1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年四月十四日(金曜日)
午後一時開会
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出席者は左のとおり。
委員長 鶴保 庸介君
理 事
三宅 伸吾君
山田 太郎君
杉尾 秀哉君
平木 大作君
委 員
浅尾慶一郎君
越智 俊之君
友納 理緒君
長谷川英晴君
船橋 利実君
山本 啓介君
山本佐知子君
小沼 巧君
岸 真紀子君
上田 勇君
猪瀬 直樹君
柳ヶ瀬裕文君
芳賀 道也君
伊藤 岳君
山下 芳生君
国務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(地方創
生)) 岡田 直樹君
副大臣
デジタル副大臣 大串 正樹君
内閣府副大臣 和田 義明君
大臣政務官
デジタル大臣政
務官 尾崎 正直君
内閣府大臣政務
官 自見はなこ君
総務大臣政務官 中川 貴元君
厚生労働大臣政
務官 本田 顕子君
事務局側
常任委員会専門
員 宮崎 一徳君
常任委員会専門
員 佐藤 研資君
政府参考人
内閣官房デジタ
ル田園都市国家
構想実現会議事
務局審議官 佐脇紀代志君
内閣府大臣官房
審議官 五味 裕一君
内閣府大臣官房
審議官 滝澤 幹滋君
内閣府地方創生
推進室次長 黒田 昌義君
内閣府地方分権
改革推進室長 加藤 主税君
個人情報保護委
員会事務局審議
官 山澄 克君
こども家庭庁長
官官房審議官 黒瀬 敏文君
デジタル庁統括
官 楠 正憲君
デジタル庁統括
官 村上 敬亮君
総務省大臣官房
審議官 三橋 一彦君
総務省大臣官房
審議官 鈴木 清君
総務省自治行政
局公務員部長 大沢 博君
法務省大臣官房
審議官 松井 信憲君
文部科学省大臣
官房審議官 西條 正明君
資源エネルギー
庁長官官房資源
エネルギー政策
統括調整官 山田 仁君
国土交通省大臣
官房審議官 石坂 聡君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地域の自主性及び自立性を高めるための改革の
推進を図るための関係法律の整備に関する法律
案(内閣提出)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/0
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001・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会を開会いたします。
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局審議官佐脇紀代志君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/1
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002・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/2
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003・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/3
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004・長谷川英晴
○長谷川英晴君 自由民主党の長谷川英晴でございます。
今日は質問する機会をいただきました。鶴保委員長始め理事の皆様、感謝を申し上げたいと思います。
早速質疑に入らせていただきます。令和四年、地方分権改革での重点募集テーマである計画策定、そしてデジタルの対応結果についてお尋ねをしたいと思います。
令和四年の地方分権改革に関する提案は、令和四年二月二十八日に開催された第四十八回地方分権改革有識者会議、第百三十三回提案募集検討専門委員会合同部会における議論の結果、計画策定等、デジタル、この二点を重点募集テーマとしたというふうに承知をしております。
そこで、この令和四年重点募集テーマである計画策定及びデジタルの応募数、対応結果等々をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/4
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005・加藤主税
○政府参考人(加藤主税君) お答え申し上げます。
提案募集方式では、類似する制度改正等を一括して検討するため、重点募集テーマを設定して地方からの提案を募ることとしております。
御紹介のとおり、令和四年におきましては、計画策定等及びデジタルを重点募集テーマとして設定いたしました。
計画策定等に関しましては、公立大学法人における年度計画の廃止や医療計画と関係計画との統合など、六十四件の提案につきまして関係府省との間で調整を行ったところ、計画そのものの廃止が一件、計画等の義務付け等の緩和が四件、他の計画と一体化、統合策定又は他の手段との代替を可能としたものが二十三件となるなど、六十一件の提案に関する対応を決定いたしました。
また、デジタルに関してでございますが、関係府省との調整の過程で、デジタル活用により支障が解決すると考えられたものを含めまして約五十件の提案のうち、今回の法案に盛り込まれた住民基本台帳ネットワークシステムの利用事務の拡大でございますとか書面による手続のオンライン化など、四十五件の提案に関する対応を決定いたしました。
総じて高い割合で対応が実現したものと認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/5
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006・長谷川英晴
○長谷川英晴君 ありがとうございます。
今の件に関連しまして質問させていただきます。ナビゲーションガイド作成などの見直しについてお伺いしたいというふうに思います。
本年二月六日の参議院行政監視委員会において、私も参考人の方々に質問をしましたけれども、行政計画の策定の在り方や、それに伴う財政負担の問題等が大きな課題だとする答弁がありました。
先ほどの説明にもありましたが、令和四年の地方分権改革に関する提案のうち、特に計画策定事務については過去最多の六十四件ということになりました。これらの提案募集における検討結果及び各府省における計画策定等の見直しの検討状況などを踏まえ、国、地方を通じた効率的、効果的な計画行政の進め方を示したナビゲーションガイドの作成を行ったと承知していますが、その内容に関しましてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/6
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007・加藤主税
○政府参考人(加藤主税君) お答え申し上げます。
計画策定等につきましては、策定に関する法律の条項数がこの十年間で約一・五倍に増加しており、地方の側からは、過重な事務負担となっており、行政サービスの適切な提供に注力できないといった声が高まっていたところでございます。また、人員や体制が限られた小規模な市町村ほど事務負担が重くなっているという問題もございます。
ナビゲーションガイドは、各府省に対しまして効率的、効果的な計画行政の進め方を示すものでございまして、地方六団体の理解を得られるよう十分な説明を行っていただくことに加えまして、政策目的に応じた計画以外の手法の検討、新規計画の制度化に当たっての既存計画の統廃合、関連する計画との一体的な策定等の検討などを盛り込んでいるところでございます。
こうしたナビゲーションガイドの方向性、内容につきまして、各府省の理解、御協力を得まして、国と地方を通じた効率的、効果的な計画行政の実現を期してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/7
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008・長谷川英晴
○長谷川英晴君 ありがとうございました。
国、地方を通じた効率的、それから効果的な計画行政を進めるためのこのナビゲーションガイドにより、国や地方自治体はより効果的な計画行政が実現していく、そういうことを望みたいと思います。この件に関しては答弁は結構です。
次に、やはり関連になりますけれども、計画そのものの廃止が少なかった理由についてお聞かせいただきたいと思います。
先ほど御答弁をいただきましたけれども、今回、自治体側が見直しを求めた計画数は五十件あり、半分以上が他の計画との一体化や統合で一定の成果はあったものと、ここは承知をしておりますけれども、自治体側は、学校教育情報化推進計画、地方スポーツ推進計画、土地利用基本計画など十八件の計画そのものの廃止を求めましたけれども、今回廃止が決まったのは公立大学法人の年度計画の策定一件だけになっています。この理由をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/8
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009・加藤主税
○政府参考人(加藤主税君) お答え申し上げます。
計画に関する調整状況につきましては、今議員御指摘のとおりでございます。
計画廃止が一件のみにとどまった理由ということでございますが、関係府省との調整におきましては、計画的な推進、政策の推進という法律等の趣旨が変わらない中で、現に存しております計画等の根拠を廃止することには難色が示されました。また、計画に伴う代替の手法というものにつきましても明確でないというふうな状況がございました。このため、計画等の廃止というふうな結論には至らなかったというふうに受け止めております。
しかしながら、他の計画との一体的な策定を可能といたしましたり、策定に係る努力義務をできる規定にするなど、提案の趣旨を踏まえた対応方針を決定したところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/9
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010・長谷川英晴
○長谷川英晴君 ありがとうございます。
計画が増える根底には、今若干話がありましたけれども、やっぱり法律の問題があろうかと思います。法律は一度成立をするとなかなかなくならない傾向があろうかと私は思いますけれども、例えば特定農山村地域活性化法、山村振興法、過疎地域自立促進特別措置法、半島振興法、離島振興法等々の地域振興法を完全に統廃合するというのは厳しいかと思いますけれども、改正や見直しによって策定計画というのも減らせることができるのでないかというふうに思っています。
引き続きの地方の計画策定への負担軽減の御努力をお願いいたします。これは要望ですので、答弁は結構です。
次に、やはり、今の中で、その一件廃止になった関係の質問をしたいと思います。
公立大学法人が、今回一件廃止自体が決まり、法律が決まりましたけれども、今回唯一廃止が決まった国立大学法人の年度計画の策定に関してお伺いをしたいと思います。
この公立大学法人における年度計画の作成及び年度評価を廃止、そして六年に一度の中期計画に一本化をされるというふうに理解をしていますけれども、学校教育法第百九条一項の定めによる各大学が行う自己点検・評価の実施率、また内部質保証に関して、ここで御意見をお聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/10
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011・西條正明
○政府参考人(西條正明君) お答え申し上げます。
大学がその社会的責任を果たしていくためには、自己点検・評価を行い、自律的に改善していく内部質保証の仕組みを整えていくことが必要でございます。このため、大学には、教育研究活動等の状況を自ら点検、評価し、その結果を公表することを義務付けておりまして、全ての公立大学においてそうした取組が行われているところでございます。
また、各大学が内部質保証の仕組みを構築し、機能しているかという点につきましては、文部科学大臣が認証した評価機関において重点的な評価が定期的に実施されているところでございます。
文部科学省においては、こうした大学の自己点検・評価やその公表、さらには認証評価の仕組みを通じて、地域の強い要請に応えて設置された公立大学がその責務を適切に果たせるよう引き続き取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/11
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012・長谷川英晴
○長谷川英晴君 ありがとうございました。
公立大学の自己点検・評価に対する取組、これは公立大学法人間の間でばらつきがあるのではないかという指摘も聞いたことがあります。自己点検・評価を向上させて内部質保証の取組をより充実させることで公立大学としての使命を果たすことができるものというふうに考えています。
今後、大学進学者数が減り、競争が激しくなると見られており、今回の負担軽減により、大学の魅力を高めるための業務に人員をしっかりと振り向けられるように希望をしたいと思います。答弁は結構でございます。
ここからは少し質問を変えます。
地方創生における郵便局の在り方について総務省にお尋ねをしたいと思います。
令和四年十一月十一日に開催された第五十一回地方分権改革有識者会議、第百四十六回提案募集検討専門部会合同会議において令和四年の地方からの提案等に関する対応方針案が了承され、同年十二月二十日、本部及び閣議において令和四年の地方からの提案等に関する対応方針が決定されました。
この閣議決定の中で、地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律に関して、地方公共団体が指定をする郵便局において以下に掲げる事務を取り扱わせることができるようにすることについては、一層の普及を図るための方策を検討し、令和四年度中に結論を得る、その結果に基づいて必要な措置を講ずる、こう書かれてありますけれども、この一層の普及を図るための取組に関しましてお聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/12
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013・三橋一彦
○政府参考人(三橋一彦君) お答えいたします。
マイナンバーカードの利活用シーンの拡大によりまして、電子証明書の発行、更新等の手続のニーズは今後増大すると考えておりまして、住民の利便性の向上の観点から、住民に身近で公共的な存在としてあまねく全国に設置されている郵便局を活用することは重要であるというふうに考えております。
閣議決定にもありますように、御指摘のマイナンバーカードの電子証明書の発行、更新に係る事務につきましては、令和三年五月の郵便局事務取扱法の改正によりまして、当該事務を市区町村が指定した郵便局において取り扱わせることが可能となったところでございます。
総務省といたしましては、郵便局における電子証明書の発行、更新等に係る事務委託要領を策定し、市区町村に対して事務委託を促してまいったところでございます。また、昨年八月には既に委託を開始した市区町村における取組事例を参考として紹介いたしまして、また加えて、十一月には市区町村に対して事務委託に関する意向調査を行ったところでございます。また、日本郵便株式会社に対しましても、松本総務大臣及び柘植副大臣から、自治体からの積極的受託の検討を要請してきたところでございます。
さらに、総務省内の部局横断的に創設されましたプロジェクトチームにおきまして本年三月に取りまとめました郵便局を活用した地方活性化方策におきましても、電子証明書の発行、更新等に係る事務委託につきまして、市区町村や日本郵便株式会社に対する定期的な働きかけを実施するとともに、委託を目指している市区町村のフォローを丁寧に行っていくことといたしております。この取りまとめを踏まえまして、引き続き、マイナンバーカードの電子証明書の発行、更新等に係る事務委託の一層の普及に取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/13
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014・長谷川英晴
○長谷川英晴君 ありがとうございます。
関連でもう一問。地方公共団体の郵便局への事務委託に係る予算措置について総務省の御見解をお聞きしたいと思います。
昨年十二月二十一日、総務省情報通信審議会郵政政策部会は、デジタル社会における郵便局の地域貢献の在り方の中間報告を取りまとめました。
中間報告の中で、令和三年五月の法改正で可能となった、郵便局でマイナンバーカードの電子証明書の発行、更新、暗証番号の変更、初期化が可能となりましたけれども、六自治体七郵便局での実施にとどまっていると書いてありまして、調べましたら、現在は七自治体十二郵便局で実施されていると思います。また、この報告書では、電子証明書の更新や暗証番号の変更、初期化の手続のニーズの増大に応えるため、電子証明書の発行、更新に係る事務の郵便局の委託を重点的かつ計画的に促進する必要があるとしています。
他方、郵便局への委託を行わない理由については、回答団体千百十九団体の中で、四百六十四団体が委託後の維持費用の負担が厳しい、また四百五十五団体が委託するための初期費用の負担が厳しいと答えており、郵便局への地方公共団体の事務委託に対する不安の表れだと思いますけれども、総務省の見解をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/14
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015・三橋一彦
○政府参考人(三橋一彦君) お答えいたします。
御指摘のとおり、昨年十月から十一月に行われました郵便局に求める地域貢献に関するアンケート調査では、市区町村が郵便局への事務委託を行わない理由として、委託後の維持費用の負担が厳しいこと、それから委託するための初期費用の負担が厳しいことなどが挙げられておるところでございます。
この点に関しまして、郵便局に委託することができる事務のうち、マイナンバーカードの電子証明書の発行、更新等に係る事務委託に要する市区町村の経費につきましては、国費、具体的にはマイナンバーカードの交付事務費補助金でございますけれども、これによりまして財政支援を講じているところでございます。財政支援の具体的な内容といたしましては、郵便局への市区町村の事務委託に当たり必要となる初期導入費に加えまして、人件費や物件費、端末使用料等のランニングコストについても、国費、国庫補助金の対象といたしているところでございます。
令和五年度予算におきましてもこのマイナンバーカード交付事務費補助金の活用が可能でございまして、こうした財政支援の周知を含めまして、電子証明書の発行、更新等に係る郵便局への事務委託につきまして市区町村に働きかけを行うなど、事務委託の普及を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/15
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016・長谷川英晴
○長谷川英晴君 ありがとうございました。
最後の質問にしたいと思います。
ここは是非、岡田大臣に御質問させていただきたいと思いますけれども、地方分権改革の推進に当たっての今後の郵便局への役割、どういうものを期待するか、お尋ねをしたいと思います。
平成二十六年から地方分権改革に関する提案募集方式を導入し、郵便局において取扱いが可能な地方公共団体の事務に、転出届の受付及び転出証明書の引渡しや印鑑登録の廃止申請の受付、マイナンバーカードの電子証明書関連事務では、マイナンバーカードの電子証明書の発行、更新申請の受付、マイナンバーカードに設定されている暗証番号の初期化、こういったものが追加されたというふうに思います。
さらに、今国会において、地域で身近な郵便局でマイナンバーカードの申請を受け付け、後日、自宅等において郵送で受け取ることができるようにする法案が提出されており、成立すれば、住民の利便性向上と地方公共団体の運営合理化に寄与するのでないかというふうに私は思います。
そこで、この地方分権改革の推進に当たって今後郵便局にどのような役割を期待されているのか、岡田大臣よりお答えいただければと思います。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/16
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017・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
郵便局には、先ほども総務省から、あまねく全国に拠点が存在すると、こういう表現が御答弁でありましたけれども、そうした強みを生かして、行政サービスの窓口や高齢者などの見守りの拠点などとして、地方公共団体が住民に身近な行政サービスを提供するに当たり、住民の利便性向上に資する役割を担っていただくことが望ましいと考えております。
こうした考えの下、昨年十二月に閣議決定したデジタル田園都市国家構想総合戦略においても、地方公共団体等の地域の公的基盤との連携、行政事務受託の拡大を進め、地域拠点としての有用性を生かした郵便局の地域貢献を促進するという方向性が示されております。
先ほども長谷川委員御紹介のとおり、令和三年の第十一次地方分権一括法においては転出届の受付などの地方公共団体の事務を郵便局に委託可能としたところでありますし、本年の地方分権改革に関する提案募集では連携、協働ということを重点募集テーマとしております。郵便局と地方公共団体の更なる連携、協働を図る提案を期待しておるところであります。
また、これは制度的な措置とは少し離れますけれども、私は石川県の出身でありますが、日本郵便と石川県が連携協定を結んでいるということを聞きました。県内の郵便局長が移住・定住希望者の生活全般の相談のサポートを行っておられるなど、新たな郵便局の活用例も出てきていると、こういうふうに承知をいたしております。
このように、地域に根付いた郵便局が地方創生や地方分権改革に関して持つポテンシャルは大きなものがあり、今後とも、地方公共団体が住民サービスを提供する際の連携のパートナーとして郵便局に期待をしているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/17
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018・長谷川英晴
○長谷川英晴君 大臣、ありがとうございました。
今の発言、本当に、全国で働く郵便局長、また社員、それからそこに関係する地域の皆様方に本当に大きなエールをいただいたというふうに私は、私は理解をいたしました。
是非、こういったこと、全国二万四千ある郵便局のネットワークが地方の活性化であったり地方分権において有効に使われること、それを私は心から希望して、質問を終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/18
