1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年四月二十五日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
四月二十日
辞任 補欠選任
石垣のりこ君 石橋 通宏君
四月二十一日
辞任 補欠選任
長谷川英晴君 生稲 晃子君
四月二十四日
辞任 補欠選任
星 北斗君 古川 俊治君
四月二十五日
辞任 補欠選任
古川 俊治君 星 北斗君
若松 謙維君 山本 博司君
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出席者は左のとおり。
委員長 山田 宏君
理 事
こやり隆史君
島村 大君
比嘉奈津美君
川田 龍平君
山本 香苗君
委 員
生稲 晃子君
石田 昌宏君
神谷 政幸君
友納 理緒君
羽生田 俊君
藤井 一博君
古川 俊治君
星 北斗君
石橋 通宏君
打越さく良君
高木 真理君
窪田 哲也君
山本 博司君
若松 謙維君
東 徹君
松野 明美君
田村 まみ君
芳賀 道也君
倉林 明子君
天畠 大輔君
国務大臣
厚生労働大臣 加藤 勝信君
大臣政務官
文部科学大臣政
務官 伊藤 孝江君
事務局側
常任委員会専門
員 佐伯 道子君
政府参考人
国税庁長官官房
審議官 植松 利夫君
厚生労働省大臣
官房総括審議官 富田 望君
厚生労働省大臣
官房医薬産業振
興・医療情報審
議官 城 克文君
厚生労働省医政
局長 榎本健太郎君
厚生労働省健康
局長 佐原 康之君
厚生労働省医薬
・生活衛生局長 八神 敦雄君
厚生労働省労働
基準局長 鈴木英二郎君
厚生労働省社会
・援護局障害保
健福祉部長 辺見 聡君
厚生労働省老健
局長 大西 証史君
厚生労働省保険
局長 伊原 和人君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築
するための健康保険法等の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/0
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001・山田宏
○委員長(山田宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、石垣のりこ君、長谷川英晴君及び星北斗君が委員を辞任され、その補欠として石橋通宏君、生稲晃子君及び古川俊治君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/1
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002・山田宏
○委員長(山田宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長伊原和人君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/2
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003・山田宏
○委員長(山田宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/3
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004・山田宏
○委員長(山田宏君) 全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/4
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005・神谷政幸
○神谷政幸君 自由民主党の神谷政幸でございます。
本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。
まずは、加藤厚生労働大臣に、改正法案全体に対して伺います。
前回の厚生労働委員会においても度々今回の改正法案の名称が話題となりました。全世代型対応というその名称のとおり、様々な世代の視点から社会保障を考えると、気になるところも多々あろうかと思います。現役世代からすれば、果たして国民皆保険は本当に持続可能なのだろうかという不安の声が聞こえます。また、高齢者の視点からすれば、日々の生活を考えれば自己負担の増加は懸念材料でありながらも、未来を担う世代のためを思う複雑な心境もあろうかと思います。それぞれが現在の自身の世代の足下だけを見てしまうと、今回の名称の真意が伝わりにくいのではないかと思います。
それを踏まえて、今回の法律案にどのような思いを込めて作成をされたのか、厚生労働大臣にお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/5
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006・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まず、本格的な少子高齢化、人口減少時代をもう我が国が迎えている中で、これまでの給付は高齢者中心、負担は現役世代中心という、こうした社会保障の構造を見直しをし、年齢に関わりなく全ての国民がその能力に応じて社会保障制度を公平に支え合うとともに、それぞれの世代に必要な社会保障サービスが提供されていく、それによって制度の持続可能性も併せ高める改革を行うことが必要だと考えております。
この法案でおいても、子供、子育て世代に対する支援の拡充について出産育児一時金等を盛り込ませていただいておりますけれども、それにおいては、後期高齢者の方々にも御負担をお願いする中身になっています。
他方で、高齢者医療をこれから持続可能的な形で支え合うということにおいて、後期高齢者と現役世代の、後期高齢者支援金、後期高齢者の保険料と現役世代の後期高齢者支援金伸び率、これを同じようにするということで、その持続可能性を高めていく。
また、医療や介護を受ける高齢者等を支えるため、医療、介護の連携機能やかかりつけ医機能の制度化を含む医療提供サービスの基盤強化等、それぞれの世代、それはもちろん、世代によって見方は異なるところは当然あろうかと思いますけれども、そうした冒頭申し上げた視点に立って制度の充実強化を図ることとしているところでございます。
全世代型対応型の持続可能な社会保障制度を構築するに当たっては、まさに世代間の対立ではなくて、むしろ世代間がそれぞれ負担能力に応じて支え合っていくということが必要だと考えており、今後とも、そうした考え方を基本としつつ、全ての世代が安心して生活していける社会の実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/6
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007・神谷政幸
○神谷政幸君 ありがとうございます。
全ての世代が安心して、その実現に向けては様々な取組を同時に動かしていくことになると思いますが、是非丁寧に説明をして、引き続き取り組んでいただきたいと思います。その際、公的医療保険運営の持続可能性を考えると、適切な医療の確保というものが必要となります。
続いて、医療費適正化計画について伺います。
現在、第四期医療費適正化計画に向けた見直しが進められていると承知をしています。その上で、現状として、現在最終年度を迎えている第三期の計画では、後発医薬品の普及や重複・多剤投薬の是正が進められているところであります。私も後発医薬品の普及に関しては長年現場で取り組んでまいりました。その都度、患者さんの理解と同意、また協力を得て進めていくことで、進めていくことになり、使用割合が八〇%を超えることは大変な時間と労力を要することだと実感をしています。また、重複・多剤投薬の適正化には、医療機関と薬局などがしっかりと情報共有を行ってこそなし得ると感じています。
そのような様々な現場の努力が積み重なっている第三期の計画の現状について、評価と受け止めを厚生労働大臣にお伺いをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/7
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008・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 平成三十年度からスタートいたしました第三期医療費適正計画について、今年度が最終年度となります。
現状の状況でありますが、後発医薬品の使用割合は、令和三年度には七九・六%と目標の八〇%をほぼ達成する水準になっている一方で、特定健診の実施率は、目標の七〇%に対し令和二年度が五三・四%、特定保健指導の実施率は、目標の四五%に対し令和二年度は二三・〇%と、実施率の向上に向けて更なる取組が必要という状況であります。今後、高齢化が更に進展していく中で、医療保険制度の持続可能性を高めていくためには、医療費の適正化は重要な課題であります。地域の実情に応じて更に効果的な取組を進めていくことが必要と考えております。
令和六年度からは第四期医療費適正化計画がスタートするわけでありますが、同計画においては、後発医薬品の使用促進については、医薬品の安定的な供給を基本としつつ新たな目標を設定するとともに、バイオ後続品についても目標を設定し、更なる使用促進の取組を進めていくこと、また、特定健診、特定保健指導については、特定保健指導へのアウトカム評価の導入、またICTの活用による実施率の向上に取り組むことなどを盛り込んでいきたいと考えております。
加えて、第四期計画から新たにがんの化学療法の外来の実施など、医療資源の投入量に地域差がある医療に関する目標を設定すること、当法案により計画の実効性を確保するため、都道府県ごとに保険者協議会を必置とし、計画の策定、評価に関与する仕組みを導入するなど、都道府県が関係者と連携して取組を推進する体制を構築することなどの取組を通じて、都道府県における医療費適正化に向けた実効性ある取組の推進も併せ図っていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/8
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009・神谷政幸
○神谷政幸君 ありがとうございます。現状を踏まえた上で、次の第四期のそれぞれの地域の実情に合った計画を今検討いただいているというふうに理解をいたしました。
それを踏まえまして、大きく分けて三点で検討されているというふうに、第四期の計画を検討されていると伺っております。既存目標の取組の推進、新たな目標の設定、実効性向上のための体制構築であると伺っております。その三点について、更に深く質問させていただきます。
先ほど後発医薬品についてお話がありました。使用促進に向けて新たな数値目標が設定されると思いますが、先ほど加藤大臣からもお話がありましたとおり、安定した供給が基本にあるべきだという意見は様々な場でも指摘がされているところであります。多岐にわたる要因があることは承知をしておりますが、既に後発医薬品の供給問題は二年以上続いております。薬局や医薬品流通業の現場の疲弊はピークに達しており、一刻も早い状況改善が必要です。
昨年十月二十七日に行われた厚生労働委員会において具体的な対策を質問したところ、供給状況の見える化を進めるという旨の回答がありました。それに対する現在の状況をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/9
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010・城克文
○政府参考人(城克文君) お答え申し上げます。
後発医薬品メーカーの薬機法違反を契機とした供給量低下、新型コロナウイルス感染拡大による需要の増加等によりましてメーカーの限定出荷による供給不足のほか、薬局や医療機関が正確な供給状況を把握することは困難であるために先々の医薬品の確保に不安を感じて過大な注文があるといったことによりまして更に需給が逼迫するという事態が生じているものというふうに承知をいたしております。
このため、御指摘いただきましたように、業界団体を通じまして後発品を含む全ての医薬品について欠品が生じたものやその代替品について供給状況を確認、把握した上で、供給量が十分な製品については製薬企業に対しまして限定出荷の解除を求めるとともに、医療関係者に対しましては、これらの製品の供給状況を取りまとめて公表をして医薬品の安定供給に取り組んできたところでございます。
こうした供給状況の公表につきまして、これまで医薬品メーカーの在庫状況を業界団体を通じて三か月に一度という頻度で把握をしてきたところでございますが、今後、足下の後発品を中心とした医薬品の供給不安に速やかに対応する観点から、本年四月から、医療用医薬品供給情報緊急調査事業によりまして、毎月、全ての医薬品の供給状況の調査を行った上で、迅速に各医薬品の供給状況等を医療現場に対して提供するということとしたところでございます。
まず、本事業につきまして着実に実施をし、引き続き、流通関係者とも議論をしつつ、医薬品の様々な供給リスクに対処するために、流通関係者において迅速に情報が共有される仕組みの検討を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/10
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011・神谷政幸
○神谷政幸君 ありがとうございます。
まずは、業界団体を通じて、三か月に一回だった情報の更新が四月からは毎月に変わっているということに関しては感謝を申し上げます。しかし、そこで更に踏み込んで、使用する状況と環境にまで目を向けていただくことを期待をいたします。
検索する時点で当該医薬品の供給がない状況に直面をしているわけでありますから、一刻も早く代替品を検討する必要があります。その際は、時間のロスを起こさないように、一か月に一回の更新される情報ではなく、できるだけオンタイムの状況が把握できる必要があります。また、本来であれば対人業務に割きたい時間を欠品対応に使っているわけでありますから、代替品を速やかに検索しやすい仕組みにシステム化されていることも重要になってきます。
現在、医療用医薬品供給状況データベース、通称DSJPと言われるシステムでは、当該医薬品名で検索すれば、同一成分で剤形、規格違いの製品まで検索できるようになっています。こちらは、任意の薬剤師数名が製薬各社からの限定出荷告知を手作業で入力、管理運営をして、広告費のみで運営をしているというものになります。このような仕組みや後発医薬品の使用促進をすると同時に、国としてもしっかりと責任を持ってつくり上げて、さらに薬効分類での幅広い検索もできるようにすることなどが必要ではないかと考えます。
現在、抗がん剤や小児の抗てんかん薬のような重要性の高い製品も限定出荷が掛かっている現状も踏まえて、是非この供給状況の見える化による医薬品の安定供給確保は確実に進めていただきますように要望いたします。
次に、後発医薬品の産業構造について伺います。
安定供給のための取組のほか、産業構造にも課題があると認識をしております。また、令和三年の富山県薬事審議会医薬品製造・品質管理専門部会の医薬品の不正製造事例の再発防止及び富山県の医薬品産業に対する信頼回復の方策についてのとりまとめには、薬価の極端な低下により、共同開発を行わなければ採算が取れないといった制度設計に関する指摘もあります。
後発医薬品の使用を加速的に進める段階では様々な企業の参入は有益でありましたが、少量多品種の製造となる企業も多く、余裕を持った製造体制が取られていないように思われます。また、薬価も毎年改定により引き下げられ、採算が合わない品目を多数抱えている企業もあります。このような産業構造の課題について有識者検討会での検討を進めていると承知をしていますが、現在の後発医薬品産業の課題や今後の対応の方向性について、政府のお考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/11
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012・城克文
○政府参考人(城克文君) お答え申し上げます。
後発医薬品を中心としまして現在生じております供給不安の背景、原因につきましては、製造能力に乏しい企業が多数存在する産業構造が大きく影響をしているということに考えてございます。
このような産業構造は、ジェネリック医薬品の使用促進と併せまして、共同開発や製造委受託の制度が利用されたことなどに伴いまして、小規模企業や同一の製造ラインで少量多品目の生産を行う企業が増加したことにより形成されたものと認識をいたしております。
少量多品目の生産につきましては、これは事前準備や洗浄等の工程が多発して非効率であること、それから、製造工程の管理上の不備や汚染等による品質不良のリスクが増大するということ、それから、緻密な製造計画が必要となりますために緊急増産等の柔軟な対応が実現困難であるということ、こういったデメリットがございます。このような非効率な生産体制が現在の品質や安定供給の問題の要因の一つであるというふうに考えてございます。
このために、医薬品の安定供給の確保に向けまして、現在、医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会におきまして、ジェネリック医薬品の産業構造の在り方も含めて検討を進めているところでございます。本検討会における議論の内容も踏まえて、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/12
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013・神谷政幸
○神谷政幸君 ありがとうございます。
後発医薬品の産業構造の改善や課題については様々な問題があると思いますので一気に解決するのは難しいとは思いますが、患者さんのためにも問題解決に向けて努力を続けていただきたいと思います。
次に、バイオ後発品に関して伺います。
経済財政運営と改革の基本方針二〇二二では、バイオ後発品の目標設定と着実な推進について触れられています。他方、製造コストが掛かり、薬事承認においても臨床試験が必要になるなど、一般的にイメージする化学合成品である後発医薬品とは取扱いが異なります。
バイオ後発品の使用促進は医療費適正化の観点から必要なことと理解をしていますが、単に目標値を定めるだけでは不十分であり、先発品から切り替えるための生産体制の確保を確実にしておかなければ現在の医薬品の安定供給問題のような事態が生じる可能性もあると考えます。患者さんや医療従事者が安心して切り替えられるような事前の準備対応が不可欠です。
バイオ後発品の目標をどう設定をし、そのためにどのような安定供給の確保対策を取りながら進めていくお考えなのか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/13
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014・城克文
○政府参考人(城克文君) お答え申し上げます。
バイオシミラーに、バイオ後続品につきましては、その普及促進のためには医療関係者や保険者を含めた多様な主体と連携をしながら取組を進めるといったことが必要でございます。その方向性や基準を明確にするために数値目標を設定することとしているところでございます。
その上で、このバイオシミラーの目標の達成に当たりましては、足下で後発医薬品を中心とした供給不安が継続しているということも踏まえますと、安定的な供給を確保することも同時に進めるということが非常に重要であると考えてございます。
このために、これまでも国内で開発、生産できる体制の整備を進めるということのために、厚生労働省におきまして、バイオシミラーを含めたバイオ医薬品製造のための高度な専門知識を有する人材を育成するための技術研修事業を実施をしております。
また、経済産業省におきまして、平時にはバイオ医薬品を製造し、有事にワクチン製造に切り替えられるデュアルユース設備の導入等に係る支援を行う、こういった取組を連携して行ってきたところでございます。
また、外部依存性が高くなっている医薬品につきましては、在庫の積み増しに関する備蓄の支援事業によりまして安定供給を支援するといったことも行っております。
引き続き、バイオシミラーの普及促進に向けて目標を設定をし、安定供給の確保が図られるように、関係者の意見も十分に伺って必要な取組を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/14
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015・神谷政幸
○神谷政幸君 ありがとうございます。
しっかりと関係者の意見も伺って、しっかりと進めていくというお話でありました。現在起こっている後発品のような問題が起こらないよう、バイオ後発品について適切な対応を取りながら進めていただきたいと思います。
次に、重複投薬、多剤投与の適正化について、電子処方箋の活用の観点から伺います。
御承知のとおり、令和五年一月から電子処方箋の運用が開始をされました。医療機関側では、処方決定時に重複投薬を発見でき、また薬局ではこれまで以上に患者さんの併用薬情報を正確に把握をしたり、健診の情報データを閲覧できることで服薬指導時の薬物療法の適正化をより効率的、効果的に実施できることにつながると期待をされています。まさに、医療DXの効果を国民に分かりやすく伝えて認めてもらうために大きな役割を果たすと確信をしています。
次の第四次医療費適正化計画において、重複投薬、多剤投与の適正化と電子処方箋の活用を検討していると理解しています。この点について、政府では具体的にどのような取組をされる予定であるか、また目標設定等についてお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/15
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016・八神敦雄
○政府参考人(八神敦雄君) 重複投薬、多剤投与などに関しまして、電子処方箋の活用ということでお尋ねをいただきました。
重複投薬、多剤投与の抑制ということにつきましては、医療機関、薬局の連携体制の構築といったこと、また患者の服薬情報を一元的に、また継続的に把握をするということが大事でございます。また、これが課題であるというふうに認識をしております。
こうした課題に対しまして、今議員からお話ございました今年一月から電子処方箋のシステムの運用開始をしてございます。
この仕組みを活用しますと、医療機関、薬局におきまして過去の処方、調剤情報の閲覧といったことがより直近の情報まで活用可能となるということ、それから重複投薬等のチェックが自動的にできる、結果が表示をされるといったことがございます。
こうしたことから、電子処方箋が普及をして医療機関、薬局で活用が進んでいくということで、より重複投薬、多剤投与の抑制に効果を発揮できるというふうに考えてございます。
電子処方箋につきましては、二〇二五年三月末までに、オンライン資格確認を導入したおおむね全ての医療機関、薬局で運用開始をされるということを目指して普及を進めていきたいと、このように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/16
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017・神谷政幸
○神谷政幸君 ありがとうございます。電子処方箋の活用によって患者さんが安心、安全な薬物療法を更に受けることができるように、今回の取組に期待をしたいと思います。
続いて、その電子処方箋の実際の運用状況についてお伺いをします。
先ほど御答弁の中にも大変な期待感があるというような感じのお話があったかと思うんですが、その一方で、現場からは、システムベンダーに問合せをしても反応がない、また、電子処方箋を発行する側と受ける側の両方の整備が進まないと実動にはまだ程遠いんだなど、戸惑いの声も聞こえております。ベンダー側の技術者のマンパワーもある程度限られています。診療報酬改定DXの対応方針は、このような改定時の作業負担軽減を意識したものだと思われます。今後、様々な医療DX案件が展開されることを見据えて、迅速かつ効率的にシステムの導入が行えるよう、根本的な現状に対する解決策を考えていくべきではないでしょうか。
そこで、お伺いをいたします。現在の電子処方箋の運用状況と効率的なシステムの導入について、政府の見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/17
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018・八神敦雄
○政府参考人(八神敦雄君) 電子処方箋の普及状況をまずお話をします。現在の普及状況でございます。四月十六日時点で、三千四十五の医療機関、薬局で運用が開始をされております。
一方で、この普及を進めるに当たりましては、先ほど議員からも御指摘ございましたベンダーの作業という観点では、オンライン資格確認等システムの導入対応、これでシステムベンダーの作業が逼迫をして電子処方箋のシステム改修が追い付かない、したがいまして、先ほどお話あったように、なかなか対応に時間が掛かっているというようなことがまずございます。また、電子署名に必要な医師、薬剤師等の資格を確認するためのHPKIカード、これが発行を待っているというようなところがあるという、こういった課題があるというふうに承知をしてございます。
こうした課題がございますので、まず、電子処方箋の対応が可能なシステム事業者、これを拡大をしていこうということで、私ども、かねてより情報提供のサイトを開設したり、説明会などを開き、また、システム事業者向けの技術解説書といったものを厚労省ホームページで公表してベンダーの拡大ということに努める、また、HPKIカードにつきましては、この発行が遅れて電子処方箋の普及の阻害にならないように、既にシステム改修が終わってあとはカードがあれば間に合うと、できるというようなところ、HPKIカード以外の導入に必要な対応を済ませた対象者に対して優先的に発行するといったような仕組みの構築などの対応を行ってございます。
また、医療従事者、システム事業者等の関係者を構成員といたしまして、電子処方箋推進協議会という、またこういう場を開催をしまして、関係者から積極的に状況、課題等を伺いつつ、検討を進めております。
こうした場を活用して、関係者とともに電子処方箋の普及拡大に努めてまいりたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/18
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019・神谷政幸
○神谷政幸君 ありがとうございます。
今回の電子処方箋ですが、我が国の医療DXのまさに基盤となる部分の整備ですので、導入には様々な困難があることはまあ一部やむを得ない部分もあるかとは思います。一方で、様々な今対応をしていただいているというお話もありましたので、できるだけスムーズに国民がその恩恵にあずかれるよう、対応を引き続きよろしくお願いをいたします。
続いて、実際に電子処方箋を調剤の現場で活用する際の環境整備についてお伺いをいたします。
現在、オンライン資格確認システムや電子処方箋の薬剤情報に対応しているのは、処方箋情報入力作業を行うレセプトコンピューターであると思いますが、これはおおむね受付カウンターに設置をされていることがほとんどでございます。一方で、実際に薬剤師が調剤をして服薬指導を行う際に扱うのは、調剤室や投薬カウンターに設置されている電子薬歴のシステムでございます。
近年では、レセプトコンピューターと電子薬歴システムはベンダーが異なるケースも多々あります。そのため、電子処方箋でチェックができる患者さんの薬剤情報、これはレセプトコンピューターでしか確認ができず、薬剤師が本当に必要とする調剤室の中や投薬台でその情報が確認できないという事態が発生してしまいます。また、その薬剤情報も、システムによってはPDF形式で出力されるケースがあると聞いており、それでは、テキストファイル等と異なり、薬剤情報の活用は難しい面もあるのではないかと思います。
現状において、現場の意見では使いやすいシステムと言い難いという印象があり、政府としても何らかの形で改善指導をされてはと思いますが、お考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/19
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020・八神敦雄
○政府参考人(八神敦雄君) 薬局におけます電子処方箋の運用ということでお尋ねをいただきました。
薬局におきましては、まず、電子処方箋管理サービスと接続できる端末、ここにおいて処方箋データを受け付けて、このデータに基づいて薬剤師の方が調剤を行うと、こういう流れになります。
今議員御指摘ございました、既に電子処方箋を導入した薬局の現場からの声といたしまして、まず、受付には電子処方箋を受け取ることができるレセプトコンピューターのシステムの端末があると、一方で調剤室にそうした電子端末自体がないという場合、また、調剤室に電子端末自体はあると、しかし電子薬歴管理システムといった別のシステムのために導入をされているもので、電子処方箋を受け取ることができるレセプトコンピューターシステムとは接続されていないといった場合もあり、このために処方箋データを、せっかく電子処方箋のデータが来ていても紙にプリントして運用するというような例もあるやに伺ってございます。
こうしたことから、私どもも、そもそも調剤室に電子端末自体がないといった場合には、タブレット等をうまく使って必要なシステムを導入して業務効率化を図ることができるといったことを厚労省においても周知をしております。また、薬局におけるレセプトコンピューターシステムと電子薬歴システムとの連携が重要だという観点から、これまでもシステム手掛ける事業者に対しまして連携を行うように働きかけを行うとともに、両方のシステムの接続をする際の標準仕様といったものを業界団体において定めていただくという方向で調整をしておるところでございます。
電子処方箋を調剤室を含めデジタルで取り扱うことができるといった環境整備は、薬局事務の効率化の観点からも非常に重要だというふうに考えてございます。引き続き、システム事業者、業界団体とも連携をしてしっかり対応してまいりたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/20
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021・神谷政幸
○神谷政幸君 ありがとうございます。
まあ標準仕様というのはいろいろなところで問題になっているかと思いますが、実際に使いやすいシステムとならなければ、せっかくの医療DXの基盤を整備しても期待する医療費適正効果は得られない可能性もあります。是非政府としても先を見据えた対応を引き続きお願いをいたします。
続きまして、新たな目標設定として、がん化学療法の外来での実施についてお聞きをします。
第四期の計画検討に当たり、医療資源の投入量に地域差がある医療として、先ほど加藤大臣からも、がん化学療法の外来での実施を新たな目標設定として検討されるというお話がありました。
がんの化学療法については、丁寧な服薬指導と副作用等のモニタリングが必要となってきます。諸外国において化学療法は外来での実施が基本とされていますが、日本でも質の高い新薬開発の恩恵等により、副作用のコントロールをしつつ外来で治療を行うケースが増えています。一方で、入院で化学療法を実施するケースも一定程度存在をしています。
そのことを踏まえると、地域における薬局での適切な薬物管理と服薬期間中のフォローアップ、そして医療機関との連携を充実させることで、がん化学療法の外来での実施が安全に行えると考えますが、政府のお考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/21
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022・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
二〇二四年度からの第四期医療費適正化計画におきましては、新たな目標としまして、がんなどの化学療法の外来での実施など、医療資源の投入量に地域差がある医療、これの適正化を位置付けまして、関係者が地域における医療サービスの提供状況を把握、検討し、地域ごとに適正化に向けた取組を進めていきたいと考えております。
また、その薬物療法につきましては、今先生から御指摘のありましたように、がん治療を受けている方など、専門的な薬学管理が必要な患者の方に対しまして、入院時、外来時、そうした両方の患者の状態を継続的に把握しまして適切な薬物療法を提供することが重要でございまして、地域の薬局薬剤師と病院の薬剤師の連携、いわゆる薬薬連携を促していく必要があると考えております。
令和元年に医薬品医療機器等法を改正しまして、医療機関の薬剤師との連携体制やがんの薬物療法全般に係る薬剤師の配置等を要件としました、専門医療機関関連薬局の認定制度を設けたところでございます。
これらの取組によりまして、各都道府県が関係者と連携し、地域の実態を踏まえて、医療費の適正化や薬薬連携を促進する取組を推進してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/22
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023・神谷政幸
○神谷政幸君 ありがとうございます。
先ほど専門医療機関連携薬局のお話もありました。実際に、フォローアップにより皮膚障害の副作用を把握をして、それに対して処方されている保湿剤やステロイド軟こうの使い方を改めて丁寧に説明をしたり生活指導をするというようなケースや、また、フォローアップによって得られた情報を基にした薬局からのトレーシングレポートがきっかけで病院薬剤師による医師の診察前面談実施につながり、医療連携体制が強化されたような事例もあります。新たな目標として設定されることが副作用の早期発見、患者の安心、安全、医師の負担軽減につながることを願っています。
それでは、三点のうち、実効性向上のための体制構築についてお聞きをします。
医療費適正化計画の実効性向上には、保険者、医療関係者が方向性を共有する、連携する体制構築が有効であると言われております。仮に、先ほどお話がありました、がん化学療法の外来での実施を進めるとすれば、診療や薬、ケアや栄養面など様々な医療関係者の団体も保険者協議会に入ることで、地域住民も含めた幅広い問題解決につながると考えます。
一方で、現状として、必ずしも各都道府県で全ての医療関係者が参画しているわけではないと聞いております。様々な地域ごとの事情もあるとは思いますが、できるだけ参画する団体を増やし、多職種チームで対策を検討することが効果的と考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/23
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024・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) 医療費の適正化に向けた取組を進めるに当たりましては、地域の実情に応じて実効的に取り組んでいくということが重要でございまして、令和六年度から予定しております第四期医療費適正化計画では、先ほど申し上げました医療資源の投入量に地域差がある医療、それから効果が乏しいというエビデンスがあることが指摘されている医療、この適正化を位置付けております。
この目標の達成に当たりましては、保険者だけではなく、先生から御指摘のございましたような医療関係者などの関係者が参画し、地域における医療サービスの提供状況等を把握、検討し、地域ごとに適正化に向けて必要な取組を進めていくことが重要だと考えてございます。
したがいまして、今回の法案では、都道府県ごとに保険者協議会を必置としまして、都道府県医療費適正化計画の策定のみならず、計画策定後の実績評価にも関与する仕組みを導入することや、保険者協議会に医療関係者が参画することを促進すると、こういうことを位置付けてございます。
こうした取組を通じまして、都道府県が医療保険者や医療関係者などと連携し、地域の実情を踏まえ実効的な取組を推進する体制、これを構築していきたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/24
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025・神谷政幸
○神谷政幸君 ありがとうございます。
必置化された場合に様々な医療関係者の団体も保険者協議会に入って効果的に機能することは、医療の適正化、効率化のみならず、地域住民の健康保持の促進にもつながると考えますので、よろしくお願いいたします。
続いて、医療法人、介護サービス事業者の経営情報の調査及び分析等についてお聞きをします。
今回の改正では、医療、介護の置かれている現状と実態を把握するために必要な情報を収集し、政策の企画立案への活用や情報を研究者等へ提供する制度を創設することを検討しているとお聞きをしています。
その際、データベースに収集する情報の任意項目として職種別の給与が入る可能性があるようですが、当該情報を収集項目として検討するに至った経緯と具体的な公表方法について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/25
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026・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
今委員御指摘ございました医療の職種別の給与の情報についてでございますが、医療法人の経営情報データベース制度の在り方について議論を行いました検討会の中で、医療法人内部においては必ずしも給与費を職種別に分けて管理しておらず、新たに作業や費用等が生じるなどの理由から、その検討会の報告書におきましては職種別の給与費は提出を任意とすべきとされまして、厚生労働省といたしましても、制度の早期開始の必要性を踏まえて、職種別給与費については任意で報告を求めるということとしてございます。
蓄積いたしましたデータは十分に分析をして、その分析結果を公表するということとしてございますが、その際には属性などに応じてグルーピングした分析結果が表す趣旨や背景なども併せて国民の皆様に分かりやすく丁寧に情報提供することで、医療、介護の置かれている現状、実態の理解の促進を図ることとしてございます。
医療従事者などの処遇の適正化を検討いたします上で職種別のこの給与の情報というのは重要でございまして、的確な政策立案につなげるために、関係団体の御協力もいただきながらデータベースの充実を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/26
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027・神谷政幸
○神谷政幸君 ありがとうございます。
医療従事者の就業の適正化というお話がありましたが、二〇二二年度の診療報酬改定では、地域で新型コロナ感染症に対する医療を行うなど一定の役割を担う医療機関に勤務する看護師、看護補助者、理学療法士、作業療法士等の職種を対象に処遇改善の仕組みが創設をされました。しかし、感染症対策や服薬指導、供給が不安定となった医薬品の確保や代替薬の検討、医薬品の安全な使用などに対して患者さんのために幅広く業務を行った病院薬剤師は対象外となりました。
一方で、過去の中央社会保険医療協議会総会でも、病院薬剤師の給与については議論があったところです。また、厚生労働省が令和五年三月三十一日に示した医療計画策定指針において、病院薬剤師の不足が喫緊の課題となっており、病院薬剤師の確保の文言が追記されています。
今回の改正で給与の見える化が行われ、様々な医療従事者の処遇の改善を進めていただくことをお願いをいたします。
続いて、済みません、十二番の方は飛ばしまして、次の質問に移ります。
続いて、介護現場における生産性向上に資する記録、報告様式の工夫についてお聞きをします。
私自身、在宅医療に関わった経験から、報告書等の作成やファクス送信作業に大変な時間と労力を割いた経験があります。記録や報告様式の工夫としてタブレット端末やスマートフォンを活用したデータ入力の効率化と電子的なデータ共有が可能となれば、生産性向上に大きく寄与すると考えます。
介護現場における生産性向上のために、記録、報告様式の工夫について政府のお考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/27
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028・大西証史
○政府参考人(大西証史君) お答え申し上げます。
介護現場におきましては、先生御指摘のとおり、ケアの記録を作成いただいたり、職員さんの間で情報を共有するといったことは欠かせない業務でございます。ICT等のテクノロジーを活用いたしまして、そうした業務に係る職員の皆さん、負担軽減を図っていくことは大変重要であると認識をしてございます。
委員御指摘の介護記録ソフトの活用につきましては、例えば、音声入力記録、機能を有する介護記録ソフトを活用することによりまして、利用者へのケアの手を止めることなく随時記録ができるようになったり、また、手書きのメモから記録への転記の二度手間などがなくなるといった効果が見込まれるものでございます。このため、厚生労働省におきましては、地域医療介護総合確保基金を活用いたしまして、介護現場の業務負担軽減に資する介護記録ソフトなどのテクノロジーの導入支援を実施をしてきているところでございます。
令和五年度予算におきましては、このような生産性向上に資する様々な支援メニューを一括して取り扱い、適切な支援につないでまいりますワンストップ型の事業者相談窓口を各都道府県に設置するための予算、これも計上するなどの取組を講じることとしたところでございます。
こうした取組等を通じまして、介護職員の皆様の業務負担の軽減、職場環境の改善にしっかりとつないでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/28
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029・神谷政幸
○神谷政幸君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/29
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030・古川俊治
○古川俊治君 今回の法案の医療法部分のかかりつけ医機能については、六条三項、一項のかかりつけ医機能と、報告と、それから三十条の十八の四の第一項の継続的な医療を要する者に対するかかりつけ医機能というこの二つのかかりつけ医機能の報告制度があるんですが、加藤大臣は四月十二日の厚生労働委員会で、衆議院の方ですけれども、三十条の十八の四の方の第一項の五項目の報告項目が今回挙がっていますが、その一つもないという場合にはかかりつけ医機能がない医療機関ということかという質問に対して、この法律で言っている意味ではそういうことになるというふうにお答えになっています。
ただ、眼科とか整形外科などの急性期疾患が中心の診療では、予防医療とか日常診療の対する診療、すなわちこれは六条の三第一項の意味のかかりつけ医機能なんですが、これは行うけれども、慢性の病態の高齢患者なんかに対する継続的な医療、これまあ三十条の十八の四の第一項の方で言うかかりつけ医機能なんですけれども、これ前者は行って後者は行わないという医療機関は十二分に存在する余地があると思うんですが、そうすると、高齢者を診ないところはかかりつけ医機能じゃないというふうな意味なんですか、この法律は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/30
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031・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘のように、この法案には二か所そのかかりつけ医機能に係る部分がございます。
