただ、もう御案内のことだと思いますが、一方におきまして、この父母の離婚後の親権の在り方につきましては、国民の間でまだ様々な対立と言っていい事項が含まれているのも事実でございまして、そう考えますと、こういった課題についてはしっかりと議論を重ねて、国民の間でできるだけコンセンサスを得ていくという努力というものも一方で大事なんだろうなと思っております。
いずれにしても、法制審議会においては、子の最善の利益を確保する観点から、充実した調査審議がスピード感を持って行われるということを期待をしているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/119
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120・梅村みずほ
○梅村みずほ君 大臣、ありがとうございます。
慎重にというのは大事なことですし、様々な意見があってまさに対立しているんですよ。これ、なぜ対立しているかといったら、私は時間掛けてしまったからだと思っているんです。最初は対立の程度というのが中程度だったとしても、どうしようどうしようとやっているうちに被害者も出てきて、双方引けなくなってきている。それがいよいよ激しくなって、これ以上置くともっと対立するというのが私の認識です。ですので、ここまで来たのですから、必ず来年の通常国会で出してもらいたいというのが私の思いでございます。
大臣の役割というのは多岐にわたりまして、私にとっては御苦労も全然分からないところでもあるんですけれども、省庁の皆様も、重要な問題だからもう少し検討しようという心理的な作用働くと思います。そこをちゃんとまとめるんだよと背中を押すというのは大臣の重要な役割だという御認識はおありでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/120
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121・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、大臣としては、今現在、法制審議会で調査審議中でありますので、その検討の在り方をこうしろああしろという指示を出すのはちょっと差し控えたいと思っておりますが、私は、とにかく子の最善の利益というものが確保されなくてはいけないという認識は強く持っておりますので、充実した調査審議が、繰り返しになりますが、スピード感を持って行われることを私は強く期待をしているところであります。また、担当部局にはその調査審議をしっかり支えるように改めて指示をしてみたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/121
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122・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
大臣は今日、ブルーリボンバッジ付けていらっしゃいます。このブルーリボンがアクセサリーではなく本当に心のこもったバッジであるならば、まず自国の問題というものにしっかり向き合っていただきたいと思っているんですね。これ、なぜかというと、日本は北朝鮮と同じじゃないかって言われることがこの家族法制に絡んであるからなんです。
ちょっと配付資料で今日御紹介したのが、まず一ページ目、二ページ目でありますのは、今年、オーストラリア人女性、母親の下から子供たちが連れ去られたということで、日本在住の方なんですけれども、一ページ、二ページ目、こちらはオーストラリアのウエブメディアで報道されているものを日本語訳したものでございます。タイトルが、先に誘拐した者が勝つ、なぜ日本はこのオーストラリア人母親が子供たちに会うことを許さないのかというようなタイトルになっていまして、こちらは、この件はこの記事とは別にオーストラリアの公共放送でも伝えられていまして、対日感情というものを様々引き起こしているわけです。
皆様御案内のとおり、外交の安全保障面でおいては日本は大変厳しい状況に立たされていまして、クアッドの枠組みも重要です。このクアッドの枠組みでも連携しているオーストラリアでこういった感情が起こるというのは一ミリでも排除したいというのは当然のことだと思うんですね。
今日は外務省からも政務官にお越しいただいております。申し訳ございませんけれども、秋本政務官にお伺いしたいんですけれども、こういった件、今後もオーストラリアの方々がこういった連れ去り問題に関わってくるという可能性も排除できません。こういった問題が起こるということは両国の関係に影を落とすことにもなりかねないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/122
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123・秋本真利
○大臣政務官(秋本真利君) 日豪は基本的価値と戦略的利益を共有する特別な戦略的パートナーであります。地域の同志国として、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて緊密に連携もしております。
御指摘の報道でございますけれども、承知しております。日本国内における父母の離婚等に伴う子供の養育や親子交流等に関する日本の制度や運用については、子の利益や権利に関わる重要な問題だというふうに理解しております。
外務省といたしましては、この問題が日豪関係の阻害、障害とならないように、関係省庁とも意思疎通をしつつ、日豪当局間の対話を支援していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/123
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124・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
外務省からも対応が必要ではないかというようなお答えありましたし、これはもう日本だけで収まらない問題なんですね。
配付資料の最終ページにありますのは、今年の十一月三日、先月出されました国連の規約人権委員会の対日審査です。実子誘拐というような言葉を出して厳しく非難されています。
そして、三ページ目にありますのは、EU議会において日本に出された非難決議、これ法制審の資料でございます。EUも非難をしていると。
そして、五枚目の表ですね、こちらはアメリカです。二〇一七年、アメリカの下院の委員長が、岸田当時の外務大臣、今総理でいらっしゃいますけれども、岸田当時の外務大臣が日本が子の連れ去り問題で米国の制裁を受ける可能性は低いとした発言を聞いて大変お怒りだったわけなんです。それに関連した記事が載っておりまして、これは、やっぱりアメリカとの関係、もう日米の安全保障体制を中核とする日米同盟は日本外交の基軸であるという言葉はもう繰り返し述べられているのであって、非常に重要な問題なんです。で、この委員長はどのようにおっしゃったかというと、岸田元外相の発言を言語道断だと非難して、日本を守るために命を危険にさらしている米軍人も日本人による子供連れ去りの犠牲者に含まれると、そして、日本を制裁する必要がある、日本は同盟国だからなおのこと人権侵害は許されないと強調しているわけなんですね。
日本はハーグ条約に批准しているんです。子どもの権利条約にも批准しているんです。こういう問題が次々挙がって、北朝鮮と日本は同じなんじゃないのか、人権意識が大変低い国なんではないかというふうに思われている側面があるんですね。
秋本政務官にお伺いしたいんですけれども、この日米同盟というところも鑑みて、子の連れ去り問題、影響はどのように見ていらっしゃいますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/124
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125・秋本真利
○大臣政務官(秋本真利君) 国境を越えた子供の不法な連れ去り等をめぐる対応に、問題につきましては、我が国は、いわゆるハーグ条約が発効して以降、ハーグ条約の対象となる事案について、条約に基づいて各締約国との協力を通じて適切に対応してきているところであります。
今御指摘がありました米国側の発言についてでございますけれども、二〇一七年の米下院外交委員会での人権等に関する小委員会の公聴会の場でスミス小委員長が行ったものだというふうに承知しております。
米国国務省が毎年発行している子の連れ去り問題報告書において、過去には我が国が同条約の不履行のパターンを示す国に分類されていた年もございましたが、近年はそうした分類には含まれておりません。今年の報告書においても、日米のハーグ条約中央当局は事案解決を促進する強力かつ生産的な関係を構築しており、日本の裁判所による決定の執行は総じて適時に行われている旨、記載をされております。
このように、日米間の子の連れ去り問題についても両国の関係当局が協力して適切に対応しており、子の連れ去り問題が日米同盟自体に影響を及ぼすとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/125
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126・梅村みずほ
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
影響を与えるとは考えていないということなんですけれども、そしてハーグ条約の義務不履行国に今は入っていないということですけれども、やっぱりこういった、今日お示しした資料のような事案というのは起きているわけです。前向きに捉えなくてはいけないですし、もう時機は熟していると思います。これを放置するというのは国際的な非難にさらされるので、是非来年の通常国会で法案を提出していただきたいと申し上げて、質問を終了します。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/126
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127・鈴木宗男
○鈴木宗男君 民法等の一部を改正する法律案、我が党は梅村委員が度々質問されて、我が党の主張、考えも伝わったと思いますし、この法案には賛成でありますので、私は個別にこの法案では質問することはありません。
ただ一つ、大臣、両親が別れますね。別れたとき、今まで親子面会という表現してきたんです、親子面会。ところが、私は、親子が会うのに面会というのはおかしい、これを親子交流に直せと、こう強く言ってきまして、これ法務省さん、民事局の理解も得て、今、法制審でも親子面会ではなくて親子交流という表現になったと。ちょっと私は、そういった意味では、そういう立場で発言してきた。これも私は、鈴木貴子代議士、娘からアドバイスをもらって、いろんな場で言ってきたことが功を奏したんですけれども、そういったことがあったということをちょっと、大臣、頭に入れておいていただければ有り難いなと思っています。
大臣、昨日の夜七時半から、NHKの「クローズアップ現代」、入管で今何がというタイトルで、この収容施設の実態に迫るという番組がありました。御覧になったでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/127
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128・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 大変残念ながら昨日の番組は見ていないんですけど、またNHKで見ることもできると思いますので、必ず見たいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/128
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129・鈴木宗男
○鈴木宗男君 法務省関係者、入管の人らは見たでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/129
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130・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 私は視聴いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/130
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131・鈴木宗男
○鈴木宗男君 見て、どんな印象を持ったんです。私は、あのウィシュマさんが苦しんでいる様子見る、もう非常に見ていても大変だなという感じを受けましたね。なぜ処置をしないのか、お医者さん呼ぶなりですね。全く人間的でないと、こう私思いましたね。
さらには、このクルド人のデニスさんという人が言うには、人間扱いされていない、もう犯罪人扱いで、非人道的だということを言っていましたね。
あのこういった場面を見たり聞いたりしてどう思いました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/131
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132・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 政府参考人として、私個人の感想については差し控えさせていただきたいと思いますが、まずは名古屋入管でウィシュマさんが亡くなられたことにつきましては御冥福をお祈りしたいと思いますし、この事実については入管として重く受け止めなければならないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/132
