1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
令和五年五月二十五日(木曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
五月二十三日
辞任 補欠選任
串田 誠一君 室井 邦彦君
五月二十四日
辞任 補欠選任
室井 邦彦君 串田 誠一君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 山下 雄平君
理 事
堂故 茂君
船橋 利実君
宮崎 雅夫君
徳永 エリ君
舟山 康江君
委 員
加藤 明良君
滝波 宏文君
藤木 眞也君
山田 俊男君
山本 啓介君
若林 洋平君
石垣のりこ君
大椿ゆうこ君
田名部匡代君
下野 六太君
安江 伸夫君
串田 誠一君
紙 智子君
須藤 元気君
寺田 静君
国務大臣
農林水産大臣 野村 哲郎君
副大臣
農林水産副大臣 勝俣 孝明君
大臣政務官
農林水産大臣政
務官 藤木 眞也君
事務局側
常任委員会専門
員 笹口 裕二君
政府参考人
農林水産省大臣
官房総括審議官 高橋 孝雄君
農林水産省大臣
官房統計部長 山田 英也君
農林水産省輸出
・国際局長 水野 政義君
水産庁長官 神谷 崇君
水産庁次長 安東 隆君
国土交通省海事
局次長 宮武 宜史君
─────────────
本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/0
-
001・山下雄平
○委員長(山下雄平君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産省大臣官房総括審議官高橋孝雄君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/1
-
002・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/2
-
003・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/3
-
004・山本啓介
○山本啓介君 おはようございます。自由民主党の山本啓介でございます。
本日は質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
ただいま提案ありました遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正する法律案につきまして質問を行いたいと思います。野村大臣を始め政府の参考人の皆様方におかれましては、国民に分かりやすい答弁をどうぞよろしくお願いしたいと思います。
漁業に関する事柄から説明を入りたいと思います。
水産業は、資源の枯渇や魚価の低迷、さらにはコロナ禍の影響もあったと思います、流通が滞り、非常に厳しい状況があると。しかしながら、そこから反転攻勢で、現在、様々な振興策や支援によって、各地域の漁業、よみがえらせようとしていただいています。そのことに関しましても、心から感謝を申し上げたいと思います。
その中にあって、漁業者の方々が新たな漁業の取組として遊漁船に転じ、漁業の傍ら、遊漁船として瀬渡しや釣り業などをサービスとして提供をする、そういった事柄も増えてきています。海に慣れている漁業者の方々であれば、非常に安全や、又は危険性に対する考え方というのもしっかりしている。と同時に、一般の方々が海のアクティビティーのサービスの提供ということから遊漁船業に関わる方も増えてきていらっしゃいます。
国民が海洋国である我が国において海に親しむという環境をつくること、又は交流人口や観光の観点においてもこれらが促進されることは大変すばらしいことかなと、地方の活力にもつながるんだと思います。
他方で、危険性や安全性を甘く見る、海に対する海の厳しさというものを理解していない方々によって多くの利用者が危険にさらされている現場というのがあるのも事実であります。最近においては、大変重大な事故や死亡事故、けがなどが増えている、増加傾向にあるということも聞いています。
今回、この法律は、海を活用する、促進を進める、ほかの法律である海業とも連携しているような、そのようなところもあろうかと思います。その上で、厳しく遊漁船業者の登録等々についての法律の明記もあります。
まずは、利用者の安全確保について、登録制度についてお尋ねをしたいと思います。
遊漁船業者の登録を厳格するに当たり、都道府県に委ねて安全性が担保されるのかどうか、少し疑問があります。国がこれらの事務処理のための模範例を作成して、都道府県ごとに対応の差異が生じないようにすべきではないかと考えますが、御答弁を求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/4
-
005・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
今回の改正案におきまして、遊漁船業の安全性の確保を図る観点から、遊漁船業の登録、更新の際に業務規程を提出させ、利用者の安全の確保等に関する事項が一定の基準に適合しているかどうか都道府県知事が確認する仕組みを設けているところです。
農林水産省としては、都道府県に対しまして、御指摘のあったような業務規程の模範例や業務規程の妥当性を判断する際の考え方を示すとともに、必要な助言を行っていく考えです。こうした措置を講じることにより、安全性の確保に関しまして都道府県ごとに対応の差異が生じないように努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/5
-
006・山本啓介
○山本啓介君 是非、地域によって提供されるサービスの内容も違うと思いますし、提供する側も経験値もそれぞれ違うし、海の形も違えば波の高さも違うと。そういったそれぞれの地域ごとに異なる状況下において行われるこのサービス、今、都道府県との連携について御説明いただきましたけれども、これまでも、今回法改正ですから、これまでもこの法律あったわけですけれども、これまではどのような都道府県との連携があったのか、少し説明いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/6
-
007・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
先ほど業務規程の模範例と申し上げましたけれども、これまでも業務規程の模範例を作っておりまして、それに沿って都道府県が指導しやすいような体制を取っておったところですけれども、今回改めて、登録の際の申請書類に、今までは登録の後に業務規程を出させる仕組みとなっていましたけれども、登録の際、さらには登録の更新の際にも業務規程を出させて、なおかつ、業務規程のうち安全性に関する事項が一定の基準に適合しているかどうかというチェックを登録と更新の際にすることになりました。
そのチェックがしっかりとできるように、今まではそこまではやっていなかったんですけど、そのチェックの仕方、判断基準について、国としても一定の考え方をガイドラインで示したいと思っておりまして、そういうことで、先ほども御指摘のあったような、都道府県の間に差が出ないような方向に持っていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/7
-
008・山本啓介
○山本啓介君 まさしく、今回、事前にそのチェックを行うと。要するに、海の危険性や、又は確保されるべく安全、そういったものにしっかりと誠実に向き合った事業者だけが今回は更新もでき、新たな登録ができると、そこが今回の法律のポイントであろうと、入口のポイントであろうと私も理解しております。是非とも、差異のない、各地域が同じレベル感で展開できるチェックを行っていただきたいと思います。
また、今回の法改正では、処分逃れを目的にした廃業を防止するために、様々な状況を想定した規定を設けることとしています。それぞれのケースが考えられますが、各現場でそれぞれしっかり対応できるようにしていくべきだと思います。
そこで、登録の欠格要件のうち、処分逃れの廃業に係る役員の欠格が聴聞後に廃業した法人の役員しか対象にならないのは私は問題だと思っています。立入検査後に廃業した法人の役員についても対象とすべきではないかと考えますが、答弁を求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/8
-
009・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
本法案におきましては、登録の欠格事由となる登録の取消処分から逃れるため、取消処分を受ける可能性が高まった際に理由なく廃業の届けをした者を取消処分を受けた場合と同列に扱う、いわゆる処分逃れ防止の規定を措置しているところでございます。
御指摘いただいた役員についての件でございますけれども、立入検査が行われた段階における廃業は、聴聞の通知後の廃業に比べると処分逃れを目的としている可能性が相対的に低いこと、ほかの事業法における処分逃れ防止規定においても、役員だった者の排除は聴聞通知後に廃業した法人に限っていることを踏まえ、今回の規定としたところでございます。
本法案におきましては、この処分逃れ防止措置も含め、遊漁船業者の登録制度を厳格化し、安全性の高い業務の運営が担保されない事業者の参入を防止するなどの措置を講ずることとしておりますが、個別の事例に対応し、遊漁船業の適正な運営が図られるよう、都道府県に対しまして法改正の趣旨や内容を丁寧に説明してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/9
-
010・山本啓介
○山本啓介君 陸上と異なって、海の上というのは何か事があったとしても駆け付けることというのはなかなか難しい。また、そういった事案があって駆け付けることも難しければ、そういった事案を確認する、まず情報に触れても、その場所を確定することも難しい。であれば、それまでの登録や、又は悪質な事業者を排除する、そういった部分をしっかりと厳格に行っていかなければならないと。今回改正される内容においても、今後運用していく中で様々な問題点が見付けられるかもしれない、そのときには即座に対応していかなければ、私は、安全なサービス提供、環境づくりというのは難しいのかなと思っておりますので、厳しくお願いをしたいと思います。
その上で、海上での安全構築について続いて質問したいと思います。
我が国は、多くのそういったレジャーやアクティビティーの機会、チャンスがあります。今後、そういったものを活用していく海業なども見るように、そういった振興が図られていけば、もっともっと多くの国民が海に親しんでいくんだと思います。
その中において、海上での事故、今回の法律にも関わりを持ちますが、海上で事故があった場合、何番に掛ければいいか御存じですか、皆さんは。(発言する者あり)そうですね、一一八番です。今や、一一〇番を小学生へ教えても、中学生へ教えてもという、そういう啓発の必要がないぐらい陸上においては一一〇番、一一九番は知られています。けれども、実は、この一一八番、二〇〇〇年の五月に運用を開始してから今月で二十三年がたったようなんですが、関係者の御努力もあって認知は広まっているんですけれども、しかしながら、いま一歩広がっていないという数字が出ています。知っている方が四七・九%、知らなかった方が五二・一%にとどまっていると。要は、陸上における一一〇番や一一九番に比べて、海の上に関わりを持つ方が少ないからか、国民の中にも知られていないと。けれども、今後、こういった海での展開が増えれば増えるほど、こういったこともしっかりと知っていなければいけないと。
今回、海上保安庁の方は呼んでいませんけれども、陸上で事件が起きた場合の一一九番、一一〇番を理解されているぐらい、今回の法律改正を機に、是非とも海の事故については一一八番というものも知っていただく必要があるのかなと。そういったことからいえば、今回、遊漁船の方々にも、又は既存の漁業者の方々にも、地方自治体の方々にも、海上保安庁や水産庁など関係の方々と連携をして、事故や事件というものの情報の把握や安全の確保などの協力体制をつくっていく必要があると、そのように感じているところであります。
海上の安全構築を強化していくために、関係機関とも連携し取り組んでいく必要がありますが、その辺りについての答弁を求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/10
-
011・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
一般的に、海上の安全ということに関しましては、ふだんより水産庁と海上保安庁でかなり連絡を密にした体制を取っておりますけれども、これに加えまして、今回の遊漁法の関連で申しますと、漁業者や遊漁船業者、関係機関も含めて、当然、海に関わる地域の関係者が協力する体制を構築していくことが当然必要であろうと思っています。
本法案におきましては、遊漁船業に関する協議会制度を設置することとしております。この協議会には、都道府県知事、遊漁船業者、遊漁船団体、漁業協同組合、地域の遊漁船業者の集まり、それに加えまして、その他都道府県知事が必要と認める方も参加が可能となっております。こういった方々が集まりまして、安全確保に係る知見の共有や協力体制に係る協議などを行うことにより、地域の関係者の連絡体制を強化し、あわせまして、協議されたルールを関係者が遵守することで調和の取れた秩序ある体制が構築されるものと考えておりますし、これがまた海上の安全につながるものとも期待しておるところでございます。
農林水産省としましても、都道府県に対しまして、協議会制度が効果的に運用されるよう、ガイドラインを示すとともに、必要な指導などを行ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/11
-
012・山本啓介
○山本啓介君 協議会制度、しっかりと都道府県と連携しながらその設置を促していきたいという長官の、今、決意と説明をいただいたというふうに感じています。
しかしながら、都道府県、それぞれの地域を見ても、海がある都道府県においては、まさしく漁村や集落というのは、もういろんな数があるし、いろんな形がある。漁協がメインであったり、各市町村がメインであったり、いろんな形があると思います。都道府県にそういったものを通達しただけで、それぞれの地域でそういった遊漁船の事業が展開されている方々との連携が自治体ベース又は組合ベースで組めていけるのか。都道府県より先のそれぞれの地域との連携についてはどのようなお考えがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/12
-
013・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
先ほど長官からも答弁申し上げましたけれども、協議会を今回法定化して、その協議会を設置することで、地域の中でのいろんな話合いが進むということを期待しているものでございます。
まずは、その協議会設置の趣旨をしっかりと都道府県に説明をさせていただいて、都道府県の中で的確な運用が図られるよう、委員御指摘のありました都道府県の先の関係地方公共団体の方々にも同じような意識を持っていただいて、協議会が効果的に運用されていくように、我々としてもしっかり、いろんな地域の取組事例を見て、こういうところではこういう取組しているよというようなことを横展開しながら進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/13
-
014・山本啓介
○山本啓介君 少し、ここがもうポイントなので掘り下げたいと思うんですけれども。
登録を行う際に、この協議会への連携とか入会とかがマストになっているわけではないんですよね。登録は登録でできる、その後各都道府県や自治体、地域で設置される協議会への連携が行政側のマストとしてそこに存在するんですよね。ここの協議会と登録事業者との連携の部分はどなたがつながりを強化していくんですか。その協議会にしっかりと連携しなさい、つながりなさい、又は協議会が登録者を把握しなさい、そういったところはどなたが主導的に取り組まれるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/14
-
015・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
まず、前提としまして、協議会につきましては、できる規定になってございますので、必置ではございません。ただし、我々としては、制度の趣旨からして、できるだけ設置をしていただきたいということで、その協議会の組織についての取組を促していきたいと思っております。
その上で、協議会は都道府県知事が設置するものでございまして、当然、都道府県知事は登録の受付先でございますので、登録業者の情報は全部持っていると、その前提で、都道府県知事がどういった方をその協議会の構成員としていくのかというのは県の中でいろいろな御判断があるのかと思います。
いずれにせよ、国としては、どういったその構成の在り方、それからどういった協議の進め方なり、そこでどういったことを調整なり話し合っていくべきかというような基本的な考え方をお示しをして、それを基に、またいろんな県の実態等も踏まえて、県の方とも意思疎通、意見交換しながら、先生がおっしゃったような進め方、どういった進め方ができるのかということもしっかり取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/15
-
016・山本啓介
○山本啓介君 今答弁であったように、この協議会については必置とはなっていないというところであります。
我々は、様々な地域における重大な事故やその事故につながるいろんな理由についても、水産庁や海上保安庁の方々からの分析の説明も受けてきました。やはり体制が、事故が起きるまでの、前の体制づくりというのは重要でありますし、そこに事業を展開される方々がどのような背景を持って、そしてこれまでどのようなキャリアがあるのかというところも確認し登録をしていく、そして登録をされた事業者をしっかりとそれぞれの地域で連携をしながら把握をしていく、そのことが重要であろうかと思います。簡単なフォーマットをもって横展開をしていくだけでは恐らく事故は防げないというふうに感じています。
ほかの法律で決まっています海業の展開も含めて、海業も同じようにそれぞれの地域で協議会の設置があったかと思います。そういったほかの取組とも連携しながら、登録事業者をしっかり把握していく必要があろうかと思いますが、最後に長官から総じて御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/16
-
017・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
海上の安全というのは何よりも大切なことでございますので、これまでもいろんな枠組みの中で安全対策に取り組んでまいりましたが、その中で、今回もこの法律ができたのをきっかけに協議会という制度もうまく活用しながら、より重層的に効率的に安全対策が進むように努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/17
-
018・山本啓介
○山本啓介君 終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/18
-
019・田名部匡代
○田名部匡代君 おはようございます。立憲民主党、立憲民主・社民の田名部匡代です。今日はよろしくお願いいたします。
まず冒頭、大臣、政府が二〇二三年の経済財政運営の指針、骨太方針に食料安全保障、このことを盛り込んでいくと。G7でも食料安全保障については取り上げられました。非常に重要なことだと思っております。大臣もやはりここが大きなターニングポイントであるということを常におっしゃっておられまして、私もそのように思っています。
まさに、これは国としても最重要課題であると、そういうことでまずよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/19
-
020・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) 先般のG7のサミットでもそういったようなお話が出てまいりました。各国とも、私どもも、G7の農林大臣会合の中でもそういったようなものを確認をいたしまして、そして広島サミットにつながるようにということで私どもも声明を出したところでございまして、各国とも今では同じような認識だというふうに承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/20
-
021・田名部匡代
○田名部匡代君 是非、この食料安全保障を確立していくためには、まさに国内の農地をしっかりと維持管理、活用していく、そして人を育てていく、こういうことを全国展開していかなければなりませんし、そうした政策にしっかりと現場の皆さんに御協力をしていただかなければならない、こういうことだろうと思います。そのためには、十分な予算と十分な人員が必要。
しかし、農林水産省の新規増員要求数はここ数年、四百十人が上限となっているんです。どんどん、本来はもっと人手が必要なはずなのに、どんどん人が減らされてきた。ぎりぎりのところでやっている。
