1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年四月二十一日(金曜日)
午後一時開会
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委員の異動
四月十九日
辞任 補欠選任
加藤 明良君 浅尾慶一郎君
四月二十日
辞任 補欠選任
猪瀬 直樹君 石井 苗子君
四月二十一日
辞任 補欠選任
石井 苗子君 猪瀬 直樹君
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出席者は左のとおり。
委員長 鶴保 庸介君
理 事
三宅 伸吾君
山田 太郎君
杉尾 秀哉君
平木 大作君
委 員
浅尾慶一郎君
越智 俊之君
友納 理緒君
長谷川英晴君
船橋 利実君
山本 啓介君
山本佐知子君
小沼 巧君
岸 真紀子君
上田 勇君
石井 苗子君
猪瀬 直樹君
柳ヶ瀬裕文君
芳賀 道也君
伊藤 岳君
山下 芳生君
国務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(地方創
生)) 岡田 直樹君
副大臣
内閣府副大臣 和田 義明君
厚生労働副大臣 伊佐 進一君
大臣政務官
内閣府大臣政務
官 自見はなこ君
農林水産大臣政
務官 藤木 眞也君
事務局側
常任委員会専門
員 宮崎 一徳君
常任委員会専門
員 佐藤 研資君
政府参考人
内閣府地方創生
推進事務局審議
官 三浦 聡君
厚生労働省大臣
官房審議官 大坪 寛子君
厚生労働省大臣
官房審議官 鳥井 陽一君
厚生労働省大臣
官房審議官 山本 史君
厚生労働省大臣
官房審議官 森光 敬子君
農林水産省大臣
官房審議官 長井 俊彦君
農林水産省農村
振興局農村政策
部長 佐藤 一絵君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の
一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/0
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001・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、加藤明良君及び猪瀬直樹君が委員を辞任され、その補欠として浅尾慶一郎君及び石井苗子君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/1
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002・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府地方創生推進事務局審議官三浦聡君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/2
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003・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/3
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004・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/4
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005・船橋利実
○船橋利実君 自由民主党の船橋利実でございます。
それでは、早速質問に入らせていただきます。
まず、国家戦略特区のこれまでの成果と課題についてお伺いをいたします。
国家戦略特区は、平成二十五年に制度を創設し、今回の改正法案に関係する法人農地取得事業を始め様々な分野で規制の特例措置の創設等を行い、また、最近はスーパーシティ、デジタル田園健康特区等、新しい取組を進めております。
そこで、国家戦略特区がこれまでに規制改革事項をどの程度措置をしたのか、今後どのような課題に取り組んでいこうとしているのか、国家戦略特区のこれまでの成果と課題についてまず伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/5
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006・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) お答え申し上げます。
国家戦略特区については、今お話ございましたように、平成二十五年十二月の制度創設以降、規制改革の突破口として、これまで長年にわたって実現できなかった規制改革を実現することで地方創生や経済成長に大きく寄与してきていると承知しております。
これまでに、規制改革事項として合計百三十四事項を措置し、例えば、都市計画手続の迅速化、医学部の新設、旅館業法の特例などを実施してまいりました。全国展開についても合計で七十事項を措置してきたということでございます。
最近でも、今お話ございましたが、令和四年四月に、茨城県つくば市及び大阪府、大阪市をスーパーシティとして、それから、石川県の加賀市、長野県茅野市、そして岡山県吉備中央町をデジタル田園健康特区として指定するなど、着実に取組を進めてきているところでございます。
今後の課題についてでございますが、これらスーパーシティ、デジタル田園健康特区の取組を引き続き着実に進めるということ、それから、昨年夏に実施しましたアイデア募集の結果を踏まえまして、規制の特例措置の創設、全国展開を更に推進していく必要があります。また、今後の内外環境変化を踏まえまして、社会課題解決の視点も包摂した幅広い視野で、女性、子育て、障害者、スタートアップ、デジタルなどの分野などにも取り組むことが必要と考えております。
引き続き、国家戦略特区の取組を推進してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/6
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007・船橋利実
○船橋利実君 次に、国家戦略特区法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案のうち、法人農地取得事業について伺います。
兵庫県養父市では、人口の減少と高齢化の進行、農業の担い手不足や遊休農地の増加という課題に対して、国家戦略特区として、高齢者の積極的な活用、民間事業者との連携による農業の構造改革を進めることで、遊休農地の再生、農産物、食品の高付加価値化などの革新的農業を実践し、輸出も可能となる新たな農業のモデルを構築するという目標を掲げられて取組を進めてこられたと認識をしております。
このような目標の下、養父市において法人農地取得事業を通じて参入をされた法人がどのようにこれまでの課題を克服をし、農業の改革を進めてきているのか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/7
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008・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) お答え申し上げます。
人口減少や少子高齢化等を背景とした我が国の農業における担い手不足による遊休農地増加の問題については、地方における基幹産業の一つでもある農業の衰退につながり、地方創生にとっても喫緊の課題でございます。
このような中、法人農地取得事業は、特に担い手不足の影響が大きい中山間地域における農業の改革を目的としまして、平成二十六年に国家戦略特区に指定された兵庫県養父市からの提案を受けて、平成二十八年から開始したものでございます。
養父市では、法人農地取得事業を行った六法人による遊休農地の解消面積は、平成二十七年度末においては九・九ヘクタールであったものが令和三年度末には十八・八ヘクタールに増加し、六法人による延べ雇用人数は、平成二十七年度末には一人であったものが令和三年度末には二十二人に増加するなど、遊休農地の再生や雇用の創出に効果を上げ、中山間地域の農業改革を推進しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/8
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009・船橋利実
○船橋利実君 ありがとうございます。
次にお尋ねをいたしますが、昨年十二月の国家戦略特別区域諮問会議決定では、ニーズと問題点調査の結果を踏まえ、対象となる法人や地域に係る現行の要件や区域計画の認定に係る関係行政機関の長による同意の仕組みを維持した上で、地方公共団体の発意による構造改革特別区域法に基づく事業に移行するとされたところであります。しかし、ニーズと問題点調査では、法人農地取得事業を活用する意向がないというふうに回答した自治体が実は多数を占めておりました。
法人による農地の取得を進めていく意義というのはどこにあるとお考えであるのか、大臣にお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/9
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010・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
船橋委員御指摘のとおり、昨年実施いたしましたニーズと問題点調査において、ニーズの声がある一方で、この事業を活用する考えはないと、こういう回答も相当数いただいたところであります。
その一方で、ニーズにつきましては、活用の意向があると回答した主体からは担い手不足や遊休農地の解消に有効な選択肢であるなどの御意見をいただいている上に、実際の養父市の取組においても遊休農地の減少につながっており、ニーズは確かに存在しているというふうに認識をいたしております。
法人農地取得事業は、既存の制度の下ではなかなか担い手不足や遊休農地増加の問題を解決することが困難な地域において、特例として農地所有適格法人以外の法人による農地取得を認め、企業が有する人的資源や資金力やあるいは経営ノウハウを農業に活用することによって課題解決を図ろうとするものであります。
このため、より多様な企業の参入が促進されるように、営農の継続性、安定性の確保や、経営の自由度の向上による流通、加工、販売等の複合的な経営を可能にするために、農地のリースに加えて農地の所有も認めることに意義があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/10
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011・船橋利実
○船橋利実君 御答弁ありがとうございます。
ニーズと問題点調査においては、法人農地取得事業を活用する意向がないと回答された自治体の方からは、投機的な取得、撤退後の耕作放棄、転用が懸念される、外国資本の流入や地域コミュニティーとの共存等への不安があるという意見があります。
私の地元北海道では、外国資本によりまして、別荘やリゾート地のみならず、森林、水源地が購入をされるなど、近年、外国人の土地の取得が問題として取り上げられております。
また、令和三年の国家戦略特区法の改正時の参議院地方創生及び消費者問題に関する特別委員会の附帯決議にあるように、法人が撤退する可能性や現場の懸念というものもあります。
外国資本等の投機的な取得、撤退後の遊休農地化、転用の懸念も示されている中、このような懸念に対し必要な所要の措置がどのようにとられていくのか、中でも、不適正な利用があった場合は自治体が農地を確実に買い戻すことができるのかどうか、その実効性の担保などについて、国の対応、国の関与を含めてお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/11
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012・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) お答え申し上げます。
本法案により構造改革特区に移行される法人農地取得事業の仕組みについては、これまでの国家戦略特区における法人の要件を維持することとし、農地の取得が認められる法人は、一つには、農地を適正に利用していないと地方公共団体が認めた場合には当該地方公共団体に農地等の所有権を戻す契約を締結していること、二つには、地域のほかの農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行うと認められること、第三に、業務執行役員等のうち一人以上がその法人の行う耕作又は養畜に常時従事すると認められることの全てを満たすことが求められます。
また、区域計画の認定時には、区域に適切な経済的、社会的効果を及ぼす、円滑かつ確実に実施等の認定基準に適合すること、そして農地を適正に利用していない場合には地方公共団体による農地の買戻しを行う旨の契約を締結する等の法人の要件を満たすこと、農林水産大臣による同意が必要となります。これらの措置を通じて、不適正なものがあれば排除することとしてございます。
また、認定後はどうするのかという点につきましても、認定後の事業実施段階においても、農地を取得した法人は農地の利用状況について毎年農業委員会に報告するとともに、当該法人がその農地を適正に利用していないと認める場合や、当該法人が地域のほかの農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行っていないと認めるような場合には、農業委員会が地方公共団体に通知をいたしまして、当該地方公共団体が農地を買い戻すことができ、御懸念のような外国資本等の投機的な取得などは排除できると考えてございます。
さらに、必要な場合には、内閣総理大臣又は農林水産大臣が地方公共団体に対する報告徴収、措置要求を行って、認定基準に適合しなくなった場合には内閣総理大臣が認定の取消しを行うこととしてございます。
なお、養父市でございますけれども、養父市では、買戻しの際に、原状に回復させるか、原状に回復させるための費用を負担する義務を法人に課すということを農地売買契約に定めるとともに、不適正利用があった場合の農地の買戻しに必要な経費を債務負担行為として議会の同意を得て予算措置しているところでございます。
今後、新たな制度の下で事業に取り組む自治体においても同様の対応を講じるよう求め、自治体が農地を確実に買い戻せるように措置してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/12
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013・船橋利実
○船橋利実君 今ほど農地の自治体が買戻しをする場合についての流れなどについて御説明があったんですけれども、これ農地だけではないんですね。実際には、時として建物であったりあるいは附帯設備であったり、こうした部分をどうするかということも実際には問題になってくることが想定されるわけでありますから、そうした点についても自治体が困ることがないような対応というものをきちんとやっていくということを求めさせていただきたいというふうに思います。
実は、神戸大学の研究グループが国家戦略特区における養父市の事例を研究したレポートがありました。その中身を見ていきますと、こうした農地、法人農地取得事業を活用する必要性がある地域というのは中山間地域などの小規模自治体のケースでは有効ではないかという検証がなされておりました。私もそのように思います。ところが、そうした自治体ほど実は人手が足りなくて、ノウハウが十分ではないということも考えられます。
改正後の特定法人による農地取得事業が真に必要な地域で活用され、持続可能な地域の活性化につなげていくためには、こうした自治体が事業者の意見のみに頼るのではなくて、自分たちの判断が適切か相談できるセカンドオピニオン的な存在というものが不可欠であると思います。そのためには、自治体に対する国のサポート、これが重要と考えますが、見解及び取組について大臣からお聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/13
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014・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答えいたします。
本法案、国会で御審議いただいているところでございますけれども、これがお認めいただいた際には、法人農地取得事業が構造改革特区制度に移行いたしますことから、事業の活用を希望する自治体による区域計画の作成等をサポートするために申請マニュアルの整備などを行う予定でございます。
加えて、船橋委員、先ほど小規模自治体というお話をされましたが、人口約二万人、行政職員二百二十人という小規模自治体であります養父市における取組、ノウハウの提供ということは、中山間地域等において農業の担い手不足に悩むほかの自治体にとって特に有効であると考えられます。養父市が行ってきた法人農地取得事業の取組、ノウハウの提供もこれを促して行ってまいりたいと考えております。
さらに、構造改革特区制度において、実際に本事業を活用していただけるかどうかは、これは最終的には発意する地方自治体の御意向に懸かっているということから、相談への対応やその意向の把握など、本事業に関する対話をしっかりと進めさせていただきたいと考えております。
こうした取組を通じて地方自治体の支援にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/14
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015・船橋利実
○船橋利実君 ありがとうございます。
今ほど大臣からも御答弁いただいた中で、その養父市の事例御紹介いただきましたけれども、実は三月末でこの特区の中で農地取得をして事業をされていたオリックスが撤退をされております。ただ、このケースでは、幸いなことに、事業が新しい別会社の方にきちんと移譲がされて、今も経営が続いているということであります。
したがって、うまくいくこと、うまくいかないこと、これ実際あろうかと思います。そうしたノウハウなども、きっちりと、この法案が成立した以降、希望される自治体についてはお伝えしていって、うまくいくということを政府側も支えていっていただきたいというふうに思っております。
次に、スーパーシティとデジタル田園健康特区について伺います。
昨年四月に、スーパーシティとしてつくば市と大阪府、大阪市が、デジタル田園健康特区として加賀市、茅野市、吉備中央町が指定されました。
これらの特区では、大胆な規制改革による先端的な住民サービスの実現を目指しており、昨年十一月には各区域で区域方針を定めるなど着実に取組が進められてきておりますけれども、今後より一層具体的な成果を上げていくことが求められております。
また、昨年十二月には、デジタル田園都市国家構想総合戦略において、スーパーシティとデジタル田園健康特区の取組がモデル地域ビジョンとして位置付けられるなど、デジタル田園都市国家構想の先導役としても着実な取組が期待されております。
本改正法案においても、スーパーシティ等における先端的サービスの早期実装を推進することとされておりますが、まずはこれらの特区の進捗と今後の取組方針について伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/15
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016・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) お答え申し上げます。
昨年四月に指定されたスーパーシティ等における先端的サービスの早期実装等を推進するため、議員御指摘のとおり、本法案には、補助金等交付財産の目的外使用等に係る承認手続の特例やデータ連携基盤の整備等に関する援助の拡充を盛り込んでございます。
また、これらの項目に加え、昨年十二月の国家戦略特区諮問会議においては、保安要員なしで最高速度十キロでの走行を可能とするための公道実証実験、空飛ぶ車の機体の安全性、操縦者、運航安全等に関する基準の整備、過疎地域以外における貨客混載運送の実施を始めとする多くの取組について実施時期等を明確にした形で取りまとめを行ったところでございます。
さらに、スーパーシティのつくば市とデジタル田園健康特区については、区域会議を立ち上げるとともに、指定自治体からの御要望を踏まえまして、スタートアップ支援に関連する事業を盛り込んだ第一弾の区域計画を作成し、本年三月二十四日に内閣総理大臣の認定を受けたところでございます。
今回の区域計画を構想の実現に向けた第一歩と捉えまして、引き続き、自治体からの御提案も踏まえながら、大胆な規制改革を伴った複数分野の先端的サービスの実現を図り、様々な地域課題の解決につなげてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/16
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017・船橋利実
