1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年二月十六日(火曜日)
午前十時三十六分開会
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委員の異動
二月四日
辞任 補欠選任
中野 文門君 三木與吉郎君
二月五日
辞任 補欠選任
三木與吉郎君 中野 文門君
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出席者は左のとおり。
委員長 山下 春江君
理 事
久保 勘一君
二木 謙吾君
吉江 勝保君
小林 武君
委 員
植木 光教君
木村篤太郎君
笹森 順造君
中野 文門君
野本 品吉君
秋山 長造君
千葉千代世君
米田 勲君
国務大臣
文 部 大 臣 愛知 揆一君
政府委員
文部政務次官 押谷 富三君
文部大臣官房長 西田 剛君
文部大臣官房会
計課長 岩間英太郎君
文部省社会教育
局長 蒲生 芳郎君
事務局側
常任委員会専門
員 渡辺 猛君
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本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する調査
(昭和四十年度の文部省の施策及び予算に関す
る件)
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001・山下春江
○委員長(山下春江君) ただいまより文教委員会を開会いたします。
教育、文化及び学術に関する調査中、昭和四十年度の文部省の施策及び予算に関する件を議題といたします。
まず、文部大臣の御説明を求めます。愛知文部大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X00319650216/1
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002・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) 第四十八回国会において文教各般の問題について御審議をいただくにあたりまして、文教行政に関する所信の一端を申し述べたいと存じます。
国家、民族を興し、国際社会において人類の福祉と平和に貢献しようとする国民の意欲と能力は教育によって養われるものであります。世界各国とも、発展途上の国はもとより、すでに高度の発達を遂げた先進国においても、非常な熱意を持って教育の改善充実に力をいたしておりますのも、教育のこの役割があらためて認識されたからであると考えます。
わが国の教育は、先人の見識と努力によって、世界的にも誇り得る水準に達していると思うのでありますが、このような世界各国の教育の発展と拡充におくれをとることのないよう一段と努力をいたす必要があると存じます。
心身ともに健康な青少年は民族の原動力であります。私は、青少年諸君が国を愛する心情に満ち、伝統と歴史を正しく理解するとともに、未来からの呼びかけにこたえ、世界の平和と福祉に役立つ日本人として、またよりよき世界市民として成長することを願うものであります。
さきに、中央教育審議会の第十九特別委員会が「期待される人間像」の中間草案を公表いたしました。教育者がどのような人間の育成を期するかについて、自覚を深め、常に反省を加えることは、きわめて大切なことと考えます。それゆえ、広く国民各層の間から、この草案についての活発な御意見が寄せられ、教育関係者によき指針となり得るような答申が作成されることを期待しております。
戦後二十年、私どもは、混乱と荒廃の中から立ち上がり、いまや世界の驚異の的となるほどの復興、発展を遂げ、昨年はオリンピック東京大会を成功裏に終え、諸外国の日本に対する認識と評価を高めるとともに、それにもまして、日本国民、特に青少年に与えた自信と夢はきわめて大きなものがあったと存じます。私は、このような青少年の自信を高揚し、未来にかける夢をすくすくと仲ばし得るよう必要な教育諸条件を整え、適切な指導を行なうことこそ文教の基本であると確信いたしております。もとより文教の施策は長期的な視野に立って着実に推進すべきであります。ことさらに新しきを求めることなく、文教年来の施策を地道に発展させつつ、国民の期待と要望にこたえて、その改善充実に努めてまいる所存であります。
私は、かかる観点に立ってみた場合、教育の機会均等の確保、教育における格差是正、父兄負担の軽減により一そうの努力をいたすとともに、学校教育、社会教育を通じて、教育施設設備の整備、教育内容の刷新充実に一段と意を用いる必要があると存じます。また、幼少期における教育の重要性を考え、幼児教育及び家庭教育についても十分に配慮していきたいと存じます。なお、心身ともに健康な青少年を育成する上で、たくましい体力、気力を養うための諸方策を推進する必要があることを痛感いたすものであります。
次に、高等教育、特に大学の拡充の問題については、社会的需要の趨勢と大学志願者の増加、並びに大学教育の質的向上を配慮して対処すべきものと思います。このため、国立大学においては、特に地方の大学の整備充実に留意しつつ、量質両面にわたって拡充をはかるとともに、私学についてはその役割りの重要性にかんがみ、かねて私学振興方策を進めておりますが、さらに適切な方策を推進するため、調査会を設けて有識者の意見を承りたいと考えております。
なお、高等学校、大学等入学試験における競争の激化は、社会における学歴偏重の傾向と家族の過大な要望によるところも少なくないと思われますので、この点について、社会や家族の理解と協力を求めるとともに、学校における一そう適切な進路指導を期待いたします。
