1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和四十一年三月二十九日(火曜日)
午後二時三十八分開会
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 林田 正治君
理 事
小林 武治君
沢田 一精君
加瀬 完君
原田 立君
委 員
小柳 牧衞君
高橋文五郎君
津島 文治君
天坊 裕彦君
占部 秀男君
鈴木 壽君
林 虎雄君
松澤 兼人君
松本 賢一君
衆議院議員
修正案提出者 渡海元三郎君
修正案提出者 細谷 治嘉君
修正案提出者 門司 亮君
国務大臣
自 治 大 臣 永山 忠則君
政府委員
自治大臣官房長 松島 五郎君
自治省財政局長 柴田 護君
自治省税務局長 細郷 道一君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
説明員
自治省税務局固
定資産税課長 森岡 敞君
—————————————
本日の会議に付した案件
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/0
-
001・林田正治
○委員長(林田正治君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本法律案は、衆議院において修正議決されておりますので、まず、修正部分について説明を聴取いたします。衆議院議員渡海元三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/1
-
002・渡海元三郎
○衆議院議員(渡海元三郎君) ただいま議題となっております地方税法の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正の趣旨及びその内容について御説明申し上げます。
御承知のとおり、政府案における今回の土地に対する固定資産税の負担調整措置は、漸増方式によって新評価額に移行しようとするものでありますが、この際、零細な固定資産の所有者の負担を免除するとともに、納税事務の煩瑣を排除するため、固定資産税の免税点を引き上げることといたしたのであります。
なお、上水道事業等に使用する電気に対する電気ガス税については、第四十八回国会における両院の附帯決議の趣旨にもかんがみ、かつ、水道料金のコスト引き下げに資するため、これを非課税とする措置をこの際、あわせて講ずることといたしたのであります。
以上が本法案について修正を行なった趣旨であります。
次に、修正のおもな内容について御説明いたします。その一は、固定資産税の免税点を引き上げたことであります。すなわち、土地に対する免税点は、政府案におきましては、三万円に引き上げられておりますが、これをさらに八万円に引き上げて、零細な土地所有者の負担の軽減をはかることといたしました。
家屋及び償却資産に対する免税点につきましては、政府案においては改正が行なわれておりませんが、土地に対する免税点の引き上げに伴い、家屋につきましても、現行の三万円を五万円に引き上げ、償却資産につきましては、さらに、中小企業者、農林漁業者等の負担の軽減をはかるため、現行の十五万円を三十万円に引き上げることといたしました。
その二は、上水道及び工業用水道事業に使用する電気につきまして、電気ガス税を非課税としたことであります。すなわち、電気ガス税については、すでに現在、政策的な非課税措置が講ぜられているものもありますので、これらとの均衡とも関連し、また非課税措置を講ずることが、ひいては電気料金の引き下げを通じて、住民負担の軽減に帰することとなることを考慮して、上水道及び工業用水道事業に使用する電気を非課税とするものであります。
以上が、修正の趣旨及びその内容の概要であります。
何とぞ御賛同あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/2
-
003・林田正治
○委員長(林田正治君) それでは、これより質疑を行ないます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/3
-
004・加瀬完
○加瀬完君 ちょっと大臣が来るまで資料要求をしておきます。
細郷局長、ただいまの衆議院の修正趣旨の説明の中に、電気ガス税の引き下げによって水道料金のコスト引き下げになるという意味のことが述べられておりますね。具体的に、そうすると水道料金のコストにどう響くかという何か資料は、自治省においては計算されておるでしょうか。おりましたらその資料をひとついただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/4
-
005・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 地方公営企業の例の白書といいますか、決算の収支がございますので、その収支の中の経費中の電力料金の割合というようなものは出てまいりますから、それでよろしければ御提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/5
-
006・加瀬完
○加瀬完君 はい、けっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/6
-
007・林田正治
○委員長(林田正治君) これより質疑を行ないます。
質疑の方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/7
-
008・鈴木壽
○鈴木壽君 地方税法の改正案そのものについてお尋ねする前に、一つ大臣にお尋ねしたいことがありますので、これから若干時間をいただきます。
大臣、あれですか、四十一年三月七日——今月の七日ですね、固定資産税に基礎控除制度を採用することの問題というプリントが、自治省の税務局固定資産税課の名前の入ったので外部に相当出ておりますが、これは御承知でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/8
-
009・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 私は存じておりませんのでございますが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/9
-
010・鈴木壽
○鈴木壽君 局長はこれ御存じですか。これはそのものじゃありません。コピーとったやつですけれども、いま申しました三月七日付で固定資産税に基礎控除制度を採用することの問題として、自治省税務局固定資産税課という名前が入って、固定資産税に基礎控除制度を申請すべしという意見があるけれども、いろいろ問題があるのだと、賛成しかねる、こういう文書が外の地方団体なんかに出ておりますのですがね、御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/10
-
011・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) ちょっとその文書は拝見いたしませんとあれですが、固定資産税の基礎控除の問題につきまして、私どもは内部でいろいろ検討をいたしたことはたくさんございますが、私のほうで文書で地方団体に出したとか、あるいは通知をしたとかいうようなことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/11
-
012・鈴木壽
○鈴木壽君 市長会、町村会、こういうところの東京の事務所ですね、事務所といいますか、そういうところでこういう文書があるのですがね、これはどういうのか。そうしますと、いまの話からしますと、文書を出したことがないというのだが、こういうのがあるのですよ、現に。一体どうでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/12
