1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十八年二月十九日(火曜日)
午前十時十六分開会
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出席者は左の通り。
委員長 木村禧八郎君
理事
石井 桂君
稲浦 鹿藏君
徳永 正利君
委員
岩沢 忠恭君
黒川 武雄君
田中 清一君
増原 恵吉君
三木與吉郎君
村上 春藏君
瀬谷 英行君
田中 一君
中尾 辰義君
村上 義一君
田上 松衞君
政府委員
建設政務次官 松澤 雄藏君
建設省都市局長 谷藤 正三君
建設省道路局長 平井 學君
建設省住宅局長 前田 光嘉君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
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本日の会議に付した案件
○住宅金融公庫法及び日本住宅公団法
の一部を改正する法律案(内閣送
付、予備審査)
○土地区画整理法の一部を改正する法
律案(内閣送付、予備審査)
○共同溝の整備等に関する特別措置法
案(内閣送付、予備審査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104314149X00619630219/0
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001・木村禧八郎
○委員長(木村禧八郎君) ただいまより建設委員会を開会いたします。
本月七日予備付託になりました住宅金融公庫法及び日本住宅公団法の一部を改正する法律案、十二日予備付託になりました土地区画整理法の一部を改正する法律案及び十三日予備付託になりました共同溝の整備等に関する特別措置法案を一括して議題といたします。
まず、提案理由の説明をお願いいたします。松澤政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104314149X00619630219/1
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002・松澤雄藏
○政府委員(松澤雄藏君) ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び日本住宅公団法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
改正の第一は、住宅金融公庫が、住宅の改修を行なう者に対し、その改修に必要な資金の貸付の業務を行なうこととしたことであります。
住宅金融公庫は、昭和二十五年設立以来、国民大衆が健康で文化的な生活を営むに足りる住宅の建設に必要な資金を融通し、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与して参ったのであります。
さて、御承知のように、わが国の住宅には、老朽した住宅や設備不良の住宅等、改良や修繕を必要とする住宅が相当多いのでありまして、なかんずく農山漁村の住宅には古い建築が多く、構造上あるいは聞取りや設備等の面で改善を要するものが多いのが実情であります。かような実情にかんがみ、住宅融資を行なう政府関係機関である住宅金融公庫において、住宅の改修、すなわち改良及び修繕に必要な資金を貸し付けることにより、積極的に住宅の防災性及び居住性を向上し、もって国民大衆が健康で文化的な生活を営むに足りる住宅の確保をはかることといたしたのであります。この貸付金の一戸当たりの金額の限度は政令で定めることとし、貸付金の利率は年六分、償還期間は十年以内とすることといたしております。
改正の第二は、住宅金融公庫または日本住宅公団が、宅地債券を発行することができることとしたことであります。
今日、住宅の建設にあたり、宅地の取得難が大きい隘路となっていることは、御承知のとおりであります。この宅地取得難に対処して良好な宅地の供給、特に地方公共団体、日本住宅公団等による宅地の造成供給を増大する必要があるのでありますが、そのための資金の拡充増大をはかるための一方策として、かたがた、宅地需要者の宅地購入資金の積み立てを奨励するため、宅地資金積み立ての制度を設けることがきわめて時宜に適した措置であると考えるのであります。このような考えに基づきまして、住宅金融公庫または日本住宅公団は、主務大臣の認可を受けて、それぞれ住宅金融公庫宅地債券または日本住宅公団宅地債券を発行することができることといたしますとともに、これらの宅地債券を引き受けた者で分譲宅地の譲り受けの申し込みの際にその宅地債券の一定割合以上を所有しているものに対しては、公庫から融資を受けて地方公共団体等が造成した分譲宅地または日本住宅公団が造成した分譲宅地の譲受人を選定するにあたって特別な取り扱いをする、すなわち他の者より優先的な取り扱いをすることといたしたのであります。
