1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年五月三十日(火曜日)
午前十時十分開会
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委員の異動
五月二十五日
辞任 補欠選任
音喜多 駿君 梅村みずほ君
五月二十六日
辞任 補欠選任
梅村みずほ君 清水 貴之君
五月二十九日
辞任 補欠選任
世耕 弘成君 朝日健太郎君
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出席者は左のとおり。
委員長 杉 久武君
理 事
加田 裕之君
福岡 資麿君
牧山ひろえ君
谷合 正明君
川合 孝典君
委 員
朝日健太郎君
古庄 玄知君
山東 昭子君
田中 昌史君
森 まさこ君
山崎 正昭君
和田 政宗君
石川 大我君
福島みずほ君
佐々木さやか君
清水 貴之君
鈴木 宗男君
仁比 聡平君
委員以外の議員
発議者 石橋 通宏君
国務大臣
法務大臣 齋藤 健君
副大臣
法務副大臣 門山 宏哲君
事務局側
常任委員会専門
員 久保田正志君
政府参考人
出入国在留管理
庁次長 西山 卓爾君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和
条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入
国管理に関する特例法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○難民等の保護に関する法律案(石橋通宏君外三
名発議)
○出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和
条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入
国管理に関する特例法の一部を改正する法律案
(石橋通宏君外三名発議)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/0
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001・杉久武
○委員長(杉久武君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、音喜多駿君及び世耕弘成君が委員を辞任され、その補欠として清水貴之君及び朝日健太郎君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/1
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002・杉久武
○委員長(杉久武君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案(閣法第四八号)外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、出入国在留管理庁次長西山卓爾君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/2
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003・杉久武
○委員長(杉久武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/3
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004・杉久武
○委員長(杉久武君) 出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案(閣法第四八号)、難民等の保護に関する法律案及び出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案(参第九号)、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/4
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005・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 立憲民主・社民の牧山ひろえです。
さて、現在の難民申請は、第三者ではない入管職員である難民調査官による聞き取りを主たる要素とする一次審査と、一次審査で不認定となった場合の不服申立ての機会となる二次審査から成っております。
二次審査では、難民審査参与員三名による検討がなされ、専門性のある参与員の判断等に基づき、最終的には法務大臣が認否を決することになっています。二次審査は一次審査での不認定ケースの救済の機会であり、場合によっては一次審査の瑕疵を治癒しなければならない局面もございます。そのため、運用上、中立性と公平性を確保する努力を行うべき局面でありまして、参与員の専門性を生かすためにも、一次審査を行った入管庁の介入はなくすべき局面だと思います。
このような理解で間違いありませんでしょうか。大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/5
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006・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 難民審査参与員制度は、難民認定手続の公正性、中立性を高めるために平成十七年五月に導入された制度でありまして、法律又は国際情勢に関する学識経験を有する者の中から任命された難民審査参与員が、一次審査とは異なる外部有識者としての知見に基づいて難民認定に関して意見を述べていただくことによって、不服申立て手続の公正性や中立性をより高めるというところに意義があるというふうに考えています。
難民不認定処分に対する審査請求におきましては、難民審査参与員が公正中立な立場から三人一組で審理を行い、法務大臣は、少数意見を含む全ての難民審査参与員の意見を必ず聞いた上で、その意見を尊重して裁決をしていると、このような仕組みになっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/6
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007・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 大臣がおっしゃるには、専門性や中立性と公正性が重視される制度設計ということですね。
さて、参与員については三人一組で審査が行われるとのことですが、班の編成は任期ごとに行われるのでしょうか。途中で班の組替えがなされる場合、どのような基準でどなたが判断するのでしょうか。また、任期満了時、継続してもらうか、任期切れにて退任となるかの判断についてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/7
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008・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 難民審査参与員三名の組合せについては、法令によって法務大臣の権限として定められており、その運用は入管庁において行っております。
参与員の任期は法令上二年とされていますところ、参与員の方々の参与員としての職務以外の職務の状況、あるいは御本人の体調や御家族、御家庭などの状況などの事情から任期の途中であっても組替えされることがありますが、班の構成に当たっては、任期の途中か否かにかかわらず、異なる専門分野の参与員によって班が構成されるように配慮しているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/8
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009・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 そうすると、人事権もチーム編成権もいずれも入管庁の職員が持っているということですよね。で、ファジーな算定基準しかないということです。
例えば、参与員のチーム決めに関し、難民認定に積極的な参与員がいても、チームを組むほかのメンバーを入管庁の手配で難民認定に消極的な参与員と組ませておけば、自然に参与員から算定の意見が上申されてくることが少なくなるということになります。二月二十三日の当委員会で陳述された元参与員の阿部浩己先生も、認定の意見を持ったときでも常にほかの二名の参与員に反対された旨陳述されておりましたし、実際にそのような思惑を感じるチーム決めの操作を証言している元参与員もおられます。
では、どの班に又は誰にどのケースをどのぐらい審理要件を依頼するかという依頼案件の振り分けは、どのような基準でどなたが判断するんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/9
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010・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 事件の配分につきましては、法令によって法務大臣の権限として定められており、その運用は入管庁において行っております。
難民不認定処分に対する不服申立てがなされた場合、基本的には常設班に順次配分していきますが、平成二十八年以降、迅速かつ公正な手続を促進するため、臨時班には、審査請求人が口頭意見陳述を放棄した事件など、迅速な審理が可能かつ相当な事件を重点的に配分する運用を行っております。その上で、臨時班に配分された案件であったとしても、参与員が更に慎重な審査を要すると判断した案件については、常設班に配分替えを行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/10
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011・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 そうすると、案件の振り分けも結局入管庁なんですね。その振り分けにつき、柳瀬氏や浅川氏が膨大な件数を担当する一方で、ほとんど依頼を受けない参与員も存在します。なぜそのようなアンバランスが生じているのでしょうか。柳瀬氏が異様に多くの件数をこなしているのは臨時班ゆえとの説明がございました。では、臨時班に柳瀬氏が選出されたのはどのような選考基準によってでしょうか。なぜほとんど依頼を受けない参与員がいるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/11
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012・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 一般論として申し上げますと、難民審査参与員は、あらかじめ定められた三人の参与員によって構成された常設班に所属しているところ、他の常設班への応援や、迅速な審理が可能かつ相当な事件を重点的に配分している臨時班に掛け持ちで入ることに御協力いただける場合には、他の参与員よりも担当する処理件数が多くなることが通常である反面、参与員としての職務以外の職務の状況、御本人の体調や御家族、御家庭などの状況、異なる専門分野の難民審査参与員によって班が構成されるよう配慮するなどの事情から、処理件数が少なくなることもございます。
それから、柳瀬委員の選出についてお尋ねがございましたが、審査請求人が口頭意見陳述を放棄した事件等、迅速な審理が可能かつ相当な事件が重点的に配分する臨時班については、難民認定制度に関する知識又は経験の豊富な三人の参与員によって構成されるものとしております。
柳瀬氏は、難民審査参与員制度が始まった平成十七年から現在に至るまで長年にわたり参与員を務めておられ、ほかの参与員の代わりに審理に入ることにも御協力をいただいている方であり、また、昭和五十年代から難民を支援するNPO団体の設立に関わり、その運営も務めてきた方であることを踏まえ、難民認定制度に関する知識や経験が豊富な方として臨時班での審理に御協力をいただいているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/12
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013・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 今の話を聞いていると、入管庁の意図的な選別ではなくて、受け手である参与員の都合だと。いろいろな、御家族がいらっしゃったりとか、今おっしゃっていたとおりですけれども。
でも、これについて、私たちは当事者への聞き取りを行いました。そうしましたら、積極的に案件を下さいというふうに申し出ても、年間数件しか依頼を受けられていない状況も確認しております。ですから、ちょっとおかしいですよ、今の。
そもそも、年間一件も処理ができていない方を参与員に任命しているならば、任命すること自体が不適切じゃないですか。べき論でいいますと、先ほども確認を取ったように、一次審査の瑕疵を治癒しなければならない局面もあり得るので、中立性と公平性の確保、言い換えますと、一次審査を直接担当する入管庁の介入は、私はなくすべき局面だと思います。
ですが、今まで見てきたように、現場で一生懸命働いていらっしゃる方は第三者的な視点で業務を遂行なされているつもりでも、人事と業務配分を用いた分配の恣意性によって入管庁の判断を押し付けることが容易にできてしまう、そういう仕組みなんですよ。制度的にも、参与員の任命権は事実上入管が持っています。参与員は入国管理局の下請となっているのが現状との批判もあります。
では、臨時班の処理対象である迅速案件となっている迅速な処理が可能かつ相当なものという要件の具体的定義、及び全体のどの程度の割合が迅速案件と判断されたのか、過去五年分の集計をお示しください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/13
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014・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 迅速な審理が可能かつ相当な事件について、更に具体的な定義はございません。
その上で、具体的に申し上げますと、審査請求人が口頭意見陳述を放棄している事案など書面審査が可能な事案や、経済的理由から難民該当性を主張するなど難民に該当しないことを書面で明白に判断できる事案などがこれに当たることになります。
それから、集計についてのお尋ねがございましたけれども、業務上統計を取っておりませんので、お答えが困難でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/14
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015・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 あらゆるもの統計取っていないんですね。集計もしていない。本当にずさんな管理ですね。
委員長、過去五年分の迅速案件数を本委員会に御提出いただくよう、お取り計らいお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/15
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016・杉久武
○委員長(杉久武君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/16
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017・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 審査案件の割り振りに、そもそも非常に極端な偏りがあるわけです。柳瀬氏の場合、参与員が百十一人もいるのに、柳瀬氏一人に千二百三十一件、全体の二五%が集中しているんです。
一部の参与員に異常なまでに大量に処理させている現状、ゲームのプレーヤーが、自分に有利になる、ある特定の傾向を持ったアンパイアを自由に選べるようなものだと思います。しかし、その人選の理由は明かさない。完全にこれ、ブラックボックス。ブラックボックスの中で、集計すらされずに進められていく。上流の偏りが結果の偏りを生むわけです。
政府は、それでも公正公平な難民審査ができると胸を張って御主張できるんでしょうか。このような偏りがある中でも公平公正な難民審査ができると主張される根拠を明確に、大臣、お示しください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/17
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018・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、柳瀬氏は、平成二十八年以降、迅速な審理が可能かつ相当な事件を重点的に配分する臨時班にも掛け持ちで入っていただいていることから、事件処理数が多くなっているということであります。
この迅速な審理が可能かつ相当な事件とは、審査請求人が口頭意見陳述を放棄している事案など書面審査が可能なものがまず大半であるところ、書面審査による場合はその平均処理期間が令和四年で十・七か月、対面審査による場合の平均処理期間である二十九・四か月よりも大幅に短くなっていることからも分かるように、迅速な審理が可能なものなんですね。
また、この迅速な審理が可能かつ相当な事件は、経済的理由から難民該当性を主張するなど難民に該当しないことを書面で明白に判断できる事案が大半でありまして、難民認定に関する知識又は経験が豊富な三名の参与員が参集して協議をすれば短時間で結論の一致を得ることができるものが多いというふうに考えられるわけであります。これらを踏まえますと、柳瀬氏の事件処理数は多くても、十分に適切な審理を行うことができるものと考えています。
また、御案内だと思うんですけど、審査請求におきましては、難民認定手続の各プロセスに必要な専門的知見を有する専門家が三人一組で審理を行い、法務大臣は必ずその意見を聞く仕組みとなっています。平成二十八年以降、参与員の多数意見と異なる判断をした事案はないわけであります。
このような観点からも、一人の参与員の意見に偏ると、そういったものではないと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/18
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019・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 私の質問に、私、本当に、三人いればいいという話ではないですよ。本当に、表面的なことじゃなくて、根本的に間違っていることを私は主張して、それについてどう思われるかということを聞いているのに、繰り返し繰り返し法律に書いてある文言でお話しされているようで、答えになってないと思います。どのようにしたら、この偏りを感じてないのかなって、本当に不思議です。
公正公平な難民審査に関する私の懸念とただいまの大臣の答弁について、発議者の御所見をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/19
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020・石橋通宏
○委員以外の議員(石橋通宏君) 御質問ありがとうございます。
まず大前提は、補完的保護対象者も含めて難民等として保護すべき方々を保護しないということがあってはならないという、そこなんです。だから、これは極めて中立公平、的確に、専門性そして中立性ある機関でしっかりとした審査を行わなければならないというのが私たちの問題認識です。
残念ながら、そもそも私たちがこの野党案を提出させていただいたその経緯は、今委員が御指摘になったこの今の制度、そもそも、もう入管の審査員が、客観性、中立性ある形で審査が行われていない、基準すら明らかにならないブラックボックスの中で一次審査が行われる。これまで入管庁は繰り返し、いや、参与員がいるからいいのだと言って、これまでも間違いのない審査をしてきたと言ってきたわけですが、私たちはそもそもそこに重大な疑義を持っていた。今回の審議を通じて、改めてこの参与員制度、いかに残念ながらずさんと言われても仕方のないやり方で審査をやっていたのかということが浮き彫りになったんだというふうに思います。
今問題になっている柳瀬参与員のケース、これ、入管庁が、過去二年だけに絞った話ですけれども、数字を出してまいりました。これ計算しますと、稼働日数三十二日、三十四日と言いますが、これ一日四時間なんですね。一日四時間で単純計算しますと一件当たり六分なんです。一件当たり六分という審査が、じゃ、中立公正な参与員として適正、的確な審査ができているのか。いや、これ重大な疑義があると言わざるを得ないと思っています。このままいけばその制度は残るわけでありまして、このまま本当に、保護すべき方々が保護できているのだというこの入管庁の主張は、全くやはり私は立法事実そのものが崩れてしまっていると言わざるを得ないと思っています。
やはり私たちの案のように、もう出入国管理行政から明確にこの難民認定行政手続は切り離して、中立公正な第三者、この第三者委員会が専門性、中立性、公正公平性、そして国際基準にのっとった審査というものをしっかり行うこと、これがもう必要不可欠だということは断言させていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/20
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021・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 昨日も参与員の方々のお話を伺いましたけれども、最低でも一件につき一時間以上は掛かると言っていました。四分とか六分とか、驚きの本当、時間数ですが。
保護されるべき人が保護されるような審査がなされておらず、法改正の根拠が私は崩れていると思います。ブラックボックス状態の制度の下、異様な数の審査をこなしていた参与員の発言だけが切り出され、統計を確認することもなく立法事実とされる。こんなにもずさんな土台を基に、人の生き死にまで左右する法案を進めることを私は許すわけにはいきません。
