1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年六月四日(水曜日)
午前十一時四分開会
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委員氏名
電気通信委員
委員長 鈴木 恭一君
理事 尾崎 行輝君
理事 山田 節男君
大島 定吉君
寺尾 豊君
新谷寅三郎君
小笠原二三男君
稻垣平太郎君
水橋 藤作君
池田七郎兵衞君
人事委員
委員長 カニエ邦彦君
理事 草葉 隆圓君
理事 千葉 信君
工藤 鐵男君
平井 太郎君
溝口 三郎君
村上 義一君
木下 源吾君
森崎 隆君
紅露 みつ君
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出席者は左の通り。
電気通信委員
委員長 鈴木 恭一君
理事
尾崎 行輝君
山田 節男君
委員
大島 定吉君
新谷寅三郎君
水橋 藤作君
人事委員
委員長 カニエ邦彦君
理事
千葉 信君
委員
溝口 三郎君
木下 源吾君
紅露 みつ君
国務大臣
郵政大臣電気通
信大臣 佐藤 榮作君
政府委員
電気通信大臣官
房人事部長 山岸 重孝君
電気通信省業務
局長 田辺 正君
電気通信省業務
局国際通信部長 花岡 薫君
事務局側
常任委員会専門
員 後藤 隆吉君
常任委員会専門
員 柏原 栄一君
常任委員会専門
員 川島 孝彦君
常任委員会専門
員 熊埜御堂定君
説明員
電気通信事務次
官 靱 勉君
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本日の会議に付した事件
○日本電信電話公社法案(内閣送付)
○国際電信電話株式会社法案(内閣送
付)
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〔鈴木恭一君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/0
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001・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 只今より日本電信電話公社法案及び国際電信電話株式会社法案(いずれも予備審査)について電気通信、人事連合委員会を開会いたします。
両法案について委員各位より御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/1
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002・千葉信
○千葉信君 大臣にお尋ねいたしますが、お尋ねするに当つて一応確認しておきたいのは、大臣が第三次吉田内閣の閣僚としての立場から、従来の逓信大臣若しくは電気通信大臣の国会における御答弁その他の従来の公式な席上における御発言等について大臣が説明を引継がれて、この際御答弁を頂けるだろうと思いますが、そう了解して差支えございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/2
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003・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 私責任を持つて私の意見なり又政府の意見を御披露申上げるつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/3
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004・千葉信
○千葉信君 これは昭和二十四年ぐらいでございますが、吉田首相が、従来しばしば国有財産、国有鉄道であるとか、或いは煙草の専売事業、発送電事業、電気通信事業等については、これを民間に拂下げる用意があるという談話を発表されたことを御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/4
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005・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 吉田総理大臣が民間に拂下げる用意ありということを明言されたということが新聞等でしばしば報道されておりますが、私の理解するところでは、その表現は幾分か当を得ておらないように思います。と申しますのは、御承知のように自由党自身は資本主義又自由主義経済を標榜いたしておるわけでありまして、その党の基本方針めいた主張をいろいろしておるそういう際に、只今のような国が経営している事業なりその他の問題につきましての質問がありました際に、相当余裕のあるお話をいたしておるわけでありますが、新聞等はそうならないで、それが確認したように報道されておる、かように私は理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/5
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006・千葉信