以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
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土地区画整理法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由の説明を申し上げます。
現下の宅地難を解決するためには、宅地造成事業を積極的に推進する必要があることは申すまでもないところでありますが、そのためには、用地買収の方式による宅地造成事業のほかに、土地区画整理の方式による宅地造成事業をさらに強力に推進する必要があると思われるのであります。
土地区画整理事業は、御承知のように、宅地の造成並びにその利用の増進をはかるとともに、道路、公園等の公共施設を整備して、健全な市街地の建設をはかることを目的とするすぐれた手法の事業でありますが、一面複雑な権利関係がからむ困難な事業でもありますため、地方公共団体、日本住宅公団等の公的機関による施行の能力には限界があります。したがって、土地所有者等が自主的に設立する土地区画整理組合による自発的な施行を促進し、宅地難の解決に資すべきものと考えられるのであります。
しかしながら、土地区画整理組合の事業におきましては、組合員の所有地を減歩して生み出した保留地を処分して事業資金に充当する方法をとっておりますが、保留地が処分できるようになるまでには、数年の工事期間と多額の工事費を要しますので、多くの土地区画整理組合がその間の事業資金の調達に苦慮いたしているのであります。
このような現状に対処するため、相当規模の住宅市街地を造成することを目的とする土地区画整理事業を施行する土地区画整理組合に対しまして、その事業の公共性にかんがみ、その事業資金について特別の助成の措置を講じることが時宜に適した策であると考えまして、このたびこの法律案を提出することといたした次第であります。
次に、その要旨を御説明申し上げますと、都道府県または指定都市が一定の要件を充足する土地区画整理組合に対し事業資金を貸し付ける場合には、国がその貸付金の二分の一以内の金額を都道府県等に貸し付けることができることといたしております。そして、国の都道府県等に対する貸付傘及び都道府県等の土地区画整理組合に対する貸付金は、いずれも無利子とし、償還期間はそれぞれ六年以内及び五年以内とすることといたしております。
以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
次に、共同溝の整備等に関する特別措置法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
最近、大都市におきましては、地下埋設工事その他道路の掘り返しを伴う占用工事が非常に多く、そのため、道路交通の障害及び道路の不経済な損傷が著しい現状であります。これに対処して、従来より、関係機関との緊密な連絡のもとに、地下埋設工事の施行時期及び実施方法につきまして合理的な調整と改善を推進して参ったのでありますが、なお、現下の交通状況にかんがみ、抜本的に掘り返しを防止する方策を講ずる必要があります。
そこで、交通の著しく輻湊する特定の道路につきましては、特に道路管理者が道路の付属物として電話線、電線、ガス管等の公益物件を共同して収容する共同溝の整備を行なうものとし、もって円滑な道路交通の確保と道路の構造の保全をはかる必要があると考え、このたび、この法律案を提出することといたした次第であります。
次に、この法律案の要旨について申し上げます。
第一に、建設大臣は、交通が著しく輻湊する道路で、道路の掘り返しにより道路交通上及び道路の構造の保全上著しい支障を生ずるおそれがある道路を、道路管理者の意見を聞いて、共同溝を整備すべき道路として指定することができることといたしました。
第二に、この共同溝を整備すべき道路におきましては、原則として車道の掘り返しを伴う占用の許可を認めないことといたしました。
第三に、道路管理者は、共同溝を整備すべき道路の指定があったときは、関係公益事業者の希望を聞いて共同溝を建設し、これに電話線、電線、ガス管等の公益物件を敷設せしめることといたしました。
第四に、共同溝に公益物件を敷設することとなった公益事業者は、共同溝の整備に要する費用の一部を負担しなければならないことといたしました。
第五に、国は、共同溝の整備に要する費用のうち、公共事業者が負担する費用を除いた道路管理者の負担分についてその二分の一を負担し、または補助することといたしました。
以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104314149X00619630219/2
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003・木村禧八郎
○委員長(木村禧八郎君) 次に、ただいま聴取いたしました三法案の補足説明を願います。