ほかの委員も繰り返し述べられておりますけれども、柳瀬房子氏の発言は今回の政府案の立法事実となっております。私たちが柳瀬氏が語る事実関係の詳細を確認するのは、その真意が立法事実となった発言の信用性に直結するから、だから私は呼んでいるわけです。
参与員をお務めの柳瀬さんは、年間千件の審査を処理されたと公言しておられます。多いときには一日平均四十件。同じく参与員で、当委員会で参考人として登壇された浅川晃広氏も、年間千件、半日で五十件処理したこともあったと証言しておられます。出勤日をベースにすると一件十二分、一回の出勤当たり四時間の稼働との情報もあるので、その場合には一件六分で処理されたという計算になります。果たして、これで適正な間違いのない審査ができるのでしょうか。とても出勤日だけで処理できる分量ではなく、資料の下読みは事前に入管庁以外の場所でなされたという参考人の陳述もありました。ただ、資料の写真を見ましたけれども、一人分の難民審査書類だけでも相当な分量です。
柳瀬氏の陳述の信頼性につき、四月二十五日に行われた会見で齋藤法務大臣は、二〇二一年四月の参考人質疑で柳瀬氏が述べた二千件については、全て対面審査まで実施した、いわゆる慎重な審査を行った案件を前提として答弁されたものというふうに述べています。
法務省、入管庁が特定の参与員の年間審査件数の集計、統計はないとしている中で、そのように言い切れる根拠をお示しください。入管庁が根拠としたのは柳瀬氏がそう述べたからと取材に対して回答していたそうですけれども、柳瀬氏の発言内容の信頼性を検証する趣旨の質問に対してそれは回答になっていませんので、今度こそ回答いただきたいと思います。大臣、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/21
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022・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、立法事実につきましては、柳瀬委員の発言のみで我々が判断していないということはもう繰り返し繰り返し申し上げていることなので、是非御理解をいただきたいと思います。
それから、牧山議員御自身がおっしゃっていましたが、御指摘の私の発言は、当該参与員が二千件以上の案件を三対一で対面審査したと言っておられるので、三対一で対面審査したということは、それはもう慎重な審査を行っているんだという解釈になるということをお話をしたのみであります。
それから、柳瀬氏への信頼性につきましては、もうこれも何回も繰り返し答弁させていただいておりますけれども、これだけ難民認定に関する知識、経験が豊富で、長年にわたって難民の支援に実際に取り組んできた方、この方が、御自身の経験に照らして、入管庁が見落としている難民を探して認定したいと思っているのにほとんど見付けることができない旨や、申請者の中に難民がほとんどいない旨を述べられているということでありますので、私は、この発言は、これを唯一の立法事実とするかどうかは別にして、やはり重く受け止めるべきではないかと思いますよ。
それから、ほかの三名の参与員及び元参与員の方も、おっしゃっていることをまとめれば、これらの方も、ごく一部の事案でしか認定すべきという意見を出さなかったという事実を述べられたと思いますよ。その辺をよく理解していただきたいなというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/22
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023・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 彼女の発言だけをもって、それが立法事実の根拠となっているわけですよね。集計も取っていないし裏も取っていない、それって責任ある立場での答弁ではないと思います。責任ある立場で答弁できないからという理由で柳瀬さんに答弁させなかったわけですよね。なのに、何でその根拠というか、彼女の発言の根拠を示してくれないのか、非常に私は不服です。
閣法の立法事実の信頼性を検証するための、法案への対応に直結する重要な質問だと思います。おっしゃられた内容は、答弁を拒否する正当な理由にならないと思います。立法事実の信頼性の根拠を示すのは法案提出者の義務であり、私たち野党がせっつかなくても、政府側の義務として果たすべきだと思います。にもかかわらず、答弁されないということは、私は、立法事実を含めた柳瀬氏の発言を信頼する根拠はありませんということでしょうか。関連の更問いですので、大臣、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/23
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024・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 立法事実は柳瀬さんの発言だけではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/24
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025・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 信頼に足りる根拠をお示しくださいと申し上げております。
委員長、二〇二一年四月の参考人質疑で柳瀬氏が述べた二千件について、二〇二一年から二〇二二年分と同じように、柳瀬氏の処理件数と出勤件数を本委員会に御提出いただきますよう、お取り計らいください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/25
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026・杉久武
○委員長(杉久武君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/26
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027・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 時間となりましたので、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/27
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028・石川大我
○石川大我君 立憲民主・社民の石川大我です。どうぞよろしくお願いをいたします。
朝の五時に読売新聞がニュース、入管法、入管に関するニュースを打ちました。大阪入管に勤務する女性の医師が酒に酔った状態で収容者の外国人を診察していた疑いがあるとして、同局が内部調査をしているということが分かったというようなお話です。
これ、医師法十九条には応招義務というのが実はありまして、宴会などに出ていたとしても、来てくれということがあれば行かなければならないということで、私もお医者さんと食事をしたことが何度かありますが、携帯を常に置いておいて、それで食事をするといったような状況もあったかと思いますが。
そうかと思ったんですが、そうではなくて、今年一月からもう既に診察中に動作が遅いなどの不審点があることから、呼気の検査をしたところ、実施したところ、アルコール分が検出されたと。以前から、ふらつきながら歩いているとして周囲から飲酒を疑う声が出ていたということですが、この事実関係、大臣、どのように捉えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/28
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029・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、私もこの御指摘の報道は承知をしているわけであります。報道のとおり、現在、大阪局において、まず当該医師を、私も事実関係を把握しなくちゃいけないと思っているわけでありますが、まず当該医師を被収容者の診察業務には現在もう従事させていないということで、そのほか事実関係の確認等必要な対応を行っている状況だというふうに聞いておりますので、現時点では、まずその事実関係の確認を優先をしたいなというように思っております。
大阪局においては、聞き取りの結果、被収容者への医療体制の問題を生じさせないように、非常勤医師や外部病院医師による診察によって現在対応しているということでありますが、いずれにしても、事実関係については早急に確認をしたいなと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/29
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030・石川大我
○石川大我君 今の状況、これ兼業可ということになっているわけですけれども、このお医者様の給料の体系というのも著しく安いと、一般に比べて。ということで、兼業可ということになりますと、これ、兼業ということは、国家公務員、九時から十七時十五分まで働くわけですから、その後夜勤をするということになると、もう二十四時間営業でこれ働かなければならないということで、本当にこれはふらふらになってしまうということで、これ何らかの手当てが必要なんじゃないかなというふうにも思っています。
そして、お酒を飲みながら、基本的にはですよ、緊急の事態は別かもしれませんけれども、基本的にはお酒を飲みながら診察をするというのはちょっと一般の病院では考えられないわけです。
それで、この後やりますけれども、入管の施設の中のお医者様から非常にひどい仕打ちを受けたというような収容者の方たちの声というのを聞いております。
例えば、自分が病気であるということでお医者さん、医師のところに行っているにもかかわらず、隣に付き添っている入管の職員の話ばかり聞いて、本人の話を聞いてくれないとか、目が痛いと言って、腫れていると言っても、近寄って見るということすらしないというようなことがあったりとか、もう一人の方は、自分を人間扱いされていないんだと、首をこう持って、首じゃなくて顎ですね、顎を持ってこういうふうにやったり、右にやったり左にやったりと、本当に何か汚いものを触るような態度で接せられたという方、非常に多いです。
これ、実態を収容者からしっかりと聞き取って、医師がしっかりと診断、診察をしているのかと、我々病院に行ったときと同じような診察が受けられているのかということを実態調査するべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/30
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031・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 一つ一つの事実関係について、私は、申し訳ないんですけど、現在承知はしていないと、調べてみないと分からないということであります、今突然伺った話でもありますので。
ただ、そのような扱いが行われるということは、私はあってはならないというふうに当然思っておりますので、ちょっと確認をしたいなというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/31
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032・石川大我
○石川大我君 是非、この入管法の改正の前に、この実態をしっかりと明らかにして、そしてその改善をするということが法改正の前にすべきことだということは指摘をしたいというふうに思います。
次に、二十五日の齋藤大臣の答弁についてお伺いをします。
大臣は、我が国は法治国家でありますから、法律に基づいて、それが、違反状態になっている方については、やはり法律に基づいて対処していかなくてはならないと、その中において人権というものを重視していかなくちゃいけないという順番とか、人権と国益というもののバランスを取っていくということは必要というふうに答弁しています。
これ、答弁聞きますと、法律の枠内において人権を重視するとも解されまして、憲法の人権という下に法律があるという我が国の大原則を逸脱しているのではないかというふうな危惧もあるわけですけれども、大臣の答弁聞いておられまして、発議者はどのように捉えましたでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/32
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033・石橋通宏
○委員以外の議員(石橋通宏君) 既に十六日、十八日の質疑のときの答弁でも申し上げたと思いますけれども、重ねて、私たちは、国際人権条約、人権規約等批准国であります。難民条約も批准して、この国際基準、国際条約、それにのっとった人権の尊重というものをする国際的な責務、当然ながら役割があります。人権というのは、ユニバーサル、普遍的なものでありますから、それを世界で、みんなでしっかり守っていこうというのが世界の取組であり、私たちもその中で役割を果たしていかなければならないというふうに考えております。
もう言うまでもなく、国際条約、我が国が批准した国際条約というのは、憲法上、国内法の上位に来るというのは誰しも当然ながら知っていなければならないことでありまして、この出入国管理、それが優先するのだという話ではない。むしろ、しっかりと国際基準にのっとった人権を尊重する、人権を守る、これは我が国の責務としてしっかりと対応していかなければならないのだということだと思っておりますので、政府がそういう立場に立っておられないとすれば、これは極めて国際条約上、人権規約上も課題ではないか。
だからこそ、残念ながら、国際人権機関等から、この入管法については、政府案、二年前から国際法違反だという指摘を受けてきた、その事実は極めて重く受け止めなければならないのではないかというふうに思っておりますので、是非、私たちは、やはりこの人権をしっかり守っていくのだということを大前提にこの議論をしていかなければならないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/33
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034・石川大我
○石川大我君 国際法との関係、大臣、今の発言を聞いて、いかがでしょうか。同意されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/34
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035・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 私は、まず、大臣就任する前は人権外交議連の、超党派の、共同代表を務めておりまして、人権尊重するという立場から仕事をしてきた人間であります。そのことは申し上げておきたいと思います。
それから、私は、石川さんには本当に正確に私の発言を理解していただきたいと思うんですけど、石川さんも、人権を守るためには法律なんか無視してもいいんだということをおっしゃっているんじゃないと思うんですね。だとしたら、私は石川さんと同じ考えだと思いますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/35
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036・石川大我
○石川大我君 その点、発議者、いかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/36
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037・石橋通宏
○委員以外の議員(石橋通宏君) ちょっと今の大臣の答弁の御趣旨が、真意がつかめないのでありますが、私が申し上げたのは、先ほど御答弁申し上げたとおりであります。
私たちは、私たち日本が国として批准をした国際人権条約等、人権規約、これを誠実に遵守をする、履行をする、その義務があります。本来であれば、国内法が全てそれに合致していなければならないわけですが、そこに足りていない部分については、本来、国際人権条約が優越するはずでありますから、それをしっかりと誠実に守っていくというのが義務だと思います。
政府は、かねてから法の支配ということを強く言われています。それを言われるのであれば、まさにその法の支配の下に、この国際人権条約、人権規約、国際的に守るべき人権というものをやっぱり誠実に遵守をする。そうでなければ、いや、国内の利益が先なのだ、国益が先なのだ、日本は日本の事情があるのだと言ってしまった瞬間に、我々は他国に対しても何も言えなくなってしまうのではないかという懸念、心配があるのではないか。
そのことは極めて重く受け止めなければならないと思っておりますので、やはり世界の取組の中での人権を守る、これをしっかりと誠実に履行していく、そのことが私たちに求められていることなのではないかと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/37
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038・石川大我
○石川大我君 大臣、確認ですが、あくまでも国際的な取決めというものをしっかり守っていくと、そして、憲法というものがあって、そこに人権が規定されていて、その憲法の人権に基づいた形で、それに違反しない形でしっかり法律があると、そういう理解ですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/38
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039・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、日本政府が条約に違反しているかのような印象をもし持たれているのであれば、そこは条約違反は犯していないということは明言をさせていただきたいと思います。もし犯しているというのであれば、何条が違反なのかというのを明確に示していただきたいというふうに思います。
その上で、石川さんがおっしゃったことは、基本的に私は同感なんです。同感なんですが、個々の法律が一方で現存しているわけですね。その法律を無視していいかというところはまた別の問題がありますよねと、そのバランスはどうしてもあるんじゃないかと、現存している法律があるわけですから。そこについては、やっぱりバランスというものは考慮せざるを得ないなと言っているわけでありますので、多分余り違わないんじゃないかと思いますけど。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/39
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040・石川大我
○石川大我君 悪法もまたこれ法なりという考え方を取るのか、それとも、人権条項に違反する法律というのは、それは憲法違反なのではないかという議論なのか、ちょっとこれはいろんな議論がありますから、ちょっと時間がないものですから、この議論していると時間が終わらないので、ちょっとやめたいと思いますけれども。
あともう一点。入管庁は、送還忌避者の実態として、送還忌避者が前科を有する者が多いと、そして逃亡事案が多発というように資料に掲載をしております。詳細に刑期を書いたり、罪種別をつまびらかにしております。何を目的にこれらの項目が公表されたのかというのが分かりません。
前回、二十五日の委員会では、大臣は、刑を終えて出所した人に対する不当な差別や偏見はあってはならないと答弁しておりますけれども、わざわざポンチ絵に、たくさんの送還忌避者の中には凶悪な犯罪の前科の者がいるんだぞというようなことを率先して入管庁は資料として示しております。
大臣の答弁の、出所した人に対する不当な差別、偏見はあってはならないと真っ向から対立をするというふうに思いますが、今これを入管庁が言っているおかげで、非常にツイッターですとかSNSの中で誤った発言、あるいは、誤った、差別的な、罵詈雑言といいますか、そういったものが非常に流布をしておりますが、その点、発議者、どのように思われますでしょうか。
その後、大臣に聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/40
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041・石橋通宏
○委員以外の議員(石橋通宏君) 前回、鈴木委員からもこの点について御指摘を受け、御質問を受け、答弁させていただいておりました。
私たちの法案は、前科のあるなし云々での制度を変えるということはさせていただいておりません。前科がある、しかし、そういって、罪を犯した方も、例えば服役をされたり罪を償って、そして社会に復帰をされ、そして生活再建、罪を償いつつ対応されていると、そういう方々に対しては、これ日本人も外国人もないと思うのです。こういった方々に対して、きちんと社会全体で、その社会復帰に向けた支援、手を差し伸べる、これは重ねて法務省も政府も言っておられることであります。
じゃ、日本人にはそうするんだけれども、外国人にはそうしないということなんでしょうか。それは差別、偏見です。それを委員が先ほど言われた、それを政府があたかもそういう印象操作をされるということで、今そういった方々に対する偏見的ないろんな言説が残念ながら出てきてしまっているということは極めて深刻だと思っております。
私たちは、日本人であれ外国の方であれ、前科を犯した、でも罪を償って社会復帰をされる、そういった方々にしっかりと支援を差し伸べる、みんなで、それが必要なことなのではないかというふうに思っておりますので、そこは明確に申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/41
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042・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、私どもの記述は、ちゃんと順を追って記述をしているわけであります。
まず、私は、我が国に在留されている大多数の外国人の方は、ルールを守って適正に在留されていると認識しています。
