1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十九年三月二十日(土曜日)
午前十一時二十三分開議
出席委員
委員長 稻村 順三君
理事 大村 清一君 理事 平井 義一君
理事 八木 一郎君 理事 山本 正一君
理事 高瀬 傳君 理事 下川儀太郎君
大久保武雄君 木村 武雄君
船田 中君 山崎 巖君
粟山 博君 早稻田柳右エ門君
飛鳥田一雄君 田中 稔男君
冨吉 榮二君 中村 高一君
辻 政信君
出席国務大臣
国 務 大 臣 塚田十一郎君
出席政府委員
行政管理庁次長 大野木克彦君
総理府事務官
(行政管理庁管
理部長) 岡部 史郎君
委員外の出席者
専 門 員 龜卦川 浩君
専 門 員 小關 紹夫君
―――――――――――――
三月十九日
委員飛鳥田一雄君及び鈴木義男君辞任につき、
その補欠として伊藤好道君及び小林進君が議長
の指名で委員に選任された。
同日
伊藤好道君及び小林進君辞任につき、その補欠
として飛鳥田一雄君及び鈴木義男君が議長の指
名で委員に選任された。
―――――――――――――
三月十九日
恩給法の改正に関する陳情書
(第二〇四四号)
受勲者に対する恩給復活の陳情書
(第二〇四五号)
を本委員会に送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した事件
連合審査会開会に関する件
行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(
内閣提出第九一号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/0
-
001・稻村順三
○稻村委員長 これより開会いたします。
この際お諮りいたします。従来衆議院規則によつて当内閣委員会に付託になつていました各省設置法案等が、各省委員会に分散して付託される事例が二、三ありまして、定員法案の審議にも不便であるとともに、従来の建前にももとると思われますので、今後かくのごときことなきよう議長及び議院運営委員会にその旨申し入れ、反省を求めたいと存じますが御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/1
-
002・稻村順三
○稻村委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。
次に、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入りますが、質疑に入ります前に大野木次長より補充説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/2
-
003・大野木克彦
○大野木政府委員 先般提案の理由を申し上げました行政機関職員定員法の一部を改正する法律案につきまして補足的に御説明を申し上げます。
まず第二条第一項の表を改正いたしまして、現行の合計六十九万四千三百四十七人を六十三万三千四十九人といたし、差引六万千二百九十八人を減じておりますことは提案理由で申し上げた通りであります。その内容はおおむね御配付申し上げました資料の通りでありまして、また必要によつて詳細は各省庁から御説明申し上げることと存じますが、一応各省庁ごとに差引増減につきまして簡単に申し上げます。なおその中には現在御審議を願つております法律案あるいは提案を準備中の法律案によるものを含んでおりますので、その点御了承を願いたいと思います。
そこで資料の定員法改正資料というのがございますが、それをごらん願いたいと存じます。初めに一の二条一項と書いたのがございます。これが大体定員法の二条一項についての総括的な資料でございます。上欄の改正前定員と申しますのが、現行の定員法に基く定員であり、改正後定員と書いてございますのが、今度の新しい定員法による定員でございます。その次の欄は差引増減であります。
これを各省別に順に申し上げて行きますと、総理府におきましては、下の方にございますように六万六百九十九人の減と相なつておりまして、このうちには警察制度の改正に伴う減五万九千三百二十九人が含まれております。これは定員法からの減という意味でございます。それから第二が法務省でありますが、法務省では千九百六人の減でございます。外務省におきましては四人の増、大蔵省におきましては三千八百五十八人の減、文部省では千八百三十一人の減、厚生省では二千九百五十四人の減、農林省では五千九百八十三人の減、通商産業省では九百六十六人の減、運輸省では九百九十四人の減、郵政省では三千百四十四人の減、労働省では八百三十五人の減、建設省では六百十三人の減、合計八万三千七百七十九人の減という数が出ておりますが、ここで八万という数が出ましたのは、人事院それから国家地方警察に現行の第二条第一項ばかりでなく、第二条第二項、第三項の定員を含めて計算しておるからであります。すなわち改正前の定員法におきましては、第二条の第二及び第三項で、国家地方警察の職員で、管区警察学校及び警察大学校等に在校する警察官二千六百人、警察を維持する町村が警察を維持しないことになつた場合の当該町村の警察職員を国家地方警察の職員とする場合、第一項の表の定員にかかわらず政令で定めることになつておりますが、その定員が一万八千九百九十六人ございます。また人事院は今回総理府の外局として、国家人事委員会として定員法の規制を受けることになりますので、従来定員法のほかに置かれておりましたての職員の数八百八十二人を改正前の定員の内訳として含めておるのでございます。
次に、内訳表というのがございますから、それをごらん願いたいと存じます。この内訳表につきまして、各省についての内容をざつと申し上げます。
一番初めに総理府でありますが、総理府本府については、航空研究部門の拡充に伴う増が五人ございます。それから行政事務の簡素化に伴う減が二百十人ございます。次に公正取引委員会では、独禁法の改正による事務の増加に伴う増が二十五人と、行政事務簡素化に伴う減が二十五人で、差引増減はないことになります。次に国家公安委員会でございますが、下の方の欄をごらん願いますと、警察制度改革に伴う減として六万百九十六人ございます。これは新制度によつて都道府県警察に現在の国家地方警察から移す分でございます。このほかにその上にございますように、発足後の警察庁として、事務の簡素化に伴う滅が百四人と、それから在外公館へ行きますための減一人と計上いたしております。そこでさらに上の方の増員の欄をごらん願いますと、これは発足後の警察庁として、現在の自治体警察の職員を警察庁の職員として振りかえるものを幾つか掲げてわりますが、これは主として通信関係の職員でございまして、その増の計は九百七十二人となります。結局増減を差引きますと五万九千三百二十九人の減となります。なお警察職員については、ただいま申し上げました警察庁の百四人と都道府県警察職員と合せて三万人の整理を予定いたしておるのでございますが、以上はただいま御審議を願つております警察法の具体的な内容によつているものでございます。それから次は、国家人事委員会が、従来の人事院についてその仕事の簡素化を行うことといたしまして、百四十六人の減となつております。