1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年四月十三日(金曜日)
午前十一時五十三分開議
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議事日程 第三十五号
昭和三十一年四月十三日
午前十時開議
第一 地代家賃統制令の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院送
付) (委員長報告)
第二 公共工事の前払金保証事業に
関する法律の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付〉
(委員長報告)
第三 農業改良資金助成法案(内閣
提出、衆議院送付)
(委員長報告)
第四 北海道に簡易保険、郵便年金
加入者ホーム設置の請願(五件)
(委員長報告)
第五 簡易保険診療所の増設等に関
する請願(五件)(委員長報告)
第六 簡易保険の保険金最高制限額
引上げに関する請願(五件)
(委員長報告)
第七 簡易保険、郵便年金積立金の
融資範囲拡大等に関する請願(五
件) (委員長報告)
第八 兵庫県明石市鷹匠町に郵便
局設置の請願 (委員長報告)
第九 郵便年金支給額増額に関す
る請願 (委員長報告)
第一〇 郵便年金支払額更正に関
する請願 (委員長報告)
第一一 福島市向鎌田地区に郵便局
設置の請願 (委員長報告)
第一二 小規模郵便局制度改革に関
する請願 (委員長報告)
第一三 愛媛県仕七川郵便局存置に
関する請願 (委員長報告)
第一四 宮城県中新田駅前郵便局
の集配事務存続に関する請願
(委員長報告)
第一五 岩手放送株式会社の放送局
出力変更に関する請願
(委員長報告)
第一六 愛知県小鈴谷町の電話増設
に関する請願 (委員長報告)
第一七 群馬県藤岡市藤岡地区に無
集配特定郵便局設置の請願
(委員長報告)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/0
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001・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/1
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002・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。
この際、お諮りいたします。松本治一郎君から海外旅行のため、宇垣一成君から病気のため、それぞれ十八日間請暇の申し出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/2
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003・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よっていずれも許可することに決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/3
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004・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) この際、お諮りいたします。亀田得治君、小林亦治君から、裁判官弾劾裁判所裁判員を辞任いたしたい旨の申し出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/4
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005・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よっていずれも許可することに決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/5
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006・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) つきましては、この際、日程に追加して、裁判官弾劾裁判所裁判員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/6
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007・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/7
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008・藤田進
○藤田進君 ただいまの選挙は、その手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/8
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009・寺本廣作
○寺本広作君 私は、ただいまの藤田君の動議に賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/9
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010・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 藤田君の動議に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/10
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011・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員に久保等君、三木治朗君を指名いたします。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/11
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012・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 日程第一、地代家賃統制令の一部を改正する法律案
日程第二、公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/12
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013・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。建設委員会理事石井桂君
〔石井桂君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/13
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014・石井桂
