1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年六月二日(金曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第二十八号
令和五年六月二日
午前十時開議
第一 福島復興再生特別措置法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
第二 行政手続における特定の個人を識別する
ための番号の利用等に関する法律等の一部を
改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第三 令和五年三月予備費使用及び令和五年度
予算に係る子育て関連給付金に係る差押禁止
等に関する法律案(衆議院提出)
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○本日の会議に付した案件
一、法務委員長杉久武君解任決議案(牧山ひろ
え君発議)(委員会審査省略要求)
以下 議事日程のとおり
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/0
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001・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより会議を開きます。
この際、お諮りいたします。
牧山ひろえ君発議に係る法務委員長杉久武君解任決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/1
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002・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。
よって、本決議案を議題といたします。
まず、発議者の趣旨説明を求めます。牧山ひろえ君。
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〔議案は本号末尾に掲載〕
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〔牧山ひろえ君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/2
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003・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 立憲民主・社民の牧山ひろえです。
私は、ただいま議題となりました杉久武参議院法務委員長解任決議案に対し、提案の理由を御説明申し上げます。
今通常国会最大の争点の一つとなっている出入国管理法改正案をめぐっては、まず衆議院での審議段階において与野党間で様々な議論、協議が行われ、一部修正を経て参議院に送られてきたという経緯があります。加えて参議院では、立憲民主・社民、日本共産党、れいわ新選組、沖縄の風の四会派共同で、難民保護法、出入国管理法を政府案への対案として提出し、併せて審議を行ってきました。
その結果、法務委員会においては、入管そして難民行政に関わる様々な論点について、閣法、議法それぞれの比較も踏まえた質疑が行われてきたところではありますが、なお十分な議論が必要であることは言うまでもありません。
以下、現段階での質疑の終局がいかに問題が多く、間違った措置であるか、説明させていただきます。
まず、政府及び与党側は、衆議院での審議と同じレベルの審議時間を確保した旨を質疑の終局及び採決の理由付けとしていますが、衆議院での審議と当院での審議とは前提事情が異なります。今回の衆議院での審議については、政府提出法案である閣法第四八号のみを対象として行われたのですが、参議院においては、閣法及び衆議院における閣法の修正部分、そして私たち野党が提出した野党対案を一括して審議を行っております。検討すべき課題の多さからして、三倍とは申しませんが、衆議院と同じレベルの審議時間では、熟議を尽くすのに到底足りません。
政府案たる閣法の立法事実となる発言をされた難民審査参与員の柳瀬房子氏の政府参考人としての出席を再三私たちが求めているにもかかわらず、政府・与党側はかたくなに応じない姿勢を堅持しております。
同じく政府案の改正理由を裏付けるデータや、背景事情となる諸事情を各委員から要求しておりますが、まだ未受領なものが多数あります。政府参考人としての出席や、これらの諸情報は質疑を深めるのに必要ですので、それらの提供が済んでおらず、それらにより明らかになるであろう事実関係に基づいた質疑が行われていない状況で、審議を尽くしたということにはなりません。
先ほども申しましたが、今回の法案審議は、大変珍しいことに、政府・与党案である閣法と野党四党による対案が一括して審議にかかっています。ですが、前半日程では、両案双方に質問を行うのは私たちだけでした。これでは両案の特徴や差異を国民の皆様にも一目瞭然で分かっていただく絶好の機会が無駄になると懸念していたのですが、ここ終盤に至って、与党からも我々の対案にも質問が来るようになってきました。我々は、批判を恐れず歓迎します。ここに来て、議論もようやくかみ合い、相手方の主張への理解も深まってきました。本当にようやく与野党案一括審議のメリットが発揮され始めたばかりのこのタイミングで質疑を終了させてしまうということは、国民のために最適な結論を得るために熟議を尽くすことを使命とする参議院として、余りにももったいないです。その意味でも質疑終局は適切ではありません。
議論がかみ合ってきた論点の一例を紹介します。
仮放免中の逃亡者についてです。与党委員の多くは、このところ、逃亡者数の増加をもって規制や管理を強化することを主張しておりました。私たちの主張は違います。
仮放免の場合、働くことはできず、健康保険もなく、移動の自由もありません。いつ再収容されるか分からず、不断の緊張状態に置かれ、そのためにメンタルバランスを崩す人も多いと言われているんです。
例えば、誰でもいつ病気になるか分かりません。医療費を保険適用なしで支払ってしまえば、家賃も携帯代も入管出頭のための交通費も払えなくなるんです。したがって、入管側から見れば、電話がつながらない、そして住所が分からなくなる、入管に届出もない、すなわち逃亡者の要件に該当するということになってしまうわけです。このような窮地に追い込まれれば、人間誰しも最低限生きていくために何かをせざるを得なくなりませんか。在留資格のない者にまともに暮らす選択肢を与えていない現在の政策が仮放免者の逃亡を生み出し、そして犯罪を招きかねなくしている側面があると私は思います。
このように、一つの議場で同じ論点について、考え方の異なる政治家による正面からの有意義な議論が現在行われているのです。国民は容易に自分の考えに近い政権を選択することができます。実際、ここのところ、この問題に対する国民の皆さんの関心や理解が大変深まってきたように感じます。
法案審議がまだまだ必要であることを示すかのように、最近実施された法務委員会においても、法案の評価に直結する重大な事実が新たに次々と判明しています。
例えば、難民認定の不服審査における難民審査参与員に対する案件の割り振りが一部の担当者に極端に集中していることです。先ほども言及いたしました柳瀬房子氏は、二〇二一年には勤務日数三十四日で、全体の処理件数六千七百四十一件の約二〇%である千三百七十八件を担当されている記録となっていました。二〇二二年の記録では勤務日数三十二日で、全体の処理件数四千七百四十件の約二六%である千二百三十一件を担当しておられました。一日の稼働が四時間という調査結果と併せますと、何と一件当たり六分しか処理の時間を掛けていない計算になります。
柳瀬氏を含めたごくごく一部の参与員に案件処理を集中させる反面、一部の参与員には希望しても案件が年間数件しか、場合によっては一件も割り振られないケースも見受けられました。当局が言うような参与員側の事情や都合ではなく、参与員御本人が希望されても常設の処理チームにさえ配属されないのです。何らかの意図を感じざるを得ない有様です。実際、難民認定を認める意見を少なからず出していたところ、配分される案件数が減らされたり、チームを変更させられたりするケースもあったといいます。
この件は、柳瀬氏一人の問題ではなく、参与員制度全般が機能不全となっているのではないかという、より深刻で底が深い懸念を引き起こします。
参与員に配分される案件に着目しますと、難民不服審査事務をつかさどる入管庁により、極めて恣意的な事案配分がなされている実感がありました。まず、難民の可能性が低いと入管庁が判断した外国人を集中的に審査する臨時班が設けられていることが審議で明らかになりました。この臨時班では、基本的に書面審査しか行わず、大量の案件が短時間でお手軽処理されているんです。結論としましては、もちろんほとんどの結果が不認可です。
この臨時班について、驚きの事実が審議で明らかになりました。出入国在留管理庁が迅速な処理が可能な、かつ相当な臨時班の処理対象である、いわゆる迅速案件としたものが、二〇二二年に処理した四千七百四十件のうち、全体の六〇%以上に当たる三千六十五件にも上ることが理事会に提出された資料から明らかになったわけです。異常ともいうべき迅速案件比率の高さです。もう一つ着目すべき点は、案件配分の偏りです。このデータによりますと、三千六十五件の迅速案件を僅か十三人の臨時班で、残りの千六百七十五件を約百人の常設班で処理していることになります。尋常ではない偏りだと思います。
