1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年七月二十七日(水曜日)
午後二時二十八分開会
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出席者は左の通り。
委員長 小笠原二三男君
理事
伊能 芳雄君
石村 幸作君
小林 武治君
森下 政一君
委員
伊能繁次郎君
小幡 治和君
西郷吉之助君
安井 謙君
岸 良一君
島村 軍次君
館 哲二君
秋山 長造君
中田 吉雄君
若木 勝藏君
小柳 牧衞君
国務大臣
法 務 大 臣 花村 四郎君
国 務 大 臣 川島正次郎君
政府委員
自治庁財政部長 後藤 博君
自治庁税務部長 奧野 誠亮君
法務省大臣官房
経理部長 竹内 壽平君
事務局側
常任委員会専門
員 福永与一郎君
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本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査の件
(地方財政に関する件)
○地方税法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
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001・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) では委員会を開会いたします。
本日は公報に示す通り、地方税法の一部を改正する法律案を議題に供します。また地方行政の調査に関する件も議題に供します。法務大臣御出席になられておりますので、地方財政にからんで先般来問題になっております地方行政の調査に関する件を最初に議題に供します。
法務大臣に御質疑のおありの方、御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/1
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002・伊能芳雄
○伊能芳雄君 法務大臣は、すでに閣僚として、今日の地方財政というものが非常に苦しいところへ追い込まれているということは、よく御承知だと思います。そこで法務大臣に希望したいことは、従来の検察庁の建物、あるいは地方法務局の建物というようなものについては、ほとんどまあ例外なしに地方団体の寄付金を集めてやっておる。これは本来国で当然やるべきものを予算が十分でないとか、あるいは予算の範囲内では十分なる機能を発揮するような建築ができないというようなことで、貧弱な市町村の財政にしわ寄せしておるというのが、これは事実なんです。これはお調べになればおそらくよくおわかりになると思う。そこで先般この問題は、警察の問題につきまして国家公安委員長並びに警察庁長官の御出席を求めて、警察が一番そういう寄付が多いから、警察はこの際寄付金について十分な考慮をする、考慮をするというよりは、今後絶対に地方団体から寄付を集め血い、予算で必ずやるという確約をして、地方に対してその旨を通知を出しまして、その通知を本委員会に報告されたのであります。これはひとり警察の問題ではないので、ただいま申し上げた検察庁の問題、あるいは法務局の建物の問題、みんなこれはつきまとっている問題なんです。法務大臣も一つどうかここではっきり法律をきめて、国の建物である、国の施設である限りにおいては、国は予算を、もしそれが不十分のものであるならばどこまでもがんばって予算をとってやはり地方にしわ寄せをしないというはつきりした御確約を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/2
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003・花村四郎
○国務大臣(花村四郎君) ただいまのお話まことにごもっともであります。私も長年にわたって在野法曹とし、あるいは地方議会にも席を持っておったこともあるのでございますが、ただいまおっしゃられた通りであります。私どももまことに憂慮をいたしておる一人でありますだけに、ことに検察行政を持っておりまする法務省としては、そういう方面に対しましては大いに自粛自戒をしなければならないことを痛感いたしておりまするがゆえに、今までは不合理な問題もあったことだろうと存じまするが、今後におきましては少くともかかる不合理な方途に出ないように、ここではっきり明言をいたして差しつかえないと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/3
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004・伊能芳雄
○伊能芳雄君 それではすでに警察の方では地方へ全部そういう通牒を流した、その通牒の写しを本委員会に提示されたのですが、法務大臣もそういう通牒を地方の検察庁、あるいは法務局に出されて、その写しを当委員会に報告されるということをお約束願えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/4
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005・花村四郎
○国務大臣(花村四郎君) 実は法務省といたしましては、昨年の八月二日付をもちまして全国の法務省関係諸官庁に向いまして、寄付行為の強制もしくは強制にあらずとも自発的寄付でも、これを遠慮するようにという趣旨の指令を出しておりまするが、さらにまたこの指令を再確認するような意味の通牒を発することにやぶさかではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/5
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006・伊能芳雄
○伊能芳雄君 ただいまのお言葉を私も一応満足いたしますが、ただ遠慮するようにという前の通牒のような今のお言葉ですが、遠慮するようにというような言葉ではこれはなかなかやらないのです。というのは、向うからまあ検察庁に少し取り入ろうというような人が、これはもう住民の盛り上った空気ですからとか、あるいは市町村会全部の盛り上った空気だというふうに持ってこられると、検事正さんは非常にいい気持になって、住民の検察庁に対する協力の熱意だから、この熱意にこたえなければならぬ、受けなければならぬという報告を持ってくる。ところが受けなければならぬという報告を持ってくるのですが、検察庁に建物の寄付を心から出そうという人はない。ないけれども、そういう形で持ってくるのに、住民の執意を受けなければならぬということで持つくる。これは困るので、それはごまかさないで、遠慮するということではなくて絶対にいかぬ、予算の範囲内でやれという強い通牒にしていただかなければこの問題は解決しないのでありますから、どうぞその点もう一回。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/6
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007・花村四郎
○国務大臣(花村四郎君) 御趣旨のほどは了承いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/7
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008・秋山長造
○秋山長造君 今の通牒は、いつどういう通牒を出されたのか、ちょっと読んでいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/8
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009・竹内壽平
○政府委員(竹内壽平君) 昭和二十九年八月二日付、法務事務次官清原邦一名で、所管各庁の長にあてて出したものでございます。ちょっと読んでみます。
寄付の取扱について
