1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年十一月十六日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
十一月十四日
辞任 補欠選任
岩本 剛人君 世耕 弘成君
長谷川英晴君 山崎 正昭君
十一月十五日
辞任 補欠選任
岡田 直樹君 長谷川英晴君
世耕 弘成君 井上 義行君
山崎 正昭君 吉井 章君
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出席者は左のとおり。
委員長 佐々木さやか君
理 事
古庄 玄知君
和田 政宗君
牧山ひろえ君
伊藤 孝江君
川合 孝典君
委 員
井上 義行君
山東 昭子君
田中 昌史君
長谷川英晴君
福岡 資麿君
森 まさこ君
吉井 章君
石川 大我君
福島みずほ君
石川 博崇君
清水 貴之君
仁比 聡平君
鈴木 宗男君
国務大臣
法務大臣 小泉 龍司君
副大臣
法務副大臣 門山 宏哲君
大臣政務官
法務大臣政務官 中野 英幸君
最高裁判所長官代理者
最高裁判所事務
総局総務局長 小野寺真也君
最高裁判所事務
総局人事局長 徳岡 治君
最高裁判所事務
総局民事局長 福田千恵子君
最高裁判所事務
総局家庭局長 馬渡 直史君
事務局側
常任委員会専門
員 久保田正志君
政府参考人
こども家庭庁長
官官房審議官 野村 知司君
法務省大臣官房
司法法制部長 坂本 三郎君
法務省民事局長 竹内 努君
法務省刑事局長 松下 裕子君
法務省人権擁護
局長 鎌田 隆志君
出入国在留管理
庁次長 丸山 秀治君
外務省大臣官房
サイバーセキュ
リティ・情報化
参事官 今福 孝男君
文部科学省大臣
官房審議官 西條 正明君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
○検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/0
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001・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、岩本剛人さん及び岡田直樹さんが委員を辞任され、その補欠として吉井章さん及び井上義行さんが選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/1
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002・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省大臣官房司法法制部長坂本三郎さん外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/2
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003・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/3
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004・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/4
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005・古庄玄知
○古庄玄知君 おはようございます。自民党の古庄玄知です。
まず、法曹人口の確保に向けた取組についてお尋ねしたいと思います。
去る十一月八日、司法試験の合格発表がありました。合格者は、前年から三百七十八人増えて千七百八十一人となりまして、政府目標の千五百人を上回る結果となりました。また、受験者数につきましても、前年から八百四十六人増えて三千九百二十八人となっています。合格者数及び受験者数共に、平成二十七年以降、七年連続で減少していましたが、八年ぶりに増加したということになります。
これは、令和二年度に誕生したいわゆる3プラス2という新たな法曹養成制度の一期生が受験したことや、在学中受験資格の制度による受験が始まったことによるものと考えられます。これまで、法曹になるルートとして、法科大学院を経る場合、司法修習も含めると、最短でも大学入学から八年近く掛かっており、学費や時間的な負担が重いとの指摘がされていましたが、今般、司法試験の受験者数が増加したことで、新制度の導入が効果を上げたものと考えられます。
しかし、旧司法試験との一本化以降、司法試験の受験者数のピークが平成二十四年の八千三百八十七人だったことを考えると、三千九百二十八人はその半分にも満たない数です。受験者数の一層の増加を図り、裁判官、検察官としてふさわしい資質、能力を備えた有為な人材を確保するため更なる環境整備が必要になってくるものと考えますが、そのための取組状況と大臣の取組姿勢について御教示いただきたいと思います。大臣、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/5
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006・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) いわゆる法曹養成制度改革法、令和元年の改正によりまして、法学部三年と法科大学院二年のルート、いわゆる3プラス2が制度化され、加えまして、法科大学院在学中の者にも受験資格が付与されるようになりました。本年度の司法試験からこうした仕組みが始まったわけでございます。こうした制度改正の結果、今先生から御指摘ありましたように、受験者も増えた、合格者も増えた。そして、千八百人の合格者のうち約三分の一が在学中受験資格による現役の方の合格という形が見えました。一定の成果はあったと思います。
しかし、これまた先生御指摘のとおり、これが定着したわけではないし、絶対数はまだ少ないし、まだまだとどまっていい状況ではないと思います。これをスタートラインとして更に環境整備を進めていくということが非常に重要なことであろうと思います。
具体的には、この3プラス2の制度が始まりました、そして合格率も結構高いですということも発信したいし、また、そもそも法曹という仕事の魅力についても情報を発信していくこと、また、新たな法的需要を掘り起こして法曹が活躍できる領域を更に広げていくための取組を進める。こうした全体としての取組を通じて有為な人材が法曹界を志望してくれるように、環境整備、全力で取り組みたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/6
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007・古庄玄知
○古庄玄知君 ありがとうございました。
続きまして、法曹のワーク・ライフ・バランスと在宅勤務等の手当についてお伺いしたいと思います。
法曹志願者数の増加のためには、裁判官や検察官の多様な働き方を可能とするなど、ワーク・ライフ・バランスの確保も重要と考えますけれども、今般の人事院勧告では、在宅勤務など手当の新設が勧告されました。
そこで、裁判官、検察官が在宅勤務をした場合には在宅勤務等手当の支給対象となるのでしょうか。最高裁と法務省にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/7
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008・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答えを申し上げます。
裁判官につきましては、裁判官の報酬等に関する法律九条一項本文によりまして、報酬以外の給与、いわゆる諸手当でございますが、は一般の政府職員の例に準じて最高裁判所の定めるところによりこれを支給することとされております。実際に在宅勤務等手当を支給する場合には、裁判官の報酬等に関する規則に具体的規定を置く必要がございます。
現段階におきましては、裁判官が在宅勤務等手当の支給対象となるような働き方をすることは想定しにくいところでございますので、直ちに規則上の措置を講ずるということは予定をしていないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/8
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009・坂本三郎
○政府参考人(坂本三郎君) 引き続きまして、検察官についてお答えいたします。
検察官につきましては、いわゆる認証官以外の検察官が支給対象となります。すなわち、検察官についても業務内容等に応じて在宅勤務を行っており、一般職給与法の適用を受ける職員の例により給与が支給される検察官につきましては、一般職給与法で新設される在宅勤務等手当の支給対象となります。
他方で、特別職給与法の適用を受ける職員の例により給与が支給される認証官、すなわち検事総長、次長検事及び検事長につきましては、特別職給与法において在宅勤務等手当が措置されないことから、在宅勤務等手当の支給対象とはならないこととなります。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/9
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010・古庄玄知
○古庄玄知君 ありがとうございました。
次に、フレックスタイム制の導入についてお尋ねしたいと思います。
今年度の人事院勧告におきましては、フレックスタイム制を活用した勤務時間を割り振らない日の対象職員の拡大が勧告されており、フレックスタイム制の活用による柔軟な働き方の推進はワーク・ライフ・バランスの実現にもつながるものと考えます。
職務の性質上、勤務時間に定めのない裁判官については一般職の職員と同様の勤務時間を観念することは困難かと思いますが、一般職としての勤務時間の適用を受ける検察官については、フレックスタイム制の導入によりワーク・ライフ・バランスの実現が期待できるものと考えます。
そこで、検察官について、フレックスタイム制の活用による週休三日制の導入における検討状況についてお示しください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/10
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011・坂本三郎
○政府参考人(坂本三郎君) お答えいたします。
国家公務員のフレックスタイム制は、一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律第六条第三項及び第四項に定められておりまして、検察官におきましても同法律の適用を受けることから、現行法下におきましても検察官に対してフレックスタイム制が適用されるものと承知しております。
その上で、令和五年八月の人事院勧告に基づきまして、今後、令和七年四月一日施行予定で一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律が改正された場合には、検察官につきましてもフレックスタイム制を活用することにより、勤務時間の総量を維持した上で、週一日を限度に勤務時間を割り振らない日を設定することが可能となるものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/11
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012・古庄玄知
○古庄玄知君 ありがとうございました。
次に、子供をめぐる人権問題についてお尋ねしたいと思います。
令和四年度の小中高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数が六十八万千九百四十八件と過去最多を記録するなど、いじめ問題への対応は喫緊の課題となっております。いじめに悩む子供の相談対応について、そして、いじめのない社会の実現に向けて法務省はどのような取組を行っているのか、当局にお伺いします。
また、最後に、子供をめぐる様々な人権問題への取組について法務大臣の決意をお伺いし、最後の質問としたいと思います。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/12
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013・鎌田隆志
○政府参考人(鎌田隆志君) いじめに悩む子供の相談対応についてのお尋ねでございますが、法務省の人権擁護機関では、法務局等における窓口相談のほか、子どもの人権一一〇番や子どもの人権SOSミニレターに加え、若者の利用が多いSNSによる人権相談に応じるなど、様々な方法で子供からの人権相談に応じており、関係機関等とも連携しながらこれらに対応しております。その中で、重大ないじめ事案、その他人権侵害の疑いのある事案を認知した場合には、人権侵犯事件として調査を行い、事案に応じた適切な措置を講じることとしております。
また、いじめのない社会の実現、すなわち、いじめの未然防止という点についてのお尋ねでございますが、法務省の人権擁護機関におきましては、例えば、人権擁護委員等が学校に赴き、いじめ等の問題を題材に、互いの人権を尊重することの重要性について理解を深めてもらうことなどを目的とした人権教室や全国中学生人権作文コンテストを実施しております。さらに、児童の権利に関する条約の子供向け啓発冊子を作成、配付するなどして、子供に様々な権利の享有主体であることの認識を促すよう努めるなど、各種人権啓発活動を行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/13
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014・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 先生からさっき御指摘いただきました令和四年度の小中高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数が、六十八万件を超え過去最多となったという事実がございます。そうした事実に心を痛めております。
そうした状況もありまして、いじめを始めとする子供の人権問題は、国を挙げて取り組むべき極めて重要な課題であると認識しております。
法務省の人権擁護機関では、子供の人権を守ろうを人権啓発活動の強調事項の一つとして掲げ、各種人権啓発活動を行っております。先ほど局長からも御紹介しました、様々な子供たちの声を直接聞く一一〇番あるいはSOSレター、こういったものもきめ細かく配付をして、活用してもらえるような活動を進めています。
SOSレターの現物も私見てみましたけど、かなりの枚数返ってくるんですね。本当に大きな反応がやはりあります。だから、その手紙がしっかり子供たちに届けばその答えが返ってくるんだということも感じられたわけでありまして、そういうところも含めて、現場でしっかりサポートできる体制をこれからもより積極的に構築していきたいと思っております。関係省庁、関係機関との連携もしっかりやっていきたいと思います。
それから、子供の人権という広い御指摘でありますので、もう一つ法務省としては柱がございまして、児童虐待ですね、これについても政府の方針があります。こういったものを踏まえ、関係機関と連携を密にしてその根絶に取り組みたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/14
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015・古庄玄知
○古庄玄知君 前向きな御答弁ありがとうございました。
以上をもって終わりたいと思います。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/15
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016・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 立憲民主・社民の牧山ひろえです。
本日は、裁判官の報酬等と検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、まずは質問させていただきたいと思います。
人事院勧告と、それを反映した給与法のうち、働き方改革に関連する内容では、テレワークで発生する自宅の光熱費や水道代などの相当分を補助する在宅勤務手当が新設されました。三か月以上の期間、月平均十日を超えてテレワークをする場合に月三千円を支給するとされています。
そもそも、裁判所や裁判官の就業におきまして、どの程度テレワークが普及しているのでしょうか。
そして、それも含めて、裁判官や検察官のワーク・ライフ・バランスの現状についても、評価も含め御説明いただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/16