まず、その第六条においては、かかりつけ医機能について、身近な地域における日常的な診療、疾病の予防のための措置その他の医療の提供を行う機能と規定をし、予防、疾病の予防のための措置を含め、幅広い機能を含み得るように規定をしております。
その上で、こうしたかかりつけ医機能のうちと書いてある、法律、改正医療法の第三十条の十八については、それぞれ、かかりつけ医機能のうちという書き方をさせていただいて、その中で、慢性の疾患を有する高齢者その他の継続的な医療を要する者に対する機能として地域で確保していく必要があるものについては、各医療機関から報告を求める。また、地域の関係者の協議の場で必要な機能を確保する具体策を検討することとしており、先ほど委員がお話がありましたように、休日、夜間の対応等、五つについて明示をさせていただいております。
したがって、この五つの機能のいずれの報告も行わない機能であったとしても、先ほど申し上げた幅広い定義、まさに法律第六条においては、何らかの機能を有する場合はあるということで、この辺はしっかりそれぞれ詳細を省令等の段階で明確にさせていただき、していきたいと思っておりますし、私が申し上げたのは、あくまでも三十条の世界の中についてということで申し上げたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/31
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032・古川俊治
○古川俊治君 どうもありがとうございます。
それでは、新設される医療法三十条の十八の四の第二項の方の確認について伺いますけれども、榎本局長は衆議院の委員会の審議で、医療機関からの報告内容を事務的に確認するものであるが、地域における関係者の協議を効果的に行うためには、客観性が担保された形で機能の現状を的確に把握することが重要であることに鑑みて法律上規定することとしたものであって、法律上の効果としても医療機関に対して直接的に権利義務に影響を与えるものではないことから、行政行為ではなくて事実行為であるというふうにお答えになっています。
この第二項から第四項にある確認という文言は、要するに事実行為なんだから、この文言がなくても法律上の中身は変わらないということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/32
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033・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
本法案におきます確認の仕組み、これは都道府県が医療機関からの報告内容を事務的に確認するものでございまして、その法律上の効果として医療機関の権利義務に直接的に影響を与えるものではございませんが、地域のかかりつけ医機能の確保の状況を正確に公表する観点、また地域の関係者が協議を行う際に当該機能の現状を客観性が担保された形で的確に把握する観点から、都道府県が地域の協議の場への報告、公表を行うプロセスの一環として行います事実行為について入念的に規定をすることとしたものでございます。そのため、医療機関との関係におきましては、確認について、今委員お話ありましたように、規定をしない場合と実質的な相違はないというふうに考えてございます。
一方で、このような事務的な確認につきまして、本法案において法律上に入念的に規定することによって、都道府県がこうした事務的な確認を行うということがより明確になるものと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/33
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034・古川俊治
○古川俊治君 今までも実は外来機能の報告制度ってあったんですね。これ、三十条の十八の二にありましたけれども、これは高度医療ですね、外来における高度医療を地域において中心的にやっている医療、外来の医療機関について、これ把握したいということについてあったわけですけれども、こちらでは確認がないんですよ。だけども、これだってとっても重要な制度なので、当然その報告受ければ、文言には確認って書いていませんけども、都道府県は事実上確認しなきゃいけないわけですね。
そうすると、今回のかかりつけ医機能の制度は、確認って法律に書いてあるけども、今までの外来機能報告は書いていないけども、それは事実上確認していたと。今回のは書いてあるんだけども、今までの外来機能報告制度と同じ確認、同趣旨の確認でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/34
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035・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) 今委員から御指摘ございましたように、病床機能報告、また外来機能報告につきましては、法律上、今回のような確認の規定は置いていないところでございますけれども、実態として、医療機関から報告されました内容を都道府県が確認をしているという点については変わらないという状況だと勘案しております。
一方で、かかりつけ医機能報告につきましては、こういった二つの報告と異なりまして、国民、患者にとって身近な地域における日常的な医療に関する機能であって、今後地域で確保する必要があるもの、これを対象とするために正確に公表する必要があるということがございます。
また、病床機能や外来機能とは異なって、医療機関の間で連携をして機能を確保している場合も想定されまして、そうした状況も含めて現状を客観的に把握する必要があるということ、そういったことから、この法案におきまして、条文上にも入念的に規定をするというふうに整理したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/35
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036・古川俊治
○古川俊治君 そうすると、都道府県がやることは事実上として違うということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/36
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037・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) 先ほど来申し上げておりますように、その都道府県が行う確認ということにつきましては、病床機能報告なり外来機能報告で行っていることと同じというふうに御理解いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/37
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038・古川俊治
○古川俊治君 この確認についてなんですが、かかりつけ医機能の報告対象病院のうちでですね、このよくある疾患への対応、それから夜間、休日対応、それから他の医療機関との入院退院調整、それから在宅医療、介護との連携というような、この五項目が挙がっているんですね。ただ、その慢性的な疾患への対応というそれだけを行っていて、休日対応とか夜間対応とか、入退院調整、介護との調整、あるいは在宅医療をやっていないところについては確認しないことになっているんですね、これ。
ただ、実際の患者のことを考えれば、その医療機関が例えば自分の病気に合ったことをやってくれているか。例えば、日本、まあこれ世界的にも同じなんですけど、高血圧と糖尿病の両方の本当の専門家というのはいません、この世の中に。それは別々の人が本当の専門家なわけですね。自分の病気に合っていると、本当に専門的に診てくれるのはどこであろうと、そういう興味を持つのは、当然患者さんにとって非常に重要な情報なんですよ。
ただ、それだけをやっててほかをやってない、四項目やってないところは、これ報告対象になって、確認の対象になってないんですよね。これなぜですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/38
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039・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
医療機関から報告されます内容につきましては、通常、明文のない、明文の規定がない場合におきましても都道府県において事実関係の確認が行われるものでございまして、今委員御指摘のよくある疾患への対応につきましても、こうした都道府県による事務的な確認は行われるというふうに考えているところでございます。
その上で、医療機関に報告を求めますかかりつけ医機能報告のうち、今御指摘ありました休日、夜間の対応とか入退院の支援とか在宅医療とか介護などとの連携といったような機能につきましては、医療機関の間で連携して確保している場合もあり、想定されるところでございまして、また、より体制を有していることを確認することの必要性があるというふうに考えておりまして、入念的に法案に規定をするという整理をさせていただいたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/39
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040・古川俊治
○古川俊治君 患者さんにとって重要なのは、それは両方、全部五項目重要なわけですから、逆に言うとね。より、第一項目の、どういう疾患についてその病院がやっているかっていう方が重要ですよ。だから、後の方で確認をして、最初の方確認していないっていうのは答えにならない。同じだっていう話だったらいいですよ。それは今後よく検討してください。
それから、入退院の連携とかあるいは介護との連携っていうのは、電話が一個できればできるんですよ、実際。そこお願いしますよって。だから、携帯電話があれば実際できることなんですけど、これはそれでよろしいんですか、この要件が当てはまりますか、携帯電話があれば。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/40
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041・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) 今御指摘いただきました入退院支援とか介護サービスなどとの連携ということにつきましては、この法案に規定する以前に、これまでも医療機関におきまして、入院時には患者、利用者の日常の状態ですとかあるいは在宅療養の状況を共有をする、あるいは退院後の療養まで見据えた計画を立てる、あるいは介護保険の利用に関する相談に応じたり、主治医の意見書を作成するといったような取組が現に行われてきているというふうに承知をしているところでございます。
今委員御指摘ございました携帯電話の利用というのも、この入退院支援や介護サービスなどとの連携を実現するための手段の一つであるというふうに考えてございますけれども、かかりつけ医機能報告におけます具体的な中身につきましては、今委員の御指摘なども踏まえながら、今後よく有識者等の意見を聞いて検討を進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/41
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042・古川俊治
○古川俊治君 外来機能をやってて、それで重病のリスクがある人が来ちゃった場合に、それは入院してもらうしか医者としてはないわけですよ。だから、必ず入退院の調整なんかはやるんですね。だから、そういう常識的な診療の中で考えたら、この要件は当てはまらないことないですから、はっきり言って。それよく検討して、今後詳細を詰めてください。
それから、夜間、休日の対応なんですけれども、本来、診療所で夜間、軽症、これも重要ですよ、診療所がやっていただくことは、夜間、休日対応、大事なんですけども、夜間、休日対応を診療所がやるのはそもそもが比較的元気な人で、けがしたとか子供が発熱したとか、そういう人を応急処置で診て、次の日、普通の日常外来に来てもらうというのが前提なんですよ。それで応急処置があるのが救急、救急夜間ですからね。
ところが、慢性的にずっと経過をしている、慢性的にこの慢性病態にかかっている人っていうのは、緊急で来なきゃいけない事態になったときには、それこそ、これはメジャーイベンツって言われておりますけれども、いわゆる疾患事象、大きなね、これは脳卒中ですとか脳梗塞、あるいは脳出血、あるいは心筋梗塞なんか、そういうイベントが起こっているリスクが高いわけですよね。だから、当然それは、入院の、本来入院機能のあるところに行った方がいいわけですよ。
だから、それは無床診にそういう慢性的に診ている患者が休日とか夜間に突然行くというのはこれは医学的に不合理なんですが、何で報告されるんですか、夜間救急について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/42
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043・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
今委員御指摘ございました患者の夜間、休日の対応ということでございますけれども、これまでも夜間、休日の往診やあるいは訪問看護の体制を確保する、また患者の疾患などの状況に応じて電話などによる問合せに対応するなど、地域の社会資源の状況などを踏まえて地域の取組が行われてきたという実態であろうと承知してございます。
今御指摘ありました夜間、休日等に医療機関の受診を訴える患者につきましては、重大な疾患事象が生じて入院機能を備えた病院の受診が適切という今の御指摘のような場合もある一方で、相談や往診などで適切に対応すれば必ずしも病院に直ちに入院する必要があるわけではないこと、あるいは入院治療を希望しない方もいると、そういったような場合もあることから、日常的に継続的に診療している身近な地域の医療機関が夜間、休日にこうした対応ができる体制を構築するということにつきましては一定の合理性があるというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/43
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044・古川俊治
○古川俊治君 日本の外来医療は、対GDPで見ると、よっぽどアメリカの三分の二ぐらいでやっているわけですよね。各国と比べても、欧米、ヨーロッパと比べても、高齢化を考えれば一番低いGDP、対GDPでやっていますから、日本の医療からいうとね、その意味では非常に効率的に回っているんですよ。
そして、COVIDで分かるように、一般的に高齢者だって健康ですよね。だから、対人口当たりの死亡率が一番低かったんです。それは、ジェネラルな一般の健康がちゃんと管理されているからなんですね。その上で、やはり今健康寿命は延びていますよね、厚労省も言っているように。それから見ると、日本の今までのプライマリーケアって機能してきている、フリーアクセスの下で、で、コストとしてもそんな掛かっていないと。それを今のうち、やっぱり今これ変える一つのきっかけになる法案ですから、今後中身を詰めるためには、エビデンスをとにかく重視していってください。変な、まあこうなるだろうなという期待だけで、医療というのは科学で動きますから、そういうことは起こりませんので、よろしくお願いします。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/44
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045・川田龍平
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。よろしくお願いします。
まず質問させていただきます。後期高齢者の賦課限度額の引上げについて伺います。
二年前のこの健康保険法等改正案の審議の際には、この立憲民主党から、賦課限度額を引き上げ、高所得の後期高齢者に負担をお願いするとともに、一部国費を充当することによって現役世代の負担を軽減するという内容の対案を提出をいたしました。
この我々の提案に対しては、当時の菅総理大臣から、保険である以上、受益と負担が著しく乖離することは、納付意欲の低下を招く恐れがありますと、このため、保険料納付の上限として賦課限度額を設けており、その見直しを行う場合には、関係者と十分に議論して検討すべき重い課題だと認識しておりますとの答弁がありました。
その後、当委員会において、賦課限度額、この保険料賦課限度額の引上げなど能力に応じた負担の在り方について検討を求める旨の附帯決議が行われたことを受けて今回の八十万円への引上げにつながったものと理解しております。
しかし、そうなると気になるのが、今後更なるこの賦課限度額の引上げの可能性があるのかどうかという点です。
菅総理は、受診と負担が著しく乖離することは絶対納付意欲の低下を招くおそれがあると答弁されており、こうした観点からは、現時点での賦課限度額の限界は八十万円であると理解すればいいのでしょうか。今後、八十万円という賦課限度額を更に引き上げる可能性があるのか、またその可能性があるのであれば、どのような条件が整ったときに賦課限度額を引き上げる検討を行うことになるのか、厚生労働省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/45
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046・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
後期高齢者医療制度の保険料の賦課限度額につきましては、今般の制度改正に合わせまして、負担能力に応じた負担の観点から、現在の国保の賦課限度額の水準を踏まえつつ、令和六年度に七十三万円、令和七年度には八十万円に引き上げることにしてございます。
こうした賦課限度額は、これまでもおおむね二年に一度見直しを行ってきたところでございます。令和八年度以降の賦課限度額につきましては、今般の引上げ後の高齢者の所得や医療費の状況、さらには国民健康保険の賦課限度額が今後どうなっていくのかと、こうしたことなども踏まえまして、社会保障審議会医療保険部会におきまして御議論いただくことになると考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/46
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047・川田龍平
○川田龍平君 次に、この健保組合間の共助の仕組みに対する財政支援の制度化について伺います。
本法案では、現役世代の負担がトータルとして軽減されるよう、健保組合等に対する財政支援を拡充することとしています。その中には、健保連が実施している健保組合の高額医療費交付金事業について、新たに国費による財政支援を制度化するという項目が含まれています。この高額医療費交付金事業は、全ての健保組合からの拠出金を財源に高額医療費の一部を交付金として健保組合に交付するというものですが、健保連の令和五年度予算書によれば、事業規模は約一千億円となってきています。
本法案では、この事業に対し国費を充当できるような改正を行うとのことであり、令和六年度からは百億円の財政支援を行う方針であると承知しています。しかし、昨今のように、今、高額医療費の、高額医薬品の上市が相次ぐ中では、これで本当に十分なのか、いささか心もとない印象を受けます。
健保連の取りまとめによると、令和三年度に申請された医療費のうち、一か月の医療費が一千万円以上の件数は前年度から百五十二件増加し約千五百件と過去最多になったとのことです。特に、上位百件では、一億六千万円を超える薬価が付けられているゾルゲンスマ、それから三千万円を超える薬価が付けられているキムリアなど、超高額医薬品が半数以上を占めていると聞いています。今、血友病などはもうほとんどこの百位以内に消えてしまって、本当にこういった新しい薬の方が多くなっております。
本法案では、前期財政調整の一部に報酬調整を導入することで、給与水準が低く財政基盤が弱い健保組合の拠出金負担を抑制するとのことですが、この超高額医薬品の登場はこうした健保組合にとって脅威に映るのではないでしょうか。実際、超高額医薬品の登場に合わせてこの交付金の交付基準の見直しが進められており、交付対象となる医薬品の基準額についても順次引き上げられている状況にあります。もちろん、この画期的新薬の登場は全ての患者が待ち望んでいるものですが、医療保険財政とのバランスという観点からは大変難しい問題とも言えます。
こうした状況を踏まえると、今回創設されるこの健保連への百億円という国庫補助については、今後も維持拡充が必要ではないかと考えますが、厚労大臣の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/47
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048・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 今、川田委員御指摘のように、最近、大変高額な医薬品等が登場してきているわけであります。この扱いをどうしていくのか、一方での保険財政の持続、保険制度の持続性を維持していくという観点から、しかし、できるだけ新規性の高いイノベーションが進み、そしてそうした医療が国民の皆さんに提供されるということ、これも我々の責務でありますから、そこをどうバランスしていくのかというのは、今お話があったこの財政制度、支援だけではなくて、保険医療制度全般に係る課題だというふうに認識をしております。
その上で、今、今回の支援制度のお話がありました。御説明がありましたように、健康保険においては、現在、保険給付等の財源の不均衡を調整するため、保険料財源を活用し、高額なレセプトが発生した保険組合に対しては交付金を交付する高額医療費交付金事業というものが健康保険組合連合会の事業として実施をされておりますが、これは基本的にはそれぞれの保険料財源を活用しているわけであります。
今回の制度改正において、健康保険組合に対する支援については、現役世代の負担の上昇をできるだけ抑制するということから、令和六年度から、今お話があった百億円も含む四百三十億円、国費による支援を追加し、その百億円については、健康保険組合の支援、支え合いの仕組みを強化するため、高額医療費交付金事業に対する財政支援、これをまさに制度化するという形で今回取り組んだところでございます。
この仕組みについては、この法案によって制度化されれば令和七年度以降も当然継続されることになるというふうに思いますが、その後、こうした支援をどういうふうにしていくのかについては、健康保険組合の状況、そして、先ほど申し上げたように、そうした高額な医療品をどう取り扱っていくのか、こうしたことも踏まえて検討していくべき課題だと認識をしています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/48
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049・川田龍平
○川田龍平君 是非、支援の方をしていただきたいと思います。
続いて、医療費適正化計画について伺います。
本法案では医療費適正化計画の記載事項の見直し等を行うこととしていますが、これまでの医療費適正化の取組については、先ほどもありましたけれども、適正化効果の大部分を後発医薬品の使用促進に頼ってきた、言い方を変えれば後発医薬品の一本足打法だったと言っても過言ではないと思います。
実際、第三期医療費適正化計画では目標達成による適正化効果額のトータルを約六千億円と見込んでいますが、そのうち、後発医薬品の使用割合を八〇%にするとの目標を達成することで約四千億円の適正化効果を生み出すこととされています。
しかし、今後は先発薬との置き換えが難しい段階に入ってくると思いますし、後発医薬品の一本足打法では、もはや十分な医療費適正化効果は見込めないと考えた方がいいのではないでしょうか。
現行の第三期計画では後発医薬品だけで約四千億円という高い数値目標を立てていますが、この高い目標に取って代わることができる取組として、第四期計画ではどのような取組を想定しているのか、厚生労働省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/49
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050・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
今後更に高齢化が進んでいく中で、医療保険制度の持続可能性を高めていくためには、医療費の適正化、これ重要な課題でございまして、地域の実情に応じて更に効果的に取組を進めていくということが必要だと考えてございます。
御質問ございました第四期の医療費適正化計画では、これまで取り組んできた後発医薬品の使用促進以外に、例えば、従来から取り組んできた特定健診、特定保健指導につきまして、特定保健指導へのアウトカム評価の導入、ICTの活用、これによりまして実施率の向上ですね、これに取り組んでまいりたいと考えております。
さらに、新たな目標としましては、急性気道感染症に対する抗菌薬処方など効果が乏しいというエビデンスがあることが指摘されている医療や、がん等の化学療法の外来での実施など医療資源の投入量に地域差がある医療、これを適正化の一つの目標として位置付けまして、関係者が地域における医療サービスの提供状況を把握、検討し、地域ごとに適正化に向けた必要な取組を進めていきたいと考えてございます。
それから、こうした取組の実効性を高めていくために、本法案では、保険者ごとに、あっ、都道府県ごとに保険者協議会を必置としまして、都道府県は、医療費適正化計画の策定のみならず、計画策定後の実績評価にも関与する仕組みを導入することや、保険者協議会に医療関係者が参画することを促進すると。こうしたことを通じまして、都道府県が医療保険者や医療関係者などと連携し、地域の実情を踏まえ、実効的な取組を推進することで医療費の適正化に取り組んでいくと。このように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/50
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051・川田龍平
○川田龍平君 そもそも、この後発医薬品の使用を促進するといっても、後発医薬品については、先ほどもありましたけれども、現在もこの安定供給が確保されているとは言い難い状況にあります。
この状況で更に使用割合を引き上げようとすることは困難であり、せいぜい現状維持を目標に掲げることしかできないのではないかと思いますが、厚生労働省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/51
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052・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
平成三十年度からの第三期医療費適正化計画につきましては今年度が最終年度でございますが、現状として、後発医薬品の使用割合は二〇二一年度で七九・六%となっておりまして、目標の八〇%をほぼ達成している状況でございます。
来年度からの第四期医療費適正化計画につきましては、この後発医薬品の使用促進につきまして、昨今の重要課題となっておりますこの安定供給、これを基本としながらも、バイオ後続品について目標を設定し、更なる使用促進の取組を進めるといったことを考えてございます。
一方、後発医薬品メーカーの薬機法違反を契機としまして、近年、後発医薬品を中心とした医薬品の供給不安が続いております。
その安定供給を確保する観点から、本年四月からは、医療用医薬品供給情報緊急調査事業、これを行いまして、毎月全ての医薬品の供給状況の調査を行って各医療現場にその情報を提供するという仕組みを設けたり、あるいは今年度の薬価改定におきましては、原材料価格の高騰、安定供給問題、こうしたことがございますので、不採算品再算定を臨時特例的に全品に対象するというような措置を講じたところでございます。
また、現在、医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会、ここにおきましても、ジェネリック医薬品の産業構造の在り方について検討しておりまして、ここでの議論、この中での安定供給の取組、ここも必要な対策を含めて考えていきたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/52
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053・川田龍平
○川田龍平君 今、バイオシミラーについては、以前からお話がありましたように、後発医薬品になり得るのかというところもありますので、しっかり検討していただきたいと思います。
医療保険部会の報告書では、医療費適正化計画における医療費見込みについて、報酬改定、制度改正の影響を反映した随時改訂などの精緻化を図るとの記載が盛り込まれています。
これ、気になるのが、制度改正の影響をどこまで医療費適正化計画に織り込むことができるのかという問題です。
例えば、リフィル処方箋の導入について、制度導入前は国費約百億円の削減を見込んでいたものと承知していますが、導入時の想定ほど処方箋の発行枚数が伸びていないと聞きます。導入初年度の令和四年度において、リフィル処方箋の導入がどの程度の国費削減につながったと見積もっているのか、厚生労働省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/53
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054・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
昨年度の診療報酬改定におきまして、症状が安定している患者につきまして、医師の処方によって、医師と薬剤師の適切な連携の下に、一定期間内に処方箋を反復利用できるいわゆるリフィル処方箋の仕組みを設けたところでございます。
このリフィル処方箋につきましては、今年の四月、あっ、昨年の四月の改定の時期の附帯意見におきまして、しっかりとこの改定による影響の調査、検証を行うとともに、適切な運用、活用策について検討することとされたことがございますので、現在、このリフィル処方箋の実施状況について調査、検証を行っているところでございます。
また、先ほどちょっと申し上げましたように、来年度から実施する第四期の医療費適正化計画におきましても、医療資源の投入量に地域差がある医療、これを適正化の目標と位置付けておりまして、この中でも、リフィル処方箋につきまして、関係者が地域差の実態等を確認した上で必要な取組を進めることとしてございます。
このリフィル処方箋ですが、ちょうど令和四年度から始まったばかりでございまして、現時点におきまして医療費に与える具体的な影響を把握できておりませんが、先ほど申し上げました調査、検証の結果を踏まえまして、このリフィル処方箋の適切な運用や活用策について来年度の診療報酬改定に向けて議論するとともに、あわせて、第四期の医療費適正化計画におきましても、各地域の実情に応じて取組を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/54
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055・川田龍平
○川田龍平君 このリフィル処方箋に見られるように、制度導入前の見込みと現実が大きく乖離することは今後もあり得ると思いますし、制度改正の効果を医療費見込みに正確に反映するのは難しいのではないかと思います。
懸念するのは、この国が出した方針に従って都道府県が医療費見込みを改訂した後に、制度導入による財政効果が事前の見込みと大きく異なることが判明した場合に、国、都道府県においてどのような対応が必要になるのかという点です。よもや、この制度導入前の見込みに基づく目標の達成を都道府県に強いることはないと思いますが、厚労大臣の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/55
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056・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 医療費の増加に伴う財政影響は、医療費適正化計画の策定主体である都道府県だけではなく、国、市町村、保険者、ひいては加入者に広く及ぶことになります。関係者がそれぞれの役割に応じて適正化に向けた取組を進めていくことが重要だと考えております。
都道府県が策定する医療費適正計画は、保険者や医療関係者など関係者の役割も踏まえた上で、特定健診、特定保健指導等の健康の保持の推進、後発医療品の使用促進等の医療の効率的な提供の推進に関する目標や取組を定め、これらの取組により達成が見込まれる医療費適正化の効果などを踏まえて計画期間中の医療費の見込みを推計し、地域の関係者が一体となって医療費の適正化に向けた取組を進めるものであります。
令和六年度からの第四期医療費適正計画においては、地域における関係者の連携を促進し、計画の実効性を確保する観点から、この法案によって都道府県ごとに保険者協議会を必置すること、都道府県医療費適正化計画の策定のみならず、計画終了後の実績評価にも関与する、こうした仕組みを導入すること、保険者協議会に医療関係者が参画することを促進することなどを通じて保険者や医療関係者等と連携し、地域の実情を踏まえ、実効的な取組を都道府県が推進する体制を構築することにしております。
また、実際の医療費が都道府県計画の医療費の見込みを著しく上回ると認める場合、都道府県は、その要因を分析するとともに、その要因の解消に向けて保険者や医療機関等と協力して必要な対策を講ずるよう努めることとこの法案ではさせていただいております。
都道府県が地域の関係者と連携しながら医療費適正化に向けて実効性のある取組が進められるよう、国としても支援をしっかりと進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/56
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057・川田龍平
○川田龍平君 次に、かかりつけ医機能に関する制度改正についてお伺いします。
先日の本会議において高木委員が指摘したように、本法案におけるかかりつけ医機能は、予防医療を充実させたいのか、それともパンデミック時の診療拒否を出さないためなのか、高齢者増に医療供給が追い付かない懸念への対応なのかなどなど、制度の狙いがはっきりしないと、見えてこないということに問題があると思います。
そもそも狙いが見えない理由は、夜間、休日対応、在宅医療の提供、介護サービスとの連携など僅かな項目だけを法案に列挙し、その他の具体的な項目を全て省令に委任し、この法成立後に有識者による検討に委ねたことにあるのではないでしょうか。法案に列挙されている内容だけでは、誰を対象にした機能なのか、どういったサービスを提供するのかといった制度の根幹部分が全く伝わりませんし、中身が分からない以上、議論もできません。衆議院では、我が党の中島議員が国会に白紙委任を迫るような姿勢と厳しい指摘をしていましたが、まさにそのとおりだと思います。
衆議院において、本法案で制度化されるかかりつけ医機能に関する議論が深まらなかったのは、議論が分かれそうな部分は先送りしておけばいいという厚生労働省の怠慢が招いたものではないかと考えますが、大臣に反省はないのか、御認識を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/57
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058・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の制度改正に当たっては、全世代型社会保障構築会議において御議論をいただき、その報告書を踏まえて策定をさせていただきました。そして、この本法案では、かかりつけ医機能に関する情報提供の強化や、都道府県と地域の関係者との協議の場で必要な機能を確保する具体的な方策を議論する仕組みを設けることで、国民、患者がそのニーズに応じて適切に医療機関を選択できるようにするということ、また、医療機関がかかりつけ医機能の内容を強化し、地域において必要なかかりつけ医機能を確保するということを目指しているところでございます。
都道府県への報告を求めるかかりつけ医機能の具体的な内容については、今申し上げました、この法案においてこうした枠組みを御了承いただき、その上で、保険者、有識者等の意見を聞いて省令で定めるということにしているわけでございます。
今回御審議いただいている法律の委任の範囲で制度の目的を踏まえて行うということでございますので、決して制度の先送りをしているわけではないとともに、今後、今回の法律を成立をしていただければ、それを踏まえて、関係者と御意見を聞きながら内容をしっかり詰めさせていただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/58
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059・川田龍平
○川田龍平君 この全世代型社会保障構築会議においても、一部の委員から、省令段階を含めてフォローアップしていきたいとの意見があったと承知していますが、これは政府内部の議論ですし、そもそも国会に白紙委任を迫ること自体に問題があるんではないでしょうか。
制度の根幹を占める重要な部分を法成立後に検討に委ねるという今回のような対応を許してしまえば、今後のあしき前例となってしまうではないかと、そのことを大変危惧しています。百歩譲って、今後、有識者の検討に委ねることを認めるとしても、具体的な制度の詳細が決まった段階で厚生労働省が責任を持って当委員会に決定内容を報告すべきであると考えますが、大臣の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/59
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060・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 厚生労働委員会においてどういう議論をさせていただくかというのは、むしろ本委員会でお決めをいただくということなので、私どもはそれに応じて対応させていただくということになろうかと思いますが。
医療機関から都道府県への報告を求めるかかりつけ医機能の具体的な内容等については、先ほど申し上げた、法令、法案が成立すれば省令で定めることとしておりますが、その際には、有識者等の意見を聞いて丁寧に議論していくとともに、パブリックコメントなども含めて広く関係者の意見を伺いながら作業を進めていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/60
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061・川田龍平
○川田龍平君 委員長、是非この報告を検討していただけないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/61
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062・山田宏
○委員長(山田宏君) 後日理事会で協議をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/62
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063・川田龍平
○川田龍平君 ありがとうございます。
次に、それでは具体的な改正内容に移ります。
まず、医療機能情報提供制度の認知状況についてお伺いします。
令和三年九月に実施された厚生労働省の調査研究では、医療機能情報提供制度を知っていると回答した方は全体の一一%にすぎなかったとされています。今回の改正によりせっかく全国統一サイトを整備することとしているのに、そもそも認知されていないのでは税金の無駄遣いと言わざるを得ません。
厚生労働省の現状認識を伺います。また、認知度が低いのであれば、新たに制度拡充を行うだけでは不十分であり、積極的な広報などによりこの制度そのものの認知度を高めていく必要があると思いますが、今後の取組方針についてお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/63
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064・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
これまで、医療機能情報提供制度におきましては、医療法施行規則などの規定に基づきまして、国民、患者への情報提供が行われてきているところでございますけれども、社会保障審議会医療部会におきまして本制度の認知度が低いといったような御指摘もあったことから、認知度の向上に向けた取組を進めることとしているところでございます。
具体的に申し上げますと、令和六年度に予定しております、今委員御指摘がありました、全国統一的な検索サイトの運用の開始に合わせて、国民、患者向けのパンフレットを作成をして都道府県の窓口などで配布をするほか、都道府県や関係団体のウェブサイト、SNSでの周知を行うことなどにつきまして、有識者などの御意見をお聞きをして今後検討することとしているところでございます。
引き続き、本制度の認知度の向上に向けまして、実効性のある取組について検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/64
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065・川田龍平
○川田龍平君 厚生労働省は、医療機能情報提供制度の刷新により、国民、患者がニーズに応じてかかりつけ医機能を有する医療機関を適切に選択できるようにするとの方針を掲げていますが、そもそも国民はどのようなツールを使って医療機関を選んでいるのでしょうか。
先ほど触れた厚労省の調査研究では、一位が知人、家族からの情報、四六・五%、二位が医療機関のインターネット情報、三四・九%、三位が特に入手していない、二八・一%、四位が病院、行政機関以外のインターネット情報、一九・八%との調査結果が示されています。
実際には、グーグルマップなどの検索サイトで自宅近辺の医療機関を探す方が多いのではないかと思いますが、グーグルマップには個別の医療機関に対して個人のコメントが付けられていることが多く、こうした情報を基にして医療機関を選んでいる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、個人の口コミは必ずしも医療機関の評価を正確に示したものではなく、例えば、不必要な医薬品の処方や検査の依頼を断るという医師として正しい判断を行ったにもかかわらず、後から悪い評価を付けられるようなケースがあると聞いています。
そもそも、民間サイトは、有料会員かどうかで企業側が評価を操作するようなケースも想定され、医療情報を提供するプラットフォームとしては必ずしも適切なものとは言えないのではないでしょうか。こうした医療機関への口コミ評価や口コミサイトを放置したままで問題ないと思っているのか、厚生労働省の現状を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/65
