1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十五年四月七日(木曜日)
午前十時二十七分開会
—————————————
委員の異動
本日委員北畠教真君及び上林忠次君辞
任につき、その補欠として西田信一君
及び館哲二君を議長において指名し
た。
—————————————
出席者は左の通り。
委員長 新谷寅三郎君
理事
西郷吉之助君
鍋島 直紹君
鈴木 壽君
基 政七君
委員
白井 勇君
湯澤三千男君
占部 秀男君
松澤 兼人君
松永 忠二君
米田 勲君
中尾 辰義君
政府委員
公正取引委員会
委員長 佐藤 基君
公正取引委員会
事務局長 坂根 哲夫君
自治庁選挙局長 松村 清之君
自治庁税務局長 後藤田正晴君
事務局側
常任委員会専門
員 福永与一郎君
説明員
自治庁長官官房
調査官 大村 襄治君
自治庁税務局市
町村税課長 鎌田 要人君
—————————————
本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査
(公明選挙運動に関する件)
○地方税法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/0
-
001・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日付をもって委員北畠教真君、上林忠次君が辞任され、その補欠として西田信一君、館哲二君が委員に選任せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/1
-
002・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) まず、地方行政の改革に関する調査を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/2
-
003・松永忠二
○松永忠二君 選挙局長にお尋ねいたしますが、三月三十日に、三十四年度の公明選挙常時啓発委託事業として、静岡県の選管と浜松市の選管の共催で、浜松市の公会堂で謹演と映画の会を催そうとした。そして松竹の十六ミリ映画の「黄色いカラス」を上映しようとしたところが、浜松市の興業者協会は、興業に影響があるので、系統館から半径八キロ以内の土地で上映することは困るということでそれを拒否した。そこで、独立プロの「異母兄弟」を上映しようとしたところが、これまたいけないということで中止をさせた。無理にやるならやってみろというようなことで、相当な覚悟が必要だぞというような話もあったようであるし、またこれが全県的に波及をしてきているというような、そういう状況もある。こういう点について、局長はどういうふうに承知をされておるか。それを一つお聞きをしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/3
-
004・松村清之
○政府委員(松村清之君) ただいまお話のございましたような事情は、私どもも承知しております。ただ、これは全般的な問題というよりも、むしろたまたま浜松市でそういう事態が起きたというふうに聞いておるような次第であります。今後どういうふうにこれを処理していこうかと、現在考究中でございますが、私どもといたしましては、そのような事態が起きましたことにつきましては、遺憾に存じておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/4
-
005・松永忠二
○松永忠二君 今私の申し上げたことに相違しておるものがあるのか、それともなお、調査をされた結果としてもう少し明白になっておる点があるのか、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/5
-
006・松村清之
○政府委員(松村清之君) ただいまお話の通りに私どもも承知いたしておるわけでございますが、ただ、お話の中に、このことが全般的に波及するというようなお話のあったところは、多少私どもの承知しておるところとは違っておるように伺っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/6
-
007・松永忠二
○松永忠二君 こういうことは御存じありませんか。浜松市の興業協会の役員会では、今後一切、上映した劇映画の十六ミリ映画は認めない。こういう決議をして、それから県の興業者協会に申し入れをして、全県に実施してほしいという要請をしたということについて、調査をされておるのか、承知されておるのか、この点はいかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/7
-
008・松村清之
○政府委員(松村清之君) 浜松市の興業者の組合で、その映画に関しまする限りまあ断わる決議をしたようなことは聞いておりますが、これを全県下でどうすると、こういうようなことは、私どもとしてはまあ聞いてはいないわけなんでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/8
-
009・松永忠二
○松永忠二君 そうすると、今のお話で、あなた方が承知されておるのは、浜松市の興業協会がまあこういう申し合わせをしたということについては、承知をされておるというんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/9
-
010・松村清之
○政府委員(松村清之君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/10
-
011・松永忠二
○松永忠二君 なお一つこれをお調べをいただきたいと思うのでありますが、その決議を県の興業者協会に申し入れをして、全県に実施をしてほしい、これを通達をしてほしいということを要請し、続いて三十一日に伊東市で開かれようとしたこういう事業に対しても、そういう点についていろいろ問題が起こっているというようなことについて、なお一つ調査をされることを要望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/11
-
012・松村清之
○政府委員(松村清之君) 今後調査いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/12
-
013・松永忠二
○松永忠二君 公取の委員長にお聞きをするのでありますが、公取としては、こういう事態について御承知でありますか。あるいは、調査をされておるのでありますか。その結果をお聞きをしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/13
-
014・佐藤基
○政府委員(佐藤基君) 十六ミリの劇映画の問題につきましては、前に文部省の方から話がありまして、当時におきましては具体的の事件についての話でもなかったので、私どもの方といたしましては、一般的なまあ監視と申しますか、そういうことをやっておったのです。ところが、去年あたりから具体的に事件が発生したということを知りまして、それじゃもっと具体的に調べなきゃいかんという態度をとっておるのでございます。ことに、最近静岡県で今のお話のようなことがありましたので、現在係官を現地に派遣いたしまして、実情を詳細に調べており、それによって結論を出す、こういう段階であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/14
-
015・松永忠二
○松永忠二君 これは局長の方からお答えをされてけっこうでありますが、その系統館なり映画館の承認がなければ、半径八キロ以内の所で上映してはいけないという制限をつけている映画会社は今幾つ、どういう会社があるのか、一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/15
-
016・坂根哲夫
○政府委員(坂根哲夫君) 私の聞いておりまする限りでは、東宝を除いてほかの五社が、そういう拘束付といいますか、契約書を結んでおるようであります。それから、八キロ云々という言葉が入っておるのは、東映の契約文書の中には入っていないように私記憶いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/16
-
017・松永忠二
○松永忠二君 東映を除いたほかのものについては、八キロまたは二里という制限をつけているということについては、御承知だと思うんですが、この点いかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/17
-
018・坂根哲夫
○政府委員(坂根哲夫君) 私、了承しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/18
-
019・松永忠二
○松永忠二君 公取の委員長にお聞きをしたいのでありますが、文部省の視聴覚課あたりから、この問題について見解を公取に尋ねられた。その後、その結果によって文書的なまあ質問をしたいというような気持を持っておられて連絡をされたことは相当古いことだと思う。で、現在こういう問題についてトラブルが起こっているということについて、あなたのお話では、最近というお話があったようでありますけれども、この点はむしろそれではなくて、相当前にそういう問題があって、最近またそういう問題が起こりつつあるという状況じゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/19
-
020・佐藤基
○政府委員(佐藤基君) 私の聞いている範囲では、文部省から話があったのはだいぶ前で、それで一般的な、何といいますか、監視と申しますか、まあやっていたところが、去年あたりから——まあことしもそうですが、具体的事件が発生したので、さらにその事件について調査をする。まあはっきり申しますというと、文部省から話があったのはだいぶ古いらしいのですが、委員会の方にも報告がなかったので、われわれとして、何と申しますか、だいぶ意見が——ほうっておくというほどでもないのですけれども、あまりてきぱきとやらなかったということは、非常に遺憾に存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/20
-
021・松永忠二
○松永忠二君 こういう事実は御承知でありますか。農協の役職員連盟で作っている全国盟友大会というものが、この農協の映画事業推進に関する決議というものを上げている。映画配給会社は、フイルム配給にあたって、常設館より八キロ以内上映禁止の条件を即時撤廃すること、そういうふうな決議を上げたことがある。これはもう相当古いことなんです。それで、その当時から実は非常に問題になっておった事柄であったのですが、この点は、公取の委員長はまあ新しいようでありますけれども、これは、事務当局としては、相当やはりこの問題について的確に事実を承知されているのではないかと思う。これはいかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/21
-
022・坂根哲夫
○政府委員(坂根哲夫君) ただいまのお話の点は、はなはだ申しわけないことでございますが、そういう決議があったということは私ども存じておりません。
それから、ただいま私の方の委員長から申し上げましたように、たしか二年半ぐらい前に、文部省からそういう相談があったということを審査部の方の係の人から聞きましたけれども、これも、一般的にその事態を見るというような程度にとどまっておりまして、今御質問のように、こまかくこれを追及していくということはいたしませんようで、昨年あたりから、兵庫の問題とか、いろいろ問題がありましたものですから、具体的にいろいろ案件を集めて調査した、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/22
-
023・松永忠二
