1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年四月二十八日(金曜日)
午後一時開会
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委員の異動
四月二十七日
辞任 補欠選任
小沢 雅仁君 森屋 隆君
四月二十八日
辞任 補欠選任
神谷 政幸君 長谷川英晴君
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出席者は左のとおり。
委員長 松沢 成文君
理 事
こやり隆史君
中田 宏君
川田 龍平君
安江 伸夫君
委 員
赤松 健君
生稲 晃子君
神谷 政幸君
古賀友一郎君
島村 大君
田中 昌史君
長谷川英晴君
宮本 周司君
山田 太郎君
羽田 次郎君
村田 享子君
森屋 隆君
宮崎 勝君
梅村 聡君
田村 まみ君
倉林 明子君
国務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(消費者
及び食品安全)
) 河野 太郎君
副大臣
内閣府副大臣 大串 正樹君
大臣政務官
内閣府大臣政務
官 尾崎 正直君
事務局側
第二特別調査室
長 荒井 透雅君
政府参考人
消費者庁次長 黒田 岳士君
消費者庁政策立
案総括審議官 片岡 進君
消費者庁審議官 真渕 博君
消費者庁審議官 植田 広信君
消費者庁審議官 依田 学君
法務省大臣官房
審議官 保坂 和人君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/0
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001・松沢成文
○委員長(松沢成文君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、小沢雅仁さんが委員を辞任され、その補欠として森屋隆さんが選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/1
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002・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、消費者庁次長黒田岳士さん外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/2
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003・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/3
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004・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/4
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005・赤松健
○赤松健君 自由民主党の赤松健でございます。
質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
今回の景品表示法一部改正と景表法の五条三項の指定告示、こういう形で新たにステルスマーケティング規制を導入する件についても質問させていただきます。私、漫画家ですので、途中、クリエーター目線での質問もさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
まず、景表法の一部改正につきまして御質問いたします。
景品表示法は、昭和三十七年に独占禁止法の特例法として元々は公正取引委員会が所轄していたのが、平成二十一年に消費者庁に移管されて、直近では平成二十六年に改正されているものと認識しております。
今回の改正は、この間の社会情勢の変化に対応して、景品表示法全般の対応力を高める、これを目的としていると理解しております。そして、まさに景表法全般の対応力を高めるという点で、複数の点において改正案が出されております。
そこで、まず、今回新設される確約手続、これについて、これは元々独禁法に入っているものを参考にしたと伺っています。なぜ独禁法と同じタイミングで導入されなかったのか、なぜ今、ここ、このタイミングで導入になったのかと、御説明いただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/5
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006・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答えを申し上げます。
競争法の分野では以前から諸外国におきまして確約手続というものが導入されておりまして、平成二十六年十二月に取りまとめられた独占禁止法審査手続についての懇談会の報告書におきましても、確約手続について、競争上の懸念を効率的かつ効果的に解消することが可能となる仕組みであることから、導入についての検討を進めていくことが適当だというふうにされました。
そして、平成二十八年二月に署名されました環太平洋パートナーシップ協定、TPP協定でございますけれども、そこには、競争当局と事業者による確約手続に関する規定も設けられていたことから、国内法整備の一環として独占禁止法に確約手続が導入されることになったというふうに承知をしております。
他方で、景品表示法につきましては、これまで、調査を開始した以上、違反行為の早期是正や再発防止に向けた取組を自主的かつ積極的に事業者が講じようとしても、措置命令等を行う以外の法的な制度がございませんでした。そのため、自主的な取組が期待できる事業者の事案についても、重大かつ悪質な事案についても同じように消費者庁のリソースを投入せざるを得ないという、そういう状況が続いておりました。しかしながら、近年、景品表示法違反被疑事件の端緒件数が増加している状況にございます。それに対して、限られた消費者庁のリソースの中で景品表示法全般の対応力を高める必要があるということで、今回、確約手続を導入することを提案させていただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/6
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007・赤松健
○赤松健君 ありがとうございました。よく分かりました。
続いて、課徴金制度の一環として導入されている返金措置の促進として、電子マネーでの支払を可能とする改正が今回入っているものと思います。
衆議院の方でも話題に出ておりましたけども、電子マネーを可能とすることで、どの程度、どれぐらい返金措置が促進されるのか、もしも数字みたいなものがあったらお示しいただければと思います。
また、返金措置の促進として、電子マネー導入以外で何か検討されたことがあればお示しいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/7
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008・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
消費者庁が令和三年度に実施したアンケート調査によりますと、課徴金制度における返金措置を利用しないであろうと回答した事業者のうち約半数弱の方が、その理由として、自社で独自に消費者に返金を行う方が迅速に対応できるからという回答を選択しておりまして、その回答の割合が最も高かったという結果になっております。また、その際の回答の中で、現金の交付や銀行振り込みで返金するのが面倒であるためという回答を選択した方も二割弱存在したという状況でございます。
こうしたことから、今回の法改正では電子マネー等の交付による返金措置も新たに認めることにしておりまして、こういう形で返金措置のハードルを下げることで事業者の方のインセンティブを高めることとしたところでございます。
お尋ねの自主返金措置を利用するかどうかについてどの程度見込まれるのかという点でございますけれども、これは事業者の自主的な判断によることになってまいりますので具体的な数字でお示しすることはちょっと困難かと思いますけれども、改正法が制定された後は、自主返金措置において電子マネー等によることが可能になることも含めまして、改正法の内容については事業者に周知を図ってまいりたいと思っております。
また、もう一つのお尋ねで、返金措置の促進として電子マネーの導入以外で検討されたことがあればというお尋ねでございましたけれども、今回の改正法案では、現行法の自主返金措置につきまして、これは、違反行為の抑止策として導入された課徴金制度におきまして、本来国庫に納めていただく課徴金の減免を受けるという特別な恩恵を事業者に与えるものでございますので、領収書等による消費者の特定や返金申出に係る消費者への周知など、一定の厳格な手続、要件の下で行われることが必要であると考えておりまして、したがって今回の改正法案では、こうした自主返金制度の基本的な手続や要件は変更はしておりません。
なお、法制度といいますのは不断の見直しを行うべきであるということは論をまたないところでございますので、消費者庁といたしましては、今回の改正の施行状況を注視するとともに、関係者とも広く意見交換や情報収集を行いながら適切に対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/8
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009・赤松健
○赤松健君 ありがとうございます。
そのほかにも、直罰規定の導入とか課徴金制度の見直し、円滑な法執行の実現に向けた整備が改正事項になっておりますけども、これはいずれも法の対応力を高めるという点から周知などの運用面でもしっかり見ていく必要があると思います。
続きまして、ステルスマーケティング規制についての質問をさせていただきます。
ステルスマーケティング、いわゆるステマですよね、これ結構前から、例えば二〇一二年にペニオク詐欺事件というのがあったんですけども、そのときにもステマが社会問題として上がっていたかと思います。今回、二〇二三年の十月一日施行を目指して、広告であるにもかかわらず広告であることを隠す行為と、これをステルスマーケティングとして指定告示によって規制すると。国内では初めてのステマ規制になるのかと思います。
そこでお伺いします。今回なぜこのタイミングで導入に至ったのかと、これまず御説明いただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/9
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010・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
近年の消費生活のデジタル化によりまして、インターネット広告市場が拡大するとともに、SNSを活用した広告というものも広がりを見せているところでございます。そうした中で、広告であるにもかかわらず広告であることを隠す、いわゆるステルスマーケティングの問題が委員御指摘ございましたように顕在化をしているという状況でございまして、消費者庁の方では、昨年九月から有識者等から成るステルスマーケティングに関する検討会を開催して、対応を検討してまいりました。
そして、その検討結果の報告書を踏まえまして、本年三月二十八日に、景品表示法第五条第三号に基づいてステルスマーケティングを不当表示として告示により新たに指定したところでございまして、この告示は、御指摘のとおり、本年十月一日から施行予定というふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/10
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011・赤松健
○赤松健君 ありがとうございます。
ちなみに、諸外国では既にステルスマーケティング規制はあると認識しておりますけれども、諸外国よりも規制の導入がちょっと遅れた理由、これはどのようなものになるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/11
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012・真渕博
○政府参考人(真渕博君) 各国のステルスマーケティングに係る法制度は、それぞれの法体系又は社会状況によりましてその内容や導入時期が異なるものであるというふうに承知をしております。
先ほども述べましたとおり、ステルスマーケティングにつきましては、消費者庁では昨年九月から検討を開始してまいりまして、本年三月に告示を指定いたしました。今回の告示制定につきましては、消費者庁としましては、インターネット広告の適正化への取組の一環として、必要なタイミングでステルスマーケティングについての制度整備を行ったというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/12
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013・赤松健
○赤松健君 ありがとうございます。
次に、今お話しになりました検討会、これについて、ステマ規制に消極的な意見があったのかどうか。もしあったとすれば、具体的にどのようなもので、それに対して、それでもステマ規制をする必要性と許容性があるということについて消費者庁としてどのようにお考えか、お示しください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/13
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014・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
消費者庁で開催しました検討会では、ステルスマーケティングにつきましては、広告にはある程度の誇張、誇大が含まれるとの一般消費者の警戒心を生じさせない点において景品表示法の規制の必要があるという提言が出されておりまして、表示主体を偽るステルスマーケティングの規制そのものに検討会の中で消極的な意見があったというふうには認識はしておりません。一方で、この規制は包括的、抽象的な規制にならざるを得ない面がありますので、事業者の予見可能性を高めるためにも運用基準が同時に必要であるというような御意見が多くございました。
そこで、ステルスマーケティングに対する景品表示法に基づく指定告示を制定する際に併せて告示の運用基準を公表することによって問題行為の明確化を行って、事業者の予見可能性を高めることとしたという次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/14
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015・赤松健
○赤松健君 その運用基準がしっかり事業者の予見可能性を高めるものになっているかどうかということかと思います。
続きまして、今回のこの規制が表現内容の規制にならないのかということについて、運用基準でその点が明確になっているか、確認したいと思います。
私は漫画家ですので、まず漫画を例に取りたいと思いますけれども、例えば、ある商品とかサービスについて、事業者が漫画家に依頼して、漫画でそれらの商品などを宣伝する、こういうもの、これですね、今回この規制対象になり得るのか、確認させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/15
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016・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お尋ねにつきまして、一般論での御回答になりますけれども、景品表示法の規制対象となりますのは、商品、サービスを供給する事業者でございますので、例えば、映画配信サービスを供給する事業者が自己が供給する映画の内容についての投稿を漫画家などに依頼をして、その漫画家が依頼内容に沿った内容をSNSなどに投稿するなど、事業者がその表示内容の決定に関与したとされる場合であって、なおかつ事業者の表示であることが分からないのであれば、今回の告示の対象となり得るところでございます。
ただ、その場合でも、規制対象となるのはあくまで映画配信サービスを供給する事業者でございまして、投稿の依頼を受けた漫画家等は規制の対象とはなってこないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/16
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017・赤松健
○赤松健君 ちょっともう少し掘り下げてお聞きしたいと思います。
結局、何が広告になるのか、その範囲というのが難しいんですけれども、今回、景表法五条三号の、一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示について、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるものという指定がなされています。ここの、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示のその表示、ここに漫画が含まれ得るのか、つまり、景表法二条四項で規定、列挙されている表示の種類の中に漫画が含まれ得るのか、御説明お願いします。
あと、また、これらはいずれも媒体だと思うんですけれども、媒体以前に、どういう内容のものがこの事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示に当たるのでしょうか。今回の運用基準には明記があるのか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/17
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018・真渕博
○政府参考人(真渕博君) 景品表示法上の表示ですけれども、これは、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件について行う表示のことでございまして、新聞紙、雑誌その他の出版物、テレビ放送、インターネット等による広告まで全て含まれてまいります。お尋ねの漫画につきましては、それが紙媒体であれインターネット表示であれ、事業者が自己の供給する商品又は役務について行う表示に該当するのであれば、景品表示法上の表示に当たってまいります。
そして、景品表示法は第五条で事業者が不当表示を行うことを禁止しておりますけれども、その不当表示を行った主体とされるのは表示内容の決定に関与した事業者でございまして、ステルスマーケティング告示の運用基準では、どのような場合に事業者が表示内容の決定に関与したとされるのかなどにつきまして考え方を明らかにしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/18
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019・赤松健
○赤松健君 あと、そうしますと、商品や役務の宣伝になるものが広告となるという理解でよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/19
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020・真渕博
○政府参考人(真渕博君) 景品表示法の規制対象となる表示は、同法第二条第四項によりまして、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又はその他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示というふうに規定されておりまして、事業者による商品や役務の広告宣伝は表示に含まれますけれども、この広告宣伝だけが表示となるものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/20
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021・赤松健
○赤松健君 そうすると、広告宣伝以外でも、顧客を誘引するために行う表示全般が規制対象であって、それがメルクマールになるという理解でよろしいでしょうか。これ、事前のレクでそのように伺っておりますが、念のためここでも確認させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/21
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022・真渕博
○政府参考人(真渕博君) そのような御理解で問題ないと考えております。例えば広告宣伝以外のものでございますと、例えば値札とか衣類の品質タグとか商品の取扱説明書なども、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又はその他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示に該当すれば、景品表示法上の表示に該当してくるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/22
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023・赤松健
○赤松健君 そうしますと、顧客を誘引するために行う表示全般というものが結局どこまでのものか、都度の個別判断になってしまうと思います。例えば、新しい音楽を発表するときにインフルエンサーに歌ってもらうということは今回の規制対象になるのでしょうか。あと、インフルエンサーが歌っている動画というものが顧客を誘引するために行う表示になり得るのかと、これ御説明お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/23