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066・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
今委員から御指摘ございました口コミ評価などの患者などによる体験談につきましては、個人が運営するウェブサイト、あるいはSNSの個人のページ、あるいは第三者が運営するいわゆる口コミサイトなどへの掲載といったような形態がございますけれども、こういったものについて、医療機関が広告料などの費用負担の便宜を図って掲載を依頼しているなど、その誘因性が認められるような場合には医療広告の規制対象となるというところでございます。
厚生労働省におきましては、平成二十九年の医療法改正におきまして、医療機関のウェブサイトなどにつきましても広告規制の対象とするとともに、同年に開始をいたしました医療広告などの監視強化事業によりまして、ウェブサイトの監視体制を強化をして医療広告の適正化を進めているところでございます。
具体的には、厚生労働省において不適切な表示が見られるウェブサイトを把握しました場合には、医療機関に対して規制を周知をし、自主的な見直しを促すとともに、それでもなお改善が認められない場合には、都道府県などに情報提供を行って、都道府県等において医療機関への報告徴収や立入検査、是正命令などの必要な指導等を行うということとしてございます。
本年度はこの事業につきまして予算を増額して実施をすることとしてございまして、都道府県等とよく連携をしながら、引き続き医療広告の適正化に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/66
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067・川田龍平
○川田龍平君 好ましくないと思っているのであれば、厚生労働省から各サイトの運営者に連絡を取り、口コミ欄にこの医療機能情報提供制度へのリンクを付けてもらうといった対応などをお願いする必要はないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/67
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068・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) 今御指摘の、御提案いただいたようなお話がございましたけれども、具体的にどのように情報提供を、分かりやすく国民の皆さんに提供していくかという、そういう観点の御提案だというふうに受け止めさせていただきました。
私どもとしても、今回のこの医療情報提供の仕組みについては、国民、患者の皆さんに分かりやすく情報提供するというのが本旨でございますので、そういった御指摘も含めて、よく有識者の御意見を勘案しながら整理をしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/68
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069・川田龍平
○川田龍平君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
先ほどの厚労省の調査研究では、診療の質指標を追加した場合、医療機関の選択に役に立つかと思うかどうかとの質問に対して、非常に役立つ又は役立つと回答した人の割合は九四%に上っています。
書き込み内容に基準が一切ない口コミ評価が広まるのを傍観するのは好ましくなく、現在の医療機能情報提供制度に診療の質を評価する指標を追加するような検討も必要になるのではないでしょうか。
診療の質に関する指標としては、現在も各病院でQI、クオリティー・インディケーター指標に関する取組が進められているものと承知していますが、こうした情報に加えて、所属医師の能力を客観的に示すものとして、特定の研修の修了歴や過去の経歴など、かかりつけ医に関する能力についても情報提供の対象にすべきと考えますが、厚労省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/69
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070・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
医療機能情報提供制度におきます医療の質に関する情報の公表というお話でございましたけれども、従来から、その質に関する情報の公表につきましては、指標を選定するに当たって患者の重症度や年齢などを考慮する必要があるのではないか、あるいは、数値の公表によって患者が数値のみに惑わされるのではないか、あるいは、重症患者の多い病院の治療効果の数値が悪くなるために、重症患者の受入れ拒否につながるのではないかといったような御意見があるところでございまして、継続的に検討しているところですけれども、平成三十年の医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会における議論におきましても、更なる検討が必要というふうにされたところでございます。
このように、医療機能情報提供制度に診療の質に関する客観的な指標を追加することにつきましては慎重な検討を要するというふうに考えられますが、いずれにいたしましても、今後とも、国民、患者の皆様がそのニーズに応じて医療機関の適切な選択ができますように、有識者などの御意見をよくお聞きをして、報告項目の見直しなどについて検討していきたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/70
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071・川田龍平
○川田龍平君 次に、認定医療法人制度に関する特例措置の延長についてお伺いします。
持分あり医療法人から持分なし医療法人への移行に関する特例措置は前回の医療法改正で今年九月末まで延長されましたが、引き続き移行を促す必要があるとして、今回、期限を更に令和八年末まで延長するものと理解しています。
平成二十九年に制度が創設されてから今回で二回目の延長となりますが、残念ながら持分あり医療法人の解消には程遠い状況となっています。厚生労働省において、その要因、どのように分析しているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/71
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072・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
医療法人につきましては、平成十八年の医療法改正におきまして、非営利性の徹底などを目的として、平成十九年度以降に新設いたします医療法人は持分なし医療法人に限るということとして、既存の持分あり医療法人につきましては自主的な持分なし医療法人への移行を促進をするということとしてございます。現在の状況でございますが、令和四年三月末現在で約五万七千の医療法人がございますが、約三万七千の持分あり医療法人が存続しているところでございます。
今委員から御質問ございました、既存の持分あり医療法人が持分なし医療法人に移行していない要因ということでございますけれども、いろいろと関係者にアンケートなどを行ったところでは、出資の持分が財産権であることから、出資者に財産権の放棄に対する抵抗感があるといったこと、あるいは相続が発生するまでなかなか現実の問題として考えられないといったような御意見があったというふうに承知をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/72
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073・川田龍平
○川田龍平君 この持分あり医療法人は、持分を持っている方が亡くなり相続が発生するたびに持分の払戻し請求による医業継続のリスクが生じますし、複数人の相続により持分が細分化されてしまうと、こうしたリスクが顕在化する可能性がますます大きくなってしまうと思います。医療機関はそれほど多くの現金を持ち合わせていないため、例えば地域の基幹病院に対して払戻し請求が行われ訴訟にまで至った場合、その病院の事業存続自体が危ぶまれることになり、地域医療への影響は計り知れません。
こうした極めて大きなリスクを抱えているということを認識した上で、持分なし医療法人への移行を強力に推進してもらいたいと思いますが、厚労大臣の決意をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/73
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074・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まさに今、私ども、持分なし医療法人への移行を促進する必要があると考えておりますのは、今委員御指摘のように、出資持分の払出しによる多額の資産の流出が法人の運営に影響を及ぼし医療機関の運営継続が困難になり、ひいては地域における医療提供体制あるいは医療提供そのものに支障を来す、こういうリスクをはらんでいるということでございます。
これまでも、認定医療法人制度の創設により持分なし医療法人への移行に伴う税制優遇の措置も行ってまいりました。そして、この法案では、本年九月までとなっている認定医療法人制度の期限を令和八年十二月末まで延長するとともに、更なる移行促進のため、認定医療法人に認定されてから持分なし医療法人へ移行するまでの期限、これを三年から五年に見直しをすることとしております。
この法律、法案が成立した場合には、持分なし医療法人への移行のメリットなどを含めて関係者に対し制度の周知を徹底するとともに、優遇、融資制度など他の促進策も図りながら、今回の延長期限までには可能な限り多くの持分あり医療法人から持分なし医療法人への移行が進むよう、しっかり取り組ませていただきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/74
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075・川田龍平
○川田龍平君 次に、介護保険法の改正について伺います。
本法案では、地域包括センターの中心的業務である総合相談支援業務について、その一部を指定居宅介護支援事業者、ケアマネ事業所などに委託することを可能にする改正を行うこととしています。これは、センターへの相談件数が増加を続けていることや、センターの職員の方の六割弱が法定労働時間を超えているような状況にあることなどを受けて、センターの業務負担の軽減を図ろうとしているものだと承知していますが、業務負担軽減の必要性については理解するところですが、これまでセンターで行われていた業務の質を委託先でも維持することが重要となってきます。
そこで気になるのは、地域住民の複雑化、多様化したニーズが増大していることや、支援についての長期化が指摘されていることです。これまではセンターが一元的に担っていたため、様々な知見、ノウハウが蓄積されており、業務の質などもある程度高まっていたものと考えますが、しかし、一部とはいえ総合相談支援業務が委託されることで、委託先とセンターでは業務の質に差が生じる、委託先では不十分な業務となってしまうことが懸念されるのではないでしょうか。
そこで、これまで地域包括支援センターが担ってきた総合相談支援業務をケアマネ事業所などに委託した場合の業務の質について、具体的にどのように担保するつもりなのかを説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/75
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076・大西証史
○政府参考人(大西証史君) お答えいたします。
地域包括支援センターにつきまして、総合相談支援業務につきましては、御指摘のように、高齢化の進展等に伴い相談件数が増加しており、業務の負担が大きい状況にございます。このため、総合相談支援業務のうち、例えば介護サービス等に関する一般的な情報提供でございますとか関係機関への連絡等の一部の業務など、その業務の一部につきまして、地域包括支援センターから居宅介護支援事業者等に対して委託を可能とする規定を本法案に盛り込んでいるところでございます。
これら一部業務を委託するに当たりましては、市町村が総合相談支援業務の実施方針を示すこととしておりまして、これによりまして、委託を受けた居宅介護支援事業者等の業務の質の確保とセンターの業務との一体性の確保を図っていくこととしてございます。
このような取組を通じまして、総合相談支援業務の負担軽減と質の確保を図りつつ、地域包括支援センター、地域のネットワークを活用しながら、多様化、複雑化する地域課題に対応できる体制の整備を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/76
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077・川田龍平
○川田龍平君 それでは、ちょっと時間が来ていますので一問飛ばして、本法案では、医療、介護間の連携を強化しつつ、地域包括ケアシステムの深化、推進のため、自治体、利用者、介護事業者、介護事業所、医療機関などが介護情報等を電子的に閲覧できる情報基盤を整備することとしています。
現在、利用者に関する介護情報などは各事業所や自治体に分散して保存されており、連携によって、例えば、自治体では地域の実情に応じた介護保険事業の運営に活用できるようになる、介護事業者や利用機関では利用者に提供する介護・医療サービスの質の向上につながるなどのメリットがあるとされています。
一方、利用者本人については、自身の介護情報を閲覧できることで自身の自立支援、重度化防止の取組推進につながるとのメリットが挙げられています。先日、東委員の質疑でも指摘があったように、確かにもっともらしいメリットでありますが、ただ単純にこれまでの形式で作成された文書や情報を本人が閲覧できるようにしただけでは余り意味がないのではないでしょうか。ケアプランを本人が閲覧できるようになったところで、その情報を閲覧し、理解し、そして本人の自立支援などにつなげることはできないのではないかと思います。この東委員の、答弁でも、この利用者本人だけでなくケアマネジャーなども関わっていくということでしたが、やはり具体的なメリットが分かりにくいと思います。
もちろん、共有する情報の具体的範囲や共有先については検討中であるということは承知していますが、検討に際しては、利用者本人にとって本当に役立つ情報を閲覧できるようにする仕組みとすることが重要であり、また、本人の活動に資するような形で整理された情報の提供が不可欠ではないかと思います。
今後の検討に当たって、こうした点を考慮して検討を進めていただきたいと思いますが、厚生労働省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/77
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078・大西証史
○政府参考人(大西証史君) お答え申し上げます。
議員御指摘の介護情報基盤の関係でございますが、共有する介護情報につきましては、せんだって御答弁も申し上げたとおり、要介護認定情報ですとかレセプト情報、ケアプラン等の情報を共有するということで、具体の範囲等につきましては介護情報利活用ワーキンググループにおいて検討しております。
このワーキンググループにおきましても、利用者に介護情報を共有する際は、利用者本人の自己評価、今後の改善につながるような情報を優先的に共有すべきであること、さらに、利用者にそのまま提供しても分かりにくい情報につきましては分かりやすい形にして積極的に共有すべきであることといった御指摘もいただいているところでございまして、利用者にとって有用かつ分かりやすい情報共有の仕組みとなりますように、引き続き、利用者、介護事業者等の関係者の意見も伺いながら検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/78
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079・川田龍平
○川田龍平君 この介護情報などを電子的に閲覧できる情報基盤の整備によって、これまでは各事業所などで保存されていた情報が共有されることになります。そこで懸念されるのは、情報セキュリティーの問題です。
これまでは各事業所などの責任に基づいて情報の管理が行われてきましたが、今後は各自で情報の閲覧ができるようになるため、意図していなくても、利用者の極めてセンシティブな情報が流出してしまう、漏えいしてしまうといったリスクが増大してしまいます。加えて、今後は、オンライン資格確認等システムのネットワークを拡充し、レセプト情報、特定健診情報、予防接種の接種歴情報、電子処方箋情報、自治体検診情報、電子カルテ情報など、医療、介護の全般にわたる情報を共有、交換できる全国医療情報プラットフォームが創設されることになります。このようなプラットフォームができることによって、これまで以上に多くの情報が閲覧、共有できることになり、情報流出のリスクはより一層高まります。
こうした状況を踏まえると、これまで以上に情報セキュリティー対策を強化、徹底することは急務であると言えます。当然、政府においても情報セキュリティーに対する徹底的な対策を施す必要があると考えますが、情報セキュリティーに関しては、特に小規模な介護事業所においてはどうしても手薄あるいは後回しにされがちになってしまうという懸念もあります。
こうした事業所への支援も含めて今後の情報基盤整備を進めるべきと考えますが、厚労省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/79
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080・大西証史
○政府参考人(大西証史君) ありがとうございます。お答え申し上げます。
現在、介護情報基盤の整備に当たりまして、共有する情報の具体的な範囲等につきましてワーキンググループで検討を進めているところでございますが、その際、介護情報の共有に係ります安全管理措置につきましても、共有する情報の内容、共有する範囲等に応じて対応しっかり行っていく必要があると考えております。
このため、同ワーキンググループにおける関係者の御意見も踏まえまして、介護事業所におきます安全管理措置の具体的な在り方を検討するための調査研究事業を令和五年度に実施することを予定しております。
今後、この調査研究事業の結果も踏まえまして、介護情報を共有する際に求められます措置の内容のみならず、御指摘のありました小規模事業所等も含めました介護事業所等への分かりやすい周知方法などにつきましても検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/80
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081・川田龍平
○川田龍平君 最後に質問二つまとめますが、この看護小規模多機能型居宅介護、看多機の定義の明確化の問題と、それから普及促進策、これですね。看多機については、平成二十四年のサービス創設後、着実にその事業所数を増加させており、当初は三十八事業所だったところ、令和四年には八百七十二事業所と、二十倍を超える数の事業所が実施しています。
一方で、事業所については地域的な偏在があるとされており、特に小規模な自治体においては看多機の事業所は一か所もないという自治体が多く、サービスの利用の機会格差があると指摘されています。
厚生労働省の資料では、看多機のサービス量について、二〇二五年には二・八万人、二〇四〇年には三・四万人と、今後もサービス利用者が大きく伸びることが見込まれているサービスでもあります。
看多機は医療と介護の複合的なニーズや在宅でのみとり対応をできるサービスとして今後増加が見えるサービスですが、二〇四〇年に向けて高齢者数が増加することとなります。看多機の地域偏在の要因を厚生労働省で分析するとともに、全国一律のサービスとしてそれぞれ地域で事業が実施されるよう、看多機の普及促進策を検討して、より多くの地域でサービスが提供されるよう地域支援などを行っていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/81
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082・大西証史
○政府参考人(大西証史君) 看多機に関する御質問でございました。お答え申し上げます。
いわゆる看多機でございますが、訪問看護、小規模多機能型居宅介護を一体的に提供することによりまして、利用者の自宅等に加えまして拠点での通い及び泊まりにおいても看護サービス提供する、医療ニーズの高い重中度の、中重度の要介護者の在宅での療養生活を支えるものでございます。
今般、これを法律上、そのサービス内容につきまして、通い、泊まりにおける趣旨を明確化する案文でお示しを、お届けをしているところでございます。
普及策ということでおただしがありました。
看多機につきましては、どのような地域であっても必要な方がサービスを利用しやすくなるような方策や提供されるサービス内容の明確化など、更なる普及を図るための方策について検討し、示していくことが適当であると社会保障審議会介護保険部会の意見書、昨年十二月でございますが、取りまとめの際に記載をいただいております。
このため、本法案におきましても、先ほど申しました内容の明確化をすることに加えまして、地域における介護資源の最適な運用という観点からは、地域の実情に応じまして市町村をまたぎます広域的な利用、こうしたものを円滑に行うことができるように取り組んでいくことなどが必要であると考えております。
具体的には、介護保険部会における議論も踏まえつつ、例えば、令和六年度から始まります第九期の介護保険事業計画におきまして、市町村に看多機の広域利用につきまして検討いただけるよう工夫するなど、実効的な方策を検討し、お示ししてまいりたい、また関連のガイドラインなどの、ガイドラインの策定など制度の理解促進、また指定申請の様式の統一など、そうしたことも進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/82
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083・川田龍平
○川田龍平君 ありがとうございました。
是非、高齢者以外でも、介護必要な人以外のこともしっかり機能できるようにしていただきたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/83
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084・石橋通宏
○石橋通宏君 立憲民主・社民の石橋通宏です。
法案の審議に入る前に、大臣、前回一般質疑のときに大臣とやり取りさせていただきましたが、先般、G7の雇用労働大臣会合、倉敷で、岡山選出の大臣もお迎えになったと思いますけども、行われました。
前回質疑させていただいたときに、一体いかなる具体的なメリットが内外の労働者にもたらされるのかと、単にセレモニーじゃないですよねという話もさせていただきました。
今回の成果文書は読ませていただきましたが、正直分からないのです。いろんなことが羅列されていますけれども、これによって、まさにいかなるメリットが、これからG7のそれぞれの具体的な貢献、具体的な行動によって内外の労働者にいかなるメリットがもたらされるのかが分からないのですが、大臣、一言二言で、一体これ、成果がどのようにもたらされるのか、何が成果なのか、ちょっと教えていただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/84
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085・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) G7の倉敷労働雇用大臣会合において、前回も御指摘をいただきました。まず一つは、こうしたG7の会合を通じて、それぞれの各国が直面している課題、あるいはそれに対する対応、それらについて認識を共有化し、自分の国内のみならず、国際的にも協調して対応していく、この基盤をつくることができたと考えております。
具体的には、人口動態の変化やDX、GXを背景に人への投資の重要性が増す中で、リスキリングは、労働者が社会変化に対応するための能力向上支援にとどまらず、生産性向上や賃上げにつながるものであり、経費ではなく投資であるという認識に立って積極的に取り組むと、こういったことをG7で共有できたと思っております。
今後の各国の取組の方向性として、大臣宣言においては、DX、GXの進展に伴い、新規分野など労働移動を支援するためのキャリアガイダンスの提供、企業による労働者の学びの時間確保など、こうした中身を個々に盛り込ませていただきました。
今後、G7各国それぞれが、この内容を踏まえて、働きやすさの向上や就業支援、これを行っていくことになると思います。また同時に、G7各国以外の労働者も含めて、グローバルサプライチェーンにおける人権や労働基準の尊重を確保するとともに、技術協力によるディーセントワークを促進する、こうした決意を改めて確認し、大臣宣言にも盛り込んだところでございますので、こうした盛り込んだ施策を、先ほど申し上げました国内、また外内に対して積極的に実施をし、また引き続き各国と協調してこうした問題に取り組んでいきたいと考えております。
そうした意味での基盤ができた、そして具体的な政策をここの中でお示しをさせていただいた、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/85
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086・石橋通宏
○石橋通宏君 結局、成果文書を読まれた、紹介いただいただけなんです。それで分からないと、大臣、だからお聞きしたんですよ。決意とおっしゃった、何の決意なんですか。じゃ、グローバルサプライチェーン云々言われた。でも、成果文書にはビジネスと人権の話も出てこなければ、人権デューデリジェンスの話も出てこないのですが。
じゃ、これ、この今回の、じゃ、合意成果文書に基づいて、日本は、厚生労働省は、大臣は、例えばアジアのディーセントワークの実現、アジアのビジネス、人権の実現、それに更に拠出金を出して具体的な貢献をするのだと、今まで以上に、そういう理解ですか。それが決意ですか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/86
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087・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) その問題も含めて、今具体的にお話ありましたが、その資金供与等々についてここに記載をしているわけではありませんし、いろんなやり方があるんだろうと思っておりますが、ただ、そうした認識の中でこれから取り組んでいく、こうした必要性を確認し、我々も国内外においてもそうした取組を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
実際、既に日本としてもやれる取組も実施をしているところでございますので、そうしたものも更なる強化を図っていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/87
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088・石橋通宏
○石橋通宏君 重ねて、だから、ショッピングリストを、ばあっとメニュー書いてあるんですけど、これほとんどは、大臣、今いみじくもおっしゃった、これまで議論してきたことと別に何ら、それを改めて羅列いただいただけ、今、これからいろんなやり方がありますねと。でも、いろんなやり方がありますね、もっと具体性あること、これをやるんだと、G7が、先進七か国がコミットしてやるんだと、それなかったら、結局セレモニーですよ。一年たっても多分何にも変わらないと思います。
大臣、これも前回お聞きした。じゃ、今回、ILOのウングボ事務局長が参加をされました。岸田総理ともバイ会合やられたし、大臣もお話しされたと思います。では、じゃ、具体的なその貢献、まさにディーセントワークの実現、特に日本でいけばアジアにおけるディーセントワークの実現で、いかなるコミット、決意を、そのILOウングボ事務局長の間で大臣なされたのですか。日本は、例えばILOでいけば、WHOもありますけれども、労働雇用でいけば、ILOを通じてアジアのディーセントワークの実現でこれまでも一定の資金提供、技術供与はしています。それを、でも、これ以上に、もっといろんな貢献をしてほしいという、そういう要請があり、そしてこのG7会合があるのであるとすれば、大臣、そこで日本はより多くの貢献をアジアにしていく、それは、資金もそうだし人もそうだしこの分野での技術もそうだ、そういう議論をウングボ事務局長との間でやられたのですか、コミットされたのですか。そのことをちょっと教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/88
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089・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員から御指摘のように、これまでもILOの技術協力事業に対して、我が国として、アジア地域における持続可能な社会保険制度整備支援事業、また、アジア地域における職場のメンタルヘルス対策の促進を通じたディーセントワークの実現推進事業、こうした形で推進をしてきたところであります。
ウングボILO事務局長の間でありますけれども、バイの会談を行い、アジア太平洋地域総局とも協力して、ディーセントワークの実現に取り組むことを確認をしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/89
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090・石橋通宏
○石橋通宏君 終わっちゃった。確認はこれまでもしてきたでしょう、大臣。
じゃ、今回のG7会合での決定、決意、それを踏まえたウングボ事務局長とのバイの会談、それにおいて、いかなる更なるコミット、決意を示されたのかということをお聞きしたのですが、これまで確認してきたことを確認したと言われても、じゃ、やっぱり何のための会合だったのかと言わざるを得なくなると思います。
実は、昨日今日とウングボ事務局長と我々超党派の議員連盟で会合させていただきました。ウングボ事務局長からは、強く日本のイニシアチブに期待する、具体的な貢献を話されたんじゃないですか。
例えば、前回これも申し上げましたが、未批准のILOの中核条約百十一号、とりわけ百五十五号の労働安全衛生については、日本がこれまでのその貢献、労働安全衛生で先進的な取組をしてきたことを考えれば、百五十五号を批准していないのは考えられないと、早く批准してほしいと強く要請がありました。
加えて、百九十号条約の批准についても具体的な言及ありませんでしたか。ハラスメントの撲滅、労働職業分野での暴力の撲滅、これ、日本がイニシアチブ取ってほしいと、アジアに模範を示してほしいという具体的な要望ありませんでしたか。それに対して、大臣、いかなるコミットされたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/90
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091・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まず、具体的な資金についての要望はございませんでした。基本的なスタンスに対する議論をさせていただいたということでございます。
その上で、日本のILOの基本条約等に対する姿勢について、こうした条約の必要性については私から申し上げ、そして、日本はこれまで条約の批准に当たっては国内法の整備等を含めて丁寧に議論をしてきていると。そして、特に百五十五条、条約については、今、国内法との整合性の検討を進めている、こうしたことをお伝えをし、事務局長からは、日本が締約した条約を誠実に遵守していること、また、未批准条約の締結に向けた努力に対する評価をするという、こうした言葉をいただいたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/91
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092・石橋通宏
○石橋通宏君 いや、余り外交上のリップサービスを喜ばないでくださいね。強く事務局長からは我々国会に対しても御要請をいただきました。これ、是非超党派で取組を前に進めてほしいと。
これ、百五号についてはまさに超党派の議連で議員立法をさせていただいて、政府が何十年も残念ながら放置をされていたことを議員のイニシアチブでやらせていただいた。今、百五十五号について、別に今回中核条約になったから慌ててやるわけじゃないでしょう、大臣。百五十五号だってもう何十年たっているんですか、成立してから。この間努力してこなかったことを、大臣、今時分、ここで暴露されたようなものですよ。何を努力されてきたんですか。そのことも問われているわけです。
百九十号条約について、何の言及もありませんでしたか。ハラスメントの撲滅、暴力の撲滅、まさに人権を守る、働く人たちの安心、安全を守る、そのことが問われているわけです。そのことを日本がイニシアチブ取ってほしいということについて、大臣、議論されませんでしたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/92
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093・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 全体一時間ぐらいの時間の中で、日本がILOに対する貢献、人的な支援も、人的なことも含めていろいろ議論をさせていただきました。また、各地域、特にアジア太平洋地域総局においては、今、日本からも出していると、そうした意味での取組等についても紹介があったところでございます。
今委員がお話のあったILOの基本条約、あっ、ILOの条約の関係では百九十号も大変重要だという御指摘はその場でウングボ事務局長からあったという、あったところでございますが、それらも含めて、日本としては、それぞれの条約の必要性、それは十分に認識をしているということ、そしてそれに向けて検討をさせていただいているということを重ねて申し上げたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/93
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094・石橋通宏
○石橋通宏君 重ねて、大臣の今の御答弁を聞いても、なかなか積極的なイニシアチブ、今回G7の議長国として、この大切な労働・雇用分野でイニシアチブを発揮していこうという、ちょっと意欲も決意も聞こえてこなかったのが極めて残念です。これまで確認してきたことを確認しただけだと、更々やった意味がないと指摘をせざるを得ません。
大臣、首かしげておられますけど、だったらもっと決意を示してください、ここで。その決意なくして前に進めることはできないと思います。日本がやるべき立場はある。ILOのアジア太平洋の総局長を出しているわけです、日本が、厚生労働省から。その責任を強く感じていただかないといけないということも併せて申し上げ、重ねて、この点については大臣の強いリーダーシップを期待しております。アジアに対する貢献もそうですが、日本国内でディーセントワークが実現されていないという現実の実態がある。そこに対する大臣のイニシアチブを、今回G7をせっかくやられたのであれば、この成果文書が成果だと言われるのであれば、具体的な成果をまさに実現していただきたいということ、そのことは改めて申し上げておきたいと思います。
その上で、法案の質疑に入らせていただきますが、今日は大きく二点に絞って、大臣と、改めてちょっと現状の問題認識の確認と、今回の法案が本当にこれでいいのかという観点で議論させていただきたいと思いますが、いずれも我が会派の高木委員が本会議で質疑として取り上げさせていただいて、大臣から答弁あったわけですが、いまいちちょっとすとんと落ちていないので、その辺について確認します。
まず、出産育児一時金の、これを今回、後期高齢者医療制度に拠出を求めるという点について、私、個人的には甚だ納得しておりません。なぜ出産一時金、この費用を後期高齢者医療制度に求めるのかということだが、いまだに分かりません。
まず、資料の一で改めて政府の資料をお付けしておりますが、出産費用がこれまでずうっと毎年毎年上昇を続けてきた、一%、二%、これ、なぜこれまで、ちょっと端的に教えてください。この上昇はなぜ上昇してきたのか、一体いかなる要素がこの上昇要因なのか、それについて少し端的に教えていただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/94
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095・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
出産費用につきましては、年によって幅がございますけれども、直近の十年間の平均では毎年一%強上昇しております。その要因につきましては、研究班を設けまして調査を行いました。その結果、出生数の動向や分娩年齢の変化、医療費水準、所得水準、物価の動向などが関連しているんではないかというふうな御指摘ございますが、その中でも出産費用の上昇要因を一概に定量的にお答えすることは難しいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/95
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096・石橋通宏
○石橋通宏君 お示しすることが難しいといったら見える化なんかできないんじゃないですか。ちょっと意味が分からないですね。それをこれまでもずっと分析をされて、要因分析、そして上昇、一体いかなる要素、要因があったのか、都道府県格差の要因がどこなのか、公私間格差の要因がどこなのか、そういったことを分析して、それなかったら、今皆さんがおっしゃっているような見える化なんかできないのではないかと思えて仕方がありません。
こうして、じゃ、上昇はしてきたということですが、資料の二にありますように、一時金については、こういう経緯、経過をたどってきたということなんですけれども、平成二十一年に四十二万、当初暫定措置、その後恒久化ということになりました。二十一年の時点で既に四十二万円に引上げをされた。しかし、その後ずうっとそれが引上げされずにそのまま維持をされてきたわけです。
で、資料の三、過去にも何度も引上げが検討されてきたにもかかわらず引き上げられず、ギャップがどんどんどんどん広がっているのが放置をされてきたとしか思えないのです。
資料の四にありますように、もう現状で、決定的に実費からいっても多くの出産される方々について足りていないわけです。この実態を、なぜこんなに、長らく放置してきたのですが、財源が足りないからみたいなことを言って結局放置をし、出産される方々に多額の自己負担を強いてきた。そのことが今回、皆さん、いや、少子化がどんどんどんどん進んでしまいましてって後期高齢者医療制度への出費を求める何か理屈付けに使われていますが、それ、まさに皆さんの責任じゃないですか。これを放置してきたことも一つの要因として少子化が加速をしてきた、その責任は感じておられるんですか。なぜ引上げがここまで遅れたのか、なぜギャップを放置してきたのか、それをもう一回ちゃんと説明してください、国民に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/96
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097・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
先生の配付資料の資料の二のところにもございますように、平成二十三年、原則四十二万円を恒久化して以降、この四十二万円という数字は動いてございませんが、その間、産科医療補償制度の掛金を引き下げて、御本人の手元に残る費用を引き上げると、こういう手当ては講じてきているところでございます。
それから、二〇二〇年、このときに、まさに出産育児一時金の在り方について議論しようということで医療保険部会で議論をいたしました。そのとき、議論の結果、やはりこの出産費用が、出産費用が上昇している要因についてもう少し分析すべきであると、こういう御指摘を受けまして、先ほど私の方から申し上げましたけれども、研究班を設けて、どういう要因が出産費用の上昇の要因になっているのかと、その辺について様々なデータの相関関係を取ったりして取りまとめを行いました。その結果が昨年まとまりまして、それを踏まえて今回五十万円の引上げということになった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/97
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098・石橋通宏
○石橋通宏君 いや、ごめんなさい。なぜ、でも、いろんなことをやってきましたって、何かちょろちょろちょろちょろとやってこられたかもしれませんが、一時金自体は四十二万円から引上げがされなかった。今おっしゃったようなことは、何でもっと早くやらなかったんですか。なぜここまで時間が掛かって、この長い間この乖離が広がっているのを放置してきたのかと聞いているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/98
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099・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) 先生の方から放置していたという御指摘ございましたけれども、先ほど、さっきの資料の二でございますが、御説明させていただきましたけれども、平成二十七年には産科医療補償制度の掛金を三万円から一・六万円に引き下げる、簡単に言えば一・四万円事実上は改善する、それから令和四年には一・六万円から一・二万円、四千円の改善をする、こうしたことは対応はしてまいりました。これがまだ十分ではなかったということも踏まえまして、今般、今年の四月から五十万円に引き上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/99
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100・石橋通宏
○石橋通宏君 いや、結局、だからここまで残念ながら、この出産育児一時金、これについてはずっと四十二万円。過去、さっき二〇二〇年と言われたけど、その前にもずっと検討してきたはずでしょう。にもかかわらず、それをずっと先送り先送りにしてきた。その責任は極めて重いにもかかわらず、それをちゃんと正面から、国民の皆さん申し訳ありませんという言葉がないから、何かあたかも、いやいや、少子化が加速化してしまいましたと、そういうことを言うからなかなか納得感ある説明ができないのではないですか。そのことを真摯に反省された方がいいのではないかというふうに思います。