寄付については、周知のごとく、昭和二十三年一月三十日の閣議決定「各官公庁に対する寄付金等の抑制に関する件」により、準則が定められ、原則として寄付の募集を禁止し、真に自発的好意による寄付であって、割当の方法によるものでなく、且つ、主務大臣が弊害を生ずる虞がないと認めたものに限り、例外的に、その受納を認めるという根本方針が樹立されているのである。(なお、地方財政法第四条の二参照)
寄付についてかような抑制処置がとられた所以のものは、蓋し、名官公庁において寄付を募り、これをもって国の事業を行うことは、或は国民に過重な負担を課することになり、或は行政措置の公正に疑惑を生ぜしめる等、種々の弊害を生ずる虞があるのみならず、国の事業は、すべて予算の範囲内において行うという原則を紊すと同時に、国の特定の事務のために要する費用について、地方公共団体乃至国民にその全部又は一部を負担させるには、法律にもとづかなければならないという財政法上の原則にももとる結果を生ずるからである。
しかるに、近時右の趣旨を忘却し漫然寄付を受納する傾向が現われているように見受けられ、また醵出された寄付金の取扱についても、妥当を欠く事例が絶無ではないようにおもわれるので、この際あらためて、右閣議決定の趣旨を厳に励行するよう格段の留意を煩わしたく、ついては、寄付の取扱につき左記事項を遵守し遺漏なきを期せられたい。
右命により通達する。
記
一、寄付の申入れがあった場合には、あらかじめ大臣の認可を得た上でこれを受納せられたい。
土地、建物及び工作物の寄付については、各会計事務章程の定むるところにより、大臣の認可を要することになっているが、その他の金品の寄付についても、これと同様の取扱をせられたい。但し物品等の価格が比較的軽少であって、各庁の長において、寄付者の地位、寄付の趣旨等から受納して差支えないと認めたものについてはこの限りでない。
二、前項により、寄付の受納が認められた場合は、遅滞なく所定の手続をとられたい。
なお、寄付金については、これを歳入に繰り入れ、別に寄付の趣旨を考慮の上予算的措置を講ずる建前であるから、この点の取扱については、特に過誤のないよう取り計らわれたい。
こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/9
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010・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/10
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011・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/11
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012・秋山長造
○秋山長造君 質問をする前に、大臣にちょっと伺いたいのですが、ただいま事務当局の方から裁判所、検察庁関係の寄付についての通牒を読み上げられたわけですが、その中に、二十三年の一月にすでに一部の抑制をやるという閣議決定があった。ところがそれが守られていない。昨年の八月にもう一度通牒を出すということになった。二十三年の閣議決定があって、昨二十九年の八月再通牒を出されるに至ったまでの間に、この法務省の関係で寄付がどのくらいあったのか。件数、さらに金額がまとまっていれば一応お示し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/12
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013・竹内壽平
○政府委員(竹内壽平君) 昭和二十五年度以後の調査が、ちょっとここにあるのでございますが、それによりますと、昭和二十五年におきまして、役所の数が八十四庁に上っております。土地と建物とを区別いたしまして、土地関係で千七百万円、建物関係で三千三百万円、合計いたしまして五千十四万八千十三円二十二銭という調書になっております。それから二十六年度におきましては、八十八庁にわたっておるのでございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/13
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014・秋山長造
○秋山長造君 今のは二十五年だけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/14
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015・竹内壽平
○政府委員(竹内壽平君) 二十五年だけでございます。二十六年が八十八庁、土地が千四百万円、立木、竹が十万円、建物が五千百万円、合計いたしまして六千五百六十三万七千百九十円ということになっております。二十七年度におきましては百十三庁、庁数がふえております。土地が千百六十二万、建物が五千四百万、合計いたしまして六千五百七十八万二千六百七十円でございます。二十八年に参りまして七十六庁で、土地が九百五十二万、建物が四千三百万、合計いたしまして五千三百十五万九千五百二十九円五十銭、こういう数字になっております。
それから先ほど、委員長のお尋ねの通牒以後の状況は、合計額が出ておりませんですが、二十九年度の分といたしまして、土地、建物合計して六千百五十五万四千五百五十五円となっております。この中で通牒が出ましてからの分がちょっとここで分明を欠きますわけでありますが、こまかくなっておりまして、八月二日の通牒でございますが、内容といたしておりますのは八月七日からの数字で出ております。これによりますと、土地と建物の関係では——こまかくなりますが、申し上げましょうか、どういたしましょう。ちょっと合計額が出ておりませんが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/15
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016・秋山長造
○秋山長造君 そのこまかい数字は後ほど資料にしてぜひ出していただきたいです。今そうこまかい数字でなくても、先ほどあげられた程度でけっこうだと思います。通牒を出すまでの間の数字をあげられましたね、あの程度のもので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/16
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017・竹内壽平
○政府委員(竹内壽平君) それがちょっと合計額が出ておりませんので、後に資料として出すことにいたしたいと思います。かなり抑制の実があがっているように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/17
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018・秋山長造
○秋山長造君 二十九年度は六千百五十五万円ということでございましたね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/18
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019・竹内壽平
○政府委員(竹内壽平君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/19
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020・秋山長造
○秋山長造君 この法務省関係の営繕費は予算額はどのくらいになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/20
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021・竹内壽平
