1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十二年二月二十日(水曜日)
午前十時三十二分開議
出席委員
委員長 長谷川 保君
理事 高村 坂彦君 理事 坂田 道太君
理事 竹尾 弌君 理事 米田 吉盛君
理事 河野 正君 理事 佐藤觀次郎君
杉浦 武雄君 田中 久雄君
塚原 俊郎君 永山 忠則君
並木 芳雄君 栗原 俊夫君
高津 正道君 野原 覺君
平田 ヒデ君 小林 信一君
出席政府委員
文部政務次官 稻葉 修君
文部事務官
(初等中等教育
局長) 内藤譽三郎君
文部事務官
(大学学術局
長) 緒方 信一君
文部事務官
(管理局長) 小林 行雄君
委員外の出席者
文部事務官
(大臣官房総務
参事官) 齋藤 正君
専 門 員 石井つとむ君
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二月十四日
委員平田ヒデ君辞任につき、その補欠として井
堀繁雄君が議長の指名で委員に選任された。
同月十五日
委員井堀繁雄君辞任につき、その補欠として平
田ヒデ君が議長の指名で委員に選任された。
同月十九日
委員鈴木義男君辞任につき、その補欠として栗
原俊夫君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員栗原俊夫君辞任につき、その補欠として鈴
木義男君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十日
委員鈴木義男君辞任につき、その補欠として栗
原俊夫君が議長の指名で委員に選任された。
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二月十八日
学校給食法の一部を改正する法律案(内閣提出
第二三号)
同月十九日
理科教育振興法の一部を改正する法律案(内閣
提出第三〇号)(予)
同月十三日
学校事務職員の身分保障に関する請願(田中武
夫君紹介)(第七四三号)
高等学校の危険校舎改築等に関する請願(足鹿
覺君紹介)(第八〇九号)
同月十五日
中学校雨天体操場建設補助金に関する請願(徳
田與吉郎君紹介)(第九三三号)
学校給食法の一部改正等に関する請願(加藤鐐
五郎君紹介)(第九三四号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
提出第一七号)
学校給食法の一部を改正する法律案(内閣提出
第二三号)
学校教育、教育制度及び学術に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/0
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001・長谷川保
○長谷川委員長 これより会議を開きます。
国立学校設置法の一部を改正する法律案及び学校給食法の一部を改正する法律案を一括議題といたし、それぞれ提案理由の説明を聴取いたします。稻葉政務次官。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/1
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002・稻葉修
○稻葉政府委員 ただいま議題となりました国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律は、国立大学の名称及び位置の変更並びに大学付置の研究施設の設置について所要の改正をするものであります。
改正の第一点は、国立大学の名称及び位置の変更に関するものでありまして、東京水産大学及び商船大学の位置をそれぞれ神奈川県及び静岡県から東京都に移すとともに、商船大学の名称を東京商船大学と改称することであります。
改正の第二点は、大学付置の研究施設の設置に関するものでありまして、共同利用の研究施設として、東京大学に物性に関する実験的研究及びこれに関連する理論的研究を目的とする物性研究所を設置することであります。
以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。
次に、学校給食法の一部を改正する法律案提案の理由とその内容の概略を御説明申し上げます。
現在、経済的な理由によりまして学校給食費の負担が困難と認められているいわゆる準要保護児童の給食費の援助につきましては、さる第二十四国会において成立いたしました学校給食法の一部を改正する法律によりまして、市町村がこれらの児童の給食費の二分の一以上を援助した場合には、国が予算の範囲内でその所要経費の二分の一を補助する制度が設けられております。この制度は、学校給食費の援助の対象を公立小学校の児童だけに限定して発足いたしましたが、これを公立小学校の児童に限らず、公立中学校の生徒にも及ぼすことが適当であることは申すまでもありません。よって、今回現行法の一部を改正いたしまして、学校給食費の援助を公立中学校にまで拡大することとした次第であります。この法律案は、以上の趣旨によりまして、その関係条文について所要の整理を行なったものであります。
以上、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概略を、御説明申し上げました。何とぞ十分御審議の上、御賛成下さるようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/2
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003・長谷川保
○長谷川委員長 これにて両案の提案理由の説明は終りました。両案に関する質疑は追って行うことといたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/3
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004・長谷川保
○長谷川委員長 次に、昭和三十二年度文教関係予算に関し、前会に引き続き質疑を行います。なお文教行政に関する質疑もあわせ行うことといたします。質疑の通告がありますので、これを許します。栗原俊夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/4
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005・栗原俊夫
○栗原委員 私は、大学の設置に関して二、三お尋ねをいたしたいと存じます。