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017・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答えを申し上げます。
まず、裁判官のテレワークの関係でございますけれども、裁判官は、裁判期日の実施等のために裁判所に登庁して、通常、仕事をしているのが通常でございます。ただ、裁判官は、日々の職務遂行がそれぞれの自律的判断に委ねられておりまして、従前から非開廷日には、必要に応じて、自宅で記録の精査や判決の起案等を行うといった働き方をしている者もいるものと承知をしているところでございます。
なお、現在、各種裁判手続のデジタル化が進展しておりまして、これによって裁判官の職務遂行の在り方が変容していくことがあり得ることから、引き続き状況は注視してまいりたいと思っているところでございます。
あと、ワーク・ライフ・バランスの点のお尋ねでございます。
裁判官のワーク・ライフ・バランスは重要であるというふうに考えております。各庁の事件動向等に応じた裁判官の配置に努めるとともに、各庁の実情に応じて担当事務の分担の仕方の工夫をするなどの配慮をするほか、仕事と育児や介護等の両立支援制度の周知に努めるなどして、積極的に取り組んでいるところでございます。
今後とも、ワーク・ライフ・バランスを実現できる執務環境の整備に努めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/17
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018・松下裕子
○政府参考人(松下裕子君) 検察官のテレワークを含めたワーク・ライフ・バランスの取組状況についてお尋ねいただいたと思います。
検察当局におきましては、検察官を含む職員のワーク・ライフ・バランスの実現は非常に重要なことだと認識をしておりまして、職員が心身の健康を保って働くことのできる働きやすい職場環境の構築に取り組んでいるものと承知しております。
また、検察におけるワーク・ライフ・バランスの取組状況につきましては、法務省全体の取組がございまして、それに基づきまして、職務の性質に照らし、可能な範囲でテレワークの推進にも柔軟に取り組んでいるものと承知をしております。例えば、最高検察庁においては、検察庁職員が容易かつ広範囲にテレワークを実施できるようにすることを目的といたしましてガイドラインを策定しております。
また、育児休業、配偶者出産休暇、育児参加休暇等の各種休暇制度を周知し、それらの取得を促進するその環境整備をするとともに、早出遅出勤務の活用などにより、個々の事情に応じた柔軟な勤務を可能とするなどの取組も積極的に行っているものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/18
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019・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 是非、裁判所や検察庁におきましても、合理的、そして効率的に業務を行えるように職場環境を見直すことも大事だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、裁判官や検察官のなり手不足が話題になって久しいものがございます。特に裁判補の人員不足は深刻だと思うんですね。
御承知のとおり、弁護士や裁判官になるには、難関司法試験を合格して、司法修習を終了した法曹資格を所持している必要がございます。その上で、裁判官、検察官、弁護士を選択することになるわけでございますが、すなわち、裁判官や検察官の採用に際しまして比較対象となるのは弁護士なわけなんですけれども、裁判官の報酬月額や検察官の俸給月額の改定に当たっては、弁護士の給与に準拠するのではなく、人事院勧告を受けて行われる一般の政府職員の俸給表の改定に準じて行われることになっているわけですね。
今回の人事院勧告でも、初任給の大幅な引上げが行われました。ですが、以前と異なり、法律事務所の大規模化が進行しておりまして、規模の拡大が報酬面にも反映してきているということです。海外の大規模渉外事務所の日本進出が活発化しているということから、法曹報酬の官民較差は今後拡大していくことが想定されると思うんですね。
法曹報酬の官民較差によって、判事補などの採用活動についてどの程度の影響が生じていると御認識していらっしゃるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/19
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020・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
裁判所といたしましては、裁判官にふさわしい資質、能力を備えている者に任官してほしいと考えているところではございますけれども、新任判事補の採用数がやや伸び悩んでいるところでございます。
その理由といたしましては、判事補の給源となる司法修習終了者の人数が減少していることに加えまして、弁護士として活躍する分野が広がっているということだけでなく、大規模法律事務所等との競合が激化していることや、あるいは大都市志向の強まり、配偶者が有職であることの一般化に伴って転勤への不安を持つ司法修習生が増えていることなどが理由になっていると考えているところでございます。
なお、裁判官と弁護士とは、その所得を得る態様あるいは職務内容が大きく異なるところでございまして、なかなか、裁判官の給与と弁護士の収入とを単純に比較をし、その影響を測るということはなかなか難しいかというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/20
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021・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 おっしゃるとおり、裁判官や検察官と弁護士では、おっしゃるとおり、その所得を得る職務の在り方や内容が大きく異なっているということは理解できるんですけれども、そういった側面があるというのはやむを得ないと思います。
でも、法曹の官民較差を放置していては、我が国が法治国家たる軸が痩せ細ってしまいます。当局は、それに対してどのような対応、手段をお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/21
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022・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答えを申し上げます。
裁判所といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、裁判官にふさわしい資質、能力を備えている者には任官してほしいと考えておりまして、これまで、実務修習の指導担当裁判官あるいは司法研修所の教官から司法修習生に対して、裁判官のやりがいや魅力、あるいは異動の希望や負担にはできる限り配慮していることを伝えるなどしてきておりますし、若手裁判官にその仕事の内容や司法修習生へのメッセージを話してもらう企画を実施するなど、裁判官の仕事の実情と、その魅力が司法修習生に伝わるよう努めてきたところでございます。
今後とも、一層の工夫に努めて、裁判官にふさわしい資質、能力を備えている者に任官してもらえるよう努力してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/22
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023・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 この官民較差を是正する初任給調整手当がその是正する要因となるわけですが、官民較差が広がり過ぎますと、おのずと限界があると思うんですね。平成二十五年の大分古い記録なんですけれども、米国連邦地方裁判所第一審の裁判官の報酬月額は約百六十五万円とのことです。法曹人材のますますの流動化という側面にも注意しつつ、報酬面、そして報酬以外の側面における人材確保の工夫を積み重ねていく必要があると思います。
さて、司法関係の予算は、人件費と設備費が大きな役割を占めます。近年の予算措置に共通する傾向なんですけれども、今年度の概算要求におきましても裁判や司法のデジタル化に非常に熱心に取り組んでおられるとお見受けいたしますが、もちろん、国民の司法サービスに関する便宜の供与という意義からしても必要な措置であるということは間違いないと思うんですね。
ですが、デジタル化を推進するということは、施設としての裁判所、オフライン、非デジタル、対面を軽視するということを意味するわけではないですよね。最高裁の認識を確認させていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/23
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024・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
個別具体的な事件においてどのような手続を選択するかというのは、当事者の希望や手続実施場面等を踏まえて裁判官が適切に判断するものではございますが、今後、裁判手続のデジタル化の進展によりまして、ウェブ会議等を活用することで、実際に裁判所に出頭することなく裁判手続を実施することも可能となりつつあるところでございます。他方で、例えば証人尋問等、裁判所において裁判官と当事者が現実に対面することが必要な場面というのも想定されるところでございます。
このように、裁判手続のデジタル化は司法アクセスの向上に資する面もあるというふうに考えておりますが、裁判所において対面の手続を行うことを軽視するというものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/24
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025・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 個々の裁判体の選択であり、当事者の要望も加味してということですと、必ずしも施設としての裁判所をデジタルより劣後させるという意図ではないということですね。
では、リアルの裁判所へのアクセス、利便性の向上に関しては、最高裁は全体としてどのような方針を取っておられるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/25
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026・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
裁判所へのアクセスということについてのお尋ねでございましたけれども、これにつきまして、裁判所へのアクセス、あるいは提供する司法サービス等を総合した国民の利便性を確保するという観点から、人口動態、交通事情の変化、裁判所で取り扱う事件数の動向等を考慮して、また裁判手続のデジタル化が進展すること等も視野に入れながら、総合的な利便性の向上の見地から検討していく必要があるというふうに認識しております。
最高裁といたしましては、限られた人的、物的資源を有効に活用しつつ、利用者の利便性を確保し、司法サービスを充実させていくことが重要であるというふうに考えており、今後とも、申し上げたような人口動態や交通事情、事件数の動向等を注視しつつ、必要な事件処理体制の整備に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/26
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027・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 おっしゃるとおり、限られた資源ではあるということは理解するんですけれども、その制約の中であっても、やはり最適、最良を目指していただきたいなと思うんですね。
ただ、このところの法務省や最高裁に関しましては、現に存在する裁判所へのアクセス、利便性を向上させるということの熱意に関しましては全く感じられないんですね。率直に申し上げると、やらない理由を繰り返し探しているという、そういう印象さえ受けるんです。
一方で、政府は、平成十四年三月十九日に司法制度改革推進計画を閣議決定し、司法制度を支える体制の充実強化の第五番になるんですけれども、裁判官制度の改革において、裁判所運営について、国民の意見を反映することが可能になるような仕組みを整備することに関し、最高裁における検討状況を踏まえた上で検討し、なお必要な場合には本部設置期限までに所要の措置を講ずるというふうになっているんです。
司法や裁判に関する、国民、すなわち住民の要望として裁判所へのアクセスの改善が各地域で強く要望されているのは御承知のとおりだと思うんです。この検討結果や所要の措置は一体どうなったんでしょうか。すなわち、どのような対応がなされたのでしょうか。具体的にお知らせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/27
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028・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
最高裁判所は、司法制度改革に関する施策を実施するために必要な措置の内容と、その実施時期を明らかにするため、平成十四年三月二十日に「司法制度改革推進計画要綱 着実な改革推進のためのプログラム」を策定し、同日公表したところでございます。この要綱におきまして、裁判所運営について、広く国民の意見等を反映することが可能となるような仕組みを整備するために、家庭裁判所委員会制度の充実を図るとともに、地方裁判所においても同様の仕組みを導入することとしていたところでございます。
これに基づきまして、平成十五年三月、地方裁判所の運営及び家庭裁判所の運営に広く国民の意見を反映させるための機関を設けるため、各庁に地方裁判所委員会及び家庭裁判所委員会を置くことを内容とする最高裁判所規則を制定し、その後、各庁においても、これらの委員会での議論を通じて、裁判の利用者など広く国民の意見や要望等を把握するよう努めてきておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/28
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029・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 国民の意見が反映される裁判所運営が国民に身近で信頼される司法構築にとって重要であるという考え方は、司法制度改革推進本部の解散後の現在におきましても政府の基本的立場として維持されているというふうに考えていますけれども、その認識に誤りはないでしょうか。もし、政府の基本的立場として維持されていないのであれば、その旨明らかにしていただきたいなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/29
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030・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 御指摘の司法制度改革推進計画、平成十四年において、先生がおっしゃいましたとおり、裁判所運営について、国民の意見を反映することが可能となるような仕組みを整備することに関し、最高裁における検討状況を踏まえた上で検討し、なお必要な場合には、本部設置期限までに所要の措置を講ずるとされております。
この推進計画で示された以上のような方向性について、政府として異なる立場を取るものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/30
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031・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 この基本的な姿勢に関しまして特に私が問題意識を持って取り組んでおりますのが、裁判所の増設や権能の拡大なんですね。
私の地元について具体的事例を挙げますと、例えば横浜地方裁判所相模原支部における合議制裁判の導入ですとか藤沢簡易裁判所に横浜家庭裁判所出張所の併設、これを求める地元の強い要望があるんですね。ですが、これらに関する国民の要望に対し法務省や最高裁の対応は非常につれなく、国民の意見が反映される裁判所運営がなされているとは到底評価できないという現状がございます。
