1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年六月十三日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
六月八日
辞任 補欠選任
上月 良祐君 宮沢 洋一君
滝波 宏文君 越智 俊之君
礒崎 哲史君 田村 まみ君
六月九日
辞任 補欠選任
宮沢 洋一君 小林 一大君
田村 まみ君 礒崎 哲史君
六月十二日
辞任 補欠選任
里見 隆治君 安江 伸夫君
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出席者は左のとおり。
委員長 吉川 沙織君
理 事
青山 繁晴君
石井 正弘君
中田 宏君
田島麻衣子君
石井 章君
委 員
越智 俊之君
太田 房江君
片山さつき君
北村 経夫君
小林 一大君
長峯 誠君
松村 祥史君
村田 享子君
森本 真治君
石川 博崇君
安江 伸夫君
猪瀬 直樹君
礒崎 哲史君
岩渕 友君
平山佐知子君
国務大臣
経済産業大臣 西村 康稔君
大臣政務官
経済産業大臣政
務官 長峯 誠君
事務局側
常任委員会専門
員 山口 秀樹君
政府参考人
厚生労働省大臣
官房高齢・障害
者雇用開発審議
官 堀井奈津子君
経済産業省大臣
官房審議官 恒藤 晃君
経済産業省大臣
官房審議官 門松 貴君
中小企業庁長官 角野 然生君
中小企業庁次長 飯田 健太君
中小企業庁事業
環境部長 小林 浩史君
参考人
株式会社商工組
合中央金庫代表
取締役社長 関根 正裕君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○中小企業信用保険法及び株式会社商工組合中央
金庫法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/0
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001・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、滝波宏文君、上月良祐君及び里見隆治君が委員を辞任され、その補欠として越智俊之君、小林一大君及び安江伸夫君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/1
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002・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
中小企業信用保険法及び株式会社商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官堀井奈津子君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/2
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003・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/3
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004・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
中小企業信用保険法及び株式会社商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に株式会社商工組合中央金庫代表取締役社長関根正裕君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/4
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005・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/5
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006・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 中小企業信用保険法及び株式会社商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/6
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007・中田宏
○中田宏君 おはようございます。
今日一日、是非皆さんと一緒に議論をしてまいりたいと思いますが、まず早速ですが、商工中金法改正についてのですね、政府保有株について西村大臣にお伺いをしたいと思います。
現在のところは、商工中金の議決権株式、その株主資格は、政府のほか、中小企業組合やその構成員などに規定をされています。政府が四六・五%を保有しているわけですけれども、改正案ではその対象から政府を削除するということになってございます。
今回、再生支援が必要となる地域の中核企業が増加する中で、この改革によって商工中金が再生企業への出資機能を拡充して再生支援のノウハウを思う存分発揮することが重要だというふうに考えるわけですが、その際、従来の半民半官の組織から政府保有株を売却をして民の組織へと移行して、民の発想と自立したガバナンスの下で質の高い支援を行っていくべき、そう考えます。
ついては、政府は、法案成立から二年以内に政府保有株を全部売却するという方針でありますけれども、これ一体どういうふうに政府保有株を売却していくのかという観点についてお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/7
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008・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) おはようございます。よろしくお願いします。
現在、政府は、商工中金株式の四六・五%に当たる一千十六億円を出資をしておりますが、その株式につきましては、国会での御審議を、今御審議いただいておりますこの改正法案が成立した暁には、公布から二年以内に全部売却する方針であります。
この二年以内という年数は、政府の検討会におきまして政府保有株式の全部処分も含めた今回の改革を今行うべきであるという意見で一致する中、政府保有株式の売却方法の決定や手続などに一定の期間が必要となります。過去の例を見ますと、日本アルコール産業株式会社など幾つかの例を見ますと、過去の非上場株式の売却に要した期間も踏まえ、二年ということを設定しております。
足下、財務状況に問題のない商工中金の主な取引先の利益剰余金を含む自己資金、自己資本は二〇一五年比で一・五倍になるなど、取引先の株式購入余力は増加をしているところであります。また、この改革を議論した検討会におきましては、株式を購入、株式の購入意向を表明する経営者もおりました。改正法案が成立すれば、株主資格を有する者に対して積極的に情報提供を行っていく方針であります。
さらに、中小企業のための金融機関という根幹を変えない範囲において株主構成の多様化を図っていきたいと考えております。具体的には、全国中小企業団体中央会から株主資格を付与してほしいとの要望を受けておりますし、保有株式を処分するまでの間に、中小企業団体中央会、商工会議所、日本商工会議所、また商工会、商工会連合会などの中小企業を支援する機関も株主資格の対象とする政令改正を行うことを検討しております。
これらの取組によって、中小企業組合等による株式の購入を最大限促していきたいと思っております。
なお、これまでの政府系機関の株式売却に関して、例えばNTT、JT、日本郵政につきましては、その政府保有株式の売却に際して自社株買いも実施しているものと承知をしております。こうした前例を参考にすれば、中小企業組合等による株式購入を最大限促してもなお万が一中小企業組合等だけでは政府保有株式の全部を引き受けることが困難な場合には、商工中金が自社株買いを行うことも選択肢になるというふうに考えております。
ただ、仮に商工中金が自己株、自社株買いを行う場合にあっても、購入したこの自己株式について、消却することはせず、随時中小企業組合などに売却していくことを想定をしております。
いずれにしましても、具体的な売却のスキームなどにつきましては、他の政府保有株式の売却事案と同様に、この改正法案が成立をいたしましたら、財政制度等審議会国有財産分科会における審議を踏まえて具体的に決定されることになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/8
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009・中田宏
○中田宏君 かなり詳しく御説明をいただきましたけれども、是非、お聞きをしていてそれでいいというふうにも思ったわけでありまして、適切に売却を進めていただきたいというふうに思います。
さて、今日は商工中金の関根社長にもお越しをいただいておりますので、商工中金の今後について具体的に幾つかお話をお聞きをしたいというふうに思っております。
商工中金が公表している二〇二二年から二〇二四年の三か年にわたる中期経営計画、これを私、見ました。そこに書いてある言葉をそのまま引用しますと、私たち、商工中金ですね、商工中金が実現したいこれからの社会の姿として、二〇三〇年の社会、中小企業には、人口減少とサステナビリティーという大きな環境変化により新しい社会、経済システムの構築が求められているというふうに記されています。中小企業の脱炭素経営支援などに取り組むという、そうしたこと、これを意味しているというふうに考えます。
今国会でGX推進法、この経済産業委員会でかなり議論をしました。私は西村大臣にも中小企業のGXに対して支援を強く求めたわけでありますけれども、商工中金自身はこれまで中小企業のGXに対してどのような情報提供やノウハウ面からの支援を行ってきたのか、また、従来の半民半官の組織から政府保有株を売却して民の組織へと移行することによって中小企業に対する支援の更なる促進を期待をしたいというふうに思っているわけですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/9
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010・関根正裕
○参考人(関根正裕君) 本日一日、よろしくお願いいたします。お答えいたします。
まず、社会全体のカーボンニュートラルの動きの中で、中小企業のGX支援はますます重要になってきていると認識しております。経営資源が限定的な中小企業では最初の現状分析の段階でつまずくことも多いことから、商工中金では、まずCO2の可視化による現状分析支援を行った上で、具体的な削減ロードマップ、計画策定支援などを行うことで中小企業の脱炭素の実現に向けた一気通貫のサポートを行うコンサルティングサービスを行っております。
具体的には、例えば自動車シート関連業者に対して、大手完成車メーカーからの脱炭素化要請を見越して商工中金がCO2排出量の可視化と計画策定、そしてSBT認証取得を支援した事例が出てきております。また、二〇二二年七月よりポジティブ・インパクト・ファイナンスにも取り組んでおり、二〇二二年度、三十九件、百一億円の実績を上げております。
このようなGXの支援の取組は、まさに当金庫の強みである伴走支援と事業性評価を生かすことができ、全国ネットワークによりノウハウの横展開をしていけるものと考えております。今後も、このような当金庫の強みを生かしつつ、また地域金融機関と連携、協業しながら、より広範に困難を極める中小企業の解決に取り組んでいく所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/10
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011・中田宏
○中田宏君 ここから先、より具体的に私ちょっとお聞きをしたいと思うんですけど、J―クレジットについてなんですね。これ、J―クレジットとは何か、御承知の方ばかりだと思いますけれども、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの利用によって温室効果ガスの排出削減量並びに適切な森林管理による温室効果ガスの吸収量、これをクレジットとして国が認証している、それがJ―クレジット制度であります。
私は、中小企業のGXを今後推進するに当たっては大きなビジネスチャンスにこれつながっていくというふうに考えます。そういう意味で注目をしているわけですけれども、実はこれ、国が打ち出して、もう既にスタートしているんだけれども、まだまだ取引量が少ないというのが現状であります。
東京証券取引所では、昨年の九月から今年の一月にかけて、J―クレジットを対象とした取引所取引を試行的に実施をしました。この結果というのも、私、既にお聞きをしました。本年度には、この実証の、試行的に実施をしたその結果を受けて、是非市場の立ち上げを目指すというふうに聞いております。
こうした中において、商工中金ではJ―クレジットに関する支援を行ってきた実績というのは今まで、これまでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/11
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012・関根正裕
○参考人(関根正裕君) お答えします。
J―クレジットに関する支援実績としましては、例えば、土木工事を営む事業者が地域の企業とともに事業協同組合を設立し、J―クレジット創出に取り組み、クレジットの売却で得た資金で森林整備に還元していくことを目指すプロジェクトを当金庫が支援しているという事例がございます。
一社一社では規模が小さい中小企業が単体でJ―クレジット創出に取り組むことは負担も相応にあり、このように集団化してGXに取り組んでいくことの意義は大きいと考えており、中小企業団体中央会のつながりや組合金融にノウハウを有する当金庫の差別化された機能が生かせると考えております。当金庫の全国ネットワークも生かしつつ、今後このような事例を横展開してまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/12
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013・中田宏
○中田宏君 結論としては、今まで支援、扱ってきたという実績はあるということだったわけですけれども、今回、商工中金の業務範囲などの拡大によって全国ネットワークの強みを生かすというのも今答弁の中にありましたけれども、J―クレジットの相対取引の仲介であるとか中小企業の導入、取引相談の実施であるとか、あるいは、私は第三者認証の業務や役割の実施などもJ―クレジット拡大の推進役をこれ担っていく上において商工中金、どんどんやっていけるんじゃないのかなというふうに考えております。
まさに、こういうこともやっていいよという、業務拡大できるわけですから、是非、脱炭素、これは我が国にとって極めて大事であり、そして政府も法律を更にこれ作って推進をしていこうとしている。ある意味これから先ネックになってくるのは中小企業ですよね。大企業は言われなくてもやっているわけですね、ある意味で、マーケットの評価にさらされるという意味において。
その意味では、この中小企業が取り組んでいくという、このことに商工中金、まさにビジネスチャンスでもあり、我が国の方向性と合致をしていく大きなこれはやりがいのあるところじゃないのかなと、こう考えて、提案含めてお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/13
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014・関根正裕
○参考人(関根正裕君) 中小企業支援の現場では、中小企業の皆様がGXに取り組む中で、J―クレジットを購入しオフセットしたいというニーズが出ているということを確認しております。J―クレジット制度の利用、ニーズの広がりも認識しているところでございます。
当金庫としましては、CO2可視化等の支援、拡大された業務範囲も生かしたGXに取り組む中小企業への出資、融資支援、J―クレジット創出に取り組む中小企業の皆様の支援、全国ネットワークを生かした有効事例の横展開、J―クレジットに係る相談対応等で中小企業の皆様のGX支援、J―クレジットの活用促進、拡大にも貢献してまいる所存でございます。加えて、J―クレジットニーズの拡大に応じて、更なるJ―クレジットの活用促進、拡大に向けた貢献策も検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/14
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015・中田宏
○中田宏君 是非取り組んでいただきたいと思います。
民間になるんですけれども民業圧迫というような言われ方をされかねない部分もある中において、この今私が言ったことについては全然これ圧迫にもならず、むしろ全国ネットワークを生かして商工中金だからできるという、そういう分野だと思いますので、私は期待をしたいというふうに思います。
それでは次に、中小企業信用保険法について、特に経営者保証についてお伺いをしたいというふうに思います。
経営者保証に依存しない融資慣行の確立加速に向けて、改正案では無担保保険などにおいて経営者保証を徴求しない要件を限定することとしており、この要件を満たす場合には、経営者保証の機能を代替する手法として、中小企業政策審議会金融小委員会において〇・二五%を目安とするなど、信用保証料率の上乗せによって経営者保証を解除できる制度を創設する方針が二〇二二年十二月策定の経営者保証改革プログラムにおいて示されています。
これ、二〇一四年の二月に経営者保証に関するガイドラインの運用が開始されて九年たっているわけですけれども、経営者保証に依存しない新規融資の割合は改善傾向にはあるわけですけれども、二〇二二年度上半期の時点で民間金融機関及び信用保証協会の割合はいまだ約三割という、一言で言えば低水準にとどまっていると言えると思います。
その要因として、経営者保証に関するガイドラインの要件の曖昧さが指摘もされています。事業者個々の状況は踏まえる、これは当然のことなんですけれども、要件の具体化には限界がある、それも分かってはおりますが、経営者保証に関するガイドラインの要件を満たすほど信用力が高い事業者に対してもですね、経営者に対してもですね、信用保証料の上乗せによる解除が求められるというようなことがないようにしていかなければいけないと思うわけですが、金融機関などを監督するとともに、制度活用の意向を持つ中小企業に対しての制度の周知徹底、これもっと取り組まなければいけないと考えますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/15
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016・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、信用保証協会では既に、法人、個人の資産分離とか、あるいは財務基盤の強化であるとか、あるいは経営の透明性確保といった経営者保証ガイドラインの要件を満たしている場合には保証料を上乗せすることなく経営者保証は求めない取組を行っております。今後もこの取組は継続することとしております。
他方で、今回、法改正により整備をいたします新しい信用保証制度におきましては、これまでの経営者保証ガイドラインの要件よりは緩和した要件を設定をいたします。財務状況によって異なりますが、〇・二五%又は〇・四五%の保証料の上乗せを前提に、経営規律などに関する一定の要件を満たせば信用保証協会は経営者保証を求めないこととするものであります。
こうした趣旨、制度内容、御指摘のようになかなか周知がされていない部分もありますので、信用保証協会はもちろん、中小企業や金融機関などの関係者に周知をするとともに、経営者保証ガイドラインの要件を満たす中小企業に対しては保証料の上乗せを求めないとの取組を継続することも含めて、そして新しい仕組みも含めてですね、信用保証協会をしっかりと監督をしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/16
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017・中田宏
○中田宏君 上乗せする信用保証料率については、中小企業政策審議会の金融小委員会において〇・二五%、先ほど申し上げたとおり、これを目安とすることが示されていますが、この率について事業者や金融機関の受け止めはいかがかということ、それから、改正案では、経営者保証を徴求しない要件を規定するにとどまって、上乗せする信用保証料率の在り方などについての具体的な制度設計は今後検討するということになっていますけれども、どのようなスケジュールで検討を進め、いつから制度を利用できるようになるのかということについて、併せてお聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/17
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018・角野然生
○政府参考人(角野然生君) お答えいたします。
まず、料率の件でございます。
今回の法改正により整備する新しい信用保証制度は、〇・二五%等の保証料の上乗せを前提に、経営規律等に関する一定の要件を満たせば信用保証協会は経営者保証を求めないこととしているものでございます。
この上乗せにつきましては、昨年九月以降の中小企業政策審議会金融小委員会における議論を踏まえたものでございまして、議論の中では、委員から、〇・一%から〇・二五%程度であれば事業者も受け入れられる割合が高いのではないか、あるいは、保証料の上乗せという一定のコストを負担することには異存がない、こういった意見がございました。また、中小企業関係団体からも、事業者の全体的な負担感に加え、信用力も加味した保証料率を設定いただきたいといった意見も頂戴し、それらも踏まえて具体化したものでございます。
他方で、保証料の上乗せ幅につきましては、金融庁のアンケートによれば、経営者保証解除のために許容できる金利引上げ幅は〇・一%から〇・二五%と回答している事業者が四七・六%と最も多いこと、〇・二六%以上の引上げを許容できると回答した事業者の割合は、債務者区分が低くなるほど若干ではありますが増加すること、そして、民間ゼロゼロ融資では経営者保証を求めない場合の保証料の上乗せ幅が〇・二%と設定したことを踏まえまして、〇・二五%を一つの目安としつつ、債務超過等の場合には〇・四五%とすることを検討しているところでございます。
いずれにしましても、本制度については、中小企業政策審議会金融小委員会で御議論いただく中で、引き続き審議会等の場で検討していきたいというふうに考えてございます。
それから、スケジュールでございますが、本制度の詳細な制度設計につきましては、この法案が成立となりましたら、関係者ともコミュニケーションを取りながら、引き続き中小企業政策審議会金融小委員会等の場で具体的な検討を進めていき、二〇二四年度から、令和六年の四月からの運用開始を目指してまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/18
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019・中田宏
○中田宏君 これで終わりにしたいと思いますけれども、経営者保証の問題、これはもう日本の金融の長年の課題というふうに言えるわけでありますから、是非、よりですね、今私も、そして答弁にもあった方向で、それが少なくなっていくように皆さんのこれからの取組を進めていただきたいというふうに思います。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/19
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020・越智俊之
○越智俊之君 おはようございます。自由民主党の越智俊之です。
本法案に対して、今日も中小企業・小規模事業者支援の立場から質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、総論でございます。
帝国データバンクの調査によると、コロナ融資後倒産がこれまで七百件以上、損失総額で四百三十三億円発生しており、特に二〇二三年に入ってからは四か月連続で四十件以上となるなど、倒産ペースが加速しております。
こうした中、民間ゼロゼロ融資等の返済負担軽減のための保証制度、いわゆるコロナ借換え保証について、民間ゼロゼロ融資等から借換え需要に加え、新たな資金需要にも対応し得る制度として、経営改善に粘り強く取り組む事業者による積極的な活用が期待されているところですが、二〇二三年一月の制度開始以降、どの程度活用されてきているのか。また、その効果を政府としてどのように認識して、また、事業者からこの間の運用状況についてどのような評価が示されているのか。さらに、民間ゼロゼロ融資の返済開始時期が二〇二三年七月から二〇二四年の四月に集中されると予想される中、条件緩和を受けないと返済が難しいなど、増大する債務に苦しむ中小企業・小規模事業者の収益力改善や事業再生等を今後どのように支援していくお考えなのか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/20
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021・角野然生
○政府参考人(角野然生君) お答えいたします。
まず、御指摘のコロナ借換え保証制度についてでございます。
本年一月からこの借換え保証制度開始いたしまして、民間ゼロゼロ融資の返済本格化を迎える中、借換えにより返済期間を長期化させ、その間に収益力改善を支援しているところでございます。これまでに約四万四千件、一兆一千億円の借換え申込みを承諾しているところでございます。本制度を利用した事業者からは、返済負担の増加を抑えつつ長期返済の運転資金を保証協会に支援していただき、非常に有り難かったといった声をいただいているところでございます。
民間ゼロゼロ融資の返済開始時期は本年七月以降に集中することが見込まれておりまして、引き続き、本制度をしっかりと広報して活用を促してまいりたいというふうに考えてございます。
なお、収益力改善を図るに当たっては、事業再構築などの前向きな取組の促進も重要でございます。このため、事業再構築補助金に加え、販路開拓などを支援する持続化補助金などを通じて、コロナの影響が残る中小企業への支援をきめ細かく取り組んでいるところでございます。
それでもなお増大する債務に苦しむ事業者の方々には、個別の事案に応じ、債務圧縮や減免等を含む事業者の再生支援が重要でございます。各都道府県に設置されております中小企業活性化協議会が収益力改善や再生計画の策定を支援し、これまで支援した再生計画のうち約一六%は債務圧縮や減免を実現したところでございます。
こうした再生支援について、官民の金融機関や商工会を始めとする支援機関が総力を挙げて取り組むため、本年四月より金融庁などとも一緒に全国説明会を開始しているところでございます。
引き続き、コロナ禍からの脱却を目指す中小企業・小規模事業者に寄り添った支援を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/21
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022・越智俊之
○越智俊之君 ありがとうございます。
コロナ禍の中、政府として様々な対策をしていただいたことに対して、まずは心から感謝申し上げます。
これから商工中金さんへの質問ですが、やはり、様々な、コロナ禍からの脱却、コロナ禍から新しいチャレンジをするためにいろんな事業再構築に取り組む事業者いらっしゃいますけど、やはり、現実、なかなか再構築したくてもできない事業者がいらっしゃいます。
こんな会社があります。この会社は地域の衣料品を製造する、衣料品を特殊な加工する会社でして、従業員、社長も入れて六名、そしてアルバイトを入れて一名、全部で七名、済みません、七名と一名で八名の会社です。地域の事業者として一生懸命頑張っていたんですが、実はこの会社、まず二〇一八年に不渡手形がありまして、一千万円の不渡手形の連鎖倒産をしてしまった会社でございます。連鎖倒産して、当時銀行の借入れの連帯保証人であった社長本人、そして社長の奥様、そして社長の父親、三人が連帯保証しておりまして、当然、自己破産しました。
再起を図るために、母親、お母様が社長、代表を務めていざ再スタートという形になったやさきにコロナがやってまいりまして、本当に苦しい状態でした。ここで、やはりコロナゼロゼロ融資を借りようと思って日本政策金融公庫に母親が、代表である母親が一千二百万円の申込みをしたんですけれども、その申込みは減額されて六百万円だということになりました。さらには、母親、代表である母親の、当然、経営保証、連帯保証も取ることになりました。
この六百万円を借りて、このコロナ禍で、まあ二、三年ですよね、ずっと苦労して、ぐっとこらえてきたこの衣料品の会社は、実は新しい技術を持っておりました。その技術というのは、ちょっと複雑な説明になるので省きますけれども、とにかく新しい新技術で、これは何に使えるかというと、寝具、布団に使える技術でした。しかも国際特許も取れるような技術でした。
つまり、今までファッションから新しい事業の寝具という業界へシフトチェンジといいますか、いわゆる事業再構築ができるということで、よし、これがチャレンジだということで事業再構築補助金という制度にチャレンジをして、一生懸命申請書を書いて申請をしたわけです。三千万円以下の補助金の申請でしたから、当時はまずは採択はされたようです。
でも、今度、採択されて今度は交付申請になるじゃないですか。交付申請をしようとしたときにできなかったんですね。それはなぜかというと、この補助金の性質は、三分の二が補助金になります、そして三分の一は自己負担か、多くが銀行からの、金融機関からの借入れによって自己負担をカバーしていく、そういう制度だと思いますけれども、やはりこの財務内容の問題からこの会社は三分の一の融資を受けれないことが判明して、やむなく交付申請を諦めたという事例もあります。
本当に、私その話を聞いて、本当残念だな、本当にいける事業なのになというふうに思った覚えもありますし、これはやはり、金融機関は、当然、融資をすると何かしらの形で回収をすることを考えなければいけないと思います。でも、その回収方法は、しかも融資の是非、融資するかどうかは、その回収も含めほとんどが、多くがバランスシートに重きを置いて融資を判断するんだと思っています。
でも、先ほどの話でも、公庫ですら一千二百万円の融資を減額六百万円されて、さらには個人保証を取られる。そしてまた、特に民間金融機関は一〇〇%保証であっても融資を行っていただけない場合が多々あります。一〇〇%保証ということは、銀行そのものが、もし回収できなかったとしても直接的に銀行にダメージが受けることはないんですが、やはり現実として何かしらの理由で融資が実行されないということがあります。恐らく、私は、人事評価において、その銀行内の人事評価の問題もあると思っておりますが、実際として行われないところがあります。
