1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
令和五年十一月十六日(木曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
十一月十三日
辞任 補欠選任
神谷 政幸君 野上浩太郎君
十一月十四日
辞任 補欠選任
生稲 晃子君 衛藤 晟一君
野上浩太郎君 神谷 政幸君
十一月十五日
辞任 補欠選任
衛藤 晟一君 生稲 晃子君
十一月十六日
辞任 補欠選任
山本 香苗君 里見 隆治君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 比嘉奈津美君
理 事
羽生田 俊君
星 北斗君
山田 宏君
打越さく良君
秋野 公造君
委 員
生稲 晃子君
石田 昌宏君
神谷 政幸君
友納 理緒君
藤井 一博君
三浦 靖君
石橋 通宏君
大椿ゆうこ君
高木 真理君
里見 隆治君
杉 久武君
山本 香苗君
猪瀬 直樹君
梅村 聡君
田村 まみ君
芳賀 道也君
倉林 明子君
天畠 大輔君
国務大臣
厚生労働大臣 武見 敬三君
副大臣
内閣府副大臣 工藤 彰三君
大臣政務官
外務大臣政務官 穂坂 泰君
文部科学大臣政
務官 安江 伸夫君
事務局側
常任委員会専門
員 佐伯 道子君
政府参考人
内閣府地方創生
推進事務局審議
官 安楽岡 武君
こども家庭庁長
官官房審議官 黒瀬 敏文君
こども家庭庁長
官官房審議官 野村 知司君
総務省大臣官房
審議官 三橋 一彦君
財務省大臣官房
審議官 中村 英正君
厚生労働省大臣
官房総括審議官 富田 望君
厚生労働省大臣
官房医薬産業振
興・医療情報審
議官 内山 博之君
厚生労働省医政
局長 浅沼 一成君
厚生労働省健康
・生活衛生局長 大坪 寛子君
厚生労働省健康
・生活衛生局感
染症対策部長 佐々木昌弘君
厚生労働省医薬
局長 城 克文君
厚生労働省労働
基準局長 鈴木英二郎君
厚生労働省職業
安定局長 山田 雅彦君
厚生労働省雇用
環境・均等局長 堀井奈津子君
厚生労働省社会
・援護局長 朝川 知昭君
厚生労働省社会
・援護局障害保
健福祉部長 辺見 聡君
厚生労働省老健
局長 間 隆一郎君
厚生労働省保険
局長 伊原 和人君
経済産業省大臣
官房総括審議官 南 亮君
参考人
独立行政法人国
際協力機構理事 宮崎 桂君
─────────────
本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
(医療分野のデジタル化に関する件)
(自殺対策に関する件)
(障害者支援策に関する件)
(精神保健医療福祉施策に関する件)
(非正規雇用労働者問題に関する件)
(労働基準監督行政に関する件)
(不当労働行為救済制度に関する件)
(感染症対策に関する件)
(医薬品の供給体制に関する件)
(労災保険制度に関する件)
○大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部
を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/0
-
001・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長浅沼一成君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/1
-
002・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/2
-
003・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に独立行政法人国際協力機構理事宮崎桂君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/3
-
004・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/4
-
005・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/5
-
006・友納理緒
○友納理緒君 自由民主党の友納理緒でございます。この度は、比嘉委員長始め理事の皆様、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
質問に先立ちまして、一言大臣にお願いを申し上げます。
政府は、構造的な賃上げの実現を最重要課題と位置付け、諸課題に懸命に取り組まれています。実際、産業界では、政府の施策等が奏功し、賃上げが進んでいる業種も多々あると承知しております。しかしながら、医療・介護分野における医療機関や施設は、診療報酬等の公定価格によるいわゆる固定単価での収入で運営されている一方で、物価高騰の影響により、人件費外の経費が上昇しています。つまり、一方で収入が固定され、他方で支出が増えており、賃上げをしたくてもその原資が得られない状況です。
看護職員につきましては、令和四年度の診療報酬改定で看護職員処遇改善評価料を新設していただいたことには大変感謝しておりますが、この対象は一部の医療機関に勤務する看護職員のみで、全看護職員の三分の二に当たる約百万人の看護職は、看護職員は対象になっておりません。
全ての看護職員、そして医療・介護分野で働く人々の賃上げが可能になりますように、まずは来年の診療報酬等のトリプル改定が適切になされることを強く願います。
国民の皆様に安心して医療、介護の提供を受けていただくことができるように、どうか大臣、力を尽くしていただければと思います。
それでは、通告に従いまして質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
まずは、医療現場におきますハラスメントの問題についてお伺いいたします。
ハラスメントといいましても様々ございますが、今回は、患者さん、利用者さんから医療機関に対するハラスメントについてお伺いをいたします。
百床以上の医療機関を対象としたある調査では、患者さん、家族等から看護職員に対する暴力、ハラスメント等の報告があった施設が全体の約八五%にも上っておりました。
先月二十六日、国は、看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針を約三十年ぶりに改定し、その中にも、患者、家族等からのハラスメント対策についても記載がなされました。もっとも、このハラスメント対策については、令和元年のいわゆるパワハラ防止法改正の際、その附帯決議において、訪問介護、訪問看護等の介護現場や医療現場におけるハラスメントについても、その対応策について具体的に検討することとされていましたので、対策がもっと進んでしかるべきであると考えています。
特に、利用者の居宅に訪問する訪問看護、恐らく訪問介護も同じような問題を抱えていると思いますが、訪問看護につきましては、密室による暴力、ハラスメントの危険性が特に高い現場です。皆さんにも思い浮かべていただきたいんですが、利用者さんの御自宅に看護師等が一人で訪問することが多く、関係性ができていない段階には、一定のリスクがあることというのは想像していただけるかと思います。
このハラスメント対策に地域医療介護総合確保基金が活用できることは承知しておりますが、基本的には、地方に任せるのではなく、国として、厚生労働省として対応すべきだと考えております。
そこで、まず、現状においてどの程度この基金が訪問看護のハラスメント対策に活用されているかをお教えください。政府参考人にお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/6
-
007・浅沼一成
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
訪問看護に対するニーズが増える中、訪問看護に従事する方が安心してサービスを提供できる体制を整備することは非常に重要と考えております。
訪問看護を含めまして、看護師に対する暴力、ハラスメント対策に対しましては、議員御指摘のとおり、地域医療介護総合確保基金におきまして支援を行っているところでございまして、これを活用して、都道府県において、暴力、ハラスメント対策の研修、対策マニュアルの策定、相談窓口の設置、検討委員会の開催等の取組を行っていると承知しております。
引き続きこうしたハラスメント対策を推進していくことによりまして、訪問看護師の皆様の安全を確保し、安心して従事できるよう体制を整えてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/7
-
008・友納理緒
○友納理緒君 ありがとうございます。
事前のレクの際では、まだ基金を活用している県が十数県と伺ったような気がしますけれども、こういった県が更に増えていくことを国として推進していただくとともに、やはり国としての対策を取っていただきたいと思います。
第八次医療計画や骨太の方針では、訪問看護の充実、推進が求められています。国民の皆様に、住み慣れた場所で病を抱えながらも安心して生活をしていただくためには、この体制の整備が急務です。現状の複数訪問等は本人の同意が必要とされていますので、本人の同意がない場合には事業所の持ち出しになっている場合が多いですから、この問題の根本的な解決にはなっておりません。
実際、現場では多くのハラスメントが起きています。これは、訪問看護の皆さんが我慢すべき問題なのでしょうか。国として現状の対策で十分とお考えか、御見解をお聞かせいただければと思います。これは大臣にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/8
-
009・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 今委員御指摘の点は極めて重要な課題であるという認識はしっかりと持っております。
これまでも、訪問看護の現場におけるハラスメント対策として、県のレベルでは、今局長答弁しましたように、地域医療介護総合確保基金活用した支援をしているわけでありまして、国レベルでは、看護職員を含む医療従事者向けのe―ラーニングの提供、それから、診療報酬、介護報酬において複数名による訪問看護を行った際の加算などを活用できると考えております。
さらに、今年十月には、一九九二年以来、制定以来初めて改定した看護師等確保基本指針におきましても、この訪問看護における暴力、ハラスメントに対する安全対策の重要性を新たに明記したところでございます。特に、訪問看護のときのハラスメントに対する注意というものは、明確にこの中で指摘されました。
こうした指針も踏まえて現場の関係者の声をよく聞き、この訪問看護の現場のハラスメント対策をより一層強化していきたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/9
-
010・友納理緒
○友納理緒君 より一層進めていただければと思います。地域が整いませんと、結局、病院から退院をする受皿がなくなってしまうということになりますので、地域の体制整備をしっかりと努めていただければと思います。
次に、医療安全対策について伺います。
これまで弁護士として医療紛争に対応してきましたが、最近の懸念は、司法の場において、転倒、転落や誤嚥などの事件について、医療側にとって厳しい判断がなされているところです。裁判例ですね。直近でも、広島の方の施設でしたけれども、誤嚥の事件で大変厳しい判断がなされたかと考えています。
医療は様々な制約の中で提供されています。その制約に目を向けずに、事故が発生したという結果のみに着目し、医療者に責任を問うことはあってはならないと考えています。医療者として事故防止対策を行うことは当然のことですけれども、例えば、転倒、転落事故などは様々な事象を背景として起こりますので、確実に予見し回避することは難しく、困難な状況です。特に、高齢者であれば、自宅等でも日常容易に起こり得るものですので、病院、施設だからといって全てを防ぐことはできません。
裁判例を見ましても、医療者としてどこまでの注意義務、これは予見可能性に基づく結果回避義務ということになりますが、これを負うのか明確ではなく、判決で述べられる注意義務の内容も現実的ではないものが多くあります。
また、皆さんにも想像していただきたいんですが、例えば、夜間などは三人の看護師で三十人から四十人の患者を見ている現場が多くあります。これは適切な人員配置基準を満たしていますが、明らかに人が足りません。その患者さんの中には、認知症の方もおられれば、医療依存度の高い方もおられます。
最近の裁判例では、夜勤の看護師三人のうち一人が休憩に入り、残り二人がそれぞれ別々の患者のナースコールに対応、このうち一人が転倒の危険性のある患者の排せつに付き添っていたときに別室患者のナースコールが鳴り、ほかに対応する人がおらず、別室患者の介助のために目を離した隙に、当初付き添っていた患者さんが便座から立ち上がり転倒したという事例がありました。この事案では、看護師の注意義務違反が認められています。
明らかに人数が不足をしています。多くの医療機関や施設では、経営上の理由や人材不足から、診療報酬以上の配置を行うことは困難な状況にあります。厚生労働省として、現在の人員配置基準等で適切に安全対策を行うことが可能だとお考えでしょうか。政府参考人にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/10
-
011・浅沼一成
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
看護職員についての医療法上の人員配置基準、標準は、衛生規制として医療機関が有するべき最低限の人員の基準を示したものでございます。
具体的な看護職員の配置につきましては、配置標準以上とすることも含め、病院の規模や機能に応じて個々の病院で判断されており、実際に標準以上の人員を配置している医療機関もあると承知しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/11
-
012・友納理緒
○友納理緒君 ありがとうございます。
配置以上の配置をしているところは、もうそれぞれの病院が頑張っているということですので、こういった状況で、医療者側の努力に任せているという状況では決していいものではないと思います。
現場では、人もいない、お金もないという状況の中で懸命に対策し、できる限り身体抑制を行わないように努めています。しかし、どこまでの対策を行えば注意義務を果たしたことになるのか明確なルールもなく、困っています。配置等で対応しないというのであれば、明確なルールを示すべきです。これは現在のガイドラインでは足りないという趣旨です。
転倒、転落対策は、臨床現場ごとに対策が異なります。厚生労働省で検討会等を開催するなどして、それぞれの現場で参考になるようなガイダンスを作成すべきであると考えますが、お考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/12
-
013・浅沼一成
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
医療における事故を防止するためには、事故の要因分析を行い、再発防止等の対策を講じることが重要でございます。
厚生労働省におきましては、医療機関から事故の情報を収集、分析の上、例えば、転倒、転落による頭部外傷に係る死亡を防ぐための対策など、事故防止策を普及啓発しているところでございます。
御指摘のとおり、こうした医療事故防止につきましては、厚生労働科学研究におきましても、専門家の知見等に基づき、例えば、転倒・転落防止のためのガイドラインを作成しているところでございます。その中では、患者様の特性や疾患ごとの対策も盛り込んでいるところでございます。さらに、ただいま議員御指摘の点につきましても、厚生労働科学研究を行っている研究者ともよく意見交換をしながら検討を進めてまいりたいと思います。
引き続き、各種のガイドラインを周知するとともに、事例の収集、再発防止策の検討、防止策の関係者に対しての周知を行うということで、医療機関の安全対策、つなげていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/13
-
014・友納理緒
○友納理緒君 ありがとうございます。
検討会を開くなどして新たなガイダンスを作成することなど、検討していただければと思います。
行政側から司法の場にメッセージを出していただきたいと思うんです。明確なルールを示して、ここまでやれば違法ではないというところを示していただかないと医療現場は疲弊をしてしまいますので、是非、そのずれの影響を医療現場が一手に引き受けるという状況は大変過酷な状況になりますので、御検討いただければというふうに思います。
最後の質問です。医療及び看護のDXについてお尋ねいたします。
現在、医療DX令和ビジョン二〇三〇の実現に向けて、全国医療情報プラットフォームの活用、電子カルテ情報の標準化など、取組が進められています。しかし、それらの中に、看護に関する情報は含まれていません。
例えば、看護情報提供書というものがあります。これは、患者が退院し、他病院や、ほかの病院や訪問看護ステーションに移行する場合に看護師が作成するもので、診療報酬上、様式五十として項目の整理がされています。こうした情報が国が進める全国医療情報プラットフォームに掲載されれば、患者に対する個別的な看護ケアの継続が可能になります。
また、医療のデジタル化の基盤となるのが電子カルテです。現在国が開発している標準型電子カルテがあると思いますが、看護記録の機能を持たせること、これに看護記録の機能を持たせることが、看護の質向上と看護ケアの継続のために重要なことと考えます。
看護職員の確保、業務負担の軽減という観点からも看護DXの推進が必要だと考えています。十一月六日に大臣も御出席されて開催された意見交換会では、大臣とともに医療関係八団体がポストコロナ医療体制充実宣言を公表しました。その中でも、DXにより看護業務の効率化を図るとされています。
ただ、ICTの導入ですとか維持管理のためのコストも課題になります。つきましては、看護の質向上、看護業務の効率化に向けた看護DXに関する国の現在の取組状況と今後の方針をお伺いいたします。大臣、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/14
-
015・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 看護情報の標準化と共有は、この医療DXを推進していく上で極めて重要だと考えております。
医療DXの推進に関する工程表に基づきまして、二〇二四年度、来年度、看護等の領域における関連情報について標準規格化を行うこととしております。現在、厚生労働科学研究におきまして、看護情報のうち医療機関間等で共有すべき情報等の検討や、これらの情報の標準規格化の検討を進めているところでございまして、今年度中にこれをまとめるつもりでおります。
また、看護業務の効率化等の観点から看護現場におけるDXを推進することは重要であり、これまでも厚生労働省として、看護業務の効率化の取組を収集して周知する事業を行ってまいりました。今般の令和五年度補正予算案の中で、ICT機器を活用した看護業務の効率化の実施やその効果検証を行う事業を盛り込んでいるところでありまして、引き続き、この取組、しっかりと推進していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/15
-
016・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 時間が過ぎておりますので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/16
-
017・友納理緒
○友納理緒君 看護現場におけるDXを是非進めていただければと思います。
質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/17
-
018・生稲晃子
○生稲晃子君 おはようございます。自由民主党の生稲晃子です。
本日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。早速質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
まずは、自殺対策について質問をさせていただきます。
令和四年度において、自殺者の総数が前年を上回りました。二万一千八百八十一人となりました。男性の自殺者、これが十三年ぶり、女性の自殺者は三年連続で増加となりました。
現在、企業におきましては、労働者数五十人以上のストレスチェック制度の実施義務対象事業場において九三%がストレスチェック制度を実施しているというふうに承知はしております。しかし、五十人以下の事業場で働く労働者の方とか自営業の方、また専業主婦の方など、広く国民全員がメンタルヘルスの不調を改善する機会に触れる必要が私はあると思っています。
そこで、質問をさせていただきます。
心療内科医とか心理カウンセラー等による定期的な面接、カウンセリングというものを受けることにより、より多くの方々がメンタルヘルスの不調改善に努めることができるというふうに考えるんですが、厚生労働省としての見解をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/18
-
019・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 議員御指摘のとおり、国民が抱える心の健康等の問題が多様化、複雑化する中で、心の健康の保持増進を図っていくことは大変重要なことであるというふうに認識をしております。
厚生労働省におきましては、メンタルヘルスの正しい知識と偏見をなくすため、メンタルヘルスの問題を抱える家族や同僚などに対して傾聴を中心とした支援を行う方を養成する心のサポーター養成研修、養成事業を令和三年度から実施しております。
また、疾患を有するまでには至らない精神保健に関するニーズは、子育て、介護、生活困窮など、ライフステージを通じて幅広く身近な課題として実際の各相談業務において顕在化しているということを踏まえまして、精神保健福祉法の一部改正によりまして、来年四月から、実際の相談支援の対象に、従来の精神疾患を抱える方に加えて、心に不安を抱えている方など精神保健に関する課題を抱える方も含めることとしたところでございます。
職場以外における、職場以外の地域におけるメンタルヘルスの問題は複雑多様でございまして、定期的に特定の形でチェックを行うといったことは想定はしていないところでございますが、幅広い方々からの相談に適切に対応できるように、先般の改正の趣旨を踏まえまして、都道府県だけではなく、住民により身近な各市町村においても、相談支援に対応する体制の整備を推進してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/19
-
020・生稲晃子
○生稲晃子君 ありがとうございました。
心に悩みを抱える方々に対しては、心理カウンセラーなどの活用というのも有効な一手だと私は思っています。また、ストレスチェックなどによる確認に加えて、対面での触れ合いこそ悩みを抱えた方々への対応としては重要だというふうに思っていますので、是非とも、医師に限らなくて、幅広い対応方法の検討をお願いしたいと思います。
次に、自殺対策の継続的な広報の必要性について質問します。
芸能人を始めとする著名人の自死がマスコミで報じられる際、最後にいのちの電話等についての告知がいつも行われています。しかし、特定の自死の際にだけいのちの電話について報じても、その効果は限定的だと考えます。
いのちの電話を始めとする自殺対策について、継続的な広報、周知が必要だと考えますが、現状の取組状況について教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/20
-
021・朝川知昭
○政府参考人(朝川知昭君) お答えいたします。
必要な方に自殺対策の相談窓口が利用していただけるように、委員御指摘のとおり、電話やSNSによる相談窓口を日常的に広報していくことは重要と考えています。
このため、厚生労働省におきましては、ホームページ上で、電話やSNSによる相談窓口等の情報を分かりやすくまとめた「まもろうよ こころ」というサイトを常時公開しています。また、検索連動広告を活用いたしまして、インターネットで自殺に関連する言葉を検索した方に対して「まもろうよ こころ」を表示する取組を通年で実施しております。
さらに、自殺対策強化月間、これは三月ですが、それと、あと自殺予防週間、九月十日から十六日、この期間につきましては、広報ポスター、広報動画、政府広報、SNS、インターネット広告等を通じて、「まもろうよ こころ」について幅広く広報を行っております。
今後も引き続き積極的な広報に取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/21
-
022・生稲晃子
○生稲晃子君 ありがとうございます。心に悩みを抱える方が一人でも多く相談できるような体制構築に努めていただきたいと思います。
次に、子供たち、学生に対する自殺対策について伺います。
小中高生の自殺者数は増加傾向となっていまして、令和四年では過去最多の五百十四名となっています。これからの未来を担う子供たちが死を選ぶ現状というのは、何としても変えなければなりません。そのためには、各省が縦割りで対応するんじゃなくて、総合的な取組を進めていく必要があると思います。
地域においては、一人一台端末を利用したウェブストレスチェックなどの取組も始まっているというふうに聞いていますが、現在の対応を教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/22
-
023・野村知司
○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、令和四年の児童生徒の自殺者数、これは五百十四名ということで過去最多となってございます。こども家庭庁としても、この事態を大変重く受け止めているところでございます。
こうした状況を踏まえまして、こども家庭庁では、子供自殺対策の司令塔という形で大臣が議長となりまして、文部科学省さん、厚労省さん、警察庁さんなどから成る連絡会議を発足をさせたところでございます。そして、本年六月に、自殺リスクの早期発見からその後の対応に至る、的確な対応に至る総合的な対策について、こどもの自殺対策緊急強化プラン、こういったものをまとめたところでございます。
このプランの中では、このリスクの早期発見という観点から、一人一台端末などを活用いたしました心の健康観察、これを全国の学校での導入を促進をしていくこと、そして、自殺予防への的確な対応という観点から、都道府県にこども・若者の自殺危機対応チームを設置して、支援者に対する支援の更なる推進を図っていくこと、そして、要因分析の観点から、情報を集約し多角的に分析するための研究調査、こういったことなどに取り組むこととしているところでございます。
あわせて、本年九月におきましては、このプランの推進に向けまして、地方公共団体に向けて、子供の自殺対策の推進を呼びかけるための関係大臣連名でのメッセージ、こういったものの発出も行わせていただいたところでございます。
子供が自ら命を絶つ、こういったことがない社会に向けまして、子供の自殺対策の司令塔として、引き続き、関係省庁と連携、ワンチームを構成した上で取り組んでまいりたいと、かように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/23
-
024・生稲晃子
○生稲晃子君 ありがとうございました。
最後に、自殺対策については最後です、ゲートキーパーについて伺います。
悩みを抱えている人に対して、気付き、声を掛け、話をまず聞いて、そして必要な支援につなげて寄り添いながら見守る、こういう人たちをゲートキーパーといいます。厚生労働省では普及促進に向けた取組を進めていて、令和三年度で約十八万五千人の方が受講されたというふうに伺っています。
悩んでいる方にとってこのゲートキーパーというのは大きな力になると思うんですけれども、このゲートキーパーの現在の取組について、ここで教えていただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/24
-
025・朝川知昭
○政府参考人(朝川知昭君) 委員におっしゃっていただきましたゲートキーパー、こちらは、悩んでいる方の孤立を防いで安心を与える重要な存在だと考えております。
他方で、令和三年度に実施しました自殺対策に関する意識調査によりますと、ゲートキーパーについて内容まで知っていた、あるいは、内容は知らなかったが言葉は聞いたことがあると答えた方は合わせて一二・三%でございまして、ゲートキーパーの更なる周知が必要であると考えております。