初めに、住宅金融公庫法及び日本住宅公団法の一部を改正する法律案について、前田住宅局長から説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104314149X00619630219/3
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004・前田光嘉
○政府委員(前田光嘉君) ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び日本住宅公団法の一部を改正する法律案につきまして、逐条的に御説明申し上げます。
初めに、この法律案の大要を申し上げますと、住宅金融公庫法におきましては、住宅の改修に必要な資金の貸付を行なうことを住宅金融公庫の業務に加えるとともに、同公庫が住宅金融公庫宅地債券を発行することができるものとし、かつ、その債券を引き受けた者に対して宅地の譲受人の選定の際に特別の取り扱いをすることといたしたものであります。また、日本住宅公団法におきましては、日本住宅公団が日本住宅公団宅地債券を発行することができるものとし、かつ、その債券を引き受けた者に対して同公団が造成した宅地の譲受人の選定の際に特別の取り扱いをすることといたしたものであります。
以下、条項を追って御説明申し上げます。
まず第一条は、住宅金融公庫法の一部改正であります。
初めに、住宅金融公庫法におきまして、第十七条に新たに第五項を加えまして、公庫は、住宅の改修を行なう者に対しその改修に必要な資金を貸し付けることができることいたしました。これに伴い、第十七条及び第十八条中関係条項を整理いたしますとともに、第十八条において改修資金の貸付にあたっては改修を必要とする事由を審査すべきことといたしました。
次に、同法第二十条の改正は、第四項において住宅の改修に対する貸付金の一戸当たりの金額の限度を政令で定めることといたしますとともに、関係条項を整理いたしたものであります。
第二十一条の改正は、新たに加えた第三項において、住宅の改修に対する貸付金の利率を年六分とし、その償還期間を十年以内といたしますとともに、関係条項を整理いたしたものであります。
第二十一条の二の改正は、条文整理であります。
第二十一条の三第三項の改正は、住宅の改修に対する貸付金について一時償還の請求をすることができる場合について規定を整備いたしますとともに、条文整理を行なったものであります。
第二十三条第一項の改正は、公庫は、住宅の改修に関する業務についても地方公共団体に対して委託することができることといたしたものであります。
第二十四条第二項の改正は、公庫は、業務方法書に、貸付をすることができる住宅の改修に関する基準を記載しなければならないこととしたものであります。
第二十七条の二の次に新たに加えました第二十七条の三の規定は、住宅金融公庫宅地債券に関する規定であります。
まず第一項におきましては、公庫は、主務大臣の認可を受けて、後に御説明いたします第三十五条の二第二項の規定による特別の定めの適用を受けることを希望する者が引き受けるべきものとして、公庫の予算に定められた金額の住宅金融公庫宅地債券を発行することができることといたしました。
次に、第二項及び第三項におきまして、宅地債券の債権者は、公庫の財産について先取特権を有すること及びその順位を規定いたしております。第四項及び第五項におきましては、宅地債券の発行に関する事務の銀行または信託会社に対する委託について規定し、第六項におきましては、宅地債券に関し必要な事項の政令委任規定を設けました。
第三十四条第二項の改正は、公庫は、住宅の改修に対する貸付金についても資金の交付に関し適切な措置をとることができることといたしたものであります。
第三十五条第三項の改正は、公庫の融資により改修を行なった住宅を賃貸するときは、家賃その他賃貸の条件に関し、主務省令で定める基準に従ってしなければならないこととしたものであります。
第三十五条の二の改正は、新たに加えました第二項におきまして、同条第一項の主務省令で定める基準においては、第十七条第四項の規定による貸付金にかかる土地の譲受人の選定方法に関し、一定の住宅金融公庫宅地債券を引き受けた者またはその相続人で当該土地の譲り受けの申し込みの際現にその宅地債券の一定割合以上を所有しているものについて特別の定めをすることといたしますとともに、関係条項を整理したものであります。
第三十六条及び第四十六条の改正は、条文整理であります。
次に第二条は、日本住宅公団法の改正であります。
まず、日本住宅公団法第五条の改正は、公団の定款に規定すべき事項に日本住宅公団宅地債券の発行に関する事項を加えたものであります。
次に、同法第三十二条の改正は、新たに第二項を加えまして、同条第一項の建設省令で定める基準においては、公団の造成した宅地の譲受人の選定方法に関し、一定の日本住宅公団宅地債券を引き受けた者またはその相続人で当該宅地の譲り受けの申し込みの際現にその宅地債券の一定割合以上を所有しているものについて特別の定めをすることといたしたものであります。