これから、アフターコロナに向けて地域の事業者さんが新しくチャレンジをしていく、事業再構築などでチャレンジをしていくときに、是非とも、この融資の判断で、バランスシートだけじゃなくて、未来の事業計画、これはもうチャレンジとかその内容とかの中身ですが、に重きを置いて融資実行の判断をしていただきたいと思いますし、この金融機関の職員さんに対しましても、この新しい、済みません、この厳しい局面の事業者さんがこれから頑張るんだと、新しい事業にチャレンジしていく皆さんにしっかり寄り添って、そしてブラッシュアップして事業計画一緒に作って、それが成功したときが最も高い人事評価になるような会社の体制づくりを是非ともしていただきたいと心から思っています。
商工中金さんは、今回の改革によって政府保有株式が売却されてより民間に近い金融機関になると思いますが、引き続き、雨の日に傘を貸してくれる、そして中小企業・小規模事業者に寄り添った存在であってほしいと思いますし、職員の皆様におかれましても、そのことに十分配慮して、意識を持って、地域を支えてくれている中小企業・小規模事業者の皆さんに寄り添って支援をしていただきたいと思います。
加えて、今、なかなか民間金融機関では、一回倒産して、一回失敗した経営者が立ち直ろうとしてもなかなか再スタートできない状況であります。今回、コロナ禍でやはりどうしても難しくて一旦閉じた会社も、会社経営者も、新しくスタート、頑張ろうと思っている経営者もいると思います。是非とも、その方々に対する、再チャレンジを図る経営者に対しても商工中金さんは是非寄り添っていただきたいと思います。
今後の商工中金さんの経営方針と、その方針を職員の皆様に浸透させる方策について、是非とも関根社長のお考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/22
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023・関根正裕
○参考人(関根正裕君) ありがとうございます。お答えします。
まず、私ども、経営方針ということでございますが、商工中金は、昭和恐慌時の中小企業の皆様の運動から生まれた当金庫でありまして、雨の日に傘を差す、中小企業に寄り添った姿勢、セーフティーネット機能の発揮は商工中金設立以来の存在意義と認識しております。
こうした中小企業に寄り添う姿勢は、再チャレンジ等に取り組む中小企業にも同様でございます。例えば、民事再生手続を行った中小企業に対して、ビジネスモデルや内部環境や外部環境分析、そして民事再生に至った経緯と解消状況、今後の収支見通しなど、精緻な事業性評価の結果、今後の設備投資の際にネックとなる民事再生債務のリファイナンス融資を行ったという事例もございます。
また、昨年には、こうした中小企業に寄り添った姿勢を商工中金の行動原理として明確にすべく、企業の未来を支えていく、日本を変化に強くするをパーパスとする企業理念を制定いたしました。さらに、来週の株主総会で、商工中金の定款にこのパーパスを規定する予定でありまして、経営方針より根源的なDNAとして、将来にわたりぶれない組織における共通の価値観として根付かせることを徹底していきたいと考えております。
具体的には、全ての本部と支店で少人数のチームをつくり、職員が、職員全員が参加するワークショップを開催しております。このワークショップでは、商工中金のパーパスを踏まえて職員一人一人がマイパーパスを策定することなどにより、パーパスの浸透、徹底を図り、中小企業・小規模事業者に常に寄り添い続けてまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/23
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024・越智俊之
○越智俊之君 関根社長、ありがとうございました。是非とも、引き続き中小・小規模事業者支援のほどよろしくお願いいたします。
続いて、時間の関係上飛ばさせていただきますけれども、経営者保証についてお話しさせていただきます。これは、経営者の保証とあと二重徴求の話も併せて質問させていただきたいと思いますが。
ちょっとまた事例といいますか、こんな会社がありますというのをしゃべらせていただきますけど、十数年前に遡ります。これは建設業の話です。従業員五十人ぐらい、まあ中堅といいます、まあ中小企業ですね、の土木、地域密着型の土木建設業の話ですけど、この会社は、やはり中小企業でも小さめの中小企業ですので、やはり元請さんから仕事をもらってそれで利益を上げているというような会社ですけれども。その会社、会社というよりは、もう建設業そのものが、十何年前、そのもっと前からその建設予算というのがずうっと目減りをしていた頃でした。でも、その中でも、元請さんというのは必ず一定の利益を確保しながら下請さんに発注するものですから、下請体質のその土木建設会社は苦しい状態がずうっと続いておりました。
でも、何もしていないわけではなくて、新しい技術を活用して少しずつ地域密着から全国展開を新しい技術、特殊な工法でしていくような会社でした。また、さらには、二〇〇九年から八年にかけて、政府のコンクリートから人へというようなことも出てきましたけど、そんな急なかじ取りによって、まあなかなか急なかじ取りには中小企業付いていけません。ですから、それにもうあたふたしながら何とか耐えしのいでいたんですけれども、とどめのように東日本大震災が二〇一一年三月にやってきました。
そのときに、もう自転車操業の状態のその建設会社は、もうさすがに売上げが上がらなくなって、いわゆる出来高が上がらなくなって、もう売上げが上がらなくなる状態になるし、まあなっていました。その会社は実は手形を振り出していた会社でしたから、もう、ちょっとやばいと、次の何月何日までにはこの手形が、売上分で手形を決済できない、これどうしようかということで金融機関に相談を行ったわけです。その手形の決済分を貸してくださいという相談をしましたが、まあ財務内容悪いんで貸せませんというふうに言われました。
しようがないから、もうこれはもう民事再生手続をするしかないということで裁判所にも行って、これで受理してもらえるだろうというところまでいったことを聞き付けた銀行に呼ばれて、じゃ、貸してやるよということで、その手形決済分だけですよ、手形決済分だけを貸す条件が、あんたのところ息子いただろうと、専務やっているんだろうということで専務も呼ばれて、で、そこで、じゃ、この手形決済分の融資をする代わりに条件があると、当然、この決済分の融資金額プラスこれまでの長期、短期含めた全ての金額の保証も、社長であるあなたと息子のこの子が、両方経営者保証、いわゆる連帯保証をすればこの手形決済分だけは貸してあげるというふうな状況があったそうです。
息子さんも、まあひどいことをするなというふうに思っていたと思いますけれども、やっぱり雇用を維持しなきゃいけないというのと絶対にこれから脱却して持ち返すんだという気概の中でその連帯保証にサインをしたんです。それはでもいっときの借りたお金ですから自転車操業には変わりなくって、そこから、例えばできるだけ元請さんから現金をもらって、取引会社、仕入先には手形をもらってもらって何とか回しながら、そしてまた新しい技術を商工会に相談して、経営革新を取って展開していったり、あるいは東日本大震災の復興需要にお願いして何とか仕事をもらったりをして、親子二人三脚で何とかその場を耐え忍んで、今は順調にいっているらしいですけれども、よく考えたら、そのとき二重徴求をされていたわけですね。
これで、もしその会社が潰れていて、その二人ともが自己破産していたら、本当に次立ち直ろうと思ってもなかなかできないわけですよね。ですから、そのことをこの今日の質問のときに思い出して公庫の話をさせていただこうと思ったんですけど、やっぱり二重徴求ってもう絶対にあってはならぬことだというふうに思っています。
今、質問の内容、今から質問をしますけど、一つは、事業承継ということに対しては、今は新経営者と旧経営者の二重徴求がやっちゃ駄目だというふうになっていると思います。そのことについて、今現状どうなっているのか、また、事業承継関係なく、AさんとBさん、単純なる二重徴求が今現在行われているのであれば、それが今一体どのくらいなのか、もし調べていたら教えてほしいと思います。
あともう一点加えて、続いて質問しますけど、先ほど中田委員からもありましたけれども、経営者保証に対するガイドラインが二〇一一年、二〇一四年か、の二月にできてもう九年がたとうと思っておりますが、民間金融機関、そして信用保証協会ではまだ、失礼しました、三割、そして政府系金融機関で五割、これが経営者保証に依存しない新規融資となっております。また、今でも経営者保証というのは、中小・小規模事業者で七割の事業者が経営者保証を出している。これは二重徴求じゃありませんけれども、出しているという事実があります。
このことに対し、政府として、これまでの政策の効果と、これをどのように分析、評価しているのかを併せてお聞かせ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/24
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025・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
まず、委員から特に承継時二重徴求のお話ございました。
事業承継時に後継者の経営者保証を可能な限り解除していくということで、二〇一九年には旧経営者と後継者の二重徴求の原則禁止といった事業承継に焦点を当てた経営者保証ガイドライン特則というものを策定しております。これが二〇年の四月から運用を開始してございまして、その取組を実施する過程で、例えば民間金融機関においては、この事業承継時に経営者保証を二重徴求する案件は、一九年度の一三・一%から二〇二〇年度上期には三・五%まで減少しているところでございます。今回の法改正により、あっ、失礼しました、二〇二二年度、三・五%まで減少しております。
今回の法改正で整備いたします保証制度として、一定の要件を備えた事業者については保証協会が保証人による保証を徴求できないようにするということでございますが、これは事業承継時に限らず、また会社の代表者のみならず、取締役の保証についても取らないという対象になるものでございます。
それから、こういったものを含めて、これまでの経営者保証ガイドラインというものでどういう効果があったのかということのお尋ねでございました。
まさに二〇一四年度にこのガイドラインが始まりまして、政府系金融機関については、当時一九%この保証を取らないというものの率でございましたが、二一年度時点では四七%になっております。民間金融機関においては、同じく二〇一四年度に一二%だった保証を取らないという率が、二一年度については三〇%まで増加してきております。
しかしながら、コロナ禍の立ち直りやアフターコロナの成長に向けて、創業や積極的な設備投資をするという意味ではまだまだ足りないということで、昨年十二月に経営者保証改革のプログラムを策定してございます。その中では、創業時の経営者保証を不要とする信用保証制度を三月から開始してございます。四月からは、金融庁が、監督指針の改正を通じた金融機関による経営者保証の保証徴求手続を厳格するといった取組をしてきております。
他方で、委員からも御指摘のように、まだ三割であるということでございますので、それをもう一歩進めるということで、今回、〇・二五%といった保証料の上乗せと、経営規律に対する一定の要件を満たした経営者からは保証を徴求できないようにする信用保証制度というのを整備すべく、今こうして国会で御審議いただいているところでございます。
それから、こうした制度をつくっていくことによって、先ほどの後継者だったり、それから別の取締役だったりする方のお話に少し戻りますけれども、これ大体、その信用保証が付いている融資というのは平均四年程度でございますので、こういったものの融資の借換えのときには、そのタイミングで新しいこの保証を付けない信用保証制度というのを使うように切り替えていくというのをやっていってほしいというのが今回の思いでございます。
委員お尋ねの、事業承継時に関係なく取締役にどのぐらい二重徴求があったのかということについては、少し、数字ございませんけれども、こういった今申し上げたようなことでしっかりとそのあらゆる局面での経営者保証を外していくというものをしっかりと進めていきたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/25
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026・越智俊之
○越智俊之君 ありがとうございます。
本当に二重徴求は絶対にあってはならぬことだと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたしますし、保証人制度についてもよろしくお願いいたします。
最後に、短く大臣にお聞かせ願いたいと思います。
ゾンビ企業という言葉が乱暴に、簡単に言う人がいると思いますが、中小企業・小規模事業者の中でも大いに未来のある事業者はたくさんいると思います。その方々がこれからチャレンジをしていく中でも、やはり金融機関の温かい支援、必要不可欠だと思います。商工中金さんはこの事業者に対してラストリゾートであり続ける存在であってほしいと思います。西村経済大臣の決意を一言お願いいたしたいと思います。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/26
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027・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) まさに日本のこの経済は中小企業の皆さんにお支えをいただいております。それぞれの地域で地域経済を支え、また雇用を守り、またいろんな挑戦も地域で厳しい中でもしておられる。そういった取組を、商工中金はまさに中小企業のための金融機関として今後もその取組をしていく。これまで、政府の株式保有があったがゆえに何となく甘えがあったり、親方日の丸的な甘えもあったんだと思いますので、そういったことなく、まさに中小企業のために更に努力をし、一歩踏み込んでもらう。
全国にネットワークがあります。再生のノウハウもあります。しかし、各営業支店がいっぱいあって、そこに営業する人がたくさんいるわけではありませんので、むしろ地域の金融機関と連携をして、それぞれの特徴を生かしながら地域の中小企業を支えていく、そして成長を応援をしていく、そうした存在であり続けてもらいたいと思いますし、そうした改革を我々もしっかりと見ていきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/27
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028・越智俊之
○越智俊之君 ありがとうございました。質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/28
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029・村田享子
○村田享子君 おはようございます。御安全に。立憲民主党の村田享子です。
本日は、中小企業信用保険法及び株式会社商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案の審議ということで、二つの今回法律案が審議をされるということなんですけれども、この中小企業信用保険法と商工組合中央金庫法がセットで前回改正されたのはいつになるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/29
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030・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
中小企業信用保険法と株式会社商工組合中央金庫法をいわゆる束ね法案としてセットで改正いたしましたのは二〇一五年の第百八十九回国会でございまして、株式会社商工組合中央金庫法及び中小企業信用保険法の一部を改正する法律案として提出させていただきまして、同年五月二十日に成立しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/30
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031・村田享子
○村田享子君 今、二〇一五年ということで御答弁いただきましたが、私も議事録の方を調べまして、二〇一五年五月二十日に参議院の本会議で可決をしておりまして、何とそのときも経済産業委員長は吉川委員長だったということで、あっ、すごく偶然だなというふうに今回議事録見て思ったわけなんですけど、前回とちょっと違うのが、この法案名の順序が逆になっているんですよね。
その二〇一五年のときの改正では商工組合中央金庫法及び中小企業信用保険法の一部を改正する法律案というふうになっていまして、今回の改正となぜこの法案順が逆になっているのか、ちょっとお聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/31
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032・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
先ほど申し上げました二〇一五年の改正法の中身でございますが、これは、商工中金法については、政府保有株式の処分時期を、二〇一五年四月から五から七年後を目途にその政府所有株を処分するとなっていたものを、できる限り早期にと改正するとともに、商工中金に対して危機対応業務を実施する責務を規定しておりました。そして、もう一方の信用保険法について、当時は信用保険の対象に、約五万法人ぐらいあると言われておりましたが、NPO法人を追加する、こういった措置を行うものでございまして、この二つの政策の重要性を考慮して商工中金法を先に置いたものでございました。
他方で、今回御審議いただいております改正法案でございますが、御案内のように、これは、信用保険法については、一定の要件を満たす事業者から経営者保証の提供を求めないということでございまして、これは、二〇一五年当時の改正内容に比べますと、利用者だけでもこれ百五十八万社、中小企業の約四割、こういったものに広く関わることでございまして、こうした政策的重要性を考えますと商工中金法というものと同程度ということで考えてございますが、そうしたところ、法律番号という形式的なこともございまして、これでいきますと順番は商工中金法のが早いということで、今回は商工中金法及び信用保険法の一部を改正する法律案とさせていただいております。あっ、失礼しました、今回は信用保険法を先にして、信用保険法及び商工中金法という改正案にさせていただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/32
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033・村田享子
○村田享子君 今の御説明の中でも、二〇一五年の改正では、政府は当面の間、必要な株式を保有するということを規定されておりまして、その背景としては、やはり政府が株主であることで信用が高まって、その結果として市場から安定的な資金調達が可能になる、そういった意味もあったというふうに理解をしておりますが、そういった中で、今回、まだまだコロナの影響が残る厳しい経済状況にあるこの時期にやっぱり株式を処分するというのは、私は中小企業の政策の後退にもつながるんじゃないかといった懸念がございます。
今回、株式を処分するとした理由をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/33
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034・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 今回の改革につきましては、まさに不正事案発覚後の二〇一七年から五年以上掛けまして経営改革を進める中で、政府内においても議論をしてまいりました。その中で、全国中小企業団体中央会など中小企業の側から要望も出され、この改革案を形にしてきたものであります。
特に、民間ゼロゼロ融資の返済が本格をしてくる、してきている、今後、中小企業の事業再生支援のニーズが高まっていくことが考えられます。そうした時期だからこそ、商工中金のその事業再生支援などの機能を強化をしていく、その改革が必要だという認識であります、考えであります。
商工中金は、もう御案内のとおり、リーマン・ショック以降も全国の再生案件に関与する形で支援人材を維持、育成するなど、この再生支援についての優れたノウハウを有してきております。今後更に再生支援を強力に進めるためには、重要な支援ツールでありながら一般の銀行に比べて制約があります出資機能、これを強化していくことが必要であります。
商工中金、取引先七万六千社程度のうち、財務状況の悪い地域中核企業が約五千二百社あるというふうに聞いております。再生企業への出資機能を銀行並みに拡充することで、一般の銀行並みに拡充することで商工中金にこの地域中核企業の立ち直り支援、再生支援の牽引役を担わせることは可能となります。
そして、他方、民間金融機関とのイコールフィッティング、この懸念もあります。政府は株式を持っていることで優位な立場にあるんではないかという民間金融機関からの懸念がございます。こうしたことも踏まえて、まさに業務制約の見直しと政府保有株式の全部売却を同じタイミングで実施することが必要ということでございます。
また、政府保有株式を全部売却することで、これは職員の意識改革につながっていくものというふうに思います。先ほど少し申し上げたように、やはり甘えもこれまであった中で、今後、もう改革は進んできておりますが、更に自立した形でそれぞれ職員が持っているノウハウを生かして中小企業をしっかりと支援していく、その質の向上も期待できるということであります。
ただ、御指摘のように、直ちに完全な民営化というわけにはいかないものですから、まさに中小企業のための金融機関として、定款変更時の大臣認可あるいは一般監督権限は維持をしたいと思いますし、再生、スタートアップ支援などリスクが高い事業の実施を担保するための特別準備金の制度は維持を、存置をします。また、危機対応業務の実施の責務であるとか株主資格制限、危機対応準備金制度も存置をするということで、商工中金法の枠組みを残しながら民営化に向けて大きな一歩を踏み出すということで、中小企業支援に、踏み出しながら中小企業支援に万全を期すということにしております。
いずれにしましても、今回、全部処分をしても中小企業支援の後退につながることはないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/34
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035・村田享子
○村田享子君 ちょっと次に、商工中金の事業の方にもお聞きをしたいと思います。
商工中金におかれては、地方経済や地域の中核産業の再興に不可欠である中小企業、組合の皆様に寄り添い徹底的に伴走支援をすることを掲げています。
地域の中核産業といいますと、やはり物づくりの中小企業も多いわけなんですが、実際こうした企業に商工中金はどのように貢献をしているのか、また、今回のこの法改正、今大臣から御内容御説明ありましたけれども、それが法改正することによって地域の中核産業への貢献につながるのか、その辺をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/35
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036・関根正裕
○参考人(関根正裕君) お答えします。
まず、物づくり製造業向け貸出残高は、商工中金のお取引先に占める割合は約三〇%でございます。国内銀行の製造業向け中小企業貸出残高の割合が約一三%であることから、他行と比較して商工中金にとって物づくり中小企業の支援は大変重要と認識しております。
物づくり中小企業も含めてお取引先の経営課題の解決に取り組む中で、例えば自動車産業のEV化対応、脱炭素経営、物流業者の二〇二四年問題への対応など、個社支援だけでは解決できない構造的な課題があることが判明しております。この課題解決のためには、地域や業界といった面的な支援とベストプラクティスの横展開が必要との認識に至り、イネイブル、可能にするという語源とした、不可能を可能にする伴走者という意味のイネーブラー事業に力を入れております。
具体的には、例えば、地域の中核となっている自動車のブレーキやサスペンション部品のプレス製造業者に対して、今後、EV部品開発等に取り組んでいくために、地域金融機関と連携した劣後ローンによる資金面での支援に加えて、CO2排出量可視化サービスの提供や全国ネットワークを生かした販路開拓支援等に取り組んでおります。
今回の法改正をお認めいただければ、こうした企業、再生企業や地域活性化企業に対する出資業務が拡充等が可能となり、より踏み込んだ伴走支援が実施できるものと考えております。
今後とも、地域の中核となっている物づくり中小企業を含めた個社、中小企業組合、業界に対して、法改正で拡大される業務、イネーブラー事業で得られるノウハウ、知見を生かして、マーケティング機能、ソリューション提供力を強化し、中小企業の皆様の課題解決を通じて日本の稼ぐ力の維持向上にも貢献してまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/36
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037・村田享子
○村田享子君 先ほど中田委員もGXのことを取り上げられて、今、関根社長の方からもそういったEV化への対応、そういったお話ございました。
私も、やはりこれからGXにどう中小企業が取り組んでいくのか、特に物づくりの中では、先ほど言った自動車部品というふうにありましたけど、カーボンニュートラルが進めば今の製品がなくなるかもしれない、若しくは、鉄鋼のようにどうしても物を作る過程でCO2が出てしまう、また、エネルギー多消費産業の対応はどうするのか、やっぱりいろんな課題があって、やっぱりGX対応、特に中小企業にとってはやっぱり皆さんなかなか難しいと、どうしたらいいのかというのは御相談が私の方にも多いです。
そういった意味では、商工中金の取組が非常に重要だと私も思っておりますが、今年の二月に商工中金の調査ですね、トピックス調査ということで、中小企業が考える自社の諸課題と対応について取引先の皆様に調査を行っております。そこで、地球環境問題についてどう考えるかといった項目もあるんですけど、この項目で、情報源、相談先としてこの地球環境問題については取引先金融機関に期待する割合は低いというふうに出ていまして、せっかくいろんな取組をされようとしている中で、まだまだ取引先の中で周知がされていないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、その辺いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/37
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038・関根正裕
○参考人(関根正裕君) 御指摘のとおり、産業構造変化、コロナからの立ち直りの中で、GXは、中小企業の抱える課題、ますます難易度を上げていると承知しております。
御指摘のとおり、地球環境問題に対する取組も足下の経営の重要課題と認識する中小企業の割合はまだ高くないということだろうと思います。また、情報源、相談先として取引先金融機関に期待する割合は低いと承知しております。こうした中、我々の取組についてしっかりと取引先へ周知し、アプローチを積極化することで、当金庫の脱炭素経営支援の認知度を高めていく必要があると認識しております。
例えば、中小企業のGX推進の支援として、本年五月より脱炭素経営コンサルティングサービスを開始したところ、中小企業の脱炭素化に向けて、CO2の可視化支援、削減ロードマップ、計画策定支援、SBT認定取得支援、脱炭素化の実行支援など、カーボンニュートラル実現に向けた一気通貫のサポートを行っております。
また、補助金を活用した設備投資等を行うケースも想定されますが、商工中金としましては、補助金の制度周知、申請のサポートもしっかり積極的に行ってきているところでございます。例えば、事業再構築補助金については、累計で千七十八社の支援を行っております。これらの取組は、まさに当金庫の強みである伴走支援と事業性評価等が生かされるものと承知しております。
今後も、このような当金庫の強みを生かしつつ、また地域金融機関と連携、協業しながら、より広範に困難を極める中小企業の課題解決に取り組んでいく所存です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/38
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039・村田享子
○村田享子君 続いて、経産省にお聞きをします。
令和三年に成立をした改正銀行法で、銀行の付随業務として地域活性化等業務が追加をされ、経営相談、登録型人材派遣の業務を営むことができるようになりましたが、今回の法改正では商工中金においても地域活性化等業務が本体業務に追加されるとしています。
具体的に今どのような業務の実施を想定しているのかということと、今回この業務が拡大されることについて民間の金融機関の理解は得られているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/39
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040・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げますけれども、まず冒頭、先ほど二つ目の問いのときに、私は、法律番号ということで、信用保険法が古いということでございます。したがって、それが先に法律名になってございます。訂正いたします。
その上でお答え申し上げます。
御質問のありました地域活性化等業務が今回追加されるということでございます。この業務範囲の拡充により実施可能となる業務については、施行後に速やかに実施できるよう商工中金において検討、準備が進めていられるということで承知しておりますが、御指摘の地域活性化等業務ということについては、まず人手不足のDX、GX対応といった課題を抱える中小企業組合やその構成員企業に対して登録型の人材派遣事業を行うことが考えられます。
例えば、全国ネットワークを活用し、商工中金がプールしている専門家や商工中金のOBを始め、広く専門人材を派遣する事業を行うことで中小企業の課題やライフステージに応じた最適な人材を供給していくということが想定されるものでございます。
