1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年七月二十六日(火曜日)
午後三時十六分開会
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委員の異動
七月二十五日委員佐藤清一郎君辞任に
つき、その補欠として松野鶴平君を議
長において指名した。
本日委員松野鶴平君辞任につき、その
補欠として佐藤清一郎君を議長におい
て指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 笹森 順造君
理事
吉田 萬次君
荒木正三郎君
委員
雨森 常夫君
大谷 瑩潤君
川口爲之助君
佐藤清一郎君
堀 末治君
加賀山之雄君
安部キミ子君
高田なほ子君
村尾 重雄君
山田 節男君
松原 一彦君
衆議院議員
赤城 宗徳君
国務大臣
文 部 大 臣 松村 謙三君
政府委員
文部大臣官房総
務課長 田中 彰君
文部大臣官房会
計課長 北岡 健二君
文部省管理局長 小林 行雄君
事務局側
常任委員会専門
員 工楽 英司君
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本日の会議に付した案件
○公立小学校不正常授業解消促進臨時
措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○私立学校教職員共済組合法の一部を
改正する法律案(衆議院送付、予備
審査)
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001・笹森順造
○委員長(笹森順造君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
まず公立小学校不正常授業解消促進臨時措置法案を議題といたします。質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/1
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002・笹森順造
○委員長(笹森順造君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/2
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003・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 速記を始めて。それでは委員長から発言をいたします。この公立小学校不正常授業解消促進法案が出たのでありますが、この概略について提案理由の説明を政府当局から聞いております。しかるに衆議院の方において修正案が提出せられております。この修正せられました部分に関する文部当局の意見の開陳を求めたいと思います。松村文部大臣からこの際にこのことを承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/3
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004・松村謙三
○国務大臣(松村謙三君) これはきょうの閣議におきまして衆議院の委員会のこの修正につきましての政府の意見をとりまとめたのでございます。との修正案の要点は、〇・七坪の現在の考え方を、標準の〇・九坪と規制するのが重点でございまして、これは原案は政令によってきめることになっておりますが、とれを法律に〇・九坪と明示したととろに重点があるものと存ずるのであります。そういうわけでございますから、予算の範囲内におきまして地方公共団体の財政の実情を勘案いたしまして実行上適切な運用を行うということにいたしてこの修正に同窓をいたしたいと存ずるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/4
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005・堀末治
○堀末治君 そうすると今までは〇・三坪……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/5
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006・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 今まで法律がございませんで、予算措置として従来不正常の補助金を出しておったのでありますが、従来は大体〇・七ということでやっておったのであります。ただしその中でいわゆる詰め込み授業の分は一教室に何人詰め込んでおるかということで、その教室の中で収容児童の一人当りの面積が出て〇・三五というととでやって参った……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/6
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007・堀末治
○堀末治君 そうすると今頃で政令では〇・七坪になっていたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/7
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008・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 政令で定めるということにして、その政令の内容を一応予定といたしましては〇・七にしたいと、こういうふうに私どもは考えていたのでありますが、衆議院における修正では、政令に譲ることをしないで、法律にはっきり明示し、しかも大体文部省の従来の予定であった〇・七を〇・九坪に引き上げる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/8
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009・堀末治
○堀末治君 そうすると何ですか、この間うちからこれは危険校舎の改築について今年の予算ではおよそ何坪できると、こういう御答弁がありましたね。その答弁はそうすると〇・七坪での計算の御答弁ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/9
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010・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 危険校舎の方は従来〇・九坪でやっております。不正常の方は従来〇・七坪でやっておった、それを危険校舎と同様に〇・九坪にしろというのが衆議院の御修正の趣旨だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/10
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011・堀末治
○堀末治君 そうしますと、その御答弁からだと、危険校舎の方は〇・九で計算になっておるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/11
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012・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/12
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013・堀末治
○堀末治君 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/13
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014・川口爲之助
○川口爲之助君 不正常授業解消のために現在の児童生徒数を対象といたしました教室の不足坪数、これは全国的に見てどのくらいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/14
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015・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) これは昨年の五月一日現在の調査数でございますが、これは年々五月一日現在でこの公立文教施設の実態調査というのをやっております。今年度分はまだまとまりませんですが、昨年五月一日現在の調査によりますと、大体全国で不正常授業の教室数を申しますと、約一万一千二百四十一教室ということになっております。ただしこの中でいわゆる基準と申しますか、〇・九坪未満のものだけをとりますと九千四百六十三教室でございます。それが〇・九坪未満のいわゆる。基準未満の教室数でございます。ただこの中でこれはたとえば戦災復旧の関係で不正常になっているというようなもの、それから中学校ができましたために小学校を中学校に転用しておるというような関係で不正常になっているものもありましたので、そういったものを差し引きいたしまして、そういったものが大体五百四十七教室というように文部省の調査では出ております。それを差し引きいたしましてさらに昨年東京都が自力で相当多数の二部授業解消のための建築を行なっておられますので、そういったものを差し引きいたしますと、本年度の年度初めの不正常授業の解消に要する教室数は二千八百二十一というふうに文部省では数字を押えております。との三千教室、九万二千坪でございます。とれを今後予算補助をもって解消する、こういう計画でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/15
