1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年五月十一日(木曜日)
午前十時三分開会
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委員の異動
五月十日
辞任 補欠選任
森本 真治君 三上 えり君
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出席者は左のとおり。
委員長 吉川 沙織君
理 事
青山 繁晴君
石井 正弘君
中田 宏君
田島麻衣子君
石井 章君
委 員
越智 俊之君
太田 房江君
片山さつき君
北村 経夫君
小林 一大君
長峯 誠君
松村 祥史君
三上 えり君
村田 享子君
石川 博崇君
里見 隆治君
猪瀬 直樹君
礒崎 哲史君
岩渕 友君
平山佐知子君
衆議院議員
修正案提出者 関 芳弘君
修正案提出者 小野 泰輔君
国務大臣
経済産業大臣
国務大臣 西村 康稔君
副大臣
内閣府副大臣 太田 房江君
大臣政務官
内閣府大臣政務
官 里見 隆治君
政府特別補佐人
原子力規制委員
会委員長 山中 伸介君
事務局側
常任委員会専門
員 山口 秀樹君
政府参考人
内閣官房内閣人
事局人事政策統
括官 横田 信孝君
経済産業省大臣
官房長 藤木 俊光君
経済産業省大臣
官房審議官 蓮井 智哉君
経済産業省貿易
経済協力局長 木村 聡君
資源エネルギー
庁長官 保坂 伸君
資源エネルギー
庁長官官房資源
エネルギー政策
統括調整官 山田 仁君
資源エネルギー
庁省エネルギー
・新エネルギー
部長 井上 博雄君
資源エネルギー
庁電力・ガス事
業部長 松山 泰浩君
原子力規制委員
会原子力規制庁
次長 金子 修一君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立
を図るための電気事業法等の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/0
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001・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、森本真治君が委員を辞任され、その補欠として三上えり君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/1
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002・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣人事局人事政策統括官横田信孝君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/2
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003・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/3
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004・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
政府から趣旨説明を聴取いたします。西村国務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/4
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005・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) おはようございます。
脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
ロシアによるウクライナ侵略等により、世界のエネルギー情勢は一変し、諸外国は早期の脱炭素社会への移行に向けた取組を加速しています。こうした中、資源に乏しい我が国においても、グリーントランスフォーメーション、いわゆるGXに向けて取り組むとともに、エネルギーの安定供給を確保することが重要です。このため、再生可能エネルギーの最大限の導入に向けて、系統整備を加速しつつ、国民負担の抑制と地域との共生の両立に取り組むとともに、原子力については、安全性の確保を大前提とした上で、その活用を進めるなど、脱炭素電源の利用促進と、電気の安定供給を確保するための措置を講ずる必要があります。
本法律案は、こうした内容を盛り込んだ上で、本年二月に閣議決定したGX実現に向けた基本方針に基づき、所要の措置を講ずるものであります。
次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
まず、電気事業法の一部改正です。
第一に、発電用原子炉の運転期間を四十年と定めた上で、原子力規制委員会による運転停止命令等を受けていないこと等の基準に適合していると認められるときに限り、経済産業大臣が認可し、運転期間の延長を認めることとします。その際、運転期間は最長で六十年に制限するという現行の枠組みは維持した上で、安全規制に係る制度の変更等の予見し難い事由により運転を停止した期間と認められる期間に限り、六十年の運転期間のカウントから除外することとします。
第二に、広域系統整備計画に定められた一定規模以上の電気工作物の整備等を実施する一般送配電事業者等は、その整備等に関する計画について、経済産業大臣の認定を受けることができるものとし、広域的運営推進機関の業務に、当該認定を受けた者に対して、当該電気工作物の整備等に必要な資金の貸付けを行う業務を追加します。
次に、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部改正です。
発電用原子炉設置者に対して、運転を開始した日から起算して三十年を超えて発電用原子炉を運転しようとするときは、あらかじめ、その発電用原子炉施設について、十年を超えない期間ごとに、当該施設の劣化に関する技術的な評価を行い、その劣化を管理するための措置等を記載した長期施設管理計画を作成し、原子力規制委員会の認可を受けること等を義務付けることとします。
次に、原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施に関する法律の一部改正です。
使用済燃料再処理機構の業務に、廃炉推進業務を追加した上で、同機構の名称を使用済燃料再処理・廃炉推進機構に改めるとともに、同機構が行う廃炉推進業務に必要な費用に充てるため、実用発電用原子炉設置者等に対して、同機構に廃炉拠出金を納付することを義務付けることとします。
次に、再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法の一部改正です。
第一に、既存の再生可能エネルギー発電設備を最大限活用するため、認定事業者がその発電設備の増設等を行う場合には、増設等に係る部分にのみ最新の価格を適用する措置を講じます。
第二に、再生可能エネルギー発電事業計画の認定の要件に、その事業の実施内容を周辺地域の住民に周知することを加えるとともに、認定基準に違反する認定事業者に対して、交付金による支援額の積立てを命ずる措置を創設するなど、事業規律を強化します。
第三に、今般、電気事業法において創設する認定制度の認定を受けた事業者が、当該認定に係る計画に従って再生可能エネルギー電気の利用の促進に資する電気工作物を設置しようとするときは、その工事を開始した日から特定系統設置交付金の交付を受けることを可能とします。
次に、原子力基本法の一部改正です。
エネルギーとしての原子力利用は、国及び原子力事業者が安全神話に陥り、東京電力福島第一原子力発電所の事故を防止することができなかったことを真摯に反省した上で、原子力事故の発生を常に想定し、その防止に最善かつ最大の努力をしなければならないという認識に立ってこれを行うものとし、当該原子力利用に当たっての国及び原子力事業者の責務を明確化する等の措置を講じます。
以上が本法律案の提案理由及びその要旨でありますが、この法律案につきましては、衆議院で修正が行われたところであります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/5
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006・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員小野泰輔君から説明を聴取いたします。小野泰輔君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/6
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007・小野泰輔
○衆議院議員(小野泰輔君) ただいま議題となりました脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
これまでの我が国の原子力利用は、原発立地地域の電力の安定供給に対する理解と協力の下で進められてきました。しかし、高レベル放射性廃棄物の最終処分やALPS処理水の取扱いを始めとした原子力に係る課題については、原発立地地域のみならず、電力の大消費地である東京、大阪などの都市の住民を含めた国民全体の理解と協力を得ることが重要であります。
また、本法律案により、原子力規制委員会は、発電用原子炉設置者が三十年を超えて発電用原子炉を運転しようとする際に作成する長期施設管理計画の認可を行うこととなりますが、原子力規制委員会の業務が増大する中にあっても、発電用原子炉の設置の許可等の審査に遅れが生じることは、電力の安定供給の観点からも避けなければなりません。
本修正は、以上のような状況を踏まえたものであります。
次に、修正部分の内容を御説明申し上げます。
第一に、原子力基本法に新たに規定する国の責務のうち、原子力発電に対する国民の信頼を確保し、その理解を得るために必要な取組を推進する責務について、国民の例示に電力の大消費地である都市の住民を加えるとともに、国民の理解と協力を得るために必要な取組を推進する責務とすることとしております。
第二に、発電用原子炉の運転期間、発電用原子炉施設の劣化の管理等に係る改正の施行後五年以内に政府が行う検討の対象として、原子力規制委員会による発電用原子炉の設置の許可等に係る審査の効率化及び審査体制の充実を含めた発電用原子炉施設の安全の確保のための規制の在り方等を追加することとしております。
以上であります。
委員各位の御賛同を賜りますようよろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/7
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008・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/8
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009・青山繁晴
○青山繁晴君 ありがとうございます。皆様、おはようございます。ちょっと声がかれていて、お聞き苦しくて申し訳ございません。コロナではありません。
まず、今回もいつもと同様に、党利党略のためでなく、国民、国益のためにこそ質問いたしたいと思います。
山中委員長におかれましては、昨日の参議院本会議に続きましてお出ましをいただき、お疲れさまでございます。
それから、今日もたくさんの傍聴の方、主権者の方がお見えでいらっしゃいます。敬意を込めて、感謝申し上げたいと思います。
今日は、不肖私の質問は五十五分間いただいていまして、夢か幻かと思うほど時間がたっぷりありまして、というのはちょっと大げさなんですけれども、ふだんよりちょっとじっくりお問いかけをいたしたい、議論をいたしたいと思っています。そのために、ふだん申し上げないことを二点前提として申し上げたいと思います。
今日は、前半はまず原子力規制の在り方についてお尋ねするんですけれども、その際に、質問者であります私の条件というのは、まず、どちら側に立ってもいけないということであると考えます。
原子力規制委員会は独立性の高いいわゆる三条委員会でありますけれども、それでも政府の一部でありますから、政権党だからといって政府に偏り過ぎてもいけない。同時に、民間事業者の原子力発電者の側に寄り過ぎてもいけないということがありますので、七年前から私は議員を務めておりますが、当時から決心しまして、献金一円も受け取らない、パーティーを一切開かない、パーティー券売らない、団体支持は、統一教会のみならず、いかなる団体であっても全てお断り、後援会もつくりません、後援会長も置きません、地元もつくらない、ついでに言えば、党内の派閥にも属さないという立場で、今日は公平を期して質問いたしたいと思っています。それがまず第一点です。
それからもう一点目は、私の専門分野はささやかなりに幾つかあるんですけれども、そのうちの一つが原子力や海洋資源、海洋の自前資源を含めたエネルギーであります。したがいまして、振り返れば、四半世紀ちょい超えぐらいこのエネルギーにも関わってきました。
その中で、皆様御承知のとおり、十二年前に福島原子力災害という大変な事態が起きました。そこで私が目撃したのは、当時の原子力安全・保安院、今ここに関係者いらっしゃいませんので、余り当時のことについて厳しいことを言い過ぎるのは人としてのモラルではないと思いますから、そこは考え考え申したいんですけれど、目を覆うような有様でありました。
それを語る前にもう一点だけ付け加えて申しておきますと、あの事故の現場、事故が進行している最中に専門家の端くれとして中に入ったのは不肖私一人ということになりました。当時、御健在でいらっしゃいました吉田昌郎所長が、私が当時の内閣の原子力委員会ですね、原子力委員会の防護専門部会の委員だったために、その議事録をよくお読みでいらして、私が入ることを許していただきましたので、結果的にあの現場はもう残っていませんので、今廃炉の過程ですから。
