1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年三月二十二日(金曜日)
午前十一時十四分開議
出席委員
委員長 門司 亮君
理事 亀山 孝一君 理事 鈴木 直人君
理事 永田 亮一君 理事 吉田 重延君
理事 川村 継義君
青木 正君 唐澤 俊樹君
川崎末五郎君 纐纈 彌三君
櫻内 義雄君 徳田輿吉郎君
福井 順一君 古井 喜賓君
今村 等君 大矢 省三君
北山 愛郎君
出席国務大臣
国 務 大 臣 田中伊三次君
出席政府委員
自治政務次官 加藤 精三君
総理府事務官
(自治庁財政部
長) 小林與三次君
委員外の出席者
総理府事務官
(自治庁財政部
理財課長) 山野 幸吉君
大蔵事務官
(理財局地方資
金課長) 堀口 定義君
専 門 員 圓地與四松君
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三月二十日
上里村役場庁舎建築設計変更による追加起債に
関する請願(荒舩清十郎君紹介)(第二三〇二
号)
地方公務員法等の一部を改正する法律案反対に
関する請願(池田清志君紹介)(第二三〇三
号)
大工、左官及び板金業者の事業税経減に関する
請願(大矢省三君紹介)(第二三〇四号)
同(北山愛郎岩紹介)(第二三〇五号)
同(徳田與吉郎君紹介)(第二三六九号)
公債費合理化等に関する特別措置法制定に関す
る請願(草野一郎平君紹介)(第二三六三号)
新市町村建設促進の財源措置に関する請願(草
野一郎平君紹介)(第二三六四号)
地方交付税率引上げに関する請願(草野一郎平
君紹介)(第二三六五号)
国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関す
る法律の一部改正に関する請願(草野一郎平君
紹介)(第二三六六号)
妻沼町の道閑堀排水路等補修工事費起債承認に
関する請願(荒舩清十郎君紹介)(第二三六七
号)
昭和三十二年度地方財政に対する政府施策の修
正に関する請願(小坂善太郎君紹介)(第二三
六八号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
連合審査会開会申入れに関する件
公営企業金融公庫法案(内閣提出第六九号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/0
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001・門司亮
○門司委員長 これより会議を開きます。
この際お諮りいたしたいと思いますことは、目下大蔵委員会において審議いたされております揮発油税法案について、当委員会におきましては審議をいたしておりますその経過において、地方税法の一部を改正する法律案と関連がございまするので、大蔵委員会に対し連合審査会開会の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/1
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002・門司亮
○門司委員長 御異議ないものと認めまして、さよう取り計らいます。
なお連合審査会開会の時日につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/2
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003・門司亮
○門司委員長 御異議ないものと認めまして、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/3
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004・門司亮
○門司委員長 次に公営企業金融公庫法案を議題として質疑に入りますが、質疑の通告がありますので、これを許します。大矢省三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/4
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005・大矢省三
○大矢委員 ごく簡単に二、三お伺いを申し上げます。まず第一に、この説明によりますると、公営企業に対してきわめて低利な安定した資金を供給しようというねらいです。そこで政府資金が努めてこれに回るので、その結果として、一般の地方公共団体の公債に対して、金利の高い地方債並びに公債がしわ寄せされるのではないかという心配があるのですが、そういうおそれはないか。もっと簡単に言いかえれば、この方に資金を回すために、公営企業以外の一般の公債に対して、金利の高い方がそれに回るおそれがないか、こういう心配がないかどうかということを一つお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/5
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006・小林與三次
○小林(與)政府委員 ちょっとお尋ねの趣旨がよくわかりませんでしたが、この企業公庫ができることによって、逆に金利の高いところにしわ寄せになるということは私はありようがないと思います。むしろほうっておいたら非常に高い金利でしか公募債が起せない、そういう団体を救済しようというのがこの趣旨でございますから、自力でやれば高い金利の公募債しかできぬものを、この公庫で引き受けて安い金で貸してやるということでございますから、御心配のようなことは全然ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/6
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007・大矢省三
○大矢委員 それからこれは資本金五億円で約七十億円の政府の元利支払い保証によるものを発行して、それによって貸付をやるというが、この七十億円というのはどういう基礎に基くのですか。今この対象となる事業の一般地方公共団体からの要求といいますか、心要が、特に御承知のように町村合併によるところの簡易水道その他の事業が非常に多くなっているので、相当要求額が多いと思いますが、それの比率、幾ら要求があって、その必要上これだけ組んだという、その七十億円の発行予定の基礎というものを一つ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/7
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008・小林與三次
○小林(與)政府委員 今のお尋ねはごもっともでございますが、これは資料でもお配りしてあるはずですが、三十二年度の、つまり今の考えの公募債のワクは、公営企業会計から百九十億、その百九十億と一般会計その他収益的建設事業関係で四十億ほどありまして、全体で実は公募債が二百三十億ほど来年度予定しておるわけであります。その三百二十億の全部を国庫でカバーするかしないか、簡単にいえばこういう問題になろうと思います。ただそのうちで非常に大きな規模の団体で、従来指定公募債としてずっと低利に消化をしておる公募債が、公営企業関係では大体七十億くらいあるだろう、それ以外の弱小のものを何とかして救っていかないといかぬという考えでわれわれはおるわけでございまして、そうしますと企業会計百九十億の中で、その関係の七十億を取ってもなお百億ちょっとこえる見当でございまして、その分からいえば、七十四億くらい考えているわけですが、それでは足らぬじゃないかという議論は当然出てくるだろうと思います。ただこれは今度は公庫発足早々でもございますし、公庫が店開きするまでもできるだけ仕事は急ぎたいのですが、やはり二月やそこらの期間はどうしてもかかりますし、それから公庫が公庫債を消化して、その消化した資金でもって今の融資をする、こういう段取りになりますので、本年度といたしましてはこの程度でがまんをしなくてはいかぬのではないか、こういう考え方で一応七十億という数字をきめたのでございます。それでございますから、本年度の実際の運用状況等を見まして、明年度以降におきましては、さらに金額の必要なものを確保するようにいたしたい、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/8
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009・大矢省三
○大矢委員 それからこの貸付対象になる公営企業でありますが、これは政令によって定めるとなっておりますが、この政令の内容、事業の範囲はどういうものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/9
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010・小林與三次
○小林(與)政府委員 公営企業はこの二条場に書いてあります通り、「主としてその経費を当該事業の経営に伴う収入をもって充てるもの」、そういうものにつきましては今度別途財政法改正を今御審議願っておるわけでありますが、こういうものは特別会計をもって経理をしよう、そうして収支をはっきりさせようということにいたしております。そこで、大体そういう特別会計をもってやるようなものは、もう全部ここで拾いたいと考えております。それでございますから、それに該当するような企業に当るものは、いかなる種類を問わず全部拾いたいという考えでおります。具体的には政令は大蔵省と相談しなければわかりませんが、われわれとしましてはできるだけ広くカバーするようにいたしたい、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/10
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011・大矢省三
○大矢委員 それでは私、具体的にこの範囲についてお尋ねいたします。最近いわゆる水の汲み上げによって土地が沈下するというようなことがいろいいろ出て参りましたが、工場地帯、特に大阪の近くの尼ケ崎地帯などの工業用水、料金をとってそうして施設をやるという工業用水、いわゆる上水道にあらざる水道事業というものはこれに入るのか。それからいま一つは、これは大都市の悩みの種で問題になっておる下水ですが、下水も料金をとらない下水と、それから浄化装置による使用料をとっておる下水というものがありますが、こういう事業がやはり適用を受けるわけですか。これは広い範囲でやりたいということでありますから、私は多分入ると思いますが、これは確実に入るかどうかということですね。それから、政令でこれを入れる意思があるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/11
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012・小林與三次
○小林(與)政府委員 今の工業用水などは、当然入れます。それから下水も、大都市は使用料をとっておりますから、そういう下水ももちろん入れたいと思っております。ただ使用料をとっておらぬ下水も、都市によってはないわけではありません。そういうものは、むしろわれわれといたしましては公募債でなしに、できるだけ政府資金でまかなうようにいたしたい、そういう考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/12
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013・門司亮
○門司委員長 北山君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/13
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014・北山愛郎
○北山委員 それでは一番最初に、今の地方公営企業の状況もお伺いしたいのですが、これは地方団体がやっておる水道や軌道、自動車あるいは電気、ガスというように非常に膨大なものになっておると思いますので、どの程度のものをやっておるか、その地方団体がやっておる公営企業の状況についての資料はまたあとで出していただきたいと思うのです。