○船橋利実君 ありがとうございます。
最後の質問になりますけれども、いずれにしても、このデータの精度といいましょうか、信頼度、これがすごく大事なことにこれからなってくるというふうに思うわけでありますけれども、こうしたデータ連携基盤の安全性、信頼性などの課題に対応するため自治体に対してどういう支援をしていくのか、最後にお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/17
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018・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) お答え申し上げます。
昨年四月に指定されたスーパーシティなど国家戦略特区においては、データ連携を活用したドローンや自動配送ロボットなど、様々な先端的サービスの実装に向けた検討が進められているところでございます。
こうした中、先端的サービスの実装に当たっては、今お話ございましたとおりでございまして、活用されているデータに誤りがないか、データは最新のものに更新されているか、暗号化され機密性が確保されているかなど、データ連携基盤から提供されるデータの正確性等の安全性や信頼性の確保の重要性が高まってございます。他方で、こうしたデータの品質管理について十分なノウハウを有した人材がいない自治体様では対応が困難になることもあり得ると思っております。
このため、本改正法案においては、データ連携基盤の整備主体に対する現行の援助規定の内容を拡充いたしまして、データ連携基盤から提供される各種データの品質管理に関する情報提供や、各地域で実際に整備されるデータ連携基盤に対する専門家による助言等の支援などを強化することとしてございます。
内閣府といたしましては、当該規定に基づきましてデータの品質管理に関するルールや評価ツールを整備することによりまして、自治体への支援を強化し、先端的サービスの早期実装が図られますよう取組を進めてまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/18
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019・船橋利実
○船橋利実君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/19
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020・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 質疑を続けたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/20
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021・小沼巧
○小沼巧君 立憲民主党の小沼巧です。
藤木政務官にも今日はお越しいただきまして、ありがとうございます。諸事情により、私、農水委員会をちょっと離れておりまして、ちょっと今日ここで議論させていただきたいなと思って、来ていただきました。ありがとうございました。
船橋先生の議論に触発されまして、少し通告の順番等と入れ替えまして、法人の農地取得事業について早速やらせてもらいたいと思いますが、今までの議論で様々ありましたので、通告していないのですが、論点整理のために、参考人で構いませんので、ちょっと簡潔に論点整理のために教えていただきたいんですね。
今回は、国家戦略特区法と構造改革特区法でいわゆる法人農地取得事業を認めるということになっておりますが、現行においても法人は農地取得は可能になっていると思っております。そういう意味で、国家戦略特区法の法人農地取得事業と、もう一つの、そもそもの農地所有適格法人ですかね、正確な文言で言うと、この違いについて御説明をまずいただきたい。その際、売上高と議決権と、誰から所有権を取得するのかということはポイントになっていると思います。その点について、参考人からで構いませんので、論点整理のために答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/21
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022・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) 今のお尋ねは、一般の法人といわゆる農地所有適格法人との違いということだとございますが、一番大きな違いといたしましては、いわゆる資本金でございまして、議決権の半分までを農業者が持たなければいけないというのが農地所有適格法人でございまして、一般の法人についてはこれそういった制限がないということでございます。ほかに、役員についても制約あったと思いますけれども、そういった点が大きな点と思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/22
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023・小沼巧
○小沼巧君 前職の課長を余り詰めたくはないところであれなんですが、売上高と議決権とかってありますね。あともう一つは、役員構成なんかについても、農地所有適格法人というものは業務執行役員等の一人以上の者が耕作の事業に常時従事ということとかも含めて、違いがあるんだろうなということを理解しております。
さて、そこで、問うているのは、岡田大臣に問うてみたいんですけれども、そもそも法人が農地を取得したければ、農地所有適格法人を設立すれば今もできます。なぜ、現行制度で十分だと思うのに、あえてこの特例をしようとするのか、その説明をしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/23
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024・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
先ほども申し上げた、昨年実施いたしましたニーズと問題点調査において、今お話に出ております農地所有適格法人やリース等の現行制度で十分であるといった御意見があった一方で、農地と担い手の維持のためには一般法人の農地取得も含め多様な経営体が求められる、こういう御意見もありましたし、また、農地所有適格法人は資本力が劣るため農地の購入に資本を回せない、資本力のある一般企業に農地所有を認めることで相続を理由とした農地売却の相談に応えられると、こういった御意見もいただいているところであります。
法人農地取得事業は、既存制度の下では担い手不足や遊休農地増加の問題を解決することが難しい地域において、特例として農地所有適格法人以外の法人による農地取得を認め、企業が有する人的資源、資金力や経営ノウハウを農業に活用することによって課題解決を図ろうとするものであります。
このため、より多様な企業の参入が促進されるよう、営農の継続性、安定性の確保や、経営の自由度の向上による流通、加工、販売等の複合的な経営を可能にするために、農地所有適格法人に加えて一般法人に農地の所有も認める必要があると考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/24
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025・小沼巧
○小沼巧君 何でリースじゃ駄目なんですかねということが相当な懸念と声だったと思うんですよ。
養父市の話挙げられましたけど、もし私が今申し上げるところで事実誤認があれば、答弁の際に修正してくださいね。
確かに、養父市で国家戦略特区法では六社が事業をやっていますけれども、確かに総面積は増えましたが、全てリース方式ですね。法人農地取得でやったものというのは、取得したもの、令和二年の四月末に取得したものから、令和五年二月末になっても農地取得は増えていないですね。全部リースじゃないですか。何の意味があったんでしょう。
参議院の附帯決議においては、先ほど船橋先生から出たときの附帯決議の一つの項目ですけど、リースではなく農地を所有する目的、所有による効果を明らかにすることということが附帯決議としてなされました。
所有です、所有。所有の効果というものはどういうものであると考えられていらっしゃるのか。定性的にあるでしょう。また、定量的にあるでしょう。リースでは駄目だという理由と併せて、この点について附帯決議を踏まえた明確な答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/25
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026・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答えいたします。
法人農地取得事業を実施しております養父市の法人は、所有又はリースと、リースしている農地を一体として農業の用に供しているものでありまして、法人がそれぞれの経営判断によって農地の所有とリースを適切に組み合わせて営農することが可能になることにこの特例の意義があると考えております。
実際、養父市の例を私も見てまいりましたところ申し上げますと、養父市の法人農地取得事業で農地を所有している法人の中には、元々養父市外の中小企業でありましたが、市内で農地を所有して営農することで、これで本気で農業に取り組む姿勢を地域に示し、地域の信頼を得て、周囲の農家の所有する農地の耕作も依頼されるようになった、結果的にリースによる営農面積も拡大をしたという例でありますとか、あるいは、農地を自社で所有することによって回収に長期を要するような投資が可能になって、大規模なレタスなどの水耕栽培やっておりましたけれども、こういうプラントの建設、実証も可能になったといった例があり、これらの成果は農地の所有が認められたことで実現しやすくなったというふうに考えております。
一般的に申し上げて、農地のリースについては、やはりリース契約の解除や期間満了後に更新できないということによる事業継続が不安定になるという可能性が考えられると思います。例えば、十年以上の期間の定めがある農地のリース契約、これは全体の約四割になりますが、これは貸し手である農家が都道府県知事の許可を受けることなく契約を更新しないことが農地法上認められていると、こう承知をいたしております。
したがって、安定的、長期的な農業の経営環境を整備し、農業者が長期的な見通しの下で投資を行うことを可能とするために、農地のリースに加えて、リースはもちろん行われておりますけれども、農地の所有も選択肢の一つとすることが必要と考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/26
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027・小沼巧
○小沼巧君 幾つか突っ込みたいところがあるんですが、一つちょっと看過できない発言があったんで聞かせていただきますけれども、本気度って言いましたよね、今、リースと所有について。リースは、リースの人、取り組んでいる人は本気度は足りないなどと政府はおっしゃるんですか。本当ですか。それは、恐らくあれでしょう、問題点、ニーズと予備的問題点調査の第三弾でいう話で、本気度は所有もリースも変わらないという発言もあるはずですよ。なのに、今の発言はリースで取り組んでいる人たちっていうのに対して逆に失礼な認識をしていると思うんですけど、取り消さないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/27
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028・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) 本気度という言葉使わせていただきました。これ、済みません、我々、ある種、ちょっと生声というお言葉もちょっとあれなんでございますけれども、ちょっと声、今回、我々もですね、素直にちょっと聞かせていただいていろいろ御紹介させていただくという形の中で、こういったお言葉も耳にさせていただいたものですから、本気にさせていただいた、ちょっと紹介させていただいたところです。
本当に意味をしているのは何かというのは、これは実は、私も養父に大臣と同様行ってきたんですけれども、やっぱり事業者の方とお話しして、やっぱり本気度っておっしゃっていたんですよね。それで、その思いはやっぱり、これ現実問題として、地域の農業のところに、必ずしもその町の方ではない、そんな遠い町でもなかったんですが、の方で、農業、本業は今はちょっと別の業という方たちがやっぱりいらっしゃったときに、どういう人なんだろうかと、本当に我が地域で一緒に農業やっていいのかなというのはやっぱり、やっぱり最初、本当にいてくれるのかな、俺たちと一緒にやってくれるのかな、やっぱり心配があったと言うんですね。そこのところを、いや、もう根を下ろすよと、こう言って所有することでそのメッセージが伝わった。じゃ、もう少しこれも借りてくれないかというお話も来たと。こういう話やっぱりされていて、ちょっとそこのことを、ちょっとよく説明の仕方は工夫しなきゃいけないかもしれませんが。済みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/28
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029・小沼巧
○小沼巧君 オーケーです。
役所は当然そうおっしゃると思うんです。事実としてそういう声があったんだったら、それは事実としてある。それはファクトです。本気度どうのこうのというのは解釈ですからね。その事実をどう解釈するのかということですから、その解釈を大臣がおっしゃったというのはいかなるものなのかなと思うわけであります。
もうちょっと言うと、本当に取り消さないのかなということは大臣に聞いてみたいと思うのと、あわせて、何か、あれじゃないですか、中長期的なって話おっしゃいますけれども、本当ですかね。最近はやりのアジャイルとかと言っていますけれども、何でわざわざBSとPLを重くするような、バランスシートとかですね、重くするような所有という方にするんでしょうかね。軽くなるような、そんな形になるようなリースをやってきたということが我が国の経済政策の歴史であったんじゃないかなと思いますけれども、あえて、バランスシートとかを重くするような所有ということをあえて認める意味というのは分からない状況であります。サンクコストで経営判断失敗をそのまんま助長させるようなやり方にもなり得るんじゃないかなと思うんですけれども。
あえてもう一回聞きますけれども、その本気度ですね、そして、あえてその農地の、法人農地所有というところにあえてこだわる理由というのをいま一度、今の指摘も含めて御説明いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/29
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030・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
本気度という、あるいは本気でという言葉につきましては、これ、私、養父市にお伺いをして、所有することによって周囲からまた農地を託されてリースも増えたと、所有とリースとを一体として営んでおられる、そういう法人の方からこの本気でというお言葉を伺って、そのことをあえて申し上げたわけでございまして、決してリースで活用しておられる方にその本気がないとか、そういう趣旨では全くございませんので、どうか御理解をいただきたいと存じます。
そして、リースにつきまして、あるいは所有につきまして、先ほど申し上げたように、やはり、このリース契約の解除、あるいは期間満了後に更新できないことになるその事業継続の不安定性というもの、これは所有によってこれを補うことができるのではないかと、こういうような判断に立っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/30
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031・小沼巧
○小沼巧君 藤木政務官に聞いてみたいと思います。
今までの議論をお聞きになっていただいて、一年前ちょっと思い出すんですね。令和四年の農林水産委員会で、お互い委員という立場で様々議論をさせていただいておりました。さっぱり、その中でも、ほぼ毎回、法人の農地取得って議論になったじゃないですか。そのときに舌鋒鋭く、リースでいいじゃないかとやじを飛ばしていたのは藤木さんだったと、私は強く心の中に記憶しております。それこそ党派を超えて、いや、取得じゃなくてリースでいいだろうって物すごい熱意を持ってやじっていた藤木さんは、党派は違えども、私はそのとおりだなと思って、信頼をしておりました。
でも、何で、政務官になって、内閣の一員になって、権力者の一員になると、急に、リースでいいじゃないかとおっしゃっていたのを撤回して、農地所有を認めると、法人の農地所有を認めるという法案の閣議決定に参加するようになったんでしょう。どうして、どこでどう考えが変わっちゃったのかよく分からないなと思ったので、今日はお呼びしました。是非とも御解説をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/31
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032・藤木眞也
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えをいたします。
いや、実際、私はその閣議決定に参加をできるような立場ではございませんけれども、私の上司になりますけれども、野村大臣はこちらの方に参加をされているかと思います。
農業の担い手や農地利用に関する状況は地域ごとに異なっておるというふうに理解をいたします。担い手が不足をしている地域や遊休農地が著しく増加するおそれがある地域では、構造改革特別特区法への移行による市町村の創意工夫による農業振興を図ることが可能であると考えております。一方で、企業が農地を所有する場合、農業からの撤退や農地転用等の農地が適正利用されなくなることを懸念する声があるというのも承知をしております。
これらの懸念を踏まえて、構造改革特別特区法、特別区域法では、国家戦略特別区域法の地域や法人に関する要件、区域計画の認定に係る農林水産大臣の同意という仕組みは維持することとしております。農林水産相の同意に当たっては、地域計画との整合性など、農地法制に照らして判断することとしております。
これら懸念払拭措置をしっかりと講ずることによって、引き続き農地を適正利用を確保できると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/32
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033・小沼巧
○小沼巧君 地域計画とかの前に、一つだけ、私も役所にいたものですから、あるのは、でも、この閣議決定する前って、全省庁が一致しなきゃいけないわけでありまして、確かに閣議の場にはいませんけれども、決裁上げるじゃないですか。大臣政務官って絶対決裁ルート通るわけですよ。そのときに決裁なさったはずだと思うんですけれども、何で、リースでいいじゃないかとずっとおっしゃっていた政務官、当時、農水委員は、決裁をするに当たっては、じゃ、法人農地取得も認めようかと。リースだけでいいじゃないかとおっしゃっていたのは、どこで変わったんですか。考えを変えた理由というのを改めて伺いたいなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/33
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034・藤木眞也
○大臣政務官(藤木眞也君) 考えを変えたといいますか、実際その会合には大臣が出席をされて、こういうふうになって、こういう議論をしているぞという経過報告は私どもにもございました。役所からのレクも受けました。
そういう中で、今回こちらの方に切替えをしていくに当たって、これだけのハードルを設けて、実際なかなかこれ法人の方々が所有をするんだろうかというぐらいのハードルが今回設けられたと私は理解をしております。
実際、こういうことによって、できるだけリースの方に考え方を変えていただけるような方につながっているんではないかなというような私なりの解釈はいたしておりますけれども、まあそういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/34
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035・小沼巧
○小沼巧君 なるほどということを申し上げると同時に、思いは分かる気がいたしますね。まだ多少は信じてもいいのかなという気もしましたけれども、じゃ、でも本当に大丈夫なのかなというのはただしていかなければなりませんね。