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019・山本佐知子
○山本佐知子君 自由民主党の山本佐知子です。
本日はよろしくお願いいたします。
平成五年、地方分権の推進に関する決議が国会で採択されました。東京一極集中を是正し、中央集権的な行政の在り方を見直す、そして、国から地方への権限移譲、地方税財源の充実強化などの地方公共団体の自主性と自律性の強化を図り、地方分権を積極的に推し進めることを決議しています。ここから我が国の地方分権改革が本格的に始まったわけであります。
それから三十年がたちましたが、東京一極集中は、残念ながら、地方選出の私のような議員の目からはまだまだ是正されたとは言えないと思っております。しかし、先輩方のおかげで、随分と国から地方への権限移譲、そして義務付け、枠付けの見直しは進んできました。
今回の地方分権一括法案は第二次地方分権改革を進めるためのもので、今年で十三次、つまり十三年目ということですが、今回の質問に当たりまして私も過去の改正内容を全部見てみました。実に多岐にわたる項目で権限移譲、また枠付けの見直しが行われています。身近なところでいえば、農地転用許可の権限移譲であったりとか、また最近ではこども園や高齢者福祉施設関連の事務軽減、権限移譲が増えてきています。
私、個人的には、地元が三重県でして、伊勢湾がありますので、水質汚濁防止法、水濁法ですね、これ非常に関係があるんですが、これに基づく総量削減計画の策定も、この一括法案でかなり事務が軽減されたと、見直しをされたということも今回初めて知りました。
最近でいえば、こども家庭庁の創設、デジタル推進の波により、先ほどもお話が出ましたが、自治体が求めてくる権限移譲や事務軽減の内容も変化してきていると思います。また、地方自治の現場の人手不足も深刻になってきています。
そのような中で、地方分権一括法案の傾向や意義、また今回の第十三次地方分権一括法の特色は何でしょうか。大臣の御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/19
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020・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
地方分権一括法は、御承知のとおり、平成二十三年から平成二十六年までは、地方分権改革推進委員会からの勧告に基づき、国主導による集中的な取組を行い、権限移譲や義務付け、枠付けの見直しなどを推進して、延べ三百六十七本という法律改正を行ってまいりました。これに対して、平成二十七年以降は、地方の発意に根差した取組として、地方公共団体からの提案に基づき制度改正を行う提案募集方式を導入し、これは延べ百三本の法律改正を行ったところであります。
これまでの主な成果としては、先ほど山本委員からも御指摘ありましたが、地域の実情に応じた主体的な土地利用を可能とするための農地転用許可権限の移譲や、地方版ハローワークの創設による就労支援の充実などが挙げられるかと考えております。
近年は、地方から寄せられる提案のうち、権限移譲を求めるものは比較的少なく、九割超が地方に対する義務付け、枠付けの見直しを求めるものとなっております。これは、先ほども人手不足というお話もございましたけれども、近年の行政改革の取組により地方公共団体の職員数も減少傾向にあり、地方公共団体の業務の増加につながる権限移譲を求める機運が余り高まっていないことも一因かなと考えております。一方、義務付け、枠付けの見直しの結果として地方における事務処理が改善され、ひいては住民サービスの向上につながることから、義務付け、枠付けの見直しも地方分権改革の一翼として重要であると考えております。
今回の第十三次地方分権一括法案は、令和四年の地方からの提案等に関する対応方針を踏まえて、例えば、罹災証明書を交付する際に実施する被害認定調査において、固定資産課税台帳などの被災者の住家に関する情報を利用できるようにする災害対策基本法の見直しなど、七本の法律について所要の改正を行うものであります。
いずれも、実際に地方の現場で困っておられる、そうした具体的な支障への対応が盛り込まれておりまして、地方における事務処理が改善され、住民サービスの向上につながるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/20
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021・山本佐知子
○山本佐知子君 非常に詳細にわたる御丁寧な説明をいただきまして、ありがとうございました。地方自治体が必要としている地方分権の傾向が随分変わってきたのだなということもよく理解をできました。ありがとうございます。
これからも、やっぱり地方の声を生かして地方自治の取組を促していただきたいと思っておりますので、是非よろしくお願いを申し上げます。
今日は、ちょっと各論も見ながら地方分権について考えていきたいと思います。
今大臣から、被災証明書の交付についての今回の課題ということをおっしゃっていただきました。今までですと、罹災証明書の発行が一か月ぐらい掛かってきたのを今回の改正によってそれを短縮をするということであります。
被災者の不安を少しでも軽減するということ、そして自治体の職員の事務負担を軽減することで迅速な災害復興ができますが、私としては、これだけ自然災害が激甚化していると言われている中で、そしてなおかつ実際に大規模な災害が今までもずっと起きているのにもかかわらず、なぜ今までこのような改正をされていなかったのかなと、もっと早くあってもよかったんじゃないかなというふうな疑問が、まず今回この中身を見て思ったわけであります。
今までは本当に議論すらなかったのか、なぜ今回法改正を行うことになったのか、その背景を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/21
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022・五味裕一
○政府参考人(五味裕一君) 罹災証明書は災害対策基本法第九十条の二に基づいて発行されるものでございますが、被災者支援の判断材料として活用されていることから早期の発行が重要であり、その前提となる被害認定調査についても迅速に行う必要がございます。
今回の改正によりまして、被害認定調査において固定資産課税台帳等の情報の利用を可能とすることによりまして、より迅速、円滑な罹災証明書の発行が可能となります。
調査の実施に当たっては、図面の作成等に時間が掛かるという問題意識は持っておりましたが、これまで具体的に固定資産課税台帳等の情報を活用したいという要望や提案はございませんでした。今回、地方分権提案において自治体から具体的な提案をいただいたことから、自治体と歩調を合わせて法改正につなげることとしたものでございます。
罹災証明書の交付につきましては、東日本大震災の経験を踏まえまして、平成二十五年の災害対策基本法の改正によりまして法律上位置付けられたところでございます。それ以降、自治体が災害対応等を経験する中で調査における固定資産課税台帳等の必要性が認識されて、今回の提案に至ったものと考えております。
引き続き、内閣府におきましては、自治体と連携して、被災者支援が円滑に進むよう被害認定調査の迅速化に取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/22
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023・山本佐知子
○山本佐知子君 ありがとうございます。
今回の改正、やっぱり防災対策におけるソフト政策の一環でもあるかなというふうに私は理解をしています。国民の皆さんの財産の保全、また生活基盤の立て直しに大きく寄与するものですので、災害対応についても、今後も柔軟な検討、可能性を模索していただきたいと思います。
さて、これまでの自然災害で、自治体が安否不明者の氏名を公開しなかったため、御本人は既に避難していたのに現場ではそのことを知らず捜索を続けていたという事例、また逆に、氏名を公表したことで救助活動が迅速に行われたという事例があります。
災害発生時の個人情報の取扱いは、人命救助を迅速に行うための、また二次被災を防ぐためにも平常時と同じではないと考えています。災害時の個人情報の取扱いについては、しかしながら各自治体で判断をすることは大変難しい。そこで、内閣府の防災分野における個人情報の取扱い検討会では取扱指針をこの三月に策定をいたしました。
災害時の個人情報の取扱いに関して現在の課題や今後の取組について伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/23
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024・五味裕一
○政府参考人(五味裕一君) 地方公共団体の災害対応におきましては個人情報を取り扱う場面が多くございます。例えば、御指摘ございましたことに関連しますが、令和三年七月の熱海市における土石流災害の際には、静岡県が熱海市と調整をいたしまして安否不明者の氏名等を公表し、それを基に情報が寄せられまして効率的な救助・捜索活動につながったところでございます。
内閣府では、改正個人情報保護法の動き等も踏まえまして、地方公共団体へのアンケートやヒアリングなどを行い、地方公共団体が災害業務において個人情報の取扱いの判断に迷う事例として、今申し上げましたような安否不明者の氏名等の公表を含め十四の事例を取り上げまして、防災分野における個人情報の取扱いに関する指針を策定したところでございます。
この指針は、個人情報保護法及び災害対策基本法等の適切な運用等によりまして個人情報の適正な取扱いを図り、人の生命、身体又は財産の保護を最大限図るという前提に立ちまして、地方公共団体が個人情報の活用に迷った際の判断に資するよう、有識者や地方公共団体の委員による検討会での議論を踏まえまして作成したものでございます。
この指針が地方公共団体の災害対応の現場で活用されるためには、今後、指針の周知、理解促進が重要と考えております。そのような観点から、本年三月に地方公共団体に対し通知を発出するとともに全国地方公共団体向けの説明会を実施したところでございます。
引き続き、地方公共団体において本指針を踏まえながら適切に対応していただけるよう、各種説明会や研修の機会を通じまして説明、周知に取り組んでまいります。
また、今回の指針は地方公共団体のアンケートなどに基づきまして十四の事例を取り上げているところでございますが、今後、地方公共団体から新たな課題の指摘がございましたら、事例の追加など必要な対応を行ってまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/24
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025・山本佐知子
○山本佐知子君 ありがとうございます。
発災時に地方団体、地方自治体が迅速に動けることは、住民の安全、安心につながります。住民に安心感を持ってもらうということ、これが私は地方自治の原点だとも思っています。最近では、マイナンバーカードを利用して避難者の把握、避難所の通知を検討しているという動きもあるようでありますけれども、政府は地方自治体が災害時に動きやすい体制構築もこれからも進めていただきますようお願いを申し上げます。
さて、次の質問です。
今回の一括法では、所有者不明土地法に基づく所有者探索事務などについて、住基ネットワークを利用して事務の円滑化を図る法改正が行われます。今回、所有者不明土地なんですけれども、昨年は空き家法に基づく空き家などの調査のために住基ネットワークを利用できる法改正がなされました。これに関連して空き家対策における個人情報の取扱いについて伺います。
今国会では、他の委員会ででも、空家等対策の推進に関する特別措置法が一部改正され、国の空き家対策も加速化していきます。今回の一括法の改正は役所の異なる部署同士の情報共有が可能になるわけでありますが、現在八百五十万戸とも言われる実際の空き家市場を活性化させる場合には、民間が空き家の所有者を探すのに苦慮している実態を改善する必要もあります。特に、相続時に所有者が変わって連絡が取れない、所有者が海外在住のため登記簿謄本を調べても詳しい情報、住所が分からず、連絡が付かないなどの例も聞きます。
個人情報保護の観点から確かに公開は難しいというのは当然ですけれども、民間事業者への情報提供のルールを作るなり、何らか工夫して進めることはできないものでしょうか。当局の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/25
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026・石坂聡
○政府参考人(石坂聡君) お答えいたします。
空き家の活用を進めるためには、民間事業者と連携して市町村が把握する所有者情報を提供することは有効な取組と考えております。市町村が把握する所有者情報は、本人の同意を得ることにより民間事業者に対して提供可能でございます。国土交通省におきましては、そのことや本人からの同意の取得、情報提供の手順等を定めたガイドラインを作成しております。
また、今国会に提出した空き家法の改正案におきましては、所有者に寄り添った相談対応を行うことができるNPOや不動産団体等の法人を市町村が空家等管理活用支援法人として指定し、本人の同意を前提として当該法人に所有者情報を提供できる仕組みを創設することとしております。
法案が成立した暁には、こうした仕組みについても、先ほど申し上げましたガイドライン、これに追記あるいは改正して、市町村に対してしっかり周知して、運用について働きかけをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/26
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027・山本佐知子
○山本佐知子君 ありがとうございます。
法律上では所有者の同意があればということで可能なんですけれども、確かに地方自治体の多分現場では結構心理的なブレーキが掛かってしまって難しいところもあるんだと思います。是非、理解促進も心掛けていただければと思います。
また、これは私の地元で役所の人とお話をしていて伺ったんですけれども、災害時の空き家についても考えておく必要があるんじゃないかということでした。
私が住む東海地方は南海トラフ地震の脅威が長年続いています。地震が発生した場合、崩壊したあるいは被災した空き家の取扱いをどのようにするかというのも、今も自治体が頭を悩ませている課題です。被災した家屋を除去する場合でも自治体は所有者を特定して意思判断を仰ぐことになりますが、この過程でも大変な時間と手間が掛かるということでありました。先ほどもお話がありましたが、地域の団体、協会などと連携して是非こういった件も進めていただければと思います。
次に、交通安全計画及び実施計画の作成に係る努力義務規定の見直しについて伺います。
今、交通事故は、十六年連続で、事故件数、そして負傷者数も減少傾向にあります。それでも今なお、例えば子供の通学の列に車が突っ込んでいったりとか、そういった痛ましい事故は後を絶ちません。そして、この四月一日からは、道交法の改正により、自転車に乗る人のヘルメット着用が努力義務化されました。
地方自治体でも、交通安全対策というのは最も重要な政策の一つとして議論されています。私の地元の三重県の場合、交通安全計画では、三重県独自の項目として、飲酒運転防止対策の充実と、あと自転車損害賠償責任保険への加入促進の二点を入れました。私も、県議会のときに一緒にこれ討論していた記憶があります。
今回、市町村の交通安全計画、実施計画の作成について、県の計画と重複することが多いため、作成努力義務をできる規定に緩和するということですが、このようにやっぱり年々重要になってくる交通安全政策の実効性の担保ですね、計画がないがために実効性が危ぶまれるとか、そういうことがないようにしないといけないんですけれども、そういった担保はどのように行っていくのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/27
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028・滝澤幹滋
○政府参考人(滝澤幹滋君) お答え申し上げます。
今回の改正を機に、交通安全計画等を作成するかどうかにつきましては、それぞれの市町村におきまして、交通環境や交通事故情勢、関連する都道府県の計画、事務負担、体制等を総合的に勘案した上で、地域の実情に応じ適切に判断されることとなるものと考えております。
また、仮に交通安全計画等を作成しない場合であっても、交通安全対策基本法第四条では、地方公共団体の責務として、その区域における交通の安全に関し、当該区域の実情に応じた施策を策定し、及びこれを実施する責務を有するとされておりまして、この点、今回の改正の前後で変わるものではございません。例えば、春秋の全国交通安全運動では市町村も主催の一員として積極的に活動に従事することとなっておりますが、法改正後も市町村のそうした重要な位置付けは変わらないものと考えております。
いずれにしましても、今回の改正法が成立した場合には、市町村に対しまして、計画の策定は任意となりますが、交通安全対策基本法第四条に定める地方公共団体の責務は何ら変更がないこと、引き続き、都道府県や他の市町村、関係機関等と緊密に連携して交通安全対策に当たることなどについて注意喚起を図ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/28
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029・山本佐知子
○山本佐知子君 ありがとうございます。
運用面をきちんとすれば大丈夫ですということで、自治体はその政策の重要性に鑑みて実行するだけの能力も持っています。
先ほど長谷川委員もおっしゃったように、このナビゲーションガイドを作っていただいて、そして、この行政計画の策定の在り方がようやく見直されました。閣議決定により地方自治体の負担が大胆に軽減されるわけですが、今後どのようにその取組を推し進めていくのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/29
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030・加藤主税
○政府参考人(加藤主税君) お答え申し上げます。
先般閣議決定されましたナビゲーションガイドでございますが、各府省に対しまして、効率的、効果的な計画行政の進め方を示すものでございます。その一端につきましては、先ほど長谷川議員の御質問に対し答弁申し上げましたとおりでございます。
加えまして、特に小規模団体に配慮して計画策定等の負担を適正なものとすること、計画の内容が専門的なものは技術的な支援に努めること、冊子による製本を求めず電子ファイルによる策定をできるようにすることなど、提案募集の機会などに寄せられました地方からの声を受け止めて事務負担の適正化を進めることといたしております。引き続き、地方公共団体の意見を伺いながら、ナビゲーションガイドの着実な運用を期してまいりたいと考えております。
このナビゲーションガイドの着実な運用に向けましては、地方分権改革有識者会議の知見もいただきながら、実効性ある進め方につきまして検討を深めてまいりたいと考えております。このナビゲーションガイド、着実な運用によりまして、地方公共団体における計画策定に係る事務負担の軽減、住民サービスの向上に一層注力できる環境整備に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/30
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031・山本佐知子
○山本佐知子君 自治体の現場を見ますと、毎年物すごい量の計画書が作られています。結局、誰のための計画書なのかなと分からなくなってしまうような実態もかなりありまして、現場の負担も本当に多かったと思います。意味合いが重なっている計画については、是非、これからも見直しを進めていただければと思いますし、各関係省庁の皆さんも積極的に取り組んでいただきたいなと思います。
あと、ちょっと時間が迫ってきたんですけれども、次に、建築主事の任用に必要な建築基準適合判定資格者検定の受検資格、この見直しについて質問いたします。
これ、二問作っていたんですけれども、ちょっと一つにまとめさせていただきたいなと思います。
今回、受検資格の見直しになるわけでございまして、これの背景というのは、現場のやはり人手が足りないということが一番大きな原因であるかと思います。
ただ、今二〇二四年問題というのが建設業界や運輸業界が言われておりますけれども、建築業界の二〇二五年問題というのがありまして、これは建築基準法や建築物省エネ法が改正をするということで、建築確認が必要な対象が非常に増えてくるわけですね。これも見越して、これのためではないということなんですけれども、こういった将来的な需要もあるということで、今回、受検資格の見直しということもあるのではないかなと思っております。
ただ、このようにやっぱり基準法、建築基準法を改正して建築確認が必要な対象増えたということは、それだけ厳しくなっているということなんですが、一方で、それを見る人の受検資格が少し間口を広げるということで、その資格保持者の質、これをどのように維持していくのかということですね、この担い手不足の観点からどのように地方分権改革このまま進めていくのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/31
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032・石坂聡
○政府参考人(石坂聡君) お答えいたします。
今回の改正案におきましては、現行制度で受検要件として定められている実務要件につきまして登録要件とすること、また小規模な建築物の建築確認を行う建築副主事の新設を行うものを盛り込んでいるところでございます。
建築確認におきましては、多様な建築物について、技術審査や関係部局との調整を円滑に遂行する能力が必要なため実務経験を求めておりますが、これまで受検時に確認していたものを登録時に確認するということから、必要な能力は引き続き担保されるものと考えているところでございます。
また、建築副主事につきましては、一級建築士試験又は二級建築士試験に合格した者で、小規模建築物が建築基準に適合するかどうかを判定するため必要な知識を問う二級建築基準適合判定資格者検定、これ今回新設するわけでございますけれど、これに合格していただくこと。さらに、建築行政、建築確認等の業務に関して二年以上の実務経験を有する者という中から都道府県知事等が選任するものとしております。
建築副主事の業務範囲、これは恐らく戸建て住宅が中心になると考えられますけれども、設計に関しても二級建築士、また一級建築を持っておりますので、必要な知識があり、また審査に必要な能力については検定で確認し、さらに実務経験ということでございますので、小規模な建築物の建築確認には十分に対応できるもの、可能であるというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/32
