1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年七月十五日(金曜日)
午前十一時九分開議
出席委員
委員長 佐藤觀次郎君
理事 赤城 宗徳君 理事 並木 芳雄君
理事 竹尾 弌君 理事 辻原 弘市君
理事 小牧 次生君
北村徳太郎君 高村 坂彦君
杉浦 武雄君 野依 秀市君
藤本 捨助君 米田 吉盛君
永山 忠則君 河野 正君
野原 覺君 平田 ヒデ君
出席国務大臣
文 部 大 臣 松村 謙三君
出席政府委員
文部事務官
(大臣官房総務
課長) 田中 彰君
文部事務官
(大臣官房会計
課長) 北岡 健二君
文部事務官
(初等中等教育
局長) 緒方 信一君
文部事務官
(社会教育局
長) 寺中 作雄君
文部事務官
(管理局長) 小林 行雄君
委員外の出席者
専 門 員 石井 勗君
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七月十三日
委員高村坂彦君及び永山忠則君辞任につき、そ
の補欠として池田正之輔君及び伊藤郷一君が議
長の指名で委員に選任された。
同日
委員池田正之輔君辞任につき、その補欠として
高村坂彦君が議長の指名で委員に選任された。
同月十四日
委員三宅正一君辞任につき、その補欠として水
谷長三郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月十五日
委員高村坂彦君、伊藤郷一君及び久野忠治君辞
任につき、その補欠として河本敏夫君、永山忠
則君及び犬養健君が議長の指名で委員に選任さ
れた。
同日
理事三宅正一委員辞任につき、その補欠として
小牧次生君が理事に当選した。
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七月十三日
女子教育職員の産前産後の休暇中における公立
学校の義務教育の正常な実施の確保に関する法
律案(木村守江君外五名提出、参法第一七号)
(予)
同日
写真師法制定に関する請願(並木芳雄君紹介)
(第四一一〇号)
同(加藤清二君紹介)(第四一一一号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
理事の互選
博物館法の一部を改正する法律案(内閣提出第
八八号)(参議院送付)
学校教育に関する件
社会教育に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/0
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001・佐藤觀次郎
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
理事の補欠選挙を行います。理事三宅正一君が去る十四日委員を辞任されましたので、理事が一名欠員になっております。理事の選挙は、先例により委員長において指名するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/1
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002・佐藤觀次郎
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって委員長より、小牧次生君を理事に指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/2
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003・佐藤觀次郎
○佐藤委員長 次に博物館法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案について御質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/3
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004・佐藤觀次郎
○佐藤委員長 他に質疑がなければ、本案に対する質疑はこれにて終了したいと思いますが御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/4
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005・佐藤觀次郎
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。
それではこれより本案に対する討論に入るわけでありますが、討論はありませんか。
〔「ありません」「なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/5
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006・佐藤觀次郎
○佐藤委員長 討論の通告も別にございませんので、討論を省略して、直ちに採決を行いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/6
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007・佐藤觀次郎
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決定いたしました。
採決いたします。本案を、原案通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/7
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008・佐藤觀次郎
○佐藤委員長 起立総員。よって本案は原案通り可決いたしました。
なお、本案議決に伴う報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/8
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009・佐藤觀次郎
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/9
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010・佐藤觀次郎
○佐藤委員長 次に学校教育及び社会教育に関する件について、その調査を進めます。質疑を許します。永山忠則君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/10