農水大臣による同意という話がありました。区域計画の認定の同意ですね。これの判断基準について聞いてみたいと思うんですが、やっぱり、あれ昨年でしたですかね、農水委員会で一緒に議論させていただいた基盤法の改正ありましたですけれども、あれで例えば目標地図を作るということがみんなで決めたと思うんですよ。この目標地図ということとの関係等もあるのかなと推察しているところなんですけれども、農水大臣はこの区域計画の認定同意に当たってどういう判断基準で行うものとするんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/35
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036・藤木眞也
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えいたします。
農林水産大臣による区域計画の同意に当たっては、地域計画との整合性、具体的には、法人が地域計画に位置付けられているか、また位置付けられる見込みであるかといった、こちらを確認し、これらを満たさない場合には同意をしないという考えでございます。
また、地域計画が作成されていない地域に当たっては、農地法第三条の要件、具体的には、法人が提出する営農計画により取得する農地の全てを効率的に利用できるか、また、農地の面的集積や地域の水利用など周辺の農地利用に支障を及ぼさないかを確認し、これらを満たさない場合には同意をしないという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/36
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037・小沼巧
○小沼巧君 はい、分かりました。
改めて確認ですけど、要は、目標地図とか地域計画にのっとらないということは、すなわち、地元の自治体が同意していない場合には農水省としてそれにお墨付きを与えて同意することはないのだというように理解したんですけど、その理解で合っていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/37
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038・藤木眞也
○大臣政務官(藤木眞也君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/38
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039・小沼巧
○小沼巧君 分かりました。一つは安心いたしましたね。
その中で、やっぱり、その地元の同意、そして地域の同意というところも含めて大変大事だなというところがあるんですが、ハードルが高いのかなという大臣からの、大臣じゃない、済みません、大臣政務官からの発言があったところなので、ここからは岡田大臣にも順次聞いていきたいなと思っております。
さて、今回の法人、構造特区法でおきましては、市町村が、もしですね、あっ、法人による農地の不適正な使用があった場合は市町村が買い戻す必要があるということになっています。買い戻すというのは、単純に、今の政府の予備費の使用とか問題だと思いますけど、そんなことではなくて、地方自治法九十六条かな、に基づいて議会同意が必要となっていると理解をしています。
そういう意味で、農地の確実な買戻し、これ法令要件になっているわけですから、それを確保するためには、ちゃんと予算をあらかじめ措置しているということ、これが確認できなければ認定要件としてたり得ないんじゃないのかと。まあ養父市でやっていることと同じだと思いますけれども。そのような実効性及び認定予算、認定要件についての考え方、というか、私はそうすべきであろうと思いますけれども、大臣の見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/39
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040・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
例えば、農地の不適正利用があった場合の自治体による買戻し措置に実効性を持たせるということは確かに大変重要なことと考えております。
法人農地取得事業を実施しております養父市におきましては、今も御紹介がございましたが、買戻しの際に、原状に回復させるか、原状に回復させるための費用を負担する義務を法人に課すことを農地売買契約に定めるとともに、不適正利用があった場合の農地の買戻しに必要な経費を債務負担行為として議会の同意を得て予算措置をしているところであります。ちなみに、養父市では土地の買戻しの事例はございませんが、こういう措置を講じているところであります。
今後、新しい制度になりました暁には、この事業に取り組む自治体においても養父市と同様の対応を講じるよう求め、自治体が農地を確実に買い戻せるように措置をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/40
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041・小沼巧
○小沼巧君 確認です。基本的には認識は合っていると、私の意見と合っていると思うんですが、養父市がやっているように、それこそ、農地購入に必要な経費、多分当初予算系だと思います、あとは買戻しに必要な経費、これは債務負担行為であると思いますけれども、こういったもの、議会の同意を得て予算措置をちゃんとやっているんだということが新しい法律の中においては認定の要件になっているのである。シンプルにまとめるとこういうことだと思いますが、この理解で合っていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/41
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042・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) 農地の不適正利用があった場合の買戻し措置に実効性を持たせることは先ほど申し上げたように極めて重要であり、今後、新たな制度の下で事業に取り組む地方自治体に対しても、原状回復のための費用負担義務を法人に課している養父市と同様の対応を講じるように求めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/42
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043・小沼巧
○小沼巧君 明確になりました。ありがとうございます。
なるほど。自治体の財政を、これによって買い戻さない場合でも逼迫させるということになるんですね。何か本当に意味ある制度なのかなということは、疑問だなということは付言しております。藤木政務官もちょっとお笑いになられて、共感していただけたのかなと、先ほど本音も出られたようですからね、思います。
その上でですけれども、さてと、国家戦略特区から構造改革特区になるという話でありますけれども、これの意図というのもやっぱり考えてみるし、ニーズと問題点の調査なんかというのを見てみると、全国的なニーズって、法人農地取得ですね、あるとは言えないんじゃないのかなということが要すれば私の観察です。もちろん、ゼロとは言わない、ゼロとは言わない。ゼロとは言えないけれども、大体過半数以上が、活用する考えはないとかだったり、いや、そんなものよく分からぬという趣旨の回答だったわけですよ。
そういうことを踏まえると、もう全国展開とかという、法人農地取得事業を全国展開をすべきとは正直私は考えられないのですけれども、大臣のこの意見に対する御見解はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/43
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044・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
現在、養父市で行われている法人農地取得事業は、農地所有適格法人以外の法人についても農地の所有を認めることにより、やはりここは本当に大事な切迫した状況だと思うんですが、担い手不足や遊休農地の解消を図ることにあるというふうに考えております。
今回の構造改革特区への移行については、制度の拡充と捉える見方としては、国が指定した国家戦略特区の区域以外であっても、地方自治体の発意により言わばボトムアップで特例を活用できるようになるという御指摘がある一方で、制度の拡充に対する懸念等に対応するために、今回の改正法案においては、対象となる法人や地域に係る現行の要件や区域計画の認定に係る関係行政機関の長、すなわち農水大臣でございますが、農水大臣の同意の仕組みを維持することにしております。これが先ほど藤木政務官が述べられたことの、多少繰り返しになりますけれども、経緯であります。
このように、今回の改正案は、ニーズと懸念や問題点に関する双方に配慮したものとなっており、まずはこの本法案を円滑に施行してまいりたいと考えています。
なお、構造改革特区法の規制の特例措置については、その実施状況について評価を行い、全国展開、また特区において当分の間存続をする、あるいは拡充、あるいは是正、廃止、このいずれかの措置を講ずることとされておりまして、構造改革特区法に移行後の法人農地取得事業についてはあらかじめ定められた時期に実施状況を評価し、その結果を踏まえてどのような措置を講じるか検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/44
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045・小沼巧
○小沼巧君 構造改革特区に移行するということなんですけれども、構造改革特区というのは、基本方針が平成十五年の一月の二十四日に定められていますね。つまり、ここに書いてあるところのポイントも読み上げると、要すれば、地域性が強い規制の特例措置ということだと思うんです。特区として認定すれば云々かんぬん、地域活性化として意義が大きいものであるということが、基本理念、括弧一の③の段階にある、明記されていることだと思うんですね。
この基本方針変えていないということなのであれば、政府は、これからのこの法人の農地取得事業というのは、要すれば地域性が強い規制の特例措置なんだというようにみなすことにするのであるというように私は理解しますが、その理解で合っているかどうかの答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/45
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046・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) お答え申し上げます。
今おっしゃっていただいた部分、まさにその記述がございます。
それで、この特例が評価された暁にそういうふうになる可能性ももちろん否定されないんですが、ただ、今これになるということをここで予断するかというと、ちょっとそこは難しいかなと考えております。
というのも、これやっぱりやってみて、そこでどういうことが起きたのか、弊害が起きたのかとか、効果はどうだったのかとかということを見る必要あると考えています。あと、もちろん、ほかのところからのまたニーズのお声、全国展開を求めるお声というのも、評価時期の設定などのところをお読みいただくと出てきたりもします。
そういったことを、いろいろなことを、自動的に何かになるんじゃなくて、やっぱり一定の手順、プロセスを経た上で決めることになってございまして、今、ここ、今日、本日はもうまさにこれ法案そのものをどうするかという御議論いただいている段階で、これ、実際これやった後どういうふうになっていくかというのは、まだちょっと今の段階で、こっち、右だ左だはちょっと難しいかなと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/46
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047・小沼巧
○小沼巧君 法案自体の、別に、条文の一言一句、アがイになっていないかとかチェックしているわけではないのでありまして、その法文の解釈をどういう解釈にするのだということが法案審査でありますから、じゃ、法に基づいている、法に基づいて記載が決定されている基本方針の解釈との整合性はどうなのだということが質問なのでありまして、どうなるか分からないということを言われちゃうと、賛成して何か勝手な解釈されちゃうと困っちゃうなとかって思っちゃいますから、賛成する理由を欠くような答弁になっちゃうと思いますよ。
そういう意味で、もう一回、もう一つの質問と併せて聞かせていただきますね。要すれば、もう一回、解釈として、解釈として、構造特区事業に移るということは地域性が強いものであるというように政府は解釈をすることとするのかということが一点目。
もう一つは、その特区の認定の基準についてですね。要は、経済的、社会的効果を及ぼすということがもう一つの要件としてなっていると承知しております。その定義なり解釈を聞きたいんですね。適切な経済的、社会的効果を及ぼすということ、それが及ぼさないんだったら認めることもできないじゃないですかという意味において、そのところについての答弁をまた改めて、できれば大臣から、政治家同士で議論したいなと思いますので、大臣からお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/47
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048・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答えを申し上げます。
構造改革特区法に基づく区域計画の認定基準であります、御指摘の適切な経済的、社会的効果を及ぼすというのは、区域計画に定める事業の実施により特区制度の目標である当該地域の活性化につながる効果を及ぼしていることを指すと考えております。
その効果を測る指標は、活用する特例措置や実施する事業の性格に応じて設定すべきものでありますが、例えば生産額の増加であるとか、あるいは地域における雇用の増加なども考えられるところであります。
〔委員長退席、理事三宅伸吾君着席〕
この事業においては、先ほども述べましたが、養父市におけるこれまでの取組において、地域において法人が農業に参入し、遊休農地の解消、雇用の創出あるいは売上高の増加等の効果がありましたことから、これらが経済的、社会的効果に当たるものと考えております。そして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/48
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049・小沼巧
○小沼巧君 そしての後を聞きたかったなと思うところなんですが、じゃ、多分もう一個はあれですね、地域性なのかということを多分御答弁なさろうとしたのかなと推察するところ、まあ、いいや、その経済的、社会的効果のところ、もう一個だけちょっと解釈について聞かせてください。
今大臣の発言の中で、地域の活性化に資するということが大きな目標、目標というか、目標としてありました。あとは地域性なんだろうなって私は解釈しているんですけど、もし認識違いがあったら次の答弁で訂正してくださいねという前置きの下、売上高、生産額か、生産額とか雇用の増加ということが大臣の答弁からありました。これは私も同感です。経済的、社会的効果というのはやっぱり地元の雇用とかそういったものが増えないといけないなと思っています。
そういう意味で、この解釈として、今後解釈するにしても、地元の雇用がない法人とか、何か農産物作っても全部輸出しちゃっているとか、そういった法人が、そういった法人である場合には、この適切な経済的、社会的効果を及ぼすの定義に入らないのではないだろうかとも考えるところでありますが、そういう運用というのもちゃんと明確にすべきであると考えます。
大臣の御発言、御見解をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/49
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050・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) 先ほどその続きを申し上げようと思いまして、中途で終わりましたけれども、この法人農地取得事業の趣旨、目的や、養父市の実例を踏まえれば、やはり一般論としては、地元での雇用を創出せずに、かつ農産物を例えば全量輸出をするといった、こういう計画の申請があった場合には、これは自治体に対して、得られる売上げが地域にどんな、どの程度還元されるかなど、地域の経済に及ぼす経済的、社会的効果について説明を求めることになると考えております。
区域計画の認定に当たっては、認定基準に基づき、区域に適切な経済的、社会的効果を及ぼすかどうかについてしっかりと判断をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/50
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051・小沼巧
○小沼巧君 その点についてはまさにあっぱれな答弁だなと私も思いました。そういった観点でちゃんとチェックをしていただきたいなと思いました。
本当は、時間があれば、もう時間ありませんのでやめますけれども、遊休農地の増加とか担い手の不足、これは大変だというのは分かります。しかし、その目的を達成するための手段は、農林水産行政どう抜本的に立て直していくかということでありまして、法人農地取得という手段が本当に最適、適切なのかということの議論は分けて考えなきゃいけないということは問題提起として議事録に残しまして、時間になりました。質問を終わります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/51
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052・上田勇
○上田勇君 公明党の上田勇です。
早速質問に入らせていただきます。よろしくお願いいたします。
まず、構造改革特区、この制度の目標の一つにはこう書かれております。特定の地域における構造改革の成功事例を示すことにより、十分な評価を通じ、全国的な構造改革へと波及をさせ、我が国全体の経済の活性化を実現することであります。
これまで、規制改革等、全国展開された施策も数多くあることはあるというふうに理解しておりますけれども、じゃ、果たして全国的な構造改革とか我が国全体の経済活性化につながってきたかといえば、私は、残念ながらそこまでの成果は上がっていないんじゃないのかなというふうに思っております。
そこで、まず大臣に、これまでのこの構造改革特区の成果、どのように評価をされているのか、お伺いをします。
そして、その上で、これからのやはり日本経済の成長のためには、今後とも規制改革も進めなければなりませんし、それを通じた構造改革に取り組んでいく必要があるというふうに考えております。今後、更にこの構造改革特区制度を活用した取組を加速化していくべきだというふうに考えておりますけれども、大臣の御決意伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/52
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053・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
構造改革特区制度は、平成十四年の創設以来、これまで約二百件の規制の特例措置を設けて、このうち約七割がいわゆる全国展開されており、その成果が法律の目的である経済社会の構造改革の推進あるいは地域の活性化に寄与してきたものと考えております。
特例措置ごとに成果の内容は異なりますが、例えば、現在も、地域活性化の観点から、特区における特例措置として活用されている酒税法の特例、いわゆるどぶろく特区というものは、約二百地域の計画を認定しておりまして、地域の特色を生かした観光資源として重要な役割を担っておりますし、また、レンタカー型カーシェアリングのための無人貸し渡しシステムというものは、構造改革特区の規制の特例措置から全国展開をされまして、今では全国各地で多くの方々に御利用いただいております。
引き続き構造改革特区の活用を促していくために、昨年の法改正で地方自治体に対する援助規定も盛り込んだところであります。これを踏まえて、相談体制の整備や事例集の策定等による情報提供の強化に取り組んでおります。
今後も構造改革特区制度を通じた経済社会の構造改革の推進と地域の活性化により一層努めてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/53
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054・上田勇
○上田勇君 ありがとうございます。是非、岡田大臣のリーダーシップの下、更に進めていただきたいというふうにお願いをいたします。
