1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和四十年二月二十三日(火曜日)
午前十時四十分開会
—————————————
委員の異動
二月十九日
辞任 補欠選任
和田 鶴一君 沢田 一精君
山本 利壽君 大野木秀次郎君
二月二十三日
辞任 補欠選任
増原 恵吉君 高野 一夫君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 天坊 裕彦君
理 事
石谷 憲男君
西郷吉之助君
竹中 恒夫君
林 虎雄君
委 員
斎藤 昇君
沢田 一精君
高野 一夫君
加瀬 完君
鈴木 壽君
松本 賢一君
二宮 文造君
市川 房枝君
国務大臣
国 務 大 臣 吉武 恵市君
政府委員
警察庁長官 江口 俊男君
警察庁保安局長 大津 英男君
自治省行政局長 佐久間 彊君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
—————————————
本日の会議に付した案件
○市町村の合併の特例に関する法律案(内閣提
出)
○銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律
案(内閣提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X00819650223/0
-
001・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。二月十九日付、和田鶴一君、山本利寿君が辞任され、沢田一精君、大野木秀次郎君が選任され、本日は、増原恵吉君が辞任され、高野一夫君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X00819650223/1
-
002・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 市町村の合併の特例に関する法律案を議題といたします。
すでに提案理由の説明は聴取いたしておりますので、本日は補足して説明を願います。佐久間行政局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X00819650223/2
-
003・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 市町村の合併の特例に関する法律案につきまして補足説明を申し上げます。お手元に御配付申し上げております市町村の合併の特例に関する法律案要綱につきまして御説明を申し上げたいと存じます。
最初に、この法律案の趣旨でございますが、これにつきましては大臣の提案理由説明の中にも述べられておるのでございますが、昭和二十八年に町村合併促進法が制定されましてから、三カ年間に全国的に町村合併の計画を樹立いたしまして、合併を推進をしてまいりましたことは御承知のとおりでございます。その結果、おおむね当初の計画どおりに合併が進捗をいたしたのでございますが、なお若干残っておりましたいわゆる未合併町村もございましたし、合併されました町村の育成につきまして種々特例を認める必要もございましたので、昭和三十一年に町村合併促進法が失効いたしましてから新市町村建設促進法を御制定いただきまして、引き続き未合併町村の合併及び新市町村の育成につとめてまいったのでございます。昭和三十六年に、新市町村建設促進法の中に規定されておりました未合併町村の合併に関する規定は失効をいたしたのでございます。これによりまして町村合併は一段落いたしたのでございます。しかし、近年におきまして、その後における社会的経済的諸条件の急激なる変化あるいは地域開発に関する諸施策の進展に伴いまして、新たに市町村合併を必要とする事情の生じてまいったところも、地域によっては出てまいったのでございます。昭和三十七年に北九州五市の合併が問題となりました際に、この種、二以上の市が対等合併をいたします場合につきましても、合併がやりやすいように関係法律の特例を規定する法的措置を講ずる必要があるということで、市の合併の特例に関する法律が制定されたのでございます。それからまた同年、新産業都市建設促進法が制定されました際に、新産業都市に指定されました区域内における市町村の合併につきまして、市の合併特例に関する法律と同様の内容の、合併に関する特例が同法の中に規定をされたのでございます。さらに昨年、工業整備特別地域整備促進法が制定されました際におきましても、工業整備特別地域に指定されました区域内における市町村の合併につきまして同様な措置がとられたのであります。したがいまして、現在におきましては二以上の市が対等合併をいたします場合、あるいは新産業都市または工業整備特別地域に指定されました地域内における市町村の合併につきましては、合併に関する関係法律の特例の措置がなされているわけでございまするが、それ以外の地域におきまする市町村の合併につきましては、そのような特例措置が現在ではない状態になっているわけでございます。しかるところ、最近におきましては、それ以外の地域におきましても、市町村行政の広域化の要請に伴いまして、市町村合併をいたしたいという要望が全国的に相当出てまいっているのでございます。