1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年十一月十一日(金曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第六号
令和四年十一月十一日
午前十時開議
第一 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙
期日等の臨時特例に関する法律案(内閣提出
、衆議院送付)
第二 最高裁判所裁判官国民審査法の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第三 一般職の職員の給与に関する法律等の一
部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
)
第四 特別職の職員の給与に関する法律の一部
を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第五 ガス事業法及び独立行政法人エネルギー
・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
第六 防衛省の職員の給与等に関する法律の一
部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
)
第七 競馬法の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
第八 港湾法の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
一、感染症の予防及び感染症の患者に対する医
療に関する法律等の一部を改正する法律案(
趣旨説明)
一、日程第一より第八まで
一、国会議員の秘書の給与等に関する法律の一
部を改正する法律案(衆議院提出)
一、参議院の組織及び運営の改革に関する協議
会の設置についての報告
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/0
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001・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより会議を開きます。
この際、日程に追加して、
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/1
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002・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。加藤勝信厚生労働大臣。
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/2
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003・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま議題となりました感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある感染症の発生及び蔓延に備え、発生の初期段階から効果的に対策を講ずることができるよう、保健・医療提供体制を構築する必要があります。
このため、国、都道府県及び関係機関の連携協力による入院医療、外来医療、医療人材及び感染症対策物資等の確保の強化、保健所や検査等の体制の強化、情報基盤の整備、機動的な予防接種の実施、水際対策の実効性の確保等の措置を講ずることを目的として、この法律案を提出いたしました。
以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
第一に、都道府県知事等は、国の基本指針や都道府県の予防計画、医療計画に沿って、新型インフルエンザ等感染症等に係る医療提供体制の確保について、医療機関等と協定を締結することとします。加えて、公立・公的医療機関等、地域医療支援病院及び特定機能病院に対しては、その機能を踏まえ感染症発生時に担うべき医療の提供を義務付けます。
また、感染症の流行初期段階における医療の提供を行う協定を締結した医療機関について、協定に基づく措置を講じたことに伴い、感染症の発生前と比べて診療報酬の収入が減少した場合に、医療の確保に要する費用を支給することとします。
第二に、宿泊療養又は自宅療養を行う患者への健康状態の報告の求めについて、都道府県知事等は、協定を締結した医療機関等に委託することができることとします。また、当該患者が受けた医療について、都道府県等がその費用を負担する仕組みを創設します。
第三に、感染症患者に対する医療を担当する医療従事者等に係る国による広域の応援調整の仕組みや、都道府県知事の求めに応じて災害・感染症医療に従事する者の養成、登録の仕組み等を整備します。
第四に、都道府県は、保健所設置市、特別区その他関係者により構成される連携協議会を組織するとともに、緊急時の入院勧告等について、保健所設置市、特別区に指示することができることとします。また、感染症発生時等における保健所等の人材の確保を支援する仕組みを整備するほか、都道府県等は、専門的な調査研究や試験検査等に必要な体制整備等を行うこととします。
第五に、医療機関による届出等について、電磁的方法による入力を努力義務とするとともに、感染症情報と医療保険の給付の費用に関する情報等との連結利用等を可能とする規定を整備します。
第六に、感染症対策物資等の確保のため、緊急時に厚生労働大臣が事業者に対し、生産の促進の要請及び必要な支援等を行うことができることとします。
第七に、新たな臨時の予防接種の類型、ワクチン製造販売業者等と損失補償契約を締結することができる枠組み、個人番号カードにより予防接種の対象者を確認することができる仕組み等を導入します。
また、厚生労働大臣及び都道府県知事の要請により、医師、看護師等以外の一部の者が新型インフルエンザ等の検査のための検体採取や予防接種のための注射行為を行うことを可能とする枠組みを整備します。
第八に、検疫所長は、新型インフルエンザ等感染症の病原体に感染したおそれのある者であって居宅等から外出しないことの協力の求めに応じないもの等に対し、外出しないことの指示及び報告の求めができることとするとともに、報告の求めに応じない場合等の罰則を設けます。
最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、令和六年四月一日としています。
政府としては、以上を内容とする法律案を提出いたしましたが、衆議院において、次の三つの事項を主な内容とする修正が行われたところであります。
第一に、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状に係る医療の在り方について、科学的知見に基づく適切な医療の確保を図る観点から速やかに検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
第二に、新型コロナウイルス感染症に関する状況の変化を勘案し、当該感染症の新型インフルエンザ等感染症への位置付けの在り方について、感染症法第六条に規定する他の感染症の類型との比較等の観点から速やかに検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
第三に、副反応に関する情報を含む予防接種の有効性及び安全性に関する情報の公表の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/3
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004・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。島村大君。
〔島村大君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/4
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005・島村大
○島村大君 自由民主党の島村大です。
私は、ただいま議題となりました感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部改正案につきまして、会派を代表して質問いたします。
新型コロナウイルス感染症との闘いは既に三年を超えています。私の地元神奈川県内の病院は、武漢からのチャーター便や横浜港に入港したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の乗客など、最初の感染者の対応に当たりました。
この間、政府・与党は、感染メカニズムすらよく分からなかった未知のウイルスに対して、感染拡大の抑制と医療体制等の構築、そして行動等制限に伴う経済や生活への影響の緩和、さらにはコロナ禍からの需要回復や地域活性化、ウイズコロナ下での感染症対応の強化のために、五度にわたる緊急経済対策を講じ、これまでに例を見ないほどの思い切った措置を講じてきました。今現在、世界は、ウイズコロナ社会の構築に向けて経済活動を元に戻す方向で動いております。
ただ、国内は現時点で新規陽性者数が増えつつあり、第八波、さらにインフルエンザとの同時流行への不安もあります。ウイルスが変異し、BQ.1、XBBなど、また別のウイルスや細菌による感染症が起こる可能性も否定できません。
そのような脅威が常に存在する中、国民の皆様の命と暮らしを守るためには、これまでの新型コロナとの闘いの中で得た経験や知識を活用し、より効果的で実効性のある保健医療提供体制の整備を図ることが極めて重要です。
そこで、ここまでのコロナ対策への認識と、それを踏まえた新たな法的な枠組みを、対応についての基本的な考え方をまず岸田総理にお伺いいたします。
今回の法改正により、都道府県知事は、国の基本指針や都道府県の予防計画、医療計画に沿って、新型インフルエンザ等感染症等に係る医療提供体制の確保について医療機関等と協定を締結することに加え、公立・公的医療機関等、地域医療支援病院及び特定機能病院に対して、感染症発生時にその役割を踏まえ担うべき医療の提供を義務付けることとなります。
コロナ感染症拡大時、必要な医療を確保できず感染症病床が不足し、入院を必要とする人が入院待機となったり、発熱外来を実施する医療機関の数が足りず、症状が出ても受診できないことがありましたが、このような事態を回避するためだと思います。
そこで、この医療機関との協定の法定化や医療提供の義務化により、具体的にどの程度医療提供体制が強化されると想定しているのでしょうか。
また、協定を締結し、感染症への医療提供の義務化が発生するとなれば、発熱等の症状がある人と一般外来を受診する人との動線を分離するなどの対応が不可欠だと考えますが、必要な準備やその整備に係る費用への財政的な支援措置はどうなるのでしょうか。
さらに、公立・公的医療機関が感染症への医療提供に比重を移したときに、感染症以外の診療・治療体制をどのように維持していくのでしょうか。これらの点について、加藤厚生労働大臣にお伺いいたします。
今回の法改正では、協定を締結した医療機関が、感染患者への医療の提供のために一般医療の提供を制限したことで感染症流行前の診療報酬収入を下回った場合、流行初期の診療報酬の上乗せや補助金等が充実するまでの一定期間に限り、その差額に対して財政的な支援が行われることとなります。
ただ、根本的には、医療提供体制は、しっかりとした経営が成り立つことで医療機器の更新や購入、あるいは人件費の引上げや医療従事者の働き方改革ができるのであり、そのためには、例えて言えば、現在、自転車操業的な医療経営が多い中で、感染症発生時に倒れないようにするだけではなくて、通常時から安定して走る経営体力が必要です。
まずは、協定を締結する医療機関の減収分への対応として、財政的な支援において、国や都道府県、各保険者の支払割合はどうなるのか、そして基本的な考え方はどのようなものなのでしょうか。
また、流行初期において、協定締結医療機関がしっかりと対応するには医療経営の安定と医療提供体制の整備が必要ですが、そのためには診療報酬のあるべき姿をどのようにお考えでしょうか。厚生労働大臣にお伺いします。
今回のコロナ禍で、感染症対策の拠点として機能することを期待されていた保健所は、急速かつ広域な感染拡大の中、業務が逼迫してしまいました。そのこともあり、都道府県と保健所設置市や特別区との間で、円滑な入院調整ができない、応援職員の派遣のニーズを共有できない、迅速な情報共有ができないなどの問題が発生したことは、今後解決すべき課題となりました。
私の地元神奈川県の政令都市からは、様々なアンケート調査に対して、政府の方針等は都道府県と同時に指定都市に対して情報提供すべき、また、専門性を要する医療体制については地域の実情に応じた医療体制の迅速な確保に向けて感染者が多い指定都市と県の役割分担を明確にすべき、さらには、コロナ緊急包括支援交付金は指定都市が直接交付を受けられるようにするべきといった趣旨の意見が出されています。
このように、感染症対策における都道府県と政令都市、あるいは保健所設置市との関係について検討すべき課題が明らかにされていますが、これらの関係や連携をどのように改善していくお考えでしょうか。厚労大臣にお伺いいたします。
新型コロナ感染拡大の重症化の抑制について、ワクチンは大きな効果を果たしました。しかし、海外で開発されたワクチンに頼ることとなったため、ワクチン接種の最初の段階では、国際的なワクチン獲得競争の中で入手への不安があったことも確かです。
参議院自民党が、令和三年の年初、最初のワクチン接種に向けて準備を進める全国の自治体から懸念や課題を聞き取った際にも、ワクチンがいつどのぐらい届くのかという情報がなかなか入らず、接種に必要な医療従事者の場所の確保ができないといった声が数多くありました。
そこで、国産ワクチンが開発でき、あるいは国内需要を賄うだけのワクチンが国内製造でできるようになればこの不安は大きく軽減できますが、感染症対策の鍵となるワクチンの確保に向けてどのような対応をしていくこととなるのでしょうか。
また、全国の自治体から参議院自民党に寄せられた声で最も多かったのは、医療関係者等の人員の確保を訴えるものでありました。政府が行ったアンケート調査でも、自治体の二割程度で医師、看護師の不足があると回答しております。
このワクチン接種についても、歯科医師など、医師、看護師以外の医療関係者が可能となるよう、あらかじめ法的な枠組みが明確に与えられていれば、いざというときでも迅速かつ円滑な対応ができると考えます。例えば、歯科医師を養成する大学歯学部では、口腔だけではなくて、頭から足先まで一年間を掛けて、献体された皆様方に心から敬意と感謝をささげながら人体解剖を実習させていただき、体全体の筋肉の勉強や筋肉注射の実習も行っております。今まで、実際、延べ三万三千人の歯科医師が約二百万人の方々へワクチン接種を行わさせていただきました。
これまでの対応への評価を踏まえた上で、実効性の面からどのように法的な側面の整備について対処していくか、お考えでしょうか。
これらの点を厚生労働大臣にお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/5
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006・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 島村大議員の御質問にお答えいたします。
これまでの新型コロナ対策への認識と新たな法的な枠組みについてお尋ねがありました。
今般の新型コロナ対応において、医療機関の迅速な人員確保や入院調整、病床確保の困難さ、保健所業務の逼迫、医療物資の不足などの課題があり、平時からの感染症危機管理の重要性が浮き彫りとなったと考えております。
これを踏まえ、平時からの予防計画に沿った医療機関との協定の締結、そして保健所機能や検査体制の強化、また機動的なワクチン接種の実施等について、政府としてその枠組みを法定化し、流行の初期段階から速やかに機能する保健医療提供体制の構築を図ることを目的とし、感染症法等の改正を行うことといたしました。
こうした仕組みを通じて、国民の命と健康を守るため、次の感染症危機に万全を期してまいりたいと考えております。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/6
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007・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 島村大議員から五問の質問を頂戴いたしました。
まず、医療機関との協定の法定化などについてのお尋ねがありました。
今般の改正案では、民間医療機関を含めた全ての医療機関に対し、その機能や役割を踏まえ、都道府県との協定の協議に応じる等の義務を課しているほか、公立・公的医療機関等については、通常の民間医療機関とは異なる能力や位置付け等を有していることを踏まえ、地域の実情等に応じて医療の提供を義務付けることとしております。
こうした仕組みにより、医療資源に限りがある中、平時より役割分担を明確化し、流行の初期段階から速やかに立ち上がり、機能する医療提供体制を確保することとしています。また、協定にはその履行に要する費用の負担方法も盛り込むこととしており、具体的な内容は都道府県知事と各医療機関の協議の中で決定をいたします。
その上で、民間医療機関も含め、協定締結医療機関については、有事の対応のみならず、平時からの設備整備に要する費用についてもその一部を国が補助できる旨の規定を設けることとしており、これも含め、法施行に向けて、予防計画の策定状況も踏まえながら具体的内容等を精査し、検討してまいります。
