1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年四月十日(火曜日)
午前十時五十五分開議
出席委員
委員長 野原 正勝君
理事 小山 長規君 理事 田口長治郎君
理事 山中 貞則君 理事 足鹿 覺君
理事 石田 宥全君 理事 片島 港君
安倍晋太郎君 飯塚 定輔君
大野 市郎君 金子 岩三君
亀岡 高夫君 仮谷 忠男君
草野一郎平君 倉成 正君
小枝 一雄君 坂田 英一君
田邊 國男君 綱島 正興君
内藤 隆君 福永 一臣君
藤田 義光君 本名 武君
松浦 東介君 米山 恒治君
角屋堅次郎君 栗林 三郎君
東海林 稔君 中澤 茂一君
楢崎弥之助君 安井 吉典君
山田 長司君 湯山 勇君
稲富 稜人君
出席国務大臣
農 林 大 臣 河野 一郎君
出席政府委員
農林政務次官 中馬 辰猪君
農林事務官
(農地局長) 庄野五一郎君
農林事務官
(振興局長) 齋藤 誠君
委員外の出席者
農林事務官
(農地局参事
官) 富谷 彰介君
農林事務官
(農林水産技術
会議事務局長) 増田 盛君
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四月五日
委員玉置一徳君辞任につき、その補欠として伊
藤卯四郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員伊藤卯四郎君辞任につき、その補欠として
玉置一徳君が議長の指名で委員に選任された。
同月十日
委員芳賀貢君辞任につき、その補欠として栗林
三郎君が議長の指名で委員に選任された。
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四月七日
漁業基本法案(角屋堅次郎君外十一名提出、衆
法第三六号)
同月九日
農業協同組合合併助成法による援助措置のそ及
適用に関する請願(坂田英一君紹介)(第三六
九七号)
食糧管理法の改正及び農業基本法関連法案制定
等反対に関する請願外一件(石山権作君紹介)
(第三六九八号)
同(戸叶里子君紹介)(第三七六七号)
同(山崎始男君紹介)(第三九六八号)
農林漁民の生活向上のための農政推進に関する
請願(下平正一君紹介)(第三六九九号)
同(武藤山治君紹介)(第三七〇〇号)
同(三宅正一君紹介)(第三八〇三号)
同(栗林三郎君紹介)(第三八五七号)
同(田中織之進君紹介)(第三八五八号)
食糧管理法の改正等反対に関する請願(猪俣浩
三君紹介)(第三七〇一号)
同外三十四件(武藤山治君紹介)(第三七〇二
号)
同外五件(八木一男君紹介)(第三七〇三号)
同外千百八十三件(高田富之君紹介)(第三八
〇五号)
同外二件(広瀬秀吉君紹介)(第三八〇六号)
同外四件(佐野憲治君紹介)(第四〇二六号)
同外二百二件(武藤山治君紹介)(第四〇七一
号)
現行食糧管理制度の維持継続に関する請願(河
野正君紹介)(第三七六五号)
同(戸叶里子君紹介)(第三七六六号)
同外十四件(寺島隆太郎君紹介)(第三八九九
号)
農業災害補償制度の改善に関する請願(丹羽喬
四郎君外一名紹介)(第三七六八号)
果樹(バナナ)農業振興に関する請願(湯山勇
君紹介)(第三八〇四号)
外資及び技術導入による豊年リーバ社のマーガ
リン等生産反対に関する請願外三件(松浦東介
君紹介)(第三八五九号)
同外四件(安倍晋太郎君紹介)(第三九六五
号)
農業用地内の排水施設維持管理費負担の合理化
等に関する請願(小枝一雄君紹介)(第三八九
八号)
臨時肥料需給安定法等の廃止反対に関する請願
外十四件(寺島隆太郎君紹介)(第三九〇〇
号)
同外三十六件(藤原豊次郎君紹介)(第三九六
六号)
農業災害補償制度の抜本的改正に関する請願外
十四件(寺島隆太郎君紹介)(第三九〇一号)
同外四十件(藤原豊次郎君紹介)(第三九六七
号)
米国油そう船座礁によるのりの被害補償に関す
る請願(寺島隆太郎君紹介)(第四〇二七号)
北緯四十八度以南さけます流網漁業に対する国
内規制措置に関する請願(本名武君紹介)(第
四〇二八号)
同(壽原正一君紹介)(第四〇七〇号)
は本委員会に付託された。
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四月六日
酪農の窮状打開に関する陳情書
(第六一九号)
同
(第六四五号)
公共用地のための農地取得に関する陳情書
(第六二二号)
肉豚価格の安定に関する陳情書
(第六四四号)
かんしょ(庶)栽培の保護助成に関する陳情書
(第六四六号)
農業基本法関連法案の早期成立等に関する陳情
書
(第六四七号)
同
(第六六八号)
同
(第六六九号)
農業協同組合合併助成法による援助措置のそ及
適用に関する陳情書
(第六四八号)
同(第六四九号)
団体営土地改良事業に対する国庫補助に関する
陳情書(第六
六七号)
畜産物の価格安定に関する陳情書
(第六七〇号)
農地法の一部を改正する法律案の成立促進等に
関する陳情書
(第六七一
号)
臨時肥料需給安定法等の廃止反対に
関する陳情書
(第六七二号)
同
(第七七一号)
同(第
七七二号)
農業近代化資金の貸付利率引下げに関する陳情
書(
第六九五号)
家畜商法の廃止に関する陳情書
(第六九六号)
酪農振興対策確立に関する陳情書
(第六九七号)
農地法の一部を改正する法律案等の成立促進に
関する陳情書
(第六九八号)
同
(第七六六号)
農業災害補償法の一部を改正する法律案の成立
促進に関する陳情書
(第六九九号)
漁業法の一部を改正する法律案等反対に関する
陳情書
(第七〇〇号)
北洋さけ、ます漁業の自主規制措置撤回に関す
る陳情書(第七〇
一号)
同(第七〇二
号)
同(
第七〇三号)
同(第七〇四号)
同(第七七〇号)
農林漁業振興対策推進に関する陳情書
(第七三三号)
同(
第七三四号)
農林漁業の振興等に関する陳情書
(第七三五号)
農業災害補償制度の改正等に関する陳情書
(第七六五号)
土地改良事業の推進に関する陳情書
(第七六七号)
農業保護政策の推進に関する陳情書
(第
七六八号)
北洋さけ、ます漁業の自主規制措置に関する陳
情書(第七六九
号)
米国油そう船座礁によるのりの被害補償に関す
る陳情書(第七七
三号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
農業機械化促進法の一部を改正する法律案(内
閣提出第四一号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/0
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001・野原正勝
○野原委員長 これより会議を開きます。
農業機械化促進法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。楢崎弥之助君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/1
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002・楢崎弥之助
○楢崎委員 先日農林大臣のお考えを聞く分だけ残っておりましたので、その点について、残しておった分について質問をいたしたいと思います。
まずこの法案の第三条に、農業構造改善に対するいろいろ気を配らなければならない配意義務がある。そこでこの三条に配慮されておる農業構造改善というのは、農業基本法の一つの柱になっておる農業構造改善であるという局長の御答弁があったわけです。ところが現実に政府が出されておる構造改善に対する対策というのは三十七年度に出ております農業構造改善事業になっておる。そこで農業基本法にいう構造改善と、現実に三十七年度に出されてきておる構造改善事業とは、名前は同じであるけれども中身は大へん違っておるという考えを私どもは持っておるわけです。特に基本法では現在の農業の土地の所有の零細性あるいは経営の零細性、そういうものに対してこれを土地所有を合理化する、あるいはそれによって経営を近代化するということが大体の内容であったはずなのに、現実の構造改善事業ではそれが薄れて適産、主産地形成といったような方向になっておるので、この違いについて、この機械化促進と関連してこの三条の構造改善配意義務をどのようにお考えであるかという御質問をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/2
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003・河野一郎
○河野国務大臣 第一にお考えいただきたいと思いますことは農業の構造改善、これは総括して今お話しいただきましたような思想でいかなければならぬということはもちろんでございます。ただその中でこの構造改善事業として推進いたしますのは、さしあたりどうしてもこれだけやらなければならぬ、またこれはやり得ることであるというようなものから私は手をつけていくべきだと思います。これを全体的にまた困難なものを総合的に一ぺんにいこうといたしましても、なかなかいきかねる問題が多い。そういうように停滞しておりましたのではますます格差がついて参るというふうに思いますので、それぞれの市町村におきましても、またそれぞれの農業経営の事情におきましても、できるものを取り上げてやりなさい、御協力申し上げます、大ざっぱに申せばこういう思想で取り上げておるということで御了承いただきたいと思うのでございます。従いましてそれが全国的に普遍的に農業機械の問題を取り上げておるかどうかといえば、ときには主産地形成上、畜産方面において、たとえば酪農の場合には農業の機械化等も重要でございますけれども、養鶏の場合にはそれほどでないというようなこともございましょう。しかし今申し上げますように、並行して普遍的にいかなければならぬことはもちろんでございます。ただその中で、こうして一つ一つ取り上げてみますと、これはどの部分でどうなるのかというような御疑念が起こることも当然と思いますが、総じて考え方は今申し上げましたように、農業の構造を全面的に改良して参らなければならぬ。その中で可能な地区において可能なものからやっていくんだ、それを事業として政府は助長し、取り上げていくというように御了承いただいたら——私たちの考えておりますことはそういうわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/3
