1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年五月十六日(火曜日)
午前十時一分開会
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委員の異動
五月十一日
辞任 補欠選任
三上 えり君 森本 真治君
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出席者は左のとおり。
委員長 吉川 沙織君
理 事
青山 繁晴君
石井 正弘君
中田 宏君
田島麻衣子君
石井 章君
委 員
越智 俊之君
太田 房江君
片山さつき君
北村 経夫君
小林 一大君
長峯 誠君
松村 祥史君
村田 享子君
森本 真治君
石川 博崇君
里見 隆治君
猪瀬 直樹君
礒崎 哲史君
岩渕 友君
平山佐知子君
国務大臣
経済産業大臣
国務大臣 西村 康稔君
政府特別補佐人
原子力規制委員
会委員長 山中 伸介君
事務局側
常任委員会専門
員 山口 秀樹君
政府参考人
内閣官房GX実
行推進室次長
兼資源エネルギ
ー庁長官 保坂 伸君
内閣府科学技術
・イノベーショ
ン推進事務局審
議官 覺道 崇文君
経済産業省大臣
官房福島復興推
進グループ長 片岡宏一郎君
資源エネルギー
庁長官官房資源
エネルギー政策
統括調整官 山田 仁君
資源エネルギー
庁省エネルギー
・新エネルギー
部長 井上 博雄君
資源エネルギー
庁電力・ガス事
業部長 松山 泰浩君
原子力規制委員
会原子力規制庁
次長 金子 修一君
原子力規制委員
会原子力規制庁
長官官房審議官 森下 泰君
原子力規制委員
会原子力規制庁
原子力規制部長 大島 俊之君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立
を図るための電気事業法等の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/0
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001・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、三上えり君が委員を辞任され、その補欠として森本真治君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/1
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002・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房GX実行推進室次長兼資源エネルギー庁長官保坂伸君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/2
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003・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/3
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004・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/4
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005・村田享子
○村田享子君 御安全に。立憲民主の村田享子です。
今日から脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案、立憲の方でも質疑が始まったということで、まず、私は、そもそもこれをなぜ束ね法案にしたのかということについてお尋ねをしたいと思います。
今、私も、長いこの法案名、かつ、電気事業法等というところの中に四つの法案が入っていて計五本の法案が今回束ねられているということになります。
私は昨年の七月に初当選をさせていただいて、今回こういった束ね法案を質疑させていただくのが初めてだったんですけれども、やっぱり一個一個の法案の分量もあります。それぞれが非常に大切な法案であって、やっぱり審議の準備をするというのも物すごく大変なんだなということを感じました。あわせて、先日の本会議で田島委員からも御指摘がありましたように、やっぱり束ね法案にすることで一つ一つの法案について審議をすることが困難となりますので、そもそもこういった国会の審議を形骸化するものではないか。そして、あわせて、今回五本の法案になりますけれども、個々の法律案に対する賛否が異なる場合であっても、束ね法案においては一括してこの法案に対して賛否を表明しなければいけないということで、これは憲法で保障されている国会議員の表決権を侵害するものではないか、そういった思いもございます。
こういった中で、まず西村GX実行推進担当大臣にお聞きをします。なぜ束ね法案と今回したのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/5
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006・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) まず、将来にわたってこのGXの実現と電気の安定供給の確保を両立させていく上で、再エネの最大限導入とそして原子力の活用、これが私ども二本の柱として進めていくという考えでございます。
その上で、まず原子力についてでありますが、電気事業法及び原子炉等規制法の改正について、既存の原子力発電所の運転期間の在り方について令和二年七月に原子力規制委員会が見解を発表されておりまして、それを踏まえて、利用政策の立場から、この利用と規制、この観点から改めて法制上の整理をしっかりと改めて峻別するということが必要と、我々課題として認識をしてきておりました。具体的には、電気事業法と原子炉等規制法の二つに再整理をすると、条文上の再整理をするということであります。この二本は、したがって緊密に関係をしているということであります。
そして、原子力基本法の改正についてでありますが、まさに今の運転期間の在り方を含む原子力政策の全体整理を行っていく中で、改めて、憲政史上初めて安全神話に陥った東京電力福島第一原子力発電所事故の反省を明記するなど、利用に係る基本原則の明記を行うものでございます。
ということで、原子力政策について全体の整理を改めて行うということでこの三本の法律があるわけでございます。
そしてさらに、再エネの最大限導入に向けましては、電気事業法及びこの再エネ特措法の改正をその最大限導入に向けて行うわけでありまして、一つには、地域の方々への事業内容の事前周知の認定要件化など、地域と共生した再エネの導入のための事業規律の強化、行うということでありますし、また、重要となる、最大限導入に当たって極めて重要となるのがその地域間を接続する系統でありますので、その系統整備に必要な資金調達を円滑化する仕組みの整備を行うということであります。
以上、再エネ、原子力、この脱炭素電源の活用という共通の目的があって条文上も相互に関連するものであるということでありますので、もちろん全体、法制局で整理をいただいた上で束ね法案として国会に提出したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/6
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007・村田享子
○村田享子君 今のいろいろ、こういった法案の関連であるとか、また目的に関して大臣、今御答弁をされました。
これまでの、政府の束ね法案に対する考え方の今までの答弁を見てみましても、二つ以上の法律の改正を提案しようとする場合には、一般に、法案に書かれた政策が統一的なものであり、その結果として法案の趣旨、目的が一つであると認められるとき、あるいは内容的に法案の条項が相互に関連して一つの体系を形作っていると認められるときは一つの改正法案として提案することができるというような答弁がされているわけで、それに即して今大臣も御説明をされたというふうに理解はしますけれども、例えばその原子力の活用というところの話でいいますと、衆議院でも、本法案の議論を見てみますと、やっぱり政府としては、やっぱり原子力の利用と規制をしっかりと分離していく、その上でも今回この法案を審議しているんだというお話が出てくるんですね。
確かに、原子力の活用という意味では今おっしゃられたようにこれらの法案が関連するかもしれないけれども、やっぱり厳密に利用と規制を分離をしてやっていくんだということであれば、やっぱり法案審議においても、例えば電気事業法と炉規法は束ねずに審議をしていくということがより大事なんではないかというふうにも思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/7
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008・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 議論を言わば建設的に、効果的に、また生産的に行っていくという観点からは、関連している、条文はもう本当に密接に関連しておりまして、言わば規定を移すようなものでありますから、そういう意味で、関連するものについてはこれまでも、束ね法案というのは、御指摘ありましたように、関連するものを一括して審議するということはあるわけでありまして、これは私ども自民党、自公政権の下でもそうですし、かつての民主党政権でも八本、九本束ねた法案もございますので、これはその時々の政権の判断、そして、まさに条文がどの程度関連するかというようなこと含めて、これは法制局での審査も経た上で、そうしたことはあり得るというふうに認識をしておりますし、今回、私どもとして、この法案、五本の法案を束ねた形で御審議いただくのが適切であるという考えの下で提出させていただいたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/8
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009・村田享子
○村田享子君 今、民主党政権のときにも束ね法案はあったというようなお話がありましたけれども、ここ最近のこの束ね法案の割合というものを見てみます。
常会に提出した内閣提出法案に占める束ね法案の割合というのを見てみますと、例えば、平成十八年から平成二十七年までの十年間の平均は三六・三%、直近で近づいてきますと、平成二十八年から令和五年までの八年が四五・八%と上がっていまして、また、ここの五年ですよね、令和元年から令和五年までの五年間で見てみますと、平均が四七・三%となっておりまして、確かに民主党政権のときも束ね法案はあったかもしれないんですが、自公政権になってから束ね法案の割合というのが増えているというのはやっぱり客観的な事実としてあると思います。
大臣に、こういった束ね法案が増えていることについて内閣の一員としてどのようにお考えになるのか、お聞かせをください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/9
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010・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 今、数字の御指摘がございましたので私も数字の紹介をさせていただきますが、ちょっと直近の数字、私、今手元に持ち合わせはないんですが、民主党政権下でも、二〇一〇年の常会、百七十四国会で束ね法案二十五本出されておりますし、百七十七国会、二〇一一年の常会でも三十本、百八十国会、二〇一二年の常会でも二十六本提出されております。
それをどうこう言うつもりはないんですが、関連する法案についてはお互いに条文が緊密に関連するということで、これ繰り返しになりますけれども、全然関係ないものを束ねるというのは、それはもちろんあり得ないわけでありまして、その点については法制局での審査も経て、そして政権として関連するということで、今申し上げたように、原子力と再エネを、再エネを最大限導入しながら原子力も活用する中で、エネルギーの安定供給と脱炭素化を進めていくというその方針の下で関連する法案を束ねて提出をさせていただき、そして、様々なエネルギー政策の視点から御審議をいただき、そのことによってより建設的な、効果的な議論ができるものというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/10
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011・村田享子
○村田享子君 今大臣、数のお話をされたんですけれども、私はやっぱりこの割合が、束ね法案の割合がやっぱり自民党政権になってから増えているんじゃないかと。これ確かに、今大臣、手元に数字はないということなんですけど、割合で申しますと、やっぱり、平成十八年からの十年が三六・三%だったのが、ここ直近の五年間が四七・三%に割合が増えている。これはやっぱり、先ほど冒頭申しましたように、国会審議の形骸化であったり国会議員の表決権を侵害する、その点からいうと、この束ね法案の割合が増えているというのはやっぱり私は大きな問題だというふうに考えます。
あわせて、じゃ、その原子力に関してもう一つお聞きをしたいんですけれども、原子力の活用ということで、目的も関連して共通しているし、また法案の条文も関連しているということなんですが、今回、原子力基本法についても改正が行われるということで、原子力利用の基本原則を定めているといったお話がございました。
そもそも、この原子力の基本法というのは、日本が原子力の利用を始めるに当たって、一九五五年に定められた原子力の憲法と呼ばれる法律でございます。やっぱり、こういう意味からいうと、その利用であったり規制を分離しようという話がしている中で、この原子力基本法というのは、利用という面からも規制という面からも、やっぱりそのベースになる、基本になる本当に大事な法律だと思うんですね。
だからこそ、この原子力基本法というのは、やっぱり今回束ねることなく審議すべきだったのではないかというふうに思いますが、この点、西村大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/11
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012・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 先ほども少し触れましたけれども、今回、運転期間の在り方を含む原子力政策全体を整理を行うということをいわゆる電気事業法と炉規法の改正の中で整理を行っているわけでありますけれども、そうした中で、原子力基本法、まさに利用に当たって、第一条の目的に、開発及び利用を推進することによって、将来におけるエネルギー資源を確保しということで、もって、ちょっと途中省きますが、国民生活の水準向上に寄与するということを目的とするということでありまして、まさに原子力の利用についての全体の大きな方針を示されているわけであります。
そうした中で、今回、改めて、憲政史上初めてこの安全神話という言葉を使うことになるわけでありますが、その安全神話に陥った福島第一原発の事故の反省を明記するということも含めて利用に係る基本原則を改めて明記をさせていただいたということでありますので、この点についても原子力政策全体を整理をする中で必要な改正ということで私ども考えたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/12
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013・村田享子
○村田享子君 この安全神話という憲政史上初めての言葉を入れたということは私も理解しておりますけれども、だからこそ、やっぱりそんなに今回大きな改正をしたということであれば、やっぱり私は、これについては束ねるのではなく審議をすべきではなかったかというふうに思います。
この、じゃ、目的と利用で、趣旨、目的が一つであれば束ねることができるという話でいいますと、先月、この委員会においては、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案、いわゆるGX推進法案について審議を行いました。この法案は、今回の法案と同じくGX実現に向けた基本方針に基づくものですので、GXの実現という意味でいうと共通の目的だというふうに思います。
このGX推進法案については、じゃ、なぜ束ねずにばらけて質疑をすることになったのか、それについて大臣の御説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/13
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014・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 今般、GXの推進法の方は、新たにカーボンプライシング、成長志向型のカーボンプライシングというものを導入するという新たな法律を制定をするということでありますので、新法は既存の法律の改正とは束ねられないということでございますので新法として提出をさせていただいたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/14
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015・村田享子
○村田享子君 ここで新法と改正とで分けられたということでございます。
じゃ、今回のその五つの法案、改正の法案ということで束ねられておりますけど、この五つの法案ですね、電気事業法、再エネ特措法、原子力基本法、炉規法、そして再処理法、この五本になりますけれども、それぞれの法案についての所管についてお答えをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/15
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016・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) まず、電気事業法は私どもの所管であります。それから、炉規法は原子力規制委員会の所管であります。それから、原子力基本法、これは内閣府の所管であります。再エネ特措法と再処理等拠出金法、これは私ども経産省の所管でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/16
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017・村田享子
○村田享子君 大臣、ありがとうございます。
今大臣が御答弁されたように、複数の所管にまたがった束ねの法案というふうになっております。これにつきまして、昭和三十八年九月十三日に閣議決定をされました内閣提出法律案の整理についてによりますと、束ね法案については、付託される常任委員会が同一であることとされております。
この基準について、今回の法案はやっぱり反するものではないかというふうに思いますが、西村大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/17
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018・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘の昭和三十八年の閣議決定文書では、御指摘のように、その趣旨、内容において密接な関連がある二以上の改正法律案であって、付託される常任委員会が同一であることその他の事情により統合することが適当なものは、統合して提出することとされているものと承知をしております。
これはあくまでも束ね法案とすることが適当な場合の事例、例示として常任委員会が同一であることが記載されておりまして、付託される常任委員会が同一でない法律の改正などを束ね法案とすることを否定するものではないというふうに理解をしております。
まさに、先ほど申し上げた政策目的の下で整理をしていく、条文上も相互に関連するということから束ね法案として提出させていただいておりますので、私どもとして問題はないという理解でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/18
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019・村田享子
○村田享子君 これは例示であるというふうなお話だったんですけれども、この閣議決定の整理については、やっぱりこの同一、委員会が同一であること、付託される常任委員会が同一であることというのが唯一のやっぱり例示なんですよね。やっぱり私はそこがすごく重要だというふうに思っておりますし、改正案が確かに幾つも束ねられて審議をする、その常任委員会が、付託される常任委員会が同一であれば、例えば全て経済産業省の所管の法案であれば西村経済大臣に全てお聞きをすることができるんですけれども、今回の法案でいうと、例えば内閣に関して高市大臣が呼べないというようなことが実際に起きています。
それが本当に、今回の重要な法案を審議する上で本当にそれでよかったのか、この点いかが、大臣、お考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/19
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020・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 私どもとして、この五つの改正案につきまして、まさに条文上も関連をしますし、大きな目的を一にするものでありますので、効果的に、建設的に議論を行っていただく上でふさわしいということで提出をさせていただいているところであります。
その国会での審議の在り方につきましては、これは付託される委員会も、あるいは審議の在り方などにつきましては国会において決められるものと思いますので、その、に従いまして、私どもしっかりと御説明し、御審議いただくことを、いただければというふうに考えているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/20
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021・村田享子
○村田享子君 確かに、付託されればどう審議するかは国会の中で決まっていきますが、そもそもその政府の方の法案の出し方で束ねで出されてしまえば、もうそれを国会の方で、じゃ、ばらけましょうねというわけにはいかないわけですから、そこのところは国会だけの話ではないというふうに私は思います。
今この私の質疑が始まってからも、西村GX実行推進担当大臣なのか西村経済産業大臣なのか、そういったところも、今回その束ね法案の中で西村大臣がそれぞれの立場で答弁をされるということになっています。そもそも何でそうなっているかというと、本法案につきましては内閣官房が閣議決定に係る主の請議府省等となっておりまして、西村大臣も経産大臣としてではなくGX実行推進担当大臣として答弁をされている。これについては理解をしておりますけれども、やっぱり最近、こういった形で内閣官房がこういったこの閣議決定に係る主の請議府省等となって、で、中心となっていろいろ答弁やそういった事務、法案を改正する上での事務の準備もされています。
こういった形になってしまうと、この内閣官房のスリム化というのを進めようという動きがある中で、やっぱり内閣官房自体がどんどんどんどん巨大化しているようにも私は感じるんですけれども、その点、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/21
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022・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 感想から申し上げますと、世の中非常に複雑になってきておりまして、技術の進化あるいは価値観も多様化している。いろんな中で、一つの省庁で担当し切れない事案、いろんな省庁にまたがる、特に今話題の、課題となっておりますAIについて見ても、私ども経産省も当然関係しますし、総務省も関係します、また教育の観点からは文科省も関連するということで、あるいは科学技術全体の政策からいうと内閣府も関連するということでありますので、そういう意味で、いろんな新しい事象が各、一つの省庁でなかなか担当し切れない、処理し切れない、そういう事柄が多く出てきている。そんな中で、まあやむを得ずですね、全体を束ねていく中で、内閣官房あるいは内閣府なりで全体を調整をしていく、そういう役割が非常に大きくなってきているものというのが私の全体の印象であります。
