1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年四月十八日(金曜日)
午前十時五十一分開会
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出席者は左の通り。
委員長 平沼彌太郎君
理事
大矢半次郎君
委員
岡崎 真一君
溝淵 春次君
小宮山常吉君
小林 政夫君
野溝 勝君
下條 恭兵君
波多野 鼎君
菊田 七平君
油井賢太郎君
木村禧八郎君
委員外議員
厚生委員長 梅津 錦一君
衆議院議員
佐久間 徹君
政府委員
大蔵省主計局長 河野 一之君
大蔵省銀行局長 河野 通一君
大蔵省銀行局総
務課長 福田 久男君
大蔵省銀行局銀
行課長 大月 高君
事務局側
常任委員会專門
員 木村常次郎君
説明員
大蔵事務官
(大蔵省銀行局
特殊金融課勤
務) 青山 保光君
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本日の会議に付した事件
○連合委員会開会の件
○当せん金附証票法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
○信用金庫法の一部を改正する法律案
(衆議院提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/0
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001・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) それでは第四十二回の大蔵委員会を開催いたします。
その前にちよつとお諮りいたします。国立病院について、国立病院特別会計所属の資産の讓渡等に関する特別措置法案について厚生委員会に連合委員会の開会を申入れることに決定して御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/1
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002・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたします。
それからいま一つ電源開発促進法案について経済安定委員会に連合委員会の開会を申入れることに決定して御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/2
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003・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/3
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004・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) では次に当せん金附証票法の一部を改正する法律案について質疑を始めます。これにつきましては厚生委員長より発言を求められております。これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/4
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005・梅津錦一
○委員外議員(梅津錦一君) 発言の機会を頂きまして非常に有難く思います。当せん金附証票法の一部を改正する法律案につきましては、厚生委員会の所管事項として社会福祉の問題から関連がございますので、二、三政府の所信のほどを質したいと、こう思うわけであります。
第三條の「政府は、社会福祉の増進のために要する費用の財源に充てるため必要があると認めるときは、毎会計年度、三十五億円の金額の範囲内において、この法律の定めるところに従い、当せん金附証票を発売することができる。」とこの第三條になつておるのでありますが、この三條において、いわゆる宝くじ発売の目的として、社会福祉の増進のために要する費用の財源に充てるためという性格が出ておりますが、政府は証票発売益金をどんなふうな費目に充当してお使いになるのか、先ず第一点としてそれをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/5
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006・河野通一
○政府委員(河野通一君) お答え申上げます。宝くじの発売目的を社会福祉の増進に限定いたしましたのでありますが、この趣旨は、従来の宝くじはこれによつて集りました資金は、財政一般の需要に充てるという建前になつておつて、非常に広汎なことになつておつたわけです。今後宝くじ制度を漸次縮小いたして参りまして、この制度を自粛いたし、この発行についてもだんだん自粛いたして行くというような趣旨をも現わす意味におきまして、今般社会福祉の増進のための財源に充てるというふうに限定をいたしたのであります。この意味は、社会福祉を宝くじの使途として取上げました理由といたしましては、この宝くじの購入者は、或る程度寄附をするというような気持も加味されておるように考えられます。その対象といたしましては、メキシコ等の外国の事例等も、社会福祉事業に充てるというふうになつております。それらの点も考えまして、社会福祉の事業の増進に充てるというふうに限るということにやるのが適当であろうと考えたのであります。現在二十七年度の予算といたしましては、一般会計において社会福祉関係の表出は数百億円に上つておると思うのであります。主計局長もおられますので、詳しくはお聞き取り願いたいと思いますが、そのうちで二十七年度分といたしましては約八億円を宝くじの收入金によつてこれを賄つて行くというふうにいたしたのであります。で具体的にこの八億円を以て紐をつけて、この事業のための資金というふうには特別紐がついてはおりませんが、数百億円のうち、八億だけはこの社会福祉事業に当せん金附証票法による収入によつて賄つて行く、こういうふうにいたしておるのであります。大体八億に見合うものとしていろいろ内部で操作もいたしたものもございますが、格別紐がついておるわけでもございません。その点は御了承を頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/6
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007・梅津錦一
○委員外議員(梅津錦一君) 銀行局長からの御説明で大体性格はわかりました。なおこの問題に関して厚生関係から見まする場合においては、大体こういうような当せん金附証票が社会福祉の増進という性格のために、そういう目的のためにまあ発売されて、その利益金が一般会計に繰入れられて、紐がついておらんと、こういう御答弁でございましたが、更に私は質問の第二点として、現在非常に厚生関係として困つておる問題は、生活保護の問題が本年度賄い切れない、なお兒童福祉等の費目の一部に大体割当てられると、こう考えられておる人が非常に多いと思うのです。これは御承知のように例の三十六億が、本会議において社会保障制度促進の決議のときに、厚生大臣も大蔵大臣も三十六億の予算は今年当然特別費目として考えると、こういうので、社会事業団体は勿論、ほかのこうした特殊団体は首を長くして待つておつたわけです。然るに今年度の予算を見ますと、どこにそれが潜つてしまつたか、およそ見当がつかない。そういようなことから今度の当せん金附の証票の利益金も、こういうようなために恐らく事業団体は当然廻されるものだと、こういうふうに考えておると思うのです。勿論この問題は一般会計でなくして、特別会計で今お話のように紐附だと、こういうにふうに考えておると思うのです。それがこの法案によりますと、一般会計の中に繰入れられて、その一般会計の財源の中から厚生予算が組まれて行くと、こういうことでありまするので、非常に疑惑を持たれやすい。若し将来も当せん金附の証票の利益金を、ひとり宝くじの発売だけでなくて、一般財源を賄うものだと、こういうふうに考えれば、所得税或いはその他のすべての収入についても一々その目的を明示するのが普通の建前になると思います。そういうような形を作るわけですから、こういうことは恐らく予算編成上これはできないと思う。こういうような形が従つて出ると思うのです。これが一般財源でなくして、特別会計に繰入れるならば、これは当然我々は異存はないはずです。こういうように特別会計の性格を持たせておきながら、それを一般会計の中に入れてしまうのは、当せん金附証票のいわゆるこの法案の恐らく性格に合わないものがあると、こういうふうなことで、言い換えれば目的を掲げて、そうしてその使途は一般会計の中に放り込んでしまうのだ、そういうようなことがはつきり国民の前に明示されておればこれは問題はありませんが、徒らに社会福祉の、美しい……という言葉をまあ使えば、美しそうな名前を掲げて、そうしてこれを国民の前に寄附という形で国民の協力を仰ぐ、こういうようなことになれば、誠にその将来に対して、社会福祉事業のためにも非常に疑惑を持たれるので、こういう点に対して大蔵当局としては、そういうことはない、将来もこういう問題はまあやつて行くと言えばやつて行つても、何ら社会福祉事業に対しての障害を起すものではない、支障を来たすものではないと、こう言われるのなら何をか言わんやでありますが、こういうような一般の性格、このような形で当せん金附の証票が売出される、こういうことに対しての御見解ですか、お見通し、勘どころを一つお聞きしたいと、こう思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/7
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008・河野通一
○政府委員(河野通一君) お答え申上げます。いわゆる宝くじの制度は前国会につきましてもいろいろ御批判を頂いておるのであります。だんだん経済界が正常化いたされますに応じまして、こういつた制度は成るべく早い機会に取りやめるほうがいいという御意見を頂いておるのであります。私どもも至極御尤もな御意見と考えております。従いましてこの制度はできるだけ早い機会にやめるなり或いは縮小するなりして参りたいと、こう考えておる次第であります。
お尋ねの点でありますが、そういつた私どもの気持も現わしたいと、例えば宝くじの収入金によつて政府の役人の給料を払つて行くといつたような形は実は非常におかしいのであります。こういつた特別の制度でありますから、これから集つて参りました収益金は、できるだけその金の性質に似つかわしいような使途に充てるということをはつきり法律の上に書くということが適当であろうというふうな考え方から、先ほど御説明申上げましたようなことにいたしたのであります。お話のように特別会計の制度によつて、目的税的に使途をはつきり紐をつけたような制度を作るということもいろいろ考えられたこともあるのでありますが、これは一般財政全体の建前から、財源との睨合せ等を考えまして……、先ほど申上げましたように、二十七年度の予算に組入れられて使われる、従つてこれが、語弊がございますが、別枠としてこれだけの収入金が更に特別の使途にプラスして使えるようにして行くということは、財政全体の立場から困難なような状況でございまして、従いまして今申上げましたようなことに相成つた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/8
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009・梅津錦一
○委員外議員(梅津錦一君) もう一つ続いてお尋ねしたいのですが、まあこれがそうした意味で、不満ではありましようが、将来は何とかする、こういうお答えのようですが、民間事業界でもう非常に問題になつている、いわゆる社会事業金庫というので、私立学校の団体が非常に大きくこの問題を取上げて、私立学校の復旧或いは振興のために特別融資に相当する制度をもう永い間運動を続けて今日まで来たのに、まだこういうような金庫法のようなものが制定されていないわけです。又去年社会福祉事業法を制定したときに、五十六條に、社会福祉法人の施設が災害によつて破損した場合は、その復旧資金として国庫から補助を出す、こういうような規定が設けてあるのですが、今年度予算の中には計上されていないわけです。まあ現下の民間社会事業の重要性はもう御存じだと思うのですが、こういうような條項が絶えず死文化されてしまう。幸い政府がそういうような御見解であるならば、この当せん金附宝くじから生れるところの益金をこのほうに廻すような工合に行かないものかどうか、そうして頂ければ非常に今後仕合せだと思うのですが、その点をお伺いしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/9
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010・河野一之