○石井桂君 ただいま議題となりました地代家賃統制令の一部を改正する法律案並びに公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案について、建設委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、地代家賃統制令の一部を改正する法律案について御報告申し上げます。
地代家賃の統制は、昭和十三年以来実施せられ、戦後においても引き続き物価政策の一環として行われて参りましたが、昭和二十五年に至り、一般物価の安定とともに統制対象も大幅に縮小され、今日においては主として昭和二十五年七月以前に建築された住宅と敷地について適用されております。本法案は、統制借家の修繕を促進させ、その老朽化を防止するとともに、現在の住宅事情並びに経済事情を参酌して、統制対象範囲を必要最小限度にとどめんとする目的のものであります。
その内容は、家主が住家について大修繕を行なった場合には、都道府県知事の認可によって家賃の増額を行うことができることにしたことと、三十坪をこえる建物及びその敷地、または三十坪をこえる賃借部分は統制の対象から除外したことであります。
本法律案は、三月二十七日、当建設委員会に付託せられ、以来、審議を重ねて参ったのでありますが、質問について申し上げますと、やみ家賃に対する処置につきましては、法に基き取締りを行いたい旨の答弁がありました。また大修繕の範囲、老朽化防止対策等につき質疑が行われました。
質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表し、田中委員から、「家屋の老朽化を防止するのは家主の義務であるにもかかわらず、この不履行を容認し、家屋修繕のしわ寄せを借家人に転嫁するものであるから反対する。」、また自由民主党を代表し、石井委員からは、「この改正案は、住宅の老朽化の防止対策として当を得たものであるから賛成である」との発言がありました。これをもって討論を終局し、採決に入りましたところ、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
次に、公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案について御報告申し上げます。
現行法は、国、地方公共団体等の発注する公共工事の適正な施行に寄与することを目的として、昭和二十七年、第十三回国会において制定せられたものでありまして、現在同法に基く保証事業会社は三社ありまして、その前払金保証額は、昨年度約二百六十五億円に達しております。
本法案は、本事業の発展に伴い、保証事業会社の保証能力を確保する必要がありますので、責任準備金及び支払備金の算出方法を改正しようとするものであります。
すなわち第一に、責任準備金に関しまして、現行法は未経過保証方式をとっておりますが、今回、収支残高方式を取り入れ、その両方式による計算額の多い額を責任準備金として計上することといたしました。
第二は、支払備金についてであります。すなわち現行法では、支払備金として積み立てる額は、当該事業年度において締結せられた保証契約に関するものであります。これを当該年度以前に締結されたものについても支払い義務が発生している保証金等がある場合には、その金額を支払備金として積み立てることといたしたものであります。
本法案は、三月三十日建設委員会に付託され、慎重審議をいたして参ったものであります。本改正案に関連して、本法施行以後、現在に至るまでの実績及び運用状況等についての質疑がありました。次いで討論を省略し採決の結果、全会一致、原案通り可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/14
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015・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 地代家賃統制令の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。近藤信一君。
〔近藤信一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/15
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016・近藤信一
○近藤信一君 私は、ただいま議題となりました地代家賃統制令の一部を改正する法律案に対し、日本社会党を代表して反対討論をするものであります。
鳩山内閣は、重要政策の一つとして住宅問題を取り上げ、昨年度は四十二万戸の建設計画を立て、国民の前に約束したことは各位も御承知の通りであります。昨年度の四十二万戸建設が年度末に完成しなかったことは、明らかに住宅政策の失敗であると断定をしてもはばからないのであります。しかるに、本年度は昨年度よりさらに一万戸上回った四十三万戸の建設計画が立案されておるのであります。このうち、二十五万戸を民間自力建設にゆだねて、政府資金での建設は半分にも満たないわずか十七万八千戸であります。ところが、昨年度の実績から見ましても、本年度の四十三万戸の建設計画は、これまた完成の見込みは、はなはだむずかしいのではないかと思われるのであります。そこで、この失敗を他に転嫁し、これを隠蔽せんがために、老朽家屋を生かし、国民を欺瞞せんとするものであります。すなわち、老朽家屋に改良工事や大修繕を施し、これを増改築の部分に含め、四十三万戸建設の数字に加えて、つじつまを合わせようとするのが本法律改正案のねらいであり、家主の利益のために家賃の値上げをも認めようとするものであります。
そこで、私は反対の第一の理由といたしまして、本法律案立法の精神というものは、戦時中の経済界が非常に混乱した際、国民生活安定のために、借家人を保護する建前から制定されたものであります。しかるに、この法律改正案は、昭和二十五年以前の老朽家屋三十坪以下に対して、改良工事もしくは大修繕と認められた工事の部分に対し家賃の値上げを認めるというものであります。なるほど個々の家主にとっては、低家賃なるがゆえに家を修繕する余裕がなかったかもしれません。しかし、現行法の第八条には、「都道府県知事は、左の各号の一に該当する場合には、建設省令の定めるところにより、職権又は借主の申請により、地代又は家賃の停止統制額又は認可統制額を減額することができる。」とあり、その二項には、「貸主が、借地又は借家の維持に必要な措置を怠る等の事由により、借地又は借家が不良となったとき。」と規定し、老朽家屋に対しては、修繕を施さねばならぬ点が家主に義務づけられておるのであります。しかるに、本改正案はこれらの老朽家屋に対し、改良工事もしくは大修繕を施せば、公然と家賃を値上げすることができるのであります。政府の説明によりますと、一坪二千円程度の修繕をすれば、坪四十円程度の値上げを認めることになります。たとえば十坪の借家の場合には四百円、十五坪の借家の場合には六百円と、それぞれ大幅の値上げが公然とできることになります。このように家賃が大幅に値上げされた場合、現在低家賃で居住している人たちが、果して生活に脅威を抱かずにおられるでありましょうか。また、国民生活の上から、このようにして居住権が脅かされ、生活の不安を生ずることは火を見るより明らかであります。