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024・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
今委員御指摘ございましたとおり、景品表示法の適用は個別具体的な事案ごとの事実関係によりますので一概にはちょっと申し上げにくいところあるんですけれども、一般論として申し上げますと、CDなどを販売する事業者がインフルエンサーなどに対しまして自社の商品、役務について投稿することを依頼した上で依頼内容に沿った内容をSNSなどに投稿するなど、その事業者がインフルエンサーの投稿内容の決定に関与したとされる場合、例えばこの場合として、そのインフルエンサーの方に歌を歌ってもらうようにするような場合、こういう場合も含まれてくるかと思いますけれども、そういう場合であって、そのインフルエンサーの投稿がその事業者の表示と分からない場合には今回の告示の対象となってき得るということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/24
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025・赤松健
○赤松健君 そうすると、やっぱりそういう動画も場合によっては顧客を誘引するために行う表示に当たり得るということですね。
消費者保護のための今回のステマ規制については非常に重要と思っております。一方で、デジタル社会に伴ってプロモーション手段というものが多様化していますよね。したがって、どのようなものが広告になるのかある程度予測ができないと、プロモーション手段における表現が萎縮してしまう可能性があると思います。
この点を今後ガイドラインとかで示していくお考えありますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/25
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026・真渕博
○政府参考人(真渕博君) 今年三月に指定した告示に伴って公表しました運用基準でございますけれども、そこにおきましては、事業者の予見可能性を高めるため、事業者の表示に該当するかについての考え方、すなわち、どのような場合に事業者が表示内容の決定に関与したとされるのかなどの考え方を明らかにしております。
また、事業者の広告宣伝活動やインフルエンサーのような方の表現活動が萎縮することがないよう、告示や運用基準の丁寧な周知活動を行うこととしておりまして、既に事前の相談のような形で事業者からの問合せが来ているところでございますし、複数の事業者団体に対して説明会などを実施しているところでございます。
まだステルスマーケティング告示が施行されていない段階で運用基準の何か見直しのようなことに関する見通しをお答えするのは困難でございますけれども、本年十月一日からのステルスマーケティング告示の施行状況ですとか社会情勢などの変化を踏まえて、必要に応じて、その運用基準の見直しも含めて、適切に対応を行ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/26
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027・赤松健
○赤松健君 ありがとうございます。
先ほどから申し上げている顧客を誘引するために行う表示の内容、範囲については運用基準には示されておらず個別判断ということですので、事業者からの問合せに丁寧に対応することが重要だと思います。この点については、事前の消費者庁さんとのレクでしっかり対応しますということですので、重ねての確認は省略します。
では最後に、消費者法、消費者保護行政一般について、河野大臣にお伺いします。
近年、AIが広告を作る時代になってきています。例えば、広告塔のバーチャルを生成して、様々な広告展開が可能でコストも削減できるし、あと、広告塔が本業に専念して別で利益を得ることもできると。画期的だと思うんですけれども、他方で、フェイク広告の拡散とか、ネガティブな面も予想されます。その辺りの政府の消費者法の観点からの対策、これ検討されているか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/27
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028・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 最近のAI技術を見ると、もういろんなことが本当に低コストで簡単にできる、いろんなことが革新的に動いていくんだろうなと思う一方で、今委員がおっしゃったように、フェイクも、極めて精密なフェイクができて、実物と区別が付かないというようなことがあります。
これはもう広告だけでなく、今アメリカの大統領選挙でも話題になっていますけど、民主主義の危機ということにもつながりかねないということで、これはもう相当いろんなことを考えていかなければいかぬのかなと思いますが、消費者庁としても、今、消費者関連の法制、全般の見直しということについて検討をしているところでございますので、AIを始めとする様々な新しい技術というものをどのように捉えていくかというところも含めて、しっかり議論していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/28
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029・赤松健
○赤松健君 ありがとうございます。
最後に、デジタル化に対応した消費者教育という面で今後検討していることはありますでしょうか。また、特に若者に対して興味を持ってもらう工夫も必要だと思うんですよね。その点も含めて、どのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/29
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030・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) やっぱり若い人が見たいと思うようなものでなければならないと思いますし、余り一般論というよりは、もう身近な、こういう具体的なトラブルがあったという、ひょっとして自分にも起こるかもしれないと思われるようなものを取り上げていくのが大事なんだろうなと思います。
かつてはポスターとかチラシでしたけれども、今はもうみんなスマホを持っていますから、そういうものの出し方についても考えていかなければいけないのかなと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/30
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031・赤松健
○赤松健君 ありがとうございました。
質問を終わります。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/31
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032・村田享子
○村田享子君 立憲民主・社民の村田享子です。
まず、私、確約手続についてお聞きをします。
本法律案では、独占禁止法の規定を参照して、確約手続、導入をされております。この独占禁止法を所管する公正取引委員会は、この確約手続に関する対応方針を策定をして、事業者が作成をする計画に記載する内容について具体的な典型例を示しておりますが、消費者庁においてもこの方針を参考にしつつガイドラインを策定するというふうにお聞きをしておりますが、衆議院の法案の審議では、消費者庁は、消費者への任意的な返金は是正措置計画が十分なものであると認定する上で有益であるため、改正法成立後に策定するこの予定の運用方針にその旨を盛り込んでいきたい旨の答弁をされています。
この是正措置計画における返金についてお聞きをしたいんですけれども、この返金の手法については、消費者庁がその手法を定めて何かしら義務付けるものではなくて、あくまでも任意の返金として事業者が自主的に行うものということでよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/32
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033・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、確約手続におきまして、事業者が定める是正措置計画における返金は、任意の返金として事業者が自主的に行うものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/33
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034・村田享子
○村田享子君 この返金ということに関連をして、この本法律案では第十条第一項を改正をして、返金の措置の実施による課徴金の額の減額等に関して、この課徴金に関するその返金、これに関しては、金銭の交付に加えて、金銭と同程度の価値代替性を持ついわゆる電子マネーによってもその返金を認めることとしております。
この規定なんですけれども、今、先ほどの答弁でお話をさせてもらったこの確約手続で行う任意の返金においては適用するものではないという理解でよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/34
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035・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
御指摘の改正法案の第十条第一項でございますけれども、課徴金制度における返金措置の実施に関する規定でございまして、確約手続で行う任意の返金に関して適用されるものではございません。もっとも、確約手続におきまして、確約計画の内容として、事業者が消費者に対する返金の手段として電子マネー等によることは妨げられるものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/35
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036・村田享子
○村田享子君 今までの御答弁でいいますと、この是正措置計画での任意の返金においては手法を定めるものではない、第十条第一項の規定は適用されないということで、ただ、今御答弁の中にもありましたけれども、電子マネーの利用を妨げるものではないということなんですけれども、だとすると、この確約手続で行う任意の返金はある意味手法は何でもオーケーであると。何で今回、その第十条第一項に金銭と同程度の価値代替性を持つ電子マネーというふうに書かれているかと。やっぱりその意味は、その返金の方法において事業者が自分のところのポイントとかクーポンを使って返金できるようにしてしまうと結局は自社への囲い込みになりますよねということで、電子マネーにおいてもある程度制限を加えているのがこの第十条第一項の規定だと思うんですね。
そこの縛りが、是正措置計画における返金においては特に定めがないということになると、是正措置計画における返金においては、じゃ何でもいいの、自社のところでのクーポンでもいいのという話になってくると思うので、ここのところは私はしっかりガイドラインで、返金をするということだけではなくて、その返金の手法についてもしっかり見ていきますよ、そういった記載が必要なのではないかと思うんですが、これについて、大臣、御答弁お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/36
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037・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 確約手続における是正措置計画に消費者への任意的な返金が盛り込まれた場合、この是正措置計画が十分なものであると認定する上で有益だと考えておりまして、具体的な返金の方法についてもこれは当然、確約認定の際の審査の対象となります。
それで、この確約制度導入の趣旨は、事業者の自主的な取組で不当表示事案を早期かつ確実に是正をするということでございますので、早期の是正をすることを期待できる事業者がちゅうちょすることなく確約制度を活用できるよう制度設計をすることも大事だと思っておりまして、この返金措置の要件を厳格に規定して特定の返金方法をあらかじめ排除してしまうと、そうそうならないのではないかと思っておりまして、いずれにせよ、この返金措置を含めてこの是正計画措置が十分なものかというのを適切に審査をしてまいりますので、特に制限は設けませんけども、余りにとっぴなものは、それはちょっといかがなものかということになりますので、ただ、これならすぐできるというならそれでやってもらった方がいいわけでございますので、その辺は消費者庁としてもしっかり見てまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/37
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038・村田享子
○村田享子君 ありがとうございます。
しっかりその返金の手法についても審査をしていただくということで進めていただきたいと思います。
やっぱり、この返金ということが消費者のためになる返金であるべきだと私は思っています。そういった意味で、課徴金制度の一環としてこの返金措置が導入をされておりますけれども、これまで四件返金が行われてきたと聞いておりますが、この四件においてはどのような返金手法が使われてきたのか、実際に本当に消費者に返金されたのか、何かしらのトラブルはなかったのか、そういったことについて御答弁お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/38
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039・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
景品表示法に基づきます過去の返金措置といたしましては、課徴金納付命令における自主返金措置についてのものになりますけれども、消費者庁長官が認定した返金措置はこれまで御指摘のとおり四件でございまして、例えば、自動車の燃費性能に関して優良誤認表示であるとされた自動車製造販売事業者による返金ですとか、オンラインゲーム内によるアイテムの使用許諾に関して有利誤認表示であるとされたインターネットを利用した各種情報提供サービス事業者による返金といったものがございます。これら四件の返金された金額を合計しますと、約四億円ということになっております。
これら四件におきます返金方法でございますけれども、四件ともいずれも共通しておりますのは口座振り込みという形になっております。そのほか、現金書留といったような手法を取られた事業者もいるという、そのような状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/39
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040・村田享子
○村田享子君 今四件ということでございましたが、やっぱり自動車であったりオンラインゲームというのは、誰が購入したのかというのがすごくある意味確定しやすい商品でもあるのかなというふうに思います。
今後、その返金方法を考えていく上で、やっぱり誰が買ったのか分からないものについてどう対応していくのか、こういったところも検討しないといけないのではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/40
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041・真渕博
○政府参考人(真渕博君) 誰が買ったのかというところについて特定する際に、不当表示を行った事業者の中には特定しやすい事業者もいらっしゃると思いますし、メーカーさんなどのように流通業者を通じて販売しておられる方についてはなかなか難しい場面もあろうかと思っております。
そういう場合に、特に後者のような場合にどのように消費者にその返金措置があるということを周知するかということについては、消費者庁としても、相談を受けながら、しっかりと広く消費者に周知が行われるようにしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/41
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042・村田享子
○村田享子君 是非そちらの方の検討もお願いをいたします。
続いて、この確約手続の対象についてお聞きをします。
この景品表示法の検討会の報告書によりますと、その確約手続の対象として、意図せずに不当表示を行った事業者という記載があるんですね。この意図せずに不当に表示をするというのがいまいちちょっとイメージが湧かないんですけど、ちょっと教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/42
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043・真渕博
○政府参考人(真渕博君) ちょっと分かりにくい表現で申し訳ないんですけれども、意図せずに不当表示を行った事業者として想定しておりますのは、例えば、商品の根拠となるその実証実験を行った部署と実際に広告を作成した部署との間で連携が取れておらずに、図らずも広告を作成した部署が行き過ぎた表示を行ってしまったというようなケースを想定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/43
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044・村田享子
○村田享子君 そうですよね、一体どういう会社なのかなという何か気もするんですけど、そこは会社のやっぱりコンプライアンスの問題にもつながっているので、やっぱりそういうアプローチも必要なのかなと思います。
あわせて、この確約手続の対象として、悪質な事業者には確約手続を適用しない、そういった御答弁もされていますが、ここで言う悪質な事業者というのはどういったものを想定していますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/44
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045・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
確約手続による早期是正によらずに、措置命令、課徴金納付命令を行うことにより厳正に対処する必要がある悪質な事業者といたしましては、例えば、同様の優良誤認表示を繰り返し行っているような事業者ですとか直罰に相当し得るような不当表示を行っている事業者、こういったものを想定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/45
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046・村田享子
○村田享子君 今直罰のお話ございましたけれども、続いて、この直罰の導入についてお聞きをします。
今回、違反行為に対する抑止力の強化として直罰が新設をされていますが、消費者庁として、刑事罰が対処すべき悪質性の高い事案について具体的にどう整理をされているかということです。この直罰が規定をされている第四十八条を読みますと、優良誤認や有利誤認を規定している第五条と内容が同じになってくるわけなんですね。なので、優良誤認や有利誤認と認定されて措置命令や課徴金納付命令の対象となる事案というものが、この第四十八条の犯罪構成要件を満たすことになるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/46
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047・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
実際の直罰の適用に関しましては刑事当局ですとか裁判所において判断されるものでございますけれども、消費者庁といたしましては、まずは措置命令及び課徴金納付命令を厳正に執行して不当表示の是正に努めていきつつ、それらの行政処分では不十分な悪質な事例については、刑事罰で対処すべき悪質性の高い事案というふうに整理をしております。
どのような場合が行政処分では不十分な悪質な事例であるかにつきましてはなかなか一概に基準をお示しすることは難しいところでございますけれども、例えば、表示について根拠がないことを当初から認識しているにもかかわらず、あえて表示を行っているというような悪質な対応が見られるようなケースですとか、消費者への実質的な被害拡大のおそれがあるようなケースですとか、行政処分を行っても是正が期待できないといった要素を個別具体的な事実関係に照らして総合的かつ慎重に検討して判断することになるというふうに考えております。
また、今回導入する直罰は優良誤認表示と有利誤認表示に該当する不当表示のうち故意があるものが対象となりますけれども、優良誤認や有利誤認が認定されて措置命令や課徴金納付命令の対象となる事案においては、これは行政処分ですので、故意、過失は要件ではございませんので、必ずしも四十八条の犯罪構成要件を満たすものではないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/47