一旦迅速案件とされながら対面審査が行われたものや常設班に配分替えされたものもあるにはありますが、少なくとも五件と僅か〇・一%台にすぎません。不服を申し立てたうちの約六五%が迅速案件として書面審査しか行われず、審査に時間も掛けずに、ベルトコンベヤーに乗せられた製品のように、迅速、簡潔に不認定として大量処理されている実態が明らかになっています。六五%もの高い割合で迅速案件と区分したものを臨時班に配分する段階で、簡単な審査で不認定と判断できる案件という入管庁の価値判断、あえて言えば、予断が容易に入り込む構造的な問題には全く手を付けられない状態です。
参与員制度に関わる問題はそれだけではありません。制度を支える参与員の専門性に関し、五月二十三日に行われた本委員会の参考人質疑に登壇した阿部浩己明治学院大学教授は、国際人権法、難民法の専門家で、十年余り参与員を経験しておられます。この立場から、参考人質疑で、参与員は、それぞれの領域の専門家であっても、誰一人、難民認定の専門家ではないと陳述しております。その認識の上で、だからこそ審査の質の向上のためには、認定実務で使える実践的なスキルの研修が重要である、なのに、難民条約の解釈やインタビューの仕方といった基本的で実務的な研修さえ行われていない、ましてや供述の信憑性の評価の仕方や出身国情報の使い方などの国別事案に即した研修は当然のように行われていないとの衝撃的な指摘がありました。保護すべき者を保護する裏付けとされてきた参与員の難民認定に関する専門性が否定されたのです。
参与員に必要な素養やスキルに関連してもう一点。
参考人として登壇した参与員の浅川晃広参考人は、五月二十五日の参考人質疑において、難民性の判断に当たり、出身国情報を参照しない場合があると陳述されています。難民認定の国際基準ともいうべきUNHCRのハンドブックやその研修では、出身国情報を把握することは極めて重要だとされています。浅川氏の出身国情報の取扱いは、少なくともこれらの国際標準と懸け離れたものです。
法務大臣が繰り返し公言されているように、保護すべき者は確実に保護できているというのは難民認定について高度な専門性を持つ参与員が二次審査を担当するからだという建前は、もはや崩れました。
阿部教授は、十年間の参与員時代、御担当された審査が約五百件、うち認定の御判断が約四十件、約八%。柳瀬氏や浅川参考人の御報告とは大きな違いがあります。ですが、最終的に入管庁に難民として認定されたのは何とゼロ件とのことです。阿部教授ほどの専門家による厳選した報告が十年間一件たりとも採用されない。こんなことはあり得るんでしょうか。
阿部教授の件だけではありません。二〇一三年以降、難民申請の二次審であります不服申立て審の不認定率は毎年九九%以上です。一次審査で拾い切れなかった難民認定該当事案を取りこぼさず拾い上げるという参与員制度の制度趣旨からすると、完全に機能停止と言えます。入管や法務省の主張する保護すべき者を保護が実現できる審査どころか、国際基準から懸け離れた審査としか言いようがありません。
特に今週は、今回の法案審査に関する大きな動きが相次ぎました。
難民審査参与員の柳瀬氏の発言によりますと、柳瀬氏は、二〇一九年十一月に収容・送還に関する専門部会第二回会合から二〇二一年四月の衆議院法務委員会までの一年半で、対面審査を五百件行ったことになります。
齋藤法務大臣は五月三十日朝の記者会見で、一年半で五百件の対面審査は可能と発言されましたが、その後、不可能と言うつもりで可能と言い間違えたと訂正されました。これだけの件数の審査を行ったのに、難民として保護に値する人はほとんどいなかったという柳瀬氏の発言が政府案の立法事実となっており、その信憑性を法務大臣が否定されたわけですから、柳瀬氏の発言を一から精査する必要があります。
そもそも、ちなみに一九年の一年間を見ると、参与員全体で、対面審査は五百八十二件、二〇年は五百十三件と入管庁は答弁しております。そんな中で、一年半で五百件です。普通に考えてもあり得ない数字で、早い段階から疑義が呈されてきました。私も、何度も委員会などでこの件に関し質問をしています。ですが、大臣と入管庁の回答は、判を押したように、あくまでも柳瀬氏の記憶に基づいた発言を重く受け止めるの一点張りでした。すなわち、根拠は示せないが信じられるという内容の繰り返しです。
衆議院の十九時間、参議院での二十一時間。日本に住む全てのゆかりある人々の最大限の幸福のために最善の議論を尽くすべき熟議の場が、虚偽の情報を基に費やされてきたということになります。大臣と法務省の責任は非常に重いと言わざるを得ません。
また、大臣の発言は、これまで擁護していたはずの、柳瀬氏が主張してきた審査件数を、大臣と法務省自ら不可能と否定したことを意味します。つまり、今回の政府改正案の立法事実が破綻したということです。この事実について、齋藤法務大臣からは、立法事実の一部の相違にすぎないのにという趣旨の答弁がありました。
私は、このことは政府案全体に影響を及ぼしていると思っています。なぜならば、柳瀬参与員の、救うに値する本当の意味の難民は日本にほとんどいないという発言は、今回の政府・与党案のまさにスピリット、根幹そのものであり、そのスピリット、魂が土台となったことで、救うべき難民がいない前提になってしまった。そして、それらに伴い、あらゆる制度設計が行われてしまったからです。
政府・与党は、今回の立法事実の破綻という事実を受け、政府改正案を取り下げ、一から人権保護という正しい基軸に立った改正案を一から作り直すか、その視点で作り上げられた野党対案を採用して審議をやり直すべきです。少なくとも、立法事実にこれだけ深刻な疑義が生じている状況下で質疑の終局などあり得ません。何よりも、今日この段階で質疑を終局することが時期尚早であり、害が大きいことはるる述べてきたとおりです。
しかるに、法務委員会、杉久武君は、入管及び難民行政の現状を憂う多くの国民の声を代弁してなお慎重に質疑を行うべきという野党側の意見を完全に無視し、そして、職権で質疑を終局し、委員会採決を決定するという強引極まる委員会運営を行いました。杉久武君が委員長就任時に、委員会の公正かつ円満な運営に努めると明言したことなど完全に忘れ去ったかのごとくの振る舞いであり、もはや看過することはできません。
よって、杉久武君に法務委員長の重責を担わせることは到底できないことは明白であることから、杉法務委員長の解任を求めて、私の提案理由の説明とさせていただきます。
結びに、私の政治信条は、命を守りたい、ですが、命の尊さは日本人も外国人も変わるところはない、この共通認識に立ち、入管、難民政策の議論をより掘り下げていきたい。これを与党の国会議員の皆様にも御賛同いただけることを願って、本件のお訴えとして終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/3
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004・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。加田裕之君。
〔加田裕之君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/4
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005・加田裕之
○加田裕之君 自由民主党の加田裕之でございます。
私は、自民、公明を代表し、ただいま議題となりました杉久武法務委員長解任決議案に対し、断固反対の立場から討論を行います。
昨年十月に参議院法務委員長に就任されて以来、杉委員長による委員会運営を承知されている法務委員の方々は、この解任決議案の提出理由がどこにあるのか全く分からないのではないでしょうか。私も全く理解できません。それから、それを証拠にいたしまして、今回の解任決議の提出会派は立憲民主党会派のみでございます。
政策を磨き、審議を通しまして議論が尽くされれば、最後には参議院法務委員会としての意思を決しなければなりません。そして、議論の成果を国民に示し、そして国民が判断する、それが議会制民主主義であるはずでございます。その職務を公平公正かつ実直にこなしてきた委員長に対しまして解任要求が出されることは、参議院が積み上げてきた議会制民主主義の実績を崩すことにつながりはしないかという懸念を持っております。仮に出入国管理法案の成立を阻むだけの闘争ということであれば、旧態依然という感は拭い去れないのであります。
外国人の長期収容解消等のために政府から提出された出入国管理法案は、衆議院において、我が国の出入国管理や難民認定等をより良くするために与野党で審議し、四党によって修正されました。参議院でも、この修正案について、杉委員長の卓越した委員会運営力により、更により良い出入国管理政策等の実現を目指して真摯に議論を重ねてきました。
参議院での出入国管理法案の審議では、対政府質疑で二十一時間、参考人質疑も二回行っております。先日には東京出入国在留管理局の視察も行いました。一部野党から提出されました対案についても一括審議としています。既に衆議院の対政府質疑を二時間上回り、そして参考人質疑も一回上回り、そして、かつ参考人の数も一人ずつ多い充実した審議を確保しております。また、野党の資料要求にも最大限応じるように配慮してきました。
その上、法案審議に先立ち、一昨年、出入国在留管理局に収容中にお亡くなりになったウィシュマ・サンダマリさんの悲劇を繰り返すことがないよう、再発防止について審議してまいりました。その際、名古屋入管のビデオ視聴も、追加部分の視聴に五時間、そして再視聴には七時間、四月には名古屋入管と名古屋刑務所に視察も行っております。
