1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年四月二十五日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
四月二十日
辞任 補欠選任
高橋はるみ君 世耕 弘成君
四月二十一日
辞任 補欠選任
世耕 弘成君 高橋はるみ君
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出席者は左のとおり。
委員長 高橋 克法君
理 事
赤池 誠章君
今井絵理子君
上野 通子君
熊谷 裕人君
伊藤 孝恵君
委 員
赤松 健君
臼井 正一君
櫻井 充君
末松 信介君
高橋はるみ君
橋本 聖子君
古賀 千景君
斎藤 嘉隆君
宮口 治子君
伊藤 孝江君
竹内 真二君
中条きよし君
松沢 成文君
吉良よし子君
舩後 靖彦君
国務大臣
文部科学大臣 永岡 桂子君
副大臣
文部科学副大臣 簗 和生君
事務局側
常任委員会専門
員 武蔵 誠憲君
政府参考人
こども家庭庁長
官官房審議官 浅野 敦行君
文部科学省総合
教育政策局長 藤江 陽子君
文部科学省初等
中等教育局長 藤原 章夫君
文部科学省高等
教育局長 池田 貴城君
文部科学省高等
教育局私学部長 茂里 毅君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○私立学校法の一部を改正する法律案(内閣提出
、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/0
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001・高橋克法
○委員長(高橋克法君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
私立学校法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、こども家庭庁長官官房審議官浅野敦行君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/1
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002・高橋克法
○委員長(高橋克法君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/2
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003・高橋克法
○委員長(高橋克法君) 私立学校法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/3
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004・臼井正一
○臼井正一君 自由民主党、千葉県選出の臼井正一でございます。本委員会における質疑の機会をお与えいただきました理事、そして委員長、皆様方には、心から感謝を申し上げます。
先日の参考人質疑では三名の参考人の方々から御意見を聴取いたしまして、今回の私立学校法改正における理解が深まったところでございます。参考人の方々の御発言なども踏まえ、今回の制度改正を真に実効性のあるものとするためのポイントとなるであろう部分について、幾つか質問させていただきたいというふうに思います。
今回の改正では、執行と監視、監督の役割を明確化、分離し、建設的な協働と相互牽制の実現を目指し、様々な仕組みが盛り込まれています。一方、参考人質疑でも話がありましたが、仕組みをつくるだけでは不十分であり、これに魂を入れ込む作業が今後必要になってくると思います。今後、運用の段階で各学校法人が新たな制度に魂を入れ込むことができるか、これが今回の法改正の成否を握っていると言っても過言ではありません。
そういう意味では、各学校法人の建学の精神、これが非常に重要になってきます。制度改正後においても、各学校法人が建学の精神に基づき、その独自性、多様性を発揮した質の高い研究、教育研究活動を行うことができることが担保されていることが重要です。
そこで、今回の制度改正後においても、建学の精神や私学の独自性、多様性がいかにして担保されるのか、そのためにどのような仕組みが盛り込まれているのか、永岡大臣の見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/4
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005・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 臼井委員にお答え申し上げます。
私立学校は公の性質を有します学校でございまして、在学いたします学生生徒の割合というのは、大学そして短大で約七割、そして専修学校で約九割、高等学校で約三割、そして幼稚園で約九割を占めております。国公立学校とともに我が国の教育制度の一翼を担っていると、そういう認識をしております。
その上で、私立学校では、それぞれの建学の精神に基づいて個性豊かな活動が展開されていることで、我が国の学校教育の発展、普及ですとか、多様化するニーズに応じた特色ある教育研究の推進にもつながっているものと認識をしております。
これまでも理事会が意思決定、執行機関としてこの建学の精神を踏まえた学校運営を行っているところでございます。改正後におきましても、評議員会等によりますチェック機能の強化を行うこととしておりますが、理事会が意思決定、執行機関であることは変わりはありません。
この理事会を中心にそれぞれの建学の精神に基づきまして学校法人の運営を行っていくことで、建学の精神や、また私学の独自性、多様性をこれは担保できると、そういうふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/5
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006・臼井正一
○臼井正一君 ありがとうございました。
よく、私学関係者の方にお話を伺いますと、この学園はうちのじい様やおやじが土地を寄附してつくったんだ、そういう話をよく聞きます。そうした建学の精神というものがしっかり保たれた制度運用を是非お願いをしたいというふうに思います。
これまで、先行して、公益法人並びに社会福祉法人の制度改革が行われてきました。社会福祉法人、公益法人では、評議員会、これを最高監督、議決機関とするといった内容の改正が行われてきました。一方、今回の学校法人の制度改革では、建学の精神の尊重など各学校法人独自の観点から、独自性の観点からこの案は取り入れられなかったというふうに先日の参考人招致でもお伺いしました。
社会福祉法人における制度改正の内容について、今回の私立学校法改正ではどのように取り組まれているのか、取り入れられているのか、逆に、社会福祉法人制度とどのような違いがあるのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/6
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007・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
令和元年の骨太方針を踏まえまして、今回の改正案は、社会福祉法人や一般財団法人等の記述を参考にしながら検討を行ってまいりました。
具体的には、社会福祉法人を参考とした例といたしまして、基礎的変更について評議員会の決議事項とすることや、役員、評議員の特別利害関係人の就任制限、あるいは評議員による監事の選解任など、こういったことを盛り込んだところでございます。
他方で、私立学校におきましては、今ほどお話ありました建学の精神を尊重すべくという他の法人制度とは大きな違いがございます。そのため、今回の改正案では、執行と監視、監督の役割の明確化、分離と、学校法人の多様性や独自性、この双方のバランスを考慮し、理事等の選解任といった人事面の仕組みの見直しにとどまらず、理事の業務執行や理事会運営の適正性を確保する仕組み、こういったものを総合的に構築したところでございます。その上で、監事の子法人への調査権限や理事任期が評議員、監事の任期を超えないこと、こういったことなどについて、社会福祉法人よりも踏み込んだ内容としたところでございます。
なお、学校法人、社会福祉法人、公益財団法人につきましては、それぞれの社会的役割も異なることから、別々の法制度に基づき運営が行われているものと承知しております。その上で、それぞれの社会的責任を果たすために必要なガバナンス改革を各法人において行うことが重要と文科省としては考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/7
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008・臼井正一
○臼井正一君 ありがとうございました。
レクの段階で、社会福祉法人の制度改革、これが行われてからどのような成果が上がったのかということをちょっとお伺いしようかと思ったんですが、そういう検証というか確認はしていないということでした。
学校法人改革においてはこれだけ大きな改革をなさるんですから、是非、制度改正をした成果、これを追いかけて検証していただければ今後に役立つのかなというふうに思った次第です。是非御検討いただきたいというふうに思っています。
参考人質疑では、幼稚園法人などの小規模法人についてもやり取りがなされたところですが、参考人からは、小規模な学校法人では、地域との関係性が重要であること、理事会、評議員会、監事が一体となって協力して法人の運営を行っていくことの重要性などに関する発言が行われました。地域のために、ごく少人数の園児だけのための幼稚園運営を行っている事例などの紹介もありましたが、こうした小規模な学校法人にも私立学校法は適用されることとなります。
このように、小さいながらも地域で重要な役割を果たしている学校法人が今回の制度改正を理由に経営が立ち行かなくなるようなことがあってはならない、このように強く思っています。
そこで、今回の制度改正では、小規模な学校法人の負担をどのように軽減することとなっているのか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/8
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009・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
執行と監視、監督の役割の明確化、分離に関わるこのガバナンスの基本構造につきましては、学校法人の規模にかかわらず共通した対応とすることが適切であると考えております。一方で、事業規模が小さいなどの理由により、負担の軽減と運用の継続性を確保する観点から、より慎重な配慮が必要な学校法人が存在していることも事実でございます。
このため、大臣所轄法人等とその他の法人とでそれぞれの規模に応じたガバナンスが適切に発揮されるよう、適宜対応を分けることといたしたところでございます。具体的に申し上げますと、重要な寄附行為の変更などにつきましては評議員会の決議を必要とすることや、会計監査人の設置を義務付けることや、情報公開義務を義務化することなどにつきましては、大臣所轄法人等のみに求めることとしたところでございます。
また、加えまして、施行日を令和七年四月一日とすることにより、学校法人に対して十分な準備期間を設けることとしたほか、経過措置といたしまして、評議員に関する要件の一部につきまして、大臣所轄法人等について一年のところを、その他の法人につきましては約二年の緩和措置を適用するなど、制度移行に際しまして過度に負担が掛からないよう文科省として配慮しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/9
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010・臼井正一
○臼井正一君 ありがとうございます。
実は、私は、公益法人制度改革のときに公益財団法人の理事長、そして社福法人のときは社会福祉法人の理事を務めていて、それぞれの改正に立ち会ってきました。まあ全部ボランティアなんですけれども。そうした財政規模の小さい法人ほど、大きな財政的な負担というのが掛かってきます。特に、社会福祉法人では評議員会を、社福のですね、理事会を行った二週間後に行うとか、その都度、評議員には日当を出したり交通費出したりしなきゃいけないわけなので、是非、この制度改正によって、やろうかやらないか、続けようか続けないか迷っていたような幼稚園の最後のわらにならないように、是非しっかり面倒見ていただければ有り難い。これは、小さい園というのはほぼ都道府県所管、所轄になるそうですから、しっかり地方自治体にも財政措置というものを行っていただきたいというふうに、これは要望いたします。
先日、学生数が定員の五割以下の学部がある大学、もとい、定員の五割以下の学部がある大学について、学部の新設を認めないとする認可基準の改正が行われたというふうにお伺いしています。そこで、幾つか視点を変えてお伺いしたいんですが、幾つかの大学の募集停止等の報道にも接しているところで、私学に対する厳しい風が吹いているようにも思います。日本の十八歳人口が減少傾向にある中、学校法人が自ら規模の縮小や撤退等の経営判断を行うことは極めて重要だと考えています。
経営が厳しい大学に対してどのように対応しているのか、また、今後ますます経営に困難を抱える大学も増えるというふうに思いますが、突然の経営破綻などから学生を守るために更にどんな取組に力を入れていくのか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/10
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011・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
私立学校がその質の向上を図るためには、各学校法人が社会の変化、ニーズを踏まえ、自ら経営力を強化していくことや、経営状況を踏まえた早期の経営判断を行うことが極めて重要だと認識しております。
文科省では、学校法人の自主的取組を促しつつ、令和元年からは、新たな財務指標を策定いたしまして、毎年、文科大臣が所管する学校法人の財務状況を把握した上で、経営悪化傾向にあり直ちに経営改善が必要な法人に対しては、改善計画の策定や改善状況の確認等を行い、集中的にきめ細やかな指導を実施しているところでございます。
また、令和四年度より当該指導の仕組みをより実質化するため、指導の内容の強化を行ったところでございます。具体的に申し上げますと、計画期間の三年以降を目途に毎年の経営改善の状況を評価し、経営改善が不十分な法人に対しましては、破綻により学生が不利益を受けることがないよう、計画的な規模の縮小や撤退、そういったことを含めた経営判断の検討を求めることといたしているところでございます。
今後とも、経営悪化傾向にある学校法人に対する経営指導の在り方については、改善のための検討を行いまして、学生を保護する観点から、その取組の充実を強化してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/11
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012・臼井正一
○臼井正一君 ありがとうございました。
千葉県には、学校法人が高校の運営立ち行かなくなって、他の学校法人に経営を引き継いでもらうというような事例も実際に起きています。そのときの教員、知り合いがおったわけですが、給料がなかなか支払われないよというような相談もこっち受けていたんですが、県の学事課に相談したら、しっかり今指導は行っているということでした。これも私立学校、特に千葉県の場合、在の方に行くと県立学校が存在しない市町もあるわけで、そうしたところで学校、生徒のいわゆる受皿になっているのは私立学校でありますから、人口減少地域においてもしっかり学校運営ができるような財政措置、これも重ねてお願いを申し上げるところでございます。
経営困難法人に対し早期の経営判断を促す一方で、学校法人がそれぞれの建学の精神を大切にしながら、特色のある取組にチャレンジできるような環境整備も必要であると考えています。
私も三人の子供を持つ親で、一人はもう私立学校卒業して今大学生ですが、私立学校においては部活動などを含め、特色のある取組を行っていただいていると感じる一方、保護者の立場としては公私間格差が著しくある、こうした実感を持っています。保護者からも公私間格差が解消されたと実感できるよう、私立学校の特色ある取組を十分に支援する観点から、初等中等教育段階における私学助成について異次元の拡充を図る必要があると考えます。
永岡大臣の御見解を伺うところですが、是非、大臣としての答弁と、人間永岡桂子としての御意見も聞かせていただければ有り難いというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/12
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013・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 私立学校の建学の精神に基づいた個性そして特色ある教育を実施していただいておりますし、また、我が国の学校教育におきまして重要な役割を果たしています。
こうした私立学校が果たす役割の重要性に鑑みまして、教育条件の維持向上ですとか、学生等の修学上の経済的負担の軽減、それから経営の健全性の向上を図ることを目的といたしまして様々な支援をしているところでございます。
このため、令和五年度予算におきましては、私立助成全体の、私学助成全体の増加を図る中で、高校以下につきましては対前年度九億円増の一千二十九億円を確保したところでございます。
具体的には、私立高等学校等の経常費の助成費等補助のうち、一般補助につきましては、物価高騰等の影響を踏まえまして、国庫補助金と地方交付税の生徒等一人当たり単価を増額するとともに、私立の学校におけます特色のある教育活動を推進するための特別補助の充実などを図っております。
文部科学省といたしましては、今後とも、時代や社会の変化に対応して積極的にチャレンジをする私立学校、しっかりと後押しをしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/13
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014・臼井正一
○臼井正一君 ありがとうございます。
私学助成の充実に関連して、私立高校に通う生徒への授業料の支援についてお尋ねをいたします。
私の地元である千葉県の場合、国の高等学校等就学支援金に加えて、県で独自に行っている授業料減免による支援がありますが、この支援は県内にある私立高校へ通う生徒が対象となっております。そのため、例えば、千葉県在住で東京都内の私立高校に通う生徒は千葉県の支援を受けることができません。他方、東京都が行う独自支援は、支援要件を東京都在住としていることから、千葉県在住で東京都内の高校に通う生徒は、千葉県そして東京都、どちらの授業料支援も受けられないということが今現実に起こっています。
このような自治体における独自の支援制度の違いについて改善すべきでないかというふうに思っていますが、文部科学省としてはどのように捉えて、どのように対応されるのか、お考えをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/14
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015・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) お答えいたします。
国の高等学校等就学支援金に加えて、地方自治体においても独自の支援を行っていることは承知をしておりまして、国と地方自治体が一体となって支援をしていくことが重要であると考えております。
自治体における独自の支援制度は、私立学校に通う生徒数、割合、学費などの状況が地方自治体ごとに異なることから、地方自治体の判断でそれぞれの地域の実情に応じて追加の支援を実施しているものと承知をしております。
国としては、令和二年度に、私立高校等に通う年収約五百九十万円未満の世帯の生徒への加算を更に拡充をしたところでございます。
今後とも、都道府県と連携して取り組んでまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/15
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016・臼井正一
○臼井正一君 ありがとうございました。
せんだって来、私学法の改正に関連して私学の経営者側の目線で随分質疑が行われてきましたが、やはりこうした議論をする際には、保護者の負担、さらにはそうした学園に通う児童生徒、学生、そうした目線というものもしっかりこれからも持ちながら取り組んでいきたいというふうに改めてお誓いを申し上げます。
ちょっと目線を変えてまいりますが、話は変わります。幼稚園等における送迎用バスの安全対策について関連してお伺いしたいと思います。
先般、幼稚園バスの子供置き去り事件がありました。これは本当に、そこに信頼して通わせている保護者さんのお気持ちということを考えたら胸が張り裂けそうな気持ちになります。また、そこに取り残された園児の気持ちも、どんな恐怖だったかなというふうに思うわけであります。
この当該事件を受けて、その対策が確実になされるように徹底すべきでないかというふうに考えますが、この点について見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/16
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017・藤江陽子
○政府参考人(藤江陽子君) バスの置き去り事故を踏まえての対応についての御質問でございますけれども、送迎用バスの置き去り事案が発生したということは、本当に、誠に遺憾であり、今後このようなことが繰り返されないよう、安全対策を徹底することが重要であるというふうに考えております。
このため、子供のバス送迎に関する安全対策に関しましては、昨年十二、ああ、申し訳ございません、昨年十月に関係府省庁会議におきましてこどものバス送迎・安全徹底プランを策定いたしまして、省令改正による子供の所在確認や、幼稚園等の送迎用バスへの安全装置、装備の義務付け、そして安全管理マニュアルの幼稚園等への周知の徹底、そして安全装置、装備等の支援に係る予算の執行等の対策に取り組んでいるところでございます。
現在、安全装置の導入支援による整備を進めているところでございますけれども、そのことと同時に、置き去り事故を防止するためには、安全装置はヒューマンエラーの防止を補完するものであるとの認識の下、児童生徒の所在確認を徹底する必要があるというふうに考えております。
文部科学省といたしましては、幼稚園等において置き去り事案が発生しないよう、安全対策の適切な実施について、引き続き各教育委員会に対し呼びかけてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/17
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018・臼井正一
○臼井正一君 ありがとうございます。
今おっしゃったように、ああいう安全装置というのはあくまでもヒューマンエラーを防ぐ補助的な役割であるという、ここが一つのポイントだというふうに思っています。どんな立派なマニュアルを作っても、また対策を施しても、それを運用する人間というものにそうした装置のシステムであるとかそうした理解が及ばなければ、これを適切に運用することはできないわけでありますから。
私も、こうした事件が起きたときに、すぐ幼稚園経営者の友人にその運用状況、幼稚園バス、伺いましたら、うちはちゃんと専用のドライバー雇って二人体制でやっているから大丈夫だと、そういうふうに胸を張って言えるようなこの人的支援というんですかね、を行っていただきたいと思います。
国交省がああしたシステムをやっているということですが、国交省がやっているからうちは知らないんだということではなくて、先ほど人間永岡桂子と大変失礼なことを言いましたけれども、この縦割りを排して、子供をみんなで守っていく、こういう強い意思を是非示していただきたい、このように思う次第でございます。財政措置をして、しっかり専用の園バスの運転手さん確保できるようになれば、これは一番いいのかなというふうに思っているところでございます。
さて、先般、中学校へナイフを持った不審者が侵入した事案が発生いたしました。子供たちの命、安全を守るため、侵入者対策、防犯対策を促進する必要があると考えます。
二度とこのような事案が発生しないよう、現在、十分な防犯対策が措置されていない幼稚園や学校の対策を促進することは重要な課題であります。政府として、防犯対策に資する施設整備に対する補助金について、今年度予算から補助率のかさ上げを行い、緊急的に対策を行う決断があったことについては大いに評価しているところでございます。
一方で、今回の措置については今年度からの工事が対象となっており、過去に私立幼稚園で行われた工事は対象となっておりません。今年度からの措置とした理由について、文部科学省の見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/18
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019・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) お答えいたします。
本年三月に発生した中学校への不審者侵入事案を受けて、不審者の学校侵入を防止するため、公立及び私立の幼稚園、小学校、中学校等の防犯対策について、緊急的に三年間の時限措置として、三分の一から二分の一へ補助率をかさ上げし、学校における侵入者対策を促進することとしたところでございます。
今回の措置は、本年三月に発生した先般の事案を受け、防犯対策が未措置の園や今後より高いレベルの防犯対策を行う園に対して支援することを目的とし、また、期間を定めて集中的に促進策を講じるものであることから、今回の措置全体として、今年度からの事業を対象としたものでございます。
今後も、子供の安全を守るため、私立幼稚園の施設整備に対する必要な支援を行ってまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/19
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020・臼井正一
○臼井正一君 ありがとうございました。
事前に、そうした安全対策を国の補助が決まる前から施した学校法人からは非常に、まあ残念と言うとおかしいんですけれども、不公平感があるなといったような声が私のところにも届いています。
このような事例に限らず、私も県議会議員長くやってきて、私学助成が上がっていく過程というのを見ていって、こうした御努力には、歴代の文部科学省のそうした担当の方、そして議員の皆さん方には敬意を表するところでありますけれども、実際に幼稚園や高校に子供を通わせている親の立場からすると、私学助成を拡充しているといっても学費が下がったためしがないということであります。
高校を卒業した後に、今度、教育費の無償化も所得制限撤廃、うちもう卒業しちゃったなという思いもあるんですが、それが、また次の世代までこうした制度というのが拡充していけば、私の、いつになるか分かりませんが、孫の代には、そのうちの子供たちが経済的な負担がなくなるのかなというような大きな期待も寄せています。
世代間とか年代間によって、こうした教育に対する支援、不公平感というのは確かにございます。私たち、今日、大体同年代の先生方もいらっしゃるわけですが、ベビーブームの切れ端で同級生が二百万人いる世代と、昨年生まれた子供はもう八十万人を切るといった世代で、就職また受験、いろんな場面で不公平感というのがあるわけです。しかしながら、この少子化というのは国のあらゆる政策の大きな弊害であるから、みんなでそうした部分目をつぶりながら次世代のために頑張っていこうよという制度なんですよね。
先ほど申し上げました都県間、大体千葉県の子供が東京に通うというのは非常に多いんですけれども、そうした中で就学支援というのが格差が生まれているという状況というのは、これは保護者からすると何か理解ができない部分でもあります。また、給食費の無償化という議論もこれから大いに出てくるというふうに思いますが、私立学校に子供を通わせている親御さんはお弁当を作っているわけなんで、お弁当を作っている人もいるわけですよね。じゃ、こうした子供たちに対する不公平感というのをどう解消していくんだ、そういう議論というのもこれから出てくるというふうに思っています。
しっかり、子供、私は議員落選をしたことがあって、二年間、子供三人抱えてどうしようかなって本当に重いことがありましたけれども、必死に働いて、家内も働きに出て、子供を一生懸命育てていこうという思いで、子供を育てることを罰だなんてこと思ったことがないわけなんですね。しかし、今、子供を産み育てることが罰だなんという意見が出てくること自体、本当に悲しいことであります。
是非、ここにいる皆さんとともに力を合わせて、教育の充実、これを図りながら、子育てというのはすばらしい、子供を教育していくことのすばらしさ、こうしたものを国民みんなが共有できるような制度、そうしたものにしていかなければならないと改めて強く感じました。
この私学法の改正がそうした思いの一助になればいいなというふうに思っていまして、是非、この制度改正後、これから審議が深まっていくわけでありますけれども、制度ができた後もしっかり文部科学省として見ていただいて、この私学法改正が、経営者、保護者、そして、そこに通う園児、生徒、学生、三方よしの法案になるようにしっかり見ていただきたい、このことをお願い申し上げまして、私からの質疑といたします。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/20
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021・古賀千景
○古賀千景君 立憲民主・社民の古賀千景です。今日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私立学校を設置、運営する主体である学校法人は、その自主性に基づき、公共性を高めつつ、私立学校の健全な発達を図っていけばよいものと考えております。ただし、一部の学校法人において、不健全な学校運営を行い、不祥事を起こしている事例もあり、また、各種の税制優遇や私学助成を受けている中で、私立学校といえども、その公益性、公共性が求められていることは当然であります。
そういう意味では、現状のまま看過することができないということもよく理解しているところであり、本法は、こうした背景を踏まえ、学校法人のガバナンス改革を進めるために提出されたものと承知しております。
改正案について順次質問させていただきます。
衆議院の方でも出ておりましたが、法改正のポイントを教えてください。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/21
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022・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) お答え申し上げます。
今回の改正は、我が国の公教育を支えます私立学校が社会の信頼を得て今後も持続可能な発展を遂げるため、社会の要請に応えつつ、自ら主体性を持って実効性のあるガバナンス改革を推進するためのものでございます。
こうした目的に向けまして、執行と監視、監督の役割の明確化、分離を基本的な考え方としつつ、理事、理事会、監事及び評議員、評議員会の権限の明確化や、また、選任、解任の手続を定めるとともに、監事や評議員会の理事会へのチェック機能を強化するなど、学校法人の管理運営制度を抜本的に改善をするということにしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/22
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023・古賀千景
○古賀千景君 ありがとうございます。
今回の改正案の検討に当たり、三つの会議体で議論が行われましたが、最終的に提出された改正案は、二つ目の会議体、学校法人ガバナンス改革会議の報告書で提言された、評議員会を最高機関、議決機関とするドラスティックな改革ではなく、三つ目の会議体である大学設置大学法人審議会学校法人分科会の下に設置された学校法人制度改革特別委員会の報告書に基づくものとなりました。
今回の改正案は、理事会が意思決定機関、評議員会が諮問機関という基本的な位置付けは変わらず、私学関係団体も納得が得られるものとなりましたが、一方で、大幅な改革とは言い難く、理事長、理事会の専横による学校法人の不祥事を抑止する効果がどの程度あるのかもちょっと疑問が残っております。
前回の令和元年の私立学校改正の際は、当時の文部科学大臣は、改正によって、理事長の行為に対するチェック機能や不正の抑止効果が高まることが期待されると答弁していらっしゃいました。しかし、残念ながら、いまだに私立大学の不祥事はなくなっておりません。