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048・村田享子
○村田享子君 今、こういった措置命令、課徴金納付命令の対象になる事案と第四十八条の構成要件について整理のお話をいただきましたが、消費者庁として調査をしていく中で、これはもう第四十八条の犯罪構成要件を満たす事案を把握した場合、やはり警察や検察へ告発していくことが私は必要だと思っています。
やっぱり、消費者被害に遭った方にお話を聞くと、やっぱり被害届を警察に提出しようと警察署に持っていっても、なかなかその犯罪構成要件を満たしているかはっきりしないということであったり、なかなか証拠がないから立証できないでしょうというようなことをやっぱり言われて、なかなか被害届を受け取ってくれないというようなお声も聞いているんですね。
そういった意味で、やっぱり消費者庁がびしっと警察に告発をすることで、やっぱりこういった今まだまだ救われてこなかった被害者のためになるというふうに私は思っておりますし、今回の不当表示に関して、今どんどん事案も増えているということですので、社会に警鐘を鳴らす上でも私は必要だと思っております。
こういった告発の活用ということを消費者庁としてどう考えていらっしゃるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/48
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049・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
消費者庁といたしましては、先ほども申し上げましたけれども、まずは措置命令と課徴金納付命令という行政処分を厳正に行って不当表示の是正に努めていきつつ、それらの行政処分では不十分な悪質な事例については、直罰の適用を求めて警察と連携を図ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/49
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050・村田享子
○村田享子君 今、警察と連携を深めていくということだったんですが、今回、不当表示がこういったことになるんですけれども、これまでもやっぱり、こういった告発に関して警察との連携、具体的に日常的に話はされているよというような理解でよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/50
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051・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
これまでは直罰に関する規定は景品表示法にはございませんでしたので、それほど密接に警察当局と情報交換を行っているという実態はございませんでしたけれども、様々な形で情報の共有、交換のようなことはさせていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/51
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052・村田享子
○村田享子君 是非、ここのところも引き続きよろしくお願いいたします。
今その第四十八条のお話をお聞きしましたが、次、今回のこの第四十八条の直罰と詐欺罪との関係についてもちょっとお聞きをしておきたいと思います。
刑法二百四十六条の詐欺罪においては、「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。」というふうにございますけれども、一般論として、この現行法上の詐欺罪との線引きというものがどんなふうに想定しているのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/52
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053・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
今御紹介ございましたとおり、刑法二百四十六条一項で詐欺罪規定をしておりますけれども、そこでは、「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。」というふうに規定をしております。改正後の不当景品類及び不当表示防止法四十八条一号は、ちょっと飛ばし飛ばし御紹介しますと、自己の供給する商品又は役務の取引における当該商品又は役務の内容について、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者を誤認させるような表示をしたときは、当該違反行為をした者を百万円以下の罰金に処する旨規定をしております。
犯罪の成否につきましては、捜査機関により収集された証拠に基づいて個別に判断されるべき事柄でございますけれども、あくまで今申し上げたような一般論として条文の違いのみから線引きの例を考えますと、優良誤認などの誤認表示がされた場合に、購入者が何らかの事情で誤認表示であることを知っていたけれどもそれを前提に物品を購入するなどした場合は、詐欺罪は成立はしませんけれども、景品表示法違反は成立し得る場合があるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/53
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054・村田享子
○村田享子君 今、一般的な線引きといってお話しいただきましたが、ちょっと法務省の方にも確認をいたします。
今回、一つの事案に、今回、直罰が導入されることで、一つの事案で本法律案の第四十八条と詐欺罪というのが同時に成立することも考えていらっしゃるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/54
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055・保坂和人
○政府参考人(保坂和人君) 犯罪の成否は、成立する場合の罪の個数も含めまして、捜査機関により収集された証拠に基づいて個別に判断されるべき事柄でございますので、一概にお答えすることは困難でございます。
まず、前提となります詐欺罪とこの不当景品類及び不当表示防止法違反の構成要件、先ほど消費者庁の方から答弁があったとおりでございます。その上で、一般論として申し上げますと、成立する罪、犯罪の個数につきましては、一般に構成要件を充足する数により判断され、その際、結果や保護法益、法益侵害の個数が重視される場合が多いというふうにされておりますので、これを前提といたしますと、お尋ねの二つの罪につきましては、それぞれの構成要件や結果等に照らしますと、両罪が成立するという、される場合はあり得ると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/55
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056・村田享子
○村田享子君 ありがとうございます。
直罰の導入がしっかり抑止力の強化となるように運用をお願いをしたいと思います。
最後に、外国執行当局との関係について質問をいたします。
今回、外国執行当局へ情報提供を行えるようになる制度が先行する特定商取引法を参照して規定をされておりますが、これまでこの特商法で何らかの実績や実効性というものがこの制度を通じて認められているものなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/56
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057・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 今御指摘の二〇二二年六月一日に施行された特定商取引法の外国執行当局への情報提供を行える制度、これにつきましては、その制度の円滑に実施するためには、まずはその外国執行当局との間で二国間の協力に関して合意することが必要でありまして、現在そのための協議を行っている段階でございます。
この協力の実現に向けて引き続き努力していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/57
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058・村田享子
○村田享子君 今二国間の協議をされているということですが、消費者庁として、今回こちらにもこの制度が導入されたということで、今後、外国執行当局との緊密な連携というのが必要と考えますが、現段階でこういった体制は整備されているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/58
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059・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) ちょっと繰り返しになりますが、まさにその二国間の協力について、合意に向けて協議を行っているという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/59
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060・村田享子
○村田享子君 体制についてもこれからということで、是非進めていただきたいと思います。
やっぱり、今インターネットも普及する中で、外国に所在している事業者とのクロスボーダー取引も増えていっております。外国に所在する事業者であっても不当表示をしていればこの法律の対象にはなるわけなんですが、実際、外国にある事業者であっても、日本に代理人がいたり代理店があればそういったいろんな調査であったりしていけるという話でございますが、全く日本に代理人もいない、先ほど、今日、悪質な事業者についても御答弁いただきましたけれども、やっぱり悪質なところほどある意味日本に代理人とかも置いていないケースが多いんじゃないかなというふうに思うんですが、こういったところも含めて、外国に所在する事業者に対する不当表示が確認されたときにどういった対応を今後していくのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/60
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061・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) 今御指摘のような状況におきまして景品表示法の執行性を高めるために、今回の改正におきましては、まず不当表示に対する措置命令について書類送達制度を導入することといたしまして、これにより、国内に拠点がなくても、領事を通じた送達若しくは公示送達、これはインターネットなんかも利用したりして行いまして、在外の事業者への行政処分の円滑な手続の実施を可能としたいというふうに考えております。
また、この措置命令は一般消費者に対しては注意喚起としての役割もありますので、たとえ直接届かなくても、その措置命令出すこと自体に意味があると考えております。
また、この措置命令は国内において効力を発しますので、この措置命令に従わない事業者がいたとしても、当該事業者は我が国においては我が国の一般消費者向けの不当表示の禁止を命じられることになりますので、これに従わない場合には措置命令違反の罪が成立し得るというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/61
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062・村田享子
○村田享子君 やっぱりインターネットというその特色もありますので、しっかり外国の事業者に対しても対応をお願いして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/62
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063・川田龍平
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。
引き続き、この法案についての質疑をさせていただきます。
今回の改正案で新設することとしております確約手続について質問します。
この継続中の違反被疑行為に係る通知を受けた事業者は、第二十七条一項の規定に基づいて、内閣府令で定めるところにより、その実施しようとする措置に関する計画、是正措置計画を作成して、内閣総理大臣の認定を申請することができます。この是正措置計画が認定されれば措置命令や課徴金納付命令を受けないこととなりますので、是正措置計画が認められるか否か、つまり計画の内容が大きな意味を持ってくることになります。
そこで、まず確認いたしますが、第二十七条一項で規定する内閣府令は、独占禁止法第四十八条の三第一項について、公正取引委員会規則の第八条で定めるような規定を想定しているんでしょうか。申請書の様式や法律で定めている認定の要件を示す書類の添付といった手続の進め方のようなものなのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/63
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064・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
御指摘の是正措置計画の認定手続に関する申請書の様式や添付資料といった細則につきましては、例えば今回の改正法二十七条第一項の規定による是正措置計画は、内閣府令で定めるところによるというふうにされておりますように、法案成立後、確約手続の適正、円滑な執行に向けて、法律の授権に基づく内閣府令を定めて明確化してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/64
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065・川田龍平
○川田龍平君 この独占禁止法の確約手続では、公正取引委員会が確約手続に関する対応方針を策定しています。その中では、法律で定められた措置内容の十分性と措置実施の確実性を満たす措置の典型例などが示されています。
景品表示法検討会の報告書では、この方針を参考にしつつガイドライン等で明確化を図るべきとしていますが、消費者庁として、独占禁止法と同程度の具体的な内容、このガイドラインなどで示すつもりなのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/65
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066・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
確約手続に関しましては、通知ですとか認定の要件が法定されておりますけれども、さらに、その運用の透明化ですとか事業者の予見可能性を確保する観点から、どのような事案、事業者を確約手続の対象とするのかですとか、認定要件についての考え方を明らかにする運用基準を策定してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/66
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067・川田龍平
○川田龍平君 この第二十七条第三項では、是正措置計画が、第一号で規定する、是正措置が疑いの理由となった行為及びその影響を是正するために十分なものであること、この措置内容の十分性ですね、それと、第二号で規定する、是正措置が確実に実施される見込みの、見込まれるものであることという、この措置実施の確実性、このいずれにも適合すると認めるときは、内閣総理大臣はその認定をするとしています。
この規定はかなり漠然とした、漠としたものになっていますので、具体的にはこの消費者庁の定めるガイドライン等に左右されることになるのではないかと思いますが、独占禁止法の確約手続では、ほかからの指揮監督を受けることなく独立して職務を行う公正取引委員会が明確化を図っていますが、消費者庁がこれ取り扱う確約手続では、例えばこれ、法律で定める要件の具体化というのは、これ政令で行うような慎重さが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/67
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068・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
ちょっと繰り返しになりますけれども、確約手続に関しましては、運用の透明性の確保ですとか事業者の予見可能性を確保するために運用基準を策定することとしております。
今回の改正法案におきまして、確約認定の要件に関して下位法令である政令への授権規定は置かれておりませんので、法律による具体的な授権規定もなく、法律の要件を政令で定めることは適当ではないというふうに考えております。ただ、運用基準で様々な事項を定める場合でありましても、パブリックコメントを実施するなど、関係者の意見を広く聞きながら策定をして、それに沿った運用を行ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/68
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069・川田龍平
○川田龍平君 次に、課徴金制度の見直しについて質問いたします。
本法律案で新設する第八条第五項では、違反行為から遡り十年以内に課徴金納付命令を受けたことがある事業者に対して、課徴金の額を一・五倍、四・五%の算定率にするとしていますが、原則の算定率は三%です。この算定率が三%ということは、対象商品、役務の売上額が仮に一億円の場合、課徴金額は三百万円となりますので、事業者からすれば課徴金による影響は少ないと感じます。
現行法で規定している原則の算定率では事業者に対する抑止効果がほとんどないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/69
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070・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
一般消費者に誤認を与える不当表示に対しましては、まず、そのような不当表示の取りやめなどを求める措置命令によって対応することになります。その上で、違反行為の抑止策として平成二十六年の改正法により課徴金制度が導入されましたけれども、そのような課徴金制度の趣旨は現在でも妥当するものだというふうに考えております。
そして、現行の課徴金算定率三%ですけれども、これは、平成二十六年の制度導入時に消費者庁設置後の措置命令事案における事業者の売上高営業利益率の中央値を参考に三%というふうにされましたけれども、課徴金制度導入後の措置命令事案における事業者の売上高営業利益率を今回調べましたけれども、その中央値が三・四%でございまして、制度導入時からほぼ変化はない状況でございます。
このような状況を踏まえまして、今回の法案におきましては、原則の課徴金算定率である三%を引き上げることとはしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/70
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071・川田龍平
○川田龍平君 この第八条第一項ただし書では、この規模基準を定めています。これは、課徴金の額が百五十万円未満となる場合には課徴金の納付を命ずることができないとするものです。百五十万円未満と聞くと、一見金額としては低く、妥当のようにも思いますが、この金額は課徴金の額であるため、先ほども申し上げたように、売上額の換算からすると五千万円未満の事業者と読み替えることができます。
課徴金対象期間にこの五千万円近くを売り上げた事業者に対して課徴金を賦課しないとするのは、この消費者を幅広く救うという観点から考えると妥当ではないと考えます。課徴金を賦課しないとする金額を引き下げることについて、消費者庁の見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/71
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072・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
繰り返しになりますけれども、不当表示の事案に対しては、まず措置命令によって対応することになります。その上で、課徴金制度が平成二十六年に導入されましたけれども、御指摘の規模基準につきましては、当時、全ての事案について課徴金を課すとなりますと、売上額が小さくて消費生活への影響が小さいと考えられる事案にまでことごとく課徴金を課すことになり、限られた行政リソースの事案の軽重に応じた柔軟な配分が困難になり、かえって重大事案に対する執行に支障を及ぼすおそれがあるといたしまして導入することとされたものでございまして、このような趣旨は現在でも妥当するものと考えております。
そして、課徴金制度導入時は消費者庁設置後の措置命令事案における事業者の売上額の中央値が五千万円であったことから、三%の算定率を踏まえて規模基準は百五十万円未満というふうにされました。その後、課徴金制度導入後における措置命令の対象となった事業者の売上額の中央値、これ今回調べましたけれども、それは約六千二百万円でございまして、やや増加したものの、課徴金制度導入時から大きな変化は認められないということで、今回の改正法案で百五十万円という規模基準を見直すこととはしておりません。