-
013・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 基礎控除の問題、超過累進税率の問題、いろいろ固定資産税について御議論がございました。したがいまして、私どもも部内においていろいろ検討をいたしたわけでございます。そのための内部的な資料としてのメモのようなものは、私どもの中では何度かつくっておりますけれども、あくまでも内部におきます検討の資料でございまして、外部には一切私のほうからは出しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/13
-
014・鈴木壽
○鈴木壽君 外部には一切出しておらないものがちゃんと出ておるのですがね、どうしたのでしょうね、これは。私大臣に、こういうように考えたのですがね、大臣はじめ税務の方々は、今度の地方税法の改正で、固定資産税でああいう措置をとるということにしたことに対して、衆議院の予算委員会等で問題になって、しかも単に予算委員会でのやりとりの間で問題が片づかないで、党と党との、三党間の話し合いになった問題ですが、その中で、新評価額を使って改正されようとする、ああいうふうなことによると、非常な大きな負担を生ずるから、これをできるだけその負担を少なくするようにというような考え方から、基礎控除というものを考えたらどうかという意見が当時社会党のほうから出ておったことなんでありますが、それに対して反対をしておられましたね、自治省としては。ただ、しかし、そういう過程で社会党がそういうことを言い出しておるのは、これはおかしいし、そういうふうにもし基礎控除制度というものを導入するというようなことになると困るというので、しかも、一方、地方団体のほうでは、政府原案みたいなかっこうでやってもらいたいという要望の強いところもあったのだし、そういうものとタイアップして、この修正にあたって基礎控除の制度を導入しようとする、そういう考え方を粉砕するためにやったんではないかと、こう私いま受け取ったわけなんですが、そういうことじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/14
-
015・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 私のほうでは、先ほど申し上げましたように、いろいろな御意見も出ておりまして、やはりわれわれ事務当局者といたしましては、内部的にこれを検討しなければなりません。そのために資料として幾つかの資料をつくったことは事実でございます。あくまでも内部の検討資料でございまして、それによって地方団体をどうこうしようというような考え方で行なったものではございません。したがって、いまお示しのようなものを、どういう内容のものであるか、あるいはどういう経緯を経たものであるか、あとで拝見さしていただいて、場合によれば、またその経緯を明らかにさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/15
-
016・占部秀男
○占部秀男君 関連。細郷局長から鈴木さんの質問に対して、全然知らないのだ、そういうものは見たこともないというような、どうも少し白々しい言い方じゃないかと思うような答弁があったので、私もこれが自治省のほうで一応考えて出したのだというのなら、出したということだけで、内容について聞きたい点があると思ったのだけれども、そういうような答弁されると、ちょっとからんでいくようだけれども、よく聞かなければならぬと思うのです。というのは、三月七日の日にこれが出されていて、ちょうどそのころは固定資産税の扱い方の問題で衆議院でもんでいた最中ですね。そこでこの行き先がいわゆる都道府県、市町村の地方団体の関係のところに配られていて、しかも自治省の税務局固定資産税課というちゃんと名前をふったものが出ておるのですよ。しかも、これはここにプリントですけれども、はっきりとナンバーを打ってあるのです。ナンバー打って順順に出したやつで、それをどうも局長が全然知らない、固定資産税課で出した、全然知らぬというのじゃ、これは一種の怪文書ということになるわけだが、怪文書というのも少し大げさかもしれぬけれども、怪文書と同じものになってしまう。出したなら出したでいいんで、その内容の点についてはっきり伺いたいこともあるので、私はむしろもっとフェアに、そういうものを内部的な検討のためにつくって一、二出した覚えがあるなら一、二出した覚えがあるでいいんだから、これをやはりはっきり言ってもらいたいと思うのですがね、局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/16
-
017・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 私のほうで内部でいろいろ検討するために何度かつくりました資料がございますが、それには私の記憶では、自治省固定資産税課などという表示をしたものは一回もございません。内部だけの資料でございますので、そういう必要もございませんし、日付を入れたのもございませんし、そういう意味で、それに、わざわざ私どもがつくって外部に送ったりなんかしたということもございませんので、すなおにそのままお答えしたつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/17
-
018・鈴木壽
○鈴木壽君 これは固定資産税課の方、課長おられますか。——あなた御存じありませんか。どういういきさつであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/18
-
019・森岡敞
○説明員(森岡敞君) いま局長から御説明申し上げましたように、私ども部内でリコピーの資料をいろいろつくりまして、上司の方々にも見ていただき、御相談をいろいろし、打ち合わせをいたします。その資料しか私どもとしてはつくっておりません。いまお手元にお持ちしているような印刷物の形でつくったことは全然ありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/19
-
020・鈴木壽
○鈴木壽君 じゃ、そのものでなくて、さっきも言ったように、これはそれからのコピーなんですがね、全然知らない、ふしぎですね。地方団体の市長会、はっきり言いませんが、そういうところにあったものをもらったのですがね、 コピーをとったのですがね、どうもふしぎですね。これはまあいろいろあなた方が内部用として、部内の検討なり参考にするためにいろいろのものをおつくりになることはあると思います。私はそれはそれなりにどうこう言うのでなくて、むしろそういうことは十分にあっていいと思いますが、ただ、それが外部に出ている。その出ていることも、いわば外部に対して何ら必要はないことですね。たとえば市長会とか町村会だとかいうところへ、それも国会でのいろいろな動きなり問題になっている点、こういうものから基礎控除というものはどういうものかというような関心はあるにしても、それがいま国会において各党派の間で話し合いが行なわれておる、そういう段階ですから、別段私は外部にどうのこうのということを、自治省が聞かれた場合はともかく、文書でもって配付をして、こうなんだというようなことを言う必要はないだろうと、こう思うのですがね。ですから、どうもこういうものがあるとすれば、端的に言ってけしからぬじゃないかと私は思ったのですがね。国会の中で、もしわれわれ基礎控除制度の導入を主張しておる、それに対してわれわれはこういうふうに考えると、そのためにわれわれに出すとか、あるいは話をするとかいうことは、これは幾らあってもいいと思うのです。それぞれ意見がありますし、立場からいっていろいろの考え方があると思いますから。そうした外部からわれわれのところへ、政府原案のとおり、固定資産税の問題は、あれはあのままで通してもらいたいという執拗な文書あるいは口頭でもってそれが来るわけですね、と、どうもこれはやっぱり一脈相通じておるものがあるのじゃないかというふうに思わざるを得ないのですがね。この点全然御存じないとは言うんだが、どうも私は御存じないというだけで済まされないような感じがしますね。一体自治省でつくる、たとえば部内用の文書とかメモのようなものでも、検討したいろいろな事柄の文書、外部団体へ簡単にそれは出ていくものですか、どうなんです、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/20