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011・永山忠則
○永山委員 本委員会は、しばしば新生活運動の基本方針について質疑をいたしておるのでございますが、この方針が、今どういうような状態になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/11
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012・松村謙三
○松村国務大臣 これは予算も通りましたことですから、直ちに実現に努めたいと存じまして、ただいまその用意をいたしているところでございます。かねて申し上げました通りでございますが、まず各党の有力な方々、実業界、宗教、教育、あるいは婦人の団体、青少年の団体等の代表的の方々を、総理からお招きをいたしまして、こういう日本の生活を規正し、文化、経済、生活の上において、更新をはかりたいというようなことをお願いを申すことから発足いたしまして、そうしてこれらの方々が御相談によって、新生活運動が国民的運動として発足いたしますことを期待いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/12
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013・永山忠則
○永山委員 大体、本委員会はこの問題を強く取り上げておるのでございますが、毎日新聞の七月十五日に、新生活運動方針要綱なんというのが出ておるわけでございますが、大臣、これは御存じでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/13
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014・松村謙三
○松村国務大臣 けさの新聞にざっと目を通しましたが、これは私の方でまとめた案ではございません。私どもがいろいろ話しました点を総合してできたことと存じております。私の方でまとめました文書、計画はあらためて発表をいたすつもりでおりまして、あれは正式に私どもの決定いたしたものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/14
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015・永山忠則
○永山委員 正式決定のものを、あらためて当委員会にお出しになるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/15
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016・松村謙三
○松村国務大臣 実はこちらでは、私、できるだけ詳しくお話も申し上げておりますけれども、できましたらば、もちろんここで御説明はいたします。いたしますが、これが運動としては、総理大臣からの呼びかけ、こういうことで、一文部省の仕事にしないで、総理大臣からの呼びかけで、国民運動として展開するような方策をとりたいと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/16
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017・永山忠則
○永山委員 そうすれば、予算はどちらへ属しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/17
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018・松村謙三
○松村国務大臣 予算は、これは政府全体として、内閣に置くのが妥当であったかもしれませんけれども、内閣の各局には、そういう受け入れ態勢がございません。また準備の期間もございません。文部官においては、社会教育局もありまするし、大体社会教育の面がございますから、そこへ予算は受け入れまして、もちろん文部省も強力にいたしますけれども、この問題はさらに重大でございますので、総理から取り扱つてもらう。そうして全国の国民運動に展開いたしたい、こういう考えでおるわけでございまして、予算は私の方に預かつております。そうしますと、予算を出しますときには、文部省でその適否を査定して出すことになると思うのでございますけれども、形は総理大臣として提唱をいたしたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/18
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019・永山忠則
○永山委員 予算は、便宜的に文部省へ置いたというように言われるのでありますが、内閣へ予算を置くという技術的なことは、予算編成においてできないのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/19
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020・松村謙三
○松村国務大臣 それは内閣の官房くらいで、予算を取れば取れぬこともなかったでしよう。しかしながら文部省としては、これを作り上げるのには手足もありまするし、また所管の社会教育の点もありますので、それで私の方に預かった次第でございます。しかし、これは何といたしても、日本の締め直しをやろうという事業でございますので、それで今言つたような政府の、総理大臣が首唱をするという形をとりたいと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/20
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021・永山忠則
○永山委員 この主管、主導は内閣でやるんだ、ただ便宜上予算を文部省が持つたんだというようなお考えでございますが、元来そうしたものであるならば、予算編成当時において、やはり内閣にこの予算を持ちまして、そうして内閣か主導でやるということにならなければならぬのでございますが、これが文部省へ置かれたということは、新生活運動というものを、特に社会教育の面というものが主導的立場に立って、一切の経済生活、社会生活というようなものを、すべてこの実践を通じての、精神社会面を重点に置いてやろうという考えで、文部省が主管してやるということで置かれておつたものではないのでございますか。この点を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/21
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022・松村謙三