次に、この法案では、国家戦略特区における補助金等交付財産の目的外使用等に係る承認手続の改正が行われます。地方自治体などの負担軽減に役立つものだと評価をいたします。
そこでお伺いしますが、総理大臣による区域計画の認定の前に補助金等を所管している省庁と協議することになるのでしょうか。また、そうであるとすると、その際にまた大量の資料の提出等を求められたりすると負担が重くなることになって、せっかくこの改正をした意義が減殺されるのではないかとか心配されます。こうした協議を迅速化、そして簡素化するように努めていくべきだというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/54
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055・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) お答え申し上げます。
今回の改正法案に盛り込んでおります補助金等交付財産の目的外使用等に係る承認手続の特例では、補助金等交付財産の目的外使用等に関する事項を区域計画に記載をして内閣総理大臣の認定を受けたときは、補助金等交付財産の目的外使用等に係る各省各庁の長の承認があったとみなすこととしております。
この補助金等交付財産の目的外使用に当たっては、補助目的の達成でございますとか補助金等交付財産の適正な使用を確保することが必要でございますので、改正法案においては、目的外使用等を行おうとするときは、内閣総理大臣に対して当該目的外使用等に関する事項を記載した区域計画の認定を申請して、内閣総理大臣は認定に当たり当該事項に係る関係行政機関の長の同意を得なければならないこととしております。この同意に当たっては、補助金等適正化法に基づいて、各省各庁の長が定める承認基準に照らして必要な書類を求めることとなるところではあります。
ただ、本特例の活用に当たりましては、内閣総理大臣、すなわち我々内閣府でございますけれども、これが事業実施主体と補助金所管省庁との間のつなぎ役となる、そして、特区でどういうことを実施しようとしているのかという事業の性格や目的外使用の趣旨といったことを、コミュニケーション、我々が間に入って手伝う形でもって円滑な調整を図るということにしたいと思います。それは、ひいては、提出書類が必要最低限なもの、過大にならないということにもつながっていくと考えております。
いずれにいたしましても、委員御指摘ございましたような、本特例措置の効果というのはちゃんと出るように運用していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/55
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056・上田勇
○上田勇君 今御答弁いただいたことだと、自治体の方からは内閣府の方にまず御相談をさせていただくと、内閣府の方からそれぞれ所管をしている省庁の方に話を持っていってもらって、今度は、自治体とその所管している省庁との間の協議も、内閣府がそこで一緒になってアドバイスもしてくれるという形だと理解をいたしました。それを、是非、一々やっぱりそれぞれ所管している省庁に持っていかなければいけないという話になると、結局は前と変わらないということになってしまってはいけないので、是非、その辺は、内閣府での、何というんですかね、コーディネーションをよろしくお願いいたしたいと思います。
次に、このデジタル田園健康特区、石川県加賀市、長野県茅野市、岡山県吉備中央町が指定をされておりますけれども、これは、ほかの特区と見て違う点というのは、やっぱり地理的に続いていない中小規模の市町を一つの区域にくくって指定していると、非常に特徴的な性格があるんじゃないかというふうに思います。こうした区域指定はちょっと今までとは発想が違う部分でありますので、こういう区域指定を行った狙いはどこにあるのか。
また、やっぱり地理的に離れているし、県も異なるので、それぞれの市町が一体的に取り組んでいくに当たっては、役割分担だとか意思決定など、もちろん情報交換もそうでありますし、これはそれを円滑に行っていく上ではいろいろ困難を来す面もあるんじゃないのかなというふうに心配をするんですけれども、こうした点についてはどういうふうに対応されるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/56
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057・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) お答え申し上げます。
政府では、昨年四月に、御指摘ございました石川県加賀市、長野県茅野市及び岡山県吉備中央町をデジタル田園健康特区に指定したところでございます。
お話ございましたように、これら三自治体を一つの特区として指定するという形でございますが、これはいずれも人口減少、少子化、高齢化等の共通の課題を抱えている、そうした中で、三つの自治体の連携の下でデジタル技術を活用して健康、医療等を始めとした地域の課題解決に重点的に取り組むことによりましてデジタル田園都市国家構想を先導するモデルとなることを狙いとしているということでございます。
そして、もう一点お尋ねのあった三自治体の連携については、今年の三月に三つの自治体の首長が一堂に会する区域会議を立ち上げまして、第一弾の区域計画の作成をいたしております。このようにトップレベルの連携を図るというのが一つ。
加えまして、三つの自治体と内閣府の間で定期的に、オンラインでございますけれども、打合せを実施しまして、新たな規制改革事項の検討状況などについて情報共有するなど、事務レベルでも密に連携をしてございます。
内閣府といたしましては、このような取組を通じて引き続き三つの自治体間の連携を支援いたしまして、デジタル田園都市国家構想の先導役として健康、医療分野など地域の課題解決が図られるようしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/57
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058・上田勇
○上田勇君 それで、次にちょっと具体的な案件についてお伺いをするんですが、時間の関係もあるので、家事支援外国人材のことなんですけれども、まとめてちょっとお伺いをしたいというふうに思います。
国家戦略特区でこの家事支援外国人材を受け入れているわけでありますけれども、諸外国においては、外国の家事使用人に関して労働条件が劣悪であるとか人権問題などというような問題が発生をしていることが多いというふうに聞いております。我が国では、入管法で定める在留資格として家事使用人が認められてはいますけれども、外交官とか高度専門職に雇用された場合に今限定をされております。一般の家庭等で働く場合としては家事支援外国人材の制度が創設をされたと。この制度と家事使用人との違いはどういうところにあるんだろうか、また、こうした制度とした理由はどこにあるんだろうかということと。
それから、伺うところによると、家事支援外国人材の在留者数というのは二〇二〇年度以降減少をしております。コロナということもあったんでしょうけれども、そこの理由は、それ以外にも何か理由があるのか。
これまで、この制度についてそうした外国人労働者を支援する活動を行っている人たちからは、例えばこの家事支援人材というと、高齢者補助などの業務の範囲というのが不明確な部分がある、介護との境界線ということでありますけれども、それから低賃金、住居など劣悪な労働条件といったところもある、あるいは雇用されている家事代行事業者、この家事代行事業者に雇用してもらっていなければならないわけですから、これを選択したり変更することが事実上難しい、こういった問題も指摘されておりました。
こういった問題があるのかどうか、また、そういったことについてどういうふうに認識をし、対処されていくのか、ちょっとまとめてで申し訳ないんですけれども、御答弁よろしくお願いいたします。
〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/58
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059・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) まず、前段の家事使用人と家事支援外国人との違いなどでございますけれども、これ家事使用人の方は外交官や高度外国人材等の一部の外国人に個人的使用人として一定の要件の下で雇用されるというものでございました。これに対して、家事支援外国人材の方は家事支援サービスを行う事業者に雇用されている点が特色になります。また、家事支援外国人材については国家戦略特区内に限定した制度となってございます。
このような制度とした理由なんですけれども、女性の活躍推進や家事支援ニーズへの対応などが重要な課題であることを踏まえまして、国家戦略特区内において試行的に、関係行政機関によって構成された第三者管理協議会による管理体制の下で、雇用条件などが基準に適合していることを確認された事業者、特定機関と呼んでおりますけれども、との雇用契約に基づいて外国人材を受け入れることができる制度としたものでございます。
そして、後段に入りまして、一つは減少理由なんでございますが、確かに外国、支援外国人材の在留者数は二〇二〇年度以降減少しております。私ども承知している限りは、やはりお話しいただいた新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う入国制限が主な要因というふうに伺っております。
また、議員御指摘の問題点、非常に重要な点でございまして、制度的には、国家戦略特区法に基づいて特定機関が講ずべき措置を定めた指針において、外国人家事支援人材には家事支援活動以外の業務をさせてはならないこと、報酬額は日本人が従事する場合の報酬と同等額以上であること、また、住まいについては事業実施区域を含む都道府県内において外国人家事支援人材の住居を確保すること、あるいは、雇用の継続が不可能となるようなことがもしあれば、ほかの受入れ事業者を確保するよう努めることなどを定めておりまして、各区域における第三者管理協議会により監査などもしながら適正かつ確実な実施を図ってございます。
引き続き、関係省庁等と連携しつつ、この家事支援外国人受入れ事業の適正な運用に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/59
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060・上田勇
○上田勇君 本当は課題とか実態などについても質問させていただきたいところでありますけれども、時間になりましたので、これで終わらせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/60
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061・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 質疑を続けます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/61
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062・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文でございます。
今日はこの農地取得の問題についてやっていきたいと思いますけれども、私、これ、三年間ずっとこの国家戦略特区について質疑をさせていただきました。ここに至って構造改革特区に移行するということになったわけで、これ率直に大臣よく頑張ったなというふうに思いました。あれだけの、まあ自民党内も大変だったと思いますし、だけれども、皮一枚残ったということにおいては、この規制改革をしっかりと守られたのかなというふうには思っています。
ただ、やっぱり全国展開されなかったということに関しては、これは一歩後退ということだというふうに私たちは評価をしているところでございます。
これは、先ほど来、様々な委員の方がお話をされていましたけれども、やっぱり耕作放棄地がもう止まらないわけですね。ですから、二年前にも質疑をさせていただきましたけれども、これ平成二年には二十一・七万ヘクタールの放棄地だったものが、平成二十七年には四十二・三万ヘクタールということで、約倍増していると、そのほとんどがこの中山間地域ということであります。それで、担い手不足、農業生産高は上がらないということの中で、どうやったらこの農地を守れるのか、日本農業を守れるのかということの中で、多様な主体が参入していくことが必要であるということから、今回のこの規制改革に至ったというふうに理解をしているものであります。
その中でも、これ養父市で、これまあほかの規制改革もセットでやったということも肝だというふうに思っておりますけれども、その結果、耕作放棄地の減少、新しい雇用の創出、農業生産高の増加、さらには地域コミュニティーの再生につながったということで、すばらしい成果を上げたものであります。ですから、これ安倍総理も、国家戦略特区の目玉であると、優等生であるということもずっとおっしゃってきたものでありますし、私もそのとおりだなというふうに思っているものであります。
ただ、ここに来て、この国家戦略特区が全国展開をせずに構造改革特区になってしまったということに関して、まずは、この経緯とその理由、これを聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/62
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063・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
今回の法改正は、昨年実施いたしましたニーズと問題点調査で示された法人農地取得事業に対するニーズと懸念あるいは問題点に関する御意見の双方を十分に考慮に入れた上で、農林水産省とも協議を重ね、昨年十二月二十二日、国家戦略特別区域諮問会議において構造改革特別区域法に基づく事業に移行するものと決定された方針に基づくものであります。
この改正は、地方自治体の発意により言わばボトムアップで、トップダウンというよりボトムアップで構造改革特別区域法に基づく事業に移行するというものでありまして、各市町村が責任を持って、現場の実態を踏まえ、創意工夫を発揮することができるものと考えております。
委員御指摘の担い手不足、そして遊休農地、この問題の解決のために、こうした悩みを抱える中山間地域は全国に数多く存在すると思います。私も養父の実例を見てまいりましたけれども、そこで行われたことが、各自治体が言わば手を挙げる形で広がっていくことを期待したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/63
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064・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
ですから、日本の農業は壊滅状態ですよ、はっきり申し上げて。これだけ農業、非常に極めて重要な、食料自給率という観点からもそうですし、食料安全保障という観点からもそうですし、極めて重要な農業がこれ壊滅状態になっているわけですね。ですから、これまでの農政は極めてこれ反省を、猛省をしなければいけない状況であるということだというふうに思います。
その中で、やっぱりあらゆることをやっていかなければいけないというふうに思うんで、その一つがこれ、この規制改革ですし、今の養父市の広瀬市長は本当にうまくやられたなというふうに思うんです。ですから、もう様々なリスクはあります。確かにリスクはあるんですけれども、それを、リスクをちゃんと抑えながら成功に導いたということでいうと、極めてすばらしい価値を、すばらしい成果を上げた規制改革だったなというふうに思うわけです。ですから、これ全国展開するのは当然というふうに思うわけですけれども、このニーズと問題点調査という横やりが入って、これ一年間延長してアンケート調査やるんだということになって、このニーズと問題点調査ということが行われたわけですけれども。
これ、一つだけはっきりさせておきたいのは、大臣はこれニーズはあるということで認識をされているということでよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/64
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065・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
ニーズと問題点調査、対象を、法人、農家、市町村に対する調査と、もう一つ、中山間地域を有する市町村に対する調査、この二通り行っております。そのいずれにおいても、五十を超える主体から活用の考えがあると、こういう回答を得ておりまして、また担い手不足や遊休農地の解決に有効な選択肢であるといった具体的理由も把握をさせていただきました。そのことをもって一定の活用のニーズはあるものと認識をいたしております。
ニーズがあると回答のあった主体には昨年十二月二十二日の国家戦略特区諮問会議決定をお知らせをして、さらに、現在、具体的に関心や要請のあった主体についてはオンライン会議を開催して法案の内容等を御説明するなど、周知と対話に努めているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/65
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066・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 これニーズはあったということで、これ確かなものだというふうに思うんですけれども、去年十月二十八日の国家戦略特区諮問会議において、野村農水大臣は、アンケートの結果で活用する考えはないとの意見が多数を占めていることなどから、法人農地取得事業の全国展開には慎重になるべきとの発言をされているわけでありますけれども、この発言はおかしいですよね。おかしいですよね。まあおかしいとはなかなか言えないとは思いますけれども、やっぱりニーズがあったらこれをやればいいわけであって、活用する考えがないところは使わなければいいというだけですよね。これ、ニーズがあればその自治体がこれを使えばいいということですから、ニーズがないかどうかということは関係ないというふうに思います。
ですから、これはニーズがあるということがはっきりしたのであれば、これを全国展開する十分な理由があるということ、これをまず申し上げておきたいというふうに思います。
そしてもう一つ、この問題点調査ということも、これもなぜか行われたわけでありますけれども、これアンケートの中では自由意見としていろいろな指摘がございました。ほとんどが制度の活用を考えていないと言っている自治体がこういう意見を言っていたということが書かれているわけですけれども、農地所有適格法人で十分である、リースで十分である、そもそもニーズがないといった意見、様々出されていました。
ただ、これはあくまで感想であって、活用しない方々がそう考えるのは自由だと思うんですけど、活用する上でこれは全く関係ない意見なんだろうなというふうに思います。現に農地を所有したいと考えている法人や制度を活用したいと考えている自治体にとってみれば、この意見は全く関係ないものだというふうに言わざるを得ないというふうに思います。
また、懸念事項として、農地の転用を危惧する記述、これもありました。しかし、この転用に関しては、今回の制度においては自治体がこれ買取りをするんだというリスクヘッジをすることによって、この構造改革特区にまで至っているわけでありますけれども。
ということで考えると、じゃ、何か問題点があるのかどうか、特段の問題がないから全国展開をするんだ、特段の問題がないからこれを構造改革特区にするんだというロジックだというふうに思いますけれども、これはどのような問題点があるというふうに認識をされているのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/66
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067・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) お答え申し上げます。
ニーズと問題点調査で何があったかというのは、今委員からもかなり御紹介いただいたと思いますけれども、昨年実施した調査の中では、一定のニーズの声はいただいたけど、多くの自治体からは活用する考えはないという回答があり、そこで懸念や問題点というのも示されました。その中には、確かに農地所有適格法人やリース等の現行制度で十分だというお声もあったんですが、そのほかにも、投機的な取得、あるいは撤退後の耕作放棄地、転用が懸念される、あるいは外国資本の流入や地域コミュニティーとの共存等についての不安があるといった意見もございました。