政府といたしましては、すでに町村合併促進法のもとにおける積極的な合併の促進の時期はもう過ぎたと考えておりまするが、最近のような自主的な合併の動きに対しまして、それらの合併がやりやすいように、市の合併特例に関する法律等に規定されておりますと同様な合併に関する特例措置を、それらの地域における合併につきましても講じておくことが適当であろうという判断をいたした次第でございます。したがいまして、この法律案は、広く一般の市町村合併につきまして、従来市の合併の特例に関する法律等に規定されておりましたとほぼ同様な内容の合併の特例を規定をいたす。それと同時に、市の合併の特例に関する法律等、同様の規定をいたしておりました法律を、この際整備をいたそうというのがこの法律案の趣旨でございます。
次に、この法律案の適用の対象でございますが、ただいま申し上げましたように、市町村の合併につきましてすべてを対象にする。ただ政令指定都市、いわゆる六大都市でございますが、これは除くことにいたしております。これは現在市の合併の特例に関する法律におきましても、六大都市につきましてはこのような特例を講ずることをいたしておりませんので、その例にならうことにいたしたわけでございます。
第三は、合併に関する関係法律の特例措置でございますが、内容は、ほぼ市の合併の特例に関する法律等に規定されておったものと同様でございますが、二、三あまり実益のない特例は、この際、削ることにいたしております。
次に、市の合併の特例に関する法律等の内容と比較をいたしながら御説明を申し上げます。
第一は、議会の議員の任期及び定数の特例でございます。合併関係市町村の協議によりまして、議会の議員の任期及び定数の増加につきましては、二通りの方法を規定いたしており、そのいずれかを採用し得ることにいたしております。一つは、定数の増加でございます。新設合併の場合におきましては、最初に行なわれる選挙の一任期間は、議員定数を地方自治法に定めております定数の二倍の範囲内で増加することができるようにいたしておりまして、これは従来の法律に規定されておったと同様の内容でございます。次に、編入合併の場合でございますが、これは編入をする市町村の議会の議員の残任期間に相当する期間、編入される市町村の議会の議員の増員選挙をできることにいたしておりますが、その増員選挙を行ないます場合の定数が、従前は地方自治法に定めておりました定数の二倍をこえない範囲内で定め得ることにいたしておりましたのでございますが、これは実際従来の経験にかんがみますると、定数の二倍をこえない範囲内ということは、あまり適当ではございませんでしたので、今回は、編入をする布町村の人口と、編入をされる市町村の人口との比率によりまして、編入をされる市町村の区域から選出できる議員の定数を増員できるということに定めたのでございます。
次は、旧議員の留任に関する特例でございままが、新設合併の場合におきましては、合併後一カ年をこえない範囲で協議で定める期間、引き続き議員が留任できるということにいたしております。この点につきましては、市の合併の特例に関する法律におきましては、合併後二年をこえない範囲内で留任できることに規定がなされておりましたのでございます。これは市の合併の特例に関する法律の適用が、北九州五市のように、二つ以上の市が合併する場合を予想いたしておりましたので、従来町村合併促進法で一カ年ときめておりましたのを、二カ年ということに延長をいたしたのでございますが、実際に経験をいたしてみますというと、合併後二年も議員がそのまま留任できるということになりまするというと、新しい市町村の一体性を確立いたして能率的な市政運営をいたしてまいる上からいたしますと、いろいろと弊害も認められましたので、今回は、町村合併促進法のときと同様に一カ年ということに改めることにいたしております。
次に、編入合併の場合でございますが、これは編入をする市町村の議員の残任期間に相当する期間、編入をされる市町村の議員が留任できるということでございます。これは従来と同様でございます。
次に、農業委員会の委員の任期及び定数の特例でございますが、市町村の議会の議員の任期及び定数につきまして特例を設けましたのと同様な趣旨から、農業委員会の委員の任期及び定数につきましても特例を設けております。特例の内容につきましては、これは従来市の合併の特例に関する法律等できめられておりましたのと同様でございます。
次は、職員の身分取り扱いに関することでございますが、合併関係市町村の一般職員の身分は、これを合併市町村の職員に引き継ぐように措置しなければならないという趣旨の規定を設けることにいたしております。これも従来の市の合併の特例に関する法律等に規定されておりましたものと同様でございます。
次は、地方税の不均一課税でございます。合併の行なわれました年度及びこれに続く三カ年度に限って不均一課税をするということができることにいたしておりますが、これも市町村合併の特例に関する法律等に規定されておりましたところと同様でございます。
次は、地方交付税の算定の特例でございますが、合併が徒なわれました年度及びこれに続く五カ年度に限りまして、合併関係町村が合併をしたことによって地方交付税の算定が不利にならないように、従来の区域をもって存続していた場合と同様な算定方法をすることにいたしております。これも市の合併の特例に関する法律等に規定されておりました内容と同様でございます。