そして、御指摘の資料には順を追って書いていまして、約三千百万人以上の外国人入国者に対して、年間ですね、退去強制手続の対象となる者は年平均で約一万七千人である旨記載をして、さらに、退去強制手続の対象となる者の大多数も退去強制に応じるなどして帰国をしていますということもちゃんと書いているわけであります。その上で、本資料は、本法案によって送還を実現しようと考えている送還忌避者について、その実態を明らかにすることを目的として、客観的な事実を明らかにしなくてはいけないということで、別に、外国人への偏見や差別を助長するといった、そういう意図はないわけであります。
すなわち、難民条約第三十三条第二項においても、一定の重大犯罪歴を有する者が送還禁止の対象から除外されるとされておりまして、送還忌避者の送還の是非について議論する上で送還忌避者の犯罪傾向に言及をすることは、この難民条約からいってもおかしなことではないと思っています。
さらに、送還忌避者の中には、例示していますけれども、仮放免の許可をもらった後、強姦致傷によって、仮放免の後にそういう犯罪を犯して懲役六年の実刑判決を受けるなんていう方も実際にいるわけですので、こういう問題があるということをやはり申し上げることは立法をする上で必要だと考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/42
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043・石川大我
○石川大我君 詳細な罪状とか刑期、これを示す必要はないんではないかというふうなことは指摘をしたいというふうに思います。
別の、次の質問に移りたいと思いますけれども、大臣、これ是非聞いていただきたいんですが、全国の入管施設、これ虐待がかなり起こっているということについて深刻に受け止めていただきたいということです。
以前からも言われておりましたし、野党ヒアリングを重ねるうちに、当事者の方々の意見を聞いておりますと、本当に耳を疑うような職員の皆さんからの暴言、そして暴行などの事例が多数寄せられておりますという話はお話をしました。入管庁で虐待が継続的に行われているのではないかということです。
入管庁で、外国人や刑期を終えた人に対する差別、偏見があってはならないという認識は、先週、大臣とも、今も話したところですけれども、実例を挙げますと、入管庁の中で親と引き離され、状況が分からない仮放免の小学生の男子が泣き叫ぶと、このくそ餓鬼というふうに東京入管の職員が暴言を吐いたりとか、あと、子供にビザを与えるから親が帰れというこの案件はかなり複数の方が御主張をされています、入管庁は否定をしておりますけれども。
あと、十年ほど前ですけれども、仮放免で更新に来た親子を引き離し、子供には折り紙を与えて、待っていてねというふうに言われて、三時間、子供一人で待たされたと。その後、お母さんが大変なことになっていると言われ、親の元に連れていかれると、両手に手錠を、上だと言っていましたけど、上で両手に手錠、そして足に縄のようなもので縛られ、失神している母がいたと。扇風機が十台ぐらい当てられていて、職員が十人ぐらいいたと。早く救急車を呼んでと、小学生、この子は言ったんですけれども、半笑いで対応をされたと。恐らくこれはてんかんの症状と酷似しているわけですけれども、非常に危険ですよね。これ、すべきことは、口でかんで、舌をかんで死んでしまう可能性があるので、てんかんの方はタオルとかそういったものをかませるというようなことをせずに、両手を手錠で押さえ付けるというようなことがあったりとか。
あと、入管内部でも、ハラル食を希望している方が、これはハラル食を希望している方なんですけれども、名古屋入管の局長から聞いた話ですが、特定の人にだけ配慮すると、行政運営上、公平性を欠くというふうにおっしゃっているようなこともあったりとか。
あと、これ、痩せ細った収容者が車椅子生活になったと。そのとき、足が挟まり取れなくなったんですけれども、医師の判断で車椅子を壊すしかないというふうに言ったんですが、職員が壊す道具がないとして、足の肉がえぐられるほどの大きな負傷をするようにしても無理やり足を外したということで、大けがを負っているということです。
その方、食事が喉を通らないということで、バナナなら食べられるんだということを言ったところ、入管側は、バナナを持ってくることは持ってきたんですけれども、青いバナナを、これ、ずっとヒアリングでもやりましたけれども、青いバナナを出したということで、とても食べられる代物ではないというものを出したということで、これに対して職員は、青いバナナを好む外国人もいるというようなことを言っているわけで、収容者に確認しましたが、私の国では青いバナナを調理して食べるということはあっても、黄色くて甘い方が、一般的なものが好きなんだというふうにも言っています。
こうした数々の暴言や暴行、虐待、入管庁で起こっている、入管施設で起こっている虐待の問題について、大臣、きちんとこれ調査をしていただいて、それがなければやっぱりこの法案審査できないと思いますけれども、大臣、これきちんと調査をすると言っていただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/43
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044・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 私は、収容施設において今おっしゃっているようなことが行われているということであれば、私は断じてあってはならないと本当に思っています。その一つ一つについて、もしそういう事実があるということであれば、私は確認をしたいと思いますよ。その上で、もし事実であれば、厳正に対処をしていきたいというふうに思っています。
ただ、なかなか事実関係難しいのは、このバナナに関する御指摘については、事前に聞いていたので調べましたけど、実際に本人に提供したバナナを確認をした結果、熟していないバナナを提供した事実はなかったということも現場で確認されているので、私は両方の話を聞かなくちゃいけないんだろうと思うんですけれども、やはり事実確認はしっかり私はやっていきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/44
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045・石川大我
○石川大我君 大臣、数々の証言が上がっている中で、一つも入管庁は認めません。いろんなことを、こういった事実があると言っても、そんな事実はなかったというふうに必ず言いますから、これはある意味、第三者委員会をつくるとか、しっかりと検証していただいて、その検証がなければ、やっぱりこの入管法の改正、この審議を進めることはもはやできないと思いますけれども、一旦、大臣、これ止めませんか、この入管法改正の議論。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/45
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046・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 私は、やっぱりウィシュマさんの事件を踏まえて、この法案の中で医療体制の改善も盛り込まれておりますし、それから、現実に長期収容が起こっていることについても改善をしたいと思いますし、それから、仮放免でやはり多くの人が逃亡しているという事態、これも改善をしたいと思っていますので、是非皆さんに御理解をいただいて通していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/46
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047・杉久武
○委員長(杉久武君) お時間になりましたので、質疑をおまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/47
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048・石川大我
○石川大我君 まだまだ話し足りないものがたくさんありますけれども、時間になりました。
柳瀬参与員の問題、二千件の問題や、五百件面会している問題や、この虐待の問題ですとか、認定を不認定になった方が帰った後にひどい目に遭っていると、拷問にやっぱり実際遭っているんだというようなことも、まだまだ話し足りないことがありますということを申し上げて、終わりたいと思います。
ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/48
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049・清水貴之
○清水貴之君 日本維新の会の清水と申します。どうぞよろしくお願いをいたします。
二年前にこの入管法が国会で審議をされて、まあ流れてしまいましたが、あのときに法務委員会には所属をしておりまして、ただそれ以来の法務委員会での質問ということになりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
今回の法改正を見ておりまして、やはりポイントとなるところ、一つ大きなのが仮放免の在り方、そして監理措置への転換、ここの部分ではないかというふうに思います。
このウィシュマさんの事件の調査報告書を見ても、体調が良くない方に対して柔軟に仮放免を適用していくべきではないかと、そうすることが相当ではないかという記述も入っておりますので、仮放免をそのように使っていくことに対しては非常に積極的にやるべきではないかというふうに考えてはいるんですが、やっぱりその一方で、先ほどもお話出ていたとおり、仮放免中の方の問題というのも多く発生しているのもこれも事実だと思います。だから、この辺をどう抑えていきながら仮放免をうまく運用していくかというのは、本当に非常に難しいテーマだなというふうに思っております。
そもそもなんですが、仮放免中の逃亡者、令和三年末でこれ五百九十九人、令和四年末、速報値で大体千四百人ぐらいの方が仮放免を受けて外部に出られて、でもその後、行き先がちょっと分からなくなってしまっているという、こういう状態だということなんですね。
としますと、まずそもそものところなんですが、仮放免の免許、仮放免を許可する段階でちゃんと審査ができていたのかと、若しくは、仮放免の受入先であったりとかこういったところに問題がないか、こういったところまでちゃんと把握したり管理をこれできていたのかと、まずここが問題ではないかというふうに思うんですが、ここについては、法務省、どのように考えていますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/49
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050・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 仮放免中の逃亡の原因につきましては個別の事案ごとに様々であると考えられ、逃亡者の増加原因について一概にお答えをすることは困難でございます。
現行法上、被収容者の収容を解く手段は仮放免しかないため、実務上、個別の事情に応じて仮放免を柔軟に活用し、収容の長期化等を回避してきたものでございます。しかし、現行の仮放免制度は、本来は一時的に収容を解除する制度であり、逃亡等を防止する手段が十分でなく、相当数の逃亡事案等が発生しているところでございます。
したがいまして、私どもとしては、仮放免許可の判断自体に問題があるとは考えてはおりませんけれども、こうした現行仮放免制度の問題や、あるいは、令和二年以降、新型コロナウイルス感染症対策の一環として仮放免制度を積極的に活用して被仮放免者数が増加したという事情が、仮放免中に逃亡した者の増加の一因と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/50
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051・清水貴之
○清水貴之君 仮放免中の犯罪の話が、これも先ほど大臣からありましたけれども、こういった外国の方も多数これ発生しているんですね。
仮放免中の逮捕者、令和三年で三百三十七人、令和四年で三百六十一人で、これは令和元年なのでちょっと前になりますけれども、入管難民法以外で逮捕された人が四十七人ということですから、これは、逃亡したことが原因で逮捕されたということではなくて、薬物であったりとか窃盗であったりとか、先ほど大臣から強盗致傷という話もありましたが、こういった非常に危険な犯罪によって逮捕された人たちもそれだけ含まれているということなんですね。
としますと、やっぱりこの治安の維持ということを考えていく上で、非常にやっぱり、今ありましたけれども、なかなか、審査の過程は問題なかったんじゃないかということですが、ちゃんとやっぱりふさわしいのかどうかというのは見ていくべきだというふうに思っておりまして、これが十分機能していないのではないかというふうにも感じるんですが、改めていかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/51
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052・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 仮放免許可を受けていた者が殺人や強盗などの重大犯罪を含め様々な容疑で逮捕される事案が相当数発生していることについては重く受け止めているところでございます。
そして、このような状態は、現行法制度下では仮放免された外国人の管理が十分にできていない場合があるという課題を現すものであり、早期に対応する必要があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/52
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053・清水貴之
○清水貴之君 仮放免、そもそもなんですが、今回、監理措置も導入してということなんですが、仮放免そのものは、先ほどの調査報告書にもあるとおり、これから柔軟に対応していくというようなことが書いてありますので、どうでしょう、人数としては、こういう状況のまま増やすことが適切だとは思わないんですけれども、これから人数としては、今増えてきていますよね、コロナ禍もあってという話もありましたが、これから、今後もまた更に人数としては増えていく見込みなのか。どのように仮放免ということを考えていくつもりなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/53
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054・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 改正法下におきましては、収容代替措置として監理措置制度を創設することといたしております。その監理措置の規模感につきましては、退去強制手続の対象となる者の推移にもよりますので、一概にお答えすることは困難ではございます。
もっとも、この法案におきましては、出国命令制度の対象を拡大し、相当数の者がそもそも収容されずに出国することとなり、監理措置に付すか否かの検討対象とならないことなどから、少なくとも、現行法下の仮放免制度の規模感のままで監理措置制度を運用することは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/54
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055・清水貴之
○清水貴之君 その監理措置への転換といいますか、全件収容から監理措置も導入しながらということなんですが、そうすると、監理措置で、監理人の方というのがおられて、そういった方々にある程度お願いをして、お任せをしてということになっていくんだと思うんですけれども、そういったことが本当に今後その逃亡事案などの防止に有効に働いていくというふうに考えての今回の法改正ということなんでしょうか。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/55
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056・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 本法案において創設する監理措置制度では、監理人が本人の生活状況等を把握しつつ指導監督を行い、逃亡、証拠隠滅又は不法就労活動を疑うに足りる相当の理由がある場合等の届出義務、監理措置条件等の遵守のために必要な場合に、被監理者の生活状況等のうち主任審査官から求めのあった事項を報告する義務を履行することにより、入管当局が監理人から必要な事項について届出、報告を受け、平素から被監理者の生活状況、条件遵守状況を的確に把握し、監理に支障が生じた場合には、入管当局におきましても、監理人からの相談を受け、必要に応じて被監理者に適切な指導を行うことを想定いたしております。加えて、逃亡等のおそれの程度に応じて必要な場合には保証金を納付させることができる保証金の納付制度、それから、監理措置又は仮放免中の逃亡等の行為に対する罰則を規定いたしております。
こうした監理措置制度の適正な運用は、逃亡事案の発生や犯罪行為の抑止に資するものであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/56
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057・清水貴之
○清水貴之君 監理人の方々も、善意でやられている方とかボランティアの気持ちでやられている方がもうほとんどだと思いますので、なかなかそういった方々の責任を取っていく、問うていくというのは、なかなかちょっと趣旨と違うし、難しいのかもしれないんですけれども、ただ一方で、このウィシュマさんの、これも報告書に書いてあることなんですけれども、ウィシュマさんのときに保証人として名のり出た方が仮放免で受入れ元になられたケースでは、例えば、その方の中で、その方が受けた件数のうち大体二割ぐらいが逃亡事犯として発生してしまった。これはもう事実として書かれているんですね。
としますと、監理される側にもうちょっと頑張っていただきたいなといいますか、すごく善意のお気持ちでやられるんだと思うんですけれども、でも、外出てこられて、一般社会で生活して、あとはちょっともうどこか逃げてしまって分かりませんというのが増えるのも、これも非常に問題かなというふうにも思うんですよね。
だから、本当にこの辺のバランスというのが、兼ね合いというのが難しいなというふうにも思うんですけれども、この監理人に対して、監理人の皆さんに対してどう接していくといいますか、どのようにこの逃亡事案を防いでいく手助けをしていただくというか、一緒になって取り組んでいくか、こういったことはどうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/57
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058・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 監理人の責務は、被監理者の逃亡等を防止するため、本人の生活状況等を把握しつつ指導監督を行うこと、それから、被監理者の相談に応じて、住居の維持に係る支援、必要な情報の提供等の援助を行うように努めること、その他、先ほども御答弁いたしました、届出あるいは報告義務を負っていただくということで、監理人はこれらの責務を果たすことによって被監理者を監理することとなります。
ただ、先ほどの答弁も申し上げたとおり、入管当局も監理人の方の御相談に応じていろいろと援助をしていくということは考えております。その上で、本法案においては、監理人に対して、自己が監理する被監理者が逃亡したことをもって罰則を科すことはしておりません。もっとも、自己が監理する被監理者が逃亡した場合には、次回以降監理人になろうとしたときに、逃亡が発生した事実も踏まえ、監理人の適性を慎重に審査することになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/58
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059・清水貴之
○清水貴之君 仮放免についてはここで質問を終わります。
大臣にも最後一言いただいてもよろしいでしょうか。仮放免を積極的にこれから活用していくということについては賛成なんですが、ただ一方で、今十分ぐらい議論させていただいたとおり、やっぱりしっかりと安全も担保、治安の維持、安全も担保されなければいけませんし、やっぱり問題が発生することを止める手だてを打った上でこういうことを進めていかなければいけないと思うんですが、大臣、改めてどうぞよろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/59
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060・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、本件の基本的考え方は、できるだけ収容ということをしないで済むようにしようという基本的考え方があって、そのためには外に出すんですけど、ただ、従来の仮放免ですと逃亡も発生しているし、それはそもそも仮放免の趣旨を若干拡大解釈しているようなところもあるということですので、やはり一定の監理の下で収容を解くという、それが必要なんじゃないかということで、中身は次長から答弁させていただきましたけど、そういう考え方でやっているということです。
そもそもの出発点は、いかに収容しないで済むようにするかというところから物事を発想しているというところは理解していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/60
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061・清水貴之
○清水貴之君 続いて、今回の法改正のもう一つの大きなポイントが補完的保護対象者認定制度だというふうに思います。
ウクライナから来られている方々をこれ念頭に置いてという話もあります。私の選挙区、兵庫県ですけれども、兵庫県にもたくさんのウクライナの方が来られて、今一緒に、一般社会の中で一緒に生活をされておられます。今後は、このウクライナ避難民がこの補完的保護対象者に当たる見込みということなんですが、これまた、どのように、その審査基準といいますか、どのように判断をしていくのかと。