それから今度の公営企業金融公庫法に基いて融資の対象になる公営企業というものは、政令で定めるようになっております。この政令で定める地方公営企業の範囲はどのようにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/14
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015・小林與三次
○小林(與)政府委員 今もお尋ねがございましたが、現在一般公営企業会計でやっておりますものはもちろん全部入れるつもりでおります。電気、水道、病院、交通、その他公益質屋とかあるいは屠場とか、港湾の埋め立てとか今の下水とか、そういういやしくも収益と申しますか対価、手数料、使用料をとって、それが経営のある程度の資金になる事業ならば全部これでカバーしよう、それから先ほど申しました片一方の特別会計で経理しなければならぬものは全部カバーするようにいたしたい、こういう考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/15
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016・北山愛郎
○北山委員 それでは、今の地方の公営企業の実態につきましては、あとで一つ資料をいただきたいと思います。
それから次に、地方の公営企業債というものが相当に出ておるようであります。この資料を拝見しましても、三十一年度末の資料では企業会計の分が四百五十八億ですか、そうなっておりますが、その中で大部分は七分五厘以上の一非常に高い金利のものが多いわけです。一割以上というものが二億三千円、それから八分以上のものが二百四十六億もあるわけです。約半分以上、六割くらいのものが八分以上で、七分五厘未満というものはわずかに百二億しかございません。四分の一に足らないわけです。こういうように、現在借りておる地方公営企業の地方債は利子が非常に高いわけですが、三十二年なら三十二年の起債の元利償還というものは一体どのくらいになるのか。
それからもう一つは、この金融公庫では以前の起債分は処理がつかないように思うのですが、新しいこの金融公庫によって、従来借りておるこの企業債の借りかえとか、何らかそれに応用するような方法を考えておるかどうか、ないとすれば従来の公営企業についてのこのような非常に高い金利のものをどういうふうにして解決をすることを考えておるか、これをお伺いしておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/16
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017・小林與三次
○小林(與)政府委員 公営企業債の元利償還金はちょっと今数字を調べてあとから申し上げますが、過去の高い公募債の借りかえについてどうするか、こういう問題でございまして、これは実は公庫法を作る場合に一つの問題点だったのであります。過去のものはそれぞれそういう高い金利を前提にして対価もきまっておって、それで経営が一応運転がついておるんだ、こういう理屈も少くとも企業会計分についてはつかぬわけでもありませんが、しかしこんな高いものはできるだけ借りかえてやった方がいいに違いないのでございます。一般的にこの公募債の高利のものにつきましては、借りかえをわれわれの方でも奨励いたしておりまして、それぞれの団体では最近だいぶ借りかえをやっておりまして低利に借りかえております。しかしこれもおそらくは相当力のある団体でなくちゃできぬ相談でございまして、弱小な団体ではそう低利に公募債を借りかえるということは実際問題としてはできる話じゃないと私は思います。そこで、われわれとしてもそういうものの負担を緩和してやるということは、ぜひ考えたかったのでございますが、公庫の資金の関係もございますし、ともかくも今後新しく仕事をやっていくもののことを、まず最優先に考えぬことには事がうまく進みませんので、重点はこの程度の資金ならば、もっばら新規発行の公募債に限らざるを得ないという建前で、この公庫法が大体運転せざるを得ないと考えております。しかしながら過去の公募債の低利借りかえということは、ぜひ何か考えることが必要であろうという気はいたしておりまして、これはたお今後の研究課題にいたしまして、できるだけその方向でものを考えるようにいたしたいというふうに存じております。
なお、三十二年度の公営企業会計の公募債の元利償還金は約七十二億でございます。大体元金利子は三十五億ずつでちょうど半分々々くらいの見当でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/17
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018・北山愛郎
○北山委員 これはまあ今度金融公庫法ができて非常に便利になるわけなんですが、やはり今までに借りた企業会計の公募債の利子というものは、今申しあげたように非常に高いわけたんです。しかも公募債ですから償還年限も非常に短かいのじゃないかと思うのです。御承知の通り終戦後、前にはこの地方債の金利というものは比較的安かったのですが、それが資本蓄積のためだと思うのですけれども急激に上げるような政策をとられた。資金運用部の資金ですらも一時は九分以上にしたことがあるわけです。要するに地方団体に仕事をさせないというような方針をとられたことがある。その当時借りみ金がおそらく今元金償還とかが重なって相当企業会計を圧迫をしておるのではないか、こういうふうに考えられる。今お話があったような数字は、そのことを示しておるのではないか。残念ながら企業会計全体の事業の規模、事業費の総額というものが出ておりませんので、比較をするわけに参りませんが、それらの点を考えるならば、これは何とかして、かりに公庫法でできなければ政府資金で借りかえる、こういうことができないか。幸いにして資金運用部の資金というものは、昭和三十一年度においては相当原資が伸びておったはずなんです。それを今までの地方団体の公募債の金利の高いものの借りかえに使うということは、当然考えなければならぬ問題だと思う。それを自治庁としては一体考えたかどうか、あるいは大蔵省としてはそういうことを考えなかったかどうか、それをお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/18
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019・小林與三次
○小林(與)政府委員 北山委員の仰せられましたことは全くもっともでございまして、これは公営企業会計だけの問題でなしに、普通会計につきましても公募債が八百億もふえておるわけでありまして、そっちの方が一般会計における公債費問題の電圧の一つの理由になっておることも事実だろうと思います。そういうことでございますから、この際すぐ安い政府資金に借りかえるということの方が、まことにわれわれとしては望ましい話で、特に公債費対策の上から考えれば、そういう方向で、ぜひ考えたいという問題点の一つでございます。企業会計につきましても、先ほど申しました通り、一応はそういう前提で計算をされて、企業会計が運転しておるわけでございますから、それで済んでいるといえばいえるものの、やはり企業会計に対する一つの圧迫になっておるわけでありまして、できるだけ緩和してやった方が私は望ましい話だと思うのでございます。これにつきまして、われわれは常にそういう希望は持っておるわけでございますが、これは政府資金全体の運用の都合もございまして、われわれの考え通りに、そう右から左へは事が進んではおりません。そういう希望は従来も持っておるし、今後も持って、できるだけやりたい。しかし、一部におきましては高いものの自主的な借りかえは、先ほども申しました通り、これはぜひ進めるようにしていきたいのでございまして、自主的な借りかえは最近相当目立って行われておるようでございます。これにつきましては、相手は銀行でございますから、こっちだけで動きっこございませんので、大蔵省の方の協力も得まして、借りかえを進めておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/19
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020・堀口定義
○堀口説明員 御質問の点は、公営企業の立場から考えますと、もっともな点でありますけれども、資金量からいきまして、新しい事業に対する要望は非常に大きいものですから、そういう意味で、借りかえをすれば結局借りかえの方の金利の低減にはなりますけれども、新規分の公募債が多くなりまして、結局金利全体として、画期的な引き下げにならない、現在の状況ではそういうような状況でありますので、ここ当分の間、過去の借りかえを相当大きくやるというようなことは、なかなか困難じゃないかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/20
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021・北山愛郎
○北山委員 しかし、ことし三十一年度は御承知のように相当原資が伸びたわけです。その余裕金で、政府としては、市中金融を緩和するために市中の公社債を買い入れて、いわゆる買いオペレーションですか、それをやっておる。たしか七百億ほどおやりになっている。それほど余裕金があるならば、やはり同じような金融措置になると思うのです。地方団体が地方の銀行から借りておる企業債、そういう金利の高いものをそこで借りかえてやるということになれば、その資金が地方銀行に回っていくのですから、やはり一種の市中金融をそこで緩和することになるわけであります。問題は片方は短期であり、片方は長期であるということでしょうが、しかしそういう操作をやることによって、あわせて両方の目的を達し得るのではないか。今の公営企業の状態から見れば、なるほどことしは水道企業などについても、水道事業債を百億もふやしたとしても、地方団体の水道会計というものが、過去における起債の元利償還のために圧迫を受けて、バランスが悪くなっておるということになれば、借金をしてもいいぞ、金を貸すぞといわれても、バランスが合わないようになっておれば借りられないのです。そういう団体が相当あると思う。従って一方において資金ワクをふやすならば、過去における高利の起債の借りかえ措置を並行してとらなければ、健全な公営企業の発展は望めない。だから私は当然原資の余裕から見ても考えらるべき問題だろうと思う。しかも、これは大蔵省の方にお伺いしておきますが、御承知のように、資金運用部の金は終戦後においては大部分が地方団体に地方債として還元になっておる。それがだんだんと地方債の割合が減ってきておるじゃないですか。ことしはその運用計画の中で地方債の分は何%になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/21
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022・堀口定義
○堀口説明員 最初の問題の、運用部の余裕金を金融緩和のための買いオペレーションに使っておるじゃないかということでありますが、この点につきましては、北山委員からもお話がありましたように、短期の金でありまして、三十一年度の長期の計画を実行した暁には余裕が出てこなくなるわけであります。またそれが繰り越しになりましても、三十二年度の現在の財政投融資計画、この中には地方債計百画も含まれておるわけでありますが、これを実行することになりますと、その金は時期的には最初の方は余裕がありますけれども、その買ったものを処分しないと長期の貸付ができないようになります。そういう意味でできるだけ今の金融を緩和し、かつ地方債等の消化も低利かつ円滑にいくようにという意味では、短期のオペレーションも効果を持っておるのではないか、またそういうこともあるものですから、地方債の消化等につきましても、銀行に対して協力を求めていくというような点も多分にあると思います。