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133・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、今の答弁で、私としては個人的に差し控えたいと言うんですよ。
じゃ、あなた、個人的に差し控えたいと言ったら、何の立場で今出てきているんです。これ国会に対して失礼じゃないですか。あなたは個人で来ているんじゃないんですよ、今。国家公務員として来ているんじゃないんですか。大臣、どうです、それ明確にしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/133
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134・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 当然、国家公務員としてここで答弁するために来ているということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/134
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135・鈴木宗男
○鈴木宗男君 今のその個人的というのを撤回すべきじゃないですか。どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/135
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136・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 私が申し上げた趣旨は、西山卓爾という個人の感想としてはここの場で述べる立場にはないということを申し上げたわけでございまして、もとより、その入管庁の次長としての立場として、NHKの昨日のものを視聴いたしまして、あの場面では、その……(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/136
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137・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、おかしいんじゃないんですか。入管庁次長として来ているのが、個人としての言葉は差し控えるというのは取り消すというのは当たり前でしょう。何で潔くそれ認めないんですか。思い上がっているんじゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/137
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138・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) ここで御答弁する際に、入管庁として答弁をしに来ているわけでありますので、その立場を踏まえて答弁すべきだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/138
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139・鈴木宗男
○鈴木宗男君 これ、私はこの入管庁見ていると、十七人も死んでいる。そして、先々週ぐらいですか、一人がまた自殺した、東京入管でという話もあるんで、十八人。刑事施設でも二十年間で亡くなった人四人しかいませんよ。入管で十七人も十八人も亡くなるということでは異常なんですよ。私は、どういう指導をして、人間的なやっぱり欠陥があるんでないかと思っているんですよ、上から目線で。
次長、昨日の映像でも、あの一人のネパール人の人でしたか、あの男の人に対して四人も五人も掛かって押さえ込んでいるような姿テレビに出ていましたね。あれ見ただけでも、私はちょっと異常なやり方だと思うんですよ。その積み重ねが死亡という事態に至っていると思うんですけれども、西山さんはどう見ました、あの姿を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/139
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140・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 私も次長として、あのビデオにつきましては、昨日の視聴前から既に私としてもビデオは確認をいたしております。
その上で、大変恐縮ではございますが、制圧に関する事件、事件というか事案につきましては、現在訴訟が係属中でございますので、個々の事案に関して、しかも訴訟係属中ということでございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/140
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141・鈴木宗男
○鈴木宗男君 訴訟は訴訟ですよ。私は、これは、国会の、国民を代表する国会議員の集まりの委員会で、公の場所で聞いているんですよ。このことだけはしっかり頭に入れてください。
それで、大臣、私はこの入管施設の改善について、去年の参議院の予算委員会でも私は言ってきているんです。改善すると言っているけれども、例えば今ホームページ見ても、入管施設の、畳部屋の紹介ですよ。外国人を入れるのに、私は少なくとも、椅子だとかベッドだとか、時代に合ったというか、国際スタンダードにすべきだと思うんですよ。
これ去年から言っているけれども、どこまで改善されたか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/141
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142・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 入管収容施設では、外国人の風俗、習慣を考慮し、畳敷きの居室であっても寝具にマットレスを加えて貸与するなどの配慮を行っているほか、平成十九年以降に新設した収容施設においては、居室にベッド、テーブルあるいは椅子を設置することを基本といたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/142
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143・鈴木宗男
○鈴木宗男君 西山次長、今のあなたの言いぶりは、一年前の、当時の入管の、まだ佐々木さんが長官の頃の答弁と同じ答弁なんですよ。一年たっても同じフレーズということはどういうわけですか。
それで、実態がどうなっているかということをなぜ答えないんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/143
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144・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) まず、昨年から、その施設について、更に例えばマットレスが増えたとか、そういったところについては、現状としては変わっておりません。ただ、これは、そもそも収容の状況を踏まえ、それで、今対応するとすれば、例えば改修を行うとか、そういうことになると思うんですけれども、それにつきましては、被収容者数や要望の状況、ほかの対応の可否がないかといった個別の状況を踏まえて必要性を判断してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/144
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145・鈴木宗男
○鈴木宗男君 国際的に見て、やっぱり日本は、これは不親切だとか、何か愛情がないだとかと言われるのが、これ国際信用に関わるんですよ。それにはやっぱり、宗教だとか風俗だとか全く慣習違う人が来るわけですから、極力外国人に合ったような環境にしてやるのが、私はまたこれ日本人の良さを見せる一つの具体的なやり方だと思うんですよ。
これ、大臣、今の次長の答弁も去年と同じ答弁なんです。私は、だから、上から目線というか、政治家をばかにしてというかですね、この点、看過できないところがあるんですよ。大臣、どう思いますかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/145
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146・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 昨年と比べて一年間で全然前進がないということについては、私もちょっと実態把握、今この瞬間できていませんので何とも申し上げようがありませんけれども、ただ、私は、外国人の方のニーズをしっかり踏まえた上で、おっしゃったように、その風俗、習慣違いますので、そういうものも配慮しながら処遇をしていくというのは当然のことだろうと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/146
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147・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、これしっかり齋藤大臣のときにやってください。それが日本の私は信用にもなってくると、こう思いますので、お願いします。
あと、十七日、二十二日と死刑制度について私はただしました。私はやはり、今の時代、これ絞首刑というのがやり方としてどうかというのは一回議論してもらいたいと思います。外国からも、残虐だと、このやり方は。例えば、今は電気だとかあるいは薬だとか、いろんなやり方あると思うんですね。そこら辺も、大臣、この絞首刑という制度がどうかということも大臣から問題提起して、専門家なんかの意見を聞いたりして、私は、極力負担のないような、お互いですね、やり方が必要でないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/147
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148・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 今、鈴木委員がおっしゃられたことについては、ちょっとまずはしっかり事務方から話を聞いてみたいなと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/148
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149・鈴木宗男
○鈴木宗男君 あわせて、刑事局長、死刑が執行されました、亡くなった方の遺体は誰が処理するんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/149
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150・花村博文
○政府参考人(花村博文君) お答え申し上げます。
刑事施設の方で遺体の方は処理をさせていただいているというふうなところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/150
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151・鈴木宗男
○鈴木宗男君 矯正局長ね、これ刑務官が処理するわけですね、じゃ。
これ、大臣、私は、やっぱり尊厳という意味からも、やはり専門家にきちっと処理してもらう、これが一つの人に対する向き合い方、礼ではないかと思いますけれども、全く素人の刑務官にやらせる、私はその刑務官にも大きな負担になると思うんですよ。ここはやっぱり、その職を専門としている人にお任せをする、お願いする、これがやり方ではないかと思いますけれども、大臣、いかが思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/151
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152・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 一つの傾聴に値する御意見だと思いますけど、繰り返しになりますが、しっかりまずは話を聞いてみたいなと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/152
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153・鈴木宗男
○鈴木宗男君 私は、齋藤大臣は、大臣、一年じゃなくて二年、三年ぐらいやれるんでないかとも期待していますんで、ここは大臣、是非とも改革、歴史を私はつくっていただきたいなと、こうお願いをするものであります。