いずれにいたしましても、不当表示に該当し得る具体的事案に接した場合には、景品表示法に基づいて引き続き厳正に対処してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/72
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073・川田龍平
○川田龍平君 これについては、平成二十六年十一月の法改正における国会の附帯決議でも、衆議院、参議院それぞれ、課徴金制度の運用に必要となる人員の適正な配置を行い、十分な予算を確保するとともに、都道府県と密接な連携を取りながら進めていくことですとか、課徴金制度に導入に伴う事務量の増大が、措置命令等の執行に影響を及ぼすことがないよう、十分な予算を確保し、人員の適正な配置を行い、法の執行体制の強化や都道府県及び関係機関との連携の強化に努めることということで、参議院の附帯決議も付けられております。
これ、大変になるからということですと、やっぱりこの課徴金をちゃんと課さないと、やっぱり悪徳業者の取締りにはならないと思っておりますので、しっかりこれ人員配置をして、やはりしっかりやっていただきたいというふうに思います。
次に、衆議院において、課徴金の算定率、これを三%から引き上げるべきではないかという質問に対して消費者庁からは、課徴金制度導入後の措置命令事案における事業者の売上高営業利益率の中央値が三・四%であり、導入時からほぼ変化がないため現状の三%を維持するとの答弁を行っております。先ほども答弁ありました。
この売上高営業利益率の中央値を調べる際のこの母集団の事業者には、措置命令や課徴金納付命令をされたが、悪意を持って表示を行ったわけではない事業者と、不当表示であることを承知していながら利益追求のために表示を行った悪質な事業者が混在していると思います。悪質事業者であればあるほど安い原価で高く売る傾向があるかと思いますが、これ、いかがでしょうか。
悪質事業者に対する抑止効果を高める観点で捉えるのであれば、例えば直罰の対象となるような悪質事業者には、課徴金の算定率、これを引き上げてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/73
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074・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) もう明らかに実際と表示が違うのを分かっていてやっているような事業者は、これはもう措置命令などの行政処分ではこれはもうとても足らないだろうということで、社会的制裁という意味もあって直罰の規定を入れたわけでございますので。
この規制でずっとやるということではなくて、規制というのは不断の見直しをしなければいかぬものでございますから、まず今回これで施行をしてみて、もうちょっと、これでは緩かったということならば次のことをやっぱり考えなければいかぬというふうに思っておりますので、これで終わりというつもりは全くございません。状況を見ながらやっていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/74
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075・川田龍平
○川田龍平君 是非、不断の見直しを行っていただきたいと思います。ありがとうございます。
次、ステルスマーケティングの対応について一問させていただきます。
今回の改正案で新設された直罰や課徴金の対象は自ら商品又は役務を供給する者とされていますので、インフルエンサー等は原則としてそれらの対象となっておりません。
事業者が、この第三者、インフルエンサー等に対して広告であることの明確化を含め教育、啓発などを行ったにもかかわらず、当該第三者が広告であることを明確化せずに表示を行った場合、この第三者、このインフルエンサーなどへの責任を問うことができるのでしょうか。また、このような場合に当該事業者は行政指導又は行政処分の対象となり得るんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/75
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076・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
景品表示法の規制対象ですけれども、これは広告主になってまいります。本年三月二十八日に指定した告示につきましても、規制対象は同様に事業者、広告主でございまして、インフルエンサーは規制の対象外でございます。
また、事業者がインフルエンサーに対して、委員御指摘ございましたように、不当表示を行わないように教育を行っていたとしても、事業者の指示を受けたインフルエンサーの表示について、事業者がその内容の決定に関与したとされる場合であって、なおかつ事業者の表示であることが分からないのであれば、ステルスマーケティング告示に該当して、事業者の方が景品表示法上の規制対象となってくるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/76
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077・川田龍平
○川田龍平君 ちょっと告知をして、通知していなかったんですけど、通告していなかったんですけども、先ほど、電子マネー等の金銭以外での支払もこの返済措置において認めるということでしたが、この金銭以外の幅広い手段での返金を認めるという場合に、例えばこの不当表示を行った事業者以外に対して使えないポイントやクーポンなどでの返金など、顧客の囲い込みなどにつながるおそれがあるということで、この電子マネー等の金銭以外の支払手段も可能とする場合には、一般消費者の利益保護の観点から金銭と同程度の価値代替性を有する決済手段に限定するということですが、具体的にはどういったものが考えられますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/77
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078・真渕博
○政府参考人(真渕博君) 新たに許容される返金手段といたしましては、いわゆる電子マネー等の金額表示の第三者型前払式支払手段のうち、金銭と同様に通常使用することができるものとして内閣府令で定める基準に適合するものでございますけれども、具体的には、交通系電子マネーですとか、全国的に汎用的に利用できるギフトカードといったようなものを想定してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/78
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079・川田龍平
○川田龍平君 ありがとうございます。
本当に、不当にそういった利益保護の、一般消費者の利益がやっぱりしっかり保護されるようなものによってでなければ駄目だということはしっかり徹底していただきたいと思います。
大臣、ゴールデンウイーク中にアメリカに出張するということで、その前にこの週末にはデジタル関係のG7会議があって、その報告を国会の前にアメリカで報告するようなことになっているということのようですけれども、是非、日本のデジタル大臣として日本の国内にも是非報告していっていただければと思っております。
ありがとうございました。失礼いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/79
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080・安江伸夫
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。
景品表示法について質問させていただきたいと思います。
先ほどの委員の先生方の質問とも若干重複する部分もあるかと思いますけれども、順次通告に従ってお伺いをしていきたいと思います。
まず、近年、景品表示法違反に係る端緒件数が増加をしていると承知をしております。平成二十六年度には六千四百八十七件、令和三年度にはこれが一万二千五百七十件と、七年間で二倍近くに増えております。
その要因について、どのように認識をしておられるのか、確認をします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/80
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081・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
近年、オンライン取引が急速に活発化しております。例えば、国内における事業者、消費者間のオンライン取引の市場規模ですけれども、これは二〇一二年が九・五兆円であったのに対しまして、二〇二〇年には十九・三兆円というふうに増加をしております。このような中、二〇二一年にはインターネット広告費、これが新聞、雑誌、ラジオ、テレビを合わせたマスメディア四媒体の広告費を上回るようになってきております。
端緒件数の増加といたしましては、様々な要因が考えられるところかと思いますけれども、このようなオンライン取引の活発化や広告媒体の変遷といった社会情勢の変化と軌を一にするように端緒件数が増加してきておりますので、インターネット広告が主流となっていることも一つの要因ではないかというふうに認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/81
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082・安江伸夫
○安江伸夫君 その要因の一つといたしまして、事業者側の法令に関する知識が不足しているということも考えられるのではないかと思っております。
今回の改正内容も含めまして、景品表示法の規制内容に関する周知、また啓発をこの際強化をしていただきたいと思います。消費者庁の御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/82
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083・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答えを申し上げます。
今回の法律案が成立した暁には、改正法の内容はもちろんですけれども、景品表示法の規制内容も含めて、広く事業者への周知啓発を行うことを想定しております。また、事業者のみならず、若年層から高齢層に至るまで広く国民各層にも周知を図って、景品表示法の実効性の向上に努めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/83
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084・安江伸夫
○安江伸夫君 また、先ほど来出ておりますけれども、確約手続の導入というものが今回の改正の大きなポイントの一つでございます。
改めて、その導入、なぜ今回導入するのか、端的に確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/84
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085・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答えを申し上げます。
従来の景品表示法におきましては、我々、景品表示法違反の疑いで調査を始めますと、違反行為の早期是正や再発防止に向けた取組を自主的かつ積極的に講じようとする事業者であっても、そうでない事業者であっても、措置命令や課徴金納付命令を行う以外の法的な制度が存在しませんでした。
そこで、今回の改正において確約手続を導入することによりまして、長期間の調査を要する措置命令や課徴金納付命令を行うことなく、事業者の自主的な取組によって不当表示事案の早期かつ確実な是正を図っていこうとする、このような趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/85
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086・安江伸夫
○安江伸夫君 早期かつ確実な是正を図っていくということで確認をさせていただいたその上で、今回の確約手続は、その違反行為等の実態に照らしまして、本来的には措置命令や課徴金納付命令等の対象となるべきところ、例えば、意図せずに行いましたと偽って実態を隠蔽するなど、悪質性を糊塗する目的での濫用も懸念されなくはありません。
制度の利用に当たっては、こうした濫用事例、そうした懸念を払拭をしていただきたいというふうに思います。濫用抑止の方策について、消費者庁に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/86
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087・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
今回導入する確約手続は、事業者が策定した確約計画が違反の疑いを是正するために十分なものであるという措置の十分性、これと、確約計画が確実に実施されると見込まれるという措置実施の確実性を要件としております。このため、不十分な確約計画を行おうとする事業者や認定された確約計画を実施しないと見込まれるような事業者については、確約計画の認定には至らないということになっております。また、確約計画が認定された後にそれが実施されていない場合ですとか、虚偽の事実に基づいて確約認定を受けたような場合は認定が取り消されまして、通常の違反に係る調査手続が再開されて、措置命令等を行うことになります。
さらに、事業者の属性や事案の性質によっては確約手続の対象からそもそも除外する必要があるというふうに考えておりまして、どのような場合が対象とならないかについては、先ほど来議論されておりますけれども、確約手続の運用基準において今後明らかにしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/87
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088・安江伸夫
○安江伸夫君 濫用事例がないように、しっかりと対応していただきたいというふうに思います。
もっとも、厳正さを期するばかりでは、先ほどもありました確約手続の対象の選別や是正計画の認定、これらに時間を要していては、先ほど確認をした迅速に不当表示の問題を改善するという趣旨も没却されてしまうのではないかというジレンマもあるかと思います。濫用事例等をしっかりと抑止しつつも、手続の迅速性ということも確保をしていただきたい。
そのためにも、今後策定されるガイドラインでは、できる限り対象を明確にするなど、的確に運用できる体制も併せ、十分に整えていただきたいと思います。消費者庁の御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/88
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089・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答えを申し上げます。
若干繰り返しになりますけれども、例えば、違反行為を繰り返す事業者による不当表示ですとか直罰に相当し得るような不当表示など、悪質かつ重大な事案については確約手続の対象とすることは想定しておりませんので、これについては確約手続の運用基準において明らかにすることを考えておりますが、確約手続の対象となった事案については、是正措置命令などを行う場合に比べて早期に問題の是正が図られることになると考えております。
いずれにいたしましても、確約手続の運用を含め、景品表示法の執行体制につきましては、必要な体制の確保に努め、引き続き不当表示事案に対して厳正に対処できるようにしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/89
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090・安江伸夫
○安江伸夫君 厳正な対処、お願いしたいと思います。
続きまして、先ほども少し出ておりましたけれども、課徴金制度における返金措置の弾力化について確認をさせていただきます。
返金措置について、電子マネー等も今回許容をされるということになりますが、改めてその趣旨を確認をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/90
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091・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答えいたします。
課徴金制度における返金措置の利用件数ですけれども、先ほど来の議論にもございますとおり、これまで四件にとどまっておりまして、事業者の利用が活発ではない状況にございます。その理由につきましては、返金措置を利用するかどうかは、制度上、事業者の自主性に委ねられているところでございますけれども、我々の方で行った事業者の意識調査におきまして、返金措置を使わないと思うという回答をした者のうち約二割が、その理由として、現金の交付又は銀行振り込みしか認められておらず面倒だからというような回答をされております。
こうしたことからは、返金措置として法律上認められている手段が金銭の交付に限定されていることによる手続のハードルの高さが一つの原因になっているというふうに考えられるところでございまして、今回の改正法案では、返金手段として電子マネー等の交付も許容することで事業者による制度利用のインセンティブを高めることとしたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/91
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092・安江伸夫
○安江伸夫君 改正の意義を確認をいたしました。
もっとも、電子マネー等による返金措置を拒否する、電子マネー等では嫌だという消費者の権利も保障されるべきと考えます。この点、改正法案の第十条第一項では、既に明文で当該金銭以外の支払の手段の交付を承諾した者に限定をされておりますので、当然のことが規定されているものと認識をしております。
その上で、具体的な手続保障もしっかりと行っていただきたいと思います。承諾の取り方いかんによっては、この条文が空文化してしまうおそれがないとは言えません。個別の消費者の承諾の有無を明確に確認をすべきというふうに考えておりますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/92
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093・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
今回の改正法では、金銭以外の支払手段を交付する場合は、消費者保護の観点から、そのような支払手段を承諾した者に限る旨の限定を付すこととしておりまして、これによって、電子マネー等による返金措置を拒否する消費者には、これまでどおり金銭で交付が行われるということになります。
この消費者の承諾を得ることは事業者が金銭以外の支払手段を交付するための法律上の要件というふうになっておりますので、事業者が個別の消費者の承諾を得るよう、当庁が返金措置計画を認定するプロセスにおいてしっかりと確認をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/93
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094・安江伸夫
○安江伸夫君 返金措置に関連しまして、河野大臣にもお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
今回の措置で確かに返金措置が促されることになろうかと思いますし、先ほども議論出ておりましたけれども、是正措置計画の十分性の認定にも資する要素にもなるということも確認をさせていただいておりますが、一層、この返金措置、利活用促進を期待をしていきたいというふうに思います。
そこで、今回の運用状況を踏まえつつ、改正後の運用状況等も踏まえつつでありますけれども、将来に向けては、不当表示による一般消費者の被害回復をより充実させるために、より強力な措置も含めて検討をされるべきではないかというふうに考えております。
例えば、返金措置について一律に義務付けることが困難であったとしても、その行為態様の悪質性や被害の重大性などの必要性の観点と、あるいは実際の可否、できるかできないかの許容性の観点などから、一定の条件下に返金措置の実施が強く要請されるなど、その利用を促進する方策も検討していくべきではないかというふうに考えております。大臣の御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/94
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095・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 課徴金制度における返金措置につきまして、義務付けをすると、裁判のような司法制度の手続を経ずに民事上の、何というんでしょうか、法律関係を認定することになってしまいますので、これはなかなか今の我が国の制度では難しいと思っております。
それから、この景品表示法という法律は、一般消費者を誤認させる表示を禁止させる法律でございますので、景品表示法違反が認定されたイコール個々の消費者の被害の認定ということではないものですから、事業者が消費者に対する返金の義務を負うというところでもないというところを考えると、これはなかなか強い要請を掛けるということも正直困難だというふうに思っております。