一体あの事故が本当は何だったのかということを目の当たりにしたというのは、一月にIAEA、ウィーンの国際原子力機関を訪ねましてグロッシー事務局長とじっくり小一時間話してきましたけれども、そのときもグロッシーさんから一番聞かれたのは、当時の福島の状況と今のザポリージャのひどい状況と、あるいはその前にロシア軍が入ったチェルノービリ原発の共通点について、あなたの知るところを教えてくださいというお問合せもいただきました。
今日はそういうことを踏まえてお話しするんですけれども、さっきちらっと言いました原子力安全・保安院がいかに当事者能力がなかったかといえば、ここに福島出身の議員の方もいらっしゃいますけれど、とても原発立地県の方々にお見せできるような状態ではないというか、まず、今の原子力規制委員会というのは実はアメリカのNRCの直訳に近いものですよね。アメリカにはニュークリア・レギュラトリー・コミッティー、NRCというものがありまして、こことも僕は付き合い始めて二十五年たつわけですけれども、それの事実上直訳なんですよね。最後のCをオーソリティーのAにしてNRAと言っているだけであって。
そのときは、アメリカはスリーマイル島の事故は経験していましたので、全然事故の態様、規模は違いますけれど、スリーマイルの経験があるので、NRCの方々、全部は公開してなかったと思うんですけれど、お忍びも含めて関係者がかなり福島にも東京にもおいでになって調べて歩いたときに、私に最初に連絡があったのは、衝撃の一言で、英語が通じないと。英語が通じないというのは、例えば福島の地元の人に通じないという意味ではもちろんなくて、当時の原子力安全・保安院と英語で話ができないと。
僕はびっくりしまして、ふだんから書類のやり取りしているじゃないですかと、メールのやり取りもしていますよねと聞いたら、いや、そういえば、いつも紙読んでいるよねと、いつも目落として紙読んで、こっちの目見ることもないんだよと。だから、面と向かって今福島は一体どうなっているのかということを問いただしても、まず中に入ってない、テレビ会議やっているだけで中に入ったかのように言っているけれども、よく聞いたら全然入ってないと。それでどうして事故の実態分かるのかと聞いたら、その後余計に英語が通じなくなると。官僚主義もここに極まれりということを正直実感いたしました。
当時、私は民間の専門家でありまして、まさかそのときには国会議員になるとも夢にも思っていませんでした、選挙に出るのが絶対嫌でしたから。これは余計な話です。要は、自分を売り込もうとしないで今お話ししています。
そのときに、どこまで、まだ全部を言っていいのかどうか分かりませんけど、一番実は動いたのは、日本の政府機関でいうと自衛官と警察官だったんですよね。一番最初に入ったのは自衛官でありまして、それも事情がよく分からないので、一番密閉性の高い装備といえば戦車なので、戦車に乗って自衛隊を中に入れることを検討して、サッカー練習場を前線基地にしていましたよね、もうみんな忘れて、忘れかけていますけど。行きましたら、そこに戦車が四台並んでいて、もう何とも異様な光景でしたが、実はもう現場はパイプその他が、ケーブルも含めて散乱していて、そこにあの重量級の戦車があると何が起きるか分からないというので結局待機しただけに終わったわけですけど。
これ、話がそれているんじゃなくて、この冷やせない、どうしたら一体冷やせるのかというのを最初に考えたのは、名前はさすがにまだ言っちゃいけないと思いますけれど、警察庁の関係者とそれから不肖私の、実はこんなこと言って余計なことですけれども、二人で考えました、外付けで水を回すしかないんじゃないかと。上から水を入れたり、あるいは自衛隊がヘリから水を投げ入れるようにしたというのは御存じだと思います。ほとんど効果なかったんです、実は。それを言うと当時はもっと大変な混乱になるから言わなかっただけであって、実際はラッキーにも助けられて、壊れるはずのない壁が壊れて水がちゃんと入ったというようなこともありました。
そのときに、既に、これ、もう一回言いますが、話がそれたわけじゃないというのは、原子力安全・保安院はもう駄目だなと、だから独立性の高いものをつくらなきゃいけないと。山中先生は、山中委員長は、そのときはまだ大阪大学でいらしたと思いますけれども、原子力安全工学の長い専門家でいらっしゃいます、それはよく存じ上げていますけれども。独立性の高い機関をつくるには、日本にはちゃんと法律があって、いわゆる三条委員会をつくることができるので、自由民主党の中に抵抗があっても、あるいは既得権益の中に、電力会社の側に抵抗感強くても、三条委員会をつくるしかないというふうに、当時のNRC幹部とも既に話したわけです。
今年一月に、私は海外出張は基本的に自費、自主なので、今年の一月もそのようにして、さっき言いましたウィーンにも行きましたけれど、アメリカにも行きまして、NRCの今の幹部と日本の原子力規制の現状についても、こちらは内政干渉を受けるわけにいかないので、あくまで一つの自由な意見として聞いたんですけれども。
アメリカ側が一つ懸念しているのは、アメリカの誰がどう言ったということは絶対言いませんけれど、あのNRCというのは、アメリカのNRCですね、アメリカの核規制委員会、原子力規制委員会というのは、民間の資本もかなり入っているんですよね。そこは日本とは考え方の違うところで、官民を官尊民卑のように上下関係のようにせずに、言わば連帯してやれるのが民主主義国家だという考え方ですから、民間の資金が入っていることもあって、人事交流も多いですし、とにかく風通しがいいわけです。
で、あの当時のNRCが感じたこと、十二年前の、それと同じことをですね、山中委員長、ここから、もうさっきからずっと聞いてくださっていますけど、本当によく聞いていただきたいんですけど、合衆国のみならず世界の規制当局でやや懸念が非公式に語られるのは、風通しがまた悪いと。
それはどう悪いのかというと、前のように癒着をして、例えば、東京電力でなぜ事故が起きたかといえば、本当は、通産省、経産省に近過ぎるんですよね、そもそも歩いて三分ですし。それから、いろんな意味で、例えば、最近では関西電力は専ら悪者の引受役になっているけれども、それは関電にも大きな原因あるけど、新幹線で三時間、当時三時間の距離と歩いて三分の距離だと癒着の度合いが違うわけですよね。
当時、癒着で起きたミスコミュニケーションが、今は逆に独立性の、ちょっときつい言葉なんですけど、履き違えで、もうとにかく上意下達、そして官尊民卑の日本特有の現象が出て非常におかしなことが起きているという懸念を持っているけれども、おまえはどう思うかということをNRCの本部で随分聞かれました。
実は、今日の私の問題意識と共通するものは、残念ながら、誠に残念です、なぜアメリカにこんなことを言われなきゃいけないのか。広島、長崎に人体実験の核爆弾を落としたんではないかという疑念を私は今も持っていて、軍とも、アメリカ軍ともその議論をしますから、そのアメリカのニュークリアの側にこういうことを言われたくないと思いつつ、残念ながらその気配を感じるんです。
主権者のためにも分かりやすい例で言いますと、日本原電という会社があるんですよね。で、福島の事故以来、日本原電はどちらかというとメディアでは悪の権化という扱いになっています。報道の自由ですから、それに対して今日コメントすることはしませんけれど。日本原電は元々は、この委員会でも行くかもしれないところですけれども、原子力発電のパイオニアであったことは確かなんですよね。その日本原電とこの原子力規制委員会が、十年越しの紛争が起きているわけです。その紛争の原因は何かというと、活断層の問題なんですね。
で、活断層って最近ニュースで全然目にしないなと思われていると思うんですけれど、そもそも福島の事故の原因は、私なりにもちろん結論を持っています。国会や政府の事故調とは違う結論を私は持っていますけれども、少なくとも、現場を見た者として言えば、これ、だから、迂遠なようで最初から説き起こしているので、地震の揺れで起きた事故とはとても思えません。
まず第一には、もう既に語られたとおり、東京電力の中の若い技術者の意見を聞かずに防潮堤の高さを高くすることを怠ったために、少し北方にある女川原発では、東北電力の若い社員の言うことも聞いて防潮堤を高くしていたから津波の高さに耐えられた。ところが、もう吉田所長亡くなられたので言いにくいんですけれども、吉田所長はその後がんで入院されて、事故と関係ありません、喉のがんですから、事故が起きたときには既にもう実はあの場所からこっそり東京の病院に通院もされていたんですね。で、もう死を間近にした病床から下さった電話の中で、青山さん、結局は私にも重大な責任があると、あのとき若い技術者の意見を入れて防潮堤さえ高くしておけば何事も起きなかったと。何事も起きなかったというのはやや言い過ぎかもしれませんが、死に行く人の最後の一言として私の胸に刻まれているわけです。
これはどういうことかといいますと、あのガル、重力加速度、恐らく七百ガルから場所によっては九百ガルぐらいの、想定外どころか、そんなことを言ったら学界の中では、特に山中先生よく御存じのとおり、それはオーバーイマジネーションだと必ず言われたと思うんですけれども、そういう部分もあったんじゃないかという揺れには耐えたんですね。
で、なぜ耐えられなかったかというと、実は津波の衝撃で壊れたんじゃないんです。それは、もう現場は残っていないんですけど、海側に行ったのは僕が最初でした、吉田所長の反対を押し切って、作業員の方の了解を得て、決死のみんなまなざしで回ったわけですけど、そうしたら、燃料タンクが、巨大な燃料タンクが海にぷかぷか浮いていたり、巨大なトレーラーが頭逆さまにして二台も突っ込んでいたり、逆さにですよ、上下逆に突っ込んでいるんです。
で、作業員の方は、ああ、やっぱり津波でやられたんだとおっしゃったんですが、僕は、申し訳ないですけど不遜を承知でそのとき申し上げたのは、皆さんは原子力の専門家ですと、でも不肖私は危機管理の専門家なので、危機管理全体から見たらこれは本当に天の助けであって、もし違う構造の原発だったら、原子力建屋が海に直接面していたらもう大変なことになっていたけれども、燃料タンクとか、あるいはタービン建屋、そういった放射性物質を帯びない、基本的には帯びない施設が海に面していたために、津波の衝撃がそこで吸収されて、だからこそ燃料タンクが海にぷかぷか浮かんでいるんですと。
じゃ、どうして事故になったかというと、何のことはない、これメーカー名は伏せますけれども、まあ知られていることですよ、あるメーカーの、巨大メーカーが造った原子炉がアメリカで欠陥炉だという裁判が起きて、実はアメリカの地震が多い西海岸に敷設できなくなって、だからさっき通産省と、今の経産省と東電が距離近過ぎたと申し上げたのはそのことであって、要はアメリカが造っちゃってもう売り先のないものを何と東電に売ったんですよね。で、その据付け工事を、例えば福島の地元の方々に頼むならまだしも、主たる工事をアメリカの業者に任せて、全部アメリカが利益持っていったんですよね。そのために何が起きたかというと、ハリケーン対策、ハリケーンと台風は似ているものであっても、もちろん地政学的、地理的条件、気象学上も違うんですが、それを考えていたから配電盤を地下に置いた。それが、衝撃が和らいだ津波の水でひたひたとぬれて、そして通電しなくなって、冷やせなくなって、今に続くあの巨大な事故に至ったというのが本当のところだと考えているわけです。
そうすると、そもそも地震でたたき壊されて起きた事故でもなければ、津波の衝撃でやられたんでもない、実は癒着の構造によってつくられたもの。それがどうして活断層の話ばかりになるのかということ自体が、もうそこでゆがみが出ているわけです。
ただし、活断層の問題は、今法律に書き込まれていますから、ここで国会議員としてそれを改めて問うことはもうしません。活断層があれば問題もあるのも事実なので、これ以上そこには踏み込まないけれど、しかし、日本原電と原子力規制委員会の紛糾の原因はずっとこの活断層なんですよね。しかも、これ、国民にはほとんど知られていないんですよ、なぜかメディアが伝えないから。共同通信にいましたので、メディアの手のうちもよく分かります。
具体的に言えば、特に敦賀二号機、福井県にある敦賀二号機について、この敦賀二号機の直下の活断層からやや右に、地図上では右にずれたところにある断層は今後動くおそれがある、ないしは強い活断層と、生きている断層とみなされています。しかし、その真下にある断層について、日本原電はこれは動く可能性がないとするのに対して、原子力規制委員会の、原子力規制委員会のというのは、その下に有識者会合というのがぶら下がっていて、これが動く可能性があると言っているわけですよね。
これ十年間もめ続けて、最近起きていることは、山中委員長におかれては、もう今年八月までにこの日本原電が満足できる書類を出さなければこの審査はもう打切りだということをおっしゃったと受け止められてもやむを得ない発言をされています。まずそのことについて、通告どおりにお聞きしたいんですけど。
実は、原子力規制委員会は、もう一度言いますけど、三条委員会で独立性高いからこそ、厳密に権限が定められています、日本は法治国家なので。独立性が高いからといって、アプリオリに、先天的に任せるようなことはしません。したがって、審査の申請があって、その審査が始まったものを規制委員会が打ち切ることはできないんです。できないことをなぜできるかのようにおっしゃるのか、厳しい問いかけで申し訳ございませんが、委員長、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/9
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010・山中伸介
○政府特別補佐人(山中伸介君) お答えいたします。
新規制基準への適合性を判断するためには、科学的、技術的な根拠が必要でございます。日本原子力発電敦賀発電所二号炉につきましては、日本原電が審査において提示をした新規制基準への適合性への判断の根拠となる科学的、技術的データに誤りが続き、実質的な審査が着手できないという、規制側にとっても好ましくない状態が続いておりました。