○松村国務大臣 お話の通りでございますが、しばしば繰り返して申し上げます通りに、これは翼賛態勢のような形は作りたくない。民間の運動としてやつていただきたいというのが主眼でございます。従ってこれを主管などというような考えはどちらでもいいことで、どうかして民間の団体としてこれをよくやつてもらいたい。そこで政府としての結びつけはどういうところにあるかと申しますと、それは予算を、どうせその新団体で、こういうことをやるから、これに対して助成をしてくれといって手続がくるわけでありますから、そのときの査定をしなくちやなりません。そういう査定は、文部省で予算をお預りいたしておる以上、文部省で査定をいたすというところに一つの関連を持つわけでございます。それからもう一つの関連は、その団体でいろいろの新しい生活運動を起します。その起すことについて、政府部内もそれに即応してやらなければならぬことがたくさんあるのです。たとえば時間の厳守とか何とかいろいろなことがありましょう。民間だけじゃない、政府もまた率先してそれと同じことをしなければならぬ。そういう結びつけをする、どつかに関連が必要であろうと、こういうようなこともありましようから、そういうことは、あるいは内閣の方でやるかもしれませず、政府全体の機能を動員して最善を期したい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/22
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023・永山忠則
○永山委員 予算の関係、各団体への運動助成は、文部省の方で扱うのでございますか。別に何か内閣に関係機構のようなものができて、そこで、この団体の運動にはこういうふうに予算をやるということになるわけでございますか。予算配分の主管は、どこにおいてやるということでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/23
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024・松村謙三
○松村国務大臣 今のところ、その機関をどこに置くということは、まだ確定いたしておりません。現在のところで申しますと、文部省がそういう関連に当る、こういうことになっておるわけでございます。しかしやつてみて、いろいろの点から見て、だんだんと事が大きくなって参りますならば、政府の内閣に置くかもしれませんけれども、ただいまのところは、どこで預かつているかとお尋ねならば、文部省でお預りしている、こう申すわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/24
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025・永山忠則
○永山委員 まつたくわれわれが意外に思っておりますことは、この新生活運動の予算が文部省へ属しておる。そうして運動の中心は、教育というものを、実践面を通じて強く精神的方面を取り上げてやる。すなわち実践を通じての社会教育を確立していくんだという考え方で、新生活運動が展開をされるのであるというように考えておるのでございますが、大臣の考え方は、社会教育という面を強くこの運動の枢軸にするという考え方よりも、ただ生活の合理化というような、あるいはヒロポンの撲滅であるとか、住宅改善であるとかいったような問題の方面に重点を置いて、これらの一切の指導を、社会教育面を通じてやるんだ、この実践を通じての社会教育を徹底させるんだという考え方で予算化されており、また文部大臣が主導力であるというように考えてきたのでございますが、ただいまの答弁では、予算も、まあ文部省にあるから、たつてお問いになれば文部省でこれは配分するんだというようなことで、あるいは内閣に適当な機構があれば、そこが中心で配分するようになるかもしれない。きわめてあいまいな行き方になっておることを非常に遺憾に思っております。そういう状態でありますがゆえに、当委員会が再三にわたってこれを質疑をいたしておるにもかかわりませず、その運動方針が、新聞にこれのいろいろの点を総合して書かれるくらい内閣はいろんな構想を持っておりながら、当委員会にこれらの要綱となるべき具体的なものを指示されず、ただ質問があれば、それに対して局部的にだけ応答をされるというような結果になっておることは、全く遺憾にたえないのでございまして、われわれ委員会といたしましては、新生活運動の主導的立場に立っておるものではなくして、ただ予算があるというだけだというような工合に大臣がお考えになって、この委員会の皆さんの熱心なる議論に対しても、これに即応した行動に出られないというのではないかというので、われわれ委員は、大臣の意見を十分たださねばならぬということになっておるのでございますが、従って政府の方針がそうでございますから、地方組織の方については、どういうようにお考えになっておるわけでございますか。結局、市町村長がこれの事務を扱うのであるか、あるいは教育委員会がこの事務を扱うのであるか。すなわち文部当局が予算配分も、これを今は形式的にやると言われておるのでありますが、運動の中心は内閣であるということになるならば、もちろん運動の実体は各団体がやるんだ、だからして旧来の翼賛会のような官僚主義的な、上からの翼賛運動、新生活運動はやらぬ。自主的に各団体がやるんだ、こういうことでございますが、結局、文部省のその方針が確立しておりませんので、地方の組織に対する指導といいますか、事務的な連絡等は、どこが主管であるか。すなわち具体的にいえば、府県市町村か、あるいは教育委員会が事務の連絡の中枢となるのかどうか、ということをお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/25
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026・松村謙三
○松村国務大臣 今のお話のことでございますが、かねても申し上げております通りに、文部省といたしましては社会教育の面に、このほかに七千万円の予算をとりまして、青少年の訓育をいたしております。これは文部省が責任を持ち、文部省の手で青少年の訓育をして、そしてスポーツからくる明朗な精神、健全な肉体を涵養していく、こういうつもりで社会局でやらしておることは御承知の通りであります。それからもう一つの新生活運動は、これとまた別に一つの国民運動としてやる、こういうわけでございまして、それは先刻来申しました。文部省と離れてやるのかというお尋ねでございますけれども、これはできるだけ規模を大きくしまして、ほんとうに一つの国民運動として日本の締め直しをやるようなところへいかなくてはなりませんから、私の方ではそういう意味において必ずしも文部省でとつてやらなくちやならぬというようなことを考えませんで、全面的にやりたいと考えているわけでございます。従いまして予算のごときもそういう意味からして、一厘もそれにいまだ手をつけておりません。先般も委員長からお尋ねがございまして、この予算をすでにどこかで約束しているようなことがあるかというお話でしたが、そのときにお答え申した通りに、この運動の成り立つまでは一切そのままにいたしておくことになっておるわけでございます。これが現在の状態でございます。決してこれは事をあいまいにし、文教委員会などに御相談もせぬというわけではないのでございまして、事柄の性質上、できるだけ範囲を広くする必要があると考えるからでございます。