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004・楢崎弥之助
○楢崎委員 そこで今の問題と関連をいたしまして、先日の質問において現在の機械化の状態ですね、それは八〇何%という農家がすでにトラクターを入れておる。そういう面から見ると一戸当たりの所有の機械の馬力から考えても非常に普及しているような格好になっておるけれども、実際の稼働率からいうと、表面は促進されておるようであるけれども、なかなか内容は違う。過剰投資の傾向にあるではないかという点について、お考えをこの前聞いたのですが、その過剰投資であるかどうかの評価、どういう点に基準を置いて過剰であるかないかという御質問をしましたら、局長は、いや採算時間百十七時間から百三十時間程度使っておるからそう過剰ではないというお答えがあったわけです。それでこの点は局長からでもよろしゅうございますが、稼働率について大体どのくらいを把握されておるか、ちょっと承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/4
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005・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 稼働率の問題、過剰かどうかという場合に、稼働時間数で問題を見ていくか、あるいは機械が最も経済的な作業体系で利用されておるかどうかという点でございますが、まず前段の方につきましては、先生からお話がありましたように、大体馬耕と同じような経費以下でかりに利用するならば、トラクターはどのくらい稼働したらよろしいかという計算をいたしますと、大体百十七時間から百三十時間という数字が出るわけでございます。現在われわれの方で調査いたしました結果によりますと、運搬時間を含めまして大体百三十時間程度利用しておるわけでございますから、稼働時間数から見ると、運搬時間が入っておるという面においてはまだ若干利用率の不十分な点もありますけれども、ある程度いっておるのではなかろうか。しかしこれを稼動効率という面から見ますると、今持っておりまする農作業の部分が単純に耕転だけに利用されておる、あるいは運搬の割合が三割ないし四割を占めておるというような面がございますので、従って稼働の効率から見ますると、まだまだこれを管理作業の面にも利用して参るということが必要になって参るわけでございます。また利用の規模から申しますると、大体三町歩程度が、小型の耕転機でございますと必要な面積ではないだろうかということが測定されるわけでございますが、そうなりますと、現在の利用状況から見ますると、まだそこまではいっていないのではなかろうか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/5
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006・楢崎弥之助
○楢崎委員 そこで現実に機械導入が非常に進んでおるのは、昨年の近代化資金のときにも御質問しましたように、一番人口の移動の激しい中農ですね、三反から一町五反ぐらいのところが一番導入が激しい。しかも農家所得からいうと、実はその階層が一番所得が悪いわけですね。そういう点からくると、確かに機械化貧乏ということが言われるのじゃなかろうか。今局長が御説明になりました時間——牛馬を使った場合と比較して時間をはじき出されておりますね。それは、私は機械そのものの経済性から割り出した、その採算のとれる使用時間とずいぶんギャップがあると思うのですね。たとえば耕転機の場合は、大体採算のとれる使用範囲というのは八十日前後といわれているわけです。そうしますと、今の局長の牛馬と比較したあれから言うと、これは一日三反耕転したとしても、時間はたしか四時間ぐらいの計算になっておると思いますから、そうすると七、八日で済んでしまうんじゃないですか、あとは遊ぶということになるのでないでしょうか。そういう点から考えると、稼働率というものは二〇%ないし三十%ということになり、あと遊んでおる。それを私は過剰投資の現状であろうと思います。牛馬と比較して時間を出されたんでは、ほんとうの機械化の経済性、効率というものは出てこない。機械そのものから見た場合——あなたは牛馬と比較しておる。従って機械そのものの効率から言うと、非常に過剰投資というものが現実に行なれておる。この過剰投資、機械化貧之の現状に対して、一体これをどのように打開されるか、問題ははっきりしておると思いますので、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/6
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007・河野一郎
○河野国務大臣 私は、今日の農業の経営が、偏在という言葉が当たるかどうかわかりませんが、労力が偏在するというところに一つの大きな原因があると思うのであります。なるべくこれを年間を通じて、普遍的に、経営の合理化といいますか、機械化していく必要がある。ただいまお話しの機械にいたしましても、これを水田の場合にとって考えるとか、それから単作地帯において考えるとかというようなことでありますと、利用度が非常に少ない。その利用度の少ないところへ、どういうふうに作付もしくは経営の組み合わせをして参るかということによって利用度を高めていくということが、とりもなおさず構造の改善になっていくものだと思うのであります。従って今ここに提案いたしておりますように、機械そのものの改良もしくは検査、さらにこれが経営について、どういうふうに指導して参るかという面に今後十分注意して、大いに奨励して参らなければならぬ点があるのだろう、こう考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/7
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008・楢崎弥之助
○楢崎委員 そこで私どもから言いますと、たとえば七日間で終わってしまうとしますと、結局、機械そのものの採算性からいって八十日とするならば、そこに十軒ぐらいが合同で使って、初めてその機械そのものの経済性が発掘される。そうしますと、やはり土地問題に同時に配慮をしなければ、ほんとうの機械化推進、導入の普及化ということは考えられぬじゃないか。そこで一番最初の質問になってきますが、現実に行なわれんとしておる農業改善事業の内容は、この機械化促進法三条の構造改善配意義務と非常にかけ離れておるということを私は言っておるわけなんですけれども、その点、大臣どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/8
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009・河野一郎
○河野国務大臣 私も、これまでたびたび申し上げますように、共同経営は決して排除いたしておりません。共同経営がうまく地方の方々の合意によって成り立ちます場合には、けっこうでございます。しかしまた、そうでなければならないという規定、考え方を持つ必要もない。それは協業であっても、むろんけっこうである。もしくは協業までいかなくても、その経営規模を拡大することが可能であれば、拡大することももちろんけっこうであります。さらにそうでない場合におきましても、今申し上げますように、経営面積が少なくとも、そこに集約的なものを取り入れていくということでありますならば、これを利用する利用度も高まってくるだろう、こういうふうに考えられますので——実際今日の農村の実情を考えてみますと、耕転機を耕転だけに使っておる場合は少ない。ことに簡単なものに至っては、これを運搬に使う場合が非常に多いというふうに、私は実情を見ております。これらの利用度につきましては、今後指導の上においてあやまちなくいく必要がある。また利用の面におきましても、小さいものを各戸で持つよりも、なるべく共同で大きなものに変えていった方が能率がさらに上がるわけでございますから、機械の利用等につきましても、今後研究指導の面においてあやまちなくいきたいと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/9
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010・楢崎弥之助
○楢崎委員 そとで機械化貧乏と関連をいたしまして、第四条に融資の規定があるわけです。これの内容は近代化資金が中心であると思うのですが、昨年の近代化資金の審議の際にも、利子が非常に高過ぎる、大臣は、五分以下に努力してやるべきだという附帯決議にも、努力するという考えでございましたが、今度は一分だけ加えられるようになったのですけれども、それでもなお私は非常に足らないと思うわけですが、その点お考えをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/10
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011・河野一郎
○河野国務大臣 私もその通りに考えます。そのためには現在の農村金融の実情を根本から一ぺん考え直さなければ、これ以上金利を下げることはなかなかむずかしいという立場に立ち至っておるわけでございまして、できるだけ努力いたしまして、来たるべき際には何とか農村金融そのものを全面的に一つ考え直して、そして農村金利の引き下げに努力いたしたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/11