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016・川口爲之助
○川口爲之助君 九万二千坪でございますね。そとで本年は就学児童が激増をいたしております。それからしてこの自然増による教室の不足、さらに社会増による教室の不足、この数字は今のうちに入っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/16
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017・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 御承知のように本年度で大体義務制で五十万程度の児童がふえるということでございますが、この自然増による児童のふえ方は必ずしも小さい学校のみふえてくるというわけではございません。基準の上から申しまして相当余裕のある学校にもふえてくる分もあるわけであります。そういったことは各地で違って参りますのではっきりした児童の自然増による不正常授業の増加というととはまだはっきりつかめておりません。それから社会増の部分いわゆる都市への集中ということによる児童増でございますが、これも実は年々の趨勢はございますけれども、年度によってかなり違っておりますので、はっきりした数字はつかめておりませんので、現在の文部省の計画では、二十九年を基礎にいたしまして、三十年度当初の大体二千八百二十一教室を三カ年程度で解消したいということで、いわゆる自然増あるいは社会増、ことにまあ大都市の社会増の分はこの中に計上されておらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/17
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018・川口爲之助
○川口爲之助君 そこでこの自然増、社会増による増改築は、これは本法案が適用されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/18
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019・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 社会増によって実際不正常が起ってくる場合には、むろんこれは適用されるわけでございます。また自然増によって基準が〇・九坪未満になって、そうして不正常授業を実際に行なっておる分には、この補助金は適用されるわけでございます。またこの際起債関係でも、こういったものについては自治庁の方で生徒、児童増による校舎建築の部分を見ておるというふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/19
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020・川口爲之助
○川口爲之助君 自然増も社会増も大体九万二千坪の中に入る。そこで本年度予算で約三万坪が解消されることになった。そういたしますと、なお六万何がしかというものが残るわけでございますが、さらに自然増による増がこれは三十四年度まで漸増されるわけですね。そこで本年度と同じ増加率に至るのは、三十七年度と、こう考える。そこで社会増は依然として騰勢が続くであろう。こう考えるのでありますが、そういたしますとこの六万坪、それからして自然増、社会増によって不足を告げるものを加えますと、膨大な数字になる、かように考えます。一方危険校舎、これは今後五カ年間において解消するということに相なっておりまするけれども、実際の状態、つまり終戦直後に建てられましたいわゆるバラック校舎はすでに老朽危険校舎になっておるものが大部分であります。それとこれとを加えますというと、文教施設の整備、これは地方財政が次第に窮迫してゆく、この点とにらみ合せましてかなり困難な場面に突入するのではないかと、かように考えるのであります。そこでこの第四条の補助率であります。これは三分の一ということに相なっております。別の先の負担法によりますと二分の一ということになっております。でありますから、私どもはできるならばやはり負担法による補助率二分の一に修正されることを希望するのであります。そうして次年度から十分に予算の裏づけをして、そうしてこの解消に努めてもらいたいと、かように考えております。まあこれは一つの希望になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/20
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021・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) この補助率の問題でございますが、これは不正常授業の解消のだめの補助も危険校舎と同様大体三分の一ということにいたしております。御承知のように戦災小学校の復旧あるいは転用小学校というものが二分の一ということになっておりますが、戦災は御承知のように直接国の責任で、まあその被害を解消するというものでございますし、転用小学校も御承知のように新学制の実施、六三制の実施というようなことが起ってくるわけでありまして、国の面接の責任に基くもの、それから危険校舎あるいは不正常授業の解消というものは戦災等に比べまして国の責任という点で幾らか軽重の差があるのではなかろうか、原因に対するその責任の差異というようなことでこれらの方は補助率を三分の一ということにいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/21
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022・川口爲之助
○川口爲之助君 負担法によると義務教育の延長によるという項がございますね、それはやはり二分の一ということになっておりますが、それととれとは同一のものじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/22
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023・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 年限延長の場合はこれは国の政策として新学制の実施をしたというふうに考えますし、この児童生徒の増加ということは必ずしも国の責任だけで起ってきておるものではない、従ってその間に多少責任の軽重というものがあり得るのじゃなかろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/23
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024・川口爲之助
○川口爲之助君 この町村合併が多少の困難は伴いましても大体順調に進んでおります。そこでその目的は申すまでもなく事務簡素化、行財政の確立ということにあると同時に、合併町村内の学校の統合ということも一つの目的であろうと思う。そこでこの場合における学校の統合ということを当局としてむしろ促進奨励の方法をとってもらいたい。たとえばこの補助費のごときも統合される学校に対しては優先的にやる、こういうような方法をとってもらいたい。かように、これも一つの希望条件です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/24
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025・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 町村合併の結果学校が御承知の通りに小規模学校が統合されまして適正な規模になる。そうして運営も従来よりうまく行われ、また経費もあるいは節減されるというようなことになりますれば非常にいいわけでございますので、そういった面からこの町村合併に協力するという意味で従来もその他の条件が大体同じような場合には町村合併をした結果統合するというようなものを優先的に取扱うというようなことをしておったのでございますが、しかしこれだけでは必ずしも十分とは思われませんので、今後一そうこの学校統合に協力するという意味から、文部省の方で特に指示して統合させるわけじゃありませんけれども、そういった統合の場合には従来と異った基準で補助を出すようなことを今後考えたい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/25
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026・川口爲之助
