1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年六月七日(水曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第三十号
令和五年六月七日
午前十時開議
第一 防衛省が調達する装備品等の開発及び生
産のための基盤の強化に関する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
第二 空家等対策の推進に関する特別措置法の
一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
付)
第三 不正競争防止法等の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
第四 新型コロナウイルス感染症等の影響によ
る情勢の変化に対応して生活衛生関係営業等
の事業活動の継続に資する環境の整備を図る
ための旅館業法等の一部を改正する法律案(
第二百十回国会内閣提出、第二百十一回国会
衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
一、永年在職議員表彰の件
一、法務大臣齋藤健君問責決議案(石橋通宏君
発議)(委員会審査省略要求)
一、日程第一より第四まで
一、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情
に関する調査の中間報告
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/0
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001・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより会議を開きます。
この際、永年在職議員表彰の件についてお諮りいたします。
議員世耕弘成君は、国会議員として在職すること二十五年に達せられました。
つきましては、院議をもって同君の永年の功労を表彰することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/1
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002・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。
同君に対する表彰文を朗読いたします。
〔世耕弘成君起立〕
議員世耕弘成君 君は国会議員としてその職にあること二十五年に及び常に憲政のために力を尽くされました
参議院は君の永年の功労に対しここに院議をもって表彰します
〔拍手〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/2
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003・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 関口昌一君から発言を求められました。発言を許します。関口昌一君。
〔関口昌一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/3
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004・関口昌一
○関口昌一君 参議院議員一同を代表して、ただいま永年在職によって表彰されました世耕弘成先生に対しまして、一言お祝いの言葉を申し上げます。
世耕先生は、平成十年に初当選をされて以来、参議院議員として御活躍をされ、この度、国会議員として在職二十五年を迎えられました。
この間、世耕先生は、総務委員長等の重責を担われ、総務大臣政務官、内閣総理大臣補佐官、内閣官房副長官、経済産業大臣及び内閣府特命担当大臣として国政の中枢に参画され、その卓越した政治手腕を遺憾なく発揮してこられました。
また、現在は、参議院改革協議会座長、参議院自由民主党幹事長として、参議院の改革、繁栄のために御活躍されておられます。
このように、世耕先生は、高い見識と豊富な経験に基づき、我が国の議会政治発展のため御尽力をされております。
ここに、我々議員一同は、先生の二十五年間の御功績に対しまして深い敬意を表しますとともに、本日、栄えある表彰を受けられましたことに対し、心からお祝い申し上げます。
現在、我が国を取り巻く環境は誠に厳しく、克服すべき課題が山積しておりますが、このような状況だからこそ、本院が果たすべき役割は非常に大きなものがあります。
世耕先生におかれましては、今後とも健康に御留意され、国民のため、参議院のため、そして我が国議会制民主主義の発展のため、なお一層の御尽力を賜りますようにお願いを申し上げ、お祝いの言葉といたします。
誠におめでとうございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/4
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005・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 世耕弘成君から発言を求められました。発言を許します。世耕弘成君。
〔世耕弘成君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/5
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006・世耕弘成
○世耕弘成君 ただいま、院議をもって栄えある永年在職表彰を賜りました。尾辻議長を始め同僚議員の皆さんに心から感謝を申し上げます。
また、参議院自民党議員会長として日頃御指導をいただいている関口昌一先生より大変有り難い御祝辞を頂戴をし、御礼を申し上げます。
私が二十五年にわたって参議院議員として大過なく仕事をすることができましたのも、地元和歌山の支持者の皆様、家族を始め、私のことを温かく見守り、励ましてきてくださった皆様のおかげです。その全ての皆様に心から感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。ありがとうございました。
私は、昭和三十七年に、今は共に亡き父弘昭、母基子の下に生まれ、しつけは厳しいながらも、温かくユーモアにあふれた家庭で育ちました。大阪教育大学附属天王寺中高、早稲田大学政経学部を経て、昭和六十一年にNTTに入社。社会人としての第一歩を踏み出しました。
祖父弘一と伯父政隆が国会議員でしたが、父は一私立大学の職員。伯父の選挙を手伝ったこともなく、NTTでの仕事に没頭し、政治とは無縁の生活を送ってまいりました。
平成十年に伯父が急逝し、当時自民党の選挙責任者であられた尾身幸次先生のお嬢さんが会社の同期だったという不思議な御縁で自民党幹事長であられた森喜朗先生に紹介され、森先生から熱心に説得されて、急遽、補欠選挙に出馬することとなりました。出馬を決意してから投票日まで正味一か月。地元の皆様に支えられながら、がむしゃらに走り回って何とか当選を勝ち得ました。初めて乗った街宣車。頭上で自分の名前が連呼されるのを聞いて、尋常ならざる世界に足を踏み入れたのだなと思ったものであります。
二十三歳で社会人としてのスタートを切ってから今日まで、私の人生のキーワードはコミュニケーションであり続けました。
NTTでは広報マンとして、難しい技術やサービスをいかに分かりやすく世の中に伝えるか、逆に社外の声をいかに経営に反映させていくか、実務を通じて学んでおりました。アメリカの大学院で企業コミュニケーション論の修士号も取りました。
政治の世界に飛び込む決意をしたのは、社会と企業を双方向でつなぐ企業広報と、国民と国会、行政をつなぐ政治にコミュニケーションという一点で共通するものを感じたからです。
政策が高度に複雑化する中で、あるいは国民の御理解と御協力が不可欠な局面が多々ある中で、今、政治には国民に対する分かりやすいコミュニケーションが求められています。その点で私が貢献できる役割がなおあるのではないかと感じています。