次に官内庁では、やはり事務の簡素化に伴いまして減が五十人、それから調達庁では、事務の簡素化及び返還財産の補償とか、施設区域の提供であるとか、返還物品の処理というような事務がだんだん減少いたしますので、これによりまして七百一人減でございますが、これは三年計画をもつて行うことといたしておりまして、附則の第六項で年次別の暫定定員を定めております。それから行政管理庁では減が百四十九人、北海道開発庁におきましては、北海道開発局における駐留軍、それから保安庁の営舎等の建設工事の増加に伴う増が十人、それから行政事務の簡素化に伴う減が九十一人でございます。それから自治庁では、自治大学の運営に伴う増が十人、事務の簡素化に伴う減が十四人でございます。次に防衛庁でございますが、これは御承知のようにただいまの保安庁でございますが、ここの職員はすべて特別職となつておりますので、定員法には載りません。ただ改正前の定員法におきましては、現在の海上保安庁の大部分が保安庁の機関として海上公安局となつて、その職員これは一般職でございますが、その職員の員数表第二条第一項の方の保安庁の項に掲げてあつたのでございますが、このたびの防衛庁設置法案におきまして海上公安局の廃止を予定いたしておりますので、海上保安庁は運輸省の外局として存続するということにいたしまして、海上保安庁といたしましては運輸省のところでその人数を定めております。それから次に経済審議庁では、事務の合理化に伴う減は二十八人でございます。以上で一応総理府を終りますが、全体で減が六万六百九十九人ということになります。
次に法務省でございますが、本省で事務の簡素化に伴う減が千八百四十一人、このうち検察庁が四百五十六人、公安調査庁で六十五人、計千九百六人の減でございます。
次に外務省でございますが、在外公館の新設、既設公館の増強等に伴う増が五十六人でありまして、これは公使館が五つ、総領事館が二つ、領事館が三つ新設されます。また既設の増強がございます。その反面事務の簡素化、合理化に伴う減が五十二人ございまして、差引四人の増ということになります。
それから大蔵省では、やはり事務の合理化に伴う減が千六百五十二人であります。この内容を簡単に申し上げますと、本省の内部部局で百七十六人、造幣局、印刷局、税関研修所というようなところで六百一人、それから財務局、税関1これは地方でございますが、八百七十五人の減でございます。それから税関の特派職員を第二条の二項の方へ移しかえることによりまして、千四百人を二条一項から減じておりまして、計三千五十六人の減と相なります。それから国税庁では’ただいま御審議願つております入場税の国税移管で四百七十人、繊維品消費税の新設に伴いまして六百八十人、計千百五十人が増になります。それから事務の簡素化並びに人員の再配置等に伴いまして千九百五十二人が減と相なります。これは本庁、国税局、税務署を通じてでございますが、これで大蔵省では全体として差引三千八百五十八人の減と相なります。
それから文部省でございますが、国立遺伝学研究所の応用遺伝部門の開設に伴う増四人、国立学校の学年進行に伴う増加三百九十九人、学部、学科、大学院その他公立学校の合併等による増加百七十人、計五百七十三人でございます。それから減の方では、事務の簡素化、合理化に伴う減二千三百七十九人でありますが、これは内容を申し上げますと、本省の内部部局と付属機関で百十三人、国立学校関係で二千二百六十六人ということになつております。それから文化財保護委員会で事務の簡素合理化に伴う減が二十五人であります。それでこの公立学校の職員二千二百六十六人につきましては、付則の七項にございますように、三年間にわたつて縮減する計画にいたしております。
次に厚生省でございますが、癩療養所の増床に伴う増員が百十一人でございますが、これは癩療養所九箇所につきまして千床増加するので、その医師看護婦等でございます。それから精神頭部療養所の増床、これは二百床増床いたしまして、やはりその医師、看護婦等五十人の増でございます。それから国立癩研究所を新設することになつておりますので、これに伴う増員が十人、計百七十一人の増員となります。次に事務の簡素合理化に伴う減が二千七百三十八人。この内訳は内部部局が百七十六人、地方付属機関等で千六十一人、それから引揚援護事務の縮小で千五百一人ということになつております。引揚援護事務職員は附則八条で四年間に逐次に縮減することといたしております。それから国立病院の地方移譲に伴う減が三百八十七人ございます。岐阜、徳島、下呂、新発田、鳥取でございます。以上で厚生省全体といたしましては差引二千九百五十四人の減少となつております。
次に農林省でございますが、本省では事務の簡素化に伴う減が二千四十三人。これは内部部局で二百七十人、付属機関で三百七十三人、地方部局で千四百人、このうち大部分は統計調査事務所の出張所等の減員でございます。それから食糧庁で事務の簡素化、ことに検査とか買入れとか売渡しの事務の簡素化に伴いまして二千五百九十八人を減じております。それから林野庁につきましては民有保安林の緊急整備対策を実施いたしますので、それに伴う増が百人、それから事務の簡素化に伴う減が千三百六十六人であります。これの内訳は内部部局で六十一人、付属機関で四十二人、営林局三百九十一人、営林署八百七十二人ということになつております。次に水産庁では新造船の竣工に伴う増が十六人、それから事務の簡素化に伴う減が八十九人、農林省全体としての差引は五千九百八十三人の減でございます。
次に通商産業省では、本省で事務の簡素化に伴います減が九百九十人、その内訳は内部部局が二百六十五人、付属機関が三百六人、地方通商局が四百十九人ということになつております。それから特許庁では審査事務の増加に伴う増が四十一人、審判事務の増加に伴う増が二人、それから事務の簡素化に伴う減が八人。中小企業庁におきましては、事務の簡素合理化に伴う減が十一人。通産省全体といたしまして差引九百六十六人の減でございます。
次に運輸省におきましては、本省で航空交通管制事務を引継ぎましてその増が三十人、それから航空機の乗員養成のため大学校を新設されまして、それの増が十六人、合計四十六人の増でございます。一方定点観測船の海上保安庁への移管に伴う減が二百七十二人、それから事務の簡素化によります滅が八百十五人、これは内部部局で百三十一人、付属機関で百六十一人、(「一々読まなくていいじやないか、もつと簡単に」と呼ぶ者あり)それでは簡単に申し上げます。海上保安庁関係のおもなものは保安大学等でございます。
それから郵政省では全体として三千百四十四人の減でございます。
それから労働省では事務の簡素化に伴いまして八百十八人、その他外局を合せますと八百三十五人の滅でございます。
建設省では六百十三人の減でございます。
それからその次のページは二条二項の内訳でございますが、これは先ほど申し上げました大蔵省の税関の特派職員を一項の表から移す定員でございます。
それからその次は附則八条と書いてございますのは、これは地方自治法の附則八条によりまして国の公務員で地方庁におきまして保険であるとかあるいは運輸関係の事務でありますとか、あるいはまた職業安定所等において従事している職員の減員四百八人でございます。
以上で二条一項の定員の御説明の概略を終ります。
次に法律案の方にもどりまして、五ページの二項から簡単に御説明申し上げます。先ほど申し上げましたように、二項は税関の特派職員を初めの表からはずしまして、政令でその定員を定めるとしたのでございます。
次に附則につきましては、一項はこの改正法律の施行を四月一日としているということでございます。