○松永忠二君 私が申し上げたのは昭和三十一年です。この問題が非常にトラブルを起こしたのは、昭和三十一、三十二年のころに非常に問題を起こした。当時このために半分は、実際のところ農協あたりの映画の会ができない。これでは、農協自身で映画を作る以外には方法はないじゃないか、しかし、そういうことも非常に困難であるので、何としてもやはりこういうふうな問題を解決をしていかなければできないというところから、昭和三十一年にこの決議が上がっているわけですが、三十一、二年ごろに非常に各地でそういうトラブルが起こった事実等について、やはり相当的確につかんでおるべき性質のものだと私は思うのです。これだけに決議を上げるというのは、全国大会でありますから、この第七回全国盟友大会決議にそれが出ている。だから、こういう点については、やや手ぬるい点があるのではないかと思うのでありますが、これは公取そのものの問題にもなると思うのでありますが、この歴年の一体公取の事件の審査件数等を調べてみるというと、だいぶ年々減っているというわけです。しかもそれは、認知なんというのが、だいぶ審査件数が減っているというような事実から考えてみて、もう少しやはり公取の委員会が、こういうふうな問題、要するに独占禁止法に関係した問題に関して、公取本来の活動を活発にする必要があるということを私は考えるんですが、委員長は、そういう問題についてどういう御見解を持たれておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/23
-
024・佐藤基
○政府委員(佐藤基君) われわれいわゆる独占禁止法その他の関係法律の執行に当たるわけでありますが、御承知の通り、この法律は、自由な公正な競争ということを前提とし、しかも、消費者であるとか、中小企業者、農民等のどちらかというと産業的にあまり発言権のない、こういう階級の利益をはかるということを考えておるのでありまして、その見地から、できるだけ、われわれの方といたしましては、この法律の趣旨が達成せられるようにやっております。ただ、今のお話の通り、事件があって、あるいは事件らしきものがあって、それをほうっておいたということになれば、はなはだ相済まぬのでありますが、その審査件数が減っておるということは、事件が少ないので、減っておるのか、あってもこれを手をつけないで減っておるかということは、ちょっと私今どう答えていいかわかりませんが、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、消費者、中小企業者、農民等のために独禁法の施行ということを考え、そのためにできるだけの努力をしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/24
-
025・松永忠二
○松永忠二君 この十六ミリ映画の、特にその上映の制限というような問題については、どういう見地から、どういう立場から調査をされているのか、また、私たちとしては、一応の考え方を持っているのでありますが、特にこれについては、独占禁止法の二条七項の四に該当する疑いがあるのではないかというような考えを持つのであります。つまり、自己の「相手方の事業活動を不当に拘束する条件をもって取引する」というようなことに該当するのではないか、こういうような考え方を持つのでありますが、こういう一つの法律的な立場に立って、そういう問題の疑義に立って調査をされておるのか、その点はいかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/25
-
026・坂根哲夫
○政府委員(坂根哲夫君) ただいまのお話でございますが、公取の方の問題は、これを正式に取り上げますと、事件の案件については、三十八条の規定がございまして、事件の内容または法の適用について漏らすことができないという建前になっておりまして、先ほど委員長が申し上げましたように、正式にこれを取り上げて研究しておるという過程でございますから、詳細にこちらの疑問ということにはお答えしにくいし、あるいは御満足いかぬかと思いますが、仰せのように、この問題は、そういう拘束付の契約を結んでおるというところに問題があろうかと思って、今いろいろ研究いたしている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/26
-
027・松永忠二
○松永忠二君 そうすると、どの条章にどうということをここではっきりするということは、責任ある立場から言えない。すでに調査をしておるのだが、しかし、こういう制限をつけて取引をするということの適否あるいはその制限の内容の適否というような問題については、やはり現在の法律の中では、独占禁止法という立場からこの問題を調査し、検討していくということが必要だとお考えになっておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/27
-
028・坂根哲夫
○政府委員(坂根哲夫君) そのように考えておりますから、今、鋭意審査部で審査検討をさしている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/28
-
029・松永忠二
○松永忠二君 それでは、こういうことについて、あなたはどういうふうにお考えになりますか。今あげた、東映を抜かしたあとの映画社が、いずれも同一のような条件を付しているということについては、私たちは一つの共同行為ではないかということを考えるわけでありますが、これについては、あなたの方で出した審決の中にも、ある者が他の者の行動を予測し、これと歩調をそろえる意思で同一行動に出たような場合には、これらの者の間に、右にいう意思の連絡あるものと認めるに足るものと解する、こういうふうな審決例が出ているわけです。こういう点についても、やはり一つの疑義を持っておるわけなんですが、この点については、あなたは、どういうふうな御見解を持たれるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/29
-
030・坂根哲夫
○政府委員(坂根哲夫君) 今、松永委員のお話のような内容であれば、あるいは独禁法二条の共同行為の疑いがあるかもしれませんが、共同行為の内容というのは、私が先ほど申し上げましたように、もちろん各社が同じような契約のようでございますが、それがどういう環境を入れて、どういう工合にしてやられたかということが非常に問題になるのでございますから、疑いはあるかもしれませんが、それだからといって、すぐその問題を引っぱり出すということも確実には言えないのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/30
-
031・松永忠二
○松永忠二君 それじゃこういうふうな点については、やはり調査をし審議をしていく必要があるというふうに考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/31
-
032・坂根哲夫
○政府委員(坂根哲夫君) もちろん、その契約書を集めていろいろ研究しておる過程に、製作会社の方にそういう共同行為のようなものがうかがえるということがわかって参りますれば、もちろんそれは問題になり、研究しなければならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/32
-
033・松永忠二
○松永忠二君 前に話をしましたように、今後一切、一度上映した映画については、十六ミリの上映を許可しないようにしよう、こういうことを浜松市の興業協会が決議をした。それからまた、これについて、あとの問題については、まだはっきり答弁はないのですが、私の承知しているところでは、県の興業協会に、全県にこれを実施することを要望しているということなのであります。それで、これ自体は、独禁法の上においても一つの問題の点があると私は思うのであります。これはいろいろ問題も多いと思うのでありますが、特に独禁法の第八条の中には、「事業者団体は、左の各号の一に該当する行為をしてはならない。」として、特に「構成事業者の機能又は活動を不当に制限すること。」事業者団体がそういうことをしてはいけないということをあけております。こういう問題については、今度は十六ミリ映画の制限の問題とは別に、これ自体も、やはり浜松市の興業協会が決議した事実から考えてみても、私は一つ問題があると思うのです。この点は、そういう法的な違反の事実を考えることができると思うのですが、こういう点については、どういう見解を持っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/33
-
034・坂根哲夫
○政府委員(坂根哲夫君) そういう事実は、私の方で現地に出ておる連中の調査を聞きまして判断をいたしたいと思いますが、今、先生のおっしゃいましたように、事業者団体が構成事業者の機能を制限するということになれば、第八条の問題が出てくると思います。しかしこれは、そういう事態をもう少し見ないと、すぐ法律判断が出てこないと思います。さらにこれは、映画館の場合は、環境衛生法の方であるいは問題の展開が可能かと思いますが、これはしかし、環境衛生法の適正化規定の解釈の問題とからんで参りまして、なかなかむずかしい問題がありますので、それはそれといたしまして、事業者団体の問題が今言われたような事実であれば、われわれとしては当然研究しなれけばならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/34
-
035・松永忠二
○松永忠二君 こういうことについては御承知でありましょうか。全国興行環境衛生同業組合連合会というのが各府県の同業組合に、十六ミリの映画事業については、組合が干渉してトラブルを起こさないようにというようなことを指導しているということを聞いておるわけです。こういう事実は御承知でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/35
-
036・坂根哲夫
○政府委員(坂根哲夫君) 全国の場合は、私承知しておりませんが、愛知県の映画館の同業組合の連合会がそういう指導をされて、愛知県のトラブルがややおさまったという話は聞いています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/36
-
037・松永忠二
○松永忠二君 そうすると、まあ私の聞いたのは、全国環境衛生同業組合の連合会でも、そういうふうな点について配意をしているということでありますが、静岡について特にこういうふうな問題が起こってきているというようなことについては、やはり愛知県の事例等を考えてみても、興行協会としても善処をしていく必要があるというふうに私は考えるのですが、こういう点については調査をされているし、また、調査の段階であったにしても、他府県の事例等を示して、そうしてこの問題のトラブルを起こさないというようなことについては、公正取引委員会としては、そういう要請なり処置をしていくという点についてはお考えがあるかどうか、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/37
-
038・坂根哲夫
○政府委員(坂根哲夫君) 私どもといたしましては、この問題が直ちに独禁法違反になるかどうか、これは法律判断の非常にむずかしい問題でございすから、その問題は別といたしまして、独禁法の問題になり得るということで調査しておる過程において、そういう連合会なり業界の方で自粛されて、問題を円満に解決されていくということにはもちろん異議は——異議と申しますか、大いにけっこうなことではないか、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/38
-
039・松永忠二