ただ、それを全て内閣官房あるいは内閣府でこなしていくというのもなかなか難しい話でありますし、御指摘のようにどんどんどんどん膨らんでいくことになりますので、そういう意味で、今回のこのGX法案、五つの法案のうち三つを私が担当をする、そもそも所管をしているということで、先ほど申し上げたとおりでありますが、全体として、エネルギーの安定供給と脱炭素化全体を見るGX担当大臣として任命をいただいて、まあ言わば内閣官房の仕事を私の立場でそれをカバーしていくということだというふうに私自身は理解をしておりますけれども、そういった新しい事象がいろいろ起きていく中で対応を、これは非常に苦慮しながら進めているというのが実情じゃないかなというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/22
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023・村田享子
○村田享子君 今、社会も変化をしている中で、新しい出来事も起きて、なかなか一つの省庁では対応し切れないところを内閣官房が担っている、そういったお話、大臣もそういうふうに感じられているということでございました。
であるならば、やっぱり今社会が変わっているということであれば、そういったその内閣官房が余りに大き過ぎないか、やっぱりこういったところは、やっぱりそれに、社会の変化に合わせて私は改善していかなければいけないところだというふうに思います。
最後、ちょっと今日、束ね法案のお話長くさせてもらったんですけれども、ちょっと国民目線からというところでも最後、一点お聞きしておきたいと思います。
今回の法案名でいいますと、電気事業法等の一部を改正する法律案というふうになっておりまして、やはり国民の皆様にとっては、この電気事業法等、この等の中に四つも法案があるんだというのは、やっぱりぱっと見ただけでは分からないと思います。
あともう一つは略称のお話で、役所の皆様からいただいた一枚紙の概要を見ましても、電気事業法等の一部を改正する法律案、で、括弧をしてGX脱炭素電源法ということで、こちらの略称が、マスコミ等の報道を見ているとGX脱炭素電源法というふうに報道されているのが多いかなというふうに感じます。
じゃ、この法、この略称と電気事業法等の一部を改正する法律案、どっちが使われているのかなということで先日の例えば五月十日の本会議の審議を見ますと、GX脱炭素電源法という言葉は、大臣、そして質問された皆様の中で見ると二回しか出てこないですね。大臣も本会議の中では使われてはいなかったというふうに思います。
なので、やっぱりこういったことも、じゃ、例えば国会の議事録を見てみようというふうに思ったときに、GX脱炭素電源法で検索をしてもなかなか思うようにヒットしないな、この法律どこで見たらいいんだろうな。まあ今は話題になっているので皆さん調べやすいところもありますが、やっぱり国会の議事録というのは十年後、二十年後、まあ百年後もずっと残っていくものだというふうに考えますと、この束ね法案のやっぱり名称であったりこういった略称の問題も、後々のやっぱり議事録を残していくという上ですごく考えていかなければいけないんじゃないかと私は思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/23
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024・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) まず、この束ね法案の名称は、もう御指摘ありましたとおり、御案内のとおり、脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案ということでありまして、この全体の中で電気事業法の改正部分も非常に大きいということだと思いますが、電気事業法が代表として書かれているんだというふうに思います。
ただ、まさに脱炭素社会の実現に向けたということでありますし、電気供給体制の確立を図るためということでありますので、略称名が脱炭素社会の実現ということでGX推進ということでありますが、電気供給体制の確立ということで電源法案というふうに、脱炭素電源法案というような言い方をされているんだろうというふうに思います。
この法律名を引いていただきますと、国会上は必ずこの審議ということで出てくるわけでありますので、略称がいろんな形で、GX電源法案と言われたりGX脱炭素電源法案と言われたり、時によってより短くされたり、単に電源法案と言う方もおられたりしますので、なかなかそれは難しいところがありますけれども、私どもとして、まさに脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制全体の中で、再エネ、原子力、そういうものを位置付けながら進めていくという趣旨でこのような名称、この名称については法制局の審査を経て決定をさせていただいているところでありますので、略称まで含めて国民の皆さんに理解していただけるように、私どもも直すべき点は直していかなければならないなということを改めて今、御指摘いただいて感じているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/24
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025・村田享子
○村田享子君 やっぱり今大臣も言われたように、略称も、GX電源法なのかGX脱炭素電源法なのかというので、やっぱりいろいろな呼ばれ方があって、国民の皆様にとって、丁寧に説明していくということであれば、この法案名もそうですけれども、やっぱりそもそも束ね法案でよかったのか。国民の皆さんもそうです、国会の審議の在り方もそうです、こういった束ね法案のちょっと問題点をしっかり御認識いただいて、引き続きお願いをしたいなというふうに思います。
ということで、ちょっと法案に関するところに入りますが、今回の法律案については、今日も大臣からも御説明がございましたが、脱炭素電源の利用促進を図りながら電気の安定供給を確保するということで、ちょっと法案のこの電気の安定供給の前提となる現在の電力需給の見通しについて御確認をさせていただきます。
今五月になりましたけれども、今年の夏の電力需給の見通し、東京管内の需給の見通しが厳しいというようなお話も聞いておりますが、その厳しいとなっている理由についてお聞かせをください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/25
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026・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
ここ数年、電力需給の逼迫が懸念される状況が度々生じて御不安生じさせているところでございますけれども、この夏の需給に関しましては、日本全体として見ますれば、全エリアで十年に一度の猛暑を想定した電力需要に対して最低限必要な予備率三%は確保できる見通しでございます。一方で、委員今御指摘いただきましたように、東京エリアについて申し上げますと、七月の予備率が三%ちょうどと厳しい見通しとなってございます。
背景としてのお尋ねでございますので、供給面について申し上げますと、ここ数年同じような状況が続いているわけでございますが、新設電源、計画外停止電源の復旧による供給力の増加要素というのはあるわけではございますが、火力発電所の休止による供給力の減少という状況は継続してございますし、また、東京エリアに供給する原子力発電所の再稼働もまだ進んでいないという状況から供給力が弱いというのがまずございます。
これに加えまして、需要面を考えますと、昨年夏の東京エリアの電力需要実績は非常に高い状況でございました。そういう意味での需要の拡大の懸念が生じているということから節電をお願いすることがここのところ続いておりますが、そういう中で、東京エリアにつきましてはこの夏も厳しい状況ではないかというふうに想定しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/26
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027・村田享子
○村田享子君 東京については厳しいというお話でしたけれども、五月になりまして、コロナについて五類に移行になりました。このコロナが五類に移行になったということは今後の電力の需要の見通しに何らかの影響を与えるものか、その辺の御見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/27
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028・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
今御指摘いただきました新型コロナウイルス感染症について、先週五月八日に五類感染症に移行したところと承知しておりますけれども、現時点でこの需要への見通しの変化、影響について確定的に申し上げることは控えたいとは存じますが、この影響は、私ども電力需給を考える上では注視しなければならない重要な要素だと考えてございます。
一般論として申し上げれば、いわゆる巣ごもり需要の減少に伴い家庭用の電力需要の減少することは一つは想定されるところではございますが、一方で、経済活動の活性化による電力需要の増加ということも併せて想定されるところではございまして、この需要の動向ということを見ていきながら、この夏に向けた需要の逼迫の懸念というものに対する対策はしっかりと行ってまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/28
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029・村田享子
○村田享子君 コロナにおいて、やっぱり私もすごく人の動きが増えたなというふうに感じますので、そこのところもしっかり見ていただきたいなというふうに思います。
先ほどから御答弁の中で供給力が弱いといったお話もございますが、やっぱり私は、この電力の自由化が進む中でやっぱり不採算の火力発電所、もちろん脱炭素社会に向けてといった、そういった影響もあるとは思いますが、こういった不採算の火力発電所がやっぱり休廃止していることが電力需給の逼迫につながっているんじゃないかというふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/29
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030・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
電力自由化の流れがある中で、近年、再生エネルギーの導入拡大を私どもも積極的に進めていきたいと考えているわけでございまして、この導入の拡大、急速に進んでいる中で、一方で、再エネが出力しないときのバックアップとしての、調整力としての火力の機能というのが求められるわけでございますが、そうなればなるほど火力発電所の稼働率が大きく低下してしまうと。そのことに伴いまして、経済性の悪化、結果的な火力発電所の休廃止が進んでいる現状が続いているというふうに認識してございます。こうしたことも背景の一つとして、先ほど御答弁申し上げました供給力の弱さということにつながってきているように考えてございます。
このため、昨年、電気事業法を改正いたしまして、発電所の休廃止につきましては事前届出制というのを導入するとともに、二〇二四年度からは将来必要となる供給力を確実に確保するための容量市場という制度を運用開始することとしております。
いずれにいたしましても、脱炭素を進める上でも安定供給の確保ということは大前提でございますので、それに対する対策をしっかり取ってまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/30
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031・村田享子
○村田享子君 やはりこの火力発電所の休廃止が電力需給の逼迫のリスクとなっているということで、この今、私が経産省の方の資料から拝見をしましたのが、休廃止を見込んでいる火力発電所を保有している発電事業者と小売の電気事業者をマッチングをしてこの火力発電所の休廃止を防ごうという、このマッチングのこういった取組があるというふうにお聞きをしております。
これのこれまでの成果についてお聞かせをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/31
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032・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
先ほど御答弁したとおり、近年、事業採算性が見込めない電源の休廃止が進んできているところでございますが、一方で、供給力が不足ぎみになる中で電力卸売の市場の価格は非常に高い水準になってございます。そのことが意味することは、小売事業者の方々は安定的な電力供給を求めるというニーズも高くなってございますので、その両者をつなぎ合わせる、マッチングするような取組が何かできないかという取組は進めているところでございます。
広域機関の情報プラットフォームの下でこの関係する情報を提供いたしまして、これに対する募集、事業者の問合せを受けているところでございますが、今までのところ、問合せは多数頂戴して取組は進んでいるところではございますが、価格の水準、供給の時期、提供期間等に関しまして合意の形成にまだ至らないというところでございますので、個別のマッチングということではなく、結果的には供給力公募という形でその地域の送配電の事業者が足りない分について再稼働、再起動をお願いするという取組で供給対策を進めております。
いずれにいたしましても、こういう個別のもの、全体としての供給、併せてしっかりした取組を進めてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/32
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033・村田享子
○村田享子君 やっぱり、電力需給の逼迫を解消するという意味ではこういったマッチングも私は進んでいけばいいなというふうに思っております。
取組をお願いしたいということと、あと、私が昨年工場の方を回っていたときに、あした工場を午後から止めなさいと急に連絡が来たんだと、そういうことがあって、働いている側としては困っているんだというようなお話は度々聞くことがありました。
すごく、今、昨年の例でいっても、まあ何とか電力もったよねというような感じになっているんですが、実はその見えないところで、やっぱり工場が止まっていて、で、それで何とかなった。それって実は何とかなったわけじゃなくて、その分工場が止まっているので物が作れない。やっぱり産業として、経済として損失が出ているよねということがやっぱり私は、私が把握しているだけでも何件かそういったところがございましたので、もっともっと実は産業に損失が出ているんじゃないかなというふうに思います。
やはり私は、電気の安定供給というのは、生活の上でも、そして国民にとってもやはり大事なものだというふうに思いますが、で、今回原子力の活用といった法案になってくるわけなんですけれども、最後、一点、西村経産大臣にお聞きをします。
昨年からGX実行会議が行われまして、こういった原子力の活用を始めとしたいろんな原子力の議論が動いてはきておりますけれども、やっぱり東日本大震災以降から、原子力発電をめぐってはやはり議論が停滞していた時期が長かったんじゃないかな、それによって、やっぱり原子力の立ち位置、位置付けというのがはっきりせずに、国民にとっても又は事業者にとっても将来の予測が付かないところがあったと思いますが、その点についてお聞きをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/33
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034・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 原子力の在り方につきましては、二〇二一年十月に決定いたしました第六次エネルギー基本計画の中で、再エネを最大限導入する中で可能な限り依存度を低減するという方針を示すと同時に、二〇五〇年のカーボンニュートラル実現に向けまして、必要な規模を持続的に活用していくということを明記をしております。
そうしたことで、今後の大きな方針はしっかりとお示しをし、議論をしてきたものというふうに理解をしておりますが、ただ、二〇二一年秋からのコロナ禍からの回復、需要回復による資源価格の高騰、あるいは昨年二月からのロシアによるウクライナ侵略などによってエネルギー情勢は一変をしております。
こうした中で、将来にわたるエネルギー安全保障の確保という観点から、原子力政策の方針を更に明確なものとして、人材や技術への投資を行う事業者の皆さんや産業界にとって予見可能性、予見性を高めることがより求められている状況だということは御指摘のとおりであります。
こうした認識の下、昨年七月、GX実行会議におきまして、私の前任の萩生田大臣から、まさに電力自由化の下、供給不足を回避するための事業環境整備の遅れやあるいは原子力発電所の再稼働の遅れなど、様々な要素が背景となって需給逼迫の事態が生じており、しっかりとその背景を受け止め、必要な対策を講じていく旨の説明があったところでありますし、その後、私も、就任後、岸田総理からの御指示を受けまして、まさに御指摘の、これまでのエネルギー政策の遅滞を解消するための政治的判断が求められる事項やその方策を検討を進めるようにとの御指示を受けて、本年二月にGX実行に向けた基本方針の取りまとめを行い、閣議決定をしたところであります。
まさにこのGX基本方針が大きな今後の政策の方針を示しているところでありまして、GX実現、脱炭素化ですね、これと電力の安定供給の確保を両立すべく、再エネを最大限導入していきながらも、安全性の確保を大前提とした原子力の活用に向けて今回この法案を提出をさせていただき、御審議いただいているところであります。
いずれにしても、事業者の皆さん、あるいは国民の皆さんにとっても、将来どういうものになっていくのかという予見可能性もしっかりお示ししながら対応していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/34
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035・村田享子
○村田享子君 終わります。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/35
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036・森本真治
○森本真治君 おはようございます。立憲民主党の森本真治でございます。質問の機会をいただきました。
先ほど村田委員が指摘をされましたけれども、今国会でこのGXの取組は全体としても大変重要な今回のテーマである中で、私もこのタイミングで経産委員会に所属をさせていただいて様々勉強もさせていただいていることには大変、自分としても大変意義のあることだとも思っておりますし、今回のこの脱炭素電源法についても、先ほどの御指摘のとおり、大変多くの重要な論点があります。当然、今日の質問の中で全部できませんので、委員長また理事の皆様には、今後更に充実した審議時間の確保に向けては御尽力いただくことをお願いをさせていただければというふうに思います。
まず、西村大臣、GX担当大臣の西村大臣ということで、先ほどちょっとやり取りもあったんですけれども、改めて、この先の議論の中で私としても再確認をさせていただきたいというふうに思いますので、ちょっと取り上げさせていただきますが、まず、GXの目的というか意義については、先ほどありました、脱炭素社会の実現、そしてエネルギーの安定供給を将来にわたって確保していくということですね。この目的に向けて、達成のために取り組んでいくんだということでございます。
そして、この安定供給確保、エネルギーの安定供給確保について、私は、いろいろと議論をする上で、短期と中期とやっぱり長期というのをしっかり分けてそれぞれ議論をしていかなければいけない問題だというふうに思うんですね。
その上で、今回のこの法案でございますけれども、私の理解では、どちらかというとこれ中期的な、長期的なこの安定供給に向けてのその取組を進めていくということが今回この位置付けとしてあるんではないかというふうに私は理解しておるんですが、まずはこの本法案のその意義について、そういう観点でよろしいのかどうかということをまず確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/36
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037・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) まず、御指摘のように、今回五つの法案を束ねさせていただいて、このまさにGXを進めていく、実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の改正の法案ということで、まさに安定供給、電力の安定、電気の安定供給と脱炭素化を同時に進めていくという大きな目的の下で、それぞれの法律の必要な改正を行うものでございます。
その目的の下で、再エネは最大限導入していこうということで私ども取り組んでおりますし、原子力も活用していくということであります。その再エネの最大限導入の中に、今回再エネ法の、再エネ特措法の改正を盛り込んでおりまして、まさに太陽光発電などにおけます地域住民への説明であるとか、あるいは基本的な法律を守っていただいた上で地域との共生を図っていくと、そういう事業規律の強化を私ども方針として出させていただいております。
そういう意味で、太陽光など、まだまだこれFIT法あるいはFIPの下で進んでいきますので、そういう意味では、もう改正後直ちにこれはもう進んでいく話でもありますので、短期的なものも含んでおるということでありますし、やや中長期的にいえば、系統整備の話であるとか、あるいは原子力の運転期間の延長であるとか、これ、六十年を迎えるものはまだしばらくはありませんので、そういう意味でやや中期的なものになってくるというふうに理解をしております。
ただ、再処理の拠出金法については、その期間が延びるとその分拠出金が払わなきゃならないなどの措置がありますので、通知をしなきゃならないなどの措置がありますので、そういう意味で、これもそれに付随する対応でありますけれども。
いずれにしましても、全体として、御指摘のように、私ども、政策も短期、中期、長期で考えながら、まずは二〇三〇年の四六%削減を目指してやれることを全てやる。再エネの最大限導入、そして原子力の活用ということを進めながら、そして、その先の中長期的なことを考えて、系統整備であるとかそういったことも含めて、この法律の下でしっかりと整備をしていければというふうに考えているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/37
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038・森本真治
○森本真治君 私なりの、この短期、中期、長期というのを自分なりにちょっと整理をさせていただいて議論をしたいんですが、短期というのは、現下のこのエネルギーを取り巻く状況に対してどのような対策を取っていくのか。中期というのは、先ほど来あります二〇三〇年ですね、二〇三〇年に向けてどのように取り組んでいくのか。そして、長期というのは、まさに二〇五〇年ですね、二〇五〇年に向けてどうしていくのかというところをちょっと整理しながら、分けてやっぱり私は議論をさせていただきたいなというふうに思っております。