私は、過去の委員会の質問ですとか質問主意書でこの問題は再三取り上げているんです。ですが、例えば相模原の合議制に関しましては、本庁までのアクセスが何と一時間程度と比較的良好なことなどを理由に、残念ながら受け入れられなかったわけです。
このような裁判所の権限の拡充や新設に関する実施の是非については、具体的に、まず、どこの組織がどのような情報に基づいて、すなわち、何を判断材料としてどのような基準で決定されているのでしょうか。最高裁。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/31
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032・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
家庭裁判所出張所の設置につきましては、最高裁判所規則で定める事項となっておりますので、最高裁判所の裁判官会議が決定するということになっております。
また、支部で合議事件を取り扱うか否かにつきましては、手続上は最高裁判所規則に基づき各裁判所の裁判官会議が決定することとなっておりますが、全国的な観点からの体制整備や司法サービスの充実を検討していく必要があることから、最高裁においても各庁における事件動向等を注視しているところでございます。
どのような情報に基づいてどのような基準で判断しているかというお尋ねでございますが、先ほども申し上げましたように、裁判所へのアクセス、提供する司法サービス等を総合した国民の利便性を確保するという観点から、人口動態、交通事情の変化、裁判所で取り扱う事件数の動向等を考慮して、また裁判手続のデジタル化が進展していること等も視野に入れながら、全国的バランスを見つつ、総合的な利便性の向上の見地から検討していく必要があるというふうに認識しておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/32
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033・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 私が申し上げている相模原や藤沢の事例は、熱意と必要性の高さをじかに私はお聞きしている要望ですけれども、同じような要望は日本全国各地で起きているというか、あると思うんですね。
例えば、横浜地裁相模原支部に関しましては、横浜地方裁判所相模原支部に合議制裁判と労働審判実施を求める協議会が結成されたんです。当協議会には、同支部の管轄地域となる相模原市と座間市の両市長を始め、両市にある士業団体や経済団体、そして労働者団体、住民団体、そして奉仕団体など、約五十もの組織が参加しているわけです。
このような地元の熱意ですとか要望の強さは、裁判所の開設や所在、機能を判断する上で非常に重要な判断材料になるわけだと思うんですが、最高裁の見解はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/33
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034・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
裁判所の支部、家裁出張所の配置につきましては、先ほども御説明させていただきましたとおり、様々な観点から検討しているというところでございます。
裁判所といたしましても、裁判の利用者など広く国民の意見や要望等を伺う機会を得るということは重要であるというふうに考えております。関係する方々から具体的な実情や要望について書面をいただくなどしているところであり、要望がいただいた場合には真摯に受け止めさせていただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/34
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035・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 では、これお伺いしますけれども、裁判所の開設等の判断を行う部署は、今までこの協議会から、時間を掛けて丁寧に、今申し上げたような地域の実情や要望をきちんと聴取してきたんでしょうか。まだの場合は、また地域において裁判所の設置などに関する要望がある場合、その地域から要望をお聞きする仕組みはあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/35
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036・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
要望に関して申し上げますと、先ほど申し上げたように、裁判所としても、裁判の利用者など広く国民の意見や要望等を伺う機会を得ることは重要であるというふうに考えております。関係する方々から具体的な実情や要望について書面をいただくなどしているところであります。引き続き、要望いただいたら、それについてまた真摯に検討するということを続けてまいりたいと思っております。
それから、各地方裁判所、家庭裁判所の運営に広く国民の意見を反映させるために設置されました、先ほど申し上げた地方裁判所委員会あるいは家庭裁判所委員会を通じて意見を伺うということもしております。さらには、弁護士会など関係する諸団体との協議を行うなどしていることもございます。
裁判所といたしましては、今後とも、今申し上げたような様々な手段、方法により広く国民の意見や要望等を伺いつつ、国民の信頼に応えることができるように努めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/36
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037・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 書類というか要望書の受取をするというのは意味がないとは言っていません。ですが、やっぱり直接会って耳を傾ける、今おっしゃっていたように、本当にどれだけ困っていて、どのような影響が生じているのかということを真摯に聞くということが一番大事なのではないかなと思うので、是非その方法を省かないでいただきたいなと思います。
そもそも、時代の変化に伴い、人口動態や交通アクセス、そのほかの諸条件は変化するわけですから、国民の意見や要望に沿った裁判所運営を志すならば、それらの変化に応じた裁判所の配置を検討する場が必要なはずだと思うんですね。そうであってこそ、憲法に規定される裁判を受ける権利というものが住民に不公平がない形で実質的に保障されるということになります。
最高裁が、法務省において裁判所配置を継続的に検討する場を設置するか、その任をどこかの部署に付与するべきではと考えますが、最高裁の御見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/37
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038・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
裁判所といたしましては、先ほど申し上げましたように、裁判所の支部、家裁出張所の配置について、裁判所へのアクセス、提供する司法サービス等を総合した国民の利便性を確保するとの観点から、様々な情報を考慮しながら、またデジタル化の進展等も踏まえつつ、総合的な利便性の向上の見地からこれまでも検討してまいったところでございます。
最高裁といたしましては、人的、物的資源を有効に活用しつつ、利用者の利便性を確保し、司法サービスを充実させていくことが重要であるというふうに考えているところでございます。今後とも、引き続き、人口動態、交通事情、事件数の動向等を注意しつつ、必要な事件処理体制の整備に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/38
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039・牧山ひろえ
○牧山ひろえ君 結局、先ほどの答弁でもありましたけれども、裁判所の配置や設置に関する地域の要望は否定され続けていますが、誰が、どの部署が、どのような理由で地域の要望を却下したのか、極めてあの答弁では分かりづらく、責任もはっきりしませんでした。この透明性のなさこそ問題の本質であると言えますので、是非真摯に、住民の方々、そして関連、関係する方々の御意見や御要望、お困りの点など、是非真摯に耳を傾けて改善していただきたいと思います。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/39
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040・伊藤孝江
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。今日もよろしくお願いいたします。
裁判官の人員についてまずお聞きしたいと思います。
裁判官の人員につきましては、判事、判事補を合わせて、令和三年度は増減なく、令和四年度、令和五年度と減らしてきていると。また、令和六年度に向けても増員をしないという方針をお聞きをしております。ここ数年の推移を見ても、裁判官を増加しないという方向で、その方針で進んでいることが見て取れます。
そもそも、この増員が必要か否かを検討するに当たり、いかなるデータに基づいてどのように判断をされているのか。来年度、裁判官を増員する必要性はないというふうに判断した根拠について御説明をお願いできますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/40
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041・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
裁判官の増員につきましては、事件動向、事務処理状況、社会経済情勢の変化や、これに伴う事件の質的な変化、法改正の状況など、その時々の諸事情を踏まえて検討しているところでございます。裁判所といたしましては、これまでも事件動向等を踏まえて着実に裁判官を増員し、人的体制の整備に努めてきたと考えているところでございます。
近年の事件動向について見てみますと、民事訴訟事件及び刑事訴訟事件につきましては、いずれも減少傾向にございます。また、家事事件につきましては、全体としては増加傾向でございますが、これは高齢者人口の増加に伴い成年後見関係事件が累積的に積み上がっていることによる増加であるというふうに考えられます。少年保護事件につきましては、ここ十年の間に大幅な減少傾向が続いているというところでございます。
このような事件動向を踏まえますと、令和六年度につきましては、これまでの増員分を活用しつつ、審理運営の改善、工夫等を引き続き行うことで適正かつ迅速な事件処理を行うことができるものと考えており、昨年に引き続き判事の増員を求めないこととしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/41
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042・伊藤孝江
○伊藤孝江君 民事部の裁判官、よく事件数が多いというふうに言われますけれども、一人当たりの裁判官が持っておられる、担当しておられる事件数、多い裁判所では何件ぐらいなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/42
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043・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
まず、前提といたしまして、全国各地の裁判所におきましては、一人の裁判官が複数の種類の事件を担当しているということがございますので、なかなかその手持ち件数を割り出すということは容易ではないということについては御理解をいただきたいと思います。
その上で申し上げたいと思いますが、一人の裁判官が民事訴訟事件のみを担当しているという東京地方裁判所の民事通常部について数をお示しいたしますと、令和四年におきまして百八十件程度というふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/43
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044・伊藤孝江
○伊藤孝江君 その百八十件の事件数、事件数というか、それぞれの事件について、適切に事件の争点を整理をして、また和解を試みたり、またそれを断念して判決という手続に向けて進めていったりという、そういう進行についての判断であるとか当事者や代理人とのやり取りなど、裁判官によって異なると思いますし、それもまた、もちろん人がやることなので当然のことだと思います。その中で、終了した事件の数であったり、また終了までに要した期日の回数を見るだけでは、裁判官による訴訟指揮、訴訟の進行が妥当だったのかという点は判明しないというふうに思っています。
私自身も、経験として、弁論準備期日で裁判官が提出した書面読んでいなかったりであるとか争点を理解していなかったりというのもよく経験もしましたし、それを経験された弁護士も本当に多いと思います。その中で、的確に争点整理を行い、可能な限り丁寧に、当事者、また代理人の理解や納得が得られるような進行の中で、そして可能な限り迅速に処理をしていくことができているのかということが大事だと思っています。最善な事件処理を行うことができるようにという観点で、裁判官がどのぐらいの数の事件を実際に担当することができるのかということを検討しなければならないというふうに考えます。
その観点では、裁判官の事件処理で実践しているそのスキルであったり力量であったり、また担当している事件数がちゃんと処理できる数に収まっているのかどうかという点は、どのように判断をされているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/44
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045・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
先ほど申し上げましたように、最高裁におきましては、事件処理状況、数などの客観的な数字を使いながら状況を把握しているというところでございます。
手持ち事件数について、どのくらい妥当性があるのかという点についても御指摘をいただいたところでございますけれども、手持ち事件数自体を割り出すのが難しいというのを先ほど申し上げたとおりでございまして、事務当局としてなかなか、そこを数字で把握するというのはなかなか難しいということは御理解をいただきたいと思います。また、その個々の裁判官がどういうふうに適切に審理を行っているかどうかということを、これを、その個々の裁判官の状況というのを事務当局が把握するというのも、なかなかこれは、どこまで事務当局が把握していいのかというところもございます。
そういう意味では、やはり客観的な数字、状況を見ながら検討していくということでこれまでもやってきているところでございます。申し上げたような各庁の事件動向や事件処理状況等の客観的な統計数値、これを考慮しつつ、さらに高裁を通じるなどして把握した各庁の実情なども踏まえて、全国的な見地から必要な体制を整備してまいったところであります。
引き続き、裁判官の増減員が必要なのかどうかということを含めまして、体制の整備に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/45
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046・伊藤孝江
○伊藤孝江君 増減でも人員配置でも構わないんですけれども、一人一人の裁判官がきちんと事件に、担当している事件に向き合って処理に適切に対応することができているのかというのは、それは分かりませんと言われてしまうと、じゃ、人員配置も適切なんですかということにもなると思います。
もちろん、事件数だけで判断できるものではないということもよくよく承知をしております。その中でどう考えていくのかというところ、どう実態をつかんでいくのかというのを、各裁判所なのか、あるいは法務省なのか最高裁なのか、しっかりと考えていただかないことには、事件にはそれぞれ当事者の方たちがいるわけですから、客観的なデータでしか分からないのでここで勘弁してくださいというわけにはやっぱりいかないということも含めて御理解いただきたいと思います。
以前にも法務委員会でも取り上げさせていただいたことがあるんですが、特に家事調停について、裁判官が不足をしているというのか、きちんと事件数処理できるだけのものに収まっていないんじゃないかという点について、少し観点で質問させていただきたいと思います。