これらの審議の中で、政府は、被収容者死亡事案に関する調査報告書で示された改善策を中心に、組織・業務改革に邁進していくと決意を示しております。
法案の早期成立も待たれています。
そもそも、これまで、出入国在留管理には様々な問題が指摘されていました。
一つは、現行法上、我が国から退去が確定しても、難民認定申請さえすれば無制限に送還が停止され、重大犯罪者やテロリストであっても送還ができないという点でございます。
この問題解決のために、本改正案では、三回目以降の申請者、三年以上の実刑前科者、テロリストを送還停止効の例外とする規定を設けることとしております。これにより、日本に来られた外国人の方で、本当に庇護すべき方を確実に庇護する一方で、法の秩序を乱す外国人には厳正に対処できるようにしております。
この送還停止効の例外規定は、認定申請中の難民を強制送還するためのものだという大きな誤解がございますが、事実は全く異なります。二回の審査を受けた上での不認定であります。三回目以降の申請でも、難民等を認めるべき相当の理由がある資料を提出すれば送還停止可能となります。
二つ目は、収容の長期化です。
現行法では、収容の長期化回避には仮放免制度を用いるしかありません。しかし、現行制度では逃亡等の防止手段が十分ではないとの指摘がありました。仮放免中の逃亡は、昨年末の時点で一千四百人を超え、増加傾向にありました。しかも、仮放免中に犯罪行為に及び逮捕される事案も発生しております。
このため、改正法案では、監理人の監理の下で、収容しないで退去強制手続を進める措置を創設いたしました。個別事案ごとに、逃亡等のおそれに加え、収容により本人が受ける不利益も考慮し、収容か監理措置かを判断するとともに、三か月ごとに収容の要否を必要的に見直すこととしています。監理人に一定の義務が課されることとはなりますが、逃亡等の防止措置としては最低限のものとなっております。
三つ目は、紛争避難民などを確実に保護する制度が充実される点であります。
現在、我が国は、ロシアによる侵略により避難を余儀なくされたウクライナの方々を二千人以上受け入れております。しかし、現行法下では、紛争避難民など、条約上の難民に該当しないものの人道上保護すべき者を確実に保護する制度が十分ではないという指摘がございました。
このため、この今回の法改正におきまして、難民に準じて保護すべき者を紛争避難民等として保護することができるようになり、制度的な裏付けのある支援を行うことができます。
本法案は、国民もですが、ルールを守って真面目に生活をする外国人の安全、安心を守ることができる規定となっております。我が国において外国人と日本人とが安全、安心に暮らせる共生社会の実現に必要不可欠な法案であることは明らかでございます。
同時に、このように出入国管理法案をめぐる議論、論点におきましては、人権に深く関わる点も多いことから、慎重に、かつ丁寧に、委員間の間での審議、さらには参考人等からの意見聴取を進めてきました杉委員長の手腕は高く評価されるべきであります。
そして、審議が尽くされたとなりましたら、採決を行うことは委員長の職務として当然ではないでしょうか。杉法務委員長には、解任を正当化するような瑕疵は全くありません。解任をされる理由はどこを探そうとも全く見付からないのであります。一部野党による理由なき本決議案の提出は全く容認することができないことは明々白々でございます。直ちに退けられなければなりません。
その上で、杉法務委員長には、引き続き、公平中立で、そして丁寧、そして円満な委員会運営をお願いしたいと存じます。
以上で、解任決議に断固反対であると強く申し上げまして、私の反対討論とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/5
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006・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 福島みずほ君。
〔福島みずほ君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/6
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007・福島みずほ
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
私は、立憲民主・社民を代表し、法務委員長杉久武さんの解任動議案に断固賛成の討論を行います。
政府提出の入管法改悪法案は、天下の悪法です。そして、法務委員会の審議において、この法案の立法事実が完全に崩壊をしました。また、ウィシュマさんの死亡の原因究明も、難民、入管行政のブラックボックスの解明も、緒に就いたばかりです。審議すればするほど、入管庁が極めて恣意的に難民認定をやっていることや、その審査手続のずさんさが明らかになってきています。真相究明はこれからではないですか。審議は全く尽くされていません。
それにもかかわらず、与野党の合意がない中で、杉委員長が職権で審議の打切りと採決を決めたことは暴挙であり、中立公正の立場で議事をつかさどるべき委員長としては不適格だと断ざるを得ません。
以下、具体的に解任決議案に賛成の理由を述べます。
まず第一に、政府提案の入管法改悪法案が希代の悪法であるにもかかわらず、審議打切りと採決を決めたことです。
そもそも、なぜ、多くの国民の反対で二年前に廃案になった法案とほぼ同じ法案が今国会に提出されているんですか。昨年十一月、国連の自由権規約委員会が入管制度について改善するよう勧告を受けながら、それが全く反映されていません。
日本の難民認定率は、二〇二一年で僅か〇・七%です。例えばカナダは、トルコ人について二〇二一年の難民認定率は九七%です。日本はゼロです。日本がトルコ人の難民を認めたのは、裁判で国が敗訴した去年の一件だけです。日本の難民認定制度は機能していません。
出入国管理を行う入管庁の職員が難民認定審査を行うのではなく、立憲民主・社民、日本共産党、れいわ新選組、沖縄の風の四会派で議員立法で提出をした難民等保護法案のように、難民認定制度を入管制度から分離し、独立した第三者機関で行うべきです。
これまで入管が不認定処分を出し、裁判で国が敗訴して難民認定が認められた多くのケースを見ると、カメルーンの人、コンゴの人のケースなど、捜査資料が存在していても本物かどうか分からないとして難民認定されなかったケースがあります。これだけの証拠資料がありながら、なぜ法務省は難民認定をしなかったんですか。
重ねて言います。日本の難民制度は機能していません。そのことの徹底的な検証と抜本的な改革が必要です。そのことがないままの採決などあり得ません。
第二に、ウィシュマさんの死亡の原因究明が全くなされていないままに法案が審議されていることや、難民調査官や難民審査参与員の問題、長期収容や入管施設内の医療体制の問題、送還忌避者の背景事情、入管が送還を促進し職員にノルマを課してきた問題、さらには、日本で生まれ育っている子供たちが強制送還や親との断絶の恐怖に日々おびえている問題など、改善されなければならない重大な問題が置き去りにされてしまっています。杉委員長が審議を打ち切る決定をしたことは大問題です。
二〇二二年末、送還忌避者のうち、日本で育った十八歳未満の者二百九十五人の者の家族について、政府案は何らの具体的解決策を提示していません。
難民審査参与員の問題も、参議院の審議を通じてその闇が明らかになってきたばかりです。参与員のほとんどの人たちも、参与員の制度の中に常設班とそれから臨時班の二種類があることを知りませんでした。書面審査だけで迅速に処理する臨時班を設け、処理をさせてきました。参与員制度の創設時から参与員を務めてきた柳瀬房子さんは、二〇二一年二千三百七十八件、二〇二二年二千二百三十一件を担当し、何と全体の二〇%、二五%を担当しています。百十一人いる参与員の中で全くケースを割り当てられない人がいる中で、余りにも著しい偏りです。対面審査をせず、簡単かつ迅速に処理してよい事件の振り分けを入管庁自身がやり、それを臨時班が一件当たり僅か六分で審査しているのですから、これが公平だとは到底言えません。
参与員の柳瀬房子さんの二〇一九年十一月の専門部会と二〇二一年四月の衆議院法務委員会参考人質疑での発言から、柳瀬さんは一年半の間に五百件の対面審査をやったことになります。五月三十日の記者会見でそれが可能かと聞かれた齋藤法務大臣は、可能であると答えたにもかかわらず、夜になって、言い間違えた、不可能だと訂正をしました。そうなんです。不可能なんです。つまり、柳瀬房子さんの発言の信頼性を齋藤法務大臣自身が否定をしました。
二〇一九年の難民送還専門部会の第一回で、柳瀬房子さんは、難民申請をする人たちの中にほとんど難民は存在しないと発言し、それが、二回難民申請が認められなければ送還停止効を停止し、まさに強制送還ができるというこの法案の根拠になってきました。その根拠が崩壊したのですから、もはや立法事実が存在しないことは明らかになったのです。
法務省も、この柳瀬参与員の難民はほとんどいないという証言を何度も何度も引用し、我が国の難民認定制度の現状を端的に表したものであると答弁を続けてきました。その前提事実が崩壊したのですから、政府案は廃案しかありません。
審議の中で、私は、法務省が何度も何度も参与員の言葉を引用し、難民申請をする人たちの中に難民はほとんどいないと断言することに激しい怒りとショックを感じました。難民を保護するという観点が全くないんです。
例えば、あるクルド人は、UNHCRから難民該当性があると認定されたにもかかわらず、入管によって難民認定が拒否をされ、トルコに強制送還されました。彼は、迫害の恐怖から、程なくニュージーランドへ脱出し、難民認定され、現在はニュージーランドで市民権を持って暮らしています。UNHCRが難民と認定し、ニュージーランドでは保護されているのに、なぜこの日本で難民と認められなかったんでしょうか。