その中で、まず短期のこと、現下のエネルギーの状況についてなんですけれども、これももう先ほど最後に御答弁を、認識についてお話があったのかなというふうに思ったんですが、現下の我が国のエネルギーの状況については、これはGXの基本方針の中にも記されておるわけですけれども、電力自由化の下での事業環境整備、再生可能エネルギー導入のための系統整備、原子力発電所の再稼働などが十分に進まずですね、十分に進まずに、さらには、ウクライナの問題など国際的な状況なども踏まえて、今、一九七三年のオイルショック以来のエネルギー危機であると、現在そういう深刻な状況であるという認識を持たれているというふうに思うんですね。
国際市況の状況などというのはなかなかこれ我が国で対応できないことだというふうに思うんですが、現下のこのエネルギー危機を招いた要因として、再生可能エネルギー導入の系統整備や原子力発電所の再稼働などが十分に進まなかった、これはある意味、政策的な部分において招いた結果が今のエネルギー危機なんだというふうに私は理解するんですけれども、そのような認識でよろしいのか、そして何で進まなかったのかということをどのように分析されているのか、まずこの御答弁お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/38
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039・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
ロシアによるウクライナ侵略に伴いまして歴史上初の世界エネルギー危機に直面している中で、エネルギーについて、気候変動問題への対応と両立する形で将来にわたり安定供給する体制を構築していくことが重要な国家課題と認識しているところでございます、まず基本的な認識としてですね。
その上で、本年二月に閣議決定を行いましたGX実現に向けた基本方針の中では、先ほど委員から御指摘頂戴しましたけれども、こうしたエネルギー危機に直面している理由として、国内では、一つに電力自由化の下での事業環境整備、二つ目に再生可能エネルギー導入のための系統整備、そして三つ目として原子力発電所の再稼働などが十分に進まなかったことを挙げてございます。
一つ一つちょっと御説明を補足してまいりますと、まず一点目の電力自由化の下での事業環境整備、これは先ほどもちょっと御答弁の中でも申し上げてまいったところではございますけれども、自由化ということに伴いまして、同時に市場化、同時に再エネの導入拡大ということで、安定供給と両立した形での発電所の運営、維持ということ及びその事業環境の整備ということが課題として直面しているところだと認識してございます。
供給力を確実に確保するための容量市場というものを二〇二四年度の取引開始に向けた段階であるわけでございますが、そこまでの間という中で、先ほど供給力公募、マッチングのようなことの取組でお示ししましたが、逼迫の懸念が生じるような事態に直面しながら対処している状況にあるというのが現状、背景と現状かと認識してございます。
二つ目の系統整備及びそれに基づく、関連する再エネの導入拡大でございますが、再エネの導入を今どんどん拡大しているわけでございますが、その中で系統の制約というのが非常に大きな課題になっているのが、課題として顕在化してございます。元々の日本の電力系統の整備、発展の歴史、経緯というのがございまして、十個の電力会社それぞれの中で系統が整備され、連系線でそれを結ぶという歴史で戦後成長してきたわけでございますが、それと再エネの導入の拡大というもののペース、ここをいかに前に進めていくかということについてこれからどんどん加速して進める余地がある、それをもっともっと進めていかねばならないということかと考えてございます。
そういう意味で、その都度の再エネの電源からの要請への対応ではなく、全体としてのマスタープランを作り、今回の法案の中には更に着工から工事の段階までその支援をするというところまで拡張するわけですが、更なる取組が必要だというふうな認識を持ってございます。
そして、原子力発電所の再稼働につきましては、安全最優先でございますので、原子力規制委員会の審査への対応を万全を期さなければならないわけでございますが、厳しい自然条件に対応する中で、この審査への対応が十分に尽くされ切れていないという問題に直面してございます。また、経験のない大規模な安全対策工事に時間を要しております。これを急いでいかなければならない。そして、核物質防護事案が発生するなど事業者の側の問題も存在してございます。
様々な課題に今直面しているところを我々もよく認識しておりまして、それぞれに対する対策を早急に講じていく必要があると認識してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/39
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040・森本真治
○森本真治君 本当、御説明いただいたように、課題については御説明、いろいろ説明をいただきました。それに対してしっかりとした改善ができる部分と、場合によっては政策の見直しをしなければいけない部分というようなことも、これは長期的、中期、長期的な中でも、本当に今まさにこのエネルギー危機から脱出していくために、改善部分と政策変更の部分と、やっぱり両方を含めながら議論をしていかなければならないのではないかなというふうに思います。
電力の自由化の問題などでも、やっぱり当初の目的の部分と、やっぱり原発でもそうなんですけれども、安定供給という部分と安全性の両方を追っていけるのかというような話とか、いろんなやっぱり課題が今まさに本当に極まってきているというのが現下のこのエネルギー危機の状況ではないかなというふうにも思っておりますので、是非これは国会の中でもしっかりと今後十分な議論もしなければいけないテーマだというふうに思っております。
その中で、短期というか、この現下の状況の部分についても、先ほどこの夏の話もちょっと出たんですが、私からもさせていただきたいんですが、一つが、昨年の夏ですけれども、二〇二二年の七月でございますが、昨年の、だから冬ですね、去年の年末からの今年の年明けとかと、この冬にかけてということについて、岸田総理が、やはりそのときに需給逼迫が起こることが懸念されていると、そういう中で、最大、原子力発電については最大九基の稼働を進め、日本全体の電力消費量の一割に相当する分を確保するということを目標に掲げておりました。
実際に、ちょっと振り返りで御説明いただきたいんですが、この冬は原子力一割確保できたという理解でよろしいんでしょうか。そして、この逼迫については切り抜けたということでよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/40
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041・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
先ほどから委員が御指摘いただいておりますように、GX全体を進めていくという中期、長期、大きなお話とともに、足下の電力安定供給ということは非常に重要な課題でございます。
昨年七月の岸田総理の御発言もそういう意味での御指示、御発言であったかと認識してございますが、まさに委員御指摘のように、二〇二二年度の冬季に関しまして、最大九基の原子力発電所の稼働を進める御発言がございました。私どもも、それを受けまして、事業者の方々の御協力、お力添えを頂戴して、工事をより一層進めていただく、若しくは様々な時期の調整をいただく、様々な御苦労、御努力を頂戴いたした結果、冬の時期におきましては最大で九基の原子力発電所の稼働が実際に実現されたところでございます。
これ、一割かどうかというのは、時期によっていろいろございますので何とも申し上げようがないわけでございますが、冬場の中で、例えば昨年の夏、春、若しくは一昨年の冬のような逼迫、皆様に御心配をお掛けするような事態は生じませんでしたし、特に大きな支障が生じることはなかったものと認識してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/41
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042・森本真治
○森本真治君 その上で、この夏、先ほど来ありました、さらには今度の冬ですね、今のエネルギー危機の状況でいえば、まだまだこれは緊張感を持って取り組んでいかなければならない状況だというふうに思うんです。
先ほどの大臣の答弁とかの中でちょっと指摘がなかった、言及がなかったんですけど、原子力発電についての再稼働ですね、今審査中、ああ、許可済みが七基ありますけれども、この夏やこの冬に向けて、今九基、十基で九基ですね、一基停止中だと思うので、九基が今稼働しているんですよね。プラスアルファでやっぱり稼働していかなければいけないというような状況なのかどうか、この辺りについての見通しも御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/42
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043・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
夏の電力需給については、先ほど申し上げたような形で、夏、日本全体で見ますとある程度の供給力確保できておるわけですが、東京エリアが三%台とちょっと厳しい状況にあります。冬場について申し上げますと、まだちょっと時期が先でございますので、今の段階ではっきり予測の、高い精度で申し上げることは難しいわけでございますが、東京エリアを中心に四%台、五%台の地域がございますので、現時点での想定でいっても予断を許さない厳しい状況は続くものと考えているところでございます。
当然のことながら、それに対する対策を進めていくわけでございますが、御指摘いただきました九基、今再稼働の地元の御同意も頂戴して進めるものは十基あるわけでございますけれども、定期検査の時期のお話等々あるものですから、この十基をできるだけ多く逼迫の時期については動かしてく。さらには、この外に、許可は頂戴して同意をまだ得られていないもの、こういうものもございます。
ただ、この再稼働につきましては、安全性の確保を最優先とした上で、地元の御理解ということが何より重要でございますので、予断を持った言い方はできないわけでございますが、再稼働というものを積極的に推進をしていきたいと、それによって安定供給の確保、これにつきましては、国も前面に立って事業者任せにせずに取り組んでいきたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/43
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044・森本真治
○森本真治君 国が前面にも立って様々なこの合意形成に向けても努力をするという御答弁がありました。
なかなかこれ、当然、国の方で動かすんだということができる話ではないんですけども、前面に立ってその実現に向けては協力して頑張っていきたいという中で、例えば、この冬までには何とかやっぱり動かしていかなければいけないというふうな認識を持たれているのか、そこは特に期限は区切らなくても、何とかこの現下のこの危機については、夏、冬に向けては大丈夫だというような理解でいいのかというところもちょっと併せて御答弁ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/44
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045・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
委員も御指摘いただいていますように、なかなか、私どもの立場で何基をいつまでにと申し上げることはなかなか難しいところは御容赦いただければと思いますが、いずれにいたしましても、原子力発電というのは安定的に供給をずっと続けていくことのできる、そういう意味でのベース電源としての意義は非常に大きいものがございます。
ですので、需給の安定ということを目指していく上では、既に存在する既設の発電所について、原子力規制委員会の審査を通り、そして地元の御理解を得た上で早い段階で再稼働を実現していくと、これに向けては最善を尽くしてまいりたいと考えているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/45
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046・森本真治
○森本真治君 それでは、ちょっと中期的なというか、二〇三〇年に向けてというところについても幾つか確認をしたいというふうに思います。
まず、資料一、これはエネ庁さんの資料でございますけども、二〇三〇年度の電源構成のこれは見通しというか目標というふうになるのか、ちょっとよく分かりませんけども、示されておるわけでございます。先ほどちょっとやり取りさせていただきましたように、現下の状況において、再エネであったりこの原子力の再稼働について思うように進んでいないという認識を持たれております。二〇二三年の段階でですよ。あと七年しかありません。
この電源構成についての、これ本当に現実的な話なのかどうかというところが、私は、現下でも、この七年前でちょっと遅れているんだという認識を持たれているんだというふうに思うんですけども、これが可能なのかどうか、改めてその認識を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/46
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047・山田仁
○政府参考人(山田仁君) お答え申し上げます。
今委員御指摘ございましたとおり、この今のベストミックスにつきまして、このエネルギー基本計画の方におきましては、徹底した省エネや非化石エネルギーの拡大を進める上で、需給両面における様々な課題の克服を想定した場合にどのようなエネルギー需給の見通しとなるかを示すものというものでございます。
今、目標についてはここのお配りいただきました資料に掲げていただいておりますけれども、再エネにつきましては、震災前の一〇%から約二倍の二〇%まで拡大して、さらに、二〇三〇年の目標達成には更に足下から二倍に相当する再エネを導入する必要があるということでございますので、これにつきましては、国民負担を抑制しながら、地域との共生を図りながら最大限の導入拡大をまさに進めていくということでございます。原子力につきましても、安全性の確保を大前提に、地元の理解を得ながらこれも既設の発電所の再稼働を着実に進めていくということでございますし、また、火力発電につきましても脱炭素型の火力に置き換える取組を推進するなど、こういった取組を最大限取り組んで頑張ってまいりたいと、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/47
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048・森本真治
○森本真治君 まあ頑張りたい、頑張りたいという決意表明はいただきましたが、一方で、これは電力広域的運営推進機関というのがありまして、これ電力事業者さんなどが連携されているんだけども、OCCTOというんですかね、というところが、二〇三〇年度の電源構成の見通しということで、これは事業者側からこの見通しということを示されている数字があります。
これによりますと、二〇三〇年度では再エネは二八%、政府の方では三六から三八だけど、事業者側というか、このOCCTOの方では二八%、そして原子力は四%になっています。LNGが二九%、石炭三四%、石油は二%ということで、これは同じような数字になっておりますけども。
実際にこの電力事業をやっていく皆さんのやはり現実的な見通しというのがこういう状況の中で、政府の方で頑張ります、頑張りますというところの理想と現実のこれやっぱり乖離というのが今現状非常に大きいことになっているというふうに思うんですけども、今のこのやっぱり事業者さん、実際にこの電力を担う皆さんのやっぱり認識がこのような状況の中で、これが本当にだから現実的なんですかという話にもつながってくるんですけども、改めてそれについての見解伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/48
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049・保坂伸
○政府参考人(保坂伸君) お答え申し上げます。
この前回エネルギーミックスを作ったときは、事業者が出した数字だと思うんですけれども、これ以降に策定をいたしました。その中では、省エネを非常に進めないと全体として電力需給が逼迫するということでございまして、我々これで省エネ政策も打ちまして、この事業者が今、平成二十七年策定当時に言っていた需要量を抑えることを前提にこのミックスを、数字を作ったということでございます。
その他、それ以降も、いろいろ電力需給が増える、例えばAIとかITが進むとかいうことでございますが、一番の肝の一つとして省エネでございまして、これを政策的にやることによって全体の電力需要量を減らすということも前提にしていますので、我々としてはこのミックスの数字の需要量を前提に今政策を立てているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/49
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050・森本真治
○森本真治君 特に、やっぱり私は原子力発電の稼働が、再稼働が進まない、進まないというか、これはもちろん安全性ということが大前提でありますから、現下の、今の現状の中で電力事業者の皆さんも一生懸命努力されているんだと思うんですけども、当然これ規制を緩めることはできないわけでございまして、そうすると、現状を一番分かっているのはその事業者の皆さんなわけですよね。そういう皆さんが、今の規制、後ほど議論しますけど、今後更に厳しくしていくんじゃないんですか、この規制については、安全性最優先という中で。そうすると、現下の規制でもなかなかこれ再稼働が進まないという中で、本当にこれ二〇三〇年に二〇%まで動くのかということです。これ、規制を緩めて、どんどんどんどんやってと言ったらできるかもしれないんだけど、そんなこと絶対できないわけですね。そうすると、これが本当に現実的な話なのかということにもなってくるわけでございます。
実際に、この二〇三〇年に原子力二〇から二二%を実現しようと思った場合には、例えば、今の動いていないところ、もう許可済みが七基あります、審査中十基ありますけども、どこまで動かせばこの目標に達するのかということについても、今分かれば教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/50
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051・山田仁
○政府参考人(山田仁君) お答え申し上げます。
二〇三〇年度のエネルギーミックスにおける原子力比率、今の二〇から二二%でございますが、こちらにつきましては、実際の設備利用率等は発電所ごとに異なるものでございますので、確定的にお示しすることはこれは困難でございますが、運転年数に応じた出力規模の平均値などを用いまして機械的に計算をすれば、大体二十五から二十八基程度で達成できる計算でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/51
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052・森本真治
○森本真治君 トータルでですよね、トータルで。ということですから、今の再稼働、さらには許可済み、審査中のものが確実に動けばということだというふうに思います。
私は、自分の立場を改めて示させていただきますと、やっぱり二〇五〇年に本当にカーボンニュートラルを実現するという中で、二〇三〇年というのはその途中の段階でありますから、着実にそのステップを踏んでいく中で、もちろん、その安定供給のことを維持していくという意味においては、本当に厳格に審査をされた原子力発電所については、これはやっぱり再稼働を進めていくというのは、これは立憲民主党としてもそういう立ち位置であるということはお伝えをしなければならないというふうに思います。
ただ、将来にわたって本当にこの原子力発電所を維持していくのかということですよね。そのことについては政府とは恐らく議論が分かれていくところになるんではないかなというふうに思うんですが、そういう中でお伺いしたいのが、今、政府として、このエネルギー政策で、二〇五〇年に向けて再生可能エネルギーを主力電源化していって原子力の割合は低減させていくというふうに今方針として示されておると思うんですが、なぜ原子力エネルギーは低減させていくんですか、維持をせずに。その理由について説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/52
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053・山田仁
○政府参考人(山田仁君) 第六次エネルギー基本計画におきましては、原子力については、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減するということとともに、安全性の確保を大前提に、必要な規模を持続的に活用していくというふうな方針を示しているところでございます。
この記載でございますが、再エネの最大限の導入を進める中で、震災前の約三割から原発の依存度を低減する趣旨でございまして、これも踏まえて、二〇三〇年度の電源構成に占める原子力比率を二〇から二二ということにしておるところでございます。
まずは、この二〇三〇年度に向けて原子力比率の実現を目指していくことと、二〇五〇年度に向けた原子力の在り方については、技術開発の動向や国際的なエネルギー情勢を見据えながら検討してまいりたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/53
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054・森本真治
○森本真治君 ちょっと質問の趣旨がよく理解いただけなかったかもしれないんだけども、なぜ、再生可能エネルギーを主力電源化して割合をどんどん増やしていく、原子力エネルギーの割合は減らしていくんですかということなんです。その理由。別に、安定供給という意味でいえば、この割合減らさなくてもいいじゃないですか。でも、政府の方針として減らしていこうとするわけでしょう。その理由があるわけでしょう、減らしていく理由、その理由を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/54
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055・保坂伸
○政府参考人(保坂伸君) お答え申し上げます。
私ども、やはり東京電力福島第一原子力発電所の事故を経験した我が国として、二〇五〇年カーボンニュートラル、それから二〇三〇年度の新たな削減目標の実現を目指すに際しましては、そのことも考慮した上で、原子力については安全を最優先し、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減する、ただし、必要な規模を持続的に活用するということでございまして、あくまで福島第一原発の事故を我々は経験している国でございますので、こういう方針を立てたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/55
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056・森本真治
○森本真治君 今の御答弁聞くと、ちょっと私なりに解釈すると、原子力発電では安全性について一〇〇%の安全が担保できないから、やはりその危険を除去するためにその割合を減らしていくという、そういう理解でいいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/56
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057・保坂伸
○政府参考人(保坂伸君) 全体ですね、これからカーボンニュートラルの電源を確保しつつSプラス3Eを確保していくという中で、ある一定のバランスが必要だということを加味しながら、それから福島第一原発の事故のことも考慮しながら作った数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/57
