1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年六月六日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
六月一日
辞任 補欠選任
山本佐知子君 中曽根弘文君
六月二日
辞任 補欠選任
中曽根弘文君 山本佐知子君
中条きよし君 室井 邦彦君
六月五日
辞任 補欠選任
足立 敏之君 朝日健太郎君
大野 泰正君 進藤金日子君
室井 邦彦君 高木かおり君
六月六日
辞任 補欠選任
朝日健太郎君 佐藤 啓君
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出席者は左のとおり。
委員長 蓮 舫君
理 事
青木 一彦君
長谷川 岳君
森屋 隆君
高橋 光男君
石井 苗子君
委 員
朝日健太郎君
石井 浩郎君
梶原 大介君
佐藤 啓君
清水 真人君
進藤金日子君
鶴保 庸介君
豊田 俊郎君
永井 学君
山本佐知子君
吉井 章君
鬼木 誠君
三上 えり君
竹谷とし子君
矢倉 克夫君
高木かおり君
嘉田由紀子君
浜口 誠君
田村 智子君
木村 英子君
国務大臣
国土交通大臣 斉藤 鉄夫君
副大臣
国土交通副大臣 豊田 俊郎君
国土交通副大臣 石井 浩郎君
大臣政務官
国土交通大臣政
務官 清水 真人君
事務局側
常任委員会専門
員 清野 和彦君
政府参考人
総務省大臣官房
審議官 足達 雅英君
総務省統計局統
計調査部長 岩佐 哲也君
農林水産省大臣
官房生産振興審
議官 安岡 澄人君
農林水産省大臣
官房審議官 長井 俊彦君
農林水産省農村
振興局整備部長 青山 健治君
国土交通省大臣
官房土地政策審
議官 井上 誠君
国土交通省都市
局長 天河 宏文君
国土交通省水管
理・国土保全局
長 岡村 次郎君
国土交通省住宅
局長 塩見 英之君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を
改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/0
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001・蓮舫
○委員長(蓮舫君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、中条きよし君、大野泰正君及び足立敏之君が委員を辞任され、その補欠として高木かおり君、進藤金日子君及び朝日健太郎君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/1
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002・蓮舫
○委員長(蓮舫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省住宅局長塩見英之君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/2
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003・蓮舫
○委員長(蓮舫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/3
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004・蓮舫
○委員長(蓮舫君) 空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/4
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005・永井学
○永井学君 自由民主党の永井学です。
質問の機会をありがとうございます。早速、空家対策の、等の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
二〇一八年の住宅・土地統計調査によりますと、全国の空家の総数は八百九十四万戸、居住目的のない空家は三百四十九万戸と二十年間で倍増となりました。このまま対策を強化しなければ、二〇三〇年には四百七十万戸に増加すると見込まれています。
特に、私の地元である山梨県の空家率は非常に高く、全国平均の一三・六%に対して二一・三%と全国ワースト一位となっています。居住目的のない空家に限定しても、全国平均が五・六%なのに対して八・七%と高い水準となっています。このため、山梨県議会議員時代から空家問題については強い問題意識を持って取り組んでまいりました。
今回の法改正により、倒壊等の危険がある特定空家になる前の段階から管理や活用を促すことができるようになるのはとても意義深いことだと考えますが、良い制度をつくっても、市町村が運用することができなければ制度の実効性が損なわれてしまいます。また、空家所有者にも管理や活用の必要性を理解してもらうことも必要であると考えています。今回はそんな観点から幾つか質問をさせていただきます。
以前の一般質疑でも、空家の問題を取り上げたときにもお話をしましたが、私の地元、甲府市においても管理不全の空家が多く、私の事務所の隣にある空家も、特定空家にまでは行かないんですけれども、二階のベランダに腐った布団が散乱をしていたり、ハクビシンの巣となって、ハクビシンが私の事務所に侵入して屋根裏で大暴れをして大変迷惑をしております。今の家に引っ越してきて六年になりますけれども、現在まで悩まされ続けています。
これまで、管理に問題のあるこのような空家があっても、行政が積極的に対応できるのは危険性の高い特定空家に限られていました。今回の法改正により、特定空家になる前の管理不全空家に指導などが行われ、早い段階から管理が図られることを期待していますが、そもそもどのような空家が管理不全空家に当たるのか、その基準が曖昧なままでは、市町村が管理不全空家に当たるものとして指導することに及び腰となり、結果、結果的に制度の実効性が損なわれてしまいます。
そこで、市町村が管理不全空家の制度を使いやすくなるよう国として管理不全空家の判断基準や特定空家との違いを分かりやすく示すべきではないかと考えますが、国交省の御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/5
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006・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答えを申し上げます。
先生御指摘のとおり、今回の法案で新設をいたします管理不全空家、これ、指導、勧告を行えるということにしてございますけれども、この管理不全空家に該当するか否か、これを市町村が的確に判断するということがまず必要になってくるということでございます。このため、今回、法案の施行までに国の指針やガイドラインを整備いたしまして、その中で、管理不全空家に該当するのか特定空家に該当するのか、これを市町村が判断する際に参考となる考え方をできるだけ具体的にお示しをしていきたいと思います。
例えば、窓ガラスに着目をして申し上げますと、全面的に破損をしていると、これによって不特定多数が容易に侵入できるような状態の空家、これは特定空家というふうに判断をされ、また、割れは一部でございますけれども、放置されますと全面的な破損につながりまして外部から侵入できる状態になり得る、そういう空家、これは管理不全空家と判断する、このようなイメージをできるだけ具体的にお示しをしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/6
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007・永井学
○永井学君 具体的に指針を示していただけると今例を挙げても言っていただきましたけれども、この指針が少しでもぶれてしまうと、こっちの空家は管理不全空家で、こっちの空家は似たような空家なのに管理不全空家に登録されないということで、そういったことが起きると所有者から要は苦情が来ると。この苦情を受けるのが市町村になりますので、その市町村が、繰り返しになりますが、及び腰にならないような、できるだけ具体的に分かりやすい指針を示していただきたいと思います。
本法案では、適切な管理が行われていない管理不全空家について、固定資産税の住宅用地特例を解除することになります。住宅用地特例は、御承知のとおり、居住用の住宅が建っている敷地の固定資産税を軽減する措置で、建っていない敷地の最大六分の一に軽減するというものです。また、管理不全空家が適切に管理されるようにするためには、まず所有者自身の管理の必要性を理解してもらい、その行動を促すことも重要であると考えます。
そこで、管理不全空家として勧告を受けた空家の住宅用地特例を解除することとした制度の狙いは何なのか、また、空家の管理に関する所有者の意識をどのように醸成していくのか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/7
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008・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) 今回の法案では、管理不全空家へ指導を行いました後にその状態が改善されないということで勧告をいたしましたときに、敷地に係ります固定資産税の課税標準を六分の一とする住宅用地特例、これを解除するということにしてございます。
これは勧告や特例の解除すること自体を目的としているものではございませんで、空家の状態が悪化しないように所有者に対しまして日頃からの適切な管理を強く促そう、こういう趣旨、目的で設けようとするものでございます。所有者の方には適切な管理を自主的に行っていただく必要がございまして、これを促すために、国といたしましても、管理指針という形で管理に必要な具体的な対応をお示しをしたいと思っております。
あわせて、所有者への意識啓発、これも大変重要でございます。国、地方公共団体が連携をし、さらに、今回新たに設けます支援法人の制度、この支援法人とも連携をいたしまして、空家を所有し続けることに伴うリスクの周知などを行いまして所有者の行動を促していきたいというふうに存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/8
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009・永井学
○永井学君 所有者に管理意識をしっかり持ってもらうこと、これが今の御答弁にもありましたが極めて重要だと考えています。周知の徹底を是非よろしくお願いをしたいと思います。
空家の管理を確保することも重要ですけれども、空家を早い段階で活用につなげ、空家状態の解消を図っていくという抜本的な対応は極めて重要だと考えます。
その一つの方法として、先ほど質問した所有者に対しての空家管理に関する情報の周知徹底もあるでしょうけれども、しかしながら、空家の活用はこれまで様々な対策を行ってきましたが、なかなか進んできませんでした。所有者の中には、実家を相続し、全く居住していないものの、思い入れはあり、盆暮れや正月のみに使っているケースが多くあります。私も自宅を買うときに地域で空家を探していましたが、大概そういう空家ほど質の良いものが多く、それでも売ってもらえないという物件が多数ありました。実際、空家の発生原因のほとんどは相続によるものです。相続する前から活用方法を検討してもらい早期の活用につなげることができれば、建物の傷みも浅く、活用の幅が広がるのではないかと考えます。
そこで、近い将来空家となる可能性が高い住宅について、空家となる前から活用方法を検討するよう所有者やその家族に促していくことも必要ではないかと考えますが、御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/9
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010・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。
空家になる前からの対応というお尋ねでございます。
空家の半数以上は相続に伴って発生をしております。これを踏まえますと、できるだけ空家とならないように、所有者の方の生前から、所有者、御家族で、住宅を空家にしないと、そういう意識を持って必要な準備を行うように促していくということが大変重要だと思っております。
こういう所有者などによります取組は住まいの終活というふうに呼ばれてございまして、所有者の方が亡くなった場合に、住宅を売却あるいは賃貸するのか、誰が相続するのか、こういったことを家族の間で御相談しておいていただく、そうすることで、相続が発生しました後は空家になって放置されることのないように、それが防げるということ、効果が期待されるところでございます。
このため、生前から住まいの対処方針を決めておくことの重要性、これをよく周知してまいりたいと思いますし、その際、空家を所有し続けることのリスク、こういうことも併せて周知をすることで所有者あるいは御家族の行動を促していきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/10
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011・永井学
○永井学君 今、住まいの終活という言葉が出ましたけれども、ある会社がこの住まいの終活について居住用不動産所有者である五十歳以上の男女にアンケートを実施したところ、この住まいの終活について必要性を感じる人が八割いるのに対して、実際住まいの今後の対応を決めている人というのはたった一割にしか満たないということ、そういう結果もあります。
この法律の、今回の法律の外でのこれは多分対応となるというふうに思いますが、空家対策としては極めて重要な観点であり、しっかりとした周知徹底をお願いしたいと思います。
先日、この質問に先立ちまして、山梨県に県が行っている空家対策についてヒアリングと意見交換を行ってまいりました。その中で当局が心配していたのは、法改正によってどんなに良い制度ができたとしても、空家対策の当事者である市町村が今でこそ足りないマンパワーをどのように補って対策を進めていくのかということです。
新たに創設される空家等管理活用支援法人は、人員の限られる自治体が空家対策に取り組む上で必要な制度だと思いますが、指定対象となるようなNPO法人等がいない地域もあります。市町村の空家対策を強化するためには、この法人を十分に機能させなければなりません。
そこで伺いますが、空家対策に取り組むNPO法人のいない地域ではどのような団体が支援法人の担い手となるのか、また、市町村による支援法人の指定が進むよう国として市町村をどのように支援するのか、斉藤国土交通大臣の御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/11
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012・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) まず初めに、今日、朝、閣議がかりゆし閣議で、閣僚全員がかりゆしを着たということでございます。それでこちらに参りましたので、かりゆしを着ているということをまず御報告させていただきます。
その上で、永井委員の御質問に答えさせていただきます。
支援法人が、非常に各自治体、地方の自治体の中で人員、また専門的な知識を持っている人がいない中で、この支援法人の役割というのは非常に多いと思います。
しかしながら、そういう小さな自治体、そういう専門的な知識を持っていない職員が多いといいましょうか、そういう不足しがちな市町村こそ支援法人もないということだと思います。そういう場合には、地域固有の活動をしているNPO法人等がいない地域も想定されますが、全国規模の社団法人が支部を設け地域に根差した活動を行っている場合があるため、必要に応じてこうした社団法人を市町村に紹介してまいりたいと思っておりますし、多くのNPO法人も、そういう紹介を受けて積極的にそういう地域に、小さな地方の市町村に行って活動したいと、こういう希望も持っているようでございますので、この活動が広がるようにしっかり我々国としても支援をしてまいりたいと思っております。
国土交通省としては、人員やノウハウが不足する多くの市町村にこの支援法人を御活用いただけるよう、説明会等を通じて今回の制度を十分に周知するとともに、指定の手続などについて市町村に分かりやすくお示ししてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/12
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013・永井学
○永井学君 ありがとうございます。
今、市町村支援に関して説明会などを通じて周知徹底をする、これは制度を周知を徹底するということで、それを要は支援法人をなるべく使いやすくするというような御回答だったというふうに思いますが、それでもやっぱり人員が不足をしたりとか、なかなかその支援法人が早急に立ち上がらないという場合もあるというふうに思います。そのような場合には、人員に対する例えば補助、直接的な補助なんかも是非御検討いただければと、このように思います。
空家対策の肝というのは、とにかく空家を調査する私はマンパワーだと、このように思います。支援法人の整備をしっかりと進めて、この市町村の手足となるような人員をしっかり確保して、一棟でも多くの空家が解消されることを願って、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/13
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014・三上えり
○三上えり君 会派、立憲民主・社民の三上えりです。
質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
これまでの空家対策は、今まで、周囲に著しく悪影響を及ぼすぼろぼろの空家、つまり特定空家を解体するというのが主軸でしたけれども、今回の改正案では、このぼろぼろの空家になる前に有効活用や適切な管理をするというのが大きな改正案の一つです。
今の法律では、市区町村は、特定空家等と判断した空家の所有者に対して、助言ですとか指導に加えまして、必要な措置をとるよう勧告、そして命令をすることができます。さらに、所有者が命令に従わず必要な措置をとらない場合には、市区町村は、行政代執行、所有者の代わりにこのぼろぼろの空家などを解体することができます。
また、勧告の対象となりました特定空家に係る土地については、固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外する措置が講じられます。いわゆる、建物が建っていたら固定資産税が六分の一になる、この対象から外れるわけですね。つまり、管理不全空家という区分が新設され、所有している空家が自治体に管理不全空家と判断されると、土地に係る固定資産税の負担が約六倍になるという可能性があります。ここが大きな点です。
今回の改正では、空家が適切な管理が行われずそのまま放っておいたら特定空家、何度も申しますが、ぼろぼろの空家になるおそれがあると市町村長が認める空家のことを管理不全空家等と定義しています。市町村長は、管理不全空家の所有者に対しまして、特定空家になることを防ぐために必要な措置をとるよう指導することができるようになります。さらに、状態が改善されないときには勧告ができます。空家の状態が悪化する前に空家の適切な管理を所有者に促そうとするものです。
そして、空家の状態が悪化していくと、不法投棄、空き巣、火災、断水のリスクが非常に高まります。断水の場合、実際に今年の一月に石川県内で空家の水道管が破裂し、漏水し、周辺のおよそ一万世帯で断水や水が出にくい状況にもなりました。
お配りした資料を皆様よく御覧になっていると思いますが、改めて御確認ください。
住宅・土地統計調査によりますと、空家の総数はこの二十年間で五百七十六万戸からおよそ八百五十万戸と、およそ一・五倍、長期にわたって不在の住宅などその他空家は百八十二万戸からおよそ三百五十万戸に、およそ二倍になりました。そして、これは二〇一八年、五年前の統計ですから、まだまだ増えていることでしょう。
で、国が市区町村にアンケート調査をいたしました。すると、このぼろぼろの特定空家を除いた管理不全の空家は二十三万五千戸も現存しているということがこの調査で分かりました。さあ、この二十三万五千戸、これからどうするかを真剣に議論していかなければなりません。大変な数です。
そして、下の段の資料は、都道府県別のその他空家率、長期にわたって不在の住宅です。全国平均は五・六%です。永井委員からもお話がございましたが、委員の皆様方の地元はいかがでしょうか。私の地元広島は八%になっております。一位は高知県一二・七%、二位は鹿児島県一一・九%、三位は和歌山県の一一・二%。まあ、余り大きく、声を大にして言うことでもないんですけれども、六つの県が一〇%を超えています。まずはここをしっかり共有させてください。日本の国土、山林が八割なんですけれども、多くの中山間地域でも問題になっています空家問題です。
そして、今回の改正で、新たに管理不全空家等と認めることに市町村長ができるということで、全国の自治体に明確な判断を伝える必要があると思います。非常にこれは難しい判断になると思います。割れている窓ガラスが幾つあるか、開かないドアが幾つあるか、この辺りをしっかりと指導していただかなくてはなりません。
この法案では、国が策定する基本指針に、所有者等による空家等の適切な管理について指針となるべき事項を追加するとされました。また、市町村は、この指針に即し、適切な管理が行われていない空家の所有者に対して必要な措置をとるよう指導することができます。所有者等による空家等の適切な管理について指針となるべき事項、この指針を、どのような指針を定める予定でしょうか。お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/14
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015・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答えを申し上げます。
空家は個人の財産でございますけれども、周辺に、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないように、所有者の方には適切な管理を行っていただくことが必要でございます。
今回の法案では、空家を適切に管理する上で必要な具体的対応、これを国が管理指針としてお示しをし、そして所有者の方にこれを参照していただいて、自主的に管理していただくことを促そうということを考えてございます。
具体的な管理指針の内容でございますけれども、現時点で想定をしておりますことを申し上げますと、例えば所有者の方が定期的な換気、通水、庭木の伐採などを行っていただくこと、そして、所有者の方御自身でこういう管理ができないという場合には、先ほど来御議論になっております空家等管理活用支援法人、こちらに委託をしていただいて適切な管理を確保していただく、こういうことについて記載することを検討していきたいというふうに存じます。
空家の所有に伴いますリスクというのは非常に大きなものがございます。今回の管理指針の周知徹底を図ることによりまして、所有者によります自主的な管理を促していきたいというふうに存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/15
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016・三上えり
○三上えり君 委託をして管理をするというのは、もう所有者がその予算は全面的に見るということになりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/16
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017・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) 空家の管理は所有者御自身の責任でやっていただく必要がございますので、委託をするという場合には所有者の方に御負担をいただいて管理をしていただくということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/17