私、この間、石垣委員が取り上げていたけれども、統計のこともそうだと思うんですね。今後本当に重要になってくるはずなのに、そこでの専門的な人、また人員というものが少なくなっている。特に、地方においてはそれが大きな問題だろうというふうに思っているんです。定員要求に対する査定率、これ他省庁に比べて厳しい結果になっているんですね、まあ農水省、真面目というか。
私は、野村大臣、野村大臣のときならできると、野村大臣にしかできないというふうに思っているので、冒頭これを取り上げさせていただきました。これは、積極的な姿勢の下で、二〇二四年度、大幅な新規増員をしっかりと要求していただいて、確実に人員の増員を図っていただきたい。これは大臣、やります、分かりました、このどちらかの返事しか必要ありません。是非、大臣、やっていただきたいというふうに思いますが、決意のほどをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/21
-
022・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) 田名部先生のその意気込みでやっていきたいと思います。
ただ、やっぱり全体的な省庁の枠もありますので、その中で農水省としてやれることはやっていくと。特に、今年は、もう御存じのように、基本計画の見直しがあります。そして、それを実行していく年に来年はなるわけでありますから、今おっしゃったようなことは増員の要因にはなっていくというふうに思っておるところでありますので、頑張ってやりたいと思っておりますので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/22
-
023・田名部匡代
○田名部匡代君 是非、大臣、本当にこれは、もう毎回この話出るんですが、なかなか実現してこなかった。まさにここが大きなチャンスなんですね。そして、この農政によく精通していらっしゃる、ずっとこの分野で取り組んでこられた大臣だからこそ、現場の状況をよく分かっておられると思うんです。大臣ならできると信じていますから、是非このことは大きく御期待を申し上げて、強く御要望をさせていただいて、質問に入りたいと思います。
さて、遊漁船業者の登録、更新制度の厳格化についてまずお伺いしたいと思います。
今回の改正案で、遊漁船業法遵守の状況が不良な者の更新に係る登録の有効期間を、現在の一律五年から、状況を考慮して四年以内において政令で定める期間に短縮するというふうになっていますが、これ具体的にどういった事例を想定されているのか、まず教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/23
-
024・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
今回の法改正におきまして、法律の遵守の状況が不良な者については、御指摘ありましたとおり、更新期間を通常五年よりも短縮することとし、業務の適正さや安全性の確保の状況を通常よりも短い期間で確認することとしております。
この措置の対象となる法律の遵守の状況が不良な者とは、具体的には業務改善命令や事業停止命令を受けた者を想定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/24
-
025・田名部匡代
○田名部匡代君 これ、業務改善命令やこういった処分がされた人であれば確認しやすいんですけど、結局は、そうじゃない人たちのこともきちんと把握をして、常にこれはきちんとその遵守、法律を遵守して安全を守ってやっているかということが常に把握されなきゃいけないというふうに思っているんです。
先ほど山本委員の方からもありましたけれども、これ、遊漁船業を営む方が申請書に業務規程を添付して都道府県に出すということでありますけれども、出航中止基準又は帰航基準、これらを記載しなきゃいけないわけですよね。これ、専門家、中間取りまとめ、検討会でも御指摘をされているようでありまして、山本委員が先ほども確認されていましたけれども、適切な出航中止基準、帰航基準について判断を行えるような体制をしっかり構築していくことが必要だというふうに私も思います。
一定の考え方をお示しになると先ほど答弁されていましたけれども、それは明確な具体的な考え方を示すようなことになるのかどうか、ちょっと考え方について教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/25
-
026・安東隆
○政府参考人(安東隆君) まず、前半の方で御指摘ありました、命令や処分を受けていない方の遵守状況についてもしっかり把握をしていかなければならないという御指摘でございますけれども、現行法に規定されている報告徴求や立入検査を必要に応じて行うなどにより都道府県において把握することに、全般的に把握することになっておりますが、さらに、本法案におきまして、事故を起こしたときの報告義務化や登録、更新時の業務規程の提出義務化を措置しておりますので、こうした機会も捉えてまた把握の精度を上げていただきたいと思っております。
さらに、具体的な御指摘ありました出航中止基準や帰航基準の関係でございますけれども、今回の法改正におきまして新しい基準に対応した業務規程を作っていただくということになりますけれども、そうした業務規程をしっかり作れるように、国としても、指導監督を行う都道府県に対しまして、業務規程の模範例や業務規程の妥当性に関する考え方を示したいと思っております。その中で、委員から御指摘のありましたように、いかに具体的にというところでございますけれども、そういった御趣旨も踏まえて検討してまいりたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/26
-
027・田名部匡代
○田名部匡代君 ありがとうございます。
漁業船業の七割ほどが漁業者であるということで、例えば漁協なんかに加入していると、いろんなつながりの中で天候や波の状況について情報交換もできるでしょうし、また経験値からいろいろ判断できるようなこともあると思うんですけれども、そうじゃない方々が参入していることも含めて、しっかりとこれは徹底していく必要があると思うんですね。
大変残念な痛ましい事故でありましたけれども、KAZUⅠのときにも、調査の、事故の調査、分析の方向性、この調査結果報告書を拝見すると、監査であるとか検査の実効性にも問題があったようなことが指摘をされています。ですから、きっちりと、先ほど前半、前段で申し上げた、全体的にそれがちゃんと実行されているのかという把握と、そしてまた、きちんとどういう判断をすればいいのかということがみんな一致してできるような体制づくりをしていただきたいというふうに思っています。
それで、検討会では、漁業をしていた人が遊漁船業を行う場合はある程度安全対策の知識があるけれども、プレジャーボートを持っていて遊漁船業を始める人や経験のない人など、この安全対策に関する知識や実態把握が必要ではないかという御指摘がありました。これ、実態把握をされているのかということと、ちょっと質問まとめてお伺いしますけれども、この資質の向上のための事故事例の学習や、事故なんかを想定した安全管理等の講習、実務研修内容の充実や習熟度の確認、こうしたことはどうやって取り組んでいかれるおつもりなのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/27
-
028・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
まず、漁業経験のない方が増えているという御指摘でございますけれども、水産庁が昨年都道府県に対し実施しました遊漁船業者の実態調査によりますと、遊漁船業者のうち漁協の組合員の方の割合は、平成二十年の八二%から令和四年には七二%と一〇%低下してございます。他方で、最近の新規参入者の方々を見ますと約半数が非漁業者となっており、御指摘のように海に関する知識や経験が不足している方が増えていると考えてございます。
こうした状況を踏まえ、安全性を向上させる観点から、本法案におきまして、遊漁船業務主任者が乗船することを義務化し、船上での安全管理体制を強化するとともに、遊漁船業者の登録制度を厳格化し、安全性の高い業務の運営が担保されない事業者の参入を防止する等の措置を講ずることとしております。
もう一つ御指摘ありました、この遊漁船業務主任者がしっかり内容の伴った方にならないといけない、資質の向上を図らなければいけないという点でございますけれども、現在、遊漁船業務主任者については、海技士又は小型船舶操縦士の免許を所有していること、それから遊漁船業における実務経験又は実務研修を修了していること、それから遊漁船業務主任者講習を修了していることの全ての要件に適合することを求めています。
この実務経験の代わりになる実務研修につきまして、内容をしっかりとしたものにしていかなければならないということで、これは御指摘のありました検討会でも指摘をいただいているところでございまして、この実務研修の充実や習得度をチェックする取組の導入の在り方について、現在、検討会の提言も踏まえ、またさらに、現場や有識者の方の声も踏まえながら内容の検討をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/28
-
029・田名部匡代
○田名部匡代君 ありがとうございます。
繰り返しますけれども、あのKAZUⅠのような事故を二度と起こさないということがまず基本にあるというふうに思うんですね。
先ほど申し上げたKAZUⅠの事故の調査の報告書でありますけれども、やっぱり運航の判断に問題があったということと併せて、船長自身の知識や経験、教育訓練の状況、また連絡体制の不備など、複合的な要因であの事故になったわけですけれども、やはり教育訓練の充実に対しての検討が必要であるというような指摘があるんですね。ですから、どんな免許を持っていようが、本当にやっぱりその質の向上を高めていくために、常にそういう、何というかな、研修をしながら高めていくことはとても大事だというふうに思っていますし、先ほど言ったように、新規参入者が、知識やなかなか御経験のない漁業者以外の方々が増えているというのであれば、なおさらそこは本当に気を付けてというか、注意深く対応していただきたいというふうに思っています。是非そこはよろしくお願いをいたします。
それで、まさに新規参入者が小規模零細事業者が多い、こういうことを考えていくと、今、既存の方々もそうかもしれませんけれども、考えたくないけれども、やはり万が一の不測の事態に備えて十分な損害賠償能力を用意しておく必要もあろうと思います。これも指摘、中間取りまとめで指摘をされていましたけれども、このことに関して、政府の受け止めと、今後どのように対応していくのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/29
-
030・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
御指摘いただきましたとおり、遊漁船業の在り方に関する検討会の中間取りまとめにおきまして、損害賠償責任保険の基準の見直しについて指摘を受けております。損害賠償責任保険への加入は利用者の利益の保護のための重要な措置と考えており、そのため、十分な保険金額の保険への加入が求められると考えています。
現行では、定員一人当たりの填補限度額が三千万円以上の保険、共済への加入を義務付けておりますが、この金額を幾らにすることが適当かについて、現場や有識者等の御意見も伺いながら検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/30
-
031・田名部匡代
○田名部匡代君 大変大事なことだと思うので、しっかり御検討いただきたいというふうに思います。
それで、昨今、家族や友人の方々なんかと釣りを楽しむ、私も釣りが大好きなので、ですけれど、釣りを目的としたプレジャーボートを購入される方もおられる。ルールを守って楽しむ分には全くこれは問題ないですが、中には、SNS等で個人所有のプレジャーボートで釣りをする仲間を募集しているような方も見受けられるんですね。
まず、こういう実態があることは御存じなのか、把握をされているのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/31
-
032・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
一般論としては存じ上げていますけれども、数がどのくらいあるとか、そういったことは把握できておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/32
-
033・田名部匡代
○田名部匡代君 そういう方々にも安全性の問題についてはしっかりと徹底を、情報がきちんと行き渡るような体制も必要だと思うんですが。
ちょっとこれ、ある方のブログを見付けまして、ちょっと確認したいんですけど、知らない人たちに声を掛けて、一緒に行きませんかということで、燃料代を人数割りにして、みんなから集める。このことに対して、金銭の受渡しがあると違法になるのではないのかということがブログの中で書き込みにあったようなんです。これ、本当に大丈夫なのかなということで、念のため海上保安庁さんに連絡をしていろいろ確認を、丁寧に確認をされているんですね。
でも、これ、ちょっと間飛ばして、結果としては、反復継続の意思があるのかどうかとか、今回は営利目的ではないので違法性はないというお返事をいただきましたということなんですが、これが違法性はないということでいいのか、反復継続の意思というのは、これはどこまで、何というかな、毎回、自分一人で行くのは何だか、せっかく出すから行ける人は一緒に行きませんかというようなことが営利目的ではないとしても、何回も繰り返されたら違法になるのか、ちょっと基準が分からないので教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/33
-
034・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
まずその前に、前提といたしまして、遊漁船業、我々が所管している遊漁船業につきましては、船舶により乗客を漁場に案内し、釣りその他の農林水産省令で定める方法により魚類その他の水産動植物を採捕させる事業と定義しておりまして、委員から海上保安庁さんのお答え御紹介ありましたけれども、この遊漁船業に当たるかどうかにつきましては、個人所有のプレジャーボートであっても、第三者を船舶に乗船させ漁場に案内し、釣り等により魚類その他の水産動物を、動植物を採捕させる行為を反復継続すれば該当するということで、知事の登録を受ける必要があります。
この反復継続の個別の判断につきましては、まさに個々の実態を見ながら判断されるものでございまして、なかなか定義を明確にしているというものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/34
-
035・田名部匡代
○田名部匡代君 安全、やっぱり人を乗せて海に出るわけですから、個人で楽しまれることは私はそれはそれで、それはそれでいいと思うんですが、安全の問題が関わってくるので、何かの一定の基準を作るなら作るで、こうした情報も、こういうことは違法ですよということで、例えば、反復しないにせよ、やはり楽しみで、レジャーで出る場合も安全確認やこういうことにはきちんと対応してくださいねということも併せてしっかりと発信をしていっていただきたいと思います。
それで、もう一点、遊漁船業者による飲酒についてであります。
五月十四日、これ新聞報道ですけれども、本年二月に秋田で酒気帯びで業務改善命令を受けた漁業船業を営む人が、また今月、再度飲酒運転で釣り客を乗せて運航した、それで逮捕をされたということなんです。
それで、各自治体の条例で厳しい罰則を設けているようなところもあるようなんですけれど、これ検討会でも、遊漁船の操業者の酒気帯びや飲酒運転についてもっと厳しい対応をすべきではないのか、こういう意見があったのかなかったのか、そういう検討をされたのかされなかったのか、教えていただきたいと思うんですね。自動車の場合なんかはアルコールの濃度によっては一発免停なんていうことになるわけですけれど、やはり安全を考えたときに、こういうことは徹底する必要があるのではないかなというふうに思うんですけれど、ちょっとお考え、御見解をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/35
-
036・安東隆
○政府参考人(安東隆君) 遊漁船操縦者につきましては、船舶職員及び小型船舶操縦者法におきまして、飲酒により正常な操縦ができないおそれがある状態で船舶の操縦を行った場合には、違反点数が加算され、一定の点数を超えると操縦停止処分が行われるものと承知しております。
農林水産省としても、遊漁船業者の業務規程の模範例におきまして、出航から帰航までの間飲酒しないこと、酒気を帯びて漁場に案内しないことを明記しておりまして、飲酒をして操縦した場合には業務改善命令の対象となります。
現在はこうした取組でございますけれども、飲酒禁止が更にしっかりと徹底されるよう業務規程に今以上にどのような規定を盛り込むことが適当なのか、遊漁船業者に対して業務改善命令によりどのような改善措置を行わせると再発防止につながるのかというようなことについて検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/36
-
037・田名部匡代
○田名部匡代君 中には、安全性を考えて乗客に対してもお酒の持込みなどを禁止しているような業者さんもいるようなんですけれども、是非、海難事故を発生防止する観点から、事故の実態なども飲酒が原因で事故がどれだけ起こっているのかみたいなことを含めて把握をしていただいて、より厳しい対応が必要であればしっかり検討していただきたいと、そのように思いますので、要求にとどめたいと思います。
あのKAZUⅠの事故の複合的な要因、船体構造に問題があった、運航の判断に問題があった、安全管理規程が遵守されていなかった、そしてまた、監査、検査の実効性に問題があった、救命設備や通信設備に不備があったというような数々の指摘がされています。この教訓をしっかり生かしていかなければならないということを胸に対応を行っていただきたいというふうに思います。
先日、徳永委員からも指摘がありましたクロマグロの規制が今年、遊漁の規制が今年四月からスタートするということで、資源管理の強化の重要性から、遊漁者についても三十キロ未満のクロマグロは採捕禁止、大型については一人一日一尾までとされていましたけれども、さらに、今年からは水産庁への報告が陸揚げの日から五日以内に義務化ということです。
この周知は徹底されているのかどうか、まずお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/37
-
038・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
クロマグロにつきましては国際的な厳しい管理が行われておりますし、日本国内での関係者の関心というのも非常に高いということから、我々といたしても周知にはかなり気を遣って実施しているところでございます。
実際の規制につきましては、委員からも御紹介ありましたが、令和三年六月から、小型魚の採捕を禁止するとともに、大型魚の採捕報告を義務付けたところでありまして、さらにその後、大型魚の保持というのは一人一日一尾までとして、さらに、一定の採捕量に達した場合は採捕停止命令を掛ける措置を行っておるところでございます。
これの周知徹底に関しましては、遊漁者に対しましても、採捕停止命令などの規制については現在もホームページやポスターなどにより周知を図っておるところでございます。また、現在、水産庁のウェブサイトで最新の採捕量や採捕停止命令に関する情報を掲載しておりますが、この情報は遊漁者や遊漁船業者の間で高い関心が持たれておりまして、やはり水産庁が何か発表すると即リアクションがあるという状況でございますので、我々としては、かなり末端まで、かなりタイムラグを置かずに行き渡っている状況ではないかと思っておりますが、こうした状況も踏まえながら、引き続き、情報発信や規制の周知徹底、さらに効果的にどうしたらいいかというのも含めて検討していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/38
-
039・田名部匡代
○田名部匡代君 いいですね。水産庁が何か発表すると注目度が高いということですので、是非徹底していただきたいと思います。
ちょっと、さっき山本委員が、通報先、一一八、四十数%の方が知っているんですよね。逆に、あっ、それだけの方が知っていらっしゃったんだというような感想でした。でも、本当に一一〇番に通報するのと同じように、これだけ海に行かれる方も多いので、いざというときに通報の番号を知っておく必要があるということで、一一八ですから、海はいいわとかですね、みたいな、長官が全然笑っていただかなかったんですけど、何か覚えやすい、長官、長官、一一八なのでそこに掛けたということなんですけど、長官、まあしっかり覚えていただけるようなちょっと工夫もしていただいたらいいのかなと、済みません、ちょっと余談でありました。