あと、前回も私は委員会でこれお願いしたんですけれども、矯正施設での言葉遣い、いわゆる大臣も分からなかった例えばガリだとか、ガラだとか、あるいは物相だとか、この独特の表現あるんですよ。私は、更生なりして社会復帰させるというならば、標準語、日常用語をきちっと使わせる、これが一番でないかと思っているんですよ。さらには、刑務官を先生と呼ばさせる、この仕組みも私は上から目線で駄目だと思います。
さらに、テレビやラジオを聞く機会があるんですけれども、これ全国一律じゃないんですよ。各施設によって、全部、その所長の判断で違うそうなんです。違うそうというか、違うんです。例えば、ラジオならばその施設のある地区のラジオを入れるのは当然だと思うんですけれども、少なくとも公共放送はきちっと全国一律にニュースの時間には流させるとか、それがまた私は社会復帰する上でも大きな参考になると思うんです。世の中どうなっている、どういう動きがあるかということをですね。
そこら辺は徹底した方がいいと思うんですけれども、前回の答弁では、ちょっと局長、奥歯に物の挟まったような言い方でしたけれども、その後、どういう進捗状況、あるいはどういう方向に持っていくおつもりなのか、お知らせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/153
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154・花村博文
○政府参考人(花村博文君) お答え申し上げます。
刑事施設において使用されております特殊な用語及び職員の呼び方につきまして、御指摘のとおり、様々なものがあるというふうに考えられるため、現在実態を調査しておるところでございます。
この実態の調査の結果を踏まえまして、御指摘のように、社会で使用されている言葉と大きく懸け離れたものとならないようにするなど、適切な運用を進めてまいりたいというふうに考えております。
あわせまして、時事の報道に接する機会につきましても考えてまいりたい、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/154
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155・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、私は、これはきちっと公に発表して、さらに矯正施設としての役割を高めてほしいと思います。
刑務官の例えば定数が足りないならば、定員だって私は要求した方がいいと思っているんです。ただ、今、収容者は減っている方向ですから、必要ではないかと思いますけれども、私たちは、適宜もっと、人との向き合い方によって人の受け止め違ってくるわけでありますから、この点、是非とも大臣のときに、新たなそういった枠組みを、前向きな判断をいただきたいと思いますが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/155
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156・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、刑事施設などで委員おっしゃられたような特殊な用語が何で使われているのか、私、ちょっと理解に苦しむところ、正直あります。それで、今、実態を調査させていますので、まずそれを踏まえて私なりに考えていきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/156
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157・鈴木宗男
○鈴木宗男君 この点も大臣には期待しますんで、よろしくお願いします。
私は、これ経験しているから言うんです。私は今でも、国策捜査で私はやましいことないから、今でも私は再審請求しているんです。だから、私は堂々と言うんですね。
ただ、私が見てきた中で、ああ、これはちょっと社会には合っていないなと、いわゆる実態には合っていないなと思うことが多々ありました。長くいる人らは、もうごますりみたくなっちゃうんです、もう先生、先生なんて言ってですね。また、そういう者を刑務官は登用する例もあるんです。ただ、私が見てきた中でしっかりやっている人はいるんです。歩き方一つでも、刑務官で、ああ、この人はしっかりしているなって教えられる面がありますね。あるいは、挨拶の仕方一つ見ても、やっぱりいい人はいるんですよ。
ただ、やっぱり、どこの世界でもそうですけれども、跳ね上がった者がいるんですね。しかし、それまた、そういった者にまた、何というんでしょう、気を遣うというか、自分は自分の立場で、もう早く出たいなんという思いがあると、何かしら、ちょっと常軌を逸するようなやり取りもありますね。
そういったことから踏まえて、是非とも、矯正局長、ここら辺は、真に更生させるという意味合いからも、社会復帰させるという意味合いからも、是非とも一般の社会で使われている言葉を使わせる。あるいは、刑務官にも先生なんて呼ばせるなんということをですね、今、国会議員の私も先生と呼ばさせません、これは。私は、後援者にも全部、さんなり君なり、もう徹底させるようにしているんです。地方議会でも先生と呼ばせないなんというのがどこかの議会で話題になっていますけど、私はそのとおりだと、こう思っているんですね。
どうか、大臣、この点、是非とも齋藤大臣のときにしっかりレールを引いていただきたいなと、こう思います。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/157
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158・川合孝典
○川合孝典君 国民民主党の川合です。
一昨日に引き続きまして、国籍法関連で質問させていただきたいと思います。
まず一点目。無国籍問題の解決に向けた一連のこの間のやり取り、この無国籍問題の解決に向けた取組を進めなければいけないということの重要性についてはこの間の議論で皆様認識を共有していただいたと思いますが、それでは、この無国籍問題の解決に向けた省庁の連携やいわゆる官民連携の在り方について、まず法務大臣にお伺いしたいと思います。
この法務省や関係省庁と弁護士さん、支援者の方、UNHCR等の連携を強化するために協議体の組織を、協議会を行うということについて、既に昨年の八月に法務省が事務連絡を発出していらっしゃいます。そういったものを今後更に、今回問題が、様々な問題が明らかになったことを受けて、更にこの取組を充実させるように、こうした連携を行っていく上での定期的な意見交換の場ですとか協議の場というものを設けるべきではないのかと私は考えるんですが、大臣の御認識をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/158
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159・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 御指摘のように、令和三年八月の事務連絡でいろいろ手当てをしているというのは御答弁を重ねてきているところでありますが、この事務連絡において、在留諸手続の窓口等において外国人が当該外国の国籍取得に必要な届出を適切に行えるような丁寧の説明を行っているなど実施しているわけでありますが、加えて、今後のことといたしまして、今御審議いただいている民法等の一部を改正する法律案についての衆議院法務委員会においても同様の議論が行われておりますものですから、無国籍状態をより円滑に解消するために、各地の法務局と入管当局との連携強化の取組が実施できないかということを今検討をしているところであります。
また、そのほかの関係者等との意見交換につきましても、当然、必要に応じてしっかりやっていきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/159
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160・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。是非お取組を進めていただきたいと思います。
今、法務局との連携のお話がございましたけれども、実際、この窓口で必要な情報にアクセスできずに申請できない方がやっぱりいらっしゃるわけです。省庁もやはり縦割りですので、法務省であれば必要な情報を理解し説明をできますが、ほかの窓口だと必要な情報がきちんと説明されていないといったようなケースが実は指摘されておりまして、したがって、例えばなんですけど、今後取組を進めていただく上で、この国籍法新設第三条三項によって無国籍となり得る方々のそういった事象を防止するため、又は削減するためのマニュアルのようなものを例えば法務省でお取りまとめいただくといったようなこと、それから在留カードに無国籍を正確に記載していただくということを進めるためのマニュアル作り、さらには、より広く無国籍を確実に把握し、無国籍を防止し削減するためのマニュアルですとか、そういったものを専門家でいらっしゃる法務省の方できちっと作っていただいた上で関係省庁に配付していただいて、必要な手続のときに必要な情報が申請者に理解していただけるような、そういうお取組を是非検討していただきたいと思うのですが、大臣、そういったことを御検討進めていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/160
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161・金子修
○政府参考人(金子修君) お答えいたします。
事実に反する認知であったことが判明して無戸籍、無国籍状態となる場合、この場合、無戸籍、無国籍状態をできるだけ解消するための仕組みを、するための取組を進めていくことが重要であるというふうに考えています。
例えば今、刑事事件で偽装認知発覚して、公正証書等原本不実記載等の情報があったり、それから、民事事件の中で認知無効の判決が出されたりというふうなことがありますと、戸籍の方には通知があって、戸籍法、戸籍上の取扱いが市役所の戸籍担当部門の方がありますが、そういう情報が必ずしも入国管理局の方には伝わらないという問題があります。ですので、まずその辺の情報連携を法務局が言わばハブになって進めていく必要があると思っています。その上で、帰化の手続、あるいは日本に在留資格、在留することができるように、そのような言わば情報の連携をするために法務局がハブになっていくということが重要だと思います。
UNHCR等の知見等もいただきながらいろんな今後運用も考えていくということになってくると思いますが、例えばマニュアル等を整備するということであれば法務局が、あるいは法務省が中心になっていくのかなと思っていますので、先生の御意見も参考にしながら検討していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/161
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162・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。是非前向きに検討していただければと思います。
私がこの問題についてしつこく指摘させていただいておりますのは、今後、この国籍法三条三項が新設されて国籍が遡及喪失してしまうことによって様々な問題が生じる可能性が、私のようないわゆる法律の専門家でない人間でも気が付く問題がたくさんあるということでありまして、したがって、この省庁連携を含めて様々な取組が必要だということの問題、指摘をさせていただいております。
そういった意味で、例えばどういう問題が今後起こり得るのかということについて関係省庁に確認をさせていただきたいと思います。
例えば、これまず総務省さんの方にお伺いしたいと思いますが、国政選挙の選挙権を行使していた場合、この当該当事者が行った過去の投票に瑕疵は生じないのかということ、それから、仮に、これは極論でありますけれども、この国籍を失った方の一票で投票結果が左右されるというようなことが生じた場合、この選挙結果に瑕疵は生じないのかということ、このことについて総務省の見解をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/162
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163・森源二
○政府参考人(森源二君) お答えいたします。
国政選挙の投票のお尋ねですが、公職選挙法第九条第一項及び第四十三条の規定によりまして、日本国籍を有しない方は投票することができないとされているところでございます。
そして、その方が国政選挙の選挙権を行使していた場合のお尋ねでございますが、投票時点で選挙権を有していない状態であったことが事後的に判明した場合に関して、公職選挙法第二百八条の規定で申し上げますと、国政選挙については、当選しなかった者で当選の効力に不服があるものは、当選人の告示等の日から三十日以内に当選の効力に関する訴訟、当選訴訟を提起することができることとされておりますので、この期間内に訴訟が提起されなかったのであれば選挙結果はそのまま確定するということがまず一点でございます。
次に、その当選訴訟が提起された場合において、お尋ねのような、その選挙の当日選挙権を有しない者の投票その他本来無効なるべき投票であってその無効原因が表面に現れない投票で有効投票に算入されたことが推定され、かつ、その帰属が不明な投票があることが判明したときは、公職選挙法第二百九条の二の規定により、開票区ごとに各候補者の得票数から当該無効投票数を各候補者の得票数に応じて案分して得た数をそれぞれ差し引き各候補者の有効投票を計算するものとされておりますので、一般的にこの場合にも当落には影響を及ぼすものではないと考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/163
