1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月二十二日(水曜日)
午前十一時二分開議
出席委員
委員長 伊東 岩男君
理事 床次 徳二君 理事 坊 秀男君
理事 淺香 忠雄君 理事 川野 芳滿君
理事 滝井 義高君
川崎末五郎君 纐纈 彌三君
高村 坂彦君 椎名 隆君
竹内 俊吉君 松野 頼三君
八田 貞義君 中村 高一君
出席政府委員
大蔵事務官
(主計局次長) 正示啓次郎君
大蔵事務官
(主計局法規課
長) 村上孝太郎君
委員外の出席者
厚生事務官
(大臣官房国立
公園部長) 森本 潔君
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六月二十二日
委員中馬辰猪君及び佐竹新市君辞任につき、そ
の補欠として松野頼三君及中村高一君が議長の
指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出第五〇号)
補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出第九一号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00919550622/0
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001・伊東岩男
○伊東委員長 これより会議を開きます。
補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五〇号)及び補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第九一号)の両案を一括議題といたし、質疑を行います。
きょうは国立公園部長が御出席でございますので、新しく議題になっておるのはこの問題でありますから、きょうはまずこの問題から議題にいたしたいと思います。これから質疑を許します。床次君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00919550622/1
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002・床次徳二
○床次委員 今回政府の提案せられましたところの修正を見ますと、この修正によりまして新しく補助金整理の対象となりましたのは、国立公園法のみになったのであります。今日国立公園の現況を見ておりますと、なかなかその施設が十分でないのでありまするが、今回の政府の改正によっていかなる影響を受けるかということについてお尋ねいたしたいと思います。なお、ちょうど国立公園部長も来ておられますので、公園部長から、観光施設を管理するという立場におきまして、国立公園に関しましていかようなる努力を政府はしておられるか、この点もあわせて御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00919550622/2
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003・正示啓次郎
○正示政府委員 それは私の方からお答え申し上げますが、今回の補助金の整理は御承知のように主として予算補助の費目につきまして行いました関係で、法律につきまして新しく特例を設けていただきますのは、この国立公園の補助だけでございます。ただいまの御質問は、今回の特例を設けることによって、どのような影響があるかという御質問でございます。国立公園に対しまする従来の国の経費の支出でございますが、昭和二十八年度におきましては、整備費補助金を五千万円、直轄事業を三百九十万四千円というふうに出しておりまして、これを、昭和二十九年度におきましては、整備費補助金が三千六百万円、国の直轄事業費が四百九十五万円ということになったのであります。今回特例法を御制定願いまして、国といたしましては、整備費補助金すなわち昨二十九年度の三千六百万円は一年限り支出することを取りやめまして、これにかわりまして、直轄事業費を、前年の四百九十五万円を逆に三千四百八十万八千円というように増額計上しておる次第でございます。その趣旨といたしますところは、整備費補助金を支出いたしますと、これは当然、その補助金を受けまする地方公共団体も、これと同額の補助金の裏の負担が伴うわけであります。今日の地方財政の困窮の状況は申し上げるまでもございませんが、今日、地方公共団体といたしまして、なすべきことが非常に多岐にわたっておることも、これまた申し上げるまでもございません。つきましては、一年限り整備費補助金の支出を取りやめまして、そのかわり、国が直轄でなすべき事柄につきまして重点的にこれを行うということに、一年限り措置をいたしたい。その期するとこは、先ほど申したように、地方の財政につきまして国の補助金が地方負担を誘発するという、一般の補助金の一部の弊害として指摘されておるところを是正いたしたい、かような気持にほかならないのであります。
なお、国及び公共団体の支出以外に、国立公園の法律の中には特許という言葉を使われておりますが、特に、民間の事情といたしまして、年々二、三億の仕事がこのところなされておりますが、これらは従来通り行われることは、その通りであろうと考えられるのであります。また国は、整備費としての補助金は支出いたしませんが、災害等がございました場合の災害復旧費につきましては、必要に応じて補助をいたすという規定はお認めを願えるように考えておるのであります。
大体の説明は以上の通りでありますが、なお詳細につきましては、御質問によりましてお答えいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00919550622/3
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004・森本潔
○森本説明員 ただいま主計局次長より御答弁がございました通りでございます。なお、私の方から国立公園の施設整備についての状況を付加して申し上げます。