まず最初に、よく世間で学校の昇格運動というようなことがございますが、手続上からいえば、たとえば短期大学を四年制の大学に昇格する、こういうような世間で一般にいわれておる内容も、実質的には短期大学をやめて新たに四年制の大学を設立する、こういう手続になろうとしろうと考えでは考えておるのですが、いわゆる大学の昇格というような手続は、そのほかに特別な手続があるのでございましょうか。この点御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/5
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006・緒方信一
○緒方政府委員 大学の設置につきましては、ただいまお話の中にございましたように、通俗に昇格という言葉を使う場合がございますけれども、しかしこれはやはり新たな、たとえば短期大学を母体にいたしまして新たな四年制大学を作るという場合には、四年制大学の設置の認可、こういう手続に相なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/6
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007・栗原俊夫
○栗原委員 そういうような場合に、形からいえば短期大学の方は別個であり、新たに新設の四年制の大学を作る、これは全く別個なものですが、世間的にいわゆる昇格である、短期大学を母体にして、その上に新たな四年制の大学を作る、いわゆる昇格と見られるような場合には、普通人事関係等におきましても、施設関係におきましても、大体今までの短期大学というものを持ち込んで新しい大学に入っていく。もちろん短期大学のいろいろな人事的な教職員の資格等においては、四年制の大学になれば、適格を持っていないというようなものは別として、短期大学の教職員であっても、四年制の大学へ持ち込んで、適格性がある、資格があるというようなものは、一般にはそうした昇格的な形で、新制の新しい大学ができれば引き継がれる、こういうように一般には考えられるのですけれども、この辺の考え方、そうして今までのあり方等はどんなことでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/7
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008・緒方信一
○緒方政府委員 ただいま申し上げましたように、実質的には短期大学を母体にするという場合でありましても、制度的には新しい大学の開設でございますから、新しい大学の適格基準に合うかどうかということにつきまして設置審議会におきまして審査をいたしまして、基準に合えばそういう答申がございまして、その答申に基きまして文部大臣が認可をする、手続といたしましてはこういうふうに相なるわけでございます。そこで、これは実体がいろいろございますから、一律に短期大学の教員組織をそのまま引き継ぐという場合もありましょうし、実体によりましてはそうでない場合もあり得るかと存じます。これはやはり設置者の意向でございまして、短期大学をやめて新しい大学を別に作るという手続でございますから、実態的には設置者の意向によってこれをきめていくというのが実情のようでございます。また制度的にもさようなことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/8
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009・栗原俊夫
○栗原委員 なかなか慎重な態度の御答弁でございますが、そういう御答弁があろうと思うので前からいろいろな質問を始めておるわけです。もちろん新しい大学を作るということについて、設置者の意思がそこにあることはよくわかっております。しかしいわゆる昇格という姿で行われる場合と、全く短期大学とは別個に新たなる大学を設けるのだという場合は別であることは私はよくわかる。ただ私がお尋ねしておるのは、なるほど四年制の大学は手続としては設置するのだが、世間では昇格という形でとり行われるところの新たなる大学の設置、こういう場合には、常識として、また世間の感情として、短期大学の中でそれを母体として昇格するのであるから、その中で四年制の大学に使える——と言うと語弊があるかもしれませんが、資格のあるような教職員は当然持ち上げられるのだ、こういう工合に普通考えるわけです。そういう場合に今までの例は大体どんなことであったかということであり、いま一つは、そうした方面を監督しておられる当局として、新しい大学ができるのだから、そういうものは設置者の考えに一切まかすのだということではなしに、昇格という形で持ち込むからには、やはり今までの短期大学で働いておった人を持ち上げる方が好ましいのかどうか、この辺についての御見解を承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/9
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010・緒方信一
○緒方政府委員 第一点の御質問でございますが、これは世間で一般に昇格という場合のお話でございますけれども、一般に昇格と申しましても実態はいろいろな場合があると思います。それは実態によりまして、その大学の前の短期大学の教員組織を大部分引き継げという場合もありましょうし、制度的にはそうじゃない場合もあり得ると思います。しかし従来の例から見ましてどっちが多いかというお話でございますが、私も実は従来の例を十分存じませんので、今ここで引き合いに出されましたけれども、その昇格という名前のいかんにかかわらず、例としては前の教員を引き継いだという場合も相当あろうかと存じます。これは計数的にはちょっと私申しかねます。
それから第二点でございますけれども、これはやはり設置者が新しい大学を作っていくということでございますから、文部省としてはその教員組織について、適格でない者であればそうでないのでありますが、適格者であれば設置者の意向を尊重してやっていくということが建前であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/10
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011・栗原俊夫
○栗原委員 大体お話を聞きましたので、ぼちぼち具体的な問題に質問を移したいと思いますが、実は今まで話をお聞きしましたのは、群馬県の高崎市における短大と新しい経済の四年制大学設置に関連しての問題を尋ねたいからなんであります。この問題については、大学設置審議会の方で本日常任委員会か何かお開きになって、二十二日に総会を開いて最後の答申案を決定するやに聞いておるのでありますが、ここでは短期大学の先生の大部分が新しく設置される経済大学の方へ引き継がれないような実態があるやに聞いておりますけれども、これらに関連して、事情のわかっておる限り簡潔に御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/11