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012・楢崎弥之助
○楢崎委員 この融資の点も、今後これと、機械化促進をされる途上において密着して考えていっていただきたいと思うわけです。
それから機械化研究所でございますが、この前お伺いしました範囲においては、どうも資金関係が十分確信のある資金関係でないような印象を受けたわけです。そこで、やがてこの研究所は独立採算制をとるようになるであろうと思うのですが、大体いつごろの時期から独立採算制に入るのか。特に民間からの出資の点は大臣自身もいろいろ交渉されておるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/12
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013・河野一郎
○河野国務大臣 各方面の御協力を得まして大体の了解を得ておりますので、既定方針通り発足してやって参りたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/13
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014・楢崎弥之助
○楢崎委員 三十七年度は二億円を予定されておるようですが、大体どういうところがおもなのか、おもなところだけでも……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/14
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015・河野一郎
○河野国務大臣 農業団体その他、農機具に関係のあるものから出資をしてもらうつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/15
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016・楢崎弥之助
○楢崎委員 それから研究所の人事でございますが、民間からも入ってこられると思うのです。そういう人事の構想はすでにでき上がっておるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/16
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017・河野一郎
○河野国務大臣 人事のことでございますから慎重を期さなければならぬと思いますが、私自身は、最も適切な人を得ます場合にこの研究所は生きていくというふうに考えておりまして、その適当な人ならば官民各方面の御信頼を得て、御納得もいくであろうという人物を実はひそかに考えておるわけでございまして、今この席で申し上げますことは多少不謹慎でございますからお許しを得たいと思いますが、別の機会なら申し上げてけっこうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/17
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018・楢崎弥之助
○楢崎委員 人事の問題は開発公団の場合もいろいろ問題があるようですから、特に慎重を期していただきたいと思います。なお、この研究所に民間の出資が入るということは研究所自身の性格から考えて、いろいろ検査なんかも行なうわけですから、そういう点で公平を欠く、あるいは民間のそういった大きな出資をしたところの発言権が増すのではなかろうかという不安が一応あるわけでございますが、そういう点について、大胆の運営についての御配慮をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/18
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019・河野一郎
○河野国務大臣 ただいま申し上げましたように、具体的にその人を申し上げることができかねますので御了解を得にくいと思いますけれども、その点は十分配慮いたしまして、この人ならば今御心配のありましたようなことは絶対なしに、官民各方面が御納得いくと私は確信をいたしております人を予定しております。従ってそういう点については私も確信を持って御了解を得てやることができると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/19
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020・楢崎弥之助
○楢崎委員 なお、先ほど申しました、今後二、三年後には独立採算制をとっていかれると思いますが、その際の資金計画ができておりませんので、あとで時間があればまた局長にもお伺いしたいと思いますけれども、非常に安易な資金の組み立て方のようにわれわれは受け取るわけです。これは時間がありましたら、あとでさらに質問をいたさなければならないと思います。
次に、これは特に最高責任者としての農林大臣のお考えをお伺いしたいのですが、職員が研究所にかわります。どのくらい入ってくるか、この前局長からお伺いいたしました。こまかいようでございますけれども、職員にとっては非常に重大な問題であります。それは年金の関係が切れるのではなかろうかという心配を非常にしておりますから、この点は一つ最高責任者の大臣からお答えをいただきたいと思います。年金がどうなるかという問題。それから希望配転になるのか、強制配転になるのか、それが第二点。第三点は、これも小さいようでございますけれども、民間から入ってくる場合に、農林省関係から入ってくる人との給与のアンバランスができるのではなかろうかという不安もあります。この三点、大臣から一つ責任のある御答弁を伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/20
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021・河野一郎
○河野国務大臣 現に西ケ原で行なっておりますその事業を分けて、鴻巣においてやっておりますものを分けてやるわけでありまして、これに主体を置くつもりであります。ただ政府自身が西ケ原でやっておりましては、十分に運用が簡素化しにくい、また十分そういうものが扱いにくい点がありますから、これを分けた方がすべての点においてうまくいくというような意味合いから分けることにいたしたのであります。そこで年金はむろん政令をもって継続するということにいたすつもりでございます。それから希望者をそれに充てることにして、決して強制的には考えておりません。おそらく今日まで試験研究に従事されていらっしゃった諸君は行っていただけるものと考えております。それから民間から人を取り入れて主体性を持たせるという考えは持っておりません。持っておりませんから俸給上非常にアンバランスの人を連れてきてどうするということは考えておりません。
なお一点つけ加えておきたいと思いますことは、独立採算制の話でございますが、それを希望して十分勉強していただきたい。多数の委託試験、委託検査等があるのを期待いたしてそういう考えを持っておりますけれども、万一そういうことがございません場合、この仕事は非常に重要な仕事でありますから、政府といたしまして別途そのときはそのときに考慮してしかるべきものと考えております。財政上の不安等は絶対にないように安心してこの方面に従事していただけるというふうに配意してやって参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/21
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022・足鹿覺
○足鹿委員 関連して、大臣だけに一、二お尋ねをしておきたいと思うのですが、農業機械化審議会の構成と運営についてであります。現在の構成と運営を見ますと、審議会の会長が河野一郎農林大臣であり、その会長が農林大臣に答申をする、こういう格好になっておるのですが、他にも類例のないことではないと存じますけれども、少なくともこういう形は、大臣がいかように御努力になりましてもおのおの限界もあるし、特に農業機械化等は、今後日本農業の近代化への脱皮の途上においてきわめて重要な問題を審議するわけでありますので、これとあわせて御考慮願いたい点は、いろいろな委員が名を連ねておられますが、公務員の数があまりにも多過ぎはしないか、大蔵省主計局長以下十一名入っておられる。別にそれが入られて悪いというわけではありませんが、もう少し民間あるいは農業の体験を持つ人々の代表とか、構成についてはもう少し検討されなければならぬではないか、これは別に利害関係を伴う審議会ではありませんから、十分にその機能を発揮せしめる必要がありはしないかと思うのであります。構成の点はこの点について伺いたい。
なお、その運営の点でありますが、現在によりますと、機械の検査等が中心になっておるようであります。しかし先日来の審議の経過を見ましても、指摘をされ、また参考人の意見聴取においても明らかになりましたように、今わが国の農村に振興しつつある部分的な、思いつき的な、個々の農家がばらばらに省力農法をするというだけで、機械を入れるということではなしに、耕転、まきつけ、管理、収穫、そして調製、こういった一連の体系的な機械化が望まれておるのであり、そのためにこそまたいろいろ施策も講じられんとしつつあるのだろうと思うのであります。そういう意味において、もっと審議会の内容は、私が今指摘したような問題を中心に運営をされなければならぬと思うのであります。ただ単に機械の検査に終始するというわけでもありますまいが、もっと積極的に本格的にこの問題と取り組むような運営、またそれにふさわしいような構成員ということが関連して必要と思われますが、この点について大臣のしかとした御見解を承っておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/22
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023・河野一郎