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018・三上えり
○三上えり君 この法案では、地方税法を改正して、勧告を受けた管理不全空家もこのぼろぼろの特定空家等と同じように固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。つまり、土地には固定資産税が掛かっていて、その固定資産税、六分の一になるという特例があります。家が建っていたらということです。だから、この空家をそのままにして放置する人が多いということが問題になっているわけです。この管理不全空家が勧告を受けたらこの六分の一の特例から外れるということで、所有者もこれは大変だということで、まずはこの周知から徹底しなければなりません。
これによって、空家の適切な管理や空家の活用にどの程度の効果があると思われますでしょうか。大臣の御見解をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/18
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019・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 管理不全空家につきましては、市町村が特定空家にならないようにするための措置を勧告した場合、固定資産税に係る住宅用地特例は解除されることになります。
例えば、窓ガラスが破損し、修繕されずに放置されると、破損が拡大して不特定の者が侵入する危険性がありますが、こうした空き地は、住宅政策上の見地から、居住の用に供する住宅用地の税負担軽減を図るという住宅用地特例本来の趣旨から外れると認められ、特例を解除するものでございます。
このように、特例の解除自体が目的の制度ではありませんが、空家所有者が税負担の増加を避けるため、管理に取り組むことが期待されます。まさに、空家所有者が管理に取り組もうと、そういう気持ちになってもらう、それが効果でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/19
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020・三上えり
○三上えり君 こういった周知ですけれども、国としてどういった形で広報を国民に進めていこうと考えていらっしゃるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/20
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021・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) 今回の住宅用地特例の解除については法律で措置されるものでございますけれども、毎年一月一日を基準日として固定資産税の課税の通知が行われるということになります。こういう機会などを活用して周知ができないかということを、これ税務当局とよく相談をしなければいけないことでございますので、今後よく執行に当たっての相談をしてまいりたいというふうに存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/21
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022・三上えり
○三上えり君 この管理不全空家等に対する措置として、特定空家等となる前の段階での指導、勧告、そして今おっしゃられたように固定資産税の住宅用地特例を解除することができます。これによって空家が管理不全のまま放置されることが減るということが何より期待されております。
一方で、問題なのが中山間地域です。この中山間地域におきましては不動産の評価が非常に低いです。うちの母は熊本で独り暮らしをしているんですが、非常に低いです。こういった方々、そのため、元々の税の負担が軽いので、固定資産税の住宅用地特例を解除するだけでは所有者が空家対策をする理由には、これはなりにくいとの指摘があります。
本法案では、市町村は空家等活用促進区域及び空家等活用促進指針を定めることができるとしています。空家等活用促進区域とは、市町村の中にある区域を特定して空家の活用を促進しようとする地域のことです。この地域における経済的社会的活動の促進のために、この場所の空家等及び空家等の跡地の活用が必要となると認められる区域になります。
そこで質問です。
この経済的社会的活動とは具体的にどのような活動を指すのでしょうか。また、具体的にどのような区域が空家等活用促進区域として定められるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/22
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023・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。
今回の法案では、空家を重点的に活用していただくための措置として活用促進区域の制度というものを御提案させていただいております。
この活用促進区域におきましては、どういう区域を定めるかということが法律で書かれておりまして、社会的経済的活動を行うためというまず目的があるような地域ということを定めてございます。ここでいいます社会的、失礼しました、経済的社会的活動というふうに書いてございますのは、人々の活動を幅広く指そうとする趣旨で書かせていただいておりまして、まず経済的ということでございますので、例えば財やサービスに関係する活動全般ということでございますし、また、社会的活動ということでは、人々の集団的あるいは組織的な営みに関係するような活動、幅広くここでは該当するというふうに考えてございます。
そういう経済的社会的活動を目的とするようなということであれば、まず目的としては区域の設定が可能であるということを考えてございます。例えばでございますけれども、地域の商業活動、こういったものはもとよりでございますけれども、福祉の関係の活動でありますとかあるいは地域のコミュニティーを維持しようとするようなそういう活動、こういうものもここで申し上げます経済的社会的活動ということに含まれるというふうに考えてございます。
その上で、どういう地域でのその区域設定が考えられるのかというお尋ねでございますけれども、区域につきましては今回の法案の中で幾つか例示をさせていただいております。特に、中山間地域について申し上げますと、地域再生法の規定に基づきます地域再生拠点、こういうものが規定されておりまして、中山間地域におきます住民の生活及び産業の振興の拠点、こういうものを指定することが可能となってございます。
これ以外にも、今回の法案では、省令で定める区域という区域につきましても区域指定ができるということになってございまして、この省令につきましては、中山間地域を含めまして、市町村が地域の実情に応じて柔軟に区域設定ができるように今後検討をしてまいりたいというふうに存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/23
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024・三上えり
○三上えり君 福祉ですとかコミュニティースペースであるとか、例えばカフェとかホテルとかいったものもその対象になるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/24
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025・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) カフェとかホテルも経済的社会的活動の一部と認められますので、そういう目的で区域を設定しようという場合には対象になり得るというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/25
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026・三上えり
○三上えり君 では、中山間地域でも定めることができるということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
空家等活用促進指針には、空家等について市町村がどう空家を活用してほしいかといった誘導すべき用途に関する事項を定めるとされています。改めて、中山間地域におきましてどのような誘導すべき用途が想定されるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/26
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027・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。
市町村が空家等活用促進区域を定めた場合に、空家をどのような用途に活用するように誘導しようとするか、これは空家等を活用してどのような経済的社会的活動を促進しようとするかという目的に応じまして市町村において適切に御設定いただく必要がございます。
例えばということで申し上げますと、中山間地域における誘導用途としまして例えば想定されますことは、移住用の住宅とするということ、あるいは住民の交流用の施設にするというようなこと、それから観光などの観点からは、観光資源の活用の観点から、宿泊施設や飲食店にすると、こういった用途を誘導用途にするということなどが考えられるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/27
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028・三上えり
○三上えり君 文言が非常に難しいので、改めて確認をさせてください。
市町村長は、空家等活用促進区域内の空家等について、当該区域内の経済的社会的活動の促進のために必要があると認めるときは、当該空家等の所有者等に対し当該空家等について空家等活用促進指針に定められた誘導用途に供するために必要な措置を講ずることを要請するとしています。具体的にはどのような要請をすることが考えられるのでしょうか。また、要請を受けた所有者等は、何らかの対応を取らなければならないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/28
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029・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答えを申し上げます。
空家を誘導用途に活用するよう要請するという規定を置いてございますのは、これは空家等活用促進区域を定めた市町村が、空家の所有者の方に対しましてそのような活用を願い求めるということでございます。例えば、所有者御自身で空家を誘導用途に御活用いただくということのほかにも、活用を考えておられる事業者の方に対して空家を貸す、売る、こういうことも活用の一形態であるというふうに考えます。
要請は、空家の活用の意識に乏しい所有者の方に対しまして働きかけをするという意図で行うものでございます。したがいまして、要請に従わない場合の特段の義務とかペナルティーとか、そういうことは当然ないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/29
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030・三上えり
○三上えり君 この働きかけをする職員の方が、先ほど永井委員からも話がありましたが、マンパワーが非常に少ないという自治体からの話を聞いています。この辺りのフォローはどうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/30
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031・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) 今回の法案で、市町村の体制整備はまさに法執行の肝であるというふうに思います。
したがいまして、市町村職員の方への十分な周知などは当然でございますけれども、それに加えまして、その市町村をサポートしていただけるような支援法人制度というものを新しくつくろうとしてございます。この支援法人と連携をして必要な対応を進めていただきたいというふうに存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/31
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032・三上えり
○三上えり君 後ほど支援法人についてもお伺いしたいと思います。
この空家の所有者の約三割が、自宅から車や電車で一時間を超えるところに住んでいます。空家のそばに住んでいる所有者の人はほとんどおりません。中山間地域の場合は特にその割合が高いです。遠隔地に住む所有者が市町村長から要請を受けた場合、近くに住んでいる場合よりも活用に当たってのコストが確実に掛かります。要請に応じることも簡単ではないと思われますが、しかも御高齢の方が多いです。これ、何らかの支援が必要ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/32
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033・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答えを申し上げます。
空家を所有されている方の中には、管理とか活用の必要性は御認識いただいているものの、居住地が遠隔地であるということで、自分自身が管理に出向くといったことが難しいという場合が当然想定されるということでございます。
そこで、今回の法案では、先ほども申し上げました支援法人の制度を設け、市町村が法人を指定した場合に、この指定法人がこの所有者の方に対しましてできるだけ寄り添った相談対応をし、どのような対応をしたらいいかということを助言するということを考えてまいりたいと思います。また、支援法人が受託をして、所有者の方に代わって管理をする、あるいは活用についての手続を進める、こういうことも支援の一つとして十分考えられることではないかというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/33
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034・三上えり
○三上えり君 中山間地域では、この空家をカフェなどの店舗の用途に変更しても、ホテルであったりコミュニティースペースであったり、なかなか需要が乏しいと思います。所有者が活用したいと思っていても、その空家について借り手ですとか買手が見付からない、この法案で創設される空家等活用促進区域が設定されたとしても、空家の活用がなかなか進まないということももちろん危惧されることです。こうした問題にどのように対応されるのでしょうか。大臣、御見解をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/34
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035・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) これはもう積極的に需要を掘り起こしていくということしかないと、このように思います。
移住、定住、二地域居住、観光振興、福祉増進、コミュニティー維持、さらには町おこし、官民それぞれ協力をして需要を掘り起こしていく。例えば、移住、定住、二地域居住に資する住宅や住民等の交流施設、あるいは観光振興の観点からの宿泊施設等に空家を活用することが想定されます。こうした需要の掘り起こしを効果的に行うには、市町村やNPOなどが空家の活用希望者からの相談に丁寧に対応し、その声を整理することがまず重要だと考えます。
さらに、市町村内の空家部局と産業振興などの他部局が連携して、各部局の政策ニーズが空家を活用すればより実現しやすくならないか検討いただくことも有効と考えております。
国土交通省としても、関係省庁間の連携体制を強化し、空家活用の有効性が認識されるよう取り組み、市町村における関係部局間の連携を促すとともに、中山間地域におけるモデル性の高い空家活用への取組を支援し、横展開を図ってまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/35
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036・三上えり
○三上えり君 今回の法律の一部改正に非常に期待するところなんですけれども、私が訪れた市では、三百、四百、空家がもう、明らかな空家があるんですけれども、一軒一軒訪ねていくと、そこにお仏壇があったり、その御先祖のおうちを解体することは難しいし、かといって求めている需要というのはたくさんあって、そういったところを一つ一つ切り崩していく、解決していくためのやはり対応というのをしっかりと密に、これから例を挙げて皆さんで取り組んでいくしかないのかなと思うんですけれども。
続いて、接道規制の合理化について質問させていただきます。
建築基準法によりますと、前面に接する道路の幅が四メートル以上でないと、四メートル以上ないと原則として建物を建ててはならないとされています。これが空家の建て替えや改築をすることを難しくしている場合があります。しかし、今回の法改正で、安全確保を前提に特例認定するとあります。この安全確保、具体的にどのような基準を検討されているのか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/36
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037・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答えを申し上げます。
今回の法案に基づく接道規制の特例でございますが、これは、安全性の確保に支障が生じないようにする、その具体的な安全性の確保の内容につきましては、国土交通省令で定める基準、この省令で定める基準を基本に安全対策を講じるということを要件にしてございます。
ここで、省令で定める基準といたしまして現在考えておりますことは、まず一つは、燃えにくい構造にする、そういう建築物にしていただくというようなこと、それから、避難の観点から申し上げますと、一定の規模以下の住宅など多数の避難者が発生するおそれが少ない、そういう建築物の用途であることなどを検討しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/37
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038・三上えり
○三上えり君 四メートル以上なくてもよいということは、最低何メートルあればいいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/38
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039・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) 今回の接道規制の特例につきましては、法律上一・八メートル以上は少なくともあるようなところにおいて、先ほど申し上げました安全対策を前提に接道規制の合理化を図ろうというものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/39
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040・三上えり
○三上えり君 災害が起きたときに、四メートルないがために救急車両が入れなかったり、非常にそういった例が多々ありますので、ここは本当に気を付けて御判断を、燃えにくいといっても、消防車が入るだけではないので、救急車両も入るので、ちょっと私はこのところを非常に懸念しているところです。
次に、本法案で新たに講じられる措置について、実際の空家対策業務を担っている市町村のマンパワー、このマンパワー不足が今一番の問題だと思っております。
この事務が円滑に行われるように、市町村の負担が軽くなるように、ガイドラインを早く示す必要があります。法案が成立した暁には半年以内に施行される、つまり、半年以内に自治体の情報を出しまして、円滑に取り組んでいく環境を準備しなくてはなりません。いつ頃このガイドライン策定するのか、大臣、御見解をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/40
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041・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 法律の円滑な施行や運用に向けて市町村を支援するため、特に新たな措置につきましては、国としてガイドラインやマニュアルなどを策定することとしております。
これらのガイドラインなどは、市町村の職員の皆さんに習得していただけるよう、できるだけ早くお示ししたいと考えています。また、最終的な成案に至る前の段階においても、空家対策の現場を担う市町村の御意見を必要に応じてお聞きし、案に反映させながら策定作業を進めることを考えております。
さらに、公布から六か月を経て改正法が施行された後においても、ガイドラインなどの内容の分かりやすい説明に努めるなど、市町村からの相談に引き続き丁寧に対応してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/41
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042・三上えり
○三上えり君 自治体に寄り添う指導を是非よろしくお願いします。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/42
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043・鬼木誠
○鬼木誠君 立憲民主・社民の鬼木誠でございます。
私からも、まずは空家の今後の推移、それから空家全体に対する取組の在り方について質問させていただきたいというふうに思います。
空家総数、それから今後の推移につきましては、永井委員からも、それから三上委員からも御指摘があったところでございます。管理不全となるおそれが比較的高いと考えられるその他空家が二〇一八年時点で三百四十九万戸、この二十年で約一・九倍増加。そして、このまま推移をすれば、二〇三〇年までに四百七十万戸まで増加すると、そのような見込みがされている。一方で、二〇二一年に策定をされた住生活基本計画においては、空家の状況に応じた適切な管理、除却、利活用の一体的推進の成果目標として、居住目的のない空家数を二〇三〇年時点で四百万戸に抑えることが定められています。したがって、一八年時点での推測をベースとすると、二〇三〇年までに七十万戸の居住目的のない空家に何らかの対応を行わなければならないことになります。
今回の法案に関する国土交通省の説明資料では、法案の目標、そして効果として、市区町村の取組により除却等される管理不全空家及び特定空家数は法施行後五年間で十五万件というふうになっている。つまり、単純計算でいくと一年間に三万件、二三年から三〇年まで七年ありますから、三、七、二十一万件については順調に進めば何らかの措置がとられることになる。
ただ、先ほど言ったように七十万件ありますから、二十一万件との差が四十九万件になっている。この四十九万件について、もちろん利活用等あるんでしょうけれども、この四十九万件、残る四十九万件という数字の捉え方、そしてこの四十九万件の解消に向けて、つまり、住生活基本計画に定められた七十万戸の居住目的のない空家に何らかの対応を行っていく、その取組の進め方、対応についてまずお聞きをしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/43