また、ITシステムの販売、こういったものも考えられるところでございます。
例えば、危機対応業務というお話は恐らく今日の審議でもたくさん御質問いただくんだと思いますけれども、これについては、商工中金に限らず民間金融機関が指定金融機関に参入する、こういったことが期待されているところでございますが、このシステム構築というところの負担も民間金融機関にはあるというような課題の御意見もいただいておりますので、商工中金が保有する危機対応業務のシステムを他の民間金融機関に販売するビジネスを行っていただく、こういったことも一つの選択肢だと考えてございます。
その上で、御指摘いただきました、民間金融機関からのその懸念ということへのお答えでございますが、この商工中金改革を議論した政府の検討会におかれましても、民間金融機関によるイコールフッティングへの懸念ということも示されたことも踏まえ、今回の地域活性化等業務を含めて業務範囲をいろいろ増やしますので、この見直しと政府保有株式の全部売却をまず同タイミングで実施するということは先ほど大臣からも御答弁いただいたとおりでございます。そして、あわせて、この改正案において、民業圧迫回避規定を残すとともに、商工中金と民間金融機関との連携、協業規定を新たに措置することとしてございます。
こういったことで、民間金融機関とのイコールフッティングは確保しつつ、新たな地域活性化等業務を含めた業務範囲の拡充を活用して、商工中金には中小企業に寄り添った支援というのをより一層進めていただくことを期待しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/40
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041・村田享子
○村田享子君 今、御答弁の中にも登録型人材派遣のお話ありましたが、やはり中小企業の現場からは、GX、DXと言われても、人もいないし何をしたらいいか分からない、そういったところにやっぱり商工中金の強みであるOBであるとか専門家の方をうまく活用していただくというのは、私はすごく必要なことだというふうに思います。
先ほど関根社長の御答弁の中でしたか、運輸業者のDX支援といったお話出てきましたが、やっぱり物づくりの現場でも、やっぱり物流ですよね、二〇二四年問題どうなるかってすごく皆さん心配されていまして、今年の四月の報道で私も、商工中金としても運輸業者のDX支援を行うといった内容を拝見しましたが、具体的にどういったことをされていくのか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/41
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042・関根正裕
○参考人(関根正裕君) お答えします。
当金庫の融資取引先に占める物流業者の比率は一割超と、銀行全体の平均的な比率約五%よりも大きく、当金庫において特に重要な業界の一つと位置付けております。
御紹介いただきましたように、物流業界では、トラックドライバーの時間外労働の上限規制により発生する輸送能力の低下や、それに伴う収入減少等が業界全体の大きな課題であると承知しております。かかる課題解決の支援として、当金庫はこれまで、お客様に対する啓発を目的とした物流セミナーの開催、業界団体、事業者、ソリューション企業への調査に取り組んできております。
そして、これらの取組を通じて、運送事業者においては、規模が小さい会社ほど二〇二四年問題への対応が遅れていること、経営課題の解決にはDXへの取組が必至であると認識していることを把握し、その解決策として、外部専門機関三機関と連携した協業型コンサルティングサービスを行う体制を本年四月に構築したところでございます。
今後、当金庫では、同コンサルティングサービスにより提供する事業計画策定ツールを起点に、二〇二四年問題等の業界課題への対応、DX、資金調達、事業承継等の経営課題へのソリューション提供を一気通貫で実施していくことで運送事業者へのDX支援を含む本業支援に一層取り組んでいく所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/42
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043・村田享子
○村田享子君 是非、物流の方も取組をお願いしたいと思います。
私も、今回、質疑に当たっていろいろ商工中金さんが今どういったことをされているのかというのを見ていた中で、幸せデザインサーベイというのを拝見をしました。この二〇二〇年から、中小企業の従業員の幸福度を可視化をして、で、幸せ経営を実現するということでこの幸せデザインサーベイ、取扱いを開始しているということなんですが、やっぱり中小企業、なかなか人が入ってこないとか、せっかく入ってきたのに辞めてしまう。やっぱり、従業員さんがその場で、もちろん賃金もそうです、やっぱり幸せに働けるということが中小企業の人手不足解消にも必要だと思っておりますし、今年のG7の大臣会合でも幸福を追求する経済政策というのが議題になったということで、本当に大事な視点なのではないかなと思います。
二〇二〇年から開始をしたこの幸せデザインサーベイの成果と今後の展望について教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/43
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044・関根正裕
○参考人(関根正裕君) ありがとうございます。
まず、幸せデザインサーベイは、社内で開催したビジネスコンテストのアイデアを契機に開始した取組でございます。従業員へのアンケートを通じて企業の幸福度を組織と個人に関する合計五つの要素で可視化し、他の事業者との比較をすることが可能な独自のサービスでございまして、二〇二二年、ごめんなさい、二〇二〇年八月のサービス開始以来、二〇二三年三月末までに延べ約七百五十社の皆様に御利用いただいております。
御利用いただいたお客様には、サーベイの実施のみならず、実施結果を踏まえた経営者との課題の共有、課題の解決に向けて当金庫職員がファシリテートするワークショップの開催等も実施しており、このような取組を通じて、例えば製造業を営むお客様からはサーベイの取組を起点に組織の活性化が進んだといった御評価をいただいております。
今後も、必要な体制を整備の上、幸せデザインサーベイを推進していくとともに、ワークショップを含めたサーベイ実施後の課題改善のサポート等、各種ソリューションのブラッシュアップを進め、商工中金の差別化された取組として、サービスとして、より一層中小企業の幸福度向上に取り組んでいく所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/44
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045・村田享子
○村田享子君 今、従業員の幸福度追求といったお話ありましたが、やっぱり私は、商工中金で働く職員の皆様がやっぱり幸せに、充実を感じながらお仕事をしていただくというのも、この今民営化に向けた動きが進む中でやはり私は大切だと思います。特に、不正があったということであったり、また、経産省の検討会の中でも、やっぱり不祥事を起こす前は国の支援を背景に上から目線の印象があったというような指摘もされております。また、今日も西村大臣の方から、やっぱり今回の法改正を通じてやっぱり意識改革が大事だと、職員の皆さんが更に中小企業支援に踏み込んでいくんだと、こういった意識改革をやっぱり進めていくことが私も必要だと思っています。
また、これも商工中金さんの取組の中で、今年の四月から職員向けの研修制度が拡充をされたというようなお話も聞いておりますが、やっぱり商工中金で働く職員の皆さんの育成を関根社長としてどう考えておられるのか、お聞かせをください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/45
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046・関根正裕
○参考人(関根正裕君) 私ども商工中金では、中期経営計画の中で、ウエルビーイングとDアンドIを第一に掲げ、その中心に人材育成を据えております。また、価値創出に向けた経営基盤の中心として知的、人的資本を位置付けており、人材育成や人的資本の蓄積はこれからの当金庫自身の成長に極めて重要なテーマと承知しております。
こうした中、求められる人材像をお客様の価値向上のため変革し続ける人材と定め、二〇二三年四月より、商工中金企業内大学校を開校し、職員のキャリア自律やリスキリングを一層推進しているところでございます。この企業内大学では、グループワークやゼミ形式といった双方向型のコンテンツを中心に、商工中金外部に出ていく交流型、各種体験プログラムを取り入れ、業務スキルのみならず、ヒューマンスキルを含む職員の能力開発を実践的、多面的にサポートできる体系を構築したところでございます。
これらの育成の取組により、職員のエンゲージメントを向上させ、人的資本の充実を図り、変革し続ける人材育成を通じて中小企業の皆様の企業価値向上をサポートしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/46
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047・村田享子
○村田享子君 やはり、物づくりもそうです、商工中金の皆様もそうですが、やっぱり働く人というのが私も何よりも大事だと思いますので、そこも一緒に取組をやっていただければと思います。
やっぱり中小企業、今日いろんなお話してきましたが、やっぱり価格転嫁が課題、依然として課題ということで、最後にちょっと価格転嫁、お聞きをします。
ものづくり産業の労働組合、JAMが今年の三月の価格交渉促進月間の状況を調査をしました。その中で、やっぱり政府の取組もあって原材料の方は大分前進したということなんですけど、やっぱり労務費が改善されていないんですよね。その理由としては、やっぱり労務費を価格転嫁してくださいと先方に言うときの数値化が難しいということであったり、仮に先方に提案をしても、自社の経営努力でどうにかしなさいとか、また、その資料の提示の仕方も難しくて、じゃ、労務費上げて価格転嫁したいですといったときに、やっぱりその人件費のところが企業秘に当たるところもあって、やっぱり価格交渉の中で情報も出しにくい部分もあると。
政府の方でも、今年三月の政労使会議の中で、労務費についてはちょっと特化して指針を作っていくという話も出てはいましたけど、どのようにこの労務費の価格転嫁を推進していくのか、教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/47
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048・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) まさに、中小企業の皆さんが継続して事業をやっていく上で、この物価高の下、また人手不足の中で賃上げをしていく、これをしっかりと転嫁していくことが重要だというふうに我々も認識をしております。
そして、私どもの調査によりますと、御指摘の労務費やエネルギー費の高騰分ですね、これの価格転嫁率が三割程度でありまして、原材料価格の転嫁率約五割と比べてやはり二割程度低いという状況にあります。こうした取引慣行を変えるべく、業界に粘り強く働きかけていくことが必要だと思っております。
まさにこれ、価格転嫁を、親企業の方、大企業側も認めていかないと自分の首を絞めると、支えてくれている中小企業がもう継続できなくなるわけでありますので、是非、このサプライチェーン全体でこうした人件費も含めて負担をみんなで分かち合いながら、全体で競争力を維持し向上させ、また継続していくということが何より重要だというふうに思っております。
私ども、今年三月の価格交渉促進月間の調査を今三十万社、フォローアップ調査実施をして、もう返ってきておりますので、そう遠くない将来まとめたいと思っておりますが、交渉、転嫁状況の公表であるとか、あるいは親事業者の経営陣に対する指導、助言、こうしたところの取組を継続して実施していきたいというふうに考えております。
先般、石川県の珠洲の地震の視察に行ったときに、中小企業の皆さんとも、石川県の方々と話をしましたら、ある親企業がこの間の調査で非常に悪い数字だったわけですね。それで、公表したものですから、その企業からもう直ちに連絡があって価格交渉をやりましょうということで言われたということでありますので、やはり公表していくことは非常に効果があるというふうに私も実感しておりますので、しっかりと取組を、このアンケート調査の、フォローアップ調査の結果を整理をして公表してまいりたいというふうに思っております。
さらに、下請Gメンも強化をしておりますし、パートナーシップ構築宣言も足下二万五千社まで拡大してきておりますけれども、まだまだ経団連においても、大企業が全てではありませんので、更に働きかけも強化をしていきたいと思っております。
そして、労務費について言えば、最近では、親事業者側でもその価格交渉のフォーマットに労務費を項目の一つとして明記する事例出てきておりますし、また労務費も含めたコスト上昇分について転嫁の申入れをレターなどで呼びかけるなど、こうした取組も出てきておりますので、我々として、こうした好事例も是非横展開、公表しながら、多くの企業がこうした取組をしてくれるように、更に取組が広がるように粘り強く取り組んでいきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/48
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049・村田享子
○村田享子君 今大臣の御答弁にもありましたように、国内での価格転嫁というのは本当に進んできているところあると思います。
その一方で、最近ちょっと相談が多いのが、その日本のメーカーが海外の企業に部品を卸すことも多々あるわけなんですよね。今、日本でも価格転嫁が進んでいる中で、じゃ、その海外の企業にも価格転嫁をしたいと、今、日本でも取組、政府も進めているしということで海外企業に言っても、なかなかここが進まないと。
もちろん、海外の企業なので日本の中で今どういった取組がされているのかというのは余り御存じないわけなんですけど、やっぱり日本の部品メーカー、多くの会社が海外と取引しているという意味では、やっぱりしっかりと利益を確保するために、やっぱり日本企業と海外企業の間でも価格転嫁を私は進めていくべきだと思いますが、その辺りの支援というのはされているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/49
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050・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
海外企業が日本で設立した法人と、こういった取引であれば、当然その下請代金法や下請振興法などによって買いたたきや支払遅延などの取締りや働きかけを行うことは可能でございますけれども、国外に所在する企業ということであれば、これなかなか難しいところがございます。
他方で、やはり重要なことは、我が国の中小企業が国際競争力を高めて付加価値が高くて信頼性のある製品を作り、これを適正に評価してもらえる相手に売り込んでいく、こういったことで適正な価格での取引を可能としていくと、こういうことが重要だと思ってございます。
このため、中小企業庁といたしましては、やはりその事業再構築補助金、ものづくり補助金、こういったものによる支援、そして新規輸出一万者支援プログラムということで新たな海外販路開拓や商品サービスの付加価値向上に向けた支援を行ってございます。また、あわせて、ジェトロや中小機構という団体がございますが、こちらで各国、地域に精通した専門家が海外バイヤーとの商談に同席するなどのハンズオンをしておりますし、コーディネーターによる法務、会計等の相談対応もしております。
引き続き、こうした取組によって、我が国の中小企業が世界のマーケットでも適正な取引を行えるよう各種の支援に取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/50
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051・村田享子
○村田享子君 今日の議論の中でも自動車部品といったお話が何回か出ましたけれども、自動車が半導体不足もあって減産というのが行われる場合があります。そういったときに、部品のメーカーが取引先から生産予定の内示を受けた後、受注が確定したときに内示から減産になるパターンが多いと、部品メーカーとしては内示に合わせて原材料や人材を確保するので、内示から減産になってしまうと結果的に損失を被るんですが、取引先からは、あくまで内示だよ、だからそれによって減産して損失が出たとしても特に補償は行われていないということで、結構部品メーカーさん、この課題に困っていらっしゃるんですが、こういった課題は経産省で把握されていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/51
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052・恒藤晃
○政府参考人(恒藤晃君) 経済産業省では、下請取引の適正化のために、下請振興法に基づきます下請振興基準や業種別のガイドラインといたしまして、自動車分野では自動車産業適正取引ガイドラインを定めてございます。その中では、発注者が下請事業者に事前に内示した数量とその後、実際に発注した数量との間に合理的な理由なく大きな乖離が生じた場合、下請事業者から要請があれば、発注者は、費用負担の軽減に配慮しつつ十分に協議を行いまして、例えば余剰となってしまった材料を買い取るなどの措置を講じるとされてございます。また、日本自動車工業会におきましても適正取引に関する自主行動計画を策定してございますが、その中でも同様の記載がございまして、適正に対応するとされているところでございます。
しかしながら、昨年実施いたしましたいわゆる下請Gメンによる調査におきまして、今委員から御指摘がございましたような、内示の数量から実際の発注量が減った場合に、下請事業者から余剰となった非正規従業員の労務費について発注先に求償を申し入れたんだけれども回答を保留されてしまったままになっているといった事案も確認されたところでございます。
こうした調査結果等を踏まえまして、政府といたしましては、日本自動車工業会に対して下請振興基準や自主行動計画を遵守するということを改めて指摘をするとともに、自主行動計画を遵守するための具体的な取組を盛り込んだ徹底プランを策定するということを要請したところでございます。また、自動車部品工業会にも同様の指摘を行ったところでございます。
経済産業省といたしましては、引き続き、この業界団体におけます取組をフォローするなど、自動車産業におけます取引適正化に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/52
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053・村田享子
○村田享子君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/53
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054・森本真治
○森本真治君 お疲れさまでございます。立憲民主党の森本真治でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
法案の質問の前に一点だけちょっと確認をさせていただきたいことがありますので、今日もちょっと取り上げさせていただければと思います。
ちょっと今、地元、私、広島でございますが、広島でちょっといろいろニュースになっていることがあるんです。今、政府の方で、半導体について戦略的な投資ということで、先般、これは六月六日の新しい資本主義実行計画、これ改訂をされたんだというふうに思いますが、その中でも半導体産業への戦略的な投資、また積極的に誘致をするということですね、このことが改めて確認をされたんだというふうに思います。
先月の十八日には、海外の大手半導体メーカー幹部を総理官邸に招いて積極的投資を呼びかけたということでございます。これを受けて、アメリカのマイクロンテクノロジー、日本で新たに最大五千億円を投資する計画を、これは二十二日、これ広島県知事も、東広島の市長もだったと思いますが、同席をされて発表をされました。このマイクロンの子会社が先ほど申しましたように広島県の東広島市にございまして、マイクロンメモリジャパン広島工場でございます。
それで、確かに今、東広島市ですね、このマイクロンさんの関係で非常に地域の雇用にもいい影響というか、いろんな周辺にも波及をしているというのは承知をしておるところなんですが、これは五月三十日の地元広島、中国新聞の記事でございます。マイクロンメモリジャパン、広島工場が人員削減、数百人規模の見込みですね。翌日のこれも中国新聞、マイクロンメモリ元従業員、突然で選択の余地はなかった。広島工場の大規模従業員削減ということが、これちょっと地元で結構取り上げられている状況があります。
それで、ちょっと幾つかだけ確認したいんですが、まずは、今、政府の方でこの半導体への積極的な投資、戦略ということでございますが、二〇二一年の5G促進法で積極的にやっていこうということだったと思うんですが、基金をつくって、国としても積極的にこの半導体産業への投資を今行っているというふうに思うんですが、まず、今現状、この国の投資がどのようになっているのかということを、これ参考人の方で結構ですが、御答弁ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/54
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055・門松貴
○政府参考人(門松貴君) お答えいたします。
半導体分野においては、先生御指摘のように、令和三年に5G法を改正いたしまして、先端半導体の国内製造拠点の整備や半導体サプライチェーンの強靱化、次世代半導体の製造技術の研究開発等に対して、令和三年度補正予算において約八千億円、令和四年度補正予算において約一兆三千億円を措置したところでございます。
こうした予算を活用し、例えば、熊本県におけるTSMC及びJASMの先端ロジック半導体工場建設に対して最大四千七百六十億円、三重県におけるキオクシア等の先端メモリー工場の整備に対して最大九百二十九億円、そして広島県におけるマイクロンの先端メモリー工場の整備に対して最大四百六十五億円の支援を決定したところでございます。さらに、ラピダス社による次世代半導体の製造基盤構築に向けた研究開発プロジェクトに対して最大三千三百億円の予算を承認しておるなど、我が国の半導体のサプライチェーン強靱化等に向けて大胆な取組を進めてきたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/55
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056・森本真治
○森本真治君 この四百六十五億円というのはもう既に投資をされて、今後三千三百ですか、と言われた、三千三百億ってさっき言われた、これは先ほどお伝えした、今後の五千億円のマイクロンが投資をしていく部分についての三千三百億ということでよろしいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/56
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057・門松貴
○政府参考人(門松貴君) お答えいたします。
済みません、この三千三百億円はラピダスです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/57
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058・森本真治
○森本真治君 だから、今般計画を発表された五千億円についてはまだ未定ということでよろしいんですよね、ちょっともう一度。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/58
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059・門松貴
○政府参考人(門松貴君) まだ未定でございます。状況を踏まえながら、しっかり事務方としても検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/59
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060・森本真治
○森本真治君 それで、先ほど申しましたように、今、先月の末、突然のこの数百人規模の人員削減ということが行われて、これは、ですから、もうこの四百六十五億円の投資というのは、現状の中での投資の中でこの人員削減が行われているということなのかどうか、ちょっとそこ分かっていたらまた説明いただきたいんですが。
そういう状況の中で、これは、今日厚労省さん来ていただいているんですけれども、ハローワークの広島西条は、五月三十一日にこの広島工場の退職者限定の説明会も開催をされたという報道もあるんですが、どうも今回のこの大量の人員削減についてなかなか情報が、会社の方もノーコメントというような感じが続いておりまして、明らかになかなかなっていない中で報道だけが出ている状況があるものですから、ちょっと、やはり周りの皆さんがちょっと心配の声が上がっております。
そういうような状況の中でも、厚労省さんとしては、こういう説明会を開催されたということは幾らかの情報というのを御存じなのかなというふうにも思いましたので、この辺り、厚労省さんとして把握している状況を御説明いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/60
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061・堀井奈津子
○政府参考人(堀井奈津子君) お答えいたします。
マイクロンメモリジャパン広島工場に関しましては、管轄するハローワークを通じて、関係者からのヒアリング等によって必要な情報収集を行っております。そして、ハローワークにおきまして、離職者に対して説明会や窓口での職業相談等を通じまして、ハローワークの利用方法ですとか各種支援策、雇用保険の手続、再就職手当等の説明、そして求職者ニーズの把握や再就職支援等に取り組んでおるところでございます。
引き続き、国としましても、地方公共団体等と連携しつつ、必要な情報収集を行うとともに、地域における雇用の維持、安定のために必要となる支援策を迅速に行ってまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/61
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062・森本真治
○森本真治君 ちょっと確認したかったのが、なぜ、このような工場の退職者限定の説明会などを開催するきっかけ、要は、会社の方からしては余りこれ情報が外に出ていないということでどうなっているのだろうということで、これはなぜ開催をされたのかというところだったんですよね。元々、開催するきっかけですよね。ハローワークに個別にそこの従業員さんの方が相談に来る件数が余りにも多くて事態を把握されたのか、例えば東広島市さんなんかといろんな情報共有をする中でこういう限定的な説明会、対象者を限定した説明会を開催するに至ったのかどうかというところですね。
この辺りもし聞いていらっしゃれば、地元から。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/62
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063・堀井奈津子
○政府参考人(堀井奈津子君) 個別企業の個別事案に関することということで、具体的な詳細な点についてはお控えをさせていただきたいと思いますが、ただ、一般的に、ハローワークの管内におきます事業所等、こういったところに係る情報収集、この過程で把握をして必要な対策を講じているということがございます。したがって、今回もこのような対応を地元の方でやっているというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/63
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064・森本真治
○森本真治君 ちょっと大臣、少し、大きな不安というか、若干いろんな意見がちょっと今地元から出ている中で、例えば広島では、同様に広島県の呉市の日本製鉄の呉製鉄所が秋に閉鎖をされますが、これに対しては、国と県と市が一体となった、離職者とかいろんなそういう従業員に対するきめ細やかな相談体制を組んだりとかということはやられながら進んでいると。だから、情報もしっかりと確認をしながら行政の方もやっていると私理解がしておるんですが、ちょっと今回、唐突感がちょっとあって、今ちょっと厚労省の方にも確認をしました。ちょっとなかなか明瞭な答弁というふうには伺えなかったんですけども、やはりそういう不安な、しかも国の方で投資をしているのに何でこういうことになるのみたいな声がちょっと上がっているのは事実なんですね。
少しその辺りは注視をしていただかなければいけないのかどうなのかというところもありますので、ちょっとその辺りについての大臣としてちょっと何らかのお考えがありましたら、是非聞かせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/64
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065・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 今お話ありましたとおり、マイクロンでありますけれども、アメリカ本社が昨年の十二月に、メモリー市況が非常に悪化をしておりますので、その厳しい市況を受けて、この広島工場も含めてグループ全体で二〇二三年中に一〇%の人員を削減する方針を発表したものというふうに承知をしております。まさに昨年夏頃からメモリーの市況が非常に悪化をしておりまして、過去も半導体、ジェットコースターと言われるように良くなったり悪くなったりするわけですね。
そうした中で、今回非常に悪いわけですが、例えば世界でサムソン、マイクロンという大きな二大メーカーでありますけれども、サムソンにおいても、二〇二三年の一月から三月期の営業利益は十四年ぶりの赤字を計上しておりますし、この当該マイクロンにおきましても十二月―二月期ですね、二二年の十二月から今年の二月の決算においても約三千億円の営業赤字ということを計上しておりまして、過去十三年間で最も厳しい状況にあるというふうに承知をしております。
