1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年三月十六日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
三月十四日
辞任 補欠選任
神谷 政幸君 藤川 政人君
星 北斗君 野上浩太郎君
三月十五日
辞任 補欠選任
野上浩太郎君 友納 理緒君
藤川 政人君 加藤 明良君
梅村 聡君 青島 健太君
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出席者は左のとおり。
委員長 酒井 庸行君
理 事
浅尾慶一郎君
大家 敏志君
西田 昌司君
横沢 高徳君
上田 勇君
委 員
加藤 明良君
佐藤 信秋君
友納 理緒君
馬場 成志君
古川 俊治君
宮沢 洋一君
宮本 周司君
勝部 賢志君
柴 愼一君
秋野 公造君
横山 信一君
青島 健太君
浅田 均君
大塚 耕平君
小池 晃君
神谷 宗幣君
堂込麻紀子君
国務大臣
財務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(金融)
) 鈴木 俊一君
副大臣
内閣府副大臣 藤丸 敏君
財務副大臣 秋野 公造君
事務局側
常任委員会専門
員 小松 康志君
政府参考人
金融庁総合政策
局審議官 堀本 善雄君
デジタル庁統括
官 村上 敬亮君
財務省主税局長 住澤 整君
経済産業省大臣
官房スタートア
ップ創出推進政
策統括調整官 吾郷 進平君
経済産業省大臣
官房審議官 田中 哲也君
参考人
日本銀行総裁 黒田 東彦君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/0
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001・酒井庸行
○委員長(酒井庸行君) ただいまから財政金融委員会を開会をいたします。
委員の異動について御報告をいたします。
昨日までに、星北斗君、神谷政幸君及び梅村聡君が委員を辞任され、その補欠として青島健太君、友納理緒君及び加藤明良君が選任をされました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/1
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002・酒井庸行
○委員長(酒井庸行君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省主税局長住澤整君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/2
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003・酒井庸行
○委員長(酒井庸行君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/3
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004・酒井庸行
○委員長(酒井庸行君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁黒田東彦君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/4
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005・酒井庸行
○委員長(酒井庸行君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/5
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006・酒井庸行
○委員長(酒井庸行君) 所得税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/6
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007・浅田均
○浅田均君 おはようございます。日本維新の会、浅田均でございます。
今日は、黒田総裁、卒業間近ということで、もうお話しさせていただく機会も少なくなってまいりますので、私は、今日と明日にかけてQQEのシリーズをやらせていただきたいと思っておりますので、いろいろおっしゃりたいことあろうかと思いますので、この場で思いのたけをぶちまけるというと変ですけど、述べていただきたいと思います。
それに先立ちまして、今日は、法案で、その中に、所得税法の中に租税特別措置というのが出てきておりますので、まず租税特別措置の在り方についてちょっと議論をさせていただきたいと思っております。
そもそも、特別措置というのがあるからにはその基になる税制というのがあるわけでございまして、税制というのは、税調会長もいらっしゃいますんで、これは個人的にいつかお尋ねしたいと思っております。
私どもが知る限り、一九八〇年代だったと思いますけれども、僕は当時アメリカにおりまして、レーガン・サッチャー改革という改革、日本はそれが波及して中曽根内閣の改革につながったと思っておりますけれども、当時、そのラッファーという教授がいて、ラッファー曲線ですね、税率を下げて課税ベースを広げるとその税収は結局増えたというのが当時のアメリカではすごく話題になっておったことだと記憶しております。
当時から、税率を下げるということと課税ベースを広げるということがセットになっておりまして、自来そういう流れが続いているものと私は理解しております。もし、ほかに違う考え方もありますよというようなことがあればまた御教授いただきたいんでありますが。
この、当時からのその税制改革の流れを振り返ってみますと、今申し上げましたように、課税ベースを広げるのと同時に税率を下げると、で、翻って税収は増えたということで、できるだけ課税ベースを広げていく、水平的な、水平的に公平な税制に近づけていくということで、これは前回の委員会で浅尾先生の方から、簡素、公平、中立の税制というところでそのそれぞれの項目について質問をしていただきまして、そのときこの場におられた方はよく理解されたことだと思います。
その課税ベースを広げていく、水平的な公平性をできるだけ担保していく税制にしていくという考え方に立ちますと、この特別措置というのは、それを妨害するというんか、それに対する、反する考え方になると思うんですね。
特定のその政策目的を実現させるために税額控除とか償却、一括償却を認めるとか、いろんな政策を動員してある政策目的を実現するということに関しては、私どもは一概に否定するものではないんですが、公平性を広げるという観点からいいますと、特別措置の対象になった方が減税されるということは、一律に下げるということに比べると、そうでない方々に対して増税感を持たせてしまうと。公平性という観点からいいますと、ちょっと邪魔をしている措置だなというふうに思っております。
だから、公平性の原則に反しますし、簡素というところからも外れるので、私たちは日本維新の会として、租税特別措置というのはできるだけ廃止の方向でということを主張させていただいております。そうでなしに、市場メカニズムに任せるというのがいいのではないかというのが私たちの主張であります。
そういう主張を持っている私たちの一員として質問させていただきたいんですけれど、透明化法とかいうのもできて公表されるようになって、かなり見せていただくだけで分かる部分もあるんですけれども、そうでない部分もありますので伺いますけれども、租税特別措置について、これ、適用件数が少なくて廃止されたものがあるんでしょうか。もしあるとすればどのような措置があるのか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/7
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008・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
租税特別措置は、基本的に、特定の者の税負担を軽減することにより特定の政策目的の実現を目指すものでございますが、委員御指摘のとおり、これ、税制の原則的な考え方である公平でありますとか中立、そして簡素という考え方の例外になるものでございますので、不断の見直しが必要なものというふうに考えております。
アメリカの税制改革のお話がございましたが、一九八一年のレーガン政権でやった最初の大きな税制改革では、加速度償却制度という大幅な政策税制を導入して減税を行ったわけですが、極めて大きな財政赤字につながったといったこともございまして、八六年に行われました二回目の税制改革においては、委員からお話がございましたような、課税ベースを広げながら法人税率を引き下げるという見直しが租税特別措置の大幅な見直しを伴って行われまして、大きな効果を上げたというふうにアメリカでは言われていると承知をいたしております。我が国においても、平成二十七年、二十八年の法人税改革始め、そういった考え方の、課税ベースを広げながら法人税率を引き下げるという改革がこれまでも行われてきたところではございます。
それで、近年、適用件数が僅少であるということで廃止された特別措置についてのお尋ねでございますけれども、近年三つほどの廃止を行っている事例申し上げますと、まず、今回の令和五年度税制改正案におきましては、いわゆる民有護岸の耐震化のために設けられておりました港湾隣接地域における技術適合施設の特別償却制度、これを、近年適用件数が例年ゼロというのが続いておりましたので、廃止をすることにいたしております。また、令和二年度改正におきましては、金属鉱業等鉱害防止準備金制度というのを廃止、これも同じ理由で廃止をいたしております。また、令和元年度税制改正におきましては、公害防止用設備の特別償却、これも適用件数が少ないといったことで廃止をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/8
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009・浅田均
○浅田均君 ありがとうございます。
全くないというわけではないから、見直しをしていると、していないということではないというふうに理解いたしましたけど、まだ、実際、これから調べてみたいと思いますけれども、ほかにも廃止できるものがあるんではないかというふうに私どもは思っております。
それで、効果ですよね、租税特別措置でどのような効果を期待しているのかというと、特定の政策目的を実現させる手段として、税額控除とか、あるいは税額控除によって税負担を軽くする、あるいは特別償却を認める、先ほどおっしゃいましたが、準備金の積立てを認めるとかいう答えが返ってくるんだろうと想定して質問しているんですけれど、それ以外に何か期待される効果というのはあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/9
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010・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
基本的に御指摘のとおりかと思いますが、例えば研究開発税制であれば、法人が研究開発を行った際に研究開発費の増減率に応じて法人税額の一定の割合を税額控除するということでもって企業における研究開発を促すという効果を期待しているところでございます。
こういった政策目的の実現に資する面がある一方で、先ほど申し上げましたように、税制の原則の例外的な措置ではございますので、不断の見直しが必要だというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/10
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011・浅田均
○浅田均君 ありがとうございます。
これ一番知りたいところなんですが、私ども、知り合いの中小企業、中堅企業の経営者の方々にお伺いすると、あの会社は私のところの会社よりはるかに売上げも多くて、営業利益も経常利益も多いと、しかるに払っている税額が我が社に比べてはるかに少ないと、これは何でやろうというふうに考えたときに、特別な措置があって、それを実際に自分の会社のために適用させるためには多くの会計士さんとか税理士さんとかを雇う必要があると、だからそういう経営的な資金がある会社はそういうその制度を利用することができて、自分のところのようにその余裕のない会社はそれだけの人員を確保することができないと、だからこういうのは不公平ではないのですかということを言われる方が結構いらっしゃるんですね。
これは経営者御自身がおっしゃっているんだから間違いないと思うんですけれども、これは何でだと、局長、お考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/11
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012・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
その経営者の方がお話しになっている会社がどのような経営をなさっていてどういう税制上の措置の適用を受けているかというのはちょっと判然といたしませんので、大変一般論で恐縮ですけれども、まず中小企業の場合はかなりの程度赤字法人が元々多うございまして、これは様々な理由がございますけれども、そういう面がございます。
また、中小企業に対して適用されている租税特別措置のうち、例えば軽減税率の制度など、法人税の軽減税率などはこれはどんな企業でも一律に中小企業であれば適用されますので、その面でこの適用の偏りがあるというふうには考えておりませんが、中には中小企業投資促進税制のような、設備投資をされた際に即時償却ですとか税額控除ですとか、こういったものが行われる制度もございますので、その適用を受けた年には税額が小さくなることも場合によってはあるのかなという気はいたします。