この状態を解消すべく、本年四月五日の第一回の原子力規制委員会において、今後の審査の進め方として、申請を取り下げていただくか、あるいは一部補正を求めるかの二案を討議をいたしました。申請を一旦取り下げてゼロベースで審査をし直すことはかえって審査を長引かせる、それよりは、実質的な審査に着手できないという規制側にとっても好ましくない状態を解消すべく、設置変更許可申請の補正を求めることといたしました。その後、本年四月十一日の、日本原電のCEOと対面で会議を行いまして、村松社長から、八月三十一日までに補正を行う旨の御発言をいただきました。このため、四月十八日に、行政指導としての文書を発出いたしました。
このように、事業者に対しまして、一方的な指示とならないように、公開の場で、事業者の意思も確認した上で手続を進めてきたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/10
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011・青山繁晴
○青山繁晴君 委員長は今、誠実にお答えいただいたと思います。ただし、全て私が想像したとおりのお答えでありましたが。
幾つか問題点があって、今おっしゃったのは、数字をあえて、何点誤りがあったかということをおっしゃいませんでしたけど、さんざん出ています、報道に。日本原電がまたこんないっぱい間違いしたということは出ているんですけど、その中にはいわゆる誤字、誤字脱字の範囲内のものもあります。つまり本質と関係ないもの。
それからさらに、もうちょっと大きな問題なのが、元年十月に、これは原子力規制委員会じゃなくて規制庁の方なんですけど、規制庁の審査官が、後で見直して、直ったところは直ったものを書けと、元のやつはもう復元するなという指示を実際に出していて、これ議事録に残っているわけです。今委員長おっしゃったとおり、福島の教訓で公開ベースでやっていますから、これも公開された議事録に載っています。
で、それに基づいて原電が、もう一回言いますよ、どっちかの側に立ってしゃべっているんじゃなくて、原子力の是非を言っているんでもなくて、レギュレーションの在り方を私は言っているんであって、指示に従って直したところを誤りだと後で規制委員会が言って、それがたくさん誤りになっているというところもあるわけですよね。この点を一体どうお考えなのか、今委員長おっしゃいませんでしたが、それが一点と。
それから、議論しているところをネット中継しているというのを御存じですよね。今や見る人も本当少なくなっているんですけど。でも、それが本当の公開の目的に資するものなのか。本来、膝突き合わせて議論することも全部公開されるから、全部公開でやっているからいいだろうということにもなっているということを、さっき風通しが悪いと私は国会議員として指摘したわけです。そのことでいうと、みんなが見ているところでやったんだからこれは上下関係がないとか官尊民卑になっていないということは、到底僕は言えないと思います。
その上で、非常に引っかかっていることを幾つか言いますと、さっき言いましたじっくり議論したいというのは、なるべく相互にコミュニケーションがあるようにしたいんですけれども、もう一回聞きますが、さはさりながらですよ、委員長がおっしゃったことを全部認めたとしても、法に定めのない審査打切りをあたかも民間事業者の側から言わせるかのように見えるというのは、これはどういうことなんでしょうか。一番志が低いことじゃないでしょうか。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/11
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012・山中伸介
○政府特別補佐人(山中伸介君) お答えをさせていただきます。
先ほどもお話をさせていただきましたように、四月の十一日に日本原電の社長とこれは丁寧に対話を行わさせていただいたつもりでございます。村松社長からは、我々が出しました結論であります審査書の一部補正という形で八月三十一日までに書類を提出するという御発言をいただきました。これは、丁寧な対話の中でそのような御発言をいただいたものというふうに思っております。
御発言どおり、八月三十一日まで、科学的、技術的な判断ができる審査書類が提出されるものというふうに信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/12
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013・青山繁晴
○青山繁晴君 委員長、さっき私言いましたね、原子力規制委員会じゃなくて規制庁だけれども、規制庁の審査官から上書きしろと言われてそのとおりやったことについてはどうお考えなんですか。それをさっきからお尋ねしているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/13
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014・山中伸介
○政府特別補佐人(山中伸介君) お答えいたします。
もちろん文言的な誤りというのも当然過去にはあったかと思いますけれども、今一番問題にしておりますのは、先ほど委員の方から御発言ございましたように、日本原電の敦賀発電所の二号炉の直下につながっている可能性のあるK断層の連続性と活動性をきちっと審査をしていくという、科学的根拠を示していただくというところ、ここをきちっと補正をしていただくと、もうその部分だけをきちっと補正していただくということをお願いしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/14
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015・青山繁晴
○青山繁晴君 今の山中委員長の御発言は、審査打切りというような法に定めのないことはしないというふうに私は受け止めましたので、時間あるつもりがどんどんなくなりますから、ここは一旦それで切りたいと思います。
もう一点、通告のとおりに申し上げると、活断層の判定について、もう一個法に定めのないことを原子力規制委員会がずっと行ってきて、それがさっき言いました有識者会合なんですよね。法的根拠のない者が判断して、それも、さっきの話では、話がそれた部分はないつもりなのは、エネルギーをずっと触るということは、例えば東京大学の地震研を始めとして地震学者ともたくさん当然議論をしてきました。その中で、地震学ってどっちかというと若い学問なので、非常に考え方に幅があるんですよね。そうすると、有識者会合といっても選ぶ方によって全然話が違ってきてしまう。だからこそ国会はそれを、有識者会合なるものを原子力規制委員会の権能の中に入れなかったと私は考えているんですが。
この断層の判断について、その世界では破砕帯と言っていますけど、一般的には断層の判断について、有識者会合という法的根拠のないものに多くを委ねるということをどうお考えでしょう。できればやめていただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/15
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016・山中伸介
○政府特別補佐人(山中伸介君) お答えいたします。
敷地内の破砕帯調査に関する有識者の会合の評価といいますのは、旧原子力安全・保安院からの指示に基づき六つの発電所について事業者が実施をした追加調査の結果を評価するもので、規制委員会としてはこの有識者会合を引き継いだものでございます。
一方、現在行っております新規制基準への適合性審査におきましては、有識者会合の評価結果を重要な知見の一つとして参考にしつつ、規制委員会が最終的な判断をするということにしております。
日本原電敦賀二号炉の敷地内のK断層の活動性及び原子炉建屋直下を通過する破砕帯との連続性の評価については、有識者会合の評価の後に事業者が追加調査を行っております。これらの科学的、技術的データに基づいて審査を行うこととしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/16
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017・青山繁晴
○青山繁晴君 委員長がおっしゃったとおり、まさかその有識者会合なるものの判断だけで原子力規制委員会の判断が下るとは申していません。それが大きな力、影響力を持つことを私は今問うています。
その上で、実は日本原電は、今からだからちょうど十年前ですね、二〇一三年の五月十五日付けで抗議文というものを出しています。簡単に言うと、当時はお上に逆らう行為で、三条委員会で権限が圧倒的に強まった規制委員会に盾突いて、原電に未来はないということもうわさされたわけです。
当時は山中委員長じゃありません。山中委員長はまだ就任一年にもなっておられません。ただ、二〇一三年五月十五日というと、山中委員長におかれては、学者でいらっしゃると同時に事故調のメンバーでもあったと思いますよね。そのときのお考えと、そしてできれば現在の委員長として原電が出した抗議についてどうお考えなのか。
これ、主権者のために、どういう抗議文が出たかというと、その一部だけ今読みますと、当社のって日本原電ですね、日本原電の敦賀発電所の敷地内破砕帯の評価について、破砕帯というのはさっき言いました断層のことです、評価について報告書が取りまとめられた、これに関しては日本原電はかねてよりその審議の進め方等について改善を強く求めるとともに、推定、推測や可能性ではなく客観的な事実やデータに基づいて科学的、技術的に判断するよう強く訴えてきた、しかしながら、本日それらを何ら顧みることなく取りまとめが行われたことは、公権力の行使に携わる規制当局として誠に不適切であると考える、ここに有識者会合に対し厳重に抗議するという抗議文です。
直接の宛先は、だから委員会じゃなくて有識者会合ですが、もしできれば、委員長の見解をお示しいただければ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/17
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018・山中伸介
○政府特別補佐人(山中伸介君) お答えいたします。
御指摘の抗議文につきましては、日本原電が有識者会合の委員に宛てて出されたものと承知しておりますが、その時点で得られた調査結果についての日本原電の評価が有識者には十分受け止められていないとの御主張を示されたものと認識しております。
今後、日本原電から設置変更許可申請の補正が提出されることで、新規制基準適合性への判断の根拠となる科学的、技術的なデータに基づき審査が規制委員会においてできるものになるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/18
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019・青山繁晴
○青山繁晴君 急に変に妥協するわけじゃなくて、さっきの、山中委員長の今の御答弁は、私が質問通告いたしてから委員長もじっくりお考えになっての答弁だと思いますので、今後、言わば審査が正常化されることを私も強く希望します。
その上で、主権者の参考のためにも申しますと、山中委員長になってから大きな変化が起きたと私は考えています。今日厳しいことを申していますけど。
今年、志賀と書いてシカと読むんですけど、志賀原発、北陸電力の志賀原発について、今僕が申しました有識者会合では、これは将来動く可能性が否定できない活断層、いやいや、断層だというのが出たんですけれども、これが実質的に覆りまして、規制委員会としてこの北陸電力の主張を正しいものとして認めました。それからもう一つは、委員長が就任される前ですけど、東通原発でも似たようなことが起きました。そうすると、何でも最初は行き過ぎると思うんですよね。
一つ卑近な例でいいますと、御承知のとおり、癒着していたから、もう一回言いますが、話はそれていないので、東電と規制当局が近過ぎたから、この原子力規制委員会になってから六本木のビル借りたんですよね。六本木のビル借りたことでどれぐらい賃料発生したか、これ、ちなみに、聞いて悪いですけど御存じですか、委員長、今までにどれぐらい賃料発生しているか。済みません、御存じじゃなかったらいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/19
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020・山中伸介
○政府特別補佐人(山中伸介君) 私、存じ上げておりません。申し訳ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/20
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021・青山繁晴
○青山繁晴君 これ、実は私も知っていたわけじゃなくて、どこで出たかというと、防衛増税に関連して国有財産がどれぐらいあるのかというのを議論しているときに出てきた話で、今までに十八億七千五百万円なんですよね。すごいでしょう。レンタル料ですよ。もちろん、ゼロと比較しちゃ駄目です。どういうところに入るかにもよります。そして、もう移転は決まっていますよね、まだ実現はしていませんが。ただ、単純計算でいうと、月のレンタル料が一億六千万近いということになるんですよね。