また、最近における学術研究の急速な進展は、まことに驚くべきものがあります。かかる事態に即応して、学術研究の振興、特にわが国基礎研究の分野で重要な役割りを持つ大学の研究体制の整備は、きわめて大切なことと考えております。
さらに、わが国の伝統あるすぐれた芸術、文化を保存、継承するとともに、よりよき芸術、文化の振興のため積極的方策を講ずることもゆるがせにできないものと思います。他面、開放経済の体制下、教育、学術、文化の分野においても、その交流と国際的活動に対する積極的な参加は、人類の福祉と平和のためにもきわめて肝要であることをあらためて認めざるをえません。
終わりに、教育振興の第一の要諦は、教育界に人材を得、教育関係者が教育に対する正しい使命感と青少年に対する理解と愛情を基礎として専心事に当たるにあると考えます。このため、学校教育、社会教育両面にわたり、教職員、指導者の研修活動の充実強化、教育研究意欲の高揚等につとめ、その資質の向上に格段の意を注ぐとともに、教職員の待遇改善についてもさらに留意していきたいと思います。
以上、日ごろ考えておりますことの一端を申し述べ、具体的なことは、予算案の概要の説明に譲ることといたしますが、もとより文教施策の推進は、ひとり文教行政当局だけでよくなし得るものではなく、国民全体の理解と協力に待つところきわめて大きいのであります。皆さま方の一そうの御協力をお願い申し上げる次第でございます。
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次に、昭利四十年度の文部省所管の予算案につきましてその概要を御説明申し上げます。
まず、文部省所管の一般会計、予算額は四千四百六十九億八千八百五十一万八千円、国立学校特別会計の予算額は、千六百七十五億八千九百七十万五十円となっており、その純計は四千八百億千七百九十五万円であります。この純計額を前年度当初予算額と比較いたしますと、およそ六百四十九億円の増額になりますので、その増加率は、一五・六%になるわけであります。この増加率は決して十分とは申せませんが、一般会計予算総額の増加卒を考えますと、文教予算に重点が置かれていることは明らかであろうかと存じます。また、内容的にも従来とかく見のがされがちでありました面につきまして、できる限りきめの細かい配慮を加えたつもりであります。
以下、昭和四十年度の予算案におきまして、特に重点として取り上げました施策についてご説明申し上げます。
まず、第一は、初等中等教育の改善充実であります。前年度に引き続きまして、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数を改善し、施設設備の整備を進めることといたしましたほか、さらに教科書の無償給与を推進し、学校給食の充実をはかる等の施策を進めることといたしておりますが、要保護、準要保護児童生徒に対する就学援助、僻地教育及び特殊教育の振興につきましても特に留意し、教育の機会均等の趣旨に沿うようにつとめました。そのうち、まず、学級編制及び教職員定数の充足につきましては、学級編制の基準を、原則として小中学校いずれも最高四十八人に改めるとともに、標準法に基づいて教職員定数の充実をはかり、また、特殊学級担当教員及び充て指導主事の増員などを行なっております。次に、給与の改善につきましては、給与改訂、管理職手当の引き上げ等を行なうことといたしましたほか、僻地にすぐれた教員を配置するため、僻地勤務教員の優遇策について特別に考慮いたしております。
次に、公立文教施設につきましては、既定計画の線に沿ってその整備を進めることとし、小中学校の校舎及び屋内運動場の整備、危険校舎の改築、学校統合に伴う校舎等の整備を行なうために、公立文教施設整備費二百八億円を計上いたしました。そのうち、危険校舎、統合校舎等の事業量、建築単価及び構造比率の改善につきましては、それぞれ実情に即して配慮を加えております。
次に、父兄負担の軽減をはかる趣旨から、小規模学校の教材の充実を含めて教材費の増額をはかりましたほか、国公私立学校を通じて、小学校及び特殊教育諸学校の小学部の第一学年から第六学年までの児童に、全教科書を国の負担において無償給与することにいたしております。また、学校給食につきましては、小麦粉について従来の補助を継続いたしますとともに、ミルク給食につきましては、酪農振興の見地から、国内滝牛乳の大幅な使用増加を前提として、所要の補助金を計上いたしました。さらに、学校給食の施設設備につきましては、完全給食の実施を目途として、従来に引き続き単独校の計画的整備をはかるとともに、最近特に要望の強い共同調理場の整備費について大幅な増額を行なっておりますほか、新たになま牛乳の殺菌設備の補助を行ない、また、栄養職員の設置につきましても補助対象人員の増加をはかっております。このほか、関係市町村のかねての要望にこたえて、小中学校の遠距離通学者に通学費を支給する市町村に対し、新たに補助金を交付する道を開いて、義務教育の円滑な実施をはかることといたしております。
次に、僻地教育の振興につきましては、まず、僻地に勤務する教員の人半交流の円滑化に資するため、僻地勤務教員の優遇措置を講ずるとともに、教員住宅の建設について一そうの充実をはかり、また、僻地に勤務する教員の子弟の教育のために、新たに高等学校の寄宿舎建設に対する補助を行なうことにいたしました。さらに、僻地の教育環境の整備につきましては、引き続き、スクールバス、ボート、視聴覚教育設備、僻地集会室等について補助を継続いたしますとともに、小中学校の寄宿舎の建設費及び連営費に対する補助金の増額を行なうなど、総合的、かつ重点的に施策を推進することといたしております。