先ほど、資料の五にもありますが、現状において都道府県ごとに、間で大きな差があるということで資料はいただいておりますし、先ほど言った公私間で、実は資料の、先ほど、一で見ていただければお分かりのとおりで、平成二十四年頃は公私間の格差も約三万円程度弱だったものが、その後広がっておりまして五万円以上になってきて、五万円程度になってきておりますが、ちょっと重ねて、この都道府県でのこれだけ大きな差、それから公私間の差、これ一体いかなる理由によって生じているのか、これも端的に教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/100
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101・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) 今御質問いただきました公と私の差とか、その辺についてはちょっとその昨年の分析資料の中でもまだございませんので、ちょっと、今お答えすることはちょっと難しいと思います。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/101
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102・山田宏
○委員長(山田宏君) 伊原保険局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/102
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103・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) 失礼いたしました。
都道府県の格差につきましては、相関を取って見てみますと、医療費水準、その地域における入院の医療費水準、それから所得水準などが明らかに地域間の格差に影響しているんではないかということが指摘されてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/103
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104・石橋通宏
○石橋通宏君 それがこの大きな差を説明、全部容易にできるんですか。所得水準の差というのは、一体いかなるその要素で、それがどれだけのこれ格差を、ちょっと説明できるんですか。もうちょっとちゃんと教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/104
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105・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) 先ほど申し上げましたように、この都道府県別の出産費用の差と、それから先ほど申し上げました所得水準とか入院の医療費水準の違い、相関はございます。ただ、それがどのぐらいの寄与度というか、どのくらいの影響度でということについての分析はできてございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/105
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106・石橋通宏
○石橋通宏君 へえ、分析できていない、していないんだ。していないんですか、分からないんですか。分からないということなんですね。何かすごい不思議ですが。さっき、分析されて、これ今回提案していますって言ったのに。これ極めて大事な話だと思います。
今後、じゃこれで、今回、じゃ五十万円になりました。今後どうなるんですか。それも分からない。これまでも便乗値上げってあったんですかね。前回、四十二万に例えば引き上げました。さっきちょろちょろっと言われた、いろいろな手当てはしてきました。これまでにも便乗値上げがあったんですか。この便乗値上げ、例えば都道府県でいけば、大都市では便乗値上げがあったけど地方ではなかったとか、私立ではあったけど公立ではなかったとか、便乗値上げの定義、基準、判断材料、それも分からないのですが、それ全部分かっておられるんですか。これまでにも便乗値上げはあったんですか。それはどういう材料なんですか。それはどこであったんですか。それを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/106
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107・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) 出産育児一時金の支給額につきましては、これまでその四十二万円という数字は約十三年間据え置かれております。それ以前の引上げの際の出産費用の変化に関する調査は行われておりませんので、御指摘いただきました、例えば一時金を引き上げたら、それに伴って出産費用がどう変わるかという把握についてはできてございません。
ただ一方、十三年間据え置かれている中で、先ほど先生が配付いただきました資料のこの一になりますが、大体毎年一%ぐらいずつ増えてきてございます。これは出産育児金を引き上げたからそれに伴って費用が上がったんではなくて、出産育児金は据え置いておりますけれども、何らかの理由によって一%強上がってきているということでございまして、その背景には、例えば出生数の、分娩数の減少といったようなこととか、あるいは実際に掛かっている様々人件費や物件費の上昇、そうしたことが反映されているんではないかと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/107
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108・石橋通宏
○石橋通宏君 何か、分からなかったり、曖昧だったりではないか。ちょっとこの法案を出されるに当たって、具体的な立法事実、調査分析、何か今の答弁聞くと甚だ曖昧ですね。ちゃんとした根拠に基づいてこれ出してこられているのではないかと思ったら、そうではないような御説明だと、よく分からぬ。
じゃ、これからどうなるんですか。これからどうなるという分析をされているんですか。先ほど川田筆頭からもありましたけれども、じゃ、今後、今回、この後、後期高齢者医療制度の是非、に負担をお願いすることの妥当性も議論させていただきますが、じゃ、今後の予測はどう見ているんですか。それも分からずに今回は取りあえずお願いしますという話なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/108
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109・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、出産費用に影響を与える要因として考えられるものとしましては、出生数の動向、それから女性の分娩年齢の変化、医療費水準、所得水準、物価の動向、これらがございます。これらの要因につきましては、その時々刻々変化するところございますので、この先どうなるかということを現時点で予測することは非常に難しいと考えてございます。
ただ他方、今年の四月から出産費用を引き上げました。さらに、これが今回引き上げたことによって出産費用が前後でどう変わるか、そして、それがどういうふうな、その中のサービスごとにどういう要因になっているかといった費用分析をしっかりやっていきたいと考えてございます。そうした中で、それを地域別、施設類型別に分析しながら今後考えていきたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/109
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110・石橋通宏
○石橋通宏君 だから、もうこれまでにやった上でこの法案を出されているのだと思っていたら、これからやります、ちょっとそれは甚だいいかげんじゃないですか、法案を出されて国会審議を要請されている立場からして、国民に、そして、今回、後期高齢者医療制度に御負担をお願いしている立場で。ちょっとそれは違うんじゃないかと思いますけどね。
今後の予測も分からない、ただ、出生数の云々言われた人口動態、さらにはいろんな要素は既に様々な推計が出ていて、いろんなそういう推計に基づいて様々な対策を当然だけども制度設計されて講じておられるはずです。今の時点でそれが分からないというのは、ちょっと、何でしょうね、何といっていいんだろう、余りにちょっと根拠が薄過ぎるとしか言いようがありません。
じゃ、そんな中で、なぜ後期高齢者医療制度に今回御負担をお願いするのか。これも、いろいろこの間の議論で、いやいやいや、さっきので、少子化が加速化してしまいましてと、全世代で負担をお願いするのですと。ちょっと待ってください。後期高齢者医療制度をつくられたときに、これ組み込まなかったわけですよね。そのときに組み込まなかった、そのときの理由は、いや、後期高齢者の医療を全世代で支えるためにといって後期高齢者医療制度をつくったんじゃなかったですか。今回、それを突然、後期高齢者医療制度に、これ見てくださいと、負担してくださいと。おかしくないですか、論理的に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/110
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111・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
後期高齢者医療制度につきましては、まさに高齢化が進展して高齢者の医療費が増えていくと、こういう状況の中で、その前の制度である老人保健制度で指摘されていた課題を解消しようということで、高齢者と現役世代の負担割合の明確化とか、あるいはその実施主体の財政運営責任の明確化、こうしたことから設けられたものでございます。
今回、その後期高齢者医療制度から出産育児一時金に対して費用負担をお願いしようと、こういうふうに考えてきた背景につきましては、まさにその後の状況の中で、生産年齢人口が急激に減少していく中で、少子化に対する対策をより強化していかなきゃいけない、こういう状況が出てきているということを踏まえて今回新たに御提案させていただいているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/111
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112・石橋通宏
○石橋通宏君 全然説明になっていないと思います。
重ねて、さっき言ったとおりです、この間、じゃ、何でずっと放置してきたんですか、この対策を、少子化云々を言われるのであれば。出産、育児に係る費用を是非もうゼロにしようじゃないか、それで安心して家計の置かれている状況に関係なく、出産望まれる方が安心して出産していただける環境をつくっていこうと、何で三十年前にやらなかったんですか、二十年前、十年前にやらなかったんですか。それを放置しておいて、今更、今度は後期高齢者医療制度に負担をお願いしますという。全然理屈にならないとしか言いようがないですね。
大臣、それどうやって説明されるんですか。これ制度矛盾ですよ。もし、全世代でやっぱり出産、育児支えていこうと、お子さん授かっていただくこと、それをみんなで支えていこうというのであれば、税でやりゃいいじゃないですか。何で税でやらないんですか。税でやりましょうよ。大臣、それどうして税でやらないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/112
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113・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) その前に、今後の見通しということで、どういう視点でおっしゃっているのかですけれども、この間上がってきたのも、まさに保険医療ではありませんから、それぞれ、公立、私立、あるいは公立の中でもかなりばらつきがある、その中で、どういったものを選択された、妊婦の方が選択された、家族の方が選択された結果がこうした出産費用の上昇という形になって表れてきているわけでありますから、その中においては、一つはそれぞれの医療機関において人件費が上がる、物件費が上がる、こういったものの反映で個々上げてきているところもあると思いますし、同時に、それぞれの選択の中で、それぞれの地域の中で、個々の人たちがどれを選択した、それに伴って、両方の要因があってこうして上昇してきたんではないかなというふうに考えるわけであります。
その上で、今委員おっしゃったように、まず、出産育児一時金というのはこれまでどういう形で賄われてきたかといえば、医療保険の中で賄ってきたと、こういう歴史があります。それから、元々この後期高齢者医療制度が始まる前は、先ほど局長から答弁したように、後期高齢者の方も含めて全体で賄ってきた。
ただ、後期高齢者がスタートしたときにおいては、まさに後期高齢者制度を切り分けて、後期高齢者の医療をということでこれが切り分けられたわけでありますけれども、その後のそのそれぞれの伸びと、またそれぞれの少子化の進展、こういったことを踏まえる中で、広くこの出産一時金に伴う必要な財源を負担をしていただく、これは現役世代だけでは、もちろん現役世代にも引き続きお願いをするわけですから、しかし同時に、その一部を後期高齢者、全て全世代で担っていただきたい、こういうことで、今回こういう法案を出させていただいたということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/113
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114・石橋通宏
○石橋通宏君 全然分かりません。
大臣、だから、なぜ税でやらないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/114
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115・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、これまでが、そもそも出産育児一時金そのものはやってきたということでございます。もちろんいろんなやり方があることは別に私は否定するつもりはありませんが、これまでそういう議論の中でやってきた。
それをおっしゃるんなら、全て医療を税でやっている国もあるわけですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/115
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116・石橋通宏
○石橋通宏君 また飛躍するけど。
異次元の対策するんじゃないんですか。これまでやってきたからこれまでどおりですって。医療制度の枠内でやるから世代間対立をあおり、そもそも、後期高齢者の医療制度、これを全世代で支えていこうといってそれを制度つくったのに、今度はそこに、今度は少子化対策ですからお子さんのと。完全に破綻していますよ、大臣、その言い方は。
だから、もう一回きちんと税制を見直して、全世代でというのであれば、まさに社会全体で、お子さんを授かっていただく方、安心して、そこにやればいいじゃないですか。なぜ制度を変えないんですか。これまでどおりで失敗してきたから今があるんじゃないんですか。それを異次元でって言っているんじゃないんですか、岸田政権は。全然異次元じゃないじゃないですか、従来どおりの枠組みですと。
これで変わるんですかね、大臣。これで、持続可能で成り立つんですかね。そのことは重ねて、大臣、申し上げておきます。極めて、今日のような説明で、実態もこれまでの分析も何かちゃんとされていないような話、これまでどおりでいいんですという話、何ら政府の本気度が見えないとしか言いようがありません。
だから、多分、突然また降って湧いたように保険適用なんて話が出てくるわけですよ。この法律を出しておいて、後期高齢者医療制度に今のような疑問がある中でお願いをしておいて、突然法案国会に出してから、いやいや、やっぱり保険適用考えましょうと。
だったら、大臣、一回引っ込めたらどうですか、これ、こんな議論してるなら。一回引っ込めて、本当に、どうやって出産、育児、社会全体で支えていくのか、どういう制度がベストなのか、もう一回真剣に考えて、制度設計して出し直すべきじゃないですか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/116
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117・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどから委員は、出産育児一時金について、現状に合わせて早く引き上げるべきだ、こういうことをおっしゃっておられて、我々の引上げが遅かったという御批判をいただいて、まさにそういった意味で、いち早くその平均的な費用を賄うために、今回、四十二万を五十万に引上げをさせていただく、そしてその負担については幅広い全世代で支え合いを、これはまさに全世代型の社会保障制度、この基本的な考え方でありますから、それにのっとってやらせていただいているということでございます。
さらに、保険の話がございましたけれども、本来この議論の中においても、出産育児一時金を含めて、この在り方は更にもう一度見直すということを指摘をされ、そして、総理からも、少子化対策、子ども・子育て対策をしっかり強化をしていく、異次元のという御指摘があり、また国会でも、この保険医療についてのお話があったという流れの中で、まずは今回引き上げさせていただいて見える化をし、また分析をして、またその延長の中で、保険医療の適用も含めて出産費用への支援の在り方を見直すということを定めさせていただいているということでございますんで、こうしたことを一つ一つ踏み、一つ一つ着実にこなしながら、そして、最終的には保険適用となったとしても、現行のこうした幅広い世代によって賄っていく、この考え方は引き続き継承していくと、こういうふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/117
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118・石橋通宏
○石橋通宏君 重ねて、結局は、従来の枠組みの中、箱の中でしか物事考えられない、考えておられないということが露呈してしまっています。だから、こんな後期高齢者医療制度をつくっておいて、そこからまたこっち出してくださいみたいな、何か本当に制度矛盾のような話になってしまう。パッチワークはやめた方がいいですよ、そういうことはね。もう一度きちんと、子育て、出産、もう皆さんが本当に安心して出産していただける、そういう環境を社会全体でつくっていくなら、社会全体でそれを支えていくという制度をつくるべきです。そのことすら、そのことこそ議論すべきですよ、大臣。
今回、本当に世代間対立をあおるような、そんな話になってしまっている。ちょっと時間がないので、後期高齢者の今回負担増を、これだけではなく、ほかの保険料の見直しでも、現役の伸び率を抑えるためにと、伸び率を同じにしますということでやられるわけですが、もうこの間、累次、介護も、医療も介護も、その後期高齢者の方々に、負担増、負担増、負担増をお願いしてきております。これで更に負担増になるわけです。
一体、これまでの後期高齢者の負担増、後期高齢者の今の生活実態、分析されているんですか、ちゃんと。その影響分析、そして今回がどれだけのまた負担増になるのか、それによって、今物価高の影響もある、しかし年金は実質で下がる、こういったことも全部トータルで考えた上で後期高齢者の方々にそれを示して、そしてその妥当性、合理性をちゃんと国民の皆さんに納得性ある形で出しているんですか。全然出てこないんです、出してくださいって言ったって。大臣、それやっているんですか。それ、国民に示せるんですか。我々に示してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/118
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119・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の引上げに当たっても、どういう影響があるのか、それについては、それぞれの世帯の分析をさせていただき、結果として、これ平成三十年の家計調査の公表データを用いて、年収百五十五万円より上位の所得について分析をし、そうしたところにおいては収支においてプラスになっている、こういったことも踏まえて、負担能力に応じて負担いただく観点から、年収百五十万円以上の方を対象に制度改正を行う、さらに、そこから以上の方においても、より所得の低い層については緩和措置を講ずる、こういった配慮も行いながら負担のお願いをさせていただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/119
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120・石橋通宏
○石橋通宏君 重ねて、ちゃんと示してください、全体像を。聞いても、医療は医療で出てくる、でも介護は介護で出てくる、ほかはほかで出る、みんな縦割りなんです。縦割りで全然全体像が分からない、そんな中でこんな極めて大事な議論をしているというのが本当に深刻な事態だと思います。
今日はまあちょっと時間が来ましたのでこれで終わりにしますが、引き続きしっかりと中身の議論していきたいと思いますので、是非充実した審議を続けていただくことをお願いをさせていただいて、終わりにさせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/120
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121・山田宏
○委員長(山田宏君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
午後零時十三分休憩
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午後一時三十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/121
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122・山田宏
○委員長(山田宏君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、古川俊治君が委員を辞任され、その補欠として星北斗君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/122
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123・山田宏
○委員長(山田宏君) 休憩前に引き続き、全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/123
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124・山本香苗
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
まず、今回の医療法改正案におきましては、かかりつけ医機能が発揮される制度整備のために現行の医療機能情報提供制度を刷新するとともに、新たにかかりつけ医機能報告制度を創設するということになっておりますけれども、この医療機能情報提供制度とかかりつけ医機能報告制度はどこがどう違って、それぞれの制度趣旨や目的、対象などの違いがどうなっているのか、御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/124
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125・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
まず、医療機能情報提供制度でございますが、これは国民、患者がそのニーズに応じてかかりつけ医機能を有する医療機関を選択して利用できるようにするということを目的としておりまして、子供から高齢者まで幅広い国民、患者を対象とする医療機関の機能に関する情報につきましてインターネット等を通じて国民、患者向けに分かりやすく情報提供するものでございます。
一方、かかりつけ医機能報告でございますが、慢性の疾患を有する高齢者その他の継続的な医療を要する者に対するかかりつけ医機能を地域で確保するための具体的方策を地域の関係者が協議できるようにするということを目的としておりまして、都道府県は報告を受けた機能に係る体制を有しているかどうかを確認、公表し、地域の関係者の協議の場に報告するとともに公表すると、そういった仕組みとするということを考えているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/125
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126・山本香苗
○山本香苗君 要は、同じかかりつけ医機能という言葉が入っているから混同してしまうわけでありますけれども、それぞれの制度と趣旨とか立て付けとか位置、先ほど、午前中の議論にもありましたけど、法文上の立て付けも違うと、位置付けも違うと、医療機関に報告を求めるべき機能や項目、対象にそれぞれに違いがあると、この違いを明確にして話を進めていかなかったらこれ中身がある議論というのが深まらないのではないかなと、衆議院の議論なんかを見ておりまして感じました。
そこで、もう一点確認させていただきますが、この本法律案成立後に行われることとなっております具体的な報告項目等に関する今後の有識者、専門家による検討につきましては、制度ごとに異なるという観点から、別個に議論が進められるという理解でよろしいのか、特に医療機能情報提供制度のかかりつけ医機能につきましては、先ほど御説明ありましたとおり、患者また国民の視点というのが重要で、議論にそうした視点が反映されるようにメンバー等に工夫がなされるべきだと考えるんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/126
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127・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
今後の議論の進め方という点でございますけれども、かかりつけ医機能報告に基づいて強化されたかかりつけ医機能を医療機能情報提供制度において随時国民、患者に分かりやすく情報提供するということが重要でございますことから、これら二つの制度で報告される具体的な内容につきましては、整合性を確保するために一体的に議論して検討を進めるということを想定しているところでございます。
また、報告項目の意味合いが全ての国民にとって十分に理解され、分かりやすい内容となるようにするということも、今委員御指摘のとおり、大事なことでございますので、患者、国民の立場の有識者にも御参画をいただいて、御意見をしっかりとお伺いをしながら、報告項目の具体的内容などを検討していきたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/127
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128・山本香苗
○山本香苗君 二つの制度、違うわけですね。一般国民向けと、ある意味プロ向けというか、行政、医療機関向けのものがあるわけで、分かりやすさという、医療機能情報提供制度におきましては、そういった違いのところがはっきり分かるような形に是非していただきたいと思います。
その上で、国民が、患者が知りたいと思っている情報を適切かつ分かりやすくこの医療機能情報提供制度におきまして提供していくということが大事だと思っております。
令和三年度の診療報酬改定の結果検証に係る特別調査では、かかりつけ医に求める役割として、どんな病気でもまず診療してくれると、診察してくれると、必要時に専門医に紹介してくれるとの回答がそれぞれ七割を超えております。つまり、国民にとって、どんな病気でもまずは何でも診療してくれて、必要な場合には専門医や専門医療機関につないでくれる機能、言わばコンシェルジュ的な機能を持つ医療機関が大事であって、こうした機能を医療機能情報提供制度の報告項目の一つにすべきと考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/128
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129・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
この法案におきましては、かかりつけ医機能について、身近な地域における日常的な診療、疾病の予防のための措置その他の医療の提供を行う機能と規定することとしてございまして、こうした機能として、診療を行った上で、必要に応じて適切に他の医療機関に紹介するといったことも含まれるものと考えているところでございます。
その上で、医療機能情報提供制度におきましては、現在も、例えば診療所が病院や訪問看護ステーションと共同して在宅医療を実施しているような場合などについて報告を求めているところでございまして、こうした特に連携が必要となる場面について、かかりつけ医機能として報告を求めるということも考えられるところでございます。
具体的な情報提供項目につきましては、この法案が成立した場合に、有識者などの御参画をいただいてその内容を検討することとしておりますので、今後しっかりと検討していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/129
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130・山本香苗
○山本香苗君 日常的に病気にかかっていない方がいざ医療機関を受診する必要が生じたときに、とにかくまずは診察をしてくれて、必要に応じて専門医療機関を紹介してくれるような機能を持った医療機関がどこにあるか分かるようになるということは大変有意義である一方で、その情報が間違っていては話になりません。
医療機能情報提供制度における情報は、医療機関による自己申告で、都道府県がその正確性を担保するという立て付けになっていると午前中も話がありましたが、都道府県が、申告された情報が正確かどうか、すなわち、この言ってみたら機能があるかないかの判断に迷わないように、国においてガイドラインを策定をし一定の考え方を示すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/130
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131・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
医療機能情報提供制度につきましては、今委員御指摘のとおり、正確な情報提供が行われるということが重要でございまして、病院などがその機能を正確に報告することができますように、これ制度としては現在もございますので、現段階におきましても、報告項目ごとに留意事項を策定をして通知でお示しをしているというところでございます。
なお、既に医療法におきましては、都道府県は、病院等から報告された内容について確認が必要と認めますときには、市町村等に対して、その病院、当該病院等に関する必要な情報の提供を求めることができるという規定がございますとともに、病院等が報告を行う場合などには、その当該病院等の開設者又は管理者に対して適切な報告を行うよう指導することができるといったような規定もあるところでございます。
私ども厚生労働省といたしましては、引き続き、医療機関から正しい報告が行われますように、都道府県に対して適切な対応を促していきたいというふうに考えております。
また、今後、かかりつけ医機能に関して報告項目とする機能や内容や報告基準につきましても、今ほど委員からも御指摘がございましたが、できるだけ客観的なものとなりますように、有識者などの御意見をお聞きをしてよく検討して、報告を行う際の留意事項を適切に定めて周知するようにしていきたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/131
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132・山本香苗
○山本香苗君 要するに、指導する、都道府県が指導する、報告に求めるといったときの基準みたいなものをしっかり示していただきたいということですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/132
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133・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) 御指摘いただきましたように、正確な情報提供を各医療機関からしっかりと行っていただくということが重要でございます。
そのために、各報告項目ごとに、どういうことをそこで報告していただくことを求めているのかということが医療機関の方々にお分かりいただけるようにきちんと留意事項を策定をしてお示しをするということが重要でございますので、そのようにしっかり取り組んでまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/133
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134・山本香苗
○山本香苗君 もう一つの方のかかりつけ医機能報告制度におきましても、行政、医療機関向けの仕組みであるということではありますが、ここにおきましても先ほど申し上げたようなコンシェルジュ的な機能というのは必要だと思うんですが、報告項目の一つとすべきではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/134
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135・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
先ほど来お答え申し上げておりますように、かかりつけ医機能として診療を行った上で必要に応じて適切に他の医療機関に紹介するということも含まれるというふうに考えておりまして、そうしたことも踏まえまして、かかりつけ医機能報告における報告項目の詳細につきましては、今後、有識者などの御意見をよくお聞きをして検討していきたいというふうに考えております。
また、各医療機関の報告を踏まえた都道府県と地域の関係者との協議を通じまして、地域において必要な機能の確保や、あるいは医療機関間の機能分化や連携が進むというふうにも考えておりまして、結果として、より適切な医療機関等への紹介にもこういったことが寄与するのではないかというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/135
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136・山本香苗
○山本香苗君 やってくれるのかやってくれないのかよく分からないような答弁な感じがして、ちょっと先に行きたいと思うんですけど、行きたいところです、最後まで行かなきゃいけないので。
かかりつけ医機能報告制度における報告項目につきましては、改正法案の条文上、慢性の疾患を有する高齢者その他の継続的な医療を要する者として厚生労働省令で定める者に対するかかりつけ医機能と定義をされておりますけれども、かかりつけ医機能が足りないことで支障が生じるのは高齢者に限ったわけではありません。
医療部会の方でも指摘されておりましたけれども、是非、医療的ケア児や障害児者、難病の方々、そういった方々も是非この対象にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/136
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137・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
今後、高齢化の進展等に伴いまして、特に複数の慢性疾患や医療と介護の複合ニーズを有しておられる高齢者の増加が見込まれるということから、この法案におきましては、かかりつけ医機能を確保する対象として、慢性疾患を有する高齢者を継続的な医療を要する者の例示として規定をしているところでございます。
今御指摘ございましたように、高齢者以外にも、例えば医療的ケア児とか障害者、あるいは難病の方など、いろいろ、どのような方を対象とするかということについては、先ほど委員御紹介ありましたように、今後省令で定めるということとしてございます。
医療機関に求められる機能というのは個々の疾病の特性によって様々でございますので、そういった点にもよく留意をしながら、有識者等の御意見などを踏まえて検討していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/137
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138・山本香苗
○山本香苗君 是非ともお願いしておきたいと思います。
かかりつけ医機能報告制度を導入することによりまして、医療や介護にまたがるニーズや複合疾患などに対応できる体制をつくっていくと、地域で話し合って足りないところを埋めていくと、こうしたことが期待されているわけですが、どうやって埋めていくのかと、ここが一番肝になるところなんですけども、もう既に医師不足とか起きているわけです。協議したからってそこが簡単に埋められるというものではないと思っております。
だからこそ、この協議の結果、実際に地域で必要な機能を担うために手を挙げてくれた、手を挙げてくれる医療機関をしっかりと支援するメニューを見せていくと、用意していくというところが大事だと思っておりまして、速やかに具体策を出していただきたいと思いますし、また同時に、この現行の地域包括診療加算というのを見直しをしていただきたいと思っております。
現在のこの地域包括診療加算におきましては、対象疾患が高血圧症、糖尿病、認知症など六種類のうち二つ以上と対象が限られておりまして、例えば、骨粗鬆症、骨折と糖尿病の組合せであったりとか、白内障、緑内障と高血圧症との組合せというのも対象になっていないわけです。今後は、加齢に伴う歩行障害など、介護にまたがる複合ニーズが増えてくることも見込まれておりますので、是非この要件といったところを見直していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/138
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139・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答えを申し上げます。
まず、この法案におきましては、地域で必要なかかりつけ医機能を確保するための具体的方策につきまして地域の関係者で協議するということとしてございまして、協議の結果に基づく機能確保の方策としては、例えば、病院勤務医が地域で開業して地域医療を担うための研修や支援の企画実施でありますとか、医療機関同士の連携強化の推進でありますとか、在宅医療の拠点の整備などの取組を地域の実情に応じて行っていただくということが想定されるところでございます。
また、こういったことに対する支援というお話でございましたけれども、これまで、地域における医療提供体制の構築に当たりましては、地域医療介護総合確保基金を活用して、地域医療構想の達成に向けた事業、あるいは居宅等における提供に関する事業、また医療従事者の確保に関する事業などについて地域の実情に応じて支援を行ってきているところでございます。
今後、この法案が成立いたしました場合には、地域におけるかかりつけ医機能確保の取組を進めていくために必要な対応をよく検討して実施していきたいというふうに考えているところでございます。
それから、地域包括診療加算の要件の見直しについてお尋ねがございました。
地域包括診療加算につきましては、外来の機能分化の観点から、主治医機能を持った診療所の医師が、複数の慢性疾患を有する患者に対して、患者の同意を得た上で継続的かつ全人的な医療を行うことを評価するというものでございます。令和四年度の診療報酬改定におきましては、慢性疾患を有する患者に対する評価を推進するという観点から、その加算の対象疾患に慢性心不全、慢性腎臓病を追加するなどの見直しを実施したところでございます。
令和四年度報酬改定の答申書の附帯意見におきましては、こうした改定による影響の調査、検証を行うということとされておりまして、今後、実態を把握するとともに、様々な御意見をお伺いしながら、適切な医療が提供されるように取り組んでいきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/139
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140・山本香苗
○山本香苗君 とにかく具体策を示してください。
その上で、地域に必要な医療資源を確保していくに当たって、限られた医療資源を効率的に活用するという観点も重要だと思っております。
その観点から、必要な人に必要なだけリハビリを提供していくことは、私、極めて重要だと思っております。リハビリを行うことによって、早く良くして早く地域に帰すことができると、患者さんにとってもいい話です。
病院で安静にしてなあかんだったのが、今では、安静にしていたらあかんというふうに言うことは大分浸透してきたと思うんですけれども、まだまだ急性期のリハビリについては浸透していません。リハビリを急性期から必要なときに必要なだけ提供できる体制をつくっていくことが極めて重要だと思いますが、加藤大臣の御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/140
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141・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) リハビリテーションは、心身機能の向上のみならず、日常の生活動作の改善、また社会参加の促進にもつながる大変重要なものであります。
エビデンスや診療ガイドラインを踏まえ、今お話がありましたように、発症や手術後のできるだけ早期からリハビリが行われることが重要と考えております。
診療報酬においては、現在、急性期のリハビリテーションの評価として、発症、手術等の早期からのリハビリテーション実施を評価する早期加算、初期加算、特定集中治療室、ICUにおける離床に向けた取組を評価する早期離床・リハビリテーション加算などが設けられており、医療現場における急性期リハビリテーションを推進をしております。
また、先日開催された令和六年度の同時報酬改定に向けた意見交換会では、急性期病院における高齢者のADLの悪化を防ぐためには、リハビリテーションを含む多職種による取組が重要である旨の御意見もいただいたところでございます。
こうした御意見を踏まえ、適切なリハビリテーションが提供されるように、令和六年度診療報酬改定に向けて、中医協でのリハビリテーションの評価の在り方について議論を深めていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/141
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142・山本香苗
○山本香苗君 大臣も重要だと思っていただいていると、うなずいていただいたので、思っていただいていると思うんですが、現状どうかということなんですね。