○千葉信君 吉田首相の御意見が新聞に報道される場合に、どういう印象を與えるような形において歪曲されたかどうかは知りませんけれども、併し同様の御意見が一再ならず新聞に発表されております。こういう御意見は、一体従来党における枢要の立場に立たれており、更に又閣僚として電気通信事業等に御造詣の深い大臣が、そういう首相の御意見がたとえ今大臣の言われた通りであつたにしろなかつたにしろ、総理大臣とこの問題について、若しくは総裁とこの問題について御意見を交換されたことがあるかないかということ、それから誰かの示唆によつてそういう発言をせざるを得ない状態があつたのではないかと思うのですが、その点も併せて御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/6
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007・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 今千葉委員からお話のように、私も自由党の政務調査会長をいたしましたし、その後幹事長等の党務も見て参りましたので、党のかねての主張というものはよく承知しておるわけであります。先ほど申しましたような抽象的な原則的な経済政策としての考え方を我が党としては堅持をいたしておるわけであります。ただその政策を実施するに当りまして、具体的な問題と取組んで参りますると、これにはおのずから限度があるわけであります。例えば鉄道が公社になるとか、或いは専売が公社になりまして、こういう際に自由党内閣でありますので、然らば同時に民営ということを考えたか、或いは民営に移行するつもりで公社形態というものを取上げたか、かように申上げますと、かような点についてのお尋ねがあるといたしますれば、これはそこまでの考え方はしておらない、と申しますのは、事業の性格から見まして、その事業を遂行するにふさわしい形態はやはりあるわけであります。で幾ら民営論者でありましても、何もかも民営論者化することができないのは、あたかも国営論者であるものがすべての産業を然らば国営にするかと申しますとしないと同様に、幾ら基本的に民営論者でありましても、すべての産業なりすべての事業形態を民営に移すものではない。これは今その逆の例をとつて申しますと、共産党の主張はこれは別でありますが、その他のところでありますと、幾ら国営を主張されましても、全産業部門に亘つて国営形態は採用されないだろうと思う。それと同様なものがその自由主義経済を主張する自由党にも限度があるわけであります。従いまして、この鉄道なり、或いは専売公社なり、或いは又電気通信の業務等につきましては、その持つ性格から見まして、これを公社形態、民営論者ではありますが、そこまで突き進めないこういうものがあるわけであります。この点は党の活動は先ほども申しましたように、政調会なり、或いは党を形成しております議員がいろいろ検討はして参りますが、最終的には総裁の決定を必要とする事項でありまするし、従いまして、今回の機構改革に当りましては十分総裁の意向も確かめる、同時に又政府といたしましては、総理の考え方とも十分緊密な連繋をとりまして、最終的な電気通信の経営形態を決定して参つたわけであります。で、冒頭にお尋ねのありました民間への拂下げという点を私強く否定いたしますゆえんは、党においての活動の際も同様でありますが、閣僚といたしまして、いろいろ総理、総裁である吉田さんと折衝いたしました際に同様な感じを持つた次第であります。その点を御披露申上げるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/7
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008・千葉信
○千葉信君 只今の御答弁の中でいろいろな御意見がありましたが、この問題について私又大臣と違つた見解を持つておる部分もかなりございますが、それはこの後の質問の中で申上げることにいたしまして、次に入りたいと思います。
今たしか昭和二十四年、二十五年以来創設されました援助物資の見返資金のほうから建設勘定のほうに相当多額の資金が入つているはずでございまするが、現在までに幾らになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/8
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009・靱勉
○説明員(靱勉君) 見返資金としましては二十四年度に百二十億、併しこれはその後預金部資金に替えられましたので、現在は電通会計といたしましては直接の関係を持つておりません。その後二十五年度に至りまして、やはり百二十億、これは繰入れという形で入つております。今度の場合におきましてもこれは結局政府の出資ということになつて公社に入つて来るわけでございますが、これは要するに当時非常にいろいろとこの法案につきまして、両院において御意見があつて、それぞれ主管のところから御答弁申上げてあつたのでありますが、これは結局もらいきりという観念でございまして、通信会計におきましても直接見返資金というのじやなくて、一般会計のほうから繰入れを受けたという形になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/9