第四十九条の改正は、新たに加えた第二項におきまして、ただいま御説明いたしました第三十二条第二項の規定による特別の定めの適用を受けることを希望する者が引き受けるべきものとして、日本住宅公団宅地債券を発行することができることといたしますとともに、この宅地債券の債権者の有する先取特権、発行に関する事務の委託、政令に対する委任について規定いたしたものであります。
第五十一条の改正は、日本住宅公団の宅地債券にかかる債務については、政府保証を行なわないことといたしたものであります。
第五十二条の改正は、宅地債券の償還計画について定めたものであります。
第六十一条第一項の改正は、大蔵大臣との協議事項について所要の整備を行なったものであります。
次に、附則についてでありますが、第一項は、この法律は、公布の日から施行することといたしたものであります。
第二項は、公庫の予算及び決算に関する法律の改正であり、住宅金融公庫の予算総則においては、宅地債券の発行の限度額に関する規定を設けるものとすること及び同公庫の収入支出予算における支出には、宅地債券の利子を計上することとし、この場合、割引発行の債券にあっては償還金額と発行価額との差額に相当する金額の償還金を計上することといたしたものであります。
第三項、第四項及び第五項は、産業労働者住宅資金融通法、北海道防寒住宅建設等促進法及び地方税法についての条文整理であります。
以上、住宅金融公庫法及び日本住宅公団法の一部を改正する法律案につきまして逐条御説明を申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104314149X00619630219/4
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005・木村禧八郎
○委員長(木村禧八郎君) 次に、土地区画整理法の一部を改正する法律案について谷藤都市局長から補足説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104314149X00619630219/5
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006・谷藤正三
○政府委員(谷藤正三君) 土地区画整理法の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。
(第四十三条第二項の削除)
第四十三条第一項は、組合が借入金を借り入れることができる旨を規定しており、第二項は、国がその借入金を貸し付けることができる旨々規定しておりましたが、国から組合に対して直接貸し付ける制度については、現在までその予算的な裏づけがありませんでした。
土地区画整理法におきましては、組合の設立についての認可を初めとし、その他の監督も都道府県知事が行なうこととされており、また、事務処理上も、国が組合に対して直接貸し付けるととは不適当と考えられますので、本法案におきましては、都道府県から組合に対して貸し付けることとしました。
したがいまして、都道府県を通じて貸付を行なうという制度が確立されるこの際に、第四十三条第二項は削除することが適当であると考えたものであります。
(第百二十一条の二)
(第一項)
第一項は、都道府県が一定の組合に対し、土地区画整理事業に要する資金を貸し付ける場合において、国がその貸付金の一部を都道府県に貸し付けることができる旨を規定したものであります。
まず、今回の政正は、主として現下の深刻な宅地難に対処するためのものでありまして、この点は、特に「健全な住宅市街地の造成を促進するため、」という目的を掲げて明確にしております。
第二に、との目的に従いまして貸付を受ける組合も限定されております。すなわち、第一号から第三号までに列挙された要件のすべてを充足する事業を施行する組合でなければなりません。まず、貸付の対象となり得る組合の事業は、新たに相当規模の住宅市街地を造成することを目的としており、また、健全な住宅市街地の造成という意味から、必ず都市計画として決定された街路のような重要な公共施設の新設又は変更に関する事業を含むものであることが必要であります。さらに、施行地区の面積、公共施設の規模等につきましても政令で定める基準に適合する事業であることが必要であります。
第三に、都道府県の組合に対する貸付は、組合の事業に要する費用で政令で定ある範囲内のものに充てる資金について行なうこととしております。
第四に、国の都道府県に対する貸付は、都道府県の組合に対する貸付金額の二分の一以内の金額について行なうこととしております。
第五に、この貸付制度におきましては、組合の行なう事業の公共的な性格にかんがみ、都道府県の組合に対する貸付金及び国の都道府県に対する貸付金は、いずれも無利子としております。
(第二項)
第二項は、貸付金の償還期間を定めた規定であります。