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044・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今、鬼木委員おっしゃったように、二十一万と七十万と差があるではないかということで、この二十一万はこの法案のKPIですけれども、これは市区町村の取組により除却等がなされるものでございます。これに対して、七十万件の方は、それにプラスして住生活基本計画で挙げられた数字ですが、居住目的のない空家であって、管理が良くまた周囲に悪影響を及ぼしていない空家も含め居住の目的とされていない空家を含んでいる。この四十九万戸の差はまさにここになるわけでございます。
この住生活基本計画に掲げた目標を達成するため、管理不全空家等に対し指導、勧告を行うほかにも、今後、施策の充実を図ってまいりたい、この四十九万戸に対しての施策を行っていきたいと思います。例えば、空家等活用促進区域において空家の重点的な活用を図ること、それから、空家等管理活用支援法人が所有者に活用を働きかけ、支援法人自らも活用を図ること、市町村が財産管理制度を活用して空家を処分すること、本法案以外に予算や税制などを総動員して活用や処分に係る施策を講ずることなどでございます。
こういう施策を行ってこの四十九万戸をできるだけ少なくしていきたいと、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/44
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045・鬼木誠
○鬼木誠君 ありがとうございました。予算や施策を総動員するということでございます。
七年間の中でこの七十万ということを達成をしていくためには、今回の法改正にのっとった取組も含めまして、まさにおっしゃっていただいたように、様々な観点からの取組が必要になってくるというふうに思います。是非、引き続き、その予算と施策の総動員に向けた総体的な、総論的な御検討についても継続して行っていただくことをまず冒頭お願いをしておきたいというふうに思います。
その上で、今回の法改正でございますけれども、福岡県のある自治体で空家の持ち主の方にアンケート調査を実施をしたと。その概要についてお尋ねをし、お聞きをすることができました。なぜ空家を取り壊さないのかという問いに対しては、これも先ほど来それぞれの委員の皆さんから御指摘があっているところでございますが、やっぱり固定資産税が大きいというような回答であったというふうに聞いています。空家を取り壊して更地にすると六分の一に減免をされている固定資産税が本来の税率に戻ってしまう、家屋の解体にも費用が掛かる上に税金も高くなる、それなら税金の安い宅地所有を続けるため家屋を残そうとなる。金銭的な面で家屋の解体に踏み切らない方が予想以上に、役場の想定以上に多かったというのがアンケート結果を見た職員の皆さんの率直な感想でございました。
相続をした方の中には、もう建屋は実はいいと、取り壊してもいいんだというふうに思っている方もいらっしゃると思うんです。ただ、土地は持ち続けたい、建屋は要らないけれどもその土地は持ち続けたいと。あるいは、地方や過疎地域に行くと、もう土地も売りたいけれども売りようがない、売れないという方もいらっしゃると思います。つまり、いろんな理由の中で、土地はとにかく持っておかないかぬ、持ち続けないといけないという状況になれば、それなら税金は安い方がいいということでやっぱり家屋を取り壊さないという方が、ことが多いというのが永井委員それから三上委員の指摘の中でもされたとおりだろうというふうに思います。
今回は、特定空家等の所有者、必要な措置をとるように勧告をした場合にこの固定資産税の特例の措置対象から除外をする、つまりせき立てるというような、むち的な政策だというふうに思うんです。倒壊等の危険がある、もう直ちに何かやってもらわな困る、緊急性を要すると、そういう場合にはこのようなむち的な政策というのも、いわゆる厳しい対応も必要だろうというふうに思いますけれども、ただ、そういう制度、政策をつくるだけで今申し上げましたようになるべく安い税金でと考えていらっしゃる方の家屋解体のインセンティブとして高いものになるかなというのは、少し疑問を持っています。
自治体が勧告を行う手前の段階、管理不全空家や特定空家とならないように、所有者が家屋を取り壊すことをもう前向きに検討できるような言わばあめ的な政策、そのインセンティブを与えるような、そういう政策の検討というものがなされなかったのか、そのことについてお尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/45
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046・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 一定の空家を除却した後の土地に係る固定資産税の負担軽減のため、市町村によりましては、地域の実情に応じて、条例などによりまして税制や予算上の措置を講じているところもあると承知しております。
国土交通省としては、関係省庁とも連携し、こうした市町村独自の取組事例を整理して、横展開を図ってまいりたいと思っています。また、相続により空家を取得した所有者がその空家を一定の条件で譲渡した場合に譲渡所得から三千万円を特別控除する特例措置を講じて、空家の早期活用を支援しております。さらに、周囲に著しい悪影響を与える特定空家の除却や跡地を地域のために利用する予定の空家の除却に対しては、市町村が除却費を支援する場合に国もその一部を支援することとしております。
これなどは、まああめという言葉が的確かどうか知りませんが、むちとあめということであれば、あめの方ではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/46
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047・鬼木誠
○鬼木誠君 ありがとうございました。
今おっしゃっていただいた地域の実情に応じた独自の自治体の施策の関係についてなんですけれども、これも福岡県の方からお聞きをしました。ある町では、空家を解体した後の五年間、その間に譲渡等により建物、新たな建物を建てるということを条件として、その期間は固定資産税を減免する、これ自治体独自の制度なんですね。そういう制度を設けていらっしゃる、いるところもあるというふうにお聞きをしました。
先ほど来お話をしておりますように、家屋を解体しない大きな理由になっている固定資産税について、家屋解体後も本来の税、納税額、税率に戻すことを猶予する、そういうことで解体へのインセンティブを高めていくと。そこに住む意思のない方に対して解体を、家屋の解体を促すには僕は一定の効果があるというふうに思っています。
大臣から御答弁あったように、同様にいろんなことを自治体としても考えて、何とかこの空家対策を国の法律だけではなくて自治体独自としても進めていこう、そういう努力や工夫というものが多くなされているんではないかというふうに思います。
事例を集めて共有をしながら横展開というふうに御回答をいただいたところでございますけれども、そのことについては是非お進めをいただきたいというふうに思いますし、さらに、国としても、自治体の、まあ自治体の施策ですから国としてこうやりなさいと言うのは難しいんだろうというふうに思いますけれども、やっぱり自治体がより積極的に独自の空家対策の確立に向けて動きを取ることができるような支援というものを是非お願いをしたい、何とか後押しができないかというふうに思いますけれども、改めてその点について御回答いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/47
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048・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 各自治体のそういう創意工夫につきましては、国としてもしっかり支援し、横展開をしていきたいと思います。
その上で、今、鬼木委員の御質問が、いわゆる固定資産税の減免についてこれ国で後押しできないかという御質問であるとすれば、これはまた非常に大きな問題でございます。固定資産税の住宅用地特例は居住の用に供する住宅用地の税負担軽減を図るものです。このため、その性質を失った更地には特例が適用されないのが原則でございます。独自に固定資産税を減免している自治体では、公平性やモラルハザードなどの事情を個別に考慮して対象となる空家を選定するなど、地域の実情に応じて判断を行い、減免を措置されているものと理解しております。
このような自治体独自の判断に対して国から支援することは難しいものがありますが、除却後の土地が活用され、結果的に税収が増加したとの自治体の声もあることから、こうした声を参考に各自治体において措置を検討いただきたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/48
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049・鬼木誠
○鬼木誠君 国としての税率を扱うことの難しさということについては御回答あったわけですけれども、先ほどもお話をしましたように、やっぱりここが一番家屋解体のネックになっているとしたら、いわゆる家屋を解体をすることによって税率が六倍に跳ね上がることがちゅうちょにつながっているとしたら、そこはやっぱり自治体に任せるだけではなくて、国としてもやっぱり積極的な検討をいただきながら、家屋解体のインセンティブを高めていくことに対してもっと前向きな検討あっていいんじゃないかなというふうに思います。改めてそのことをお願いをしていきたいというふうに思っています。
次に、特定空家、管理不全空家の認定について、これも永井委員からも御指摘があったところでございますけれども、自治体の方とお話をすると、やっぱりいろんな問題やトラブルがあっているんですね。特定空家に認定をした所有者の方から連絡が入る、あるいは役場に来られる。周りに同じような空家があるのに、何で自分のところだけ指定するんだ、認定するんだということ、やっぱり物すごく多いそうです。自治体、人が足りていないですから、順番に認定をしていっているかもしれない。そうなると、先に認定された人と後から認定された人の時間差が出てきてしまう。ここを先にすると、何でうちだけがというような話になっていく。あるいは、順番の話だけではなくて、程度についても、やっぱり、あそことここ、どっちが程度が悪いのか、悪いっておかしいけれども、というのがやっぱり分かりにくいという話がある。
そういうことでいくと、ガイドラインというものはあるものの、市町村としてはそのガイドラインにのっとった認定作業にどうしてもちゅうちょが生まれるというお話をお聞きをしました。ガイドラインにもこういう記載が、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれ、これについて幾つか個別の課題が載っている、あるいは著しく衛生上有害となるおそれというのが幾つか載っている。ただ、どうしても客観的な判断に幅ができてしまうんですよね、がちっとしたものではありませんから。
そうなると、先ほど言ったように、その幅の中で、当該の方からすると、何であそこがオーケーでうちが駄目なんだということになってしまう。基準というふうに言いつつも、あくまでも基準的なものというふうな運用になっている。住民にとっても分かりにくいし、市町村の職員にとっても判断しづらい。
今回の法改正では、さらに管理不全空家としての対応が求められる。この管理不全空家を認定するというのもガイドラインで示されることになる。より一層分かりにくくなると思うんです。特定空家ですら市町村の皆さんは認定に苦慮している。そこに、このまま放置したら特定空家になりますよという、その手前の段階の空家をどう認定すりゃいいのかというのは本当に難しい。御苦労が増えるんではないかというふうに思っています。
先ほど言ったように、既にトラブルが起きている実態がある、そのような中でその手前の段階と言われても、自治体は本当に困る、困惑をするし、いよいよ手が出せない、あるいはちゅうちょをするんではないかというのを心配をしています。したがって、先ほど来御指摘あるように、ガイドラインについてはより明確で判断しやすい、分かりやすいものにしてもらいたいというふうに思いますけども、管理不全空家のガイドラインと特定空家のガイドラインというのは、僕は一体的なものでないといかぬと思うんです。
したがって、管理不全空家のガイドラインを今回定めるのであれば、特定空家、今ある特定空家のガイドラインについても併せて見直しをする、あるいは一体的に整理をする、そして、それを住民の皆さんに提示をしたときに、住民の皆さんも、ああ、これなら分かります、これなら分かりやすい、納得しやすいというものにしていく必要があるというふうに思っておりまして、是非そのような形でのガイドラインの策定あるいは見直し、一体的な基準の設定ということを求めたいというふうに思いますが、この点について御見解をお尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/49
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050・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答えを申し上げます。
まず、このガイドライン等の目的としましては、先生から御指摘がございますとおり、市町村がまず適切に判断をしていただくためということが大きな目的でございますけれども、あわせて、所有者の方に対しましても、この管理不全空家になるかどうかで、その後、指導や勧告の対象になるかどうかということが変わってまいりますから、その予見可能性を持たせるという意味におきましても、できるだけ具体的にガイドラインをお示しをするという必要性は高いというふうに存じます。
定め方でございますけれども、今回の管理不全空家は、特定空家になるおそれがあるという空家が対象でございます。つまり、特定空家よりも状態がまだ幾らか良い状態ということでございますから、管理不全空家と特定空家とは連続している関係にあるというふうに理解をしております。
したがいまして、特定空家についての基準がもう既に今あるわけでございますけれども、その基準をベースにしながら、それよりも状態が幾らかいい、だけれども、このまま放置をすると特定空家になってしまうおそれがあるような状態、これを今の特定空家のガイドラインをベースにしながら管理不全空家のガイドラインを検討はまずしていきたいというふうに思います。したがいまして、両者は一体的に検討され、ちょっと、形式的に文書を一つにするか二つにするかはちょっとまた考えたいと思いますけれども、概念的には一体的に検討されるべきものだというふうに思います。
さらに、その内容をより具体的にしていくという観点からは、これは自治体の御意見も是非いろいろお聞かせいただいた上で、どこまで具体的にできるかは考えたいというふうに思います。
そういう管理不全空家のガイドラインの検討の中で、既にある特定空家のガイドラインの見直しも、当然、連続するものということでございますから、全体の見直し、検討の中で特定空家のガイドラインについても直す必要があるところが出てくれば、これは必要な修正をしなければいけないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/50
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051・鬼木誠
○鬼木誠君 是非よろしくお願いをいたします。
それから、あわせて、今度は代執行の費用についてお尋ねをしたいというふうに思っています。
代執行後の費用の回収の難しさについては、この間も自治体の多くの皆さんから声が寄せられていたものと理解をしています。代執行費用については国から二分の一の補助がある、ただ、残りを所有者から取らないと、徴収しなければならない、これが非常に難しいというようなことなんですね。徴収できない分は実質的には自治体の負担となってしまう。過疎地域あるいは条件不利地域を抱える財政力の弱い自治体からすると、代執行で除却は進めたいけども、徴収できなかったら自分たちの負担になってしまう、このジレンマがあるというのは、これ以前から指摘がされていた、あるいは自治体の声としてはお聞きをしてきたことでございまして、今回の法改正に併せてこの問題も整理できないかというふうに思います。
自治体が除却費用の回収に努める、これは当然です。最善の努力をしていただかなならない。でも、どうしても回収ができない場合に、特に財政力の弱い自治体に対して二分の一補助以外の何らかの支援ができないだろうか。例えば特別交付税措置など、特交措置ができないかというようなことについて是非検討いただけないかというふうに思うわけですけども、今日は総務省からも来ていただいておりますので、国土交通省、総務省それぞれからお考えあればお聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/51
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052・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) では、まず私の方から答弁させていただきます。
このように所有者からの回収が困難な代執行費用につきましては国から市町村に対して補助を行っており、令和五年度予算においては補助率を五分の二から二分の一に引き上げ、支援をしているところでございます。さらに、残りの市町村負担分についても特別交付税による措置を講じております。措置率五〇%。したがいまして、全体、四分の一の市町村の負担でということになります。
今後も市町村による代執行の取組について支援してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/52
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053・足達雅英
○政府参考人(足達雅英君) 御指摘があったように、所有者が不明の理由から代執行費用の回収が見込めないような場合については、国から市町村に補助が行われるとともに、残りの市町村負担分については特別交付税措置を講じているところでございます。
加えて、空き家バンクの設置など空家の利活用を始めとした自治体の空家対策の取組についても特別交付税による措置を講じているところでございまして、総務省といたしましては、各自治体において地域の実情を踏まえた空家対策が推進されるよう、引き続き関係省庁と連携して取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/53
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054・鬼木誠
○鬼木誠君 特交措置、先ほど来御回答あっているところでございますので御努力はいただいているというふうに思いますが、やっぱり、先ほど言ったように、財政規模が特に小さいところについては残る四分の一についても何らかの支援ということで、本気になって、やっぱり、先ほど予算と施策を総動員するというふうに御回答いただいたわけですから、改めて追加的な措置についての御検討をいただければというふうに思います。
それから、自治体職員の支援ということについて、最後になるかな、お尋ねをしたいというふうに思います。
この間の議論の中で、今日の御回答の中でもありましたけれども、市区町村の積極的な対応を可能とする取組という項目の中に、これ小委員会の取りまとめですね、中に具体的な取組の例示がなされている。その中に、ノウハウ、専門的知識が不足する小規模な自治体に対して、先行自治体の対策計画、事例、ノウハウを共有するとともに、職員への指導が可能な人材を紹介するなどにより人材育成の機会を設ける。これ、先ほど大臣からも同様の答弁をいただいたところでございます。
僕はこれ本当に重要で必要な取組だというふうに思うんですけれども、ただ、やっぱり十分ではないなというふうに思っています。先ほどもお話をさせていただいたとおり、特定空家の認定に悩みやちゅうちょがある、実際にトラブルも起きているということを考えると、より実践的な、あるいはより実態に即したような支援であるとか、あるいは人材育成というものについて考えていただけないかというふうに思うんです。
例えば、実際に空家をみんなで見て、あっ、この程度の空家ならもう管理不全空家として認定をしてもいいんじゃないかとか、あるいは、ここから更に進むと特定空家になるので、こういう空家についてはここから先、特定空家にならないように早急に対応が必要だと。実際に実物を見てその評価、認定の基準について一体的に共有をするなどということができれば、もっともっと自信を持って、あるいは確信を持って管理不全、特定空家の認定について自治体の皆さんも積極的になれるんではないかと。そういう研修を、県単位が難しければせめてブロック単位で実際に行っていただく、国交省から出向いていただいて。そのようなことも僕は検討が必要ではないかというふうに思っています。
一番思うのは、やっぱり自治体総じて人が少ないんです。これ永井委員からも本当に御指摘いただきましたけれども、ずっと人員不足で悩んでいる。やりたくてもやれない、体制が整っていない、そういうケースがほとんどで、とりわけ小規模自治体の厳しさというのは、もう御承知のとおり、一人の職員が幾つもの職務を担っていきながら、その一つとして空家対策をやっている。余裕がなかったり、どうしてもその職員の中の優先順位を考えなければならなかったり。そういう小規模自治体、人員が特に少ないところについても、先ほど言ったように、実地的な研修だけではないいろんな形での支援というものを是非御検討をいただきたいというふうに思っています。
踏み込んだ検討についてお願いをしたいというふうに思いますが、この自治体職員への支援という観点について、最後に大臣の御見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/54
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055・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今回の法改正が成功するかどうかは、もうまさにこの、それを担っていただく地方自治体の職員の方々が今回このガイドラインを十分に習得していただいて実行していただけるかに懸かっているかと、このように思っております。
市町村が空家対策を今後も息長く続けていくには、その職員に専門的な知識を習得していただくだけでなく、実践的なノウハウを身に付け、モチベーションを高めていただくことも重要です。このため、国土交通省においては、自治体職員などを対象とした研修を毎年度実施しております。この中で、学識経験者などによる空家対策についての講義に加え、空家対策の経験が豊富な自治体職員を講師とした事例研究なども行っているところでございます。
今後は、座学による研修の充実を図るとともに、実地の空家を対象に特定空家の基準を当てはめてみるなど、現場感覚を養える研修につきましても、御提案がございましたので検討させていただきたいと、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/55
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056・鬼木誠
○鬼木誠君 是非よろしくお願いいたします。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/56
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057・高橋光男
○高橋光男君 おはようございます。公明党の高橋光男です。本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
さて、全国でこの二十年間で一・九倍の約三百五十万戸、二〇三〇年には四百七十万戸にまで増加が見込まれる空家への対策は急務です。