私は、人との出会いは学びであり、成長の機会であると考えます。特に政治家になってからは刺激的な出会いが非常に多く、学ばせていただく機会も多くなりました。
その中でも、私に特に大きな影響を与えてくれた三人の政治家について、感謝を込めて御紹介します。
まず一人目は、安倍晋三元内閣総理大臣です。信念を曲げず、しかし、その信念の実現に向け前進するためには現実的な妥協もいとわない。私もこういう政治家でありたいと思う理想像です。特に官房副長官としてお支えした三年七か月は、瞬間瞬間が学びであったと言っても過言ではない、非常に濃密な時間でありました。
二人目は、参議院自民党幹事長としての私の前任に当たる亡き吉田博美先生です。先生からは、義理人情の大切さ、手柄を人に譲ること、仲間のつくり方などなど、懇切丁寧に御指導をいただきました。気が短かった私に対して、吉田先生は、怒ることをやめてみてはどうかと提案され、そのことで私の政治家としてのスタイルが根底から変化をいたしました。
そして、三人目は、党派を超えた結婚と言われた、元参議院議員の妻、久美子であります。政策面では経済成長一本やりだった私に、弱者の視点、国民の不安に寄り添うことの大切さを教えてくれ、政治家としての幅を広げてくれました。
在職二十五年は一つの通過点であります。今後も、多くの方々との新しい出会いを楽しみにしております。
この議場には、昨年当選された新しいメンバーも多数いらっしゃいます。皆さんと御一緒に仕事や議論をすることで、党派や年代や立場を超えて学ばせていただき、自分の成長につなげていきたい。
今後、なお一層の御交誼と御指導を心からお願いを申し上げ、永年在職表彰への御礼の御挨拶とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/6
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007・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) この際、お諮りいたします。
石橋通宏君発議に係る法務大臣齋藤健君問責決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/7
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008・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。
よって、本決議案を議題といたします。
まず、発議者の趣旨説明を求めます。石橋通宏君。
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〔議案は本号末尾に掲載〕
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〔石橋通宏君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/8
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009・石橋通宏
○石橋通宏君 立憲民主・社民の石橋通宏です。
私は、会派を代表し、法務大臣齋藤健君問責決議案について提案の趣旨を説明いたします。
まず、決議の案文を朗読します。
本院は、法務大臣齋藤健君を問責する。
右決議する。
以下、問責の理由を具体的に申し述べます。
問責理由の第一は、齋藤大臣が、二年前に国際人権機関から国際法違反だと批判され、多くの国民の反対の声によって廃案となった入管法改悪案を、その骨格を変えないまま、つまりは国際法違反の問題を解消しないまま再び国会に提出してきた暴挙の責任者であることです。
そもそも、現在の出入国管理行政や難民認定行政は、これまでに何度となく国際人権機関から国際法違反であるとの批判を受け、改善を求められてきました。しかし、政府はそれを今日まで無視し続けてきたのです。
二年前に廃案になった政府案も、二〇二一年三月、国連人権理事会の恣意的拘禁作業部会や移住者の人権に関する特別報告者らの共同書簡で法案は国際的な人権基準を満たしていないと批判されましたが、政府はその批判も無視しました。
そして、今回の政府案に対しても、本年四月十八日、特別報告者らの共同書簡が出され、二年前の法案から基本的に変更されておらず、国際人権基準を下回る、政府に対し、国内法制を国際人権法の下での日本の義務に沿うものにするため、改正案を徹底的に見直すことを求めると要請されているのです。
それに対する齋藤法務大臣の対応は極めて恥ずかしいものでした。大臣は、特別報告者の個人の資格として述べられたもので、国連や人権理事会としての見解ではない、また、我が国への法的拘束力もないと断じ、共同書簡を批判して、国際法違反と指摘された法案をそのまま押し通そうとしているのです。
特別報告者らの共同書簡は、政府案が国際人権諸条約に違反している問題を指摘し、日本政府に対話を通じて改善を求めているのに、法務大臣がそれを批判し、無視する態度は、人権理事会の理事国を何度も務めてきた日本として全くふさわしくありません。
岸田総理を先頭に、政府は盛んに他国に対して、法の支配だの、人権の尊重だのと訴えています。しかし、他国に対して人権の尊重を求めていながら、自国においては国益が優先だなどといって普遍的価値であるはずの国際人権法を守ろうとしない態度を取るのは、完全なるダブルスタンダードであり、二枚舌外交との国際的なそしりを免れ得ません。日本政府が国際人権機関からの国際法違反との指摘を無視するのであれば、もはや日本は他国に対して国際法や人権の尊重を訴えることはできなくなります。言っても誰も相手にしてくれないでしょう。
憲法九十八条第二項に明記されているとおり、我が国が締結した条約及び確立された国際法規は誠実に遵守されなければなりません。人権の尊重において私たちが守るべきルールは、日本が批准し、締約国になっている国際人権諸条約であり、私たち立法府が問題視しなければならないのは、その国際人権諸条約に日本の国内法制度が合致していないという極めて深刻な問題なのです。その状態を放置しているということは、我が国において、本来守られるべき人権が守られていないことを意味します。それにもかかわらず、国際法違反の状態を更に悪化させる入管法改悪案を強引に成立させることは、良識の府参議院として断じて容認してはなりません。
今回、私たちは、野党四会派共同で、国際基準に合致した難民等保護法案及び入管法改正案を参議院に提出し、法務委員会では閣法と並べて審議をいただき、私も筆頭発議者として答弁にも立たせていただきました。委員会では、齋藤大臣の隣で大臣や入管庁の答弁を間近に聞きましたが、その人権意識の希薄さに何度も唖然とさせられました。
入管庁は、難民申請者はあたかも全員が制度の濫用者であるかのように答弁し、送還忌避者や仮放免者の逃亡事案を殊更に強調して、彼らが罪人、悪人であるかのような印象操作をしています。完全なレッテル貼りです。また、前科のある非正規滞在外国人が皆悪人であって、一刻も早く強制送還する必要があるというような乱暴な主張に齋藤法務大臣が同調していたことも極めて残念です。あたかも、一たび犯罪を犯した外国人は、その罪を償って社会への復帰を願っても、全員が再び罪を犯す可能性のある危険人物であり、強制送還しなければならないのだと言わんばかりの主張です。法務省、入管庁が偏見や差別や排外主義の助長をしてどうするんですか。
しかし、政府案では、一定の罪を犯した難民申請者を一律に送還停止効の例外の対象とし、一次審査すら受けさせずに強制送還することを可能としています。これは極めて問題で、さきに述べた国際人権機関からも国際法違反だと指摘をされているのです。
このように、齋藤法務大臣は、人権を正しく理解していないとしか思えないような答弁を繰り返しており、法務大臣としての適性を欠くと糾弾せざるを得ません。即刻その職を辞するべきです。
問責理由の第二は、齋藤法務大臣が、これまで国会答弁等で立法事実として引用してきた政府案の根拠を自ら否定し、立法事実を崩壊させ、衆議院段階を含めた国会審議の前提条件を失わせたことです。