-
021・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 一般的には私どもも資料については注意をいたしておりますので、不必要なものが外へ出ていくということはないはずでございます。今回の場合、特に御存じのような事情もございましたし、私どもとしては、内部で十分この問題についての議論を重ねなければならないというようなことから、何度か確かにつくったことは事実でございます。地方団体の側に対して、特にこれでいけというようなことで通知を出したり、特にいま御指摘のような番号入りのようなものを出したり、そういうようなことは私のほうとしては一切今回いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/21
-
022・鈴木壽
○鈴木壽君 大臣、私はこれは何かひっかかりをつけるようにとられるかもしれませんけれども、私はやはり大事な問題だと思うんですね、こういうことは。やはり行政の任に当たっている者の一つの態度、こういうものからいっても、私は問題があることだと思うんです。ただしかし、全然覚えがない、こうおっしゃっておりますから、しかし間違いないのが一体どうしてそういうふうに出ているのか、そこら辺、私からすれば疑問にたえないところでありますが、ただ、こういう固定資産税等の問題についての内部でつくったもの、これはあると思いますから、ひとつコピーでいいから一そろい、内部がつくったというそれを参考のために出していただけませんか。それと私比較してみたいと思います。これから新しくつくるものじゃないですよ、かつてつくったもの、これに関するものをひとつ出していただきたいと思うんです。どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/22
-
023・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 内部の資料でございますので、先生個人的にぜひ見せろということであれば、そういう意味においてお見せすることにやぶさかではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/23
-
024・松澤兼人
○松澤兼人君 ちょっと関連。いま鈴木委員からいろいろお尋ねしているわけですけれども、私もやはりこれ一部持っているわけですが、相当たくさん出ているわけですね。全然税務局としても固定資産税課としても御存じないと言う。しかし、この書類が一般に流布されているということは御存じなかったんですか。いつかそういうものが出ているということを、何かの機会にだれかから尋ねられたとか、あるいは見せられて、そんなものが流れているということをお知りになったことありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/24
-
025・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 先日もある人からそういうことをしたのではないかということで、ございました。そこで、それじゃどんなものが出ているんでしょうか、お見せをいただきたいと申し上げたのですが、そのときはそのままになりました。私ども現物は拝見いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/25
-
026・松澤兼人
○松澤兼人君 重ねてですけれども、それは衆議院でこの修正の話ができた前ですか、あとですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/26
-
027・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 修正の話の前です。いろいろ御相談願っている最中にそういうことがございました。自治省けしからぬじゃないか、実は私もそのときもおしかりを受けたのでございますが、いま申し上げたように、私どもとしても内部ではそういうものを確かにつくったのだけれども、それをわれわれは積極的に出すようなことはしてないし、もしかりにそういうようなことをする場合でも、番号をつけたような書類を出す場合に、課長なり局長の決裁なしで出すということは一応考えられないので、そういう意味のお答えをいたして御了解を得たような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/27
-
028・松澤兼人
○松澤兼人君 そうすると、先ほど鈴木委員から、文書を作成されたその文書の内容なり、あるいは題目なりというものをお出し願うということをいま自治省のほうへお願いしたわけですけれども、その文書の中にこれと同じものがあることはあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/28
-
029・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) いま御指摘の文書を、実はどの文書を言っておられるのか、ちょっとわかりませんので、先ほども申し上げましたように、あとででも拝見させていただいてということを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/29
-
030・松澤兼人
○松澤兼人君 書類がいま鈴木委員からお手渡しいたしたわけです。これと同じ内容のものが自治省のほうに、あるいは税務局のほうにあるとすれば、税務局自身がそれをお出しにならないにしても、そういう自治省の基礎控除に対する考え方を、だれかがそれを利用して自分の立場をよくするために、一般の了解を得るために各方面に配った、こう考えられるわけですけれども、そうなってくると、やはり自治省なり税務局なりに悪意がなくても、それを利用されているということに対しては、やはり文書保管の責任とかということで、自治大臣なり、あるいはまたは税務局長なり、その責任を感じていただかなければならないと思うのですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/30
-
031・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 責任はもちろん自治大臣でございまして、責任を感ずるものでございますが、部内の文書の取り扱いについては、厳に注意をすべきであると考えるのでございます。しかし、私個人の意見といたしましては、部内は別として、この問題は、やはり地方自治団体から要望がございましたので、ここで法律案となったのでございますから、したがいまして、これが修正等については、やはり地方自治団体の、あるいは国民の総意を聞いて対処することは必要であると考えるのでございます。したがいまして、部下は別でございますが、私は各地の意見を聞いて、いずれが是なりか、また自治団体の意見も聞いて、当然対処をしなければいかぬというように部下のほうにもよく意見を徴して、自民党内部の意見も聞き、町村会の意見も聞き、国民の一般の世論も聞いて、いずれが正しいかによって、やはり政治的取り引きの上においての修正ということは断じていけない、ほんとうの自治体のあり方として、これが必要なら大いに修正をやるべきであるというような見解を持っておるのでございまして、皆さん方の意見も十分聞き、そしてすべてが正しい話し合いの結果正しいものであれば、原案にこだわる必要はない、こういう考え方で私としてはいくべきであると考える。部内の書類の取り扱い、あるいは行動については厳に、これを政治的に動員して、自分の案をどこまでもこれを推し進めようというような意図があってやることは断じて許すべきではないというように考えておるのでございます。私も部内を督励して、考え方はどうかということを絶えず話を聞いております。部内といたしましては、町村側の意見等も調整して、原案が正しいということを絶えず私に報告しているような次第でございますが、文書の取り扱い等につきまして、これが政治的に利用するとか、あるいは自分の非をどこまでも正当化するための行動を起こすための手段であるというようなことにならないように、厳に注意はいたすのでございますが、できる限り、広く国民の意見を聞いて成案を得て、得たる成案といえども不当があれば、これを是正するという態度で、国民の意思を反映した政治をすることを期待いたしているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/31