反対の第二の理由といたしまして、本改正案が成立いたしますれば、適法家屋は公然と家賃の値上げができます。それでなくても、家主は家賃の値上げがしたくてうずうずしておるのに、法律で公然と値上げができますれば、借家人の気持をしんしゃくすることなく、老朽家屋に改良工事を加えたり、大修繕を施したりして、一斉に値上げを申請することでありましょう。さらに、その付近の家屋でやみ値で貸家をしたり、貸間をしておる家主も、次々とやみ値をつり上げて、借家人や間借人に押しつけてくることでありましょう。それでなくとも、今日ではやみ家賃が横行して、べらぼうに高い不当な家賃で借家生活をしておるというのが現状であります。これらのやみ家賃に対し、現行法上から厳重なる取締りが実施されているかと申しますると、これらのやみ家賃に対し、そのほとんどが取り締られることなく、放任されておるというのが今日の状態であります。従って、本法改正案が成立を見ましたならば、やみ家賃はますます横行すると同時に、やみ家賃の値上げにますます拍車をかけることも、これまた明らかなことであります。こうした情勢から見て、本法改正案を出すことは、事実上の地代家賃統制令を撤廃したと同じ結果となり、国民生活に欠くことのできない住宅問題が、かような点で脅かされるとともに、本法律案立法の精神に反し、一部家主の利益を擁護するがごとき本法律案改正には絶対反対するものであります。
以上をもって私の討論を終結いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/16
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017・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は、終局したものと認めます。
これより両案の採決をいたします。
まず、地代家賃統制令の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/17
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018・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/18
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019・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 次に、公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/19
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020・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/20
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021・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 日程第三、農業改良資金助成法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長棚橋小虎君。
〔棚橋小虎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/21
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022・棚橋小虎
○棚橋小虎君 ただいま議題になりました農業改良資金助成法案について、農林水産委員会における審査の経過及び結果を報告いたします。
この法律案の目的とするところは、農業者が農業経営の改善のため自主的に能率的な農業技術を導入し、及び農業施設を改良し、造成し、または取得することを促進するため、農業者等に対する技術導入資金の貸付または農業者等が融資を受ける施設資金にかかる債務の保証を行う都道府県に対し、政府が必要な助成を行う制度を確立し、もって農業経営の安定と農業生産力の増強に資することにしようとするものであります。
しかして、この法律案が提出されるに至った理由として、大よそ次のように述べられております。すなわち、まず技術導入資金の貸付については、農業改良のための補助金、特に直接農家に交付されるものは、いわゆる奨励的補助であって、新しい技術を導入するに当って、そのための資本投下を必要とする場合に危険の負担を伴うことがあるので、無償の資金を供給することによって技術の導入を円滑にするためとられているもので、その技術が相当普及した場合は、農家の一般営農資金による自主的な実行にゆだねられる建前とされておる。しかしながら、技術によっては、ある程度普及して、すでに補助金の対象とする理由は薄らいだが、なお若干の危険が残っておって、一般営農資金による実施に移してしまうには、まだへだたりがあって、何らかの奨励措置を続ける必要のあるものが相当数に達しており、従って補助金と一般営農資金との中間にあって、農業者が農業技術を導入するに当って、都道府県がこれに無利子の資金を貸し付けるという新しい奨励制度を設け、従来の補助金制度と並んで、農業経営の改善と農業生産力の発展のための財政的支柱とすることが必要であると考え、あわせて現在補助事業に対して提起されている批判にもこたえようとするものであります。
また、施設資金にかかる債務の保証については、現在農業協同組合系統資金に相当な余裕金があり、また一方農家の側には農業経営改善のための各種固定施設に対して多大の資金の需要があるのであるが、リスクその他の理由から、これらの需要に対し、系統資金の融通に円滑を欠く場合が少くなく、かかる際における資金の融通を円滑にするため、都道府県が系統融資の債務保証を行う制度を設けることが適切であると考えられるためであるとされております。
しかして、この法律案の内容についてその概略を申し上げますと、第一は、この法律によって貸し付けることになる資金でありまして、これは技術導入資金と施設資金の二通りに分けられており、第二は、政府の助成についてでありまして、都道府県が農業者等に対して技術導入資金を貸し付け、農業者等が農業協同組合から、施設資金をその種類ごとに利率、償還期間及び据置期間等について政令で定める一定条件をもって借り受けることによって、その農業協同組合に対して負担する債務の保証を行うときは、政府はその都道府県に対して、必要な資金の一部を補助することができることとし、第三は、技術導入資金の貸付についてでありまして、貸付金の一農業者等ごとの限度額は資金の種類ごとに基準額の七割、利率は無利子、償還期間は資金の種類ごとに三年以内で政令で定め、保証人を立て、連帯して債務を負担すること等を初めとして、貸付の申請及び貸付を行う場合、貸付金の目的外使用等の際における一時償還、災害その他政令で定める理由による償還金の支払いの猶予及び違約金等について規定しているのであります。第四は、施設資金に対する債務保証についてでありまして、都道府県は債務保証規程を定めて、農林大臣の承認を受けなければならないこととし、さらに都道府県の保証債務の合計額及び一被保証人についての債務保証の限度、債務保証の申請及び債務保証を行う場合等を規定しております。第五は、都道府県が以上の事業を行う場合の経理についてでありまして、それは政令で定めるところによって特別会計を設けて行わなければならないこととし、その歳入及び歳出について規定するとともに、保証債務の弁償金の財源については、これを基金として管理しなければならないことを定めております。