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012・緒方信一
○緒方政府委員 大学設置の認可の手続といたしまして、大学設置審議会に文部省は諮問をいたしまして、その大学設置審議会におきまして今審査中でございます。ただいまお話がございましたように、これは近々に総会において結論が出ることになりましたので、その結論に基いて文部省としては正式に認可を決定するということに相なります。
そこで今具体的にお尋ねになりました高崎経済大学の設置認可の申請の問題でございますが、これにつきましては一応私ども事情を存じております。しかし現在文部省は設置審議会に諮問をいたしまして、その答申を待っておる段階でございますので、その答申を待って詳しいことは全部わかるわけであります。現在におきましては、その段階におきまして、文部省としては承知いたしておるのであります。
そこで、教員組織につきまして、詳しい数等につきましてはわかりませんし、ここに資料を持ち合せませんけれども、私聞きますと、現在の高崎市立の短期大学の教員の中で、一部分は新しい大学の教員組織に採用しない教員数も相当あるということは存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/12
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013・栗原俊夫
○栗原委員 実は私昨年の十一月の初めに、三宅さんという学長さんのところへある人を教授陣に加えてもらいたいということでお願いに行ったわけです。ところが当時すでに九月末日限りで教授陣の構成を終って、認可申請をしておるので、もう時間的に手おくれだというので、それではまたの機会に、こういうことでそうかということで引き下って参りました。また私も高崎にぜひ四年制の経済学部の大学がほしいということでできる限りの努力も払ってきたわけでありますが、りっぱな大学ができることを望んでおりましたところが、意外に最近になって感情の衝突か何かは存じませんけれども、いろいろな問題が発生してきておる。だんだん聞いてみますと、最初に申請したときの教授陣の構成とは全然変った構成になっておるというようなことがいわれておるのです。最初に申請した教授陣の内容と現在審議にかかっておる教授陣の内容とは、それは根本的に違うのですが、一部の入れかえが行われたのですか、その辺はどうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/13
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014・緒方信一
○緒方政府委員 私ここに資料を持ち合せませんので、正確なことをお答え申し上げかねることははなはだ遺憾でありますけれども、最初申請がございまして、その後設置者におきましてまた検討の末、相当教授陣の入れかえがありまして、そうして現在の審査をいたしておりますものはその新しい申請に基いてやっておるということでございます。今のお尋ねはどの程度の入れかえがあったということでございますが、これは相当の入れかえがあったことは聞いております。計数的にちょっとお答え申しかねますことは遺憾であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/14
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015・栗原俊夫
○栗原委員 大学の新設の申請については、申請する期限というものに一応の制限はあるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/15
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016・緒方信一
○緒方政府委員 申請書の受付期限は一応きめております。しかしその後におきましても、これは審議会においても書面審査、実地審査といたしまして、不備の点等については相当指示もいたしますし、意見も申しまして、漸次整備させるということも一面やっております。でございますから、最初の締め切りの期日に出ました申請書におきましても、漸次訂正をし得る部分につきましては訂正をしていくということは従来のやり方としてもやっております発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/16
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017・栗原俊夫
○栗原委員 もしも申請書が一応締め切りに間に合った、しかしその後その申請書の内容の大部分が変更になる、少くとも柱となるべきものが変ってくるということになると、前の申請書とあとから変更された申請書の内容の関連性というものはどのような考え方で取り扱っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/17
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018・緒方信一
○緒方政府委員 これは設置者すなわち申請者の意思にもよりますけれども、前の申請を全然取り下げてそして新しい申請ということになれば、これは別個の案件として審査することになると思います。しかし今度の場合におきましても、今問題にしておられますのは教員組織の問題でございますけれども、そのほかのこともたくさんございます。たとえば施設設備の問題、そのほかいろいろありまして、教員組織はそのうちの重要な一部でございますけれども、しかしこのたびの取扱いといたしましては、前後同じ案件であって内容をその過程において一部修正をした、かような観点からこの問題は取り扱っておる次第であります。設置審議会におきましても取り扱っておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/18
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019・栗原俊夫