-
032・松澤兼人
○松澤兼人君 ちょっと何か問題が変わってきたようなことで、大臣そう開き直るならば、われわれもちょっと文句を言いたいところです。たとえば定年制の問題にしましても、自治省の中ではいろいろ意見があったけれども、大臣がおれが責任を負うからというようなことで出す方針がきまった。ところがいよいよになったらこれも出さないことになった。それから固定資産税の問題についても、これは大臣が当然責任を負わなければならない。もちろんそれは修正するということは、国会の権限ですから、修正されるということは、これはやむを得ないことかもしれませんが、しかし、その修正しようとするわれわれの意見というものは、約束が違うんじゃないか、三十九年、四十年、四十一年というものは、いままでのとおり継続してやるんだというのを、自民党といいますか、あるいは政府といいますか、急激な税制上の変革をもたらそうとするから、それでは約束が違うんじゃないかということで、われわれ修正というようなふうに踏み切ったわけです。これだっていま何か国民の総意とか、各方面の意見とか言いますけれども、何かわれわれがやっていることがいけないのか、あるいはまたは、大臣がそういう約束違反のようなことをして法律の改正をやるのがいけないのか、その辺のところは、私たちはっきりわからないけれども、これは修正を受けたんですから、これは大臣の責任でもある。責任をもってこの法案を通すということは、自治省の内部の統一された意見だろうと思うのです。しかし、それに無理があったからやはり修正を受けるという結果になったんだろうと思うのです。
私は、大臣がはなはだ元気がよくって、大いにラッパを吹かれるということはけっこうですけれども、しかし、部外に、こういうわけのわからない文書がやはり出るということだって大臣の責任でしょうし、あるいは先ほどの定年制の問題にしたって、あるいは固定資産税の問題にしても、相当いわゆるマイナスと申しますか、大臣にとってはいろいろ困難を感じられた場面ということは出てきたわけなんですから、それを開き直って、国民の総意がどうのこうのというふうに、この固定資産税に対する文章を説明をされるということは、われわれは全く意味がわからない。むしろいまの御答弁は返上したいというふうに考える。この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/32
-
033・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) お説のように、部内の取り扱いに対しては厳に注意をせなきゃいかぬというふうに考えておる次第でございます。それで、ただ、広く意見を聞いてやるということは、これは必要であるということを申し上げておるのであります。
なお、定年制の問題につきましても、やはり皆さんのほうから、十分ひとつ公務員制度審議会の意見も聞いたらどうかという御意見等も参酌をいたして、意見を聞きながら対処しようと思うのでございまして、これらの点も広く意見を聞くという考えで、実はこだわっておりません。固定資産税の問題も、われわれは、やはり現段階におきましては、地方開発、ことに都市開発上必要だという関係で、町村長会、市長会の意見等も入れてやることが適当であると考えたのでございまして、院の総意でいろいろこれに対しては検討しろということでございますので、院議は尊重するという態度で進めていくのが政治であると考えておるわけでございまして、私はこだわりはいたしませんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/33
-
034・占部秀男
○占部秀男君 関連。大臣がいま言われたことばの中で、資料だから部内的にこれを建議する、こういうふうに言われたのは、私もこれは了解するんですが、問題はこういう書類が部内だけで云々されたのならこの問題にはなっていないんです。これが部外に出されたという点に、しかも地方団体関係のほうへ出されたという点に問題があるわけなんです。それを大臣はあたかも外のほうの意見を聞いてというようなことを言うと、これを出したことが正しいようにわれわれには受け取れてくるんです。だから、そのあとの何々というのは要らないであって、部内の書類は部内の書類で建議いたしますと言うだけで、私は何もきょうの御答弁はそれでいいんであって、大臣に答弁を教えるほどまだ——大それた言い方かもしれませんが、何か大臣の言っていることは、結局部外へ出されたこの書類についての問題をやっているときにそういう言い方をされると、われわれは、これを出したことが当然のように大臣は考えておると、こういうふうに、受け取れるようになるわけなんですけれども、大臣、そういうようにお考えなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/34
-
035・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) この問題はこの問題で、部内の処理に関しては厳にひとつ慎まねばならぬということはお説のとおりでございます。しかし、本質的に、町村長側の意見を聞くようなときには、こういうわれわれは意見を持っているのだということを言い、また、向こうの意見も聞いて、そうして広く総合してやるということが必要でございますから、これ自体の取り扱いについては別の問題でございますが、しかし、部の人々が町村会の人と意見交換する場合の材料としていろいろ話し合うということは、私は必要ではないかとむしろ考えているのでございます。これ自体の問題は、これはちょうど事案になった最中でもありますし、いろいろな政治的な折衝の途次でございます。きわめて厳に慎しんで、政治的行動にわたってでも圧力をかけるというような行動になってはいけない、これは厳に注意をしなければならぬのじゃないかということを申し上げているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/35
-
036・鈴木壽
○鈴木壽君 大臣、あなたのいまおっしゃることを聞いていると、出したことは当然だ、いいんだ、意見を聞くためにやったんだというふうに聞こえるんですよ。別だと言うけれども、実際はそういうふうに聞こえる。これは大臣の考え方みたいな点から、やはり外へこれは出た文書なんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/36
-
037・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) それは全然出たものではないということを局長も言っておりますような状態で、部内のほうの意見の際にどういうことをやったか存じませんが、私もこの問題に対してはどう考えているかということを強く、部内から意見を聞いておりまして、内部の検討をさしているような次第でございますので、この問題自体については、これは局長の言うとおりであると私は信じているのでございます。内部の関係は、すべては私の責任でございますので、今後におきましても十分ひとつその取り扱い等に対して厳に注意をいたしたいと考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/37