この国立公園の施設整備のやり方といたしましては、国立公園とは申しますが、法律の上におきましても、国がみずからやる場合、国といたしましても厚生省のほかに関係各省も含まれておるのでございますが、国がみずからやる場合、それから地方公共団体がやる場合、それから今申しました国、地方公共団体以外の民間がやる場合、この三つのものが、それぞれ、国立公園計画に従って、それに定めてありますところの施設を整備する、かようになっております。従って、他の純粋の国の施設という国費だけでまかほっていくものとは建て方が違っておりまして、いわば三本立で協力して施設を整備していく、かようなことになっております。それで、国がやります場合におきましては、これは厚生省直接としましては、先ほど次長より御説明がありましたように、厚生省所管の公園用地がございますが、その保守的なものに毎年五、六百万ずつ使っております。それから地方公共団体が、園地でありますとか、公園道路でありますとか、駐車場とか、おもに無料の公共施設でありますが、かような仕事をやります場合に、国庫補助をして参っております。これが二十九年度において約三千六百万円ほどの支出でございます。そのほかに、地方公共団体が単独で補助なしにやっておる仕事がございます。これも大体毎年二、三億円程度の仕事をやっております。そのほかに、特許事業と申しますか、民間が国立公園計画に従いましてやる仕事、これも毎年二、三億ずつあります。かような方法で、国だけ、あるいは補助金だけといりのでなしに、今申しましたような三本立の、それぞれの力をできるだけ出し合って整備していくという方式をとって参っておりまして、大体年々七、八億から十億程度の国立公園の施設が何らかの形で整備されておるわけであります。その中で一番額の多くなっておりますのはやはり道路でございまして、道路整備五カ年計画によって建設省の方において補助を行なってやっておる。あるいは有料道路がございますが、これも現在国立公園内で六カ所ばかり着工いたしております。そういうのが一番金額が大きいのでございます。総額に対しまして国の直接の支出あるいは補助金がやや少いという感じがいたしますが、しかし、これらのものが、少しではございますが、誘い水となりまして、今申しましたような年々七、八億程度の施設が何らかの形でできておる、かようなことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00919550622/4
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005・床次徳二
○床次委員 国立公園あるいは国定公園につきまして道路を整備することは非常に重要でありますが、その幹線道路がまだ不十分なものが少くない。今も道路整備五ヵ年計画のお話がありましたが、国立公園あるいは国定公園のうちの主要な道路が道路整備計画の中におきましてどの程度の順位を占めておるか。これはできるだけ優先的な順位において取り扱った方がいいと思うのでありますが、必要な道路が全部道路整備五カ年計画の中に入っておるかどうか。この順位がどの程度にまでなっているか。順位が低ければ、大いにこれを促進して格上げして、なるべくすみやかに完成せしめることが必要だと思いますが、これに対する政府の意見を聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00919550622/5
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006・森本潔
○森本説明員 この公園の利用施設としましては、今お話のように、道路が利用上一番大事なことであります。この道路の整備につきましては、道路整備五カ年計画がございまして、従来、観光的な目的を主とするところの道路は、整備計画においてウェートが低く置かれておったわけでございます。今回の整備計画におきましては、他の産業目的の道路と同様、ことに国際観光上重要な幹線につきましては同じウェートを置いて計画をして、その五カ年計画の中へ織り込んでおられるわけでありまして、他の産業道路より一段上というわけではございませんが、同じウェートを置いて考えられております。それから、先ほど申しました有料道路につきましても、同様なウェートを置いて考慮を払っておる。こういう状況であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00919550622/6
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007・淺香忠雄
○淺香委員 今の質問に対して森本さんに私からちょっと関連的に質問をさしてもらいます。鹿児島県の屋久島を初め、九州でたしか二カ所であったかと思いますが、新しく審議会の答申に基いて国立公園に指定されたように記憶しておりますが、新しく指定されました国立公園の道路整備とか、そういった費用をどの程度に現在見ておいでになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00919550622/7
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008・森本潔
○森本説明員 これは、従来からもさようでございますが、新しく公園を指定します場合に、その公園にどれだけ行くとか、そういう考えで予算は組んでおらないのでございまして、国立公園全体として予算を考えておるという考え方で来ております。それで、総ワクの額が一応予定されました場合に、各公園を通じまして緊急なものよりやっていくということでございますので、指定と同時に、そこに国費なりあるいは補助金なりで当然直ちに施設ができるという考えではございませんので、全般を通じて緊急度の強いものからやっていくということでございます。従って、場合によりましては、新しく指定されたもので施設が早くできるということもございましょうし、またそうでない場合もある、かような扱いをいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00919550622/8
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009・淺香忠雄
○淺香委員 私のお尋ねしておるのは、御承知のごとく、あの審議会へ全国各地から公園指定の希望があり、そして審議会の方で慎重審議をされたその答申に基いて、厚生省では新しく何カ所か指定されたはずなのです。そうしてその何カ所かは新しく指定されたものですよ。その方面に予算措置として道路その他の施設をどの程度見込まれたものかということを、お聞きしておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00919550622/9