○栗原委員 私がこういう質問を展開しておるのは、高崎の四年制の経済大学の手続に瑕疵があるとかなんとかいうことで、これができなくなることを望んで質問しているのでは決してないのです。何とか経済学部を高崎に設置してもらいたいという前提に立って質問をしておるわけなんです。ただ問題は、そうしたいろいろないきさつがありまして、しかも短期大学の教員陣が新しい教員組織の中に取り入れられておらぬ。しかも今の短期大学の教授の諸君は高崎に経済学部の、四年制の大学ができるということに非常に熱心になって、そしてその設備を完成するために努力してきた、しかも第一回の、最初の申請の中にはこれらの教職員の諸君がみな新しい大学の教授陣の中に加えられて申請されておった、ところがいつの間にやらそうした人たちが取り除かれておるというところに問題が発展していると思うのです。そこでこのままこの大学がそうした姿の中で進行して参りまして、大学が設置されるということになりますと、大学のできるということについては私どもも地元の人たちももろ手をあげて大賛成をし、大歓迎をするわけでありますけれども、その間に問題が残る。もちろんそうしたいきさつの陰にはいろいろ事情もございましょうけれども、しかし地元におけるいろいろな市民感情から申しましても、短期大学でいろいろ世話をしてきた先生方が、しかも四年制に昇格をしようということで努力をしてきた先生方が、新しい大学ができると同時に締め出されるということになると非常に気の毒でもあるし、そういうばかげたことはないではないか、こういうような感情が多分にただよっております。実はきょうここに質問に立とうと思いまして、先般来地元に帰っていろいろあちらこちら問い合せて参りました。やはりそれでは気の毒だ、しかもこの問題の中に、どうも短期大学の先生の中には左寄りが多い、こういう議論もあります。また一方には差しかえられた教授陣の中には、少し右寄りが多い、こういう議論もされております。しかしそれはいずれも見方であって、そういう右寄り、左寄りだということでこれが問題化していくと、これは容易ならざる問題になろうと思うのです。少くとも短期大学の教授で今日まで勤めてもらった方々で、資格がないならばやむを得ないと思うのですが、資格がある限りの人は、やはり世間で高崎の大学が昇格するのだということで、また先生方もその昇格のために努力してきた、当然これは新しい大学に引き継がれる、こう思っておる。これはどうしてもやはり新しい大学に引き継いでいただきたい、こういう気分が多分にあります。また一方には短期大学の先生の中にもあるいは生徒の中にも、新しい大学の先生陣はどうも少し右寄りだ、こういう議論もありますが、それは見方で、右だといえば右、まん中だといえばまん中かもしれません。こういうことはあまり論議すべきでなくて、設立者の意向もやはり相当用いてやらなければいかぬと思いますが、とにもかくにも今までの短期大学をここで締め出して、新しい大学を設置する、設置者の意向だからといえばそれまでかもしれませんけれども、やはりこうした大学の行政を監督しておられる方面において、あとで問題が残らないようにめんどうを見てやるということも行政の中の重要な部分ではないかと思うのですけれども、この点に関してどんなお考えをお持ちでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/19
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020・緒方信一
○緒方政府委員 ただいま実情について詳しくお話があったのでございますけれども、文部省ないし設置審議会といたしましては、出て参りました申請につきまして、その内容につきまして十分検討していずれかをきめるという建前でございます。これはやはり申請された案件について審査をしていくというのが筋道でございますので、そこに申請者がいかような意向でその短期大学の一部の教員を採用し、一部の教員を採用しないかという点は、いろいろ事情として聞くことはございましょうけれども、しかし審査をいたすにつきましては、御承知のように大学設置基準というのがございまして、これは省令できめておるわけでありますが、この省令に照らしまして新しく出て参りました教員組織が基準に適合するものであるかどうかということを、公正な見地で判断していかなければならぬ、かように考えるわけでございます。そこに何かほかの意図をもって審査をするということになりますと、こういう審査陣でございますから非常にむずかしいことになります。やはり出て参りました設置者の意向を土台といたしまして、そうしてそれが大学基準に適合するかどうかということを、設置審議会におきましても公正にやっておられるのでございまして、文部省といたしましてはその答申を待って対処をしていくというのが建前でございます。ただいまいろいろ実情についてお話がございましたけれども、私どもの基本的な態度としてはただいま申し上げたようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/20
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021・栗原俊夫
○栗原委員 一応事務的に答弁をいただけばそういうことになろうとは思うのです。こういう実情を全然知らない問題であればそれで十分だと思うのです。その通りでいいと思うのですが、こういう実情がすでに耳に入ってわかっておられる限り、もちろん審議会で結論を出してくれば、その結論が皆さんの今後処置していく基準になることはわかりますけれども、審議会に対してこういう事情があるのだから慎重に審議して、誤まりない方向を打ち出せというような配慮は、幾ら基準があるとか何とかいっても、これはあってしかるべきじゃないのですか。その点どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/21
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022・緒方信一
○緒方政府委員 これは法律によりまして設置審議会に諮問をいたしておるわけであります。諮問をいたしております途中におきましていろいろ文部省で指示していくというのは、やはり審議会の審査の公正に関係することと思いますので、なるべく文部省としては諮問いたしている段階におきましては文部省の意図というものはこれを出すべきじゃないだろうと思います。ただいろいろの資料につきましては、入手しました資料等は十分審議会に伝えてやってもらうということは現在もいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/22
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023・栗原俊夫