これ、離したといって、癒着がなくなると思います、皆さん。こういう形式主義が困るんですよ、日本の政の一番悪いところで。当時、僕は民間の専門家で、そこにいらっしゃる保安院長なんかとも、いやいや、エネルギー庁長官ともよくお話をしましたけど、不便で不便でしようがなかったわけです。不便で不便でしようがないから霞が関に近づけようとなったんですけれども、こういうおかしな行き過ぎをどこかで是正して、エネルギー源としてまともに評価する、原発の善しあしも含めて判断するときが来なきゃいけないと思いますので、今日の山中委員長のお答えには誠意があったと僕は考えています、与党だから言うんじゃなくて。
最後に、改めて三条委員会というものの意義について委員長から御見解をお示し願えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/21
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022・山中伸介
○政府特別補佐人(山中伸介君) お答えいたします。
原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の事故の反省と教訓を踏まえまして、中立公正な立場で、科学的、技術的な見地から、独立して規制に関する判断を行うために三条委員会として設置されたものと認識しております。
その上で、規制委員会の組織理念の一つとして、国内外の多様な意見に耳を傾け、孤立と独善を戒めることも掲げております。これまでも、傲慢な態度で事業者に接したり、事業者を下と見るようなことを戒めてきたつもりでございますけれども、そのような印象を与えてしまったのであれば残念に思います。
今後とも、様々な御意見に耳を傾けながら、公開の場で事業者との対話を継続してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/22
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023・青山繁晴
○青山繁晴君 じゃ、山中委員長始め規制委員会の皆様、規制庁の皆様はここまでで結構です。ありがとうございました。
じゃ、引き続いてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/23
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024・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/24
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025・青山繁晴
○青山繁晴君 じゃ、次に、韓国との輸出管理の問題について、西村大臣を始め経産省にお尋ねしたいと思います。
皆様方よく御存じのとおり、ホワイト国というのはまた奇妙きてれつな日本語です。日本語じゃないですよね。本当は、今は少なくとも用語変わって、グループAに変わっています。A、B、C、Dとありまして、Dの中に北朝鮮のような国が含まれているということなんですけれども、ホワイト国という奇妙な日本語がなぜ一般的に通用していたかというと、真っ白だと、何の疑念もないということが韓国に対しては政治的配慮もあって行われていました。
それを見直すべきだと、済みません、不肖私が四年ぐらい前に、自由民主党の話でありますけれども、外交部会で提案をいたしまして、これも今日はもうありのままになるべく話すつもりですから、もう時効も掛かっているだろうから申しますと、それを外交部会で発言した後に、経済産業省から幹部がお見えになって僕にどなられました。ホワイト国から外すなんて絶対できませんというふうに言われたんですよね。これ誇張じゃないです。横に外務省の亡くなった和田総務課長もいらっしゃいましたが、一言も発せられなかった。
それで、これは、当たり前の判断として、やっぱり相当裏がある話だと思いましたから、もう今となっては言ってもいいと思いますが、安倍総理とも協議をしまして、そして安倍さんがいろいろ調べた上で、やっぱり韓国から北朝鮮にデュアルユース技術あるいは産品が流出している懸念があると。で、それに対する輸出管理が不十分であるという判断が半年掛かって下りまして、だから、大体三年半ぐらい前に韓国はホワイト国から外れたわけです。
それが、今回、尹大統領という、少なくとも政治姿勢としては比較的公平に見える大統領が登場されると、実は一般の人からの問合せが山のように来ているんですけれども、北朝鮮に流れなくなったという保障はどこにあるのかと。経産省の説明ではもう十分に対話したんですとおっしゃっているんですが、対話って与党に出た資料でいうと八日間なんですよね。合計三十八時間です。それで、流れなくなったということを確認するには、韓国がもう流しませんと、元々うちは流していないんだという主張ですけど、そうですかと聞くんじゃなくて、当然裏も取らなきゃいけないですけど、裏が取れているとはとても言えない状況です。
その中で、大臣、よろしいですか、ちょっと御迷惑だと思うんですけど、西村大臣と非公式にいろいろ議論もいたしました。それで、今回、連休前にもうばたばたばたということで決まっていった印象は拭えないです。これ、印象論で実は言っているんじゃないんですよね。
どういうことかというと、パブリックコメントがかけられています。でも、これ確認していただきたいんですけど、パブコメがかかったのは四月二十八日からなんです。それで、今私は、この国会での立場とは別途、皆さんもそうでありましょうが、党に帰られれば党のお立場がありますよね、今私は自由民主党で経済産業部会長代理ですので、政権党に対してどういう提示があったかを資料とともに十分熟知しています。
その資料を幾ら確認のために精査してみても、はっきりしているのは、四月二十七日の時点で政令改正、ホワイト国に戻すという政令改正の方向で検討する。役所が検討という場合は二つあって、一つは全くやる気がないとき、もう一つはやるのを決めているとき、どっちかなんですけど、このときの文脈は、二十七日の段階でもうやると決めている。なぜかというと、連休に尹大統領と岸田総理が首脳会談しなきゃいけないからです。
そうすると、私は法的にも問題が生じると考えているんです。さっきの三条委員会というのは行政組織法の問題ですけど、これは行政手続法の問題で、パブコメにかける前には、どういう政令改正をするのかとか、あるいは省令を出すのかとかいうことについて国民に周知した上でパブコメにかけなきゃいけないです。当たり前ですよね。決まってしまってからコメント、パブコメって言い方もやめた方がいいと思います、意見公募で何が悪いのかと思いますが、意見聞いたときにはもう決まっているといったら、民主主義をないがしろにすることになりかねないと思います。違法性もあると思います。
大臣の御見識からして、このホワイト国に戻していった経緯についてどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/25
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026・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) お答えを申し上げます。
まず、現在はホワイト国という言い方はしていなくて、かつて慣例的にホワイト国と称していたこともあったんですけれども、まさに色で区別するというのが様々な人種的なことも含めて惹起するということで、もう今は色では言っていなくて、グループAという言い方をしております。
その上で、御指摘のように、二〇一九年八月に、私も官房副長官を当時、安倍政権の下でしておりまして、このときも関わっておりました、韓国のカテゴリーを見直すということで、まさに韓国の輸出管理体制が脆弱だと、そして法令に基づく通常兵器のキャッチオール制度が未整備であるとか、あるいは御指摘のように第三国への不適切な流出の懸念があったということ、かつ、二国間の政策対話がもう一定期間なされておりませんでしたので、信頼関係も構築されていなかったと、そういう状況の中で輸出管理を厳格に執行するという観点から見直しを行ったものであります。
そして、今般のその輸出管理の運用見直しに際しては、御指摘のように、まず半導体に関わる三品目についての政策対話を行って、これについて見直しを行いました。その間の政策対話がまずあるわけであります。
それから、御指摘のように、四月十日から二十五日までの間で、八日間で合計三十八時間、輸出管理の政策の政策対話を実施をいたしました。まさに韓国における輸出管理の体制、制度及び運用の状況、実効性、そうしたことについて、現地にも行き、そして現場の対応をしっかり確認するなどの厳格な検証を行いました。
もちろん、この間、数年間の間、一つ一つ許可を出して、輸出する際はですね、確認をしていかなきゃいけなかったわけですから、それについて、その品目がきちんとどこかに流れていないかということは確認しながら進めてきているということも、その実績もあります。そうしたことを踏まえながら、三十八時間、現地にも行き、対応を確認したということであります。
そして、その上で、これ安全保障に関わることでありますので詳細はなかなか申し上げにくいところはあるんですけれども、政策対話の結果、一つには、担当課、審査担当課が新たに新設、増員をされ、輸出管理体制が充実強化されてきた。一人当たりの審査件数も日本と同等になっております。かつては、一人当たりの件数が物すごく、人数が少なくて物すごく数が多かったということもあります。そして、いわゆるリスト規制、キャッチオール規制共に、全体で見れば日本、我が国と同水準の輸出管理体制になってきていると、制度が整備されてきている、そしてそれが確実に運用されてきているということを確認をしております。
そして、いわゆる北朝鮮を含めた第三国への迂回、不適切な流出、この対策についても、輸出管理当局と税関などの連携の下、必要な対応が講じられているということが確認されております。
あわせて、今後とも、双方の輸出管理制度、運用の全般に対して政策対話継続すると、そして何かあればそれはしっかりとこれは言うということで、必要に応じて制度の見直し、運用の見直しを含め適切な対応を講ずることについて合意を得たところであります。
こうしたことを踏まえて、いわゆる国カテゴリーについて、グループA、我が国と同水準の輸出管理が行われていると認められる国、グループA国に韓国を追加するという案を決定をし、四月二十八日から五月三十一日の間、パブリックコメントを募集を行うということにしたものであります。
この政策対話については、この間のものについては丁寧にプレスにも説明してきておりますし、私自身も日々の会見において何度か本件に関する説明も行ってきております。
そして、パブコメですけれども、まさにパブコメを踏まえて、そしてその上で、その御意見をいただいて、それを考慮した上で最終判断をするということでありますので、何かこれが無意味であるということではありませんので、案として提示をさせていただいて、さらに三十日を超える期間の意見募集を行っておりますので、ここで国民の皆様から御意見をいただき、それも踏まえて最終的にこの韓国の国カテゴリーの取扱いについては適切に判断していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/26
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027・青山繁晴
○青山繁晴君 パブコメというか、意見公募と僕はできれば言いたいですが、法律にもパブコメって書いてありますけどね、パブリックコメント、この意義については西村大臣が正確におっしゃったとおりです。
ただ、書生論を言っているんじゃなくて、現実の話として、岸田総理から尹大統領にもうホワイト国に戻すという話があり、そして尹大統領が欣喜雀躍されたというのはもう韓国でさんざっぱら報道され、世界でも報道されています。その中で、国民の中には相当異論があって、僕のところに来る意見は偏っているのかもしれないけど、私はこういう強い反対のパブリックコメントを送りましたというのが日々、僕はアメリカ資本に名を成さしめないためにブログしかやっていませんが、なぜか、自分のサーバーでできるから。サーバーがダウンするんじゃないかというぐらい来るんですよね。でも、それだけ熱心にコメント下さる、意見をおっしゃる中で、実は相手先の大統領にはもう決定事項のように伝わってしまっているというのは、日本の民主主義にとって、半導体にかかわらず、日韓関係にかかわらず、問題だと大臣はお考えになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/27
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028・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 今手元に、岸田総理がどのように御発言されたかというのは今手元にございませんけれども、今の状況は、まさに案として、韓国との政策対話を通じて、日本の判断として、案としてカテゴリーAに戻してもいいんではないかということを判断を今している、それを、手続をしっかりこれ今踏んでいるところでありまして、国民の皆さんの意見を踏まえて、最終的にその御意見を考慮した上で判断をするということでありますので、そういう状況であるということであります。具体的にどのようにおっしゃったかはちょっと今手元にないんですけれども、そういう状況であるということを是非御理解をいただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/28
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029・青山繁晴
○青山繁晴君 今、西村大臣がまあある種繰り返しおっしゃったとおり、いや、その前提としておっしゃったとおり、ホワイト国から外したといっても、グループDに入れたわけじゃなくてグループBになっただけで、必要な手続をしているから日本から輸出量自体はほとんど変わっていないんですよね。