さらに、今般の改正案では、都道府県が策定する予防計画と医療計画において、感染者、感染症患者を受け入れる病床確保を担う医療機関だけではなく、感染症患者以外を受け入れる医療機関についても数値目標を盛り込み、この計画に基づき、都道府県と医療機関が協定を締結することとしております。
こうした取組などを通じて、それぞれの医療機関の地域における役割分担と連携を明確化することにより、通常医療の提供を継続しつつ、迅速かつ的確な感染症対応を行うことが可能になるものと考えております。
医療機関への財政支援についてお尋ねがありました。
流行初期医療確保措置における公費と保険料の負担割合は一対一としております。これは、新型コロナに対応した重点医療機関の令和二年度における収益構造が、感染症流行初期には影響を受けにくいと思われる中長期の入院医療費を除くと、保険診療分の割合が約五割、保険外の医業収益、患者の自己負担相当分、病床確保料等の補助金等の割合が約五割となっていたことを踏まえて定めたものであります。
また、国と都道府県の負担割合は三対一としています。現行の感染症法の財政支援規定の多くは国と都道府県の負担割合が一対一とされていますが、流行初期医療確保措置を含む協定締結医療機関に対する財政支援については、その内容の重要性などに鑑み、国の負担割合を通常よりも高くしているところであります。
診療報酬については、医療機関の経営状況や物価、賃金の動向、保険料負担や患者負担といった国民負担の在り方を総合的に勘案しながら、医療機関がその機能を果たしていただけるように検討を行い、協定締結医療機関を含む医療機関に対する適切な評価を行ってまいります。
加えて、今般の改正法案においても、大きな経営上のリスクがある流行初期の感染症医療を確保できるよう、感染症流行前と同じレベルの収益を補償する流行初期医療確保措置を導入することとしたところでございます。
感染症対策における自治体間の連携についてお尋ねがありました。
今回の新型コロナ対応では、入院調整の方法や応援職員の派遣、情報共有などをめぐって都道府県と保健所設置市等との間の連携が十分でないケースが見られました。
このため、今般の改正案では、次の感染症危機に備える観点から、平時から都道府県や保健所設置市等、医療関係者等から構成される都道府県連携協議会を立ち上げ、入院調整の方法や医療人材の確保、保健所体制、情報共有の在り方などを協議することを通じ、相互の連携を強化することとしております。
また、平時の体制整備や感染症発生、蔓延時における人材確保等、感染症対策全般について都道府県が保健所設置市等に対し総合調整を行うことや、緊急時には入院勧告・措置について都道府県が保健所設置市等に対し指示することができるとしております。
こうした取組を通じて、都道府県と保健所設置市等の連携を強化し、必要な対策を迅速に行えるようにしてまいります。
ワクチンの確保についてお尋ねがありました。
新型コロナワクチンに関しては、日本医療研究開発機構、AMEDの事業を通じた研究開発支援やワクチン生産体制等緊急整備基金による有効性を検証する臨床試験の実施費用の補助、生産体制の整備に関する支援などを行うことによって、海外企業のワクチンの国内製造を実現するとともに、開発に取り組む複数の国内企業が現在第三相の臨床試験を実施するに至っております。
また、これからの感染症対策として、昨年六月にワクチン開発・生産体制強化戦略が閣議決定をされ、AMEDにおいて先進的研究開発戦略センター、SCARDAを設置するとともに、経済産業省においてデュアルユースのワクチン製造拠点などを決定したところと承知をしております。
国内でワクチンを確保できるよう、関係省庁と連携しながら体制整備を引き続き推進してまいります。
ワクチン接種の担い手についてお尋ねがございました。
新型コロナワクチンの接種に当たっては、医師や看護師が不足する中で、公衆衛生上の観点からやむを得ないものとして違法性阻却の考え方をお示しし、歯科医師等の医師、看護師等以外の者が医師の適切な関与の下で注射行為を行い得ることとし、必要な医師や看護師等が確保できない地域においてワクチン接種に適切に御協力をいただいたところでございます。この場をお借りして感謝を申し上げたいと思います。
その上で、感染症発生、蔓延時に注射行為を行い得る職種をどこまで拡大するかについて厚生労働省の検討会で検討を行いました。医療安全を確保する観点から、基本的な教育を受けており、かつ、実際に業務を行う上での技術的基盤を有していることが重要であるため、歯科医師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士及び救急救命士を対象とすることが適当であるとされました。
これを踏まえ、今般の改正案では、感染症発生、蔓延時に特に必要である場合には、医師、看護師等以外の一部の者が診療の補助として注射行為を行うことができる枠組みを整備することとしております。
各医療関係職種が専門性を生かしつつ、円滑にワクチン接種を実施できる体制を構築してまいります。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/7
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008・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 川田龍平君。
〔川田龍平君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/8
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009・川田龍平
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。
ただいま議題となりました感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問いたします。
議題に入る前に、冒頭、総理にお聞きします。
一昨日、葉梨法務大臣から、死刑の判こだけなどという聞くに堪えない暴言がありました。総理も内容を把握されているとのことですので、端的にお聞きします。
葉梨大臣は、法務大臣としての資質を決定的に欠いています。即刻辞めるべきです。総理の見解をお聞きします。
国家が人の命を奪う死刑執行は、究極の人権侵害行為です。もし総理がそれでも職務を続けさせるというのなら、あの発言は撤回すれば済むと総理がお考えだということになります。撤回すれば問題のない程度の発言ということでよろしいのでしょうか。お答えください。
その上で、葉梨大臣、あの発言のどこの何が問題と思って発言を撤回されたのでしょうか。しっかり御説明ください。撤回すれば問題ないという認識かどうかもお答えください。これだけ批判を浴びてもなお大臣を辞めるおつもりはないのか、改めてこの議場に集う議員全員にしっかり御説明ください。
大臣は、御自身のホームページの二〇一一年のコラムにおいて、当時の法務大臣辞職などを引き合いに、閣僚としての適性を欠く方を交代させるのは当然のことと自らおっしゃっているではないですか。この御自身のお言葉を踏まえれば、当然のこととして、当然辞任されるべきと考えますが、いかがですか。
総理も海外に出張されてよくお分かりだと思いますが、海外では、もはやマスクをしている人の方が少ないです。カナダ、フランスなどでは、四回目のコロナ接種については、六十五歳以上の高齢者と、限られた職種、重症化リスクの高い集団に限定的な接種推奨がなされています。先月十月二十日からニュージーランドの入国制限は撤廃されました。
海外の事例について、総理、いかがお考えですか。
新型コロナウイルスの効果は短期間に減衰し、オミクロン株にウイルスが変異してからは、重篤化は季節性のインフルエンザよりも低くなっていることに加え、乳児に対しては中長期的な副反応も分かっていません。
リスクとベネフィットを考慮したときに、特に子供たちへのオミクロン株対応のコロナワクチンの接種については、十分な情報提供がされた上で保護者も判断できるようにするべきと考えますが、総理の見解をお聞かせください。
薬害エイズを経験した私は、政府の不作為により、十歳のときにHIVに感染をしました。当時は治療薬もなく、免疫の状態が良くないときに風邪を引いたら死ぬとも言われていました。免疫がなければ、体が弱っていれば、風邪も死の引き金になるのかもしれません。
感染症から患者を守るためには、コロナなどの感染症にかかる前に、ほかの大病の早期発見のための検査や健診、早期の病院にかかれる体制を整えなければなりません。最近は、梅毒などの感染症や、ステージ4のがんが突然発見されたり、がんが再発される方なども増えてきていて、その段階に移行しているのだと思います。
まず、新型コロナ対策の基盤となる統計の取り方に疑問があります。
御存じのように、陽性者イコール感染者ではありません。しかしながら、この統計には、コロナ以外の原因、例えば交通事故死で亡くなった方々も大勢コロナ死に含めてしまっています。対策を立てる元データとして、純粋にコロナで亡くなった人は一体何人なのでしょうか。
愛知県愛西市の集団接種会場で、今月五日、四回目のワクチンを接種した女性が、容体が急変し、その後亡くなっていたことが判明しました。この女性は、市の集団接種会場で五分ほど待機していたところで容体が急変し、その後死亡したとのことです。新型コロナワクチンBA.5対応のワクチンでの死亡例は初めてではないかと思いますが、愛知県の例のようなワクチン接種後に亡くなった事例は何件あると把握していますか。
先月二十日、ワクチン接種後に亡くなった人の遺族十二人が記者会見をして、遺族会が立ち上がりました。原因の究明と正確な情報公開を求めています。副反応被害の申請も五千件を超えました。この遺族会が立ち上がった事実と、彼らの求めていることについての見解をお聞かせください。
また、コロナワクチンの定期接種化についてお尋ねします。
コロナワクチンの感染拡大防止効果のテストはしていないとのメーカー側の証言がEU議会で問題になっています。
アメリカでは、先月二十二日、米国疾病対策センターがコロナワクチンの定期接種化を決定した同じ日に、ファイザー社がワクチン価格を四倍に値上げすることを公表しました。現在、全米の約半数、二十四の州が、明確な根拠がないという理由から学校へのワクチン接種義務を拒否しています。
我が国の定期接種化が必要なのか、政府の考えをお答えください。
最大の問題は、ワクチンについての情報の不透明性です。
先週、研究者の方々とオンライン勉強会をしましたが、ウイルス研究者が、このコロナワクチンの研究をしたくても、企業秘密で、ワクチンそのものも、どんな方法で治験されたのかの詳細も全く手に入らないと困り果てていました。メーカーとの秘密協定の中で、肝腎の情報が公開できないワクチンを国民に定期的に接種されるのでしょうか。これだけ大規模にワクチン接種をやっているのに政府が情報を伏せている。政府は一体何のためにあるのでしょうか。
国民の間に不信感が渦巻いているのが見えますか。薬害エイズ事件は、政府と企業による情報隠蔽が千数百名もの被害を出し、七百名以上の命を奪ったのです。今回は規模が違います。比較になりません。
総理、一番大事なことを分かっておられるでしょうか。薬害の最大の原因は情報隠蔽なのです。そして、総理は日本国民の命を預かっているのです。ワクチンについて研究者たちに直ちに必要な情報を提供してください。いかがですか。
以前もこの場で申し上げましたが、大事なことなのでもう一度申し上げます。命を守らない政府なら、必要ないのです。
今年の秋冬シーズンには新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行が懸念されています。政府の新型コロナ・インフル同時流行対策タスクフォースが国民に提示したのは、感染拡大の際の発熱外来の混乱防止のために、重症化リスクの低い方は新型コロナの簡易キットを使って自己チェックし、陽性の場合は健康フォローアップセンターに登録して自宅療養、陰性の場合は電話やオンライン診療でインフルエンザ診断を受けること、重症化リスクが低くても、症状が重く受診を希望する場合は対面診療を検討するよう促しています。
しかし、これでは、三十七・五度以上の発熱が四日以上続いた場合に発熱外来を受診するとしていたコロナ流行初期と全く同じです。あのとき、受診抑制が招いた同僚の先輩議員の羽田雄一郎さんの死から一体何を学んだのでしょうか。
発熱外来はいまだに約四・一万か所の設置にとどまっていますが、そもそも十分な数の発熱外来があれば、このような対策は必要はなかったのではないでしょうか。政府のタスクフォースには数多くの医療関係団体が参画しているものと承知していますが、患者の受診制限を検討するより、発熱患者が受診できる医療機関をどう増やすかを検討する方が重要ではないでしょうか。総理の見解を伺います。
子供たちのマスク着用の同調圧力と、学校給食やお弁当を食べるときの黙食について申し上げます。
これは、基本的には、学校における衛生管理マニュアル、学校の新しい生活様式に沿って実施されているものと考えますが、様々な疑問の声が上がっています。今年六月一日付けで、学校が一律にマスクを着用した場合の感染防止効果は二三%という米国の研究結果を基に、尾身氏を筆頭に有志が、子供へのデメリットも踏まえて着用場面を考慮すべきと提言しています。
また、全国四十七都道府県の教育委員会からは、マスク着用の感染防止効果についての科学的根拠を求める要請に対して、根拠なしのため公文書不開示決定書が出ています。
文科省のマニュアルでは学校でのマスク着用は推奨であって義務ではありませんが、教育委員会の公文書不開示決定書は一貫していますので、改めてお尋ねします。
学校におけるマスク着用の科学的な根拠はないということで合っていますでしょうか。科学的根拠がないのであれば、学校における衛生管理マニュアル、学校の新しい生活様式の見直しを指示してはいかがですか。文部科学大臣の見解を伺います。
次に、新型コロナワクチンの乳幼児接種について質問します。
先月二十四日から、生後六か月から四歳までの乳幼児に対するワクチン接種が開始されました。厚労省の統計では、子供たちは感染してもほとんど重症化せず、オミクロン株に至ってはインフルエンザによる被害よりも小さいことが分かっています。
二〇二二年十月七日、ワクチン副反応検討部会資料によると、五歳から十一歳までの新型コロナワクチン接種率は約二二%ですが、この年齢層のワクチンによる副反応報告は百十九件、うち重篤者三十件、死亡は二件に上ります。
新型コロナワクチンの中長期的な副反応、副作用はいまだに分かっていません。免疫抑制による感染症、がんの発症、免疫調整不全による自己免疫疾患の発症など、多くの報告が日本国内のみならず世界中から寄せられています。特に、乳幼児の時期に免疫を攪乱する可能性のある薬剤を投与することで、正常な免疫の発達を阻害するリスクがベネフィットを上回っていると、上回るため慎重にと呼びかける医師たちからの声もあります。これについて厚労大臣の見解を伺います。
感染症法案について質問いたします。
本法案については、衆議院において、我が党と日本維新の会が出した対案の中の新型コロナウイルス感染後の医療の在り方、ワクチンの有効性、安全性についての情報公表の仕方について政府が検討する修正案が衆議院で可決されました。
内容やワクチンの副反応に関する情報公開の仕方が国民の不安や疑問を解決していないため、今以上の対応が必要という立法府の意思を示したものと理解しています。
政府においては、この修正を踏まえて、ワクチンの後遺症及びコロナ後遺症に苦しむ患者に対する医療提供をどのように進めていくつもりか、またワクチンの副反応に関する情報公開をどのように進めていくつもりか、総理の決意を伺います。
また、本法案には、ワクチンの副反応に関するデータベースを新たに構築し、医療レセプト情報などとの連結解析を可能にすることで、安全性等に関する情報分析を進めやすくするとの内容が含まれています。この趣旨自体は大いに期待していますが、懸念されるのは個人情報の流出です。
今年夏、厚生労働省では、指定難病患者のデータを第三者に提供する際に、本来は削除すべき部分を含めたデータを提供してしまったために、患者情報が流出するという深刻な事件が起きました。また、過去には、年金に関する個人情報のデータ入力作業を委託していた企業が厚生労働省に無断で中国企業に再委託していた事案が発覚するなど、厚生労働省における個人情報関連の不祥事が続いていますが、まず大前提として、この流出事件の後、どのようなセキュリティー対策を取ったのか、お答えください。
医療情報は究極の個人情報の一つです。セキュリティーに不安がある状態で見切り発車するのはリスクが大き過ぎると考えますが、いかがでしょうか。新たに構築されるデータベースでは、こうした事案が再び起きないよう万全の体制を構築することが不可欠ですが、厚生労働大臣の決意を伺います。
衆議院における修正では、新型コロナの感染症法上の位置付けに関する検討規定が新たに盛り込まれました。
オミクロン株への変異により、新型コロナウイルスの性状は大きく変化し、行動規制が大幅に緩和されている国は少なくありません。ワクチンについても、オミクロン株への変異後は感染予防効果の持続性が大きく低下していることなどが指摘されており、欧州各国では、オミクロン株対応ワクチンの追加接種を主に高齢者に推奨するにとどめています。しかし、こうした状況変化にもかかわらず、日本はいまだに国民全体へのワクチン接種に前のめりとなっています。
今回の修正内容にあるように、新型コロナについては、変異に合わせて感染症法上の位置付けを柔軟に見直す必要があるのではないでしょうか。また、新型コロナと同様、変異を繰り返す新たな感染症が発生した場合に備えるため、新たな感染症類型の創設についても検討する必要があるのではないでしょうか。それぞれ総理の見解を伺います。
