1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年五月十六日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
五月九日
辞任 補欠選任
佐藤 信秋君 有村 治子君
五月十五日
辞任 補欠選任
衛藤 晟一君 古川 俊治君
五月十六日
辞任 補欠選任
古川 俊治君 松川 るい君
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出席者は左のとおり。
委員長 古賀友一郎君
理 事
上月 良祐君
森屋 宏君
山田 太郎君
小沼 巧君
塩田 博昭君
委 員
有村 治子君
磯崎 仁彦君
自見はなこ君
広瀬めぐみ君
古川 俊治君
松川 るい君
三宅 伸吾君
山谷えり子君
塩村あやか君
杉尾 秀哉君
水野 素子君
三浦 信祐君
柴田 巧君
高木かおり君
上田 清司君
井上 哲士君
大島九州男君
国務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(科学技
術政策)) 高市 早苗君
副大臣
内閣府副大臣 星野 剛士君
大臣政務官
内閣府大臣政務
官 中野 英幸君
厚生労働大臣政
務官 本田 顕子君
事務局側
常任委員会専門
員 宮崎 一徳君
政府参考人
内閣府健康・医
療戦略推進事務
局長 西辻 浩君
個人情報保護委
員会事務局長 松元 照仁君
厚生労働省大臣
官房審議官 山本 史君
厚生労働省大臣
官房審議官 日原 知己君
厚生労働省大臣
官房審議官 森光 敬子君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○医療分野の研究開発に資するための匿名加工医
療情報に関する法律の一部を改正する法律案(
内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/0
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001・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、佐藤信秋君及び衛藤晟一君が委員を辞任され、その補欠として有村治子君及び古川俊治君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/1
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002・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府健康・医療戦略推進事務局長西辻浩君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/2
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003・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/3
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004・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/4
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005・広瀬めぐみ
○広瀬めぐみ君 質問の機会を賜りまして、ありがとうございます。岩手選挙区の広瀬めぐみでございます。
早速ですが、いわゆる次世代医療基盤法改正案について質問に入らせていただきます。
この法律の正式名称は、医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律ですが、医療分野の研究開発が進めば、病気が治って死亡率が減り、予防医学も進んで病気になりにくく、健康な人が増えることによって社会全体に活気が生まれると思います。ウエルビーイングという言葉を最近よく聞きますが、健康な肉体は人間の幸せの根源であり、食事や運動、医療と創薬は私たちの生活と切っても切れない関係にございます。
日本は、二〇二〇年、世界保健機構の調査によれば、平均寿命において二位のスイスを一・一歳引き離し、世界で最も長寿の国ですが、健康寿命も長くしなければ幸せとは言えません。
通常、薬を作るための薬事申請には臨床試験が必要です。しかし、難病などはそもそも症例が少なく、臨床結果を補完する目的で研究に私たちの医療情報が使われるわけで、個人情報保護と医療情報の必要性のバランスから個人情報保護法の特例として匿名加工医療情報に関する法律があり、データに匿名性を持たすことによって、個人情報を保護しながら、これを公益のために利用できるものと認識をしております。
ただ、この制度の運用が思わしくないということをお聞きしております。匿名加工医療情報に関する法律ができてから既に五年が経過しますが、匿名加工医療情報作成事業者は三者のみ、医療情報を提供してくれる協力医療情報取扱事業者も、令和四年十二月の段階で全国三十五都道府県百八か所と、非常に少ないです。私は岩手が選挙区ですが、岩手の病院は取扱いをしておりません。東北では、秋田、山形、福島、青森も取扱いをしておりません。
このような利活用が進んでいない現状と思いますが、その原因はどこにあるとお考えでしょうか。政府参考人にお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/5
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006・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
現行の次世代医療基盤法に基づきまして、令和二年十月に初めて匿名加工医療情報が利活用者に提供されて以降、これまで二十一件の研究利用が行われております。累計二十一件の利用実績数は決して多い数字ではなく、制度の見直しに向けたワーキンググループにおきましては、現行の匿名加工医療情報では、希少疾患についての研究、データに基づく精緻な研究、あるいは薬事申請のためのデータとしての活用等が難しいとの課題が指摘されたところでございます。これらの課題が匿名加工医療情報の利活用が必ずしも十分に進んでこなかった理由であると考えております。
今回の改正におきましては、ほかの情報と照合しない限り個人を特定できないように加工いたしました仮名加工医療情報を利用できる仕組みを創設することとしておりまして、仮名加工医療情報では、匿名加工医療情報とは異なり、特異な検査数値ですとか希少疾患名等の削除は不要でありますので、また薬事承認申請のためのPMDA等へのデータ提供も可能ということになります。
これらの改正によりまして、匿名加工医療情報の課題の解消が図られるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/6
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007・広瀬めぐみ
○広瀬めぐみ君 ありがとうございます。
研究をするに当たってのその精緻さの不足であるとか、そういった懸念があるということで理解をいたしました。
そもそも、この事業の在り方として、医療機関がデータを集積して、健診結果、カルテ、治療計画、治療結果などの医療情報を患者さん本人の同意を取り付けて認定事業者に渡し、それを認定事業者が匿名情報に加工するか、あるいは委託先、再委託先が情報加工の作業をするということになります。
先ほど申し上げましたとおり、施行後五年間経過しても認定事業者は三者、委託先や再委託先などを含めると全部で七者ですが、委託料は、医療情報の集積、加工、提供に要するコストなどを総合的に勘案し、それぞれが自律的な経営をする前提で決定をしていると思います。
加工情報は、大学や研究機関に何万件というデータが数千万円という形で売り渡されているということでしたので、初期費用やランニングコストを考えても、大学や研究機関などの利活用が増えれば今後は収支は改善するのでしょうか。現在の経営状況をお聞きした上で、もし経営状況が芳しくないのであれば、その改善に向けた指針や方策をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/7
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008・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
令和元年十二月に初めての匿名加工医療情報作成事業者が認定されてから約三年半でございまして、現状では、各認定事業者共に、情報基盤整備を始めといたしました初期投資がかさみ、経営的には御指摘のように厳しい状況にあるというふうに認識をしております。
今回新たに仮名加工医療情報を利用できる仕組みを創設することで、これまで以上に医療情報の収集、それから研究利用が進むと考えておりまして、今後、利活用の拡大を含む認定事業の進捗により認定事業者の収支の改善が図られ、適切な事業運営につながっていくことを期待しております。
また、医療情報の利活用が進むためには、利用者における制度に対する認知の向上及び認定事業者による利用者のニーズを踏まえた情報の収集、加工等が必要と考えておりまして、これまでも認定事業者を交えた形での企業や自治体向けのセミナーの開催など、認定事業者と利活用者の接点の創出等に努めてきたところでありますが、今後も研究現場等が必要としております情報と入手可能情報のより一層のマッチングを図るべく、認定事業者に保有するデータベースのデータカタログの作成を促すなどの取組も行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/8
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009・広瀬めぐみ
○広瀬めぐみ君 どうもありがとうございました。
データ化などを進めるということで、しっかりとお願いしたいと思います。
先ほど仮名加工医療情報のお話も既にいただいているんですが、もっと利活用を進めていって日本の医療を進歩させるためには、匿名加工医療情報では情報として正確性に欠ける場合があり使いにくいので、データを直接的に、もっと直接的に利用できる仮名加工医療情報の制度を創設したのだと理解をいたしました。
仮名加工医療情報とは、ほかの情報と照合しない限り個人を特定できないように加工した情報で、個人情報から氏名やIDなどの削除が必要だけれども、匿名加工医療情報とは異なり、特異な値や希少疾患名などの削除などが不要なものということと先ほどもお話がありました。
情報をより生の形で提供することができるので、使い勝手が良いということだと思いますが、仮名加工医療情報とその加工事業者及び利用事業者という新たな制度創設の趣旨をいま一度お聞かせ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/9
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010・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) 今回の改正におきましては、匿名加工医療情報の研究開発での利活用に当たっての課題を踏まえ、その解決を図るべく、新たに、今委員御指摘いただいたように、他の情報と照合しない限り個人を特定できないように加工した仮名加工医療情報を利用できる仕組みを創設することとしております。匿名加工医療情報と同様、仮名加工医療情報に関しましても、作成事業者につきましては、十分な安全管理措置が確保されていること等につきまして主務大臣から認定を受け、その監督下に置かれることにより医療情報の適切な取扱いが確保できる仕組みを創設したものでございます。
それから、仮名加工医療情報につきましては、匿名加工医療情報と比較した場合に、ほかの情報と照合することによりまして個人を特定することが可能な場合があるということで、悪意のある利用者がほかの情報と照合することで本人を特定し、権利利益の侵害を行うおそれがあることが否定できません。
こういうことで、改正案におきましては、仮名加工医療情報を利用する方、利用事業者につきましても、主務大臣が安全管理措置等を審査し、認定を行うとともに、本人を特定しようとする行為、いわゆる再識別の行為を禁止し、それから不正な行為を行った際の罰則を設ける、こういったことによりまして患者本人の権利利益が適切に図られる仕組みを構築したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/10
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011・広瀬めぐみ
○広瀬めぐみ君 どうもありがとうございます。
今、認定利用事業者を国が条件を非常に吟味して認定をしたり、また、法違反がある場合には罰則の適用をするなどして制度の運用の安全を担保することは分かりました。しかし、医療情報の利用の際に最も重要なのは、個人情報保護の観点であると思います。
この法律では、本人の同意を直接得るのではなくて、本人への通知のみで同意と同視すると、そこの点に懸念がございます。それでは個人情報保護の観点が希薄になるおそれはないでしょうか。例えば、通知は手紙かと思いますが、手紙を送っても見てもらえないとか、あるいは届かないとかの危険があるかもしれません。
この点、何か対策はあるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/11
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012・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
次世代医療基盤法は、個人情報保護法の特例法といたしまして、主務大臣の認定を受けた事業者、いわゆる認定事業者に対する場合に限りまして、同意ではなく、いわゆるオプトアウト手続によりまして医療機関等から医療情報を提供することを認めております。
これは、一つには、患者等への適切な通知が行われることにより、自分の医療情報の提供を拒否する機会が付与されること。それから二つ目に、認定事業者は、十分な安全管理措置等が確保されていること等につきまして主務大臣から認定を受けるとともに、その監督下に置かれることにより医療情報の慎重な取扱いが確保されること。それから三つ目に、医療機関等から提供されました医療情報は、認定作成事業者によりまして特定の個人が識別されることがないよう加工された形で利用されること。これらの措置によりまして、個人の権利利益が侵害されることを防ぐ仕組みとなっていることによるものでございます。
また、オプトアウトの機会を付与するための通知でございますが、例えばウェブページへの掲載など単に患者本人が知り得る状態に置くということではなく、本人が認識する機会の確保の観点から、あらかじめ本人に対して通知することを求めておりまして、例えば、十六歳未満の方については保護者等に対しても通知を行うことですとか、障害者や高齢者の方に対しては十分な配慮を行うことなど、丁寧な通知の実施、それから、本人あるいはその御遺族等から問合せがあった場合に、それに対応する窓口機能の確保なども求めているところでございます。
本法では、これらの措置を通じまして、患者等に対しまして制度をしっかりと認識していただいた上で医療情報を提供いただく仕組みを構築しているところであり、引き続き丁寧な通知の実施等の運用に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/12
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013・広瀬めぐみ
○広瀬めぐみ君 どうもありがとうございました。
丁寧な通知を行うということで、くれぐれも個人情報保護の観点からよろしくお願いいたします。
最後の質問でございます。
匿名加工医療情報であり、仮名加工医療情報であれ、その利用目的の最も大きなものは創薬かと思っております。
創薬には薬事申請が必要となりますが、仮名加工医療情報を薬事申請に活用するための課題は何でしょうか。また、課題を解決するためにどのように取り組まれるおつもりでしょうか。厚生労働省の審議官にお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/13
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014・山本史
○政府参考人(山本史君) お答え申し上げます。
委員御指摘の課題あるいはその解決策でございますが、リアルワールドデータを薬事申請に活用するための課題の一つとして、データを扱う事業者等におきましてデータの信頼性を確保していただく必要があるということが挙げられるかと思います。
そのため、厚生労働省では、これまで、レジストリー等の医療情報データを薬事申請に利用する場合の信頼性確保の考え方をガイドライン等でお示ししてまいりました。
また、医薬品の審査を行うPMDAにおきましては、レジストリーや医療情報データベースの薬事申請の活用に関しまして、事業者等からの御相談に応じる仕組みを設け、個別のデータベース等について信頼性の確認や信頼性確保のための助言等を行っております。
今後、仮名加工医療情報が利用可能となった場合におきましても同様の考え方や取組を適用することが可能と考えておりまして、その薬事申請への活用が進むよう引き続き必要な取組を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/14
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015・広瀬めぐみ
○広瀬めぐみ君 御答弁ありがとうございました。本当に情報の秘匿性というのは重要だと思いますので、しっかりとお願いいたします。
これからの医療情報は、大手の製薬会社や大学だけではなくてベンチャーやスタートアップ企業にも精緻な医療情報を提供して、今後の日本に必要な薬、そのほか必要な資源を生み出してもらいたいと思っております。個人情報の保護と公益の実現をバランスよく達成するために引き続きよろしくお願いいたします。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/15
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016・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 立憲民主・社民の杉尾秀哉です。
早速ですけれども、いわゆる医療ビッグデータ法改正案について私からも質問させていただきます。
簡単に経緯をおさらいします。
二〇一八年の五月、健康、医療に関する先端的研究開発及び新産業の創出を目的にし、総合的かつ一体的に推進するため同法が施行されまして、ちょうど五年が経過をいたしました。この間、先ほども質疑ありましたように、利活用されたデータ二十一件、医療情報を提供する医療機関、先ほど百八件という話ありましたけれども、最新の情報だと百十件ということのようです。また、集まっている情報が二百六十万人分ということで、この法律に沿った制度の使いにくさが指摘されている。そこで、五年後の見直し規定に沿って今回の改正案が提出されたと、こういう経緯だと承知をしております。
そこで、先ほど参考人から答弁ありましたけれども、大臣に伺いたいと思います。
この五年間で二十一件という利用件数が多いのか少ないのか、どういう評価なのか、そして、もし当初の見込みと違っていたのなら、なぜこうした状況になっているのか、その理由、原因と、今回の法改正の目的などいわゆる立法事実ですね、これを説明していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/16
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017・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 今、二十一件ということでお尋ねがございました。これ、具体的な利活用の実績としては、個別疾患を対象とした研究に使用された事例ですとか学術論文として公表された事例も存在しておりますけれども、累計二十一件の利用実績数は決して多い数字とは考えておりません。今回、制度の見直しに向けて検討をお願いしたワーキンググループにおきましても、現行の匿名加工医療情報では、希少疾患についての研究、またデータに基づく精緻な研究、薬事申請のためのデータとしての活用などが難しいという課題が指摘されたところでございます。
そこで、今回の見直しによりましてこれらの課題の解消を図るということで、更なる利用が進むであろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/17
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018・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 決して多くないという、そういう評価でした。端的に言えば少ないんじゃないかというふうに思いますけれども。
そして、今回の法改正につながったわけですが、乳がん、それから心不全など、もう個別の疾患を対象にした治療方法、それに対する学術論文等と、この二十一件の中身なんですけれども、元々この一八年の五月に閣議決定された基本方針にはこういうことが書かれています。最適な医療の提供、医薬品、それから医療機器の研究開発や安全対策の向上、そして三つ目に新産業の創出、この三つが匿名加工医療情報の利活用により実現が期待される成果として挙げられていたわけですけれども、必ずしも現状はそうなっていないと、こういう認識でよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/18
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019・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 委員が今おっしゃったとおりの三つの目標、成果の例として挙げられておりましたけれども、これまでのところ、基本方針で例示した具体的な治療法や新薬の出現といった具体的な成果には至っておりません。ただ、そうした成果を目指した取組が徐々に始まっている状況にはあると聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/19
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020・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 これまでのところ、具体的な成果には至っていないけれども、徐々にそれが、今取組が行われつつある段階ということで、そこで今回の新法の、新法というか改正案の提出になったわけですが、もう一つ、この基本方針の中には、研究成果について社会的還元を行うことと、こういうことが書かれております。
この中には、新薬の開発、それから未知の副作用の発見、健康づくりに効果的な政策の立案ということですが、実際にこうした社会還元がどこまで行われたのか。また、データ提供への理解や更なる提供拡大につなげていくために具体的な成果を上げて国民や医療機関に実感してもらうということが、つまり社会的還元が目に見えるということが大事だと思いますけれども、大臣、お考えいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/20
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021・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 先ほど、三つの課題が指摘されたということを申し上げました。これらの課題の解消を図るために、今回の改正によって新たに仮名加工医療情報の活用を可能としております。
これによって、例えば日々の診療時に作成されるカルテ情報、これを薬事承認審査に活用できるようになるということで、承認審査に必要なデータを製薬企業が迅速かつ効率的に収集することができ、新薬開発や既存薬の新たな効能への適応拡大の迅速化が期待できると考えております。また、CT検査などの画像情報につきましても、仮名加工医療情報としてであれば提供が可能になることが認められますので、画像診断支援AIなどへのこの開発への貢献が期待されると考えております。
委員がおっしゃったように、やはりこの社会への還元というものがしっかりなされないと、これはやはり皆様の御理解も御協力も得られないということですから、今回制度改正によりまして、また新たな創薬の実現を始めとする社会還元の成果を具体的な研究開発の実績として国民の皆様にお示しすることが重要だと考えております。
是非とも御理解と御協力をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/21
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022・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 ありがとうございます。
ここまでは立法事実に関して伺ったわけですけれども、次は、認定事業者の現状など、これも先ほど三者という説明がありましたけれども、医療データを研究開発に資するよう整理、加工して匿名加工医療情報を作成するいわゆる認定事業者、現時点では三つにとどまるということですが、その一方で、個人情報を十分に保護する観点から、事業者の認定要件、審査は厳しいものとならざるを得ない、こういった事情も十分理解できるところであります。