入管庁は、今回の政府案の提出に当たって作成した現行入管法の課題という法案説明資料において、二〇二一年四月二十一日の衆議院法務委員会参考人質疑における柳瀬房子参与員の発言を引用し、立法事実として使っています。
そこには、参与員が入管として見落としている難民を探して認定したいと思っているのに、ほとんど見付けることができません、難民の認定率が低いというのは、分母である申請者の中に難民がほとんどいないということを是非御理解くださいなどと書かれています。
そもそも、二年前に廃案となった政府案、そして今回の閣法の根拠になっているのは、二〇一九年六月、大村入管においてナイジェリア人男性がハンストの結果餓死した事件を受け、その後立ち上げられた専門部会が二〇二〇年六月に出した報告書でした。
その専門部会の委員であった柳瀬氏は、二〇一九年十一月の第二回会合で、私は約四千件の審査請求に対する裁決に関与し、そのうち約千五百件では直接審尋を行いました、その中で難民認定がなされたのは四人です、それが現実ですと発言しています。この柳瀬発言を受けて、専門部会の部会長が、難民審査参与員として審理に関与されていらっしゃる委員から現場の生の御意見を御紹介いただいた、本部会としては、送還を回避する目的で難民認定申請をする人たちにどう対応するかということが論点となりますと述べ、その後の議論の方向性が決められてしまったのです。
つまり、柳瀬参与員の発言に基づいて、日本で難民申請する者の中には難民はいない、だから送還忌避者をいかに強制送還するかが大事なのだという流れが決められ、その結果、強制送還を実現するための送還停止効の例外措置を含む乱暴な改悪法案が作られたのです。
しかし、柳瀬氏の二〇一九年の専門部会での発言と二〇二一年の衆議院法務委員会での参考人としての公述を比較したとき、その信憑性に重大な疑義が生じました。その発言が事実なら、何と僅か一年半の間に柳瀬氏は五百件もの対面審査を行っていたことになるからです。
私たちは、今回の審議でも、この柳瀬参与員の発言に重大な疑義を呈してきました。しかし、そのたびごとに齋藤法務大臣は柳瀬氏の発言を擁護し、長年現場で活躍をした専門家の発言で、重く受け止めなければならないと答弁を続けてきたのです。
ところが、五月三十日の大臣会見でとんでもない事実が明らかになりました。柳瀬参与員が一年半で五百件もの対面審査を行うことが可能だったかを問われた法務大臣が、朝の会見時には可能だと明言していながら、夜になって不可能を可能だと言い間違えたのだと訂正してきたのです。
実は、その前日の野党ヒアリングで、入管庁の審判課長が、参与員による対面審査は月に最大十件、年間で百件程度と答弁していたのです。つまり、一年半で五百件は不可能だということを入管庁が既に認めていたわけです。その説明と大臣答弁が矛盾してしまったので、入管庁が慌てて訂正したのでしょう。しかし、その結果、齋藤大臣自身が、そして入管庁がそれまで立法事実として使ってきた柳瀬氏の発言、証言の信頼性を完全に否定してしまったのです。
さらに、先週になって、当の柳瀬氏本人が自らのこれまでの発言に根拠がなかったことを認める事実も明らかになりました。弁護団の皆さんが入手をされ、公開された柳瀬氏本人の電話音声で、対面審査は一年間に九十人ぐらい、百人までに行くか行かないか、年間八十人、九十人は必死ですと発言していたのです。そうであれば、これまでの一連の柳瀬氏の公的な場での発言もその信頼性が完全に失われることになります。
さらに、参議院法務委員会の質疑で、入管庁はようやく柳瀬参考人が担当した審査件数を明らかにしてきました。報告されたのは二〇二一年、二二年分だけで、私たちが求めた二〇〇五年以降の審査件数はいまだに報告されていませんが、その限られた過去二年間の審査件数は驚愕に値するものでした。
柳瀬参与員に対し極めて異常な審査件数の割り振りが行われていたのです。二〇二一年は全体の約二〇%、二二年に至っては何と約二五%の審査を柳瀬参与員が担当していました。稼働日数と時間から計算すると、一件当たりの審査件数は六分。たった六分で分厚い審査資料を基にした三人の参与員による丁寧な審査など、できるはずがありません。一握りの参与員によって極めてずさんな審査が行われた疑いが明らかになったのです。
そして、先ほど述べた音声録音の中で、柳瀬参与員は極めて重大かつ深刻な発言をされています。どこの国だって、日本にとって、その国にとって都合のいい方だけ来てください、都合の悪い人は困ります、どこの国もそうしていますと発言しているのです。
入管庁が選んだ難民問題の専門家と称される参与員の方がこのような姿勢で難民認定の審査に当たっていたのであれば、極めて重大な問題であり、一連の事実によって、参与員制度が正しく機能しておらず、国際基準にのっとった審査など行われていないと断ぜざるを得ません。
つまり、齋藤大臣の発言と柳瀬氏本人の発言、そして入管庁の提出資料によって、政府案の立法事実は完全に崩壊したのです。と同時に、参与員制度の正当性が否定されたことで、齋藤法務大臣が主張してきた、難民申請者に難民はいない、だから強制送還してもいいのだという根拠は完全に崩れ去ったのです。
それにもかかわらず、この国際法違反の、ノン・ルフールマン原則にも違反する政府案を成立させれば、本来、国際人権法にのっとって保護すべき方々を強制送還してしまうことになります。
衆議院の参考人質疑で橋本参考人が訴えたことをここで改めて引用します。このまま政府案を通すのは、無辜の人に間接的に死刑執行のボタンを押すということに等しい。
同僚議員の皆さん、私たちは、一人たりとて、本来保護すべき方々を誤って母国に強制送還するわけにはいきません。立法事実が完全に失われた今、政府案は廃案にするしかありません。国際法に準拠した野党案をこそ成立させるべきなのです。それをしようとしない齋藤法務大臣には、即刻お辞めいただくしかありません。
問責理由の第三は、大阪入管で発覚した常勤医師の泥酔問題を、齋藤大臣が二月の時点で報告を受けていながら、その事実を国会に対して隠し続け、あたかも大阪入管でいまだ常勤医師が医療行為に従事し続けているかのような虚偽の答弁を行った疑いが極めて濃くなったことです。
入管庁は、いまだに、二年前に名古屋入管で発生したウィシュマさん死亡事件の原因究明も責任追及もすることなく、ビデオの全容開示にも応じず、国会が求めた数々の証拠資料の提出も拒否し続けています。
事件後に入管庁が行った調査なるものは、結局、内部調査にすぎず、今に至るまで死因すら明らかにされず、誰一人責任を取っていません。極めて異常です。
そして、入管庁は、ウィシュマさん死亡事件の真相究明を行わないまま、その後の改善策で収容者への医療提供体制は充実してきたと説明を繰り返してきました。
ところが、先週、大阪入管で昨年七月に採用された常勤医師が、昨年九月頃から不適切な医療行為を繰り返し、今年一月二十日には、勤務中のアルコールチェックでほぼ泥酔状態にあったことが判明し、医療行為から外されていた事実が発覚しました。
大阪入管は、一月二十一日には詳細な報告書をまとめ、二十三日は本庁に報告し、入管庁はその事実を二月下旬には齋藤法務大臣に報告していたことが明らかになっています。つまり、法務大臣は、そのような重大な事実を隠したまま法案の閣議決定を主導し、国会に法案を出して審議を続けてきたことになります。
衆議院での四月十八日の審議で、入管庁は、主要六官署のうち、五官署においてそれぞれ一名の常勤医師を配置している状況にありますと答弁し、さも大阪入管でも常勤医師が引き続き医療行為に従事しているかのような答弁を行っています。明らかに虚偽答弁です。
入管庁は、四月に出した改善策の取組状況という収容施設における医療体制の改善報告でも、大阪入管で常勤医師が今も医療行為を行っているとしか読めない一覧表を掲載し、常勤医確保により被収容者に関する継続的な体調把握や相談が容易になったとの説明を行っていました。これも明らかに虚偽報告であり、その説明を信じ込まされた与党の皆さんこそ怒るべきです。
常勤医師は国家公務員であり、国家公務員としての法令に従って任務を遂行する必要があるはずです。泥酔して医療行為を行った事実は、明らかに懲戒処分の対象になるはずです。しかし、処分すれば、その事実が明るみに出て、政府案の審議に影響が出ることを恐れ、入管庁は隠蔽しようとしたのではないでしょうか。