次に、特殊教育につきましては、養護学校及び特殊学級の計画的な普及と就学奨励費の内容の充実をはかるために必要な経費を計上いたしますとともに、職業教育の一そうの充実を期するため、特殊学級の設備及び特殊教育諸学校の技術、家庭科の設備の充実について補助金を増額いたしております。また、要保護、準要保護児童生徒の就学援助につきましては、それぞれの品目について補助単価の改訂を行ない、その内容の充実につとめております。
このほか、前年度に引き続き、道徳教育及び生徒指導の充実強化をはかるために必要な諸経費を計上し、また、教職員の研究活動を推進するため、各種教育研究団体の助成を強化するとともに、都道府県に総合的な研修センターを設置するために必要な補助を行なうことといたしました。また、幼児教育の重要性にかんがみ、多くの父兄の要望にこたえて、幼稚園の普及整備のために必要な施設、設備の補助を増額計上いたしております。
第二は、大学教育の拡充であります。国立学校特別会計予算につきましては、前年度の当初予算額と比較して二百八十一億円の増額を行ない、約千六百七十六億円を計上いたしました。その歳入予定額は、一般会計からの繰り入れ千三百四十五億円、借入金三十五億円、付属病院収入二百十七億円、授業料および入学検定料三十七億円、学校財産処分収入十七億円、その他雑収入二十一億円であります。歳出予定額の内訳は、国立学校運営費千三百十九億円、施設整備費二百五十二億円などであります。
まず、国立大学の拡充整備につきましては、公立一農科大学の国立移管を含む八学部の開設、三十五学科の新設及び拡充を行ない、特に多年の懸案でありました文理学部の改組を、まず四大学について実施することといたしております。また、教員養成制度の改善につきましては、制度全般についてなお検討を進めておりますが、さしあたり教員養成大学、学部の入学正員の改訂、養護教諭養成所及び必要な養成課程の新設、岩城教育大学の創設などの措置をとることといたしております。このほか、前年度に引き続き、中堅技術者の育成のため七工業高等専門学校を新設する計画であります。
以上の結果、大学及び短期大学の学生定員の増加は、合計約三千四百人となっております。さらに、教官当たり積算校費、学生当たり積算校費、設備費等のいわば基準的な経費につきまして、その増額をはかりますとともに、新制大学における大学院修士課程の拡充についても特段の配慮をいたしております。
次に、施設の整備につきましては、財政投融資資金及び不用財産の処分収入を財源の一部に含めまして予算額の大幅な増額をはかり、一段と施設整備の促進をはかることといたしておりますが、特に土地の取得のために財政投融資資金を利用いたしましたことは新しい構想であり、今後の成果を期待いたしたいと存じます。なお、施設整備のために、後年度分について四十五億五千万円の国庫債務負担行為を行なうことができることといたしております。
次に、育英奨学につきましては、大学院奨学生及び教育特別奨学生の増員を中心として、引き続き事業の拡充をはかるとともに、日本育英会につきまして奨学金の返還業務の促進に要する経費を増額し、約八十九億円を計上いたしております。
第三は、私学振興の拡大であります。私立学校の振興は、文教政策の今後の重要な繰越でありますが、昭和四十年度の予算案におきましては、特に重点としてこれを取り上げ、格段の努力をいたしたところであります。まず、私立学校振興会に対する政府出資金及び財政投融資資金からの融資につきまして、あわせて百十億円と、これを前年度の二倍に拡大し、私学全般の施設の改善充実をはかることといたしております。
次に、私立大学等理科特別助成費及び私立大学研究設備助成費につきましては、あわせて五億円増の約三十億円を計上し、科学技術教育の振興にも資するとともに、新たに私学の教職員の研修センターに対する建設費の補助を計上する等の施策を講じております。
第四は、学術研究及び科学技術教育の振興であります。わが国の学閥及び科学技術の水準を高め、ひいては国民生活の向上に寄与するため、学術研究及び科学技術教育の振興につきましては、かねてから努力を続けてまいっているところであります。明年度におきましては、まず、学術研究について、重要基礎研究の促進をはかるために、科学研究費の増額を行ないましたほか、原子力、防災科学、宇宙科学等の研究のために必要な経費を計上し、また、電子工学研究所の新設、海洋研究所、宇宙航空研究所等の整備をはかることといたしました。さらに、国際的な学術研究の協力体制を強化するため、引き続き日米科半研究協力事業等について所要の経費を計上するとともに、南極地域観測事業の再開に必要な経費を計上いたしております。
次に、初等中等教育の分野におきましては、中央産業教育審議会の答申の趣旨に従い、産業教育関係の施設設備の改善充実をはかるとともに、自営者養成のための農業高等学校の寄宿舎、実習施設等を整備することにいたしました。なお、科学技術者の養成につきましては、昭和四十年度におきましても引き続き理工系学生及び工業高等学校生徒の増募を行なうため、大学、高等専門学校及び工業高等学校の充実整備をはかっておりますが、国立学校関係につきましては、先ほど述べました学部、学校の増設等により約二千五百人の理工系学生の増募を行なうことといたしております。