このため、昨年十月に策定いたしました第四次自殺総合対策大綱におきましては、ゲートキーパーの養成を通じた自殺対策に関する正しい理解の促進、あるいは年間を通じた周知の実施によって国民の三人に一人以上がゲートキーパーについて聞いたことがあるようにするということ、あるいは全国的なゲートキーパー研修の受講の取組推進、ゲートキーパー等の支援者自身への支援の推進を盛り込んで、ゲートキーパーの養成、支援を通じた自殺対策の更なる推進に取り組んでおります。
引き続き、ゲートキーパーについての周知やその養成に向けた取組への支援も含めまして、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して総合的な対策を推進してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/25
-
026・生稲晃子
○生稲晃子君 ありがとうございます。
正直、まだまだこのゲートキーパーという存在が国民の皆様に認知されていないという状況ではあると思います。ただ、ゲートキーパーというのはとても大切なものでありますので、これからもしっかりと働きかけていただきたいと思いますし、また、なっていただいても生かせる場がなければもったいないと思いますので、その有効活用についても是非とも政府において御検討いただければ幸いです。ありがとうございました。
ちょっと時間の関係で、質問をがん対策について入れたかったんですが、ちょっと無理かなと思いますので、申し訳ありません、HPV対策の方に移らせていただきたいと思います。
一九九七年四月の二日から二〇〇六年四月の一日に生まれた女性を対象とするHPVワクチンのキャッチアップ接種について質問いたします。
これは、さきの常会でも質問をさせていただいたんですけれども、令和七年の三月までと期限が迫っています。広報に力を入れてくださっていることは承知していますけれども、まだなかなか周知が十分ではないと思っています。キャッチアップ接種対象人数と現在までのその接種状況を教えていただきたいです。
それから、前回、どのような情報をどのような媒体を用いて提供することがより効果的かどうかについて検討し、より良い周知、広報に努める旨の御回答がありましたけれども、その後の具体的な取組状況について御説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/26
-
027・佐々木昌弘
○政府参考人(佐々木昌弘君) 二点、簡潔にお答えいたします、現状と取組について。
生稲委員におかれましては、厚生労働省事業のがん対策推進企業アクションのアドバイザリー会議の委員として、本件を含むがん対策全般について強力に政策の後押しをいただいてきたところでございます。その結果、このHPVワクチンについても、昨年四月から、委員御指摘のとおり、ワクチン接種が始まりました。
現状でございます。昨年度の結果が今年の七月にまとまりました。分母となる対象者数は約六百万人、それに対して、一回目接種が昨年度だと約三十万五千人、二回目接種で二十四万八千人、三回目接種で十五万七千人となっております。
次に、取組についてでございます。
まず、今まで行ってきた取組では、ホームページ上でQアンドAを掲載したり、自治体を通じてリーフレットを本人や保護者に送付をしたり、また、SNSによる発信等を行ってきました。今月に入って、今までの取組を検証して更に進めようということで、キャッチアップ接種対象者へ向けて、ヤフーニュースですとか、あと旧ツイッターのXですとかインスタグラム、ユーチューブ、こういった媒体で広告を配信しているところでございます。
いずれにせよ、接種対象者やその保護者等が正しい情報に基づいて検討、また接種に行けるように、引き続き、的確な情報発信を更にブラッシュアップして取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/27
-
028・生稲晃子
○生稲晃子君 ありがとうございました。
私自身、最大の政治テーマとして、人口減少が続いている今、一つの命も無駄にしてはいけないという強い思いを抱いています。今回質問させていただきました自殺対策、HPV対策、どれも人の命を守るために欠かすことができない政策であります。是非とも、厚生労働省を中心に、命を守る政策の積極的な推進に御尽力をいただきたいと思います。
私からの質問は以上とさせていただきます。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/28
-
029・打越さく良
○打越さく良君 立憲民主・社民の打越さく良です。
六月に成立したゲノム医療法は、国に基本計画の策定を義務付け、遺伝情報による不当な差別をしないことなどを明記しました。医療推進と差別防止は車の両輪、差別の防止が確かなものでなければ多くの人からデータを得ることもできず、医療推進ともなりません。しかし、患者の皆さんは、法成立後の検討経過が全く確認できないと心配なさっています。
検討過程をオープンにすることが必要ではないでしょうか。まず、検討過程に当事者の方を加えてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/29
-
030・内山博之
○政府参考人(内山博之君) お答えいたします。
本年六月に議員立法として成立いたしましたいわゆるゲノム医療推進法、良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律でございますけれども、この法律では、御指摘のとおり、政府は、ゲノム医療の研究開発や提供、それから不当な差別への対応等を推進するための基本計画を策定することとされてございます。
ゲノム医療の推進に当たりましては、御指摘いただきましたように、ゲノム医療を受ける立場にあるがんや難病の患者の方など、関係者から幅広い御意見をいただきつつ取組を進めることが重要であるというふうに考えてございます。
厚生労働省では、こうした関係者の方が幅広く参画する会議体において、先ほど申し上げた基本計画についての議論を行いたいというふうに考えておりまして、近々会議体を設置すべく調整を進めているところでございます。
引き続き、国民の方々が安心してゲノム医療を受けられるよう、関係省庁と連携して必要な取組を進めてまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/30
-
031・打越さく良
○打越さく良君 是非、当事者の方たちが安心して、厚生労働省の方でしっかり検討しているということが見えるようにお願いします。
そして、アメリカのGINA法、遺伝子情報差別禁止法で規制されている就労分野における差別的な取扱いの禁止についても、厚労省で是非とも検討していただきたいと考えております。
例えば就職時についてなど、御検討なさっているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/31
-
032・山田雅彦
○政府参考人(山田雅彦君) 求職者等の個人情報の取扱いについては、職業安定法第五条の五及び同法に基づく指針により、業務の目的の達成に必要な範囲内で当該目的を明らかにして収集することとされております。特に、本籍や出生地など社会的差別の原因となるおそれのある事項については、特別な職業上の必要性が存在すること、その他業務の目的の達成に必要不可欠であって、収集目的を示して本人から収集する場合を除き収集してはならないこととされております。
御指摘の応募者の遺伝情報を取得、利用することにつきましては、本人に責任のない事項をもって採否に影響させることにつながることになり、公正な採用選考の観点から問題があることから、そうした必要性のない情報を把握してはならない旨を事業主に対して周知啓発しており、問題があるような事例については、ハローワークにおいて指導、啓発を実施しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/32
-
033・打越さく良
○打越さく良君 引き続き、この点取り上げていきたいと考えております。
さて、障害者の地域生活と就労を進め、自立を支援する観点から、障害者自立支援法は福祉サービスの提供を定めたはずなんですが、なかなかこれが、非常に地域でどう回っているとかということが懸念されています。
特に、グループホームが今、二〇一九年では施設よりも入所者数が上回っているという状況なんだけれども、でも、なかなか実績、経験のない事業者の参入も見られていて、支援が適切に提供されていないんじゃないかということが厚生労働省の文書の中でも記載されている事態となっているということで、ただ、そもそもグループホームにおける支援の質について第三者による評価なされていない、その割合も相当高いんじゃないかと、その辺りについてどのように把握されているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/33
-
034・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) グループホームにおける第三者評価の実施状況につきましては、この第三者評価が任意ということでございまして、一部の調査によりまして、一三%の事業所であるという結果が出ているところでございます。
一方で、グループホームにおけるサービスの質の確保については、事業の透明性の確保も重要であると考えておりまして、これまで取り組んでまいりました日中サービス支援型グループホームにおける自立支援協議会等への報告の義務付けや障害福祉サービス等情報公表制度の創設などに加えまして、先生、議員から御指摘のありました、昨年六月の障害者部会の報告書におけるグループホームの支援の質に対しての懸念の指摘も踏まえまして、令和六年度障害福祉サービス報酬改定に向けて、従来からの取組に加えまして、障害者グループホームの運営に地域の関係者を含む外部の目を定期的に入れる取組を新たに導入することなどについて検討を行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/34
-
035・打越さく良
○打越さく良君 ちょっと三番の方の質問に行きますけれども、なかなか、いろいろ今おっしゃったように取組を進めたいというところでしょうけれども、例えば世話人についても、専門性を求めているというわけでなく、資格要件もないわけですね。
それで、この三番目の質問ですけれども、なかなか障害を熟知していないという世話人の問題について認識なさっているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/35
-
036・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 御指摘のとおり、グループホームにおける世話人につきましては、いわゆる資格要件は設けていないところでございますけれども、この基準の運用に関する通知において、障害福祉の増進に熱意があり、障害者の日常生活を適切に支援する能力を有する者でなければならないとしているところでございます。
こうした世話人の状況につきまして、令和三年度、自治体に対して、アンケート結果によりましては、グループホームにおける支援の質に関しての観点で問題と考えられる事例として、障害程度や特性を踏まえた支援スキルが乏しい、職員の支援スキル、経験が不足といった回答が寄せられているところでございます。個別の世話人の質に関するところではございませんけれども、こうした状況を把握しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/36
-
037・打越さく良
○打越さく良君 そうなんですね。世話人について一定の、厚生労働省として、こういう役割をきちんと果たせるような世話人であるべきだということは、要望は記載していても、その要件も何もない以上はなかなか厳しい状態になっているということで、世話人の報酬あるいは平均勤続年数、そういったことについて、厚生労働省として把握なさっているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/37
-
038・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 世話人の処遇に関する状況でございますが、令和四年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査の結果によれば、福祉・介護職員処遇改善加算の届出をしている事業所における世話人の平均給与額及び平均勤続年数ということで、常勤の方ですけれども、月給与は二十四万八千七百十円、勤続年数は五・六年ということであるというふうに把握をしております。
こうしたグループホームの世話人を含めました障害福祉サービスの従事者の方の処遇改善は重要な課題であると認識をしておりまして、このため、処遇改善に向けた累次の取組に加えまして、先般閣議決定されました補正予算案において、当面の対応として、緊急に福祉人材の収入を引き上げるための措置を盛り込んだところであり、この対応についてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/38
-
039・打越さく良
○打越さく良君 非常に低廉であって、そして経験年数も浅いまま、くるくる交代して辞めてしまうという状況について、詳細には把握されておられないということだと思います。なかなか、非常に重要な役割があるということは認識しておられながら、そのサービスの質の低下を防ぐような資格要件などを検討されていないということでは問題ではないかと思いますので、是非検討していただきたいと思います。
ちょっとこの辺り、資格を、経験していただきたいというところまで、済みません、レクをしていなかったかもしれませんが、その点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/39
-
040・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) グループホームの支援の質につきましては、先ほどの御指摘のありました社会福祉、社会保障審議会障害者部会の報告書におきましては、障害福祉サービスの実績や経験が余りない事業者の参入による支援の質の低下が懸念されるなどの指摘がなされているところでございます。
こうした指摘を踏まえまして、来年、現在行っている令和六年度の報酬改定に関する議論の中で、来年度以降、グループホームにおける障害者の特性に応じた支援内容やサービスの質を評価するための具体的な基準の在り方について、ガイドラインの作成や資格要件、研修の導入等について具体化していくことを検討することとしておりまして、検討はこれからでございますけれども、引き続き、グループホームにおける支援の質の向上に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/40
-
041・打越さく良
○打越さく良君 是非よろしくお願いします。
そして、障害福祉サービス等の利用計画の作成についても、非常に地元で課題があると教えていただきました。
この報酬体系、計画相談支援事業の報酬体系が相談支援の質を低下させることになってしまっていると。たくさんのケースを受ける、それで何とか赤字にしないようにする、そういう事業者が残念ながらいると。それで、良心的な丁寧にやろうというところでは、もう採算が取れないということでやめていってしまうということで、非常に地域の限られた事業者には、なかなかここ問題あるかなということであっても、目をつぶってお願いせざるを得なくなってしまうと。
そのような実情を把握しておられるでしょうか。この事業について是正が必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/41
-
042・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 障害福祉サービスにおける計画相談支援につきましては、障害者の希望を踏まえて必要なサービス等の利用を支援するための計画の作成など、障害者が希望する生活を送ることを支える上で重要な役割を持っており、その支援の質の確保は大変重要な課題であるというふうに考えております。
また、支援の質に関しまして、計画相談員が抱える利用者の数に関する課題があるということも認識をしており、御指摘の点につきましては、平成三十年度報酬改定におきまして、相談支援専門員一人当たりの直前六か月間の平均担当件数が四十件を超える場合、その超える部分について報酬を逓減させる仕組みを導入することなどによりまして、相談支援の質に配慮を行ってきたところでございます。
また、令和三年度の報酬改定におきましては、通常、利用者の居宅を訪問することが求められている、計画を決定する月ですとかモニタリングを行う月、こうした月以外の合間の月に臨時で居宅訪問を行った場合に手厚い支援として加算をするということとしたほか、質の高い相談支援を提供する強化型の、機能強化型の事業所を手厚く評価すると、こういった報酬体系としてきたところでございます。
現在、令和六年度報酬改定に向けて検討を行っているところでございますが、引き続き、計画相談支援における支援の質の向上を図るための報酬の在り方について検討を行っているところでございまして、相談支援の質の向上に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/42
-
043・打越さく良
○打越さく良君 なかなかそのような試みというものが地元には伝わっていないというところがあって、もう少し私の方も厚生労働省の取組ということとまだ足りないところを承って、また届けていきたいと思っております。
そして、大臣に伺いたいんですが、個別支援計画作成時に利用者の希望の確認を行うべきであると考えていますが、実態は必ずしもそうなっていないんではないでしょうか。そうした調査報告の結果もございます。
私たちのことを私たち抜きでは決めないでを合い言葉にした障害者権利条約について、日本も二〇一四年に批准しております。障害者の自立を重視する条約の精神からすれば、自分自身に関わる支援計画作成に関わってもいなければ希望の確認すらも行われないと、この事態はあり得ないのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/43
-
044・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) まずは、この利用者へのサービスの提供方針等を定める個別支援計画、これは事業者が作成する計画でありますが、この事業者が計画をするものでありますが、それに利用者の意向を踏まえて作成することは、御指摘のとおり極めて重要であります。現行の指定基準においても、サービス管理責任者が利用者に面接してアセスメントを行うとともに、利用者や家族の生活に対する意向などを踏まえて個別支援計画を作成することとされております。
加えて、現在、令和六年度報酬改定に向けて、個別支援計画を作成するための事業所内の会議においても、原則として、利用者本人が参加の上、意向などを確認することなどを検討中でございます。言うなれば、二重に本人の意思確認をする方法へ向けて検討が進んでいるという状況であります。
そして、障害者本人の意思を尊重して希望する暮らしを実現していくために、引き続き、自己決定の尊重や意思決定支援の推進に向けた取組を進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/44
-
045・打越さく良
○打越さく良君 検討は進めていただいているということですけれども、まだまだ実態が追い付いていないというところがございますので、是非引き続きの取組をお願いしたいと申し添えます。
そして、一つ、北海道のグループホーム、あすなろ福祉会で二十年以上前から不妊処置を提案されてきて、それに八組十六人が応じたということが報道されました。これで、本当に非常に問題があると思うんですが、ホーム側は不妊処置を理由に退所した人はいないということでおっしゃっていたということが報道されましたが、入所者の方にとっては、この不妊処置をとる以外に選択肢はあると言えるのかと考えますと、これは自由意思とは言い難いのではないかと思うんですが、その点、厚生労働省としての受け止めをお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/45
-
046・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 御指摘の事案につきましては、北海道庁において監査を行った結果といたしまして、グループホームの入居条件として避妊処置を求めた事実や避妊処置を強制した事実は確認されなかったものの、利用者の意思決定支援への配慮が十分ではないなどの改善が必要な点が認められたものと承知をしております。
このため、北海道庁から同法人に対して、本年六月でございますけれども、利用者の意思決定支援への十分な配慮や体制整備等について、文書による行政指導が行われたものと承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/46
-
047・打越さく良
○打越さく良君 意思決定支援への十分な配慮がないということではなくて、これはほかに選択肢はあり得ないんですから、これは事実上強制以外の何物でもないと。今の御答弁は非常に残念な答弁だと思います。
そして、厚生労働省としてどのような対応を取られたのかと。ほかのホームなどでもこういったことが行われていないか、そういったことを調査する必要と、そしてまた、御自分の意思でリプロダクティブライツをしっかりと行使できるようにしっかりとした支援体制が築かれるようにすることが必要だと思いますが、厚生労働省の対応をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/47
-
048・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 障害者の結婚、出産、子育て支援をしていくことは大変重要でございまして、このために、まず、本年一月に自治体に対して事務連絡を発出をし、障害福祉サービス事業者に対して、障害があることを理由に子供を産み育てられないものとして支援するということはあってはならないということを周知を徹底したところでございます。
あわせて、障害者の希望の実現に向けた意思決定支援の推進や、障害者の地域生活や子育てを支えるための障害福祉、母子保健、児童福祉の連携体制の構築についても依頼をしたところでございます。
また、本年六月の先ほどの北海道庁の監査の結果、利用者に対する意思決定支援が不十分であることが明らかになったところでございまして、厚生労働省におきましては、障害者の意思決定支援を推進するため、障害福祉サービス事業者等に対する都道府県による意思決定支援研修の実施の推進ですとかガイドラインの周知を図ることと併せまして、令和六年度の報酬改定に向けて、障害福祉サービス事業者における障害者の自己決定や意思決定支援の取組を推進するための指定基準の見直しなどを検討しているところでございます。
あわせて、障害者の子供の養育を支える支援体制の整備を推進するため、今年度の調査研究事業において、こども家庭庁と連携をしながら、支援の実態や課題の把握を行うこととしておりまして、今後、自治体や障害福祉サービス事業者等に対して、障害福祉、母子保健、児童福祉の連携の好事例の周知などを通じて、障害者の出産、子育てを支える支援体制の整備を推進していくこととしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/48
-
049・打越さく良
○打越さく良君 そもそもこの日本は国として、不良の、まあ勝手に不良と決め付けた人々の人権を無視して、産む産まないを自分で決める自由を奪ってきた歴史がある。これについて議員立法の一時金支給法がありますが、これ、全面的な解決には程遠いということで非常に強い批判を受けている。そして、通算八件目の被害者勝訴判決、旧優生保護法に基づく優生手術の被害者の方たちからの次々と訴訟が提起されて、通算八件目の被害者勝訴判決も、先月、仙台高裁判決で行われたところでございます。
こうしたことを重く受け止めるのであれば、今なお続く優生思想の、優生思想あるいは障害者への差別、偏見の解消に国として取り組むんだということであれば、こうしたグループホームの実情を、何というか度外視するということがないように、しっかりした取組が必要であると申し添えます。
そして、残り時間少なくなりましたので大臣にお伺いしたいんですけれども、昨年の第二百十回臨時国会で精神保健福祉法改正が行われました。本当にこれは、なかなか非常に、束ね法案の中に潜り込まされてしまって、精神保健福祉法単独で審議されるべきだったにもかかわらず、私たちとしても厳しい選択がありました。
精神障害のある方への法制度が、我が国が、個人の尊厳の尊重という憲法が最も大切にしているはずの価値を定着させることができていないということをあらわにしている次第です。
そして、この十二月八日に付された参議院の附帯決議十九項目めというもの、これは非常に重要なところで、これに沿った検討を行っていただきたいと。
私の方で読み上げますけれども、隔離・身体的拘束に関する切迫性、非代替性、一時性の要件を明確にするため、厚生労働大臣告示の改正を進めるに当たっては、関係団体との意見交換の場を設け、患者に対する治療が困難という文言やそれに類似する文言の使用によらない方策を検討し、隔離・身体的拘束の対象が実質的にも限定されるような必要な措置を講ずることと。この附帯決議に沿った検討を是非行っているかどうか、そこが問われているものだと思います。
ただ、今、報告書が、精神科医療における行動制限の最小化に関する調査研究報告書というものが本年三月に出されたんですが、これについては日弁連は容認できないというふうにしています。現状の告示百三十号を適切に運用することで身体的拘束のゼロ化を十分に推進することができると考えられると日弁連は述べている。
この指摘、様々な問題点を指摘されているんですけれども、その問題点を受けて、の指摘を受けた取組、今後の検討過程について、大臣から御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/49
-
050・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 御指摘の日弁連の声明でございますが、厚生労働省として検討を行う上で参考とするために実施されました、令和四年度の障害者総合福祉推進事業の報告書として取りまとめられたものに対する見解であったと認識をしております。
この報告書、厚生労働省として検討を行う上で参考とするために実施された事業の報告書として取りまとめられたものでありまして、その中に、切迫性、それから非代替性、一時性の三要件を身体的拘束の対象患者の要件として処遇基準告示に明示することとしてはどうかとの提言が含まれていると承知をしております。
いずれにせよ、精神科病院における身体的拘束を含む行動制限の最小化は重要な課題であり、その方策については、当事者の御意見を丁寧に聞きながら、引き続き検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/50
-
051・打越さく良
○打越さく良君 十月六日に、精神科病院に勤務する職員の方々を中心に身体拘束を考える精神医療従事者の会が結成されまして、この従事者の会は、厚生労働省に対して、身体拘束の最大時間を四時間に制限する要望をなさっています。これは、WHOが一九九六年に定めた……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/51
-
052・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/52
-
053・打越さく良
○打越さく良君 はい。
精神保健ケアに関する法に掲げられているものです。
一時性確保のために、告示に身体拘束の最大時間を四時間、告示に明示していただきたいことを申し上げまして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/53
-
054・石橋通宏
○石橋通宏君 立憲民主・社民の石橋通宏です。
先週の大臣所信に対する質疑に続いて、ちょっと積み残しもございましたので、大臣と今日もいい質疑をさせていただければと思いますが。