-
038・鈴木壽
○鈴木壽君 これはお互いに一つの資料を出すとか、資料を求めるとか、何か見せてもらおうとか、何かもっとわかりやすく知らしてもらうというようなことについては、やはり私はひとつお互いの秩序がなければいかぬと思うんですよ。に言って、私ども財政課とかどこそことか行って、いろいろこういうのがないかとか、こういうのはどうなっているのかと聞く場合に、これは部内だけのものだというふうに言われると、かりにそれをもらっても、あるいは写し取っても、これは使い方には十分注意して私はやっています。やはりそういうふうにお互い、これはいま私の立場のことを申し上げたのですが、部内で資料をつくるにしても、部内の検討用なり、あるいは大臣に対してこういうはっきりした見解を示そうというつもりでつくっても、それはそれなりに、使い方というものをよく注意しなければいかぬと思うんですね。それは私いま局長なり、大臣の言うことを信用することにしましょう。あなた方実際そんなことを知っておらぬというから。しかし出ておる。それからしますと、私はやはり今後のことについて、いま大臣がおっしゃったように、よほど注意をしてやってもらわないといけないと思うのであります。時が時ですからね。三月七日といいますと、衆議院で予算が通って、通るときにいよいよ自民党、社会党、民社党の三党の間に修正をするという、地方行政委員会でこの問題をやるという、まあ大まかなところですが、そういう話し合いができて予算が通ったんですね。そのあとすぐですよ、七日といいますと。それでいよいよ具体的にどういうふうな修正をするのか、あるいはどういうふうな話し合いをして詰めていくのかという、そういう段階で、われわれのほうからは何といいますかね、基礎控除制というものをこれに導入しようという意見が強く出されておって、それに対して、これはその前からですけれども、自治省としては反対をしておって、そういうときですから、なおさらその文書を見た私はけしからんと思ったわけですね。非常にタイミングがいいです、文書を出したとすれば。まあ出さないと言うなら……。ですからそこら辺で、私は今後の問題としてやるしかないと思いますが、ひとつ自治大臣がおっしゃったように、十分気をつけてもらいたいと思います。
それから大臣ね、本筋から少し離れることになりますが、地方団体の強い要望だと、こういうことをしばしばいまおっしゃっておりますがね。地方団体が強い要望を出したのは、これはずっとあとなんですよ。初めから要望を出して、あなた方はそれによってこういう改正をすると、そういうふうに踏み切ったのじゃないですよ、これは。あなた方がこういうふうにやるんだということをやって、おおそうかということで、じゃ税収入がふえるし、それと都市開発のための財源にもなるんだということで、いわば飛びついたようなかっこうであって、これは少しおかしいですよ。そんなことを、地方団体の強い要望によってわれわれはこういう改正案をつくったんだと、こういうふうな言い方をされるとすれば、これは私は事実と違っていると思う。これはひとつ取り消してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/38
-
039・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 大都市の都市開発に対しての財源確保を強く要望いたしておることは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/39
-
040・鈴木壽
○鈴木壽君 それとこの固定資産税のいまのやつは違うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/40
-
041・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) したがいまして、その財源の確保の方途はいろいろございますけれども、特にこの農地は別といたしまして、宅地等に対しては、都市開発等に対して、これが財源確保をすることが地方自治体の要望にこたえるものであるというように深くこちらは信じ、また大阪へ参りましたときにおいても、この大都市関係の自主財源の強化というようなことを絶えず要望を受けておりますので、その一環としてこれはぜひ必要であるというように考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/41
-
042・鈴木壽
○鈴木壽君 大都市の再開発といいますか、おことばによれば、それに対しての財政需要が大きいものだから、その大都市の税財源の充実強化、それはもちろん前から要望しておったことですし、われわれもまた言っておることなんです。ただし、それが今回のように、あなた方が原案をつくった、ああいう形に固定資産税でもってやるということとは直接結びついておらなかったのですよ。それは一つの考え方としてもあるけれども、ということになっておった。しかし、少なくとも去年の秋から予算編成にかけてのああいう段階では、市長会であれ、町村会であれ、固定資産税を、あなた方がつくったような案でこれをやってくれと言った者はだれもおりませんよ、だれかあなたのところに言った人ありますか。ただ、大都市の財政需要が非常に大きくなっておるから、これに対する大都市財政というものを考えてくれと、自立方策を考えてくれと、こういうことを言ったことはありますけれども、固定資産税のああいうふうな妙なやり方をやれというようなことはだれも言っておりませんよ。あとでこういう案だということをあなた方が示されて、そして各市町村で今度いろいろ、一月一日の告示ですか、縦覧ですか、そういうものから実際作業をやり始めてしまった。ところがやり始めたが、どうも国会の雲行きがおかしいと、せっかくたくさん取れると思っておったのに修正されては困るという、そういう声は起こってきましたけれども、あなたのおっしゃるように、今回あなた方が考えられた措置が、地方団体の強い要望だとか、あるいは国民の総意だとかいうようなかっこうではないのです、これは。火をつけたのはあなた方であって、それをただ、これはちょっといいなというようなことで飛びついたというようなことなんで、あまり問題をこうすりかえてやらないようにしてもらいたいと思うのです。いかにもそうすると、われわれは国民の総意に反する、地方団体のそれに反したことを言っておるし、やっておるのだと、こういうようなものの言い方ですわね、あなたの言うのを聞いてみますと。これはあなたの理解のしかたが間違っておるのじゃないかと思うから、私はやはり取り消してもらいたいと思うな。大事な問題ですよ、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/42
-
043・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 地方財政、ことに大都市を中心にする財源の強化の要望は熾烈なものがございまして、その一環としてこれを当然取り上げるべきと思うのであります。これは都市財源確立の一番大きな安定した、しかも恒久財源でございます。さらにまた地方税、住民税を減税する場合においては、やはりたばこの消費税の強化というようなことも、都市財源の確保の道でございますし、その他、揮発油税の配分の傾斜補正を強化して、指定都市の財源を確保するというような一連の政策として、当然にこれは考えるべきであると思うのであります。したがいまして、地方の、ことに都市財源の強化ということは、都市経営者の非常な強く要望した一環であると私は信じておる次第でございます。