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058・森本真治
○森本真治君 ちょっと私、なかなか理解ができないんで、ちょっと大臣、分かりやすく説明していただきたいと思います。
なぜ低減させるんですか。やっぱり安全性に不安があるから低減させるという理解でいいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/58
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059・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 東京電力福島第一原発の事故を我々経験したということで、これ、あれだけの被害が出たわけでありますし、今なお廃炉に向けての作業をしておりますし、避難されている方もたくさんおられるという、そうした国民感情もございます。それから、事故が起こればあれだけのことが起こるということの我々教訓、反省もあります。
そうしたことを踏まえながら、この第六次エネルギー基本計画では、安全性を最優先し、経済的に自立し脱炭素化した再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減するという方針を決めさせていただいておりますけれども、先ほど来答弁がありますように、私ども、その安全性というのはもちろん最優先に考えなきゃいけない点でありますが、同時に安定供給にも責任を持たなきゃいけない。安定供給をし、そして脱炭素化も同時に図っていくという中で、再エネを最大限導入しますけれども、しかし原発は必要な規模は持続的に維持を、活用していくということでありますので、繰り返しになりますというか、これまでも答弁させていただいていることですけれども、安全性を最優先するということで、これは事故の教訓で原子力規制委員会という独立した機関をつくり、世界で最も厳しいとも言われる審査基準、適合性基準があり、その基準に適合したものしか運転できないという、その安全性を確保した下で、原子力については依存度を減らしながらも必要な規模を維持をするということでありますので、安定供給にも我々責任があるということも是非御理解をいただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/59
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060・森本真治
○森本真治君 もう一回だけ聞きます。
私、安定供給のところ否定していませんからね、先ほど来言いましたように。二〇三〇年に向けて、もちろん再エネ一〇〇%ということはなかなかこれ難しい話である。将来的に、私たちは二〇五〇年に再生可能エネルギー一〇〇%を目指すということは党とも方針として決めているんだけども、二〇三〇年時点ではそれはなかなかハードルが高いから、今ある原子力発電の再稼働できる部分についてはしっかりと安全の担保を取った上でやるという立ち位置があるんですが、政府の方針は、当然今、二〇五〇年再生可能エネルギー一〇〇%という方針がないけども、主力電源にして、低減をさせていくというところの理由なんですよ、だから、そこが。安定性の、一方で安定供給とかという話は要りませんから。安定供給だけでいったら割合同じにしておってもいいじゃないですか、減らさなくても、原子力の比率も一緒でもいいじゃないですか。
なぜ減らすのかというところが、福島原発の話が出たから、やっぱり安全性に不安があるからということで、大臣、よろしいんですよね。もう一度だけ聞きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/60
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061・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 安全性に不安があるという言い方は私は適切ではないと。私ども、安全性を大前提にしっかりと確保して、もちろん安全神話に陥ってはいけないということですから、いつ何どき事故があるかもしれないということは我々頭に置きながら常に最善の努力をしていくというのは当然のことでありますが、安全性を大前提に、そして厳しい規制委員会の審査基準に適合したもの、合格したものだけがですね、認可を受けたものだけが運転できるというその制度の下で必要な規模は活用していくということであります。
これは、再エネ、御指摘のように再エネが一〇〇%はなかなか難しいと、さらにはバックアップ電源も要れば、言わば蓄電池や系統やいろんな整備も必要になってきますので、そういったことも踏まえて、再エネも増やしていきますけれども、一方で安定供給の観点からも原子力は活用していくということでありますので、再稼働できるものは、認可をいただいたものは、地域の理解を得ながら、地元の理解を得ながら進めていきたいと、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/61
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062・森本真治
○森本真治君 いや、結局、この、私、法案の議論をするときに、目的が、政府の狙いがよく分からないんですよ。
例えば、じゃ、再エネを何で主力電源化するんですか。例えば、脱炭素でいえば、別にそれ原子力発電でもいいわけじゃないですか、脱炭素でいえば。だけど、再エネを主力電源化するんでしょう。で、原発の方を減らしていくというところがですね、もうこれちょっと、もう時間がちょっとなくなってきたんで、次回の質問も多分あると信じてこの辺りにさせていただきますけども、本当にだから政府の狙いが分からないんです、そこが。だから、そこを明確にしてほしいという思いがあって、そうでないと次の議論に進まないからということだったんですね。
もう一点、このエネルギー政策の基本、前提としてSプラス3Eというのがあります。これの、しっかりとこの着眼点を持ってエネルギー政策を進んでいくからということで今の政府のエネルギー政策の方針が示されているんだというふうに思うんですが、これはもう衆議院でもいろいろな議論もあるし、この間いろんな議論あるんだけど、本当に今この原子力の、特にEの部分ですね、経済効率性が揺らいでいるんではないかというところがやっぱり多くの皆さんが思い始めているわけですよ。Sの部分はもう最大限努力していくということの説明はずっとあるんだけど、やっぱりEの部分が非常に国民の皆さんも本当に大丈夫なのかなというところがあるから、やっぱりこの原子力に対するやっぱり信頼性も今失われてきているんじゃないかというふうに私は心配しているんですね。
この間、答弁をされているようなもの見てきますけども、本当に政府として、この経済性ですね、自信を持って、この原子力発電についてはこのSプラス3Eの観点を維持されるために必要なんだというふうに思われているのかということを改めてちょっと確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/62
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063・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
委員も恐らく御覧になられていらっしゃると思います、二〇二一年の発電コスト検証というのをやってございます。これは、新たな発電設備を更地に建設、運転した際のコストを一定の前提で試算しているものでございますが、この中で一定の比較をしてございますが、二〇三〇年の見通しでは、事業用太陽光がキロワットアワー当たり十一・二円、原子力はこれに比べますと十一・七円と、より再エネの方が安くなっているところもございます。
しかし一方で、先ほどの需給の話で考えた場合にも、悪天候時における火力のバックアップのコスト等を考えますと、システム全体として見たときにどう考えるかということもあるので、そこの点も考えますと、原子力よりも再エネの方が一概に安いともなかなか言えないのではないかと考えております。
いずれにいたしましても、昨今、そのロシアのウクライナ侵攻以降、世界のエネルギー情勢は本当に一変してございます。これまでの前提として考えておりました、安価なエネルギーと言われていた石炭の価格が非常に高い水準まで上昇してきてございますし、ガスの点に申し上げますと、量の確保の面、価格の面含めまして、経済産業省資源エネルギー庁としては非常に大きな懸念を持っているところでございます。
また、再エネだけに頼れるかということを考えた場合にも、平地面積、若しくは遠浅の海に囲まれた我が国という状況を考えますと、欧米、中国、オーストラリア、いろんな国々と比較いたしましても、日本の置かれている状況というのは再エネの導入拡大においても決して容易な状況でもないということを考えますと、様々考えた中で、安価で安定的なエネルギー供給をしかも脱炭素でと考えていった中での原子力についての意義というものは今まで以上に今求められ高く評価されるべきところなのではないかと考えておりますし、そういう意味で、今回のGXの電源法案の中でもこの利用拡大と、維持ということに向けての措置を盛り込んでいるというものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/63
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064・森本真治
○森本真治君 済みません、もう時間になってしまいました。山中委員長さんにもお越しいただいていたんですけれども、時間がなくなってしまいました。
当然次の質疑もあると思います。次回に法案の各論については細かく聞かせていただきたいというふうに思いますので、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/64
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065・石井章
○石井章君 日本維新の会、石井章でございます。
通告に従いまして質問したいと思いますが、私が生まれ育ったのが茨城県でありまして、茨城県は原発の発祥の地と言われております。私も幼少の頃から、たしか小学校や中学校の授業で、学校の教育の中で、茨城県は原発が最初にできて、今どっちかといえば誇りに思えるような内容の授業が毎年毎年繰り返されてきたのを覚えています。
しかし、その東海村で一九九九年、御案内のとおり、ジェー・シー・オーの臨界事故が発生しました。これはもう至近距離での多量の中性子線を浴びた若い作業員が二人亡くなり、そして一名の方が重症となり、東海事業所のその中で働いている職員の皆さんはもちろん、緊急隊員、付近住民を含む六百六十七名の方が被曝をした次第であります。
また、その影響によりまして、特に県内の一次産業、茨城県は、特に鉾田を中心とした東海村の近くというのは、乾燥芋、それから落花生、クリ、梨、メロン、そういったものの産地でありまして、日本でも一、二、三を争うだけの第一次産業として発展をしてきたわけでありますけれども、それでやっと生産者の皆さん、あるいは関連団体の皆さんが、いわゆるこれ風評被害だったんですね、風評被害を何とか払拭しようということで本当に血のにじむような努力によってやっと解消しつつあったときに、今度は福島第一原発の事故が発生したわけであります。その影響は非常に大きく、いまだに生産品の多くが震災前の出荷高へ戻すことができていない。そこに追い打ちを掛けるように今度は1Fの汚染処理水の海洋放出でありますので、私は、生産者の皆さんのお気持ちを考えると、政治に関わる者として大変申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
このように、私は、原発の負の側面、原発事故の恐ろしさを身近に感じてきたわけであります。だからこそ、危険性をはらむ原発を当面使用せざるを得ないのであれば、二度と事故を起こさない、国民の命と生命、財産を必ず守るということを、政治家、役人、そして経済界が、真摯にきちんと国民に約束すべきだと私は考えております。
そして、我々日本維新の会の原発に対する基本的な政策は、我々は、既存、既設の原発は市場原理の下でフェードアウトを目指すということであります。国内の発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合を拡大させる。要するに、古い原発を廃止すると、そして可能な限り再生可能エネルギーの利用を進めていくということに方針は変わっておりませんということを改めて申し上げて、質問に入りたいと思います。
福島の特定復興再生拠点区域の避難指示の、いわゆる避難指示は先般解除されました。しかし、残されている帰還困難区域の大きさ、面積についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/65
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066・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域につきましては、昨年六月十二日に葛尾村での避難指示が解除されました。帰還困難区域において初めて住民の帰還が可能となってございます。その後も、同年六月三十日には大熊町、八月三十日には双葉町、今年に入りまして三月三十一日に浪江町、四月一日には富岡町、五月一日には飯舘村の避難指示が解除されたところでございます。
これによりまして、帰還困難区域のうち約二十七平方キロメートルの特定復興再生拠点区域の避難指示が解除されまして、残る帰還困難区域の面積は約三百十平方キロメートルでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/66
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067・石井章
○石井章君 では、今後の除染の見通し、現在帰還困難区域に指定されている全域についての解除はいつ頃になるのか、また、いわゆるホットスポットの存在について、点在するエリアと面積、その汚染濃度についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/67
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068・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域外につきましては、早く自宅へ帰りたいという住民の方々の切実な思いに応えるべく、まずは二〇二〇年代をかけて、帰還意向のある住民の方々が全員帰還できるよう、帰還に必要な箇所を除染し、避難指示解除の取組を進める方針を二〇二一年八月に決定してございます。この方針に基づきまして、昨年から今年にかけて一部の自治体におきまして帰還意向の確認を開始するとともに、本方針の実現のために福島復興再生特別措置法の改正案を今国会に提出しているところでございます。同法案におきましては、帰還意向のある住民の方々が帰還して安心、安全に居住できる範囲を特定帰還居住区域として設定し、除染やインフラ整備を始めとします避難指示解除に向けた取組を進める制度を創設することとしてございます。
現時点におきまして住民帰還の具体的なスケジュールをお示しすることは困難ではございますけれども、法案が成立しますれば、今年度より、大熊町、双葉町の一部の地域におきまして先行的な除染を行う、着手する見込みとしてございます。将来的には帰還困難区域の全ての避難指示解除を実現すべく、責任を持って取り組んでまいりたいと考えてございます。
また、お尋ねの帰還困難区域におけるいわゆるホットスポットの御指摘でございますけれども、航空機モニタリングなどを通じまして、周辺と比べて空間線量率が高くなっている範囲があることは確認しているところでございます。
具体的には、帰還困難区域における最大空間線量率につきまして、平成二十三年四月の文部科学省による航空機モニタリングによる調査では、一時間当たり七十五マイクロシーベルトとなってございます。また、最新の調査は原子力規制庁による令和四年十月の航空機モニタリング調査がございますけれども、一時間当たり十一マイクロシーベルトまで下がってございます。
この点、特定復興再生拠点区域等におきましても、周辺と比べて空間線量率が高くなっている箇所を含めまして、除染などの事業を実施し、避難指示の解除を進めてまいるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/68
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069・石井章
○石井章君 今数字を出されておりましたけれども、特定復興再生拠点区域は帰還困難区域の僅か八%、そして残りの九二%、三百九平方キロメートル辺りありますけれども、帰還困難区域のままという、そして先行きも明確に見通せない。このことは、原発事故によって国土が喪失したと言っても過言ではないと私は思っております。日本の領土の総面積は三十七万八千平方キロメートルでありますから、このうち最大の面積を占めるのが、本州が二十二万八千平方キロメートルです。失われた国土は本州の約〇・一三六%となるわけであります。また、福島県の面積が一万三千七百八十平方キロメートルでありますから、その約二・二四二%、非常に大きな面積であります。
そして、この比較されるのが、チェルノブイリの原発の周辺では、三十七年がたった今でも、原発から四キロ離れた場所のホットスポットでは三十五から四十マイクロシーベルトの汚染がまだいまだに続いていると。
今更国土の重要性について言をまちませんが、加えて、忘れてはならないのは、その地域の人々の暮らし、財産、社会を構築するもの、もう全て半永久的に奪う可能性があるという事実を忘れてはならないと私は思います。
そこで、東日本大震災によっていまだに避難生活を余儀なくされている方々の直近の総人数についてお伺いいたします。そのうち、福島県民の方々が七割を占めているわけでありますが、福島県の調査結果もありますが、特に居住が制限されている帰還困難区域の方々の人数についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/69
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070・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答えを申し上げます。
東日本大震災の避難者数につきましては、避難先である全国の市区町村が把握した人数の報告に基づきまして復興庁が集計し、公表しているものと承知してございます。それによれば、令和五年二月一日現在、全国で三万八百八十四人となってございます。
また、お尋ねの帰還困難区域における現時点の避難対象者数でございますけれども、約八千人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/70
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071・石井章
○石井章君 福島原発の事故からもう十二年がたっても、いまだにふるさとに帰らせてもらえない人々が大勢おられます。今でも全国の避難者数は三万人を超えて、今の数字のとおりであります、三万人を超えているわけであります。
そして、住民がほとんど戻らない原発周辺の自治体の中には、町の存続さえ危ぶまれているところもあるわけであります。それが最も顕著なのが福島第一原発のある双葉町であります。事故前に約七千人いた町民が現在は約六十人しかいません。昨年、双葉町でも特定復興再生拠点区域の避難指示が解除されましたけれども、その面積は全体の僅か一五%のみであり、ほとんどの区域はいわゆる帰還困難区域のままであります。解除の具体的な見通しも示されていません。一度事故が発生すると、ふるさとや職業、住居、財産、特に地域のコミュニティーなど、大切なものは全て奪ってしまう。その原発事故の恐ろしさを理解していない人がたくさんおります。
このように、原発事故による放射性物質の環境への放出による被害は、生活基盤、経済基盤を根こそぎ奪うことになります。政府は原発は安全だと断言しましたけれども、事故は起こったわけであります。しかも、イエスの、ごめんなさい、INESの最悪の、レベル7というチェルノブイリ原発事故と同レベルの世界最悪の事故を起こすこととなってしまったわけであります。
だが、国際原子力機構、IAEAなどは、事故の発生メカニズムや放出された放射性物質のその量の違いから、この二つの事故は似て非なるものだと指摘をしております。
そこで、放射性汚染に関して、福島第一原発事故とチェルノブイリ原発事故というのはどのような違いがあるのか。その比較について、環境中に放出されたであろう放射性物質の汚染面積の、日本の基準に当てはめて、帰宅困難区域、居住制限区域となる地域の原発からの距離、半径、そして放射性のその核種の推定の放出量についてお伺いいたします。放射性のその推定放出量については、健康への被害が大きいと言われている特にセシウムの134とセシウム137についてのみお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/71
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072・片岡宏一郎
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
事故の態様も異なりますし、放射性物質の拡散の状況、これは方角によっても異なるものでございますから、我が国の避難指示の考え方を単純にチェルノービリ原発事故に当てはめて、一概に区域の範囲を距離でありますとか半径でお答えすることは困難だと考えてございます。
他方、その上で、IAEAによる報告書などによりますれば、東京電力福島第一原発事故による放射性物質の拡散の範囲でございます。これは面積ベースでありますけれども、チェルノービリ原発事故の約五%から六%と、五、六%と推定されるものと承知してございます。
また、東京電力福島第一原発によるセシウム134とセシウム137の放出量につきましてでございますけれども、政府報告書に記載された推定値の一例に基づきますれば、約十八ペタベクレル、約十五ペタベクレルとされておりまして、それぞれチェルノービリ原発事故の約三八%、約一八%と算定されるものと承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/72
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073・石井章
○石井章君 福島は、チェルノブイリと比べると、セシウム137での汚染地域の面積では約六%、放出距離では約十分の一の規模だという調査結果もありますが、政府は、放出量の差異について、チェルノブイリと福島の放出量を単純に比較、評価はできないと、今のとおりであります。
チェルノブイリの放出量が多いのは、露出した炉心が直接大気にさらされる状態になったことも影響していると推測しております。これは、すなわち、1Fとチェルノブイリとの被害の大きな差が生じた要因の一つとして、水蒸気爆発の発生の有無とも影響しているものと政府は考察しているのかどうか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/73
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074・森下泰
○政府参考人(森下泰君) お答えいたします。
チョルノービリ原子力発電所の事故についてでございますけれども、議員御発言ありましたように、水蒸気爆発によりまして原子炉が破損して、その後、この炉には黒鉛が存在しておりまして、この黒鉛によりまして大規模な火災が発生し、さらに、気密性を有する格納容器がなかったこともありまして大量の放射性物質が広範囲に拡散されました。
他方、東京電力福島第一原子力発電所事故についてでございますけれども、原子炉建屋で水素爆発はございましたが、これまでの調査によりまして、では、原子炉の爆発は認められておらず、また大規模かつ継続的な火災はなかったものと承知しております。
このような違いから、チョルノービリ原子力発電所事故における放出放射能量は福島第一原子力発電所事故に比べて多かったものと認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/74
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075・石井章