先週の質疑で、大臣、改めて、政府が賃上げと言われるのであれば、この三十年近くなぜ日本で賃金が上がらないのか、むしろ実質賃金は下がり続けてきたのかということについて、しっかりその原因分析、正面からやっていただいて、そしてその根本原因に立ち向かっていただかないといけないということで、非正規雇用の問題、非常勤雇用の問題、こういった問題こそ、大臣、やっていただかないと、単に目先の賃上げ賃上げっていったって、全ての労働者の賃上げ、本当の意味でのトータルでの生活改善はできないということを申し上げたことは、大臣、改めて、先週の質疑を通じて考えていただけたのではないかと思いますが。
やっぱり、改めて、政府こそが、公的な機関含めて、模範を示すべきところは模範を示していただかなければいけないということで、先週は看護、介護職員の賃上げの問題、今日、友納委員も、公的価格の、これはもう政府が本当に本気でやらなきゃいけないということも指摘があったところですが、今日、もう二つ具体的な事例で、大臣、ちょっと問題提起を含めてさせていただきたいと思います。
一つは、厚生労働省所管の様々重要な責務、役職を負うて現場で本当に頑張っていただいている多くの現場職員の方々がおられますが、こういった現場で非常勤雇用、非正規雇用が蔓延していると。これこそ、大臣、率先して改善していただくべきではないかというふうに思うわけです。
例えば、象徴的に、今日、資料の一でもハローワークの職員と。これ、この委員会でもずっとこの議論はこれまでの大臣ともさせていただいてきたわけですけれども、改めて、大臣、この実態を御覧になってどうお思いになりますか。
ハローワークで、今本当に様々な、雇用の安定、安心、雇用の正規化も含めて懸命に頑張っていただいているのですが、これだけ非常勤雇用が蔓延をして固定化をしてしまっています。一万五千人から二万人規模で常態化している。常態化しているということは、これ必要な人材なわけですから、ちゃんと正規化をしていただいて現場でプロフェッショナルとして頑張っていただく、処遇の改善も正規化によって実現をしていく、これが必要ではないかと思いますが、大臣、御所見をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/54
-
055・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 委員御指摘のとおり、このハローワークの相談員、その中での非常勤職員の割合というのを見てまいりますと、約二万人ほど。正規の職員が一万人でありますから、その倍ぐらいが非常勤になっている。こういう状況がある実態は確かに確認をさせていただきました。
実際にこうしたことがなぜ起きているのか、そしてまた、この中で、内閣の人事局を通じてこうした定員削減の要請などもあった中でこうした結果が生まれてきているということも実際は事実だろうと思います。
そうした中で、これからますますこのハローワークの果たす役割は、こうした労働者の在り方、特にこれから、賃上げであるとかあるいは労働市場の移動をより円滑に進めるためにもこのハローワークの役割というのは極めて大事でありますから、そうした中で、この問題が果たしてどのようにこれからの課題をつくり出していくか、改めてしっかりと検討させていただいて、その上で対処方針、改めて考えてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/55
-
056・石橋通宏
○石橋通宏君 大臣、今、前向きな御答弁いただいたと思います。改めてしっかりと、現場の状況、実態、なぜこういう状況がこれだけ長年にわたって蔓延し、固定化し、そして、本当に非常勤の方々、契約が更新されるかも分からない、賃金も決定的、圧倒的に安い。でも、本当に使命感持って頑張っていただいているわけです。
こういった現場の頑張りに、厚労大臣、是非厚労大臣としてしっかり先頭に立ってこの改善に向けた努力をしていただきたいし、今御答弁いただきましたので、本当に具体的な改善が行われるように、これ我々応援していきますので。
今回、実はお願いしたのですが、これ、ハローワーク、今日象徴的に取り上げさせていただきましたけれども、その他の多くの厚生労働省所管のいろんな現場で、本当に人の命を預かっていただいている、子供たちや御高齢の皆さんや生活困窮者、困難者、そういった方々に寄り添っていただいている方々にも非常勤が蔓延、固定化をしているという実態があります。
大臣、これも含めてしっかり現場の実態、状況、把握をいただいて、是非その上で我々にも情報共有していただいて、改善に向け努力いただきたいと思いますが、それもお約束いただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/56
-
057・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 御指摘の公務員一般に関わるところでありますが、国家公務員法等に基づき採用を行っておりますが、例えば、ハローワークで社会人選考採用というのを実施しておりまして、非常勤職員を含む社会人を採用し、正規化を進める一つの方法となっております。その上で、予算の範囲内で、職務経験等を踏まえた給与の決定やボーナスの支給月数を引き上げるなどの処遇改善を進めております。
非正規の地方公務員についても、各自治体の所掌となりますけれども、いずれにしても、常勤、非常勤にかかわらず、まずやりがいを持って働けるように対応していくというのがまず第一段階で、これを今確実に実施していく。こうした非正規の職員であったとしても、その処遇の改善に向けてのしっかりとした努力をした上で、先ほど申し上げたような観点での対応を考えていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/57
-
058・石橋通宏
○石橋通宏君 大臣、さっきの前向きな答弁からいきなり後ろ向きになりましたけれども、非常勤、非正規でありながらと大臣はおっしゃった。違う、非常勤、非正規であるから決定的に正規職員との、賃金だけじゃないんですよ、雇用の安定、安心からトータルな、じゃ、ボーナスの問題どうするのか、退職金の問題どうするのか、全てにおいて非常勤の方々が決定的に差別、格差のある状況で本当に頑張っていただいていることを、大臣、そこをちゃんと認識してくださいと申し上げているので、今の答弁じゃ駄目ですよ。大臣、そのことは重ねてお願いしておきたいと思いますので、これ、ずっとこれ継続的に、大臣、大臣のどういった具体的な御努力をいただいているのかということを把握をさせていただきます。
さっきの御答弁いただいていませんが、ほかの厚生労働省所管の大事な職務負うていただいている方々のこの非常勤の実態、まさにそういった様々な手当やいろんな処遇含めた現場の実態も把握をいただいて、改善に向けて、今の答弁忘れていただいて、さっきの答弁に返っていただいてきちんと対応いただきたいということをお願いしておきたいと思います。
その上でもう一つ、厚生労働省の所管で様々な雇用の安定のための法律があるわけですけれども、一つ、今、高齢者の皆さんの雇用の安定、改正高年齢者雇用安定法に基づく様々な努力も現場でもお願いをしているわけですが、これもやっぱり公的な機関、こういったところで模範をしっかり示していただかなければいけないのではないかということで、今日、JICA、皆さん御存じかと思います、国際協力機構、JICAの語学インストラクターの雇用継続の問題について、ちょっとこれも象徴的に取り上げさせていただきたいと思います。
今日、JICAの理事来ていただいております。外務省も大臣政務官、ありがとうございます。
ちょっと確認を幾つかしていきたいと思いますが、JICA理事来ていただいておりますけれども、JICAは、高年齢者雇用安定法、これ適用対象だということでよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/58
-
059・宮崎桂
○参考人(宮崎桂君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、私どもJICAに関しましても、高年齢者雇用安定法の適用対象というふうに理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/59
-
060・石橋通宏
○石橋通宏君 適用対象であると。ということは、改正された雇用安定法に基づいて、今、六十五歳超えの方々についても七十歳までの就労継続、これは今努力義務ではありますけれども、これ、民間の皆さんにはそれを何とかお願いをしているわけでありますから、まさにJICAのような、独法ではありますけれども、これ予算は全て国民の税金から、外務省一般会計予算としてJICAに下りている。これだけ大事な公的な機関でありますので、JICAにおいて率先してその役割を、やっぱり範を示していただきたいと、我々はそう思うわけです。
ところが、このJICAの語学インストラクター、皆さんも御存じのJICA、本当に世界各地で、大変厳しい状況の中で協力隊員の皆さんなど本当に御奮闘いただいている。そういった皆さんに極めて専門的にプロフェッショナルな語学研修をしていただいて、これすごく評価をされている方々なんです。
ところが、その語学インストラクターが何十年にもわたって単年度契約だったなんて皆さん御存じないと思いますし、実は、何年か前に突然その単年度契約すら切られてしまって一斉解雇というような提案もされたことも御存じないと思いますが、外部委託して予算カットなんでしょうかね、理事、分かりませんが、そういったことで、長年頑張っていただいた語学インストラクターの方々が一斉に解雇若しくは極めて不利な条件での雇用継続を選択させられた、余儀なくさせられたという問題がございました。
それでも頑張って六十五歳まで働いていた方々に対して、組合の皆さん含めて雇用継続を何とか頑張っていただきたいということで交渉されていたはずなのですが、その交渉が、私の理解が正しければ、残念ながら決裂をしていると。今年一月時点で、現場の、機構の現場の皆さん、協力隊の事務局からは一定の提案がなされてきたと。それは、七十歳までの再雇用契約をするとか、代わりに退職金をしっかりと正規雇用職員並みに払うとかいうことで、機構本部に対してそういう提案をしたにもかかわらず、機構本部がそれを潰したと、拒否したというふうに聞いておりますが、理事、それは事実でしょうか。事実であれば、その理由を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/60
-
061・宮崎桂
○参考人(宮崎桂君) お答えいたします。
私どもJICAといたしましても、高年齢者雇用安定法の趣旨は十分理解しておりまして、こちらを踏まえ、委員御指摘の語学インストラクターを含め、私ども、豊富な知識や多様な経験等を持つ高齢期の職員が継続的に勤務できる環境を整備することは重要と考えてまいりました。
また、委員御指摘のとおり、その語学インストラクターは高い専門性をお持ちでございまして、それを生かされ、私どもJICA海外協力隊員候補者に対する派遣前の高い、質の高い語学研修の実施に多大な貢献をいただいていることは確かでございます。一方で、その定年に関しましては、一般の職員の定年年齢が現在六十歳であるのに対し、語学インストラクターの皆様は六十五歳にさせていただいております。
私どもJICAといたしましては、法の趣旨を踏まえまして、七十歳までの就業機会を確保するよう努力してまいる所存でございますけれども、特定の職制のみについて六十五歳を超えて雇用を行う制度を導入するのではなく、他の職制も含めました全体の中で、高年齢者雇用安定法の趣旨を踏まえて今後も検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/61
-
062・石橋通宏
○石橋通宏君 先ほど理事は、重々分かってそれを答弁されている。これまでの経過、語学インストラクターの皆さん、一斉に解雇、そのときにのまされた条件。ここでは全部つまびらかにはしませんが、時間の関係で、そういったことも含めて今の答弁されているんですか。違うでしょう、それは。
正規職員との決定的な格差、処遇、退職時の扱い、そういったことも含めて差がある中で、現場でそれでもなお頑張っていただいた方々、重ねて、今理事おっしゃったとおり、極めて専門性がある方々ですよ。余人に代え難い。だったら、今コロナがようやく収束に向かい、改めて協力隊員これから海外で活躍いただかなきゃいけない。その専門性発揮していただいて頑張っていただくべきじゃないですか。JICAからむしろ、そういった方々に雇用継続をお願いする、提案をする、そういったことを是非していただくべきだと思いますが、理事、改めてそういった御提案をしっかり機構本部として対応していただく。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/62
-
063・宮崎桂
○参考人(宮崎桂君) お答えいたします。
語学インストラクターの皆様に関しましては、二〇一六年度までは単年度の有期雇用制度というものを採用してまいりました。そして、二〇一七年度からは無期雇用制度におきまして、退職金がないという形でも御説明しておりましたけれども、語学インストラクターの皆様は、それらのことも含めて御承知の上で応募をいただいて、私ども採用させていただいたものというふうに認識をさせていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/63
-
064・石橋通宏
○石橋通宏君 それも、今、理事、そういう答弁されると、本当に現場の皆さん、失望、これまでもずっと失望してきたわけですけれども、決定的に失望されますよ。
本当に、ここで全部つまびらかにすればもっとまた事実が明らかになりますが、時間の関係でそれやりませんけれども、真摯に組合の皆さんときちんと交渉していただいて、理事、ここで、せっかく答弁来ていただいたことは感謝申し上げたいと思いますが、改めてこれまでの経過、経緯含めてしっかり把握をいただいて、そしてやっぱり真摯に対応いただきたい。
さっき、六十歳、ほかの一般は六十歳定年だから、いや、全体で六十五歳まではもう義務化されているわけですから、きちんとその対応いただいて、全体として、希望される方が六十五歳超えても七十歳まで頑張っていただける環境をつくるのが機構の責任だということであれば、今、目の前にもう六十五歳で定年を強いられているという、そういった方々にまず雇用継続の提案を、だって現場の事務方はしていただいているわけですから、それを機構本部が蹴ったというのが我々は本当に納得できないわけです。
改めてこれ、しっかり対応いただきたいということを理事にはお願いしておきたいと思いますが、今日、外務大臣政務官に来ていただいております。
外務省として、これ相談受けて外務省も判断したんですか、それでいいと。それとも、外務省は一切相談受けずに、これ現場で、機構の方でもう首切るという判断をされたんでしょうか。政務官、一言だけ、これ相談受けたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/64
-
065・穂坂泰
○大臣政務官(穂坂泰君) ありがとうございます。お答えさせていただきます。
そういった相談は特にございません。この件に関しましては、JICA側でも今答弁もありました。しっかりとその状況は注視していきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/65
-
066・石橋通宏
○石橋通宏君 しっかり注視するのではなくて、指導してください。これ、極めて重要な大切な外務省の事業、それをJICAが担ってくれている。国民の税金で現場で頑張っていただいている。そして、その語学インストラクターとして長年貢献していただいた方、まさに外務省、外務省のミッションを実現する上でも極めて重要な方々ですよ。外務省として指導していただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/66
-
067・穂坂泰
○大臣政務官(穂坂泰君) ありがとうございます。お答えさせていただきます。
独立行政法人の自主性、自律性に十分配慮しなければならないと承知をしております。ただいま答弁でもありました高年齢者雇用安定法の趣旨を踏まえて、他の職制も含め、全体の中で検討を行っているというところでございますので、その状況をしっかりと注視をしていきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/67
-
068・石橋通宏
○石橋通宏君 何か他人事のような答弁ですが、重ねて、外務省の責任極めて大きいと思います。しっかりJICAが、これ、高年齢者雇用安定法だけではありませんけれども、当然ながら、大切な公的な本当に性格を帯びて頑張っていただいている。それが、率先して模範を示す、やっぱり外務省としてしっかり指導すべきだと思います。
この問題、継続してやっていきたいと思いますが、理事、せっかくなので、ちゃんと労使交渉、真摯に臨んでくださいね。現場の労使交渉を何かないがしろにされているような報告もいただいておりますが、改めてこの問題、今後の対応、まだ継続しておりますので、ちゃんと労使交渉臨んでいただいて真摯に対応いただく。それはよろしいですね、理事、約束していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/68
-
069・宮崎桂
○参考人(宮崎桂君) お答えいたします。
私ども、これまでも労働組合からのお求めに応じまして、労使交渉に関しましては真摯に対応してきたつもりでございますが、引き続き、必要に応じて、私、理事の出席も含めて真摯に対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/69
-
070・石橋通宏
○石橋通宏君 理事から今お約束、答弁いただきましたので、今後、我々も現場の労使交渉をしっかり注視をしていきたいと思いますし、重ねて、JICA自らこの模範を示していただきたいということも含めて、我々、今後フォローしていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
以上で、JICA理事、それから外務大臣政務官、質問終わりますので、委員長、よろしければ退席いただいて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/70
-
071・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 退室願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/71
-
072・石橋通宏
○石橋通宏君 続いて、ちょっと順番変えさせていただいて、先に家事労働の問題について、ちょっと大臣、確認をしたいのですが。
実は、この委員会で昨年、加藤前厚労大臣との間で、家事労働の問題について質疑をさせていただきました。残念ながら、家事労働に携わっておられた方が過労で命を落とされた。もう本当にあってはならない事態。それが、労働基準法が適用されていないというのがもうずっと長年にわたって続けられてきた。結果、こういう本当にあってはならないことが起こってしまった。それに対して厚生労働省としてどう対応するのかと、労働基準法を適用すべきだということで訴えさせていただいたところ、当時、加藤大臣は、まずは実態を調査させてほしいということで、約束果たして実態調査をいただきました。
実態調査の結果として、やっぱり過重労働、長時間労働、そういったことが現実問題としてある。今日は、資料の四に、一部新聞報道をベースに皆さんにも共有させていただいておりますが、武見大臣、この現場の家事労働者の実態、これを御覧になって、改めて労働基準法をきちんと適用すべきだとお思いになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/72
-
073・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 家事使用人は、雇主、それからその家族の私生活と密着して、通常の労働関係と異なる特徴を有する関係について、国家による監督、規制という法の介入が不適当であるなどの考えから、労働基準法の制定以来、適用除外とされております。一方、今般の実態調査によりまして、労働基準法の制定当時に想定していた家事使用人と現在の家事使用人とでは、その働き方の実態に変化があることなどを厚生労働省としても確認をいたしました。
そこで、厚生労働省としては、家事使用人に対する労働基準法の適用の在り方について、今般の実態調査の結果等を踏まえて、学識経験者等の御意見を伺いながら、法制的、実態的にどのような課題があるかの整理をしていくという、その必要性を認識した次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/73
-
074・石橋通宏
○石橋通宏君 認識いただいたという、今のは前向きな答弁として受け止めたいと思いますが、認識をしていただいたということは、今おっしゃったような有識者の会議等々、そういったものをきちんと立ち上げていただいて、これからは具体的な検討に入っていくということで、大臣、よろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/74
-
075・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 御指摘のとおり、こういう点に関わる学識経験者の方々などの意見をきちんと伺いながら、法制的及び実態的な課題、これがどのようなものがあるかをきちんと整理をして、そしてこれを、対処方針等検討していくことの必要性を認識したと申し上げた次第であります。(発言する者あり)
今年四月一日に、その働き方改革関連、失礼しました、来年四月一日には働き方改革関連法施行後五年を経過することから、学識者による研究会を年度内に立ち上げる予定で、家事使用人の労働基準法の適用の在り方についても、この研究会の中で、法改正の必要性を含めた具体的な検討に着手したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/75
-
076・石橋通宏
○石橋通宏君 ちょっとここではそういう表現ぶりしかできないのかもしれませんが、もう必要だということでこの結果が出たわけですから、もう必要であるという前提で、しっかり具体的にどうしていくのかという検討、議論を、今年度中にといって約束していただきましたので、そこでしっかり議論して早急に、今も現場で多くの家事使用人労働者の皆さん頑張っていただいています。こういう実態で働いておられるわけですから、そういった方々が本当に命守られる、安心守られる、労働者としてきちんと保護を受けられる、その環境を一刻も早く実現していただきたいということで、武見大臣のリーダーシップ期待しておりますので、しっかり前に進めていただくことをお願いしておきたいと思います。
時間が来ましたので、ごめんなさい、同じ働き方改革関連の関係で、長時間労働の規制の問題等々ちょっと準備をしていただいておりましたが、時間がありませんので、今日のところはここまでにとどめさせていただいて、また次回、機会がありましたら、続き、大臣とやらせていただきたいと思いますので、今日は以上で質問を終わりにさせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/76
-
077・大椿ゆうこ
○大椿ゆうこ君 立憲・社民会派、社民党、大椿ゆうこです。本日は質問の機会をいただき、どうもありがとうございます。
就職氷河期時代に社会に出、非正規労働を掛け持ちしながら暮らし、有期雇用を理由に雇い止め、解雇に遭い、労働組合に加入し、労働委員会を中心に約四年間闘いましたが、職場に戻ることができなかった当事者です。まさに、岸田首相が所信表明演説の中で述べた、コストカット最優先の三十年間をもがきながら生きてきた世代です。ロストジェネレーション、非正規労働者の私たちはずっと政治に絶望してきました。政治の中で捨ておかれてきた存在と言っても過言ではないでしょう。この場に立つことができた、首を切られた非正規労働者の当事者として、そんな人たちの声をしっかりと政治に届けていきたいと思っています。
十一月七日、御挨拶させていただいた武見大臣から直接、正規雇用は国の方針でもあるからというお言葉をいただきました。本来なら正規で雇うべき仕事を非正規で賄い、非正規を選んだのは自己責任だと突き放し、いかに人を安く使うか、いかに簡単に首を切れるか、いかに闘う労働者の声を封じ込めるかということに費やされてきた日本の労働政策を改め、武見大臣始めここにいる委員の皆さんとともに、労働者の使い捨てを許さない、そんな社会の実現のために私も努力していきたいと思います。
そこで、武見大臣に質問です。
十一月九日、なぜ一九九〇年以降、我が国で非正規雇用が拡大したのかという立憲・社民会派石橋議員の質問に対し、女性の労働への参加、さらに、健康な高齢者の参加といったようなものがあって、就労参加が進む中で労働者のニーズにより増加してきた面があるとお答えになりました。あたかも女性が非正規労働を望んだから非正規労働が増えてきたんだというように私たちには聞こえたんですね。
大臣がイメージされている非正規雇用の拡大を求める女性とは一体具体的にどのような女性なのか、大臣のイメージされた女性像をちょっとお話ししていただければと思います。大臣にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/77
-
078・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 女性の就労参加が確かにここのところしっかりと進んでいて、正規雇用労働者、非正規雇用労働者、共に女性の就労者数が増加をしています。このうち、非正規雇用労働者については、自らのライフスタイルに合わせてパートタイムを選択する方もいらっしゃいます。そして、労働者のニーズにより増加した面もあると考えられます。
具体的には、女性の非正規雇用労働者が非正規雇用を選んだ主な理由としては、自分の都合の良い時間に働きたいからというふうにお答えになった方が約三割と最も多くなっております。それから、家計の補助、学費等を得たいから、それから、家事、育児、介護等と両立しやすいからという理由が続いております。
そしてまた、一方で、正規の職員、従業員の仕事がないからという理由で非正規雇用を選んでいる、いわゆる不本意非正規労働者の女性も確実にいらっしゃいます。その割合は減少傾向にあって、二〇一三年の一四・一%から、二〇二二年には七・七%になっております。
この非正規雇用労働者の多様な実態もしっかりと踏まえながら、特にこの不本意で非正規雇用労働者になっている方々の対策は、これは着実にしっかりと進めていかなきゃいけないなと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/78
-
079・大椿ゆうこ
○大椿ゆうこ君 大臣の方から不本意で非正規労働者になっている人たちがいるという発言が出たことは一定評価させていただきます。
非正規労働者の数は約二千百万人、男性の約二割、女性の六割に近い労働者が非正規で働いています。非正規で働いている女性たちの背景は様々であるということを改めて大臣に理解していただきたいんです。
結婚をし、主な家計の収入を夫が担い、家事や育児や介護を中心的に女性が担いながら、年収の壁の範囲内で家計補助的に働いている女性というのはもう旧態依然となっているのではないかと思います。就職氷河期で正規の仕事がなかった、一度非正規になったら正規の仕事を得るのは難しかった、病気や障害で長時間の労働が難しい、シングルマザーや学生、様々な背景があります。私を含め、正規で働きたいと切望しながら不本意にも非正規労働で働いてきた人たちがいます。また、年収の壁があるために、正規で働きたくても非正規でしか働けないという方も多いでしょう。それを純粋に女性のニーズ、労働者のニーズと言い切れるでしょうか。
私は、政治は、労働者のニーズという言葉で都合よく言い換えてきたのではないかというふうに思っています。非正規雇用の拡大は、女性たちのニーズではなく、構造改革の名の下、労働者派遣法を規制緩和し、女性を安価で使い捨て可能な労働力として扱ってきた政府、企業等の政策の誤りではないでしょうか。まずはそこの反省に立たなければ、非正規雇用の拡大も、そして少子化に歯止めを掛けることもできないと私は思っています。異次元の少子化対策は異次元の雇用対策、これしかないと私は考えています。
二ページからの資料は、後ほど皆さん、お時間あったらお読みください。約四十年後には、就職氷河期世代を含めた六十五歳以上の単身女性のおよそ半数、約二百九十万人が生活保護レベル以下の収入になるという調査もあります。非正規問題を放置することは、将来の社会保障制度の破綻につながります。
大臣、女性非正規労働者、様々な立場の人たちがいらっしゃいます。その認識を既にお持ちいただきだとは思いますけれども、引き続き、非正規雇用の問題の解決に向けて共に頑張っていければと思っていますので、よろしくお願いいたします。