そこで伺いますけれども、個人情報保護と認定要件や審査の厳格化とのバランスをどういうふうに考えるのか。また、制度を円滑に運営するためには認定事業者に過重な負担を掛けるのもできるだけ避けるべきと、こういう考え方があります。そうした観点から、認定事業者の実態を十分に把握する必要がある、こういうふうに思いますけれども、大臣のお考え、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/22
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023・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 現行法における認定匿名加工医療情報作成事業者は、医療機関などから顕名、つまり実名の入った形で医療情報の提供を受けてその保管、加工を行うことになりますので、組織的側面、人的側面、物理的側面、技術的側面から厳格な安全管理措置を講ずる体制を求めております。このように、厳格な基準を満たすことが必要になりますので、これまでに認定を受けた匿名加工医療情報作成事業者は三事業者にとどまっております。
一方で、認定に際しては、例えば認定事業者として収集する医療情報について、一定の規模を確保することを求めております。これについては、柔軟な対応を可能とすべきではないかという御意見もいただいておりますので、今後検討をしてまいります。もちろん、個人が安易に特定されることのないように、しっかり保護とのバランスを図っていくというものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/23
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024・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 今、規模という話がありました。この三つというのは、いわゆる誰もが知っているような大きなところなんですよね。これから、先ほどベンチャーという話もありましたけれども、小規模なところでもこうした基準をちゃんと満たすのであれば認定していくと、こういう方針だというふうに理解しているんですけれども。
この匿名加工医療情報の作成作業を行うに当たっては、安全管理措置のための投資が必要なほか、医療情報提供に必要な費用を負担する場合もあるというふうに聞いております。こうした条件を満たすためにも、やはり規模は一定程度大きくならざるを得ないということなんですが、こうした事情もあって、先ほど経営が厳しいという話がありました。私も、この認定事業者はほぼとんとん、受託事業者は赤字というふうな、そんな現状だというふうに聞いております。
こうした状況をやっぱりまず改善する必要があるだろうと。そのために、医療データの提供に関する利用料の実態、先ほどうん千万という話がありましたけど、私がヒアリングしたときには二千万という話があったところもありました。ちょっとネットで検索してみると、京都大学病院ですけれども、これ、一回五百万円。決して少なくない金額だというふうには思うんですけれども、ただ、それでもなかなか収支が厳しいというのが実態であろうというふうに思っております。
認定事業者が持続可能で自律的な運営を続けられるようにするための利用料の在り方、考え方、さらに、経営が厳しい事業者に対して政府としてこの利活用を進めていくために何らかの支援策、資金のことも含めてなんですけれども、これを講じる用意あるかどうか、これ聞かせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/24
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025・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 認定匿名加工医療情報作成事業者における利用料や委託料の設定につきましては、これは医療情報の収集、加工、提供に要するコストなどを総合的に勘案した上で自律的に運営するということを基本としておりますので、各事業者において決定しております。
認定作成事業者の経営状況につきましては、今、杉尾委員御指摘のとおり、かなり厳しい状況です。現状では、各事業者共に情報基盤整備を始めとした初期投資がかさんで経営的に厳しいということも認識をいたしております。今後、今回法改正もお願いしているわけでございますが、利活用の拡大を含む認定事業の進捗によって収支の改善が図られて、適切な事業運営がなされていくということ、期待いたしております。
じゃ、国として何かお金を入れるような支援をするのかどうかという問いだと思うのですが、今回の法改正も含めて、この医療情報の収集、提供、研究利用が円滑に行われて、研究成果の国民の皆様への還元につながるように、この医療情報の利活用環境の整備に取り組んでまいるということでございます。ですから、利用が増えると事業者の経営環境も改善していくだろうということを大いに期待いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/25
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026・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 利活用が増えることを期待するということだったんですけれども、仮に、思ったように、先ほどもありましたけれども、この五年間で二十一件という実績、これが今回仮名加工になってどこまで増えるかというのが一つポイントだろうというふうに思うんですけれども、思うように増えなかった場合、これは政府として何か対策を講じる必要がある、これについてはどうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/26
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027・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 今まだ法改正を、法改正案をお示しして審議をお願いしている段階でございます。その後、施行に向けまして様々な議論を進めてまいりますので、その中で、まずはしっかりと活用が増えるようにということも含めて、その環境づくりに向けた議論も進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/27
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028・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 環境づくりを進めるということでした。いずれにしても、法が施行された後、これは我々としてもしっかりと状況を注視するべきであろうというふうに思いますけれども。
こうした中で、去年の九月、認定事業者でありますライフデータイニシアティブと医療情報等取扱いわゆる受託事業者のNTTデータが、法令が定める患者本人への通知が行われなかった医療情報について提供を受けてデータベース化していたと、こういう事案が発生しました。先ほど参考人から説明がありましたオプトアウトの手続を取っていなかったデータというふうな理解でございます。
そもそも、機微な個人情報である医療情報については、情報漏えい、それから不適切な取扱いがなされない、こういうことが大前提でありまして、国民が安心できる適切な情報管理と運用が何にも増して重要である、最優先されなければならない、こういうふうに考えております。しかし、こうした事案が実際に発生し、これからも起きるということになりますと、制度の運用、その信頼性が大きく揺らぐことにもなりかねません。
そこで、これは参考人で結構ですけれども、今回の不適切事案に内閣府としてどう対応したのか、また今後の再発防止に向けた認定事業者への監督強化の必要性について、この監督強化の必要性についてはこれは大臣の認識、それぞれお聞かせいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/28
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029・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) じゃ、まず……(発言する者あり)
じゃ、高市大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/29
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030・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 昨年、医療機関から次世代医療基盤法の認定事業者に対して医療情報を提供する際に、これはプログラムの誤りによって本人通知の手続が取られずに情報が提供されていたという非常に不適切な取扱いがございました。このとき、認定事業者が収集した医療情報それ自体が外部に漏えいしたわけではございませんでした。匿名加工が不十分な情報が利用者に提供された事実も確認されておりません。
しかしながら、これは非常に重大な事案と考えまして、認定事業者に対しましては厳正な指導を行い、徹底した原因究明とそれから医療情報取得の際の確認機能の強化、また役職員に対する教育や報告の迅速化など、この再発防止策を講じさせました。また、他の認定事業者に対しましても同様の事案が発生するおそれがないのかどうかという確認を行わせて、制度の信頼性の再確認をしたところでございます。
この個人情報の漏えいなど不適切な事案が生じないようにするためには、厳格な罰則の適用によって担保するということのみならず、厳正な審査による事業者の認定と継続的な監督、また被害の拡大を速やかに防ぐための迅速な報告体制の整備が重要だと考えております。
これまでも認定事業者に対する実地検査は行っており、有識者とともに適切な運用がなされているかの確認を行うというような継続的な監督には努めてきておりますが、今後、ガイドラインなどの見直しも含めて、認定事業者が適切な事業運営を行うよう、より一層の運用強化、これを考えて取り組んでまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/30
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031・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 聞こうと思っていたんですけど、ということは、ガイドラインの見直し等々も含めた対策の強化をするということでしたので、次の質問に一応用意していたんですけど、もう今答えていただきましたのでもう結構でございますが。
先ほどありました、匿名加工情報から仮名加工情報に変えるに当たってやっぱり通知の手続というのを、これをしっかりさせなければいけないというのは先ほどのやり取りにもあったとおりでございます。その辺の更なる安全管理措置も含めて、ここはしっかりとした対応を政府に対して改めて求めたいというふうに思います。
ちょっと一点なんですけれども、この医療情報提供者が非常に少ないということも気になっているんですけど、学校や地方公共団体からの協力が得られにくいような、そういう状況だというふうにも聞いております。協力を呼びかけてもなかなか協力してもらえないと、こういう事情があるそうですけれども、なぜこういうことになっているのか、それから協力事業者を増やすための具体的な方策、これちょっと通告していなかったんですが、いろいろ考えてこれもちょっと質問しようと思ったんですけど、参考人、いいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/31
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032・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
今の、医療情報を提供していただく医療情報取扱事業者、医療機関だけではなく、学校ですとか介護施設等ですね、いろいろな主体があるわけですけれども、そういったところからの情報提供の数が伸び悩んでいるということは、まさに今委員御指摘のとおりだと思います。
これにつきましては、やはり先ほども御答弁申し上げましたけれども、やはりこの事業によって得られた成果というものがどういう形で国民の皆様に還元されていくのかということを、やはり医療従事者であり学校の関係者の方でありといった方々に十分認識をしていただくということが多分大事なんだろうというふうに思っております。
我々、従来からいろいろな形での広報等をやっておりますし、それから認定事業者でもいろいろな集まり等でそういう説明会等も開催していただいているという状況なんですけれども、やはりまだ法律施行後約五年弱ということで、その辺りの取組はまだ更に一層進めていかなければなかなかその裾野の広い情報提供というものを確保することはできないだろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/32
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033・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 CSRの観点で、協力事業者にインセンティブを与えるということもあってもいいのではないかというふうに思っております。
ここまでは認定事業者の話だったんですけれども、そこで、これから今度新しく創設されます仮名加工医療情報の利活用に係る仕組みということなんですが、簡単におさらいしますけれども、ここまで取り上げてきた匿名加工医療情報というのは、ほかの情報と組み合わせても個人が特定されないように、本人かどうか一切分からない程度まで加工する必要があると、こういうふうに言われています。ところが、データに含まれる個人性をほぼなくした状態に加工すると、データの抽出度が高くなり過ぎてデータの有用性が低くなってしまう、それが冒頭に取り上げたような現状の背景にあると、こういうふうに理解しております。
そこで、今回の改正法案では、患者の氏名、IDを削除するなどして個人は特定できないようにするものの、特異な値などは削除はしなくてもいい、いわゆる仮名加工医療情報の制度を設けることになった。この仮名加工医療情報の導入で、膨大なコストが掛かる臨床試験等に代わり、日常の診療で生まれる医療データを活用して新薬の薬事承認を取得する、こうした可能性が出てくるというふうにも聞いております。
ところが、その一方で、ほかのデータベースと照合するなどして患者の情報を連結したり患者本人を特定することができるようになる、こういう可能性、おそれが高まってくるわけです。こうした仮名加工医療情報の制度の導入によって本人が特定される可能性について、政府としての認識をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/33
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034・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
仮名加工医療情報でございますが、今委員から御指摘いただきましたとおり、ほかの情報と照合しない限りは特定の個人を識別できないように医療情報を加工して得られた個人に関する情報ということでございますので、それ単体では本人は特定できないものというふうに考えております。
他方、匿名加工医療情報との比較ということでいいますと、やはり、仮名加工医療情報の場合は、仮に悪意のある利用者がほかの情報と照合することで本人を特定しようという意図を持ってその特定を行って、個人の権利利益の侵害を行うおそれがあるということは否定できません。
こういったことで、改正案におきましては、利用者についても幾つかの規制を設けております。安全管理措置を審査した上で、利用事業者として、匿名加工とは異なり、仮名加工医療情報については利用事業者としての認定を行うということ、それから本人を特定しようとする再識別の行為を禁止をするということ、それから不正な行為を行った場合の罰則を設けること、こういったことによりまして患者本人の権利利益が適切に守られる仕組みを取ろうとしているものでございます。
こうした仕組みを通じまして患者個人の権利利益の保護を図って、適切な仮名加工医療情報の活用を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/34
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035・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 今、再識別の禁止、それから罰則の導入ということがありました。それでも、先ほど答弁の中にありましたように、意図を持って権利利益を侵害しようとする、こういう人が出てこないとも限らないんですよね。
こうした今説明していただいたような措置で本当に十分だとお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/35
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036・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) 利用事業者の認定基準、先ほど申し上げましたような、安全管理措置等について国が事前に確認の上認定を行うというふうに申し上げましたけれども、実際には、その利用事業者の中で情報を扱って研究等を行う従業員の方々、こういった方々の教育ですとか、あるいは認定事業者の中におけるシステム的な不正アクセスの防止策の措置、こういったところも安全管理措置として適切に講じられるような基準によって今後利用事業者の認定を行っていくことが必要になろうと考えておりますが、具体的な基準につきましては、今後、法案成立の後には、施行までの間に、情報セキュリティーや法律に関する専門家、実務家の意見、あるいは現場のアカデミア、あるいは事業者としてのこういった情報を使った研究開発の実態等も踏まえながら検討を進めていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/36
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037・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 これから施行までに様々専門家も交えて検討するということでした。教育とかシステム的な措置という話もありました。ここは十分やっていただきたいんですけれども。
それでも、万が一、医療情報等の利用によって患者などの権利利益が侵害される場合、これは実際に起き得ると、十分に起き得るというふうに思います。そうした場合の救済措置についても検討しておくべきというふうに考えますけれども、政府としての対応、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/37
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038・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) 現行法におきます匿名加工医療情報の方でございますが、こちらの匿名加工医療情報作成事業者につきましては、万が一、医療情報等の漏えい等が生じた場合における被害の補償のための措置を講じるということを認定事業者としての認定要件としております。
改正法によって新たに認定する仮名加工医療情報作成事業者、それから利用事業者に関しましても、現行、匿名加工の作成事業者が講じられているような認定要件も参考にしながら、適切な認定基準を今後検討していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/38
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039・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 これ、補償のための保険に加入する、こうしたことを求めるというような解説もありますけれども、これ、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/39
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040・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
補償のための保険に加入するということは、一つ、先ほど申し上げましたような認定匿名加工医療情報作成事業者が被害の補償のための措置を講じるための手法の一つとしてはあると思うんですけれども、それが唯一絶対の要件ということでは理解はしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/40
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041・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 じゃ、これは任意だということなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/41
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042・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) 要は、認定匿名加工医療作成事業者が万が一そうした事態が生じた場合における被害の補償のための措置を講じるということが確保されているということを求めておりまして、保険への加入がマストかどうかという意味では、マストではないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/42
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043・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 そこで、ここまで説明しましたように、仮名加工医療情報というのは、匿名加工医療情報とは異なって希少な病例や特異値がデータとして残るため患者本人が特定されるおそれが高まる。これ、改めての確認です。これは先ほど来政府も認めているとおりです。
こうした状況を踏まえて、先ほども話出ましたけれども、医療情報の提供に先立って行われるオプトアウト手続では患者本人にリスクを含めてよく理解できるように説明する必要がある、こういうふうに思いますけれども、先ほどの通知の件にも関わります。幅広い取組を行う必要があるというふうに思いますけれども、具体策、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/43
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044・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
新たに創設する仮名加工医療情報でございますけれども、認定作成事業者の方は、十分な安全管理措置等が確保されていること等につきまして主務大臣から認定を受けるとともに、その監督下に置かれることで医療情報の慎重な取扱いが確保されると。それから、認定作成事業者により、その情報だけでは特定の個人が識別されないよう仮名加工をした上で認定された利用事業者に提供するということでございます。
それから、仮名加工情報の利用者の方でございますけれども、先ほどから御答弁申し上げておりますとおり、同様に、安全管理措置を適切に講じる体制を有するものとして国の認定を受けた利用事業者に限ってこの利用が可能であるということ。さらに、仮名加工医療情報が認定利用事業者に提供される際には、認定作成事業者が設置する審査委員会、ここで審査を行うということになっておりますが、その審査委員会におきまして、その利用の目的や態様等が適切であるか否かについての審査を行わせるなどの措置をとることとしておりまして、これによりまして権利利益の侵害というものが防げるというふうに思っております。
それで、御指摘いただいた本人の通知、本人への通知でございますが、提供された医療情報が仮名加工されて医療分野の研究開発に利用されることにつきまして、やはり御本人がちゃんと認識されるような、適切かつ合理的な方法によって明示される丁寧な通知を行うことを仮名加工医療情報につきましても求めていくこととしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/44
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045・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 これまで以上に丁寧な通知ということなんですけど、本人が十分認識できる、こういう方法をしっかりと確保していただきたいというふうに思います。
その仮名加工医療情報の利用事業者の話がありましたので簡単におさらいしますけれども、これ、利用事業者というのは、顕名情報を扱わずに、また仮名加工も行わないわけですけれども、仮名加工情報が本人特定可能なものであることから、原則として、先ほども話がありましたとおり、第三者の提供が禁止されることになる。さらには、今回、罰則が設けられる。こうしたことも考えますと、仮名加工医療情報を利用する事業者においては適切な安全管理措置をとることが必要不可欠であって、こうした企業や研究機関ももちろん含まれます。国がどういうふうにガバナンスをしていくかということが重要になります。