したがって、手間といえば手間ですけれども、しかし、半導体の材料というのは、例えばかつての鉄鋼みたいな莫大な量があるわけでもなく、実はメンツの部分がかなり多いと言わざるを得ないと私は考えます。そういう、例えば、歴史認識について大きな食い違いがある韓国あるいは中国との間で、そういう歴史認識の違う国のメンツのために日本が主権者に意見を聞くよりも先に動いたと受け取られるというのは、私は日本の政にとって、自由民主党がどうこう以前に、日本の政にとって僕は大きな痛手だと考えています。これは質問骨子に入れていませんでしたから大臣が無理にお答えにならなくても結構ですけれど、でも、見識をお持ちですから、できればお答え願いたいと思います。
それと、もう一点。これはまさしく入れていないのでお任せしますけれど、経産省にずっと、ここに担当局長もいますけれど、ずっと申し入れていたのは、もうそのホワイト国という奇妙な日本語は使わないにしても、グループA、B、C、Dと細かく分けるというやり方をやめて、Dはなきゃいけないと思います、ここは輸出しちゃいけませんと。しかし、ほかのところは最小限度の簡素化された手続でやりましょうというふうに枠組みを変えて、韓国のメンツにこだわるんじゃなくて、実貿易に即した形にしてはいかがですかということを何度も何度も申しましたけれど、誰がどう言ったということはもちろん言いませんけれども、もっと大きな力がという話もあってこの案は顧みられなかったです。
できれば大臣にそのお答えいただきたいのと、ちょっと時間が押してきたんで続けて申しますと、実は、韓国から第三国というふうに大臣もおっしゃいましたが、違うディメンション、次元に入っていて、アメリカはCHIPS法ですよね。チップって、この場合は半導体のことです。CHIPS法に基づいて四か国体制の半導体製造になっています。日米と台湾と韓国です。その韓国は、サムスンが大体ざっとで言うと半分ぐらいチャイナで作っている。それから数兆円規模の投資を行っている。アメリカはここに今非常に敏感になっています。
そのことを考えても、今、この真っ白という意味があるホワイト国、前の呼び名であってもそういうものに戻すというのは、私は政治判断としてもタイミングが悪いのではないかと思うんですが、できればお答え願えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/29
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030・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) まず、何か大きな力が働いてとか、誰かからの何か圧力があってとかということではなく、私どもとして政策対話に基づいて一つ一つ確認をし、私も報告を受け、韓国の体制が整ってきた、また確実に運用されている、そして第三国への流出の懸念も払拭されてきているということで、いわゆるグループAということで判断をし、最終的に政府内でそういう案として今パブリックコメントに出しているという状況であります。
その上で、御指摘のように、今まさに半導体など機微な技術が軍事転用されるのではないかということで、非常にここは懸念があります。ここは、私ども同志国、特にアメリカ、ヨーロッパ含め、常々意見交換をしているところでありまして、特にこのサプライチェーンをしっかり同志国でつくるということの重要性を確認しながら、今体制をしっかり整えていく、更に体制を強化していく、強靱化していくというところで取り組んでおります。
そして、アメリカは、御指摘のように、半導体製造装置について、中国向けにこれを規制をするということで公表しておりまして、具体的な品目についてはまだ調整中だと聞いておりますけれども、進めておりますし、それから、御指摘ありましたCHIPS法によって、助成を、アメリカの何か補助を受けたような企業は、これは中国などの懸念国に対して製造能力の拡大や技術供与などを禁止するということを行っておりますので、これは当然、韓国の企業がアメリカで立地をして何らかの支援を受ければこれはできなくなるということでありますので、そういう意味で、まさに機微な技術についての管理を強化をしていっているという状況であります。
このことについては、まさに半導体製造能力のある国々、韓国もそうですし、台湾もそうでありますし、あとはヨーロッパとアメリカ中心にここはしっかりと連携しながら、機微な技術が不適切な対応をしている、まあ中国を始めですね、渡らないようにするというところを我々はしっかり管理をしていかなきゃいけないということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/30
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031・青山繁晴
○青山繁晴君 時間がなくなりましたので、最後の一問、短くなんですけど、まず、このホワイト国の問題は、今、西村大臣がおっしゃった、元々通産省の御出身ですから輸出管理のプロなんで、監視をよろしくお願いいたしたいと思います。
最後は、特定技能二号の問題なんですけれども、今日は経産委員会なので、経産分野だけというか、特に中小企業について一言大臣の御見解をお聞きしたいんですが、私のところに来る国民の声は、例えば定年退職になった方、その労働力、自分たちの労働力をもっと生かしてからにしてほしいと。あるいは、女性の労働力についてももっと公平に生かしてからにしてほしいと。さらには、外国人にとっても、やがてロボティクスが進展したときに、子供の教育費が一番掛かる頃に仕事を失うことにもなりかねませんので、それの配慮。特に日本の定年退職後の、されるまでなくても、高齢の方々の労働力、女性の労働力が優先であるということを大臣からお示しいただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/31
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032・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 日本の将来の成長に向けて一番の課題は、やはり少子化、そして人口減少、人手不足と、労働力人口不足ということも大きな課題の一つと認識をしております。
その中で、御指摘のように、女性の活躍、さらには高齢者の活躍、これはもう更に活躍できる分野を広げていかなきゃいけない、環境を整えていかなきゃいけないという認識であります。そして、アベノミクスの成果によって女性、高齢者共にそれぞれ三百万人ずつぐらい増加を就業者はしているわけですけれども、それを受けて、もうこれ以上なかなか難しいんじゃないかという方が、意見もあります。
しかしながら、御指摘のように、女性の場合、結婚、出産、育児の過程で正規社員から非正規になって、いわゆるL字カーブというのもまだ残っておりますので、いわゆる不本意で非正規のままいる人が正規になる、これだけで百万人ぐらいの雇用がまだ参加率が可能になるということもありますし、高齢者も、先般、厚労省の研究所が公表して、二〇五〇年には労働人口、生産年齢人口が物すごく減ると、二千万人ぐらい減るというデータを出して衝撃的なわけですけれども、これも十五歳から六十四歳を生産年齢人口としておりまして、今健康寿命はどんどん健康年齢は上がっておりますので、仮に六十九歳までと見るだけで七百万人ぐらい増えるということで、健康で意欲のある方が引き続き活躍できる環境をつくっていけばかなり景色は変わってくるというふうに思っております。
その意味で、まずは女性や高齢者がより働きやすい環境をつくっていくということ、さらには、ロボットとかAIとかドローンとか、いろんなそうした生産性を上げる技術も進化をしておりますので、もう長くは申し上げませんが、トラックの来年物流が大変だと、こう言われるんですけれども、平均の積載率が四割ですので、六割空いていますから、そういう意味では、そこをうまく使うことによっても変わりますので、まずはそういったことを取り組んでいくというのが重要だというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/32
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033・青山繁晴
○青山繁晴君 終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/33
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034・石川博崇
○石川博崇君 皆様こんにちは。公明党参議院議員の石川博崇でございます。
GX脱炭素電源法、昨日参議院の本会議で審議入りされまして、今日からいよいよこの経産委員会での審議スタートでございます。非常に多岐にわたる、これからの日本の社会の在り方を決する重要な法案でございまして、充実した審議を行っていきたいというふうに思います。
参議院の経産委員会におきましては、与野党両筆頭を中心にこの充実した審議に向けて、現地視察も含めた対応も検討していただいているところでございまして、しっかりと委員の皆様とともにこの質疑充実してまいりたいと思っております。
また、非常に多岐にわたる内容でございますが、衆議院の審議、議事録等を拝見いたしますと、残念ながら十分に議論が及んでいない分野もございます。再エネの推進に向けた系統整備等もしっかりとした内容になっている分野でございます。こうしたところも今日質疑をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
ロシアによるウクライナ侵略、また、これによるエネルギー価格の高騰を踏まえて、G7を始めとする欧米各国、それぞれの各国の状況に応じたエネルギーの安定供給確保策を講じているところでございます。
公明党としても、こうした状況を踏まえて、昨年の十二月、GX実現に向けた提言を岸田総理に提出をさせていただきました。カーボンニュートラルの実現とエネルギーの安定供給の確保、この両立、これを両立をしていくことが重要であるということも訴えさせていただいたところでございます。
政府は、この私どもの提言、重く受け止めていただきまして、本年二月十日にGX実現基本方針を閣議決定していただいて、エネルギーの安定供給確保に向けた再生可能エネルギーを始めとする脱炭素電源を活用する方針も示していただいたところでございます。
今日から審議入りされますこの法律案、この二月に閣議決定されたGX基本方針の内容を具体化するための措置を講ずるものでございますけれども、この法律案がカーボンニュートラルの実現、そしてエネルギー安定供給の確保、どのように寄与していくのか、まず西村大臣から、その意義、また役割について改めて分かりやすく御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/34
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035・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 今、石川委員から御説明のあったとおりでありますけれども、まさに、まずは二〇二一年秋頃から、これはウクライナ侵略前から、コロナ禍からの需要回復でかなりLNG価格を始めとしてエネルギー価格が上がってきておりました。そこに昨年二月以降のロシアによるウクライナ侵略がありまして、エネルギー情勢は一変をしたわけであります。まさに世界のエネルギーの状況が転換点にあるということだと思います。脱炭素社会の実現というこの長年の課題と、そしてエネルギーの安定供給と、この両方を両立しなきゃいけないということが今我々求められているわけでありまして、まさに再エネ、原子力含めたあらゆる選択肢を追求していくということは極めて重要であります。
昨年十二月に公明党さんからも御提言をいただき、そうしたことも踏まえながら、まさにGX実現に向けた基本方針の取りまとめを行ったところであります。そして、この方針を踏まえ、GXの実現、脱炭素化と、そして電力の安定供給の確保を両立すべく再エネを最大限導入していくということと同時に、安全確保を大前提とした原子力の活用に向けて、今回御審議いただいておりますGX脱炭素電源法案を提出させていただいているところでございます。
この法案の中では、まず、再エネの最大限の導入に向けまして、御指摘のあった、最も重要な我々課題だと思っておりますけれども、地域間を接続する系統につきまして、系統整備に必要な資金調達を円滑にする、円滑化する仕組みの整備、それから、再エネを進めるに当たって、地域の方々への事業内容の事前周知の認定要件化であるとか、まさに地域と共生した再エネ導入のため事業規律の強化、こうしたものを規定をさせていただいております。
また、原子力の活用に向けては、まさに安全神話の陥ったその反省を踏まえた事故防止への最善、最大の努力など利用原則の明確化、また、既存原発の運転期間の定め、円滑な廃炉の実現に向けた制度的対応など、この原子力を進めるに当たって取り組まなきゃならない課題の解決に向けた取組を盛り込んでいるところであります。
この法案の着実な実施を通じて、カーボンニュートラル、脱炭素化の実現とエネルギー、電力の安定供給の両立、確保をしっかりと進めていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/35
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036・石川博崇
○石川博崇君 ありがとうございます。
今年三月九日に行われました当委員会での質疑において、私から西村大臣に、第六次エネルギー基本計画について御質問をさせていただきました。
つまり、今回の法律案にも安全確保を大前提とした原子力の活用、この施策が盛り込まれているわけですけれども、第六次エネルギー基本計画には、可能な限り原発依存度を低減するということが記されております。この第六次エネルギー基本計画の方針というものは全く変わっていないということ、また、その範囲内であるということを今年の三月の委員会でも西村大臣から明言をしていただきました。