しかし、人事院の懲戒処分の指針には、監督責任も明記されており、非行の隠蔽や黙認も懲戒処分の対象になるとされています。もし齋藤大臣が、常勤医師による非行の報告を受けていながら、適切な処分を指示することなく、むしろその隠蔽に加担したのであれば、それだけで十分に大臣問責に値する行為です。
同僚議員の皆さん、結局、問題の根源にあるのは、この入管庁の姿勢なのです。入管庁のこの特権意識と隠蔽体質、そして難民や庇護希望者を保護するのではなく、犯罪者だとして追い返そうとする姿勢が、日本の難民認定、収容問題の根源であり、この根源的問題を根底から変えない限り、日本の難民認定、収容問題は解決し得ないのです。だからこそ、難民認定行政を入管庁から完全に切り離し、国際基準にのっとった難民認定を行う第三者専門機関の創設が必要なのです。
重ねて申し上げます。立法事実が崩壊した今、政府案はもはや廃案にするしかなく、人権を守る気のない齋藤法務大臣は、即刻、その任から退いてもらうしかありません。
以上、齋藤法務大臣の問責理由を数ある中から三点に絞って申し述べました。
私たちは、国益あっての人権だなどという暴論にくみするわけにはいきません。普遍的な価値である人権が全ての人に守られてこそ国民の利益であり、それこそが国益なのです。
私たちが尊重義務を負うている日本国憲法の前文には、こう書かれています。
「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」。
同僚議員の皆さん、残念ながら今、世界では、戦争や紛争、内乱や軍部の独裁による深刻な人権侵害で、難民の数が増大し、既に一億人を超えています。国境を越えて他国に保護を求めることができない国内避難民の数は、恐らくその何倍にもなるでしょう。極めて深刻な命と人権の問題であり、私たちはこのような危機的状況に直面している国際社会において、積極的な難民保護をこそ行い、命と自由、人権と民主主義を守るための国際的な努力において名誉ある地位を占めようではありませんか。
当然守るべき難民の権利を守り、当然保護すべき補完的保護対象者や、日本で生まれ育った子供たちの権利、幸福追求権を守る、そのために今こそ、私たち参議院がその責務を果たそうではありませんか。
これ以上、日本が世界に人権無視の国として恥をさらし続けることがないよう、政府提出の入管法改悪案を即刻取り下げて廃案にし、私たち野党四会派が共同で提出した難民等保護法案こそ成立させるべきであることを重ねて強く訴え、私の齋藤健君問責決議案の趣旨説明といたします。
議員各位の御賛同を何とぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/9
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010・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。谷合正明君。
〔谷合正明君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/10
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011・谷合正明
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
私は、自民、公明を代表して、ただいま議題となりました齋藤健法務大臣問責決議案について、断固反対の立場から討論をいたします。
齋藤法務大臣は、昨年十一月の就任以来、法務行政に全身全霊を傾け、その責務を全うしてこられました。送還忌避、長期収容の問題を解決するための入管法等の一部改正案については、委員会の審議において、どのような質問に対しても答弁をはぐらかすことなく、終始真摯に答弁を重ねてこられました。私は、齋藤法務大臣がかつて農林水産大臣を務められていたときに副大臣としてお支えしておりましたが、仕事に対する姿勢は一貫しております。
問責の理由は、大臣会見での発言の訂正や大阪入管の常勤医師の飲酒問題などにより入管法の法案審議の継続ができないというものですが、言い間違いは誰でもあることであり、問責の根拠にはなりません。また、大阪入管の問題も、法務大臣に原因を求めるには無理があります。問責決議案の根拠は極めて薄弱であると言わざるを得ません。
参議院法務委員会では、衆議院を超える十分な審議が行われてきました。議論を尽くすと同時に、結論を出すことも私たち国会の責務であります。委員長が質疑を終局しようとした判断にも手続にも何の瑕疵もありません。
このことは、法務委員長解任決議案に続いて、今回の法務大臣問責決議案も、提出会派は立憲のみであることにも表れているのではないでしょうか。ちなみに、問責決議案が提出されたのは四年ぶりです。その前年には法務大臣問責決議案も提出されましたが、いずれも四会派、五会派共同の提案となっています。私たちは、審議日程を遅らせるだけの党利党略による問責を決して認めるわけにはなりません。
以下、入管法改正案の必要性について述べます。
日本人と外国人が互いを尊重し、安全、安心に暮らせる共生社会を実現していくためには、外国人の人権に配慮しながら、ルールにのっとって外国人を受け入れるとともに、ルールに違反する者に対しては厳正に対応していくことが重要です。
その上で、現行入管法下で生じている送還忌避、長期収容問題の解決は喫緊の課題であり、人道上の危機に直面し、真に庇護すべき方々を確実に保護する制度の整備もまた重要な課題の一つであります。
そこで、今回の改正法案は、保護すべき者を確実に保護した上で、在留が認められない者については迅速に送還可能とする、長期収容を解消し、収容する場合であっても適正な処遇を実施するという考え方の下、適正な出入国在留管理を実現する、バランスの取れた制度にしようとするものであります。
現在の入管法では、難民認定手続中の外国人は、申請の回数や理由を問わず、我が国から退去させることができません。一部の者は、これに着目し、難民認定の申請を繰り返すことで退避を回避しようとしています。不法滞在者が在留を継続するための頼みの綱が一律の送還停止効というのは、制度趣旨からいって適正な使われ方ではありません。
そこで、改正案では、三回目以降等の難民認定申請に関して送還停止効に例外を設けますが、昭和五十七年の制度創設以来、三回目以降の申請で難民と認められたケースは〇・〇〇三%であり、そのケースも本国事情の変更によるもので、法改正後も送還停止効が継続されるケースに該当します。万が一にも保護すべき事情のある者を送還しない仕組みと言えます。また、送還停止効の例外に該当する者であっても、ノン・ルフールマン原則により、入管法第五十三条三項に定める送還が禁じられる国に送還することはできません。
特定の難民審査参与員の審査件数に関して、立法事実がなくなったとの批判がありますが、これは立法事実の一つにすぎず、立法事実が揺らぐものではありません。参議院の参考人質疑では、野党推薦の参考人が難民審査参与員として当たった不服申立て審査で、五百件の案件中、難民該当性があると判断したのは約四十件とのことでした。逆に言えば、野党推薦の参考人でさえ、九割以上は難民該当性がないと判断したことになります。やはり制度の濫用対策は必要です。
難民認定手続においては、難民を迅速かつ的確に保護していくことが必要です。改正案では、紛争により、避難民を保護するために補完的保護制度を創設することになりました。これにより、我が国に避難したウクライナ避難民等の法的保護が可能となります。
難民認定率は保護すべき者を保護した結果です。昨年の我が国の難民認定と人道的配慮、ウクライナ避難民などへの特別措置を含めれば、広義の庇護率は約七〇%であることは知られてしかるべきであります。
また、今回の改正で、難民認定申請制度と切り離して在留特別許可の申請制度を創設したことは重要です。退去強制手続の対象となった者であっても、どのような場合に我が国の社会に受け入れるかを明らかにするために、判断に当たっての考慮事情を明文化することになりました。
長期収容問題については、原則収容主義と言われてきた今までの姿勢を改めたことは大きな政策変更であり、評価できるものであります。