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033・山本佐知子
○山本佐知子君 ありがとうございます。
最後に、岡田大臣に地方分権改革についての決意をお聞かせくださいという質問を考えていたんですが、ちょっと……(発言する者あり)もう難しい、ちょっと難しいと思います。申し訳ありません。また次回よろしくお願いいたします。
地方分権一括法案、これ一つ一つは一見小さな規制緩和なんですが、これまでの積み重ねで地方分権が進んできました。今後も地方自治の活性化のために地方分権改革に取り組んでいただきますようお願いを申し上げます。
どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/33
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034・岸真紀子
○岸真紀子君 立憲民主・社民の岸真紀子です。
先ほどもありましたが、一九九三年に衆参両議院において地方分権の推進に関する決議が全会一致で可決してから、今年は三十年の節目を迎えます。
一九九三年の地方分権決議には、ゆとりと豊かさを実感できる社会を実現していくために、地方公共団体の果たすべき役割に国民の強い期待が寄せられており、中央集権的行政の在り方を問い直し、地方分権のより一層の推進を望む声は大きな流れとあります。これは、それまでの成長優先から生活重視への転換が求められ、そのためにも住民に身近な自治体の役割への期待が込められていると読み解きます。
例えば、福祉や教育などは対人のサービスであり、それは当然ながら地域に密接した自治体でしか担えません。国が担おうとしても、新型コロナウイルス感染症のように、無理であったということは言うまでもありません。しかし、現実では、財源は地方へ十分に移譲されずに、実質的な権限が地方にあるとは言い難いものとなっています。ましてや、徹底的な歳出削減があったり、集中改革プランなどで人員は抑制されてきましたので、多くのものは、自治体では国の仕事をこなすだけで忙殺されておりまして、住民のためのサービスをしたくても人員不足や財源不足でできないといったような実態にあります。
いわゆる地方分権一括法は今回で十三次となります。岡田大臣は、これまでの地方分権をどのように捉え、何が課題であるか、お考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/34
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035・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) 岸委員にお答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、一九九三年、平成五年から三十年にわたり、地方分権改革を行っておりますが、平成五年からの第一次改革及び平成十八年からの第二次改革では、主に国主導による集中的な取組を行い、国と地方の関係を対等協力の関係へ転換するための制度改革を様々に行ってまいりました。
また、平成二十六年に導入した提案募集方式は、地方の具体の意見をお伺いして、それを基に制度改革を行う仕組みで、令和四年までの九年間で地方から三千件を超える御提案をいただき、このうち、内閣府で調整を行った約二千件のうち、約千七百件について提案の趣旨を踏まえた対応などを行ってきており、地方の側からも一定の評価をいただいているところだと思います。
その一方で、提案募集に当たって、都道府県単位では全ての地方公共団体から御提案をいただいているわけでありますけれども、市町村単位では、先ほど先生おっしゃいました、地方が極めて忙しいということもあろうかと思いますが、まだ提案を行ったことがない地方公共団体が六割を超えております。現場の貴重な気付きが埋もれているおそれがあるのではないかと、こうしたことも課題として認識をしております。
このため、内閣府としては、地方に職員を派遣して地方公共団体向けの研修会を行うほか、提案募集方式について実例を含め分かりやすく解説したハンドブックを配布し、より多くの地方公共団体から御提案をいただけるように努めているところであります。
さらに、先ほどから話が出ております本年三月に閣議決定した計画策定等に関するナビゲーションガイドのように、個々の地方公共団体からの提案を検討する中で、地方公共団体に共通する課題を抽出し、特にこの計画策定については極めて公共団体から煩雑であるという、そういう御指摘も受ける中で、地方公務員の皆さん、大変お忙しい、厳しい状況の中で、地方の負担軽減につながるような取組、今回新たに開始をしたところであります。
引き続き、地方の声を真摯に受け止め、地方公共団体の負担軽減や地域の自主性、自立性を高めるための取組を着実に進めてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/35
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036・岸真紀子
○岸真紀子君 今大臣の御答弁にもありましたこの第一次地方分権改革では、国と地方の関係が上下主従の関係から対等協力に変わって、機関委任事務制度の廃止であったり、国の関与に係る基本ルールの確立などを実施し、地方分権型行政システムが構築されたとしてはいますが、先ほども述べたとおり、三十年たって中央集権化に戻ってきているんではないかという感じが否めないというところです。
住民主導の個性的な地域分権型行政システムを構築するために欠かせないことは、やはり地方財政の秩序の再構築ではないかと私は考えます。担当大臣として、自治体が望んでいるような税源移譲となっていないこと、言わば地方分権でいえば途上にあることをどのように捉え、分権推進の立場からどう取り組んでいくのか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/36
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037・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
御指摘の国と地方の税財源配分の在り方については私は直接の担当ではございませんが、地方分権改革の観点から私の考えを申し上げますと、これは、地方公共団体の財政的な自立のためには基盤となる地方税財源の充実確保が必要不可欠と、このように認識をいたしております。一方で、国と地方の税財源配分の制度設計については、税負担の在り方を含めた制度全体を視野に入れて専門的に検討をする必要もあり、地方税財政制度を所管する総務省等において丁寧に検討が行われることが適当であると考えております。
その上で、岸委員の御指摘も踏まえ、内閣府としても、国と地方の役割分担を踏まえて、地方の税財源の充実確保につながるように、総務省等の関係省庁と連携をして必要な対応に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/37
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038・岸真紀子
○岸真紀子君 今大臣がおっしゃっていただいたように、本当の主流はやっぱり総務省と財務省との折衝だったりするとは思うんですが、分権の立場からも、是非内閣府からも後押しをお願いいたします。
本改正案の内容は自治体から提案のあったものと承知はしていますが、昨年の質疑で指摘させていただきましたが、提案募集方式では本当の意味での分権にならないではないかという問題意識を持っています。本来の目指していた分権改革は、自治体の自主性、自立性の強化ではないでしょうか。提案募集方式のどこをどう改善し、今回の法案提出となったのか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/38
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039・加藤主税
○政府参考人(加藤主税君) お答え申し上げます。
現在の提案募集方式でございますが、二月から五月まで地方からの提案を受け付け、その後、提案団体や関係府省へのヒアリング、調整等を経まして、十二月に対応方針を閣議決定するという、こうしたスケジュールで進めているところでございます。
なかなかタイトなスケジュールでございますが、そうした中におきましても、類似する制度改正等を一括して検討するため、重点的に募集するテーマ、これが今年度、今回、令和五年は連携、協働と人材確保を設定しておりますが、こうした取組のほか、早期にいただいた事前相談についてその内容を全国の地方公共団体に情報提供するなど、分野横断的な提案を出しやすくする環境づくりに努めております。
また、提案を受け付けた後にも、その内容につきまして全国の地方公共団体に情報提供いたしまして、追加共同提案という形で賛同意見や支障事例の補強に関する意見等を寄せていただくことで、提案内容の更なる充実、補強を図っております。
なお、今回の改正に盛り込まれました住民基本台帳ネットワークシステムの利用拡大でございますが、これにつきましては、地方公共団体からの提案内容が所有者不明土地対策に幅広く住民基本台帳ネットワークシステムを活用できるよう求めるものであったこと等を踏まえまして、総務省におきまして全省庁に調査し、検討した結果、成案を得たものでございます。
このように、関係府省の協力も得まして、同様の構成、事情を有する事務をすくい上げまして統一的な整理を行っていくことは、提案募集形式によります成果を大きくする上で有効なものではないかと考えているところでございます。
こうした改善を積み重ねておりますが、今後も地方の現場の声も踏まえながら、重点募集テーマの活用など更に工夫を凝らしまして、地方分権改革に資する横断的な制度改正、この実現に取り組んでまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/39
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040・岸真紀子
○岸真紀子君 これ、毎年本当に、内閣府の皆さんには本当に膨大な事務量だと思うんです。決められたスケジュールの中で、様々な省庁とか自治体の声を聞きながら調整するというのは本当に相当大変な御苦労をされているというのは承知をしております。ただ、やっぱり更なる改善をしてなるべく分権に近づけていくということが必要だと思いますので、引き続きよろしくお願いします。
質問、ちょっと一つ最後に回しまして、飛ばして言います。
先ほども答弁にありました、住民基本台帳ネットワークの利用の改正ということで、昨年の第十二次地方分権一括法でも、これ、私もそのときに質疑の中で、農業委員会とかほかの法律、森林法とかも含めて、提案を待っているだけではなくて積極的な事務軽減を図るべきではないかと質問した経緯があります。なので、先ほど答弁いただいたように、省庁の方からこの関連に関係するものはほかにもないかということで調べて今回出てきたことは評価をいたします。
今回の改正案では、住民基本台帳法、戸籍法共に市町村の公用請求に係る事務の効率化を図るとともに、速やかな空き家対策などが可能となることが期待されます。一方で、不正や濫用されないのかという懸念があります。特に、今回は戸籍情報についても他の市町村へ照会の依頼を掛けなくても取得可能となるので、負担軽減を図りつつも、濫用防止策としてどのようなことをお考えなのか、法務省及び総務省にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/40
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041・松井信憲
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。戸籍法の関係についてお答え申し上げます。
令和元年の戸籍法改正によって、本年度末から本籍地以外の市町村においても戸籍証明書の交付を可能とする、いわゆる広域交付が実施される予定でございます。もっとも、その請求権者は戸籍に記載されている者などに限られておりまして、行政機関が法令の定める事務を遂行するために必要がある場合に行う戸籍証明書等の交付の請求、いわゆる公用請求については広域交付の対象とは予定されていなかったところでございました。
今回の一括法案は、この広域交付の請求権者の範囲を見直し、市町村内のある部署が当該市町村の戸籍窓口に請求する場合に限って公用請求を広域交付の対象とするものであり、戸籍窓口における審査を経て交付の可否が決定されるため、新たに戸籍情報を取り扱うことができる者が増えるわけではございません。
また、戸籍法においては、戸籍事務に関して知り得た情報の不正利用について罰則規定が設けられているとともに、法務大臣及び市町村長はシステム上の情報の漏えい防止措置を義務付けられております。具体的には、広域交付を行うシステムにおいて、生体認証を含む二要素認証による利用者制限や操作ログの管理を行うなど、不正な利用を防止するための万全な対策を講じているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/41
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042・三橋一彦
○政府参考人(三橋一彦君) 住民基本台帳ネットワークについてお答えいたします。
住民基本台帳ネットワークシステムは、市区町村の住民基本台帳の情報をネットワーク化し、氏名、住所等の本人確認情報によりまして全国共通の本人確認ができるシステムでございます。その運用に当たりましては、個人情報保護やセキュリティー対策が重要と考えております。
このため、住基ネットにつきましては、本人確認情報の提供を行う行政機関や利用事務を法律や条例に具体的に規定いたしますとともに、専用回線の利用やファイアウオールによる厳重な通信制御、通信の暗号化といった様々なセキュリティー対策を講じております。
また、内部の不正利用の防止に関しましても、システム上、住基ネットと接続する端末の操作に当たりまして、生体認証等により正当なアクセス権限を有していることを確認すること、市区町村において職員が住基ネットを操作した履歴、記録を保存することなどの措置を講ずるとともに、住民基本台帳法におきまして、住基ネットから取得した本人確認情報の守秘義務違反についての罰則を加重することとしております。
さらに、毎年、国や地方公共団体など住基ネットの利用主体に対しまして、セキュリティー対策に係る研修会を実施することとするとともに自己点検を行っていただくよう求めておりまして、引き続き、こうした取組を通じまして個人情報保護やセキュリティー対策の充実を図ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/42
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043・岸真紀子
○岸真紀子君 ありがとうございました。
本当に、職員同士なのでそんな不正は起きないとは思いながらも、しっかりとしたこのセキュリティー対策、個人情報の保護の、濫用防止ということが必要になってきます。
行政においても、様々な手続のデジタル化が進んで利便性が向上される一方、個人のプライバシーをどう守るかという観点が大変重要になってきます。これまで、自治体独自の取組として、住民票の写しや戸籍謄本などを代理人や第三者に交付した場合、希望する本人に交付したことをお知らせする本人通知制度を導入している市町村が実際にあります。今後は更にデジタル申請と証明書交付がしやすくなっていくと考えたときに、不正な申請と発行への対策、対応が必要と考えます。
二〇一五年の質問主意書に対する答弁を見ますと、当時は政府として実施状況を調査することを考えていないとしていましたが、それから八年が経過しました。本人通知制度の実施状況と課題について政府としてどのようにお考えか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/43
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044・三橋一彦
○政府参考人(三橋一彦君) お答えいたします。
住民基本台帳制度におきましては、自己の権利行使や義務違反に必要な場合など正当な理由があるものにつきましては、本人等以外の者からの申出に対しまして住民票の写し等の交付を行うことが可能となっております。この際、その事実を本人に通知する取組を一部の市区町村において当該自治体の判断により実施されているものと承知をしております。
このような取組がいわゆる御指摘のありました本人通知制度と呼ばれているものと承知をしておりますが、これに関しましては、証明書を交付した旨が本人に通知されることによりまして、正当な理由に基づく交付請求を萎縮させる効果を生じるおそれがあること、また債権者が訴訟手続等を行う際に債権者の利益を害するおそれがあることなどの指摘もあるところでございます。また、市区町村におきまして通知に係る事務処理上の負担が生じるといった課題があるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/44
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045・岸真紀子
○岸真紀子君 デジタル化に伴うこの個人情報保護の一環として、本法案にある市町村の公用請求に伴う閲覧履歴や第三者による取得状況など、マイナンバーカードを活用して本人が確認できる仕組み、若しくは自治体だけの対応には限界があるので、国が統一的な本人通知制度の整備が必要と考えます。
そこで、ちょっとここでお聞きしたいのは、自己情報コントロール権について政府の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/45
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046・山澄克
○政府参考人(山澄克君) お答え申し上げます。
議員御指摘のいわゆる自己情報コントロール権というものにつきましては、その内容、範囲及び法的性格に関しまして様々な見解がございまして、明確な概念として確立しているものではないと承知しておりますが、関連いたしまして、個人情報保護法の第一条におきましては個人の権利利益を保護することというのを法目的として掲げられておりまして、この法律におきましては、地方公共団体を含む行政機関等につきましても、個人情報の取扱いに対する本人の関与の重要性に鑑みまして、開示等の請求を可能とする規定を設けておりますとか、あるいは個人が予期しないような不当な個人情報の取扱いを受けることを防ぐ観点から個人情報の目的外利用を制限しておりますとか、そういうような規定がございます。
いずれにいたしましても、個人情報保護委員会といたしましては、デジタル社会の進展等を踏まえまして、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益の保護が図られるよう適切に対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/46
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047・岸真紀子
○岸真紀子君 ありがとうございます。
是非とも、個人情報保護委員会でも積極的に自己情報コントロール権についてもっと議論を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
本法案では、罹災証明書の交付に必要な被害認定調査において、例えば固定資産課税台帳の情報を市町村が利用できるものとすることとなります。これは以前から自治体現場では困っていた課題で、これが実現すれば、被災者の生活再建の円滑化、迅速化につながるので担当課としても望んでいると聞いています。でも、逆に言えば、なぜこういった改善が市町村からの提案があるまでなされなかったのか、また、これ以外に災害時の事務簡素化や軽減の課題はないのか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/47
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048・五味裕一
○政府参考人(五味裕一君) 罹災証明書は、被災者支援の判断材料として活用されていることから早期の発行が重要であり、その前提となる被害認定調査についても迅速に行う必要がございます。
調査の実施に当たっては、図面の作成等に時間が掛かるとの問題意識は持っておりましたが、これまで具体的に固定資産税、固定資産課税台帳等の情報を活用したいという要望や提案はございませんでした。今回、地方分権提案におきまして、自治体、北海道北広島市、千葉県船橋市を中心といたしまして具体的な提案をいただいたことから、自治体と歩調を合わせて法改正につなげることとしたものでございます。
また、調査の簡素化、負担軽減、更なる簡素化、負担軽減でございます。
これまでも、内閣府やUR都市機構の職員による現地での調査支援や総務省の応急対策職員派遣制度による派遣などの人的支援を行うとともに、河川の氾濫などの場合に、浸水深、浸水した深さによりまして住家の損害割合を算出する簡易手法の導入、航空写真等の活用などの取組を進めてきたところでございます。
また、こうした取組に加えまして、内閣府が開発いたしましたクラウド型被災者支援システムを活用した罹災証明書の早期交付や民間の調査システムとの連携の促進、自治体と損害保険会社等の民間企業との連携事例の提供など、さらには令和五年度予算を活用いたしました内水氾濫による被災住家の浸水深判定の課題や手法に関する調査検討などを通じまして調査の更なる簡素化等を図ることとしております。
引き続き、内閣府におきましては、自治体と連携をいたしまして、被災者支援が円滑に進むよう被害認定調査の迅速化に取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/48
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049・岸真紀子
○岸真紀子君 大分改善はしていただいたのは今の答弁を聞いて感じたところですが、更なる、なるべく迅速にできるように取組を進めていただくようにお願いいたします。
次に、順番をちょっと入れ替えまして、十一番目の質問に行きます。
指定都市及び中核市において、認定こども園の認定又は認可に関し、これまでは都道府県への事前協議を必要としていたものを事前通知へと見直すこととしています。事後ではなく事前に通知とするならば、都道府県からストップが掛かるということが想定されているのでしょうか。また、全ての権限を指定都市等に移しているといいながらも、これでは権限移管に見えないという問題があるので、この点についての理由をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/49
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050・黒瀬敏文
○政府参考人(黒瀬敏文君) お答えいたします。
事前協議の見直しについてお尋ねをいただきました。