本法案については、大部分が令和六年四月施行となっており、基本的に新型コロナウイルス感染症の流行第八波を見据えたものではないと承知しています。本法案のポイントは、新たな感染症の発生に備えるため、平時からの体制構築を行うところにあると承知していますが、先日の衆議院本会議において総理が新型コロナウイルス感染症への対応を念頭に取り組むと答弁していたように、主に想定されているのは新型コロナウイルスのような呼吸器系疾患であると理解しています。
政府が呼吸器系疾患への対応を前提にしているのであれば、空気感染への備えを怠ることはできません。しかし、現代の気密性の高いビルでは、窓の開閉などによる外気の取り入れが難しいことに加え、セントラルヒーティングによるビル内部の空気循環によってウイルスなどが建物内に拡散することが懸念されます。
今後は、新たな感染症の流行を見据えて、国土交通省と連携し、建物内の換気に関する基準の見直しなども検討する必要があるのではないでしょうか。また、空気清浄機の活用などについてもこれまで以上に検討する必要があるのではないでしょうか。新たな感染症への対応における空気感染対策の必要性について、厚生労働大臣の見解を伺います。
感染症についての対策については、空気感染対策を始めとした様々なアプローチが必要になりますが、昨今の新型コロナ対策を見ていると、日本の感染症対策はワクチン接種に偏重しているように思えます。しかし、ワクチン一本やりだと、今回のオミクロン株への変異のようなウイルスの性状変化には臨機応変な対応はできません。
本法案では、ウイルスの変異に対して何らかの対応が可能な仕組みは盛り込まれているのでしょうか。例えば、基本指針や予防計画、医療措置協定において、ウイルスの変異の可能性も踏まえた対応を記載するのでしょうか。
私が十月二十七日の参議院厚生労働委員会で、二〇二一年以降に観測されている過去最大の超過死亡者数を新型コロナウイルスワクチン接種の因果関係を質疑したところ、厚労省は判断が難しいと答弁されました。超過死亡者数と新型コロナウイルス接種の因果関係、過去最大の超過死亡者数の原因について、改めて厚生労働大臣の見解を伺います。
現行の感染症法では患者に対する権利の尊重が規定されていることを忘れてはなりません。感染症法の前文では、ハンセン病やエイズ患者に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要であるとしています。また、感染症の患者などが置かれてきた状況を踏まえ、その人権を尊重することもうたわれています。
しかし、残念なことに、コロナ禍では、特に流行初期において、患者に心ない言葉が浴びせられる事態が生じました。また、ワクチン接種についても、接種の判断が個人に委ねられているにもかかわらず、接種を受けていない人が差別される事態が、事例が問題となりました。コロナ後遺症についても、本当に後遺症なのか、仮病ではないのかなどと、冷たい目が向けられる事態が生じているとも聞いています。
コロナ禍においてこのような社会の分断が生じてしまったことについて、政府は検証を行ったのでしょうか。また、新型コロナ対策を実施する上で、患者の人権が守られたと言えるのかどうか、検討、検証を行ったのでしょうか。
本法案の改正内容のうち、患者の人権尊重という感染症法の精神が具体的に……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/9
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010・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 川田君、時間が超過いたしております。簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/10
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011・川田龍平
○川田龍平君(続) どの部分に反映されたのか、総理の見解を伺います。
パンデミックの終息宣言に係る司令塔組織の役割などについての質問もありますが、質問を終わらせていただきます。
命が守られる社会にするため、人の命を軽んじる政府の下ではこの命が守ることはできません。どうか皆さんにも、しっかりこの大臣の問題についても答えていただきたいと思います。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/11
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012・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 川田龍平議員の御質問にお答えいたします。
葉梨法務大臣の発言についてお尋ねがありました。
葉梨大臣に対しては、昨日、官房長官から厳しく注意をしたところであり、改めてその職責の重さを自覚し、説明責任を徹底的に果たしてもらわなければなりません。葉梨大臣からも、真摯に反省し、陳謝するとの説明があり、発言を撤回したと承知しておりますが、誤解を招くことがないよう、発言はくれぐれも丁寧に、慎重に行ってもらわなければならないと考えております。
海外の事例についてお尋ねがありました。
諸外国では、各国の感染状況その他の諸事情を踏まえ、マスク着用、ワクチン接種、水際対策などの必要な新型コロナ対策について、それぞれの国において判断されているものと承知をしております。
我が国では、エビデンスに基づき、ワクチン接種を推進するとともに、九月にはウイズコロナに向けた新たな段階への移行の全体像をお示しし、全数報告の見直しや療養期間の短縮など相当の緩和を行って、社会経済活動との両立を進めてきました。また、先月には、水際対策について、ビザなし渡航、個人旅行の再開等の緩和を行ったところです。
引き続き、ウイズコロナに向けて、感染拡大防止と社会経済活動のバランスを取りつつ、できるだけ平時に近い社会経済活動が可能となるよう、専門家の意見も聞きながら議論を進めてまいります。
子供へのワクチン、失礼、子供へのオミクロン株対応のワクチン接種についてお尋ねがありました。
子供に対する新型コロナワクチンの接種においては、従来型のワクチンのみが使用され、オミクロン株対応のワクチンはまだ導入されておりませんが、現在、薬事承認の申請がなされていると承知をしております。
子供への接種については、本人や保護者が子供の感染状況、ワクチンの有効性、安全性に関する情報などを十分に踏まえた上で安心して接種を受けられることが重要であり、これまでもリーフレットやホームページ等の様々な媒体を活用して周知してきたところです。引き続き、新たな知見の収集に努め、丁寧に情報提供してまいります。
ワクチン接種後に亡くなった事例の件数と遺族会についてお尋ねがありました。
新型コロナワクチン接種後の副反応が疑われる事例については医療機関等から広く報告を受けており、ワクチンとの関連性が否定できないワクチン接種後の死亡事例として報告を受けた件数は、本年九月四日までにモデルナ社ワクチンで百万回当たり二・四件、ファイザー社ワクチンで七・〇件、総件数では九月二十三日までに千八百七十七件となっています。
また、予防接種健康被害救済制度において、審査会で専門家による因果関係等の評価を受けた上で認定された死亡事例は、進達件数四百十八件に対して十件となっています。
また、新型コロナワクチン接種後に亡くなった方の御遺族十二名が遺族会を結成され、国に対して原因の究明と救済を求めておられると承知をしております。
政府としては、原因の究明について、医療機関等からの全ての副反応疑い、全ての副反応の疑いの報告の情報について定期的に公表しており、引き続き副反応に関する正確な情報公開に取り組んでまいります。また、救済について、予防接種健康被害救済制度に基づいて、因果関係が認定された方に対し、迅速な救済に努めてまいります。
新型コロナワクチンの定期接種化についてお尋ねがありました。
新型コロナワクチンの特例臨時接種については、新型コロナの蔓延防止上緊急の必要があると認められることから実施しているものであり、発症予防効果、そして重症化予防効果、これは認められています。
将来的な接種の在り方については、今後の感染状況や新型コロナの感染症法上の位置付けの見直し等を踏まえながら適切に判断してまいりたいと考えております。
新型コロナとインフルエンザが同時流行した際の外来医療体制についてお尋ねがありました。
新型コロナとインフルエンザが同時流行した際の外来受診、療養の流れにつきましては、先般、新型コロナとインフルエンザが同時流行する場合を想定した外来受診、療養の流れのイメージをお示ししました。これは、重症化リスクが低い方であっても、症状が重いと感じるなど受診を希望する場合には発熱外来やかかりつけ医を受診していただくことに変わりはなく、受診制限を行うものではありません。
その上で、同時流行下で多数の発熱患者が生じる場合においても、必要なときに必要な療養、必要な医療を、医療につながることができるよう、都道府県等に対し、発熱外来の箇所数の増加など地域の実情に応じた取組を依頼し、十一月中の外来医療体制の強化、これを進めています。
こうした対策について、医療関係団体や学会を始め国、地方の行政機関、経済団体が参画するタスクフォースにおいて、私自身も会合に出席をし、御協力をお願いいたしました。引き続き、都道府県等と連携し、外来医療体制の強化に万全を期してまいります。
学校におけるマスク着用の科学的根拠についてお尋ねがありました。
新型コロナの感染経路は飛沫やエアロゾルの吸入、接触感染等とされており、マスク着用の効果に関する研究結果や専門家の意見を踏まえ、学校のみならず社会全般において、基本的な感染防止対策として、換気などに加えて適切なマスクの着用をお願いしているところです。
このような考えの下、学校については、文部科学省において、感染症や小児科の専門家の意見も伺いながら、衛生管理マニュアル等を通じて、活動場所や活動場面に応じためり張りのあるマスク着用を学校に周知してきたものであります。
新型コロナの後遺症及びワクチンの副反応に関する情報公開についてお尋ねがありました。
政府としては、衆議院で可決された修正を踏まえ、新型コロナの後遺症について、調査研究により科学的知見の収集を進めつつ、後遺症に悩む患者が地域の医療機関で適切に医療が受けられるよう、国内外の研究等により得られた知見を医療従事者に周知するとともに、ホームページやSNSを通じて積極的に情報発信をしてまいります。
また、ワクチン接種後の副反応に関する情報公開については、医療機関等からの全ての副反応疑い報告の情報について、審議会で専門家の評価を受けた上で定期的に公表しています。
こうした副反応の情報や研究成果等を含め、ワクチンの有効性や安全性に係る情報については、様々な媒体を通じてより分かりやすく速やかに情報発信をしてまいります。
新型コロナの感染症法上の位置付け等についてお尋ねがありました。
新型コロナについては、九月にウイズコロナに向けた新たな段階への移行の全体像をお示しし、感染症法上の扱い等について、全数報告の見直しや療養期間の短縮など相当の緩和を行って、社会経済活動との両立を進めたところです。
その際に、専門家の意見等も踏まえ、新型コロナについて、新型インフルエンザ等感染症という分類は維持しつつ、今後も、変異していくウイルスに応じて対策を柔軟に対応していくこととしております。
その上で、新型コロナの感染症法上の位置付けについては、衆議院における修正も踏まえ、引き続き、専門家等の意見も聞きながら、その時々の最新のエビデンスに基づき議論を進めてまいります。また、変異によりその症状を変化するウイルスについては、新型コロナと同様に、現行の感染症法等の枠組みの中で柔軟に対応してまいりたいと考えております。
また、今回の改正法案におけるウイルスの変異への対応についてお尋ねがありました。
今般の改正案における基本指針や予防計画、医療機関との協定については、実際の新たな感染症の発生、蔓延時には、変異株の発生など事前の想定とは大きく異なる事態も考えられるところであり、変異の可能性を含め、当該感染症の特性に合わせて予防計画を柔軟に運用する、協定の内容を見直すなど、実際の状況に応じた機動的な対応を行ってまいります。
患者の人権等についてお尋ねがありました。
政府においては、新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議においてこれまでの取組を検証し、その報告の中で、情報発信について、社会的な差別が起きないように留意することが重要であるとされています。
感染症法においては、議員御指摘の前文のほか、国及び地方公共団体や国民の責務として、感染症の患者等の人権の尊重、これを規定しており、今般の改正案の内容を実施するに当たっても、人権に配慮した適切な対応を行ってまいります。
パンデミックの宣言と終息に関する基準等についてお尋ねがありました。
パンデ、あっ、失礼しました、これは、最後の質問は省略されたと承知しております。
以上、答弁をさせていただきますが、残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/12
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013・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 川田龍平議員より六問の御質問をいただきました。
まず、新型コロナによる死亡者数でありますが、人口動態統計では新型コロナを原死因とする死亡者数を取りまとめており、本年六月までの死亡者数は三万五千三百三十四人となっております。
新型コロナワクチンに関する情報提供についてお尋ねがありました。
国民が新型コロナワクチンの安全性や有効性を理解した上で安心して接種できるよう、承認されたワクチンに関する情報を公表し、透明性を確保することは重要と考えております。
新型コロナワクチンの薬事審査に関する情報については、審査報告書としてまとめられ、治験に関する詳細な情報を含む申請資料とともに、独立行政法人医薬品医療機器総合機構、PMDAのホームページで公表しております。また、関係審議会の議事録についても速やかに公表しているところであります。
厚労省としては、引き続き、審査プロセスの透明性、公正性の確保を図る観点からも、十分な情報開示や情報発信に努めてまいります。
新型コロナワクチンの中長期的な副反応、副作用についてお尋ねがありました。
新型コロナワクチンの接種後に生じた副反応が疑われる症状については、接種開始以降、幅広く国内外の情報を収集し、審議会において専門家に御議論いただいているところであります。例えば、心筋炎、心膜炎については、新型コロナワクチンによるものと疑われる疾患として添付文書上の重大な副反応として記載をしており、また、御指摘の自己免疫に係る疾患としてギラン・バレー症候群については、添付文書上の重要な基本的な注意事項として記載をし、報告状況に応じ適時適切に安全性情報の評価分析を行い、注意喚起を行っているところであります。
厚労省としては、乳幼児に対する接種はもとより、ワクチン接種後の副反応を疑う症状については、引き続き幅広く情報収集に努めるとともに、最新の報告状況を踏まえ、審議会において新型コロナワクチンの安全性の評価を行ってまいります。
予防接種データベースの個人情報の取扱いについてお尋ねがありました。
医療に関する情報は、その取扱いに配慮を要する機微な情報と認識をしております。今般の改正案で設ける予防接種データベースについては、予防接種記録や副反応に関する情報を匿名化した上で格納するなど、個人の特定を行えないような情報管理の仕組みを整備することとしております。
また、予防接種データベースの情報を第三者に提供して利活用するに当たっては、提供する情報の内容等について審議会で万全に審査するとともに、提供を受けた者に秘密保持義務を課し、違反した場合の罰則を設けるなど、今般の改正案において情報の取扱いに配慮した規定を盛り込んでいるところであります。
こうした枠組みの下、過去の事案のような個人の特定につながる情報流出事案が二度と起きないよう、セキュリティーの確保に万全を期してまいります。
新たな感染症の流行を見据えた換気基準等に関するお尋ねがありました。
感染拡大の防止の基本は、換気等の基本的感染対策を徹底することであります。建築物の空気環境の基準については、建築物衛生法において、多くの者が利用する特定建築物に対し、室内の二酸化炭素濃度一〇〇〇ppm以下となっており、この基準に基づき適切な換気を行うよう求めております。
エアロゾル感染対策のための換気設備等については、医療機関におけるHEPAフィルター付き空気清浄機等の設置に対して緊急包括支援交付金による支援等を行っているところであります。
新たな感染症への対応では、新型コロナの三密対策で経験したように、発生早期の段階から飛沫感染、接触感染やエアゾール感染などの感染経路や感染様式、特にどのような場で感染が起こりやすいかについて迅速に調査研究を行い、得られた科学的知見に基づいて感染対策を実施することが重要と考えております。
超過死亡についてお尋ねがありました。
我が国の超過死亡の分析は、厚生労働科学研究班において実施をされております。その分析結果についてはアドバイザリーボードで報告されるとともに、国立感染症研究所ホームページにて公開をしております。
専門家によりますと、超過死亡は本年一月から八月に三万一千人から七万人に上り、新型コロナの感染拡大以降で最多となっております。これまで超過死亡のピークはそれぞれの新型コロナの流行のピーク時に観察されていることから、その要因の一つとして新型コロナの感染拡大の影響が指摘をされているところであります。
新型コロナワクチン接種は昨年二月から開始されておりますが、この超過死亡のデータから超過死亡とワクチン接種の因果関係を論じることは困難と考えております。超過死亡の動向については引き続き分析結果を注視していきたいと考えております。(拍手)