そこで、今回、国は仮名加工医療情報を活用する企業や研究機関などの団体、法人を新たに認定利用事業者として認定をすることになりました。こういう経緯については先ほども説明がありました。
そこで質問なんですけれども、仮名加工医療情報利用事業者に係る主務大臣の認定について、どのような基準に基づいて認定することになるのか、現時点で分かっていることを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/45
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046・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
仮名加工医療情報の利用事業者でございますが、今委員から御指摘いただきましたように、顕名情報を扱うわけではないと、それから自ら仮名加工は行わないということなんですが、一方で、仮名加工医療情報がほかの情報と照合することによりまして個人の特定が可能な場合があることですとか、原則としてPMDA等に提供する場合を除いて第三者提供が禁止されているということを踏まえまして、やはり利用事業者につきましては、従業員の教育、それから不正アクセスの防止等の実施など、安全管理措置を適切に講じる体制が確保されていること等につきまして確認の上で認定を行うことになると考えております。
また、本法のその趣旨あるいは目的に反した不適切な仮名加工医療情報の利用ですとか第三者への提供があってはならないわけで、そういった意味で、利用者の認定審査、これ国が行うわけですけれども、その際には、仮名加工医療情報を利用して研究開発を行う事業を適切にかつ確実に行うことができるか否かにつきましても審査を行うということとしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/46
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047・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 具体的な基準、これは作成することになるんでしょうか。これ、これからその施行までまだ時間がありますけれども、専門家とかそんなところにも当然意見を聞くことになりますけど、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/47
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048・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
今回提案申し上げております法案が成立した後、一年以内の施行ということになっております。仮名加工医療情報につきましては、作成事業者の認定、利用事業者の認定、全てこの施行以降に検討の作業が始まるということになりますので、現在、その匿名加工医療情報の作成事業者についての認定基準ですとかガイドラインはありますので、そういったものも参考にしながら、今委員から御指摘いただいたようなセキュリティーの専門家や法律の専門家等の御意見も伺いながら、その辺りの基準を、詳細を決定していきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/48
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049・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 これからそのガイドラインを作っていくという話でありました。
この利用事業者の中に海外の事業者、これも認定されることになるのか、これはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/49
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050・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
海外の企業、事業者でありましても、この我が国の次世代医療基盤法の目的の実現に必要な範囲内において、個人の権利利益の適正な保護を図った上で仮名加工医療情報を利用して研究開発を行うということを否定するものではございません。
ただ、その際には、この利用事業者としての認定を受ける際には、当該企業が所在する国の個人情報の保護に関する制度等につきましても適切に、研究開発を行う能力等と併せて当然考慮した上で審査を行うことになろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/50
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051・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 否定しないということでありました。
日本企業も海外展開をしている、それから海外からも利用したいと、こういうニーズがあるというふうにも聞いております。結構、日本の製薬企業なんかが海外の企業と合弁しているようなケースも多いようですし、他方、外国どこでも大丈夫かと言われると、そういうわけにもいかないという、これは大変重要な課題だというふうに認識されているというふうにも伺っております。
海外企業においてこれ厳格に審査をするということは先ほど来るる説明していただきましたけど、実際問題、相当ハードルが高いんじゃないか。そして、今触れられましたように、個人情報の取扱制度も国によって大きく異なるので、そうした研究も必要だということになってきますよね、情報が必要だということですけれども。本当に実効性のある審査ができるのか否か、これはどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/51
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052・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) 今後、この法案成立した暁には、施行までの間に、利用事業者、仮名加工医療情報の利用事業者の認定基準等について詳細な検討を行っていくわけでございますが、その際、その海外の事業者、海外の企業につきましてどういう考え方で認定を行うのか。基本的には国内の事業者と同じようなものがベースにはなるんですが、ただ、先ほども申し上げましたように、その国が、所在する国の法令等に基づく個人情報の扱いがどうなっているのかといったことは非常に重要なファクターであろうというふうに思っておりますので、そういったことも踏まえた認定を行うような恐らく基準になるだろうというふうには考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/52
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053・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 そこで、もう少し詳しく聞いていきますが、この認定をする場合には企業やアカデミア単位での認定になるのか、それともその社内、いろんなセクションがありますから、その社内、それから研究機関の中で、どの組織の中でどういう人間ができる、どういう人が利用できるのか、これ具体的にどういう縛りを掛けていくと、こういうことになりますか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/53
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054・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) 今御指摘いただいた点、非常に重要な論点だと私ども思っておりまして、仮名加工医療情報の利用事業者の認定につきましては、基本的には法人単位での認定を行うということを想定はしているんですが、ただ、法人内におけるその仮名加工医療情報の利用の実態というのは多分様々だと思いますので、そういった実態も踏まえて、より詳細に施行までの間に検討していく必要があるだろうというふうに思っております。
認定を受ける利用事業者に対しましては、先ほど来申し上げておりますとおり、従業員の教育ですとか不正アクセスの防止等の実施等の安全管理措置を適切に講じる体制があること等については、これは当然事前に確認の上、認定を行うことになりますけれども、その際に、そういった法人単位としての認定でいいのか、それとも更に細分化した認定を行う余地があるのかといったことも含めて、具体的な認定基準につきましては、施行までの間にセキュリティーや法律の専門家、実務家等の意見を聞きながら検討を進める予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/54
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055・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 これ、非常に実は難しいテーマだというふうに思っているんですね。
去年の十二月、政府の健康・医療戦略推進本部健康・医療データ利活用基盤協議会、この次世代医療基盤法検討ワーキンググループというのがあったそうで、その中でも認定利用事業者の在り方をめぐって議論が交わされたと、こういうふうに聞いております。法律上は、先ほどもありましたように法人単位の認定になるということだと思いますが、法人内での利用の形態によって審査も変わってくるということで、今後、これも専門家の意見も聞きながら検討するということでございますけれども、ここも相当煩雑な作業になるというふうに思われますので、これは作業を急ぐ必要があるんだろうというふうに思っております。
こうしたもろもろの状況の中で、認定基準が厳し過ぎると医療データを扱いにくくなる、こういう指摘がある。政府について、こうした点についてはどう考えておられるのか、これ、高市大臣にどうしても伺いたい。そして、利用事業者にとって使いやすい制度とするための措置、普及啓発などについて現時点で何らかのお考えがあれば聞かせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/55
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056・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 先ほど来、本法改正案をお認めいただいた後に専門家の意見も聞きながらしっかりと組立てをしていく旨説明を申し上げました。その際、利用することが想定される製薬企業ですとか大学など研究機関の実態も踏まえる必要がございます。ですから、先ほど来説明をさせていただきましたとおり、情報セキュリティーや法律に関する専門家、実務家などの意見を丁寧にお伺いしながら検討を進めて、患者の皆様個人の権利利益の保護を図りながら医療情報の利活用が一層促進されて、さらに研究開発の促進につながる、そういった制度運営を行っていきたいと思っております。
また、普及啓発、これ本当に重要でございます。国といたしましても、この認定事業者を中心とした医療情報の利活用が進むように、これまでも認定事業者を交えた形での企業向け、自治体向けのセミナーを開催するなど、この認定事業者と利活用者の接点をつくるということに努めてまいりました。
これらに加えて、今後、改正法をお認めいただきましたら、施行に向けて、研究現場が必要としている情報と入手可能情報、これを一層マッチングしていくということをやるために、認定事業者に保有するデータベースのデータカタログの作成を促すということなど、そういう取組をしていきたいなと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/56
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057・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 先ほど紹介しましたワーキンググループの座長を務められました東京大学の宍戸教授がこういうコメントを出しているんですけれども、仮名加工医療情報は、データの突合がしやすくなり、患者本人を識別できるようになる可能性がある、これは先ほど来何度も繰り返しているとおりです。そこで、認定利用事業者にどれだけ適切な規律を掛けるのか、またその規律の実効性があるかどうかが肝になると、こういうふうにおっしゃっておられましたので、こうした考え方の下にこれから十分な制度設計を行っていただきたいというふうに思います。
残りの時間が六分ぐらいですので、最後に日本の医療データ利活用の現状と課題について伺いたいと思います。
今回の法案審議に当たって、私どもも有識者からヒアリングをしたり、私自身も幾つか論考に当たったりしてみました。そこで浮かび上がってきたのが、そもそも我が国が医療データの活用に関して先進諸外国と比較して遅れているのではないかという、こういう問題意識であります。この点について、政府及び大臣自身の認識を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/57
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058・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) まず、我が国の医療情報の利活用について諸外国と、先進諸外国と一概に比較するということは難しいのではありますが、医療情報の利活用の成果を国民の皆様に広く還元するという観点からは更なる取組が絶対に必要だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/58
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059・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 健康長寿社会の形成ですね、それから先ほど健康寿命という話もありましたけれども、それから産業振興という意味でも必要という認識だというふうに思っております。問題は、我が国にある膨大な医療データをどういうふうに活用していくのか、そのためのグランドデザインをどう考えるのかということであろうというふうにも思います。
そもそも、医療データの利用に関しては、診療現場での医療情報の共有という一次利用と、この法律が目指している医療情報の研究利用、いわゆる二次利用があるというふうにされています。この点、一次利用については、厚生労働省を中心に医療DXの取組、いわゆるカルテの標準化が進められていて、カルテが標準化されれば研究利用するデータも標準化されて使いやすくなると、こういうことです。
そこで、一次利用の取組と二次利用の取組をしっかり連携しながら進めていくことが重要になるというふうに思うんですが、これらの点についてヒアリングをしました東京大学情報基盤センター客員研究員の清水央子さんがこういうことをおっしゃっておられます。去年十月、厚労省内に医療DX推進本部が設立されたが、データをどのような方法で集めてどのような形に集積していくのかという議論の中で、今あるデータをどのような形で活用し、ほかの情報とどのように連結していくかの議論が置き去りにされているのではないか、要は、全体像が描かれておらず、大変懸念していると、こういうことを述べておられました。
そこで、これ厚生労働省に伺いますけれども、我が国は民間のスモールデータベースが散在していると、こういう課題が指摘される中で、全国規模のビッグデータでありますナショナルデータベース、いわゆるNDBについても使い勝手が悪いとか申請から提供までが遅いなどという、こういう指摘もありました。こうしたNDBの課題について今後どのように改善していかれるのか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/59
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060・森光敬子
○政府参考人(森光敬子君) レセプト情報・特定健診等情報データベース、御指摘いただきましたNDBでございますが、これにつきましては、厚生労働省が法律に基づき医療保険者が保有するレセプト情報等を収集し、個人の特定ができないよう匿名化し、復元不可能な形でデータベース化したものでございます。
研究者の依頼に応じまして、関係審議会の個別の審査を経た上で厚生労働省がデータ抽出を行い、研究者に提供しているものでございますけれども、これまでに、膨大かつ複雑なデータの中から抽出対象を特定するまでにNDBデータの構造に慣れていらっしゃらない研究者との間で繰り返しやり取りをする必要があることや、データベース技術者の数の制約等によりまして研究者の申請からデータベースデータの提供まで、平均、相当数の日数が掛かっているという現状になります。
このため、厚生労働省では、本年の六月に、研究者の方々がNDBデータ構造をより理解しやすくなるよう、NDBサンプルデータを公表することといたしております。また、データベース技術者の数の制約に対応するため、本年秋に、医療・介護データ等解析基盤、HICといいますが、におきまして、不正アクセス監視機能を実装の上、リモートアクセスでNDBデータを解析可能とするということを考えております。またさらに、来年秋には、不適切利用等の監視機能やポータルサイト等の機能拡充を開発、実装の上、研究解析用に処理済みのNDBにリモートアクセスする仕組みをHICに構築するとともに、利用申請の締切りを毎月設定し、申請から最短七日で解析可能とするといったような改善を行うこととしております。
今後とも、安全管理措置を適切に講じながら、個人の特定ができないレセプト情報等を医療費適正化や国民保健の向上に活用していきたいというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/60
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061・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 ちょっと中身が専門的でよく分からなかったんですけれども、配られた資料なんか見ても確かにデータベースがいっぱいあるんですよね。健保データ、院外調剤レセプトデータ、病院データ、これがその民間のデータベースで、そして政府系でNDB、先ほど出ております。それから、MID―NETというんですか、こういうものがいっぱいあって、こういうそのスモールデータベースがまだ散在、散らばっている、幾つかある。それから、その今問題になりました活用しにくい公的データベースという。
こういう状況を変えて日本が医療データ先進国になるために必要なこと、それとともに、今回のその法改正に当たって本法案に期待される役割について、これ、時間ですが、最後に大臣に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/61
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062・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 次世代医療基盤法と他のデータベースとの関連について申し上げましたら、今回の改正法案によりまして、NDB等の公的データベースに収載されている情報等との匿名での連結解析が可能となります。だから、例えば次世代医療基盤法に基づく急性期病院から収集された詳細な情報とNDBから得られるその前後の診療所などにおける診療行為をひも付けた解析が可能となりますので、研究の幅は広がっていくと考えております。
やはり、これから医療DXを始めとして医療データの利活用に向けた取組、この取組との連携も視野に入れながら、できるだけ早く国民の皆様に研究開発成果を還元できるようにしっかり取組を進めてまいります。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/62
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063・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 時間ですので、まとめてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/63
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064・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 はい。
終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/64
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065・三浦信祐
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
二〇一七年、健診結果やカルテ等の個々人の医療情報を匿名加工し、医療分野での研究開発への活用を促進するために、個人情報保護法との関係も踏まえ、次世代医療基盤法が成立し、現在、施行後運用されていると承知をしております。その上で、今回の次世代医療基盤法改正に当たり、立法事実は、五年見直しの規定、また現場からの改正要望が強いことによると理解もしております。
これまで個人情報保護法の改正も行われてきております。本法が成立するまでの間に今回の立法事実における議論が調わなかった理由、まあ五年前のことですね、これについて内閣府ではどのように考えているのでしょうか。理解について伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/65
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066・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
御指摘いただいたとおり、今回の改正案は、法附則の五年後見直し規定を念頭に、様々な立場の方に構成員として御参加いただいたワーキンググループでの見直しの方向性に沿ったものでございます。
ワーキンググループでは、現行法施行後の運用状況、これも踏まえまして、匿名加工医療情報を活用した研究開発の限界、それから他の公的なデータベースとの連結解析による多角的な研究開発の必要性等について御指摘をいただいたところでございます。
今回の改正案は、このワーキンググループで御指摘いただいた課題の解決を図るために、現行法の制定以降、五年前の制定以降の状況の変化、すなわち、一つには、個人情報保護法におきまして仮名加工という制度が新たに創設されたこと、それからもう一つは、NDBを始めとした医療情報間の、公的データベース間の連結利用制度の整備というのが進んだと、こういった状況も踏まえまして、今回、次世代医療基盤法について必要な改正を行うこととしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/66
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067・三浦信祐
○三浦信祐君 まさに個人情報の保護法が改正をされているということで、併せてより効果的に変えてきたということが今御答弁の中にあったと思います。
そうしますと、本法改正では、匿名情報であるがゆえにセキュリティーは確保できるようになっているものの、元データが立ち返りができない、こういうことで研究から創薬への出口戦略上での課題が生ずる、こういうことが大きな課題だったんだろうというふうに私は理解をしております。
そうなりますと、研究者、医療機関、医療機器メーカー、あるいは創薬メーカーいずれからかの、また、ほとんど多くの方からかもしれませんけれども、法改正のニーズがどこから最も強くあったんでしょうか。
現行法ゆえに、本来進捗が期待できたことができていないと。利用数が少ないことに表れているのではないかというふうに考えます。現行法によって何が機会逸失となってきたと考えているのか、現状の見解について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/67
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068・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) 今般の制度改正の柱であります仮名加工医療情報の創設、あるいは匿名加工医療情報とNDB等の公的データベースとの連結解析を可能とすると、こういったことにつきましては、見直しに向けて議論をしていただきましたワーキンググループの構成員であります医療機器あるいは創薬メーカー等の産業界の代表、あるいはアカデミアの研究者の方々から強く要望いただいたところでございます。
例えば、製薬企業により構成される団体の構成員の方からは、現行制度における匿名加工医療情報では薬事申請のためのデータとしての活用は困難であるとの御意見、それからNDB等ほかの公的なデータベースとの連結解析が幅の広い研究に有用であるといった御意見を頂戴し、また、医療情報を取り扱う研究者の方からは、匿名加工医療情報では精緻な研究は困難であるとの御意見もいただいております。