ただ、今回の改正法では、この返金措置の利用促進をやっぱり図りたいと思っておりまして、電子マネー等の交付も許容するよということで事業者からのインセンティブを高めるということで、改正法が成立した暁には、この返金措置の利用を促していくというようなことは考えてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/95
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096・安江伸夫
○安江伸夫君 大臣、ありがとうございました。
なかなか既存の法制度の枠組みの中では困難なことを申し上げているということの認識も十分にございますが、将来の検討課題ということで、まずはしっかりと利活用促進を強力に推進をしていただくことをお願いしたいと思います。
次の質問に移りますが、課徴金制度につきまして、先ほどもありましたその算定率、原則の三%は維持、また上乗せの算定率は四・五%と設定をされましたが、その根拠を端的に確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/96
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097・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
まず、三%が維持された理由でございますけれども、これは先ほどの質疑の中でもございましたけれども、課徴金制度導入前後における売上高営業利益率の中央値を比べまして、制度導入時からほぼ変化がないということで三%は引き上げることはしていないというところでございます。
他方、四・五%、上乗せの課徴金算定率四・五%と設定した理由につきましては、課徴金制度導入後、違反を繰り返す事業者が存在しておりまして、このような事業者に対しては現行の算定率では、抑止力として三%では不十分であるというふうに考えられますので、四・五%とする措置を講ずることとしたものでございます。
この一・五倍という加算の割合ですけれども、これは、同様に繰り返し違反に対して課徴金を加算している独占禁止法ですとか金融商品取引法においても一・五倍にしているということで、これを参考としたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/97
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098・安江伸夫
○安江伸夫君 根拠を確認させていただきました。
また、運用上の抑止力強化についても確認をしておきたいと思います。
景品表示法検討会の報告書におきましては、名称を変えて繰り返し景表法違反を行うような悪質な事業者への運用上の工夫や、違反行為の未然防止の観点から、措置命令の内容の工夫についても指摘をされているところです。
報告書におけるこれらの指摘をしっかりと踏まえた対応を求めたいと思います。消費者庁の御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/98
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099・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答えいたします。
御指摘の点につきましては、いずれも検討会報告書における提言を踏まえまして、具体的事案に応じて工夫ができるよう検討してまいりたいと思います。
また、消費者庁が所管する法律で特定商取引に関する法律ございますけれども、こちらの方では、販売業者等に対する業務停止命令や、役員とか使用人に対して一定の要件の下に業務禁止命令を行うことも可能になってございますので、問題のある表示の個別の実態を踏まえた上で、この景品表示法と特定商取引法、この両法律を適切かつ有効に執行していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/99
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100・安江伸夫
○安江伸夫君 ありがとうございました。
続きまして、課徴金納付命令の規模基準について伺いたいと思います。
現行のものが維持されるということは先ほども別の委員の質問にもあったとおりでありますが、その根拠として、御答弁にもありましたけれども、行政のリソースが限られており、全ての事案に課徴金を課すことになれば、消費生活への影響が大きい事案に対する執行に支障を来すといったこと等が挙げられておりました。もっとも、昨今の景品表示法違反ないしその疑いのある事案の増加傾向を踏まえますと、不当表示に対する抑止力は一層高めていくべきではないかというふうに感じております。他方で、売上額の算定に係る行政の負担につきましては、その推計規定を設ける等の軽減措置も検討に値するのではないかというふうに個人的には思っております。
いずれにいたしましても、今後も不当表示の実態に応じてこの規模基準の在り方については特に不断の検討を行っていただきたいと思います。消費者庁の御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/100
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101・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
規模基準につきまして今回維持することとした理由は、先ほどの質疑の中でも答弁させていただいたとおりでございます。
委員御指摘のとおり、法制度といいますのは不断の見直しを行うべきものであるというのは論をまたないところでございますので、消費者庁といたしましては、今回の改正の施行状況を注視するとともに、関係者とも広く意見交換や情報収集を行いつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/101
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102・安江伸夫
○安江伸夫君 やはり、その五千万円という一つの売上げの数字がありますけれども、やはり、それに近い形で売上げを上げている事業者が規制されないのはなぜなんだという、こういう声に対しては引き続き耳を傾けて不断の検討をお願いしたいというふうに思います。
さて、今回の改正によって直罰規定が設けられることになります。その趣旨を確認します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/102
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103・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
現行法上、不当表示を行った事業者に対しては、まず行政処分としての措置命令が行われて、さらに、措置命令に違反した場合の罰則というものはございますけれども、不当表示を行ったこと自体に対する直接の刑事罰というものを規定する規定はございません。
しかしながら、景品表示法違反に係る端緒件数を見ると、年々増加傾向にございます。また、事業者の中には、表示内容について何ら根拠を有しないことを認識したまま表示を行うなど、表示と実際に乖離があることを認識しながら違反行為を行うような悪質な事業者が存在するのも事実でございます。
このような状況におきまして、行政処分による抑止力だけでは不十分と考えられることから、より強い抑止手段として、社会的制裁を与えるために、優良誤認表示及び有利誤認表示を行った者を直接罰する規定を導入することとした、このような趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/103
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104・安江伸夫
○安江伸夫君 以上、違反行為に対する抑止力の強化について今回の改正内容を伺ってまいりました。
課徴金制度や罰則による抑止効果については、先ほどもありましたけれども、改正法施行後も不断の見直しを行っていくことは当然のことかと思います。そして、この際、我が国の既存法制度と整合性も考慮しつつ、海外の法制の調査研究もしっかりと行って参考にしていただきたいと思います。消費者庁の御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/104
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105・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
先ほどもお答えしましたとおり、制度の不断の見直しというのは常にしていかなくてはいけないというふうに思っておりまして、その際には、委員御指摘のように、我が国の法制度との整合性を考慮しなければならないのはもちろんでありますし、必要に応じまして海外の法制度も参考にしてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/105
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106・安江伸夫
○安江伸夫君 よろしくお願いをいたします。
検討会の報告書の中では、買取りサービスの考え方についても言及をされているところです。すなわち、買取りサービスが自己の供給する商品又は役務の取引として規制可能であることを明確化するため、運用基準の記載を見直す必要があると指摘をされております。
このことを踏まえまして、速やかに対応を徹底していただきたいと思います。その後の対応状況について確認します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/106
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107・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答えいたします。
買取りサービスにつきましては、事業者が消費者が保有する物品を鑑定等をして現金に換えるというサービスを供給していると認められる場合には、現行の景品表示法の適用が可能でございます。
しかしながら、景品類等を指定する告示の運用基準の中では、自己が商品等の供給を受ける取引は景品表示法の取引には含まれないとの記載があり、自己が商品等の供給を受ける取引の例示として古本の買入れというのが記載がございます。委員御指摘の景品表示法検討会の報告書においてこの記載があるため、買取りサービスに景品表示法が適用されるかが明確ではないとの指摘がございました。
こうしたことから、改正法が今回成立した暁には、施行準備の作業と併せて、速やかにこの運用基準についても記載を見直してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/107
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108・安江伸夫
○安江伸夫君 速やかにというふうに御答弁をいただきましたので、是非速やかに行っていただきたいと重ねてお願いをしたいというふうに思います。
さて、今回の法改正によりまして適格消費者団体による開示要請の規定も新設をされることとなっておりますが、まず、これが努力義務にとどまった理由について確認をさせていただきます。
あわせまして、要請の要件となっている疑うに足りる相当な理由という文言、これはどのような場合を想定しているのかも伺います。
加えまして、相当な理由があるにもかかわらずに要請に応じない場合について、例えば裁判における裁判官の心証形成にも影響を及ぼし得るというふうに理解してよいのか、以上三点確認させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/108
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109・黒田岳士
○政府参考人(黒田岳士君) まず、一点目でございます。努力義務にとどまった理由といたしましては、今回新設する開示要請規定は、現行法上、適格消費者団体に与えられている不当表示に対する差止め請求権の実効性を担保するために導入するものでありまして、この差止め請求権は民事の枠組みによるものでありますから、一方の当事者である事業者にのみ法的義務を課すというのは困難であると考えたことによるものでございます。
二点目の相当な理由、これは、単なる臆測や伝聞等ではない、逆の言い方をすれば、判断の裏付けとなる資料や合理的な根拠が存在している、もう少し具体的に申しますと、例えば、最近、特定の成分をもとに痩せるとか、逆に体の一部が大きくなるとか、除菌とか殺菌とか、そういった表示につきまして既に消費者庁が優良誤認等で措置命令をしているその命令書等が考えられるというふうに考えております。
最後、適格消費者団体の開示要請に相当な理由があるにもかかわらず事業者が真摯に応じない場合には、御指摘のとおり、差止め訴訟におきまして、裁判官に事業者側が表示の根拠を有していないのではないかとの心証を与え得るため、努力義務であっても、差止め請求の実効性確保の観点から一定の効果があるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/109
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110・安江伸夫
○安江伸夫君 大事な御答弁であったかと思います。ありがとうございました。
それでは、最後に河野大臣にお伺いをさせていただきます。
報告書の中では、いわゆるダークパターンについても言及をされております。昨今のデジタル化の進展等を受けまして、ますます看過できない重要な問題になると懸念をされております。また、越境ECが消費者においても相当浸透してきていることも踏まえれば、その国際的な議論、研究の状況、規制動向についてもよく注視をしていただきたいと思います。
昨年施行されました改正特商法につきましても、このダークパターンに対応した規制強化もなされているとも理解をしておりますけれども、引き続き、必要に応じまして、我が国としても世界に後れを取ることなく対応をしっかりとしていただきたいと思います。河野大臣の御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/110
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111・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) このダークパターンにつきましては、OECDの消費者政策委員会が昨年十月に報告書をまとめております。それで、今後はこのダークパターンが消費者にどのような影響を与えるかということを調査するための実証実験をやることになっておりまして、我が国もこの消費者政策委員会の副議長国でございますので、しっかり議論をリードしていきたいというふうに思っております。
このダークパターンの中にはもう景表法の有利誤認に当たると考えられるものがありますので、もう具体的にそういうものがあった場合には厳正に対処していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/111
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112・安江伸夫
○安江伸夫君 是非リーダーシップを発揮していただきたいと思います。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/112
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113・松沢成文
○委員長(松沢成文君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、神谷政幸さんが委員を辞任され、その補欠として長谷川英晴さんが選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/113
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114・梅村聡
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。
今日は景品表示法の改正案についての質疑ということなんですが、まず、景品表示法そのものについて質問をさせていただきたいと思います。
先ほども御紹介いただいたように、ネット広告の費用がテレビ広告を上回ってきたという、そういう御紹介がありましたけども、ただ、私は、テレビなんか見ていると、延べ時間というのは、テレビもむしろ、ショッピング番組みたいなのが特に夜中なんかはもう何かエンドレスでずっと流れているような状況というのも見ていまして、だから、そういう広告に関しては、まあSNSもそうだと思いますけど、非常にストーリー性があって、あるいは繰り返し同じ効果が長時間にわたって宣伝されているという、ちょっと新たな広告手法が広がってきているのかなというふうにも思います。
その中で、今日は特に質問をしたいのは、いわゆる打ち消し表示というものが出てきます。例えば健康食品なんかは、これは個人の感想ですとか、効果、効能を保証したものがありませんとか、これを打ち消し表示というんですが、個人的には、見ず知らずのおじさんの感想をあれだけテレビで流されてもそれはどうなのかという、これ個人的な意見としてはありますが、しかし、何らかの目的があってあれ書いているわけですね。感想ですとか、何か個人の見解ですとか、そういったものを付けて一体何をエクスキューズしているのかというのは正直非常に怪しいんじゃないかなというふうに思います。
その中で、消費者庁は平成二十九年七月にこの打消し表示に関する実態調査報告書というのを公表しておられまして、平成三十年六月にはその報告書等のまとめとして、打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点というものを公表されています。
この留意点の中にはどんなことが書いてあるかといいますと、例えば、一般消費者が打ち消し表示を見落としてしまうほど文字が小さい場合、打ち消し表示の内容を一般消費者が正しく認識できないと考えられると、こうした表示方法により、商品、サービスの内容や取引条件について実際のもの等よりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認されるときは、景品表示法上問題となるおそれがあると。
ちょっとぼやっと書いておられるんですけども、現時点で、この打ち消し表示の文字の大きさ、それから表示秒数、表示の位置、表現方法、こういったものというのは行政で何か規制をされているのか、あるいは業界団体の自主規制があるのか、それとも何も規制がないのか、これについてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/114
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115・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
景品表示法は、例えば優良誤認表示であれば、一般消費者に対して実際のものよりも著しく優良であると示す表示を不当表示として規制しております。著しく優良であると示す表示に当たるかどうかにつきましては、特定の文言ですとか文章などだけではなくて、表示内容全体から一般消費者が受ける印象、認識によって判断されるものでございます。ですので、同法は、特定の文字の大きさですとか表示秒数、表示位置、表現方法などを規制するものではございません。
したがって、例えば委員御指摘にございましたような、例えば個人の感想ですとか効果を保証するものではありませんといった表示があったとしても、表示内容全体から見て一定の効能、効果があるかのように一般消費者が認識するのであれば、それは優良誤認表示として景品表示法の規制対象となり得るところでございます。
もう一つお尋ねがございました業界団体による自主規制の有無でございますけれども、あまたある業界団体の自主規制がどうなっているかはちょっと調査し切ることは当然できませんけれども、景品表示法の制度の中で公正競争規約の制度がございまして、その公正競争規約を全て見たところ、打ち消し表示の文字の大きさや表示秒数、表示位置、表現方法などについて具体的に規定するものはございませんでした。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/115
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116・梅村聡
○梅村聡君 要するに、行政としても何も基準はないし、それから業界団体でもそういうものを決めていないという話だったと思います。
今の御答弁というのは、あくまでも全体で、広告全体で誤認をさせるかどうかということが問題だから、打ち消し表示だけを取り出して、これがどうだこうだということは今のところはされていないという答弁だったと思うんですけども。しかし、現実に、これ令和二年三月三十一日に消費者庁が、このEMS機器、EMS機器というのは、余り特定の商品の名前言っちゃ駄目ですけど、おなかの回りに巻いて、何かこう刺激をばあっとすると。そうしたら、おなかがへっこんで、みんなでわあってびっくりするっていう、そういうCMというか番組があるんですけども、特定の商品の名前は言いません、何とかスレンダーとか何かいろいろありますけども。ここに対するこの消費者庁が出した措置命令は、打ち消し表示が一部これ措置命令には絡んでいるんですね。