○河野国務大臣 御指摘になりました点、ごもっともと思います。御趣旨に沿いまして善処いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/23
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024・足鹿覺
○足鹿委員 御善処になるそうでありますから、その結果を期待いたしますが、ぜひ期待を裏切らないように御努力を願いたいと思います。
それから、この問題とは直接関係はないようでありますが、一歩進んだ農業機械化の一環として、三十七年度に社団法人農林水産航空協会の構想があり、予算も計上されて、すでに協会は発足したと伝えられております。これは河野大臣の御構想のようでありますが、それによりますと、ヘリコプターの移動に対する補助を与えたり、あるいは調査研究に、あるいは教育普及等に補助を与えるというようなことを中心にこの協会が運営をされ、そうして効率的なヘリコプターの利用を進めていくというようでありまして、そのこと自体には私あえて異論を差しはさむものではないのでありますが、現在はいろいろなステーション構想があるのであります。たとえば、植物防疫法関係による防除センター、あるいは都道府県が持っておるところのトラクター・ステーション、あるいはその他民間でやっております畜産のセンター、あるいは進んでは新潟県の直江津方面でやっておりますライス・センターというふうに、一連の農業関係についてはセンターの構想が進んでおるのであります。こういったものとやはり将来はよく事業分野を調整して、そうして効率的に総合的に運営が進められなければならぬ、かように私どもは考えておるのでありますが、ともかく現在の植物防疫法による防除センターとの関係というものがきわめて不明確になっておるように思いますけれども、この点についてはいかように考えて今後構想を進めていかれる御所存でありますか。
なお、農林水産航空協会の構成を見ますと、会長に三田村武夫氏、常務理事に鵜川益夫氏を充て、あとに、全日本空輸、あるいは朝日ヘリコプター、富士航空、三ツ矢航空、中日本航空、日東航空、西日本空輸というようなヘリコプター関係の航空会社、それから農薬工業会とかあるいは共済協会とかあるいは農協、全購連、農薬商業協同組合あるいは川崎航空KK、植物防疫全国協議会、日本ヘリコプター株式会社、日本植物防疫協会というふうに理事、監事のメンバーがなっておるのでありますが、私は別にいやみを言うわけではありませんけれども、最近いろいろな事業団の発足にあたって、いわゆるかつては国会議員の議席を持った人が、この三田村さんにいたしましても会長に就任をされる、あるいは全く、私どもの常識なり知識ではそれに専門的な見識なり体験を持っておられるかいなかよくわからない人々が、次次と事業団の、あるいはそれに類する政府関係機関等の責任者に選ばれるということでありまして、その人がいかような見識を持ち、御構想を持っておるかということについて私ども直接聞いたわけではありませんから、それをとやかく言うわけではありませんが、何かそこにすっきりしたという感じを受けないような印象を受けるのであります。この点についてどういう基準、というと、これは会長なり理事長の選任基準ということはむずかしいでしょうが、どういう点からこういう人選なり人事が行なわれますのか。少なくとも私どもはこういう農林水産航空協会というような画期的な団体の会長、またはその責任者たる人には、やはり斯界における権威者というような人々をもってするのが何人も納得をし、かつ信頼できる人事ではなかろうか、そういうふうに思うのであります。大臣が独自の見解を持っておられるならば、その御所見を承りたいと思うのであります。この点もあわせてこの際御所信のほどを承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/24
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025・河野一郎
○河野国務大臣 このヘリコプター協会は、ヘリコプターの利用度が非常に今年は高まるであろう、従来のように各会社がばらばらでやったのでは経費も高くつきますし、また適宜に必要なヘリコプターを得ることが困難だろうという見通しのもとに、ヘリコプター会社の代表者にお集りいただきまして、そうしてこれらの融合もしくは連絡を緊密にするように私はお話を申し上げました。そうしてその連絡機関をお作りになることが適当ではなかろうかというふうなことを申し上げましたところが、これらの各民間会社の諸君が一致して連絡機関を作って協力するということに話し合いができました。ここまでは私がごあっせん申し上げたことでございます。それから先は一にこれら民間会社の諸君が御相談なさいまして、そうしてこの機関を作って協力しようということになったのでございます。これは決して何も政府が作った団体でもなければ、政府がこうしろ、ああしろといったものでもない。これは民間の意欲の盛り上がりがこの機関になったのでございます。創立の最初の経緯はその通りでございます。そこで役員の人選ということになりましたところが、それぞれの会社が互いにその役員をどうするこうするで相当にもめました。私はその間しばらくあまり意見を聞いておりませんでしたが、最終的にどうしても会長と専務理事については農林大臣に一任するからだれか推薦してくれということになって参りましたので、そこで私は今言うところの三田村君と鵜川君を御推薦申し上げたということがその経緯でございます。
そこで最後に、かつて代議士をやっておった人がこういうものになるのはどうだろうというお話もありましたが、私はこの機会に明確にしておきたいと思いますことは、かつて代議士をおやりになって国策に参画をし、あらゆる面で勉強しておられた人を第一次的に選考の基準にあげるべきである。そうしてお役人であられた人よりも、むしろ議会に議席を持っておられた人で適格者があるならば、こういう人を御推薦申し上げることがいいのじゃないか、こう私は考えております。そういう意味で道路公団の総裁にも私は松田竹千代君を推薦いたしました。これは党派を越えて、社会党といわずわが党といわず、長年議会に議席を持ち、そうして国策に参画し、十分各般の勉強をされた方で、たまたまそういうふうに今休んでおられる人がありましたら、これはそういう機会にその道から御協力を願うということが適当ではないかと私は考えておりますので、御無礼な申し上げ方かもしれませんが、お互いにひが目で見るとかなんとかいうことではなしに、そういうふうな立場にあられる人でこういう方面から協力を願える人がおありでしたらば、私は十分一つ御協力願いたい。たとえば社会党の方で……。(「適任者がないか」と呼ぶ者あり)いや、適任者がなくはない。適任者はあります。たとえば新潟県の知事選挙にお出になりまして今遊んでいらっしゃる方も私は非常に適任者だと思います。従ってこういう人はすみやかに御推薦申し上げるべきだと考えております。現に私は御相談に乗っているわけでございます。御相談に乗って今御相談中のわけでございまして、私は役人よりも第一次的に考えるべきだと考えてやっているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/25
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026・足鹿覺
○足鹿委員 大臣がそういう御所見を持っておられれば、御所見として承るわけでありますが、少なくとも国庫の助成を一千二百十二万五千円支出をする、これは少なからざる経費だと思います。従来この種の公団あるいは公社あるいは協会といったようなものの運営を見ておりますと、たとえば農業開発機械公団にいたしましても、月収二十二万円もとり、そして六年間勤務をした人が一千二十五万円の退職金をとり、そしてまた次の公団に再就職をする、しかもその基準は月俸の百分の六十五というような高率な退職金をとって次から次へと転々とする、こういうような運営は、民間の会社あるいは政府の役人あるいはその他の事例を見ましてもおそらく類例を見ない事例ではないかと思うのです。あとでこれの関連法案として詳細に質疑をいたしたいと思っておりますが、農業開発機械公団にいたしましても、今私が指摘したような理事長の面だけを見ましても明らかであります。ほかにまだ理事諸公あるいは嘱託あるいは顧問というようなものに莫大な報酬を出し、退職金を出している。結果においては一億五千万も赤字の出た団体を運営して、本来ならば罷免ものであります。その責任を痛感して謝罪しなければならない立場の人が、一千万円以上の退職金をとって、また政府機関の他の公団に就職をする、こういうことは国民は納得しないのであります。この農林水産航空協会を見ましても、役員報酬等についてはきわめてわずかなものが計上されておりますから、私は同一に解釈しようとするものではありませんが、他にそのような事例があるのでありまして、しかもいわゆるこの種のものの総裁は、政治性を中心にしていくべきか、あるいは科学的なその道の専門的な経験と卓識を持つ人を選考基準にしていくべきか、という点について私は大臣と所見を異にするものであります。国会議員も互助年金制等もありますし、とにかく最小限度の生活を維持していくことは可能な段階にきております。そういうときに、私は三田村さん個人をとやかく言っているわけではありません、今後続出するであろうこの種のものに対して、そのときの大臣の考え方によって任命をされましても、あるいはその示唆によって就任をされましても、また次の大臣人事がかわるという場合には、やはりそこに継続性の点についても若干問題が出てきはしないかということを案ずるのであります。こういうことはやはり長きにわたって何人が見ても納得がいくような人事であってほしい、私どもはそういうふうに考えているのであります。そういう点からこの問題が出ましたので、一応私はその選考の基準というようなものについては、将来どの農林大臣が就任されましても、なるほどこういう人事は好ましいし、あってしかるべきだ——今後の日本農業の近代化、しかも総合的な機械化の一環として出発するこの協会でありますから、十分そういう点については将来にわたっても継続し得るような、納得し得るような人事をしかれ、そうして他の公団等についても、大臣は御存じないかは知りませんが、いやしくも批判を受けるような人事でないように十分御善処あってしかるべきではないか、かように考えておるわけでありますが、あえてこの点については御答弁を求めませんけれども、少なくとも、私はそう一方的な意見を申し上げておるのではない。客観的な立場に立ち、世論の声を私どもは申し上げておるのでありまして、十分一つ御検討を願いたいと思います。