今年十二月、ジュネーブでグローバル難民フォーラムがあります。四年ごとに開かれるこのフォーラムの今年は日本が共同議長国です。ここで日本は、日本には難民はほとんど存在していない、クルド人で難民認定された人は一人しかいませんと宣言をしたら、どれだけの多くの国々の人々は驚くでしょうか。議長国としてふさわしい、真に難民条約や国際人権諸条約にのっとった難民等保護法と入管法を作るべきです。この悪法を成立させることは絶対に許されません。
第三に、政府案では日本の入管制度の抜本的な問題である全件収容問題と無期限収容問題が解決されず、結局、収容に当たって司法的チェックが一切入らない問題や無期限に収容できる問題が放置されたまま杉委員長が政府案の採決を決定したことは重大かつ深刻な問題であり、著しく中立性、公平性を欠く暴挙であることです。
難民認定審査制度が国際基準にのっとり、専門性、透明性、中立性ある形で十分に機能しているのであれば、二回難民申請をして認められなければ三回目には送還するということもあり得るかもしれません。しかし、この日本は全く難民認定制度が機能していないんです。そんな中で不認定となった難民の人を本国に送り返したら、命の危険が発生します。迫害や虐殺や拷問の危険が起こり得るのです。衆議院法務委員会で参考人は、政府案をこのまま採決することは死刑執行のボタンを押すようなものだと言いました。そのとおりです。
なぜ日本は、ミャンマーのカチンやロヒンギャ、クルド、スリランカなどの国々の人たちを難民と認めて保護しないんでしょうか。これらの方々は、送還すれば命の危険が発生します。このことは命の問題です。私たち国会議員は、市民社会は、まさに死刑執行のボタンを押す共犯者となってはならないのです。
参議院の参考人質疑で二十五歳のクルド人のラマザンさんは、何回も難民申請をした家族が、この法律が施行になれば、トルコに送還をされ、特別在留資格を持っている彼は日本にいることができるけれども、家族がばらばらになることを本当に恐れていました。多くの人たちがこの法案が成立したときのことを本当に恐れています。
杉委員長が問題なのは、入管法改悪法案の立法事実の前提条件が崩壊し、難民認定がずさんで問題があること、入管の収容施設の中で死亡する人が出て、極めて非人道であるということが明らかになっても、それに蓋をしたまま改善をしようとはせず、職権で審議を終局させて、法案を強硬に成立させようとしていることです。
外国人の命だと言わないでください。この国が人の命を紙切れのように扱うということは、次の瞬間は、私たち日本人の命も紙切れのように扱われるということではないでしょうか。人々を安価な労働力としてしか見ないこの国の政治を変えなければなりません。
数多くの問題に目をつぶり、疑惑に蓋をするかのように採決を強行しようとした杉委員長には、委員長をお辞めいただくしかありません。
人が人として扱われる、そんな国をつくろうと、議場にいる全ての皆さんに呼びかけて、私の解任決議案の賛成討論といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/7
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008・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 仁比聡平君。
〔仁比聡平君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/8
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009・仁比聡平
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平です。
私は、日本共産党を代表して、法務委員長杉久武君の解任決議案に賛成の討論を行います。
賛成の理由は、昨日の法務委員会において、入管難民法改定政府案と野党対案一括審議の終了後、再開した理事会で、職権で質疑終局、採決を決めたことに尽きます。
五月十二日の本会議代表質問以降、委員会審議を通じて、衆議院では明らかにされてこなかった法案の根幹に関わる重大問題が次々と明らかになっています。にもかかわらず、それらの問題に蓋をし、これまで入管行政の闇の中で繰り返されてきた人権侵害をただすことなく政府案を成立させるなど、断じて許されません。今、熟議、再考の府たる参議院に求められているのは、更なる徹底審議です。
審議を尽くすべき問題の第一は、我が国に難民はほとんどいないとする誤った認識を正し、国際水準へ転換する、立法府としての責任を果たすことです。
入管庁の一次審査で難民として認められなかった人が、それをただす不服申立てに関与する難民審査参与員の役割は重大です。ところが、焦点の柳瀬房子参与員を始め一部の参与員は、難民はほとんどいないなどの発言を繰り返し、それが政府案の説明資料や国会答弁で援用されてきたことに、多くの参与員から、あり得ないという抗議の声が広がっています。
法務大臣は、政府案の土台となった専門部会の委員だった柳瀬氏の発言を我が国の現状を的確に表しているなどと擁護してきましたが、先日三十日、閣議後記者会見の発言を夜になって訂正するという異常な経過で、柳瀬氏の言う回数の対面審査を行うことは不可能であることを認めるに至りました。
参院審議になって初めて、入管庁は、年間審査総数の四分の一、千二百件以上もの審査を柳瀬氏が担当したと説明する一方で、他の参与員からは、二年間一件も配分されなかったとか、入管の不認定を覆す意見を述べたら配分を大きく減らされたなどの告発が相次いでいます。難民認定上、極めて重要な当事者へのインタビュー、口頭意見陳述も行わせず、書面審査のみで大量の案件の迅速処理を特別に担う臨時班が存在することも明らかになりました。
難民参与員制度が送還ありきのベルトコンベヤーに組み込まれているのではないか。迫害の危険を示す出身国情報をまともに参照せず、予断を持って難民ではないと決め付けて強制送還してきたのではないか。一次審査を含む入管の難民認定の実態を徹底して明らかにし、政府案が臨時班なるものを担う一部の参与員の声だけを立法事実として主張する偏りを正さなければなりません。
柳瀬参与員は、柳瀬参与員問題は、日本に難民などいないどころか、入管庁による難民認定審査がどれほどずさんかを明らかにしつつあります。政府の立法事実は大きく崩れ始めていると言うべきであります。
提出された資料は、まだごく一部です。極端に偏った事件配分はどのように行われてきたのか。チェックされるべき入管が自ら行ってきたのではないか。それがUNHCRガイドラインや難民法裁判官国際協会の基準など国際水準からいかに遠いか。資料を委員会に提出させ、審議を深めようではありませんか。
第二は、様々な事情で帰国できない非正規滞在者を一くくりにして送還忌避者呼ばわりする入管庁のごまかしを明らかにし、人権と人道を尊重する保護と共生への転換を実現することです。
入管庁は、送還忌避者が、令和三年末で累積三千二百二十四人、令和四年末、四千二百三十三人に上るとしきりに強調してきました。ところが、その内訳や、一年の間に新たに送還忌避者とした者は何人か、一方で、送還や難民認定、人道配慮、在留特別許可を受けるなど送還忌避者ではなくなった者は何人かと聞いても、業務上統計を作成していないので答弁は困難と拒んでまいりました。法案審議の根幹に関わるという法務委員会の求めで開示された一部の数字だけを見ても、送還忌避者の中に日本社会に根差して生きる多くの人たちがいることが明らかになりつつあります。
とりわけ、そこには日本で育った十八歳未満の子供が昨年末時点で二百九十五人含まれていること、その両親、兄弟姉妹は二百九十六人、計五百九十一人に上ることがようやく明らかにされました。しかし、そこには含まれていない日本人家族、在留資格が得られた家族、祖父母やおじ、おばなどの実情や、子供たちの教育や将来に立ち塞がる深刻な壁の実態はいまだに明らかになっていません。調査や集計に時間が必要なら、十分な資料提出を受けるまで待ち、審議を尽くすのが当然ではありませんか。
政府案は、難民認定申請が三回目以上になれば、子供たちもその家族も法的に原則強制送還の対象にするものです。
委員会でラマザン参考人は、日本ではまだ守られるべき人たちが保護されていません、彼らは今度の政府案が通ったら送還されるのではないかとおびえていることを知ってください、私も家族が送還されてばらばらになるのではないかと不安でとても怖いですと訴えました。
法務大臣は、同じ思いだ、真剣に前向きに検討していきたいと答弁していますが、施行までに検討するというのでは入管庁任せになりかねません。法案の審議を通じて方針を定めるのは立法府の責任であります。入管庁に白紙委任などできるはずがないではありませんか。
最後に、二〇〇七年以降だけで十八件に上る入管収容中の死亡事件、繰り返される不適切処遇の真相解明、徹底検証はこれからであります。
ウィシュマさんの死亡事件は、たまたま起こったものではありません。入管庁が非正規滞在者を一くくりに悪質な送還忌避者としてその縮減を進め、入管の判断だけで収容が上限なく行われ、帰国意思を示すまで自由を奪い続ける拷問のような人権侵害構造の中で引き起こされたものにほかなりません。
ところが、政府案にその根本的な反省はないではありませんか。
二〇一八年以降、入管庁は、本庁で縮減目標を設定し、各入管に達成目標を定めさせ、毎月その状況を報告させ、達成度を重要な業績評価の指標にしてきたことが明らかになりました。これは送還ありきのノルマにほかなりません。