○松永忠二君 けっこうなことではないかというようなことではなくて、事実、今お話のように、昭和三十一、二年ごろから問題が起こって、公取の委員長も言われているように、すでに暴行事件等も起こっているわけです。積極的に公取の委員会としても調査をしている段階である。だから、そのもの自体が独禁法の上に調査をするような案件である。その上に、今話の出てきているように、現実に、今局長が話した通り、浜松市自身については同業者がそういう決議をしている。それをまた全県的にも実施をしてほしいという要望をしているということになれば、これはやはり、そういう問題について、今取り上げている場としては公取の委員会であり、法律的には独禁法であるということから考えてみて、やはりこういう段階におけるこういう問題についての処置の仕方を指導していくとか、あるいはこれを、いたずらなトラブルを起こさせないというようなことについては、あなたの方でやる責任があると私たちは思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/39
-
040・佐藤基
○政府委員(佐藤基君) 私どもの方といたしましては、独禁法に違反するかどうかという問題を調べるわけでございますが、違反する疑いが相当濃厚であってしかして関係者が話して自粛する見込みがあれば話してやる、その方がいいと思っております。しかしながら、どうしても話がつかなくなれば、結局法律上の手段に訴える。従って、今のお話のような場合は、現地において現在係官を派遣して調べさしておりますので、その調査の結果によりまして、独禁法の疑いのある場合におきましては、できるだけそういう疑いを消滅させるように努力するように、われわれの方からできるだけの指導はしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/40
-
041・松永忠二
○松永忠二君 できるだけの指導を望みます。特にあなた方が調査したからといって、直ちに審決がすぐできるというものでもない。その間に、とにかくそういうものに触れないような方法が他の府県において行なわれておるという事実の中から、他府県ではこういう事例があるということを具体的に示して、そうしてこの問題の解決をしていくという点について助力をしていくということは必要だと私たちは思うのです。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/41
-
042・佐藤基
○政府委員(佐藤基君) ただいまのお話、ごもっともでありまして、われわれの方としても、その方向に向かっていくつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/42
-
043・松永忠二
○松永忠二君 選挙局長にお尋ねするのでありますが、国は、約九千八百万の予算を出して常時啓発の運動をやっておる——委託しておるわけです。なお、自治庁の告示で定められておる公明選挙常時啓発委託事業要綱というものによると、その中には、「委託事業の実施に当っては、」「次の事項に留意しなければならない。」その七番には、「都道府県又は市町村の巡回映画班、スライド映画班等との相互提携をもつこと。」というようなことも出ておるわけです。それから、これだけのたくさんの金が全国的に使われていくということ、それからなお、こういう映画会等をあわせ持ってこの事業が非常に効果を上げておる地域もあるわけです。そういうようなことを考えてみたときに、やはりこういう見地からも、こういうことがむしろ積極的に映画館とかそういうところから了解が得られてこういう映画会の活動をあわせ持った啓発運動が円満に行なわれていくということが必要だと私たちは思うのです。そういうふうな見地から、今度の問題について、積極的にどういうふうな助力をしていくお考えであるのか。静岡県の選管あるいは浜松の選管等に対して、どういうふうな積極的な協力というものをしていく気持があるのか。そういう点についてお話を聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/43
-
044・松村清之
○政府委員(松村清之君) 選挙の常時啓発の内容の一つとして講演等とあわせて映画の上映をするということが行なわれておるわけでございますが、これにつきましては、今回のようなトラブルの起きましたのは、私の知る限りでは初めてでございまして、初めての事件にぶつかったわけでございます。常時啓発として、こういった劇映画の上映が絶対的に必要だとは考えませんけれども、しかし、やはりそういった映画を上映することは、常時啓発を進めていく上において望ましいことだと考えておるのでございます。従いまして、この浜松市以外の地域においては、あまりこの問題が従来起きていないのでございますが、今回のこういった実態にかんがみまして、一つよく十分事情を調査して、映画業者の方にもあるいは特殊な事情があったのかもしれませんし、その辺のところを十分調査いたしましてまたこの問題は、選挙の常時啓発だけに限らず、社会教育等の場面においてもこれは問題になることだと存じますので、文部省等とも十分連絡をはかりまして、関係者の間で話し合って、円満に解決するように努力していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/44
-
045・松永忠二
○松永忠二君 最後に公取の委員長にお尋ねするのですが、この問題については、公取としては、やはり早急に調査をして、結論を出していくということについて大体どんなめどを持たれておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/45
-
046・佐藤基
○政府委員(佐藤基君) この問題につきましては、実は審査部である程度、抽象的と申しますか、調査は進んでおるのでございます。それで、さらにその調査の段階におきまして、ただいま申しました静岡県の事件ですか、そういうものが起こったわけでございます。さらにそういう点に力を注いで結論を出そうと、こういう段階でありますから、私どもの方では、最近におきましては、お話もありましたので、一生懸命実は審査部の方で調査をしております。ただいつ結論が出るかと言われると、実は私どもの方のやり方は、審査部である程度の調査をし、それについて独禁法上どうなるかという見解を委員会に出すわけであります。そこで、委員会においては、それに基づいて各委員が討議をするというふうになりますので、問題によりますというと、法律上いろいろな疑義が起こったり、あるいはまた、その違反事件ということでするために、十分な証拠ということになりますというと、思わない時間がかかることがありますの、従って、いつということは申し上げませんが、とにかく非常に調査が進んでおるということは申し上げることができると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/46
-
047・松永忠二
○松永忠二君 この問題は、さっきから話が出ているように、相当早くから問題が起こっている。文部省自身が持ち出したのも相当早い。決して今突然起こってきた問題でなくて、十分な調査期間もあったはずだと思うのです。しかも、このこと自体が、実は単にここでは公明選挙の常時推進として問題になってきたけれども、たとえば、農協の問題あるいは青年団、婦人会あるいは私たちの聞いているのは、現在でもPTAで映画会をやっていたのを業者が乗り込んで来て、上映の禁止をしてしまったというような事例もあるのです。こういう点についてやはり一応早く結論を出していくべきではないか。また、結論を出してほしいということも相当強い要望があるわけなんです。映画事業そのものについては私はきょう申し上げないが、まだほかに、実は六社協定のごときも問題がある。だから、映画業者のやっている、製作者のやっている行為については、必ずしも、世上これが公平に見て、非常に正しく行なわれているとばかりは言われないのである。だから、こういうふうな問題をいたずらにずるずるしているようなことについては、やはり公正取引委員会の公正な審議ということについて疑義を抱かせるもとになると思うのですね。こういう点については、相当速度も進んでおるようであるので、一つ早く結論を出されるとともに、その結論を出すその途中におけるいわゆるこういう問題についてのいたずらな紛争というものについては、もう少し積極的に、いろいろ円満に行なわれているところの事例等も取り上げて、これをうまくいくような工合に、積極的に行動していただきたいということを特に私要望しておくわけであります。最後に一つ、その点について委員長のお考えを聞かせていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/47
-
048・佐藤基
○政府委員(佐藤基君) ただいまの御意見ごもっともで、われわれも同じような考えを持っております。この事件の取り上げ方と申しますか、調査が、初めの文部省の話があったときから見ると、だいぶおくれておることは事実でありまして、相済まぬ話でありますが、最近におきましては、お話もありましたし、われわれといたしましても、先ほど申し上げました通り、非常に調査が進んでおりまして、ことに今度の静岡にも係官を派遣しておるような状態でありますので、そう長くはかからぬと思いますし、またこれは、社会教育に関する問題でありますので、きわめて重大な問題でありますので、御趣旨もありますし、われわれも同感でありまして、できるだけ早く結論を出して、業界のトラブルをできるだけ少なくしていきたいというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/48
-
049・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 調査事項の審議は、この程度にいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/49
-
050・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、後藤田税務局長から、提案理由に対する補足説明を聴取いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/50
-
051・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) ただいま御審議を願っております地方税法の一部を改正する法律案の逐条関係について、簡単に補足の説明を申し上げたいと思います。
まず二十三条の第二号の改正規定でございますが、これは、国税徴収法の施行に伴います関係法律の整理に関する法律の規定によりまして、法人税法の第四十二条第七項の規定の一項が繰り上がって、そうして第六項になったための規定の整理でございます。これと同じ趣旨のものが第六十四条の後半、第二百九十二条第十一号及び第三百二十七条後半の改正規定でございます。
次に、二十四条第一項第四号の改正規定でございますが、これは、第五十三条に一項を追加したための整理規定でございます。なお、これと同様な規定は五十二条、五十三条第七項、五十六条、六十四条の前半、第二百九十四条、第三百十二条、第三百二十一条の十二及び第三百二十七条の前半の改正規定でございます。
次に、五十三条及び第三百二十一条の八第六項の新たな規定でございますが、これは、昨年の十二月に、名古屋付近を中心として襲いました災害の実情にかんがみまして、法人税法の一部改正が行なわれましたが、これに伴いまして、次のような理由で新たに規定を置こうとするものでございます。法人税におきましては、青色申告人で欠損を生じたものが前一年以内に法人税を納付いたしておりましたときは、欠損の繰り戻しによる還付制度が認められておりますが、住民税の法人税割においては、この還付の制度にかえまして、当該損失を繰り越し控除の方法によって翌事業年度以降の法人税割の課税標準でございます。法人税額から控除する、こういうことによって均衡を保たせているのでございます。ただこの規定は、連続して青色申告を提出いたしておったものに限られております。ところが、昨年の法人税法の一部改正によりまして、いわゆる白色申告の法人につきましても、被災のたなおろし資産と被災の固定資産、これの損失につきましては、五年間繰り越して損金に算入をする、こういうことが認められることになったのでございますが、欠損の繰り戻しによる還付を受けました法人で、被災のたなおろし資産及び被災の固定資産の損失を持っておりますものが青色申告の提出が認められなくなった。つまり途中で白色に変わったという場合には、現行の規定のままでは繰り越し控除が認められないということになりまして、白色申告法人の間に均衡を失するということになりますので、この場合におきましても、繰り戻し還付を受けた法人税額のうち、被災の資産の損失にかかる部分については繰り越し控除を行なうことができるということを政令で規定をしようと、こういうものでございます。また、その他の法人税法上の還付を受けた法人で、政令で定めるものの住民税の法人税割の課税標準である法人税額の計算におきましても、欠損の繰り戻しによる還付の場合の繰り越し控除に準じて政令で調整規定を置こうとするものでございます。現在私どもの考えておりますのは、いわゆるみなし配当の還付の場合と、いま一つは、外国法人税額の還付の場合、この二つを考えておる次第でございます。