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010・千葉信
○千葉信君 まあその会計上の点は一応明らかになりましたけれども、そこで大臣にお尋ねいたしたいことは、見返資金制度の創設に際して、マツカーサー元帥がアメリカ本国に占領月次報告書を送られております。その中でマ元帥はこういうことをアメリカ政府に申し送られております。それは占領地に対する援助資金、この援助資金はアメリカ国民が税負担をしているものであるから、占領地における諸設備にこれらの資金を充当し、その設備に関してはアメリカ国民の発言権を保有すべきである、こういう占領月次報告書をマツカーサー元帥が送られておることを御存じでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/10
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011・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は初めて伺う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/11
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012・千葉信
○千葉信君 次にお尋ねいたしたいことは、今御提案になつております日本電信電話公社法、国際電気通信株式会社法、この両案がこれは実は今日突如として取上げられた問題ではなくて、もうすでにこれは両三年以前から国会でもいろいろ問題になりましたし、又電通当局においてもこの問題についてはいろいろ御考慮をめぐらされて、そうして遂に今日に及んだわけであります。併しこの問題の端緒となりましたのは、やはりこれは一応形式的には国会の両院における決議、電信電話復興に関する促進の決議というものが一応の端緒になつているようでございます。でこれは電気通信省の刊行している文書の中にもその点は一応明瞭になつておりまするし。それから更にこの両院の電信電話復興促進の決議に基いて電通省当局の御努力によつて電信電話復興審議会というものが設けられ、国会に対する累次の答弁におきましても、国会の御決議を尊重し、そしてそれの具体的な方策を確立するためにこの制度は設けられたということを電通当局からも国会に対して答弁をされております。私どもの従来承知いたしております限りでは、この電信電話復興審議会におきまして大体一年くらいの昭和二十四年の九月以来審議会の会議が持たれて、二十五年の三月に至りましてから正式な答申案となつて結論が出ておるようでございます。で、現在国会に提出されております両法案は殆んど大体がこのときの復興審議会における結論と同様のものでございます。勿論その中身を検討してみますと、必ずしもそのときの答申案通りでないという部分もありますけれども、併しその相違点は大体大同小異だということでございます。これらの具体的な点については後ほど触れることにいたしまして、一体大臣としてはこの復興審議会の答申案なるものと現在御提案になつておりますこの両法案における相違点はどういうふうに考え、御確認になつておりますか、先ずその点を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/12
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013・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 只今のお尋ねでありますが、確かに経過的に見ますると、お話の通り鉄道が公社になり、或いは専売が公社になつたと、そういう際にもすでに電気通信業務についても公社形態が考えられたやに伺つております。而して御承知のように復興審議会ができたり、或いは又政令審議会等でもこの形態についていろいろ審議が重ねられた、又国会におきましても、只今御指摘になりましたように両院等において促進の決議等が行われ、又両院におきましてもそれぞれ小委員会等をも設けられて、いろいろ審議を続けておられることもよく承知いたしておるわけであります。私が電気通信大臣に就任いたしますと同時に、電気通信業務の経営形態は是非とも在任中に手をかけたいとかような強い考え方をいたして就任をいたした次第でありますが、初めてだと思いますが、東京を離れまして名古屋に参りました際に公社への移行の話をいたしましたところ、これが如何なる間違いでありましたか、新聞紙の報道では、殊にこれは外字新聞でありますが、英字新聞では佐藤電通大臣は電話事業を民間に拂下げる、かような記事が出たのであります。この点は冒頭に千葉委員からお尋ねになりました吉田総理の言明等の記事とも併せて読んで見ますると、如何にも民営に直ちに移行するかのような印象を強く與えた次第であります。そこでGHQの関係官も非常に驚きまして、旋行先から帰つて来るのを待つて、その新聞記事を示して民間に拂下げるとは非常に思切つた考え方だ、これは確かに一つの考え方のように思うが、果してさように考えておるかどうか、こういう点を確かめられたのであります。