ただ、このワーキンググループ自体は、業界団体や医療情報を取り扱う研究者のみならず、患者団体の代表の方あるいは生命倫理を専門とする研究者の方など、様々な立場の方に構成員として御議論いただいた上で方向性を取りまとめていただいたものでございまして、今般の改正案はその方向性に沿って提案申し上げているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/68
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069・三浦信祐
○三浦信祐君 セキュリティー確保しながら、十分伸び代があるということでありますので、これ、施行するに当たっては、そういう方々とよく議論した方が大きな価値を生み出すというふうに逆に分かったということだと思います。
その上で、医療機関等において、日々患者さんの診察、診療、そして診断データによって、基本的におのずとデータが蓄積をしていきます。
医療情報取扱事業者による医療情報提供というのは、これは任意になっています。現状、先ほどもありましたけれども、協力医療情報取扱事業者は百十、三十五都道府県に分布と。情報提供する事業者の数は決して多くないという状況だと思います。大学を含め、総合病院が全国的に事業者にならなかったのはなぜかというふうな分析がこれ大事だと思います。
そして、この実態をどう変えていくのか、本法改正によって事業者の増加を図ることが可能なのかということが、これ是非質問させていただきたいと思います。
なぜかといいますと、この法律、最初作ったときの目標、五年たったときに参加施設というのは、病院は約千、診療所では約一万五千、合わせて二千万人程度の期待がされていた、そういう線表が事実残っていて、そして、今年度になると五千万人、年当たりの規模で、質の高いデータベースができ上がるんだと、こういうこともありました。なので、謙虚にこれは受け止めていかなければいけないと思いますので、そういう視点においてこの質問についてお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/69
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070・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
現行の次世代医療基盤法に基づく認定事業者への医療情報の提供でございますが、現状、医療情報の利活用の重要性といったものに対して特に深く御理解をいただいている医療機関等を中心に御協力をいただいているものというふうに認識をしております。
やはり、今後この医療情報が有効に利活用されるためには、やはり大学病院を始めとしたより幅広い医療機関からの情報の収集、これも当然必要ですし、それ以外に、急性期以外の医療機関や介護施設、それから自治体等にも制度の趣旨を御理解いただいた上で御協力をいただければというふうに考えております。
今回の改正法案におきましては、医療情報を取り扱う事業者が協力に努める旨の規定も新たに盛り込むこととしておりますが、医療機関等に御協力をいただくに当たりましては、医療情報の提供に際しまして医療現場において生じる負担を軽減するということが非常に重要であると考えておりまして、現行制度においても、ガイドライン等におきまして、医療機関が医療情報の提供のために必要な情報システム、これを改修するコスト、これらについては認定事業者側で負担することが可能であると。それから、医療機関等から患者さんに対して行う通知でございます。この通知の方法につきましても、書面交付に限らず、郵便、電子メール、それから窓口でのタブレット端末等の提示でも可能ですというふうなことをお示しするなど、医療現場の負担が大きくならないように努めているところでございます。
それから、今後、医療情報の利活用の成果をやはり国民の皆様に還元するという一番大事なこの次世代医療基盤法の使命ですけれども、これをやはりより多くの医療機関等にも御理解いただく必要があるだろうというふうに考えています。制度説明のパンフレットの作成とかシンポジウムの開催というのは当たり前なんですけれども、やはりこれまで以上に医療情報提供の際の医療現場の負担の軽減を図るとともに、この制度がいかにやはり国民の医療、健康の充実に役立つものなのかということについての情報発信というものを積極的に進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/70
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071・三浦信祐
○三浦信祐君 とっても分かりやすく大変重要なことを言っていただきましたので、これをしっかり我々は支えていかなきゃいけないというふうに思います。
その上で、大臣に伺いたいと思います。
研究現場や創薬メーカーなどが必要としている情報と入手可能情報とのミスマッチ、これがあるのではないかというのも一つ活用が進まない原因だと私は思っております。そういう面から見ると、ニーズ把握を図ることが必要だと思います。どう整合を取ってこのミスマッチを解消するのか、政府、特にPMDAが果たす役割は私はとても重いというふうに思っております。
役割を明確にして、その取組を果たすべきだというふうに私は考えますけれども、高市大臣、是非取り組んでいただけませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/71
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072・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 現行法におきましても、認定事業者が、研究者や製薬会社のこの利活用者のニーズを踏まえながら医療情報の収集や加工や提供を行っていると認識をしております。
国としましても、認定事業者を中心とした医療情報の利活用が進むように、これまで、自治体向けのセミナーを開催したり、企業向け、これ、認定事業者も交えた形でのセミナーを開催したり、認定事業者と利活用者の接点の創出に努めてはまいりました。
また、薬事申請への活用に向けまして、今、厚生労働省において、医療情報データを薬事申請に利用する場合の信頼性確保の考え方を示した通知を発出するということのほか、PMDAにおいて、レジストリーや医療情報データベースの薬事申請の活用に関して、開発段階からあらかじめ事業者などからの相談に応じる仕組みを設けるなど、創薬メーカーなどに対する支援が行われていると伺っております。
これらに加えて、今後、お認めいただけましたら、この改正法の施行に向けて、研究現場などが必要としている情報と入手可能情報のより一層のマッチングを図るべく、認定事業者に保有するデータベースのデータカタログの作成を促すといった取組を進めてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/72
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073・三浦信祐
○三浦信祐君 是非細かく手を打っていただきたいというふうに思います。データこそが世界の中での重視されている部分であります。そのデータ、たくさん日本にはありますので、適切に活用できるような体制を是非お願いしたいと思います。
本法律案において、匿名加工医療情報に加えて、新たに仮名加工医療情報の利活用に係る仕組みが設けられます。例えば、素材研究において、実用素材の余寿命推定を行う際には、学術的に使用履歴等がはっきりすることで汎用性が図られるデータの根拠となります。このように、他の研究分野では、研究機関の間と、また企業間など、これまで多数、情報管理を徹底する約束や契約などによって情報を共有若しくは開示をすることで研究が進んできたというのがあります。
私自身も研究者として、発電所で使った材料、これを、外には出さないけれども、どういう履歴でやったのかと。具体的に言いますと、例えば航空機でもそうですけれども、同じ飛行機機体でも、国内線で使った場合と国際線で使った場合には、同じ材料でも履歴が全部変わってきます。見た目は変わりません。そうなってきたときに、匿名だとこれはフィードバックは掛けられないと、こういう課題にも直面してきましたので、そこをルールを作って、その情報は基本的に細かいことは出さないという、これまさに今回の医療分野における法改正の意義ということがよく理解がすることができると思います。
今般の法改正で、医療分野における研究開発、また技術開発環境がどのように改善することになるのか。機微な情報でありつつ、研究推進にはデータが必要であります。高市大臣、これについて伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/73
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074・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 今、三浦委員がお示しくださった例示のように、やっぱりこれ、分野を問わず、研究開発の現場においては信頼性の高いデータを利用できるということは大変重要だと考えております。
今回の改正では、例えば、日々の診療時に作成されるカルテに記載された情報、リアルワールドデータを仮名加工医療情報という形で提供して、かつ、法律で定める場合には元のデータに立ち返って信頼性を確認するということが可能になります。
このデータの信頼性を確認できるという前提でリアルワールドデータを薬事承認審査に活用できるようになりましたら、承認審査に必要なデータを製薬企業が迅速かつ効率的に収集することができます。新薬の開発や既存薬の新たな効能への適応拡大の迅速化が期待できると考えております。
また、研究開発への利活用に堪え得るレベルでの匿名加工が難しいCT検査などの画像情報につきましても、仮名加工医療情報としてであれば提供が可能となりますので、例えばAIを活用した画像診断支援サービスの開発への貢献も期待できます。
研究開発が活発化することで、新たな医薬品や医療機器、また健康管理のためのプログラム、そして診断支援サービスの開発などを通じてこの医療の発展に寄与できると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/74
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075・三浦信祐
○三浦信祐君 続いて、事業者認定について質問いたします。
仮名加工医療情報を作成、提供する事業者、すなわち仮名加工医療情報作成事業者の認定はどのように行われていくのでしょうか。公募と審査によることだと思いますけれども、これまで三者存在している匿名加工医療情報作成事業者の認定と同じ基準となるのでしょうか。
また、匿名加工医療情報作成事業者が仮名加工医療情報作成事業者となることが可能なのか、確認をさせていただきたいと思います。
さらに、匿名加工医療情報利用事業者である場合、仮名加工医療情報利用事業者に手挙げすることによって即座に承認されて認定仮名加工医療情報利用事業者となるのでしょうか。
これら一つ一つ確認が必要でありますので、明確に御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/75
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076・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
まず、作成事業者の認定についてでございますが、現行の匿名加工医療情報の作成事業者の場合は、氏名や被保険者番号などのいわゆる顕名の情報を医療機関等から収集、管理した上で、情報の利用申請があった場合には、法律の目的に照らし審査を行い、適切に匿名加工を行った上でデータを提供する、こういった能力を確認した上で、現行、認定を行っているところでございます。
改正案で創設いたします仮名加工医療情報の作成事業者の業務内容でございますが、現行の匿名加工医療情報作成事業者と共通する部分がかなり多く、やはり同様、それに近い認定基準とすることを考えてはおりますが、両方の、仮名加工、匿名加工、それぞれの認定事業というのは、法律上は独立した認定制度ということになりますので、このため、現行の匿名加工医療情報の作成事業者から申請が行われた場合であっても、直ちにそのまま仮名加工医療情報の認定作成事業者となるというわけではなくて、改めて仮名加工医療情報作成事業者の認定基準に沿って主務省庁において審査の上でこれを認定するということになろうかと思います。
また、当然ですけれども、匿名加工と仮名加工の両方の作成事業者の認定を受けた事業者がいた場合には、当然、両事業を明確に区分して実施をするということを求めることとしております。
それから、利用事業者の認定についてでございますが、利用者につきましては、仮名加工医療情報の場合は、匿名加工医療情報の際にはなかった認定制度というものを設けますので、主務省庁が安全管理措置等の認定基準に照らして審査を行った上で仮名加工医療情報の利用事業者としての認定を行うということになろうかと思っております。
認定基準の設定につきましては、先ほど来御説明申し上げていますとおり、情報セキュリティーや法律に関する専門家、実務家等の意見を伺いながら必要な基準を検討してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/76
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077・三浦信祐
○三浦信祐君 データだからといって勝手に取扱いがごちゃごちゃになってはいけないということでもありますので、ここよく説明をしていただきたいというふうに思います。
これまで匿名加工医療情報の集積がなされていると承知しますが、これらの情報を研究活用に、開発に利用したいとなった場合に、仮名加工医療情報に変更することは可能なのでしょうか。貴重なデータ利活用の視点から取扱いについて明確にしておくべきだと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/77
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078・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) 大変貴重なデータということはまさに委員御指摘のとおりなんですけれども、現行法の下でこれまで認定匿名加工医療情報作成事業者が収集してまいりました医療情報は、これはあくまでも匿名加工した上で利活用するということを前提とした本人通知に基づくものでございます。
したがいまして、仮に当該認定匿名加工医療情報の作成事業者が仮名加工医療情報の作成事業者の認定を併せて取得した場合であったとしても、既に匿名加工医療情報としての利用の通知に基づいて収集してまいりました匿名加工医療情報、それをそのまま仮名加工した上で利活用するということは、これは認められないということでございます。これを仮に仮名加工医療情報としても利活用するためには、改めてその旨を患者に通知をするか、又は仮名加工医療情報としての利活用を前提とした通知に基づいて医療情報を取得していただくという必要があろうかというふうに思っております。
このため、やはり両方の認定を取得する事業者が仮に出てくるということは十分想定されますので、やはり情報の管理を始め、取得した医療情報の不適切な取扱いが生じないよう厳格に管理させるとともに、医療機関に対しましても、こういった制度、仮名加工と匿名加工の違いにつきましても必要な周知を図ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/78
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079・三浦信祐
○三浦信祐君 大変重要な御答弁をいただきましたので、しっかり周知していただきたいと思います。
医療現場において、カルテも含め、データの電子化には程遠い状況にあります。改めて、共用可能な医療カルテの電子プラットフォーム化が必須であります。今後、日本のデータ整理、研究に活用することも、また医療機関の働き方改革、データ変換、そして整合化の手間を省くためにも欠かせないと私は考えております。電子カルテ実用化における政府の予算投資、また研究促進の現状を伺いたいと思います。
また、加えて、電子データの情報の質も確保できる方策のために、必要情報入力についてのガイドライン、またプラットフォームの検討もすべきだと私は考えております。紙データから電子化する際にも基準となり、活用のベースになるのではないでしょうか。高市大臣、是非取り組んでいただけませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/79
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080・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) まず、政府全体としての取組から申し上げますと、現在、岸田内閣総理大臣を本部長とする医療DX推進本部、これが昨年十月に立ち上がりました。医療機関、薬局における電子カルテ情報の一部の共有、閲覧を可能とする全国医療情報プラットフォームの創設ですとか、また、医療機関における標準規格に対応した電子カルテの導入の推進などによる電子カルテ情報の標準化などについて取り組んでいくということになっていると承知しております。
厚生労働省におきましては、標準規格に対応した電子カルテの導入などについて必要な予算措置を行っております。さらに、内閣府におきましては、SIP第三期の課題の一つであります統合型ヘルスケアシステムの構築におきまして、現場の医療、ヘルスケアデータを標準化してデジタル空間に投影する医療デジタルツインの開発に取り組むこととしておりまして、今年度の予算として二十三億円を配分しています。
この本課題の研究テーマの一つとして、電子カルテに蓄積された医療データをベンダー、システムの垣根を越えて収集、統合するための基盤、技術の開発にも取り組むことといたしております。これらの取組によって、全国医療情報プラットフォームによる情報共有ですとか電子カルテ情報の標準化などが進むということによって、研究開発という二次利用のための医療ビッグデータの収集、活用というのも加速される可能性がございます。そういう関係性にございます。
この医療DX推進本部の取組ですとか関係府省による取組としっかり連携してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/80
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081・三浦信祐
○三浦信祐君 一題飛ばさせていただきます。
データベースについて質問させていただきます。
ナショナルデータベース、NDBと介護、DPCに加えて、障害福祉や難病、感染症等の他の公的データベースと本法案では連結できるようにするとしております。利便性の向上が期待されるのは理解ができますけれども、一方で、データ量が膨大になって、情報取得までの構造が深く複雑になり過ぎて、逆に活用しづらくなってしまうというリスクも当然生まれます。ですので、簡便性、容易性の確保を図るべきだと思いますけれども、対策をしていただけませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/81
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082・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
今回の改正案によりまして、情報の利活用というのは、利活用者が、認定事業者が保有する匿名加工医療情報とそれからNDB等の公的データベースの情報、これを連結して解析する、こういったような提供の方法が可能になるということでございます。
連結可能な状態での匿名加工医療情報の提供に当たりましては、研究者による不適切な利用が当然行われないようにしなければいけませんので、認定事業者が設置する審査委員会におきまして、NDB等との連結可能な形での提供が行われるといったことを前提とした利用の目的あるいは利用の態様等の審査を行うことを予定しております。
また、実際の提供に関してでございますけれども、NDBが既に他の公的データベースとの間で実施している匿名での連結提供と同様の仕組みで提供することを考えております。研究者が利用しやすい手続となるように、今後、下位法令やガイドラインにおいて適切な環境整備に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/82
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083・三浦信祐
○三浦信祐君 次に、本法において、データを提供するスピードは現状どの程度で、今後どのように改善をされるんでしょうか。民間企業にとってみれば、これはスピードがとても重要であります。半年も掛かるようではとても使いたいと思えなくなってしまいますので、対応についていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/83
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084・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) 現在、医療情報の利活用者から、匿名加工情報なんですけど、認定匿名加工医療情報の作成事業者に対し申請が行われましてから実際に匿名加工医療情報が提供されるまでに要する期間というものは、認定事業者からヒアリングをしたところ、申請内容によって異なるものの、やはりおおむね三か月程度掛かるというふうに伺っております。
実際には、医療分野の研究開発につきましては、例えば新型コロナウイルスなどの新興感染症に対する研究など、迅速にデータを研究者に利用していただくことが非常に重要な場合というのも当然想定されますから、現行法のガイドラインにおきましても、認定事業者における審査委員会での審査に当たって、いわゆる迅速審査の仕組みを設けるということを認めております。
改正法案により創設いたします仮名加工医療情報につきましても、やはり必要に応じて迅速に認定利用事業者にデータを提供できるようにするという視点は、これは非常に重要であるということを踏まえた上で、適切なガイドラインの整備を進めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/84
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085・三浦信祐
○三浦信祐君 このスピード、とても大事なので、対応いただきたいと思います。
AIホスピタルの導入のために私これまで取り組んでまいりましたけれども、社会実装において、画像データに基づく基礎データの蓄積によってスクリーニングあるいは診断サポートへの活用が想定をされて、働き方改革とリスク判定、見落とし回避に効果があると期待ができます。さらに、医療情報のデータ数が増加すれば質が向上する可能性が高く、AIの質の向上も図ることができます。
一方で、実データがあるだけでは意味を成さない場合が多く、AIをより精緻なものにしていくためには、画像情報を収集し、アノテーションを行った上、教師データを充足し、学習させることが欠かせません。本法改正によって、これまで活用が困難だった医療情報としての画像データの有効活用が可能となります。
したがいまして、本法改正は、注目されているのはもう創薬ということばっかりですけれども、どちらかといったら、ソフトウエアの開発の一助だったり、医療、臨床現場におけるAIホスピタルの導入にサポートできるような、こういうメリットが生ずる効果があると私は考えております。本法律に基づくこれらの事業、産業の発展に寄与することも期待され、幅広くデータ活用がなされるような取組を行えば国民利益に直結すると思います。
この視点を明確にすべきだというふうに私は考えますけれども、高市大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/85
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086・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 本法律案改正、お認めいただけましたら、CT検査などの画像情報等の利用が可能になります。この画像情報とAIを活用した画像診断支援サービスの開発にもつながります。国民の皆様に、より良質かつ適切な医療が提供できることが期待できます。
今回の改正による医療情報の利活用の進展が研究開発の更なる活性化につながり、その成果が健康長寿社会の形成に資するように、国としても、これからガイドラインの整備を通じて、医療情報の利活用環境の整備に取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/86
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087・三浦信祐
○三浦信祐君 大臣、また改めて質問したいと思いますけど、実はこのアノテーション、これを取り込んで、そしてデータを一緒になって不足を入れていくという作業をする人が、日本には数が余りありません。今、海外に出しているというのが実態です。経済安全保障から考えたときに、AIに何を入れ込んでいくかという情報を、元々大事なものが海外に行っているようではこれはしようがありませんので、改めてこの点については議論させていただきたいと思います。
医療情報の第三者提供に際して、患者さん等本人への通知、仮名加工医療情報についての活用に際して、どのような表現がされていくのか。正直、専門家以外、匿名だとか仮名だと言われても理解が即座にできるものではなかなかありません。そもそも、病院に行って、私の病気を治してもらいたいといってお医者さんに伝えたときに、匿名だ、仮名だなんていうふうに言われても、そこはもう、はい、分かりましたで終わってしまうか、そこに頭が至らないという状況で病院に行っているのが、これが実態であります。