また、大法人、中小法人限らずということで申し上げますと、例えば、外国子会社からその配当を受け取った際には、受け取った配当の九五%は益金不算入ということで非課税にする措置が平成二十一年度以来講じられておりますので、その会社の事業形態によっては、この全世界ベースではかなりの所得が上がっていても、連結ベースではかなりの所得が上がっていても、日本で納付する税額自体は小さいというケースもあったりいたしますので、その様々な場合があるというふうに理解いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/12
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013・浅田均
○浅田均君 私の言葉で説明するのは若干難しいかなというふうな気もするんですけれども、にもかかわらず、特定の企業に有利になっているんではないかという批判があるんですけれども、それに対してはどういうふうにお答えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/13
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014・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
先ほどお触れになりましたけれども、租税特別措置の透明化に関する法律に基づいて、毎年、法人関係の減収を伴う租税特別措置については適用状況を国会に御報告申し上げているところですが、その中で、この適用の偏りの状況なども把握できるような仕組みになっております。
こういった調査の結果も踏まえて、毎年、租税特別措置の見直しに努めているところでございまして、必ずしもこの適用の偏りによるものだけではございませんが、今回の令和五年度税制改正案におきましても、今回期限が到来するなどで見直しの対象となった措置が二十七項目、法人関係租特としてございますが、そのうち三項目については廃止、二十項目については縮減を伴う見直しということで、見直しは徐々にではございますが行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/14
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015・浅田均
○浅田均君 今回もその期限切れの租税特別措置の延長についてというのが上がってきているんですが、これについてはちょっと時間の関係であした質問させていただきます。二回で全部やるという通告をさせていただいていますので。
それで、局長さんとしてはこれは答弁しにくいかもしれませんけれども、税調会長に聞いた方が、まあ政治的な判断ですからね、租税特別措置が今なお必要であるというふうにお考えになる理由は政治の判断だということになるんだろうと思いますけれども、局長自身の御見解は、もし話していただけるならば話していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/15
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016・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
一口に租税特別措置と申しましても、税法の本則に書かれていることの例外を定めているという意味では、例えばその預金利子に対して、今、国、地方合わせて二〇%の税率で源泉分離課税が行われていて、預貯金の利子に関しては皆様税務署に申告する必要もないし銀行の方で源泉徴収されて終わりとなっておりますが、これも租税特別措置の一つでございます。
他方で、法人税関係の様々な政策税制のようにかなり頻繁に改正が繰り返されていることもあるということで、十把一からげにこの租税特別措置というのを扱うわけにもいかないような気がいたしますが、法人関係の租税特別措置、代表とする政策税制について申し上げますと、先ほど申し上げたように、基本的にこの特定の方の税負担軽減することによって政策目的を実現しようとするものであって、公平、中立、簡素の例外ということでございますが、一方で、そういったことを勘案してもなお特定の政策目的を実現するために有効な政策手段であるということが言える場合には、租税特別措置も政策目的の達成手段の一つとして必要性は認められるものというふうに考えております。
ただし、不断の見直しは必要だというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/16
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017・浅田均
○浅田均君 正直な方ですね。
いや、私たちも簡素、公平、中立というよりは簡素、公平、活力の税制が必要ではないかと言っていますので、先ほども申し上げましたように、一概にこれを全否定しているものではありませんけれども、余りにも多岐に及んでいて複雑なので、簡素、公平というところから外れるところに関しては是正していくべきだ、あるいはその必要なところだけ残してもうこれを廃止してしまう、そういう方向で進めていけたらいいなということで、これからもまたいろいろ提案をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それで、あと十七分ぐらいありますけれども、しかないんですが、黒田総裁の独演会になってもいいと思っておりますけれども、もう御出席いただく機会が少ないので、私、大塚先生も呼ばれているのかなと期待しておりましたけれども、何か私だけになってしまいまして、今日とあした質問させていただきますので、短めに御答弁願いますといつもお願いしているんですけど、今日はそういうただし書を付けませんから、もうしゃべりたいだけしゃべっていただいて結構でございます。
QQEですね、黒田総裁が二〇一三年四月から始められたいわゆる異次元緩和と呼ばれている金融政策、英語で正式には、量的・質的金融緩和ですか、英文でクオンティテイティブ・クオリテイティブ・マネタリー・イージングと、だからQQEと呼ばれているようでございますので、長ったらしい日本語を避けてQQEと呼ばせていただきたいと思っております。
まあ、QEからクオリテイティブ、量的緩和から始めて、ゼロ金利からスタートして、またこの発展系としてのQQEがあるわけでございますけれども、これはどこも誰もやったことがない政策であって、言わば実験的なものであるというふうに私どもは当初思っておりました。
当初、八十円ぐらいまで行っていた円高が是正された、で、株が非常に上がったというところで大歓迎されたということはまだ記憶に新しいと思いますけれども、肝腎のそのデフレからの脱却、ようやくそういうところにまで来ているのかなという感じですが、肝腎のデフレからは脱却できないと。物価目標二%が達成されない、結局、竜頭蛇尾に終わったのではないかという批判もあります。まあ実験的な政策ですから、不断の検証、見直しが必要だと思うんですけれども、この間、財務省の方にも聞きましたけれども、財務省は財務省なりでそういう検証はされていると。
日銀は、当然そのQQEの検証を行ってこられたし、ずっと続けられていると思うんですけれども、どのように行っているのか、御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/17
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018・黒田東彦
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行は、毎回の金融政策決定会合におきまして、その時々に得られる様々なデータや情報を踏まえて経済、物価、金融情勢を詳細に点検して、それらに基づいて金融政策運営を行っております。
加えて、日本銀行はこれまで、二〇一六年九月に総括的な検証、二〇二一年三月により効果的で持続的な金融緩和を実施していくための点検を行ってまいりました。その際には、大規模な金融緩和の効果や副作用について、メカニズム面からの評価や様々なデータを用いて分析を行って整理を行ってまいりました。
日本銀行は、こうした各種の点検の結果も踏まえながら、その時々の経済、物価、金融情勢に応じて、副作用にも対処しつつ、効果的かつ持続的な金融政策を講じてきたというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/18
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019・浅田均
○浅田均君 ありがとうございます。
それで、このQQEに関して、長期国債を買い続けると、今なお買い続けているということであります。長期国債を買う場合、デフレ脱却という目的を達成したときは必ず損失が発生する仕組みであると。要するに、高いときに、普通とは逆ですよね、普通だったら、安いときに買って高いときに売ったら差額がもうけになると。日銀の今されていることは、高いときに、安いときに買って高いときに、あっ、逆です、済みません、高いときに買って安いときに売ると。だから当然、その莫大な損失が発生するというふうに思うわけです。
QQEの出口で日銀は巨額の損失を被る仕組みであるというふうに私は理解しているんですけれども、間違いありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/19
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020・黒田東彦
○参考人(黒田東彦君) この量的・質的金融緩和からのいわゆる出口の局面におきましては、日銀当座預金に対する付利金利の引上げ等によって支払利息が増加するというふうに考えられます。もっとも、そうした局面におきましては、経済・物価情勢の好転とともに長期金利も上昇するというふうに考えられますので、日本銀行の保有国債がより高い利回りの国債に入れ替わっていくことで受取利息も増加していくというふうに見込まれます。このため、出口における日本銀行の収益がどのようなものになるかは経済・物価情勢やその下での長期金利の状況によっても変わり得るものであります。
将来、支払利息が受取利息を上回る逆ざやが生じる可能性に関しましては、受取利息の一部を債券取引損失引当金として積み立ててきておりまして、一定の財務上の備えを行っているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/20
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021・浅田均
○浅田均君 引当金とか準備金とかエクイティーの部分を足しても、私どもは、その損失を補うことはできないと、だから債務超過になるんではないかというふうに思っておりますけれども、それは否定されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/21
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022・黒田東彦
○参考人(黒田東彦君) まず、先ほど来申し上げておりますQQE、量的・質的金融緩和というのは、かつての短期国債を売買する、短期国債を大量に購入するという形で金融緩和をしていた、いわゆる量的緩和、QEですね、それに加えて、あるいはそれを超えて、長期国債を直接買って長期国債の金利を下げるという形にしたためにQQEというふうに申し上げているんですが、実は、米国、欧州が行ってきたQEというのも実は長期国債等を大量に購入しておりまして、その意味では、実は欧米の中央銀行も、リーマン・ショック以来、日本の中央銀行と同じく、言わばQQEを行ってきたわけであります。そうした中で、今欧米はかなり高いインフレに見舞われまして、金融の正常化を始めまして、FRBもECBも赤字になりつつあるということであります。
これにつきまして米国の中央銀行がかなり前から明確に言っておりましたのは、量的緩和を続ける中で国債を大量に購入していきますので、利ざやが拡大するというか、利子の受取が非常に大きくなりますので、連邦政府に対する納付金が非常に大きくなっていると。その代わりに、出口で金利を上げていくときには支払利息の増加の方が大きいのでマイナスになる、連邦政府に納付できなくなるということをはっきりと言われておりました。
そういう意味では、我が国のQQEの場合も同様な傾向があることは確かであります。ただ、先ほど来申し上げているように、国債の金利も上昇していきますので、我が国の場合は保有国債の平均残存期間は七年ぐらいだと思いますけれども、米国の場合は十数年という非常に長い長期国債をFRBは保有しておりまして、そういった面の影響もあると思いますけれども、当方の場合は平均残存期間が短いためにある程度償還が進んで、そのたびにより金利の高い国債に入れ替わっていくということが起こりますので、赤字になる可能性はあると思いますけれども、そのときの金融情勢によって様々なことが起こり得るというふうに考えております。
また、米国もECBもそうですし、我が国の中央銀行もそうですけれども、国債保有等について時価評価はしておりません。したがいまして、ネガティブエクイティーというか、資産がマイナスになるという可能性は極めて少ないというふうに思います。
なお、オーストラリアの準備銀行は資産を時価評価していますので、もう既に債務超過になっています。これは、彼らもやはり長期国債を大量に購入していましたので、インフレで金利が上がり始めたということで、まあ時価評価している国債の評価損が大きくなっているということで債務超過になっているようですけれども、これはオーストラリアの準備銀行の会計の取扱いがちょっと日米欧の中央銀行と違うということもあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/22