第八期の介護保険事業計画におきましては、介護保険で実施するリハビリテーションの見込み量の推計を行うとともに、国が示す指標を参考に具体的な取組と目標を計画に記載し、地域の目指すリハビリ提供体制を構築していくこととなっておりますが、医療計画においてはこういった仕掛けがないんですね。
是非、医療計画におきましても同様の仕掛けを、仕組みをつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/142
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143・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) 医療計画でございますが、都道府県が医療提供体制の確保を図るために作成するものでございまして、国がお示しをする策定に必要な基本指針などを踏まえて、都道府県は地域の医療提供体制の現状を把握をし、今後の医療需要の推移など、地域の実情に応じて関係者の意見を十分踏まえた上でこの医療計画を策定するということとされているものでございます。
リハビリテーションにつきましては、従来より、脳卒中、心筋梗塞などの心血管疾患の医療提供体制において位置付けをしてまいりました。また、今般、今後、在宅療養患者の居宅における生活機能の回復、維持を図るということが課題であることから、第八次医療計画に関する検討会におきまして議論を行って、在宅医療の体制構築に係る指針に、訪問リハビリテーションの項目やその機能、役割に関する記載を追加したところでございます。
その結果、第八次医療計画の策定に当たりましては、都道府県に対して、リハビリテーションも含めた医療資源、連携等に関する現状を把握をした上で、脳卒中、心筋梗塞などの心血管疾患、また在宅医療の医療提供体制において、脳卒中の病期に応じたリハビリテーションを一貫して実施可能な体制や、あるいは合併症予防や在宅復帰を目的とした心血管疾患リハビリテーションの可能な体制、また在宅療養患者に対して、医療機関におけるリハビリテーションから地域における居住生活の維持向上を目指す生活期リハビリテーションを切れ目なく提供できる体制などの構築を求めているところでございます。
その上で、今後のことを考えますと、今後高齢化の進展も踏まえますと、心身機能の向上のみならず、ADLの改善や生活機能を見据えたリハビリテーションの提供体制は、委員御指摘のとおり重要でございます。
国としても、全国の医療におけるリハビリテーション提供体制の状況を把握する必要があるということから、まずは厚生労働科学研究により全国の実態把握などを行いまして、その結果を踏まえて必要な対応を検討してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/143
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144・山本香苗
○山本香苗君 その上で、回復期リハ病棟では、転倒により骨折した患者さんの割合が増加して、平均年齢は八十歳を超えています。このような患者さんの増加を防ぐには、受傷前の生活において出かける場の確保や、筋力や体力の維持など、予防的な取組が必要です。また、在宅復帰を可能とするための生活期リハビリを充実させていくことも必要不可欠なんですが、現在の介護保険分野におけますリハビリというものは質も量も十分ではありません。また、医療と介護の連携も長年の課題となっております。
そこで一つモデルとなるのが、和歌山県那智勝浦町の取組です。那智勝浦町は和歌山県の南部に位置して、高齢化率四三%。町立温泉病院というのは、医師の減少等によりまして一時病院の存続すら危ぶまれておりましたけれども、和歌山県立医大の協力によりまして地域のリハビリ拠点となって、地域の医療機関や施設等と連携をし、介護量が増えてきた方や歩行困難になった方などを対象に入院での集中的なリハビリを提供しております。こうしたことをやったことによって、結果、地域で元気な高齢者が増えるとともに、介護保険の支給が減り、経営改善も実現し、総務省の公立病院経営改善事例でも紹介をされました。
こうした取組をもっと進めていかなくちゃいけないんじゃないかと思いますし、同時に、通いの場などに理学療法士等を派遣し集団運動訓練を実施する総合事業のC型を増やしていくと、訪問看護の、訪問介護のリハについても効果を上げている事例などを研究して横展開していくと、こうした形で生活期のリハビリをパッケージとして、面として、しっかり量も質も十分確保して支えていくことは待ったなしだと思うんですが、大西局長、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/144
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145・大西証史
○政府参考人(大西証史君) お答えいたします。
先生の御指摘のとおり、生活期リハビリテーション、また地域リハビリテーションの充実というのは大切な課題だと考えております。高齢者に対する自立支援、重度化防止の取組を推進するためには、それぞれの状態に応じた適時適切なリハビリテーションが提供されることが必要でございます。
このため、これまでにも地域リハビリテーション推進のための指針をお示しをいたしまして、都道府県リハビリテーション協議会の設置、都道府県ないし地域のリハビリテーション支援センターの指定、さらに、医療機関、介護事業所等の協力を得まして、医療各種専門職の方々を安定的に派遣いただくための体制の構築といったことを行いまして、医療専門職の方々、派遣調整を通じた、御指摘ありました通いの場ですとか総合事業などの取組の充実といったこと、また、訪問看護事業所を含めた介護事業所の従業者等に対する研修等の実施などなど、地域の実情に応じました支援体制の体系的な構築に取り組んできたところではございます。
ただ、やはり、先生御指摘のとおり、こうした支援体制の構築を更に強力に体系的に進めていくことが重要であると認識をしております。そのため、令和四年、社会保障審議会介護保険部会、十二月にお取りまとめいただきました御意見も踏まえまして、関係団体、関係機関などを含めました協議会を設けることですとか、総合事業におきまして医療や介護の専門職の関与などに関する検討を行うための協議の場を設置すること、こういったことを介護保険事業計画の記載事項にこれまでは位置付けておりませんでしたけれども、明確に位置付けることとするなどの対応を検討しているところでございます。
今後も、必要なリハビリテーションを切れ目なく提供されますように取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/145
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146・山本香苗
○山本香苗君 実は、今ちょうど那智勝浦町立温泉病院からリハ医の方が老健局に来られているわけですよ。是非、しっかりその取組を和歌山モデルとして広めていただきたいなと思います。
現在の疾患別リハビリテーション料は診断名に応じた評価となっておりまして、医療的な機能回復が重視され、生活機能の回復は評価されていません。また、患者個々人の状態像や重症度は考慮されておりません。
リハビリは臓器だけを診ていては駄目で、ホールボディーで全身を診ることが重要なんだとお伺いしました。是非、疾患別リハビリテーション料も抜本的に見直しをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/146
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147・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
先生から御指摘ございました疾患別リハビリテーション料は、平成十八年度の診療報酬改定において創設されたものでございまして、脳血管疾患や運動器疾患といった疾患ごとに点数や算定上限日数が設定、評価されております。
こうした中で、先ほど大臣からも御紹介いただきましたが、令和六年度の同時報酬改定に向けた意見交換会におきまして、先生の問題意識と共通点、共通するところあると思いますけれども、患者のQOL向上に着目した御指摘をいただいたところでございます。具体的に申し上げると、リハビリテーションについて、例えば、医療機関で完結することが前提ではなく生活期で更なるQOLの向上を目指すために、急性期、回復期では何をするかという視点が医療側に求められると、こうした御意見がございました。現在、令和六年度の診療報酬改定に向けて、中医協における議論が始まっております。御指摘の趣旨も踏まえて、リハビリテーションの評価の在り方について議論してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/147
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148・山本香苗
○山本香苗君 必要な方に必要なだけリハビリを提供するためには、医師がちゃんと対象者を必要な診察、診断できることが重要でありまして、大学における医学教育の充実も必要です。また、リハビリテーション専門医を養成し、地域におけるリハビリテーションに関わる人材を育てることも重要です。
現状どうなっていて、今後どう取り組んでいくのか、伊藤政務官、そして厚生労働省、それぞれお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/148
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149・伊藤孝江
○大臣政務官(伊藤孝江君) ありがとうございます。医学教育の充実という観点でお答えをいたします。
病気等によって生じる障害の予防、診断、治療等を行い、機能の回復並びに活動性の向上や社会参加に向けてのリハビリテーション医療を担う医師を養成することは重要であるというふうに考えております。
文部科学省では、医学生が卒業時までに身に付けておくべき必須の学習目標等を示した医学教育モデル・コア・カリキュラムにおきましてリハビリテーションに関する学習目標を定めており、各医学部でこれらの授業が行われているというふうに承知をしております。また、卒後におきましても、大学病院にてリハビリテーション科専門医の研修プログラムを提供し、これらの専門人材の養成に取組をしております。
文部科学省としましては、今後、リハビリテーション医療の充実に向けてどのような取組が必要になるのか、厚生労働省や関係学会等とも相談をしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/149
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150・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
リハビリテーション科専門医につきましては、新専門医制度における十九の基本領域の一つに位置付けられておりまして、日本専門医機構等において、令和四年八月時点で約二千八百名が認定されているというふうに承知をしております。
厚生労働省といたしましては、専門医認定支援事業において、リハビリテーション科専門研修を含め、都道府県と連携して専門研修プログラムの策定を行う場合などに支援を行っているところでございます。
また、リハビリテーション専門職を取り巻く環境や、求められる知識、技能の変化、臨床や教育の現場からの要望などを踏まえながら、理学療法士及び作業療法士養成施設における養成カリキュラムの見直しを行ったところでありまして、令和二年四月から新カリキュラムを提供しております。
引き続き、文部科学省ともよく御相談、連携させていただきながら、安全で質の高いリハビリを提供できるリハビリテーション専門職の養成に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/150
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151・山本香苗
○山本香苗君 是非、今それぞれ連携して検討するとお答えいただきました。今までやってなかったという事実を踏まえて、是非検討していただきたいと思います。
リハビリの質の維持向上のためには、理学療法士等リハ専門職には不断の研修、自己研さんが必要で、とりわけ卒後の教育というのが大事です。是非、理学療法士協会など職能団体と連携をしていただいて、卒後教育についても強化をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/151
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152・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
厚生労働省では、理学療法士を始めとするリハビリテーション専門職を取り巻く環境や、求められる知識、技能の変化、また、臨床や教育の現場からの要望等を踏まえながら、先ほど申し上げましたように養成カリキュラム等の見直しを行っておりまして、引き続き、安全で質の高いリハビリを提供できるリハビリテーション専門職の養成に努めているところでございます。
今、委員からお話ありました卒後の教育ということでございますが、リハビリテーション専門職を含め、各医療関係職種の職能団体にて、プロフェッショナルオートノミーの考え方に基づき安全で質の高い医療を提供するために、それぞれの団体が設けている研修等により、必要となる知識や技能を身に付けていただいているものと認識してございます。
厚生労働省といたしましては、リハビリテーション専門職による安全で質の高い医療を提供いただくということが重要であると考えておりまして、この卒後の教育の在り方につきましても、プロフェッショナルオートノミーの考え方を原則としつつも、どのようなことができるか、引き続き関係団体ともよく意見交換をしてまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/152
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153・山本香苗
○山本香苗君 医政局によりますと、理学療法士や作業療法士の供給数は、二〇四〇年頃には需給数の約一・五倍になる見込みとなっておりますが、先ほど申し上げましたとおり、急性期のリハビリは浸透していません。また、生活期のリハビリも、今後の高齢化による需要増に対応できるほど十分整備されていません。本当にちゃんと需要を把握したのかどうか、改めて確認をしていただきたいと思います。
需給バランスの調整には時間が掛かります。二〇四〇年に向けまして、リハビリのあるべき姿を見据えて、理学療法士などリハ職の需給を改めて把握して見通しを立てていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/153
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154・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
理学療法士及び作業療法士の需給推計につきましては、今ちょっと委員から御紹介ございましたけれども、医療従事者の需給に関する検討会理学療法士・作業療法士分科会におきまして、平成二十八年四月から三十一年四月まで合計三回開催をして議論をしてきた中で、この分科会において、理学療法士及び作業療法士の供給数が二〇四〇年頃に需要数の約一・五倍になるという推計が示されたところでございます。
この分科会におきましては、需給は複数の職種における連携、役割分担の中で議論すべきであるといったような御指摘もあったところでございまして、今後は、こうした御指摘、また今委員から頂戴した指摘なども十分に踏まえながら、どのように需給把握をしていくことが適切なのかよく検討していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/154
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155・山本香苗
○山本香苗君 是非、非常に、何というか、一・五倍という数字だけが独り歩きしないような形でもう一度需給を見直していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
いろいろ見ていくと、中で、医療関係職種の給与水準が上がっていく中で、理学療法士や作業療法士の給与水準はここ二十年間ほとんど変わらないどころか、理学療法士は下がっているんですね。こうした処遇の問題も今後取り組んでいかなくてはならないと思いますし、また地域の偏在といったこともかなりありますので、こうしたところも、どこにどれだけいらっしゃるのかというところもしっかり見ていかなくてはならないと思っております。
それで、大臣にお伺いしたいんですが、リハビリは、医療も介護も、また障害福祉も様々な場面で提供されるので、連携、また連続性の保持が重要だと、厚生労働省もそういうふうにうたっているわけでありますが、担当部署は、厚生労働省の中だけでも、老健局に障害部に、医政局の中でも医事課、また地域医療計画課、保険局も医療課など、もう数多くの部署にまたがっております。一体となって推進していくのが極めて難しいと。
是非、リハビリを一括して担当する部署を厚生労働省の中でつくっていただきたい。若しくは、ちゃんとここが一括してやるところなんだということを定めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/155
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156・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、リハビリは疾患の診断、治療の後に、急性期、回復期、維持期、生活期、それぞれの段階があり、また一貫して流れて行われることが重要でありますし、またリハビリが提供される場所も、入院中の病院から始まり、診療所、介護老人保健施設、自宅など、様々な場所で提供されます。
このように、多様な場面、場所で切れ目なくリハビリテーションが提供されるということは、人材も含めて提供体制そのものを確保するとともに、これ、それぞれ医療保険制度、介護保険制度がございますから、その連携、さらには医療・介護分野での連携、こういったことが必要であります。更なる高齢化が進展する中で、早期から在宅復帰に向けた医療やリハビリを実施するその必要性、それは今委員からもいろいろ御議論いただいたところでございまして、大変重要だと考えております。
組織としてまたつくるといっても、また、それぞれがまたその本体が別々にありますから、それが本当に機能するのかというこれまでの経験もございますので、大事なことはどこが全体的によく連携をして見てやっていくのかということだと思っておりますので、そういった意味で、何かポテンヒット、ポテンヒットという言い方は変ですけど、間に落ちることがないようにしっかり連携を組める、こういう体制をしっかり構築していかなきゃいけないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/156
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157・山本香苗
○山本香苗君 実は、今日のこの答弁していただくの、どこがするんだと、どこが書くんだという問題もあって、本当に、ポテンヒットにならないようにということなんですが、是非、一括して、おっしゃるようにばらばらになっているところをまずきちんと、どこが窓口になってどこがちゃんと引っ張っていくのかというところを明確にしていただきたいと思います。
最後に大西局長に一点だけ。
令和三年四月から、総合事業の補助を受けて実施されている住民主体による生活支援を、介護給付を受ける前から継続的に利用する要介護者も総合事業の対象と見直しを行っていただきまして、ありがとうございました。
しかし、介護給付を受ける前から利用しているという要件が付いているため、例えば、退院後、要介護の状態で自宅に戻った場合には、いきなり要介護になったから対象外なんですね。要介護の場合でも、要支援者同様、ごみ出しとか生活支援、絶対必要なんです。是非ここを見直していただきたい。要介護かどうかにかかわらず対象にしていただきたいと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/157
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158・大西証史
○政府参考人(大西証史君) お答えいたします。
総合事業の住民主体による生活支援サービスにつきましては、基本的には要支援者を対象としているところでございますけれども、先生御指摘のように、令和三年度から、御本人の希望を踏まえて、地域とのつながりを継続するということを可能とする観点から、要支援のときから継続的に生活支援サービスを利用している要介護者の方についても対象とすることができることとしてございます。
さらに、昨年取りまとめいただきました介護保険制度の見直しに関します意見、介護保険部会の意見におきましても、事業内容、効果について実態把握、整理を行うとともに、担い手の確保や前回制度見直しの内容の適切な推進も含め、総合事業を充実化していくための包括的な方策の検討を早急に開始するとされたことを踏まえまして、本年四月より介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた検討会を設置し、先生御指摘のような点も含めまして、議論を開始したところでございます。
総合事業の充実化によりまして、効果的かつ効率的な支援等が可能となりますように、御指摘の点を含め、しっかり検討会の議論を注視してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/158
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159・山本香苗
○山本香苗君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/159
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160・窪田哲也
○窪田哲也君 公明党の窪田哲也です。どうぞよろしくお願いします。
初めに、国保の関係で伺いたいと思います。国保の加入者が抱える出産時の困難に対する認識と対応について、大臣に伺いたいと思っています。
異次元の少子化対策の柱の一つは、非正規労働者やフリーランス、個人事業主の出産、育児に伴う収入減への経済的支援策をどう確立していくかということになります。フリーランスの皆さんは、出産で仕事を休んだら収入が途絶える、休んでいる間に発注元がほかに仕事を回す、育児休業給付も受けられないといったことから、出産に踏み切れないという話をよく聞きます。加えて、収入が減る、産前産後も保険料を払い続けなければならないという現実があります。
こうした背景から、令和三年六月の健康保険法等改正法の参院附帯決議には、出産に関する保険料における配慮の必要性、在り方等を検討することと明記されました。
非正規雇用者やフリーランス、個人事業主の皆さんなど、国保加入者が抱える出産時の困難に対して政府はどう認識していますでしょうか。また、その認識を踏まえて、今回の法案でどう対応をされるのでしょうか。加藤大臣に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/160
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161・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 少子化が急速に進展する中、昨年、出生数が八十万人を割り込んだところでございます。そうした中で、自営業やフリーランス、非正規雇用など、様々な就業形態の方が加入する国民健康保険の被保険者についても、出産件数は減少傾向にあります。子供を安心して産み育てることができる環境を整備していくことは喫緊の課題であります。
産前産後期間の保険料については、被用者保険、国民年金においては、順次、出産する本人に対する免除措置が講じられており、国民健康保険についてもその必要性について国会などでも御指摘をいただいたところであります。
こうしたことを踏まえ、本法案では、国民健康保険における子育て支援を強化する観点から、国民健康保険の産前産後期間の保険料免除措置を盛り込んだところであります。
来年一月から、国民健康保険料の保険料について、出産する被保険者の産前産後期間に相当する四か月分の均等割保険料と所得割保険料を免除するとともに、その免除相当額を公費で支援することで、子育て世帯の経済的負担の軽減や次世代育成支援等を図っていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/161
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162・窪田哲也
○窪田哲也君 四か月分の免除ということですけれども、これによりまして、今回の措置によってどの程度の効果を見込んでいるのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/162
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163・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
今大臣から新しい制度について御紹介ございましたけれども、この制度、来年一月から導入予定としてございます。この導入によりまして、出産する被保険者一人当たり年額で約二万七千円の免除額を見込んでおります。
来年一月から三月までの三か月間においては、全国で約一万四千人、総額で約四億円、年度ベースで約十六億円の免除を見込んでいるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/163
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164・窪田哲也
○窪田哲也君 ありがとうございます。
これ、各自治体の条例の改正が必要になってきますので、しっかり地方と呼吸を合わせながら進めてまいりたいと思います。
続きまして、同じく国保の関係ですけれども、国民の三割が加入する国民健康保険の立て直しに向けて、平成三十年、それまで市町村が担ってきた財政運営、都道府県に移管をされました。昭和三十六年の制度開始以来の大改革でありました。かつては加入者は農業や自営業の皆さんが中心でしたけれども、現在では定年後の人、無職の人、非正規雇用者が八割を占めており、構造的に多くの市町村が実質的に赤字運営と。
しかし、国保は国民皆保険の最後のとりでであります。大規模化によって安定を図る上で都道府県への移管は必要不可欠な改革でありました。それまで同一都道府県内で最大三倍を超える格差がありましたけれども、この平成三十年以降の都道府県国保運営方針によって保険料水準の統一化はどの程度これまで進んできたのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/164
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165・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
平成三十年度の国民健康保険制度改革によりまして、国において財政支援を大きく拡充するとともに、年度間の保険料の変動の抑制などを図るため、保険者の規模につきまして都道府県と市町村が共同で運営する仕組みと改めました。そして、安定的な財政運営を確保する観点から、都道府県単位での保険料水準の統一に向けた取組を進めております。
この保険料水準の統一ですが、都道府県と市町村がよく議論した上で、住民など関係者の理解を得ながら進める必要がございます。このため、令和三年の改正法におきまして、各都道府県における市町村との協議や取組を推進する観点から、都道府県が定める国保運営方針の必須記載事項として保険料水準の平準化に関する事項を位置付けたところであり、来年度から施行する予定でございます。
現在の進捗状況でございますけれども、具体的に申し上げますと、北海道、福島県、大阪府、奈良県、佐賀県、沖縄県、この六道府県は国保運営方針において保険料水準の完全統一に向けた期限を明示しており、このうち大阪府と奈良県は令和六年度から保険料水準の完全統一が予定されております。その他の四道県も令和七年度以降の統一に向けて取組が進められていると承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/165
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166・窪田哲也
○窪田哲也君 加入者の構成、年齢構成や所得水準、医療サービスの充実度、健康増進の取組などの違いによって統一化というのはなかなか困難な状況ではありますけれども、今回、保険料水準加速化プランを策定をして、保険料統一に向けた取組を支援することになりますが、このプランでどのように加速化を図るのでしょうか。このプランのポイント、具体的手だてをお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/166
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167・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
今回提出させていただいています法案では、保険料水準の統一に向けた取組を加速化するため、国保運営方針の必須記載事項といたしまして事務の標準化、広域化の推進に関する事項等を新たに追加することとしてございます。
こうした都道府県の取組を支援するため、厚生労働省におきましては、保険料水準の統一の意義あるいは統一の定義、そして具体的な事例を基にした保険料水準の統一の効果的な進め方、こうしたことを盛り込んだ保険料水準統一加速化プランを年内に策定することとしてございます。
今後、都道府県と市町村が、このプラン等も活用いただきつつ、地域の実情に応じてよく議論した上で、住民など関係者の理解を得ながら各地域において保険料水準の統一に向けた取組を加速化できるよう、国としても取組を支援してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/167
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168・窪田哲也
○窪田哲也君 是非、加速化よろしくお願いします。
法案では、都道府県ごとに医療費抑制策の策定を義務付け、健康保険に関する各自治体の運営方針に記載することになります。膨張する医療費を抑え、保険制度の持続性を高めるためです。
医療費適正化計画は、後期高齢者医療制度に併せて二〇〇八年に導入されました。これまで一期、二期、三期、計画が策定されてきましたが、これまでの効果を、成果を振り返りますと、例えば第二期計画では全都道府県が医療費削減の目標を達成をしております。
そこで、特定健診や保健指導の実施率、後発医薬品の使用割合など、医療費適正化計画一期から三期までの成果について伺いたいと思います。その上で、第四期計画のポイントについて御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/168
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169・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
医療費適正化計画は、国民にとって必要な医療を確保することを前提としまして、都道府県が医療保険者や医療関係者などとの協議を踏まえまして、地域の実情に応じて特定健診、特定保健指導などの健康の保持の推進、それから後発医薬品の使用促進など、医療の効率的な提供の推進、こうしたことについての目標を設定しまして、地域の関係者が協力して医療費適正化の取組を進めていくと、こういう枠組みでございます。
こうした取組の成果としましては、例えば特定健診の実施率につきましては、目標の七〇%に対しまして、平成二十年度、三八・九%でございましたけれども、二〇二〇年度、令和二年度ですね、五三・四%に来ております。特定保健指導の実施率は、目標の四五%に対しまして、平成二十年度は七・七%でしたが、令和二年度は二三・〇%まで伸びてまいりました。ただ、まだ目標には達成しておらず、この実施率の向上に向けた更なる取組が必要だと認識しております。
また、後発医薬品の使用割合につきましては、二〇一八年度から第三期計画の数値目標を設定してございます。目標が八〇%でございますけれども、直近の令和三年度は七九・六%ということで、ほぼ達成してございます。
そして、お尋ねの第四期計画のポイントでございますけれども、来年度から第四期医療費適正化計画を予定してございますけれども、一つには、後発医薬品の使用促進につきまして、医薬品の安定的な供給を基本としつつ、新たな目標を設定するとともに、バイオ後続品についても目標を設定し、更なる使用促進の取組を進めてまいりたいと考えてございます。
また、新たな目標としましては、医療資源の効果的、効率的な活用を位置付けるとともに、この法案におきましては、計画の実効性を高めるために都道府県ごとに保険者協議会を必置とし、計画の策定、評価に関与する仕組みを導入するなど、都道府県が関係者と連携して取組を推進する体制を構築するという実効的な取組ができる体制を進めてまいりたいと、このように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/169
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170・窪田哲也
○窪田哲也君 第三期計画、二〇一八年度から二〇二三年度では、後発医薬品の使用割合は八〇%と目標を設定をされました。この目標に対して、スタート時が、二〇一八年の割合が七五・一%、本年度に最終年度を迎えます。
メーカーの不祥事が相次ぎ、品質への不信感が高まる一方、材料の供給不足もあり、市場の品薄状況が続いていると。そうした状況を受けて、先ほどありましたとおり、もう目標にほぼ到達をしつつあるということですけれども、政府は今後、後発医薬品の使用割合の数値目標、さらに安定化に向けてどうやっていくのか、最後に大臣に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/170
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171・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まずは、安定供給でございますけれども、後発医薬品メーカーの薬機法違反を契機とした供給量の低下、また新型コロナの感染拡大による需要増加も相まって、後発医薬品を中心に約四千品目程度の医療用医薬品において出荷停止や限定出荷が生じております。これは全品目の約二五%に相当する規模であります。
後発医薬品の安定供給の確保については、まずは足下の後発医薬品を中心とした医療用医薬品の供給不安に速やかに対応するとの観点から、この四月から毎月全ての医療用医薬品の供給状況の調査を行い、迅速に各医薬品の供給情報等を医療現場に対し提供することとしております。
さらに、医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会を開催しており、そこにおいて、後発医薬品の産業構造の在り方などを含め、この安定供給に向けての中長期的な議論もさせていただいているところでございます。こうした検討会における議論の内容も踏まえて、必要な対策を講じていきたいと考えています。
また、後発医薬品については、これまで普及啓発事業や医療保険制度上のインセンティブの付与等により使用促進を進めてきたところであります。現在は、先ほどの水準まで行ってはいるものの、都道府県によって後発医薬品の使用割合にはばらつきがあるわけであります。
それを踏まえて、二〇二三年度末までに全ての都道府県で後発医薬品の使用割合を八〇%以上にすることを目標にして、後発医薬品の安定供給の確保に向けた取組を行いつつ、地域や医療機関等における使用割合の見える化を進めることで、全ての地域において後発医薬品が安心して、そして広く使われるように努めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/171
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172・窪田哲也
○窪田哲也君 終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/172
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173・東徹
○東徹君 日本維新の会の東徹です。
いろいろと質問を用意してきておりますが、二十分間ということで質問用意してきておりますが、やっぱりちょっとかぶったりとかしますので、余りそれ以上作るとまた質問しないまま終わってしまうこともあって、それも申し訳ないので、かぶることをお許しいただきたいと思います。
出産育児一時金のことについて、まずお伺いさせていただきます。
我々としてはもちろん、一人当たり五十万円に増額していくこと、こういった方向性とか、そしてまた保険適用していくこと、こういった方向性については当然必要だというふうに思っておりますが、やっぱり人口減少社会にこれまでなってきたというのは、これまでも言わせていただいていますように、やっぱり政治の怠慢だというふうに考えております。ですから、今回も、その後期高齢者医療制度からも支援する仕組みと、導入というのはちょっと違うなというふうに思っているわけです。
今回、後期高齢者も一人当たり月額でいうと五十円、年間にすると六百円の追加の負担ということでありますが、本当、ちょっとずつちょっとずつこうやって上げていくわけですよね。気が付いたらもう本当大変なことになっているというふうな状況になってきているというふうに思っています。高齢者の方々も、後期高齢者の方というのはもう第二次ベビーブームの方たちですから、その人たちは本当に一生懸命仕事もしてきたし、当然こういった制度もなかったんじゃないのかなと思いますが、その中で、これ、子供の生まれる、出生数が減ってきた、そんな中で支えていこう、これはもう本当にそれこそ全体で支えるというかですね、全体というのは全ての、総予算の中からやっぱり見直していくと、こういうことも大事だというふうに思っています。
今回、その出産費用の透明化を図って医療機関による便乗値上げがないようにしていかなくてはならないというのは皆さんからもいろいろとありました。で、私も本会議で聞きましたけれども、その対策として厚労省が通知を出して、医療機関に対して、出産費用の改定はその内容とか理由などを周知して丁寧に説明を行うというふうなことを要請したというんですけれども、その要請だけでは駄目でしょうと思うわけですね。要請だけで便乗値上げがなくなるわけではありませんので、もうこれは本当にやっぱりきちっとそういった便乗値上げがされないようにするためには、厚労省として通知を出すだけではなくて、自らですね、どうしてこういった費用が上がっていくのかということをしっかりとやっぱり調査、把握すべきだと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/173
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174・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 今般の出産育児一時金の引上げに関して、医療機関における出産費用の改定に関していろんな報道、その中には今お話があったような便乗値上げ等々もございます。
そういった中で大事なことは、元々自由診療でありますから、価格はそれぞれまちまちであります。地域差もありますし、施設ごとにおいてもまちまちでありますけれども、その中において大事なことは、それぞれの妊婦の方々がまさに選択をしていくことを通じて適正な形にしていくと、そのために見える化をしていただいて、この私たちの費用はどうしてこう高いのか、あるいは上げるとしたときに何で今回上げることになるのか、そういったことをしっかりと説明をしていただきたい。そうしたことを通じて最終的に妊婦の皆さん方が適切な判断をしていただける、そういったことを進めていきたいと思っております。
それから、他方で、分析をすると申し上げてきたのは、もう一つは、今までにも様々、出産費用のデータ、今直接支払払いになっていますから、データが来ておりますから、そうしたことをしっかり更に分析をすることによって、それぞれの医療機関間のばらつきとかそういったものがどこから生じているのか、そういったことも含めて議論を深めていきたいというふうに感じて、思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/174
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175・東徹
○東徹君 先ほど大臣から選択するというようなお言葉ありましたけれども、選択するほど医療機関ってそんなにないですよ、周産期医療というのはですね。これ、大阪市内でもないですね。非常にやっぱり減ってきていますから、それだけやっぱり出産する側にとっては選択する余地が物すごく狭いです。それともう一つは、やっぱりお医者さんからそう言われたら、もう仕方がないなと、こう思うのがやっぱり患者の立場だと思うんですね。だから、厚労省がこれ言っているように、その内容や理由などを周知し丁寧に説明を行うよう要請した、これはもう本当にちょっと詭弁でしかないというふうに思います。やっぱりこれは、是非やっぱり厚労省が乗り出してきて、どうしてこんなことになっているのかとやっぱり調査すべきだということを再度申し上げたいと思います。
それと、出産費用の、今大臣からも地域によって差があるというふうにおっしゃるんですけども、これ本当に地域によって差があるんですね。これ、公的分娩、いや、公的病院ですね、公的病院の正常分娩の都道府県別の出産費用だけ見ても、これ、鳥取県が三十五万七千四百四十三円、大臣の岡山だと四十四万八千六百三十二円なんですが、東京都が五十六万五千九十二円。五十万超えているところが、東京都、茨城県、それから神奈川県とあるわけなんですね。大阪府で見ると四十一万で、岡山県よりも金額が安いということになるんですね。
これ、これだけやっぱり差があるというのは本当おかしい、不思議だと思いますね。だから、それは自由診療だからと先ほどおっしゃられましたけれども、やっぱりこれだけ大きな差があるというのはやっぱりきちっと調査、分析すべきですし、そして便乗値上げについても自ら調査すべきです。
今回、出産育児一時金を五十万円にこれ引き上げられるわけですけれども、五十万円に引き上げたとしても、東京都とか茨城県とか神奈川県、先ほども言いましたように、この公的病院ですよ、公的病院で平均の費用がこれ五十万円上回っているわけですね。私的病院だと恐らく四、五万、正常分娩だと高いんじゃないかなと思うんですね。
一時金を五十万円にしてもまだこれ足りないところがあって、出産費用の実質的な無償化ということで岸田総理もこれは本会議で前向きな答弁していただきましたけれども、これ五十万超えるような平均費用が高い地域でも出産費用の実質的な無償化、これどうやって実施していくのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/175
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176・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まずは、今回は平均的な標準費用を全て賄えるということで五十万円に引上げをさせていただいたということでございます。その中で、出産費用の見える化を本格的に稼働し、そして出産費用の見える化が地域別、施設種類別の出産費用にどのような影響を与えるのかなど、見える化の効果検証を行った上で、次の段階の取組として、出産費用の保険適用の導入を含め、出産に関する支援の在り方について検討するということにさせていただいているところであります。