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164・川合孝典
○川合孝典君 今お聞きいただいて御理解いただけたと思うんですけど、投票した時点でいわゆる投票権がないということではなく、今回の場合には投票した時点では要は投票権はあったわけです。それがその後遡及消失したことによって投票権を後に失うということであって、実は今のルールはこういったことは想定されていないということなんですね。したがって、この問題とどう向き合っていくのかということもこれから整理しなければいけない課題の一つとして指摘させていただきたいと思います。
では、もう一点総務省さんの方に確認させていただきたいと思いますが、この当該者が被選挙権を行使して地方議員や地方自治体の首長等の地位にもしあった方であった場合、認知が事実に反することが判明し国籍を遡及的に否定された、その場合、この地方議員、地方自治体議員や首長さんの地位はどうなるのか、総務省さんにお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/164
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165・三橋一彦
○政府参考人(三橋一彦君) 地方公共団体の議会の議員及び長が仮に日本国籍を遡及的に有しないこととなった場合の身分の取扱いについてお答えいたします。
地方自治法第百二十七条第一項におきまして、地方公共団体の議会の議員が被選挙権を有しない者であるときはその職を失うとされております。この場合、被選挙権の有無は議会が決定することとされておりまして、決定のときからその職を失うことと解されております。
また、地方自治法第百四十三条第一項におきまして、地方公共団体の長が被選挙権を有しなくなったときはその職を失うこととされております。この場合、被選挙権の有無は当該地方公共団体の選挙管理委員会が決定することとされておりまして、決定のときからその職を失うことと解されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/165
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166・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。
今の二つ御質問させていただきましたけれども、先ほど石川議員の方から総理大臣という話が出まして、ちょっとなかなか想定しにくいという御答弁がありましたけど、こういった事例ということについては総理の例よりは可能性、生じる可能性というものが当然高いわけでありまして、こういったことにもきちっと対応して準備をしておかなければいけないことの必要性があるということを指摘させていただきたいと思います。
内閣官房にも来ていただいていると思いますので、内閣官房にお伺いしたいと思います。
国務大臣の地位にあった者が、方の国籍が遡及的に否定された場合のこの国務大臣の地位というものは、直ちに消失するものなのでしょうか。その判断の根拠も含めて御説明をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/166
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167・黒田秀郎
○政府参考人(黒田秀郎君) お答え申し上げます。
公権力の行使又は国家意思の形成の参画に携わる公務員となるためには日本の国籍を必要とすると解されておると承知をしております。国務大臣につきましては、当然に日本の国籍が必要とされるというふうに解されております。
仮に国務大臣が日本の国籍を有しないこととなった場合には、このことを踏まえまして、国務大臣の任免、任ずるあるいは免ずるを担います内閣総理大臣が適切に対応するということになるというふうに承知しております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/167
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168・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。
関連して外務省さんにも御質問したいと思いますが、外交官の地位にあった方の国籍が遡及的に否定された場合、外交官の地位はどのようになりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/168
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169・志水史雄
○政府参考人(志水史雄君) お答え申し上げます。
外務公務員につきましては、外務公務員法第七条におきまして、国籍を有しない者又は外国の国籍を有する者は外務公務員となることができないと規定されており、また、外務公務員が当該規定によって外務公務員となることができなくなったときは当然失職すると定められております。
したがいまして、外務公務員が日本国籍を喪失した場合、当然にその職を失うこととなると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/169
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170・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございました。
質問は、外務省さん、内閣官房さん、総務省さんは、質問はここまでとさせていただきたいと思いますので、御退室いただいて結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/170
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171・杉久武
○委員長(杉久武君) じゃ、外務省、総務省、内閣官房の政府参考人は御退室いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/171
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172・川合孝典
○川合孝典君 では、引き続いて、今度法務省さんの方に御確認をさせていただきたいと思いますが、同様の趣旨で、裁判官の地位にあった者の国籍が遡及的に否定されることになった場合に、この裁判官の地位はどうなるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/172
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173・竹内努
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
先ほど内閣官房からも御答弁申し上げたとおりですが、公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる公務員となるためには日本国籍が必要であると解されております。裁判官は、司法権の行使である裁判を主たる職務とし、公権力の行使に携わる公務員でありますので、日本国籍を有しないことは欠格事由になると考えられます。
裁判官に任命された後、日本国籍を遡及的に喪失した場合、任命行為の際に欠格事由があったことになると考えられますので、このことを踏まえまして、任命権者である内閣において適切に対応されるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/173
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174・川合孝典
○川合孝典君 質問の順番がちょっと変わりますけれども、今の御答弁を受けてということなんですが、この遡及的に国籍を喪失した裁判官の方が、要は、要は当然それまでの間に裁判に携わって何らかの判決を行っていらっしゃる可能性は高いわけでありますが、その判決について瑕疵は生じないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/174
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175・竹内努
○政府参考人(竹内努君) 欠格事由に該当する者が裁判官に任命されて裁判をした場合というお尋ねでございますが、その裁判が当然無効になるわけではないと考えまして、上訴事由又は再審事由に当たると解されます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/175
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176・川合孝典
○川合孝典君 ということは、全く瑕疵が生じないわけではないということで、もう一度やり直しをしなければいけなくなるという理解でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/176
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177・竹内努
○政府参考人(竹内努君) 再審事由に当たるというふうに考えますと、確定した判決について再審請求をしていただいて、そういう意味ではやり直すということになる可能性がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/177
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178・川合孝典
○川合孝典君 判決を下されたときには日本国民であったわけですから、そのこと自体には何の問題もないわけですが、その後、国籍を遡及喪失をされるということになるわけでありますので、元々そういうことは想定されていないということなわけであります。
続いて質問させていただきたいと思いますが、婚姻の関係についてちょっと確認をさせていただきたいと思います。
当事者が日本に住所を有する日本人であることを前提に婚姻の準拠法が日本法であると判断されて婚姻をした者が、日本国籍を否定された結果、準拠法が異なることとなった場合、過去の婚姻に瑕疵は生じるかどうか、この点について御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/178
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179・金子修
○政府参考人(金子修君) 婚姻の成立は、各当事者についてその本国法によるとされております。また、婚姻の方式は、婚姻挙行地の法によるほか、当事者の一方の本国法に適合する方式は有効とされております。
それで、このような規律の下で、国籍法三条一項に基づき日本の国籍を取得した者が婚姻をした場合において、その後認知について反対の事実があることが判明し日本の国籍の取得がそもそも無効であるということが明らかになったときは、当該婚姻の成立及び方式についての準拠法はその者が日本国籍を有しないことを前提として定まるということになります。すなわち、その者が日本以外の国の国籍を有する場合にはその本国法である国籍国の法によるということになりまして、その者が国籍を有しない場合はその常居所地法によるということになります。
そうしますと、お尋ねの事例における婚姻に瑕疵があるか否かは、以上を前提として定まる準拠法に照らして判断されるということになります。日本の国籍を有しないという前提で適用される法律を適用した結果、結果が変わらなければそれは有効となる余地がありますが、違うということになれば影響が生じるということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/179
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180・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。
通告した質問一つ飛ばして、死亡した場合のこと、当事者がお亡くなりになった場合の事例で確認させていただきたいと思いますが。
国籍を喪失した方が死亡した後、相続や死後認知といった手続が行われることが想定されますけれども、その時点で認知が事実に反することが判明した場合、死亡後でもなお日本国籍が遡及的になかったものとして取り扱うべきものなのかどうか、この点について法務省の認識を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/180
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181・金子修
○政府参考人(金子修君) 日本の国籍、日本国籍の取得がそもそも無効であるというふうに解することとなりますので、認知が事実に反することが明らかになった時期が認知をされた者の生前中であるか死亡後かに、あるかによって結論が異なるものではないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/181
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182・川合孝典