○石井章君 まあ言っていることはよく分かるんですけれども、たまたま事故が起きなかったということでありまして、もし、1Fでチェルノブイリと同規模の水蒸気爆発が起こっている可能性もこれあるわけですね。これがもし、その被害規模がどの程度のものだったら、どの程度のところまで政府は予測しているのか。
今回のこの法案に関しても、西村大臣も先ほど森本先生の質問に対しても中途半端な答弁というか、期待したけど期待値まで行かないような答弁で、まあそれは大臣としてそこまでしか答弁できないと思うんですが、これ大事な問題なんですね。今までの政府の見解と違う内容でのこの法案の中身が進行している。束ね法案でいろんなことも出ていますけれども、これ本当に国民の生命、財産を守る根幹でありますから。もう戦争以前の問題で、国内での、もうテロリストが来たときにどうするのかとかいろんな問題があるんで、ここは慎重に。私も東海原発の地元でありますから、そういった観点から質問させていただいておるんですけれども。
もし予測を行っているならば、先ほどの1Fとチェルノブイリの比較と同様に、環境中に放出されたであろう放射性物質の汚染面積、帰宅困難区域、住居制限区域となる地域の1Fからの距離、そして放射性の核種の推定放出量についてお伺いをいたします。なお、放射性核種の推定量も、同じくセシウム134とセシウム137についてのみお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/75
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076・森下泰
○政府参考人(森下泰君) 東京電力福島原子力発電所において同規模の水蒸気爆発が起こったと仮定した場合の御質問でございますけれども、そのような仮定をいたしましても、先ほど申し上げましたけれども、チョルノービリ発電所とは異なりまして、格納容器が存在すること、それから原子炉に黒鉛がないことなどなど施設の構造が大きく異なっておりますので、同爆発による施設の損傷の程度や放射性物質の放出量を算定することは困難でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/76
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077・石井章
○石井章君 聞き方によると、そういった事故を予測していないというような答弁にもお伺いするんですけれども、政府は原発の利用を続けていくのでありますから、最悪の事態に備えるのが国民に対するもう当然の責務であり、水蒸気爆発が発生するという可能性のあるシビアアクシデントについての想定がなされていないというのは言語道断であります。
それで安全優先と言えるのかどうか、これは大臣にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/77
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078・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) もうこれも繰り返し答弁もなされて、私もしておりますし、してきておりますけれども、私ども、その安全性を大前提として稼働ができるわけでありまして、まさに世界一厳しいとも言われるその規制委員会の適合性基準、これに、規制基準に適合することによって初めて運転が可能となるわけでありまして、私ども、その安全性を大前提として再稼働も進めていくという方針でございます。
したがって、その規制委員会の認可が下りない限りはこれは運転できないということでありますので、そうした下で、今チェルノブイリとの比較もございましたけれども、世界で最も厳しいとも言われる基準、私も視察に行ってまいりましたけれども、コンクリートの幅を更に厚くしたりとか、あるいは竜巻などに対応して鉄の条鋼というか、網をかぶせるとかですね、様々な対応がなされておりますので、規制委員会のその基準に従ってしっかりと工事をし、認可をいただいた、検査をいただいた上で稼働するということでありますので、安全性を大前提に進めていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/78
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079・石井章
○石井章君 もし原発で水蒸気爆発が発生すれば、未曽有の大災害となることがこれは予想されます。まさにこれは我が国の存亡に関わるほど甚大な被害となる可能性があるわけでありますが、現実として、1F事故では水蒸気爆発の発生が奇跡的に免れたという識者の意見もたくさんあります。ですから、多くの国民もその点について危惧しているわけであります。
そこで、玄海原発差止め訴訟での資料の中のJAEAの報告書では、強い水蒸気爆発の可能性は極めて低いが、これは除外できないということを書いております。過酷事故の際に、原子炉圧力容器外において水蒸気爆発が発生する可能性を否定していないと。
玄海原発での水蒸気爆発が発生する可能性について、政府の見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/79
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080・大島俊之
○政府参考人(大島俊之君) お答え申し上げます。
御指摘の日本原子力研究開発機構、JAEAの研究報告書でございます。これは、軽水炉シビアアクシデント時の炉外水蒸気爆発による格納容器破損確率の評価として二〇〇七年に発行されたものでございます。
この研究につきましては、原子炉圧力容器外において溶融した炉心が比較的低圧で大量の冷却水と接触する可能性があり、大きな水蒸気爆発の発生可能性を除外できないのではないかという問題意識の下で、いわゆる解析コード、具体的にはJASMINEと申しますけれども、これを用いまして、水蒸気爆発による格納容器の破損確率等の解析手法及び解析結果の例が示されているというものであると承知をしてございます。
御指摘のございました九州電力玄海三、四号炉の新規制基準の適合性審査におきましては、このJAEAの報告書の解析結果なども含めて、水蒸気爆発が発生する可能性について公開の審査会合において議論をしてございます。この審査会合におきまして、九州電力は、JAEAの解析の前提となっております想定について、実際の玄海三、四号機の炉型の違い、設備等の違いなども踏まえまして、玄海三、四号機においては水蒸気爆発の発生の可能性は極めて低いとする評価を示してございます。
このため、原子力規制委員会においては、先ほど申しました新規制基準の適合性審査の会合において、九州電力の調査結果を確認をし、玄海三、四号炉では水蒸気爆発が発生する可能性を考慮する必要はないとの評価結果は妥当であるという判断をしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/80
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081・石井章
○石井章君 最後は妥当であるということでありますけれども、当然ながら、水蒸気爆発が一〇〇%起こらないとは、決してこれ誰にも言い切れないわけであります。
玄海原発差止め訴訟では、九州電力も、水蒸気爆発の起こる可能性が極めて低いとして対策の必要性自体を否定している。しかし、近隣住民の方々の不安もこれは理解ができるわけでありますが、当然、安全対策にこのある程度の基準値を設けなければならない。
例えば、海岸線に位置する原発の、高さこの五十メートルの防潮堤で囲んでしまえば津波による被害は全て防ぐことができるでしょう。しかし、これはもうナンセンスでありまして、やはり考えられるのは、最大の危険を想定した現実的な基準に基づいて安全対策はしっかり行わなければならないと思います。
国民は、万に一つでもその可能性がないと言われても、その万に一つを危惧するわけであります。それが、いわゆる東海原発の事故であり、あるいは福島第一原発の事故でありますから。
そこで、政府も研究推進するという革新軽水炉にも装備されております、炉心溶融が発生した場合に燃料デブリを受け止めるコアキャッチャーに準ずる設備を既存原発に後付けすべきだという声もあります。日本の原子炉のタイプには、ABWR、あるいはAPWR、そしてATMEAなどが存在しますけれども、特にABWRタイプの柏崎刈羽六、七号機には、1F事故に、その炉外のコアキャッチャーに近い設備が追加装備されております。
そこで、柏崎の六、七号機にそのコアキャッチャーに類似設備が設置された際に要した期間と費用についてお伺いいたします。また、柏崎刈羽のように、既存の原発にコアキャッチャー同様の設備を新たに追加することは、ABWR以外のほかの原子炉タイプでも技術的には可能なのかどうか。もし可能であれば、個別の条件で差異はあると思いますが、いわゆる計算して設置に係る期間と費用はどの程度なるのか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/81
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082・大島俊之
○政府参考人(大島俊之君) お答え申し上げます。
福島第一原子力発電所の教訓等を踏まえて策定をいたしました新規制基準におきましては、事業者に対しまして、重大事故により仮に炉心損傷が起きたとしても、原子炉格納容器を破損させないために、溶融して原子炉格納容器に落下した炉心を冷却するための対策を要求をしてございます。
東京電力柏崎刈羽原子力発電所の六号機及び七号機、また日本原子力発電東海第二原子力発電所も含めまして、これまでに新規制基準に適合した原子炉施設では、格納容器を破損させないための設備といたしまして、原子炉格納容器の下部にあらかじめ水を入れるための設備を設置し、落下した溶融炉心を冷却することとしてございます。
御指摘のございましたコアキャッチャーでございますけれども、これは炉心が溶融して炉外に落下した場合に、その溶融炉心を受け止める、受け止めて冷却するものであると承知しており、先ほど申し上げた規制要求に対応し得るものの一つであるというふうに認識をしてございますけれども、これを設置することを申請した事業者はこれまでございません。
また、御指摘の東京電力柏崎刈羽原子力発電所六号機及び七号機には、コリウムシールドという金属製の柵が設置されているものでございますけれども、これにつきましては、原子炉格納容器下部へ落下した溶融炉心がドライウエルサンプという場所に流入することを抑制するためのものでございまして、溶融炉心を冷却するためのものではないというふうに考えてございます。
また、規制委員会といたしましては、コアキャッチャー等の設置に係る期間及び費用については承知をしてございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/82
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083・石井章
○石井章君 原子力規制委員会の法令に基づいた審査、これは厳格で厳正であることは現在の再稼働をした原発の少なさを見ても明らかであります。その安全を最優先する姿勢には敬意を表します。柏崎刈羽六、七号機でのコアキャッチャーのいわゆるその設置も、その必要性が認められたために設置されたということは理解をしております。
その上で、原発事故で最も恐ろしい水蒸気爆発が発生する可能性を飛躍的に解消できるコアキャッチャーに準ずるシステムの導入について、現在政府が水蒸気爆発発生の可能性が極めて低いと判断している原子炉についても、国民の更なる安全と安心の向上のために、また、タイミング的に間に合う炉に関しては、いま一度再稼働の審査基準の追加項目にしていただくことを再検討していただけないでしょうか。これは要望で結構であります。
次に、原発のコストについて質問したいと思います。
政府は、1Fの事故から十二年が経過しても廃炉の完了のめどすら立たず、使用済みの核燃料の最終処分についても不透明なままであります。それでも、政府は、原発は安くて安定的な電源だというフレーズの使用をやめることをしません。一たび事故が起きれば天文学的に高額となる電源だということは、これはもう子供でも知っております。ほぼ安全で安定した電源と正直に表現すべきではないでしょうか。いわゆるほぼ安全で安全、いわゆる完全に安全であるということではなくて、ほぼ安全で安定した電源と正直に表現すべきではないかと思います。
次に、1Fの廃炉費用についてでありますけれども、事故後、政府は、事故収束費用を約五兆円と国民に提示をしましたが、その後の、変わりまして十一兆円に変更。さらに、現在は二十二兆円、二〇一六年に試算した結果が出ております。世界で類を見ない人類にとって未知の作業だとしても、余りにもずさんなこの計算方法ではないか。これは、世論を鑑みて意図的に少なく見積もっていると指摘されても仕方がないと思います。
そこで、このように収束費用が短期間に何度も膨れ上がる理由についてお伺いいたします。また、その中で、政府は二十二兆円で1F事故の収束は可能だと現在は言っているわけですけれども、その算定の根拠についてお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/83
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084・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
東京電力福島第一原発事故の賠償、廃炉等の対応を適切に進めていくことは大変重要だと認識しております。そのために、原子力損害賠償・廃炉等支援機構を法律に基づき設置し、ここを通じた形での資金の確保と実施ということを行っているところでございます。
この対応に要する費用の見通しについてのお尋ねでございますけれども、当初二〇一二年、その当時の情報、まず、この対応初期の段階で一定の蓋然性を有する必要な金額として賠償五兆円、廃炉一兆円の計六兆円と見込んだところでございますが、その後、一つ一つ賠償、廃炉等の作業を進めていく中で、その進捗に応じた形で二〇一三年及び二〇一六年に費用の見通しを見直しているところでございます。
その中で、具体的に申し上げますと、廃炉につきましては、二〇一三年に燃料デブリ取り出し工程前の対応に充てられるものとして二兆円に見通した上で、二〇一六年に有識者のヒアリング結果を基に算出した金額である約六兆円を追加し、現在約八兆円という金額の下で対応を進めてございます。
また、賠償に関してお答え申し上げますと、二〇一二年の約五兆円に対しまして、二〇一三年の段階で更に必要となる費用としまして除染の費用、中間貯蔵の費用、これが合わせて約三・六兆円必要と見込みまして、この時点で約九兆円とした上で、二〇一六年にその数字自体を見直し、約十三・五兆円としているところでございます。
この十三・五兆円と八兆円合わせた数字が二十一・五兆円でございますが、二〇一六年以降は、この資金フレームの下で賠償、廃炉等の実施を着実に進めてきているところでございますが、賠償、除染、中間貯蔵の費用、こちらの方は十三・五兆円の枠と設定してございますが、現状、着実に実施を進めてきてございますが、支払の実績は約十・七兆円となっているところでございまして、現状について申し上げますと、二〇一六年に設定しましたこの費用見通しの下で賠償、廃炉等の取組を着実に進めていくことができるというふうに認識しており、これを政府としてもしっかりと進めていきたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/84
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085・石井章
○石井章君 私がいろいろ調べたものは、トータルは二十二兆円でありますけれども、その内訳が、廃炉、汚染処理水で八兆円、賠償で八兆円、除染、中間貯蔵で六兆円ということであります。
その賠償の八兆円のうち五・五兆円を原子力事業者で負担し、残りは託送料金で賄うということになっております。もうこれは御案内のとおりであります。また、二〇二〇年以降は新電力にも約二千四百億円の負担が義務付けられました。結局このお金は電気料金に盛り込まれてくるわけでありますから、これはもう国民の負担になることは避けられません。そして、託送料金への上乗せ額は二一年度は六百十億円ですが、大手電力など原子力事業者の二一年度の拠出分の、前年の一千六百三十億円から千三百三十七億円に、二百九十三億円も減額されております。
賠償金は、東電が被災者に支払うが、政府が先に肩代わりしておりますから、原子力事業者の拠出金と託送料金で回収しておりますので、肩代わりの原資は国債になります。ですから、返済が長引けば長引くほど支払金利が、負担が増えると。すなわち、これは国民の税金から支払われるわけでありますが、国民から強制的に徴収していながら、国民が知らない間にですよ、大手電力会社の負担は軽減しているということは、これは指摘されても仕方ありません。
そこで、この減額の理由についてお伺いします。また、この減額によって国民の負担が増すことに、増えることにならないよう特段の配慮が必要と考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/85
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086・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
先ほど御答弁申し上げました原子力損害賠償・廃炉等支援機構の必要となる原資の確保につきまして、原子力事業者の方々から負担金を頂戴しておるわけでございます。これには、原子力事故への対応のため相互扶助の考え方の下で全ての原子力事業者が支払う一般負担金と、資金援助を受けるため東京電力が追加的に支払う特別負担金とございます。
恐らく、委員から御指摘いただきましたのはこの中の一般負担金のお話かと認識してございますが、この一般負担金の額というのは原子力賠償の、原賠機構法の中に定めがございまして、機構の業務に要する費用の長期的な見通しに照らし、適正かつ確実に実施するために十分なものであること、また、原子力事業者の収支の状況に照らし、電気の安定供給等の事業の円滑な運営に支障を及ぼさないこと等を考慮の上で、毎年度、機構の運営委員会において議決されるというふうに法律上定められているところでございます。
その上で、御指摘のございました一般負担金、二一年度分でございますけれども、これまでは千六百三十億円の水準が維持されてきたところではございますが、足下の燃料高騰の影響に伴います各社の収益の悪化というものに直面している中で、これを考慮することが適当であるとして千三百三十七億円と運営委員会で議決されたものと承知してございます。
他方、委員の御指摘のとおり、国民負担の最大限の抑制というのは大変重要な課題だと認識しておりまして、原賠機構法の規定と整合する形で、できるだけ早期の原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じた交付国債の返済が求められるものと認識しており、政府といたしましても、東京電力に対しまして、総合特別事業計画に基づき、非連続の経営改革を進め、十分な利益を出すことで賠償等に必要な資金を捻出できるよう指導を努めてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/86
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087・石井章
○石井章君 時間が迫ってまいりましたが、この1Fの収束費用二十二兆円の中に、一号機から三号機のいわゆる、取り出す溶融燃料デブリを含む放射性廃棄物の処理、埋設費用も含まれるのかどうか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/87
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088・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉等に必要な費用につきましては、これは原子力損害賠償・廃炉等支援機構に積み立てる形で廃炉等積立金制度を措置しているところでございます。
この金額を、最終的にどれぐらいの費用かということについては、先ほど御答弁申し上げたように、有識者へのヒアリング等に基づき、一定の蓋然性を有するものとして八兆円とお示ししているところでございますが、御指摘いただきました燃料デブリの処分費用などについては、今現在、廃炉ロードマップの中で、デブリがどのような、取組を進めている中で、デブリがどのような性状でどれだけの分量があるか現時点では見通せていないことから、それを踏まえた形での処分方法についても今後検討する必要があると認識しておりまして、先ほど申し上げました八兆円のところには具体的な燃料デブリの処分費用としては含めていないものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/88
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089・石井章
○石井章君 ですから、これ含まれていないわけですね、この二十二兆円の中に。そうすると、もうこの試算、費用の試算も、先ほどの二十二兆円と同じように、今後更に大きく膨らむ、少なくなることはこれあり得ないわけであります。
あそこの、福島のあの事故のところに民間のいわゆる日立や東芝の技術者がたくさん入っています。そして、その技術者でさえなかなか先が読めないということでありますが、本当に、経産省もいろんな問題、昨日、田島先生、いろんな方からいろんな質問が、あれは行政監視委員会ですけれども、同じ経産省の質問が出ましたが、天下りがどうという問題もたくさんありますが、それはここで問題は指摘しませんけれども、いわゆる今後大きく膨らむおそれがあるこの費用を、1Fで取り出したデブリを含む放射性廃棄物の処理、埋設費用はどの程度必要になると見積もっているのかを最後に聞いて、質問を終わりにします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/89
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090・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
繰り返しになりますけれども、現在、廃炉ロードマップに基づきまして廃炉作業を進めているところでございますが、燃料デブリの処分費用については、現状のデブリの状況等、どれぐらいの分量があるかなかなか見通しが付かないものでございますので、処分方法等も今後検討という中では費用の額を一定の蓋然性を持ってお答えすることは困難でございまして、お答えは控えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/90
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091・石井章
○石井章君 じゃ、また次の機会に質問をします。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/91
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092・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
午後零時二分休憩
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午後一時開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/92
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093・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/93
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094・礒崎哲史
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
この間の本会議、私も登壇をさせていただいて、委員会の方の質疑ということで、流れとしては、本会議のときにお伺いしたところをまた中心に伺っていきたいと思うんですけれども。
ちょっと通告はしていなかったんですが、午前中の審議の中で、村田委員の方から束ね法案について何問か質問がありました。私も本会議で束ね法案について一言意見を言わせてもらった立場であります。午前中の村田委員の中から、議員としての表明権ですね、賛成、反対という、それぞれの法案に対する議員としての賛成、反対ということが束ねることによって表すことができなくなってしまうと。表明権、議会人としての立場としてそういうのがあるというふうに思うんですけれども。