○栗原委員 大体文部者の意図はわかりましたが、最後にこれは要望と申しますか、お願いと申しますか、申し述べたいと思うのですが、先ほども申しました通り、地元では新しい大学をぜひほしい、こういう熱意に燃えております。しかしできた大学が生れる早々もめ上るようなことではたまらぬからというようなことも、これは地元の大きな感情です。しかもそのもめ上るという見通しが答えの出し方によってはかなり予見される。こういう状況下においてやはり文部行政に当る当局においても建前は建前として、諮問したのだから諮問した以上は何ら意思表示すべきでなくて、上ってくる諮問をただ待つのみ、こういうことは形の上ではなるほどそれに相違ないけれども、やはり文部行政をやっていかれる上からいって、どうしたらそういう心配が排除されるかということについて、まあ至れり尽せりの打つべき手は打っていただきたいと思います。それにはその問題のあるところを十分究明願いまして、最も大きな問題はやはり短期大学を四年制に昇格するという形の中で、今までいろいろ使っておった、そして働かせておった短期大学の教員陣を大幅に新しい大学から締め出してしまう、ここにあるわけなんで、これらについて十分配慮を願って、そうして問題を残さないほんとうにみな喜んで出発できる大学を作ってくれるよう一つ万全の努力を払っていただきたい、こういうことを心からお願いいたしまして私の質問を終ります発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/23
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024・長谷川保
○長谷川委員長 並木芳雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/24
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025・並木芳雄
○並木委員 私は政務次官に南極探険の宗谷のことで質問してみたいと思います。
実は昨日から本日にかけてのラジオ、新聞の報道では、宗谷が氷山にかこまれて難航しておるということでございます。もちろんはるかかなたのことでございまして、帰路といえどもやすやすと航海を続けることのできないであろうということは私どもも想像はしておりましたけれども、この程度がかなり予想よりも大きいような感じを与えているのではなかろうかと思います。文部省の中に南極地域探検推進本部でございますかできておりますが、その本部ではこの程度のものであるならば予見されたものであるかどうか、あるいは思ったよりも厚い氷山で、宗谷にとっては想像以上のものであったのかどうか、そういうところは私どもざっくばらんに考えて心配なんであります。もちろん松本舶長始め優秀なる乗組員がおられることですし、推進本部としても万遺漏のないことを信じて最終的には不安があろうはずはないとは思っております。その点は信頼しておりますけれども、何ですか、どうしてこういうふうになったのか、またこのくらいのことは仕方がないのだ、当りまえだ、大丈夫だというようなことがはっきりいたしませんと、国民としてもいささか不安の念に包まれておるのではないかと思うのです。そこで私はこの機会に今までの状況、現在並びに将来の対策、政府の答弁の中から大丈夫であるというところまで確言をしていただくならば非常に幸いではなかろうか、こういう意味で質問申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/25
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026・稻葉修
○稻葉政府委員 宗谷の状況につきまして並木委員の御質問にお答えを申し上げますが、この程度の困難を予想しておったか、全く予想せざる困難に逢着したのかという御質問が第一にあったようであります。私どもは十分こういう困難を予想しつつ、越冬隊員を残して帰ってくる宗谷の船長あてに、十分慎重に万全を期して無事お帰りになるようにという電報も打ったのであります。宗谷は基地の設営建設に成功しまして、残留する十一名の越冬隊員と別れて、去る二月十五日の午後零時三十分リュッォホルム湾、その中の青氷を離岸いたしまして帰途につきました。同日午後九時五十分までは比較的すみやかに約三十五海里を航行した後、天候が非常に不良になりましたので、その後十六日まる一日待機いたしました。十七日の午前八時五分にヘリコプターをもって水路の調査を行いました。そうして午後九時行動を開始しましたが、風向きが悪いために、つまり東北の風が吹いて浮氷が船にずっと寄ってきますために、密群氷のために前進がきわめて困難になりました。約六時間を費して八百メートルを前進したのみで、再び待機状態に入りました。さらに同日午後七時三十分から前進を開始しましたが、わずか百メートルしか前進ができませんでした。十八日の午後現在南緯六十八度二十二分、東経三十八度四十三分の地点で、さらに各種の方法により最善の努力を傾けまして氷海突破を試みましたけれども、目下のところ氷の状況はきわめて悪く、水路をつけることは困難な状態で、松本船長は天候による氷の状態の好転を待っている状態でございました。
南極の気象状況は変化が激しゅうございます。氷海突破の見通しについては、今後の気象状況の推移に待たなければならないのでありますが、統合推進本部長といたしましては、海上保安庁と常時緊密に連絡をいたしまして、万全の措置を講ずる態勢にございます。現在海上保安庁におきましては、松本船長に対し船長の判断によって、付近に行動している外国の砕氷船の援助を受けられるよう連絡をとることを指示いたしました。そしてまた米国海軍に対しましては宗谷の状況を伝えまして、必要の場合援助が受けられるよう打ち合せを済ましております。こういう状況のもとに、けさ、二十日午前八時に宗谷の松本船長から海上保安長に次の電報が入りました。十九日夕刻より西南西の風が吹きまして氷盤間にゆるみを生じましたので、午後十時五十分から砕氷前進を開始した、こういう報告が入っておりますから、天候の状態もややよくなって、帰途の前進を開始した状態にございます。やや不安が緩和されたという状態ではありますけれども、もうこれで安心、絶対心配ないという状態には決してございませんので、今後も外国船、海上保安庁等々と緊密な連絡をとりつつ無事帰還に対し万全の対策を立てて、全員無事帰還されるよう祈っておるような次第でございます。以上お答えを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/26
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027・長谷川保
○長谷川委員長 高津正道君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/27
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028・高津正道