〔国務大臣葉梨康弘君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/13
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014・葉梨康弘
○国務大臣(葉梨康弘君) 川田龍平議員にお答え申し上げます。
まず、御指摘の私の発言については、これまでにおわび申し上げるとともに、撤回をさせていただきました。
お尋ねの撤回の理由について、ついては、死刑に関するものも含む法務省の極めて重大な職務について、それを軽んじているような発言をし、不愉快な思いをさせてしまったことは私の至らなさです。謝罪の上、撤回をさせていただきました。
また、外務省と法務省、票とお金に縁がないなどと述べた点については、国士として職務に当たらなければならないという私の本意とは異なる正確性を欠く発言であったことから、謝罪の上、撤回させていただきました。
軽率な発言であったと真摯に受け止め、今後は発言に慎重を期してまいります。本当に申し訳ございませんでした。
次に、御指摘のパーティーにおける私の発言についての認識と私の進退についてお尋ねがありました。
この私の発言については、これまでに撤回させていただいておりますが、それのみならず、改めておわび申し上げます。軽率な発言であったことを真摯に受け止め、今後は発言に慎重を期してまいります。
その上で、引き続き、説明責任を果たし、国民のお役に立てるよう、職務に全力を尽くしてまいりたいと考えています。
最後に、ホームページの、私のホームページのコラムについてお尋ねがありました。
私が落選中であった期間において、私のホームページ上のコラムで御指摘のような記載をいたしました。しかし、私は、この度の発言を軽率なものであったと真摯に受け止め、撤回の上、おわびを申し上げ、今後は発言に慎重を期してまいります。
その上で、引き続き、説明責任を徹底的に果たし、国民のお役に立つことができるよう、職務に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
〔国務大臣永岡桂子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/14
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015・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 川田議員にお答え申し上げます。
学校におけます衛生管理マニュアルの見直しについてお尋ねがありました。
マスクの着用については、先ほど総理から御答弁があったとおり、めり張りのある着用が重要だと考えます。
文部科学省としては、基本的対処方針等も踏まえ、感染拡大を防止し、学校教育活動を継続していくための参考として衛生管理マニュアルを作成しています。
このマニュアルについては、新型コロナウイルス感染症に関する知見等を踏まえて改訂を重ねていますが、今後も、感染状況や政府全体のウイズコロナにおける感染症対策の在り方の検討を踏まえて必要な対応を行ってまいります。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/15
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016・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 山本博司君。
〔山本博司君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/16
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017・山本博司
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案について質問をいたします。
新型コロナウイルスの最近の感染状況は、既に感染拡大の第八波に入っている可能性があるとも言われ、さらに、季節性インフルエンザとの同時流行も懸念をされております。また、遠くない将来に新たな感染症が発生するとの懸念も示されております。
水際対策の緩和や全国旅行支援の開始などで人の動きが一段と活発になる中、感染抑止と社会経済活動の両立を進める上で必要な対策が今まで以上に求められているこのときに、今後の感染症危機に備えて病床や診療体制を整備することは大変重要なことであります。
今回の改正では、これまでのコロナへの対応を十分に踏まえ、感染の初期段階から的確、迅速に対策を講じることができるよう、これまで体制整備への協力に関して要請にとどまっていたものが義務化されるなど、より実効性を高める措置が盛り込まれていると評価いたします。
そこで、今回の感染症法の改正案を提出した意義について、岸田総理の御見解を伺います。
この改正案では、感染症対応の医療機関による確実な医療の提供を実現するため、都道府県は感染症の予防計画を策定した上で、公立・公的病院、高度な医療を提供する特定機能病院、かかりつけ医を支援する地域医療支援病院など、地域の中核となる医療機関に対し、病床や外来医療の確保などを義務付けております。また、その他の民間医療機関については、都道府県と協議し、合意に至った場合には、病床等の確保に関する協定を結ぶこととしております。
そこで、この新たな予防計画の策定時における入院病床数、発熱外来数、宿泊療養施設の確保居室数などの数値目標を定める際には、どのような感染症を念頭に、どのように数値目標の基準を設定するのか、数値目標の基準設定の考え方について厚生労働大臣に確認をしたいと思います。
また、初動対応等を含む特別な協定を締結した医療機関の収入が感染症発生前の収入を下回った場合、都道府県などが減収分を補償する仕組みを設けていますが、協定締結の協力を得るためにも減収補償を十分に措置すべきであります。
さらに、平時、有事それぞれにおける財政支援も求められていると思います。
こうした人的、物的面での財政支援の在り方をどのように考えているのか、厚生労働大臣に伺いたいと思います。
これまでの、さらに、流行初期医療確保措置に要する費用について、公費と保険者との負担割合は一対一として保険者にも負担を求めることになりましたが、保険者を始めとした関係者に丁寧に説明する必要があると考えます。
この措置に関する費用負担についてどのように認識しているでしょうか、厚生労働大臣に答弁を求めます。
これまでのコロナに関する対応の中で、保健所体制の課題が浮き彫りになってきました。この課題に対応するため、九月からは新型コロナウイルス感染者の全数把握の簡略化を始め、一か月以上が経過をいたしました。発生届は大幅に減少し、医療機関や保健所の負担は減り、発生届の対象外となった軽症者らに対応するため新設した相談窓口においても、トラブルもなく十分機能していると言われております。今後も不断の見直しを進めるとともに、保健所体制を強化をしていく必要があると思います。
今回の改正案では、体制強化のために、保健師等の専門家が保健所業務を支援する仕組みであるIHEATを法定化することになっております。これによって検査を始めとする保健所の体制をどのように強化していくつもりか、厚生労働大臣の答弁を求めます。
次に、ワクチン接種に関して伺います。
ワクチン接種は、原則医師と看護師以外行うことができませんでしたが、新型コロナの対応の中で打ち手が不足したため、現在は特例として歯科医師などにも認めています。
今回の改正案では、こうした措置を法的に裏付けることにしており、厚生労働大臣又は都道府県知事が協力を要請したときに限り、歯科医師や診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、救急救命士がワクチン接種を行うことができるとしております。一定の実地研修などで安全性の担保が必要であると思いますが、全国で着実に打ち手不足の解消ができるよう体制整備をすべきであります。
ワクチン接種体制の強化について、今後どのように推進していくつもりか、厚生労働大臣に確認をしたいと思います。
さらに、本改正案では、予防接種時にマイナンバーカードを接種券代わりとする仕組みを設けるとともに、接種記録の作成保存等に関する規定を整備することとしています。
国民の利便性向上や地方公共団体、医療機関の事務負担軽減のためにも、デジタル化は強力に推進すべきであります。また、マイナンバーカードの利便性を向上させ、利用を促進するためにも、こうした機会を活用して周知を徹底すべきと考えます。
マイナンバーカードによる接種対象者確認の仕組みを導入することによるメリットをどのように認識しているのか、厚生労働大臣の答弁を求めます。
今回のコロナ禍で、我が国は海外製ワクチンの確保に腐心してきました。しかし、我が国で特有の変異株が発生した場合には、これに対応したワクチンを海外メーカーが作るとは限りません。安定供給だけでなく、医療の安全保障の観点からも国産ワクチンの確保が重要であると考えます。
新型コロナに限らず、国産の感染症ワクチン開発は思うように進んでいないのが現状であり、新たな感染症の大流行も見据え、国内自給体制を強化をする必要があると考えます。国際的に我が国は、ワクチン開発に関して基礎的な研究力が高いと評されており、その力量を十分に発揮できるよう、中長期的な戦略の必要性を考慮すべきと考えます。
この国産ワクチンの開発・生産体制の強化へ国は総力を挙げて取り組むべきと考えますが、岸田総理の決意を伺いたいと思います。
明年は、岸田総理の地元である広島で先進七か国首脳会議、G7サミットが開催をされます。
ここでは、将来のパンデミックへの対応を議題としてG7各国と協調して協議することが大変重要であると考えます。新たな感染症の発生に備え、流行を早期に抑え込む国際的な枠組みを確立をし、世界に情報発信することがリーダーシップを取っていく先進国の大きな使命であると思います。
このG7サミットにおいて、将来のパンデミックへの対応を議題とすべきと考えますが、岸田総理のサミットに向けての決意を伺いたいと思います。
公明党は、これまでも、現場の声、当事者の声を基に様々な提言を重ねてまいりました。感染症に強い日本の実現を目指し、これからも公明党は一層の決意で取り組むことをお約束申し上げて、私の質問とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/17
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018・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 山本博司議員の御質問にお答えいたします。
感染症法等の改正法案の意義についてお尋ねがありました。
今般の新型コロナ対応において、医療機関の迅速な人員確保や入院調整、病床確保の困難さ、また、保健所業務の逼迫、医療物資の不足などの課題があり、平時からの感染症危機管理の重要性が浮き彫りとなりました。
これを踏まえ、次の感染症危機から国民の生命及び健康を守るために、平時からの予防計画に沿った医療機関との協定の締結、保健所機能や検査体制の強化、機動的なワクチン接種の実施等について、政府としてその枠組みを法定化し、流行の初期段階から速やかに機能する保健医療提供体制の構築を図ることを目的として、感染症法等の改正を行うこととしたものであります。
国産ワクチンの開発・生産体制の強化についてお尋ねがありました。
ワクチンを国内で開発、生産できる体制を確立しておくことは極めて重要と考えており、医療に関わる経済安全保障にもつながるものです。
このため、次の感染症危機を見据えたワクチンの開発、生産については、ワクチン開発・生産体制強化戦略に基づき、AMEDへの先進的研究開発戦略センターの設置等を進めてまいります。
政府としては、国民の皆様により早く必要な国産ワクチンをお届けできるよう取り組んでまいりたいと考えております。
そして、G7広島サミットにおける議題についてお尋ねがありました。
新型コロナへの対応、経験から得られた様々な教訓を踏まえ、来年、我が国が議長国を務めるG7を始めとする様々な国際場裏において、パンデミックを含めた将来の健康危機への予防、備え、対応を強化するための議論を行う必要があると認識をします。
G7広島サミットにおいても、健康、失礼、国際保健は重要課題の一つと位置付けられておりますが、この具体的な、具体的にどのような成果を目指すかについては、今後、G7メンバーとも相談していく考えです。その際、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成に向けて、将来のパンデミックに対する予防、備え、対応の強化に資する国際的な枠組みの強化や、新型コロナで後退した国際保健課題への対応、これを主導してまいりたいと考えております。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/18
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019・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 山本博司議員から六問御質問いただきました。
数値目標の設定の考え方についてお尋ねがありました。
新たな予防計画については、感染症に関する国内外の最新の知見を踏まえつつ、一定の想定に基づき策定することになりますが、まずは、現に対応しており、これまでの対応の教訓を生かすこともできる新型コロナへの対応を念頭に取り組むこととしております。
その上で、計画における数値目標の設定に当たっては、都道府県において、各医療機関の意向や対応能力を調査すること等により、現実の医療提供体制を踏まえた内容とすることを想定をしております。
また、計画に基づく協議の際にも、個別の医療機関の状況などをよく聞き、丁寧に協議を行うことが、必要なときに速やかに病床を確保する上で重要であり、実態に合った協定につながるものと考えております。
こうした考え方については、国が策定する基本指針等を通じてお示しをしていきたいと考えております。
医療機関への財政支援についてお尋ねがありました。
今般の改正案では、感染症の流行初期から中心的な役割を担う特別な協定を締結する医療機関に対して、経営上の懸念を払拭するため、診療報酬の特例措置や補助金等の財政支援が整備されるまでの間、流行初期医療確保措置として、感染症流行前と同水準の収益を補償することとしています。
さらに、それ以外にも、協定の履行に要する費用については財政支援を行うこととしておりますが、感染症の特性に応じ、その具体的な内容、範囲については実際の感染症蔓延時等に検討していくものと考えております。
加えて、平時からの設備整備に関する、設備整備に要する費用についても、その一部を国が補助できる旨の規定を設けております。法施行に向けて、必要な支援について具体的な内容を精査し、検討してまいります。
また、平時における感染症対応人材の確保、育成は重要であります。現在も、院内感染対策について指導的立場を担う者等を対象とした講習会や新型コロナに対応する看護職員の養成研修などを行っております。さらに、感染症対策の経験を有する医師や研修を修了した看護師を含む感染制御チームを設置することに対する支援として、令和四年度診療報酬改定で感染対策向上加算一を新設したところであります。今後とも適切な財政支援を行ってまいります。
流行初期医療確保措置についてお尋ねがありました。
流行初期医療確保措置の費用について、感染症の態様が明らかでない流行初期には、診療報酬の特例を設けるまでの間に行われる感染症医療は本来であれば診療報酬の特例措置として対応すべき部分であり、医療保険において一定の負担を行うことは十分理由のあることと考えております。また、当該措置は、感染症医療のみならず通常医療の確保や社会経済活動の維持にもつながるものであり、保険者が相当の負担をすることは必要な対応と考えております。
このように保険者にも負担を求めることについては、保険者の団体が構成員となっております社会保障審議会医療保険部会でも議論を行ってきたところでありますが、法案が成立した場合には、制度の実施に向けて丁寧な対応を行ってまいります。
保健所の体制強化についてお尋ねがありました。
今般の改正案では、各都道府県に設置する連携協議会において、関係者が感染フェーズに応じた連携の在り方などを検討、議論した上で、保健所体制の整備について予防計画に盛り込むことといたしました。
加えて、保健師等の専門人材が保健所等の業務を支援する仕組みであるIHEATを整備をすることとしております。IHEATは、感染拡大時に保健所業務が逼迫する中、電話相談や健康観察等の業務を支援することが想定されており、検査体制を含む保健所体制の維持に資するものと考えております。
こうした取組により、感染拡大時に保健所が健康危機管理の拠点として十分に対応できる体制を平時から計画的に備えてまいります。
ワクチン接種体制の強化についてお尋ねがありました。
今般の改正案では、感染症発生、蔓延時に特に必要である場合には、医師、看護師等以外にも、歯科医師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士及び救急救命士が診療の補助として注射行為を行うことができる法的枠組みを整理することとしております。
実際にこれらの職種の方々にワクチン接種に御協力いただくに当たっては、今回の新型コロナ対応の経験や、対象となる感染症の特性などを踏まえつつ、研修の実施を含め、何を行っていく必要があるかを検討し、関係団体等の意見を聞きながら必要な準備を着実に進めてまいります。
予防接種事務のデジタル化についてお尋ねがありました。
今般の改正案では、マイナンバーカードを活用しオンラインで接種対象者を確認する仕組みなどを導入するなど、予防接種事務のデジタル化により予防接種事務の効率化を図ることとしております。