現行法では被収容者の収容を解くためには仮放免に頼らざるを得なかったところですが、昨年末で約五割の仮放免者の行方が分からなくなっていることは大きな問題です。そのため、改正案で監理人による監理措置を設けたことは、長期収容問題の適切な解決策と言えます。
ウィシュマさんのような事案はあってはならないことであり、このような事案の再発を防止するためにも法改正は必要です。改正案を廃案にすることは、現状を維持することであり、何ら現状の改善につながるものではありません。
齋藤法務大臣におかれましては、今までどおり国民のために御尽力いただきたいことをお願いいたしまして、私の反対討論といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/11
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012・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 牧山ひろえ君。
〔牧山ひろえ君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/12
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013・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 立憲民主党の牧山ひろえです。
私は、立憲民主・社民を代表し、ただいま議題となりました齋藤健法務大臣の問責決議案に対し、賛成の立場から討論をさせていただきます。
まず、問責の理由の第一は、この通常国会最大の争点の一つとなっている出入国管理改正法をめぐっての大臣の対応です。
難民審査参与員の柳瀬氏の、これだけの件数の審査を行ったのに難民として保護に値する人はほとんどいなかったという趣旨の発言が政府案の立法事実となっていたのですが、その発言の信頼性を大臣自ら否定されたわけです。根拠は示せないが信じられるという今までの強弁は何だったんでしょうか。そして、虚偽の情報を基に国会審議を行わせた責任をどのように取るおつもりなのでしょうか。辞任していただく以外はないと思います。
大臣の発言による政府案の立法事実の破綻について、大臣からは、立法事実はこの一件ではなく、ほかにも様々あるという答弁が繰り返しありました。ですが、私は、このそごは政府案全体に影響を及ぼしていると思っています。なぜならば、柳瀬参与員の、本当の意味の難民は日本にほとんどいないという趣旨の発言が今回の政府・与党案のまさに根幹となっており、救うべき難民がいない前提で、逆に言うと、我々が救わなければ、かけがえのない命が失われるかもしれないという切迫感なしにあらゆる制度設計が行われているからです。
一昨年まで在留資格のない仮放免者だったトルコ国籍のクルド人青年ラマザンさんが、参議院法務委員会の参考人として招かれ、法案が通ったら家族が送還され、一家がばらばらになるのではないかと不安で、とても怖いと語りました。そして、繰り返しこう訴えています、私たちの立場になって考えてほしいと。
これは、ここにいらっしゃる齋藤大臣にも向けられた願いですが、今回の法案審議における齋藤大臣の言動は、命のかけがえのなさに思いを致すことなく、生まれ育った国を捨てねばならない人々の訴えを真摯に受け止めることなく、そして、国と国のはざまで苦しんでいる人の立場を想像することもない、当事者の苦しみに寄り添い、自らの言葉で語ることなく、法務省と入管庁の組織の論理から紡ぎ出されたものばかりです。
例えば、大臣は、難民認定に関する直近の行政訴訟の百九件のうち、国が勝訴をしたのが百四件だったということをもって自らの主張の裏付けとされておられます。そもそも、行政訴訟については、我が国の場合、国際的にも国の勝訴率が異常に高く、それ自体が問題点として指摘されているのですが、それをおいたとしても、五件については入管庁の判断が間違っていたと裁判所がしっかりと認定しているわけです。これらの方々は支援者なども付いて裁判所に持ち込めたので良かったのですが、困窮した難民申請者、皆が皆、裁判を受けられるわけではないんです。裁判を断念し、そして危険な母国に戻らざるを得ず、結果、生命や人権に危害が加えられることはなかったとどうして言えるのでしょうか。得々と勝訴率の高さを誇る想像力のなさに危機感を覚えます。
私は、今回の法案に関する本会議質疑で、難民認定の最終決定を行う法務大臣として、難民を間違って難民と認定しないことと、難民でない人間を間違って難民と認定すること、そのどちらを優先しますかとお聞きしましたけれども、大臣からは明確な答弁をいただけませんでした。ですが、大臣の勝訴率に関する御発言などに鑑みますと、一人ぐらい難民を間違って不認定としてもやむを得ないとお考えのように思えます。衆議院の参考人質疑での一橋大学院の橋本直子准教授からの、このまま法案を通すのは無辜の人に間接的に死刑執行のボタンを押してしまうことに等しいという警告も大臣の胸には響かなかったのでしょうか。
問責の理由の二つ目ですが、大阪出入国在留管理局に勤務する女性医師が、お酒に酔った状態で診察した不祥事が発覚しました。ウィシュマさんのように、入管収容施設内で心身や人権が害されるような悲劇は決して繰り返してはなりません。そのためには、ウィシュマさんが亡くなった原因を究明し、そして入管収容施設内における処遇はもちろん、日本の入管、難民制度全体の問題点を解明し、徹底的に見直すことが不可欠です。政府が今回改めて法案を出したということは、ウィシュマさんの事件に関し真相を究明し、それに基づき抜本的な改善を行ったことが当然前提となるはずなんです。
この点につき、入管は、政府案の審議の前提として医療体制の改善を打ち出してきました。今年四月に入管庁が公表した改善策の取組状況という資料には、改善の成果として、大阪入管の常勤医師の欄に一名と記されています。ですが、この一名はアルコールが検出された医師と同一人物であり、その段階では診察から外され、勤務実態のない状況でした。勤務実態がない医師を医療提供体制の改善の根拠としたわけです。審査件数に引き続き、またしても立法事実に関わる虚偽です。どれだけ立法事実に関する虚偽を積み重ねれば気が済むんでしょうか。また、ほかの立法事実も虚偽ではないとどうして言えるのでしょうか。
更に問題なのが、入管庁ではこのような重大な事実を二〇二三年一月に把握しながら、四か月以上も公表していないことです。大臣も二月下旬には事態を把握していたと答弁しています。法務省は調査をしていたと言っていますが、信頼を失った入管が事態を抱え込むのに、正直四か月はいかにも長過ぎます。報道されなければいつまで抱え込むつもりだったんでしょうか。
李下に冠を正さずと申しますが、隠蔽したという懸念を抱かせないためには、少なくとも衆参両院の入管法の審議に間に合うように公表すべきでした。法案審査に密接に関連する不祥事を把握しながら公表せず、当局に都合のいい、虚偽も含んだ情報のみを国会審議の基礎資料として提示していたということは、国会審議と国民に対する冒涜と言えます。
そもそもウィシュマさんの事件は、入管庁が主張するような医療提供体制の脆弱さなどに矮小できるものではありません。ウィシュマさんの死亡事件の最終報告書には、ウィシュマさんの仮放免を不許可にした理由について、一度仮放免を不許可にして立場を理解させ、強く帰国説得する必要ありと記されているんです。収容を、日本にとどまることを諦めさせるための苦痛を与える道具として用いていたと明言されているのです。
続発する入管不祥事の背景には、半世紀以上前に法務省入国管理局参事官が外国人は煮て食おうが焼いて食おうが自由と述べた外国人差別のメンタリティーそのものがあります。
最終報告書が出されたのは齋藤大臣の就任前ではありますが、根本的な原因から目を背け、このような非人道的な認識を放置し、今回の事件に至らしめた責任を大臣は免れることはできません。
これによりまして、齋藤健君が法務大臣の責務を果たすどころか、国会を欺く対応を繰り返していることを御指摘申し上げて、法務大臣問責決議案に対する賛成討論とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/13