第二の点につきましては、終戦後は地方債が非常に多かった。運用部の資金運用のうち、地方債の方が多かったというのは、司令部の考え方もありましてほかに運用を制限されておりました。ところが日本経済全体から見ますと、もちろん地方計画も重要でありますけれども、やはり国民経済の基盤を養成する、あるいは中小企業に対する貸し出しを増大する、住宅を建てなくてはいかぬというようないろいろの面がありまして、そういう面に合理的に配分されるようになってきている。三十二年度の地方債の財政投融資計画における、政府資金内における比率は二九・三%というようなものになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/22
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023・北山愛郎
○北山委員 たしか去年かおととしまでは四三%くらいだったと思うのです。これも終戦直後においてはたしか九〇%ぐらいであったものがどんどん下ってきて、今度は二九%というようなわけで、三割を割るような格好になっておるのです。これは経済の基盤というようなお話もありますけれども、そうでなくてすらも資金は中央に集中しておるのです。いわゆる基礎産業と称して大企業に、税制の面においても、あるいは金融の面においても、あらゆる面で優遇しておるのです。金は他方にあってはもうからないから、そうでなくても中央に流れてくる。そういうような一般の市中資金すらも中央に流れてくる上に、地方の零細な郵便貯金や、簡易保険の掛金まで、その中から相当量を産業資金の方に何しておる。それだから片ちんばな経済ができてしまって、他方の団体がやる仕事がだんだん貧弱になってくる。だから経済の基盤といっても、これは今の景気がちょうど上層部だけで、上の方の巨大産業の部門だけでもうかって、地方の産業が非常に萎靡沈滞をしておるということに、さらに拍車をかけるような操作だと思う。だから今の災いオペレーションにしても、市中資金の全体としては緩和する措置だから、間接的には影響があるというけれども、そうでなくても地方資金というものはむしろ中央に流れているんじゃないですか。むしろその資金の源の方へ流してやれば、かりに一部が中央に回ってきても、それは二重の効果を示すという意味で私は申し上げたのであって、そのことが御賛成にならなければそれは仕方がありませんが、それならば今の市中の公社債を買ういわゆる買いオペレーションというのは、総額現在どのくらいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/23
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024・堀口定義
○堀口説明員 その点は実は私の方は専門じゃないので、あるいは間違っておるかもしれませんが、さっきおっしゃられました七百億の——最後の方は実行したかどうか、ちょっと記憶しておりませんが、七百億程度だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/24
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025・北山愛郎
○北山委員 それでは七百億、かりに五百億にしても六百億にしても、それは短期運用ですから、年度内においてまた戻さなければならぬということになりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/25
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026・堀口定義
○堀口説明員 その点、私もこまかい条件は存じませんけれども、おそらく二週間なり三週間の期間でもって自由に売り戻すことができるような条件がついておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/26
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027・北山愛郎
○北山委員 少くとも年度内においてしか大蔵大臣はそれを運用できないのじゃないですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/27
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028・堀口定義
○堀口説明員 実は実際がどうなっているか、はっきりは存じませんけれども、規則の上では、運用部の資金審議会の事前の議決を得れば、年度越しの、短期のやむを得ざる場合の運用というものは許されておったのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/28
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029・北山愛郎
○北山委員 私も運用部のこまかい規則はよく議べておりませんけれども、やはり資金運用部の金というものは、その性格からいっても長期的なものだと思うのです。短期運用というのは、これは原則じゃないと思う。しかも、かりに審議会の議決を経ても、その運用の方式については制限があるはずなんです。ただ、そうでないのは、いわゆる年度内の操作においては、大蔵大臣の専決事項にあるはずなんです。そうしますならば、今の買いオペレーションというものは、一体どの規定に基いてやっておるのか、これをお伺いしておきたいのですが、あなたはおわかりになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/29
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030・堀口定義
○堀口説明員 運用部資金法には、運用部資金は大蔵大臣が管理運用するということになっておりまして、それに法律で資金審議会というものがついております。その審議会は諮問委員会ですが、重要なる事項を調査審議するということだったと思います。それから意見を上申することができる、そしてどういう問題をその審議会にかけるかは大蔵大臣のきめるところだと思いますが、今のような、年度内における短期の運用につきましては、大蔵大臣が独自でできるということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/30
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031・北山愛郎
○北山委員 しかしそれは大蔵大臣が勝手にやれるのじゃなくて、やはり法律に基いてやれるのであって、資金法の七条には、資金の運用についての対象がちゃんと限定されておるのです。その中で、いわゆる金融債と称されるものの範囲もきまっておるわけなんですね。だから私の疑問に思うのは、金融債についての範囲が何%というような制限がある際に、短期運用としてそういう限度を越してもいいものかどうか、こういう点に疑問がある。これは問題が非常に離れますから、その程度にいたしておきますが、私としては、やはり政府資金、運用部の資金等について、どうも地方債についてはきわめて冷淡になってきておる。いわゆる産業の基盤あるいは基幹産業というものを育成するというようなことで、資金運用部すらも、一つの資本蓄積の機関に考えておる。私はこの前予算委員会で、火災保険会社というものを、その公共性というものを認めないで、まるで金融機関、資金を集中する手段として大蔵省が運用しておるということを指摘いたしましたが、資金運用部すらもそのようにやっている。だからこんな公営企業金融公庫みたいなものを設けなければならぬことに結果はなってくる。こんなものは、ほんとうは資金運用部ががっちりして地方団体についてよく考えて下さるならば、要らない。やはり資金の伸びというものは毎年あるのですから、それに沿うて地方債というものをふやしてもらえるならば、こんなものを特別に作る必要はない。その意味で私は申し上げている。
そこでお伺いしたいのですが、今度はこの公庫ができることによって、地方の公営企業は三つの資金源があることになった。一つは資金運用部等の従来の資金、いわゆる政府資金、それから今度は公庫の資金、それからそれ以外の市中銀行あるいは地方銀行等の従来の一般公募、この三つの資金源を持つことになったのですが、これを一体どういうふうに配当をするつもりか、その運用の方針についてお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/31
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032・小林與三次
○小林(與)政府委員 今お話の通り地方は三つの資金源を持つことになるのでございまして、われわれといたしましては、普通会計は原則として政府資金でいきたい、その理想通りに本年度はまだ参っておりませんけれども、そういう方向で私どもはぜひ考えるように大蔵省にも考えてもらいたいと思います。それから企業会計でも、これはやはり政府資金をできるだけふやしてもらいたい。特に弱小な企業になってきますと、政府資金が相当なくては、特に水道などを考えますと、これは政府資金中心で考えなかったら、とても水道料金が高くなって動きがつかぬと思います。それは弱小でなくても、たとえば交通のようなものを考えましても、地下鉄などを考えれば、政府資金が相当大きなウエートを占めなかったならば、とうていうまく企業が動かぬのでございまして、これはできるだけ政府資金を企業会計においてもふやしてもらいたいと思います。それから実際の配分につきましては、結局団体の償還能力と申しますか、事業も考えぬといかぬし、団体自体のさばきも考えぬといかぬのでございまして、全部政府資金はこの公庫でカバーできればちっとも問題ないのですけれども、明年度は七十四億という程度でございますから、公募債、普通のほかのものも相当ございます。これにつきましては、むしろ団体の能力を基礎にいたしまして、自分で市中銀行から相当有利な条件でカバーできる団体につきましては、それでいってもらう。でございますから、従来の指定地方債ということになりますか、そういう関係の部分は、もう自まかないでやっていただく。そうでない団体をこれでカバーしたい。でございますから、普通の市町村が大きく浮び上ってくるだろうと思います。一般の市町村はこの公庫でできるだけカバーしてやらなくては、とてもいかぬだろうと思います。大体大づかみに申しますと、そういう考え方で運用をいたしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/32
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033・北山愛郎
○北山委員 今のお話の点は、多少は地方債計画の中にもあるわけなんです。たとえば電気事業でいえば、百五十億のうち百二十億は政府資金でやる。水道事業の二百二十五億のうち百二十五億は政府資金でやるというように、あるわけなんですが、そういたしますと、七十四億の配分については、市町村等の比較的力のない団体に重点を置いて配分するというように了解をいたしますが、ただ従来、たとえば地方財政再建促進法の場合に審議したときには、政府資金と公募債とあったわけです。政府資金の方はどこへ一体配分するかといったところが、やはり市町村等の力のない団体の方へ政府資金を出すといって、たしか当時の後藤財政部長は答弁をしたはずである。その実績を見ると反対になっている。政府資金が府県の方に大部分回ってしまって、公募債は市の方に回っている。どうも答弁と実績と違うわけなんです。過去のことを申し上げるのではないのですけれども、そういう例もありますから、私はただいまの御方針で大体いいと思うのですが、その言明の通り実行していただきたい。重ねてこれをはっきりしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/33
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034・小林與三次