○川合孝典君 日本の法律、日本法を準拠法として遺産分割の審判が既に確定していた場合、その審判に瑕疵は生じるかどうか、この点についてお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/182
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183・金子修
○政府参考人(金子修君) 我が国において、相続は、被相続人の本国法によるとされています。この規律の下で、国籍法三条一項に基づいて日本の国籍を取得した者が死亡した場合において、その後、認知について反対の事実があることを判明し、日本の国籍の取得がそもそも無効であるということが明らかになったときは、その者を被相続人とする相続についての準拠法は、その者が日本国籍を有しないことを前提にして定まるということとなります。法の適用に関する通則法によると、その者が日本以外の国の国籍を有する場合は、その本国法である国籍法の法によって相続関係が処理されるということになり、その者が国籍を有しない場合はその常居所地法によるということになります。
お尋ねの事例による遺産分割協議に瑕疵があるか否かは、以上を前提として定まる相続の準拠法に照らして判断されるべきと考えられます。
もう一度、済みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/183
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184・杉久武
○委員長(杉久武君) 金子局長、どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/184
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185・金子修
○政府参考人(金子修君) お尋ねが遺産分割の審判が確定した場合ということでよろしいですか。今ちょっと遺産分割協議の方をお答えしてしまいましたが、日本法を準拠法として遺産分割の審判が確定したけれども、日本国籍が否定された結果として準拠法が外国法となるというような場合は、本来はその準拠法である外国法を適用すべきだったということになります。
一般論として言えば、家庭裁判所による家事審判は再審事由がない限りは取り消されることがなく、御指摘の点は直ちに再審事由には当たらないと承知しています。もっとも、遺産分割の審判はあくまで相続権や相続財産等の存在を前提としてされるものであり、遺産分割の審判がされた後にその審判の前提となった相続権や相続財産等の存在が否定されれば、遺産分割の効力も失うというふうに解されていますので、準拠法が異なるものとなった結果、相続権が否定されたり、あるいは相続財産であるということが否定されるといった事態が生ずれば、その遺産分割の審判に影響を及ぼすということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/185
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186・川合孝典
○川合孝典君 次の質問に入ります。
刑罰について御確認させていただきたいと思いますが、当事者が日本人であることを前提に刑法上の国外犯処罰規定が発動されて有罪判決が確定した当事者の日本国籍が仮に遡及的に否定された場合、この当該確定有罪判決に瑕疵は生じるかどうか、この点について確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/186
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187・川原隆司
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。
国民の国外犯の処罰について規定する刑法第三条は日本国民に適用されるところ、この日本国民に当たるかどうかは国籍法の定めるところによるというのが一般的な理解とされております。
そして、この刑法三条の適用に関しまして、どの時点で、すなわち行為をしたときなのか、あるいは訴追、すなわち起訴をしたときなのかのいずれの時点で日本国民であることを要するかについては、国外犯を処罰する根拠をめぐって様々な見解があるものと承知をしております。
その上で、お尋ねのように、国籍法の規定による認知に基づく国籍取得の届けに効力がなかったとしたときに、どのようなケースで刑法の国外犯処罰規定の適用に影響が及ぶかについては、ただいま申し上げたような、刑法三条の適用に関して、日本国民であることを要する時点をどのように解するかを前提といたしまして、個別の事件の具体的な事実関係も踏まえて判断されるべき事柄でございますので、法務当局としては一概にお答えをすることは困難であるということを御理解賜りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/187
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188・川合孝典
○川合孝典君 これから検討すべき事項で、現時点では明確に答弁は得られないという、今そういう状況だということを確認させていただきました。
今日、厚生労働省さんにもお越しいただいておりますので、厚労省さんに社会保険給付への影響の範囲について、少し確認をさせていただきたいと思います。
国民健康保険や国民年金について、国籍が遡及的に否定されることになった場合に、この場合、入管の説明では、一旦不法滞在状態になるということとされておりますけれども、この当該当事者が健保や国民年金に加入していた場合、この加入者の地位はどうなるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/188
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189・日原知己
○政府参考人(日原知己君) お答え申し上げます。
国民健康保険や国民年金につきましては、外国人の方につきましても、適正な在留資格を有し、住所を有している場合には、原則として適用対象としているものでございます。
このため、国籍が遡及して喪失することで無国籍となられた方につきまして適正な在留資格を有しないこととなる場合につきましては、国民健康保険及び国民年金の適用対象とはならないものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/189
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190・川合孝典
○川合孝典君 ということなんですね。
で、この不法滞在者若しくは不法滞在状態が生じたこの期間中に、仮に大きなけがや病気で高額な医療が必要になった場合、どのような仕組みで対処が考えられるのか、お教えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/190
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191・杉久武
○委員長(杉久武君) 答弁は。厚労省。いいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/191
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192・川合孝典
○川合孝典君 済みません。これは通告していないんです。なんですけれども、そういうことが当然考えられるわけでありますけれども、そういったことに対応するルールはありますか、厚労省さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/192
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193・日原知己
○政府参考人(日原知己君) お答え申し上げます。
繰り返しで恐縮でございますけれども、先ほど申し上げましたように、国民健康保険につきましては、外国人の方につきまして、適正な在留資格を有し、住所を有されている場合に原則として適用対象となるものでございますので、国民健康保険からの給付の対象とすることは困難でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/193
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194・川合孝典
○川合孝典君 ということで、仮にこの無国籍状態の期間中にこういう問題が生じたときには、救う手段が現状はないということだということであります。
加えてなんですけど、この不法滞在状態に置かれている場合に、当然この国民健保や、年金や健保に加入していただいていた方については、その期間が当然除外されるということになります。その結果として年金保険料の納付期間に不足が生じるといったような場合に、どのような仕組みで救済するのか、こういったことについても当然今後検討していかなければいけない課題であるということを指摘をさせていただきたいと思います。
もう一点、通告した質問をさせていただきます、厚生労働省さんに。
生活保護について、当該当事者が生活保護を仮に受給されていた方であった場合、この受給資格はどうなるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/194
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195・本多則惠
○政府参考人(本多則惠君) お答え申し上げます。
生活保護法に基づく保護は、日本国民のみを対象としております。お尋ねの事例に関する取扱いにつきましては、日本国籍を有する方が日本国籍を失った場合ということですので、生活保護法に基づく保護の対象外となります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/195
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196・川合孝典
○川合孝典君 そうですね。となった場合に、この不法滞在者状態の期間、生活に困窮した場合、どのような仕組みで救済はできますか、考え方として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/196
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197・本多則惠
○政府参考人(本多則惠君) 生活保護の立場から申し上げますと、仮に日本国籍を失った方が不法滞在状態となった場合には、行政措置としての生活保護法に準じた保護についても対象外となります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/197
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198・川合孝典
○川合孝典君 これまで年金と健保の加入者として保険料を日本国民として納めていらっしゃった方なわけです、この方は。それが今回の法律の運用によってはこうした問題が生じるということなわけであります。そのことを私は指摘をさせていただいているわけでありまして、この法律が変わることで無国籍者がただ生まれるということについての表面的な議論だけではなく、そのことの結果として一体どういう影響が今後生じるのかということ、このことを考えて今後対応を図らなければいけないということであります。
時間がぼつぼつ迫ってきておりますので、大臣に改めて御質問させていただきたいんですが、一昨日の質問のときに、私、無国籍認定の設置、手続の設置について御指摘をさせていただきました。なぜこだわってこの問題について私が指摘をさせていただいているのかということについては、もちろん大臣もこの無国籍者を生み出さないようにどうにかしなければいけないと、きちんとした対応をこれから図っていくということは繰り返しお述べになっているわけでありますけれども、想定しない事態やこの法律改正に当たっては当初考えていなかったような問題がぱっと考えただけでもこういった形で出てくるという事実があるんです。こうした状況を生み出さないようにするためには、無国籍者をともかく生み出さないようにまずどうするのかということの議論を入口のところでやらなければいけないわけであります。
同様の事例はヨーロッパ、オランダなんかでもそういった事例が出てきていて、いわゆる国籍権がきちんと行使できていないといったような事例に対して、要は、そのことが違憲であるといったような要は判断がなされたことの結果として、本来この無国籍認定手続の機関というものはなかったわけでありますが、オランダではそうしたことを受けて無国籍認定というものを独自に国として進めるということをつい近年始めていらっしゃいます。
したがって、今すぐに設置しろということについてはなかなか難しいことなのかもしれませんけれども、この無国籍認定手続をどう整理して手続を行うのかということについて是非議論だけでも始めていただきたいんですけど、最後、大臣、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/198
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199・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、言わずもがなですが、いかにして無国籍者を出さないかということについては、るる御答弁申し上げておりますように、様々対応していきたいと思っているわけであります。