それから地方組織をどうするかということにつきましては、これは中央に新生活運動の本部ができましたならば、それから地方の各府県のやはり同様の有識者、志ある人を集めまして、そして府県の支部を構成するように委嘱をして、県の——神奈川なら神奈川県の支部を作るということでございます。その支部を作るのは、教育委員会というもの、そういう政府なり教育の機関とか自治の町村というような機関を通じてはおそらくはやらないのであつて、実質はもちろんこれらの人たちのお世話にはなりますけれども、別に独立した支部というものができるのではなかろうか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/26
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027・佐藤觀次郎
○佐藤委員長 関連して、平田ヒデ君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/27
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028・平田ヒデ
○平田委員 ちょっと大臣に質問申し上げますが、けさの読売新聞の八ページでございますけれども、高校生の性の問題についてずいぶんたくさん記事が載つておりましたが、ごらんなさいましたてしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/28
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029・松村謙三
○松村国務大臣 私時間がございませんでしたので、ほんの見出しを拾い読みいたした程度で見まして、実に驚いて目を通したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/29
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030・平田ヒデ
○平田委員 そのことにつきまして、ただいまの永山さんの質問と関連いたしまして、社会教育の面からも青少年の明るい生活、訓練の方向に七千万円という社会教育費を使つていきたいという大臣の御意見でございますけれども、私もあの記事を読みまして、そして今それを考えておつたのですが、これとの関連について青少年の訓育と、けさほどごらんになりました高校生のあの問題との関連について、どうかしたいというお考えをお持ちになりませんでしたでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/30
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031・松村謙三
○松村国務大臣 実際あれを見て、あれが私はすべてであろうとは思いませんけれども、あれが事実であるとすればひどいという、そしてこのままではおけないような感じをいたしたわけであります。それなら今これに対してどうするかと申しますならば、これは決して一つの方法であれの矯正はできない。あらゆる面からやつていかなくちゃならないと考えております。青少年の訓育の問題もありましようし、不良の少年の教育という面も考えなくてはなりませず、それからアメリカあたりの最も悪いとこばかりをまねしている、そういう従来の姿も根本的に改めていかなくちゃならない。そういう意味において、これはお互いに厳粛な気持で、この性の問題に対して、道義の上からもやつていかなくちゃならないと考えるのでございます。これらも当然新生活運動の最もおもな焦点になるであろうことを私は信ずるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/31
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032・平田ヒデ
○平田委員 私も子供を三人持っておりまして、今ちょうど高等学校の教育は終つたのでございますけれども、子供を持っておる母親の気持を、私おこがましいのですけれども、代表したいと思うのですが、とてもあの記事を見たらいたたまれないような気持でございます。一生懸命に清潔な、そしてほんとうに純潔を守つてくれる、そして学問に精を出してくれる、そういう子供たちを育てあげたいと私どもは思っておるのでございますけれども、私どもの手の届かないところでああいうことが行われていること——私もあの新聞の記事そのままそつくりは受け取りませんけれども、幾らか大きく出ているんじゃないかという感じを持っておりますけれども、事実あるということは私は感じるわけなのでございます。それでただ抽象的に何とかしなければならないと考えておるというだけでは、私は済まされないと思います。今すぐにでも何か方法を講じ、取りかからなければならないのではないかと思うのでございますけれども、緒方局長さんは高等学校の関係でいらつしやいますか、何か具体的にほんとうに実際問題にぶつかつて取つ組んで、この面で一人でもいいからそういう道に入る者を押えていこうというような、何かそういう案をお考えになっていらつしやるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/32
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033・緒方信一
