1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年五月二十三日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
五月十八日
辞任 補欠選任
青島 健太君 室井 邦彦君
五月二十三日
辞任 補欠選任
室井 邦彦君 串田 誠一君
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出席者は左のとおり。
委員長 蓮 舫君
理 事
青木 一彦君
長谷川 岳君
森屋 隆君
高橋 光男君
石井 苗子君
委 員
足立 敏之君
石井 浩郎君
大野 泰正君
梶原 大介君
清水 真人君
鶴保 庸介君
豊田 俊郎君
永井 学君
山本佐知子君
吉井 章君
鬼木 誠君
三上 えり君
竹谷とし子君
矢倉 克夫君
串田 誠一君
嘉田由紀子君
浜口 誠君
田村 智子君
木村 英子君
事務局側
常任委員会専門
員 清野 和彦君
参考人
敬愛大学経済学
部教授 根本 敏則君
経営コンサルタ
ント
行政書士 近藤 宙時君
道路住民運動全
国連絡会事務局
長 長谷川茂雄君
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本日の会議に付した案件
○道路整備特別措置法及び独立行政法人日本高速
道路保有・債務返済機構法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/0
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001・蓮舫
○委員長(蓮舫君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、青島健太君が委員を辞任され、その補欠として室井邦彦君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/1
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002・蓮舫
○委員長(蓮舫君) 道路整備特別措置法及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、敬愛大学経済学部教授根本敏則君、経営コンサルタント・行政書士近藤宙時君及び道路住民運動全国連絡会事務局長長谷川茂雄君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、根本参考人、近藤参考人、長谷川参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず根本参考人からお願いいたします。根本参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/2
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003・根本敏則
○参考人(根本敏則君) 敬愛大学の根本でございます。どうもお招きいただき、ありがとうございます。
私どものグループで高速道路の償還シミュレーションを行いましたので、御説明したいと思います。
資料を用意いたしました。一枚目のスライドです。
図の下の方から説明いたしますけれども、NEXCOは、利用者が払った料金のうち維持管理費などを差し引いた額を貸付料として高速道路機構に支払い、そして高速道路機構が建設債務の返済に充てます。少し、この図は民営化時、二〇〇五年の枠組みを示しておりますけれども、少しややこしいのは、二〇一四年の時点でも四車線化事業などを実施しておりまして、そのための借金も行っていましたが、その借金も含めて二〇五〇年までに全て返済し、無料開放するということになっておりました。
二枚目をお願いいたします。
二〇一四年に、大規模修繕、更新のための投資が必要なことが分かりました。そして、償還期間を十五年延長することになりました。変更があったのは紫色の部分であります。下の方から説明いたしますと、紫色の三角の部分が特定更新事業を表しております。そして、借金をしなければならないわけですけれども、更新債務が生じます。その債務を返済するために、二〇五〇年から二〇六五年まで料金徴収期間を延ばすことにいたしました。
三枚目をお願いいたします。
さて、今回、更に更新投資が必要なことが分かったわけですけれども、料金を値上げせずともこの債務の返済が可能かどうか、シミュレーション分析をいたしました。
まず、重要となるのは更新投資であります。これまでの更新投資の実績及び現在の投資額、資産額ですね、ごめんなさい、現在の資産額及び耐用年数などを考慮して、二〇三五年から二一一五年まで毎年八百億円程度更新工事が必要なのではないかと仮定いたしました。
次に、現在事業化していない新東名、新名神の六車線化の事業も必要ではないかと考えました。そのための費用として、二〇二五年から十年間、毎年二千五百億円投資することとしました。
さらに、有料区間の暫定二車線区間というのがありますけれども、そのうちの千六百キロメートル、これは二年前にこのシミュレーションしましたので現在はもう少し減っていますけれども、その当時、千六百キロメートルが事業未着手でした。その未着手区間に関して四車線化をする、それを例えば四十年掛けて四車線化するとすれば、年間当たり二千五百億円程度の投資が必要になるというふうに考えました。
その他の基本的な設定としては、料金収入に関わる交通量、交通量を予測しなければいけません。その将来交通量に関しては、人口問題研究所が二一一五年まで人口推計をしておりますけれども、その人口推計を利用いたしました。また、金利として二%を仮定いたしました。さらに、固定資産税に関しては、JR北海道、JR四国並みに支払うということを仮定いたしました。
そして、条件をいろいろ変えていろいろなケースでシミュレーションいたしましたけれども、ここで示したような条件とか仮定の組合せにおいては、ほぼ値上げせずに借金を返済可能なのではないかということが分かりました。
四枚目です。ということで、四枚目に得られた知見をまとめました。
現在の高速道路のネットワーク維持は重要だと思います。ですから、そのための更新投資は必要であり、料金徴収期間の延長は避けられません。なお、我々のグループでは、事業化されていない新東名、新名神の六車線化も必要ではないかと考えました。
有料区間の暫定二車線区間の四車線化の必要性は認めるわけですけれども、料金値上げが難しいとしたら、投資余力も考慮し、時間を掛けて、例えば我々のシミュレーションでは四十年というのを仮定させてもらいましたけれども、四十年で整備するということも検討すべきではないでしょうか。
なお、資金調達計画では、金利が大きく影響いたします。二・〇%を想定いたしました。ちなみに、二〇二三年、最近調達した二十年物財投機関債の金利は一・二%で現在のところ非常に低いわけですけれども、これが将来上振れする可能性も残っております。上振れすれば当然投資余力は減ってしまいます。また、債務返済計画では、交通量、料金収入が大きく影響いたします。人口問題研究所の推計に従いましたけれども、将来更に人口減少が加速するかもしれません。そうなってくれば、同じように投資余力は減ってしまいます。
このように非常に不確実性が高いわけでありますけれども、その時々の更新需要に応じ資金調達計画を策定し、有期、例えば五十年の債務返済計画を策定するという方法論は適当ではないかと思います。
私の説明は以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/3
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004・蓮舫
○委員長(蓮舫君) ありがとうございました。
では、続いて、近藤参考人にお願いいたします。近藤参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/4
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005・近藤宙時
○参考人(近藤宙時君) 近藤でございます。
今日は、このような最高の立法府の方にお呼びいただきまして、ありがとうございます。と同時に、大変緊張しておりますので、ろれつが回らなくて聞き取りにくいということもあると思いますが、御容赦願いたいと思います。
資料に従いまして御説明させていただきたいと思います。
国民最大のインフラの一つであります高速道路が日本の大動脈と言われております。これに血を通わせるということで日本が元気になると。現在血が通っているかどうか、それについて御説明させていただきたいと思います。
一、めくりいただきまして、資料の方ですけれど、一枚目から三枚目は先生方見慣れたデータではないかと思いますし、ここへ載せるのはどうかと思いましたけれども、今、日本の経済環境というものが異次元の改革が必要と思われるくらいにかなり危機的な状況にあるということを再認識していただければというふうに思います。時間もございませんので、説明は省略させていただきます。
四枚目の右下に数字でページを打っていますが、四ページ目でございますけれども、現時点で地域格差がなくなってはいないということを示すデータでございます。表につきましては、普通の都道府県の並びではなく、埼玉から岐阜まで、俗に言う太平洋ベルト地帯といいますか、太平洋地域を中心にしてございます。端に行くほど東西南北にこの地域から離れていくと。離れていく地域ほどやはり格差が拡大しているということがこの表二つを重ね合わせると実感いただけるのではないかなというふうに思います。
続きまして、五ページ目でございますけれども、これも皆様方には見慣れた数字でどうという数字ではないのですが、インバウンドが最高潮を示しました二〇一九年度の統計の観光に関する統計データでございますけれども、その最高潮のときでもインバウンドは一五%に満たず、日本国民による国内観光、宿泊旅行といったものが八〇%の、観光消費の、占めております。ということは、国内の、日本人による国内観光旅行を二割増やすだけで、インバウンドをこれから最大値であった二〇一九年度の二倍にするよりも効果的だということがお分かりいただけるかと思います。
六ページ目でございますけれども、これは自分でも調べておりましてびっくりした数字なんですが、コロナのロックアウトという前代未聞のときに政府が支給しました特別給付金の使い道をニッセイ研究所がアンケートで聞いたデータと、それからこれも、これは右の方は、もし十億円当たったらという夢のような使い道を聞いたと。いずれにいたしましても、国民の財産形成、あるいは取りあえず貯蓄といったものを除きますと、旅行がしたいというのが日本人の余暇といいますか、願望の一番大きなものだということがお分かりいただけるのではないかなと思います。
続きまして、七ページ目でございますけれども、では、その旅行がしたい日本人、本当に旅行が世界的に見て活況を呈しているのかという点でございますが、比較に使いましたのはドイツとイギリスでございます。
国交省さんの方では高速道路の距離制の例としてポルトガルやギリシャを距離制だといって大きく挙げていらっしゃいますけれども、ポルトガルやギリシャは日本とかなり経済環境が異なっております。やはり日本と比較するのはドイツ若しくはイギリスではないかというふうに思います。理由は簡単でございまして、GDPが近いと。イギリスに関してはフランスとインドにちょっと抜かれて七位になっておりますが、人口とか面積考えますと、最も日本に近い国がドイツとイギリスであろうと。
人口とかのデータはそこに載せておりますけれども、世界的に比較する、また比較する場合に、自分よりも下というよりは、どちらかといえば目標になるところと比較するのが正しいのではないかと思いますけれども、そんなようなデータをいろいろ載せておりますが、赤いところ、ここだけがこの日独英の三国の中で大きく違う点でございまして、一人当たりの国内旅行の消費額、それから高速道路の延長区間、あと、ちょっと注目的なのがドライバーの年間走行距離ですけれども、これは全国のデータはございませんで、日本は東京、ドイツがベルリン、イギリスがロンドンというところのオーナードライバーの走行距離の平均値ということでございまして、日本が断トツ低いということが分かるかと思います。
続きまして、八ページ目でございます。
人流の後は、最も高速道路の大きな役割としての物流でございます。なかなかいいデータがなかったんですけれども、百キロという少量の貨物を五十キロ輸送する場合、先進諸国と比べたデータでございますが、日本を一〇〇としますと、ほかの国は大きく上回っておりまして、日本が、本当に業界の御努力だと思いますけれども、大変有利な安いコストで物流が行われているということが分かるかと思います。
ところが、多分高速道路を利用するということになると思いますが、十トンの大きな荷物を千キロ輸送する場合のコストになりますと、この日本の物流コストの優位性が大きく崩れます。また、下に書いてございますが、これ国交省さんのアンケート調査の結果ですけれども、トラック業者の約九割が高速道路の利用を控えているという回答をされております。
九枚目でございますけれども、これはもう本当に先生方には言わずもがなでお叱りをいただくかもしれませんけれども、改めまして高速自動車国道法と道路法の趣旨を載せております。
それを見ますと、高速道路というのは、政治、経済、文化上特に重要な地域と地域、拠点と拠点を結ぶというのが使命だというふうに読み取れるかと思います。また、道路法の方の要請でございますけれども、交通の発達ということは、交流、人流、物流の交流を活発化し、また公共福祉というのは、ここでいう公共福祉は、高齢福祉のような文脈の福祉ではなく、間違いなく経済の発展、ストレートに言いますとGDPの増大に期することを目的とすると読み替えてもいいのではないかと思います。
そのような法律の目的といいますか、規定がありますので、高速道路料金の制度を考えるときには、やはり重要な地域と地域の交流、人流、物流を最大限に活発する料金制度なのかどうか、また日本経済を下支えし、増進するような料金制度なのかということを考えるのが一番重要なのかなというふうに思います。
十枚目でございますけれども、高速道路の目的が達成されているかというところで、NEXCO三社の料金収入と通行台数から割り出すと、一台当たり、これは普通車から大型車まで全部含めてですが、八百十六円の支払ということになっておりまして、それを計算いたしますと二十七キロになります。これは、全て普通車とみなして計算して二十七キロですので、現実にははるかに高い大型車、特大車も走っているわけですから、二十七キロ未満だということが分かると思います。二十七キロというのは、とても地域と地域、重要な拠点と拠点を結ぶような高速道路の本来の目的ですね、法律が規定しております目的から外れているのではないかなというふうに感じます。
また、高速道路というと東京に在住の方は首都高を思い浮かべられると思うのですが、首都高は大変混雑しているので、高速道路イコール渋滞路という御認識も国民の方にはお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんけれども、全国的に見ますと、高速道路の利用、それほど混雑しているという状況には遠い状況にあるのかなというふうに思います。
十一枚目でございますけれども、高速道路料金ですけれども、五十を超える、まあ五十を超えるのか二十を超えるのか分かりませんけれども、細かい例外措置、例外料金制度を含めますと五十ぐらいあると言われております。大口・多頻度割引、これは大企業ほど、トラック業界ですね、有利になるという割引でございます。また、ジャパン・エクスプレスウエー・パス、これは外国人向けに一週間、二週間の定額制、距離制ではなく定額制で販売されているパスでございます。そういったような制度が幾つもありまして、そういう状態というのは、システム屋さんの目から見ますと制度疲労を起こしているというような状況ではないかと。抜本的な改革が必要な制度になっているというふうに考えざるを得ないということ。
また、コロナの負債の償還からまだ国民、脱出し切れておりません。ここで抜本的な改革をする必要があるのかなと。
また、利用者ですけれども、一九七〇年、これは東名、名神が全線開通したときの人口でございますが、三千六百万人ほど、二十代から四十代、一番高速道路を利用するであろうというような元気な人々の数がいたんですが、二〇一八年にはもう既に三割ほど減りまして、さらに二〇三八年、これは僅か十五年後でございますけれども、には二千百万人と四割も減少するというような状況があって、こういった状況を見た場合にも、その多くいた人口を前提とした料金制度がいいのかどうかという問題があると思います。