関連でありますから、いま一点だけ申し上げますと、農林大臣は常に技術革新ということをおっしゃる、そして技術農業ということをおっしゃる。一体、大臣の言われる技術革新とはどういう意味の内容のものであるか。たとえば現在改良普及員制度がしかれております。これが農業技術を農家に普及、指導していく一つの実践機構になっておることは御存じの通りでありますが、その待遇の改善と相待って、素質の向上対策ということが叫ばれております。ところが、新しい農業機械化の問題等については、必ずしもその資質がそれにぴたり合うような人々がおるかどうか、また持っておってもそれを再教育を必要としておるのではないか、こういう点が指摘されておるのであります。一方また農協には、全国農協の過半数に及んで営農指導員の制度がしかれて、着々進んでおるのであります。これと改良普及員との関係、また技術研究機関としては農業技術会議が政府機関として設けられておりますが、一方においては、試験研究機関としては、部門別に果樹は果樹、林業は林業、水産は水産、畜産は畜産、そして農業は農業というふうに専門化をしておる都道府県もあれば、総合的な試験研究機関を設けて進んでおる都道府県もある。これは都道府県の自主性なりその知事の判断によってしかるべきものではありますが、少なくとも農業技術会議というものが政府機関として成立をし、相当の年月を経ておりますけれども、その活躍なりその内容というものについてはあまりよく知られておらない。この機会に、大臣の日ごろ唱えられる技術革新の具体的な構想の内容として、改良普及員の、たとえば農業機械化に対するところの素質の向上、再教育の問題、また改良普及員一般のあり方の問題、農協の営農指導員との関係、農業技術会議と地方における試験研究機関との関係、またこれには営農類型というものがその裏づけにならねばなりません。ところが営農類型としてはっきりしたものは二、三しかとどまっておりません。全国的に見ますと、一つの営農類型というものは七つないし八つの形になることは、私ども承知しております。しかしそれのみではなくして、都道府県には都道府県のまた中にあって営農類型がそれぞれ違ってくると思います。そういった点について、農相の言われる技術革新、技術農業というものはただお題目であってはならぬ、こういうものは内容的な裏づけがあってしかるべきだと私は思うのであります。この点について大臣の言われる、技術革新、技術農業ということを唱道される立場から、今私が指摘いたしました改良普及員対策、農協営農指導員対策、農業技術会議と試験研究機関との関係、これと営農類型との関係をどういうふうに把握しておられますか、また今後進めていこうとしておられますか。関連質問でありますので、この点だけを重要な点でありますから大臣の御答弁を願いまして、ほかのこまかい問題は事務当局にあとでお尋ねをしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/26
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027・河野一郎
○河野国務大臣 私が、技術革新、技術によるところの農業構造改善といいますものは、技術の基本を申しております。従って現に農業技術、農業試験研究、これらの試験研究所におけるところの革新的な技術の飛躍を期待いたしております。そのことなくして、いかにこれを指導員に普及させようと、普及する種本がないじゃないかと私は思う。今のようなことでは、今までやってきたことをそのままやっておるというようなことでは、いけるものじゃない。もう少し試験研究所で基本的に日本の農業はどうある、それぞれの農業経営をどうするかということを合理化する、革新する、飛躍するというようなところに目下期待をいたしておるのでございまして、この点に対する試験研究費は惜しまない、設備についても惜しまない。そこからまず基本が生まれまして、その基本をいかにしてただいまお述べになりましたように、これを普及員によってどういうふうに普及していくか、営農指導員によってどういうふうに営農の指導をするか、もうこれまでの営農指導員によって営農の指導をするとか普及員によって普及するとかいうような程度でなしに、もう一歩前進したものを期待し、そうしてそれに資金の裏づけをし総合的に構造改善をしていくというのでなければ、新しい日本の農業というものは生まれてこないだろう、こう期待をいたすのでありまして、今現にやっておりますところの普及をどういうふうに普及したらよかろう、営農をどういうふうに指導しようというような点につきましては、むろんそれをおろそかにするものではございません、まだ十分でないものもありますから、それらの諸君に十分御勉強願う必要もありますけれども、そのオリジナルのところのものはどうあるかというところに、私は大きく期待を持っておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/27
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028・楢崎弥之助
○楢崎委員 最後に一点だけお伺いをしておきますが、現在かかっております公団法とも関連いたしますが、農地局、振興局あるいは畜産局、公団はもちろんでありますが、そのおのおのの局が持っておるわけですね。それから府県には府県で導入された機械の公社などがある。これらの機械の運営あるいは修理その他も含めてどうもばらばらで、一貫した総合的な施策がこれでは行なわれないのではないか、この一元化の問題について、あるいはその各局がセクショナリズムを持ってやっておるのではないか、この非常にばらばらな姿に対してどういうふうな一元化の考え方と関連をしてお考えになっておるか、これを最後にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/28
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029・河野一郎
○河野国務大臣 まず、ただいま御審議を願っておりますこの法律の一部改正によりまして、試験研究所を作りまして、そうしてそこで優秀なる機械の指導、試験研究もしくは民間の機械の検定等行ないまして、指導すべき機械の体系を一応作りたい。次には農業機械のセンターを国において持ちます。従来農地局で持っております機械その他を出しまして、これで大きな機械はそこが国として持つようにし、各府県でそれぞれ希望のありますものは県のセンターを持って、国と県、中央、地方を一元的に相関連して、所要の充足に充てるということにしていきたい。ただいまお話しのように、これに対して各局ばらばらの指導がありやしないかというお話であります。そういうことのないように、むろん畜産は畜産、それぞれの面からいろいろの期待はございましょうが、中心になって行なって参るのは今申しましたような一応の類型としてやって参りたいと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/29
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030・野原正勝
○野原委員長 角屋堅次郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/30
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031・角屋堅次郎
○角屋委員 せっかく大臣御出席になりましたので、農業機械化促進法の一部改正について、重要な点をお尋ねいたしたいと思います。ちょうど私、いつも質問するときは、大臣他の業務で行かれる関係で、御協力申し上げなければならぬ時間があともう大してない。そういう点で、本日数点についての質問を終了するという段階になかなかいかないだろうと思います。いずれ時間がありますれば、別途の機会に、またあすでも時間を設けていただければと思いますが、先ほど来楢崎君その他からお話もあり、また今日まで審議をして参ったわけですが、これからの日本農業発展のための農業機械化の問題というのは、非常に重要であります。過般参考人を招致していろいろ意見を聞いた場合にも、これからの日本農業を推進するための機械の規模という問題について、一体これは大型化に発展をする方向でとらえたらいいのか、あるいはまた日本の立地条件その他から見て中型化の程度でいくのか、これが参考人との間でもだいぶ論争になったわけであります。これは今後農業機械化研究所等もでき、いろいろ試験研究の過程ではっきりしていくことだろうと思うのですけれども、大臣が今日技術農業の推進というものを、将来を見通して考えておられる立場から見て、日本の農業のいろいろな諸条件、こういう方向で大体農業機械の規模というものはいくべきじゃないのだろうかというお考えがあれば、まずそれを最初にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/31
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032・河野一郎
○河野国務大臣 これはよく専門家によって御検討願わなければ、私のようなものがにわかにここで大型がよかろう、中型が上がろうということを申し上げるのは早計であろうと思います。ただし、その専門家の意見の前に、日本農業のあるべき方向というものがきまりまして、そしてそれが構造改善の上におきまして、どういうふうな必要性が機械に付加されるかということが先にきまるべきものだというふうに私は思いますので、早急に構造改善のあるべき姿、あわせてそれが所要するところの農業機械というような方向に、研究が進められていくべきものじゃなかろうかと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/32