それで、ちょっとマグロのことだけではなくて、密漁なんですけれども、これ法改正で相当厳しい罰則が設けられたんですけれど、令和三年の検挙数見ると少し減少しているようなんですけど、これ、漁業者による密漁が平成二十年頃からは年々減少傾向だが、逆に漁業者以外の密漁、これ二倍に増えている。で、現在はほぼ九割が漁業者以外。令和二年からの、先ほど言った漁業法改正によってアワビ、ナマコの密漁に対して罰則も強化、令和三年になり、アワビの検挙数が増加している。
これ、罰則が厳しくなって、よりきちんと取り締まっていただいているからこういう数字が出てきたのか、それとも密漁者が単純に増えてこういう結果になっているのか、どう分析されているか、ちょっとまず聞かせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/39
-
040・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
その前に、一一八は水産庁が設定した番号ではございませんので、ちょっと、そういうところでございました。
委員御指摘のとおり、アワビの密漁に関する、アワビに関しますと、密漁に関する検挙件数は、令和二年の百八件が令和三年の百四十八件となっております。また、ほかのものに関しましても、トータルでの件数というのは増加しておりますが、これやはり漁業者以外の方々の検挙件数が圧倒的に増えております。
検挙件数の増加の原因は様々であろうと考えますけれども、改正、漁業法改正におきまして、全国で組織的かつ悪質な密漁の対象となっているアワビなどの特定水産動植物につきまして採捕禁止違反の罪を新設したことも一因であろうかと考えております。
農林水産省といたしましては、引き続き、これらの検挙状況なども注視して、密漁対策に全力を尽くしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/40
-
041・田名部匡代
○田名部匡代君 法改正後二か月で、今年の二月、香川でナマコ密漁して逮捕されたこの報道によると、密漁した漁師はナマコに漁獲番号を付けて市場に卸していたということなんですね。もう本当に悪質だと思いますし、JFしまねのケースですけれども、把握、海保から通報を受けていたにもかかわらず、告訴をせずに放置していた。
漁業者、もう本当に漁業の状況が厳しくなっている中で、やっぱりこれは、無責任に放置することなく、徹底した取締りが必要だというふうに思います。なかなか簡単ではないと思いますけれども、例えば今後も、このドローンの導入なども含めて、密漁対策に対するその支援、こういうものをしっかり強化していただきたいというふうに思いますけれど、お考えお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/41
-
042・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
まず、委員より御指摘のありましたナマコの密漁に関しましては、我々としてもこのようなことがあったということは承知しておりまして、大変遺憾なものと受け止めております。
今回の事案のように、漁業者であっても、違法にナマコを採捕した場合には罰則が大幅に強化された漁業法違反の対象となること、さらに、流通段階におきましても、水産流通適正化法に基づく番号伝達に不正があった場合には同法違反となることなどもありますので、これらの仕組みを活用することによりまして密漁の抑止などを図っていくことが非常に重要であると考えております。
また、委員からさらに御指摘のありました、告訴、漁協が告訴をしなかったというような事例もあります。
現在、この事案以外に都道府県からそうした事案があるとの報告は受けておりませんけれども、いずれにいたしましても、密漁対策というのは沿岸の漁業者にとっても非常に大事な話でございますので、我々としても強化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/42
-
043・田名部匡代
○田名部匡代君 よろしくお願いします。
最近、青森県の話がこの委員会でよく出てきますけれども、青森県、ナマコの資源量が減少する中、県と漁業者の方々がしっかり協力して、親ナマコから採取、受精、種苗育成して放流する、また種苗生産の技術の研究など、循環型の資源管理に本当に熱心に取り組んでいただいております。ですから、こうした漁業者の努力、現場の努力を無視して密漁するなどということは本当に許し難いというふうに思っています。
密漁対策と併せて、近年、ナマコは中国なんかでも相当高値で取引されています。輸出の拡大、漁業者の所得増にも資するので、種苗生産についても、しっかりと国としても、現場の状況、声を聞いていただきながら支援をお願いしたいというふうに思いますし、暴力団の資金源ともなるこうした問題について、関係機関と協力をして、海外への不正な輸出のルート、こうしたことの根絶にも強く取り組んでいただくことを要望をしたいと思います。
そして、ちょっと別の話で申し訳ないんですけれど、HACCPのことについて伺いたいと思います。
HACCPの支援法、まさにこれまでも国として、輸出の促進だ、そのためにはその輸出につながるHACCP、これを国としても支援をするHACCP支援法というものがあったんですね。
これは、平成十年にできて、五年間の時限立法から、平成十五年にまた更に改正して延長、そして平成二十年にまた延長するための法改正が行われました。
今年六月で期限が切れることになるというふうに思うんですけれども、これは延長しないんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/43
-
044・高橋孝雄
○政府参考人(高橋孝雄君) お答えいたします。
ただいま委員から御指摘ございましたHACCP支援法、正式名称は食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法という法律でございますけれども、食品製造業におけますHACCPの導入を促進するため、厚生労働省との共管によりまして、平成十年五月に期限五年の臨時措置法として成立したものでございます。
委員からも言及ございましたけれども、平成十五年及び二十年にHACCP導入の進捗状況に鑑みそれぞれ五年間延長されておりまして、平成二十五年には、その時点でですね、HACCPの導入を含みます食品の衛生管理の高度化を加速させるためということで、期限を区切って集中的に支援策を講じるということをいたしまして、法律の有効期限を十年間延長した上で、期限到来時に法が失効する限時法に改めましたところでございます。
本法に基づく取組によりまして、前回改正からの十年間の期間におきまして、HACCPに沿った衛生管理の導入は着実に進展をしております。また、令和三年六月には、食品衛生法に基づきまして、原則全ての食品事業者に対しましてHACCPに沿った衛生管理の実施が義務化されたところでございます。このような状況に鑑みまして、HACCP支援法につきましては、法律の規定のとおり本年六月三十日をもって失効させることと、失効することとなるものでございます。
また、委員からも言及ございましたけれども、より高度な衛生管理が必要となります輸出向けのHACCPの取組に関しましては、令和四年十月に施行されました改正輸出促進法、これに基づく制度融資なりによって支援してまいる考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/44
-
045・田名部匡代
○田名部匡代君 HACCP支援法に基づく融資の状況、この資料があるんですけれども、大分取組ももちろん進んできたというふうに思います。そして、それを更に輸出向けに取り組むことについては、国としても輸出に対応する加工流通施設の整備目標というものを立ててこれまでも取り組んでこられたと思うんですね。
まさに輸出の促進だといって、農林水産省でも積極的にこのことを後押ししてきたわけですけれども、つまり、今回こうしたHACCP支援法に基づく融資などが行われてきたものは、法に基づいたこの支援、融資みたいなことはもう今後はどうなっていくのかということと、目標を立てて取り組んできたことがある程度達成したからもうやらないということなのか、ちょっと、もうちょっと具体的に教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/45
-
046・高橋孝雄
○政府参考人(高橋孝雄君) 二点ございましたと思います。
一点目の、今後のその融資による支援につきましては、先ほど申しましたように、HACCP支援法、今回の支援法は失効いたしますけれども、輸出なりのより高度なHACCPが必要な取組に対しましては改正輸出促進法に基づきまして同じような支援ができる制度融資がございますので、そちらで対応してまいる考えでございます。
また、HACCPの状況につきましても、過去五年、あっ、十年の取組に加えまして、厚生労働省の義務化の取組もあって、現場としてかなりHACCPが浸透しているという前提に基づいての判断でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/46
-
047・田名部匡代
○田名部匡代君 義務化されたので、まあ義務化されたんだから当然やっているでしょうということなのかもしれないけれども、そういう実態がどこまで把握できているのかなということあるんです。
それで、もちろん私もその輸出の促進は是非取り組んでいただきたいと思うけれども、輸出の促進だけのためにやるんじゃなくて、やっぱりこういう義務化もされた中で、衛生管理にきちんと対応していただいて、そこから更にステップアップして、こういうことができたんなら更に輸出にも取り組めるよねということになっていくんだろうというふうに思うんですね。だから、現状がどうなっているのか、ちょっと事務所の方からいろいろと、どういう把握されているのかといったときになかなか明確なお答えがなかった、把握をしているのかしていないのかもちょっとよく分からなかったんですけれど、でも、私は、やはり必要なものであれば別にここで切る必要はなくて、現状もっと進められるというなら更に延長してもよかったと思うし、きちんとそういうことが、現状を踏まえてこれでもうやめましょうということになったのかどうか、どういう議論の中でそうなったのかということが見えてこなかったのでお聞きしたんですけれど、何かお答えあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/47
-
048・高橋孝雄
○政府参考人(高橋孝雄君) お答えいたします。
HACCPの導入状況の実態調査につきましては、農林水産省でこれまでも実施してきておりますけれども、従業員数五人以上の事業所で全て又は一部のラインにHACCPを導入した事業所の割合、平成二十五年の前回の法律改正時は二一%でございましたけれども、令和三年の調査では七七%まで増加していると、こういった実態がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/48
-
049・田名部匡代
○田名部匡代君 そこまで行ったのでもういいよねという話ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/49
-
050・高橋孝雄
○政府参考人(高橋孝雄君) そういった実態の進展と先ほど申しました義務化なりを合わせて今回の判断に至ったものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/50
-
051・田名部匡代
○田名部匡代君 分かりました。
ただ、やっぱりこうした高度な衛生管理、こういうものはしっかり取り組んでいただいて、さらにそれがそれぞれの現場の収益につながっていけばいいなというふうに思っているんですが、大臣、あのですね、あっ……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/51
-
052・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) ちょっと申し訳ございません。答弁漏れがございまして、委員からドローンへの支援があるのかという点でございましたけれども、ドローンは、実際、浜の活力再生・成長促進交付金により支援を行っておりますし、令和三年には二県においてやった実績もございますので、この交付金を有効に活用して密漁の防止対策に役立てていただきたいと考えております。
済みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/52
-
053・田名部匡代
○田名部匡代君 ありがとうございました。
もう時間残り少ないので、大臣、実はですね、ちょっと地元の話で恐縮なんですけれども、私の生まれ育った八戸市、まさに海から開けた八戸、漁業が元気じゃなければ地域が元気じゃない、そういう地域なんですね。当然、漁業者、漁業は厳しくて、関連する加工業者の皆さんも大変厳しいというのが現状です。
HACCPを導入して、フィッシュポンプで魚を水揚げして衛生管理やっているんです。これは、これをやると付加価値が付いて、導入時はそういう判断で、国も後押ししてくれたと思いますけれども、現状全く違います。全然利用されていなくて、揚げたところで、付加価値付くどころか、ほかで普通に水揚げした方が魚の値段が高いだとか、結局、フィッシュポンプでやっちゃうことで魚に傷が付く、だからもう高値付かないだろうと、こういう状況なんです。
もうこれ、国から指摘をされて、会計検査院から指摘をされて、このままでは、何というの、お金を、国のお金を使って建てたのに、こんな状況だったらもう金返せみたいな話になっちゃっているわけですよ。
もう地元も頭を抱えていて、これはちょっと柔軟な御判断をいただくか、国としても、どういうふうに活用していくのがいいのか、地元のことだけじゃなくて、もしかしたら全国にもそういうことあるかもしれません。全国の実態調べていただいて、是非、せっかく導入したところがより元気に地域の活性化につなげられるようにアドバイス、御指導いただきたいというふうに思いますので、もう時間ですから答弁は求めません。要望にとどめます。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/53
-
054・安江伸夫
○安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。
早速ですが、法案について質問させていただきます。
まず、立法事実について確認をさせていただきます。
近年、遊漁船の事故による死傷者が増加傾向にあることが法改正の必要性として指摘を、説明をされているところでもございます。実際の近年の死傷者数の推移とその増加要因に関する政府の御認識について確認をさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/54
-
055・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
遊漁船業の事故の状況につきましては、過去十年間の事故による死傷者数は計三百九十三人、うち死者数は六十人となっており、特にこの五年間で年間の死傷者数が増加傾向にあります。
内容といたしましては、見張りの不十分などによるほかの船との衝突事故が多く、平成二十八年の十五件から令和二年には二十九件と増加傾向にあります。これは、遊漁船業は魚の捕れやすい漁場に複数の船が集まりやすいことから衝突事故の可能性も高くなる性質があること、さらに、近年は、先ほども出ておりましたけれども、新規に遊漁船業者の登録を受ける者が増え、経験不足の者が増加していることが主な要因であると考えています。
このような状況を踏まえ、事故を減らしていくため、本法案におきましては、遊漁船業主任者の乗船の義務化、遊漁船業者の登録制度の厳格化など、利用者の安全確保を強化する措置を講ずることとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/55
-
056・安江伸夫
○安江伸夫君 KAZUⅠの悲惨な、本当に痛ましい事故を受けての改正でもありますけれども、今御指摘をいただいたこの立法事実、これにしっかり対応した改正であるということで確認をさせていただきました。
続きまして、先ほど来も出ておりますけれども、遵守の状況が不良な者の判断について、私からも確認をさせていただきたいと思います。
今回の改正案で、登録の更新時に、法律の規定等の遵守の状況が不良な者については登録の更新の有効期間を五年から、四年以内の期間に短縮をされるということになっております。
具体的には、政令で定める期間になるというふうに法案には書かれておりますけれども、衆議院の審議でもありましたとおり、また先ほどの田名部委員の質問に対する御答弁にもありましたが、遵守の状況が不良な者については、具体的には業務改善命令や業務停止命令を受けた者がこれに当たるというふうに答弁されておりますが、それ以外の者は想定をされているか、されているとすればどのような場合か、また遵守状況の不良の程度とこの登録有効期間の短縮の幅についてはどういった関連付けがなされるのか、またこれらの運用の指針や基準も示すべきというふうに考えておりますので、これらの点について改めて御答弁お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/56
-
057・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
御質問いただきました登録期間の短縮の対象となる者につきましては政令で定めることとしており、委員御指摘の業務改善命令や事業停止命令を受けた者を想定しておりますが、それ以外にどのような者を対象とすべきか、また、それぞれの者についてどの程度の短縮の幅にするのかにつきましては、現場や有識者の声も踏まえつつ、公平かつ明確なものとなるよう検討しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/57
-
058・安江伸夫
○安江伸夫君 今答弁にあったとおり、公平かつ明確なものになるということが重要な点かというふうに思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
続きまして、改正法四条、六条の関係で、業務規程の内容についても確認をさせていただきます。
先ほども出ておりますけれども、遊漁船業者の安全管理体制を強化すること等を目的として、業務の実施方法を定めた業務規程を登録の申請書に添付することが今回義務付けられるということであります。
その規程の内容が実質的な安全性の確保に資するものでなければ、言うまでもありませんが、この規程の申請時のチェックはもちろんのこと、やはりその登録後において当該規程に沿った運営がなされていくかもチェックしていくということが本来望ましいというふうにも考えております。こうした体制も構築をしていくべきというふうに考えております。あわせまして、登録の更新時においても、この業務規程の遵守の状況は、先ほども質問いたしました遵守状況の不良性の判断に当たっても重要なメルクマールとこれはなるべきというふうにも考えているところでございます。
御答弁お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/58
-
059・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
御指摘いただきましたとおり、遊漁船業の安全性向上に向けましては、業務規程に記載した内容に沿った運営が継続されることが不可欠であると考えております。このため、本法案におきまして、これまでは登録後に一度届ければよかった業務規程につきまして、登録時においても、さらに更新時においても提出しなければならないこととし、安全に関する記載事項が一定の基準に適合しない場合には登録更新できないようにすること、それから、事業者が利用者に対し業務規程のうち安全に関する事項について公表を義務付け、利用者の目も活用して安全な営業の継続を促進することといった措置を講ずることとしております。
また、事業者に対する指導監督を担う都道府県に対しまして業務規程の模範例ですとか業務の実施状況の把握に関するガイドラインをお示しして、その内容を共有することにより業務規程に沿った運営がされているか確認がしやすい環境を整えてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/59
-
060・安江伸夫
○安江伸夫君 ありがとうございました。
遊漁船の事業者は大体一万三千事業者あるということで、それ全てを常に管理、監視していくということはなかなか困難であるということも理解をするところであります。その意味におきましても、今御答弁いただいた内容をまずはしっかりと実行していただきたいと思いますし、時には抜き打ちで抽出してしっかりやっているかということもチェックすることなども是非御検討いただきたいと思います。
続きまして、遊漁船業務主任者の義務に関連して確認をさせていただきます。
今回の改正によって、遊漁船業務主任者が遊漁船に乗り組んで業務を行うこと及び利用者が瀬渡しにより遊漁船外で釣りを行う場合も含めて利用者の安全管理を行うことが明確化をされるということになっておりますが、この点に関連をして、改正法の十三条一項では、新たに、遊漁船業務主任者は誠実にその職務を行わなければならないことと、また同条二項には、遊漁船業務主任者のその職務を行う上での意見を尊重しなければならないということも明定されたところでありますが、これらの意義について確認をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/60