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023・浅田均
○浅田均君 今の御答弁に関して三つほど質問したいんですけれど、最初の方でおっしゃった日銀のバランスシートの負債の部分ですよね。日銀当座と言われている部分が金利が上がって増えても、受取、国債の受取利息も上がるんで問題ないというふうにおっしゃいましたけれども、例えば十年物を、固定金利ではないんですか。固定金利でやっているから利息が変わっていくということはなくって、十年物の国債を固定金利で資産として持っているということで、これが上がっていくということはないんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/23
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024・黒田東彦
○参考人(黒田東彦君) 私が申し上げておりますのは、償還期が来たものは、元々十年国債でももう残存期間短くなっているものいっぱいありますので、償還期が来た場合に金利の高い十年債の国債に乗り換えていけば、当然金利の収入は増えていくわけですね。ですから、それは先ほど申し上げたように、日本銀行の保有している国債の平均残存期間は七年ぐらいでして、大半は実は四、五年ぐらいのものですから、そのくらいで相当部分はもう金利の高いものに入れ替わっていくということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/24
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025・浅田均
○浅田均君 まあその点については、また次回、もう一回やらせていただきたいと思いますけれども。
もう一点ですね、時価評価、簿価評価というところの話がありましたけれども、これもいつか質問させていただいて、簿価評価だから債務超過にはならないというふうに御答弁になられたことがあったと記憶しておるんですけれども、満期待ちでね、満期待ちで国債保有を減らしていくから損失は計上されないという考え方もあろうかと思います。満期待ちで国債保有を減らしていくので損失は計上されないという考え方もあろうかと思いますけれども、そういう場合、二%の物価が達成されたとしても、市場のお金を回収しないことにはインフレが加速していくと思われませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/25
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026・黒田東彦
○参考人(黒田東彦君) 諸外国の中央銀行も、非常に拡大したバランスシートの縮小というものは非常に慎重にしていまして、まあ英国はかなり大胆にやろうとしてこの間問題が起こったわけですけれども、米欧の中央銀行は一〇%前後のインフレで政策金利をどんどん引き上げていますけれども、過去十数年にわたって大量に購入した国債のその売却を進めるとか、そういうことは非常に慎重でして、むしろ、償還期限が到来して償還された分はフルにではなくて少なくとも一部は買い換えているということもありますので、なお、その評価方法につきましては、日銀の場合はいわゆる償却原価法という形でやっていまして、まあ十年債でいえば十年でちょうど到達するような形で償却原価法を使っておりまして、比較的コンサバティブだとは思うんですけども、欧米の場合も時価評価はしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/26
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027・浅田均
○浅田均君 その点に関しては私なりに異論があって、イギリスのそのトラス政権というのは日本と同じようなことをやろうとして、これマーケットからもうブーイングで、で、退陣せざるを得なかったと。だから、マーケットはそこまで、イギリスのマーケットはそこまで健全に機能しているけれど、日本のマーケットはそこまで機能していない状況になってしまっているんではないかというふうに思っているんですけれども、総裁はどういうふうにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/27
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028・黒田東彦
○参考人(黒田東彦君) その点は、国債市場はどこも似たような状況でありますし、国債を大量に購入したという面でも、日米欧の中央銀行の過去十数年にわたる量的緩和というのはある意味で類似したものだと思います。
ただ、御承知のように、英国の場合は、長期国債を購入するという量的緩和に際して、その損得とか利益、損失は大蔵省に帰属させるってことで、イングランド銀行がリスクを取らないという形でやってきた、これは英国だけでして、米国やECB、あるいはオーストラリアとかスウェーデンとかそういうところとは違ったやり方であったということは事実ですけども、あのときのことについての一般的な評価としては、やはり政権がやや性急に大幅な減税をするとともに、何というんでしょうか、財政再建の先行きを示さなかったので、債券市場からマイナスの、ネガティブな評価があったというふうに一般的には言われておりまして、何か英国の国債市場、債券市場は何かちょっと異常というか、あるいは日米欧のところと違ったものだったというふうには余り言われていないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/28
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029・浅田均
○浅田均君 佳境に入ってきたんですけど、時間になってしまったんで、この続きはあしたやらせていただきますので、またよろしくお願いいたします。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/29
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030・大塚耕平
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。
今の浅田委員の日銀総裁とのやり取りを聞いていて、やっぱりちょっとお招きしておけばよかったかなと思いましたが。長いこと、十年間ここで黒田総裁の答弁を聞かせていただきましたが、何かしどろもどろに聞こえたのは私だけだったのか、まあほかの同様に十年間聞いておられた先生方はどう聞かれたかですけども。
あしたの浅田さんの議論の参考にしていただくために、例えば国債の評価方法については、この間、黒田さんはそこにおいでいただいて、横に今度副総裁になられる当時内田理事に座っていただいてやり取りしたのは、大臣、横で聞いていただいていたと思います。で、今評価方法について、後ろの秘書さんに償却原価法だよなって確認をしている姿を見てちょっとびっくりしましたね、私は。まあまあ、確認をされることは悪いことではないと思うんですが。
それから、これ金利が上がってきたときに何が起きるかというのは、この間、西田先生の御質問に呼応して今の日銀の預金残高の数字は私が御説明しましたけども、約五百兆円あるうちの準備預金、法定準備預金は十二兆六千億円しか必要なくて、これ金利はゼロ%なわけですよ。で、三百兆円近くはこれ利息が付くので、もし金利が上がってきたら、分かりやすい数字で申し上げると、五百兆円預金があって、もし一%金利が上がって、これに利息が付くとしたら、一%で五兆円の支払、日銀からですね、四%なら二十兆円の支払が年間生じると。
それは日銀にとって耐えられないので、準備預金を減らそうとすると、これ無理に返すわけにはいきませんからね、相手が預けたいと言っているものですから。そうしたら、準備預金減らすために、残っている預金に対して片方でマイナス金利でも掛けるのかって、これは掛けられない話ですね。そうすると、準備預金を減らす、準備預金というか、預けられている預金を減らすためには資産の方も減らさなきゃいけないので、これ国債を売るということですよね。国債を売るというのは、まあ利上げ局面なのでオペレーションとしては間違っていないと思うんですけども、それが、預金がたまり過ぎて日銀の支払コストが増えて、浅田さんがおっしゃるように、債務超過になるのを避けるために、バランスシートを調整するために国債を売る速度が、金利引上げとマーケットでクラッシュが起きないための、その微妙なさじ加減とスピードが合うかどうかという話だと思いますね。
ただ、いずれにしても、いよいよ御退任されるに当たって、総裁御自身が残された今の中央銀行の財務状況と市場の状況の実態は一番御本人がよく分かっておられますので、まあ、その部分が何となくしどろもどろに聞こえた答弁に反映されていたのかななどと思いながら聞かせていただきました。
ということで、今日はちょっと別の話をさせていただきたいんですが、せんだっては本会議でたくさん質問項目があって大変恐縮だったんですが、一つ一つ大臣には丁寧に御答弁いただいて、ありがとうございました。
それで、二、三確認をさせていただきたいんですが、電帳法に基づく国税関係帳簿や書類のこの電子保存というのが、これが税理士の先生方やあるいは特に中小企業、零細事業者の相当なプレッシャーになっていて、これのディテールをちゃんと確認しておかないと、皆さん困るんですね。
そこで、本会議でお伺いしたところ、こういう御答弁でした。電子取引データを保存要件に従って保存することができなかったことについて相当の理由があればその限りではないと、こういう御答弁だったんですが、相当の理由というのは例えばどういうことですか。これは主税局長にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/30
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031・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
先日、三月八日の本会議において、大臣から委員からの御質問を受けて答弁させていただいた内容でございますが、今般の税制改正におきましては、中小企業団体等から強い要望があったことを踏まえ、電子取引データを保存要件に従って保存することができなかったことについて相当の理由があると認められる場合には、データと出力書面による並行保存を可能とする適用期限のない新たな猶予措置を整備することといたしております。
お尋ねのありましたこの相当の理由があると認められる場合、認める場合につきましては、適用要件を殊更に限定する趣旨ではなく、システム対応が整わない場合などを中心に、中小企業を含む事業者の実情に応じて柔軟に猶予措置を適用することを想定して規定を明確化したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/31
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032・大塚耕平
○大塚耕平君 これ、税理士の先生たち、多分聞いてくださっていると思うので、局長、これ議事録に全部残りますのでね、よろしくお願いしますね。
システム対応等が間に合わなかった場合、やっぱり中小企業、零細事業者の皆さんでは、間に合わないだけじゃなくて、やっぱりまだ世代の問題もあって不慣れな方もいらっしゃる。つまり、いいんだと、もう自分は電子化はしなくて、ちゃんともう手書きの帳簿と書類でやるんだと、もうそれは経営方針だと、こういう社長さんや事業者がいらっしゃった場合ですね、これは相当の理由ということでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/32
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033・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
これまで、本年末までの経過措置として講じられている宥恕措置におきましては、例えば、そのシステム対応が間に合わなかった事業者等に対してやむを得ない事情があるということで宥恕措置を講じておりますが、この場合、最終的にはシステム整備する意向がある旨を口頭で回答していただくといったようなことになっております。
今般の新たなこの猶予措置につきましては、例えば金銭的な理由などによりましてシステム対応が今後ともできないといったような理由も該当するということで、柔軟にこの猶予措置が適用することが可能になるよう、こういった規定にしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/33
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034・大塚耕平
○大塚耕平君 再度お伺いします。
御本人、経営者や会社の方針で、いやいや、もう自分たちは、もちろんパソコンは使うけれども、経理や財務の対応はもう手書きでやるんだという経営方針をもし決められたら、これは駄目なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/34
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035・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
この電帳法に定めている検索要件始めとするこの保存に関する要件があるわけですけれども、これに対応するためのシステム対応等を行う余裕がないでありますとか、そういった相当の理由があるということが要件であるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/35