それから次の二項から五項までは警察法の改正に伴う経過的な規定でございます。
それから六項、七項、八項は、先ほど申し上げました調達庁それから文部省の学校、それから厚生省の引揚援護等に関する職員の年次計画の暫定定員でございます。
それから九項におきまして、昭和三十年の七月一日においてこの第一項の定員を越えないように、二十九年四月一日から三十年の六月三十日までの間に人員が整理されなければならないということを規定いたしているのであります。
それから第十項が臨時待命の制度を規定いたしたものでございます。
それから第十一項でありますが、その臨時待命に伴います手続を国家人事委員会規則できめるということ、それからあとは臨時待命の職員の身分その他に関する規定でございます。
それから十一ページの十八項でございますが、ここで教育公務員特例法第六条に規定しております大学の教員等につきましては、この教育公務員特例法の六条の規定はないものとするということを規定いたしております。
それから十九項は公共企業体等労働関係法の適用を受ける職員が臨時待命になつたときにおいても同法の但書の適用があるということを規定いたしております。
それから二十項は思給法及び国家公務員等退職手当暫定措置法におきまして、職務に従事しない間はその期間を半減するとなつております。それを臨時待命の場合には半減しないでそのまま通算する。
それから二十一項、二十二項、二十三項におきましては、法制局と会計検査院につきまして、一般の定員法に規定されております一般職の職員と同様に整理及び臨時待命が行われるという規定でございます。
二十四項、二十五項、二十六項は、先ほど申し上げました地方自治法の附則八条に基く職員についても同様に政府並びに臨時待命の制度が置かれるということを規定いたしておるのでございます。大体法案の概要は以上の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/3
-
004・稻村順三
○稻村委員長 これにて補足説明は終了いたしました。これより質疑に入りますが、質疑の通告がありますからこれを許します。高瀬傳君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/4
-
005・高瀬傳
○高瀬委員 大臣が来る前にちよつと大野木次長に伺いますが、第二条一項の内訳表というもので、大体その増減の内容は私もわかりました。しかしこれがただ各官庁内の事務的な廃合整理ということであつて、かねがね塚田長官が声明しておるところの、根本的な行政機構の改革というものとは非常にほど遠いように思うのでありますが、事務的見地から見て塚田長官が絶えず呼号しておるところの行政機構の根本的改革と一体どのくらい関係があるか、一体政府は行政機構改革ということに立脚してこれをやられたのかどうか、あるいは単に各省の事務的内容の廃合整理あるいは能率の増進という立場からこの定員表を作成したのか、これを一応次長に事務的見地から説明を願つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/5
-
006・大野木克彦
○大野木政府委員 ただいまの点につきまして、私どもの承知いたしておりますのでは、機構の改正の問題につきましては、実は全体的な機構改正案がまだ十分熟しませんので、そのうちきまりました部分だけにつきまして、ここにその改正によつた定員の削減をいたしておるのでございます。たとえば警察でありますとか、人事院でありますとか、また小さいものですが後に出て参ります国立世論調査所の廃止であるとかというふうなものに伴うものはここに含まれているのでございますが、一般的な各省の機構改正に伴う減員はちよつとこれに間に合いかねておりますので、主として事務の合理化、簡素化等によるものが多いのでございます。ただ事務簡素化と申しましても、いわゆる一率の天引ではございませんで、それぞれ事務の内容によりまして各省でいろいろくふうをいたしまして、それによつて予定の仕事はやれるという限度における減員を出しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/6
-
007・高瀬傳
○高瀬委員 それでは伺いますが、政府の根本的行政整理の方針がつきますと、やはりまたこの定員の内容の異動があるだろうと思うのです。そうするとまた定員法をかえてあらためて本国会に提出して来られる意思があるのかどうか、それをちよつと伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/7
-
008・大野木克彦
○大野木政府委員 機構の改正がどの程度行きますかによると思いますが、相当の縮減がもし行われますならば、あらためてまた定員の改正をお願いしなければならない場合もあるのじやないかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/8
-
009・高瀬傳
○高瀬委員 私が伺つておきたいのは、新会計年度というのは四月一日からです。そうしますと一体会計年度とのにらみ合せの上で事務的にそういうことが事実上実行可能であるかどうか、それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/9
-
010・大野木克彦
○大野木政府委員 もしかそういう事態になりますれば結局予算のうちになりますので、不用額に立てるということに相なると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/10
-
011・高瀬傳
○高瀬委員 そうするとこれによつて新会計年度の予算額が制約される、こういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/11
-
012・大野木克彦
○大野木政府委員 もしか新しい定員ができるといたしますと、現在御審議を願つております予算の範囲内でその新定員によつてやるということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/12
-
013・高瀬傳
○高瀬委員 ただいま塚田長官がお見えになりましたから伺いますが、それより前にこの定員表の内訳について大体判明したものですから、大野木次長に事務的な見地を伺いました。ところが全体的には行政機構改革の骨子がまだきまつていない、従つてそれがきまればまた出し直す、しかもそういう場合に会計年度との関係で事務的にうまく行くかということを今大野木次長に伺つたところなのです。そこで塚田長官は、今回は国家的見地から大所高所から徹底的な行政機構の改革をやり、能率の増進、経費の節約をはかるのだということをたびたび当委員会で声明しておられます。ところが今の大野木次長の事務的な説明によりますと、この定員法の一部を改正する法律案だけを行政機構の根本的改革と切り離してぽこんと出して来られたのでは非常にわれわれはその点了解できない。従つて塚田長官はたびたび声明されたところの行政機構改革とこの定員法とを全然政治的に切離して考えておるのではないかという節ができるわけだ、われわれの同僚議員冨吉榮二君なども塚田長官の人格と識見に信頼して、徹底的な行政機構の改革をなすことをかたく信じておりましたが、この時期にこういうものを出して来られるということは、はなはだわれわれ一同の不可解とするところでありますが、一体塚田長官は、この行政機構の根本的改革というものと定員法との関係についていかにお考えになるか。また行政機構の改革を徹底的にやられるつもりなのか。それともこの際そちらの方はお手やわらかにということで、定員法だけを事務の簡素化、合理化という見地からやられるつもりでおるのか。そういう点を一応はつきり明らかにしてからこの定員法の審議にあたりたいというのが私の考えでありますが、いかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/13