-
061・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
遊漁船業の営業について最終的に責任を負う者は遊漁船業者でございますけれども、遊漁船業務主任者は、利用者の安全確保や漁場の安定利用の確保等の重要な役割を担っていること、地域の気象、海象、操船の経験や知識なども有していることから、現場の状況に応じた安全管理体制の構築に向け、今回の法案におきまして、その責任の大きさを明確にする観点から、遊漁船業務主任者について職務を誠実に行う義務を明確にするとともに、利用者の安全確保などに関し遊漁船業務主任者の意見を遊漁船業者は尊重する義務を明確にすることとしたところでございます。
このことにより、各遊漁船業者におきまして、現場の意見が十分に反映され、これまで以上に利用者の安全性や適切な業務運営が確保されるものになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/61
-
062・安江伸夫
○安江伸夫君 大変大切な改正のポイントかなというふうに思います。実際に乗り組んで現場を見ている人がきちっと安全の管理をしていく、当たり前のことが法律上しっかりと明記をされたというふうに理解をさせていただきました。
続きまして、改正法の十九条の関係で確認をさせていただきます。
この改正法十九条では、重大な事故についての届出が義務付けられることとなり、具体的には省令でその重大な事故を定義するということになっておりますが、どういった場合を想定されておられるのかを確認させていただくとともに、届け出なければならない重大な事故と誰が判断をすることになるかも併せて御答弁ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/62
-
063・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
今回の法改正により都道府県知事への報告が義務付けられる重大な事故といたしましては、遊漁船の衝突、乗り上げのほか、沈没や火災、死亡者や行方不明者を出した事故などについても対象とする方向で検討しています。また、この報告は事業者が行うこととなりますが、事業者が判断に迷わないように、報告対象となる事故につきましては、客観的に判断できるよう省令で明確に定めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/63
-
064・安江伸夫
○安江伸夫君 客観的に判断できるように明確にということで確認をさせていただきました。
続きまして、改正法の二十三条の関係で、利用者の安全及び利益に関する情報について確認をさせていただきます。
今回の改正によって、遊漁船業者に対して、利用者の安全を確保するために講じた措置等の情報の公表が義務付けられることとなります。公表の具体的な方法につきましては農林水産省令で定めるところによるとされておりまして、衆議院の審議におきましても、デジタル化の取組がこの点重要であるという旨の答弁もあったと承知をしております。
他方で、遊漁船業者の事業者の九割が一隻の遊漁船で営む小規模事業者でありますし、また、ウェブサイトを持っていない事業者も現実的にはいるわけでございまして、このような場合、どういった形での情報公表を想定をしておられるのか、また、そうした事業者への支援も丁寧にやるべきと考えますが、この点について確認をさせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/64
-
065・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
本法案におきまして、利用者が利用する遊漁船を安全の観点から選択できるようにするために、遊漁船業者に対しまして、利用者の安全などに関する情報の公表を義務付けることとしております。これらの情報につきましては、利用者が遊漁船の選定に際して入手できることが必要であると考えております。
公表の手段につきましては、インターネットなどによる公表が有効な手段と考えておりますが、事業者がそれぞれ可能な手段で取り組めるよう、具体的な公表の方法につきましては、今後、現場や有識者の声も踏まえつつ検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/65
-
066・安江伸夫
○安江伸夫君 ありがとうございました。
先ほど山本委員からも質問ありましたけれども、やはりこの協議会の重要性ということも確認をしておきたいというふうに思います。
今回、二十八条の内容で協議会の設置が、必要的でありませんけれども、任意で設置ができるということで規定をされることとなります。その在り方については、やはり地域の自主性を尊重しながらも、国としても、都道府県等、地元の求めに応じた丁寧なサポート、これを体制をしっかり取っていただきたいということと、やはり先進的で有効な事例や、またそうしたものの情報共有などを積極的に行っていくということも重要かと考えます。
御答弁お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/66
-
067・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
今回の改正案で創設する協議会につきましては、都道府県知事の主導の下、遊漁船業の健全な発展を図るため、遊漁船業者、漁業者などの地域の関係者が集まりまして、利用者の安全確保や漁場の安定的利用の取組につきまして協議を行うことにより遊漁船業の適正化を図る役割を担うものでありますことから、協議会制度が円滑に設置、運営されていくことが重要であると考えております。
このため、農林水産省といたしましても、各地域における自主的な取組を促す観点から、協議会の運営に当たっての規約例の提示、海面利用協議会と連携した取組の推進、優良な取組の横展開など、都道府県が円滑に協議会制度を運営していくための必要なサポートについても検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/67
-
068・安江伸夫
○安江伸夫君 続いて、遊漁船の衝突事故の防止に関連して確認をさせていただきます。
船同士の衝突事故、接触事故、こうしたものを防止していくことも極めて重要と考えます。元々この法律の制定の端緒も大型遊漁船と海上自衛隊の潜水艦との衝突事故にあったというふうにも確認をさせていただいたところでもあります。現時点も、遊漁船の死傷者を伴う事故の種類別の割合で一番多いのもこの衝突ということであります。この際、先ほども確認しましたけれども、業務規程において、周囲への見張りを強化するなど、接触事故等を防止するための事項をしっかりと定めていくべきと考えます。
また、関連しまして、今年の三月七日に神奈川県の三浦市の沖合で、航行中の遊漁船が鯨らしき物体との衝突によって釣り人など乗船していた方がけがを負って病院に搬送されたという報道も目にしたところでございます。船だけではなく、こうした大型の自然動物との接触ということもこの際防止を徹底していくべきと考えます。
御答弁お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/68
-
069・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) 現行の業務規程の模範例におきまして事故発生防止のための留意点を明記しておりますが、遊漁船業において見張り不十分などによる衝突を始めとする事故が多い状況を踏まえまして、更に規定すべきことがあるか検討してまいります。
また、委員から御指摘の報道は、本年三月七日の神奈川県三浦市の沖合での鯨との、鯨らしき物体との衝突でございますが、現在、海上保安庁が事故原因の調査を行っているものと認識しております。
海難事故の対応につきましては、現行の業務規程の模範例においては主として船舶との衝突を念頭に対応を定めておりますが、今回の事故原因の調査も踏まえまして、特別な対応が必要かどうかも検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/69
-
070・安江伸夫
○安江伸夫君 よく分析、検討をお願いしたいというふうに思います。
続きまして、中間取りまとめにおける指摘事項を何点か確認をさせていただきたいと思います。
先ほどもありました損害賠償の措置の基準について確認をさせていただきますが、今回の中間取りまとめでは、利用者の利益の保護をより一層図っていく観点から、現行の損害賠償責任保険の加入額の見直し等、利用者の保護に資するより適切な措置を講ずる必要性が指摘をされているところでございます。
現行は定員一人当たりこの限度額が三千万円以上のものになっているということでありますけれども、やはり陸の、車の交通事故を取ってみても、やはり任意保険でありますけれども、対人無制限で入っているものも多数でありますし、また乗り合いバスなど、こうしたほかの乗り物の事故の関係で見ても、やはり相対的にこの金額自体低いものかなというふうにも思っております。あってはいけませんけれども、死亡事故なども起こったときには、この三千万円以上という基準ではなかなか賠償には不十分であるということも現実であります。
この中間取りまとめでの指摘事項についての政府の受け止めと今後の対応方針につきまして、ここは藤木政務官にお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/70
-
071・藤木眞也
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えをいたします。
昨年十二月の遊漁船業の在り方に関する検討会の中間取りまとめにおいては、御指摘のとおり、損害賠償責任保険の基準の見直しについて記載されたところでございます。損害賠償責任保険への加入は利用者の利益の保護のための重要なものと考えており、そのため十分な保険金額の保険への加入が求められております。
現行では、委員御指摘のとおり、定員一人当たりの填補限度額が三千万円以上の保険、共済への加入を遊漁船業者に義務付けておりますが、この金額を幾らにすることが適当かについて、現場や有識者等の意見を伺いながら検討してまいりたいと思います。
補足になりますけれども、先ほど鯨との衝突というお話がございましたが、私も小型船舶の運転をたまに行います。木の枝でも操縦者からなかなか見えない中で、やはり水面と同じ高さに障害物があるというのは、本当に、運転をする側も怖いんですけれども、やむを得ないところが非常に大きいなというふうにも思いますので、その辺の御理解はいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/71
-
072・安江伸夫
○安江伸夫君 ありがとうございました。
もう一つ、中間取りまとめにおける指摘事項、乗船時の利用者への安全に関する説明について勝俣副大臣に確認をさせていただきますが、中間取りまとめでは、利用者の中には釣り初心者や小さい子供もいるために、利用者の不注意等で思わぬ事故が発生する可能性があるとされておりまして、乗船時に、乗船のときに利用者に対して遊漁船業務主任者から安全に関する事前の説明を行うなど、利用者に対して安全に関する注意を促すことを乗船時のプロセスとして位置付ける必要性があると指摘をされております。
乗船時のプロセスをマニュアル化をして、それを遵守させる仕組みをつくっていただきたいと思います。御答弁お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/72
-
073・勝俣孝明
○副大臣(勝俣孝明君) 安江委員御指摘のとおり、乗船時に利用者に対し安全に関する説明を行うことは重要であると考えております。
このため、現在、農林水産省としましては、業務規程の規範例の中で安全の確保のために利用者が遵守すべき事項について示すとともに、これらの事業者が利用者に周知するよう、都道府県から指導しているところであります。
さらに、本法案において、業務規程を登録申請の際に提出させ、安全に関する記載事項が一定の基準に適合できない、適合しない場合には登録できないようにする措置を講じておりますが、この業務規程を審査する中で、乗船時のプロセスも含めて、安全の確保のために利用者が遵守すべき事項とその周知の方法について明記されているかを確認するよう、都道府県に必要な提案、助言を行ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/73
-
074・安江伸夫
○安江伸夫君 ありがとうございました。
最後に、大臣、端的で大丈夫でございますので御答弁いただければと思いますが、遊漁船業の安全性確保に関する分かりやすい情報発信も指摘されております。是非、これを踏まえての発信をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/74
-
075・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) 私どもも、この安全性の確保というのがもう最大の今回の法改正の焦点でございまして、いろんな処置を講ずるに当たりましては、これが分かりやすく利用者の安全確保に直接つながるような情報発信を都道府県が行えるように、国が市町村に、国が県に対しましてガイドラインを作成して示して、そして必要な助言を行っていきたいと、こんなふうに思っているところでございます。
また、水産庁のホームページの遊漁の部屋においても、これまで安全対策等について利用者の安全性確保のためのパンフレット等を作成、公表し、情報発信に努めてまいりましたが、今後は都道府県の公表する情報を一元的に確認できるようにするなど、更なる情報発信に努めてまいりたいと、かように思っているところでございます。
それから、余計なことなんですが、このちょうど法案審議のときに私の鹿児島でやっぱり船舶の事故が起こりまして、昨日、十四人が乗った船が火災を起こしまして、十四人全員助かったんですけれども、やはりこれは人ごとではないなと、こんなふうに思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/75
-
076・安江伸夫
○安江伸夫君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/76
-
077・串田誠一
○串田誠一君 日本維新の会の串田誠一でございます。
ずっと質問の中にも出てまいりましたが、遊漁船の事故で一番多い形態というのはどういうものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/77
-
078・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
遊漁船の事故につきましては、過去十年間の事故による死傷者数は三百九十三人、そのうちの死者数は六十人となっております。特にこの五年間で年間の死傷者数は増加傾向にございますが、その内容としては、見張りの不十分等による他船との衝突事故が多く、平成二十八年の十五件から令和二年は二十九件と増加傾向にございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/78
-
079・串田誠一
○串田誠一君 知床遊覧船事故が一つの大きなこういう立法事実もあるんですけれども、こういう気象条件が悪いから事故が起きたというだけではなくて、衝突ということで、いつでも事故が起きるということを想定していかなければならないのではないかなと思うんですが、その点で、その事故が起きている地域というものを調査したことはあるでしょうか。
〔委員長退席、理事堂故茂君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/79
-
080・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
衝突事故が多いという点は把握しておりますが、地域による違いなどについてはまだ分析はしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/80
-
081・串田誠一
○串田誠一君 是非、そこの調査もしていただきたいと思うんですが、知床遊覧船事故というのは昨年の四月二十三日に発生いたしました。気象庁の調査によりますと、海水温度は二・四度ということでございます。零度から五度までの意識不明時間というのは十五分から三十分、予想生存期間というのは三十分から九十分が生存できる期間ということでございます。一方で、十五度から二十度の場合には、意識不明というのは二時間から七時間、予想生存期間も二時間から四十時間。零度から五度までは九十分、十五度から二十度は四十時間、これ全然違うわけでございます。
そういう意味で、小型船舶安全規則というのがありますが、海水温によって救命設備の違いが全く考慮されていないというのが指摘されているところなんですね。こういうような海水温度が低いところというのは、とにかく迅速にその災害を受けた人の場所を特定していかなければならないということなんですけれども、そこで、救命胴衣、ちょっと質問の順番変えますが、救命胴衣で国交省認定という基準があるんですけれども、認定があるものとないものとで救命胴衣どういう違いがあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/81
-
082・宮武宜史
○政府参考人(宮武宜史君) お答えいたします。
乗船者の落水時の安全を確保するため、船舶に搭載する救命胴衣には浮力、耐久性等に関する安全基準を国土交通省において定めております。実際に船舶に搭載する際には、この安全基準に適合している必要がございます。このため、あらかじめ安全基準への適合が確認された救命胴衣には所定の印を付すこととしております。
委員御指摘の救命胴衣でございますが、恐らくこの印が付されているものというふうに考えられます。その場合におきましては、安全基準への適合が確認されたものであり、安心して使用できるという、そういう救命胴衣であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/82
-
083・串田誠一
○串田誠一君 知床遊覧事故の場合にも、誰が遭難をしたのか、そして一番大事なのは、先ほども言いましたように、迅速に救助していかなきゃいけない、海上保安庁等がすぐにその場所に行かなきゃいけない場合、ことが多いと思うんですけど、九十分が最長ですから、その場合にどこにいるのかということなんですけれども。
そういう意味で、先ほども言いましたように、海水温度によって設備の違いが考慮されていないというのが指摘されているんですけれども、先ほどの、今国交省の認定基準の中にも、どこにいるのかということが分かるようなものを装備されていない。ですけれども、紛失防止タグというのが、今通信サイトで調べていただくともうずらっと出てきまして、数千円でGPSを使って紛失をした場所を特定できるというのが、防水にもなっているものがあるんですよ。
ですから、私は、やはり海水温度が、地域も調べていないということですので、地域もしっかり調べていただいて、海水温度が例えば五度以下とか十度以下の場合には、救命胴衣にその紛失防止タグというのを付ければすぐに場所が特定できる、海上保安庁がすぐにそこに行ける、九十分の中でも助けられるかもしれないというようなことを救命胴衣に用意をしていただきたいと思うんですが、検討していただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/83
-
084・宮武宜史
○政府参考人(宮武宜史君) 御指摘の点、私どもで、国交省で行いました検討会の中でも議論いたしました。
まずは、私どもの方で、AISと呼ばれる自動で船舶の位置を特定できる機器相当の、自動で場所を発信する装置を義務付けていこうというふうに考えております。したがいまして、まず、船の位置を特定するすべとして、まずこれを用意できるのではないかと考えております。
救命胴衣にそれぞれ付けるという案もございましたけれども、ちょっとその電波の届く範囲とか限界があるというようなところございましたので、今後の技術の動向を見守りながら検討を進めていきたいと思います。
〔理事堂故茂君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/84
-
085・串田誠一
○串田誠一君 救命胴衣というのは海水に浮いていますので、浮いているところにその紛失防止タグを付ける、そしてまた、それがつながるかどうかというのは技術的な問題ですから、是非検討していただきたいと思うんですね。
船舶に付けるのは当然必要だと思うんですけど、遭難している人ってもういろいろなところに浮遊していってしまうわけですから、やはり救命胴衣が、せっかく救助を待っている中で九十分しか時間がないようなところもあるので、そこは是非、GPSも活用していただいて、金額も非常に安いですからね、命に代えられないので、そこも是非積極的に検討していただきたいというふうに思うんですけれども。
先ほどの、誰がどこにの、そのどこにというのは今言ったような紛失タグというのを活用していただきたいんですが、誰がという部分はどういうような形で乗船されるときに確認されているか、それは法律上義務付けられているのか、確認させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/85