○高津委員 前会山崎始男委員が、岡山県の自由民主党県支部連合会の幹事長が、校長に対して不当なアンケートを六項目出した、その資料が配付されたのでありますが、その資料を拝見いたしますと、学校長の組合離脱の問題に対して、設問の中に、「職員を監督する地位にある学校長は教員組合を離脱するのが適当ではないでしょうか。」、自分の意思をはっきりと表明して、これに反対のことが書けるか、反対はできないだろう、離脱が当然だということを意思表示をして、そうして設問をしておる。それは第四項でありますが、第五項において、県教組の問題を扱っておる中に、「県教組は職員団体(地方公務員法第五十二条の規定)であって争議権を背景とする団体交渉権はないものと思います。従って県教組の立場として労働組合と同一の争議権を背景とすることはどうお考えになりますか。」というように、私は時間の関係上ただ二点をここに読んだにすぎませんが、このように押しつけたアンケートを政党の責任者が校長に対して出すということは、教育の中立性を侵すものである、この資料によっていよいよそう考えるのであります。
それからもう一点、このほかに、同県の県会議長がある学校の校長を呼びつけて、君を県の教育課長に推薦するが、君は受ける意思があるかどうか、こういうことを言っており、また自民党代議士の現役の秘書の名をあげて、みずから教育委員会に出かけてこれをとるかとらぬか、こういうようなことを言っておるのは、教育人事に対する関与であって許すことができない、本件についても資料の提出を山崎委員が求めたのでありますが、その資料は出ておらないのであります。これはお調べになったかどうか、この点を質問いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/28
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029・内藤譽三郎
○内藤政府委員 最初の学校長の組合離脱問題について、自由民主党岡山県支部連合会の幹事長名で出ておるわけでございまして、その第四項に校長の組合離脱問題、「職員を監督する地位にある学校長は教員組合を離脱するのが適当ではないでしょうか。」こういうことでございまして、支部連合会の幹事長の意見でありまして、これに対して政策審議の参考に供したい、こういうことでございますので、このこと自体については別に差しつかえないのではなかろうかと考えております。
それから次にお尋ねの「県教組は職員団体(地方公務員法第五十二条の規定)であって争議権を背景とする団体交渉権はないものと思います。従って県教組の立場として労働組合と同一の争議権を背景とすることはどうお考えになりますか。」これも意見でございまして、いろいろな方がいろいろな意見を出されるのは、私は当然ではないかと思います。それに対してお答えする万も自由でありまして、これは強制しておるわけではございません。特に匿名でもいい、こういうふうにしておりますので、この点に関する限りは差しつかえないのではなかろうかと思います。
それから次の第二点のお尋ねでございましたが、人事権に関与をしたというお話でございます。これは別に資料として御要求になっておるとは私ども存じませんでしたが、事実を調べてみましたところ、事実によりますと、そういう事実はあった、しかし県の教育委員会としてはお断わりいたしました、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/29
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030・高津正道
○高津委員 アンケートにおいてこのくらいなことは差しつかえない、こういうお考えでありますが、私は政府与党の大政党からこういう質問をすれば、これは非常な精神的圧迫になる、これに同調した答えを書かざるを得ない、書かないならば首が危ない、こういうように受け取るに違いないと思うのでありますが、今の御答弁では、この程度は差しつかえないのだ、こういうことであります。私は了承できませんけれども、共産党や社会党において、次から次へとこれとはちょうど真反対のアンケートを求めても、それは何ら政治的関与にはならないわけですね。どっちからどの角度からこのようなアンケートを執拗に全国に求めようともいいのですか。その点をお伺いしておきます発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/30
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031・内藤譽三郎
○内藤政府委員 まあいろいろアンケートが出されることは御承知の通りでございまして、新聞その他広報機関でもやっておりますし、私はそれが強制していない限りにおいては差しつかえないと思うのであります。それでこれにも「御回報に対し氏名は発表いたしませぬ、しかし御都合により匿名でもよろしいが郡市名だけは御記入願います。」——別に強制しておるわけではございません。差しつかえないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/31
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032・高津正道
○高津委員 むろん共産党や社会党がこの種のアンケートを変った立場から行う場合に、今御答弁になったように「追って御回報に対し氏名は発表いたしませぬ、しかし御都合により匿名でもよろしいが郡市名だけは御記入願います。」、この抜け穴と申しましょうか、この注意書きがあれば、どういう角度からのアンケートを校長に対してやってもよろしい、こういうようにあなたの意味を解釈してようございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/32
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033・内藤譽三郎
○内藤政府委員 これはもちろん政策審議の参考にするということでございますので、これはいやならお出しにならぬで差しつかえないのです。別に強制しておりません。それから今お話のように、匿名でもけっこうです、ただ郡市といったのは、おそらく山村なり、都市なりにおけるいろいろな動向というものが知りたい、こういうふうにお考えになったのではなかろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/33
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034・高津正道
○高津委員 それでは政府与党でない、現在のところ野党である共産党や社会党が、むろん各都道府県の県連合式において、同じように政策審議の必要からそのことをなすのでありまして、これだけのものであるならば何ら差しつかえない、こういうように受け取ってようございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/34