その際に特にGHQの関係官が申しますには、東京で発行する新聞記事は恐らくアメリカ本土においては大きなセンセーショナルな記事として取扱われるに違いない。で、日本の電話の復興ということについては、日本で直接事業をする連中から見ましても非常な関心があるのだ、そればかりではない、国際的な電気通信の事業に携つておる会社等から見ても大関心事なのだ、従つてこの記事が出たということは非常な大きな問題であるだけに、日本政府の真意を聞きたいということであつたのであります。そこで私率直に、これはとんでもない記事で、民間へ拂下げるというようなことを考えておるわけではない。自分のほうで考えるのは公社移行ということを言つておる。政府の直営形態を変えるということを考えたのだ、そういう問題の意味のことが只今の新聞記事に誤報されておるということを明確に申上げました結果、その問題はそれで済んだわけであります。ところが只今お尋ねがありましたように国会の決議なり、或いは政令審議会なり、或いは復興審議会等の調査の結果を尊重すると政府がたびたび言つておるならば、これは倉重したならば全部を一括して公社形態への移行、公社の内容としてはそれぞれ具体的には相当の相違はあるだろうが、形は全部公社に移行するものだ、こういうようなお気持を持たれることはこれは当然だと思いますが、今回御審議を頂いておりますのは、御承知のように国内部門については公社形態にし、国際部門は会社形態にしておる。従つてこの会社形態ということについて、国際部門を会社形態にするということは、関係方面から見まして、これは突然出て来たものではないか、これは非常な意外な問題である、こういうようなお尋ねを、他の機会に国会等においてしばしばお尋ねを受けたのであります。今の千葉委員のお尋ねもその点に触れておるのではないかと思いますので、お尋ねはありませんが、実情を一応明らかにしておくことが問題を御理解願えるゆえんではないかと思いますので、附加えて申さして頂きたいと思いますが、そこでその公社移行ということについては先ほど來申上げますように、決議なり、それから政令審議会の答申なり、復興審議会なり、又従業員の組合の意向等も私十分承知いたしておるわけであります。公社移行だけでありますならば、恐らく内容についての論議は非常に強く御批判を頂くことだと思いますが、一応済むわけでありますが、問題は国際部門をなぜ分けたかということであります。私自身の考えをこの機会に率直に申上げますと、先ほど申上げましたように、この経営形態についてはいろいろ工夫を重ねておるわけであります。
先ず一つの問題といたしましては、経営形態を考えます以前に、現在までやつておつたこの電気通信の事業を一つの経営形態で経営するのがいいのか悪いのか、御承知のように全国に跨つておるこれは厖大な機構であります。多数の従業員を擁しておるものでありまする。又国内における需要の度合におきましても必ずしも一様ではない。戰災を蒙つた都市があるし、戰災を蒙らない地方もあるし、これは公平に万遍なく普及さすべき事業である。又電報と電話との問題もありまするし、更に又それに国際的な部門もあるわけであります。そこでこれを、そのいろいろ問題のある電気通信の経営形態を、又この厖大な組織をあるがままの姿で移行することが可能か、又それがこの事業が発達するゆえんかということを先ず検討いたしたのであります。そうすると国内的な分野でこれを分割することは考えられない。都市と地方を分けるわけに行きませんし、都市と都市を分割するわけにも行かない、電信と電話を切離すわけにも行かない、できるだけ規模を縮小いたしまして、まとまりのいい方向にすることが事業の本当の目的を達し得るゆえんではないか、これは私の実は考え方であります。この観点に立つて考えまして、国内部門では分割の余地はない、併し国際部門についてはこれは分割が可能だという結論になつたのであります。同時にこれを分割することが国内並びに国際関係のものを通じまして、その事業の目的を達成するのに容易であるということを考えたのであります。御承知のように電気通信の仕事では、国際部門では相当の利益を上げておるが、国内部門では利益が余り上らない、或いは遠距離通話、市外通話では利益が上つておるが市内通話では上らない、或いは電報では赤字が出ておる、いろいろ事業自身を小分けに分けて見ますと、得失があるわけであります。今までの経営のよさは、その利益のあるものもないものも一緒にしてこれを均分化すると申しますか、その利益の上つたものを赤字のほうに注ぎ込むことによつて事業のバランスがとれるというような経営形態をとつて参つたのであります。併し私分割すればいいのではないかと申しますのは、国際部門の利益は国際部門の設備の改善に使うべきだろう、そうしてこれば一層整備発達さすべきではないか。在来のごとく国際部門で利益を上げたものを国内部門に注ぎ込むことはむしろ悪いほうで平均をとることになる、むしろいいものはそのまま育てて行く、それが電気部門の一つの目標になつて来る。国内部門においても国際部門に負けないような競争的な考慮によつて、努力によつて必ず国内部門の利益を上げ得るのだ、これが私の到達した実は結論であります。そこで国際部門と分けることを決意したその場合に、国際部門の形態を如何にするか、これを公社にするということも考えられるでありましよう。又分割をしないで公社の中の一部門にして或いは特別会計を設けろという議論もあるかと思います。併し問題を明確にするにはやはり別な機構にする、別な経営主体をそこに設ける、これが望しいことではないか。そしてその場合には国際的水準と申しますか、国際的な競争の立場において機構等を考えて見る、そうするとこれは会社組織がよろしいという結論になつて参つたのであります。この点が先ほど来お尋ねの国会の決議なり、その他の審議会の決議等を尊重しながらも、結論といたしまして相違点を生じた次第であります。