一方で、マイクロン広島工場、過去三年間で六百人以上の新卒採用も行ってきておりますし、私ども、日本全体の半導体の再興に向けての大事な位置付けでありますし、地域にとっても、投資も含めて地域経済の発展に貢献してきたものというふうに認識をしております。
ただ、今このような状況の中で、退職者について、マイクロンメモリジャパンにおいては、再就職支援会社を活用して退職者に対する再就職支援も丁寧に行っているというふうに承知をしております。まずは、広島県などとも密に情報交換をしながら、厚労省においても対応してくれていますので、省庁間でも連携をしながら状況をしっかりと見ていきたいというふうに思っております。
今もお話ありましたけれども、マイクロンからは、昨年九月に決定されました先端メモリーに関する投資拡大に加えて、先般、G7を機に来日されたときに更なる投資拡大五千億円の表明もあったところでありますので、今は状況非常に悪いですけれども、5Gであるとか自動運転であるとか、まさにAIであるとか、今後恐らくまた拡大をそう遠くない将来していくものというふうに思いますので、この今の投資をしっかりと支援をしていくことが地域経済、広島の地元経済にとっても、また日本にとってもプラスになると思いますので、しっかりと我々支援をしていきたいと思いますし、将来、雇用必ず戻ってくるというふうに期待をしておりますけれども、よく注視をしていきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/65
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066・森本真治
○森本真治君 よろしくお願いいたします。
もちろん、この半導体の重要性ということは当然でありますし、先ほどありましたように半導体の中でもいろんな分野もあったりとか波もあるという中で、やっぱり気になるのは、やっぱり今回のように、その波の中で、いきなり数百人規模で大量のこの人員削減とかというようなことの、やっぱり丁寧さ、そこにやっぱり要ると思うんですよね。労働組合もしっかり頑張っていただいているというふうには思うんだけれども、そうすると、やっぱりその中で、じゃ、どのように対応するのかというところのきめ細やかさ、もう答弁いただきましたけれども、是非厚労省さんも地元のハローワークさんともいろいろ情報はしっかりと確認をしていただきながら対応もしていただきたいということをお願いをさせていただきたいというふうに思います。
それでは、法案の方に入らせていただきたいというふうに思います。
まず、私も、もうありましたけれども、経営者保証についてですね、ちょっと私もこの経営者保証ということ、そもそも論について、ちょっと私、実は問題意識を持っているところがあるんです。
ちょっと私の経験を少しお伝えをさせていただくと、実は私、一九九〇年代だったんですが、法律事務所に勤務をしていたときがありまして、この一九九〇年代ってどういう時代だったかというと、いわゆる悪質な商工ローンであったり闇金融問題ということで、私が担当した仕事というと、もうほとんどがその対応だったということを思い出します。いわゆる出資法と利息制限法のグレーゾーンという時代ですよね。一九九〇年代は出資法は四〇%だったと思います。利息制限法は大体上限で二〇%ぐらいだったですね。
この間を狙ってどんどんと商工ローンなどがはびこっていったという時代だったわけでございますが、法律事務所に相談に来ると、一旦これ直接の、債権者は債務者の方への取立てもできなくなるというのが本来であるからそこで止まるんですけれども、多くのやっぱり小規模な事業者の経営者の皆さんの相談を受けました。私もいろんなお話をさせていただきました。もう法律事務所、こちらに来ていただいたので、これもう通知を出しますから取立てもなくなりますよという話があっても、私の経験があったのは、法律事務所で動き始めたときに自殺をされるような経営者もいらっしゃったんですね。ある意味、私が政治を志した原点というのはそういうところにもあったというのが一つなんですけれども。
そういう中で、私は思うんですね。そもそもこの経営者保証の考え方でございますが、ちょっと確認したいんですが、経営者であればもうイコール保証人なのか。当然、これ保証人ですから、資産がないと、もし債務不履行になったときに、返すときにですよね。ですから、当然これ、だから、この経営者保証というのは、資産のある、返済能力のある経営者保証という考え方でいいのかどうかということなんですね。
ちょっとこれ、もしお話ししていただければというふうに思うんですが、どうなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/66
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067・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
これ、金融機関には、応じていろんな考え方があると思いますけれども、これやはり経営者の規律付けという観点で、どのぐらい資産を実際に持っているのかという精査するかどうかはいざ知らずというような格好がかなり多いのではないかというふうに認識してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/67
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068・森本真治
○森本真治君 先生方は違うかもしれませんけど、私、かつて融資をお願いしようと思ったら、政治家って信頼がないので、選挙で落ちてしまうかもしれないからとお金を貸してもらえないことがあったわけですね。その代わり、親御さんの保証人を付けてくださいと言われたことがありました。でも、うちの親って、資産も調べていないんですよ、そこは。だけど、親の連帯保証人付けてくれれば貸しますよと言われることがあるわけですよ。
だから、今のお話だと思います。要は、親を連帯保証人に付けておけば、よっぽどのことがない限りちゃんと責任持って返済するんだろうという言わば規律性ですよね。そういう、ちょっと違うかな、そういう話なのかなというふうにも思ったりもしますが。
実際、今回の法改正でもそうなんですが、経営者保証に依存しない融資慣行の確立を目指すということは、そもそも、やっぱり経営者保証ということについては、否定とまでは言わないけれども、やっぱり極力なくしていくという考え方、やっぱり好ましくないという考え方に立っているというのを、今取組だという理解でよろしいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/68
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069・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
経営者保証については、先ほど申しましたような経営者の規律付けというプラス面が指摘されることもございますけれども、逆に、創業意欲の阻害、それから、失敗したときにまさにおっしゃられたようないろんな事象が起こる可能性も高いものですから、思い切った事業展開の抑制、こういったマイナス面が指摘されておりますので、これについてはできるだけ少なくしていくという方向ということで今回の制度改正、それからいろんなプログラムの取組、やらせていただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/69
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070・森本真治
○森本真治君 実際にこれまでの経営者保証が外れている、これ資料で、中小企業政策審議会金融小委員会の資料でありますけれども、経営者保証が外れている新規融資案件ということで、これ、ガイドラインが二〇一三年でしたかね、策定二〇一四年ですね、ガイドラインを策定して、なるべくこの経営者保証を外していこうということの努力をされてきて、二〇一四年は、政府系金融機関で大体一九%、外れているのがね、で、民間金融機関が一二%だったのが、二〇二一年には四七%、まあ五割弱、政府系金融機関で、で、民間金融機関で三割ぐらいですかね、というところまでは上がってきて、まあこれを特にこの保証協会の方の民間金融機関のところをこれから上げていこうという目標だというふうに思うんですが。
実際にこれ政府系金融機関と民間の方でこれだけ差が開くというのは、何か基準が違うんですか、何かその査定が。民間、経営者保証が外れている割合がこれ違うという差は、どういう違いがあってこれだけ差が出てくるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/70
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071・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
これは各金融機関の考え方ということでございますが、ここでいう政府系金融機関、ここでは日本政策金融公庫、それから商工中金といったものがこれ入っているわけでございますが、これは、やはりできるだけその困った事業者の方をどうするか、それから事業性を評価をしてお貸ししていこう、こういったものをよりできるだけやっていこうという姿勢を持っているということから、この御指摘いただいたような民間金融機関よりは保証をしない割合というのは多くなってきているというわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/71
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072・森本真治
○森本真治君 実際、そういう中で、じゃ、例えば債務不履行になったときの保証人からの債務の返済をお願いする場合のこの回収率などには、これ政府系金融機関とこの民間金融機関って、実際どうなんですかね、差はあるんですかね。分かります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/72
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073・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
先生おっしゃられるような、政府系と民間金融機関との差が、差が分かるその回収率の違いというデータはちょっとございませんけれども、金融庁のアンケートということで、民間金融機関で貸出債権に対する経営者保証からの回収率というような数字がございまして、これは一%未満というのが六割強ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/73
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074・森本真治
○森本真治君 私がだからちょっと気になるのが、これまでの答弁では、どちらかというと、確実な債権回収のための経営者保証という考え方よりも、どちらかというとこの規律性ですよね、しっかり自覚を持ってもらうというための意味があるのかなというふうにも思う中でいうときに、あとは、じゃ、今回のこの制度を変えていく中で、この民間金融機関、民間金融機関の方の融資ですね、融資のところにちょっとちゅうちょが出るのではないかとか、ちょっとより厳しくなっていくのではないかとか、そういうような懸念というのは大丈夫なんでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/74
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075・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
一般論として、経営者保証を徴求しないことが金融機関側からは規律付けの低下につながるのではないかと、こういった懸念についての御指摘あるのは確かでございます。
今回の法改正によって整備する新制度を利用するには、〇・二五%等の保証料の上乗せに加えて、法人から代表者への貸付け等がないといった一律の、一定の経営規律に関する要件を満たすことを求めることになってございます。したがって、経営者保証を徴求しないからといって経営規律が低下することにはならないよう制度設計をしてございます。
なお、これ先行して民間ゼロゼロ融資というのがまさにこのコロナ禍においてございましたが、このときも、資産超過であることや、役員報酬、配当や経営者への貸付け等が社会通念上適切な範囲を超えていないことを金融機関が確認すること、こういった要件を満たす場合には保証料を〇・二%上乗せすることにより経営者保証を提供することなく融資を受ける、こういった今と、この今御議論いただいているのと同じような制度がございました。
この結果でございますが、民間ゼロゼロ融資においては、この仕組みを活用して経営者保証を提供しなかった事業者のうちリスケ、リスケジュールをした者の比率はこれ〇・四%でございましたが、経営者保証を提供した事業者がリスケをした者の比率というのは二・四%でございましたので、これよりも実は低いという結果が出てございます。こういった経験を踏まえれば、一定の経営規律に関する要件を求めれば経営者保証によらずとも一定の経営規律を担保することができるものと考えてございます。
新制度を開始するに当たっては、制度趣旨とともに、こうした民間ゼロゼロ融資、過去のこの実態、経験、こういったことも民間金融機関にも周知をするなどして活用を促してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/75
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076・森本真治
○森本真治君 繰り返しですけども、経営者保証を付ける意義ですね、意義、その自律性というか、その自覚をしっかり持ってもらうということ以上に、やっぱりリスクですね、リスクの方が当然やっぱり多いという判断の中で経営者保証に依存しないという体制をつくっていこうということ。ということは、これ完全になくすのかどうかというところは分かりませんけども、それを目指すのかどうかということは分かりませんけども、難しいところだと思います。
そういう経営的な、倫理観の問題と実際のその返済能力というか、そういう部分の現実的な回収という部分のところでどのように調整をしていくのかというところが難しいところだとは思いますが、いずれにしても、もうこれから経営者保証にもう依存しないという、目指す以上は、どんどんとやっぱりこれからもそれが進んでいくような取組というのも、私は努力をしていかなければならないということはやっぱりお伝えもさせていただかなければならないというふうに思います。
まずは、これでスタートして、どれだけこれで進んでいくのかということを見ながらだというふうに思いますが、今後更にこれを進めていく上で、一方でいろんな整理しなければいけない課題などもあろうかというふうにも思いますが、その辺りの、今後のこの経営者保証に依存しない融資慣行の確立に向けてのいろんな考え方と、そして課題などについて、現時点でお考えがありましたら聞かせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/76
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077・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
この経営者保証をできるだけなくしていくというお話については、まず今回、今御議論いただいている信用保証の新しい仕組み、それから今年の四月から始まっております金融庁での各金融機関に対する監督指針の中でしっかり経営者保証を取る場合にはそれを説明をしていくと、こういった運用をしっかり見定めさせていただきたいと思います。
その上で、さらに、中小企業の側でも、これはガバナンス体制というものを更に整備をしていっていただくことがこれ、より良い方向に向かっていくものではないかと考えてございます。
具体的には、今、早期経営改善計画策定支援事業というのがございまして、これは、全国の認定支援機関という中小企業の支援をする、いろんなものを認定、中小企業庁で認定しているわけでございますが、こちらのその支援は、普通、経営状況であるとか資金繰り、こういったことに対する御支援、計画作りの御支援するわけですが、その中で、例えば今回の経営者保証の外すときの要件の一つにもなっております事業者から経営者への事業上の必要が認められない資金の流れがないこと、こういったものを確認するというのがございますが、こういったものをしっかりガバナンス体制をやっていっていただくことが大事でございますので、今申し上げた支援事業の中で、こういう状況を確認を認定支援機関の皆様にしていっていただくことでこのガバナンスというのの中小企業での広がりというのを持たしていきたい、こういったその努力も含めて、経営者保証というものを外していけるような努力をいろんな関係者の皆様と一緒にやっていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/77
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078・森本真治
○森本真治君 是非、今回の制度改正によっても、本当に地道に頑張る中小そして小規模事業者の皆さんの更なる事業展開が進んでいく一助になっていくことを願うわけでございますけども、本当に民間金融機関の皆さんがいろんなやっぱり判断の中でより厳しいような判断をしていくようなことがあってはいけませんが、場合によって、もしそういう状況になったときにですね、ちょっともう時間がないんですが、やはり商工中金というものが非常にこれまで以上に役割が必要になってくるということも想像もできるわけでございます。
その中で、ちょっと気になるのは、政府としてはこれ完全民営化を目指していくという考え方だというふうに思うんですが、よくこの自由化、民営化を進めていく中で、やっぱり経営というものですね、その部分の観点と、一方で、社会的な使命を担っていく中で、十分にその市場の中での力を発揮することが難しくなってくるようなことというのは、過去のこの民営化の議論の中でも、例えば電力であったり鉄道であったりですね、いろんなところでそういうことが出てくるわけでございます、セーフティーネットやユニバーサルサービスを一方で維持しなければならないというときですね。
そうすると、この商工中金も社会的使命、中小企業をしっかり守っていくという使命を持ち続ける中で完全民営化ということで、そこに影響が出ないかということも私は心配をしてくるわけでございますけども、その辺りについて、ちょっともう時間がなくなりましたが、最後、考え是非、今後の完全民営化に向けての考え方、聞かせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/78
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079・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) まさに商工中金、改革が進められてきた中で、中小企業のための金融機関ということで、今回民営化に向けて一歩、完全民営化に向けて一歩を踏み出すわけでありますが、一つには、もう先ほど来申し上げています民間金融機関とのイコールフィッティングですね、同じ立場で支援を行っていくということ、ということを踏まえてこの業務制約を見直すことと保有株主の売却とを同タイミングでやっていくことになります。これによって職員の意識も改革も期待したいというふうに思っております。
そうした中で、引き続き、危機時の資金繰り支援であるとか再生支援、こうしたことはしっかりやっていただく必要がありますので、危機対応業務の責務とか株主資格制限とか、あるいは危機対応準備金制度は維持をするということにしておりますので、商工中金法も維持をします。
こうした取組を一歩進める中で、将来的に完全民営化するという方針は変えておりません。この改正法案の中でも、勘案、その完全民営化に向けた勘案要素として、特別準備金の状況を含む自己資金の状況とか、何よりこの危機対応業務の在り方、危機対応業務がほかの金融機関も含めてどういうふうに行われていくのかということ、あるいはビジネスモデルの確立状況ですね、支店がたくさんあってそこにたくさん人がいるわけじゃありませんので、むしろ全国ネットワークを活用して地域の金融機関と連携して支援をしていくということですので、そうしたモデルが確立できるかどうか、こうしたことを見ながらその実施について将来改めて判断していきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/79
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080・森本真治
○森本真治君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/80
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081・石川博崇
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
私からも、経営者保証を徴求しない新たな信用保証制度についてまずお伺いをしてまいりたいというふうに思います。
政府は、これまでも経営者保証に依存しない融資慣行の確立に向けて精力的に取り組んできていただいておりますけれども、今回の信用保険法の改正案では、無担保保険等において経営者保証を徴求しない要件を規定をしまして、この要件を満たす場合に、信用保証料率を上乗せすることによって経営者保証を解除できるということになろうかというふうに思います。
いまだ約七割の中小企業の方々が融資を受ける際に経営者保証を提供している現状を着実に改善をしていくため、また、成長志向の中小企業がポストコロナを見据えて自己変革に挑戦して成長を目指す好機にある今において、新たな信用保証制度が収益力の改善に前向きに取り組む事業者を力強く支援していくという効果的な措置になっていくことを期待したいというふうに思います。
ところで、この経営者保証を求めない措置は、先ほども少し答弁ございましたけれども、コロナ禍の民間ゼロゼロ融資においても仕組みが設けられておりました。
まず、政府参考人から、実際どの程度活用されたのか、その仕組みの効果に対する評価と、それを踏まえた今般の新たな信用保証制度の創設の意義と併せて御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/81
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082・角野然生
○政府参考人(角野然生君) お答えいたします。
民間ゼロゼロ融資についてのお尋ねでございました。
この民間ゼロゼロ融資でございますが、これまで約百三十七万件、二十三兆円の融資がございました。そのうち経営者保証を求めていないものは約四割の約四十八万件でございます。この四十八万件のうち約十四万件については、経営者保証ガイドラインの要件よりも緩和された制度を活用し、経営者保証を提供せずに融資を受けているものでございます。
具体的には、先ほども答弁を申し上げましたが、資産超過であること、役員報酬、配当や経営者への貸付け等が社会通念上適切な範囲を超えていないことを金融機関が確認することとの要件を満たす場合には、〇・二%の保証料上乗せにより経営者保証を求めない仕組みを活用しているということでございます。
この効果に対する評価ということでございます。
先ほども申し上げましたが、民間ゼロゼロ融資におきまして、この仕組みを活用し経営者保証を提供しなかった事業者のうちリスケをした者の比率は〇・四%ということでありまして、経営者保証を提供した事業者のうちリスケをした者の比率の二・四%よりも低くなっているということでございます。
こうしたことから、経営者保証ガイドラインの要件より緩和した要件を設定しても、民間金融機関と信用保証協会とが適切に運用することで、経営規律の低下を招くことなく、経営者保証に依存しない融資の推進に寄与することができたと考えております。
今般の新たな信用保証制度におきましても、民間ゼロゼロ融資におけるこうした経験も踏まえながら、保証料の上乗せと適切な要件設定を組み合わせた仕組みによって、安易な制度利用を排除しつつ、経営者保証に依存しない融資慣行の確立を図ってまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/82
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083・石川博崇
○石川博崇君 今御説明いただきましたとおり、民間ゼロゼロ融資における経験を踏まえて今回新たな制度を創設するということになるわけでございます。
直近のデータ、二〇二二年度上期でも、信用保証協会における経営者保証に依存しない新規融資の割合は二九%と、民間金融機関の三三%あるいは政府系金融機関の五四%と比べても非常に低く、多くの中小企業が経営者保証を求められているという状況にございます。
今回の法改正によりましてこの状況が改善されることが期待されるわけでございますが、一方で、信用保証協会側から見ると、これまで経営者保証を取っていたものが取れなくなる場合が増えてくる、結果として、先ほども御質疑ありましたけれども、信用保証協会側として保証の承諾に消極的になるのではないか、事業者が必要な融資を受けられなくなるのではないか、こういった懸念の声もあるわけでございます。
そんなことがあっては断じてならないと思いますけれども、経済産業大臣から、しっかり監督も含めて取り組んでいただきたいと思いますが、御決意をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/83
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084・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) まず、一般論として、経営者保証を徴求しないことが、信用保証協会や金融機関側からは経営者の規律付けの低下につながるのではないかとの懸念を指摘する声もございます。こうしたことから、今回の法改正によって整備する新制度を利用するには、〇・二五%などの保証料の上乗せに加えて、法人からの代表者への貸付けなどがないといった一定の経営規律に関する要件を満たすことを求めることとしております。したがって、経営者保証を徴求しないからといって経営規律が低下することにはならないよう制度設計をしているところであります。
そして、先ほど長官から答弁がありましたけれども、民間ゼロゼロ融資においても経営者保証を提供することなく融資を受けることを可能としていた制度の中で、経営者保証を提供した場合と提供していなかった場合の比較の答弁もございましたけれども、一定の経営規律に関する要件を求めることで、経営者保証によらずとも経営規律を担保することができるものというふうに考えております。
新制度を開始するに当たっては、制度趣旨とともにこうした民間ゼロゼロ融資のときの実態などについても信用保証協会に周知をしたいと思いますし、また、信用保証協会には地域経済や中小企業などの活性化を第一に考えていくということが求められることを踏まえ、監督指針に基づき、保証承諾に消極的にならないよう、御指摘のように保証協会をしっかりと監督をしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/84
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085・石川博崇
○石川博崇君 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
今の観点で、信用保証協会が保証承諾に消極的になるといった事態を避けるためには、信用保証協会側のリスクを低減するということも大事だというふうに思いますし、そのための予算措置というものも今後検討する必要があると思います。この点についての政府の御見解を伺いたいと思います。
また、あわせて、今回、経営者保証の機能を代替する手法として信用保証料率を上乗せするといった仕組みを採用するわけでございますが、この信用保証料率の上乗せが事業者の過度な負担にならない、そういった配慮も必要だというふうに考えております。こういった観点から、公明党として先般、岸田内閣総理大臣にも提言させていただいておりますけれども、この信用保証料率の上乗せ分に対する事業者の負担軽減策、是非ともこれは政府に講じていただきたいというふうに考えております。政府の御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/85
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086・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
これまでも、創業時に経営者保証を不要とする信用保証制度、こういった特別な保証制度の実施に際しては、代位弁済時の信用保証協会の損失の一定割合を保証するための補助金又は日本政策金融公庫による信用保険のための出資金の予算、こういったものを措置している例がございます。
今回整備する新制度ということについて申し上げれば、先ほどから御答弁申し上げているとおり、民間ゼロゼロ融資のときの例でいえば、経営者保証のありなしによってデフォルト率が必ずしも大きくなるとは、大きく変わるとは考えておりませんけれども、経営者保証からの回収ができなくなるというのは事実でございますので、各地の信用保証協会が新制度を積極的に実施できるようにすることが重要だという委員の御指摘もあります。確かにそういう視点ございますので、これまでのいろんな制度を参考にしながら、対応をしっかり検討してまいりたいと思ってございます。
また、事業者負担の軽減策というお話も最後ございましたけれども、これについては、保証料も含めてどのような措置が適切であるか、今後具体的に検討させていただこうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/86
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087・石川博崇
○石川博崇君 予算措置ですので財務当局との調整等これからかと思いますけれども、是非前向きな検討をお願いしたいと思いますし、我々も後押しをしてまいりたいと、そのように思っております。
なお、上乗せする信用保証料率について、これまでも質疑、答弁でございましたけれども、中小企業政策審議会金融小委員会では〇・二五%を目安とするということが示されております。しかしながら、直近の決算期で債務超過がある場合などでは、信用保証料率を更に上乗せをして〇・四五%程度にするとの目安も示されております。
今後具体的に決めていくことになろうかと思いますけれども、上乗せする信用保証料率及びその一定の場合における更なる上乗せ率について、どのような考えの下でどのように設定していくのか、御説明をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/87