それでは、次の質問に移らせていただきます。労働委員会の救済制度が形骸化しているという問題について、本日はお尋ねさせていただきます。
労働委員会における不当労働行為救済制度は、憲法二十八条が定める労働基本権保障を担保する上で極めて重要な役割を持っています。不当労働行為救済制度の核心は、使用者の不当労働行為で生じた団結権侵害の早期原状回復にありますが、労働委員会の審査、命令の運営の現状を見てみると、労働者や労働組合の期待を裏切る事例が少なくありません。
資料の十ページを御覧ください。
大阪のナニワ生コン事件では、大阪府の生コン製造販売業者であるナニワ生コン株式会社及び浪速建資産業が、二〇一八年に労働者を懲戒解雇し団交拒否を、団体交渉も拒否した件で、大阪府労働委員会が二〇二〇年九月付けで救済命令を出しました。一、二名の懲戒解雇の取消しと原職相当職への復帰、二、団体交渉応諾、三、ポストノーティス、つまり謝罪文の掲示ですね、というものでしたが、両社は命令を不服として再審査を申し立て、団交実施と初審命令履行をかたくなに拒否し続けてきています。二名の労働者は、解雇から丸五年、解雇無効の初審命令を受けてからでも丸三年経過しても、不利益が回復されない状態が現在も続いています。
資料九ページ、下線を引いているQ十五を御覧ください。これ、厚労省のホームページなんですね。
本来、都道府県労働委員会が不当労働行為を認定し救済命令が発出された場合、その命令は命令書の交付の日から効力を生じ、労働組合法二十七条十二の四、使用者は遅滞なくその命令を履行しなければならない、労働委員会規則四十五条の一とされています。
使用者が不服な点があれば中央労働委員会に対して再審査を申し立てることができますが、申立ては当該命令の効力を停止せず、停止せずです、再審査の結果、これを取り消し又は変更したときに、その限り効力を失う、労働組合法二十七条十五とされています。
また、裁判所への処分の取消しの訴えの提起は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない、行政事件訴訟法二十五条とされており、使用者が救済命令に不服があったとしても、まずは初審命令を履行する必要があると厚生労働省のホームページに書かれています。
しかしながら、先ほど事例に挙げたナニワ生コン事件でも、不履行に対して罰則規定がないことを言い訳にして、大阪府労働委員会は放置し続けたままです。不当労働行為を行った使用者に命令を履行しろと再度働きかけることもありません。
大臣、大臣にお尋ねします。
労働委員会の命令というものは公定力があるのではないでしょうか。それを守らないというのは違法ではないでしょうか。お答えお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/79
-
080・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 都道府県の労働委員会が出す救済命令でございますが、使用者は、交付を受けたときから遅滞なく命令の内容を履行しなければならないとされておりますが、使用者が中央労働委員会に再審査を申し立てた場合や裁判所に取消し訴訟を提起した場合など、命令が確定する前の段階において罰則により履行を強制することは難しいと考えております。
一方で、不当労働行為の申立てのうち、和解も含めれば、八割程度はこの都道府県の労働委員会の段階で終結をしております。しかし、こうした、それに該当しないケースというものもあるわけであります。
引き続き、労働委員会において、こうした課題についても適切な審査が行われ、円滑にその調整ができるように努力を継続していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/80
-
081・大椿ゆうこ
○大椿ゆうこ君 このような労働委員会命令の不履行というのは、私は、不当労働行為制度、不当労働行為審査制度の労働委員会の存在意義そのものの問題に関わるというふうに思っているんです。大臣、その辺り、どのように真剣に受け止めていらっしゃるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/81
-
082・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) ただいま申し上げたとおり、実際にこの労働委員会での結果について、それを不服として中央の労働委員会に再審査を申し立てたり、さらには裁判所に取消し訴訟を起こしたというような場合については、命令が確定する前の段階において罰則によりこの履行を強制するということは、労働委員会の立場からは難しいと、こう考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/82
-
083・大椿ゆうこ
○大椿ゆうこ君 しかしながら、厚労省が作っているホームページに、裁判所に取消し訴訟を提起したとしても、初審命令の効力は停止しないため、使用者は初審命令を履行する必要がありますというふうに書いてあることは、厚労省のホームページに書いてあることは念を押しておきます。
それでは、もう一つの事例を挙げます。資料十三ページを御覧ください。藤原生コン運送事件についてです。
大阪府の生コン運送事業者の藤原生コン運送株式会社による労働者五名の雇い止め、解雇及び団体交渉拒否について、大阪府労働委員会が二〇二〇年二月二十五日付けで、一、雇い止め、解雇の無効と就労回復、二、解雇期間中のバックペイ、三、団交応諾、四、ポストノーティスを命じました。これに対して同社が中央労働委員会に再審査を申し立てたところ、再審査は二〇二一年十一月三十日に結審をし、中労委は、審査計画書において、命令交付時期を結審後六か月以内と定めていました。ところが、結審から丸二年を経過した現時点でも中労委命令は交付されていません。一体中労委は、この二年間何をやっているんでしょうか。
ここでも、労働者五名の解雇という最も重い団結権侵害の不利益が丸五年の間回復されない状態が続き、中労委が使用者の不当労働行為のやり得、やり逃げに加担しているとも言える事態が起きています。つまり、結果として、所管である厚生労働省も不当労働行為に加担し、紛争を拡大、長期化させることに力を貸し、自らホームページにも書いてある審査計画、そういったものの価値を下げ、労働委員会命令の価値を自ら引き下げていると私は考えています。
厚労省が自ら立てた審査計画にも背く労働委員会の状況は速やかに改善する必要があると考えますが、大臣の見解をお尋ねするとともに、これ、やっぱりホームページに厚労省が書いているんですから、実効性のあるものにする必要があるのではないでしょうか。これからの具体策について、大臣、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/83
-
084・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 労働委員会における不当労働行為事件の審査の迅速化は極めて重要だと認識をしております。そのために、労働委員会においては、審査期間の目標設定や当事者間の和解による解決の促進等の措置を講じているところでございます。
そして、先ほどの件に関しては、その罰則規定を置いてより法執行機能の強化を図れという御趣旨だったと思います。それが果たして、罰則規定を置いてそれを強制化することというところまで果たして持っていけるかどうか、その点に関わる議論をもう少しきちんと実態をも把握しながら進めていくことが必要で、現状では、まだその罰則規定を置くというようなところまでの我々の立場ではないことは申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/84
-
085・大椿ゆうこ
○大椿ゆうこ君 罰則規定は、一つ検討すべき課題であると思います。罰則規定がないからこそ、労働委員会の命令なんて守らなくていいんだ、守らなくたって何も文句言われないんだ、不当労働行為やり放題だ、そう思っている使用者を生み出し続けています。
私が所属していた大阪教育合同労働組合、ここは、橋下徹さんが大阪府知事、そして大阪市長時代、五年間にわたって非常勤講師、常勤講師の次年度継続雇用に関する団体交渉を拒否し続けてきました。弁護士で、なおかつ自治体の首長であり、そして大阪府労働委員会を所管しているその人が、労働委員会命令で団交拒否は不当労働行為だという命令を受けてもずっとそれを履行せず、中央労働委員会、行政訴訟、府民の税金を使って闘い続け、結果、最高裁で、大阪府そして大阪市、これの不当労働行為が認められました。
こういうことを、結果として罰則規定がないということで、厚労省がホームページにも書いてある、履行しなければいけないと書いてあることを守らせないことによって、弁護士、首長、こういう人までが、不当労働行為、この命令を履行しないということをやっているわけです。この事態をやはり厚労省は深刻に受け止めるべきです。そこでやり過ごしているがために、履行をしない、不当労働行為を行う企業をのさばらせているというふうに私は考えます。
今回事例に挙げた二件、全日建、建設運輸連帯労働組合、連帯ユニオン関西生コン支部の事件です。
今年七月二十四日から八月四日にかけ、国連ビジネスと人権作業部会がジャニーズ性加害問題等の調査に来られました。その際、この連帯ユニオン関西生コン支部も訪れ、調査を行ったことを御存じでしょうか。不当労働行為が長期にわたって放置されている、それ以前に、産業別労働組合への不当な弾圧が行われているということに対し、国連も非常に強い問題意識を持っています。
不当労働行為のやり得、やり逃げ、こういう状況を改善するために、是非、武見大臣、引き続き、この問題について徹底した議論を重ねていただくとともに、善処していただくことを強く求めます。
二〇〇三年までには、この労働委員会の運営をどうやるかという検討会が開かれていたと思います。それが現在は行われていない。その結果、このような命令を履行しないということが横行しています。
改めて検討会を開き、厚生労働省がホームページに書いてあるあのやり方をきちんと履行するために、やるために、実行するために何ができるのかということを具体的に検討していただければと思います。そのことを強くお願いし、今日の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/85
-
086・秋野公造
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てるように質疑をしたいと思います。
まず、結核についてお伺いをしたいと思います。
結核は、一九五〇年まで、我が国の死因の第一位を占めておりました。決して昔の話ではなく、先人たちの治療薬やあるいは医療提供体制、そして保健所の皆様方の御貢献、様々な要素でこうやって低蔓延国入りを実現することができたわけであります。
一方で、今はこうやって抑え込めておりますけれども、結核菌と人間との闘いのバランスが変わってしまえば、治療できる薬がなくなってしまえば、また同じようなことが起こり得る、結核がまた死の病に戻ってしまう、だからこそ国際保健が重要であります。
我が国で、武見大臣はストップ結核パートナーシップ推進議員連盟の会長でありまして、私は事務局長としてお仕えをしてきました。昨年、私が財務省に参りましたときに、大臣から事務局長を離れることがないように御指示をいただきましたので、大臣は今、会長から離れることができずに会長としてとどまっていただいておりますけれども、日本が低蔓延国入りを成し遂げたリーダー、その方が武見大臣であるということを強く申し上げておきたいと思います。
一方で、またいつ結核の蔓延が起こるかもしれない、海外の話は他人事ではない、だからこそ、我が国でもいまだに国内で集団感染が起きております。二十代の外国人が非常に多くて、二十代の半数を超えました。高齢者における感染も多い状態でもあります。医療従事者にも集団感染を起こし、薬剤耐性菌も混じっている状況を考えますと、スクリーニングの必要性、これは議連においても議論をされてきました。
私自身も、二〇一七年、総務委員会にて質疑をいたしまして、法務省は問題意識を持って検討すると、中長期滞在者に診断書を求める方向性を示す答弁をしました。二〇一九年、決算委員会でまた法務省に質疑をいたしましたところ、フィリピン、ベトナム、中国、ネパール、インドネシア、ミャンマー、六か国を優先に行う方向性も示してくれました。そして、厚労省とは検査について精緻な議論もしました。
ここまで準備ができているならば、入国前スクリーニングはしっかり行っていただけるものかと思ったら、現時点でまだ行われていない状態であります。
この入国前結核スクリーニングの現状、大臣にお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/86
-
087・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 結核というのは、もう二〇〇〇年に、ミレニアム・ディベロップメント・ゴールズの中で、エイズ、結核、マラリアと同時に、これに対する国際社会共通目標が設定されて以来、SDGsにも継承されて、今日極めて重要な疾患として位置付けられていることは、委員同様、共通認識として持っております。
この結核対策について、二〇二一年に、目標であった結核の低蔓延国化は達成をいたしましたけれども、その重要性は全く変わっておりませんし、結核の罹患率の更なる引下げという新たな目標に向かって不断の努力をすることが重要です。このために、御指摘の入国前の結核スクリーニングについて、可能な限り早期に実施できるよう準備を進めています。
具体的には、この入国前結核スクリーニングは、日本で中長期の滞在を希望する一定の国からの外国人を対象として、出発国で診査、検査を行うことにより、日本への入国の、入国前に結核の有無を確認する仕組みでございます。
このため、外務省等の関係省庁や結核研究所などの関係機関の協力を得ながら、実現に向けて取り組みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/87
-
088・秋野公造
○秋野公造君 ありがとうございます。
今、外務省と連携というお話もありました。もう課題があるなら是非お願いをしたいと思いますが、大臣、いつ頃できそうか、御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/88
-
089・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 来年度にはスタートしたいというふうに、今最終調整を行っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/89
-
090・秋野公造
○秋野公造君 是非よろしくお願いをしたいと思います。
先ほど、私、大臣からも御答弁いただきました、日本で低蔓延国を達成をしたとしても、薬剤耐性菌にこれが置き換わってしまうと、また治療ができなくなると申し上げました。
ですから、この薬剤耐性対策は、日本だけでなく世界のパンデミックにもつながり得るということでありまして、日本においてはデラマニドといった世界に誇る薬があります。世界一の薬であり、治療期間も短くする。メーカーに申請をして、複数の審査員が許可を出さないと使うことができない、こういう形で、新たな薬剤耐性が起きないようなそういう努力もしているわけでありますが、一方で、これ、薬剤耐性の、新しい薬というのは、使われない方がいい薬ということになります。使われない方がいいとなりますと、メーカーは収益を得ることができないということになりますので、昨年、予算委員会等におきましても、薬剤耐性抗菌薬を作るメーカーに対する市場インセンティブの導入につきまして御提案をさせていただき、厚労省においては早々に対応していただいた。本年から予算化もしていただいたところであります。
大臣にお伺いしたいのは、この抗菌薬の確保支援事業が抗結核薬も含むのかということについてお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/90
-
091・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 御指摘の結核を含めて、この薬剤耐性、いわゆるAMRについてはワンヘルスの観点からも重要であって、薬剤耐性対策アクションプランにおいて、研究開発を柱の一つに据えて対策を推進しております。特に、抗菌薬については、今年五月に長崎で開催されたG7保健大臣会合においても、プル型インセンティブを含む研究開発促進の必要性が議論がなされ、共同声明にも盛り込まれました。
厚生労働省では、抗菌薬の研究開発を促進する市場インセンティブを実現するための抗菌薬確保支援事業を今年度より開始をし、検討会における議論を踏まえて、今月の七日に初めて対象企業の選定を行いました。
この事業の今後の方向性について、G7等の国際的な動向、専門家の御意見伺いながら、御指摘の結核の取扱いを含めて、引き続きしっかりと検討を進めていく予定であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/91
-
092・秋野公造
○秋野公造君 是非よろしくお願いをしたいと思います。
大臣と今議論させていただいております結核は慢性感染症であります。感染症法が意図するものはどうしても急性感染症が多いという背景がありますので、結核についての考え方が埋もれてしまわないようにしなくてはならないという問題意識を持っているところでありまして、ちょっと私、今日、資料一から四までちょっと自分で作ってみたもので、大変恥ずかしい出来ではありますけれども、まず資料一、御覧をいただきますと、かつては、例えば性病予防法、エイズ予防法、結核予防法、感染症ごとに法律が作られていたということであります。
この中でも、エイズにつきましては、十年ぐらい無症状でその後に発症する、これも慢性感染症という言い方が言えるかと思いますし、結核は、もちろん急性の感染症の側面も持ちますけれども、やっぱり眠ったりする厄介な病原体でありますので、慢性感染症、もう少しスパンの長い目で見ていかなくてはならないということであります。
結核予防法が果たした役割非常に大きくて、保健所との連携、かつては保健所で検査もし、処方もしていました。そして、コロナでも使われた積極的疫学調査、これも結核予防法の名残ということでありまして、非常に大きな役割を果たしていましたけれども、平成十八年、感染症法に統合をされたということでありまして、繰り返しになりますが、慢性感染症という概念が薄まらないかということを懸念しているわけであります。
さらに、二ページ目見ていただきますと、私にとって、胃がん予防のためのピロリ菌除菌の保険適用を始めライフワークでありますけれども、ピロリ菌の感染につきましても、感染をした時点で慢性胃炎ということであり、そこから二十年から三十年掛けて萎縮性胃炎が起こり始め、そして、そこから二十年から三十年掛けて萎縮性胃炎の中から分化型胃がんが発生をするということで、胃がんになる年齢は五十歳から六十歳が多くなるということであります。未分化型胃がんにつきましては、萎縮性胃炎を介しませんので、若く発症をするということになります。
すなわち、五十年から六十年掛けてがんを起こす感染症であるということでありまして、ここについても、薬剤耐性が生じてしまったならば治療できなくなり、一定の割合で必ず胃がんを発症して年間四万人から五万人の方が亡くなっている感染症という側面もあるのかと思っています。
下の段にはHTLV1について書いていますが、これも、五十年から六十年掛けて慢性神経炎を起こしながらがん化をするということで、白血病を起こしたり神経難病を導くということであります。
こういう結核やHIVよりも長いスパンで見なくてはならない感染症というものが存在をして、一定の割合で確実に死に至らしめているという状況であります。
三ページを見ていただきますと、クロイツフェルト・ヤコブ病、これは感染症法の五類感染症に既に位置付けられております。病原体というよりも、たんぱくが変化する。変化して厄介なのは、たんぱく分解酵素に抵抗するということで、通常の消毒法では不活化できませんので、例えば、ヤコブ病の患者さんと知らずに脳外科手術を行ってしまったときの器具を通常の消毒を行ったならば、不活化されずにその次の方に使われてしまう、感染症を起こしてしまうということで、こういったことは厚生労働省にも対応いただいているところでありますが、こういった病態が、アルツハイマー病やパーキンソン病やハンチントン舞踏病やALSにおいてもこういった発症をしているのではないかといったようなことが厚生労働科学研究報告書にも出てきているところでありまして、超慢性持続感染症という概念を提唱したいと思いますが、四ページ見ていただきますと、先ほど申し上げたとおり、神経難病を起こす、長期時間を掛けて起こす超慢性持続感染症もあれば、ピロリ菌や肝炎ウイルスやHPVやといった慢性炎症ががんを起こす、感染症を原因とするがん、これも時間を掛けてなるということであります。
確認をしておきたいと思いますが、急性感染症が中心で慢性感染症が薄まっているのではないかという問題意識をお伝えいたしましたが、感染症法の中にこういった超慢性持続感染症の概念は含まれているか、大臣にお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/92
-
093・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 御指摘のとおり、感染性の疾患の中には、ピロリ菌やHTLV1など、感染することによって数十年後にがんや難病等を発症するものも含んでいるということは承知をしております。
そこで、厚生労働省としては、こうした疾患については、感染症対策とがん、難病等の対策の関連する領域が緊密に連携をし、長期的な視野で継続的に対策に当たっていくことが重要であるというふうに考えております。
引き続き、省内の関係部局が一丸となって、この課題、対応させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/93
-
094・秋野公造
○秋野公造君 ありがとうございます。是非よろしくお願いをしたいと思います。
その意味で、資料の二に戻っていただきますと、ピロリ菌感染もだんだんと耐性が生じてきています。子供さんのいわゆるピロリ菌を除菌するための抗生剤に対する耐性の割合も増えてきています。抗菌薬が開発されなければ、もう治療法ができなくなる。そうなりますと、また一定の割合で、年間必ず五万人、死に至らしめる感染症という扱いになってしまいます。
よって、私自身は、薬剤耐性を持つピロリ菌のモニタリングは必要ではないかということで五類感染症に位置付けることを求め、かつ、HTLV1感染につきましても、かつては長崎とか鹿児島とか沖縄とか、そういった半島や離島等に限局した、世界においても限局した状況でありますが、これだけ人が動いてきておりますので、東京でありますとかそういったところでも発症が報告をされているところであり、これもモニタリングをしていかなくてはならないのではないかということで求めてきました。
厚労省は、このHTLV1感染につきましては様々なお取組をしていただいたところでありますが、こういうことをなかなか知られていないということでありまして、五類感染症に位置付けろとの趣旨は、きっちりと調査をして、かつ普及啓発をしてもらいたい、こういう意図であります。
改めて申し上げますが、HTLV1あるいはピロリ菌、薬剤耐性ピロリ菌等を五類感染症に位置付け普及啓発に取り組むべきではないか、佐々木部長にお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/94
-
095・佐々木昌弘
○政府参考人(佐々木昌弘君) 二点、HTLV1とピロリ菌についてお答えいたします。いずれにせよ、それの先にある普及啓発も、これらの疾患を例にして取り組むということもお答えしたいと思います。
まず、HTLV1は、これ、我が国が世界に誇るウイルス研究の成果であります。先ほど委員御指摘にあったとおり、HTLV1というそのウイルスによって幾つかの疾患が引き起こされます。ですので、このHTLV1の感染症法上の位置付けをするに当たっては、昨年三月御指摘いただいたこともあって、昨年六月に厚生科学審議会感染症部会で議論を行ったところです。
そこでの議論というのは、今申し上げたとおり、そのウイルス、そしてその結果として引き起こされる、こっちの方が感染症に、病気としてなるわけですから、そういった点についても論点として議論いただいた結果として、委員御指摘の普及啓発の必要性、これを課題として指摘されたところです。
ですので、我々も、HTLV1の普及啓発については、まずは二〇一〇年に策定されたHTLV1総合対策というのがございます。これを踏まえ、ポスターやリーフレットの作成、配付などに取り組んできましたが、更に対策を進めるために、今年度から、例えば講習会の開催、相談体制の整備等を行う、これ事業名で申しますとHTLV1普及啓発事業といいますけれども、これを開始しております。これをきっかけにして、さらに、これの成果とかもフィードバックしながら、HTLV1に関する普及啓発、正しい理解の促進のための取組を強化したいと思っております。
もう一つ、ピロリ菌の方でございます。これ、ピロリ菌は、発見は外国の研究者でしたが、我が国は、例えば上水道の普及とか、そういう公衆衛生政策によってピロリ菌をある程度の克服までは来て、実際に胃がんによる死亡者も減ってきていてという状況ですが、一方で、委員御指摘のような耐性菌についても指摘を受けているところでございます。
こうした状況を踏まえて、国立国際医療研究センターにおいて啓発イベント、これをしようということで、その開催を検討しているところでございます。
こうした取組を更に進めることによって、普及啓発を進めたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/95
-
096・秋野公造
○秋野公造君 是非よろしくお願いしたいと思います。
資料二に戻っていただきますと、先ほど私、胃がん予防のためのピロリ菌除菌の保険適用を実現したと申し上げましたけれども、実は、ピロリ菌感染が起きて、慢性胃炎から萎縮性胃炎に進行し、ここから胃がんが出てくる。そして、透析とかいったことも最初は糖尿病等から始まり、そして透析に至り、かつ透析の合併症を引き起こすと。つまり、重症化予防の概念というのは非常に必要であると考えて、二〇一五年の骨太の方針の策定以降は、ずっとこれを位置付けていただいているところであります。
今頃の質問で大変恐縮なんですが、大臣の所信の中に、六ページの一番最後に、予防、健康づくりという文言ありましたけれども、ここに重症化予防の文言がなかったことが大変残念でなりません。重症化予防の取組の重要性についてどのように考えているか、大臣の見解をお伺いしたいと思います。しっかり言っていただきたいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/96
-
097・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 大臣所信の中では、確かにその重症化予防の言葉は直接は用いてはおりません。しかし、取組を進める上で、重症化予防のキーワードは明示しつつしっかりと取り組んでいくことは、これからも極めて重要だと認識しています。
実際に、生活習慣病対策として、健康日本21における循環器病や糖尿病等の重症化予防に関する目標の設定、さらには、第二期循環器病対策推進基本計画における循環器病の重症化予防等に重点を置いた対策の推進、さらには、糖尿病については糖尿病性腎症重症化予防プログラムに基づく重症化予防策の推進などの重症化予防に重点的にこれ取り組んでいるところでもございまして、今後も継続してしっかりと取り組むべき課題だと認識しております。
今後とも、大臣所信や骨太方針といった文書等については、その内容、性質に鑑みて、それらを通じてこの重症化予防のメッセージ、適切に反映されるよう事務方にも指示をし、必要な調整を行っていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/97
-
098・秋野公造
○秋野公造君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
今日は、文科省から安江政務官来ていただきました。ありがとうございます。
これ、重症化予防を骨太に入れていただいている、そして国としても推進をしていただいている、ずっとそうお願いしてきている。これは教科書、今日は資料の中に中学生及び高校生の保健体育の教科書なども付けさせていただきました。