その上で、地域や医療機関における記述内容等の差異があった場合には、住んでいる場所と医療提供機関が違ったりすることによって、また横の連携で情報に違いがあったりすると不安が増幅される可能性もありますので、こういう差異、極力少なくなるように配慮する必要があると思います。
医療情報の第三者提供について、説明についてのガイドラインやプラットフォームを作成し、患者の皆さん等に分かりやすく理解できる内容とすること、さらには、大事なことは、患者さんにお話をするのは医療機関、お医者さん、関連する事務に携わってくださっている方々であるということから考えますと、この情報を提供する側、同意をしていただくようなその資料を作って説明をする側、これがとても医療機関等が通知しやすい内容にしておくということは非常に重要なことだと私は思います。
高市大臣、是非、整理の上、取り組んでいただけませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/87
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088・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 次世代医療基盤法では、患者御本人に本制度をしっかり認識していただいた上で医療情報を提供いただけるように、丁寧な通知の実施を求めております。
今後、仮名加工医療情報としての利用目的として医療情報を提供いただく場合については、提供された医療情報が仮名加工されて医療分野の研究開発に利用されること、また作成事業者に提供される医療情報の項目などについて丁寧に通知をすることとしております。
この通知の記載内容が分かりやすく、理解しやすいものであるということがもう非常に重要だというのは御指摘のとおりですので、国としては、具体的な通知のひな形をお示しするというようなことをもって、制度認知の向上につながる運営に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/88
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089・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 時間ですので、まとめてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/89
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090・三浦信祐
○三浦信祐君 平易の、患者さんの立場に立ったような内容、本当に分かりやすい図面とかも含めて提供できるような体制も整えていただいて、我が国国民の皆さんの健康、そして経済を支えてくださる、命を守るという医療現場も支えていくということ、併せて進められる法律だと思いますので、是非しっかりと準備をしていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
以上です。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/90
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091・柴田巧
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。よろしくお願いをいたします。
改めて言うまでもありませんが、我が国においては、いわゆるこの国民皆保険制度の下、豊富な医療データがそもそも存在をしていたわけですが、これまではそれらのデータの活用が進んでこなかったと。それを克服するために、医療データの活用促進のためにこの次世代医療基盤法が制定をされ、先ほどからも話が出ていますとおり、この匿名情報の制度が整備をされたわけです。
しかし、この個人の識別につながるおそれのある特異な検査数値でありますとか、希少な疾患名などの情報を削除することが必要だったり、また、この医療の研究現場からは、この匿名加工医療情報では精緻な研究とか希少な疾患に関する研究は難しいという指摘がされてきました。
なおまた、この匿名加工医療情報については、事後に情報の信頼性を検証する方法がないことから、この薬事承認申請に利用することが事実上困難という課題が指摘をされてきたわけで、このため、本法律案が成立をすることによって新たにこの仮名加工医療情報が活用できることになるわけですが、そのことによって、この医療情報がより利活用をしやすいものになって、治療法や医薬品の開発に役立って、医療並びに創薬の発展につながることを期待をするものです。
加えて、先ほどから出ていますが、この健康長寿社会の形成に最終的に資するようなことになっていくことを、つながっていくことを願うわけで、その上で、正直重なる部分が多々、用意していた質問あるのですが、確認の意味を込めて順次お聞きをしてまいりたいと思っております。
まず、先ほどからも取り上げてはおりますけれども、認定事業についてでありますけれども、これまでの利活用は二十一件ということで、決して多くないというか、極めて少ないと言わざるを得ないと思っていますが、例えば、NDBデータの第三者提供の状況などと比較してはどのようになっているのか。また、この研究等で匿名加工医療情報はどのように利活用されているのか、これまでの取組状況をまずはいろいろとお聞きをしてまいりたいと思います。併せて参考人にお願いをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/91
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092・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
現行の次世代医療基盤法に基づきまして、令和元年の十二月に初めて匿名加工医療情報の作成事業者が認定されました。これ以降、これまでに約二百六十万人分のデータが収集され、それから二十一件の研究利用が行われております。
具体的な利活用の実績といたしましては、いわゆるフィージビリティースタディー、つまり新規のプロジェクトを正式に開始する前に実現可能性を調査するために行われるような、そういったフィージビリティースタディーの用途というのがやっぱり多いという状況ではございますが、一方で、乳がんですとか心不全等の個別疾患を対象といたしました研究に使用された事例、あるいは学術論文として公表された事例も存在しており、一定の成果を上げつつあるという形で認識はしております。
他方、NDBの第三者提供についてでございますが、データの量ですとか内容が異なるため一概には比較はできないと考えておりますが、レセプトの収集開始から二年後の二〇一一年度に年間六件の提供承諾から始まり、ここ数年は年間四十件から七十件程度の提供承諾が行われているというふうに聞いております。
次世代医療基盤法に基づく累計二十一件、利用実績は決して多い数字ではないわけですけれども、制度の見直しに向けた検討会でいただいたいろいろな御意見、現行制度の匿名加工制度の課題、これを踏まえて、今回の制度の見直しによりまして更に利活用が進むということを期待しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/92
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093・柴田巧
○柴田巧君 まだまだというところが多々あるわけですが、続いてお聞きをしますが、この次世代医療基盤法において、この医療情報の提供は任意となっております。この認定匿名加工医療情報作成事業者に医療情報を提供するこの医療情報取扱事業者、医療機関であったり自治体だったりということですが、これが百十と今のところ言われています。
これらが三十五の今のところ都道府県に分布をしているということになるわけですが、この総数を考えると、我が国のこの医療情報取扱事業者の総数を考えると余りにも少ないということになるわけで、この当該事業者が存在しない、四十七都道府県ですから十二県ということになりますが、その理由はどういうところにあるのか把握をしていらっしゃるのか、お聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/93
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094・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) 現行の次世代医療基盤法に基づく認定事業者への医療情報の提供についてでございますが、現状、認定作成事業者から医療機関等に対して協力を働きかける、その中で、医療情報の利活用の重要性に対して御理解をいただいている急性期の医療機関等を中心に現状御協力をいただいているものというふうに認識をしております。
御指摘の地域別の分布ということでございますが、これは各認定事業者が医療機関等に対して協力をお願いして調整を行った結果であるというふうに理解をしております。
いずれにいたしましても、医療情報の研究開発への利活用を促進するためには、これまで以上のより多くの情報の収集が進むということが非常に重要であり、医療機関だけではなくて、介護施設、自治体等も含めて、制度の趣旨を御理解の上、御協力をお願いしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/94
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095・柴田巧
○柴田巧君 私は地元は富山県で、私の県もこの十二の方に入っているんで、まあ心配しますのは、この収集データに地域的な偏在が生じるんではないかということを大変懸念したりするわけで、今答弁されたように、やはり広く、この医療機関、介護施設、自治体等々にしっかり、意識の啓発とか必要性をしっかりとPRをしていただきたいと思います。
次に、急性期病院以外の医療機関を協力事業者とするための方策についてお聞きをしていきます。
今のと関連をしてまいりますが、協力事業者の数は先ほど申し上げた百十ということになると思いますが、ただし、先ほどからもありますように、この急性期病院を有する一部の医療法人等に偏っているのが現実で、かかりつけ医やあるいは地方公共団体はほとんど含まれていないということでございます。
そこで、多様なデータを個人単位で名寄せをしてこのライフコースデータとして整理をしていく、整理をするためには、急性期病院以外の医療機関や介護施設、学校健診情報など多様なこの協力事業者を獲得する必要があると考えますが、そのためにどのように取り組んでいくのか、これは大臣にお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/95
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096・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 今、柴田委員御指摘いただきましたとおり、やはりこの医療情報が有効に利活用されるためには、より幅広い協力事業者からの情報の収集は必要でございます。現状でしたら、医療情報の利活用の重要性に関して深く御理解いただいている大学病院など、急性期の医療機関を中心に御協力をいただいているということでございます。この急性期病院以外の医療機関、介護施設、自治体などにも、制度の趣旨を御理解のいただいた上で是非とも御協力をいただきたいと考えております。今回の改正法におきましては、医療情報を取り扱う事業者に対して協力を求める規定を新たに盛り込むこととしております。
今後、政府として、医療機関だけではなくて、介護施設や自治体なども含めて、医療情報の利活用の成果を国民の皆様に還元するのだという次世代医療基盤法の趣旨を御理解いただき、医療情報の提供につながるように、制度説明のパンフレットの作成、配布もいたしますし、またシンポジウムの開催なども行いまして、更なる周知、広報に努めてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/96
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097・柴田巧
○柴田巧君 是非、今大臣答弁されたように、その今の件、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
次の質問、四番の質問になりますが、先ほど杉尾先生も取り上げられて、ほぼほぼ重なるので質問そのものは繰り返しませんが、いわゆる、心配をしていますのは、赤字の認定事業者への支援策というのは本当に何もしなくてというか、大丈夫なのかというのを大変気にしております。
大臣は、先ほどの答弁で、こうやって法改正によってうまくいけば数が増えてという、まあ安易な期待感とまでは言いませんが、実際本当にそうなるかどうか大変、何とも現時点では分からない部分も多いわけですし、究極的に大事なのは、法律を改正するだけではなくて、やはりこの法律の目的である健康長寿社会をつくっていくんだ、資するためのものにしていくということが大事なんであって、そのためには、やっぱり使い勝手のいいというか、事業者がやっぱり自律できる、そういったものに心を配っていく必要もあるのではないかと思いますが、改めてになりますが、この今の点、大臣のお考えも改めてお聞きをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/97
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098・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 大変お答えしにくいのではありますが、この認定事業者における利用料や委託料の設定については、これは自律的に運営していただくということで、各事業者において決定をしていただいております。
そして、先ほども杉尾委員にも答弁申し上げましたが、やはり今、各認定事業者共に情報基盤整備を始めとした初期投資がかさんで経営的に厳しい状況にあるということも認識はいたしております。本改正案をお認めいただきましたら、しっかりとガイドラインも整備しまして、利活用、本当に、本当にこの利活用拡大できるように、そして成果が上がるように取組を進めてまいります。それによって認定事業者の収支の改善が図られることを大いに期待をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/98
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099・柴田巧
○柴田巧君 是非、結果が出るように、目的にちゃんとつながっていくようにしっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、必要な支援策というものがあるとすれば、それもまたやっていただきたいものだと思います。
次に、これも杉尾先生と重なってしまってあれなんですが、かなりの部分、全部じゃないんですが、かなりの部分重なっているのですが、大変重要な点でございますので、私からも繰り返しお聞きをしたいと思います。
それは、この認定事業における不適切な情報取得についてでありますが、先ほどもありましたけれども、このライフデータイニシアティブが保有するところのデータベースには次世代医療基盤法に定められた通知が行われた患者のデータのみが登録されるべきところを、各医療機関から医療情報の提供を行う業務を受託していたNTTデータですが、ここが作成したプログラムの誤りがあって、通知が行われていない患者のデータが登録されたというふうに聞いております。
そこで、まずお聞きをしたいのは、この誤って登録された医療情報の件数はどの程度であったのか、また、本事業に対してどのような対応を行い、今後こういうことが二度と起きないように、事案が生じないように再発防止策は十分に講じたと言えるのかどうか、併せて参考人にお尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/99
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100・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
昨年の九月に、医療機関から次世代医療基盤法の認定事業者LDIに対して医療情報を提供する際に、プログラムの誤りによりまして、本人通知の手続が取られずに約九万五千人分の患者情報が提供されていた事案の報告を受けたところでございます。
認定事業者が収集した個人情報自体を外部に漏えいしたり、あるいは匿名加工が不十分であったりした事実が確認されているわけではございませんが、認定事業者として医療機関側の業務の正確性を十分に確認できていなかったこと、それから、不適切な情報の取得を探知してからの報告体制が不適切であったこと、こういったことから、厳正に原因究明と再発防止策を講じさせたところでございます。
あわせて、ほかの認定事業者に対しましても同様の事象がないかなどの確認をさせ、制度としての信頼性の再確認、確保を図ったところでございます。
今回の事案を契機といたしまして、事業者に対してしっかりと対策を講じさせることとしておりまして、今後、より信頼性ある運用がなされる方向に我々も指導してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/100
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101・柴田巧
○柴田巧君 やはり、こういう事案が生じると、本当にこの信用が失墜してしまうというか不安が広がってしまうと思いますので、しっかりやってもらわなきゃならぬと思いますが。
通告はしていませんが、今のちょっと答弁を聞いていて、先ほど大臣も、これから認定事業者、これは増えてくるんではないかと期待をするということをおっしゃったわけですが、この認定事業者の監督、そうなると、数が増えてくるとなると、その監督体制の強化というものもやはりこれ備えておく必要があるのではないかと思います。この点、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/101
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102・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
現在、作成事業者ということに関しましては匿名加工しかないわけですけれども、認定匿名加工医療情報の作成事業者、三者ということでございます。
今回提案申し上げております改正法案におきましては、新たに仮名加工医療情報の作成ということを行う事業者も認定をする形になります。その認定事業者が、どの程度申請があってどの程度の事業者が認定されるのかというのは現段階では予断はできませんけれども、先ほど来御答弁申し上げておりますとおり、この認定作成事業者といいますのは、やはり医療機関等から顕名の情報をもらってそれを管理をする、それから、それをしっかり加工した上で提供する、その提供する際には、当然審査委員会をつくった上で、その審査の中で適切な利用が図られるのかといったことも見ていくということで、かなりいろいろなことを要件として課しているわけで、その辺りは仮名加工医療情報につきましても匿名加工とそれほど大きく異なるものではないということを考えますと、仮名加工医療情報の作成事業者が三つ、今の三者が手を挙げるのかどうかは分かりませんが、今の三つと比べてそれほどすごくたくさん出てくるのかどうなのかというところは、ちょっと今は何とも申し上げられません。
仮に、たくさん出てきた上で、いずれもがしっかりとした認定業務ができるということで認定を行った際には、それに見合った形の監督体制ができるような体制というものを国も準備していく必要があるだろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/102
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103・柴田巧
○柴田巧君 増えた場合を想定して、その監督体制の強化という準備もしっかりしておいていただきたいと思います。
では、個々にいろいろちょっと聞いてまいりたいと思いますが、この仮名加工医療情報を用いた薬事承認申請についてですが、PMDAからは、医療機関によってカルテ情報の差、質に差があって、検査値が、細かくチェックしなければ薬事承認に使用することが困難であるという指摘も出ているようであります。
現行法においても、この医療情報等の規格の適正化について規定をされていることなわけですけれども、今までこれ第六条だったのが、今度は、新しくは、改正案では第七条になりますが、こういった規定がされているんですけれども、そこで、仮名加工医療情報の規格の適正化のために、この法案成立後、どのような取組をする考えなのか、参考人にお尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/103
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104・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
現行法の認定匿名加工医療情報作成事業者におきましては、医療機関における医療情報の種類や形式、それらの実態を踏まえまして適切な方法で医療情報を取得するとともに、研究開発に関するニーズに応じて必要な医療情報を選定して抽出する、こういったことにつきまして高い専門性を有する医療情報取得・整理責任者という方を配置をするということを認定基準として求めております。認定仮名加工医療情報作成事業者、今回の提案申し上げている法案で創設する仮名加工の作成事業者につきましても同様の基準を設けるということは予定しているところでございます。
また、認定作成事業者が医療情報を収集するに当たりましては、データの入力の仕様を共有するとともに、各医療機関から取得した医療情報につきまして、病名の標準化ですとか異常値の修正といったいわゆるデータのクレンジング、これに注力しているというふうに承知をしております。仮名加工医療情報に関しましても、収集する医療情報の信頼性の向上に向けまして、認定作成事業者がこうした業務、適切に対応できるよう指導してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/104
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105・柴田巧
○柴田巧君 ありがとうございます。
続いて、薬事承認に資するためのこの仮名加工医療情報を利活用できるということになるわけですが、この法改正によって、PMDAへの申請に当たってどのような情報が渡されるということになるのか、そしてどのような成果が期待されるということなのか、併せて政府参考人にお尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/105
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106・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) 今回の改正によりまして、新たに仮名加工医療情報を薬事承認審査のためにPMDAに提供できることとなるわけでございますが、仮名加工医療情報は、氏名等の削除は当然必要ではありますけれども、匿名加工医療情報では削除しなければいけなかった特異な検査数値ですとか、あるいは希少な疾患名、これらの削除は不要であり、また重要なことは、法律で定める場合、例えばPMDAに薬事承認申請で提出した後、PMDAからの求めがあった場合等になりますけれども、こういった場合には元のデータに立ち返って信頼性を確認することが可能になるということが非常に重要で、より薬事承認に活用しやすい精緻なデータを提供することが可能になるのではないかというふうに考えております。
これによりまして、例えば日々の診療時に作成されるカルテ情報、これを薬事承認審査に活用できるといったことになれば、承認審査に必要なデータ、これまでは製薬企業が自分のところで臨床試験等を行って、そのデータを確保しなければいけなかったわけですけれども、それに比べてこういったカルテ情報等を活用できることにより、より迅速かつ効率的にデータの収集ができて、結果的には新薬の開発ですとか、あるいは既存薬の新たな効能への適応拡大の迅速化、こういったことが期待できるのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/106
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107・柴田巧
○柴田巧君 続いて、オプトアウトに関連してお聞きをしたいと思いますが、医療情報、先ほどからありましたように、非常にプライバシーも高くて機微な情報だということでありますが、この医療情報の提供についてお聞きをしていきたいと思いますが、まず一つは、これまで本人又は遺族による医療情報の利用の停止を求める意思が表明された件数及び割合はどの程度か。また、この医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する基本方針及び次世代医療基盤法ガイドラインにおいては、既に認定事業者に提供された医療情報の削除の求めがあったときは、本人を識別可能な情報は可能な限り削除する必要があるとされていますが、事後にこの医療情報の削除が求められて、実際に削除された件数及び割合はどれぐらいあるのか。なおまた、この認定事業者が医療情報の削除を拒否した事例や削除の求められたことを知りながら実際には削除しなかった事例は実際あるのか。これらの評価とともに、併せて政府参考人にお聞きをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/107