現行制度では、指定都市等の域内の認定こども園を指定都市等が認定、認可するに当たりましては都道府県への事前協議が必要となっているところですが、これは、認定こども園は市町村域を越えて利用されることが想定をされることから、施設の適正配置等を担保する観点から、都道府県知事が広域的な観点から連絡調整を行いつつ、域内の需給状況を踏まえ、認定、認可の可否を判断する必要があるため設けられたものでございます。
こうした中、今般の法案では、指定都市等による市町村計画の策定、変更の際の都道府県との協議により、マクロでの需給の調整は基本的にはなされているというふうに考えられることから、近年の運用状況も勘案しまして都道府県への事前協議を廃止することといたしました。
一方で、都道府県は引き続き施設の広域的な需給を把握しておく必要があるため、指定都市等からの通知は必要であると考えておりまして、また、例えば都道府県と指定都市等がそれぞれ同時並行で認定こども園の認定、認可の手続を行う場合で、一方が認定、認可を行うと供給超過になるといったような場合など、個別事案については事前の調整が必要になるということも想定されるため、指定都市等からの通知は事前というふうにしたところでございます。
こうした趣旨によるものでございますので、都道府県が影響を及ぼすといったような趣旨で事前通知を求めるものではありませんし、指定都市等域内の認定こども園の認定、認可の判断に当たっては、認可等の基準に沿って指定都市等において適切に対応いただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/50
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051・岸真紀子
○岸真紀子君 今答弁いただいたように、都道府県においても指定都市等の状況把握は必要であるとは考えますが、何か分かりにくいなと思って、権限が移譲されているのに事前に通知をしなきゃいけない、事後でもよかったんではないかという問題意識がありました。
次に、本法案の建築基準法改正により、建築主事の任用に必要な建築基準適合判定資格者検定の受検資格の見直しをすることになります。その中で、二級建築士試験合格者による受検を可能とし、当該受検者を対象とした検定に合格した者は、建築副主事等として小規模な建築物等に限り建築確認関係事務を行うことを可能とするとしています。
このことにより一級建築士は特化して業務ができることとなりますが、新たなこの建築副主事等とはどのような職で、小規模な建築物等というのはどのようなものを想定しているのか、安全確認など審査能力の確保は担保されるのか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/51
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052・石坂聡
○政府参考人(石坂聡君) お答えいたします。
建築副主事は、一級建築士試験又は二級建築士試験に合格した者で、小規模な建築物が建築基準に適合するかどうかを判定するため必要な知識を問う二級建築基準適合判定資格者検定、これ新たに設けますけれども、これに合格し、かつ建築行政又は建築確認検査の業務に関して二年以上の実務経験を有する者の中から都道府県知事等が選任することとしております。
建築副主事の業務範囲でございますけれども、小規模な建築物想定をしておりまして、戸建て住宅が中心になるかと考えられます。こうした戸建て住宅の設計につきましては、二級建築士の試験に合格しているということをもって必要十分な知識、技能はあると考えてございます。
また、それを審査するということにつきましても、今般新たに設ける検定、先ほど言いました二級建築基準適合判定資格者検定、これに合格していただかなければいけませんので、それによって確認をさせていただきたい。さらには、二年以上の実務経験ということでございますので、小規模な建築物、戸建て住宅中心になりますけれども、確認検査は十分に可能である、そういうふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/52
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053・岸真紀子
○岸真紀子君 きちんと安全は担保されるということを確認できました。
自治体で不足している建築主事の確保策として自治体から要望のあった建築基準適合判定資格者の登録要件を柔軟にすることになります。これは、急場をしのぐことはできても、建築主事の継続的かつ安定的な確保となるとは残念ながら思えません。
現在の深刻な課題である建築主事の継続的かつ安定的な確保に向けては給与面も本来は含めた対策が必要と考えますが、まあ給与面は多分難しいと思いますけど、国土交通省としてどうやって確保していくかという考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/53
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054・石坂聡
○政府参考人(石坂聡君) お答えいたします。
御指摘のように、建築確認を滞りなく実施するためには、建築主事の担い手の確保に加えて、業務の効率化、こうしたことも同時に進める必要があると考えているところでございます。このため、建築確認のオンライン化を進めることによって、申請側、審査側の双方の手続負担を軽減すること、また、中間検査、完了検査等のリモート、遠隔実施ですね、こうしたことを進めることによって現場の立会いの負担を軽減することなど、建築行政に関するDXを促進し、一層の業務の効率化、こうしたことも行ってまいりたいと考えてございます。
国交省におきましては、各地方公共団体の皆様方と建築行政職員の声、これをしっかりお聞きした上で、建築主事等の人材確保、育成に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/54
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055・岸真紀子
○岸真紀子君 例えば条件不利地とかは、そういったDXとか使ってカバーできるというのは一つの考えだと思うんですが、やっぱり災害とかがあったときには現地に建築主事とかがいるということも重要ではないかと思うので、また別な確保策も更に検討を深めていただければと思います。
もう一つ、個別法について。
交通安全の確保策でいえば、例えば、通学路の安全策は、住民や学校の要望をもっと受け入れ、実行する体制が重要となってきます。本法案で計画作りをやめることによって期待される効果は何か、また住民等の要望を速やかに受けられる環境整備に向けどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/55
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056・滝澤幹滋
○政府参考人(滝澤幹滋君) お答え申し上げます。
令和四年の提案募集におきまして、市町村交通安全計画につきその作成に係る努力義務について見直しを求める提案ございまして、この提案を受けまして全国の市町村を対象に意見を求めましたところ、都道府県交通安全計画と重複する内容が多い、また、計画作成に係る事務負担が多く、現場の施策に割く時間が相対的に少なくなるなどの意見があったところです。
一方、そういった計画等が関係機関への協力依頼や予算要求の際に有益であり、引き続き法定計画としての位置付けを求める意見もございました。
こうしたことから、交通安全基本法における市町村交通安全計画等の位置付けは残しつつ、その作成を努力義務からできる規定に改正することとしたものでありまして、この改正によりまして、計画作成の要否につき、それぞれの市町村の交通環境や交通事故情勢、関連する都道府県の計画、事務負担、体制等を総合的に勘案した上で、地域の実情に応じた判断が一層可能となるものと考えております。
都道府県、市町村などそれぞれの地域における行政、関係団体、住民等の協働により、地域に根差した交通安全の課題の解決に取り組んでいくことは重要であると認識しておりまして、内閣府といたしましても、地域の実情に即しましてリソースを適切に配分し、関係機関が緊密に連携して対策を講じていくよう促してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/56
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057・岸真紀子
○岸真紀子君 交通安全については本当に連携がすごく大事だと思うので、なるべくその市町村が事務負担が軽減された分しっかりと都道府県とつながれるように引き続き推進をお願いいたします。
岡田大臣にお伺いします。
計画等の見直しを求め提案されたものが九十三件合計ありまして、各府省と調整し、本法案にあるように、市町村の先ほど聞いた交通安全計画とかの作成もできる規定に改正するものとなっていたり、ほかの法案や政令等でも改善できるものとして整理をされたと聞きました。市町村から提案のあったものだけでは見直しは不十分であると、だけれども考えています。
政府としても、三月三十一日に、効率的・効果的な計画行政に向けたナビゲーションガイドを閣議決定していますが、今後どの程度本格的に見直していかれるのか、大臣にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/57
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058・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) ただいま御指摘のありました効率的・効果的な計画行政に向けたナビゲーションガイドでございますが、これを着実に運用し、一つには新規の計画の抑制、二つには既存の計画の見直し、この二点を実現していくことを目指しております。
まず、新規の計画の抑制については、各府省が法律案の検討段階で計画以外の他の手法の検討や既存計画との統合などを検討する。また、計画の新設がどうしても必要な場合には、地方六団体などに対して早期に情報提供を行い、計画等によらざるを得ない理由をしっかり説明し、地方の御理解を得ることを徹底していきたいと考えております。
さらに、既存の計画については、ナビゲーションガイドに沿って、各府省において定期的に計画の在り方の見直しを進めていただくことにしております。
こういった各府省におけるナビゲーションガイドの運用が徹底されるように、内閣府としても必要な説明や働きかけを行ってまいります。
各府省に対してナビゲーションガイドの定期的な周知を行う、また、各府省が新たな制度を内閣府に相談する際に、ナビゲーションガイドに沿った手順、検討が踏まれているかを確実にチェックする、そして、既存の計画に関して地方分権改革有識者会議の知見もいただいて、実効性を有する見直しの検討を考えております。
このように、各府省との連携を密に行い、ナビゲーションガイドを着実に運用して、国と地方を通じた効率的、効果的な計画行政の実現を期して地方にお応えしてまいりたいと、このように考えているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/58
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059・岸真紀子
○岸真紀子君 本当にこれからのものとこれまでのものというのを分けて考えていくことが必要だと思っています。しかも、議員立法、閣法だけじゃなくて議員立法も結構計画策定というものを義務付けているものがあるので、これ議員のみんなも考えていかなきゃいけないことなのではないかと考えています。
本当はもう一問最後に質問をしたかったんですが、時間も限られているので考えだけ述べさせていただきます。
今日、私は、この法案に、質疑に対して、これ実はすごく束ねられていて、七つの法案で関係省府庁もまたがっています。なので、委員長にも御迷惑をお掛けしましたが、誰が誰だかという、答弁者がなかなか難しいというところもあって。本来であれば、それぞれの法案で一つずつきちんと議論を深めることが必要だと考えています。束ね法案というもので、一部軽易なものがあるので一緒にやっているという説明は受けたものの、やっぱりこれは幾ら提案募集方式だといっても分かりづらいのではないかという問題意識があります。
ちなみに、今回の提案募集では、例えば自治体の非正規公務員、会計年度任用職員の勤勉手当は、地方自治法改正案として総務委員会できちんと議論が深まる予定となっています。こういうふうにもっと深めて考えていくことがこの分権一括法にも必要なのではないかという考えを述べて、質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/59
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060・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 質疑を続けます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/60
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061・平木大作
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
本日は第十三次の地方分権一括推進法ということでありますが、ちょうど今、統一地方選のさなかということもあります。そこに関連して一問、岡田大臣にまずちょっとお伺いをしておきたいと思います。
先週末に行われましたこの前半戦、特に私、投票率とても注目していたんですけれども、例えば道府県議会の選挙、投票率は全国で四一・八五%ということで過去最低ということでありました。これ、無投票になった選挙区も三百四十八と、全体の四割近くということで、改めてちょっと危機感を持たなければいけないなというふうにも思っております。
そして、今週末、後半戦ということにも続いていくわけでありますけれども、特にこれから小さな自治体になってくるとより深刻なのが、そもそも地方議会の担い手不足という問題なんだろうというふうに思っています。
私、今回の前半戦、例えば、いろいろなところお伺いをして、割と地方自治体あるいは地方議会の重要性を認識してもらうという意味で極めていいきっかけだったと思っていたんですね。
例えば、コロナとこれまで三年闘ってきたという中にあって、実際にこの地域の中で例えば入院したいけどベッドがないみたいな問題が起きた、だからこそ、やっぱりこの地域医療提供体制の整備とても大事なんだということも御理解いただいて、これは基本的には都道府県が担っているんだということを果たしてどれほど有権者の皆さんに御理解いただいて投票所に足を運んでいただけたのかなと、ちょっと残念な思いがしているんですね。
あるいは、今度後半戦入っていきますけれども、多くの方が打っていただいたワクチンですね。ワクチンも、最終的には自治体の中で、例えば接種券の配布というところから予約の取り方一つ一つが、基本的には自治体の中でオペレーション回していただいて、これもうお住まいの地域によって本当に、まあちょっと言い方が難しいんですが、巧拙が出てしまったというか、すごく最初からいろいろ細かいところまで目配りをしてシステムを組んだ、オペレーションを組んだところと、まあそうではなかったかなというところと、やっぱり御不満の声も含めて大分いただいた。
だから、今回の統一地方選はとても投票率が上がるんじゃないかって勝手にちょっと思っていた節があって、私もいろいろなところでそんなお話させていただいたんですが、ちょっと結果としてはなかなか実態には伴わなかったのかなというふうに思っています。
改めて、この地方分権改革というものを更に推進していく上で、当然これ自治体そして地方議会が担わなければいけない役割ってとても大きいというふうに思っております。今回のちょっと選挙の投票率が低かったということの受け止めも含めて、これから地方議会における議論の活性化、そして多様な担い手の確保、とても重要だと考えておりますけれども、岡田大臣のお考えをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/61
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062・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
まず、投票率につきましては、今も四十一道府県議会議員選挙四一・八五%という数字をお示しいただきました。二・一七ポイント前回よりも下回るということであります。
先ほども、私、石川県の出身と申しましたが、石川県の県議会議員の選挙の投票率は四六・三六%ということで、前回を一・六四ポイント上回りました。
これは、投票率というものはやはり選挙の争点とかあるいは競争の激しさとか様々な事情により上下するものであると思いますけれども、一般論としては、選挙は民主主義の根幹であり、できるだけ多くの有権者に投票に参画していただくことが重要であり、投票率は上がってほしいと、このように思う次第であります。
そして、私事ばかり申し上げて恐縮でございますけれども、県議会から始めまして、僅か一年でありましたけれども、地方議員の経験を積ませていただいたことは、住民に近い立場で多様なお声を聞いて地域社会の在り方を議論するという地方議会、その役割を大変重要なものと認識している次第であります。
しかしながら、近年、議員のなり手不足、担い手不足ということが課題になっていることも事実でありまして、私は、住民の議会に対する関心の低下を防ぎ、かえって関心を高めていくためには、やはり女性や若者、またサラリーマンなどお勤めの方々、また年齢にとらわれず、若い方ももちろん必要でありますけれども、社会経験豊富で地域に貢献をする意欲をお持ちのシニア世代の方なども含めて、多様な層の議会への参加を促進していくことが重要ではないかと、このように思う次第であります。
地方議会は住民自身の責任において団体の運営を行うという住民自治の根幹を成す存在であり、住民が自らの地域に関心を持ち、議会における議論を通じて個性的な地域社会を形成していくことは地方創生や地方分権改革の観点からも意義のあることと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/62
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063・平木大作
○平木大作君 事選挙ということだけに限れば、投票率を上げるというのは、例えば道府県議会の選挙であれば、やっぱり各道府県でいろいろお取組をされておりましたし、そこが第一義的には重要なんだろうと思っています。
ただ、今大臣御答弁いただいたように、そもそも民主主義の根幹を支える選挙でありますし、特にこの地方分権、地方創生という観点からも、地方自治体の役割、そして地方議会の役割の重要性ということを鑑みたときに、国としてできることというのはやっぱりもっと積極的に取り組んでいく必要があるんだろうと思っています。
今日はもう、ちょっと質問はいたしませんが、昨年も、つくば市のスーパーシティの取組について、オンラインで市長選、市議会議員選挙、今やりたいということで、スーパーシティの構想の中に載っけているわけです。大臣からは、今実証実験も含めて検討中ということで御答弁いただいていましたが、改めて、国としてもっと後押し、踏み込んでやるべきだということは申し上げておきたいと思います。
そして、地方議会の担い手不足というところですけれども、いろいろあると思っているんですけど、私、担当地域の地方議員さんの家庭訪問ってよくやるんですね。実際ちょっと、そもそも地域の皆さんのお困り事とか声を聞くのが議員の仕事なんですけれども、その議員の声を聞いてくれる人って余りいないなと思っていて、まあ一時間ぐらいは上がり込んで、いろいろ、おうちのこととかいろいろ聞いて歩くんですね。
やっぱり、外では当然言わないわけですけれども、特に小さな市、町の議員さんとかは、もうやっぱり暮らしのことに本当に大分大きな課題を抱えていらっしゃっていて、それこそ市議会の議長さんなんだけど、ちょっともう家計が回らないということで、夜になると、近隣の、自分の市じゃなくて、近隣の自治体に行って工事現場の監督をしていたりとか、そういう方もいらっしゃるんですね、子育て世代の方とかですね。
そういう意味でいくと、国として、ある意味、地方議会を支えていらっしゃるこの議員の皆さんの例えば声ってどの程度把握しているのか。例えば、もう今オンラインとか活用すれば幾らでもこれ一旦ちょっと状況って調査していただけると思っていますから、是非これやっていただきたいと思いますし、改めて、一時、国会においてもこの地方議員の厚生年金加入ということがある程度ちょっと議論として盛り上がってきたはずなんですけど、今ちょっと全く聞こえなくなってきております。これ早急に検討していただきたいと思っているんですが、政府の見解お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/63
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064・大沢博
○政府参考人(大沢博君) お答えいたします。
議員のなり手不足の要因については、立候補環境に係る要因、時間的な要因、経済的な要因など、様々なものが考えられると思います。このうち、経済的な要因については、第三十三次地方制度調査会の議論におきまして、全国市議会議長会、全国町村議会議長会から、特に小規模団体では議員報酬が低水準であることが議員のなり手不足の一因だという、そういった指摘がなされております。
その上で、この調査会の答申では、議員の活動量と長の活動量を比較をして、議員の活動内容を明確に示すなど、住民の理解を得ながら議員報酬の水準の在り方を検討することが考えられるというふうにされておりまして、答申を踏まえ、各議会において十分な審議を尽くし、適切な議員報酬の額を定めていただくことが重要と考えております。
また、地方議員が厚生年金に加入することについては、国民の幅広い政治参加や地方議会における人材確保から必要だという考え方がある一方で、保険料の公費負担が生じること、厚生年金の被用者要件、労働時間要件を満たさないといったことなどの課題がございます。
地方議員の厚生年金加入につきましては、その身分の根幹に関わることであり、各党各会派において議論がなされる必要があると考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/64
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065・平木大作
○平木大作君 労働時間をどう計るかとか、そういったところもあるかと思いますけれども、同じような、ある意味、地域の皆さんに奉仕するために働いていらっしゃるので自治体の職員の方と何が違うのかというところも含めてよく考えなければいけないですし、これ本当に手をこまねいているとますますなり手がいなくなるという、そういう状況にあるということは指摘しておきたいと思います。