○政府委員(河野一之君) 現在一般会計におきまして社会福祉関係において支出いたしておりまする金額は非常に巨額に上るのでありまして、生活保護法だけでも二百五十億、失業その他を入れると五百億を超えることになつておるわけです。この当せん金附宝くじの財源でまだ別のものをというお考えも或いは御尤もかと思うのでありますが、社会事業について財政的な、これで以て直ちに金庫の出資に充てる……、これは金庫の性格及び今後どういうふうに運営するかという点もございますが、社会事業だけについてこの財源を以て金庫を作るというようなことについてはなお相当研究等を要するのではないかというふうに考えております。私どもとしましては、社会事業の今後の方向の問題でありますが、金庫を作つたが故に社会事業が非常に振興するというふうにも特段に考えられないとも思うものでありまして、そういつた問題、社会事業全体に対する金融の問題は、又別途金融の問題として考えるべき問題であり、財政支出は財政支出の、国民の税負担において考えるべきもの、こういつたものというふうに考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/10
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011・梅津錦一
○委員外議員(梅津錦一君) 只今のことは脈がなさそうですが、こういうふうな当せん金附の証票を、社会福祉増進のために要する費用ということで売出されると甚だ迷惑になるわけなのですが、これが一番問題なのは、私のところにも随分来ておりますが、若しこれが一般会計の中に人づて特別会計で出ないということであると、一般社会事業団体は勿論ですが、その社会的な疑惑が非常に多いわけですが、大体七億か八億の金が当然特別会計から来ておるわけで、お前のほうの社会事業団体としてはこの資金の割当が大体来ているだろう、悪く言えば、その費用を誤魔化しておるんだろう、これは必ず来ておる、社会事業団体の人が困つておるのはそれだと思うのです。そのために社会事業に協力していた人が、当然もう今年度七億なり八億なり特別な枠で来ておるんだから、その上の援助をしてやる必要はないんだ、今年は援助しなくてもいいだろう、随分苦いし中から相当、特にその団体に好意を寄せていた人が、まあこれは助かつたと、こういうわけで今年からは殆んどそういう寄附というような形で出さないと思うのです。御存じのように養老院とか孤児院とかを廻りますと、どこでも国で経営しておるところは僅かにいいのですけれども、そうでないところの法人でやつておるような形のこういうような仕事は、非常に苦しい立場にあるわけです。政府もこれでやつて行けないので、大方民間の協力を得ておるのです。その民間から協力を得ている、そういうような運営をしておる事業団体に対して、宝くじか売れなくなつたから、そのほうで協力しましようと、これは非常にいい売れ口で売れると思うのです。それが一般会計に入つてしまう。勿論買う人は寄附するつもりで買つておりますが、社会事業団体には殆んど行つておりません。これはちよろまかしておるのだろう、最高幹部が又やつておるのだろう、幹部のほうは来ていないと……それではどこへ廻つているのだろうと非常に混乱を起すと思うのです。そのために社会事業が今気息奄々として動いておる。このために私はつぶれてしまうと思うのです。これは行つて調査してみればよくわかるのですが、実際ひどい経営振りなんです。これも民間の協力を得ているのです。それでも非常に経営者に対する非難があるわけです。その矢先に当せん金附が出て、その費用がそつちへ廻つておる。それだからよかつたと言つておるが、まだぼろ着物を着せているじやないか、あんなに家がこわれているじやないか、我々は当せん金附を買つて而も協力しておるのに、それに家が直つていないじやないか、これは必ず来ます。あんなに協力しておるのにと……。養老院にしても孤兒院にしても、その他の浮浪兒をあずかつておるところにしても、これは非常に経営者も困難に陷つております。これは大蔵当局は考えておると思うのですが、こういう当せん金附くじを売り出す場合に、どうして困難を防禦できるか、その点が一番重要な問題だと思うのですが、これに対する一つ賢明な施策があるならばお教え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/11
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012・河野通一
○政府委員(河野通一君) この問題につきましてはたびたび申上げておることに盡きるわけであります。私どもは今お話の点は十分よくわかるのでありまして、ただ問題は、結局社会事業に対する国の歳出をできるだけ増加して行くことが望ましいことではないかと思うのであります。この宝くじから人つて参りまする収益が紐がつくとつかないとにかかわらず、社会福祉のための国の歳出、財政支出というものが、できるだけ財政の許す限り大きいことを望まれるということは、至極私どもも同感であります。併し今申しましたように、必ずしも宝くじ自体に特別会計的な、言葉は悪いのですけれども、紐をつけたような運営方法をとらなければどうしても工合が悪いというふうには私ども考えておらんのです。その点から申しましても、この宝くじから入つて参りました収益は一般財政の需要に充てるのじやないので、職員の給料だとか、或いは一般の事務経費に充てるのではなくして、やはりこれから収入されたものは社会福祉の事業のために充てるのだということをはつきり書いたほうが、むしろその收入金が何に使われておるかわからんというようなことを避ける意味におきましても、今委員長さんのお話のような趣旨に副うようにいたしましても、何かそこにはつきり用途と申しますか、使い途を法律の上にきめたほうがいいのではないか、そういつた意味で実はこの改正案もお願い申上げておる次第であります。むしろ今委員長さんのおつしやるような趣旨に、十分には副つておりませんけれども、法律の体裁としては副つて来ているのじやないか、私どもそういうつもりで実は法律を改正いたしたいと考えて御提案申上げておるのであります。実体的には社会福祉事業に対する歳出を殖やすことが望ましいということは至極御同感であります。この点は財政全体の問題としていろいろ都合もございましよう。そういつた関係で提出いたしました予算の内容となつておるものと私は承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/12
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013・梅津錦一
○委員外議員(梅津錦一君) 主計局長にお尋ねするわけですが、予算書を持つて来ておりませんのではつきり覚えておりませんが、社会福祉に要する費用は、大体去年度の予算に物価指数と睨み合せて大体その上昇分だけが殖えておつて、実体予算においては殖えていないと私は考えているのですが、如何でしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/13
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014・河野一之
○政府委員(河野一之君) 私はそれ以上に殖えていると思います。社会福祉の経費をどこにおとりになるか、これは皆さんの非常に見方によるのでありますが、生活保護費だけでも五十億足らずのものが殖えているわけなのであります。遺家族の援護のため二、三十億だけ、これだけは別途増である。失業保險関係につきましても、これは失業保險のほうの金は減つておりますが、失業者が減つておりますので、減つておりますが、失業対策事業というようなものは大体前年度と同額で、まあ物価の点を考えまして、今言つた実質が減つて、当然減るものというような点を噛み合せてみますると、私は実質的には殖えている。国民健康保險の赤字の処理の経費、これは別途増加しております。それから事務費の單価の増もやつております。私は殖えていると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/14
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015・梅津錦一
○委員外議員(梅津錦一君) 今主計局長からのお話だとそういうわけですが、予算を大体割当ててみると、そういつた社会福祉事業の面からも去年より楽だとお考えになりますか、その点をお伺いしたい、社会福祉事業の経営に対して……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/15
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016・河野一之
○政府委員(河野一之君) 経営者のほうからですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/16
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017・梅津錦一
○委員外議員(梅津錦一君) いやいや、本年度予算の賄いで去年よりもこの社会福祉団体の経営が楽になるとお考えになりますか、苦しくなるとお考えになりますか、その点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/17
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018・河野一之
○政府委員(河野一之君) これは経営者のほうでどういうようにお考えになるか知りませんが、我々としましては今年度の予算は、まあ財政の需要にもよるのでありますが、決して満足とは言えませんでありましようが、大体この程度で辛棒して頂くよりいたし方ないものだと考えております。我々としましても、前年に比較しまして相当な努力はいたしまして、民生費、いわゆる内政費についても前年度より相当殖えているというふうに御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/18
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019・梅津錦一
○委員外議員(梅津錦一君) 以上で大体わかりましたが、あとの一点は、こうした当せん金附の宝くじを売らなければ本年度の社会福祉に対する予算が間に合わないということであるかどうか、それが第一点。第二点は、甚だ申しにくい言葉ですけれども、社会福祉という名目を打つて、そうしてこの宝くじを売出せば、俗に言つて悪い言葉で羊頭を掲げて狗肉を売つて、その費用を一般会計に放り込んじまう、こういう譏りは免かれないと思う。ならばこれを社会車業のためという言葉はお使いにならないで、一般富くじなら我我は異存はございません。ですからこの社会福祉という名前を掲げてもらうということは、私は厚生委員長の立場として甚だ不本意でございますので、宝くじというのは政府の方針ですから、足りなければ結構ですが、社会福祉の名目を打つて売出されるということは、福祉のためと銘打つて売出されることは、厚生委員一同不満でありますので、この点は十分お考え願いたい、こう思うわけです。どういうような名前で第二点のほうはお売出しになるつもりであるか、その名目をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/19
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020・河野通一
○政府委員(河野通一君) 第二点のほうでありますが、今のお話はちよつと私或いは御質問を聞き間違つておるかも知れませんが、法律の改正、つまり法律の條文の上で社会福祉の増進のために充てるというその條項を削るようにという御趣旨であるのか、或いはこの條文はそのままにしておいて、現実に売出す場合に社会福祉のための宝くじであるということを言わないで売るようにすることが必要だというお話なのか、ちよつとその辺が私はつきりいたさないのでありますが、前者のほうの問題でございますならば、これは実は私今まで不十分ではございましたが、できるだけ御説明申上げました趣旨で原案の通りお認め願いたいと考えております。併しこれは立法府としての国会のほうで如何ように御審議をされますか、その点につきましては私からかれこれ申上げることはできないのであります。それから後者のほうの問題でありますれば、これは必ずしも私どもは社会福祉増進のための宝くじであるということ銘打つていろいろ売り捌くというようなことは、若しその点が非常にまずいということでありますならば、実際の場合におきまして十分考えて参りたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/20
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021・梅津錦一
○委員外議員(梅津錦一君) 以上で私は大体の質問は終りましたが、あとは当委員会におきましてこの法案の内容につきまして十分御検討を頂きまして、然るべく御善処頂きたいと思うわけであります。
以上、失礼いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/21
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022・油井賢太郎
