1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年五月三十日(金曜日)
午後二時十分開議
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出席委員
委員長 佐藤 重遠君
理事 小山 長規君 理事 佐久間 徹君
理事 内藤 友明君 理事 松尾トシ子君
淺香 忠雄君 島村 一郎君
清水 逸平君 高間 松吉君
宮幡 靖君 武藤 嘉一君
深澤 義守君 久保田鶴松君
出席政府委員
大蔵事務官
(理財局長) 石田 正君
委員外の出席者
大蔵事務官
(理財局管理課
長) 横山 正臣君
専 門 員 椎木 文也君
専 門 員 黒田 久太君
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五月二十九日
当面の金融対策に関する陳情書
(第二〇四三号)
石炭手当に対する所得税を非課税とすることに
関する陳情書
(第二〇四四号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
製塩施設法案(内閣提出第一七六号)
国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に
伴う措置に関する法律案(内閣提出第一九〇
号)
緊要物資輸入基金特別会計法の一部を改正する
法律案(内閣提出第一九八号)
外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律
案(内閣提出第二〇三号)
接收貴金属等の数量等の報告に関する法律案(
内閣提出第二三一号)
貴金属管理法の一部を改正する法律案(内閣提
出第一二九号)(参議院送付)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/0
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001・佐藤重遠
○佐藤委員長 それではこれより会議を開きます。
貴金属管理法の一部を改正する法律案、製塩施設法案、緊要物資輸入基金特別会計法の一部を改正する法律案、外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案、及び接收貴金属等の数量等の報告に関する法律案の五法案を一括議題といたしまして、前会に引続き質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。深澤君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/1
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002・深澤義守
○深澤委員 国際通貨基金の問題についてお伺いしたいのであります。この問題については昨日質疑が打切りになつているのでありますが、実は本日の読売新聞に、国際通貨基金に関連いたしまして、われわれの了解に苦しむ問題が出て来ましたので、これは例外として質問を許していただきたいと思うわけであります。
今までの政府の説明によりますと、国際通貨基金への割当金は二億五千万ドルであることを前提として、法案の作成も行われ、さらに数回の質問応答の上におきましても、二億五千万ドルであるということになつておつたのでありますが、本日の新聞によりますと、これが二億二千五百万ドルに切下げられたというぐあいに報道されておるのであります。そうなつて参りますと、出資の限度額が当然引下げられなければならないという結果になるのでございまして、法案の九百億という問題も、当然これは修正されることになると思うのであります。その点は一体いずれが真実なりや、そのいきさつをお伺いしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/2
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003・佐藤重遠
○佐藤委員長 ちよつと委員諸君にお諮りいたしますが、ただいまの深澤委員の御質疑は、すでに質疑打切りとなつております法案についてでありまするので、これを先例としないで、補足的な質疑として特に許可いたしたいと存じますが、この点御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/3
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004・佐藤重遠
○佐藤委員長 御異議がなければ、さようとりはからいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/4
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005・石田正
○石田政府委員 きようの読売新聞に、国際通貨基金の日本に対する割当は、二億二千五百万ドルという報道がありましたことは、私たちも見ております。しかしながら、従来の経緯にかんがみまして、その報道の真実性につきましては、相当疑問があるのではないかとわれわれは考えておる次第でございます。なおこれと同時に入りましたところのAP及びUPの電報におきましては、二億五千万ドルという数字がちやんとうたつてあるのでありまして、私たちは今の段階におきまして、読売新聞の記事を正確なものとして考えるということは、むしろ実態に即しないのではないかというふうに考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/5
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006・深澤義守
○深澤委員 どうも新聞はいろいろなとりざたはいたすのでございますが、正式に日本政府として通告を受けているのが、二千五百万ドルにきまつたという正式な通告を受けているのかどうかという問題であります。これも新聞でありますが、新聞では舟山次官は、正式な通告は受けていないが、従来の折衝経過から見て、二億二千五百万ドルに決定する形勢は強い、こういうふうに新聞では言つておるのであります。どうもわれわれはまだ正式に通告を受けていないように思うので、新聞がそういうとりざたをするということになりますと、二億五千万ドルというのがほんとうなのか、二億二千五百万ドルというのがほんとうなのかという疑問が出て来るのであります。政府としては、正式に通告を受けたのが二億五千万ドル、こう言われるのか、あるいはまた今までのいきさつで大体そう想像されているのか、これは確定しているのかいないのかという点がはなはだ疑問でありますから、その点をひとつ聞いておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/6
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007・石田正