この家事調停、私も、代理人であったり、また調停委員も経験もさせていただきました。その中で、例えば離婚事件であれば、離婚した後、子供の親権であったり養育費であったり面会交流だったり、これからのその子供の生活をどう守っていくのかという観点でも話合いをしっかりと進めていって、できる限りの納得と理解の中で合意を形成することができるかどうかというのが大変大事な点だと思っております。
この調停というのは、調停委員会が担当をして、裁判官一人と通常は調停委員が二人、この三人で調停を担当をすることになります。実際にこの調停委員会のこの裁判官が当事者と会って、調停に入って当事者と話をする機会というのはどの程度あるのかということを一般論として御説明いただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/46
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047・馬渡直史
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) 裁判官がどのような場面で調停の期日に立ち会うかにつきましては、事件の内容や調停の進行段階などに応じまして調停委員会により判断、個別具体的に判断されるものでございますが、一般的には、法的観点からの説明が必要な場面、また審判や訴訟の見通しを伝えるなどして合意形成の働きかけをする場面、こういった場面で立ち会うことが多いものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/47
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048・伊藤孝江
○伊藤孝江君 そうですね、調停期日重ねても、例えば、最初とか最後の節目のところとか、真ん中で争点に関する大事な合意をしたときの確認をするとか、十回期日が例えばやったとしても十回入るわけでもなく、入るのが一回の場合もあればというような形で、当事者の方からすると裁判官というのはなかなか見えない存在になっているかと思います。
ただ、私自身のその経験からしても、当事者の方はやっぱり裁判官にいろんな話を聞いてもらいたいんですね。で、裁判官からすると、また、はたから見ると、こういうふうにこの問題を解決した方が得なんじゃないかということがあったとしても、決してその損得の話ではなくて、これまでの長い期間の間にいろんな思いを抱えていろんな苦労をしながらあるので、その感情をどう消化をしていくのかというところも含めて調停でやらなければならないことというのはたくさんあります。それを裁判官にちゃんと伝わっているんだろうかというような不信感を持たれることもたくさんありますし、先ほどありましたけれども、裁判官が入って説明をしていただくと、同じ説明をしても、調停委員が説明をするよりも裁判官が説明をする方がやっぱり納得をしていただく機会もあるのかなというのも感じるところでもあります。
しっかり裁判官が各調停の期日に入っていくことができるようにすべきじゃないかというふうに考えますけれども、現状はそれが物理的にできない状況にあるというふうに思っております。
裁判官が自分の担当する事件、同じ曜日の同じ時間に、例えば今日の木曜日の午前十時に離婚事件であったりとか担当する事件、同時に何件事件を設定しているかということを御説明いただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/48
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049・馬渡直史
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) お答えいたします。
特定の裁判所において同一時間帯に一人の裁判官が担当する事件として何件の調停期日を指定しているかにつきましては、事務総局として正確な数値を把握しておりませんので具体的な数値をお答えすることは困難でございますが、東京家庭裁判所において、各裁判官の担当事件などに応じて、同一時間帯におおむね数件程度から十数件程度の期日が指定されているものと聞いているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/49
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050・伊藤孝江
○伊藤孝江君 今、かなり私の感覚では少なめに言っておられるんじゃないかなという気はしますけれども、同じ時間に、まあ遺産分割の事件なのか離婚事件なのかによっても違うと思います。特に離婚事件の方が多いかなとは思うんですけれども、以前にお聞きしたときは十件ないし二十件というふうにお聞きしましたけれども、十数件でも、同じ時間に十数件並行して調停委員が入って調停を進めていると。で、裁判官は一人で待っていて、何か途中で相談があれば私たちはその部屋を出て裁判官のところに相談に行って、また戻って話をするというようなことをしている。
裁判官と調停委員、調停委員会というのはその三人で構成していますけれども、その連携をどう取るかというのは、その調停の期日の始まる前かあるいは後に評議という形で裁判官に調停委員が報告に行きます。事後評議という形で、私たちも、当日の期日が終わって裁判官のところに行って順番待ちをして、三十分、一時間待って裁判官に今日の報告をします。こんな話がありました、こんな合意ができました、ここがなかなかうまくいかないです、次こういうことを宿題でお願いをしました、で、裁判官から指示を受けて、次、じゃ、それをやりましょうというような形です。
まだ裁判官と直接会って評議ができるというのは有り難かったと思います。それがなかなかできなくて、もう書面でのやり取り、書面で報告をしてメモで返されて、裁判官としっかりと話し合うこともなく調停期日に臨む調停委員がいるというのも現実だと思います。
この評議をもちろん充実をさせていかないといけないというのもありますけれども、やっぱり一度にそれだけの、十件以上の事件を同時にやらなければならないというのは担当する事件数として私は多いんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/50
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051・馬渡直史
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) 同一時間帯に複数の事件が指定されているという状況ではございますけれども、その同一時間帯の事件というのは、事件の複雑さ、困難さも千差万別でございますし、また、同一時間帯に期日が開かれている調停の進行の程度もまちまちであるというふうに思われるところでございます。
そういったことからいたしますと、先ほど述べた程度の件数の期日が指定されていても、各事件の内容等に応じて裁判官がめり張りを付けて関与するということで、必要な事件につき十分な関与をすることが可能であるというふうに認識しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/51
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052・伊藤孝江
○伊藤孝江君 具体的な個々の事件の進行とは別に、本当に裁判官がきちんと全部に向き合うことができる、そういう環境をつくっているのかというのは、やっぱり最高裁としてもしっかり考えていただかなければいけないと思っています。
この問題、ちょっと済みません、今日質問まだありますけれども、ちょっと次のテーマに行かせていただいて、また後日、機会があれば質問させていただきたいと思います。
では、次のテーマに移ります。定款認証の制度の在り方についてお伺いをいたします。
株式会社など一定の法人は、設立に際し、定款について公証人の認証を受ける必要があります。これを定款認証制度といいます。
株式会社の設立手続におけるこの定款認証の見直しについては政府で検討が進んでおり、今月十一日には政府の行政事業レビューで取り上げられたと伺っております。
定款認証については、経済界からは、例えば株式会社などの法人設立の手続をオンラインにより完結をさせるようにするなど、手続の抜本的見直しを求める声が上がっております。その一方で、弁護士会や司法書士会などの実務家からは、公証人による事前チェックがなくなると、定款、法人格に関する紛争を予防できないとか、また、違法、不正な会社設立を増大しかねないことであったり、マネーロンダリング等を防止する機能が果たせなくなることなどを理由として、強い反対の意見も出されているところでもあります。
この意見が大きく分かれている中で、法務省として現在どのような検討状況であるのかを民事局長に質問させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/52
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053・竹内努
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
定款認証につきましては、かねて法務省に、起業家の負担を軽減する方策の検討が求められているところでございます。委員御指摘のとおり、今月十一日の行政事業レビューにおきましても、手続の合理化や制度の在り方の検討が必要であるとの有識者の取りまとめがされたところでございます。他方、弁護士、司法書士といった資格者団体からは、定款認証制度の維持を求める要望が出されております。
このような状況の中、法務省におきましては、先月三十一日から有識者検討会を立ち上げまして、定款認証の負担軽減策や制度そのものの必要性といった幅広い課題を検討しており、今年内をめどに方針を決定する予定としております。
この課題につきましては、法務大臣からも起業家の負担軽減に向けてできる限り早期に方針を出し実行していくよう指示があったところでありまして、各方面の意見を踏まえつつ、この課題にしっかり対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/53
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054・伊藤孝江
○伊藤孝江君 この定款認証につきましては、やっぱりスタートアップ支援の観点ということで、デジタルを活用するなどして起業者の負担軽減策、これはしっかり進めていくべきであるというふうにまず考えます。その一方で、定款認証そのものを廃止するという、そこまでの方向につきましては、その弊害や代替策の有無など、関係者の意見を十分に聞いて慎重に検討する必要があると思います。
この定款認証の手続の過程で公証人が、とりわけスタートアップの発起人等に対して会社を設立することの意義や発起人の責任などを説明するとともに、法的な相談への適切な助言をすることで設立後の不測の事態やトラブルを回避するという機能を果たしています。定款認証を廃止して法務局の登記審査のみとなればこのような機会も奪われますので、この点からすると、定款認証はスタートアップ支援という役割もやっぱりなされているというふうにも考えます。
この問題について、今後どのように検討を進めていくお考えか、法務大臣にお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/54
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055・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) この定款認証問題につきましては、まず、岸田総理からデジタル行財政改革会議において私宛てに指示がございました。見直すように、見直しを検討するようにという指示でございます。それを受けまして、局長から御説明しましたように、先月三十一日から法務省内に検討会を設け、幅広く、賛成論も反対論も幅広く徴しようということで議論を進めております。
これ、問題が二つあると思うんですよね。一つは、負担の軽減、スピードアップ、こういう経済原則に即してやってくれという御要望、また一方で、先生おっしゃったように、これ全部なくしてしまって、全廃して大丈夫かという、この法の在り方の問題の観点、この二つ問題があります。
そこをしっかり峻別しながら、それぞれについて、各関係者の御意見、この検討会に限らず様々な団体からも御要望いただいております。経団連はもちろん、日弁連からもいただいています。こういった様々な幅広い御要望、御意見をよく伺って、適切に判断をしていきたいと思っております。代わりの制度があるのか、弊害はないのかとおっしゃった、そういう点も含めて検討していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/55
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056・伊藤孝江
○伊藤孝江君 ありがとうございます。丁寧に御検討いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/56
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057・清水貴之
○清水貴之君 日本維新の会の清水です。よろしくお願いをいたします。
前回のこの委員会でも質問させていただきましたが、重大な少年事件の記録が廃棄されてしまった問題です。
この廃棄があった大きな理由としましては、やっぱり紙の資料が、膨大な量の資料があって、その保管場所がなかなか確保できなくて、やっぱりある程度の期日が来たらそういった紙の資料というのは次の保管場所を空けるために廃棄するという、そういったある意味ルーチンが行われていたという、こういったことが非常に大きな原因の一つであるというふうに思います。
やはり、世の中、今デジタル化であったりとかペーパーレス化ということで、裁判に関しても、民事の方ではオンラインでのやり取りが進められたりということで、一定程度そういう、変えていこうという、そういったことは考えて進めていらっしゃるというふうに理解をしているんですが、やっぱり基本は紙文化であるというのも、これも変わらない。我々の国会もそうなんですけれども、進めようとしてもなかなか進まない、基本は紙であるという。
こういったことは、やっぱりいろんな観点から変えていかなければいけないんではないかなというふうに思っているんですけれども、この辺りの取組についてまずお聞かせいただけたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/57
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058・福田千恵子
○最高裁判所長官代理者(福田千恵子君) お答えいたします。
まず、記録の在り方につきましてですが、昨年五月に成立いたしました民事訴訟法等の一部を改正する法律におきまして、民事訴訟手続を全面的にデジタル化し、訴訟記録も原則電子化されることとされております。したがいまして、この改正法の施行日以降に申し立てられる民事訴訟事件につきましては訴訟記録が電子的に保存されることとなる見込みでありまして、裁判所としては、現在、訴訟記録の電子化に対応するためのシステムの開発を鋭意進めているところであります。
また、現在、改正法の施行に先立ちまして、書面ではなく電子データでのやり取りを実現するための取組を進めるために、準備書面や書証の写し等についてオンライン提出をすることを可能とするシステムを開発して、順次運用を拡大しております。
今後、全面的なデジタル化に向けて、そのシステムの普及にも努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/58
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059・清水貴之
○清水貴之君 これは以前にも聞いたことがありまして、そういった、今とまた別で、重大な少年事件の記録などの話なんですけれども、今あるものというのは紙の資料という、膨大に保管されているんだと思うんですけれども、こういった今ある記録をこれから電子化していく、今あるものを例えばスキャンするのか何かに取り込んでいくのかということで、非常に作業としては大変な作業だと思うんですけれども、こういったことをすれば保管場所に困ることもなくて、どんどんどんどん保存していける、いつまでたっても見ることができるということですから今ある資料も進めていくべきではないかというふうにも思うんですけれども、これについてはなかなか難しいというような答えだというふうには理解はしていますし、あの最高裁の事件記録の廃棄のときの調査報告書を見ても、電子化による保存だとか全件保存にはこれ踏み込まれていないんですね。
ですから、やっぱりなかなか難しいのかなとも思うんですが、この辺についてお聞かせいただけたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/59
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060・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