続きまして、申し訳ございません、開いていただきまして、十二ページ目でございますけど、今のような状況を見ますと、普通車四百円で、下に若干書いてありますように、大型車千五百円、また特大車二千五百円、これは道路損耗率が重量の二乗に比例して増大するということもありますし、またまた、トラック、バス、近距離ではなく長距離を走るということを前提にされていると思いますので、こんなような料金でいきますと、普通車四百円でも現行の二兆四千億の料金収入を確保できるので、償還も何もかも何の問題もない。一円の国費の出費も必要なく四百円で乗り放題にできるかと思います。
また、償還金が約五割占めておりますので、永久有料化してしまえば、そこにありますように、二百円で走り放題になるのかなと。使った分だけ払うことが是にかなっているという答弁を何度も見たことがあるんですけれども、燃料費、人件費、車両費、保険料、それからその他もろもろ、利用者が利用する高速道路で鉄道のように距離に応じて必要な費用があるのかどうかという点から考えても、乗り放題、サブスクというのは是認される制度かなというふうに考えます。
続きまして、定額制すると何がいいかという点でございますけれども、まずは物流コスト、長距離の物流コストが低廉化します。千五百円でトラック走り放題になりますので、国際競争力も上がりますし、地域から、例えば北海道、東北から東京という地域間移出も増大するということで、地域格差の是正につながるかなと。人流コストの低減ですけれども、観光産業の活発化もありますけれども、やはり人と人が出会うことで新たな付加価値、新たな価値の創造という点が大きいかと思います。
また、高速道路利用者が増えれば増えるほど、事故の削減とか二酸化炭素の排出、SDGsにも貢献するということは、国交省さんの方の試算で出ております。
さらに、出口コスト、出口で料金所が要りませんので出口の増設が非常に容易になり、元々定額制でした首都高を考えていただければ結構ですけれども、首都高には出口が二キロに一か所、その他の一般高速道路は十キロに一か所ですので、非常に簡単にできる。要するに、出口渋滞を解消できるというふうに考えております。
最後のページ、十四ページですけれども、一度実験をされておるというふうに思います。麻生内閣のときの千円上限制度でしたけれども、これは非常に片肺というか一部分の実行でございました。土日だけ、ETC車、搭載車だけ。それから、観光バスも対象外ということで、観光バスは減少しております。にもかかわらず、年八千億円の経済効果があったと。トラックも対象外でしたので、物流にも効果がある定額制、いかな効果があるかというのはある程度証明されているのかなと。
よく失敗と言われていますけれども、ピークをつくってしまったと。元々渋滞しやすい土日のみ実施しまして、ピーク時をよりピークにした。ピークということは過剰資産を持つということです。平日の少ないときは過剰資産になってしまうということでございますので、これをなくす全日定額制ならこういったことはさばけるのかなと。また、完全実施ではございませんでしたので、出口を増設することができず、出口渋滞が一層激しくなったというようなことが考えられます。
最後のページは、こういった定額制について決議しているのは、私だけではなくて経済同友会さん等もされているところで、参考までに載せさせていただきました。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/5
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006・蓮舫
○委員長(蓮舫君) ありがとうございました。
では次に、長谷川参考人にお願いいたします。長谷川参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/6
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007・長谷川茂雄
○参考人(長谷川茂雄君) 長谷川茂雄といいます。今日は、意見を述べる機会をいただき、委員の皆様、関係者の皆様にまずはお礼を申し上げたいと思います。
特に配付資料は用意してありませんが、原稿を用意してきましたので、これを読まさせていただきます。
今回、改定案が提案されている法案は、高速道路に関わる費用負担の在り方ということかと思いますが、私自身は、研究者でもなく学者でもなく、道路問題に現場で関わってきた一市民ですので、このような立場から意見を述べさせていただきます。
まずは、建設費の費用負担についてです。
調査室の方で作られております参考資料の中で、高速道路の整備の経緯という部分で、道路公団による建設方式により順次整備と管理が行われてきたとありますが、これはあたかも民間資金で高速道路の整備が行われてきたような印象を与えていますが、実態はそうではないということをまず指摘したいと思います。
高速道路整備が発表されてきた現場でも、当初は、道路公団による民間資金で整備するといった説明がされてきました。しかし、実際には資金のほとんどを税金によって賄う整備計画で、このような整備方法を合併施行方式と説明されてきています。このようなときに国が負担する費用負担部分については直轄事業、道路公団の民営化後は新直轄事業というふうに呼ばれています。
資料の四ページで取り上げられています東京外環道もこの合併施行方式の一例ですが、この東京外環道の当初費用、事業費は一兆二千八百二十億円でした。このうち道路会社が負担する有料道路事業分が二千四百六十三億円、国が負担する直轄事業分が一兆三百五十七億円です。事業費の八割は税金で整備するということです。
そもそも、完成後に民間会社の所有物として管理運営される設備、民営化後は機構の所有ということですが、そのほとんどを税金で賄うことが果たして適切で妥当なのか、また国民の理解を得られるのかは大きな問題だと感じています。
私たちは、道路住民運動連絡会は四十七年に今年なりますが、先輩たちの時代から、このような合併施行方式について、薄皮まんじゅう方式は断じて容認できないと批判してきました。薄皮まんじゅう方式といいますのは、その言葉どおり、外側の部分の負担が民間会社、実際の中身のほとんどを税金で賄うことをやゆして表現したものですが、まあ言い得て妙ですが、実態をよく表した表現だと思います。
また、この東京外環道は、その後、国土交通省で数回、事業再評価が行われています。二〇二〇年の再評価の時点では事業費が二兆三千五百七十五億円と当初費用の約二倍になっており、費用対効果、BバイCは一・〇一です。
東京外環道では、地中拡幅部という地下のトンネルから地上のインターチェンジに向かう部分については、過去に例のない難工事の直径約四十メートルから六十メートルの強固な構造物として工事、施工するということが発表されており、二〇二〇年の再評価では、この部分の事業費として約五千三百億円がプラスされております。果たしてこのような難工事をきちんとできるのか、費用は現在発表されている額で本当に収まるのかには私たちは大きな疑問を抱いています。外環道全体の事業費は、これまで発表されている額では収まらないのではないかというふうに考えています。今後費用が増えていけば、費用対効果、BバイCは一以下になることは確実ですが、これらの増え続ける費用負担について、NEXCO各社が負担するのか、それとも国が負担するのかは、国交省はいまだに正確には発表しておりません。
この費用対効果については、衆議院の参考人質疑で上岡直見さんも指摘されておりました。圏央道横浜環状南線では、費用対効果が一以下になったけども見直されていないということを指摘されております。
国の方針では、費用対効果が一以下になったら事業は中止か見直しをすることになっていたのではないかということを述べたいと思います。これは、二〇〇九年頃の国会の答弁で、当時の大臣が費用対効果について質問された際に、一以下になったら見直しや凍結をするというふうに何度も述べられていましたので、国の方針としてはそうなのではないかということを述べたいと思います。
この見直しに関連しまして、高規格幹線道路及び地域高規格道路の今後の見通しやその在り方について幾つか意見を述べたいと思います。
高規格幹線道路については、参考資料の中にも表や図などを使って多くの資料があります。一方、地域高規格道路というのは、高規格幹線道路を補完する役割を果たすという位置付けで路線が指定されております。道路構造は、どちらも片側二車線、往復四車線の道路構造を基本とするという方針が打ち出されており、自動車専用道路として整備するということが方針とされています。
ところで、この二つの道路計画でまだ整備されていない延長距離は、高規格幹線道路が一万四千キロ中の約千二百キロ、地域高規格道路が計画延長七千キロのうち約三千九百キロだというふうに思います。この二つの残された区間について今後は誰が費用を負担して整備するのかということは明らかにされておりませんが、例えばこの未整備部分を全て今後造ると仮定した場合、幾ら費用が掛かるのかを試算してみました。この試算の基は、外環道と同時期に事業化された名古屋の環状二号線の一キロ当たりの費用負担を、事業費を目安にしております。そうしますと、高規格幹線道路にはあと約十三兆二千億円、地域高規格道路については約三十四兆一千億円が必要になってくると。これは、十キロ当たりで約千百億円掛かるという想定で試算しております。
なぜこのような試算をしたのかということですが、国が高規格幹線道路、地域高規格道路も全てを造るという方針で現場で対応しているからであります。私たち住民としては、何十年も前に計画されたものが、何十年もたった後、突然降って湧いたように計画が押し付けられることに異議を唱えてきました。社会経済環境が変わっていく中では、適切にそのときの時代の変化に合わせて見直しをすべきではないかというふうに要望を何度も国に要請してきました。
その要望を届けるということで、数年前に国土交通省の高規格幹線道路の担当者と面談しました。担当者は何と言ったか。一九八七年に高規格幹線道路について決定しました、四全総ですね、これらは全国に道路網整備をするという国民に対する公約ですので、見直しなどは全く考えていませんと胸を張って述べられました。
そうすると、参議院の委員会で今回大臣が、事業化の際には客観的な評価を行うという発言をされているようですけれども、これとも整合性が取れていないと。さらに、先ほど述べました二〇〇九年頃の費用対効果が一以下になったら見直しや凍結をするということとも整合性取れないということを指摘したいと思います。
先ほど試算した合計四十七兆円の未整備区間の仮の費用ですけども、これが今回提案されているスキームの中に組み込まれるのかどうかということについては、私はよく分かりません。しかし、この未整備区間を例えば造るのであれば、きちんと誰がいつ負担するのかということを透明性のある検討会などで、事前の情報公開も徹底させて、住民の意見も反映させるという仕組みもつくった上で検討していただきたいというふうに思います。
そして、このような費用負担の検討の前に、まずは本当にその計画路線が今後の将来を見据えた上で必要なのかどうかということも、今回五月に大臣が発言された客観的な事業評価できちんと検証していただくことを願っています。
最後に、今回の料金徴収を二一一五年まで延長するという件について、二つの視点から意見を述べさせていただきます。
一点目は、今後の将来見通しという視点です。これは、先ほど述べた高規格幹線道路などの在り方についても考える際に前提として考えるべき情報と内容ではないかというふうに考えています。
今月五月八日に、将来人口推計値の最終統計が発表になりました。それによれば、今後、我が国の人口は、二〇二〇年の一億二千六百十五万人から二〇七〇年には八千七百万人に減少し、高齢化も進行し、六十五歳以上人口割合は、二〇二〇年の二八・六%から一貫して上昇し、二〇七〇年には三八・七%へと増加するということです。
そして、もう一つの将来に関する推計についていうと、これは日本経済の経済活動全体にも関わりがあるというふうに思いますが、将来交通需要推計です。交通センサスの統計などでも同じような傾向を示していますが、国土交通省が過去に発表したデータなども同じです。平成十七年頃をピークにして、全国的に交通量は減少し続けています。
この二つの推計から何が分かるかということを私なりに意見を述べたいと思います。少なくとも今後、日本経済や国民生活維持に必要なインフラ整備の必要性や緊急性は非常に乏しいのではないかと。これは、言い方を変えれば、高度経済成長時代とは全く違った将来を今後私たちは迎えることになるのではないかということを述べたいと思います。
また、先ほど紹介した人口将来推計についてですけども、これは二〇七〇年までのものしか推計値としては公式に発表しておりません。ということは、二〇二三年の今日時点で二一〇〇年までの数字を出すのは非常に根拠が乏しく不確実性が高いということで、せいぜい五十年先ぐらいまでしかデータを発表していないのだというふうに私は理解しています。
こういうふうに考えてみますと、今回提案されているものが二一一五年まで、九十五年先まで何かを決めたいということは、これはちょっと理解できないということを正直に申し上げたいと思います。これは例えて言えば、昨日や今日生まれたばかりの赤ちゃんに、将来年金を受け取る時代まで大人たちの借金を背負ってくださいということを我々世代が決めてしまうような非常に愚かな決定になるのではないかということを指摘したいと思います。
そして、もう一つの重要な点について指摘しなければなりません。これは、今回提案されている参考資料を見ましたけども、全体の収支や費用見通しが全く分からないということを指摘したいと思います。
衆議院での審議では、五年ごとの調査で一・五兆円が新たに必要になったと、あるいは更新が必要となる蓋然性が高い箇所の事業費が六・八兆円になったということが示されているようですが、五年ごとにやった調査はまだ半分だけということですので、じゃ、残りの半分も含めた維持更新の費用は全体でどれぐらいになるのかということは全く分かりません。
更に言うと、機構やNEXCO各社の収支状況、あるいは今後の維持補修の見通しの推移、肝腎の高速道路料金の徴収推移や今後の見通し、そして新規事業の費用負担に関する計画なども全く分かりません。
このように、今回提案されている資料を細かく全部見ても、料金徴収を延期しなければいけないという根拠が全く分かりません。このような事態は、国会の皆さんの用語で言うと、立法事実が不明であるということになるのではないかというふうに理解しています。
このような状態で料金徴収を九十年後まで認めてくれとどうして提案できるのかも理解できません。マスメディアでは、日本経済新聞やNHKなどが国は高速道路の料金無料化を投げ出したというふうに報道しておりますが、これは私たち、今述べたような国民の感情を素直に表現した報道だというふうに理解しています。
最後に、持続可能な社会構造への転換の必要について意見を述べさせていただきます。
過去半世紀の国のいびつな政策誘導で、国の、日本の全体の物流は、トラック輸送などの貨物輸送に偏った経済社会構造になってしまっています。地球温暖化進行の中で、世界中のどこでもCO2排出削減は待ったなしで、ヨーロッパでは自動車をEV車へ転換するということが進んでいます。ところが、日本では、ガソリン燃焼を含むハイブリッド車を温暖化対策として推進している間違った政策が取られています。確かに、自動車から排出されるCO2は全体の十数%で大きくはありませんが、少なくともきちんとCO2排出を削減するということを行うのは、将来世代への私たちの責務だというふうに考えています。
自動車交通量全体を減らしてCO2の排出削減を進め、そして、物流の基本は鉄道輸送などに転換し、また、ターミナルからの配送用には自動車はEV車を使う、このような形で温暖化対策も含めた持続可能な社会構造への転換を求めることを要望して、発言を終わります。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/7
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008・蓮舫
○委員長(蓮舫君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/8
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009・蓮舫
○委員長(蓮舫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、室井邦彦君が委員を辞任され、その補欠として串田誠一君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/9
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010・蓮舫
○委員長(蓮舫君) これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構です。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/10