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033・角屋堅次郎
○角屋委員 これは過般参考人招致の場合も、農業機械の大型化傾向ということで、大型化に進むとすれば、日本の農器具の会社等の現状は、二百近く業種はあるのですけれども、しかし大半は中小企業なんです。トラクター等の大型のものになれば、これはやはり生産コスト等から見て輸入に仰がなければならぬ、日本でやるという場合には、これは何か合併の特殊会社でも作ってやらざるを得ないだろう、こういう意見等も出ておりまして、今後の農業機械化の方向が、日本の立地条件から見て中型化でいくのか、あるいは相当大規模なものでいくのかということは、機械農業との関連の中では非常に重要な問題だし、また生産基盤の整備という点から見て、過般来土地改良等で団体営農をやる場合に土地区画整理の基準を従来二反歩区画というようなことを言っておったのを、新年度から三反歩区画くらいに拡大をいたしたい、こういうことを考えてみますと、将来どういう方向でいくのかということによって、再び三たびさらに土地改良をやらなければならぬということも起こり得るわけですから、今直ちに大臣も仰せの通り結論をつけるというのは早計でございましょうけれども、また今後農業基本法の指向する方向をどういうふうに持っていくかという指導方針によっても違ってくると思うわけでありますから、これ以上申し上げることは避けたいと思います。
そこで、農業機械化を推進する場合に、今考えられておる農業機械化発展の過程では、農器具の会社等の年次の生産計画というものを見て参りますと、やはり売らんかなの態勢で生産をどんどんやっていく、たとえば昭和三十七年度の農器具の生産計画を見ましても、大体生産見込みが新年度約六百七十億というように推定をされておりますが、その中で耕転機については四十三万台を予定する、おそらくこの耕転機の四十三万台という生産計画は相当過剰化傾向になって、売らんかなの争奪戦が非常に激しくなるのではないか。今後畜産の成長財との見合いで、畜産機械の増産計画というのが、度計画では相当顕著に出ておるようですけれども、これは相当こなしていけるだろうと思いますが、こういう生産面の指導あるいは農器具の価格政策というふうな問題については、通産省との関係もあろうかと思いますが、やはり十分農林省、通産省等で指導の適正化を期さないと、いたずらに農業経営と見合わない、過剰投資の傾向というものを助長することになるのではないか、そういう点はどういうふうに御指導なさるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/33
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034・河野一郎
○河野国務大臣 お説のように、その点は十分注意しなければなるまいと思います。通産当局と緊密な連絡をとりまして、肥料生産その他と同じようにいかなければならぬと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/34
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035・角屋堅次郎
○角屋委員 従来から農業団体の関係では、農業機械化けっこうだけれども、農業機械化をやる場合におけるたとえば揮発油税にいたしましてもあるいは地方道路税の問題にいたしましても、こういう問題については、特に日本農業の実態から見て、免税等の措置を講じてもらって、農業経営におけるそういう面の負担を軽減してもらいたい、こういうふうな要望が強く従来から出て参っておったわけです。農林省の関係でも、現実にそういうガソリン税等の免税が今直ちに困難であるならば、それで徴収をしている税額がおそらく二十数億に上がるであろう、そういうものに見合って、そういうものを農民の方に還元する方途を考えたらどうだということから、御承知の通り農業機械化促進資金の創設というふうなことをいろいろ検討されたように承っておるわけでありますけれども、そういう機械化の進展に伴う諸税金、こういうものを減免の方向ないしはそういうものに見合う金を農村関係に還元をしながらそういう問題を進めていく、こういう方途に対する今後のお考えを一つ承っておきたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/35
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036・河野一郎
○河野国務大臣 お話の点は私も同様に考えまして、第一は、むろん安いガソリンということで、税の点を考え、いろいろ打ち合わせもいたしてみましたが、これは実行がなかなかむずかしい。それをやるのに設備、人件費等が非常にかかりまして、なかなか効果が上げにくいというような点で行き詰まりまして、第二の点についても実は相当に大蔵当局と話し合い、もしくは建設当局とも話し合ってみましたが、今年度の予算の編成には間に合いませんで、まだ結論を得るに至っておりません。今後はまた引き続き一つ考えてみたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/36
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037・角屋堅次郎
○角屋委員 農業機械化のための資金問題、こういうのは従来からも農業改良資金というふうなことで、農器具の導入が推進をされてきたわけでありますが、最近、昭和三十四年以降の金紙は、おおむね十六億前後ということで、昭和三十一年以来三十五年までで六十七億が農業改良資金としてこれに充当されている。今後機械化の問題は、単に機械化だけを進めることは問題がありまして、諸般の総合的な政策の中で進めなければならぬと思いますが、農業機械化の充当資金の今後の考え方というものはどういうふうにやっていこうというのか、その辺の御方針を一つ承りたい。
なおまた、農器具の工場等の問題に対する融資ということで、昭和三十三年以来昭和三十六年までに約二十億の融資がなされてきたわけですけれども、これは農器具の生産コストの問題あるいは農器具の価格政策の問題、こういう問題にも関連するわけです。そういうものに対する——この農器具の工場の問題は単に農林省だけの問題じゃないわけですけれども、農林省の立場から見て、こういう問題に対する今後の考え方、直接的には生産農民の農器具の導入という面における資金の面で、今後の需要の見通し、あるいはそれに対する充当の計画というものが、どういうお考えで進められるのかお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/37
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038・河野一郎
○河野国務大臣 先ほどお答えいたしましたように、近代化資金を充当して農村の機械化を推進して参る、その際に金利が高過ぎるという点もございますが、それにつきましては先ほどもお答えいたしました通りに、今後農村金融という面についてできるだけ改善をして参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/38
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039・角屋堅次郎
○角屋委員 今度の農業機械化研究所の問題については、過般来いろいろお尋ねがあったわけですが、御承知の通り民間の出資五億円を加えて、当面の資金計画としては十六億五千万円、しかも政府出資にいたしましても本年度は二億円でありますが、研究基金としては五百億までこれをあげ、さらに六億五千万円については土地の購入あるいは建物の建設あるいは設備、備品、事業費不足充当分、こういうものを加えて、現物出資的なものを加えて、政府の方は十一億五千万円、それから民間の出資が五億円、こういうことでほぼ三年くらいの間に体制を整備するということですが、今後、先ほど足鹿委員からもお話がありましたように、日本における農業の一貫的な機械化体制を整備するという点から見ますると、この農業機械化研究所の受け持つべき役割というものはきわめて重要になってくると思うわけです。しかも、過般も申し上げたのでありますけれども、民間の農業機械の工場においても民間ベースにおける試験研究というものをやっておる。そういう民間におけるところの試験研究というものと、農業機械化研究所で行なう試験研究というものの相互関連、あるいはこの種試験研究にはどうしてもやはり秘密主義的なものと、いうものが当然伴ってくる。しかし技術の進歩のためにはそういう秘密主義のヴェールというものを、やはり生産農民の立場から言えばそれを克服しながら、もちろん特許権とかいろいろな問題もありましょうけれども、そういう問題もやはり今後行政的な指導等も十分やらなければならぬでしょうし、そういう各般の問題も含めて資金計画の将来の態勢、それから試験研究所におけるところの試験研究というものと民間の機械工場における研究との相互連絡調整、こういうふうな今後の指導の面をどういうふうにやられるか、御方針を承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/39
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040・河野一郎