第五は、青少年の健全育成と社会教育の振興であります。働きながら学ぶ青少年の教育問題は、学校教育及び社会教育の両面にわたって深く意を用いるべきところであると存じます。まず、学校教育の面におきましては、引き続き定時制高等学校の施設設備の整備、定時制及び通信教育手当の支給、通信教育用学習書の給与等に必要な経費を計いたしましたほか、夜間定時制高等学校につきまして、夜食費補助金及び運動場照明施設整備費補助金を増額計上いたしております。また、社会教育の面におきましては、勤労行少年に学習及び訓練の機会を与えるため、国立第四青年の家を新設いたしますとともに、引き続き公立青年の家の整備を確めることとし、さらに青年学級および勤労青年学校の内容の充実をはかり、また、中学校卒業後直ちに就職する青少年のために研修を行なう経費も新たに計上いたしました。
次に、社会教育は、広く国民の資質の向上に大きな役割を果たしており、その普及振興は学校教育の充実とともに、きわめて大切なことであります。このため、まず公民館、図書館、博物館等の施設、設備の整備を一そう推進するとともに、家庭教育、婦人教育あるいは同和教育等の振興のために必要な諸経費を計上いたしておりますが、同町に、すぐれた社会教育指導者の養成は社会教育振興のため最も必要なことと存じますので、新たに国立社会教育研修所の設置に関する経費を計上いたしました。
次に、体育の普及奨励につきましては、広く国民一般に対し体育を普及奨励するため、水泳プールの整備に必要な経費を大幅に増額いたしますとともに、体育館、運動場のほか、新たに公立高等学校の柔剣道場を整備するための補助金を計上いたしております。また、スポーツ活動の指導者養成、スポーツ教室及びスポーツテストの普及、スポーツ団体の助成等について必要な経費を増額いたしましたほか、相次ぐ登山事故の防止のため、すぐれた指導者を養成する必要を考え、新たに国立の登山センターを設置するための準備を進めることといたしました。またオリンピック東京大会を記念いたしまして、選手村あとの施設を活用してオリンピック記念青少年総合センターを設立するための経費一億二千万円を計上いたしております。
第六は、芸術文化の振興であります。芸術文化の質的向上をはかるとともに、すぐれた芸術を広く国民に普及いたしますことは国民生活の文化的向上をはかる上にきわめて必要なことであります。このため、近代文学館その他の芸術関係団体の助成を強化し、芸術祭の開催等を行なうことといたしておりますほか、歌舞伎、文楽等のすぐれたわが国の伝統芸術の保存と振興をはかるため国立劇場の建設を進め、さらには、東洋美術の公開展示のための東洋館の建設を行なう等関係予算の大幅な増額を行なっております。
次に、文化財保存事業につきましては、保存修理事業を拡充し、防災施設の整備をはかる等その充実について努力を重ねておりますが、特に最近、圏上開発の急速な進展に伴って、史跡、埋蔵文化財等の保護対策の強化が痛感されておりますので、平城宮あとの買い上げ、発掘調査の促進をはじめ、その他の史跡につきましても、その公有化、環境の整備等をはかるため必要な経費を増額計上いたしました。
第七は、国際文化の交流であります。国際文化交流関係の予算につきましては、まず、アジア文部大臣会議をはじめ、教育、学術、文化、スポーツ等各種の国際会議への積極的な参加及びわが国で開催される国際会議に対する援助を積極的に行なうことなどによりまして、国際機関、団体等との協力提携をいよいよ密にするとともに、文化協定締結国等との学者、研究者、学生の交換、学術の共同研究、芸術、文化財の交流、スポーツを通じての国際交歓などをさらに推進し、また国際文化団体への助成を強化いたしたいと考えております。
次に、各国の要望にこたえて、留学生の受け入れ体制、特に日本語教育体制の整備についてくふうを重ねますとともに、新たにアジア・アフリカの学生を主として受け入れるためユネスコ国際大学院コースを開設することにいたしました。なお、最近、海外勤務者が激増しつつあり、その子弟の教育が切実な問題となっておりますから、その教育対策につきましては、これを一段と積極的に推進することといたしました。
以上のほか、産炭地域における教育につきましては、放置できない実情がありますので、就学援助費、給食費等について援助を強化するため、一般の予算措置のほかに特別の配慮を加えております。その他、沖繩の教育に対する協力援助費につきましては、これを大幅に増額して、別途、総理府所管として計上いたしております。
以上、文部省所管予算案につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X00319650216/2
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003・山下春江
○委員長(山下春江君) ちょっと速記をやめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X00319650216/3
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004・山下春江
○委員長(山下春江君) 速記を、起こしてください。
次に、会計課長の補足説明を求めます。岩間会計課長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X00319650216/4
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005・岩間英太郎
○政府委員(岩間英太郎君) お手元にお配りしてございます事項別表に従いまして、大臣の説明を補足して御説明申し上げます。