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011・足立敏之
○足立敏之君 自由民主党の足立敏之でございます。
三人の先生方には、お忙しい中御出席をいただきまして、大変貴重な御意見を承りまして、心から感謝を申し上げたいと思います。
私は、長年、建設省、国土交通省で勤務をしました土木の技術者でございますけれども、四国地方整備局あるいは中部地方整備局の局長もしておりましたので、先ほど来お話のありました直轄施行の高速道路についても何度も要望をいただいてきた立場であります。予算の関係もありまして思うように道路整備ができなかったというジレンマを感じながらそういった職を務めてきたということでございますけれども、本日はそういう経験もベースにして御質問をさせていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
まず、日本の道路、特に高速道路の整備水準という点について、世界の国々と比較してどうなのかというところをお聞かせいただければというふうに思います。
私は、多分ここにいらっしゃる委員の皆様もそうではないかと思うんですけれども、海外に行くたびに、日本の道路事情、高速道路の整備の状況、非常に整備水準が低いというのを痛感しておりまして、残念に感じています。
また後日委員会で質疑をする機会を与えていただきましたら具体的なデータでお示ししたいと思うんですけれども、諸外国と比較すると、日本の高速道路には、根本先生から御指摘ありましたけれども、暫定二車線、これは世界にはほとんど類のないものでございますけれども、そういう対面交通の高速道路が四割ございます。
それから、高速道路の密度という観点で見ても、普通の国では高速道路というと必ず四車線以上あるんですけれども、そういう道路を対象に考えた場合に、百平方キロメートル当たりドイツが三・七キロ、イギリスが五・二キロ、韓国でも四・八キロありますけれども、日本は高速道路と言えない暫定二車線の区間を除きますと一・九キロ、諸外国から比べると半分以下の密度になっているというような状況であります。
本日御出席の参考人の先生方に、そうした日本の高速道路の事情についてどのように評価されているのか、どのように感じておられるのか、率直な御意見をお聞かせいただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/11
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012・蓮舫
○委員長(蓮舫君) お三人それぞれにですか。
根本参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/12
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013・根本敏則
○参考人(根本敏則君) 今、足立さんから御説明あったとおり、足立さんの方が詳しいんじゃないかと思うんですけれども、確かに、私は土木じゃないんで余りその道路網密度の詳しいことはよう分かりませんけれども、自分で走ってみて、確かにドイツとか比べても日本の高速道路網密度が低いということで、都市間を移動するときに、高速道路まで三十分、まあ今は大体三十分ぐらいでアクセスできるでしょうか、以前は一時間ぐらい掛けないと高速道路まで行けなかったというようなこともあったと思いますけれども、徐々に日本も良くなってきましたけれども、ドイツなんかでは本当に十分、十五分走れば高速道路に入って、都市間の移動で高速道路を使う割合が多いというのはそのとおりだと思いますし、そういう高速道路の分担率を高めるというのは旅行時間の短縮とかCO2の排出に効果的ですから、そういう意味ではもう少し網密度が高くなるというのは大事なことかなというふうに思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/13
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014・蓮舫
○委員長(蓮舫君) 近藤参考人、挙手をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/14
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015・近藤宙時
○参考人(近藤宙時君) 御質問のありました点につきましては、私、余り海外経験、ロサンゼルスぐらいしかないもので、実感としてお話しすることはできないんですけれども、ちょうど私の資料の七ページ目にドイツとイギリスの道路延長載せております。
先ほど足立先生がおっしゃいました、確かにレーン数という形で見ると日本まだまだかなというふうには思いますけれども、延長距離で見ますと、国土の面積から考えますとイギリスとほぼいいところなのかなと。日本の道路延長ちょっと少なめになっておりますけれども、都市間交通の高速も含めますと一万キロ前後でございますので、まあドイツ並みにはちょっと遠いですけれども、イギリス程度なのかなと思います。
また一方、利用という点から見ますと、かなり、地方道ですね、高速道路がらがらというような、長野道とか走っておりますと自分しかいないような状況もございますので、そういった面でいうと今十分なのかなというふうにも考えます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/15
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016・長谷川茂雄
○参考人(長谷川茂雄君) 御指摘のありました整備率については、確かにデータにするとそういうことなのかというふうには思います。
私、海外の実態全然分からないので、市民感覚でいうと、そのことについてどういうふうにお答えするかというと、三十年ぐらい前も、あと、この二十年間ぐらい私、車の運転をする仕事に就いておりますが、やはりバブル期は首都高なども一日中、日中は渋滞が続いているという時代がありました。しかし、ここ十数年は首都高は朝九時過ぎるともうすいすい、渋滞はほとんどないんですね。ですので、たくさん整備してあるかどうかというよりは、造られた路線がどのように使われているかと。
混雑が大変であればやはり必要な道路が足りないということなんだろうというふうに思いますが、現状では、高速道路のほとんど全体は、夏とか冬の帰省時期にはかなり渋滞はしますけれども、それ以外の一般の時期にはほとんどすいすい走れているところからすると、その整備率だけで今後どうするかということを考えるのではない、違った視点が必要ではないかというふうに感じております。
以上です。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/16
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017・足立敏之
○足立敏之君 ありがとうございました。
日本の高速道路についてもう少しお話をさせていただきたいんですけれども、まだまだ日本にはミッシングリンクがつながっていない、あるいは、先ほども申し上げましたけれども、暫定二車線の区間もたくさんある。
こうしたことが影響していると思うんですけれども、欧米と比べて都市間の移動速度というのが大きく違っています。例えば、ドイツを調べてみると、時速八十四キロで移動ができます。イギリスは七十四キロ、韓国が七十七キロで移動できるんですけれども、日本は、調べてみると、まあいろんな事情があるんだと思いますけれども、六十二キロということなんで、移動速度が低い水準にあると。こう考えますと、生産したものを運ぶ、そういう輸送コストを考えますと、日本の方が高くなる可能性があるんではないかというふうに思います。
先ほど近藤先生から物流コストの比較があって、近いところ日本は安いというお話でした。ちょっとデータの取り方が違うところもあるのかもしれませんけれども、移動のスピードという観点では日本はまだまだ欧米並みにはいっていない。そう考えますと、輸送コストが高いということは、国際競争力という観点で経済面あるいは産業面で大変不利な状況にあるのではないかというふうに思っています。
長谷川先生からもトラック輸送に日本は偏っているという物流のお話ありましたけれども、日本の貨物輸送の五割以上をトラック輸送が占めているというようなことでありまして、今申しましたような移動速度をもう少し上げるような努力、日本では必要ではないかなというふうに思っています。
さらに、最近、特に日本で私が気になっていることとしましては、お隣の韓国がすごく整備が進んできているというところであります。二十数年前までは日本と同じように暫定二車線、対面交通の区間が四割ぐらいあったというふうに聞きますけれども、この二十数年で全て解消をされています。それから、韓国国内の道路密度、先ほども言いましたけれども、日本の倍以上ということで、全体、格子状の道路、高速道路ネットワークというのが今整備がどんどん進んでいる状況であります。公共投資の予算も、日本が二十数年で半減しているのに対して、韓国は二・七倍に増やしているというところもありまして、インフラ整備のスピードが日本と全然違うというのは私も懸念しているところであります。
こうした国々と比較して、日本の道路整備、高速道路の整備についてはやっぱり大きく後れを取っている。どっかでしっかり投資をやり直して日本の高速道路をしっかり整えるべき、欧米並みに整えるべきではないかというふうに思っておりますけれども、今後の日本の高速道路の整備という観点で、どういうふうな考え方で進めていくべきか、根本先生と近藤先生にお聞きしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/17
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018・根本敏則
○参考人(根本敏則君) そうですね、御指摘のように、暫定二車線区間というのは最高速度が抑えられてます。そういう意味で、暫定二車線区間を四車線化すれば、都市間の連絡時間というのも短縮できるかもしれません。
あと、最近、新東名で非常に線形のいい、何というか、道路になって、最高速度、乗用車に関してのみですけれども、高くなりました。トラックなんかも可能性があるんじゃないかと、今の八十キロをもう少し上げるという可能性は十分あるんじゃないかと私は思っていますけれども、そういうふうな整備をしていくこと、加えて、さっきから御指摘の、御提案のように、網密度を上げていくことなどを加えて、もう少し都市間の連絡時間というのは短くしていくべきじゃないかなというふうに思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/18
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019・近藤宙時
○参考人(近藤宙時君) 私の方からですけれども、確かに足立先生がおっしゃるとおりに、日本の特に都市間の高速道路、どんなデータから出ているのか分かりませんけれども、例えば東京ですと、首都高から東名、名神あるいは中央道に行くというときに、首都高の混雑がかなり原因になっているのかなというふうにも思います。首都高に関しては、全くこれは私見でございますけれども、今の利用形態ではなく、例えば常磐道と東名、名神を結ぶとかという連結道路として、降りることはできるけど入ることはできないというような利用方法も抜本的にシミュレートされてみて、どのような効果があるか、今コンピューター発達しておりますので、検討されるのも一考かなというふうに思います。
整備されれば六車線、東名、名神、東京付近では三車線、四車線になっておりますけれども、多少利用は進むかと思いますけれども、私の資料の十三ページに小さく載せておりますが、二十フィートコンテナを運ぶ場合、海上輸送料、タイ、アジアから横浜まで二十フィートコンテナを運ぶ料金ですね、船便が五万五千円でございます。それに対して、福岡から横浜の高速道路、これは人件費も何も入っておりません。先ほどの船便は輸送料でございますので、燃料費から何から全部入れて五万五千円。高速代だけで六万円掛かります。
もし道路がもっと充実しても、この料金体系で果たして使うのかなと。ここがやっぱり国際競争力で大きな点だろうというふうに私は考えておりますので、まずは既存の施設を十分に使うというソフトの面から考えるというのが重要なのかと思っております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/19
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020・足立敏之
○足立敏之君 時間が限られておりますので、あと一問だけですけれども、今お話をしていた、高速道路、これからもっともっとどういうふうに整備していくのかという話と、今回の法改正のきっかけになりました老朽化対策、これをどういうふうにバランスよくやっていくのかというのは大変悩ましいことであります。
一言だけで結構でございますので、根本参考人からその辺のアイデアをお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/20
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021・根本敏則
○参考人(根本敏則君) 現在の道路ネットワークを維持するというのはとても大事なことだと思います。取りあえずその更新投資は優先されるべきではないかというふうに思いますけれども、料金徴収期間延長ということで更新投資以外に投資できる部分というのはあると思っていますので、それは効果的なところにお金を投資、私は例として挙げましたけれども、新東名、新名神の六車線化というのはまだ余力がある、できると思っていますので、そういうのに振り向ければいいんじゃないかと思っています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/21
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022・足立敏之
○足立敏之君 ありがとうございました。
貴重な御意見賜りまして、今後の道路整備に生かしていきたいと思います。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/22
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023・三上えり
○三上えり君 会派、立憲民主・社民の三上えりです。
今日は、大変貴重な御意見を伺う機会をいただきまして、本当にありがとうございます。勉強になりました。
会派を代表して、参考人の皆様に質問させていただきます。
まずはお三方にお伺いいたします。料金徴収期限を二一一五年と定めることの経緯と評価についてです。
高速道路の無料化というのは、半世紀にわたりまして、その場しのぎといいますか、延長がずうっと繰り返されてまいりました。
本法律案の基礎となったのが、令和三年八月の国土幹線道路部会の中間答申です。見通しが明らかになった更新、進化について、一定期間ごとに事業を追加する、その際、債務の確実な返済見通しの確認のために債務返済計画を策定し、その期間の料金徴収を継続するとの提言はありましたけれども、料金徴収期限を二一一五年とするとの点については言及はありませんでした。
この点、参考人の皆様は、どのような経緯で料金徴収期限を二一一五年、これは二十二世紀なんですけれども、この年に設定することになったものと理解していらっしゃいますでしょうか。また、この期限を二一一五年と設定したことについてどのように評価していらっしゃいますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/23
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024・根本敏則
○参考人(根本敏則君) なぜ二一一五年なのかということですけれども、これ、我々のシミュレーション、たまたま二一一五年なんですね。何でかというと、それは人口問題研究所の推計が二一一五年までだったからなんです。道路局の方で何を参考にその二一一五という数字が出てきたのか私は知りませんけれども、多分そういうところにあるのかなというふうに思います。
あと、五十年ごとに、何でしょう、資金調達計画とか債務返済計画を立てるということについては、私はそれはある意味仕方ないのかなと。やはり、どれぐらいの更新投資が必要なんだということが確実に分からないと、どれだけの資金を調達すればいいのか、で、その調達資金をどういうふうに料金で返していけばいいのかということを決めるためには、やっぱりそれは百年じゃ難しいんで、ある程度金利なんかもはっきり予定できるその期間で計画を作っていくということは理屈に合っているんじゃないのかなというふうに思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/24