○油井賢太郎君 第三條の点でまだ納得できない点があるのでお聞きしたいのですが、社会福祉の増進のために要する費用の財源に充てるため必要があるということを政府がどういう際に認めて行くのか、それから具体的にこれを発売させるときでにはどういう手続をとつてやるのですか、その辺のところをもう少し詳しく御説明願いたいのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/22
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023・河野通一
○政府委員(河野通一君) 必要があると認めるのは政府が認める場合でありまして、社会福祉事業の財源に充てるために必要があると認めたことによつて予算を実は御提出申上げ、そうしてそのうちに大体宝くじの収入というものはこの程度であるというふうに組んである。その予算の上に現われておるところで大体おわかり願えると思う。これは政府としてはこの程度のものを当初発行することが必要であろうというふうに考えて予算に計上されておるわけであります。それから発行の手続でありますが、これは今度の制度によりまして、この改正法が通りますれば、大分簡素化できることになります。従来のやり方は非常に複雑なやり方をしております。先ずこの取扱銀行との間に契約をし、それに基づいて支出負担行為をやり、そうしてそれを具体的に支出をし、更にそれによつて清算の報告を受けるというような非常に複雑な発売の手続をとつておつたのでありますが、今後はこの改正案が通過いたしますれば、そういつた支出負担行為というようなやり方は必要がなくなるわけであります。必要があれば監督をいたして経費の濫費は防ぐようにいたして参りますが、その点の手続は相当簡素化されるということに相成ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/23
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024・油井賢太郎
○油井賢太郎君 若し銀行局長でおわかりなら承わつておきたいのですが、雑収入のうちにこの八億が入つているのですが、それで歳出のほうは先ほども話があつた五百億円にも上るような社会福祉のための経費ですね。そのうちにこの八億というものは見合いになつておるのですか。それとも又別に何か社会福祉増進のための政府において必要が出たというときに出すのですか、その辺のところをお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/24
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025・河野通一
○政府委員(河野通一君) これは具体的の歳出の問題になりますと私からお答え申上げるのは適当でないかと思いますが、今お話のように雑収入の中にこの收入金は入ります。入りましたものが先ほど厚生委員長さんにお答え申上げましたように、特に紐がついてその金がここに使えるというふうに紐はつきません。併し先ほど来申上げましたように社会福祉の増進のための経費というものは数百億にも上つております。その経費の一部にこの收入金が充当せられておる、こういうふうに観念されるわけであります。従いまして何々経費のためにこの八億がどう紐がついておるということには相成らんわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/25
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026・油井賢太郎
○油井賢太郎君 それでは第三條の社会福祉の増進のためなんということを謳つておいても、実質的にはただこれはいわゆる宝くじを売出す口実と言うに過ぎないことになるのですね。そういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/26
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027・河野通一
○政府委員(河野通一君) 宝くじを売出すための口実とは考えておりません。これは予算の編成の経過におきましてはいろいろございましようが、八億程度は、この大きな予算の中では非常に実は少い金額でございますが、我我は観念としては、この収入金があるからやはり社会福祉事業にはそれだけは、それがなかつたよりはそのための歳出が殖えているというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/27
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028・油井賢太郎
○油井賢太郎君 それで口実に過ぎないということだけは明瞭に私はなつたと思うのであります。それから主計局長に伺いたいのですが、今度の修正で以てどう予算編成の措置が前年度と変つたか、或いはこの委員会でどなたかお聞きになつたかも知れませんが、若し聞かれたとするならそれは別ですが、若しまだ発表していないとすればお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/28
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029・河野一之
○政府委員(河野一之君) 従来いわゆる当せん金附証票の発売に基く収入を歳入に上げまして、当せん金であるとか或いは手数料というものを歳出に上げておつたと思うのでありますが、これは非常に複雑な、現在までのやり方がこういうことにしておりますことによつて非常に複雑なことなつておるのであります。嚴格に言いますれば、当然あの札を売出しますたびごとにこれは歳入に立てなければならん。それから当せん金、或いは証票、現金もその場合に歳出に立てなければならん、一々小切手も切らなければならん。嚴格に申しますれば或いは副賞が附いた場合にはその副賞については物品会計管理の扱いをせなければならん。非常に実は経理的にも複雑なんでありますが、実際問題としまして勧銀がこれをやつておるのであります。勧銀に全責任を以てやらしておる。これを国がわざわざ支出を立つてということでなしに、実際問題としては勧銀にやらしておる。それは国の歳入になるものは、収入金からいろいろな当せん金でありますとか手数料を引いたものがネツトの収入になるわけであります。従つて両建にするというのは非常にこれは意味がない。じかに取つてこれを国の歳入にするのが実情に即しておるわけであります。予算の総額は両方両建に膨らましてもいたしかたないことでありますし、又歳出予算というものを縛られて必要な場合にも歳出ができないというようなこともあり得るわけであります。そういつたような点からいろいろ勘案いたしまして、従来でありますれば、この八億の歳入を得るために歳出としては二十億程度の歳出を一方に組み、それから歳入のほうに二十八億を組む。こういうような建て方をしておつたわけでありますが、いろいろ実際の運営に鑑みまして、こうしたほうがいいと思いまして、建て方を変えたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/29
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030・油井賢太郎
○油井賢太郎君 それはシヤウプ勧告によつてこういう純計予算でないというふうに最初訂正されたと思うのですが、又これを元へ還すということはほかの同様の件で、或いはそのほかのものの歳入、歳出等におきましてもこういうふうな方式が出るのがあるのですか、特別これだけということになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/30
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031・河野一之
○政府委員(河野一之君) 別にシヤウプ勧告でこういうふうに従来なつておつたわけではないのであります。ちよつとこの問題は法律論と実際問題と両方の面から御了承頂きたいのでありますが、つまり財政法のいわゆる総計主義という財政法の原則に反するかどうかという第一点、法律問題として財政法の十四條に「歳入歳出は、すべて、これを予算に編入しなければならない。」ということを書いてございます。それから財政法の二條に「歳入とは、一会計年度における一切の収入をいい、」、それから「歳出とは、一会計年度における一切の支出をいう。」、つまり個々の収入、支出が集つて歳入歳出となる考え方です。然らば収入とは何であるかというと、「国の各般の需要を充たすための支払の財源となるべき現金の収納、」すべての現金の収納が収入となる。支出は「国の各般の需要を充たすための現金の支払」であるというのが、これは財政法第二條第一項に書いてある原則なんです。従つてこの当せん金の支払というようなものを、或いは証票の売払及び賞金の支払というものを収入と見るか支出と見るか、収入と見或いは支出と見るということは、これは或る場合においては一つは法律上の問題であり、一つは実際の慣行の問題でもあるわけです。或いは予算の取扱の問題でもあるわけです。それで従来はその当せん金の支払というものを歳出に見ており、それから証票の売払を収入と見ておつたわけであります。ところがこの新らしい法律によりまして、そういう収入支出の差額という、いわゆる納付金を歳入と見なして、そういつた事務を勧銀、これはやめましたが、銀行に委託してでそういう仕事をやらせて、そうして出て来た利益に相当したものを納付金として取る、そうしてそれを歳入として見る。こういう新らしい観念が実は新らしい法律構成を変えておるわけであります。これはいろいろ御議論があると思いますが、これは実際問題といたしまして先ほども申上げましたように、両方の両建にする必要があるかどうか、この国の各般の需要ということについてのその法律上の確定した解釈といいますか、法律上の定義は特にないのでありますが、我々が收入とか支出とか言つておる場合は、ネツトの、何と申しますか、国民の負担に関係のある収入支出、直接関係のある収入、支出というふうに実は見ておるのであります。こういうような考え方からしまして、例えば預金部の預金が入つて参ります。或いは預金を払戻します。これはこの国の各般の需要ということでなしに、預つた金であつて、国民負担に関係がない。つまり入つて来れば出て行く、こういう考え方で、嚴格な意味で言えば、これは郵便貯金を払戻すことは各般の需要でもあるというふうな考え方にするならば、そういつた収入支出に入らないことはないのであります。経費ということについても、これは財政法でも会計学上でも恐らく確たる定義はございません。資本的支出は経費ではないと言う人もあります。これは余談になりますが、そういつた考え方からして、我々としてはそういう予算の総額に触れることでもありますし、全くその実益のないような歳入歳出を掲げておく必要がないんじやないか、ネツトの、国民の負担に関係のあるものを見ておけばいいんじやないか、会計法及び財政法の原則というものは会計の経理を見ておる。或いは予算の全部を明らかにしなければならないというようなところから来ておるのでありまして、このような場合においては何らその点において不都合が私はないという結果なのであります。それでこういつたような、最後に油井さんのおつしやつた問題でありますが、これは幾らも実は例があるのであります。例えて申しますと、収入印紙は郵便局が売払をいたします。そうしますとその売払の収入の中から郵便局が必要とする経費を差引きまして、そうして一般会計に納めるのであります。こういうように本当を言いますれば、一般会計では収入印紙の代金をそのまま郵政からもらつて、そうして経費のほうは一方歳出として出して行くというのが原則であろうと思います。これは差引いたものを国の収入とすることが郵政事業特別会計法の四十條に書いてあるわけであります。それから一般会計の例におきましても、そのほか労災保險特別会計というのがございます。労災保險におきましては保險施設を国が行うことができる、つまり病院の経営でありますとか、職業再訓練の施設でありますとか、こういうものをやることができるということになつておりますが、この実際のやり方は、その仕事を労災協会に委託してやらせております。そうして労災協会は一方収入がございまして、その事業に伴う事業收入もございますし、併しいろいろな收入がございますが、その收入を差引きましたものを保險施設費として労災会計から労災協会に出しておる。それから一般会計の例でございますが、厚生省の予算に社会事業学校経営に必要な経費というものは八百万円今度の予算にのつかつておりますが、東京及び大阪におきまして、東京都及び大阪府に対しまして社会事業に従事するそういつた職員の養成施設でありますが、收入支出の差額を交付いたしましてそういう事業をやらしておるのであります。従つてそれは嚴格に言いますれば、或いは收入のほうは收入で取り、支出のほうは支出で出すというのが一応の考え方かも知れませんが、そういうようにすると非常に煩雑の結果を招く、殊に一々労災の保險のような場合におきまして、そこにおいて収入官吏、支出官吏という者を置かねばならんというような結果を招くわけであります。東京都、大阪府のようなところにおいてはそういう会計官吏を置かなければならない。そうしてそれは事業としては全く向う側で経営しておることでありますので、何らそれを特別に収入支出を立つて経理する必要はない、国民の負担に関係はない。收入支出に関係しない。こういうような関係で、実際上の必要からしてこういうふうなことをやつておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/31