○緒方政府委員 具体的にというお話でございますが、ただいまここですぐに具体案を示すことは非常にむずかしい問題であると思います。前回の委員会におきましても、性教育の取り上げ方につきまして、いろいろ御論議がございました。その中にもありましたように、これは非常にむずかしい問題でございまして、実は私ども文部省としましても、かつていろいろ研究いたしまして、純潔教育の手引といったようなものを、実は関係の学識経験者等にも御意見を承わりました上で、一案をつくつたこともあるのでございます。しかしそれをまだ学校の方に流して、地方の方に流しまして、学校で実施してもらうというにはまだ少し自信がございませんで、そのままにしたようなことも実際あったのでございます。これは前にもお話がございましたように、やはり社会一般の風潮の改善ということにも重大な関係があると存じますけれども、学校教育におきましても、もちろんこれは力を入れてやつていかなければならぬことと存じます。そこで直ちに、直接の性教育と申しますか、純潔教育と申しますか、直接の関係はないにいたしましても、やはり道義的な考え方の改善と申しますか、この指導を深めていくということがやはり必要じゃないか、かようなことを痛感いたします。戦後の新教育の中におきまして社会科という課目ができて、御承知のようにこの中で道徳教育を進めております。従来の修身というものは廃止になりまして、社会科がこれにかわつております。社会科のうちで、これは一部分でございますが、ほかにも学校教育全般についてやつております。これにつきまして道徳教育の内容が不十分だという批判もありまして、実は今回その改訂をいたしておるのでございまして、道徳的な観念の強化、醇化といったようなことも根本になってくるのじゃないかと考えております。いろいろ総合いたしまして、学校教育の面におきましても十分注意して参りたい、かように考えます。お答えが、御質問の具体的に示せということには沿わないかもしれませんけれども、非常に困難な問題でございますので、私どもも真剣に研究して参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/33
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034・平田ヒデ
○平田委員 けさの新聞はM高校というので、大体わかつてくると思うのでございますけれども、一つのクラス七十名おるうち四十五名は特飲街に出入りしているのだ、そういうことも書いてありましたけれども、御調査になる御意思はございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/34
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035・緒方信一
○緒方政府委員 御質問につきまして、よく調べてみたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/35
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036・平田ヒデ
○平田委員 何か定時制高校の問題、あの中に書いてありましたけれども、夜学部の定時制高校らしいが、キスをしておった、それを見つけたので退学をさせたというようなことが書いてありましたけれども、ちょっと先生の目にとまつた者は退学という処分をとつてしまう。私はまた大へん矛盾したような言葉かもしれませんけれども、そういう事実でもって青年の前途を誤まらせたくないし、何とかほんとうに子供たちを生かしていくようなあたたかい、思いやりのある、しかも何か清純な道に進ませていくような方向に何とか衆知をしぼつて持っていけないものかしらというようなことを感ずるわけでございます。目についた者については退校したり、放校したりしてしまう。そうして目に触れない者はそのままにしておる。成績の一番である生徒もそれをやつているんだと、けさの新聞に投書した子供は書いておりますけれども、ほんとうに胸が痛くなるような気持でございます。新生活運動というものにからみつけてでも、私は母親がもう少し子供たちの心理をしつかりとつかまえて、お母さんに何でも訴えてくれるような、何かそういうものを作つたら、間違いを起したことに対しても私は正しい判断ができる、学生としてそういうことをすべきでないというようなことも教え込んでいけると思うのです。これはほんとうに文部大臣がおつしやいましたように、なかなかむずかしい問題でございます。性は善悪を超越したものですから、ただこれをどうすることが人間としての道であるかということなども考えて参りますと、どうしたらいいかわからなくなってしまうような気がいたしますけれども、しかし文教の府としては、どうしたらいいかわからない、むずかしい問題というだけでは済まされないと思います。どうか皆さん方の知恵を集めて、何とかこの子供たちをそこねないように、悪い道に入つたらこれを正道に戻すように、そういうような思いやりのある正しい導き方をなるべく早い機会にいたしていただきたい。そう念願してやみません。
それからもう一つお尋ねいたしておきますが、私この間イギリスとかスエーデンとか北欧の民主主義諸国の夜間学部の調査をお願いしたはずでございますけれども、もう一カ月ほどたちますが、まだでございましょうか。これは稻田局長さんがお引き受け下さつておるのでございますが、お見えになっておりませんけれども、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/36
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037・緒方信一
○緒方政府委員 ちょっと関係者がおりませんので、ここでお答えいたしかねるのでありますが、今調査中だと存じます。また後ほど申し上げたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/37
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038・平田ヒデ
○平田委員 調査中、調査中とおつしやいますが、調査なさらないのじゃないか、ぜひとも調査してほんとうにその資料をお出し願いたいと思います。念のために申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/38
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039・小牧次生
○小牧委員 ただいまの新生活運動の問題、あるいは性教育の問題に関連して御質問いたしたいと思います。先ほどの永山委員の御質問で、若干新生活運動の問題がわかったわけでございますが、ただ五千万円という金が文部省で使われるのか、いわゆる政府で使われるのか、それとも文部省の方からあるいは政府の方から地方へ配付されるものか。私どもがいろいろ承わるところによりますと、この新生活運動の問題については主として各種の婦人団体がいろいろ今動きをしておられるようでございます。従いまして、この機会に大臣のお気持をお伺い申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/39