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025・近藤宙時
○参考人(近藤宙時君) 九十年の評価というお話でございましたけれども、私はもちろん九十年後おりませんし、日本人もまず誰もいない時間なのかなと思います。
私、資料の十二ページに簡単に載せておりますけど、料金収入の使途、大きく償還金が五割というふうになっております。九十年も永久化も、国民にとっては余り、今生きている国民にとっては関係がないのかな。
高速道路の料金制度については、一番最初、名神を造る前に世界金融機関の方からワトキンス・レポートというのが出ておりまして、日本の経済状況等を考えると、建設費あるいは維持管理費というものは料金収入で賄うべきと言っていますので、それも考えますと、やはり永久有料化でいいのではないかというふうに考えます。
そうすれば、支払う費用は金利だけで済みますので、そうしますと、四百円走り放題でも半分が浮くと。その金額で、一番大切な今の道路を維持するという、六十年もたっておりますので相当メンテ、更新も必要と思いますが、そういった費用も出てくるのかなというふうに考えております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/25
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026・長谷川茂雄
○参考人(長谷川茂雄君) 初めの意見でも述べましたけれども、なぜ二一一五年なのかというのが理解できないということをまず。
今、一緒に発言されました根本先生のこのようなシミュレーションがあれば、ああ、それであれば二一一五年までなんだなというのは理解できますけど、本来、このような数字を提案した側から出すべきではないかというふうに思います。二〇六五年までというのをなぜ十年延長ではなくて五十年延長しなければいけないのかということについてはちょっと理解し難い、よく分かりません、私は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/26
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027・三上えり
○三上えり君 ありがとうございます。
続いて、根本参考人にお伺いします。
現行の償還主義に基づく有料道路制度に係る新たな高速道路の費用負担の考え方です。今の仕組みに代わるものとして、どのような仕組みが望ましいとお考えでしょうか。また、今回の法改正が行われますと、当面法改正を行わなくても高速道路事業の財源が確保可能となりますので、有料道路制度の見直しに向けた議論、これが棚上げになりかねないと危惧しております。
改正案の附則には法施行後五年めどでの見直し条項が設けられているので、これを一つの期限として有料道路制度の抜本的見直しに向けた議論を進めるべきだと考えています。根本参考人はどのぐらいのスパンで議論を行うべきとお考えか、併せて御意見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/27
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028・根本敏則
○参考人(根本敏則君) 非常に難しい質問ですけれども。更新投資が必要であると、そういう意味では、今のような形で道路を使い続ける限りずっと更新は必要なわけですから、その意味で、私は永久有料が分かりやすい説明の仕方じゃないかと個人的には思っています。
その上で、一体今の有料道路制度が完璧なのかというと、いろいろ問題を含んでいることは確かです。例えば、私は、乗用車の値段、乗用車の料金は高いと思っています。それに比べてトラックの値段は安過ぎるというふうに思っています。そういうのも、これからは利用に応じた負担をお願いしなきゃいけないという意味では、変えていかなきゃいけません。
いろんなてこ入れすることはあるわけですけれど、それは、その有料道路制度という、利用者から料金をいただいて、対距離制で料金をいただいてそれで債務を返済していくという枠組み自体は変わらないわけなので、それはそれでいいんではないかというふうに思うんですね。
お答えになっているでしょうか。取りあえず。また質問してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/28
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029・三上えり
○三上えり君 五年めどでの見直しということをできれば強く申し上げたいなと思って、ありがとうございます、伺いました。
次に、お三方にお伺いします。
高速道路事業に関する情報公開の推進、先ほど長谷川参考人から料金徴収のこの根拠が全く分からないというお話もございまして、賛同します。
この透明性の確保が一層必要だと考えますけれども、各参考人の方に御見解を伺います。この点は是非例えば公開すべきだという高速道路事業に関する情報などがありましたら、併せてお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/29
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030・長谷川茂雄
○参考人(長谷川茂雄君) 情報を公開すべきであるということについて言うと、高速道路について言うと、費用便益計算の中の便益部分の便益を受けられる路線というものは、これは非公開なんですね。高尾の裁判で、被告が、原告側が情報公開とか様々なシミュレーションをした結果、コンサルから受け取った、高尾の圏央道を整備する効果は北海道を除くほぼ日本全国、全域に便益が及ぶということを根拠に彼らは計算していたようですので、もう到底これはどう考えても納得できないと。高尾であればせいぜい首都圏エリアに便益は確かにプラスになるであろうと思いますけれども、青森の県道になぜ圏央道の整備がプラスになるのかはちょっと理解できません。
この点については、是非、事業再評価の時点で最近部分的には公表しているようですけども、この部分については是非公開していただきたいというふうに思っています。取りあえず、はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/30
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031・近藤宙時
○参考人(近藤宙時君) 透明性につきまして、かなりいろいろなデータ出していただいておると思いますけれども、私、計算するに当たって、先ほど一台当たり二十七キロというのを普通車で計算しましたが、実は、NEXCO東日本さん以外に、どのクラスの料金区分の車、普通車、大型車、特大車等が何台通過したか、利用したかというデータを中日本さん等出していらっしゃらないので、是非出していただきたいと思う点と。
それから、料金につきましては、これは将来的なことも含めてかもしれませんけれども、やはり高速道路、道路がいかに国富に影響するかという点で、今ならコンピューターでどういう料金だとどのくらいGDPが増えるのか減るのかというのは出るはずでございます。
高速道路法、道路法共に、やはり日本の活性化、GDPの増大に寄与するというのは一番大事なことだというふうに法に書いてございますので、その点について、是非とも、コンピューターの時代でございますので、コンピューターシミュレーションして、どういう料金制度だとどういうデータでGDPが増えるのか減るのか、その辺のところを是非とも御発表いただきたいなというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/31
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032・根本敏則
○参考人(根本敏則君) 道路に関するデータ、かなり公開されてきていると思いますけれども、読み込むのが難しいという問題があると思います。道路保有機構のファクトブックというのは多分御存じだと思いますけれども、物すごい厚いやつがあって、それを我々の仲間で読み込んで、どういうふうにこれなっているのか、借金が返していくようになっているのか、こういうポンチ絵一枚描くのも、結構、ファクトブックから作ったわけですけれども、難しい作業になっているわけですけれども、やっぱり一般の人、マスコミの人に分かりやすい形での情報提供が必要だということは私も思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/32
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033・三上えり
○三上えり君 ありがとうございます。
続いて、近藤参考人にお伺いいたします。
高速道路の活用を促す観点から、定額制料金の導入、これ一つの方策だと思います。これは料金制度の大幅な転換です。定額制料金のデメリットとしては、政府は五月十五日の参議院本会議において、激しい渋滞の発生、そしてほかの交通機関への悪影響、また安定的な債務返済が難しくなる可能性があることを挙げていますが、この政府の見解について、近藤参考人の御意見をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/33
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034・近藤宙時
○参考人(近藤宙時君) 御質問いただきました三点につきまして、まず激しい渋滞という懸念というのは、先ほど私の説明の中でもいたしました麻生内閣時代の千円上限制のときに、土日がかなり、毎回全ての土日がゴールデンウイークのように混んだという状況があるということを踏まえての御答弁かと思うんですけれども、その中で私書いておりますように、定額制をやるということになれば、出口が多く設けられます。今あるような何ヘクタールも必要な一か所にまとめるクローバー式のインターチェンジは必要ございません。首都高を考えていただければ結構ですけれども、ごく直近の国道等の隣接道路に降り口を設けるだけですので、恐らく道路買収、用地買収も必要なく、数億円ぐらいの経費でできるのかなと思います。
例えば、今一番混んでいる、毎回、毎日渋滞する地点としては、町田インターチェンジと一宮インターなんていうのが挙がると思いますけれども、これも十キロ区間に一か所しかない。そこへ、ただでさえ降りる人が多いところへ、直前にジャンクションがございまして他の高速道路からの流入があると、それで毎日五時から八時ぐらいまでは全く動かないような状況がございますけれども、この先すぐにもう一か所、二か所ある、あるいは手前に一か所出口があるということになれば分散化しますので渋滞は解消できるのかなと、逆にですね、思っております。
それから、もう一つの御質問は、将来的に払っていけるのかということですが、逆に、今の料金制度ですね、先ほどお見せしたとおり、人口が大幅に減るという状況で、逆にそれで払えるのかと。むしろ、誰でもいつでも使える料金制度、定額制にした方が増えるのではないかなというふうに思います。
申し訳ございません、もう一つ、何て御質問でしたっけ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/34
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035・蓮舫
○委員長(蓮舫君) ほかの交通機関への影響が出るということでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/35
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036・近藤宙時
○参考人(近藤宙時君) ほかの交通機関の影響ですけれども、これ、先ほどの麻生内閣のときの実験結果でも、鉄道に関しては影響がほぼ見られなかったという御回答がございます。また、他に影響を及ぼしたとしても、それで全体で国富が増えるのか減るのか、こちらが大事なのかなと。既存の一企業のために全体をたわめるというようなことがあってはならないというふうに私は考えます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/36
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037・三上えり
○三上えり君 ありがとうございました。
以上で質問を終わります。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/37
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038・蓮舫
○委員長(蓮舫君) 根本参考人、短めでお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/38
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039・根本敏則
○参考人(根本敏則君) 私は、やっぱり、日本の交通機関というのはそれぞれ独立採算制でやっているわけですね、JRもフェリーも。それで、高速道路だけ、何というか、受益と負担が離れたような形になっちゃいますと非常にバランスが悪くなって、私は千円乗り放題のときもJRとかフェリーに大きな影響があったと思っていますし、やはり使った量に応じて払ってもらうというのはやはり効率的な仕組みになっていくと思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/39
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040・三上えり
○三上えり君 ありがとうございました。
以上で質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/40
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041・矢倉克夫
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。
三人の参考人の先生方、大変貴重な御意見、誠にありがとうございます。
早速ちょっとお伺いしたいと思うんですけど、まず近藤参考人にお伺いしたいと思うんですが、永久有料化、そしてサブスク、非常に興味深いお考えかと思います。それを現実化というところの課題を整理するという意味でちょっとお伺いしたいと思うんですけど。
十二ページ目、先生の資料で、こちらで、有料化すれば料金半額ということ、これは半分の償還金が払わなくても済むという。私の理解ですと、この償還金というのは要は機構が民間の金融機関から借り入れたものに対する償還だと思っておりまして、利息は返すということですから、これは元本を民間の金融機関から借りたものを返さないということの理解だと思うんですけど、そこ辺りについての、正しいかどうかと併せて、どうやって金融機関から理解を得るかという話。
あと、もう一つ。定額制ですと当然、四百円として、一部の人は値下げになるけど値上げになる方も走行距離によってはいるかもしれませんが、そういう方々に対しての理解を得るというところで御示唆がいただければと思いますので、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/41
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042・近藤宙時
○参考人(近藤宙時君) 一点目の御質問でございますが、先生御理解のとおり、これはちょっと乱暴ではありますけれども、銀行さんの方に一切元本は返さないと、永久に返さないという前提で利息だけはお支払いするという考えで徹底すれば半額になるのではないかという考え方でございます。ただ、九十年後に返してほしがっているのかというのもちょっと分かりませんので、銀行に、返さないけど利息はきっちり払うよと。むしろ、今、年利四%で計算されておりますので実効金利の三倍ぐらいかと思いますが、普通の利息の二倍払うから永久有料でいかがかと一度銀行の方に聞いていただいた方がよいのかなというふうに思います。