具体的には、実際に行われていた打ち消し表示について、一般消費者が表示から受ける効果に関する認識を打ち消すものではないとして、この景品表示法第五条第一号、優良誤認に該当すると認定されたわけです。だから、打ち消し表示そのものについて規制はないんだけども、これの措置命令は、打ち消し措置が不十分じゃないかということで措置命令を出しているわけですから、どういうんですかね、要するに、何も基準がないままでも現実的には命令を出しておられるわけですよね。
この景品表示法の第一条は、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とすると。これが目的なわけですから、そういったことから考えますと、やはりこの打ち消し表示については一歩踏み込んだ規制というものが私は必要だと思うんですけども、これに関する見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/116
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117・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
先ほども御答弁申し上げましたけれども、景品表示法上の優良誤認表示に当たるかどうかにつきましては、表示全体を見て、そこから一般消費者がどのような印象を受け、どのような認識をするかということを基準に判断するということでございます。
これまで消費者庁といたしましては、先ほど個別事例について御紹介ございましたけれども、打ち消し表示が含まれていたとしても、優良誤認表示として景品表示法に違反する事案については措置命令を行ってきておりまして、引き続き同法に基づいて厳正に対処してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/117
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118・梅村聡
○梅村聡君 私は、何らかの規制というのがやっぱり必要なんじゃないかなというふうに思います。
これ、何でかというと、まず、一般消費者側から見れば、あの表示が何を意味しているかということは正直よく分からないんですね。これ、聞くんです。あれ、あの表示、何のためにあるって聞いたら、中には、何か医薬品じゃないということを言うためにあれを出しているんじゃないですかという、そういう反応をしている消費者の方も結構おられます。あるいは、あの中身も、その痩せる話からいえば、ちっちゃい字で実は食事療法と運動療法を正しくした結果ですと書いてあると。どう考えてもそれの理由だろうと、それが理由で痩せたんだろうと思うけども、そこはちっちゃく書いてあるんですね。食事療法、運動療法、ほぼこれで痩せているんです。間違いないんです。だけど、おなかに巻いて何か何センチ痩せたみたいなですね。
これは、特定の業界を責めているわけじゃなくて、やっぱりあの表示というものが一般消費者からは何のためなのかよく分からないと。前提も何かたくさんのことが書いているということですから、やっぱり、そこを全く無視したままで一般消費者を守るということは私はやっぱりちょっとこれ難しいんじゃないかなと思いますので、是非検討を進めていただきたいなというふうに思います。
今のそのEMS機器のこの措置命令ですね、これをめぐって、日本ネット経済新聞、四月九日の中に、公益社団法人日本通信販売協会の専務理事の方のこういったコメントが載っているんですね。消費者に効能、効果を想起させるような商材については、事業者が広告表記に気を付けるしかない、ただ、消費者庁の基準が明確に示されておらず、事業者にとってやりづらいのは確かだと、この四社は、表記の裏付けとなる根拠として消費者庁に資料は提供したんだ、裏付けとなる資料は提供したんだけども、合理的根拠としては認められなかったと、なぜ認められなかったのかは事業者には分からないという。
ですから、出したんだけども、根拠は出したんだけど、措置命令は受けたと。でも、何でそれが認められなかったのか、何で措置命令を受けたかというのは自分らよく分からないと。やっぱり、分からないとなってしまうと再発防止とか改善にはつながらないんですね。
ですから、ちょっと二つお聞きしたいのは、この裏付けとなる根拠が妥当なものであれば景品表示法に違反しないよと、問われなかった可能性というのはあるかどうかということが一つ。それからもう一つは、何が悪かったのか、何が足りなかったのかということを事業者にちゃんと説明しないと多分再発防止にはつながらないと思うんですけども、この二点について見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/118
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119・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
ちょっと二つありますので長くなりますけれども、個別事案についてのお答えはちょっと控えたいと思いますけれども、景品表示法七条二項のいわゆる不実証広告規制というものがございまして、これは、消費者庁長官が、ある事業者の表示が優良誤認表示に該当するか否かを判断するために必要があると認めて、その事業者に対して、期間を定めて、その表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めた場合に、その事業者が何ら資料を提出しない場合ですとか、提出されたとしてもその資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合には、同項の規定によってその事業者の表示が優良誤認表示とみなされる、つまり不当表示とみなされるという規定でございます。
したがって、一般論といたしましては、不実証広告規制において、事業者が提出した資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められるのであれば、同項によってその事業者の表示が有利誤認表示とみなされることはないということになります。
もう一つは、その表記の裏付けとなる根拠の何が悪かったのか、何が足りなかったのかということを事業者に説明しないと再発防止にならないのではないかというお尋ねございましたけれども、一般論として申し上げると、不実証広告規制におきまして、事業者が提出した資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められなければ法律の規定によって違反とみなされるわけですけれども、この不実証広告規制につきましては、その運用の透明性と、あと事業者の予見可能性を確保するための運用指針を策定、公表しております。その中で合理的な根拠の判断基準についてもお示しをしております。
法律を適用して結果が出たときには、景品表示法に違反する行為を行った事業者に対して措置命令を行うに当たって弁明の機会を付与することになりますけれども、行われる措置命令の内容及びその理由についてあらかじめ説明する機会をそのような場で設けておりまして、御指摘のように、御指摘のその表示の裏付けとなる根拠とは認められなかった理由についてもそういった場で説明をしているところでございます。さらに、弁明に対していろいろ意見が出てきたものに対しましては、最後、措置命令を行う際に、なぜその弁明が受け入れられなかったのかといったことについても説明を行っているところでございます。
いずれにしましても、引き続き、不実証広告規制の活用を含めまして、景表法違反のものに対しては厳正に対処していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/119
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120・梅村聡
○梅村聡君 しっかり運用指針の中でされているということですけど、業界団体としてはそういう受け止めをされているということですので、やっぱりそこのコミュニケーションはしっかりやっていただければなというふうに思っております。
そうしたら、済みません、もう一つなんですけれども、じゃ、今度は打ち消し広告ではなくて、これもよくある広告の仕方なんですけど、従来品でトマトを切ったら中がぐちゃっと出てきたと、それで、この商品で切るとすぱっと切れ味いいですよと、こういうCMってよくあると思うんですね。鍋でも、油が、従来のあれは落ちないけど、ああ、これだったら摩訶不思議みたいな、こういう広告手法ってよくあると思うんですけど。これ、私は、この従来品というものが余りにも粗悪なんじゃないかなという、そういう広告をめちゃめちゃ私よく見るんですよ。昔の洗剤でももうちょっと落ちるでというのはあるんですけど。
これ、ちょっと一般論として聞くんですけども、この比較広告を行ったときに、一般的に考えて非常に劣悪な商品をコントロール群として採用して比較広告を行った場合、これは景品表示法に違反する行為に当たるのかどうかと。これ、料理器具とか清掃道具、台所用品なんかでよく見るんですけど、これは一般的にこの五条第一号違反に当たるのかどうかと、これ、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/120
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121・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
景品表示法の優良誤認表示はこれまでるる申し上げてきたとおりでございまして、今お尋ねのあった点につきまして一般論として申し上げますと、一般的に考えて非常に劣悪な商品を採用して、それとの比較広告を行うことが景品表示法の優良誤認表示の規定に当たる場合には景品表示法違反となり得るところでございます。
例えば、過去にあった事例について我々調べてみましたけれども、平成二十八年以降では、今御指摘あったような、一般的に考えて非常に劣悪な商品を採用して比較広告を行った場合が不当表示として措置命令が行われた事案というのはないということでございますけれども、いずれにしましても、引き続き、公正とは言えない比較方法を用いる事案を含め、景表法に違反するような事案に接した場合には厳正に対処していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/121
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122・梅村聡
○梅村聡君 余り取締りで意識されたことがないと思いますので、是非こういう観点があるということも御留意いただければなというふうに思います。
それでは、今回の改正の内容についても質問を続けていきたいと思います。
先ほどから、いわゆるこの課徴金ですね、課徴金と、今回、特に悪質なところが、割増し算定率、課徴金の原則算定率は三%で、そして割増しした場合は四・五%、これについては先ほどからずっと議論が続いておりますけれども。今回の法律のその一・五倍というやつですね、三%の一・五倍を四・五%と、割増し算定率ということを言われていますけれども、これ、参考にされた独占禁止法とか、それから金融商品取引法では、法律の中に一・五倍という文字が入っているんですね。ところが、今回は、一・五倍とは書かずに、答弁の中では一・五倍だとおっしゃっているんですけど、法律の中ではいきなり四・五と書いてあるんですけれども、これ、参考にされた法律には一・五倍と書いてあって今回の法律には一・五倍と採用していないこの理由についてはどうなっているか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/122
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123・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答えを申し上げます。
法律の規定ぶりをどのようにするかにつきましては様々あり得るところだというふうに考えておりますけれども、今回、割増し算定率の規定を第八条第五項に設けるに当たりまして、ほかに割増し算定率を設ける趣旨の法律である独禁法を参考としつつも、第一項の百分の三の部分を百分の四・五と読み替えることが簡明かつ明確であるというふうに考えましたので、今回の法律案のような規定ぶりにしたところでございます。
ただ、規定ぶりは異なりますけれども、いずれも原則の算定率を一・五倍に割り増すという点では変わりがないものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/123
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124・梅村聡
○梅村聡君 今回は特に変わりはないと思いますけれども、これ、大臣の答弁の中で、三%に定めた根拠というのがこれ衆議院でも何回も答弁されていると思うんですけれども、これは、制度導入時から実際に措置命令事案における事業者の売上高営業利益率の中央値が三・四%で、それがほぼ変わってないからという、こういう御答弁があったと思うんですけれども、これ変わってくる可能性があるんですよね。
変わってきたときに、一・五倍としておけば、原則の算定率を上げれば自動的に割増し算定率も、例えば四%になったら六%となるんですけども、そうでないから、もしこれ、将来的にこの中央値が変わってきたときには原則算定率も変えないといけないし、割増し算定率もそのときに独自で変えていくと。そのときに、一・五倍じゃなかったときに、いやいや、あのとき、あのときって今日のことですね、一・五倍と言っていたのに、どういう判断で、じゃ、これ二倍にしたんですかとか一・二倍にしたんですかと、こういう議論が出てくると思うので、そういった意味でいえば、一・五倍にしている、法律の中に書いておくということは、一定の、何というか、利はあると思うんですけれども。
そうしますと、今日確認をしたいんですけれども、将来にわたってこの原則の算定率を改正するとなれば、この割増し算定率も改正するということに同時になるということかどうか、それは一・五倍ということで現時点では間違いないということなのか、この辺についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/124
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125・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) おっしゃるとおりでございまして、原則が上がれば当然割増し算定率も一・五倍にするということでございます。
ただ、そのときに、先ほどから申し上げているように、余りに悪質なものがなかなか減らないとか、様々な場合にこの割増しの方をもうちょっと大きくするとか、そういう議論はあると思いますが、それを抜きにすれば、原則が上がれば割増しもその一・五倍に数字を変える、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/125
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126・梅村聡
○梅村聡君 ひょっとすると御答弁で、この一・五倍では抑止力が余りないから、将来はもっと高くするためにわざと一・五倍と書いてないのかなと勝手に僕は思ったんですけれども、ちょっとそういう背景もあるんじゃないかなというのは、これは僕の感想です、さっきの打ち消し広告じゃないですけど、感想として申し上げたいと思いますけど。そういう御答弁ということは、基本的には一・五倍で、将来的には改正していくというふうに理解をさせていただきました。ありがとうございます。
それでは、ちょっと時間が大分前半で使ってしまいましたので、この直罰規定について、これも先ほどから議論が出ておりますけれども、現行法でもこれ罰則規定というのがあるわけなんですね。すなわち、措置命令違反あるいは措置命令や課徴金納付命令等のために必要があると認めるときの報告徴収での虚偽報告等については、現時点でもこれ懲役や罰金というものを規定しているんだと思います。
これが、どれぐらいの事案で実際に現時点でこの罰金や懲役が科せられたのかという、そういった事例は今のところ、ちょっと私もいろんな方に調べていただいたんですけど、ちょっと消費者庁のホームページとかでも明らかではなかったので、現行法上でのこの罰則規定でどれぐらい懲役や罰金を科せられた事例があるのか、これまで年間平均何件ぐらいのそういった事案があったのか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/126
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127・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
今委員御指摘のとおり、現行法においても既に罰則規定はございまして、例えば措置命令に違反した場合は二年以下の懲役、三百万円以下の罰金が法定刑として定められております。これまで、消費者庁が行った措置命令に対し、従わなかったとしてこの刑事罰が科された事例はございません。
他方、報告徴収等での虚偽報告等についての罰則規定の運用の状況につきましては、個別事案ごとの調査プロセスに関わるものでございますので、ちょっとお答えは差し控えさせていただければと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/127
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128・梅村聡
○梅村聡君 差し控えるのは、それはそれで個別事案だから結構だと思うんですけれども、実際にどのような事例で懲役や罰金が科せられて、それによってこの直罰規定、今回は直罰規定ですけれども、こういう罰則規定がどれぐらいちゃんと再発防止、あるいはそういう事案が起こらないかということをフィードバックしていただかないと、個別事案だから今日は差し控えるということを私は今日は認めますけれども、やっぱりそこがどうフィードバックしているのかということを、これ、今回直罰規定を入れる中ではやっぱり意識をしなければいけない、そう思っております。
ですから、今回この法案を提出する消費者庁としては、この直罰規定の導入でどれぐらいの効果を見込んでいるか、これが一つと、それから、消費者庁所管の現在の特定商取引法の規定、これを今回参照して直罰規定入れられたと思うんですけれども、そっちの方の法律ではどの程度の抑止効果を現時点で上げていると認識をされているのか、これを最後にお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/128
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129・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) この直罰規定でございますが、これはもう刑事手続として警察、検察、裁判所という手続になりますので、これはなかなか、どれぐらいの効果があるかというのを申し上げるのはこれはちょっと困難かなというふうに思っておりますが、今回の直罰規定も設けることで、これ社会的な制裁という意味合いもありますので、一定の抑止力にはなるだろうというふうに思っておりまして、我々としても、法律成立すれば、様々な事案をめぐって警察としっかり意見交換はしてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/129
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130・梅村聡
○梅村聡君 どれだけの効果を生んだかという検証が大事だと思いますので、また警察庁ともしっかり連携をしていただきたいということを述べまして、質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/130
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131・田村まみ
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。今日はよろしくお願いいたします。
まず初めに、法案の質疑に入る前に、一問だけ、食品ロスの削減について大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
というのも、四月の四日の衆議院の消費者問題特別委員会では、フードバンク等への食品寄附を促進するために、食品提供者への税制優遇や免責制度について大臣から前向きな答弁があったというふうに、私は議事録を読んでいて受け止めました。
これまで何度かこの消費者問題特別委員会でも消費者庁担当大臣にお伺いしているところを、調査をしているというところまででとどまっていて、なかなかその検討というところとか、もうやるつもりで進めているというような感じの答弁が聞けなかったというふうな認識でしたので、改めてこちらでお伺いしたいんですけれども、その検討というところでいきますと、各省庁横断的に話し合わなければいけない内容も含まれているので、いつまでというのは具体的には難しいのも承知はしているんですけれども、この検討体制、消費者庁で検討会を設置するなどで、もう少し具体的にその検討というところがどういう部分なのかというところをお伺いしたいなと思って今日は質問します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/131
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132・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) アメリカですとかフランスですとか韓国でいろんな、何ですか、免責に関する制度やら何やらを設けておりますので、今それを一生懸命調査をさせているところでございますが、当然、それを調査するということは、我が国でもそういうことをやらにゃいかぬなというふうに思っているところでございまして、具体的には、食品ロス削減推進法の第二十条の一項で食品ロス削減推進会議というのがございます。これ、今、私と農水大臣、環境大臣などの関係閣僚、それから有識者なんですけれども、この免責の議論をするということになりますと民法の特例みたいなことになりますので、一応この間、法務大臣にこの会議に入ってくれというお願いをしたところでございますので、鋭意ここで議論をしていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/132