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108・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
次世代医療基盤法におきましては、医療機関等から本人に対しまして通知を行う方法として、インターネット掲示や院内掲示など単に本人が容易に知り得る状況に置くのではなく、あらかじめ本人に通知するということを求めております。
こうした通知を受けまして、利用の停止を求めた、患者さんの方から利用の停止を求めたいわゆるオプトアウトの具体的な件数、割合でございますが、正確に把握しているわけではございませんが、認定匿名加工医療情報作成事業者におきまして一定の期間におけるオプトアウトが行われた割合についてはおおむね一%未満であったというふうに伺っております。
また、ガイドラインにおきましては、御指摘いただいたように、既に提供された医療情報の削除の求めがあった場合にも可能な限り削除をするということを明確に求めているところでございますが、実際に提供後に削除された割合等については報告は受けておりません。
このほか、ガイドラインでは、十六歳未満の方については保護者等に対して通知を行う、あるいは障害者や高齢者の方について十分な配慮を行う、さらには本人又はその御遺族等からの問合せに係る窓口機能を確保するなど、丁寧な対応を行うことを求めておりまして、適切に意思表示、オプトアウトの意思表示されたい方に関してはその意思表示をする機会が確保されているものと認識はしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/108
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109・柴田巧
○柴田巧君 大事なここはポイントだと思いますので、しっかりこれからもやっていただきたいと思います。
次に、この匿名加工医療情報とNDB等の公的データベースを連結する際には被保険者証の記号・番号及び保険者番号を不可逆的に変換した共通のIDを利用することが想定をされていますが、これによって本人が再識別される可能性は実際はあるのかどうか、また、この本人が再識別されないようにするにはどのような安全管理措置が必要ということになってくるのか、併せてお聞きをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/109
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110・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) 今回の改正案によりまして、認定事業者が保有する匿名加工医療情報とNDB等の公的データベースの情報を連結して解析することが可能となり、例えば次世代医療基盤法の協力医療機関である急性期病院に入院して治療を受ける前後の他の診療所等での受診や投薬の状況、これがNDBのデータにより把握できるなど、研究の可能性の拡大が期待されるところでございます。
双方からのデータの提供でございますが、いずれもこれは匿名の状態で行われ、また、匿名加工医療情報とNDB等のデータを連結するに当たっては、御指摘のとおり、患者個人単位の被保険者番号ごとに生成した復元不可能な共通IDを使用するということとしておりますので、この共通IDから個人の再識別が行われることはないというふうに考えております。
また、利用者による不適切な利用が行われるということがないよう、NDB等との連結可能な形で提供を行うという場合につきましては、次世代医療基盤法の認定事業者が設置する審査委員会におきまして、連結可能な形での提供を前提とした利用目的あるいは利用態様の審査を行うこととしております。
これらの安全管理基準の詳細につきましては、今後法案が成立いたしました暁には、改正法の施行までの間に、情報セキュリティーの専門家、法律に関する専門家、実務家等の意見を聞きながら検討を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/110
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111・柴田巧
○柴田巧君 分かりました。
次に、諸外国では、医療機関以外の民間事業者が保有するところの医療情報データベースが製薬会社であったり企業であったり医療機関等における研究などに広く利活用されているのはよく知られているところであります。
そこでお聞きをしますが、この本法律案でも匿名加工医療情報と民間事業者が保有する医療情報データベースとの連結はできるということになるのか、また、この本法律案によって連結できない場合、将来的に連結できるようにする考えそのものはあるのか、政府参考人にお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/111
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112・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) 今回の改正案によりまして、認定事業者が保有する匿名加工医療情報と、それとNDB等の公的データベースの情報を連結して解析することが可能となりますが、既に厚労省におきましては、NDB、それから介護保険総合データベース、DPCデータベースの三つの公的なデータベースについて相互の連携提供が始まっております。それから、現在は、感染症法に基づく感染症データベースや予防接種法に基づく予防接種データベースといった他の公的なデータベースについてもNDBとの連結提供に向けた準備が進められているものと承知をしております。
今回御提案申し上げております改正法案におきましては、認定事業者から提供される匿名加工医療情報とこれらの公的なデータベースとの連結解析を可能とする方向で考えておりますが、その理由は、これらのデータベースがいずれも法令に基づき整備をされ、NDBと同等の規律が守られているということによるものでございまして、一般的な個人情報保護法に基づいて情報が収集された民間のデータベースとの連結提供ということにつきましては、現時点では考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/112
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113・柴田巧
○柴田巧君 現時点では考えていないということですが、やはりより多くのデータと連結をしていくというのは非常に重要なことだと思いますので、これは、我々ちょっとまた注意深く見ていって、またいろんなことを提言、提案していきたいと思います。
ちょっと時間がなくなってまいりましたので次に移りたいと思いますが、これも確認をさせていただきますが、本法律案においては、この医療情報取扱事業者は医療分野の開発に資する施策に協力するよう努めるものとされています。
そこでお聞きをしておきますが、本規定を設けた理由は何か、また、この本規定について、医療情報取扱事業者にとって義務化や強制と受け止められることを避けなければならないという指摘も出ておりますが、この点についてはどのように対応する考えなのか、お聞きをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/113
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114・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) 今回御提案申し上げております改正法案で新設いたします協力規定でございますが、医療分野の研究開発を推進するために医療情報の利活用がますます重要となる中で、収集する医療情報の充実を図るために、本法の趣旨を医療機関あるいは地方自治体等に御理解いただいて協力をお願いする目的で設けるものでございます。
今回の協力規定を設けた後も、医療機関等が本法に基づく医療情報の提供を行うかどうかは、これは任意でございます。さらに、医療機関等から提供する旨の通知を受けた患者様等が協力するかどうかも、これも任意でございます。
今後とも、医療情報の提供は任意であることを前提としつつ、医療情報を研究開発に利用することの意義やその成果を具体的かつ分かりやすく国民の皆様に知っていただくことで、国民の皆様、医療機関、地方自治体等の御理解をいただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/114
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115・柴田巧
○柴田巧君 これが最後の質問になりますが、大臣にお尋ねをしたいと思います。
先ほどからも出ておりますが、これまで匿名加工医療情報だけでしたが、今回仮名加工医療情報も活用するわけですけれども、やはりこの研究成果の社会還元状況を患者本人や国民に対して、やっぱり十二分にこれ説明していくというのが大事だと。やはり、患者さん、そして国民の理解がなければこういうものはうまくいかないと思いますし、最終的に、医療分野の研究開発の促進だったり、新産業の創出、そして何よりも健康長寿社会の実現に向けて資するということにならないと思いますので、患者さんや国民に対するこの社会還元状況の十分な説明、今後どういうふうに取り組んでいかれるか、大臣にお聞きをして、最後にしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/115
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116・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) おっしゃるとおり、患者の皆様の個人情報である医療情報を研究開発のために利用させていただくためには、患者の皆様、国民の皆様、医療従事者などの多くの方々の御理解、制度に対する御理解が必要でございます。
ですから、やはり社会還元の成果を具体的な研究開発の実績として国民の皆様に迅速にお示しできる環境を整えていくことが私どもの責任だと考えております。研究成果が出ましたあらゆる機会を通じてお知らせをしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/116
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117・柴田巧
○柴田巧君 時間が来ましたので、終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/117
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118・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
午後零時三分休憩
─────・─────
午後一時開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/118
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119・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、古川俊治君が委員を辞任され、その補欠として松川るい君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/119
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120・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 休憩前に引き続き、医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/120
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121・上田清司
○上田清司君 国民民主党・新緑風会の上田清司です。
高市大臣、毎日御苦労さまです。
早速質問に移ります。
認定匿名加工医療情報作成事業者及び認定医療情報等取扱受託事業者が認定された要件は何なのか、また三団体四者以外に応募があったのかどうか、念のため確認したいと思います、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/121
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122・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 現行法の匿名加工医療情報作成事業者の場合、氏名や被保険者番号など顕名の情報を医療機関等から収集、管理し、情報の利用申請があった場合には、法律の目的等に照らして審査を行い、適切に匿名加工を行った上でデータを提供する等の能力を確認するとともに、医療情報に関する安全管理措置が講じられていることを確認した上で主務大臣が認定を行っております。
また、当該事業者からの委託を受けて匿名加工医療情報作成事業を実施する認定医療情報等取扱受託事業者についても、医療情報の安全管理措置等について委託元の認定事業者と同等の厳格な基準を設け、主務大臣により認定を行っております。
現在、認定匿名加工医療情報作成事業者は三者、認定医療情報等取扱受託事業者は四者でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/122
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123・上田清司
○上田清司君 能力をもって条件にしたと。どういう能力なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/123
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124・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) これは、安全管理措置ということで、例を挙げますと、組織的な安全管理措置、これは、安全管理責任者を配置している、また情報の取扱者の範囲の明確化と名簿等での具体的な指定、外部専門家による定期的な情報セキュリティー監査の受検、また情報セキュリティーに関する第三者認証等の継続的な取得などでございます。
また、人的な安全管理措置としましては、定期的な研修などの教育訓練及びその理解度の把握と必要な措置、権限を有しない者の情報取扱区域への立入り制限、権限を有しない者の情報に対するアクセス制限などでございます。
また、物理的安全管理措置としましては、情報管理取扱区域と他の区域との区分、情報管理取扱区域の機器の他のシステムからの分離とオープンネットワーク環境からの切離し、また情報管理取扱区域への立入り制限、また機器の持ち出し、持込み制限、これは、手荷物検査などによってカメラ、スマートフォンなどの持込禁止を行っているということです。そして、情報管理取扱区域内部のカメラによる常時監視、情報管理取扱区域内機器記録媒体の接続不能措置でございます。
また、技術的安全管理措置ということになりますと、情報管理取扱区域の機器への不正アクセスの制御、情報管理取扱区域機器への必要最小限のアクセス権限付与、情報管理取扱区域機器へのアクセスログの改ざん防止措置とログ収集、定期的な分析、情報管理取扱区域機器調達時にサプライチェーンを通じて組み合わされるこの部品等に意図されない変更を加えないことが製造業者等によって担保される製品を用いていることの確認、サーバーの分離とサーバー間接続の専用線利用及び各サーバーへのアクセス制限、情報管理サーバーのオープンネットワークからの分離でございます。
以上、具体例でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/124
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125・上田清司
○上田清司君 要件を聞いたので、能力の条件ですね、安全措置だとか情報管理だとか、そういった話が項目であったんですが、情報管理に関してはもう細かい御答弁をいただきました。なかなか、そこまでは要求していなかったんですが、ありがとうございます。時間がちょっとつらかったですね。
二番目に、同じく協力医療情報取扱事業者の選定要件、これは何だったのか。一応は、百十団体というんでしょうか、医療事業者でありますが、決定された事業者以外でも応募があったのか、それともこれだけだったのか、あるいは外した人たちがいたのか、この件についても質問要項で出していますので、大臣、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/125
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126・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 医療情報を認定作成事業者に提供いただく協力医療機関など、つまり協力医療情報取扱事業者につきましては、国が直接選定を行うものではございません。よって、要件は設定しておりません。
ただ、ガイドラインにおきまして、認定事業者に対して医療情報の提供を行う際の医療機関等が遵守すべき医療情報の取扱い等について定めております。また、ガイドラインでは、認定作成事業者が協力医療機関等を選定する際には、医療情報の提供を行う際の適切な医療情報の取扱いを遵守できる者を選定するということとともに、当該取扱いについて契約により担保することを求めております。
ですから、国としては、この協力医療機関等が遵守すべき医療情報の提供を行う際の医療情報の取扱いは定めていますが、国が直接選定を行うものではないので、国が断るといったこともございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/126
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127・上田清司
○上田清司君 これはとても重要な情報を提供される方々ですので、国は直接指定するわけじゃありませんが、どういう形で指定したかということを明確に知っておく必要があると思います。
なぜならば、この法律案の改正に関して一番の肝は、やっぱり個人情報をどう守れるかということだと思っています。そういう意味で、取扱い関係のまさに作成事業者、受託事業者、協力取扱事業者はいずれも個人情報の保護というのが大事ですので、この個人情報の保護をするための確認書的なものというのは関係者できちっとできているのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/127
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128・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 現行法における認定作成事業者及び認定受託事業者については、先ほど申し上げたような能力を確認するとともに、医療情報に関する安全管理措置が講じられていることを確認した上で、主務大臣が認定することになっています。
ガイドラインでは、認定作成事業者が協力医療機関等を選定する際に、この医療情報の提供を行う際の適切な医療情報の取扱い等を遵守できる者を選定するということとともに、先ほども申し上げましたが、この取扱いについては契約などにより担保するということを求めております。
この協力医療情報取扱事業者の医療機関における情報の取得や管理につきましては、日々の診療の中で個人情報保護法の原則にのっとって関係省庁の指導の下で対応されているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/128
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129・上田清司
○上田清司君 ありがとうございます。
先ほども杉尾議員からもNTTデータが九万五千人分の不適切な取得についても大臣に確認され、大臣も不適切な取得があったと。ただし、大臣、これ時系列的に見ていくと、六月二十日に発覚して、七月五日にサービスを停止しているんですね。ごめんなさい、六月三十日に発覚して約一週間近く、停止するまで。こういうのは即停止なんです。それから、内閣府に九月に報告して、九月二十日に内閣府は詳細な報告を求めているんですね。時系列的に見ると、すごい遅いんですね。もしこれが、たまたま不正取得の話ですから、データの流出だったら、こんなことしていたらもうぼろぼろですね。
そうじゃなくても、二〇二三年当時、御案内のとおり、無料通信のアプリのLINEの利用者の個人情報が中国の企業にもうそのまま閲覧という状況があったし、当時でも自治体の数でいえば一千百五十八団体が利用していて、住民の個人情報の扱い業務が、二百九十三団体がこれを活用していたわけですね。これはもうぼろぼろにこのLINEを通じて抜かれていたわけですね。事実、また、内閣官房のデータ流出も、不正アクセスで、六月二日、同じ令和三年ですが、明らかにされていますし、五千七百の郵便局で金融商品取引の記録が紛失されています、六万七千人分。あるいは、婚活アプリ、百七十一万人分の流出もその当時ありました。
令和三年の当時、続いてこういうのが出てきたので、その後、相当締める仕組みができ上がりましたが、これは是非、あえてもうこれを追及するということではなくて、時系列的に見て非常に遅い。是非、大臣、この辺は御指導いただきたいと思います。
そこで、私気になるのが、百十の団体の中で、これは大方、国立病院機構や公設の病院が取扱協力事業者になっているんですね。ところが、千葉県だけ異常に、亀田病院が九のうち六あって、しかもクリニックが四つあると。本当にクリニックで情報管理と漏えいをブロックするような仕組みができるんだろうか、これ異常じゃないかということで内々に事務方に申し上げたら、ほかにもありますよといって、確かに幾つかはありますけど、まさに幾つかの世界なんですね。しかも、恩賜財団の済生会病院だとか、事実上の公的病院、規模感が全然違います。
しかも、この亀田病院グループは、かつては、千葉県の中部から房総半島で最も優れた病院で、テレビでも報道されるぐらい優秀な内容を持った病院であったわけですが、二〇二一年ぐらいから一年間にわたって情報誌の「FACTA」で様々な報道があり、最近でも、三月号と四月号でも、この亀田病院が、創業者が亡くなって以来、内部分裂を繰り返し、神経内科部長、総合内科部長、新生児科部長、脳外科部長、総合内科部長、リハビリテーション病院長、看護部長、人事部長等が次から次に辞め、医師、看護師が百名辞め、初期研修先の人気ランキングでも、二〇年には全国ランキング五位、それが二一年では十三位、二二年には二十五位と。
亀田病院大学、看護師養成大学ですが、これも、二〇二二年度、八十人の募集やっても五十人しか入らない、定員割れを行うというような、非常に様々なことで困難な状況になっているところからなぜ選ばれているのか、私には皆目見当が付かないんですが、厚労省として、こういう状況をどういう形で、病院のランキング、こうした百十の病院を見たときに、あれ、おかしいな、何かということを思わなかったのか、確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/129
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130・本田顕子
○大臣政務官(本田顕子君) 上田委員から、協力医療情報取扱事業者についての御質問でございました。
この令和四年の十二月現在でございまして、医療情報を提供する医療機関、自治体数は百八件、三十五都道府県に分布をしております。先ほど大臣からも選定についてのところは発言がございましたけれども、そうした、しっかり認定事業者は国が認定をするわけでございますけれども、そこと協力医療情報取扱事業者が契約を担保することでしっかり結ぶということでございまして、個々の医療機関の体制について評価することは差し控えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/130
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131・上田清司
○上田清司君 個々の医療機関について言及ができないと申されましたが、これは個人情報を預かり、命に関わるような話でもあります。関わらないわけにはいきません、適切な方たちが選ばれたかどうかということに関して。じゃないと、厚労省としての監督義務責任が問われます、事故などが起こったときには。この委員会でこういう話があったときに政務官は個々の病院について言及しないという答弁が記録に残るんですよ。この後何かが起こったらどうするんですか。誰が責任を取るんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/131
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132・本田顕子
○大臣政務官(本田顕子君) 済みません、私が先ほど申し上げましたのは、個々の医療機関の体制についての評価は差し控えさせていただくということでございます。