そして、今委員がいろんなケースを御指摘になりました。この民法改正法案を政府として提出するに当たりましては、当然のことながら、各省と協議をした上で、いろんなケースもあるねということを踏まえた上で提出をしているわけでありますので、そのそれぞれのケースについては各省で対応していただくということになると思いますけれども、政府として提出しているということでありますので、様々なケースについてはきちんと対応していくことは必要であろうと思っています。
無国籍認定手続につきましては、一般的な手続法でこれが一気に解決できるかといいますと、一言で言うと、我が国として、例えば外国国籍の存否について、責任を持ってこの人は取れるとか取れないとか、持っているとか持っていないとかいう判断をするということはかなり困難であるという現実が正直言ってあろうかというふうに思っています。そういう意味では、その設置の必要性、可能性を含めて、我が国の実情や国際的な動向、おっしゃられましたけれども、踏まえながら、今の時点では慎重な対応なのかなというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/199
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200・川合孝典
○川合孝典君 相手国との関係のことがあることは重々承知いたしておりますが、我が国として我が国の法律の下でどう対応するのかということは、そのこととは別に議論し実施することは決して不可能なことではございませんので、是非、この点、御検討を進めていただくことをお願い申し上げまして、私からの質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/200
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201・仁比聡平
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
まず、国籍法三条の改正問題についてお尋ねをいたします。
前回の私の最後の、質疑の最後の部分で確認をしましたけれども、二〇〇八年以来の法務省の運用、これ、従前からの確立した規律に基づくという御答弁になっているんですが、その運用によって遡って国籍が失われた者の件数、あるいは出国の有無、そうした方の在留資格がどうなったか、帰化がどうなったかなどの実情が統計的には把握されてこなかったということ、そして、入管庁においては退去強制手続ということになるんですけれども、この退去強制手続に係る者が遡って国籍を失った者なのかどうかと、その点に留意したどんな取扱いがされてきたのかという統計的な把握はなされてこなかったということが明らかになりました。
そこで、その点についての大臣の認識をお尋ねしたいと思うんですけれども、参考人質疑でのUNHCRの金児参考人の御発言でも明らかなことですが、国際人権水準はこの無国籍者をなくすという取組に進んでいるわけですよね。無国籍を防止すると、そして削減すると。それだけでなく、無国籍者の権利を守るという、その取組が世界の流れであって、言わばこれに逆行するといいますか、二〇〇八年以来、もう十四年間になりますけれども、この間、統計的に、政府の判断によって無国籍になる、遡って無国籍になるという方が把握されてこなかった、このことは極めて重大なことだと思うんです。
国籍ないし戸籍がなくなってしまえばどうなるかということは、この委員会でもう本当にことごとく明らかになったと思うんですが、とりわけ幼い子供、ですから、親の認知が無効になるとかあるいは虚偽だったとかいうことについて何の責任がなくても、生活の基盤あるいはアイデンティティーが奪われるという重大な不利益があるわけです。そうした事態である、そうした問題であるのに、これが統計的に把握されてこなかったということについて、大臣はどんな御認識ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/201
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202・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 私は、今の委員の御指摘は重要な御指摘だというふうに思っています。
まず、現状からお話ししたいんですけど、今、出入国在留管理庁におきましては、在留特別許可の許否判断の透明性を高める目的で、毎年、在留特別許可された事例及び在留特別許可されなかった事例についてということで公表をまず行っており、その中には、裁判の結果、日本国籍が認められなくなったものの在留特別許可された事例も含まれているということです。
もっとも、この在留特別許可の許否判断というのは、個々の事案ごとに諸般の事情を総合的に勘案して行っておりますので、その件数も実は膨大であったり、それから判断の透明性を高めるという目的に鑑みて、適切な事例を選定して公表するということを今現在行っておりまして、網羅的な事例の公表はまだ行っておりません。
その公表の在り方につきましては、更なる透明化を図ることを目的として平成二十二年に見直しが行われておりまして、在留特別許可された事例等を分かりやすく分類、整理して一覧表形式にするなどの工夫を行ってきたところでありまして、引き続き、在留特別許可の許否判断の透明性の向上を図ってまいりたいと考えております。
そして、御指摘のような事例について、その公表などの在り方については今国会での議論を踏まえて今後検討していきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/202
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203・仁比聡平
○仁比聡平君 この今後検討したいという大臣の御答弁の背景には、関係部局でのもう既にその大臣の答弁を裏付けるような検討がなされているのだろうというふうに思うんですけれども。
ちょっと一点だけ伺いますが、入管次長に伺いましょう。これまでの取組の中で、入管にとってみると、国籍が失われたのではないか、したがって非正規滞在なのではないか、だから強制退去手続の対象者ではないかという疑いがあって違反調査などに入ると。その時点で、法務当局と、法務局と密接に連携するということにはこれまでなっていなかったんじゃないかと思うんですけれども、そこはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/203
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204・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 網羅的にその取扱いについて把握しているわけではございませんが、事案に応じては法務局と情報交換をする、情報共有をするといった事例もあるというふうには聞いております。
ただ、委員の御指摘のような、組織的といいますか、システム的にその法務局と事前に情報共有するというような取組をきちんと決めていたわけではありませんので、今回、委員の御指摘も踏まえ、国会の議論も踏まえまして、その辺りは、法務局との情報共有、それから事前の調整といったものをきちんとやるように、今、取組のこの枠組みを検討しているというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/204
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205・仁比聡平
○仁比聡平君 そういうことなんだろうと思うんですよ。私も、全ての事案が非人道的にしゃくし定規に行われてきたかというと、そうではなくて、とりわけ小さい子供が路頭に迷わないようにいろんな取組がされてきただろうと思うんです、現場では。けれども、それを二〇〇八年以来どうなっていますかと聞かれると国会では説明できないという事態になっているということが、私は今回の改正提起の大問題だと思っているんですが。
民事局長、通告は、こういう趣旨の通告はしておりませんけれども、法務局は、先ほど来の御議論の中でもありますけれども、市区町村がそうした事態を把握するということについて、市区町村側から相談があればいろんな積極的な対応してこられていると思うんですよね。けれども、それを統計的に把握したり、あるいは入管とシステム的に協議をしたりというふうにはこれまではしていなかったということについては、どんな検討されていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/205
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206・金子修
○政府参考人(金子修君) 刑事事件やら民事事件を通じて偽装認知による国籍取得が発覚したというような場合は市役所の方で戸籍の消除の手続に入るわけですけれども、その市町村における戸籍担当部門からシステム的に法務局が連絡を受けるというようなことにもなっていなく、かつ、そのようなものですから、あるいはそういうこともあって、法務局から入国管理局にその旨の情報提供もされないと。相談があれば今までも在留資格とか帰化とかあるいは外国籍の確認等の手続についてそれぞれの部署でしていたと思うんですが、その辺りの情報共有がシステム的にはうまくというか、構築されていなかったという現状があったと思います。
その点を踏まえまして、きちんとシステム的に連絡を、法務局の方が言わば情報のハブとなって連絡を受け、その旨を入管局の方に伝えるということで、例えば事前の調整をして、可能なら戸籍を消除する前にどういう対応ができるのか、あるいは消除した後でも、その後速やかに在留特別許可とか、そういうような手続につないでいくような調整ができるようになるんではないかと。
また、そういうことがシステム化されると言わば件数的にもきちんと把握されていくようになるんじゃないかというふうに考えて、この点は検討、そういうような方向で検討を進めていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/206
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207・仁比聡平
○仁比聡平君 大臣、今まずお伺いをしてみましたけれども、当局の御答弁ですね、そうした取組を是非本当に実効ならしめるために、まずはリーダーシップ取っていただきたいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/207
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208・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 局長が答弁いたしましたように、大事なことは、この各地の法務局ができるだけ早くその状況を察知するということが一番重要なところなんだろうと思いますので、その帰化の手続とか、在留資格に関する手続とか、外国籍の確認等の手続について、できるだけ早くその相談先に案内をするとか、入管当局と連携をしたりですとか、その情報を共有するなど関係機関と連携するとか、これ必要なわけですけど、早ければ早いほど、その法務局が状況を把握することが早ければ早いほどその手が打てるということでありますので、市町村との関係も含めまして、そういうきちんとした対応取れるように、私、目配りをしていきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/208
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209・仁比聡平
○仁比聡平君 ありがとうございます。
そうしたこの二〇〇八年以来の言わば総括の上に立って、今後どうするかということがとても大事だと思うんですね。金児参考人は、無戸籍ゼロと無国籍ゼロを一体で取り組んでほしいという趣旨のアドバイスをされました。私もそのとおりだと思うんです。
というのは、資料の三枚目にお配りをしましたけれども、今回の委員会質疑に提供いただくためにわざわざ民事局に無戸籍ゼロタスクフォースの概念図をポンチ絵にしていただいたのがこの資料なんですけれども、先ほど来、金子民事局長の御答弁にあるように、ハブですよね、法務局がハブになるという、その真ん中に法務局がハブになって、市区町村との関係、それから弁護士会や法テラス、家庭裁判所などとのネットワーク、地方協議会ですね、それから、全国各地の法務局がハブになりながら、その情報集約や情報提供指示という形で本省がきちんと役割果たすという、こうしたネットワークがつくられてきたんだと思うんです。
それは、前回の質疑で明らかになったように、二〇〇七年に大きな問題提起がされた無戸籍者問題、そして二〇一五年の取組もあってこうした取組が構築されてきたと。そういう意味ではシステムとして構築されてきたっていうことだと思うんですけれども、この無戸籍者対策の取組に言わば学んで、あるいは倣って、無国籍ゼロというこのタスクフォース的なものを是非御検討いただきたいと思うんですね。
そこで、ちょっと具体的に、まず民事局にお尋ねしたいと思うんですが、このハブのところ、ハブというか法務局って書いてあるところに伴走型支援とあるじゃないですか。全国の自治体でいうと寄り添い型の支援というような言葉を使っているところもありますけれども、例えば無戸籍者が把握されたときに、市区町村からの相談も受けて、法務局が家庭裁判所に法的手続のために同行支援を行うというような例もあるというふうに伺いましたけれども、この伴走型支援っていうのはどんな考え方なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/209