やはり、法人による農地取得については、ニーズがあったと考えておりますけれども、相対的に比べてみると、活用する考えがないというお声も多くて、依然として懸念等の御指摘も多かったので、引き続き特区制度の枠組みの中で運用して効果や御懸念の払拭について確認しようというふうに考えたところでございます。
これが、なお、今回の改正は、国家戦略特区内でなくても地方自治体の発意による構造改革特別区域法に基づく事業に移行するというものでございまして、各市町村が責任を持って、現場の実態を踏まえて創意工夫を発揮することができるものと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/67
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068・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 それで、その中で、今、先ほどほかの委員の方からもありましたけれども、リースで十分じゃないかという声があるわけですけど、それはリースで十分だというところはリースで十分だというふうに思うんです。ただ、所有が必要だと思っているところはあるわけであって、その所有が必要だというところがどれくらいあるのかということによってこれを決めればいいというふうに思うわけですけれども。
再度お伺いしたいんですけれども、所有することのメリットというのはどのようにお考えなのかということについてお伺いできますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/68
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069・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) お尋ねの趣旨は、企業の立場から見て、例えばリース方式と比べて所有をすることのメリットということだと思いますけれども、これはもう安定的にまさに農地を使っていけるということでございまして、何年後には返さなきゃということもないので、その期限を超えるような長期的な視野で投資をしていく、その投資を前提とした農業経営、自分のビジネスモデルというのを展開していける、こういうことだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/69
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070・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ですから、リースと所有では本気度が違うということだと思うんですよね。本気度が違うということだというふうに思います。あえて言わせていただきますけど。
やっぱり、そこで定住して、ちゃんと土地を所有して、さきのPLの話、BSの話もありましたけれども、それだけのリスクを冒してもちゃんと所有して根付いてやっていこうということは、やっぱりそれは本気度が違うんだろうなというふうに思いますし、それは周囲の受け止め方も、あっ、本気なんだなというふうに思ってくださるというふうに思うんです。
ですから、今回の養父市の事例は、本当に地域コミュニティーと溶け合って、あっ、この企業とずっと一緒にやっていこうということで、そのことが、まさに本気度が違うことがこの今回の成功につながったというふうに私は考えているものでありますので、その所有が必要だということに関してはもっときちんと、そんな何か、たどたどしくではなくて、本気度が違うということをしっかりと言っていただきたいというふうに思うわけであります。
岡田大臣はこの法人農地取得事業に対してそもそもどのように評価をされているのかということについて再度お伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/70
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071・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
法人農地取得事業をどう評価しておるかというお尋ねでございまして、これはやはり人口減少や少子高齢化などを背景にした我が国の農業における担い手不足による遊休農地増加の問題について、これは再三、先ほどから御指摘をいただいておりますけれども、地方における基幹産業の一つである農業の衰退につながり、地方創生にとっても喫緊の課題であると考えております。
法人農地取得事業は、特に担い手不足の影響が大きい中山間地における農業の改革を目的として、平成二十六年に国家戦略特区に指定された兵庫県養父市からの提案を受けて、平成二十八年から開始したものであります。
実際、私も養父市にお伺いをいたしましたけれども、養父市においては、確かに広瀬市長の熱意にこれは本当に大変なものがあり、また養父市の方々をよくまとめてこの事業に取り組んでこられたなというふうに敬意を表する次第でございますけれども、そうした法人農地取得事業が担い手不足や遊休農地の解消などの地域の課題解決に貢献したということを実感をしており、法人農地取得事業の目的を養父市は達成をしたと、このように考えております。
やはり、養父市に限らず、特に、中山間地域の担い手不足、そして遊休農地の問題を抱える深刻なところには、やはりリスクはあってもそこにチャレンジをするという、そういう気持ちを持った自治体もこれから現れることと思いますし、そうした際に、この構造改革特区によって、手を挙げていただき、自ら創意工夫も重ねてこの事業を進めていただく余地はあると、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/71
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072・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。非常に力強いお言葉だったというふうに思います。
ただ、リスクはあってもと、リスクはないですよね、そんなに。これ、リスクはほとんどないと思います。これだけ、まあ購入をするということのリスクということなんですかね、今おっしゃったリスクというのは。
であれば、ちょっと、済みません、先ほどの小沼委員の質疑の中でちょっと気になったことがあったんですけれども、その予算措置が必要であるということがありました。養父市は確かにそれをしています、債務負担行為としてですね。これは認定するときの要件ということではないですよね。その後にこれはちゃんと予算措置してくださいねということを求めていくということをさっきおっしゃっていましたけれども、これは構造改革特区の中で認定をしていく要件ということではないということでよろしいですよね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/72
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073・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) 先ほど私が御答弁を申し上げたことは、農地の不適正利用があった場合の買戻し措置に実効性を持たせることは重要であり、今後、新たな制度の下で事業に取り組む地方自治体に対しても、原状回復のための費用負担義務を法人に課している養父市と同様の対応を講じるように求めてまいりたいと、このように申し上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/73
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074・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ですから、要件ではなくて、求めてまいりたいということであったというふうに思います。実効性を担保するということは重要ですけれども、それぞれの自治体においていろんな事情があるというふうに思いますので、そこはよく運用上勘案していただきたいというふうに思います。
私の心配点としては、これ、手を挙げた自治体がしっかりとこれを改革特区にして認めていくことができるのかどうなのかということでありますけれども、今回の国家戦略特区に課せられた要件と同様の要件これ課されていて、その区域内において農地等の効率的な利用を図る上で農業の担い手が著しく不足していること等ですね。かなりこれ厳しい、厳しいというか、まあファジーな要件が付いているわけですけれども、この農業の担い手が著しく不足しているというのは当該自治体がもう判断することということだというふうに思うわけですけれども、これ国側が判断をどのようにするんですかね、これは。このことによって何か認定されないみたいなことがあるんでしょうか。どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/74
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075・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) 今回、担い手、それから遊休農地について要件がございます。ファジーとおっしゃったのは、多分、恐らく著しくとか、そういう言葉になっているからということだと思います。
そこは、私どもが実際に自治体の方から御申請あるいは御申請の御相談を受けたときに、やっぱりそのところの実態をよく聞いて、これ本当に、担い手不足あるいは遊休農地についてどういう実態があるのかというのを一つ一つ丁寧にお話を伺って判断をしていきたいと思います。困っているんだということでお話あるんだと思いますので、そのときに、それはどういうことなのかとか、そこでどういうふうな事情があってそうお感じになっているのかということを一つ一つ丁寧に聞いていきたいと思います。
何が、機械的に何か一律な数字を決めて、何かこれさえ満たしていればいいとか、逆に、これを満たしていなかったら金輪際駄目だとかいうのも逆にやっぱり違うと思っておりまして、やっぱり地域地域の実態やお声というのを一つ一つこれは丁寧に聞いて判断していきたいというふうに考えています。何か、もちろん、多分御懸念は何か非常に厳しい態度でそれをやることがあってはならないということだと思うので、そういうことではなくて、この後、制度の趣旨を全うできるように、そこは実際にむしろ寄り添う形でしっかり相談したいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/75
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076・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。よく理解できました。
担い手不足はどこもそうですよ。著しくどこも私の認識によると担い手は不足しているということなので、もう既にこれは前提としてクリアしているんじゃないかというふうに思われるような要件だなというふうにも考えているところであります。今、何か厳しい要件を課すものではないということで、しっかり一つ一つの状況を丁寧に解きほぐしていくんだという御答弁がありましたので、それしっかりと運用していただきたいというふうに思います。
それともう一つは、今回養父市が成功した理由として、この農地の権利移動の許可事務を行う主体が養父市の場合では市長が行えるということで、国家戦略特区の別メニューの中でこれも適用がされているわけであります。
これ、農地法第三条では、農地の権利移動の許可事務は農業委員会が行うという規定があります。しかし、養父市においては、この法人農地取得事業とは別のメニューの中で、農地の権利移動の許可事務を市が行えるということにしておりました。もうこれはセットでこの国家戦略特区を進めてきたわけですね。この国家戦略特区の十九条で適用されていて、これ、養父市以外にも新潟市、愛知県が活用していて、許可事務に係る日数の大幅な短縮というかなり高い成果をこれ上げているというものだというふうに思います。
一方の法人農地取得事業はこれ十八条によるものであって、この二つの国家戦略特区は、そもそも養父市の提案によってこれ実現したものであるというふうに認識をしております。つまり、これ二つで一つとして運用されてきた、だから成功したということも言えるんではないかなというふうに思います。
そこでお伺いしたいわけですけれども、この特段の弊害がなく、許可事務の日数短縮という成果を上げているこの十九条について、これ、なぜ全国展開がされないのか。成立からこれ九年間国家戦略特区のまま立ち止まっているわけですけれども、この理由と今後の展望についてお伺いしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/76
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077・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
国家戦略特区法における農業委員会と市町村の事務分担に係る特例について、これまで、先ほど御指摘の兵庫県養父市、新潟県新潟市、愛知県常滑市の三自治体で実施するとともに、国家戦略特区ワーキンググループにおける農林水産省からのヒアリングや区域会議における特例の評価を実施してきたところであります。この特例の今後の取扱いについては、国家戦略特区基本方針や現場の取組、ニーズを踏まえて、国家戦略特区ワーキンググループで引き続き議論をしてまいりたいと考えております。
この国家戦略特区ワーキンググループにおける農水省からのヒアリングにおいては、農水省は、この特例の狙いである農地の流動化や農地利用の最適化は農地関係制度の改正で可能であることなどから全国展開は難しいという主張でありますが、内閣府としては、国家戦略特別区域基本方針において、特例措置の活用から一定期間が経過し、特段の弊害のない特区の成果については、全国展開に向けた検討を重点的に進めるなど、全国展開を加速化させるとされていることも踏まえて、これ農水省と更に協議が必要でありますけれども、国家戦略特区ワーキンググループでの議論を進めてまいりたいと考えているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/77
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078・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。是非、全国展開を急いでいただきたいというふうに思います。
それと、あと、これ構造改革特区にしても、各自治体や事業者の皆さんがこの制度があるんだということを知らなければ、それは潜在的なニーズから掘り起こされていかないということだというふうに思います。
これは徹底した広報が必要だというふうに考えますけれども、この点についていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/78
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079・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) おっしゃるとおりでございまして、特に、今後、構造改革特区制度に農地などは移るわけでございますけれども、実際に特区を活用していただけるかというのは、最終的には発意する地方自治体次第でございます。この法案で、実現するであろう、した暁には、それも含めてですが、地方自治体にしっかりと周知をしまして、御相談への対応、意向の把握などをしっかり進めてまいりたいと考えております。
また、国家戦略特区制度につきましては、この広報というのを内閣府のホームページやパンフレットなどを通じて制度内容や活用事例の周知を図ってきたところでございますけれども、今後、経済誌への広告掲載等の新たな取組も始めたところでございまして、今後とも広報の充実には努めてまいりたいと考えてございます。
また、加えまして、構造改革特区の区域計画の認定申請を受け付けるに当たりましては、毎回全ての地方自治体に周知を行ってございます。その際、活用できる規制の特例措置が記載されています基本方針、それから認定申請に当たっての具体的な記載内容等を……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/79
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080・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 時間が来ておりますので、端的におまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/80
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081・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) はい。
示したマニュアルについて案内してございますので、今後もこうした広報、周知努めてまいりたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/81
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082・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございました。
今回の国家戦略特区、養父市の事例は、本当に私は農業にとっても一筋の光だというふうに考えております。中山間地域において耕作放棄地の減少という大きな成果を収めたわけですから、これしっかりと全国展開していただけるように是非今後もお取り組みいただきたいということを申し上げまして、質疑を終わります。
ありがとうございました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/82
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083・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、石井苗子君が委員を辞任され、その補欠として猪瀬直樹君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/83
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084・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 質疑を続けます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/84
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085・芳賀道也
○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。
本法案では、オンライン服薬指導の全国展開に伴って、国家戦略特区法の特例措置の規定からオンライン服薬指導が削除されます。また、オンライン服薬指導などに関する厚労省の事務連絡で、いわゆる〇四一〇の対応と言われる特例に基づく電話による服薬指導などは今年七月三十一日で終了すると聞いています。
私の知り合いの信頼できる地元の薬剤師の方に伺うと、オンライン服薬指導に限らず、服薬指導は医療安全第一だということです。テレビのコマーシャルの中には、オンライン診察、オンライン処方、オンライン服薬指導で、ポストに医薬品が届くという便利さだけをうたった宣伝もあるようですが、あのコマーシャルから受ける印象のように、処方箋に書いてある内容どおりに機械的に薬を出すのが薬剤師の役割ではないと教えてもらいました。患者の御年齢や体調、ほかに処方されている薬との飲み合わせなどを薬学的見地から評価、考察した上で患者に的確な説明やアドバイスをして、医薬品の適正使用につながることが大事だと聞いております。
利便性を追求して医療安全の低下を招かないことは重要だと思います。オンライン服薬指導を展開するに当たって、厚労省として医療安全第一を徹底させるためどのような規制や指導をしているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/85
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086・伊佐進一
○副大臣(伊佐進一君) 委員御指摘のとおり、対面であれ、オンライン服薬指導であれ、医療安全が確保された形で服薬指導を行っていくということが重要だというふうに認識をしております。
厚労省では、オンライン服薬指導の実施要領というものを作成し、また発出をさせていただきまして、薬剤師がオンライン服薬指導を適切に実施するために必要な事項を示して、そしてそれに基づいて現場で対応していただくということになっております。