しかし私はそう信じ、自治省もそう信じておるのでございますが、十分これはさらに検討をすべきものではないかというこの院議は尊重いたしまして、広くまた意見を取り入れて、まあことに衆議院で附帯決議になりました、いわゆる基礎控除引き上げ、免税点、その他諸種の問題に対して根本的に検討をしていかねばならぬという院議は尊重いたしまして、今後も十分検討いたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/43
-
044・鈴木壽
○鈴木壽君 私はいまの文書の問題については一応これで終わりにしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/44
-
045・占部秀男
○占部秀男君 これは出されたことの経緯の問題は、いま鈴木先生から言われたので、一応ピリオドを打ちますが、このいま出された内容ですね、これはやはり自治省側の考え方であると思うのですが、それはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/45
-
046・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) いまざっと見ましたが、大体自治省の考えていること全部は尽くしておりませんが、大体自治省の考えていることでございます。したがいまして、おそらくこの文書は、われわれの中で検討されたものが、あるいはだれかによって渡されて、それが印刷されたのではなかろうかというふうにまあ推察されるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/46
-
047・占部秀男
○占部秀男君 そこで内容の点について私はこの際聞いておきたいのですが、というのは、今度の固定資産税の問題について衆議院で修正がされましたけれども、その修正には前提があって、四十二年度以降の問題については、先ほど大臣も言われたように、いろいろな基礎控除あるいは免税点、その他を含めて検討しよう、こういうことになっておるわけですね。たしか小委員会をつくるとか、つくらないとかいう話も出ておるわけですから、その点とこの内容とは相当関連を持っていると思いますので、二、三お聞きをしておきたいと思うのですが、この自治省のこの考え方によると、何か物税であるがゆえに固定資産税には基礎控除制度は設けてはならないというような考え方を持っていて、この中にも、財産税にはきわめてなじみがたいものであると、こういうように一応自治省側としては断定をしておると思うのですけれども、一体どういうわけでそのなじまないのですか、その内容を私は聞いてみたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/47
-
048・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 基礎控除というものをどう考えるかというのが、基本にあると思いますが、現行税制のもとにおきましては、税制を大きく分けまして、人税と物税、人税の尤たるものは御承知のように所得課税でございます。地方税で申しますれば住民税のようなものであります。その場合に、基礎控除というものが、従来はその人についてのいわば最低の生活と申しますか、基本的な生活というものを保障する一つの方法として基礎控除という制度が設けられております。一人の人について、あらゆる所得を全部寄せ集めまして、そうしてその人について、だれにでも所得のある人については基礎控除を認めていこう、こういうのが現行のたてまえになっておるのでございます。現在、固定資産税は、御承知のように、財産価値の大小によりまして、その所有者に対して課税をする、外形的な標準をもって課税をする、その人の担税力は、財産価値の大小によってこれは判断をする、こういう行き方をとっておるわけでございます。しかも、そのもの自体につきましても、市町村ごとに名寄せをしておるのでありまして、全国に名寄せをしておるわけではございませんで、東京の人が鹿児島に土地を持っておりましても、その人の分は鹿児島でのみ課税され、東京でその人に統一されて課税することはないのであります。
そういった意味合いにおいて、現在の現行制度において、人税と物税というふうに分けられておりますので、それぞれの税体系に沿った考え方ということになってまいりますと、基礎控除という考えは人税にはなじんでも、物税であるこの固定資産税にはなじまないものではないか、こういうふうに考えるのでございます。固定資産税のそのもの自体の可否については、いろいろ議論のあるところだと思います。しかし、その対象の範囲が広いか狭いかといったようなことは、各国いろいろ立法例を異にしておりまするけれども、少なくとも土地家屋を中心として、これに課税をしていくというこの固定資産税の体系は、ほとんどの国が古来とっておるところでございまして、その場合に、それはいろいろと課税標準の定め方等ございますが、いまわれわれのとっておりますのは、二十五年のシャウプ勧告による税制以来、ずっと現行税体系の中で、特に市町村税としては非常に主要な地位を占めてきておるわけでありますが、その課税標準は財産価値の大小による、これで見出しておるわけでございます。市町村税制は住民税と固定資産税と、二つ並んでともに市町村の経費を負担してもらう税制で、二木の柱であり、一方は取得に対して課税を求めていく、所得の多寡に応じて保税を求めていき、一方は財産の、その人の持っておる土地家屋、償却資産の価値の大小によってこれを求めていく、片一方は人税であります。所得課税のほうは、所得に課税をいたしておりますので、そのもの自体が生活に密着をいたしておりますから、累進超過課税ということで、所得の大きいほど担税力が大きいと見て超過累進保税をとっております。固定資産税のほうは、財産価値の大小によってやっておりますので、外形的にこれをとらえておりますために、一・四%という非常に低い税率で、しかも比例的にこれをとっておる、こういう体制をとっておりますので、そういった税制上の考え方からいたしまして、基礎控除という考え方は、現行固定資産税にはなじまないものである、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/48
-
049・占部秀男
○占部秀男君 そこで土地なら土地にもいろいろ土地があるわけですね。宅地もあれば農地もある。それから家屋なら家屋でもいろいろあるわけですね。工場もあれば住宅もある、いろいろあるわけです。少なくともこの物税とはいいながら、個人の宅地あるいは住宅、こういうものは、これはもう生活に今日では密着した、いわば人間の住居という問題で不可欠な問題になっておるわけですね。しかも日本の国の行き方が福祉国家を方向としておるという悪法のたてまえからいっても、これはもう今日の経済的な社会の流れからいっても、自宅——自家用の宅地あるいは自家用の家屋、こうしたものについては、単なる財産税的な考え方の範疇を越えるべき時代ではないかというふうにわれわれは考えておるのですが、そういう点について局長はどういうふうにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/49
-