次は一災害復旧事業費の国庫負担等の特例でございます。これは、合併が行なわれました年及びこれに続く五カ年以内に生じた災害等に対しまして、その市町村の財政力に応じまして国庫負担等の補助率のかさ上げをするわけでございますが、その場合に、合併によりまして不利益のないように措置をしようということでございまして、これも市の合併の特例に関する法律等に規定されておりましたのと同様な内容でございます。
次は、都道府県議会の議員の選挙区に関することでございます。合併が行なわれましても、都道府県議会の議員の、次の一般選挙によって選挙をされました議員の任期は、従前の例によるということにいたしております。これも市の合併の特例に関する法律に規定をされておりましたと同様でございます。
次は、衆議院議員の選挙区に関することでございます。合併がきまりましても、公職選挙法別表が更正されるまでの間は、従前の選挙区によることにいたしております。これも市の合併の特例に関する法律に規定されておりましたものと同様でございます。
以上が、合併に関する関係法律の特例措置でございます。
第四は、市町村建設計画の作成等でございますが、合併をしようとする市町村は、合併協議会を置きまして、市町村建設計画を作成し、及び市町村の合併に関する協議を行なうものとすることにいたしております。この協議会は、地方自治法でいう協議会でございますが、ただ、協議会の委員につきましては、関係市町村の議会の議員並びに長及びその他の職員をもって充てるものとし、なお学識経験者を加えるごともできるというように、地方自治法に対する組織上の特例を規定をいたしております。この協議会並びに建設計画につきましても、これも市の合併の特例に関する法律に規定されておりましたと同様の内容を、規定をやや簡素化いたしております。
第五は、国・都道府県等の協力に関することでございますが、国・都道府県及び公共的団体は公共的団体と申しますと電電公社等でありますが——合併市町村の建設に資するため必要な措置を講ずるようにつとめなければならないものとするという訓示規定を設けております。これも現在市の合併の特例に関する法律に規定されておりますものとほぼ同様のものでございます。
次に、合併関係市町村の区域内の公共的団体等は——ここで言う公共的団体は市町村の区域内のものでございますから、たとえば農協等でありますが——市町村の合併に際しては、合併市町村の一体性のすみやかな確立に資するため、その統合整備をはかるようにつとめなければならないものとするという、これまた訓示規定を設けることといたしております。これは新市町村建設促進法等に規定されておりましたと同様のものでございます。
第六は、この法律の制定に関連をいたしまして、他の関係法律の改廃等に関することでございます。冒頭に申し上げましたような趣旨で、この法律を広く市町村の合併に関する特例をきめたものといたしましたので、関係の法律は整理をいたすことにいたしたわけでございます。町村合併促進法、これは現在ほとんど失効をいたしておりますが、なおこの際、形式的に廃止をすることにいたしたい。新市町村建設促進法も大部分の規定が現在すでに失効をいたしておりますが、この際、完全に廃止をすることにいたしたい。市の合併の特例に関する法律は、この法律に吸収をいたしましたので、これまた廃止することにしたい。
次は、新産業都市建設促進法と工業整備特別地域整備促進法でございますが、この両法律の中には、これらの区域内において行なわれます市町村の合併に関しまして、合併の特例を定めておるわけでございまするので、それらの条項を削除いたしまして、これらのものをこの法律に吸収することにいたしたわけでございます。次は、地方自治法の一部を改正する法律でございます。これは昭和二十九年の法律でございますが、この昭和二十九年の地方自治法の一部改正におきまして、地方制度調査会の答申に基づきまして、市の人口要件を従来三万でございましたものを五万に引き上げることにいたしたのでございます。ただその際、現に都道府県の区域内のすべての市町村を通ずる市町村合併に関しまして、都道府県知事が計画を定めておりまして、その計画に基づいて処分の申請がなされますものにつきましては、経過措置といたしまして、従来どおり人口三万でも差しつかえないという規定を設けておったのでございます。しかし、すでにそのとき以来十年たちまして、これに該当をするようなケースも現在ほとんどなくなってきておりまするので、この特例措置を昭和四十一年三月三十一日限り廃止をすることにいたしたいというものでございます。
次は、経過規定でございますが、新産業都市建設促進法あるいは工業整備特別地域整備促進法の合併の特例に関する規定を、前申しましたとおりに削除いたして、この法律に吸収することにいたしたわけでございまするが、その中で、若干特例の違う点がございます。一つは、先ほど申しましたような議員が留任できます期間が二年となっておりましたのを、この法律では一年ということに短縮をいたしましたような点でございまするが、そこで、現在、現行法をもとにいたしまして合併の計画を考えておる地域もあろうかとも思いまするので、ここで二年間は、なお新産業都市建設促進法、工業整備特別地域整備促進法に指定されておりますものの規定によるということにいたしたわけでございます。そのほか所要の経過措置を定めております。