具体的には、被接種者は紙の接種券がなくとも接種を受けられるようになるほか、医療機関から自治体への予防接種の費用請求や対象者の接種記録保存の事務がデジタル化によって効率的に行えるようになるなど、国民の利便性向上や自治体や医療機関等の事務負担の軽減につながるものと認識をしております。
改正案が成立した暁には、その施行に向けて、国民の皆さんに対し、マイナンバーカード活用による予防接種事務のデジタル化の利点についてもしっかりと周知を図ってまいります。
以上です。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/19
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020・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 東徹君。
〔東徹君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/20
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021・東徹
○東徹君 日本維新の会の東徹です。
会派を代表して、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部に改正する法律案について質問いたします。
冒頭、新型コロナウイルスとの闘いは三年近くになり、まだ収束はしておりませんが、多くの医療や介護に従事されている方を始め、これまで社会基盤を支えていただいた全てのエッセンシャルワーカーの皆さんの御尽力に改めて敬意と感謝を申し上げます。
初めてのパンデミック経験とはいえ、三年近くにわたる新型コロナウイルスとの闘いを振り返れば、マスクや防護服に始まり、パルスオキシメーターや検査キットも不足するという事態が起こりました。また、コロナ病床を十分増やせず、ワクチンの接種開始も遅れるなど、政府の対応は後手に回り続けたと言わざるを得ません。
会計検査院の報告では、新型コロナ対策事業として令和三年度までに計上された千三百六十七事業、約九十五兆円の予算のうち、約十八兆円が未執行とされております。病床確保のために医療機関に支払われる交付金では、調査対象となった百六の医療機関のうち、三割に当たる三十二の医療機関で約五十五億円の過大支給が指摘されました。
確かに、コロナ禍では緊急的に対応すべきことや先の見通しが立たないこともあるかもしれませんが、国民から見て、貴重な税金の使われ方に不信感を持たれても仕方がありません。
政府の取組の中に税金の無駄遣いや不適切な支出に終わったものがなかったのか、岸田総理の御認識をお伺いいたします。
今週に入り、全国的な感染拡大の兆しが見えています。
先月の参議院厚生労働委員会で、いわゆる感染の第八波の規模について質問した際、政府は、一日当たり感染者数が季節性インフルエンザと合わせて四十五万人と想定しているとの答弁がありました。新規感染者数がこれまで一番多かったのは今年八月十九日の二十六万一千四人であり、四十五万人という想定数はその一・七倍に及びます。
この法案の施行期日は、一部の規定を除き令和六年四月一日となっています。今回法改正をしてもすぐに施行はされない中で、第八波に対応できるのでしょうか。必要な病床の確保、発熱外来の拡充など、実効性を持って対応できると考えているのか、コロナ対策本部長である岸田総理にお伺いをいたします。
岸田総理、岸田総理はコロナ対策本部長です。総理が本部長を務めている本部や会議、国家安全保障会議や医療DX推進本部など、確認できるだけで六十二個もあります。据わりがいいのはよく分かりますが、何でも対策本部長になっていませんか。
総理は、最終的な判断と責任を負う立場です。ここまで多くの対策本部長になる必要性が本当にあるのでしょうか。このままでは、日程調整などに時間が掛かり、意思決定のスピードが遅れかねません。
本当に総理が対策本部長でなくてはならないのか、本部や会議の在り方を見直してはいかがですか。岸田総理のお考えを伺います。
新型コロナウイルスにより感染拡大がしてから約三年が経過しましたが、日本製のワクチンや治療薬はいまだ承認されていません。五月に緊急承認の制度がつくられましたが、それでもいまだに承認されていません。日本の製薬産業は世界トップレベルの研究技術を持つと言われてきましたが、欧米とのスピードの差をまざまざと見せ付けられました。
こうした遅れを今後どのようにして取り戻すお考えなのか、お聞きいたします。
新型コロナは、感染症法上いまだ二類相当扱いとされています。その結果、医療機関において、抗原検査で陰性であったとしても、発熱患者に対する診察拒否は応招義務に違反しないとされています。
患者にとっては、これまで診察してもらえた医療機関で診察してもらえず、自宅待機を余儀なくされた事例が多くあったことも事実です。
政府はかかりつけ医の受診を勧めていますが、本来、自分の患者が発熱していても拒否せずに診察してこそ、かかりつけ医ではないでしょうか。
かかりつけ医の定義とはどのようなものなのか、お答えください。また、総理の言うかかりつけ医の機能や、その機能が発揮される制度とはどのようなものなのでしょうか、具体的にお示しください。
日本維新の会は、オミクロン株に移行した段階で、二類相当の扱いを見直すべきと主張してきましたが、インフルエンザよりも致死率が高いと理由に見直しをされていません。しかしながら、コロナで死亡された方の半数はコロナが直接の原因ではないとの結果もアドバイザリーボードで示されています。当初、ウイルスの毒性が強かったときは理解ができますが、当時と今と同じ扱いというのは理解できません。
衆議院では新型コロナの位置付けの在り方について速やかに検討するとの法案修正が行われたことも踏まえて、柔軟な対応が必要と考えますが、いかがですか。
これまで、一部の医療機関では、昼夜を問わずコロナ患者の対応に尽くされた一方、補助金を受け取っているのにコロナ患者は受け入れない医療機関があるなど、十分な病床確保ができませんでした。また、発熱外来を実施する医療機関名の公表を促すとしていたのに、地域の医師会の合意等が得られず、公表が進まず、発熱患者が円滑に診察を受けられない事態も生じました。
日本医師会の政治団体である日本医師連盟からは、毎年二億円もの献金が自民党の政治資金団体である国民政治協会に対して行われています。国会には、厚生労働族議員という存在もあります。さらに、日本医師会の事務局長に厚生労働省OBが天下りするなど、政治、厚労省、医師会を結び付ける政官業の鉄のトライアングルが新型コロナ対策を遅らせている原因だという主張もあります。こういった状況を改めるため、岸田総理、まずは企業・団体献金受取をやめられてはどうですか。
日本維新の会は、企業・団体献金を禁止する法案を何年にもわたり提出し続けております。この法案に賛同していただけませんか。岸田総理のお考えをお伺いいたします。
政府税調では既に消費税引上げの意見が出されており、財務省を中心に増税の流れをつくろうとする動きがあります。日本維新の会は、物価高騰の中、消費税は減税すべきと主張してきました。まさかないとは思いますが、消費税を増税していく考えがあるのですか。岸田総理に伺います。
今の行政の仕組みでは問題への対処がうまくいかないのであれば、時代に合わせて見直しをしていくのは当然です。前に省庁再編が行われました二〇〇一年では、二十年以上の時間が流れました。硬直した官僚機構を立て直し、少子化対策や経済成長戦略の実行、防衛力の強化などにより、様々な国難を乗り越えるために、第三次臨時行政調査会を速やかに立ち上げるべきではないですか。岸田総理に伺います。
本法案の病床確保について伺います。
我が国は、民間経営で病床数の少ない病院が多く、臨機応変に医療資源を充てながら病床を確保していくことが他国に比べてもそもそも難しいことは明らかです。
法案では、都道府県と医療機関の間で協定を結ぶ仕組みを法定化することで病床確保につなげようとしていますが、協定の締結が義務化されていません。義務化せずに、全国十七万を超える病院、診療所、薬局に至るまで協定を結ぶことが現実的と言えるでしょうか。お答えください。
病床確保につなげるのであれば、せめて病院だけでも協定の締結を義務付けてはいかがでしょうか。
我が国は、二〇四〇年頃に高齢者人口がピークを迎え、その後、少し減少していくものとされ、地域医療構想では、民間の医療機関も含め、病床の集約も検討する必要があります。コロナ病床の確保と将来にわたる効率的な医療提供体制をどのように両立していくのか、加藤大臣に伺います。
少子高齢化、人口減少によって我が国の社会構造は大きく揺らぎ、国民の将来の負担増を増すことが危機感を募るばかりです。
日本維新の会は、そのような中でも、国民の生命、健康を守るため、必要な改革を提案し、実現に向けて努力することをお約束し、質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/21
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022・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 東徹議員の御質問にお答えいたします。
予算の執行に関する認識についてお尋ねがありました。
会計検査院の令和三年度決算検査報告において、新型コロナ対策関連の事業を含め、多くの不当事項等の指摘がなされたことについては、政府として真摯に受け止める必要があると考えております。
今回の検査報告を受けて、私から各閣僚に対して、自ら率先して事務事業の在り方を見直し、また適正な会計処理を徹底するなど、検査報告事項の確実な改善に努めるよう指示を行ったところです。御指摘の病床確保料についても、厚生労働省において適切に執行されるよう、必要な措置を講じさせます。
行政に対する国民の信頼を取り戻すため、今回の検査報告の内容を今後の予算編成に的確に反映し、予算の効率的かつ適切な執行に、より一層努めてまいります。
いわゆる第八波における健康医療、失礼、保健医療体制の確保についてお尋ねがありました。
いわゆる第八波への対応については、季節性インフルエンザとの同時流行も念頭に、これまで拡充強化してきた医療体制に加え、先月、発熱外来や電話診療、オンライン診療の体制強化等による保健医療体制の強化・重点化策を取りまとめ、各都道府県と連携し、今月中の外来の体制整備を進めています。
また、今般の改正案においても、国による広域の感染症の専門家や保健師等の派遣、患者の運送に係る総合調整権限の創設や緊急時の入院勧告に係る都道府県知事の指示権限の創設、また、自宅療養者等への健康観察等における都道府県と市町村の連携強化等については、公布日又は公布日から起算して十を経過した日から施行することとしており、法案が成立した際にはこうした規定も活用できるものと考えております。
これまでの新型コロナ対応の蓄積を生かし、都道府県等と緊密に連携し、保健医療体制の確保に万全を期してまいります。
そして、内閣総理大臣が本部長等を務める本部や会議についてお尋ねがありました。
重要政策の政府方針の策定のため閣僚が出席して開催される本部や会議は、府省庁間で政策を調整し、円滑に実施する上で重要な役割を果たしており、本部等の役割や目的を踏まえて、必要な場合に限り内閣総理大臣が本部長等を務めている次第です。
そして、本部等の運営については、重要政策の円滑な推進を図る観点から、その政策の進捗状況等を踏まえて、役割が終わったものは整理するなど適切に実施してまいりたいと考えます。
そして、国産のワクチンや治療薬の開発、承認についてお尋ねがありました。
国内でワクチンや治療薬を開発、生産できる体制を確立しておくことは、医療に関わる経済安全保障にもつながるもので、極めて重要であると考えています。新型コロナに関しては、ワクチンや治療薬の実用化に向けた研究開発支援を行うとともに、ワクチンの生産体制の整備に関する財政支援も行っています。
さらに、次の感染症危機を見据え、ワクチン開発・生産体制強化戦略に基づき、AMEDへの先進的研究開発戦略センターの設置等を進めるとともに、治療薬についても、厚生労働省及びAMEDによる研究開発支援、これを行ってまいります。
政府としては、緊急承認制度の円滑な運用も含め、国民の皆様により早く必要な国産ワクチンや治療薬お届けできるよう取り組んでまいります。
かかりつけ医についてお尋ねがありました。
今後の医療ニーズや人口動態の変化、コロナ禍で顕在化した課題を踏まえ、かかりつけ医機能が発揮される制度整備を行うこととしております。
現在、国においてかかりつけ医の定義付けは行っておりませんが、制度整備を行う中で、質の高い医療が効率的に提供されるよう、かかりつけ医機能の明確化をしつつ、患者と医療者双方にとってその機能が有効に発揮されるための具体的な方策を取りまとめてまいります。その機能との関係でかかりつけ医の定義を明らかにしてまいります。
新型コロナの感染症法上の位置付けについてお尋ねがありました。
新型コロナについては、九月にウイズコロナに向けた新たな段階への移行の全体像をお示しし、感染症法上の扱いについて全数報告の見直しや療養期間の短縮など相当の緩和を行って、社会経済活動との両立、これを進めてきたところです。
新型コロナの五類への引下げを含めた感染症法上の扱いの更なる見直しについては、今後、ウイルスの新たな大きな変異が生ずる可能性や、第八波に向けた病床、発熱外来の確保、ワクチン接種の促進、高齢者施設における療養体制の強化などの備えが必要であることを踏まえる必要があります。
衆議院における修正も踏まえ、専門家等の意見も聞きながら、その時々の最新のエビデンスに基づき議論を進めてまいります。
企業・団体献金についてお尋ねがありました。
企業・団体献金については、長年の議論を経て、現在は政党や政治資金団体に対するもののみが認められており、政党等がその受取を行うこと自体が不適切なものとは考えておりません。
企業・団体献金については様々な意見があることは承知しておりますが、この問題は、民主主義の費用をどのように国民が負担していくかという観点から、各党各会派において十分御議論をいただくべきものであると考えております。
御指摘の法案については、議員立法でありますので、まずは国会において御議論いただくべきものであると考えております。
消費税についてお尋ねがありました。
政府税制調査会においては、中長期的な観点から、あるべき税制の具体化に向けて包括的な審議が行われており、先月二十六日には消費課税を議題として、委員間で様々な意見交換が行われたと承知をしております。
その上で、消費税については社会保障の財源として今後も重要な役割を果たすべきものと考えておりますが、当面、消費税について触れることは考えておりません。
行政の仕組みの見直しの体制についてお尋ねがありました。
行政組織の再編については、二〇〇一年の中央省庁等改革以降も、昨年九月にデジタル庁を設置し、来年四月にはこども家庭庁を設置する予定であるなど、その時々の重要課題に対応して随時進めているところです。
さらに、デジタル化の急速な進展を踏まえて、デジタル改革、規制改革、行政改革に係る横断的課題を一体的に検討するため、昨年十一月にはデジタル臨時行政調査会を立ち上げ、デジタル時代にふさわしい政府への転換等について議論を進めております。
引き続き、経済社会の変化に柔軟に対応した行政運営を進め、その時々の重要課題に的確に対応してまいりたいと考えます。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/22
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023・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 東徹議員より、病床確保のための協定と医療提供体制についてお尋ねがありました。
公立・公的医療機関等、地域医療支援病院、特定機能病院については、地域における医療の確保に関し、通常の民間医療機関とは異なる能力や位置付け等を有しているところであります。
特に、公的医療機関については、医療法において、厚生労働大臣に設置の命令権や、厚生労働大臣又は都道府県知事に運営への指示権があること、特定機能病院や地域医療支援病院については、高度の医療を提供する能力等を持つことを要件に名称独占の地位を与えられており、診療報酬上も機能に応じた評価がなされていること等があります。
こうした点を踏まえ、今般の改正案では、その機能や地域における役割に応じた感染症対策を担っていただくため、医療の提供を義務付けたところであります。
また、全ての医療機関に対し、協定に関しては、予防計画や医療計画の達成のために必要な協力をする努力義務などを課し、それぞれの医療機関にできる限り協定を締結していただけるよう取り組むこととしております。
これらを通じて、必要な医療提供体制の構築を図っていきたいと考えております。
また、地域医療構想は、中長期的な人口構造の変化や地域の医療ニーズに応じて、病床機能の分化、連携により質の高い効率的な医療提供体制の確保を目指すものであり、新型コロナ対応を通じて明らかになった地域の医療機関の役割分担等の課題にも対応するものであります。
引き続き、地方自治体等と連携し、意見を聞きながら、地域医療構想を着実に進めるとともに、今後、高齢者人口がピークを迎えて減少に転ずる二〇四〇年頃を視野に入れつつ、新型コロナ禍で顕在化した課題を含め、中長期的な課題について整理し、取組を進めてまいります。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/23
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024・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 田村まみ君。
〔田村まみ君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/24