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133・田村まみ
○田村まみ君 衆議院の中での議事録以上に私は大分進んでいるなということを今伺って、理解しました。
サプライチェーンにおける食品廃棄の問題については、どうしてもその食品関連業者の納入期限の部分だったりとか賞味期限の大くくりの部分だったりというところの、まあそこまでは、途中の出口のところは随分見直しが進んでいると思うんですけれども、それでもといったところに対してがずっとこの検討中というところ、調査中というところになっていたと思いますので、今民法のところまで踏み込んでの御答弁あったというふうに思いますので、是非、今度はスピードも持ってお願いしたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、法案についての質疑に入ります。
相当この景表法の問題についてはもう皆さん触れていただきましたけれども、私が一番気になっているのは、改正案の第八条の部分で、違反行為を繰り返す事業者に対して課徴金の額を一・五倍に加算すると。まあ、抑止力強化のための規定が新設されているというのは一つ効果が高まるんだろうなというふうに受け止めています。
しかし、そもそも課徴金制度には、課徴金額が百五十万円未満、つまり売上額の五千万未満の場合には課徴金が適用されないという規模の基準というものが設定をされています。このため、例えば同一の主導的人物とか企業名を出して、売上げが五千万を超えそうになったら看板だけを掛け替えて違反行為を繰り返すなどの脱法行為の抜け道が残るというふうに私は今考えています。
改正案の第四十八条では、意図的にだますような悪質な事業を想定して百万円以下の罰金の直罰規定も新設していますけれども、これによって私が前段で指摘したような脱法行為、これが取り締まることができるのか、消費者庁の認識を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/133
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134・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答えを申し上げます。
今委員御指摘ございました課徴金が課されない規模基準というものがございますけれども、これが設けられた趣旨は、先ほど他の委員で答弁させていただいたとおりでございます。
この課徴金の計算をするに当たっては、その課徴金の計算の基礎となる売上額を把握しますけれども、その売上額につきましては、不当表示が行われた商品、役務の不当表示が行われていた期間の売上額でございまして、これは個別の事案ごとに法と証拠に基づいて認定される以上、事業者が課徴金逃れのためにこれを左右できる性格のものではないと考えております。したがって、課徴金納付命令における規模基準の設定が悪質事業者による脱法的行為の逃げ道となるものではないと、逃げ道となるものとは考えておりません。
その上で、今回の法改正におきましては、悪質事業者に対するより強い抑止手段として、御指摘ございましたとおり、社会的制裁を加えるために直罰規定を導入するなどしておりまして、悪質な事業者に対しても、引き続き必要に応じて警察との連携を図りながら、引き続き景表法に基づいて厳正に対処してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/134
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135・田村まみ
○田村まみ君 この課徴金制度のところにまでたどり着いたらというところで今日お伺いしたんですけれども、そもそも、今回、確約手続も入りました。ここの確約手続も今日幾つか質問がありましたけれども、景表法違反の事実の情報提供の件数に対する調査件数というのは全体の五%以下であって、措置命令件数は調査した中の一〇%前後で、残りの大半は指導という処理状況だという指摘があります。実際には、そこにたどり着くまでのところの対応というのが私は大変重要になっていると、重要になっていくというふうに思います。本当に、消費者庁のこの調査に当たらなかったもの、ここもどれだけチェックできるかというのは本当に難しい、限られたリソースということも何度か答弁でありましたけど、ここをどうやって対応していくかということも考えていかなければいけないというふうに思います。
少なくとも、これら国が得た情報のうち、違反ないしはそのおそれが認められて情報提供者の同意が得られる情報については、できれば適格消費者団体にしっかり情報提供もして連携していくというような対応もこの手前の部分で必要だというふうに思いますので、是非、この連携のところ、今回、開示要請規定の導入の部分については努力義務などでとどまる部分も多いんですけれども、しっかりとやっていただきたいというふうに思います。
済みません、今、人員の問題、限られたリソースでというふうに触れたので、一つ先の質問をしたいと思います。
消費者庁の執行体制について伺います。
これ、毎回、消費者担当大臣の所信表明の後に消費者庁の人員体制の問題というのは必ず議論というふうになると思うんですけれども、今触れた確約手続の導入、これも、そもそも消費者庁の人員体制が少な過ぎるというところが起因しているというのは幾つか答弁でももう出ているわけです。先ほどの取り上げた例でも同様です。今回の改正で確約手続が導入されても、是正計画の内容の妥当性や実施状況のチェックなどでやはり人員は必要となっていくというふうに考えています。
社会のデジタル化の進展やSNS等の発展によって、今日も話題になっていますステマを始めとして、景品表示法の規制対象も拡大、そして多様化していくわけですので、そもそも消費者庁の執行体制の大幅な強化、これ、人員増やすだけじゃなくて省庁の連携の仕方も私は重要となっていくと思いますけれども、大臣、その辺りの見解、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/135
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136・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 人員、定員は、これは国家公務員制度担当大臣、これも私でございますので、しっかりそこは二人で議論して、消費者庁の体制、しっかり強化してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/136
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137・田村まみ
○田村まみ君 その人数の部分もそうなんですけれども、デジタル庁ができる中で、デジタル上の、中での課題というところを消費者庁が対応しなければいけないというところでいくと、今、ちょっと私、具体的にはちょっと通告していなかったんですけど、今人数のところだけの答弁ありました。デジタル庁との連携なのか、それとも消費者庁の中でのデジタル人材というところを増やしていくというか教育していく方がいいのか、その辺りとかというのは、そういう意味で私、強化も含めてお伺いしたいなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/137
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138・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) それはなかなか難しい話でございまして、恐らくデジタル庁で何かやるというよりは消費者庁の中でデジタルが分かる人間をしっかり入れていくということになるんだろうと思いますし、例えば消費生活相談員の方々の中からもやはりデジタルに詳しい方というのを増やしていかなければいけなくて、それは多分、それぞれの自治体、都道府県に満遍なくいますというよりも、そういう方のところにそういう相談が集まるような仕組みというのをやっぱり考えていかないと現実的には回っていかないのかなというふうに思っておりますので、体制の強化についてもしっかりそこは考えてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/138
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139・田村まみ
○田村まみ君 ありがとうございます。
まさしく大臣がいつも言っている、何ですか、テレワークじゃないですけど、ここにいなきゃいけないということではないことができる、対応ができる人材だというふうに思いますので、是非柔軟な、このデジタルへの対応というところの人材についても、消費者庁内での育成、そして、何でしょうね、対応人数増やしていくだったり、地方の消費生活相談員の人たちもその求められる姿というのが全く変わってくるんだというふうに思いますので、そういう、何でしょう、定義も含めて検討いただければというふうに思います。
次に、もう一個前に質問しようと思ったんですが、今まさしくデジタル表示の規制の在り方についてをお伺いしたいというふうに思っています。
一月十三日に出された景品表示法の検討会の報告書では、デジタル表示の保存義務について次の意見が出ておりました。チラシなどアナログ表示と異なり変更や削除が容易なために、仮に不当表示が行われたとしても事後的な検証が困難であることが多いことから、デジタル表示を行う事業者には当該表示の保存義務を課す必要があるのではないかと。でも、一方で、考えられる対応の中には、あらゆる表示、サービスを供給する事業者が景品表示法の規制対象となり得ることから、現時点では、現実的に事業者の負担が大きく、慎重な検討が必要と考えられるということで、今回の改正案にもデジタル表示の保存義務については残念ながら盛り込まれることは見送られたというふうに承知しています。
二〇一九年に私この国会に送っていただいて以来、四年間消費者特の委員務めさせていただいて、毎年消費者関連の法案のこういう質疑にも立たせていただいて、消費者の皆様、代表の皆様、そして事業者の双方の方からお話を伺う中で、やっぱりこのネット上の規制とリアルでの規制というところでの一つの法律で何かやっていくというところの難しさ、限界みたいなことも、もうそろそろ皆さん気付いているというふうに感じています。このネット上の消費者問題に適切に対応していくというのは、消費者保護ももとよりですけど、やっぱりデジタル社会の実現に向けて私は重要な課題だと思っています。
河野大臣、デジタル大臣も兼任されていますので、この社会全体のデジタル化が進む中で新たに発生しているこのデジタル表示や、この消費者被害も含めてですけど、オンライン上での問題から消費者を守る、デジタル社会を形成するということを進めるための新たな規制、法律みたいな考え方を出していく時期に来ていると思うんですけれども、その辺りいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/139
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140・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) そうですね、リアルと比べてデジタルになると、やっぱり虚偽とか誇大表示がやりやすいとか、誰が作っているのかがよく分からぬとか、個人の感想なのか広告なのか区別が難しいというようなことがあります。それから、最近のこの生成AIを使えばもういろんなものが人手でやる何倍のスピードでがんがんできちゃうということを考えると、これはやっぱりちょっと将来的にいろんなことを考えていかないといけないのかなというふうに思っています、さっきの赤松さんの御質問にもありましたけれども。
これは広告の部分だけでなく民主主義に対する脅威にもなり得るということを考えると、やっぱりこのオンラインとかAIのような技術を使ったものとどう向き合うのか。これは多分、今の段階は、じゃ、規制しましょうというよりは、どう向き合っていくのというまず議論を積み上げていく段階なのかな、まあそれがいい悪いは別として。まずいろんな議論をした上で、こういう方向でやっぱりオンラインやらなきゃいけないよね、AIとはこう向き合わなきゃいけないよねという少しコンセンサスの積み上げというのが必要になってくるのかなというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/140
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141・田村まみ
○田村まみ君 ありがとうございます。
私も、赤松委員が御質問されていて、うなずきながら聞いていたんですけれども、河野大臣のあの答弁、より今詳しくしていただいたと思っています。
コンセンサスというのは、やっぱり新しいものに対しては、いきなり規制とかルール作るというよりかは、皆さんの理解がじわじわ広がっていく中でのルール形成されていくというのも一つの自然な成り立ちだと思いますし、それは周知をするというよりかは早い、決めたときの周知は早い方法だというふうに思っていますので、消費者の保護だったり消費者が自立的な消費活動を行うという意味でいけば私も今の進め方というのは大変同意しますので、是非、その議論が進むというようなところの見せ方というところも是非期待しておきたいというところを申し添えておきたいというふうに思います。
次、最後に、私もステルスマーケティングの対策について御質問をしたいというふうに思います。ちょっと時間がないので、一番最後、河野大臣にお伺いしたいところを先に聞いておきたいというふうに思います。
今日もずっと紹介がありましたけれども、景品表示法第五条の第三号の告示のところで出ておりますけれども、このステマ対策において一番大事なのは、やっぱり故意にステマを行っているような悪質な事業者や広告代理店を摘発して再発を防止していくというのが重要だというふうに思っています。
インフルエンサーには直接罰がないというようなことも確認もできているんですけれども、現場で行っているのはやっぱりインフルエンサーなわけです。例えば、インフルエンサーによる、まあ通報制度というよりも通報窓口だったりとか、やっぱり彼らは、常にネット上を見て、どういう発信をすると皆さんに届くかということを常にやっているわけですので、人材を育ててこちらで囲い込むよりかは彼らに協力してもらうというのが、私、一番大事な方法だというふうに思っています。
違法行為を見付け出す、摘発していく、再発防止に取り組んでいくという中でのインフルエンサーの位置付けというか、彼らの役割みたいなところを御答弁いただければというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/141
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142・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) この部分は、おっしゃるように、やはり端緒はいろんな方からの通報なんだと思います。これは、もうインフルエンサーにも限らず、一般の方からの通報ということだと思います。もう既に、消費者庁、通報窓口を設けておりますので、この通報窓口の存在を広く、それこそインフルエンサーに手伝ってもらって周知をして、そこでいろんな方から端緒をいただいてということになろうかと思いますので、広報の方をまずしっかりやっていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/142
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143・田村まみ
○田村まみ君 一番不幸な事例は、そのインフルエンサーの方たちがこのことを知らない、広告主に頼まれたことをしっかりと明記せずにそういう宣伝、喧伝してしまうというところ、で、彼らも悪気がないというのが一番悪い事例だというふうに私自身思うので、是非、広告代理店などには多分この窓口のことがよく知らされていると思うんですけれども、特段そのいわゆるインフルエンサーという人たちに何か届くような方法も是非検討をいただいて、その通報窓口ですよね、をもっともっと広めていただきたいなというふうに思います。
もう少し、十五分までの時間ですので。
赤松委員からも具体的に聞きたいということで幾つか聞かれていたんですが、私も、私は今度、スーパーマーケットで働いていた一人として、どうしても聞きたいことがあるんです。
スーパーマーケットで働いて、特に、そういう地域の暮らしに根差して小売業で働いている人たちというのは、従業員と同時にその消費者の一人でもあるわけですよね。ですので、自分の店で売っているものを買って、おいしいとか、いいなというふうに思ったときには、一般の消費者にも有益な情報だというふうに思っているのか、ただ知らせたいと思うか、まあ動機は別としても、発信をしてしまう、している人たちというのは結構いると思うんですよね。
ここが、どこまでがこの景品表示法の不当表示になるのか。自社の従業員ということにはなるわけですよね。だけども、じゃ、これが単純に一般消費者として、いいですよというふうに上げる、そうなってきたら、会社には頼まれているとは書いてないけどそこの従業員、ここってどうなるんだろうと。私は、これは、これまでの議論を聞いていても当たらないというふうには理解するんですけれども、そうなのかどうなのか。
それについて、萎縮するということは、本当に身近な人たちがいいものをいいって発信するのは私は消費者にとっても大変いいことだと思いますので、有益だと思いますので、萎縮しないような方向性での周知をお願いしたいというふうに思うんですけれども、消費者庁はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/143
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144・真渕博
○政府参考人(真渕博君) 萎縮しないような方向での対応をという点についてのお尋ねだったかと思いますけれども、今般のステルスマーケティング告示は景品表示法に基づくものでございまして、その告示の規制対象となるのは、同法、景表法で規定する商品、サービスを供給する事業者が行う表示でございまして、そのような事業者ではない者の発信は何ら同法の規制対象となるものではございません。この点は、告示の運用基準においても、事業者の自由な宣伝活動や第三者の自由な表現活動を不当に制約するものではないということを明らかにしているところでございます。
今後の告示ですとか運用基準の普及啓発活動の中では、こういった点もしっかりと周知していきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/144
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145・田村まみ
○田村まみ君 告示運用基準を読んで理解できるのはなかなか難しいので、実態の例をどんどん示していただきたいということを最後にお願いして、終わりたいと思います。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/145
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146・倉林明子
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
景品表示法違反の端緒件数は倍増ということになっているんだけれども、年間調査件数、措置件数というのは横ばいという現状です。
端緒の把握から課徴金調査の終結までの平均処理日数、そのうち課徴金納付命令を行った事案の平均処理日数、これ、それぞれ何日かということと併せて、最長処理日数というのがどの程度になっているのか、中身を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/146
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147・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
景品表示法検討会報告書において既に公表されているところでございますけれども、端緒の把握から課徴金調査終結までの平均処理日数は五百七十五日というふうになっております。そのうち、課徴金納付命令を行った事案の平均処理日数は七百一日となっております。
また、課徴金納付命令を行った事案の最長処理日数については、個別事案の調査についての情報になりますのでお答えは控えたいと思いますけれども、先ほど申し上げた七百一日というのは平均処理日数でございますので、七百一日よりも長い、二年を超えるような期間のものもあるというふうに御理解いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/147
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148・倉林明子
○倉林明子君 まあ平均でも一年ないし二年近くと、二年を超えるようなものもあるんだという御紹介かと思います。やっぱり迅速化は待ったなしというのがもう明らかだとは思います。
先ほども少し指摘ありましたけれども、消費者庁の体制強化ということで再々議論になっているようですが、この間でどう図られたのかということも確認したいと思います。課徴金導入前後の体制、どう変わっているのか御説明を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/148
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149・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