今回の改正案が学校法人のガバナンス改革にどのように資するものとなるのか、学校法人における不祥事の抑止にどのようにつながるのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/23
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024・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 本法案では、執行と監視、監督の役割の明確化、分離と、これ、学校法人の多様性ですとかまた独自性の双方のバランスを考慮いたしまして、人事面等の仕組みにとどまらず、評議員によります監事に対する理事の行為の差止め請求ですとか責任追及の求めなど評議員の権限の強化をしております。
また、会計監査の仕組みの導入もしております。そして、大規模な法人におけます常勤監事の必置の義務化もやっております。そして、情報公開、訴訟等に関する規定の整備、また刑事罰や過料の新設など様々な仕組みを設けていることによりまして、理事の業務執行ですとか理事会運営の適正性を確保する仕組みを総合的に構築をしているところでございます。
今回の改正を踏まえ、それが各現場で確実に運用されることによりまして同様の不祥事事案について防止することができるものと考えておりまして、制度の運用がしっかりなされますように、これ、文部科学省といたしましても、モデル寄附行為の作成などを通じまして、改正法の趣旨等について、これ周知徹底してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/24
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025・古賀千景
○古賀千景君 ありがとうございます。
今までの不祥事の発生の様子を見ておりますと、理事長に権限が集中し、そしていわゆるワンマン経営に陥っているのも原因ではないかということを感じます。私大での多くの不祥事はワンマン経営の長期化の中で生じていますが、そのことについてはどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/25
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026・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
学校法人における不祥事の原因は様々であると考えております。ただ、近年の事例を踏まえるとすれば、理事長の専横的な法人運営により理事会及び評議員会が形骸化し、牽制機能が利かなかったことなどが原因だと考えてございます。
このようなことなどを踏まえますと、現行法では、権限が特定の者に集中することを防ぐ仕組みや、理事長などの執行部に対するチェックの実効性を確保する仕組みなどにおいて、結果として不祥事を未然に防止する機能が十分でなかったのではないかと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/26
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027・古賀千景
○古賀千景君 理事長の権限集中化には理事長の多選も原因の一つではないかと考えております。多選の禁止又は役員の定年制の導入などについても必要なのではないかと考えますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/27
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028・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
理事長等の在任期間が長くなること、それ自体は一概に不適切であるとは考えてございません。理事長のリーダーシップによる適切な学校法人運営や建学の精神を尊重した教育の指針、あるいは社会や学校関係者からの信任を得た安定的で継続的に質の高い学校教育活動につながることもあるかと考えてございます。
その一方、理事長等の在任期間が長くなったその結果によりまして権限が集中することの影響、これについては、今回の改正により、まずは理事の任期を法定し、その上で理事会や評議員会による理事長のチェック機能が強化されることになります。また、仮に理事長に不適切な状況がある場合には、理事会による理事長の解任、解職も可能となっているなど、理事長による不祥事事案の防止に資する仕組みが構築されていると認識してございます。
なお、理事長の再任につきましては今回の改正で制限を設けておりませんが、任期の上限を四年としているところでございます。再任の際には改めまして理事選任機関による選任が必要となるため、理事としての適格性がその都度判断されることになろうかと思ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/28
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029・古賀千景
○古賀千景君 ありがとうございます。
じゃ、次に、評議員会についてお伺いいたします。
まず、評議員の選任方法についてです。現行法は、原則、各学校法人の寄附行為の定めるところにより選任されるとされ、改正案においてもこの点は変更ございません。しかし、昨年二月の学校法人制度改革特別委員会において出されました日本私立大学教職員組合連合からの要求書には、評議員のうちの教職員や卒業生については選挙などの民主的な手続により選出すべきとの意見が挙げられておりました。私自身も、評議員会が教育と研究の現場を熟知した教職員や卒業生の多様な意見を反映するものとしていけるように、理事会がトップダウンで評議員を選ぶのではなく、選挙などのボトムアップな方法で選任されることが望ましいと考えますが、その点、見解をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/29
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030・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
学校法人の運営に当たりましては、幅広い関係者との対話により、公共性を維持し、社会の信頼を得ていくことが重要であり、評議員会につきましては、特定の利害関係に偏らない幅広い意見を反映できる仕組み、これを構築することが極めて重要だと考えてございます。
そのため、今回の改正におきましては、理事会と評議員会の建設的な協働を図りつつ、執行と監視、監督の役割の明確化、分離と、学校法人の多様性や独自性、この双方のバランスを考慮いたしまして、理事、理事会による選任される評議員につきましては一定の上限を設けることとしたところでございます。
加えまして、多様な方法で評議員会の選任がなされるよう、評議員の選任方法につきましては、各学校の寄附行為において定めることといたしてございます。この寄附行為の定め方によりますが、ボトムアップ型によるものも法人の判断で可能かと考えております。
今回の制度改正の趣旨や内容が学校法人にしっかりと伝わるよう、丁寧に周知してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/30
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031・古賀千景
○古賀千景君 ありがとうございます。
評議員の構成についてです。
改正案では、理事と評議員の兼任が禁止されるとともに、評議員会の権限がある一定程度強化されることとなりました。一層重要な役割を果たすことになる評議員会の構成について、改正案では、理事、理事会が選任できるのは評議員の総数の二分の一以下、教職員が三分の一以下、そして理事、監事、ほかの評議員のいずれかと特別利害関係を有する者などは六分の一以下とされています。
改正案の基となった学校法人制度改革特別委員会の報告書では、上限割合について具体的な言及はなかったと承知しておりますが、今回、文部科学省が二分の一、三分の一、六分の一以下という割合設定、その理由を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/31
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032・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
今回の改正を通じまして、理事会と評議員会が相互に牽制し合いながらも充実した納得感のある学校法人運営を目指すため、理事、理事会による評議員選任を許容しつつも、特定の利害関係に偏らない幅広い意見を反映することができるよう、そういった構成を構築することが重要であると認識しております。
このため、今般の改正におきましては、選任する主体に注目いたしまして、理事、理事会が選任する評議員の割合を二分の一までとするとともに、選任された評議員の身分等に着目いたしまして、職員評議員が三分の一、親族等評議員が六分の一までとする仕組みを導入いたしまして、評議員会に期待される牽制機能の実質化を図ることとしてございます。
これは、あくまでも上限を定めるものでございまして、各法人の判断により自由な対応が可能となってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/32
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033・古賀千景
○古賀千景君 理事や理事会の息の掛かった者が評議員会で多数を占めているのでは、理事会と評議員会が相互に牽制機能を発揮していくことはできないと考えます。
改正案では、理事、理事会が選任できる評議員や理事と特別利害関係を有する評議員は二分の一と六分の一で、単純計算、合わせて三分の二となります。二分の一を超えないようにすることが理事会と評議員会との協働と牽制の関係やバランスを図る上でも最低限必要ではないかと考えます。
文部科学省としては、こうした点については通知などで示していくお考えがあられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/33
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034・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
繰り返しになります。今回の改正案では、理事会と評議員会の建設的な協働を図りつつ、執行と監視、監督の役割の明確化、分離と、学校法人の多様性や独立性のこの双方のバランスを考慮して、理事、理事会が選任する評議員は評議員総数の二分の一までとする制限を設けることといたしました。
新制度の効果を最大限発揮させるためには、所轄庁である都道府県や各学校法人が今回の制度改正の趣旨や内容をしっかりと理解するとともに、学校法人が自ら率先してガバナンス改革を行っていただくことが極めて重要だと考えてございます。
そのため、文科省におきましては、学校法人や都道府県向けの説明会の実施、モデルとなる寄附行為例の作成、寄附行為変更に係る個別相談、こういったことを積極的に行いまして、ただいま御指摘の点も踏まえながら、今回の制度改正の周知徹底を図ってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/34
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035・古賀千景
○古賀千景君 現理事長が次期の評議員を選任し、その次期評議員がまた次期理事長を選出するシステムが問題ではないかと考えています。これでは、現理事長が自ら退任を決意するまで、いつまでも理事長職にとどまり続けられることができます。先ほど四年間と言われていますので、そこで選任は改めてあると、改選はあると思いますが。
これが理事長への権限の集中とかワンマン経営が行われる根幹になるのではないかというふうに考えますが、その防止についてはどのような仕組みが効果が上がるとお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/35
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036・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
本改正案におきましては、理事選任機関が理事を選任すること、評議員会がその決議によって監事を選任すること、役員の親族等の評議員就任の制限など、主に人事面におきまして権限が特定の者に集中することを防ぐ仕組みや、理事長などの執行部に対するチェックの実効性を確保する仕組みを設けることとしてございます。
さらに、加えまして、評議員会による監事に対する理事の行為の差止め請求や責任追及の求めなど評議員会の権限強化、あるいは内部統制システムの整備の義務化、会計検査の仕組みの導入、大規模な法人における常勤監事の設置の義務化、そのほかに情報公開や訴訟等に関する規定の整備や、さらには刑事罰、過料の新設なども行ったところでございます。人事面における仕組みにとどまらない様々な仕組みを設け、総合的に取り組むこととしてございます。
また、今般の改正につきましては、理事会が意思決定機関、評議員会が諮問機関である、この基本的な枠組みを維持しつつも、評議員会の監視、監督機能を可能な限り高めるようガバナンス改革を進めるものでございます。
具体的な理事選任機関の取扱いにつきましては寄附行為で定めることとし、各学校法人の判断に委ねたところでございます。このため、場合によっては理事長や理事会が法人の判断により理事選任機関となり得るものではございますが、理事選任機関を寄附行為で明確に定めるよう法定し、当該理事選任機関はあらかじめ評議員会の意見を聴かなければならないとするほか、不正があった場合には評議員による理事の解任請求を認めるなど、諮問機関でありながらも可能な限り評議員会の監視、監督機能を強化しているところでございます。
御指摘がありました今回の法改正の趣旨を踏まえた適切な運用が全ての学校法人でなされるよう、文科省としても、モデル寄附行為の作成等を通じまして周知徹底を図ってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/36
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037・古賀千景
○古賀千景君 評議員会の構成については、やはり理事の関係者以外を中心にした方が理事会と評議員会の相互牽制が図られ、適正なガバナンスに資すると考えます。しかし一方で、理事会とは関係がなくても、評議員会が学校内の事情を知らない学外者ばかりで占められれば、その学校の特性が生かされず、学校運営に混乱を来すおそれもあると考えます。
私は、理事会と評議員会が相互牽制を図っていく上で、教育と研究の現場に精通した教職員の評議員の役割が極めて重要であると考えます。教職員の評議員は三分の一までとされておりますが、評議員会の重要な役割として、運営サイドである理事会に対し、学校現場の声をダイレクトに伝えることができます。教職員の評議員の割合を増やしていく必要性があると感じています。
教職員が評議員となることの意義や重要性についてどのように認識されているか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/37
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038・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
まずもって、学校法人の運営に当たりましては、幅広い関係者との対話により、公共性を維持し、社会の信頼を得ていくことが極めて重要だと考えております。また、教学面と経営面の協調という学校法人の持つ特殊性、独自性に鑑み、教職員の意見を踏まえた学校運営ができるよう、現行制度におきましても、評議員には学校法人の職員、これを必ず含めなければならないとされており、このことは改正後においても変わるものではございません。
教職員は、日頃から児童生徒、学生や保護者等と接する中で、私立学校を取り巻く幅広い関係者の声をキャッチし、適切に学校法人運営に反映させていくために重要な役割を担っているものと認識してございます。このような考え方の下、評議員会につきましては、特定の利害関係に偏らない幅広い意見を反映できる仕組みとしたところでございます。このような考え方をしっかりと学校現場サイドに丁寧に周知してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/38
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039・古賀千景
○古賀千景君 私学の教育研究は日夜教職員が担っており、現場の実態、感覚に即した改革、改善提案をなし得る立場にあることから、教職員である評議員の総数の上を二分の一程度まで引き上げる措置を講ずることが必要だと私は考えます。私大によっては卒業生枠や学識経験者枠の教職員の評議員数が七割近くを占めるケースもあると聞いております。三分の一、今の改正案の三分の一では実態に即していないのではないか、少な過ぎるのではないかと考えます。
教職員評議員こそ二分の一を上限とする程度でいいと私は考えますが、御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/39
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040・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
繰り返しになりますが、学校法人のガバナンスの強化の観点からは、評議員会において特定の利害関係に偏らない幅広い意見を反映することが重要であると認識しております。これらのバランスを考慮し、教職員評議員が評議員に占める割合を三分の一としたところでございます。
また、日本私立学校振興・共済事業団のアンケート調査によりますと、大学を設置する学校法人における評議員数に占める教職員評議員の割合は三三・五%、また高等学校以下法人における評議員数に占める教職員評議員の割合は二三・三%となってございます。このことから、評議員、特にその教職員評議員の割合につきまして三分の一を上限とすることは実態とも合致するものと認識しております。
このような実態と全体の構造の中でのバランスを考えて、今回このような措置としたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/40
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041・古賀千景
○古賀千景君 一番生徒の皆さんのこと、保護者のこと、そして、その学校の良さ、また伝統などを一番知っているのはやっぱり教職員だろうと私は考えておりますので、そこの評議員の定数増やしていければいいなということを私は思っております。
少し話がそれますが、私学の教職員の働き方について教えてください。
大学の働き方はまた独特で、研究室とか時間外勤務とかいう、何か徹夜されたりとか、そのようなことが多いということも伺っております。しかし、大学は正規職員の方よりも非常勤の方などの方が割合が高いということも伺っています。私学は一校一校労働条件などの処遇が違うと思いますが、公立学校では事務職員とか栄養職員は労基法でやっておりますが、実は時間外手当が全部支払われてはいません。上限が決まっていて、ここまでしか残業できないと言われているのが公立学校の実態としてあります。
私学の方ではきちんと、そういうことはなく、時間外手当がきちんと支払われているのかなということ、そのことについてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/41
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042・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
私立学校の教職員の働き方につきましては、業務の内容や勤務時間、雇用形態など、様々な観点があり、文科省においてそれらを網羅的に把握しているわけではございませんが、例えば、雇用形態につきましては、学校基本調査において、専任の教職員である本務者数といわゆる非常勤講師等を含む兼務者数について毎年調査を行っているところでございます。
各私立学校を設置する学校法人におきましては、自主性、自律性の下で業務運営が行われることが基本でございまして、それぞれの教職員の勤務の在り方につきましても、労働基準法や労働契約法などの労働関係法令に基づきまして、各学校法人において労使協定の中で適切に定められているものと考えてございます。
文部科学省といたしましても、これまでも労働関係法制の趣旨、内容につきましては、様々な機会を捉えて各法人に周知徹底を図っているところでありますが、引き続き厚労省と連携を図りながら必要な情報提供に努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/42
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043・古賀千景
○古賀千景君 いろいろ調査をされているという話を伺いましたが、調査をされて、済みません、通告していないんですけど、調査をされて、その後、指導をされたりとか、そんなところはどこかの機関でされていたりするんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/43
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044・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) 実際のその指導については個別について行っているものではございません。それは、先ほど申し上げました労働行政の中で行われるものと承知しております。ただ、労働行政の中でどのような勤務状況が適切かなどについて必要な通知等をいただいておりますので、そういったことを踏まえながら、各種の会議や研修会などで周知を図っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/44
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045・古賀千景
○古賀千景君 ありがとうございました。
劣悪な労働条件であったりとか、雇い止めがあるという話をよく私は聞いております。非正規の職員の働きなしには今は大学の教育研究も経営も成り立たないと思います。学部、学科の増設等に対して教職員の確保を図る一方で、職員人件費を抑制すべく非正規雇用職員へのシフトを進めた結果が非正規職員が増える状況になったものと、今までの経緯の中でそのように私は知りました。経営の関心は常勤職員の数や質に注がれていて、非正規職員には十分な関心が払われていないという点では多くの大学に共通するのではないかと思っております。大学職員の業務が高度化、複雑化していると言われて、大学の業務の中でも非正規職員が重要なポストを占めていると私は感じます。国からの私学助成という、増額という点でも御配慮いただけたらということを感じています。
その上で、評議員と理事、監事などの役員におけるジェンダーバランスについて伺います。
学校法人の評議員や役員における女性が占める割合について、調査結果があれば教えてください。また、文部科学省として、各学校法人に対して女性の登用を促していただければと存じますが、見解をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/45
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046・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
学校法人の評議員会の女性比率については、多少ちょっと古い数字になりますけれども、私学関係団体による平成二十六年の抽出調査を基に試算したところ、女性評議員の比率は約二割程度ということになってございます。
評議員会におきましては特定の利害関係に偏らない幅広い意見を反映することが重要であると考えており、今回の法改正において、新たに評議員の選任については、評議員の年齢、性別、職業等に著しい偏りが生じないように配慮して行わなければならない旨の規定を盛り込むこととしております。
文科省ではこれまでも学校法人に対し女性活躍の推進に関する理解を促進するための呼びかけ等を行ってきたのでございますが、引き続き、評議員の選任に当たって、男女共同参画の視点から女性の登用について配慮を求める旨をしっかりと周知してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/46
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047・古賀千景
○古賀千景君 ありがとうございます。二割というお話をいただきました。
ジェンダー平等を推進していく観点からも、また一部の理事の専横による不祥事防止の面からも、女性の評議員や役員を増やしていくことはとても有効だと私は考えます。
先日のナノテラスの法案でも女性が占める割合について質疑がありましたが、例えば女性学長の割合について、令和四年度の学校基本調査によれば、私立で約一四%、そして国立でも五%という低い数字となっております。女性が働き続けることにより、大学や組織に対し女性ならではの視点を組み込むことが多様性につながると考えます。是非、女性の登用というところも増やしていただきたいと思っております。
話を少し変えます。二〇一八年以降、十八歳人口の急減期に入り、小規模私学における定員割れがこの一、二年急増しております。私学は、定員確保がなされれば政府の助成は一〇%弱でも何とか財政基盤を確立できていますが、定員割れ、特に地方自治体の助成が得られない私大の財政危機に直結していくと考えます。幼稚園も同じです。
小規模私大理事会はこれまでのような在り方では少子化時代に対応できないと考えますが、文科省の見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/47
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048・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
少子化が進行する中、私立の短期大学及び幼稚園の数は、平成十五年度から令和四年度までの二十年間で大幅に減少してございます。例えば、私立の短期大学数につきますと、この二十年間で百六十八校が減少、私立の幼稚園数につきましてはこの二十年間で二千二百三十七園が減少しているところでございます。
また、日本私立学校振興・共済事業団の調査によりますと、令和三年度の私立大学及び短期大学全体の事業収支の状況は十年前と比較して悪化しているところでございます。例えば、事業活動で採算が取れているかを表す指標でございますけれども、大学についてはこの十年間でそう変わりがない中で、短期大学については二・三%のマイナスから八・七%のマイナスと、かなり数字が悪化しているところでございます。
特に、私立の短期大学につきましては、令和四年度の入学定員充足率が八〇%未満の短期大学が全体の約五六%に上がり、極めて厳しい経営状況が伺えるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/48
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049・古賀千景
○古賀千景君 十八歳の人口の減少というのは十八年前にある程度分かるのではないかと思っておりますが、今は八十万人も切りました。とりわけ私大法人は六百弱、そして短大法人は百と聞いておりますが、徐々にこれからも廃校に追い込まれていくのではないかということが考えられます。
私大の許認可をなした政府としては、この状況に対してどのように対応していくのか、その生徒たちに対して、子供たち、保護者に対して何かやられようと思っていることがあったら教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/49
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050・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
私立幼稚園は地域における幼児教育の機会の確保に重要な役割を担うとともに、私立大学は地域における知の拠点としての役割を果たしているものと考えています。このため、これらの私立学校の廃止により、地域における影響は少なからず生じるものと考えられます。
文科省におきましては、学校法人の経営力強化のための自主的取組を促しつつ、毎年、文科大臣が所管する学校法人の財務状況を把握した上で、経営悪化傾向にあり直ちに経営改善が必要な法人に対しては、改善計画の策定や改善状況の確認等を行い、集中的にきめ細やかな指導を実施しているところでございます。その上で、経営改善が十分でない法人に対しましては、大学等の破綻により在学生が不利益を受けることがないよう、計画的な規模の縮小や撤退等も含めた経営判断の検討を求めているところでございます。
なお、募集停止等の経営判断を行う場合には、地域の関係者等に対しても丁寧な説明を行い、大きな混乱が生じないよう理解を求めていくことが重要だと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/50
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051・古賀千景
○古賀千景君 おっしゃっていただいたとおり、私立学校や幼稚園が地域にあるということは、すごくその地域の活性化にもつながっていくと私も思っております。しかし、その私立大学、学校、幼稚園が、おっしゃってくださったとおり危機的な状況であると思います。
私立の学校が減っていくということは、今までそこにあった学校に子供たち行けたのに遠くまで行かなければいけないとか、行きたい学部がなくなっていったとか、そのような子供の進学の幅が狭まるのではないかということも考えます。
少子化対策というところで、幼稚園、高等教育について、また管轄が違うかもしれませんが、文科省としては幼稚園とか高等教育について何か少子化対策に施策を盛り込んでいこうという思いはお持ちでしょうか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/51
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052・池田貴城
○政府参考人(池田貴城君) お答えいたします。
今後の少子化対策につきましては、先日、小倉大臣の下で今後の子ども・子育て政策のたたき台が取りまとめられておりまして、この中で、教育費負担の軽減や、それから公教育の再生という観点から必要な事項を盛り込んでおります。
今後、まず三年間の間に取り組むべき加速化プランの中にも盛り込まれておりますし、それから六月の骨太の方針の取りまとめに向けて政府全体で詰めてまいりますので、その中で文部科学省としてもしっかりと盛り込まれるように対応したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/52
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053・古賀千景
○古賀千景君 ありがとうございます。
次元の異なる少子化対策に関しては、私たちもとても興味を持って、どんなふうにしていただけるのかなと楽しみにしておりますが、財源などがまだまだ明確ではないというところで、ちょっと不安も感じているところです。
六月の骨太での発表のようですが、全ての子供たちへの幼稚園教育とか教育、保育の無償化とか高等教育の無償化とか、文科省としてはどのようにお考えかを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/53
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054・池田貴城
○政府参考人(池田貴城君) お答えいたします。
先ほど申し上げたたたき台の中に盛り込まれておりますけれども、特に高等教育の負担軽減ということが大きな課題であると認識しております。
このため、文部科学省としては、令和二年度から、真に支援の必要な低所得世帯の学生等に対して大学等の授業料等の減免と給付型奨学金の支給を行う高等教育の修学支援新制度を実施しており、高等教育の無償化に向けた取組を進めてきているところでございます。具体的には、令和六年度から、給付型奨学金等について年収六百万円程度までの世帯を対象に、多子世帯や理工農系の学生等への支援を拡大することとしております。
さらに、その上で、先ほど申し上げたとおり、今後の少子化対策につきましては、総理が主導する体制の下で更に議論を進めまして、六月の骨太の方針までに将来的な子供予算倍増に向けた大枠を提示されると承知しております。