具体的には、対面による服薬指導と同様に、お薬手帳でありますとか、あるいは患者からの聞き取りというものによって、服薬状況や副作用の状況を把握した上で実施するということでありますとか、あるいは、オンライン服薬指導が適さないというふうに薬剤師が判断した場合には、オンライン服薬指導を中止して、そして対面による服薬指導を促すという必要があるという点でありますとか、あるいは、薬局開設者に対しましても、薬剤師向けの情報通信機器の使用、またセキュリティーに関する研修材料を充実させる、こうしたことをお示しをさせていただいているところでございます。
厚労省としては、適切なオンライン服薬指導が実施されるように、引き続き指導を行ってまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/86
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087・芳賀道也
○芳賀道也君 薬剤師さんに伺ったところ、オンライン服薬指導は、新型コロナにかかった場合、非常にこれは喜ばれましたね。あるいは、長時間家を空けられない医療的ケア児、医療的ケア者などの御家族の方、また緊急避妊薬の交付など、特別な場合以外で通常活用するためには幾つか課題があると、幾つもの課題があるということでした。
医療的ケア児などは一日の栄養剤が必要で、それが一パック一キロあると。三十日分出すと三十キロの薬を抱えて、こちらには手の掛かる子供さんがいて、薬局で実は落ち着いて服薬指導ができないというような状況もある。そういう方には、子供さんがちょっと昼寝をしたときとか、そういうときにオンラインでしっかり指導するというのは非常に役立つんだということでしたけれども、それ以外では通常活用するためには幾つもの課題があると。
ふだんからなじみのある方が、たまたま仕事などで忙しくて薬局に行けない、具合が悪くて薬局に行けないという場合ならいいのだが、全くなじみのない初対面の方、よその地域に住んでいる方への対応は非常に慎重にすべきだというお考えでした。現在は、麻薬や向精神薬を除いて、原則として、どの診療の処方箋、全ての薬剤が扱えることになっています。
オンライン服薬指導に関して厚労省にお尋ねしたいのが、成り済ましや偽造処方箋、この対策はどのように行うように薬剤師に指導しているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/87
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088・伊佐進一
○副大臣(伊佐進一君) この先ほど答弁させていただきました実施要領でございますが、ここにおきましては、原則として、まず薬剤師と患者双方が身分確認書類というものなどを用いまして、それぞれが本人であることの確認を行うということにさせていただいております。
先ほど委員からも言及がありました、ふだんからなじみがある方であればということでありますが、かかりつけ薬剤師・薬局というものの服薬指導であれば、ふだんから関係が築かれているということでございますので、成り済ましの防止にも資すると考えられます。先ほどのこの実施要領においても、オンライン服薬指導の場合について、かかりつけ薬剤師・薬局において行われることが望ましいというふうになっております。
そしてまた、処方箋につきましては、医療機関からファクス又はメール等で薬局に送付された処方箋情報を基に調剤を行うということも可能としておりますが、ただ、その場合でも、医療機関から薬局に対して処方箋の原本を直接郵送するということにさせていただいておりまして、その偽造を防止をさせていただいているところでございます。
なお、令和五年一月から電子処方箋の運用が開始をされておりますので、これは処方箋の偽造防止にも非常に資するものというふうに考えておりますので、引き続き普及拡大にも行ってまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/88
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089・芳賀道也
○芳賀道也君 今もありましたけれども、身分証明書などを確認するんだということでしたけれども、関連して伺いたいんですが、患者さん御本人がやっぱり病気ですから体調が悪いというので、家族が代わりにという場合もあると思うんですけれども、そのときはどのような身分証明書を想定していらっしゃるんでしょうか、家族が家族であることを証明するというようなときには。お分かりになればということで。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/89
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090・森光敬子
○政府参考人(森光敬子君) そのような場合につきましては、御本人と御家族の方が分かるように、例えば御本人のその保険証の写しだとか、そういうものを提示していただいたりというような形で御家族の関係を確認するといったようなことをやっていただいておると承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/90
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091・芳賀道也
○芳賀道也君 先ほど、かかりつけ薬局、かかりつけ薬局であればいいんだということもありましたけど、元々、家族であることが、顔なじみだった場合はそういったことは省いて、家族とも顔なじみであるような場合はやってもいいんですか、それとも厳格にやらなきゃいけないんでしょうか。どうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/91
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092・森光敬子
○政府参考人(森光敬子君) 基本的には、顔なじみであっても、一応まずは御確認をさせていただくというのは原則でございます。当然ながら、それでもそれを忘れたといったような場合については、また電話なりで確認を御家族に取るとか、そういうような方法もあるかとは思います。ただ、基本的には原則ということをやらせていただいていると。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/92
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093・芳賀道也
○芳賀道也君 ありがとうございます。
今もありましたけど、なじみの近所の患者さんにオンライン服薬指導をするなら偽造処方箋などの問題は起きにくいでしょうが、遠方の方、なじみのない患者さんにオンライン服薬指導をするのは背景が分からないから心配だということをおっしゃっている薬剤師さんは多い。また、オンライン服薬指導に当たって、必ず医薬品の調剤、交付の受取方法の検討も必要です。配達や配送、ロッカー受取などになるケースもあると思うんですが、また、調剤した薬を患者の下に配送する際、患者の同意があれば配送料を請求してもよいという扱いになっていると聞いています。
例えばなんですが、大手の薬局が配送料無料というのをうたい文句、宣伝文句にして、全国どこでも処方箋を受け付けますということにすれば薬局の寡占が進んでしまうのではないかと、こういうおそれがあるんですが、大手薬局による寡占のおそれについて厚労省はどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/93
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094・伊佐進一
○副大臣(伊佐進一君) 大手薬局だから不適切というわけではありません。オンラインか対面かにかかわらず、また大手であれ小規模であれ、大事なことは、その服薬情報を一元的、継続的に把握するかかりつけ薬剤師・薬局という役割が非常に重要だと、ここが適切な、適正な薬物管理を進める観点から重要だというふうに考えております。先ほど御紹介させていただいた実施要領におきましても、個々のかかりつけ薬剤師また薬局によって行われることが望ましいというふうにさせていただいておるところでございます。
厚労省としましては、この配送料の有無だけで薬局が選択されるということではなくて、適切な薬物療法の観点から、患者から患者の生活を支えるかかりつけ薬剤師・薬局が選択されることが重要でありまして、その意義、また役割について周知を行ってまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/94
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095・芳賀道也
○芳賀道也君 是非、大手のチェーン店の薬剤員が悪いと言っているわけではなくて、寡占が進んでかかりつけ薬局というものが淘汰されてしまうようなことのないように、その辺はしっかりとお願いしたいと思います。
それから次に、関連するんですが、保険医療としてオンライン服薬指導を行う場合には、例えば抱き合わせで健康食品などを販売、広告したり、医療保険から支払われる処方医薬品に対して、配送料無料や値引きの条件として処方箋に記載のない商品の購入、言わば抱き合わせ販売みたいなものですが、処方箋に記載のない商品の購入を求めたりするなどの行為は規制すべきではないかと思うんですが、厚労省のお考えはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/95
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096・森光敬子
○政府参考人(森光敬子君) オンライン診療やオンライン調剤も含めまして、保険医療機関と保険薬局につきましては、療養担当規則というものがございまして、それにおいて、健康保険事業の健全な運営を損なうことのないよう努めなければならないとしております。また、健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益の提供により、当該患者が自己の保険医療機関や保険薬局において診療や調剤を受けるように誘引してはならないとされてございます。
当然ながら、具体的には個別の事業ごと、事案ごとに判断をするということにはなりますけれども、健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済的な誘引といったようなものは行われるべきではありませんで、保険医療機関と保険薬局においては、療養担当規則等の規定に基づいて適切な運営を行っていただく必要があると考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/96
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097・芳賀道也
○芳賀道也君 安心しました。これを買えば送料無料にするなんというのは基本的には駄目だということでよろしいんですね。
オンライン服薬指導は対面による服薬指導の補完的なものです。オンライン服薬指導はどのような状況の場合でもよいわけではなくて、対面による情報提供が必要だと判断された場合、例えば騒音や医療通信機器の環境により音声が聞き取れないなど薬剤師による適切な判断が困難になるおそれがあるとき、あるいは急性疾患などで対面でなければ確認できない情報があるとき、患者が容易に薬局にアクセスできる物理的な距離感も重要だと思います。物理的な距離感を担保するために、厚労省としてはオンライン服薬指導に関してどのようにすべきだと考えていらっしゃるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/97
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098・山本史
○政府参考人(山本史君) お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、患者の状況等によりましてはオンライン服薬指導が適さない場合もあると考えております。
このため、先ほど来出ておりますオンライン服薬指導の実施要領におきましては、例えば騒音により音声が聞き取れない、その他の事情によってオンライン服薬指導を行う薬剤師による適切な判断が困難となるおそれがある場所でオンライン服薬指導を行わないこと、それから、オンライン服薬指導の実施に際してその都度薬剤師の判断と責任に基づき行うものであるべきということ、それから、患者の理解度等に応じ薬剤師がオンライン服薬指導の実施を困難とする事情がないかしっかり確認すること、そして、オンライン服薬指導が適さないと薬剤師が判断した場合にはオンライン服薬指導を中止した上で対面による服薬指導を促す必要があることなど、オンライン服薬指導に適する場所、状況、状態で行うこととしております。
厚生労働省といたしましては、オンライン服薬指導の可否の判断も含めまして、適切に患者さんが必要な服薬指導が実施されるよう必要な指導等を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/98
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099・芳賀道也
○芳賀道也君 そうしたオンライン指導ができなくなったときも考えると、やはりかかりつけ薬局というような、これが重要になってくるのではないかなということも指摘して、そこも大切にしていただきたいということを指摘して、次の質問に参ります。
次、このオンライン服薬指導に関連してオンライン診療についてもお尋ねしたいと思います。
オンライン診療は、かつて、初診は対面の診察が義務で、再診からオンライン診療が認められてきましたが、新型コロナの感染拡大防止の一環として、二〇二〇年四月十日の厚労省の事務連絡で初診からオンライン診療が認められるようになりました。
ただ、現場の医師や患者さんからは多くの不満の声があります。臨床の医師は、忙しい時間を割き、慣れないシステムを導入するという手間が掛かりました。患者側も、使い慣れないスマートフォンやパソコンなどを使って診察を受けました。
普通にビジネスの遠隔会議を開くなら会話やデータの共有などを行う程度でオンラインでも構いませんが、ふだんから患者の体調を対面で把握してきた医師からすると、患者が診察室に入ってくるときの立ち振る舞い、顔色、息遣い、体臭は大事な情報。そして、診療科にもよりますけれども、聴診器を使って胸の音を聞いたり、特殊な鏡やペンライトを使って鼻の中、耳の中をのぞいたり、舌圧子を使って舌を押さえながら口の中、喉をのぞいたり、患者の体を触ってしこりの有無を確認したり、打腱ハンマーを使ってかっけを調べたりすること、これらは診断のために必要なことです。しかし、オンライン診療だとこれらのことが一切できません。顔色や息遣いはカメラやマイクの感度が低いと異常が分かりません。もちろん、採血や注射もできない。
医師で医療未来学者の奥真也さんの書かれた医療の未来年表では、オンライン診療が解禁になったことでオンライン診療の限界が明らかになり、むしろ本格的な活用は遅れるのではないかという指摘もありました。
厚労省にお尋ねしたいんですが、オンライン診療を今後どのように展開させていくお考えなのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/99
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100・伊佐進一
○副大臣(伊佐進一君) この患者、医師等にとって安心、安全で適切なオンライン診療の普及、推進をしていくということが重要だというふうに考えております。
御指摘していただいたとおり、昨年の一月からこのオンライン診療の指針を改訂をいたしまして、初診からオンライン診療を可能とさせていただきました。その際には、令和四年度の診療報酬改定におきまして、初診料の新設を行い、また各種点数を引き上げて算定できる医学管理料を拡充、また算定要件の緩和と。現在、令和五年一月一日時点におきましては、約六千九百医療機関がこの算定のための施設基準を届け出ているという状況でございます。
今後、様々な活用状況、また運用上の課題もあろうかというふうに認識をしておりますので、ここをしっかりと把握をさせていただいて、いろんな御意見をいただきながら幅広く適切な医療が提供されるように取り組んでまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/100
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101・芳賀道也
○芳賀道也君 例えば、腕時計型のアップルウオッチを使うと、患者の心拍数、心電図、血中酸素濃度などを検査することができます。また、例えば、高性能のマイクを聴診器に付けたものを患者にあらかじめ送っておいて、オンライン診療の際に患者自ら自分の胸に当てて患者の胸の音を医師が聞けるようにしたり、あるいは、高精度のカメラやレンズを使って患者が自ら口の中や鼻の中を拡大して撮影し、医師が遠隔で見られるようにしたりするなど、技術が進歩する可能性もあります。
厚労省として、遠隔診療で、遠隔医療で使用可能な検査機器をルール化して、一定の検査機器を使った遠隔診療に対しては診療報酬の加算を設けるなど、検討する考えはおありなのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/101
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102・森光敬子
○政府参考人(森光敬子君) 今議員御指摘いただきました様々な検査機器の開発等が進んでいるということにつきましては承知をしておるところでございます。
当然ながら、その機器それぞれについて、審査、薬事等の審査があるかと思います。また、その上で、それらの機器が現在の診察にどのように役に立つのか、さらにその精度をどれぐらい引き上げるのかといった効果、それからどのような役割をそれに求めるのかといったような視点を中医協なりでしっかり議論をした上で、適切に判断をしていくということになるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/102
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103・芳賀道也
○芳賀道也君 オンライン診療が発達することはいい面が非常にあります。今医者がいない離島や中山間地など過疎地では大変こういう診療が進むことは有り難いなという反面、ますます医師がいなくなって、離島や過疎地は、じゃ、オンライン診療でいいのだと、そんなことになってしまえばこれは本末転倒だということもありますので、引き続き、全国どこにいてもしっかりと医療が受けられるということを担保しつつ、こうした新しいものを生かせる部分は生かしていく、そのことをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/103
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104・山下芳生
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
当委員会で質問するのは初めてですので、どうぞよろしくお願いいたします。
法案では、スーパーシティ型国家戦略特区において、データ連携基盤の整備等に関する援助の拡充を行うこととなっております。基本的な問題から確認したいと思いますが、岡田大臣、スーパーシティ構想におけるデータ連携基盤とは何か、目的、仕組みについて簡潔に御説明くださいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/104
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105・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) 山下委員にお答え申し上げます。
データ連携基盤とは、例えばイベント会場におけるチケットデータや駐車場の情報など、多様なデータを迅速かつ効果的に連携させることにより、リアルタイムで渋滞、混雑を予測するなど、複数分野の先端的サービスの提供に資することを目的としたものであります。
その仕組みとしては、イベント事業者や交通事業者など様々な主体から提供されるデータを、API、アプリケーション・プログラム・インターフェースという接続仕様を通じて先端的サービスを実施する事業者等に提供するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/105
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106・山下芳生
○山下芳生君 ちょっと素朴な疑問なんですけど、もうほとんどのコンピューターは既にインターネットでお互いにつながっていると思うんですが、それとこのデータ連携基盤での連携とは何が違うんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/106
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107・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) お答え申し上げます。