記録の分量ということは、これは事件数の動向にも影響を受けるところではございますけれども、例えば、令和三年の刑事事件を除く全裁判所の新受全事件数というのは合計で約二百五十七万件に及んでいるところでございます。
この事件の記録全てを今紙媒体で保存しているということになりますけれども、この紙の量を厚さで試算をしてみたというところでございまして、そうしてみましたところ、一年当たり厚さで約二十一キロメートルから二十五キロメートルくらいになるというふうに推計したところでございます。この記録が、多くの、事件類型によって異なりますけれども、多くの事件は五年が保存期間というふうになっておりますので、そうしますと、合計百五キロメートルから百二十五キロメートルの厚さになるということが推計されたところでございます。
今後これらを全て電子化していくということになりますと、電子化のために膨大な作業を要するということは先ほど委員からも御示唆いただいたところではございます。保存することとなるデータ量も膨大なものになるわけです。これに対する多大な人的、物的コストについて、国民の負担において行うことが相当と言えるかどうかというのはやはり慎重に考えなければいけないことだろうと思っております。
また、紙媒体の現在の記録というのは、まさにその紙媒体が原本でございます。これを電子化して保存した場合に、その原本であるところの紙媒体の記録との関係性というのをどのように考えていくのかというのもなかなか難しい問題であります。
したがいまして、裁判所といたしましては、現在の紙媒体で保存中の記録につきましては、これまで申し上げましたような二項特別保存に付すべき記録をきちんと適切に保存すると、その上でこれを国立公文書館等への移管を進めていくということで確実に後世に引き継いでいく体制とすることが相当であろうというふうに考えており、紙媒体の記録を電子化するということは、電子化して保存するということは現時点では予定していないというものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/60
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061・清水貴之
○清水貴之君 今あるものをそうやって電子化していくからこれは難しいという御説明で、今後ですよね、今後、じゃ、どうしていくか。
先ほど最初の質問のときに、民事訴訟などに関してはデジタルでのやり取りが今後進んでいくということですから、それをそのまま保存していけばいいんではないかと思うんですけれども、今後そういったやり取りが進んでいった場合に、そもそももう紙そのものの保存が必要でなくなる、もうデジタルで全部できるようなそんな方向に進んでいくと、これまた保存も非常にやりやすくなるんではないかなというふうに思うんですけれども、この辺りについての検討であったりとか考えはいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/61
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062・小野寺真也
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。
今委員から御指摘をいただきましたように、民事訴訟手続につきましてはデジタル化が遠からず実現するということになります。そういたしますと、その施行日以降に提起される事件につきましては訴訟記録自体が電子化されたものということになりますので、それをどういうふうに保存していくのかということになろうかと思っております。
その施行に至るまではなお紙媒体ということになりますが、それにつきましては、先ほど申し上げたのは、やはり一年単位で見ていってもかなり膨大なものになるというところでございますので、その点に関する電子化というのは慎重に考えなければならないというふうに思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/62
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063・清水貴之
○清水貴之君 続いて、大臣にこれお伺いしたいんですけれども、刑事手続のIT化の話です。
先ほどもあった点では、民事の方ではIT化である意味進んでいるけれども、やっぱり刑事手続というのはなかなかまだ進んでいないところもあって、書面でのやり取りが前提とされていまして、捜査機関が逮捕状とか捜索令状を裁判所に運んで、持っていってということで手続が進む。やっぱりこの辺りが非常に時間も労力も掛かってしまうわけですね。
ですから、こういったことも法制審の方ではその辺の議論も進んでいるということなんですが、今後の見通しなど、大臣の方からお聞かせいただけたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/63
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064・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 刑事事件についても同様な考え方でおります。書類の電子データ化、発受のオンライン化、捜査、公判手続の非対面化、遠隔化、こういったことが情報通信技術を活用することによって実現をし、結果として国民の負担の軽減、円滑、迅速な手続の実現に資するというのが基本認識でございます。
この認識に沿って、法整備については、今御指摘があった法制審で昨年の六月から検討を進め、システム整備については関係省庁と、予算措置も含めて関係省庁と緊密に連携しながら、具体的な整備に向けた検討を進めております。
政府全体としても、デジタル化を進める大きな重点計画がございますので、それに沿う形で鋭意スピード感を持って進めたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/64
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065・清水貴之
○清水貴之君 是非お願いをいたします。
続いて、裁判官の働き方などについてなんですけれども、大都市の裁判官、多いときだと単独事件はもう百件とか二百件とかいう単位で一人で抱えているということになっている状態だというふうに聞いています。
先ほどから出ているように、なかなか裁判官のなり手不足みたいなことも言われている中で、そういった裁判官の皆さんの業務の状況であるとか、業務過多になっているんじゃないかとか、そういったことをどのように見ていくのか、判断していくのか、そういったものも重要な視点ではないかというふうに思うんですけれども、これについていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/65
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066・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
裁判官が心身共に健康な状態で職務に当たり、その能力を十分発揮することができるよう、その職務環境を整備することは重要であると考えております。
そのため、事件動向等を踏まえた適切な人員配置に努めているほか、各地の裁判所において、個々の裁判官が休日あるいは夜間にどの程度仕事をしているのか、あるいは裁判官の手持ちの事件数や内容も含めた負担の程度について、部総括裁判官を始めとする周囲の者がきめ細かく把握するように努め、必要に応じてその働き方について指導、助言をしたり、あるいは事務負担を見直したりするなどして、裁判官の心身の健康に留意をしているところでございます。
今後とも、裁判官の職務の特質を踏まえつつ、裁判官の職務環境の整備に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/66
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067・清水貴之
○清水貴之君 続いて、裁判官の皆さんと民間との交流であったりとかいう話なんですけれども、任官十年未満の判事補の原則全員を対象とする外部経験制度、これは出向先、いろんな民間企業とかほかの官庁などに、あと弁護士事務所などに行って、こういった弁護士の方というのはやっぱり、ごめんなさい、裁判官の方というのはある程度クローズされた世界でなかなか外部との接触がとかいう話も聞きますので、いろんな見識をそうやって積んでもらうというのは非常に重要なことだというふうに思っておりますが、一方で、なかなか外部から加わってくる、弁護士の方が裁判官に任官するとか、こっちの方の仕組みがなかなか、制度としてあるんだけど活用状況は十分でないという話も聞きまして、これも非常に制度としてしっかりつくられているので進めていった方がいいんじゃないかと思うんですが、これについての意見をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/67
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068・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答えを申し上げます。
弁護士任官者数が必ずしも増加していないという理由といたしましては、弁護士として活躍し、依頼者等との関係も安定している弁護士が裁判官という新しい仕事に飛び込むということにはかなりの決断を要するということがあるなど、様々な事情から応募者が増加していないということがあろうかと考えられます。
最高裁といたしましては、日弁連とも協議を重ねて、当分の間、応募に必要な弁護士としての経験年数を引き下げるなど、任官をしやすくするための対応をしてまいりました。また、弁護士任官者に対する研修や配置についても工夫をし、弁護士任官者が裁判官の仕事にスムーズに移行できるよう配慮をしてまいりました。弁護士がその業務を行いながら裁判官の権限と同等の権限を持って調停手続を主宰する調停官制度も、裁判官の職務、執務形態への理解を深め、また事件や顧問先の引継ぎなどについて検討を進める機会になるものと考えられます。
今後とも、優れた弁護士が多数任官するよう、引き続き改善に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/68
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069・清水貴之
○清水貴之君 最後、法科大学院について、これ、できたら大臣、最後なのでお願いをいたします。
質問二つ用意しているんですけど、ちょっと時間ないので、もう一つにまとめて。
法科大学院制度が始まってもう二十年、ちょうど二十年になります。私が感じるのは、当初の思惑、想定とはやっぱり形が大分違ってしまっているんじゃないか。当初は、もう年間三千人ぐらいの合格者を出して、もう日本の社会の中にもいっぱい法曹資格を持った方々がいて活躍すると、恐らくそういった、しかも多様な人材を法曹界に送り込むと、これが狙いではなかったのかなと思うんですけれども、法科大学院の数も当初からもう半分以下と今なっています。
やっと今年は受験者も合格者も増えてきて、いずれも制度を変えて増えてきているということなんですが、この二十年を経て、じゃ、どういう方向に国として、法務省として向かっていこうとしているのかというのがなかなかちょっと見えにくくなっているのかなというのも感じまして、この辺りについて、法科大学院であったりとか法曹人口であったりとか、こういうことに関していろいろ変革もされているということなんですが、大臣の、最後、見解をお聞かせいただけたらと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/69
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070・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 大変重要で、またかつ難しい御質問だと思いますが、まず、直近では令和元年に改革法を作って改革をしたわけですね。その成果が今年の司法試験で出てきたと。受験者も一応増えた、合格者も増えた、三分の一は現役の方だといういい結果は示せました。しかし、それを続けていくその先に何を求めるかという将来像ですね。
これやはり、日本の社会全体の在り方とか人口減少とか様々なマクロの要素、そしてこの法務行政に関わる様々な個別の要素、こういったものをですよね、一度私も落ち着いてゆっくりと、また先生からも御議論、御示唆もいただきながら見定めていく作業は何らかの形で取り組んでいきたいなとは思っております。ちょっとこの場ですぱっとお答えできるほどの見識がありませんので、お許しをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/70
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071・清水貴之
○清水貴之君 以上で終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/71
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072・川合孝典
○川合孝典君 国民民主党の川合です。
今日は、まずは法案に関連して少し質問させていただきたいと思います。
まず、裁判所職員の皆さんの働き方ということで確認なんですが、ちょうど一年ほど前に、いわゆる定員に係る議論等をやり取りをさせていただく中で労働時間管理がどうなっているのかということについて質問させていただきましたところ、それぞれの裁判所に労働時間や働き方の管理は委ねられていて、最高裁としては労働時間管理はしていない旨の御答弁をいただきました。そのことの問題を指摘させていただいた上で、その当時のやり取りの中で、労働時間管理をどうしていくのかということについて議論を進めていきますという一年前に御答弁を頂戴しております。
一年たちましたので、現在の裁判所職員の労働時間管理に係る取組の現状について御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/72
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073・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答えを申し上げます。
委員御指摘のとおり、裁判官以外の一般の裁判所職員の勤務時間管理は重要な課題と認識をしております。
裁判所職員の勤務時間の管理については、現在のところ、登庁簿を用いて始業時刻までに登庁しているか確認するとともに、管理職員が勤務状況を現認するなどの方法により終業時刻まで勤務していることを確認しているほか、超過勤務につきましては、職員が事前に管理職員に申告をして、管理職員が超過勤務の必要性や緊急性を個別具体的に判断し、実際の超過勤務の状況についても管理職員が現認することを基本として、適切な把握に努めてきているところでございます。
なお、現在、職員の出退勤時刻あるいは超過勤務の申請など、勤務時間を管理するシステムの導入に向けた検討を鋭意行っているところでございまして、最高裁において試験的運用を開始するべく準備を進めているところでございます。
いずれにしても、今後とも、職員の勤務時間の適切な管理に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/73
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074・川合孝典
○川合孝典君 前向きにお取り組みいただいていることには感謝をしたいと思います。
今後、裁判所の職員の定員の問題の議論を行っていく上でも、労働時間の状況というものを正確に把握することが適切な人員、要員の配置にもつながっていく話だと思っておりますので、是非その取組はしっかり進めていただきたいと思います。
次に、年休の取得状況、職員の皆さんの年休の取得状況について確認をさせていただきたいと思います。
コロナもあって、いろいろと働き方が、知恵を絞った働き方をしなければいけない状況が長く続いてまいりましたが、そうした状況も超えた中で、現在、裁判所職員の皆さんの年休取得状況はどうなっていますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/74
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075・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答えを申し上げます。
令和四年度の裁判所職員の年次休暇の平均取得日数は十六・六日ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/75
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076・川合孝典
○川合孝典君 裁判所としての年休取得の目標のようなものは設定されていますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/76