もう一つ附加えて申上げますが、就任当初におきまして、電通省部内の模様につきましては、私は先ほど申しました通り相当の事情をよく知つておるわけであります。会社経営という問題につきましては、或いは国際部門の分割ということにつきましては、相当の反対意見のあつたことも承知いたしておつたわけであります。従いましてこれが扱い方等につきましては、これは特別な扱い方をしておるかわかりません。その日におきましてこの案が突如出て来たのではないかという誤解を受けるのでありますが、これは突如というのは單なる誤解でありまして、むしろこの案を発表する時期、方法等をいろいろ考えていたというのが率直な私の表明であります。でこの点はお尋ねはありませんでしたが、一応附加えて御披露申上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/13
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014・千葉信
○千葉信君 私のお尋ねの中にはなかつたのですが、非常に詳しい御答弁の中で、例えば冒頭に御質問申上げた吉田首相の談話に対する誤解の問題、それから大臣が地方で発表された談話に対する誤解、こういう点は、これはどうも現在進行している過程の中では誤解ではなくなりそうな気配が非常に濃厚なのですが、併しそういう事実のあるなしにかかわらずそういう誤解を受けられることは、私の只今の質問に関して非常に能弁にいろいろな問題まで附加されて御答弁されたように、大臣も総理大臣も非常に雄弁家だから自信に任せて、少し意見を発表する場合にまくし立てるから、それで新聞記者が勘違いして多分そういう誤解をする場合が少々あるのじやないかと思いますか、その点については大臣も総理大臣も余り心配されることはまあないと思います。私のお尋ねしている点は今大臣がいろいろお答えになられた、二つの会社に分割するとかしないとか、それからその経営形態をどう持つて行くかというような点については、私の承知している限りでは、大体において先ほど申上げた電信電話復興審議会、まあ政令諮問委員会というようなお話もありましたが、政令諮問委員会における委員諸君の構成の状態から言いましても、この事業に対してどの程度の御造詣を持たれる委員がいたかいないかは存じませんけれども、私ども内容については余り政令諮問委員会のほうでは積極的に変更若しくは検討を加えられたというそういう証言はないように私どもは承知いたしております。今私どもがこの両法案を勘案するに当つて、以前からお話がありましたけれども、そういう御意見の由つて来たもうすでに結論のようなものが実は復興審議会の経過の中で出ております。丁度幸いなことにその文書も私持つておりまするが、その復興審議会の結論が今日この法律となつて出ている状態でございまするが、先ほど私がお尋ねしたのは少し違つている点があるようだが、その違つておる点については大臣は一体どことどこがどういうふうに違うというふうにお考えになつておられるか、その点を私はちよつと承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/14
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015・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 私、実は大変申訳なく考えるのでありますが、復興審議会の結論としては民営への移行形態としての公社という点が一点あつたのではないかと思いますが、この点はいろいろ誤解を受けまて、尊重するとすれば、今回の公社形態も民営移行への線ではないかというような話を、他の機会におきまして、国会でもいろいろお尋ねを頂いたのでございます。私そのときに一つの強い信念として申上げましたのは、機構を変更いたします際に、勿論抽象的に申しますならば、機構でありますから未来永劫不変と、こういうものではないと思いまするが、機構をいじる際に一つの中間的形態として機構をいじるということは、まあそれ自身が機構改革についての権威を失つているのだという実は私考え方を持つているのであります。機構を作ります限り、その機構として立派に機能を発揮する、その機構はその機構としてだけで立派な機能を発揮し得るようなものに是非とも作り上げたい。この主張の下に作るのだということを実は申しておるのであります。今回作ります公社にいたしましても、公社としての機能を十分に発揮し得る、ただ軍にイージーゴーイングな考え方から民営には直ちに移行はできない、だから一旦公社にしておくのだと、こういうような弱い考え方で大改革をすべきではないというのが私の信念でもありまするし、今回の坂上げ方もさような意味ではないのであります。で、第一点として特に相違いたしておりますのは、民営への移行形態としての公社を考えたものではないということがはつきり申上げられるのであります。その他の点何かお気付がありましたら、お尋ねを頂きましたほうがよろしうございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/15