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088・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
今回の新制度におきます保証料率の上乗せにつきましては、これまでも中小企業政策審議会の金融小委員会で議論をさせていただいております。委員からは、〇・一から〇・二五%程度であれば事業者も受け入れられる割合が高いのではないか、保証料の上乗せといった一定のコストを負担することには異存ない、こういった御意見ございました。それから、中小企業関係団体からも、事業者の全体的な負担感に加えて、信用力も加味した保証料率を設定いただきたい、こういった意見もあった次第でございます。
今回、それらを踏まえて具体化をしていくということでございますが、金融庁のアンケートによれば、経営者保証解除のために許容できる金利引上げ幅は〇・一から〇・二五%であると回答した事業者は四七・六%と最も多い水準でございました。それから、〇・二六%以上の引上げを許容できると回答した、このアンケートに回答した事業者の割合は、債務者区分が低くなるほど若干ではあるが増加しております。あわせて、民間ゼロゼロ融資ということでお話るるしておりますが、経営者保証を求めない場合の保証料の上乗せ幅は〇・二%ということでやっておりました。
こうしたことを踏まえて、〇・二五%を一つの目安としつつ、債務超過等の場合には〇・四五%とすることを検討しているところでございますけれども、いずれにしても、この審議会の小委員会で御議論を更にいただく中で、詳細な制度設計についてはコミュニケーションを金融機関ともよく取ってくれというような御要望もいただいておりますので、そういったことも踏まえながら、適正な保証料の上乗せ水準を含めて検討を続けていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/88
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089・石川博崇
○石川博崇君 今後ということでございますので、引き続き注視してまいりたいと思います。
また、この経営者保証を徴求しないこととする要件でございますけれども、衆議院の委員会で政府からは四つの要件が示されております。一つ目は、経営者本人が保証料の上乗せによって経営者保証の非提供を希望していること。二つ目は、法人から代表者への貸付け等がないこと。三つ目は、財務書類を金融機関に定期的に提出していること。そして四つ目は、直近の決算期において債務超過でないこと又は直近二期の決算期において減価償却前経常利益が連続して赤字でないこと、あるいは二期連続赤字でないことのいずれかを満たしていること、この四つが示されているわけでございます。
これらの要件について、果たしてどの程度の事業者がこの要件を満たすことができると考えていらっしゃるのか。特に、財務状況に関するものも含まれていますけれども、財務基盤が脆弱な中小企業にとってはハードルが高い要件となるのではないかという気もしますけれども、政府の御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/89
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090・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
委員から今新しい制度の要件を御紹介いただきましたけれども、この中に特に議論となりますのは、法人、個人をしっかり分離してくださいという話と、個々の中小企業の財政の状況、財務状況と、この二つが特に大きいかと思ってございます。
その一つ目の、法人から代表者への貸付け等がないと、等がないという要件についてでありますが、これは中小企業庁が実施したアンケート調査によれば、約半数の事業者が会社から経営者に対しての貸付金等はないと回答しているところでございます。
それから二つ目に、その財務状況ということでございますが、これは、債務超過でないこと、それから二期連続赤字でないこと、このいずれかを満たしていればよいという条件にする方向で今検討しているところでございますが、全国の信用保証協会や多くの民間金融機関から取引先のデータを提供されているCRDという一般社団法人がございます、CRD協会というのがございますが、ここのデータによれば、約九割の事業者が今の要件は満たしているというようなデータもございます。
以上のことから、広範な中小企業に今回の新しい制度というのは御活用いただけるようになるというふうには考えてございます。
他方で、更にこうした要件を満たせる事業者を増やしていきたいという観点で、中小企業のガバナンス体制整備の支援というのも拡充、しっかりやっていきたいと思ってございます。そのため、昨年十二月に、中小企業庁でガバナンス体制を整備する上で重要な着眼点を具体化した十四項目のチェックシートというのを作っておりまして、これを活用していきたいと思います。
税理士や中小企業診断士などの全国三万五千の認定支援機関というのがいらっしゃって、これが早期経営改善計画策定支援事業という国の事業をやって各中小企業の方々の資金繰りとか経営状況を改善、こういったものの計画作りを支援してございますが、この中で、今申し上げたようなチェックシートを使って、事業者から経営者への事業上必要ない資金の流れがないですかと、こういったようなことも含めてチェックをしていき、より良い経営をしていこうじゃないかというようなことをお手伝いをしていきたいと思っております。
こういったことによって、今回の経営者保証をできるだけ取らないという仕組みを使うことができる経営者の数を増やして裾野を広げていきたい、こう考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/90
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091・石川博崇
○石川博崇君 ありがとうございます。今おっしゃっていただいたような取組、広く周知広報、徹底もお願いしたいと思います。
今日は商工中金の関根社長にもお越しをいただいております。大変ありがとうございます。商工中金におかれましては、今議論をしておりますこの経営者保証に依存しない新規融資の比率が非常に高い割合で推移していらっしゃるというふうにお聞きをしております。北國銀行が八五%、南都銀行が六七・八%に次いで、商工中金におかれては六一%と高い割合と伺っております。
今後も、商工中金におかれましては、この経営者保証に依存しない融資、率先して取り組んでいただいて経営者保証改革の先頭に立っていただきたいと思いますけれども、社長の御決意をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/91
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092・関根正裕
○参考人(関根正裕君) お答えします。
経営者保証に依存しない融資を推進していくには、経営者保証を外すことで経営者の規律付けが失われモラルハザードを招くのではないかという懸念に代表されるように、金融機関においては、いわゆる目利き力、事業性評価のノウハウが重要と考えております。
事業性評価のノウハウは、この改革期間中も含め、これまでの取組を通じた当金庫の強みと認識しており、経営者保証に依存しない融資については、政府が二〇二二年十二月に策定した経営者保証改革プログラムの趣旨も踏まえ、経営者保証に関するガイドラインに即した対応を徹底し、その取組を加速しているところでございます。
昨年、二〇二二年十月には、スタートアップ向けの融資については原則無保証対応とするといった具体的な取組も開始しております。その結果として、長期貸出し全体における経営者保証に依存しない新規融資の比率は、昨年度は約六五%と更に高い水準となっております。
今後は、こうした取組、ノウハウを経常的な融資全般にも生かしていき、経営者保証に関するガイドラインに基づく無保証貸出しの取組を加速してまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/92
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093・石川博崇
○石川博崇君 ありがとうございます。
それでは、商工中金法の改正についても質問をさせていただきたいと思います。
今回の商工中金法の改正案では、政府保有株式の全部処分後においても、商工中金に対して引き続き危機対応業務の責務を課すこととしております。これまで、商工中金におかれては、指定金融機関として、中小企業向けの危機対応業務、リーマン・ショック、東日本大震災、またコロナ、幾多の未曽有の危機が続いてまいりましたけれども、多くの中小企業を救っていただき、また日本経済を支えていただきました。
この危機対応業務については、指定金融機関として民間金融機関が参加することも可能な制度にはなっていますけれども、制度創設以来、この民間金融機関の参加実績は残念ながらないというふうに承知をしております。こういった現状を踏まえますと、商工中金には引き続きこの危機管理、危機対応業務、担っていくことが極めて重要だというふうに思っております。
政府保有株式の全部処分後においても商工中金がこの危機対応業務を行う必要性について、大臣から御所見をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/93
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094・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のとおり、商工中金は、これまで、リーマン・ショックや東日本大震災の際に、またコロナ禍においても、平時から培ってきた中小企業との関係を、信頼関係をベースに迅速に危機対応業務を実施し、大きな役割を果たしてきたものというふうに認識しております。さらに、商工中金自身が、組織のDNAとしての危機時の資金繰り支援を担っていく意思、これを表明をされているところであります。定款にも危機対応の責務を有する旨を記載する方針であります。
今回の改正法案におきまして、商工中金に対し、この危機対応業務を実施する責務の規定を附則から本則に位置付け直します。と同時に、政府保有株売却後も中小企業組合等への株主資格制限を維持することで、引き続き商工中金がこの危機時に中小企業への支援をしっかり行うというその責務を確実に果たすことを担保したいと思っております。なお、これらは危機対応業務の義務化と株主資格制限に対する全国中小企業団体中央会の強い要望にもお応えするものであります。加えて、商工中金が的確に危機対応業務を実施できるように、危機対応準備金の制度も存置をいたします。
これらの措置を通じまして、政府としての決意を明確に示し、今回の改革後も中小企業が商工中金の業務姿勢に不安を覚えることがないように取り組んでいきたいと思いますし、危機時における中小企業の資金繰り支援、万全を期していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/94
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095・石川博崇
○石川博崇君 ありがとうございます。是非ともよろしくお願いいたします。
また、今回の改正案では、先ほども御議論ございましたけれども、商工中金の株主資格の対象から政府を削除し、政府が持っている全体の四六・五%、総額一千十六億円を、保有する株主の全部を二年以内に処分するということになっております。この政府保有株式を全部処分するに伴って商工中金の業務制約を見直し、民間金融機関と同様の水準に拡充して、ニーズが今非常に高くなっている中小企業の事業再生あるいはDX、こうした収益力の改善の取組にこれまで以上に商工中金に取り組んでいただくということが期待されているところでございます。
そこで、なぜ今、このコロナ後という時期に、今の時期に政府保有株式を処分することとするのか、その意義について政府から御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/95
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096・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
ただいま委員からも御指摘ございましたとおり、これ再生、事業再生といったニーズ、こういったものは民間ゼロゼロ融資の返済が本格化していくまさに今こそ重要になってくるということで、この際に商工中金の事業再生支援などの機能強化を図る必要があるだろうというふうに考えてございます。
商工中金は、リーマン・ショック以降も全国の再生案件に関与することで支援人材を維持、育成しておりますし、再生支援の優れたノウハウを有してございます。他方で、その重要な、再生のときに重要な支援ツールであります出資機能については、民間の金融機関と比べて制約があるというのが現状でございます。
商工中金の取引先というのは約七・六万社ございますが、このうち財務状況が悪い地域の中核企業というのは約五千二百社ございまして、こういったものにこの出資機能を銀行並びに拡充して支援をしていくといったことは、その地域全体のその経済の活性化という意味でも非常に重要だというふうに考えてございます。
その際、この出資機能を拡充するのみならず、政府保有株式の全部売却によりまして、意識改革によって職員が一歩踏み込んだ支援を行うことで支援の質の向上を図ることも重要だと考えてございます。あわせて、この民間金融機関とのイコールフッティングという懸念の観点も踏まえて、こういった業務拡大の見直しと政府保有株の売却は同タイミングでやるんだということについてもるる御答弁申し上げているとおりでございます。あわせて、危機時の資金繰りや再生支援等のリスクの高い事業を行うという観点から、危機対応業務の責務、株主資格制限、それから危機対応及び特別準備金の、危機対応の準備金、特別準備金、こういったものを存置することにしてございます。
今回の改革後も、商工中金の事業の状況を随時検証し、必要に応じて改善を促すことで、商工中金が民間金融機関とは差別化したビジネスモデルを確立できるように政府としても取り組んでいきたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/96
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097・石川博崇
○石川博崇君 株主資格の対象から政府を削除することになりますが、その株主資格については中小企業組合及びその構成員等に制限するとされております。これによって商工中金が中小企業のための金融機関と位置付けられる、まさにそのゆえんというふうにも言えるかと思います。
この株主資格の制限について、法案の中では、商工中金の将来的な完全民営化を見据えて、商工中金法を廃止した上で、株主資格を制限するための措置その他必要な措置を講ずるものとするということが附則の第二条で定められております。
政府として、この商工中金の株主資格を制限していることの意義についてどのようにお考えか、その上で、将来的な商工中金法の廃止後について、商工中金の株主資格を制限することの必要性、これをどのように認識して、またその株主資格の在り方についてどのような措置を講じることが望ましいと考えているのか、現段階での御所見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/97
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098・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
商工中金は、中小企業組合と政府の共同出資によりまして一九三六年、昭和十一年に設立されまして、それ以来、中小企業組合等に対する金融の円滑化を目的としてその株主資格を取引先でもある中小企業組合及びその構成員等に限定しているところでございまして、言わば中小企業による中小企業のための金融機関という位置付けでございます。
商工中金が危機対応業務を含め中小企業の資金繰り円滑化を目的に経営されることを担保するためには、現在の商工中金の性質を堅持することが必要でありまして、今回の改正法案においても、引き続き商工中金の議決権株式の株主資格を中小企業組合及びその構成員等に限定しているところでございます。
その上で、商工中金法の廃止をした場合にはという御質問ございました。これは将来の完全民営化ということだと思いますけれども、これについては、この法案の中でも、特別準備金を全額国庫納付しているか、それから商工中金に危機対応業務の責務を課さなくとも危機時の資金繰り支援に支障がないか、そして中小企業のための金融機関としての商工中金のビジネスモデルが確立できているか、こういったものを勘案した上で改めて判断するということになってございます。
他方で、商工中金は全国ネットワークや再生支援のノウハウを持っていますけれども、地域ごとの支店数や職員数は決して多くはありません。地域におけるネットワークや地域密着型の支援については、地域の金融機関の方の方に強みがあると考えてございます。
そうしたことで言いますと、商工中金と地域金融機関、この双方がお互いの強み、特色というのを異なって持っている中でありますので、これが良いように作用していくふうにすることがこの中小企業にとっての良い金融というふうに考えてございますので、将来、商工中金法を廃止して完全民営化を行うという判断に至った際にも、民間金融機関とは商工中金が差別化されたビジネスモデルを確立して、引き続き中小企業による中小企業のための金融機関としての性質を維持していくことが必要だと考えてございます。
こうした考え、るる申し上げましたけれども、でいけば、完全民営化をした場合でも商工中金の中小企業向けの金融機関の根幹が維持されるよう、株主資格を制限するための措置等の必要な措置を講ずる、こういったことも改正法案の中には規定しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/98
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099・石川博崇
○石川博崇君 ありがとうございます。
中小企業にとって非常に厳しい事業環境が続いている中で、事業再構築あるいは生産性向上、この支援を力強くしていただくことが求められております。
商工中金には、資金繰り支援はもとより、認定経営革新等支援機関としての事業再構築補助金申請のサポートを行うことを含めて、これまでも力強く取り組んでいただいてまいりましたけれども、今回、政府保有株式の全部処分に伴って商工中金には業務制約が緩和されることになります。
今後、商工中金として、引き続き中小企業の事業再構築あるいは生産性向上にこれまで以上に貢献していただきたいと考えておりますけれども、関根社長から御決意を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/99
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100・関根正裕
○参考人(関根正裕君) 中小企業の中長期的な構造改革課題は高度化、多様化しております。こうした中、経営資源が限定的である中小企業への事業再構築や生産性向上といった、いわゆる本業支援が重要になってきていると認識しております。
商工中金では、中小企業の金融の円滑化機能を維持しつつ、自立して経営のスピードを加速させ、中小企業への専門性や全国ネットワークといった特性を生かし、地域金融機関と連携、協業しながら、より広範に困難を極める中小企業の課題解決に取り組んでいく方針でございます。具体的には、中小企業のニーズが特に大きいと考える出資業務の強化、人材不足、DX支援など新たな取組を強化していき、中小企業の本業支援に取り組んでいく考えでございます。
例えば、脱炭素に向けたEV化など大きな転換点にある自動車産業においては、専門チームを設置し、事業再構築支援を積極的に行う取組を開始したところでございます。また、中小企業の生産性向上に向けたDX支援については、今回の業務範囲の拡充も踏まえ、金融機能とも融合した中小企業向けのデジタル基盤となり得るサービスの構築を目指してまいります。
DXについては、何から手を着ければいいか分からないといった声も多く聞かれます。こうした企業がワンストップで会計や受発注管理等の様々なサービスを利用できるプラットフォームとなるシステムを構築し、さらには、そのプラットフォームの中で、商工中金を含む金融機関、専門家による経営支援や金融サービスの提供を行うことを目指し、検討、準備を進めていく考えであります。
このように、商工中金では、引き続きビジネスモデルの一層の高度化、進化に取り組むとともに、法施行後には、速やかに今回の改革を生かし、中小企業への事業再構築や生産性向上に取り組んでいく考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/100
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101・石川博崇
○石川博崇君 是非よろしくお願いいたします。
今回、政府保有株式の全部処分に伴いまして、主務大臣の認可規定、代表取締役等の選定に係るこの認可規定も削除することとなっております。商工中金は、かつての不正事案の発生など、こうした状況を真摯に省みて、地域金融機関との信頼回復にも努めながら、新たなビジネスモデルを推進して、それがおおむね確立できたという評価も得てきているところでございます。
しかしながら、今後、仮に経営陣の変化あるいは株主の変化が起こっていく中で、ビジネスモデルあるいは経営方針が逆戻りしてしまうのではないか、そういった懸念の声も地域金融機関からは示されているところでございます。
そこで、大臣にお伺いしたいと思いますけれども、現行の政府関与の仕組みが縮減するわけですけれども、過去の不祥事の反省も踏まえて、今後、政府として商工中金の業務をどのように監督していくのか、ビジネスモデルや経営方針が逆戻りするようなことがないようにしっかり監督していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/101
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102・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 今回の改革の狙いは、まさに自立した民間のガバナンス移行を目指していくと、中小企業による中小企業のための金融機関との位置付けを明確にするということであります。そのために政府保有株式を全部売却するということであります。そして、中小企業によるガバナンスを徹底する観点から、代表取締役の選定を主務大臣の認可対象から除外するなど、政府の関与を一定程度縮小していることにしております。
他方、商工中金にこの中小企業のための金融機関としての役割を確実に果たしてもらうために、定款変更時の大臣認可とか主務大臣による一般監督権限は維持する方針であります。例えば、中小企業のための金融機関という根幹に反する定款変更は防止をしますし、また、まさに過去の不祥事の根本原因とされましたノルマ主義とか経営陣からの過度なプレッシャー、こういったことから不祥事を招きましたので、こうした事態を防止する観点から、商工中金のガバナンスを監督し、不適切な行為があれば是正を指示したいというふうに考えております。
引き続き、政府としては、このガバナンスの状況を含む商工中金の事業の状況を随時検証し、必要に応じて改善を促すなど、しっかりと監督をしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/102
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103・石川博崇
○石川博崇君 予定されていた時間が参りましたので以上で終わりたいと思いますけれども、コロナ禍からの中小企業の再生、またアフターコロナでの積極的な投資の促進に向けてこの法案が資することを心から期待を申し上げて、質問を終わらせていただきます。
大変ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/103
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104・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 午後一時五十分に再開することとし、休憩いたします。
午後零時二十六分休憩
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午後一時五十二分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/104
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105・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、中小企業信用保険法及び株式会社商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/105
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106・石井章
○石井章君 日本維新の会、石井章でございます。御安全にという。
それでは、質問に入りたいと思いますが、まずその前に大臣にお伺いしたいんですけれども、我が党は、日本維新の会は、これまで旧文通費を、名称も変更しまして、高木筆頭、いわゆる与党の国対委員長とも何度か協議を重ねまして、名称が調査研究広報滞在費という、これをなるだけ透明化していこうということの表れでありますけれども、この国会で、この国会、会期が二十一日で閉じます。この国会中に中身のもう少し見直しをしていこうということが合意された中で、前回までの中でまず名称だけが変更になったということでありますけれども、これは大臣というか、一国会議員、個人の西村さん、西村衆議院議員という立場での御答弁で結構なんですけれども、これまで我が党が再三再四いわゆる議論をしようと、テーブルにのってくださいとお願いしたんですが、なかなかかなわなかったと。
しかし、昨日ですね、一つではありますけれども、委員長のあの六千円の手当を見直そうということがあったのは、これは一つ前進かと思いますが、最低限いつまでに、この政治と金の問題の根幹の部分ですね、この部分をいつまでに見直すか。それは、これはもう政府としての、恐らく大臣は政府としてお答えすることは差し控えたいと、これまでの流れでですね、各党会派で是非御議論いただきたいという答弁がこれまで繰り返されてきたわけでありますけれども、大臣の前に一人の政治家としてどのようにお考えか、まず冒頭にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/106
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107・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 済みません、冒頭、衆議院の本会議に出席をしておりました。遅くなりましたことをお許しをいただければと思います。
その上で、今の御質問ですけれども、まず、議員の活動なりに関することでありますので、議運を中心に恐らく各党会派で議論されるというのがふさわしい話でありまして、政府として答弁することは控えたいと思いますけれども、一般論で申し上げれば、どんな予算も、その予算の性質などに応じまして、できるだけ効率的に、また透明性持って使用するということが重要だと思いますので、そうした点も頭に置きながら各党会派で議論が進むことを期待したいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/107
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108・石井章
○石井章君 ありがとうございます。
それでは、商工中金の法律の中身に入っていきたいと思いますけれども、いわゆるリスクを抱えたところに貸付けをする、これは本来であれば地銀の役目なんですね。地銀が責任を負って融資をしていくということなんですけれども、しかし、地銀の場合には、景気のいいときには嫌でも貸し付けます、どんどんどんどん。いや、もっと借りられますから借りに来てくださいよと。ところが、景気悪くなったら蛇口をがんがん閉めて、プラザ合意の後のときと同じような形になったり、あるいはこれまでの流れの中で貸し剥がしがあったり、そういったことが横行してきたわけであります。
しかし、そこで、これは民間でありますから、株式会社でありますから、当然ながら、株主を見ながら経営をするということになれば、当然ながら、なるだけリスクをしょわない形での貸付けをしたいという気持ちは分からないでもないですね。だけど、政府の、国の役目というのは、いいところにだけ餅を配って、悪いところはどんどんもう、とんでもないと、おまえら平民だから何でも食っていろと、そういうような状況ではなくて、やっぱり困ったところにいかに手を差し伸べるかというのが、これ政府系の大事なところであると思います。
ですから、この間、安倍総理のときにこのコロナのゼロゼロ融資とか始まりました。このときに危機対応融資をやるという宣言をしました。当時の大臣は、梶山先生が経産大臣でありまして、全く民間の、都市銀も含めて、どこも手挙げなかったんです、危機対応融資に対して、やらなかった。
それで、安倍さん、ああいう実力者でありますから、力もありますし、名前だけの総理じゃ、あっ、今の総理とは言いませんよ、名前だけの総理じゃありませんので、本当に思い切った政策の中で、ゼロゼロ融資を含めて保険もしっかり組んであげると。そうしていたところ、民間も何とか、何だかんだ手を挙げ出した。それには、商工会連合会等の地元の商工会を通すと。それも、商工会も名前だけの判こだからということを私が予算委員会で言ったら、もう、すぐ一週間後に、その商工会の判こも要らないと、いわゆる銀行のフィルターに掛かっていれば。商工会は大体素人ですから、貸付けしているのは、商工会長なんというのは素人の集まりですから。あれ、立派にやっています、仕事は。だけど、その金融に関しては素人なので、銀行がふるいに掛ければ、そこを通ったものであれば大体問題ないということで、安倍さんはそれを梶山さんとの話合い、財務省とも話し合って、商工会長の持ち回りの印鑑はなしということで、罹災証明とかそういったものを含めて、いち早く融資が実行できるようにと。本当に困ったところに早くやろうということでスピーディーにあの融資をやったことは、すごい、もう歴代の総理の中でもナンバーワンだと思います。
そういったことで、今回、そういったことで、民間の方は本当に、民間の銀行に関しては、何だかんだ言いながら、もじもじもじもじしながら、やっといわゆる貸付先だけを見極めて、ああ、これは貸し剥がししなくても何とか返してもらえるなというところは形上やるのが多いんですよ。