次に、第七十二条の十七の改正規定でございますが、これは、昨年の所得税法の一部改正に伴いまして個人の事業税について被災たなおろし資産の損失の繰り越しに関する規定を設けようとするものでございます。所得税におきましては、昭和三十四年度から震災、風水害、火災等によって、たなおろし資産についての損失があった場合の損失の金額につきましては、いわゆる白色申告の個人でございましても、前年以前三年間の各年に生じたものにつきましては、その年の所得から控除するということに改正をせられたのでございます。この被災たなおろし資産の損失の金額は、事業所得の計算における必要な経費に算入されるものでございまして、所得税における一般の資産の損失についてのいわゆる雑損控除のように、担税力を考慮する所得控除とはその性質が異なっております。また一般の事業経営上の損失とも損失の発生理由が違うわけでございますので、事業税におきましても、所得税の改正に対応いたしまして、これと同じような取り扱いに改めようとするものでございます。
次に、第二百九十二条の第八号及び二百九十五条の改正規定でございますが、これは、市町村民税の用語のうち、「不具者」を「障害者」に、「めくら」を「失明者」に改めようとするものでございますが、これは、一般の法律用語がこのようになっておりますので、それにこの際平氏を合わしておきたい、かような趣旨でございまして、実体が変わるわけではございません。
次に、三百十三条の改正規定でございますが、これは、昭和三十四年度の所得税の減税に対応いたしまして、昭和三十五年度以降住民税の所得割について減税を行なおうとするものでございます。すなわち、昨年のいわゆる七百億減税の一環といたしまして、所得税においては、三十四年度から扶養控除の引き上げと最低税率の適用段階を課税所得五万円から十万円に引き上げるということによって所得税の減税が行なわれたのでございますが、これに対応いたしまして、住民税の所得割におきましても減税を行なうこととして、道府県民税の所得割の課税総額を定める標準税率についてはそのまま据え置く。また、所得税額を課税標準としております第一課税方式におきましても、標準税率を据え置くことによって、所得税の減税をそのまま住民税の所得割に受け入れて減税を行なう。次に、課税総所得金額を課税標準といたしております第二課税方式または課税総所得金額から所得税額を控除いたしましたいわゆる可処分所得を課税標準といたしております第三課税方式につきましては、第一課税方式による所得割の負担額と均衡を保持し得るように、準拠税率の引き下げを行なおうとするものでございます。すなわち、第二課税方式におきましては、現行五万円以下百分の二、五万円をこえる金額百分の三とありまするのを、十万円以下の金額百分の二、十万円をこえる金額百分の三に改め、第三課税方式につきましては、現行三万円以下の金額百分の二、三万円をこえる金額百分の三、八万円をこえる金額百分の四とありまするのを、五万円以下の金額百分の二、五万円をこえる金額百分の三、十万円をこえる金額百分の四に改めて、住民税の減税を行なおうとするものでございます。
以上が逐条の簡単な御説明でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/51
-
052・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 本案に対し、御質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/52
-
053・占部秀男
○占部秀男君 簡単に、今度の改正の方針についてと、内容の一、二の点についてお伺いをいたしたい。
今度の地方税の改正の法案を見ると、去年の国税に伴う措置がほとんどである。で、新しくいわゆる地方税の減税、こういう問題はほとんどないように思うのでありますが、そうでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/53
-
054・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) 今回の地方税法の改正案の中には、御指摘の通り、新たなこれ以上外の減税措置というものは、実は考えておらないのでございます。私どもといたしましては、従来から、一般の国民の皆さんからはもちろんのこと、当委員会等におきましても、いろいろな観点から減税の御要望を受けておりまして、私どもとしては誠実にこれを実行しなくちゃならぬという責任を痛感をいたしておるのでございまするけれども、今回の地方税法の改正案の中に、公約の住民税減税以外の事項について減税事項を織り込まなかったということに対しましては、私どもといたしましても、実は心苦しく思っておる次第でございます。ただ、御承知の通りに、伊勢湾台風その他のこともあって事実上減税が国税、地方税を通じて本年はむずかしかろうというような判断に立ちましてやむなく私どもといたしましても、従来からの経緯は十分承知をいたしておりまするものの、本年度の減税の中にはそれは織り込まなかった、こういう次第でございます。
〔委員長退席、理事西郷吉之助君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/54
-
055・占部秀男
○占部秀男君 局長は心苦しく思っておるけれども、地方財政の今の現状からして今度は織り込まなかったのだと、こういうような御答弁でございますが、先ごろ発表された三十五年度の地方財政計画を見ますと、地方税の増収というものは、前の当初計画、三十四年度の当初計画に比べて八百一億もふえておるという見積り方をしておるわけであります。これは、全国の地方団体の予算上の集計といいますか、そういうものとも幾らか違うでしょうし、もちろん決算面からいうと、これは違ってくるとは思うのですけれども、大勢としては八百一億という大きな収入を見込んで、特に地方財政の基礎の確立であるとか、税外負担の軽減であるとか、いろいろな新しい——新しいというよりも、地方の行政水準の引き上げをしようというような仕事もこれに伴ってもくろまれておるわけですが、八百一億という大きなこの増加というものは、私は、かつて地方財政計画の中でまだ見込まれたものはなかったというふうに考えるのですが、これはいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/55
-
056・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) 御指摘の通りに、昭和三十五年度の地方税の収入見積もり額は、三十四年度の当初と比べまして考えますと、八百一億の増収の見込みでございます。ただ、御承知の通りに、三十四年度の当初見込みがいわゆる三十三年度のなべ底時代に見積もりをいたしました関係上、三十四年度のいわゆる岩戸景気というようなものを予想しておりませなんだので、比較的見積もりが低目であったということから、現実には、三十四年度は三百七十億程度の増収が実際問題としては生ずるはずでございます。そこで、その三百七十億程度を含めたものは、すでに財政規模としてはふくらんでおるということになりまするので、実質の増収見積もりは約四百三十億程度ということでございます。しかし、いずれにせよ、地方財政の上から見ましては、非常な増収が見積もられておるということは、これは争えない事実でございますけれども、まあ私どもといたしましては、現在何と申しましても地方財政の面は、まだまだ再建団体も再建の過程にございますし、法定外普通税なり、あるいは重課課税なり、あるいは税外負担といったものを多額にかかえておる、いわゆる地方財政の不健全要素というものがあるわけでございます。従いまして、これらの増収は、経費の当然増に充てられるべき部分と、今申しました不健全要素の解消に充てるといようなことを考えまするというと、住民税の百二十二億に上る減税額以上に、いわゆる地方の持ち出し減税をやるという余裕は、実際問題として困難であったというのが、減税を見送りました理由でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/56
-
057・占部秀男
○占部秀男君 不健全要素を解消するためにも一つは理由があって、持ち出し減税をやることは非常に困難であるという、そういう点についても、内容面については首肯できない点がないわけではないわけですけれども、少なくともこれだけの大きな収入が、いわば地方財政としては未曾有の収入が見込まれておる、譲与税を除いてもたしか七百九十六億、八百億に近かったと私は思うのですが、それほどのものが見込まれておるというときに減税がなされないということは、これは一つの私は大きな問題点じゃないかと思うのです。そこで、まあ三十四年度は決算見込みで、けっこうでありますけれども、ここ四、五年間ぐらいの地方税収の決算ですね。地方税収の決算における、この地方税収の前年度に比べての増収の傾向ですか、ちょっと簡単な数字で、億でけっこうですから、知らしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/57
-
058・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) 今調べまして、後刻御返答申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/58
-
059・占部秀男
○占部秀男君 これは私、簡単でいいんですか、おそらくこの四、五年間の税収が前年度に比べての増加というものは、毎年三百億からせいぜい四百億程度ではないかと私は考えるのですが、特に局長の言われるなべ底景気と言われた時代には、三百億を切っていたというふうに私は考えるのですがね。それでは、概算でけつこうですが、ちょっと出ませんか。億まででけつこうです、およそ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/59
-
060・大村襄治
○説明員(大村襄治君) 占部委員の御質問の点でございますが、別に御配付申し上げました三十五年度「地方税に関する参考計数資料」に、若干お尋ねの関係の数字がございますので、申し上げたいと思います。
その資料の二十四ページ、五ページでございますが、むしろ二十五ページをごらんいただいた方がいいと思います。二十六年度決算、普通税の中をごらん願いますると、ずっとございまして、二十七ページの方に計があがってございます。二十七ページの合計の欄をごらん願いますると、(B)の目的税と合わせまして、小計のところをごらん願いますが、二十六年度決算額、道府県、市町村合わせまして計が一千七百二十二億、一年飛びまして一十八年度決算額が三千三百六十億、一十九年度決算額が三千六百五十八億八千九百万円、三十年度決算額が三千八百十四億九千万、三十一年度の方は、二十八ページの方に参りまして同じ小計の欄でございますが、四千四百九十九億、これは、三十年度から三十一年度にかけてかなりふえております。三十二年度が五千二百七十一億九千万、三十三年度が五千四百三十九億、大体累年の決算の数字でございますが、御参考に申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/60
-