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016・千葉信
○千葉信君 その点についてはこれから逐次御質問を申上げて行く経過の中で承わりたいと思いますから、この問題は一応これくらいにしておきます。
次にお伺いしたいことは、先ほど申上げたように、大体現在のこの提案されておる法律案の具体的な内容の点については、大方針と申しますか、根本方針のようなものはすでにもう電信電話復興審議会で大体の結論ができ上つている。このままそれが今日まで、いろいろな事情もありましたけれども、遅延したようですが、その遅延した理由の中に、朝鮮動乱の勃発によつてこの立法の問題が停頓せざるを得ないような事情が生じた、こういうことを一応私は風評として承わつておりますが、そういうことがあつたかなかつたか、その点も御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/16
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017・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) その点は御懸念のようなことはないと考えます。むしろでき上りました鉄道公社なり専売公社なり、これはなかなか批判が強いのであります。で、今回の公社の場合も同様でありますが、先例になつた鉄道なりの公社についてのまずいという批判、そういう点を十分修正することができておらない、この点は私どもとしても不満な点でありますが、この際公社への移行が遅れましたのは、先例である鉄道なり専売の公社の内容等につきまして、更にもつと検討すべきじやないかという意味においての自重論と申しますか、そのほうが強かつたように私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/17
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018・千葉信
○千葉信君 先ほどの大臣の御答弁の中からも、大体民営に移行したほうがよろしいという点については、その後のいろいろな検討の結果、大臣の先ほどの御意見のような形に移行したという点を除けば、大臣のほうの御確認の上では、復興審議会の結論というものがその他の場合にはそのまま今日この両法案となつて現われているということについて、これは大臣も御承認になるわけでございますが、そこで問題になりますことは、昭和二十四年の九月二十七日以来、第一回電信電話復興審議会が開催された以後における審議会の審議の模様、それから又問題は、その審議会の構成員の問題、こういう問題について私はやはり問題を十分にとらえるためには或る程度の検討が必要ではないかという、そういう立場から以下少しく御質問申上げたいと思う。
大臣も御承知の通り、当時たしか大臣は吉田内閣の官房長官であつたはずでございまするから、総理府に設けられた電信電話復興審議会の審議の状況等については或る程度大臣にも一半の責任があるはずでありまするし、従つて私どもこの問題を検討するに当つて先ず第一番に問題になりますことは、これらの構成員諸君の思想というか、主張というか、イデオロギーというか、そういう問題が一応問題になると思うのです。で、私どもの承知しておる限りでは、この電信電話復興審議会の構成員はこれは正式な政府の行政各部の機関としては作つておらないからと、こういう事由で国会議員は一応正式な委員には入らないという形になつておりました。併し実際上はオブザーバーという形で同席した多数の自由党の国会議員諸君がその会議を殆んどリードしていると言つても差支えない状態で審議が進められております。当時この問題について電気通信委員会の中でもこの審議会の構成については問題になつた点もありますが、私は殊更にこの場合その問題を蒸し返すつもりは毛頭ありませんけれども、併し何と言つてもその構成員の考えというものがやはり一応の問題とされなければならないと思うのです。冒頭にお尋ねしました吉田首相の談話の問題に関連して大臣が御答弁されました中にも、あの通りの談話は発表したはずはないけれども、併し何と言つても自由党という政党は資本主義的な自由主義政党であるという立場から国営、公営という方式については事業によつては賛成しておらない、こういう立場を堅持されている政党でございます。そういう政党色をふんだんに身につけたオブザーバー諸君が実はこの審議会の席上で結論を左右するくらいの発言力を以て行動されておる、而も正式委員でもないと政府が言つておるそれらの委員諸君が最後には審議会の最終結論、つまり小委員会案を作るときにはそれの正式委員となつて草案を作つておるというような状態でございます。そういう状態の中で一体審議をされた結論というものは果して大多数の国民諸君を代表するような立場において論議されたかどうかということについては、これは簡軍に答えが出ると思うのです。これは全く一方的な答えが出るはずだと思うのです。