この中で、文部科学省としても、引き続き、こうした教育費負担の軽減を求める声にしっかりと応えられるよう、関係省庁と連携協力し、この議論に積極的に参加してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/54
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055・古賀千景
○古賀千景君 この前も私話しましたが、奨学金の程度についてはすごく子供たち今でも苦労しているし、そのことで子供を産めなかったり結婚ができなかったりしているという実態は否めないと思っていますし、新しい貸与型でも、出世払いじゃないけど、出世払い方式みたいなのとか、賃金、ああ、少ない返金額で長い間、長期化とか、結局何か一緒じゃないかなと思うこともあります。
そういうところも、子供たちが本当に夢を持って社会に出られるというところでの御対応をお願いしていきたいなということを思っております。
今おっしゃっていただきました、子供予算倍増で大丈夫ですかね。確認です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/55
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056・池田貴城
○政府参考人(池田貴城君) 政府全体の調整の中で努力してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/56
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057・古賀千景
○古賀千景君 楽しみにしております。
では、法案の方に戻します。
理事会と評議員会の関係についてお伺いします。
衆議院の質疑では、改正案において、理事会が意思決定機関、評議員会が諮問機関であるという基本的な枠組みは維持するとの答弁がありましたが、それで間違いないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/57
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058・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) 間違いございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/58
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059・古賀千景
○古賀千景君 大学等を設置する大学所轄学校法人等において、任意解散や合併などの学校法人の基礎的な変更に関わる事項や、軽微な変更を除く寄附行為の変更について、理事会の決議に加え、評議員の決議も必要とされました。
この点について、文部科学省が公表した学校法人のガバナンス改革に関するQアンドAでは、理事会の決議と評議員の決議が異なる場合の扱いについて、評議員会の決議を必要としている以上、理事会と評議員会の決議がそろわなければ、学校法人の意思決定としては否決されることとなりますと明記されております。
法人の意思決定の一部において評議員会の決議が不可欠となったわけですから、少なくとも大臣所轄学校法人等については、単なる諮問機関としての位置付け以上の重要な役割を与えられたと解釈できると考えます。大臣所轄学校法人等における評議員会の位置付けについて、文部科学省の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/59
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060・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) 先ほども申し上げましたが、これまでの私学法の中で、理事会につきましては意思決定機関であり執行機関、そして評議員会については諮問機関という、この位置付けは改正後も変わるものではございません。
ただ、この諮問機関でありながら、ぎりぎりのラインでしっかりとチェックができるように今回いろいろと工夫を凝らしたところでございまして、二つございます。一つは、組織のその意思決定について、重要な部分については、それを決議を要するということ、もう一つは、人事につきまして、理事選任機関が定める人事に対して一定の意見を言うということ、こういったことを今回盛り込んでいるところでございます。
全体の基本的な枠組みは変わりませんが、その中でチェック機能を最大限高めたものと認識しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/60
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061・古賀千景
○古賀千景君 大臣所轄学校法人等における寄附行為の変更に際しての評議員会の決議を要する範囲について伺います。
学校法人制度改革特別委員会の報告書では、任意解散、合併、それに準ずる程度の寄附行為の変更について、理事会の決議に加え、評議員会の決議を要することとされていました。
また、昨年五月に公表された改正法案の骨子でも、任意解散、合併、そして重要な寄附行為の変更について評議員会の決議を要することとされました。これに対して改正案では、任意解散や合併に加え、軽微な変更を除く寄附行為の変更について評議員会の決議も必要とされました。ずっと変わっていっています。
検討過程では、重要とされる一部の寄附行為の変更のみ評議員会の決議を要することと整理されていましたが、改正案では、軽微な変更を除く全ての寄附行為の変更について評議員会の決議の対象となりました。評議員会の決議の対象となる寄附行為の変更の範囲は広がったものと解することができます。ここでいう軽微な変更とは、例えばどのようなものを指すのでしょうか。
軽微な変更の対象範囲は文部科学省令で定めることとされていますが、寄附行為は企業の定款に相当する学校法人の根本規則というべきものであります。したがって、安易に、軽微な変更であるとしても、評議員の決議を不要とするような省令にしてはならず、また、仮に軽微な変更として決議を要しないことを認めるとしても、その内容について原則評議員会の決議を要することが望ましい旨ガイドライン等に明記することにより、評議員会における議論の場を確保すべきと考えます。
文部科学省の見解をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/61
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062・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
学校法人のガバナンス改革につきまして、これまでも申し上げましたとおり、執行と監視、監督の役割の明確化、分離を基本的な考え方としつつ、建設的な協働と相互牽制を確立することで実効性のあるガバナンス改革を、ガバナンス構造を構築することが求められているところでございます。このような観点から、今回、大臣所轄法人等におきまして、軽微な変更として文部科学省令で定めるものを除く寄附行為の変更について評議員会の決議事項としたところでございます。
この軽微な変更として文科省令で定めるものにつきましては、私学法体系の中での整合性も念頭に、この国会における御審議も踏まえ、今後、関係者の意見も伺いながら丁寧に議論をし、具体的な検討を進めてまいりたいと思います。
なお、今ありました評議員の決議につきましては、重要事項については評議員の決議を法律で定めておりますけれども、それ以外について、どの範囲を評議員の決議事項とするかにつきましては各学校法人の判断に委ねることとなります。その結果、各学校法人の寄附行為においてその旨定めることになろうかと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/62
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063・古賀千景
○古賀千景君 学校法人の判断というところとか寄附行為の定めるところによりというのが、すごく曖昧なところが、学校によって違ってきて曖昧になるのではないかという不安をちょっと私は持っております。
では、次に行きます。理事会と評議員の決議が異なった場合の扱いです。
さきのQアンドAでは、評議会の決議を要することとする重要事項については、多様な関係者の意見を聴く、反映する趣旨に鑑み、まずは理事が評議員に対して丁寧な説明を尽くし、理事会、評議員会の建設的な協働を目指すことが必要と考えています。その際、決議が分かれた場合の建設的な協働を促進するための理事会と評議員の議論の方法、手続等については、有識者から、各学校法人の寄附行為で定めて開示する案も示されたところです。ただし、評議員会決議を不要とするような寄附行為を定めることは認められないと考えていますと記されています。
議論にスピード感が求められるような案件も多いと思われますが、理事会の決議を優先するような寄附行為を定めたり、理事、理事会が評議員会のメンバーを交代させて理事会案のとおり決議するよう迫ったりするのを許せば、理事会に加え評議員会の決議を要することとした改正案の趣旨が損なわれてしまうと考えます。こうした事態が生じないようにするために、ほかの公益法人とは異なる私学教育という営みに求められる多様性や安定性を尊重する意味でも、文部科学省としてはどのように取り組んでいかれるか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/63
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064・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
今回の改正につきましては、理事会と評議員会の対立をこれ意図するものではございません。理事会と評議員会が相互に牽制し合いながらも建設的に協力し、時には議論し合い、充実した納得感のある学校法人運営を目指すものでございます。必ずしもそのバーサス構造を意図するものではないということでございます。その上で、双方で丁寧な説明を尽くして仮に意見が分かれた場合、そういった場合のその手続や具体的な方法論についてあらかじめ明確化しておくということは一つ方法として考えられるかと思ってございます。
こういった工夫など、関係者の意見に耳を傾けながら、実際この制度に伴う運用が重要になってくるわけでございますので、今後、文科省の方で検討いたしますモデル寄附行為の作成等、そういったところを通じて必要なアドバイスを行っていければと思ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/64
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065・古賀千景
○古賀千景君 では次に、監事についてお伺いします。
現行法では監事の選解任は理事長が評議員会の同意を得て行うとなっておりますが、改正案ではこれを評議員会の決議によって行うこととされました。また、大規模な大臣所轄学校法人等では、監事の一部を常勤化するなど、監事のチェック機能の強化が目指されています。
そこで、大規模な大臣所轄学校法人等における監事の一部常勤化に関し、お伺いします。
常勤監事の設置を義務とする基準について、事業活動収入百億円又は負債二百億円以上とする予定と承知しておりますが、そうした大規模な法人はどれくらいあるのでしょうか。また、現在、非常勤の監事しかいない学校法人では常勤監事の確保が新たな課題になるのではないかとも思われます。文部科学省として、常勤監事の確保についてお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/65
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066・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) 申し上げます。
監事が学校法人の業務の状況について十分に把握し、実効性のある監査を行うためには、監事の常勤化が有効な方策であると考えてございます。特に、事業規模が著しく大きい学校法人におきましては、監査の業務量も多いため、非常勤の監事だけでは業務執行に対する十分な牽制機能を働かせることが技術的には難しいことも考えられます。そのため、今回の改正では、大臣所轄法人等の中でも事業規模が著しく大きい学校法人に対しまして常勤監事の設置を義務付けることといたしているところでございます。
一部の学校法人につきましては、新たに人材を確保する必要が生じることになります。しかし、改正法の施行日を令和七年四月一日とすることにより、学校法人に対しては十分な準備期間を設けることができるものと考えております。文科省といたしましては、常勤監事による監査好事例の紹介、あるいは各学校法人が今回の制度改正の趣旨や内容をしっかりと理解した上でふさわしい人材の確保が行われるよう、必要な支援を行ってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/66
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067・古賀千景
○古賀千景君 ありがとうございました。
今回、法案改正ということで、不祥事があった大学に進学していた子供たちとか保護者の方はやっぱりいろんな思いを持たれただろうなということを思います。やっぱり、子供たちの勉学への意欲がやっぱり損なわれてしまったというところがあります。そういう、素直に子供たちが勉強していきたいって、このことを学びたいって思っているその子供の気持ちを大事にしていけるような私学運営というところで、是非これがいい方向になったらいいなということを思っています。
終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/67
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068・宮口治子
○宮口治子君 立憲民主党の宮口治子でございます。よろしくお願いいたします。
古賀委員の質問と重なるところが多々あるかと思いますけれども、更により丁寧な答弁をいただければ幸いでございます。
令和元年改正、令和二年四月施行の改正私立学校法では、改正附則に、施行後五年をめどとして、新私立学校法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずると定められていました。
要するに、五年間様子を見ながら修正を図っていくというふうにされていたと思いますのに、施行と同じ令和二年からこの新たな改革に向けた議論を進め、本改正案の提出になりました。
今回、この五年様子を見ることなく提出に至った経緯と背景についてを少しお示しいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/68
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069・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 宮口委員にお答え申し上げます。
学校法人制度につきましては、累次の法改正を経ましてガバナンスの強化を図ってまいりましたが、二〇一九年、令和元年でございますが、私立学校法改正の際の国会の附帯決議ですとか閣議決定されました骨太の方針におきまして、更なるこれ改革の必要性が示されました。
そのため、文部科学省に設置いたしました学校法人ガバナンス改革会議におきまして検討を進めまして、二〇二一年、これは令和三年ですね、十二月に、理事に対する監督、牽制を重視をいたしまして、評議員会を最高監督、決議機関に改める等の提言をまとめていただくなどの改革の方向性が示されたところでございます。
その上で、学校法人制度改革特別委員会におきまして、私学関係者の参画を得て改めて議論を重ね、学校法人の沿革ですとか多様性に配慮をし、かつ、社会の要請に応え得る、より実効性のある改革案をおまとめいただきました。
本法案は、これらの経緯がありましたが、業務執行と監視、監督の役割の明確化、分離という基本的な考え方はしっかりと維持をしておりまして、議論を重ねることにより、より良い形へガバナンス改革を推進するものとなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/69
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070・宮口治子
○宮口治子君 ありがとうございます。分かりました。
では、この本法案のポイントとされる部分について簡単に御説明をいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/70
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071・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 今回の改正は、我が国の公教育を支える私立学校が社会の信頼を得て今後も持続可能な発展を遂げるため、社会の要請に応えつつ、自らが主体性を持って実効性のあるガバナンス改革を推進するためのものでございます。
こうした目的に向けまして、執行と監視、監督の役割の明確化、分離、これを基本的な考え方としつつ、理事、理事会、監事及び評議員、評議員会の権限の明確化ですとか、また、選任、解任の手続を定めるとともに、監事や評議員会の理事会へのチェック機能を強化するなど、学校法人の管理運営制度を抜本的に改善することとしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/71
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072・宮口治子
○宮口治子君 自ら主体性を持つ、そして監視、監督、それからチェックされる側がチェックする側を選ぶ、そういった仕組みを改善していったということでよろしいですね。
それでは、理事と評議員の兼職を禁止しつつも、理事、それから理事会が評議員総数の二分の一までを選任することが可能とした趣旨は何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/72
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073・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) 申し上げます。
今回の改正を通じまして、理事会と評議員会が相互に牽制し合いながらも充実した納得感のある学校法人運営を目指すため、理事、理事会による評議員選任をこれ許容しつつも、特定の利害関係に偏らない幅広い意見を反映することができる構成になるようにすることが重要であると考えております。
このため、今般の改正におきましては、選任する主体、これに注目いたしまして、理事、理事会が選任する評議員の割合を二分の一までとするとともに、選任された評議員の身分等に着目し、職員評議員が三分の一まで、親族等評議員が六分の一までとする仕組みを導入し、評議員会に期待される牽制機能の実質化を図ることで法改正の目的を的確に反映したいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/73
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074・宮口治子
○宮口治子君 今御説明いただきました、理事会が選任可能な評議員総数の二分の一のほかに、理事の親族など特別利害関係人を評議員総数の六分の一まで認めていらっしゃいますけど、この二つというのは、これは別建てでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/74
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075・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) それは法人の判断になると思いますが、運用において別建てとすることもできますし、一緒にすることもできるかと思ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/75
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076・宮口治子
○宮口治子君 となると、二分の一プラスこれ六分の一で合わせて三分の二が理事会の意を酌んだ人物であるという理解で間違いありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/76
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077・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) 理事会の意を酌んだ人物ということについては、いろいろ考え方があると思います。
今御答弁申し上げましたように、それぞれいろんな意見を反映することが必要と考えておりまして、理事会が選任する評議員については二分の一、また関係者については六分の一、これを上限として法律で定めるものでございます。あくまでも運用におきましては、今御指摘の点なども踏まえながら、例えば法人でその上限まで行かずに任命する、こういったことも考えられるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/77
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078・宮口治子
○宮口治子君 三分の二までこの理事会の意を、一応意を酌んだ人とできるとなりましたら、ポイントでお示しいただいた特定の利害関係者に偏らない幅広い意見を反映するという趣旨との整合性ってどうなるんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/78
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079・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) 繰り返しでございますが、理事若しくは理事長の意を酌んだ人物というところの範囲、また定義がなかなか難しゅうございます。ただ、その制度構築に当たりまして、今ほど申し上げました様々な意見を評議員会として御議論いただいて、それを学校運営に反映させるということが重要かと思ってございます。
なお、御指摘の点、仮に全員がその理事長の影響力、これが明確であるような場合、こういった場合は元々の今回の法改正の趣旨に沿うものではないというふうに考えておりますので、そういったことも踏まえながら、しっかりとこの今回の法改正の趣旨を徹底してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/79
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080・宮口治子
○宮口治子君 ありがとうございます。
御説明いただいたんですけれども、やっぱりこの三分の二にできてしまうという余地を残すというのはやっぱりどうかなというふうに思います。
先日の参考人質疑の中で、監事の選任を今回評議員会でしたというのが極めて大きく、それでチェック機能が果たせるという、期待するような発言もございました。それはそれで私も評価するとしても、やはり、評議員の三分の二が理事会の意を、ごめんなさいね、酌んだ人物であったならば、ちゃんとしたチェック機能が働くというふうには私は思えません。
衆議院の附帯決議にも、上限の在り方について検討することとなっていますが、一歩進めて、二分の一と六分の一は別建てではなくって、二分の一の中に六分の一が含まれるというふうに変えていくことはできないでしょうか。それが今回の法改正の趣旨に沿うものだと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/80
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081・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
今回の法律改正、これは制度改正になるわけですけれども、その制度改正と併せまして、実際その制度がうまく機能するよう運用を図っていくことも同時に大事だと思ってございます。その運用、例えば、文科省の方ではモデル寄附行為、こういったものを作成する予定でございますが、そういったことを通じて、しっかりその今回の法改正の趣旨を踏まえた運用が行われるよう努めてまいりたいというふうに思ってございます。
なお、今いろいろとその人事の面のお話がございましたが、今回の改正につきましては、こういった人事面の取組のほか、さらに、例えば評議員会の権限強化であったり、先ほど来申し上げております内部統制システムの整備の義務化であったり、会計監査の仕組みの導入であったり、あるいは情報公開、訴訟に関する規制の整備であったり、さらにはその刑事罰、こういったものも新設する予定になってございます。
いろんなこういった組合せにより、理事の、また理事会、理事長のその専横というものを未然に防げる仕組みになっているものではないかというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/81
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082・宮口治子
○宮口治子君 ありがとうございます。しっかりチェック機能が果たせるような、そういった仕組みつくっていってください。お願いします。
では、理事選任機関について質問いたします。
改正により新設されるこの理事選任機関というところがありますが、それを設置すること以外は全て寄附行為に定めることとされています。衆議院の政府答弁によると、理事長、理事会などが法人の判断により理事選任機関となり得るとされました。結局、ここ、理事長が理事を全て決めることができるとなると、評議員が意見を言える仕組みがあったところで、果たしてこれ本当に意見が言えるんでしょうか。意見は、非常に私、言いにくいんじゃないのかなと思います。
衆議院の附帯決議では、学校法人の理事の選任は評議員会の監視、監督機能を定期的に発揮させる重要な手段であることを踏まえ、各学校法人の理事選任機関に評議員を含めるなどの工夫により、理事会からの中立性を確保していくよう周知を図ることとされました。
文科省は、これ、どのように指導していく予定でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/82
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083・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) 今回の法改正につきましては、例えば理事会、そして評議員会、監事、そういったそれぞれの機能について、その機能を法律で明確化すると同時に、さらに、その責任についてもそこに明確化をすることといたしております。そして、それら各機能がそれぞれに牽制し合いながらガバナンスを強化していくということが今回の大きな柱になっているところでございます。
こういった大きな柱を踏まえながら、実際のその人事面であったり、そのほかのその予防の面であったり、そういった様々な面においてこの今回の法律改正の趣旨が生かされるよう、しっかりとモデル寄附行為やそのほかいろんな各種説明会を通じまして、都道府県そして八千ある学校法人全てにしっかりとその意識が共有できるよう取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/83
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084・宮口治子
○宮口治子君 先日の当委員会のこの参考人質疑において、丹羽参考人が、大学法人にはそれなりに一定の規定がありますから、そういうところについては複数のチャンネルでその理事が選ばれることが望ましいというふうに陳述されました。
例えば、大学法人においては理事選任機関を理事長あるいは理事会のみとすることを禁止すべきではないかという意見もありますけれども、この点について文科省の意見はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/84
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085・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
現行制度におきましても、理事の選任、解任は学校法人ごとに多様な方法で行われているところでございまして、理事会が関係者から信任を得て安定的に学校運営を行う基盤となってございます。この点は、大臣所轄法人も知事所轄法人も異なるものではないと考えてございます。
こういった点を踏まえながら、具体的の理事選任機関の取扱いにつきましては各学校法人の判断に委ねたところであり、大学法人も含めまして、理事選任機関を理事長あるいは理事会とすることまでを禁止していない、そういった仕組みとしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/85
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086・宮口治子
○宮口治子君 更問いで済みません。その学校法人に任せて本当に大丈夫ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/86
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087・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
基本は今申し上げましたその法律の立て付けによって運用がなされると思いますが、学校法人の理事の選任につきましては、評議員会の監視、監督機能を定期的に発揮できる、そういう重要な手段であることなども踏まえ、文科省としては、理事選任機関に評議員も含めるなどの工夫により理事会からの中立性を確保するよう周知を図ることも検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/87
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088・宮口治子
○宮口治子君 分かりました。
先ほど古賀委員からも質問が少しあったと思いますが、この大臣所轄学校法人等においては、任意解散、合併、軽微なものを除くこの寄附行為の変更について評議員会の決議を要するとされましたが、ここで理事会の決定と評議員会の決議が相反するものとなった場合、学校法人の意思決定としては否決されることとなりますが、この場合、どのように調整していくことを想定されるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/88
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089・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
理事会の決定とともに評議員会の決議を要する事項につきまして、理事会と評議員会の決議が仮に異なる場合は学校法人としての意思決定が成立しないということになろうかと思います。
今回の改正は、理事会と評議員会の対立を意図するものではなく、理事会と評議員会が相互に牽制し合いながらも総合的に協力し、充実した納得感のある学校法人運営を目指すものでございます。その上で、双方で丁寧な説明を尽くしてもなお意見が分かれた場合の議論の方法また手続等につきましてはあらかじめ明確化しておくことなども必要かと思ってございます。
御指摘などを踏まえながら、文科省といたしましても、本制度の具体の運用に当たりましては、先ほど来申し上げておりますモデル寄附行為、こういったものの作成などを通じましてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/89
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090・宮口治子
○宮口治子君 理事会がこれ出し直したとしても、再度、評議員会が否決するということもあるかと思います。ある程度ルールというのを先に作っておいておかなければ、学校法人としての意思決定がなかなかできずに機能不全に陥っていることもあるんじゃないのかなと、ふうに思いませんでしょうか。建設的な協働を促進するための方策はしっかりと示していく必要があるかと思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/90