○政府委員(竹内壽平君) 二十九年度の予算は四億一千万でございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/21
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022・秋山長造
○秋山長造君 そういたしますと、四億一千万のうちで六千百五十五万円、これはこの四億一千万以外に六千百五十五万円の寄付金ですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/22
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023・竹内壽平
○政府委員(竹内壽平君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/23
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024・秋山長造
○秋山長造君 その比率はこれは必ずしも小さくはない。こういう予算額と寄付額との比率というものは、大体今まで毎年似たり寄ったりのものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/24
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025・竹内壽平
○政府委員(竹内壽平君) 昭和二十五年度におきましては、法務省の営繕費は約二十億ございました。その後逐年減って参りましたが、昭和二十七年は十二億でございまして、節約にかかりましたが、なお十億数千万円の予算がございましたのが、二十九年度には一挙に四億台に落ちたわけでございまして、その間の寄付の状況は先ほど読み上げましたように、若干の開きはありますが、大体五千万から六千万の程度の寄付になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/25
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026・秋山長造
○秋山長造君 わざわざ法務省で寄付の抑制について通牒を出さなければいけないというこの事態を招いた理由ですね、これはどういう……、まあ国の予算が十分でないからということから出発することはわかる。しかし営繕関係の費用はこれはもう当然国が持っておるわけなのですが、何か国の方で単価の見積りが非常に低いとか、それからもう初めからわずかな予算をさらに総花的に金国あちこちにばらまいて、そしてもう当然地元寄付と抱き合せで営繕をやるという前提のもとに中央でもおやりになってきたのではないかと思いますが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/26
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027・竹内壽平
○政府委員(竹内壽平君) お尋ねのように寄付を前提といたしまして、それをにらんだ国家予算を考えるというような考え方をいたしておりません。ただ、なぜそれならば六千万からの寄付を毎年もらっておるような結果になっておるかという点につきましては、御承知のようにこの二十九年度の七十二庁の役所のうちで、一番多く寄付をいただいておりますのが法務局の四十六庁で、金額にいたしましても三千八百万になっております。この法務局は御承知のように非常に自治団体と地方の住民との間の関連が密接でございます。そういう関係で法務局におきましては、出張所の数も千八百一カ所というふうに非常に多い数字でございます。これが明治の中葉以後建った建物でございまして、今日になってみまするとほとんど使用もできないような老朽の建物でございます。そういうのを地方の方々が見るに見かねまして、寄付するから考えてくれというような御要望が非常に従来強いのでございます。それでわずかな予算で、順位から申しますとなかなかその順位に当らない役所につきましても寄付が予想されるというような関係よりして、わずかに更新されるというようなわけ合いで寄付が自然に抑制しきれないで今日に至っておるという状況が見られるのでございますが、私どもとしては、寄付を予定して予算を考えるというようなことは毛頭いたしておりません。
そしてなぜ去年の八月になってこういう通牒をさらに出したかと申しますと、現象的に見ますると、特に通牒を出さなければならないような事情があったわけではございませんが、私が今の地位につきましたのがちょうど昨年の二月でございまして、自来半年ばかり様子を見ておりまして、これではいけないと思いまして、特に上司にお願いいたしましてこういう通牒になったという、しいて申せば私のまあ感じがそうさしたということになるかと思いますが、特段の出さなければならぬ事情があって出したわけではないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/27
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028・伊能芳雄
○伊能芳雄君 さっき大臣が最後にまだ口を濁しているように思われるのは、やぶさかではないというようなことを言っておられますが、そういうことでだらだらやってはいつになってもこの問題は解決しない。地方財政と国の財政というものは、はっきり事務の分量をきめて、そして財政のワクをきめていかなければこれは解決しないものです。みんなこうしたことのしわ寄せが地方でしょい込んでいって、そうして地方が赤字を出しておる。これでは全く地方はいつになっても浮ばれない。この辺で思い切ってすっかり遮断して、しかも大臣の承認を受けたらいいというような甘い言葉でない、断固としていかぬという強い通牒を——しかも昨年の通牒は前内閣時代のなんだから、またこういう通牒というものは内閣が変ると非常に弱くなる、おそらく今ではそれ以上に弱くなっていると思いますので、今度はもっとそれ以上に強い、絶対いかぬというような通牒を出していただきたい。これが私がさっき申し上げた趣旨なんです。この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/28
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029・花村四郎
○国務大臣(花村四郎君) 御趣旨はまことにごもっともでありまするので、その御趣旨を尊重いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/29
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030・伊能芳雄
○伊能芳雄君 そうするとそういう通牒を今出すという確約はできないということでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/30
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031・花村四郎
○国務大臣(花村四郎君) 今おっしゃられた御趣旨を尊重したいと思うということでありまするから、結局今言われた趣旨にのっとって通牒を出すという意味が含まれておると申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/31
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032・伊能芳雄
○伊能芳雄君 大へん苦しい御答弁ですが、至急に出すことにしていただいて、その写しを当委員会に御提出を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/32
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033・花村四郎
○国務大臣(花村四郎君) 了承いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/33