まず、初等中等教育の改善充実でございますが、その第一は、義務教育費国庫負担金でございます。給与費関係の総額は約二千三百十七億円でございまして、前年度当初予算に比べて二百九十四億円の増加となっておりますが、そのうち給与改訂分が二百十二億円を占めております。教職員の定数につきましては、明年度は約七十五万人の児童生徒の減少がございますので、これに伴う教職員の減があるわけでございますが、その反面、学級編制の最高を一学級四十九人から四十八人に引き下げる等の標準法の実施のための増員、充て指導主事三百二十人の増員、特殊学級一千学級の増設に伴う千三百二十六人の教員の増員、既定計画による養護教諭及び事務職員の計千八百三十二人の増員などが見込まれておりますので、総体といたしましては若干の増員となる見込みであります。次の給与の改善につきましては、給与改訂、昇給、暫定手当の本俸繰り入れ等に伴う増額を見込んでおりますほか、管理職手当を校長一〇%、教頭八%に引き上げ、また、僻地教育振興の見地から、僻地に勤務する教員につきましては、平均三年に一度の特別昇給を行なうことができるようにいたすことになっております。
次は、父兄負担の軽減の関係でございます。まず、教材費につきましては、一〇%の単価の引き上げを行ないましたほか、小規模学校の充実をはかる意味で、その補正係数を改善するため五千万円を増額いたしております。
次に、義務教育教科書の無償給与につきましては、約六十億円を計上いたしておりますが、その内容は、四十年度の小学校一年から五年までの児童の後期用教科書と転学児童の教科書及び四十一年度の小学校一年から六年までの児童の前期用教科書の購入費などであります。
次は、学校給食費でございます。まず、準要保護児童生徒の絆食費の補助につきましては、対象となる児童生徒の率は前年どおり七%でありますが、給食内容につきまして約一一%の単価の引き上げを行なっております。学校給食施設につきましては、小中学校の単独校の施設、夜間の定時制高等学校及び僻地学校の施設等に対する補助は、前年度とほぼ同様の規模で継続することにいたしておりますが、要望の特に強い共同調理場につきましては、補助対象を前年度の四十カ所から百四十カ所に大幅に増加いたしましたほか、なま牛乳の生産地の学校に対して殺菌設備の補助の道を開くことといたしました。夜間の定時制高等学校の夜食費補助につきましても、約一一%の単価の改訂を行なっておりますほか、なま牛乳の使用二万石を見込んでおります。また、学校栄養職員の補助につきましては、前年度の二百一人から四百七十七人にその対象を拡大いたしました。次に、義務教育諸学校のミルク給食の補助は、なま牛乳六十八万石の使用によりまして金額が減少いたしておりますが、脱脂粉乳に対する補助を百グラム四円から四円六十銭に引き上げております。また食糧管理特別会計への繰り入れは、小麦粉に対する百グラム一円の補助でありますが、使用壁の増加を見込んで七千五百万円を増額いたしました。
次は、遠距離通学費の支給に関する補助金でございますが、学校統合の推進などのため、児童生徒の通学費を負担している市町村におきましては、通学費の負担が大きくなって、他の教育費を圧迫しているような事実があるため、かねてからその実現を要望されていたものであります。補助対象は約五万人、一人当たりの平均単価は約六千円でございます。
次は、道徳教育及び生徒指導の充実でありますが、道徳教育資料の部数の増加及び化徒指導研究推進校の増加のほかは、前年度の事業の継続でございます。
次は、僻地教育の振興でございます。僻地教育につきましては、大臣から御説明のありましたように、比較的きめのこまかい改善をはかっております。すなわち、スクールバス・ボート六台、シート式磁気録音機六十七台の台数の増加、教員宿舎の戸数百戸の増加、僻地集会室等の一〇%の事業量の増加などをはかりましたほか、寄宿舎居住費の補助につきましては、新たに小学校の児童を対象に加え、また、僻地学校の保健管理のため新たに歯科医師を派遣することとし、さらに僻地子弟のための高等寄宿舎の建設費補助につきましては、僻地に勤務する教員の子弟のための寄宿舎も含めることといたしております。このほか、教材費の増額、遠距離通学費の補助、僻地勤務教員の特別昇給などにつきましては、先ほど申し上げたとおりであります。
特殊教育の振興につきましては、まず、既定の計画に従いまして養護学校十六校及び特殊学級一千学級の増設をはかっておりますほか、牛革校の特殊学級設備の補助単価を十六万円から三十万円に引き上げ、また、特殊教育諸学校の中学部の技術家庭科の設備興を新たに補助するなど、特に職業教育のための設備の拡充について補助金の増額を行なっております。また、就学奨励費補助金及び交付金につきましては、新たに幼稚部の学校給食をその対象に加えましたほか、全般的に単価の改訂を行ないました。
次に、要保護、準要保護児童生徒の就学援助でございます。対象となる児童生徒の数は、前年どおりそれぞれ全体の児童生徒に対して三%及び七%でございますが、児童生徒数の減少により若干予算金額下回っているものもございます。しかし、内容につきましては、単価の改訂等の改善が加えられております。
次の教職員の研修の充実につきましては、まず、都道府県に対して総合的な教育研修センターを設置するための補助金を新設いたしております。来年度は一カ所三千万円の補助で五カ所を予定いたしております。また、教育研究団体に対する補助金を五千万円近く増額計上いたしましたほか、各種研修会の開催等の教職員の研修に要する経費を引き続き計上いたしております。
次は幼稚園教育の推進でありますが、就園希望者の増加の実情にかんがみまして、約倍額の一億五千五百万円の予算を計上いたしました。設備費の補助につきましては、新たに百十二園の新設と六十八学級の増加を見込んでおります。