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091・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) 評議員会と理事会の意見が異なり、なかなかその意思決定が成立しないというのは、例えば時代のニーズに踏まえた大学改革を行う上で、それは大きな支障になるかと思ってございます。
御指摘の点なども踏まえ、また関係者の意見を聞きながら、どういった工夫が事前にできるか、これについても併せて検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/91
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092・宮口治子
○宮口治子君 それでは次に、理事長と学長の関係について少しお話をお伺いしたいと思います。
今回の改正において、学校法人の意思決定機関が理事会、そして学長は大学の全ての校務について包括的な責任者としての権限を有するとともに、大学運営について最終的な責任を負うという立て付け自体の変更はないということで、理解でよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/92
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093・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) 申し上げます。
学校教育法におきましては、校長は校務をつかさどり、所属職員を監督するとされ、学校における教学面の事項について職務権限を有する、これ間違いはございません。
その一方で、私学法におきましては、理事会は学校法人の業務を決定するとされております。この学校法人の業務とは、学校法人が設置する私立学校の業務を含む学校法人の全ての業務を意味しているものと理解してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/93
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094・宮口治子
○宮口治子君 これ、学校の業務が含まれていくと、大学の学長が決定権限持つような大学事項まで学校法人の業務に含まれてしまうような危険性ってありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/94
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095・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) 最終的には理事長がその学校法人を総理するということでございますので、その理事長が代表して対外的にも説明を行わなきゃいけなくなるということでございます。
そういったことから、全ての業務を理事会が担当するということの立て付けは、これは従来どおりでよろしいかと思ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/95
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096・宮口治子
○宮口治子君 分かりました。
では、先日行われた本委員会での参考人質疑で、丹羽参考人が、監事監査というのはあくまで法人、理事会のチェック機関であって、教学はそこでの監査対象としては本来できないはずと陳述をされました。
教学面について監査の対象となると文科省は考えているんでしょうか。確認をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/96
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097・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) 申し上げます。
私立学校におけるいわゆる教学的な面と経営的な面とは密接不可分のものでございます。また、学校法人が学校の設置管理を行うことを目的として設置される法人であることに鑑みれば、監事の業務は経営面のみに限定されるものではないと考えてございます。
すなわち、教学的な面についても、学校法人の経営に関する問題である以上、学校法人の業務として監査の対象になりますので、寄附行為で定められる監事の職務は教学的な面に及ぶことも考えられると思ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/97
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098・宮口治子
○宮口治子君 監査の対象が教学事項に及んでしまうと、監事が大学の自治を侵害してしまう危険性があるのではないかと危惧する意見もありますけれども、こちらについての見解もお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/98
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099・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) 御指摘の意見があることも承知してございます。
今ほど申し上げましたその監事の教学的な面についての職務執行についてでございますが、この職務執行の際、個々の教員の具体的な教育や研究のそういった内容にまで立ち入ることは想定しているものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/99
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100・宮口治子
○宮口治子君 私立学校法は、私立学校の自主性を尊重する趣旨に鑑み、広く寄附行為による自治を認め、その内容を各学校法人の裁量に委ねてこられました。
その中で、私立学校法を根拠として学問の自由を侵害することはできないという法制度となっていたと理解しますが、今の御答弁だと、学校法人の業務には学校の業務を含むであるとか、例えば教学監査を認めるとかとなってくると、今回改正で学問の自由が侵害されるのではないかと危惧する意見もありますが、この点についてはどのようにお考えなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/100
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101・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
繰り返しになりますが、監事の監査につきましては、個々の教員の具体的な教育研究の内容にまで入ることは想定していないところでございます。したがいまして、教学的な面についての監事の監査の対象とすることをもって学問の自由を侵害するおそれはないと文科省では考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/101
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102・宮口治子
○宮口治子君 ありがとうございました。
では、次の質問です。
証明業務と非監査証明業務を同時提供はできないことについて、公認会計士法の施行令の改正を求めるについて、衆議院の附帯決議で、会計監査人はその独立性を害するような監査証明業務と非監査証明業務を同時提供はできない旨の周知を図ることとされましたが、公認会計士法施行令十条に学校法人をこれ追加すればこの問題というのは解決されると思います。
文科省として、公認会計士法施行令の改正を働きかけるべきだと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/102
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103・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
公認会計士法におきましては、公認会計士は、同法に規定する大会社等から非監査証明業務、いわゆるこれはコンサル業務ですけれども、非監査証明業務により継続的な報酬を受けている場合には監査証明業務を行ってはならないとされているところでございます。また、監査法人につきましても同趣旨の規定が置かれていると承知しております。
公認会計士法上の大会社等に対して適用されるこの規制を学校法人に課すことにつきましては、学校法人には様々な規模の法人が存在すること等から、学校法人にとって過度な負担となる可能性や、また、公益法人や社会福祉法人、こういった他の法人においても当該規制の対象となっていない、こういったことも踏まえながら、慎重に検討することが必要だと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/103
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104・宮口治子
○宮口治子君 ありがとうございます。慎重に検討されるということですけど、これ本当に追加すれば解決するのじゃないかなと私は思います。
では、次の質問をいたします。
経過措置について、これ一年ないしは二年となっておりますけれども、それに間に合うんでしょうか。今後の道筋というふうにはどのようになっているんでしょうか。想定スケジュールの提示というものは行われるんでしょうか。教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/104
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105・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
今回のその法改正に当たりまして、その施行日について検討をいたしました。その際、関係団体等との意見交換を丁寧に行いながら行ったところでございまして、本改正案につきましては令和七年四月一日を施行日としているところでございます。文科省としては、十分な準備期間を取っていると認識しております。
さらに、これに加えまして、必要な人事上の配慮がなされるよう、それぞれに必要な経過措置を設けているところでございまして、こういったことを総体して準備期間としては十分な期間を取っているものと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/105
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106・宮口治子
○宮口治子君 ありがとうございました。
この私学法については、私からの質問は以上でございます。
質問通達はしておりませんけれども、私から、一つお聞きしたい、大臣にお尋ねしたいことがございます。
前回の質問で「はだしのゲン」を見ましたかという質問を私させていただきましたが、大臣、これからもその「はだしのゲン」、今、日本でも、そして広島だけではなくて日本中でもいろいろ話題になっていたこの「はだしのゲン」を見る予定はあるんでしょうか、それとも見るつもりはないでしょうか、そこをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/106
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107・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) お答え申し上げます。
「はだしのゲン」、これやはり相当有名な、まあこう言ってはなんですけど、漫画の本でございます。その点に関しましては私も大変興味がございますので、機会があれば拝読させていただければと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/107
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108・宮口治子
○宮口治子君 ありがとうございました。是非、本当に文科大臣として、この平和の学習等について本当に真剣に取り組んでいただきたく、是非見ていただきたいなと思います。ありがとうございます。
学校っていうと、すごく閉鎖的な空間だなというふうに私は思っています。執行と監視、それから監督の明確化、しっかりとここを分離化してチェック機能を働くような環境にしていただきたい、私からのお願いを申し上げて、以上で質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/108
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109・竹内真二
○竹内真二君 公明党の竹内真二です。本日は質問の機会をいただき、感謝を申し上げます。
早速質問に入らせていただきます。
私立学校は、それぞれの建学の精神に基づきその多様性を発揮し、我が国の公教育に多大な貢献をしております。その建学の精神の数だけ多様性があるということであり、この建学の精神に憧れて多くの子供たちが私学で学び育っていきます。その割合も、先ほど来ありますように、大学、短大で七割、幼稚園で九割を占めるなど、まさに我が国の学校教育を質と量で支えていると言えます。このような学校法人の担う役割は極めて重要であり、今後、子供政策の充実が進む中にあって、学校法人も自らを律し、そのガバナンスをしっかりと構築していくことが大事だと私も考えております。
今回の私立学校法の改正でありますが、ここに至るまでには様々なガバナンス改革案が示され議論がなされてまいりました。当初は、社会福祉法人などを参考に評議員会を最高監督、議決機関とする案が出され、その後、更なる検討が加えられ、現在の法案の形になっております。私は、多くの専門家や学校関係者などが参画をして、議論に議論を重ねるという過程を経て、より実効性の高いものとなる、こうしたことは大変非常に大事なことだと考えております。
言うまでもなく、公益法人というものは、その目的がそれぞれ異なるものでありまして、目的達成のために法人機能が最大限発揮されるということが重要であります。当然、ガバナンスにおいても、そのことを前提として構築されるべきであると思います。ガバナンス、それ自体が目的化することなく、あくまでも私立学校法第一条にも掲げております私立学校の健全な発達と、その教育研究の充実に資するものである必要があると思います。
以上のような基本認識に立った上で、今回の改正案が本当に時代あるいは社会の求めるものになっているのかどうか、質疑を通じてできる限り明らかにしてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
それで、冒頭でも申し述べましたように、私立学校は、公立学校と違い、建学の精神に基づいた多様な教育活動を行っている点に最大の特徴があると考えております。まずそこで、建学の精神とは何か、改めて御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/109
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110・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
建学の精神とは、創立者が学校開設に当たりまして、どのような人材を育成したいかなどの理念や気概、あるいは願いをうたい上げていったものでございます。
特に、創立者が私財を投じて開設された私立学校におきましては、公立学校に比べ、創立者の建学の精神の持つ意味が極めて大きく、それぞれの建学精神に基づいて個性豊かな活動が展開されていることで、我が国の学校教育の発展、普及や多様化する学習ニーズに応じた特色ある教育研究の推進につながっているものと認識しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/110
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111・竹内真二
○竹内真二君 今答弁していただきましたように、この建学の精神、創立の志と言ってもいいんでしょうか、こうしたものはやはり私立学校においてはアイデンティティーとも言える大切に大切に扱うべきものであると私も思います。
一方、今回の法案におきましては、評議員会に一部の議決権が認められているなど、評議員会の権限がこれまでに比べてかなり強化されたものとなっているようにも見えます。一部の関係者からは、脈々と受け継がれてきた建学の精神が脅かされる危険性があるのではないかとの意見も上がっていたと承知をしております。
そこで、文科大臣にお聞きしたいと思うんですが、今回の改正により学校法人の建学の精神が損なわれる危険はないということで間違いがないのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/111
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112・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 竹内委員にお答え申し上げます。
私立学校等に在学します学生生徒等は、これは大学、短大で約七割、そして専修学校で約九割、高等学校で約三割、幼稚園では九割を占めております。建学の精神は、このように質及び量の両面から我が国の教育を支える私立学校等が個性豊かで質の高い活動を行う礎でございまして、尊重すべきものだと、そういうふうに考えております。これまでも理事会が意思決定、執行機関としてこの建学の精神を踏まえた学校法人の運営に当たってきたところでございます。
今回の改正では、理事会と評議員会の建設的な協働の実現を目指し、そして両者の意思決定権限の分配を見直すことをこれ目的としております。これは、評議員会が理事長や理事会へのチェック機能をしっかりと果たすべきとの考えに基づくものでございまして、従来の理事会の権限、責任を前提としつつ、これに対する評議員会における牽制機能を強化することを意図しているものでございます。
改正後におきましても、理事会が意思決定、執行機関であることに変わりはなく、今後も引き続きましてこの理事会を中心にそれぞれの建学の精神に基づき学校法人の運営を行っていくものと考えており、その意味におきましては建学の精神が脅かされることは、脅かされることにはならない、そう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/112
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113・竹内真二
○竹内真二君 最後のところで、大臣の方からも建学の精神が脅かされることはないんだということを明言していただきました。関係者の皆様の懸念を払拭する意味でも、こうした懸念はないんだということで、今後も引き続き是非周知をしていただきたいと思います。
次に、当初案についても少し触れさせていただきます。
この当初案では、評議員会を最高監督、議決機関とするなど、かなりドラスチックな案が示されておりました。これと比べると、現在の案は、評議員会は基本的には諮問機関であることが変わらないなど、現行の基本的な枠組みは維持される形になっております。これは、建学の精神など学校法人の特性を踏まえて再検討した結果だと受け止めており、バランスの取れた妥当な形になっているのではないかとの意見がある反面、当初の案から後退し過ぎており、改革が骨抜きになってしまっているのではないかとの声も聞かれているところであります。
まず、当初案から現在の案となるまでの具体的な経緯、経過というんですか、これを教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/113
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114・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
学校法人制度につきましては、累次の法改正を経てガバナンスの強化を図ってまいりましたが、令和元年、私立学校法改正の際の国会の附帯決議や閣議決定されました経済財政運営と改革の基本方針におきまして、更なる改革の必要性が示されたところでございます。
そのため、文科省に設置いたしました学校法人ガバナンス改革会議におきまして検討を進め、令和三年十二月に、理事に対する監督、牽制を重視し、評議員会を最高監督、議決機関に改めるなどの提言をおまとめいただきましたが、これにつきましては私立大学関係者を始め各方面から様々な意見が寄せられたところでございます。
こうした状況を踏まえまして、学校法人制度改革特別委員会、これは審議会でございますが、ここにおいて、私学関係者の参画を得て改めて議論を重ね、学校法人の沿革やその多様性に配慮し、かつ、社会の要請に応え得る、より実効性のある改革案をおまとめいただいたところでございます。
本法案は、これらの経緯がございましたが、業務と執行と監視、監督の役割の明確化、分離という、こういう基本的な考え方はしっかりと維持しており、議論を重ねることによりまして、より良い形でガバナンス改革を推進することになっているものと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/114
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115・竹内真二
○竹内真二君 今答弁いただきましたけれども、改めてもう一度確認しますが、当初案と現在の案を比較して、当初の案から後退し過ぎており、改革が骨抜きになっていないかということについてはどのように考えているか、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/115
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116・簗和生
○副大臣(簗和生君) お答えいたします。
学校法人ガバナンス改革会議の報告書では、評議員会を最高監督、議決機関とするなどの全く新たな役割分担を含む改革方策を提言いただきました。本提言に対しましては、私学関係者等から、建学の精神を理事会を中心として継承していくといった私立学校の実態や多様性を考慮し切れていないのではないかとの懸念が示されたところです。
今回の改正案は、理事会が意思決定、執行機関であり、評議員会は諮問機関であるという基本的な枠組みを維持しつつ、学校法人ガバナンス改革会議で提言された執行と監視、監督の役割の明確化、分離という基本的な考え方をしっかりと具現化したものです。
具体的には、理事と評議員の兼職を禁止すること、理事選任機関を各法人の寄附行為で明確化するとともに、評議員会による理事の解任請求を認めること、役員近親者の監事就任を禁止すること、監事や会計監査人の選任を評議員会の決議によって行うこと、役員の親族等の評議員就任を制限することなど、相互牽制の働く仕組みとしたところです。したがって、改革が骨抜きにされているとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/116
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117・竹内真二
○竹内真二君 骨抜きになっていないということなんですけれども、特に、この理事会を理事選任機関にすることが可能であったり、評議員を一定程度理事会が選任することができたりするなど、やはり理事会に対する評議員会の牽制機能が形骸化してしまうのではないかという心配の声も寄せられているところでありまして、理事会に対する評議員会の牽制機能というものがやはり形骸化してしまう、こうした懸念に対してはどう考えておりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/117
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118・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
今回の改正におきましては、建学の精神を受け継いでいる理事会が意思決定機関、評議員会が諮問機関であるという基本的な枠組みを維持しつつ、評議員会の監視、監督機能を可能な限り高めるようガバナンス改革を進めるものでございます。
具体的には、理事選任機関が理事選任を行う際には、評議員会の意見聴取を必須化し、監事、会計監査人につきましては評議員会が選解任することとする、いわゆる人事面での権限強化のほか、加えまして、評議員による監事に対する理事の行為の差止め請求や責任追及の求めなど、いわゆる牽制機能の強化、さらに、一定の割合による評議員会の招集権限を付与すること等による評議員会運営の実効性の担保、こういったことを講じているところでございます。
総合的な取組により牽制機能が働くこととなっておりまして、御指摘がございました、形骸化することにはなってなく、それを防ぐ、逆に防ぐ仕組みになっているものと認識しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/118
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119・竹内真二
○竹内真二君 今御答弁にありましたように、防ぐ仕組みになっているということでしたけれども、それでは、今回の制度改正によって日本大学などで発生したような学校法人の不祥事は防止することができるようになっているのかについて、改めて見解を求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/119
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120・簗和生
○副大臣(簗和生君) お答えいたします。
今回、失礼しました、本法案では、執行と監視、監督の役割の明確化、分離と、学校法人の多様性や独自性の双方のバランスを考慮し、人事面等の仕組みにとどまらず、評議員による監事に対する理事の行為の差止め請求や責任追及の求めなど評議員の権限強化、会計監査の仕組みの導入、大規模な法人における常勤監事の必置の義務化、情報公開、訴訟等に関する規定の整備、そして刑事罰や過料の新設などの様々な仕組みを設けることによって、理事の業務執行や理事会運営の適正性を確保する仕組みを総合的に構築しているところです。
今回の改正を踏まえ、それが各現場で確実に運用されることにより同様の不祥事事案について防止することができるものと考えており、制度の運用がしっかりとなされるよう、文部科学省としても、モデル寄附行為の作成などを通じて、改正法の趣旨等について周知徹底してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/120
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121・竹内真二
○竹内真二君 ありがとうございます。
簗副大臣の方から、きちんと同様の不祥事案防止ができるということで、モデル寄附行為等もこれから作成していただけるということですので、是非よろしくお願い申し上げます。
次に、小規模法人への配慮についても、私の方からも質問をさせていただきます。
全国で学校法人は七千六百以上存在するとのことでありますけれども、その中には文部科学大臣が所轄する大学を設置するような大規模な法人がある一方で、都道府県知事が所轄する幼稚園を設置するような小規模な法人も存在をしております。こうした小規模な学校法人については、その実情なども考慮をして大規模な学校法人と合理的な区別を設けるべきだと考えるものであります。
そこで、小規模な学校法人に対する配慮としてどのような措置がとられることとなっているのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/121
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122・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
執行と監視、監督の役割の明確化、分離というガバナンスの基本構造につきましては、学校法人の規模にかかわらず共通した対応とすることが適切であると考えますが、その一方で、事業規模が小さい等の理由により、負担の軽減と運営の継続性を確保する観点から、現状から変更が生じる事項についてより慎重な配慮が必要な学校法人が存在していることも事実でございます。
このため、大臣所轄学校法人等とその他の法人とでそれぞれの規模に応じたガバナンスが適切に発揮されますよう、適宜対応を分けることとしたところでございます。具体的には、任意解散、合併、重要な寄附行為の変更につきましては評議員会の決議を要すること、会計監査人の設置を行うこと、情報公開を、公表です、失礼しました、情報公表を義務付けることなどにつきまして、大臣所轄学校法人等にのみ求めることとしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/122
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123・竹内真二
○竹内真二君 ありがとうございます。
また、関連してですけれども、この評議員会の権限が拡大する一方、理事と評議員の兼職が禁止されるとともに、理事の親族の評議員への就任についても一定の制限がなされることとなり、やはり地方の小規模な学校法人においては評議員にふさわしい人材の確保が難しくなるのではないかという声もいただいております。
評議員の構成に関する要件について、今回の改正によってどのような要件が加わることになるのか、文科省の考えをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/123
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124・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
今回の改正におきましては、各機関の役割を明確化し、執行と監督の機能を分離する観点などから、評議員の構成に関する要件といたしまして、理事と評議員の兼職禁止や評議員における役職近親者の人数の上限等を定めているところでございます。また、現行制度におきましては理事の定数の二倍の数を超える数の評議員を選任しなければなりませんが、改正後におきましては、理事と評議員の兼職を禁止することに伴いまして、評議員の定数は理事の定数を超えればよいとしたところでございます。
したがいまして、多くの学校法人におきましては、理事を兼職していない評議員を要件を満たしている限り引き続き評議員とすることが可能であり、新たに別の評議員を確保することが必要となるケースは少ないのではないかと文科省としては考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/124
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125・竹内真二
○竹内真二君 今御答弁いただいたんですが、評議員にふさわしい人材の確保がしっかりとなされることとなるように、この点については文部科学省としてはどのような対応を行うのかについてもお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/125
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126・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
今回の改正におきましては、まず施行日を令和七年四月一日とすることにより、学校法人に対して十分な準備期間を設けることとしたところでございます。
これに加えまして、経過措置といたしまして、役員、評議員の資格、構成に関する新たな要件、例えば理事、監事及び評議員の兼職禁止などでございますが、こういった新たな要件の対応につきましては令和七年度の最初の定時評議員会の終結のときまで猶予すること、また、評議員に関する要件の、構成要件の一部、これ近親者等の要件でございますが、こういった要件につきましては、改正法の施行から、大臣所轄法人につきましては約一年、そのほかの学校法人につきましては約二年、これを猶予することとしております。
制度移行に際し、学校法人には過度な負担が掛からないよう配慮してまいりたいと思います。また、学校法人が今回の制度改正の趣旨や内容をしっかりと理解した上でふさわしい人材が確保できるよう、文科省においては積極的に学校法人に対する支援を努めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/126
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127・竹内真二
○竹内真二君 次に、私からも制度改正後の運用について質問させていただきます。
今回、かなりの大規模な制度改正を行うこととなり、国、都道府県における行政コストの増大や各学校法人の負担はかなりのものとなることが予想されます。これほどの制度改正を行うからには、制度改正による効果が最大限発揮されるよう、制度の運用をしっかり行っていかなければなりません。