-
086・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
遊漁船業法におきましては、現行法上におきましても、営業所ごとに利用者名簿を作成の上、備え置き、利用者の氏名や住所を記載しなければならないこととされております。このため、もし乗客が万一行方不明になった場合でも、この利用者名簿により乗客を把握することができると考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/86
-
087・串田誠一
○串田誠一君 こういったことが起きたときには、誰が今どこにというのが特定していくということが一番大事なんじゃないかなと思うんですが、先ほどプレジャーボートの話も出たんですけれども、テレビでこの前、本来は釣りをしてはいけないいそに、いそ渡し、瀬渡しと言われている、そういう業者があると言われています。
そもそも、釣りをしてはいけないところの岸壁とかに船で乗客を運んでいくという業者があるわけですけど、こういう違法な行為を行う業者に今回の法律を遵守しろと言っても無理だと思うんですが、そういう業者を取り締まるというのはこの法律でできるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/87
-
088・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) お答え申し上げたいと思いますが、防波堤等における遊漁につきましては、港湾管理者や施設、あるいは土地所有者などが定めるルールに従っていただくとともに、利用者の安全確保が図られる必要がございます。
このため、今回の法改正におきまして、登録、更新の際に業務規程の内容を都道府県が確認することにしておりまして、禁止される区域や安全確保されていない場所での瀬渡しが行われないようチェックできる仕組みにいたしているところでございます。
また、本法案において盛り込んだ遊漁船業に関する協議会を活用して、安全な漁場などの情報共有や安全な瀬渡しを行うためのルール作りに向けた協議を行っていくことも大変重要だと、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/88
-
089・串田誠一
○串田誠一君 衝突事故が多いという話なんですが、去年でしたか、水上ジェットスキーが泳いでいる人の近くを走行して危ないとかっていうのが非常に大きな話題になったことがあるんですけれども、当然遊漁船と衝突をするということもあると思うんですが、ちょっとこの法律と離れるかもしれませんけれども、水上ジェットスキーに対する規制というのはどのようになっているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/89
-
090・宮武宜史
○政府参考人(宮武宜史君) お答え申し上げます。
水上オートバイの操縦者には、船舶職員及び小型船舶操縦者法に基づきまして、特殊小型船舶操縦士の免許が必要とされています。
当該操縦者には、遊泳者等の付近で衝突や危険を生じさせるおそれのある速力で航行したり、急回転やジグザグ航行をするといった危険操縦の禁止などを遵守する義務がございます。危険操縦の禁止に違反した者に対しましては、違反点数を付与するとともに、安全意識の徹底のための再教育を行っております。
なお、違反点数が累積した場合には、その累積点数に応じまして、戒告又は一定期間の業務停止、免許停止に相当しますけど、業務停止の行政処分が科されることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/90
-
091・串田誠一
○串田誠一君 事故が起きたときは届出をするということになっているんですけれども、その届出をするのは当然必要だと思うんですが、事故直後、主任者というのがここで、法律上も出てきているんですけど、事故直後は主任者としてはどういうようなことをするということが望ましいというか、ルール作りになっているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/91
-
092・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
事故を引き起こした場合には、人命の安全の確保のための万全の措置、事故の拡大防止のための措置、利用者の不安を除去するための措置を講ずることが求められます。
具体的には、海上保安庁、これは一一八番でございますが、や、あらかじめ業務規程で定めた緊急連絡先などへ連絡し救護を要請したり、けが人が発生している場合には応急措置を行うなどの対応が求められるものと考えております。
こうした点も業務規程の模範例においても示しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/92
-
093・串田誠一
○串田誠一君 今の答弁の中で、乗客の不安を除去というのも示していただきました。
そこで、これからたくさんインバウンドの方もいらっしゃるし、外国の方も今、日本にたくさんいらっしゃる中で、当然その乗客も外国人ということで、日本語が通じないということも多いかと思います。
そこで、例えば航空機の場合には、離陸をする前に、事故、そういうような何か起きたときには、空気が出るマスクが上から落ちてきて、それをどうやって装着するのかということとか、海に行ったときには、ライフジャケットの空気が自動的に入るけれども、足りない場合には左右からストローみたいなので吹き込んでくださいとか、あとは、海上へ出るときには空気の入った滑り台をどういう姿勢で滑り降りたらいいのかとか、その後どういうふうにして機体から離れたらいいのかというのは、動画とかあるいは機内でも教えてくれる。要するに、言葉がなくても、どういうふうにすればいいのかというのが見てすぐに分かるようなことをしているわけですよね。
そうなると、船の事故の場合にも、言語で、多言語というか、外国人の場合には言語で通じるということを全部用意できるとは思えないんですけれども、そういうときのために、例えば何か絵を示すようなこととかいうような、言葉が必要のないような、不安を除去するような方法というのも検討していった方がいいんじゃないかと思うんですが、その点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/93
-
094・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
遊漁船を利用する外国人観光客につきましては、事故があった場合に言語の問題などにより対応が困難になる可能性もあることから、受け入れる遊漁船業者や地域の関係者において様々な工夫を考えていただく必要があると考えております。また、水産庁といたしましても、外国人を受け入れる場合の安全確保に関する際の考え方について、制度の運用のためのガイドラインで示すことを検討してまいりたいと考えております。
こうした外国人の遊漁船利用における事故への対応につきましては、今回の法改正で創設いたしました協議会制度を活用した話合いを行うことが考えられますが、国としてもこうした協議会の活用についても周知してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/94
-
095・串田誠一
○串田誠一君 是非、何か指針みたいなものを、各事業体に任せるということも仕方がない部分もあると思うんですけれども、やはり外国人の方が安心して不安を除去できるような、何かそういう基本的なルール作りというのもしていったらいいんじゃないかなと。どの飛行機に乗っても、先ほどの動画って大概見ますよね。どこの飛行機も同じようにしてやっているわけで、そういう意味では、遊漁船もある一定のルール作りみたいなものがあっていいんじゃないかなと思うんですけれども。
そういう意味で、救命胴衣に関しては、知床の事故の場合にも、事故が起きた後に救命胴衣を着けろというような発言が無線から聞こえてきたというような、そういう報道もちょっと目にしたんですけれども、ということは、救命胴衣を着けていなかったということになるんですが、この救命胴衣を着ける義務というのは乗船前なんでしょうか、それとも乗船後、船が動き出す前ならば構わないという考え方なんでしょうか。その点、統一している見解があれば教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/95
-
096・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
救命胴衣につきましては、遊漁船業者に対し、遊漁船に乗船する利用者にも着用させることを義務付けており、利用者が着用せずに乗船した場合には、遊漁船業者が業務規程に違反するものとして業務改善命令の対象となることに加え、遊漁船の操縦者が船舶職員及び小型船舶操縦者法に違反することとなります。
お尋ねの乗船前の話でございますけれども、現在の模範規程例におきましては利用中と書いてございますので、御指摘も踏まえ、乗船前からだよということをちょっと明確にする方向で検討したいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/96
-
097・串田誠一
○串田誠一君 それもレクの段階でちょっとしつこく聞かせていただいたことがあるんですけど、乗った後にそのライフジャケットを着けない場合にどうしたらいいのかと。退船命令が出せるんですかというような質問をさせていただいたんですが、いや、乗る前に着けるというのがルールになっているというような話だったんですけど、今のお話ですとそこは明確にまだなっていないですよね。乗る前に着けなきゃいけないというルールにはなっていないでしょう。船が動き出すときには着用するようにはなっているけど、乗船前に着けていなきゃいけないとはなっていない。
そうすると、先ほどの知床の事件、事故もそうでしたけれども、着けていない乗客も存在する。もちろんそれは着けてくださいと言うのは大事ですけど、それで着けなかったときにはそこの船から退船してください、あるいは着けていないお客さんがいるんだったらすぐ船は着岸しなきゃいけないとか、まあ飛行機の場合にはルールを守らないお客さんいた場合にはそういうようなことになっていると思うんですけど。
そういうことを考えると、乗船前にもうその救命胴衣は着けるということを義務付けるということを明示していただいた方がいいと思うんですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/97
-
098・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
現在のその船舶職員及び小型船舶操縦者法、これ国交省さんの法律ですのであれですけれども、乗船する利用者に着用させるということですので、何というんでしょう、実態上、乗船する前に着けていないと乗ったときに着けていないということになりますので、ただ、ちょっと言葉としては乗船する利用者ということを使っていて、我々の業務規程の模範例では利用中にと書いてございますので、乗船前に着けてこうしなさいというところまではなっておりません。あっ、済みません、ちょっと、利用中じゃなくて、乗船中は着けてくださいという模範規程例になってございますので、その言葉をどう解釈するかということだと思いますけど、御指摘のように若干曖昧な部分もございますので、模範規程例でそこを明確にしたいというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/98
-
099・串田誠一
○串田誠一君 是非明確にしていただきたいと思います。
最後に、大臣、今季節だとか場所とかによっていろいろと変わることもあるかと思うので、こういったようなことをしっかりとまた念頭に入れながら出航していただきたいんですが、一言お願いして終わりにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/99
-
100・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) お答え申し上げます。
現在でも、遊漁船業者が行う出航の判断に当たって、波の高さ、あるいは風の速さ、あるいは海上警報などが確認するように指導しているところですが、引き続きその徹底を図ってまいります。
また、本法案に盛り込んだ協議会において、季節や場所による特性を踏まえた海の安全に関する情報を地域の関係者の間で共有するなどの取組も進めていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/100
-
101・串田誠一
○串田誠一君 悲しい事故がもう起きないようにお願いしたいと思います。
終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/101
-
102・舟山康江
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。
法案審議、随分いろんな質問が出まして、私も聞きたかったことも随分既にやり取りがありました。私からは、まずは遊漁そのものの実態について確認をさせていただきたいと思います。
漁業・養殖業統計によりますと、令和三年の漁業生産量は四百二十一万トンとなっています。遊漁による採捕量はどのぐらいと把握しているのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/102
-
103・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
遊漁による採捕量につきましては、把握手法の検討に取り組んでおりますけれども、データの量や推定された値の信頼性の問題もありますので、これまでのところ、クロマグロ以外は政府としてお示しできるような数値を得るには至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/103
-
104・舟山康江
○舟山康江君 そうなんですね。今、実は、後でまたお聞きしますけれども、平成十五年までは第十一次漁業センサス、これ平成十五年ですけれども、ここまでは遊漁に関する統計あったんですね。しかし、それが現在廃止されました。
そういう中で、令和二年三月に、これ水産庁の委託調査ということで、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが報告書を出しております。この中では、極めて、いろんな仮定を置いての推計ですので幅があるんですけれども、この報告書によりますと、遊漁による採捕量は八万九千七百二十一トン、大体九万トン前後から四十一万トン前後ということで推計がされています。
仮にこの最大に見積もった場合には、実は漁業生産量の一割を占めるということですので、かなりの量だと思うんですね。やはりこの遊漁の実態、今一般の漁業に関しては極めて厳しく資源管理をしている中で、やはり一割を占めるとすれば、やはりこういった実態を把握するということは極めて大事ではないかと思いますけれども、どのように影響を考えているのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/104
-
105・藤木眞也
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えをいたします。(発言する者あり)いいですか、じゃ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/105
-
106・山下雄平
○委員長(山下雄平君) じゃ、水産庁神谷長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/106
-
107・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) 申し訳ございません。
直接の遊漁による影響というのは、経済面での影響と、漁業調整の面での影響と、資源への影響と、三つあろうかと思います。
今委員の方からは、資源への影響、四十二万トン仮にあったとしたときはどうかという点でございますけれども、ここは魚種別にそれぞれ資源状況が異なりますので、例えばイワシみたいに多いところからいっぱい捕っていてもそれほど影響はないとは思うんですけれども、ただ、結構捕っていますので、それなりのインパクトはあるものだというふうに認識しております。
一方で、経済面でいいますと、今、釣りの人口が五百五十万人で、釣り具の市場規模は千六百五十億円となっておりますので、来訪者のもたらす経済効果も非常に大きいと認識しておりますので、資源への影響と経済面への影響と両方うまくバランスを取って、遊漁船業が秩序を持って持続的に発展するように努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/107
-
108・舟山康江
○舟山康江君 まず一つは、資源に関して言えば、先ほど申しましたとおり、もしこの委託調査による推計の最大値でいえば一割近いということで、相当大きな影響、あっ、一割近いじゃない、一割以上ですよね、かなりの大きな影響だと思うんです。そう考えると、やっぱりまずはこの遊漁の実態を把握するべきだというふうに思います。
先ほど、漁業センサスが平成十五年で廃止されたということを申し上げました。平成二十年にも一部調査をしていますけれども、なぜこの調査ができないのか、まず、ちょっと統計情報部にお聞きしたいんですけれども、なぜ廃止されたのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/108
-
109・山田英也
○政府参考人(山田英也君) お答え申し上げます。
漁業センサスにおいて遊漁者数の把握を廃止した経緯でございますけれども、この漁業センサスにおきます遊漁者数の把握につきましては、漁業協同組合、それから遊漁案内業者等への聞き取りによりまして実施してきたところでございます。
しかしながら、この農林水産統計全体の効率化を図る見直しの中で取りやめたものというふうに認識してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/109
-
110・舟山康江
○舟山康江君 何か聞いたことありますよね。集落調査と似たような背景で、これも中止されたのかという感じですけれども、先ほど申しましたとおり、今もうまさに、過去、これまでよりも今資源管理が非常に重要視されている中で、やっぱりこれ改めて統計をしっかり取るということが必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/110
-
111・山田英也
○政府参考人(山田英也君) お答え申し上げます。
漁業センサスということでただいま申し上げたところでございますけれども、この漁業センサスということで申し上げますと、この漁業センサスは、漁業の経営体、すなわち業としてお魚を捕られる方々に関する調査でございます。他方、この遊漁と申しますと、レジャーを目的として様々な方々が様々な形態で行っているというふうに承知してございます。
こうした現状を踏まえますと、漁業センサスにおいてということで申し上げますと、なかなか技術的に困難な面があるかなというふうにも思ってございますけれども、ただ、いずれにしましても、この遊漁者数に関する実態把握というものにつきましては、また政策のニーズ等を踏まえまして今後検討してまいりたいと、このように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/111
-
112・舟山康江
○舟山康江君 確かに業としての採捕ではないにしても、やっぱり漁業に対するインパクト、影響、経済への影響ということを考えたときに、やっぱり実態把握をする、そういった手法は改めてしっかりと検討、議論、そして実施していただきたいと改めてお願いを申し上げます。
そして、遊漁を行うに当たって何か、まあ実態把握ができないということは、結局何の、何というのかな、そこの取っかかりもないのかなと思うんですけれども、何らかの資格が必要とされるのか、改めてちょっと確認させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/112
-
113・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) まず、遊漁の実態把握は確かに難しい問題ではあるんですけれども、現在、遊漁者に対して任意で採捕量の報告を求めて、採捕報告をしやすくなるように、ウェブサイトへの掲載やポスターの配布などによる周知、またアプリを通じて報告できるようにというような努力は今実施しておるところでございますが。
あと、それと二つ目の質問でございますが、現在、遊漁を行うに当たりましては、北海道のサクラマスの船釣りなど、地域によってはライセンス制を導入している事例もありますが、基本的には遊漁を行うに際しての資格というのは求めておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/113
-
114・舟山康江
○舟山康江君 これ、他国はどうなのかなというところを教えていただきたいんですけれども、例えばアメリカ、アメリカの遊漁の現状について、例えばそういったライセンス制、あとは何か管理する方策、どうなっているのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/114