061・占部秀男
○占部秀男君 今の決算の数字を見ますと、三十二年度の場合は、約七百億程度ですね、これはふえておりますけれども、それ以外のこの四、五年の傾向というものは、悪いところでは、三十年あたりは百四、五十億しかふえていない。さようなわけで、三百億前後というのが大部分であったと、こういうふうに思うわけですが、ところで、この前の減税のときには——去年ですか、またその前にもありましたな。一昨々年でしたか、いずれにしても、こういうような状態の中から地方税の減税というものが行なわれておる。そういう事態の中で、今度はおそらく地方財政計画の見込みでも、七百九十六億——八百億近い増収が見込まれておるわけですから、これがそのままその形でいけば八百億円をちょっとこえるのじゃないかと、こういうように思うのですね。そういうような中で、どうも減税が行なわれないというのは、国民に対して私は非常に、何というか、やり方が酷じゃないか。これ以下の増収という場合でも、減税措置をこのところ一、二回続けて行なっていたのに、未曾有の増収がありながら減税をしないということは、どうも不健全要素を除くために持ち出し分がないという、単なるそのことだけでは首肯できないように私たちは考えるわけなんですが、局長はどういうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/61
-
062・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) 地方税の減税についての考え方の問題かと思いますが、私は、やはり減税の要求というものには謙虚に耳を傾けなければならぬということは思っておるのでございます。ただ、納税者の立場から見ますれば、国税であれ地方税であれ、要するに、減税があれば、それだけ負担が軽減になるということで、負担を軽減をするという面から見ますれば、三十四年度の国民所得に対する税負担が一九・九%、三十五年度が、それが二〇・五%にはね上がっておるので、つまり税の累進性からくる、増減でなくとも、税負担というものは重くなるということでございます。つまり少なくとも、そこで〇・六%分は納税者に行かしたらどうだというこの要求があるわけでございます。その場合に、その内容を見ますというと、〇・六%の負担の増大を来たしておりまするけれども、地方税の国民所得に対する割合は、昭和三十四年度は六・一%です。三十五年度も六・一%。地方税の負担は実は同じになっておるのでございます。で、私どもといたしましては、そういう場合に、はたして国税で減税するのか地方税で減税するのかというようなことについては、国なり地方なりのそれぞれよって立つ財政基盤がはたしてどうかということも慎重に検討せねばなるまい。また同時に経費の内容でございます。で、地方の行政は、御承知の通りに、何と申しましても住民に直結したサービス行政を中心にしておるというような点を考えますと、どういう税をどういう方法で減税をするかということについては、私は慎重に検討しなくちゃなるまい。減税そのものは、これは当然なさねばならぬにいたしましても、やはりそういう場合に、ただいま申しましたようなことを考えますると、私は、現在のままの状況では、地方税の減税ということには慎重な配慮を加えなければならぬのじゃないか、このようにまあ考えておるのでございます。そこで、やはり地方税の減税につきましては、現在政府に税制調査会が置かれております。そこで国と地方との税源の配分につきまして熱心な検討が加えられておるわけでございます。そこで私は、現在の地方財政の中に多くの不合理のあることを承知をいたしております。で、その点については、この税制調査会における税源配分の過程を通じて、この過程の中で地方税の軽減なりあるいは合理化と、こういうことをやりたい、かように実は考えておるのでございます。こういうようなこともございまして、本年度の減税は見送るということにいたしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/62
-
063・占部秀男
○占部秀男君 今、局長のお答えで、税源配分の問題も含めての地方税の根本的な検討をしたいという、そういう気持はまあ私はわかるのです。わかるけれども、この税源配分の問題は、あとでまた私はこの問題以外の問題として質問したいと思うのですが、単に税源配分の問題だけで処理できる問題ではないと思う。
〔理事西郷吉之助君退席、委員長着席〕
やはり国と地方との事務事業の問題と、そして国と地方との財政関係、こういうような全面的な立場に立たないと、単なる税源配分ということになると、タコの足を共食いするという結果になるので、これはまああとであれしたいと思うのですが、かりに今局長が言われたようなことを前提とし、かつ、現在の地方行財政の中には特に財政的には不健全な要素が多いので、持ち出し分による減税というものはとうていできない、現状のままでは。これもまた、局長の言われることを私はそのまま前提として受けたとしても、減税する余地、減税できる余地は、私はいろいろな方法によってあるのではないかと思うのです。たとえば、この八百何十億という大きな増収見込みをそのままにしておいたとしても、国の国税と同じように、非課税あるいは税金の減免されておるものが相当あると思うのですが、そうしたものを整理することによっても、私は、大衆課税の減税を行なう財源になるのじゃないかと、かように考えるのです。そこでお伺いしたいことは、現在地方税法の上で非課税措置をとられておるものの大きなその税目ですね。税目の二、三と、それから非課税措置をとられておることによって減免されておるところの金額、これの最近の情勢といいますか、内容をお知らせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/63
-
064・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) 現在の地方税におきまする非課税の措置の金額でございますが、都道府県税について申しますと七十九億九百万円、市町村税について見ますと二百八十九億五千四百万円、計が三百六十八億六千三百万円でございます。
なお、御承知の通りに、地方税は国税にリンクをいたしておるものが相当あるわけでございますので、国税の特別措置がそのまま地方税にかぶってくるという面がございます。それについての金額を申し上げますと、府県税が百七十六億三千三百万円、市町村税が百四億八千二百万円、計が二百八十一億一千六百万円、従って、地方独自の非課税措置と国税の特別措置に伴う減収額と合計をいたしますと、六百四十九億七千九百万円、これだけが非課税の金額になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/64
-
065・占部秀男
○占部秀男君 今、局長の最近のこの非課税措置についての報告では、地方団体の独自のものが三百六十八億あり、国税にリンクしたものが二百八十一億、合計して六百四十九億、約六百五十億ある。そうすると、今度の地方財政計画で、地方税の伸びがかりに当初計画に比較しても七百九十何億、八百億近くあるし、去年、前年度にすでに食ったものを引いた、その差し引きした結果でも四百五、六十億あるという話でしたが、実際の地方税の収入の見込み、まあ収入見込みというか、それよりはふえるでしようけれども、収入見込みですね。今地方財政計画を立てておる。その四百何十億よりももっと大きい六百五十億近い非課税措置がここになされておるわけだ。もちろんこの中には、しなければならない問題も私はあると思うのですが、また整理する余地のあるものも私たちの目から見れば相当あるように考えられる。たしか去年の国会だと思いましたが、国の方の非課税措置の問題についてはある程度の整理をして、あれはたしか四十億か八十億か、私記憶がないのですが、なんでも百億以上だったと思うのですけれども、この非課税措置の整理をしたと思うのです。あのときに、予算委員会で、大蔵大臣に私もその問題で質問したんですが、結局あの当時は国の問題であったけれども、当然国で非課税措置の整理をする以上は、地方としても地方独自の形で非課税措置の整理をすると、少なくとも、その非課税措置の整理がどの程度行なわれるかは別としてもですよ。今度の地方税法の改正の中には、それが芽を出しておらなければならないと私は考える。ところが、今度のこの法案を見ると、一切そういう点については、まあ言葉は悪いけれども、ほおかむりのような形になっておる。これは、非常にわれわれとしてはいただきがたい点であるし、同時に、局長がさっき言われた、不健全要素があるために、持ち出し分による減税はできないと言われておるけれども、それをそのまま国民の立場から言うと、首肯できない一つの理由に私はなると思います。こういう点については、むしろもっと自治庁の方で勇気を鼓してこれの整理に当たる、整理をやはり実現してもらわなければ、この法律案は、このままどうしてものめないような気がしますが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/65
-
066・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) お説の通りに、現在の租税特別措置あるいは地方税におきます非課税措置、課税標準の特例、こういったものは、できる限り整理をすべき筋合いのものだ、かように考えております。ただ、特別措置そのものにつきましての私の考えは、まあ、国の経済上の政策なり、あるいは社会政策上の要請というようなものは、普通は歳出を通じてやると思いますけれども、私は、そういう場合には、やはり歳入面を通じてやるということは、これは差しつかえないのじゃないかというようにも考えるわけでございます。従って、租税の特別措置そのものは、私はやはりやるべきときにはやってもよかろう、こういうように思っているのでございます。ただ問題は、これがどうも一たんやりますというと、その必要がなくなったにかかわらず、いつまでも続くという、ここに非常な弊害が生まれてくる。結局その面は、誰かの納税者がかぶっているということになるわけでございまするので、勢い不必要になったものが残っているということは、これは負担の不均衡ということになるわけでございます。そういう面から見て私は租税特別措置の必要性は認める。私も、おっしゃる通りに、整理すべきものはやはり勇敢に整理すべきだという考え方は持っております。ところが、現在の地方税が国税と違うのはどういうところか違うかと申しますと、国税の場合には、重要物産免税ですとか、ああいうものには期限を切ってあります。ところが、地方税のは期限なしの非課税規定なんです。ここに地方税制度の上に大きな問題点があると思います。そこで、この問題については、私どもも現在の政府の税制調査会に持ち出しまして、現在一般部会で審議を願っております。私どもとしては、やはりお説の通りに、この非課税規定の整理は、必要のなくなったものはやらねばならぬというように考えておる次第でございます。ただ問題は、現実となると、なかなかこういう制度は、一たんできますというと、まあ既得権みたいなものでございまするので、実現には容易ならざる決意が必要であろう、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/66
-
067・占部秀男
○占部秀男君 この点についていろいろ、率直に言えば、政治的な情勢が反映する問題であろうと私は思いますので、これは大臣に、あとで一つそういう点についてお伺いをしたいと思うのですけれども、ただこの際、局長にお伺いしておきたいことは、少なくとも国税では、私それはあとで出そうと思ったのですが、局長さんに言われたので、非常にあれですが、年限が切ってあるのですね。地方税は、当然やはり無期限の私は減免措置というものはあり得ないと思うのです。たとえば、産業上の要求によってやる場合でも、やはりこれがどうも永久に、何というか、一つの産業を育成するために永久に非課税にするとか、そういうようないろいろな事情が五つ六つあったと思いますけれども、そういうことは、ちょっとどうも常識上からいっても私はあり得ないと思うので、少なくともここ最近のうちに年限を切ってこれを整理することぐらいは、これはもう局の立場としても踏み切ってもらわなくちゃならぬ。対象を整理する問題については、私は政治的な影響もあると思いますし、こちらはこちらとしての要求の部面もありますから、これは他に譲りますけれども、年限を切るということは、調整上の技術的な問題ですから、率直に言って、従って、この点については、局長としても踏み切ってもらわなければならない、こういうふうに思うのですが、あとの点は私保留して、大臣が来たときにお伺いしたいと思うのですが、その点はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/67