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034・秋山長造
○秋山長造君 昨年の八月に通牒を出されて以来相当抑制せられたのだということですが、これは全然押えられてもいないのですか。ある程度の効果はあったけれども、しかしやはり惰性で相当行われておるという事実をお認めになっておるのですか、その点はどういう……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/34
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035・花村四郎
○国務大臣(花村四郎君) やはり相当に効果があったものであると認めてよろしいと思います。が、しかしこの法務省の寄付というのは、とかくこの法務省の方から強要するようなことはもちろんございませんが、依頼をするような場合も実はあまりないのでありまして、地方の要望によってぜひ一つ何とか地方でも寄付をするからやってもらいたいという懇請もだしがたくやるという場合がほとんど大部分であると申し上げてよろしいと思います。まあしかしそういう懇請を受けたにしても、あまり好ましいことでありませんととは、これは言うを待ちませんのみならず、しかも法務省といたしましては、御承知のごとく検察行政をやっておるというような意味において、寄付等はやはり絶対に避くべきであるということが一番私はよろしいと思いまするので、その線に沿うて今後は進めていきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/35
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036・秋山長造
○秋山長造君 法務省で今まで強制をしたことはないとおっしゃるが、しないのがこれは当りまえの話ですよ、法律ではっきり禁止してあるのだから。だからわれわれの問題にしているのも、これは形は任意寄付ということになっておる、表面的には合法的な形になっているが、実質的には強制寄付であることに何ら変りはないところの寄付が非常に行われておる。これは警察の寄付にしてもみな同じです。だからこのまつ正面からの強制というととは、これはないのは当りまえですけれども、しかし実質的には強制寄付になって、あるいは割当寄付になって行われておるのです。これが実態だと思います。しかも強制せぬばかりでなしに、地方の懇請もだしがたくして受けた寄付がほとんどだというお話ですけれども、これも私はいささか法務大臣が実態を御存じにならぬか、あるいは知っておられてもそういうようにおっしゃるのか、ちょうど中央からの寄付の割当で悩み抜いておられる自治庁長官がそこに見えておられますから、自治庁長官に一つ、今の法務大臣の御答弁について御感想をお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/36
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037・川島正次郎
○国務大臣(川島正次郎君) 従来の事実は私はよく承知をいたしませんが、とにかく総体的に見まして、地方団体の国に対する寄付が相当多額に上りまして、それが地方財政が赤字になる一つの原因になっていることは事実でございます。今回の再建促進法でもこの点につきましては規制する条文をつけておるわけであります。地方財政の立場から申し上げますると、当然国であるべきものは国がまかなって、地方に負担をかくべきものでないと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/37
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038・秋山長造
○秋山長造君 長官は寄付の実態を十分つまびらかにしないというお話なんですけれども、それは私はもってのほかだと思う。それは大臣は行政管理庁長官としてもう当然寄付の実態なんかということは十分把握されておる。また行政管理庁の報告も出ておる。その行政管理庁の報告によると、二十九年度には四百六十億円の寄付を地方は負担しておる。で、前の西田長官の時代にも、西田長官は地方寄付は絶対にやめさせる、立法措置もするという、これはもう鳩山内閣の方針だという非常に強い発言をしばしばされておった。まあその後現長官がやられておるわけだけれども、これは長官が変ったからといって変るべき性質のものではないので、鳩山内閣としての私は一貫した方針であるし、またそうでなければならないと思う。この地方財政がそうでなくても苦しいのに、行政管理庁の報告によってすら、四百六十億円からの寄付金を地方団体が負担をしておる。これはもうまことに容易ならざる問題だと思う。これだけの負担でも、これは先ほど法務省のおっしゃったように、ああいう通牒通りに中央の役所がみんな直接なりとも間接なりとも良心的にやられて、そして地方に筋の通らない負担はかけないという方針を実行されたら、たちまち四百六十億円という地方の負担は軽くなる。そうすれば赤字だ何だと騒いでおる地方がどんなに助かるかわからないと思うのです。やはり問題は、そういうところから根本的に徹底した措置を政府としてとっていただかなければ、ただ通牒を出すとか、あるいは強制寄付は受けぬけれども、任意寄付ならば懇請もだしがたい場合には、やむを得ず寄付を受けるというような通り一ぺんな出まかせな御答弁では私は済まされない。われわれは納得できない。
で、法務大臣は再通牒を出すこともあえて辞さないというお話なんですが、その再通牒というのはどういうことなんですか。これはもうおよそ寄付ということは全面的にやめよという徹底した通牒を出されるお考えなのか。それとも依然としてやはり強制寄付はしてはならぬ、しかし懇望もだしがたい寄付ならばやむを得ず受けてもかまわぬというような通牒であるのか。願わくばこれは全面的にこの寄付というものはやめていただきたいと思う。特にあなた方は権力官庁ですから、それはもう権力官庁が任意寄付にしても寄付を受けるというようなことからそもそもいろんな間違いが起ってくると思う。それからまあ地方財政という面からも、われわれは寄付というものはやめるべきであると思う。その点もう一度お尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/38
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039・花村四郎
○国務大臣(花村四郎君) 全面的にやめるという趣旨に基いていたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/39
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040・秋山長造
○秋山長造君 つまりこの地方財政法の第四条あるいは第十二条等に盛られておる精神ですね、この精神を十分に尊重をして、直接たると間接たるとを問わず、国で負担すべき経費を地方に負担させるということは一切やらないという、こういう趣旨でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/40
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041・花村四郎
○国務大臣(花村四郎君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/41
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042・石村幸作