それでは、ちょっと本論の方に移りたいと思うんですが、この地方分権改革、開始されて三十年ということで、先ほども岸委員の方からも御質問ありましたが、やっぱり、ちょっと回を重ねるにつれてというか、近年はちょっとこの当初のモメンタムというのは失われつつあるんじゃないか、よく小粒になったという言われ方しますけれども、私もちょっとそういう感覚を持っております。
この三十年を総括するというのは難しいんですが、すごく分かりやすく、第一次分権改革の取組ということも踏まえたときに、これまでの第二次分権改革というのは今どういう成果を得つつあるのか、このことについてお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/65
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066・加藤主税
○政府参考人(加藤主税君) お答え申し上げます。
地方分権改革についてでございます。
まず、第一次ということでございますが、平成五年の衆参両院における地方分権の推進に関する決議を起点といたしまして、時限で設置された委員会の勧告に基づきまして、機関委任事務制度を廃止し、国と地方の関係を対等協力の関係に転換したという成果があったものと認識しております。
また、平成十八年以降、こちらが第二次地方分権改革というふうなことになりますが、地方に対する権限移譲でございますとか規制緩和など、地方の自主性、自立性を高めるための改革を積み重ねてきたところでございます。
この第二次分権改革の中で、平成二十六年以降でございますが、地方の具体の意見を反映する仕組みといたしまして提案募集方式を導入しまして、制度改革へつなげていくという営みを行っております。この取組につきましては地方側からも一定の評価を得ていると認識しております。
これまでの実績でございますが、平成二十六年から令和四年までの九年間で地方から三千件を超える提案をいただいております。このうち、内閣府の方で調整、政府内の調整を行ったもの約二千件のうち、約千七百件につきまして提案の趣旨を踏まえた対応にこぎ着けているということでございます。
さらに、本年三月に閣議決定いたしました計画策定等に関するナビゲーションガイドのように、重点募集テーマを契機にいたしまして、個々の提案の検討等の過程で認識された課題を受け止めまして、課題に応じるための新たな取組も加えるというふうなことも始めております。
こうした取組によりまして、地方の、地域の自主性、自立性を高めるために着実、強力に分権改革を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/66
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067・平木大作
○平木大作君 この第一次のときの委員会の勧告というやり方から、今提案募集ということにしているわけです。この各自治体のそれこそ本当に現場の小さな声から法律も含めて変えていこうということですから、まあ小粒になったというのは、御批判でもあるんですけど、それはそれでいいんだと思うんですね。ただ、やはり、幾ら小粒のものを束ねてみても、行政の効率化推進法なのかもしれないけれども、本当にこれが地方分権なのかということを私やっぱりとても疑問を持っております。
要するに、これからも、しっかりこれ地方の声、提案を受けて取り組んだ方がいいと思うんですけれども、同時に、やっぱり国の方が今度主導してここを変えるべきというものをもっと打ち出していかないと、なかなかこの推進力というのは維持できないんじゃないかというふうに思っています。
ちょっと時間も押してきていますので次行きたいんですけれども、そういう中で、今回は地方からの提案件数は前回より三割増えたということでありますし、新たに六十の市区町村からも提案が寄せられたということでありますから、この提案が増えるというのは、これはもう歓迎できる話だなと思うわけでありますが、やはり、先ほどもちょっと類似の質問ありましたけれども、この平成二十六年の提案募集方式採用以来、提案しているのが実は同じところばかりなんじゃないかというちょっと気がしております。提案がちょっと一部の自治体に偏っていないのか、ここについてということですね。先ほど少し御答弁もあったんですが、やっぱり、そもそも自治体の行政の負担が重いという中で、小規模な自治体ほど結局積極的に提案できるほど暇じゃないということになっているわけです。
ここの、小規模な自治体が提案しやすくするための今サポート、エビデンス集めとか、そういったところも含めて具体的にどういうことができているのか、改めてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/67
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068・加藤主税
○政府参考人(加藤主税君) お答え申し上げます。
団体、提案する団体、偏っているのではないかと、特定のところというふうなことでございますが、団体数に関しましてもかなりの団体からいただいておりますので、認識といたしましてはそれなりに多くの団体からいただいているというふうには受け止めております。ただ、小規模な団体につきましては確かに件数が少ないというふうな部分ございますので、小規模な地方公共団体の提案の検討に取り組みやすくなるような取組は進めております。
平成二十七年からは、提案団体に対しまして、内閣府地方分権改革推進室、私どもの方でございますが、こちらへの事前相談をお願いしております。この事前相談の中におきまして、支障事例や、求める措置が曖昧な段階でありましても、内閣府、私どもの方から様々な助言を行いまして、提案団体の負担は最小限にしながら提案内容を改善充実、まあブラッシュアップさせるというふうなことでございますが、こういうふうな活動も行っております。
また、令和二年からは、分野横断的な制度改正等を一括して検証、検討するということを狙いにいたしまして、重点募集テーマを設定しております。この重点募集テーマにつきましては、具体的な検討の視点、これも提案の例等も交えて分かりやすくお示ししていることございまして、こうしたものが提案にふさわしいといいますか、提案になりやすいというふうなところで、そういうことも紹介しながら提案を促しているということでございます。
地方の現場にはまだまだ課題が山積しておるというふうなことでございまして、多くの提案に結び付く支障事例があるのではないかと考えております。これまで提案を行ったことのない市町村からも今後多くの提案が寄せられることを期待しておりまして、内閣府といたしましては、具体的提案に結び付けられますようきめ細かな支援を行いまして、提案募集方式による成果の充実、拡大を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/68
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069・平木大作
○平木大作君 ちょっと時間も押していますので、順番を変えまして、問い八として通告をさせていただいたところ行きたいんですが、じゃ、国として例えば改革の提案どういうことをしていくのかという中で、今回の、私、統一地方選歩いていても、やっぱり、これいろんな地域で、いわゆるその地域の足の話ですね、もうとにかく高齢化の中で移動が大変だと、買物も大変だという声を本当にいただきます。大分、こんな都市部でもこの声が大きいんだなということも含めて今回大分感じているんですけれども、この地域の足の問題というのは、これ国からやっぱり発案してきちっと取り組むべきだろうと思っております。
これ、もう国の方でも様々な検討がされているのは承知の上で今日改めてお伺いしたいと思いますが、オンライン診療ですね、今回、コロナで今実現はしているんですけれども、やっぱり使いづらいわけです。やっぱり、いわゆる医療法上の制約で、基本的に、オンライン診療が受けれるのは自宅若しくは老人ホームのような住んでいるところじゃないと基本的に使えないということがありまして、結局、スマホ持っていたりしても、御高齢の方が独居の場合、どうやって使っていいのか分かんないってところで、結局使えていないわけですね。
これ、何というんですかね、いろんな御意見があるのはよく承知していますが、これやっぱりオンライン診療が受けれるポイントをもっともっと増やしてあげるとか使えるようにしてあげないと、これ以上進まないという危機感を持っております。
例えば、最初は中山間地域とか、あるいは医師不足ということがもう各地から声上がっているわけですから、そういった地域からで結構ですので、例えばこういう地域に車両を、地域回ってもらうと、集会所とか自宅の近くに車両来てもらって、そこに看護師さんなり、あるいはiPadなりうまく使える方乗っていただいて、地域の方、そこの車の上でオンライン診療を受けていただける。こういうものをやるだけで相当、私、地域の不安解消って進むんだろうと思っています。
実際に今多くのところでそういった声いただいているんですが、今の政府の検討状況含めて御答弁いただけたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/69
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070・本田顕子
○大臣政務官(本田顕子君) 平木委員にお答え申し上げます。
まず、これからの在宅医療に関しましては、今、二〇四〇年を向けて、第八次医療計画でも、そこの中で在宅医療の話も今青写真が描き始められているところでございます。
そこで、委員の御質問の関してでございますけれども、近隣に医療機関がないことなどにより医療アクセスが制限され、受診機会が十分に確保されない患者に対しては、オンライン診療を活用することが特に医療アクセスの確保に資すると考えております。こうした観点も踏まえまして、厚生労働省としては、これまで、医師による診療を患者の居宅に派遣された看護師がサポートする場合も含め、オンライン診療を推進してきているところでございます。
また、厚生労働省の社会保障審議会医療部会におきまして、遠隔医療の更なる活用について議論を行い、昨年末、へき地等においてオンライン診療のための医師が常駐しない診療所を開設可能とする案をお示しし、方向性について御理解をいただいたところでございます。
引き続き、国民の医療アクセスを確保するため、オンライン診療の更なる活用について着実に進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/70
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071・平木大作
○平木大作君 是非検討を急いでいただきたいと思います。私は、この話をすると、各地域で皆さん拍手してくださいますよ、本当に。そのくらい皆さん待っていますので、しっかり前に進めていただきたいと思います。ありがとうございます。
それでは、残りの時間使いまして、少しまた戻りますが、先ほどもちょっとナビゲーションガイドについていろいろ御質問ありました。改めて、ここでやはりよく課題として指摘をされているのが、結局、財政措置の前提条件となっちゃっているから、義務付けじゃないんだけれども、結局自治体は作らざるを得ないという、この状況なわけですね。
改めて、今回、このナビゲーションガイド、閣議決定もしていただいて、これどの程度改善が見込まれるのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/71
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072・加藤主税
○政府参考人(加藤主税君) お答え申し上げます。
計画策定等に関しまして、地方からの要望や提案募集におきまして、策定に係る規定が努力義務規定やできる規定でありましても、国庫補助負担金等の交付要件としての計画策定が求められるなど、実質的に義務化されているとして問題点が指摘されてまいりました。
ナビゲーションガイドにおきましては、各府省において、新たな制度を検討する際には、意思決定の表現の形式は地方公共団体の判断に委ねることを原則とすること、その上で、法律で形式を規定せざるを得ない場合は計画以外の手法を検討することなど、財政措置の有無にかかわらず新規の計画の抑制を目指しております。また、既存の計画につきましても、各府省におきまして定期的に計画の在り方を見直すこととしておりまして、財政措置の有無にかかわらず、統廃合や関連する計画との一体的な策定などを含めた検討を行っていくこととしております。
あらかじめ改善の見通しを示すことは難しい面はございますが、こうした取組を通じましてナビゲーションガイドの着実な運用を図ることによりまして、国、地方を通じた効率的、効果的な計画行政の実現を期してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/72
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073・平木大作
○平木大作君 結局、地方は、いろいろやりたいことがある、そして一番地域に密着しているわけですから地元の皆さんの課題も声もよく分かっているんだけれども、財源がないからできないわけですね。この財源の議論というのが本当に進んでこれまでこなかったというのは、今回の、これまでの地方分権改革の一つの課題だと思っています。
この点、大臣に通告させていただいたんですが、先ほどほぼ同じ問いの中で御答弁いただきました。ちょっと時間ももうありませんので今日問いはしませんが、大臣の御答弁の中でも、とても重要であると、この地方分権において地方の自主財源をしっかり拡充していくということは大事だということをおっしゃっていただきながら、同時に、総務省で様々慎重な検討をということも付いていました、先ほど御答弁の中でですね。これ、是非とも、やっぱり三十年やってきて結局全然進んでいないわけですから、やっぱり政治の推進力を持ってやらないと、これ進まないんだと思っています。基本的に総務省の中で議論していてもなかなかこれ進まないと思っていますので、是非、そこ、大臣のリーダーシップを御期待いたしまして、質問終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/73
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074・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 日本維新の会の猪瀬直樹です。
先ほど本会議でいわゆるGX推進法についての質疑を行いましたが、折しも、あしたから札幌でG7気候・エネルギー・環境大臣会合が開かれるわけです。国策として重要なGXの推進と地方分権の関連についてまず取り上げます。
GX、脱炭素化の推進に自ら積極的に取り組んできた地方自治体があるんですね。これは自分が関係した東京都で、二〇〇八年に、都内の大規模事業所、すなわち工場だけでなく、それ以外のオフィスビル、ホテル、デパート、大学など千四百か所に対してCO2排出量の削減を義務付け、同時に排出権取引制度を導入する条例を作り、二年後の二〇一〇年度に開始したわけです。
これは、当時、世界初の都市型キャップ・アンド・トレード制度でありました。その後、埼玉県でも同様の制度を導入しているんですが、これらを始めとした地方自治体のGX推進施策を支援するような地方分権の関連施策は何かあるんですか、若しくは検討しているものがあるかどうか、岡田大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/74
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075・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) 猪瀬委員にお答え申し上げます。
脱炭素社会の実現やグリーントランスフォーメーション、GXといった施策に、地方公共団体、今も御例示をいただきましたけれども、地方公共団体がその地域の実情に応じて推進することは大変意義あることと認識をいたしております。
率直に申しまして、GXは新しい政策であることもあり、現時点では地方からの提案募集において直接関係する御提案は寄せられておりませんけれども、今後、地方公共団体がGXを推進する上で制度的な課題や支障を認識して提案が寄せられることは十分あり得ることと考えております。そうした場合には、地方分権改革の観点からもGXが一層促進されるように関係府省と必要な調整を行ってまいりたいと考えております。
さらに、大事なことは、地方公共団体からの提案をただ待つだけではなくて、地方公共団体の課題を掘り起こすような、そうした支援も行ってまいりたいと考えています。具体的には、内閣府は、年に百件近く地方に職員を派遣して地方公共団体が様々な施策を推進する上で生じた課題が提案につながるように研修会等を行っておりますが、こうした取組によって課題の掘り起こしということもしっかり行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/75
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076・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 太陽光発電は今一生懸命政府が旗振っていますけど、中には変な業者がいて山林などを乱開発する場合があるわけですけれども、それを規制する条例が各自治体で作らざるを得ないということは、これは一つ地方の課題なんですね。エネルギーの地産地消というのは自治体がどんどんやった方がいいんだけれども、そういうものを後押しするような地方分権の関連施策はあるんでしょうか。これは参考人かな。聞き取りにくいからマスク取って。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/76
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077・山田仁
○政府参考人(山田仁君) お答え申し上げます。
ちょっと、具体的な事例といたしまして、洋上風力とかあるいは地熱発電といった点についてのお話を、お答えをさせていただきたいと思いますが、こうしたものを含みます再生可能エネルギーにつきましては、地域との共生を前提に、再エネの導入目標である二〇三〇年度、三六から三八%の実現に向けて最大限導入していくということが政府の方針でございます。
洋上風力について申し上げれば、効率的な案件形成、これを進めていくという意味で、まず政府や自治体が初期段階から関与をして、より迅速に風況であったり地盤の調査などを行いますセントラル方式というものを導入いたしていくことにしておりまして、この一環として、その際に必要となる漁業者との調整についても国や自治体が中心となって行っていくというようなことをしております。
また、有望な区域に整理されますと、再エネ海域利用法に基づいて、政府と自治体、漁業者等の利害関係者が参加する法定協議会というものを設置いたしまして、地域や漁業等の共生策の検討やそのための基金の設置に向けた調整などを行っていくこととしております。
また、地熱について申し上げますと、地熱発電所の周辺における地元の理解、これを促進していくために、地熱開発事業者等による温泉事業者を始めとした地元住民に対しての勉強会開催などの理解促進活動の支援でございましたり、地熱開発地点の周辺において、温泉の噴出量が、湧出量が過度に減少した場合等における温泉資源の調査や温泉井戸の代替掘削をする際の支援などを実施してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/77
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078・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 漁業権のセントラル方式は早くやるべきだったと思いますけどね。
東京都は地方交付税交付金を受け取っていないわけで、これは自主財源があるからね、だから国の意向に縛られないでいろんなことはやれるわけですけれども、本来全ての自治体が国の仕送りがなくても生きていけるようにしなければいけないわけで、そういう国の形を目指して地方分権の議論が九〇年代から始まったわけで、これは岡田大臣に僕はちょっと説明する必要があるんで説明しますけどね。
第一次改革というのは、御存じのように九〇年代、これは地方分権推進委員会という名前で、このときに機関委任事務が廃止になったわけですね。その後、二〇〇六年から第二次改革ということになって、二〇〇七年四月に地方分権改革推進、これ推進と付くんですけど、地方分権改革推進委員会というのができて、このとき第一次安倍政権が発足したばかりだったんですね。
それで、当時、菅総務大臣から地方分権改革推進委員になってくれと言われて、これは、だから七人しか委員いないんですよ。いっぱいいると決まらないんです。いっぱいいればいるほど御用審議会になっちゃうんで、七人で決めると。その前に、僕、道路公団民営化委員やっていて、それは七人なんですね。そういう中で三年ぐらい徹底的にやったんです。結局、霞が関の縄張争いみたいなものが結局はこの問題を妨げていくんで、大臣は政治家だから霞が関の省庁の利益を代弁する必要は全くないんですよね。そういうことで、僕は、その当時のことを「霞が関「解体」戦争」という本に書いてまとめて、記録残してあるんですが。二〇〇七年から始めた第二次の分権改革ですね、これがその後、沙汰やみになっていくんですね。
それで、ちょっと資料見ていただきたいんですけれども、お配りした資料ですね、これグーグルトレンドというやつで、いわゆる、ある単語がどれだけ検索されたかというふうなことなんですけれども、地方分権という単語が二〇一二年以降ほとんど使われなくなっちゃった。つまり、この地方分権改革推進委員会が終わって地方分権という言葉が全く使われなくなった。つまり、これはもう霞が関の勝利だったんですね、結局は。もちろん、やれるところは全部やったんですけどね、これは。
そういうところで改革はちゃんと続けていかなければいけないんですけれども、二〇一一年に最初の地方分権一括法が成立して、二〇一三年に地方分権改革有識者会議というのができた。これが今続いているわけですね。
こういう会議は、大したことが、成果出ていないんですけれども、これから先どうなるかということで、そのときに、僕、地方分権改革委員会の、この分権という言葉がトレンドじゃなくなった後、前の、その最初の、二〇〇七年の「地方分権改革推進にあたっての基本的な考え方」、ここに、この一番最初の行のところに地方政府という言葉使っているんですね。自治行政権、自治財政権、自治立法権を有する完全自治体を目指すと、こういうふうにうたっているんですね。国の在り方、国の形そのものに関わる重要な政治改革であると。こういう国の形を変えるための地方分権委員会だったわけです。それが、その後、骨抜きになっていくんですがね。
ここで大事なのは、先ほどから大臣も地方公共団体、団体って、団体、団体って言葉を何度も使うが、なるべく使わないようにした方がいいと思う。なぜかというと、憲法九十二条から九十五条まで地方自治と項目がありますよね、御存じのように。そこで、地方公共団体という、そういう主語になっている。これは地方自治体とすべき主語なんですね。これは、GHQがそうしようとしていたら、内務省の役人が最後にこそっと字入れ替えた、こういうことがあって。団体じゃないでしょう。それぞれが選挙で選んだ首長がいる、そして議員がいる、それを団体だと、公共団体って言い方がもうおかしいわけ。だから、なるべく使わないようしていただきたいなということで、次に行きますがね。