その下で入管庁は、非正規滞在者の様々な事情を顧みず、在留資格の制限や取消し、仮放免取消しによる再収容など、耐え難い長期収容や、生活の糧を奪ったまま放置する仮放免を送還促進の道具としてきました。
難民条約三十三条が定めるノン・ルフールマン原則は、難民及び庇護希望者の重要な経済的、社会的権利を否定し、迫害のおそれある国に自ら帰還せざるを得ない状況に追い込むことをも禁ずる原則です。
入管庁が人権侵害の構造をつくり出してきたあらゆる通達を明らかにさせて廃止を求め、根本的に入管のブラックボックスを打破すべきではありませんか。
法務大臣が国会で、ウィシュマさん死亡事件の教訓を踏まえ、改善策に誠実に取り組むなどと答弁を繰り返すその陰で、大阪入管の常勤医師が泥酔し、患者への暴言、不適切な投薬を行ってきたことがスクープ報道されて初めて発覚し、法務省は問題をいつ把握したのかと質問されても答えられないなどという隠蔽体質をそのままにして政府案の採決に及ぶなど、全くあり得ません。この週末、国民の怒りの声は更に大きく広がるでしょう。
杉委員長と自民、公明、与党の猛省を促し、法務委員会において更に徹底審議を尽くすことを強く求め、法務委員長解任決議案に賛成の討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/9
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010・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これにて討論は終局いたしました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/10
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011・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
青木愛君外五十七名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。
議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
〔議場閉鎖〕
〔参事氏名を点呼〕
〔投票執行〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/11
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012・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
〔投票箱閉鎖〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/12
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013・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
〔議場開鎖〕
〔参事投票を計算〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/13
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014・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百四十一票
白色票 六十票
青色票 百八十一票
よって、本決議案は否決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/14
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015・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 日程第一 福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。東日本大震災復興特別委員長古賀之士君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔古賀之士君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/15
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016・古賀之士
○古賀之士君 ただいま議題となりました法律案につきまして、東日本大震災復興特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、福島の復興及び再生を一層推進するため、市町村による特定帰還居住区域復興再生計画の作成及びその内閣総理大臣による認定、当該認定を受けた同計画に基づく国による土地改良事業等の代行及び国の負担による土壌等の除染等の措置等について定めようとするものであります。
委員会におきましては、特定帰還居住区域における除染の在り方、特定帰還居住区域における営農支援の必要性、帰還する住民の生活に必要な環境整備に向けた取組等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して岩渕委員より反対、れいわ新選組を代表して山本委員より反対の旨の意見がそれぞれ述べられました。
討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し十三項目から成る附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/16
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017・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/17
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018・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/18
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019・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 日程第二 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員長鶴保庸介君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔鶴保庸介君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/19
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020・鶴保庸介
○鶴保庸介君 ただいま議題となりました法律案につきまして、地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、国民の利便性の向上及び行政運営の効率化を図るため、個人番号等の利用の促進を図る行政事務の範囲を拡大するとともに、戸籍等への氏名の振り仮名の追加、預貯金口座情報等の登録の特例の創設、医療保険の資格確認のために必要な書面の交付等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、参考人から意見を聴取したほか、厚生労働委員会との連合審査会を行いました。
委員会における主な質疑の内容は、マイナンバーカード関連サービスの誤登録等への対応、健康保険証を廃止する理由、マイナンバーカードと資格確認書の交付の在り方、氏名の振り仮名表記の許容範囲等でありますが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、立憲民主・社民の杉尾理事より反対、日本維新の会の猪瀬委員より賛成、日本共産党の伊藤委員より反対、国民民主党・新緑風会の芳賀委員より賛成の旨の意見が述べられました。
次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/20
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021・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。杉尾秀哉君。
〔杉尾秀哉君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/21
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022・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 立憲民主・社民の杉尾秀哉です。
私は、会派を代表して、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案について、断固反対の立場から討論を行います。
まず、冒頭に申し上げます。
マイナンバーカードをめぐる深刻なトラブルが次々と明らかになり、マイナンバー制度に対する国民の信用は地に落ちました。共同通信の最新の世論調査では、マイナンバーカードの活用拡大に不安だという人が実に七〇%にも達しています。こうした状況にもかかわらず、今週水曜日に法案の委員会質疑が打ち切られ、討論と採決が行われました。国民の命と健康や、個人情報保護などをめぐる不安の声にでき得る限り応え、熟議の府の参議院らしい充実審議を求めた我々の声が踏みにじられたのは残念でなりませんし、また、断じて許されるものではありません。ここに満腔の怒りを込めて抗議します。