もう一つ、消費者といいましょうか、国民の皆さんの立場から見たとき、あるいは政府から見たときに、結局、束ねることによって法案の審議が分散化してしまったり深めていくことが難しく、時間的制約で深めていくことが難しくなるとしたならば、これ、政府として、国民に対して理解促進するための丁寧な説明をする時間が限られるということになると思うんですよね。
やはり、この原発にしろ再生可能エネルギーにしろ、物すごく重要な案件だからこそ、これまで、西村大臣もそうですし、総理もそうですし、丁寧に説明してまいりますというお言葉は使われておりましたが、一方で、束ねるということは丁寧に説明する機会の損失に私はつながるというふうに思います。
その意味で、やはり、束ねるのではなくて、一本一本というか、本当に必要な部分だけの束ねという形にして本来は法案を提出をし、政府がきちんと丁寧に説明する時間をしっかり確保するということにこそ私は意識を払うべきだと思いますけれども、改めてその点について、通告はしておりませんでしたけれども、西村大臣から一言いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/94
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095・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、私どもとしても、エネルギー政策について特に何か変更する際には、丁寧に説明をして国民の皆様に御理解をいただきながら、また、先ほど来御議論ありますように、事業者の皆さんにも予見可能性を持っていただくということも大事でありますので、そういった観点で、説明を丁寧にそして繰り返していくことは重要だというふうに認識をしております。
その上で、今回のこの法案の提出に当たっては、その前段階でGXの基本方針を決定をし、そして、その決定に当たっては、一昨年、コロナ禍からの需要回復の中でLNG価格が上がってくるなど、そうしたところから検討を始めて、そして二月、昨年二月にウクライナ侵略があり、エネルギー情勢がまた一変をしたという中で、公開の場で私ども、エネルギー庁の審議会を百回以上ですね、専門家会合まで含めて行ってくる中で、全てオープンで行ってきております。
そうした中で方針を取りまとめ、そして基本方針を取りまとめですね、それに基づいて今回の法律、法案を、法律案を出させていただいておりますので、これまでの過程について言えば、私どもとして、できるだけオープンな形で、そして多くの皆さんに理解いただけるようにということで、そのような形で取り組んできたわけでありますけれども、審議に当たっても、より効果的、効率的な議論、そして建設的な議論になるようにということで、今回関連する法案、まさに再エネと原子力を二本柱としながら、全体としてカーボンニュートラル、そしてエネルギー安定供給を進めるという観点で政府内でも議論を重ねて、そして最終的に法制局の審査も経てこのような形で提出をさせていただいております。
国会におけます審議につきましては、国会において定められたように私ども審議に対応させていただき、できるだけ丁寧にこのような形で説明をさせていただいているところでありますし、また、この後も、この間もずっと説明会を開催を、エネルギー政策についての説明会は開催させていただいておりますので、今後もいろんな形で、いろんな場で、説明会なども含めて繰り返し重ねていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/95
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096・礒崎哲史
○礒崎哲史君 この件はもうやり取りはしませんけれども、やっぱり国会で取り上げればマスコミも注目します。いろんな形での報道も増えます。そういう機会を捉えてしっかりと発信できるような組立てということからいえば、省エネなら省エネ、原発なら原発という切り方をした方が本当はよかったんだろうなということは思いとしてはありますので、改めて発言をさせていただきました。
それでは、具体的な通告をしました内容について入ってまいりたいと思いますけれども、今回この原発の利用、活用の点、それからもう一つは再エネというのが大きな二つの柱になった法案の構成になっておりますけれども、特にこの原子力発電、この運用に関する制度の見直しというものが一つの大きなメインのテーマになります。
やはり大事なのは、やはり原子力発電、前回の委員会もそうですし、今日もそうですし、やはり安全にしっかりと動かしていくということと安定的に電気を供給することが果たして今回の法改正でよりそれができるような形になっていったのかどうか、ここが大変重要だというふうに思います。現状維持ではなくて、現状よりも良くなったのかどうかということが大変重要だというふうに思いますので、こうした点をしっかりと確認をしていかなきゃいけないと思いますし、政府としてもそこに対してしっかりと御発言、御答弁をいただきたいというふうに思います。
私自身は別に原子力は専門家ではありませんけれども、民間企業で十数年お仕事させていただいたときに、私、物のその強度、耐久性の評価というのをずっと仕事としてやってきましたという経験値がありますので、ちょっと原子力は直接は専門外でありましたけれども、評価をしていく、耐久性ですとか強度の評価をしていくということをなりわいとさせてもらっていた立場で今日はいろいろとやり取りをさせていただきたいというふうに思っています。
まず最初の質問ですが、まずは、これ本会議の質問でもさせていただいたんですけれども、今回、運転期間の上限に対する考え方ということで、六十年という考え方、これがまた改めて考え方としては法案の中に引き継がれている形になっています。この上限に関する、四十年、六十年という期間に対する、運転期間に対する考え方としては、科学的、技術的根拠はないということ、これが原子力規制委員会並びにこれまでの西村大臣の答弁から明らかだというふうに思っています。
改めてなんですけれども、根拠はないんだけれども、今、上限という運転期間に対する考え方はそのまま法律の中に残したということで、やっぱり根拠がないものが残っているというのは私は問題だというふうに思いますので、この上限に対する科学的、技術的根拠の検討をやはりするべきではないかと私は考えていますけれども、その検討の必要性に対する大臣の認識をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/96
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097・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) もうよく御承知をされているとおりでありまして、まさに今回の措置は、令和二年七月の原子力規制委員会の見解も踏まえまして、原子炉等規制法に係る運転期間に係る規定を、今度、利用と規制の観点から改めて峻別をして、電気事業法と原子炉等規制法、炉規法との間で、二つで再整理を行うというものでございます。そして、その運転期間については利用政策の観点から措置をするということでありまして、御指摘のように、何か科学的、技術的な検討を踏まえて規制の観点から措置をしたものではないということであります。
一方で、規制委員長おられますので、規制委員長にまた御質問していただければと思いますが、規制委員会は、この見解の中で、発電用原子炉施設の将来的な劣化の進展の評価について、時期をどう定めようと科学的、技術的に評価を行うことができるとされています。
今回の法案では、電気事業法の改正に対応して、その原子炉等規制法において、運転期間の規定を削除した上で、運転開始から三十年を超えて運転しようとする場合には十年以内ごとに設備の劣化に関する技術的評価を行う等の規制の厳格化に向けた制度を創設するということとしているものと承知をしております。
そのことと併せて申し上げれば、利用政策の観点からにかかわらずですね、利用政策の観点からの判断にかかわらず、高経年化を踏まえた技術的な観点について、まさに高い独立性を有します原子力規制委員会が厳格な適合性の審査を行って、そしてその認可を得なければ運転は一切認められないということが大前提であります。
というような法体系になっているということでありますので、利用の方の観点からは、四十年、二十年延長の六十年を維持した上で、他律的な要因で止まってきた部分についてはその延長を認めるということでありますが、いかなる年数を事業者がやろうと思っても、この適合性審査の認可を受けない限りは運転ができないと、こういう法体系になっているということを是非御理解をいただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/97
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098・礒崎哲史
○礒崎哲史君 安全確認というのは技術的にそれはやっていかなければいけないことですので、それはもう大臣おっしゃるとおりで、後ほどこの点についてはまた規制委員長の方に詳しくお伺いをしたいと思っているんですけれども、これ大臣、今まさに言われたとおり、利用政策なんですよね。だから、原子力規制委員会の方ではなくて、あくまでも政治判断だと私は思っています。
ですから、今回、政治判断として、あくまでもその六十年というところに一つ線を引き続けたということは、これは政治判断だと思いますので、まさにこれは政府にお答えをいただかないと僕は解決しないと思っているんです。
では、今、安全確認はそういうふうにしていくんだというふうにお話はされますけれども、では、今回、引き続き六十年という運転期間の考え方を継続をさせた、まあ法律に書かれている場所は変わっていますけれども、でも考え方として、パッケージという意味では踏襲をされた、継続をされた理由は何だったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/98
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099・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 利用政策の観点から運転期間の在り方について議論を重ねてきました。
諸外国を見てみますと、アメリカ、イギリス、フランス、オランダといった主要な原子力利用国におきまして運転期間の上限を定めた例は確認できておりませんで、延長審査の時期についても四十年、二十年、十年ごとなど、各国の状況に応じて、言わば一つの審査のタイミングとして規定をされているのではないかというふうに理解をしております。アメリカでは八十年まで認可を受けた炉があるということでございます。
その上で、利用政策の観点からこの運転期間の在り方について審議会におきまして議論を重ねてまいりました。多くの有識者からは、まさにこの諸外国の例と同様に、もちろん、将来の安定供給の選択肢を確保する観点からということ、そして、厳格な規制を前提とした上で、諸外国の例と同様に運転期間には制限を設けないこととすべきという意見もございました。一方で、立地地域などからは、やはり高経年化した炉の運転期間に制限を設けないことへの不安の声も寄せられておりましたし、東電第一、福島第一原発の事故を踏まえて制限を設けた現行規定の趣旨を考慮すべきとの意見もございました。
こうした様々な御意見、両方からの御意見があったわけでありますが、その意見を勘案し、まさに利用政策の立場から、今御指摘あったように、言わば政治判断ということで自己抑制的に政策判断をしまして、運転期間を最長で六十年に制限するという大きな枠組みは維持をするということにしつつ、震災以降の法制度の変更などございましたので、基準の変更などございましたので、事業者から見て他律的な要素によって停止していた期間に限って六十年の運転期間のカウントから除外することを認めるという、そのような政策判断を行ったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/99
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100・礒崎哲史
○礒崎哲史君 今大臣からこの自己抑制的というキーワードが出てきましたけれども、午前中、森本委員との御質疑の中でも、安全性についてですとか、安全なのかどうかと、あるいは、原発を進めていく上での考え方というのでやり取りがあって、危険かどうかというところのやり取りもありましたけれども、この自己抑制的、もうひとつ分かったような分からないようなところもありますが、気持ちの面では何となく理解はしますけれども。
今大臣の御説明の中でもありましたけれど、やっぱり立地地域の不安の声というのは、これは当然あると思います。今もいろんな声が巻き起こってこの国会に届いているというのは、これは大臣も御承知のとおりだというふうに思います。
そうしますと、実は、この上限なりなんなりの数値を決めると、おのずとそこのところが原発の利用のやっぱり寿命の上限になるんじゃないかなという感覚をやっぱり持つと思うんですよ。いわゆる消費期限か賞味期限か分かりませんけれども、期限を設ければ、何となくそこがやっぱり限界なのかなというふうにみんな思うと思うんですよね。
だから、大臣は、今、結果的に、そういう立地地域の皆さんの不安の声もあるし、いろんなことを考えて、抑制的に使うことで安心してもらおうという思いで多分設定されたんではないかと思いますけど、逆に、根拠がないまま残すから、そこが限界なんじゃないかなという受け止めをした人たちにとっては逆に不安になるわけですよ、そこを超えて使うということが。
だから、私は、科学的、技術的な根拠、いや、何でもいいんです、そこは。科学的、技術的には詰め切れなくても。であれば、今言った不安の声だとか海外の事例ということももっと分かりやすく伝えていく必要があるんじゃないかな。それをしないと、結果的には独り歩きするんですよ、やっぱり数字は。逆に不安を助長する数字になるかもしれないということを思ってちょっと再三お伺いをしているんですけれども。
その意味で、もう一回最初の質問聞かせていただきたいんですが、科学的、技術的な根拠、若しくはそれに準ずるような考え方というものをしっかりまとめていくというお考えについてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/100
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101・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) まさに利用政策の観点からは、四十年、そして二十年延長の六十年という基本的枠組み、これは福島第一原発の事故の後定められたものでありますので、それを維持しようということで、ただ、規制が、基準が変わり、そしてそれに対応しなきゃいけないということで、言わば他律的な要因で、事業者の自律的な要因では、自分の責任ではないところで、他律的な要因でどうしても止まる時期があるということについてはカウントから除外しようということでありますので、ある意味ルールを明確化はしているわけであります。
その意味で、原則六十年と、最長六十年、ただし、止まっていた期間、他律的な要因で止まっていた期間は除外をするということでありますので、是非そうした枠組みであるということを御理解をいただけるよう、私どもとしても丁寧に説明をしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/101
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102・礒崎哲史
○礒崎哲史君 今お話しいただいた枠組み、この後、規制委員長にもお伺いしますけれども、技術的な安全確認は、これはもうしっかりと技術的にはやっていただくんですけれども、やはり、いろいろ設けてしまっているものに対してのやはり説明はしっかり付けられるようにしておかないと、そこから逆に不安が助長されるというリスクをしょってしまっているということがある。これは改めて指摘をさせていただきたいと思います。
では、次、これは、ここは原子力規制委員長にお伺いしますけれども、今、技術的、科学的な観点ということでお話しさせていただきました。では、その技術的な視点、科学的な視点に立ったときに、運転期間の上限というのは設けた方がいいのか、それとも特に必要ないのか、この点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/102
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103・山中伸介
○政府特別補佐人(山中伸介君) お答えいたします。
科学的、技術的な観点から申し上げますと、原子力発電所の設備、機器等の劣化に関しましては、使用履歴や保守管理の状況などにより設備、機器等の劣化の進展は一様ではなく、一義的に運転期間の上限が定まるものではないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/103
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104・礒崎哲史
○礒崎哲史君 今端的にお話をいただきましたけれども、皆さんのお手元の資料に、二ページ目、二ページ目というか二つ目の方の資料になりますけれども、原子力規制委員会の方で提出をされた経年劣化との関係に関する見解ということで、令和の二年七月の二十九日にこれは出されたものです。ここに、今規制委員長にはかなり端的にまとめていただいたお話いただきましたけれども、かなり詳しくここについてはそうした見解についてお話が書かれています。
冒頭申し上げたとおり、私もいろいろと技術的には民間企業に勤めていたときに携わった人間ですので、一概に何か期限を決めるというのは、それこそ民間企業でいけば、アフターパーツですとか修理なんかをやっていくことが限界的に企業ではできなくなるので、例えば十年とか二十年とかというのを引いたりします。それは、技術的というよりも、サポート体制が取れないからという、どちらかというと政治的な意味で設けたりはしますけれども、技術的にはここのパーツは何年ぐらい、ここのパーツだったら何年ぐらい、こういう使い方をされたら何年ぐらいという、こういう考え方になりますので、一概に確かに決めていくのは大変なものだというのは私も理解ができますし、そういった趣旨のことがこの実は見解の中には書いてありました。
そうしますと、なかなか上限というものをそれでは作っていくのは難しいということなんですけれども、そうしますと、そういう観点に立ったときに、そうはいっても、今回、やはりこの法改正によって安全確認が強化、じゃ、されたのかどうかというところがやはり重要になってくるということで先ほど来お話をさせていただいています。
それでは、今回この新制度になることで安全性評価というのは強化されたというふうに受け止めていいんでしょうか。されたとするならば、それはどのような点が強化をされたというふうに理解すればいいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/104
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105・山中伸介
○政府特別補佐人(山中伸介君) お答えいたします。
今回の新制度案は、現行の運転期間の延長認可制度と高経年化技術評価制度の二つの仕組みを統合し、強化するものでございます。
具体的には、これまで運転期間延長認可制度において運転開始後四十年目に一回に限り行っておりました原子力発電所の基準適合性審査を、新制度では、運転開始後三十年を超えて運転しようとするとき、またその後十年を超えない期間ごとに行うなど、現行に比べてより高い頻度で厳正に審査を行うことになります。
また、新たに認可対象として作成を義務付けております長期施設管理計画には、これまで高経年化技術評価において認可する保安規定の中で定めておりました長期の施設管理方針の内容に加えまして、施設の劣化状況や劣化予測に関する詳細な記載を求めることで、より厳格な審査を行うことになると考えております。
さらに、計画に詳細な記載を求めることを通じて、最新の知見により劣化評価の方法等に変更が必要になる場合には、劣化評価のやり直しや計画の変更など、より柔軟にかつ機動的に求めることにより、最新の知見を反映し、安全性を向上しやすい仕組みとなっております。
このように、運転期間がどうあれ、基準への適合性を確認できない長期施設管理計画は認可せず、原子力発電所の運転は認めないというより厳格な制度となります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/105
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106・礒崎哲史
○礒崎哲史君 今、経年の状況の評価ということで計画を策定をさせていくと。まあこれ、事業者が計画を策定して、その計画に基づいてメンテナンスなりチェックをしていくということ、そのチェックされた結果をこれは原子力規制委員会の方で更にチェックをして、そこに間違いがないかどうかという確認をしていくことで強化したというふうに今理解をしましたけれども、こういう理解でよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/106
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107・山中伸介
○政府特別補佐人(山中伸介君) 御理解のとおりで結構かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/107
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108・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
よく事業所の管理方法でISOの9000番とかこういう品質に関する管理なんかがありまして、まさにこういう手法を実際にISOの審査なんかでは取っているということで、それに近い審査だということで理解をいたしました。
では、今その計画の策定ということはお話はいただいたんですが、実際に原子力規制委員会として、その経年の劣化度合いの評価ですね、評価の仕方、手法として新たなものを導入するという、こういう計画はあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/108
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109・山中伸介
○政府特別補佐人(山中伸介君) 具体的に、六十年目以降の評価につきましては、これまで実施しておりました高経年化した原子力発電所の審査や検査の実績を土台とすることが可能であるというふうに考えております。審査手法を大きく変える必要はないと考えております。
具体的には、これまでの高経年化評価で得られた物理的なデータや予測式に加えて、今後実施される五十年目の時点での評価の実績、評価、劣化評価に関わる技術的な知見の蓄積を踏まえまして科学的、技術的に確認を行うことはできると考えております。
その上で、六十年目以降の追加措置につきましては、現行制度に基づき四十年目に実施を求めております特別点検の点検項目に加えまして、これまでの運転履歴や国内外の最新知見を踏まえて、プラントごとの特徴に応じた必要な追加点検の実施を求めることとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/109
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110・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ありがとうございました。今、評価として全く新しいものは今ないということでありました。
そうすると、法律上、点検のサイクルとしては、今まで四十年という節目が三十年ということになりましたので早いタイミングで点検に入るということ、かつ、それを十年以内ということで短いピッチサイクルで点検していくということですから、その意味では強化されたという受け止めもできるんですけれども、一方で、技術的な部分についてはこれまでを踏襲というところからすると、評価としては余り変わっていないんではないかと、こういう受け止めも当然あるというのは、これは当然受け止めとしてはあり得るのかなというふうには思います。