景品表示法を所管する表示対策課という課がございますけれども、そこの定員ですけれども、二〇一五年三月末時点、これ平成二十六年度末時点ですけれども、その時点で五十四名、二〇二三年三月末、令和四年度末時点で七十一名に増加しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/149
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150・倉林明子
○倉林明子君 まあそういう意味でいうと、なかなか足らぬということは明らかかと思います。体制強化もセットで、前向きな二人の大臣が相談しながらやるというような御答弁もありましたけれども、本当に対応を求められるということです。
消費者庁の体制だけじゃなくて、地方の体制もこれ強化必要だということは明らかだと思うんですね。衆議院の方でも議論ありまして、都道府県に権限が付与されて以降の九年間で、措置命令の件数は僅か十四都道府県の五十四件にとどまっているという指摘もありました。
そこで、改正法のこの実効性を確保していく上でも、消費生活相談員の確保、定着というのは本当大きな課題だと思います。前々回だったか、この消費者委員会、特別委員会の中でも多数の御意見が、御指摘があったかと思います。これ、ほとんどの消費生活相談員が会計年度任用職員に移行し三年目となりました昨年度末には、公募が実施されることで多くの雇い止めが発生をしております。調査もされているかとは思います。
雇い止め、再任用の件数及び年度当初、この年度当初がどうなっているかということですよね。充足率等について、つかんでいるところを教えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/150
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151・植田広信
○政府参考人(植田広信君) お答えいたします。
消費者庁では、毎年、地方消費者行政の現況調査というのを実施しておりまして、これ、毎年十月頃に集計、公表をしております。その中で、御指摘の相談員の処遇等も含めまして、地方消費者行政全般の実態調査を行っているところでございます。
消費者庁としては、これまでも、こうした実態、こうした実態も踏まえながら、任用回数に上限を設けないなど、いわゆる雇い止めの解消に向け地方自治体に粘り強く働きかけを行ってきたところでございまして、各自治体において消費生活相談員として勤務している方の多くが任期の更新回数の制限のない形で任用されているものというふうに認識をしているところでございます。
先ほど申し上げましたとおり、毎年の調査は十月頃に集計、公表をしておりますけれども、他方、御指摘ありましたように、令和四年度末が会計年度任用職員制度への移行三年目に当たるということもございますので、令和四年度末からの再任用や採用に係る状況については、今、速やかに実態を把握するべく照会中というところでございます。結果については、まとまり次第公表させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/151
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152・倉林明子
○倉林明子君 続けて任用されていたらそんなに減ることないと思うんだけれども、実態として相談員さん減っているんですよね。この五年間で三千四百二十四人が三千三百十三人ですから、これ百十一人、これ去年の数ですけどね。百十一人減っているというだけじゃなくて、深刻だなと思うのは、相談員さんがいない市町村、自治体の数がこれ逆に増えているんですね。これも、六百九十四、二〇二二年度でということですから、九十一これ増加しているということになろうかと思うんです。この数というのは、もう全市町村の四割に該当するわけですよね。
早くつかんでほしいというのは、こういう法改正も含めて、仕事は増えるんですね。スキルも必要になってくるということになるのに、現場際では定員割れというのはもうちょっと当たり前みたいに起こっている状況がありまして、本当にそういう実態つかみながら、迅速な対応必要だと思うんですね。
消費者行政の後退にもつながりかねないということで、先ほど来の、調査は毎年やっているということなんだけれども、実際として充足率のところもしっかりつかんでほしいし、これ、雇い止め、要は契約、会計年度の任用の契約期間がどうなっているか、次の雇い止めがいつ起こるかと。五年後が、五年にしているところもありますので、そういうところもしっかり継続的につかむ必要あると思うんですけれども、いかがです。速やかな実態把握求めたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/152
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153・植田広信
○政府参考人(植田広信君) お答え申し上げます。
御指摘のとおりでございまして、通常は十月に公表をしておると言いましたけれども、できるだけ速やかに実態を把握したいというふうに考えておるところでございます。御指摘のように、自治体で活躍されている消費生活相談員の方、もうまさに消費者行政の最前線でやっていただいて、相談業務を担っていただいているわけでございますので、しっかりとその能力に見合った処遇を実現する必要があると思いますので、その充足率も含めまして、しっかりと調査をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/153
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154・倉林明子
○倉林明子君 是非、早く数字も明らかにしていただきたいと思います。
一つ、消費者基本計画の工程表改定素案ということで、ここに全国消費生活相談員協会から取りまとめた意見というものが出されております。この中で一つ紹介したいと思うんですね。会計年度任用職員制度が導入されて三年と、消費生活相談員の処遇が改善されたのかと。実態は不明確で、処遇の悪化、人員削減、勤務時間の制限、労働環境の悪化、更新拒否、こういう状況があるという声も聞いているんですね。
消費者庁は、二〇二〇年度から相談員の資格試験対策講座ということで、いわゆる無料で資格を、講座を受けてもらって国家資格を受けてもらうということで、予算措置もとって実施してきたと。二年間の合計の実績について、予算、受講者数、合格者数、そして就職にいかに結び付いたか、つかんでいるところでお知らせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/154
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155・植田広信
○政府参考人(植田広信君) お答えいたします。
御指摘のとおり、消費者庁では、消費生活相談員資格の取得を目指す方を支援する消費生活相談員担い手確保事業を実施しておるところでございます。
令和二年度、三年度の実績の合計を申し上げますと、まず予算の執行額は延べ六千二百万円でございます。受講者数につきましては延べ二千五百十七名でございます。また、御指摘の合格者数、就職決定人数でございますけれども、これは受講者へのアンケートの結果に基づく数字でございますけれども、合格者数は延べ五百二名、就職決定人数は延べ十九名というふうに把握をしておるところでございます。
このように、有資格者でありますとか潜在的な担い手を増やすことを通じまして、自治体が必要な相談員を確保できるよう、また地域で消費者トラブルの防止の実効が上がるよう、こうした支援を効果を検証しながら充実させてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/155
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156・倉林明子
○倉林明子君 なかなか合格率も低くて、大変勉強もしないといけないんだという現場の皆さんの声もお聞きしたんですけれども、せっかくお金も使って、合格する人も五百人できたと。ところが、これアンケート調査だということですけれども、就職に結び付いているのが十九人しかいないと、これが実態なんですよね。なぜかというと、やっぱり処遇の問題が極めて大きいと思うんですよ。
衆議院で相談員の処遇について大臣が、抜本的な改革、何ができるか検討するように消費者庁に指示をしているという答弁をされておりまして、本当に前に進めていただきたいと思うわけですが、消費者庁だけではやっぱり限界があるというふうに受け止めておりまして、二人目の大臣の登場ももちろんですけれども、地方自治の職員処遇に関してはやっぱり総務省、そして財源確保については財務省ということでの協議も必要になってくると思うんですけれども、そこら辺の意気込みも含めてお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/156
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157・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) そこはおっしゃるとおりだと思います。先ほどの数字を見ても、五百人合格しているのに二十人弱しか来てくれないというのは、やっぱりこのキャリアパス、処遇の問題だと思いますので、その辺のところを。
やっぱり、やりたいと思っているけどちょっとこの条件ではと二の足を踏まれる方がいらっしゃると思いますので、そういう方が喜んで来てくれる、あるいはもう、この試験を受けて資格を取ってこの仕事をやりたい、倍率何十倍みたいな、まあちょっとそれは言い過ぎかもしれませんけれども、そういう憧れのキャリアに少しでも近づけていきたいと思っておりますので、そこはもう財務省、総務省、内閣人事局、いろんなところと協議をしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/157
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158・倉林明子
○倉林明子君 決意も聞かせていただきました。
すぐ次の雇い止めといいますか、会計年度任用職員の五年という期限はすぐやってまいります。そういう意味で、三年のところはその翌年にやってくるということになりますので、やっぱり会計年度任用職員の制度にこの仕事というのは全くなじまないと思うんですね。そういう意味で、相談員が自らの仕事に誇りを持って長く働き続けられる環境、もちろん就職してもらえるような環境もそうですけれども、必要だと思います。やっぱり、最前線の消費者行政の担い手として消費者行政を前に進める力にもなるということで、大いに前に進むことを見守っていきたいと思いますし、応援していきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、法案でさんざん議論もありましたので、私からは確認させていただきたいことを二つほどお聞きしたいと思います。
一点目は、確約手続について、違反行為の早期是正を目的とするということで必要なものかと思います。悪質事業者を対象から排除する必要があるということで、衆議院では、誤認の解消と法運用の透明性を図る必要から、事業者名だけでなく、違反のおそれがあった表示、確約計画により行われる措置の概要も公表することを想定ということに、答弁ありました。踏み込んで答弁いただいたと思います。
そこで、違反被疑行為、これは明らかになるかと思うんですけれども、認定された是正措置計画の概要、これ、どこまで公表していこうということになっているのか、御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/158
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159・真渕博
○政府参考人(真渕博君) お答え申し上げます。
確約計画を認定した場合には、御指摘のとおり、一般消費者の誤認解消を図るとともに、法運用の透明化を図る必要がありますので、今御指摘のあったような事項を公表することを想定しております。
具体的にどのような内容を公表していくかにつきましては、法律制定後に策定する確約手続の運用基準において明らかにしてまいりたいというふうに考えております。この運用基準を策定するに当たりましては、関係方面へのパブリックコメントなども踏まえて運用基準作っていくことになろうかと思いますので、寄せられた御意見なども参考にしながら作っていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/159
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160・倉林明子
○倉林明子君 しっかり被害防止にもつながっていくという観点からも、公表の範囲というのを広げるという方向で、基準についてパブリックコメントも含めて意見を聞いていくということですので、反映させていただきたい、広く公表できるようにということでお願いしたいと思います。
被害の回復についても伺います。
新たに電子マネー等の返金措置を認めるということで議論もありました。これ、消費者に対する自主返金を促すという点では不十分だと言わざるを得ないと思うんです。これ、事業者アンケート、消費者庁が取られたものがありまして、私も見せていただきましたけれども、これで、自主返金制度を利用しない理由ということで最も回答が多かったものは何かというと、独自に返金を行う方が迅速だというものなんですね。なるほどと思って見せていただきました。課徴金以上の費用や手間が掛かるという声も、返金、少なくありませんでした。
これ、被害者の被害回復のために事業者に自主返還を促すと、こういう観点からも課徴金の算定率というのを更に引き上げていくという方向での検討もすべきではないかと思います。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/160
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161・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) 今回は三%でございますが、今後、必要に応じて様々検討はしていきたいと思っております。
また、電子マネーその他の返金を認めることでこの返金のハードルが下がっていくということも想定をしておりますので、そうしたことの状況も見ながら今後の対応を考えてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/161
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162・倉林明子
○倉林明子君 引き続き検討もしていくということですので、いい答弁もいただきましたので、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/162
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163・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/163
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164・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、川田さんから発言を求められておりますので、これを許します。川田龍平さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/164
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165・川田龍平
○川田龍平君 私は、ただいま可決されました不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
一 不当表示の抑止に係る実効性の観点から、本法の施行状況について不断の評価を継続し、上乗せ課徴金算定率の導入、罰則導入等によって、不当表示に対する十分な抑止力が働いたか否かを改めて評価し、抑止力が不十分と評価された場合には、原則的な課徴金算定率の引上げ、課徴金対象期間の延長、規模基準の引下げ、罰則の強化等について検討すること。また、業務停止命令等が可能な特定商取引法の執行と連携し、表示違反行為に対して両法律を適切かつ有効に活用すること。
二 確約手続については、ガイドライン等により、確約手続を利用し得る事案・事業者の対象範囲や、消費者に対し妥当な額を算定して返金することが措置内容の十分性を満たすために有益であること及び確約手続の対象となった事業者名・事案の概要を公表することを明確にすること。また、法改正後にガイドライン等の詳細を速やかに明らかにすること。
三 ステルスマーケティングを景品表示法第五条第三号の指定告示事項として不当表示規制の対象に取り込んだ結果として、インターネットを始めとする通信技術の発達により今後も生起し得る消費者の自主的意思決定に不当な影響を及ぼす表示について、必要十分な抑止機能が働いているか否かにつき、関連する消費者被害の発生状況・態様を継続して注視し、必要に応じて告示・ガイドラインの変更を迅速かつ柔軟に検討していくこと。
四 景品表示法検討会の報告書において中長期的に検討すべき課題と整理された課徴金の対象の拡大のほか、差止請求の範囲の見直しについて、指定告示に係る表示の執行状況も注視しつつ、更なる検討を行うこと。また、同様に中長期的に検討すべき課題と整理されたデジタルの表示の保存義務や、供給要件を満たさない者への規制対象の拡大についても、「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」の取組状況も注視しつつ、更なる検討を行うこと。
五 返金措置による課徴金額の減額等については、事業者が行う返金措置の実施方法が弾力化されたことに伴い、事業者に対し、金銭と同様に通常使用することができるものに限られることを周知するとともに、事業者が提出する返金措置計画を認定する際には、消費者庁は当該計画が適正なものであるか否かについて厳正に判断を行うこと。
六 消費者裁判手続特例法第九十一条第一項に基づき、内閣総理大臣が特定適格消費者団体に対して提供できる書類として、景品表示法に基づく処分に関して作成した書類も提供できるよう、同法同条項の施行後の運用実態を踏まえ検討すること。
七 社会のデジタル化の進展により、今後もインターネット上での不当表示の増加が予想されることから、消費者庁において景品表示法の運用に必要となる人員の適正な配置を行い、十分な予算を確保するとともに、より一層、都道府県と密接な連携をとること。
八 広告・表示の適正化に向けた事業者団体や消費者団体等による自主的な取組を促進するため、情報の提供を始め、財政的支援その他の必要な支援を行うこと。とりわけ、景品表示法に基づく適格消費者団体の差止請求については、国・都道府県がなすべき行政処分を補完するものとして機能している社会的実態を踏まえ、当該団体に対する財政的支援その他の必要な支援について検討すること。また、本法により導入される適格消費者団体による開示要請規定の施行状況を踏まえ、必要な場合には、更なる適格消費者団体の立証負担の軽減策について検討を行うこと。
九 外国の事業者から我が国の一般消費者に対して行う不当表示が増加する可能性があることを踏まえ、厳正な執行の観点から、今後も国際化の進展に対応する制度を整備・拡充すること。
十 消費者が商品や役務の取引を行うに当たり判断の情報源となるデジタル広告表示の保存に関し、消費者庁は事業者に対し「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」の更なる周知徹底に努めること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/165
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166・松沢成文
○委員長(松沢成文君) ただいま川田さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/166
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167・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 全会一致と認めます。よって、川田さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
ただいまの決議に対し、河野内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。河野内閣府特命担当大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/167
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168・河野太郎
○国務大臣(河野太郎君) ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/168
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169・松沢成文
○委員長(松沢成文君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/169
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170・松沢成文
○委員長(松沢成文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時四十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114536X00620230428/170
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