第七は、施行期日及び有効期間でございますが、施行期日は公布の日から施行するということに、いたしております。有効期間でございますが、公布の日から起算して十年を経過したどきに効力を失うということにいたしております。これは内容が各関係法律の特例を定めております法律の性格にかんがみまして、当分の間の措置といたしたいと考えておるわけでございます。で、市の合併の特例に関する法律が十年間という有効期限でございましたものを参考にいたしまして、一応十カ年ということにいたそうと思っておるわけでございます。
以上をもちまして補足説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X00819650223/3
-
004・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 本件についての質疑は後日に譲りたいと存じます。
速記をやめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X00819650223/4
-
005・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 速記をつけて。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X00819650223/5
-
006・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 次は、銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X00819650223/6
-
007・鈴木壽
○鈴木壽君 大臣に、私今回の法改正に関連をしまして、暴力団対策につきましていろいろお尋ねをしたいと思っておりましたが、実は大臣もいまお見えになりまして、私も時間の関係で続けてはお尋ねをするひまがなくなりましたものですから、一言だけ申し上げて大臣の暴力団対策に対する決意のほどをお伺いをいたしたいと思います。
銃砲刀剣のいまの法の改正なんかも、結局するところは、現在の暴力事犯に対する予防措置を講じたい、こういうことであろうと思いますし、さらに、いま非常な大きな問題になっております暴力団の対策、こういうことが中心になっているだろうと思うのであります。私も、この法の改正によって直ちに暴力団が使うピストルとか銃砲等が心配のないような状態になれるとは思っておりませんし、そういう意味では効果という点になりますと、たいしたことはないのじゃないかと思うのであります。問題は、こういう改正なり、そういうこともさることながら、一体、いまの暴力団あるいはそういうものに関連する暴力行為というものをいかに絶滅するようにしていくかという、こういう問題になろうと思うのであります。特に私は、暴力団の存在をこのような形で置いていいのかどうか、こういうことになると思いますが、昨年来暴力団の対策を取り上げて、徹底的にやっていくのだ、こういう方針を打ち出し、それぞれまた検挙その他からいっても相当の実績を示しておるようであります。たいへんけっこうなことだと思いますが、大臣が就任なされた際の当委員会におきますごあいさつと申しますか、その中にも、暴力団の取り締まりについてはもう厳重にやるのだ、こういうふうに言っておりますが、現在まで約一年やってこられたわけでありますが、今後の暴力団対策につきまして、ひとつ大臣の考えておるところ、決意のほどを承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X00819650223/7
-
008・吉武恵市
○国務大臣(吉武恵市君) 私就任のときにも申し上げましたとおり、現在におきましても、暴力団の組織というものをなくし、また暴力行為というものをひとつなくしたいという熱意のもとに現在行なっておるところでございます。御指摘のように、その後の検挙の実績も相当上がりつつあるのじゃないか、こう思っておるわけでありますが、これはなかなかそう一朝一夕にというわけにもまいりませんので、今後とも熱意をもって続けていく所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X00819650223/8
-
009・鈴木壽