以上のほか、都道府県のこれら事業にかかる事務の一部の農業協同組合連合会への委託、国が都道府県に交付する補助金の額及び都道府県が事業を廃止した場合の政府への納付金等について規定し、なお付則において、耕土培養法及び水稲健苗育成施設普及促進法の助成規定についてこれを改廃するの改正を加えております。
以上のような政府の原案に対して、衆議院において、農業者等が都道府県の債務の保証を受けて農業協同組合から借り受ける施設資金に対して、都道府県が行う利子補給の財源に関する政府の措置について、新たに規定を設け、四月一日からになっておる施行の期日を公布の日からに改め、さらに、本法律案の付則で削除されている耕土培養法及び水稲健苗育成施設普及促進法における資材購入費に対する国の補助に関する規定を、現行通り復活させる等の修正を加えて本院に送付して参ったのであります。
委員会におきましては、農林当局との間に、従来行われてきたような補助金制度と、本法律案による貸付金制度との得失、特にこれがわが国の後進、かつ零細な農業に及ぼす影響、技術導入資金の貸付対象に予定されている技術及びその内容、これら技術の普及状況、これらの事業は従来おおむね補助事業として行われていたものであるが、これが普及の現況において、融資事業に切りかえることの当否、農業改良普及制度の現況及びこれが本法運用との関係並びにその拡充、債務保証の対象となる施設資金の融資条件及びその当否、融資対象に予定されている農業者の団体の種類及びその適否、都道府県信用農業協同組合連合会に事務を委託する場合、委託の範囲及びその取り扱い方法、並びにこれが当否等、本法律案に直接関係する問題から、わが国零細農業対策及びこれに伴う農業行政機構のあり方等の基本的な問題にわたって、各般の事項について、きわめて熱心な質疑応答が行われたのであります。なお、これが詳細は会議録に譲ることを御了承いただきたいのでありますが、これらの質疑応答に関する結論が要約されたものが、後に述べることになっております森委員の提案にかかる付帯決議であると考えられます。
かくして質疑を終り、討論に入りましたところ、森委員から、「本法による資金制度にかかわらず、わが国農業の後進性かつ零細性にかんがみ、補助金制度はますます拡充すること、新しい技術の確立と農業改良普及制度の強化に努めること、中央及び地方を通じ、本法運用の行政機構を真に技術改良の推進に役立つように明確にし、かっこれを整備すること、施設資金の融資条件を極力緩和し、かつ資金の取扱い手数料を適正にすること、事務委託機関として系統農業協同組合の活用をはかること」等を内容とする付帯決議の動議が提出され、他に別に発言もなく、続いて採決の結果、全会一致をもって、森委員提出の付帯決議とともに、衆議院送付案の通り可決すべきものと決定いたしました。
右、報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/22
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023・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。
本案全部を問題に供します、本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/23
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024・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/24
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025・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 日程第四より第十七までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/25
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026・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。逓信委員会理事宮田重文君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/26
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027・宮田重文
○宮田重文君 ただいま議題となりました請願につきまして、逓信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本件請願は、北海道に簡易保険、郵便年金加入者ホーム設置の請願五件、簡易保険診療所の増設等に関する請願五件、簡易保険の保険金最高制限額引上げに関する請願五件、簡易保険、郵便年金積立金の融資範囲拡大等に関する請願五件、兵庫県明石市鷹匠町に郵便局設置の請願、郵便年金支給額増額に関する請願、郵便年金支払額更正に関する請願、福島市向鎌田地区に郵便局設置の請願、小規模郵便局制度改革に関する請願、愛媛県仕七川郵便局存置に関する請願、宮城県中新田駅前郵便局の集配事務存続に関する請願、岩手放送株式会社の放送局出力変更に関する請願、愛媛県小鈴谷町の電話増設に関する請願、群馬県藤岡市藤岡地区に無集配特定郵便局設置の請願の三十件であります。
当委員会におきましては、以上の請願につきまして慎重審議の結果、いずれも願意を妥当と認め、これを採択し、議院の会議に付し、かつ内閣に送付すべきものと決定した次第であります。
右、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/27
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028・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/28
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029・松野鶴平
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は、全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
本日の議事日程は、これにて終了いたしました。次会の議事日程は、決定次第公報をもって御通知いたします。
本日は、これにて散会いたします。
午後零時二十五分散会
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○本日の会議に付した案件
一、議員の請暇
一、裁判官弾劾裁判所
一、日程第一 地代家賃統制令の一部を改正する法律案
一、日程第二 公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案
一、日程第三 農業改良資金助成法案
一、日程第四乃至第十七の請願発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102415254X03519560413/29
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