五ページ目を見ていただきますと、これ高校生の教科書でありますけれども、例えば、生活習慣病はとは、文章の中でいきなり心臓病、脳卒中ということでありまして、ちょっと途中の経過がやっぱりなく、下の表、左下の表、代表的な生活習慣病にも、心臓病、脳卒中、脂質異常症、糖尿病、高血圧症、COPDと例示をしていただいておりますけれども、これでは子供たちは各疾患がばらばらに理解をして、例えば脂質異常症や糖尿病から、これが長引いて重症化して例えば脳卒中や心臓病に至るといった、シリーズでの重症化というものをなかなか理解をすることができないのではないかと考えます。
教科書を読み解きますと、全てを網羅していただけますと、きちんと書いているということはよく理解をしておりますけれども、こういった重症化していく流れにつきましてはしっかりと教えるべきではないかと考えますが、安江政務官にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/98
-
099・安江伸夫
○大臣政務官(安江伸夫君) お答えいたします。
学校教育では、学習指導要領に基づきまして、児童生徒の発達段階に応じて、体育科、保健体育科において、病気の起こり方や生活習慣病などの病気の予防について指導を行っております。
教科書には、例えば、例えばでございますけれども、代表的な生活習慣病の症状や要因、病気を予防するための生活習慣、健康に良い食事の取り方などが個々に記述をされておりますが、まさに秋野議員御指摘のとおり、病気が重症化していく流れを踏まえて病気の起こり方や病気の進行の予防について正しく理解するためには、個々の学習内容を別々のものとして捉えるのではなく、総合的に理解することが重要と考えております。
このため、都道府県教育委員会等の指導主事が集まる会議の場を通じまして、内容同士を関連付けた指導が充実されるように授業改善を促してまいりたいというふうに思います。
文科省といたしましては、児童生徒が学習したことを自身の生活習慣や行動に生かし、生涯にわたって健康な生活を送ることができる力を身に付けられるよう、引き続き取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/99
-
100・秋野公造
○秋野公造君 ありがとうございます。子供の頃からこういうことを理解することは重要です。よろしくお願いいたします。
次に、コロナワクチンについてお伺いをいたします。
これから定期接種化等も含めていろいろ進んでいくということだろうと思いますけれども、当初は、発症予防を目的に薬事承認を受けたと理解をしています。すなわち、コロナの表面にあるスパイクたんぱくに対してメッセンジャーRNAのワクチンを使うことで発症予防を期待をするというところから入ったわけでありますが、今般、目的を重症化予防にするということでありまして、ここは、薬事承認との関係含めまして、予防接種法等における関係についての整理を厚労省の方にちょっとお願いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/100
-
101・城克文
○政府参考人(城克文君) お答え申し上げます。
薬事承認でございますが、ワクチンの品質、有効性及び安全性を科学的に担保するということを目的としておりまして、先行いたしました海外の新型コロナワクチンにつきましては、承認されている効能、効果は、SARS―CoV―2による感染症の予防でございます。具体的には、臨床試験におきまして発症予防効果を確認をして承認を行ったところでございます。
また、国産を含めた後続のワクチンにつきましては、先行ワクチンの接種が進むに伴いまして、予防効果を検証する試験の実施が困難となったということがございますので、これは、国際的に合意された考え方に基づきまして、既に承認をされているワクチンを対照薬としまして中和抗体価を比較するということで有効性を評価をいたしておりまして、その結果、一定の有効性、安全性が認められた場合には承認するということといたしております。
一方で、予防接種法に基づく接種でございますが、これは、伝染のおそれがある疾病の発生及び蔓延を予防するために公衆衛生の見地から実施するものでございますので、新型コロナワクチンの接種につきましては、当該ワクチンが薬事承認されていることを前提とした上で、さらにその時点で得られる最新の科学的知見や海外の動向等を踏まえまして、厚生労働省の審議会で、専門家の議論を踏まえて接種の方針を決定しております。
本年度の接種につきましても、発症予防効果や感染予防効果には持続期間等の限界がある一方で、重症化予防効果は比較的長時間持続するといった科学的知見等に基づき審議会において議論をし、重症化予防を接種の主な目的とすることとされたところでございます。
このように、薬事承認と予防接種法に基づく接種は、それぞれ、各制度の趣旨を踏まえてそれぞれ適切に判断を行っているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/101
-
102・秋野公造
○秋野公造君 そうなりますと、薬事上は発症予防効果があるから重症予防効果が発揮をされている、こう受け止めてよろしいでしょうか。もう一回御答弁お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/102
-
103・城克文
○政府参考人(城克文君) 発症を予防できれば重症化も予防できているということがございますので、広い意味での重症化予防効果は否定されていないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/103
-
104・秋野公造
○秋野公造君 そうなりますと、例えばその発症予防効果は、コロナの表面にあるスパイクの情報が変わるから、それごとに、変異するごとにワクチンを変えてきたわけでありますけれども、そうなりますと、重症化予防が目的となりますと、武漢株用のワクチンでも効いたということになるのか、ちょっとそこらについてお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/104
-
105・佐々木昌弘
○政府参考人(佐々木昌弘君) 簡潔に結論とその背景を御説明いたします。
まず、御指摘のとおり、従来型ワクチンの接種でも、新型コロナウイルスの今回のオミクロン株についての一定の重症化予防効果はあります。
その上で、今年の秋冬用にXBB.1系統を含有する一価ワクチンを、なぜこれを選択したかというと、これ、今年の六月でしたけれども、新型コロナワクチンの製造株に関する検討会という会議を厚生労働省に設けております。そこで、流行株の成分を含むワクチンとして二つ、一つ目は、流行株に対してより高い中和抗体価の上昇、二つ目が、より強い記憶リンパ球の誘導をもたらすことにより、抗体によるウイルスの中和や記憶リンパ球による感染細胞の除去が行われ、それで重症化予防効果が期待できることから、こういったことで、流行株に最も抗原性が一致したワクチンを選択すべしということで、今回のXBB.1系統のワクチンになったところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/105
-
106・秋野公造
○秋野公造君 じゃ、引き続き精緻な議論をお願いします。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/106
-
107・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
午後零時十一分休憩
─────・─────
午後一時三十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/107
-
108・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、山本香苗君が委員を辞任され、その補欠として里見隆治君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/108
-
109・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/109
-
110・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 日本維新の会の猪瀬直樹です。
本日、まず、前回もお話ししましたが、医療、介護を産業として捉えたいという考え方でいろいろと武見大臣に質問したいんですけれども、まず、医療、介護産業のグローバルな展開ですね。
今日、資料をちょっと載っけておきましたけど、一昨日の日本経済新聞、もう一面ですね、「海外新薬、国内で早期承認」という、こういう記事が出ました。(資料提示)海外で使われている薬を日本で売り出すためには日本人で治験を行わなければならず、これがドラッグロスの原因となっていましたが、この制度を廃止すると、こういうことですね。これは、患者の不利益解消に加えて産業のグローバル化の一歩として評価したいと思います。
先週の委員会でもお話ししましたけれども、資料二の方で、これ先週と同じ資料出しましたが、「日本国・不安の研究」という本を僕書きました。医療、介護を、自動車産業、五十五兆円の規模があるんですけれども、医療、介護も同じ規模で、雇用者も五百万人から六百万人いると、日本の二大産業であると。こういう観点から、グローバルに展開して、そのために成長していくということもなければならないわけですが、日本はガラパゴス化と言われてきて、防衛産業とかIT産業などでも繰り返しそういうことが指摘され、国際競争力の低下を招いてきた。とにかく稼げる産業にしていかなければいけないんじゃないかと、医療、介護をですね。
医療、介護産業においては、ガラパゴスの轍を踏むことなく、自動車でいえば部品に当たるような周辺の裾野の産業まで含めたグローバルな展開が重要と思います。この点について武見大臣の御見解を伺いたいと思いますが、あわせて、日本が中心になってつくった日本発の官民ファンド、グローバル・ヘルス・イノベーティブ・テクノロジー・ファンド、いわゆるGHITファンド、これまでできたこととできなかったこと、あるいは今後の展開などについての認識を伺いたいと。武見大臣、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/110
-
111・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 猪瀬委員御指摘のとおり、我が国の医療、介護の分野というのは、おおよそそのサービスの提供体制を含め、国内向けにそれが発展してきているわけであります。しかし、世界主要国の中でも特に最も高齢化が進んだ社会として、我が国は、その過程で医学及びこうした介護に関わる極めて優れた体制を整え、かつそれを裏付ける科学的な知見、また、活用は十分されておりませんが、データも実はございます。
こうしたことを、改めて、単に国内において活用するだけではなくて国際社会で、特にアジアは他の地域と比べて急速に高齢者人口が増えますので、それによって、例えばがんであるとか虚血性の心疾患であるとか、あるいは脳卒中といったような、そういった疾病が主要な死亡原因になって疾病構造が変わってきます。これらにしっかりと対応するために、我が国がこのアジアにおいて果たす役割は極めて大きいものがございます。
したがって、こうした観点から、政府はODA相当を使って実際にこうした関係諸国に協力をする、そして、民間はマーケットのメカニズムを使ってこうした途上国における必要なニーズに対応していく。こうしたことを通じて、我が国が結果として、産業としてもこれらの分野が我が国の新しい活力の柱となっていく、こうした構想を、私は今、アジア健康構想と考えて組み立てようとしているところでございます。
その中で、実際に私も深く関わったものがこのGHITファンドであります。このグローバルヘルス・イノバティブ・テクノロジー・ファンド、これ実は極めてユニークなつくり方をしておりまして、外務省が、政府が全体の五〇%、それから日本の製薬企業等が二五%、それから、海外からゲイツ・ファウンデーションだとかウエルカム・トラストが二五%、政府の中でも実際に外務省が五〇%、厚生労働省が五〇%と、そういう極めて新しい形の国境を越えたマッチングファンドがこの仕組みの一つの特徴であります。
しかも、それが途上国の中でのみ必要とされるような熱帯病、ネグレクテッド・トロピカル・ディジーズと呼ばれていますが、そうした医薬品を我が国で開発する技術があった場合、我が国がそのポテンシャルな技術を活用して、途上国で必要とされるそうした医薬品の開発を進めるというのがこのGHITファンドの目的であって、その目的は、おおよそ十年ぐらいたって、現在かなり、例えば小児の飲みやすい薬の開発とか、かなり具体的にその成果は上がってきております。
こうしたことに加えて、さらには、GHITファンドだけではございません、介護ロボットなどの開発企業と、それから現場のニーズのマッチングを実際に日本が支援したり、それから、日本の専門家の現地派遣や現地の医療従事者などへの日本の受入れ、研修を通じた外国の医療従事者の育成支援なども実施しておりますし、また、今委員御指摘になったとおり、治験については薬事規制の国際調和の観点から、海外で臨床開発が先行した医薬品について、日本での導入が遅れて患者の不利益とならないよう、国際共同治験に参加する前の日本人の第一相試験を原則不要とするということがこの九月に了承されたところであります。
私としては、世界で最も高齢化が進んだ我が国は、このこういった改革を進めながら得た経験を生かして、国際社会に対し、先駆的な解決方法を示すなど多大な貢献をするべきであろうと考えておりまして、医療、介護の分野において、民間の市場のメカニズムと政府における各種政策を組み合わせて、官民連携による国際貢献を果たしていく、そうした考え方を持っております。これが、我が国の社会のダイナミズムというものを維持し、発展させると同時に、持続可能な社会に資する各途上国等におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成にも非常に大きく貢献をし、我が国の役割が国際社会の中で確立できるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/111
-
112・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 経済産業省にも来ていただいていますが、医療、介護産業のグローバル化の展開ですね、グローバルの展開、これまで経産省として支援してきた事例ありますか。
例えば、光学技術を用いた胃カメラ、これ、こういう医療機器というのは日本は世界に最も進んでいると言われていますよね。あるいは、今ちょっと大臣から出た介護ロボット、これちょっと余りよくできていないんだけど、ここのところもちゃんとやっていかなきゃいけないし、それから、産業の裾野として、公衆衛生というものを含めて医療、介護産業ですから、皆さんお使いになっているシャワートイレ、これ、外国ではほとんど取り付けられていないんですね、こういう辺りもきちんと展開していくということが必要なんじゃないかと。
最近聞いた話では、あれ、シャワートイレというのは、ホテル、外国のホテルは余りないんですよね。あれは、作るときに電気と水道両方セットにしてやらないと作れないから、ただそこに置くわけにいかないんでね、日本のホテルはそういうのを設計込みでやっているからいいんだけれども、最近聞いた話だと言ったのは、ボーイング、旅客機ね、あれは旅客機に据え付けるので簡単なんですね。あれが一部入ったらしい。
そういうことで、どのくらいちゃんとそういうことを経産省としては、この広い意味で医療、介護、そして裾野は公衆衛生、そこまで考えた戦略を持っているかということをお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/112
-
113・南亮
○政府参考人(南亮君) お答え申し上げます。
医療、介護産業の国際展開ということに関してですが、まさに委員御指摘いただいたように、日本は、内視鏡、CT、MRI、こういった診断機器については、グローバルに見ても非常に強みを持っておりまして、まさに、経済成長とともに生活習慣病等の対応ニーズの増大が見込まれるアジア諸国を始めとしまして、こういったところにグローバルに産業展開を推進していくと、そういった認識をしているところでございます。
そして、こうした医療、介護産業の国際展開に際しましては、結局、機器やサービス導入の意思決定権を握る現地の政府、医師、学術界、こういったところのキーパーソンとの関係というのが一つ重要になってくると、そのように考えております。
したがいまして、経済産業省におきましては、これまで企業や医療法人等が国際展開するに当たり、例えば内視鏡を扱える現地人材の育成ですとか、日本式医療の保険収載に向けた学会との連携、キーパーソンとの関係構築を視野に入れた事業環境整備支援を行ってきております。
また、今後につきましては、より面的に現地キーパーソンとのネットワークを拡充していくことを目的に、アジアを中心とした複数の重点国において、ERIA、東アジア・ASEAN経済研究センター等の国際機関とも連携する形で現地の産官学医の関係者で構成されるコミュニティーを組成しまして、日本企業やアカデミアとの接続を推していきたいと思っております。
先生おっしゃったより幅広い分野も意識しながら、こうした施策を通じて、関係省庁とも連携しながら、日本の医療、介護産業の国際展開を引き続き経済産業省としても後押ししてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/113
-
114・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 厚労省と、あと経産省と連携しながら、ほかの縦割りの省庁もあるんだけれども、その点、稼ぐ産業としてやっていただきたいと、こう思っています。
続いて、次の資料を御覧になっていただきたいんですけど、これ、僕の本に載せた資料なんですけれども、精神病床の推移というんですが、これ見てお分かりになるように、日本だけずっと増え続けて、そして今微減なんですけれども、ヨーロッパ先進国はがくっと減っています。これはどういうことかということについてちょっと一言申し述べさせていただきながら、見解を伺おうと思っているんですけれども。
日本は、精神科病院というのは病床数やたらに多い。元々はそれは、座敷牢に入れたり、あるいはちょっとうろついている人がいるというふうなことでいろんなことがあったりした。それを収容するという発想を持ってきたのは割と遅いんです、ヨーロッパに比べたら。
ヨーロッパの場合は、そういう人たちを収容するという発想から、今は日本は、それをコンクリートの建物に入れるというのが近代化だと思ってきた。実際に結核病床も空いてきたので、そういう形で、これが近代化だということで精神病床数を増やしていったんですね。ヨーロッパは逆に、そういう収容するという発想からどんどんどんどん開放して、グループホームに入れて、それから社会復帰させていくと。だから、このグラフは一目瞭然なんだけれども、全然逆の方向を向いている。日本は遅れてきた近代化だった。しかし、ヨーロッパはもうポスト近代に入っている。
こういう考え方でこのグラフを指し示したんですけれども。イタリアなんかはもう精神病院やめちゃいましたからね。だから、通えばいいわけですから。で、グループホームで、そこで就職をしてもらうためのいろんな訓練をするとか、そういう形で、個室で病室にいるよりもグループでいろいろといろんな話をしながら治っていく、あるいはそこから通院すると、こういうことなんですね。
そういうことで、日本だけがこれヨーロッパと方向性が違っているということですね。もう少し言いますと、グループホームに行って、さらにそこから就職するようになると。そうすると、更に言えば納税者になるということですね。出口戦略があるかないかという問題なんです。
次の資料ですが、これも今言った話につながってくることなんだけれども、OECD加盟国、人口当たりの精神病床数に関するデータ、これで、日本は断トツにやっぱり多いんですね。何でこんなに増えてしまったのか。あるいは逆に、何で病床数を減らすために政府は努力をしてこなかったのか。そのことについて、まずもう一度、武見大臣、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/114
-
115・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 精神科病院に入院中の患者については、入院を長期化させずに可能な限り早期に地域移行を進めていくことが重要であるということは、私どもも認識をしております。
このため、平成二十五年の精神保健福祉法改正においては、精神科病院に対しまして、通院に向けた相談支援等の業務を担う者の選任義務、それから、退院後に利用する障害福祉サービス等に関する相談援助を行う地域援助事業者の紹介、それから、退院に向けた取組等を審議する委員会の設置などを課しまして、医療保護入院の患者の退院を促進する取組を進めております。
また、平成二十八年の診療報酬改定において、集中的な退院支援と精神病床等の適正化に取り組む病棟への評価を設けているほか、第八次医療計画におきましては、基準病床数を減らす方向の設定を行っているところでございます。
さらに、昨年成立した改正精神保健福祉法においても、医療保護入院について、入院期間に六か月以内の上限を定めること、それから、患者等の求めに応じた地域援助事業者の紹介を努力義務から義務規定に改めることなどの措置を盛り込んだところでございまして、引き続き、早期の地域移行に向けた取組を進めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/115
-
116・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 続いて、資料五を見ていただいて、そうはいっても減っていないんですね、病床数は、まあ微減という感じですね。今大臣おっしゃられたように、厚労省も、二〇〇四年に入院医療中心から地域生活中心へという基本理念をつくって、もう二十年たっているんですね。
諸外国で実現できた病床数の大幅減少が進んでいない。これ現場として、参考人、ちょっとお願いします。なぜ減らないんですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/116
-
117・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) お答え申し上げます。
精神病床の定義ですとか精神科医療の提供体制は国によって大きく異なることから、単純に比較することは困難であると考えておりますけれども、我が国の背景といたしまして、精神疾患を有する方にとって、地域において継続的に療養するための医療、福祉の支援体制が不十分であった歴史的経緯などが要因として考えられるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/117
-
118・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 この地域移行をきちんと進めていけば、医療費も大幅に削減できるわけなんですが、二〇二〇年の入院患者数は大体二十七万人、一人五百万円掛かるんですね、年間。そうすると、総額で大体概算すると一兆四千億円掛かっています。
この辺りの正確な数字、一床当たりの精神科入院費用と全部の入院者数の合計した費用の総額、今僕が概算で言いましたけれども、それから、その削減の方向性についてちょっと説明していただきたい。参考人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/118
-
119・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
まず、精神病床のみの病院における入院医療費でございますが、これは、令和三年度で約一兆二千億円、全体で一兆二千億円となっております。これを一床当たりにしますと約五百八万円と、年間五百八万円という数字になってございます。これを一日当たりに換算しますと約一万四千円となります。これは、一般病床を有する病院の一床、一日当たりの医療費が約三万八千円でございますから、それの三七%程度の水準となってございます。
この精神病床を含めた入院医療における診療報酬の在り方につきましては、これまでも、個々の患者の状態に応じて、人員配置を含めた医療資源が適切に投入されること、それから、より効果的、効率的に質の高い入院医療が提供されると、こういう観点から、中医協で議論をしながら評価してきたところでございまして、今後とも、こういう考え方で対応してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/119
-
120・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 年間五百万円、五百万円掛かるわけで、これをいかに減らしていくかというのは、今のお話で、もうちょっと僕の言い方に置き換えると、一日一万四千円ぐらいだと僕は計算しましたけど、ホテル、安いビジネスホテルは五千円ぐらいなんですね。ホテルの経営だと考えたら、いかに無駄が多いかということなんでね。
ちょっと話飛ぶけど、僕は小泉構造改革で道路公団民営化やりましたけど、その後にちょっと、刑務所の民営化というのもちょっとあったんですよ。これ今全国で四か所、半官半民ですけど、民営化やっていますけど、それも大体一泊幾らという考え方でやると分かりやすかったのね。そこから、それともう一つは、結局そこで、入って出た後どうするかということを考えなきゃいけないんで、刑務所入って出ても、また半分戻ってきちゃうんですからね。だから、そこでパソコン教室をやるとか、ホテルでパソコン教室をやるみたいな発想で考えれば、それで非常に安いコストでできるわけですね。受刑者も、タグ付けていれば自由に廊下歩き回れるわけですよ、コントロールできるから。
そういうふうに考えるという形でやれば、どんどんどんどん安くできるわけですね。しかも、滞在する必要ない長期入院者を無理やり押し込めているわけだから、出口戦略をどうつくるかなんです、問題は。
そういうことを考えて、入院している人を、先ほど言いましたけど、グループホームに移行した場合には、僕のコスト計算だと大体年間二百七十五万円ぐらいなんですね、障害者のいろんな費用とか入れて。だから、五百万円対、その半額の二百七十万円ぐらい、このぐらい変わるわけですよ。
それ、地域移行することによって、出口戦略ですね、出口戦略をつくってあげないと地域移行できませんから、そのときにそれを支援するのが精神保健福祉士とかソーシャルワーカーの役割なんですね。
病院によってその人材がちゃんと配置しておれば地域移行が進むんだけど、なかなか進まないと、その人員がきちっと配置されていないから。この現状を見ると、精神保健福祉士の数をもっと増やして地域移行を支援するという、そういうことを強化する必要があるんじゃないかと。武見大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/120
-
121・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 平成十一年にこの精神保健福祉士の資格制度が発足をして、そして、退院の調整、生活支援を行うという役割を担っておりますが、この精神保健福祉士、現在十万人ほどおります。
また、精神保健福祉士の登録者数、正確に申し上げますと、令和五年度末時点で約十万二千人、令和四年六月時点の調査研究の結果によりますと、精神病床を有する医療機関のうち、九割以上にわたる千四百八十八の医療機関が常勤で配置をしております。
現行の診療報酬上も精神保健福祉士の病棟配置に対する評価などが設けられているところでございまして、今後とも、様々な分野においてこうした精神保健福祉士らが適切に配置されていくよう、必要な取組を進めていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/121
-
122・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 続いて、その出口戦略として、グループホームについて伺いますが。
認知症のグループホームは、介護保険ができてからすぐにやるようになったんだけど、そこだけやったんですね。このグループホーム、僕は先ほどの著書のために、数年前に千葉県の、東京郊外ですね、あるグループホームを訪問していろいろ調査しましたけれども、普通の木造二階建ての一戸建て、よくある普通の戸建てですね、大体もう住んでいない、空き家になってしまって、それ持っている人は、家賃十万円ぐらいで貸せられると自分も助かるというような人が何人もいるんですね。