○川口爲之助君 行政管理庁と申しますが、この監察部の教育補助費の調査に対する報告でございますが、これによりますと昭和二十二年からして昭和二十八年までの補助総額大体二百億円以上になっておると考えます。この補助費の効率的使用とその状況を文部省の方にも御報告になっておると思いますが、それによりますと調査の対象の約四〇%以上が不当不正と申しますか、というふうに処理されておる。特に教育一委員会の指導監督権ということについて強く要請があったようであります。それでこの報告に徴しまして従来通りの補助金の交付でいく場合はやはり同様の事態が発生するおそれがあると、かように考えております。この点について第六条において制限をされておりまするけれども、できるならば補助対象の工事が完了したその後において補助金を交付したならば、抜本的にその弊害が除かれるのではないか、このように考えております。この点いかが考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/26
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027・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) この公立文教施設関係の補助金を補助の条件等に違反していわゆる会計検査の避難事項に載せられたものが相当あることは事実でございます。二十八年度は、従来予算の法規がございませんで、従来いわゆる予算補助としてやっておりましたものがその予算補助の条件の中旬等のいろいろあいまいな点から、あるいは従来基準が非常に最低基準で窮屈であったというような点からも、また文部省の指導が必ずしも十分でなかったというような点からも、いろいろな原因があったと思うのでありますが、相当会計検査の批難の対象になっておりまして、その点はまことに残念なことと思っております。その後御承知のように国会でいろいろ各種の補助金の種類ごとに従いまして、法規も整備せられまして、まだいろいろなこの補助基準もはっきりする、また基準も従来のたとえば最低基準が特定最低基準になるというふうに高められました結果、今後はこういつた従来のような不当な事例というものが非常に減ってくるというふうに、文部省としては期待をいたしております。
ただいまお尋ねのございました補助の対象については、工事を完了したあとで補助金を出したらどうかというお尋ねでございますが、もちろんそれも一つの方法かとも思いますけれども、しかしまあ町村によっては非常に財政の困難な折にもかかわらず、非常な努力をしてこの校舎の改築をやろうというところもございますので、工事が全部完了したあとにこの金は出すのだということになりますると、工事の進捗にも差しつかえることが想像されますので、そういった点ももちろんこの指導によって、たとえば府県の教育委員会の施設の主管課等を通じての指導によって誤りのないようにしてまあ補助金を出す、すべて工事完了後に補助を出すということではちょっと市町村に対して酷ではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/27
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028・川口爲之助
○川口爲之助君 まあ工事の促進をはかるために事前に補助金を渡すということはよくわかるのであります。けれども、申請のあったものに対して文部省が許可の指令と申しますか通知をするのは大体二月ぐらいかかるという話であります。その点はいかがでしょう。また国と施設者とその間に立って全責任を負って工事その他の促進をやるべき教育委員会自体がどうもあいまいであってははなはだ不安定じゃないか、この点を特に一つ文部省としては監督を厳重にしてもらいたいと、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/28
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029・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) お尋ねの御趣旨の通りに考えます。
補助の条件にかなって、あるいは補助の目的外に補助金を使用するという事例に対しましては、今後やはり十分監督を厳重にしまして、場合によっては補助金の返還ということもやらなければならぬと考えております。
なおこの補助金の補助の指令が出るまでに相当時間がかかるということでございますが、これにつきましては府県の方でいろいろ調整をして文部省へ持って参りますまでに相当実は時間がかかるのでございまして、なお文部省としてもいろいろ台帳との照合等にも多少の時間はかかりますが、できるだけ短時間のうちにこれを処理したいと考えております。
なお最後に、府県の教育委員会は実態をあまり把握しておらぬ、従って国と市町村が直接やった方がいいという趣旨のお尋ねかと思いますが、これは現在の地方行政の建前からいたしますと、全然府県を抜きにしてやるということは困難かと思います。国といたしましては、六千件以上もあるこの補助金の件数から申し上げまして、市町村の状況すべてを把握するということになかなかなりませんので、できるだけやはり府県の指導、あるいは府県の指示というものを重んじて、しかし市町村の状況は、台帳その他と十分にらみ合せて補助の指令、あるいは補助の遂行に間違いなきを期したい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/29
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030・川口爲之助
○川口爲之助君 今のは、教育委員会を抜きにしてやれと申し上げだのではないのです。教育委員会の監督というものを厳重にやってくれという希望底んです。私の、質問は終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/30
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031・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 質疑のある方は引き続きお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/31
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032・荒木正三郎
○荒木正三郎君 不正常授業を解消するためには、九万二千八百余坪の教室を建設し安ければならぬということになっております。これは何年計画でこれだけの坪数を建設するのであるという計画ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/32
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033・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 文部省の現在の計画では、今年度以降三年というふうに考えておったのでございますが、この衆議院の方で法案の御修正がございました結果、一応との九万二千坪というのはかなり増加することになると思います。根本の差し当っての早急な計算ですと、約十三万坪程度になることになりますので、現在程度の予算の獲得状況でありますと、三カ年が四ヵ年くらいに、一年くらい延長されることになりやせんかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/33
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034・荒木正三郎
○荒木正三郎君 この点については、文部大臣としては、やはり三年計画くらいでやりたいというお考えですか。
あるいは衆議院の修正で相当坪数がふえたので、四年とかあるいは五年計画というふうな考えを持っておられるのか。その点伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/34
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035・松村謙三
○国務大臣(松村謙三君) これはできるだけ三年くらいで済ましたいと考えておりますけれども、同じ種類のものがたくさんございまして、たとえば高等学校の老朽校舎などもやはり入って参りまするし、その予算の獲得という点にはなかなかのことと思いまするが、私どもといたしましては、やはり三年計画くらいでこれを坪数が広くなりましてもやりたい。こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/35
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036・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それから先ほども御質問がございましたが、この九万二千八百坪、あるいは衆議院の修正によって大体十三万坪くらいにふえるのじゃないかというこの数字ですね、これは現在を基礎にして計算された数字であるのか、あるいは来年、再来年あるいは昭和三十三年度ですか、昭和三十四年までの生徒児童の増加というものを一応考えに入れて、そうして計算された数字であるのか。その点を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/36