-
014・塚田十一郎
○塚田国務大臣 一言に行政改革もしくは行政整理ということを申しますか、結局この行政整理もしくは行政改早には、二つの面があると私は考えておるわけであります。一つは、機構をなるべく簡素強力なものにするという考え方、もう一つは、人員をなるべく少くするという考え方であります。もちろんこの二つは完全に別のものではないのでありまして、機構を簡素にするということのねらいには、定員を減らすというねらいもまたあるわけでありますが、しかし定員をなるべく少くするという考え方は、機構を簡素にするという面からだけでなくて、その他のいろいろな面からもやつて参るわけであります。いろいろ検討いたしました結果、定員の整理、縮減というものは、むしろ機構の面よりは、その他の事務運営の面、たとえば事務能率を上げて行くとか、あるいは事務処理を合理的にして行くというところによけいにあるという結論に到達いたしましたので、結局行政整理、人員整理という部分は、機構の改革とは別にでも考え方としては考えられる、こういう考え方に立ちまして、一応分離して御提案申し上げるという結果になつたのであります。しかしやはりこれは理想的に行きますならば、両方総合して、総合的なものとして出すべきわけでありますが、どちらも重要なものでありますから、できた方から、こういうぐあいに考えられるならば、別にしても御納得いただけるのじやないかという考え方であります。従つて、機構の改革は遅れておりますが、部分的にやりました部分につきましては、その改革に伴う人員整理というのは織り込んでありますが、そうでない部分は、従つて今後機構改革が行われる場合に、その上にさらに定員の減というものが考えられるものはこれにプラスして行く、こういう考え方でおります。
そこで、なぜ機構の改革の部分が遅れたかということでありますが、私も初めこの作業にとりかかりました時分には、一緒にできる、また一緒にして行くべきものである、こういう強い考え方をいたしておつたのであります。しかし実際に経過を御存じになつておられるので、よく御承知と思いますが、機構の面については相当な困難な面がたくさんある。困難ということも、言葉の表現であるいは当つておるかどうか、とにかく機構の面につきましては、今までに幾たびかやりまして、今日の段階まで参つておりますと、局部的に断片的に取上げても、なかなか理論づけも困難であり、従つて皆さんの御納得が行くというわけにはなかなか行かないのじやないか。ことに今日の国会の委員会の機構が、こういうぐあいに内閣委員会があり、各常任委員会があり、それぞれの立場でいろいろなものの考え方があるものでありますから、これをまとめて行くというのはなかなか困難であります。そのためにはやはり納得の行くような案を用意するのでなければできないであろう。と申しますのは、その機構個々に他と関連のない部分を改組して行く、たとえば警察制度の機構を改組して行く、人事院の機構を改組して行くという場合には、それはそれだけで行きますが、一旦中央の各省機構というようなものを考えて行く場合には、やはり全体が一つの総合体としてまとまつた案になつて来ないと、とてもできそうもない。たとえば私の所管する郵政省のある一つの局をやめるというような案を出しましても、おそらく容易に御納得が行く見込みが立たないというので、今日以後の機構の改革というものは、そういう構想に基いて本格的なものを用意するのでなければ、実現の見通しというものは立ちがたいという考え方で、これは本格的にひとつ検討するということにいたしまして、先に見送るという形になつたわけであります。従つて、ぜひこれはやりたい、やらなければならないという強い熱意と希望は依然として持つておるのでありますが、ただ時期的な関係で、今会期にはあるいは提案まで持つて行つて御審議願うことは困難じやないかというように見ておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/14
-
015・高瀬傳
○高瀬委員 ただいまの塚田長官のお話で大体の構想はこちらも推察できます。従つておそらく行政機構の改革は来年一年くらいかかつてゆつくりとやろう、こういうふうにお考えになつているものと私は推察いたします。ところで私は思うのですが、この表によりますと、政府全体の国家の予算が減つたのだから、定員も減る。あるいは経費が減つたから、定員も多少減らさなければならぬというようなことが、大づかみに言うと大体の骨子になつていると思うのですが、これを見ますと、ふえたところは外務省くらいで、あとは全体的に言うと総括的に全部減つておる。外務省も四人くらいちよつとふえただけだと思うのですが、単に経費を節約するだけで官庁の能率が上るとは考えていません。ことに総理府に例をとりますと、総理府の外局みたいなものが沖繩にあります。去年の暮、稻村委員長とわれわれ一同沖縄に参りました。ところが、あそこは現在アメリカの占領治下のような状態になつて、日本ではないわけでありますが、あそこに日本政府の代表機関があります。そこに代表と事務官その他が十何名くらい勤務しておりますが、アメリカ側からは招持されても、向うを飯ひとつ呼ぶことができない。ただあがつているのはその公館に日の丸の旗一つで、しかもその館長は、八畳一間くらいのところに寝起きして、われわれが行つたとき、これでは沖縄の主権を日本に返してもらおうと思つても、アメリカ側と交渉ひとつできない。向うからごちそうになりつぱなしで、こつちはごちそうひとつできない。高瀬さん、一体日本政府のやり方はどうだということで、これは委員長も十分承知しておりますが、こういう点はやはり大所高所から、少し潤沢な予算をやり、定員をふやし、向うの司令官ぐらいはときどき呼んでこちらの意見も開陳できるというふうにしてやりませんと、私は実に気の毒なことだと思う。そういう具体的な面については、当委員会においても、何も全部減らしたから賛成というわけではありませんから、そういう具体的な意見もよく聞いてこの別表をつくつていただきたい。私どもはもちろんこれから各省の代表者を呼んで具体的に聞くつもりでありますが、そういう点についての考慮がこの総体的な定員法の改正法律案では非常に薄いのじやないか。税務署の役人にしたところが、財務局の役人にしたところが、非常にわれわれのところに陳情して参ります。実情を見てもらわないでこういう一括的な表を内閣でつくられると、われわれは困るという点もありますから、そういう点はひとつ塚田長官においても十分御考慮になつて、われわれとしてもそういう点を十分実情を聞きながらこの案の審議を進めて行こうと思いますが、塚田長官もそういう点についての御意見がありましたら、この機会に聞かしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/15
-