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040・松村謙三
○松村国務大臣 それにつきましては、こういうふうに考えております。今新生活運動の本部ができます。できていろいろの事業を、こういうこととこういうことをやりたいという計画がきまります。この計画に基いて政府の助成を求めてくることと思います。その計画を審査いたして、適当であろうと考えましたならばそれに対して助成をいたします。文部省から直接にどの団体、どの団体へ助成をすることはいたさないつもりでありまして、その新生活本部において、立てた計画をこっちで審査して、適当と思いますならばその本部を通じてその事業へ出す、こういうやり方をいたしたいと考えておりまして、今日まで文部省としては、一つもそういう団体等に金を渡すという約束等は絶対にいたさないことにいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/40
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041・小牧次生
○小牧委員 それで大体わかりましたが、そうなりますと、将来設置される本部に文部省の方から金を与えて、そうしてその本部に対して各種の団体の方から新生活運動の具体的な方針、計画を申し出て、それを本部で審査して、そうして本部が適当にこれに助成を与える、こういう意味でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/41
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042・松村謙三
○松村国務大臣 それはたとえば食生活改善、こういう題目を取り上げて本部で一つの計画を立てたといたします。そうしますと、その計画を審査いたしまして、それが適当であろうと思いますならば、それに資金の助成をする、こういう形でやろうと思います。そういたしますと、その計画に基いて、本部はそれぞれのその趣旨が徹底するようにそれらの資金でやっていく、こういうことになるだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/42
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043・小牧次生
○小牧委員 まだ本部もできておりませんし、従って計画もまだはっきり確立されておらないので、これ以上のつっ込んだ御質問はできないわけでありますが、もしも各種の団体からいろいろ計画を立てて申し出た場合に、助成される金の使い道というものは、人件費的なもの、あるいはまた旅費と申しますから、こういったものに主として使われるものか、あるいは何らかの施設と申しますか、あるいは設備と申しますか、そういったようなものも含むのかどうか。もし今何らかお考えがあるならばこの機会にお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/43
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044・松村謙三
○松村国務大臣 それは一体には申されぬとは思いますけれども、あるものは人件費等にも回り、あるものは設備等にも回る部分があると思いますが、端的に申すならば、その下部の団体を助成するということよりも、その下部を通じて改善運動を目ざした助成ということが多く取り上げられることではなかろうかというふうに考えるのでございます。それは具体的の案が出たときの問題でございますけれども、私今お話のうちの設備の点、もしくは運動に対する人件費等もあわせてやはり出ることと考えておるのでございます。ただできるだけ避けたいと思いますことは、その下部団体の維持費というようなものじやなくて、その団体でやる仕事の実効の上るようなことを目ざしてやるべきじやなかろうかと思うておつたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/44
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045・小牧次生
○小牧委員 まだ方針がはっきりできておりませんので、どういうふうに使われるかわかりませんが、五千万円というような金が、考えようによっては相当な額でもあるし、また考えようによりましては非常にこれは微々たる金であるということも言えるかもわかりませんが、いずれにいたしましても、こういった運動に対して使われる金というものは、いつの間にかどこへ使われてしまつたのかわからないという結果になりやすい費目であろうというふうに考えますので、いずれ本部ができまして具体的な方針等が確立されました暁におきまして、あらためてまたいろいろ御質問も申し上げたい、かように考えるわけでございます。
さらにもう一点お伺い申し上げたいのは、先ほどこの新生活運動の問題に関連いたしまして、平田委員の方から、本日の読売新聞の記事に関していろいろ御質問があったのでございます。私も朝出がけに全部読んで参つたわけでございまして、非常にあの記事を読みまして考えさせられる点が多かったのであります。そこでこういった高等学校の生従、こういった学生のいろいろな性教育あるいは性道徳の問題について、先般も本委員会においていろいろ性教育の面で論議されたことがございましたが、同僚平田議員が申されましたように、学校教育の面においていろいろ問題となっておる生従の家庭を調べる、こういう面の先生方の配意というものが足りないのではないか。まず何よりも、問題になっておる生徒の家庭を調べて、家庭とともどもに、学校側、父兄側が協力して、こういった問題を解決していくということが最も肝要ではなかろうかということを申されたのでありまして、私も全く同感であります。従いまして新生活運動の一環といたしまして、こういった性教育あるいは性道徳の高揚というような問題につきましての、何らかの形で、今申し上げましたような方面へも若干でも経費を回して、少しでもこれを推進していくということが必要ではなかろうか。と申しますのは、読売新聞の記事によりますと、高等学校の生徒が修学旅行に出ると特飲街に遊びにいくというような記事も出しておるわけであります。これは投書でございますので真偽のほどははっきり申し上げられないわけでございますけれども、あるいは今日高等学校の生従くらいになりますと、修学旅行に出て特飲街に行くというようなことがないとも限らないというふうに考えるわけでございまして、こういう面に対しましても社会教育の面から、十分一つ学校側とも打合せをされまして、修学旅行の問題をこういう問題に関連しても掘り下げていただきたいということを御要望申し上げたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/45