次は、公立文教施設の整備でございます。昨年新しい五カ年計画を策定して基準坪数等の改善を行なったのでありますが、来年度はその第二年目になるわけであります。したがって、基本的にはこの既定計画に沿って予算が組まれているのでありますが、さらに改善を加えましたおもな点を申し上げますと、まず、事業量につきましては、幼稚園園舎六〇%、危険建物一五%、僻地集会室等、あるいは統合学校校舎、特殊教育建物及び定時制等建物について一〇%の改善が行なわれております。また、建築単価につきましては、平均約八%、構造比率につきましては五%の改善を行ない、総額二十八億円の増額を行なったのであります。
第二は、大学教育の拡充であります。まず、国立学校につきましては本年度から特別会計の制度が設けられておりますが、そのうち歳入予算の内容につきましては、ただいま大臣からお話しのあったとおりでございまして、大筋におきましては本年度と大差はございません。ただ、大阪大学の移転のための土地購入費二十億円につきまして財政投融資資金からの借り入れが可能になりましたこと及び予備収入が二億円計上されましたことなどが目立った点でございます。
次に、歳出につきましては、前年度に比べて約二〇%の伸び率を示しており、他の予算よりもかなり優遇されております。その内容といたしましては、まず、教官当たり積算校費、学生当たり積算校費、設備費等の基準的な経費がございますが、これらはいずれも一〇%程度の増額が行なわれております。
次に、大学の拡充整備の具体的な内容といたしましては、新たに宮城教育大学を新設いたしますほか、八学部、中身は夜間学部二、薬学部一、歯学部三、工学部一、農学部の移管一、この入学部の創設を行なうことといたしております。なお、このほか、公立の農科大学の移管及び工学部の二学部の新設が四十一年度に予定されております。また、四文理学部、これは弘前、埼玉、静岡、鹿児島でございます。この四文理学部の改組、三十五の学科の新設及び拡充改組、主として夜間の短期大学の十学科の新設、七高専、これは釧路、小山、東京、石川、福井、舞鶴、北九州でございます。この七つの創設等があります。この結果、大学及び短期大学につきまして、合計三千三百九十四人の学生定員の増加になっております。
研究所等につきましては、あとで御説明することといたしまして、次に、国立学校施設整備費につきましては、不動産購入費三千五億円を含めて三百五十二億円が計上され、前年度より約七十九億円の増加となっておりますが、昭和三十三、四年ころの予算と比較いたしますと約十倍にふえている計算になります。また、このほか、国庫債務負担行為が学校施設及び病院につきまして合計七十三億円認められておりまして、そのうち四十一年度分として、四十五億五千万円が認められております。
次は、教官の待遇改善いたしまして、大学院の教官の調整額を八%に統一し、また、教官研究旅費を八%増額いたしております。
次に、公立の大学及び短期大学に対する助成は、二千万円増額いたしまして七千万円となっております。
次は、育英奨学事業でございます。育英会の貸し付け金の予算額は八十一億八千万円でございまして、本年度より約一億五千万円の増額でございますが、このほか返還金からの充当を三十六億円ほど見込んでおり、事業量の総額は百十八億円となりますので、本年度より十億円の増加となるわけでございます。貸し付け金の内容につきましては、備考に内訳がございますが、特に力を入れました点は、通信教育の学生に対する貸与額を倍額にしたこと、大学院修士課程の奨学生及び教育特別奨学生の採用を大幅に引き上げたことであります。なお、日本育英会に対しましては、引き続き返還回収業務の機械化等、事務能率の促進をはかるために補助金を増額いたしております。学徒援護会に対する補助金は、建物の移転が終わりましたので金額が減少いたしております。
次は、私学振興の拡大でございます。まず、私立学校振興会に対する政府出資は、十億円でありますが、このほか財政投融資資金からの融資百億円が見込まれております。これによって初年度に予定されております約一万五千人の学生増募に伴う施設の充実も可能になるわけでございます。
次に、私立大学等理科特別助成及び私立大学研究設備助成につきましては、合計約五億円の増額を行ない、理科設備及び研究設備の充実をはかっております。
次の私立学校教職員共済組合補助は、共済組合の長期給付及び事務費に対する補助でありますが、これによりまして国立大学の教職員と均衡のとれた内容の納付が実現することが可能になるわけであります。
次は、私立学校教育研修センター設置に対する補助でありますが、これは都道府県に教育研修センターの補助を行なうことになりましたので、これと並行いたしまして、私立学校の教職員の研修のため中心的な施設一カ所に対して五千万円の補助を行なうこととしたのであります。
次は、臨時私学振興方策調査会でございますが、大臣からお話し申し上げましたような趣旨で、十五人の委員と同数の臨時委員によって、あらゆる角度から御検討いただきますため、この調査会の運営に必要な費用を計上いたしております。
次は、学術研究及び科学技術教育の振興でございます。まず、第一は、大学院の拡充整備でございまして、新たに新制大学に修士課程十六研究科を設けることといたしましたほか、既設大学院につきましても不完全講座の充実、研究設備の整備等をはかることといたしております。
次に、科学研究費等の拡充でありますが、科学研究費、科学試験研究費、研究成果刊行費等につきまして一〇%の増額を行ないましたほか、特にガン研究のために一億円を増額いたしております。また、民間学術研究団体に対する補助金につきましては、東洋文庫に対する補助金を含めまして千百万円を増額いたしております。