○小林(與)政府委員 これは言明の通り実行いたしたいと思います。再建債のものもそう反対になっておるということはないと思いますが、これは一つは、個々の市町村と従来つなぎ資金を借りておった金融機関との関係もあって、ある程度銀行にも引き受けさした方が、町村のために適当であるという事態もありまして、そういう部分はそういうことでカバーしようじゃないかということでやったことは事実でございます。こまかい資料はございませんから、わかりましたら、また御報告申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/34
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035・北山愛郎
○北山委員 次にお伺いしますが、今度の金融公庫債は債券を発行して貸付をするのですが、七分で発行して七分三厘で貸すとか聞いているのですが、どういう利子なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/35
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036・小林與三次
○小林(與)政府委員 公庫債の発行の条件は実はわれわれもできるだけ安く発行できるようにしなければいかぬと思っておりますが、これは金融の事情もありますので、最後はどういう形になるか、それはわかりません。大体利率は七分を前提にいたしておりますが、ただ債券の発行費等が少しかかりますので、この見当はどのくらいになりますか、三厘で済むか四厘で済むかという問題がございます。普通の公社債は大体七・二四くらいで事実上さばきがついているようであります。ですから、できるだけそういう普通の公社債並みの線で、さばきをつけなければいかぬと考えております。そこでそういうさばきがついたところで、公庫のコストを多少見て地方団体に融資をする。公庫のコストは大体一厘程度で済ませたいという前提で運用をはかりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/36
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037・北山愛郎
○北山委員 これはきょうの日本経済の記事なんですが、三十二年度の起債は三十一年度の五割くらいふえるのだ、おそらく非常な消化難であろう、こういうことをいっておるわけなんです。昨年の状況であれば、おそらくこんなものは七十億くらいは易々として消化したかもしれませんが、ことしは金融情勢が非常に変ってきている。起債の要望が非常に多いというばかりでなくて、市中のその他の金融が非常に詰まってきておる。従って金利も上ってきておる。果して今のお話のような程度で、この七十億にしろどういうふうに消化できるか。特別な消化方法なり何なりを講じなければいかぬと思う。あるいは特別に隠しておいてあるというか、非常に都合のいい資金源があるかどうか、一体どんなふうに考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/37
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038・小林與三次
○小林(與)政府委員 これは今北山委員の仰せになりました通り、公庫を作りまして一応債券の発行限度額を七十億にしたのは、われわれの立場から言えば少いと思うのですが、一面消化のことを考えますと、金額ばかり大きくても消化ができるかどうか、そう簡単に参らぬと思います。それでございますから、この公庫債の債券発行の額もその性質とのからみ合いできまって参るのでありまして、われわれとしてはできるだけ安い金で、しかもできるだけ多く消化できるようなことを考えないといかぬ、こういう考えでございます。
そこで特別な資金源があるかというお話でありますが、そう特別な資金源を持っておりませんけれども、これは従来それぞれ金融機関を相手にして消化されてきておったものでございまして、その公社債が別ワクでふえるわけではございません。それでございますから、全体としては特別にこれによって額がふえるわけではないから、この程度のことは消化できるのではないかというふうに考えております。なお特別のという意味がよくわかりませんが、そういう意味で三十二年度の政府保証債は全体で六百十五億になるはずでございまして、三十一年度は六百九億、大体公社債全体としてみれば、前年度とそう大して変っておりません。しかし公社債の総ワクの問題ではなしに、個々の公社債のそれぞれの質や中身の問題もありますので、公庫といたしましては、まず発足早々でありますから、できるだけうまくさばきのつくように、こちらとしても馬力を出さなければいけないのではないか、そこの状況を見て、やはり今後のことを考えなくてはならぬ、こういうことであろうと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/38
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039・北山愛郎
○北山委員 これはただいまのような見通しだけではうまくいかぬのではないか、今申し上げた新聞によりますと、昭和三十二年度の政府保証債は七百四億、しかし一般の事業費の起債要望、これは少くとも千三、四百億、全部合せると合計二千百億から二千二百億程度になろうと思う。これは三十一年度に比べまして約五割増、三十年度に対しては約二倍、こういうように起債の要望が非常に多いわけです。従ってその反面には非常に金融が梗塞しておりますので、おそらく起債の消化能力なんかも少いのではないかという見通しなんですが、この見通しに対して今のような見解は少し甘過ぎはしないか、何か特別な消化策を講じなければ七十億といえども、しかも七分くらいの利子では消化がむずかしいのではないか、もう少しわれわれに安心を与えるような御答弁を願いたい。同時に大蔵省側のこれについての見解を承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/39
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040・小林與三次
○小林(與)政府委員 それはごもっともでございます。公募債のさばきがつかぬことには意味がないのでございまして、これにつきましては大蔵省当局とも十分連絡をして、その御協力を得て消化せぬといかぬという考えでおります。大体現在の考えでは、公庫の発足を六月一日に予定いたしているのでございまして、それから発行予定は今年の九月から毎月十億ずつ考えているわけでございますが、その中で市場公募と、従来の関係もありまして縁故募集も考えられまして、大体二十億程度が縁故募集、あとの五十億が九月、十一月、十二月、来年の二月、三月、それぞれ十億ずつ市場公募を考えておりまして、これは大蔵省の方の従来の資金状況の見当からいっても、この程度ならば何とかなるだろうという前提で計画を立てているのでございます。この計画に従ってぜひ消化するように努力いたさなくてはならない、こういうふうに存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/40
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041・堀口定義
○堀口説明員 財政部長のお答えと同様でありますが、従来各地方銀行が公募につきましては縁故関係で非常に協力しておったわけでありますから、そういう面にも協力を求めるとともに、大蔵省といたしましては、他の公庫、公団債と百様できるだけの御協力を申し上げたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/41
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042・北山愛郎
○北山委員 債券のさばきについてですが、金利などの関係もありますが、償還の年限だとか、そういうことも問題があるのではないかと思います。その条件次第によって消化ができたりできなかったりする。地方の銀行が、地方債については縁故関係等でいろいろやってくれたと言いますが、それは直接の場合なんで、その当該の団体と取引があるから心配してくれたのだ。何か金庫事務を扱うとか、そういう関係で、そういういわゆる特別な縁故関係でできた。ところが、公庫というものは公庫の債券を引き受けるには縁故というものがないわけです。縁故なんか考えられない。かりに、もしも縁故を考えるならば、現在の府県等で市町村の恩給組合がある。恩給組合がそれぞれ府県負担単位であって、これは全国で百億以上の金を持っておるんじゃないか、その金を市中銀行、いろいろな銀行に預けている。それはやはり地方団体の方の関係のある金ですから、その資金をもって公庫の債券を引き受けて、そしてその金はまた地方団体に回ってくるというようなこともできるならば、あるいはうまくいくかもしれない。しかし、今のお話の地方銀行との縁故関係ではどうも納得ができないのです。公庫については市中銀行は何も縁故がないのです。しかも自分が直接なら貸す、もっと有利な条件下貸せるのですから。それをわざわざ公庫の債券を引き受けて、しかも長期のものを引き受けて、そしてその金を今度公庫が手数料を取って地方団体に貸すものだけ果して引き受けるかどうか、そんな余裕があるかどうか、どうも私はその答弁では納得しない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/42
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043・小林與三次
○小林(與)政府委員 縁故募集の問題につきましては、北山委員のおっしゃったような点もあろうと思います。これは個々の町村との縁故の問題であって、必ずしも新しくできた公庫との関係でございませんが、結局公準債もそういう個々の市町村の公営企業のために還元するのでございますから、従来の縁故関係が全然役に立たぬと考える必要はなかろうかと私は思うのであります。もっとも、片方の今の公庫債の発行の条件にもよるわけでございまして、公庫の発行の条件と、そういう市場の取引の状況をにらみ合せながらきめざるを得ないということになろうと思うのであります。それから、今お話しの、たとえば、市町村の共済組合等で、公共団体のいろいろ関係しておる団体で資金があるじゃないか、恩給組合とか、そういうものはほかにも類似のものは相当ございます。こういうものが資金の運用の一部としてこういう公庫債を引き受けてもらうということは、私はもちろん当然考えてもらってよかろうと思います。ただそれぞれの共済組合、恩給組合等の運用の基本方針ともマッチしつつ、しかもなおかつ運用の一部の方法として公共団体のために動く資金でございますから、こういうものとの結びつきもはかっていくということは、私は十分に考えられる事柄だろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/43
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044・北山愛郎
○北山委員 そうするとこの公庫から地方団体に貸し付ける条件ですが、償還年限はどのくらいに考えておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/44
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045・小林與三次
○小林(與)政府委員 われわれの今の考えは、まだそこまで細目の計画は立てておりませんが、大体十三年見当になるんじゃないか、こういうふうに存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/45
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046・北山愛郎
○北山委員 十二年。これは政府資金との関連もあるのですが、政府資金の方ではどうですか。昨年企業債あるいはその他の地方債について、償還年限というものを延ばしたはずなんです。その延ばした状況。それから、それは三十一年度で延ばしたのであって、三十二年度はどうなるのか、これを一つ大蔵省の方からお示し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/46