都道府県の組合に対する貸付金の償還期間は、三年以内の据え置き期間を含み、五年以内としておりますが、これは、組合の事業が、施行地区の面積三十ヘクタールを標準としまして、おおむね五年程度の事業期間を要し、第三年度には保留地の処分が始まり、第四年度及び第五年度で貸付金を償還することになると思われますので、このような償還期間を定めたものであります。さらに、事業を促進する意味から、その償還期限は、組合の設立についての認可の公告があった日の翌日から起算して六年を経過する日をこえてはならないものとしております。
次に、国の都道府県に対する貸付金の償還期間は、都道府県の組合に対する貸付金の償還期間に事務処理に要すべき期間を加えまして、四年以内の据え置き期間を含み、六年以内としております。
(第三項)
組合に対する貸付金の貸付は、その事業の公共的な性格にかんがみ、無利子としたのでありますから、組合がその貸付金を貸付の目的以外の目的に使用したとき、その他貸付の条件に違反したときは、都道府県は、政令で定めるところにより、利子に相当する金額を組合から徴収することができる旨を定めたものであります。なお、都道府県の組合に対する貸付金の一部は、都道府県が国から貸付を受けたものでありますので、都道府県は、組合からこのような利子相当額を徴収したときは、その一部を国に納付しなければならないこととしております。
(第四項)
第四項は、国または都道府県の貸付金の償還方法等については、必要な事項を政令で定めることとしたものであります。
(第百三十六条の二第二項の追加)
指定都市の区域においては、組合に対する貸付金の貸付は、指定都市が行なうこととし、国も指定都市に対して貸付を行なうこととするための改正であります。これは、指定都市の長が組合の認可権及び監督権を有していることに対応するものであります。
(附則第二項)
附則第二項は、との法律の施行の際現に設立されている組合に対する経過措置を定めたものであります。
これらの組合は、このような無利子貸付の制度がないときに設立され、今日まで苦しい資金繰りのもとに事業を行なってきたものでありますが、今後との制度による貸付を受けようとしても、第百二十一条の二第二項ただし書きの規定が適用されますと、貸付を受けることができないか、あるいは償還期間が著しく短いものになるため、この制度を十分利用できないことになると思われます。このため、この法律の施行前三年より前に設立された組合につきましては、その貸付期間を今後三年間まで延長し、これらの組合の事業を促進しようと考えたものであります。
以上で説明を終わらしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104314149X00619630219/6
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007・木村禧八郎
○委員長(木村禧八郎君) 品後に、共同溝の整備等に関する特別措置法案について、補足説明をお願いします。平井道路局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104314149X00619630219/7
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008・平井學
○政府委員(平井學君) お手元の「共同溝の整備等に関する特別措置法案逐条説明」を参照しながら、御説明をさしていただきます。
ただいま提案になりました共同溝の整備等に関する特別措置法案の条文の説明を逐条的に申し上げます。
この法律案は、六章二十八条と附則三項からなっております。
第一章総則、本章は、この法律の目的及び用語の定義に関する事項を規定したものであります。
第一条は、本法制定の目的を明らかにしたものでありまして、この法律は、共同溝の建設及び管理に関する道路法の特別の措置を定め、特定の道路について路面の掘さくを伴う地下の占用の制限と相待って共同溝の整備を行なうことにより、道路の構造の保全と円滑な道路交通の確保をはからんとするものであります。
第二条は、この法律における用語の定義を規定したものであります。
第二章共同溝整備道路、本章は、共同溝を整備すべき道路の指定及び当該道路における占用の制限に関する事項を規定したものであります。
第三条は、共同溝を整備すべき道路の指定に関する規定であります。建設大臣は、交通が著しく輻湊している道路または著しく輻湊することが予想される道路で、路面の掘さくを伴う道路の占用工事がひんぱんに行なわれることにより道路の構造の保全上及び道路交通上著しい支障を生ずるおそれのあるものを道路管理者の意見を聞いて、共同溝整備道路として指定することができるものといたしました。
第四条は、共同溝整備道路における占用の制限を規定したもので、当該道路においては、道路管理者は、原則として、車道の部分の地下の占用を認めてはならないことといたしました。
第三章共同溝の建設及び管理、本章は、共同溝の建設、共同溝整備計画、建設の廃止、共同溝の占用予定者、占用予定者の地位の承継及び共同溝管理規程に関する事項を規定したものであります。