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036・大塚耕平
○大塚耕平君 局長、これ、この法律は何年にできた法律ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/36
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037・住澤整
○政府参考人(住澤整君) 令和三年度税制改正で創設されたものでございます。
この電帳法自体は平成十年度税制改正でできておりますが、今回問題になっている電子取引に関する規定は令和三年度改正で創設されたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/37
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038・大塚耕平
○大塚耕平君 ただ、この法律自体、つまり電帳法は、まさしく今おっしゃったとおり平成十年からで、まあ時代を先取りしていたという意味ではいいんですけれども、やっぱり現場の実態に即しているかどうかということの観点から見ると、平成十年に施行されたものが令和三年には義務化もされて、しかし宥恕措置を設けて宥恕の延長もして、いよいよ解除となるときには特段の配慮をして並行保存も認める、まあずるずるずると来ているわけですが、やっぱりこの主税局や国税がいろいろ定めるルールが現場の実態に合っているかという観点でいうと、いろいろ、まあ反省すべきというか、振り返ってみる点はあるんだろうなというふうに思います。
それで、もう一つ確認させていただきたいんですが、今日、先生方のお手元には、これはある会計支援ソフト会社のホームページから持ってきた、この電子保存に関わる基本的な図が描いてあって、なかなか分かりやすいんでちょっと引用させていただいたんですが。
結局、電子保存しなさいよと、この国税関係帳簿や国税関係書類ですね。例えば、請求書とかメールで送ってきたら、そのメールも含めて全部取っておきなさいと。これ、先生方もちょっとイメージ一緒にしていただけると有り難いんですが、例えば、我々が、国会議員はやり取りしたメールや書類を全部電子保存しておきなさいというもし法律ができたら、これ大変なことですよね、メールも消せないし。で、もしこれが義務化されたら、じゃ、自動保存でどこかにどんどん保存しておいてくれるというんだったらこれはできなくはないですけど、じゃ、あの書類、あのときのメール出してくださいと言われても、我々もそれ引っ張り出せないです。
そういうことなので、この電子保存に関してクラウドの利用が中心になると思うので、それについて本会議でお伺いしたところ、このような御答弁でした。行政府や民間の行政手続におけるクラウド利用については、利用性の向上やセキュリティーの確保、クラウドサービスの提供主体の観点も含め、様々な検討がなされているものと承知していますと。特定のクラウドサービスの使用の法定化については、このような検討等を踏まえる必要があると考えておりますと。
このくだりの中の様々な検討がなされているものと承知していますの様々な検討とはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/38
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039・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
三月八日の本会議におきまして大臣から御答弁された趣旨でございますが、まず、その行政府や民間の行政手続におけるクラウド利用については、利便性の向上やセキュリティーの確保、クラウドサービスの提供主体の観点も含め、デジタル庁を始め各省庁において様々な検討がなされているものと承知しているということを答弁されました。
その上で、これが具体的にどういうことかというお尋ねでございますが、特にこの答弁の後段に関するお尋ねというふうに理解しておりますけど……(発言する者あり)はい、はい。財務省としては、この電子帳簿保存法における電子取引データの保存をする場合に、国産クラウドサービスを含め特定のクラウドサービスの使用の法定化については、デジタル庁を始め各省庁における検討などを踏まえて議論を行う必要があるというふうに認識しているということを申し上げたということでございます。
その際に、その様々な検討の内容でございますが、行政府におけるものにつきましては、デジタル庁を中心に行政府におけるこのサイバーセキュリティーの観点等から検討が行われておりますし、今問題になっております、お示しいただいた資料にある民間における帳簿あるいは書類、電子取引等のデータの取扱いにつきましては、例えばその民間事業者における個人情報の管理という観点からは、個人情報保護法に基づいて、個人情報保護委員会の方でガイドラインを策定される等の取組が行われておりますし、サイバーセキュリティーの観点からは、内閣官房の内閣サイバーセキュリティセンターが所管しているサイバーセキュリティ基本法に基づきまして、重要インフラ事業者に対してサイバーセキュリティーに関する施策等に協力する努力義務を課しているでありますとか、あるいは産業界におけるサイバーセキュリティー対策に関しては、関係省庁、具体的には内閣サイバーセキュリティセンター、経済産業省、総務省等によりまして、サイバーセキュリティーの対策の強化等について様々なガイドラインの策定等の取組が行われているというふうに承知をいたしております。
こういった様々な取組の状況も踏まえながら検討していかなければいけないということを申し上げたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/39
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040・大塚耕平
○大塚耕平君 大臣、これ、この間からやり取りさせていただいている、その事の背景はもちろん御理解いただいていると思うんですが、ちょっともう一回私なりに説明させていただくと、さっきお話ししたとおり、例えば全部電子保存しておけと言われると、もうこれは、それは一枚二枚ならいいですよ。しかし、膨大な数となると、これはもう自動保存というやり方しかないし、それから、財務省がこれまでやれと言っていたことの一つには、紙で来たものもスキャナーでスキャンして電子保存しろとまで言っているわけですね。だけど、これ、実態考えたら相当難しいことです。
仮に全部メールで来たりしていたとして、これを全部保存するとなると、さっき申し上げたとおり、これ自動保存しなきゃ到底追い付かないと。自動保存ということになると、これ会計ソフト会社が、じゃ、うちでもう来たものは全部自動的に保存できるようにするから大丈夫ですという、こういうサービスを提供するわけですね。どこに保存されるかというと、これは大体クラウドなんですよ。で、どこのクラウドかといったら、これは例えばマイクロソフトとかアップルであれば、これはもちろんアメリカの会社ですが、そのサーバーは、もちろんどこに置いてあるか分からないんですよ。
ところが、二〇一八年ぐらいからアリババがアリクラウドというものを日本にサービス始めるといって、私、中国行って、北京大使館の部屋借りてアリクラウドと話をしましたが、アリクラウドのセキュリティーや、それから情報の秘匿は大丈夫かって言いましたら、一つのサーバーの中をちゃんと顧客ごとに、ちょっと片仮名で恐縮ですが、ディレクトリーを切って、ハードを共有しても、ちゃんとそこは分別管理しているから大丈夫だ的な説明をしてくれて、まあそれは分かるけれども、筐体としては一緒なんだから、その同じところに入っていたら、それはもう運用者を信用できなければ何が起きるか分からないですよねという話をして帰ってきたんですけれども。
そうすると、会計ソフト会社のその先にあるクラウドは、会計ソフト会社ももうけなきゃいけないから、安く提供してくれるクラウドを使うわけですよ。そうすると、それは中国製を使うかもしれないし、テロというのは、ハードなテロだけじゃなくて、まさしく今、サイバーのアタックで各企業がお困りのように、日本政府を困らせようと思ったら、もし本当に全部電子保存されちゃったら、その帳簿書類とか、国税の関係帳簿とか関係書類が保存されているクラウドが何らかの形でフリーズしちゃったら、それは相当な混乱が起きます。そういう観点もあって国産クラウドの話もさせていただいているんですが。
もう時間も来たので局長に最後の質問ですけれども、じゃ、電子保存、今後はされる企業もありますわね、もしその電子保存している先のクラウドやシステム提供ベンダーの理由で書類が散逸しちゃったり、あるいはもう復元できなくなったり、そうした場合には、それは納税義務者たる企業や事業者には責任がないということでいいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/40
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041・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
まず、ちょっとこの制度の事実関係で申し上げますと、先ほどスキャナー保存につきまして、紙で来たものをスキャナーで保存する義務を課しているというふうな御指摘がございましたが、そういったことはございませんで、紙で来たものは紙で保存していただければ結構です。スキャナー保存はできるということでございます。
また、この表の国税関係帳簿と国税関係書類全体については、電子帳簿保存法は電子帳簿の格好で保存できるということを定めているものでございまして、御心配があれば紙の帳簿のままで運用されることは、それはそれで構わないということでございますので、誤解のないようにお願いしたいと思います。
今問題になっているのは電子取引の部分で、元々電子で取引をしているデータについてどう保存するかということでございまして、令和三年度改正の際の考え方としては、電子データで来たものをわざわざ改ざんした上で紙で打ち出して保存されると後で解明することができなくなりますので、電子データそのものの保存を求めたということでございますが、実情に合わせて今回見直しさせていただいたということでございます。
仮に、じゃ、その電子データがなくなってしまった場合どうなのかというときには、青色申告の取消しになるのかということが問題になるわけですが、これはそのデータがなくなったこと一事をもって帳簿が、データが保存されていないから取消しになるということではなくて、あくまでそこは総合的に状況を勘案して判断をするということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/41
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042・大塚耕平
○大塚耕平君 済みません、時間が来ておりますが、一問、一問というか一言だけ発言させていただいて、続きはまたあした以降やらせていただきます。
今、できる規定だとおっしゃったんですが、それは電帳法四条に書いてあるのはそのとおりなんですね。ところが、七条はこの義務化をしているんですが、ただ、七条には財務省令で定めるところによりと書いてあるので、この財務省令によっては現場の実態の合った形にできる隘路があると私は思っていますので、この議論は引き続きさせていただきます。
デジタル庁にはおいでいただいたんですが、あしたまたお招きしますんで、続きやらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/42
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043・小池晃
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
金融所得課税の一億円の壁問題です。所得一億円を超えると所得税の負担率が逆に下がっていくと。これ、岸田首相がこの壁を崩すとおっしゃったんですけど、実際、今回提案されているのは三十億円と、しかも税率の引下げもごく僅かと。
世界どうなっているかということで、主税局の担当の方に大変ややこしい計算をしていただいて、所得が上場株式の譲渡所得のみの夫婦子二人世帯で株式の保有期間が一年超二年以下の場合ということで、日本、米国、ドイツ、フランスについて、所得一億円、十億円、百億円で税額幾らになるか計算していただきました。米国の場合は、株式の保有期間が一年以下の場合も含めて計算していただいたんで、まずそれをお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/43
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044・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
委員から御依頼をいただいた前提でございますが、所得が上場株式の譲渡所得のみの夫婦子二人の世帯で株式の保有期間が一年超二年以下の場合において、日本、ニューヨーク市を例といたします米国、それから英国、ドイツ、フランスの当該譲渡所得から生じる一般的な国、地方を合わせた税額について、二〇二二年一月時点の制度及び為替レートに基づいた試算結果でございます。
譲渡所得が一億円の場合の税額は、日本の場合、申告分離課税を前提といたしますと、約千九百八十七万円、米国の場合、約二千五百二十一万円、英国の場合、千九百四万円、ドイツの場合、二千五百六十九万円、フランスの場合、申告分離課税を前提とすれば、約三千万円。
次に、譲渡所得が十億円の場合の税額でございますが、日本は申告分離課税を前提とすれば、約二億二百七十万円、米国は約三億二千五百五十九万円、英国は約一億九千九百四万円、ドイツ、約二億六千三百七万円、フランス、申告分離課税を前提とすれば、約三億円となります。
譲渡所得が百億円の場合の税額でございますが、日本の場合、申告分離課税を前提とすれば、約二十億三千百五万円、米国、約三十四億四千四百三十二万円、英国、約十九億九千九百四万円、ドイツ、約二十六億三千六百八十二万円、フランス、申告分離課税を前提とすれば、約三十億円となります。