○鈴木壽君 暴力団というような、こういう存在がいまの日本のようにこういう形で許されていると言ったら、ことばが過ぎるかもしれませんが、こういうふうに存在しているということは、まことに私恥ずかしいことだと思うのであります。これは何とかあらゆる手を打って暴力団の絶滅を期していかなきゃならぬと思いますし、大臣は、さらに今後も続けてまいりたいという、こういう決意のようでございますが、単に暴力団の暴力行為等を取り締まったり、あるいは検挙したり、銃砲の不法所持をとがめたり、そういうことだけでは、これはとても暴力団あるいはそれに伴う暴力行為というようなものを取り締まることは私はできないのじゃないか、絶滅を期することはできないのじゃないか。残念ながらいまの日本では、暴力団の存在を許すような、培養と言っちゃ少し言い過ぎかもしれませんけれども、何か育っていくような素地というものがあるのじゃないか。たとえば最近特に問題になっております興行界との関係、あるいは財界、企業等から金を得ておる、こういう状況、あるいは一部いわれておる政治家との関係というふうなこと、私、これは政治家との関係についてははっきりした証拠はつかんでおりませんけれども、よくいわれておることで、そういうようなことからいいまして、非常に私はこういう状況というものは困ったことだと思うのでありますが、こういうことに対しては、私はいわゆる根本にメスを入れるというところまで不退転の決意でやっていただくことが暴力団対策の一番大きな問題じゃなかろうかと思うのでありますが、その点についての御見解はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X00819650223/9
-
010・吉武恵市
○国務大臣(吉武恵市君) お話のように、何とかしてこれをなくしたいのでありますが、やはりそれは警察の取り締まりというようなことだけでは、なかなかむずかしい問題で、やはり一般の世論といいますか、国民の支持というものも必要であるし、また、先ほど申しましたように、絶えず熱意を持って続けていくということでなければ、なかなか目的を達し得ない、こう思っております。それには、先ほど申しました各方面の御協力というものを私どもは期待しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X00819650223/10
-
011・鈴木壽
○鈴木壽君 結局いまの段階は、暴力取り締まりといっても、頼るところは警察しかないと思います。直接的には、大きな権限と力とを持っている警察を頼るしか、いまのところないと思うのです。警察では、さっきも申しましたように、昨年の初めから特別な体制をしいて極力やっているわけなんでありますが、しかしいろいろな壁にぶつかるということをいわれているようであります。これは私は新聞でだけ見たその範囲でしかありませんが、じゃ一体そういう壁がどういうものか、実体はよくわかりませんが、さっきちょっと触れましたように、財界とのつながりとか、あるいは一部政界とのつながり、政治家とのつながり、そういうものもずいぶんあるように取りざたされておりますが、こういうことに対しては、私は遠慮なく徹底的に追い上げていくという、そういうことがぜひ必要だと思うのでありますが、その点、これは長官からでもよろしゅうございますけれども、捜査なり検挙なり、いろいろなことをやってきた実態の上から、いま私が申しましたような問題、あるのかないのか、壁というのは一体あるのかないのか、あったら、これをどうするかということについての所見を聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X00819650223/11
-
012・江口俊男
○政府委員(江口俊男君) まあいろいろな犯罪の捜査にそれぞれ困難な壁というものがあるのは共通の事象でございますが、おっしゃる意味が、ある特定の政治家に結びついている、あるいはある有名な財界人に結びついているために、こちらのほうの捜査というものが阻害されるというような壁という意味でございますれば、それはございません、そういう壁は。ただ、常識的にあれとあれとは仲がいい、どう考えてもAがやったならばBが糸を引いているに違いないというような常識というものが行なわれていて、しかも犯罪の捜査はそこまで伸びないというようなことを称して壁と申しますなら、それは法律と常識というか、常識との間の壁というものがあるわけであります。Aという人間の暴力行為がBという者にくっついているだろうということを想像できても、その間の解明というものができなければ、Bという者までは及ばないというような意味の、世間の期待に直接こたえ得ないというような意味の壁は、もちろんございます。まあそういう意味でございますれば、暴力団の犯罪捜査上の壁がそういう点にあるということは言えると思いまするけれども、冒頭に申し上げたように、特定の有名な人間が介在するために犯罪の捜査というものが伸びていかないというような意味の壁は、私はないものと考えておりまするし、そういうことは一回も連絡なり報告なりを受けた記憶がございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X00819650223/12
-
013・鈴木壽