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032・油井賢太郎
○油井賢太郎君 詳細な御説明があつて大体わかつたんですが、次に伺いたいことは、八億円の収入に対してどれだけの売上げがあるかという点なんですが、先ほどのお話では、二十八億の売上げがなければ政府が八億の収入にならないというふうに承わつたんです。そういたしますと賞金というのはたしか五〇%見当、それから勧銀に対するいわゆる手数料というのは一〇%、こう思つておりましたが、若しその残りの四〇%が収入となれば二十億円の売上げがある。その点はどういうふうになるんでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/32
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033・青山保光
○説明員(青山保光君) いわゆるこの宝くじを売りました場合の納付金とか、或いは経費がどういうふうになりますかということでございますが、実際には現在予定いたしておりますところは、国庫に納付いたしますものが百といたしますと、百の四十、それから当せん金、つまり賞金でありますが、これが四四%、それから手数料、これは取扱銀行及び売り子と申しますか、一般の街で売つております方に対する手数料、これが九、五%、それから諸経費、これは印刷費でありますとか或いはいろいろな物品費、抽籖をいたします会場の経費、宣伝費その他いろいろ費用がございますが、これが六、五、大体こういうふうな考え方で進んでおりまして、法律上制限がございますのは当せん金については五〇%を超えちやいかん、百に対して五〇%を超えちやいかん、手数料は一割、一〇%以内でなければならない、こういう法律上の制限があります。実際の今後の売捌きの見込でありますが、現在のところでは大体発売額を二十八億程度に考えております。そのうち消化率が、従来の率から大体八〇%程度のものを見込んでおります。従いましてこれを一応八十といたしますると、二十一億前後くらいが大体毎月消化されるものと考えております。これに対して四〇%でありまして、大体八億円というものを収入、納付金、こういうふうに押えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/33
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034・小林政夫
○小林政夫君 この宝くじは成るべく早い機会にやめたいということをしばしば銀行局長も言明をされているし、この法案自体としても当分の間ということになつているわけでありますが、この第三條でわざわざ意味のない、実質的には意味のない、今油井委員その他厚生委員長からも指摘があつたように、社会福祉の増進のためにという名前をかりて、そういつたやめろという希望に対する一つの水をさすような項目を掲げて行こうということについては、しばしば政府の成るべく早くそういつた宝くじはやめるのだ、射倖心をそそるようなことはやめるのだと言いながらですよ、こういつた第三條の改正を加えてやろうということについては、必ずしも肚の底は速急にやめたいというような気持がないんじやないかというふうに思われるのですが、一体いつまでやるつもりなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/34
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035・河野通一
○政府委員(河野通一君) 肚の底から成るべく早くやめたいと思つております。この五條の改正をいたしました理由は、これは御納得頂けないのは甚だ残念でございますが、むしろ宝くじの発売等をできるだけ自粛して行きたいという意味合いで、これから入つて参ります收入金は何に使つてもいい、役所の紙を買つたり鉛筆を買つたりするものにも使う、或いは役人の給料の支払いにも充てる、何でもいいのだというようなことでなしに、できるだけ宝くじというものの性質をはつきり表に出したいという意味で、この際他の点について改正を要する点が出て参りましたので、併せてこういう趣旨を、私ども実はむしろ小林さんの言われるのと逆に、自粛をいたしたいという趣旨を表わす意味においてこの規定を肚の底から成るべく早くやめたい、こういうふうに考えて、おります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/35
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036・小林政夫
○小林政夫君 すると八億で、そう一般会計の歳入総額の千分の一にも足らない額で、これが特に社会福祉のための費用に使うのだというようなことは全く羊頭狗肉であります。そうして而も今の趨勢としては定期預金に割増金をつける、又国民貯蓄債券についても割増金をつける途を残すと、これも実際はやらないのだけれども、一応そのルートを残して行くのだというようなことで、一体国民の射倖心をどんどん政府が煽るという、この宝くじによつてそういつた気分が非常に醸成されて行く、これが原因となつて今の定期預金に対して割増し金をつけるとかいうような問題、最近はキヤラメルにまでそういつた福引券をつけて、キヤラメルの買い力によつてはもう一個、二個、只で買えるというようなことまであり、子供が非常に射倖心にそそられ、国民道義の点からいつても甚だ面白くない空気が起つているのであります。で今の四割という納付金だということでありますが、たしか二十六年度の予算は二十七億弱の売上に対して収入は七億九千万円くらいになつておりますね。そうすると経費が十九億くらい……、非常に簡單に言えば、二十億の費用を使つて八億の收入だということになると、徴税費等から考えてもてんで問題にならないし、六割の経費をかけて四割の収入、まあ費用と収入との関係が六対四で、そういうようなことまでして僅かな八億を国家はこの際收入としなければならないのかどうか、この点は特に主計局長に聞きたいのでありますが、二十六年度においては自然増収を三百億、二十七年度はどうなるかわからないが、我々はむしろ消極的に考えているわけであります。併しそれにしてもこの八億くらいのものをそういつた無理をして、非常に多くの経費をかけて歳入を図らなければならないのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/36
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037・河野一之
○政府委員(河野一之君) 八千五百億の歳入に対して八億でありますから、〇・一%、大した額でないことは御指摘の通りであります。ただ従来の宝くじの実績を見ますと、多少最近減つて来ております。前は相当な予算上におきましても、予算総額も少のうございましたし、納付金ももつと大きかつたのでありまして、その頃は今よりは負担の割合は多かつたと思いますが、最近においてはおつしやるような事情になつております。私どもとしましては、歳入は幾らでもあればあるほうがいいという考え方もございますし、又ここ数年来やつて来たこういつた制度を急激にやめるというのも如何かというふうな考え方もあるがために、ここ当分先ほど銀行局長も言いました通り、できるだけやめるような……、だがまあ過渡的にやるという意味で予算に計上しているというふうに御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/37
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038・小林政夫
○小林政夫君 そうすると、この当分の間ということが、一体今のお見込では、政府としてはいつまでやるかということについて法案ではつきり、例えば何年何月末までというようにはつきり明示して、その間に自然にやめて行くという措置をとる意思がないかどうか、当分の間ということで、この法案は二十三年に出て今も続いており、更に私の考えるような趣旨でいつまで続くのかわからないということでは……、どうも我々としては根本的に一日も早く国民の射倖心をそそることはやめてもらいたい。殊に緑風会としては競輪或いはモーターボート・レース、ドツグ・レース等射倖心を煽るものはことごとく反対している。こういうことは一日も早くやめたいという気持が強い。そこで漫然と続けるということについては一歩讓つても、賛成できないと思うのです。はつきり年限を切る意思が……、突然やめるということはむずかしい、というのは現在相当多数宝くじのアルバイトによつて収入を得ているという者のあることも考えるべきだという御意見もあるようでありますが、そういう点からいつて、この宝くじ関係に従事している人数等について資料があればお知らせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/38
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039・河野通一
○政府委員(河野通一君) 成るべく速かにこの制度をやめて参りたいということは先ほど来申上げております通りであります。ただ今特に具体的に廃止の時期はどうだということを聞かれますならば、取りあえずのところとしては今年は続けて参りたい。来年度続けるか続けないかはそのときの事情によつて判断いたしたいと思います。今ここで二十八年度当初からこれをやめるということを申上げるところまでまだ確信を実は持つておりません。併しなろうことならば成るべく早くやめたいということは当然考えております。国会の皆様方の御意見も十分に承わりまして、廃止の時期等につきましては、十分そういう御趣旨に副つたような時期にやめたいというふうに考えております。なお売捌きに当つております人人の数については福田政府委員からお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/39
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040・福田久男
○政府委員(福田久男君) お答えいたします。売捌きに従事している者は個人、それから例えばたばこの小売店等もございますが、正確な数字はちよつと手許に持ちませんが、合せますと五万くらいに達するのではなかろうかと思います。アルバイト或いは証券業者の下請としてやつております者が一万程度あるのではなかろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/40
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041・小林政夫
○小林政夫君 平均売捌人は一人当り幾らくらいな月收があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/41
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042・福田久男
○政府委員(福田久男君) たばこの小売店等におきましてはそれらと一体になつておりますので、余り大きな金額ではないかと思いますが、道路等に出ております者は、場所その他によつて収入の額はいろいろ違うと思いますが、私の聞いておりますところでは、アルバイトの学年等では月大体三千円くらいの收入になつているだろうという話を聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/42
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043・小林政夫
○小林政夫君 それからこの取扱金融機関に或る程度資金が滞留して、その資金繰りがよくなるという面もあるのでしようが、そういう点について一体取扱金融機関にはこの売捌金それから納付金等の関係において月間どのくらいの金が無利息で滞留することになるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/43
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044・福田久男
○政府委員(福田久男君) 売上金は売上の期限が終りますと翌月、大体一ヵ月後くらいには政府に納付することになりますので、その間滞留する発売の金額は総額から申しましても、非常に單純に十二で割りますれば、仮に二十四億といたしますれば、その月割額の二億になるわけでありますが、併し賞金等も払わなければなりませんので、まあその半額くらいということになるのじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/44
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045・油井賢太郎