そういうところでグループホームを、一つの、一軒当たり障害者が三、四人いて、そしてそれが六、七軒あるエリアが一つのグループホームのエリアになるわけですね。そこに障害者が三、四人住んでいて、犬を一匹置いているんですね。それは、動物愛護センターから保護犬を引き取ってホームで一緒に暮らしているんです。リビングで会話が苦手な精神障害者に対して犬が相手になっていたりとか、まあ、アニマルセラピーですね。
この事業者は、僕がだから四、五年前にそこに行って調べていて、その後全国展開して、今、フランチャイズ含めて千五百か所、そういう空き家を運営しています。こういう例を見ても、民間でやる気を出せばできるんですね。
先ほどの海外比較で、ヨーロッパでは、精神科病院の患者数が激減できたのは、こういう施設への収容から地域の医療、地域へのケアと転換してきたからなので、日本では、だから、この精神科病院の退院者の受皿としてのグループホームというのは、やっと今、この数年展開しているんですけれども、どの程度機能しているのか。
そして、例えば精神科病院の退院者は以前と比べてどのくらい増えているのか、また、そのうちどのくらいの人がグループホームに移行できているのか、そういった数字を分析した資料があるのかどうか。武見大臣に、釈迦に説法だけど、政策の効果測定を数字で把握して分析することがとっても重要なんですね。
ついでにこの資料六、ちょっと見ておいていただいて、右上のこの赤いところ、赤い色付いているところが、民間のグループホームがどんどん、民営のやつが増えているんですよ、これ。民営のやつが増えている。だから、こういうことは非常に大事なんですが、こういうのの目標値がきちんとあるのかどうか。
この目標値とかその具体的な数字は参考人でも構わないんですけれども、大臣、これについて見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/122
-
123・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) この精神科病院からの退院者を含めて、精神障害者の地域における居住の場の選択肢の一つとして、グループホームの充実を図ることは重要であると考えております。
令和四年六月の調査研究の結果によりますと、精神病床から退院した患者は月約三万人、そのうち、退院後の行き先がグループホームであった者は約一千六百人。なお、グループホームを利用する精神障害者の数は増加傾向で、令和四年度末時点で約五・三万人の利用となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/123
-
124・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 だから、民間の力を活用すると、こういう形で受皿ができていく。ヨーロッパはそれをずっとやっているわけですね。日本だけが、長期入院みたいな形で収容するという形になっている。
これは、僕は圧力団体があると思いますよ、はっきり言って。こういう精神科病院の連合体というか、そういう団体がありますよね。こういう圧力団体がやっぱりあって、これが遅れているんじゃないかというふうにも思うんですけど、大臣、その辺りは、一言お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/124
-
125・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) やはりこうした精神科の疾患の患者の皆さんについても、できる限り適切なる治療の下でその退院を促し、社会復帰ができる限り可能となるように促進するというのがやはり基本的な考え方であろうと思います。その上で、実際、このグループホームがその一つの大切な受皿になってくるという点は委員の御指摘のとおりであります。
そこで、グループホームのサービスの見込み量も含めて、次期障害福祉計画を今現在策定中でございまして、今後とも、地域のニーズに応じた計画的な整備に取り組んでいきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/125
-
126・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 質問ちょっと変えますね。
調剤業務の一部外部委託についてなんですけれども、調剤薬局は大きな問題いろいろあるんですけれども、今日は一つだけ絞っていきますが、政府の方針を確認しておきたいところがあるので。
薬局業界というのは構造改革が必要なんですが、今、薬剤師さんの多くは、薬局で処方箋に書かれた薬を棚から出して、探して、そして輪ゴムで留めたりして渡したりする、そういう作業に追われているんですね。それで報酬を稼ぐ構造になっている。しかし、本来は、薬剤師さんの専門性はそんなことじゃないんですね。それは作業ロボットに任せるべきなんです。
一方で、これから、高齢化等、地方の人口減少が更に進行して、在宅医療、在宅介護が拡大していきます。高齢者は往々にして多くの薬を処方されているから、服薬後の状況フォローと医師へのフィードバックが重要であり、それこそ薬剤師の専門性を生かせる領域なんです。薬剤師の仕事を機械的作業から在宅医療での服用後のフォローなどの対人業務にシフトするべきです。そのための起点になるのが調剤業務の一部外部委託化です。全ての薬局がそれぞれ事務作業を抱え込むのではなく外部委託できるようにすれば、機械的作業の効率性を飛躍的に高め、薬剤師の仕事のシフトにつながります。薬の適正使用や医師の働き方改革にも有効です。
外部委託の議論は長年行われ、現場からの問題提起もされてきたんです。しかし、これも、まあ圧力団体ですね、薬剤師会が現実を直視せずに反対し続けて、なかなか進展しませんでした。
今年の夏、大阪府、大阪市と、大阪で薬局を運営する事業者のコンソーシアムが共同で特区提案をやっと行って、ようやく実証事業の実施に向けて動き始めました。外部委託の実証事業にこれ以上時間を掛けるべきではなくて、いわゆるポリファーマシーという、多剤併用という、たくさん薬を、いろんな効果がぶつかるような薬を一緒に飲んじゃったりするんですけれども、多剤併用の健康被害などは社会的な問題になっています。施設入居者や在宅医療などの体制整備ももう待ったなしなんですね。
ここで、だから、お尋ねするのは、内閣府の国家戦略特区担当と厚生労働省の医薬局の参考人にそれぞれ、答えは短くてよいから、大阪での実証事業を迅速に進めるつもりがあるのかどうか、答えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/126
-
127・安楽岡武
○政府参考人(安楽岡武君) お答えします。
薬局における調剤業務の一部外部委託につきましては、薬剤師の対物業務を効率化し、患者への服薬フォローアップ等の対人業務を強化することを目的として、本年九月六日に、大阪府・市と民間事業者から共同で国家戦略特区提案がございました。
内閣府では、本提案を踏まえ、提案者及び厚生労働省の参加を得て、十月十二日に国家戦略特区ワーキングヒアリングを開催し、国家戦略特区の下で実証を行う方向性を確認したところです。
内閣府としては、厚生労働省及び提案者と連携し、できるだけ早期に実証事業を開始できるよう、関係規定の整備を含めて必要な調整を行ってまいりたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/127
-
128・城克文
○政府参考人(城克文君) お答え申し上げます。
薬局における薬物療法につきまして、御指摘のような対人業務を充実させて質の向上を図るという観点からは、薬剤師が行う薬剤の取りそろえなどの対物業務の一層の効率化を進めていくことは必要だと考えております。調剤業務の一部外部委託は、こうした対物業務の効率化に資するものというふうに考えております。
厚生労働省といたしましても、御指摘の国家戦略特区の提案につきまして、安全性の確保を前提に、速やかな実証の実施が可能となるよう、提案者及び内閣府と連携をいたしまして必要な検討を進めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/128
-
129・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 速やかというのはどのくらい速やかなのかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/129
-
130・城克文
○政府参考人(城克文君) 省令改正等々がございますので手続がございますが、できるだけその手続を速やかにということでございますので、ちょっと期限についてまだ調整をし切っていないところはございますが、我々としては、できるだけ早くと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/130
-
131・猪瀬直樹
○猪瀬直樹君 分かりました。速やかにお願いします。
今回は、医療、介護というものを、役所的な観点あるいは業界的な観点ではなくて、産業としてきちんともうける、そういうことができる世界につくり替えていくと。無駄なものは無駄、そして、効率よくできるものは効率よくする、そして、世界のグローバル化に負けない先端の医療、介護産業を日本は発展させると、そういう趣旨で質問させていただきました。
どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/131
-
132・芳賀道也
○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。
武見新大臣、医療の専門家ということで非常に期待しております。今日はよろしくお願いいたします。
まず、電気代、燃料代を始めとする猛烈な物価高騰で、公的に定められた収入しかない医療、介護、福祉の施設では、事業が続けられない、赤字で賃上げも満足にできない、今年赤字なら銀行管理になってしまうと、我が法人は、そんな危機的な声が、本当に今年は例年以上に、コロナ禍に続いての物価高ということで寄せられています。
こうした危機的な状況にある、そういう御認識、武見大臣にもあるのか、大変な状況で何とかしなければならないと、そういう御認識はあるのかどうかからお伺いできますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/132
-
133・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 昨今のこの物価の高騰、それから同時に、他の産業と比較して格差のある賃上げの必要性、これらはいずれも喫緊の課題だというふうに認識をしております。
この認識に基づいて、今回、総合経済対策の中にもその分野、しっかり柱として組み込ませていただいて、補正予算の中でもその審議をして、できればその採択をして今年度中に実施に入りたい、そして、それを継続させる形で今回の同時改定の作業に臨んでいきたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/133
-
134・芳賀道也
○芳賀道也君 確かに補正予算案に、医療、介護、障害者福祉施設の光熱費、食材費の高騰対策が重点支援地方交付金として総額五千億円盛り込まれたことに一定の評価はもちろんさせていただきます。ただ、これ、全ての物価対策を全部で五千億円なんですね。まだまだ足りないのではないか。
それから、これまでもこの交付金による支援が行われたんですが、この公的な収入に頼っているところを回りますと、その赤字の一割にも満たないんだと、この交付金での支援が、本当にスズメの涙だという声も聞きます。
実際にはこれ、この五千億円盛り込まれた交付金ですけれども、各自治体のメニュー任せの丸投げになっているのではないか。厚生労働省や地方厚生局から直接、医療、介護、調剤、障害者福祉などの分野に、これ直接足りない分だけ必要なところに交付する仕組みにすべきではなかったのか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/134
-
135・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 委員御指摘のこの経済対策における重点支援地方交付金の追加を踏まえまして、厚生労働省としては、自治体に対して、医療機関等における食材費高騰及び光熱費高騰に対する支援について優良な活用事例等を示して、自治体における早急かつより確実な支援につながるよう積極的な働きかけを始めております。
また、厚生労働省としては、今後とも、自治体に対して対応状況をフォローアップすることも予定しておりまして、この医療機関等にきめ細かくこうした支援が行き届くように、引き続き、自治体ときちんと連携をしながら進めていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/135
-
136・芳賀道也
○芳賀道也君 武見大臣の先ほどのお答えの中にも緊急に支援を行うんだと、その先にトリプル改定できちんとしたものをやっていくというお言葉がありましたけれども、来年のトリプル改定に向けて厚労省関連の審議会等で今論議をしていると聞いていますが、恒久的に物価高や人件費の高騰などに対応するようになっているのか。
例えば、報道などでは二%なんという声もありますが、三%以上は間違いなく物価は上がっていますので、それ以上のしっかりとした各改定がなされるのか。一説には、実質的な体感の物価高は五%を超えているなんという声もあるわけで、そうしたしっかりとした改定が行われるのか。
あるいは、今後もこのような物価が高騰していく流れが続くとすれば、建設の入札などで導入されているような物価スライドのような仕組みを診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス報酬等に組み込むということも考えるべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/136
-
137・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) この議員御指摘の各サービスの報酬改定に当たりましては、患者や利用者に必要なサービスが適切に提供されるよう改定する必要性がその都度ございます。このため、物価や人件費の動向のほか、経営の状況、人材確保の必要性、患者、利用者負担、保険料への影響などの状況などを踏まえて総合的に検討することが必要であり、残念ながら、議員御指摘のような物価スライドといった仕組みを設けるのは、やはり慎重に考えなきゃいけないなと思います。
その上で、昨今、高水準となる賃上げの動向や物価高騰の状況を踏まえますと、公定価格となっている医療、介護、障害福祉分野における賃上げや物価高騰への対応は極めて重要な課題だと認識をしておりまして、令和六年度の同時改定においては、患者、利用者が必要なサービスを受けられるよう、物価高騰に加え、賃金上昇、経営の状況、人材の確保の必要性、患者、利用者負担、保険料負担への影響などを総合的に踏まえた上で、中医協を通じてしっかりと議論を進めていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/137
-
138・芳賀道也
○芳賀道也君 物価スライド的なものは難しいということであれば、今、二年に一度の改定ですけれども、かつて行われていたように、リーマン・ショックのときには行われていたと聞いているんですが、二年に一度じゃなく、猛烈な物価高が進んだら、臨時改定でしっかりとそれを担保するというようなことはあり得ないのでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/138
-
139・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
ちょっと私の手元に資料がないんですけど、記憶の限りで申し上げると、オイルショックですね、一九七〇年、そういう時代、前年比で物価が二割以上上がったようなときには確かに改定というのをやったことがございますが、今我々が経験しておりますのは、まさに昭和の後期とか平成の初期にもあった程度、三、四%というのはそういう状況でございまして、基本はやっぱり今までの改定ルールでやっていくということだと思いますが、もちろんそれ以外にも、今回の経済対策とか様々な、その期中の間でいろいろ経済変動がありましたら、それに逐次対応していくということをしてございます。
今般も経済対策打ち出させていただきまして、もう年末には同時改定、医療も介護も障害サービスもやってまいりますので、まずしっかりとその今の経済情勢を踏まえた改定をしていきたいと、このように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/139
-
140・芳賀道也
○芳賀道也君 オイルショックのときには、もう二割を超えるような値上がりで臨時改定した例もあるということですから、この臨時交付金だけではどうしても金額的にも追い付かないということもありますので、この辺も機動的に検討していただきたいと思いますし、さらには、トリプル改定の中では、しっかりと待遇改善も含めてベースアップの原資が確保できるような改定にしていただくことを、全ての希望した皆さん、医療、介護、福祉で働く皆さんの声としてしっかりと受け止めていただきたいと思います。
次に、保育園光熱費、食材費の高騰対策、補正予算案にもあえて文言も入れて盛り込まれています。
来年度以降の光熱費や食材費の高騰対策は、これも本来的には運営費や公定価格を引き上げて対応すべきではないのでしょうか。これはこども家庭庁にお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/140
-
141・工藤彰三
○副大臣(工藤彰三君) お答え申し上げます。
先般閣議決定したデフレ完全脱却のための総合経済対策においては、重点支援地方交付金の推奨事業メニューについて物価高騰等への支援が盛り込まれていることから、保育所等の利用者や事業者の負担軽減に向けて交付金を積極的に活用していただくよう、地方自治体に対して依頼をしているところでございます。
また、保育園の運営費支援を行う公定価格では毎年物価変動を踏まえた見直しを行っていることから、引き続き、令和六年度の予算編成過程で検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/141
-
142・芳賀道也
○芳賀道也君 この部分でもしっかりとお願いしたいと思います。
さらに、今回は質問等はしませんでしたが、要望ですけれども、昨日も病院関係者と話しましたら、病院の給食、この物価高騰で一般食ももう大赤字で大変なことになっていると。さらに、糖質であるとかたんぱく、油を入れない病人のための特別食、この加算も微々たるもので、赤字に輪を掛けて赤字を増やす原因になっているのだという声がありました。こちらも改定の中ではしっかりやっていただくことをお願いいたします。
次の質問です。
児童手当は子供が中学三年のときの三月三十一日まで受け取れて、所得税の扶養控除は子供が十六歳に達したときから適用が可能になります。
四月から十二月までのお子さんの場合は、切れ目なく児童手当から扶養控除を受けられることになります。しかし、一月から三月生まれの早生まれの場合は違います。特に三月生まれのお子さんの場合には極端なんですが、児童手当がもらえるのが誕生日を迎えた中学三年の三月まで、四月生まれのお子さんの場合、誕生日を過ぎて中学卒業の三月まで児童手当を受け取れることになり、三月生まれの生徒さんに比べると十一か月長く児童手当を受け取るということになります。
また、一月から三月生まれの生徒さんの場合、中学三年、高校一年の一月から十二月にはまだ十五歳なので、扶養控除の対象にはならないんです。これに対して、四月から十二月生まれの生徒さんは十二月末までに十六歳になるので、中学三年の一月から扶養控除の対象。同じ学年なのに、四月から十二月生まれと一月から三月生まれの間にこのような格差があります。
先日、事前に説明を受けたところ、児童手当は学齢、そして扶養控除は月齢なので考え方が違うということでしたが、生まれた月によって不平等が生じるということがあってはなりません。制度の谷間に落ちた早生まれの児童生徒とその家族を応援するため何かしら付与する必要があるのではないかと考えますが、こども家庭庁の答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/142
-
143・工藤彰三
○副大臣(工藤彰三君) お答え申し上げます。
児童手当については、児童が生まれた次の月から中学校修了までの児童を対象として継続的に支給しております。
制度創設からこれまで、対象年齢は累次改正してきておりますが、児童手当は家庭等における生活の安定や児童の健全育成を図る目的であり、基本的には学年単位としており、御指摘のように、生まれ月により生じる児童手当の支給総額の差額について給付を行うことは慎重に考える必要があると思います。
今先生がおっしゃるとおりでございます。これしっかり精査していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/143
-
144・芳賀道也
○芳賀道也君 制度の谷間ということであっても、生まれた月で事実上の差別を受けるということにもなりかねませんので、ここはしっかりと法の下の平等が保たれるように何らかの知恵を出していただきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
委員長、こども家庭庁の皆さん、これにて質問は終了ですので、御退席をお取り計らいください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/144
-
145・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 御退席して大丈夫です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/145
-
146・芳賀道也
○芳賀道也君 次に、ガソリン代が値上がりし、企業が、車で通う従業員、これだけガソリンが値上がりしたら大変だというので、山形のある企業は、ガソリン代高騰を受けて、通勤手当を従業員のために上げてやろうということで上げてくれました。これはすばらしい取組なんですけれども、そうしたらどういうことが起きたかというと、非課税枠が変わらないものですから、税金で取られてやっぱり従業員が受け取る部分が本当に少なくなってしまったと。企業経営者としても、従業員のためを思ってせっかく出したのに税金で取られるのかというふうなことを経営者もおっしゃっていました。
通勤手当を引き上げると、基準を超えた部分には課税、新幹線通勤や実費が認められる通勤と比べて地方都市はそうなんですよ、車なんですよ。地方都市に多い車通勤がかえって不利になり、公平さを欠くのではないでしょうか。少なくともガソリン代、燃料費の高騰は無視できないので、平成二十六年四月以来、十年ほど変更がなかった所得税法施行令第二十条の二、二号を改正して、自動車その他で通勤する人の通勤手当の距離別の非課税の金額の基準、これを引き上げるべきではないかと考えますが、財務省の御見解、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/146
-
147・中村英正
○政府参考人(中村英正君) お答えいたします。
先生御指摘のとおりで、所得税法上、一定額を限度として非課税とする措置を講じております。自動車等を使用する場合につきまして、通勤に必要な自動車等の使用に係る費用につきましてはそれぞれあるところでございます。
したがいまして、客観的な基準といたしまして、まずは民間の通勤手当の支給に関する調査を人事院勧告が勘案して決めておりますので、その人事院勧告に基づいて、今度、国家公務員の通勤手当の支給限度額を人事院が勧告で決めております。それを参考として税法上の費用を定めておりますので、今後の対応につきましては、こうしたその民間の動向を反映した人事院勧告、国家公務員の限度額の動向を踏まえまして対応を図っていきたいというふうに考えております。
なお、政府といたしましては、今回の総合経済対策におきましてエネルギー高騰対策を盛り込んだところでございまして、御案内のとおり、ガソリン価格の高騰に対しては、まずはそうした予算措置により機動的に対応してまいりたいと、そのように考えております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/147
-
148・芳賀道也
○芳賀道也君 もう明らかにこれだけガソリン代が上がっているんですから、これは引き上げなきゃ駄目ですよ。こんな分かり切ったことができないようではおかしい。さらに、所得の壁もそうですし、さらには物価を上回る賃金を上げるんだと、これが政策なんだと言っている国が、実際に賃金が上がれば所得税のランクが上がって税金が増えてしまう、こんなおかしなことがそのままにされていいはずがありません。
財務省、是非しっかりやっていただきたいと思います。もっと頑張れ財務省、そう申し上げて、次の質問に行きます。
財務省の皆さんの退席をお取り計らいくださいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/148
-
149・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 退席されて結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/149
-
150・芳賀道也
○芳賀道也君 さて、総務省では、暗証番号なしの顔認証マイナンバーカードの準備を進めていて、十一月末にも全国の自治体で受付開始と聞いています。総務省が進めている暗証番号なしの顔認証マイナンバー保険証は、マイナンバーカードの利用者用電子証明書と保険証のデータをひも付ける初回登録をあらかじめ行っているという前提でよいのでしょうか。
本当は初回登録をしていなかったのにしたつもりになっていた住民が、顔認証マイナンバー保険証の申請を市町村の役所で行ってしまい、暗証番号なしの顔認証マイナンバーカードに変更してしまった場合は、このカードを使って本当に問題なく初回登録できるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/150
-
151・三橋一彦
○政府参考人(三橋一彦君) お答えいたします。
顔認証マイナンバーカードは、暗証番号の設定を不要とし、本人確認の方法を、暗証番号の入力に代えて機器による顔認証又は目視による顔確認に限定したカードでございます。顔認証マイナンバーカードは、暗証番号の入力が必要なマイナポータルや各種証明書のコンビニ交付サービス、その他のオンライン手続などのサービスには利用できず、顔認証を用いた保険証としての利用を主に想定したカードとなります。
御質問のマイナンバーカードの健康保険証利用登録との関係につきましては、健康保険証利用登録の前に、通常のマイナンバーカードから顔認証マイナンバーカードに切り替えた後でも、医療機関、薬局の顔認証付きカードリーダーにおきましては、顔認証により利用登録を行うことが可能であるものと承知をしております。
顔認証マイナンバーカードの導入に当たりましては、この点につきましても適切に周知してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/151
-
152・芳賀道也
○芳賀道也君 医療機関で顔認証すれば簡単に初回登録できるという答えでしたが、医療機関ではマイナンバーカード保険証のトラブルが頻発しています。
全国保険医団体連合会の今年の調査によれば、マイナカードを読み取るカードリーダーのトラブルを経験した医療機関は全体の三分の二に当たる六五・一%の医療機関で、オンライン資格確認によるトラブルがあったと答えています。トラブルの内訳を見ると、被保険者情報が読み取れない、六六・三%、顔認証付きカードリーダー又はパソコンの不具合によりマイナ保険証を読み込めなかった、四八・四%、マイナ保険証の不具合で読み取りができなかった、二〇%などとなっております。
全国保険医団体連合会の調査では、顔認証に関連するトラブルが多いという報告も上がっており、顔認証の場合、四角にきちんと顔が入っていないと認識しないようになっている、しかし、高齢者は四角の枠が見えないのか、枠に顔を合わせることができない、そのうちタイムアウトになってしまう。高齢者を中心に顔認証に失敗する例が多いという声があります。