今大体二千四百人ぐらいですか、二千数百人の方がいらっしゃるので、じゃ、全員がその対象になっていくのか、それとも、その中でも例えば、何ですか、帰る先の厳しさによって判断をしていくのかとか、いろんな状況があると思うんですが、これを個別具体的にどのように見ていくのかというところがなかなかちょっと見えにくいなと。法案をこれ見ても分からなかったので、まずはこの点をお聞かせいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/61
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062・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 補完的保護対象者は、難民条約上の難民以外の者で、難民の要件のうち、迫害を受けるおそれがある理由が、人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見という難民条約上の五つの理由であること以外の要件を全て満たすものというふうにされております。
補完的保護対象者に該当するか否かは、申請者ごとにその申請内容を審査した上で個別に認定すべきものであって、一概にお答えすることは困難ではございますが、一般論として、ウクライナ避難民のように戦争等に巻き込まれて命を落とすおそれがあるなど、迫害のおそれがあるものの、その理由が難民条約上の五つの理由に必ずしも該当しない者は補完的保護対象者に当たると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/62
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063・清水貴之
○清水貴之君 もう一点なんですが、例えばなんですが、これ、二年前に軍事クーデター、ミャンマーで起きましたね。このときは緊急避難措置として日本でも滞在を認めて、大体一万人近い方が日本に来られたということもありました。このときも、法務大臣の裁量によって特定活動と呼ぶ在留資格を与えてということだというふうに認識をしておりますが。
やっぱり、今ウクライナの皆さん、避難民という形ですよね、で来られていて、今回は補完的保護対象者認定制度というのができるということで、あとは、やっぱり難民というのももちろんありまして、難民の審査がというのもこれまで議論になっていますが、この辺りのある意味線引きといいますか、難民、避難民、補完的保護対象者認定制度、こういったものがこれから混在をしていくようになるんですが、この辺りの考え方というのは、今法務省としてはどのように考えているものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/63
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064・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 先ほども申し上げたとおり、補完的保護対象者というのは先ほど答弁を申し上げた要件でございますので、要件該当性としては条約難民と補完的保護対象者というのは明確に法律上区別はされております。
その上で、そのほかに人道上の配慮として、先ほど挙げられました、本国情勢に鑑みて人道上の配慮として在留資格を与えるという措置、これは現行法上、法務大臣の恩恵的、裁量的措置として行うということで、条約難民と補完的保護対象者は要件が明確に定まって、該当すればそれに認定しますけれども、在留特別許可なり在留資格を与える本国情勢による人道的配慮というものは裁量的に行われるという違いがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/64
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065・清水貴之
○清水貴之君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/65
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066・鈴木宗男
○鈴木宗男君 齋藤大臣、御苦労さまです。
今我が党の委員からも、清水委員からも質問されました。これ、千四百人もの逃亡者がいる、それが行方も分からないという現状。率直にこれ、大臣、どんなふうに受け止めております。
私は、国の基本は、安全保障、外交、教育、治安だと思っています。これ、治安に関して極めて私はゆゆしき事態だと、こう思っているんですね。この点、大臣はどういう認識でおられるか、お尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/66
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067・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 基本的に鈴木委員と同じ認識でありまして、やはりこの状態は解消されなくてはいけないと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/67
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068・鈴木宗男
○鈴木宗男君 解消するために私はこの改正案もあるというふうに理解をしているつもりです。同時に、まだまだ私は甘い点もあるというふうにも受け止めております。
限られた時間ですから、前回、私はデイリー新潮を引用して質問をして、西山次長からは、このデイリー新潮の記事はそごはないという、同時に、これは正しいんですねと私は念を押したらば、再度そごがないという答弁いただきましたから、この記事は正しいと思うんですけれども、これ、委員の皆さんにも共有したいんですけれども、このデイリー新潮の記事はこういう記事です。
立憲民主党の石川参議院議員が支援し、東京出入国在留管理局から仮放免を許可された四十代のスリランカ人男性が、過去に強制わいせつ致傷罪と強姦致傷罪で二度、有罪判決を受けていたことがデイリー新潮の取材で分かった、男性は二度の服役後、東京入管に収容、体調不良を訴え続け、二〇二二年四月に仮放免されてからは関東地方で暮らしている、これまでに男性は三度、難民申請を、難民認定申請をして強制送還を免れているという記事であります。
そこで、私はこの発議者にお尋ねしますけれども、重大前科がある外国人が在留資格がない場合には入管施設に収容されることになっておりますけれども、対案では収容期間に上限は設けられているのでしょうか。石橋発議者にお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/68
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069・石橋通宏
○委員以外の議員(石橋通宏君) まず、お許しをいただいて、一言、御質問の案件について考えを述べさせていただければ、この前科云々の情報が公にされたことは極めて遺憾だと思っております。誰がその情報を知り得る立場にあったのか、誰がその情報を提供したのか。これ、先ほど言ったとおり、前科がある方の社会に出てからの様々な支援ということについては……(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/69
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070・杉久武
○委員長(杉久武君) 石橋君に申し上げます。質疑者の趣旨を踏まえて御答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/70
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071・石橋通宏
○委員以外の議員(石橋通宏君) これ、大事なところですので、関連するところですので、お答えをさせていただいております。
その上で、これ重ねての御答弁になって恐縮なのですが、私たちの法案では、前科のあるなしでこの様々な制度の判断基準を変えるという対応はさせていただいておりません。
委員の御質問で、収容の上限をということで御質問いただきましたが、私たちは、原則収容しないという制度設計をさせていただいております。その上で、真に逃亡のおそれ、また逃亡の蓋然性がある、それを客観的に証明された場合に、かつ、地方裁判所の司法判断をかませた上でやはり収容が必要であるという判断をされた場合には収容するという、そういう制度設計をさせていただいておりまして、しかし、その上で、収容には上限六か月という上限を決めさせていただいており、本来、本国にお帰りいただくべき方々についてはその期間内に母国にお帰りをいただくという、そういう制度設計で、長期収容問題の解決というものを提案させていただいているということは御承知いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/71
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072・鈴木宗男
○鈴木宗男君 六か月という今話が出ました。じゃ、六か月で送還に応じない場合はどうなるのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/72
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073・石橋通宏
○委員以外の議員(石橋通宏君) 重ねて、私たちは、難民等保護委員会が適切に審査、判断、手続を取らせていただく、その上で、その審査が、濫用であると、二回目以降の審査においてこれは明らかに濫用であるという判断がされた場合に、そして、司法の判断、これを得るという、裁判を受ける権利を保障させていただいた上で、やはりそれでも濫用であるという判断をされた対象者については、これは速やかに退去していただくと、実は我々の案でもそういう制度設計をさせていただいております。ですので、重ねて、長期収容問題を解決するために私たちはこの六か月という上限を決めさせていただいて、その間にお帰りをいただく。
これ、例えば、今現行制度でもあるのですが、護衛官付きの送還システムというものが現に存在をいたします。政府には、やはりこの長期収容をいたずらに許すのではなくて、しっかりこの期間内にお帰りをいただいて、長期の自由の拘束ですとか人権の侵害ですとか、そういったことをさせないという努力をやっぱり国としてやっていくべきだ、そういう形の制度設計を提案させていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/73
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074・鈴木宗男
○鈴木宗男君 石橋発議者、私も、民主主義ですから、性善説に立つのは私は前提としているんです。人を見て疑っちゃいけないと、こう思っています。
お聞きしますけれども、現在千四百人が逃亡している、行方が分からない。じゃ、この現実は発議者はどう受け止めますか。同時に、これに対して対案では、今のお話だと私はできないと思っておりますけれども、どういうふうに対応するのか教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/74
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075・石橋通宏
○委員以外の議員(石橋通宏君) まず、千四百人という数字が提起をされておりますけれども、一体この千四百人の方々は、では、いかなる背景事情、いかなる理由、いかなる事情で逃亡されているのか、逃亡せざるを得なかったのか、そこのところの本質的な制度の現状の問題というのを私はしっかりと深掘りするべきだというふうに思っています。
重ねて、我々が野党案を出させていただいているのは、現行の制度が本来保護すべき方々を適切に保護していない、保護できていないという問題がある。母国に帰れば、命、迫害のリスク、危険のある方々、母国に帰れない方々、そういった方々までひっくるめて全件収容し、そして強制送還をすると。その中で仮放免し、でも、仮放免されても就労もできない、生活ができない、そういう状況の中でという現実問題がある。さらには、様々な事情でそういった方々に対する支援が提供されていないがために、残念ながらやむを得ずそういう逃亡をしてしまう方々も現におられると。
これは、私たちもこの間ずっと、そういった方々、当事者の方々、支援されている方々からのヒアリングで、残念ながら現在の制度がそういった逃亡の多発を招いているという問題にしっかり切り込まなければいけないのだという、そういう精神で私たちは野党案を提案させていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/75
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076・鈴木宗男
○鈴木宗男君 端的に発議者に聞きますけれども、じゃ、逃亡は仕方ないという認識でよろしいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/76
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077・石橋通宏
○委員以外の議員(石橋通宏君) 逃亡は仕方がないという言い方はしておりません。
重ねて、逃亡する現在の制度的そういった背景はどこにあるのかということはしっかりと真摯に議論をし、そしてそこをどう制度的に対応するのか。私たち野党案は、重ねて、その穴を塞ぐために、本来保護すべき方々、これは補完的保護対象者含めて、しっかりと第三者委員会としての難民等保護委員会が国際基準にのっとって、ブラックボックスではなく、きちんとした基準に基づいて審査をし、誰もが客観性、納得性ある形で保護すべき方々を保護する。
さらには、日本で生まれ、日本で育って、日本語で学び、日本でこのまま活躍をしたいと、そんなお子さんたちが、在留資格がない、それで将来を閉ざされる、強制送還の憂き目に遭う、親子が離される、そういったことがないように、在留特別許可についてもきちんと認定申請をさせていただく、そういった制度設計もさせていただいている。
これでそもそも逃亡の多くの原因は塞ぐことができるのではないか、そういう提案を私たちはさせていただいているわけでありまして、委員御指摘の逃亡はやむを得ないとか、仕方ないとか、ほっておいていいとか、そういう制度設計をさせていただいているわけではないということは是非御理解をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/77
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078・鈴木宗男
○鈴木宗男君 政府案と比較して、あるいは発議者の今の話を聞きながらも、私は、それは理想の話、希望的な話だと私は受け止めております。現実にできるかということ、今の逃亡者のこの千四百人という数字を見ても明らかであります。この点、国に帰ったら迫害を受ける、そういう国の状況なんかも勘案して入管は難民申請者に対しては私は公平に公正に対応しているというふうに認識もしていれば、それが事実でないかというふうに思っております。
そこで、齋藤大臣、大臣にお尋ねしますね。
今のやり取りを聞きながらも、大臣は、法務大臣として自信と責任を持ってこの改正案出していると思っております。政府として、何ゆえに改正案を出したか、同時に、かくかくしかじかで国民の理解をいただきたいし、この法案に間違いはないんだという答弁をしてほしいと思うし、また明らかにしていただきたいと、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/78
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079・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) きちんとお話ししたいと思うんですけど、難民申請について非常にいいかげんにやっているんじゃないかという趣旨の御質問をたくさんいただいておりますが、これも毎回申し上げるんですけど、不認定になった案件、これ、平成三十年から令和四年までの五年間で訴訟が起こされておりまして、行政訴訟が。百九件ありますが、そのうち国が百四件勝っているわけであります。そういう意味では、難民認定についてもしいいかげんなことをやっていたら、こういう結果は出ないはずだと思います。あるいは、裁判所も一緒になっているというふうに認識されるなら別でありますけれども、そういう事後的なチェックも実は働いているんですね。
その上で……(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/79
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080・杉久武
○委員長(杉久武君) 御静粛にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/80
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081・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) その上で、難民認定した者と、しない者で人道的配慮によって在留を認めた者の合計は処理件数の二九・八%までになっているわけで、この意味でも庇護すべき方は庇護されているし、さらに、ウクライナ、ミャンマー、アフガニスタンの情勢不安等を理由に在留資格の変更を許可した者を加えると七割行っている。
何が言いたいかというと、今の在留審査も難民認定もきちんとやっているという我々は前提に立っているので、それが違うと言われてしまえば、もうそこから先は議論は平行線にどこまでも行くということであります。
その上で、私は、収容の長期化を何としても防止をしたいという意味でいえば、やはり現行では仮放免を柔軟に活用するしかなくて、その結果、千四百名、四年末、逃亡が出ているということでありますので、これを現行制度のままでおれば私はもっと増えていくんだろうと思いますので、ここは何としても、収容は解除するけれども、一定の管理はしてほしいということで法改正をお願いしているわけでありますので、是非ここは理解をしていただきたいなというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/81
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082・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、その点、私はやはり自信を持って進めていただきたいと思います。
トータルで考えて、何をもって国益かという観点が私は一番だと思っております。国益なくして、私は人権もないと思っております。人権だけ優先しても、私は、通りません。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/82
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083・杉久武
○委員長(杉久武君) 御静粛にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/83
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084・鈴木宗男
○鈴木宗男君 この点、いやいや、いろいろ考えあってもいいけれども……(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/84
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085・杉久武
○委員長(杉久武君) 御静粛にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/85
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086・鈴木宗男
○鈴木宗男君 私の考えは私の考えで信念持って、あなたの何十倍も政治家やってきていますから、こう言っているんです。
ここ、大臣、何かしら、人権と言えば善だ、全てが。国益と言えばちょっと一歩下がれみたいな議論は通らぬ。私は、両方大事だし、両方の考えた上での判断をしてこの法案が出ていると、こういうふうに思いますけれども、大臣の認識はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/86
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087・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 国益と人権が私は対立する概念だとは思っておりませんで、当然人権を守りながら国益も守っていかなくちゃいけないということでありますので、対立するものだと思っていませんので、大きな意味で国益と人権というものは両立し得るんじゃないかと思っていますので、うまくやっていかなくちゃいけないというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/87
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088・鈴木宗男
○鈴木宗男君 石橋発議者、今日は御苦労さまでした。
五月二十五日、時間は午後五時十八分、あなたが街頭演説やっておりますね。そこで、有り難いことに、鈴木宗男だとか齋藤健の名前を出して、批判の演説をやっておられます。
政党も違うし、考えも違っていいんです、民主主義だから。ただ、私は、この院の委員会の中で話したことは、議事録にも載って公のものであります。私は私の主張があっていいわけでありますから、それについて怒りを込めて私は発言するなんという演説は、私は逆に論外だと、私はこう思っておりますので、この点、委員の皆様方にも、事実として、私の方にもいろいろ情報来ているものですから、これは公にしておきたい。
特に、齋藤大臣なんかは真面目に答弁している。鈴木宗男の批判は、石橋さん、いいけれども、齋藤大臣の批判は、私は、これは余りいいことではないと、こう思っておりますので、この点は指摘をしておきます。
最後に、時間の関係もありますから、齋藤大臣、私はこの袴田さんの件だけはどの委員会でも触れておりますので、これ、袴田さんの件について触れさせていただきます。
三か月、立証までに検察側が掛かるという話を三者協議で言われました。そこで、私は、袴田さんの裁判、相当な時間掛かっておりますし、静岡地裁の判決出て、今回の東京高裁までの、特別抗告をしないまででも九年ですよ。その間、検察側は相当記録なんかを読んでいると、こう思いますね。