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077・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答えを申し上げます。
裁判所としては、年次休暇の平均取得日数を十六日以上とすることを目標としております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/77
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078・川合孝典
○川合孝典君 ということは、取りあえず目標は達成をしているというのが今の状況だという理解をさせていただきました。
今後、更なる働き方の見直しを行っていく上で、いわゆる目標をどこに設定するのかということについても是非また議論をして、検討をしていただければと思います。
次に、フレックスの話について少し、フレックスタイム制について少しお教えいただきたいことがあります。
今回、リモートワークも含めて在宅勤務手当の設定等についても一般職の法案の中に組み込まれておりますけれども、実態としてフレックスタイム制というものがどの程度一般職の職員さんに活用いただいている状況なのかということについて、把握されていたら実態をお教えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/78
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079・徳岡治
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
令和四年十月一日時点ということになりますが、全国で千三百二十九人の職員がフレックスタイム制を利用しているというふうに把握をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/79
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080・川合孝典
○川合孝典君 私がここで質問させていただいたのは、フレックスタイム制を導入することによってより柔軟な働き方が実現するという、割とステレオタイプの理解がフレックスタイム制では認識されがちなんですけれども、むしろ、フレックスタイム制を導入することで休みが、言わば終日の休みが逆に取りにくくなるといったようなことが実は民間では往々にして発生をしております。
したがいまして、柔軟な働き方ということで導入した制度が実際に職員の皆さんの働き方の改革にきちんと進んでいるのかどうなのかということについては、そういった問題意識も持って、是非今後、検証していただければ有り難いということで、ちょっとだけ指摘をさせていただきたいと思います。
時間の関係がありますので、次の質問に入りたいと思います。
まず、法務大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますが、既にこの間有識者会議が行われて、技能実習制度の見直しに向けた様々な議論が進んでいることは承知しております。適宜議事録も取り寄せさせていただいて内容は読ませていただいているわけでありますが、来年以降本格的にこのことの議論が行われるということで、今回、小泉法務大臣が新たに御就任をされるに当たって、この技能実習制度の見直しに向けて重視すべき点として、重要視すべき点ということで、小泉法務大臣が御認識されているこの技能実習制度の見直しのポイントというのはどういうものなのかを、御認識をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/80
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081・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) まず、この技能実習制度の見直しの今意義でございますけれども、真の意味で国を開くという、我々はそういうスタートラインに立っていると思うんですね。そして、国を開いて共生社会をつくると。それをもっと平たく言うと、外国人も日本人も共に豊かになっていける社会をつくる、また外国人に選ばれる国になる、こういった方向性を念頭に置きながら、これから具体的な様々な御意見の調整、またその先、法案化に進んでいきたいと思っております。
具体的な中身について、私の主観、判断で今申し上げることは難しいわけでありますけれども、この最終報告書のたたき台の中には、その例示として、重視すべき要素の例示として、新たな制度の趣旨、目的を踏まえた転籍の要件、それから技能実習生の来日前の手数料の負担軽減策、監理団体の独立性、中立性の確保、外国人の人権への配慮というものがまず大きくテーマとして掲げられているというふうに認識をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/81
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082・川合孝典
○川合孝典君 今御答弁いただいた中に選ばれる国というフレーズがありましたけど、まさしく選ばれない国にいつの間にかなってしまっているという事実を真摯に受け止められるかどうかということが今後の制度改正を行う上でとても大切な論点になろうかと思いますので、是非、今大臣が御答弁された内容で議論を前に進めていただきたいと思います。
その上で、転籍の話をちらっとおっしゃいましたので、この転籍制度について少し大臣と、これ通告しておりませんけれども、やり取りをさせていただきたいと思いますが。
一年間就労したら一定の試験を受ければ転籍できるとか、今朝の新聞では転籍制限二年とか、そういう報道が出たりとかということが、ちらほらとこういった報道が出始めました。
要は、ルールを守らずに技能実習生を受け入れている企業に対して要はペナルティーが当然科される必要はあると思いますし、そういった受入れ企業でひどい劣悪な労働条件で技能実習を行っている技能実習生が転籍できる枠組みをつくるというのはとても大事なことだと思うんですが、この受入れ企業の方からは、せっかく育てた人材が僅か一年やそこらで要は移動して転籍してしまうと要は持ち出した分のコストに合わないといったようなお声が出ているというやに伺っております。
この企業サイド、受入れ企業サイドのそうした御発言というか、要は転籍されたら困るとおっしゃっている企業に対して、大臣だったらどういう指導をされますでしょう。(発言する者あり)はい。どう説明をされるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/82
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083・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) それはまさに、受入れ企業の本音といいますか、当然感じる、考えるポイントですね。しかし、制度全体をつくっていくという立場になると、転籍要件というものを余り今までどおりのまま置いておくということも望ましくない、短くしていこうという議論ももう当然あるわけです。
両方とも様々な御議論を今まさにいただいているところでありまして、すぱっとどこかで、ここでという結論がまだ出せるわけではないのですが、私が感じているのは、制度の、適正な制度というのは、まずいろんな議論を尽くした上で置いてみて、その制度を、置いてみて、定着する部分と定着できない部分が当然出てきますから、それを改良していくと、また議論を続けていくという形で適正な制度を最終的には見出したいなという思いでおります。
今回、限られた時間の中で、本当に強い反対もありますし、また海外からはもっとしっかりやれという声もありますし、なかなか難しいのでありますけれども、置いてみて必要なところをまた直していく、そういうことを旨として何とか関係者の方々の総意をつくれれば有り難いなと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/83
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084・川合孝典
○川合孝典君 突然の振りにお答えいただきまして、ありがとうございます。
技能実習生を、あくまでも日本としては、制度を設定、設計したときの意図としては、日本の優れた技術を学んでいただいて母国の発展に寄与していただけるように実習、研修を行うということで始められたということですが、実際、受入れ企業のうち、全てとは言いませんが、多くの企業が、日本人の労働者が要はもうもはや受けないようなきつい仕事ですよね、こういう仕事の人手不足解消のための要は労働力として受入れ企業はニーズがあって受け入れているということであり、実際に技能実習生として日本に来られている方々、そのほとんどの方は日本で働きたくて来られています。
したがって、もう既に、本音と建前の部分でいきますと、技能実習という言葉自体がいわゆる空文化してしまっていると言っても過言ではないわけでありまして、それを無理に実習、研修という枠組みの中にはめ込んで議論をすることがそもそも制度設計に無理を生じさせることになるんだと私は実は思っております。よって、是非、そうした今の指摘も踏まえて、今後是非、有識者会議での御議論を進めていただければ有り難いと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
それからもう一点なんですけれど、この間も実は、数年間にわたって技能実習制度のことはずっと取り上げさせていただいてまいりまして、様々なその監理団体に対する指導ですとか、送り出し機関に対する様々な各国政府との調整だとか、あと作業も、この間、法務省、法務大臣には行っていただいてまいりました。
そのこと自体は感謝しておるんですけれど、残念ながら、直近、去年も失踪者が九千人を超えているんですよね。ということは、この間の取組が実際日本の国内にいらっしゃる技能実習生に対しては届いていないということかと思うんですけれども、これは法務省さんの方で結構ですが、この失踪者が九千人を超えている今の状況についてどう捉えていらっしゃるのかということをちょっと確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/84
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085・丸山秀治
○政府参考人(丸山秀治君) 委員から御指摘ございましたとおり、技能実習の適正化には努めてきているところでございますが、昨年、九千人のいわゆる失踪者という報告、確認されていることは非常にまだ、重く受け止めておりまして、引き続き適正化に、現行制度の中でも適正化を努めなきゃなりませんし、現在有識者会議で御検討されている新しい制度の中においても、人権擁護を始め、適切な見直しをしていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/85
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086・川合孝典
○川合孝典君 何もやっていないと言うつもりはないんですけれども、取組をいただいている内容が、現在日本にいらっしゃる技能実習生、該当される方々に対してはほとんど役に立っていないという実態もあるということなので、そういった実態を踏まえて御議論を進めていただきたいと思います。
時間の関係がありますのでこれで最後にしたいと思いますが、技能実習制度についてのどういう検証をしているのかということを聞かせていただいたところ、二〇一八年に実習が修了した二万人弱の方のアンケート調査を行った結果、九八・二%の方が技能実習で習得したスキルが役に立ったという、こういうすばらしい実は回答をされているわけであります。そんなにすばらしい制度だったら失踪者が出るわけないのになと思いつつ、ベトナムで書かれているこの日本の技能実習制度に係る論文、文献を読ませていただいたところ、向こう側からこの問題を見ると、まるっきり違うことを言っています。
したがって、要は、円満に技能実習期間を終了して要は母国にお帰りになる方にアンケート調査をすればいい結果が出るに決まっておるわけでありまして、問題は、そうではない、こぼれ落ちてしまっている方々がどう思っていらっしゃるのか、そういう方々を出さないようにするためにどうすべきなのかということを、このことを議論しなければいけないんじゃないのかなと思っています。
今日はもう時間が参りましたのでこれで終わりにしたいと思いますけれども、出入国の、いわゆる出入国在留管理という意味では、出国の方のことについてはこの間、通常国会の議論で多少整理が進んだということでありますが、この入国というところと、入りと出がセットできちんと整理されないと適正な出入国在留管理にならないと思っていますので、今後とも、このことの議論は深めさせていただきたいと思います。
済みません、長くなりましたが、以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/86
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087・仁比聡平
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
法案に関連して、今日は、今法制審で議論されているいわゆる離婚後共同親権問題について、現行民法の子は親権に服するという条文をそのままにしたままでよいのかという点についてお尋ねしたいと思います。
法制審の諮問前に行われた家族法研究会の令和三年二月の報告書においては、親権の用語については、親の子に対する責任を強調する用語に置き換えることとし、親の責務、責任などの用語を候補としつつ、更に検討を進めてはどうかとされています。
民事局長、これはなぜだったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/87
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088・竹内努
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
家族法研究会では、親権という用語が表現しようとしている概念の本質が親が子について果たすべき務めであるという認識の下で、親の子に対する責任を強調する趣旨で親権という用語を別の用語に置き換えることについて引き続き検討を進めてはどうかという提案がされたものと承知をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/88
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089・仁比聡平
○仁比聡平君 この親権という今の現行民法の用語についての歴史的な経過を私たちしっかり捉える必要があると思うんですよね。
お手元の資料の一枚目にありますように、旧民法、明治民法八百七十七条は、子はその家にある父の親権に服すと規定をしておりました。これは、親権を父の子に対する身分的支配権、父権などとも言われますけれども、家制度の下でそうした性格を色濃く持っていたのではないかと思いますが、局長、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/89
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090・竹内努
○政府参考人(竹内努君) 御指摘の明治民法の規定でございますが、原則として子はその家にある父の親権に服する旨を定めるものでありまして、父権主義的な規定であったと指摘をされております。
現行民法は、このような明治民法の父権的、支配権的な考え方を改めて、親権制度を個人の尊厳に立脚した、未成熟な子の保護のための制度に改めたものであると一般的に説明されているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/90
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091・仁比聡平
○仁比聡平君 そのように説明されているんですけれども、戦後民法は、親権という用語、そして子は親権に服するという条文構造を明治民法のまま引き継いでいます。お手元の資料のとおりなんですね。
そのことは、親権をなお親の子に対する支配権であるかのように捉える社会の中の観念につながっているのではないかと思いますが、法務省、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/91
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092・竹内努
○政府参考人(竹内努君) 現行民法の親権でございますが、親の権利のみではなく義務としての性質も有しておりまして、その権利義務は子の利益のために行使されるべきものであると考えられているところでございます。もっとも、成年に達しない子は父母の親権に服するという現行民法の条文につきましては、親権が専ら親の権利であるかのように誤解されるおそれもあるとの指摘もございます。