総務省は、本当に医療機関の顔認証で確実に初回登録できるのか、医療機関で確認したのでしょうか。また、医療機関で行う初回登録にどれだけの時間と手間が掛かり、受付の人や医療スタッフがどれだけ時間を取られるか、調べたことはあるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/152
-
153・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) ちょっと厚生労働省の方からお答えさせていただきますと、まず、健康保険証とマイナンバーのひも付けに関しましては、コンビニとかそういうところでもできますけれども、医療機関でもできます。したがって、普通の方がまだ保険証の登録をされていなくて医療機関に行けば、そのカードリーダーに当てればそのまま顔認証で作業ができると考えておりますし、それは普通の行為だと考えてございます。
他方、高齢者の方がなかなか、一番生まれて初めて使うときにまごついたりするということは当然ございまして、その辺の御負担というのは、医療現場からも我々の方もよく聞いております。
こうした中で、二つのことをしてございます。一つは、顔認証付きカードリーダーの精度の改善、これを進めておりまして、春頃に比べまして、夏に随分改修を行いまして、カードリーダーの精度が上がってきてございます。あともう一つは、やっぱり医療現場でそういう高齢者の方々へのサポート、これをしっかりやっていただく必要があるということで、医療現場での工夫の仕方について、ユーチューブで医療機関を対象にセミナーを行ったり、あるいは、今回の経済対策では、そういう、最初、一番最初に使うときの御説明とかに御負担が医療機関に掛かっているということも踏まえまして、経済的な支援、こうしたことも進めるということにしてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/153
-
154・芳賀道也
○芳賀道也君 ちょっと局長、質問に答えていなくて、医療機関で確認、ちゃんと動くか確認したかという質問と、医療機関の現場でどれだけ時間を取られるのか調べたことがあるかないか、イエスかノーかでお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/154
-
155・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
具体的にトータルに調べたことはございませんが、様々な医療機関に対して、いろいろコールセンターで苦情をいただいたり、あるいは、今回、カードリーダーの精度が関係する関係上、やるためにいろいろヒアリングを行いまして、どのようなトラブルがあるかということは、私自身も含めて直接医療機関に確認して、御意見を伺っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/155
-
156・芳賀道也
○芳賀道也君 是非、実際に医療機関でも確認すること、それから、具体的に受付の人や医療スタッフ、どれだけ時間取られるのか、これ是非調べてください。お願いします。
さらに、全国にはマイナンバーカードの利用者電子証明書と保険証をひも付ける利用登録をしていない人が推計で二千万人いると言われています。マイナンバーカードの利用者電子証明書と保険証データをひも付ける初回登録をしていない人が顔認証マイナンバー保険証の手続をして暗証番号をなしにしてしまうと、マイナポータルの機能が全く使えなくなって無保険になってしまうリスクがあるのではないかと考えますが、総務省のお考えはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/156
-
157・三橋一彦
○政府参考人(三橋一彦君) 無保険になるというちょっと御質問でございますけれども、私ども、御通告いただいておりますのは、マイナンバーカードとの登録の前にマイナカードから顔認証マイナンバーカードに切り替えた後でも利用登録可能かということでございます。これは、医療機関、薬局の顔認証付きカードリーダーにおきましては利用登録が可能であるというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/157
-
158・芳賀道也
○芳賀道也君 だって、これ無保険になるかどうかという保証は答えられないということですか、総務省では。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/158
-
159・三橋一彦
○政府参考人(三橋一彦君) 済みません、無保険になるというちょっとその質問の御趣旨が受けかねておりますけれども、保険制度としての話なのか。私ども、マイナンバーカードの顔認証マイナンバーカードに切り替えた後でも、これは保険証利用登録というものは可能ですので、保険資格の有無とは無関係なものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/159
-
160・芳賀道也
○芳賀道也君 これ、今、報道等でも、実際に利用登録をしていない人が推計で二千万人いる。マイナンバーカードの利用者電子証明書と保険証データをひも付ける初回登録していない人が顔認証マイナンバー保険証の手続をして暗証番号なしにしてしまうと、マイナポータルの機能が全く使えなくなって無保険になってしまうリスクがあるのではないか、このことには現状答えられないんですか。どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/160
-
161・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) 厚生労働省の方からお答えさせていただきますと、まず、マイナンバーカードをお持ちでまだ保険証化されていない方がまず医療機関に行かれますと、その場でカードリーダーを通じて保険証化できますので、それは顔認証でやるか、あるいは顔認証が駄目な場合でも目視でやれるように改修を予定してございまして、必ずその場で保険証化できると考えてございますので、受診は可能だと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/161
-
162・芳賀道也
○芳賀道也君 総務省にも、では、きちんとした、調べて、回答をお願いしてもよろしいでしょうか。
委員長、お取り計らいをお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/162
-
163・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 理事会にて協議させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/163
-
164・芳賀道也
○芳賀道也君 総務省の皆さんは、これにて質問は終わっております。御退席をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/164
-
165・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 御退席お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/165
-
166・芳賀道也
○芳賀道也君 次に、新型コロナの国内での感染拡大から今四年弱たっていますが、いまだに次々と、医療用の品であるとか医薬品が不足しています。
武見大臣に伺いたいんですが、日本で何年もの間、次々に薬などが不足するような、そんな状況でいいのでしょうか。武見大臣に、危機感はあるか、何とかしなければならないと考えているのか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/166
-
167・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 今回も、この去たん薬等不足という事態になったときに、私はたまたまそのときにこの大臣職に就いたものでありますから、この課題は最も喫緊の課題であるから即時対応しろという指示を出しました。
そして、そもそもこの後発品の産業、少量多品目生産といった構造的な問題がございます。非効率的な製造が行われておりますので、まず、後発品の医薬品メーカーの薬機法違反を契機とした供給量の低下、これは非常に難しい問題でございました。それから、感染症の拡大等による需要の増加も相まって、現下のこの医薬品の供給不足の事態が生じていると認識しておりますので、この感染症の拡大によって需要が増加しているせき止めやたんを切る薬などについては、主要なメーカーに対して、まず、他の医薬品の生産ラインから緊急融通やメーカー在庫の放出などの供給増加に向けたあらゆる手段による対応をそこで要請することといたして、実際に行っております。
その結果として、年内の供給量、九月末時点よりも更に一割以上増えるという見通しになりました。さらにまた、十一月七日に、これらの感染症の対症療法薬を製造する企業に対して、改めて私、直接お訴えをさせていただきました。さらに、今般の経済対策において、医薬品の安定供給の確保に向けて、インフルエンザ等の感染症の拡大に伴って供給不足が生じているせき止め等の増産要請に応じていただいた企業に対しては、年明け以降の更なる増産のために、二十四時間の生産体制移行など、更なる増産に向けた投資を行っていただくための支援も盛り込みまして、補正予算においても所要の措置を講じているところでございます。
引き続き、こうした感染症の拡大状況を注視をしながら、しっかりと危機感を持って機敏にこれらの事態に対応していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/167
-
168・芳賀道也
○芳賀道也君 増産してくれと言って解消するのであれば四年も続くはずはないわけで、武見大臣が一番お分かりだと思いますので、武見大臣になったらさすがに違う、変わったと言われるようにお願いをします。
次に、今度はドラッグロスについて伺いたいと思います。
先ほど猪瀬委員も新薬の開発のことをお聞きになっておりましたけれども、治験、承認までに掛かる費用が高くて、承認後も薬価が毎年引き下げられている日本には、海外の製薬メーカーはビジネスが成り立たないということで、多くの海外で既に効き目が確かであると言われているような制がん剤など、新薬四割が日本で流通、承認に至っていないというドラッグロスが起きていると、先日お会いした米国研究製薬工業会のヴァサント・ナラシンハン会長も述べていました。
薬価の引き下げ過ぎは、結局、患者が必要な薬が手に入らないというドラッグロスを引き起こして国民全体に悪影響をもたらしている面があると考えますが、厚労省の御見解はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/168
-
169・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
ドラッグラグ、ドラッグロスの問題につきましては、我々もこの問題、しっかり取り組んでいかなきゃいけないということで対応してございまして、一つは新薬の開発の問題でございます。数百億から数千億円の費用が掛かるということもありまして、まず、治験コストの低減を図るということから、治験DXの実装など、治験環境の整備を進めております。
さらに、薬事規制上の課題につきましては、七月から薬事規制の検討会を開催しまして、例えば、海外で臨床開発が先行した医薬品については、日本での導入が遅れて患者の不利益とならないように、国際共同治験に参加する前の日本人第一相試験を原則不要とするなど、こうした見直しも進めているところでございます。
その上で、薬価制度につきましては、イノベーションをしっかり評価していくという観点から、革新的な新薬につきまして収載時に画期性や有用性等を適切に評価する仕組み、さらには、特許期間中は薬価の引下げを緩和する新薬創出等の加算を設けているところでございますけれども、六年度の薬価改定におきましては、こうしたイノベーションの評価ということも言われてございますので、こうした点につきましてもどういう見直しが必要か、今検討しているところでございます。
国民皆保険の持続性とイノベーションの推進を両立しつつ、革新的医薬品が日本へ迅速に導入されるようにしっかり取り組んでいきたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/169
-
170・芳賀道也
○芳賀道也君 このコロナ禍でも薬が足りない状況が続いて本当に心配です。命に関わる薬、そうしたものがしっかりと確保されるよう、武見新大臣と、与党も野党もなくしっかりとこの問題は取り組んでいきたいと思います。どうぞ皆様、御協力をお願いします。
時間がなくなってきましたので、ちょっと質問を飛ばさせていただいて、最後に、がんサバイバーサロンというのが資料にありますが、山形で始まりました。がん対策基本法が二〇〇六年六月に成立して十七年、日本人の二人に一人ががんになるという時代です。
そこで、がんになって、今仕事に復帰して頑張っていらっしゃる皆さん、がんと闘っていらっしゃる皆さんが集まって話し合うことで更に前に進もうというそうした試み。当初は日中不定期で行っていたんですが、仕事をされている皆さんは夜でないと集まれないということで、定期的に夜のそうしたサロン、がんサバイバーサロン、夜やっていますので、大人おしゃべりナイトという名称が付いていますが、私も実は一回目のこれに参加してきました。
がんになって告知を受けてショックの中でも、担当の主治医が、一緒に復帰できるように私も全力で頑張りますから頑張りましょうねと言われて頑張れたんだと、そして、今復帰できていると、そんな話を聞いて、ああ、こういった集まりができるのはすばらしいし、必要なことだなと思いましたが、国もこうしたサロンのような集まりに、何らかの形で応援していただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/170
-
171・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) がん患者のがんの体験共有の場に関しましては、その委員御指摘のサロンに直接の補助はまだ行ってはおりませんけれども、厚生労働省が定める指針において、がん診療連携拠点病院などは、がん患者などが心の悩みや体験などを語り合うための患者サロン等の場を設けることとしております。
そのほか、厚生労働省が実施する事業において、都道府県が開催する患者サロンの実施に係る経費に対して支援を行っておりますので、この山形県のケースなんかも、県の方に申請をしていただくと、この事業から補助が、経費が一部出るという形になるんじゃないかなと思いました。
それから、がん治療と仕事の両立支援に関しては、厚生労働省においてガイドラインを公表して、主治医と会社、患者である労働者に寄り添う両立支援コーディネーターによるトライアングル型サポート体制の構築も推進しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/171
-
172・芳賀道也
○芳賀道也君 がんを宣告された患者、治療の結果、一年後には八割が仕事に復帰して今働いているという国になったということですので、そうしたサポートも引き続きお願いをして、私の質問を終わります。
予定した質問ができないものもありました。準備していただいた皆さん、申し訳ありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/172
-
173・倉林明子
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
まず、フリーランスについて伺います。
内閣官房の調査によりますと、二〇年時点で全国四百六十万人と、更に増加傾向にあるということかと思います。
現在、労政審では、来年秋の施行を目指して、フリーランスも労災保険に加入できるよう検討しているというふうに伺っております。これまでも、業種限定で特別加入ということが認められてきたわけですけれども、これ、現在の検討状況を確認したいんですが、加入要件はどうか、保険料率あるいは負担の仕方、対象人数の見込み、御説明を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/173
-
174・鈴木英二郎
○政府参考人(鈴木英二郎君) 委員御指摘のように、本年の十月から、労働政策審議会の労災保険部会におきまして、フリーランスの労災保険の特別加入の拡大について議論を開始したところでございますけれども、まさに、御指摘の内容については、今現在検討している段階でございますので、まだ特段お答えできるものはございません。
早期に結論できるよう頑張ってまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/174
-
175・倉林明子
○倉林明子君 始まったばっかりだということなんですけど、検討の段階での案が示されている分についての報道もありまして、それも見させていただきました。そもそも、特別加入の拡大ということでの検討になっていますよね。特別加入というのはそもそも任意で加入するということになりますし、枠組みでいいますと、保険料も労働者持ちと。さらに、一般の労働者との保護の格差というのもあると、これ言いたいと思うんですね。
そこで、フリーランスの働き方について、これ確認したいと思います。
報告書も出ておりますので、フリーランスが行う危険有害作業、これに従事している者に対して、一つは、説明や教育を受けた割合はどうか、二つ、特殊健康診断の受診率はどうなっているか、三つ目に、一般のフリーランスで健康診断を受けていない者の割合はどうか、四つ目、週の労働時間、就業時間が六十時間を超える割合、これは一般労働者と比較してどうなっているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/175
-
176・鈴木英二郎
○政府参考人(鈴木英二郎君) 委員御指摘のフリーランスに対します様々なデータにつきましては、労働安全衛生法に基づいて義務が課されておりませんので統計調査等ございませんが、御指摘の点は、私どもの検討会において示されたデータかと思います。
サンプル数が少ないんで、精度が低いことを前提に申し上げますと、まず、危険有害業務に従事しているフリーランスのうち、有害物質について教育又は説明を受けたことがある方については約二八%でございます。また、特殊健康診断を受けたことがある者の割合につきましては、これは業務の種類によって異なりますけれども、おおむねいずれも三%以下という状況でございます。また、一般のフリーランスにつきまして、市町村で実施している健康診断なども含めました健康診断を受けていない者の割合につきましては約三五%、週の就業時間が六十時間を超える者の割合は、通常期で一三・七%、繁忙期で三七・八%と、いずれも健康診断等は受けている者が労働者よりも少なく、また労働時間等は高い割合ということになってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/176
-
177・倉林明子
○倉林明子君 確かに精度は低いというものの、傾向や特徴が出ているかなと思うんです。その特徴を踏まえますと、より保護が必要な働き方をしていると、労働安全衛生法上もということは明らかじゃないかなと思います。
そこで、建設業の一人親方についてですけれども、現在でもこの方々は特別加入の対象ということになっているわけですよね。加入率は実態として何%になっているか、一人親方の死亡災害というのは実際年間何件発生しているのか、災害内容の特徴についても御紹介いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/177
-
178・鈴木英二郎
○政府参考人(鈴木英二郎君) 建設業のいわゆる一人親方で労災保険に特別加入をしております人数につきましては、令和三年度で約六十四万人でございますが、一人親方全体の総人口、総人数が網羅的に把握したものはございませんけれども、平成三十年度にアンケート調査で調べましたもののうち、回答者の約八割が、労災保険の特別加入に加入している又は加入予定と回答しているところでございます。
また、建設業における一人親方等の死亡災害につきましても、これまたこちらも網羅的に把握しているものではございませんけれども、監督署等で個別に把握したものを集計いたしますと、令和四年では七十二件、特徴としましては、墜落、転落による災害が全体の約六割、また、工事の種類としては、建築工事の割合が約七割という状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/178
-
179・倉林明子
○倉林明子君 特別加入制度加入率についても御紹介あったんだけれども、十分に救済されているかというと決してそうじゃない、任意ということもありますので。そもそも特別加入制度の対象拡大ということでいいますと、フリーランスとして保護するということですよね。
問題は、問題として今日提起したいと思うのは、実態は労働者なのにフリーランスとして働いているいわゆる偽装フリーランス、ここについて言うと、二重に救済されないということが言えると思うんです。
そこで、大臣に質問します。
先日、石橋さんの質疑に対して、フリーランスという仕組みが悪用されて、実際にその健全な労働環境が整備されていなかったら極めて深刻な問題だとして、労働者に該当する方なら、労働基準関係法令による保護を受けられるようにすることが重要と、こういう認識を示されました。
今、アマゾンの配達員を始めとして、フリーランスは実態は雇用だということで労災認定が相次いでされております。画期的だということでの評価もありました。そのとおりだと思います。
そこで、偽装フリーランスをなくすことはもちろんなんですよ、なんだけれども、積極的に、積極的に労働者として認定すると、入口から。だから、こういう保護する基準ということが必要じゃないかと思います。
労働保護法制を、労働者として保護を受けられるようにするという答弁踏まえれば、そちらの方向を目指すべきじゃないかと思います。大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/179
-
180・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) これ、基準法上の労働者に該当するかどうかというのは、使用従属関係があるかどうか、事業に使用される者であるか否か、その対償として賃金が支払われるか否かについて、個々の働く方がそれぞれ異なる状況に応じて判断する必要性が現実にはございます。
全てのフリーランスの方について一律に労働者性を認めることは難しいんですけれども、他方、実態として労働者に該当する方が労働基準関係法令による保護を適切に受けられるようにすることは、これは非常に重要だと考えています。このため、こうしたことについて、働く方への周知を図るなど、適切に対応していきます。
なお、フリーランスなどの労働関係法令の適用対象外とされる働き方をする方の就業者保護の在り方については、本年四月に成立した特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の附帯決議の中で、本法の施行状況等を踏まえて検討をし、必要な措置を講ずることとされておりますので、この趣旨に沿って適切に対応していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/180
-
181・倉林明子
○倉林明子君 結局、労災で申請して初めて今判断されているんですね。私が言いたいのは、働く方にそういう申請してもらったら、あなた労働者かもしれないということがきちっと労災認定ではされますよということが起こっているんだけど、働く方が動かないと、これ労災申請さえできないし、できる権利があるということも知らないだけじゃなくて、しないということも起こり得るんですね。
私、既に労災、本来であれば労災が認められるような労働事故が救済されていないという実態を広くやっぱり防いでいくという考え方必要で、実態、既に深刻だというふうに思っているんです。だから、この働く方じゃなくて使用者側を縛っていくという規制が要るんですよ。
これ、EUでは、プラットフォーム労働者の労働者性を認める基準づくり、そして、プラットフォーム側が雇用関係ではないと主張する場合は、立証責任は労働者にあるんじゃないと、これはプラットフォーム側に課しますという制度整備がこれ進んでいるんですね。日本でも、これ広く労働者と認めて保護する法整備こそ私は急ぐべきだということをこれ強く指摘して、今後引き続き議論させていただきたいと思います。
次、マイナ保険証について伺います。
改めて思い出したいんですけれども、繰り返し繰り返し河野大臣中心におっしゃってきたことは、マイナ保険証の利便性を実感してもらえると、これ利用率は伸びるということの説明でした。
「マイナ保険証、一度使ってみませんか」キャンペーンというのを今やっているんですね。これ資料に入れておきました。八月からやっている中身だということです。このキャンペーンについては、一体どのぐらい費用、ポスターなんかも作っています、今から送付するというようなことですから、一体このキャンペーン全体の費用というのはどのぐらい掛かっているのか、そして、効果はどうだったのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/181
-
182・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
今現在、「マイナ保険証、一度使ってみませんか」キャンペーンと、こういうのを実施してございまして、関係団体との意見交換会、それから公的病院、公立病院に対して利用促進を要請する、あるいは医療機関向けのマイナ保険証活用セミナーを配信すると、こういう取組をしてございます。
具体的に、そういう取組の結果、例えば十月からは、日本保険薬局協会に加盟する全法人の薬局で、現場で今までは保険証を見せてくださいと言っていたのを、マイナンバーカードをお持ちですかという声掛けなんかが一斉にスタートしてございます。その結果としまして、十月の利用件数は七百七十九万件と前月比で四十三万件増加するなど、徐々に効果が上がってきていると考えています。
費用につきましては、このキャンペーンの費用につきまして、厚生労働省におきましては、主にポスターの印刷経費を検討してございまして、約五百万円程度を現在想定してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/182
-
183・倉林明子
○倉林明子君 いや、今、件数で伸びているという話なんですけれども、率で見たら、これ六か月連続マイナスですよね。十月のマイナ保険証の利用率四・四九%ということですから、ピークの四月から、四月は六・三%、ずっと下がっているんですよ、率で見ると。そこもしっかり見る必要あると思いますよ。
十一月十日の中医協で報告された調査結果によりますと、マイナ保険証による診療情報、薬剤情報、健診情報、活用していない病院が六八・二%、活用している病院の半数が、メリットが特にはない、分からないという回答ですよ。これ、皆さんのアンケートですよ。
利用率が伸びない要因ということで、メリットが実感できないからだろうかと。いや、それよりも、医療機関にとっては時間も手間も掛かると。患者さんにとって誤ったひも付けや情報漏えいの不安というのが払拭できていないわけですよ。こうしたデメリットが大きいことが普及の障害になっているんじゃないですか。認識いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/183
-
184・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
マイナ保険証につきましては、先ほど御指摘いただきましたひも付けの問題とかございまして御不安ございましたけれども、現在、その解決に向けた取組を進めてございます。
登録済みデータにつきましては、全保険者による自主点検をほぼ完了しまして、現在、入念の取組として、システム全体の登録済みデータを住民基本台帳の情報と照合すると、こうした取組を進めておりますし、新規のデータにつきましては、もう誤りが起こらないよう、資格取得届出においてマイナンバーの記載義務を法令上義務化する、さらには、十二月からは、健康保険組合における資格取得時の住民票上の住所情報の把握を必須化する、こうした取組を進めておりまして、まず、そういう問題解決の解消に努めているところであります。
そもそも、やっぱりマイナ保険証は今後の医療DXの基盤となる基本的な仕組みでございまして、しっかりと安心して使っていただける環境を進めていきたいと、このように考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/184