○石村幸作君 ちょっと関連して。伊能君の質問から端を発したのですが、法務大臣の御答弁がすこぶる政治的の多くの言葉を使って御答弁なすったのです。まあお苦しいと存じますが、ちょうど先般警察庁の寄付が問題になりまして、これはまあ警察の場合は一番はなはだしかったのです。ところがやはりこういう質問をすると、初めは強制的には寄付を受けないとか、地方の要望によってとか、いろいろな言葉だった。まあ問い詰めて数日間これを繰り返した結果、警察側も反省をして、そうして公安委員長と打ち合せをして、男らしく警察庁としては長官がここで言明をして、われわれの要望しておるような通牒を全国に発して、その写しをここに提出されたのであります。実に範を示したような格好だったのです。ですから法務省もこれにならってやっていただければわれわれも満足と思うのであります。これは警察庁関係だけでなく、たくさんあるのです。こばからこいつをやっていこうとわれわれはしておるのですが、そこで法務大臣のお言葉もなかなかすっきりした御答弁がむずかしいようであります。
そこで私はこれは最後に総理大臣の御答弁を得た後に言おうと思ったのですが、一足飛びにここでお尋ねいたしますが、もう法務大臣には御答弁は要求しません。自治庁長官にお尋ねいたしますが、あなたの前任者の西田長官は、ちょうど私本会議で聞いたのですが、西田さんは、自分が自治庁長官に就任して地方自治体の寄付金の多いことが——どこから割り出したか、二百八十億とか何とか言っておられましたが、これを見て驚いた。徹底的にこいつは粛正しなければならぬと言って大みえを本会議でお切りになったことを私は今思い出した。そこでこれは御決意を、いや、御希望だけではいけないので、結局法的に措置をしなければならぬ。そこで地方財政法の第四条の三にあります、しまいの方に、強制的に徴収するやうなことをしてはならない。これが問題なんです。今法務大臣のおっしゃられた通り、決して強制的じゃない、こういうふうにどんな寄付を受けても、これは逃げられる。むしろ持ってきたから仕方がなしに——寄付する方が強制的に寄付してきた、そういうふうにも言えるのでありまして、それはこの法文を直せばこの問題は解決するのです。私はこの第四条の三の修正があったときに、これを自治庁当局に、数年前に、これでは必ず目的は達し得られないから、なぜこの強制という字をとらないかということを繰り返し申し上げたことを覚えておる。そこで自治庁長官は、この強制的という言葉を削る御意思があるかどうかお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/42
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043・川島正次郎
○国務大臣(川島正次郎君) この問題はしばしば御議論になりまするし、地方財政の立場から見ましても非常に弊害のある言葉であります。はっきり法文でこれを禁止することが必要と考えまして、ただいま御審議を願っておりまする地方財政再建促進法の中へ、特に本条項に限りましては、赤字団体以外の公共団体にも適用する意味の規定を設けたのであります。それは第二十四条の2に「地方公共団体は、当分の間、国に対し、寄付金、法律又は政令の規定に基かない負担金その他これらに類するものを支出してはならない。」と、はっきり明記をいたしました。これは全部の公共団体に通ずる義務の規定に特にこの条項だけはいたしてあります。寄付金は全部とめましたし、また法律の規定に基かない負担金だけは、というのは、これは一、二そういうものがあるのであります。たとえば直轄工事に対する負担金のごときはこれはやむを得ないものでありまするからして、こういう点だけは除外例といたしまして、全般的にはこれを禁止する規定をはっ承り条文に規定いたしましたからして、幸いに地方財政再建促進特別措置法が御協賛を得まして成立いたしますれば、この点ははっきりいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/43
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044・石村幸作
○石村幸作君 今のお答えも再建整備法を見て承知しておりますが、せっかくそこまで踏み切りになったならば、ただ赤字団体に対するのみだけではなく、一般公共団体に対して同じやうな措置をおとりになることもできると思います。そうしてただこの財政法の四条の三をちょっとお直しになれば、全部にこれが適用されることになると、こう思うのであります。地方公共団体が上に向ってでもこの金を支出する場合に、なかなかこれは費目、いろいろな点で制約されておるのですね。ただ寄付金という、ただくれてやると、差し上げると、こういうやうなことを禁止しても、決して私は困らないと思うのです。私はこれは自分の持論でありまして、そういうふうに持っていっていただきたいと特にお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/44
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045・川島正次郎
○国務大臣(川島正次郎君) 地方財政再建促進特別措置法は、主として再建団体に適用する規定が大部分でありまするが、この中には、再建団体でありませんが、赤字団体に適用する規定も含まれております。またごくわずか一、二の条文だけでありまするが、一般公共団体に適用し得るやうな規定の仕方もしておるのでありまして、今の寄付金の問題は全部の公共団体に適用するような条文になっておりますからして、石村さんの御懸念のようなことはこの条文でもつて排除されると、こういうことになりますから、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/45
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046・石村幸作
○石村幸作君 今自治庁長官からはっきりしたそういう御答弁を承わりますと、花村法務大臣が先ほどから下からこいねがって持ってくるものはもらわなければならぬというやうなお説はくつがえされる、この法律が通れば、今のお答えに抵触するわけでありますが、それでも、強要はしないけれども、くれるものならばもらうというお気持なんでしょうか。ここで飛躍的に警察庁のように、一切もう地方公共団体及び民間の寄付は受けないとはっきりお答えできませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/46
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047・花村四郎
○国務大臣(花村四郎君) 御趣旨の通りであります。はっきり申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/47
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048・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 委員長から伺いますが、先ほどから花村法務大臣、在野法曹の権威ですから、味のある文章表現をされるので、こう繰り返し繰り返し話しになるので——そういう御趣旨の通りであるとか、原則であるとか、こうおっしゃらぬで、全面的に寄付をとることは禁止します、あるいは大臣としてはもう今後認可しません、そういう断定的に事務的に御答弁願わないと、いつまでたっても質疑があって、花村法務大臣、法務委員会に行かれないという状況になる、一つ端的に御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/48
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049・花村四郎
○国務大臣(花村四郎君) なるべく時間を節約する意味で、言葉の重複を避けたいという趣旨でやっているのでありまして、詳しく繰り返して述べろというやうなことは、むしろ私の方で希望するところでありまするが御迷惑になっちゃいかぬと考えまして、重複を避ける意味で、おっしゃられたことを繰り返さないという意味で申しているのでありまして、他意はありませんから、さように御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/49
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050・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/50