-
068・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) 税制調査会等の動きともにらみ合わせまして、私は、お説のような点で検討して参りたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/68
-
069・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/69
-
070・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて。
午後一時まで休憩いたします。
午前十一時四十七分休憩
—————・—————
午後一時三十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/70
-
071・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから委員会を再開いたします。
午前中に引き続き、地方税法の一部を改正する法律案につきまして、質疑を続行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/71
-
072・鈴木壽
○鈴木壽君 市町村民税の準拠税率の引き下げの問題ですが、現在の準拠税率でやっておるわけなんですが、もらった表を見ますと、超過課税が相当あるようでありますが、これは、市町村の数なんかわかりませんか。この超過課税をやっておるところのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/72
-
073・鎌田要人
○説明員(鎌田要人君) まず、所得割の課税方式別の採用状況から申し上げますと、全市町村——ちょうど昨年の七月一日現在でございますが、三千五百六十二市町村ございます。三千五百六十二市町村の中で、第一課税方式をとっておりますのが四百九十七市町村でございまして、全体の一四%でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/73
-
074・鈴木壽
○鈴木壽君 ちょっと待って下さい。それはこの表の中にありますがね。超過課税をやっておる所、それを今これから言って下さるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/74
-
075・鎌田要人
○説明員(鎌田要人君) オプション・ワン・オプション・ツー、ひっくるめてでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/75
-
076・鈴木壽
○鈴木壽君 ええ、そうです。じゃ、今言ったようなことで、ワン、ツー、スリー、あるいはただし書き、このそれぞれについて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/76
-
077・鎌田要人
○説明員(鎌田要人君) 次に、オプション・ツーただし書きをとっておりまする市町村が二千八百二十でございまして、全体の七九・二%でございます。それで、この第二課税方式ただし書きをとっておりまする市町村の中で、準拠税率をそのままとっておりまする市町村と、それから、準拠税率をこえておりまする市町村の別を次に申し上げます。これも、同じく去年の七月一日現在でございますが、第二課税方式ただし書きをとっておりまする市町村の中で、準拠税率をそのまま採用しておりまする市町村が七百四十四市町村ございましてこれは、全体の第二課税方式ただし書きをとっておりまする市町村の中の二八・四%、約三割に当たっております。それから、ただいま申しました準拠税率をそのままは採用いたしておりませんが、しかしながら、準拠税率の設定に伴いまして減税を何がしかやっておるという市町村が、千八百二十七市町村からただいまの七百四十四市町村を引きますから、約千市町村ございます。それで、準拠税率そのまま、それから、この準拠税率の設定に伴いまして従前よりも減税を行なっておりまする市町村が、全体で、ただいま申しました千八百二十七市町村、すなわち全体の六九・八%に当たっておる。こういう状況になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/77
-
078・鈴木壽
○鈴木壽君 今度また税率を下げるわけなんですが、これについてどうなんですか、見通しは、あなた方として、この標準税率引き下げに伴って、各市町村でこのように実行されると、このように見込んでおられるのかどうか、この点……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/78
-
079・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) ただいま市町村税課長からお答えいたしましたように、三十二年の準拠税率設定後の状況を見ますと、約七割が準拠税率そのまま採用あるいは軽減という措置をとったわけでございますが、今回の準拠税率の設定に伴いましても、率直に申しまして、すべての市町村が減税をするということを期待することは、直ちには無理ではなかろうか、やはり相当の期間を待たなければ完全な実行は期待できないのじゃないかと、かように私は考えておりまするけれども、私どもといたしましては、今回の減税におきましては、地方団体側から言わせれば、百二十二億の減税に対しまして三十億しか補てんの措置がないじゃないかという不満はあろうかと思いまするけれども、これは、国の財政の状況なりあるいは地方団体における最近の増収状況というようなものから見て、かれこれ勘案して三〇%ということにともかく、団体側としては不満足でありましょうが、国としても減税に伴う財源措置をしたわけでございます。そこで、私どもとしては、何としても、地方団体にこの際は減税額を納税者に返していただくという措置をぜひとってもらいたいということで、自治庁といたしましては、地方団体に十分依頼なりあるいは指導なりをいたしていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/79
-
080・鈴木壽
○鈴木壽君 今回の百二十二億の全体での減収になるというこの計算、それから、平年度では百三十八億円の減収になるという計算ですが、今おっしゃったようなのを見越して、平年度では百三十八億円と、こういうふうに考えておるのですか、どうですか、この点は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/80
-
081・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) 百二十二億及び百三十八億の計算は、準拠税率そのままではじいた減収額でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/81
-
082・鈴木壽
○鈴木壽君 そうすると、この問題ですね。非常に私心配な点があるわけなんです。今も局長も、市町村の財政の実態からいって、なかなか容易でないのじゃないかというような見通しを持っておられるお話もありましたのですが、これは、何といっても、住民税と、それから市町村におきましては普通のところでは固定資産税、これが二つの大きな中心になる財源だと思いますから、それの減税ですから、しかもこれは、町村団体の側から出たそれでなしに、いわば国の所得税の減税に伴っての一つのそれなんでございますから、非常に私しぶるのじゃないかという気がするのです。と同時に、これまた局長もお話がありましたように、減収に対する補てんが十分でないということですね。もしこれの補てんが十分になされるというような場合には、これはもちろん町村でもやるでございましょうけれども、今回の補てん額というのは少ない額でございますから、そういう点からいって、私は非常にむずかしい問題があるのではないかというふうに考えるわけなんです。もう一つは、従来の準拠税率、それもまだ守られておらない、それよりオーバーしておる所が大体三割くらいある。こういう先ほどのお話だとすれば、特に今回のそれというものと二つ重なったような格好で、事情をなかなかむずかしくしておるのではないだろうか、こういうふうに思うわけなんでんすが、これは、指導といっても、どういう格好でおやりになるのですか。減収補てんの問題についてはまたあとでお聞きしますが、一般的なこの指導の問題について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/82
-
083・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) 今回のこの減税は、都道府県民税は、これは当然減税になります。それから第一課税方式の所も、これは当然の減税になります。問題は、第二課税方式、第三課税方式の採用市町村についてでございますが、その減収額が約四十億でございます。この分についての指導がまあ厄介な問題になるわけでございますけれども、減収補てんの方のこの配分というようなものについても、地方税の減収に伴う地方財政に対する影響というようなことを十分考えまして、財政の健全性を維持するというようなやり方で補てんが行なわれるはずでございまするので、私どもとしては、先ほど申しましたように、直ちにすべてが減税を期待できる状況には私は率直に言ってないと思いまするけれども、少なくとも私どもとしては、ぜひ減税をして納税者に返していただくという強い指導をいたしたい。そこで、私どもといたしましては、この法案が成立をいたしますれば、具体的に減税のやり方まで詳細に示して、それによって県を通じて市町村にお願いをする、かようにいたしたい。具体的指導を私どもとしてはやりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/83
-
084・鈴木壽
○鈴木壽君 ちょっと今のお話に関連をして。百二十二億の減収の内訳、府県分あるいは第一、第二、第三、これの数字をちょっと言ってもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/84
-
085・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) 百二十二億の減収の内訳は、都道府県民税の関係が二十七億でございます。市町村民税の関係が九十五億、そのうち都道府県の関係で交付団体に属するものが十五億でございます。市町村民税の関係では、交付団体に属するものが五十二億、従いまして、交付団体分が六十七億の減収と、かように相なっておりますが、それを課税方式別に申し上げますと、市町村民税のオプション・ワン及びオプション・ツー本文、スリー本文の関係が五十四億五千八百万でございます。それからツーただし書きが三十九億五千百万円、それからスリーただし書きが一億四千二百万円、かように相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/85
-
086・鈴木壽