また、米国において、株式の保有期間が一年以下の場合についてのお尋ねでございますが、連邦税において総合課税が適用されることから、先ほどとは数字が違いまして、譲渡所得が一億円の場合の税額は約三千八百六十二万円、十億円の場合は約四億九千二百万円、百億円の場合は約五十一億四千七十三万円となります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/44
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045・小池晃
○小池晃君 ありがとうございました。
表にしてお配りしております。これ見ると、やっぱり各国と比べて日本の富裕層の株取引が優遇されているのが分かるのですが、特にアメリカは、譲渡益十億円の場合、日本が二億二百七十万に対して、アメリカは三億二千五百九十九万円、それから保有期間一年以下の場合は四億九千二百万、まあほぼ五億近くというふうになります。
主税局長にお伺いしますが、アメリカでは保有期間一年以下の場合はなぜ税率が高いんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/45
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046・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
米国の連邦所得税におきましては、株式譲渡益の課税として株式保有期間に応じて異なる課税方式が採用されております。具体的には、保有期間が一年以下の株式譲渡から生じた譲渡益に関しては、短期キャピタルゲインとして他の所得と同様に総合課税の対象となり、連邦税として一〇%から三七%の税率で課税がなされる一方、保有期間が一年を超える株式譲渡から生じた譲渡益については、長期キャピタルゲインとして申告分離課税の一種である段階的な課税の対象となり、〇%、一五%、二〇%の段階的な税率で課税がなされます。
このように短期保有と比べて長期保有の場合に低い税率が適用されていることについては、米国政府が法案提出時に、あっ、この税法ができました際に説明していたものによりますと、投資家に対し企業の長期的な成長可能性を考慮した投資を促すと同時に、企業についても、短期的な利益の追求よりも技術革新や長期的な企業の成長につながる投資を促す結果、雇用創出や生活水準の向上によって国民に裨益する、経済全体の成長につながるといった説明が行われていたと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/46
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047・小池晃
○小池晃君 このアメリカの課税の方法については、これ岸田総理が出された「岸田ビジョン」という就任直後の本ですが、ここでも紹介されております。岸田氏はこう言っていますね、アメリカでは、一旦取得した株式を一年以内に手放して利益を得た場合、その利益に対して州税と連邦税を合わせて最高四八・四%、これ、二〇一七年の数字で書かれているんですが、今はこれ五一・八%です。短期的、投機的な売買で得た利益に対しては厳しく課税するという考え方ですが、例えばこれを日本でも導入し、短期売買のキャピタルゲインの税率を二〇%から引き上げることにより、それで得られた税収を中間層への負担減に充てることで、社会の公平感を取り戻すことなども検討に値しますと。この課税により不公平是正して、児童手当の拡充など少子化対策の財源もつくれるというふうに、これ言ったんですね。とってもいいと思うんですよ。最初は良かったんですね。ところが、それをもうほとんど最近言わないわけですよ。
大臣ね、今回何でこの金融所得の低い税率そのものには手を付けなかったのか、やっぱり住民税と合わせて二〇%というのを少なくとも高額の株取引については三〇%以上適用すべきだったんじゃないですか。大臣、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/47
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048・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 一億円の壁と呼ばれる問題につきましては、税負担の公平性を確保する観点から、市場への影響を踏まえ、総合的な検討を行うこととされていたところでございます。
その上で、現下の所得税の負担率を見てみますと、所得が一億円を超えた辺りの所得層では負担率がそれほど大きく低下していない一方で、それを上回るかなりの高所得者層では負担率の低下が著しい状況にあるといった現状になっております。
このような負担率の状況等を踏まえ、所得税の負担構造の問題につきまして早期に是正するという観点から、与党税制調査会において幅広い点から御議論をいただいた上で、今般、おおむね平均的な水準として、約三十億円を超えるような極めて高い水準の所得を対象として最低限の負担を追加的に求める措置を導入することとしたものでありまして、税負担の公平性の観点から一定の対応が図られていると考えております。
政府といたしましては、この措置が令和七年から施行されるわけでございますので、その令和七年から施行される今回の改正の効果、そういうものをよく見極めてまいりたいと、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/48
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049・小池晃
○小池晃君 令和七年、何で令和七年の申告からなんですか。これね、令和七年の適用で、その効果見極めてということは、そこから先、効果出てくるの判定できるのに一、二年掛かるわけですから、今から五年ぐらい先まで今のまんまでいくということになりますよ、これ。
これ主税局長でいいけど、何でこんな、すぐにやらないんですか。早期にというんだったら、すぐにやるべきじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/49
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050・住澤整
○政府参考人(住澤整君) 今回の措置につきましては、三・三億円を超える合計所得を有する方につきましては、これまで申告不要とされてきたものも含めまして、配当、譲渡益のみならず、事業所得、給与所得、その他の様々な所得を合算して最低税額を計算していただくという新たな仕組みになりますので、そのための周知期間を取る観点から令和七年の施行にしているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/50
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051・小池晃
○小池晃君 あのね、周知期間と言うけど、二百人ですよ。このぐらいの人たちって、大体顧問税理士なんかいるんじゃないですか。もう一瞬で私こんなの周知できると思いますよ。百歩譲って、何ですぐにやらないんですか。
私、大臣ね、早期にっておっしゃるんだったら、何でこんな猶予期間設けたのか、すぐにやるべきだと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/51
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052・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 一つは、先ほど主税局長が申し上げましたとおり、周知期間を置くということで、恐らく他の税制においても同じような期間が置かれているのではないかと、そういうふうに理解をいたします。
いずれにしても、一定の対応が取られたと考えておりまして、令和七年度のこの適用の結果というものを十分に、その先については見極めていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/52
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053・小池晃
○小池晃君 しかし、どう考えても、岸田首相が当初言われたこととはかなりやっぱり後退していることは間違いないということだと思います。
同時に、この富裕層優遇の象徴とも言える一億円の壁は崩さずに、一方で更なる優遇が行われようとしている、新NISAであります。
今回、つみたて投資枠、成長投資枠、それぞれについて年間投資の上限額が大幅に上がります。投資余力が大きい層に対する際限のない優遇とならないように留意したというふうにおっしゃるんですが、元々NISAの発足当初の上限額は、もうこれ、年間百万円掛ける五年間、五百万だった。二〇一三年当時の麻生金融担当大臣は国会で、富裕層を過度に優遇する結果とならないよう、非課税期間を五年間としたと答弁をされています。それが、今改正で三倍以上となるわけですね。
過去に上限とした制限の三倍を上回る水準というのは、もう既に際限のない優遇になっているんじゃないですか。大臣、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/53
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054・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 今般のNISA制度の見直しでございますけれども、これは、家計金融貯蓄が二千兆円を超える、そのうちの半分以上が現預金でためられているといいますか、持っておられるということでありまして、それを貯蓄から投資へ促進するという観点、これが一番の基本であると思っております。
そして、NISAの制度の見直しによりまして、これまで以上に長期、積立て、分散投資による資産形成を行いやすくいたしまして、これまで投資の経験がなかった方々を含め、中間層を中心とした幅広い層の資産形成をより一層サポートすることを狙っているものであります。
で、この先生から御指摘がありました年間投資枠や非課税保有限度額の水準につきましては、投資余力が大きい層に対する際限ない優遇とならないように留意しつつ、若年期から長期にわたりまして少しずつでもこつこつと投資を継続し、老後等に備えた資産形成を行うことを可能とするとともに、個人のライフステージに応じて、既に積み上がった預貯金などによりますまとまった資金での投資を行うニーズにも対応できるようにするとの観点から設定したものでありまして、NISAを中間層を中心とする幅広い層にとって使い勝手の良い柔軟な制度とするために適切な水準であると、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/54
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055・小池晃
○小池晃君 適切な水準だとおっしゃるんですけど、ちょっとこれ、質問する予定ですけど、もうこっちで言っちゃいますが、この従来のNISAに新NISA合わせると、これ夫婦世帯で預金四千八十万円までになるんですね、上限とは。これ、預金合わせれば、金融資産だけで五千万円大きく超える世帯ですよ。五千万円超える、金融資産だけで五千万円超える世帯というのは、これ金融機関から見れば、もうこれは富裕層という扱いになると思うんですね。
しかも、今回、枠の再利用が可能という仕組みが導入されているので、利益が出た商品を売って新たに買うという売買を繰り返していくと、例えばこれ、毎年三百六十万円という上限あっても、これ三十年間売り買い繰り返せば、これトータルで一億超えるわけですね。で、累計一億超える売買に伴う利益も、これ税率、税金ゼロになると。
私ね、大臣、中間層がどうとか、こつこつとと、やはり持続的な長期投資だとおっしゃるけど、こういう在り方というのは、これはNISAの今回の改革、この趣旨にも反するんじゃないですか。一億まで対応できちゃうという、このままでいいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/55
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056・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 今般のNISA制度の見直しでは、年間投資枠の三百六十万円を毎年売買したとしても、簿価残高が非課税保有限度額の一千八百万円以上に積み上がることはございません。また、売買を繰り返すことにより累計の売買金額が大きくなったとしても、非課税で得られる利益は元本を含まない売却益と配当分配金の部分に限られること、それに留意する必要があると思います。
また、小池先生御指摘の、利益の出ている商品だけを売って次の商品に乗り換えるような短期売買につきましては、相場は水ものでありまして、短期的には不確実性が大きいことに加えまして、同一の商品を長期継続的に保有することによる中長期的な時価上昇のメリットが受けられないため、短期売買により累計の売買金額を大きくしたとしても、必ずしも有利な取引にはならないと考えております。短期ではこう割ったりするわけで、全体のトレンドとしてそれが上がっていくということなんだと思います。
なお、短期売買の御懸念については、年間投資枠は売却しても再利用できないこととしておりまして、短期的な売買を繰り返すような取引をする上で大きな制約になるものと考えております。
金融庁といたしましても、証券会社等による回転売買の勧誘が行われることがないよう監督指針を改正し、モニタリングを行うとともに、長期、積立て、分散投資による安定的な資産形成の重要性について家計への金融経済教育を強化していきたいと、そのように考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/56