016・塚田十一郎
○塚田国務大臣 人員を減すということは、御指摘のように、ただ減しさえすればいいという考え方では毛頭ないのでありまして、今お述べになりました御意見と、私もものの考え方は同じようにしておるわけであります。従つてこれだけ減しましても、それぞれの部局におきまして、これはどうしてもこういう理由でふやさなければならないというところは、やはりふやしておるわけでありますが、なお今回の御審議の過程におきまして、そういうところが明らかになりますれば、国会の御修正で御訂正願つてけつこうだと思うのです。ただ一言申し添えておきたいのは、いろいろあれをふやせ、これをふやせという御意見があるのでありますけれども、しかし過去の厖大な人員は、そういう場合に、それを割にむぞうさにと申しますか、甘く、よし来たよし来たでやつておつたのがこういうぐあいになつたとも考えられますので、たといふやさなければならないという意見がありましても、相当これは厳格に考えて、どうしてもやむを得ないものだけはふやすという考え方でいたしておるわけであります。それからなおふやすような事情がありながら、一方に減らすということを相当経過の上においてはやつております。たとえば私の所管をいたしております郵政省におきましては、結果的には減らしましたが、また大分ふやして、そう大きな定員の減にはなつておりませんけれども、これはぜひそういうことにいたしませんと、ふやさなければならない理由というものは、いかに厳格に考えましても、最小限度の数字というものは、ある省、ある部局の場合には出て参るのであります。しかしその省全体として考えます場合には、減らさなければならないというのは、これは行政管理庁もしくは行政改革本部が机の上で見ておつても、ここにこれだけむだがあるということはなかなか指摘はできないのでありますけれども、全体としてやはりどこかにむだがあるであろうという考え方は、そう大きくはずれておらないと思うわけです。そこでいろいろな基礎から考えましたある数字というものを想定しまして、たとえば郵政省なら郵政省で、どこかでこれぐらいの定員を整理して減員をしてもらえるのじやないかという数字を与えまして、そしてそれぞれの省の意見を十分に聞きまして、最終的に出ましたのが、ここに出ております数字でありますので、私はこの減員の結果が、そう大きく現実の仕事ができないというような状態になつておるとは考えておらないわけであります。またそういうぐあいに各省の意見を聞きました結果、かえつて当初の十二、三万という数字が、こんな数字になつたと言つておしかりを受けておる面もあるぐらいでありまして、現実の数字というものは、当初の私どもが考えました案に相当プラスして、各省の事情というものをしんしやく考慮した結果、今度の数字になつておるということだけは、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/16
-
017・冨吉榮二
○冨吉委員 塚田長官から、いわゆる人員整理に終つたゆえんについてお述べになつた。これは私も予見いたしましたから、あなたに相当警告を発しておいた。ところがその警告を発していた通りになりまして、はなはだ遺憾です。ところが長官のお述べになりました言葉の中に、いわゆる国会法における各種委員会、つまり現在の常任委員会、そういうものに言及された。はつきりは仰せにならないけれども、各常任委員会等がその省の要求とマッチして、各官庁、各省の行政機構の改革のじやまになつている、平たく言えばこういうことなんです。これはその通り解釈するよりほかはない。そこで私はお尋ねするのでありますが、私も実は現在のこの常任委員会制度というものに非常な疑問を持つている一人であります。いな疑問を持つているより、むしろこれは全廃すべしという意見を私は強く持つている一人なんです。これは私の党の方針では別にまだきまつておりませんけれども、私はこれをすることなしには、議会が官庁の出店みたいなかつこうになつて、今長官の指摘されたような事柄がかなり多くなつて、全体から国の政治を見る国会の視野が狭くなるという危険を、非常に痛感いたしておる一人であるが、次のいわゆる本格的な行政機構改革の問題とにらみ合せて、その点について、長官は行政府の一人であると同時に、議員でもあるのですから、そういう問題についての御見解を披瀝願いたいと思う。これは議院のことだから、議院の方に運営委員会なりその他にまかしておいて、さわらぬ神にたたりなしというような考えなのか、それとも自分は行政管理庁長官としての建前から、そして今度の対策本部長であられるから、この点を自分は積極的にやつて行きたいという御信念なのか、その点お答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/17
-
018・塚田十一郎
○塚田国務大臣 私は誤解を起すといけませんから、あらかじめお断り申し上げておくわけでありますが私の立場は、国会側のそういうものについてまで自分でこうしたい、こうすべきであるというように申し上げる公の立場ではないわけであります。しかし行政管理庁長官として行政機関のそういうものを考えると同じ感覚で、国会を見ます場合に、私も国会議員の一人として、国会の現在の機構についてやはり相当検討を加える余地があるのではないか。国会議員の一人としては、自分もそういうように努力し、また国会側もそういうことになるのでなければ、また行政機関の方も機構改革を現実化することに非常な困難が出て来るのじやないか。ことに私がそういうふうに感じますのは、地方の自治団体の機構を考えます場合に、やはり相当これも整理簡素化しなければならぬものがあると思うのであります。地方にそういうことを要請いたします場合には、国の方が国会も行政機関もみずから範を示すということでなければ、やはり実現がむずかしいのじやないか。従つてこの機構の簡素整備というような問題は、国、地方、それから執行機関、議決機関、そういうものをひつくるめて、全体として国民の要請にこたえて問題を判断し、結論を出すべきである、こういうように感じておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/18
-
019・冨吉榮二
○冨吉委員 先ほどの御発言の内容は、要するにいろいろ手をつけてみたけれども、国会が内閣委員会あり、その他各種常任委員会制度等もございまして、いろいろ困難な点がある、こういうきわめてニュアンスに富んだ御答弁です。そこで私は感じたのは、たとえば農林省は農林委員会というものがあつて、つまり露骨に言えば、そこが官庁の出店で、ほとんど国会の行政委員会になつていて、あの省は廃してはいかぬ、あの局は廃してはいかぬ、これをやつちやいかぬ、そこから大じゆうと小じゆうとの小言が出て、なかなかやりにくい、こういう意味に聞いたので、何もひつくるめて行政機構改革、国会を簡素化しなければならぬという意味ではなしに、それが非常にじやまになつておるから、これをかえない限りは行政機構の改革はできないというふうに私は聞いたのです。これはごもつともだと私も同感ですから、ひとつあなたを声援して、その改革をやつてもらうという方向での質問なんですから、その点についてもう一ぺん承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/19
-
020・塚田十一郎