改めて、この法律案につきましても、この第六次エネルギー基本計画の範囲内であるということ、原子力については必要な規模を活用していく一方で、再エネ、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減していくという第六次エネルギー基本計画の方針の範囲内のものであるということを西村大臣に改めて確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/36
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037・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のとおり、二一年十月に閣議決定しました第六次エネルギー基本計画におきましては、原子力について、安全性の確保を大前提に、必要な規模を持続的に活用していくとする一方、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減するとしております。この方針は、この法律案の基礎となるGX実現に向けた基本方針においても変わることはございません。そして、この原発依存度低減については、再エネの最大限導入を進める中で、震災前の約三割から原発依存度を低減するという趣旨でございます。
本法案の中では、原発の運転期間など、安全確保を大前提として原子力活用していく方針を示しておりますけれども、再稼働は原子力規制委員会の厳しい審査と地元の御理解を得られたものに限られますので、震災前と比べて原発依存度が増加するということは想定をしておりませんし、原発依存度低減という方針と矛盾するものではございません。
いずれにしましても、この本法律案における原子力に関する施策は第六次エネルギー基本計画で示した方針の範囲内ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/37
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038・石川博崇
○石川博崇君 それでは、先ほど来申し上げております系統整備について少し踏み込んで質問させていただきたいと思います。
脱炭素とエネルギー自給率の向上を目指すには、再生可能エネルギーの主力電源化が不可欠でございます。昨年の十二月、公明党から提出させていただいた提言におきましても、この再エネの主力電源化、これによる原発の依存度低減ということを具体的な方策も含めてお示しをさせていただきました。
とりわけ、系統整備に関しましては、各発電地域から電力消費地への送電網などを強化していくこと、海底直流送電を含む全国大での送電網の形成を計画的に進めていくこと、そのための系統整備計画を速やかに策定して実行すること。また、それには莫大な資金が必要となります。この必要となる資金調達を可能とする環境整備を検討すること、こうしたことを求めさせていただいたところでございます。
本年三月、電力広域的運営推進機関、OCCTOと呼ばれていますけれども、ここにおいて、広域系統長期方針、いわゆるマスタープランが発表されておりますけれども、このマスタープランに示されております今後の系統整備の計画が、今後、再エネ拡大、導入にどのように資するのかについて御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/38
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039・井上博雄
○政府参考人(井上博雄君) お答え申し上げます。
委員御指摘ありました昨年十二月の公明党の提言でも明確にお示しいただいておりますけれども、再エネの大量導入を進める上では、再エネの導入が多く見込まれる地域から電力の大消費地まで効率的に送電する必要があるというふうに考えてございます。また、安定的に電力を供給する観点からも、こうした地域間の電力融通を円滑化する系統整備を加速することは極めて重要と考えてございまして、委員御指摘のとおり、こうした地域間を結ぶ系統の整備、これまでは結構長い期間を要すると、また、従来のルールにおきましては、再エネ電源からの要請にその都度対応していたということもございまして、十分な整備が進んでいなかったという点がございました。
この点、公明党からの御提言も踏まえまして、より計画的な整備を実現するために、御指摘の本年三月、マスタープランを策定させていただいております。今後、個別の計画を策定する中で、費用便益評価をしっかり行いつつ、マスタープランに従って計画的な増強を着実に進める、それが御指摘のとおり再エネの最大限の導入、そして電力の安定供給確保につながっていくというふうに考えてございます。また、公明党の御提言にもございました系統整備の資金に関する環境整備につきましても、今次の法案の中で盛り込ませていただいているところでございまして、これを用いてしっかりマスタープランの整備を進めていきたいと、かように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/39
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040・石川博崇
○石川博崇君 今回のGXの基本方針では、この系統につきまして、今後十年間で過去十年間と比べて八倍以上の規模で整備を加速すべく取り組み、北海道からの海底直流送電については二〇三〇年度を目指して整備を進めると、思い切った、かなり思い切った政府の積極的な姿勢を示していただいたこと、高く評価を申し上げたいと思います。
この系統整備の問題が再エネ導入のボトルネックとなっていることはもう御承知のとおりでございまして、従来の取組のままでは全くいけないわけでございます。今後十年間で八倍以上の規模の系統整備をどのように進めていくのか、御説明をいただきたいと思います。また、北海道からの海底直流送電についてはよく議論されますし、また新聞報道でもありますけれども、この北本以外の系統について、マスタープランの具体化を一体どのように進めていくのか、またどこが課題かについても御説明をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/40
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041・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
再生可能エネルギーの大量導入と電力供給の安定性強化という観点から考えますと、系統の整備を加速化することは大変重要な課題だと考えてございます。
先ほども御答弁申し上げましたけれども、本年三月に二〇五〇年カーボンニュートラルも見据えた将来的な系統の絵姿を示すマスタープランを策定したところでございますが、まさにこれからこれを踏まえて全国大で送電線、送電網の整備を着実に進めていく必要がある、これをしっかりと政策としても取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
その中では、委員からもまさに今御指摘ございましたように、一つには資金の調達というのが一つの大きな課題となってまいるところでございます。これが一番大きく直面しますのは、この規模が大きくなればなるほど、それが、課題は大きくなるものでございますので、北海道と本州を結ぶ海底直流送電の検討を今進めておるところでございますが、これを進めていく段階では、初期の段階で相当の資金量の確保が重要になってくるわけでございますので、これに対する手だてということが重要になる、これに対して取り組んでいかなければならないと考えているところでございます。
今般、法案を提出し、まさに本日から御審議頂戴しておりますGX脱炭素電源法案の中では、まさにこの海底直流送電のような特に重要な送電線につきましては、着工段階からの再エネ賦課金の交付でございますとか、電力広域機関による貸付制度の導入ということを講じまして、必要な資金調達を円滑化するための措置を盛り込んでいるところでございます。
また、これに加えまして、民間資金の活用も重要でございますので、こちらの方は、今国会で既に御審議頂戴しておりましたGX推進法案の中に盛り込んでおりました金融支援のための措置、この活用も視野に入れて検討を深めていきたいと考えてございます。
あと、これと併せてお尋ねございました北海道と本州を結ぶ直流送電以外の系統の整備も、これも併せて進めていく必要があろうと考えております。
例えばで申し上げますと、九州と本州をつなぐ関門連系線の強化ですとか、関西―中部―北陸間の連系運用体制の強化を図るための整備、こういったことに対する対策も、これ一つには資金調達というのがもちろんあるわけでございますが、これに加えまして、非常に大きな作業を同時並行で進めていくことになってまいりますので、作業を行っていただく施工者の方々の確保、そのための体制整備ということも重要になってまいります。民間の事業者の方々にお任せするだけでなく、国もしっかりと一緒になりまして体制の整備、環境の整備に取り組んでまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/41
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042・石川博崇
○石川博崇君 官民挙げて系統整備、しっかり進めていきたいと思います。
今御答弁にもございましたけれども、資金調達に関する制度が今回の法律案の中に様々盛り込まれております。特に、特に重要な送電網の整備計画について経済産業大臣が認定した上で着工段階から特定系統交付金を交付する、また、この送電網の整備に向けてOCCTOから貸付けを受けることができるというふうにされているわけでございます。
広域的な送電網の整備は、電力の安定供給、また再エネ導入に向けた基盤として重要なことは言うまでもございませんけれども、特に重要な送電網ということが認定の要件になっておりますが、この特に重要というものをどのように認定するのか、また具体的にどのような基準で判断するおつもりなのか、確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/42
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043・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
まず、系統増強を実施する事業者は、広域系統整備計画に基づきまして、系統増強を行うための整備等計画を作成して経済産業大臣に届出を行うと、こういう仕組みに現行なっておるわけでございますが、今回ここで御審議をいただいておりますこの法案の中では、第二十八条の四十九といたしまして、経済産業省令で定める規模以上の系統、そういう大規模な系統の整備、更新につきましては、経済産業大臣の認定を受け、系統交付金の工事着工段階からの交付等の措置を受けられるようにするというものとしておるところでございます。また、その要件といたしまして、同条第三項におきまして、広域的運営による電気の安定供給の確保を図るため特に重要なものについて対象とするというふうに定めているところでございます。
具体の要件、基準は法案が成立した暁にはということでございますが、その後に速やかに定めていくことになるわけでございますが、まずは、特に巨額な資金が必要となる北海道と本州を結ぶ長距離の海底直流送電線、この計画については対象となるだろうと、候補として考えていく必要があろうと考えてございます。
これに加えまして、先ほど申し上げたように、マスタープランに定めた多々、たくさんの計画があるわけでございます。どういったものについてこういった支援の対象とする必要があるかどうか、これは、これから工事計画、規模の増強計画、あっ、系統の増強計画の策定、進捗がこれ進んでいくわけになるわけでございますが、事業者からもよく状況をお聞きしながら、必要な環境整備について検討を深めていきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/43
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044・石川博崇
○石川博崇君 系統整備には莫大な資金が必要でございます。新たなマスタープランでは総額費用は六兆円から七兆円とも試算をされております。これをどのように賄っていくのか、極めて大きな課題でございまして、今回の法案で様々施策が盛り込まれております。既に既存の制度として、二〇二〇年の電気事業法改正によって系統設置交付金というものが整備されておりますけれども、この活用状況、また今後の活用の見込みについて御説明いただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/44
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045・井上博雄
○政府参考人(井上博雄君) お答え申し上げます。
委員御指摘の法改正によりまして二〇二二年四月からエネルギー供給強靱化法施行されておりますが、これによりまして、再エネ賦課金あるいは全国の託送料金を地域と地域を結ぶ連系線の整備における費用の回収に充てることが可能となっております。
本制度の創設以降、北海道―本州間連系設備と東北―東京間連系線の費用回収に系統設置交付金を活用する方針となってございます。ただ、これらの対象系統は現在整備計画が進行中でございまして、いまだ交付金は交付されておりません。二〇二〇年代後半の運用開始以降に系統設置交付金の交付が開始される見込みでございます。現時点におきまして、工事費を対象に試算をいたしますと、大体約八百二十億円が約三十年の減価償却期間にわたり分割交付されるという形になるのかなと。ただ、まだ額の増減があろうかと考えてございます。
今後、これらの系統に加えまして、北海道―本州間の海底直流送電のようなマスタープランに記載された地域間連系線等におきましても系統設置交付金が活用されることとなる見込みでございます。