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051・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/51
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052・花村四郎
○国務大臣(花村四郎君) 寄付等に関する事柄については全然、一切今後は行わないという趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/52
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053・秋山長造
○秋山長造君 そうすると今後新しく寄付をとるということは、これはもうもちろんやらない。それから現に今行われつつある進行形の寄付はどうなるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/53
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054・花村四郎
○国務大臣(花村四郎君) ただいま申されましたやうな寄付行為が進行中の事案がありますかどうですか、今調査をした資料がありませんからはっきり申し上げられませんが、もしかりにありとしても、ただいま申し上げましたやうな寄付行為は一切受けないというこの根本的精神にのつとつて、よりよい解決へ進みたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/54
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055・秋山長造
○秋山長造君 それはもっと端的にいえば、今進行中の寄付も全部ストップするということでございますか。ストップするなり、返してしまうということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/55
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056・花村四郎
○国務大臣(花村四郎君) どういう寄付行為が今進行しつつありますか、その辺がわかりませんから、寄付行為の内容によっては、あるいは、ただいま言われたような受け取った物を返すというふうなことができぬかもしらぬと思うのですが、しかしその事実が明白でありませんので、従ってはっきりした返答はできませんが、しかしただいま申し上げました寄付は一切とらぬというこの根本精神にのっとって処置していくという程度で、一つ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/56
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057・秋山長造
○秋山長造君 今の実体がわからぬという御答弁なんですけれども、これは経理局長、あなたのお手元ではそういう実体ははっきりわかっているのではないのですか。そうしないと、たとえば今年の予算を立てるとか、あるいは営繕のいろいろは計画を立てられる場合も、やはりこの寄付ということも当然これは考えていかなければいかぬわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/57
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058・竹内壽平
○政府委員(竹内壽平君) ただいまここへ資料を持って参っておりませんので、お答えできないのでございますが、先ほど申しましたように、寄付を前提とした予算措置とか、あるいは営繕措置は考えておりませんので、その点は一つ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/58
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059・秋山長造
○秋山長造君 しかし寄付を前提として予算を組んでないとおっしゃるのは一応わかりますけれども、あなた方責任者として、やっぱり地方の裁判所なら裁判所、あるいは検察庁なら検察庁の改築なり、あるいは新築というような場合に、これは当然計画の中には入れてないかもしれぬけれども、しかしその実体というものは、中央から幾ら金が行って、地元で幾ら負担してということになるのですから、その実体は把握しておられるわけでしょう。それを初めから予定して予算を組んではいないかもしれぬけれども、しかし実際には予定して予算を組んだような形になっているのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/59
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060・竹内壽平
○政府委員(竹内壽平君) 今お尋ねのような、予算と寄付とがごっちゃになったような建築の仕方をした例が一つ法務省の新設の際にあったように私記憶いたしておりますが、その他の役所関係におきましては、そういうような形で建設されることはございませんのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/60
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061・秋山長造
○秋山長造君 これは例を申しますが、私の方の説明がどうもよく徹底しないのかもしれぬが、たとえばある町で裁判所が戦災で焼けて、その後バラックのままでいた。これを新築するという——あなたの方では、とにかくこれは五千万円なら、五千万円でやろうとする。それで五千万円の予算を組まれるわけです。ところが、大臣の言葉によれば、地元の方のいろいろ懇望もあって、同じ建てるならもっとりっぱなものを建てようじゃないかということで、あなたの方はなるほど五千万円の予算しか組んでおらぬけれども、現地の方ではそれに二千万円の寄付金を集めて、そうして七千万円の建物を建てるということは、これはもう全国至るところに行われておると、これは事実だろうと思うのですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/61
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062・竹内壽平
○政府委員(竹内壽平君) 裁判所の方は所管が違いますのでわかりませんが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/62
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063・秋山長造
○秋山長造君 いや検察庁です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/63
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064・竹内壽平
○政府委員(竹内壽平君) 検察庁におきましては、ただいまのような事例は絶対ないと私は確信いたしておりますが、あとで建物ができましてから、倉庫が足りないからその倉庫の分を寄付を受けたというようなことはございますけれども、予算にプラス寄付を突っ込みまして、そうして実際には五千万円のものを七千万円の建築のものを作ったというような事例は絶対にございません。かように申し上げていいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/64
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065・秋山長造