○油井賢太郎君 もう一点伺いたいのですが、先ほどの発売する金額とそれから消化金額とは違うのですね、その場合には消化した金額を以て発売をするのですか。それとも実際印刷した額を以て発売としているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/45
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046・福田久男
○政府委員(福田久男君) 発行額に総額を以て発行額といたしますが、現実に入ります金額は消化された金額になるわけであります。従いまして売れ残りの額は発行額には入りますが、未消化額でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/46
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047・油井賢太郎
○油井賢太郎君 第三條の三十五億という制限はその発行額と言つても……、そう解釈していいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/47
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048・福田久男
○政府委員(福田久男君) その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/48
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049・木村禧八郎
○木村禧八郎君 この法案の趣旨は、成るべくこういう宝くじみたいなものはやめよう、そのほうに一歩近ずこうという法律案であるということはわかつたのでありますが、その範囲を社会福祉の増進かために要する費用に限定して行こう、こういうふうにされたのですが、その趣旨はまあわかるのですが、私たちは逆に反対なんですよ。こういう宝くじ的なものと社会福祉的なものとを結付けること自体に非常に不賛成なんでありまして、むしろ先ほどお話があつたように鉛筆とか机とかそういうものに使うのであるならばいいのですが、社会福祉というものとこの当然ばくち的なものを結付けるということが、政府のほうの社会福祉或いは社会保障というものに関する考えが根本的に私はわからないのですが、これは大蔵当局に聞くよりも私は厚生大臣に一応この点、社会福祉に関する根本方針についてどうしてもこの機会に聞こうと思うのですが、ただこの際お伺いしたいのは、社会福祉というものはどういうものをここで予定しているのですか、具体的にはこのくじを発行していい場合は、社会福祉というものの内容はどういうものを予定しているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/49
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050・河野通一
○政府委員(河野通一君) これは主計局長からお答えしたほうがいいかと思うのでありますが、社会福祉関係の経費は先ほど御説明申上げましたように、二十七年度予算で大体四、五百億ぐらいであると思うのであります。そのうちで先ほど厚生委員長さんからのお話にお答えいたしましたが、必ずしもこの八億というものを紐つきでどれに充てるかということは考えておりません。数百億の財源の一部としてこれを入れておきまして、強いて言えば、具体的に考えられるものはないかという点でございますが、兒童福祉関係の事業の予算を一億二千四百万円、それから身体障害福祉関係事業に九十四百万円、それから戰傷遺家族援護関係に一億、結核予防関係に二億二千四百万円、それら癩予防費の関係で三億一千五百万円、それで大体合計いたしますと八億五十七百万円ぐらいになると思います。大体こういうものを頭に置いてこの八億の使途を考えたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/50
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051・木村禧八郎
○木村禧八郎君 大体わかりました。まあそういうばくち的な射倖的なものをそういうふうに結付けるということ自体が私はおかしいと思うのです。これは一つの例なんですが、実はちよつと余談になつて恐縮ですが、この間大井警察の人が私のところに来まして、大井に競馬ができた。その競馬の收入を学校の経費に当てるというのです。競馬ができたために不良少年がたくさんできた。非常にたくさん殖えた。一体何のために……。競馬によつて得た收入で学校を、教育施設を作ろうというのに、不良少年が、チンピラが非常に多く殖えて、その上に貧困者が自分の身の物を質に入れてやろうというような非常に教育上、風教上いろいろ悪いことを醸成しているのですね。ですからどつちがいいのか、そういうばくち的なものはばくち的なものに使うなら意味がわかるが、それと最も反対なほうに予定することがどうも我々割り切れない。これはもつと根本の問題として、丁度これが出てきました機会に、社会保障問題について厚生大臣に伺いたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/51
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052・油井賢太郎
○油井賢太郎君 賛成だ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/52
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053・大矢半次郎
○大矢半次郎君 当せん金附証票法の第一條には、「この法律は、経済の現状に即応して、当分の間、当せん金附証票の発売により、浮動購買力を吸収し、もつて財政資金の調達に資することを目的とする。」こういうふうに謳つてありまして、当時の状況から言えば誠にこれも意義のあることだと思つておりましたけれども、もう今日の段階に至つては、この事態はすでに過ぎていると言つていいのではなかろうかと思いますが、将来これをだんだん少くして行く、速かなる機会にできるなら廃止したいということで、これは誠に私も賛成でありますが、この場合に社会福祉云々を突如として持つてきて、そうして而もその使途が甚だ明瞭を欠くというのは、やり方として非常にまずいのじやなかろうかというような気がいたします。併し近い将来においてこれを廃止するのだというなれば、ここにやかましく論議をすることはないのでありますが、若しも先ほど小林委員が言われた通り、何か廃止するというのに水をさして、こういうような使途の必要があるから、この限度においてはなお発行して行く必要があるのだと、こういうことでやつて行くという下心があるなれば、どうしてもこの条項を削除する必要があるのではなかろうかと考えますが、如何でしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/53
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054・河野通一
○政府委員(河野通一君) 何度も申上げますように、そういう下心は毛頭持つておりません。できるだけ早い機会に、勿論縮小はいたします。又できれば全廃いたしたい、かようにまじめに考えております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/54
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055・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 次に信用金庫法の一部を改正する法律案について質疑をいたします。速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/55
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056・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 速記を始めて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/56
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057・油井賢太郎
○油井賢太郎君 この際ちよつと銀行局長にお尋ねしたいのですが、信用金庫法の一部改正なんかも出ていて、大体信用金庫というものも銀行の性格に近付いて来たのですね。ところが一方においては銀行というものはなかなか新規開業を認めないとか、或いは支店、出張所というようなものの増設も認めないとかいうふうに抑えていて、片方においては銀行と同じような性格に信用金庫等を昇格して行くといつたようなことなんですが、一体そういう狙いは国家としてどういう方針で進まれるのか、一応お聞かせ願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/57
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058・河野通一
○政府委員(河野通一君) 従来の信用協同組合が信用金庫に改組されたものも相当出て参つておりますことは御案内の通りであります。信用金庫制度は私は必ずしも銀行と同じような制度であるとは考えておりません。これはやはり組合という言葉は使つておりませんが、やはり会員の協同組織という考え方になつております。普通の銀行が株主でできておるというのと違いまして、会員組織と申しますか、そういう会員の協同組織という点は非常にはつきりいたしております。それから第二点には、やはり一般の銀行のように大企業に対する金融、勿論中小企業に対する金融も銀行はいたしますが、大企業に対する金融というものは対象にいたしませんで、いわゆる中小金融というものを中心として、去年できました相互銀行と相並んで一つの中小金融機関としての二つの大きな柱の一つというふうに私どもは考えております。必ずしも銀行法による銀行と同じような性質になつて来ておるというふうには考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/58
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059・油井賢太郎
○油井賢太郎君 最近銀行の支店、出張所等の設置問題ですが、若し新たに支店を増設するような場合には、どこか廃止しなければならないというようなことに原則がなつておるようです。併しこれは今お話のように銀行と信用金庫と多少趣きも違う点もあるわけです。そこで全国的にやはり金融機関としての価値があるというか、便宜な機関である銀行が支店、出張所というものを、成るべく地方としては要所々々に置いてもらいたいという声が多いのです。ところが例えば県なら県として、地方にある支店は廃止して、その県内の都市とか何かに改めて支店を作るというようなほうが営業上プラスになるといつたような観念から、地方に、田舎のほうにあるところは支店を廃止するとか何かということもちよいちよい聞いておるのですね。そういうものはこれは一般国民に対して非常に不便を與えるというような、而も辺鄙なところの人々に不便を来たすというようなことになりはしないか、或る程度やはり銀行の支店というものもやたらに殖やすことはいかんけれども、成る程度の制限をおいて増置させて行くということも適当な施策ではないかと思うのです。それに対して今後の方針はどういうふうなことをやられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/59
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060・河野通一
○政府委員(河野通一君) 銀行の店舗に関する政策といたしましては、今お話のように極く抽象的に申上げますと、一方で各銀行が預金者から預金を預つております建前上、無闇にコストの引合わないようなところへどんどん店舗を出すということはなかなかむずかしい、又同じ場所にたくさんの銀行が無用に競合いたしまして、非常な、国家の経済全体から見ますと非常にロスになるということもいけない。従いまして一方ではそういう点に或る程度の制限はこれはあります。具体的に申しますと、結局問題は程度問題だと思います。現に一店を減らさなければ他の店舗の進出を認めないというような取扱いをしておりますものもあります。純増で認めておるものもございます。それからもう一点は、殊にこれは地方銀行について言えることだと思いますが、ただ営利と申しますか、採算の点だけ考えて、採算のいいところへ店を集める、そうして採算の取れないところは、取引者その他に対する便宜も全然無視してやめて行くというふうなことは、必ずしも銀行の公共性という点から見まして適当でないのであります。この点については各地の実情に応じまして、その地域々々における差支えを起さないように、個々に具体的に指導はいたして参つております。むしろ或る地域につきましては、最近もあつた事例でありますが、或る田舎の店をやめたい、とても採算が取れないからやめたい。それで大きい都市に出したいという問題がございましたが、その銀行の、その地域における銀行便宜を妨げるという点から、それはやはりやめられたほうがいい、その地域にやはり取引者の便宜のために銀行を置かれたほうがいいであろうというふうなことを申上げた事例もございます。個々のその地域々々における経済事情に十分頭を使いまして具体的に解決いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/60