是非、今、規制委員長、その中、後段でお話されましたけれども、世界的な知見として、まだこの原子力発電所については、各地域でいろいろとまだ運用もされて、随時見直し、技術的な見直しもされていることと思いますので、これをですね、しっかりと世界の動き見ながら、この安全性の確認については新たな指標の導入も含めて不断の見直しは掛けていただきたいというふうに思います。
本当はちょっとまだいろいろと質問を用意していたんですが、今日は時間となりましたので、これで終了とさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/110
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111・岩渕友
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
今日は、束ね法案のことが先ほどから問題になっているんですけれども、本法案は五本もの法案が束ねられていて、その一つである原子力基本法について今日は質問をします。
この原子力基本法は、原子力の憲法と言う専門家もいるもので、原子力の研究、開発及び利用は平和の目的に限られるのと同時に、民主、自主、公開のいわゆる三原則にのっとって、かつ国際協力に資するということを基本方針としてうたっています。
一九五五年に成立以降七回の改正が行われていますけれども、二〇一二年の原子力規制委員会設置に伴う改正時に安全保障に資することを目的と追加した以外はほかの組織の名称変更に伴う改正なんかで、今回の改正というのは異例のものであって、詳細な規定は基本法の趣旨に合わないんだという専門家からの指摘が相次いでいます。
この法案がどこで議論をされてきたのかということで、資料の①を御覧いただきたいと思うんですね。これは、原子力基本法の改正に向けた資源エネルギー庁と内閣府との面談等についてエネ庁が四月七日に作成をした資料で、衆議院の経済産業委員会に提出をされたものです。
この面談や高市大臣への説明などに内閣府から出席者がいるんですけれども、この中で、奈須野統括官、覺道審議官、そして梅北参事官はどこの省からの出向でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/111
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112・覺道崇文
○政府参考人(覺道崇文君) お答えを申し上げます。
内閣府科学技術・イノベーション推進事務局の奈須野統括官、それから同じく科学技術・イノベーション推進事務局の審議官である覺道、私、覺道、それから同じく科学技術・イノベーション推進事務局原子力担当の梅北参事官、この三名についてはいずれも出身省庁は経済産業省でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/112
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113・岩渕友
○岩渕友君 今答弁いただいたとおり、経済産業省なんですよね。
三月十五日の参議院の予算委員会で、原子力規制庁は、二〇二二年七月以降、長官を始めとした幹部五人全員が初めて経産省出身者で独占をされているということを私質問で示したんですよね。これ、推進と規制の分離ということを言いながらこういう状態だということそのものがもう大問題なわけですけれども、今答弁あったように、規制庁は経産省の出身なんですけれども内閣府は出向なわけですよね。籍は経済産業省にあるということなんですよ。これでは、内閣府と経産省との面談ではなくて、原発を推進したい経産省と経産省との面談ということになるわけですよ。
この資料の①でありますけれども、九月一日、十月十四日、十一月二十一日の三回にわたってエネ庁から高市大臣への御説明というものが行われています。例えば十月十四日はどんな説明を行ったのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/113
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114・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
今御質問頂戴しました十月十四日の高市大臣への御説明でございますけれども、これは、内閣府が高市大臣に対しまして原子力利用に関する基本的考え方に関連する足下での検討状況を御説明する場がございましたけれども、これに内閣府の御依頼を頂戴しまして、からの御依頼を頂戴しまして、資源エネルギー庁の事務方が同席させていただいたものでございます。
その際、資源エネルギー庁の方からは、原子力発電所の運転期間に係る利用政策の観点から検討を進めていたところでございまして、この検討状況と、また、審議会における議論の状況によりましては電気事業法の改正につながる可能性がある旨を御説明させていただいたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/114
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115・岩渕友
○岩渕友君 資料の②を御覧いただきたいんです。
一と二と二枚あるんですけれども、今答弁いただいた十月十四日のエネ庁から高市大臣に対して行われた説明の中で使われた資料なんですよね。この日はGX実行会議の議論を踏まえた検討状況の説明なんかが行われたということなんですけれども、この資料を見ていただければ分かるように、原子力基本法の改正について、原発の利用原則を明確化、こういうふうにもあるんですよね。
それで、エネ庁からの説明を受けて高市大臣はどう思ったのか、これどう受け止めたのか、これ高市大臣に聞きたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/115
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116・覺道崇文
○政府参考人(覺道崇文君) お答えを申し上げます。
十月十四日に行われました高市大臣への御説明につきましては、原子力委員会における議論の状況によっては原子力基本法の改正につながる可能性があったこと、これに加えまして、今ほど経済産業省の方からも御答弁ございましたけれども、資源エネルギー庁の審議会等では原子力発電所の運転期間に係る議論が進行しており、電気事業法等の改正につながる可能性があったため、原子力関係の法律改正の状況について、検討状況について資源エネルギー庁から御説明をいただいたものでございます。
高市大臣は、これらの御説明をお聞きになって法改正の方向性について御了解をされたと、このように承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/116
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117・岩渕友
○岩渕友君 今、高市大臣が法改正について了解したということだったですけれども、私は高市大臣にどう受け止めたのかということを聞いているんですよ。
覺道審議官は高市大臣がどう受け止めたのかということを分からないわけじゃないですか。分かりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/117
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118・覺道崇文
○政府参考人(覺道崇文君) お答えを申し上げます。
繰り返しになってしまいますけれども、この場での御説明につきましては特段大きな御指摘はなく、この法改正の方向性について御了解をいただいたと、このように承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/118
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119・岩渕友
○岩渕友君 大きいか小さいかとかということじゃなくて、高市大臣がどう受け止めたのかということは、これ高市大臣にしか答えられないことなんですよ。
この間、理事会の中で、高市大臣に委員会に出席してほしいんだということで求めていますけれども、西村大臣がGX担当大臣だと、だから西村大臣が答弁するんだということで、高市大臣の出席には同意できないというふうに言われているんですね。でも、西村大臣は、これ原子力基本法の所管大臣なんでしょうか。大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/119
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120・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 原子力基本法それ自体の所管は内閣府でございます。他方で、現在御審議いただいております、呼び名、略称、様々ありますけれども、GX脱炭素電源法案ですね、これ、内閣官房で法律を束ねて、取りまとめて国会に提出をしているところであります。
このため、GX実行推進担当の大臣であります私が、この原子力基本法の改正部分も含めて法案全体に関して責任を負うという担当大臣の立場でこれまでも答弁させていただいております。今後もできる限り丁寧に分かりやすく答弁をしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/120
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121・岩渕友
○岩渕友君 GX担当大臣だったら、これ束ねで一つだから、じゃ、それ、原子力基本法について所管するということにはならないわけですよね。西村大臣は高市大臣の代わりにはならないということなんですよ。原子力基本法のことについて高市大臣にしか答えられないことがあるということなんですよね。
このエネ庁と内閣府の面談やエネ庁から高市大臣への説明の中でどんなことが話されたのか、議事録を出してほしいということをお願いをしているんですけれども、これ出てこなかったんですよね、そもそも原子力基本法の所管大臣の高市大臣もこの委員会には出てこないと。これでは、その法を変えるということに当たってどんな議論が行われたのか、その面談だとか高市大臣への説明だとかというんですけれども、じゃ、どんな話合いがされたのかということ全然分からないわけですよ。
委員長にお願いをしたいんですけれども、委員会への高市大臣の出席と、エネ庁と内閣府とのこの面談等の議事録についての提出を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/121
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122・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/122
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123・岩渕友
○岩渕友君 資料の②を見ていただければ分かりますように、この資料はエネ庁が作成したものなんですよね。先ほど確認をしたように、経産省から出向をしている内閣府のメンバーがエネ庁と面談をして高市大臣に改正案について説明をしていたということを考えると、この原子力基本法の改正というのは経産省が内閣府に持ち込んだ話なんじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/123
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124・松山泰浩
○政府参考人(松山泰浩君) エネ庁の立場として御説明、御答弁申し上げます。
今回の原子力基本法の改正は、原子力委員会におきまして、一昨年の十一月二十二日以来、四十八回にわたり委員会が開催され、その中で行った五十名以上の有識者等からのヒアリングを踏まえて今年の二月二十日に同委員会で決定がされた原子力利用に関する基本的考え方において、原子力利用に当たっての基本原則は、法令等で明確化することが望ましい等とされたことを踏まえて行われたものと承知してございます。
その際、経済産業省における利用の立場からの原子力政策の検討状況につきまして、原子力委員会における議論等にも資するべく、情報交換や意見交換は行ってまいりました。しかしながら、原子力基本法の改正案の具体的な内容につきましては、原子力委員会における議論を経た基本的考え方の内容を踏まえて、あくまでも内閣府としての意思決定が行われたものと承知しております。
したがいまして、今回の基本法は、基本法の改正は経産省から内閣府に持ち込まれたのではないか、若しくは経産省の意向を受けて内閣府が行ったのではないかという御指摘は当たらないものだと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/124
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125・岩渕友
○岩渕友君 でもね、実態を見れば、もうエネ庁から内閣府に持ち込んだというふうにしか見えないわけですよね。どんなに違うんだと、指摘は当たらないんだというふうに言っても、それだけじゃ納得できないわけですよ。だから、エネ庁とその内閣府の面談の記録を出してくれって言っているけれども、これ出てこないわけですよね。これで納得しろって言われてもできないわけですよ。
そもそも、この法案自身が五本もの法案束ねていると。一つ一つがやっぱり議論が必要な、すごく重大な法案が束ねられているわけですよね。それを束ねておいて、原子力基本法の所管大臣である高市大臣も出席しないし、その議事録も出てこないと。これでは、原子力委員会が議論して決めたんだと、内閣府で決めたんだと、こういうふうに言われても納得できないわけですよ。
これ、当委員会の委員長である吉川沙織議員がこの束ね法案に関わって三月十六日に質問主意書を提出しています。今回だけじゃなくて、以前からこの問題点を指摘していたというお話だったんですけれども、この主意書の中で、束ね法案の問題点について四つの指摘が行われているんです。一つ目は国会審議の形骸化を招くこと。二つ目は国会議員の表決権を侵害すること。三つ目はどの法律がどのように改正されるかなどが国民に分かりづらくなること。四つ目は適切な情報公開とならない。この四つなんですけれども、どの指摘もそのとおりだなというふうに私思いました。本当は一つ一つの法案をやっぱりじっくり議論しなくちゃならないということですよね。
法案では、安全神話に陥って東京電力福島第一原発事故を防止することができなかったということで、基本方針に安全神話という言葉を憲政史上初めて法令用語として使うことにしたと、今日も大臣が繰り返し答弁をしています。けれども、そうであるならば、そう言うんだったら、国は原発事故の法的責任認めるべきですよ。このことをさきの本会議で総理にも質問をしました。けれども、このことについては答弁なかったんですね。
そこで、大臣に改めて聞きますけれども、国は原発事故の法的責任認めるべきじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/125
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126・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) お答えを申し上げます。
国の法的責任について、まず、二〇二二年六月に最高裁判所におきまして判決が出されておりまして、以下のようなものであります。経済産業大臣が津波による事故を防ぐための適切な措置を講ずることを東京電力に義務付けていたとしても、津波の到来に伴って大量の海水が敷地に浸入することを避けられなかった可能性が高く、経済産業大臣が上記の規制権限を行使していれば事故が発生しなかったであろうという関係を認めることはできないとする判決が出されているものと承知をしております。
その上で、当然のことながら、この東京電力福島第一原子力発電所事故への真摯な反省、これは私どもエネルギー政策、原子力政策の原点であります。こうした考えの下で、原子力規制、そして原子力防災への対応及び原子力賠償制度について所要の見直しを行い、国がしっかりと対応する体制をこの事故の後構築をしてきたものというふうに承知をしております。
更に申し上げれば、原子力規制について、政府として、安全神話に二度と陥らないという教訓を肝に銘じながら、エネルギー政策と、エネルギー政策、まあ利用政策ですね、と規制の分離が行われたわけでありまして、具体的には、もう御案内のとおり、規制行政を一元的に担うために独立した原子力規制委員会の設置、世界で最も厳しいと言われる水準の新規制基準の策定といった措置を講じてきたものでございます。
今回の法案でも、先ほど御指摘ありましたように、安全神話に陥った、そうしたことを真摯に反省をしという表現を盛り込んで、事故の防止に最善かつ最大の努力をしていくというその方針をこの基本法に明記をしているところであります。
いずれにしましても、今後の万が一の原子力災害に備えて、避難計画の策定、訓練の実施、あるいは原子力防災体制の充実に取り組んでいきたいというふうに考えておりますし、さらに、原子力損害賠償法や原子力損害賠償・廃炉等支援機構法の枠組みに基づいて被害者の方々に対する賠償が迅速かつ適切に行われるよう、引き続き責任を持って対応していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/126
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127・岩渕友
○岩渕友君 今、義務付けても津波が避けられなかったという答弁だったですけれども、避けられないようなことなんだったらもう原発やめるしかないんじゃないんですか。
そして、賠償の体制を確立するという話もありましたけど、賠償そのものがちゃんとやられていないわけですよ。でも、賠償すればいいというものではなくて、どんなに賠償されても取り戻すことのできないものを奪っているのが原発事故だということなんですよ。そのことを反省していると言いながら原発進めるというのは、これやっぱり納得できないですよ。国が国策として原発進めてきて、指摘をされた津波対策を東京電力に取らせてこなかった、この国の責任はやっぱり重いものがあるんですよね。
だから、大臣、改めて聞きますけど、やっぱり国は原発事故の法的責任認めるべきじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/127
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128・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) まさに御指摘のように、私どもも、この福島第一原発の事故、この教訓、反省、これをいっときたりとも忘れることなく、まさに私どもの政策の原点として常に肝に銘じながら対応しなければならない、その思いを強く持っているところであります。
その反省に立って、今申し上げたような様々な仕組みを構築をしてきております。原子力規制委員会を設置をし、まさに世界で最も厳しいと言われる水準の新規制基準が既に制定をされておりますし、今回の改正に伴って、先ほど来質疑がありますように、更に安全性を確保していくための対応が規制委員会においても取られるということであります。
そうしたことも含めて、私ども、安全を最優先にしながら、しかし一方で、日本全体でエネルギー政策、エネルギーの安定供給、できる限り安定的な価格でも供給をしていく、それと同時にカーボンニュートラル、脱炭素化も進めていく、その責任を持っている中で、原子力政策についても国民の皆さんの理解を得ながら進めてまいる、丁寧に今後も説明していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/128
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129・岩渕友
○岩渕友君 国は法的責任認めるべきですし、本当に安全神話に陥っているということを反省しているというんだったら、これもう原発やめるべきなんですよ。
この原子力基本法の改正案にはいろんな新設のものがあるんですけれども、その中の十六条の二について聞きます。
これ一項では、「原子力発電の用に供する原子炉を運転する者は、別に法律で定めるところにより政府の行う運転期間に係る規制に従わなければならない。」とあります。ここで言う法律とは何のことを指していますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/129
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130・覺道崇文
○政府参考人(覺道崇文君) お答えを申し上げます。
今御指摘をいただいた規定でございますけれども、ここで規定しております別の法律とは、電気事業法改正案の第二十七条の二十九の二から第二十七条の二十九の六までの規定及びこれらに関連する罰則の規定等を指すものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/130
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131・岩渕友
○岩渕友君 今答弁があったように、電気事業法のことを指しているわけですよね。
それで、この十六条の二の二項ですけれども、「前項の運転期間に係る規制は、我が国において、脱炭素社会の実現に向けた発電事業における非化石エネルギー源の利用の促進を図りつつ、電気の安定供給を確保するため、エネルギーとしての原子力の安定的な利用を図る観点から措置するものとする。」、こういうふうに続いていくんですね。
これ大臣に伺うんですけど、一項で従わなければならないとしている運転期間に係る規制というのは、この二項で言うところの非化石エネルギー源の利用の促進だとか電気の安定供給だとか、原子力の安定的な利用を図るということです。これは、法改正、電気事業法もするわけですけれども、法改正しようとしている六十年を超える運転期間、これを義務付けるということ、で、原発をできるだけ長く使い続けさせるということになるんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/131
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132・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) まず、この原子力基本法の一条に目的がございます。ここで、まさに原子力の研究、開発及び利用を推進することによって、将来におけるエネルギー資源を確保し、ちょっと省きますが、地球温暖化の防止を図り、もって人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与することを目的とするということで、明確に原子力の利用の目的が書かれているわけであります。
実は、この目的は、震災後の民主党政権下での平成二十四年においてもこの原子力基本法の改正がなされたわけですが、そのときにもこの目的規定の改正は行われておらず、原子力基本法の基本的な考え方、これは原子力の事故の後も変わっていないものというふうに考えておりますし、今回の改正でもこの一条の目的は変わらないということであります。まさに原子力の利用の推進によって将来におけるエネルギー資源を確保するという目的があるわけであります。
その上で、運転期間に係る措置につきましては、もう繰り返し答弁させていただいていますが、令和二年七月の原子力規制委員会の見解が出されまして、ここ、この中で、期間については原子力利用政策の判断という見解が示されましたので、私ども、そのときから整理をしなきゃいけないという課題として認識をし、今般、利用と規制の観点から改めて法制上、条文上きちんと整理をして、再整理をして、炉規法と電気事業法との二つに再整理をしたものであります。
そして、御指摘の規定は、実は十四条から十六条で建設に当たっての、建設しようとする者の規制が書かれておりまして、十四条から十六条、これは言わば炉規法の規定でございます。そして、今回は運転をしようとする者の規定でございまして、まさに運転期間に関する定めは現行の炉規法ではなくて、あくまでも利用政策の観点から措置されるものであるということを確認的に規定をしたものということでございます。先ほど答弁がありましたように、電気事業法の規定を引いているということであります。