○塚田国務大臣 どうもお尋ねの要点をはずしておりましたので、恐縮したのでありますが、その点になりますと、実は私も現実にやつてみて、それぞれの委員会でいろいろな意見が出て最終的な結論を得るのに困難をしておることは、御指摘の通りであります。しかしそうだからといつて、そういう常任委員会側の動きをけしからぬ、あるいは非難しなければならぬというような感じをもつて、そういうものの改革を考えるというようには私は実は考えておりませんので、私としましては、そこのところは、こういう常任委員会制度があるのでありますから、そういうそれぞれの委員会がそれぞれの立場からの御異論が出るのを、なお納得していただいて、行政機構改革が成就できるためには、問題を総合的に持つて行つて、全体としてこうなるからと言うて、その各省、各委員会あたりから出て参りまするそれぞれの部分的な御意見というものに、納得をしていただくくふうを凝らして行かなければ、実現はむずかしい、こういう感じで申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/20
-
021・中村高一
○中村(高)委員 今長官は、自分の行政機構の改革ができないのを、国会側に何かなすりつけるようなことを言われたが、それははなはだどうもおもしろくないし、冨吉君も何か前の大臣だつたという関係からでも相づちを打つのかもしれませんが、それはおかしい。そんなばかなことはないのです。国会の方では、二十二ある委員会を十一、二でけつこうだというのが、大体各党の意見であつて、政党として、国会側のどこからもそんなことは出ておらぬことだと私は思う。何か国会の方に言うのはいけませんよ。それはあなたの方が内部でうまく行かぬことはわかるのであります。おそらくはそれであつて、行政機構が改革できないのを国会側に小じゆうとがいるからというようなことを冨吉君は言うけれども、そんなばかなことはない。われわれも行政機構の改革には賛成なんで、むしろ進んで委員会の方を少くしてしまおうという意見の方が強いのです。ことに今のような、いい意味においては専門的になつていいのですけれども、悪い意味においては腐れ縁を結んでいけないという、悪い面も出ておるという意見でありますから、われわれとしてはむしろ行政機構の改革を促進しようというのですが、私はむしろ内部に大きな原因があると思う。そこがあいまいではわれわれもはなはだ迷惑を受けますから、その点はひとつどこに隘路があるかはつきりしておいてもらわなければ、われわれの審議にさしつかえが出て参ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/21
-
022・塚田十一郎
○塚田国務大臣 御指摘のような誤解が起きなければいいがと思いながら、実は冨吉委員のお尋ねに対して、少し気持は違うのですと申し上げておつたので、私はやはり国会側は国会独自として、今までやつて参つた実績に徴して、もう少し別な機構というものがあつてしかるべきだという感じを持つでおります。そしてまた現実に、これは中村委員が、そんなことはないと言われるのでありますけれども、今まで機構の改革をいろいろ考えおりました段階におきまして、ずいぶんいろんな委員会にお呼出しを受けていろいろな御意見を伺つて、なるほどこれらの意見を克服して、そうして納得が得られるというものの考え方、それから機構の構想というものを持つて出なければこれはむずかしいなという面がいろいろな委員会から出ておることは事実であります。従つて、私としてはそういうできない責任を国会に転嫁するという気持は毛頭ありませんけれども、国会がそういうぐあいになつている以上は、そこに納得を得られるだけのこしらえをして出なければ自分としてはとても責任が持てないということが、この延びておる理由であると申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/22
-
023・中村高一
○中村(高)委員 そうすると国会の方では今委員会の整理をやつておりまして、近いうちに成案がきまつて出るはずでありますが、そういうものができて委員会の方が整理されたりして来れば行政機構の改革をやるというのですか。それでもまたむずかしい問題が出て来るのじやないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/23
-
024・塚田十一郎
○塚田国務大臣 これは先ほどから申し上げておりますように、国会側のいろんな委員会などの改組とか整理というものは、おのずから全然別の観点からお考えになつておられるし、またなされるものと思われますが、国会側でそういう改組、改革が行われませんでも、私としては行政機関の改革はやらなければならないと思うし、またやるつもりでおるわけであります。ただ国会側がそういうぐあいになりますならば、おそらく今までよりは多少困難の度が薄らぐかもしれませんが、しかしまたそれはそのときの情勢でどうなるかわかりません。とにかく国会の情勢とは別個に、政府としてはぜひ行政機関の改革をやりたいという覚悟であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/24
-
025・冨吉榮二
○冨吉委員 私は同僚の中村君と意見がわかれたようですが、決してわかれているのじやないから御安心願いたい。ただ問題は表現の仕方だつたと思うので、私は歯にものを着せずに、経験に照してはつきり言う方ですから……。国会において改革をしなければならぬという点は、ただいま言うような官僚の出先としての問題というだけじやない。これはほかの面もいろいろありますが、特にその面が一つの大きなフアクターであることは間違いない事実である。従つて私は塚田長官が苦労せられたであろうことを十分に賢察したのであつて、同情もしたのですが、行政機構の改革ということはどうしても合理的にやつてもらう。これは同党であろうと、何政府であろうと、私は当然行政機構の改革というものを行わなければならぬと思う。ただ私が言つたように、なかなか手ごわい官庁というものを——特に一番大きな抵抗力は、あなたの部下である官僚なんです。ここにも官僚出身の諸君がおられるから、当りさわりがあるかもしれませんけれども、実際官僚は非常に強い力を持つております。何をするにも、ここいらのあれをうまくやらないといかぬのであります。私はたくさん申し上げぬが、どうかそういう点においてひとつ勇敢に輿論の支持を受けつつおやりくださいということをなおかつ塚田長官に要望せざるを得ないのであります。どうか御健闘を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/25
-
026・稻村順三
○稻村委員長 辻政信君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/26
-
027・辻政信