事の発端は、マイナンバーカードを使ったコンビニの証明書交付サービスで別人の住民票が誤って交付されているのが発覚したことでした。最初は小さな報道でしたが、その後、参議院での審議が本格化するにつれて徐々に問題が拡大、マイナ保険証での別人の情報へのひも付けから、マイナンバーと預貯金口座をひも付ける公金受取口座の登録ミス、さらにはマイナポイントの別人への付与など、トラブルの連鎖が続きます。
これまでに分かっているだけで、コンビニでの証明書サービスの誤交付が、住民票、戸籍の一部と印鑑登録証明書など、八つの自治体で二十七件、マイナ保険証での別人の個人番号とのひも付けが七千三百十二件で、うち薬剤情報などの閲覧事例が五件、公金受取口座の登録ミスが十四自治体二十件、マイナポイントの誤付与が九十七自治体百二十一件などとなっています。
現在、各自治体や健保組合などで件数やデータ等を精査中ですから、トラブルの全貌はいまだ闇の中、まさにいつまで続くぬかるみぞです。
しかし、これだけ深刻な事態が次々と発覚しても、河野大臣を始めとして、デジタル庁や総務省、そして厚労省など担当者の答弁はまるで人ごとのよう。口先では反省の意を示し、深刻な風を装いながらも、システム業者や現場の自治体、保険者、それに共通端末の操作を誤った住民など、利用者らに責任を転嫁するかのごとき弁解に終始したのは誠に遺憾と言わざるを得ません。
更に深刻なのは、これらの重大なトラブルが去年の春から夏頃までの段階で各自治体から総務省やデジタル庁に報告されていたにもかかわらず、情報共有が担当者止まりで、大臣はおろか幹部にも報告が上げられていなかったらしいことです。もちろん、大臣や幹部が知っていて公表しなかったら大問題ですが、今年五月の一連の問題発覚まで大臣や幹部が知らなかったというのはもっと大問題、全く組織の体を成していません。
ひたすらマイナンバーの用途拡大とマイナカードの普及に血道を上げる河野大臣らに担当者がそんたくしたのかもしれませんが、上司にも報告せず、国民にも知らせず、こっそりとシステム改修などトラブル処理を進めていたのは、事実上の隠蔽工作と言われても仕方がないでしょう。ちなみに、足立信也大分市長は、誤登録が去年の十一月に発覚し、デジタル庁に報告したのに、デジタル庁は自治体名を公表しない姿勢だったと明らかにしています。
委員会での質問に対する河野大臣や政府参考人の知らなかったという答弁の連発を聞いて、私はまさに開いた口が塞がりませんでした。と同時に、こんな組織には国民の大事な個人情報は任せられないとも思いました。日本の官僚機構は一体どうなってしまったんでしょうか。
問題の根底にあるのは、政府が今年三月末までに全国民にマイナカードを行き渡らせるという目標を掲げ、交付率アップをしゃにむに目指して総額二兆円もの予算を投じたマイナポイントや、期限を切った健康保険証の廃止などの諸施策を強引に進めてきたことにあります。その拙速な政策のツケがここに来て一気に噴き出したと言わざるを得ません。
また、様々なトラブルが続発する中で浮かび上がったのが、マイナンバーというシステム自体が抱える根本的な問題です。これは決して偶然ではありません。利活用の範囲をどんどん広げた結果、付随するシステムのバグや人為的ミスが次々と発生し、その都度対処療法で済ませようとしているのはまるでモグラたたきのよう。かかる事態の深刻さを把握しようともせず対処療法を繰り返す政府に、世界でも例を見ない前代未聞のマイナンバーという巨大システムを果たして適切に運用できるのか、国民の不安と疑念は膨らむ一方です。
こうした一連のトラブルの中でも、国民生活に最も重大な影響を与えかねないのは、マイナカードと保険証の一体化と健康保険証廃止問題です。
そもそも、カードの取得自体は申請主義で任意であるのに、国民皆保険の下での健康保険証を一方的に廃止し不利益を生じさせることは断じて認められません。とりわけ、障害がある人や介護を必要とする高齢者など、社会的に弱い人たちをより困難な立場に追い込みかねない極めて深刻な問題です。
実際の医療現場ではマイナ保険証をめぐる混乱が続いていて、例えば全国保険医団体連合会の調べでは、オンライン資格確認システムを運用している医療機関の何と五九・九%で他人の情報がひも付けられていたなどのトラブルが発生、また保険加入の資格が確認できず窓口で医療費が全額自己負担となったケースは実に三百九十三件にも上るそうです。それでも今はまだ紙の保険証で確認できるから何とかなりますけれども、来年秋に保険証が廃止されたら一体どんな混乱が起きるのか、想像するだに恐ろしい。
また、入所者の保険証を預かるところが多い高齢者施設では、九四%がマイナンバーカードの管理ができない、このように回答しています。
さらには、廃止後の健康保険証に代わる資格確認書の運用も全てはこれからということで、幾ら何でもこれはでたらめ過ぎではないでしょうか。
政府の一連の対応に、今、医療現場や介護現場には不安と怒りや抗議の声が渦巻いています。こうした国民皆保険や地域医療の崩壊にもつながりかねない施策を、私たちは絶対に認めるわけにはいきません。来年秋の健康保険証廃止方針を撤回するか、さもなくば保険証に代わる資格確認書を全ての国民に職権で交付すべきです。
なお、今回の束ね法案には、マイナンバーのなし崩し的な用途拡大や、公金受取口座の登録促進のために一定期間内に登録不同意の回答がなければ自動的にマイナンバーと口座をひも付けすること、さらには戸籍などの記載事項に氏名の振り仮名を追加する項目も盛り込まれていて、これらの法改正が地方自治体や国民に与える影響も無視できません。
もちろん、一連の法案の中には、国民の利便性向上につながり、賛同できるものもあることは事実ですけれども、それ以上に懸念点が多過ぎることや国民に対するデメリットの大きさなどを考えると、こうした法案審議のやり方そのものに重大な疑義があることも申し述べます。
冒頭申し上げたマイナ保険証の誤登録やマイナポイント、公金受取口座など一連のトラブルを受けて、岸田総理は河野大臣に対して、データやシステムの総点検などの徹底を指示しました。また、マイナ保険証の別人登録でも、厚労大臣が医療保険者に対して全ての加入者データの点検を指示したばかりです。
そこで、再度申し上げます。
これらの作業が進められているさなかに法案を可決させるべきではありません。まずは、ここで一旦立ち止まり、制度の不備など実態を把握し、トラブルの全容を解明した上で、再発防止のための対策について再検証すること、そして何より、問題の根底にあるマイナンバー制度とマイナカードに対する国民の不安と不信を解消することが先決です。
そのためにも、政府にはマイナカードの運用を一旦停止する勇気を持っていただきたい。そして、天下の愚策である保険証廃止方針を撤回していただきたい。それまでは絶対に法改正を急ぐべきではありません。
今回の一連の審議の過程で、誰一人取り残さないデジタル化という政府のスローガンが全く空疎なものであることがはっきりしました。何が誰一人取り残さないですか、全くうそじゃないですか。河野大臣の責任は極めて重い。
私たちこそが真の国民のための行政を推進する政党です。そのことを強く強く申し上げて、反対討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/22
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023・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 猪瀬直樹君。
〔猪瀬直樹君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/23
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024・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 日本維新の会、猪瀬直樹です。
会派を代表して、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案、いわゆるマイナンバー法等の一部改正法案について、賛成の立場から討論いたします。
二〇一六年一月に行政手続におけるマイナンバーの利用が始まって七年がたちました。当初、普及がなかなか進まなかったマイナンバーカードも、二〇二〇年十月に普及率が二〇%を超えた辺りから加速し、現在では国民の三分の二を上回りました。
マイナンバーカード制度は、行政の効率化、国民の利便性の向上、公平公正な社会の実現のための社会基盤ですと政府は説明しているが、マイナンバー制度の普及率が一〇〇%とならなければ、様々な行政の効率化が進んで、そこから新たな財源を生み出すことは不可能となるはずです。日本維新の会は、今回の改正法案について、そのゴールに向けたプロセスとして重要な一歩だと考えています。
本改正法案においては、マイナンバーカードと健康保険証を一体化し、保険証を廃止する方針が示され、あわせて、マイナンバーカードを持たない人などに向け、新たに資格確認書の発行が予定されています。このような代替措置は、一定期間の経過措置としてはやむを得ないと考えるが、一旦二重業務が恒常化してしまえば行政の効率化は遠のいてしまいます。将来的には経過措置を終わらせ、一本化を図っていくよう求めます。