第五条は、共同溝の建設にあたっての手続に関する規定であります。道路管理者は、共同溝整備道路の指定があったときは、関係公益事業者の意見を求め、当該公益事業者から共同溝に敷設すべき公益物件の敷設計画書等を添えて共同溝の建設を希望する旨の申し出があった場合で、その申し出が相当であると認めるときは、共同溝を建設することといたしました。
第六条及び第七条は、共同溝整備計画に関する規定であります。第六条は、道路管理者が共同溝を建設しようとするときは、共同溝整備計画を作成しなければならないものとし、共同溝整備計画に掲げるべき事項を明らかにいたしました。
第七条は、道路管理者が共同溝整備計画を作成しようとする場合において、当該計画に関係公益事業者の意見が十分反映されるよう必要な手続規定を定めたものであります。
第八条は、共同溝の建設の廃止に関する事項を規定したもので、共同溝の建設ができなくなったときは、建設を廃止し、その旨を公示するとともに関係公益事業者に通知することといたしました。
第九条は、共同溝整備計画に定められるべき共同溝の占用予定者の要件に関する事項を規定したものであります。
第十条は、共同溝の占用予定者の地位の承継に関する規定でありまして、公益事業者は占用予定者として、建設費を分担するところからその地位の承継を認めることといたしました。
第十一条は、共同溝の管理規程に関する規定でありまして、道路管理者は、共同溝を管理するにあたって、公益事業者の意見を聞き、共同溝管理規程を定めなければならないものといたしました。
第四章共同溝の占用、本章は、共同溝の占用に関して、占用の申請、申請の取り下げ、占用の許可、許可に基づく地位または権利義務の承継または譲渡、公益物件の構造等の基準及び監督処分に関する事項を規定したものであります。
第十二条は、共同溝の占用の申請に関する規定でありまして、共同溝の建設を希望する旨の申し出をした公益事業者は、建設の公示があった日以後一定期間内に公益物件の敷設計画書等を添えて道路管理者に共同溝の占用を申請することができるものといたしました。
第十三条は、占用の申請の取り下げに関する規定でありまして、共同溝整備計画が作成され、その通知があったときは、共同溝占用予定者は、一定期間内に占用の申請を取り下げることができるものといたしました。
第十四条は、占用の許可に関する規定でありまして、道路管理者は、共同溝の建設を完了したときは、直ちに共同溝の占用予定者に占用の許可をするものといたしました。
第十五条は、日本電信電話公社についての特例を規定したものでありまして、日本電信電話公社の共同溝の占用については、道路法第三十五条(国等の行なう道路の占用の特例)と同様に、占用の申請及び許可にかえて日本電信電話公社と道路管理者との協議方式をとることといたしました。
第十六条は、共同溝の占用の許可に基づく地位の承継に関する規定でありまして、占用予定者の地位の承継と同様の理由でその地位の承継を認めるものといたしました。
第十七条は、共同溝の占用の許可に基づく権利義務の譲渡に関する規定でありまして、道路管理者の認可を受けなければ譲渡することができないものといたしました。
第十八条は、共同溝に敷設する公益物件の構造等の基準に関する規定でありまして、公益事業者が公益物件を共同溝内に敷設するにあたっては、あらかじめ、道路管理者に届け出なければならないものとし、公益物件の構造及び敷設の方法の基準は政令で定めることといたしました。
第十九条は、共同溝に敷設される公益物件の構造または敷設の方法が政令の基準に適合しない場合の監督処分に関する規定であります。
第五章共同溝に関する費用、本章は、共同溝の建設費及び管理費用の負担、国の負担または補助、収入の帰属及び義務履行のために要する費用に関する事項を規定したものであります。
第二十条は、共同溝の建設費の負担に関する規定でありまして、共同溝の占用予定者は、共同溝の建設に要する費用のうち、共同溝の建設によって受ける効用から算定される推定の投資額、換言すれば、共同溝がなかったならば道路を掘り返して公益物件を敷設する費用等当然投資したであろう費用等を勘案して、政令で定めるところにより算出した額の費用を負担すべきことといたしました。
第二十一条は、共同溝の管理費用に関する規定でありまして、共同溝を占用する者は、共同溝の改築、維持、修繕、災害復旧その他の管理に要する費用のうち、政令で定める費用を負担すべきことといたしました。
第二十二条は、共同溝の建設、改築等に要する費用のうち、公益事業者が負担する費用を除いたものについての国の負担または補助に関する事項を規定したものであります。
第一項は、建設大臣が一級国道もしくは二級国道に附属する共同溝の建設もしくは改築を行なう場合または指定区間内の一級国道に附属する共同溝の維持、修繕その他の管理を行なう場合において、当該建設もしくは改築または管理に要する費用のうち、公益事業者が負担する費用を除いたものについては、国及び地方公共団体がそれぞれその二分の一を負担することといたしました。