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014・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 仁比聡平君。
〔仁比聡平君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/14
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015・仁比聡平
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平です。
私は、会派を代表して、齋藤法務大臣問責決議案に賛成の討論を行います。
衆参両院の審議を通じて、入管法改定政府案に関わる大臣の答弁は、その立法事実の根幹部分で大きく崩れています。野党対案を一括審議してきた参議院法務委員会では、審議すればするほど大問題が噴出しています。それは、我が国の入管難民行政と政府案そのものが底深い人権侵害の構造の中にあるからにほかなりません。そのことに何の反省もなく、政府・与党一体に審議を打ち切り、法案を押し通そうとする齋藤大臣に法務大臣としての資格はないと言うべきだからであります。
第一に、大臣は、我が国に難民はほとんどいないという誤った認識にとらわれたまま、隠されてきた極めてずさんな難民審査の実態が明らかになっても、三回目以降の難民申請者から送還停止効を剥奪し、強制送還しようとしていることです。それは、難民条約が定めるノン・ルフールマン原則に反するものです。
我が国に本当の難民はいない、濫用が非常に多いなどとした柳瀬房子参与員の発言について、大臣は、衆議院で審議大詰めの四月二十五日、記者会見で、むしろ我が国の現状を的確に表しているものと擁護しました。その前提とされたのは、十七年間で二千件以上を対面審査したという柳瀬発言と、それを全て慎重な審査を行ったと全面的に肯定した入管庁の答弁でしたが、そのような回数の対面審査が不可能なことは、大臣御自身、先週五月三十日の記者会見で一旦可能とした答弁を、夜になって、言い間違えた、不可能と訂正したことで、お認めになったのではありませんか。
その同じ日、柳瀬参与員自身が支援者との電話で、対面審査は一年間に九十人か百人に届かないくらいであり、年間八十人、九十人くらいは必死ですと認め、さらに、難民認定すべき人はたまたま回ってきていないというだけですと語った音声データが先週末公表されました。もはや、我が国に難民はほとんどいないとか、難民認定率が低いのは分母である申請者の中に難民がほとんどいないからだという柳瀬発言を土台にしてきた政府案の立法事実は崩れたと言うべきであります。
参考人の阿部浩己教授は、ほとんどいないということは全くない、十年間で約五百件を審査し、四十件弱について難民と認めるべきだと意見したと語りました。他の参与員の方々からは、柳瀬発言に大変驚愕した、職務を全うしようとしている参与員を愚弄していると憤りが噴き上がっています。
二年間ゼロ件の方がいる一方で、書面審査のみで迅速処理する臨時班がつくられ、総審査件数の二割以上を柳瀬参与員に関与させてきた実態に、審査の正確性や公平性からすれば、スピーディーに処理する班をつくる発想自体がおかしい、きちんと吟味するケースとしないケースをなぜ判断できるのかと厳しい批判が向けられています。柳瀬参与員問題は、入管庁による難民認定審査がどれほどずさんかを明らかにしたと言うべきです。
大臣は、三回目以降の難民申請者は、二度にわたり外部有識者である難民参与員が審理を行い、慎重な審査が既に十分尽くされた者だから問題ないと言いますが、その認識が根本的に間違っています。慎重な審査どころか、一部の難民参与員は出身国情報もまともに参照せず、予断を持って不認定を重ねる送還ありきのベルトコンベヤーに組み込まれてきました。
難民保護という国際社会への義務を全うするためには、難民行政を出入国管理から切り離し、独立した第三者機関、すなわち野党対案が求める難民保護委員会の創設こそ真剣に検討すべきであります。
第二に、入管庁が様々な事情で帰国できない非正規滞在者を悪質な送還忌避者と一くくりにして、その縮減目標を持ち、各入管に毎月達成状況を報告させる送還ノルマが明らかになったにもかかわらず、大臣が何の反省もなく、開き直っていることです。
入管庁は、国会では令和二年度以降はコロナ禍で目標の設定は行っていない旨答弁しておきながら、驚くべきことに、一昨日私が独自に入手した内部資料によれば、令和四年度末、全国で四百五十六件の送還目標を持っていたことが明らかとなりました。それでも、業務上の支障に鑑みて公にすべきではないなどと言い張る入管の隠蔽体質は、もはや底なしと言うべきではありませんか。
第二次安倍政権の下、二〇一五年、入管庁は仮放免の柔軟な活用から転換し、仮放免許可の厳格化、仮放免者の動静監視と再収容の強化を進め、二〇一六年、東京オリンピック・パラリンピックまでの送還忌避者大幅縮減を掲げ、さらに二〇一八年に、仮放免の取消しによる再収容と速やかな送還へと厳格運用を一層強めてきました。そこに設けられたのが送還ノルマです。これが司法審査も受けない無期限収容と一体となって、非正規滞在者の命と人身の自由、生活を奪う拷問のような構造的人権侵害をもたらしてきたのではありませんか。
個々の事情を顧みず、働ける在留資格を突然取り消されれば、人々は生きる基盤を失います。大切な保険証も住民票も取り上げられ、子供たちまで仮放免者として入管への出頭を義務付けられ、県外への移動を禁じられます。いつ収容され送還されるか分からない恐怖は、人々の心身をぼろぼろに痛め付けていきます。送還促進のために在留資格や収容を自ら帰国せざるを得ない状況に追い込む道具とすることは、ノン・ルフールマン原則に反することです。大臣にはその認識が全くないのではありませんか。
入管が民主主義の届かない闇の中でつくり出してきた構造的人権侵害のあらゆる通達を廃止し、ブラックボックスを打破すべきです。
第三に、大臣が、日本で育ち学ぶ子供たちとその家族が安心して暮らせるように、在留特別許可などの取組について、真剣に前向きに検討していきたいと答弁しながら、法案成立後、施行までに検討すると繰り返していることです。それでは入管庁任せになるのではありませんか。
ある家族は、東京入管の職員から、小学生の子供たちの前で、裁判中だって親はいつでも収容できるんだ、子供は児相行きだと脅されました。以来、その子は毎日、いつパパとママは捕まるの、僕はいつ児相に行くのと聞くようになり、弁護士との打合せのとき、突然土下座して、助けてくださいと頼んだそうです。
大臣、こんな入管庁に白紙委任などできるはずがないではありませんか。
第四に、入管収容の医療体制について、大臣が、ウィシュマさん死亡事件の調査報告書で示された改善策を進めるとか、常勤医師の確保や職員の意識改革など効果が着実に現れてきていると思うなどと国会で答弁を繰り返す陰で、大阪入管の常勤医師が、泥酔し、患者への暴言、不適切な投薬などを繰り返してきたことが明らかになりました。ところが、入管庁も大臣も、それを隠し続け、あたかも大阪入管で常勤医師が診療に従事し続けているかのように説明してきたのは、そのことが明るみになれば、法案の三月七日再提出すらできなかったからではありませんか。
これも私が独自に入手した大阪入管幹部への呼気アルコール検査の報告文書によれば、一月二十日、常勤医師が登庁した際、明らかに平時と様子が異なる状態が確認され、検査の結果、呼気一リットル中〇・二二ミリグラムから〇・三六ミリグラムが検出されたことが明らかです。ところが、その事実さえ答えられないと隠し続ける入管庁に、入管収容の改善や改革などできるはずもないではありませんか。
大臣、大臣は、入管庁幹部の声ではなく、人権と人道に反する非正規滞在者の不安と恐怖の声、保護と共生への希望を見出そうと手をつなぐ人々の声こそ聞くべきであります。
今からでも入管法政府改定案を撤回し、国際人権水準に基づく根本的見直しを行うことを強く求め、法務大臣問責決議案に賛成の討論といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/15