このマイナ保険証については、医療機関や高齢者施設の運営側、また障害の当事者からも、その申請手続や利用場面において様々な不安や不便を抱えているとの指摘がありました。また、一体化によってあたかも国民皆保険の制度自体が揺るがされるかのような誤解が今般の審議においても見受けられました。
ただ、残念ながら、この導入メリット、例えば薬の処方履歴などに、健康や医療に関するデータをマイナポータルでいつでも確認でき、投薬の確認や重複を避けられることなどが国民に広く理解されているとは言い難い状況です。
更なる普及促進を図るためには、これら現場の声に真摯に耳を傾け、多くの課題に対してきちんと解決策を考え、現場の実態に合わせた丁寧な導入を進めるとともに、その導入意義と国民のメリットについて一層の周知徹底を図っていかなければなりません。
今回の審議のさなかには、マイナ保険証に他人の情報がひも付いてしまう事象が七千件以上も発生したことが明らかになりました。このようなシステムエラー、ヒューマンエラーなどの不手際は、制度全体への信頼を揺るがしかねません。徹底した原因究明と再発防止策を、国民から見て分かりやすく、納得できる形で行うことを強く求めます。
また、本改正法案においては、年金受給者に対する公金受取口座登録の新たな方式として、いわゆるオプトアウト方式の導入が予定されています。これは、既に公金に近い性格である公的年金を受け取っている口座であり、受給者の利便性を考えても妥当なやり方と考えます。今後は高齢者だけでなく現役世代に対しても、国税の還付金や各種手当の受取口座を活用して同じ方式で公金受取口座の登録を進め、コロナ禍に匹敵するような事態がこの先生じた場合、今度こそ簡便で迅速な公的給付ができる体制を実現すべきと考えます。
デジタル庁の発足は、言わばこの国の形を変えるための挑戦でした。これからも日本が先進国の一角を形成するなら、デジタル化は不可欠です。しかしながら、河野デジタル大臣は今般の審議において、日本維新の会が主張してきたマイナンバーカードの義務化には慎重姿勢を崩しませんでした。
我々は今回の法改正を一歩前進と捉え、今後、制度設計時の目標であったはずの全ての銀行口座とのひも付けやカード発行の義務化を実現し、政府自らが掲げる行政の効率化、国民の利便性の向上、公平公正な社会の実現、その全てを達成するよう強く申し上げて、賛成討論といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/24
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025・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 山下芳生君。
〔山下芳生君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/25
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026・山下芳生
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、いわゆるマイナンバー法等改定案に対し、反対の討論を行います。
そもそも、本日の会議でこの法案を採決することが許されるのでしょうか。
政府はこの間、河野太郎デジタル大臣を先頭に、マイナンバーカードは便利です、安全ですと大宣伝し、カードを持てばポイントが付きます、カードに保険証や年金口座を付ければポイントが更に増えます、合計二万ポイントですなどと、本来任意であるはずの国民のマイナンバーカード取得をあおりにあおってきました。
ところが、今起こっていることは何か。コンビニで他人の住民票が出る、病院で他人の診療情報や薬剤情報が出る、ポイントが他人のカードに付与されるなど、このシステムに対する国民の信頼を崩壊させる深刻なトラブルの連続です。委員会での私の質問に対し、河野大臣は、憲法が保障する国民の生存権、財産権、個人の尊厳を脅かす重大なトラブルだということを認めました。だからこそ、総理の指示でデータとシステムの総点検を行うこととなったのです。
ならば、まず政府として総点検を行い、国会に対策を示すのが当たり前ではありませんか。その上で、トラブルの全容解明はされたのか、再発防止は十分なのかをチェックするのが国会の役割ではありませんか。総点検どころか、目の前でトラブルが相次いでいるさなかに、審議を打ち切って法案だけ通すというのは、国民に対する国会の責任放棄だと言わなければなりません。審議打切り、採決強行に厳しく抗議するものであります。
本法案は、健康保険証を廃止し、マイナンバーカードを国民に事実上強制するものです。
反対理由の第一は、法案が、保険証一枚で誰もが安心して医療を受けることができる国民皆保険制度の崩壊につながるものだからです。
開業医の六三%が加入する全国保険医団体連合会、保団連の最新の調査によると、オンライン資格確認でトラブルがあったと回答した医療機関が六割に上ります。主なトラブルは、有効な保険証が無効と判定された、顔認証付きカードリーダーの不具合が起こったというものであり、トラブルへの対処として最も多かったのは、その日に持ち合わせていた健康保険証で資格確認をしたという回答でした。
厚労省が指定医を取り消すぞと療養担当規則を改定してまで強引に普及してきたオンライン資格確認ですが、マイナ保険証での利用者がまだまだ少ないにもかかわらず、運用開始当初と同じシステムの根本的なトラブルを多く抱えているのです。
一昨日の厚労委員会との連合審査では、こうした問題があるのに、来年秋までに健康保険証を廃止できると判断した根拠は一体何かと問われ、加藤勝信厚労大臣は根拠を示すことができませんでした。ならば、保険証の廃止はやめるべきではありませんか。
昨日、大阪、兵庫、埼玉の保険医協会の先生方が議員会館の私の事務所を訪ねてこられました。共通して訴えられたのは、今はマイナ保険証で受診する患者は一つの診療所で週に一人か二人しかいない、みんな保険証も持ってきているのでトラブルが起こっても対応できる、しかし保険証が廃止されてマイナ保険証のみで受診する患者がどっと増えたらとても対応できない、保険証を残してほしいということでした。
このまま健康保険証を廃止することになれば、システムの不具合によって患者が窓口で十割の負担を求められるケースが増えることは避けられません。負担が重くて必要な受診ができなくなる、患者と医療機関の間で深刻なトラブルとなるなど、全国の医療機関で診療が停滞、中断する事態に発展しかねません。国民に大迷惑を掛けることになる本法案を通すことは許されません。
反対理由の第二は、法案によって、介護が必要な高齢者や障害者など、立場の弱い人たちの医療を受ける権利が奪われることになるからです。
法案は、これまで国と保険者の責務として国民、被保険者に届けられてきた現行の保険証を廃止し、本人の申請による交付方式へと制度を大転換するものです。しかし、審議を通じて、申請漏れや更新漏れによって保険医療が受けられない無保険者が出ることは避けられないことが明らかになりました。
参考人質疑で、保団連の竹田智雄副会長は、百二十人が入居するある特別養護老人ホームでは、ほぼ全員の保険証を原本で預かっていて、預かり証を発行し、施設内で鍵付きの棚で管理していることを紹介されました。この施設では、年間百四十件、二日に一回程度、外部の医療機関での受診に職員が付き添っているとのことでした。
竹田さんは、マイナ保険証は現行の保険証以上に厳重な保管、管理が求められる、万一紛失して個人情報漏えいや不正利用などの重大な事故が起これば大問題になる、担い手不足と新型コロナ対応で苦労を重ねている高齢者施設の職員に更に重大な責任を負わせるような進め方は切にやめていただきたいと訴えられました。
法案では、施設の入居者でマイナ保険証の申請が難しい場合、本人の意思を基にケアマネなどが代理申請することが可能とされています。しかし、竹田さんは、ケアマネに代理申請を求められても、説明、申請など、本来業務ではないのでまずできないと述べられました。
施設入居者のマイナ保険証の申請を一体誰がするのか、政府から具体的な方策は示されておりません。訪問・在宅医療、高齢独居の方々のマイナ保険証の申請、管理も未解決のままです。
同じく参考人質疑で、障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会、障全協の家平悟事務局長は、障害者の場合、マイナンバーカードの申請、取得、管理、利用のそれぞれに大きな問題を抱えていると告発されました。
申請するときに、顔写真の背後に車椅子のヘッドレストが写っているからと却下された、全盲で病気のため黒目がない人について、黒目がないから写真を撮り直せという指導もあったとのことでした。また、利用するときにも、医療機関で受診するとき、顔認証がエラーになる、不随意運動がある人、一定のところに顔を置けない人はカメラの認証が作動しない、暗証番号の入力が難しい人は言葉で伝えてやってもらうのは怖さがあるとも言われました。
政府は、誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化をなどと言いますが、本法案は、介護高齢者や障害者など、最も弱い立場にある人々を取り残すものとなっています。
審議の中で河野大臣が、保険証が廃止されたらマイナンバーカードを申請できない介護高齢者や障害者の医療を受ける権利が剥奪されてしまうことを、保険証廃止を表明した時点で認識していなかったことも明らかとなりました。その責任は極めて重大であります。
自身も首の骨を折ったことで全身に麻痺が残っている家平さんは、車椅子の上から、法案は支援を必要とする人たちの社会的地位を大きく引き下げ、障害者を厄介者、いなくてもよい者など、人間として生きる価値や意味までもおとしめることになると訴えました。