○河野国務大臣 私は、お話の通りにこの機関が非常に今後のわが農村の機械化の上において重要であるというような意味合いから、特に人事に留意をいたして参りたい。この責任者には、先ほども申し上げましたように各方面の絶対信頼の厚い人であって、しかもその人がこの期待にこたえるに足るだけの業績の上がる人を充てることが必要であるというような意味合いから、あえて申し上げますれば、その適任者を私は得ましたので、この構想を具現するという気持に私はなりましたようなわけでありまして、この人にこの仕事を担当してもらうならば、おそらく私は、各方面の信頼にもこたえることができますし、業績も上げることができるだろうと思って御審議を願っておるというわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/40
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041・角屋堅次郎
○角屋委員 大臣の時間の関係があって非常に中途半端な段階ですけれども、きょうはおめでたい会合があるそうですから、大臣に対してはこの程度で一応保留をいたします。
先ほど楢崎君もお伺いしたのですが、機械化研究所に行く職員等の給与、あるいは身分上の問題に関連して、大臣でありますからえらい大まかに答えられたわけですが、この点から一つお伺いをいたしたい。当面、農業機械化研究所の方に行く農林省からの職員の予定数、それから今後の身分問題としては、御承知の年金問題が一つありますし、また給与関係の問題がある。一体機械化研究所に行く場合には、大体一五%くらいの給与アップというお考えのように承っておるわけですが、今後の全体的な長い目で見て、国家公務員で行く場合に、機械化研究所に入っていく場合のバランスをとるためには、少なくとも四割近くベース・アップをしないと最終的なバランス・シートがしかれないのではないかという現地側の意見も出ておるようですが、年金問題の取り扱い、あるいは給与のベース・アップの問題、あるいは諸手当等の問題も含めて、どういうように現在処理されようとしておるのか、お考えを承っておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/41
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042・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 この研究所ができました場合に、農業試験場から移る人、並びに従来研究に従事しておった人がこちらに移る予定をいたしておるわけでございます。これは先ほど大臣から御答弁があった通りでございます。人員といたしましては、さしあたり三十七年度におきましては三十九名を予定いたしておりまして、試験場関係が二十六名、検査関係が十三名を予定いたしております。もちろんこれらの諸君が研究所に行くか行かないかは希望によってきまるわけでございますが、かりに研究所に移りました場合における年金、手当等について、どのような取り扱いをするかということでございますが、退職年金等の長期給付につきましては、研究所に転出した職員が再び農林省に復帰する場合におきましては組合期間を当然通算する考えでございまして、これは国家公務員共済組合法施行令の四十三条で、機関を指定すれば当然通算ができるようになるわけでございます。これは他の研究機関も同様でございますが、われわれとしてはそういう指定をこの政令を改正して行なうという予定でございます。また退職手当につきましては、同様に農林省に復帰する場合におきましては、在職期間が通算できますように措置する考え方でございまして、これまた国家公務員等の退職手当法施行令第九条で機関を指定することができるようになるわけでございます。そういう考え方で処理いたしたいと予定いたしております。それから待遇の関係でございますが、研究所を作る一つの大きな理由といたしまして、農業機械関係の技術者を現在はなかなか国の機関で採用しにくいという状態にあるわけでございます。そこでこの研究所を設けまして人材の確保をはかりたいということにあるわけでございます。そういう意味におきまして、他の同様同種の研究機関もございますので、具体的な実情に即してそのような基準も参考といたしましてきめて参りたい。この研究所を設けたゆえんが人材確保にあるわけでありますから、御指摘のような点もケース・バイ・ケースに沿って検討して参りたい。大体研究機関の通例でありますと、現在の公務員の一五%から二〇%くらいが平均して上がっておるという状況に相なっておるように承知しております。今後具体的にそれを進めます場合におきましては、個々の人につきまして検討いたして参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/42
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043・角屋堅次郎
○角屋委員 農業機械化研究所は、この法案が処理をされる場合においては十月一日から発足する予定である、こういうことになっておる。その十月一日から発足をしていく職員その他の関係の経過措置的なものは具体的にどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/43
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044・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 予算におきましては、また定員法の関係におきましては、九月三十日までは農林予算について必要な経費を計上し、また定員もそのようなことに相なっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/44
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045・角屋堅次郎
○角屋委員 今度の農業機械化研究所の関係で、定時検査については機械化研究所、あるいは事業検査については農林省、こういう関係で検査の問題をやっていこうということになっておるわけでありますが、常時検査に今度切りかえる、そこで問題は、従来の農機具検査の実績というのが資料として出ておるわけですけれども、この前参考人を呼んだときにも、検査に機械を出してから圃場検査もやらなければならぬ、あるいは室内の検査もやらなければならぬから相当時間がかかる、実際に今度機械化研究所等で型式検査の常時検査をやる場合に、その検査の時間短縮というものが大体どの程度できるというふうな考え方を持っておられるのか、その辺のところを一つお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/45
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046・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 現在におきましては定時検査をやっておりまして、常時検査という措置はとっておらないのであります。従って検査期間ばかりでなしに、定時検査の関係上、ことし検査を受けられなかったものは翌年まで一年待たなければならないという意味の時間的な必要もあったわけでございます。それは今回の改正案におきましては常時検査ということにいたして参りたい。それから具体的に今度は検査をやる場合における検査期間がどのように短縮されるかという点でございますが、従来の検査内容につきましてはなかなか審査等につきまして十分の施設、十分の人員がとれない関係もございまして、事実は二カ月半ないし三カ月くらい、検査を受けてから最終的に決定するまでには時間がかかったわけでございます。今後所要人員が確保される、また検査精度を上げるための施設が拡充されれば、大体二カ月くらいでできるのではなかろうか、こう予定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/46
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047・角屋堅次郎
○角屋委員 これは楢崎君の方からもあるいは質問があったかと思いますが、試験研究所で行う試験研究の範囲、それから農事試験場あるいは地域の農業試験場等で従来から行なっておる試験研究というものとの総合調整といいますか、あるいは相互の一貫した研究体制、そういうものについては当然お考えがあろうと思うわけですが、これは今後機械化研究所ができて農業機械化等の一貫した試験研究等をやる場合と、国あるいは県が従来から行なっておる試験研究、さらにまたそれを拡充していく問題等も含めて、どういうふうにやられるのか、お考えを承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/47
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048・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 まず運営面において申し上げますと、この研究所におきましては運営審議会を設けることになりまして、これには機械化関係の試験研究と関連する人を学識経験者として当然入れて参りたい、従って試験場関係の人も当然その中に入れまして、試験研究の研究所における運営についての企画あるいはその他の諮問に応じてもらいたい、こういうつもりでおるわけでございます。これが第一点でございます。
第二点といたしましては、この機械化研究所の運営自身については、やはり試験研究の今後の農業機械化における試験分野を担当するわけでございますので、分野といたしましては、この研究所は開発改良ということに限定されますけれども、農林省の機構といたしましては、ここに技術会議の事務局長もおいでになりますが、技術会議で全体的な総合調整をするということにいたしておるわけでございます。従って今後国の試験場あるいは県の試験場とこの特殊法人である農業機械化研究所の試験研究については、当然農林水産技術会議におきまして、十分横の連絡調整をはかっていく、こういうことによって調整をはかって参るというつもりでおるわけでございます。さらに研究所を置く大体の場所といたしましては、鴻巣の試験場の付近に置くわけでございますので、実質的には関東東山の農業試験場とは事実上非常に密接な連絡をはかっていくことになろうかと考えておるわけでございます。