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210・金子修
○政府参考人(金子修君) もちろん、無戸籍の方が国籍を、ごめんなさい、戸籍をですね、作るまでの過程では、御本人にどうしてもアクションを起こしていただかなきゃいけない場面が出てきます。しかし、なかなか、幾つかそれのためには乗り越えなきゃいけない問題があります。あと、法律的な知識が必ずしもなければそれは難しいっていうこともありますし、具体的にどこの裁判所にどういう書類を出したらいいかということも分からないということもあると思います。そういうことがあるので、いろんなその情報を、手続案内といいますか、そういうことを丁寧に行う、で、場合によってはその書類を提出するのに付き添うというようなこともしているところもあるというように聞いております。一緒に同じ方向を向いて取り組んでいきましょうということで、伴走型あるいは寄り添い型と呼んでいるものと承知しています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/210
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211・仁比聡平
○仁比聡平君 いや、本当に大切な取組だと思うんですよ。現場の法務省の職員頑張ってくれているなと思うんですよね。
もう一点。先ほど国籍を遡って喪失したときの案内という関係で大臣の御答弁もあったんですけれども、特に母の母国の大使館、そこに国籍があるかも、国籍が取れるかもしれないという可能性が高いものですから、だから案内するというお話ありましたけれども、その大使館に寄り添って一緒に行くというような取組はこれまではどうやらないんじゃないかと思うんですけれども、実際に、あっ、もしかしたらあるかもしれません、ただ、これまで伺ったことはないんですが、実際に、日本人として暮らしてきて、学校に行っている、仕事をしている、その中で突然国籍を遡ってあなたは失いましたというふうに言われたときの大変さというのは、もう想像に余りありますよね。
それで、市区町村からもう私たち分からないから法務局行ってくださいと言われて、法務局からあなた国籍を失ったからどこそこの大使館に行ってくださいとか案内されるだけでは分からないじゃないですか。せめて、日本当局として、当該大使館に事前の連絡をする、あるいは必要なら一緒に行く。実際、母国語といったって、お母さんはしゃべれるかもしれないけど、子供はもう全然分からない、日本語しか分からないというようなことだって山ほどあるわけでしょう。
そういう意味での寄り添い支援が今後は僕は必要なんじゃないかと思うんですけれども、局長、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/211
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212・金子修
○政府参考人(金子修君) 外国籍を持っているかも、あるいは取れるかもというようなことについての手続の案内、これは例えば、相談先をお知らせして、ここへ行ったらいいよというようなことは今までもある程度あったのではないかと思いますが、おっしゃるとおり、先ほど、無戸籍者対策としての伴走型支援ですね、場合によってはその大使館、領事館に同行するとか、あるいはそういうことまで、今後少しこの新しいスキームを考える中でどこまで寄り添っていけるかということも併せて検討してみたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/212
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213・仁比聡平
○仁比聡平君 今日は、総務省それから文科省、厚労省の皆さんにもおいでいただいているんですけれども、というのは、無戸籍ゼロタスクフォースについてはこの省庁の、関係省庁の皆さんが一緒に力を連携しているわけですよね。
これ、その無国籍の問題でも強化をしていただきたいなというふうに思うんですけれども、自治体の市区町村の窓口で研修やマニュアルということを取組を進めていくことや、それから、学校で児童が突然国籍を失ったみたいな話になるとそれはもう大混乱でしょうから、教育委員会を始めちゃんと対応をいただけるようなアドバイスを本省としてもしていただく。あるいは、児童福祉の現場あるいはその市区町村などの窓口でそうした取組が必要になることもあると思うんですが、それぞれ一言ずつで結構ですので、法務省を中心にした取組が進む中で是非連携を強化していただきたいと思いますが、御認識を伺います。
今の順番で総務省から。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/213
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214・三橋一彦
○政府参考人(三橋一彦君) 無戸籍のタスクフォースにつきましては法務省において設置されたものでございますけれども、総務省は住民基本台帳制度を所管する立場から参加をいたしております。
住民票の記載は、戸籍法に基づく出生届が提出され、これを基に行われるのが原則でございますが、何らかの理由により出生届が提出されていない子に係る住民票の記載や就籍の届出に至らない者に係る住民票の記載についてその考え方をまとめ、自治体に通知しているところでございます。
また、法務省が作成しております無戸籍の方の戸籍作成に係るリーフレットを始め、戸籍、無戸籍の方の戸籍作成に係る資料や動画が法務省のホームページに掲載されていることを市区町村に周知し、その活用を依頼しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/214
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215・森友浩史
○政府参考人(森友浩史君) お答え申し上げます。
無戸籍ゼロタスクフォースのメンバーといたしましては、文科省として、無戸籍の学齢児童生徒の居住が判明した場合の対応ですとか、あるいは無戸籍の学齢児童生徒に対するきめ細かな支援、例えば教育委員会が無戸籍の学齢児童生徒の情報を把握したときに、速やかに戸籍担当部局に連絡するといったことですとか、あるいは当該児童生徒が抱える教育上、生活上の課題に適切に対応するといったことにつきまして教育委員会等に通知をしているところでございまして、こういった状況も踏まえまして、文科省として、委員御指摘のような課題に関係府省庁とともに向き合うよう努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/215
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216・野村知司
○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。
児童福祉法、こちらの方は、御案内かとは思いますけれども、国籍とか戸籍のあるなしにかかわらず、虐待を受けているとか、家庭の養育では困難であるとか、あるいは保育が必要であるという場合には児童福祉法による福祉の対象になるというような仕組みでございます。
そうした仕組みでもございますので、この無戸籍者タスクフォース、こちらの中での議論なども踏まえまして、例えば無戸籍者については、自治体に対して、その無戸籍の児童を把握したならば戸籍担当部局に連絡する、あるいは法務局に相談を案内するなど、そういった無戸籍者への支援といったものをお願いをしているところでございます。
厚生労働省といたしましても、今後、必要に応じて、そういった無戸籍者あるいは無国籍者、そういった者への対応について、法務省など関係省庁と必要な連携協力は行ってまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/216
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217・仁比聡平
○仁比聡平君 ありがとうございました。
大臣、そうした関係省庁との連携を深めていく上では、まあ幾つか課題も出てくるかもしれないんですけど、是非、先ほど伺ったようにリーダーシップを図って、取っていただきたいとお願いをしておきたいと思います。
ちょっと時間が迫りましたけれども、婚姻法、特に嫡出概念の見直しについて、残る時間お尋ねをしたいと思います。
資料に、先ほど福島議員から質問のありました戸籍の記載についての平成十六年の通知、通達に基づく記載例を法務省からいただいて、お配りをしています。
つまり、嫡出でない子ということが分かる、男とか女という記載を本人の申出によって更正すると、これを再製というんですが、すれば、その戸籍に残っていた、この更正したという記録というのもなくなっていくということなんですけれども、民事局長、これ、こうした取組を平成十六年、あるいはその後、平成二十二年にも関連する通知を出しておられますけれども、これやっぱり、嫡出子、嫡出でない子という、こうした記載が母親そして子供にとってやっぱり大きな負担になっていると、だからこういう記載をできるようにするということだと思うんですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/217
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218・金子修
○政府参考人(金子修君) 御指摘のとおり、戸籍の記載から嫡出子と嫡出でない子が立ち所に判明するようなものについてはできるだけ避けるという趣旨で累次の通達を、通知あるいは通達を出して対応してきたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/218
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219・仁比聡平
○仁比聡平君 もう一つ、数枚めくっていただくと、平成二十二年三月二十四日付けの七二九号通知というのがあります。これは、嫡出でない子の出生の届けに当たって、続き柄欄に嫡出子又は嫡出でない子の別を記載するようというふうに本則なっているんだけれども、記載してねということで補正を求めても、いや、いろんな事情で、そうではなくてというお母さんの出生届について、その届出書きの附箋あるいは余白に認定した内容を明らかにした上で出生届を受理すると。つまり、嫡出、非嫡出と、あるいは嫡出推定で前夫の子というようなことでない出生届を受けるという通知だと思うんですが、そういうことでいいですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/219
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220・金子修
○政府参考人(金子修君) 御指摘の平成二十二年の七二九号、民事局民事第一課長通知ですけれども、これは御指摘のとおり、出生届出には嫡出子と嫡出でない子を区別する届け、記載欄はあるんですけれども、その続き柄欄の記載がされていないなどの不備があっても、補正を、で、補正に応じない場合であっても、市区町村長において補正すべき内容を認定できれば出生届を受理するという取扱いを示したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/220
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221・仁比聡平
○仁比聡平君 この取組も、長い間のこの嫡出子あるいは嫡出推定ということをめぐる、本当に苦しんできた女性たち、お母さんたちのですね、その声の中で動いてきているものだと思うんですよ。実際、市区町村の戸籍窓口から目の当たりにするわけです、その苦しみを。
この嫡出推定制度とその戸籍記載の問題をこれは変えなさいという要求が現場からどんどん上がってきましたよね。だからこそ、民事局長はこの嫡出制度のそうした抱えてきた問題ということについてよく御存じなんだと思うんです。
かつて、平成二十四年の七月二十七日の衆議院の法務委員会で、当時の原民事局長が、嫡出である子あるいは嫡出でない子という言葉が使われておりますので、この言葉を今後、法改正する場合にどうするのかというのは検討事項であるというふうに考えておりますと御答弁されたことがあって、今日も、局長、この検討という御答弁がありました。とても大事な御答弁だと思います。
この嫡出概念や嫡出推定というのをどう考えるのかということについて、やっぱり大臣を始めとして政治家がこの問題の解決に向けてどうリーダーシップ執るのかということがとても大事だと思うんですよね。現場、あるいは当事者はもちろんですけど、現場はこれはもう変えるべきだと考えてきたんだと思うんですよ。
そこで、ちょっと時間がなくなりましたから一問だけ大臣に伺いますけれども、前回の参考人質疑で二宮参考人がこの嫡出という言葉について説明をされました。嫡という言葉は、大宝律令辺りから出てきている言葉で、跡継ぎ、正統なる相続人という意味合いだと、家制度の中で嫡出子と、それ以外の庶子、私生児と、子供を三つに分けて、嫡出子が基本的に家督相続、家の跡継ぎとなると、その下で庶子とか私生児という立場にいる人はかなり差別的待遇を受けて苦しんでこられたと。なので、社会的な、社会の受け止めはそこから始まっているのではないか。家父長制の意識というのはまだまだ残っていて、それが、婚姻をして子供をもうけて育てていく、それが正統な家族で、そうでないのは正統でないというような差別的な概念になっているのではないかという指摘、これはもっともだと思うんですが、大臣はこの二宮参考人の意見に対してどう思われましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/221