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016・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これにて討論は終局いたしました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/16
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017・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
青木愛君外五十六名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。
議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
〔議場閉鎖〕
〔参事氏名を点呼〕
〔投票執行〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/17
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018・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
〔投票箱閉鎖〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/18
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019・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
〔議場開鎖〕
〔参事投票を計算〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/19
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020・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百四十四票
白色票 六十一票
青色票 百八十三票
よって、本決議案は否決されました。(拍手)
─────────────
〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/20
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021・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 日程第一 防衛省が調達する装備品等の開発及び生産のための基盤の強化に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長阿達雅志君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔阿達雅志君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/21
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022・阿達雅志
○阿達雅志君 ただいま議題となりました法律案につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、我が国を含む国際社会の安全保障環境の複雑化及び装備品等の高度化に伴い、適確な調達を行うため、装備品製造等事業者の開発及び生産のための基盤を強化することを目的とするものであります。
委員会におきましては、三名の参考人から意見を聴取した後、浜田防衛大臣に対して質疑を行いました。
質疑の主な内容は、防衛生産の基盤強化に向けた防衛省の基本姿勢、防衛産業の現状とデュアルユース技術への対応を含む将来の方向性、企業に対する支援措置と官民の癒着や不正を防止する方策、企業に対するサプライチェーン調査の内容とその実効性、防衛装備品の輸出と我が国の平和主義との関係、装備移転円滑化措置における指定装備移転支援法人の在り方、装備品の製造施設等を国が保有する際の判断基準と企業への譲渡の実現可能性、装備品等契約における秘密の保全措置の実効性等でありますが、詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の山添委員より反対、沖縄の風の伊波委員より反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/22
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023・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/23
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024・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/24
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025・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 日程第二 空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長蓮舫君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔蓮舫君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/25
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026・蓮舫
○蓮舫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
本法律案は、空家等の適切な管理及びその活用を一層促進するため、空家等活用促進区域に関する制度の創設、適切な管理が行われていない空家等に対する措置の拡充、空家等管理活用支援法人の指定制度の創設等を行おうとするものであります。
委員会におきましては、三重県、滋賀県及び京都府への委員派遣を行うとともに、管理不全空家等の判断基準、空家等活用促進区域における空家等の活用の在り方、空家等管理活用支援法人に係る支援等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/26
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027・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/27
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028・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/28
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029・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 日程第三 不正競争防止法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長吉川沙織君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔吉川沙織君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/29
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030・吉川沙織