○石田政府委員 国際通貨基金への日本の加入につきましては、特別の委員会ができましていろいろ検討いたしまして、その結果二億五千万ドルということに、その委員会といたしましては決定をいたしまして、そうして日本側の意向はどうかということを聞いて参つたわけであります。日本側としては、それに対して異存がないということをすでに申し入れてあるわけでございます。そうしてその委員会は、さらに理事会にかけまして、理事会の決定を得て、そうして総会にかけるべき手続でございますが、総会は現在開いておりませんので、いわゆる持ちまわりと申しますか、そういう意味合いにおきまして、総会を構成する各国に対しまして、その表決を求めておるということになつておるわけであります。その表決は、われわれの知つている限りにおきましては、イエスであるか、ノーであるかということであるのでございまして、二億五千万ドルというのは、正式にわれわれが取扱うべき数字であり、それからまた表決の方法がイエスかノーかであるということでありますならば、二億二千五百万ドルという数字は信憑するに足りないと、一応われわれは考えておる次第でございます。なおただいま外務省よりの連絡によりますれば、二億五千万ドルということで来ておるということでございますので、新聞は誤報であるということは間違いないと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/7
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008・深澤義守
○深澤委員 わかりました。もう一つ関連いたしましてお伺いいたしますが、そういたしますと、非公式の投票で承認をされたのだということが、今度は正式に外務省に入つた報告によりまして、二十八日までに持ちまわつて、各国の日本の加入承認ということが明らかになつて、その公式電報が外務省に入つたということですか。つまり加入も決定したし、その割当額も二億五千万ドルと決定した、こういう正式な入電があつたわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/8
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009・石田正
○石田政府委員 二億五千万ドルで日本が入ることについては、各国とも、総会といたしまして異存がないということが確定いたした、こういう公電でございます。ただ加入いたすにつきましては、先ほど申し上げましたように、日本側といたしましては法案を通しまた法案に基きましていろいろな措置をいたさなければ加盟できない、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/9
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010・宮幡靖
○宮幡委員 関連して。今深澤委員の御質問の点でありますが、政府当局の御答弁で、そのいきさつはわかつたわけであります。しかしながら深澤委員も指摘されておりますように、新聞であるから何でも書くであろうということで、簡単に片づけられないのが、舟山次官談であります。将来に災いを残さないように、この記事の掲載のあつた読売新聞を大蔵省から説得せられまして、この点をお取消しを願いたいと思います。そうでないと、ただいまの政府の御答弁との間に矛盾ができまして、はなはだおもしろくないと思います。すでに質疑は打切られておるのでありまして、法案自体についての疑義はおおむね明瞭になつております。ただ加入の問題は、協定を見ましても、あと入りますときにはなかなかやつかいな手続があります。まだ正常外交が特定多数国と回復したのみの日本といたしましては、諸般の行き違いがあるでありましよう。これはやむを得ない過渡的な事実だと私どもは了承したいのであります。従いましてかんじんの大蔵当局が石田理財局長の説明と違うような言明があつたということは、将来に残してもよくないのでありまして、これだけは明確に取消しを願いたい。もし取消さないというようなことになりますと、やはり参議院等へ移りました場合に、また議論も出て参つて、せつかくこのむずかしい法律案及び協定等につきまして、綿密に検討いたして、わかるだけの疑義を解明して参りましたときに、さような始末になることは、はなはだ好ましくないと思います。この点答弁はいりませんが、大蔵省の当然の措置として御配慮をいただきたい。これだけ申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/10
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011・佐久間徹
○佐久間委員 ただいま議題となつております五法案のうち、製塩施設法案につきましては大体質疑も尽されたと思われますので、この際質疑を打切り、討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/11
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012・佐藤重遠
○佐藤委員長 ただいまの佐久間君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/12
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013・佐藤重遠
○佐藤委員長 御異議ないようですから、本案につきましては、以上をもつて質疑を打切り、討論を省略して、これより採決に入ります。
製塩施設法案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/13
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014・佐藤重遠
○佐藤委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
次に国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案を議題として、討論に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/14
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015・佐久間徹
○佐久間委員 ただいま議題となりました国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案につきましては、討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/15
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016・佐藤重遠
○佐藤委員長 ただいまの佐久間君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/16
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017・佐藤重遠
○佐藤委員長 御異議ないようですかつら、本案につきましては討論を省略して、ただちに採決に入ります。
本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/17
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018・佐藤重遠
○佐藤委員長 起立多数。よつて本案は原案通り可決いたしました。
なおただいま採決いたしました両案の委員会報告書の件につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
次会は明三十一日午前十時より開会することとして、本日はこれにて散会いたします。
午後二時二十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304629X08019520530/18
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