何ゆえに頭から三か月かということを私は再三大臣に聞いてきましたけれども、そろそろ、私は、再審に向けて検察はこうだという、時間掛かる理由はこうだ、あるいは、何回公判をやって、記録もこれだけの量があるから時間が掛かるんだとか、ちょっと分かりやすい説明をしてもらいたいと、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/88
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089・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 毎回お答えしているんですけど、お尋ねの訴訟記録がどのくらいあるかとか、そういうものを検証して検察が最終判断をするわけでありますので、本来余り詳細についてお答えするのは法務大臣と検察との関係でいろいろあるんですけど、私ちょっと調べていて、ここで御報告できる部分だけ、せっかくですので御紹介したいと思うんですけど。
御指摘の事案における裁判所の判決書や決定書において明らかとなっている内容から把握できる範囲でお答え申し上げますと、要するに検察がいろいろチェックする必要があるということなんですけど、まず、確定審において、第一審で少なくとも二十八回の公判記録が開かれるなどしておりまして、確定審における事件記録というのは合計三十分冊ぐらいあるそうなんです。一分冊まあいろんな厚さなんですけど、こういうのが三十分冊ある。また、その一次再審請求審における事件記録は、これ合計二十分冊あるということであります。
それで、こういうものをチェックをしながら、再審といっても新たに裁判を始めるということでありますので、検察としてはそういうものを判断材料として読みこなしながら判断をしていかなくちゃいけないということでありますので、ここから先は具体的には申し上げられないんですが、それ相応の時間が掛かっているということなのではないかなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/89
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090・鈴木宗男
○鈴木宗男君 時間ですからこれでやめますけれども、大臣、私は、人権というならば、袴田巌さんの人権が今一番必要だと、こう思っております。半世紀の人生を無駄にしたというか、無にしたということは重いんです。どうか人間としての対応をしてもらいたい、このことを強くお願いします。一日も早い再審があっての私は真に公正で公平な日本社会だ、こう思っておりますので、このことを強くお願いして、今日のところはこれでやめておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/90
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091・川合孝典
○川合孝典君 国民民主党の川合孝典です。
これまでの質問で様々議論させていただいてまいりましたが、今日、済みません、通告していないんですけれども、昨日の朝日新聞デジタルに上がっていた、スーダンからの難民申請者が認定されていないという在留許可の関係の報道が出ておりました。
通告していないから後ろ慌てていますけれども、次長、この記事について御存じでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/91
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092・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 報道につきましてですけれども、これに関連しまして、我が国においては、申請者ごとにその申請内容を審査した上で、難民条約の定義に基づいて難民と認定すべき者を適切に認定しております。また、難民とは認定しない場合と……(発言する者あり)済みません、私は、正直に申します、今委員からお聞きしまして知りました。済みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/92
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093・川合孝典
○川合孝典君 急な質問だったからそのことについては結構なんですが、大臣にもちょっと聞いていただきたいんですけれども、実はこの方、二〇一七年に来日された方ということなんです。南スーダンとスーダンとの関係もありまして、当然、この方がおっしゃるには、南スーダンでいわゆる働きに行っていたこと、経験があって、そのことをもって要はスーダンの公安機関に身柄を拘束されたということらしいんです。日本は、ビザがたまたまそこで出たものですから日本に来日をされて、その上で難民申請をされたと。ところが、一次の、一回目の難民申請では不認定となって、退去強制処分を受けて、現在二回目の難民申請を行っていらっしゃる最中である、こういう事例なんですね。
この入管法の法案改正の話、今やっている話で、二〇一七年ということですから、五年、六年前の話ということで、当時とは事情、状況が違っているということはもちろん踏まえた上でなんですけれども、現実問題として、今、要は不服申立てを行っていらっしゃる方々や、在留許可が出ないまま不安定な立場で何年もにわたって日本の国内にいらっしゃる方がおられるわけですよ。したがって、そうした方々が今回の法改正を受けて、要は送還停止効の例外規定が導入されることで有無を言わさず送り返されるのではないのかということが一番大きな彼らの懸念なんです、懸念なんです。
今回、法改正と併せて、相手国の事情等もきちっと調査を行った上で、いわゆる補完的保護の観点から在特を出すということについても今回枠組みができるわけなんですけど、一般論で結構なんですが、今、この南スーダン、スーダンといった完全に紛争地帯から逃れてこられた方々の難民申請というものは、難民該当性というものはあると大臣はお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/93
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094・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 南スーダンという地域を特定してのお答えはなかなか難しゅうございまして、難民認定、再三御答弁申し上げていますように、個別の事案に応じて個々に判断、要件該当性を判断していくということでございます。
ただ、こういう紛争地につきまして、迫害のおそれという意味では、失礼、その五つの理由による迫害のおそれに該当するかどうか、なかなか難しい面もあるのではないかというふうに一般論としては思いますけれども、ただ、その上で、本国情勢に基づく人道的な配慮としての、先ほど委員が御指摘になりました在留特別許可といったものの活用も考えられるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/94
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095・川合孝典
○川合孝典君 大臣、お聞きいただいて、その上で大臣はどうお感じになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/95
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096・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 私、もっと具体的に調べないと責任あるお答えはできないんですけれども、難民以外でも、多分スーダンの情勢って相当悪化しているので、日本人が退避したりしているわけですから、相当状況変化はあったんだろうというふうに思っていますし、それから難民で仮に該当しないとしても、今度新しくできる補完的保護対象者に該当するかどうかも、恐らくチェックを十分できる状況、まあ結果は分かりませんけど、チェックはできる状況なんじゃないかなというふうには感じますけど、それ以上はちょっとお答えできないかなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/96
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097・川合孝典
○川合孝典君 突然の質問なので、ちょっと今日はここまでとさせていただきたいと思いますけれども、ちょっと調べていただいた上で、具体的にどうなっているのかということについては西山次長の方でまた御説明いただければと思います。
いわゆる出身国情報、つまりは、この一連の議論の中で個別に審査を行ってということを繰り返し入管庁の立場として御説明いただいているんですが、もちろん個々の事情というものがあるということが前提だとは思うんですけど、そのことと同時に、その相手国の状況だとか治安状態だとかという、これはスーダンもそうですし、クルドもそうですし、ミャンマーもそうでありますが、そうした我々の感覚からは計り知れないような危険な状態というものが生じているということになったときに、個別案件として捉えるということと同時に、その相手国の状況というものをまずは大きく捉えた上で、そのことを前提とした上で個別の要は事情というものを審査をするという姿勢でいかないと、全てが個別事情ということになってしまうと、今回のようなケースに関しても、今後どうするか分かりませんよ、しかしながら、要は、従来の審査基準に基づいたら難民該当性に当たらないということでスーダンに送還ということも可能性としてゼロではないわけですよね。だから、皆さん、そのことを懸念されているんだと思います。
私は、繰り返し申し上げておりますけれども、難民認定率が低いから難民をもっと認定、数を増やしなさいという立場には立っておりません。あくまでも、適正な難民認定手続を取ることを通じて、本当に、真に保護されなければいけない人が確実に保護される制度の枠組みになればいいと思っております。
したがって、そうしたことを今回の法律改正でも望んでいるわけでありますけれども、入管がこれまでやってきたことは、制度上、制度をきっちり運営をしてきたという意味では入管がおっしゃっていることは正しいんだと思いますけれども、他方、そのことの結果として、こぼれ落ちてしまって保護しなければいけない方が保護できていないということ、この問題と、私は正直、真摯に向き合っているとは思っておりません。これまでやってきたことの過ち、足らざるところが一体どういうことなのかということを自らやはりきちんと検証しないと今後の適正な難民認定手続につながっていかないと思いますので、そのことは西山次長には付言をさせていただきたいと思います。
その上で、質問、通告した質問の方に戻りたいと思いますが、昨日、東京入管に、与党の御配慮によりまして見学をさせていただいてまいりまして、大変貴重な経験をさせていただきました。
実際、見せていただいて、審査をする窓口のフロアのところが申請者、申請を待つ方であふれていました。書類を書く場所もないということで、職員さんが椅子に座っていらっしゃる方に直接しゃがみ込んで対応していらっしゃるようなケースとかというものがあったわけです。当然、これプライバシーに関わる話もそこにはあるわけでありますから、やはりきちんとした施設というか、席に座って、ある程度プライバシーが考慮された形でそうした手続も取れなければいけないんですが、そうはなっていないと。
全体として、東京入管のあの施設ができてから既に二十年以上が経過しているという話であって、その間、日本に来られる出入国数というものが飛躍的にやっぱり増えている。そうした状況の中で、入管施設のキャパも全く足りていないなということを、昨日施設を見せていただいて感じたわけであります。
その上で、例えば難民を審査される方というのも、東京入管で四十人少し、四十一人だか四十人だかとおっしゃったと記憶していますが、この審査をされる方がいらっしゃるということなんですが、実は私もこれまで知らなかったんですが、難民申請をされる方の実は九〇%が東京入管で申請されているんです。ということは、難民申請者数の九割を四十数人の難民審査官が扱っていらっしゃるとなったときに、完全に実はもうオーバーワークというか、もうキャパを超えてしまうような状況で実務が回っていると。そこへ来て、コロナが収束をしたことによって出入国が一気に増え始めていて、あちこち人手が足りなくなってということで、地方局の方へも応援、空港なんかにも応援に出ているというようなお話も聞いております。
そうしたことを踏まえて、実は私、東京入管の局長に、この難民認定に掛かる実は期間、三十三か月だということを聞いたものですから、率直に、この職員の数を増やすことでその三十三か月は短くなるのかと実は質問させていただきましたところ、短くなりますとはっきりおっしゃったわけです。
長期収容の問題だとか、難民認定までに時間を大きく要するということの背景にあるのが、丁寧に審査をしているから時間が掛かっているという側面と、それ以上に人手が足りなくて、要は一件一件の審査を迅速に行えない状況に今あるんだということを、是非大臣にはそのことを受け止めていただきたい。
その上で、今後、外国人との共生社会というものの実現に向けて様々なインフラ整えていかなければいけないわけでありますので、この入管の施設の問題等について、また人員の問題について是非検討していただいた上で体制の強化を図っていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/97
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098・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 私は全く同感でありまして、これから外国人の方も増えていくという前提で共生社会というものをつくり上げていかなくてはいけないということでありますので、それにふさわしいやはり体制の確保ということについては頭の真ん中にありますので、努力をしていきたいというふうに思っています。
これからいろんな予算要求とか人員要求のプロセスに入りますので、是非お力添えもいただきたいなと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/98
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099・川合孝典
○川合孝典君 前向きなお取組いただくことに対しては反対する立場ではございませんので、是非大臣にはそうしたお取組を進めていただきたいと思います。
あわせて、人の問題だけでなくて、例えばITの環境についても、これは職員の方から私が聞いた仄聞情報ということで受け止めていただきたいんですが、ネットにつながっている端末がほとんどないということらしいです。当然、そのセキュリティーというか、重要な情報を扱っている分、いわゆるLANというか、イントラネットで内向きのネットはつながっているらしいんですけど、外部から情報を取ってこようと思ったときにネットにつながるパソコンがない。したがって、職場にほとんどないものだから、使いたいと思ったら、朝早く来て人がいない間に使うか、夜皆さんが帰ってから残業して使うのかといったような、にわかには信じられないような話が実はあります。
それと、入管の施設拝見したときに、理事の皆さん御覧になりましたけど、場所がなくなってしまって、いわゆる鍛錬場、武道場ですよね、体育館があるんですけど、体育館のスペース半分ボードで仕切って、そこに机並べて仕事していらっしゃるんですよ。そのぐらい実は追い詰められている状況だということ、このことも是非知っていただいた上で、視察等も一度やっていただければと思いますので、これも付言させていただきたいと思います。
その上でなんですが、この人手不足の関係のことで一点、これ入管に確認させていただきたいんですが、まず、難民審査参与員の問合せがあったときに、いわゆる出身国情報を集めている専従職員さん、これ、一年間で一人当たりどのぐらいの参与員の問合せに対応しているのか、これ、まずお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/99
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100・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) お尋ねの、参与員から依頼を受けた難民調査官において収集が困難な出身国情報については、当該難民調査官から調査依頼に基づいて、専従職員において情報の調査、収集を行っております。
この調査依頼に回答した件数でございますが、二〇一九年が五件、二〇二〇年が九件、二〇二一年は十件、二〇二二年は十二件でございます。なお、これらの件数につきましては、具体的に何人の難民審査参与員から依頼によるものなのかについては把握はできておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/100
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101・川合孝典
○川合孝典君 客観的な数字はそうだということです。大臣にも是非お聞きいただきたいんですけど、入管が公表している令和四年度における難民認定者数等の資料によると、令和四年一年間で、一次審査で七千二百三十七人分の難民認定申請が審査処理され、不服申立ての処理状況が五千二百三十二人ということで、トータル一万二千四百六十九件、申請に係る手続をした方がいらっしゃるということです。
この一万二千件を超える審査の出身国情報へ五人の専従職員で対応しているという、こういうことになるわけです。一人当たり、単純計算して、一年間二千五百件対応しているということなんですね。
それで、入管の説明は説明として客観的に受け止めますけれども、そのこととは別に、一次審査における申請者の国籍、六十八か国らしいです。不服申立てでは四十三か国ということなんですね。仮にこれ、一次審査と不服申立ての申請者の出身国が完全に重なっていたとしても、合計六十八か国を五人で担当していることになるということです。
そして、この一万二千五百件近い件数のうち、四年間で実際にいわゆる出身国情報を提供したのが三十五件ということですから、そういう意味では、いわゆる専従職員さんがこの参与員の方に対してリアルタイムで要は出身国情報を提供できているかというと、システム、制度上というか、組織上全然できてないということは客観的に数字がこれ物語ってしまっているわけなんですよ。
そうしたことを考えたときに、この専門人材というものについてもっと大幅に増員を掛けるべきなんじゃないのかと私は考えるんですが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/101
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102・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) いきなり大幅増員かどうかは別にいたしまして、その専門性の向上というのが非常に肝だと思っています。
若干補足になって申し訳ないんですけど、確かに本庁には五人の専従職員ということでありますが、地方の出入国在留管理局には難民調査官に指定されている者が兼任を含めて四百二十一名おりまして、まず、これらの調査官においても出身情報を取って、国の情報を取って自分の審査に当てているわけでありますので、その五人だけで全てを集めているということではないわけであります。
五人は手が回らないところを支援をしていくという形に今なっているわけでありますが、じゃ、リアルタイムで完全な情報が取れているかということにつきまして、やはりこの五人の人たちがそれは配慮しながらやっていかなくちゃいけないところだと思っています。
いずれにしても、どういう、五人を増やせばベストなのかどうかということもあるんですけれども、やはりシステムとして適切に現場の人が最新情報を手に入れるように、できるようにするには、さっきのネットの環境の話もありましたけど、そういうものを含めてトータルで考えていきたいなというふうには思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/102
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103・川合孝典
○川合孝典君 ありがとうございます。
難民調査官の方々始め各局、地方局の方で実際に出身国情報を収集する作業をしていただいていることも分かっているんですが、御承知のとおり、入管職員もローテーションしますので、したがいまして、その作業に、専従で長年その仕事に携わるという方ばかりではないということを考えたときに、やはりこの辺りの情報収集だとかというものはシステマチックにやらないと、人の、いわゆるその職員さん個々人の能力に左右されるようでは困るわけでありまして、そういったところについても是非今後の組織の見直しの中で検討材料として挙げていただきたいと思います。
次の質問、入りたいと思います。
出身国情報のこれもことなんですが、難民調査官に対してどういった形式でその出身国情報が提供されているのかということについてお伺いしたいと思います。
五月十六日、私が質問した、この件に関して質問したときに、米国国務省や英国内務省の報告書を翻訳しているといった趣旨の御答弁を実は頂戴しております。これ、例えば翻訳されたアメリカ国務省若しくは英国内務省の報告書をそのまま送るのか、それとも、その申請者に関連のある情報を抜粋した形で分かりやすく提供しているのか、又は、国ごとに様々な人権問題が当然ありますので、特定の出身国の特定のタイプの申請者に関連性の高い情報を収集して送るのか。
だから、海外の情報ということで一般論としての情報をただ送っているだけだと、受け取る側も実際難民申請の判断を行う上で有効な情報にはなっていないということになるわけでありますので、その辺りのところ、どういった形で難民調査官に情報が提供され、出身国情報が提供されているのか、確認させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/103
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104・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 本庁の出身国情報の専従職員が収集した情報は、地方局の難民調査官に対して、国籍のほか人種等、迫害理由に該当し得る個々の事項やテーマごとに整理した上で電子データで提供をしておりまして、難民認定審査の実務において参照しやすいように工夫をしているところでございます。