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037・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) この不正常授業の、坪数の算定時期の問題でございますが、これは現在でございまして、次年度以降の増加分というものを一応含んでおりません。これは非常に次年度以降の増加の、増加と申しますか、実際、自然増の児童数の増加というものはわかりますけれども、これがどの程度どういう学校に吸収されていくか、あるいはまた社会情勢の関係で、どういうふうに都市に集中していくかというふうなことがなかなかはっきり把握できないものでございますので、前年度の数字を大体基礎にいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/37
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038・荒木正三郎
○荒木正三郎君 私はそこに相当将来の三カ年計画でこれを解消していくということになると、実際上相当な齟齬がその間に起ってくるのじゃないかというふうに懸念するわけなんです。と申しまするのは、やはり最近大都市に人口増加の傾向が顕著であります。従って大都市はこの不正常授業というものがなかなか解消しない、こういう状態が続くんじゃないかと思うのですがね。そういう意味において、やはりそういうととも考慮に入れて、大体のこの見込みというものを考慮に入れてこれを考えていかなければ、依然として、せっかくこういう好ましい法律ができても、やはり問題は残っていくというふうに思いますので、そういう点は今後とも御注意をいただきたいと思います。それからこの不正常授業ですが、衆議院でこの不正常授業の内容をこの法案に規定したということは、私は非常にいいと思うのです。原案ではこれを政令にゆだねておったのですが、まあ政令にゆだねるよりも、こういうふうに法律の表面に規定するということは非常にいいと思うのですが、ただこの際、不正常授業の申請は地方公共団体がする。この地方公共団体というのは府県をさすのですか、あるいは市町村をさすのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/38
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039・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) この学校の補助金の関係は、従来も設置者がやる、ということでございますので、小中学校、この不正常授業の解消の場合は小学校でございますが、設置者が市町村でございますので、設置者たる市町村がやるということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/39
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040・荒木正三郎
○荒木正三郎君 そうすると市町村が直接文部省に申請をして、そして文部省がこれを許可すると、こういう工合になるのですか。あるいは都道府県において取りまとめをして、そして文部省に申請する、こういう工合になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/40
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041・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 大体との補助金の配分が府県を通じてやるという
ことになっております。従ってこの補助金の交付の申請の方も、府県を通じて国の方へ持ってくるという形になるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/41
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042・荒木正三郎
○荒木正三郎君 不正常授業を解消するための校舎ですね。この中には鉄筋で作る校舎も含まれているかどうかですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/42
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043・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 鉄筋で作るというのは、この不正常を解消するために新しく増築する分が鉄筋という……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/43
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044・荒木正三郎
○荒木正三郎君 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/44
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045・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 大体まあ八五%、一五%というようなことで、一五%程度は鉄筋の比率を認めるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/45
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046・荒木正三郎
○荒木正三郎君 私その点は、この法律でどういうふうに規制されるのか伺っておきたいと思うのですが、たとえばですね、この不正常授業の多いのは大都会が多いわけです。そういうところではやはりせっかく校舎を建てるという場合には、まあ鉄筋で建てよう、こういう意向が相当強い、そういう場合にやはり鉄筋で建てた場合も、鉄筋で建てるか、あるいは木造にするかということは、これは地方の公共団体がやっぱりきめるべきことと思うのですね。それをその予算の配分から木造八五%、それから鉄筋を一五%、こういうふうに予算執行上規制しておくと、地方の意思をこれによって曲げるということになると思うのです。これはこの法律の趣旨とするところではないと思うのですがね。どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/46
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047・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 大都市等におきまして、戦災あるいは社会増というようなことから不正常が多いのでございますが、その不正常授業を解消するために新たに作る校舎として、鉄筋をお建てになりたいという御希望が相当強いことは事実でございます。ただ予算上は先ほど申し上げましたように、大体一五%といったようなワクがございますので、このワクについては、この鉄筋の御希望が非常にたくさんありますれば、ある程度は、大蔵省等とも交渉しましてその比率を高めるというとともできない相談ではないと思いますが、しかし、それにいたしましてもワクがございますので、そのすべての御希望に全部沿い得るかどうかということになりますと、多少疑問がございます。どうしても鉄筋でなければ建てないのだというような校舎につきましては、一年くらいあるいはお待ち願うというようなことも起るかとも思うのでありますが、できるだけその市町村の御希望に沿うように文部省としては努力いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/47
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048・荒木正三郎
○荒木正三郎君 そこで文部大臣に所見を伺っておきたいのですが、将来、学校の建築については、やはり依然として木造でやっていくのか、あるいはこの際鉄筋の方に相当比重をかけて、できるだけ鉄筋校舎に改善していくのだというふうな、どちらの考えをとるかという問題が私はあると思います。この問題は非常に私はむずかしい問題であると思うのです。一方では二部授業が行われておる。それから多数の危険校舎がある。それを一々鉄筋でやっていくということになれば、膨大な予算が要る。とてもそういう予算は出ない。しかし当面そういう不正常授業あるいは危険校舎を解消しなければならぬというので、どうしてもその場の応急策として、安上りの木造で間に合せよう、こういうことになりがちであります。しかし、この際やはり私は、こういう小学校とか中学校とか、多数の子供をあずかる建物としては、どうしても鉄筋というものを、主体に今後計画的に建築をしていかなければならない、そういうふうに考えるのですが、これは実際問題としてはむずかしい問題ですが、今のように木造八五%、鉄筋を一五%、こういう比率では私は将来非常に困ると思うのです。そういう点、文部大臣の今後のこういう学校建築に対する方針ですね、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/48
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049・松村謙三