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061・油井賢太郎
○油井賢太郎君 それではやたらに、殖やすことを絶対に許可しないという方針ではないということなんですね。それはわかりました。次に信用金庫法の改正等について、まあ組合員外のために或る程度の事業の拡大ということを認めるというふうなことが今日出ておるのですが、これは我々としても適当な措置であると思われるのですが、それと同時に、信用協同組合のほうでもやはり何でもかんでも拡大して行くというふうな動きもなかなか活撥
に起つておるのですね。こういうふうに片方も拡大して行き、更に組合のほうもどんどん拡大して行くというようになつたら、これは意味がなくなつてしまうと思うのですが、その点については銀行局としてはどういうふうなお考えをお持ちになつていらつしやいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/61
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062・河野通一
○政府委員(河野通一君) 信用協同組合の機能を拡大するということにつきましては、私も具体的には余り伺つておりませんが、恐らく或いは今お話の点は、信用協同組合について員外預金の受入れを認めたらどうかというお話が出ておることは承知いたしておりますが、その問題かと思います。この点につきましては私どもといたしましては、信用金庫法が昨年できたときに、信用金庫と信用協同組合とがそこにおのずから仕事の分野がはつきりして、性格も違うということを前提にしてああいう信用金庫法が作られた経過及びその内容につきましては、私は至極御尤もな立法であるというふうに考えております。現在のところは具体的に信用協同組合について員外預金の受入れを認めるというような制度は私どもといたしましては、行政当局といたしましては賛成をいたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/62
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063・波多野鼎
○波多野鼎君 この改正案の提案者にちよつとお聞きしたいのですが、この会員以外の貸付、員外貸付の範囲を、範囲というのか、やり方を相当自由にして行こうというのが改正案の趣旨だと思うのですが、今員外貸付については五十三條の第二号ですか、預金又は定期積金を担保とする場合に限つておるのに、そうでなく今度はそういう制限を抜いて貸付をするというように改正をしようというのでありますが、こういう改正をしなければならん積極的な理由はどんなところにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/63
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064・佐久間徹
○衆議院議員(佐久間徹君) いつも質問の側に立つております私が、質問々受ける側に立つたわけでございまして、誠に不馴れで、果してお答えうまくできるかどうか、自分ながら多少危惧の念があるわけでございまして、この点は一つ御了承頂きまして、何分の御同情を頂きたいと思います。
只今の御質問に対しましてお答え申上げるわけでございますが、信用金庫といたしましては、庶民金融を主眼として立つておるわけでございます。御承知の通り只今のような金融が逼迫しておる際におきまして一番困るのは庶民の金融のことについてであろうと存ずるのであります。それに応えて信用金庫を拡充強化いたしまして、これらの零細な資金需要者に対して何らかの便宜を與えて行こうと、こういうわけでございます。もともと組合を中心としてできておるわけでございまして、おのおのが集まりました金をお互いに簡便にこれを使つて行こうと、こういう趣旨でございます。員外貸出につきましても、もとより組合員を中心としてのことでございまして、これには嚴格な規定もございますし、大蔵大臣の認可を要するということになつておるわけでございます。この点はこの規則に従いましてやつて行くつもりでございます。かようお答え申上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/64
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065・波多野鼎
○波多野鼎君 どうも少し答弁が食い違つておるようでありますが、と申しますのは員外貸出を今度非常に拡大して行こうというのが改正法律案の眼目なんで、拡大することがいいか悪いかということは別として、拡大するというそういう改正案をお出しにならなければならない理由はどこにあるかということなんです。私がお聞きしたいのは……。何か非常に都合が悪いことがあつたものだからこういう措置がなされたのだろうということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/65
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066・佐久間徹
○衆議院議員(佐久間徹君) 信用金庫の数は相当数に上つております。現在市町村等の金庫事務を取扱つておるわけでございます。これを取扱う金庫は今後更に増加して参ろうと、こう思うのでございます。金庫事務の取扱いには市町村当局への貸出を行う場合が予想されることは当然であろうと存ずるのであります。この途を法的に開いて行こうと、こういうわけでございます。又信用金庫の資金が非常に増大しているのでありまして、これに伴いましては支払準備に資金が多額に上ることと相成ります。その効率的の運営を図り、経営の改善に資するためにコール・ローン等に出資する必要があるのであります。これらの理由に基きまして会員以外の者に対する貸出の途を開こうと、こういう次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/66
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067・波多野鼎
○波多野鼎君 市町村の金庫事務、出納事務を扱う場合があるからその市町村への貸出をやる必要がある。これがまあ一つの理由だと承わりましたが、こういう場合に普通の銀行を除けて市町村が信用金庫に出納事務を委託するという例が全国にどれくらいあるのですか。これは事務当局にお伺いしたいのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/67
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068・青山保光
○説明員(青山保光君) お答え申上げます。現在全国の市町村に三百七十ございますが、そのうち出納事務を取扱つております金庫はその一割弱の三十見当になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/68
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069・波多野鼎
○波多野鼎君 そうしますと割合少いものですね。この市町村の出納事務を扱つている金庫というものは……。そういう少いもののためにこういう新しい途を開くということもどうかという気がするが、これは意見の問題になりますから次の問題に移りますが、もう一つの理由は、信用金庫に資金がだぶついているということなんですね。資金がだぶついているからこれをコール・ローンといつたような短期の融資をしたい。そうして信用金庫の経常の基礎を確立したいという御趣旨のようでありますが、一方から言うと庶民の金融が非常に逼迫しているということも言われているし、提案者のほうもそれは認めておられるようでありますが、そういたしますとこの信用金庫に入つている人というのは相当裕福な人たちだけであつて、この金庫の組合員にならない人はもうこういうところに近付けない非常に零細な人であるというふうに見てよろしいのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/69
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070・青山保光
○説明員(青山保光君) 只今の信用金庫の資金が非常にだぶついているというお話でありますが、計数的に申しますると、大体現在全国の信用金庫の預金は七百億円見当に相成つております。これに対しまして貸出が五百億円見当であつて、結局その差額が余裕金、支払準備、或いは出資金ということになつております。これは金庫につきましては貸付の基準といたしまして大蔵省が精算をしておりまするので、いわゆる銀行のようなオーバー・ローンの現象が見られないということは、端的にこの数字に現われておりまするが、例えば中小企業者は往々にして信用を失うということがございますので、貸付を愼重にするということからいたしまして、このような預金の七割見当が貸出されておるのでございまして、決して信用金庫の会員が裕福であるということにはならんと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/70
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071・波多野鼎
○波多野鼎君 そうなりますとこの信用金庫の員外貸付、特にコール・ローンに放出しようということは非常におかしいことになる。非常に窮迫している、資金に困つている人たちが集つて作つて預けた金、それをその人たちに貸さないで、コール・ローンに放出するといつたようなことは、金庫本来の目的から外れてしまうのじやないですか。これはそういうことにならないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/71
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072・河野通一
○政府委員(河野通一君) どうも私のほうから御提案申上げておりませんので、お答え申上げるのは甚だあれでございますが、金庫が預金を受入れましてこれを貸付に充てるという場合におきましても、やはりおのずから支払準備というものはどうしても持たなければならん。支払準備を持ちます場合に、それは有価証券の形になるものもございましよう。又金融機関、銀行に対する預け金という形で支払準備が持たれる場合もある。又、支払準備と共に一種の繰廻金というものも持つてなければならん。そういつたものをできるだけ有利に而も確実に運用するということは必要だと思います。金融機関に対する預金の途は考えてございますが、事実上預金と大した差違のないものであつて、且つ割合有利に廻るといういわゆるコール・ローン寺について、これをできるような途を開くことは、信用金庫自体が支払準備を有利、確実に運用するという点で、私は適当にやれることと考えております。ただ、今お話のように、必ずしも信用金庫が貸出しを抑えておつて、預金ばかり取つて貸出しを抑えておる、必要なほうに貸出しを出さないようにしておるという意味ではないのでありまして、金庫全体として、やはり預金を受入れて、その支払準備を持たなければならない。又或る程度日常の繰廻金というものはどうしても現金、或いは現金に近いものを持つておらなければなりません。そういつた意味合いにおきまして、その現金的なものをできるだけ有利に活用するという意味におきまして、コール・ローンの制度を置いて置くということは、誠に時宜に適つておるであろうというふうに私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/72
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073・波多野鼎
○波多野鼎君 そうすると先ほど提案者の言つたのは少し違うので、資金がだぶついておるという理由だつたから僕は聞いておるわけです。そうでなくて、支払準備の持ち方、その内容を変えて行かなければならんということであれば又話は別だと思います。支払準備は大体大蔵省のほうでどんなふうに指導しているのですか。信用金庫の何ぐらい持てというふうに指導するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/73
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074・青山保光