その際、様々な情報を参照できるよう、原則として、今委員御指摘がありましたような報告書等はそのまま共有することとしておりますが、地方局の難民調査官から個別の問合せがあった場合など、事案に応じては特定の部分のみを提供することもございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/104
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105・川合孝典
○川合孝典君 私も一般論として伺わせていただきました。
大切なことは、正しく審査ができる情報になっているのかという、この点ということでありますし、そういった意味でいえば、皆さん一生懸命やっていらっしゃるんだとは思いますけど、結果が完璧にそれに伴って出ているのかということについては、その点に疑義が生じているということでこういった議論をしておるわけでありますので、改めるべきはどうやって改めていくのかということについても、是非この点も御検討いただきたいなと思います。
この件に関して、ちょっと話がそれるんですけれども、昨日、東京入管行かせていただいて、面談室に入らせていただいて、そこそこ広い部屋、多分、東京入管の中で一番広くてまともそうな部屋に入れてくださったのかなと思いながら見ておりまして、実際にはもっと狭い部屋もいろいろあるということは伺っておりますが、そこのところで張り紙で、いわゆる撮影、録音禁止という張り紙が出ているんですね。
第三者性、透明性を担保する上で、録音や録画、若しくは第三者、客観的な立会人を一次審査で付けるべきなのではないのかという議論がこれまで繰り返しなされております。国によって対応が違いますが、おおむね先進国はこれ両方やっていると。アメリカではどちらか片方は認められていないということ、録画かな、録音は認められているということだったように記憶しておりますが。
これ、静かな環境で審査がなかなかしにくくなるということが、立会いや録音、録画について消極的な姿勢をこの間示し続けておられるわけなんですが、疑義が生じたときに、その審査のバックデータが正しいのかどうなのかということを判断する上で、録画や録音のデータが残っていた方が判断の正当性というものを、後で問題が生じたときに立証しやすくなるという意味では、とらないことの正当な理由が私には正直言って分からないというふうに思います。
その上でなんですけれども、調書作成のときに、調書を文語体で書くべきなんじゃないのか、失礼、口語体で取るべきなんじゃないのかといったようなことも以前言わせていただきましたが、例えば、今後これ検討していただきたいのは、調書を取るときに、いわゆる文字変換アプリありますよね、もう携帯で入れてしまえば、文字変換アプリだけでやり取りした情報全部そこに保存して残るわけですから、それを調書と一緒に例えば保管をして、必要なときには活用するといったようなことも、やる気になったらすぐできるんじゃないのかなと思いました。
これ、西山次長に答弁を求めても一般論でしか返事返ってきませんので大臣にお伺いしたいんですけれども、そうしたことも含めて、実務の見直しというものについて工夫すべき点がいろいろほかにもあると思われませんか、今私が指摘したことも含めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/105
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106・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 私も二十三年行政に携わっていましたので、いろんな申請業務にも携わってきまして、そのやり取りがそのまま例えば録音、録画されるということがいろんなことを聞き出す上でプラスなのかマイナスなのかというのは、正直まだ私自身、心の中で決着が付いていないような問題でありますが、ただ、多くの人は、確かに何かあったときの立証には役立つんですけれども点々々という方がやっぱり現場は多いみたいなんです。だから、ちょっと私自身は、現行やっていることを良くないと断言するほどのものを持ち合わせていないので、適切にやってほしいというような気持ちなんですけど。
その上で、新しい技術というものが出てきたときにそれをどう活用するかということについては、これは常に検討をしていくべき話だろうと思っていますが、文字変換アプリについて、私は余りまだ自分自身やったことないので分かりませんが、いずれにしても、私はこれ本当に不断に、正確性と適切性を確保するための不断の努力というのが必要だと思っていますので、ここは、ちょっと私自身少し落ち着いたら、今全く時間ないものですから、落ち着いたら調べてみたいなというふうには思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/106
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107・川合孝典
○川合孝典君 突然の質問にお答えいただきまして、ありがとうございました。
時間が参りましたので、これで終わります。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/107
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108・仁比聡平
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
問題になっております難民審査参与員が関与する不服申立て手続について今日お尋ねしたいと思います。
議場の皆さんには配付をしている資料の一番最後に難民認定手続の概要をお配りをしておりますけれども、つまり、今からちょっと議論をするのは、入管が難民認定申請に対して不認定の処分をすると、これに対して、行政不服審査法に基づく不服申立て、審査請求と呼ばれますけれども、この審査請求の手続という場面なんですね。
まず、お配りをしていますが、今年の三月に大阪地裁で、ウガンダ人の、ウガンダ国籍のレズビアン当事者に対して難民認定を不認定にした、難民申請を不認定にした入管庁の判断が、これが覆されるという判決があり、確定をいたしました。
この件について、二十五日の参考人質疑で渡邉参考人が紹介をされましたけれども、口頭意見陳述が実施をされなかったと、そこには、その理由として、申立人の主張に係る事実が真実であっても、何らの難民となる事由を包含していないという理由が示されたことについて驚愕だと、驚愕の理由が示されているというふうに述べられましたけれども、まず、西山次長、そうした理由で口頭意見陳述を行わなかったと、これは事実ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/108
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109・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 今委員が御指摘いただいたのは、法令にそのように定められているものでございまして、私どもとしては、参与員が法令にのっとって口頭意見陳述の機会を与えないこととしたというふうに承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/109
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110・仁比聡平
○仁比聡平君 今お話あったように、口頭意見陳述の機会を与えないこととしたんですよ、難民審査参与員が。
資料の三枚目に、入管がつかんでいた事実の概要というのがあるわけですけれども、この申請者がレズビアンであること、そして、本国において同性愛が違法とされており、警察から三か月身柄拘束をされ暴行を受けたこと、帰国した場合、逮捕され三十年の懲役刑に処せられるおそれがあると主張していることなどは、これ、つまり一次審査で認識をしていたということだと思うんですけれども、難民参与員は合理的な説明をしているとは認められないというふうに考えたんだと思うんですが、これ、インタビューもせずに合理的な説明をしているとは認められないと、申立てに信憑性は認められないというふうにして不認定の処分をした。
これ、大阪地裁の判決を受けて、入管庁としてはこの判断について反省はないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/110
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111・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 御指摘の判決につきましては、その詳細は個別事案であることからお答えは差し控えますが、訴訟の段階で原告から新たに提供された証拠を原告の供述の信用性を裏付けるものとして、難民不認定処分を取り消す判決がなされたものと承知をいたしております。
すなわち、難民不認定処分時及び審査請求時と訴訟における事実審の口頭弁論終結時とでは前提となる資料等が異なるため、お尋ねについて一概にお答えすることは困難と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/111
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112・仁比聡平
○仁比聡平君 そうおっしゃいますけど、入管庁あるいは法務大臣の処分までの間に入手あるいは接触ができない、アクセスできなかったものなんですか、その新たな情報というのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/112
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113・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 個別の事案でございますので、お答えを差し控えさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/113
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114・仁比聡平
○仁比聡平君 裁判で提出された証拠、それを新たな証拠と言うんだったらば、それはそういう、それに基づいて裁判所は判断したんでしょうけれども、それ、ウガンダ人のこの当事者が難民認定申請を申し立てている段階で、入管庁として当然把握できた情報なんじゃないんですか。私は強く疑っているんですね。
地裁判決の結論の部分は今お手元に、四枚目の、抜粋を私の方で作りました。
判決は、ウガンダにおいては、同性間の性行為については合意によるものであっても終身刑という重い刑罰を科する対象とするなどするものであり、同性愛行為そのものを違法と捉えている、すなわち、同性愛者を、その性的指向に着目して、そうでない者と区別される一つの人的範疇と捉えた上で、この範疇に属する者を、上記のとおり、刑罰を科する対象とするなどしていると言える、このような事情が認められる本件においては、同性愛者であることをもって、上記の特定の社会的集団の構成員であることに該当すると解するのが相当であると。
難民該当性の、難民条約上の国際基準にまず当てはまるじゃないかということを判断をした上で、続けてこう言います。
ウガンダでは、同性愛者に対する差別的意識が強く、これがウガンダの警察組織などの国家機関の内部にも残存しており、ウガンダ刑法百四十五条を適用して逮捕する場合があるほか、他の法令を適用して恣意的な身柄拘束をする可能性があったと言える、このようなウガンダの情勢は現在においても余り変わっていない。原告がレズビアンであることを理由に、E警察署の警察官らに逮捕、勾留され、棒で殴られるなどの暴行を受け、相当な傷害を負ったにもかかわらず、敗血症に至るなど重症化するまで、相当長期間にわたって、適切な医療を受けられないまま、身柄を拘束されていたことが認められることからすると、原告がウガンダに帰国すれば、同様に、原告がレズビアンであることを理由に警察官らに逮捕、勾留され、暴行を受けるおそれがあると言えるので、通常人が原告の立場に置かれた場合にも上記のような暴行を受ける恐怖を抱くような客観的事情が存在すると言えると。
当然だと思います。この判決を基礎付ける事情というのは、これは一次審あるいはこの不服申立ての手続の中で当然把握できたはずじゃありませんか、次長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/114
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115・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 繰り返しになりますが、個別事案の詳細についてはお答えを差し控えますが、まず、一般論として、その上で申し上げますと、難民該当性は、申請者から提出された証拠資料だけを参考にするのでなく、申請者の供述等の個別的事情及び国籍国等における一般的事情の一切を総合評価して判断すべきものと考えております。
また、例えば、国籍国等においてある法令が存在し、これが適用されることにより迫害が生じ得る場合においては、当該法令の具体的な適用状況や、申請者と同様の立場に置かれた者が当該法令の適用によって迫害を受けているかどうか等の事情を検討することになります。
その上で、先ほども申し上げたように、この御指摘の判決は、訴訟の段階で原告から新たに提出された証拠、これが原告の供述の信用性を裏付けるものと評価された上でこのような判決になったというふうに承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/115
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116・仁比聡平
○仁比聡平君 原告の供述、難民認定申請者の供述は信用すべきものだったんですよ。供述に信憑性があったんですよ。それは、裁判のときも、そして難民認定申請のときから信用すべきものだったんですよ。それを口頭審理も行わずに不認定にしたと、直ちに送還すべき者だと判断したと、そのことについて何の反省もないのかと私は聞いているんです。
この判決が証拠として詳しく認定したもののうち、ウガンダ国内の人権擁護NGO、HRAPFという団体のレポートがあります。このレポートは、判決によると、英国内務省、オランダ司法・安全保障省、フィンランド移民庁、ドイツ連邦移民・難民庁、そして米国国務省などの人権レポートなり、あるいは難民認定の判断に基礎付けるような情報としてこれ共有されている情報なんですね。
大臣、ちょっと聞いていただきたいんですが、判決によると、そのHRAPF報告書について、被告、国ですね、これ、被告、国の代表は大臣なんですよ、齋藤健になっているんですが、この報告書におよそ証拠としての価値はないと裁判上主張しておられる。各国が難民条約に基づく、保護すべきは保護しなきゃいけないと、この義務に基づいて各国が位置付けているといいますか、このウガンダの人権擁護NGOの情報に対して国がおよそ証拠としての価値はないと裁判で主張し続けたと。これ、とんでもなくないですか。
私は、このことは、入管庁における難民認定の審査に当たっての出身国情報、これがまともに審査されていないということを示しているんじゃないかと思いますけれど、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/116
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117・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 済みません、ちょっと申し訳ないですけど、今初めてこの報告書の話聞きましたので、この場では事実関係を確認させてくださいとしか申し上げようがないです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/117
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118・仁比聡平
○仁比聡平君 この地裁判決が入管の判断を覆したということについての認識を問うという通告を私しておりまして、つまり、このテーマの重さというのは、難民認定申請に対する審査が出身国情報に基づいて申請者の供述の信憑性を本当に真剣に審査できているのかと、これ、できていないからこうなっているじゃないかということなんですよね。だから、そういう事案に対して口頭審査を行わなかったという、そのことを渡邉参考人は驚愕の理由だと言っているんです。
判決の中身や事案の経過は改めて大臣調べていただいて、次の機会に認識をお尋ねしたいと思いますけれども、この口頭意見陳述というインタビューの重要性について、さきの参考人質疑で、小尾参考人も、そして渡邉参考人始め阿部参考人も極めて重要な問題提起をされています。その中で、渡邉参考人こうおっしゃっていまして、インタビューの際に、膨大な出身国情報、これを全て難民調査官は把握していないといけない、少なくともウガンダの同性愛者が抱えている困難というものを理解した上でそのインタビューに臨まなきゃいけない、何もないままで質問して個別事情を聞いていっても、その人の危険性は浮き彫りにできないと。
そのとおりなんですよ。世界にはいろんな国があって、レズビアンだというだけで暴行、脅迫を加えられる、敗血症になるぐらいまで残酷な拷問的なことを受ける、それを憲法やあるいは刑法がそれを支えているとか、大統領がそれ推進しているとか、日本で、どうですか、ちゃんと調べなかったら、申請者がどういう状況で迫害のおそれがある、恐怖を抱いているという、その十分な理由があるかどうかって判断できないじゃないですか。
その重要な情報をおよそ証拠としての価値はないなどとあくまで裁判上も主張し続けるような入管に、私は、難民認定申請の適正な判断を期待するというのは、私、間違いだと思いますが、大臣、もう一回、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/118
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119・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) 済みません、繰り返しになりますけど、どういう主張をどういうふうにしていたかというのを、事実関係確認させていただかないと何ともコメントしようがないので、そこは御容赦いただけたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/119
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120・仁比聡平
○仁比聡平君 是非よく調べて考えていただきたいと思うんですけれども。
そこで、難民審査参与員の事件の配点、配分が一体どんなことで行われているのかということで今日も議論が続いているわけですけれども、先ほどの牧山理事の質問に対して西山次長は、迅速な処理が可能かつ相当な事件として臨時班に配分するという、これ誰が配分するのかということについて、入管庁においてというふうに御答弁をされました。
これ、入管庁においてというのは、具体的にはどこがやるんですか、入管庁の中の。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/120
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121・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 具体的な検討は担当の課において行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/121
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122・仁比聡平
○仁比聡平君 担当の課というのがどこですかと聞いているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/122
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123・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 審判課でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/123
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124・仁比聡平
○仁比聡平君 それは本省の審判課ということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/124
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125・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 入管庁出入国管理部審判課でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/125
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126・仁比聡平
○仁比聡平君 その判断と、現場の入管、一次審査を担う入管、多くの事案で、例えば東京入管、東京入管はその事件の配分には関わらないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/126
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127・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 先ほど御答弁したように、法務大臣の権限でございますけれども、本庁において運用を行っておりますので、本庁で判断をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/127
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128・仁比聡平
○仁比聡平君 もうそれが本当に、実質的な判断が、何件でしたっけ、三千六十五件でしたっけ、そういう数を本庁の審判課が逐一全部調べ直して、迅速な処理が可能かつ相当な事件という判断をしているんですか。
この振り分けの基準というのは、これ以上はないとおっしゃいましたよね、さっき。配付資料の、皆さん、九ページ、ちょっと御覧いただきたいと思うんですけれども、これは、平成二十九年に入管庁が、難民認定制度の濫用・誤用的な再申請者の帰国促進に係る措置の試行についてと称して、東京入管でそうした取組のトライアルをやると、試行をやるということの詳細な通達なんですね。