ところが、やっぱり、そこで活躍したのがやっぱり商工中金なんです、商工中金。商工中金は、何年か前に危機対応融資で、もうさんざん私も何回も言っていますけれども、昔のことですからね、今から言えば。今の社長のときじゃないんで、前のときですけれども、危機対応融資ではいろんな不正の融資をやってしまったと。これは全支店がやったんではなくて、私が調べたら、茨城の水戸支店はやっていませんでしたけれども。
そういうことも含めて、やっぱりこれまで商工中金あるいは日本政策金融公庫が担ってきた、政府系という立て看板の中でやってきたことが非常に大きかった。本当に困ったところに融資をしていただいた。しかもスピーディーに。しかも行員が少ない、各県にたくさんあるわけじゃありませんから、そういう中でも対応をしてきたことは評価されると思いますけれども。
西村大臣は、この商工中金の在り方検討会ありますね、そこにおいても、幾度となく、中小企業のための商工中金改革、この改革という観点から議論をお願いしたいと西村さんはこれまでおっしゃっていただいてきたわけであります。中小企業のことをもう本当に大変に御理解していただいている大臣だと存じます。ですから、政府による危機対応の対策の融資、これを恒常的設置の必要性について、大臣の方から御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/108
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109・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) まさに商工中金は、これまでも、リーマン・ショックとか東日本大震災の際にもまさに危機対応業務を実施をしてきております。御指摘のように、コロナ禍においても約三・八万件、約二・九兆円の危機対応融資を実施をしてきているところであります。
政府としても、まさに金融収縮期、リーマン・ショックのようなときにはセーフティーネット保証などの保証制度、信用保証制度を活用した支援のみでは中小企業の資金需要をカバーできない可能性があるということ、また、全国規模の災害が発生した際には日本公庫だけでは十分に支援が行き届かないと、民間金融機関が御指摘のように危機対応業務を行う指定金融機関に参入していない現時点において、やはり商工中金のまさに全国のネットワークを生かした迅速な資金供給が重要であること、こうしたことを踏まえて、引き続き商工中金に対しては危機対応業務を実施する責務を課すという必要があると考えております。
その上で、お話ありましたとおり、今回の改革の狙いは中小企業のための商工中金改革ということであります。商工中金自身も、この組織のDNAとして危機時の資金繰り支援を担っていく意思を表明をされております。定款にもこの危機対応の責務を有する旨を記載する方針でありますし、また、今回の改正法案におきまして、商工中金に対して危機対応業務を実施する責務規定をこれまでの附則から本則に位置付け直すということにいたします。そして、政府保有株式の売却後も中小企業組合などへの株主資格制度を維持することで、引き続き商工中金がその責務を確実に果たすことを担保していきたいというふうに思います。あわせて、商工中金が的確にこの危機対応業務を実施できるように、危機対応準備金の制度も存置をいたします。
こうした措置を通じて、改革後も中小企業が危機に遭ったときに商工中金の業務姿勢に不安を覚えることがないように、危機時における中小企業の資金繰り支援、万全を期していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/109
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110・石井章
○石井章君 ありがとうございました。危機対応業務は中小企業のために是非とも存続していただきたいと思います。
しかし、そのための特別準備金や危機対応準備金の政府資金が継続されるということは、商工中金法も当面は廃止されないということで、株主の、売却先には、先ほどおっしゃったように、中小企業組合や構成員などに限定する、これは上場しないでやるということでありますが、これはそういったところに譲渡を想定しているということですが。そうすると、またこれ必ず、ふだんしっかり業務を遂行しない民間の方から、完全民営化など程遠いんじゃないかと、名ばかりの民営化だという非難の声を出す人もこれは必ずいるんですから。今でもいますけれども。
それで、その政府株を全て処分した後にそのガバナンスへの影響は極力排するということでありますが、商工中金法や危機対応業務は残すという、これはいいことであります。確かに、ただ、中身、そうすると、じゃ、支離滅裂じゃないかという印象は否めないわけでありますけれども、過渡期とはいえ、背反的なしつらえについて、政府の考えがあればお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/110
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111・長峯誠
○大臣政務官(長峯誠君) お答えいたします。
今回の改革の狙いは中小企業のための商工中金改革ということでございまして、不正事案発覚後の二〇一七年から五年以上掛けまして商工中金の経営改革を進める中で、政府内で議論し、また、全国中小企業団体中央会などの中小企業側からも要望を踏まえまして、改革案を今回形にしたものでございます。
具体的には、民間ゼロゼロ融資の返済が本格化し、今後、中小企業の事業再生支援のニーズが高まると見込まれる今、事業再生支援の優れたノウハウを有する商工中金の事業再生支援などの機能強化を図るとともに、より柔軟で自立した民間のガバナンス移行を目指し、中小企業による中小企業のための金融機関との位置付けを更に明確化することで、意識改革により職員が一歩踏み込んだ中小企業支援ができるようにするため、政府保有株式を全部売却をいたします。
あわせて、商工中金が危機時の資金繰り支援や再生支援、スタートアップ支援等のリスクの高い事業をしっかりと行うことを担保するため、危機対応業務の責務や危機対応準備金制度、特別準備金制度は存置するとともに、商工中金の中小企業による中小企業のための金融機関という性質を堅持する観点から、商工中金の議決権株式の株主資格は引き続き中小企業組合及びその構成員等に限定するということにしております。そのため、商工中金法も維持するということになっております。
以上のようなことから、今回の改革は、繰り返しになりますが、あくまで中小企業のための商工中金改革であり、名ばかりの民営化とは異なるものであるというふうに認識をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/111
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112・石井章
○石井章君 今回のいわゆる中身は、組合金融の円滑化ということが主たる目的でありまして、そしてその範囲内で事業再生企業への出資あるいは業務範囲の制約的なものが緩和されるということでありますが、中身の事業を見ますと、先ほど来質問が出ていますけれども、人材派遣業務なども取り組むと、それから一番の肝は地域金融機関との連携を図ることが法律に明記されるということであります。
民業圧迫を回避する規定、いわゆる適正な競争を阻害することのないように特に配慮することも存続されるということでありますが、しかし、そうはいっても、これ私は批判的に言っているんじゃないですからね、こっちを立てればこっち立たずなんで両方の立場から物を言っているんですけれども、民間企業から、民間の銀行などからすれば、この対等な競争環境になどあるわけないだろうと、いわゆる政府がバックにいてですね。しかも、今度は協調融資もしなさいと、あるいはシンジケートも組んでもいいということ、形とすればそういうことになるわけですけれども、今まで、商工中金どこどこ支店があって隣に民間の銀行が、都市銀ありましたと、これ先ほど言ったとおり、全く口聞いたことのない同士がいきなり協調融資といっても難しい、しかも片方は政府がバックにいるのに何で一緒にやるんだというような気持ちを持っている人が多い、これ実際に民間のいわゆる銀行の支店長からもお話聞いたわけでありますが、そうすると商工中金の競争的優位性は変わらないだろうということなんですね。
しかし、これはもう政府側は、いや、そうならないようにしますと言うことは重々分かっています。ただ、民業圧迫につながるのではないかという危惧する声が上がっているのも事実だということをお知らせする意味で今お話ししているんですけれども、今回の改正をもって商工中金の新業態、新しい業態、具体的にこれが目玉だというものはどのようなものにしていくのか、考えを御説明お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/112
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113・長峯誠
○大臣政務官(長峯誠君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、政府保有株式を全部処分したとしても、準備金制度等が残る中では民間金融機関からイコールフッティングへの懸念があるという声があることは十分承知をいたしております。ですからこそ、今回の改正法案におきましては、適正な競争関係を阻害することのないように特に配慮しなければならないとする民業圧迫回避規定を存置することとしております。
また、商工中金は、全国ネットワークや再生支援のノウハウを有しておりますが、地域ごとの支店数や職員数は決して多くはございません。地域におけるネットワークや地域密着型支援につきましては、地域金融機関の方に強みがあると認識しております。
このように、両者の強み、特色が異なるために、商工中金が中小企業のための金融機関としての役割を十分に果たすためには地域に密着した地域金融機関との連携が不可欠でございます。
委員御指摘の、隣同士で口も聞いたことないというのはかつてはあったやには聞いておりますけれども、これまで商工中金も民間金融機関と業務協力文書を積極的に締結をしてまいりまして、既に三百八の業務協力文書を締結するなど、地域金融機関と具体的な連携を図ってきたところでございます。
商工中金と民間金融機関の連携を一層強化する観点から、本改正案におきましては、事業の再生その他の事業活動の活性化が図られるよう、銀行その他の金融機関と連携するよう努めるものとするとの規定も設けているところでございます。
政府といたしましても、商工中金がほかの金融機関との適正な競争関係を確保しつつ、商工中金が民間金融機関とは差別化されたビジネスモデルを確立できますよう、事業の状況を随時検証し、必要に応じて改善を促すなどにより取り組んでまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/113
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114・石井章
○石井章君 ありがとうございます。
今日は関根社長来ていますので、いろいろじっくりお話をお伺いしたいんですけれども、関根社長は、皆さんも言うまでもなく、民間のいわゆる第一勧業銀行時代の改革を手に掛けた、名前は出てきませんが肝腎の方でありまして、そういった方の手腕を買われて、前社長の安達さんから関根さんに替わったと。これ替わったとき、私よく見ていますから、期待されて来たということで、風貌はおとなしいけれども、相当気持ち、気概を持った方だというふうにお伺いしております、あなたの部下の方からですね。
それで、民間金融機関、いわゆる民間の銀行からの借換え等を受ける場合は、特に商工中金というと、例えば各県にそんなに支店がないから、県央にはあるかもしれません、例えばいわゆる首都圏の真ん中にある、いわゆる、ところに一か所あって、例えば県南とか県北とか山の方へ行くとない。まあそこには銀行も、今、郵便局もないような時代になりましたけれども。特に、今なかなか商工中金というのは一般の中小零細企業さんとはお付き合いがないかなというようなのがイメージとしてあるんですけれども、先ほど担当者に聞いたら、いや、そういうこともないんですよということでありましたが。
その民間の銀行からの借換え等を行う場合に、民間の銀行に物すごい気を遣っているんですね。もう、私は実際に行って話していますから、これやって民業圧迫と言われませんかねと、大丈夫ですか、何かびくびくしながらやっているんですよ。
だから、やっぱりかわいそうで、一生懸命やろうとしているのに何か、私は何回も言うけど茨城県なんで、水戸が県庁所在地で、そこに商工中金さんがあって、隣に元富士銀行の銀行があってと。富士銀行といえば大体、あっ、第一銀も同じだよ、今ね、流れは。ですから、その銀行さん、いわゆる、まあみずほ銀行ですよね、だからね。みずほ銀行があって、隣同士が全然もう意思の疎通もないと。だから、そこで協調融資などというのは全く信じられないと。向こうから頭下げることもないし、こっちから言うこともない。まあ財務省か何かが行って中に入ってといったら、それほど大きな案件でもないし、やはり地方で扱う案件などというのはそんな大きいものじゃありませんから。ですから、そういったことが常に民業圧迫受けるんじゃないかと。だから、本当はもっと安い金利で融資したいのに、余り安くしちゃうと、隣の銀行でやっているレートよりも高くできないというようなことなんですよ。
だから、そういうことも実際には現場であるんで、関根社長には絵に描いた餅で終わらないように、今日言っている、大臣からみんな政府の方も言っていること、内容的にはすばらしいことなんだけれども、実際これを現場でやっていくとなるとなかなか厳しいかなというふうに感じているんですけれども、関根社長からお考えをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/114
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115・関根正裕
○参考人(関根正裕君) お答えします。
確かに、不正事案のあった頃は、危機対応融資を使って民業圧迫的な行為があったというふうに聞いております。ただ、当時を本当に深く反省をして、この五年間、決してそういうことのないようにということでしっかりとやってきました。クレジットポリシーの中にも、お客様の意に反したような肩代わりといったことはやらないというようなこともしっかりと明記しております。
そして、先ほど政務官からも答弁ございましたが、業務連携協定、この数がもう三百、再生支援に至っては百の金融機関と提携をしております。そういったことから、最近は、地方銀行協会、第二地方銀行協会その他から商工中金に対するそうしたクレームもなく来ております。
シンジケートローンの案件も多数行っておりますし、これからも民間金融機関と連携、協業を図りながら、しっかりと地域経済のサポートに取り組んでいきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/115
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116・石井章
○石井章君 確かに、ローマは一日にして成らずじゃありませんけど、決まったからすぐ次の日に全部が解決するわけじゃないんで、やっぱりひたむきな考え、その努力がないともうできないと。だから、それまでには、いろいろ民間の金融機関の方はもう百戦錬磨で、いろいろたたいたりいろいろしますから、だからそれを我慢してやっていただきたいと思うんですけれども。
特に、地域金融機関とは連携あるいは補完ということが強化されるということでありますけれども、ただ、対象とされるのが、信用金庫あるいは信用組合には、その連携を果たす場合には信金中央金庫あるいは全国信用協同組合連合会、これがあるわけです。しかし、それらを差し引いて商工中金が連携するとなると、現実的に可能なのかどうかね、どうなのか、社長、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/116
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117・関根正裕
○参考人(関根正裕君) これまでも五年間しっかりと連携、協業してきましたし、これからも十分可能だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/117
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118・石井章
○石井章君 今日は過去の数字がどうとか、関根社長になってからどういう案件でどうだというところまでは聞きません。それは聞いたらまたいろいろ問題があると思うのでそれは聞きませんけれども。
政府は、民間を窓口とする危機対応融資を行っていく取組を、これはやっぱり強化すべきであるというふうに思います。民間がなぜ危機対応業務に手挙げないのか。これ、先ほど言っていましたけれども、昨年のコロナ、一昨年から始まったコロナ融資で全く民間が危機対応融資に手を挙げなかったということで、そのときは政治のリーダーがしっかりしていたので、まさしく安倍さんでありますから、安倍さんと梶山さんの連携の中での早い対応だったんですよ、すごい。これはやっぱり、こういう政治家いるんだなという思いで私も関心しました。予算委員会終わって一週間後のときには各銀行にもう回っていますから。
そういう、早くできるのは西村さんも同じだと思うんですけれども、経産省、どのように今後進めていくのか、御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/118
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119・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) 御質問いただきました、危機対応融資にもっと民間金融機関も参入していただきたいと、こういうお話だったと思います。
これにつきましては、私どももいろいろ改善を重ねてきております。金融機関から聞こえてきますのは、事務手続等々が煩雑なところがあるのではないか、若しくは、システム等々について、しっかりつくり込んでその準備をしていくことについても大変ではないかというようなお話もございました。こういう点については、財務省等とも御相談して、るる改善をしてきてございます。
それから、システムについてのお話だけ申し上げると、午前中の質疑の中でもございましたけれども、これ、商工中金が今回、業務範囲の拡大ということをいたしますれば、システム販売みたいなことを、自身の危機対応業務を担っている中でやっているシステムを外に開いていく、こういったことについてもあり得る一つの選択肢だと考えてございます。
こういったような不断の取組を通じまして、指定金融機関ということで手を挙げていただく民間金融機関というものを一つずつでも増やしていく、こういった取組を続けていきたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/119
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120・石井章
○石井章君 やっぱり商工中金を利用している、利用されている中小零細企業の方というのは比較的、パーセンテージからすると、もちろん民間の銀行よりは少ないの当たり前なんです。数も少ないし、そういったことを考えれば当然なんですけれども、でもやっぱり、商工中金の、借りるには組合に入るわけですね。これは当然組合に入ってその資格を得て、そして融資を受けると。そうすると、一回借りた人は商工中金の良さというのをよく分かっているんですよ。
これは同じ政府系でも、余り声高に言いたくないんですが、日本政策金融公庫、ゼロゼロ融資でどんどんどんどん貸し付けました。今、多分ここにいる自民党の先生方も、私の事務所にも、今まで、私は商工会にも関連していたことあるんで、小規模事業共済法の貸付けの担当もやっていましたけれども、今、地元のこういう企業困っているんで何とかお願いしますと言っても、それは口利きですかと言われます。口利きですかですよ。別に商売としてやっている、なりわいとしてやっているんじゃなくて、政治家として困っている人に手を差し伸べる、あるいは、本人が慣れていないから、その会社が、こういう人行きますのでお願いしますと言うだけでも、これ本店も一緒ですから、今。いや、商工中金じゃありませんからね。同じ政府系でもそういう差が出てきているということなんで、私はそうならないように、何のための政府系なのか。
今、そういったところのいわゆるゼロゼロ融資のこの返済が始まろうとしている中で、目的と若干、同じ会社が、この会社を舞台回しするのに例えば五千万借りました、五千万のうち二千五百万がこういう事業、あと残りがこういう事業って申請しました、そのうちの三割がその計画に入っていなかったことに使われていたということであっても、このコロナの中でどれだけ企業が売上げが下がって、新しい分野の仕事をつくっていこうというときに、せっかく借りた五千万だから有効に使おうと、人に貸すんじゃありませんからね、社長に貸すとかじゃなくて、その企業でこのお金有効に使っていこうというのに関しても、物すごい貸し剥がしのような状況が今続いていると、そういう支店もあります。これは今回の質問でやりませんが、秋の臨時国会ではしっかり精査していただくと思うんですけれども。
そういったことに、いわゆるみんなが心配しているのは、商工中金のいいところ、中小企業支援政策そのもののこの見直しとかいわゆるサービスの低下につながらないのかどうか、そういう懸念をしている、持っている、実際の商工中金の利用者ですからね、国民といっても国民は幅広いんで、特に中小零細企業で商工中金さんにお世話になっているところがそういう懸念を持っているんですけど、関根社長、御答弁お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/120
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121・関根正裕
○参考人(関根正裕君) お答えします。
まず、商工中金、昭和十一年に設立以来、中小企業の資金繰りの円滑化というこの法目的に沿ってしっかりと伴走支援を行ってきました。
このお客様に寄り添った、その財務諸表、担保、保証のみならず、お客様の事業をしっかりと理解した上でのサポートが御評価いただいているんだと思います。この姿勢を、これはもう商工中金のDNAとして染み付いていると思います。
そしてまた、今回、商工中金の企業理念、パーパスを制定いたしました。このパーパスに基づいて、これからも変わらずしっかりと運営していくということでございます。パーパスにつきましては、今回の株主総会で定款に盛り込むことも予定しております。
これまでの姿勢を変えることなく、しっかりとサポートしていくことが我々の使命だと思っていますので、その変わらない使命の中で変わり続けるということでやっていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/121
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122・石井章
○石井章君 時間ないんでもう一度社長にお聞きしますけれども、この民業圧迫という声は聞きながらも、それはまあ言う人は言いますから、だけど、商工中金だからこそ可能な、本当、真に必要な中小企業への融資、もうこれが使命ですからね。外野はうるさいの、何でもいますよ。国会でも外野はうるさくて、があがあがあがあやっている、私の党かもしれませんけど、それはね。そういったこともあります。年中行事のところもありますから、そういうことも、これも国会は国会ですけれども。
実際、民間のそれで食べている、毎日毎日が日銭が入らないと困るところもあるわけですよ。そういうところの企業の中で、商工中金さんがないと大変だなと思う気持ち、これが本当に一〇〇%民間になったら本当に貸してくれるのかという懸念があるという、そういうことを思って、最後に、新しい新規事業が必要だと思う気持ちがあると思いますが、その取組の方向性について社長からお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/122
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123・関根正裕
○参考人(関根正裕君) まず、商工中金変わるんじゃないかという、そういった御心配につきましては、先ほどパーパスのお話しましたが、今回、株主が、政府は外れますけれども、従来から同様、組合とその傘下の企業ということでございます。もう我々はまさにその中小企業組合と組合、傘下の企業のために活動すればいいわけでございまして、我々が上げる収益は当然のことながら組合、傘下の企業に還元されますし、我々が投資する人的資本投資、設備、システム投資、こういったものも全て中小企業のお客様のための投資でございますので、そういったことからきちんと循環するというふうに考えておりまして、引き続き中小企業の皆様のために頑張っていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/123
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124・石井章
○石井章君 貴重なお時間ありがとうございました。終わりにします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/124
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125・礒崎哲史
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。どうぞよろしくお願いをいたします。
私から、実際の法律の今回の中身、改正の中身についてまず何点かお伺いをしていきたいと思います。
まず、危機関連の様々な保証の業務ということで、皆さんお手元に資料をお配りをしているんですけれども、一枚目です。
危機関連保証という、現在そういうものがありまして、上の図のところに三階建てで書かせていただきました。危機関連の中においては三階建てになっておりまして、一般保証、そしてセーフティーネット保証、そして一番上、赤字で書いてありますけれども、危機関連保証ということで、今回、コロナ禍においてはこの三階建ての一番上の部分、危機関連保証というものが初めて発動されています。三階建てにしてから、実はこの三階目の危機関連保証というものが発動されたのは今回コロナ禍が初めてということでありました。約六十九万件の利用実績があったということで承知をしています。
改めてなんですが、政府には、この危機関連保証が果たしてきた役割とその効果に対する認識をまずお伺いしたいと思います。
あわせて、この危機関連保証を今回見直すことになりました。同じく資料一の下側の絵になるんですけれども、現行でいきますと、申請されてから、その指定期間内に申請されて実際に利用が始まっていれば対応可になるんですけれども、その指定期間後に実際に利用が開始になっていますと、これ利用できないということになるんですね。ところが、申請してから利用されるまでの間に大体審査期間が一週間から二か月程度掛かるということで、これ当然またいでしまうことが想定をされるということですので、今回、改正後はこういう形で全てが網羅されるような形になるんですけれども、今回、あわせて、ここの見直しの判断を行った立法事実について併せてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/125
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126・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 危機関連保証についての御質問でございます。
これにつきましては、例えばリーマン・ショックと同程度に資金繰りDIなどの指標が短期かつ急速に低下している場合など、著しい信用収縮が全国レベルで生じた場合に発動することを想定をして、いわゆる一般保証、そしてセーフティーネット保証とは別に、更に別枠の保証限度額二・八億円を措置するものであります。いわゆる三階建て部分の一〇〇%保証という枠であります。二〇一八年に創設をされ、コロナ禍で御指摘のように初めて発動されたものであります。
同じくコロナ禍で全国に発動しましたこのセーフティーネット四号が二〇%売上高減少を要件としているのに対して、この危機関連保証は一五%の売上高減少との要件を満たせば利用可能ということで、こうした条件、要件の下、コロナ禍では、二〇二一年十二月までの合計二十三か月の指定期間中に約六十九万件、約十四・五兆円が利用され、多くの中小企業の資金繰りの円滑化に効果があったものというふうに考えております。
他方で、この危機関連保証の利用には、まず市区町村長に対する認定申請、市区町村長による認定、融資、保証の申込み、融資、保証の実行という四段階のプロセスが必要でありますけれども、現行制度では、この危機関連保証の指定期間中に融資、保証の実行まで終えることが必要ということになっております。
今回、何かこれで特段支障があったということは承知をしておりませんけれども、しかし、今後の様々な危機に備えていくには、この指定期間中に認定申請を行っているにもかかわらず、融資、保証の審査に時間を要し制度を利用できないという事態も考えられますので、それを回避をしようということで、今回、中小企業信用保険法第十五条を改正することによりまして、危機関連保証の指定期間中に市区町村長に対する認定申請さえ行えば危機関連保証を利用できるようにすることで、中小企業の危機関連保証利用に関する予見可能性を高め、危機時における資金繰りの更なる円滑化を図ろうとするものであります。迅速に利用してもらえるようにするということで資金繰りを支援していこうというものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/126
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127・礒崎哲史
○礒崎哲史君 今大臣からの御説明の中で、こういったプロセスによってこの危機関連保証が受けられなかったという大きな事案は特に今回なかったということですけれども、万が一に備えて更に適用範囲を広げたということで理解をいたしました。改めて見てみますと、確かにまたぐ可能性は十分にあったということですから、これはしっかりと見直すのはいい方向だというふうに認識をしています。
あわせて、皆さんに、資料としては二枚目の資料です。
こちらも危機対応関連の話になるんですが、これは商工中金向けといいますかね、商工中金のスキームということで危機対応業務というものがあります。これは政府、日本政策金融公庫の後ろ盾で指定された金融機関が行える金融対応業務ということで、現在は商工中金のみがこれ指定銀行ということになっているということで、今この二つの危機対応に関連する様々な保証ですとか業務というものがあるという状況になっているんですが、今回の法改正によって中小企業信用保険法の第十九条が見直しをされて、同一の危機事象について危機対応業務と危機関連保証が発動されている場合、商工中金の危機関連保証の利用を認めないということなので、事象が同じだった場合には、この一枚目と二枚目でいくと一枚目は商工中金は使えなくなるという、こういった見直しがされることになっています。