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047・堀口定義
○堀口説明員 去年延ばしましたのは、従来は地方債に対する平均貸付期限が大体十四年程度だったと思います。それを新しく延ばしましたのを平均してみますと、三年前後というふうなことになります。
また第二番目の質問でありますが、三十二年度以降も適用するかという点は、適用いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/47
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048・北山愛郎
○北山委員 非常に長く延びているものもあるのですね。たとえば、病院なんか木造でもって十年が二十年になる。上水道は二十年が三十年になる。それから普通建設事業なんかについてもやはり延ばしておるようですが、住宅については、木造が十二年から二十年になる。耐火構造のものは十七年から三十五年になる。学校については、木造簡易耐火は十七年から二十年になる。耐火構造は二十年から三十五年になる。これは発表されている分ですが、これと同様に三十二年度もおやりになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/48
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049・堀口定義
○堀口説明員 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/49
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050・北山愛郎
○北山委員 なおあわせてお伺いしておきたいのですが、政府資金についての地方債の利子の引き下げですね。これを六分三厘というように承わっておるのですが、その通り三十三年度は実行されるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/50
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051・堀口定義
○堀口説明員 最近の運用審議会におきまして、一般会計分について、これは作業の準備がありますので、償還の期限の来るものから、四月以降からでないと手がつけられないと思いますが、三十二年の四月以降を原則として六分三厘にするということに決定に相なりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/51
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052・北山愛郎
○北山委員 それから先ほどのお話に若干戻るのですが、資金運用部の資金については、一般の金融対策として短期猶予をやっている。この金融公庫についても、やはりこの規定を見ると、大体企業債を貸付見込みのある場合に、何といいますか事前に、その決定前に貸付をするということであって、運用の幅が非常に狭い、融通がきかないような感じがするのです。もう少しこの一時短期運用の幅を広げたらどうかというような気がするのです。資金運用部の資金についても、相当いろいろオペレーションなどに運用されておるようでありますから、この公庫についてもやはり同様な考え方をとったらどうかと思うのですが、これは自治庁と大蔵省の両方の御意見を聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/52
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053・小林與三次
○小林(與)政府委員 これはごもっともな御意見でございまして、われわれといたしましては、市町村並びに府県の実情を見ますと、長期の資金も必要でございますが、短期の資金もやはり年に相当の金額要るのでございまして、その一時つなぎ資金の利子は実はばかにならぬのでございます。そういう意味におきまして、市中の高い金融機関からつなぎ融資を借りておるものを、できたらこの公庫で肩がわりしてやった方が非常に自治体のためになりはせぬかというわれわれの考えでございまして、できたら公庫の権限の中にそういうものも入れたいということでいろいろ考えておったのであります。しかしわれわれの理想といたしまして、何も公庫を通さなくとも、政府資金で簡単にお貸し願えれば一番いいのでございまして、公庫を通せば、どうしてもコストが高くつきますし、政府資金そのままならば六分五厘で運用できるのでございますから、できるだけその方向で大蔵省も協力しようというふうな意見もございましたので、そういうことで十分に御協力願えるならば、これは何よりの話でございますので、われわれはその御協力を一つ御期待して、公庫としては差し控えよう。もっぱら新しい事業を伸ばすために一つ少い公庫債を活用しよう、こういうことで話を合わしたのでございまして、大蔵省のその方の御協力を特別にわれわれも期待しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/53
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054・堀口定義
○堀口説明員 財政部長のお答えと同意見でございまして、現在簡易保険それから運用部から地方に対して短期融資が相当行われておりますし、将来も支障のないように十分御協力いたしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/54
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055・北山愛郎
○北山委員 なお二、三事務的な点をお伺いしておきたいのですが、役員の待遇ですね。アメリカあたりの法律を見ると、こういうような新しい特殊な法人を作るというような場合には、役員の待遇まではっきりと明記をしている。ところが日本人は待遇問題なんかあまりさわらない方がいいというのか、法律の中にほとんどないわけです。そうしますと、一体だれがきめるかということになるんで、これは政府が認可して公庫がきめるということになるのだろうと思いますが、役員の待遇はどの程度にお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/55
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056・小林與三次
○小林(與)政府委員 役員の待遇は、大体従来のこういう類似の公社、公団等がみなございまして、それぞれの公庫の予算につきましては必要なコントロールをすることになっておりまして、そこで運用上政府の承認の前提できまるのでございます。この公庫の考え方では、理事長が十三万円、理事が十万円、監事が八万円、これは類似の、たとえば北海道の公庫等と同じ扱いになっておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/56
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057・北山愛郎
○北山委員 私は、この公庫ばかりじゃなくて、すべて現在のこういうような特殊法人の役員の待遇については、いろいろ問題があると思うのです。私はけちなことを言うわけではありませんけれども、はっきりいえば、どうも高過ぎる。この金融公庫というのはそれほど政策的なむずかしい仕事をするわけじゃないのです。金庫番ですよ。大してめんどうくさい仕事じゃない。しかもこれは自治庁の外郭団体になるわけなんで、高いとか安いとか下げろとか、そんなことは申しませんが、しかも法律自体が日本の法律は悪いのですから……。ほんとうははっきりとやらないとお手盛りになってしまう。国会がきめると、よくお手盛りということをいわれますけれども、こういう点が問題になっておらぬ。私はこの点非常に不満ですけれども、よく世論というものをお考えになって、担当の大臣としては慎重にお考えを願いたいと思います。
なお第十三条に役員の欠格条項というのがあります。国務大臣や国会議員はなれない。「政府職員(人事院が指定する非常勤の者を除く。)」というふうにありますが、政府職員をやめて公庫の役員になるというような際に、これは自由にできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/57
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058・小林與三次
○小林(與)政府委員 これは、法律上はこの欠格事項に該当しておらぬ者ならできることになっております。でございますので、お尋ねの通り、かりに役人をやめてしまって、そしてこれが全然関係しておらなければ、法律の運用上の妨げにはならないと存じております。
それから、月給が高い、安いの議論が出ましたが、われわれといたしましては、公庫はできるだけ少い組織で、安いコストでやりたいという考え方で、役職員の員数もきわめてしぼっておる、全体で二十六人しか考えておりません。しかしこの仕事はむしろ公庫債の消化ということが大仕事でございまして、あとの地方への貸付は何でもないのでございます。こういう事務よりも、むしろ公庫債の消化ということの方が、相当金融機関に対して権威を持ち、見識を持ち、顔もりっぱな人でなかったら、これはなかなか思うように参らぬと存ずるのであります。どっちかといえば頭でっかちの職員構成にならざるを得ない、私はそうあるべきものだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/58
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059・北山愛郎
○北山委員 だいぶめんどうくさい仕事をする公庫のようでございますが、しかしこれなんかも、将来はふえるかもしれませんが、今年度はたった七十四億なんですよ。だから、資金運用部の金を少しふやせば、少くとも三十二年度に関する限りは、公庫を置くこともなければ、十三万円の理事長を置くこともないということになるわけです。何となくめんどうくさい機構を作って、めんどうくさい仕事を作って、給料をくれておるような感じがしないでもございませんが、その程度にいたしておきます。
今事務費の問題がありましたが、職員等の数はどのくらいに考えておるか。それからそういう配置は中央に置くのか。事務の処理について地方の金融機関等に委託をするような、あるいは地方の団体に委託するようなことが書いてありますが、その事務の執行といいますか、事業の運営、それはどういうふうにおやりになるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/59
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060・小林與三次
○小林(與)政府委員 さっき職員数をちょっと言いそこないましたが、実は職員は十八人、役員五人、全体で二十三人、こういう数字でございます。そこでこの仕事は、地方の支所、出張所等の出先機関等という問題もございましたが、これはわれわれといたしましては、全部設けない、そうして中央だけに機関を作りまして、地方の仕事は、府県と金融機関に委託をいたしたい、そういうことでできるだけ簡素に仕事をやりたいという考えでございます。府県と金融機関に対する事務の委託の規定につきましては、この法律の二十一条に業務の委託の規定がございます。ほんとうの金を扱う関係の仕事は全部金融機関に委託するし、それから資金の貸付に関する事務につきましては知事に委託をいたしたい、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/60
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061・北山愛郎
○北山委員 府県知事に委託をする、これはわかるわけなんですが、ただ金融機関に委託する事務というのは、具体的に言うと、どういう部分を委託いたしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/61