二枚目のところを御覧いただいたら分かると思いますけれども、東京入管の次長を統括者として、審理監理官、警備監理官を補助者、そして、難民調査、違反審査、審判という各首席審査官、調査第三部門、処遇部門、執行第一部門の各首席入国警備官を部門責任者とする、つまり東京入管挙げての体制をつくって、濫用、誤用的な難民認定申請ではないかというんでしょうかね、の対象者を決めて、対象者を選択して、選定して、ごめんなさい、選定して、速やかな難民、じゃない、速やかな送還につなげていくというものになっていて、後でよく御検討いただければ、まるでベルトコンベヤー式のようだということがお分かりになるんじゃないかと思うんですが。
その中で、この九ページのところ、今質問をしている審査請求について、難民審査参与員事務局は、難民不認定処分に対する審査請求があったときは、本省審判課と協力して、措置対象者に係る審査請求案件を優先処理することとし、措置対象者が口頭意見陳述を放棄したとき又は指名された難民審査参与員が口頭意見陳述を実施しないことを決定したときは、難民審査参与員による書面審理及び難民審査参与員からの意見書の提出を経た上で、速やかに当該案件を本省に進達するという役割を難民審査参与員事務局が担うことになっていますよね。
この難民審査参与員事務局というのは、これは一体どこにあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/128
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129・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 地方局の東京局と名古屋局と大阪局に事務局ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/129
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130・仁比聡平
○仁比聡平君 昨日、東京入管で視察をしたときに、この不服申立ての手続に東京入管はどのような関わり方をするのかという質問で、難民審査参与員の日程調整だったり部屋の確保だったり、そうした事務局的な仕事は東京入管がやるんですというお話でした。加えて、一次審査でどういう審査をしたのかということについても、この不服申立ての中で東京入管が関与するということでした。
この事務局は膨大な数の審査をしてきているわけですよね、事務局というか東京入管が。その材料で迅速な処理が可能かどうか、あるいは可能かつ相当かということを判断しているんじゃないんですか。何かそれ以外には判断のしようがないんだと思うんですけど、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/130
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131・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 先ほど来申し上げているように、本庁の審判課が事件配分については担当いたしますので、地方局と連絡を取り合って、判断としては審判課で行うということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/131
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132・仁比聡平
○仁比聡平君 結局、入管が組織として難民不認定という判断をした者を迅速に送還するという全体の取組の中に、この難民審査参与員が関わる不服申立ての手続も位置付けられてしまっているんじゃないのか、その中で臨時班というものが位置付けられているのではないのか。
幾人かの参与員さんの名前が出ていますけれども、書面審理ばかりで、例えば浅川参考人がこの間の参考人質疑の中で、難民該当性がないとぱっと見て分かるようなものなどと発言をされました。その書面、そういうのは書面審理でということなんでしょうけど、ぱっと見て分からないでしょう。ぱっと見て分かるようなものという、ちょっときつい言葉になりますけど、予断を持ってはならないんだと思います、私は、難民参与員は。適正な手続、そして出身国情報を土台にした上で申請者の供述の信憑性を判断していくというときに、ぱっと見て分かるとか、もう一つ、浅川参考人、こうもおっしゃっているんですね。たまに、実際案件を見て、これ本国情勢どうなのかなと当てはめなきゃならないときがある。
それ、逆でしょう。先ほどのケースであれば、ウガンダのレズビアン、LGBTに対する迫害というのがどういう状況にあるのかをちゃんと把握してインタビューをしなかったら、供述の信憑性は把握できないじゃないですか。それを、ぱっと見て分かるようなもの、一日五十件でしたっけ、というような、時間を掛けずにやれるものなんだという前提の事件を、事務局の、あるいは審判課なのかもしれませんけど、それをまとめて出していく臨時班みたいなものをつくるから、インタビューをまともに行わずに、このウガンダの大阪地裁判決のような事態になってしまうんじゃないですか。
これ、デュープロセスとは言えないと、それは行政不服審査法が元々求めている適正な手続とは言えないと。大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/132
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133・齋藤健
○国務大臣(齋藤健君) まず、浅川さんの発言は、御自身が担当した事案における難民認定審査の内容に照らして、出身国情報を詳細に検討して当てはめなくても、そもそも申請者の個別事情のみで難民該当性を判断できるという案件の方が多かったというのをお答えされたもので、出身国情報を検討する重要性を否定をしたものでは私はないなと思っておりますので、そこは御本人に確認をしていただくしかないんですけど、ただ、彼が言っていたのは、高利貸しに借金を返済できず本国に帰れば殺害されるとか、単に日本で稼働したいとか、そういった理由も、事例もあるということをおっしゃっていたように思います。
デュープロセスにつきましては、まず、何度も申し上げますが、三段階にわたって判断をすることになっていますし、それから同時並行的に様々な在留資格についての検討も行われるということになっていますので、デュープロセス自体がおかしいというふうには私は認識をしていませんが、一つ一つの判断についてはいろんな解釈があろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/133
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134・杉久武
○委員長(杉久武君) お時間になりましたので、質疑をおまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/134
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135・仁比聡平
○仁比聡平君 UNHCRのハンドブックでこういう記述があります。申請者の供述は抽象的に捉えられることはできず、関連がある背景事情の文脈の下で考察されねばならない、申請者の出身国の状況を知ることは、第一義的な目的ではないが、申請者の信憑性を評価するに当たって主要な要素となると。
こうした国際基準と入管のこれまでの難民認定申請の実務が大きく乖離しているのではないのかということが突き付けられているんじゃないのかと。難民審査参与員の発言について、これだけ立法事実に関わる問題だ、立法事実崩れているじゃないかという問題になるのは、そうした大事な課題だからだということを指摘をし、引き続き議論を求めて、今日は質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/135
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136・佐々木さやか
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかでございます。
今回の法案審議では参考人質疑が二回行われまして、充実した審議が行われております。先日の参考人質疑でも、様々なお立場の参考人から非常に貴重な御意見をいただきました。
そこで、今日は、この先日の参考人質疑の中で参考人の皆さんからありました御指摘等について幾つか確認をさせていただこうというふうに思っております。
まず、出身国情報の重要性ということでございます。先ほどのほかの委員の先生からの御指摘、議論等も今日もございました。この出身国情報の重要性というのは、私も非常に重大なものだというふうに思っております。
浅川参考人が御発言の中で、実務に携わる中でお感じになっていることということでお話があったんですが、現状の課題として出身国情報のアクセスの難しさということがあると。これはどういうことかというと、英語で書かれた文献が非常に多いと。浅川参考人は英語で御覧になるそうでありますけれども、必ずしも参与員の皆さんが全てが英語に通じていらっしゃるというわけでは必ずしもないのでということで、こういった情報についてもしっかり適切に翻訳をして、最新のものをアップデートしておくべきではないかと、こういう御提案がございました。
この出身国情報、先ほども申し上げたように、非常に重要なものだというふうに思います。その申請された方の個別の事情というものももちろん重要なわけですけれども、その前提として、やっぱり一定程度の出身国情報というのは、どの参与員の方も事前にお知りになった上でその判断に臨まれるんだろうと思いますし、また、この浅川参考人の御提案というのは、そこから更により詳しく掘り下げていくためにこういった資料も必要だったという御主張なのではないかというふうに私は理解をしているんですけれども。
そこで、入管庁にお聞きをしますけれども、この出身国情報の重要性ということ、今日も何度か議論になりましたけれども、これについて改めてどのように考えているのかということと、それから、先ほど浅川参考人からの提案ということで言及させていただきましたけれども、そういったことを含めた参与員への情報提供の在り方ということ、これについてどのように考えているか、お聞きをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/136
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137・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 難民認定申請の性質上、命からがら逃れてきた申請者は、自身の申立てを裏付ける客観的な証拠を有していないことも少なくないところでございます。また、申請者の本国における事情が急激に変わる場合もあることなどから、申請者の主張内容や提出した資料の内容等の信憑性等を判断するに当たっては、最新の出身国情報の収集が重要なものであると認識をいたしております。
加えて、申請時点から不服申立て段階までに申請者をめぐる事情の変更が生じることもあり、難民審査参与員にも積極的に最新かつ事案に適した出身国情報を提供できるようにしているところでございます。具体的には、難民審査参与員が不服申立ての事案の意見を提出するに当たっては、出身国情報について事案ごとに難民調査官が収集したものを提供いたしております。さらに、難民審査参与員がそのように提供された情報だけでは難民該当性を判断できない場合には、参与員からの依頼を受け、難民調査官は更なる出身国情報の収集をすることにしています。
なお、収集に際して、難民調査官は、自身のみでは適切な出身国情報を収集できない場合には、入管庁本庁内に配置された出身国情報の収集等に専従する職員とも連携して当該情報の収集を行っているところです。
このように、日頃から最新かつ事案に適した出身国情報の収集に努めているところ、目まぐるしく変化する世界の情勢において難民認定に関する判断に対して的確に意見をいただけるよう、適切な出身国情報の収集に関して、入管庁としても更に不断に努力をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/137
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138・佐々木さやか
○佐々木さやか君 現状もしっかり取り組んでいるというような趣旨の御答弁だったかと思います。これは、浅川参考人からの御指摘もありましたので、そういったことも踏まえて、御答弁にあったように不断の努力をお願いをしたいと思います。
それから、渡邉参考人から、先日御発言の中で、難民該当性判断の手引に関して御指摘がありました。お話の中では、この手引について、これを見ても、UNHCR等の国際的な基準、難民認定の基準に従った判断をするということが書かれているわけではないと、また、この国際的な基準を日本として受け入れるということを表明すべきだ、こういったことを御指摘、問題提起をされておりますけれども、この点についてはどのように入管庁は考えているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/138
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139・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 今般公表しました難民該当性判断の手引の策定に当たっては、国連難民高等弁務官事務所の作成する諸文書や諸外国における運用等も参考にした上で、難民該当性の判断に当たって考慮すべきポイントを整理しております。また、その策定過程においてUNHCRや難民審査参与員の方々からも御意見をいただき、これを検討の上で内容に取り入れている点を踏まえれば、当該手引は国際的な難民保護の動向を十分に踏まえていると言えるものと考えております。
なお、そもそも、これまでの我が国の実務においては、UNHCRの作成する諸文書や諸外国における運用等も必要に応じて参照してきたところです。加えて、入管庁では、難民認定数の多い諸外国当局と積極的に情報交換を行っており、我が国の難民認定審査における判断の在り方が諸外国当局と大きく異なっていないか、難民該当性の判断の際のより適切な考慮ポイントがないか、あるいは、我が国の難民認定審査においても諸外国当局と同等に出身国情報が充実しているかなどについて随時確認を行っております。
このように、国際的な難民保護の動向を把握する努力も不断に行っているところ、入管庁としては、今般策定した手引も活用しつつ、引き続き真に庇護を必要とする外国人の確実な保護に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/139
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140・佐々木さやか
○佐々木さやか君 今の御説明では、入管庁として、これについてもしっかりと努力をしてきたというお話でございました。
ただ、その参考人のお話、渡邉参考人の御指摘のことを考えると、やっぱりこの問題に長年取り組んでこられた方々に対して、その入管庁のお取組が十分に伝わっていないのではないかというふうにも思います。こういったことについて、これまで広報等、どのように取り組んできたか、ちょっと詳細には承知はしていないんですけれども、やっぱり日本の制度というのはこういうものですということについて、しっかりその関係者の方々ともよりコミュニケーションを取っていく努力をするということが私は大事ではないかなと思います。
前回、私の前の質問のときにも申し上げたんですが、今回の法改正では監理人の制度というもの、これも新しくつくられるということで、そのときにも申し上げましたけれども、やっぱりこれは民間の皆さんのお力を借りるという制度でありますので、やっぱりそうした理解を得ていく努力ということをしっかりと行っていただきたいというふうに思っております。
それから、今日もほかの委員の先生からもございました、参与員の皆さんの業務の状況についてであります。
柳瀬参与員の執務状況について、二十五日に入管庁から提出された資料によりますと、柳瀬氏は、二〇二一年に千三百七十八件、それから二〇二二年には千二百三十一件を担当していらっしゃると、そして勤務日数ということについては、それぞれ、二〇二一年が三十四日、そして二〇二二年が三十二日であったというふうにされております。この数字を基に単純に計算をすると、柳瀬氏が一日当たり約四十件を処理をしていたと、そして一日八時間稼働したというふうに仮定をすると、一件当たりでいったら約十二分だと、こういう計算になるわけでありますね。
この計算を単純にすると、本当にそんな時間で重要な審査というのができるのかなというふうに私も思いますけれども、これについて事前に私もレクを受けて説明を聞いたところによると、この勤務日数というのは、参与員の皆さんが集まって、出てこられて、そこでこの手続、審査をするという日であって、それに臨むに当たって事前に資料を検討したりとか、そういった準備をする時間というのは、この三十四日、三十二日というところには入っていないというふうに聞きました。ですから、必ずしもこの三十四日、三十二日という日数で全てを、何といいますか、判断されているわけではないんじゃないかと私は理解をいたしましたけれども。
この参与員の皆さんの勤務状況について、どういう実際は状況にあるのかということ、この柳瀬氏の事件処理の件についてどのように、まあ批判等ございますけれども、受け止めているのかということ、改めて伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/140
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141・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 委員からも御指摘ございましたように、審査請求における審理に当たりましては、事前に必要な資料等を参与員に送付し、参与員は当該資料等を確認した上で参集の上、口頭意見陳述や協議等を行い、後日、意見書を作成の上、提出していただいているということでございまして、参与員は勤務日とされている参集した日のみで審査を、審理を行っているものではないということは御理解いただきたいと存じます。
その上で、柳瀬参与員につきましては、豊富な御経験を踏まえて、平成二十八年以降、迅速な審理が可能かつ相当な事件を重点的に配分する臨時班にも掛け持ちで入っていただいていることから、事件処理数が多くなっているものと承知をいたしております。
この迅速な審理が可能かつ相当な事件とは、審査請求人が口頭意見陳述を放棄している事案など書面審査が可能なものが大半でありますところ、書面審査による場合はその平均処理期間が令和四年で十・七か月であり、対面審査による場合の平均処理期間である二十九・四か月よりも大幅に短くなっていることからも分かるように、迅速な審理が可能なものでございます。
また、この迅速な審理が可能かつ相当な事件は、経済的理由から難民該当性を主張するなど難民に該当しないことを書面で明白に判断できる事案が大半であり、難民認定に関する知識又は経験が豊富な三名の参与員が参集して協議をすれば短時間で結論の一致を得ることができるものが多いものとも考えられます。
これらを踏まえ、柳瀬参与員の事件処理数は、事案に応じて適切に審理を積み重ねられた結果であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/141
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142・佐々木さやか
○佐々木さやか君 今答弁にもありましたように、要するに、その審理自体に余り時間を掛けなくてもいいような事案というものもあるんだということが、この審議を通じて何度か説明もありましたし、参考人の浅川参考人からもあったかというふうにも認識をしています。
それに対して、本当にそうかしらというふうな疑問を持っていらっしゃる方々というのは、もっと一人一人じっくりと、その背景事情ですとかいろんなことを見てほしいということなわけですね。
私は、もう本当に、何といいますか、一人一人に寄り添うということも非常に私個人としては重視をしておりますし、信念においてそういうふうな思いがあるんですけれども、他方で、例えば裁判というような司法手続の場合には、裁判所というのは中立的な立場から、基本的には主張に出てきたものを基に判断をするという手続をしておりまして、この参与員の制度、必ずしも司法手続ではありませんけれども、基本的には中立的な立場から、書面に出てきた当事者の方の主張を基に、また出身国情報等のいろんな事情も基に判断をすると。お一人お一人の本当に細かなところまで必ずしも見ることがかなわない時間的、また様々な制約もあるのかもしれないなというふうにも思っております。
ですので、行政のシステムとして、この出入国管理、難民認定という制度の中でそこまで寄り添うのは限界があるかもしれませんけれども、それはそれとして、しっかり国家の主権の問題として適正な管理をするということとともに、先ほども、何度も申し上げているんですが、やっぱり民間のそういう支援に努力されている方々ですとか、その方の様々な生活についてもサポートをされている方々、やっぱりそういうところとの連携をしていかないと、大臣もおっしゃったような、対立するものではない、国益と人権、両方のバランスを見ていくということは難しいのではないかというふうに思います。
ちょっと、私の考えでございますけれども、述べさせていただきましたけれども、質問としては、次の質問に行かせていただきます。
渡邉参考人が先日の参考人質疑においておっしゃっておりました難民認定申請の濫用に関することでございます。渡邉参考人は、この濫用者に関する対応をしなければならないという立法事実は既に見えてこないと感じていると、このようにおっしゃっております。
そして、その理由としては二点挙げていらっしゃって、一点目としては、申請数の推移ということ、二〇一七年に一万九千件あった申請者がその後減っていて、二〇二〇年からは、三千九百、二千四百、三千七百というふうに減ってきているというふうにおっしゃっていました。そして、二点目としては、入管によるA、B、C、D分類というものがあるそうですけれども、入管はBが濫用事例だという分類をしているが、この二年間、Bは三十数件にとどまっていると、件数が少ないという趣旨の御指摘をされていました。
このような渡邉参考人の指摘についてはどのように考えているのか。渡邉参考人がおっしゃったように、この難民認定申請が濫用されているという立法事実、これは解消されたというふうに考えているのか、この点についての入管庁のお考えをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/142