委員おっしゃっている趣旨は、今は自由診療でありますから、もう本当に地域ごとだけではなくて、手元にある資料見ても、東京都でも相当な差があります。公立病院においても差があります。同じ公立病院の中においてもまさにばらばらという状況でありますので、それを一つ一つということよりは、やはり最終的には、その一律な、保険医療ということになれば一律にしていく、そのときのその費用、保険医療ですから当然自己負担が発生する、その自己負担の発生の考え方について、総理から、今日においては平均的な標準費用を全て賄えるようにしているということを踏まえて対応していきたいと、こういう答弁をさせていただいたというふうに承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/176
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177・東徹
○東徹君 保険適用することも、これ本当必要だと思います。ただし、これ三年後となると、これまた非常に遅過ぎると思うんですね。これ通告していないんですけれども、だから、やっぱり三年後ではやっぱり駄目でしょうと思うわけですね。
これ何で三年掛かるのか、もし、これ通告していませんが、御答弁いただけるんだったらしていただければと思いますけど。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/177
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178・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
まず、今回、この四月に五十万円に引き上げさせていただきました。そして、費用のいろんな分析をするためにはまず見える化をしていくということで、この夏をめどに見える化の項目について整理をし、そして来年の四月から本格的に実施していくということを予定しております。
そうすると、そのどういう項目についてどういう分析をするかという整理が、整理できますので、来年四月から一定期間のデータを集積しまして、それに基づきまして、先ほど大臣もお話しされたような、その標準的な医療サービスのこの中身の分析、それからどのぐらいコストが掛かっているかという分析を令和七年度に実施していくというふうに考えておりますので、やはりこの実施時期が令和八年度になると、保険適用に向けた正式な議論がですね、というふうに今考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/178
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179・東徹
○東徹君 いや、それは時間掛け過ぎですよ、やっぱり。やっぱり、そんだけ、そんなに時間掛けずにやれることをやっぱり考えていくべきだというふうに思いますね。やっぱり、三年後というのはやっぱり非常に遅過ぎます。
続いて、かかりつけ医のことについてお伺いさせていただきますが、今日もいろいろとお話が、質問がありましたけども、これ、コロナ禍においてよく我々も、有権者の皆さんからというか、方から聞いたお話ですが、コロナ禍について医療機関の中に、ワクチン接種がありましたけども、医療機関の中には、かかりつけの患者さんしかワクチン接種できませんと言われて、断られたということをよく聞きました。自分はかかりつけ医と思って行っていたけども、医者からはかかりつけ医じゃないというふうに言われたというんですね。これは本当に、ええって思ったりするわけですけれども、まあ何か非常に変だなと、こう思いながら、ずっと思っていたわけですけれども。
で、かかりつけ医とは何かという今回定義がない中でこのような対応が実際に行われてきたということは、国民もなかなかこれ納得得られないのではないかというふうに思うわけですが、まず、今回の法案でかかりつけ医の定義がこれ設けられなかった理由は何か、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/179
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180・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
今後、複数の慢性疾患や医療と介護の複合ニーズを有することが多い高齢者の更なる増加に合わせまして、地域医療の担い手の確保が困難になってくる中で、身近な地域における医療機関の役割が重要になってくるということから、この法案におきましては、かかりつけ医機能について、医療法に、医療機関の有する機能として、身近な地域における日常的な診療、疾病の予防のための措置その他の医療の提供を行う機能と規定することとしまして、医療機能情報提供制度の拡充と、それから医療機関の医療機能報告といったものを設けることとしてございます。
この法案におけます制度整備は、患者の、そういう意味で、患者の受療行動への介入について規定するものではなく、患者の医療へのアクセス制限につながるものではないことから、法律上、かかりつけ医といった用語を定義する必要があるとは考えなかったものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/180
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181・東徹
○東徹君 何か分かりにくいですね。やっぱり分かりにくいです。やっぱり、しゃべるの速いから余計聞き取りにくいんです。もうちょっとゆっくりしゃべっていただいた方が分かりやすいかなと思うんですけども。
かかりつけ医機能の定義はあるけれども、かかりつけ医がない。これ一言で言うと、一言で言ったらどういうことですか。じゃ、もう一度お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/181
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182・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) この法律におきましては、医療機関の役割が今後重要になるということで、その医療機関が担うかかりつけ医機能というものを定義をすることにしてございます。
一方で、この法律で講じようとしておりますのは、そういった医療機関の担うかかりつけ医機能を地域においてどう確保していくのか、また、国民、患者の皆さんに分かりやすく情報提供をしていくという観点で整理をしておりまして、そういう意味で、特にその患者さん個々人の受療行動に介入をしたり、あるいはアクセスを制限をしたりということを予定しているものではございませんことから、かかりつけ医といった用語は定義をしていないというものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/182
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183・東徹
○東徹君 別にね、アクセスを制限する、せえと言っているわけじゃないわけですよ。でも、かかりつけ医というのは何なのかというのをやっぱり国民に知らせた上で、やっぱりかかりつけ医定義、かかりつけ医機能、こういったことをやっていくんだというならまあまだ分からなくもないんですけれども、やっぱりそういった説明が抜けるから非常にやっぱり分かりにくいと思うんですね。
これ、今回の法改正によって、これかかりつけ医機能の都道府県への報告という、公表というか、そういった内容がこれ加わるわけですけれども、これによって、このコロナ禍で見受けられた医療提供体制の不具合、さっき言いましたように、私はかかりつけ医だと思ってワクチン打ってくださいねというふうに言ったけども、病院側からは、機関側からはかかりつけ医の患者さんしかワクチン打ちませんと言われて帰ってきたという、こういったことはもうなくなるということでよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/183
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184・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
感染症の話がございましたが、感染症の性状がなかなか明らかではない段階から、日常的な診療を行っているかかりつけ医に感染症対応を行うことを皆さん全てにお願いをするというのはなかなか困難でございまして、患者が平時に受診しておられる医療機関で必ず感染症医療を受けられるとは限らないというふうに考えてございます。
このため、感染症発生や蔓延時における医療提供体制につきましては、昨年十二月に成立いたしました改正感染症法に基づいて、都道府県が医療機関と平時に協議を行い、各医療機関の機能や役割に応じて協定を締結するということとしておりまして、感染症医療を担う医療機関をあらかじめ適切に確保していこうというふうにしてございます。
また、患者さんからの相談に応じて感染症医療を行うことが可能な適切な受診先の案内に努めるなど、医療機関同士が適切に連携する仕組みも含めて、感染症が発生し、また蔓延したときにおきましても、医療が必要な国民の皆様に確実に必要なもの、医療を届けられるようにしてまいりたいと考えております。
この法案におきましては、感染症対応は主眼に置いているものではございませんけれども、かかりつけ医機能報告などを通じまして、かかりつけ医機能に関する情報提供の強化や、あるいは適切な紹介を含めた医療機関の間での必要な連携を進めることによって、今御指摘があったワクチン接種も含めて、感染症発生、蔓延時における連携にも資することになるんではないかというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/184
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185・東徹
○東徹君 私が言ったことが、一般的にはやっぱり、そういったことをやっぱり疑問視する声があったということで、それに適切に対応することをやっぱり考えるべきだというふうに申し上げておきたいと思います。
で、今回のこととは少し違うかもしれませんが、私、この間もちょっとテレビでやっておったんで見たときに、なかなか、今回のかかりつけ医機能ということで、これ、休日の夜間対応がありますか、ありませんかとかいうのは、非常にこれやっているところなんてもうごくごく知れていますよね。これ、また、在宅医療の提供というところも知れていると、数は少ないと、まあだんだん増えてきていますけれども、特にこの休日、夜間の対応というのは非常にこれ難しい部分があって、これは行政で、公的病院がやっているところが多いと思うんですけれども、私、そんな中で、これ、ファストドクターという株式会社がテレビに出ておって、自分が勤務している病院は、自分は今日は休みですと、休みで時間が空いているので、そういった対応してほしいと、夜間でも対応してほしいとか土日でも対応してほしいというときがあったら、オンラインでそういうようなデータもらって、また診察に行ったりとかしているのもありましたけれども、こういったオンライン診療、さらに、こういった活用、非常に大事と思うんですが、大臣、どのようにお考えなのか、お伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/185
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186・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まさに限りある医療人材が効率的に活用、医療人材を効率的に活用していくといった意味において、オンライン診療というのは非常に有用な手段だというふうに認識をしております。
かかりつけ医機能報告との関係で申し上げると、現行の医療機能情報提供制度においても、病院及び診療所の報告項目として、オンライン診療の実施の有無及びその内容についてというものが含まれているところでございます。
さらに、この法案の中身を議論した社会保障審議会医療部会においても、地域の協議の場で検討する必要なかかりつけ医療を確保する具体的な方策としてオンライン診療の活用といったことも指摘をされているところでございますので、そうしたことを意識しながら、そういったことを踏まえながら、この報告の具体的な内容等をこれから詰めさせていただくわけでありますけれども、地域におけるかかりつけ医機能の確保に際してのオンライン診療の活用と、こういった観点も含めて、有識者の意見も聞きながらその内容を適切に決めたいというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/186
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187・東徹
○東徹君 非常に、オンライン診療とか、そういったものが非常にこういった特にコロナ禍のときとかはやっぱり大事だなというふうに思いましたので、しっかりとこういったことも進めていっていただきたいと思います。
もうあと残す時間が一分しかありませんので、ちょっと質問しても仕方がないので、先ほど古川委員も言っていましたけども、このかかりつけ医機能の報告の項目なんですけども、これは、外来医療の提供、それは当たり前だと思うし、入退院時の支援とか、それから介護サービス等との連携、もうこんなの当たり前の話だと思うんですね。特にこれ、介護サービス等との連携というのは、これもう、よくゴールドプランとか言っている頃から医療、福祉の連携とかって言っていて、もうあの頃から何か全然変わっていないんだなというのがつくづく思うわけですけれども。
これ、項目の中で患者側から見て有益だなと思うのは、休日、夜間の対応と在宅医療、要するに訪問診療ですね。そういったところがどこがやっているのかというところを見る上においては役に立つけども、あとは当たり前の話じゃないのかなというふうに思って見させていただいております。
まだちょっと時間があるかもしれませんが、次、松野委員に替わりたいと思いますので、よろしくお願いします。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/187
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188・松野明美
○松野明美君 日本維新の会の松野明美でございます。東議員に続きまして質問をさせていただきます。
打合せをしたわけではございませんが、私もかかりつけ医ということで非常に疑問がございます。実際、かかりつけ医ではないですよと言われた立場といたしまして質問をいたします。
実は、私のダウン症の息子が生まれながらに重度の心臓病を持っております。ちょっと難しいですが、心内膜床欠損症という病名とファロー四徴症という心臓病でございます。
そこで、十九年前から、その地域の病院で産んで、そしてずっと診てもらっておりました。そして、カルテもきちっとあります。体調が不良になったらその病院に診てもらうというところで、ずっとその経過を診てもらっていましたので本当に安心して通える病院でありまして、そのお医者さんでございました。
そして、私も実際、その病院の先生に、ここはかかりつけですよねと、かかりつけ医ですよねと言いましたら、ああ、ここはというか、先生はかかりつけ医ですよねと尋ねましたら、私はかかりつけ医ではございませんとおっしゃったんですね。えっと思ったんですよ。
かかりつけ医というのは病院ではなく医師のことをいうということは分かっておりましたが、かかりつけ医というのはどういうお医者さんのことをいうのかということです。カルテもあり、生まれたときから通院している病院の医師ということで、かかりつけ医ではないということは一体どういうことなのか。
恐らくほとんどの方が、自分が通院して診てもらっているその医師は、やっぱりお医者さんはかかりつけ医だと思っていらっしゃると思っております。実際、私の息子も二回大手術を、十時間以上の大手術をしまして、県内ではなくて県外の病院で手術をいたしました。そのときも、その先生からかかりつけ医の先生はどなたですかと言われたときに、当然この先生の名前を言ったんですね。そういうような状況でした。
かかりつけ医とはそれは一体どういう医師のことをいうのか、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/188
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189・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
かかりつけ医につきましては、この法案におきましては特に規定することとはしてございませんけれども、一般的には日頃からかかっている身近な医師や医療機関を指しているものというふうに承知をしておりまして、私ども厚生労働省といたしましても、各種施策の推進に当たって、こうした一般的な用語として使用しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/189
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190・松野明美
○松野明美君 じゃ、それでは、私が言われたその、かかりつけ医ではないですよと言われたことは、それは間違いということでよろしいんでしょうか。かかりつけ医だと思っていいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/190
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191・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) なかなか今の委員の状況について私もちょっと詳細よく分からないところが正直ございますけれども、一般的にかかりつけ関係というのは、医療機関と患者さんとの間で日頃からなじみの関係があって信頼関係があるような中で成立している言葉ではないかというふうに感じているところでございます。
済みません、具体的に委員の場合に、ケースのところがどうなのかという点についてはちょっと私のなかなかコメントしかねるところでは正直ございますが、一般的に申し上げるとそういったような考え方になってくるんではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/191
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192・松野明美
○松野明美君 厚労省のホームページにあるんですね。かかりつけ医とは、自分が信頼できると思った医師であればかかりつけ医と呼んで構いませんと、そして、かかりつけ医は一人に決める必要はありません、また、どこの診療科の医師でもかかりつけ医であると載っております。そうであれば、定期健診を今も診てもらっている、生まれたときからカルテもある。当然、違うと言われても、厚労省のホームページでありますように、違いますよと言われてもかかりつけ医ですよと言ってもいいということになるのではないかと思っております。例えば、その病院の規模とかで、大きい病院の先生はかかりつけ医と言ってはいけないとか、そういうことで分けていらっしゃるんでしょうか。また関連で、でしょうか、それが一つ。
そしてまた、障害児に対応できる歯科医がほとんど、これはちょっと関連なんですけど、歯科医がほとんどいないんですね。普通の、私は全く知らなかったものですから、知的障害がある、歯医者さんですね、歯医者さんに行きまして、行きましても、知的障害のことをよく御存じではないお医者さんだったものですから、ちょっとした歯の治療も全身麻酔をなさるんですね。そういうことで本当に負担が掛かったことがありまして、しばらくしまして、障害がある子供の歯も診れるお医者さんがあるということを知りました。そういう歯科医、歯医者さんが非常に少ないということもお尋ねをいたします。
お答えできますでしょうか。通告はしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/192
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193・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) なかなか、一般的なお話からすれば、先ほど申し上げたような、日頃からかかっている身近な医師、医療機関を指すということで、私どもの「上手な医療のかかり方」などにおきましても、そういった観点で御紹介をさせていただいているところでございます。
委員お話ありましたように、なかなか障害を持った方になりますと、歯科の診療所はなかなか見付からないというようなお話も聞いたりするところもございます。それをやるためには、いろいろな分かりやすい情報を提供していくということが今後重要であろうというふうに思いますので、今いただいたお話なんかも含めて、更に使いやすい情報提供制度の検討を進めていく必要があるというふうに考えたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/193
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194・松野明美
○松野明美君 かかりつけ医というのはどういうものかというのは、多分、国民の皆さんはなかなか分かりにくいのかなと思っておりますし、先ほど東議員からも言われましたように、かかりつけ医に行ってくださいと言われても、行ったらここは違いますよと言われましたら、言われたら、あれっと、やっぱり不安になるというか、どうしたらいいものかと思ってしまうと思うんですね。そういうところはきちっとやっぱり表していただければと思っております。
そして、やっぱりここに載っていることと、おっしゃっていることと、実際の病院の先生たちのおっしゃっていることが全然違うんですね。そういうところもやっぱり整理していかないと、これから先はちょっと大変になるのかなと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
時間がないので、次に行きます。
次に、かかりつけ医機能についてお尋ねをいたします。
先ほど、山本議員からも質問がございました。今回の法案では、かかりつけ医機能の充実強化を図る取組を導入するということで、慢性の疾患を有する高齢者その他の継続的な医療を要する者として厚生労働省で定める者と続いておりますが、このその他というのはどういう方々のことをおっしゃっているのか、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/194
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195・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答えを申し上げます。
この法案におきましては、かかりつけ医機能報告の対象となる医療機関に対して、継続的な医療を要する方に対するかかりつけ医機能の内容などを都道府県に報告する義務を課すこととしてございますが、今後、高齢化の進展等に伴いまして、特に複数の慢性疾患や医療と介護の複合ニーズを有する高齢者の増加が見込まれるということから、継続的な医療を要する方の例示として、慢性の疾患を有する高齢者を規定しているところでございます。
この報告を求めるその機能の範囲、具体的な内容などにつきましては省令で定めることとしておりまして、この法案が成立すれば、慢性の疾患を有する高齢者以外に、子供や、障害のある方など、どのような方を対象とするかも含めて、有識者の御意見などをよくお聞きをして検討していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/195
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196・松野明美
○松野明美君 私も、先ほどの山本議員と同じで、やはり障害者、そして医療的ケア児、そして難病患者、やっぱり入れていただかないと、明記していただかないと、かなり失礼に当たるんではないかと思っております。
例えば、私も経験上、ダウン症のお子さんというのは、大体七〇%の方が重度の心臓病を持って生まれてくるんですよね。そして、それからずっと病院に通院をして、経過を診てもらう、そういうような状況もありますので、そういうところをちゃんと知った上で、こういうようなところは整理していただければと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
次に、出産一時金について、保険を適用した場合のことについてお尋ねをいたします。
出産育児一時金が四十二万円から五十万円に引き上げられますが、出産費用の見える化というのは一体どういうものかというのをお尋ねをいたします。
また、保険適用を検討するということがあるようですが、もし保険適用になった場合、一時金はどうなるのか、また、これからだと思いますが、保険適用になった場合、後期高齢者の負担というものはどのようになるのか、改めてお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/196
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197・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
まず、出産費用の見える化でございますけれども、具体的な今後の進め方でございますが、この見える化で項目として考えておりますのは、出産、医療機関等の機能や出産に係る運営体制、それから、分娩費用、室料差額や無痛分娩の取扱いなど、サービスの内容や費用の公表方法、こうしたものを想定してございます。さらに、そうした情報につきまして、夏までに整理をいたしまして、そして、医療機関に御報告を求めて、来年四月を目途に厚生労働省が新たに設ける見える化のためのホームページで公表していきたいと、このように考えてございます。
それからもう一つ、御質問の中で、もし仮に出産の保険適用を行った場合に一時金の仕組みはどうなるのかという御指摘でございました。
また、それにつきましては、まず来年の四月を目途に出産費用の見える化を本格的に稼働させてまいりますが、その次の段階としまして、その見える化で明らかになってきた実際の費用の問題あるいはそのサービスの中身というものを検証を行いまして、医療サービスの標準化の試みをいたしまして、出産費用の保険適用の導入を含めた取扱いについて検討していきたいと考えてございます。
そうした中で、出産育児一時金との関係でございますけれども、かねてから、出産は、健康保険法等におきまして、疾病、負傷、死亡と並んで医療保険の保険事故として規定されまして、これまでは出産育児一時金として現金給付が行われてまいりました。仮に出産を保険適用することとした場合には、これを現金給付ではなく現物給付に改めるということになると考えられます。そのときに具体的にどうするかということになりますけれども、まさに新しい給付を創設するということでございますので、その在り方につきましては、今後の分娩サービスの実態などを踏まえて扱いを検討していくことになるのではないかと考えてございます。
それから、最後にもう一つ、後期高齢者医療制度からこの出産育児一時金の費用の一部を支援する枠組みを今回提案させていただいておりますが、これをもし出産の保険適用をした場合どうなるかという御質問だと思います。
今回の出産育児一時金に対しまして後期高齢者医療制度から拠出をいただくという考え方は、まさに子育てを全世代で支援するという考え方から導入を考えているところでございます。こうした考え方は今後とも必要だと考えてございまして、仮に保険適用を行ったとしてもこうした仕組みは維持されると、このように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/197
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198・松野明美
○松野明美君 よろしくお願いいたします。
質問がかぶってしまったものですから、ちょっと順番を入れ替えまして質問させていただきます。
先週の委員会で、こちらの委員会で、石田委員の質問にちょっとかぶらせていただくんです、ちょっとしているんですけど、六十歳、あっ、六十五歳を超えたら高齢化というのは、単に数字で区切っただけで根拠がないということに対しまして、私もなるほどなと思いました。高齢者というのは年齢ではなく状態で判断してはどうかというのは、非常に私自身が興味を深く聞いておりました。現在、人生百年時代とも言われておりますが、年齢よりも状態で判断した方が、健康については考える人も非常に多くなると思いますし、例えばスポーツに取り組むとか食べ物を気を付けるとか、そういう方々も増えてくるんではないかというふうに私自身は感じました。
実際、各地のマラソン大会でも、六十歳からマラソンを始めたという方もいらっしゃいますし、フルマラソンを走っていまして、走りながら、何歳ですかと聞きましたら、七十二歳ですとかですね、そういう七十代の方がマラソンを走っていらっしゃる方がいらっしゃいます。そういうような方たちを果たして高齢者なのかなと思いますと、いや、高齢者じゃないだろうなというふうに思うわけでございます。
スポーツ庁では、スポーツ・健康まちづくり優良自治体表彰という賞もつくって頑張っている自治体を応援しているということも聞いておりますが、厚生労働省としても、是非、健康寿命を延ばすことなどで、国民に健康づくりを、各自合った適度な運動、まあ私のような激しい運動ではなくて、適度な運動を進めるような対策も検討してはどうかと思います。
確かに、先週、東議員がおっしゃったように、エレベーターを使われませんね、大臣は。いや、本当です。階段を上っていらっしゃると。そういうようなことを実際自分でもやっていらっしゃるということを国民の皆さんにお伝えすると、あっ、頑張っていらっしゃるから自分も頑張ろうというような気持ちにもなられるのではないかと思いますが、そういう対策の検討というのはいかがでしょうか、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/198
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199・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 健康づくりをしっかりやって、いわゆる健康寿命と言われるものを延伸をしていく、あるいは健康な状態を続けていくということは非常に重要でありますし、そのことは、スポーツ、今いろいろマラソンのお話もありましたけれども、そういったことにチャレンジできるだけじゃなくて、様々な人生をエンジョイする、満喫するという意味でも大変大事なことだというふうに思います。
そのために、スポーツを含めて身体活動や運動に取り組んでいただくことが重要であります。国民健康づくり運動である健康日本21において身体活動や運動を含む各分野の取組を推進するとともに、自治体においてもそれぞれが作成する健康増進計画に基づいて取組を進めていただいているところでございます。
さらに、令和六年度からは第三次の健康日本21がスタートするわけでありますが、そこにおいて引き続き身体活動や運動の取組を位置付けるとともに、自治体における取組が大変大事でありますから、その参考になるような具体的な方策についても今後お示しをさせていただき、それぞれの地域において具体的な取組を進めていただきたいと考えております。
今後とも、スポーツを含め身体活動、運動の推進などを通じた健康づくり、これしっかり進めていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/199
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200・松野明美
○松野明美君 おっしゃったように、運動の推進というのは非常に地域も活性化するのではないかなと思います。やはり、ウオーキングとかランナーとか見たら、あっ、自分も走ってみようかなとか歩いてみようかなというような気持ちにも多分なると思いますので、是非やっていただきたいと思っておりますし、やはり健康で長生きということは是非メッセージとして掲げていただければと思っているところでございます。
じゃ、最後にもう一問。出産時の国民健康保険料の四か月免除の仕組みについてお尋ねをいたします。
先ほども質問がございました。既に、会社勤めの方は産前産後休業期間の保険料免除がありまして、会社が手続をしてくれると聞いております。今回は国保、国民健康保険も産前産後の四か月免除ができるということでありますが、手続が本人ということで非常に周知も難しくなるのではないかと思っております。
非常に分かりにくい、仕組みも手続も非常に分かりづらいので、この四か月免除について、周知の問題も含めまして御説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/200
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201・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
この国民健康保険の産前産後の保険料の免除、今回提案させていただいておりますが、この場合は、先ほど職域の保険と、いわゆる企業の保険と違いまして、お一人お一人は地域にいらっしゃる方でございます。そして、この産前期間中から保険料免除を受けるためには、例えば産前の場合は出産する以前から出産予定日を届け出ることを認める必要がございますし、また保険者である市町村が免除対象者を確実に把握できるかというとなかなか難しいところがございます。
そういう意味では、しっかりと、届け漏れが生じないように、関係する妊婦さんあるいは産婦さんにしっかりと周知していくということが非常に大事だと考えてございます。それは、リーフレットとかホームページなどで提供するということも必要ですし、あるいは、妊娠届や出産届出の提出の機会、ここを捉まえてしっかりと御案内していくということが必要だと考えております。
今後、具体的な届出の運用につきましては、どのようにすればそういう届け漏れがないかという観点から丁寧に考えていきたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/201
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202・松野明美
○松野明美君 出産の前後というのは、やっぱりかなり御本人も準備とか大変だと思うんですね。そういうときに保険料免除のことを考えるかといったら、恐らくそこまで頭が回らないような状況ではないかなと思っております。
やはり出産後、市町村の窓口に出生届を提出する、それ時点で自動的にということはなかなか難しいものなんでしょうか。済みません、最後にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/202
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203・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) さっきも申し上げましたけれども、産前から届出いただくようなケースもありますので、出生届出では遅いということもございます。
ただ、他方、今先生から御指摘いただきましたように、出生届というのは必ず市町村で把握する機会ですから、そうした場面で届出漏れがないかどうかとかいうことを確認する機会にはなり得ると思いますので、どういう形でやればしっかりとその届出漏れがないかということは考えていきたいと、このように思ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/203
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204・松野明美
○松野明美君 せっかくの良い制度ですから、是非申告漏れがないようにいたしまして、自動的にというのが一番易しいかなと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上になります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/204
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205・田村まみ
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。今日はよろしくお願いいたします。
私も、まず、社会保障制度の持続可能性について最初にお伺いしたいというふうに思います。我が国の社会保障制度の持続可能性に対する現状認識についてです。
全世代型社会保障構築会議の報告書では、全世代型社会保障の構築について、二〇四〇年頃までを視野に入れつつ、足下の短期的な課題とともに、当面の二〇二五年や二〇三〇年を目指した中長期的な課題について、しっかりとした時間軸を持って取組を進めていくことが重要とされております。
この委員会でも何度も触れられておりますし、石田委員も指摘されておりましたけども、私自身も、この時間軸という考え方は少子高齢化が急速に進む我が国において極めて重要な指摘だと、この報告書でも捉えております。
医療提供体制については、特に医療部会の報告書にも記載されているように、二〇四〇年をゴールとした取組がこちらには進められているというふうに、医療部会の方では進められているというふうに承知しています。本法案におけるかかりつけ医機能が発揮される制度整備もこうした取組の一つだというふうに私は理解をしているところでございます。
では、この医療保険制度ですね、医療保険制度については、一体何年頃を見据えた、何年頃までを見据えた改革を今進めていて今回のこの改革になっているのでしょうか。本法案は、全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険等の一部を改正する法律案というタイトルについても、壮大なとかいうようなことで、様々指摘ございました。この本法案のどのような改正によって、この医療保険制度の持続可能性がどの程度延びるのか、どこまでを目的に、目途に進めているのか、持続可能性があるというふうに考えているのか、厚生労働大臣の見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/205
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206・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まず、今回の法案でありますけれども、後期高齢者医療制度の創設後、生産年齢人口の急激な減少、また少子化の流れ、こうした中で、二〇二五年までに全ての団塊世代が後期高齢者となるわけでありますので、そうしたことを踏まえると、高齢者の医療費が増加をしていくと考えられます。そうしたことを踏まえて、全ての世代が能力に応じて医療保険制度を公平に支え合う仕組みを構築し、国民が安心して医療を受けられる基盤の整備を図るということで今回の改正案を提出をさせていただいております。
その上で、委員から、じゃ、どこまでもつのかという御指摘なんだろうと思いますけれども、医療保険制度の運営に当たっては、人口構成がどう変化するのか、経済情勢がどう変化するのか、あるいは、医療技術の高度化等に伴って様々な医療費が変動いたします、そういったものがどうなるのか、こういった点がいろいろありますので、何年まで大丈夫ですというのはなかなか申し上げられないわけでありますので、そういった意味においては、不断に、そうした要因の変化を踏まえながら不断に見直しをしていくことが必要であり、今回の法案でも検討規定を設けさせていただいているところでもあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/206
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207・田村まみ
○田村まみ君 もちろん情勢の変化というのは、私たちのこの新型コロナウイルスの感染症の拡大を迎えたときに、不測の事態というのはまさしく起きたと思いますし、今の気候変動の中での、どのような、何でしょう、自然災害等もあるかも分からない状態の中でという意味でいけば、経済の状況も含めてという大臣の答弁も分かるんですけれども、二〇四〇年を見据えた医療提供体制を構築するということは実際に掲げているわけで、我が国の医療制度は保険料と公費、税が財源のほぼ全てを占めております。この医療保険制度が持続的かつ安定的な財政基盤を確立して運営されているということにならなければ、この改正自体も何を目指していってどこまでを一旦は目途としてやっているかというのがないと、細かな制度でそれぞれが思っている目標を、何でしょう、あるべき姿を描いて今の厚生労働省の改正について質問しているということで、議論がかみ合わなかったりとかなかなか思った答弁が受けてもらえていないなというふうに感じているんじゃないかなというふうに思っています。
やっぱりこの医療保険制度、これの持続可能性みたいなところを、難しいとはいえ仮説を立ててやはり私たちはいろんな制度の構築をしていかなければいけないというふうに思いますので、是非これは難しい中でも出していかなければいけないという認識を持っていただきたいということで質問させて、指摘もさせていただいておきます。
次に、かかりつけ医機能、これについて私も質問させていただきたいというふうに思います。
この衆参、そして参議院の方に議論が移っても、なかなかこのかかりつけ医とかかりつけ医機能についての議論というのが、何でしょう、すっきりしないような議論が続いているというふうに私自身も感じています。
この医療提供体制と外来の初診においてこうあるべきだというのがそれぞれあって、それを疑問としてぶつけていたり、新型コロナウイルスの感染拡大の中でのその状況も踏まえていろんな質問がされていたというふうに思うんですけれども、先ほどの山本理事の質問の中で少し明らかになったというふうに私自身も思っています。かかりつけ医機能とかかりつけ医の報告のところと分けてしっかり議論しなきゃいけないのと、今後、有識者会議に委ねられている部分が多いというところも不明な部分だというふうに思っております。
私は、今改正の中で、かかりつけ医機能が発揮される制度整備としてかかりつけ医機能、かかりつけ医、医療機能報告などが創設されるんですけども、そもそもかかりつけ医機能について医療計画や医療提供体制に関する取組がしっかりと行われてこなかったこと、これがまずかったんじゃないかというふうに厚労省も今回の法案の提出の前で指摘しています。
来年、二〇二四年度から新たな医療計画である第八次医療計画が始まります。それに向けて各都道府県で基本計画を策定するのに当たり、厚労省内の第八次医療計画等に関する検討会で、国が都道府県に示す基本方針や指針の取りまとめも進んでいるというふうに伺っています。
まず、今回の改正の事項であるこのかかりつけ医機能が発揮される制度整備というのは、次期医療計画の中に具体的にどのように盛り込まれていくんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/207
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208・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
現在、今委員御指摘ございましたように、各都道府県において令和六年度から開始する第八次医療計画の策定作業が行われているところでございます。その中で、そういった中でございますけれども、この法案におきましては、医療法上、国が示す基本方針にかかりつけ医機能の確保に関する基本的な事項、そしてまた都道府県の医療計画にかかりつけ医機能の確保に関する事項、これらをそれぞれ定める事項として明記をするということを法案の中に盛り込んでいるところでございます。