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062・小林與三次
○小林(與)政府委員 これはもっぱら現金を扱う送金業務あるいは現金の回収業務等、いわば現金の出納事務でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/62
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063・北山愛郎
○北山委員 そうすると、特別法律に何かなくても、現在銀行業務としてやっており、個人もよく銀行を利用するような方式で金融機関を利用するというふうに了解をいたします。
それから最後にお伺いしておきたいのは、役員が五人、職員が十八人ですから、非常にちっぽけな団体なんですが、非常に経費をかけないでおやりになる点はよくわかるのですが、またそうしてもらいたいのですが、しかし、それにしても、少くとも一つの法律を作り、そういうような役職員を置く以上は、ことしのようにたった七十億くらいの資金を操作するということくらいでは何か物足らない、少くとも公営企業金融公庫と銘を打つ以上は、もっともっとワクを拡げてやらなければ意味はないのです。ことしは第一年ですから、七十億でしょうが、今後これを大きくして、そうしてほんとうに名実ともに公営企業の金融公庫として発展させるようなお考えがあるかどうか、これを一つ自治庁長官から承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/63
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064・田中伊三次
○田中国務大臣 ことしは産投からの政府の出資金が五億で、公募債の限度額を七十億、こういうことといたしておりまする理由は、すでにお言葉にもありましたように、ことしは仕事始めがどうしても九月になろうが、なるべく早くやる考えでございますが、役員の任命が大体六月の一日、店をあけますのが九月、こういう見通しでございます。そういうことから公募債は三百二十億に及んでおる、そういう区分けでございますにかかわらず、七十億でがまんをして運営しようという方針でございます。そこで将来はこの金額をもっとふやすべきではなかろうかということで、これはそもそも金融公庫を作ろうではないかという交渉の段階においてすでにその話をしておるわけでございます。大体この七十億の運営でやってみまして、その成績を見ました上で次年度以降、平年度以降におきましては、政府の出資を大体十億見当にまでやっていきたい。そうすると公募債の最高限度額は二十倍でありますから、ちょうど二十倍といたしますれば二百億、十五倍なら百五十億くらいになろうかと存じます。今の見通しでございますが、将来のことは何とも言明の限りでないのでありますけれども、大体は次年度から政府の出資は十億、その限度額は百五十億ないし二百億、こういうところで押えまして成績を上げていきたいという考え方でございます。
なお、お尋ねがございませんが、公募債の額を将来はどういう方向に持っていくかという問題でございますが、公募債の金額は来年度以降におきましては——来年度は二百三十億ということになっておりますが、大体将来の見通しから申しますと百五十億ないし二百億という原資の運営でやっていけるんじゃなかろうか。こういう見通しを持っておるわけでございます。しかしながら情勢のいかんによって、さらにそれが縮小する場合もありましょうし、さらに大きくなっていく場合もありましょうが、大体の見通しといたしましては、それでいけるものと見通しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/64
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065・門司亮
○門司委員長 川村継義君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/65
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066・川村継義
○川村(継)委員 私から関連したようなことになりますけれども、一つ二つお聞きしておきたいと思います。
まず財政部長にお尋ねしますが、昭和三十年度の地方債の計画総額は一千二百九十四億であったと思います。間違いがあったら指摘して下さい。そのうちで公募分は一般と企業に分けて幾らずつですか。それをまずお聞きいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/66
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067・小林與三次
○小林(與)政府委員 今手元に三十年度のやつを持っておりませんが、三十一年度のやつはお手元にお配りいたしました金融公庫関係資料というものの二十七ページに三十一年度と三十二年度の政府資金と公募の内訳を書いてあるやつがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/67
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068・川村継義
○川村(継)委員 その前の二十五ページに公募債利率別消化状況の三十年度の分の中に、結局総計として三百六億八千一百万円、こういう数字が出ておりますが、私がお聞きしたかったのは三十年度の地方値計画総額一千二百九十四億の中に、一般分、企業分に分けて、公募分が幾らあったか、つまり三百六億八千一百万円というのが消化された額だと考えていいかと思いますが、そうなるとこれは全部消化されておるのか、その計画からしてどうかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/68
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069・小林與三次
○小林(與)政府委員 三十年度の計画額は公募二百二十億、それからこのほかに再建債の分もございまして、大体計画額はみな消化されておるはずでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/69
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070・川村継義
○川村(継)委員 一応いろいろ再建債等が含まれておると思いますが、全部消化されておる、こう考えまして、今度はその表を都道府県分と五大市の分、市町村の分に分けて、そこに消化の金額があげてあります。その中で都道府県五大市の分について考えますと、その二百五十三億四千三百万円というものの内訳についてみると、都道府県五大市の分が一般会計分が幾らか、公営企業分が幾らか、実は私はそれをお聞きしたいのです。
その次に第二点としてお聞きしたいのは、その公営企業関係分の中で五大市が消化しているのが幾らか、都道府県が消化しているのが幾らか、これを第二点として聞きたい。
第三点として聞きたいのは、都道府県の公営企業の消化分の中で、交付団体分は幾らか、不交付団体分が幾らか、これをお聞きしたいのです。今ここでわかるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/70
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071・小林與三次
○小林(與)政府委員 ちょっと今そこまでの部分の資料はございませんので、午後までお待ち願えばすぐ調べてお知らせいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/71
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072・川村継義
○川村(継)委員 それでは数字はあとでお知らせいただいてけっこうだと思いますが、今度の公営企業の法案によりますと、政府資金が五億、それに七十四億の債券を計画して、大体本年度の公営企業関係二百三十億ですか、それの中の大体七十四億円くらいを見ていこう、こういう話があったと思うのです。七十四億くらいを取り上げてこれをやっていく。ところが私が今お尋ねしたのは、さっき財政部長の言葉の中にあったと思うのですが、市町村等の非常に弱いところに重点を置いて考えていこう、配分を考えていこうというようなお話があったのではないかと思うのですが、実際今私がお尋ねしておるような数字でずっと拾い上げて参りますと、七十四億というものの配分は、財政部長の話のような意図とは違って、あるいは五大市とかあるいはいわゆる不交付団体、こういうところにずっと公庫で考えておる資金の供給というものがなされるのではないか、実はこういうふうに受け取っていくのですが、その点はどうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/72
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073・小林與三次
○小林(與)政府委員 そういう御心配はございません。これは自力で市中銀行から一番不利な条件で借りる団体が最優先でございますから、そういう団体から順繰りにゆとりのある限り上にさかのぼってくる、こういうことになろうと思うのであります。原則として旧指定地方債、従来有利な条件でそういうものを出しておる大府県とか大都市というものは、むしろ最初は除外される扱いにならざるを得ないと考えております。ただ一番貧乏な、また町村の最末端へいきますと、これには公募債などつける方がそもそも無理なんで、これはできるだけ政府資金で全部カバーしたい、まずその方針でいきまして、どうしても公募債をつけなければならぬ場合には、その公募債部分は公庫で見てやろう、そしてゆとりのある限り上に持っていこう、公庫を作った趣旨がそこにございますから、その基本方針にのっとって運用しなければならぬと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/73
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074・川村継義
○川村(継)委員 一番末端の市町村の、ごく少額の金を扱うようなところでは、今財政部長のお話のような形でいかれる、それはよくわかるのです。ところが、こういう公庫で扱うということになりますと、今まで市中銀行等で自力で消化していけるような団体も、やはりこちらの方でやろうという動き、そういう意図が当然生まれてくると思うのです。そういう場合に、あなたのところは自力でやれるのだから、この公庫からは除外するのだというようなことで、何かその辺をりっぱに分けていけるような条件というものを考えておるのですか。またそういうものが実際起ってきた場合に、非常に混乱を生ずるようなことがありはしませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/74
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075・小林與三次
○小林(與)政府委員 今川村委員がおっしゃいました通り、どこの団体でも、こんな安い金利で金が借りられるならばというので、率直に申しまして、大府県だって私は希望があろうと思います。それで、そもそも七十四億では足らぬじゃないかという議論も、そういうところからも出てくるだろうと思いますが、公庫といたしましては、この認められた資金のワクを最も合理的に運用しなければなりませんので、業務運営の基本方針を作りまして、初めから除外すべき団体を明らかにして、誤解がないように運用をしなければいけない、こういうふうに存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/75
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076・川村継義