学校法人や都道府県において制度の運用開始までにどのような対応が必要となるのか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/127
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128・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
今回の改正では、役員、評議員の構成等に関する新たな要件を設け、選任、解任に関する規定を見直すほか、大臣所轄法人等におきましては、意思決定の在り方の見直しや会計監査人による会計監査の制度化を図ることといたしているところでございます。
制度移行に際しまして、学校法人においては、理事選任機関の設置や、役員、評議員の構成及び具体的な人選等の内部的な検討を進めた上で、寄附行為の変更を始めとする必要な対応を取ることが求められます。
また、所轄庁として学校法人に対し指導助言を行う立場にある各都道府県におきましては、政省令等の改正を踏まえまして、例えば寄附行為の認可に関する審査基準、こういったものなど関係する規則等の改正を行う必要があるかと考えております。
それらが整い次第、学校法人の寄附行為変更のための手続を進めることになろうかと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/128
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129・竹内真二
○竹内真二君 そうしますと、やはり全ての学校法人が寄附行為を変更して人事面での検討や対応を行うなど、やはり運用開始までにかなりの対応が必要ということになります。
今次の法改正を受けた寄附行為の見直しや適任の役員、評議員の確保を始め、学校法人経営に対し、各所轄庁が適時適切に助言していくことが不可欠であると考えております。
法改正の成否というものは、やはり所轄庁である都道府県や幼稚園まで含めた全ての学校法人に改正内容の周知、浸透が図られ、適切に運用されるかどうかに懸かっております。改正内容を周知、浸透させて適切に運用されるために、文科省として学校法人や都道府県に対してどのように対応されていくのか、見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/129
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130・簗和生
○副大臣(簗和生君) お答えいたします。
新制度の効果を最大限発揮させるためには、委員御指摘のように、都道府県や各学校法人が今回の制度改正の趣旨や内容をしっかりと理解するとともに、学校法人が自ら率先してガバナンス改革を行っていただくことが重要であると考えております。
そのため、文部科学省においては、政省令等の改正に合わせて学校法人や都道府県向けの説明会の実施、モデルとなる寄附行為例の作成、そして寄附行為変更に関する個別法人相談等の取組を積極的かつ丁寧に行い、今回の制度改正の周知徹底を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/130
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131・竹内真二
○竹内真二君 今、説明会も実施していただけるということでありましたけども、今後、制度の詳細な設計や運用を行っていくに当たっては、現場の声をしっかりと聞いていただいて、真に実効性のある制度改革となるように丁寧に対応していっていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、関連して、私立大学の振興施策についてお聞きしたいと思います。
少子化が急速に進む我が国において、私立大学は一層厳しい状況に置かれていくことが予想されております。
一方で、少子化が進む我が国が今後とも発展していくためには、労働人口の減少の中にあってもしっかりと日本経済や社会を支える人材の育成が必要であり、そうした観点から考えれば、我が国の七割の学生の育成を担っている私立大学の質を向上させることによって、より多くの質の高い人材を輩出していくことが重要になっております。
改めまして、少子化の中にあっての私立大学の必要性、重要性について、永岡文部科学大臣の見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/131
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132・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) お答え申し上げます。
私立大学は公の性質を有する学校といたしまして、国公立大学とともに我が国の大学教育の一翼を担っております。そして、それぞれの建学の精神に基づきまして、個性豊かな活動が展開をされているところです。
私立大学の主な入学者でございます日本の十八歳人口が減少する中で、その規模を縮小すべきではないかという声もあります。しかしながら、社会人の学び直しや海外の高等教育需要の増加など、時代の変化と社会のニーズに応じて教育研究の質を高めることにより、我が国の大学教育を支える私立学校の重要性というのはますます高くなっていくものと考えております。
文部科学省といたしましては、時代と社会の変化の中でこのような新たなニーズを的確につかみ、そして独自の取組を展開していこうとする意欲のある私立大学をしっかりと支援をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/132
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133・竹内真二
○竹内真二君 大臣、ありがとうございます。
こうした私立大学の振興に当たっては、単に私学助成を増額していくということではなくて、社会のニーズに対応して改革を進めているような私学に対しては手厚く支援を行うなど、めり張りを利かせた支援をすることによって頑張る私学を応援していくといった支援の在り方が必要なのではないかと考えております。
めり張りのある私学助成や頑張る私学への支援の充実についてどのように対応されていかれるのか、この点についても大臣の見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/133
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134・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 私立学校は、大学等で七割を超える学生が在籍をいたしまして、建学の精神に基づいた個性、そして特性あふれる教育を実施しておりまして、我が国の学校教育において重要な役割を果たしております。
私学に対します助成は、こうした私立学校が果たす役割の重要性に鑑みまして、私立学校の教育条件の維持向上、学生等の修学上の経済的負担の軽減、また私学の経営の健全性の向上を図ることを目的としておりまして、私立学校の振興に大きな役割を果たしております。
こうした観点を踏まえまして、私学助成においては、教育の質に係る客観的な指標を通じためり張りある資金の配分ですとか、我が国の課題を踏まえ、特色や強みの伸長に向けた改革に全学的、組織的に取り組む大学等への重点的な支援などを実施をしております。
また、文部科学省といたしましては、基盤的経費である私学助成の確保に併せて、成長分野におけます学部転換等に対し基金によります持続的な支援を行う大学・高専機能強化支援事業、それから高等教育の修学支援も含めまして、私立大学の総合的な支援を行っているところでございます。
今後とも、時代や社会の変化に対応して積極的にチャレンジする私立大学をしっかりと後押しをしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/134
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135・竹内真二
○竹内真二君 大臣、ありがとうございます。
今、様々なやはり私立大学を取り巻く環境というのは大きく変化しておりますので、ガバナンス改革を含め、様々な施策を講じることによって私学の質の向上を図り、我が国の今後の発展に資するような施策を今後とも講じていただくようお願いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/135
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136・高橋克法
○委員長(高橋克法君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
午後零時十三分休憩
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午後一時二十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/136
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137・高橋克法
○委員長(高橋克法君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、私立学校法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/137
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138・松沢成文
○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文でございます。
大臣、また午後も各委員から盛りだくさんの質問が行きますので、どうぞよろしくお願いいたします。
法案の質疑に入る前に、政治家永岡桂子様に質問をさせていただきたいと思うんですが、大臣御承知のとおり、いよいよ現在の国民負担率が四六・八%、国民は働いて稼いでも半分は税や社会保障で持っていかれると、こういう時代ですよね。
それで、日本を守るためということで、私はその方向性には大賛成ですが、例えば防衛費の増額とかあるいは少子高齢化の財源に、また増税をやっていこう、あるいは保険料の値上げでいこうというような議論が今、政府・与党の中で行われています。私たち日本維新の会はそれには反対でありまして、まず徹底した歳出改革、もう歳入庁をつくって無駄を省くとか、あるいは租税特別措置なんかを大胆に見直して歳入改革によって財源賄うべきだと、あるいは徹底した規制緩和によって経済を大きくしてその税収でやっていく、その方向がなければ駄目だということなんです。
ただ、国民を、国民負担を強いるのであれば、そうであればこそ、逆に国会議員が隗より始めよでその改革姿勢見せなきゃいけないということだと思うんですが、実はこれ、各党で既に約束している調査研究広報滞在費の改革ですよね、昔の文書通信費、これ各党で合意をしているんです、昨年中に。で、今国会で結論を得るというのがこれ与野党の合意なんですけれども、それがなかなか達成されていません。
それで、岸田政権の中で、国民負担をお願いしている大臣であり、かつ、与党に属する政治家の一人として、この問題を放置したままでいいとお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/138
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139・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 松沢議員にお答え申し上げます。
この御指摘の昔の文書交通費、今でいいますと調査研究広報滞在費につきましては、議会政治ですとか、あとは議員の活動の在り方に関わります重要な課題であると認識をしております。そして、この議論は各党の会派において議論いただくべきものでありまして、議論はしていると承知をしております。
そんな中で、やはり国民の皆様から御理解をいただける合意に至りますように、是非本格的な議論が進むこと、これは私も大変願っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/139
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140・松沢成文
○松沢成文君 大臣も自民党の政治家としてこの改革は進めるべきだというお考えをお持ちだということは確認をしました。
それでは法案の質疑に入ります。
まず、この法改正の経過についてお尋ねしますが、これまで幾つかの大学で理事長の独裁や理事会の独走というか暴走による不祥事が相次いだ背景には、これ、トップダウンによる迅速な意思決定で大学改革を加速させるために二〇一四年に学校教育法を改正して教授会を弱体化させたことがあるとの、理由としてですね、指摘が一部でなされています。この点については大臣はいかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/140
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141・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 私立学校法におきましては、理事長を含みます理事の業務の執行の監督は理事会とそして監事が行うべき職務とされております。また、評議員会は教職員もその構成員とされておりまして、学校運営の重要事項について意見を述べることができるということにされております。
平成二十六年の学校教育法の改正は、教授会の審議事項の明確化を目的として行われたものでございまして、そもそも教授会はあくまで教育研究に関する事項を審議する機関であり、また、経営面におけます理事長の監督を担う機関ではないことは、その改正の前後を通じて一貫して変更がございませんでした。したがいまして、これらの制度改正と今般の不祥事事案を関連付けて考えることは適当ではないと、そういうふうに思っているところでございます。
今回の私立学校法の改正というのは、理事会や評議会によります理事長のチェック機能を強化することを目的としておりまして、理事長によります不祥事の事案の防止に資することになると、そう考えております。
なお、時代の変化が激しい中で、国民のニーズを踏まえた学校改革等を迅速に進めるということは一層重要になっていると考えておりまして、経営と教学の協力によります充実した取組というものを期待しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/141
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142・松沢成文
○松沢成文君 これまで各委員から御指摘ありましたけれども、この私立大学の不祥事が続く中で、学校法人の新たな改革の方向性を打ち出すという目的でいろんな会議体ができました。学校法人のガバナンスに関する有識者会議から始まって、学校法人ガバナンス改革会議、そして、その後に学校法人の制度改革特別委員会という三つの会議体で、ある意味、長期間にわたって議論が行われ、今回ようやく法案提出に至ったという過程だと思います。
それで、この私立大学のガバナンスを強化するための法案作成に至る中で、このようにメンバーが異なる会議体が順番に三つも設置されて、長期間を要して混乱してしまったと私は見るんですが、その理由をお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/142
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143・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
経緯についての御質問がございました。
学校法人制度につきましては、累次の法改正を経てガバナンスの強化を図ってまいりました。令和元年の私立学校法改正の際の国会の附帯決議、閣議決定されました骨太の方針におきまして、更なる改革の必要性が改めて示されたところでございます。
そのため、令和二年一月から学校法人のガバナンスに関する有識者会議を開催し、二点ございます。一つは、長中期的な研究、教育研究の質の向上を図る攻めのガバナンス向上、もう一点は、不祥事事案の発生を防ぎ社会からの信頼を確保する守りのガバナンス確保、こういったことを求める改革方策の基本的な方向性を御提言いただいたところでございます。
これらの基本的な方向性を踏まえまして、文部科学省に設置いたしました学校法人ガバナンス改革会議におきまして検討を進め、令和三年十二月に、理事に対する監督、牽制を重視し、評議員会を最高監督、議決機関に改めるなどの提言をおまとめいただいたところでございますが、これまでも御説明申し上げましたように、私立大学関係者を始め各方面から様々な御意見が寄せられたところでございます。
こうした状況を踏まえまして、学校法人制度改革特別委員会、これは審議会でございますが、この審議会におきまして、私学関係者の参画を得て改めて丁寧な議論を行い、改革の基本的な方向性は維持しつつ、学校法人の沿革や多様性に配慮し、かつ、社会の要請に応え得る実効性のある改革案をおまとめいただいたところでございます。
本法案は、こういった経緯を踏まえつつ、業務の執行と監視、監督の役割の明確化、分離という基本的な考え方を維持しておりまして、その上で議論を重ねることにより、より良い形でのガバナンス改革を推進するものになっているものと認識しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/143
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144・松沢成文
○松沢成文君 丁寧な議論ということですが、議論があっち行ってこっち行って、かなり混乱したようにも見受けられます。
この理事会と評議員会の位置付けについて言えば、現行法では、理事会は最高議決機関、そして評議員会は理事長の諮問機関とされています。これが、改革会議の報告書では評議員会を最高監督、議決機関にする案が示されて、さらに、今回の改正案で、理事会を意思決定機関として維持しつつ、評議員会は諮問機関に加えて監督機関とすることとなりました。
そのほか、評議員や理事の選任、解任方法についても同様に、改革会議の踏み込んだ改革案に私立学校側が反発したことを受けて、改正案はより穏便な内容に落ち着いたというふうに思います。
総じて、改正案は私学関係者も委員として参画した特別委員会の報告書を基に作成されていますが、その内容は、改革会議の報告書が求めた大幅な改革からは後退して、理事会の権限維持を求める私学側と評議員会の権限強化を求める改革会議側とのある意味で折衷案と受け止められます。この点について、文科省のお考えをお示しください。
また、今後、この法改正を経ても不祥事が続くようであれば、改革会議の報告書で示されたような、改正案より厳しい規制を再検討する用意があるというふうに考えていいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/144
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145・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) お答え申し上げます。
学校法人ガバナンス改革会議の報告書では、理事会を中心として建学の精神を継承していくといった私立学校の実態や多様性を考慮し切れていないのではないかという懸念が示されたところでございます。
今回の改正案では、学校法人ガバナンス改革会議で提言されました執行と監視、監督の役割の明確化、分離という基本的な考えを維持しつつ、建学の精神の尊重など学校法人の持つ独自性などに配慮をいたしまして、現場への影響も鑑みて適切な見直しを加えたものとなっていると考えております。
今回の改正を踏まえまして、それが各現場で確実に運用されることによりまして不祥事事案を防止することができるものと考えており、制度の運用がしっかりとなされますように、文部科学省といたしましても、モデル寄附行為の作成などを通じて、改正法の趣旨等について周知徹底をしてまいりたいと考えております。
しかしながら、学校法人のガバナンス改革につきましては、言うまでもなく、これ不断の見直しを行いまして、社会の期待にしっかりと応えていく、そういうことが重要であるというふうにも考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/145
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146・松沢成文
○松沢成文君 先週の参考人質疑でも私取り上げたんですが、私立学校の教学と経営はそれぞれの機関が適切にチェック・アンド・バランスを行いながら運営していくことが望ましいと考えています。
龍谷大学の丹羽参考人もおっしゃっていましたが、法人マターとされる経営と学校マターとされる教学との間は、分離されるとはいえ、完全に分離することが困難であることは明らかであり、微妙なバランスの上でこれらの関係は形成されることにならざるを得ませんとおっしゃっていました。
法的には、学校法人の組織、これは、理事長とか理事会とか評議会なんかを提起するのは私立学校法で、私立学校の組織、これ学長、学部長、教授会等は学校教育法でそれぞれの役割を定めております。
そこで伺いますが、今回の私学法改正の効果は、学校教育法で定められる私立大学の組織、教学面へ直接的に及ぶと考えてよろしいでしょうか。
衆議院の委員会答弁では、教学面についても理事会がその責任を持って最終的な決定を行うことがあることに加え、監事による監査の対象になるということを明らかにしています。それでは、今回の改正の効果が教学面に及ぶとした場合、どのような効果を与えることになるのか、具体的にお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/146
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147・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
学校教育法におきましては、校長は校務をつかさどり、所属職員を監督するとされ、学校における教学面の事項について職務権限を有する一方で、今御紹介ありました私学法においては、理事会は学校法人の業務を決定するとされているところでございます。この学校法人の業務とは、学校法人が設置する私立学校の業務を含む学校法人の全ての業務を意味しているというものでございます。
したがいまして、教学面につきましては、まずは校務に関する決定権を有する校長において意思決定が行われることになりますが、最終的には、法人運営の最終的な責任を有している理事会が、教学側の自主性を十分に尊重しつつ、その権限と責任の下で必要な決定を行うこととなるものと考えております。
この点は、現行制度におきましても、今回の改正後におきましても変わるものではなく、法人側と教学側とは法律に基づく相互の役割分担を理解し、協力し合いながら学校運営を行っていくことが重要だと考えてございます。
また、監事についてのお尋ねがございました。
私立学校におけるいわゆる教学的な面と経営的な面とは密接不可分のものでございまして、学校法人が学校の設置管理を行うことを目的として設置される法人であることに鑑みれば、監事の業務は経営面のみに限定されるものではないと考えます。
すなわち、教学的な面についても、学校法人の経営に関する問題である以上、学校法人の業務として監査の対象となりますので、寄附行為で定められる監事の職務が教学的な面に及ぶことも考えられるところでございます。
ただし、個々の教員の具体的な教育や研究、そういった内容まで立ち入ることは想定されていないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/147
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148・松沢成文
○松沢成文君 次に、理事の選解任についてお伺いしたいと思うんですが、今回の法改正に至った一連の不祥事の最大の原因は、各学校法人が寄附行為で定めさえすれば、理事長や理事会への権限集中が可能になるという点にあったと言えると思います。
改正案で新たに設けられた理事選任機関は、それを設置すること以外は全て寄附行為に定めることとされています。
この点について、衆議院の委員会において、政府は、理事長、理事会などが法人の判断により理事選任機関となり得ると答弁をいたしました。これでは、寄附行為で定めさえすれば、理事長や理事会が全ての理事を選任することができてしまうことになり、最大の問題が見逃されたままになります。権限集中を見直すことにはつながりません。
確かに、小さな学校法人では、機動的に理事会が次の理事を選任することを認める必要があるかもしれません。しかし、少なくとも大学などの大臣所管学校法人については、理事選任機関を理事長あるいは理事会のみとすることは禁止すべきであると考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/148
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149・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 今般の法改正は、我が国の公教育を支えます私立学校の教育研究の質の向上を図る観点から、建学の精神を受け継いでいる理事会が意思決定機関、そして評議員会が諮問機関であるという基本的な枠組みを維持しつつ、評議員会の監視、監督機能を可能な限り高めようと、そういうガバナンス改革を進めるものでございます。
現行制度でも、理事の選任、解任は学校法人ごとに多様な方法で行われておりまして、理事会が関係者から信任を得て安定的に学校運営を行う基盤ともなっていることなども踏まえて、具体的な理事選任機関の取扱いについては各学校法人の判断に委ねたところでございます。
また、その際、今般の改正におきましては、執行と監視、監督の明確化、分離と、学校法人の多様性やまた独自性の双方のバランスを考慮いたしまして、理事選任機関を寄附行為で明確に定めるよう法定し、そして当該理事選任機関はあらかじめ評議員会の意見を聴かなければならないこととしました。
このような基本的な考え方につきましては、大臣所轄法人とそれ以外の法人との間で異なる環境にあるものではなくて、同一の取扱いをする必要があると考えております。
今後、理事の選任に当たりましては、今般の法改正の趣旨を踏まえた適切な運用が全ての学校法人でなされますように、文部科学省といたしましても、モデル寄附行為の作成等を通じてしっかりと働きかけてまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/149
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150・松沢成文
○松沢成文君 まあ理事選任機関が理事長あるいは理事会のみでも、寄附行為によってはこれ構成できてしまうというのは、私は、権力の集中に対する制御というのはできないんじゃないかと大いに心配をしているところでございます。
次に、理事会と評議会との関係について伺います。
これまでは、執行責任を担う理事のほとんどが諮問機関の評議員を兼務し、監視の役割を果たしていませんでした。そこで、今回の改正では、私立大学組織内での権限行使について、業務の執行と監視、監督機能を明確に分離して、相互チェックの仕組みを確立することがポイントとなっています。特に、理事会と評議員会間において、チェックされる者がチェックする者を選ぶという現状を変えることが大きなテーマになっています。この点について、理事と評議員の兼職を禁止したものの、理事や理事会が評議員総数の二分の一までを選任することを可能とし、さらに、理事の親族などの特別利害関係人を評議員総数の六分の一まで認めています。
これ、これまでも議論に出ていましたが、すなわち評議員総数の三分の二までを理事会の意向を受け入れる人物とすることが可能となるわけです。これでは、評議員会は理事会の実質的支配下に置かれてしまうことから、期待される監視、監督と牽制機能を発揮することができないんじゃないでしょうか。
評議員は、理事会や、理事長や理事会ではなく、評議員会又は選任のための中立的な機関が任命すべきであると考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/150
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151・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 評議員会につきましては、特定の利害関係に偏らない、そういう幅広い意見を反映できる仕組みとすることが極めて重要と考えております。
今回の改正におきましては、現行制度におきましても、各学校法人の実態に応じて多様な方法で評議員の選任がなされていることに鑑みまして、評議員の選任方法につきましては各学校法人の寄附行為に委ねることとしております。
一方で、評議員会の牽制機能の実質化を図る観点から、理事、理事会により選任されます評議員に一定の上限を設けるとともに、選任された評議員の身分などにも着目いたしまして、これらの選任された評議員、これ総数ですね、総数に占める割合の上限を設定することとしております。
文部科学省といたしましては、今回の改正が執行と監視、監督の明確化、分離という原則をしっかりと守りつつ、建設的な協働と相互牽制の関係の確立を図るものであることを踏まえまして、新たな制度の運用が適切になされるように、モデル寄附行為の作成等を通じまして、今回の制度趣旨の徹底にしっかりと取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/151
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152・松沢成文
○松沢成文君 理事が評議員を兼務することは禁止されたわけですけれども、教職員が評議員を兼職することは、これ禁止されていません。教職員である評議員の数は、評議員総数の三分の一を超えてはならない上限が、そういう上限が定められてはいるものの、なぜ現職の教職員が評議員に就任する道を残したのかという疑問もあります。
もちろん、教職員の方は学校の現場を知っているわけで、ステークホルダーの一部であるとは思いますが、理事会が雇用権限を持つ被雇用者である教職員が評議員になると、理事会への牽制機能というのが果たされなくなるという見方もありますが、それについてはどうお答えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/152
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153・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
現行制度におきましても、評議員には学校法人の職員を必ず含めなければならないとされており、このことは改正後においても変わるものではありませんが、これは、教学面と経営面の協調の必要性という学校法人の持つ独自性に鑑み、教職員の意見を踏まえた学校運営ができるようにするための制度と考えております。
他方、学校法人のガバナンス強化の観点からは、評議員会において特定の利害関係に偏らない幅広い意見を反映することが重要であると認識しており、これらのバランスを考慮しつつ、現行制度の下で教職員評議員が評議員に占める割合を踏まえながら、今般の改正において三分の一までとする制限を設けたところでございます。
また、今般の改正におきましては、評議員による不正行為があった場合には、監事が所轄庁に報告しなければならないこと、あるいは所轄庁が評議員の解任勧告を行うことが可能であること等について改めて定めており、評議員会が健全に機能していないような場合への対応手段も複数設けたところでございます。
文科省といたしましては、まずはこの制度改正の趣旨や内容を所轄庁である都道府県そして各学校法人にしっかりと周知し、丁寧にその趣旨が伝わるように努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/153
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154・松沢成文
○松沢成文君 次に、評議員会の構成について伺いますが、現行法では、評議員会に議長を置く、これ四十一条の四項、そう定められているのに、この今回の法案ではあえてこの規定を削除しております。
現行法のこの規定があることで、問題になるなど支障となる事実があったんでしょうか。今回削除した理由をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/154
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155・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