そのため、この法案施行後の医療計画につきましては、各都道府県において、国の方針を踏まえつつ、地域の実情に応じて、地域におけるかかりつけ医機能の確保の状況や地域の協議の場における協議の結果、これまで医療計画にもし都道府県で記載があれば、そういったその記載内容も考慮しながらかかりつけ医機能の確保に関する事項の具体的な内容を定めていただくということになるというふうに考えているところでございます。
なお、この法案における医療計画に関する規定につきましては、令和七年の四月の施行を予定しております。
医療計画は、御承知のとおり六年単位で策定しておりますけれども、必要に応じて中間見直しを行うということが可能となっております。そういったことも踏まえまして、次期中間見直しに向けてこれは適切に対応していく必要があるというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/208
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209・田村まみ
○田村まみ君 時期が合わないのかなと思っていたんですが、実際に中間見直しがあるというのは私も承知しています。そこで今回改正がもし行われて、そして有識者会議の中での事項が明らかになっていく中で、しっかり国としてももちろん方針示していただきたいと思いますし、都道府県の中にそれがきちっと盛り込まれていくかというチェックをしっかりしていただきたいと思います。
質問にも入れていたんですけど、質問一個かぶるのでしないことに決めたのが、確保の部分ですね、医師の確保だったり医療提供の確保の部分は、やっぱり計画に書くだけではできないというのは私も同感でありますので、是非、書いたところをどういうふうに実効性高めていくかというのはしっかりと確保の部分でも進めていただきたいということは申し上げておきたいというふうに思います。
この間の衆参の質疑の中で、かかりつけ医機能に関する本法案の改正内容はフリーアクセスや患者の受診行動に介入していくものではないという答弁も度々ありました。
一方で、本改正の案には、医療機能情報提供制度の刷新をしていくということで、国民がかかりつけ医機能を有する医療機関を適切に選択できるための情報提供を強化するということも規定されています。受診行動に介入しないということを前提にと改めておっしゃっていますが。
今後、国民がかかりつけ医を自ら活用できるようにするには、三十条の十八の四の二のイ、ロ、ハ、ニの内容の解釈も相当幅があるというふうに私自身も認識していますし、ホには省令で定めるというようなことも書いてありますけれども、この提供していく情報を強化していく、で、集めていく情報をどういうふうにしていくか、こういうことも含めて具体的に、患者が本当に、その患者だけではなく国民がかかりつけ医を選択していくという意味でのその情報強化というのは具体的にどんな環境整備が必要だというふうに思われているか、答弁お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/209
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210・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
これまで、医療機能情報提供制度におきましては、医療法施行規則などの規定に基づいて、かかりつけ医機能に関する国民、患者への情報提供が行われてきたところでございますが、それらに対しましては、情報提供項目の具体性が乏しい、あるいはその診療報酬の届出状況をそのまま公表しているだけでなかなか内容が一般の方には分かりづらく、国民、患者が実際に医療機関を選択するツールという意味では不十分であるといったような御指摘もいただいてきたところでございます。
このため、この法案におきましては、この制度の充実強化を進めるということとしたところでございます。
具体的には、こうした情報提供項目につきまして、全ての国民にとってその意味合いが十分に理解される分かりやすい内容となるように見直すということとしておりまして、この法案が成立いたしますれば、有識者などの御意見をよくお聞きをして検討していくこととしてございます。また、情報提供の方法につきましても、今は都道府県単位で情報提供しているところでございますが、これも全国統一のシステムを導入することによって医療機関の選択に資するより分かりやすいものに見直していくということとしてございます。
このような取組を通じまして、国民、患者の皆様が、そのニーズに応じてかかりつけ医機能を有する医療機関を適切に選択できるようにしていきたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/210
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211・田村まみ
○田村まみ君 かかりつけ医の機能を有する医療機関というふうにおっしゃるんですけど、それが、国民が分かるかというところがやっぱり今日も議論になりましたけども、一番ポイントになっていくというふうに思います。
かかりつけ医の定義は国にはなくて、医療団体が定めたものは目にするんですけれども、特にかかりつけ医機能を強調されるんであれば、国民、患者側から見てどういうものなのかということを明確な言葉にすることは重要だと思いますし、その連携機能というのは患者から見るとやはり分からないものだと思うんですね。やっぱり一つの医療機関しか見えないわけで、そこの連携というのが、診察も受けていないのに連携が必要かどうかも分からないわけで、そのこと自体が、じゃ、患者の判断に資するかというと、私は、最初に初診で診てもらうというところの中での情報とは少しずれがあるというふうに思います。
どうもやっぱり、患者側とか国民側が初診でかかるときのその医療機関を選ぶという視点がまだまだ抜けているというふうにこれまでの答弁を聞いて感じていますので、そこについては、その有識者というところの中の、そのいわゆる患者、国民というところの目線の部分の意見を言っていただく方をしっかり入れていただきたいというふうにここでお願いをしておきたいというふうに思いますし、午前中、川田委員からも質問あった中で、是非、私も、ここで決まる、この有識者会議に委ねるという部分、正式な会議ないわけですよね、今のところ。
どこの場で、済みません、これ通告していないんですけれども、どういう会議、既存の会議なのか、新しく会議を設置するのか、そこだけ、今日の質疑聞いていて疑問に思ったので、お答えいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/211
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212・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) 今回、この法案に基づいて、これ成立いたしますれば、いろいろと省令なりで詳細を具体的に検討していくということを予定してございます。
そういった際には、これまでも有識者の皆様のいろんな御意見をお伺いしてと申し上げておりますが、具体的にどのような場で行っていくかという点については、まだ具体的にこの場でということを決めているものではございません。
今いろいろと委員からも御意見ございましたけれども、関係の皆様にいろんな御意見をお聞きをしながら、しっかりと整理をして立ち上げていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/212
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213・田村まみ
○田村まみ君 ここが不明なのが一番この疑問が絶えない理由だというふうに思っていますので、私も、是非、この有識者の方々に御意見を伺うという場とメンバーが決まった際には、委員会に報告いただきたいというふうに思いますので、委員長、お取り計らいをお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/213
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214・山田宏
○委員長(山田宏君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/214
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215・田村まみ
○田村まみ君 ありがとうございます。
本改正では、慢性疾病を有する高齢者等に対しての必要な医療を継続的に行う医療機関に対して、都道府県への報告を求める内容が含まれています。都道府県は、こうした医療機関がかかりつけ医機能を有しているかを確認した上で外来医療に関する地域関係者との協議会の場に報告する、また、協議会では、かかりつけ医機能の確保のための具体的な方策を検討、公表することにもなっています。
是非、厚生労働大臣にお伺いしたいんですが、例えば、保険者などがこうした都道府県の報告を基に、患者が任意でかかりつけ医の選択や活用をできるように支援するということは、医療に適切にアクセスをしていくという意味では私は重要だというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/215
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216・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 今でも保険者において、例えば加入者のニーズや特徴を踏まえた保険事業を実施し、加入者の健康保持、増進を図ること、また疾病予防、健康情報、疾病予防について啓発、情報提供を行うこと、さらに医療機関などとの連携を密にし、加入者に適切な医療を提供すること、こういった取組を行っていただいているところでございます。
本案の制度整備においても、こうした取組の実施に当たってこうした制度は活用いただけるものと考えており、保険者において、加入者への情報提供、受診勧奨あるいは任意の情報共有など、独自の取扱いを行っていただくことは可能であると思いますし、また必要に応じ対応していただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/216
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217・田村まみ
○田村まみ君 もう少し踏み込んでお伺いしますが、じゃ、では、患者が自分のかかりつけ医を選ぶとか選べるという自己決定ができるということは重要だというふうに私も思っていて、その保険者がそういう助けをするということも今もやっている取組だというふうに大臣から答弁ありました。
将来的には患者がかかりつけ医を任意で登録する仕組みの導入というのも、まああり得るというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/217
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218・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 今のは保険者と被保険者との関係であります。
登録という仕組みであります。これ、どういう形をつくるかということがまさにポイントなんだろうというふうに思います。一般的に、その定義をすると、そこからどういった法的効果が生まれていくのか、あるいは生み出そうとしているのか、こういったことが当然問われていくわけでありますので、そうしたことを、仮にそうしたことを議論するのであれば、今申し上げた点も含めて幅広く議論していく必要があるんだろうというふうに思っております。
今回はそういった論点ではなくて、先ほど委員がまさにまとめていただいたように、かかりつけ医機能というものをその地域において確保し、そしてそれを当該地域に住む皆さん方が選択できる、自らの選択できる、こういう環境をつくっていこうと、こういう趣旨で今回の法案を出させていただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/218
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219・田村まみ
○田村まみ君 ありがとうございます。
将来に向けてということで、検討の余地はあるのかなというふうに私は今受け止めました。
平成三十年の診療報酬改定において、かかりつけ医機能の評価の充実として機能強化加算が新設されております。今回創設されるかかりつけ医機能報告制度の報告医療機関と診療報酬上の評価について、それぞれ別の制度であるということは先週の芳賀議員の質問で答弁がありました。
一方で、診療報酬上の取扱いの変わりがないのであれば、かかりつけ医機能報告をする医療機関かそうではないかに関係なく、やっぱり機能性加算は取れるということになってしまうんだろうなというふうに先週の答弁で受け止めました。
例えば、小児慢性疾病の患者を診ている医療機関は継続的な治療をしていますので、私はかかりつけ医そのものだと思いますし、加算をしっかり取るべきだというふうに考えますが、本法による報告制度の対象ではないとなっております。
同じかかりつけ医機能という言葉を用いているにもかかわらず、報告制度とこの診療報酬の加算の制度上の整合性というのが見えないというふうに私は考えるんですけれども、これについてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/219
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220・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
現行の医療機能情報提供制度におきましては、機能強化加算を含めた診療報酬の算定状況を報告項目の一部にしてございますが、加算を算定している医療機関がその報告を行わなかった場合に加算が算定できなくなるといったような関係性にあるのではないというところでございます。
その上で、この医療機能情報提供制度につきましては、医療機関が担っている機能を国民、患者の皆様に分かりやすく情報提供して、国民、患者が医療機関を適切に選択できるようにするというものでございますことから、この法案においてその内容を強化をするということとしております。
この法案におきましては、かかりつけ医機能について、身近な地域における日常的な診療、疾病の予防のための措置その他の医療の提供を行う機能ということで、幅広い機能を含み得るように規定しておりますことから、この情報提供の具体的な内容につきましては、慢性疾患を有する高齢者を対象とする機能に限られるわけではなく、これ以外の方も対象とする機能も含めて分かりやすい内容となるように検討していきたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/220
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221・田村まみ
○田村まみ君 誰にどう分かりやすいかということと、医療費の適正化というところについては、私はここをもう少し整合性取って検討するべきだというふうに指摘しておきたいと思います。
次に、出産育児一時金について御質問したいと思います。
異次元の少子化対策たたき台では、出産費用の保険適用について、二〇二六年を目途に導入の検討をしていくというようなことが出ておりますが、岸田総理は、出産費用の保険適用について、全国一律の診療報酬で評価する医療保険制度との整合性をどう考えるかなど課題があると衆議院の厚生労働委員会で答弁をされております。
現状の部分、現状どのような課題があると認識されているのか、また、二〇二六年の導入に向けた工程表をどのように考えているのか、厚生労働省に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/221
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222・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
まず、保険適用に当たっての課題の御質問ございました。
健康保険法上、出産は疾病、負傷とは別の保険事故として位置付けられておりまして、出産育児一時金という形で今まで現金給付が行われておりました。仮に出産を保険適用とするとした場合には、これを現物給付で行うこととなります。この場合は、分娩サービスの内容が標準化されて、一律の価格設定することが可能になると考えてございます。
他方、現状では、妊婦さん自身の自由な選択によりまして様々なサービスが提供されております。その結果としまして、出産費用の地域差、あるいは施設間の間の差も見られる実態がございまして、そこの乖離をどのように埋めていくかという辺りがこの医療保険制度の整合性というときの、間の課題だと考えてございます。
その保険適用の検討に向けた段取りというかスケジュールでございますけれども、出産の保険適用につきましては、今月からの出産育児一時金の引上げを踏まえまして、今後、来年四月から本格実施する出産費用の見える化の効果検証などを行った上で、令和八年度を目途に検討を進めることとしております。
具体的な進め方でございますけれども、今後、出産費用の見える化の本格実施に向けて、まず、本年夏までに有識者による検討において公表項目などの整理を行います。そして、秋以降、医療機関の協力を得まして、必要な情報の収集、それから厚生労働省においてホームページの立ち上げを行いまして、来年四月に本格稼働をしたいと考えてございます。
そして、その後、その見える化されたデータ、これを一定期間、一定期間の部分を集積しまして、令和七年度にかけて見える化の効果等を検証しつつ、出産費用の上昇や地域差の状況に関するより詳細な費用分析を行うこととしたいと考えてございます。
このような作業を経て、分娩に係るサービスの標準化など、出産の保険適用の検討を行っていく必要があると考えてございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/222
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223・田村まみ
○田村まみ君 やっぱりこの議論をしているときに、このサービスという言葉が出るのがやっぱり難しいところなんだろうなというふうに思っております。保険適用の中でのサービス、医療行為、そこをどういうふうに分けていくかということですけど、夏までに有識者に項目を洗い出してもらってというふうな答弁ありました。この出産費用の見える化に向けて、医療行為の費用のみならず、サービスについてもその項目を洗い出して、どういう情報を公開していくかということだったんですけれども、この情報公開をホームページ等でということなんですが、このページの構築並びに運用、この費用はどのように整理をされていくんでしょうか。
今後、保険適用になっていくということになっていけば、この情報も、最初に保険適用に向けての、何でしょう、情報分析していくための必要な情報と、保険適用になった後の必要な情報というのは私は変わっていくというふうに思っています。ホームページなどオンライン上での構築というところもやはり費用掛かっていくと思いますので、それも見越した上でのこの出産費用の保険適用実現に向けてこのページをどういうふうに構築していくかという視点も重要だと思いますけれども、厚生労働省としてはどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/223
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224・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
今般のまず見える化でございますけれども、現在は出産育児一時金という制度でございますので、我々が念頭に置いております見える化は、まさに医療機関等を妊婦さんが選択する際の非常に重要な情報という形で見える化を進めていきたいと考えてございます。そして、それらの掛かる費用、例えばホームページの立ち上げ費用等につきましては厚生労働省において運用していきたいと、このように考えてございます。
それから、先生の方から御指摘いただきました出産の保険適用ということが仮に実施していくということになりますと、中身がちょっと変わってくるのではないかというお話でございます。見える化の趣旨が変わってくるのではないかということではあります。
それは、やはり具体的に、保険適用の結果、どのような取扱いになるかということが見えないと、今の段階ではお答えできませんが、ただ、いずれにしましても、妊婦の方々がどの医療機関で出産をしたいかという、選ぶということは非常に重要な要素でございまして、そのためにもこの見える化というものは必要であると考えてございます。そうした観点から今後も考えていくんではないかと、このように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/224
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225・田村まみ
○田村まみ君 選ぶという視点は大事なんですけれども、どうしても費用負担の話ばかりにこれ議論が行くんですけれども、やはりその医療行為ということで保険適用になるということは、やはりその行為自体の安全性ということが高まっていく、妊婦さんの母体保護につながっていくということが私重要だと思っていて、もちろんその保険適用した後の、じゃ三割負担の負担はどうするんだという議論もありますけれども、私はやっぱりその安全、母体保護というところの視点をしっかり入れていただきたいということと、その後、今必要な情報をたくさん選ぶためには情報が多いにこしたことないわけなので、システム構築のときにどうしても最初費用が掛かると思うんですけど、結局それ要らなくなるって後でなりかねないというふうにも思っていますので、そこのバランスというのはしっかり取っていただきたいなというふうに申し上げておきます。
出産育児一時金の財源確保策として、後期高齢者医療制度の負担増で賄うというふうにされています。そもそも現役世代から後期高齢者支援金の拠出、支援金へ出しているというところで、正直、無駄な迂回をして出していくというふうにしか見えません。全世代で負担していくという体裁を整えるための今回の小手先の何か改正にしか私は見えません。
実務上も後期高齢者支援金と診療報酬支払基金からの出産育児一時金支援を相殺する処理がされるということで、なおさら、あえて無駄な事務費を増やして後期高齢者を巻き込む、そして全世代で出産、子育てを支援している風を装う必要は私はないと考えますけれども、この点についてどう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/225
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226・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
本法案では、繰り返し申し上げておりますけれども、今回の出産育児一時金の引上げに合わせまして、後期高齢者医療制度からその一部を御支援いただくということにしてございます。
そうした中で、今先生からは、後期高齢者支援金をむしろ、あっ、後期高齢者医療制度から拠出する、いただくのではなくて、後期高齢者支援金を減額すれば事務的にも簡単ではないかという御提案だったと思いますけれども、もし仮に後期高齢者支援金から減額するとした場合には、各保険者、その一般の現役世代の医療保険制度に対する支援金、後期高齢者からの支援金を減額する場合の費用は、それぞれの現役世代の保険者の出産育児一時金の支給実績と関わりなく一律に減額することになってしまいます。そうなりますと、出生数の多い保険者の負担軽減にはつながらないということがございます。
したがいまして、本制度では、保険者の事務を簡素化する観点から、各保険者における出産育児一時金の実績に応じて算定した出産育児支援金と後期高齢者支援金とを相殺すると、こういう工夫というか、事務的な簡便な扱いとさせていただいているんでございまして、後期高齢者支援金を一律に減額するという仕組みでは、やはり若い人への支援という意味では達成できないと、このように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/226
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227・田村まみ
○田村まみ君 その説明も一理あると思うんですけれども、この制度が複雑になっていくということだったり、実際に一番問題なのは、やはりこの財政の調整というところが度々起きているという点だというふうに思っております。前期財政調整制度における報酬調整と同時に、健保連への財政影響から国費での支援を投入する措置を講じるということ、これも事務負担を含めて適切な判断なのでしょうか。
また、今後のこの導入範囲を三分の一までに今回はとどめましたけども、これも議論ありました。将来この範囲の拡充やこれ以上の財政調整が行われないようにするべき点を聞くと、それはなかなか今の状態では明言できないというふうな答弁が多くなっております。根本的な対応、解決策に至っていないから、今後のこの三分の一というものがいつまで守られるものなのか、これ以上負担が大きくならないというふうに答弁できないのではないでしょうか。
大臣、これ、小手先の、何でしょう、対応だというふうになっているというふうに認めていただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/227
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228・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の前期財政調整で、被用者保険者間で報酬水準に応じた調整、いわゆる報酬調整を部分的に導入する見直しについては、被用者保険者間で報酬水準の低い保険者の負担が相対的に高い状況が生じていること、世代間のみならず、現役世代内でも負担の有無に応じた仕組みを強化する観点から、現役世代の保険料負担をより公平なものとしていくため被用者保険者一律の枠組みとして実施するもので、全ての世代が能力に応じて社会保障制度を公平に支え合う仕組みの構築に向けての対応というふうに考えております。
その上で、この報酬調整の導入範囲については、社会保障審議会医療保険部会において、格差是正のためには、報酬水準に応じた調整により前期財政調整を整備化することに合理性を認めるという意見があった一方で、保険者機能への配慮や保険者、労使の理解の必要性といった御意見もあり、調整対象額の三分の一にとどめることとしたところであります。
今後のその導入範囲については何らかの考えが今固まっているわけではありませんが、いずれにしても、保険者の自主性と自律性、保険者間の公平性の観点から、今回の報酬調整の導入による格差是正の効果、また各保険者に与える影響、これらもしっかり見極めながら考えていく必要があるというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/228
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229・田村まみ
○田村まみ君 特定健診や予防指導や健康づくりを通じて後期高齢者支援金の加算や減算制度が図られている点からも、この報酬調整が入っていくということは、保険者の努力のインセンティブ、この措置がどんどん減っていっているんではないかというような指摘もありますので、是非、この報酬調整というところに頼るようなその制度の改正というところを抜本的に変えていくというような対応をお願いしたいと思います。
前期高齢者給付金の拠出に当たっては、現行制度では加入者数に応じた調整が図られています。本見直しで各保険者の一人当たりの総報酬に応じた調整が図られた上に、既存制度の同様の加入者数に応じた調整をまたすると、調整に調整を重ねると、後期高齢者支援金の拠出においても加入者数と全面総報酬割という、調整に調整というものが入っていくということになっています。
現役世代から見ると、前期、後期の両方に、もう調整に調整に調整ということで、どんどん制度が複雑になっているというふうになっています。継ぎはぎの制度の見直しでは、全世代だったり世代間の公平性というよりかは、本当に保険制度における負担と受益の関係性が更にゆがんでいくというふうに考えます。高齢者医療制度そのものの抜本的な見直しが、大臣、必要だと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/229
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230・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 高齢者の医療制度について、過去様々な制度改革を経て、現在の後期高齢者医療制度、前期財政調整制度に至ったわけであります。
昭和四十八年に老人医療費の無料化、それに伴う老人医療費の急増、保険財政への大きな影響、そういったことから昭和五十八年に老人保健制度が創設されて、その後五十九年に退職者医療制度が創設され、そしてさらに平成二十年に後期高齢者医療制度を創設し、高齢者と現役世代の負担割合の明確化を図ってきたところであります。
また、前期高齢者については、退職者医療制度を廃止して、その医療費、医療給付費を保険者間で調整する新たな仕組み、まさに前期財政調整制度の導入を図ってきたわけであります。
また、それ以降も、後期高齢者制度あるいは前期財政調整制度の創設以降も、高齢者の医療費が増加する中で、被用者保険間の格差を是正し負担能力に応じた負担とする観点から、総報酬割の導入など様々な見直しも行ってきたところでございます。
冒頭ありましたけれども、二〇二五年までに全ての団塊の世代が七十五歳以上となる中、医療保険制度の持続可能性を確保し、そしてこの制度を次の世代にしっかり引き継いでいく、そうしたために今回もこうした改革の案を提出をさせていただきました。
さらには、今後、支えとなる、中心となる生産年齢人口の減少、あるいは高齢者人口の長期的な減少に転じると、こういった人口動態の変化もございます。
さらには、医療の、医療技術の進捗等々も踏まえて、この後期高齢者医療制度の在り方を含め、医療制度全般に対して不断に検討していく必要はあるというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/230
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231・田村まみ
○田村まみ君 不断の検討は私も必要だというふうに思うんですけども、不断ではなくて、今の状況変化、そして歴史を今大臣がお話しいただいたとおりで、今ここで抜本的な改革が必要だという指摘をさせていただいておるわけです。今回のは、改革ではなくて、ちょっとした制度変更にしか私は捉えられません。
持続可能な医療保険制度というところに戻りますけれども、今日、国税庁の参考人来ていただきました。これまで、医療保険制度改革の議論の中で必ずと言っていいほど課題に挙げられてきたのが所得捕捉の問題、あと金融の資産、金利の捕捉の問題です。税務においても、給与所得者とそうでない自営業者との間での所得捕捉率にも差がある、公平性を損なっているとの指摘が度々されております。
平成二十七年のマイナンバーの導入によって少しそれが解消するのかというような期待もありましたけれども、今、税務における所得捕捉の向上に向けた取組についてお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/231
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232・植松利夫
○政府参考人(植松利夫君) お答えいたします。
マイナンバー制度が導入されまして、確定申告書や法定調書等にマイナンバーが記載されることになりましたけれども、このマイナンバーを用いることによりまして法定調書の名寄せや申告書との突合などがより効率的かつ正確に行えるようになっており、所得捕捉の効率化、適正化につながっていると考えております。一方、例えば一般の消費者を対象とする小売業やサービス業に係る取引などについては法定調書の対象となってないところでございます。
したがいまして、マイナンバー制度が今後更に定着したとしても、依然として全ての所得を正確に把握することには限界があるものと、こういうふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/232
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233・田村まみ
○田村まみ君 過去の有識者の推計や内閣府の経済白書を見ると、大きな流れとしては所得捕捉率は改善傾向だというふうにありますけれども、この点については、やはりこの医療保険制度を含めて社会保障費、この部分を議論するときには大事なポイントになっていくと思いますので、これは厚労省としてもやはり重要な視点だということで、是非しっかりと関わっていただきたいというふうに考えています。
その上で、どのような制度がいいのかという議論、不断の見直しをということだったんですけれども、以前から、この後期高齢者医療制度の創設前に行われた議論では、独立保険方式、突き抜け方式、年齢リスク構造調整方式、一本化方式の四類型で議論が様々な場で行われておりました。
大臣、今日、この議論でこれからどれがいいかという話ではなくて、一般的に、いろんなそれぞれ問題があるというのも指摘があったので採用されていないというのは私は認識していますけれども、最も持続可能性が高い、財政的に安定が見込まれるという類型、それはどれだというふうにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/233
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234・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まさに後期高齢者医療制度の創設に当たって、委員御指摘の四つの方式が提案され、それぞれメリット、デメリットがあり、また保険者の自主性、自律性、保険者間の公平性などからも議論がされ、約十年にわたってかんかんがくがく議論した結果として現在の姿になったというふうに承知をしております。
施行から十五年が経過しているわけで、それは、制度として定着し、そして安定的に運営されているということでありますので、現行の制度をより持続可能なものにしていく、このことが大事だというふうに認識をしているところでございます。そういった観点から、そのために必要な措置として、今回もその具体的な見直しの点を提案させていただきました。
ただ、これで終わりということではないのは議員御指摘のとおりであります。今後においても、医療保険制度を持続可能性を確保して将来世代に引き継いでいく、そのために、これからいろんな要因変化も出てくる可能性もあります。そうしたことも踏まえながら、不断に改革をしていく。そして、何といっても、我が国の誇る国民皆保険制度、これをしっかり次の世代に引き継いでいく、このことが大事だというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/234
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235・田村まみ
○田村まみ君 財政的に最も安定する方策というのが一般論的にどれかというのがお伺いしたかったんですけども、今日は一旦これで質疑終わりたいと思います。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/235
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236・倉林明子
○倉林明子君 日本共産党の倉林です。
二〇二四年の四月に迫りました医師の働き方改革について質問したいと思います。
改革に当たって、勤務間インターバルの確保が義務付けられ、これ実質的には連続勤務は二十八時間と、これ義務付けとなるはずですけれども、いかがですか。確認です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/236
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237・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
特例水準が適用される医師における勤務間インターバル及び連続勤務時間の制限でございますが、通常の日勤の場合には、始業から二十四時間以内に九時間の連続した休憩時間の取得、すなわち連続勤務時間を十五時間に制限すること、また、宿日直許可のない宿日直に従事する場合には、始業から四十六時間以内に十八時間の連続した休憩時間の取得、すなわち連続勤務時間を二十八時間に制限することというふうにしておりまして、議員御指摘のとおり、連続勤務の時間は二十八時間以内になるものと承知してございます。
ただ、C1水準が適用される臨床研修医につきましては、一日ごとに確実に疲労を回復させるという観点から、勤務間インターバルの九時間を必ず確保して連続勤務時間を十五時間に制限するということとしておりまして、また、臨床研修における必要性から指導医の勤務に合わせて二十四時間の連続勤務とする必要がある場合には、二十四時間の連続勤務を認める一方で、その後の勤務間インターバルを二十四時間としているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/237
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238・倉林明子
○倉林明子君 確実にその宿日直含めて二十八時間連続勤務ということが守られないと、働き方変わらないと思うんですね。これ、明記もして、徹底をしていくということは求めたい。
そこで、医師に過労死ラインの約二倍となる年間千八百六十時間という時間外労働を認める特例水準、B、Cということでありますが、これ審査を受けるための申請状況について確認をしたい。水準ごとにそれぞれ何件出ていて、医師数は何人になるのか。あわせて、宿日直の許可件数、これ、過去三年間、直近までの実績で御紹介ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/238
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239・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) 今委員御指摘ございましたように、令和六年の四月以降、兼業、副業先も含めた医師の時間外・休日労働時間の上限については年九百六十時間が原則となりますが、都道府県知事による指定を受けた医療機関については、これが年間上限千八百六十時間となる特例水準が適用されてまいります。
この指定でございますけれども、医師の労働時間の短縮に係る取組状況等について医療機関勤務環境評価センターによる評価を受けるということが必要となっておりまして、特例水準別の審査申込件数自体はちょっと詳細把握してございませんが、全体の件数は令和五年四月十八日時点で六十九件と承知をしております。
また、都道府県知事による特例水準の指定は医療機関に対して行われるものではありますけれども、やむを得ず長時間労働となる医師は指定を受けた後に医療機関内で特定する必要がございます。
現在、医療機関においては、医師の働き方改革の施行に向けて医師の労働時間短縮に向けた取組を進める中で、長時間労働となる医師がどの程度の人数になるのかといった確認を行っていただいているというふうに認識しております。今後、特例水準の指定申請に向けた取組を進める中で、対象となる医師の人数についても少しずつ大枠が明らかになってくるものと承知をしております。
また、宿日直の許可件数についてお尋ねございました。令和二年が百四十四件、令和三年は二百三十三件、令和四年は千三百六十九件というふうになっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/239
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240・倉林明子
○倉林明子君 千三百、最後のところ、ごめんなさい、数字聞き取れませんでしたので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/240
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241・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) 失礼いたしました。
令和四年は千三百六十九件となっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/241
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242・倉林明子
○倉林明子君 宿日直の許可件数が昨年に入って非常に伸びております。今御紹介あったとおりです。
基準、この宿日直の許可基準というのは、令和元年に見直しがされて以来、これ変わっておりません。資料でも、厚労省のホームページから取りましたけれども、一、二、三、四と条件がありまして、三番目、宿直の場合、夜間に十分睡眠が取り得ることが必要だと、こういう許可基準なんですね。宿直でも通常の業務がある実態というのは大きな変化ないんですね、今の現状の働き方で見ていますとね。ましてコロナ禍でしたので、医療逼迫を繰り返していたのも現場なんですね。
それなのに何でこれだけ爆発的にと言ってもいいほど許可件数が増えたのか、御説明いただきたいし、医療機関の宿日直の許可申請に関するQアンドAというのを出しておられます。その中で、問い五の答えの部分だけ読み上げて御紹介いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/242
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243・鈴木英二郎
○政府参考人(鈴木英二郎君) お答えいたします。
該当箇所を読み上げさせていただきます。
宿日直許可を受けた場合には、その許可の範囲で、労働基準法上の労働時間規制が適用除外となります。今後、令和六年四月から医師の時間外労働の上限規制がスタートしますが、宿日直許可を受けた場合には、この上限規制との関係で労働時間とカウントされないこと、勤務と勤務の間の休息時間、勤務間インターバルとの関係で、宿日直許可を受けた宿日直、九時間以上連続したものについては休息時間として取り扱えることなど、医師の労働時間や勤務シフトなどとの関係で重要な要素になることが考えられますという記述でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/243
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244・倉林明子
○倉林明子君 回答、答弁は簡潔でいいんですけれども、聞き取れるようにはっきり言うていただくと有り難いと思います。
宿日直許可について、これ、医師の働き方改革として使えるというような表記になっているんですよね。
私、ここで、全国の勤務医の労働実態を調査したものとして、二枚目に資料を入れておきました。二〇二二年度の調査になっておりまして、勤務医労働実態調査二〇二二実行委員会が取りまとめたものから部分を抜粋したものであります。これ、上が宿直の内容で、回答は七千五百五十八名ということで、相当な回答数が得られているものです。八時間宿日直に、宿直許可要件ということで、先ほど言いましたように寝れるということが大事なんですね、十分な睡眠時間取れると。ところが、これ見ますと、寝れているのは二割程度で、八割は仕事あるわけですね。通常業務と変わらないというような回答も見受けられました。さらに、その下が宿直明けで、六五・七%が通常勤務となっていると。