○鈴木壽君 これはいま私出して読み上げてもいいのですが、一線担当の人たちが、ある壁にぶつかる、あるいは一つの捜査の限界があるのだということを言っているという記事が新聞にありますのですが、警視庁の某幹部がこう言ったとかいうような……。私どもそれを見ますと、何か非常にふしぎな、そしてまた心配な気持ちにならざるを得ないわけですね。いま長官はそういうことはないのだと、こういうふうにおっしゃっていますが、少なくともああいう新聞記事を見る人たちにすれば、私もその一人ですが、これはやはり何かあるんじゃないだろうかと、こういうふうに思わざるを得ませんですが、私はそれ以上のものを何もつかんでおりません。まあ長官はそういうことはあり得ない、ないと言うし、これは私それを信じたいと思いますが、もし、さっき言ったような意味での、私の申し上げたような意味での壁というものがあったにしても、これはもうくじけないで、ひとつ勇敢にやってもらいたいと思うのです。そういう意味で皆さんのこれからのお仕事に対するまあ鞭撻と言っちゃ少しことばがきざに聞こえるかもしれませんが、そういう意味で私は申し上げておるのでありますが、そうでないと、人心の不安なりあるいはいま問題になっておる暴力団対策というものも、結局はまたしりすぼみになってしまう。どこかに変な形で、形はあるいは解散とかあるいは廃業とかというようなことを言っても、どこかでまた温存された形で悪の根がちゃんと残っているのだと、こういうことに私なると思いますので、そういう意味で私今後の警察さらに公安委員長としての決意のほどをお伺いしたいと思ってさっきから二、三申し上げているところでありますが、時間の関係もございますので、私これだけで大臣に対する質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X00819650223/13
-
014・林虎雄
○林虎雄君 大臣に一言承っておきたいと思いますが、この法律案の趣旨についてはおおむね妥当だと思いますが、すでに各委員からの質疑中にも取り上げられた問題でありますが、第三章の火なわ銃とかその他古式鉄砲、つまり実際にはもう実害のないような骨とう品的なものまで取り締まりの対象にされているわけですね。ですから、これはむしろ実害がないのだから、はずしたほうがよかろうという意見が相当あったわけです。しかし、惰性でこうなったと思いますけれども、これをそのまま置きますと、たとえば相続等によりまして何ら悪意がなく、不用意に届け出期間を過ぎてしまった場合に罰則規定に触れるわけです。したがいまして、必要ないものをこの法律の中に入れておくことはどうかと思いますけれども、現在こうなっておりますのは、これはやむを得ないと思いますが、将来、何ら実害のないようなものでありますから、これを削除したらよかろうと思いますが、今後適当に、法の改正の機会等に、あらためて検討していただきたいと思うのですが、大臣のお考えを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X00819650223/14
-
015・吉武恵市
○国務大臣(吉武恵市君) 火なわ銃等につきましての御意見は、ごもっともな点もあろうかと思います。ただ、私どもといたしましては、そういうものでありましても危険が伴うおそれもございますので、こういうふうな措置をとったのでございますが、将来、文化財保護委員会等とも十分連絡をとりまして検討いたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X00819650223/15
-
016・松本賢一
○松本賢一君 ちょっと補足的に。いまの大臣のおことばで大体了解できるのですけれども、危険が伴うおそれがあるということですね。どう考えても考えられないのですよ。それはたまを込めて撃てば飛びますよ、それはね。ですけれども、そういうことをやるのはこれは見せものとして見学したいという人に見せるぐらいのことはやるかもしれないけれども、しかし、それを暴力団が利用するとか、また、あやまってそれで撃って人を殺したりするというようなことは、それは実例は皆無だと思うわけなんで、そういうことからすれば、こういうものは即刻取り締まりなんというようないかめしい法律からはずしてしまって、文化財として自慢したい人はどこかへ届け出をし、そうでない人は親譲りにして大事に持っていればいいじゃないかということにすればいいのであって、私は、法律というものは世の中を窮屈にするためにあるのじゃなくて、世の中を明るくするためにあるのだから、こういう危険のないものは、そういう取り締まりなんというような対象からははずしてしまわれるのがいいのじゃないか。私は、今日この際すぐはずしてくれという申請はいたしませんけれども、こういう法律を改正される機会に、必ずひとつ考えてもらいたいと思うのです。御答弁があったらしていただきたいと思うのですが、なければけっこうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X00819650223/16
-
017・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 他に御質疑はございませんか。他に御発言もないようでございまするので、本案についての質疑は終了したものと認めます。
次回は二月二十五日木曜日午前十時に開会の予定でございます。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時二十八分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X00819650223/17
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。