○鈴木壽君 そこで、これは私、実は今申しましたような心配を持っておるわけですが、今後指導してやらせる、こういうことなんですが、何といっても、やはりやらせる場合に、一番市町村の方でしぶるのは、減収補てんがはたしてどの程度やられるかということになると思うのですね。今回のあの臨時特別交付金ですか、この三十億ですね。減収補てんにというようなことだと思うのですが、これの配分を具体的にはどういうふうにおやりになるのか、これはちょっと、別の法律案として出ておりますから、その機会にまたいろいろ話し合いが出るだろうと思いますけれども、一応ここでお聞きしておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/86
-
087・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) 臨時地方特別交付金は、御承知の通り、減税問題をきっかけにこういう制度ができたわけでございますが、その交付は、特別交付税の交付の例によるということにいたしております。従いまして、特別交付税の交付の際の算定の基準に、今回の減税の財政に与える影響、これを反映するような項目を総理府令で一項目加えることにいたしております。それによって三十億の配分を考えていきたい。かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/87
-
088・鈴木壽
○鈴木壽君 当然、特交で配分する場合には、総理府令を改めなければならない。今お話のあったように、一項目を加えるということになると思いますが、そのいわゆる項目なりその内容、これは減収補てんそのものずばりでやってていくのですか。それとも何か別に、その町村の財政力とか何とか、そういうものを含ませるのか。その点はどうですか。考えておられるところは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/88
-
089・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) これは、詳細は財政局長の所管に相なりますけれども、私どもが今考えておりますところは、住民税の減税の影響を反映する項目を一つ総理府令の中に入れる。で、具体的な配分の際には、財政力等ともにらみ合わせまして、特別交付税と一緒に交付をする、こういうことにいたすつもりでおりますが、なお、細部のことにつきましては、大蔵当局とおそらく財政当局で話し合いをしておる段階ではなかろうか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/89
-
090・鈴木壽
○鈴木壽君 そうしますと、その三十億の配分についての原則的なこともまだきまっておらないということですか。大蔵当局とこれから自治庁の方と話し合いをしなければならないというような意味のお話があったように、そのようにお聞きしましたが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/90
-
091・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) 原則的な点は、ただいま申しましたような線できまっております。ただ、細部の点の手続などが残っておるだけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/91
-
092・鈴木壽
○鈴木壽君 私ども、これは常識的に考えていって、百二十二億の減収がある、三十五年度におきまして。平年度で百三十八億、こういうのですが、今度百二十二億の額に押えた場合に、これは、交付税の配分の際に、基準財政需要と収入の関係で七割はその中に、交付税の中に見てもらえる、こういうふうに常識的に考えていいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/92
-
093・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) 交付税の算定の際には、当然減税があったものとして基準収入を算定いたしますのでで、お説の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/93
-
094・鈴木壽
○鈴木壽君 そうしますと、残り三十六、七億という額になろうかと思いますが、せめて三十六億何がしという、この額があれば大体交付税を見られると、直接見るというわけではございませんが、計算の中に含ませられるものが七割、残りの三割が見られると思うが、今回は三十億なわけですね。そうすると、六億六千万円ばかり概算して足りないと、こういうことになると思うのですが、ですから、三十億の配分にあたっては、全額を減収の補てんというそのものに振り向けても、それでもなおかつ、実は全国的にいえば、総体からいえば、六億六千万円ぐらいの金が足りなくなると、こういう大まかな計算になると思うのですが、そこら辺、そういうふうに考えていいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/94
-
095・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) お説のような理論の基礎に立てば、そういう考え方ができます。これは、現実に予算折衝の際の大蔵当局の考え方がそういう考え方でございます。しかし、私どもはそれとは違う実は考え方を持ちまして、やはり交付税というものは、本来当然それだけいくべき筋合いのものでございますから、その中にこれが食い込んでくるということで、地方財源全体としては、この減税の影響、百二十二億そのものが影響するのだということで実は主張をいたしておったのでございます。従ってそういう観点に立てば、また違う理論も成り立つということになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/95
-
096・鈴木壽
○鈴木壽君 私、実は大蔵当局の立場に立ってものを言っているのじゃなくて、確かに百二十二億の減収になりますから、それでなくても交付税は別に来ますから、何かの項目なり、単位費用の計算によって。私、大蔵当局のように言って、あなた方にこれでがまんせいと、こういう意味ではないのです。まず最小限、今のこの段階に来て、交付税の配分の中に何とかの格好で大体七割ぐらい見られるものがあるのだ、あったものとないものということで、実はほんとうの意味での見方でないと思いますけれども、しかし、残る少なくとも三十七億ぐらいは、これは最悪の場合やはり補てんしてやることが必要じゃないか、こういう一歩退却して、現実の問題としてやった場合に、そう考えるのですが、大蔵当局のあれを私は支持してあなた方をという意味では毛頭ないのです。そこで、今言ったようなことからしても、なおかつ少し足りないのだと、この場合に、やはり私は、三十億の配分という場合に、あまり財政力とか何とかというほかの要素をこれにからみ合わせないでやる方がいいのじゃないかという気持を実は持っておるわけなんですが、そういう意味でお聞きしたわけなんですよ。まあそれが市町村のいろいろな財政力を見るとか何とかということは、従来の交付税の見方でも、それは特交の場合でも見ておるのですから、それはそれとしてやって、現在のこれはほんとうの意味での減収補てんという格好でやった方が私は筋が通るのじゃないかと、こういう考え方なんです。その点どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/96
-
097・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) まあまさに先生の御意見は、私どももそういう考え方に立つわけでございますが、やはり財政全体の立場から考えますというと、減税の影響も含めて、地方の財政の健全性をそこなわないというような立場に立って、財政状況をも勘案をして減税の影響も入れるという、二つの要素で減収補てんを行ないたい、こういうことに相なっておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/97
-
098・鈴木壽
○鈴木壽君 まあ話し合いでそういうふうになっておるようですから、私がそう言っても、あるいは簡単にあなた方はその通りでございます、そういたしましょうなんて言えないかもしれませんけれどもね。実は、いろいろな各市町村の今の財政状態からいって、特に貧乏な農村地方では、これは、さっき言ったように、非常に痛い問題だと思うのですよね。ですから私は、やはり痛いけれども、しかし、減税はしなければならぬと、国の減税に伴う一連の措置として、住民に幾らかでも負担を軽くしてやるという意味においてしなければいかぬという、そういう立場に立ってやってもらうためには、やはり落ちたものだけは何とか確保してやるということが、やはり現実のいろいろな町村のそういう状態からして、ぜひとも私は必要だと思うのですね。それ以外の、やはり財政力とか何とかいったような要素があまり入ってくると、そうでなくとも足りない三十億が変な格好で使われやしないか、変な格好と言って、言葉は少し悪いのですけれども、そのものの出てきた金のその性質からちょっとそれたようなふうに配分されるような心配が私ないとは言えないと思うのですね。そういうことを私心配するのです。ですから、財政力に見合ういろいろな手当の仕方は、これは今の特交でも見ておるのですから、十分とはいえなくてもですね。そういう面で従来のように見てやると、これが今回のこの一連の措置とすれば、一番いいやり方で、町村でも安心をしてこういう税率によった課税の仕方をするのじゃないか、私はこう思うのですがね。そこら辺、さっきも言ったように、一応あなた方の内部なり、あるいは政府部内で、一つの方針みたいなものをきめておるとすれば、なかなか、いやそうでございますとは言えないかもしれませんがね。局長どうですか、その点は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/98
-
099・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) ただいまの点は、実は財政力を見るといいましても、この第二、第三課税の方式を採用しておる市町村が、実は財政力稀薄な団体がそういう方式を採用しておるわけでございます。従いまして、結果的には、御心配になっているようなことはなく、当該団体に補てんが行くと、こういうことになろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/99
-
100・鈴木壽
○鈴木壽君 私はね。やはり今のお話のように結果的にはあるいはなるかもしれませんけれども、しかし、考え方として、一応これは私なりの見解ですけれども、私が言っているような意味での筋を通したやり方をすることが町村に安心を与える。なおかつ、そうやっても金の絶対量が足りないのですから、いろいろな問題が出てくるわけですね。これを特交でさらに勘案をしてみてやるという形をすれば、相当安心をした形で今回の市町村民税の減税が行なわれていくであろう、こういうふうに思うわけですが、その点、これはあとで財政局長なり、それからあるいは大臣あたりからもうちょっとお聞きしたいと思います。何か私は、今回の三十億の配分ということに心配な点があるのです。心配な点というよりか、むしろ出てきた金の筋道からちょっとそれるような使い方をされるのではないかと、こういうふうな気がいたすもんですから、これをさらにあなた方は交付税を全体の特交の中に含めてやるというのですから、交付税全体の三十億増額になったというような考えでやっていくような気配も見えるのですが、私は、やはりどうしても、減収に伴う一つの政府の措置として、当然その考え方を守ってやるべきであるということを考えておるわけですから、以上、くどいようなことを申し上げたわけです。
それから関連をして。非常にややこしい第一、第二、第三ただし書きのついた五つの方式が現在までずっとこう続けられておる。このいただいた資料によって見ますと、さっき鎌田課長からもお話がありましたように、傾向としては、八割ちょっとの市町村が第二方式をとっておるというふうになってきておると思うのですね。第三というのは、全体からいえばきわめて不足でありますが、この方式の統一といいますか、整理といいますか、こういうことを一つこの機会に考えなくてもいいのですかね。この点一つどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/100