二点目でございますね、安くなる人が多くなるけど高くなるんではないかという話でございますけれども、四百円といいますと、まず百五十円のゲート通行料といいますか、定額料金がございますので、走行距離に対しては二百五十円でございます。走行距離二百五十円を普通車の二十四・六円で割りますと十キロちょいです。先ほど申しましたように、高速道路のインターからインターまでというのが、首都高以外、首都高は高速道路ではございませんので一般高速道路でいいますと、十キロに一か所といいますと、一区間しか乗らない金額がちょうど四百円でございます。
これより安い料金を払っているという方がいらっしゃるのかどうか分かりませんけれども、おおむねの方には御理解いただけるのかと。若干上がるとしても、それは妥協していただける部分かなと思いますし、また、そういった僅か十キロ払う人のための道路なのかと、元々そういうつもりで造った道路なのかと。言ってみれば、新幹線、東京から新横浜までしか利用しない人をどうするかという問題と同じだと思います。むしろ、名古屋や大阪へ行く人の方を優先するということを考えるのが必要かなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/42
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043・矢倉克夫
○矢倉克夫君 観光需要という点では意味もあるかと思います。ちょっと課題整理というところであえてお伺いもさせていただきました。
根本参考人にちょっとお伺いしたいと思うんですが、先生の資料の三のところですが、これ、私の理解がまだ足りていないところがあってちょっと概念の整理なんですけど、更新債務と更新工事というふうにおっしゃっている、これは違うものという前提ですけど、改めて教えていただきたいのと、この先生の御試算でも二一一五年度まででこれは払い終えるという前提で理解もしております。
となると、この二一一五年以降のここで言う更新工事というのは料金を引き当てにしたものはないという前提だというふうに理解もしたんですが、それで正しいのかと、もしそういうふうに御試算されたのであれば、その根拠等がもしあれば教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/43
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044・根本敏則
○参考人(根本敏則君) 私のシミュレーションでは、二一一五年と、これもう相当先ですから、そこまで料金を取りますという意味を永久有料という言葉で実は呼んだんです。その先どうなるかはここではちょっとこの論文では問いませんと。二一一五年まで更新工事をする、そのための投資が必要で、それを料金収入で返していきますということを申し上げたんです。
今、国会で問題となっているのは、どちらかというと、二一一五年のところで無料化するのか、その先有料化するかということが議論になっているようですけれども、私の永久有料の定義は、二一一五年まで料金を取り続けるぞというのが私のこの論文の中での永久有料という言葉の意味だったんですね。それで少し御理解いただけたでしょうか。
あと、ついでにちょっと申し上げると、私は、その二一一五年でも多分更新工事があるからその先も料金は取るだろうと思います。それはシミュレーションとは関係ないことですけれども。
ただ、申し上げたいのは、政府の計画で一番長い計画というのは何でしょうか。国土形成計画でしょうか。それは計画期間十年ですね。地方自治体の基本構想も二十年程度ですよね。ですから、百年後にどうするかということを議論するということの意味はどれくらいあるのかということは少し気になります。要するに、それによって民間企業が投資の仕方を変えるのかと。二一〇〇年に無料化しますというか、それでも多分有料になるでしょうというのは、世の中の民間企業の人には余り関係ないことかもしれないなとは思っているんですね。個人的には永久有料だとは思っていますけど。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/44
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045・矢倉克夫
○矢倉克夫君 永久有料のお言葉の意味もお伺いしたいと思いましたが、今教えていただいたので。
ちょっと改めてなんですけど、その更新債務と更新工事というものの簡単な違いをちょっと教えていただきたいのと、そうすると、先生の想定だと、今先生が想定されている更新債務、更新工事、現状想定されているものは二一一五年までのものでよいという理解でよろしいんでしょうか。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/45
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046・蓮舫
○委員長(蓮舫君) 根本参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/46
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047・根本敏則
○参考人(根本敏則君) あっ、ごめんなさい。
我々は本当に単純にこれまでの経緯を考えまして年間八百億円という更新工事が二一一五年まで必要だろうというふうに割り切って計算したわけですけれども、この更新工事に伴って債務が発生しますよね。それがここで言うところの更新の債務という、上の方に書いている図ですけれども、そういうふうな言葉の使い方をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/47
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048・矢倉克夫
○矢倉克夫君 分かりました。ありがとうございます。
もう一つちょっと根本参考人に、今のちょっと高速道路に関係するところではあるんですけど、今回の法案、サービスエリア等の機能強化というところもあるわけですけど、ちょっとそれに関係するというか、先生が去年の十二月に「道路」という雑誌でインタビューを書かれているのを拝見して思ったんですけど、今、貨物トラックのドライバーとかの長距離運送が非常に問題になっていて、それ、解決として、中継輸送、そのためには中継拠点が必要であるという文脈の中で、サービスエリアとパーキングエリアはこの機能を果たすべきだと。これ全くそのとおりだなと私は思いまして、それに加えて、例えば民間の高速道路直結型の物流施設、これ埼玉などでもあったりするんですが、こういったものが同じような中継地点の拠点としても役割を果たしていく。
先生のインタビューの中では、民間の立場としてそこまでインターチェンジとかに近くに造る必要はないということでお書きになっていますけど、もし仮にそういう制度があれば、設備があれば、そういうものは必要だというふうに、中継拠点としては重要だと私は思っているんですけど、先生の御所見をお伺いできればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/48
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049・根本敏則
○参考人(根本敏則君) 中継エリア、乗り継ぎエリア、いろんな言い方あっていいと思うんですけれども、要するに高速道路に直結するような形で乗り継ぎ輸送とか、ダブル連結を後ろと前で共同輸送するとか、あるいは自動運転のトラックをそこまでマニュアルで持っていって自動で走らせるとか、そういうトラックに関係するようなターミナルというのはもう絶対必要だと思うんですね。十年後に自動運転トラックが新東名上り千台、下り千台走るようになったときには、相当大きなターミナルが必要になると思うんです。そのターミナルは、多分僕は公共ターミナルとしての色彩が強くなると思っているんです。いろんな事業者が使う必要があります。
ですから、今御質問にあったのは、民間が直結型でそこの施設を造るというふうにおっしゃったんですけれども、民間企業は在庫だとか仕分けだとかそういうふうなことをやるのは直結していなくていいんですね。直結しなきゃいけないのは、あくまでもそういう高速道路にすぐ乗り入れるための自動運転トラックのためとか、あるいは上りと下りで運転手が替わるためなんで、その直結のためには民間である必要はないし、むしろ民間はそこまで僕は投資できないんじゃないかというのが僕の考えなんですね。そういう意味で、国とかNEXCOの役割は大きくなってくるんじゃないかと思っています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/49
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050・矢倉克夫
○矢倉克夫君 済みません、改めて、その上で、当然、まず公共がやるべき話ですけど、そういう部分で民間が協力するという民間があれば、それは当然いいということで。
じゃ、改めて、もうちょっと一問だけ長谷川参考人にお伺いをしたいと思うんですが、この道路の重要性ということで、渋滞の部分を生じさせないための道路というところもあると思いますけど、もう一個、例えば防災のときなども、例えば一つの、いざというときの緊急物資を運ぶための道路という重要性はやはり必要になってきて、その上で、一つの道路が仮に通行として使えなくなった場合にもう一つあれば有益であるという議論も、そういったいろんな道路の多機能化というところから高速道路も更に造っていくべきだというような議論も当然あったりするわけですけど、それについての御所見等、もしありましたらいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/50
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051・長谷川茂雄
○参考人(長谷川茂雄君) ありがとうございます。
東日本大震災以降、防災のために道路が必要だということが盛んに喧伝されてきております。
防災ということで、私たちというか、私個人が考えるのは、やはり災害対策基本法の目的にもありますように、国民の命と財産を守るというのが防災・減災の第一目的ではないかというふうに思います。
国土交通省さんが、例えば東日本大震災の後に、くしの歯作戦で道路が非常に役立ったということを宣伝されていますけれども、それは災害が起きた後に物資を輸送することで一定程度効果を果たしたということなんだろうと思います。
阪神大震災の後に、近畿地方整備局がどのような教訓があったのかということをレポート出していますけれども、七割以上は住宅の圧死で亡くなったと、なので、命を助けるにはいち早く助けることが大事であるという、そういうレポートを発表していますので、確かに物資を運ぶためにはそういった道路の整備も必要という議論もあろうかと思いますけれども、どちらを優先するのかという視点でいうと、まず命を守るために税金をどこに使うのかという視点で考えますと、私個人は、やはり住宅の耐震化とか建物の補強などにまず税金を使っていただいてそれでまず圧死をなくすと、そのことで国民のまず命をより多く守って、で、その後、災害そのものは人の力では防げませんので、災害が起きた後に最低限物資輸送に使えるような代替路線を含めた道路の整備などを考えていただきたいというのが私個人の意見と希望であります。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/51
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052・矢倉克夫
○矢倉克夫君 三人の参考人の先生方、大変に貴重な御意見ありがとうございました。引き続きの委員会質疑でしっかりと先生方の御意見を踏まえて議論をしてまいりたいと思います。
ありがとうございました。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/52
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053・石井苗子
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
参考人の皆様、今日はありがとうございます。
私は、高速道路は使うだけの人間でございまして、専門的なことが全く分からないんでございますが、今回の法案に関して申し上げますと、相当長期間にわたって将来世代に負担を求めるものになっているんだなということが、先ほどから九十年とか百年という、道路だけ残って私たちはそして誰もいなくなったみたいな先の話でございますが、そういう中で、やっぱり国民の皆様が百年後にいたとしたら、この法案を今どういうふうに決めたかと、何を言って、言い残したかというのはとても大事になってくると思っております。
料金負担の軽減の視点は重要だと思うんですけれども、根本参考人と近藤参考人にお伺いしたいんですが、国民の皆様の負担軽減というところでいえば、例えば将来、機構の金利の設定を見直すなどが考えられると思うんですが、いかがでしょうかというのが一つと。
高速道路の料金制度のことがいろいろと先ほどから出ておりますけれども、私なんて、百年先のことを話しているんだったら、今生きている人がじゃんじゃん料金が少ない定額でやった方がいいんじゃないかって思う。二百円とか四百円になったらいいなという、そういう単純な頭しかないんですが、その定額料金制の導入というのは、高速の活用促進にもつながるでしょうし、物流の支援にも、意味では一つの考え方だと思うんですが、かなりドラスチックな制度展開だと思います。そのために定額料金を導入して、例えば、例えば一律全国同じにするんではなくて、交通量の少ない地域においてから部分的に導入を進めるというような考え方、どうなのかをお聞きしたいんですが、参考人のお二方に御意見をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/53
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054・根本敏則
○参考人(根本敏則君) 確かに、金利は現在とても低いです。それで、ただ、道路保有機構は、今は低いんですけれども、徐々に上がって四%ぐらいに擦り付いていくだろうという、何かそういう予測の下に資金調達計画を立て、それで返済していこう。だから、安全面、安全サイドで見ているという見方もできるんですけれども、でも、最近上がっていますよね、世界的に。二十年前、三十年前考えれば非常に高い時期もあったので、ずうっとこれまで安全サイドで見て、そして余裕ができたらその余裕ができた資金を四車線化に回すとか、そういうふうな調整ができたんですけれども、本当に大丈夫かと、超長期見たときには四%を超える可能性もありますよね。
ですから、そこら辺はまた、どうなんでしょう、五年ごとに更新計画を考えて計画を練り直しながらやっていこうというふうな、そういう過程で金利情勢なんかも加味しながらまた考えていくということでいいと思うんですけれども、そういう意味では、今、四%、高い金利を、何というか、そういう見通しを持っているのはけしからぬというほどではないんじゃないかと私は思っております。
あと、定額制ですけれども、個人的には、やっぱり定額制は非効率な仕組みだというふうに思います。
やっぱり、受益に応じて負担してもらう。これは、先ほどヨーロッパの御紹介も近藤参考人からあったわけですけれども、実はヨーロッパは、大型車は対距離制の料金を払ってもらっていますが、乗用車に関しても、欧州委員会が、これからは乗用車も対距離制で払ってください。燃費が良くなる電気自動車も出てくる、やっぱり対距離制というのが一番公平なやり方だと。そして、その料金には、混雑とか環境上の影響ですね、騒音が問題となる地域はやっぱり料金を高くしてとか、やっぱりそういうふうにすることによってきめ細かい交通マネジメントもできるわけなんで、そういう意味では、やっぱり定額制は非常に困ったやり方。
もうITも使えるわけですからね、距離に応じて取る、これは費用が安くできます。ですから、昔と違ってですね、是非、対距離制でいくべきだと思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/54
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055・近藤宙時
○参考人(近藤宙時君) 長期の負担についての御質問でございましたけれども、現在考えられております九十年も、先ほど申しましたように、永久償還も余り変わらないのであれば、やはり銀行の意見を聞いて、本当に元本を何年間で償還してほしいのかどうかというところも鑑みて決められればより安くなるのかと思いますが、利率に関しては、四%というのは、根本先生の方からもありましたけれども、安全率を見ればその程度なのかなという感じはいたしております。