次は、重要基礎研究の推進でございまして、まず、大学付置研究所につきましては、静岡大学に電子工単研究所を新設いたしましたほか、原子力、防災科学、宇宙科学、海洋研究の推進等のため研究所の整備充実をはかっております。この中には、原子力研究のための大強度加速器の基礎研究について二億五千万円、ロケットの観測経費についてミュー一型ロケットの飛しょう実験を含めて約二十億円、海洋研究のための研究船の建造について国庫債務負担行為十六億五千万円等が含まれております。
次に、国立教育研究所につきましては、研究体制の整備をはかりますため二部三室の拡充を行なうことにいたしております。
次に、南極地域観測事業につきましては、かねてから再開の準備を進めて来たところでありますが、明年度は、いよいよその実施の運びになりましたので、観測船等の仕上げ及び隊員経費、運航費等に必要な経費二十一億円を計上いたしております。
次は、日本学術振興会補助及び日米協力研究事業費の補助でございますが、前者につきましては、新たに国際共同研究事業を開始いたしますための補助金を増額いたしましたほか、従来の事業の拡充をはかり、また、後者につきましては、事業完了のため一部補助金を減額いたしましたほかは、従来の事業を継続することにいたしております。
次の在外研究員につきましては、従来通りの二百三十九人の派遣人員を見込んでおります。
次は、理科教育、産業教育の振興であります。まず、理科教育設備の補助につきましては、既定計画に基づき前年度とほぼ同額の補助金が計上されており、これによって現行基準の七〇%までの充足がはかられることになる見込みであります。
次は、産業教育関係の負担金、補助金であります。負担金、補助金の額は、ほぼ前年どおりでありますが、内容的に見ますと、かなり変更がございます。すなわち中堅技術者約八万五千人の増員計画は、千四百人を残してほぼ完了いたしましたので、工業高校の新設学科施設設備費補助が八億六千万円ばかり減少し、また、農業近代化の促進のための補助金は、学年進行を除きまして事事が終了いたしましたので、一億一千万円ばかり減額になっております。その反面、一般設備につきましては、基準の改訂による設備の充実を促進いたしますため八億円の増額を行ない、また、農業自営者養成高等学校の拡充整備を行いますため、補助対象を五カ所から七カ所に引き上げ、約一億円を増額計上いたしております。なお、中学校の技術家庭科の設備費補助金は、大体、前年度の規模を維持いたしております。また、家庭科の設備につきましては一千万円を増額してその充実を急ぐことといたしたのであります。
次は、高等学校視聴覚教材整備費補助金でございますが、これは新しい補助金であり、学習指導の改善と科学技術教育の振興のため、多年、高等学校長からも要望のあったものであります。来年度はとりあえず三千万円を計上し、映写機、録音器、テレビ等を順次普及してまいりたいと考えております。
次は、青少年の健全育成であります。家庭教育の振興につきましては、新たに録音教材の複製配布に必要な経費を計上いたしましたほか、従来の事業を継続することにいたしております。婦人教育の振興は前年度と同じ内容で行なうことにいたしております。
次は、勤労青少年教育の振興でございますが、まず、定時制通信教育の充実につきましては、従来どおり定時制高等の理科及び一般の設備、通信教育の教科書、学習書の無償配布、夜間の定時制高校の給食施設設備の充実などを継続いたしますとともに、定時制通信教育手当を管理職について三%から五%に引き上げ、夜間照明施設の整備費を六十二校分から七十五校分に増額し、夜食費、校舎整備費等の補助につきましても、それぞれ増額をはかっております。
次に、社会教育関係につきましては、勤労青少年学校運営費補助金の補助対象を四十校から六十校に増加し、また、新たに青年の家を利用いたしまして、中学校を卒業して新しく職業につく青少年の研修を実施するために必要な経費及び特に健全な少年団体の育成を促進するために必要な経費を新たに計上いたしましたほか、引き続き社会通信教育、青年学級、青年の国内研修等に必要な経費を計上いたしております。
次は、社会教育指導者の養成でございますが、従来の講習会、研修会等に必要な経費を計上いたしましたほか、新たに社会教育研修所を新設することといたしております。これは元の上野の図書館職員養成所の施設を利用することにいたしております。
次は、社会教育施設の整備でございますが、公民館につきましては、補助対象を百二十八館から百七十一館に拡大し、公立図書館、博物館につきましてもそれぞれ補助の対象を増加いたしまして、その普及をはかることといたしました。また、国立第三青年の家に引き続きまして、国立第四青年の家の建設に必要な経費を計上いたしております。
次は、同和教育の振興でございます。この点につきましては、集会所の設置のための補助金を十五カ所から十八カ所分増額いたしましたほか、かねて要望されておりました集会所の運営に必要な経費を新たに計上いたしております。
次は、スポーツの振興でございます。まず第一に、スポーツ施設に対する補助を大幅に増加いたしております。すなわち、水泳プールにつきまして三百四十カ所を四百七十カ所に、国民体育館は十六カ所を二十三カ所に、国民運動場は三カ所を十カ所に増加いたしております。また、新たに柔剣道易のない高等学校に対し、選択必修となりました柔剣道を普及するために、差しあたり約一億円をもちまして、年次的に柔剣道場の整備を行なうことといたしております。来年度は柔道場六十三校、剣道場三十五校分を予定いたしております。
次は、スポーツ指導者の養成でありますが、新しい施設として国立登山センターの建設準備について、一万坪の敷地購入及び建物設計のための経史が計上されております。また、引き続き体育指導委員の研修等スポーツ指導者の養成につきまして所要の経費を計上いたしました。