-
101・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) 現在の住民税の課税方式について、何とか合理化をするようにという御勧告は、従来から税制調査会なりあるいは地方制度調査会なりからもたびたびちょうだいいたしているのでございます。その場合に、二つの実は観点から言われているようであります。一つは、住民負担の均衡がとれていないのではないか。その面から何らかの形で合理化をしたらどうかということが第一点でございます。第二点は、国税にあまりにもリンクし過ぎる。従って、国税の増減税をまともに受け過ぎる。従って、国税とのリンクをしている面を遮断をするということがいいのではないか。こういう面から課税方式を合理化したらどうか。この二つの意見が実は出ているのでございますが、私どもといたしましても、現在この課税方式については何らかの改善の措置を加えたいということで、これまた税制調査会で現在審議をしていただいております。ただ問題は、統一をしろという場合に、第一課税方式に統一をすべしという考え方と、第二課税ただし書きに統一をすべしという考え方、いま一つは、何か新しい課税標準の取り扱い方はないのかという、この三つの点が現在論議をせられているのでございます。私どもといたしましては、まだ結論はもちろん出しておりませんけれども、この課税方式が幾つあるということの根底には、やはり地方の経済力のない団体が税源に乏しいという結果やむなくやっている。現在の税法でも、建前は、やはり第一課税方式なり第二、第三の本文が建前でございますが、財政上必要があるときにはただし書きを採用できるということになっているので、ただし書きが非常に負担が重いということでございます。そこで、やはりこの根本の貧弱団体に対する財源を賦与してやるということを考えませんというと、形式的に統一をいたしましても、地方税の特色として、やはり超過課税がやむなく行なわれるということになりますというと、負担の均衡ということはやはり達成できないというむずかしい問題があるわけでございます。そこで、私どもとしては、やはりこれは改善をしたいと考えておりまするけれども、その根底となる貧弱団体に対する財源をいかにして賦与するかという、この問題とあわせて解決をしなければ目的が達成できない。あわせて私どもとしては検討し、改善をしたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/101
-
102・鈴木壽
○鈴木壽君 これは、今の局長のお話のように、根本的な問題は、かわりに何かの方式に統一する、あるいは新しい方式が生み出される。こうした場合に、今の貧弱な財政力しか持っておらない。もっとはっきり言うと、財源に乏しい市町村に、一体はたして実情に合うかどうかということは、これは私は根本的な問題だと思う。そこで、財政力を与えながら、統一なり、あるいは新しい方式を生み出していきたいという考え方だとおっしゃるのですが、そうしますと、何か今度の、税制調査会ですか、やっておりますね、ああいうものの結論を待っていると、もちろん、あれは県税、市町村税、いろいろ多岐にわたる問題を検討しているはずなんですから、そういうものの結論を待っている、こういう意味なんでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/102
-
103・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) 税制調査会は三十七年まであるわけでございますが、この問題については、私どもとしては、でき得れば三十六年度に課税方式の問題は結論を出すようにしていただきたいつもりで御審議を願っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/103
-
104・鈴木壽
○鈴木壽君 三十六年度にできるようにというのでは、そうしますと、やはり全般の問題としては、何といいますか、解決されない中で、これだけを取り上げてということもむずかしい段階ではないかと思うのですが、そこら辺はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/104
-
105・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) その点は、お説の通りでございます。ただ、現在の税制調査会は、大きな方針につきましては大体三十五年度一ぱい、本年一ぱいで方向づけが行なわれる、こういうふうに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/105
-
106・鈴木壽
○鈴木壽君 これは私、先ほどのお話の中でいろいろありましたのですが、今の第一、第二、第三あるいはただし書き、こういった五つの方式があるわけなんですが、これをたとえば第一方式に統一すべきである、あるいは第二にすべきである、あるいは第二のただし書きにすべきである、これを一つやるような形でなしに、今言ったような一つにしてしまうというような形でなしに、もっと新しい角度から、いわば新たな住民税のあり方というものを考えなければいけないじゃないだろうかというふうに、実は私最後まで、結論でこうこうだというところまで自分の考えは今まとまっていませんけれども、方向としては、そういう方向がいいんじゃないかと思いますが、それに対するあなた方の考え方ならびに、税制調査会の方でこれは検討中でございますから、的確なことは、結論めいたことはあるいは言われないかもしれませんが、あなた方、情報なり何か、そういうことでつかんでいるところがありましたら、一つこの機会に聞かしてもらいたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/106
-
107・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) 従来の臨時税制委員懇談会あるいは地方制度調査会等の結論を見ましても、その点につきましては全く意見が分かれております。第一課税方式にしたのがよい、あるいは第二課税のただし書きにすべし、あるいは新しい方式がいいんだというようなことで、どれか一つの結論にまとまっているということはないのでございます。現在の税制調査会の審議では、まだそういう段階までは至っておりません。ただ、私どもといたしましては、住民税だけを取り上げていくということは、先ほど先生の御意見にもございましたように、なかなか解決が容易でない。そこで、現在の市町村税の柱になっておりますのは、固定資産税と住民税でございまするので、これは、固定資産税についても、現在審議が固定資産評価制度調査会で進められておりますが、これらの二つを考えて、やはり全体の住民の税負担が均衡がとれ、重くならぬというようなことで何か考えるような方法はなかろうかというふうにも私は考えておるのでございますが、もちろんこれは、結論的なものを私持っているわけではございません。ただ、今までの私どもの検討では、まだ第一課税方式にしても不工合なことが出るであろう、第二課税のただし書きでも不工合が出るのではないか、何かこれは新しい方向で考えていかなければいい解決は出ないんじゃないかというように、ぼんやりとした考え方ではございますが、現在そのように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/107
-
108・鈴木壽
○鈴木壽君 これは、さっきも言ったように、私自身もはっきりした、こういう考えであるからどうだというふうにお聞きするだけ実は考え方が固まっておりませんが、たとえば、第一方式に統一するのだと、こう言っても、これは、税の負担の各住民間のそういう点、一つ私問題があると思うし、それから所得税、国税の減税とか増税にしょっちゅう影響されるような、いわば国の方の一つの政策なり考え方なりによって変わってくるということも、市町村自体の税のあり方からすれば、私は困る問題だと思いますから、ちょっとこれはとれないのじゃないか。あるいはまた第二にしてもいろいろな点で、ただし書きをとるにしても問題が私はあると思うので、そういう意味からしまして、もっと違った角度から、現在ある方式のいずれか一つをとるということでなしに、さまざまの要素があるいはミックスされてくるかもしれませんが、別のものを考えていくことがいいのではないか。むしろそういうことをあなた方の立場で一つ考えて、いろいろ検討さるべき機関で検討してもらうようにすることが、今の住民税のあり方からすればいいのではないかと、こういうことでもしお考えがあればというふうにお聞きしてみたわけなんです。税制調査会待ちというよりも、やっぱりあなた方の自治庁案として、税務局案として一つやった方がいいのじゃないでしょうかね。もちろん、他の税がどういう格好になってくるか、こういうことも頭に置きながら、そういうふうにすべきであるというように考えるのですが、これはもちろん、税制調査会等にも、あなた方の御意見も出されたり、あるいはいろいろな形で資料なんかも提出されておるでありましょうけれども、もっと一つ自治庁案なりというものについて、場合によっては町村のいろいろな意見を聞いてやることが私はいいのじゃないかと思いますが、一つそういう作業に取りかかれませんか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/108
-
109・後藤田正晴
○政府委員(後藤田正晴君) 今実は、私どもの局内でお説のような点について検討をいたしておる段階でございまして、結論はもちろんまだ出ておりませんが、ただやはり何か新しい別個の、たとえば地方所得税といいますか、何か新しいやり方を考えないと解決できぬのじゃないかというような意見はぼつぼつ出ておるような状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/109
-
110・鈴木壽
○鈴木壽君 本来の収入による負担の取り方からすれば、第一方式がすっきりしていいのじゃないかと思うのです、収入の度合いによって。しかしこれは、何といっても、性格としては付加税的な性格になっているわけですね。名前はもちろんそうではありませんけれども、実態としてやはりそういう格好にならざるを得ないと思うのです。そういうことでなしに、本来の市町村民税としてのあり方というものを考えていくということが、私はどうしてもやはり必要な段階にきておると思うので、これは三十七年まで……あるいは、あなたのお話では、三十五年度中にそういうような税制調査会の結論が出そうな話でございますけれども、それが出て、そうして三十六年度にいろいろ法的な措置をする。まあこれは三十七年度になる。早く行ってそういうことになると思うのですが、やはりこの段階に来ましたら、もちろん、あなた方自身でやる作業もそう簡単にはいかないと思いますけれども、この問題について一つのやはり区切りをつけてやるような段階がもうすでに、とうにきているのじゃないかということを私常に考えているものですから、今は質問らしくもないことになりましたけれども、お尋ねしたわけなのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/110
-
111・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/111
-
112・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて。
次会は、四月十二日午前十時から開会することにいたします。
本日は、これにて散会いたします。
午後二時十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103414720X01719600407/112
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。