定額制につきまして、利用の少ない道路はまずやったらどうかというようなお話でしたが、それはあり得る話だと思っております。ただ、定額制にすることによりまして、渋滞緩和ですね、出口を多く造れるという点からの渋滞緩和策等も使えますので、全国的に定額制にしておいて、料金制度でめり張りを付ける。あるいは、乗用車に関しては、とても渋滞をするような東名、名神等について、奇数日には奇数の番号だけの車が走ってくださいとか、そういったような弾力的なことも逆に定額制だから取りやすいのではないかと。
根本先生の方から、使っただけというお話がありました。確かに使っただけ支払うというのはあるんですけど、じゃ、何を使っているのかというと、先ほど申しましたように、燃費も何も使っていません、全て持ち出しでございますよね。
ちなみに、山手線、幾らだと思っていらっしゃいますでしょうか。高速道路、自分では動いてくれません。自分たちが金を払わなきゃいけない。大体一台当たり二百五十万ぐらいの大衆車を買っても、十万キロ、十年使うと、一キロ当たり五十円ぐらいの経費が掛かります。運転手代は入っていない。それにプラス二十四・六円払わなきゃいけない。要するに七十五円も払っているわけですが、山手線、十七円です。
距離制といっても、考えますに、今の距離制の二十四・六円とかトラックの五十円近いとかいう料金は、これまでの、まあ山手線よりも高い料金を前提として、二十七キロしか走らないことを前提とした料金じゃないかと。要するに、今の通行台数が増えることはない、減るかもしれないというところで出している。今の通行台数ありきで料金がずっと改定されてきたのかなというふうに思います。
定額制の、根本先生からも御反論ありましたけれども、アメリカの、御存じかどうか、渋滞緩和のためのダイヤモンドレーンというのは、二十五セントこっきりと距離関係ございませんし、フランスの方も、距離制と書いてありますけど、パリ―リヨン間の定額であったり、都市間の定額制でございます。
元々距離制というのは、ちょっとデータがなくて発表にはあれだったんですけれども、どうも名神を造るときにちょうど計画されていた東海道新幹線の客を奪わないようにという配慮がされたというふうにも聞いておりますが、そういったところで一キロかなり高い、山手線より高いような料金になっているのかなというふうに思います。
今、それこそコンピューターで簡単に計算できますので、例えば、今二十数キロしか走っていないのを五十キロにするにはどうしたらいいのかというような計算もできるのではないかと思います。
先生のおっしゃった、少ない道路から、利用が少ない道路を取りあえず定額制にするという御意見には大変賛成でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/55
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056・石井苗子
○石井苗子君 ありがとうございます。私の頭、コンピューターじゃないんでちょっと今頭がこんがらがっておりますけれども、とにかく安い方がいいなというところしか考えられないんですが。
追加する、その更新、進化事業の妥当性というものについて、その評価方法をどうしたらいいのかと、ここをお伺いしたいんですけれども、長谷川参考人と根本参考人、お二方にお伺いしたいんですが、今回の法案なんですけれども、かなり将来に向かってその負担をお願いしますというものであるということだけは分かるんですけれども、この進化事業という言葉がよく分かんないんですが。進化していくものって、高速道路が生き物みたいでございますけれども、それを追加するに当たって、必要なかつ合理的な事業のみを対象とするためにどういう妥当性を評価するかということが重要だと思っているんですよ。
うちの政党は、二車線から四車線にするのは結構で、四車線から八車線に六車線に、それはいいけれども、どういうところからやっていくのかその妥当性というのをちゃんと検討するべきだという意見もすごく強くありまして、その進化事業、例えば、四車線化の事業も進化事業ですし、自動運転に変えていく、対応していくのも進化事業だと思います。さらには、新設事業というのも新規に建設していくという意味で、新規建設事業というのも進化事業に入るのかと。こうなりますと、性質が、私なんかが素人目でございますけれども、見ていると大分違う、それぞれ全然違うじゃないかと、様々な事業が該当するんではないかと考えられるんですが。
そこで、さっき私が言った妥当性なんですが、誰がどのようにして決めるのかという課題について、妥当性の評価ですね、近藤参考人と長谷川参考人、どのようにお考えでしょうか。お答えいただきたいと思うんですが。追加する事業の妥当性の評価、異なる性質の進化事業の優先順位の付け方についてどのように行うべきかという御意見をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/56
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057・近藤宙時
○参考人(近藤宙時君) 済みません。ちょっとぼうっとしていました。最初に長谷川参考人と根本参考人と聞いていたものですから、私じゃなかったのかなと思って、失礼いたしました。
私でよければですね、更新の妥当性でございますけれども、これは、本当に、一つには、メンテナンスの面から見た技術的な問題が一つあると。これは、もう本当にプロの技術の方々の耐久性の診断から必要な経費が出てくるものと。
それからもう一つの点につきましては、やはり、ただ単に道路の使われ方だけではなくて、その道路を四車線化、五車線化することによってどのような経済波及効果が生まれるか、これはコンピューターでシミュレーションできると思いますので、そのような経済効果と一緒に発表されるべきではないかなというふうに思います。それが発表されれば、妥当性というのは当然のことながら誰でも納得できるものになるんじゃないのかなというふうに思います。
もう一つの点で、道路の多機能化、これは本当に私も大賛成なことでございますけれども、今、料金所のために被災地にすぐに行けなかったり、十キロに一か所だから、そこの間の国道が破損していると被災地に行けないというような状況、あるいは大型のクレーン車とかいろいろな重機が高速道路のトールゲートを通れなかったというような話も聞いておりますので、この辺のところも勘案しながら事業を進めていただければよろしいかというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/57
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058・長谷川茂雄
○参考人(長谷川茂雄君) 進化事業というのがちょっと私もよく分かりませんけれども、新しく事業を行うに当たってどういうことが評価というか、検討すべきかということでいうと、参議院の十五日の委員会で大臣がおっしゃったような客観的な事業評価がきちんとされればそれはよろしいのではないかと。
例えば、その緊急性であるとか必要性、あるいは将来見通しの中で交通量が増えていく、あるいはこの道路をもっと税金を掛けて維持して、造って、あるいはメンテナンスをしていかなければならないというようなのは、そういう客観的な評価の中身になるのではないかというふうには思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/58
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059・石井苗子
○石井苗子君 根本参考人と申し上げたようですので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/59
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060・根本敏則
○参考人(根本敏則君) 進化事業の一番典型的な例は、自動運転トラックに対する対応ではないかなというふうに思うんですね。自動運転トラック、黎明期と普及期という言葉の使い分けしていますけれども、黎明期、数十台が行き交うようなときは少しこれ補助金を充てて助けてあげるとかそういう要素があると思いますけれども、普及期になったらば、これはトラック会社が喜んで費用を負担してくれるんじゃないかというふうに思うんですね。
ですから、これは通常の料金とは別建てで自動運転のトラックの方に払ってもらうお金で、先ほど言いましたような大規模なターミナル、それから合流のところが問題になっていますけれども、合流するときに後続の車に関する情報を自動運転トラックに情報として提供してあげる、それによってスムーズな合流ができる。こういうのもインフラ側で手当てしてあげなきゃいけないことなんですけれども、こういうふうなものに関しては、私は十分自動運転トラックからお金をいただくと、そのためのですね、そういうことで賄っていけるんじゃないかなというふうに思っています。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/60
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061・石井苗子
○石井苗子君 ありがとうございました。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/61
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062・浜口誠
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。
今日は三人の先生方、参考人の皆さん、本当にありがとうございます。大変貴重な意見をお伺いできたというふうに思っております。
まず最初に、根本参考人と近藤参考人にお伺いしたいと思います。現行の高速道路料金は対距離制料金ということになっております。この課題についてお伺いできればと思います。
私は、高速道路はもう全国の国民の皆さんの財産だというふうに思っております。なおかつ、公共性の高い非常に重要なインフラだというふうに受け止めております。しかしながら、現行の対距離制料金だと、これは本会議でも申し上げたんですけども、あたかも一キロメートルごとに関所があって、乗用車であれば二十四・六円ずつ料金が上がっていってしまうと。まさに目的地がどんどん遠ざかってしまう、走れば走るほど料金が高くなるので、利用者の方からすると長距離の利用を大きく阻害をする料金体系になっているんではないかなというふうに思います。
また、地方の皆さんが大変使いづらいと、長距離走ると料金高くなるので、地域間の格差を生んでしまう、こういう課題があるんではないかと私自身は認識をしておりますが、両参考人から見たときの現状の対距離制料金の課題という面で御意見がありましたらお伺いできればというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/62
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063・根本敏則
○参考人(根本敏則君) 私は、対距離制の方が定額制よりも効率的で公平な仕組みだと思っていますので、今の御質問の意味はよく理解できないんですけれども、長距離走ったならばやっぱり長距離の分だけお金を払っていただく。それは、JRでもフェリーでも何でも交通機関は基本的にそういうふうな原則でやるのが普通じゃないかというふうに思うわけなんですけれども。ですから、ちょっと質問の意味がよく分かりません、私は。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/63
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064・近藤宙時
○参考人(近藤宙時君) お答え申し上げます。
距離制については、根本先生とは違いまして、むしろ鉄道のように距離に従って増える費用というのは何があるのかと。確実に人件費、運転士さんの費用、長く乗れば乗るほど掛かりますし、電車の損耗もあります。それから、燃料費というのもあると思いますね。高速道路、これらありません。唯一あるのが維持管理費だろうと思いますけれども、その維持管理費でも、東京から入った人が全て新横浜や町田辺りで降りるのとその車がもっと遠くまで行くのと、その地点についてのメンテナンス料金というのは大して変わらないのじゃないかなというふうにも思います。
また、払った分だけと言うんだったら、どうしてこれほどまでに今サブスクなのかと。東京ディズニーランドが多分一番古いんじゃないかと思いますけれども、最初は一つのパビリオンごとの料金でございました。それを十年ぐらいしてやめて、全部一日幾らというふうになったと。それで利用者が減ったかといいますと、かえって増えておると。国民全員が今、音楽なんかもサブスクで聞いているような状況でございまして、使った分だけというよりは、一回入ったら幾らっていうのが比較的なじんできているんではないかというふうにも思います。
また、政策的な意味から申し上げますと、先ほどの表でお示しさせていただきましたとおり、遠くほど低賃金でございます。これは、欧米各国と違う状況が一つございます。地域ごとの発達度合いがかなり東京から離れるに従って低くなっているというのは、もうこれは認めざるを得ない状況かと思います。アメリカですと、全ての州の州都には我々が聞いたような大企業の本社がございます。決してロスとニューヨークだけに集中しているわけではない。ところが、日本の場合は、先ほどお示ししましたように、太平洋地帯に八五%もの企業がいるということは、遠く離れたところほど遠距離から行かなきゃいけないわけですね、大企業あるいは大学に。
ということで、ただでさえ距離、時間の不利がある。それに対して政策で更に坂道を付けるような距離制料金というのを取るべきなのかどうかというのは、私以上に国の全体のことを考えていらっしゃる議員の皆様にとっては大事なのかなというふうに思っておりまして、距離制よりは、遠くを少しでも近くにしてあげると、九州あるいは北海道から東京に運ぶ野菜の値段が中国からの来る値段よりも安くするにはどうしたらいいかというようなことの方が重要なのではないかなというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/64
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065・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
今、高速道路会社も地域ごとの定額乗り放題プランとかいうのたくさん出しています。また、外国人専用の、今はコロナ禍で一時中止しておりますけども、ジャパン・エクスプレスウエー・パスという外国人だけ全国乗り放題の料金制度も展開していたと。この実態踏まえても、距離制料金だけではやっぱり高速道路は有効に活用できないということを高速道路会社も認識しているということではないかなというふうに思っております。しっかりと議論を重ねていきたいというふうに思います。
続きまして、長谷川参考人にお伺いしたいと思います。
長谷川参考人の方から、二一一五年以降無料開放に対しての御意見いろいろございました。そこでお伺いしますけども、二一一五年以降、無料に仮になった場合、実際の高速道路の修繕、メンテナンスというのはそれ以降も多分必要になってくるというふうに思いますけども、こうした修繕費用に対してどのような形で財源を確保していくことが適当と考えておられるのか、財源の面で御意見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/65
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066・長谷川茂雄
○参考人(長谷川茂雄君) 無料にしなさいということを強く言っているわけではないんですけども、少なくとも現在までの国の方針ではいずれは無料にしますという方針ですので、取りあえずそれを守ってくださいというふうに申し上げています。
根本先生のように、適切に利用者に費用を負担してもらうという受益者負担というのが適切、公平にされるのであれば、それはそれで一つの維持管理の在り方かなというふうに思いますけども、ただ、現実に世の中見回してみますと、高速道路というのが整備されて、それが物流に貢献して国民生活を支えているというのは、間接的ですけども、それも一定程度事実でありますので、そうなれば、財源としてどこのどういう財源なのか分かりませんけども、まあ一般財源ということになるんですかね、いわゆる国のお金で維持補修の分を、その分を支えるというのは、それは一定程度国民の理解は得られるのではないかというふうには思っています。