一体この問題について最も国民諸君が今度の両法案、電信電話公社法案にいたしましても、国際電信電話株式会社法案にいたしましても、国民諸君が一番心配しておることは、私はこの法案の狙うところは一方的な他の国の軍事的な支配、経済的な支配と結びついているのではないかというそういう心配です。而もそういう外国の支配という問題に結び付いて、外国の資本が多数この資本に投入されて、そして最後には身動きもできないような恰好になつて行くであろう穴がありはしないか、又一方ではもう具体的に国際通信の部門には現われておりまするが、国内の資本がそういう方向に便乗して自分たちの懐ろを肥やすための陰謀がこの中に含まれていはしないか、こういう点がこの法案の審議に当つて最も我々が慎重に審議し、国民諸君にそういう点についての疑問を明らかにするなり、若しくはそういう事実が伏在するならば、その点をどうしてもこれは大多数の国民の意見、希望という立場から剔抉する必要もあるだろうし、こういう点から私どもはこの問題について重大な関心を持つておるわけです。従つてそういう構成の中で審議された復興審議会の結論が今日両法案となつて出て参つております。そこで私ども直接には、例えばその後における政令諮問委員会等のこの案件に対する検討の状態や、それから大臣が先ほどお述べになつた大臣の御意見というような問題も十分これは考えなければなりませんけれども、根本的にはこの法案の基底をなしている復興審議会の審議なり審議の内容というものについて、十分これは私どもこの際には分析をしなければならない必要が起つて来ていると思います。そういう意味からこの審議会の審議の経過の中で、私どもが疑問を持ち、或いは又どうしても承服できないような意見が表明されているという点や、それから又その結論として出された点についていろいろこれから大臣に御質問申上げたいと思います。
実は今本会議の討論の通告がありましたので、一応具体的な只今申上げた点に関する質問は後刻に譲つてもらいたいと思うのですが、どうでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/18
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019・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) お諮りいたしますが、十二時近くにもなりましたので、千葉委員の討論は別といたしまして、継続いたしましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/19
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020・水橋藤作
○水橋藤作君 午後会議を続行するのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/20
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021・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 午後は放選法と電波法の関係をやることにきめております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/21
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022・水橋藤作
○水橋藤作君 委員会の予定としてはそうですけれども、今日の千葉君の質問はまだ終つていないが、本会議においての反対討論がありますので、止むを得ず今退席するはずなんで、午後のうちの劈頭ですね、質問を保留すると言われるのですから、そのあとで要するに予定のほうへ入つても差支えないと思います。如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/22
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023・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) 午後の委員会をやりまして、そのあとに時間がありましたら、継続することにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/23
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024・水橋藤作
○水橋藤作君 結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/24
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025・鈴木恭一
○委員長(鈴木恭一君) さよう取計らいます。
本委員会は休憩いたします。
午前十一時四十九分休憩
〔休憩後開会に至らず〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101314842X00119520604/25
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