いずれの場合も、系統設置交付金を実際に幾ら交付するかにつきましては、今後、個別の計画を策定する中で費用便益評価をしっかり行い、整備時期であるとか工事費概算など、具体的な検討をしっかり適切に行ってまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/45
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046・石川博崇
○石川博崇君 今御説明をいただきました二〇二〇年に法改正で整備しました系統設置交付金、制度としてはありますし、また北本始め二つの事業が交付対象となっていますけれども、その実際の交付は運転開始後からになりまして、予定されているのは二〇二〇年代後半からということで、まだ具体的な額についても概算しかないという状況でございます。
そこで、今回の法改正、今回の法律案におきましては、運転開始前から、つまり工事着工段階から資金交付を認める新たな特定系統設置交付金を整備するものとなっております。系統整備に当たってイニシャルコスト、これを資金調達を支援する仕組みが整備されることは大変に有意義なものであるというふうに考えております。
経産省の審議会で検討された段階では、この新たな特定系統設置交付金の金額については事業費の利息分と想定されておりましたけれども、実際にどの程度の額になる見込みか、御説明をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/46
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047・井上博雄
○政府参考人(井上博雄君) お答え申し上げます。
特定系統設置交付金でございますけれども、委員おっしゃっておられるとおり、そうした趣旨で創設をしたいと考えておりまして、今後個別の計画を策定する中で、費用便益評価も行いながら整備時期、工事費概算などを具体化していく中で交付額も確定していきたいというふうに考えてございます。
ちなみに、この系統設置、特定系統設置交付金でございますが、再エネ交付金を用いた系統交付金の交付期間を委員御指摘のとおり着工段階まで拡大するというものでございまして、負担時期のこれ変更でございます。そういった意味では、全体の負担額が増えるものではございません。ただ、初期段階に手厚く支援できるという意味でプロジェクトが前に進みやすくなりますし、また資金調達コストがこれ利息分を先に支援してあげることで全体的には削減されるという効果が見込まれておりまして、こうした意味で将来的な国民負担の一定程度の低減にも資するものというふうに考えて制度設計されております。
その上ででございますけれども、一定の仮定を置きまして、例えば一兆円規模の整備計画を実施する場合というケースについて考えますと、着工段階から工事終了までの期間、この期間に、おっしゃるように利息相当ということを考えてまいりますと、総額数百億円程度といったようなものを特定系統設置交付金として交付することが考えられるというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/47
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048・石川博崇
○石川博崇君 ありがとうございます。
新たに整備されるこの特定系統設置交付金、数百億というオーダー示していただきました。
もう一つ、今回の資金調達で整備される新たな制度といたしまして、推進機関、OCCTOから貸付けを受けることが可能となります。推進機関による貸付けとは具体的にどのような規模を想定しているのか、また、これは他の金融機関との貸付けの両立、並立も可能なのか、御説明をいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/48
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049・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
まず、一般的なお話から申し上げますと、電力系統の整備という事業は、事業者が事業計画を策定して、その事業、要は送電線の整備事業というものに必要な資金調達、その資金の用立てというものは、一般の事業と同様にまずはその事業者が行うわけでございます。ですので、この認定された計画の系統整備につきましても、電力広域機関からの貸付けという制度を今回創設したいと考えておりますけれども、当然のことながら、金融機関等からの貸付けを受けるということも想定しているところでございます。
その上で、その電力広域機関からの貸付けというものは、こうした事業者による系統整備増強計画を策定して実施していただくというために資金的な意味での後押しをする、まあ一種の呼び水のような位置付けで実施するものでございますので、その額につきましては、貸付けの対象となる整備計画に要する費用の規模の全体感ですとか、金融機関等からの資金調達の状況がどういう状況にあり得るか、そこをサポートするためにどれほどの追加的な資金調達ということを後押ししてさしあげる必要があるかどうかということを踏まえた上で検討することとなるというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/49
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050・石川博崇
○石川博崇君 ありがとうございます。
今御説明いただきましたこのOCCTO、推進機関による貸付けですけれども、その原資はいわゆる値差収益によって賄われることが想定、検討されていると承知しております。値差収益といいますのは、系統が十分に整っていない中で各方面によって値段の差が生じている、この値差によって生じる収益、この市場分断が生じた場合に生じるこの値差がエリア間で発生した場合に日本卸電力取引所、JEPXの収入となっているものを活用するというものでございます。
他方で、この今回の系統整備を力強く進めていく中で、地域間の連系線あるいは系統整備が進んでいけば、この値差というのは解消されていくことが期待されているわけでございます。値差収益が縮小していくと考えると、この貸付けの原資も縮小していくということになります。そういった考えでいいのか、確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/50
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051・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、今回創設したいと考えてございます広域機関による貸付けの制度でございますが、その原資につきましてはいわゆる値差収益、もうちょっと申し上げますと、連系線の混雑によりまして市場が分断が生じた結果生じるエリア間での市場価格差を埋めるための調整取引による収益でございます。これが今、広域機関の方に納付いただいているわけでございまして、二〇二一年度で約四百十七億円、二〇二二年度で約八百十三億円納付いただいているわけでございます。これを活用して系統の整備を促進していこうというものでございます。既に存在する制度で、この値差収益を原資とする系統増強費用に関する交付金というものがあるわけで、これとのバランスを取りながらやっていくことになるわけでございます。
他方で、今委員から御指摘いただきましたように、これは、地域間連系線の整備に伴ってエリア間の市場分断の解消が進んでいきますとだんだんだんだんこれは縮小していくということは想定されることは一般的には考えられるものでございます。逆に考えますと、そういう分断が生じているような、連系線の整備が必要な状況、まさに今の状況におきましては、早期の段階で必要となる工事費等に活用していくということになるわけでございますし、逆に言いますと、連系の整備が進んでまいりますれば、その原資となるべきこの値差収益というのはだんだんだんだん縮小していくということになっていくかと思います。
ただ、この広域機関による貸付制度ということは、幾つかあるツールの一つでございます。先ほど申し上げた系統交付金の制度を含めまして、様々な形で資金手当てができるような環境整備に努めてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/51
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052・石川博崇
○石川博崇君 この事業資金の貸付けでございますけれども、OCCTOによる初めて行う事業でございます。政府の審議会では、これまでの業務とは全く質が異なるという指摘もございまして、これを実施する場合には、業務実施体制の整備、融資条件の設定、貸付金の回収の仕組み、こういった基本的事項について審議を行い、機能する仕組みを構築することが不可欠であるという指摘がなされておりました。
こうした指摘事項を踏まえてどのような体制、制度を整備することを想定しているのか、御説明いただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/52
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053・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、この法案を検討するに当たりまして、資源エネルギー庁の審議会で御審議、有識者の方々にいただいていたわけでございますけれども、その中でも、その広域機関がこれまで行っておりましたFIT、FIPに関する業務、これも一定の金融関連業務であるわけでございますので、必要な資金管理等にたけた人材というのは現在もいらっしゃるわけでございますけれども、今回、この法案ができますれば、その際に追加される業務に就きますと、融資業務に近い、融資判断のノウハウが必要になってくるわけでございます。融資会計等に関する専門の知見に対する業務執行ができる体制をつくることが必要になるというふうに私どもも認識しているところでございます。
この法案ができた末のことでございますけれども、具体的な業務設計をする中で、現行の組織、体制、知見は、これは最大限生かした上でございますけれども、しっかりした執行ができるような、貸付業務を実施している他法人も参考としつつ、必要な実施体制や仕組みを構築していきたいと、そういうふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/53
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054・石川博崇
○石川博崇君 以上、系統整備について様々質問させていただきました。しっかりと進めていただきたいということを御要望させていただきたいと思います。
続きまして、原子力発電の利用についても質問させていただきたいと思います。
今回の法案では、原子力利用の基本方針として、これまで安全神話に陥って福島第一原発発電事故を防止できなかったことを真摯に反省した上で、事故の防止に最善かつ最大の努力をしていくこと、これを基本方針として明記をいたしました。これは極めて重要だと思います。
その上で大切なことは、この原子力基本法に新たに規定する基本方針を具体的な行動に表していく、起こしていくことが何よりも重要ではないかというふうに思います。今もなお多くの被災者が避難生活を送っている現実を踏まえて、福島第一原発の廃炉、処理水対策、風評対策、福島復興の加速、電気事業者の組織運営の改革、見直し、防災対策、テロ対策等を含む安全確保策等を着実に具体策として進めていくことが重要でございます。
これらに取り組む西村大臣の御決意を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/54
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055・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、まず何よりも東京電力福島第一原発の事故への真摯な反省、これは決して忘れてはならないことでありますし、私どもの政策の原点であります。だからこそ、福島の復興、そしてこの東京電力福島第一原発の廃炉・汚染水・処理水対策、国にとりましても、また経産省にとりましても最重要課題というふうに認識をしております。将来的に、帰還困難区域全域の避難指示を解除し、廃炉、復興、そして再生に責任を持って取り組むという決意には揺るぎがないものがございます。
同時に、エネルギー政策の観点からは、将来にわたってやはり安定供給を確保していく、この責任を果たしていくことも極めて重要な課題であります。そうした中で、原子力は再エネとともに安定供給を確保しながら脱炭素社会を実現していく上で重要なエネルギー源というふうに位置付けております。その活用を進めていく方針であります。
そして、その原子力政策を進めていくに当たっては、御指摘のように、安全神話に二度と陥らないとの教訓を肝に銘じなければならないわけであります。震災以降、こうした考え方の下、エネルギー政策、利用の側と規制の分離が行われたわけであります。もう御案内のとおり、具体的には、原子力規制委員会の設置、そして世界で最も厳しい水準の新規制基準の策定といった措置を講じてきているものでございます。
そして、今回の法案におきましても、この反省を踏まえて、憲政史上初めてこの安全神話という文言を法文に入れまして、安全神話に陥り、事故を防止することができなかったことを真摯に反省という表現を盛り込んでいるわけであります。事故の防止に最善かつ最大の努力をしていく方針を原子力基本法に明記をしているところでございます。国の責務として、原子力災害の防止に万全の措置を講ずる旨も記載をさせていただいております。