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222・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 嫡出という用語が用いられてきた社会的、歴史的な背景というのがあるわけで、それを踏まえて嫡出の用語を見直すべきだという指摘があるということは承知をしています。
一方で、嫡出でない子という用語について、最高裁判所では、民法の規定上、法律上の婚姻関係にない男女の間に出生した子を意味するものとして用いられているものであり、差別的な意味合いを含むものではないという判示も一方であるわけであります。
したがいまして、法令用語につきましては、当然、社会情勢の変化等に対応して不断に見直しをしていくことが重要であろうと私は考えておりますので、法務省として引き続き検討を進めていきたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/222
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223・仁比聡平
○仁比聡平君 引き続き検討を進めていきたいと、その検討を本当に深めていただきたいと思います。
資料の最後に、もう時間、聞けなくなりましたけれども、最後に、十一月三十日の東京地方裁判所での結婚の自由を全ての人に訴訟の判決部分から、私がとても胸を打たれた部分だけ引用させていただきました。
婚姻は、親密な人的結合関係について、その共同生活に法的保護を与えるとともに、社会的承認を与えるものである。このように親密な人的関係を結び、一定の永続性を持った共同生活を営み、家族を形成することは、当該当事者の人生に充実をもたらす極めて重要な意義を有し、その人生において最も重要な事項の一つであるということができるから、それについて法的保護や社会的公証を受けることもまた極めて重要な意義を持つものということができると。
これ、とても自然で、多様なカップルの姿、それが一人一人の尊厳に関わる大切なことだということが浮かんでくる考え方だと思うんですね。だからこそ、先ほど石川議員からありましたけれども、これが一生、生涯できないということは個人の尊厳に関わる重要な人格的利益を侵害する人権問題だということが大きな課題になっているわけで、大臣に是非向き合っていただきたいということ、最後にお願いして、質問終わります。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/223
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224・杉久武
○委員長(杉久武君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、高橋はるみ君が委員を辞任され、その補欠として堀井巌君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/224
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225・杉久武
○委員長(杉久武君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
本案の修正について仁比君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。仁比聡平君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/225
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226・仁比聡平
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
ただいま議題となっております民法等の一部を改正する法律案に対し、日本共産党を代表して、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。
これより、その趣旨について御説明申し上げます。
本法律案は、女性に対してのみ婚姻の自由を不当に制約してきた再婚禁止期間に関する規定が削除されるほか、児童虐待を正当化する口実に利用されてきた懲戒権に関する規定が削除されるなど、女性や子供の権利利益の保護の観点から大変意義のあるものであり、全体として賛成するものです。
しかしながら、本法律案に含まれる国籍法第三条第三項の新設は問題です。
政府は、この国籍法の改正は、今回の民法改正により、事実に反する認知についてその効力を争うことができる期間が設けられることを前提として、たとえ事実に反する認知の効力を争えなくなった場合でも、事実に反する認知によっては日本国籍を取得することができないことを明らかにする規定である旨説明しています。
認知により日本国籍を取得した子について、血縁関係がないことが明らかになった場合、その子に何ら責任がなくても、国籍取得時に遡って日本国籍を失い、在留資格のない非正規滞在の扱いを受けることになります。とすれば、日本で生まれ、日本人として円満に暮らしてきた生活の基盤、日本人としての名前や、就職していればその職、自らのアイデンティティーが奪われるという重大な不利益を受けます。さらに、日本国籍を失った結果、いずれの国籍も持たない無国籍になってしまう危険があります。それは、国際人権基準に反する非人道的なことです。
先日の当委員会で、政府は、従前からの確立した規律を明文化すると答弁しました。ところが、その運用によって国籍を遡って喪失した件数も、その後の出国の有無や在留許可の実情、帰化が認められたのか否かも、統計的に把握していないことが明らかになりました。改正案の重要な立法事実である確立した規律の実態さえ説明できない条文を、拙速に成立させるべきではありません。
当委員会で、国連難民高等弁務官事務所の金児参考人は、無戸籍ゼロと一緒に無国籍ゼロ、それを一緒に進めていくために修正が望ましいと述べられました。
井戸参考人も、無戸籍者、そして無国籍になるおそれがある場合も含めて、まずは何よりも先に登録されるという法律的枠組みが必要なのではないかと述べられました。
窪田参考人も、非常に深刻なものであって、特に無国籍になる場合ということに関しての一定の対応が必要と述べられました。
また、二宮参考人は、本法案が認知の無効の訴えに関する出訴権者や出訴期間を限定している点を指摘し、国家的利益が関わることだといっても、身分関係の安定性という国民の親子関係に関わることを不当に介入することは許されないとまで述べられました。
参考人が、そろって深刻な問題を指摘したのです。
このような理由から、国籍法第三条第三項に関する改正規定は本法律案から削除すべきであると考えます。
以下、修正案の概要について御説明申し上げます。
第一に、認知について反対の事実があるときは、認知された子の国籍の取得に係る規定は適用しないものとする国籍法第三条の改正規定を削除することとしております。
第二に、所要の規定を整理することとしております。
以上が修正案の趣旨であります。
何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/226
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227・杉久武
○委員長(杉久武君) これより原案及び修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに民法等の一部を改正する法律案について採決に入ります。
まず、仁比君提出の修正案の採決を行います。
本修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/227
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228・杉久武
○委員長(杉久武君) 少数と認めます。よって、仁比君提出の修正案は否決されました。
それでは、次に原案全部の採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/228
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229・杉久武
○委員長(杉久武君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、牧山君から発言を求められておりますので、これを許します。牧山ひろえ君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/229
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230・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 私は、ただいま可決されました民法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
民法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 嫡出の推定が及ぶ範囲の見直し及びこれに伴う女性に係る再婚禁止期間の廃止など本法による改正内容について十分な周知に努めること。特に、本法の施行の日前に生まれた子に適用される子及び母の否認権の行使については本法の施行の日から一年間に限り認められていることに鑑み、対象となる無戸籍者等に対する周知が遺漏なく行われるよう努めること。
二 本改正が無戸籍者対策として行われることに伴い、無戸籍者が司法手続を利用しやすくするための支援や、行政サービスを受けられるよう、関係機関が綿密な連携に努めること。
三 母や子が父を相手に否認権を行使するに当たり、DVや児童虐待等がある場合があることを踏まえ、相手方と対面することなく、また、相手方に住所等を知られることなく手続を行うことができる措置を講じるなどの柔軟な運用について周知すること。
四 本法施行後も、本改正が無戸籍者問題の解消に資するものとなっているかを継続して検証し、必要に応じて、嫡出推定制度等について更なる検討を行うこと。
五 国籍法第三条の改正により、国籍取得後に事実に反する認知が明らかとなった場合には、認知の無効を争うことができなくなった後であっても当該認知された子の国籍取得が当初から無効であったこととなり日本国籍が認められなくなることを踏まえ、無国籍者の発生防止・削減の観点や日本人として生活していた実態等を十分に勘案して、当該子の法的地位を速やかに安定させるよう、帰化又は在留資格の付与に係る手続において柔軟かつ人道的な対応を行うこと。
六 政府は、本法施行後、国籍取得後に事実に反する認知が明らかになり、国籍取得が当初から無効となる子の件数及びその原因を把握し、必要に応じて、それに伴う課題等の有無を検討すること。
七 民法の懲戒権の規定に関しては、児童虐待の口実として使われることを防止するために当該規定の削除等が行われることを踏まえ、体罰等は許されないという認識を社会全体で共有するために積極的かつ細やかな広報活動を行うなど、本改正の趣旨についての周知徹底及び関係機関との連携に努めること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/230
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231・杉久武
○委員長(杉久武君) ただいま牧山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/231
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232・杉久武
○委員長(杉久武君) 全会一致と認めます。よって、牧山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、齋藤法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。齋藤法務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/232
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233・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) ただいま可決されました民法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
また、最高裁判所に係る附帯決議につきましては、最高裁判所にその趣旨を伝えたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/233
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234・杉久武
○委員長(杉久武君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/234
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235・杉久武
○委員長(杉久武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015206X01020221208/235
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