資料一を御覧ください。
本日審議の空家対策特措法は、周囲に悪影響を及ぼす前の有効活用の拡大、適切な管理確保、特定空家の除去を三本柱とした新たな施策を講じるものでございます。
もちろん、空家対策は国だけでできるものではございません。地方の先進的な取組に光を当て、国、地方の連携で進めていくことが極めて重要と考えます。
その観点から、本日は、日本の縮図とも言われる地元兵庫県で聴取してきた様々な取組や課題を御紹介しつつ、どのような連携が可能か、いかなる支援を強化すべきかについてただす質疑を行わせていただきたいと思います。
資料二を御覧ください。
こちらは、昨年、兵庫県で導入された空家特区制度を紹介したものでございます。こちらによりまして規制緩和や流通促進を図るものでございまして、全国初の条例、公明党の推進で制定をさせていただきました。これにより、本年三月末、赤穂市や西脇市において特区が指定されました。全国的にも珍しい空家改修費に対する補助割増し、これ一〇%アップと書かれているところでございますが、また、市街化調整区域における住宅の新築やカフェ等への用途変更などが円滑にできるようになります。
一方、今回の法改正では、新たに空家等活用促進区域の設定が導入されます。
そこで伺いますが、同区域と兵庫県での特区との間の連携や国からの支援は可能なのでしょうか。もし可能なのであれば、県との連携や支援を強化するとともに、国主導で同様の取組を全国的に普及していくべきと考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/57
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058・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。
本法案におきましては、空家の活用を重点的に図りますために、今先生御指摘の兵庫県を含む各自治体の取組も参考にさせていただきまして、市町村が設定をする空家等活用促進区域におきまして規制の合理化などを講ずるということにしてございます。
兵庫県の条例の特区との連携でございますけれども、仮に市町村の方の御判断で兵庫県条例に基づきます特区と同じ場所を今回のこの法案に基づく活用促進区域に指定をした場合でございますが、その場所では、条例に基づく特例とこの法律に基づく特例、両方が適用されるということになります。こういう連携によりまして、例えばでございますけれども、住居専用地域内で空家を改修し宿泊施設に転用しよう、こういう場合に、この法律に基づく用途規制の特例ということでまず一つは特例を受けることができます。またあわせて、条例に基づきまして改修費の上乗せ補助、先ほど一割というお話がございました、こういう上乗せ補助を受けると、こういうある意味相乗効果が期待できるのではないかというふうに思います。そして、国、失礼しました、条例に基づく、今、補助でございますけど、この補助に対しましては国から支援を行いまして連携の取組を後押しする、こういうことも可能になってくるかと思います。
こういう効果的な取組事例が実現しました際は、これを全国で参考にしていただきたいというふうに思います。したがいまして、こういう自治体で構成される協議会などの場を通じまして、事例を是非横展開させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/58
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059・高橋光男
○高橋光男君 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
空家の発生を防ぐことは行政だけではできないことも確かです。関係する団体や法人のお力が大変重要となります。
例えば、全国古民家再生協会は、自治体ごとに地域に寄り添った空き家アドバイザー協議会を設立され、自治体とも連携協定を結んで、古民家鑑定士の育成、住教育活動、地域住民を巻き込んだDIYによる古民家再生など、地道な活動をされています。こうした取組は、今回新設される空家等管理活用支援法人としてふさわしい活動と考えますが、そうした地道な活動を継続して行っている団体やNPO等への国の支援の有無、内容についてお尋ねします。
現場からは、どのような活動に対してどのような支援があるのかを明確にしてほしいとのお声をいただいております。この点、本改正法の施行までには是非具体的な内容を丁寧に周知するとともに支援を強化していただきたいと考えますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/59
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060・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) この支援法人の活用というのが今回の法律の大きなみそでございます。この支援法人は、空家の調査、管理や活用のための事業など、一定の収益事業を行いながら、地域企業や個人からの資金的協力も得て自立的に活動することを基本的に想定しております。その上で、支援法人が行うモデル的な取組に対しては直接的な財政支援も行ってまいりたいと考えております。
また、御指摘の古民家再生協会のような支援法人に関心のある方々の参考となるよう、これまでに財政支援の対象となった事例を分かりやすく整理し、どのようなモデル的な取組が財政支援の対象となり得るかを情報提供してまいりたいと思います。
さらに、支援法人が活用可能な支援策について、国の制度だけでなく、自治体の制度も含め幅広く取りまとめて分かりやすく周知を行うとともに、必要な予算の確保にも努めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/60
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061・高橋光男
○高橋光男君 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
続きまして、空家対策に資する優良な施策の横展開についてお伺いしたいと思います。
この点に関しまして、現在、全国自治体の八割超で既に空家等対策計画が策定されておりまして、うち七割は除去や活用など何らかの補助制度を実施しています。
具体例をお示ししたいと思います。資料三を御覧ください。
こちらは神戸市の今年度予算の空家空地対策でございまして、実に様々な支援メニューを用意されています。赤枠しましたように、空家活用の支援としましては、改修設計、工事費等を補助するため、建築家と協働する場合には最大五百万円まで拡充、空地対策につきましても、下にございますように、活用応援制度としまして、隣地統合のために買主のみならず売主に対しても必要な手数料を補助したりするなど、独自の取組を行っています。
一方で、現場からは、自治体間の取組に温度差があると懸念が示されています。もちろん、地方自治ですから、各地域の実情に応じた取組や自主性は尊重されなければなりません。他方、全国には、まだ計画がない、あっても支援がない自治体が全体の四割ほどございますので、先進自治体による良い取組を横断的に共有していくべきではないでしょうか。
そこで、本法改正を機に、神戸市の好事例などを事例集としてまとめるなどして横展開をしっかりと行っていただきたいと提案をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/61
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062・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。
空家対策の中心は市町村でございます。国の補助制度の活用状況を見たり、あるいは空き家バンクの設置状況などを見ますと、やはり各市町村の取組の内容に大きな差があるというふうに私どもも認識をしてございます。今後更に空家が増加するということを考えますと、より多くの自治体に、空家問題の切迫性でありますとかあるいは対策の必要性、これを是非御理解をいただきたい、そしてより効果的な対策を講じていただきたいというふうに考えます。
このため、市町村が近隣の自治体におきます取組状況などを簡単に調べられるような仕組みというものをまず考えてみたいと思います。これは、隣でどういうことをやっているかということは非常に気になるということがあると思いますので、それをより簡便に調べられる仕組みというものを考えたいと思います。
それから、先生御指摘のような特色のある優良な取組というのは各地で行われております。神戸市もその一つだと思います。こういう優良な取組事例を事例集という形にして横展開を図るというのは非常に有効な手法だと思いますので、是非そういう方向で考えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/62
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063・高橋光男
○高橋光男君 ありがとうございます。
恐らく最後になるかと思いますが、農村部における取組についてもお伺いしてまいりたいと思います。
中でも、農地付き空家、皆さん御存じでしょうか。この農地付き空家の取引促進が空家予防にとって非常に効果的な取組と考えます。
資料四を御覧いただければと思います。こちら、国の資料でございますけれども、全国をリードするモデルとして紹介されているのが我が兵庫県宍粟市の取組です。同市では、農地取得の際の下限面積である五十アールを早々に一アール、百平方メートルまで緩和をしています。その結果、平成二十八年以降、空き家バンクを通じて既に五十二件成約をしました。写真、下にございますように、二十代女性の移住もあり、若者の移住が進んでいるところでございます。
今後、この農地付き空家の取引を推進するに当たっては、是非、宍粟市のように先行する地域の経験から学ぶことが重要、有意義と考えます。そこで、現場でお聞きしたお声に基づいて質問させていただきます。
まず一点目、本年四月の改正農地法施行を受けまして、農地取得の際の面積要件が撤廃されました。したがいまして、宍粟市のような自治体は今後増えることが期待されます。しかしながら、現場からは、ほかのこの三要件、すなわち、第一に農地全部を効率的に利用すること、第二に必要な農作業に常時従事すること、第三に周辺の農地利用に支障がないようにすること、これらを守ることが地域との共生や農地保全のためにはこれまで以上に重要になるのではないかというふうな御指摘がございました。
特に、農地付き空家で農業を継続してもらうためには最初が肝腎だと強調をされていました。したがいまして、移住者に対しまして耕運機などの資材提供や農業技術の指導を継続的に支援することが有効と考えるが、市の予算では十分に対応し切れないというふうにお聞きしました。この点、是非国の支援をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/63
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064・青山健治
○政府参考人(青山健治君) お答えいたします。
農林水産省では、農山漁村地域、農山漁村振興交付金を通じまして、農山漁村における定住や都市との交流等を促進するため、地方公共団体が作成する活性化計画に基づき施設整備等への支援を行っております。具体的には、空家改修などの整備のほか、委員御指摘の農業機械の購入に関しましては共同利用を行うものについて支援対象となっておりまして、活性化計画の内容に従い、これらの一体的な実施が可能となっております。
当省といたしましては、引き続き関係府省とも連携しながら、農山漁村への移住、定住の促進に努めてまいります。
また、協同農業普及事業交付金により、各都道府県の普及指導員が農業者に対し技術、経営指導を実施する際の活動を支援しております。委員御指摘の兵庫県宍粟市におかれましては、市が実施します畑の講習会において、移住者を含む受講者に対し、県の普及指導員が野菜、果樹、花卉等の栽培方法の技術指導を実施されております。
当省としましては、こうした普及活動を引き続き支援するとともに、各地の優良な取組を都道府県と共有し横展開を図ってまいります。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/64
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065・高橋光男
○高橋光男君 現場はそうした交付金、余り御存じでない実態がございますので、農水省もしっかりと、現場にそうした支援があることを通知、周知していただきたいと思います。
続きまして、特に若者の移住促進のためには、地域おこし協力隊の隊員への農地付き空家の低額貸与が有効な手だてではないかというふうなお声もございました。
宍粟市では、これまで隊員十八名のうち八名が農業関係に従事されており、皆さん生き生きと活動されています。一方、市からは、空家改修費に充てる予算も十分ないところ、これに対して国庫補助をしていただきたい。具体的には、市が当初負担した改修費を事後的に地財措置等で償還をする、あるいは隊員が、任期最大三年間なんですけれども、しっかりと従事した場合には事後的にほぼ無償で提供するなど、支援を拡充することが有効なのではないかといったお声もいただきました。
是非、国として、宍粟市のような先進的取組、言わば宍粟モデルとも言うべきこの農地付き空家の好事例を今後全国的に横展開していただきたいと思います。そのためにも、まだ十分知られていない既存の国による補助の周知徹底や支援の更なる拡充など、一層の努力をしていただきたいと思いますが、最後に斉藤大臣に御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/65
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066・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 農地付き空家の活用は、農業に関心のある若い方の移住を促進する方策として非常に有効であると考えております。
現在、国土交通省では、市町村が移住者に賃貸するための空家の取得や改修に対して支援を行っております。また、総務省でも、市町村が地域おこし協力隊の着任前に移住、定住対策として実施する空家改修や、活動中や任期終了後に行う空家改修などの経費に地方財政措置を講じていると承知しております。
国土交通省としては、引き続き、現場の実態や課題を踏まえつつ、補助制度などの支援措置に加え、活用事例や委員御指摘の宍粟市などの先進的な取組についても周知を徹底し、積極的に支援を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/66
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067・高橋光男
○高橋光男君 ありがとうございます。
今回、関係者への聞き取りを通じまして、国は様々な支援メニューがあるということを確認させていただきましたけれども、現場で必ずしも十分に活用されていない実態が明らかとなりました。政府には、是非、本日の御答弁を踏まえ、今回の法改正を受けた空家対策を一層有機的、効果的、機動的に推進していただくことをお願い申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/67
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068・石井苗子
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
まず、皆さんもう既に御覧になっていますが、資料一を御覧ください。
グラフの一番右の上の合計のところに、空家総数、二〇一八年八百四十九万、今はもっと増えているということですね。賃貸や売却の対象になっていないという不在住宅、これが二十年間で二倍、三百五十万と。
総数八百五十万という数字について、総務省統計局にどうやってカウントしたんだとお尋ねしましたところ、実数として一つ一つ、八百五十万数えてきたわけじゃないというお答えでございます。あくまでも統計的の推計値というのがあるんです、推計値だということですね。推計値は、じゃ、どうやって出したんだということになります。これが、日本最大の標本調査、サンプル調査の例が住宅・土地統計調査でございます。ここからの、この結果から出してきたもので、空家だけ数えてきた実地調査ではないということなんですね。
じゃ、その住宅・土地統計調査というのは何なんだというと、全国の国勢調査の地域の五分の一の地域を二か月掛けて、都道府県の非常勤職員八万人の方々が決められた区間、地域に派遣をされまして、人が住んでいる家を戸別に訪問し、その家の面積や家族構成などのアンケート調査を行います。
人が住んでいない家、空家が総数八百五十万という数字は、その調査からどうやって推測して推計値を出してくるのかということで、本日は総務省統計局の方に来ていただいておりますので、御説明お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/68
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069・岩佐哲也
○政府参考人(岩佐哲也君) お答えいたします。
総務省では、お話ございましたように、五年に一度、住宅及びそこに居住する世帯に関する実態を把握する住宅・土地統計調査を実施しております。この中で空家に関する戸数などの基盤的な情報も調査をしているところでございます。
この調査は、国勢調査に次ぎまして我が国で二番目に大規模な世帯調査ということで、サンプルとしては最大のものでございます。約八万人の調査員が統計的理論に基づいて抽出されました全国の調査地域を実際に巡回をいたしまして、空家を含む住宅や世帯について調査を行っております。こうして得られた回答につきまして統計理論に基づきまして復元をいたしまして、空家の数を含む調査結果を算出をさせていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/69
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070・石井苗子
○石井苗子君 それでは全然説明になっていないんですね。
人が住んでいないということをまず確認する。確認された後に、空家を調査員が外観等からその種類と構造を把握する。地域の空家のパーセンテージは一三・六%、そのデータ基にして五倍にして八百五十万の空家の数を推計値として引き出したということなんです。
実際、それほど空家の数は多くないのではないかと思うんですが、八百五十万の統計的妥当性について説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/70
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071・岩佐哲也
○政府参考人(岩佐哲也君) 住宅・土地統計調査の調査計画につきましては、統計調査の専門家、それから関係府省の参画を得て策定をさせていただいております。それから、審議会でございます統計委員会の諮問、答申を得て決定をさせていただいております。
また、先ほど申し上げましたように、この調査、国勢調査に次ぐ規模の世帯調査でございまして、サンプル調査としては最も大規模な統計調査ということでございまして、八万人の調査員、全国の調査地域、実際巡回をいたしまして、空家を含む住宅や世帯について一つ一つ訪問し、丁寧な調査を行っております。
それから、調査の実施に当たりましては、広報も積極的に行わせていただいて、調査の理解も促進をさせていただいております。
それから、オートロックマンションなど調査の困難な建物につきましては、総務省から関係団体に協力も依頼をさせていただきまして、正確な調査結果が得られるよう努めているところでございます。
こうして得られた調査の結果でございますけれども、我が国における住生活に関する基盤的な情報といたしまして、国や地方公共団体など各方面で広く御活用いただいているところであります。
今後、引き続き、関係者と連携をいたしまして、正確な調査結果を提供できるように努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/71
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072・蓮舫
○委員長(蓮舫君) 岩佐部長、どうやって空家を把握したかという質問には答えておりませんが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/72
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073・岩佐哲也
○政府参考人(岩佐哲也君) はい。
空家につきましては、調査員の方が回りまして、そこが空家かどうかの確認をさせていただいているというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/73
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074・石井苗子
○石井苗子君 私、大学のときに、数字ばっかり見ている統計学やっていたんですけどね、これは空家調査ではないんですよ、皆さん。
住宅・土地統計調査に来ましたと、総務省の者ですと言いながら、その他テレビCMやラジオCM、コールセンターも用意して、国交省からの依頼、管理依頼をして、協力を依頼して、かたり調査というのもありますから気を付けてくださいねというようなことをやりまして、クレーム処理をするために消費者庁にも協力して、行政相談窓口も総務省に置いてという、この調査は回収率一〇〇%、八〇%の回答率ですから、この住宅・土地統計調査には妥当性があります。それは認めます。
しかし、空家八百五十万という数字をどうやって引き出したかということは、ここで私が言いたいことは、数字ではないんですよ、皆さん。数字ではない。
数字だけにらんでいても解決が付かないという結論を私は出しておりまして、空家問題は、そもそも空家が世の中に出回っていないという、根本的なマーケット対策の問題があったと思います。空家になっていく加速度の方が大きくて、処理していく数で対応できないのではないかという。維新の勉強会で、増えていくスピードに処理、対応していくスピードが追い付かないのではないかという質問が出てきました。
そこでもう一回、総務省の統計局の方にもう一度伺います。
資料の二を見てください。
この一・五と一・九というスピードでございます。これも住宅・土地統計調査が出したものであります。居住世帯なしというところに約一・五倍、約一・九倍という、これがスピードですね。八百五十万のスピードというだけを考えたときに、どのくらいの空家の数をどのくらいのスピードで年間空家にしていなくしていけば間に合うかという数字を出すことはできますでしょうか、逆に、どのくらい減らしていけば間に合うかという。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/74
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075・岩佐哲也
○政府参考人(岩佐哲也君) 住宅・土地統計調査は、住宅及びそこに居住する世帯に関する実態把握ということを目的として実施をいたしております。
御指摘の事項につきましては、実施する政策などの様々な前提が必要となりますので、統計局としては現在行っていないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/75
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076・石井苗子
○石井苗子君 そうなんです。データを、サンプルとしていいかげんなデータをそろえて統計を出すということは改ざんとなりますので、それはできないというの、よく分かるんですね。サンプル調査の結果であって、今後どうすればいいかの数字について統計局の担当ではないということなので。
私思うんですけれども、空家というのは人様の持ち物でございますので、人様の持ち物ですから、そんな雑駁な計算をして、例えば何年間の間にこれだけ燃やせば大丈夫ですなんというような話はできないんです。