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025・田村まみ
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。
質問に先立ち、一言申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行から約三年が経過しました。感染拡大を予防する等の見地から、国民や事業者は制約された環境下での行動や営業活動を余儀なくされる中、法務省の人権擁護機関では、新型コロナウイルス感染症に関連した差別や偏見を解消するための人権擁護の取組を進めています。
それにもかかわらず、感染拡大を防ぎ、国民の命と暮らしを守るためのこの感染症法の議論のさなかに、特に人命や人権に大きく関わる死刑執行という究極の司法行為、これについて軽んじる発言をする法務大臣は言語道断です。葉梨法務大臣は即刻お辞めになっていただきたいと申し述べておきたいと思います。
それでは、ただいま議題となりました感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問をいたします。
新型コロナウイルスは、今週に入って、感染者数の増加傾向から第八波の始まりではないかと言われ始め、国民の健康と命にとって大きな脅威であり続けています。
こうした状況下で、本年九月に政府が決定した次の感染症危機に備えるための対応の具体策では、今後の法改正について、感染症法などについては改正法案を速やかに提出することとした一方、新型インフルエンザ等対策特措法などについては改正法案を来年の通常国会に提出することとしました。
しかし、新型コロナ対応において数多く指摘されたのは、感染症医療に対する司令塔の欠如という根本的な問題です。
また、特措法においても、緊急事態宣言下などにおける事業者への営業自粛活動の在り方など、様々な課題が指摘されています。これらの問題は相互に関係しており、感染症法は感染症法、特措法は特措法と切り分けて考えるべきではありません。
しかも、この法案の施行日は大部分が令和六年四月となっており、第八波の到来が危惧されるインフルエンザとの同時流行に備えた病床確保や診療につなげるための地域の診療所の連携、体制整備が得られるものになっているとは言い難いです。
岸田総理、感染症法だけ先に改正することとした理由はどこにあるのでしょうか。本来は両法案をまとめて提出すべきであったと考えますが、なぜ本法案だけを先行して提出したのか、見解を伺います。
今回のコロナ禍で、日本の創薬力や医薬品流通体制が弱まっていることが浮き彫りになりました。
今後のパンデミックに備えるために必要となる医薬品やワクチン確保とその開発に加え、国内で生産、製造できるようにするための設備投資策は打ち出されていますが、工場立ち上げ時の支援だけではなく、平時における製造拠点の維持管理や医薬品等の備蓄に係る財政支援も必要なのではないでしょうか。
また、引下げありきの薬価改定が医薬品事業者の日本での経営持続性を危うくし、結果としてドラッグラグも再燃し、医療分野の経済安全保障を脅かしています。
今後の我が国の薬価、薬価改定の在り方について、総理の見解を伺います。
それでは、法案の内容について質問します。
本法案では、都道府県が策定する予防計画について、記載事項を大幅に拡充するとともに、感染症に対する医療提供体制などについて新たに数値目標を定めることとしています。しかし、感染症医療については、二年前に成立した改正医療法により、令和六年度以降、各都道府県において、新たに感染事業に関する医療計画を策定することとなっています。
都道府県が策定する計画はこれにとどまりません。特措法においても、各都道府県は、医療提供体制の確保に関する措置を項目に含む行動計画を策定することとされています。つまり、感染症医療だけで、予防計画、医療計画、行動計画と三つもの計画が重複することになるのです。
今回の法案では、予防計画について、特措法の行動計画と医療法の医療計画との調和を図るとの規定が盛り込まれていますが、そもそも特措法に基づく都道府県の行動計画に対する実行性のチェックがおざなりであった点が課題であって、計画を作らせることで完結し、その中身や質を高めるといったことを担保する役割が果たされていませんでした。計画に対する実行性の担保が図られないまま同じような計画を作らせることにどのような合理性があるのでしょうか。総理の見解を伺います。
また、今回の改正で疑問に感じたのは、感染症医療に関する医療提供体制の構築を感染症法に委ねたことです。
そもそも、医療提供体制については、医療法において、国及び地方公共団体は、国民に対し良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制が確保されるよう努めなければならないと規定しているように、基本的に医療法において規定すべき領域だと理解をしています。
医療機関との協定締結など、感染症医療の提供に関する個別具体的な仕組みを感染症法の体系に組み込むことで、感染症法の所管部局と医療法の所管部局の間で業務が競合することになるような事態が起きてしまうのではないでしょうか。加藤厚生労働大臣の見解を伺います。
また、医療法では、医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連携を推進することとしていますが、新たな感染症法に基づき、都道府県が各医療機関と個別に協定締結を進めた結果、各医療機関の役割が固定化されてしまい、地域医療における一般医療を含めた機能分化、業務連携に支障が生じることはないのでしょうか。厚生労働大臣の所見を伺います。
続いて、感染症対策物資の確保について質問いたします。
本法案では、マスクなどの感染症対策物資の供給が不足し、感染症の発生予防等が困難になる場合に、厚生労働大臣が生産者や輸入業者に対して生産量や輸入量を増やすよう協力要請を行うことのほか、売渡しの指示等を行うことができるようにしています。
しかし、こうした医療物資の供給確保については、特措法に基づく政府行動計画に既に記載がありますし、特措法自体にも生産事業者等に対して物資の売渡しを要請できる規定が盛り込まれています。
新たに感染症法に規定を置くことで生産要請等の仕組みが重複することにはならないでしょうか。厚生労働大臣の見解を伺います。
また、感染症対策物資は、医薬品、検査キット、酸素濃縮器、マスク、消毒用アルコールにとどまらず、様々なものが対象となるため、所管する大臣は厚生労働大臣だけではなく、多くの省庁にまたがることになります。
本法案では、生産要請時などにおいて、厚生労働大臣に、業所管大臣が関与するスキームとなっていますが、それならば、政府が今後設置するとしている感染症対策の司令塔機能を担う組織に権限を一本化すべきではないでしょうか。
なぜ感染症法にこのような規定を定めることとしたのか、総理の見解を伺います。
次に、保健所の連携強化策について質問します。
コロナ禍では、都道府県が設置する保健所と政令市等が設置する保健所の間で連携が十分に取れず、入院調整や情報共有などの面で様々な支障が生じたと指摘されています。
本法案では、新たに都道府県に連携協議会を設置し、保健所相互間の平時からの連携体制を強化することとしています。しかし、こうした組織を新たに設けるだけで本当に連携体制が強化されるのでしょうか。
ちなみに、今年三月に成立した改正職業能力開発促進法により、先月から各都道府県に職業訓練に関する協議会が設置されました。また、医療保険制度についても、来年以降、保険者協議会を必置化することが検討されていると承知しています。
このように、最近の厚生労働省はすぐに地方に協議会をつくりたがるようですが、協議会の設置で本当に連携が実現されるのでしょうか。保健所や医療機関などのステークホルダーが積極的に関与し、高頻度に開催しなければ、先ほど指摘した計画などにおいても形式的なものにとどまってしまうのではないでしょうか。
今回設置される連携協議会について、どのように実効性を確保していくつもりなのか、厚生労働大臣の見解を伺い、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/25
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026・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 田村まみ議員の御質問にお答えいたします。
本法案を先行して提出した理由についてお尋ねがありました。
今般の新型コロナ対応で浮き彫りになった課題を踏まえ、次の感染症危機から国民の生命と健康を守るために、平時からの予防計画に沿った医療機関との協定の締結、保健所機能や検査体制の強化、機動的なワクチン接種の実施等について、政府としてその枠組みを法定化し、流行の初期段階から速やかに機能する保健医療提供体制の構築を図ることを目的として感染症法等の改正を行うことといたしました。
次の感染症危機に備えた保健医療提供体制の整備には、その事務を担う地方公共団体等で一定の準備期間が必要であり、早期に取組に着手するため、本法案を今国会に提出することとしたものであります。
今後のパンデミックに備えた医療品等の確保と今後の薬価改定の在り方についてお尋ねがありました。
今後のパンデミックに備え、平時から必要な医療品やワクチンの確保を進めることは重要であり、厚生労働省において医療上重要な医薬品の備蓄体制の強化を進めているほか、ワクチンについては有事にワクチン製造に切替えが可能な製造拠点の整備等を進めています。
今後の薬価の在り方については、イノベーションの推進と国民皆保険の持続性、この二つを両立するよう、両者のバランスを取りながら、これ取り組んでまいりたいと考えています。
そして、予防計画についてお尋ねがありました。
今般の新型コロナ対応において、医療機関の迅速な人員確保や入院調整、病床確保の困難さ、また、保健所業務の逼迫、医療物資の不足などの課題があり、平時から感染症危機管理の重要性が浮き彫りとなりました。これを踏まえ、平時からの備えを確実に推進するため、今般の改正案において、病床確保を始め数値目標を盛り込んだ予防計画を都道府県にて策定することとしております。
予防計画については、医療計画や行動計画との整合性に留意しつつ、自治体や医療機関等で構成される連携協議会において定期的にフォローアップすること等を通じて、計画の実効性を担保してまいります。
そして、感染症対策物資の確保についてお尋ねがありました。
この感染症有事への対応については、医療上必要な物資について確実かつ円滑に行き渡るよう、実効性を有する仕組みを設ける必要があります。
現在検討を進めている次の感染症危機に対応する司令塔機能を担う組織である内閣感染症危機管理統括庁の指揮の下、感染症対策物資の確保が十分行われるよう、厚生労働省を始め関係省庁一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/26
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027・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 田村まみ議員から御質問いただきました。
まず、感染症法と医療法の関係や地域医療における機能分化、業務提携について、業務連携についてお尋ねがありました。
感染症法では、感染症の予防や感染症医療に関し必要な措置を定めており、現行法でも感染症法に基づく予防計画には感染症医療を提供する体制の確保に関する事項などを盛り込むこととしております。このため、今般の改正案における医療機関との協定を締結する仕組み等についても感染症法に規定することとしたところであります。
また、感染症医療については、医療資源に限りがある中、地域の医療提供体制の確保を進める中で適切に確保していくことが必要であることから、医療法に基づく医療計画について、令和六年四月から始まる第八次計画から新興感染症への対応に関する事項を追加することとしたところであります。
さらに、今般の改正案では、都道府県が感染症法に基づく予防計画と医療法に基づく医療計画を策定するに当たって相互に整合性を図る旨の規定を設けたところであります。
厚労省としては、都道府県と連携しながら、地域においてこれまで進められてきた医療提供体制の機能分化、連携に支障が生じないよう対応し、平時、有事共に地域で必要な医療提供体制が確保されるよう取り組んでまいります。
感染症対策物資の確保についてお尋ねがありました。
特措法に規定する物資の事業者に対する売渡しの要請については、新型インフルエンザ等緊急事態であることが前提とされていますが、今般の改正案においては、新型インフルエンザ等緊急事態に限らず、物資の不足の状況を踏まえて、国民の生命に重大な影響を及ぼすおそれがあることを要件としており、その適用する場面が異なるものと考えております。
また、新型コロナを始め感染症有事への対応において、医療現場に必要な物資が円滑に行き渡るようにするには、事業者に対し、生産、輸入の促進や出荷調整について要請を行い、感染症対策物資等を確保する必要があります。
今般の改正は、こういった要請を法律上に位置付け、またこれに伴う必要な支援を行うことにより、その実効性を確保するものであります。
保健所の連携強化についてお尋ねがありました。
これまで見られた都道府県と保健所設置市等の保健所間での連携の課題を踏まえ、今般の改正案では、自治体間で平時からの連携を推進するために各都道府県に連携協議会を設置するとともに、都道府県に加え、新たに保健所設置市等に対し予防計画の策定を義務付け、予防計画に保健所体制の整備について明記することといたしました。
さらに、都道府県による保健所設置市等への総合調整権限を強化するとともに、迅速な入院調整を可能とするための都道府県の指示権限も創設することとしており、連携協議会においては、各自治体の役割分担や総合調整権限の発動条件についても検討していただくことを想定をしております。
厚労省としては、具体的な検討事項を基本方針等でお示しするなど支援をしていく予定であり、これらの取組により、保健所の連携強化の実効性を確保していきたいと考えております。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/27
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028・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 倉林明子君。
〔倉林明子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/28
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029・倉林明子
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
会派を代表して、ただいま議題となりました感染症法等改正案について質問します。
法案質疑の前に、統一協会問題と葉梨法務大臣の発言について総理に質問します。
統一協会の被害者救済は、党派を超えた国会の責務です。全党派によるオープンな協議、審議で今国会中に被害者救済の法制度をつくり上げる構えはありますか。
二度と被害を生まないために、統一協会との根深い癒着の根を絶つことが必要です。安倍派を中心に国会議員との関係強化を指示した文鮮明創始者の発言録が明らかになりました。これは個々の議員の問題とは次元の異なる、まさに自民党全体の問題です。安倍家三代と統一協会との関係を含め、政府・自民党として癒着の徹底解明に取り組むべきです。いかがですか。
一昨日の政治資金パーティーにおける葉梨法務大臣の発言は、法務大臣としてはもちろん、人としても許されないものです。発言撤回で済む問題ではありません。法務大臣の資格なし、葉梨法務大臣の罷免を求めるものです。
新型コロナの第七波は、感染者数一千二百万人超え、死者数一万四千人余りと、過去最悪の事態となりました。コロナがなければ失うことがなかった命を守ることができなかった政治の責任は極めて重大です。なぜここまで死者数が増えたのか、その要因について総理の説明を求めます。
第七波の京都の介護、福祉の現場からは、救急車で搬送されたが、結局受入先が見付からず、入院できずに施設に帰ってきた、入院を依頼したら認知症があるかと確認され、あると答えたら搬送先がないと言われたとの声が上がっています。大阪の福祉施設の現場では、クラスターが発生する中、職員にも感染者が相次ぎ、陽性の入所者を陽性の職員がケアに当たらざるを得ず、十日連続の泊まり込みを余儀なくされると、壮絶な事態となりました。必要な医療にアクセスすらできずに、施設や在宅に留め置かれたまま死亡するという事例が全国で起こったのが第七波だったのです。
総理は、三年ぶりに緊急事態宣言等の行動制限を行わずに今年の夏を乗り切れたと述べていますが、本法案の提案に当たって、救えるはずの命が救えなかったと、こういう反省こそ出発点とすべきではありませんか。
第七波では、コロナを受け入れてきた病院がかつてない逼迫状況となりました。入院患者の高齢化により、コロナは軽症であっても基礎疾患の重症化、介護負担の増大を伴い、多くの看護師の配置が避けられず、一般病床を閉鎖しても受け入れる患者数を減らさざるを得ない事態となりました。加えて、職員の感染が相次ぎ、救急の受入れ停止や制限に追い込まれる病院が全国に広がりました。数字の上で確保できていたはずのコロナ病床をフル稼働することは、やりたくてもできなかったのです。
入院が必要な人が入院できない事態にありながら、確保病床が稼働できなかった要因についてどう分析していますか。大臣の答弁を求めます。