なので、その場合は国交省の、何ですかね、どっかの予算の一部として維持補修の費用をきちんと毎年度計上して維持していくということになるのではないかというふうに思います。必ずしもそれがいいというふうに言っているわけではなくて、まあ料金を徴収するというのも考え方としては別に間違ってはいないというふうには私自身は思っています。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/66
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067・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
近藤参考人にお伺いしたいと思います。
私も国会では、ワンコイン五百円定額制というのをいろんな場を通じて提案をさせていただいております。今日のお話は更に一歩進んだ御提案もあったというふうに思っております。
この定額制については、いろいろ御意見ございますけれども、私はいろんな面でステークホルダー、多くがウイン・ウインの政策になるというふうに思っております。一つは、地方にとっては、もう地方創生、観光需要を爆発的に活性化する起爆剤になるというふうに思っておりますし、また国も税を使わずに経済対策実施することができます。また、自動車ユーザーにとっても、長距離を移動する場合は非常に料金が安くなるというメリットもあります。産業界にとっても、物流費が大幅に下がることで競争力の強化にも直結すると。さらには、NEXCO三社にとっては、利用者増にもつながっていく大きな要素にもなるんではないかと。まさにステークホルダー五者が五方よしの料金が定額制ではないかということは感じております。
そうした中で、近藤参考人は地方の県庁にもお勤めをされていたというふうに伺っておりますが、地方から見たときのこの高速道路の料金の在り方、どういった思いで地方の県庁の皆さんとか受け止めておられるのか。地方の目線で料金制度に対する御意見がありましたら、是非お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/67
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068・近藤宙時
○参考人(近藤宙時君) 私、実は岐阜県庁というところに四十年近く奉職しておりまして、肩書としましては企業誘致監とか観光課長とか等もやっておりまして感じたことですね。
地方にとりまして、特に観光面、これは観光のときのあれではなくて、自然環境保全課というところでですね、実は日本で一番高いところに、乗鞍というところに駐車場を持っております。県営駐車場でございますけれども、これを、運営管理を委託しておりました業者さんから、事業者、自然環境を守るためにバス以外が一切駐車しちゃいけないというか、乗鞍スカイラインというのは走るなというふうにしておりまして、それが前年からいきなり二割ぐらいに減ってしまって、とても今の料金収入ではやっていけないので支援してくれというお話が来まして、それで調べましたところ、東京から乗鞍までの日帰りツアーというのが相当多かったけれども、これがある事故をきっかけにした五百キロ以上走る場合には運転手二人という制度に伴いまして、一人当たり、乗客一人当たりが二千円ほど増えてしまうと。一万円以上の日帰りバスツアーは売れないからという法則があるそうで、それによって一気に減ったということがございました。
こういったようなバスツアーとかですね、ものがやっぱり定額制になれば、バスというのは特大車になりまして一番高いですので、例えば最低挙行人員二十人で割った場合に二千円くらいこんと下がってしまうということになれば、また復活していただけるというようなことがございます。
また、企業誘致としましては、岐阜県、幸いにして拠点に近いところでございましたので、企業誘致の仕事としては、企業を誘致するよりも、どちらかといえば企業に提供する土地を探すという方が仕事の主なものでございますが、遠くの方の地域の方から聞きますと、なかなか企業誘致、どうしても進んでいても途中でやっぱり運送料の関係で難しいというようなお話があるというふうに聞いております。
余り具体的なお話できませんでしたけれども、この程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/68
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069・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。まさに地方から見たときに、物流面ですとか観光面でこの高速道路が果たす役割は極めて大きいということだというふうに思っております。
そうした中で、分担率は、日本の場合は二割程度にとどまっています。欧米はもう三割超えているということですね。やはり日本の高速道路は使われていないというのは、この数字からも明らかになっていると思います。
そこで、近藤参考人にもう一度お伺いしますけれども、この分担率を上げていく、もっともっと高速道路を国民の皆さん、全国の国民の皆さんに使っていただくために、やはり料金というのが大きな足かせになっているんではないかというふうに思っておりますので、この点に対して、この分担率を上げていくという観点から、どういった改革が必要なのかという点について御意見をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/69
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070・近藤宙時
○参考人(近藤宙時君) 分担率の関係でございますけれども、やはり高速道路というのは、利用されればされるほど、国道から高速道路に移れば、当然ストップ・アンド・ゴーの必要性もなくて、燃費が良くなる、それから疲れにくいという点が大きくございます。ですから、高速道路の分担率というのは、やはり上げていくというのに、せっかくの資源でございますので、国民の資源を有効活用して上げていくというのにしくはないと思いますけれども、やはり、遠くの方まで使うというのが法律の趣旨でございます。遠くの拠点と拠点、東北と東京、あるいは関西と九州をくっつけるというのが高速道路の役目であるならば、それにふさわしい拠点間が利用しやすい料金体系ということで、定額制というのもひとつ考慮といいますか、今の時代ですので、シミュレーションに掛けてどの程度の効果があるか、分担率も上がるかということも判断できるかと思いますので、していただければなというふうに分担率に関しては思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/70
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071・浜口誠
○浜口誠君 ありがとうございます。
今日御指摘ありました高速自動車国道法並びに道路法に書かれている法の趣旨を踏まえて、今の高速道路が本当に活用されているのかどうか、しっかりこの委員会でも議論していきたいというふうに思っております。
大変参考になりました。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/71
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072・田村智子
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。今日はありがとうございます。
まず、ちょっと根本参考人にいただいた資料で御説明いただきたいことがありまして、ある意味、根本参考人の御説明が国交省が説明していない部分をかなり詳しく説明していただいたなというふうに思いながら陳述を聞いておりました。
これ、後ろから二枚目の資料でしょうか、これ、二〇三五年度から二一一五年度まで更新工事で年八百億円を見込んだというシミュレーションをされています。それで、更新については、国交省の答弁は、すぐに必要となるのが一・五兆円分と、これに加えて六・八兆円分が今後蓋然性が高いと。これ、合わせると八・三兆円なんですよ。すると、この八・三兆円というのを一つの根拠として年八百億というようにシミュレーションされたんでしょうか。このシミュレーションの基が何なのかを御説明いただけないかなと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/72
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073・根本敏則
○参考人(根本敏則君) 一番分かりやすく言えば、これだけの資産額があって、その資産が耐用年数が何年だろうかと、橋とかだったら百年ぐらいの耐用年数で架け替えなきゃいけないでしょうと。そうすると、五十年前に造った橋は五十年後に架け替えるような形で、そういうような形で更新投資を推計してみたら大体八百億円ぐらいではないかというふうな、そういう何というか推計なんですね。
国交省さんのやっているやつは、多分、実際のここの箇所、ここの箇所でこういうふうな更新工事が必要でこれだけ掛かるというふうなのが、何ですかね、ちゃんと分からないとどういうふうに借金していいか分からないと、そんな無責任なことはできないと、ある意味真面目にやっているんだと思うんですね。だから、将来の更新投資はこれぐらいだろうということを言えない。
僕はむしろ、でも、そういうことをちゃんと言わないと、ある程度精度は落ちても、将来これぐらいの更新投資があるんではないだろうかというようなことを、まあ誤解があるかもしれませんが、大ざっぱに見通すということもやっぱり大事な仕事じゃないかと。きちっきちっとその財源調達計画を作る、返済計画を作ると、きちっとやるのも大事なんだけど、大まかな予想をするというのも大事じゃないかなと思う。我々のやつはまさに大まかなやつなんですね。だから、現場から上がってきているやつじゃないんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/73
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074・田村智子
○田村智子君 やっぱり、笹子トンネル事故を受けて、根本参考人もおっしゃるとおり、私は、この更新事業についてどれぐらいをどう見込んでいるのかというのを出さないと、今後の道路のお金に一体どれだけ掛かるのか、それが料金徴収との関係でどうなのかというのは検証できないんじゃないかというふうに思いますので、そういうシミュレーションが皆さんのところでもなかなか困難な状況だということが分かりましたので、これ、後の委員会でただしていきたいというふうに思います。
次に、長谷川参考人にお聞きをしたいんですけれども、本当に高速道路事業は、言わば今のスキームというのは、機構から投資を受けて造ります、それを料金で償還していきますというふうに言いながら、御指摘あったとおり、国直轄事業という言わば抜け道、薄皮まんじゅうというふうにおっしゃいましたけれども、これを使ってどんどん道路を造ることができますよと。言わば現在のスキームというのが矛盾というか破綻というか、そういう状況にも陥っているんじゃないかというふうにも思います。
じゃ、そういうやり方も含めて、どういうふうに道路建設を今後も続けていくのかということを、更新とそれが両立できるのかということも含めて、大規模な検証ということをやっていかなければならないんじゃないかという問題意識を持っています。
その道路を建設していく上で、今まではその事業の評価としてBバイC、費用便益比、これというのが言わば大きな指標であったというふうに思います。お話あったとおり、あの二〇二〇年七月の事業再評価時点で一・〇一と、その後に調布の陥没事故も起きていると。
この国土交通委員会で私も、じゃ、一を切ってもいいのかという質問をしましたら、国交省はこれ答えないんですね。一を切っても事業としてこれは進めていいものなのかどうかを答えない。
このことについて、長谷川参考人の御意見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/74
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075・長谷川茂雄
○参考人(長谷川茂雄君) やはり一を切れば、それは私は見直しや中止の対象にすべきであると。それは、要はコストと便益。メリットは、造った後のメリットですか、プラスアルファの経済的な効果というのを考えて、費用の方が高いのは、通常、民間会社の事業であればそういう事業は始めないわけですから、百億掛けても十億ぐらいしか利益がないような事業、普通の民間会社では事業としては採用されないわけですから、それは国が行う事業であってもそれはやっぱり同じような視点で検証すべきであろうというふうに思います。
あと、最初の方であった、どうやって必要な道路を造るかということについて言えば、例えば国がきちんと説明すれば、例えば国と高速道路会社が半分ずつ負担して、どうしてもこの地域の維持にとってこの道路は必要ですというふうにきちんと説明をすれば、別に税金を使うことに対して全部が反対するということにはならぬというふうに思うんですね。先ほど言いましたように、物流をきちんと支えている一部になっている道路もあるわけですから、そういうことでいうと、地方の皆さんの生活を支えるためにはこの路線は必要ですということを丁寧にきちんと情報も出して説明すれば、税金と高速道路管理会社が半分ずつみたいなことも別に、当然それはあり得るのではないかというふうに思っております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/75
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076・田村智子
○田村智子君 その造る方なんですけれども、私が危惧しているのは、更新は、あのトンネル事故を見ても、私最優先にやっていかなければならない事業だというふうに思います。また、暫定二車線のところも、本当に危ないところ、これは交通事故を防ぐためには進めなければならない事業だというふうに思います。
ただ、それが、どこが必要性が高いのかということが全国的なこの道路計画として示されないわけなんですよね。全国的に示されたものはあの四全総が最後じゃないかというふうに思っていまして、高規格道路が一万四千キロ、地域高規格道路等々の建設について、じゃ、これ四全総のとおりに造るんですかというふうに聞いても、これ、国交省は、国交大臣は、今も四全総が生きていて、それを造ることが国としての事業計画なんですとは言わないわけですね。個々に上がってきた事業について必要性を評価しますという言い方になってしまう。
私は、これは本当に、例えばこの間いろいろ問題にしてきた下関北九州道路というのは、かなり政治力もあって事業が復活したりということがあるんじゃないのかと。あるいは、東京外環なんかも、もう本当に凍結してもう造られないと思っていた道路がいきなり大深度地下だったらということで、これも大臣が視察をすることから始まって急に浮上するというようなことで、そうすると、これらの事業が、全国的な道路事業の計画との関係とか本当の必要性がどうなのかとか、そういう精査する仕組みというのが本来求められているんじゃないのかというふうに思いますが、これ、三人の参考人の方にお聞きをしたいと思います。順番に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/76
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077・根本敏則
○参考人(根本敏則君) 更新工事がまず優先されるべきでしょうというのは、それは私も賛成です。
あと、暫定二車線区間の四車線化に関しては、やはりいろいろな箇所があって、全国要望もいろいろ出てきていますから、公平公正に選んでいく必要があると思うんですけれども、国土幹線道路部会というところに私所属していますけれども、そこで評価項目をたくさん立てて、BバイCもあるんですけれど、それ以外に、交通事故が多いとか、それから災害時の代替路になるとか、いろいろな指標で総合的に評価して、千六百キロある、千四百キロ残っているうちの優先的に整備する区間というのをみんなで相談して決めるような手続を取っています。
それ以外でほかにも新規着手すべきところがあるじゃないか、あるいは自動運転に対応した進化のための投資があるじゃないか、これはそれやっぱり大事だと思いますけれども、それはそれでやはりみんなで議論して、多分国会の先生方も加わって議論していくということでよろしいんじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/77