それから第三点といたしまして、今後これらの試験場が運営されてくる過程におきましては、当然研究所から試験場に委託研究をお願いするとか、あるいはまた試験場から研究所との連絡をはかって、試験を共同でやるというようなことも行なわれるであろうと思われるわけでございます。これは民間における研究機関との関係も同様でございます。そういう運営方法を人的な面において、あるいは試験の受託、委託の関係において、緊密な連絡をはかっていくようなことをしていったらどうであろうか、こういう考え方を持っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/48
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049・角屋堅次郎
○角屋委員 これはこの前にも問題が出ておったわけですが、パテント、特許権の問題でありますが、農業機械化研究所で行なう試験研究の結果、特許権的なものが出てくると思いますが、これは国が特許権を持つという形に相なるのか、あるいは研究者自身が持つという形になるのか、またその場合にも民間の農機具工場等から委託を受けて試験研究をやるという形の結果、特許権の問題が発生するという場合の取り扱いを、どういうふうに委託農機具工場との関係でしていくのか、この辺のところの考え方を一つ明確にお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/49
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050・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 この研究所におきまして、各種の特許を持つような場合におきましては、従来は農業試験場におきましても、特許権を持っている場合があったわけでございます。その場合におきまして、純然たる個人の場合とそれから公的な機関における仕事の一環としてやったような場合もありますので、大体多くの場合は、試験場として特許権を持っているような例が多かったようでございます。今後におきましても、この種の研究機関でございますから、特別の本人に帰属すべきものを除きましては、当然研究所がその特許権を持つべきである、かように考えておるわけでございます。同時にまたこの特許権の実施にあたりましては、研究所としては当然広く公開すべき性質のものでございますので、この実施にあたりましては広く利用ができるようなことにはかって参りたい、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/50
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051・角屋堅次郎
○角屋委員 最後に、時間の関係もありますので、簡単にお伺いしたいと思いますが、さっきガソリン税の問題で大臣にお伺いしたときに、今後とも検討を進めていくというお話でございましたが、これは政務次官、明年度あたりには何らかの形でこの問題が前進をするというふうに期待をいたしてよろしいわけでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/51
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052・中馬辰猪
○中馬政府委員 これは今回の法律案を提案する際においても、大臣が関係方面とも相談いたして、ぜひともガソリン税の問題を機械化促進法にいうように使いたい、こういうことでありましたけれども、本年は初年度でありまして、そこまでの意見調整ができなかったわけでございますけれども、来年度は、ぜひ一つ農林省の正式の省議として大蔵省方面とも相談をいたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/52
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053・野原正勝
○野原委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/53
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054・野原正勝
○野原委員長 これより本案を討論に付します。——討論の申し出もないようでありますので、直ちに採決に入ります。
漁業機械化促進法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の御起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/54
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055・野原正勝
○野原委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決いたしました。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/55
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056・野原正勝
○野原委員長 この際、楢崎弥之助君外二名より、本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
趣旨弁明を許します。楢崎弥之助君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/56
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057・楢崎弥之助
○楢崎委員 私は、自民、社会、民社、三党を代表いたしまして、ただいま採決されました農業機械化促進法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付するの動議を提出いたします。
まず、附帯決議の案文を朗読いたします。
農業機械化促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は、農業機械化促進対策および本法の運用に当り、次のとおり措置すべきである。
一、わが国農業における農機具に対する過剰投資的な傾向を是正し、機械化の効率が十分に発揮できるよう適切な指導を行なうこと。
二、農機具に関する試験研究については、農林省の試験研究機関と農業機械化研究所が相互に重複競合することのないよう十分な総合調整をはかるとともに研究所職員の身分の安定、年金等の通算についていかんなく措置すること。
三、農業近代化資金等農機具取得に関する融資制度を拡充強化すること。
四、農業機械化審議会について、その構成に検討を加えるとともに、主として農機具検査に関する問題のみについて審議されてきた従来の運営方法を改め、今後はわが国農業機械化を促進する上における基本問題と総合対策についても十分調査審議すること。
五、農業機械化関係の農業改良普及員の増員と研修による資質の向上をはかること。
六、研究所の経理については、昭和四十年度以降においてもその運営に支障のないよう十分な予算措置を講ずること。
右決議する。
以上が附帯決議の案文であります。
その理由につきましては、すでに本委員会における審議を通じ十分に明らかになっておりますのでこれを省略し、直ちに審議、御賛同あらんことをお願いいたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/57
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058・野原正勝
○野原委員長 採決いたします。
楢崎君の動議の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/58
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059・野原正勝
○野原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
この際、政府の所見を求めます。中馬農林政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/59
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060・中馬辰猪
○中馬政府委員 ただいまの御決議につきましては、六項目とも、いずれも当然農林省としても検討して実現すべき問題であると思っておりますので、今後真剣に検討を加えて御趣旨の線に沿うように努力をいたしたいと考えております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/60
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061・野原正勝
○野原委員長 なお、本案議決に伴う委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/61
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062・野原正勝
○野原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
次会は明十一日午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十一分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104005007X02819620410/62
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