次に、青少年を中心といたしまして広くスポーツ活動を普及するため、スポーツ教室の育成、スポーツテストの普及奨励のための予算を増額いたしますとともに、職場スポーツの振興のため新たに全国研究大会に必要な経費を計上いたしております。また、国民体育大会等の実施に対する補助及び日本武道館を含めて各種スポーツ団体に対する助成を強化いたしております。
次は、オリンピック記念青少年総合センターの新設でございます。これは代々木の選手村あとの施設を利用いたしまして、オリンピックを記念して広く青少年の宿泊訓練のセンターを設けようとするものでございまして、施設整備及び運営のために必要な経費といたしまして一億二千万円を計上いたしております。
次は、青少年の安全保健でございます。まず、前にも述べましたが、僻地学校の保健管理のため、従来、医療機関から離れた僻地学校に、医師のほか歯科医師を派遣することといたしております。
次に、学校の環境街上設備の整備につきましては、先般、保護体育審議会からの答申もございましたので、とりあえず水質、空気、照明等の検査器具に対して補助を行なうことといたしております。
学校安全の事業につきましては、日本学校安全会の支部の人員に対する補助を四人から五人に引き上げる等、一そうその充実をはかることといたしました。
次は、芸術文化の振興でございます。まず、芸術関係団体の助成につきましては、日本近代文学館の建設を補助するために必要な経費を新たに一億円計上いたしましたほか、芸術の国際交流を中心といたしまして一段と助所の強化をはかっております。また、地方芸術の向上のため、芸術奨励及び芸術祭、地方巡回美術鑑賞指導等について引き続き必要な経費を計上いたしました。
次に、国立劇場でございますが、二十五億円の国庫債務負担行為を行ない、明年度はそのうち約十五億円を計上いたしまして、建設を進めることにいたしております。その結果、四十一年度中に開館の運びとなる予定でございます。なお、国立博物館の東洋館の新設につきましても、同様に四十一年度完成を目ざして約三億円を計上いたしました。
次は、文化財の保護でございます。まず、文化財の保存修理、防災施設の整備等でありますが、全般的にその充実をはかるための予算を増額いたしております。そのうち、特に最近問題となっております埋蔵文化財につきましては、新たに重要遺跡の緊急指定を行ないますために必要な調査費を計上いたしましたほか、史跡の還境整備、埋蔵文化財包蔵地図の刊行等に必要な予算を計上いたしております。
次に、平城宮跡の買い上げ及び発掘調査につきましては、来年度約六万坪の土地の購入と一万七千五百坪の発掘調査を行ないますために必要な経費を計上いたしました。
次に、無形文化財の保存活用につきましては、引き続き伝承者の育成、記録の作製、資料の買い上げを行ないますほか、新たに民俗芸能の推定候補者を緊急に調査いたしますための予算を設けております。
次は、教育、学術、文化の国際交流の推進でございます。まず、外国人留学生教育につきましては、新規受け入れ人員は本年度と同様二百人でありますが、来年度は日本語教科帯、辞典の編さん等、日本語教育の充実をはかり、また、試験問題の作成、試験官の派遣、寄宿舎の整備等、受け入れ体制の強化をはかることとして所要の経費を増額いたしております。
次は、国際文化交流の促進でございますが、引き続き文化協定締結国等との学者の交流、日米交流、国際会議の開催及び参加等について必要な経費を計上いたしておりますほか、学術、芸術、文化、スポーツ等の各界にわたる国際交流を推進いたしております。また、ユネスコの国際協力につきましては、新たに東京工業大学に化学の国際大学院コースを設け、アジア、アフリカの大学卒業生十三人を受け入れることにいたしております。
次は、海外勤務者子女の教育の推進であります。明年度におきましては、その対策を強化するため、教員の派遣人員を三人から六人に増加し、また試みに、帰国いたしました子女のために東京学芸大学附属中学校に三学級の特別学級を設けるとともに、教員の派遣が行なわれない地域の子弟のために、学習指導書の作製、配布を行なう等の総合的な措置を講ずることといたしました。その他、能力開発研究所に対する研究費補助を増額し、また、全国学力調査につきましては、小学校五、六年の児童及び中学校二、三年の生徒について二〇%の抽出調査を行ないます等のために必要な予算を計上いたしました。
なお、それぞれの事項につきまして備考に書いておりますが、産炭地教育の振興のため、就学援助費、学校給食費、医療費等につきまして合計五千万円の特別の予算を一般の予算のほかに準備しております。
以上で補足説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X00319650216/5
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006・山下春江
○委員長(山下春江君) 以上で文部大臣並びに政府委員の説明は終了いたしました。
ちょっと速記をやめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X00319650216/6
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007・山下春江
○委員長(山下春江君) 速記を起こして。
本件の調査は、本日はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時四十四分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X00319650216/7
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