できないとなると、国交省の方に聞きます。ロードマップとして、いつまでに特措法が改正されたということになって、何年までに幾ら減らせるかという試算は出せますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/76
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077・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) 国土交通省におきましては、まずその周囲に悪影響を与えている特定空家や管理不全状態にある空家、これをより優先し、積極的に対策を講ずるということにしてまいりたいと存じております。この数字につきましては、この法案のKPIで五年間で十五万戸の除却等を目指すということにしてございます。
これ以外も含めまして、今後、居住目的がなくて管理不全状態になってしまうおそれがある、そういう空家につきましては引き続き注視をしてまいりたいと思います。
その注視してまいるその管理、失礼しました、居住目的のない空家につきましては、今後、自然体でいきますと令和十二年には四百七十万戸程度になるというふうに見込んでおりますものを、様々な政策の動員によりまして、令和十二年には四百万程度に抑えるということを目標に取り組んでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/77
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078・石井苗子
○石井苗子君 ありがとうございます。
午前中の質疑にもありましたように、家は生き物なんですね。住んでいる人がいないとどんどん傷むんです。人の住まい方の変化と、今、家に大世帯で住んでいるという日本人の方が少なくなってくる、それと、人口減少の変化に対して、これまで空家が増えていくことを予想して対策を取ってこなかった国の不策が招いた八百五十万だという推計です。
先ほど申し上げたように、潜在的に活用できるのに市場に流通していない、空家が市場に出回っていないということが問題で、いろんな分野で利用されるように努力を怠ってきたから増えてきたんだというふうに思います。
違った角度から質問しますが、国交省の方にお伺いします。
新築の市場というのを止めることはできません。できないとして、新築の家に空家対策の規則を付ける、つまり、何年までにこの家をどうするといったように、新築時期から空家防止対策規則を付けるという発想はありますでしょうか。空家予防の解決策につながるかどうかだけお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/78
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079・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) ちょっとそういう御検討を国土交通省でしたことがないので、ちょっと直ちにお答えが難しいですけれども、新築そのものが持っている意味合いというのは、今の日本の住宅ストックが非常に劣悪であるということの質の改善という意味では非常に意味があるということだと思っておりますので、そういう意味で、そこに大幅なブレーキを掛けるというのは、ちょっと今の住宅ストックの現状からするとちょっと余り望ましくないのかなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/79
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080・石井苗子
○石井苗子君 そうなんです。空家を活性化するためにどうするかが本法案のテーマであって、新築のときから規則を掛けるということは困難だという、まずそこをはっきりしますね。
そうすると、では、どのタイプの空家にどのような介入を掛けたら空家を今後生み出さない又は空家を市場に出していく効果を出せるかという質問の中で、先ほど出た、農地付き空家ということで高橋議員が質問されましたが、農地を誰かに権利移転、売買する場合、ある程度の農地が付いていなくてはならないという農地法規制が改正され、農地が余り広いと売れないということですから、一定の面積を持っていなきゃならないという規制がなくなったわけで、農地付き空家の流通、かなり柔軟になってきたと私は思いますが、農地と空家がセットであり、空家を売ってついでに農地を付いてくるという、こういう付加価値になるわけです。農地を売買するときにある程度の農業委員会の許可が必要であったんです。このことに変わりはないので、手間が掛かることに変わりがないという点があります。これ問題だと思います。
これからどうすればいいと思いますか。農地付き空家をもっと市場に出していくことを進めるにはどう取組をしていくのか、国交と農水との連携、どのように取っているようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/80
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081・蓮舫
○委員長(蓮舫君) どちら。
塩見住宅局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/81
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082・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) 農地付き空家につきましても、現に存する空家の有効活用という意味では非常にいい意味のある取組だと思っております。特に、下限面積が撤廃をされ、既に農地付きの空家に、失礼しました、農地の付いている空家の流通をより促すという意味では非常に円滑に進む可能性があると思って大変期待をしてございます。
今回の法案の中では、農地法に基づきます処分等を行います際に、その農地法の処分の権限を持っている行政長が空家の活用の観点から一定の配慮をするという規定も入れさせていただいておりますので、先生御心配のような点につきましても、この法案の円滑な運用を図る中で、農地の権利移転がより円滑に処分等が行われますような配慮が行われることを通じて、空家の活用あるいはその処分というものが進むことを是非期待したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/82
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083・蓮舫
○委員長(蓮舫君) 農水省いいの。
農林水産省大臣官房長井審議官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/83
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084・長井俊彦
○政府参考人(長井俊彦君) 下限面積の関係についてでございますけれども、これにつきましては、昨年の五月に成立いたしました農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律の中で、農業者の減少とか高齢化が加速していくという中で、下限面積の要件は廃止しているところでございます。本改正は四月一日からの施行ということでございますけれども、この改正によりまして、都会から農村へ移住し農業を行う者が空家と農地を一緒に取得しやすくなっていくものと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/84
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085・石井苗子
○石井苗子君 四月からスタートしたからまだちょっと分からないというのは知っているんですが、私の質問は、農地を売買するときにある農業委員会の許可が必要、ここに変わりがないので手間が掛かることに変わりがないという問題点、これをどうしていくおつもりですかという質問のお答えをください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/85
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086・長井俊彦
○政府参考人(長井俊彦君) 農地の許可制につきましては、これは農地法三条において行っているところでありますが、これは農地を農地として適正に利用するという観点から、これは下限面積以外の部分について、農地をちゃんと効率的に利用しているかどうか、あるいは周辺農地の利用に支障がないという、こういった部分を全体的に見まして許可制にしているところでございます。
ただ、この下限面積の要件がなくなりましたので、それ以外の部分については残っておりますけれども、全体としては、この下限面積の要件が廃止されたことによりまして地方の方で柔軟に判断することができるようになるというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/86
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087・石井苗子
○石井苗子君 つまり、この許可制ということを変えようとしないんですよ。なので、これはどこまでニーズがあるか分からない。つまり、市場に出回るときの面倒くさいことなんですよね。だから、その空家、農地が付いていようが付いていまいが空家というものをもっと市場に出していってセールスしなきゃいけない、営業しなきゃいけないということで、農地があるなら空家も買いたい、小さい農地だったら買いたいという、そういう需要はあるのかもしれないけど、どういう人にニーズがあるのかということで、地域の人とともに空家に付加価値を付けていくと、それをどう交渉していくか、持ち主と、直接やってもらいたいと、これ考えていただきたいんですね。
八百五十万という数からスタートしましたけれども、空家がどこにあるのか、つまり市場に出回っていないという問題があると私は思っているんです。国民の皆さんがふだんの生活から、それ、空家がどこにあるかという把握することが難しい。であれば、国民の皆さんの気持ちとして、自分事のように、安心して人様の持ち物である空家をどこかに報告したらこの八百五十万という数字がもっと明確になってくる、つまり、どこの地域でどのようなタイプの空家があるかということなんです。
地域の人が安心して個人情報を守りながら空家対策に協力できると、この相談先というのはどこにありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/87
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088・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) 今市町村におきましては、その空家の所在について市町村の職員の方が実際に出向いて空家であるかどうか、そういうことを確認をしながら空家の存在を確認し、そしてデータベースなどを作成して空家の行政を行っているということでございます。
その際に、その空家の情報、これは基本的には個人の情報ということでございますので、その個人の情報がほかの方に、例えば誰が所有している空家なのかといったようなことを本人の御了解なくほかの方にお伝えするということは、これは個人情報保護の観点からできないということになっておりますので、これは法律でそういう規制になってございますから、これ、市町村といえどもそれはできないということになっています。
そういう意味で、行政がしっかり行政を管理する、法律を守って行政を管理するという、失礼しました、法律を守って個人情報を管理するということの中では、所有者の方には安心をしていただけるんじゃないかというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/88
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089・石井苗子
○石井苗子君 個人情報を、あそこに空家があるようだという、人に教えろと私、質問していないんですよ。そういうことがあるから、人様の物なんだからそんなというのじゃなくて、さっき言った八百五十万という数字をどう出していくかということになれば、市場に出回すことと、空家が特定の空家になる前に利活用するという意味においては、あそこの家は大丈夫なんでしょうかということをどこに連絡すればいいかと聞いているんですね。そうすると、それを市町村の人がやってくれればいいだけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/89
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090・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) 失礼しました。申し訳ありませんでした。
近隣の住民の方が空家があるという状態が分かったときに、それを市町村の方に御連絡をいただきたいと思います。で、市町村の方では必ずしも今相談受付をする窓口というものがきちんと整備できていないという場合もあるかと思いますけれども、是非相談窓口などをしっかりと整備をして、受付体制というものをはっきりさせていただきたいと思います。
その上で、市町村の方で空家のデータベースを作り、その空家の状態を確認をし、その空家の状態が管理不全状態にあるということでありますれば、この法案に基づきます指導とか勧告とか、そういった措置に進んでいただく、こういうことが考えられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/90
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091・石井苗子
○石井苗子君 まず、支援法人サイトというのを立ち上げてもらいたい。それで、もう人、要らないんですよ。そこに整理をして、指定の対象になれるかどうか。つまり、建物は生き物なんだから若いうちにどんどん改善していってそれで市場に出してもらうということを、指定はいろんなケースが想定されますけれども、支援法人として業務が適正かつ確実にできるという前提で指定をしていただき、支援法人サイトを立ち上げてもらう。事実関係の確認をして、その後、所有者の方と相談対応をしてもらうという。
報告した人なんて関係ないんです。報告した人はどうかというと、空家報告は地域の住民の皆様の目からもっと自分事として有効性を持ってやっていけないかということで、危ない家があります、報告しやすいシステムをつくってください。防犯の目からいったらどうなのか。住宅地だったら容易にできることです、散歩しているときに。安心して報告できるところ、いち早く知らせる方法、誰にどこに相談ということができる広報活動というのをこれから国全体でやってもらいたいと思うんです、市町村の人に。
それから、これ誰も御質問してないんですけれども、私は、空家をどう市場に出して、どう活用していくか、なるべく若いうちに。そのための修繕、そのためのというときには、日本で家を持ってない人がどのぐらいいるかという調査をしてないですね。それはもう、何ですか、生活保護の対象だというようなお答えもあったんですが、そこを何とかしなきゃいけないと思っているんです。
内閣府が担当かもしれないんですが、貧困の子供たち、家のない子供たち、こども家庭庁も関係してくるかもしれませんが、どういう問題意識で空家を位置付けているかということで、こういった活用もできるんじゃないかと。空家をもっと市場に出すべきだと思います。行き場のない人たち、子育てで待っている人たち、一戸建ての方が使いやすいという人たちがいるはずです。
課題は、そもそも、放置されて潜在的に活用できるのに市場に流通していなかった、いろんな分野で利活用されるようにということ。しかし、これを国交省の問題に落としていくには検討をどうやっていけばいいかということを今日お伺いしておきたいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/91
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092・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) 今先生おっしゃるとおり、空家の問題とそれから生活困窮者等の住まいの確保と、これは両方非常に大変大きな課題であり、空家を活用して生活困窮者の方の住まいにつなげる、こういうことがもしできますと、これ両方の観点から非常に意義があるというふうに思います。
今回の法案との関係で申し上げますと、市町村が活用促進区域というものをつくります。そして、区域を設定いたしますと、市町村が所有者の方に対しまして誘導用途に活用してくださいという要請ができるということになってございます。こういう要請の仕組みを活用いたしますと、市町村から所有者の方に対しまして、生活困窮者のための住まいに使っていただくことを誘導するということができるのではないかというふうに思います。
もう一つ申し上げますと、支援法人の制度を今回つくります。支援法人は、所有者の方に寄り添って相談対応を行うということにしてございます。所有者の方に対して是非生活困窮者向けの住まいとして活用していただけないかと、こういうことを支援法人の方からも働きかけをするということも考えられます。
こういう今回の法案の措置を使いまして、空家を生活困窮者のための住まいにつなげていくという取組について是非検討していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/92
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093・石井苗子
○石井苗子君 私も、行き場のない子供たち、十八歳になったら出ていかなきゃならないという人たちに対して、家を、住むところを、行き場所をという活動をしている人がいっぱいいるんですね。だけど、これを国の、国がそうしてきたんだと、これから空家対策をつくるんだということになると方向性が随分変わってくると思うんです。新築の家じゃなくたっていいはずなんですよ。
しかし、それ、その子たちがどこで住むかということになれば、うちも町内会というのがあって、あの人はどこに住んでいるかってみんな知っているというようなところなんですね。だから、ちょっとずっと電気がつきっ放しなんですけどというようなところをどこに報告したらいいかというのは、今お伺いしました。
その後に、それが空家になる前に、ぼろぼろになる前に誰が住むかということなんですが、空家に関してこれまでこういった横の連携というのはできてきませんでした。今、大きな分岐点にある、それが八百五十万という数字だと思うんです。だから、いろんな分野で政策を考えていただきたい。空家を中心に国レベルで問題意識を持ってもらいたい。空家対策というのは、産業分野、福祉担当分野の連携が今までできてこなかったんですが、空家活動が選択肢になるように、利用者に空家の市場を、促すように、空家を市場に流通させる、空家を売るという選択肢がそもそも頭にないという視点を変えていってもらいたい。
こういう意味で、もう一回説明をお願いしたいんですが、ちょっと順番が逆になりましたけど、さっきのインセンティブのところですね、国や行政が立ち入る問題でなかった私有財産だったんですね。周囲に悪影響を与えているから行政対策としてやる必要があると決めたのが今度の法案なのですから、市町村は住民の皆様に身近なところで空家対策を取っているんだと、担っているんだと思ってもらわなきゃならない。家は生き物ですから、社会の変化に伴って家の環境が変わっていく、そのスピードに追い付いていくということを考えて対処していかなきゃならない。それには意識改革を起こして、住民の皆さんが行動変容、あらゆる行動変容をして変えていかなきゃならない。それにはやっぱりやる気にさせるインセンティブ、やる気にさせるというのが必要です。
空家をそのままにしておく理由、先ほどもたくさん出ましたが、高い解体費用、物置の使用しているとかと、これを合わせると五〇%、半分以上になるんですね。解体費用というのは、高騰の一途をたどっています。解体後の固定資産税の増加もあります。先ほどから質問が出ておりました。ペナルティーばかりじゃなくて、売買するときの税の優遇、解体費用の補助、支援の取組、現在はどうなっていてこれからどう変えていくかというのを、もう一回整理して話していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/93
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094・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。
空家の解体とか売却に対する支援でございますけれども、まず所有者が空家を解体いたします際は除却費の負担が過大となるということがございます。除却費の負担、これは本来、個人財産でございますので、御自身の負担で行っていただくということが原則でございますけれども、一方で、場合によっては、周囲に著しい悪影響を与えているような特定空家の場合でありますとか、跡地が地域のために利用される、そういう予定のある空家、こういうものにつきましては、その周りに与えている影響でありますとか跡地利用の効果、こういうことに鑑みまして、市町村が財政支援をするという場合がございます。国におきましても、その市町村の財政支援を支援をするということにしております。
それから、もう一つ申し上げますと、空家は今非常に相続に伴って発生していることが多うございます。相続で空家を取得した所有者、相続人でございますが、相続人の方が空家を除却するなど一定の条件を満たした上で敷地を譲渡した場合、これは譲渡所得から三千万円を特別控除する特例措置を講じておりまして、こういう措置によりまして早期の除却、譲渡を支援しているというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/94
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095・石井苗子
○石井苗子君 その三千万円というのは、三千万円渡すんではなくて、三千万円を差し引くという理解で正しいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/95
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096・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) 分かりにくくて申し訳ございませんでした。
譲渡所得から三千万円を特別控除するということでございますので、土地などを売却したときに生ずる譲渡所得から、本来であればその全体に対して掛かる税金が、三千万円を控除した額に対して税金が掛かる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/96
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097・石井苗子
○石井苗子君 ありがとうございます。
空家を持っているとそれ自体負担やリスクになりますよという伝達、これが少ないと思いますね。もう少し、その意識が来たときにはもう手が付けようがないような状態にならないように、空家になったら早期の段階から活用していくという国の対策。そして、住んでいる段階から皆さん空家にならないように意識を持ちましょうね、だってまだ住んでいますから、いや、住んでいますけれども空家になるとリスクが大変ですよという、相続をきっかけに空家になってしまうこと一番多いんですよ、タイミングがいつがいいか分からないことで気付いたときには空家になっていますということがあるんですよという、こういうの、普通の商売だったら営業でやるんですね、そう。誰に相談するのか。いい気持ちになるような空家の利活用、時間がたって古くなるほどお金掛かるんですと、より早期に、空家になる前に空家にしないようにしましょうねという対策が一つ必要なのと。
