1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月二十七日(月曜日)
午前十一時三十分開議
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議事日程 第二十八号
昭和三十年六月二十七日
午前十時開議
第一 商法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215254X02819550627/0
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001・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215254X02819550627/1
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002・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
この際、日程に追加して、国会法第三十九条但書の規定による議決に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215254X02819550627/2
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003・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
去る十七日、内閣総理大臣から、更生保護事業審議会委員に衆議院議員高信頼一君、本院議員宮城タマヨ君を任命することについて本院の議決を求めて参りました。
以上の両君が、更生保護事業審議会委員につくことに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215254X02819550627/3
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004・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって両君が更生保護事業審議会委員につくことができると議決されました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215254X02819550627/4
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005・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、国家公安委員会委員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215254X02819550627/5
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006・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
去る十四日、内閣総理大臣から、警察法第七条第一項の規定により、永野重雄君を国家公安委員会委員に任命することについて本院の同意を得たい旨の申し出がございました。
本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215254X02819550627/6
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007・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本件は、同意することに決しました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215254X02819550627/7
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008・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 日程第一、商法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず委員長の報告を求めます。法務委員長成瀬幡治君。
〔成瀬幡治君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215254X02819550627/8
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009・成瀬幡治
○成瀬幡治君 ただいま上程されました商法の一部を改正する法律案につきまして、委員長における審議の経過並びに結果についてご報告申し上げます。
現行商法の改正について、種種論議がありますが、会社編につきましては、御承知のように昭和二十五年に大幅の改正がありました。しかし、占領中のことでもあり、急速に英米法的な観念が取り入れられましたうちに、わが国の経済の実情に沿わぬうらみのあるものもあり、実施後間もなく、経済界各方面から再改正を要望する声が上っていたのであります。そこで政府としましては、これらの実情を勘案し、さしあたって新株の引受権等に関する規定等を整備することは緊急を要するものと認め、本法案を提出してきた次第であります。従って今回の改正事項は、商法会社編中の一部に限られておりますが、以下、改正案の主要点を申し上げます。
現行法では、株主の新株引受権に関する事項は、定款の絶対的記載事項となっておりますが、今回の改正案では、これを定款の絶対的記載事項から削ることにいたしました。これは、この絶対的の規定がありますため、定款の定めに不備があった場合、その原始定款または定款変更の全部が無効となり、ひいては会社の設立の効力等にも影響を及ぼすおそれがあり、この点について現行法の他の規定との関係においても、解釈上の疑義を生じ、実務上にも若干の混乱をもたらしている現状を改めて、実業界の要望に沿わんとするものであります。
かように新株引受権に関する事項を定款の絶対的記載事項から除きますが、株主が新株引受権を自己の手に保留することを欲するならば、定款にその定めをすることができるのでありまして、ただ定款の相対的記載事項となりますために、たとえその定めに不備がありましても、定款の他の規定や会社の設立、新株発行の効力には影響がないことになります。また、もし定款に新株引受権に関して何も定めてないときには、取締役会の決議によってこれを定めることができるものとしました。これらによって授権資本制度の本旨とする新株発行による資本調達の機動性を発揮し得ることになる次第であります。株主以外の者に対して、この新株引受権を与える場合には、取締役会の決議のみによらず株主総会の特別決議による承認を必要とすることにいたしました。この場合には、株主総会の特別決議によって、その者に与えるべき株式の額面、無額面の別、数、発行価額、発行の時期等が定められなければならないことになっております。ただこの決議の効力を、最初に発行する新株で、その日から六カ月内に払い込みをしなければならない新株の発行についてだけあるものとし、この決議の効力をただ長く存続させることによる現行商法下の弊害を生ずるおそれを除くことにいたしました。
さらにこの新株引受権に関しましては、株主に新株を割り当てるに当って生じた、いわゆる端株は切り捨てることができること、及びいわゆる割当日は、取締役会の決議をもって定め、これをその日の二週間前に公告すること、並びに新株の引受権を有する者に対する失権予告付の通知または公告は、二週間前にすればよいことに改めておりますが、これらの改正によって新株発行の事務の迅速化が期待されるというのであります。
その他本法案では、現行商法とは異なって、株式申込証、社債申込証等は一通作成すれば足りること、株主名簿の閉鎖または基準日は、定款に規定がなくても取締役会の決議をもって定め得ること、またこれを臨時に定める場合の公告は、二週間前にすればよいこと、少数株主の株主総会の招集は、その請求のあった後遅滞なく招集がなされないときは、裁判所の許可を得てみずからすることができることに改めておりますが、かく改めることによって、会社の事務処理上の不便さは除かれるというのであります。
なお本法律案では、施行期日を本年七月一日と定めてありますが、付則によって、この法律施行によって生ずる経過措置を定め、特に新株引受権に関して混乱を生じないようにしてあります。すなわちこの施行期日前に定めた株主の新株引受権に関する定款の規定に不備がある場合も、会社の設立、合併、組織変更、新株発行等定款の他の規定の効力に影響を及ぼさないこととしました。もっとも新株引受権に関する定款の規定そのものの効力は維持できること、ただしこの規定は、廃止また竹変更できることと定めであります。しかし株主以外の者の新株引受権については、この改正法律の実施後は、すでに申込みのあったものを除いてすべて効力を失わしめてあります。
以上が本改正案の主要点でありますが、当委員会におきましては、本法案の内容にかんがみ、公聴会を開き、公述人から各界の意見を聴取するかたわら、政府委員に対しましても各委員より熱心な質疑が行われましたが、その詳細は速記録に譲ることといたします。
かくて討論を省略しまして採決いたしましたところ、全会一致をもって可決すべきものと決定いたした次第でございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215254X02819550627/9
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010・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215254X02819550627/10
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011・重宗雄三
○副議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は、可決せられました。
本日の議事日程は、これにて終了いたしました。
次会の議事日程は、決定次第公報をもって御通知いたします。
本日は、これにて散会いたします。
午前十一時四十分散会
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○本日の会議に付した案件
一、国会法第三十九条但書の規定による議決に関する件
一、国家公安委員会委員の任命に関する件
一、日程第一 商法の一部を改正する法律案発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215254X02819550627/11
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