さてと、今度は、それからどうなったかというと、二〇一四年に提案方式とかいろんなのができていって、地方自治体の提案に基づく個別具体的な義務付け、格付の見直しが行われてきたわけだけれども、構造改革の議論というのは行われなくなったということですね。
今、国が法令で自治体に策定を求める行政計画がこの十年間で一・五倍に増えています。僕が委員だった地方分権委員会の第二次勧告は二〇〇八年の十二月八日に出したんですが、その中で義務付け、枠付けの見直しが勧告されて、それにもかかわらず、十五年後の現在、行政計画は、行政計画を作れってやつね、増加の一途をたどっている。昔の機関委任事務が廃止になったのに、その代わりに、代わりに自治体に計画を作らせて、その作成を条件として財政支援を行うと。これは国が地方を誘導するような意図で、行政計画が増加続けているわけですよ。
このように、行政計画が増えて国の自治体への関与が強化されることは、地域の自主性を高めるという地方分権一括法の趣旨に反するのではないかと。岡田大臣、答弁お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/78
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079・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答えする前に、先ほどの地方公共団体という言葉について御教示をいただきました。私も、この国会に来て、霞が関のお役人が地公体、地公体ということを言って、最初何のことかなと思って、あっ、なるほど、地方公共団体の略称かと思ったこともございました。我々は県議会におりました頃から自治体というふうに思ってきたわけでありますが、そういう歴史的な経緯があったということを御教示いただきまして、もう一度その意味を考えてみたいと、このように存じました。
特定の、今の御質問に対するお答えでございますが、特定の政策目的を実現するために、それぞれの法令において計画的に行政を推進することを定めること自体、必ずしも否定さるべきものではございませんけれども、しかし、猪瀬委員御指摘のように、計画策定を求めることが積み重なって自治体における過重な事務負担をもたらすということは、これは地域の自主性、自立性を高めるという地方分権の方向性とは相入れないものと考えてございます。
したがって、この三月三十一日に閣議決定をいたしましたナビゲーションガイドは、こうした問題意識の下、各省に対して効率的、効果的な計画行政の進め方を示すものでありまして、政策目的に応じた計画以外の手法の検討などによる新規の計画の抑制、そして既存計画の定期的な見直しを行って、地方の事務負担の軽減や地方の自主性、自立性の向上を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/79
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080・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 昨年の六月に閣議決定された骨太の方針において、計画策定の義務付けは必要最小限とし、努力義務やできる規定ってやつですね、何々ができるという、できる規定をできるだけ新設しないと明示されました。
その結果、どれほどの計画の廃止が進んだのかというと、たったの一件です。他の計画との一体化などは二十八件あり、具体例としては、がん対策推進計画や循環器病対策推進計画、同じようなもので、これ医療計画として統合できるようになると。当たり前のことですよ、これは。がん対策も循環器病対策も、どっちも医療の一部ですからね。それをわざわざ別個に計画作成したわけなんで、統合するのは当たり前なんだけど。もう一つ、地震防災緊急事業五箇年計画は国土強靱化計画と一体的に作ると、これも同じこと言っているだけですね。
具体的な事例がこの程度では廃止や統合が進んでいると到底言えないんじゃないかと。今後に向けた具体的な数値目標はあるのかどうか、これ参考人かな。(発言する者あり)はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/80
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081・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) はいは私が言います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/81
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082・加藤主税
○政府参考人(加藤主税君) お答え申し上げます。
計画数、ナビゲーションガイドを受けまして、今後の数値目標のお尋ねでございました。
数値目標でございますが、今後、ナビゲーションガイドの実効性を確保するための取組の在り方につきましては、数値目標の設定の適否も含めまして、地方分権改革有識者会議の知見もいただきながら検討を進めてまいりたいと、現在はこういう段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/82
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083・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 検討だけじゃ分かんないよ。ないの、それは、数値目標は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/83
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084・加藤主税
○政府参考人(加藤主税君) 現在はまだ、数値といいますか、具体的な数値目標というふうなものは持っておりません。その点も含めまして議論をしていくというふうなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/84
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085・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 内閣府としては骨太の方針どおり廃止や統合を進めて計画策定の数を減らしていきたいが、計画を作ったら各省庁の抵抗に遭ってしまってなかなか進まないんじゃないかというのが実態なんじゃないでしょうか。
計画の基になっている法律が一度できると、なくならないことが原因で、例えば、過疎法は総務省、半島振興法や離島振興法は国交省、山村振興法は農水省と、こういうふうになっているんで、同じことを違う法律で定めているわけですね。
こういう霞が関の都合で自分たちの縦割りを押し付けて自治体に無駄な仕事を増やしている、こういうことなんですよ、大臣。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/85
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086・加藤主税
○政府参考人(加藤主税君) お答え申し上げます。
様々な計画が法律で設けられております。自治体からの御意見も伺いながら、私ども、なるべく似たようなもの、政策なり方向性、重複するものにつきましてはまとめることによる効率的なやり方等を提案させていただいておりますし、また必要性が低下したものについては廃止してもいいんじゃないかというふうな提案はさせていただいております。
ただ、それぞれの法令、所管する省庁等におかれましては、その法令の趣旨、その達成状況、必要性等につきまして私どもと議論する中で、今回の、今の段階におきましてはまだまだ必要だというふうな声も強いというふうな中で廃止というふうなことは少なくなっているというふうな事実がございます。
ただ、今後、既存の計画等も含めまして定期的な見直しを進めることによりまして、効率的、効果的な計画行政の在り方というふうなことを追求してまいりたいというふうなことでございまして、一歩進めまして閣議決定をさせていただいたというふうなところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/86
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087・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 何言っているか分からないでしょう、大臣、これ。だから、これはやっぱり政治家である大臣の主体性において動かしていかないと、いや、内閣府も必死でやっているんだけど、なかなかそれうまくいかないんですよ、政治力がないと。
まあそういうことで、次に行きますね。
地方創生臨時交付金と地方分権についてちょっと話するんですけれども、前回の委員会で取り上げた今年度も継続してとうとう四年目に入った地方創生臨時交付金、総額で十七・一兆円、うち自治体の自由に使える地方単独事業分だけで四・六兆円の巨額になっているわけです。ほかにも様々な名目で地方に金が注ぎ込まれてその財政は大きく改善したわけですが、このような地方自治体財政において国への依存度が高まることは地域の自主性を高めるという地方分権一括法の趣旨と相反しているのではないですかと、これは大臣にお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/87
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088・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
地方創生臨時交付金については、地域の実情に応じてきめ細かに対策を講じられるよう自由度の高い財源として措置したものでございます。
各自治体においては、本交付金を活用し、基本的な感染拡大防止や地域経済の下支えから昨今では物価高騰対応まで、自治体が財政上の不安なく様々な社会的要請に対応するために寄与してきたことと考えておりまして、自治体の自主性及び自立性を高めるという地方分権の方向性に基本的には合致するものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/88
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089・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 コロナ対策や地域経済の支援に使途が限られているとは言っているんですが、自治体によっては、以前は自主財源で行っていた事業をコロナ対策として臨時交付金の対象とすることでお金を浮かして、結果として財政が黒字化してしまったような事例も含まれているんじゃないかと思うんですね。
財政黒字化の前提が交付金頼みになってしまうと、止められなくなっちゃうんです、これ。臨時だったはずの交付金が恒常化するおそれがある。これは地方分権一括法の趣旨と違うのではないかと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/89
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090・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答えを申し上げます。
地方創生臨時交付金、新型コロナウイルス感染拡大防止とともに、その影響を受けている地域経済や住民生活の支援のために創設されて、昨今では、このコロナ禍に引き続く物価対応、物価高騰対応など、その時々の社会的要請への対応に活用されてきたと考えています。
自治体においては、この交付金による事業が呼び水になって、例えばキャッシュレス化やGIGAスクールなど、非接触による感染拡大防止とともに地域におけるデジタル技術の活用が促進されたと、こういう効能もあったというふうに認識しております。
もとより、この交付金は補正予算や予備費に基づく臨時の措置でありまして、今後は各自治体において今回の危機対応を通じて得られた知見を生かして、地域課題の解決と魅力の向上に主体的に取り組んでいくことが地方創生の観点から重要であると、このように考えているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/90
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091・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 今御答弁で地方公共団体という言葉使わなくなりましたので一つの進化だと思いますが、先ほど、二〇〇七年の地方が主役の国づくりという地方分権改革推進委員会の、先ほども言いましたけど、地方政府が、そういう地方政府という言葉があるんだという、これが大事なんで、地方自治、自治行政権、自治財政権、自治立法権、これはそれぞれ地方は持っていて、財源もちゃんと地方で、国が余計に持っちゃうと、仕送りする構造にならないように、地方がちゃんと自立して自主的に判断すれば行政経費も浮いてくるわけだし、そしてニア・イズ・ベターといって近くにあるものは近くの人たちが決めると、これは民主主義の原則ですからね。
そして、結局、だから僕が言いたいことは、地方分権改革有識者会議というのが今あるけれども、けんかしていないんですよ、ここは。組織や予算に絡むような抜本的な構造改革議論していないんです。微調整、ファインチューニングということです。そういう議論ばっかりしていて国づくりをどうするかという、そういう観点がないということを言っているんでね。かつての地方分権改革推進委員会のように、国の在り方、国の形そのものに関わる議論を是非していただきたいと。これは政治家の役割ですので、ひとつよろしくお願いいたします。
これで質問終えたいと思いますが、手を挙げていらっしゃるので、お答えいただいて終わりにします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/91
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092・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) この資料で、トレンドの時期があったけれども、今はそうではないということもお示しをいただきました。こうしたトレンドを生まれた、そういう御議論にも敬意を表すとともに、今地道に進めることが大切と思っておりますけれども、やがてまた新しい山ができてトレンドを生むように、しっかりと議論を進めてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/92
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093・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 では、僕の質問はこれで終わりにします。どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/93
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094・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 続けます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/94
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095・芳賀道也
○芳賀道也君 国民民主・新緑風会の芳賀道也です。
この法案では、災害を受けた建物の罹災証明書の発行のため、固定資産税課税台帳に書かれた情報や課税のために情報入手した家屋の見取図、平面図などを参照できるという項目が災害対策法第九十条の二に追加されます。この罹災証明書の発行のための情報入手が地方税の守秘義務の例外になっています。
さて、資料一ページを御覧いただきたいのですが、守秘義務を定める地方税法第二十二条では、どのような条件に当てはまる場合に守秘義務違反となるか、詳しく詳細に書かれています。
そこで、憲法第三十条と第八十四条に言う租税法律主義の観点から見ても、地方税法の守秘義務の例外については、地方税法二十二条に、ただし、ほかの法律によって守秘義務の例外とされているものについては地方税法第二十二条を適用しないという趣旨の文章を加えて、地方税法としてより明確にすべきだと考えますが、総務省の御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/95
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096・鈴木清
○政府参考人(鈴木清君) お答えをいたします。
地方税の調査や徴収に関して知り得た情報につきましては、公にされている情報を除き、原則として地方税法第二十二条に規定する秘密に該当し、その情報を他の部局や他の地方団体に情報提供することはできません。
一方で、他の部局等が個別の法令の規定に基づきまして地方税務情報の提供を依頼する場合の取扱いにつきましては、個別具体の状況に応じ、全体としての法秩序の維持の必要性等を総合的に勘案し、保護法益間の比較考量を慎重に行った上で、情報提供が必要と認められる場合に必要な範囲で情報の提供を応じることが適当とされています。
したがいまして、原則として、地方税務情報の提供の可否が慎重な個別具体の判断の下で行われることになりますことから、個別の法令に情報提供に関する規定が置かれることをもって直ちに守秘義務が解除されるものではないため、御指摘のような地方税法第二十二条の改正を行うことは困難と考えております。
なお、個別の法令に情報提供に関する規定が置かれる場合には、どのような場合に地方税務情報の提供が可能となるのかなど、その解釈や情報の取扱い等を地方団体に通知でお示ししており、災害対策基本法の改正案に基づく取扱い等につきましても同様にお示しをしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/96
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097・芳賀道也
○芳賀道也君 これ、いわゆる災害のときに、罹災証明などが手に入るように、スムーズになるということはいい改正だなと思っていたんですが、今の御答弁を聞きますと、結局、一々これはその守秘義務に当てはまるのか、個別の自治体が判断してから行われるということなのでしょうか。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/97
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098・鈴木清
○政府参考人(鈴木清君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、災害対策基本法の当該規定に基づきます情報提供が行われました場合にどのように情報を提供していくのか、そういったことにつきましては、内閣府とも調整をいたしまして、地方公共団体の皆さんには通知で明らかにお示しをさせていただきたいと思います。
そのようなことで、迅速な罹災証明の発行、そういったことが地方税法の守秘義務とのバランスにおいて実施ができるようにというようなことで取り組んでまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/98
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099・芳賀道也
○芳賀道也君 しっかり書き込んでいただければそんな心配がなくなるのではないかということで質問をさせていただきましたけれども、せっかくの法改正がしっかりと生きるように、実際に、では、通知の面で市町村が迷ったりそごが起きないように、しっかりとした通知をお願いしたいと思います。
また、自治体の職員の方のお話を伺うと、守秘義務、特に税の守秘義務は守らないといけないと初任者研修でもOJTでも厳しく言われるのだといいます。そうであれば、地方税法第二十二条にも例外があるとこの二十二条の中にはっきりと記しておけば、そうした懸念はなくなるのではないかと思います。そうした提案もしっかり受け止めていただいて善処していただければと思います。
次に、質問に関連して内閣府に質問をさせていただきます。
資料の二ページを御覧いただきたいのですが、今国会の地方税法の改正で、第七十三条の八の家屋の不動産取得税の課税での調査や、地方税法第三百五十三条、家屋の固定資産の市町村の課税調査に当たり、それぞれ建物を引き渡した者に資料の提出を求めることができるという規定が追加になりました。
災害時には、御自宅が流されたり火事で燃えたりして元々その家にあった書類もなくなっているケースも多く、建物の所有者が図面を持っていないことが想定されます。今回の法改正では、固定資産税の課税を行っている市町村の固定資産税課税台帳などから情報提供を受けることができるというものですが、実際にあった、東日本大震災では市町村役場が被災した例もありました。
そこで、地方税法の今回の法改正と同様に、災害時には建築業者など建物を引き渡した者に資料の提供を求めることができるというルールも災害対策法に追加した方がよいのではないかと考えるのですが、内閣府の御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/99
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100・五味裕一
○政府参考人(五味裕一君) 今回の災害対策基本法の改正におきましては、被害認定調査に当たり、固定資産課税台帳等の情報について自治体の内部での利用を可能とすることで、迅速、円滑な罹災証明書の発行を可能とするものでございます。
ただいま委員から、この度の地方税法に置かれた規定と同様の規定を災害対策基本法に置いてはどうかとの御提案ございました。
被害認定調査の迅速化につきましては、これまでも、内閣府やUR都市機構の職員による現地での調査支援や総務省の応急対策職員派遣制度による派遣などの人的支援を行うとともに、河川の氾濫などの場合に浸水深により住家の損害割合を算出する簡易手法の導入、航空写真等の活用などの取組を進めてきたところでございます。
御提案の施工業者等に図面の提出を求めることにつきましては、一定の時間を要し、迅速な対応の観点から課題もあるのではないかと考えておりますが、引き続き、自治体の声に耳を傾けながら被害認定調査の迅速化に取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/100
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101・芳賀道也