このような法案を通すことは断じて許されません。政府の一存でマイナンバーの情報連携の対象を拡大できるようにすること、本人の同意なしに公金受取口座がひも付けられてしまうことも大問題です。仮に法案が強行されたとしても、矛盾はなくなりません。国民の闘いは一層大きく広がるであろうことを指摘し、反対討論とします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/26
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027・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 芳賀道也君。
〔芳賀道也君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/27
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028・芳賀道也
○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。
会派を代表して、本法案に賛成の立場から討論をいたしますが、まず、本法案の審議中に明らかになったマイナンバーに関する様々なトラブルに関して、政府には猛省を求めたいと思います。マイナンバーに関しては、データの取扱いなど、政府がしっかりと国民の信頼を得ていくことが欠かせない要素だと思います。
本法案の審議入りに際し、我が会派の伊藤孝恵議員が、四月二十八日、参議院本会議で指摘したように、個人情報の流出や悪用を防ぐセキュリティーの信頼性を高め、きちんとしたプロセスで政策決定や投資がなされ、濫用を防ぐ実効的なガバナンスの仕組みを法律で定めた上で、マイナンバーやマイナンバーカードによって政府はどのような社会を実現しようとしているのか、今は一体どのフェーズなのかなど、青写真を国民と共有し、各種手続における効率化や利用範囲の拡大、利便性を高めていくことで国民から支持されることこそ正道、正しい道です。
そして、マイナンバー法第一条の目的規定にあるように、行政運営の効率化と行政分野における公正な給付と負担の確保を図り、これらの者に対し申請、届出その他の手続を行い、又は行政機関から便益の提供を受ける国民が、手続の簡素化による負担の軽減、本人確認の簡易な手段その他の利便性の向上を得られることが本来あるべき姿です。
こうした目的の下に行われる本改正案は、私たちの考え方ともその方向性を一にするものであり、賛成いたします。ただ、審議の過程では様々な懸念も明らかになりましたので、国民の皆さんにとって安心、安全の仕組みになることを期待して、以下、付言をいたします。
マイナンバー保険の懸念の第一は、マイナンバー保険証の義務化によって、障害者や難病の方が医療を受けることが困難になる可能性や、医療現場でトラブルが多発することで、さらにマイナンバー保険証を申請しない人が保険医療を受けられなくなるという懸念です。
五月十七日の参考人質疑では、障害当事者の家平参考人から、マイナンバー保険証によって障害者や難病の方が必要な医療が受けられなくなるという切実な問題について、当事者を代表して力強く具体的に説明をいただきました。そして、同じく参考人の全国保険医団体連合会の竹田副会長からは、マイナンバー保険証やオンライン資格確認などで医療現場でトラブルが多発している現状の御説明があり、約一割の医療機関が病院を閉めることを考えているなど、地域医療の危機にあると指摘をいただきました。厚生労働省からは一定の答弁がありましたが、参考人の方々が指摘された問題点について懸念が払拭されていません。
マイナンバー法案の質疑で明らかになった懸念は、第二に、マイナンバー保険証の誤登録や公金口座として他人の口座をひも付けたトラブル、マイナポイントをほかの方に付与してしまったトラブルを厚労省や総務省、デジタル庁など霞が関の官公庁が認知していたにもかかわらず、国民に公表しなかったことです。
報道されているように、今年四月に就任した大分市の足立信也市長によれば、大分市内の方の公金口座のひも付けが間違っていたのが発覚した昨年十一月、正しい口座へと登録を修正して住民に謝罪し、その上で市役所はデジタル庁に報告したそうです。ところが、デジタル庁は大分市に対し、個別の案件で人的なエラーなので自治体名を公表しないという指示をした模様であり、隠蔽と言われても仕方のない対応です。その後、大分市からデジタル庁に再度相談の上、五月下旬に足立市長がこの事実を公表しました。
厚生労働省は、今年の二月にはマイナンバー保険証の誤登録が七千三百件以上あったことをデジタル庁の会議で報告していました。しかし、この問題について国民への周知を図らず、参議院での地方デジタル委員会の審議前後に報道で取り上げられるようになった後、五月二十三日、全ての保険者に登録の確認を求めました。
新たなシステムを始めた際にはデータの誤りやバグと呼ばれるプログラム上のトラブルが出てしまうのは仕方がないとの専門家の擁護的な発言も聞きますが、バグを可能な限り解消するようにリリース前に十分にテストやチェックを重ねることは、デジタル化を進める上での大前提です。
トラブルシューティングも遅く、しかも真摯な対応でなかったと言えます。今回のデジタル庁ほか関係省庁の対応に警鐘を鳴らしておきます。
マイナンバーシステムは必要です。ただ、仏作って魂入れずでは国民が迷惑をします。ただいま申し上げた二点を含め、国民の懸念を払拭するよう、政府には強く求めておきます。
最後に、委員会採決の運びについても一言申し上げます。
マイナンバー保険証の誤登録や公金口座として他人の口座をひも付けしたトラブル、マイナポイントをほかの方に付与してしまったトラブル、そしてコンビニエンスストアで市役所に書類を請求したらほかの人の戸籍書類が出てきてしまったトラブルなど、これだけ様々なトラブルが発生している中、法案採決に入るタイミングについて鶴保委員長が極めて適切な御判断を示してくださったにもかかわらず、このような運びになったことについては遺憾です。
以上となりますが、改めて、政府が信頼性を高めていくことに本気になって取り組まないと制度の理解や利用拡大が進まなくなるため、政府にはしっかりと取り組んでいただくことをお願いして、私、芳賀道也の討論といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/28
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029・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これにて討論は終局いたしました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/29
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030・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/30
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031・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/31
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032・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 日程第三 令和五年三月予備費使用及び令和五年度予算に係る子育て関連給付金に係る差押禁止等に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長古賀友一郎君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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〔古賀友一郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/32
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033・古賀友一郎
○古賀友一郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、令和五年三月予備費使用に係る子育て世帯生活支援特別給付金及び令和五年度予算に係る出産・子育て応援給付金について、その支給の趣旨に鑑み、差押えを禁止する等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員長橋本岳君より趣旨説明を聴取した後、予備費を使用した給付金の執行状況等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/33
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034・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/34
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035・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X02820230602/35
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