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143・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 難民認定申請に関しましては、平成二十二年に、申請から六か月経過後に一律に就労を認める運用を開始したところ、それまで年間千件台で推移していた申請数が以降七年間で十六倍以上に増加し、平成二十九年には一万九千件を超えるに至ったものです。そこで、平成三十年に更に就労や在留を制限する措置を実施したところ、申請者がほぼ半減し、平成三十年及び令和元年は年間一万件台となりました。
その後、申請数は、令和二年は約四千件となり、令和三年には二千件台まで急激に減少しておりますが、これは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い外国人の新規入国を制限したこと、及び航空機の減便等により帰国困難となった在留外国人に対し特例的に在留資格を与えたことの影響によるもので、あくまで一時的なものと考えております。実際、新規入国の制限などが段階的に緩和され、外国人の新規入国者数が増加し、帰国困難を理由とする特例的な在留資格上の配慮も終了したことに伴い、令和四年の申請者数は増加傾向に転じ、令和三年から五六%も増加するに至っております。
そのため、新型コロナウイルスの感染拡大下における一時的な申請者数の減少をもって、難民認定申請が誤用、濫用されているという立法事実が解消されたとは考えておりません。
また、御指摘の案件の振り分けにつきましては、難民認定申請を受け付けた段階において申請書の記載内容等により振り分けた上で、濫用的、誤用的な申請として振り分けられたものについては迅速処理の対象とするとともに、在留を認めない措置や就労を認めない措置をとるというものでございます。
具体的には、難民条約上の迫害事由に明らかに該当しない事情を主張をしている案件をB案件、それから、再申請である場合に、正当な理由なく前回と同様の主張を繰り返している案件をC案件として振り分けた上で、こうした措置の対象としております。
この振り分けは、あくまで申請を受け付けた段階で行っているものにすぎず、申請を受け付けた際には誤用、濫用的な申請と振り分けられなかったものでも、手続を進めた結果、申請者が難民認定制度を誤用、濫用していたことが判明する場合もあるところでございます。また、確かに、そのB案件と振り分けられたものについては減少傾向にあるものの、C案件と振り分けられた数は、逆に、令和二年の三百八十二人から令和四年には千百三十一人へと急増している状況にございます。
そのため、B案件に振り分けた件数の減少のみをもって、難民認定申請が誤用、濫用されているという立法事実が解消されたとも言えず、引き続き早急に対策が必要なものと認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/143
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144・佐々木さやか
○佐々木さやか君 時間が参りましたので、以上で終わらせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/144
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145・加田裕之
○加田裕之君 自由民主党の加田裕之でございます。
これまでの質疑の中でも触れられていたんですけれども、令和四年末の時点で、送還忌避者四千二百三十三名のうち約千四百人が仮放免中に逃亡しているということであります。そしてまた、仮放免中に犯罪を起こして逮捕される事案が後を絶たないこと、そして、四千二百三十三人のうち刑事裁判で三年以上の実刑判決に処せられた者が三百三十二名であることなどが明らかとなりました。先日来の質疑においても齋藤法務大臣も述べられましたが、このような状況を放置することは許されないと私も考えております。
この点、政府が提出した本法案については、三年以上の実刑前科者については送還停止効の例外として送還可能としており、国民や、ルールを守って在留する外国人、真面目な外国人の安全、安心を守ることのできる規定となっております。
これに対して、これ、対案においてはこうした規定が設けられておりません。なぜこうした規定を設けていないのか、石橋発議者にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/145
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146・石橋通宏
○委員以外の議員(石橋通宏君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。
御質問いただいた件につきましては、この間も当委員会で累次答弁させていただいておりますけれども、改めて申し上げますと、私たちの野党案、この対案におきましては、前科のあるなしをもって制度的な判断を変えるというような制度設計はさせていただいておりません。
重ねて、前科がある方におかれましても、やっぱり刑に服して、そして罪を償って社会復帰を目指される、そういった方については、これ、日本人であれ外国の方であれ、その社会復帰を社会全体で支援する、サポートをする。繰り返し申し上げますが、これは政府の方針でもあり、法務省、入管庁がそういった対応をされてきたという、まさにそこは日本人であれ外国人であれ、そういった支援をしっかり提供すべきものというふうに思っております。
ただ、その上で、私たちの野党案も、その送還すべき方についてはこれは送還すべきであるというのは、実はしっかり規定をさせていただいております。ただ、私たちは、出入国管理行政からこの難民認定審査、これを完全に切り離して、専門性、公平性、そして国際基準にのっとった第三者委員会がその審査、判断をさせていただく。そして、その第三者委員会がこれは明らかに濫用であるというような判断をする。
その場合には、それが繰り返されるような場合には、司法審査、司法の判断というものを、その不認定処分に対する司法の判断というものは道を開かせていただいておりますが、やっぱりそれでもなおこれは濫用であるというふうな判断をされた場合には、その場合には送還停止効の例外措置は設けておりますので、むしろ私たちの案の方が適切に、そういう本来保護すべき方は保護する一方で、濫用であるという判断をさせていただいた場合には、これは客観性、納得性ある形でやはりこれはお帰りいただくという判断をさせていただけるのではないか、そういった趣旨で提案をさせていただいているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/146
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147・加田裕之
○加田裕之君 野党案、野党対案では、次、理屈上なんですけれども、難民認定申請を二回、補完的保護対象者の認定申請を二回、そして無国籍者該当することの申請をすること二回、合計六回までは、権利の濫用又は明らかに理由のない申請でありましても送還停止効が生じる規定になっております。そうしますと、重大犯罪の前科のある者であっても、合計、今言いました、先ほど言いました二回、二回、二回の六回も送還停止効が働くこととなってしまいます。
この点、ちょっと当局の方に今度お伺いするんですけど、政府案では三回目以降の難民等認定申請者を送還停止効の例外としていますが、例えば、この回数を先ほど言いました三回ではなく六回に変更したり、前科の有無を問わないとすることに支障はないのか、入管行政の現状、今の現状にしっかりと照らしまして現実的なんでしょうか、入管当局に御所見をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/147
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148・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 現行法下では、理由や回数を問わず難民認定申請中は送還が停止されることから、重大犯罪の前科がある者やテロリストであっても、また送還回避目的での複数回申請者であっても難民認定申請中は送還することができず、送還回避目的の濫用が疑われる事例が存在いたします。
本法案におきましては、例えば、三年以上の実刑に処せられた者は、刑罰法令違反者の中でも相当程度刑事責任が重く、強い反社会性を示す者であるため、送還停止効の例外としているところでございます。
この中には、入管庁において公表した現行入管法の課題において、難民認定制度の誤用、濫用が疑われる事案として掲げていますように、例えば、不法入国後の殺人、入管法違反により懲役十二年の実刑判決を受け、刑務所出所後、難民認定申請した者、あるいは、正規在留中の強制わいせつ致傷により懲役四年の実刑判決を受け、刑務所出所後、難民認定申請を行い、さらに強姦致傷により懲役六年の実刑判決を受けた者、あるいは、覚醒剤取締法違反、関税法違反により懲役十二年、罰金五百万円の実刑判決を受け、服役中に難民認定申請を行った者などの極めて悪質な事例も含まれております。
それにもかかわらず、前科の有無や刑の重さに関係なく、一律に六回にわたり送還停止効の例外とすることは、我が国から迅速に退去させるべき者を確実に送還することを不可能にしてしまうと考えております。
さらに、送還回避を目的とした誤用、濫用が疑われる事例の増加を阻止できず、その結果、難民認定手続の審査処理期間が長期化するなど、真に保護すべき者の迅速な保護に支障を来す事態が生じるおそれがあること、在留が認められない者については迅速に送還するという今回の入管法改正の趣旨を没却することになりかねないことから、入管行政の現状に照らして現実的ではないと考えているところです。
済みません、先ほど六回にわたり送還停止効の例外とするというふうに申し上げたように思いますが、野党対案の案は六回までは送還停止効を認めるということでございます。訂正させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/148
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149・加田裕之
○加田裕之君 続いて、門山副大臣にもお伺いしたいんですけれども、今当局からも答弁がありましたように、やはり、先ほどありました殺人とかテロリスト、それから覚醒剤、強制わいせつなど、重大犯罪の前科がある者でありましても合計六回も送還停止効が働くような制度を設けることに大きな支障があると私も考えております。
この点につきまして、門山副大臣の御所見をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/149
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150・門山宏哲
○副大臣(門山宏哲君) 先ほど当局が答弁したように、現行入管法の課題に掲げられているような極めて悪質な事例もあるところ、三年以上の実刑に処せられた者のように、刑罰法令違反者の中でも相当程度刑事責任が重く、強い反社会性を示すような速やかに送還されるべきである者について合計六回も送還停止効の効力が生じるという、送還回避目的で難民認定申請を濫用することが可能となる法制度を設けた場合、安全、安心な社会の実現を望んでいる国民の期待に応えることはできないと考えております。
そして、我が国は、外国人と日本人が互いに尊重し、ルールを守って生活する共生社会の実現を目指しているところ、我が国のルールを守らず重大犯罪を犯した者であっても送還できないという不健全な状態は、我が国に適法に在留されている方々への信頼が失われ、共生社会の実現に支障を来すものと考えております。
そこで、政府が提出した本法案では、人権の尊重と迅速な送還の実現とのバランスを図る観点から、三回目以上の難民等認定申請者、三年以上の実刑に処せられた者、外国人テロリスト等や暴力主義的破壊活動者など、法的地位の安定を図る必要がない類型に限定して送還停止効の例外としたものでございます。
このように、外国人の人権に十分配慮し、適正な手続を確保した上で厳格かつ適正な出入国管理を行い、国民の安全、安心な暮らしを確保する必要があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/150
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151・加田裕之
○加田裕之君 これ、先ほどの鈴木委員始め多くの委員からの質疑に関連するんですけど、野党対案の中においては、我が国からの退去が確定した外国人につきましては一律に収容期間の上限が六か月とされており、何らの例外規定も設けられておりません。
そういうふうにしますと、逃亡のおそれのある者とか重大前科者でありましても、六か月という上限というものが来ますと一律に収容が解かれてしまうという懸念があると思います。それにもかかわらず、野党対案の方におきましては、収容が解かれた際に付される条件に違反したり、そして逃げて逃亡したりした場合、再度収容可能とする規定が設けられていないようです。
この点、また石橋発議者にお尋ねしますが、野党対案では、収容を解かれた者が条件に違反をしたり、そしてまた逃げて逃亡したりした場合であっても再度の収容というものはできないのではないでしょうか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/151
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152・石橋通宏
○委員以外の議員(石橋通宏君) まず、大前提として、私たちの野党案では、原則収容しないという制度提案をさせていただいております。それは、国際的に見ても収容自体が既に、特に先進国においては原則収容しないという、そういった人権を最大限尊重する、これは非正規滞在者であっても基本的人権は守られなければならないという、そういう前提で、収容は原則しないという国際的な潮流にのっとって、私たちもそうあるべきという提案をさせていただいております。
一方で、真に逃亡のおそれが認められる、逃亡する蓋然性が極めて高いと、そういう判断をやっぱりせざるを得ない方については、そのときには、これは司法の判断、司法の審査を要件とさせていただきますが、そこで逃亡のおそれが明確に認められる場合には収容すると、そういう制度設計にさせていただいているということがまず大前提です。
その上で、そういうケース、さらには難民該当性がない、難民申請が濫用であると、そういう判断の下に退去強制令書が出され、そして御帰国いただくべきだ、そういった判断をさせていただいた場合には、長期収容するのではなくて、その上限に達すまでにやはり速やかにお帰りをいただく。
できる限り、自由を束縛する、自由を制限する、そういったことの期間は短くすべきだというのが、重ねて、国際的な人権を尊重する、守っていくという、そういった大前提だと思っておりますので、これはむしろ、上限を決めずに現在のような長期収容、深刻な、三年、五年、それ以上の長期収容が可能になってしまうようなそういう制度設計ではなく、真にお帰りいただくべき方々についてはやっぱり速やかにお帰りいただく。
国は、そのために母国としっかり様々な協定を結んでいただいたり、様々な対応していただく。さらには、護衛官付きの送還制度というものも現にあるわけですから、そういったものを活用していただきながら、やはり速やかにお帰りいただくということを制度設計上の優先課題にさせていただいたと、そういう提案をさせていただいているということで御理解をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/152
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153・加田裕之
○加田裕之君 野党案につきまして、制度設計、そのように担保しているということで、次、当局に確認するんですけど、本法案では、こうした逃亡や条件違反を防止措置することだとか、違反した者を迅速に再収容することを可能とする規定というのは設けられているんでしょうか、お伺いしたいと思います。当局の方です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/153
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154・西山卓爾
○政府参考人(西山卓爾君) 本法案では、監理人が本人の生活状況等を把握しつつ指導監督を行い、逃亡等を防止しながら収容せずに退去強制手続を進める監理措置を創設し、本人に対する罰則付きの届出義務、監理人に対する逃亡等を疑うに足りる相当の理由がある場合等の届出義務、監理措置条件等の遵守のために必要な場合に主任審査官から求めのあった事項を報告する義務を規定しているところでございます。
その上で、監理人が本人の生活状況等を把握しつつ指導監督を行い、その届出報告義務を履行することにより、入管当局が監理人から必要な事項について届出、報告を受け、平素から被監理者の生活状況、条件遵守状況を的確に把握し、監理に支障が生じた場合には、入管当局においても、監理人からの相談を受け、必要に応じて被監理者に適切な指導を行うことを想定いたしております。
さらに、逃亡等のおそれの程度に応じて必要な場合には保証金を納付させることができる保証金の納付制度、監理措置又は仮放免中の逃亡等の行為に対する罰則を設けることにより、退去強制手続中に収容されていない者の逃亡や条件違反を防止することといたしております。
このような仕組みにより、入管当局において逃亡や条件違反を的確に把握し、迅速に監理措置を取り消すことが可能となります。
そして、監理措置決定が取り消された者については、基本的には監理措置決定取消し書及び収容令書又は退去強制令書を示して再収容することとなりますが、逃亡者を発見した場合など急速を要する場合には、これらの文書を所持しない場合でも収容が可能であり、逃亡者等を迅速に再収容できる規定となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/154
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155・加田裕之
○加田裕之君 それでは、次なんですけど、これまでの質疑でも齋藤法務大臣や当局から繰り返し答弁がありましたが、やはりまずは人権を尊重しました適切な仕組みを設けることが大変重要であると考えております。
その一方で、他方、日本人と外国人とが安全、安心に暮らせる共生社会の実現をしっかりと担保するためには、ルールに違反した者へ対しまして厳正に対処することが重要であると私は考えております。
そのためには、保護すべき者は確実に保護した上で、ここまでの答弁でもありましたとおり、ルールに違反した者、法を犯した者というものに対しまして厳正に対処できる仕組みとすることが私は重要であると考えております。この点、質疑においては、繰り返し、我が国では保護すべき者をきちんと保護し、そしてまた、そういうことをしっかりとやっていくべきであるという指摘も繰り返しておりますけれども、この点につきまして門山法務副大臣の御所見をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/155
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156・門山宏哲
○副大臣(門山宏哲君) 加田委員御指摘のとおり、日本人と外国人が互いを尊重し、安全、安心に暮らせる共生社会を実現していくためには、外国人の人権に配慮しながらルールにのっとって外国人を受け入れるとともに、ルールに違反する者に対しては厳正に対処していくことが重要であると認識しております。
今回、その上で、我が国におきましては、制度と運用の両面から難民認定手続の適正性を確保しており、申請者ごとにその申請内容を審査した上で、難民条約の定義に基づき難民と認定すべき者を適切に認定しております。また、難民とは認定しない場合であっても、出身国の情勢等に鑑みて、人道上、本邦での在留を認めるべき者については在留を適切に認め保護しております。
これにより、一次審査において難民と認定した者と、難民と認定しなかったものの人道的な配慮を理由に在留を認めた者の合計について、処分件数に占める割合を算出すると令和四年は二九・八%となり、これは他のG7諸国と比較しても極端に低いものではございません。
そのほかにも、例えば、本国の情勢不安を理由に本邦での在留の継続を希望する方々につきましては、在留資格の変更などによって在留を認めるなどして、保護すべき者については適切に保護をしております。例えば、令和四年に、難民認定手続の結果、難民と認定した者と、難民とは認定しなかったものの人道的な配慮を理由に在留を認めた者の合計に、ウクライナのほかミャンマー及びアフガニスタンについて、本国における情勢不安等を理由に在留資格の変更を許可した者の数を加えて庇護率を算定し直すと、約七〇・九%となるところでございます。
加えて、平成三十年から令和四年までの直近五年間に行政訴訟で難民不認定処分の適否が争われ、これに対する判断がなされたものは百九件あるところ、そのうち五件は敗訴しましたが、百四件は国側が勝訴しているところです。
なお、敗訴事案につきましては、適切に分析、検証した上で、必要に応じて、難民認定手続に関わる職員に対しその結果を踏まえた留意点などについて指示するなど、難民認定制度の更なる質の向上を不断に追求しているところでございます。
したがいまして、保護すべき者を保護していないとの御指摘は当たらないと考えており、引き続き、本法律案成立に向けて国会審議において丁寧に説明を尽くしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/156
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157・加田裕之
○加田裕之君 門山副大臣の決意もお伺いすることができました。
以上で私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/157
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158・杉久武
○委員長(杉久武君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後一時十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115206X01820230530/158
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