○芳賀道也君 せっかく前向きな改正が行われるわけですから、市町村役場も被災した例も現実にあるわけですので、より、せっかく改正するときですから、きめ細かに、細やかにそうしたケースにも対応することを求めたいと思います。よろしくお願いします。
以上で、総務省の方、内閣府防災の方、御退席をいただいて構いません。委員長、お取り扱いください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/101
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102・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 許可がありましたので、よければ。在席していただいても結構ですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/102
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103・芳賀道也
○芳賀道也君 報道にもあるんですけれども、マイナンバーやマイナンバーカードの国民が抱く感情として、情報流出のおそれがある、国や自治体が情報を悪用するおそれがあるという心配があります。
国として、今後マイナンバーカードやマイナンバーの利用を促進するためには、個人情報、特定個人情報、要配慮個人情報について、今後一層配慮や新たな法整備が必要ではないかと考えますが、今後の対応についての見通しを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/103
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104・尾崎正直
○大臣政務官(尾崎正直君) お答えをいたします。
本件、マイナンバー制度そのものとマイナンバーカードについて、この二つの側面からお答えをさせていただきたいと思いますが、まず、マイナンバー制度については、制度面及びシステム面で各種のセキュリティー対策を講じているところでございまして、まず、具体的には、マイナンバーを取り扱う者に対しては、情報が保護される仕組みになっているかを事前に確認する特定個人情報保護評価や、漏えい防止等の安全管理措置を義務付けているところでありますし、さらに個人情報保護委員会が必要な指導等を行うこととしております。
また、行政機関等の保有する個人情報について一元管理をしない仕組みとして、各行政機関等で分散管理をし、情報連携の際にも機関ごとにいわゆる異なる符号を利用するなどしております。結果、個人情報が芋づる式に抜き出せない仕組みとするなどして対応しているところです。
更に言えば、行政機関の間で利用者本人のマイナンバー制度に関わる情報照会、情報提供が行われました記録について各個人はマイナポータル上で確認できるようにするなど、透明性を持たせた制度にもしているところです。
次に、マイナンバーカードについてということでありますが、こちらは、マイナンバーカードのICチップに記録される個人情報については、券面に記載されている氏名、住所、生年月日、性別の四情報やマイナンバーなどの情報に限られておりまして、機微な個人情報はそもそも記録されていません。
さらに、マイナンバーカードを利用する場合には暗証番号が必要でありますけれども、これ一定回数間違えますとロックが掛かるようになっておりますので他人が勝手に使うことを妨げているわけでありますし、さらにICチップから情報を無理に取り出そうとするとチップが壊れる仕組みを採用するなどしておりまして、高いセキュリティー対策を講じております。カードの紛失、盗難等をもってマイナンバーカードにより利用しているサービスで管理している個人情報が流出するものではないと考えております。
先日、このマイナンバー法等の一部改正法案を国会に提出させていただきましたけれども、本法案によりましてこうした個人情報保護に配慮した仕組みが変わることはございません。
引き続き、個人情報保護に十分配慮した仕組みを維持しつつ、あわせて、この点をしっかりと広報、周知させていただくことで、マイナンバーやマイナンバーカードの利活用の一層の推進に取り組んでまいりたいと、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/104
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105・芳賀道也
○芳賀道也君 是非、新たな攻撃というようなこともこういう世界ではあるということですので、国民がより安心できるように、更なる改正とか法律が必要であれば機敏に対応していただきたいと思います。ありがとうございました。
次に、三月二十六日現在でマイナンバーカードの交付実施済数が六六・三%、有効申請受付数は七六・一%と伺っています。今後はマイナンバーカードの利活用を進めるフェーズに入っていくのではないかと思いますが、しかし国からマイナンバーカードの具体的な利活用に関する発言がまだちょっと弱いのではないか。例えば、民間企業の中には、いち早くマイナンバーカードの公的個人認証を利用したアプリケーションを事業展開している例もあります。
国として、より具体的にマイナンバーカードを活用した事業展開などのビジョンについてどのようなことを考えているのか、御教授いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/105
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106・村上敬亮
○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
先生御指摘いただいたとおり、マイナンバーカードの有効申請件数は九千六百万超えたということで、ますます利活用ということではないかと思います。
令和三年の段階で、健康保険証、薬剤情報、特定健診情報、医療費の情報の閲覧と、それからワクチン接種証明、大分、今年の確定申告のときにはかなりリテラシーがあって、軽易な還付の方には大分利便性を実感していただけたと思ってございます。
今年の五月には、アンドロイド携帯から始まりますが、カードの持っております本人確認機能、これが載ります。運転免許証との一体化、それからマイナンバーカードの国外利用、それから在留カードの一体化、この辺りも各省と具体的なスケジュールも含めて詳細をもう詰めるという段階に入ってきてございます。
また、デジタル田園都市国家構想交付金の方でも、約五百六十の新しい、例えば、避難所の受付管理に使う、投票所の受付管理に使う、いろいろな施設の受付管理にも使えれば、公共交通のパブリックの割引の認証にも使うと、大分具体的なケースが出てきておりまして、まだまだ、御指導いただいているとおり、それらに対する周知が足りない面がございますが、こうした具体的なケースが一つ一つ出てくることがまず何より重要ということでございます。
また、御指導いただきました民間事業者の部分でございます。現状でも、約四百四十の事業者が既にマイナンバーカードを、いろいろ、金融機関の申込みであるとか、ちょっとまだケースは少ないですが社員証にお使いをいただくであるとか、ケースは出てきておりまして、着実に使われておりますが、まだまだ知られていないという側面がございます。
関係各省会議等も開きながら、いろいろな省庁のお力も借りつつ、こうしたケースを広げていくということで、一生懸命、せっかくやらせていただきました電子証明書の利用の当面の無料化といったような、ないしは最新の住所情報を提供するといったようなサービスもこの五月に開始することにしておりますので、ますます民間の方にも御利用いただけるようにデジタル庁としても精いっぱい努めてまいりたいと、このように思ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/106
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107・芳賀道也
○芳賀道也君 一人に二万円配って、無理してせっかくこれだけ普及を進めたわけですから、それが宝の持ち腐れにならないように是非お願いをいたします。
次に、デジタルトランスフォーメーション推進について、今の質問ともちょっとかぶる部分もあるんですが、地域の業者や行政が一体となって進めている事業もあるんですが、その貴重な成功体験が国から余り情報発信されていないようにも見受けられます。国として、今後、地方の一般企業に向けたデジタル化の対応についてビジョンのようなものがあれば、ビジョンがあれば教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/107
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108・佐脇紀代志
○政府参考人(佐脇紀代志君) お答えいたします。
デジタルトランスフォーメーションを含めました地方のデジタル化、デジタルの力を使った地方創生の加速化、深化につきましては、昨年十二月にデジタル田園都市国家構想総合戦略を閣議決定いたしまして、その中で様々な分野においてデジタルトランスフォーメーション推進のための取組を盛り込んでございます。
例えば、中小・中堅企業のDXの推進ということでございますと、地域の産学官の専門家、それから地域の金融機関による支援体制を全国に構築いたしまして、経営人材、専門人材確保のための支援を行うことなどをしておりまして、それによりまして地域経済を牽引する中小・中堅企業の生産性を年二%以上向上させようという国の方針を書き込んでおりますし、また中山間地域なども対象にしたDXに関するビジョンも書いてございますが、農林水産業の仕事づくりを軸といたしまして、教育・文化、医療・福祉、物流など、様々な産業分野と連携しながら、地域資源やデジタル技術を活用して社会課題解決に取り組む「デジ活」中山間地域というものを提唱してございまして、二〇二七年度までに百五十地域以上にしていくというようなことも盛り込んでございます。
こういった戦略に基づきまして、関係府省が連携してサポートし、優良事例を生み出すとともに、議員御指摘のような企業の皆様方の取組も含めまして、しっかり優良事例を広報、周知しながら進めてまいりたいというふうに思ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/108
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109・芳賀道也
○芳賀道也君 是非、最後にありました、こういう例がいいという発信をしていただくと、それをまたモデルにして様々な取組が出てくると思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
次に、地方自治体の情報システム標準化では、標準化二十業務のソフトを組めるのは東京に本社を置くような大手の有力なITベンダーばかりになるのではないか、もちろんガバメントクラウドに載せる標準化業務のプログラムがゼロから組める有力な企業は東京以外にもあるかもしれませんが、数は限られているのではないか、これまで各地で自治体のIT支援をしていた中小のITベンダーでは、自治体の情報システムの設計や受注、メンテナンス、更新というような業務、これができなくなってしまうのではないかという心配があります。これが全部東京にある大手ベンダーに取られてしまい、各地の中小ITベンダーが消えてしまうおそれもある。地方自治体のシステム標準化で、大都市の一極集中やウイナー・テークス・オール、勝者総取りがますます進むのではないかという地方には懸念があります。
各地の地方都市の商店街がシャッター街となって、大手のチェーン店や大型ショッピングセンターが席巻しているように、ITの世界でも、大手ベンダーなど一部のITベンダーが標準化業務のソフトを全国の自治体に提供することで、ますます地方都市や農村からITに関するお金も吸い上げる仕組みができるのではないか、できてしまうのではないか。情報もお金も中央政府や大都市に吸い上げられることで、デジタル田園都市という看板ですが、実際はデジタル中央集権国家ができ上がってしまうのではないか。こんなことになったら地方はたまらないという思いがあるんですけれども、是非、大臣政務官の御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/109
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110・尾崎正直
○大臣政務官(尾崎正直君) お答えをいたします。
地方の中小のベンダーにおいては、やはり、地方の中小のベンダーならではのやはり強みがあるんではないかと、そのように考えられるところです。各地域において、地方自治体と構築している顔の見える関係があるわけでありまして、これを是非生かしていただいて、地方公共団体の標準準拠システムを構築する中にあっても、例えばデジタル化の前提となる業務改革をきめ細やかにサポートするとか、そういうことを通じた強みを是非発揮をしていただきたいものだと、そのように考えておりますが。
更に言わせていただければ、今後、ハード、ソフト両面において、基幹業務システムの設計、開発、メンテ、こういう仕事というのはいわゆるこれからベンダーのリソースそのものとして軽減されていくことになりますでしょうけれども、他方で、標準化対象事務以外の業務に係るアプリケーションの開発だとか、高齢者を含めた多くの住民へのデジタル活用支援だとか、こういうものにより注力することが可能になってくる、いわゆる新しい領域を開いていくこともできるはずだということであります。
更に言わせていただければ、今後はガバメントクラウドの上にいろんなシステムが載っかっていくことになりますので、その中小のベンダーさん、地方のベンダーさんが開発した自社開発のアプリというのを一挙に全国展開することも可能になってくるということでありまして、販路の拡大にも資するということも考えられようかというふうに考えるところでございます。
是非、地方の社会課題を成長の原動力とするというデジタル田園都市国家構想の理念にもかなうものとしていかなければならないと考えるところでございまして、是非、今後地方の中小ベンダーとのヒアリングなども重ねさせていただきたいと考えております。
いずれにしても、デジタル関係の業務はむしろ世の中全体としてパイが拡大してまいりますので、是非その機会を地方の皆様にも生かしていただけることとなりますように取り組んでまいりたいと、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/110
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111・芳賀道也
○芳賀道也君 是非、デジタル田園都市構想と、看板に偽りありということにならないようにお願いします。
時間ですので終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/111
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112・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) それでは質疑を続けます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/112
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113・伊藤岳
○伊藤岳君 日本共産党の伊藤岳です。
法案は、住民基本台帳法の改正により、土地所有者等の探索や土地使用権の申請のための住民票の確認など、住基ネットワークの活用を拡大をします。
岡田地方創生担当大臣にお聞きします。
二〇二二年度の提案募集ではデジタルを重点募集テーマとしています。住基ネットワークの活用の拡大については、昨年の第十二次地方分権一括法では三法律、本法案では八法律が対象となっています。そのほかではどのような分野で提案が出ているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/113
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114・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答えを申し上げます。
住民基本台帳ネットワークシステムなどのデジタル技術の活用により、住民の負担軽減や自治体の業務の効率化、簡素化を図ることは住民サービスの向上につながり、地方分権改革においても重要と考えております。
こうした観点から、今御指摘がありましたデジタル、すなわち情報通信技術の活用を令和四年の地方分権改革に関する提案募集における重点募集テーマとし提案を募ったところ、住民基本台帳ネットワークシステムの活用を求める提案はこれまでに十数件いただいており、第十二次一括法及び第十三次一括法案において改正の対象となったもののほか、例えば公営住宅家賃の徴収に関するものあるいは戸籍関係事務に関するものがございます。
デジタル活用によって地方の業務を効率化、簡素化できる事案はほかにもあると考えており、引き続き、地方の実情や支障をしっかり伺った上で、地方からの提案の実現に向けて取り組んでまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/114
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115・伊藤岳
○伊藤岳君 総務省にお聞きします。
森林法、森林管理経営法に係る事務処理を住民基本台帳法別表に追加して住基ネットワークの活用を拡大することになります。
森林法、森林管理法、あっ、森林管理経営法のどのような事務処理について別表に追加するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/115
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116・三橋一彦
○政府参考人(三橋一彦君) お答えいたします。
今回の地方分権一括法案におきましては、住民基本台帳法の改正によりまして、住民基本台帳ネットワークシステムを利用できる事務に、所有者不明土地法に基づく土地所有者の探索等に関する事務など、計八つの法律に基づく事務を追加することとしております。
このうち、お尋ねのありました森林法に基づく事務は、森林法第百九十一条の四第一項に基づく林地台帳の作成に関する事務でございまして、また、森林経営管理法に基づく事務は、同法第四条第一項に基づく経営管理権集積計画の策定や、作成や、同法第五条に基づく経営管理意向調査の実施、また同法第十条に基づく不明森林共有者の探索に関する事務などでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/116
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117・伊藤岳
○伊藤岳君 今お話のあった森林経営管理法における森林経営権の集積というのは、森林所有者に対して新たに適時に伐採、造林及び保育を実施する責務を負わせ、その責務が果たせない所有者の森林には市町村が経営管理権を設定して集積し、利益の出る森林は経営規模の拡大を目指す林業経営者に経営管理の実施権を渡して、経営の成り立たない森林は市町村が自ら経営管理するとされています。こうした森林経営権の集積のために住基ネットワークを活用することは反対であります。
大臣にお聞きしたい。
この森林所有者を明確にすることは当然必要なことだと思いますが、森林法に基づく林地台帳の作成、更新で可能ではないかと思うんですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/117
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118・三橋一彦
○政府参考人(三橋一彦君) 今回、分権一括法の提案におきましては、地方団体からの提案に基づきまして、今お尋ねの経営管理集積計画の作成などにつきまして、市町村の事務の簡素合理化に係る観点から、最新の、所有者の住所の最新の情報を入手するために提案があって、今回法改正に至ったものというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/118
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119・伊藤岳
○伊藤岳君 提案があったのは分かるんですが、林地台帳の作成、更新で可能だと思うんですね。
それでは、住民基本台帳法に関連してお聞きしたいと思います。
三月の二十七日に、横浜市が行うコンビニ交付において、別人の住民票などが発行される事案が発生しました。この事案の概要、誤発行の件数ですとか経過、原因など、横浜市から総務省への報告内容、二十九日にシステム再開に当たっての横浜市の判断根拠、総務省としての確認の経緯など、説明していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/119
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120・三橋一彦
○政府参考人(三橋一彦君) 総務省におきましては、住民基本台帳やマイナンバーカードに関する事務につきまして、緊急事案の報告要領を定めまして、市区町村において個人情報の漏えいや不正、不適切な取扱い等に該当する事案が発生した場合には、都道府県を経由して直ちに総務省の担当課へ報告を行うことを求めているところでございます。
お尋ねの事案につきましては、住民基本台帳に関する個人情報の漏えいであり、当該要領に基づく緊急事案に該当し、横浜市からも報告を受けているところでございます。
横浜市からの報告によりますと、三月二十七日にコンビニエンスストアでの証明書交付サービスで別人の証明書が交付されるという事案が発生したため、その後、同日中にサービスを停止し、再発しないよう必要なシステム上の対応を行った上で、二十九日にサービスを再開したものというふうに伺っております。
また、本事案の原因につきましては、横浜市が管理しております証明書発行サーバーにアクセスが集中した際に誤ったプログラム処理が生じ、証明書データの取り違いが発生したものと伺っております。実際に誤って交付された証明書の件数につきましては十件十八人と報告を受けておりまして、誤交付された証明書につきましては、横浜市において、個別訪問の上、全て回収されたものというふうに聞いております。
総務省といたしましては、事案発生以降、関係者から詳細な原因や再発防止策についての確認を随時行ったところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/120
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121・伊藤岳
○伊藤岳君 横浜市の再開に当たっての判断根拠というのは説明がなかったように感じるんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/121
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122・三橋一彦