○川村(継)委員 今のお答えに関連するわけですが、さっき北山委員の質疑に対して、大臣は結局将来十億という政府の資金を考えて、あとは二百億ばかりの債券というようなことでやっていくことも考えておるというような御返事があったと思うのです。ところが、金融公庫のこの案が考えられたのは、私たちが記憶にあるところからいたしましても、結局地方財政というものを解決しなければならぬという問題が起きたときからこれは強く取り上げられてきた問題だと思うのです。そこで、地方財政を健全化していく、地方財政を建て直していくというような考え方から出発しているのが、一つの大きな柱をなしていると思うのです。そこで、当時この問題が出て参りますと、地方の団体からもぜひ作れ、作ったときにはこういうような業務内容にしてくれというような要望がたくさんあったと思います。そこで、自治庁といたしましても、そういうものをもとにしていろいろと試案を作ったと思うのです。そのときの試案によりますと、結局さっきから話が出ておりますように、地方債の応募も、または引き受けもやろう、あるいは地方公共団体に対する短期の低利資金の貸付もやろう、あるいは今度出ておりますような債券の発行あるいは資金の借り入れ等もやっていこう、こういうような幾つかのことが考えられておったようであります。つまり、この公庫ができて参りますのには、公債費対策というのが一つの大きな問題であったと思うのです。その中には、新規に起すところの地方位に対してどうしていくか、それが今度の公庫の内容に一つ現われてきておると思うのですが、過去の公債費に対しては、これを元利の償還をはかっていくとか、あるいは借りかえをやっていくとか、そういうこともこの公庫の業務の中に考えていこうということがあったと思うのです。それらのことをずっと考えて参りますと、当時自治庁で考えられておったところの資金面というものも、私はやはり相当根拠があって出てきているのではないかと思います。当時自治庁が考えたときの資金というものは、これは数字が間違っているかもしれませんが、大体資本金を五十億、三十二年度から五年間で十億ずつ出させる、そうして債券を二百億とする、こういうことで公庫の事業運営について考えておったようでありますが、一体自治庁で考えた当時の資本金の五十億、あるいは二百億というものは、どういう根拠によって考えられたのか、これを一つお聞かせおき願いたい。
それからいま一つは、これは大蔵省の方にお聞きしたいのですが、公庫の設立について大蔵省は当時非常に反対しておったということを聞いたわけですが、この公庫の設立について大蔵省が反対しておられた——今度はようやくちっぽけながらもできたが、当時反対しておられたその根拠というものはどういうところにあったのか、大蔵省の方からちょっとお聞かせおき願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/76
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077・小林與三次
○小林(與)政府委員 最初毎年十億ずつ、五十億にして、ずっと二百億を発行するという計画を持っておったのは事実でございます。これはわれわれの考えといたしましては、今川村委員がいろいろおっしゃいましたような、新しい公営企業のために必要な公債も消化してやりたい、できたらそうでない過大の借りかえも行いたい、そうしてさらに一時のつなぎも簡便にやらせてやりたい、こういう考え方がございまして、そういうものが全部白まかないで十分運転できるような公庫の基礎を作りたいというような意味で、そういう資金計画を一応立てておったのは事実でございます。ただわれわれちょっと誤解がありました一点は、資本金と公庫債の発行限度額というのは普通二十倍、先ほど大臣もそういうお話があったのでありますが、これは当然リンクされるものだと実は思っておったのですが、これはわれわれの方の誤解でございまして、発行限度額は、政府保証があれば、何も二十倍に限る必要はない。むしろ二十倍に限っては、この公庫の場合は妙なことになるのでございまして、これは毎年々々新しい公募債を引き受けていかなければならぬときに、公庫債としては永久に、百五十億になるか、二百億になりますか、ともかく七十億をこえた金額を発行していかなければならないので、これはわれわれの方の誤解もあったのでございます。しかし公庫の信用を確保してある程度の公庫債を発行していくためには、やはり出金資が五億程度では基礎が弱いんじゃないか、もう少し強固にする必要がありはせぬかというのがわれわれの考えでございまして、これにつきましては、大臣が御答弁になったような趣旨で、われわれもぜひ明年度考えてもらいたいと考えているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/77
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078・堀口定義
○堀口説明員 お答えいたします。こういう案になります段階におきましてはいろいろの議論がございましたけれども、それはさっきからもお話が出ておりましたように、いろいろな構想がありまして、なかなか整理されておらなかったわけでございます。従いまして、このような形のものでありましたら、もちろん大蔵省といたしましても十分御協力をいたしたいというふうに考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/78
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079・川村継義
○川村(継)委員 大臣にちょっとお尋ねをいたしますが、三十一年度末の地方債の現在高でございますが、これは五千三百億ばかりだといわれております。五千二百七十億、そのうち政府資金から出ているものが四千七百億、公募債の分が五百六十億ですか、そういうふうにいわれているようでありますが、過去の公債費の問題でございますが、これは今年問題になっておりますように、交付税の中から七十六億、十億加わって八十六億、それを三十二年度に引っぱり出して、それから公債費の処理に充てていこうという、非常にすばらしい名案を考え出してやっておられるわけでありますが、この公庫についてそういうような過去の公債等の処理をやらせるというふうなことを何かやっていこう、三十三年度からでもよろしゅうございますが、やろうというようなお考えはございませんか。ありましたら一つはっきりお聞かせおきいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/79
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080・田中伊三次
○田中国務大臣 今の御質問の御趣旨は公債費対策の一環として公庫資金の運営で何とかやる方法はないのかという御意見と承わります。そこでこの公庫で行いたいと将来考えますことは、ただいまもちょっとお話が出ました既発行の公債費の分について借りかえを行うということは、将来とも規模がだんだん大きくなるに従ってぜひこれをやっていきたい。これはお説による公債費対策をこの公庫でいささか助力をするという意味には結果においてなろうかと思います。それ以外に公庫を活用いたしまして行う方法はなかろうではないかというふうに思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/80
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081・川村継義
○川村(継)委員 それから、これは私が今までの大臣の答弁の中で聞き落しておったのかもしれませんから、もう一回念のためにお聞きしておきたいと思いますが、大体三十一年度の起債の地方の負担額は一般補助事業で考えると五百六十二億、その中に地方債が二百六十二億あったと思いますから四八%、大体五〇%近くの充当率になる。三十二年度は地方債が一般補助事業関係は百九十億、負担額が大体六百億余り考えられるでありましょうか、そうなると三〇%というふうに充当率は下るわけですが、こういうふうに一般分の地方債を減していくということは、これは財政構造の問題からいたしまして大へんわれわれといたしましてもいいことだと思う。ところが今日の地方団体の非常に苦しんで参りました財政状況からいたしますと、やはりそれだけ地方債が減るということは、やりたいこともやれないというような、金ぐりに非常に困ってくる場合も生ずると思うのですが、そういうようないわゆる一般分が減ったということについては、これはやはり何とか自主財源の処置を考えてやらなければならぬと思うのです。地方交付税で見てやるとかいろいろな方法が考えられなければならぬと思うのですが、そういう点についてたとえばことしのごときは去年に比べて七十八億ですか減るわけですね。こういう分についてどういうふうに考えておられるか。多分大臣から話があったと思うのですが、もう一度お聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/81
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082・田中伊三次
○田中国務大臣 その点は今までにお答えしたことはございません。大事な点であると存じますからお答えを申し上げますと、大体これは自然増収があって地方自治体に財力ができてくるということに従って一般会計分の分債は減少さすということが常識でもあり、また具体的な政策においてもそういう立場をとって努力をして参りたい、かように思うわけでございます。しかしながらお尋ねはございませんが、反対の公共企業関係におきましては、これはむしろ量をふやしていくという方向に持っていくべきものではなかろうか。一般会計分は減らすけれども公共企業関係においてはこれはふやすという、こういう考え方から逆に今度は三十二年度は公共企業関係では百五億円増の措置をとって参りましたようなわけでございます。従って将来の見通しにつきましてもやはり一般会計分は極力品まかないができます限りは、これを一つやっていただこう。それから今度は逆に公共企業関係におきまして、ことに何といいますか、収益的な性格を持っておりますものについては、極力この部分はふやしていくことに努力をすべきものではなかろうか、こう考えまして、その第一段の考え方の現われが、三十二年度に一般分を減らして、わずかであるが百五億の公営企業分をふやした、こういうふうに出ておりますので、将来も大体この方針で貫いていきたい、こういうふうに思っておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/82
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083・川村継義
○川村(継)委員 それから最後に、この問題と直接関係ございませんが、これも大臣にお聞きいたしたいと思いますが、先日の委員会で私の方の大矢委員から住宅問題、家賃の問題で公営住宅等の値上げについて質疑があったときに大臣は、そういうことはやらせない、何か通牒を出してそれを取り締っていこうというような意味のお言葉があったと思います。ところがその大臣のお言葉があってしばらくしてから、建設省が二十七年度までの公営住宅の家賃を値上げするように通牒を出したというようなことが載っている、二十四年度の木造については一千十一円のものを一千六百七十九円、二十七年度分の一千五百三十三円のものについては一千八百七十五円と、こういうように建設省から出ておる。こうなりますと、大臣のあのときの言葉とはずいぶん違ってくるわけでありまして、特にこれは公営住宅あるいは住宅公団の住宅、両方に関係すると思いますが、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律で、固定資産税の相当額をこれにかぶせていこうという考え方から出てきておる。特に住宅公団についてははっきりとそれが現われてきておりまして、各地の住宅公団の家に住んでおられる人たちの中からも、大へん驚いた声が出てきているわけでありますが、これは大臣のこの前のお話の通りに、こういうような公営住宅等の家賃の引き上げは食いとめていただく、大臣の言明通りにこれは阻止していただく、こういうふうにわれわれはあくまでも考えておってよろしゅうございますか、その点を一つ、もう一度お聞かせおき願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/83