○説明員(青山保光君) 信用金庫の支払準備につきましては大体次のようなことになつております。即ち信用金庫の預金には、定期制預金と要求払の預金との差はございますが、定期制預金につきましてはその一〇%以上、要求払預金につきましては二〇%以上を支払準備の形で持つということになつております。支払準備の中には現金、預け金、それから有価証券、金銭信託というようなものが入つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/74
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075・波多野鼎
○波多野鼎君 大体どんなふうですか。先ほどあなたの言われた七百億の預金があつて、貸出しが五百億、二百億くらいは支払準備というか、手持現金というのか、二百億は手持現金として多いですか少いですか、今の支払準備は、定期預金、要求払預金、それぞれ率は違うようですけれども、これは全体として眺めて二百億という手持現金というのは余つておるのか、その要求の程度のものであるか、要求というのは大蔵省の指導して行こうというその程度のものであるのか、それ以上だぶついておるものなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/75
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076・青山保光
○説明員(青山保光君) 大体大蔵省の指示に副つた程度のものになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/76
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077・波多野鼎
○波多野鼎君 もう一つお伺いして置きたいのが、それだから二百億の支払準備として留保されておるものの運用のし方について一つ新らしい途を開こう、こういうのが改正の趣旨だと見ていいと思う。その中に市町村に対する貸出というのは、これは具体的な問題になつておるようですが、これもやはり支払準備として見ていいものなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/77
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078・河野通一
○政府委員(河野通一君) この法律が通りました場合にいろいろそういう点は考えて参りたいと思いますが、私どもは地方公共団体に対する貸出は、その実績から割合短期のものでないものがある。そういたしますとこの支払準備の性質上、やはりこれは市場性融通性のあるものでなければいけませんので、ただ確実ということだけでなく、短期にこれが廻るものでなければいけませんので、市町村に対する貸出は恐らく支払準備としては適当ではないではないかというように考えております。今後の運用によりまして、この法律が通過いたしました後において十分に考えて参りたいと思いますが、只今のところではそういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/78
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079・波多野鼎
○波多野鼎君 そういたしますと、今現状から見て二百億の手持現金というものが大体支払準備として必要な額である。これを運用して行きたいという場合には、コール・ローン的なものにしか運用できないはずで、市町村その他公共団体への貸付という方面に運用するわけには行かない。若し市町村或いは地方公共団体への貸付という方面に運用したいと思えば、もう少し一般の組合員に対する貸出のほうを減らさなければならんといつたようなことになると思うが、銀行局長どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/79
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080・河野通一
○政府委員(河野通一君) 恐らく提案されておるかたの御趣旨を推測いたしますると、地方公共団体はこの金融機関に対するコール・ローンとは、少し立案の趣旨が違うのじやないかと考えております。これはやはり金庫事務を取扱うようなことになりますと、やはりそのときどきの貸出というものがどうしても取引上起つて来る。そういつた途を開いておくことがやはり市町村その他の地方公共団体の預金を受入れる途をつけて行くためにも、どうしても或る程度こういつた貸出の途を開いておくことが必要であろうというふうな点から出ておるのであろうと思います。従いまして私どもはこの制度ができたといたしましても、そう多額なものが地方公共団体に貸付けられるということは恐らく私はないと思います。極く例外的なケースであろうというように思います。ただ金繰りの都合で一時どうしても地方公共団体に金を貸さなければならんという場合が起つて来る。金庫をやつておる以上はそういう途も開いて置くことが、金庫事務の取扱いを円滑にして行くためにどうしても必要であろうというふうな観点からこの法案が提出されておるものと私は想像いたします。それ以上のことはちよつと私から申上げかねると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/80
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081・波多野鼎
○波多野鼎君 そうしますと、想像だからどちらでもいいのだが、やはり今の信用金庫の全体の運営の仕方というものが、運営の基礎になる基礎数字というものがはつきりしておるのだから、仮に出納事務というようなほうに重点というか、それを便宜にして行こうという途を開けば、組合員に対する貸付のほうで多少の制限を加えなければならん、手心が変つて来るということは当然予想されることではないかと思うので、そうなりますると信用金庫の経常をよくするために、組合員に対する便宜のほうを多少犠牲にするといつたような懸念がどうしても出て来ると思います。そういう点は提案者のほうはどうお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/81
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082・佐久間徹
○衆議院議員(佐久間徹君) 提案者といたしましては、組合員が借りるということばかりを考えておるわけではないのでございまして、或いは日掛貯金、月掛貯金とか、相当貯金に多く吸収するように組合としても努めておるわけでございまして、その面から見まするというと、貸出も相当要求されますけれども、貯金に主力を注いでおる場合も相当ございますので、さようには我々は考えていないのでございます。両方をうまく按配して参りたい。こういう工合に思つておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/82
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083・波多野鼎
○波多野鼎君 貸出のほうばかりではないのはわかつておりますが、組合の組織としては、又金庫の建前から、本来の趣旨から言うと、やはり組合員に必要な場合にはいつでも貸してやるということができなくちやならん。そうでなかつたら本当の銀行と同じことの営利機関になつてしまう。組合的な金融機関であるという性格がなくなつてしまう。而も預金の日掛、月掛というような恰好で、預金を吸収するのに一生懸命になつておる。そちらのほうに重点があるんだと言われますが、そういうことをやつておつて、そうして市町村のほうに持つて行くとか、或いはほかの銀行に預けてしまうとかいうような途が開かれて来ると、ますますこれは預金を吸収する一つの機関になつてしまう。本来の趣旨から非常に外れて行くというような私は気がしますね。まあ提案者は経営者じやないかも知れませんけれども、提案される場合にそういう点はどういうふうにお考えになつて提案されたのか、どうも少し私には納得できない点があるんですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/83
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084・佐久間徹
○衆議院議員(佐久間徹君) 貸出につきましては、会員に支障のない範囲内においてやるべきでありまして、会員を犠牲にしてまで他にやるということは考えないのでございます。又員外に対しましては大蔵省の嚴重な監督の下にやるわけでございまして、これはまあ大蔵大臣の認可を要することになつておる次第でございます。その間には別に大した支障はないものと考えて提案をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/84
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085・波多野鼎
○波多野鼎君 会員に支障のないようにするということは、これは第二号ですか、書いてありますが、これはわかります。併しこれは先ほどの文句じやないけれども、宝くじの場合と同じことなんで、例えば信用状態を調査する場合に、お前のところはとても貸すだけの信用状態でないと言つてしまえばそれでおしまいなんですね。その辺の手心の加え方で非常に影響が来るということで、会員のほうは犠牲を負うということになるですよ、これは。これは文句はどうでもいいとしまして、もう一つ大蔵大臣の認可というのはそういう事業を営むことだけの認可でしようか、一々の認可でないでしよう、事業を営むことについての何か認可がありますか、大蔵大臣の。これはないでしよう、為替取引だけでしよう。つまり員外貸付をやる場合に大蔵大臣の認可を必要とするのですか。そんな規定はどこにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/85
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086・佐久間徹
○衆議院議員(佐久間徹君) 第五十三條五であります。「同條第二項中「前項第四号」を「第一項第四号及び前項」に改め、」、これに認可事項が含まれておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/86
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087・波多野鼎
○波多野鼎君 そうすると内国為替取引の業務をする場合と、員外貸出をする場合に、そういう業務については大蔵大臣の認可を必要とする、こういうことになるわけでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/87
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088・佐久間徹
○衆議院議員(佐久間徹君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/88
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089・波多野鼎
○波多野鼎君 併し業務を営むものについては認可だけですね、一々の貸出は文句を言うわけじやないのですね。それはやつぱり経営者側の責任において、理事者側の責任においてそれをやるわけですね。或いは又こういうこともあるかも知れない、貸出の総額のうち何%ぐらいしか員外貸出をできないというようなことも考えておられるかも知れないけれども、そういう点ちつとも法文ではわからないことですね、全然。そういう点の用意がなければ、非常に私は金庫というものが普通銀行に転化してしまうと思うのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/89
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090・青山保光
○説明員(青山保光君) 只今お尋ねの点は、法律が通りました後においての行政指導の問題といたしましては、員外貸付等につきまして認可をいたしまするに当りましては、例えば最高限度、今お話のように貸付総額に対する最高何割という制限でもよろしいし、又絶対額で大体どの程度のものを最高にして押えるというようなことは指導上やりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/90
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091・佐久間徹
○衆議院議員(佐久間徹君) まあ提案者といたしましては、勿論運営の面からいたしましてはできるだけ、まあ何と申しますか、寛大な規定、認可條項でやつて頂きたいと思うんですが、当局者としてはなかなかそうでないように聞いておりまして、貸出しの二割くらいを押えているのじやないか、こう思つているのでございます。或いは又それ以上の冷嚴な規定を設けるかも知れません。その点は今のところまだはつきりいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/91