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057・小池晃
○小池晃君 しかし、そういうことができる仕組みつくっちゃったわけですよ。そういうふうにやらないように指導するといっても、実際にはそういう利用が行われる危険性は非常に大だと思います。
さらに、その資金がどこに流れていくのか。私、お配りしていますけど、二〇二二年、資金流入額トップテンのうち八つは外国株式ファンドです。最も多かったのはeMAXIS Slim米国株式、約七千四百億円です。結局、つみたてNISA拡大しても、資金の大部分が海外、とりわけ米国株に流出するんじゃないですか。何でこういう事態になっているというふうにお考えですか、そもそも、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/57
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058・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 先生が御指摘になられましたつみたてNISAの対象となっている投資信託について、最近一年間の資金流出額が多いものを見てみますと、多くのファンドのこの、ああ、済みません、流入ですね、資金流入額が多いものを見てみますと、多くのファンドの投資対象は海外資産となっているということでございます。
これはその時々の経済状況によるんだと、こういうふうに思うわけでありまして、例えば、つみたてNISAが開始されました二〇一八年以降の推移を見てみますと、資金流入額の上位十本の投資信託のうち国内資産を投資対象とするものが半分を占めていた年もございます。したがいまして、その時々の経済状況を始め様々な状況において、直近においては海外資産が多くなっているということが理由だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/58
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059・小池晃
○小池晃君 もう時間なので質問はしませんが、そうおっしゃいますけどね、結局こういう事態になっていて、最後に資料に配っておりますけど、これ日経新聞の報道ですけど、UNCTADの発表では、各国のGDPに対する海外勢による累積投資額、日本は五・二%で北朝鮮を下回るという事態なんですね。
やっぱり日本の資金が外国株に向かってしまうというのは、日本に投資するような魅力がないからだということをやっぱりしっかり見ておく必要があるし、やっぱりこのままだと、こういうNISA拡大してもその資金はどんどん海外に流れるということになりかねない。やっぱり成長しない経済のままでは投資などしないわけで、成長のためにはやっぱり分配こそ必要だと思います、賃上げ。そういった形で、それをしないでまず投資だというふうになると、やっぱりますますいろんな形でゆがんでいくことになりかねないということを申し上げて、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/59
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060・神谷宗幣
○神谷宗幣君 参政党の神谷宗幣です。よろしくお願いします。
所得税法等の一部を改正する法律案に関連して質問していきます。
税制は、財政の幾つかの機能のうち所得分配の公平を実現する機能を持っています。岸田総理は、成長と分配の好循環を新しい資本主義として掲げ、分配をより重視する姿勢を打ち出して政権に就かれたわけですが、今回の税制改正の中で分配を重視する考え方は具体的にどのように貫かれているのでしょうか。また、このように分配というキーワードをあえて挙げられているのは、日本の所得の分配において不公平感が高まっているというデータがあるからでしょうか。具体的に示せるものがあれば、まずお示しください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/60
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061・秋野公造
○副大臣(秋野公造君) 岸田内閣におきましては、社会課題の解決を成長のエンジンとして、成長の果実を分配することで更なる成長へつなげていくという成長と分配の好循環の実現を目指しております。その上で、今先生おっしゃっていただきました分配の鍵となる賃上げなどを目指しているということであります。
令和五年度税制改正におきましては、NISAの抜本的拡充、恒久化により、中間層を中心とした幅広い層における貯蓄から投資へのシフトを進め家計の資産所得倍増を目指すとともに、スタートアップエコシステムの抜本的強化、研究開発税制の見直しなどを通じ、企業がより多くの付加価値を生み出すことで、賃上げ努力等と相まって家計の所得向上につながることが期待をされます。同時に、より公平で中立な税制を実現していく観点から、極めて高い水準の所得について最低限の負担を求める措置の導入、資産移転の時期の選択により中立的な税制の構築等を行うこととしてございます。
今先生おっしゃった成長と分配の好循環という考え方の背景でありますけれども、一九八〇年代以降、新自由主義的な考え方が世界的に主流となる中で、市場に依存し過ぎることにより公平な分配が行われず、結果として格差が拡大してきたのではないか、こういう認識がございます。
その上で、格差に関する数値的な根拠を挙げますと、一九九〇年代以降、社会保障や税による再分配後の所得のジニ係数はおおむね横ばいで推移する一方で、資産の格差は拡大をしているということが指摘をされてございます。
政府として、先ほど御説明申し上げました税制含めてあらゆる政策を総動員して、引き続き、成長と分配の好循環の実現に向けた取組を推進してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/61
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062・神谷宗幣
○神谷宗幣君 大体分かりました。
次に行きます。
次に、二〇〇一年九月に、済みません、二〇二一年九月に自民党総裁選に挑まれた岸田総理が政策の柱に掲げられたのが、令和の所得倍増、令和版所得倍増でした。それがいつの間にか資産所得倍増に変わっていて、今回のNISA制度につながったと理解をしております。
鈴木大臣の答弁お聞きしますと、資産所得倍増プランは、我が国の家計に眠る現預金を投資につなげることで我が国企業の成長投資の原資となり、持続的な企業価値向上の恩恵が金融資産所得の拡大という形で企業にも及ぶという、成長と資産所得の好循環を実現させるために制定されたものだというふうにおっしゃっていました。
こう考えると、日本も一九八〇年代後半までは国民の富が国内企業の成長の原資になっていたと思うんですね。どういうことかというと、日本の、日本人の家計の現預金が銀行や保険会社を通じて日本企業に投資され、日本の企業が上げた利益の多くが金融機関に配当され、そこから預金者である国民に分配されていたからです。国民は銀行にお金を預けておくだけで、金利という形で十分な利益を享受できたという形があったわけですね。しかし、国際的な規制を掛けられたことで日本の金融機関が日本企業の株を持てなくなり、その多くを外国人投資家に買われてしまいました。国内でお金が回る仕組みが壊されたわけです。
不思議なのは、このときに日本政府が今回のNISAのような仕組みをつくらなかったことです。日本の金融機関が持っていた日本企業の株をこのときに国民に買わせておけば、日本企業が生み出す利益が国民に分配されていたはずなんですが、その後の政権は、ROEを上げろ、株主に配当だというふうに言い続け、結果、日本企業の上げた利益の多くが海外投資家に流れて、日本人の所得が上がらなくなってしまったというわけですね。これが、失われた三十年の一つの要因だと私は思っています。
それが、ここに来て急に、家計に眠る現預金を投資せよという政策転換のような形でおっしゃっているわけですね。日本企業の成長投資の原資にということなんですが、今回のNISAの拡充で集まった資本の何割が日本企業への投資に回ると計算しておられるのか、ざっくりとした数字でいいのでお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/62
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063・堀本善雄
○政府参考人(堀本善雄君) お答え申し上げます。
資本の何割が、NISAに集まった資本の何割が日本企業への投資に回るかということでございますが、資産所得倍増プランでは、五年間でNISAの買い付け額を現在の二十八兆円から五十六兆円に倍増させるということになっております。
他方、NISA制度における国内外別の投資の内訳というのは、これ、金融庁、把握しておりません。ただ、現状のつみたてNISAの適用商品、これ二百二十一本ございますけれども、このうち国内資産を対象とした商品は五十二本、それから国内資産と海外資産の両方を対象にしたのが百八本、半分ぐらいですね、それから海外資産を対象とした商品が六十一本ということになります。
したがって、今後ともNISA対象の投資に海外資産が含まれるということはこれ事実でございますが、投資対象のトレンドというのは、その時々によって、経済状況によって変わり得るものなので、実際の投資について、日本への投資について確たることを申し上げることは難しいということです。
他方、資産所得倍増プランにおいては、成長と投資、資産所得の好循環というのを御承知のとおりおっしゃって、盛り込んでおりますけれども、したがって、投資の対象として魅力ある日本の金融資本市場が構築するということが重要だということでございまして、単にNISAの拡充のみならず、我が国の金融資本市場の活性化に向けた施策も併せて盛り込んであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/63
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064・神谷宗幣
○神谷宗幣君 ありがとうございます。
現状のNISAの積立てを見ても、利回りがいいのはやっぱりアメリカのS&P五〇〇のインデックスとか、先ほど小池委員もおっしゃいましたけれども、やっぱり外国資本に流れるという傾向なんですね。そうなると、やっぱり日本の資本が流出しているということにもなりますし、また、今、膨れ上がったアメリカの株式市場の最終局面で、結局日本人の家計のお金が注入されて、その後にアメリカの資本、株式バブルが崩壊したということになると、またどこかで見たようなパターンになるわけですね。若干、今アメリカの銀行の様子を見ても、そういった機運があるようにも感じています。
これ、残念なことなんですが、世界の金融市場では、日本人はラビット、ウサギと言われているんですね。分かりやすく言うとカモです。そういうふうに多くの金融の投資家の方がおっしゃっていまして、非常に悔しく思っています。いつも高づかみして損をさせられるということですね。
これを回避するには、外国人の投資家に負けない金融教育が必要だというふうに考えています。お聞きしましたら、金融庁も中高生向けの教材などを作って取り組んでおられるんですが、国際金融資本の仕組みですとか国際政治の読み方、今後の流れを予測するというようなことまである程度話が及ばないと、今の初歩的な内容だけではやっぱり日本人が金融市場に入るとウサギにされてしまうんじゃないかという懸念があります。
国際市場で国民に損をさせないために、金融リテラシーの向上政策に向けて方針があれば、計画があればお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/64
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065・堀本善雄
○政府参考人(堀本善雄君) 委員御質問のとおり、投資商品については、当然のことながら価格変動リスクがございます。したがって、国民のそれぞれのニーズやライフプランにあっていかにリスクテークをするかということが非常に重要な点になります。したがいまして、外国の資産に投資する場合というのは、その商品に伴う為替リスクでありますとか、あるいはカントリーリスク、これは正しく理解しておくことが重要だと考えております。
この点に関しまして、既に金融経済推進会議が定めました金融リテラシーマップというのがございまして、この中に、金融経済教育の基礎となる重要な事項、これに、円高とか円安の意味とか、あるいは為替相場の変動が経済に及ぼす影響等について理解していると、そういう項目が入っております。それから、金融商品の選択においても、為替の変動でありますとか、あるいは海外の点も含めた動向についても取りあえずきちんと理解するということが項目としては入っております。
もう一方、投資というのは、それであっても必ず利益を上げられるものではございませんけれども、やはり、今回のNISAの考え方でもあります長期積立てによる投資、あるいは投資先も地域に分散していくというふうな手法というのは、これは委員御指摘のリスクを軽減するのにも役に立つというふうに考えております。したがいまして、この点も含めて、今後一層効果的な金融経済教育の推進に、まいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/65
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066・神谷宗幣
○神谷宗幣君 お願いします。