本法案は、都道府県と医療機関が病床確保について事前に協定を結び、医療機関が正当な理由なく協定に沿った対応ができていない場合は、勧告、指示、病院名の公表などの措置が講じられることになります。とりわけ大学病院などの特定機能病院や地域医療支援病院には、診療報酬の加算が受けられなくなる承認取消しという重い罰則が科されます。感染拡大が抑えられなければ病床確保が達成できなくなることは、第七波で既に明らかです。
正当な理由なく確保病床が稼働できなかったと、こういう立法事実があったのでしょうか。明確にお示しいただきたい。
日本では、感染者数が第七波に達していなかった過去の波でも医療保健提供体制の逼迫を繰り返してきました。新興感染症によるパンデミックに対し、余りにも脆弱な体制をどう抜本的に再構築していくのかが求められています。ところが、コロナ禍にありながら病床削減を促進する補助金が継続され、これまでに民間病院の病床も含めて、令和二年、三年で五千六百十六床が削減されました。中長期的に見れば病床は減らす必要があるとの説明ですが、今やるべきことではありません。コロナ病床を確保するためにも、一般病床が必要なことは明らかです。消費税を財源とした病床削減のための補助金はきっぱり中止すべきです。
地域医療機構は、地域医療機構病院に対し、コロナ禍の令和二年九月に人員削減計画を進める通知を発出しております。第八波を前に医療提供体制の充実が求められる今、事もあろうに職員削減など到底容認できません。通知は廃止すべきです。
また、法案では、初動対応等を含む特別な協定を締結した医療機関に対し、新たな財政支援を行うとしています。新たな財政支援の対象をなぜ限定するのか。一定期間経過後の補助金や診療報酬の上乗せは具体的にどうなるのか。これまでの緊急包括支援事業に基づく交付金は継続されるのか。明確な御説明をいただきたい。
保健所の逼迫は非人道的な様相を呈しています。入院できるベッドが一つしかなければ、入院が必要な患者が三人いても一人を選ばなければならない、命のトリアージまでもが保健師に迫られました。新卒採用の保健師は、第四波のさなかで、本来の研修は全て省略、初日から電話対応、トイレがどこにあるかさえ終業後に教えてもらった、最初の週から終電を逃してタクシー帰宅、生きていることがしんどくなってマンションのベランダに足を掛けたことも。それでも続けてきたのは使命感との訴えは涙なしには聞けませんでした。保健所の職員は、命懸けでコロナ対応に当たっているのです。
保健所では、コロナ禍が始まってから過労死ラインを超える残業時間が恒常化しています。労基法三十三条三項で、公務のために臨時の必要がある場合においては時間外勤務や休日出勤をさせることができるとされていることにより、青天井で働かせることができるためです。公務員であっても、過労死ラインを超える働き方は許されてよいはずがありません。
平成二十一年の新型インフルエンザ対応を踏まえて策定された新型インフルエンザ対策総括会議報告書によれば、地方自治体の保健所や地方衛生研究所を含めた感染症対策に関わる危機管理を専門に担う組織や人員体制の大幅な強化が必要と指摘されていたにもかかわらず、拡充されることはありませんでした。十二年前の反省に立ち戻り、せめて保健所体制を削減前に戻す決断をすべきではありませんか。
地方衛生研究所の職員配置基準や施設基準などの法定化が求められているにもかかわらず、本法案には盛り込まれませんでした。公衆衛生の向上は憲法二十五条で規定された国の責務です。地方分権を口実にした先送りは許されません。法定化を強く求めるものです。
そもそも感染症法には、良質かつ適切な医療の保障が明記されています。これまでの医療・社会保障費の抑制政策の根本的な転換なしに日本における新興感染症対策の成功はあり得ないと申し上げ、質問といたします。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/29
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030・岸田文雄
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 倉林明子議員の御質問にお答えいたします。
被害者救済の法制度についてお尋ねがありました。
被害者救済、再発防止は、与野党の枠を超えて取り組むべき重要課題であると考えています。現在、与野党間の協議、話合いに加え、自民党においても、各党から被害者救済に向けた法制度に関する御意見を伺っているものと承知をしております。政府としては、各党からの御意見も参考にしながら、将来に向けて被害の発生を防止し、救済を容易にするために必要な法制度の見直しを進めていきます。
いずれにしても、速やかに検討を行い、準備ができたものから臨時国会に提出してまいりたいと考えています。
旧統一教会との関係の調査についてお尋ねがありました。
内閣総理大臣として答弁しておりますので、自民党の対応について申し上げるのは控えるべきかもしれませんが、あえてお答え申し上げるならば、閣僚を含む多くの議員が社会的に問題がある旧統一教会、その関係団体と接点を有していたことが明らかになり、国民の皆様の政治への信頼を傷つけたことを率直におわびをいたします。
安倍元総理が旧統一教会とどのような関係を持っていたかの調査については、当時の様々な情勢における本人の判断、認識、すなわち心の問題である上に、御本人が亡くなられた今、本人は何も釈明、弁明ができないなど、十分な調査はできないのではないかと考えております。
自民党においては、各議員がそれぞれ、各議員それぞれが旧統一教会との過去の関係を八項目に分けて詳細に点検、報告をし、新たな接点が判明した場合は、その都度追加的に報告、説明を行い、今後は関係を持たないことを徹底すること、これを方針としております。
大切なことは、未来に向かって関係を絶つということであります。自民党においては、旧統一教会及び関係団体と一切関係を持たない方針であるということを踏まえ、十月二十五日、ガバナンスコードを改訂し、対応、方針について、二十六日、全党所属国会議員及び全国都道府県連に対して通知をいたしました。地方議員についてもこれを徹底してまいります。
葉梨法務大臣の発言についてお尋ねがありました。
葉梨大臣に対しては、昨日、官房長官から厳しく注意をしたところであり、改めてその職責の重さを自覚し、説明責任を徹底的に果たしてもらわなければなりません。また、葉梨大臣からも、真摯に反省し、陳謝をすると説明があり、発言を撤回したと承知しておりますが、誤解を招くことがないよう、発言はくれぐれも丁寧に、慎重に行ってもらわなければならないと考えております。
第七波における新型コロナ対応についてお尋ねがありました。
オミクロン株が主流となった本年七月から九月までの感染拡大に際しては、その高い感染力から約千百万人が感染し、一万人以上の方がお亡くなりになりました。御家族の皆様方には心よりお悔やみを申し上げる次第です。
お亡くなりになられた方々の死因については様々であり、要因の分析に当たっては、引き続き実態の把握に努めたいと思いますが、高齢者施設に入所中等の基礎疾患を有する方を含め多くの高齢者も感染され、基礎疾患の悪化等の影響で亡くなられるなど、新型コロナが直接の死因でない事例も多かったものと聞いております。
この冬に向けては、インフルエンザとの同時流行を想定した保健医療体制の確保を進めており、重症化リスクのある高齢者等を守ることに重点を置いて取り組んでまいりたいと考えます。
そして、本改正案の提案に当たっての新型コロナ対応等の認識についてお尋ねがありました。
今年の夏は、強化された保健医療体制の下、病床の逼迫を招くことなく、三年ぶりに緊急事態宣言等の行動制限を行わずに過ごすことができ、多くの国民の生活となりわい、支えることができました。他方で、新型コロナ危機への初期対応を含め数年にわたる今般の新型コロナ対応の経験を見ると、医療機関の迅速な人員確保や入院調整、病床確保の困難さ、保健所業務の逼迫、医療物資の不足などの課題があり、平時からの感染症危機管理の重要性が浮き彫りとなりました。
今般の改正案では、これまでの新型コロナ対応の課題等を踏まえ、流行の初期段階から速やかに機能する医療提供体制を確保し、感染症への対応をより強化するために、医療機関との協定の締結等を通じて地域における連携を強化することとしております。
保健所職員の長時間労働についてお尋ねがありました。
まず、新型コロナ対応のため、保健所職員の皆様が日々大変な御尽力をされていることに改めて心から敬意と感謝を申し上げます。
コロナ禍が長引く中で、保健所職員の皆様の過労死等を防止し、健康を確保していくことが極めて重要になっていると考えております。
このため、自治体に対し、条例等によって労働時間の上限規制を設けるよう助言を行うとともに、時間外勤務の縮小対策を実効的に運用するための留意点等について自治体に通知をしております。各自治体においてこうした取組が着実に実施されるよう、引き続き、政府として各自治体の取組を支援してまいります。
保健所の体制についてお尋ねがありました。
保健所の人員体制については、設置主体である自治体の判断により、地域の実情を踏まえ必要な体制を確保しており、近年は増加をしています。
国としては、保健所において感染症対応に従事する保健師の恒常的な人員体制を強化するために必要な地方財政措置を講じたところです。
さらに、今般の改正案では、保健所設置自治体に対し、保健所の体制整備を含む予防計画の策定を義務付けることなどを盛り込むとともに、専門人材が保健所業務を支援する仕組みであるIHEATを法定化したところであり、感染症危機時でも機能する強化された保健所体制を平時から計画的に構築をしてまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/30
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031・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 倉林明子議員より六問の御質問をいただきました。
まず、確保病床の稼働についてであります。
今般の感染拡大において、この夏の感染拡大においては、最大確保病床約五万床のフル稼働に向けた対応や、入院対象者の適切な調整等、累次にわたる対策を講じたところではありますが、医療従事者やその御家族の感染、濃厚接触による就業制限等に伴う人員不足などにより、確保していた病床について適切に稼働させることが難しい場合があったと承知をしております。
こうしたことを踏まえて、今後、都道府県において、医療従事者の欠勤状況を把握、活用できるようにすることで感染状況に即したフェーズ運用を促進するなど、時機に遅れることなく病床の確保ができるように対応してまいります。
また、医療機関の人員不足への対応については、今般の改正案において、あらかじめ人材派遣に関して協定を締結し、まずは都道府県内で人材の融通を行うこととしております。その上で、都道府県内での人材確保が難しい場合は、他の都道府県に直接応援を求めることや、厚生労働大臣に対し、他の都道府県からの医療人材の派遣を求めること等の仕組みを規定することとしております。
法案の立法事案について、事実についてお尋ねがありました。
これまでの新型コロナ対応において、地域で個々の医療機関が果たす役割が具体化されてこなかったことから、患者像と病床確保に関し医療機関と都道府県との認識のずれが生じた結果、確保病床に重症患者が受け入れられないなど、各地域において円滑な医療提供体制の確保が図られなかった事例がありました。
今般の改正案は、こうした新型コロナ対応を通し、通じて明らかになった課題や経験を踏まえ、これまで地域において構築された役割分担を法律上の仕組みとして位置付けることにより、感染初期から迅速かつ的確な対応が可能な医療提供体制を構築するものと考えております。こうした体制の構築に当たっては、協議等のプロセスを通じてあらかじめ地域における役割分担について認識を共有しておくほか、地域において感染症対応を担う体制を確保していくことも重要であります。
公立・公的医療機関等や特定機能病院、地域医療支援病院には、実際の新型コロナ対応でも、例えば、大学病院等に地域の基幹病院としての重症患者の受入れの役割を担っていただいており、その機能や地域での役割を踏まえれば、今後の感染症発生、蔓延時にも一定の役割を果たすことが期待されております。さらに、その機能に応じた様々な支援も講じているところであり、医療の提供を義務付けることとしたところであります。さらに、この医療提供義務や協定の、協定を実効性のあるものとするため、承認取消し等の履行確保措置について設けることとしたものであります。
病床機能の再編支援についてお尋ねがありました。
中長期的な人口構造の変化や地域の医療ニーズに応じて、病床機能の分化、連携により、質の高い効率的な医療提供体制の確保を地域医療構想によって推進することが重要であり、御指摘の財政支援は単なる病床削減を目的としたものではなく、地域の合意を踏まえて必要とされる医療提供体制構築を進めるに当たって重要な支援策と考えております。
厚生労働省としては、地方自治体等と連携し、また御意見も伺いながら、地域医療構想を着実に進めるとともに、今後高齢者人口がピークを迎えて減少に転ずる二〇四〇年頃を視野に入れつつ、新型コロナ禍で顕在化した課題を含め、中長期的な課題についても整理し、取組を進めてまいります。
地域医療機能推進機構が発出した通知についてお尋ねがありました。
各病院の運営は、人件費に関することを含め、独立行政法人地域医療機能推進機構において適切に判断の上行われているものと考えております。
御指摘の通知による取組は、コロナ禍の影響も踏まえた上で、法人において適切に判断し、行われているものと承知をしております。
医療機関への財政支援についてお尋ねがありました。
今般の改正案では、都道府県知事が、平時に各医療機関と協議を行い、感染症発症、発生、蔓延時における役割、対応に関する協定を締結することとしております。
その上で、感染症の流行初期段階から基幹的な役割を担う特別な協定を締結した医療機関に対しては、経営上の懸念を払拭するため、診療報酬の特例措置や補助金等の財政支援が整備されるまでの間、流行初期医療確保措置として、感染症流行前と同水準の収益を補償することとしております。
なお、流行初期以降の補助金や診療報酬の特例措置などの財政支援については、実際の感染症発生時に、そのときの感染状況や感染症の特性を踏まえ、必要な支援を検討していきたいと考えております。
地方衛生研究所についてお尋ねがありました。
今般の改正案では、地方公共団体の自主組織権を尊重する旨の地方分権推進委員会の勧告を踏まえ、保健所設置自治体に対し、地方衛生研究所が感染症対策で担う機能を確保するために必要な体制整備等の義務を課すとともに、連携協議会の設置や予防計画の策定等により、自治体同士が連携しながら必要な検査体制を平時のうちから計画的に整備する仕組みを盛り込んだところであります。
御指摘のような基準を設けることは予定をしておりませんが、地方衛生研究所の体制整備の在り方については、地域保健法に基づく基本方針や関係通知等の中で技術的な助言として示していきたいと考えております。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/31
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032・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これにて質疑は終了いたしました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/32
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033・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 日程第一 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案
日程第二 最高裁判所裁判官国民審査法の一部を改正する法律案
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上両案を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員長古川俊治君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔古川俊治君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/33
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034・古川俊治
○古川俊治君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案は、全国多数の地方公共団体の議会の議員又は長の任期が令和五年三月、四月又は五月中に満了することとなる実情に鑑み、国民の地方選挙に対する関心を高めるとともに、これらの選挙の円滑かつ効率的な執行を図るため、これらの選挙の期日を統一するとともに、これに伴う公職選挙法の特例を定めようとするものであります。
次に、最高裁判所裁判官国民審査法の一部を改正する法律案は、国外に居住している国民の最高裁判所裁判官国民審査における審査権行使の機会を保障するため、在外投票を可能とするとともに、遠洋区域を航行区域とする船舶等に乗船中の船員等の審査の投票の機会を確保するため、洋上投票等を可能とするほか、所要の規定の整備を行おうとするものであります。
委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、統一率が低下する中で統一地方選挙を実施する意義、在外国民審査制度が導入されていなかった理由と審査権行使のための環境整備、郵便等投票や国民審査における点字投票を改善する必要性、子供を連れた選挙運動に係る公選法上の解釈等について質疑が行われました。