○国務大臣(松村謙三君) 実はその点は、きょうも危険校舎のもう一つのなにで衆議院の方で付帯決議を付加されておるのであります。その中に今お話の通りのことが一項あるわけでございまして、これに対してどう考えるかということでございましたが、できるだけ、その率は今一五%だけ、先刻お答えしたようなわけで永久建築を認めておるのであります。それを漸次率を上げていきたいと思っております。そういうふうに予算を組んで要求をいたしたいと思うておりまして、全部を永久建築にすることはできませんけれども、その割合を漸次増していきたいと考えております。その増すにつきましても、できるだけ巾を大きくいたしたいと思いますが、これは財政の関係がありますから、今具体的にどれだけというととは言えないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/49
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050・雨森常夫
○雨森常夫君 第五条の二項にあります「その他政令で定める特別の事由」とありますが、その「特別の事由」というのはどういうふうなものですか。一つ二つ何か例をあげて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/50
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051・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 第五条の二項の「その他政令で定める特別の事由」と申しますのは、文部省で現在予想しておりますのは、その学校の校舎の建築の坪数に比べて、この補助を行う部分がきわめて少くて微量配分になるというような場合には、一・〇八までその基準を高めることができるというふうにしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/51
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052・雨森常夫
○雨森常夫君 微量配分というのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/52
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053・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) その学校の校舎の坪数から換算しますと、不正常授業を行なっておりましても補助の対象になる部分がきわめて少い、そういうような場合には基準を一・〇八まで高めて計算して、その基準に該当する部分を幾らか多くするという考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/53
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054・雨森常夫
○雨森常夫君 それからもう一つ、一・〇八というのはこれは修正部分だからお聞きするのはどうかと思いますけれども、一・〇八には何か根拠があるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/54
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055・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 御承知のように現在中学校のほうでは暫定最低基準として一・〇八坪という一応基準を使っておりますので、それを修正の際にそのままお使いになったものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/55
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056・加賀山之雄
○加賀山之雄君 大臣にお伺いしたいのですが、実は先日の委員会でも政務次官にお伺いしたのですが、今回公立学校不正常授業解消促進臨時措置法案と、それから危険校舎を早く解消するための法律案と二つ出て参っておるので、これはいずれも時宜を非常に得たものと思いますが、伺ってみますと、いずれも非常にその該当坪数が多い。従ってこれに対する予算が非常にかかるということでございまして、先ほどの質問にもございましたが、国の負担、それから地方財政の負担も非常に多いわけでございますが、現下のこの予算規模において中央地方を通じで大臣は今の応答で、たとえば危険校舎は今のペースでいけば五年くらいはかかるだろう。これは漠然たる考えで、五年間で解消するというお答えではなかったのですが、これは三年の予定だが、さらにまた坪数がふえたからあるいは四年になる、あるいは五年になるかもしれんというお考えのようですが、大臣としては今の規模においては一体何年でこういうものは解消すべきものだというようにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/56
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057・松村謙三
○国務大臣(松村謙三君) これは国に大体御承知の経済再建六カ年計画というものがございますから、こういうこともあの中へ組み入れませんでも、大体の予定をあのワクの中へはめ込んでいきたいものと考えましで、経審の長官などともそういう話をいたしております。従いまして大体は六年と申しますけれども、こういうものは五年で計画を見込んで、あと一年の余裕をみておいてやりたいものと考えて努力をいたしておりますが、どういうことになりますか、今のところは十分の見当はつきませんけれども、この程度のことはぜひいかようなことがあろうとも、政府の方針としてこれだけのことはやってもらいたいものだと思ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/57
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058・加賀山之雄
○加賀山之雄君 私に言わせていただくならば、経済再建あるいは自立経済建設のための五カ年あるいは六カ年計画というものが立っておる。ところが教育というものはこれは百年の大計であって取り戻しができないという性質を持っておるわけです。一方は校舎が危険だ、一方は不正常授業だと言って、二部教授だとか、一教室七十人以上も詰め込んだ教育では、とてもほんとうの教育はできまいと思う。そういうことで放置するということは、これは大へんな問題になるわけでございます。これはあとで取り戻しがつくというなら私は何とも考えませんが、教育ということは、ことに義務教育当時の教育というものは取り返しがつかない、こういう性質を持っておるものですから、私は閣議決定なりを経て、その年その年の予算折衝で大蔵省でしぶい顔されて、減らされて、このくらいの予算がとれれば何年で済むのだという、こういうことであっては、私は五年や六年ではとても解消しないことを非常に危惧する。五年六年でも非常に遅いと思う。もっと早くしてもらいたいのだが、しかしそれは少くとも五年でこれは確実に解消するのだという強い信念、確信をもって政府にやっていただかなければならぬ、かような気がするのでございまして、その点を特に一つ大臣にお伺いしたわけですが、お伺いすると同時に、これの希望をぜひ大臣にしなければいかぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/58
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059・松村謙三
○国務大臣(松村謙三君) 不正常なものはできるだけお話の通りに、ことに早く解消する必要があると思いまして、努力いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/59
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060・加賀山之雄
○加賀山之雄君 それからこれは法律の内容ですが、先ほどからお話が出ております大都市なんかでは、校舎が、特にこれは構造からいっても鉄筋にしなければねらぬということもございましょうし、また一方土地がなかなか得られない。これは義務教育ですからどこへでも建てられるという性質のものじゃないので、やはり校区に相当するところに学校を求めなければならない。そういう場合土地が必要になってくるわけですが、ことに校舎の建築とあって、「買収その他これに準ずる方法による校舎の取得を含む。」となっておりますが、その土地の取得はもちろんこの中に入っていないように思うのですが、その通りでございますか。これは局長から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/60
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061・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 公立文教の関係で、土地を補助の対象にする例は、ほかにはございません。災害の場合に一部土地の補償をしたことがございますが、他の例と同様に、この法律でもその校地の補助というものは一応考えておりませんで、校舎の建築費だけを国の補助の対象にいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/61