今、何となく世間は投資ブームでして、何か雑誌なんか見ても、投資だ投資だというのが躍っているんですが、私もちょっとだけやっているんですけど、見ていますと、結構仕手株みたいなものを仕掛けたりする、日本人ですけど、いるようなので、そういった悪いことをする人もいるんだよということを是非早いうちから教えておいて、是非健全な金融市場が広がっていくように取り組んでいただきたいと思います。
そのようなリスクはあるものの、参政党は国民の金融資産を増やすことには賛成しておりまして、富裕層優遇だと批判もありますけれども、今の金融資本主義社会で、国民の資本を眠らせておいて、日本人が外国人投資家の資本を増やすためだけに働いていたのでは、これ経済奴隷になってしまいますから、我々日本の政治家が考えることは、日本人の資本でいかに外国人に働いてもらって日本人の資産を増やすか、若しくは、日本人の資本を国内に循環させて日本全体の富を増やすかということを考えなければならないと思っています。
前者を満たすために、今回拡充するNISAなどを使ってもらうというのは一つ方法だと思いますけれども、今の仕組みだけだと、先ほど小池委員からもあったんですけれども、後者の方にお金が回らないと、国内市場にお金が回らないというふうに感じられるんですね。先ほど聞いたように、NISAにお金を入れても、それが国内で循環する保証がないからです。
そこで、今後政府に考えてもらいたいのは、国益にかなうような民間事業に国が信頼と資金を担保するような事業運営、これ抽象的で分かりにくいので例を挙げると、例えば、今、日本人が使うSNSはほとんどが外国製で、それを使うことにより、情報とお金を海外に流出させています。そこで、政府も協力し、民間と国産のSNS、こういったものを開発し、国民の資産を投資してもらって利益を上げて、国民に非課税でその配当を払うというふうな仕組みを考えていただけないかなと思います。こういったことをやれば、国の情報セキュリティーも向上し、民間の事業も生まれ、国民の資産も有効に活用でき、国民に利益を分配できます。
こういった国産SNS以外にも、先ほど大塚委員おっしゃったような国内クラウドの開発ですとか、今PFIとかでやっている公共施設の建設ですね、それから国産戦闘機などの開発、コンセッション方式の水道事業などにもこういった資金を回していくといいかもしれません。世界では今、公益事業の再公営化といったことも進んでいるので、まあ全世界的な時代の流れにも合致しているというようにも感じています。できれば、何の事業に投資するかを国民が選べるようにすれば、国民の政治参加意識も高まるという効果も考えられるんじゃないかと思います。
多額の資本が必要で、日本企業が手を出せず、外国資本に持っていかれそうな、そういった事業を国と日本企業が組んで、NISAなどで集めた国民の資産で事業を行い、国民に非課税で配当を渡す、こういった仕組み、考えられないでしょうか。国民の資本を戦略的に活用し日本人の資産を確実に増やすこと、また、国策として国に必要な事業をなるべく税負担を減らして行って、その利益が国民に分配されること、この二つの取組について、鈴木大臣の所感をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/66
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067・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 我が国の家計金融資産、先ほど申し上げましたけれども、二千兆円超、その過半が現預金として保有されているということの中で、貯蓄から投資へシフトさせること、これは重要なことであると考えております。
そして、そうした貯蓄から投資へシフトさせるに当たりまして、家計のその投資対象として我が国の魅力を高めまして、我が国に投資が向かいやすい経済環境を整えていくこと、これが重要であると考えております。
この点につきまして、岸田内閣では、世界的に不確実性が増大して民間投資への逡巡が懸念される中、政府が民間の予見可能性を高めるため、民間投資の呼び水となる効果的、効率的な支出を思い切って行うことで民間投資を喚起することとしております。
例を挙げますと、GX分野におきましては、政府として今後十年間で二十兆円の先行投資支援を行うことで、官民合わせて百五十兆円のGX投資の実現を図ることとするなど、国内の投資の呼び込みに向けて戦略的に取り組むこととしているところであります。
また、国として必要な事業の実施に当たり、民間資金を活用し、その収益を民間に還元する手法として、神谷先生御提案のコンセッションがあることは承知をいたしております。このコンセッションを含むPPP、PFIにつきましては、令和四年六月にアクションプランが改定をされました。そのアクションプランに基づき取組を進めることとしておりまして、政府としてもこれを着実に実施していくことが重要であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/67
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068・神谷宗幣
○神谷宗幣君 答弁ありがとうございます。
今例としてGXも挙げられましたけど、私もいろいろ国民の声聞いていますけども、国民、別にGXの事業にそんなにお金投資してほしいと思っていないんですよね。それは外国に言われて、やれって言われているからやっているだけであって、国民は、さっき申し上げましたような国産のSNSとか国産で戦闘機造るとか、あと水道事業を外国資本に取られたくないとか、そういう思いが強いわけです。
本当は民間の日本の大企業がそういうことを勇気持ってやってくれればいいんですけど、もうそういった器量のある経営者もいないので、やっぱりこれは国策で国が旗振らないと民間企業も日本付いてこないと思うんですね。そうなると、利益のあるところに外国資本が入ってきて、そこで日本人の富が、日本でやっているんだけども富が流出しちゃうというふうな形になると思うので、是非ちょっと、せっかくこうやって国民の家計の資本集めて何かやろうという機運があるのでしたら、それによってやっぱり有効な事業を国が旗振りをして民間企業を引っ張って、かつてのように護送船団と言われてもしっかりと国民の富が国内で循環する仕組みをつくっていただきたいというふうに強く要望したいと思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/68
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069・堂込麻紀子
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。
茨城県選挙区の堂込麻紀子です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、岸田内閣の掲げる新しい資本主義の基本理念についてお伺いをいたします。
人への投資、技術への投資、スタートアップへの投資、これらの三つの投資を実現することを成長エンジンにして、これまでの資本主義のバージョンアップを行うというふうにうたっているかと思います。
新しい資本主義とは何を目指すのか、その基本理念が国民に明確に説明されてきていないように私にとっても思われます。昨年六月に新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画が閣議決定をされ、私もそちらを拝読させていただきましたが、個別の施策が列挙されているのは拝見したんですけれども、その根本にある思想というのが見えてきていないというのが実情でございます。
改めて、政府の掲げる新しい資本主義の基本理念、その思想は何なのかというところを明確にお示しをいただきたい。あわせて、それが今回の税制改正法案にどのように反映をされているのか、御説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/69
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070・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 岸田内閣が掲げます新しい資本主義の基本理念ということでありますが、官民が連携して社会的課題を成長のエンジンに転換するとともに、経済成長の果実を適切に分配し、人への投資を抜本的に強化することを通じて分厚い中間層の形成を図っていくことで、成長と分配の好循環を実現することにあると考えております。
そして、令和五年度税制改正におきましては、こうした基本理念に基づき、スタートアップエコシステムの抜本的強化、NISAの抜本的拡充、恒久化、企業の成長を先導する人材の育成を促す税制措置、極めて高い水準の所得について最低限の負担を求める措置の導入を始めといたしまして、より公平で中立的な税制を実現していくための税制措置などを盛り込んでいるところであります。
その上で、今回の税制改正とその新しい資本主義との関係について申し上げますと、スタートアップエコシステムの抜本的強化につきましては、社会的課題の解決を目指すスタートアップを含めて、投資を促し、社会的課題を成長のエンジンへと転換することにつながるものであると考えています。
NISAの抜本的拡充、恒久化につきましては、家計の資産を貯蓄から投資へと積極的に振り向けることで成長分野を後押しするとともに、ストック面における人への投資として分厚い中間層の形成にもつながるものと考えています。
そして、企業の成長を先導する人材の育成を促す税制措置につきましては、まさに人への投資を促進するものであると考えております。
これらに加えまして、極めて高い水準の所得について最低限の負担を求める措置の導入を始めとした、より公平で中立的な税制を実現していくための税制措置については、経済再生に向けた取組の礎たる社会に対する国民の信頼を高める意味があるものと考えております。
政府といたしましては、引き続き、税制も含めてあらゆる政策を総動員して、新しい資本主義の実現に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/70
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071・堂込麻紀子
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。改めて、経済の再生、そして国民の信頼を取り戻す、ここに注力を是非していただきたいと思っております。
まず、個人所得課税についてお伺いをしていきたいと思っております。スタートアップへの再投資に係る非課税措置の創設についてです。
保有株式の譲渡益を元手に創業した場合、また個人投資家が創業初期のスタートアップに再投資を行った場合、再投資分について最大二十億円までを非課税とする措置を設けようということです。スタートアップへの資金供給、新規創業の促進のためにもインセンティブを与えるということは理解できるのですが、一方で、最大二十億円という多額の非課税措置を設けなければならないほど、日本ではスタートアップへの資金供給、そもそもの創業が少ないという政府の問題意識があるのだと想像しております。
政府が策定したスタートアップ育成五か年計画において、米国では九・二%、英国一一・九%と比べて日本の開業率は五・一%にとどまっていること、また、事業会社によるスタートアップに対する投資額も、米国四百二億ドル、中国百十五億ドル、欧州九十億ドルに対して日本は十億ドルと、これらの国と比較しても極めて少ないということが指摘できると言えます。
このように、日本における開業率、スタートアップへの投資が低調であることの根本的な要因を政府はどのように把握、分析されておられるのか、御説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/71
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072・吾郷進平
○政府参考人(吾郷進平君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、日本の開業率あるいはスタートアップへの投資額、これ諸外国に比較いたしまして低水準にとどまっているという認識でございます。
開業率が低水準にとどまっております要因は、一つは、起業の失敗をしたときに個人保証を抱える危惧があるといったような金銭面でのリスクが高いと感じられている点、あるいは身近に起業家がいないというお答えをされる方も諸外国に比べて多いということで、起業マインドの醸成という意味でも不足をしているという点などが挙げられると考えております。
また、投資額が低水準にとどまっているという要因といたしましては、一つは、特に資金の集まりにくい創業初期のスタートアップの資金供給の担い手になります個人投資家による投資が不足をしている点、そして、その後、このスタートアップの成長を支えるベンチャーキャピタルファンドにつきましてもファンドのサイズや一件当たりの投資規模が小さい点、そして、ただいま御指摘のございました事業会社による出資という点につきましても諸外国に比べて低い水準にある点などが挙げられると考えております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/72
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073・堂込麻紀子
○堂込麻紀子君 では、最大二十億円もの譲渡益を非課税とすることについてですが、他の租税特別措置で同じような規模で課税所得への非課税措置が設けられているのか、またこの非課税措置による減収はどのぐらいの見込みになるのか、御説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/73
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074・住澤整
○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