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046・永山忠則
○永山委員 大臣は十二時十分までしかおられぬというのでございますから、その時間まで要約して質問いたしますが、結局新生活運動の補助は、中央の方にできる機構、それを通じて下部へ流すということで、府県及び市町村あるいは府県教育委員会、市町村教育委員会には何らこの予算的な関連は持たしていないのでございますか。また同時に、お世話を府県市町村でやるか、あるいは教育委員会でやるか。お世話もやらぬ、ただほんとうの民間運動だから府県教育委員会は協力は頼むが世話役にはならせぬのだ、ただ中央にできた機関が一切下部組織まで作るという考えであるか、その下部組織はしからば市町村まで下部組織を伸していく考えであるかどうかでございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/46
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047・松村謙三
○松村国務大臣 予算の使用につきましては、ただいまもお話がございましたが、できるだけ有効に使つて、いやしくもこれをどこに使つたかわからぬような使い方はいたしたくないと心がけて苦心をいたさなければならぬと考えております。従いまして、各教育委員会あるいは町村の方に、これで世話をしてくれろというて金を均分に分けるようなやり方は一切いたしませんで、実際このことを専念してやろうという中央の団体の計画に従って渡す、こういうことになろうと思うております。そして地方に対しましては縦と横と申しますか、とにかく二つのやり方があると思うのです。すなわちその一つは今申したような支部を作つて、支部の力でやるということが一つ、その支部の中にはもちろん地方の自治体、県庁以下のものも入りますけれども、とにかくその支部でやる仕事と、それからずっと全国的に関連を持つた団体の仕事と、こういう二つの系統が織りまざつてくることと思うのです。たとえばかまどを改善する何か会がございますが、これは全国的にあるとすれば、その会も入ってきます。それからその地方の支部としても同様のことをやる、こういうことになろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/47
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048・永山忠則
○永山委員 それでは予算は結局中央の団体へ一本に流すということであると解釈いたします。そして今度地方の組織は、中央の組織ができて、地方に支部等が市町村まで自然的にできてきて、そして横の連絡をとるものに持っていきたい。従って教育委員会並びに市町村というものは協力はするが、お世話をする中核ではない。民間でできる組織体が中心だということに解釈してよろしゅうざごいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/48
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049・松村謙三
○松村国務大臣 もちろんお世話も願い、協力も願わなければなりませんけれども、建前といたしましては、ただいま仰せられたようなことと思うのであります。ただお話の中に、そういう意味でお話であったかと思いますが、助成は本部の団体へはいたしますけれども、本部の団体へ金をそのままそつくり渡すという意味ではございません。本部でどういう仕事をするかというふうに仕事も検討をいたして、そしてその仕事が妥当であれば、本部を通じてその資金を流す、こういうことに考えておりまして、無条件に本部へ助成することはいたさないつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/49
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050・永山忠則
○永山委員 そこで運動の内容を、松村文部大臣並びに根本官房長官、岸幹事長ら四役を中心として、寺本文部政務次官等も出られまして協議をされておるようでございますが、中央には大物を委員長として、そのもとに青年部、婦人部などの各部を置いて、ヒロポン禍撲滅、食生活、住宅改善、官吏の綱紀粛正、道義高揚、地方支部として都道府県、市町村委員会を設置して、運動趣旨の徹底をはかるというように考えられておるようでございますが、その運動は、各県及び各市町村が予算化をいたしておる運動とほとんど競合をいたしておるのでございます。これらの運動が、府県市町村、あるいは教育委員会の単なる協力というようなことで、府県市町村並びに教育委員会のやつている面と、本団体のやる面と、二つの面が実践面で競合して出てくる結果になるのでございます。中央はなるほど官房長官を中心に、文部当局が中核となりまして、指導的立場で総合をされて運営できるでございましょうが、各団体が各地方に運動を展開いたしませば、その横の連絡の強靱なるものができないと同時に、府県市町村もしくは教育委員会が世話役をいたして、まとめ役をするという考え方で進まないと、この運動が総合的に一元化されるものではないのでございます。どこまでも世話役としてはっきり市町村並びに教育委員会が協力してやるんだということにされまして、すなわち内閣及び文部省が協力をして、国民運動として展開するんだという方針であるならば、同時に府県、市町村、教育委員会が地方では世話役となり、枢軸となって、そして府県市町村並びに教育委員会の持っておるこの予算を総合的に運営をして、国民運動の目的を達するということにならなければ——われわれは民主的な運動のあり方ということには共鳴をいたすものでございますけれども、各団体の縦の線だけが強く浮き出まして、そして地方庁並びに教育委員会のこの運動との総合運営というものが十分できないということを心配いたすものであります。この点に対する大臣の御意見はいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/50
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051・松村謙三