○政府参考人(三橋一彦君) 横浜市におきましては、本事案の原因につきまして、証明書発行サーバーにアクセスが集中した際に誤ったプログラム処理が生じてデータの取り違いが発生したものということでございましたので、それが再発しないようなシステム上の対応を行った上で、二十九日にサービスを再開したものというふうに伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/122
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123・伊藤岳
○伊藤岳君 中川総務政務官にお聞きします。
この事案は、総務省が、ヒューマンエラーによる住基台帳の記載情報の漏えいや不正、不適切な取扱いの防止、そして緊急事案に対する対応などのために都道府県、市町村と連携して行っている住民制度課所掌事務に係る緊急事案の報告に該当するものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/123
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124・中川貴元
○大臣政務官(中川貴元君) 総務省におきましては、御指摘の緊急事案の報告に関する要領に基づき、これまでも、自治体における住民基本台帳等に関する個人情報の漏えいや不正、不適切な取扱い等について速やかに報告をしていただくとともに、必要な対応を行ってまいったところでございます。
本事案を受けまして、サービス利用数の増加に伴い証明書発行要求が大量に生じた場合の処理や誤発行が生じかねないプログラムなどの確認すべき課題が把握をされたところでもございます。このため、地方公共団体情報システム機構、J―LISにおいて、地方公共団体が証明発行サーバーを委託している環境事業者に対し、システムの点検や利用者数の急増への対応を図るよう要請を行いました。さらに、関係事業者を集めた会議を開催し、総務省、デジタル庁及びJ―LISから改めてシステムの点検等の対応の徹底を要請したところでございます。
自治体が情報システムの運用を事業者に委託する場合につきましては、当該自治体において情報セキュリティー対策を確実に実施していただくことが重要と考えますが、総務省におきましても引き続き必要な対応に努めてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/124
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125・伊藤岳
○伊藤岳君 緊急事案の報告に該当するということだと思いますが、こうしたコンビニ交付での別人の住民票が発行される、このケースは初めてですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/125
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126・三橋一彦
○政府参考人(三橋一彦君) 私どもが承知している限り、このような報告を受けたのは横浜市が最初のケースということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/126
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127・伊藤岳
○伊藤岳君 三月二十七日十一時四十分頃に住民から、コンビニ交付サービスで別人の住民票等が出力されたという連絡が四件あった。午後二時にサービスを停止した。二日後の二十九日午前六時三十分にサービスの提供を再開しています。
これまでの緊急事案の報告では、自治体の職員が市町村、都道府県を通じて報告し、総務省が掌握してきたと思います。ところが、今回のようなコンビニ交付の場合、住民からの連絡なければ、若しくは、あるいは連絡が大きく遅れれば、より多くの誤交付が繰り返されることになるんではないかと思いますが、総務省、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/127
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128・三橋一彦
○政府参考人(三橋一彦君) 私ども、横浜市からまさに報告を受けております。これは、私ども、この住民基本台帳制度に基づく、住民基本台帳制度の下で緊急報告事案の報告要領を定めて、自治体から報告を受けているものでございます。
今回の事案につきましても、三月二十七日にコンビニエンスストアでの別人の証明書が交付されるという事案が発生し、それを横浜市で覚知して直ちに私どもの方に神奈川県を経由して報告をいただいたものというふうに理解をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/128
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129・伊藤岳
○伊藤岳君 つまり、今回のような、横浜市のように、自治体のサーバー情報からシステムに異常が生じた時点にまで遡って、連絡があった以外の誤発行事案についても誤交付の内容を追跡して対処することはできると思います。しかし、申出待ちでしか把握できないんですよね。今言われたように申出待ちなんです。
今回のシステム障害を富士通が、ほかの自治体、これ足立区、世田谷区、宮崎市などに連絡をして、これらの自治体にもサービスの提供を停止していると、これ富士通Japanのホームページに記載されています。
総務省に聞きたいと思います。こうした経過、総務省もつかんでいらっしゃいますか。それに対して総務省はどのように助言や指示なりされたんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/129
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130・三橋一彦
○政府参考人(三橋一彦君) お答えいたします。
横浜市におきまして御指摘の事案が発生いたしましたので、そのサービスを実施している、横浜市が委託している事業者におきまして、同様のシステムを持っているところに対しまして、点検をするためにそのような措置を講じたものというふうに理解をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/130
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131・伊藤岳
○伊藤岳君 報道では、富士通は、コンビニ交付サービス、富士通ミックジェットを導入している自治体数などを未公表としています。対応は富士通Japan次第、業者次第ということになるんだと思うんですね。
住民制度課所掌事務に係る緊急事案の報告は、総務省と都道府県、市町村との間で運用され、職員による住民基本台帳の個人情報の漏えい、不正、不適切な取扱い等の事案の防止、緊急事案に対する対応、そしてフォローアップなどを行ってまいりました。
ところが、今回のコンビニ交付の誤発行のように、契約等によって行われるコンビニ交付における個人情報の漏えい事案に対する課題は改めて洗い出して対策を検討していく必要があるのではないでしょうか。中川政務官、見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/131
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132・中川貴元
○大臣政務官(中川貴元君) 先ほどもお答えをさせていただきましたとおり、本事案を受けまして、サービス利用数の増加に伴い、証明書発行要求が大量に生じた場合の処理ですとか、あるいは誤発行が生じかねないプログラムなどの確認すべき課題が今回把握をされたわけでございます。
こうした中において、J―LISにおきまして、地方公共団体が証明書発行サーバーを委託している関係事業者に対しまして、システムの点検あるいは利用者数の急増への対応を図るよう要請を行ったところでございます。そしてさらに、関係事業者を集めた会議を開催をさせていただき、総務省、デジタル庁及び地方公共団体情報システム機構、J―LISから改めてシステムの点検等の対応の徹底を要請したところでもございます。
自治体が情報システムの運用を事業者に委託する場合につきましては、当該自治体において情報セキュリティー対策を確実に実施をしていただくことが重要であるというふうに考えておりますが、総務省におきましても引き続き必要な対応に努めてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/132
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133・伊藤岳
○伊藤岳君 検討が求められていると思います。よろしくお願いしたいと思います。
次に、現行の健康保険証の廃止について伺います。
保険証の廃止に伴う高齢者施設等への影響調査を全国保険医団体連合会が実施をしました。その結果、一昨日、十二日に公表されました。四十二都道府県の高齢者施設、介護施設等を対象に千二百十九施設から回答が寄せられています。
資料をお配りいたしました。利用者、入所者の健康保険証の管理について、管理していると回答した施設は八三・六%に上ります。つまり、圧倒的多数の施設で利用者、入所者の健康保険証を管理しているというのが実態です。
大串デジタル副大臣、老健、特養施設などでは利用者、入所者の健康保険証を管理しているという実態がある、これ当然認識されていますよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/133
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134・大串正樹
○副大臣(大串正樹君) その管理の実態につきましては認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/134
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135・伊藤岳
○伊藤岳君 保険証の廃止に伴ってマイナンバーカードを申請しなければなりません。その場合、施設利用者、入所者の多くは代理申請を必要とする方々です。資料の、次に移りますが、利用者、入所者のマイナンバーカードの代理申請について尋ねたところ、対応できると回答した施設は、全体の施設中、僅か六・五%にすぎませんでした。要介護高齢者はこのままではカードが取得できないということになります。
大串副大臣、健康保険証の廃止は、要介護高齢者などマイナンバーカードの取得に困難を伴う方々や、こうした方々を今現在日々支えている施設関係者に重大な影響を及ぼすのではないでしょうか。同連合会は、現場では怒りが渦巻いていると記者会見で述べられています。
こうした現場の声を受けても、それでも保険証を廃止するというんでしょうか。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/135
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136・大串正樹
○副大臣(大串正樹君) マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関しましては、昨年十二月より、デジタル庁、総務省、厚生労働省で検討会を開催いたしまして、高齢者施設、関係団体を含む関係者から広くヒアリングも実施しつつ、必要な対応について検討を行っておりまして、本年二月、中間取りまとめを公表したところでございます。
この中間取りまとめでは、施設職員や支援団体等に申請、代理交付等の支援についての協力を要請することとした上で、それぞれの施設等の本来業務に配慮したマニュアルを作成、普及することや、申請の取りまとめや代理での受取に対する助成を行うことなどを盛り込んでおります。
また、代理で市町村窓口に行くのは難しいといったケースにも対応するため、市町村が介護福祉施設等に出張して申請を受け付けるといった体制の整備も推進することとしております。
また、カードの管理が困難な方がいらっしゃるという御指摘もあろうかと思いますが、施設の入所者などにも、御本人の過去の医療保健情報に基づいた医療を受けていただく機会を保障する必要があると考えているところでございます。そのため、そうした方のマイナンバーカードの管理の在り方の留意点等を整理するなど、施設、入所者の双方が安心してマイナンバーカードを管理できる環境づくりを推進することとしております。
引き続き、関係者の御意見や御要望を丁寧に伺い、健康保険証との円滑な一体化に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/136
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137・伊藤岳
○伊藤岳君 デジタル庁は、これまでも検討すると弁明してきました。しかし、今日アンケート示したように、それでも、検討した結果、デジタル庁の方針では対応できないと言っているんです。保険証の廃止に突き進むのは許されないと思います。
マイナンバーカードが取得できたとしても、先ほど紹介したように、圧倒的な施設がマイナ保険証の管理を迫られることになります。
資料の二枚目になります。
利用者、入所者のマイナンバーカードの管理、暗証番号を含むについて、管理できると回答した施設は僅か六・〇%でした。カード管理ができない理由は、カード、暗証番号の紛失時の責任が重いが九一・一%、カード、暗証番号の管理が困難が八三・八%などなどです。
副大臣、特養、老健を支える現場の施設はカード管理は無理だという結果です。どう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/137
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138・大串正樹
○副大臣(大串正樹君) 先ほども御説明いたしましたけれども、マイナンバーカードの管理の在り方の留意点などを整理しながら、施設、入所者の双方が安心してマイナンバーカードを管理できる環境づくりを推進するようにということで、中間取りまとめでも報告をさせていただいております。
そういった御意見もこれからもしっかりと受け止めながら、円滑な一体化に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/138
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139・伊藤岳
○伊藤岳君 ですから、何度も言うように、そのデジタル庁の方針、対応ではできないと言っているんです、圧倒的な施設が。
保険証の廃止は、本当に医療や介護が求められる人たちが受診若しくはケアから疎外される間違った事態になっていっています。
全国保険医団体連合会は、実印と同じ機能のあるものを管理することに、このカードですね、実印と同じ機能のあるものを管理することに施設側は負担を感じている、本来取得は任意だったはずのマイナンバーカードに、よりによって健康保険証をひも付けてその保険証を廃止するという政策は、施設管理者や利用者、その家族をただただ苦しめるだけだ、こう述べています。
この現場の声を真摯に受け止めるならば、健康保険証は残すというのが真っ当な政治の判断ではないでしょうか。それとも、施設や要介護高齢者の苦悩に追いやるというんでしょうか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/139
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140・大串正樹
○副大臣(大串正樹君) 健康保険証を廃止するという話でございますけれども、皆様にマイナンバーカードで受診していただくことで、患者本人の健康、医療に関する多くのデータに基づいたより良い医療を受けていただくことが可能になるなど、カードと健康保険証の一体化には多くのメリットがございます。
こうしたことを踏まえて、来年秋に健康保険証を廃止することを予定しているというものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/140
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141・伊藤岳
○伊藤岳君 申し上げているのは、対応できない人もいるんだから現行の保険証の仕組みを残したらどうですか、そうすればいろんな混乱招かないでしょうと聞いているんですよ。
健康保険組合からは次のような悲鳴も上がっています。私の地元埼玉県の埼玉土建国保組合ではシステム改修に八億円の費用を要したということです。これ、マイナ保険証に対応するためのシステムです。この埼玉土建国保組合が加盟する全建総連の中には二十二の健保組合があるそうですが、うち二十組合はシステム改修はこれからだそうです。それぞれの二十組合が数億円の費用をこれから要することになる。頭抱えていらっしゃいます。
副大臣にお聞きします。
これも保険証を残せば済む話ではないですか。健康保険制度を現場で担い支えてきた健康組合を潰すことになりますよ。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/141
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142・大串正樹
○副大臣(大串正樹君) マイナンバーカードと健康保険証の一体化を行うことで、患者には過去の医療保健情報に基づいた医療を受けていただけるメリットがございますけれども、健康保険組合を含む保険者におきましても、オンライン資格確認等のシステムの導入によって最新の保険資格情報が確認できるようになったことで請求誤りが減少してきております。また、健康保険証が廃止されれば、その発行事務が軽減されるなど、事務負担が軽減されるメリットがあるというふうに認識しております。
御質問いただいておりますようなマイナンバーカードと健康保険証の一体化に伴う保険者のシステム改修につきましては、令和四年度第二次補正予算におきまして、各保険者が所要のシステム改修を行うための費用を確保したところでございます。また、資格確認書の発行が新たに必要となりますけれども、これについても、現行の健康保険証の発行システムに最小限の改修を行うことなどにより効率的に対応可能であるというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/142
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143・伊藤岳
○伊藤岳君 数億円の費用が掛かるということに対しては何の対策もないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/143
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144・大串正樹
○副大臣(大串正樹君) 先ほど申し上げましたように、令和四年度の第二次補正予算におきまして、そのための、システム改修を行うための費用を確保したところでもございます。その点につきまして、詳細な具体的な対応につきましては厚生労働省にお尋ねをいただければというふうに存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/144
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145・伊藤岳
○伊藤岳君 一番の対策は、保険証を残すことだと思います。保険証を廃止してマイナンバーカードと一体化することをごり押しすべきではない、このことを強く訴えて、質問終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/145
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146・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/146
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147・伊藤岳
○伊藤岳君 私は、日本共産党を代表して、第十三次地方分権一括法案に対する反対討論を行います。
本法案は、提案募集方式に基づき地方自治体に対する義務付け、枠付けを見直すため、七関係法律の改正を一括して行うものです。
二〇二二年度の提案募集では、計画策定等とデジタルが重点募集テーマに設定されてきました。我が党は、社会保障分野などにおいて住民サービスの利便性の向上や行政手続の適正な遂行につながる改正内容には賛成するとともに、地域住民の命や安全、健康を脅かしたり、個人情報の漏えいなど人権侵害につながる見直しなどには反対をしてきました。
本法案には、市町村が森林経営権を集積するために住基ネットワークを利用する住民基本台帳法改正案、公立大学の業務効率化について数値を含めた客観的指標の記載を求める自治体リストラの推進につながりかねない地方独立行政法人法の改正案が含まれています。
また、戸籍法の改正案は、二〇一九年改正で創設し、二三年度末に稼働予定の戸籍情報連携システムについて、本人等については本籍地以外の市町村へ戸籍謄本等の請求が可能となるとしていたものを、さらに市町村の事務担当部局が同一市町村の戸籍担当部局に公用請求を行い、戸籍情報連携システムを利用して戸籍情報を取得できるとするものです。戸籍は個人のプライバシーに関する核心的な情報です。重大なプライバシー侵害の危険性を払拭できない戸籍情報連携システムの運用そのものに反対であり、このシステムの利用を更に拡大する改正案は認められません。
これらが盛り込まれている本一括法案には反対であります。
なお、災害被災者の住家被害認定の迅速化に寄与する災害対策基本法の改正案、建築主事資格者の受検機会の拡大、建築副主事の新設によって建設確認関係事務に携わる人員を確保する建築基準法の改正案、交通安全対策基本法改正案、認定こども園法改正案には反対するものではありません。
以上述べて、反対討論といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/147
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148・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案につきまして賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/148
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149・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/149
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150・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00620230414/150
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