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092・油井賢太郎
○油井賢太郎君 提案者にお伺いしたいのですが、今度の法案で、今まで従業員百人というものを三百人以上に引上げた点が違うんですね。殊に信用金庫というのは大体が庶民金融機関であつて、まあやはり中小企業以下の人を対象とするのが多いんですが、而もそれは地方的に相当広く分布されているんです。そうなつた関係上からいうと、三百人というふうになると、相当まあ規模としては大きな事業団体も、事業者も会員になることができるということになりますが、その場合に信用金庫としては、営業上どうしてもやはり一般金融機関が大事業或いは大企業者に金融のウエイトを成るべく重く置くというような傾向と同様のことが起きやしないかと心配するんです。そのため、例えば相当の事業者が倒れたような場合には、一般会員に及ぼす影響というものは非常にこれはもう我々想像できないほどの大きな影響を来すのじやないか、そんな工合に考えられるんですが、その点は提案者としてどういうふうにお考えになつておられるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/92
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093・佐久間徹
○衆議院議員(佐久間徹君) まあ最近の事情によりますというと、資金難を訴えます中小企業者は、おおむね従業員が三百名以下のものでございます。又見返資金の中小企業の貸付がやはり従業員三百人の中小企業に出しますということにきまつているわけでございます。従いましてこの改正案におきましては事業者たる会員の資格を三百人に拡大する、こういう工合に考えたのであります。信用金庫におきましてもこの会員となり得る事業者の範囲を拡大いたしまして、資金難解決の助けにならしめたい、こういうような念願から拡張する、提案者といたしましてはこういう考えによるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/93
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094・油井賢太郎
○油井賢太郎君 これは銀行局長にも御意見を伺つておきたいのですが、まあ三百人以下なら中小企業者であるというふうな観念は、成るほど都会地ではそういうことも言えると思うのです。銀行あたりがいわゆる金融機関としての対象である事業とすればそういうことは言えるでありましようが、信用金庫というのは、何も全国的に支店を有しているような大きな規模を持つているものではない、大体が局地的な極めて小さな規模なんです。そういうところにおいてはおのずから三百人の従業員を有しておるということになると、もう大体が二百人以上になると、地方的の相当大きな事業者と見られているわけですね、そういうところへ今度信用金庫あたりが金融のウエイトを持つて行くということになれば、一般の会員に対するところの貸出とか金融の操作ということはないがしろにされる、そういう懸念が私は起きると思うのです。銀行局長あたりのお考えとしてはどうですか、一般並みに中小企業者というふうに片付けるべき問題ではないのじやないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/94
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095・河野通一
○政府委員(河野通一君) 恐らく提案者の御趣旨は、今御説明もあつたのでありますが、別途中小企業等協同組合法の改正案がこの国会に提出されておるわけであります。この中小企業等協同組合法における組合員の資格につきましても、やはり現行百人となつておりますのを三百人に引上げたという案のように私は考えるのであります。これらの点と睨み合せまして、先ほど佐久間君からもお話がございましたが、見返資金における取扱い等も参酌しながら、百人を三百人程度に上げることは私は差支えない。ただ問題は今油井さんも御指摘のように、東京とか大阪等においては、三百人程度のものは勿論中小企業と言えるけれども、田舎におきまして三百人と言えば、これはむしろ大のほうであるということはお話の通りだと思います。従いましてこの法案が若し通過いたしましても、三百人というのはその地方々々の経済の実情に応じて、やはり中小金融機関としての性格というものが、おのずから大都会と小都市とにおいては運用上変つて来る。然らば資本金等について規定がありますと同じように、大都市につきましては三百人、或いは小都市においては二百人とか百人といつたような区別を法律にしたらどうかという御意見も出て参るかと思いますけれども、恐らく提案者としての御趣旨は、そこまで綿密に書いた資格の限度を地域によつて区別する必要はない、個々の運用によつてその地域々々における中小企業というものの観念がおのずからできて参ると思うのです。それによつて運用されることが望ましいというふうに提案者としてはお考えになつて御提案になつておるものと想像されます。私もその点はそれで結構なのじやないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/95
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096・佐久間徹
○衆議院議員(佐久間徹君) 只今の御懸念にお答え申上げたいと存じます。信用金庫は会員により自主的に且つ民主的に運営される機関でございます。業務の運営におきましても総会員の意志を反映することは当然でございます。又資金の貸出につきましても、最高限度については規定はあるのでございまして、御指摘のような懸念はないと存ずるのでございます。又中小企業者を傘下に入れますことによりまして、むしろこちらの組合員が融資を受ける資金を得る場合も相当考えられると思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/96
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097・油井賢太郎
○油井賢太郎君 今の提案者の御説明は、さつきの三百人以下くらいのところは一番金詰りなんだというのと、今度はそういうところが入れば融資的にも便宜が得られるのじやないか、ちよつとそこに矛盾があるのですね。そういつたような点我々のほうも一応検討することにして、この問題の質問は一応保留します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/97
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098・大矢半次郎
○大矢半次郎君 今提案者のほうから一人に対する貸出の限度の規定があるというお話でありましたが、これはこの前の信用金庫法の審議の際に、私は特に普通協同組合などにおいてはこの点に関して定款その他において縛つておる。それから相互銀行法においては、明らかに法律の上でそれを規定しておるが、その信用金庫についても法律の規定を必要とするのじやないかということを質問した場合に、それは大蔵省においては実際の指導においてやつて行きたい、こういうふうなお話でございましたが、今のその規定があるというのはどういう意味でありますか。又大蔵省はどういう方針で指導しておられますか、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/98
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099・河野通一
○政府委員(河野通一君) 説明員から御説明いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/99
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100・青山保光
○説明員(青山保光君) 信用金庫の一人に対する貸出の制限でありますが、その規定と申しますのは、信用金庫についてはすべて事業報告書というのがございます。これは預金貸付の業務につきましては、その種類とか方法を細かく規定したものでございます。その中で一会員に対する貸付の制限は自己資本の百分の二十ということになつております。それで事業報告書におきましては、これは大蔵大臣が認可することになつておりますので、そういう意味合いにおきまして規定があるということになつておるものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/100
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101・大矢半次郎
○大矢半次郎君 今度はその従業員の数を拡張する場合に、先ほど油井委員からの御質問で懸念せられた点は、現在の事業報告書の制限で十分その目的を達成し得られるお見込みでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/101
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102・河野通一
○政府委員(河野通一君) この点は法律が施行されました後において十分検討して参りたいと思いますが、只今のところでは最高限度について特に変えなければならんということはないかと思います。もう少し実情を調べた上でやりたいと思います。殊に出資金その他のいわゆる自己資本というものも相当充実して参つておりますので、特に割合を変えなければならんという必要もないのじやないかと今のところは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/102
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103・小林政夫
○小林政夫君 本法案とは直接関係がないのですが、最近政府資金を信用金庫へ預託した五十億の中で、一体幾らになつたのか、百五十億出して、百億は金融債の紐付でおく、あとの五十億の中で信用金庫方面では幾らか、而もそれは信用金庫の中で個々の信用金庫に対する預託の金額はどういう基準によつてやつたのかということについて政府委員に伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/103
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104・河野通一
○政府委員(河野通一君) この問題は実は先般油井委員から御質問がございましてお答え申上げたのでございます。今日は実は資料を持つて参つておりませんが、私今記憶にございますのは、信用金庫に対して五十億のうち十二億を出しております。それから相互銀行に二十七億でしたか、ちよつとはつき今記憶いたしておりませんが、出しております。信用金庫に放出いたしました金庫数は百五十一くらいではなかつたかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/104
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105・小林政夫
○小林政夫君 それではその数字は速記録で見ますから、割当の方針を一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/105
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106・河野通一
○政府委員(河野通一君) 方針は大体資金量等を基準にいたしまして、それに一定の段階を三つか四つ設けたかと思います。資金量の多いものにはAの金額、それから資金量の若干低いものについては、それよりも低い預託というふうなことでやりました。これは今度が初めてではないのでありまして、去年の八月に中小企業関係の措置をいたしましたときと大体同じ方針で配分いたしたつもりであります。なおこの点につきましては先般の油井さんからの御質問の際にもございまして、そういう配分の仕方についてもう少し範囲を広くするとか、或いは金額を殖やすとか、いろいろ考えられないものかという御質問がございまして、これについても十分御満足の行く御答弁にはならなかつたかと思いますが、一応詳細に御説明申上げております。只今のところではあれこれ考えまして、昨年の八月にやりましたと同じ方針でやつて行くのが適当であろというふうな結論になりまして、八月と同じ方針で配分をいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/106
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107・平沼彌太郎
○委員長(平沼彌太郎君) 本日の委員会はこの程度で散会いたします。
午後零時五十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314629X04319520418/107
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