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084・田中伊三次
○田中国務大臣 ちょっとそのお話は誤解がございますので、釈明ではありませんが、ありのままに申し上げておきますと、この間大矢先生から大事な御質問がありましたが、私は今お話しになりましたように、固定資産税相当額というものを家賃に付加して家賃の値上げをするということは断じてやらせません、こういうことをお約束申し上げまして、その通りの方針を即時とっておるわけでございます。従って御承知の通りに国の分につきましては国有資産所在市町村交付金法という法律に基くものが国からは市町村に出ておるわけでございます。それから府県の分につきましては、府県から市町村に実際その交付金を渡しておることは事実でございます。渡しておることは事実でございますが、そういう金はいずれも、国の分についても、地方公共団体、ことに府県分については、市町村に出ておるということでございますが、本来これを家賃に付加しようという考え方はずっと従前ありました。ところが昨年は年度の途中でもあるからということで、その三十一年に限っては付加しない。その意味における家賃の値上げは、やらさないでいこうという方針をとって参りました。従って三十二年度からはもう年度の途中というわけにも参りませんので、これは家賃に付加していこうではないかということが原則になるわけでございますが、重要な御趣旨でもあり、さようなことは本年についてもとりあえずやらしません、ということを言明いたしまして、それはその通りに実行ができているはずでございます。ただ私の方の所管のことではございませんが、どういうわけで家賃の一部値上げがあるのかということを、これは無責任な言葉ではございますが、そうではなかろうかと思う点がございます。それは建設省関係におきましては、その住宅の建築年度、建築年度で家賃をきめてきているものでございますから、古く建築されたものは家賃はべらぼうに、安い、漸次高くなっておるということでございましてどうも古く建築されたものと、最近建築されたものとの間に家賃のバランスがこわれている。そのアンバランスを直しますために、家賃それ自体を建設省においてあんばいをしているのではなかろうか、こう思うのであります。そういうことはよく今から私の方も調べてみますが、いやしくも御質問のありました固定資産税相当額をプラスするがために家賃が上る、これは絶対そういうことはございません。だが従来建築されておりますもののごく一部、ことに年度の古い部分で家賃のうんと安い部分につきましては、家賃の調整といったようなことを建設省でやっておるやに聞き及ぶわけでございます。この点につきましては、一ぺん建設省もお呼びをいただいてよくお調べをいただくことが必要ではなかろうか。私も何か誤解があってはならぬから、こちらからも調べることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/84
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085・門司亮
○門司委員長 その点で、私ちょっと念のために輝いておきたいのだが、それは川村委員の御質問に対しての大臣の御答弁ですが、現実にこういう書類が出ております。固定資産税、公租公課分を居住者に負担してもらうという書類が出ております。新しくこれから借りる人のために、その点は一つよく調査をしておいてもらいたいと思います。これは公団住宅ですが、そうなりますと、一般の住宅に非常な影響をもってきますので、特に一つ御留意を願っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/85
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086・川村継義
○川村(継)委員 大臣のさっきの御答弁で大体一応了解したのですが、私もう一ぺんお聞きしたいのは、大臣の答弁はよくわかりましたが、大臣のお言葉にもありましたように、公営住宅の古いやつはバランスがこわれているという理由にはなっておりますけれども、今のように、二十四年から、二十七年にかけて建設された公営住宅について、結局固定資産税分をこれに加えて引き上げることができるという通牒を出して、二割から六制の引き上げをやる、こういうことが出ておるわけですね。そこでそれは古かろうが新しかろうが、公営住宅関係については家賃などは引き上げない、これが一番正しいことだと思うのですが、そういう点で、大臣のこの前の御意見とはずいぶん違うので聞いたのでありますが、できたら建設省の実際出しておる通牒等をお調べおきになり、お知らせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/86
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087・門司亮
○門司委員長 それでは本案に関しましてはほかに御質疑はございませんか。——質疑がないようでごさいましたら、これから討論に入りたいと思います。亀山君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/87
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088・亀山孝一
○亀山委員 私は自由民主党を代表して、本案に賛成の討論を申し上げたいと存じます。
公営企業の健全な運営に資しますために、地方公共団体に対して、特に低利かつ安定した資金を必要とする地方公共団体の公営企業につきまして、その資金を融通し、もって地方公共団体の公営事業を推進し、住民福祉の増進に寄与することは、まことに時宜を得たものでありまして、本案に対しまして私どもは全幅の賛成の意を表する次第でございます。
簡単でございますが賛成の討論といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/88
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089・門司亮
○門司委員長 北山君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/89
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090・北山愛郎
○北山委員 私は日本社会党を代表して、公営企業金融公庫法案に対して、若干希望をつけて賛成をいたすものでございます。
ただいま本法案がきわめて時宜を得たというお話しがございましたが、実は少しおそきに失したような感がいたすのであります。すでに一般普通会計事業債についても同様でありますが、公営企業の起債についても、今までにこういうような手当をしておらなかった。しかも一方では政府資金のワクをだんだん少くして、公募債をふやしたという関係からいたしまして、先ほど質疑の中でもありましたように、非常に金利の高い金を地方団体は公営企業に使っておるわけであります。その結果として、水道にしても自動車あるいはガス、電気みな料金として需要者が負担しておるわけであります。そういう点からして、これの対策としては、むしろもっと早くこのような機関を設ける必要があったのでございますが、やっと今年出て参ったということは、むしろおそきに失したと考えるのであります。しかしこれが本年第一歩を踏み出して、これからこういう機構を樹立発展せしめることによって、おそまきながら地方の公営企業というものを発展させることができる、こういう意味において私は賛成をいたすのであります。
なお今後の逆用につきましても、当面している金融情勢というものは、そうあまいものではないのでありまして、この資金源の獲得、債券の処分ということにつきましても、相当な苦心を要すると思います。昨年であればあるいは順調なスタートができたでありましょうが、本年はまことに極度の金融梗塞の状態でありますから、この公庫を発足せしめて、そして所要の資金を獲得する上においては、新しい公庫の役員はもちろん、政府においても特段の努力を要するのじゃないか、こういうように考えておるわけであります。従いまして本年これが発足しまして、さらにこの公庫の内容を改菩をする、地方に貸しつける利子をさらに低下する、これが年限等の貸付条件を改善をするというような点についても、さらに一層の努力をせられ、また工夫をせられたいと思うのであります。
資金源につきましても先ほどちょっと触れたように、地方団体の組合が持っておるような資金も相当あるわけでありまして、それを活用願う、あるいはまた地方の公営企業として、火災共済のようなものを地方団体にやらせる、そして公庫が再保険の仕事をやるというようなことによっても、相当潤沢な資金が集められるのじゃないか、こういうように考えるのでもありまして、いろいろと工夫をこらされて、そして公庫を発展させるように希望をするものであります。
以上簡単でありますが、希望を付して、本案に賛成をいたすものであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/90
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091・門司亮
○門司委員長 これにて討論は終局いたしました。採決いたします。公営企業金融公庫法案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/91
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092・門司亮
○門司委員長 起立総員でございます。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
ただいま亀山君より本案に対しまして附帯決議を付すべしとの動議が提出されました。亀山君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/92
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093・亀山孝一
○亀山委員 日本社会党及び自由民主党共同提案によりまして附帯決議を付したいと存じます。
附帯決議案を朗読いたします。
附帯決議
本法の施行に当り、政府は左の諸点に留意して、その運営の適正をはかるべきである。
一、地方債の一般会計分は、全額政府資金を以つて充てること。
一、公庫の出資金及び政府保証による公庫債の限度額は、今後更に増額をはかるとともに公庫資金の貸付については、できる限り低利にすること。
一、地方団体の公債費の負担軽減をはかるため、公庫において既発行公募地方債の低利借替を行うよう措置すること。
一、将来公庫において、地方団体に対する一時借入金の融通を行うよう措置すること。
右決議する。
説明は、先般来の質疑によってよく御了承と思いますのでこれを省略いたします。何とぞ御賛成あらんことを希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/93
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094・門司亮
○門司委員長 ただいまの動議に対しまして御意見並びに御質疑があればこれを評します。——別に質疑がないようでございますので、亀山君の提出された動議について採決いたします。本動議について賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102604720X01419570322/94
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095・門司亮
○門司委員長 起立総員。よって亀山孝一君提出の動議のごとく、本附帯決議を付することに決しました。(拍手)
なおただいま議決されました公営企業金融公庫法案に関する委員会報告書の作成並びに提出手続につきましては、委員長に御一任願いたいと思います。
それでは本日の委員会をこれで散会することにいたします。
午後三分散会
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