○辻(政)委員 各委員が述べられました意見は私も賛成でありますが、この案を見て実はがつかりいたしましたのは、泰山鳴動してねずみ一匹という感じを受けたのであります。人員整理につきましては、機構改革を伴わないでもやるという御趣旨にはあえて異存がありませんが、しかしこの案をそのまま実行なさるとしわ寄せが来る。それは第一線の現業において働いておる、比較的少い俸給をもらつておる下級者に整理のしわ寄せが行きまして、課長以上の、乗用車に乗つて宴会に出る人の頭数はなかなか減らない、こういうおそれがあるのであります。その最も極端な例を申し上げますと、この前委員長以下関東海運局を視察したのですが、これが最もいい例でありまして、本局の人員が百八十八名おる。そのうち課長以上が二十名であります。十五課四部にわかれておる。しかも安定所長が一人おる。局長を加えますと二十名の者が乗用者に乗つて宴会に行く組であります。これをさらに減らしますと、その課員で汗みどろになつて働いておる若い人たち、そういう弱い方面に重圧が参りまして、全体としては人員を整理したことによつてそのしわ寄せを受ける者は弱い人たち、働く人たちである。こういうおそれを非常に強く持つて参ります。東京支局のごときは、六十四各の定員の中で長と名前のつく者が十人おるのであります。そういう点を見ますと、この機構改革によつて行政機構そのものにメスを入れない限り、不徹底な人員整理をやりますと、事務能率が逆に停滞して来る。こういうおそれを持ちます。この人員整理案を長官として強力に実行され、統制されなければ、そういう非常に悪い弊害が起つて来るのではないかと思いますが、その点の長官の見解を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/27
-
028・塚田十一郎
○塚田国務大臣 全体として泰山鳴動してねずみ一匹という感じは、おそらく世上一般にそういう感じを持つておられるのではないかと私も実は想像しておるのであります。それはいろいろないきさつがあつたからそうなつたと思いますが、相当大きな数字の整理を予定しておつたのが、先ほど申し上げましたように、各省の具体的な事情を聞いて逐次無理と思う面は譲歩したという関係になつてそうなつたのであります。ただ私も整理に実際に当つてみて、なるほど世間一般に相当冗員があるというぐあいに考えられておるほどは冗員がないのだという感じを持つたわけであります。そう申しますのは、通俗的に七十三万整理対象人員があると言われておる。その一割整理といえば七万三千人整理しなければならないのでありますが、その中を個別に検討してみますと、ただいま辻委員も御指摘になりましたように、整理をしてはならない第一線の部分が非常にたくさんあるのであります。そういうものはいかに行政整理を熱心にしなければならないという考え方からしても、下手にすれば国民に対するサービスの低下になるだけでありまして、整理の意味を失つてしまいますから、そういうものを逐次除いて参りますと、整理対象になる人員が総数では非常に少いのでありまして、大ざつぱに三十八、九万と私は見ております。七十二万の中で一番大きいのは、私の所管しております郵政省で、定員が二十五万、このうち現業に従事しておると考えられますものが大体二十三万くらいあります。それから病院でありますとか学校——学校については整理できないかどうかということには問題がありますが、少くとも今の学制をあのままにしておきます以上はちよつとむずかしいと思われます。そういうものを逐次抜いて参りますと三十八、九万、その中でこれだけの人間が整理されたということになるわけでありまして、整理にはかなり無理はしてあるわけなのであります。それから今度その中の割振りでありますが、これも今御指摘になりましたように、弱いところに圧力がかかることは極力避けなければならないというので、私どもも細心の注意を払つておるわけであります。従つてこの行政改革本部が各省割当の人員を出しますときには、総数の割当を出しておると同時に、われわれの方はこれだけの総数を、こういう部分でこれくらい、こういう部分でこれくらい、という内訳をやはりつけておるわけであります。ただしかしそういうこちらで一般的にきめた内訳を、最終的にもう変更できないものというように強い立場をとりますと、多少無理が生ずるかもしれませんので、各省がわれわれの期待した内訳の部分で整理するものを他の部分で整理をして、全体の数をそういうぐあいにしてまかないたいという考え方がある場合には、御相談が願えるならば、行政管理庁に相談をしていただいて、その上で多少のあれは認めるということにいたしてある。そこで私どもが各省に予定しております整理の位置というものは、今辻委員が御指摘になりましたように、自動車に乗つて歩くかどうかは存じませんが、そういう比較的第一線でない部分に非常に大きな整理率というものを期待しておる。で私は一群高い部分の、つまり本省で机の上で仕事をしておると考えられる部分の人たちのところは、おそらく二割五分以上の整理になつておると考える。そうでないと全体の数が背負えないという状態に大体整理がなつておる。それから末端の整理をしてはならないところは全然整理せずに行くというように、現実には最終的調整をいたしておる。なお今後各省の運営の実際の監理のやり方につきましても、十分協議を受けまして、御指摘のようなあやまちのないように努力したいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/28
-
029・辻政信
○辻(政)委員 その点に御着意なさつておることは非常に敬意を表しますが、どうかその整理すべきポストのあんばいを各省にまかせないようにされまして、その点だけは妥協されないようにされたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/29
-
030・稻村順三
○稻村委員長 大久保武雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/30
-
031・大久保武雄
○大久保委員 私は一点だけ御質問します。定員の減も、行政機構の改革も、終戦後非常にたくさんの法令ができておりまして、その法令に関連いたしまして、新しい許認可事項が中央地方とも非常にふえておると思います。この面に手をつけないで、人員の一律天引きあるいは行政機構の改革をやりましても、今辻委員も発言されましたが、かえつて行政運営を阻害する、こういう面が——すでにそういう血が出ると申しますか、定員は減しても行政の運営が阻害される、もうここまで来ておるのじやないかと思う。もう数回の整理によつて問題はそこまで追い詰められておる。それが今塚田長官が、やつてみて非常に困難なところにぶつかると言われましたのは、この許認可事項の整理なくして定員の減はできないというもうすれすれの接線まで来ておるところに現実はあると思う。そこで今後の行政機構改革といたしましても、定員の削減にいたしましても、どうしても許認可事項の整理、終戦後おびただしい数一に上つて走る法律の改廃、こういう問題に当然逢着するものだと考えますが、この点について塚田長官の御意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/31
-
032・塚田十一郎