○秋山長造君 しかし今の建物を予算で建てて、あとで物置が足りぬから、物置を地元の寄付で建てたという場合にしても、私が言う予算の上に地元の寄付をプラスして建てたということも、実際には何ら変りはないじゃないですか。ただ説明の仕方が違うだけで。要するに予算が足りないから地元の寄付をとって、家を建て増しするなり、あるいは物置を建てるのだから、実際には同じことだと思う。だからそういう例をも含めて私は質問しておるのです。それはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/65
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066・竹内壽平
○政府委員(竹内壽平君) お答えを申し上げます。説明によっては仰せのような結果になるかもしれませんが、私どもの方の、専門的に申しますと現金としての寄付は許されませんので、予算と寄付の金とがごっちゃになったという形は起りませんので、現金を、寄付をお集めになったかどうかはしりませんけれども、建設の——寄付をされる団体の方が建物をお作りになって、そのできた建物を寄付されるという形になっておるのでございまして、私の方から見ますると、予算でできた建物はこれ、寄付を受けた物置はこれ、こういうふうになるので、結果から見れば同じことになるかもしれませんが、そういう場合は多いのでございまして、それが先ほど申しましたように、所管三千四百の役所がございますが、年間を通じて約五、六千万円の寄付になっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/66
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067・秋山長造
○秋山長造君 そうしますと、われわれが言っているこの寄付というものは、これは金であろうと、あるいは物であろうと、建物として寄付するものであろうが、現金として寄付するものであろうが、そういうものを一切がっさい含めた意味でこの寄付問題を議論しているのです。ところがあなた方の方はそうでなしに、建てたものを寄付する場合と、それから現金を寄付する場合、みなそれぞれに非常に専門的に区別して考えておられる。だから一口に寄付寄付と言って議論しても、われわれが考えている寄付というものと、あなた方の考えておられる寄付というものと、多少の食い違いがあるんです。だからそういうところからして、われわれとしてはなおさらただいまのように、法務大臣が絶対に寄付はとらぬという言明をされても、なかなかそれを言葉通りに受け取れない。やはりそれでも何か、いろんな名目を借りて、われわれの考えているような、われわれの問題にしているような寄付というものが、依然としてやはり続いていくのじゃないか、こういう危惧を持つわけなんです。だから私が先ほどお尋ねした、現に進行中の寄付というのも、そういう意味でお尋ねしているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/67
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068・竹内壽平
○政府委員(竹内壽平君) 法務大臣から厳重な意味におきまして御言明がございましたので、その趣旨を体しまして、寄付につきましては、先ほど申しましたように、法務大臣の認可の内意を伺わせて、その認可を得て初めて寄付を受けるかどうか、現地の方で相手方に通告することになっております。そこでその内意がございました場合は、大臣の御趣旨に沿いまして、内意の面で、内意の線で食いとめる、こういうように厳重に執行いたしたい、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/68
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069・秋山長造
○秋山長造君 今の進行中の寄付については、まあ別の考え方をしておられるようですけれども、この間われわれ警察の寄付についても、この進行中の寄付というものは相当問題にしたのです。結局大麻国務大臣なり、石井警察庁長官が最後におっしゃったことは、進行中の寄付についても、これはもう進行中の寄付だからこれだけは別だからということはやらない。これは徹底させなければできない。だから進行中の寄付といえども、今月今日以後はもうやめる。それから返せるものは返すというところまで言明されたのです。だからおそらくあなた方の方にしても、まあもらったものを返すということになれば、またいろいろ実際問題として、これはやろうとしてもできないという場合もあるかも知れぬが、もらったものを返すということが、かりにしてもらえれば一番いいけれども、それができないにしても、少くとも進行中の寄付で、しかも今後のものは、これはもう一切とらない、ここでもう直ちに打ち切りというくらいの処置は、これはできないことはないんじゃないかと思います。その点、これは大臣いかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/69
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070・花村四郎
○国務大臣(花村四郎君) それですから、先ほどもやはり繰り返して申し上げましたように、寄付も、いかなる形の、どういうものに対する寄付があるかのその事実が判明しませんから、従ってその事実をきわめた上で、ただいま申し上げました寄付はとらぬという、この原則にのっとってしかるべく措置して参りますと、こうさっき詳しく申し上げたじゃありませんか。それ以外に申し上げる方法もないじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/70
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071・秋山長造
○秋山長造君 これはもう——じゃ、もっとよけいなことを言わずに一口に言っていただけばかえってその方がよかったと思うのです。それはもう一切とりません、今後。そう言ってもらえばそれでもう一切明らかになる。それを実体を調べた上で何とかに即してしかるべくというような形容詞がつくから、そのしかるべくという中にかなりの弾力性が含まれておるのじゃないかというように、どうもわれわれは受け取らざるを得ないからしつこく聞くので、要するにもう一切とらない、一切やめるということなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/71
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072・花村四郎
○国務大臣(花村四郎君) だからもうこれからの寄付は一切やめるということです。今まで継続しておるものがもしありとするならば、たとえて申し上げまするならば、物置を寄付しようというので半分作りかけて——法務省の庭に半分作りかけておるという場合に、それをやめさせるべきか、あるいはそれだけは受け取るべきか、これはまた考えなければならんことですから、そういう問題もありますし、いろいろありまするからそれは事実を調べた上でただいま申し上げましたこれからとらんという趣旨にのっとって処置していきたいと、こう申し上ぐるわけです。おわかりになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/72
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073・秋山長造
○秋山長造君 私はよくわからない。物置や、今の例ですよ、かりに物置小屋を途中まで建てておる。物置小屋なんかだったらどうせこれは大した金額ではないから、こんなはした金をいつまでも進行中だからということで地元寄付に最後まで仰ぐということよりも、むしろ、もういっそのことそこで切ってしまって、あとの残りはこれは一兆円近く予算を持った大世帯の国ですから、政府の方であとおやりになったらどうですか。それくらいなことは私は政府としてこれはほんとうに寄付をやめようという誠意があるのなら、われわれはやめてしかるべきだと思うのです。これは事情のいかんにかかわらず……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/73