○吉川沙織君 ただいま議題となりました不正競争防止法等の一部を改正する法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、知的財産の適切な保護及び知的財産制度の利便性の向上並びに国内外における事業者間の公正な競争の確保を図るため、他人の商品の形態の模倣となる対象行為の拡充及び商標権者の同意に基づく類似する商標の登録制度の創設を行うとともに、意匠の新規性喪失の例外の適用に係る証明手続の簡素化及び特許等の国際出願に係る優先権主張の手続の電子化を行うほか、外国公務員贈賄罪の罰金額の上限の引上げ等の措置を講ずるなど、六法律について改正を行おうとするものであります。
委員会におきましては、登録可能な商標を拡充する意義と今後の対応、デジタル空間における知的財産権の在り方、営業秘密等の保護の強化に向けた方策、特許庁の審査体制を強化する必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/30
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031・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/31
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032・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/32
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033・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 日程第四 新型コロナウイルス感染症等の影響による情勢の変化に対応して生活衛生関係営業等の事業活動の継続に資する環境の整備を図るための旅館業法等の一部を改正する法律案(第二百十回国会内閣提出、第二百十一回国会衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長山田宏君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔山田宏君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/33
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034・山田宏
○山田宏君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、生活衛生関係営業等の事業活動の継続に資する環境の整備を図るため、旅館業の営業者が新型インフルエンザ等感染症等の症状を呈している宿泊者等に対して感染防止対策への協力を求めることができることとするほか、旅館業その他の生活衛生関係営業等の事業譲渡に係る手続の整備等の措置を講じようとするものであります。
なお、衆議院において、法律の題名を生活衛生関係営業等の事業活動の継続に資する環境の整備を図るための旅館業法等の一部を改正する法律に改めるほか、宿泊拒否事由から感染防止対策への協力の求めを受けた者が正当な理由なく応じない場合を削除すること、みだりな宿泊拒否の禁止、厚生労働大臣による指針の作成の追加等の修正が行われております。
委員会におきましては、不当な差別による宿泊拒否の禁止を徹底する必要性、指針の作成に向けた政府の対応、生活衛生関係営業等の事業譲渡に係る手続見直しの妥当性等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、れいわ新選組を代表して天畠大輔委員より反対の旨の意見が述べられました。
討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/34
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035・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/35
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036・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/36
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037・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 行政監視委員長から、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査の中間報告として行政監視の実施の状況等に関する報告を求められております。
この際、報告を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/37
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038・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。行政監視委員長青木愛君。
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〔調査報告書は本号末尾に掲載〕
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〔青木愛君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/38
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039・青木愛
○青木愛君 行政監視委員会における行政監視の実施の状況等について、御報告申し上げます。
平成三十年の参議院改革協議会報告書において、行政監視機能の強化に参議院全体として取り組むとされたことを受け、本委員会は行政監視機能の強化の具体化に取り組んでまいりました。
委員会においては、政府からの説明聴取及び質疑を行うとともに、国と地方の行政の役割分担に関する件について参考人からの意見聴取及び質疑を行いました。
委員会においては、総務省行政評価局による調査の実施等の必要性と調査結果に関連した各府省の取組、政策評価審議会の提言等を踏まえた評価プロセスの見直し、客観的データを活用した政策の形成と改善を行うEBPMの体制確立と地方における行政評価に対する国からの情報、ノウハウ、体制面の支援、地方自治が尊重されるための地方財政審議会の位置付け、国の立法・政策に対応して求められる行政計画の策定に係る地方自治体の業務負担と今後の在り方、人口減少、少子高齢化の進行における人員不足、財源不足等の地方自治体の実情に応じた行政サービスの水準の在り方、地方自治体の実情を踏まえたデジタル等の人材確保や雇用、税制の在り方、地域間格差に対する国の支援など多岐にわたる議論が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
このほか、理事会等において、参議院の行政監視機能の重要性に鑑み、その機能強化に向けた今後の行政監視委員会の運営の在り方について協議を重ねるとともに、参議院のホームページに開設した行政に対する苦情窓口を通して苦情を受け付けるなどの取組を進めました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/39
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040・尾辻秀久
○議長(尾辻秀久君) 本日はこれにて散会いたします。
午前十一時三十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115254X03020230607/40
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