また、原子力基本法におきましては、まさに御指摘のありました、事業者の責務として、核物質防護対策の不断の見直し、そして施設の安全性向上を図るための態勢の充実強化、立地自治体等との連携した防災態勢の充実強化などを明記しているところであります。こうした規定を踏まえて、事業者が組織マネジメントの改善、高度化などの取組を不断に行っていくよう、しっかりと指導もしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/55
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056・石川博崇
○石川博崇君 今回の法改正によりまして、原発の運転期間の見直しが図られることとなります。政府の検討段階におきましては幾つかのオプションがございました。そこの中には運転期間に上限を設けないという案もあったというふうに伺っております。公明党から強い主張をさせていただきまして、この運転期間につきましては、あくまでも現行の四十年プラス二十年、この枠組みを維持するという内容となっております。
一方で、他律的な、事業者からして他律的な要素によって停止していた期間に限ってこの運転期間に加えるという内容になっております。この延長可能な、他律的なと言われておりますけれども、限定的な、列挙されている要素による運転期間については、具体的にどのように判断していくことになるのか。特に、書かれております、関連法令の制定、変更への対応、行政処分、行政指導、裁判所による仮処分命令その他事業者が予見し難い事由、こうしたことが列挙されておりますが、こうした中に、電気事業者の不作為とかあるいは瑕疵によって運転停止されていた期間というのは当然延長の対象にはならないというふうに考えておりますけれども、この辺をどういうふうに判断していくのか、御説明をいただければと思います。
また、あわせて、これは発電事業者だけではなく立地住民の皆様にとっても重要な判断材料でございます。ある程度予見可能性を確保していくことも重要でございますし、また地域住民の方々への丁寧な説明ということも求められると思いますけれども、政府としての、どのように対応するか、御説明をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/56
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057・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
今回の法案に盛り込んでおります原子力発電所の運転期間に関する改正の措置でございますが、これは令和二年七月の原子力規制委員会の見解を踏まえまして、現行の原子炉等規制法における運転期間に係る規定を利用と規制という観点から改めて峻別いたしまして、電気事業法と原子炉等規制法の二つに整理した形で提案、立案し、提案しているところでございます。
これはもうあくまでも原子炉等規制法による新規制基準の適合性審査の認可を得るということが大前提の上ででございますが、その認可を受けた発電所をどれだけの期間、運転期間として使ってよいものかどうかという利用側の政策として電気事業法の中に規定を設けているところでございます。
その中では、様々議論あったわけでございますけれども、立地地域等の声、また震災後に導入された現行制度との連続性等を勘案いたしまして、今般の運転期間に関する措置は、実質的な運転期間の六十年という上限は維持しつつ、先ほど委員からも御指摘ございました関連法令の制定、変更への対応、行政処分、行政指導、裁判所による仮処分その他事業者が予見し難い事由と、法案の中で限定列挙いたしました、事業者から見て他律的な要素によって停止してきた期間に限っては六十年の運転期間のカウントから除外することを認めるという趣旨の改正内容でございます。
その際、今お尋ねございました具体的な期間についての判断でございますが、事業者からの申請を受けて個別には判断していくことになりますので、現時点で予断を持ってお答えすることは難しいわけではございますが、例えば、今お尋ねございました事業者の行為による不利益処分や行政指導が行われているなど、事業者自らの行為の結果として停止期間が生じたことが客観的に明らかな場合、こういった場合には当該期間はカウント除外の対象には含めないことが適切であるというふうに考えてございます。
今後、御指摘いただいたように、法律の施行に向けては行政手続法に基づく審査基準の策定を進めていくことになるわけでございますが、その際に有識者の議論やパブリックコメント等を通じて広く御意見を伺ってまいりたいと考えてございますし、また、その過程では立地自治体など関係者の皆様方に丁寧な説明を行ってまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/57
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058・石川博崇
○石川博崇君 今御説明にもありましたけれども、原子力規制委員会の方でいわゆる令和二年見解というものが示されました。つまり、原子炉施設をどのように期間利用するかについては、利用の在り方に関する政策判断にほかならず、原子力規制委員会が意見を述べることではないと、事柄ではないというふうに見解が示されたわけでございます。
世界で最も厳しい基準とされる新規制基準が適用されて、厳格な審査、検査が行われて、その認可を得た上で原子力発電所が稼働している我が国の状況にございます。
そういった中で、利用期間をどのようにするかはどこまでも政策判断だと言われたこの規制委員会の表明、見解というのは、つまり、利用期間がどれほどであろうとも、例えばどれだけ短くとも安全でなければ運転は認めないわけでございますし、また、逆に言いますと、どれだけ長くとも高経年化については徹底して審査を行える、それだけの体制、また技術、能力というものが規制委員会にあるということを表明されたということの裏返しではないかというふうにも思っております。
山中委員長、今日お越しいただいておりますけれども、山中委員長、委員長になられる前の令和二年七月の原子力規制委員会の会議においてこのことを御自身、発言されておられますけれども、こうした発言をするに至った経緯について御説明をいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/58
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059・山中伸介
○政府特別補佐人(山中伸介君) お答えいたします。
平成二十九年より、事業者から、安全規制の枠組みの中で四十年、二十年という運転期間から運転停止期間を除外してほしいとの要望が度々なされておりました。これらの要望を踏まえまして、令和元年、規制委員会が了承した方針の下に、規制庁とATENAとの間で技術的な意見交換を行いました。
その結果、御指摘の令和二年七月二十二日の原子力規制委員会で、規制庁から、原子炉施設の経年劣化の程度が使用履歴や保守管理の状況など個々に異なるため、科学的、技術的に一定の期間を除外することは困難であるとの共通理解を得るに至ったと報告を受けました。
この報告に加えまして、運転期間に関係する定めにつきましては、歴代の委員長においても規制委員会としての意見を述べるべきものではないとの旨の国会答弁をされていることもあり、御指摘のような発言を私がしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/59
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060・石川博崇
○石川博崇君 ありがとうございます。
先ほど申し上げましたけれども、重要になるのは、この高経年化した原発に対する規制がいかに厳格に行われているのかということについての国民の信頼を勝ち得ていくことが何よりも重要ではないかと思います。
今回の法律案におきまして、この審査体制についても見直しがなされます。つまり、現行の運転期間延長認可制度、四十年たった原子炉に対して二十年、最大二十年の延長を認める制度と、それから、これまで省令で、省令、規則で基づいて行われてまいりました高経年化技術評価制度、この二つの制度を統合して長期施設管理計画認可制度を法律上に位置付けることとなります。これまで、三十年以降であれば、この高経年化については省令、規則に基づいて十年ごとに技術評価を行ってきたものを、今回これを法律事項として位置付けて、しかも規制委員会による認可事項とするということでございます。
国民の皆様の中には、今回の法改正が規制緩和であるといったような評価をされる方もいますが、このことをしっかりと認識をいたしますれば、原子力規制委員会による高経年化した審査、また検査については規制の厳格化が行われているものと認識をしております。
この法改正による新制度の創設、これが安全性にどのように確保していくのか、規制委員会委員長の見識をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/60
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061・山中伸介
○政府特別補佐人(山中伸介君) お答えいたします。
今回の新制度案は、現行の運転期間延長認可制度と高経年化技術評価制度の二つの仕組みを統合し、強化するものでございます。
これまで運転延長認可制度において運転開始後四十年目に一回に限り行ってきた原子力発電所の基準適合性審査を、新制度では、運転開始後三十年を超えて運転しようとするとき、またその十年を超えない期間ごとに行うなど、現行の制度に比べてより高い頻度で厳格に審査を行うことになります。
また、新たな認可対象として策定を義務付ける長期施設管理計画には、これまで高経年化技術評価制度において認可する保安規定の中で定めておりました長期の施設管理方針の内容に加えまして、施設の劣化状況や劣化予測に関する詳細な記載を求めることで、より厳格な審査を行うことになると考えています。
さらに、計画に詳細な記載を求めることを通じて、最新の知見により劣化評価の方法等に変更が必要になる場合には、劣化評価のやり直しや計画の変更など、より柔軟にかつ機動的に求めることにより最新の知見を反映し、安全性をより向上しやすい仕組みとなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/61
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062・石川博崇
○石川博崇君 今御説明をいただきました高経年化した原子炉に対する審査、そしてまた検査、これを三十年以降、毎年、十年ごとに行い、認可を判断をしていくということになります。そこで重要となってくるのは、経年劣化の状況を原子力規制委員会としてどのように審査をし、また判断をしていくかということではないかと思います。
停止していた期間については、放射線が照射される環境にないので中性子脆化といった現象は劣化の要因にはなりませんけれども、コンクリートなどの劣化はあるわけでございます。こうした放射線の影響によらない経年劣化部分についてどのように安全確保をしていくのか。
そしてまた、仮に運転延長が認可、利用政策の観点から運転延長が認可されたとしても、この放射線によらない経年劣化部分も含めて、規制委員会が審査を行って安全性が証明できなければ認可された運転期間終了を待たずに停止するということになるというふうに認識しておりますけれども、そのことについても確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/62
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063・山中伸介
○政府特別補佐人(山中伸介君) 先ほど御説明させていただきました新制度案では、御指摘いただきましたような放射線の影響によらない経年劣化が進展するものも含めて、事業者に対して、劣化予測等に関する詳細な記載を含めた計画の策定、その計画に基づく必要な措置の実施を求めることとしております。規制委員会は、その計画が基準に適合しているかどうかを厳正に審査するとともに、認可後の事業者による措置の実施状況についても原子力規制検査を通じて監視、評価をする対象に追加することとしております。
このような審査、検査の実施によって基準への適合性が確認できない原子炉については、たとえ経済産業大臣が認可した運転期間内にあってもその運転は認められない厳格な制度になっていると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/63
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064・石川博崇
○石川博崇君 時間が来てしまいましたのでこれで終わりますけれども、原子力規制委員会が行う審査、これがいかに厳格に行われているかということについて、国民の信頼、また理解を得ていくということが何よりも重要でございます。制度の分かりやすい説明、また資料もいろいろ用意されておりますけど、分かりにくいという指摘もございます。こうしたことへの改善、さらにはQアンドA、用語解説、こうしたことの充実、またホームページの充実、こうしたこともしっかり行っていただくことを御要望申し上げて、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/64
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065・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午前十一時五十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00820230511/65
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