委員御指摘のとおり、御指摘の点も含めまして、親子関係に関する基本的な規律の整理につきましては、現在、法制審議会家族法制部会において議論がされているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/92
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093・仁比聡平
○仁比聡平君 つまり、憲法十三条、二十四条の下で行われたはずなんだけれども、戦後の民法改正というのはこの点において不十分だったと思います。
今、民事局長の御答弁にあった子の利益のためにという概念が条文化されたのは二〇一一年の改正だと思うんですよね。極めて近年のことなわけです。各国では、一九七〇年代から、国際人権規約や女性差別撤廃条約あるいは子どもの権利条約などに基づいて、子供の権利を中心に捉えて親子関係の規律を捉え直すという改正が広がりました。日本の親権概念、用語というのは、これは世界に遅れたものなのであって、この見直しこそが私は抜本改正の要だと思うんです。
この点で、法制審議会家族法制部会の十月末に出された家族法制の見直しに関する要綱案の取りまとめに向けたたたき台(2)では、親子関係の基本的規律や法的性質をどのように定めようとするかということはまだ示されていないんですね。
そこで、大臣にお尋ねしたいと思うんですけれども、親権という用語や概念の見直しが定まらないままその共同とか共同行使とかいうことを議論することが混乱を広げているのではないか、あるいはそうした議論をすることは混乱を広げてしまうのではないかと思いますが、大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/93
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094・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 御指摘のとおり、現在の民法が明治民法の構造を引きずっていると、そして概念的にもその父権による支配という、そういうものを引きずっているんではないかと、それ、大切な論点だと思います。一方で、世界は親子の関係の中で子供の利益を中心に組み立てていこうということがもう普遍化しつつあるわけでありますので、まさにそこは非常に重要な論点であります。
この、今、家族法制部会のたたき台の中には明確な文章としてそれは示されていないのは御指摘のとおりですけど、まさにそこに様々な議論が今起こっているわけでありまして、親権という言葉、あるいは子供の利益を中心に考えること、あるいは親権者じゃなくても親の責務があるという議論もあります。そういう様々な議論、様々な概念、様々な用語を今議論の中で整理をしていくという段階に今入っていこうとしているところでありますので、今日の御議論もしっかり受け止めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/94
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095・仁比聡平
○仁比聡平君 混乱が起こらないように基本の概念をしっかり定めるというのは大切なことなんですよね。
実際、各国では、共同親権と呼ばれてきたものの見直しが起こっています。先月十九日、オーストラリアで家族法改正が可決をされ、十一月六日に成立をいたしました。お手元に国会図書館の資料をお配りしておりますけれども、ここでは、父母の平等な共同親責任の推定という規定が廃止をされました。その理由について、国会図書館の資料にあるように、法廷の内外で行われる子の養育に関する決定において、子供の最善の利益が中心にあることを保障し、関連制度の利用を促進させるためだというふうにオーストラリア法務省は説明しているということなんですよね。
民事局長、今の法制審部会でこの調査審議というのは行われたでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/95
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096・竹内努
○政府参考人(竹内努君) 委員御指摘のとおり、最近、オーストラリアの連邦家族法改正案が上院、下院を通過したという情報には接しておりましたが、詳細な内容についてはまだ把握をしておりません。
したがいまして、現時点で法制審議会家族法制部会においてこの改正案について調査審議はされておりませんが、必要な情報収集に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/96
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097・仁比聡平
○仁比聡平君 そうした各国の動向も含めて、しっかりそこをついた議論といいますか、基本概念を曖昧にしたまま進むということはこれはできないと思いますので、調査審議が行われることを私も強く期待したいと思います。
そこで、私が、混乱しているんじゃないかという議論の一つをちょっと紹介しますと、離婚後、共同親権がないから面会交流ができないといった趣旨の議論があります。いや、本当にそうかと、面会交流は果たして親権の効果なのかと。民事局長、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/97
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098・竹内努
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
別居親が離婚等に伴って離れて暮らすこととなった子と交流することは親権の効果そのものではなく、別居親の親権の有無の問題と親子交流の頻度や方法をどのように定めるかといった問題は、別な問題だと考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/98
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099・仁比聡平
○仁比聡平君 実際、非親権者が自分の子供に面会交流をしたいという、それが面会交流の多くの場合で、実際、家庭裁判所での調停、審判などが行われているケースなわけですね。
そもそも面会交流の法的性質について、二〇二一年の三月二十二日の当委員会で法務省は、誰の誰に対する権利又は義務として整理するかなどについて更に検討を進めることが提案されているというふうに答弁をされておりますが、今日、時間がたちましたけど、面会交流が誰の誰に対する権利義務なのかということは定まったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/99
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100・竹内努
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
一般的に親子交流の法的性質につきましては、それを権利義務として構成するかどうかなどをめぐって様々な見解があるものと承知をしております。
法制審議会家族法制部会におきましては、親子交流が子の利益のために行われるものであるという認識の下で、様々な角度から親子交流に関する規律の整備について調査審議が進められておりますが、その法的性質や権利性の有無について、特定の立場を前提とする議論が行われているわけではございません。
引き続き、法制審議会において充実した審議が行われるよう努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/100
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101・仁比聡平
○仁比聡平君 つまり、親権という権利概念あるいは権利義務概念とその面会交流の実施というのは、これは別の問題なわけですよね。特に、別居親の監護親に対する権利として何だか強く捉えてしまうと、典型的にはDVのケースなどにもなりますけれども、子の利益や監護親の権利侵害に至りかねないという矛盾をはらんでしまうことになるわけです。そうした複雑で繊細な、また多くの場合、高葛藤の家族のための面会交流調停について、あるいは面会交流を含む調停について、先ほど伊藤議員からも随分、実態の御議論がありました。
資料配っておりますけれども、この間、家庭裁判所あるいは調査官などの取組の中で、子の利益を最優先に、ニュートラルフラットな立場から運営するという、そうした取組が行われていますが、これは、最高裁、どんな意味なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/101
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102・馬渡直史
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) お答えいたします。
御指摘のニュートラルフラットな立場での審理運営とはどのような意味であるかについて説明いたしますと、まず、先入観を持つことなく、同居親及び別居親のいずれの側にも偏ることなく、ひたすら子の利益を最優先に考慮するという立場から調停運営に当たることを明らかにしたということになります。
すなわち、このような立場に立って、例えば同居親が安全、安心な交流の実施に不安を抱くような事情があるのであれば、それを丁寧に聴取、把握する、あるいは、別居親が抱く子と会えないことによるつらい気持ちに理解を示し、別居親側の事情も丁寧に聴取、把握するといったように、同居親、別居親の双方から丁寧に事情を聴取しながら、子の利益を最優先にして調整を図るといった調停運営を意味するものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/102
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103・仁比聡平
○仁比聡平君 お手元資料の六枚目、「ケース研究」三百四十一号という雑誌の百四ページのところに、なぜニュートラルフラットという言葉を使うのかと。それは、当初から面会交流ありきという先入観を持って調停運営に当たっている、家裁は別居親側であり、同居親を不利に扱っているという批判があり、今後そのような批判を受けるようなことがあっては絶対になりませんというふうに記載されているように、公平に取組を進めるんだということなんだと思うんですよね。
ちょっと時間の関係で、先に養育費の問題について、こども家庭庁においでいただいています。
今年の四月、養育費の受領率を二〇三一年に四〇%とするという達成目標を定められました。その意義と、そのために、実現のためにどんな方策を取っていくのか。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/103
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104・野村知司
○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。
御指摘の養育費の履行確保でございますけれども、これは離婚後の子供を支えていくという観点からも重要な課題というふうに認識をしておりまして、そうした観点も踏まえて、まずは二〇三一年に、子の養育費の取決めの有無にかかわらず、受領している世帯を四〇%とするという目標を掲げさせていただいたところでございます。
この履行確保につきましては、現在、法制審議会家族法制部会においても御議論が深められているところではあると承知しておりますけれども、こども家庭庁としてもできることには取り組んでいきたいということでやっておりますのが、代表例ということで申し上げますと、離婚前後親支援モデル事業というものがございまして、この中では、養育費確保に関する弁護士などによる相談の支援でございますとか、公正証書の作成支援などの養育費の履行確保に資する取組を行う自治体への支援を行っております。
こうした事業の展開を図っていくことを通じまして、子の養育費の受領率を高めていくこと、こういったことに資すればと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/104
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105・仁比聡平
○仁比聡平君 こうした取組を更に広げる必要が私もあると思います。加えて、スウェーデンやドイツ、フランスなどで行われている国による養育費の立替払制度や養育費の取立て援助制度などを我が国でも一日も早く実現するというこの検討の場を、大臣、つくるべきだと思いますよ。これらは現行法の下で十分やれるし、早急にやるべきことなのであって、離婚後共同親権の導入を拙速に進めるのではなくしっかり議論するということと、その中で親権概念そのものを見直すという改正が要だと改めて申し上げたいと思います。
時間なくなりましたけれども、地家裁の本庁五十、あるいは支部二百三というふうに日本中にあるんですけれども、お手元に資料をお配りしたように、ここで家事事件を担当している判事、特例判事補、未特例判事補というのは計七百三十二人しかいません。だから先ほど伊藤議員が詳しく指摘をされたような実態になってしまうわけで、家裁調査官、書記官、事務官とともに抜本的な増員が必要だということを強く求めて、総務局長の御答弁いただく時間ありませんけれども、是非頑張ってくださいと申し上げたいと思います。
終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/105
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106・鈴木宗男
○鈴木宗男君 副大臣、大臣政務官、私は質問ありませんから、もし用事があればどうぞ退席してもらっても結構でありますから、この点、委員長、どうぞ計っていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/106
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107・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 本委員会では、政務官、副大臣につきましては常時出席ということで協議がなされておりますので、お手洗い等であれば外していただいても結構でございますけれども、そのように御協力をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/107
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108・鈴木宗男
○鈴木宗男君 じゃ、副大臣、大臣政務官、十五分お付き合いください。
せっかく座っているんですから、大臣同様に、俺ならばこう答弁する、こういう頭の体操をしてください。必ず、十年後、二十年後、生きてきますから。これは委員の先生方もそうです。二時間、三時間、座っているのは退屈だと思わないで、俺が大臣ならこう答弁しようと、こうすると、必ず将来私は生きてくるものだと、それがまた政治家として長続きするもとになると思いますので、ちょっと年取った者として進言だけしておきたいなと思います。
小泉大臣、今議題となっているこの法案は、人事院勧告に基づくものでありますから、各省庁また横並びでありますから、私は何も反対するものではありませんから、賛成ですから、質問することはありません。
ただ一点、入管庁始め、あるいは刑務官等、刑事施設等、現業にいる人たちのやっぱり処遇だとかあるいは待遇、これが大事だと思うんですよ。これもまた予算に関わることでありますから、ここはしっかり、大臣、レールを引いていただきたい。特に、この定員なんというのは極めて大事であります、現業にはマンパワーが必要なんですから。
そういった意味で、改めて大臣の決意と将来展望についての答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/108
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109・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 法務省は、五万五千人余りの大きな職員、大勢の職員を抱える、まさに人が支える官庁であります。七百から八百近い施設もございます。そういう物理的な仕組みを持った官庁でもあります。
そこには当然、日々頑張る職員がいるわけでありますから、その十分な体制を整えることと併せて、職員、現場職員の士気をしっかり維持していけるような待遇、ワーク・ライフ・バランスも含めて、宿舎の改良みたいなものも含めて、万般にわたって目くばせしながら、財務省からできる限り予算を取りたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/109