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074・花村四郎
○国務大臣(花村四郎君) それですから、それはそうおっしゃられますが、物置にしても請負契約とかいろいろそこに契約があって、一方的に破棄することができない実情もあり得ることも御承知だろうと思う。それだからそういう事情を勘案して、そうして寄付はとらぬという趣旨にのっとって解決する、こう言えばいいのじゃないでしょうか。それはいろいろありますよ。それは一例にすぎませんがね。金であるいはこれから寄付しようというのならいいでしょうが、現物で寄付するというような場合はそういう場合もあり得るし、その他のいろいろ関係もありまするが、それは寄付者とただに法務省との間において解決のできない、善意の第三者も介入しておる場合もあり得るわけですからね。それだからそう私どもは正直だから、やめるといえばやめるのだから、ここでやめるとはっきり言うておいて、もしこういう問題があってやめぬじゃないかと言っておしかりをこうむっちゃいかぬから、おしかりをこうむらないように、言うたことはやはりどこまでも実行していくという建前のもとに私は申し上げておるわけなんです。ただ言いっぱなしで責任を持たぬというのであればそれはいかようでもいいわけですが、そういう意味じゃありませんから、一つ善意に御解釈を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/74
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075・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/75
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076・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/76
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077・中田吉雄
○中田吉雄君 まあ自治庁からいただいた資料でも寄付は二百五、六十億から約三百億あるわけですから、交付税の五%ぐらいにこれは当るのです。なかなかわれわれとしても地方財政を確立するために閑却できぬ問題で、川島大臣その他部長さんらお急ぎのようだが——やっているのですが、今小笠原委員長が言われたように、今後の寄付は受けない、進行中のものについても善処するということは了承しましたが、私、実は検察庁の用地をあっせんしたことがあるのです。その際に非常に土地の単価というものが実情に即さない。全く形式的な、予算を法務省からいただくのに検事正の人が、実際良心にそむくのだが、こうせぬと実情に合わない。それは用地を買収する単価がいなかですからそう高いことはないのですが、合わぬものですから、そこにあるヒマラヤ杉の木を一本五万円とか、そこにある納屋を移築する費用が幾らというようなことで、ようやくその用地を買収する、そういう調書の作り方をするのです。私はこれを見てなるほど形式論理の発達したところだからこういうことをやってするのかと思いましたが、全く実情に合わない。すみっこにある木の移植費が何万、庭石を移転する費用が幾らというようなことで、結局用地の買収費を調達するというようなことをやるのです。これは、それでもどうにもならぬから寄付に若干仰ぐというようなことがあったのですがね、もう少しその辺、経済情勢も安定して、インフレーションの高進時なら当初のなにがあるのですが、そういう不明朗なことのないように、何か発注予算の指令とか、そういうものはできないのですか、その点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/77
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078・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/78
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079・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/79
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080・竹内壽平
○政府委員(竹内壽平君) ただいまのお話のございました検察庁の敷地の具体的な事情がわからないのでございますが、三十年度の本予算におきましては、検察庁の敷地買収費というものは二カ所予算をとりましたが、これは現地の公正なる価格に基いて申告されました価格を単価として積算いたしておりますので、ただいまのような不都合な運用ということは本年度においてはむろんないと思いますが、(中田吉雄君「ことしじゃない」と述ぶ)私どもといたしましても、そういうやりくりはいたしくない方針でございますので、私がただいまの職におりまする限り、さようなことのないように努めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/80
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081・中田吉雄
○中田吉雄君 ほかにいろいろありますけれども、まあこの問題は寄付金全体としてあとにしましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/81
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082・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) それでは本問題は明快な法務大臣の御言明もありましたので、この程度にしていかがですか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/82
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083・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) では本日の調査はこの程度にいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/83
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084・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) それではこれから地方税法の一部を改正する法律案について、御質疑のある方は御発言願います。
それから念のために申し添えます。衆議院修正の説明を聴取したいと存じまして、衆議院側に連絡をいたしましたところ、当委員会が開会前に鈴木直人君が見えておられましたが、衆議院側のやむない事情で御退席になられましたので、この点につきましてはあらためて機会を見て出席いただいて、修正点の説明を願いたいと存じますが、それで何とぞ御了承願いたいと存じます。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/84
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085・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) ではさよういたします。
御発言の方がなければ、本日は、この程度で散会せざるを得ないやむを得ない事態に立ち至りますが、
それでは本日はこれにて散会いたします。
午後三時四十二分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X02619550727/85
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