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062・加賀山之雄
○加賀山之雄君 私はこの不正常授業の内容が各号によっているわけですが、「収容児童一人当りの面積が〇・三五坪以下の普通教室を使用して行う授業」こういうふうになっておって、これは不正常授業であろうが、これが〇・三六坪、〇・三七坪だった場合はこの中へ入ってこないのですが、しかし〇・三五坪以下だったら普通教室に入る、〇・九坪とか一・〇八坪とかいうのはどうなのかわかりませんけれども、そこは非常にこういう書き方をすると段階ができるように思うのですが、そういう心配はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/62
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063・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 第二条の一項の三号にございますが、これはいわゆる詰め込み圧縮の授業を継続した場合でございまして、ただその場合に、一人当り〇・三五坪ということで考えたわけでございますが、しかしそれ以上の場合でも、たとえば二部授業が行われておるとかあるいは学校の出入口を教室として使っておるというような場合には詰め込みの事項に該当しないでも不正常授業に該当するということは国の補助の対象になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/63
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064・堀末治
○堀末治君 これはこの法律に直接関係があるようなないような問題でございますが、大臣にちょっと御相談ですが、実は御承知の通り昨年十五号台風で北海道にたくさんの風倒木ができた。この間林野庁から頼まれて私は農林関係ではございませんけれども、君、北海道だからというので風倒木の現地を調査してぜひこの処置について知恵をかしてほしい、こういうことで五人連れで北海道の風倒木を見にいっ。たあのりっぱな森林が荒らされてほんとうに無惨な状態になっておりますが、それを調査してみますというと、最初五千万石、六千万石と言っておったのが実際林野庁の調査したのが六千三百五十万石だった。どうしても搬出のできないのがおよそ九百万石ある。五千四百五十万石は搬出可能なものであります。これはちょうど北海道の今まで立木を切っておったものの三年分に当る。それで林野庁ではこの処置に非常に困っておる。何とかこの処置について現地を見て、知恵をかしてほしいというのでありました。そこでこの間帰ってから衆参両院の連中が林野庁に呼ばれて、ある所で会合しまして、この処置についていろいろおのおのの意見を言った。私も思いつきの意見を二、三言ったのですが、そうしてちょうど行ったのが文教関係の者が一人だった。そんなことで、この法律はここで審議されておりませんでしたけれども、ちょうど今の危険校舎の解消の法律を審議した直後でございましたが、私はこういう案を出したのです。今政府では二十億以上からの予算を出して危険校舎の解消をやろうというつもりですが、こんな宛てのない、ただ闇に寝かしておいて、土間に寝かしておくということをするよりも、むしろ危険校舎の改築の方に向けて、できるだけこれを長期に校舎の改築の方に貸し付けて危険校舎の改築を促進させると同時に、風倒木の処理を進めるようにしたらどうか、こういうことを私は提案した。そうすると議員諸君はそれは大へんいい案だ、こういうことでありまして、二、三の議員諸君からぜひ君文教委員会で松村文相にこの事を話して、できるだけ一つ文教の方でもそういう方針で林野庁とも相談し、それを長期に貸し付けるということについても政府の意見をまとめるように発言してほしい、こういうことでございました。そんなことで、私せっかく予算は、金はこうして三億四千万円なり二十億あるのですから、それはそれとして、金は金としてそのほかに木材等をよけい、あるいは何年にするか、これはまあいろいろ計算そのほか御相談にもよりましょうけれども、そうしてできるだけ危険校舎をわずかながらもそれらによって解消するという方法が何ほどなりともとれるのじゃないか、実はかように思っておるのです。同時にそれを聞いた二、三の議員が、それは非常にいい案だから、林野庁長官も大へんけっこうだから私の方でも研究いたします。こういうことでございましたが、お耳に入っておればともかくも、お耳に入っておりませんでしたら、こういう問題どうでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/64
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065・松村謙三
○国務大臣(松村謙三君) 実はそのお話は今初めて私承わるのでございます。しかしあちらの大学林なども前の風倒木も非常に多いものでございまして、それでそれに対して大蔵省の伐採の費用を出してくれまして、それでこれからこの伐採をやるところでございます。もう着手しておるところがあるかもしれない。そういうわけでありますから、大へんおもしろいお考えのようであります。そういうことが実行可能であるかどうか、早急に私どもの方で調べさせまして、そのときまたお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/65
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066・堀末治
○堀末治君 ついでですから、全然これは文教に関係ないことではございますけれども、政府として当然お考え願うことがいいかと思うのですが、今の風倒木の処理の問題について、私はもう一つこういう案を出した。やはり北海道のものですから北海道で処理するのが一番いい、経費もかかりませんし、そのためには北海道の方が、御承知の通り北海道は今の危険校舎あるいは不正常授業、不正常授業は北海道は少いかもしれませんが、危険校舎は多くはないかとただ察するのですが、そこでぜひそういうことについては真剣にお考え願いたい。と同時に直接これには関係ないのですが、風倒木の処理のために北海道にうんと家を建てさせたらどうか、御承知の通り北海道には家が足りない、こちらの方から人が行きたくても要するに家がなくて行けない、でありますから、あるいは相当の事業場、会社、そういうふうなものにもある程度木材を安くするということは穏やかでございませんから、ある程度、相当の価格でもいいから長期にでも貸し付けて、そうして社宅のようなもの、あるいは通産省あるいは大蔵省それぞれみな業者とのつながり関係があることでございますから、そういう方針を立てて、そういう方面と要するに相談をなさったらどうか、こういうことで実は提案しておるのであります。これは全然文教には関係ございませんから、いわゆる風倒木の処理についての問題でございますから、何かそれらもお話が出たらば、あわせて一つ政府としてお考え下さることをこの機会に希望申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/66
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067・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 他に御発言もないようでありますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/67
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068・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 御異議ないと認めます。速記をちょっとやめて下
さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/68
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069・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 速記を始めて下さい。これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/69
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070・堀末治
○堀末治君 私は本案に賛成するものであります。幸いに不正常授業の問題につきましては、私昨年同僚議員とずっと各地を見て参りました。まことに戦災都市のごときは見るに忍びないような状況をまのあたりに見、かつまたその学校の当局者あるいは市町村の各位から実情を訴えられて非常に気の毒なことで、これは一日も早く何とか処置して上げなければならないと、実はさように感じて帰って参りました。幸いにこれらの情勢にかんがみて、政府みずからこういう法律を作って御提案下さいましたことは、まことに時宜を得たものと、心から賛成するものであります。ただしかし国家の財政規模が小さいので、私どもが希望するだけの予算措置ができないのは遺憾ではございますが、しかし先ほど来の大臣の御答弁にもありました通り、できるだけこれは急速に解決するように努力したいという熱意も示されておることでございますし、私どもは本法案に対して心から賛成いたしたいと存ずる次第でございます。ことに本委員会としては衆議院から回ったのが非常に時間が短いので、なお一そう詳しく検討を要することが多々あると思いますが、衆議院の方も非常に熱心に検討されていろいろと適切な修正も加えられておることでございますから、私はこの修正にことごとく賛成いたしまして、本案をこのまま通過させていただくことを切に希望するものであります。なおまたこの法案を通過させていただきました暁におきましては、こういうような決議を付しておいていただきたいと、実はかように存ずるのであります。