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010・森本潔
○森本説明員 公園を指定いたします場合には、どこにどういう施設をするかという計画は、指定するときに同時に立てるわけでありますが、しかしそれは大体公園としてのでき上りの理想計画というものを計画に乗せるわけでございます。従いまして、これが実施につきましては、財政の関係がいろいろございまして、すぐには参らぬのが実情でございます。それで、結局、財政支出の能力からも考えまして、国立公園全般から見て、緊要なものから、その計画にあるものから拾い上げていくという扱いになっておるわけでございます。
それから、国立公園に指定する意義としましては二つございまして、一つは、風景を法律によって保護するということがございます。もう一つは、いろいろな施設をして内外人の利用に供するということでございますが、指定によりまして一応第一の風景を保護するという目的は達するのでございまして、あとの施設の方は、すぐ同時にせねばならぬというほどの性質ではございませんでして、緊急度、財政支出の可能性、こういうものを勘案いたしまして逐次やって参りたい、こういう考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00919550622/10
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011・淺香忠雄
○淺香委員 関連質問ですから、あまり長い質問をいたしますと、他の委員の方に御迷惑になりますので、いま一点だけ伺っておきますが、こうして指定をする限りは、将来これを国として管理をしていかなければならぬ。ことに、鹿児島の屋久島等においてはきわめてへんぴなところである、しかも海の周辺だけは道路があって、内部にわたっては千古おのを入れたことがないと言われておるような密林のところらしいのです。そういった方面に、今言われたような道路施設を設けるとか、その他の施設を設けるということは、私は大へんだと思うんです。だから、風致等の意味において指定される場合と、あるいはその他の目的をもって指定される場合とあるでしょうが、一方においてこうして補助金の打ち切り等を考えておって、一方においてこういう公園が次から次へと指定されていく数がふえつつあるということについては、私はここに矛盾があると思うんです。その点大蔵省はどう考えておられるものか、今後の考え方について一つ次長さんからお話を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00919550622/11
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012・正示啓次郎
○正示政府委員 お答え申し上げます。
この補助金を、一方では、一年限りでございますが、とりあえず打ち切るようなことを考えながら、一方では新しい国立公園あるいは国定公園の指定が行われておるということで、政府の方針は不統一ではないかという御質問でございますが、この点につきましては、従来、この指定につきましては、浅香委員御指摘のように、相当毎年多く行われておったことは、私どもも承知をいたしております。国立公園はたしか十九で、あと一つくらい考えておられるように聞いておりますが、国定公園というものはだんだんふえてきておりまして、一方では施設が追いついていないのに、どんどん指定があるというふうな点につきまして御指摘があったことは、私どもも承知いたしておりますが、この点は、厚生省御当局も、今後指定をされるお考えはあまりないように承わっておる。大蔵省といたしまして、この点についてどう考えておるかという点でございますが、何と申しましても、観光客誘致ということは、私どもの一部の所掌でございますところの国際収支の改善の見地から申しましても、きわめて重要なことはよく承知をいたしております。ただ、今日の財政の見地から、先ほど申し上げましたように、特に地方財政の立場から申しまして、従来のように施設整備をどんどんやっていくということは、地方財政に相当負担をかけるという意味で、一年限りとりあえずこれはやめていただきたい、そのかわり一方国の直轄事業はふやしてもらいましょう、それで国として施設すべき重点をとりあえずやっていきましょうという考え方をとっておりまして、厚生省の御同意を得たわけでございます。従いまして、今後におきまして財政力がだんだんとそういう方面にも国及び地方を通じて出て参りますような場合には、先ほど申し上げましたような外客誘致の見地からも、また美しい日本の国土をさらにさらに美しくして一般の利用度を高めていくという意味からも、これらは国及び地方におきまして相当に施設をすべきものというふうに考えております。とりあえず昭和三十年度は御承知のような考え方から予算も組まれております。特に地方財政の見地等もございまして以上のような措置をとったのでありますが、この点は、将来におきましては、厚生当局、大蔵当局のやることはおのずから軌を一にして参ることを期待いたしておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00919550622/12
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013・伊東岩男
○伊東委員長 別に質疑はございませんか。
先ほどから御要求のありました大蔵大臣は午後都合がつくようなふうで、今交渉中でございます。それが確定いたしまするならば、午後引き続き委員会を開くことにいたしまして、午前中はこれにて一時休憩いたします。
午前十一時二十六分休憩
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〔休憩後は開会に至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00919550622/13
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