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110・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣の気合の入った答弁で満足しますけど、大臣、取りたいんじゃなくて、取りますが正確な言い方ではないでしょうか。確認します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/110
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111・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) はい、分かりました。先生方、また御支援ください。頑張って取ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/111
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112・鈴木宗男
○鈴木宗男君 この気合が私は仕事では大事だと思いますから、前の齋藤大臣も熱心でしたけれども、より以上に今、小泉大臣の姿勢というものを感じまして、私も感激しております。是非とも、今大臣お話しされたように、現業の皆さん方に誇りを与えることが大事でありますから、そういった意味での予算措置はしっかりお願いをしておきます。
そこで、大臣、袴田事件は御存じだと思いますが、やっと再審公判が始まりました。今度の二十日で三回目になります。静岡地裁、東京高裁を経て、これ再審までに九年掛かっております。九年前に袴田さんは釈放までされました。
これ、大臣として、九年も時間を掛かっているということは長いと思いますか、あるいは当然だと思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/112
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113・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これ一般論として申し上げることになりますが、行政の長は、その所管する法律、制度を厳正に公平に執行する務めがあります。その立場から申し上げれば、その立場に立てば、まあ立つわけでありますけれども、法務大臣として、現在係属中の再審公判に影響を与えてはならない、発言することによって影響を与えてはならないと思うんですよね。厳正な法制度の執行が責務であります。私がコメントする、何かを話すことによってそれが妨げられることはあってはならないと思うんです。
ずっと考えましたけれども、お尋ねの再審公判、その時間の長さあるいは内容、そういったことについて、私は所感を述べることを控えなければならないというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/113
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114・鈴木宗男
○鈴木宗男君 小泉大臣、今の答弁は、まさに役人の書いた答弁なんですよ。齋藤さんもそう言ったんです。私が聞いているのは、九年も掛かったことが長いかどうかを聞いているんですよ。再審の中身について聞いているんじゃないんです。正しく受け止めてくださいよ。
小泉大臣、私は中身について触れませんよ。九年掛かっている、長くないかということを聞いているんですよ。端的に答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/114
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115・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これは法務省事務方が作った文章ではなくて、私が一晩考え抜いて作った考え、文章です。間違えがあってはいけないので読みましたけれども、中身は自分で確信を持って答弁したいと思って一晩考えて、これで御理解、いや、これだ、これだろう、私の立場はこれだろうというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/115
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116・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、大臣は、鈴木はこういう質問をするんでないかという仮定の中での頭づくりしたと思うんですよ。それは間違いないですね、私は細かいこと言っていないわけなんですから。
ならば、いいですか、ならば、私が聞いているのが、短いか、長くなかったかということを聞いているんですよ。九年も掛ける話かということを率直に大臣としてどう認識しているかということを聞いているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/116
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117・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これ、袴田事件に限らず、法務大臣として個別の案件について所感を問われることが間々あります。で、必ず、それは個別の問題なのでお答えを差し控えますという従来の答弁になっているんですが、それ突き詰めていくと、何でそうなるんだろうとこれ突き詰めていきますと、法務大臣は、やはりその制度、法制を厳正に公平に執行していくというのが第一義のその責務であります。
したがって、コメントを述べることによってそれが妨げられるようなことがあってはならないという職責だと私は思っているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/117
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118・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、それは検察官のことを、立場を考えての今の答弁ですか。私は、検察官は大臣の指揮命令下にあると思いますよ、組織上。間違いないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/118
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119・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) それは、国民全体のことを頭に置いての考え方でございます。この国の法律ないし制度を適正に公平に執行するのが法務大臣の責務です。それは全国民に対する責務であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/119
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120・鈴木宗男
○鈴木宗男君 大臣、時間の無駄で、もうなくなっちゃうけれども、私は、法務大臣としての指揮命令系統、組織としての、長としての判断として、法務大臣の権限下に検察はありますねということを聞いているんですよ。国民云々だとかそういった抽象的な話じゃないんですよ。組織のルールとして、私が言っているのが間違っているならば間違っていますと言えばいい話なんです。組織のルールとして検察は法務大臣の指揮命令下にあるんですよ。だから指揮権、かつても発動があったじゃないですか。
何でそれを正直にストレートに答えないんです。小泉大臣らしくないですよ。私はせっかくあなたを持ち上げているんですから、なって以来ずっと。何でそれを正直に答えないんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/120
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121・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) 検察という組織が法務行政の中にあり、私は法務行政の責任者、もうそれは事実で……(発言する者あり)あっ、それをお聞きいただいているんですか。済みません。それじゃ、答えが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/121
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122・鈴木宗男
○鈴木宗男君 小泉大臣らしくない答弁してはいけません。いいですか、あなたがよく国民という言葉使うけれども、ならば、国民目線に立った答弁した方がいいんですよ。
そこで、大臣、どう考えても、袴田事件が時間が掛かった。何が問題かといえば、やっぱり検察の抗告の壁なんですよ。三権分立で、静岡地裁が九年前に再審決定して、袴田さんを釈放までしているんですよ。ところが、抗告して高裁に行った。高裁からまた最高裁まで行って差戻しになって、そしてもう一回、高裁で再審決定ですよ。
もし、大臣、抗告の壁があるということがやっぱり一番のネックになっているんですよ、いわゆる冤罪をつくる。だから、この検察の抗告が、今議論はされているけれども、これ時間掛かり過ぎていませんか、協議会での。四年もやって、七年もやってきても結論出さぬというのは、私はちょっと時間の掛け過ぎだと思いますけれども、この点、大臣、どう思います。あの刑事手続に関する協議会、この改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会、このことを私は言っているんですけど。
ここは、小泉大臣、小泉大臣在任中にきちっと新しいルール作りますということを言うのが私は小泉大臣の責務だと、こう思っているんです。これ、本来、どの法案にしても、五年も六年も掛けるだとかやっていませんよ。先ほど親子交流の話も出ましたけれども、相当ピッチ速くこの協議会ではやって、法務省の方でやっていますよ、法制審で。これだけが何で時間が掛かるか。これも私は、あしき慣例というか、一部検察の主張がまかり通っていて時間が掛かっていると思うんですよ。
どうか、大臣、私が大臣の間にこの結論は出すという姿勢で取り組むんだという決意を示していただきたいと思いますが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/122
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123・小泉龍司
○国務大臣(小泉龍司君) これ、今御指摘ありましたように、再審請求審における証拠開示についてずっと御質問がありましたのでちょっと証拠開示の話になりますけれども、令和四年からこの在り方協議会が開催されまして、様々な論点をやってきて、そして証拠開示のところまではたどり着いて、また二巡目に入っていくという形です。
令和四年の七月から毎月のように開催されていますので、その前にありました刑事手続に関する協議会、これ今止まっているんですよね。まだ明確なそういう行政決定しているわけではありませんけど、事実上こちらに吸収されるような形で範囲を広げ、非公表を公表にして、参加者も増やして進めています。この中に様々な論点がしっかりと掲げられておりますので、これがこれから何年も掛かるということはそれはあり得ないですよ。あってはならないし、それはあってはなりません。
ただ、私の任期中にという、そこもちょっとまだ今ははっきり申し上げられないんです、会議体でありますから、事務局が仕切っているわけではありませんので。しかし、とにかくスピード感を持って早く結論にたどり着けるように努力をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/123
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124・鈴木宗男
○鈴木宗男君 今、大臣、今いみじくも言った止まっている協議会、これなんかは、たしか平成二十九年からスタートしているはずですよね。平成二十九年から何年たっています。どうか大臣、ここら辺も私は検察のあしき上から目線の時間稼ぎが往々にしてあると思っているんです。ここも是非とも頭に入れていただきたい。
改めて、あと、大臣、十月三十日放送されましたNHKの「クローズアップ現代」という番組ありますから、是非とも、三十分で、この袴田事件がなぜ時間が掛かったか、生の録音テープも出ていますから、どういう取調べであったか。もういいかげんな、強圧的な取調べですよ。トイレに行きたい、小便に行きたいと言っても、ここですれ、バケツ持ってきてここでせい、そういう取調べなんです。だから、逆に、自白を強要されて、自白したら言葉変わって優しくなったという、だからどうしてもそっちの方向に引きずられてしまったということがテレビで録音テープも出ていますから、是非とも一回しっかり見て、また次回に私、法務委員会でこの続きはやりたいと思いますので、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/124
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125・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
これより両案について討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/125
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126・清水貴之
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。
裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の二案について、反対の立場から討論を行います。
目下、喫緊の課題として全国的な賃上げの実現が強く求められているところであり、我が党も、国民、労働者の賃上げを進めていくことには賛成の立場です。
こうした賃上げのムーブメントの中で、公務員のベースも民間連動させていこうという発想そのものは理解できます。しかし、問題なのは、その根拠となっている人事院勧告自体の計算方法です。計算方式です、人事院が調査対象としている民間企業は事業規模五十人以上という大きな企業だけであり、中小零細企業に雇用されている人や、非正規、パート、アルバイト、フリーランスの方々の給与水準は考慮されていません。競争力があり、不況の中でも収益を確保できる大きな企業だけを比較対象とした結果、人事院勧告は多くの国民の生活実態と懸け離れたものになっています。
賃上げは重要ですが、そのような調査の下、公務員の給与を上げたとしても、中小・小規模企業はそれに倣って従業員の給料を引き上げられるわけではありません。
また、一般の公務員の給与の引上げに連動して、総理大臣を始めとした閣僚の給与、また我々国会議員の期末手当までもが引き上げられようとしていますが、物価高で厳しい生活を強いられている世間の感覚とはずれたものであると考えます。
裁判官、検察官の皆さんは、人権と正義を貫く、法治国家である我が国にとってかけがえのない人材であり、その職務における日々の奮闘には頭が下がる思いですが、裁判官、検察官の報酬、俸給においても、国民の理解の下に公正公平を貫くことが法治国家の本来の在り方であることを申し添えて、私の反対討論といたします。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/126
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127・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 他に御意見もないようですから、両案に対する討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
まず、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/127
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128・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/128
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129・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/129
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130・佐々木さやか
○委員長(佐々木さやか君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121215206X00420231116/130
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