既存の住宅流通についてお伺いしますけど、家を買うときに空家を選択肢にするというようなことを国を挙げて何か広報でもやっていらっしゃいますでしょうか。世帯数、八百五十万の中で、いい物件ですよというようなことをどこがやっているんですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/97
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098・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) 政策としましては、既存住宅の流通に対しまして、安心して既存物件を取引いただけるような様々な制度をつくり、それをできる限り周知をさせていただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/98
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099・石井苗子
○石井苗子君 もう終わりますけれども、空家をこのままにしていたら国を守ることにならないと思います。どう使われるかということは重要で、もし八百五十万の妥当性があるんだとしたら、これは国防の意味においても空家の活用をしていかないと、将来的には国の施策がまた失敗だったということにならないように、人口変化、社会の変化に伴って空家対策を進めていって、連携を強めていっていただきたい、空家市場というのをもう少し力を入れてやっていただきたいと思います。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/99
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100・蓮舫
○委員長(蓮舫君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
午前十一時五十一分休憩
─────・─────
午後一時開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/100
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101・蓮舫
○委員長(蓮舫君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、朝日健太郎君が委員を辞任され、その補欠として佐藤啓君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/101
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102・蓮舫
○委員長(蓮舫君) 休憩前に引き続き、空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/102
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103・嘉田由紀子
○嘉田由紀子君 国民民主党・新緑風会の嘉田でございます。質問の時間をお与えいただき、ありがとうございます。
まず、六月上旬の台風二号と梅雨前線による線状降水帯の水害被害を受けられた皆様に心からのお悔やみ申し上げます。一日も早い生活再建、お祈り申し上げます。
本日、後半には水害対策問題について質問させていただきますが、前半は今話題となっております空家対策について質問させていただきます。
まず、午前中からのちょっとおさらいをさせていただきますと、永井議員が山梨県の事情を御説明くださいました。もう山梨だけではなく、三上議員が出してくださったように人口減少地域がもう空家問題を抱えている、特に向都離村の中で若い人がどんどん出てしまって跡取りがいないという、これはまさに構造問題だと思います。
それから、三上議員とそれから鬼木議員が、自治体任せのこの空家対策、本当にもうどうなっているんだと、手が回らない。実は私も自治体にいろいろお話聞いていますけれども、広島の事例、よく分かります。もう全国で自治体の職員さんが手いっぱいだということでございます。
そういう中で、高橋議員が兵庫の事例を見事に御紹介くださいました。いつも兵庫県は学ばせていただくことが多いんですが、特に農地付きの空家、いいですね、ここはもう是非地域おこし協力隊の皆様が、人が入っていただくと継続ができると思います。
それから、石井苗子議員のいつも根本構造を指摘してくださるということで、住宅政策の失敗ではないですか、八百五十万戸も空家をつくってしまったのはということで、ちょっとおさらいをさせていただきました。
私も、実はこの構造問題から質問させていただきたいと思います。
日本の住宅の平均耐久年数、諸外国と比べて極めて短いということを改めて数字でフォローさせていただきます。総務省の平成三十年調査ですと、日本が平均三十八・二年、アメリカ五十五・九年、イギリス七十八・八年です。
理由としては、新築を好む日本人の性格とか、あるいは木造住宅だとかいろいろあるんでしょうけれども、環境的には一軒の住宅を廃棄すると四トンのごみが出るんです。私はずっと環境問題をやっておりましたので、できるだけ家を長く使うことによってこの環境、廃棄物も減らすということも勉強してまいりました。特に、耐熱性、耐震性、低機能の住宅をどんどん乱発していきますと、空家が増えて、そして使い道がなくなる。一方で、優れた良質の住宅を提供することが、健康水準の維持あるいは先ほどのごみの解消など、社会的にもプラスになると思っております。同時に、脱炭素社会づくりにも住宅のエネルギー需要は大変重要ですので、高機能の住宅の価値も高まると思っております。
実は、二〇一三年に、私はエネルギー政策を学びたくてドイツに若い県庁職員と一緒に結構長時間掛けて視察に行きました。そのときびっくりしたことが二つあります。一つは、ドイツは新築住宅のもう許可を出さない。そして、古い住宅、個別の住宅だけではなくて、集合住宅も全てリニューアルをして、そして省エネルギー、同時に地域ごとの再生可能エネルギーを、エネルギー政策と住宅政策をセットにしている。
ですから、先ほど来、石井議員が言っていらした構造問題、国として縦割りで、確かに住宅需要、業界も必要だと思いますが、リニューアルを主にすることによって住宅業界も十分に潤うことがあるわけです。そして、結果的にはドイツは、経済成長二倍しているんですけど、エネルギー需要が横ばいということは、エネルギー効率二倍という国家をつくり、そういう中で原発もゼロにしたという、私は、全体最適、これは日本はドイツの政策に大いに学ぶべきだろうと思っております。
そういう中で、この人口減少時代を迎え、かつ脱炭素社会づくり、喫緊の課題ですけれども、住宅政策の在り方について、今回の法案の意味付けももちろんそうなんですが、より大きな住宅政策の在り方について国土交通大臣の御所見をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/103
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104・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 午前中はかりゆしを着させていただいておりましたが、ちょっと寒かったものですから、午後から上着を着て御答弁させていただきます。
今、嘉田委員おっしゃいましたように、アメリカ、欧米はいわゆる既存住宅マーケット、そして日本は新築マーケット中心だということで、これを欧米のように将来世代に継承できる良質な住宅ストックを形成し、これを循環するシステムに変えていかなきゃいけない、これは我々国も同じように考えております。まだしかし、現在、耐震性でありますとか断熱性等でまだまだその継承していかなくてはならないというレベルにまでなっていない、そういう住宅が多いということだと思います。
また、既存住宅の活用促進は、住宅の解体に伴う廃棄物の発生を抑止し、地球環境の負荷低減にも寄与するものと考えております。この法案も、本法案も、既存住宅の活用、流通拡大を進める上で重要な一役を担うものであり、一翼を担うものであり、空家の重点的な活用を図る区域制度や空家の状態悪化をできるだけ食い止める管理の確保を図る措置などを導入することとしております。
このように、日本もこの既存住宅をしっかり継承していく、そういうマーケットにしていかなくてはならない。今回のこの法律案はその一翼を担うものと、このように認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/104
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105・嘉田由紀子
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
国が全体最適で構造的な仕組みをつくっていただかないと、自治体はそこを後追いをするばっかりで現場の問題を対策取らなきゃいけないということで、是非、国土交通省さん始め、先ほどは農水省も含めて、それから経産省さんも含めて、全体最適の政策を考えていただけたらと思います。
この後少し個別的な質問させていただきますが、特に中心の都市部でシャッター街になり、そして老朽住宅がという問題が各地にございます。例えば滋賀県ですと長浜市というところが、私は昭和六十年代から長浜市の調査をしていたんですけれども、本当にシャッター街で、一時間調べていてもおばあちゃん一人に犬一匹ぐらいしか通らない、そういうところで長浜市は、中心市街地の活性化、それまで白いキリスト教会だったのを黒壁、そしてアーケードを外して空が見えるというような大規模なまちづくりをして、そのときにかなり空家の対策も市として進めてきたんですけれども、まだまだ問題があります。
ということで、今回のこの法案、例えば長浜市のような中核市でもない政令市でもない一般市町が中心市街地活性化させるとき、今回の法案、どういうふうなところでサポートしていただけるでしょうか。住宅局長さんにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/105
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106・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。
空家が増加する中で、既存の空家ストックを地域の活性化とか地域の課題解決に役立てる、こういう視点は非常に大事だと思います。空家を資産と捉えまして、その有効活用を促していくということだと思います。しかし、せっかくの空家をそのまま放置している所有者の方も大変多くいらっしゃって、賃貸とか売却による有効活用を是非促していくということが大事だと思っております。
今回の法律におきましては、中心市街地など空家の活用を重点的に図ろうとする区域を市町村が設定をしまして、活用方針を示して所有者に活用を要請するという仕組みを導入をいたします。また、活用の際にネックとなります接道や用途、こういった規制を市町村主導で合理化をしまして、建て替えとか用途変更をしやすくする、こういうことについても取り組みたいと思います。
さらに、市町村が指定をする支援法人が所有者に寄り添って相談をする、そして所有者の方に的確な判断を促す、こういうことも行ってまいりたいと思いますし、逆に空家を手放したくないという所有者の方に対しましては支援法人が空家を借り上げて活用するということも含めて対応することを考えてまいりたいと思います。
こういった措置によりまして、市町村が中心市街地の活性化などに向けました空家の有効活用により取り組みやすくなるのではないかと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/106
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107・嘉田由紀子
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
私は古い町歩きが好きで、こう路地の中、関西では路地と言うんですけど、の中に、それこそ一メートルそこらのところですごくいい家があるんですよね、奥に。ですから、今のお話ですと、その接道、四メートル以上ないといけないというようなところの規制緩和をしていただくとか、あるいは支援措置をしていただくということは、今ある町中の旧民家のようなところの活用に大変役立つと思います。是非自治体をサポートしてあげてください。
もう一方で、琵琶湖のようなところ、あるいは保養地では、昭和四十年代、五十年代に企業の保養地などがたくさんできたんですね。ところが、時代が変わり、保養地の需要が減ってしまって、空家になっている保養地がたくさんあるんです。
私も知事時代から、どうにかならないかということを大津市などに勧めてきたんですけれども、幸い、国土交通省さんが平成二十八年、二〇一六年に、市街化調整区域の古民家等を観光振興や移住、定住促進に活用できるよう開発許可制度の運用弾力化と、えらく長い法令で覚え切れないんですけど、まあ、言うたら調整区域は本当に用途転用が難しかったんですけれども、そういうところでも用途転用をしやすくしてくださったということで、幸い滋賀県の大津市では、大津市北部保養所を活用した北部地域活性化構想に基づく空き保養所の利活用制度を利用しまして、新たに作りまして、そしてそこで琵琶湖岸の保養所の活用などが今始まっております。これも国の方が法令を変えていただいたおかげなんですけれども。
実は、市街化調整区域の権限、用途変更、県が持っていて市町とずれたりするところがあるんですね。そこのところで、新たに住宅局長さんにもう一度お伺いしたいんですが、開発許可権者が都道府県知事であるケースで、都道府県と市町村の考え方に違いがあったりするときには市町村はどのような対応を取れるんでしょうか。また住宅局長さん、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/107
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108・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。
今回の法案におきましては、市街化調整区域内にあります空家の用途変更について規制の合理化を図ることとしてございます。
この措置でございますけれども、一定の場合には現行の法制度においても許可をされるということになっておりますけれども、許可権者の裁量が非常に大きくて、今先生がおっしゃるように、知事の御判断が非常に裁量が大きくて、県によってはまた厳格に運用されているということもあって、許可の申請をしようとする側から見ますと、申請を出したときに許可が得られるかどうかの見通しが非常に立ちにくい、こういう課題がございます。これ、市町村、空家の活用を図ろうとする市町村の立場から見ましても、せっかく活用しようとしましても許可が下りるかどうかの見通しが立ちづらいということが課題として考えられるところでございます。
そこで、今回の法案では、市街化調整区域を含んだ活用促進区域を定めようとする際に、市町村と知事との間で活用促進区域の区域の在り方、それから、その区域内での活用の方針、指針、こういうことを協議をしていただくことにしております。この協議をあらかじめ行っておいていただくことによりまして、活用促進区域の中で用途変更をしようとする個別の許可申請が出てまいりました際に、あらかじめ協議された指針に沿った申請であるというふうに認められましたときは、知事によりまして用途変更の許可が円滑に行われると、こういうことを今回の法制度で行いたいと思っております。
この措置によりまして、市街化調整区域内の空家におきまして用途変更を伴う活用というものが促進される効果があるのではないかと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/108
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109・嘉田由紀子
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
今、高層住宅も老朽化して、マンションの建て替えなども問題になっておりますけれども、滋賀県の野洲市で廃墟化したマンション、これ二〇二〇年に市が行政代執行で解体をしたんですけれども、この解体費用の回収が課題となっています。
ここで、国土交通省さんの方で、今新たに、今回もその辺りの助成措置がなされるようですけれども、具体的に教えていただけますか。ちょっと時間がありませんので、短くお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/109
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110・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。
空家を除却した場合、特に行政代執行で除却をした場合の費用の回収について申し上げますと、一つ考えられますのは、例えば野洲市のマンションのように所有者が不明の方がいらっしゃるという場合につきましては、その所有者が不明の跡地につきまして裁判所に財産管理人を選任をしていただきまして、選任された管理人の方が所有者に代わって跡地を処分をし、市町村の代執行費用に充当するという方法が一つは考えられます。
また、もう一つは、真に所有者からの回収が難しい、そういう費用につきましては、先ほど来御議論がございますとおり、国から市町村に対しまして補助を行っておりまして、令和五年度からこの補助率の引上げを行っております。さらに、残りの市町村負担分について特別交付税が講じられると、こういう形になってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/110
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111・嘉田由紀子
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
都市局長さんの質問をちょっとスキップしてしまいまして申し訳ございません。
後半は河川政策について質問させていただきたいんですけど、四月六日にも斉藤国土交通大臣にお尋ねしました。長崎県の川棚町に石木ダムというダムがございます。三月末に、行政代執行の手続なしに突然、農業用の水路が重機で埋められてしまいました。私はあの質問の後、五月上旬に石木ダムの地元を訪問させていただきました。水路が埋められてしまったIさんは、先祖代々耕し続けてきた田んぼに土砂が入れられてしまって本当に心が痛む、御先祖様に申し訳ないと言っておられました。
石木川沿いには江戸時代からあるお墓などもございます。その河原に先週、蛍が出たということで新聞記事で紹介されました。今日、皆さんの方に資料、五月三十日の資料をお出ししていますけれども、この重機が後ろにあって蛍が飛ぶと、とっても象徴的な場面です。実は、蛍の川の守り人として、地元では十三世帯五十人がダム建設納得できないということで、強制収用された土地に今も住まいをしております。
資料の後ろの方のページ、ちょっと長いんですけれども、川原ということのチラシですね。ここには、蛍だけではなくて、例えばシーボルトが江戸末期、オランダのライデン博物館に運んだという大変貴重な生き物、特に魚類ですね、が今も生息しています。ただ、先ほど来、確かにダムを造って洪水対策、有効なダムもあるんですけれども、ここは、地元、過去百年間、それこそこの川の氾濫で人が死んだような水害はありません。土砂崩れはあります。支川であふれたのはありますけれども、ということで、治水も必要性少ない。そして、利水については、この資料を見ていただきますと、実際もう佐世保市の利水なんですけれども、日八万トン以下、七万トンくらいしか使っていないのに、この後まだ増えると数字だけ伸ばして利水事業をしているわけです。
そういう中で、四月、五月に入ってですね、衆議院の方で、四月二十四日ですね、衆議院の決算行政監視委員会で地元選出の山田勝彦衆議院議員が石木ダムの事業費の問題を提起しております。全体事業費が二百八十五億円、長崎県の治水事業百八十五億円、佐世保市による水道事業分が約百億円、合計二百八十五億円です。そして、令和四年度までに既に二百三億円が執行済みです。つまり、残り八十二億円しかありません。
現場に行ったら分かるんですけど、まだそれこそ田んぼを耕して、そして全く、本体工事に着手したと言ってはいますが、本体工事、見かけ、着手しているようには見えません。
この後どれだけ予算が要るのか。四月二十四日に山田議員の質問に対して、国の方が長崎県に問合せをしたところ、長崎県からは、現時点では総事業費二百八十五億円の中で完成できるように努めていきたいという内容だったということです。
本当に残り八十二億円で石木ダムの本体工事、完成できるのでしょうか。ここは国土交通省としても現場をきちんと見ていただいて、そして費用対効果、BバイCはどうなっているのか。果たして一・〇以上のBバイCが、今この価格高騰の時代、人件費も上がります、それこそ土木の人件費、働き方改革の中で上がってきます、何もかもが上がってくる。これ、上がることは望ましいんです、賃金の倍増ということも私たち申し上げていますから人件費が上がるのも望ましいんですが、ここのBバイCの問題、あるいは建設費用の問題、ここは是非、国土交通大臣、現場を見ていただいて、そして、事業認定は十年前です、二〇一三年です。強制収用は二〇一九年、四年前です。
どんどんどんどん事情が変わりつつあります。特に人口減少時代、温暖化でますます水害は激甚化します。今回の線状降水帯でも、愛知や静岡、過去最大の降水量だった。もちろん一定程度ダムだったら止められるんですけど、ダムは、それこそダムの上に降った雨しか止められません。
というようなことも含めて、いよいよ、国土交通省さんの予算、決して潤沢ではありません。こういう中で、インフラの老朽化、長寿命化、大変膨大な予算が必要です。この時代のニーズに即して国土強靱化の事業見直しをする段階に差しかかっているのではないでしょうか。必要性の低い大規模事業の見直しこそ、今、日本がこれから人口減少時代、財政逼迫の時代に国土政策の責任者として国土交通大臣が大きな決断を示すべき段階ではないでしょうか。
国土交通大臣、いろいろな質問申し上げましたけれども、石木ダムに絡んで、BバイCの問題、建設費の問題、そして、このままこの事業を進めるということでよろしいんでしょうか。長崎県の県営ですけど、国が補助金出して、そして事業認定もしております。国土交通大臣の御意見をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/111
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112・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 四月六日にも嘉田委員からこの御質問をいただきました。
今いろいろ御質問いただきましたので、まず、残り八十二億円で事業は完成できるのかと御質問をいただきました。
この事業は長崎県の事業でございます。事業主体である長崎県から令和五年四月に、人件費や資材価格の高騰など工事費に影響する可能性があることについては認識しているが、現時点では総事業費二百八十五億円の中で完成できるよう努めていきたいと、このように聞いております。
国としては、現地の状況につきまして必要に応じて長崎県からヒアリングなどを行い把握をしており、今後とも適切に対応してまいりたいと、このように思っております。
それから、BバイCはどうなっているのかというお話、御質問がございました。
石木ダムについては、事業主体の長崎県及び利水者である佐世保市において、過去の洪水や渇水の発生状況、代替案の比較検討も含め、治水、利水両面の事業再評価がそれぞれ行われ、事業の必要性が確認されているところです。費用対効果、いわゆるBバイCにつきましては、事業再評価における総合的な評価項目の一つとして費用対効果分析が行われており、その中で算定することになっています。
治水面につきましては、長崎県において、令和元年度に第三者委員会での審議を経て事業再評価が行われ、BバイCは一・二一でございます。利水面につきましては、利水者である佐世保市において、これも令和元年度に水道水源整備事業として第三者委員会での審議を経て事業再評価が行われており、BバイCは五・四一でございます。
それから、これからますます激甚化する水害の中でダムが必要なのかという御質問でございます。