一般的に、協力医療情報取扱事業者に限らず、医療機関というものは大変患者様の機微な情報を取り扱いますので、個人情報の適切な取扱いについて個人情報保護法に従って対応していただいているものと承知をしております。
昨今のいろいろなこうした医療情報を更に取り扱うということで、個人情報保護委員会と厚生労働省と連携をいたしまして、さらに厚生労働分野における個人情報の、医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンスを作成いたしまして、周知することを通じて医療機関における個人情報の適切な取扱いの遵守を支援しているところでございます。
こうした取組を通じて、引き続き医療機関の皆様が個人情報の保護が適切にされるように対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/132
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133・上田清司
○上田清司君 先ほど柴田議員の質問にお答えされて、政府参考人が、匿名加工事業者と同じような基準だけではないと。今後選ばれる認定事業者、あるいは作成事業者、さらに受託事業者、また協力事業者についても、基本的な流れは変わらないけれども、必ずしも一致するわけではないという答弁もございました。
だから、新たにまたこの協力取扱事業者を決める場合、仮名の場合に変わるとは思っておりますが、私は、やっぱりこれだけ、百十の団体、大方が国立病院機構あるいは公的な大学の附属病院あるいは県立病院等々がほとんどなのに、なぜクリニックなのかが到底分かり得ないです。病例も少ないでしょうし、それを情報として集めるということがどういう意味があるのか。やはり多くの症例を、病歴等々を集めて、そのカルテをしっかり匿名化したり仮名化したりする、ながら多くのデータを抽出して、新薬の開発だ、あるいは病気を治すための仕掛けをつくっていくというのがこの基盤法の目的だと私は思っておりますので、どうして千葉県のこの一角だけ特定のクリニックが選ばれていくのか訳分からない。
で、個々の病院については答弁はしかねると言わんばかりのことを言われておりますが、これで本当に守れるのか、情報が、あるいは命が守れるのかと非常に気になりますが、再度御答弁ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/133
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134・本田顕子
○大臣政務官(本田顕子君) 協力医療情報取扱事業者の選定につきましては、先ほど高市大臣も述べておられましたけれども、国が選定するものではございません。認定事業者は国が認定をすると、ことでございまして、その認定事業者と協力医療情報取扱事業者がどこ、認定事業者がどこを、医療機関と結ぶ、医療情報をもらう、受渡しをするかということを決めるときにしっかりと契約をして、契約をできるということを担保にするわけでございまして、ただ、しかしながら、先ほど先生がおっしゃった、もし個人情報の保護がそういうふうに何か流出したというときには、一応、個人情報を取り扱う医療機関には医療法に基づく立入検査というものも行われております。
その立入検査につきましては、令和四年の五月二十七日付けの医政局の通知で、さらに、医療機関における個人情報の適切な取扱いということで、もしも、医療機関においてこうした当該ガイドラインに基づき個人情報が適切に取り扱われるように徹底するであるとか、しっかりとすることが盛り込まれております。ですから、それを逸脱するような行為があれば立入検査も行うということにしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/134
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135・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 時間が来ておりますので、まとめてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/135
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136・上田清司
○上田清司君 はい。
ありがとうございました。
作成事業者、受託事業者は国が決めているわけですが、それが決めた協力取扱事業者、国は関わりありませんというわけにはいきませんので、十分気を付けていただきたいということを申し上げて、終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/136
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137・井上哲士
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
次世代医療基盤法、いわゆる医療ビッグデータ法は二〇一八年に施行されました。個人情報保護法で規定されている個人情報の利活用を規制するルールの例外をつくる特例法となっております。本改正案は、匿名加工医療情報より更に生データに近い患者の医療情報の利活用を可能とする仮名加工医療情報や連結可能匿名加工医療情報を導入をするものとなっております。
法制定の際に、我が党は、医療機関等が持っている患者の医療情報を本人通知のみで匿名加工する民間事業者へ提供することが可能になり、医療情報というセンシティブな情報が重大なプライバシー侵害の危険にさらされるおそれがあるとして反対をいたしました。
実際、今日も朝から挙げられておりますけれども、昨年九月には、匿名加工の認定事業者であるライフデータイニシアティブ、LDIとNTTデータが本人への通知を行わずに九万四千五百七十九人分の医療情報を提供した問題が発覚をいたしました。
まず、内閣府、お聞きしますが、この事案の概要及びどういう法律違反があったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/137
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138・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) お答え申し上げます。
昨年、医療機関から次世代医療基盤法の認定事業者に対しまして医療情報を提供する際に、プログラムの誤りによりまして本人通知の手続が取られずに情報が提供されていた不適切な取扱いがございました。
認定事業者が収集した医療情報それ自体が外部に漏えいしたり、匿名加工が不十分な情報が利用者に提供された事実が確認されているわけではございませんが、認定事業者に対しましては、医療機関からデータを取得した際の当該データが適切に提供されたものであることについての認定匿名加工医療情報作成事業者であるLDIによる法第三十三条に基づく医療情報の取得の経緯の確認、それから、当該データを認定事業で利用していたことの認識の遅れや発見後の初動の遅れについての認定医療情報等取扱受託事業者であるNTTデータの法第二十条で求められる安全管理措置、それから、LDIによるNTTデータに対する法第二十四条で求められる委託先の監督がそれぞれ不十分であったということで、法律に基づき指導を行ったものでございます。
その上で、徹底した原因究明と医療情報取得の際の確認機能の強化、あるいは役職員に対する教育や報告の迅速化等の再発防止策を講じさせたところでございます。またあわせて、他の認定事業者に対しても同様の事案が発生するおそれがないかなど確認を行わせ、制度の信頼性の再確認を図ったところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/138
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139・井上哲士
○井上哲士君 不適切取得事案と言われましたけど、今述べられましたように様々な法律違反が行われたわけですね。極めて重大であります。
この問題について、個人情報保護委員会は、昨年十一月に取扱業者に対する指導を行っておられます。個人情報保護委員会として、この事案の医療情報の漏えいについてどのように考えているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/139
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140・松元照仁
○政府参考人(松元照仁君) 患者が医療機関に提供する医療情報につきましては、自己の生命、身体に関する極めて機微な情報であるという性質及びその量からいたしますと、漏えい等が発生した場合のリスクが特に高く、医療機関におきましては、これを常に意識し、当該個人データの取扱いに関して個人情報保護法を厳に遵守すること、とりわけ高い水準の安全管理措置等を講じることが求められているものと考えております。
本件につきましては、医療情報が多数漏えいした事案であり、また次世代医療基盤法に基づく患者の権利行使の機会を奪うというものでありますので、各当事者においてとりわけ高い水準の安全管理措置等を講じることが求められるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/140
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141・井上哲士
○井上哲士君 今、最後ありましたように、各当事者がとりわけ高い水準の安全管理措置が求められると、これが医療情報のわけでありますし、特にこの匿名加工医療情報に関わる問題なわけですね。そういう問題であるにもかかわらず、なぜこのような重大事案が発生をしたのか。しかも、NTTデータがこれを、異常を検知したのが六月三十日ですが、内閣府への報告は九月になっております。
なぜこのような遅れが生じたのか。内閣府、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/141
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142・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) 昨年の事案でございますが、認定事業者が収集した医療情報それ自体が認定事業者の外に漏えいしたり、あるいは匿名加工が不十分であったりした事実が確認されているわけではございませんが、医療情報を医療機関から認定事業者に対して提供する際に、本来的には医療機関の業務である本人通知の有無に係るプログラムの誤りによりまして、法令が求める手続が取られずに医療情報の提供が行われていたことにより発生したものでございます。
認定医療情報取扱事業者から徴収をいたしましたところ、未通知の患者情報が混入している可能性を認識いたしました現場の作業チームにおいては、まずは事象を把握することが必要と判断し、調査を優先したということ、それから、次世代医療基盤法上の問題を認識した後も組織の危機管理のルールにおける報告事項において当該事案が速やかに報告すべき重大事案であるとの明確な定めがなかったこと、これらのことによりまして報告の遅れにつながったという報告があったところでございます。
認定医療情報取扱事業者として法令違反のおそれを認識した段階で速やかに報告する必要があることは、これは言うまでもなく、当該事業者に対しましては、社内の事案検知体制、それから報告体制の見直し等の再発防止策を講じさせたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/142
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143・井上哲士
○井上哲士君 重大事案としてのやっぱり認識や体制が欠いていたという、本当にひどい問題だと思うんですね。
内閣府の公表文書では、各医療機関からLDIに対して医療情報の提供を行う業務を受託していたNTTデータとしております。まるでNTTデータが直接医療機関から受託をしていたかのような書きぶりでありますが、実際は、認定受託事業者であるLDIが医療機関から医療情報の管理等の業務の委託を受けて、このLDIが今度NTTデータに再委託しているんですね。そういう点でいうと、LDIの責任って、私、非常に重いと思います。
一方、個人情報保護委員会の公表資料では、NTTデータだけではなくて、本件では、各事業者においていずれもその責任に見合った高い水準の安全管理措置等が講じられていたとは言い難く、本件漏えいが事業開始当初から長期間発見されなかったことに鑑みると、改めて根本的な意識改革を促す必要があると厳しく指摘をしております。
この中で、この指導の原因となる事実について、LDIについてはどのように指摘をしているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/143
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144・松元照仁
○政府参考人(松元照仁君) お答え申し上げます。
今回のLDIは、医療機関の委託先となりますけれども、再委託先でありますNTTデータに個人データの取扱いに関するシステム開発を全面的に委託していたにもかかわらず、その漏えい等防止措置の妥当性に関する検討を自ら行わず、再委託先であるNTTデータが提示した方策の確認あるいは事後の検証を行っていないなど、再委託先であるNTTデータの個人データの取扱状況に関する委託先の監督が不十分であること等の指摘を行ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/144
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145・井上哲士
○井上哲士君 この認定事業者であるLDIについて、今ありましたように、委託先の監督が不十分だと指摘をして、そしてLDIを含む各事業者に根本的意識改革が必要だと述べているんですね。極めて重い指摘だと思います。
そこで、大臣、お聞きしますが、この法制定時の国会審議で政府は、この事業は国による厳格な認定制度と監督により信頼できる認定事業者が行う、そして、患者に対して丁寧なオプトアウトを行うので適正に事業が進められると繰り返し答弁をしておりました。法案審議の際の我が党の衆議院議員への答弁では、認定後も、監督官庁としましては、常に頻繁にやり取りをして状況を確認し、チェックというか、恒常的な動きをウオッチしていきたいと思っておりますとも答弁をしております。
実際はどうか。今お手元に資料を配っておりますように、法制定時から五年、これまで匿名加工医療情報が利活用された実績は、朝からありますように、二十一件なんですね。そのうち、十八件がLDIとNTTのデータグループ、これが取り扱ったものであります。しかも、この十八件全てに本人への通知が行われていない患者情報が違法に利用されていたということなわけですね。つまり、もう適法な利活用実績がごく、むしろまれなんですよ。
私は、こういう漏えい事案を引き起こして、個人情報保護委員会から根本的意識改革が必要だとされるような事業者を認定事業者に認めたという点でも、国の恒常的な監督という点でも、国の対応に不十分さ、不適切な面があったと考えますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/145
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146・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 昨年の事案については私も非常に残念に思っておりますし、内閣府への報告が大変遅れたことについても強く怒りを覚え、これはもう徹底的な改善措置をとらせるようにということで対応してまいりました。
これまでのことでございますけれども、LDIに対しましては、そしてまたNTTデータに対しましては、二〇一九年十二月の認定からこれまで、事業者を訪問しての実地確認、これを有識者とともに実施するということも行っており、認定事業者として適切な安全管理措置が講じられていることは確認をしてきております。
昨年の事案自体は、この認定作成事業者、つまりLDI、認定取扱事業者、つまりNTTデータ及び医療機関との間での取決めに基づくプログラムの誤りに起因する問題でございます。しかしながら、当該事案を踏まえまして、ガイドラインで、取得する医療情報が適切であるかについての確認体制や問題事案が発生した場合の報告体制の整備などについて更に明確に規定するなどの見直しを行うとともに、国としてしっかりと監督を行っていくということにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/146
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147・井上哲士
○井上哲士君 国の監督に不適切さがあったり問題があったということは述べられませんでした。
適切に事業者を認定し監督をしているのに、こういう重大な事案が、問題が起きたということであれば、もうそもそも制度に問題があるんじゃないかということにもなると思うんですね。にもかかわらず、今度の法改正案で措置をする仮名加工医療情報は、希少な症例や薬剤使用などの特異な記述も残すので、これまでより容易に個人が特定可能になり得ます。そして、連結可能匿名加工医療情報は、公的データベースとの結合で個人の医療情報が時系列で把握できるようになると。そうしますと、個人情報保護法で要配慮情報とされる医療情報とプライバシーの侵害の危険性が一層高まることになると思うんですよ。
現実にこうした漏えい問題が起きている中で、これらは、より慎重に取り扱うべき患者の医療情報の第三者提供を個人情報保護法で禁じられているオプトアウト手続の例外として認めるということでいいのかと問われると思うんですね。法改正に当たって明確な本人同意の手続を取るべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/147
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148・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 今委員から漏えいというお言葉がございましたが、昨年の事案に関しては、認定事業者が収集した個人情報が外部に漏えいしたとか匿名加工が不十分な情報が利用者に提供されたといった事実が確認されたわけではございません。
現行の次世代医療基盤法でございますが、これは、個人情報保護法の特例法として、主務大臣の認定を受けた事業者に対する場合に限り、同意ではなくオプトアウト手続によってこの医療機関等から医療情報を提供することを認めるものでございます。これは、患者の方々への丁寧な通知が行われることにより自分の医療情報の提供を拒否する機会が付与されること、認定作成事業者は、十分な安全管理措置等が確保されていること等について主務大臣から認定を受けるとともに、その監督下に置かれることにより医療情報の慎重な取扱いが確保されること、また、医療機関等から提供された医療情報は、認定作成事業者によって特定の個人が識別されることがないよう匿名加工が施された形で利用されることなどによって、個人の権利利益が侵害されることを防ぐ仕組みとなっていることによるものでございます。
ですから、新たに創設する仮名加工医療情報につきましても、仮名加工医療情報作成事業者については匿名加工医療情報と同様の仕組みとするほか、また、この仮名加工医療情報が他の情報と照合することにより個人を特定することが可能な場合もあることから、仮名加工医療情報を利用する側、利用事業者についても主務大臣が安全管理措置などを審査し認定を行うということを規定するとともに、本人を特定しようとする行為は禁止すること、また、不正な行為を行った際の罰則を設けることとしております。
ですから、患者様御本人の権利利益が適切に守られる仕組みとしておりますので、同意ではなくオプトアウトの手続によって医療機関から認定事業者への医療情報の提供を認めるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/148
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149・井上哲士
○井上哲士君 これまではそういう説明で行われてきたけれども、現にこういう事態が起きたわけですね。漏えいではないと言われましたけど、医療機関からは明らかに漏えいをしたということはこの個人情報保護委員会も明確に指摘しておりますし、それを委託したのはLDIなんですよ。これ、一体の流れの中で見る必要がある。この患者の医療情報という非常に機微な情報を取り扱う業者としての資格、責任が問われている問題だと思うんですね。
オプトアウト方式はやめてオプトインにするべきだと思いますが、その上で、じゃ、この本人に対する通知をどうするのかということをお聞きしますが、今回のような仮名加工医療情報等を導入するんであれば、この事前に本人通知すべき内容項目もレベルアップさせて当然だと思うんです。
仮名加工医療情報は、匿名加工よりも生データに近いわけでありますから、情報漏えいした場合のリスクが格段に高くなること、利活用の目的や利用者が多種多様となること、利活用の機会や関係者が増えることで情報漏えい等のリスクも高くなること、それから、情報セキュリティーの世界では絶対安全ということは常になくてリスクが伴うこと、こういうことを通知内容にも加えて、ポスターやパンフレットにも情報提供するなどする必要があると考えますけれども、今回の改正に伴って、今後、患者への通知内容はどのように見直しをされるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/149
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150・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 改正法で新たに創設する仮名加工医療情報制度につきましては、匿名加工医療情報に係る本人への通知と同様に、提供された医療情報が仮名加工されて医療分野の研究開発に利用されること、認定仮名加工医療情報作成事業者に提供される医療情報の項目、取得の方法、求めに応じて提供を停止すること、停止の求めの受付方法といった事項について、匿名加工医療情報に係る通知とは別途、あらかじめ本人に通知するということにしております。
また、現行法では、医療情報取扱事業者は、患者への通知事項の内容について国に届け出ることとされております。国において、届出された各医療情報取扱事業者の通知事項の内容を内閣府ホームページで公表するなど、事後的に確認できるようにしております。さらに、国において、次世代医療基盤法コールセンターを設置して、患者様本人からの通知に関する御相談についても受け付けております。
今般、この法制度改正をお認めいただきましたら、御家族も患者様も理解しやすい通知のひな形、それからリーフレットの作成などを行い、その内容を理解した上で参画していただけるように準備を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/150
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151・井上哲士
○井上哲士君 別途と言われましたけども、従来出していた通知と別に出すという趣旨でよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/151
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152・西辻浩
○政府参考人(西辻浩君) 今回の改正法案がお認めいただいて施行されるまでの間に、先ほど午前中もいろいろ御質問いただきましたけれども、施行までの間、いろいろな安全基準等のガイドラインについて検討していく形になると思いますが、今委員から御指摘があったものにつきましても、これまでの従来の匿名加工の医療情報と比べてどういったものを新たに付け加える必要があるのかないのか、あるいはその内容についてはといったことも含めて専門家に御議論をいただいた上で、必要なものがあればガイドライン等で出していくというふうな形になろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/152
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153・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 時間ですので、まとめてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/153
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154・井上哲士
○井上哲士君 終わりますが、提供した自分の情報が誰がどのような利用目的で利用しているのか知らなければ適切に判断もできません。是非、事前の本人同意すべき内容項目の見直しとともに、何に同意を与えたか事後的に確認できる仕組みも検討していただきたいと思います。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/154
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155・大島九州男
○大島九州男君 大島九州男でございます。
本日は、命や健康は誰にとってもひとしく大切なものであり、それを支える医療は日々技術の進歩を遂げています。そのためには膨大な医療データが必要であり、治療、技術の発展、研究に正しく利用されているというふうに認識をしているわけでありますが、しかしながら、昨今、マイナンバーのデータ流出が立て続けに報道されております。この国の情報の取扱いに不安を抱かれた方も少なくないでしょう。