第二項は、第一項の場合を除くほか、国は、共同溝の建設または改築に要する費用のうち、公益事業者が負担する費用を除いたものの二分の一以内を、その費用を負担する地方公共団体に対して補助することができることといたしました。
第二十三条は、公益事業者の負担金の収入の帰属に関する規定でありまして、負担金は、共同溝の建設、改築、維持その他の管理を行なう道路管理者の収入とすることといたしました。
第二十四条は、この法律によって一定の義務が課せられた場合に、その義務を履行するために必要な費用に関する規定でありまして、その費用は、義務者の負担とする旨を明らかにいたしました。
第六章雑則も本章は、負担金の強制徴収、不服申し立て、権限の委任及び道路法の適用除外に関する事項を規定したものであります。
第二十五条は、公益事業者の負担金の強制徴収に関する規定でありまして、公益事業者の負担金は、国税滞納処分の例により、道路管理者が強制徴収することができることといたしました。
第二十六条は、不服申し立てに関する規定であります。道路管理者がこの法律に基づいてした処分に対する不服申し立てについては、一般的には行政不服審査法に定めるところによるのでありますが、本条においては、都道府県または市町村である道路管理者がこの法律に基づいてした処分に対する審査庁及び異議申し立てに対する決定等について、行政不服審査法の特例を規定したものであります。
第二十七条は、この法律に規定する道路管理者である建設大臣の権限の委任に関する規定でありまして、政令で定めるところにより、地方建設局長または北海道開発局長に委任することができることといたしました。
第二十八条は、道路法の適用除外に関する規定であります。後に御説明申し上げますように、この法律に基づく共同溝は、道路の付属物としておりますので、この共同溝に関しては、この法律に特別の定めがある場合を除くほか、道路法の関係規定が適用されることとなりますが、この法律の規定に基づく共同溝の占用に関しては、その占用形態の特殊性から、道路法における占用に関する規定である第三章第三節占用に関する規定は適用しないこととし、この法律に必要な規定を設けてその特殊性を明らかにいたしました。
最後に、附則でありますが、この附則においては、この法律の施行期日を定めるほか、道路法及び道路整備特別会計法の一部改正に関する事項を規定したものであります。
附則第一項は、この法律の施行の期日を定めたものであります。
附則第二項は、道路法の一部改正に関する規定であります。
この法律に基づいて道路管理者の設ける共同溝を道路の付属物とし、道路法第二条第二項の道路の付属物に関する定義に所要の改正を加えたものであります。
附則第三項は、道路整備特別会計法の一部改正に関する規定で、建設大臣が一級国道もしくは二級国道に付属する共同溝の建設もしくは改築を行なう場合または指定区間内の一級国道に付属する共同溝の維持、修繕その他の管理を行なう場合における地方公共団体の負担金及び公益事業者の負担金を道路整備特別会計の収入とするため、道路整備特別会計法第三条に所要の改正を加えたものであります。
以上、この法律案の条文の逐条説明を申し上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104314149X00619630219/8
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009・木村禧八郎
○委員長(木村禧八郎君) ただいま聴取いたしました三法案に対する質疑は、後日に譲ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104314149X00619630219/9
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010・田中一
○田中一君 政令並びに主務省令がもうできていると思うから、これを直ちに、委員会は開かぬでよろしいから、各委員の元に配付していただきたい、よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104314149X00619630219/10
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011・松澤雄藏
○政府委員(松澤雄藏君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104314149X00619630219/11
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012・木村禧八郎
○委員長(木村禧八郎君) 本日はこれをもって散会いたします。
午前十時五十五分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104314149X00619630219/12
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