-
115・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) 平成十六年に遊漁制度による調査を実施いたしましたが、アメリカなどを含めて十か国調査いたしました。全ての国におきまして、遊漁者が釣りをする場合には、その地域を管轄する行政機関により採捕可能な魚種、期間、水域などの何らかの規制が講じられております。特に、アメリカ、カナダ、ロシア、オーストラリアでは、地域により、海面での遊漁に関するライセンス制を導入し、ライセンスの発行に際して徴取した料金を資源保護、遊漁振興などに充てていると承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/115
-
116・舟山康江
○舟山康江君 改めて、実態を把握するためにも、例えばこういったライセンス制ですとか、そういったことは大変重要なのかなと思っているんですね。
アメリカの事例をちょっとこの調査報告から拾ってみましたところ、例えば、漁具、釣り具等の遊漁に関する物品の売上げに関しては、一定の税金を徴取するなり何らかのお金を徴取して、全て資源保全や回復に使われているということのようなんですね。遊漁は環境保護に貢献しているということ、そしてあわせて、採捕量もしっかり調査をしていると、こんな結果が出ておりました。
こういった他国の事例を考えたときに、改めて日本もこういうライセンス制とかいろんな何らかの負担を少し徴収する、そういったやり方の中で、しっかりこの資源回復とか漁業への貢献とか浜の保全とか、そういったことに使うべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/116
-
117・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
水産資源を利用しているという意味では、漁業も遊漁も変わりございません。資源の適切な管理について、漁業者と遊漁者が協力して取り組むべきものと考えております。遊漁者の取組といたしましては、海岸の清掃や藻場の保全など、漁場環境の改善に要する経費の一部を遊漁の関係団体が負担している事例も見られます。
今回、ちょっと遊漁法の改正でございますので、関連でいいますと、地域の関係者で構成される協議会制度も創設いたしましたので、これを有効に活用いたしまして、地域の実情に応じた水産資源の管理や理解醸成についても、この協議会を通じて努めていただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/117
-
118・舟山康江
○舟山康江君 地域の自発的な取組は、それはそれでいいんですけれども、やっぱり国全体としてですよ、今、資源管理とかをかなり緻密にやっている中で、やっぱりこの、さっき北海道の一部でサクラマスのライセンスと言っていましたけれども、国として方向性を決めていかないと、やっぱりそこの温度差が出てくると全体が把握できないということにもなりますし、やっぱりこの遊漁というのは一体何なのか、どういう役割があるのかということをしっかりと周知するためにも、国としてこういった方策をしっかり検討いただきたいと思いますので、是非、政務の方からもお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/118
-
119・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) 内容的にはただいま長官の方からお答えしたとおりでございまして、やっぱり今現在そういった団体の方で取り組んでいただいている事例もあります。
したがいまして、そういったものをやっぱり、今後協議会制度を創設いたしますので、これを有効活用して、地域の実情に応じた水産資源の管理や理解醸成に舟山委員おっしゃるような方向で努めていただきたいと、こんなふうに考えておりまして、各地の事例を把握して優良事例について周知させていただきたいと、かように思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/119
-
120・舟山康江
○舟山康江君 協議会を活用するのも私は一つの有効な手だてだと思いますけれども、一応この協議会は、いわゆる遊漁船業者を構成員とするということが基本なわけですよね。遊漁全般というのは、遊漁船による遊漁ももちろんですけれども、いわゆる浜からとか、いろんな、ほかの手法の方が実は多いんです。そう考えたときに、遊漁船による遊漁よりもむしろそちらの、それ以外の遊漁をどのようにしっかりチェックをしていくのか、これ大変重要だと思うんですね。
そういったことを考えたときに、果たして協議会だけで全てを網羅できるのか。その辺り、どうなんでしょう。協議会にいろんな役割を期待するのもいいんですけれども、遊漁船による遊漁だけではない、ほかの遊漁に対してどのように把握をする、どうやってしっかりと網を掛けていくのか。
そういった、もう地元を見ていても本当に、船に乗るというよりは、もう週末出かけて、特に若い女性なんかも今増えていますけれども、浜で釣りをする、で、結構釣れるんですなんていう話も聞きますので、やっぱりそこもきちっと、まずはいわゆる人数把握、それからその漁獲の把握、資源への影響把握をするべきだと思いますので、やっぱりここは、単なる協議会任せではなくて、国として別の手だてを考えていくべきだと思いますけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/120
-
121・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
確かに、遊漁をどう管理するかというのと、今回新たに創設するその協議会が全てをカバーできるものではないというふうに認識しております。
遊漁全体で漁獲をどうやって把握するかというのをまず先行的に取り組みたいと思っておりますので、とにかく、任意になりますけれども、採捕報告をしやすくなるよう、遊漁船業者及び遊漁者が協力して報告していただけるように、ウェブサイトへの掲載やポスターの配布などによる今周知を図って、とにかく実態の把握というところに努めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/121
-
122・舟山康江
○舟山康江君 ですから、その任意の報告ではなくて、だって任意の報告、どのぐらいの割合の人が報告しているか、それ把握できているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/122
-
123・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) 現時点においては把握はしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/123
-
124・舟山康江
○舟山康江君 だから、任意、任意の報告の中で、例えばおおむね半数は把握しています、報告してくれていますとか、それも分からない中で、じゃ、どれだけの資源量かって分かるわけないじゃないですか。また、いろんな漁業に対する影響、浜に対する影響、もちろん経済効果もありますよ。これ調査によりますと、レジャー白書等では市場規模一千七百億円と言われていますし、この報告書の中での試算ではもっと大きいというような試算もありますけれども、これ、レジャーでいえば、テニスとか野球、それからスキー、ウインタースポーツよりも大きいと言われています。
そういったプラスの効果もある中で、その例えば売上げの一部をどうするのかとか、そして全体の今の実態がどうなっているのか、これからの資源がどうなっていくのか、そういったことはやっぱり任意の報告ではなくてしっかりと自発的に能動的に国として把握する必要があるということを先ほどから申し上げていますので、是非これはしっかりと、まあこの遊漁、今回の法律は確かに船による遊漁の適正な在り方を決めるものではありますけれども、遊漁全般についての在り方についても併せて検討いただきたいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/124
-
125・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) 大変難しい宿題をいただいたなと思っているんですが、なかなか、この現状の把握というのがなかなか難しい。例えば登録制度でこの遊漁船だと確実に今後は把握できていくわけですけれども、個人で趣味でやっておられるような方々、こういう方々の把握というのはなかなか難しいわけで。
今、さっき藤木政務官とも話をしたんですが、野山にワラビ取りに行くのに、なかなかどのぐらいの人がワラビを取っているのかというのは分からないのと同じように、あの広い海に行って魚を捕っている人がどのぐらいいるのかというのはこれはなかなか難しい宿題でございますので、どういうことができるか、今回の法改正もありますので、検討はしてみたいと思いますが、大変重たい宿題いただいたなと思っているところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/125
-
126・舟山康江
○舟山康江君 先ほどお答えいただきましたけれども、アメリカなどではライセンス制で、基本はもうこのライセンスを取得していないといわゆる釣りができないということになっています。ですから、そこの方々がどれだけ釣っているのか、どういう影響があるのかということが把握できています。
一つの方策として、やはりそういったライセンス制を国として考えていく。もちろん、先ほど来紹介しておりますこの委託調査事業の報告書を見ると、賛成している人もいる中で反対の声も多いとは聞いていますけれども、でも、その趣味、影響ないじゃないかという声が大きいんですけど、でもやっぱり影響あり得るわけですよね。その釣りが、いわゆるこの遊漁による採捕が資源に対する影響等もあるわけですから、そこをしっかりやっていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/126
-
127・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
午前十一時五十九分休憩
─────・─────
午後一時開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/127
-
128・山下雄平
○委員長(山下雄平君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/128
-
129・紙智子
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
法案についてまず質問いたします。
この法改正の背景に、昨年の二〇二二年四月に北海道知床半島の海域で発生した遊覧船KAZUⅠの事故があるということが説明されています。
私は、昨年の五月に、この北海道の斜里町で漁業者や町長と懇談いたしました。ウトロ港で行方不明者の捜索活動を行われた漁業者の方にもお会いしたんですけれども、おっしゃっていたのが、まずおっしゃっていたのは、あの日、というのは四月二十三日ですけど、あの日はしけると分かっていたというふうにおっしゃっていて、安全管理の甘さについて指摘を受けました。
それで、やっぱり、KAZUⅠの事故を受けて十二月の十五日に国土交通省の運輸安全委員会がまとめたこの船舶事故調査の経過報告、ここには、事故の要因の一つとして、この出航の可否の判断及び運航継続の判断に問題があったということが言われているわけです。
この改正案がこの指摘をどういうふうに生かしたのかということをまず最初にお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/129
-
130・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) お答え申し上げます。
今、紙委員から指摘がございましたように、今回の法改正につきましては、近年の事故が非常に増えているというのが長官の方からも御報告あったとおりでありますが、特に知床沖の観光船の重大事故もあったことを踏まえ、安全対策を強化していく観点から、先ほどおっしゃいました国交省の知床遊覧船事故対策検討委員会におきまして、今年の四月でありますが、決定したわけでありますが、この報告書の内容との整合性を図りながら本改正案を整理したところでございます。
この改正案の中で、出航や運航継続の判断に関しては、遊漁船業務主任者の知見が適切に生かされるように遊漁業者がその意見を尊重しなければならないこととするということと、もう一つは、業務規程を登録の際の審査書類に追加すると、今までは発行後に、この登録の発行後に提出をしていたものを、審査書類に追加して一緒に出してもらうということで、出航判断基準等に関する事項を都道府県知事に確認できるようにしたところでございまして、これによりまして、知床の事故を踏まえて改正された海上運送法と同等の安全対策は措置されていると考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/130
-
131・紙智子
○紙智子君 今おっしゃったこと、十三条の二のところに法案上は書かれていると思うんですね。
それで、遊漁船業者が重大事故を起こした場合に報告を義務化したり、利用者の安全や利益に関する情報の公開を義務化した、その理由についても教えていただきたいと思います。これ、水産庁、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/131
-
132・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
本法案において、遊漁船業者は、重大事故を引き起こしたときは速やかに都道府県知事に報告することを義務付けたところですが、これは、都道府県知事が重大事故の情報を速やかに把握し、再発防止に向けた指導や対策を講じられるようにするためのものです。
また、遊漁船業者に対し、利用者の安全確保及び利益保護を図るために講じた措置として、利用者の安全確保のために船長及び遊漁船業務主任者が遵守すべき事項、出航中止の判断基準や海難発生時など緊急時の対処方法といった情報の公表を義務付けています。これは、遊漁船の利用者が遊漁船業者が講じている安全対策等の情報に基づき事業者を選択できるようにするとともに、利用者の目を通じて業界全体の安全意識の向上等を図ることを目的としたものです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/132
-
133・紙智子
○紙智子君 それともう一つ、今回、遊漁船業に関する協議会が創設をされました。それで、遊漁船と漁業が相まって発展していくのは、これはもちろん必要なことだと思うんですね。しかしながら、現実には、この水産資源や操業をめぐるトラブルというのは発生しているわけです。
そういうトラブルが発生した場合に協議会はどういう役割を果たすのか、また、協議会の構成員になりたいというふうに例えば漁師が希望した場合に構成員になることができるのかという、この二点、お答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/133
-
134・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
今回の改正案で設ける協議会では、地域ごとに遊漁船業における利用者の安全確保及び利益の保護、漁場の安定的な利用関係の確保に資する取組を推進するために必要な協議を行うこととしており、漁業と遊漁船業との間で必要になっている漁場の利用調整についても話し合われることになると考えています。
また、本協議会は、都道府県知事、遊漁船業者、漁協、関係地方公共団体、その他の知事が必要と認める者で構成することとしており、個人の漁業者であっても、知事が必要と認める場合には構成員となることが可能となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/134
-
135・紙智子
○紙智子君 都道府県が行司役となって調整を図るというのは、これは必要だというふうに思うんですね。ただ、都道府県任せにしないで、是非、水産庁が調整に当たるということも必要だと思いますので、そこはしっかりやっていただきたいと思います。
それからもう一つ、資源管理についてなんですけど、漁業者は資源管理しているのに遊漁船業は資源管理しないのかという意見が、さっきもありましたけど、度々出されてきます。遊漁といえども、漁業者以上の漁具を使用したり、それから釣り具もかなり進化してきているということですね。それから、産卵期に、漁師は禁漁しているのに遊漁船は捕っているという話も聞くわけです。
遊漁船であっても、クロマグロ以外においても何らかの資源管理のルール、これ規制が必要ではないのかと思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/135
-
136・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
委員も御指摘されましたように、クロマグロ以外の魚種については、確かに今、地域的な取組にとどまっておりますので、改正漁業法に基づく新たな魚種に対するTAC管理の導入をいろいろ議論している中でも、我々自身、遊漁による採捕量の把握と資源管理の取組が必要であるという意見を多々いただいております。
こういったこともありますので、遊漁の資源管理につきましては、昨年三月に閣議決定されました水産基本計画におきまして、資源管理の高度化に際して、今後、遊漁についても漁業と一貫性のある管理を目指していくというところははっきり書いておるところでございます。
一方で、何するかというところでございますが、今は、アプリや遊漁関係団体の自主的な取組を活用した遊漁における採捕量の情報収集の強化に努め、漁業者が資源管理の枠組み、あっ、済みません、遊漁者が資源管理の枠組みに参加しやすい環境を整備するとしておりまして、今これに基づいて取組を進めておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/136
-
137・紙智子
○紙智子君 釣りを通じてやっぱりこの資源管理の重要性の理解が広がっていくということは、漁業の発展にもつながるというふうには思います。
それから、次にちょっと質問するのはまた法案とは別なんですけれども、資源管理の問題です。
昨年の四月五日の農林水産委員会のときに、私、改正漁業法に伴うホッケやスケソウダラなどの資源管理について、北海道の漁業、水産業者から強い疑問や怒りの声が出ているということを紹介しました。
神谷水産庁長官は、現場に行って、説明に行って、水産業の成長産業化の基礎になる資源の増大に努めたいんだということを答弁されていたんですけど、やっぱり依然としてこの現場からの不信や不満というのは絶えない状況が続いているんですね。
今年三月八日に、北海道日本海沿岸漁業振興会議と道漁連が、国に対して新たな資源管理の導入等について要請を行っていると思うんです。ホッケやマダラなどは、具体的な対策が国から示されなければこのTAC管理の導入を決して認めるわけにはいかないんだという声です。
それで、道総研と漁業者が共同で推進している自主的な資源管理、これを基本とした北海道スタイルを是非認めてほしいんだという要請があったと思うんです。これ、なぜこういう声、不信や不満なんかも絶えなくあるんでしょうか。水産庁長官、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/137
-
138・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
なぜ不安が、不満とか疑念があるのかというのは、それは多分、過去のいろんなTACの設定の仕方とか説明の仕方に多々問題があったんだというふうに認識しております。ですから、新しい資源管理においては、そういった問題を解消するためにかなり丁寧に説明をさせていただいております。昨年四月以降、北海道におきましては、新たな資源管理に関する現地説明会とか資源評価の説明会とか、全部で十回ほど説明会を実施しておりますが、そのうち七回は資源管理のヘッドである資源管理部長が現地に赴いて丁寧に説明しておるところでございます。
いずれにいたしましても、水産庁としては、やはり漁業の成長産業化を図っていかねばならず、その際に、北海道の漁獲というのは日本の漁獲の約三分の一を占めておりますので、北海道の資源管理をどう成功させるかというのは非常に重要だと認識しておりますので、新たな資源管理については、引き続き丁寧に説明を行って漁業関係者の理解を求めつつ推進させていただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/138
-
139・紙智子
○紙智子君 丁寧に説明をされているという話なんですけど、水産庁、三月二十八日に札幌市で説明会を行ったと聞いています。しかし、現状の議論では、目標管理基準値を設定するのは無理だと、漁業者の実感と乖離があるんだと、現状の資源管理を変えるメリットはあるのかなどの意見が出ています。