昨日も行政監視委員会の中で、デジタル庁が中心となって行政にガバメントクラウドを推進するということで、今いろんなシステムを構築していると。じゃ、そのガバメントクラウドを引き受ける業者に日本の業者は入札に入ってこないと。何で日本は入ってこないんですかというと、最高峰のそういった機密を守る、そういういろんな仕様の中に日本の業者は手を挙げてこないということで、外国の業者しかないんですよなんというような話を聞いていると、今回こういうものを扱う、先ほどからいろんな委員から質問が出ている今、日本の業者はそういうセキュリティーが本当に守られる業者なのかということが、やっぱり昨日の質疑の中では日本はまだまだなのかなと。こういった本当に、医療情報を扱うそういった業者さんがそれだけの本当に技術があるのか。そしてまた、医療機関の人たちがそれに携わる中で、もっとセキュリティーとかいろんな倫理観とか、こういうものが求められる。
人は罪を犯すということを前提にというわけじゃないけれど、やはりいろんな意味で犯罪が起こっていく世の中でありますから、当然、故意に流出をさせたりとかそれをどっかに売ったりとかというようなことは想定してやっぱりこういうのは設計しているはずであるというふうに思うんですね。
だから、いろんな形で今後あらゆる想定しないような犯罪が起こっていく。想定しない中でそういった故意犯も出てくる可能性が多分にあると。じゃ、それを抑止する、防止するには、それを監督する法人やその団体や企業、そういった部分が関わる人間に対してしっかりと指導監督をしていく。そのためには、それ相当の罰というか、ああ、本当にこういうふうになると会社がもうぶっ飛んでしまうと、だからもう君たちちゃんとやるんだぞというような、そういう指導をやるような形にしないと、いや、何かちょっと漏れちゃいましたみたいな、あっ、ごめんなさいみたいな、それで許されるような問題じゃないんだという認識を持って。
まず、このデータベースの不正提供など、この法律に違反した場合の個人に対する罰則、そしてまた、それを監督する立場にある法人、こういったところの罰則についてはどのようなものが想定されているのか、お願いします、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/155
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156・中野英幸
○大臣政務官(中野英幸君) お答えさせていただきます。
現行の次世代医療基盤法においては、例えば、事業認定者の役員や従業員が医療情報データベースを不当に第三者に提供した場合には、当該個人に対して二年以下の懲役又は百万円以下の罰金を科すこととしております。また、データベース化されていない散在情報であっても、認定事業者の役員や従業員が不当に第三者に提供した場合には罰則の対象としており、不正な利益を得る目的があった場合には一年以下の懲役又は百万円以下の罰金、不正な利益を図る目的がなかった場合は一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金を科すこととしております。
また、個人を監督する立場にある法人につきましては、認定事業者の役員個人や従業員個人に罰則の適用に該当する違反行為があった場合、当該行為を罰するほか、法人としての認定事業者に対しましても罰金刑を適用することとしております。
具体的には、認定事業者の役員や従業員が医療情報データベースの不当な提供を行った場合や、認定事業者の役員や従業員が不正な利益を図る目的を持って医療情報の不当な提供を行った場合について、行為者を罰するほか、法人に対して一億円以下の罰金刑を科すこととしております。また、認定事業者の役員や従業員が不正な利益を図る目的でなく医療情報の不当な提供を行った場合にも、行為者を罰するほか、法人に対して五十万円以下の罰金刑を科しております。
医療情報の不適切な利用や漏えいを防止するためには、認定事業者が組織的な安全管理措置を適切に講じることが重要であることから、個人及び法人の両方について罰則規定の厳格な運用を求めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/156
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157・大島九州男
○大島九州男君 両罰規定といって、私がずっと今国会で問題にしている部分でありますけれど、このいろんな一部の両罰規定というのは、その法人の規模、会社の規模に合わせて罰金を取っているというのは認識しているんですね。
今の御説明であると、一億円以下とまた五十万円以下というふうな、個人の二年以下の懲役とか百万円と、これが高いか安いかというのは非常に、いろんな法律に合わせて作ってあるでしょうから議論は避けますが、この法人に対する一億円以下とまた五十万以下と。今の説明だと、故意な部分と過失の部分というふうに聞こえたんですけど、ちょっとそこはもう一回詳しく教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/157
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158・中野英幸
○大臣政務官(中野英幸君) お答えいたします。
法人に対する罰則についてのお尋ねですが、個人の権利利益の侵害の程度が高いと考えられる医療情報データベースを不当に第三者に提供した場合や、散在情報である医療情報データベースであっても不正な利益を得る目的で第三者に提供した場合については、罰金の抑止効果が違反者である法人の資力により異なることから、個人よりも大幅に高い金額である一億円以下の罰金としております。
また、他方、不正な利益を得る目的でなく散在情報である医療情報データの不当な提供を行った場合には、それにより法人が利益を得るとは限らず、また、次世代医療基盤法の一般法である個人情報保護法においては、そもそも不正な利益を得る目的でなく第三者に情報を提供した場合には罰則の対象となっていないことを鑑み、五十万円以下の罰金とさせていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/158
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159・大島九州男
○大島九州男君 過失により医療情報の不正提供等が行われた場合の罰則と不適切な情報取得事案への対応の観点からちょっと質問すると、情報の利活用による利便性の向上と情報流出のリスクは表裏一体ですよね。
先日、マイナンバーカードをめぐり、コンビニエンスストアでの住民票の写しなどを交付するサービスにおいて、別人のものが発行されるという事態がありました。政府は運営会社に対してシステムの一時停止を求め、それに加えて、マイナンバーカードと一体化された健康保険証を医療機関などで利用した際に、別人の情報がひも付けされていたということで、診療情報などが閲覧された事態が生じたことも判明しましたよね。これらはプログラムの不備や入力ミスによるものとされていますけれども、個人情報の漏えいが立て続けに発生したことはもう大変遺憾であり、この国で自分の個人情報を守り抜くことができるのかと、国民は大きな不安を感じているんじゃないでしょうかね。
医療情報等の取扱いについてはどうかと。
昨年、本人に通知されていない約九万五千名の方の医療情報が、自分が知らないうちに匿名加工されて第三者に提供される事態がありました。しかも、当該事業者は六月に事態発生の可能性を認識していたにもかかわらず、政府への報告は九月と大幅に遅れたと。本事案は構築したプログラムの誤りに起因するものと説明されていますが、故意や悪意のある漏えいでなければそれは許されるのかという話なんですね。
本事案は、個人情報保護法及び次世代医療基盤法の双方に関わる事案として政府は対応を行ったものと認識しておりますが、過失により医療情報の不正提供等が行われた場合の罰則規定、今のままで本当にいいのかと。その本事案の罰則が今回これは適用されたのかという、そのことを併せて、高市大臣に御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/159
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160・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) 本法では、認定事業者による医療情報の不正提供や漏えいを防止するためには、組織的側面、人的側面、技術的側面から厳格な安全管理措置を講ずる体制を有するかについて、事前に国が審査して認定を行う制度といたしております。
今委員おっしゃったように、故意がない過失によって情報漏えい等が生じた場合に対する直罰の規定というのは設けておりません。しかし、万が一この情報漏えい等の法令違反が生じた場合には、法律に基づき、主務大臣による指導や是正命令を行うことにいたしております。また、是正命令を受けた事業者がこれに従わない場合には、認定の取消しに加えて、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金、法人に対しては更に一億円以下の罰金を科すこととしています。
こうした指導監督権限及び罰則の運用も通じて、患者の皆様の権利利益の侵害を防ぐために厳正な運用を図ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/160
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161・大島九州男
○大島九州男君 今の大臣の御答弁、一般的にはそうだろうなと。ただ、故意なのか過失なのかというのの認定、そしてまた、いろんな流れで、最初の情報を得た人が、それは故意ではなく漏えいした情報を、また、それを偶然知った第三者がそれをお金に換えていくというようなこともあったら、じゃ、どこが責任を取ってどうなのかと。これはもう結果責任だと思うんですよ。
だから、結局、個人の情報が漏えいしたと、その個人に対する補償だとかそういうものは、過失であろうが故意であろうが結果責任としてそれはちゃんと補償をしなければならないし、賠償しなきゃならない、それにまた責任を負わなきゃいけない。当然、監督官庁である省庁もそれをしっかり責任を負うぐらいの一体感を持ってやらないと、ただ業者を指導しましたとか故意であったからというのではなく、過失だったから指導しましたということで救われるものじゃないんだという認識を私は持つわけですよ。
だから、結局、不適切な情報取得事案に係る政府の認識、そしてまたそれを、再発防止をどうするのかという観点から質問すると、個人情報保護委員会は、本事案に関して、昨年十一月二日に公表した資料において、自己の生命、身体に関する極めて機微な情報である医療情報を本人たる患者が医療機関に提供する趣旨は、治療のためにこれを包み隠さず伝えることが不可欠であるという特殊性に起因するんですよ。また、未通知患者の医療情報が認定事業者に提供されることは、患者個人、本人が医療情報に関して有する権利行使の機会を奪うものであり、そのような事態が生じないようにする観点からも、とりわけ高い水準の安全管理措置等を講じることが求められるというふうに個人情報保護委員会は指摘しているんですね。まさにそのとおりですよ。
先ほど答弁いただいた政府の対応から、本事案が生じてしまったことに対する切迫感、そういうものが感じられない。これ単なる事故だと、それはもうしようがないねというふうに。こういうことを繰り返してならないというような、そういう強い認識があって、そしてそれを、十分な措置が講じられて、医療情報の漏えいは今後はもう絶対ないんだというぐらいのことを国民に発信する、そういった強い発信と意思がなければ、こういう法案を進めていくということは大きな問題があるんじゃないかと。
まさに、マイナンバーといってね、マイナポイント、皆さん、どうぞこれマイナンバー登録してくださいと。私が内閣委員長のときに採決をした法案でもありますから、私も非常に注視して見ているんですけど、結局、もうあのときに、いやいや、もう皆さん、個人の自由ですから、そのマイナンバーカード持つかどうかなんていうのは皆さんが選択してくださいなんていうようなことを言っていましたけど、私は、そのときに言っていたのは、いや、そのうち、もう郵便局で例えば口座作る、銀行で口座を作るというときには、マイナンバー、はい、どうぞとかね、それとか、生まれたときからマイナンバーとか、そのうち健康保険証もマイナンバーになるんじゃないですかというようなことを言っていたとおりになっているじゃないですか。結局、懸念される問題って必ず起こり得るんですよ。
だから、本当にこういったことが起こらないというのを断言できますか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/161
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162・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) リスクがないと過信することが一番いかぬと思っております。ですから、今回のような事案も含めて、御心配いただいているような、例えば本当に情報漏えいが起きてしまったというようなことになったら大変でございますので、厳格な罰則の適用もそうでございますけれども、やはり厳正な審査による事業者の認定、継続的な監督、それから被害の拡大を速やかに防ぐための迅速な報告体制の整備が必要と考えています。
ですから、昨年の事案に関しましても、やっぱり内閣府への報告がまず遅過ぎたところから始まって、これはちょっと業者、事業者側に危機感がないんじゃないかという懸念を強く持ちましたので、かなり私自身も時間を掛けて、一つずつこの確認した事項、そして再発防止策をきちっと徹底させたかどうか、それからまた本件に関係のない事業者に対しても同様のようなミスが発生する可能性があるかないかのチェックを掛けることも含めて徹底したつもりでございます。
今後、この法改正をお認めいただきました後、やはり皆様に御心配を掛けないようにということも含めて、必要に応じてガイドラインの見直しなどをもってきっちりと進めていきたい、法律を執行していきたい、その決意でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/162
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163・大島九州男
○大島九州男君 大臣のその強い決意がもう末端まで、その業者までしっかり伝わることを期待をします。
この国で起こっている個人情報や医療情報の取扱いを見たときに、果たして国が自分の医療情報を守り抜いてくれるのと、信頼関係があると言えるか。国民の個人情報や医療情報を守り抜くための制度が他国と比べてもしっかりと構築され、国民の間に情報流出などの心配がなく、安全、安心との信頼感を醸成することがまず第一であると考えます。
この法律は医療分野の研究開発に資するために医療情報等の利活用の枠組みを定めるものですが、利活用の大前提となる国民の個人情報、医療情報についての安心、安全が確保されていない中で、いたずらに医療情報等について利活用を推進しようとすべきではないということを指摘して、質疑を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/163
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164・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/164
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165・井上哲士
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律改正案に反対の討論を行います。
本法律は、医療機関が患者の医療情報を本人への通知のみで民間の作成事業者に提供できるものです。本人同意も得ずに個人の情報を外部提供することは許されず、特に医療情報というセンシティブな情報が重大なプライバシー侵害の危険にさらされるとして我が党は反対しました。
実際に、二〇二二年には、認定事業者であるライフデータイニシアティブ及びNTTデータが、本人への通知を行わずに九万四千五百七十九人分の医療情報を提供した漏えい問題が起きています。
その上で、本案で創設される措置の問題点を述べます。
仮名加工医療情報は、特異な値や希少疾患名等の削除等は不要であるなど、現行の匿名加工医療情報より更に生データに近い上、対照表の削除も不要なため、他の情報と突き合わせることで容易に復元が可能な情報です。
また、連結可能匿名加工医療情報は、本制度における主な医療情報の提供元である急性期医療など大きな病院に限らず、町の小さなクリニックや薬局など、全ての保険診療に係るデータ及び特定健診に関わるデータが含まれているNDBを始めとした様々な公的データベースと結合するものです。
本人特定のリスクを高め、さらにプライバシー侵害の危険性を高める措置であり、反対です。
加えて、医療情報取扱事業者に対する国の施策への協力の努力規定が設けられることも問題です。
本案が検討されたワーキンググループでは、前述の問題を起こしたLDIの代表も検討に参加し、病院の協力を得るのが非常に大きな足かせ、最初のデータを集める部分はほぼ義務化にしてほしいと、利活用したい側の都合を優先させた発言をしています。
実際、ワーキンググループの中間取りまとめでは、医療情報を取り扱う全ての事業者に対し、次世代医療基盤法に基づく取組に参画することが当たり前となる施策を検討することとなり、法案に国の施策への協力の努力規定が新設をされました。医療機関、健康保険組合、自治体等に対して医療情報提供の圧力を掛けようとするものであり、認められません。
以上、反対理由を申し述べ、討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/165
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166・大島九州男
○大島九州男君 れいわ新選組を代表し、医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論を行います。
我々は、医療分野の研究開発によって国民の健康増進が図られ、難病の治療法確立などの技術進歩がもたらされる可能性を否定はいたしません。ただ、そのために、生命、身体に関する極めて機微な個人情報である医療情報が保護されないリスクを放置することは許されません。医療情報とは、患者が治療という目的を達成するために選択の余地が極めて乏しい中で提供するものです。その取扱いに当たっては、科学技術・イノベーション基本計画の考え方も踏まえ、倫理的、法的及び社会的な課題に対応し、差別や命の選別につながることがないよう、十分な歯止めが求められていることは言うまでもありません。
昨年、事業者のプログラムの誤りにより、本人に通知されていない医療情報が、自分が知らないうちに匿名加工されて利用されてしまう事態が起こりました。安全管理措置などが不十分であったばかりではなく、発覚から国への報告も大幅に遅れました。最近では、マイナンバーカードを使ったコンビニエンスストアでの証明書の交付で別人のものが発行される不具合が生じたほか、マイナンバーカードと一体化された健康保険証を医療機関などで利用した際に、別人の情報がひも付けされ、医療情報などが閲覧される事態も起こっています。
基本方針に、不当な差別、偏見その他の不利益が生じないための措置が記され、ガイドラインで言及されてはいても、監督や罰則による肝腎の実効性が担保されておらず、国が自分の医療情報を守り抜いてくれるとの信頼関係があるとはとても思える状況にはありません。
れいわ新選組は、少なくとも国や地方自治体に欧州の国に存在するような公的な倫理審査委員会を設置して、医療情報を加工する事業者の内部に設けた審査委員会との連携を図るべきだと考えます。
以上、国が医療情報を守り抜いてくれるという信頼感が醸成できていない中で、医療ビジネスの発展のみに焦点を当て、利益追求を優先する本法律案には反対することを述べて、討論といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/166
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167・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/167
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168・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、小沼君から発言を求められておりますので、これを許します。小沼巧君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/168
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169・小沼巧
○小沼巧君 私は、ただいま可決されました医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一 医療情報、匿名加工医療情報及び仮名加工医療情報の利活用の推進について、多くの府省が関与していることに鑑み、政府の司令塔機能を明確にし、個人情報を徹底的に保護することを第一に考え、在るべき全体像を示すとともに、必要に応じて速やかに制度を整備すること。あわせて、医療情報取扱事業者、認定匿名加工医療情報作成事業者、認定仮名加工医療情報利用事業者等に対し、必要な措置を講ずること。
二 仮名加工医療情報については、他の情報と照合することにより特定の個人が識別される可能性があることに鑑み、安全管理措置に係る厳格な基準を策定すること。
三 医療情報の第三者提供に際して本人に通知するに当たっては、仮名加工医療情報については他の情報と照合することにより特定の個人の識別が行われ得ること等を踏まえ、医療情報がどのように利活用されるのかを本人が理解しやすくするため、通知内容を丁寧なものとするよう配慮すること。また、本人への通知が行われていない医療情報の第三者提供等の不適切な取扱いが生じないよう、認定匿名加工医療情報作成事業者等に対し、安全管理措置の徹底を図ること。
四 医療情報取扱事業者の認定匿名加工医療情報作成事業者等に対する医療情報の提供が強制的なものではないことを含め、医療情報取扱事業者に対し、制度の意義等の周知・広報を積極的に行い、協力についての理解の増進を図ること。
五 匿名加工医療情報及び仮名加工医療情報を利活用する事業者から徴収する利用料が、認定匿名加工医療情報作成事業者等の事業運営の状況に照らして適正なものとなるよう促すこと。
六 医療情報、匿名加工医療情報及び仮名加工医療情報について、個人の権利利益の保護を図りつつ効果的に利活用することができるよう、規格の適正化を推進するとともに、官民の医療情報に係るデータベース間の緊密な連携を実現すること。
七 仮名加工医療情報の利活用については、認定仮名加工医療情報利用事業者による研究の進捗を確認する等、我が国の医療の発展や医療産業の国際競争力の強化等につながるよう留意すること。
八 医療情報、匿名加工医療情報及び仮名加工医療情報の利活用の推進に当たっては、基本方針に不当な差別、偏見その他の不利益が生じないための措置が明記されていること、科学技術・イノベーション基本計画において倫理的、法的及び社会的な課題への対応を掲げていること等を踏まえ、有識者を交えた会議において、利活用に伴って生じ得る倫理的問題等を総合的に議論することを検討すること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/169
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170・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) ただいま小沼君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/170
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171・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 多数と認めます。よって、小沼君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、高市内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。高市内閣府特命担当大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/171
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172・高市早苗
○国務大臣(高市早苗君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/172
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173・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/173
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174・古賀友一郎
○委員長(古賀友一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121114889X01420230516/174
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