今回の法改正では、学校法人固有の事情を特段考慮する必要のない事項につきましては社会福祉法人や公益財団法人等の他の法人の制度を参考にしたところでございます。これらの法人制度におきましては、評議員会の議長に関する規定はなく、評議員会に議長を置くかどうかは各法人の判断に委ねられているものと承知しております。
学校法人におきましても、評議員会の運営に当たり議長を置くことは必ずしも必須の要請でないことから、今回の改正では評議員会に議長を置くかどうかは各学校法人の判断になることとしたところでございます。
なお、改正後も多くの学校法人では引き続き評議員会に議長を置くことも十分あると思われますので、学校法人の判断により評議員会に議長を置くことができることにつきましても改めて丁寧に周知してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/155
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156・松沢成文
○松沢成文君 閣議決定を経た二〇一九年の骨太の方針では、学校法人も同じ公益法人である公益財団法人や社会福祉法人と同等のガバナンス機能を目指すとしていました。しかし、今回の改正案は、建学の精神や大学の自治が尊重されることから、公益財団法人や社会福祉法人と同等の厳しいガバナンス規制はなじまないという結論になったはずです。それなのに、そのままでも問題ない規定を公益財団法人や社会福祉法人と横並びで削除することの意味が私には分かりません。
評議員会の議長は、評議員相互の、評議員の互選で評議員の中から選出するのが私は当然であると考えますが、それに対する見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/156
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157・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
現行法に、現行上におきましても様々な工夫が各法人においてなされているものと考えております。
具体の取扱いについては、先ほど来申し上げておりますとおり、各法人において御判断いただくことになるかと思いますが、文科省としては、具体的な学校法人の取組に資する好事例などもしっかりと収集いたしまして、各法人に周知してまいりたいと思ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/157
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158・松沢成文
○松沢成文君 次に、監事の常勤化について伺います。
本改正案では、大臣所轄学校法人等のうち事業規模等が大きいものは常勤の監事を置かなければならないこととされています。先ほど古賀委員からの質問もありましたが、この事業規模についての数字は、私学部長、お答えにならなかったんですね。
ただ、これ、各大学は今、どれぐらいの事業規模だと常勤監事を置かなきゃいけないか非常に迷っているところですので、改めてお聞かせいただきたいと思いますが、事業規模が大きいものとはどの程度の規模の学校法人が該当することになるんでしょうか。大まかな数字をお示しください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/158
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159・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) あくまでも検討中でございますが、現時点におきましては、事業規模として、例えば法人の事業活動等の収入百億円又は負債二百億円以上とすることなどが考えられているところでございます。
今後、具体的な事業規模等につきましては、任意に実際問題、今常勤監事を設置している大学法人等もございますので、そういった法人の事例や、また関係者の声などを参考といたしまして、適切な対象範囲を検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/159
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160・松沢成文
○松沢成文君 事業活動収入規模百億円又は負債二百億円以上と大まかな数字が出てきたので大学の方も大分対応しやすくなると思いますが、それに加えて、例えば範囲ですよね、複数の都道府県にまたがっている大学はやらなきゃ駄目ですよとか、こういう範囲に、活動している範囲についても規定をしていくんでしょうか、これから。そうしたら、その方針をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/160
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161・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) 今まさに検討段階でございまして、今申し上げましたその規模について検討しているところでございます。
御指摘いただきましたその範囲なども必要に応じて加味しながら、どのような規模の設定がいいか、また、関係者の意見を聞きながらも丁寧に検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/161
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162・松沢成文
○松沢成文君 それでは、最後に、学校経営への学生の参加ということでお聞かせいただきたいんですが、学校法人の利害関係者、ステークホルダーは、もちろん文科省から始まり理事会、評議会、監事、教職員と来ますが、それだけではありません。学生というのがあるんですね。この学校の運営自体も、運営費のおよそ一割は補助、文科省からの補助金ですけれども、大体六割以上が学生が納める学費に依存しているわけですね。
これまでも、様々、このファカリティーディベロップメントというんですか、こう呼ばれて、学生をその様々な大学の運営に参加させるという動きも強まってきています。ただ、これ一方で、学生運動のトラウマがあって、やっぱりああやって学生運動が激しくなってそれがもう学校の運営にも強烈に介入をしてくると学校運営が混乱するというトラウマも私はあるとは思います。
ただ、今後の大学のガバナンスを強化する上で、学生もステークホルダーとして何らかの形で経営に参加し、チェックできるような仕組みを取り入れることも検討すべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/162
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163・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 私立の学校というのは公の性質を有する学校でございまして、国公立学校とともに我が国の教育制度の一翼を担っている、そういう認識をしております。
その私立学校を設置をいたします学校法人の運営に当たりましては、設置をする学校において、教育サービスを受ける側であります学生生徒やまた保護者の声に耳を傾けるということは重要であると考えております。
今般の法改正におきまして、学生生徒や保護者の意見聴取等に関する具体的な仕組みが盛り込まれているわけではありませんけれども、例えば、評議員会に学生生徒、保護者の意見が反映できるような人選も可能となっております。
いずれにいたしましても、この制度の運用に当たりましては、学生生徒やまた保護者の意見を尊重することの重要性につきましても、周知徹底、しっかりと図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/163
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164・松沢成文
○松沢成文君 よろしくお願いします。
それでは、最後に、先ほど臼井委員も取り上げておりましたが、幼稚園等における送迎バスの置き去り防止策についてお伺いしたいと思います。
昨年九月に静岡県で、三歳の園児が通園バスに置き去りとなり、熱中症で亡くなるという大変痛ましい事件が起きました。その後も全国で同様の事案が発生したことを受けまして、この四月から通園バスに安全装置を設置することが義務化されています。ちなみに、設置が義務付けられている幼稚園などでは、取付け費用を含めてバス一台当たり十七万五千円の国の補助金が手当てされています。
こうした中で、安全装置の設置には一年間の猶予を設けましたが、政府は、熱中症の危険が高まる六月まで、私は、五月からもう真夏日がありますからね、もっと早いと思うんですが、まあ六月、五月までの設置を推奨、文科省は六月までの設置を推奨している状況であります。しかしながら、国がガイドラインに適合する安全装置のリストを公表したのは一月下旬、三月に入ってから事業の詳細が届いた自治体もあり、設置は思うように進んでいないと聞いています。果たして暑さが本格化するまでに間に合うのか、心配であります。
そこで、文科省が所管する幼稚園や、幼稚園型認定こども園、そして特別支援学校などでの現時点での補助金の申請状況と設置状況をお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/164
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165・藤江陽子
○政府参考人(藤江陽子君) 委員御指摘いただきましたように、子供のバス送迎に関する安全対策として、昨年十月に関係府省会議でこどものバス送迎・安全徹底プランを取りまとめまして、文部科学省といたしましては、省令改正により、子供の所在確認ですとか幼稚園等の送迎バスへの安全装置、装備を義務付けるとともに、送迎用バスへの安全装置の導入支援、登園管理システムの導入支援、子供の見守りタグの導入支援等を行うことといたしまして、その実施に向けて令和四年度の第二次補正予算におきまして七十八億円を確保したところであり、送迎用バスへの安全装置導入支援のための予算としては、このうち四十三億円を計上したところでございます。
安全装置の導入支援につきましては、ただいま補正予算でと申し上げましたが、現在補正予算の繰越しを行い、現在募集を行っているところでございまして、現時点における予算の執行状況や設置状況についてはお示しすることができる状況ではございませんが、今後必要な園等に、全てに支援ができるように取り組んでまいりたいと考えております。
文部科学省といたしましては、委員も御指摘いただきましたように、可能な限り六月末までの安全装置の導入を呼びかけているところでございまして、安全装置の導入が進むよう、引き続き各都道府県等を通じて安全装置の装備を促してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/165
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166・松沢成文
○松沢成文君 先ほども申し上げましたが、もう本当に例年五月から真夏日になることもありますので、文科省におかれましては、この補助金申請の受付を円滑に行って、できるだけ早く設置いただけるよう自治体と連携して全力で対応していただきたいと思います。
最後の質問なんですが、この保育園など、こども家庭庁所轄分も含めて、対象となるバスは全てで四万四千台ほどと言われています。幼稚園だけでも一万一千台ほどあるということですが、昨年十月の調査では、安全装置が設置されているバスはそのうちの一・七%だけでした。九八・七%が設置されていないという状況です。
万が一、安全装置の設置が今年の夏に間に合わない施設があったとしても、チェックシートの備付けや所在確認を記録する書面の備付けなど、代替措置をとって、二度とこのような悲劇が起こらないよう、万全の対策を取っていただきたいと思います。
また、安全装置には、降車確認型、降りるときに確認するものと、それと自動検知型という二つがあって、具体的な機能は装置によって様々であります。それぞれの施設の状況によって求める機能も異なることから、各自治体が適切に各施設の希望に合致した装置を設置できるようにしっかりとアドバイスをしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/166
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167・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) お答え申し上げます。
幼児等が送迎用バスに置き去りにされ死亡するといった事案が二度と繰り返すことがないように、これは本当に、絶対にあってはいけない、そう思っております。そのためにも、文部科学省といたしましては、安全装置の夏前の整備を呼びかけているところでございます。
各自治体におきまして、実情に応じまして整備を推進していただくとともに、安全装置の整備がなされるまでの間は、関係法令に基づきまして、チェックシートの送迎用バスへの備付けなど、所要の代替措置を講じていただき、また、事故防止に万全を期していただくようにお願いはしております。
送迎用のバスの安全装置につきましては、置き去り防止のために必要な機能を備えた装備を、装置を選んでいただくことが重要であるために、これ、国土交通省が作成をしたガイドラインに基づきまして、それに適合する必要な機能を備えた装置のリストというものを内閣府にて公表いたしまして、現場で適切な選択がなされますように支援をしているところでございます。
文部科学省といたしましては、引き続きまして、必要な機能を有した安全装置の装備が幼稚園等において進んでいきますように、各都道府県を通じましてしっかりと支援をしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/167
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168・松沢成文
○松沢成文君 ありがとうございました。
本当に園児の命と健康を守るためにも、そしてまた、保護者の皆さんの本当に心配を拭っていくためにも、文科省のリーダーシップを、大臣のリーダーシップを是非ともお願いしまして、質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/168
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169・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。
私も、幼稚園、それから中高大と私立の学校で学びました。やっぱり、建学の精神に繰り返し繰り返し触れることというのは、私の中に、多様な人間がいる、その多様性を認め合うという当たり前や、私、自分のさがも含めてですね、生まれ持ったさがも含めていろいろな自己を愛し、それを表現するということの大切さや、その難しさ、その苦悩についても教えてもらったような気がいたします。
先ほど臼井委員の質疑の中で、大臣が私学教育に何を求めるのか、公私間格差をどのように埋めていくべきか、自治体間格差をどのように考えているかについてもお聞かせをいただきました。私学には給食がないんだ、毎日お弁当なんだという保護者の悲痛な訴えも、そうだそうだと思いながら聞いておりましたけども、一方で、好きで、好んで私学に行ったんでしょうというような、分かっていたでしょうというふうに思う方もいらっしゃるかもしれませんけども、しかし、我々がこういった全ての子供たちに対して国公立でその定員の枠を用意できていない以上、こういった私学で学ぶ方々の追加のコストというのにも想像を至らせなきゃいけないですし、こういった公私間格差、自治体間格差には取り組むべきだというふうに思います。
一点確認をさせていただきたいのが、私学に通う子供たちの通学定期代についてです。
これは政府参考人で構いませんので、現在、六か月定期の割引率というのは、JRの試算ですけども、大学生で六三・八%、高校生で六七・五%、中学生で七四・七%です。この各種割引分に係る費用というのは現在全て事業者の負担になっております。今般、本院でも地域公共交通活性化再生法が可決されましたけども、このインフラを維持するだけでも必死な中、こういった通学定期とか障害者の割引とかバリアフリーに係るそういった対応、こういった社会政策に係るコストというのは、いつまでこういった事業者負担、事業者任せでいられるのかというのは甚だ疑問であります。
文科省でこの通学定期についてどのような議論がなされてきたのか、又はなされているのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/169
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170・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 通学定期の問題、確かに一つの課題だと存じます。高校になりますと、当然通学区域もある程度広域にわたるということなので、御指摘のように一定の経費が負担生じるということだろうと思います。
そうした中で、現段階では事業者の方々の御理解を得て通学定期の割引といったような仕組みがあるんだろうと思っております。そこにつきましては、今直ちにこれを公費で負担するというような仕組みにはなっていないわけでございますけれども、また今後、様々な声を踏まえて、どういったことが必要なのかよく検討していく必要があろうかというふうに存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/170
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171・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 今のは、済みません、検討を過去もしているけども答えが出ていないのか、なかなか今まで議論が少なかったので、今後、やはりコロナ禍も経てその事業者も大変経営的な危機に瀕しています、そういった中で今後議論を深めていくという御答弁だったのか、もう一度お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/171
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172・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) これは、今までは、今申し上げましたように、事業者の方々の御理解を得て進めてきたということだと思いますので、いろんな形で理解をいただくような働きかけなどはしてきたわけでございますけれども、その経費を公的に直ちに負担するというような議論がなされてきたわけでは必ずしもないと思っておりますけれども、そうした問題も含めて今後考えていくべきという御指摘だと思いますので、その点につきましては受け止めさせていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/172
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173・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 事業者が御理解するにも限度がございますので、どうか受け止めていただいて、議論の俎上にのせていただきたいと思います。
また、政府内でも、通勤手当というのは、今、のみならず、通学定期代というのについても、非課税の限度額を引き上げるとか、社会保険料の基準となる標準報酬月額からの除外など、これをやっていただくだけでも保護者負担というのが幾ばくか軽減されますので、こういったものについても議論していただくことを、これも受け止めていただきたいというふうに思います。
さて、先ほどの大臣の御答弁の中で、幼稚園の九割が私立だというふうにおっしゃっておりました。ほかと比べてはるかに高い比率なんだなというふうに伺っておりましたけども、大臣に幼児教育の重要性というのを大臣がどのように考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。というのは、ノーベル賞を受賞されたジェームズ・ヘックマン教授によれば、五歳までの教育が人の一生を左右するというふうにおっしゃっておりました。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/173
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174・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) お答え申し上げます。
幼児教育、幼稚園、保育園も含めてでございますが、やはり家庭でおぎゃあと生まれ育った子供が幼稚園に行くようになり、保育園に行くようになりというのは、家庭から初めて向き合う社会であると、本当に新しい場所に初めて行くわけですからね、随分とその子供たちにとりましては、家庭を出ての初めての社会、これ相当大きなインパクトがあるはずだと思っております。
幼児期の教育につきましては、生涯にわたります人格形成の基礎を培う極めて重要なものであると思っております。OECDの幼児教育に関します報告書におきましても、学力や、そして社会情緒面の成長、その後の健康や収入などにも長期的な影響を及ぼすことが指摘をされております。
このため、文部科学省におきましては、地方自治体におけます体制整備への支援、また各地域におけます幼保、幼保小の接続の改善の推進、そして幼児期の環境や学びがその後の成長に与える影響に関する長期的な追跡調査の実施などに取り組んでいるところでございます。
引き続きまして、幼稚園、保育所、認定こども園といった施設類型を問わず、全ての子供に対して、これ、格差なく質の高い学びというものを保障するために、こども家庭庁等と連携しながら取り組んでまいりたい、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/174
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175・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 極めて重要であり、長期的な影響を及ぼすものであると、なので、とても大事なものであるという御認識をいただきました。
まさに大臣のおっしゃるとおり、こういった乳幼児期の子供たちというのは潜在能力の基盤というのを広げる、可能性の富があるというふうに言われております。一旦基礎的なスキルというのをちゃんと身に付ければ、次のスキル、またその次のスキルというように、複利の投資のように資産を最大化するということができます。なので、こういった、ヘックマン教授によりますとですけど、今後ますます世界的に、また我が国でも深刻化してくる格差是正というものを考えるに当たっては、この幼少期の子供たちとその親への働きかけということが最も大切だというふうに指摘をされております。
これまで幼稚園というのは文部科学省所管の学校教育施設であり、保育園は厚労省所管の児童福祉施設でありました。認定こども園や企業内託児所の所管は内閣府でございました。これ、四月からこども家庭庁できましたけども、所管はどのように整理をされたのか、伺いたいと思います。当然、我が国の幼児教育、非常に大切だと大臣がお述べになりましたけども、それら幼児教育がどのようなものであるべきかを鑑み、その上で戦略的に整理をされたんだと思いますけども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/175
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176・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) お答え申し上げます。
幼稚園、保育園、認定こども園といいました施設の類型を問わず、就学前の全ての子供に質の高い幼児教育また保育を提供いたしまして、子供の育ちと学びを保障していくことは大変重要な課題であると、そう考えております。
幼児教育につきましては、文部科学省の下で、こども家庭庁と密接に連携をしつつ、小学校以降の教育との一貫性そして継続性を確保しながら施策の充実に取り組んでまいりたいと思っております。
具体的には、文部科学省とこども家庭庁が協働して、幼稚園教育要領、保育所保育指針を策定をいたしまして、どの施設に行っても質の高い教育、保育が受けられるよう、そういう取組を充実させたいと思っております。
また、児童福祉など、育ちと教育など学びにつきましては、それぞれの目的を追求する中で、専門性を更に高めつつ密接に連携することが重要でありまして、引き続きましてこども家庭庁等と連携して取り組んでまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/176
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177・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 密接に連携というふうに御答弁されましたけども、いま一度確認させてください。
幼稚園、保育園、認定こども園、企業内託児所等の所管というのはどのように整理されたんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/177
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178・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) それぞれの施設の所管ということでございますけれども、基本的には、幼稚園、こちらは文部科学省の所管でございまして、認定こども園、それから保育所、こちらはこども家庭庁が所管すると、こういった整理でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/178
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179・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 今、密接に連携はするが、所管は相変わらず別であるという御答弁だったと思います。その理由、もう一回教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/179
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180・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) これは、それぞれの施設についてはそれぞれの経緯、それから目的があるわけでございます。幼稚園につきましては学校教育法、それから保育所、認定こども園につきましては児童福祉法や認定こども園法に基づく制度ということになるわけでございますけれども、教育の基礎を培う観点、それから子供の福祉を保障する観点など、それぞれの理念、目的の下で求められている、設けられているわけでございます。
幼児教育につきましては、文部科学省の下でこども家庭庁と密接に連携しつつ、小学校以降の教育との一貫性、継続性を確保し、施策の充実に取り組んでいくことが重要ということでございますので、こうした整理になっていると。ただ、中身的には文部科学省とこども家庭庁が協働いたしまして、幼稚園教育要領、保育所保育指針を策定いたしまして、どの施設に行っても質の高い教育、保育が受けられるように、そうした取組を充実させていくと、こういうような方向になっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/180
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181・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 何十年、何百年にもわたって議論をしていていまだに結論が出ないというのは、大変難しい問題が、課題が解決できない、乗り越えられないものがあるのかなとお察ししつつも、でも、大臣は御答弁されました。幼児教育というのは極めて重要であって、本当にその時間というのがその後の人生にも影響してくるのであるから、そろそろその経緯の、設置の状況とかその当初の成り立ちからくる所管ではなくて、我が国の子供たちに必要な教育とはどのようなものなのか、そこに値する教育施設とはどのようなものなのか、それをなすべきところはどのような場所なのか、そういったものをしっかりと合意した上で、そして所管というのを決めていくというのが、それこそが今の著しい公私の格差とか自治体間格差の是正、それから質的な充実、またその質、良質なものに対して適切な補助をしていくという在り方、その議論ができるものだと思うんです。
大臣が、この幼児教育というのは、教育の一番初めに、おぎゃあと生まれて家庭から外に旅立って外に出ていった、その最初の社会であるからこそ本当に大事な場所なんだというふうにおっしゃいました。であるならば、その子供の学びというものについては、文科省が所管なのであるというふうに文科省でその所管を名のり出る等、そういう交渉とか、そういう話合いとか、そういうのはなされているのか、教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/181
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182・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) これにつきましては、これまで御承知のように様々な議論があって、そして、こども家庭庁を設置する際に当たりましても議論を経た上で現在の仕組みになっているわけでございまして、それぞれの専門性を発揮する中でその質の向上を図っていくと、こういう整理になっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/182
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183・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 いろいろ議論されたんでしょう。議論されたんだと思うんです。にもかかわらずこうなっている、足りないんじゃないですか。我が国の幼児教育というのはどういうものなのか、何をなすべきものなのか、子供たちにどういうギフトを贈る場所なのか、そういったところの合意形成をすれば、じゃ、どこが所管でどんな教育をなしていくか、それもっと強力に議論できるはずです。その議論の会議体、それからそのスケジュール等はあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/183
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184・藤原章夫
○政府参考人(藤原章夫君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、現在、こども家庭庁は発足をしたところでございまして、その中でそれぞれの専門性を発揮しながら質の向上を図るという考え方でございます。
いずれにいたしましても、大切なことは子供目線で教育、保育の質をしっかりと上げていくと、ここが一番重要なことだと思っておりますので、その点につきまして、これはしっかりと連携をして、その内容の、何というか、レベルの向上を図ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/184
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185・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 難しいそういった苦渋の決断を、難しい交渉をなしていくのはやっぱり大臣、政治家です。大臣、どうしていきましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/185
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186・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 幼稚園、保育園、認定こども園あります。施設の類型を問わず、やはり就学前の全ての子供に質の高い幼児教育、保育を提供するということは大変大事であります。
こども家庭庁ができました。その前、準備室ということで数年対応していただきましたけれども、そこでしっかり文部科学省と準備室の方で議論をいたしました。そして、与党の方でも大分話をしていただきまして、そして今回の合意に至っております。
教育の方に関しましては、これ、小学校以降の教育というのはしっかりと文部科学省が行っておりますので、そこまでの幼児教育につきましても、教育につきましてはしっかりと文部科学省が担当をさせていただき、というのも、これ、こども家庭庁とともにしっかりと議論をして、それで内容を固めていくということで御理解いただければと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/186