現場の理解を得ることなくこれ漁業法を改正したというところにそもそも無理があったんじゃないのかと思うんですけど、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/139
-
140・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) 農水省といたしましては、ただいま長官の方から御答弁申し上げましたように、担当の部長が五回ほど現地説明会をしたり、あるいはまた資源評価結果説明会を三回ほど開いたりしながら丁寧な説明に心掛けてきているというふうに思っております。
今後とも、積極的に現地に職員を派遣するなどして関係者の意見を伺いながら、TAC魚種の拡大など、新たな資源管理措置の推進に取り組んでまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/140
-
141・紙智子
○紙智子君 改正漁業法に伴うこの資源管理について理解を得る努力をするというふうに言われるんですけど、多くの漁業者は、そもそも、元々自ら資源管理ってやってきているんですよね、長年にわたって。ですから、理解だけじゃなくて、やっぱり漁業者が納得する、そういう資源管理にするように求めておきたいと思うんです。
次に、資源管理を目指す水産フォーラムの提言についてもお聞きします。
今年の四月五日に、現在農林水産省の顧問を務める宮原正典氏を始めとしたグループが、水産資源の回復と適切な管理に向けた五つの提言を神谷水産庁長官に要請をしました。宮原氏は、これ、水産庁次長とか国立水産研究・教育機構の理事長を務められた方なんですよね。現職の水研のセンター長もオブザーバーとして参加をしているんです。
こういう顧問や現職の職員は、これどういう資格で参加しているんでしょうか。ちょっと事実確認をします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/141
-
142・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
宮原氏につきましては、国際関係、特にWCPFCの交渉に関する顧問を発令しておりますので、それ以外に関しては農林省との関係というのはございません。そういう意味で、今回のフォーラムには、宮原氏は個人の資格で参加していると認識しております。
また、水研の、研究機構のセンター長の参加につきましても、これは水研機構に確認しましたところ、同フォーラムには、当人は休暇を取得して、個人としての立場で参加したものと聞いております。
いずれにいたしましても、資源管理とか資源評価というのはかなり専門的なものを、知識を求められますので、そういった際に、どうなっているんだという現状を求められますと、しっかり関係者に理解していただくために、センター長は個人の資格で参加したんだというふうに伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/142
-
143・紙智子
○紙智子君 個人としてと言うんだけど、業務として参加したというふうにもちょっと聞いていたりもするんですけど。
この現職の顧問で、しかも元水産庁次長、国立水産機構の理事長が水産庁長官に要請しているというのは、ちょっとおかしくないのかなというふうに思うんですけど、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/143
-
144・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) ただいまも水産長官からも答弁がありましたとおり、宮原氏につきましては、現在、水産に関する国際問題について農林水産省顧問を務めていただいております。御指摘の資源回復を目指す水産フォーラムへの参加については、顧問としての立場ではなくて、まさしく個人という形での立場でと承知をいたしております。
また、西田さんにつきましては、水産研究・教育機構水産資源研究センター長ということで今現在なっておりますが、水産長官の答弁にもありましたとおり、オブザーバー的だと私どもは認識をしておりまして、フォーラムの意思決定には関与していないというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/144
-
145・紙智子
○紙智子君 大臣は、事前に例えばお話聞いていたとかあるんですか。(発言する者あり)ないですか。
提言という形は取っていたとしても、現職の顧問で、そして水産庁に対して要請するということなんだけど、やっぱり圧力を掛けているんじゃないかというふうに受け止められても仕方がないんじゃないかという気がするんですよ。
それで、提言作りというのは一年掛けて議論したということが報道されています。しかし、そのメンバーには誰一人漁業者や漁協関係者というのは入っていません。それなのに、提言内容を見ますと、資源調査等の予算と人員は増やすように求めながらも、その一方で、積立ぷらすの収入安定対策と漁船リース事業などはもう見直しを求めているということなんですよね。
漁業者に身近で役立っている補助金を減らすというのが果たしてこれ沿岸漁業者のなりわいや漁村地域の維持や発展につながるのかというふうに思うんですけど、水産庁長官、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/145
-
146・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) 圧力を感じたかという点でございますが、そこは一切圧力を感じていないというところは私がこの場で断言させていただきたいと思っております。
また、この提言の内容につきましては、今水産庁では、いろんな立場の方々がいろんな提言を水産庁に持ってまいります。漁業者の方もいれば、消費者の方もいれば、流通団体の方もおられれば、こういった研究者の方もおられるということで、提言を持ってこられること自体は、我々としては、ある意味いろんな参考にさせていただく意味でウエルカムなんじゃないかと思っております。
個々の内容につきましては、私どもとしては特に言及する立場にはございませんので控えさせていただきますが、いずれにしても、水産庁としては、昨年三月に閣議決定いたしました水産基本計画に即しまして、海洋環境の変化も踏まえた水産資源の着実な実施と、増大するリスクも踏まえた水産業の成長産業化の実現、地域を支える漁村の活性化の推進を柱として、各般の施策を総合的に実施することとしており、それに必要な予算の確保をしてまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/146
-
147・紙智子
○紙智子君 まあ圧力は受けていないというふうにおっしゃるんですけど、やっぱり心配なんですよね。
というのは、これまでも、日経調から規制緩和を求める圧力がある中で、やっぱり様々な動きがありました。そして、漁業権の一斉更新なんかもあるわけですけれども、大震災、東日本大震災のときに、宮城県で、水産特区でもって養殖業の企業の参入を一方的に認めたということで地元では混乱が生まれたりもしたわけですよ。一斉更新に際して混乱を生じさせないためにも対策を取る必要があるというふうに思いますし、やっぱり混乱を生むような無理な規制緩和じゃなくて、多くの皆さんが認識を一致しているテーマで議論していくということが必要だと思うんです。
今、例えば海水の温度が上がっているとか、地球環境の大きな変化の中で持続的な漁業の発展が必要になっていると思いますので、そういうやっぱりところにしっかり焦点当てて議論を進める必要があるということを申し上げまして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/147
-
148・須藤元気
○須藤元気君 こんにちは。須藤元気です。
まずは、漁業体験と遊漁船業者の登録について伺います。
政府は、地域資源を活用した食事や体験等を楽しむ滞在型旅行である農泊のうち、漁村地域におけるものをなぎさ泊として推進しています。なぎさ泊で体験できることの一つに、漁業体験があります。個人的に是非体験してみたい漁業体験の一つに、三重県の海女さん体験があります。
私はスキューバダイビングをやるんですが、スキンダイビング、いわゆる素潜りも大好きです。スキンダイビングの魅力的なところは、何といってもボンベを背負わないところです。マスクとシュノーケルとフィンだけでいつでも潜れる、その手軽さが何とも言えません。海女さんがどのようにして深く長く潜れるか分かりませんが、スキンダイビングではジャックナイフという、呼ばれる方法で潜ります。水面に対して平行になって、その後、上半身をくの字にして折り曲げますが、この折り曲げて収納できるジャックナイフの形に似ているからそう言われているそうです。そして、最後に足を上げて、茶柱みたいな形になって潜っていくんですが、慣れれば十メーターぐらいは簡単に潜れるようになります。
さて、この海女さん体験は海女さんと一緒に船に乗って漁場へ向かい海女体験を行うプランで、国の重要無形民俗文化財である海女漁の技術を間近で見学し、そして一緒に潜ることができるようです。是非潜ってみたいなと思っております。
このような漁業体験プログラムで観光客を受け入れようとするならば、漁業者であっても遊漁船業者の登録を受ける必要があります。本改正案によって、登録制度の厳格化や利用者の安全や利益に関する情報の公表を義務化すること等が措置されることとなっております。もちろん、遊漁船業における安全性の向上は重要な要素であると承知しております。一方で、漁業体験プログラム作りに手を挙げ参加しようとする漁業者にとっては負担となります。
なぎさ泊を推進する観点から、円滑な漁業体験プログラムの構築のために、こうした漁業者が遊漁船業者の登録を受けるために必要となる情報や安全管理の知識などについてサポート体制が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/148
-
149・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
遊漁船業は、漁業者にとって有望な兼業業種の一つであり、海業の振興にも資するものと考えています。漁業者を含め、遊漁船業者の登録を受けようとする方に対しては、都道府県において登録手続に必要な情報や利用者の安全確保のためにどのような措置をとればよいかなどについて相談に応じたり、丁寧な説明を行うよう、都道府県とその必要性について意識を共通にしてまいります。
あわせて、国といたしましても、遊漁船業者の登録を受けようとされる方がどのような安全対策を取ることが必要か把握できるよう、業務規程の模範例や制度の運用のガイドラインにおいて分かりやすく示してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/149
-
150・須藤元気
○須藤元気君 同様の観点から、遊漁船業者の登録情報の公表状況について伺います。
今週月曜日に地元江東区の船宿、第二泉水さんの釣り船に乗って、実際視察してきました。私の秘書が釣りが趣味でして、一緒に行ってきたんですが、実は秘書は中学校の同級生で、子供の頃からよく釣りをしておりました。その当時は船なんか乗れなくて、釣り船の横にある荒川の堤防からよく釣りをやっていたんですが、昔から彼は私の釣りざおに仕掛け作ってくれたり餌を付けてくれたり、面倒を見てくれたんですが、今回、同じ姿を見て、三十年間全く関係性が変わっていないことに気が付きました。
ちょっと余談でしたが、現時点で、遊漁船業法では、都道府県知事は、遊漁船業者の情報を登録し、さらに登録簿を一般に閲覧できるようにしなければならないこととされております。ところが、第三者が登録簿の情報を閲覧する際はどうなっているかというと、東京都の例でいえば、所定の請求手続や手数料が必要となっている場合があります。漁業体験プログラムを構築しようとする者が受入先の漁業者を探す際に、どの漁業者が遊漁船業者の登録を受けているのか確認するために、現状では手間や費用が掛かる仕組みとなっております。
改正案では、都道府県知事に対し、遊漁船の事故について届出を受けた事項や、遊漁船業者への行政処分の事項、利用者の安全及び利益に関する事項を公表しなければならないとされています。釣り人のためになる情報の公表が義務化されることを踏まえれば、この際、遊漁船業者の登録状況の情報についてもホームページ等で公表し、一般利用者が簡単にアクセスできるようにしてはどうかと考えますが、農林水産省の考えを伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/150
-
151・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、現行法におきましては、都道府県知事は遊漁船業者登録簿を一般の閲覧に供しなければならないこととしております。この閲覧の方法についてでございますけれども、ホームページに掲載している都道府県もあれば、御指摘のように掲載していない都道府県もあるところでございます。
今回の法改正におきましては、都道府県に対しまして、遊漁船業者に対する行政処分の情報等について公表する義務を新たに課すこととしたところでありまして、これを機会にこの情報と遊漁船業者登録簿も併せて各都道府県のホームページに掲載することを促してまいりたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/151
-
152・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。ばらつきを一つにまとめていただければと思います。
さて、我が国の全体の漁獲量低下を見ますと、昔より魚が釣れなくなってきているのかなと思ってちょっと船長に聞いてみました。そうすると、驚いたことに、いや、昔より釣れるようになったよというふうに言われたんです。なぜですかと言うと、ソナーですか、魚群探知機がスペックが上がって、三百六十度どこに魚がいるか分かるようになったからだそうです。
ちなみに、その日、アジ釣りに行ったんですが、結構大量に釣れまして、私の実家の居酒屋に行って友達と宴会しておりました。すると、何と山下委員長が超党派の議員と一緒にお店に入ってきたんです。山下委員長は、僕がやっている西日暮里の元気な魚屋さんに行くつもりが、間違えて実家の居酒屋の磯幸に行ってしまったんです。私も地元で釣りをしていたので、実家の方に魚を持って、さばいてみんなで飲んでいたんですが、これも奇遇ということで、私のアジのなめろうとアジフライを食べていただきまして。ちなみに、アジは、釣りたてのアジのアジフライって最高においしいんですよ。是非、釣りたてのアジフライ、いつか皆さんに食べていただきたいなと思いますが。
しかも、ちょっとこれ、話がまだ終わらなくて、一緒に途中で僕も参加させてもらったら、あって山下委員長が言ったんです。えっ、どうしたんですかと言ったら、何と、山下委員長が就職されたときですね、社会人になって就職されたのが鳥取県だったらしいんですが、鳥取県で記者として鍛えてくれた先輩がなぜか僕の実家にいたんです、お店に。まさか鳥取県でお会いした上司というかその先輩が実家に、会うというミラクルがあったんですが、本当にそういった縁って大事だなというふうに感じました。済みません、何かうまくまとまりませんでしたが。でも、ちょっと驚きました。
さて、話は戻りますが、遊漁船と同様に、一般の客を乗せて運ぶ業態の一つに貸切りバスがあります。
貸切りバスには、利用者がより安全性の高い事業者を選択しやすくする仕組みとして、貸切バス事業者安全性評価認定制度が存在します。お配りした資料配付を見ていただければ分かりますが、具体的には、事業者に関する安全性に対する取組状況、事故及び行政処分の状況、運輸安全マネジメントの取組状況について審査を行い、優良事業者に対し、その優良度合いや認定の継続期間に応じ、上から三つ星、二つ星、一つ星の認定を行うものです。認定事業者の一覧は日本バス協会のホームページで公表されており、事業者のホームページアドレスも併記されていて、利用者にとって大変分かりやすく、事業者を選択する目安ともなる良い取組だと思いました。
前の質問のように、登録済事業者情報の一覧も重要ですが、それに加えて、優良事業者を見える化し、釣り人が事業者を選びやすくする仕組みを構築することで、この遊漁船の業界の活性化にもつながっていくのではないかなと考えますが、野村大臣の御意見を是非お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/152
-
153・野村哲郎
○国務大臣(野村哲郎君) お答え申し上げます。
本法案において、遊漁船業者に対し、利用者の安全確保を図るために講じた措置等の情報の公表を義務付けるとともに、都道府県に対しても、行政処分等に関する情報の公表を義務付けたところでございます。
これらの情報により、利用者にはより安全な事業者を選択できるというふうに思っておりますが、ただ、今委員御指摘のように、安全情報の見える化については非常に重要な御提案でございます。また、遊漁船業の活性化にもつながるものと考えておりまして、本法案に盛り込んだ安全情報の公表のやり方がより分かりやすく利用者に届けやすいものになるよう工夫してまいりたいと思っておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/153
-
154・須藤元気
○須藤元気君 大臣、ありがとうございます。是非利用者に見える化して分かりやすくしていただければと思います。
さて、先ほど串田議員が紛失タグのことを質問されていましたが、この遊漁に限らず、ボートやヨットなど海のレジャーの安全性を高める手段として、海への転落を知らせるアプリがあります。今となってはライフジャケットを着用することは当たり前となっていますが、海中へ転落した場合、誰かが見付けて救助する必要があります。
落水検知のアプリは、転落時に即時自動通報してくれるという優れた機能を持っています。これは、アプリと落水検知ユニットのセットで使用するものなので、頻繁に海で遊ぶ人以外は所有することはまれだと思います。こうした落水検知ユニットを遊漁船業者が利用客に貸出しするようにすれば、安全性は更に高まるのではないでしょうか。
釣りに集中していると、周囲の状況が分からなくなることはよくあります。また、長官がお答えされていましたが、この遊漁船の事故で一番多いのは衝突事故です。先ほどお話しした三百六十度の魚群探知機があるせいで、私も今回釣りを行ったんですが、結構、釣り船屋さんがみんな集まるんですよね。で、近いときなんて本当にもう五、六メーター先まで船があるという状況を見まして、決して衝突リスクというのは低くないなと感じました。
あと、私、一級小型船舶士のちょっと資格を持っておりまして、一度プレジャーボート借りて友達と釣りに行ったことがあるんです。でも、船の操縦と釣りを同時にやるというのは本当に大変でした。釣りをしているときは、特に意識が周りに全然行かないんですね。歩きスマホみたいなもので、どうしても釣りの、こっち側に意識してしまい、見張りを怠ってしまい、事故の可能性は確かにあるなというふうに思いました。
そこで、万が一海に投げ出されたとしても、どこに誰がいるということが瞬時に分かれば、この救助も容易になると思います。
こうした落水検知に限らず、利用客の安全性を高める遊漁船業者の取組を支援したり評価したりする仕組みの構築も必要だと思いますが、農水省の御見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/154
-
155・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
今回の法改正におきまして、遊漁船業者に対し、利用者の安全の確保のために講じた措置についての情報公表を義務付けることとしております。
この措置により、遊漁船業者の創意工夫によって利用者の安全確保のために取り組んだ措置についても積極的に公表されることになるものと考えております。委員御指摘の機器の導入などもその対象に含まれるものと考えております。遊漁船の利用者はこうした情報を入手することができ、その結果、安全確保に積極的な事業者が選択されていくことにつながると考えております。
農林水産省としましても、こうした改正法の新たな措置の狙いや期待される効果につきまして都道府県や遊漁船業者に周知を図るとともに、優良事例の把握、紹介にも努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/155
-
156・須藤元気
○須藤元気君 やはり何か、僕も実体験として、本当に自分がどこにいるかというのが海で分かればいいなというちょっと経験をしたことがあります。学生時代、サーフィンを始めたばかりのとき、カレントで沖に流されてしまい、本当にちょっと死ぬかなと思うぐらい危険な目に遭いました。
カレントって御存じですかね。岸に着いた波が、また沖に戻るときの潮の流れのことです。私、そのとき、そんなカレントなんか全然知らなくて、波待ちをしていたら、いつの間にか周りに人がいなくなっていて、自分だけ沖にいたんです。あれっと思って気付いたら、まずいと思って、もうパドリングで一生懸命戻ろうとしたんですけれども、全然前に進まないんです。潮がこう行って、そのカレントの状況に乗っかっているというのに気付かなくて、でも、こういうときって、やっぱり人間ってパニックになるんですね。あれ、戻れないって思って、だんだんだんだん焦ってきてしまって、やばいって思ったときに一緒に行ったサーフィンの先輩が沖まで助けに来てくれて。それで、もう体力がもうなくなっていたんで、私のサーフボードをつかんで、横に移動したんですね。真っすぐ浜に行かないで、横にちょっと移動するだけで、そのカレントの潮の流れに乗らないで、そこから横にまず移動してから浜に行くんだなと、本当に急がば回れなんだなというときを感じました。