以上の決議案であります。どうぞ皆さん方の御賛成を切に希望する次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/70
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071・荒木正三郎
○荒木正三郎君 私は社会党第四控室を代表してただいま堀委員から御提案になりました附帯決議を付しまして本法案に賛成をいたすものでございます。不正常授業の解消につきましては従来から非常に熱心な要望が当委員会にもございました。当委員会におきましても従来再度にわたりまして不正常授業の実態を調査いたしたことがございます。その結果われわれとしては何とか法的な措置によって予算化し、国費の補助を得で、そうしてこの問題の解決をはかる必要があると考えておったのであります。そういう際に政府からこの法案を提出されたということはまことに当を得た措置であると考えまして心から賛意を表する次第でございます。ただ附帯決議にもありましたように、あるいはわれわれの質疑の段階においても触れましたように、今後相当大都市における児童の自然増加が予想されるのであります。従って現状を基礎にした数字ではこの不正常授業を解消するということにはさらに年数がかかるわけであります。そこで文部大臣もお答えになっておったように、当初の計画通りやはり三年ぐらいの計画で今後増加する自然増加による不正常授業をも解消するように努力を願いたいということ。それからなおこれらの建築についてはできるだけ鉄筋校舎を今後増加していくということは必要であると思いますので、そういう点についても十分附帯決議の趣旨に沿うように政府において善処されたい。
なお私は第三番目に、先ほど堀委員が北海道の風倒木の問題について、これを老朽校舎とか、あるいは不正常授業解消のための校舎建築、そういう面に利用しではどうか、こういう御意見がありました。これは私は政府としても十分考えるべき問題であるように思うのです。それで北海道における風倒木の総量はお話にあったように膨大な数量に上っております。私の聞くところではこれらの風倒木を一挙に市場に出せば、そのために木材の値段に大変動を来たし、木材界に動揺を与える、そういう意味においてこの処置に困っておるというふうに聞いておるわけです。しかしこういうふうにして木材資源の乏しい日本において、これらの木材を腐らしでしまうということはまことに私はおしいことだと思います。なるほどいろいろ注射をしたりして腐ることを防ぐような措置をとっておられるようですけれども、それはとても私は万全を期することはできないと思う。こういうものは、これはこういう幸い学校建築等のために大いに利用すべきでないかと思うのです。これは私は堀委員の発言に対しまして、心から賛成でございます。これは実施できるようにぜひ政府の方でも考慮を願いたいということを申し上げまして賛成意見を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/71
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072・山田節男
○山田節男君 ただいま議題となっておりまする公立小学校不、正常授業解消促進臨時措置法案に対しまして、私は日本社会党第二控室を代表して賛意を表するものであります。
本法律案は従来ならば地方の自治体、公共団体のみずからの手をもってこの問題を解消する努力をいたすのが当然でありまするけれども、地方財政の逼迫並びにことに都市におきまする人口の集中の傾向がはなはだしいというような事態からいたしまして、地方公共団体みずからの手をもってこれを解消し得るということはとうていできない。これがために今回これを法制化いたしまして、国庫補助によって解消しようという趣旨であります。私はこの点につきまして、この法の趣旨に対しましては賛意を表するものでございます。ただ私先ほど文部大臣からの御答弁を伺いまするというと、全国で現在約三千に余るいわゆる解消促進をしなくちゃならない教室があるということでございまするが、とかくこの国庫補助の行政に対しましてはいろいろな問題を起しておるのであります。文部省としましてはあくまで実地査定を基礎といたしまして、最もはなはだしいところは二年も三年もということでなしにいたしまして、早急に一つ順位をきめ、六年でなくてあるいは三年あるいは長くても四年間にはそれを完遂せしむるというだけの私は文部省として一意気を持ってやってもらわなくてはならないと思うのであります。かような次第でございまして、本法律案の趣旨はまことに賛成でございます。
なお堀委員から先ほど附帯決議の御動議がございましたが、この内容を拝見いたしましても、これまた賛成の意を表したいと思います。ただこれは危険校舎の問題で本委員会においてもいろいろ論議されましたが、こうして不正常の授業を解消するために新しく校舎を改築する。私はこの機会を利用いたしまして従来のような木造と鉄筋コンクリート建との比率を、これをむしろ逆に、換言すれば鉄筋コンクリートの永久建物の比率を高くするという方策でもってこれは国家百年子孫に代々伝わるべき建物でございまするからして、しかもこれは教育施設でございまするから、この点は一つ文部省として従来の比率をむしろ逆にして解消するような具体的な方策を定めていただきたいと存じます。簡単でございまするが、この本案に対する賛成の意を表する次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/72
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073・加賀山之雄
○加賀山之雄君 私もこの公立小学校不正常授業解消促進臨時措置法案に賛成をいたす次第でございます。あわせで堀委員から提出されました附帯決議にも賛成をいたします。多くを申しませんが、従来この問題について文部当局が非常な努力をしてこられたことは、質疑の過程において明かでございますが、むしろこの法律はおそきに失するといってもいいくらいでございまして、今後においてこの附帯決議にも現われておりますように各種の方策を立てて、そして継続的にできるだけ早く解消することを目途に最大の努力を払われんことを政府に対して希望いたす次第であります。こういう問題がともすれば財源がないとかあるいは不正常ながらとにかくその日その日を過しておるということのために安易な気持になって看過されやすいのでありまして、先ほど申し上げましたようにこれはおそらく経済再建に先立つ非常な国の基礎をかためる要件であるというように私ども考えますので、何ものにも先き立ってこれは強力な推進をお願いいたしたい。
なお木造の問題につきましては、附帯決議も私は山田委員が言われましたように弱きに失すと思うのでございまして、大巾にとはなっておりますが、私どもの見地からすれば新しく手をつけるものからぜひとも全部鉄筋でいくというくらいの、これは非常なへんぴなところとか、多少の例外はあるといたしましても、それくらいの心組みでゆかなければいけないのじゃないかというふうに、これはまことに長期的な計画としては当を得たものであろうというふうに私は考えるものでございまして、付言させていただきたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/73
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074・松原一彦
○松原一彦君 日本民主党を代表しまして、衆議院から送付してこられました修正案を含む全部並びにただいまの堀委員から御提出の附帯決議を含めて賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/74
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075・笹森順造
○委員長(笹森順造君) ほかに御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/75
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076・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 御異議ないと認めます。これより採決に入ります。
公立小学校不正常授業解消促進臨時措置法案を問題に供します。本法を原案通り可決すべきことに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/76
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077・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/77