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187・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 まずは幼児教育と保育というふうに別々のワードで子供たちの学ぶ場所のことを呼ぶのをやめたいというふうに思っております。
ちょっと時間がなくなりましたので幾つか飛ばしまして、情報開示について、今回の法案の中の課題について指摘していきたいというふうに思います。特に、大学におけるESGや情報公開の必要性について伺います。
今月から、育児・介護休業法による男性育休取得率の公表が一千人以上の会社に義務化されました。昨年七月からは、女性活躍推進法により、男女の賃金格差が三百人以上の会社に公表を義務化されました。そして、三月期決算からは、上場企業に有価証券報告書への人的資本の取組の開示が義務化されました。こういった男性育休取得率、女性管理職の比率、男女の賃金格差が横並びで比較できるようになりました。
こういった人的資本情報の開示義務化というのは、もうこれあらがえない世界の潮流でありまして、マーケットにおいては環境、社会、ガバナンス等のESGを重視する流れが一段と高まっております。これ、投資の世界だけじゃなくて、広く寄附を集める大学にも今後ますます求められることだというふうに思います。
そういった部分で、情報開示、ESG等の観点で、大臣の御所見、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/187
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188・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) お答え申し上げます。
御指摘のESGにつきましては、気候変動問題ですとか、また、人権問題などの世界的な社会課題が顕在化している中で、企業が環境、社会、ガバナンスの三つの視点で取組を行うべきものと考えている次第でございます。
この中でも、特にガバナンスにつきましては、学校法人が社会から信頼を得て今後も持続可能な発展を遂げるために重要な課題でございまして、今回の改正法におきましても、執行と監視、監督の役割の明確化、分離の考えの下に自主的な取組を強く期待するものであります。
また、情報公開に関しましては、既に大臣所轄の学校法人では、計算書類ですとか監査報告書などを広く公表しなければならないこととなっているところ、今回の改正によりまして、知事所轄の学校法人につきましても、情報の公表を努力義務とすることとしております。
今後とも、学校法人が社会からの信頼を得て一層発展していくために必要な取組、これを支援してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/188
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189・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 大臣もお触れになりました監査法人、監査というところの情報公開、これはマストであります。
参考人質疑において、私も村田参考人に対して、この監査法人とその子法人、関連する法人というのが監査証明業務と非監査証明業務を同時提供するというのを禁止するのは、国立大学法人というものではやっているにもかかわらず、こういった私立大学法人を除外していく、その合理性があるのか否かというふうにお伺いをしました。参考人からは、まあそうなんだけども、やっぱり監査法人を置くとなるとお金も掛かると、それらが置けない、そのお金がないというようないろんな学校法人がある中で、バランスがいいところ、落ち着きどころがここだったんじゃないかというふうにおっしゃっていました。
衆議院の附帯決議で、会計監査人はその独立性を害するような監査証明業務と非監査証明業務を同時提供はできない旨の周知を図ることというふうにされておりましたが、これだけでは不十分であり、やはり禁止をしていくこと、ここにこの後踏み込んでいかなきゃいけないというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/189
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190・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
公認会計士法におきまして、公認会計士は、当該公認会計士等が同法に規定いたします大会社等から非監査証明業務により継続的な報酬を受けている場合には、当該大会社等の財務書類につきまして、監査証明業務を行ってはならないと規定されているところでございます。また、監査法人につきましても同種の規定が置かれているところでございます。
公認会計士法のこの大会社等に対して適用されるこの規制を学校法人に一律課すことにつきましては、学校法人には様々な規模の法人が存在することなどから、学校法人にとって過度な負担となる可能性や、学校法人や社会福祉法人も、あっ、失礼いたしました、そのほかの公益法人や社会福祉法人も当該規制の対象外となっていることなどから、慎重な検討が必要だと考えてございます。
なお、監査法人の、失礼いたしました、なお、会計監査人の独立性を害するような監査証明業務と非監査証明業務の同時提供が望ましくないことにつきましては、各種の機会を通じて通知を行ってまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/190
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191・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 いや、参考人もおっしゃっていましたけども、今後、経営と教学というのが一緒になっていろんな改革をしていかないと、世界と伍することもできない、自分たちはまた発展していくことができない、そういったスピード感と決断を持てるように、そのためのチェック機能というのを備えるための法改正だというふうにおっしゃっておりましたけども、権力の正統性、正しいに系統立てるの正統性の方ですけども、これが今回の改正のポイントだというふうに私は思います。
きちんとしたプロセスで理事長を選んで、経営の権限はあるものの、重要な事項というのは独立した評議員会がチェックをする、そういった厳しいガバナンスの体制があってこそ、経営執行に当たる理事長らの正統性が高まるわけでありますから、それが高まるための努力、仕組みというのは備えるべきでありますし、ありとあらゆる私立学校の不祥事の多くというのは、残念ながら理事長又は理事会によって引き起こされております。
最後に、大臣に質問ですけども、この理事長や理事会だけで決めることができる余地を残してしまっているという指摘がある中で、寄附行為で定める内容についても法律で書き込めばよりガバナンスが強化されると丹羽参考人の方から御提案があったところであります。なるほどと思いつつ、一方で、建学の精神とのそのバランス、建学の精神って目に見えないですが大きな価値がある、そういったものを鑑みつつ、それでも学校法人制度の欠陥を正す手法として、その御提案、大臣はどう受け止められましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/191
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192・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 学校法人の適切な運営のためには、やはり人事に関する仕組みのみならず、不正等の予防や問題が発生した際の対応の仕組みを含めまして、理事の業務執行ですとか理事会運営の適正性、これを確保する仕組みを総合的に構築することが必要であると考えております。
今般の法改正におきましては、具体的に、理事選任機関が理事を選任すること、監事の選任を評議員会の決議によって行うこと、役員の親族等の評議員就任の制限ですとか、評議員会によります監事に対する理事の行為の差止め請求や責任追及の求めなど評議員会の権限強化、また内部統制システムの整備の義務化など、整備をしているところでございます。
今般の法改正は、我が国の公教育を支えます私立学校の教育の質の向上を図る観点から、理事会が意思決定機関、そして評議員会が諮問機関であるという基本的な枠組みを維持しつつ、評議員会の監視、監督機能を可能な限りこれ強化したものとなっているわけでございます。
今般の法改正の趣旨を踏まえた制度の適切な運用というものが全ての学校法人でなされますように、文部科学省としても、趣旨の、趣旨などの周知徹底、これしっかりと図ってまいりたい、そう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/192
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193・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 時間が参りましたので、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/193
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194・吉良よし子
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
この間、私立学校、私立大学で不祥事と言われる事例が残念ながらあり、その原因が理事長の専横、暴走で、それを止められないことが問題を大きくしている例が多いわけです。大臣も衆議院の質疑の中で、私立大学の不祥事について原因は様々としつつも、理事や評議員の人事権、財産処分などの重要な権限が理事長と特定の者に過度に集中させることが可能であったり、理事長等の執行部に対する監視、監督の機能が弱かった、脆弱であったと考えられると答弁されております。
つまり、こうした理事長などの専横や暴走を止めて不祥事に至らない仕組みをつくること、そして学校法人、学校そのものが自らの力で自浄作用を発揮して、自主的にこうした不祥事問題を解決できるようにするということがやっぱり何よりも大事だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/194
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195・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 我が国の公教育を支えます私立学校というものが社会の信頼を得まして今後も持続可能な発展を遂げるために、社会の要請に応えつつ、自らが自主性を持って実効性のあるガバナンス改革を推進することというのは極めて重要でありまして、今般の改正はそれを後押しするものということでございます。
学校法人の適切な運営のためには、人事に関します仕組みだけではなくて、不正等の予防ですとか問題が発生した際の対応の仕組みを含めまして、不祥事の防止に資する仕組みを総合的に構築することが必要であると考えております。
具体的には、今般の法改正におきまして、理事選任機関が理事を選任すること、監事の選任をこれ評議員会の決議によって行うこと、そして評議員会によります監事に対する理事の行為の差止め請求ですとか責任追及の求めなど評議員会の権限強化、そして内部統制システムの整備の義務化、刑事罰や過料の新設など様々な仕組みを整備しているところでございます。
今般の制度改正の効果を最大限発揮させるためにも、学校法人自らが率先してガバナンス改革を行っていただくことが重要であると考えております。制度の適切な運用が全ての学校法人でなされますように、文部科学省といたしましても、モデル寄附行為の作成等を通じまして、制度改正の趣旨等の周知徹底、しっかりと図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/195
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196・吉良よし子
○吉良よし子君 こうした不祥事問題、自浄作用を発揮して解決できるようにというための法改正であるということだと思います。
ここで、事例を紹介したいと思うんです。
東京女子医科大学では、二〇二〇年六月に新型コロナ禍による大幅な減収、赤字を理由に理事会が教職員、医師、看護師に対して夏季の一時金ゼロを回答したことが明らかになって、大きな衝撃が広がりました。批判を浴びてさすがにゼロではなくなったものの、夏の一時金は前年の半分、冬は六割、定期昇給ゼロということで、その結果、医師、看護師らの大量退職が続いて病床数が大幅減となったわけですが、その背景に理事長の公私混同疑惑があると、昨年四月に疑惑の金として週刊誌報道がされています。
この職員給与は大幅にカットした一方で、その当時、理事長始め役員の報酬は大幅にアップされたんだとか、さらには、理事長自身が会長を務める同窓会が運営する病院から職員を迎え入れて、しかも架空請求があるのではないかとか、専属の運転手として親族に多額の出金をしているのではないかなど、業務上の横領や背任の疑いなども挙げられていて、この間、OG有志による刑事告発も出され、それが受理されたというところなわけですが、この問題の背景には、やはりこの理事、監事、評議員の大半が理事長言いなりになっていて、自浄作用が全く期待できない状況なんだということが言われているわけです。
この問題について同窓会での緊急集会が行われた際に、ある現場の医師の方が、いや、本当に働いている側の気持ちが全然理事会に伝わらないなというのがかなり思うところだと、本当に現場は混乱していますし、本当に患者さんをこの病院で守り切れるのかなと思うような場面が多々あるんだと、このままだとこの病院のシステムのせいで患者さんが死んでしまうかもしれないなと思うような場面も近年すごく増えていると。でも、そういうところを上に伝え切れないんだと。そういう訴えもあったというふうに聞いているわけです。
でも、教育はもちろんのこと、この大学病院であれば命に関わる現場での切実な現場の声があるわけですけど、それが運営に反映されない、不祥事が改善されないというのは本当に問題だと。ちなみに、東京女子医大では昨年九月に、この件に関して、有志の教授らから理事会、監事宛てにこの件の質問も出された、質問書というのも出されたんですけれども、それに対して問題ないとする回答が出されただけで、結局その運営の改善にも問題の解決にもつながっていないと聞いているわけですが、先日の参考人質疑では、関西学院大学前学長の村田参考人が、現場の意見が全く反映されないガバナンスというのはあり得ないとおっしゃっていました。
大臣、やはり学校、大学の運営、また、この今回の、先ほどの事例の大学の場合、病院の現場もありますが、そういう現場の意見をまるで聞かない法人運営というのはあり得ないと思いますが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/196
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197・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 学校運営、学校法人の運営に当たりましては、特定の利害関係に偏りませんで、幅広い関係者との対話によりまして、公共性を維持して、そして社会の信頼を得ていくことが必要と考えております。
特に、教職員は、教学面につきまして、それに本当に専門性があります。専門性を有しつつ、児童生徒や学生、また保護者を始めといたします幅広い関係者の声をこれ適切に学校法人運営に反映させていくために大きな役割を担う者であると考えております。
教学面と経営面の協調の必要性という学校法人の持つ独自性に鑑みまして、教職員の意見を踏まえた法人運営の重要性、これはしっかりと周知をしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/197
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198・吉良よし子
○吉良よし子君 幅広い関係者の意見も当然だし、教学の専門性を適切に反映させるためにも教学の意見というのは本当に大事だということだったと思うんですが、今回の法改正での評議員会の構成見てみると、教職員は三分の一が、三分の一が上限とされているわけです。これでは、上限のわけですから、たとえ一人であったとしても要件満たされてしまうわけですが、なぜ目安とか、必要な、三分の一を目安とするとか三分の一は必要であるとかではなくて、上限としてしまったのか。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/198
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199・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
教学面と経営面の協調の必要性という学校法人の持つ特殊性に鑑み、教職員の意見を踏まえた学校経営ができるよう、現行制度におきましても、評議員には教職員を必ず含めなければならないとされているところでございます。このことは改正後においても変わるものではございません。
他方、大学、学校法人のガバナンス強化の観点からは、評議員会におきまして、特定の利害関係に偏らない幅広い意見を反映することが極めて重要だと認識しております。これらのバランスを考慮いたしまして、評議員、教職員評議員が評議員に占める割合を三分の一以下としたところでございます。
また、日本私立学校振興・共済事業団のアンケート、これによりますと、大学を設置する学校法人における評議員に占める教職員評議員の割合は三三・五%、また高校以下法人における評議員数に占める教職員評議員数の割合は二三・三%、これ先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。
このようなことから、教職員評議員の割合につきましては、こういった実態、さらには法全体の整合性などを加味しながら、三分の一を上限とすることは妥当だと考えたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/199
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200・吉良よし子
○吉良よし子君 いや、バランス考慮しているし、まあ現状を考慮しているんだというお話だと思うんですけれども、しかし、やはり上限としてしまうと、その教職員の声、取り入れる気がないところではやはり少なくなってしまうんじゃないかという問題があると思うんです。それこそ、東京女子医大のように、余りに現場の声、教員の声が届かないと言われる事例を見ると、やはりもっと教職員の声が運営に適切に反映される仕組み、本当に必要だと思うわけです。
参考人質疑でも、丹羽参考人が、大学あるいは学校法人の運営は教学からのボトムアップで合意を得ながら意思決定していく仕組みを持っている学校では不祥事を余り見ないとおっしゃっていたわけです。
この評議員の選任において、やはり教職員が自ら選ぶボトムアップの仕組み、していくべきではありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/200
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201・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) 参考人質疑の中では、各委員からは、そのバランスが重要だという話がございました。その際には、やはりそのボトムアップ、これを全くしないというわけではなくて、トップダウン、そしてボトムアップ、それぞれが相まって、協働し合いながらいい学校経営をやっていただいていくというのが極めて理想的だと思ってございます。
今回の法改正につきましては、そういったことも踏まえまして、バランスを重視しながら適当な措置を講じたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/201
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202・吉良よし子
○吉良よし子君 それぞれが相まってと。それぞれでやっている法人があればいいんですけれども、やっているところはあるわけですけれども、やはりそれを推奨していくぐらいのことはやっぱりしていかなきゃいけないと思うんです。
そして、やっぱりその大学任せにしておく問題というのもこの間も指摘されてきたわけですけれども、例えば、この今回の法改正で、理事、監事、評議員、理事会、理事長だけでは選任できないよう改善をされたと思いますが、しかし、その理事選任機関の構成などは寄附行為任せになっていて、先ほど来あるとおり、理事長や理事会がその役割を担うということも可能になっているというところの問題も指摘されているわけです。
先ほどの東京女子医大の場合、寄附行為を見ると、この理事会も、そして評議員会も、その構成については、それこそ教授からも、そして同窓会からも選ぶという、そういうことにはなっているんです。しかし、よく見ると、それぞれ人数が定められていて、同窓会からの人数が最多なんです。で、教職員の人数は、同窓会からの人数を上回らない構成になってしまっているんですね。ちなみに、先ほども申しましたが、東京女子医大の場合、現在の理事長がその同窓会の会長も兼ねているわけで、つまりは、そうなると、その同窓会からの選出が多ければ、事実上この同窓会を通じた理事長の支配ということが可能になってしまうと。こういう寄附行為を認めてしまったら、やはりそういう権力の集中、権限の集中というのが防げないんじゃないのかと。
やはり、理事選任機関の在り方だけではなくて、評議員や理事会の構成なども寄附行為に任せることでこうした権限の集中になりかねないじゃないのかと。そういう寄附行為任せにすることで生じ得る、この権力の集中を防ぐ、その防ぐということが必要なのではないでしょうか。大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/202
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203・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) お答え申し上げます。
今般の法改正は、我が国の公教育を支えます私立学校の教育研究の質の向上を図る観点から、建学の精神を受け継いでいる理事会が意思決定機関、評議員会が諮問機関であるという基本的な枠組みを維持しつつ、評議員会の監視、監督機能を可能な限り高めまして、特定の機関、特定の層に権限が集中することにならないようにガバナンス改革を進めるものでございます。
御指摘の理事選任機関ですとか、また評議員会の人事の仕組みにつきまして、現行制度でも学校法人ごとに多様な方法で行われておりまして、具体的な取組は各学校法人に任せているところでございます。
その上で、今回の法改正においても、理事、理事会が選任する評議員数に上限を設定するなど、実効性のある改革を実現するための仕組みを設けたところでございます。
加えまして、学校法人の適切な運営のためには、人事に関する仕組みの整備だけではなくて、不正などの予防や、また問題が発生した際の対応の仕組みを整備することなど、理事の業務執行ですとか理事会及び評議員会運営の適正性を確保する仕組みを総合的に構築する必要があると考えております。
今後、理事ですとか評議員の選任に当たりましては、今般の法改正の趣旨を踏まえた適切な運用が全ての学校法人でなされることになりますように、文部科学省といたしましても、モデル寄附行為の作成等を通じて、これしっかりと働きかけてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/203
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204・吉良よし子
○吉良よし子君 権限集中しないためのガバナンス改革だし、それを、趣旨を徹底するということは本当に大事だと思うんですけれども、やはり、こうした寄附行為任せによる牽制機能の形骸化を防ぐためには、やはり、この間、先ほど来もう何度も質問ありましたけど、せめてこの新設する理事選任機関について、少なくとも大臣所轄法人については理事長、理事会としない、理事長、理事会が自ら理事を選ぶようなことをしないようにさせるべきと考えますが、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/204
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205・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 繰り返しになりますけれども、今般の法改正は、我が国の公教育を支える私立学校の教育研究の質の向上を図る観点から、建学の精神を受け継いでおります理事会が意思決定機関、評議会がこれ諮問機関であるという基本的な枠組みを維持しながら、評議員会の監視、監督機能を可能な限り高めようという、そういうガバナンス改革を進めるものでございます。
現行法でも、理事の選任、解任は学校法人ごとに多様な方法で行われておりまして、理事会が関係者から信任を得て、建学の精神に基づいて肯定的に学校運営を行う基盤ともなっていることなども踏まえて、具体的な理事選任機関の取扱いにつきましては各学校法人の判断に委ねております。
このような基本的な考え方につきましては、大学の、大臣の、ごめんなさい、大臣所轄法人とそれ以外の法人との間で異なる環境にあるものではなく、同一の取扱いをする必要があると考えております。
その上で、今般の法改正の趣旨を踏まえた適切な運用が全ての学校法人でなされますように、文部科学省といたしましても、モデル寄附行為の作成等を通じまして働きかけてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/205
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206・吉良よし子
○吉良よし子君 建学の精神を尊重するということは本当当然なんですけれども、しかし、この寄附行為次第で牽制機能が形骸化することのないように、これは本当にしっかり運用していただきたいと思います。
今回の改正で、監事が子会社を調査することができるという規定が新設されたことも大事なポイントだと思うんですけれども、この法案の対象とする子法人の範囲、定義はどうされるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/206
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207・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
子法人の具体的内容につきましては、一般社団法人、一般財団法人、こういった制度を参考に、文部科学省令で定めることといたしているところでございます。
具体的には、子法人の意思決定に関し相当程度の関与があると認められる場合、例えばでございますけれども、学校法人が議決権の過半数を有するような場合であったり、学校法人の役員等がその子法人の意思決定機関の構成員の過半数を占めるような場合、こういったことを想定しながら規定することを検討しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/207
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208・吉良よし子
○吉良よし子君 まあ議決権とか出資の状況とかそうしたものがキーワードになってくる、そういう定義になってくるのだろうと思うんですけれども、また先ほどの東京女子医大の例を挙げますけれども、この場合、同窓会が運営する病院との間で不透明な金の流れというのがあったと、それが問題になっているわけですけれども、この場合、この同窓会の会長というのが大学の理事長その人なわけですけれども、それは出資関係とかその役員の構成とかでは測れない、しかし相当の権力関係というのは影響があるということは示唆されるわけですけれども、そうすると、今のお話でいくと、この同窓会運営の病院というのは子法人の定義から外れかねないと思うわけですけれども、やはりそういった子法人の定義については、一般的な子法人の定義にとどまらない、こういう同窓会とか大学にまつわる様々な組織があるわけですから、そうした私学の独特な組織の在り方に着目したものにすべきと思いますが、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/208
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209・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 子法人の具体的な内容につきましては、文部科学省令で定めることとしております。
検討に当たりましては、既に同様の仕組みが存在をしております一般社団法人、また財団法人制度等を参考とすることを考えておりますけれども、国会における審議を踏まえまして、今後の関係者の意見も伺いながら具体的に検討してまいりたいと、そう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/209
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210・吉良よし子
○吉良よし子君 定義を狭くすることによって、せっかく権限ある、調査の権限が及ばないなんてことにならないように是非していただきたいと思います。
ちなみに、日大の背任事件の舞台となったのも日大の子会社、日本大学事業部であったわけですが、本改正では情報公開、現状よりも更に進めているわけですが、この子法人については学校法人自らが情報公開すべきではないかと思いますが、これもいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/210
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211・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
現在でも、学校法人の出資割合が二分の一以上の会社がある場合、当該学校法人の計算書類に注記として当該会社の名称や事業内容などの情報を記載することとなってございます。また、今回の改正によりまして、監事や会計監査人に対して子法人の調査権限を付与することといたしているところでございます。
子法人はあくまでも学校法人とは別の法人であるため、子法人の詳細な情報の公開につきましては、当該子法人が属する法人、法人法、法制ですね、におけるそのルールに従って行われるべきものと考えておりますが、今回の改正の趣旨を踏まえ、学校法人に対し、その有する子法人における情報公開などのガバナンスの徹底を求めるようなその工夫、これについて検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/211
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212・吉良よし子
○吉良よし子君 情報公開の工夫進めるということで、是非、子法人も含めて、情報公開していくように進めていただきたいと思います。
もう一つ事例を御紹介します。盲目のピアニスト、辻井伸行氏を輩出したことで知られる上野学園大学です。
二〇二〇年七月に突然募集停止を発表しました。これは、少子化で応募者が減って、人件費が経営を圧迫しているなどということで説明をされたわけですが、その実態、その背景にあるのは、理事長一族による学園の私物化だと言われているんです。理事長自らが社長を兼務し、一族で役員を占める管理会社に相場よりも高額な業務委託費を学園から支出して、学園とその会社の双方から一族がダブルインカムを続けていたと。その間、学園の赤字が続いていて、一族は総額十億円超えの損失を学校法人に与えたとされているわけです。この当時の理事長というのは退任したんですが、その理事長の配偶者が新しい理事長になって、その新しい理事会では旧経営陣の責任は問わないという結論を出したと。
まさに現行の私学法の課題があらわになった事例の一つだと思うんですけれども、この上野学園では、その損失穴埋めということで、例えばバッハの楽譜をオークションで売却したとか大学の音楽ホールを売却すると、もう音大としておよそ信じられないことをしているわけですが、この重要な財産の処分というのは、現状でも評議員会の意見を聴くようにはなっているわけですが、じゃ、この重要な財産とは何を指しているのか、音大のこの音楽ホールなども含まれるのでしょうか。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/212