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035・内藤譽三郎
○内藤政府委員 よろしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/35
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036・高津正道
○高津委員 それでは今の教育人事権の関与の問題でございますが、受けなかったからそれでいいというだけのものでしょうか。受けるには至らなかったが、そのやった行為そのものは、県会議長のそのような行為に出ることは、文部省としては何ら不当だとも思わないし、そんなことはきわめてあり得ることだ、何でもないことだ、こういうようにお考えになりますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/36
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037・内藤譽三郎
○内藤政府委員 これはそのときの状況によると思うのですが、議長が職権を乱用するようなことがあれば、これはつつしんでいただきたいと思うのですが、ただ推薦をするというのは、どなたでもあり得ることだと思います。本件については、議長は多少執拗に食い下ったそうですが、結局教育委員会の判断を了とせられて採用しなかったということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/37
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038・高津正道
○高津委員 これも私は山崎始男君にかわることができませんので、私個人としては了承はできませんが、時間の関係上次の問題をお尋ねいたします。
それは四月から売春防止法が実施されるのでありまして、その業者たちは旅館という名前で相変らず擬装営業をやっていく、こういうおそれがありますので、お尋ねを申すのであります。今月に入りまして、渋谷区の鳩森小学校、この学校は八百二十余名の学童を収容しておりますが、明治神宮の外苑と新宿御苑の中間にはさまれておる地帯で、理想的な住宅地帯でありますが、この鳩森小学校の学区内にさかさくらげといわれるような営業を多くやる旅館が三十数軒あって、この鳩森小学校のすぐ近くにも五軒もある。普通、小学校の在校者の他の学校への年間の転校者は一・何%とか、あるいは二%にすぎないのであるが、本校においては五・六%も転校者がある。父兄が子供への影響を非常に案ぜられると、孟母三遷の教えを守って他の地区へ涙をのんで転居する。そうしてある者は通わせるのもありますけれども、子供とともによその学校へこの学区から避難する、こういう事実もあり、そうしてそこに大きな旅館があって、夜、客が来てそのホテルに入って、自家用車の置き場がないものですから、この自家用車がたくさん正門から学校の中へ入って、朝、子供が行くときも、朝寝をした客がその車に乗って車をターンして出ていくので、非常に影響が悪いので、ついに鳩森小学校はその正門を閉鎖するに至ったのであります。これは昨年のことでありますが、本年に入りまして、渋谷区教育環境対策協議会なるものを新たに設け、そうしてポスターをたくさんその学区内に張り回し、真剣に教育環境の浄化に努めておるのでありますが、これに対して文部省は調査をなさったのでしょうか、どうでしょうか。もし調査をなさっておれば、その結果を承わりたいし、御見解をもあわせて承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/38
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039・小林行雄
○小林(行)政府委員 お尋ねの渋谷の鳩森小学校の問題でございますが、これは最近幾つかの新聞に数日間にわたって出たことにつきましては、私どもも承知いたしておりますが、主管の東京都の教育委員会におかれましても、まだはっきりした実情はつかんでおられないようでございます。文部省といたしましても、東京都につきまして、できれば連絡して、それから調査をいたしてみたいと思っております。ただ御承知のように、そういった教育環境の浄化の問題につきましては、建築基準法に文教地区の指定ということがございまして、文教地区に指定されますと、その地域内におきましては、たとえば待合その他のような特定の建物のための建築の制限あるいは禁止ということは、地方公共団体の条例でこれをすることができるという、ふうになっておりますが、すでにでき上ったものに対しましては、これを除去するというようなことは、現在の法制のもとでは非常に困難なのではなかろうかと推測いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/39
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040・高津正道
○高津委員 主管の東京都の教委でもまだ実態をつかんでいないようであるというお答えでありますが、私はこういうような大きな問題が現われて、有力な新聞がしばしばその問題を跡づけて運動の展開を報道しておるというような場合には、主管の東京都の教委がやるだけでなしに、文部省自体がこれは自分の目でも見ようといって出かけて見るだけの熱心さがほしいと思うのでありますが、これに対してはどのようなお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/40
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041・小林行雄
○小林(行)政府委員 お尋ねの御趣旨はごもっともでございます。文部省としては東京都とさっそく連絡いたしまして、実情の究明と申しますか、把握に努めたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/41
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042・高津正道
○高津委員 初めに申しましたように、売春防止法の実施を前にしまして、これが教育に重大な影響があるように彼らが偽装営業を始めて、やはり食べていくということになるのではあるまいかと私は想像いたします こういうようなことに対しては、あとから問題を追っかけるというのではなしに、前もって文部省では、こんな事件があるのならば、これは今よく調べておいて、何らかの法的な措置を講ずる、こういうようなことを多少は先手を打った仕事をやるべきであろうと考えるのでありますが、これに対するお考えはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/42