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078・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたします。
それから報告書には多数意見者の署名を附することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/78
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079・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 次に討論中堀末治君から提出されました附帯決議案についてお諮りいたします。堀末治君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/79
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080・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 全会一致であります。よって堀末治君提出の附帯決議案は本委員会の決議とすることに決定いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/80
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081・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 次に私立学校教職員共済組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。提出者より提案理由の説明を求めます。衆議院議員赤城宗徳君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/81
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082・赤城宗徳
○衆議院議員(赤城宗徳君) ただいま上程になりました私立学校教職員共済組合法の一部を改正する法律案について、提案の理由を御説明申し上げます。
私立学校教職員共済組合法は、御承知の通り第十六回特別国会において、私立学校教職員の福利厚生対策について、教育基本法第六条第二項の趣旨に基き、国、公立学校の教職員と均衡を保つような施策を講ずることを目途として、全会一致の御賛成を得て制定せられたものであります。
この法律の公布によって私立学校教職員共済組合は昭和二十九年一月に発足し、以来堅実に運営され、その目的を果しつつありますが、その対象たる私立学校は財政内意制約があり、従って教職員の給与は国、公立学校の教職員に比して著しく低い現状でありますので、全国の私立学校並びにその教職員はひとしく掛金の軽減を熱望いたしております。
本法制定当時、両院の文部委員会において政府原案に対し、国庫の補助は少くとも百分の二十程度まで引き上げることが強く要望されましたが、当時母法ともいうべき厚生年金保険法の国の補助率が百分の十でありましたために、本法の修正が厚生年金保険法の改正に影響することを理由として、衆議院の文部委員会においては、「国庫及び都道府県の負担は、できるだけ大幅に補助するよう要請すること。」ということを、また、参議院文教委員会においては、「第三十五条第一号の国庫補助率は、早急に更に引上げるよう、法改正を考慮すること。」ということを附帯決議いたし、補助率は政府原案通り百分の十にとどめたのであります。しかしながら、厚生年金保険法は、第十九回国会において、改正が行われ、国庫の補助率は給付に要する費用の百分の十から百分の十五に引き上げられたのであります。
このため、本法の附則第二十二項によって適用除外を受けている私立学校教職員は厚生年金保険法の改正により、国庫より百分の十五の補助を受けることとなったにもかかわらず、特別法である私立学校教職員共済組合の加入教職員は百分の十の補助であるため、私立学校教職員相互に国庫補助に差異を生ずる結果となり、さらに本法はその附則第十三項以下において、厚生年金保険法の被保険者から私立学校教職員共済組合に引き継がれた教職員約一万五千余については私立学校教職員共済組合法の給付事由が生じたときは、厚生年金保険の被保険者であった期間がこの組合の組合員であった期間に合算され、私立学校教職員共済組合より給付されることとはっておりますが、この場合厚生保険特別会計から一定率の費用負担を受けるに際し、給付の条件、内容の相違及び厚生年金保険法の改正によって、従来の厚生年金保険の被保険者であった当時に納入した保険料はその大半が政令によってかけ捨ての状態となり、これがため、私立学校教職員共済組合はこれに見合う財源を負担しなければならないことになっております。
また、他方、本法がその内容を全面的に準用しております国家公務員共斉組合と比較いたしますとき、給付費の国庫負担は、同率の百分の十でありますが、社会保険制度の財政組織上、長期給付にあっては、平準保険料方式を採用いたしておりまして、共済組合の収支は未来永遠にわたって相等する原則が定まっており、この場合の収入は、掛金、国庫負担金及びこれを蓄積運用して生ずる利息の三つの要素から成り立っておりますが、国家公務員共済組合とは、この三つの要素のうち、特に予定利率が異っておりまして、国家公務員共済組合の予定利率は四分五厘で、私立学校教職員共済組合の場合は五分五厘で計算されておりますので、両者の利率には一分の相違がありますため、両者の間の国庫補助率は同率でありますが、実際には私立学校教職員共済組合への国庫補助額の方が少額となって参りますため、掛金率は反対に高額となることになります。
なお、また、国家公務員共済組合法の適用を受けている公立学校教職員と比較いたしますと、その平均給与は公立学校の教職員が基本給のみで、一万六千三百二円となっており、私立学校の教職員は、総収入の平均給与が一万一千八百九十七円となっておりますし、また国、公立学校の教職員の大部分は、恩給法の適用を受け、毎月俸給の百分の二に相当する額を納入するのみで、残りの給付に要する費用は、国または都道府県が全額を負担しており、国家公務員共済組合法の適用を受けている教職員は助教諭、用人のみでありますが、私立学校教職員共済組合は大学の学長より幼稚園の保姆に至るまでその適用を受けておりますから、教職員の身分的比較においても考慮を払わなくてはなりません。これらのことは社会保険制度上からも一般勤労者の標準給与以下にあるわけでありますから、これら教職員には国庫の補助率を高め常に掛金の低減に意を注ぎ、教職員の教育意欲を発揚し、私学振興のいしずえとすべきであると考えるのであります。またそうするととが社会保障制度の理念にも合致するところであると思われます。
ここにおきまして、本改正案は、国の補助率を百分の十から百分の十五に引き上げようとするのであります。
以上本法制定の趣旨及び両院の附帯決議に基き、かつは他の社会保障制度との均衡を勘案して本法律案を上程いたした次第でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下されんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/82
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083・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 本案に対する質疑は次回に譲りたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/83
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084・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 御異議ないと認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/84
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085・川口爲之助
○川口爲之助君 教育に関する一、二の点につきましてお伺いしたいと思います。そとで会期も迫っております。あるいはそういう機会は与えられないかもしれません。できる限り一つ質疑の機会を与えていただきたいということをお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/85
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086・笹森順造
○委員長(笹森順造君) ちょっと速記をやめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02419550726/86
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087・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 速記を始めて下さい。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時四十七分散会
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