我が国では、このスタートアップへの投資に係る税制措置として従来よりエンジェル税制という制度が設けられておりまして、この措置におきましては、非課税措置ではございませんが、限度額を設けることなく、スタートアップへの投資額について、その年の株式譲渡益から控除した上で課税の繰延べを行うといったような手当てが行われているところでございます。
今般、これに加えまして、このスタートアップへの再投資分について、上限額二十億円まで譲渡益を非課税にするという措置を講ずるわけでございますが、これに類似する制度であります米国のQSBSというのがございますが、こちらの制度におきましては、一定の株式のこの売却益、スタートアップの株式でございますが、この売却益を一千万ドル、約十三・五億円まで非課税とするといったような内容になってございます。
今般の提案しております措置におきましては、QSBSのように単純にスタートアップの株式を譲渡した場合に非課税にするということではなく、保有する株式の譲渡益を元手に創業やプレシード、シード期のスタートアップに再投資をした場合に限って株式譲渡益を非課税とするという内容としておりまして、株式譲渡益に対する過度な優遇にならないような仕組みとしているところでございます。
また、減収見込額についてのお尋ねでございますが、今回の措置は譲渡益に関する措置でございます。これを導入することによる税収への影響については、将来の株価でありますとか、今回の措置が投資家の行動や株式の取引高に与える影響など、予測することが難しい要因が多々ございますので、影響額を見積もることは困難であるというふうに考えておりまして、譲渡益に関する改正増減収に関しては従来から計上していないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/74
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075・堂込麻紀子
○堂込麻紀子君 なるほど、ありがとうございます。
日本において開業率やスタートアップへの投資が低調であるというのは複合的な要因によると思いますけれども、その対応策の一つとして非課税措置とする理由、その措置がその要因にどのように作用するのか、非課税とする譲渡益の規模を最大二十億円とした根拠とともに御説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/75
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076・吾郷進平
○政府参考人(吾郷進平君) お答え申し上げます。
先ほども申し上げましたところでございますけれども、スタートアップへの投資額が不足しているという中で、とりわけ個人によるスタートアップへの投資額というのは、海外に比較いたしまして低い水準にとどまっていると考えております。
二〇二一年の個人投資家によるスタートアップへの投資額は、日本では、民間データベースINITIALによれば百三十八億円、一方、米国では、ニューハンプシャー大学の推計でございますけれども、三兆九千億円という、これだけの大きな差があるところでございます。
このような状況を踏まえまして、令和五年度税制改正におきましては、特にリスクが高く資金の集まりにくい創業初期のスタートアップに再投資する場合に限りまして、その再投資分について二十億円を上限として株式譲渡益に課税をしない制度を創設することとしているところでございます。この措置によりまして、創業初期のスタートアップへの個人投資家からの投資が大きく促進されるものというふうに考えております。
また、上限が二十億円とされた根拠につきましては、米国における類似の制度でございますQSBS、クオリファイド・スモール・ビジネス・ストックにおける上限額が一千万ドル、約十三億円、十四億円であることも参考にいたしまして、更なる投資促進の必要性に鑑みて、QSBSの規模を超える二十億円を上限とすることとしたところでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/76
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077・堂込麻紀子
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。
非課税措置の適用を受ける一部の方には大きな受益があるという一方で、国民全体が享受すべき税収が目減りするということにもなります。先ほど、減収がどれぐらいという予測はないということでしたけれども、政府においては、この非課税措置が我が国に与える政策効果について、数字を伴った説得力ある説明をする必要があるように私は思います。
スタートアップ企業への資金供給、また創業の促進という政策効果をどのように比較考量し、非課税措置を講ずるべきと考えたのか、具体的に御説明お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/77
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078・秋野公造
○副大臣(秋野公造君) ありがとうございます。
与党税制大綱を引用したいと思いますけど、スタートアップが社会的課題を成長のエンジンに転換して、持続可能な経済社会を実現する可能性を秘めているということを指摘されているわけでありますけれども、先ほどスタートアップの投資、日米と比較をして非常に低いといったような現状も示されたところであります。
政府においても、昨年十一月に決定をいたしましたスタートアップ育成五か年計画において、新しい資本主義の実現に向けて、スタートアップの起業加速と、オープンイノベーションの推進を通じて我が国にスタートアップを生み育てるエコシステムを創出するということを掲げているところでありまして、今回の措置は、先ほど目的も御説明をさせていただきましたけれども、米国のQSBSを念頭として、自己資金による創業やプレシード、シード期のスタートアップへ再投資した場合の優遇税制、これは米国以上のものをつくり、再投資分に着目をしつつ上限額二十億円まで株式譲渡益を非課税とすると、こういった措置を講じたところであります。
こうした措置が相応のリスクを伴うスタートアップ等への成長資金の供給を促す仕組みになっていると考えておりまして、政府としては、こうした環境整備を通じて我が国のスタートアップ育成に向けて取り組んでいきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/78
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079・堂込麻紀子
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。まさにスタートアップエコシステムが構築されるような仕組みということで、私もそれを注目していきたいと思っております。
続いて、NISA制度の抜本的拡充、恒久化についてです。
現行のつみたてNISAの機能を引き継ぐつみたて投資枠、そして一般NISAの機能を引き継ぐ成長投資枠を設けて二つの枠を併用可能にするというものですが、さらに、制度全体の総枠である非課税保有限度額、こちらを千八百万円まで拡充するとし、成長投資枠については、その内数として千二百万円まで保有することができる仕組みとなっております。
その成長投資枠について、投資可能な金融商品が幅広く、つみたて投資枠の対象の投資信託等と比べるとリスクが高い傾向があるとされ、長期に、そして安定的に資産形成をするという観点では余り合致していないというような見方もあるようです。
もっとも、成長投資枠の非課税保有限度額は総枠の内数であり、総枠全てをつみたて投資枠対象の投資信託に充てることも可能でございますので、成長投資枠をどの程度利用するかはあくまでも個人の判断に委ねられているということとなります。しかし、家計の安定的な資産形成の促進という観点からすると、総枠に占める成長投資枠の割合をどの程度に設定するかについては慎重な制度設計が必要であると考えております。
本改正における成長投資枠の上限額一千二百万円について、総枠一千八百万円の三分の二を占める設定をされていますが、成長投資枠の上限額を引き下げ、つみたて投資枠としてのみ使える金額の割合を大きくすることで安定的な資産形成の促進に重点を置いた制度とすることが望ましいと考えますが、この点、政府の見解をお示しください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/79
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080・堀本善雄
○政府参考人(堀本善雄君) お答え申し上げます。
委員御質問のとおり、成長投資枠、これはあくまでもつみたて投資枠の内数でございますので、千八百万全額をつみたて投資に充てることも十分可能ということでございます。
さらに、今回の改正においては、この成長投資枠なんですけれども、これの対象商品については、やはりNISAが安定的な資産形成を目的としているということから、例えば整理、監理銘柄の株式を除外するとか、あるいは信託期間が二十年未満であるものとか、あるいは高いレバレッジを掛けた商品、あるいは毎月分配型の投資信託、こういったようなものを除外するという措置を併せて講ずることとしております。
こうしたことで、新しいNISA、制度全体としては長期、積立て、分散の投資を基本とするんですけれども、成長投資枠については、例えば既に積み上がった預貯金、これに、投資に回したいという方とかがいらっしゃることもありまして、利用者一人一人のやはりニーズに応じた柔軟な投資を可能にしていくんだということで、各国民にとって使い勝手の良い制度にすると、こういう観点から千二百万円の非課税保有限度額を設定したと、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/80
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081・堂込麻紀子
○堂込麻紀子君 まず、その投資によるリスクを理解して円滑な資産形成を促進するという上でも、金融教育の必要性というのはますます高まるかと思います。
現在、民間の各金融機関においても金融教育に取り組んでいるところではございますが、金融広報中央委員会が展開する金融教育、そして民間金融機関が行う金融教育とが連携するなどして内容の整合性が取れているのかどうか、お伺いをさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/81
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082・堀本善雄
○政府参考人(堀本善雄君) お答え申し上げます。
委員御質問のとおり、我が国については、従来より金融庁、財務局、政府等による金融経済教育とか、あるいは学校、地方公共団体、あるいは先ほど御質問にありました金融広報委員会の活動、それから各業界団体や個別の事業者による活動と、様々な主体によって様々な地域で金融経済教育が行われているということでございます。
これらについては、金融庁としてもこれまで一定の連携を図っていくということをしてまいったんですけれども、例えば、適切な金融知識を身に付け、各金融商品のメリット及びリスクを理解するとか、あるいは長期、積立て、分散投資の効果とか、それぞれのやっていらっしゃるものに共通の教育内容もあるということでございます。
また一方で、この民間主体の金融経済教育活動については、中立性に対する懸念から受け手が敬遠すると、そんなようなこともあるというふうな状況になっていると思います。
そうしたことから、今般提出しました法案により金融経済教育推進機構を設置するということになったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/82
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083・堂込麻紀子
○堂込麻紀子君 時間も迫っておりますので、最後は質問というよりも、既に先ほど出ております質問内容になりますので、意見ということで御提案させていただきますが、二月二十一日、衆議院の財務金融委員会において鈴木大臣は、国際金融センターを目指して、魅力ある金融資本市場をつくっていくということで、そこにある日本の債券等も魅力のあるものとして投資をされるということも十分にあるといった御答弁がなされました。
しかし、投資家が投資先を選択する際の最も重要な基準は、成長ができ、利益につながるかどうかという点になります。国際金融センターの実現に向けて投資環境などをどれほど整備したとしても、日本企業に海外企業以上の成長が期待できなければ投資先として選ばれない可能性があります。
もし投資先が海外企業に向かうとしても、家計資産を押し上げるということであればそれでもいいと考えられるのかどうか。その点は先ほども御答弁ありましたけれども、日本企業の、改めて企業の価値向上、日本の市場への投資拡大を目指すというのであれば、今NISAの抜本的拡充が、その日本の企業の成長というところに、価値の向上というところに確実につなぐための具体的な施策を是非お取組をお願いしたいということで、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/83
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084・酒井庸行
○委員長(酒井庸行君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会をいたします。
午前十一時五十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114370X00420230316/84
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