気候変動により降雨量が増大しており、今月一日からの豪雨においても全国の二十を超える地点で観測史上一位の二十四時間降水量を更新するなど、近年、過去の観測値を超える豪雨が各地で発生しています。
こうした中で国民の命と暮らしを守るためには、大きな河川のみならず、小さな河川においてもあらゆる関係者が協働して行う流域治水を推進し、事前防災対策を加速化することが重要だと考えます。また、根幹的な事前防災対策となる河川整備の方策を検討する際には、河道掘削や堤防の整備、遊水地、ダムの整備など、あらゆる方策を流域全体で検討し、対策メニューをこれまで以上に充実させる必要があると考えております。
川棚川水系におきましても、事業主体である長崎県において、必要な治水対策について、代替案の比較も行いながら検討が行われました。私もそれを見させていただきましたけれども、いろいろな、こういう方法でやったら治水対策どうなるかというのが七項目、八項目ありました。そういう中で、いろいろな側面から総合的に考えて、この事業再評価を経て石木ダムの必要性が確認されていると、このように理解をしております。
気候変動に対応し、治水対策の効果を早期に発現するため、引き続き河川整備などの加速化を図っていかなくてはならない、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/112
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113・嘉田由紀子
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。大変お答えしにくい分野だとは思いますが。
一度現場に行ってみてください。今日の資料で地図を出しておりますけれども、この上流は波佐見川という川、そして下流の数キロが川棚川です。そこのところで石木川が合流するんですけど、石木川が合流してから下の川棚川の洪水を防ぐというのがこの多目的の治水効果だというんですが、先ほど来も申し上げましたように、昭和二十三年、平成元年に確かにあふれる洪水はあるんですけど、それは土砂災害と内水氾濫です。そして、亡くなった人も川の氾濫で亡くなったのではないんです。
私は流域治水をもう全国に先駆けて条例化してきたその分野の専門家ですので、この川棚川から波佐見川を江戸時代から徹底的にどういう開発をしてきたのか調べました。もう波佐見川の周辺は、大村藩がまさに今に言う流域治水を実践していたんです。大村藩は最初、江戸時代二百三十石しかないんですけど、江戸末期には八百石、三倍ぐらいに増えている。山の中にため池を造り、そして田んぼを開発し、波佐見焼がありますから、山もまきも利用しながら治水をし、そして川沿いにはそれこそ堤防林ですね、竹林をずうっと、それで洪水対策をし、利水対策をし、まさに今に言う流域治水を実現をしておりました。
ですから、この波佐見川から川棚川はおとなしい川なんです。そこにあえてこんなに巨大なダムを造る必要があるのか、是非一度現場を見ていただけたらと思います。
そして、実は今日も、そこに住まいしている人だけではなくて、二百数十人の全国の方が石木ダムの水没予定地の土地を所有しています。森林の共有所有者になっています。ちょうどこの時間、長崎県の県庁に意見書を出しに行っておりますので、全国からも大変注目をしていただいている事業だということを最後に申し上げまして、是非大臣の現場訪問をお願いしたいと思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/113
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114・田村智子
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
空家対策を進めるために法案には賛成をいたしますが、懸念している点についてお聞きをいたします。
法案第七条に新設される空家等活用促進区域についてまずお聞きします。
中心市街地、地域再生拠点、歴史的風致の維持の重点区域などが対象であり、経済的社会的活動のためという目的からも、空家や空家の空き地の商業利用を想定した開発の促進というふうに理解をいたします。
七条八項では、都市計画法上、開発を抑制することが目的の市街化調整区域でも、市町村が知事と協議をすることで空家等活用促進区域に指定できるとしています。
今でも市街化調整区域は個別に知事等の開発許可があれば空家の用途変更、建て替えは可能で、この手続を合理化するのが本法案だということの答弁がありました。これはもう繰り返さなくて結構です。開発の抑制のため新たな建築や用途変更が厳格に制限される地域での開発促進の規制緩和ということになるわけですね。地域住民を置き去りにした無秩序な開発になってはならないと考えます。
市街化調整区域を空家等活用促進区域とする基準、どのような場合に建築用途変更を認めるのか、これはあらかじめ示すべきではないかというふうに考えますが、この無秩序な開発にならないための基準ということで御答弁お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/114
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115・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。
今回の市街化調整区域におきます用途変更の特例でございますけれども、これは用途変更でありましても、その内容いかんによりましては市街化を促進することにつながりかねないということでもあるかと思います。したがいまして、空家行政を担います市町村が開発許可権者を持っている都道府県知事と十分協議をし、活用促進区域に市街化調整区域を含めるかどうか、そして含めた場合に誘導すべき用途をどのように定めるか、こういうことをよく協議した上で定める仕組みにしておりまして、その開発許可権限を持っている知事は、都市計画との調和の観点からその協議に臨まれるということになります。
したがいまして、市街化が無秩序に広がっていくというようなことにはならないものと考えておりまして、国が示す予定のマニュアル等におきましてもこういう考え方を分かりやすく説明するように努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/115
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116・田村智子
○田村智子君 例えばなんですけど、京都市では空家が次々と民泊施設になって、地域住民が暮らしに多大な悪影響を受けてきました。規制を求める住民の運動も起こり、我が党も問題を繰り返し取り上げる中で、京都市は、市街化調整区域で民泊を営むと都市計画法の用途違反となる建築物がある、属人性のある建築物、つまり、誰かが居住していた建物は、事業者が居住せずに民泊を行うことは都市計画法違反であるというように業者に今通知をするようになってきているんですね。これで民泊って少し止まってきているんですよ。
今回の法案によって、空家等活用促進区域に指定されたからといって、例えば京都でいえば、これまで民泊を行うことができなかった建物が次々と民泊可能となるという事態にはならないのか。何で危惧するかというと、知事も京都市長も、どんどん条例変えて、もう建物の高さ制限とかもこの間なくしてきているわけですよ。だから、知事と協議することで果たして本当に規制がちゃんとされるのかということは私は非常に不安です。
住民置き去りにした規制緩和にはならないか、開発抑制という市街化調整区域制度の趣旨が生かされるのか、これもし、大臣も、今御答弁いただいたので、大臣も一言いただければと思うんですけど、この点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/116
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117・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今回の法案の趣旨は、開発を促進するというものでは全くございません。空家対策ということで、大きくはまた別な法体系もあり、市街化調整区域での開発は抑制していかなきゃいけないという考え方もあるかと思います。その辺と調和を取りながら国としてもやっていきたいと思っておりますし、都道府県や市町村もその考え方でやっていくと思います。そこはきちんと我々も見ていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/117
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118・田村智子
○田村智子君 国交委員会で二月に滋賀県と京都府、視察をいたしましたが、空家となった古民家を一軒丸ごとホテルにして富裕層の観光を呼び込むなど、高付加価値のホテル建設ということが、これ自治体も、県も自治体も市町村も重視しているということを実感いたしました。だからこそ無秩序な開発ということを本当に規制していかなきゃいけないし、それだけでなく、こういう高付加価値のホテルというふうになっていくと、土地評価額が激変をして地域住民の固定資産税が大幅に値上げになるということも起こり得るわけですよ。そうすると、法案の七条七項にある住民の意見を反映させる仕組み、ここがしっかりと機能していくということが求められてくると思いますので、これは是非検討していただきたい。要望しておきたいと思います。
次に、接道規制の緩和についてお聞きします。
そもそも接道規制というのは安全確保のための規制ですが、現行の建築基準法にも適用除外の規定があって、これもこの法案でまた合理化するということだと思います。
東京では、周りを民家に囲まれ、主要道路から奥まった場所にできた路地状敷地にいわゆる重層長屋が造られ、各地で接道義務違反だと問題になってきました。我が党議員の質問を契機に、国交省も二〇一七年に検討会をつくって通知も出すなど、安全のために接道義務を重視してきたという経緯がこの間あるわけです。ですから、どういう場合にこの規制の緩和を認めるのかについて、建物が難燃性である、あるいは避難する人が多数にならない、ここにとどまらないことが必要だと思うんですよ。
本来、住民との合意形成を図りながら、中長期の見通しも持って、救急車両が入れるような接道の確保が求められている、こういう地域だと思うんですね。そういう中長期のことも見越したようなことが本法案の規制緩和によって困難になっていかないか、中長期で接道確保、そういうことにならないか、そういう問題意識での基準についての検討をしていないのか、この点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/118
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119・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答えいたします。
今回の法案に基づきます接道規制の特例は、安全性の確保に支障が生じないように、国土交通省令で定める基準を基本に安全確保策を講じられるということを要件といたします。
この省令の定め方につきましては今後省内で検討してまいりたいと思いますけれども、先生が今おっしゃられました構造面での難燃性、それから避難をされる方が一定数以下に収まるような大規模な建築物にならないということに加えまして、その前面の道路、接道の道路が将来的には四メートル以上の幅員で整備されていくことになりますように地域のその沿道の方々で将来そういう道路を造っていくんだということについての合意をしていただくということについても、その要件の一つと含めることについて検討しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/119
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120・田村智子
○田村智子君 次に、本法案は、都市再生機構、URが空家や空家跡地の活用について調査や技術提供をするとしています。URが管理する七十五万戸以上の公団住宅は、昨年三月時点で七万三百九十戸の空家があるんですよ。うち募集あっせん中は僅か一万八百四十二戸にとどまっているんです。となると、URは情報提供とかそういうことよりも、まず自分が持っている空家をどうにかしなさいよというのが私は最優先課題ではないかというふうに思うわけですね。
資料一を見てください。
東京の多摩公団自治協は、空家数、空家率を毎年調べているんです。これはURが団地ごとの空家の情報を一切出さないからなんですよ。管理戸数二千五十戸の国立富士見台団地では、空家率は二〇%を超えて、さっき一割超えて大変だという話ありましたけれども、二〇%を超えて、一階、二階でも百六十戸が空家だという調査結果になっているんです。
なぜ空家がこれほど多いのか。居住者の多くの方、高齢者です。年金での家賃負担が困難で、都営住宅とかもっと安いところへの転居ということになってしまうわけですね。そうすると、家賃を下げると、これが空家の活用上非常に有効だというふうに、住民の皆さん、自治協の皆さんは求めておられるわけです。当然だと思います。都市再生機構法二十五条四項、家賃の減免、これを現在居住している方にも実施する、低廉な家賃での住宅供給を政策的に進める、これ空家対策として有効なんですよ。
是非、昨年末ですね、東京の地方議員集まりましてこの問題でURへの要請を行ったんですけれども、URは、この二十五条四項の家賃の減免、これについては国交省が決めることだと言って、何も答えなかったんです。
大臣、いかがでしょうか。URの空家の実態、どう思われるか。二十五条四項に基づいて家賃の減免、これどんどん進めていくと。これは必要だと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/120
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121・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) URの賃貸住宅の空家率については、ちょっと我々別な認識を持っております。
令和三年度末時点におけるUR賃貸住宅の全管理戸数に占める入居募集中の住戸、いわゆる空家率は一・五%、このように承知をしております。全管理戸数七十万戸のうち入居募集中が一万八百四十二戸でございます。じゃ、そのさっき田村先生がおっしゃったこととの差は何かというと、建て替えなどのために入居募集をしていない住居も含めますと空家率は一〇%になるということでございます。
UR賃貸住宅事業は、多様な世帯が入居をしやすい住居の提供や地域の魅力向上、地域コミュニティーの活性化など多様な目的の下に行われているものでございます。UR賃貸住宅は市場家賃が原則ですが、高齢者や子育て世帯など民間賃貸住宅への入居を拒まれやすい立場の方の受皿として住宅セーフティーネットとしての役割も担っていることから、セーフティーネット登録住宅制度において収入に応じて家賃低廉化を行う取組などを講じております。
国土交通省としましては、空家を埋めることを目的として家賃を低減することにつきましては、民間賃貸住宅との関係からも慎重に検討するべきものと考えております。UR賃貸住宅が担う住宅セーフティーネットとしての役割も踏まえつつ、適切な経営が図られるよう、引き続きURを促してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/121
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122・田村智子
○田村智子君 先ほど大臣が答弁された数字は、個別の団地に対して数字出さなきゃ駄目なんですよ。だって、富士見台のこの空家率二〇%というのは、それでは説明付かないですから。建て替えのために入居者入れていないんだは説明が付かない空家率なんですよ。
大臣、是非、個別の住宅で、団地で空家率を示すようちょっとURに指導していただきたいんですけど、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/122
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123・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) 済みません。お答えを申し上げます。
URの団地ごとの空室率につきましては、URの経営に係る事業あるいは財務の根幹的かつ機微な情報であって、機構の経営判断に係る内部管理情報であるという考え方が情報公開・個人情報保護審査会からもお示しされているところでございまして、これに従いまして不開示の扱いにされているというふうに承知をしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/123
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124・田村智子
○田村智子君 そうしたら、今回議論している空家対策の中からUR除外されるような話になっちゃうので、それは見直し必要ですよ。二〇%もの空家を抱える団地があるんですから。これは厳しく指摘しておきたいと思います。
それから、住宅セーフティーネット法の活用を空家対策に位置付けるべきだと思います。
二〇一七年に施行された住宅セーフティーネット法は、空家を五十万戸規模で活用しつつ、住宅困窮者に住まいを提供し、空家対策と住宅困窮者対策を一挙に進める制度だというふうに国交省は説明していたんです。どう取り組まれるのか期待も高かった。
ところが、セーフティーネット専用住宅の登録、これ資料の四枚目です。五千三百弱なんです。しかも、登録しただけで、コロナ危機のさなかでさえ住宅セーフティーネット法による家賃補助は全国で三百世帯にもなりません。資料の五です。大阪府は、登録が二千三百七十八と最も多いけれど補助実績はゼロですから、まさに登録しただけ。
空家だった住宅を住宅確保要配慮者の住まいとして提供した実績、これ件数で幾らになるんでしょうか。また、あわせて、この実績を法附則第三条に基づいて検証すること、空家対策としても実績を検証できるような法改正が必要ではないかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/124
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125・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) この住宅セーフティーネット制度におきまして、住宅の賃貸人に対し家賃を低廉化するための補助を行っております。平成二十九年度の制度発足以来、この補助制度によって補助を受けた住宅は増加しており、所得の低い住宅確保要配慮者における居住の安定確保に一定の寄与をしているものと考えております。
しかしながら、今委員から御指摘ありましたように、まだ数が少ないということで、地方公共団体において本制度の活用が十分に進んでおらず、更なる活用を促進する必要があると考えております。
このため、国土交通省の職員が全国の地方公共団体の首長などを直接訪問し、この制度の活用を働きかけるとともに、令和五年度予算では補助対象期間の延長を可能とするなどの制度拡充を図り、住宅確保要配慮者の居住の安定確保に努めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/125
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126・田村智子
○田村智子君 これは、登録するとリフォームに対してお金出るんですけれども、だけど、貸し出されているという実績が、家賃補助も受けていて、余りに少ない。しかも、件数は示すことできない。これでは検証ができないんですよ。私たちに検証をさせてほしい。そういう法改正、重ねて求めておきます。
それから、住宅リフォーム補助制度、この改善も求められると思います。そもそも、古くなった建物を修繕して活用するというリフォームには補助制度がないわけですね。資料の六枚目。省エネや耐震補助のリフォームはお金が出るんだけれども、新築の上限百万に対して既存住宅では三十万円にとどまるわけです。
既存住宅での耐震化や省エネ化こそが災害対策、CO2削減でも圧倒的に有効ですよね。空家にしないという目的も含めて、既存住宅のリフォーム支援制度、これを本当に厚くする、そういう政策のシフト変更が必要だと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/126
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127・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。
既存住宅をリフォームいたしまして空家にしない、有効活用していくということは大変重要であるというふうに思っております。このため、既存住宅の性能向上を目指しまして、目的に応じました様々な補助制度を御用意して支援を行っているところでございます。
一つは、長期優良住宅にするようなリフォームということで、耐震、省エネ、耐久、こういったあらゆる面で将来世代に引き継いでいけるような良質な住宅ストックになるような改修、こういうものについての支援を手厚く行っております。
また、今先生御指摘のこどもエコすまい支援事業では、省エネ改修とこれと併せて行うバリアフリー改修等を幅広く支援をするということでございます。ここで、新築は百万円で改修が三十万円という御指摘もございましたけれども、改修の過去の実績を確認をいたしまして、おおむね一回当たり、一件当たりの工事費がおおむね三百万円を上限と、失礼、三十万円を上限としていれば、ほぼ九割以上、九五%以上がこの上限の範囲内に収まるということを確認をしました上でこの三十万円という上限を付けさせていただいているところでございます。
このほか、省エネに特化した住宅エコリフォーム推進事業と、こういったものも制度として御用意しております。
これら目的に応じて支援制度を御活用いただくことで省エネの推進を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/127
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128・田村智子
○田村智子君 それは、上限が三十万だからそこに抑えるぐらいのリフォームにとどまっているというふうに考えるのが普通じゃないでしょうかね。衆議院のところでは、何か窓枠のところの、ので断熱にするから三十万で収まるんだという、そういう答弁もあったんですけど、そうすると、窓だけきれいな特定空家というのがどんどん増えることにもなりかねないと私は思いますよね。
例えば、高齢者は今更リフォームなんてとなるんですよ。そうすると、離れて暮らす子供がその家屋を自分で取得してリフォームをするという場合もあります。ところが、この場合、家屋の所在地に住民登録していないのでこれは何の補助制度の受けられないということになるんですよ、その家屋と違うところに住んでいたら。
こういうことも含めて、私は飛躍的なリフォーム補助制度のやっぱり見直しということが求められていると思います。それは空家対策になると思います。
最後になんですけれども、この居住目的のない空家が増え続けていると。二〇三〇年には四百七十万戸という推計だと。一方で、これまでもありました新築住宅、これどんどん着工されていくと、約八十六万戸、毎年ね。十年前とほぼ変わらないんです。そうすると、新規住宅が年約八十数万戸増え、同時に約十万戸規模で空家が増えると。これ、延々空家対策続けることになりかねないわけですね。
やっぱり、持家政策に固執してきた政策の行き着く先が空家問題だというふうに言わざるを得ないと思うんです。国の制度として住宅ローンの減税はあるけれども、賃貸に対しての家賃補助制度はないわけですよ。ヨーロッパなんか見てみれば、家族の人数によって広さの基準も示して、家計の状況によって公的住宅の提供を行うという制度がある。その住宅のストックが足りなければ住宅手当を支給するという公的な制度があります。これが当然なんです。日本にはこうした住宅政策が余りにもなさ過ぎる。
大臣、是非、住宅メーカー、宅建業界、それから建築職人の組合などとも協議して、既存住宅の活用促進、中小工務店への支援、こういったことも打ち出して、政府としてのまとまった住宅政策、これ示すべきだと思いますが、最後、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/128