○塚田国務大臣 御指摘の御意見はまつたく同感であります。従つて今度の整理に着手をいたします第一段階に、私どもも法令整理というものを取上げたわけであります。もちろん法令整理は、今度私が機構改革に着手いたします前からもうすでに問題になつておりまして、法制局におきまして鋭意案を練つておられたようでありましたので、法制局と連絡をいたしまして、法令整理ということを第一段に取上げたわけであります。法令整理の大体のねらいは、御指摘のように、許認可事項の整理ということにあつたわけです。許認可事項の整理におきましては、ただ許認可事項の種類や数を減らすというだけでなしに、種類や数は減りませんでも、この扱つておる部局を減らす、と申しますことは、具体的には、横にいろいろな省が共管でもつて一つの事柄に幾つもの省がみな携わつておるという部分は、なるべく一つにするということによつて整理できるのじやないか、それから後に国の出先機関の末端から逐次やつて来て何段階にでもして管理しておるという面も、これが整理できるならば、数が減らないでも、国民の立場から、また事務の立場から整理ができるのじやないか、そういうことを考えます場合には、国民の立場からすれば、なるべく国の中央の持つておる権限は出先にまかしてしまうということの方がいいだろうというので、出先機関になるべく大幅に権限を移譲するようにという考え方をいたしたわけであります。また法令整理も、国会に御提案になつたか——まだ御提案申し上げておらないようでありますが、近く御提案申し上げる段階まで参つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/32
-
033・大久保武雄
○大久保委員 もう一点お尋ねしたいと考えますのは、人員の整理、行政機構の改革は各省に非常なシヨックを与えるわけであります。私たちはさつき御指摘になりました官僚出身でありますが、官僚は一生懸命仕事をしようという熱情においては決して——大多数の人はそういう熱情を持つておるということを私は官僚にかわつて申し上げてもいいかと思つております。そこでただ問題は、行政整理をやるやる、あるいは人員整理をやる、行政機構の改革をやる、これが官僚の諸君に非常な心理的な影響を与える。これは事実であります。何と申しましても、大体かりに会社員にいたしましても、自分の会社がつぶれるかどうかということは会社員にとつても大問題であります。これは官僚だけではありません。そこでこの機構改革とかあるいは人員整理とかいうものは今後どういう方針でおやりになるか。一ぺん相当思い切つてやつて、それから数年間はおやりにならないのか、あるいは毎年小刻みに——今回もたいへんな大シヨックを与えて遂におやりにならない、こういうふうにやつて行かれるのか、これは非常に官僚の人心を動揺させるわけであります。それはひいては行政の事務能率を低下させるわけであります。こういう点について、一回がんとやつて、あと数年間はおやりにならないという方針で今後お進みになるのか、あるいは小刻みに毎年やつて行かれるか、あるいは具体的に申しますならば、来年も人員整理、行政機構改革ともおやりになる方針であるか、ここをひとつ明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/33
-
034・塚田十一郎
○塚田国務大臣 これも確かに大問題であると考えるわけであります。従つてこの行政整理に携わる者といたしましては、なるべくそういうシヨックを少くするという努力をしなければならないわけでありますが、どうも実際にやつてみまして、かなりシヨックを与えたであろうということも、私もそういうぐあいに感じられますので、注意をしなければならないと同時に、恐縮をしておるわけであります。ただ今後やる場合に、どういうぐあいにしたらということでありますが、私は機構の面は今度本格的にやれば相当本格的なものをやつて、ちよこちよこやらないという考え方が最もよく当てはまると考えております。ただ人員整理の面は、機構とは若干感触が違いますので、連年というようなことはもちろんよくないと思います。今の整理では来年に持ち越される部分が残つておりますから、来年重ねてやるということは当然あり得ないとも考えられるわけでありますが、しかしある時期になつて参りますと、またその時期にとにらみ合わせてさらに検討をするという考え方も、あながちこれは捨ててはならないのではないか。これは現実にやる場合に、実際にまだ余剰人員があつてもなかなか一気にはできないという事情も手伝うと思いますので、まあ人員整理はたまには検討し直してまたやるということも考えてしかるべきじやないかと、こういうように考えるわけでありますが、来年はおそらくもう一度やるということはないのではないかと、こういうように感じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/34
-
035・稻村順三
○稻村委員長 大村君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/35
-
036・大村清一
○大村委員 資料の提出を求めたいと思うのであります。それは今回の定員改正によりますと、総数において八万三千七百七十九人の減員の敬が現われておるのでありまするが、これは私どもは行政整理の必要なるものは断行するという点については何ら異存はございません。しかしこの定員の減少によつて、その意に反して職を追われるというような人が、今日のような不景気な時代におきましては、生活上にも困るというようなことが予見せられますので、はたしてどの程度の数があるかという点についての資料の提出を求めたいのであります。すなわち減員数は八万三千七百余人でありますが、そのうちには官庁内に欠員がありまして、欠員でこれをまかなうことができるという点がございましよう。あるいはまた待命制度によつて希望退職する、この際やめた方がいいというので、積極的に待命制度の適用を願い出ておるという人の行き先は、そう深く考える必要もなかろうと思うのであります。またこのような整理の際におきましては、公務員の配置転換によつて公務員たることをやめなくても済む人も相当あろうと思います。ここに一部その関係資料があるようでありますが、私は要するに今回の行政整理によりまして、その意思に反して公務員をやめなければならぬ実数がどのくらいあるかということを、総数でもよろしゆうございます、あるいはまた細目的にでもけつこうであります。またこの間におきましては見込み数で、想像数でなければはじき出せない数字もございましようが、それらの辺は大局が見られればけつこうでありますから、その結論的なその意思に反して職を追われる公務員の数が何人あるかという数を、本日でなくてもよろしゆうございますから、後日御提出を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/36
-
037・稻村順三
○稻村委員長 この際お諮りいたします。本法案につきましては電通、郵政及び農林の各委員会より連合審査会開会の申入れがありましたので、これら各委員会と連合審査会を開会することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/37
-
038・稻村順三
○稻村委員長 御異議なければさように決定いたし、開会の日時等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/38
-
039・稻村順三
○稻村委員長 御異議なければさよう決定いたします。
本日はこの程度にいたし、次会は明後日二十二日午前十時より開会いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時四十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X01219540320/39
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。