改めて、ちょっと立法事実、確認をさせていただきたいんですが、今回のこのコロナ禍においてはこれ両方とも指定がされていたということでありますけれども、具体的にどのような問題があったのか教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/127
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128・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
ただいま委員から御説明いただきましたけれども、危機対応業務と危機関連保証と二つの制度がございます。コロナ禍では、初めて同一の危機事象についてこの危機対応業務と危機関連保証が発動されておりまして、商工中金は危機対応業務に注力をし、約三・八万件、約二・九兆円の融資を実施してございます。
このコロナ禍で商工中金が危機対応業務と危機関連保証の双方を担ったことに伴う具体的な問題というのは発生しているわけではございませんけれども、他方で、制度上は、危機対応業務は財政投融資から貸出原資の提供を受けることが可能であるものの、中小企業向け融資の場合、日本公庫による損失補填割合は八割となっておりまして、商工中金による一件の融資当たり平均しての保証料の負担というのが掛かりますが、これが一件平均として約六十万円ということ、商工中金に発生いたします。
他方で、危機関連保証という制度は、貸出原資は商工中金自身で調達する必要がありますけれども、一〇〇%保証であり、信用保証料は中小企業が自分で負担すると、こうなっておりまして、制度上は、商工中金が個別の事案を踏まえて、危機対応業務ではなくて危機関連保証の利用を優先するということも考えられるところでございます。
他方で、これ中小企業のためのということで、中小企業の身になって考えてみますと、金利負担等の条件が同一であれば、民間金融機関からの今後の借入れのために危機関連保証の枠を残すべく、商工中金の危機対応業務による融資を希望するという可能性も高いと考えております。
今回の改正は、こうした中小企業の利便性に配慮をし、商工中金が危機対応業務に注力することを制度上担保するためのものでございまして、今回の措置を通じて危機時における中小企業に対する十分な資金供給に万全を期してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/128
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129・礒崎哲史
○礒崎哲史君 今御説明いただきました。中小企業の利便性の向上というお話もありましたけれども、利用料を含めてですね、利便性の向上というお話ありましたけれども、ただ、これ事業者側から見ますと、政府系金融機関だろうが民間金融機関だろうが、事業継続に必要な状況の中でその融資が得られる、保証が得られるということであれば、相談できる金融機関が多いにこしたことはないのかなというふうにも考えます。
そうすると、今回の見直しについては少しそれが狭まるというふうにも捉えられますので、そういったときに、これ事業者側からは今回のこの見直しに対してはどんな要望があったのか、また一方で、商工中金としては逆に自分たちの業務としては減っていく方向になりますので、商工中金としてはどのような受け止めがあったのか、この点、確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/129
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130・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
今回の改正内容につきましては、二〇二三年二月二十七日に開催いたしました中小企業政策審議会金融小委員会におきましてお示ししておりますけれども、オブザーバーとして参加しておりました中小企業関係団体からは特段の意見はございませんで、改正の趣旨について御理解いただいたものと承知してございます。
また、商工中金は組織のDNAとして危機時の資金繰り支援を担っていくと、社長も先ほどおっしゃっておりましたが、こういう意思を表明しておりまして、本年六月二十日に開催される株主総会において、この危機対応業務の実施の責務を有する旨を記載する定款改正案を諮る方針とも聞いてございます。
このように、商工中金が危機対応業務に注力することを制度上担保するための今回の改正内容は、商工中金からは自らの方針とも軌を一にするものであると受け止められていると承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/130
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131・礒崎哲史
○礒崎哲史君 制度上、そうした形でより危機対応の業務をしっかりと商工中金が行っていくという、位置付けを変えていくというのは、確かにそれはすっきりといいますか、しっかりとそういう形で体系整えていくというのはある意味必要だと思うんですけれども、やっぱり現場目線で見たときに、逆に、この事象のときは商工中金使えてこの事象のときには使えない。
今、同一の事象においてはこの二枚目の危機対応業務しか使えなくなるとお話ししましたけど、事象が違えば引き続き商工中金はこの危機関連保証は実際に行えるということだというふうに思いますので、そうすると、事象によって商工中金が使えるものが変わってくるとすると、逆に現場としては混乱を招くことになりかねないかなと、使う側からすると混乱しないかなということを懸念してしまうんですけれども、その点について何か政府としてお考えありますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/131
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132・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
危機関連保証は、例えばリーマン・ショックと同程度に資金繰りDI等の指標が短期かつ急速に低下している場合など、著しい信用収縮が全国レベルで生じた場合に発動する制度でございます。先ほど御答弁させていただいております。他方で、この危機対応業務というものも、リーマン・ショックや大規模災害等の真の危機時に限定して発動するということに不正事案以降方針を決めておりまして、多くの場合はこの危機関連保証が発動される場合には危機対応業務も発動されていると、こういうものだと承知をしております。
なお、委員おっしゃるとおり、これは中小企業目線でどうなのかと、不便ではないのかということが重要だと思っておりますが、中小企業が危機時に融資を受ける場合というのは、取引先金融機関に相談するということだと思います。その場合、商工中金を含め金融機関はどのような場合に危機関連保証や危機対応業務に基づく融資が可能なのか把握をしておりますので、中小企業に対して適切な融資メニューを紹介するということだと理解しております。
いずれにせよ、現場で混乱をしないようにすることが重要でございますので、商工中金だけでなく、中小企業関係団体、民間金融機関、地方自治体を含め周知を徹底するなど、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/132
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133・礒崎哲史
○礒崎哲史君 今、最後言われました、地域の商工会議所ですとか経済団体としっかりと連携取っていただいて、いざというときに混乱しないようにしていただきたいというふうに思います。
あと一点、この関連で、この二枚目の危機対応業務の実施の責務について、これまで附則の第二条の二項において規定していたものを、今回の改正で本則の第二十二条の三に規定するということになっています。附則から本則に移したその狙いと従前とのその効果の違いについて確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/133
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134・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 先ほど来御説明をさせていただいていますけれども、まさに商工中金は、リーマン・ショックとか東日本大震災とか、そうした危機時、コロナ禍でもそうでありました、そうしたときに危機対応業務をしっかりと実施をし、役割を果たしてもらうということであります。商工中金自身も組織のDNAとして危機時の資金繰り支援を担っていく意思を表明をされておられます。今後定款にもその旨を記載する方針であります。
今回の改正法案におきまして、まさに御指摘のように、この危機対応業務を実施する責務の規定を附則から本則に位置付け直すということは、引き続き商工中金がその責務を確実に果たすということを担保する大きな意味があると思っております。これは、危機対応業務の義務化という株主資格の制限に対する全国中小企業団体中央会の強い要望にもお応えするものであります。これに関連して、商工中金が的確に危機対応業務を実施できるように危機対応準備金の制度も存置することとしております。
こうした措置を通じまして、今回の改革後も、何か中小企業が商工中金のこうした業務姿勢に不安を覚えることがないよう、危機時における中小企業の資金繰り、これをしっかり行うということを明らかにするものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/134
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135・礒崎哲史
○礒崎哲史君 より商工中金の位置付け、責務を明確に法律の形の中でもしていくということで受け止めたいというふうに思います。
ちょっと順番入れ替えまして、最後に通告をしていた質問を先にさせていただきたいと思います。
少し全般的な質問になるんですけれども、今回、コロナ禍において様々な支援策行われました。各種給付金ですとかゼロゼロ融資、この中小企業支援策が行われましたけれども、実際に、企業の倒産件数を低水準に抑えるなど、事業者の事業継続に貢献があったというふうに認識をしています。ただ、その一方で、不正受給問題ですとか、その運用をめぐって様々な課題も見えてきたというふうに考えています。
政府として、今回のこのコロナ禍における中小企業支援策の展開についてどのように総括しているかということと、あわせまして、コロナ禍で実施されてきた個々の支援策の事後の評価ですとか、あとはこの先の支援先のフォローアップをどのように実施してきているのか、実施していくのか、この点について確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/135
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136・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) まさに、コロナ禍におきまして私もコロナの担当大臣をしておりまして、この中小企業の皆さん、事業、雇用、生活を守っていくという方針で、御指摘のありましたような持続化給付金、そしてゼロゼロ融資などですね、もう最大限の支援を行ってきたところであります。その結果、御指摘のように、倒産件数も低位で推移をしてきたところであります。
一方で、この持続化給付金について申し上げれば、とにかく迅速にお配りするという視点から、性善説に立って、まずは早くお届けするという方針で臨んでまいりました。そうした中で、不正受給もかなりの数確認されているのも事実であります。自主的に返金されたものもかなりございます。
そこで、一時支援金以降の事業者向け給付金では、不正防止の観点から、商工会議所等による申請書類の事前確認を行うなどの対策を講じたところであります。また、まさに誤って受給した事業者からの自主返還を求めたり、あるいは不正の疑いのある案件につきましては調査を通じてその返納を求めておりまして、訴訟も含め厳正に引き続き対処していきたいと考えております。
今後、まさに五類に移行し、経済活動が平常化してきておりますので、まさに、まあ言わば守る姿勢から今度は攻める姿勢へ、需要も回復してきておりますし、静から動へという状況になってきておりますので、中小企業のいろんな取組、前向きな取組を是非支援をしていきたいということで、具体的には、もう御案内のとおり、ものづくり補助金とか事業再構築補助金とかIT補助金など、まさにGX、DXという時代の要請に応える形で、新しい挑戦、そうした取組をしっかりと応援をしていきたいというふうに思っております。
また、ゼロゼロ融資の返済期限が夏頃にピークを迎えてくるんだと思いますので、コロナ借換え保証制度を一月から開始しておりますし、こうした仕組みによって中小企業の収益力改善を支援をしていきたいと思っております。
コロナ支援策のうち事業再構築補助金につきましては、第一回公募の採択者の多くが昨年度事業、補助事業を完了したばかりであります。順次報告を受けておりますので、この間、補助金をどういうように活用し、どうした事業展開をしているのか、そうしたことをしっかり政策効果を評価をし、フォローアップをしていきたいというふうに考えております。この間のいろんな仕組みもしっかり検証して、今後の中小企業政策につなげていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/136
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137・礒崎哲史
○礒崎哲史君 ありがとうございました。
今大臣からもお話をいただきましたけれども、このコロナ禍、やっぱり前例のない様々な取組を政府としてもされたと思いますし、危機対応の業務、商工中金も含めて、民間の金融機関も含めてされてきたんだというふうに思います。是非、今回の事例しっかりと見直しをしていただいて次につなげていく、そうした機会に是非していただきたいと思います。
もう時間がないので質問はもう終わりたいと思いますけれども、商工中金の過去の不正については、私もちょうどこの経産委員会に所属しておりましたので、当時の調査報告書も含めてつぶさに読み込みましたし、相当辛辣な、調査結果については相当厳しい御意見がそこには記載されていたのを今も覚えています。
是非、今後、商工中金、この民営化に向けた動きの中では、過去のこうした事例をしっかりと、もう御認識はきっと社長含めて皆さんされているとは思いますけれども、それを踏まえた上で取り組んでいただきたいというふうに思いますし、是非、そうしたことが二度と起こらないように経産省としてもしっかりとそこは監視をしていくといいますかね、管理をしていくといいますか、株式は売ってしまいますけれども、責任を持って見ていただきたいというふうに思います。その点、お願いを最後にさせていただきまして、質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/137
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138・岩渕友
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
初めに、男女共同参画に関わって質問をします。
各国の男女格差を示すジェンダーギャップ指数を見ると、日本が百四十六か国中百十六位と極めて低い順位です。政府が示した女性版骨太の方針では、東証プライム市場に上場する企業の女性役員の比率を二〇三〇年までに三〇%以上、J―Startupにおいて女性起業家の割合を二〇%にするとしています。これは当然だと思うんですね。
同時に、地域の経済を支えている中小・小規模事業者の女性経営者や女性従業員の方々の地位向上、これは切実な課題です。
全商連婦人部協議会が昨年の六月から七月に行った実態調査というものがあるんですけれども、全国から八千人分を超える回答が寄せられて、その結果をまとめたものが今年の三月に公表されています。(資料提示)これがそのまとめたものなんですけれども、事業者の方々がどんな実態の中で営業をされているのか、是非大臣や長官にも知っていただきたいということで、委員会が終わったらこの冊子お渡しをしたいと思いますので、是非御覧いただきたいなというふうに思いますし、経産省として自営業者の皆さんや小規模事業者の皆さんの実態を是非調査していただきたいと思います。
それで、資料の一を御覧いただきたいんです。
これは今紹介した実態調査の中から幾つか抜粋をしたものなんですけれども、コロナ禍での売上げ状況は、二〇一八年と二〇二一年比べてみますと、横ばいの割合が落ち込んで、減少した割合が増えています。営業所得だけでは生活できないという回答が半数近くに上っているんですね。自営業の所得水準が低迷をしている下で、二五%の自営業の女性が収入確保のために家業以外で働いているという実態です。
そこで、大臣に伺うんですが、これ非常に深刻な実態ではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/138
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139・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) まず、是非、意欲ある女性は是非ともいろんな機会で活躍をしていただきたいと思いますし、大企業、中小企業、小規模事業者問わず、是非、そうした意欲、能力を生かす機会を大いにつくっていかなければならないというふうに思いますし、そのことが日本の経済全体の成長につながるというふうに私は確信をしております。
そうした中で、特に小規模事業者においては家族経営も多いですから、夫婦一緒に頑張っている中小企業の皆さん、小規模零細の皆さんも多いですし、お子さんも含めて大変な苦労をしておられる、特にコロナ禍で厳しい思い、さらには今の物価高、いろんなエネルギー高、そして人手不足の中で厳しい思いをしておられると思います。しっかりと、一生懸命頑張っておられるそうした皆さんの応援をしていきたいという思いであります。
もう御案内のとおり、ゼロゼロ融資の返済期限も迎えますけれども、その返済猶予などの取組を金融機関にもお願いをしておりますし、要請を何度となくしてきておりますし、また、借換え保証制度も一月から実施をしております。資金繰り支援に万全を期していきたいと思いますし、何より取引の適正化、価格転嫁ですね、これを大企業から、親事業者からしっかりとそれが事業者に受け入れてもらえるように、今も三十万社全国で調査も行っておりますし、引き続き大企業にはこのことを強く要請をしていきたいというふうに思っております。
また、小規模な事業者の方々がよく利用される持続化補助金であるとか、あるいはIT補助金であるとか、こうしたものでちょっとした工夫とかですね、ちょっとした何か資金の必要なときにそれを応援して営業につなげていく、そういった取組を引き続きしっかりと後押しをしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/139
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140・岩渕友
○岩渕友君 暮らしと商売を守るやっぱり施策が必要だということです。
この女性を始めとする家族従事者の働き分を経費として認めない所得税法五十六条の廃止が重要です。ジェンダー差別の根幹に関わる問題でもあり、廃止に向けた運動が広がっています。資料の一の右下にあるように、自家労賃が認められていないのは先進国ではまれな例というふうになっているんですね。
それで、資料の二を御覧いただきたいんですけれども、所得税法五十六条の廃止を求める意見書が採択された地方議会は全国で五百六十六に上っています。この資料二は北商連婦人部協議会の皆さんが調べたもので、北海道では、百七十九ある自治体のうち、今はこの調査のときよりちょっと更に進んで百二の自治体が採択をしているということなんです。この声に応えるべきだということを求めておきたいと思います。
次に、信用保険法に関わって質問をします。
法案では、経営者保証の解除の要件を定めて解除の範囲を広げるということです。これは、中小企業家同友会全国協議会や全国商工団体連合会といった中小事業者の団体、そして我が党も求めてきたことであって、一歩前進だというふうに考えています。
けれども、要件の一つとされる法人から代表者への貸付け等がないことという要件を満たす事業者は、昨年三月に公表された帝国データバンクの中小企業実態調査によれば約半数です。直近決算期において債務超過でないこと又は直近二期の決算期において減価償却前経常利益が連続して赤字でないことという要件を満たすのは厳しいと、こうした声も上がっているんですね。これでは小さい事業者の多くが経営者保証を外すことができないということになります。
そこで、長官に伺うんですけれども、中小企業庁は、どれだけの事業者が全ての要件を満たすのか、それを把握しているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/140
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141・角野然生
○政府参考人(角野然生君) お答えいたします。
中小企業の四割が利用しております信用保証制度では、依然として七割が経営者保証を徴求している、こういう現状を変えるために、〇・二五%の保証料を上乗せし、経営規律等に関する一定の要件を満たした経営者からは保証を徴求できないようにする制度を整備すべく、今回、改正法案を国会に提出させていただいたところでございます。
その一定の要件としては、今委員御指摘のとおりでございますが、法人から代表者への貸付けがないこと、そして財務書類を定期的に金融機関に提出していること、そして直近決算期において債務超過ではないこと又は直近二期の決算期において減価償却前経常利益が連続して赤字でないことのいずれかを満たしていることといった項目を省令において定めることを想定してございます。
その上で、個別の要件で見ますと、法人から代表者への貸付けなどがないという要件につきましては、今御指摘のとおり、約半数の事業者が会社から経営者に対しての貸付け等はないという回答がアンケート調査でございます。
もう一つの要件、財務状況に関する要件でございますが、こちらは、全国の信用保証協会や多くの民間金融機関から取引先のデータを提供されている一般社団法人CRD協会のデータによれば、約九割の事業者が要件を満たしているということでございまして、それなりの規模の中小企業、全てこれは把握、どの要件が全てはまっているかというのは把握はしてございませんが、今申し上げたことを照らし合わせれば、それなりの規模の中小企業がターゲットとなっているのではないかなというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/141
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142・岩渕友
○岩渕友君 全ての要件を満たすという事業者がどれだけかというのは把握していないということでしたよね。
二〇二〇年度の経営者保証に関するガイドライン、周知・普及事業の事業報告書によれば、経営者保証の解除を希望する方は八割に上っていると。こうした下でやっぱり実態把握することが必要だということです。
大臣に伺うんですが、この要件が厳しいので多くの事業者が対象とならないんじゃないかという声も上がっているんですよね。要件が実態と合っていないんじゃないかと思うんです。更なる要件緩和を行うべきではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/142
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143・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 今長官から答弁をさせていただきましたけれども、一定の私ども調査などに基づいて検討を重ねて、今このような形で提案をさせていただいております。
基本的には幅広い中小企業の皆さんに活用いただけるものというふうに思っておりますけれども、実際に実態がどういうふうになっていくのかなども踏まえて、いろんな形でいろんな場面場面で活用していただけるように、できるだけ幅広く使っていただけるようにしたいと思っていますので、そういう意味で、状況も見ながら、また不断のそうした見直しは行っていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/143
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144・岩渕友
○岩渕友君 中小企業団体からの要望を受けてせっかく実現するということなので、多くの事業者が対象にならないというのはお互いにとっても本意じゃないというふうに思うんですね。なので、実態に即して柔軟な運用を行うべきだということを求めておきたいと思います。
次に、商工中金についてお聞きをします。
商工中金は、預金、決済、貸付けのフルバンクの機能を持つ唯一の政府系金融機関です。資本金のうち約四六%を占める一千十六億円を政府が出資をしています。法案では、政府が保有する株式を二年以内のできるだけ速やかに完全に売却するとしています。
資料の三を御覧いただきたいんですけれども、この株式の処分について、二〇〇六年五月に成立した行政改革推進法では、おおむね五年から七年後を目途とするとしていました。その後、リーマン・ショックを受けて、二〇〇九年の商工中金法改定で、完全民営化の時期を二〇一二年四月から五年から七年後として、さらに、東日本大震災の対応のために、二〇一一年の法改定で、二〇一五年四月から五から七年後として、二〇一五年の改定ではできる限り早期にとしています。
新たなビジネスモデルを踏まえた商工中金の在り方検討会では、第四回で、平時に実施すべきとの考え方もあると。そして、第五回では、今実行すべきとの意見があるとするその一方で、金融団体からはタイミングについては慎重な判断が必要、こうした意見が出されたというふうにあるんですね。ところが、第六回では、制度改正から二年以内という期限が急に示されてくるんですよ。
本法案で、政府が持つ株式を全て売却する期限をこの二年以内とした根拠は何なのかと。どこで議論をされたのでしょうか。大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/144
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145・角野然生
○政府参考人(角野然生君) お答えいたします。
今回の改革でございますが、不正事案発覚後の二〇一七年から五年以上掛けて経営改革を進める中でも政府内で議論し、全国中小企業団体中央会などの中小企業側からの要望も踏まえて改革案を形にしたものでございます。民間ゼロゼロ融資の返済が本格化し、今後、中小企業の事業再生支援のニーズが高まると見込まれる今だからこそ、商工中金の事業再生支援などの機能強化を図る改革が必要だと、そういうことでございます。
政府保有株式の全部処分を今行うべきだというふうなことは、先ほど来答弁で申し上げたとおりでございますが、具体的にその二年以内、どこでという御質問について少し具体的に申し上げますと、この二年以内という年数でございますが、商工中金改革を議論した検討会の第四回会合、これ一月十三日において、多くの委員がタイミングは今だと、こういう発言がある中、関根社長からも、環境が厳しく変化が激しい今だからこそ変革を急ぐべきだと考えている、先送りすることは衰退につながり、決して中小企業のためにならない、こういった発言がございました。
続いて、第五回検討会、これ一月二十四日でございますが、そういった中で、政府保有株式の全部売却を含む改革を今実行すべきとの考えが委員の共通認識になったところでございます。
こういった中で、政府保有株式の売却方法の決定や手続などに一定期間が必要となるため、日本アルコール産業株式会社などの過去の非上場株式の売却に要した期間、こういったことも参考にしながら、第六回の検討会におきまして、事務局より二年以内という期限を提示し、委員の方々から特段の御意見なく御賛同いただき、設定したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/145
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146・岩渕友
○岩渕友君 事務局からの提案ということなんですけれども、これ事務局の中ではどんな議論したのかということだと思うんですよ。そもそもは五年から七年と言っていて、今と言っていたのが二週間後には二年以内となるわけなので、ちょっとその議論の過程がよく分からないんですよね。
なので、こうした、何で二年以内としたのか、その経過を明らかにする、事務局で議論されたというのであれば、そのときのメモなど分かるものを委員会に提出していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/146
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147・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/147
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148・岩渕友
○岩渕友君 この二年以内に千十六億円もの株が売却できるのかということなんですね。
法案では、新たに全国中小企業団体中央会や日本商工会議所や全国商工会連合会などに株主資格を広げるというふうにしているんですけれども、これらの団体が株式を買うということなのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/148
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149・角野然生
○政府参考人(角野然生君) お答えいたします。
全国中小企業団体中央会から中央会に株主資格を付与してほしいとの要望を受けていることを踏まえまして、改正法案が成立いたしましたら、中小企業のための金融機関という根幹を変えない範囲において株主構成の多様化を図る観点から、政府保有株式を処分するまでの間に株主資格の対象を広げる政令改正を行うことを検討してございます。その対象としましては、中小企業団体中央会、商工会議所、日本商工会議所、商工会、商工会連合会といった中小企業を支援する機関を想定しておりまして、こうした団体自身に株主資格を付与することを検討してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/149
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150・岩渕友