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129・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 既存住宅をリフォームして、耐震性や断熱性などの機能を強化し、次世代に継承していく、価値のある住宅にして継承していくと、こういう方向にするのが非常に私は重要な政策だと思っております。この法案でも、空家の管理や活用を促す措置を講ずることで、良質、流通する良質な空家が増加し、既存住宅市場は活性化するものと考えております。こうしたリフォーム市場の活性化により、地域の中小工務店にとって受注機会が拡大するものと期待されます。
他方、住宅ストックの現状を見ると、耐震基準を満たさない住宅が約七百万戸あり、省エネやバリアフリーの性能が確保された住宅は約一割にとどまることから、新築、建て替えなどを通じ、将来世代に引き継げるストック形成も大変重要でございます。
このため、国土交通省としては、新築、建て替え、リフォーム、そして空家対策をバランスよく推進し、住宅ストックの質の向上を図りつつ、既存住宅が世代を超えて継承される市場環境の整備に取り組んでいかなくてはならないと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/129
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130・田村智子
○田村智子君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/130
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131・木村英子
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。
本日は、住宅の確保に困難を抱えた人たちの住宅確保に向けた空家の活用について質問いたします。
今回の空家対策特措法の改正案では、特定空家とならないように事前の管理や活用を促進することを目的として、あっ、推進することを目的として、空家等管理活用支援法人を指定していくことで空家の所有者からの相談体制の構築を図るものとされています。一方で、障害者や高齢者、一人親家庭、LGBTQなどの、住宅を借りたくても差別や偏見など理解が進まないことで住宅を借りにくい現状を抱えている人たちの問題がまだまだ解決されていません。
人口減少による空家が増えていく中で、空家の維持管理の強化だけではなく、障害者や高齢者、一人親家庭、LGBTQや児童養護施設退所者など、住宅確保要配慮者への住宅確保と空家の利活用をつなげていくことが重要だと考えます。空家を国交省が推進しているセーフティーネット住宅として活用していくことで、空家対策にもなりますし、家を借りたくても借りることが困難な人たちの住宅確保にもつながると考えますが、国交省のお考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/131
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132・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。
今後、空家が更に増加していくことが見込まれております中で、これまでも進めてきました空家の除却等だけでなく、空家の有効活用なども含めて総合的に取り組むということが必要となってございます。また、住宅の確保に配慮が必要な方の居住の安定確保、これにも一層取り組むことが重要でございます。その意味で、空家をセーフティーネット住宅として活用するということは、既存ストックの有効活用と住宅確保要配慮者の住まいの確保と、こういう両面から意義が大きいものと考えてございます。
今回の法案では、市町村が活用促進区域というものを設定をし、空家の活用指針を定めますとともに、空家を一定の用途に活用するよう所有者に要請できる仕組みを創設いたします。この仕組みを活用し、都道府県との連携の下で、戸建てを含めまして、市町村や支援法人から所有者に対しまして空家をセーフティーネット住宅として活用するよう要請するということなどで登録住宅の拡大を図り、多様な住宅確保要配慮者の住宅確保に努めてまいりたいというふうに存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/132
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133・木村英子
○木村英子君 ありがとうございます。是非早急に進めていただきたいと思います。
しかし、現在、住宅セーフティーネット法に基づいて登録されている住宅戸数は全国で八十五万戸ありますが、住宅確保要配慮者への専用住宅としての登録件数ですけれども、約五千戸しかありません。住宅確保要配慮者の人たちを救うためには、五千戸では余りにも少な過ぎると思います。
住宅確保要配慮者向けの専用住宅については今後増やしていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/133
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134・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。
セーフティーネットの専用住宅は入居者の資格を住宅確保要配慮者等に限定している住宅でございまして、今年三月末時点で約五千三百戸が登録されてございます。
一方、専用住宅以外のセーフティーネット住宅は、賃貸人にとりますと、専用住宅よりも入居者を確保しやすい、セーフティーネット住宅としての登録に理解を得やすいという状況がございます。その数が増えますと要配慮者の方々の入居機会の拡大にもつながるという側面がございます。要配慮者の方がより円滑に住まいを確保できるようになりますには、専用住宅はもちろんでございますけれども、セーフティーネット住宅全体の登録を更に増やすということが必要であろうかと思っております。
このため、令和五年度予算におきまして、専用住宅を対象とした改修費、家賃低廉化への支援、これらを充実いたしますことで専用住宅の登録を一層促進をすることにしております。あわせて、地方公共団体等とも連携をして、賃貸人への働きかけを行うことでセーフティーネット住宅全体の登録促進についても努めてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/134
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135・木村英子
○木村英子君 ありがとうございます。専用住宅についても増やすよう今後お願いしたいと思います。
ただ、LGBTQの方や児童養護施設退所者の人など、住宅確保に困っている人がいるにもかかわらず、この方たちが取り残されているといった状況にあります。
資料一を御覧ください。
左側には、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子供を養育している者が法律に要配慮者として明記されています。そして、右側には、外国人等や東日本大震災等の大規模災害の被災者が省令に定められています。しかし、LGBTQの方や児童養護施設退所者の方たちなど、法律や省令に定められてはおらず、各自治体の裁量で追加されるため、住む地域によって救済される人とされない人の格差が生じています。
なぜLGBTQの方や児童養護施設退所者の方たちなどは住宅セーフティーネット法や省令に明記されていないのでしょうか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/135
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136・塩見英之
○政府参考人(塩見英之君) お答え申し上げます。
まず、住宅セーフティーネット法に定めます住宅確保要配慮者であるか否かということにつきましては、法律で書かれている方も、また法律に基づき省令で定められている方も、そして省令に基づいて自治体の計画で定められている者も、いずれも要配慮者であるということについての違いはないところでございます。
その上で、現在の省令で規定をしております要配慮者、省令で規定しております要配慮者につきましては、平成二十九年の住宅セーフティーネット法の改正の際に、当時の他法令におきまして居住の安定等に関する規定が置かれているというような場合に当該法令の定義規定等を引用する形で要配慮者を各号列記したというものでございまして、当時関係規定がなかったLGBTQの方や児童養護施設退所者の方につきましては省令に位置付けられていないという経緯でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/136
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137・木村英子
○木村英子君 他の法令に定められていないからこそ、そこからやっぱり取り残されてしまう人が出てくると思います。ですから、住宅セーフティーネット法や省令に明記するということが大切かと思います。
資料二を御覧ください。
二〇二〇年十二月の沖縄の記事ですが、県内の不動産業者が賃貸物件の契約に関する同意書にLGBTの方は原則お断りしますと明記し、性的少数者らや、入居を拒否していたとの報道がありました。このような差別や困難を抱えているにもかかわらず、沖縄県ではLGBTQの方は住宅確保要配慮者には入っていません。
また、資料三の記事では、一般的な二人入居オーケーの物件は、夫婦や兄弟姉妹など家族であることが前提です、家族であることが前提です、同性カップルは家族とは認められず、物件の選択肢が極端に少なくなります、また、収入では特に問題がないのに、同性カップルを理由に、ゲイの人が住んでいるとは、ことは近隣の住民に説明できないからなどといったとんでもない偏見を理由に審査の段階で断られたというものも実際にあった話ですと書いてあります。LGBTQの方たちの住宅確保が難しい現状にあることが分かります。こうした状況によって、資料三の図のとおり、多くのLGBTQ当事者は不動産会社に行くことに常に不安を感じています。
資料四は、追手門学院大学の葛西准教授がLGBTQ当事者の方に取ったアンケート結果ですが、男性同士ということで入居を断られたり、親戚ですと偽って入居せざるを得なかったなど、当事者の困難を訴える声が載っています。
また、児童養護施設を退所した方の場合、施設を退所するときの部屋探しは施設長が保証人になってくれることが多いのですが、次に引っ越しをする際には保証人を見付けられずに住む場所を確保することが難しい状況に置かれている人も少なくありません。
私自身も地域に出てきたばかりのときに家探しをしていましたけれども、不動産屋の前に行くと、うちは障害者はお断りだよと言われて門前払いされたり、車椅子の人は家の中を傷つけたり火事を起こすから危ないと言われ、なかなか家を貸してくれる大家さんが見付かりませんでした。
しかし、地域で暮らす障害者の方が少しずつ増えていく中で、障害者権利条約の批准や障害者差別解消法の施行がされてきたことで少しずつ理解が進み、改善されてきた部分もありますが、まだまだ差別が解消し切れていないので、いまだに家探しは苦労している人たちがたくさんいます。
そうした現状において、法律や省令にさえ明記されていないLGBTQの方や児童養護施設退所者などの方たちは、なおさら家が借りにくい状況です。住まいは誰にとっても権利であり、住まいなくしては生活することはできません。
今年三月に国連の人権理事会に参加した中谷総理補佐官は、性的指向、性自認を理由とする不当な差別や偏見は決して許されません、日本は、多様性を尊重し、全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にし、自分らしい人生を送れる社会を実現しますと述べているのですから、法律や省令に明記して一刻も早く救済すべきだと考えます。
全国どこでも暮らせるように、そして同じ配慮を受けられるように、現在各自治体の判断に任せているLGBTQや児童養護施設退所者などの方を法律や省令に明記するべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/137
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138・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 委員御指摘の方々、LGBTQ、また児童施設退所者でございますが、先ほど局長から答弁申し上げましたように、既にほとんどの都道府県において、その定める供給計画に住宅確保要配慮者として位置付けられ、入居を拒まないセーフティーネット登録住宅の対象者となっております。LGBTQについては四十四、児童養護施設退所者については四十五ということで、まだそれぞれ三県、二県、まだです。こういうところには、我々、国土交通省としてもしっかり意見交換をして対象とするようにしていきたいと思います。
その上で、国の省令で要配慮者として位置付けるかについては、現在議論が行われているLGBTQの方の関連法案などの動向や、児童施設退所者の居住の安定等に関する法令上の位置付けを踏まえるとともに、大半の都道府県で供給計画に要配慮者として位置付けられていることを勘案し、今後、関係団体とのヒアリングなどを行って対応の在り方を検討してまいりたいと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/138
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139・木村英子
○木村英子君 是非、法令に入れていただくことを早急に検討していただきたいと思います。
LGBTの方々への配慮については、国連からも何度も勧告を受けていますけれども、しかし、国内では全く法整備が進んでいないといった状況に近いと思います。むしろ、差別や偏見による入居拒否が多く、生きづらい当事者がたくさん存在します。ですから、LGBTQの方たちの差別解消に向けての取組が早急に必要だと思います。
障害者の場合は、差別解消法の改正によって、令和六年四月から、民間事業者の合理的配慮の提供が義務化される予定となっています。そのため、賃貸住宅管理業や大家さんが差別解消に基づく対応指針の中に明記されることとされています。また、外国人の方についても、民間賃貸住宅入居円滑化ガイドラインが国交省から示されています。このように、住宅確保要配慮者が安心して住宅を探し、住めるように、国交省として取組が進められているところです。
国交省はバリアフリー法で心のバリアフリーを掲げているのですから、LGBTQの方たちなど、制度から取り残されている人たちに対しても理解を促進するための啓発が必要だと考えます。例えば、国交省が作っている大家さん向け住宅確保要配慮者向けハンドブックに記載するなど、国交省として住まいの権利を保障するための具体的な方策を検討していただきたいと考えていますけれども、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/139
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140・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) そのとおりだと思います。
セーフティーネット住宅の増加に向けては、要配慮者の住宅確保の必要性を賃貸人に意識していただくことが重要です。
住宅セーフティーネット制度では、居住支援協議会の仕組みを設け、国の補助も受けつつ、自治体、居住支援団体、不動産関係団体などが連携して、要配慮者の住宅確保を支援しております。賃貸人の関係団体を構成員とする協議会では、近年、障害者などの住宅確保の必要性を啓発する研修が増加しております。
また、協議会以外の場におきましても、国が支援するセミナーにおいて、外国人や孤独死が心配される単身高齢者などの住まいの安定について啓発に努めてまいりました。
こうしたこれまでの取組に加え、協議会の更なる設立促進によって協議会における研修の機会を拡大するとともに、国が支援するセミナーにおいても、賃貸人への啓発を拡大する方向で検討してまいります。御提案のハンドブックへの記載等についてもこれ前向きに検討していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/140
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141・木村英子
○木村英子君 ありがとうございます。
誰一人取り残さない社会の実現に向けて、法律とか省令から取り残されている人々が安心して住宅を確保して生きられるように、早急に検討のほどお願いいたします。
以上で質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/141
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142・蓮舫
○委員長(蓮舫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/142
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143・蓮舫
○委員長(蓮舫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、森屋君から発言を求められておりますので、これを許します。森屋隆君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/143
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144・森屋隆
○森屋隆君 私は、ただいま可決されました空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及びれいわ新選組の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
一 市町村による空家等活用促進区域の指定に当たっては、地域の実情に応じて幅広く柔軟に指定できることを明確にし、指定の基準や手順を明示するなど、必要な支援を行うこと。
二 市町村長による管理不全空家等の所有者等に対する指導及び勧告が円滑に行えるよう、どのような空家等が管理不全空家等に該当するか、具体的な状態を示すこと。
三 特定空家等又は管理不全空家等の所有者等で意思能力に欠ける疑いが強いが成年後見人が選任されていない者への勧告等の手続の在り方について、その者の自己決定権などへの配慮をしつつ、検討を進めること。また、管理不全空家等に係る勧告等の対象となる者のうち、意思能力が不十分な者又は意思能力を欠く者については、その財産を管理する各種制度を積極的に活用できるよう検討すること。
四 多数者が共有する特定空家等に対する措置に関する手続について、市町村に過度な行政負担がかからないよう検討を進めること。
五 本法に基づく特定空家等に対する措置を受けた所有者が死亡した場合、新たな所有者に対する手続面での保障に配慮しつつ、同措置の効果を早期に発現させることについて検討を進めること。
六 管理不全建物管理人制度等の周知に努めるなど、財産管理人による空家等の管理などが進みやすい環境を整備すること。
七 命令等の事前手続を経るいとまがない緊急時の代執行制度について、過度な財産権の制限とならないよう、また、制度の円滑な活用が進むようにするため、緊急時の代執行が可能な場合を具体的に示すこと。
八 本法の円滑な実施の観点から、代執行の対象となる特定空家等に残された動産の取扱いについて検討を進めること。
九 借地上の特定空家等が代執行により除却された場合において、土地の利用価値が増加することにより土地所有者等が利益を得るとして費用負担を求め得るかについて検討を進めること。
十 市町村長による空家等管理活用支援法人の指定が円滑に進むよう、先進事例や指定に当たっての考え方を示すなど、市町村長が指定しやすい環境を整備すること。また、市町村が空家等管理活用支援法人を積極的に利用できるよう、十分な支援措置及び予算措置を講ずることについて、検討を進めること。
十一 本法の円滑な施行に当たっては、地方公共団体の空き家担当職員の確保及び地方公共団体の空き家対策予算の充実が重要であることに鑑み、地方公共団体の担当職員の増員を促し、地方交付税制度等による財政の支援に努めること。
十二 空家等の発生及び増加の抑制のための対策を講じ、地方公共団体にその対策を促すこと。また、空家等の活用等を促進するため、筆界又は境界の確定に関する所有者及び市町村への支援を行うこと。
十三 本法に定める空家等の活用の促進についての都道府県知事等の配慮が円滑に行われるよう、関係機関にその運用について十分に周知徹底すること。また、本法施行後においても、空家等の活用促進などの空き家対策に関する地方公共団体からの要望や意見を確認し、今後の対策につなげるよう努めること。
十四 本法に定める接道規制の特例により、狭あい道路が更に狭あいになることがないようにすること。また、空家等を除却する際に狭あい道路を拡幅するなど、災害対策と空き家対策の連携方策について検討を進めること。
十五 国土交通省の空き家対策モデル事業においては、その趣旨及び目的に鑑み、地方公共団体と法務、不動産、福祉等の資格を有する専門家との積極的な連携を図り、地域の活性化に資する優良な取組を支援すること。
十六 部分居住の長屋の非居住住戸が著しく保安上危険等の状態になっている場合に本法の適用対象とすることについて検討を進めるとともに、全部非居住の長屋も含めて、建物の区分所有等に関する法律を踏まえた本法の措置の在り方について、検討を進めること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/144
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145・蓮舫
○委員長(蓮舫君) ただいま森屋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/145
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146・蓮舫
○委員長(蓮舫君) 全会一致と認めます。よって、森屋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、斉藤国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。斉藤国土交通大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/146
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147・斉藤鉄夫
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。
今後、本法の施行に当たりましては、審議における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
ここに、委員長を始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。
誠にありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/147
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148・蓮舫
○委員長(蓮舫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/148
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149・蓮舫
○委員長(蓮舫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114319X01820230606/149
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