050・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 固定資産税をどういうふうに考えるかという基本にからむ問題だろうと思います。現行固定資産税は、先ほど申し上げましたように、財産価値の大小に応じてその人の担税力を見出していく、高い値段の土地は高い担税力がある、低い値段の土地は低い担税力しかないというので、比例税率にしておるわけであります。その考え方は、基本的には、土地の値段というものは、やはりその土地の収益力なり利用度というものを背景にして土地の値段はつくられていく、したがって、高い土地を使うものは、それなりの土地の値段に応じた利用なり収益をしていくべきものなんだ。逆に低いところは低いなりにしていくべきものなんだ、そういうふうに、狭い国土でもございますので、その土地というものが、それぞれその所有者によって利用されていくことが、社会的な一つの要請である、こういう基本的な考えに立って、外形的に固定資産の価格で課税をいたしておるわけであります。したがいまして、ひとしく財産課税とは申しますけれども、かりにその土地を買うのに借金して買った場合でも、その負債を引いてはおりません。あくまでもその所有した土地あるいは家屋の価値をそのまま課税標準に使うという仕組みをとっておるのでございます。したがいまして、こういう仕組みのもとにおきましては、それが、その土地がどういう用途に利用されているか、住宅に利用されているか、工場に利用されているか、店舗に利用されているか、そういうことによって課税のしかたを変えていくことが、いまの固定資産税としては許されないいき方になっておるわけでございまして、それは価値の面においてのみそれに応じた利用のされ方をしていくべきものと、それがあるいは住宅になることもありましょうし、あるいは、どうも住宅ではここではもったいないから、店舗にして商業用に使おうといったようなこともあると思いまするけれども、あくまでもその土地の用途を先にきめて、住宅用なら何、店舗用なら何といったような差を実はつけていないわけで、一定税率で全部財帳価値に課税をしていく、こういう仕組みをとっております。
いまおっしゃるような議論は確かにございました。政府の税制調査会でも、自分用に持っておる住宅用の土地の人には何がしか控除してやるようなことは考えられないだろうかというような御議論も出てまいりましたが、ただいま申し上げましたような理屈の上からいきましても、現行の固定資産税にそれを取り入れることは困難である。また、現実の課税事務の面からいっても、それはなかなかむずかしい。一月一日現在で土地が住宅用になっているか——必ずしも土地を持っている人が、自分でその上に家を建てておるわけではございません。他人に貸して、他人が家を建てていることもあるし、その家がどういう状態で利用されているかというようなことを、常に毎年一月一日現在でそれを把握していくことは、非常に課税上の困難もあるじゃないか。理屈の上から見ても、実務の上から見ても、なかなかむずかしい問題なので、どうも固定資産税にそういう方法を取り入れることは現段階でむずかしいんだというようなことで、今回の政府の税制調査会においては、その点については答申を出すことができずに終わっておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/50
-
051・占部秀男
○占部秀男君 現行の固定資産税の考え方について、いま細郷局長は述べられたわけですが、私はそのこと自体が固定したものではないと思うんですよ。やはりその時代の動きによって違ってくるし、特にいまあなたは、収益なり利用なりの程度、いわゆる財産の価値の大小ということを基準にして収益なり利用なりの程度ということを考えてこれは課税しておるんだと、こういうふうに言われましたが、少なくとも生活上欠くべからざるところの範囲においては、これはもう収益の問題でなく、それは生活に密着した個人生活の利用の問題だけになってくるんですね、現実問題として。で、外形的にそのままの形で財産があるからといって、しょっちゅう毎年売るわけじゃないんですからね、売買するわけじゃない。自家用の宅地、自家用の家屋というものは住まう根拠なんであって、売買の対象ではないわけです。そういうところに何かやはり売買を通じての価値、その価値を標準として、住居も店舗も、あるいは工場もというように、そういうふうなすべてを一律に考えるところに問題点が私はあるんじゃないかと、この際そういう問題をもう吹っ切るべき時代ではないかというふうに考えるんですが、そういう点はいかがですか。——いままでの説明はわかってますよ。これからの考え方について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/51
-
052・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) かりに住宅用の土地についてだけ何かの方法を考えるという場合でも、土地を持たない人についてはどういう道を考えたらいいのか、住宅用の土地を軽くするねらいはどこにあるのかというような問題から議論が起こされていかないと、なかなか議論がかみ合っていかないかと思います。しかし、まあそれは一応おくといたしまして、現行の固定資産税は、先ほど申し上げたようなことで、土地家屋、償却資産の財産価値の大小によって課税をする、それはその用途なり現実の収益というものを課税標準の算定に取り入れていないというようなことから、非常に低い一・四%という税率で、比例税率で課税をするという仕組みをとっているのであります。いまおっしゃるような、住宅用のものについて何か見てやるといったような場合に、これをまず税制の面だけで問題をとらえるのか、税制以外、広くいろんな施策を通じて問題をとらえていくのか、あるいは同じ税制の中でも、固定資産税だけでそういうことを考えていくのか、もっとほかの税制で考える余地はないのか、そういったようなことが、やはり住宅についての土地の減免をかりにする、あるいは軽減するといった場合のねらいの定め方によって、いろいろ施策の面が出てまいると思うのであります。したがいまして、お説のようなことにつきましては、やはり広い立場でこれを議論するなり、あるいは焦点をしぼって議論をするなりしてまいりませんと、なかなか適当な結論が得にくいのではなかろうか、こう考えるわけであります。
先ほど申しましたように、政府の税制調査会におきましては、現行の税体系のもとにおける固定資産税について、自用住宅、みずから持っている自分の住宅の宅地について、何らかの軽減措置はできないものであろうかということについて議論がございましたが、先ほど御披露したようなことで、それについては結論が出ずに見送りになっている、こういうような状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/52
-
053・占部秀男
○占部秀男君 この問題についてさらに深く入っていくと、これは議論になってしまいますから、きょうは地方税の改正案についてやる問題ですし、この問題はあとで、明年度のときの問題ですから、これ以上は私はきょうは入りませんけれども、ただ局長のほうで、現行固定資産税に対する考え方、それをただそのまま固執されて、固執というか、その限度において議論をされたのでは、明四十二年度以降の、この間の衆議院における附帯条件というのじゃない、話し合いの結果再検討をしようという問題が、もうそれは限度がきているということになるので、これはお互いにそういう問題はつくり上げていかなければならぬ問題ですから、したがって、ひとつそう私の言うような点についても、うんとわれわれの覆うようになるように研究してもらいたいと思うのですよ。これはお願いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/53
-
054・加瀬完