質疑を終局し、順次採決の結果、両法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/34
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035・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより両案を一括して採決いたします。
両案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/35
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036・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 総員起立と認めます。
よって、両案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/36
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037・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 日程第三 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案
日程第四 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上両案を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長古賀友一郎君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔古賀友一郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/37
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038・古賀友一郎
○古賀友一郎君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案は、人事院の令和四年八月八日付けの職員の給与の改定に関する勧告に鑑み、一般職の国家公務員の俸給月額及び勤勉手当の額の改定を行う等の措置を講じようとするものであります。
次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、一般職の国家公務員の給与改定に伴い、特別職の職員の給与の額の改定を行おうとするものであります。
委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、国家公務員の博士号取得者の評価、採用への取組、人事院勧告制度の在り方、国家公務員の人材確保策、非常勤職員の処遇改善等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本維新の会の高木委員より両法律案に反対の旨の意見が述べられました。
次いで、順次採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/38
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039・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/39
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040・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/40
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041・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/41
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042・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 日程第五 ガス事業法及び独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長吉川沙織君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔吉川沙織君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/42
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043・吉川沙織
○吉川沙織君 ただいま議題となりましたガス事業法及び独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、液化天然ガス、LNGの確保をめぐる国際的な緊張の高まりを踏まえ、緊急時において経済産業大臣が独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構、JOGMECにLNGの調達を要請することができることとするとともに、ガスの需給を調整するためガスの使用を制限することを可能とする措置等を講じようとするものであります。
委員会におきましては、JOGMECに対するLNGの調達要請の在り方、ガスの使用制限による影響を最小化する必要性、LNGの安定供給の確保に向けた今後の取組等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して岩渕友委員より反対する旨の意見が述べられました。
次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対して六項目から成る附帯決議を行いました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/43
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044・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/44
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045・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/45
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046・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 日程第六 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長阿達雅志君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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〔阿達雅志君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/46
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047・阿達雅志
○阿達雅志君 ただいま議題となりました防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、一般職の国家公務員の例に準じて、防衛省職員の俸給月額等を改定するものであります。
委員会におきましては、自衛官の処遇及び生活・勤務環境の改善、防衛能力を十分に発揮するための人員の確保、自衛官独自の給与制度創設の必要性、自衛官の超過勤務の実態、防衛省・自衛隊におけるセクハラを含むハラスメント問題への対応等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本維新の会の音喜多理事より賛成する旨の意見が述べられました。
次いで、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/47
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048・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/48
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049・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/49
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050・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 日程第七 競馬法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長山下雄平君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔山下雄平君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/50
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051・山下雄平
○山下雄平君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、競馬の健全な発展等のため、地方競馬全国協会の資金確保措置の恒久化等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、地方競馬への支援措置の在り方、競走馬生産と引退後利用の支援等について質疑が行われました。
質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、附帯決議を行いました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/51
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052・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/52
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053・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/53
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054・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 日程第八 港湾法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長蓮舫君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔蓮舫君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/54
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055・蓮舫
○蓮舫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、我が国における脱炭素社会の実現に資する港湾の効果的な利用を推進するため、港湾管理者による港湾脱炭素化推進計画の作成、同計画に基づき分区内の規制を強化し、又は緩和することができる制度の創設等の措置を講ずるとともに、港湾の機能の安定的な維持及び港湾の管理、利用等の効率化を図るため、国が港湾施設の管理を自ら行うことができる制度の拡充、行政財産である緑地等の貸付けに係る制度の創設等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、港湾の脱炭素化の推進の在り方、我が国港湾の国際競争力の強化、港湾緑地の貸付制度における課題等について質疑が行われました。その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して田村智子委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/55
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056・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/56
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057・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/57
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058・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) この際、日程に追加して、
国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/58
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059・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長石井準一君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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〔石井準一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/59
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060・石井準一
○石井準一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、政府職員の給与改定に伴い、議員秘書の給料月額の一部及び勤勉手当の支給割合をそれぞれ改定しようとするものであります。
委員会におきましては、日本維新の会の清水委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/60
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061・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/61
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062・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/62
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063・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 議院運営委員長から、参議院の組織及び運営の改革に関する協議会の設置について発言を求められております。この際、発言を許します。議院運営委員長石井準一君。
〔石井準一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/63
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064・石井準一
○石井準一君 参議院の組織及び運営の改革に関する協議会の設置について御報告申し上げます。
参議院改革につきましては、これまで歴代議長の下、議員各位並びに各会派の御努力によりまして様々な議論が重ねられてまいりました。
去る九日、尾辻議長の主宰により、各会派代表者懇談会が開かれ、参議院改革を更に進めるため、改めて参議院の組織及び運営の改革に関する協議会を設置する旨の合意がなされました。
これを受けまして、本日、議院運営委員会におきまして、議長の下に、参議院の組織及び運営に関する諸問題を調査検討するため、お手元の設置要綱のとおり、参議院改革協議会を設置することに決定をいたしました。
以上、御報告申し上げますとともに、本院がその機能を十全に発揮していくため、本協議会が所期の目的を達成することができるよう、議員各位の御協力を心からお願いを申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/64
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065・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 本日はこれにて散会いたします。
午後零時五十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121015254X00620221111/65
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