したがって、原子力基本法の御指摘の規定を措置することが、長期にわたり原発を利用し続けることを事業者に義務付けることとなるとの指摘は当たらないものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/132
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133・岩渕友
○岩渕友君 今の答弁よく分からなかったんですけど、十六条の二については、運転期間に係る規制に従わなければならないとあるわけですよね。つまり、義務だということになるわけですよ。実際に二項の中で、じゃ、その従わなければならない運転期間に係る規制ということで、結局は利用の観点からの推進する、利用するということが盛り込まれているわけですよね。
だから、それに従わなきゃいけないということになれば、これ結局、六十年超える運転期間義務付けるし、なるべく長く使い続けるということになるんじゃないかというふうに思うんですけど、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/133
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134・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 先ほど答弁がございましたけれども、この別の法律というものは電気事業法でございまして、電気事業法上のその四十年、六十年の規定は二十七条二十九の二でありますけれども、その第二項でありますが、四十年を超えて発電用原子炉を運転しようとするときは、あらかじめ認可を受けて運転期間を延長することができるという規定でありますので、何かしなければならないという、そういう義務付けをしているものではないということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/134
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135・岩渕友
○岩渕友君 時間来たので終わるんですけれども、続きはまた議論しますけれども、この原子力基本法は、この改正については、原子力開発推進法に変えることになるんじゃないかということで非常に懸念や厳しい指摘が行われているんですね。
これだけ重要な中身ですので所管大臣の高市大臣が当然出席して答弁するべきだし、原子力基本法の改悪は認められないということを述べて、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/135
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136・平山佐知子
○平山佐知子君 平山佐知子です。よろしくお願いいたします。
今日は、原子力政策について伺っていきたいと思います。
私は、原子力については、もちろんこれゼロリスクではないということ、これは認めた上で、一方で、この脱炭素とかエネルギー自給率、安定供給とかそういう幅広い議論を国会においてもしっかりとさせていただいて、それから国民の皆様にも知っていただいて理解をいただくという、そういうことが必要、大切ではないかというふうに考えております。
その上で、先ほどからもありますように、今回の法改正で最も大きな点といいますと、二〇一二年の原子炉等規制法改正で原発の運転期間が原則四十年とされ、延長も一回限りの二十年までとされたものを、運転期間及び延長については電気事業法に規定をし、原子力事業者が予見し難い事由による停止期間に限り運転期間のカウントから除外し、六十年を超える延長も可能としたこと、そして、原子力規制委員会の安全性確認、これが大前提ではありますけれども、運転期間の延長の認可は経済産業大臣が行うことになった、これが大きな点かなと思っております。先ほど来からも答弁においては大臣もおっしゃっていますけれども、原子炉等規制法にある運転期間の規定を利用と規制の観点から改めて峻別をして、この電気事業法と原子炉等規制法の二つに再整理をしたとおっしゃっています。
まずは、このような変更に至った経緯、それから理由について、また改めて教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/136
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137・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
現行の運転期間の定めは原子炉等規制法に規定をされているわけでありますが、令和二年七月に同法を所管する原子力規制委員会から見解が出されまして、その中で、原発の利用をどのくらいの期間認めるかどうかは原子力の利用政策の判断という見解が示されたわけであります。その後、二〇二一年秋からのコロナ禍からの需要の回復などを踏まえてLNGの価格などが高騰してきた、また、昨年二月以降のロシアのウクライナ侵略、こういったことによってエネルギー情勢は一変をしております。
こうした情勢を踏まえまして、昨年七月から、GX実行会議において、将来のエネルギーの安定供給確保と脱炭素社会の実現と、これに向けた議論を開始をいたしまして、既設の原子力発電所の運転期間の在り方についても選択肢の一つとして検討を行うこととしたわけでございます。
そうした中で様々議論がございました。諸外国、アメリカ、イギリス、フランス、オランダといった主要国では運転期間の上限を定めた例は確認されておりません。延長の審査の時期についても四十年、二十年、十年など、各国の状況に応じて、言わば一つの審査のタイミングとして規定されているというふうに理解をしているところであります。
そうした中で、資源エネルギー庁の審議会において有識者の御意見、様々伺ったところでありますが、この諸外国の例に倣って上限は設けるべきではないという御意見もございましたけれども、一方で、立地地域からの不安の声、また福島第一原発の事故の教訓、反省、こうしたことも踏まえ、様々な御意見を総合的に勘案をしまして、最終的に利用の立場から、言わば自己抑制的な政策判断で行ったわけでありまして、具体的には、実質的な運転期間の六十年という上限は維持をする、基本的な枠組みは維持をすると。ただし、震災以降の規制基準の変更、法制度の変更など、事業者から見て他律的な要素によって停止した期間については六十年の運転期間のカウントから除外することを認めるという政策判断を行ったものであります。
動いている、原発が動いている期間は最長六十年ということは変わらないということであります。止まっていた期間について、他律的な要因であればそれについてカウントから除外するということでありますので、実際原発が動いている期間は六十年ということで変わりはございません。
ということで、こうした判断をさせていただいた上で、今般、炉規法と電気事業法の条文上の再整理など行わせていただきまして、法律上でも利用と規制の俊別を明確にしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/137
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138・平山佐知子
○平山佐知子君 改めてまとめていただきまして、ありがとうございます。
資料一を御覧いただきたいんですが、今おっしゃっていただきましたように、本改正案が成立すれば、安全規制に係る制度や運用の変更、仮処分命令など、原子力事業者が予見し難い事由によるこの停止期間を運転期間のカウントから除外することができて、原発の六十年以上の稼働も可能となるということでございます。
その一方で、発電用原子炉を三十年を超えて運転しようとする場合には、発電用原子炉設置者は、最長十年ごとですね、十年以内ごとの期間におけるこの劣化状況に関する技術的評価の方法や結果、それから劣化を管理するための必要な措置等を記載した長期施設管理計画を定めて原子力規制委員会の認可を受けなければならないとされています。
運転期間が六十年を超えて長期化する可能性もあるという中で、どのようにこの原子炉の安全性、確保をしていくのか。具体的にどのようなチェックがプラスされるのか。先ほども礒崎委員の質疑の中でありましたけれども、この長期施設管理計画を原子力規制委員会が認可するこの新たな制度というのは、現在行われています高経年化技術評価制度と何が違うのか。まあ違うというか、追加をするというお話も先ほどあったかと思うんですけれども、その辺りについて原子力規制委員長、お話を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/138
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139・山中伸介
○政府特別補佐人(山中伸介君) お答えいたします。
今回の新制度案は、現行の運転期間延長認可制度と高経年化技術評価の二つの仕組みを統合して強化するものでございます。
これまで行ってきました運転期間延長認可制度においては運転開始後四十年目に一回に限り行ってきました原子力発電所の基準適合性審査を、新しい制度では、運転開始後三十年を超えて運転しようとするとき、その十年を超えない期間ごとに行うなど、現行制度に比べてより高い頻度で厳正に審査を行うことになります。
また、新たな認可対象として事業者に策定を義務付けます長期施設管理計画には、これまで高経年化技術評価において認可する保安規定の中で定めておりました長期の施設管理方針の内容に加えまして、施設の劣化状況、状態や劣化予測に関する詳細な記載を求めることで、より厳格な審査を行うこととなると考えております。
さらに、計画に詳細な記載を求めることを通じて、最新の知見により劣化評価の方法等に変更が必要になる場合には、劣化評価のやり直しや計画の変更などをより柔軟にかつ機動的に求めることにより最新の知見を反映し、安全性をより向上しやすい仕組みとなっていると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/139
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140・平山佐知子
○平山佐知子君 ありがとうございます。
より長期化することで、安全性をしっかり確保していくためにはやはり審査、より詳細な審査と厳格化という話もありました。そうしますと、原子力規制委員会のこの役割、重要性、ますます高まっていくということにつながっていくと思います。原子力規制委員会、それから事務局である原子力規制庁の業務量、かなりこれ増えていくんじゃないかということも考えます。
資料の二を御覧いただきたい。
ちょっと大きな表ですけれども、こちら、我が国の現在の原発の状況ですね。運転中とか建設中、それから計画中などの一覧になっていますけれども、最近、原子力規制委員会における発電用原子炉設置許可変更手続を行った原発、これを見てみますと、上の方の東北電力ですね、女川二号機、こちらは、安全性とか耐震性の審査に時間が掛かって、申請から許可までおよそ六年掛かっています。そして、下の方に行って中国電力の島根二号機、こちらの審査は、地震想定の検討に時間を要して、申請から許可までは七年半を超える時間が掛かりました。
新規制基準適合性審査の体制についてはおよそ百二十人で行われていると聞いているんですけれども、現在でもやはり再稼働に至るまでの審査でこれだけ時間が掛かっているという状況の中で長期施設管理計画の審査となりますと、これ更なる業務量の増加となると、審査体制の強化、それから原子力規制庁の人員増強、これ必要になってくると思うんですが、これについてはいかがかと。例えば、米国のように委員一人に何人かの専門のスタッフが支えていく体制、こういうことも検討に値するのではないかと思うんですが、これについていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/140
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141・金子修一
○政府参考人(金子修一君) 原子力規制委員会の審査につきましては、今般の原子炉等規制法の改正案で、新たな規制制度が施行されるまでの間にあらかじめ長期施設管理計画の申請、認可が行えるように定めております。したがって、その期間は現行制度と並行して審査を行うことになりますので、この新たな制度に基づく審査を、既に現行制度の下で確認している技術的な内容を活用して合理的な審査として進めてまいる考えがまずございます。その上で、審査を更に円滑に進めるために、審査体制を充実するなどの規制が的確に運用できるように取り組む考えではございます。
また、原子力規制委員会の委員は、この審査に直接参加してございます。それぞれ専門的な知見を有しておりますので、委員それぞれが原子力規制庁の職員とともに審査の最初の段階から一丸となって審査会合で議論を進め、審査書案の作成にも関わるなど、直接に審査に参加をしております。
こうした審査を進めておりますので、規制庁職員が委員と密接なコミュニケーションを取っており、各委員に別々の専属スタッフを配置することが必要な状況というふうには現在は考えてございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/141
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142・平山佐知子
○平山佐知子君 ありがとうございます。
この審査の迅速化、それから効率化を求める声は、もちろん電力会社だけではなくて、規制委員会の更田前委員長も以前に、審査の効率化は規制当局にとって良いことなので、できるだけ努力していきたいということもおっしゃっていました。
我が国の原子力規制庁の職員はおよそ千人ということで、一方、米国の原子力規制委員会はおよそ四千人で、もちろん国土の面積などが違いますので一概には言えませんが、およそ四倍の違いがあります。また、米国では、軍とか原子力会社で原子力の現場をよく知る人たちが転職をして専従をしているということも伺っています。
日本も、専門性の高いという話もありましたけれども、研究者の兼務ではなくて、当然、規制に特化させて独立性を担保した上で、前職との縁を切った現場経験者を採用して必要な原子力規制人材を確保していくべきだという声もあるんですが、これについても教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/142
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143・金子修一
○政府参考人(金子修一君) 委員御指摘の点は、まさに経験のある、即戦力になる人材を確保していくという意味で大変重要であるというふうに考えております。
私ども、いわゆる経験者の採用、中途採用という形で、現在原子力規制庁で働く職員のうち約半数はそういった形の職員になってございます。電力会社、あるいは原子炉のメーカー、原子炉施設の運営に携わった会社、こういったところから、そういう経験を持つ人材がそれを原子力規制に生かすという意思を有して、前職を退職して原子力規制庁において独立した立場で業務に取り組んでおります。
今後も、現場をよく知る経験者の採用が重要でありますので、一緒に働ける職場の環境の整備というものも考えまして、原子力規制人材の確保に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/143
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144・平山佐知子
○平山佐知子君 ありがとうございます。
やはり、この実効性のある安全規制、これを確保していくためには、そういう今おっしゃってくださったような、現場を知る、また独立性を担保した上で、現場経験者、専門性の高い方々が従事するということはこれ大変重要だと思っていますので、ここで申し上げさせていただきました。
我が国の原子力産業ですが、関係売上高一・九兆円、関係従事者八万人を擁する産業です。規制庁の人員不足もそうですけれども、東日本大震災から十二年が経過をして、稼働時の原発の運転とか保守に携わった方々、経験者、これ少なくなってきています。
本会議のときに礒崎委員も質問されていて、私も同じような問題意識を持っているんですけれども、以前私も浜岡原子力発電所に視察で訪れたときに、若手の方を中心に現場の技術者の方々と本当に一時間半ぐらいしっかりと意見交換をさせていただいたことがあるんです。そのときに、特に全員おっしゃっていたのが、稼働時というか、動いていたときを経験したことが一度もないというお話で、もちろんシミュレーションなど日々訓練等行っているんだけれども、やはりその経験のなさの不安というのはいつも持っているということをおっしゃっていた。これは非常に印象的、残っています。
また、過去十年間に原子力事業から撤退した企業は、大手も含めて二十社と言われています。原子力発電所の安全操業や原子力産業の持続的な発展には、このサプライチェーン全体が健全に機能する状態を維持しなければならないと思っています。
資料三も御覧いただきたいんですけれども、上のグラフ、メーカー十四社の各部門の原子力従事者ですが、二〇一〇年時点でおよそ一万四千人から、二〇二〇年時点ではおよそ一万人へと減少しています。大学の原子力専門学科、東日本大震災以前から減少傾向にあって、将来の原子力産業への見通しが見えない中で、下のグラフのとおりですけれども、就職説明会の参加者も低迷した状況が続いています。
この原子力分野に係る人材不足ですが、今後の技術基盤が薄れることにもつながってしまいますし、再稼働後の事故にもつながりかねない重要な、重大な問題だと私は考えています。政府もGX基本方針などにおいてこの人材育成の強化、打ち出されていますけれども、今後の原子力分野の人材育成ですとか人材確保に対して政府はどのように考えているのか、大臣に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/144
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145・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、我が国原子力産業の高度な人材、技術、そして産業基盤、これは原子力発電所の安全かつ着実な運営に加えて、将来を見据えた研究開発にも不可欠でありますし、その維持強化は極めて重要な課題であるというふうに認識をしております。
こうした認識の下、本年の三月六日には、関連する企業、団体から成る原子力サプライチェーンプラットフォームを立ち上げました。研究開発や技能実習、技術、技能の承継など、人材育成、確保をサポートする、そうした支援メニューを全国四百社の原子力関連企業に展開をしているところであります。
加えまして、私自身議長を務めましたG7のエネルギー大臣の会合でおきましても、原子力を活用しておりますアメリカ、イギリス、フランス、カナダ、こうした同志国とも技術、人材の維持強化で連携していくことを確認をしたところであります。さらに、原子力比率が七割に達しますフランスとの間では、今月三日にパリを訪問しまして、人材、サプライチェーン協力に関わる共同声明を署名したところであります。
このような形で、海外の企業とも連携をしながら、また民間企業間でも、今動いている原発、原子力発電所もありますので、そうしたところへの経験のない若い方の派遣なども含めていろんな取組を進めているところであります。
いずれにしましても、今後とも、原子力発電の安全を支える現場の方々も含め、人材育成、確保の取組をしっかりと進めていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/145
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146・平山佐知子
○平山佐知子君 ありがとうございます。
人材確保、人材育成、極めて重要とおっしゃっていただきまして、諸外国含めて連携して前に進めてくださるというお答えいただきました。
やはり、現場の先ほどの話もありましたけれども、幾らシミュレーションを繰り返したとしても、やっぱりその現場、経験がなさというのは不安に思うというその技術者の思いもよく分かります。やはりその緊張感とか感覚とか瞬発力とか、そういったものは経験を重ねていかないと得られないというところもありますので、是非引き続き現場の声をこうして、そうしたことも聞いていただきながら進めていただきたいとお願いも申し上げます。
次に、政府は、去年までは原発の新増設とかリプレース、想定していないということでしたけれども、GX基本方針では、次世代革新炉の開発や建設、この廃炉を決定した原発の次世代革新炉への建て替えなどを進めるとされました。
今回の法改正で既存の原発の六十年を超える運転が可能になりますけれども、既存の原発の運転延長の方が新しい原発の建て替えより当然コスト負担は減ってくるわけです。そのために、原子力会社が既存の原発の運転延長を優先をして、次世代革新炉への投資に消極的になるのではないかという指摘もあります。
これに対して、政府、どういうふうに考えていらっしゃるのか、政府として、電力の安定供給考えたときに、例えばここはリプレースが望ましいなどといった考えがあるのかどうかとかですね、支援の方向性など考えていることがあれば大臣にお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/146
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147・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) エネルギー安定供給の観点からは、安全性の確保を大前提に、まず既設の原子力発電所の着実な再稼働、これは地元の皆さんの御理解を得たものについてと、もちろん規制委員会の認可、検査などを経た、合格したものということでありますが、それがまず進めて、大前提でありますが、既設の原子力発電所の着実な再稼働と、今回法律で、法案で出させていただいております運転期間の延長、これは当面の間必要となってくるわけであります。こうした運転期間の延長も含め、既存の原子力発電所を着実に運営することが次世代の革新炉の開発、建設といった将来の投資に向けた経営基盤の安定化にも資するものというふうに考えております。
その上で、次世代革新炉でありますけれども、まさに新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発、建設に取り組むこととしておりまして、そして、地域の理解確保を大前提に、廃炉を決定した原発の敷地内での次世代革新炉への建て替えを対象として具体化を進めていくという方針でございます。
具体的な立地につきましては、電力会社の判断、そして何よりも地元の御理解が大前提でありますので、現時点で候補となる立地について何か予断を持ってお答えすることは差し控えたいというふうに思いますけれども、次世代のこの革新炉の実用化に向けましては、研究開発を加速化させるとともに、この点でも諸外国とも連携をしていきたいというふうに思っております。技術の共有などしていきたいと思っておりますが、加速をさせていくとともに、今後の投資が可能となるような、予見可能性の向上に資する事業環境の整備などにも取り組んでいきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/147
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148・平山佐知子
○平山佐知子君 ありがとうございます。
まずは既設のものをしっかり、安全性確保、これを大前提としながら使っていくと、その上で研究開発を進めるということをお話がありました。
やっぱり、事業者に任せていくということ、それから地元の理解も得られなくてはいけない、これもよく分かるんですけれども、今回こうして大転換ということで、これまで言っていなかったそのリプレースにも踏み込んだことを示されている中で、是非これから、そのいろんな方々と連携しつつですけれども、国が前面に立ってやっぱり国民にしっかり分かりやすく説明をする、理解をしていただくような丁寧な進め方を引き続きお願いをしたいと思います。
私の質問は以上です。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/148
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149・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後二時十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X00920230516/149
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