このカレントでは、遭遇したり、遭難したり、テトラポッドに巻き込まれる事故というのも結構聞いたりします。この落水検知ユニットではないですが、そういったこともちょっと考えていってほしいなと思います。
そして、万が一事故が起きてしまった場合、被害者やその家族は大変混乱されると思います。遊漁船業の在り方に関する検討会中間取りまとめは、利用者の利用、保護をより一層図っていく観点から、現行の損害賠償責任保険の加入額の見直し等、利用者の保護に資するより適切な措置を講ずる必要を指摘していますが、事故が起きた場合においては、被害者への損害賠償額の大きさだけでなく、情報提供や心のケアなど、様々な角度からの支援が必要になります。
そこでお伺いしますが、遊漁船業において事故が起きた場合の被害者やその家族への支援の必要性と仕組みについて、農林水産省はどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/156
-
157・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、事故が起きてしまった場合には、被害者本人のみならず、その家族に対しても相当重大な精神的なダメージを与えることになりますので、まず、事故をできるだけ起こさないようにすることが重要であると考えております。
このため、遊漁船業の安全性向上に向けて、遊漁船業者の登録要件の厳格化、事故の報告の義務化、利用者の安全に関する情報の公表の義務化等の措置を講じているところは先ほど説明したとおりでございますが、これらの措置を適切に実施することで事故の抑制を最大限図ってまいりたいと考えておりますが、その上で、不幸にも事故が起きてしまった場合には、十分な損害賠償が行えるよう、現行では定員一人当たりの補填限度額が三千万円以上の保険、共済への加入を遊漁船業者に義務付けております。この下限金額の在り方については、現場や有識者の御意見も伺いながら検討してまいりますが、さらに、委員の御指摘の心のケアというところに関しましては、加害者による真摯な対応が必要でございますが、その促進のために国や都道府県としてどのようなことが行えるのか、他省庁とも情報交換をしながら考えてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/157
-
158・須藤元気
○須藤元気君 ありがとうございます。しっかり支援していただければと思います。そして、本改正案で、海で国民が安全に楽しめたりとか、事業者が本当に仕事しやすくできるようにしていただければと思います。
私の質問は以上になります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/158
-
159・寺田静
○寺田静君 本日もよろしくお願いいたします。
午前中から質疑を聞いておりまして、多くの質問が重複をしておりますので、通告から逸脱をしない範囲で関連のことをお伺いしてまいりたいというふうに思っております。
まず冒頭、本改正案では、遊漁船業者が重大な事故を引き起こした場合、都道府県知事への届出を義務化しているということでしたけれども、午前中も同様の御質疑あったと思いますけれども、いま一度、重大な事故の定義を教えていただきたいと思います。私の趣旨としては、死傷事故以外のもの、ヒヤリ・ハット事案のようなものが含まれるのかということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/159
-
160・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
今般の法改正では、事故発生時に都道府県知事への報告を義務付け、業を監督する都道府県が事故情報を迅速に把握し、適切に指導監督等を行うことができるようにしておるものでございます。
都道府県知事への報告が義務付けられる重大な事故としては、遊漁船の衝突、乗り上げのほか、沈没や火災、死亡者や行方不明者を出した事故などについて対象とする方向で検討しておりまして、必ずしも死亡者やけが人が出た場合に限るものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/160
-
161・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
報告を受けたその重大な事故の原因の分析や、また同様の事故が起きないようにする対策などはどこが考えることを想定されているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/161
-
162・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
今回の法改正により、遊漁船業者が重大な事故を起こした場合、事故の原因などを都道府県知事に報告することを義務付けたところでございます。都道府県は、この報告された内容を踏まえ、また必要な聞き取り等を行いつつ、当該遊漁船業者が安全確保のためにとるべき措置をとっていたかどうかなどを確認することになります。その上で、都道府県において事故の再発を防止するため必要な措置を検討し、業務改善命令の発出など必要な対応を取ることになると考えております。
国としても、都道府県がこれらの対応を適切に行っていけるよう、必要に応じ助言等を行っていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/162
-
163・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。お答えを整理しますと、原因に関しては業者が把握をするんだと、で、その報告を都道府県に上げて、都道府県が対策をすると、国は必要に応じて助言をするんだということであったと思います。
衆議院の質疑録を拝見しておりますと、江藤委員の質疑の中で、御自身が遊漁船から転落をされた事故や、また見聞きをした事故のことについて語っておられました。どういうときに起こっているかとか、事業者は気を付けて、注意をしているけれども、釣り人がそれを守らなかったり魚に気を取られたりして、あるいは気がはやったりして、釣り人に原因がある場合が多いんではないかという御発言であったというふうに思っています。
この船の事故ですけれども、一定程度、こういうときに起こりがちだという事故の経験値の蓄積のようなものは私も大事ではないかなというふうに思っておりまして、それはこの事業を営む関係者の方々や愛好家の方にとっては当たり前のことかもしれないんですけれども、やっぱり今では漁業関係者以外の新規参入者が増えていることと、あるいは利用者も家族連れなどが増えているということを考えると、こうした経験値のようなものの蓄積をどういうふうにしていくのかということが事故を未然に防ぐことにつながるのではないかという思いがあります。
須藤先生のお話にもありましたけれども、スキューバダイビングも同じで、ライセンスの取得時には、どういうときに事故が起こりがちであって、万一事故に遭遇をしたときにはどう対処をしたらいいかと、例えば海の中で同行者とはぐれたようなときはどうしたらいいのかという国際ルールの共有ですとか、そうしたものに重きを置いた講習内容になっています。
この海の、遊漁船の事故ですけれども、もちろん地域性や海況は異なる部分はあるかもしれないんですけれども、ある一定程度共通のところもあるんだというふうに思っています。この各地の原因の分析や対策が事業者や都道府県だけに任されていていいのかなというところは、こうした経験値の蓄積の、と共有ということを考えると、私自身は少し不安が残るのではないかなというふうに思っております。
次に、本改正案二十二条では、都道府県知事は、農林水産省令で定める利用者の安全及び利益に関する情報を逐次公表しなければならないというふうに規定をされていますけれども、農林水産省令ではどのような内容を定めることを想定されているんでしょうか。また、先ほど来、少し同様の質疑もありましたけれども、どう公表することを求めていくんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/163
-
164・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
今回の改正案におきまして、都道府県知事が利用者の安全及び利益に関する情報を逐次公表する措置を導入することとしておりますが、これは遊漁船の利用者が地域の事故の発生状況などの安全に関する情報を得ることにより、利用者に遊漁船業者の安全情報公表義務と併せて適切な安全対策が講じられている事業者の選択などの材料にしてもらおうとするものです。
このため、都道府県が公表する情報として農林水産省令で定める具体的な内容としては、事故の発生件数、どのような事故が発生したかなど事故の発生状況の取りまとめ、行政処分の発出状況などを想定しているところでございます。また、公表の方法としましては、都道府県のホームページに掲載する方法を想定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/164
-
165・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
おっしゃっていることは理解できるんですけど、現状では登録業者の一覧すらもなくて、本当にこれが適切にきちんとタイムリーに進んでいくのかなというような思いも覚えております。
そしてまた、本改正案の二十三条では、その公表に関して、これも同様の質疑がありまして、その内容のところに、保険のことなども内容に含まれるのかなというふうに思いますけれども、田名部委員の御質問の中で、金額、先ほども長官の方から定員一人当たり三千万以上というのがありましたけれども、現行制度では損害賠償の金額三千万以上、最低額が三千万以上となっているところで、今後も検討をされていくということでしたけれども、検討会の中、今回の法改正の検討会の中では、事故を起こしたときに三千万円では足りないのではないかと、金額は法律ができてから三十年たっても変わっていないと、何かあったときの補償が十分ではないのはまずいと、あるいは意識が高い人は五千万以上にしている印象があるなどの議論がなされたというふうに聞いております。
既にこれだけの意見があって、それでもなおまだ検討するということなんでしょうか。そして、この検討にどれぐらいの期間を掛けるというふうに、どれぐらいの期間をめどとされているか、あればお知らせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/165
-
166・安東隆
○政府参考人(安東隆君) お答え申し上げます。
御指摘いただいた検討会の情報は御指摘のとおりでございますけれども、決めるに当たってまたその検討会を開いてそこでも議論していただくという手順も考えておりますので、そういったことも含めてまだ検討しているということを申し上げております。
いずれにせよ、施行までに十分な準備、周知期間を取って、なるべく早めに決めたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/166
-
167・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
また、遊漁船業者は小規模事業者が多くて、ホームページを持っていない事業者も多いと思います。安全に関する状況、情報については利用者が遊漁船を選ぶ際に分からなければ意味がないかなというふうに思うんですけれども、これ、スキューバダイビングでもそうですけれども、やっぱりショップを選ぶときにはホームページが充実をしているというところを選ぶというふうに個人的に感じています。もちろん知人から紹介があれば別ですけれども、そうでなければ、初めてのところに行くときなどはホームページを見て、船の写真が載っていたり、あるいはブログも最近まできちんと更新をされているかどうかとか、あとはガイドの方の経験がどれぐらいであるかどうかと、そういったところを見て選ぶようにしているんですけれども、そうした自分の行動を考えますと、遊漁船について考えると、この漁業者の方が休漁期間にやっているというようなところはむしろホームページが充実をしていなくて、遊漁船に特化して新規参入してきたようなところの方がむしろホームページが充実をしていたりするのかなというような、そこにちょっと矛盾が生じるような気もするんですけれども。
どういうふうに漁業者の方もやられているような小規模なところも情報を充実させていったらいいのかなというような、何か御意見、アイデアなどがあれば教えていただきたいなと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/167
-
168・神谷崇
○政府参考人(神谷崇君) お答えいたします。
本法案において、利用者が利用する遊漁船を安全の観点から選択できるようにするため、遊漁船業者に対し、利用者の安全などに関する情報の公表を義務付けることとしております。これらの情報につきましては、委員御指摘のとおり、利用者が遊漁船の選定に際して入手できることが必要であると考えております。
公表の手段につきましては、インターネットなどによる公表が有効な手段と考えておりますが、事業者がそれぞれ可能な手段で取り組めるよう、具体的な公表の方法については、今後、現場や有識者の声も踏まえつつ検討してまいりたいと考えておりますが、確かにインターネットを使えない事業者もおられます。こういった場合には、これは一つの考え方でございますけれども、都道府県や遊漁船業の団体のホームページに掲載してもらうといった取組を現に行っている地域もございますので、こういったやり方も参考にしながら、適切な公表方法を検討できるのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/168
-
169・寺田静
○寺田静君 ありがとうございます。
私もいろいろ考えてみると、例えば観光協会のホームページにそういうところを設けていただくとか、いろんなやり方が確かに地域で工夫はできるんだと思いますけれども、何とかそういう情報も共有をしていただいて御支援をいただきたいというふうに思っております。
秋田県の担当者の方に話を聞くと、やっぱりコロナ禍で密にならない楽しみということで釣りの人気が上がって、漁業者以外からの新規参入の問合せが増えているということでした。今回の法改正で、その協議会が、できる規定で、知事が設置できるという規定でありますけれども、その創設等の措置を講じるということですけれども、この協議会によって、その新規参入者を含めた、海の安全にとって、経験が浅い漁業者の皆さん、遊漁船、漁業者の皆さんの安全対策の意識の向上が本当にこれ担保されていくのかというところがどうなのかなという思いがあります。これも類似の御質疑がありましたけれども、この横のつながりをどういうふうに担保していったらいいのかなと私自身も思っているところです。
先ほど須藤委員のお話もありましたけれども、やはり地元の漁業者からは、遊漁船も含めて魚がいるところに船が集中をするので、ぶつかりそうになったこともあるというふうなお話もありました。
ここからちょっと通告の範囲からそれてまいりますけれども、長官の発言で、午前中の質疑の中で、海上の安全は何よりも大事だというお言葉もありました。通告していた質問が全て終わっておりますので、ちょっと話だけにとどめさせていただきたいというふうに思いますけれども、皆さんの御記憶にもあるかもしれませんが、二〇二〇年の九月に福島県の猪苗代湖のプレジャーボートの事故があったというふうに思います。湖で、海ではないですし、また遊漁船でもありませんけれども、八歳の男の子が死亡して、母親が両足を切断をするという重大な事故でした。父親が語ったところでは、事故直後にもう一目見て子供の命はないことは分かったと、だから妻の方を何とか助けなければいけないと思ったということでした。
これ、様々報道を拝見しておりますと、事故直後に、あのボートがひいたんだと指摘して、警察が来たけれども、加害者は一年間逮捕されなかったということでした。この三月には業務上過失致死傷ということで禁錮二年の判決が出て、ただ、加害者の方は控訴をしております。
午前中、国土交通省の方がいらっしゃいまして、私もちょっと追いかけてお話を聞いたんですけれども、私が確認した範囲でも、また国土交通省の方にお話をいただいた範囲でも、この事故を受けての法改正というものは一切行われていないし、議論もないということだったんです。
この水上の事故に関しては、車とは違って危険運転致死傷罪みたいなものがないというふうにも、この事故の後、様々な報道で指摘をされております。控訴中の事案なので、あくまで仮にですけれども、この当該事故で加害者が被害者を目視できていた場合、そしてひいたことを認識できていた場合、これが陸上で起こったことであれば、危険運転致死傷罪、また救護義務違反などに問えたのではないかという指摘があるところです。
午前中、田名部委員の方からは秋田県の酒気帯びでの事案の紹介もありました。遊漁船の、まさしくこの法案の違反容疑ということでの逮捕は東北で初めてということでございました。もしですけれども、こうした飲酒での事故などが発生をして、それでもやっぱり、この福島の件と同様に、例えばこれが人身事故であった場合でも業務上過失致死ということにしか問えないのかというのは、私は、国民の意識からはやっぱり大きく離れるところではないかなというふうに思うんです。
海の事故、この水の中での事故というのは、水上での事故は証拠の保全も検証も陸上と比べて困難であって、でも、やっぱりこの悪質な事案に対処できるような法律があるということはやはり大切ではないかなというふうに思っております。もちろん、所管官庁が異なるもので、これ以上ここでお話しするのは苦しいところだと思いますけれども、省庁の連携をして、こうした事故がまた起こって世論が求めてからということではなくて、是非、省庁連携をして法改正の議論を進めていただきたいというふうに思っております。
先ほど国土交通省の方からは、こうした件があると、その違反点数の付与ですとか、ひどければ免許が停止、あとは、問えて業務上過失致死傷罪なんだということでありました。
この福島県の猪苗代湖のプレジャーボートの事故の件では、両足を切断して今は義足で生活をしている母親が、一人死んだだけでは何も変わらないのですねという言葉を残されています。この委員会でこの具体的な件を取り上げるのはもちろん無理があるということは承知をしておりますけれども、今後やはり同様の事故が起こらないように、そして、万が一起こってしまったときには、きちんとこうした加害者、過失だけではなくて、危険運転をしたような加害者であるとか、あるいは飲酒運転をしたとか、何かしらそうした大きな、何というか、この福島県の事故ですと、事故の前に加速をしているんですね。で、船首が上がったので人を目視できなかったのではないかという過失があるとかということを裁判の中で言われていますけれども、そうした、でも、その加速をする前には目視をできる距離にいたのではないかと。なので、きちんと見ていなかったのではないかということで禁錮二年の判決が出ているということですけれども、でも、控訴をしているのであくまで仮にですけれども、こうしたことが本当に、過失というか、重大な過失であれば、きちんとこの危険運転致死傷罪、救護義務違反のようなものにこの水上の事故であっても問えるということが私は大事ではないかと思いますので、こうしたところを、省庁連携して何とか法改正の議論を進めていただきたいということをお願いを申し上げまして、少し早いですけれども、質問を終わりにさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/169
-
170・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/170
-
171・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/171
-
172・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/172
-
173・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
農林水産に関する調査のため、来る六月一日に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/173
-
174・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 御異議ないと認めます。
なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/174
-
175・山下雄平
○委員長(山下雄平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時五十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115007X01220230525/175
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。