普通のインターネットというのは、あれは線がつながっているというところまででございますけれども、これはデータベースがあって、それからデータを利用する人がいて、その間でちゃんとある種の約束や取決めをして、こことここの間ではこういう目的のためにこういうデータをつなげようというのを、もう少しそのデータベースのレベルで情報の流れを管理しながら、その代わり必要なものが取れるようにというふうに制度を整備するものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/107
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108・山下芳生
○山下芳生君 そこで、資料一の図に示された、この地理データ、空間データについては公共のデータとして広く利用されるメリットは分かるんですが、その隣にあります固有データとは一体何なのかと。
例えば、学校が持っている生徒の成績の記録、あるいは病院が持っている患者の医療記録、あるいは金融機関が持っている顧客の預貯金残高などのことでしょうか。そして、これらの個人情報がこのデータ連携基盤を通じて学校や病院や金融機関以外の様々な分野で活用されるということなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/108
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109・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) お答え申し上げます。
ここで、確かに固有データということなのでございますが、これは共通のデータ以外ということを意味しておりますけれども、ただ、これが個人情報そのものかというと、それはケース・バイ・ケースだと思います。生の、何々君は、今度の点数、国語の試験で何点取ったというデータというよりは、何か、例えばそれをもっと集計した統計情報的なものということも考えられますし、はたまた個人情報に若干近いとしても匿名加工されているということもあり得ますし、それはいろいろなものがあるというのがまず第一点でございます。
あと、それをほかのセクターも、この図の上では全部つながっているように見えますが、全てのデータが全てのサービスをやる人に見られるようになるかというと、そんなことではございませんで、それはサービスに応じ、そしてそれを、ユーザーの方がいらっしゃって、どのデータをどの範囲で共有するのが許されるのかということについては、これは個人情報保護の規律の下で丁寧に一つ一つ設定していくという話でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/109
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110・山下芳生
○山下芳生君 どれほどの個人情報なのかということはケース・バイ・ケースということなのでしたが。
確かに、複数分野間でデータの連携が行われることによって、新しいサービス、先ほど岡田大臣が、こんなことができますと、生活が便利になることはあるでしょう。私も、説明受けた際に、つくばでは、高齢者が病院に通う際に最も安全で合理的な移動手段を提供できるとか、私の地元大阪では、地理データ、空間データ、気象データが提供されることによって、空飛ぶ車で万博会場に送迎するサービスが実現できるようになると説明を受けました。
同時に、岡田大臣に伺いますが、行政や企業が、さっきありました固有データ、データホルダーでそれぞれ個別に保有したデータがこのデータ連携基盤によって連携することになると、個人情報が漏えいする危険性がより高くなるという面はあるんじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/110
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111・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
データ連携基盤を通じて幅広い分野のデータを相互に連携し、先端的サービスの実現を図る際には、山下委員御指摘のとおり、個人情報の漏えい防止を図るなど、個人情報保護は大変重要であると考えております。
このために、スーパーシティにおけるデータ連携基盤整備事業者には、個人情報関連の法令遵守を求め、さらに政府が定めるデータの安全管理基準によって最新のサイバーセキュリティー対策を義務付けることといたしております。
また、データ連携基盤を通じて取り扱うデータに個人情報を含む場合には、利用目的の特定、本人確認や同意の取得、管理など、現行の個人情報保護法令等の範囲内において適切な取扱いを行うこととしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/111
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112・山下芳生
○山下芳生君 私、説明伺ったときには、このデータ連携基盤という基盤は分散型のデータ間連携になっていると、つまり一か所にデータを蓄積するんじゃなくて分散管理するんだと、だから大丈夫なんだという説明も受けたんですがね。ただ、本当にそうなのかという、ちょっとまた疑問なんですけどね。
例えば、私が知る限り、病院が保有する患者の医療記録だとか金融機関が保有する顧客の預貯金残高など、個人情報に関わる固有データは、外部とつながらない閉鎖型の管理をしている企業が多いと思うんですね。それをこのデータ連携基盤につないで外部の利用者に提供するということになりますと、当然、これはデータの漏えい、流出のリスクが高くなるんじゃないかと、そう思うんですが、この点いかがでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/112
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113・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) ただいま御指摘の分散型のデータ連携においては、データ連携基盤上にはデータを蓄積せず、先端的サービス事業者がデータを必要とする際に、その都度データ提供者へのアクセスを行いデータ提供を受けることになると、こういう仕組みでございます。
このような分散型の方式の場合、データ連携基盤上にデータを蓄積し、一元的に管理する方式と比較して、個人情報等が一斉に流出することを防ぎ、リスクを低減することができると考えてございます。
また、分散型のデータ連携基盤を運用する場合においても、先ほど御説明したとおり、先端的サービス事業者やデータ提供者が個人情報保護法令にのっとりデータの利用目的をできる限り特定するとともに、本人への丁寧な説明によって同意を取得するなど必要な措置を講ずることとして、これらの措置によってデータ連携時における個人情報保護をしっかりと確保してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/113
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114・山下芳生
○山下芳生君 済みません、ちょっと質問がうまく伝わらなかったようで申し訳ないんですけど。
私が聞いたのは、その上で、その上で分散管理するんだけど、この図のこの固有データ、先ほど説明ありました、これ企業が個々に保有しているデータなんですよ。企業の多くは、かなり機密性の高いデータはもう外とつながらない閉鎖系の管理をしているところ多いと思います。ところが、利便性を追求するということになりますから、様々な個人情報を含む情報が提供され合うと、お互いに。ということは、この閉鎖型のデータが外につながるということになったら、やっぱり漏えい、流出のリスク高くなるんじゃないかということを聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/114
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115・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) お答え申し上げます。
そこのところになりますと、恐らく、企業が、どういう企業の仕事をしていて、その中でそのデータをどう使っていて、したがってどう管理するのかというポリシーの中で決まってくるんだと思います。
もちろん、これ図はこういうふうに作っておりますけれども、当然全ての企業が全てのデータをつなげるということではなくて、おっしゃるように企業の判断、今、つなげない機微な情報は外すというのは、まあ恐らくは企業さんなりにコンプライアンスの観点から考えたり、あるいは、産業によってはサイバーセキュリティーとの関係で一定のガイダンスが出ている場合もありますが、そういったものに基づいてそうされているんだと思いますが、そういった判断そのものについては引き続き尊重されるということでありまして、特にガイダンスのルールのようなものは引き続き適用されるものであります。
したがって、その中で、許された範囲で、まあ今でも別につないでもいいんだけどと思っているようなものについて、ここに載ってくるということが想定されているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/115
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116・山下芳生
○山下芳生君 私は、企業によっては、これまでは閉鎖系に管理していたデータを少しオープンにしようかなという判断もあり得るんじゃないかと。そうすると、リスクは高くなる方向に行くだろうと。これ、決してリスクは軽減される方向にはならないと、私これを見て思っているんですね。
それと、データ提供者とデータ連携基盤をつなぐ回線は、インターネットであって専用回線ではないと説明受けました。そうすると、当然ハッキング等のサーバー攻撃に遭う危険性があるんじゃないかと。攻撃を一〇〇%防ぐシステムは構築できないと思いますが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/116
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117・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) そこのところは恐らくある種のトレードオフなんだと思います。
冒頭、大臣からもお話ありましたように、データをつなげることがテクノロジーによってどんどん可能になってきた。それによって新しいサービスが生み出すことができてきた。消費者も喜ぶという実態が一方にあるわけでございます。ただ、他方で、そのためにつなげるという動きが、今までだったらつなげなかったものがつながるということはあるんだと思います。それはつながっていない状態と比べて固有のリスクがあり得るとは思います。ただ、他方で、同時にそれは、そういった一つの新しいサービス、利便性を生み出すものでございます。
トレードオフと申しましたが、他方で、委員御指摘のとおり、だからといってサイバーセキュリティーがおろそかになる、ウイルス、ハッキングなどで大事なデータが流出するということがあってはならない。個人情報が粗末に扱われることがあっても、これも絶対あってはならないということだと思います。そこは一つ一つ見極めていくんだと思います、そのデータの機微度。
そのデータを、じゃ、少しほかの人とこの連携基盤でシェアしたときにどのぐらい逆にいい価値が生じるのか、こういうことを一つ一つ丁寧に検討していって、それで本当にシェアするとなったら、例えば個人情報であれば御本人の同意をきちんと取るというような形で、そこのところは歯止めを取って、一定の枠の中でしっかり安全運転していくと、こういうことになっていくと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/117
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118・山下芳生
○山下芳生君 一〇〇%個人情報流出を防ぐシステムをつくることはできないと思います。ハッキングとそれからセキュリティーのイタチごっこということはこれまでも繰り返し行われてきました。
もう一つ、つながることによって、例えば、一つの企業、A社がハッキングされ、侵入され、乗っ取られた場合に、A社のデータだけではなくて、これにデータ連携基盤によってつながっているB社、C社、D社などの個人情報を含むデータを容易に入手できることになるんじゃないかと。つまり、連携することによって個人情報の不正入手、漏えい、流出のリスク、ハッキングのリスク高まるんじゃないかと思われますけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/118
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119・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) そこのところは、つながるのでそうだというところもあるかもしれませんが、恐らく、より大事なのはつなげ方なのかなというふうに思っています。
まず、第一の前提として申し上げると、先ほど大臣からもお話がありましたとおり、分散型ということであります。分散型と真逆の議論で蓄積型ということで、このデータ連携基盤の青いところにこのオレンジの人が持っているデータを全部集めてしまって、そこに持っておくというのがもう一つのモデルとしてはあり得るわけです。その方が例えばピンクの人から見るとクイックにアクセスできたりして利便性が高い面もあるかもしれませんが、例えばそれはあえて取らないというのは、まさに今委員が御指摘いただいたように、ここに穴を空けたらもう全部の水がだだ漏れになるというようなことが起きないようにということでございます。
その上で、もちろん、先ほどイタチごっこというお話もありましたけど、サイバーセキュリティー、個人情報、これはデータ連携基盤があろうがなかろうが共通の課題だと思いますけれども、そこにはしっかり万全の体制に少しでも近づけるように努力をしていく、これはもう当然にこのスーパーシティでもやっていかなければならないということだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/119
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120・山下芳生
○山下芳生君 私、つながればつながるほどセキュリティーが脆弱な企業も参加してくることになると。じゃ、そこからいろいろ漏れるリスクも高まってくる面もあると思います。
もう一つ、システムの問題とは別に人間の問題がありますね。悪意を持つ人が内部にいれば、簡単に他者の個人情報を入手することもできるようになると。この人間の問題についてどう対処するかということですが、ちょっと時間が予定以上に経過していますので、資料二に、二〇一四年に日本で起こった通信教育大手ベネッセの顧客情報が流出した事件の報道記事を添付いたしました。
この事件では、七百六十万件とこの記事ではありますけれども、後々三千五百万件の個人情報が流出したことが明らかになりました。この事件の原因は、やはり人間、人の問題だったんですよね。業務委託先の社員が顧客情報を不正に取得し、情報を名簿業者三社に売却したと。同社の原田社長は、システムのセキュリティーは鍵を掛けても悪意のある人間が連動すれば開けられると語っています。
ベネッセは、プライバシーマークといって、この連携情報システムに参加するためにはプライバシーマークの取得が必要だと説明を受けましたけれども、そのマーク取得している企業でありましたけれども、こういう人間による個人情報漏えい防ぐことできないんじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/120
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121・三浦聡
○政府参考人(三浦聡君) お答え申し上げます。
人間による、悪意ある人間による漏えい、非常にこれは懸念すべきことであって、しっかり対応しなければいけないということだと思います。
それで、これは恐らくデータ連携基盤やスーパーシティに限ったことではないんだと思います。これはもう営業秘密の分野とか、ほかのところでもこれ共通の課題だと思いますので、もういわゆるサイバーセキュリティー全般の情報管理の問題として社会全体でしっかり取り組んでいるということだと思います。
なお、今回の法案との関係で申し上げれば、まさに今回はデータ連携に関する援助規定の拡充ということなんでございますけれども、まさにこういう日進月歩で、サイバーセキュリティーであれ個人情報保護であれ、いろんなやっぱり工夫、新しい仕組みが出てくるんだと思います。
そういうことをこれから自治体がスーパーシティとしてデータ連携基盤を整備される場合にはちゃんと情報提供をする。一般的な情報提供もあれば個別の専門家の助言もあると思いますけれども、そういう形でしっかりサポートして、まさにこういう面も含めてデータ連携基盤がちゃんとワークするようにと、こういう思いで今回の法案も提案をさせていただいているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/121
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122・山下芳生
○山下芳生君 私は、つながることによって利便性が良くなる面と、つながることによってリスクが高まるという、これ二律背反だというふうに思っておりますが、ですから、こういう構想を本当に大規模にやろうと思ったら国民的な議論と合意がどうしても必要だと、それなしに進めることは危険だと思っております。
そこで、実際のスーパーシティ構想では個人情報に関わってどんなことが検討されているか、大阪府・大阪市スーパーシティ構想について見てみたいと思います。
資料三に示しておりますけれども、この構想では全国初の本格的な広域データ連携基盤であるORDENを整備することにしております。府内の自治体とサービス事業者とがデータを相互利用できる環境をこのORDENによって提供する予定ですが、その資料四枚目に、このORDENを通じて医療、健康分野で計画されていることが示されております。この中にPHRという言葉が出てきますが、厚労省、PHRについて簡単に説明いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/122
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123・鳥井陽一
○政府参考人(鳥井陽一君) お答え申し上げます。
PHR、パーソナル・ヘルス・レコードとは、法令上の定義はございませんけれども、一般に、個人の健康状態等を本人や家族が随時確認をでき、日常生活の改善や健康増進につなげるための仕組みを指すものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/123
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124・山下芳生
○山下芳生君 この情報の中には、要配慮個人情報を含む病院、診療所あるいは検査機関からの診察、検査データ、保険者保有の特定健診データ、薬局からの薬剤データなども、今入っているものもありますし、今後入るであろう、二四年からは入る方向で検討されているというふうに説明を受けました。
そうしますと、この大阪の資料四のフェーズⅡとあるんですけど、大阪万博の大阪パビリオンの出展基本計画を見ますと、来館者のPHRを基にレストランでヘルスケアを考慮した食事やドリンクを提供することをやりたいと、こうなっております。それから、フェーズⅢでは、PHRを活用し、健康、医療のシームレスな融合や個人への最適化など、高度化された様々な先端的サービスを提供するとしていると。
つまり、データ連携基盤の整備によって、従来、医療機関のみが保有、共有していたカルテなどの個人の健康情報が、医療関係以外の多くの事業者、例えばレストランなどに提供、共有されることになるということであります。
そうなると、個人情報の第三者提供の際の本人同意の質が変わってくるんではないかと思います。医療機関だけだと思って私の医療情報を提供することに同意したのに、医療と関係のないいろんな企業に提供されるなんて知らなかったとなってはならないと思うんですが。
そこで、岡田大臣にお聞きします。
個人の医療情報が、医療、医学分野のみならず、データ連携基盤を通じて他の分野、事業者にも提供されることになる点について、本人に丁寧な説明がされた上で本人の同意がなされるようにする必要があるんじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/124
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125・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