○岩渕友君 ちょっと答え、あっ、そうか、買う、買えるということなんでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/150
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151・角野然生
○政府参考人(角野然生君) 購入を促していきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/151
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152・岩渕友
○岩渕友君 これらの中小企業団体が、じゃ、その株主を引き受けるということがもう約束されているということなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/152
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153・角野然生
○政府参考人(角野然生君) お答えいたします。
約束しているというか、約束されているということでは決してございません。これは検討会でもございましたように、中央会などから購入したいという、こういう意欲が表明されたと、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/153
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154・岩渕友
○岩渕友君 全国中央会の当期純利益は約四千万円なんです。日商や全国連の財務諸表を見ても、余力は数億円程度にすぎないんですよね。意欲があると、意欲があっても意思があっても、二年で一千十六億円というのは非常に大きいわけですよね。中小企業団体に期限ありきで多額の株式を押し付けることになりかねないんじゃないかというふうに懸念持っています。
この株主資格をめぐって、先ほど紹介をした検討会では、株主資格制限を撤廃して投資ファンドなどに株式が渡ると中小企業へ融資スタンスが厳しくなる可能性があるため、株主資格の制限の維持をお願いするといった意見が述べられています。
これ、投資ファンドや外資の企業に株式を売らないということが法案で保障をされているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/154
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155・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 商工中金は、一九三六年の設立以来、中小企業組合等に対する金融の円滑化を目的として、その株主資格を取引先でもある中小企業組合及びその構成員等に限定をしております。言わば中小企業による中小企業のための金融機関ということであります。引き続き、危機対応を含め、中小企業の資金繰り円滑化を目的に経営されるということを担保するために、現在の商工中金の性質を堅持していくことが必要だと考えております。
今回の改正法案におきましても、引き続き、この商工中金の議決権株式の株主資格を中小企業組合及びその構成員等に限定をしております。この改正法案が成立した暁には、先ほどもありますように、中小企業団体中央会などの中小企業を支援する機関も株主資格の対象とすることを、政令改正を行うことを検討しておりますけれども、一方で、投資ファンドや外国の法令に準拠して設立された法人に対して直接商工中金の株主資格を新たに付与することは考えておりません。したがって、政府保有株式の引受先は中小企業組合とその構成員や中小企業支援機関等に限定されることになると考えております。
その上で、一部の、その上で、商工中金法は、五%以上の商工中金の議決権株式を取得しようとする場合には主務大臣による認可を必要としておりますので、その際、株式取得者の業務内容や、その者の、議決権を五%超保有する者の国籍などを記載した書類等の提出を求めているところであります。
いずれにしても、一部の者が商工中金の経営権を握ったり本来果たすべき役割が果たせなくなることのないよう、政府としてしっかり監督していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/155
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156・岩渕友
○岩渕友君 もう終わりますけれども、二年以内に株式売却できないということになれば、投資ファンドなどもその株主の対象になったり株主資格が広がる可能性があるんじゃないかとか、低い株価で売却をされて国庫収入にも大きな穴を空けることになるんじゃないかと、国有財産を毀損することになるんじゃないかという懸念もあります。
商工中金が持っている中小企業向けの金融機能が損なわれないようにするということが非常に重要だと思うんですね。商工中金の完全民営化、これは撤回をして、真に中小企業のための政策金融機関として位置付け直すべきだということを述べて、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/156
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157・平山佐知子
○平山佐知子君 平山佐知子です。よろしくお願いいたします。
二〇二二年の評価委員会において新たなビジネスモデルがおおむね確立できたという評価がなされて、これを踏まえて、西村大臣の下、この新たなビジネスモデルを踏まえた商工中金の在り方検討会が設置されて、検討会開催の上、今回この法案の提出に至っているということです。
私、最初に疑問に思ったのが、先ほどからもタイミングの話出ていますけれども、なぜこの今のタイミングで法改正なのかということを疑問に思ったんです。
午前中からの議論も様々聞かせてもらっていますけれども、今は中小企業のゼロゼロ融資の本格回収が始まるタイミングでもあって、だからこそ今このタイミングなんだというお話、御説明を伺いましたけれども、私は逆に、この本格回収が始まるタイミングであって、これで逆に思ったのは、今後、完全民営化、民営化が進むことでこの回収、その回収も早まる可能性もやはり考えられてしまうんじゃないかという心配があるんじゃないかというところなんですね。そうなりますと、本当にこの商工中金が中小企業が頼れる存在となり得るのかどうかという心配を抱く企業さんも出てくると思うんです。
今、こうしてこのタイミングで、中途半端というか、法改正を行うよりも、コロナ後、もうしっかり落ち着いて、そのタイミングを見極めた上で完全民営化を進めるという方向性にした方がいいのではないか、分かりやすいのではないかというふうに考えるんですが、この点、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/157
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158・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) まず、大きな方向性として民営化を目指していくというのは、もう過去から決まってきたことであります。そして、不祥事、不正事案があり、改革に取り組まれてきたという中で、どのタイミングでいつ民営化、政府の株式を売却するかと、これはもうずっと議論してきまして、私も正直かなり悩み、考え、いろんな方々、我々のスタッフを始め議論してきました。
そうした中で、まさに今非常に大きな時代の転換点で、コロナ融資、ゼロゼロ融資の返還が、これからどんどん返済が始まってくる、そして、物価高があり、人手不足があり、中小企業にとってみれば大変な時期であるんですけれども、逆にそのときに商工中金のノウハウをフルに発揮してもらおうと、それが中小企業側の望みでも、検討会でもありました。まさに全国ネットワークがあって、再生を取り組んできたそのノウハウを是非生かしてもらおうということで今回踏み切ることにしたわけでありますが、その際に、その重要な再生支援のツールであります出資機能について、一般の銀行に比べて制約があるということでありますので、この点について一般銀行並みにするということをまず是非やりながら、再生支援、中小企業の支援やってもらいたいと。
ただ、政府が株式を持ったままこれをやると、民間の金融機関からは、何だと、どんどんどんどん我々のところを民業圧迫するじゃないかということがあるものですから、民間金融機関の側からは、早く政府株式をこれはもう売却をしてもらってイコールフィッティングでやってほしいという、こういう声ももう常々これもあったわけであります。
そうした中で、今回こういう改革案を提出をさせていただきまして、政府株式を売却することで、これまで甘えのあった商工中金の職員の方々、まあもちろん改革は進んできているんですが、もう一段、民間の金融機関、一員として、そしてこれまでやってきたことを是非実践をしてもらいたいと、そんな思いで今回このような形にさせていただきました。
なお、もう先ほど来申し上げておりますとおり、危機対応業務の責務とか株式の資格制限とか危機対応準備金制度は維持をしますので、こういった点については中小企業の不安のないように対応していきたいと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/158
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159・平山佐知子
○平山佐知子君 ありがとうございます。
中小企業の望みでもあったという、これまでの危機対応のノウハウを生かしてというお言葉もありました。やはり、長い目で見て、この法改正が、この根っことして我が国の中小企業金融、この発展、健全な発展に資する法改正にすべきだと私も考えているところです。
ただ一方で、中小企業という話もありましたし、民間金融機関という言葉もありましたけれども、やっぱり、うがった見方をすればですけれども、このタイミングにこだわる理由は商工中金の経営の自由度を先行して高めたいという意向ではないかということも、民業圧迫という言葉もありました、そういうふうに思われてしまう、考えられてしまうというところも一部あると思っています。
中途半端なというふうに先ほど申し上げましたけれども、ずっと議論になっていますが、今回行われようとしているこの法改正ですが、政府保有株式の全部を売却した後も主務大臣による一般監督権限は維持をされて、また特別準備金それから危機対応準備金は残るといった議論すべき課題は先送りをした形で進むんじゃないかというふうに考えられるからです。
これ、なぜ政府保有株式の売却のみを先行させるのか、その意図を、また理由を改めて教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/159
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160・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
なぜ今このタイミングでということについては今大臣から御答弁いただきましたことですけれども、あくまで、やはりこの中小企業のためにこのタイミングで何がいいことになるのかという観点を貫徹していきたいということでございます。すなわち、それは再生ということに関して、この商工中金の機能を、まさにこのコロナ禍から立ち直っていく事業者が多い中でこれを活用していきたいという思いがございます。そして、中小企業、特に中小企業団体中央会、こういったところから、まさに中小企業による中小企業のための金融機関を実現したい、そのために政府保有株式を全部売却してほしい、こういう要望もあったと、これを重く受け止めているところでございます。
その上で、危機対応準備金や特別準備金というのは、その上でまさにその商工中金の改革後の姿をうまく生かしてやるためには、そういった制度的な、財政的な備えというのもなければ、これは中小企業の支援もできないということですので、ここも外せないところであろうと。さらに、一般監督権限ということにつきましても、商工中金はビジネスモデルを民間の金融機関とは差別化してやっていくということで今改革を進め、定常状態になってきておりますが、もしものときはこれは政府としてもしっかり監督をすべくこれ検証していくんだということでありますので、全て、これ中小企業のためにどうしたらいいのかということを一つ一つ考えてこういう形で法改正案を御提案させていただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/160
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161・平山佐知子
○平山佐知子君 この法改正をきっかけに、やっぱり政府系金融どうあるべきかということも併せて明確にしていく必要もあるのかなということも考えました。
岸田政権が提言されている新しい資本主義における官も民もという哲学、これをどう捉えるのかというところ、改めて、官から民へ、これにふさわしい分野であったり、それから一方で、官も民もこれにふさわしい分野の見極めをするときにもなっているのではないかということも考えます。この官も民も、これが適切だとしても、政府系金融として、先ほどからあるように日本政策金融公庫もありますので、それでも十分ではないかという意見もあります。
要は、官の焼け太りの繰り返しは避けなければならないということを考えますけれども、この点についての見解を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/161
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162・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘の日本政策金融公庫でありますけれども、まさに民間の金融機関の補完のための政府一〇〇%出資の金融機関であります。中小企業部門でいえば、法律上、長期資金、貸付期間一年超のみ提供しておりますし、出資機能も、いわゆるデット・エクイティー・スワップと言われる、株式に転換する、こうしたのみに限定をされているところであります。
一方で、商工中金は、一九三六年に中小企業組合と政府の共同出資により設立された組合の金融機関でありまして、短期融資も行いますし、また中小企業の緊急的な運転資金にも対応できるということですし、民間金融機関と比べると限定的ですけれども、先ほど申し上げた出資機能も持っております。こうした特徴で政策金融公庫とはかなり差がございます。加えて、リーマン・ショック、コロナ発生などの危機時においても迅速に危機対応業務を実施をしてきておりまして、コロナ禍におきましては約三万八千件、そして三兆円近い危機対応融資を実施してきております。まさに中小企業の資金繰りを支援してきたものであります。
このため、この改正法案においても、全国規模の危機時には日本公庫だけでは十分に支援が行き届かないと、まさにコロナのときに政策公庫にまさに殺到して、一日二万件以上殺到し、とても迅速に対応できなかったということも大きな教訓として私も今でもよく覚えております。更に言えば、現時点で民間金融機関が危機対応業務を行う指定金融機関に参入していないという中でありますので、商工中金が是非その全国ネットワークを活用した迅速な資金供給、これを生かしてもらいたいというふうに思っております。また、リーマン・ショックのような金融収縮時にはセーフティーネット保証などの信用保証制度を活用した支援のみでは中小企業の資金需要をカバーできない可能性もありますので、商工中金が危機対応業務を引き続き実施をする責務を課しているところであります。
以上、日本公庫だけではなかなかカバーし切れない中小企業の資金繰り支援を商工中金にはしっかりと担って、引き続き担っていただきたいというふうに考えているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/162
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163・平山佐知子
○平山佐知子君 ありがとうございます。
午前中の関根社長のお言葉にもありましたけれども、地域の企業に寄り添う姿勢、それからしっかりやってきたんだという、反省を生かしながらやってきたという言葉、力強い言葉もありました。
やっぱりそのように危機対応の経験を生かして是非やっていただきたいなと思う一方で、地域の方などから声を聞いたところ、不正発覚前ですけれども、中小企業からは上から目線という批判があったり、地域金融機関からは、不正発覚前ですが、民業圧迫の批判が多数だったという声も実際あったと聞いています。もちろん、先ほどのように批判はその後、後退をして、コロナ対応、危機対応、存在感を示したということですけれども、やはりコロナ危機が後退して喉元過ぎればまた元に戻るのではないかという声が実際あるのもこれ事実だと思います。関根さんがいらっしゃる間はいいんですけれども、またその、中には、関根さんが、体制が終わった後、その後、新たなビジネスモデルしっかりと維持できるのかどうかという懸念がある、これもやはり事実だと思います。
そうした地域の声とか懸念に対して、本当の意味で元には戻らないんだという、この確信できるガバナンス体制、構築されているのかどうか、その点改めて、午前中もありましたけれども、関根社長からお答えを、確信できる答えを聞かせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/163
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164・関根正裕
○参考人(関根正裕君) お答えします。
まず、六年前の不正事案の根本原因は、上意下達の組織風土の中で不適切な運用を防止するための内部統制及びガバナンスが欠如したことが要因であったというふうに認識しております。
このため、上意下達型の組織を変革すべく、例えば三百六十度評価により上位者層のマネジメントを客観的に見える化し、変革を促しつつ、一方で上意下達を生み出すいわゆるノルマ主義を廃止をしました。また、私自身としても、社内ブログで発信したり、若手職員と直接意見交換会を開催するなどして組織風土改革、職員の意識改革に取り組み、それをベースに内部統制、ガバナンス強化を実施してまいりました。
ビジネスモデル等の継続については、先ほどもお答えしましたように、昨年、企業の未来を支えていく、日本を変化に強くするをパーパスとする企業理念を制定いたしました。私の就退任にかかわらず、企業理念は全職員にとっての目指すべき北極星であり、判断に迷ったときの羅針盤であり、この精神に基づいて全職員が業務に当たれば、中小企業に寄り添うスタンスは変わらないと考えております。さらに、このパーパスを商工中金の根本規範である定款に規定するなどして、DNAとして将来にわたりぶれない組織における共通の価値観として根付かせることを徹底してまいる考えでございます。加えて、今後、株主とも御相談になりますが、監査等委員会設置会社への移行も検討しており、継続的にガバナンス及び内部統制を強化し続けてまいる所存です。
ビジネスモデル、ガバナンス等は元に戻らないというふうに確信しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/164
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165・平山佐知子
○平山佐知子君 ありがとうございます。将来にわたってしっかりとやっていくというお言葉をいただきました。また、引き続き、その強化、ガバナンス強化、不断の取組、またお願いを改めて申し上げさせていただきます。
また、この法改正で商工中金の民的な側面が強まると、中小企業それから小規模事業者が心配をしているのは、これまでしっかりと危機対応やってくださっていたのに、民的側面が強まってしまうと逆に中小企業支援を阻害することにならないかということを心配されている方々もいらっしゃいます。つまり、商工中金から見て余り利するところがないというふうに判断された場合に切り捨てられてしまうおそれはないかという心配もあるということです。
再生企業、スタートアップ企業の出資機能については、民間金融機関と比較しても制約があったり、先ほどもありましたように、日本政策金融公庫もあると、貸出しに特化していると、これまでもしっかりやってくださったという対応があると。その本当の意味で困っている中小企業に寄り添った支援を今後行っていけるのか、ほかの政府系、民間系含めてどう差別化を付けていくのか、改めてお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/165
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166・小林浩史
○政府参考人(小林浩史君) お答え申し上げます。
少し重複するところもあるかもしれませんけれども、今御質問がございましたその寄り添った支援という観点で御答弁させていただこうと思います。
日本政策金融公庫は、大臣からも答弁ございましたが、民間金融機関の補完のための金融機関でありまして、中小企業部門では、短期資金を扱わず長期資金のみの提供、出資機能もデット・エクイティー・スワップに限定されているところでございます。
他方で、商工中金は、中小企業団体とその構成員に対する金融の円滑化を目的とした組織でありまして、短期資金も取り扱うことで当座貸越しによる緊急的な資金需要にも対応できますし、預金も含め民間金融機関の主要な業務を実施可能でございます。また、今回の改革で業務範囲等が拡大すれば、銀行並びの出資機能も有することになりますので、商工中金に地域中核企業のコロナ禍からの立ち直り支援、こういったものの牽引役を担わせることも可能となるものでございます。
また、金融機関が地域密着型支援に強みを有している中で、商工中金は地域ごとの支店数や職員数は決して多くはない、今日もこういうお話たくさんございました。全国ネットワークをしかれども有し、全国の再生案件に関与することで蓄積した事業再生支援の優れた人材とノウハウを持つという強みを持ってございます。
このように、日本公庫や民間金融機関と比較して差別化できる分野を中心に、貸出残高に占める中小企業向けの比率が九割を超える商工中金が引き続き粘り強く中小企業を支援できるよう、今回の法律案においては、再生支援、スタートアップ支援等のリスクの高いビジネスの実施を担保するため、特別準備金や危機対応準備金の制度は存置、商工中金法は維持する、こういった制度としてございます。
今後とも、商工中金の事業の状況を随時検証いたしまして、政府としても、必要に応じて改善を促すことで、商工中金が、中小企業による中小企業のための金融機関、こういったビジネスモデルを確立できるよう取り組んでまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/166
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167・平山佐知子
○平山佐知子君 衆議院の議論によりますと、地域の民間金融機関の声が商工中金の経営陣や政府に届くような仕組みの構築も検討していきたいということをおっしゃっていましたけれども、この声が届く仕組みの構築というのは具体的にはどういったものなのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/167
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168・角野然生
○政府参考人(角野然生君) お答えいたします。
商工中金は、先ほど来ございますように、民間金融機関と業務協力の文書の締結など、連携、協業に取り組んでおります。そしてまた、今回の改正法案では、金融団体からの要望も踏まえまして、連携、協業規定を新設するということにしております。
そして、政府の検討会におきまして、民間金融機関の声を反映する仕組みが必要という金融団体からの要望も踏まえまして、御指摘いただきましたような地域の民間金融機関の声が商工中金の経営陣や主務省庁に届くような仕組みを構築することとしております。具体的な仕組みにつきましては、商工中金と民間金融機関の関係性は地域ごとに異なる面もございますことから、実効的な仕組みを構築するため、本法案が成立いたしましたら、その後に商工中金や金融団体と丁寧に議論をした上で固めていきたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/168
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169・平山佐知子
○平山佐知子君 最後に、商工中金法の廃止についても伺いたいんですけれども、この新たなビジネスモデルが確立できたと言える、その状況を勘案しながら判断すべきということなんですけれども、いかにも漠然としていて、いつそれが確立できたと言えるのかどうか、結局はずるずるとその判断が先送りになるのではないかという心配も実際にあります。
どういう状況ならこの完全民営化の判断に至るのか、その目標値、それから、その検討はどこでどういうふうに行って判断するのかも教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/169
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170・西村康稔
○国務大臣(西村康稔君) 将来の完全民営化についての御質問でございます。
幾つか判断する材料があると思います。
一つは、商工中金に、今回、危機対応業務の責務を課しているわけでありますが、これを課さなくとも中小企業の資金繰りが危機時に大丈夫かと。民間金融機関の参入とか、指定機関への参入とか、そういったことを含めて判断していかなければならないと思っています。それから、特別準備金がありますので、これが全額国庫納付されているかどうか。さらには、これが一番大事だと思うんですけれども、まさに中小企業のための金融機関としての商工中金のビジネスモデルがしっかりと確立しているかと。全国ネットワークがあって再生のノウハウもあるわけですが、しかし支店の営業する人はそんなにたくさんいるわけじゃありませんので、ほかの金融機関と連携しながらこういうビジネスモデルを確立していけるかと、この点が最も重要じゃないかと思いますが、こうしたことを勘案して判断をしていきたいと思いますが、現時点でその検討の場について具体的に何か決めているわけではありませんけれども、商工中金の事業の状況を随時検証し、必要に応じて改善を促していきたいと思いますし、将来の完全な民営化を視野に、このビジネスモデルを確立できるよう、我々としてもしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/170
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171・平山佐知子
○平山佐知子君 ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/171
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172・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/172
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173・岩渕友
○岩渕友君 私は、日本共産党を代表し、中小企業信用保険法及び株式会社商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案について反対討論を行います。
コロナ禍において、信用保証制度と政府系金融機関は、中小・小規模事業者の資金繰りを支えるセーフティーネットの役割を果たしてきました。
本法案で、経営者保証に依存しない融資慣行の確立など、経営者保証改革を行うとしています。中小企業団体、我が党も長年求めてきた経営者保証解除に向けての前進であり、評価できます。
しかし、審議を通じて、解除要件を満たす事業者がどれほどいるのか、中企庁が把握していないことが明らかになりました。また、この要件は事業者にとって高いハードルであり、この問題は改善すべきです。
反対理由の第一は、政府が保有する商工中金の株式を二年以内のできるだけ速やかに売却することは、商工中金の政府系金融機関としての役割を放棄し、国有財産を毀損しかねず、国の責任を投げ捨てるものだからです。
商工中金は、預金、決済、貸付けのフルバンク機能を持つ唯一の政府系金融機関です。その重要性を踏まえ、民間による危機対応業務が十分に確保されるまでの当分の間、政府が株式を保有すると答弁してきました。しかし、今もなお民間金融機関から手は挙がっていません。それにもかかわらず、期限ありきで売却することは答弁をほごにするものです。
また、これまで政府は、完全民営化の時期について、五年から七年を目途と繰り返してきました。二年以内という期限については、在り方検討会で突如事務局から提示され、まともな議論も行われておらず、その検討経過は明らかになっていません。
本法案により強引に完全民営化を進めることは中小企業への金融支援機能を後退させるものであり、認められません。
反対理由の第二は、一定の場合に商工中金による危機関連保証の利用を認めないことが中小企業の資金繰りの手段を奪うことになるからです。
二〇一七年創設の危機関連保証は、コロナ禍で初めて適用され、危機対応業務とともに資金繰りの手段となりました。制度の重複を理由に危機関連保証の利用を認めないことは、中小企業の資金繰りを下支えするという商工中金の本来の役割を制限することになります。
商工中金の完全民営化方針は撤回し、真に中小企業のための政策金融機関として位置付けし直すべきであることを指摘し、討論とします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/173
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174・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
中小企業信用保険法及び株式会社商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/174
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175・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/175
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176・吉川沙織
○委員長(吉川沙織君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時三十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114080X01620230613/176
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