○加瀬完君 関連。占部委員の御質問に局長のお答えを伺っておりまして、たとえば五十坪なら五十坪、百坪なら百坪という土地の上に自分の家を建てております者は、確かに固定資産ではございますけれども、流通上の資産価値というものはないわけですね。これを売買のあれの中に入れない限りは、売買の場に乗せない限りは、流通上の資産価値というものは出てこないわけですね。千坪も二千坪も持っておって、自分の住んでいるところが百坪で、あとの残りを借地とし提供したり、あるいは売買に提供したりしておりまする固定資産の所有者とは、おのずから違うわけですね。しかし、現行法ではそれは一律にしか扱われないわけですね。それは不合理ではないかという点が占部委員の御指摘のところだと思うのですよ。先ほどの御説明で、基礎控除というものを物税に対して行なうのは、いままで行なわれておらなかったことなんだという、一つの何と申しましょうか、しきたり上の行なえない理由があげられたわけです。それから、固定資産税のようなものに累進課税を行なうのも、まあなじまないということでございましょうか、そういう意味の御説明もあったわけですけれども、これは固定資産税というものだけからある程度の税源を求めていこうとするならば、やはり固定資産税の増徴によりまして非常に支障を来たす側のものに対して、やはり控除の方法というのは当然考えられてこなければなりませんし、それから、より固定資産税を増徴しようと思うなら、ある程度いわゆる流通価値を持っている固定資産をたくさん持っている者に対しては、累進制というものも考えられていいことであろうと思うのですね、理屈の上では。今度の固定資産税でも、おっしゃるように都市財源確立ということでは大きな意味がございましょう。しかし、これによりまして都市生活上また支障も出てくるわけですね。そういうマイナスの面に対する配慮というものは十二分に私は行なわれておらないと思うのですよ。そういう意味で、占部委員御指摘の点は、十二分に私は研究に値する問題だと思いますがね、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/54
-
055・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 土地に対する課税にあたって、どういう状態の場合にこれは課税をしていくかということが、税制上ひとつ基本的な前提としてあると思うのです。たとえば、土地の所有という形態をとらえて課税をしていく、土地の売買取引というものを課税の対象にしていくのか、あるいは土地の利用の状態をとらえて課税していくのか、いろいろ考え方はあろうと思います。しかし、現在のわが国のとっております税体系のもとにおきましては、固定資産税については、土地の所有に対して、所有という事実に対して課税をしていく、その陰に、先ほど申し上げましたように、所有権というものは非常に強いものであるわけでありますが、同時にその価値に応じた利用をしていくべきものなんだということが、基本的にその考えがあるわけでございます。それで、土地の売買に、あるいは取引というものに対する課税につきましては、一つには取引に対する不動産取得税といったような、流通の過程に課税をする行き方、また一つは、土地を売ってもうけた者に対する譲渡所得に対する課税、こういったような一つの仕組みに、いろんな姿での、いろんな状態のものに対する課税として一つの仕組みができておるわけでございます。したがいまして、土地が、普通の住宅地の人は売買ということがないから、そんなに課税しちゃいけないのだと、あるいはやたらに税額を上げるべきではないのだ、こういう御議論もあろうかと思いますけれども、そういうことで進んでまいりますと、それでは一体、土地は古くて買った場合には安い土地を買っているから、その安い土地の値段で課税しろ、最近買ったら高く買っているから高い値段で課税しろ、こういったような議論も出てまいりまして、その間に非常に負担にアンバランスがあるわけであります。実は今回の負担調整案をつくります過程におきまして、特に経済界筋から強く言われましたことは、工場の用地を、最初に土地を取得したときの取得価額、自分たちが台帳に計上しておるその取得価額によって課税すべきで、その後まわりが上がったからといって、固定資産税負担がふえるのは困るのだと、こういう議論もございましたが、そうしますと、一方では、それは古い工場の場合にはそういうことが非常に強く主張され、また有利でもあるけれども、同種類の企業であって新しいところに工場をつくったときはそうはいかない。最近の土地の価額で資産台帳に計上しておる。それで課税をされるということになると不公平ではないか、こんなふうな議論も実は出ておったのでございます。住宅につきましても、同じような問題はやはりあると思うのでございます。そこで、固定資産税は、御承知のように、それらを通じまして、時価に応じた値段で課税をしていく、そこに課税上の均衡を保っていこう、こういう考え方に立ってできているものでございます。その限りにおきましては、いろいろ御議論のございます点も、先ほど申し上げましたように、税調その他でも議論はございましたけれども、いまの固定資産税の性格その他から見て、そういうことを取り入れることは困難である、こういうことであったわけであります。しかし、最初にも申し上げましたように、税体系全体をどういうふうに仕組み直すのか、あるいは住宅に対する施策を、何も自分で家を持っていない、借家に入っている人も通じてどういう施策をとったらいいのかといったような問題になってまいりますれば、またそれなりにものの考え方を整理していかなければならない。そういうふうに考えるのでございますが、少なくとも、現在の日本の税体系は、いま、先ほど来申し上げておるような仕組みになっておりますので、現在の固定資産税の問題の性格を変えることなく、いろいろおっしゃるようなことを取り入れることは、非常にむずかしいのではないか、こういうふうに申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/55
-
056・加瀬完
○加瀬完君 評価は同じでも資産価値は違ってくる場合がございますね。いま御指摘のように、ここに百坪の土地があっても、それを自分のうちを建てて宅地用に使っておれば、評価はかりに同じであっても、資産価値は低いですよ。しかし、これを店舗に使う場合は資産価値は上がってきますね。さらに取引の対象に使う場合はまた違ってきますね。それを一律に評価が同じだから同じように課税をするという考え方を、はなはだ合理的とは言われないのじゃないか。それで占部委員もことごとに評価を変えろとおっしゃっているわけじゃない。評価が同じでも、所有ということばかり見ないで、もっと取引の対象なり、利用度なり、さっきのお話で言えば、収益率なり利用率というものから考えれば、そこに控除というものを考えて、アンバランスを是正する方法というものが当然生まれてきてよろしいのではないか、こういう御意見のように私は拝聴をしたわけです。ただいま局長は、価値適応の方法をとれということでございましたので、価値適応の方法というものは一体社会的に、あるいは政府機関で、価値適応の方法というものの基準をきめていいものか、それぞれ各個人も、財産権は自分のものですから、価値適応の方法というものを持っているわけです。そういう点を考えますと、所有権というものばかりで一体固定資産税をはめていくことが問題がないかどうかという、まあ私どもは意見を持っておるわけです。これは意見ですから、そういう点でゆっくり質問したいと思いますので、ひとつそちらのほうでも御研究をお願いいたします。どうもすみませんでした。どうも算術計算みたいなことでね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/56
-
057・林田正治
○委員長(林田正治君) 本案についての本日の審議はこの程度にいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/57
-
058・林田正治
○委員長(林田正治君) 次に、参考人の出席要求についておはかりいたします。
地方税法の一部を改正する法律案の審査のため、明三月三十日、参考人の出席を求むることとし、その人選につきましては、委員長及び理事に御一任を願いたいと存じます。さよう決することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/58
-
059・林田正治
○委員長(林田正治君) 異議なしと認めます。さよう決定いたします。
次回は三月三十日、午前十時開会の予定でございます。
本日は、これにて散会いたします。
午後三時五十九分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01319660329/59
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。