○松村国務大臣 今のお話でございますが、御説明の通りの点もございますから、十分研究をいたしたいと思います。ただし日本のこういう運動で、近来最も成功した例は、昭和八、九年の選挙粛正運動——田沢さんが事務長か何かをやつた運動が御承知の通り非常に徹底いたしております。それなら地方の知事だとか町村長はといいますと、なるほどそれらの人たちの力も借りましたけれども、やはり民間の世論を作つたところに成功のわけがありまして、これはやはりわれわれの一つの手本としなければいけないと思います。そのあとに大政翼賛運動がございました。これは知事を使い、町村長を使い——もちろん今とは違つて知事も政府で作り、町村長も知事が作るというようなことであったからでございますけれども、これはその系統でやつてきました。そうすると、国民は必ずしもそれについてこなかった。名前だけはあったが、その運動の実績は、選挙粛正運動のようなわけには参りませんでした。こういうことは、今こういう国民運動を起すに当りましては、よほどしんしやくして考えなくてはなりませんので、やはり民間の国を憂え、社会を憂え、戦後の日本の建て直しを考える人たちに呼びかけて、その力でやらなければならないのだ、こういうところに考えの基礎を持っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/51
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052・佐藤觀次郎
○佐藤委員長 時間がありませんから、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/52
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053・永山忠則
○永山委員 時間があまりないようでございますから簡単に申し上げますが、大臣と同じように、われわれは官僚主義的な翼賛運動のようなものを展開するということを、この場合申しておるのではございません。どこまでも民間諸団体が枢軸となってやるという、民意の燃え上りによってこれが展開されるということを期待をいたしておるのでございますけれども、その世話役をいたす者、下働きをいたす者、たとえていうと、その支部を設けるにいたしましても、やはり県庁内へ置き、あるいは市町村内へこれを置いて、事務所を貸してもらつて世話だけやる。そしてその中核となって指導する者は、各民間団体の指導者だということであつていいのであります。同時にまたその予算の配分におきましても、その計画に応じまして、地方庁もしくは教育委員会を通じて、その事業計画に即応してその予算を流していくという考え方に対して、圧力や指導を加えるという意味ではなくして、その予算の適正なる運営をせしめる、また団体のボス的な動きをよく監督するという意味におきましても、予算のこの流し方の経路は、やはり文部省を通じて、あるいは教育委員会あるいは地方庁というようなところで、この民間団体の計画に即応して、下部まで流れるようにやるべきであると考えられるのであります。と同時に、上からの運動はいけないということは、官僚の上からの統制がいけないということと同時に、また各団体のボス的な立場に立って、上からの運動をいたしましても、それは効果はないのであります。ほんとうの計画は、中央で立てるという考え方よりは、各市町村に各団体が寄りまして、その地方の事情に即応したる計画を立てまして、これが中心となって運動して、その連合体が中央にできるという行き方こそが、上からの指導でなくして、ほんとうに盛り上る指導になるのであります。官僚が上から統制するということを排除すると同時に、各団体の上から統制して下へ流すという考え方こそが、私は時代錯誤であり、この運動がかつて失敗をいたしたことになると思うのでございますから、どうしても各市町村の各団体が中心に計画を立てて、その計画を中心に中央へ持ち寄るべきである。中央で大きな計画を立てたそれを流して地方にやらしめるということこそ、これは官僚の中央集権的統制と同じように、各団体のボス的な統制が下に及ぼしたということになるのでございまして、その運動はほんとうに盛り上る民意の反映ではないというように考えられるのでございます。
さらに五千万円というようなこういう少い予算で、あらゆる団体へこれを二階から目薬的に分けるというような考え方でなくして、最初文部省が御計画なさったように、社会教育を中心としてこの運動をやるんだ。あらゆる実践運動を通じて、社会教育をやるんだという一点にしぼつてこの運動が展開をされてこそ、五千万円というものの金が生きてくるのでありまして、しかもその運動の中心は、青年と婦人に置かなければいけない。青年と婦人こそがきわめて国を憂い、純情である。正義感にこれが燃えておるのである。この青年、婦人を中心としてこの運動が展開されるというところに、この運動の強力なる実践があるのであると考えておるのであります。大臣は一つ新生活運動に対しまして、どこまでも社会教育を中心に、精神面が一切の中核をなすものであり、しかもその指導体は婦人、青年に置くんだという考え方で、わずかな予算が最も効果的に動くように御考慮をされることを希望し、さらに大臣の御意見を承わつて、時間がないようでありますから、一応私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/53
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054・松村謙三
○松村国務大臣 今の御意見はよく承わつておきまして、研究いたすことにいたします。
なお先刻新聞の記事をお読み上げてございましたが、その中に、これからやらなくちやならぬ運動の目をお読み上げでございました。その何と何をやるかという具体的のことは、私どもの計画の中には一切列挙いたしておりません。そこに書いてありますのは、一つの想像であろうかと存じますから、誤解があつてはなりませんから申し上げておきますが、呼びかけをいたしまして、これから何をやるかという目はその会合で決定を願いたいと思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/54
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055・佐藤觀次郎
○佐藤委員長 なお学校給食会法案について、農林水産委員会より連合審査の申し込みがありますが、すでにこれを受諾するに決定しておりましたが、日時は来たる十九日の
午前十時にいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/55
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056・佐藤觀次郎
○佐藤委員長 御異議がありませんから、そのように決定いたします。本日はこれにて散会し、次会は公報をもってお知らせいたします。
午後零時十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205077X02619550715/56
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