スーパーシティにおいて先端的サービスを実施する事業者がデータ連携基盤を通じて個人情報に該当する医療情報を取得しようとする場合には、その利用目的があらかじめ、例えば患者さん等、本人の同意を得た利用目的の範囲内であることを十分確認し、目的外の利用が行われないよう確保することとしております。
一方で、この本人の同意取得に当たっては、議員御指摘のとおり、本人に丁寧な説明を行った上で本人の同意がなされるようにすることが重要と考えております。個人情報保護法のガイドラインにおいても、利用目的の特定に当たっては、利用目的を単に抽象的、一般的に特定するのではなく、個人情報が個人情報取扱事業者において、最終的にどのような事業の用に供され、どのような目的で個人情報を利用されるのかが本人にとって一般的かつ合理的に想定できる程度に具体的に特定することが望ましいと、このようにされています。
スーパーシティのデータ連携基盤を通じて個人情報を取り扱う場合にもこのような個人情報保護法令が遵守されるよう、データ連携基盤整備事業の実施主体をしっかりと監督していく考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/125
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126・山下芳生
○山下芳生君 今大事なことを御答弁されたんですけど、果たしてこのスーパーシティ構想のようなときに具体的にイメージが湧くような説明できるんだろうかと。だって、このデータを利用したいという方が物すごいたくさんの業種、各社に及ぶわけですよね。目的違うでしょう、恐らく、どういうふうに利用するのか。新しいサービスの創出とか利便性の向上だけだったら、それ分からないんでね。しかし、じゃ、どこそこのレストラン、どこそこの金融機関、保険会社に提供しますみたいなことを全部言うことはなかなかできないんではないかなということもありましてね、これなかなか難しいんではないかと思います。
それから、もう一つ関連して言いますと、こういう自分の医療情報を提供したんだけれども、これが医療以外の第三者に提供されることになるんであれば、もう医療情報の提供をやめておこうということになる方が増えて、医療、医学の発展が阻害される心配も出てくるんじゃないかと思うんですが、この点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/126
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127・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) 御指摘のように、データ連携基盤を通じたデータ連携やスーパーシティにおける新しい取組についての不安を住民が抱く場合も考えられることから、個人情報保護法等が確保された上でデータの利活用を進めることで、例えばAIを活用した健康増進プログラムなど様々な先端サービスが実現し、住民の利便性が向上されるというメリットをしっかり伝えていく、これ両方大事なことだと思っております。
これまでも、スーパーシティの提案段階における住民説明会等の開催やパブリックコメントの実施、フォーラムの開催等を通じてスーパーシティ構想の周知を行ってきたところでありますが、住民が参画し、住民目線で二〇三〇年頃に実現される未来社会を先行実現することを目指すスーパーシティ構想の目標に向けて、今後とも、住民始めとする関係者の御理解が得られるよう、様々な機会を捉えてスーパーシティ構想とその先端的サービスについて周知を徹底していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/127
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128・山下芳生
○山下芳生君 時間参りましたので、ちょっと私が感じたことだけ述べて終わりにしたいと思うんですけど、大阪の構想は、現在は、万博会場あるいはうめきた二期という限られた空間、新しい空間なんですけれども、これを将来は全府、全市町村に広げようとしております。
つまり、新しい町に入ってくる、新しい限られた空間に入ってくる人だけではなくて、今現に住んでいる人たち全体にこういう連携システムが適用されることになると。そうなると、そのことを住民がちゃんと理解して参加できるようにしないことには、これは、個人情報の扱い、あるいは監視社会の問題、民主主義の根幹に関わるようなことにもなりかねない非常に重大な問題をはらんでいる構想だということだけ申し上げて、質問終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/128
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129・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/129
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130・岸真紀子
○岸真紀子君 立憲民主・社民の岸真紀子です。
私は、会派を代表し、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案につきまして、反対の立場から討論を行います。
まず、スーパーシティについてです。
私たちは、先端技術の活用を進め、便利で快適な生活の実現を後押しすることを否定するものではありません。補助金等交付財産の目的外使用等に係る承認手続の特例の例として挙げられている、地域の子育て世帯の増加に対応するため、現在使われていない小学校の空き校舎の一部を新たな保育施設を整備するために転用することは特区だけではなく全国的に求められていると考えます。
しかし、二〇二〇年改正時から問題としてきた、住民への十分な説明や合意形成が担保されていないこと、住民のプライバシー侵害のおそれがあること、強力な監視社会になるのではないかなど、スーパーシティ構想の問題点は何も解決されておりません。
自動配送ロボットの走行等の先端的サービスなど、利便性の高い社会の実現を目指すことには期待するものの、一方で、データ連携基盤の互換性の向上や信頼性の十分な確保への懸念が残ります。個人情報の取扱いには細心の注意が必要です。
サイバーセキュリティーも重要な課題です。カナダ安全保障情報局、CSISは、スマートシティー技術が機密データの採取などの攻撃や外国からの干渉の扉を開く可能性があると警告しており、国家安全保障上も極めて重大な問題であると言わざるを得ません。
次に、法人農地取得事業の特例は、国主導の国家戦略特区から地方自治体の発意による構造改革特区に移行することになりますが、そもそも法人の農地取得について、リースではなく所有することの必要性や効果が明らかではありません。
既に兵庫県養父市からオリックスが撤退したように、企業が求める農地は条件不利地ではなく優良農地と思われ、構造改革特区によって全国展開した場合、養父市とは全く異なる展開が予想されます。目的外使用や転売又は開発行為等により農地が荒廃するのではないかといった疑問も解消されていません。
法人が所有した農地等を適正に利用していない場合、自治体が買い戻せるとはいっても、農地の不適正利用について厳格、明確な基準がありません。また、買戻しには自治体に財政面の負担等が生じ、住民の負担増にもなりかねません。
私たちは、公共財であり食料安全保障の基盤である農地をしっかり守っていく立場から、法人の農地取得の推進には大きな懸念を抱いております。
以上、反対の理由を述べ、討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/130
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131・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文でございます。
私は、会派を代表して、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案について討論をさせていただきます。
この法案では、スーパーシティ等における先端的サービスの推進と法人農地取得事業の特区のくら替えという全く異なる性質のものが一つの法案で処理されていますが、本来は別々の法案として審議をし、賛否を採る必要があったはずであります。
スーパーシティについては日本維新の会として明確に賛成の立場にあります。補助金等交付財産の目的外使用に係る認証手続の円滑化は、新たなイノベーションを生み出すための重要な環境整備と言えます。また、データ連携基盤の整備は、今後実用化が期待される自動配送ロボットの走行や様々な分野での活躍が期待されるドローンの運航等、先端的サービスの早期実装を推進していく上で重要になってくると考えます。
しかし、もう一方の法人農地取得事業に関しては、今回の構造改革特区への移行という措置は改革の後退であると認識をしています。本来全国展開されるべきであった本事業がそうならない理由について納得できるものはありませんでした。また、養父市では、法人農地取得事業とともに、農地の権利移動の許可事務を農業委員会から市長に移すという別の国家戦略特区事業も並行して行われていました。しかし、こちらは国家戦略特区に残り続け、その意味で、今回、法人農地取得事業は不完全な形で構造改革特区に放り込まれたと言えます。農地の権利移動の許可事務についても、一刻も早い全国展開を要望しておきます。
また、法人農地取得事業が今回国家戦略特区から構造改革特区に移行する上で、自治体への厳しい参加要件がそのまま残っていることも問題であります。本事業が構造改革特区に移るのであれば、その中で最大限制度が利用されることを望みますし、参加を希望する自治体の意向を尊重した制度運用がなされる必要があると考えます。また、潜在的なニーズをしっかりと拾えるよう、本事業及び特区制度の幅広い広報活動を実施するよう要望しておきたいと思います。
日本の美しい農地がどんどん耕作放棄地と化し、転用も進んでいます。担い手不足も深刻であり、日本の農業は極めて厳しい状況にあると言えます。そのような中、養父市での成功事例は中山間地域で過酷な状況にある現状を打破する一筋の光と考えます。一刻も早い全国展開を求め、討論とさせていただきます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/131
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132・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 賛成、反対。賛否。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/132
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133・柳ヶ瀬裕文
○柳ヶ瀬裕文君 賛成です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/133
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134・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 引き続きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/134
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135・山下芳生
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、国家戦略特区法及び構造改革特区法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
本法案は、スーパーシティの根幹であるデータ連携基盤に対する国の援助を追加するとしています。確かに、地図、交通、防災などの政府、地方公共団体が保有するデータを民間活用など、安全確保や国民の利益に資する面もあるでしょう。しかし、データ連携基盤に共有される個人情報の保護が問題です。
大阪府・大阪市スーパーシティ構想では、データ連携基盤を使った健康、医療のシームレスな融合や個人への最適化が掲げられており、そのマイルストーンとして位置付けられた大阪万博の大阪パビリオンの出展基本計画によると、来館者のPHRを基にレストランでヘルスケアを考慮した食事やドリンクを提供するとあります。このように、非常にセンシティブな個人情報をデータ連携基盤上で共有する場合もあるにもかかわらず、個人情報保護対策が不十分です。
政府は個人情報保護法に基づき個人情報保護対策を行うと言っていますが、現在、その個人情報保護法に基づく対策がなされているにもかかわらず、情報漏えい事件が後を絶ちません。なぜなら、一〇〇%個人情報漏えいを防ぐことは、どんなセキュリティーシステム対策でも不可能だからです。悪意の内部関係者による漏えいのリスクもあります。そして、財界が求めているあらゆる領域を超えたデータ連携が整備されれば、更に多くのデータが集積され、多くのデータ利用者がアクセスすることにより、より情報漏えいの危険性が高まります。政府がその基盤整備に更なる援助を行うことは、個人情報漏えいのリスクよりデータの利活用を進めたい民間企業、財界の便宜を図ることを優先することになり、賛成できません。
次に、法人農地取得事業についてです。
法人による農地所有は、政府などが岩盤規制と呼んだ規制改革の本丸と呼べるものです。今回、国家戦略特区から構造改革特区に同事業を移行するのは、全国展開への通過点にすぎず、認められません。
企業による農地取得には、農地の不適正利用や撤退という懸念があり、政府は自治体が農地を買い戻す契約をもって対策としていますが、その後始末まで自治体任せでは負担が大き過ぎます。少なくとも、買戻しの費用は、養父市のように参入企業にその責任を果たさせることを条件にするべきです。
養父市では、六社の企業が営農する合計三十五ヘクタールの農地のうち、所有は合計一・六五ヘクタールにすぎず、それ以外はリースです。現行でもリースでの営農は可能なのです。農地所有適格法人制度もあります。
これまで農地の取得を厳格に規制してきたのは、農地が食料生産の基盤であり、国民の食の安全保障のためです。世界最低クラスの食料自給率を引き上げること、また住民と一緒に耕作放棄地も活用して地域農業を活性化させる様々な努力を応援することこそ、政府の果たす役割であります。
また、補助金等交付財産の目的外使用については、承認のスピードアップや企業にとっての予見性を高めるための要件緩和となります。特定の企業を優遇することになりかねず、今後、同様の手続を行えば、国の様々な研究施設設備で目的外使用が可能となります。公正であるべき補助金適正化法で禁じられている補助金等交付財産の目的外使用等の在り方をゆがめるものであり、本特例は必要ありません。
以上を指摘して、反対討論とします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/135
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136・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/136
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137・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、杉尾君から発言を求められておりますので、これを許します。杉尾秀哉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/137
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138・杉尾秀哉
○杉尾秀哉君 私は、ただいま可決されました国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
一 特定法人による農地等の不適正利用を受けた買戻しには地方公共団体に財政面の負担等が生ずることから、地方公共団体が特定法人による農地取得事業の内容を十分に理解した上で導入を検討することができるよう、丁寧な情報の提供等に努めること。また、地方公共団体が買戻し等の適切かつ円滑な対応を行えるよう、適正に利用しているかどうかの判断基準を政府が示す等、必要な措置を講ずること。
二 特定法人による農地所有を認めるに当たっては、当該農地が目的外使用、転売又は開発行為等により荒廃すること等のないよう、必要な措置を講ずること。営農型太陽光発電については、農地の効率的な利用が必ずしも図られず、生産性の低下につながるおそれがあることを踏まえ、構造改革特別区域における営農型太陽光発電に係る農地転用は認めないこと。
三 農林水産大臣が構造改革特別区域計画の認定に係る同意を行う際には、農業経営基盤強化促進法に基づく地域農業経営基盤強化促進計画との整合性等、農地法制上の観点から適否を判断すること。
四 特定法人による農地取得事業に係る構造改革特別区域計画の認定に当たっては、役員等の国籍、農地の利用目的、資本構成等の事項について確認すること。また、認定後においても、これらの事項を毎年確認するよう地方公共団体を指導すること。
五 農地等の買戻しが必要となった場合において、原状回復が企業の責任において行われるよう、書面契約を締結するに当たっての留意点を国として示すこと。
六 農地等の不適正利用が発生しているにもかかわらず、地方公共団体が農地等の買戻しを行わない場合には、当該地方公共団体に対し、報告の徴収、措置の要求又は認定の取消し等、速やかに、構造改革特別区域法に基づき必要な措置を講ずること。
七 外国資本による農地所有に関しては、投資目的等の懸念があることから、その影響について、日本人の雇用の確保、食料安全保障等の観点から速やかに検討を行い、必要な措置を講ずること。
八 特定法人による農地取得事業については、遅くとも構造改革特別区域計画の認定の申請期限である令和九年三月末までに、その活用状況を踏まえ、制度の存廃も含めて在り方を検討すること。
九 データ連携基盤の互換性の向上や信頼性の十分な確保により、自動配送ロボットの走行等の先端的サービスの推進を図り、利便性の高い社会の実現を目指すこと。その際、サイバーセキュリティの強化を図るとともに、データ連携基盤を通じて提供されるデータに含まれる個人情報の取扱いには細心の注意を払うこと。また、先端的サービスの提供に対する住民の理解が得られるよう努めること。
十 過疎地・中山間地での対応等のためにオンライン服薬指導を一層促進するに当たっては、普段からの薬剤師との対面のコミュニケーションが重要であることを念頭に置き、薬剤師による薬学的見地からの評価・考察、患者の体調や年齢等に合わせた投薬調整、多剤投与の調整、処方箋の偽造対策、医薬品の配送料負担への考慮等に十分留意すること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/138
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139・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) ただいま杉尾君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/139
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140・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 多数と認めます。よって、杉尾君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、岡田内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、これを許します。岡田内閣府特命担当大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/140
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141・岡田直樹
○国務大臣(岡田直樹君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/141
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142・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/142
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143・鶴保庸介
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時三十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115360X00820230421/143
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