-
185・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 今保険局長からも詳細な説明をさせていただきましたけれども、やはり医療DXをこれから進める中で、より確実に更なるメリットが増えていくわけです。その今入口にあると私は思います。
したがって、そのためのパスポートとして、このマイナ保険証というものをまず一度使ってみていただけないかと。私自身も、せんだって慈恵医大の方に行ってやりましたけど、キャンペーンやりましたけれども、もう実際に本当に便利だと。特に高額療養費の方なんかは、直接、これは物すごく便利ですよということをおっしゃっていました。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/185
-
186・倉林明子
○倉林明子君 それだったら伸びていくと思うんだけれども、これ景気対策、総合景気対策、補正予算出まして、マイナ保険証推進の予算がすごい付いているんですよ。八百八十七億円の計上です。これ、ケア労働者の賃上げ何ぼか言うたら五百三十九億円ですよ。これよりもこんだけ乗せて利用促進を進めるというわけですよね。利用件数が伸びた医療機関に補助金を出すと。こんなことに回すんやったら、もう人件費、賃上げに回してくれと。私は開いた口が塞がりませんでした。
メリット実感されれば利用伸びると一貫してやってきた説明が、伸びないということを、この説明の破綻を自ら認めるものにほかならないと申し上げたいと思います。
さらに、補正予算には、システム改修ということで三百六十七億円の計上がされております。これ、本格運用から僅か五か月での改修になっているんですね。準備不足だと厳しく指摘したい。その上で、改修の内容も、起こったことに対し、トラブルに対して、じゃ、場当たり的な改修の手当てになっていると言いたいと思うんですね。
制度設計を、制度設計をこれ根本から見直すべきではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/186
-
187・伊原和人
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
先ほど申し上げましたように、マイナ保険証は、まさに今後の日本のデジタル化、医療のデジタル化において非常に欠かせないものでございますし、まさに、さっき大臣も申し上げましたように、今後、電子処方箋を始めとして、次へのステップ、進むための基本となるパスポートでございます。したがって、それを運営していくためにしっかりと基盤を整備しなければいけない時期だと考えてございます。
それで、システムの改修の御指摘をいただきましたけれども、二つございます。確かに見直すべきところについては改修をしっかりやっていくということと同時に、訪問看護を始めとして、あるいは柔道整復、あはきとかいったその他の、今までの通常の医療機関以外のところでもしっかりと、オンライン資格確認をしっかり入れていただくと、こうした整備も必要でございまして、投資をお願いしているというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/187
-
188・倉林明子
○倉林明子君 いや、このマイナンバーカードがデジタルのそのパスポートだという説明されているんですけど、このマイナ保険証の目的には賛成だけれども、デジタル化は進めるべきだ、私、デジタル化は進めていくべきだと思っているんですね。
そういう、基本的にデジタル化賛成ということで、情報システム学会、これ基本の立場なんだけれども、システムの根本的な再設計の必要性をせんだって提言されております。マイナカードに身分証明や健康保険証などの多くの機能を詰め込み過ぎていると、それらを分離した制度に再設計すべきだという、もう根本的な提案になっているんですね。見直しの提案になっているんです。
私は、デジタル化が真に利便性の向上に資するものにすると、その上で、国民が安心して信頼して情報を預けられるようなものにすると。そういうものにするためにも、やみくもに補助金まで出して推進していくというようなことはきっぱりやめるべきだと、一旦立ち止まるべきだと思います。これは、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/188
-
189・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 実際に、この医療DXの推進に関しては、我が国は他の主要先進国と比べても物すごく遅れています。したがって、一次利活用、二次利活用含めて、我が国が早急にお一人お一人の国民の健康データというものを全国的なプラットフォームをつくってきちんと結び付けて、そしてきちんと管理運営するというのは、もうまさに必須の課題になってきていると思います。その点は委員と共通認識があるんだろうと思います。
その上で、その上で、実際にこの一番の入口は、国民の皆様方に、従来大変使い慣れてきた保険証というアナログの一つのやり方に対して、このマイナ保険証というデジタルなやり方にやはり発想を転換して参加していただくことの必要性があるわけでありまして、そのための仕組みを今我々はこれからも丁寧に説明をし、そしてそれを実施していきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/189
-
190・倉林明子
○倉林明子君 いや、期限があるからこんなに慌てた推進策で予算の上乗せして強硬に進めるというようなことになるわけですよ。私、きちんとこういう情報システム学会等の指摘も踏まえたら、二四年秋に健康保険証を廃止すると、このゴールを一回撤廃するということでの作業に転換すべきだと。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/190
-
191・天畠大輔
○天畠大輔君 れいわ新選組の天畠大輔です。
まず、改正旅館業法について伺います。代読お願いします。
第二百十一回国会で成立した改正旅館業法では、障害を理由とする宿泊拒否が生じ得るなどの懸念から、私は反対の立場を取りました。
法案成立後に厚労省は、改正旅館業法の円滑な施行に向けた検討会を開きました。障害当事者も委員として参画し、様々な障害者団体の意見聴取を行った上で、先月、取りまとめ及び政省令、指針案が示されました。この指針案は、障害者団体などの主張がおおむね反映された内容です。合理的配慮の求めは宿泊拒否事由に該当しないことなどが明記されました。改正法への懸念は拭い切れませんが、指針案は一定の評価をできると考えています。
一方、この政省令、指針に実効性を持たせるためには、当事者参画の研修を徹底すること、そして、万が一拒否に遭った場合に相談できる体制が不可欠です。特に、私は、これまで四名の障害当事者国会議員とともに、研修ツールの作成について、障害当事者や事業者が参画した協議の場を速やかに設置するよう求めてきました。
厚労大臣から検討状況をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/191
-
192・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 御指摘の研修ツールにつきましては、そのような宿泊サービスの提供のため、先月取りまとめた検討会の報告書において、旅館業の営業者、患者等団体や障害者団体等の協力を得てその作成等を検討すべきとされております。
その作成等に当たりましては、御指摘のように、協議の場を設定し、障害者団体や事業者にも参画を呼びかける方向で考えておりまして、できるだけ速やかに検討を進めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/192
-
193・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/193
-
194・天畠大輔
○天畠大輔君 当事者参画の方向を示していただき、ありがとうございます。代読お願いします。
次に、資料一を御覧ください。
指針案にはこうあります。厚生労働省において、旅館業の施設内に掲示できる相談窓口一覧の資料を用意しているため、必要に応じて施設内に掲示することが考えられる。しかし、掲示するかどうかは宿泊業者に委ねられており、相談窓口がきちんと周知されるか、懸念が残ります。
そこで、以下二点を厚労省に求めてきました。
一つ目に、障害や病気を理由に宿泊拒否に遭いかねない方々にとって相談窓口の浸透が重要であることを施行に伴う事務連絡にきちんと明記していただくこと、二つ目に、相談窓口の周知方法についても、掲示に限らず検討し、事務連絡に例示していただくことです。
厚労省での検討状況をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/194
-
195・大坪寛子
○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。
先生御指摘のように、この相談窓口、これの周知徹底、極めて重要だというふうに考えております。
私どもとしましては、これ、六月七日に法案成立させていただいた後に検討会を行い、その取りまとめが先日、十月の十日に取りまとめられまして、十一月の十五日に政省令の公布をさせていただきました。その際に事務連絡等々発出をしておりまして、その際、まず、公布に合わせて厚生労働省のホームページの中で、一般の方向けに、この法律の趣旨に関しての周知のポスターですとか相談窓口のポスター、その一覧など、既に掲示をしております。
また、同日発出いたしました自治体への通知、この中で相談窓口の周知を要請をいたしましたほか、宿泊事業団体、これに対しましても事務連絡を発出をいたしまして、相談窓口の重要性、これをお伝えするとともに、傘下の旅館業の営業者が施設内で相談窓口のポスターを掲示することのほかにも、各施設のホームページで相談窓口を周知するよう促すなど、様々な方法で周知していただくように呼びかけたところであります。加えて、宿泊事業団体のホームページでの相談窓口の周知、これもお願いをしています。
さらに、政府広報のオンラインなども使いまして、国民の皆様にも広く相談窓口の周知徹底を図っているところでございます。
厚生労働省といたしましては、引き続き、改正旅館業法が適切に理解され、運用されていくように努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/195
-
196・天畠大輔
○天畠大輔君 代読します。
周知徹底をお願いいたします。
次に、障害者差別解消法ガイドラインについて伺います。
来年四月に、民間事業者の合理的配慮提供義務などを盛り込んだ改正差別解消法が施行されます。各省庁では、今、各分野の事業者に向けたガイドラインの改定作業が進んでいます。
今回は、障害当事者の立場から指摘したいことが二点あります。
一点目は、重度障害者の入院に不可欠な介助者付添いについてです。これまでも委員会で何度も指摘してきました。
資料二を御覧ください。
令和四年十一月九日の事務連絡では、介助者の付添いを受け入れた病院の対応例をまとめています。その上で、各医療機関に対して、こうした対応例も参考に、院内感染対策に留意しつつ受入れを御検討いただきたいとしています。コロナ禍では、感染対策などを理由に入院時の介助者付添いを断られ、やむなく自宅療養をして亡くなったという事例もあります。
介助者が付き添えるよう医療機関が配慮することは、重度障害者が適切な医療を受けるための合理的配慮ではないでしょうか。医療関係事業者向けの差別解消法ガイドラインに合理的配慮と考えられる例として盛り込み、医療機関への周知を行うべきではないでしょうか。大臣の見解をお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/196
-
197・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 厚生労働省、これまでも、障害者差別解消法に基づく医療関係事業者向けガイドラインを策定をしております。医療関係事業者が障害者に対し不当な差別的取扱いをしないようにすることや、必要かつ合理的な配慮を行うようにするための基本的な考え方を示してまいりました。
御指摘の、介助者の付添いがなければ入院できない障害者への対応については、昨年十一月に事務連絡で、院内感染対策に配慮しつつ付添いを受け入れるよう、医療機関に対し検討を促してまいりました。そして、可能な限り介護者が付き添えるよう配慮することは、一般的には合理的配慮に当たるという考え方を示しております。
来年度から障害者差別解消法の改正法の施行に向けて、障害者団体の意見も伺いながら、現在、ガイドラインの改正作業を進めているところでございます。
委員の御指摘も極めて重要でございます。引き続き、様々な御意見を踏まえつつガイドラインの改正作業を進め、医療機関に対し周知徹底を進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/197
-
198・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/198
-
199・天畠大輔
○天畠大輔君 医療機関が合理的配慮として認識することが重要ですので、検討をお願い、前向き、失礼しました、前向きに検討をお願いします。代読お願いします。
二点目は、ヘルパー派遣拒否の問題です。ヘルパー派遣拒否は至る所で起きていますが、今回は化学物質過敏症の事例を共有いたします。
資料三を御覧ください。
化学物質過敏症は、環境中の化学物質に過敏に反応して多臓器の症状を呈し、重症化すると仕事や日常生活にも支障が出てくる疾患です。国内では少なくとも七十万から百万人程度の患者がいると推定され、二〇〇九年十月に健康保険の適用が認められましたが、国としての対策はいまだ十分ではないとされています。
先日、化学物質過敏症で障害を持つ方から話を聞きました。介助者の衣服に柔軟剤の香りなどが付いていると、頭痛や目まいが起きてしまいます。そのため、介助者は衣服を無香料のもので洗濯するなどの配慮が必要です。しかし、化学物質過敏症の方に対応したことがない、介助者にそこまで求められないとして、事業所がヘルパー派遣を断っているそうです。自治体から認められた支給時間数をほとんど使えず、生活が成り立たないので学業を中断したといいます。さらに、唯一入ってくれていたヘルパーも入院し、介護ゼロになってしまったそうです。
ヘルパー派遣の拒否は、障害者の社会参加を妨げ、命さえも脅かします。厚労省として実態を把握し、ヘルパー派遣の拒否を防げるよう、自治体や事業者への周知徹底を、周知啓発を徹底してください。大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/199
-
200・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 障害福祉サービスの指定基準において、訪問系サービスの指定事業者は、正当な理由がなくサービスの提供を拒んではならないと定められています。これは、化学物質過敏症の方も含め、正当な理由がなくヘルパーが派遣されないということがないようにしなければならないということであり、その旨、自治体に対して適切な方法で周知をしてまいりたいと思います。
また、柔軟剤などの香りで頭痛や吐き気がするとの相談を踏まえ、現在、政府では、関係省庁の協力の下、香りへの配慮に関する啓発ポスターを作成をし、これを活用した周知広報活動などを進めており、障害福祉サービス事業者への周知等も進めていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/200
-
201・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/201
-
202・天畠大輔
○天畠大輔君 今年度の主管課長会議資料で周知するのはいかがでしょうか。大臣、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/202
-
203・辺見聡
○政府参考人(辺見聡君) 毎年度、委員御指摘のような主管課長会議、分野ごとに行っているところでございます。障害福祉分野の主管課長会議について、まだどのような形で行うのかについて具体的なところは決まっていないところでございますけれども、委員御指摘の点も踏まえまして検討を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/203
-
204・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/204
-
205・天畠大輔
○天畠大輔君 是非検討してください。代読お願いします。
次に、資料四を御覧ください。
障害者差別解消法の福祉事業者向けガイドラインには、不当な差別的取扱いの例として、人的体制、設備体制が整っており、対応が可能であるにもかかわらず、医療的ケアの必要な障害者、重度の障害者、多動の障害者の福祉サービスの利用を拒否することが挙げられています。
もちろん、事業者がどのように対応できるかは、当事者と事業者双方で建設的な対話が必要です。一方で、対策も検討もせずヘルパー派遣を断ることは、事業所側の差別に当たり得ると考えます。また、障害や疾病を理由にヘルパー派遣を断る事例は化学物質過敏症だけではありません。
ヘルパー派遣の拒否という差別を防ぐため、当事者へのヒアリングを進めた上で、障害者差別解消法の福祉事業者向けガイドラインの記載をより充実させる必要があると考えます。大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/205
-
206・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 障害者差別解消法の福祉事業者向けガイドラインについては、来年四月からの改正後の障害者差別解消法の施行に向けて、当事者を含む関係者の御意見を伺いながら改正の作業を進めております。
お尋ねの化学物質過敏症に関わる事案について、同法による合理的配慮としてガイドラインに掲載をし、事業者に履行を求めるかどうか、適切かどうかを含め、検討を進めていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/206
-
207・天畠大輔
○天畠大輔君 代読します。
検討をお願いいたします。また、ヘルパー派遣の拒否を防ぐためには、事業所の負担軽減のため、行政からの財政的な支援も欠かせないことを申し添えて、次の質問に移ります。
障害者への医療費助成について伺います。
現在、子供や一人親家庭、障害者に対して、各自治体独自の事業として医療費助成が行われています。医療費の助成には二種類あります。窓口での医療費支払が軽減される現物給付方式と、一旦は自己負担分を窓口で支払い、後から市町村に申請することで助成される償還払い方式です。
現物給付方式の場合、窓口での負担が軽減されることで、一般的に医療機関を受診する人が増えるとされています。その分増えた医療費については、医療費助成を行う自治体が負担すべきという考えから、国民健康保険の国庫負担金が減額される仕組みになっています。こうした減額調整措置があるため、自治体によっては、医療費の負担増を避けるため、助成方法を償還払い方式に限定したり、所得制限を掛けたり、精神障害を対象外にしたりといった対応をしています。
資料五を御覧ください。
例えば、山梨県では、二〇〇八年に重度障害者の医療費の窓口無料化を実施しましたが、減額調整措置を理由に、二〇一六年、償還払い方式に戻しています。重度心身障害者医療費の窓口無料復活を求める会では、県内の全二十七市町村への調査を行い、医療費の還付を受けられなかった患者が県内で二百八人いたとする結果が出ました。本来は全額助成される医療費を一旦立て替えることが障害者にとって負担になっていることは明白です。
窓口無料化や精神障害者への対象拡大などの要望は、山梨県や宮城県、宮崎県、鹿児島県、栃木県、京都府など、様々な自治体で行われていますが、減額調整措置がハードルとなり進まない自治体もあります。
このような現状において、子供の医療費助成については、今年六月十三日のこども未来戦略方針で減額措置制度の廃止が盛り込まれました。政府は廃止の理由を、自治体による医療費助成が全国的に実施されているからとしていますが、障害者への医療費助成も、全ての都道府県、政令市、中核市で行われています。子供と同じように医療費助成の必要性がずっと認識されてきたということではないでしょうか。
障害者を置き去りにする理由が見当たりませんが、なぜ廃止の検討が進まないのでしょうか。大臣、理由をお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/207
-
208・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) 先ほど御指摘の子供については、おおむね全ての地方自治体で子供医療費助成が実施されていることを踏まえて、自治体独自の少子化対策の取組を支援する観点から、こども未来戦略方針において廃止する方針が盛り込まれたものと考えます。
他方で、この障害者については、国として医療費の自己負担額を公費で軽減する全国一律の自立支援医療制度を設けております。更に上乗せして実施されている各自治体独自の医療費助成には、給付の方法や対象範囲を含め実施状況等の差があることから、これに関しては慎重な検討が必要と考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/208
-
209・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/209
-
210・天畠大輔
○天畠大輔君 答弁にあった自立支援医療は障害を直すための制度です。でも、障害者は、例えば感染症への罹患など、普通の医療も受けます。代読お願いします。
自立支援医療制度は障害に起因した治療にしか適用されません。しかし、障害に直接起因していなくても、体が弱く、ほかの病気にかかりやすかったり、低所得により受診を控えたりする方々も想定される中で、障害者の福祉増進の観点から、医療費助成は極めて重要な施策であるはずです。しかし、政府が行う減額調整措置は、各自治体の取組を後退させ、障害者の受診を抑制し得るものです。
大臣、通告をしておりませんが、伺います。せめて自治体の取組状況を調査すべきではないですか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/210
-
211・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) この国保の減額調整措置というのは、基本的に、国保財政に与える影響や限られた財源の公平な配分などの観点から、市町村が行う医療費助成により患者の窓口負担が軽減される場合に、負担軽減に伴う医療費分の公費負担を減額調整する制度でございます。
そこで、障害者については、国として医療費の自己負担額を公費で軽減する全国一律の自立支援医療制度を設けておりますので、こうした中で自治体が独自に行う障害者への医療費助成に係る減額調整措置を廃止することは、国民健康保険の財政に与える影響に加え、自治体によって給付の方法や対象範囲を含めた医療費助成の実施状況等に差がある中で、限られた財源を公平に配分する観点から、今まで慎重に検討をしてまいりました。
基本的にはこの考え方で御了解をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/211
-
212・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/212
-
213・天畠大輔
○天畠大輔君 なぜ調査すらできないのですか。大臣、理由を明確にお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/213
-
214・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 時間が来ておりますので、お答えは簡潔にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/214
-
215・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) はい。
この自立支援医療制度というものに基づいてこの減額調整措置というものが行われるに際して、こうした障害者の方に関わるところで、実際に社会的にこれは問題であるというような矛盾がもし生じてくるとすれば、これは改めてそこでまた検討をする必要も出てくるということもあり得りますので、改めて、まずどのような調査の仕方をすることが適切であるのかということを検討させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/215
-
216・天畠大輔
○天畠大輔君 是非検討してください。引き続き注視します。
質疑を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/216
-
217・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/217
-
218・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 次に、大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
政府から趣旨説明を聴取いたします。武見厚生労働大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/218
-
219・武見敬三
○国務大臣(武見敬三君) ただいま議題となりました大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。
大麻草から製造された医薬品は、医療上の有用性が認められるものの、現在、その施用等が大麻取締法により禁止されており、当該医薬品について治療に用いることを可能にする必要があります。一方、近年、若年層を中心に大麻事犯が増加傾向にある中、大麻等の不正な施用に対して禁止規定及び罰則が設けられていないことが大麻の濫用を助長しているとの調査結果もあり、早急に対策を講ずることが重要です。
こうした状況等を踏まえ、大麻草の医療や産業における適正な利用を図るとともに、その濫用による保健衛生上の危害の発生を防止することを目的として、この法律案を提出いたしました。
以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
第一に、大麻から製造された医薬品の施用等を禁止する規定を削除するとともに、大麻等を麻薬及び向精神薬取締法における麻薬として位置付けることで、大麻草から製造された医薬品の施用等を可能とします。
第二に、大麻等の不正な施用について、他の規制薬物と同様に、麻薬として禁止規定及び罰則を適用するとともに、大麻草由来製品に微量に残留する有害成分の残留限度値を設けること等により、大麻の濫用による保健衛生上の危害の発生を防止します。
第三に、大麻草の栽培に係る免許制度を見直し、大麻草由来製品の原材料を採取する目的で大麻草を栽培する者は都道府県知事の免許を、医薬品の原料を採取する目的又は研究を行う目的で大麻草を栽培する者は厚生労働大臣の免許を、それぞれ受けなければならないこととします。
また、大麻草由来製品の原材料を採取する目的で大麻草を栽培する場合には、有害成分が基準値以下の大麻草から採取した種子等を利用して栽培しなければならないこととするなど、所要の規制を設けることといたします。
最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としています。
以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要でございます。
御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/219
-
220・比嘉奈津美
○委員長(比嘉奈津美君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後三時三十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121214260X00320231116/220
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。