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078・近藤宙時
○参考人(近藤宙時君) やはりメンテナンス、安全な交通を確保する高速道路という点でメンテナンス費用は絶対に必要だというふうに思っております。これについては、かなり詳しく幾ら掛かるかというのは発表していただけてもいますし、これからも発表していただけるものであると、既存の施設でございますので大体の状況は分かるものじゃないかなと。
それから、二車線から四車線というような拡充につきましては、渋滞度合い、それから先ほどお話にありましたような緊急時の避難場というような総合的なもの、それからGDPが影響とかそういったものを総合的に勘案されて、最も必要というような係数を出された上で優先的に必要なものからやっていくと。
新規につきましては、もう本当にGDPとか住民の利便性、そういったものについてどれほど影響があるか、また地元の求めている度合いについて相当に勘案し、これらの数値も発表した上でやられるのが妥当なのではないかなというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/78
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079・長谷川茂雄
○参考人(長谷川茂雄君) 私も同じような考え方で、やはり既に供用されているネットワークというのは国民生活に貢献している社会インフラということでありますので、万が一の事故などが起きないようにきちんと維持補修というのを最優先でやっていくべきだろうというふうに思います。
暫定二車線の四車線化の部分とあと新規事業の部分については私は考え方としては同じような捉え方をしていまして、きちんとした客観的な評価がされて四車線化にしなければならない、あるいは新規にこの路線を造らなければならないというきちんと指標が示されて根拠が示されるのであればそれは必要なんだろうと思いますけれども、単純に、暫定二車線になっちゃっているので、取りあえず計画は四車線なので、計画しているから四車線に単純にするというようなことでは私はちょっとおかしいのではないかと。それはもう既に暫定二車線として一定程度供用されていて使われている実績がありますので、二車線では足りないという明らかな要因とか根拠がなければ別に四車線化する必要はないんではないかと、そういうふうに思っていますので、これは新設路線と同じですね、どうしてもこの路線が必要だというのであれば、客観的な事業評価というのをきちんと大臣がおっしゃったような形で根拠も示して、ああ、それであれば造った方がいいねということであれば、きちんと説明した上で造ればよろしいのではないかというふうに考えております。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/79
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080・田村智子
○田村智子君 今ので、皆さん、その優先順位があるということのお話だったんですけれど、問題はその優先順位というのが見極められる仕組みがあるんだろうかということなんですね。国会の審議にはほとんどかからないわけです。今回も、こういうスキームで示されるとかからなくなりますね。こういうスキームで造れますよと、民間の中で投資が行われる、償還計画こうやる、で、一つ一つの事業の審査についてはそれぞれの審査機関でやると。
そうすると、優先順位をつくるその仕組みというものをどういうふうにつくったらいいのか。これ、ちょっと御所見のある参考人の方いらっしゃいましたら、お手を挙げてお答えいただけないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/80
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081・蓮舫
○委員長(蓮舫君) いかがでしょうか。
根本参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/81
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082・根本敏則
○参考人(根本敏則君) 新規に着手すべき路線というふうな話でいえば、ある意味、BバイCという原則があってそれで決めていくということでいいと思うんですけれども、例えばさっき議論になった自動運転トラックのための投資をどうするんだと、全く質の異なる道路投資が必要になってくるという、この政策判断はある意味今ないわけですよ。どういうふうにそれを、それが大事だというふうに思うのか、思わない、それはいろいろ利害関係者によってまた違うでしょうし。そういうふうなものはやっぱり国会のマターになってくるんじゃないでしょうか。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/82
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083・田村智子
○田村智子君 ありがとうございました。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/83
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084・木村英子
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。
本日は、先生方のお話を聞く機会をいただきまして、ありがとうございます。
私は、障害者の立場から参考人の先生方に質問させていただきます。
誰にとっても社会活動のために交通インフラの整備は重要ですけれども、障害者にとっては、電車、バス、タクシーなどの公共交通機関はバリアフリー化や合理的配慮が進まずに、移動の権利が十分に保障されているとは言えない状況にあります。そのため、就労や就学、余暇活動など、あらゆる場面で交通機関が整っていなければ、社会生活が円滑に行うことができません。
このような状況の中で、自動車での移動が必要な障害者や高齢者にとっても高速道路は社会参加を助ける重要なインフラですが、今回の道路整備特別措置法の改正案では二一一五年まで有料期間を延長するとされています。道路は誰でも無料で利用できるという無料公開の原則があり、高速道路はこの無料公開の特例と位置付けられていますが、このように何度も利用料の延長を繰り返し、自動車ユーザーに負担を掛ける政府の対応は信用できるものではありません。原則に従って早期に無料化するか、又は料金の引下げを行うかを検討すべきだと私は考えています。
そこで、根本先生にお聞きします。
政府は二一一五年には高速道路を無料化すると言っていますけれども、その時点の社会状況は誰にも予測はできません。また、税金や社会保障の国民負担率が五〇%近い数字になっており、昨今の物価高騰も併せて考えると、かなり国民負担を生んでいる中で、現在自動車を使っている人が無料化の恩恵を受けるということもありません。
先ほど根本先生は、自動車の高速料金は高いとおっしゃっていました。道路は公共のものですので、高速道路の料金については九十二年後の完済を待たずに無料にすべきだと思いますが、無料化がもしすぐできないとしても、現役世代の利用者の負担を少しでも軽減するためにはどういった方法が考えられるのか、根本先生の御意見をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/84
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085・根本敏則
○参考人(根本敏則君) 乗用車の高速道路料金は高いというふうに私言いましたけれども、無料にした方がいいとは言っていません。
私は、無料と有料だと、これは有料の方がいいと思っています。無料というのは無駄を生みます。ありとあらゆるものは、無料で提供できるものはないんですね。ちゃんとその使う人にどれだけ費用掛かっているかを理解させるためには、料金が重要なんです。ですから、なるべく負担が低い方がいいというのは、それはうそです。ちゃんと掛かった費用を教えてあげるべきなんです。
先ほど来のサブスクリプションの議論もありました、定額制の議論もありましたけれども、マーケティングの方法として、お客さんを囲い込むために、会費を払ったらあとは郵送料ただというのはよくやりますよね。そうすると、その実際に運んでくるときの費用掛かっていることが全然意識されなくなって無駄がいっぱい起きるわけなんです。やっぱり、その都度その都度掛かっているお金というのが分かるようにするということが大事で、それが無駄を防ぐんです。
そういう意味では、無料にする、安くするといったって、その掛かった費用はちゃんと払ってもらいましょう、更新費用が掛かるわけですからその部分ちゃんと払ってくださいということで、これは、道路は無料にはしない方がいいというのが私の考えなんですね。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/85
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086・蓮舫
○委員長(蓮舫君) 木村英子さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/86
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087・木村英子
○木村英子君 済みません。
次に、近藤先生にお聞きします。
近藤先生の著書や本日の御説明の中でも、未来を見据えた御提案がたくさんされているかと思います。
御指摘によれば、現在の高速道路の料金は、高額な利用料、そして運転手の健康被害、過疎化の促進、巨大インターチェンジを必要とし渋滞を生み出すなどのデメリットを生み出しているとありました。一方、先生の提案している高速道路の利用料金を四百円程度の負担の少ない定額制にすることで、国内旅行などの需要が生み出され経済が活性化する、物流コストを下げる、出口の料金所がなくなることで渋滞が解消されるなどのメリットが生じるという考えはとても画期的だと思いました。
近藤先生の御提案の定額制に移行した場合のデメリットというのはないのかどうかをお聞きしたいのですが、教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/87
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088・近藤宙時
○参考人(近藤宙時君) デメリットでございますけれども、多くの方が混むんじゃないかというふうにおっしゃる。これはかなり聞いたことがございますし、それ以外のデメリットとしては余り聞いたことがないんですけれども、混むんじゃないかというのは確かにそうかもしれません。
ということは、逆に言いますと、利用が増えると国交省さんを始めほとんどの方が思っていらっしゃる。だったら、国民の財産の利用が増えるということはいいことではないか、企業で売れ過ぎて困るということを心配する企業があるかと、言ったら生産量を増やしゃいいわけですので。
そういった点も、定額制、今すぐというと若干渋滞で困る点が出るかもしれませんけれども、定額制にした場合、どこのインターチェンジがどれほど混むかというのは簡単にシミュレーションできる話でございますので、二、三年の後で定額制をするというのを前提にシミュレーションしていただいて、頭のいい方が、こことここに出口を付ければ、ここの入口を付ければ渋滞が減る、あるいは一車線増やせば渋滞が減るというような計算はできるのではないかと。
そういうような政策をした上で定額化すれば問題なく移行できるのではないか。もし弊害があるというなら、弊害を恐れて実効性のある政策を打たないというのは大変もったいない話でございまして、デメリットがもしあるとお考えの機関等があったら、その点も含めて是非シミュレーションをしていただければなというふうに思います。
また、定額制、使っただけと言いますが、では逆に、国道はなぜただなのかというのにお答えいただけるでしょうか。定額制というのも一つの手段として有効にあるというふうに思います。
私の娘、同じく障害者でございまして、毎日電動車椅子に乗っておりますが、そういった者もやはり高速道路の方が疲れずに通行できます。そういった、高速道路を定額制にすることで、より国民のための高速道路を全ての国民のために提供できるという方法の一つではないかというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/88
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089・木村英子
○木村英子君 ありがとうございます。質問の参考にさせていただきたいと思います。
最後に、長谷川先生にお話をお聞きしたいと思います。
先ほどの意見陳述で、温暖化対策のための環境への配慮をしたEV車の推進、そして鉄道輸送への転換をすべきであるとおっしゃっておりまして、高規格幹線道路の建設は見直すべきとの御意見もおっしゃっていました。環境に配慮することは当然私も必要だと思っていますが、私の場合、重度の身体障害者ですから、移動には大型の車椅子が乗れるリフトカーが必要なことから、自動車の利用は生活する上で不可欠であります。
ですから、高速道路も当然必要ですが、近隣住民の方の生活環境とかあるいは自然環境にも配慮した上で高速道路を活用していくためにはどのような対策が考えられるのかということを長谷川先生にお聞きしたいと思います。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/89
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090・長谷川茂雄
○参考人(長谷川茂雄君) 車が駄目だというふうに私は言っているわけではないんですけれども、温暖化対策としてなぜ日本が駄目なのかというと、ヨーロッパでは全て電気自動車、純粋なEV車を温暖化対策として使いましょうということが決められて、それに基づいて各メーカーもそういう対応をしていますけど、日本では、自動車工業会などの筆頭をされているような大手自動車メーカーがガソリンの燃焼を含むハイブリッド車を今まで造って売ってきたので、それをメインにやってほしいというそういう業界の意向を受けて、国の温暖化対策がCO2を出し続けるハイブリッド車を優先するというのが私はおかしいということを言いたいというふうに思っています。
あと、障害者の皆さんの移動の自由をきちんと確保すると、移動の権利をきちんと確保するということでいうと、きちんとその料金体系なども障害者の方々は基本はバリアフリーでどこでもいつでも使えるというような、そういう料金設定をきちんと徹底、国がそういう方針をきちんと明示して、各道路会社がそれに従った対応をしてもらうのがいいのではないかと。
あと、近隣住民との関係は、これはなかなか難しいというふうに思います。地方だと山林とかそういうところを削って道路ができるわけですけれども、一部住宅街とか都市部だとそこに住んでいる方々を立ち退かせないと要は道路できないということでありますので、その場合には、やはり、最初、幾つかこの間この議論の中でもありましたように、きちんと必要性やその客観的な評価をきちんと造る側が説明して住民の方に納得していただいた上で、その立ち退く方のその後の生活再建についてもきちんと配慮した上で造るということであれば理解を得られるのではないかというふうに思っております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/90
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091・木村英子
○木村英子君 ありがとうございました。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/91
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092・蓮舫
○委員長(蓮舫君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。
参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。
参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。(拍手)
本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01420230523/92
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