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213・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
御指摘のとおり、現行の私学法におきましても、重要な資産の処分に関する事項は評議員会の意見聴取事項とされているところでございます。この重要な資産の処分につきましては、文科省において作成いたしております寄附行為作成例において、基本財産の処分並びに運用財産中の不動産及び積立金の処分、こういったこととしてございます。
個別具体的なケースにつきましては、あくまでもケース・バイ・ケースだと考えておりますが、例えば例を申し上げますと、学校法人の総資産に占める割合が大きい校舎や校地の売却、あるいは極めて高額な設備の売却、当該学校法人が通常行う取引でない不動産の処分などが該当する場合もあると考えられます。
御指摘のありました件につきましては、例えば、極めて高額な設備の売却などと照らして検討する必要があるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/213
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214・吉良よし子
○吉良よし子君 まあ音大で音楽ホールといえばもう重要な財産に当たると私は思うわけですけれども、けれども、この上野学園の場合は、このホール売却、もう理事会だけで決められてしまっているわけです。ホール売却にとどまらず、募集停止というのも、教授会などでも議論されず、理事会が一方的に発表したと。やっぱりこれで一番影響されるのは学生なわけです。この募集停止の決定された後、学生には他大学への転学というのが勧められて、もう不安と戸惑いが一気に広がっているという状況なわけです。
大臣、こうした、今回では重要な寄附行為の変更というのは評議員会の決議も要するみたいなことにはなったわけですけれども、やはりこういった募集停止、数年後に学部廃止を伴うような募集停止もやはり理事会だけで決められないようにする、評議員会での議決事項、審議事項を更に拡大していくべきと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/214
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215・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 学校法人のガバナンス改革につきましては、もう執行と監督、あっ、監視、監督の役割の明確化、分離を基本的な考え方としながら、理事、理事会、監事及び評議員、評議員会の各権限を明確に整理をいたしまして、そして建設的な協働と相互牽制を確立することで実効性のあるガバナンス構造を構築することが求められております。
このような観点から、今回、大学、大臣、ごめんなさい、大臣所轄の学校法人等におきまして、学校法人の基礎的な変更に関わります任意解散、合併、軽微な変更を除く寄附行為の変更につきまして評議員会の議決事項としております。
このとき、学校法人の基礎的変更を広く捉えた場合には、時代の変化が激しい中で、学校法人自体の機動的な意思決定に支障を来す場合もあると認識をしているところでございます。そのため、任意解散、合併、軽微な変更を除く寄附行為の変更以外の事項に関する具体的取扱いにつきまして、一律ではなくて個々の法人の判断に委ねるものとしたものでございます。
このような考え方に基づきまして、御指摘の、数年後に学部、学科の廃止を伴うような募集停止につきましては、従来どおりに評議員会の議決を求めてはいないところではございますが、各学校法人の判断におきまして寄附行為に定めることで、評議員会の議決を要するとすること、これは可能でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/215
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216・吉良よし子
○吉良よし子君 是非、運営側の勝手な決定で学生の学びや人生左右させるようなことにならないように、是非そうしたガバナンス強化、求めておきたいと思います。
以上で質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/216
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217・舩後靖彦
○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。本日もよろしくお願いいたします。
二〇一九年に改正された現行私立学校法は、理事長、理事、評議員の選任、解任規定が一切なく、理事長、理事会をチェックする者をチェックされる側の都合の良い人間で固めることが容易にできてしまい、理事会の専横、暴走を止める仕組みがありませんでした。このため、日大、東京医科歯科大などで、理事、役職員による背任や贈収賄事件、不正入試、脱税などの法令違反が起きてしまいました。
こうした不祥事を受け、理事会、評議員会、監事の権限を整理し、私立学校の特性に応じた形で建設的な協働と相互牽制を確立するという本法案の方向性に賛成いたします。
しかしながら、本改正案が策定されるまでの紆余曲折からは、一般の公益法人並みのガバナンス強化を求める政府、ガバナンス会議側と、教育研究機関としてほかの公益法人とは異なる独自の役割を自認する私立学校側とのある意味妥協の結果、ガバナンス体制の改革において不十分な点、また懸念すべき点が残ったことが参考人質疑の中からも浮かび上がってまいりました。以下、そのような点について質問いたします。
現行法では、理事長、理事会へのチェック機能が働かず、そのために、一部の法人ではありますが、不正行為、法令違反の不祥事が起きてきたわけで、学校法人のガバナンス改革は必要です。しかし、学校法人のガバナンスとは、つまり学校法人の業務執行体制、経営体制の問題であり、今回の法改正は、その体制、組織を透明性がありチェック機能が働くものにしていくことと存じます。
一方で、法人が設置している公教育機関としての私立学校、大学の教学に関する規律のマネジメント、教育や研究の自主性に関しては、教育基本法、学校教育法で規定されており、先日の丹羽参考人の御意見にもありましたとおり、今回の法改正によって直ちに理事会や監事の業務が及ぶとは考えられないのではないでしょうか。
資料一を御覧ください。
二〇一九年の私立学校法改正における政府答弁では、私立学校、大学のマネジメント、教学面の事項は、学校教育法にのっとり、学長、校長が行うものであり、理事会が大学において行われる教育研究の個別の内容について決定できる権限関係とはなっていないと、その独立性が担保されています。
しかし、今回の改正案の衆議院文部科学委員会の審議の中で、茂里私学部長は、理事会の職務とされる学校法人の業務に、法人が設置する学校の業務を含む、教学面についても、理事会がその権限と責任の下、最終的な決定を行うことがある、また、監事の職務に関しても、教学面についても学校法人の業務として監査の対象となると、二〇一九年の政府答弁に反した答弁をされています。
この見解は、公教育機関としての私立学校、大学を所管する文部行政の見解としては大変問題があります。
丹羽参考人は、私立学校は、学校教育法に規律されており、建学の精神の名の下に設置者が自由に教育を行うことができるわけではない、自由に行いたいのであれば、公教育機関ではなく、私塾のような形で行えばよい、したがって、設置者といえども公教育機関としての枠組みを侵すことはできない、憲法、教育基本法、学校教育法によって規律される学校の設置であり、その法的枠組みを超えることになれば、それは学校法人といえども不当な支配に当たることとなるとおっしゃっています。
ましてや、監事は、理事会のチェック機関であって、大学、学校の教学面を監査対象とするのは筋違いであり、そもそも教育研究の中身をチェックする能力を求められてはいません。
私立学校、大学の設置者としてふさわしい私立学校法人の管理運営体制を図ることと、私立学校、大学の教学に関するマネジメントは、別の法律、枠組みで行われています。
もちろん、学部や学科の新設、改組など、学校法人としての経営判断が必要な大掛かりなことまで大学のみで決定できるわけではありませんので、理事会との協議は必要です。
しかし、理事会、監事が教学面に介入することも可能と取れる茂里私学部長の答弁は、今までの文科省の見解をも飛び越しており、修正を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/217
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218・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) 答弁申し上げます。
学校教育法におきましては、校長は校務をつかさどり、所属職員を監督するとされ、学校における教学面の事項について職務権限を有する一方で、私立学校法におきましては、理事会が学校法人の業務を決定するとされているところでございます。この学校法人の業務とは、学校法人が設置する私立学校の業務を含む学校法人の全ての業務を意味しているものと解しているところでございます。
したがいまして、教学面につきましては、まずは校務に関する決定権を有する校長において意思決定が行われることになりますが、最終的には、法人運営の最終的な責任を有している理事会が、教学側の自主性を十分に尊重しつつ、その権限と責任の下で必要な決定を行うこととなるものと考えております。
この点は、現行制度におきましても、また今回の改正後においても変わるものではなく、法人側と教学側とは法律に基づく相互の役割分担を理解し、協力し合いながら学校運営を行っていくことが重要だと考えております。
また、私立学校におけるいわゆる教学的な面と経営的な面とは密接不可分のものでございます。加えて、学校法人が学校の設置管理を行うことを目的として設置される法人であることに鑑みれば、監事の業務は経営面のみに限定されるものではないと考えております。
すなわち、教学的な面につきましても、学校法人の経営に関する問題である以上、学校法人の業務として監査の対象となりますので、寄附行為で定める監事の職務が教学的な面に及ぶということも考えられるところでございます。
ただし、これはこれまでも答弁申し上げてきましたが、個々の教員の具体的な教育や研究のそういった活動にまで立ち入ることは想定されていないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/218
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219・高橋克法
○委員長(高橋克法君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/219
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220・高橋克法
○委員長(高橋克法君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/220
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221・舩後靖彦
○舩後靖彦君 代読いたします。
教育研究の自主性は守られるのですね。大臣、御見解をお示しください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/221
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222・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 今、茂里部長からもお話ありましたけれども、やはり個々の教員の教育の研究の内容にまで立ち入るということは適当ではないし、ないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/222
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223・舩後靖彦
○舩後靖彦君 私立学校、大学は公教育機関であり、その教育研究内容においては教育基本法、学校教育法にのっとって行うものであり、設置者である学校法人であっても恣意的な介入は許されないと考えます。まして、大学は教育基本法において高度な自律性、自主性を認められており、理事会、監事が学校法人の業務として安易に踏み込むことはあってはならないと申し添えて、次の質問に移ります。
本改正案によって、学校法人に公認会計士又は監査法人による会計監査が導入されることになり、大臣所轄学校法人は必置とされました。学校法人では、監査法人と監査契約する一方で、経営に関するコンサルティング業務契約をしている事例が見られます。
資料二にありますように、公認会計士監査が導入されている国立大学法人、公立大学法人では、子法人を含む同一の監査法人が監査とコンサルティング業務を同時提供することは公認会計士法と同施行令で禁止されています。それは、経営に関するアドバイスをしながらそれを監査するという立場に立つと、被監査法人の財務諸表や、適切に作成されているかどうか疑義が生じるからであり、監査の透明性と独立性を担保するために被監査法人の経営判断に関わることを防止する必要があるからです。
しかし、学校法人はそもそも会計監査人を置くことが義務でなかったため、公認会計士法施行令の中で禁止対象と明記されていません。公認会計士法は文科省の管轄ではありませんが、大臣所轄学校法人は会計監査が必置となる以上、国立大学法人、公立大学法人と同様、大学法人においても監査法人とその子法人が監査とコンサルティング業務を同時提供することを禁止する法令整備を早急に行うべきと存じます。
そして、法改正の趣旨を学校法人に通知する際、監査とコンサルティング業務を同時提供することの禁止についても盛り込むべきと存じますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/223
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224・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。
公認会計士法におきましては、公認会計士は、規定する大会社等から非監査証明業務により継続的な報酬を受けているような場合には監査証明業務を行ってはならないとされているところでございます。また、監査法人につきましても同趣旨の規定が置かれているところでございます。
このような規制を学校法人に課すことにつきましては、学校法人には様々な規模の法人が存在すること等から、学校法人にとりまして過度な負担となる可能性や、あるいは公益法人や社会福祉法人も当該規制の対象となっていないことも踏まえながら、慎重な検討が必要だと考えております。
なお、御指摘ありました会計監査人の独立性を害するような監査証明業務と非監査証明業務の同時提供が望ましくないことなどにつきましては、各種の機会を通じて周知を図ってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/224
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225・舩後靖彦
○舩後靖彦君 次に、本改正案の不十分な点として、理事選任機関の構成についてお伺いします。
ガバナンス会議の案では、理事の選任、解任は評議員会が行うとされていました。しかし、本法案では、理事選任機関を新設し、評議員会は理事選任機関を通じて選任に関する意見を述べたり、解任請求ができるとなりました。しかしながら、肝腎の理事選任機関の構成は寄附行為で定めるとされており、理事長や理事会がそのまま理事選任機関の構成員になることも可能です。
参考人質疑において、丹羽参考人は、理事については寄附行為で理事長を理事選任機関とすることも可能となっている、つまり、理事長だけを唯一の選任機関とすることもできてしまう、これでは今般の法改正の最大の課題が解決されない、理事長だけで決めることができる余地を残してはならない、複数のチャンネルでの選出が可能となるようにすべきである、特に大学法人については複数の選任機関を設けることが望ましい、評議員の選出についても同じことが言える、教員、職員、卒業生、有識者など、大学に関わる様々な声を聞くことができる仕組みが望ましいとおっしゃっています。
衆議院の附帯決議においても、「学校法人の理事の選任は評議員会の監視・監督機能を定期的に発揮させる重要な手段であることを踏まえ、各学校法人の理事選任機関に評議員を含めるなどの工夫により、理事会からの中立性を確保するよう周知を図ること。」とされています。
少なくとも、大臣所轄法人については、理事選任機関を理事長あるいは理事会のみとすることを禁止するという運用が必要ではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/225
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226・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
現行制度におきましても、理事の選任、解任は学校法人ごとに多様な方法で行われているところでございます。理事会が関係者から信任を得て安定的に学校運営を行う基盤となっていることなども踏まえながら、具体的な理事選任機関の取扱いにつきましては各学校法人の判断に委ねたところでございます。場合によりましては、理事長、理事会、評議員会や第三者機関などが法人の判断により理事選任機関となり得るものでございます。
今般の改正におきましては、執行と監視、監督の明確化、分離と、学校法人の多様性や独自性のこの双方のバランスを考慮し、理事選任機関を寄附行為で明確に定めるよう法定した上で、当該理事選任機関はあらかじめ評議員会の意見を聴かなければならないといたしました。
また、不正行為が仮にあった場合には、評議員による理事の解任請求を認めるなど、評議員会は諮問機関であるという基本的な枠組みの中で、可能な限り評議員会の監視、監督機能を強化したところでございます。
いずれにいたしましても、理事の選任に当たりましては、今ほど御指示をいただいたことなども踏まえながら、今般の法改正の趣旨を踏まえた適切な運用が全ての学校法人でなされるよう、文科省としてもモデル寄附行為の作成等に取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/226
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227・舩後靖彦
○舩後靖彦君 ありがとうございます。
今回の改正案では、大臣所轄学校法人などにおいて、学校法人の基礎的変更に係る事項、任意解散、合併や重要な寄附行為の変更においては、理事会の決議に加え、評議員会の決議も必要とされました。こうした重大な変更はそう頻繁に起きるとは考えにくいですが、少子化に伴う大学附属学校の募集停止や合併も最近珍しくありません。理事会と評議員会の意見が異なる場合、学校法人としての意思決定をどのように行うことになると想定しておいででしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/227
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228・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
理事会の決定とともに評議員会の決議を必要とする事項につきましては、理事会と評議員会の決議が異なる場合は学校法人としての意思決定が成立しないということになります。
今回の改正は、理事会と評議員会の対立を意図するものではなく、理事会と評議員会が相互に牽制し合いながらも建設的に協力し、充実した納得感のある学校法人運営を目指すものでございます。その上で、双方で丁寧な説明を尽くしてもなお意見が分かれた場合の議論の方法、その後の手続等につきましてはあらかじめ明確化しておくことなどにより円滑な学校法人運営に資することが考えられます。
御指摘のありました点なども踏まえながら、文部科学省といたしましても、本制度の具体的な運用に当たりまして、モデル寄附行為の作成等にしっかりと盛り込んで取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/228
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229・舩後靖彦
○舩後靖彦君 今回の法改正の主眼は、現行法では理事長、理事会をチェックする者をチェックされる側の都合の良い人間で固めることが容易にできてしまい、理事会の専横、暴走を止める仕組みがないことを正すことにあったはずです。しかしながら、本法案では、理事、理事会が評議員総数の二分の一までを選任することを可能とし、さらに、理事の親族など特別利害関係人を評議員総数の六分の一まで認めています。これでは、総数の最大三分の二までを理事会の意向を酌んだ人物とすることが可能になってしまい、評議員会が監視、監督の役割及び牽制機能を発揮できません。
規模が小さな学校法人では、そもそも評議員会の構成員数が限られていますので、三分の二でも二分の一でも、実質的な人数差は余りありません。しかし、人数が多い大臣所轄学校法人においては、理事会が選任する評議員と理事の特別利害関係人である評議員の合計が評議員総数の二分の一を超えないようにするという運用を施行通知などで求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/229
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230・茂里毅
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。
今回の改正におきましては、選任する主体に着目し、理事、理事会が選任する評議員の割合を二分の一までとするとともに、選任された評議員の身分等に着目し、職員評議員が三分の一まで、親族等評議員が六分の一までとする仕組みを導入し、評議員会に期待される牽制機能の実質化を図ることとしたところでございます。
さらに、今般の改正後の私学法におきましては、評議員に不正行為があった場合には監事が所轄庁に報告しなければならないこと、所轄庁が評議員の解任勧告を行うことが可能であること等についての規定を設けることで、評議員会が健全に機能していないような場合への対応手段が複数用意されているところでございます。
このように、人事に関する仕組みの整備のみならず様々な仕組みを設けることによりまして、これらが相まって評議員会のチェック機能の実効性を法的に担保できているものと認識しております。
なお、これらの制限につきましては、いずれも選任できる上限を定めたものでございます。必ずしも当該割合まで選任することを求めるものではない、そういったことにつきまして学校法人に周知を図りたいと思ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/230
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231・舩後靖彦
○舩後靖彦君 私立学校の不祥事の多くは理事会によって引き起こされてきました。その専横、暴走を止めるために、評議員会、監事によるチェックと牽制機能の強化は必要と存じます。
しかし、理事会も評議員会も、トップダウンで権力が一部に集中すると不祥事の温床となることは同じです。それを防ぐためにも、今後、本改正案が施行された後、私学をめぐる多様なステークホルダー、とりわけ私学を選んで通う学生、児童生徒の保護者、そして建学の精神、独自の校風と教育研究の中身を担保する教職員などの声を学校法人のガバナンスに反映させるボトムアップ方式の回路が重要になってくると考えます。
大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/231
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232・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 理事会と評議員会が相互に牽制し合いながらも充実した納得感のある学校法人運営を目指すためには、評議員会が特定の利害関係に偏らない幅広い意見を反映することができる構成になるようにすることが重要だと考えております。
教学と経営との協調関係の構築を進める観点から、現行法におきましても、評議員には学校法人の職員を必ず含めなければならないこととされておりまして、このことは改正後におきましても変わるものではございません。
また、今般の法改正におきまして、児童生徒、学生や、また保護者の御意見の聴取等に関する具体的な仕組みが盛り込まれているわけではありませんけれども、例えば、評議員会に学生や保護者の意見が反映できるような人選というのも可能となっております。
いずれにいたしましても、学校法人の運営に当たりましては、児童生徒、学生を始めとする、学生を始め、保護者、教職員、卒業生等の学校法人を取り巻く幅広い関係者との対話により公共性を維持し、そして社会の信頼を得ていくことが必要であると考えておりまして、その趣旨につきまして、しっかりと周知徹底を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/232
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233・舩後靖彦
○舩後靖彦君 本改正案が私立学校の多様性、研究、教育の自主性を維持し、かつ、公教育機関として社会の要請に応えるものとなることを期待し、質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/233
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234・高橋克法
○委員長(高橋克法君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
私立学校法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/234
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235・高橋克法
○委員長(高橋克法君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、熊谷君から発言を求められておりますので、これを許します。熊谷裕人君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/235
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236・熊谷裕人
○熊谷裕人君 私は、ただいま可決されました私立学校法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
それでは、案文を朗読いたします。
私立学校法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一、本法による学校法人のガバナンス改革に当たっては、私立学校の建学の精神を侵すことのないよう留意すること。また、大学を設置する学校法人においては、憲法で保障されている学問の自由及び大学の自治の理念を踏まえ、私立大学の自主性・公共性を担保する観点から、その設置する大学の教育・研究に不当に干渉することがないよう、特段の留意を払うこと。
二、理事会の業務執行に対する評議員会の監視・監督機能の強化を促進するため、あらかじめ評議員会の意見の聴取を要する事項について、必要に応じて意見の聴取に代えて決議を要することもできる旨を各学校法人に周知するなど、評議員会の権限強化策を推進すること。
三、学校法人の理事の選任は評議員会の監視・監督機能を定期的に発揮させる重要な手段であることを踏まえ、各学校法人の理事選任機関に評議員を含めるなどの工夫により、理事会からの中立性を確保するよう周知を図ること。
四、理事長等特定の者への権限の集中が一部の私立大学等における不祥事の背景となっている状況を踏まえ、評議員会の監視・監督機能が実質的かつ健全に機能するよう、理事又は理事会が選任する評議員数の上限については、必ずしも当該割合まで求めるものではないことを各学校法人に周知するとともに、上限の在り方について検討すること。
五、評議員の選任に際し、多様な主体が評議員会に参画することの重要性に鑑み、各学校法人の規模や特性に応じて、教職員、卒業生、保護者、地域住民、有識者などバランスの取れた多様な構成とすることが望ましい旨を、各学校法人に対し周知すること。
六、学校法人のガバナンス強化には、理事会及び評議員会の活性化が重要であることを踏まえ、各学校法人において理事会及び評議員会を理事及び評議員の出席のもと定期的に開催するなどの工夫により、積極的に意見交換するよう周知すること。
七、私立大学等のガバナンス不全を防止するため、文部科学大臣所轄学校法人等においては、理事長職について、責任に見合った勤務形態を取らせるため、任期や再任回数に上限を設けるための措置など理事長職の在り方について検討すること。
八、監事と会計監査人の連携や監査重点事項の策定などにより監事及び会計監査人による監査機能の実効性を確保するよう各学校法人に周知するとともに、会計監査人はその独立性を害するような監査証明業務と非監査証明業務の同時提供はできない旨の周知を図ること。
九、本法により学校法人の役員及び評議員の権限や責任に変化が生じることを踏まえ、役員及び評議員が期待される役割を適切に果たすことができるよう、研修の機会の確保に努めること。また、新たに選任される理事・評議員が学校法人の適正な運営に当たり必要とされる識見を習得できるようにするための取組に努めるとともに、本法により外部の理事・評議員の増加が見込まれることから、これらの者への必要な情報提供を図るよう、各学校法人に対し周知すること。
十、本法による学校法人のガバナンス改革の実施に当たっては、その対象となる学校法人は、都市部の大学等を設置する大規模なものから地方の幼稚園のみを設置する小規模なものまで様々であることから、特に小規模な学校法人に対しては、寄附行為・内規の変更や評議員の候補者探しなどの負担、地域間格差の拡大等に配慮し、設置する学校種及び規模等を踏まえた運用面での負担の軽減措置を講じること。
十一、本法は大学を設置する大臣所轄学校法人を中心に制度設計が行われているが、多くの学校法人の所轄庁は都道府県知事であることから、都道府県に対して丁寧な説明や調整が行われるよう努めること。
十二、私立学校法の対象外である株式会社により設置される学校においても、最大の利害関係者が学生等であることを踏まえ、設置主体の株式会社のガバナンス不全が学生等に不利益を与えないよう、設置者に対する指導助言の充実に努めること。
十三、学校法人の役員及び評議員の選任に当たっては、男女共同参画の観点から、女性の登用について配慮を求める旨を、各学校法人に対し周知すること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ各委員の御賛同をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/236
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237・高橋克法
○委員長(高橋克法君) ただいま熊谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/237
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238・高橋克法
○委員長(高橋克法君) 全会一致と認めます。よって、熊谷君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、永岡文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。永岡文部科学大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/238
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239・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/239
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240・高橋克法
○委員長(高橋克法君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/240
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241・高橋克法
○委員長(高橋克法君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時二十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00920230425/241
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