こうなりますと、三十数時間の連続勤務と、連続労働ということで常態化しているというわけですね。こうした実態がありながら宿日直としてお墨付きのようなものを厚労省が与えれば、これ二十八時間を超える連続勤務と、これ許されることになるんじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/244
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245・鈴木英二郎
○政府参考人(鈴木英二郎君) お答え申し上げます。
医療機関に関します労働基準法第四十一条に基づきます宿日直許可につきましては、労働基準監督署におきまして、特殊の措置を要しない軽度の又は短時間の業務に限る、宿直の場合は夜間に十分な睡眠が取り得るものであるものに限るなど、宿日直許可基準、今の、先ほど委員が御指摘されたものでございますけれども、に適合しているものに限って許可の判断を行っているところでございまして、許可基準に適合しなければ許可することはございません。
その上で、特例水準が適用される医師の勤務間インターバルにつきましては、宿日直許可のない宿日直に従事させる場合であっても、始業から四十六時間以内に十八時間の連続した休息時間を確保することとしているところでございます。
このため、私どもが許可していない、許可基準に適合していない勤務につきましてはこれが適用されますので、二十八時間を超えて連続して行うことはできないこととなると考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/245
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246・倉林明子
○倉林明子君 そうなんですよ。できないことになるんだけれども、宿日直許可をいっぱい出しているんですね、今。それが結局、先ほど読み上げてもらった、早口で余り分からぬかったと思うんですけれども、宿日直許可を受けた場合はその許可の範囲で労働時間規制が適用除外になりますと言うて説明しているんですよ。
それだけじゃなくて、宿日直許可を受ければ、賃金は最低三分の一でいいということになるわけですよ。QアンドAでは、それだけじゃないんですよ、救急や産科でも許可できますという回答しているし、回数制限についても例外を紹介すると。まるで基準逃れの指南書みたいやと私は読んで思いました。
全国の医師ユニオンに対して、厚労省から、一時間に五人程度の患者を診察しても宿日直許可を申請してもよいという指導が、一つじゃないんですよ、複数の医療機関に行われているという相談寄せられています。厚労省はこうした指導を行っているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/246
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247・鈴木英二郎
○政府参考人(鈴木英二郎君) 私ども厚生労働省本省からそのような指導をしろという指示を出したこともございませんし、労働基準監督署又は令和四年四月から設置しております医療機関の宿日直許可の申請に関する相談窓口においてもそのような相談は行っていないと承知しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/247
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248・倉林明子
○倉林明子君 いや、どっちかがほんまのこと言うてないということですよ、そうなったら。
実際にそういう相談来ているという声を私、紹介したんです。医師の労働時間規制の形骸化になりかねないからですよ。そういうことを厚労省が誘導するなんていうことはあってはならないということは指摘しておきます。
厚労省は、二〇三五年に千八百六十時間の特例は解消するということを目標としているわけです。過労死水準の二倍にも達する長時間の、長時間労働の解消というのは、医師の命を守るという課題なんですよ。待ったなしです。地域医療を守るという課題あります、確かに。どうやってこの労働時間を短くしながら地域医療を守るのかと、医師の働き方改革を、これ両立させていくという課題が大きいんだけれども、これ、その宿日直の許可ばんばん出して解消しようとすると、結局長時間労働が是正されないということになるわけですよ。
私は、抜本的な医師の増員が不可欠だと、働き方改革にとって。医師の養成数を両立に見合った数に引き上げるべきだ。これは大臣、どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/248
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249・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) まず、医師の働き方改革については、来年四月の施行に向けて着実に準備を進めていく中で、今委員お話しのように、一方で、医師の健康を守り、同時に地域医療を確保していくということが必要であります。そのため、都道府県や医療機関を対象に施行に向けた準備状況や地域医療への影響に関する実態を把握しながら、例えば、都道府県と連携し、対象となる医療機関に対して勤務環境の改善や医師確保に関する支援を行っているところであります。
医師数の話がございましたが、平成二十二年から令和二年までの十年間で全国で約二十九・五万人から約三十四万人と四・五万人増加をし、直近の医師需給推計、これ令和二年度でありますが、医師の働き方改革に関する検討会報告書を踏まえ、労働時間を週六十時間、年間九百六十時間に制限した場合、令和十一年頃には需給が均衡すると推計をされているところであります。
しかし、他方で、地域や時間帯によっては医師が不足する場合もあるわけで、そうした場合の医師確保については、特定の地域や診療科での勤務を条件とする地域枠を医学部定員に設定する、医師が不足する医療機関に医師を派遣できるよう、地域医療介護総合確保基金による大学病院等への寄附講座の設置、非常勤講師の確保経費への補填等の取組を支援をしているということでございます。
こういった措置をとりながら、医師を確保しながら、働き方改革、そして地域医療提供体制の確保、これを一体的に進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/249
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250・倉林明子
○倉林明子君 増やしてきたと、いずれ足りると、そう言うて抜本的な増員をしてこなかったから、医師が過労死するような長時間労働を現場で強いられていると。正面から向き合って増員に踏み切るべきだということを強く申し上げたい。
次に、看護師です。看護師は、昨年度末の大量離職の状況に加えまして、新卒看護師の採用が今困難になっております。看護体制の確保が厳しいという実態についてどうつかんでいるか、そしてその要因はどうか。簡潔に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/250
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251・榎本健太郎
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
看護職員の離職状況につきましては、日本看護協会が行っております病院看護実態調査によって把握をできるところでございますが、例年、当該年度の離職状況は翌年度末に公表されるということから、現時点において、令和四年度の看護職員の離職状況のデータは把握ができているところではございません。
なお、あくまで参考ではございますけれども、幾つかの医療機関からお伺いしたところでは、直近である昨年度の状況において、看護職員の離職が多くなっているとする医療機関もあれば、そうでないとする医療機関もございまして、医療機関ごとに離職の状況は異なっているというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/251
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252・倉林明子
○倉林明子君 いや、そんなのんきなこと言うてる場合じゃないんですよ。
日本病院協会が、今数が出ていましたけれども、調査したところ、六割の病院で看護師の採用計画が達成できていないと、そこに離職も相次いでいると、そういう状況なんですよ。逼迫しているんです、そういう意味ではね。
日本看護協会の調査によりますと、看護師の離職率は新卒で二・〇%、既卒で一・九%増えているということになっているんです。新卒離職率というのは、これ二〇〇五年度以降で初めて一〇%超えなんです。
今年度の新卒というのは、丸々コロナ禍で養成されてきております。学生生活を、そういうコロナで制限を受けざるを得なかった世代が来るわけですね。実習制限も多かっただけに、就職する新卒の看護師さんも受け入れる方も非常に不安だし、それが今の採用計画達成できないというような状況にもつながっているんですよ。私は、直ちに今、現場つかむ必要あるということを強調したい。回らなくなりますから。
看護師の処遇改善ということで、一つ質問します。
看護師の離職防止に対して処遇改善欠かせないわけで、令和三年度に実施された看護職員処遇改善事業補助金、引き続きこれが処遇改善評価料ということになりました。賃上げ効果どれだけあったのか。額で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/252
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253・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) ちょっと金額については把握できておりませんけれども、まず……(発言する者あり)よろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/253
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254・倉林明子
○倉林明子君 これ看護協会調べていましてね、額でいいますと、給与で三千円から四千円ということは、増加はあったというデータ出ています。
この処遇改善の最大の問題は何かというと、救急搬送件数が年間二百件以上と、医療機関、こういう限定付けて、そこで働いている看護師ということにしたことなんですね。就業している看護師の三四%に対象が限定されています。
訪問看護ステーションの看護師は、コロナになってもどこにも入院できないと、家に戻ってくる患者さんたちを支えるために私たちは頑張ったと、病院で働く看護師も在宅で働く看護師も差はないと。もう本当ですよ。こういう声を受け止めるべきだと。直ちに、看護職員の処遇改善評価料というのは、全ての看護職員を対象とすべきだと、チーム医療で頑張っている全ての医療従事者にも手取りでしっかり三パー上がるような引上げに踏み出すべきだと思います。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/254
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255・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) 御指摘いただきました、全ての看護職員を対象とすべきではないか、全ての医療従事者が三%の賃金引上げになるような措置を講じるべきと、こういった御指摘でございます。
今後、まずは、今般行いました処遇改善の措置が職員の給与にどのように反映されるかなどにつきまして、令和六年度の診療報酬改定に向けた議論の中で検証していくということにしてございます。
あわせまして、令和三年十二月の公的価格評価検討委員会の中間整理を踏まえまして、費用の使途の見える化を行いながら、現場で働く方々の処遇改善、業務の効率化、負担軽減に取り組んでまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/255
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256・倉林明子
○倉林明子君 いや、物価は上がっているしね。賃金も本当に三%目標にして上げようといって、総理が言わはって始まったことですよ。届いていないんですよ。検証をこれからしてぼちぼちというような段階ではないので、速やかに引上げに向けた作業入っていただきたいと思います。
本来、提供した医療行為に対して支払われるのが診療報酬と。対象病院か否かで患者負担に差が生じる、医療費負担の差額を合理的に説明できるものではないんですね、今。看護師間の賃金格差をつくる、チーム医療を支える他の医療従事者との分断をつくると、こういうことは本当に見直すべきだと。公定価格だからこそ政府の決断で実行すべきだと申し上げておきます。
次に、日本医労連が毎年やっています夜勤実態調査の二二年度分がまとまりまして、それを見ますと、更に状態は悪化しております。二交代、長時間夜勤の病棟というのが増え続けているんですね。で、とうとうこれが交代制勤務を取っている病棟の四五%って、これ過去最多になりました。
コロナの感染、濃厚接触者が出るという年でもありました。出勤停止が相次いで夜勤回数が増えたと。夜勤免除者とか配慮者への風当たりが強まったというわけですよ。そりゃそうですよ。そうなったら、夜勤してくれということで頼まれたらもうできないといって辞めていく職員も目立つという現場の実態があります。
ILOの議論が先ほどもありましたけれども、批准してない条約なんだけれども、ILOでは看護職員のため労働条件等について条約採択しているんですね。あわせて、勧告も採択しております。その中身で見ますと、一日八時間、時間外も含めて十二時間以内と、勤務間インターバルは十二時間、これがILOの示している時間なんですね。
せめて、日本看護協会の要望でも繰り返されております十一時間インターバルの確保、十三時間を超える長時間夜勤の回避、これね、義務化しなあかんの違うかと。財政的な保障と併せて実行を求めたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/256
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257・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) あのコロナ禍において、本当に看護、現場の皆さん方が感染のリスク、また等々ある中で、本当に献身的に対応していただいた、このことはしっかり認識をしておかなきゃならないと思っております。
その上で、その医療提供体制を安定的に運営していくために看護職員の方々が安心して働き続けられる環境整備を図ることは重要ではありますが、御指摘のように、労働時間規制を上乗せで強化することについては、現に運営されている各医療機関の診療体制、ひいては地域医療の提供体制にも影響があるということが想定されるため、慎重な検討が必要ではないかと考えています。
ただ、その上で、厚労省として看護職員の勤務環境の改善を図ることは大変大事であります。地域医療介護総合確保基金により、勤務環境改善に取り組む医療機関に対して総合的、専門的な支援を行う医療勤務環境改善支援センターの運営に対する支援のほか、診療報酬における看護職員の夜間配置に係る加算において、看護職員の夜間の勤務負担軽減に資する取組を行っている場合評価するなどの支援措置も講じているところであります。
引き続き、看護職員の方々の勤務環境の整備に向けた取組を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/257
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258・倉林明子
○倉林明子君 それでどんどん悪化しているんですよ。
一九九二年、やっぱり看護師不足が社会問題化して、看護師確保法が制定されました。そのときに基本的な指針が同時に策定されまして、指針の処遇の改善の項にはどうあるかと。夜勤負担の軽減として、複数、月八日以内の夜勤体制の構築が明記されたんですよ。あれから三十年ですよ、三十年。悪化しております。
三交代制よりも負担の重い二交代制に移行して、夜勤の、長時間夜勤がどんどん広がっているわけですよ。回数も守られておりません。夜勤は複数、月八日以内、これ義務化するということから始めないと、現場の状況は改善しません。それを可能とする思い切った増員も本当に必要だと申し上げたい。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/258
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259・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 夜勤負担の軽減など勤務環境の改善、これ大事であります。
夜勤を実施する看護職員等の人数については、診療報酬において、一般病棟、結核病棟及び精神病棟の場合は看護職員を二人以上、療養病棟の場合は看護職員一人と看護補助者一人の計二人以上を配置することの措置をしております。
また、夜勤の回数については、労働時間等見直しガイドラインにおいて、夜勤が通常の労働時間と異なる特別な労働であることに鑑みて、事業主に夜勤の回数の制限を検討するよう努めていただくこととしておりますが、一律に看護職員の夜勤回数を制限することについては、先ほども同様でありますが、現在の診療体制あるいは地域の医療体制に影響があるというふうに懸念をしているところであります。
しかし、夜勤負担の軽減を進めることは重要であります。地域医療介護確保基金によって、仮眠室、休憩スペース等の新設、拡張に対する支援、また、一部看護職員に夜勤負担が偏らないよう、診療報酬において、夜間の看護職員の配置や看護職員の夜間の勤務負担軽減に資する取組を実施している場合の評価、こういった取組を行っております。
また、看護職員の確保でありますが、就業する看護職員数は令和二年で約百七十三万人と、この十二年間で三十三万人増加もしているところであります。
今後も、夜勤負担の軽減のほか、看護師等養成所や病院内保育所の運営に対する財政支援など、新規の養成、復職支援、定着促進、この三本柱を中心に取組をしっかりと進めさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/259
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260・倉林明子
○倉林明子君 あのね、医療提供体制の確保は国の責任なんですよ。看護師がばたばた辞めるような状況というのを本当に緊急に何とかしないといけないと。ちょっと現場行って様子把握していただきたい。
終わります。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/260
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261・山田宏
○委員長(山田宏君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、若松謙維君が委員を辞任され、その補欠として山本博司君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/261
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262・天畠大輔
○天畠大輔君 れいわ新選組の天畠大輔です。
医療と介護の複合ニーズへの対応について質問します。
代読お願いします。
日常的に介助を必要とする障害者が入院する際、その医療機関で介助者の付添いが可能か否かという情報はとても重要です。
少し長くなりますが、昨年、私に届いた当事者からの切実な声を御紹介します。脊髄性筋萎縮症という進行性の難病で、日常的に介助を必要とする方です。
読み上げます。
介助者の付添いがない入院の場合は、そのことによって助からないのではないかという思いが強く、とても恐ろしくて、この病院ならば介助者の付添いを認めるという病院の場所を知るすべがあればと思いました。病院により圧倒的な差があり、あそこの病院なら助かるけど、あっちの病院に行ったら丁寧に対応してもらえないから死んじゃうよなど、実際に障害特性に対する対応差で亡くなった方があるなどの声を聞き、一日も早く必要な人に対する介助者の付添い入院を認めることの徹底をと、当事者として切に願っています。それらのことが改善されることなく、元々基礎疾患があったのだから死んでも致し方ないよねと、それだけで片付けられてしまうとしたら、死んでも死に切れないだろうと感じます。日常の少しの足りない部分をお手伝い、お世話することが介助ではない、介助って全てと言っても過言ではないくらい、私たちの人権そのものなんだということを医療や介助の現場の方々に分かってほしい、介助保障は私たちの命そのものだから、医療と介助とで連携をして一緒に助かりましょうと動いてくださる医療、介助の現場が、少しでも、少しでも増えてほしい、この声が届くように、届きますようにと、切に願うばかりです。
以上が手紙の内容になります。
大臣、いかがでしょうか。基礎疾患や慢性疾患のある重度障害者は、国公立の医療機関がかかりつけである場合があります。今回の法改正では、国民、患者がそのニーズに応じてかかりつけ医機能を有する医療機関を適切に選択するための情報提供の強化とうたっています。しかし、重度障害者の場合、日常的な診療、疾病の重症化予防のためにかかっている医療機関でさえ、完全看護体制や感染対策を理由に、入院、療養の際に介助者の付添いを断られる事例があります。これまでも厚労省は入院時の介助者の付添いが可能である旨の事務連絡を出していますが、現実には断られるケースが相次いでいます。
今回の法改正では、かかりつけ医機能を持つ医療機関が、夜間対応、地域包括ケアシステム等との連携など、国民に向けた情報提供をすることになっています。大臣、この情報提供項目の中に入院時の介助者の付添いが可能か否かの項目を加えるべきではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/262
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263・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 今後、複数の慢性疾患、また、医療、介護の複合ニーズを有することが多い高齢者の更なる増加が見込まれるなどの中で、在宅を中心に入退院を繰り返し、最期はみとりを要する高齢者を支えるため、身近な地域における医療機関において、在宅医療や介護との連携に加えて、入退院の支援の機能を地域において確保していくことが重要であります。
こうした観点から、日常的に介助を必要とする障害者の方々が入院する際には、特別なコミュニケーション支援が必要な場合の対応も含め、その方の障害特性や必要な配慮を踏まえた受入れ医療機関の対応に関する情報が必要になる場合もあると考えております。
具体的には、病院のスタッフなどでは障害特性に合わせた介助が十分にできないような場合には、介助者の付添いが可能であるかどうかといった情報がそうした事例に該当すると考えております。
この点、今般の改正について御議論いただいた社会保障審議会医療部会の意見の中でも、情報提供項目のイメージとして、高齢者、障害者、子供など、対象者別に項目を整理することについて提案がなされたところであります。法案が成立し、医療機能情報提供制度において、法案が成立すれば、医療機能情報提供制度において報告を求める具体的な項目などについては有識者などの意見などを踏まえ検討させていただくこととなりますが、こうした医療部会からの提案も踏まえつつ、さらに今御指摘のありました入院時の介助者の付添い対応の可否を情報提供項目とする必要があるかどうか、こういった点も含めて議論を進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/263
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264・天畠大輔
○天畠大輔君 是非進めてください。しかし、それだけでは解決しません。代読お願いします。
介助者の付添いを断る病院側の意識は正しいと言えるでしょうか。障害者、特に重度の人が必要とするケアの個別性の高さは、理解や体得に一定の時間が掛かります。
医師の養成課程では、現在、国の方針として障害福祉実習は義務付けられていません。日常的に介助を必要とする人と接した経験や、想像力を持つ医師を増やしていくことも必要です。また、現場の看護を取り仕切る看護師の養成課程で、高齢者向けのマニュアルにのっとった介護は学んでも、障害者の介助や制度について学ぶ機会が余りにも限られていることも危惧しています。
現在、私の介助者として、作業療法士の養成課程で学ぶ学生さんが働いてくれています。患者を治す医療から、治し、支える医療の担い手として、病院などの施設実習だけでは得られない生きた学びを経験されています。
医療と福祉の連携をスムーズにすることが疾病の重症化や医療ミスを防ぐことにもつながります。入院時の介助者の付添いを情報提供項目に入れるだけではなく、幅広い検討をしていただくよう求めます。
次に、現在、医療機関で設置されている地域連携室の医療ソーシャルワーカーについて伺います。
資料一を御覧ください。
入院、療養や、在宅医療への移行、介護サービスとの連携など、その役割がますます求められる医療ソーシャルワーカーですが、その地位は不安定です。かかりつけ医機能をよりよく発揮するために、医療提供項目に医療ソーシャルワーカーの在籍の有無も加えるべきと考えます。
大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/264
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265・加藤勝信
○国務大臣(加藤勝信君) 医療ソーシャルワーカーは、病院等の医療現場において、患者の方に対し、心理的、社会的、経済的な問題の解決に向けた援助のほか、退院や社会復帰に向けた援助を行っております。疾病を有する患者の方が地域や家庭で自立した生活が送ることができるよう、社会福祉の立場から援助を行う役割を担っているところであります。
この法案の内容について議論した中で、社会保障審議会医療部会から、入退院時の支援など、他の医療機関との連携の具体的な内容などについて、情報項目として整理するよう提案がなされているところであります。
そうした点も踏まえ、今後、有識者の意見を踏まえながら、検討する医療機能情報提供制度における報告を求める具体的な項目として医療ソーシャルワーカーの在籍の有無を入れる必要があるかどうか、こういった点についても議論していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/265
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266・天畠大輔
○天畠大輔君 代読いたします。
是非検討を進めてください。
次に、今回の法改正では、これまで支払基金や国保連が行ってきた診療報酬請求書審査を医療費適正化も目的にするとの条文改正があります。これに関連して伺います。
虐待による逮捕者が出た東京都八王子市の精神科、滝山病院についてのNHKドキュメンタリーでは、この病院の院長が過去に診療報酬の不正請求をしていた朝倉病院の院長と同一人物であること、かつ現在も多額の理事長報酬があると示唆されています。
政府参考人から、医療法人における診療報酬の不正請求等はどのように明らかになるのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/266
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267・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
健康保険法に基づく指導監査に関しまして、個別事案についてのお答えは差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げますと、患者や保険者、医療機関の従事者などから地方厚生局に対して保険医療機関等による不正、不当な診療報酬請求の疑いに関する情報提供があった場合などは、その内容を精査の上、必要があると認めた場合には個別指導を実施することとしております。
また、個別指導の結果、不正などが疑われる場合には、監査により事実関係を把握し、関係法令にのっとって厳正に対処することになると考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/267
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268・山田宏
○委員長(山田宏君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/268
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269・山田宏
○委員長(山田宏君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/269
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270・天畠大輔
○天畠大輔君 情報提供中心の今の仕組みの下、滝山病院のような事件が繰り返されてきました。事件を教訓とするならば、診療報酬のチェックについても制度改善を検討しませんか。大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/270
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271・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
私の方から、一般論としまして、具体的なこの指導監査に入るきっかけとして、不正、不当な診療報酬の請求の疑いに関する情報提供があった場合と、こういう事例を申し上げましたが、それ以外にも我々の方として必要があると認める場合には今までも調査等は行っております。
そういった意味で、できるだけしっかりと必要な対応ができるよう今後とも不断に見直していく必要があると、このように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/271
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272・山田宏
○委員長(山田宏君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/272
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273・山田宏
○委員長(山田宏君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/273
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274・天畠大輔
○天畠大輔君 身寄りのない人や立場の弱い人がひどい目に遭わされています。あらゆる分野でそれを防ぐ視点を持ってください。代読お願いします。
さて、今回の法改正案では、介護現場の生産性の向上という文言が出てきます。昨年五月に財務省が作成した「歴史の転換点における財政運営」の中では、介護、障害福祉領域における「業務の効率化と経営の大規模化・協働化」の章において生産性の向上という言葉は使用されていません。一方、厚生労働省の老健局高齢者支援課には、既に介護業務効率化・生産性向上推進室という生産性の向上という名前の付いた部署が設置されています。
介護分野における生産性向上とはどのようなことを指し、また、それらを促進するに当たって、いつ、どのような協議会の下で議論、検討が進められてきたのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/274
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275・大西証史
○政府参考人(大西証史君) お答えいたします。
生産性の向上についてのお問いかけでございます。
まず、介護分野におきましてもサービスの需要が一層高まってまいります。他方、生産年齢人口が急速に減少していくわけでございまして、見込まれるわけでございまして、介護人材の確保が、これが喫緊の課題とされております。そうした中で、介護ロボットなどのテクノロジーを例えば活用した形で介護現場の生産性向上を一層推進していく必要がございます。
この介護現場における生産性向上とは、例えば介護ロボットなどのテクノロジーを活用する形で業務の改善や効率化などを進めることによりまして、職員の皆さんの業務負担の軽減を図っていくとともに、業務の改善や効率化により新たな時間が生み出されるわけではありますけれども、それをより直接的な介護ケアの業務に充て、利用者の方々と職員が接する時間を増やすなど、介護サービスの質の向上にもつなげていくことなどを考えております。
分かりやすくという御要請もございましたので、例えばということで例示させていただきますと、例えば、見守り機器の活用によりまして、夜間の定時の巡回を、利用者の方の状況に応じて、その必要なときだけお部屋に伺うという形に変更することによりまして、巡回に掛けます職員の方の負担軽減、また、頻回にお部屋をお訪ねすることによります利用者さんの、目が覚めてしまう、覚醒を回避すること、そういった形で、よりほかの利用、そういうことで、更にほかの利用者さんへの対応に時間を掛けることもできるといったような効果が、例えばということですけれども、期待できるものであります。
もう一つ、生産性向上のこうしたことについての議論、検討の経緯についてお尋ねがありました。
介護分野の生産性向上の議論につきましては、平成二十七年に官民が協力して立ち上げましたサービス業の生産性向上協議会というものがございます。その場におきまして、様々、小売業など、ほかの様々な分野とともに介護分野が取り上げられたところから議論、検討が本格化したものと承知をしております。それ以降、厚生労働省の介護保険部会を中心に、生産性向上、先ほどのような趣旨でございますけれども、それをテーマとして議論してきたところでございまして、昨年十二月にお取りまとめいただいた同部会でも、介護現場の生産性向上の取組を一層普及するために必要な方策について検討を行っていただいたところでございます。
こうした議論などを踏まえまして、本法案におきましても、都道府県に対しまして、介護現場の生産性の向上に資する取組を促進する努力義務を課しますとともに、お願いしますとともに、令和五年度予算におきまして、生産性向上に資する様々な支援メニューを一括して取り扱い、適切な支援におつなぎするワンストップ型の事業者相談窓口を各都道府県に設置するための予算、これを計上するなどの取組を講じることとしたところでございます。
なお、財政審とのですね、建議との整合性についてもおただしがございましたけれども、昨年五月の財政審の建議では、委員御指摘のとおり、生産性向上という用語は直接使われているわけではございませんが、ロボット等を活用いたしました、テクノロジーを活用した介護現場の負担軽減、業務効率化の必要性等についての言及はございました。また、同じ年の十一月に別途建議がされておりますけれども、その中では、用語といたしましてもこの生産性の向上という用語が使われているものと認識しているところでございます。
ちょっと長くなってしまいましたが、以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/275
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276・天畠大輔
○天畠大輔君 代読いたします。
公を担う政府が、市場経済の分野で使われてきた生産性という用語を法律の条文として使うことには、最大限慎重であるべきではないでしょうか。
介護現場の疲弊や処遇問題は、事業者の生産性や経営努力不足が原因ではなく、介護サービスの報酬単価が低額なことや介護業界の人手不足がそもそもの課題です。コロナ禍と物価の上昇も重なり、介護事業所の経営難や倒産事例が増加、また、一部では高齢者への虐待も増えていると聞きます。それなのに、十分な報酬改善や人材確保、物価高対策をせず、都道府県に介護現場での生産性向上を求めることは問題であると考えます。
また、今回の法改正で、政府は地域包括支援センターの業務見直しを行います。センター職員の負担軽減のため、介護予防ケアプランの作成主体として市町村から直接、居宅介護支援事業所を指定できるとしています。
これまで地域包括支援センターの役割として重要であった介護を必要とする当事者やその家族への権利擁護機能の質は担保をされるのでしょうか、簡潔にお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/276
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277・大西証史
○政府参考人(大西証史君) お答えいたします。
地域包括支援センターは、介護予防支援業務のほか、御指摘のように、総合相談支援業務、権利擁護業務など、地域の拠点として重要な役割を担っていただいておりますが、高齢化の進展に伴いまして介護予防支援を受ける高齢者が増加するとともに、求められる機能が多様化、複雑化しております。
このような中、センターの業務負担軽減を図り、その機能をより発揮いただけるように、指定居宅介護支援事業所が市町村から直接指定を受けて介護予防支援を行うことを可能にする規定を本法案に盛り込んだところであります。
この規定に基づき、居宅介護支援事業所が介護予防支援を行う場合におきましても、地域包括支援センターが行う包括的、継続的ケアマネジメント支援業務、これに介護予防サービス計画の検証を追加いたしまして、居宅介護支援事業所が作成した介護予防サービス計画のチェックを行うことができることといたします。また、検証の際は、介護予防支援を行う居宅介護支援事業者から必要な情報を求めることができることとする、こういった措置を併せて講じ、地域包括支援センターが引き続き居宅介護支援事業所と連携を図っていくこととしております。
御指摘のように、こういうことで高齢者やその御家族との関係が途切れたり、権利擁護の質が低下することにはならないと考えております。また、地域包括支援センターの介護予防支援の業務負担、これは相当大きなものがあるとアンケート調査などで分かっておりますが、こうしたものが軽減することによりまして、センターの職員は権利擁護業務などにより多くの時間を充てることができるようにもなりますことから、センターの機能が強化されるようしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/277
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278・山田宏
○委員長(山田宏君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/278
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279・山田宏
○委員長(山田宏君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/279
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280・天畠大輔
○天畠大輔君 権利擁護は地域包括ケアの要です。その業務を担う人材育成などは考えられているのでしょうか。代読お願いします。
地域包括支援センターでは、主任ケアマネジャーなどの専門職が不足しています。地域包括支援センターの配置基準には、社会福祉士、保健師、主任ケアマネジャーという三職種の配置が義務付けられており、主任ケアマネジャーについては資格とともに五年の経験年数を必要とし、その確保が難しい状況が続いています。
国が進める介護事業所等の経営の大規模化、協働化に即し、介護事業所と病院とを併設している大規模な法人については配置基準を辛うじてクリアできますが、小規模の法人についてはセンター運営とともに職員の募集等の管理業務に追われています。地方によっては、エリアを担う法人が確保できない、若しくは確保できても三職種のうちいずれかの職員については市町村からの出向職員によりその体制が確保されているところもあります。
資料二を御覧ください。
そこで、厚労省に伺います。
中山間地域に属する小さな規模の法人であっても地域包括ケアの担い手としてその役割を継続的に担っていけるように、例えば、常勤の看護師や保健師の配置が確保できない場合は、地域看護を担うコミュニティーナースなどの複数配置や主任ケアマネジャーに準ずる者の要件を緩和、拡充するなどの手だてが必要と考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/280
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281・大西証史
○政府参考人(大西証史君) お答えいたします。
地域包括支援センターの職員につきましては、介護予防ケアマネジメント、総合相談支援、権利擁護などの包括的支援業務を適切に実施いたしますために、保健師、社会福祉士、そして主任介護支援専門員の三職種を配置することとしております。
他方、厚生労働省といたしましても、地域包括支援センターに配置が求められる三職種につきまして、中山間地域など、地域によってはその確保が困難な場合があると、先生おっしゃられますとおり、認識をしているところであります。
そこで、昨年十二月の社会保障審議会介護保険部会の意見におきましても、三職種の配置は原則としつつ、センターの支援の質が担保されるよう留意した上で、例えば複数拠点で合算して三職種を配置することや、主任介護支援専門員その他これに準ずる者の準ずる者の範囲の適切な設定など、柔軟な職員配置を進めることが適当とされており、この御意見書を踏まえまして、意見書を踏まえまして検討を進めていくこととしております。
なお、御指摘いただきました、御紹介いただきましたコミュニティーナースでございますが、様々な定義があるようでございますが、例えば、地域に溶け込み、住民の皆さんの暮らしに寄り添いながら地域づくりを進めていただいている保健師さん、看護師さんの皆様といったような方々と承知をしております。こうした方々の活用も含めまして、人材維持の在り方について検討してまいりたいと考えております。
さらに、各都道府県におきます主任介護支援専門員研修の受講要件、これにつきましても、都道府県によりましてばらつきがあるといったような御指摘もございますので、調査を行い明確化するなど、質の高い主任介護支援専門員の養成も推進するため、環境整備についてしっかり検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/281
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282・天畠大輔
○天畠大輔君 質疑を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/282
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283・山田宏
○委員長(山田宏君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後四時四十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114260X00820230425/283
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