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043・小林行雄
○小林(行)政府委員 ただいま売春防止法に関連してのお尋ねでございますが、これはもちろん文部省の立場から、学校環境の維持あるいは環境浄化ということから申すと非常に重大な問題でありますけれども、単に教育の観点ばかりでなく、いろいろ旅館営業の風紀問題あるいは衛生問題等、非常に関連するところが大きいわけでございまして、教育の立場からだけでこれについて意見を持つことはなかなか困難だと思っております。現在では御承知のように、先ほど申しました通り、この文教地区の設定ということが、都知事あるいは建設大臣のルートでできることになっておりますので、そうしたものに指定してもらうことが最も望ましいのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/43
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044・高津正道
○高津委員 文教地区の設定ということを建設大臣がやってもらうことが望ましいと文部省の方では希望しておると言われるのでありますが、教育の立場からはこうなんだということを建設大臣に向ってどんどん言って、そうして教育を守るように働かれることが私は必要だと思うのですが、そういうことをやるお考えがあるのかどうか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/44
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045・小林行雄
○小林(行)政府委員 先ほど申しましたように、その学校の周囲にそうした営業的なものができることは好ましくないわけでございますが、しかしできたものについてこれを除去するというようなことは、現在の法制上できないことになっております。またこれについては、この除去についての補償ということもおそらくは起ってくるというふうに考えられますので、非常にめんどうな、困難な問題だと思っております。将来の問題としては、この制度そのものについても文部省としても研究しなければならぬと思いますが、現在の法制上でも、これを文教地区に都が指定をする決心をして、しかも建設大臣の方に申請をすれば、できないわけではございませんので、まずそういった段階的な方策を講じてもらうのが、文部省としては一番いいんじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/45
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046・高津正道
○高津委員 と思っているという第三者的な考えでなしに、文部省が、都とかあるいは建設省の方に、プッシュという言葉も困るのですが、押しまくるでも困るが、執拗にその問題を主張するという、そういう熱意はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/46
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047・小林行雄
○小林(行)政府委員 十分東京都の教育委員会に連絡をいたしてみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/47
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048・高津正道
○高津委員 第二種の文教地区の指定——第一種というのはどういう内容ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/48
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049・小林行雄
○小林(行)政府委員 これは制限される建築の営業の種類について多少の相違があるようでございまして、第一種の方では、待合その他のものばかりでなく、たとえばパチンコのような遊戯場とか、あるいはダンスホールというようなものまで強く制限されているようであります。第二種の方では、そういった遊戯場あるいはダンスホールというようなものは除かれているようでございます。しかしこれは東京都の条例がそうなっているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/49
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050・高津正道
○高津委員 こういうのが一番露骨に現われている実例で、こんなのがテスト・ケースでありますから、全国の調査をするとともに、特にこの問題については、文部省が都教委と一緒でもよし、別でも——別に所管争いということもないはずで、文部省が行って十分の実態をきわめるために調査をすることができようと思います。そういうことをやられる意思ありやいなや。この質問の意味は、やってもらいたいという考えで発言しているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/50
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051・小林行雄
○小林(行)政府委員 十分東京都とも連絡をいたしまして、できるだけ実情を把握いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/51
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052・高津正道
○高津委員 私の質問はこれで終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/52
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053・長谷川保
○長谷川委員長 他に御質疑はありませんか。——他に御質疑がなければ、本日はこの程度といたします。次会は追って公報をもってお知らせをいたします。
これにて散会いたします。
午前十一時三十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102605077X00519570220/53
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