1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和四十一年三月二十九日(火曜日)
午前十一時十八分開会
—————————————
委員の異動
三月二十五日
辞任 補欠選任
北村 暢君 森中 守義君
三月二十八日
辞任 補欠選任
塩見 俊二君 大谷 贇雄君
森中 守義君 北村 暢君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 熊谷太三郎君
理 事
柴田 栄君
八田 一朗君
伊藤 顕道君
委 員
石原幹市郎君
源田 実君
船田 譲君
三木與吉郎君
森 八三一君
山本茂一郎君
中村 英男君
山本伊三郎君
鬼木 勝利君
中沢伊登子君
国務大臣
国 務 大 臣 上原 正吉君
国 務 大 臣 藤山愛一郎君
国 務 大 臣 安井 謙君
政府委員
内閣総理大臣官
房臨時在外財産
問題調査室長 栗山 廉平君
総理府人事局長 増子 正宏君
総理府恩給局長 矢倉 一郎君
総理府統計局長 野田 章君
中央青少年問題
協議会事務局長 赤石 清悦君
経済企画庁長官
官房長 澄田 智君
経済企画庁調整
局長 宮沢 鉄蔵君
経済企画庁国民
生活局長 中西 一郎君
経済企画庁総合
計画局長 向坂 正男君
経済企画庁総合
開発局長 鹿野 義夫君
科学技術庁長官
官房長 小林 貞雄君
科学技術庁計画
局長 梅澤 邦臣君
科学技術庁研究
調整局長 高橋 正春君
科学技術庁振興
局長 谷敷 寛君
科学技術庁原子
力局長 村田 浩君
科学技術庁資源
局長 橘 恭一君
事務局側
常任委員会専門
員 伊藤 清君
説明員
内閣総理大臣官
房参事官兼内閣
官房内閣審議官 福田 勉君
—————————————
本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○科学技術庁設置法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
○経済企画庁設置法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
○国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○総理府設置法及び青少年問題協議会設置法の一
部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/0
-
001・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) それでは、ただいまから内閣委員会を開会いたします。
去る二十五日、北村暢君が辞任せられ、その補欠として森中守義君が選任せられました。昨二十八日、塩見俊二君及び森中守義君が辞任せられ、その補欠として大谷贇雄君及び北村暢君が選任せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/1
-
002・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 委員の異動に伴い理事が一名欠けましたので、その補欠互選を行ないたいと存じます。互選は先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/2
-
003・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 御異議ないと認めます。それでは理事に北村暢君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/3
-
004・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引き続き本案の質疑を行ないます。
なお、関係当局の御出席は、上原科学技術庁長官、小林同官房長、藤井同会計課長、梅澤同計画局長、高橋同研究調整局長、谷敷同振興局長、村田同原子力局長、橘同資源局長、以上の方々でございます。
御質疑のあるお方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/4
-
005・伊藤顕道
○伊藤顕道君 前回に引き続いて二、三お伺いしたいと思いますが、科学技術活動を盛んにする源泉は何といっても人材にあろうと思います。ところが、この人材についてはなかなか一朝一夕にその養成はできないと思うのです。そこで、先進諸国では、あるいは科学技術者の養成とか需給ということについて国が長期的な観点に立って計画を進めておる、こういう実情にあろうかと思うのです。で、一方、日本の場合は、高等教育を受けた者あるいはそれに相当する学力を受けた科学技術者、私の調べによりますと、科学技術者の数は大体現在で九十五万ぐらいだと推定されるのですが、これはちょっと前のですから、現在は大体どのくらいの数字になっておるかということ。
それから研究者が大体推定で十二万ぐらい、これも少し数字に変化があろうかと思います。そういう数字をお示しいただきたいということと、それから政府の計画では今後どのような見通しになるのか、どういう見通しを持っておられるか、こういうことについてひとつ具体的に御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/5
-
006・上原正吉
○国務大臣(上原正吉君) 技術者の数がいまどのくらいになっておりますか、これはいま局長からお答えいたしますが、現在では、昭和三十五年に科学技術会議より、今後十年間に十七万人ぐらいの技術者が不足をするであろうという見込みで至急養成方法を講じなければならないという御勧告を受けておりまして、これに文部省にお願いして御協力をいただきまして、大いに理工系の学生の入学人数をふやして、至急に養成していただくようにお願いをして、御協力いただいておりまして、この点はかなりよく進んでまいっておるのでございます。最初の二、三年間に約二万人ぐらいの学生が収容されて、その後もどんどん拡張されておりますので、十七万人というなら十年で二十万人にできますから、これが相当な数が養成されてまいっておりまして、数の上ではどうにか間に合うようになる見込みなので、ございます。質の点では何としてもまだ十分とは申せません。ことに理工系の中でも基礎になるような学問も足りませんし、思うようになりませんのでございますけれども、それでも漸次充足されつつあることは事実なのでございます。総体の数がどれぐらいになりますかは局長からお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/6
-
007・梅澤邦臣
○政府委員(梅澤邦臣君) 先ほど先生おっしゃられました技術者が全部で九十五万。それは私たちが三十九年度に調べました数字が九十五万でございます。したがいまして、それ以上の数字はもうちょっと調べませんと出ないのでございます。現在私たちも九十五万。その中から大学を出ました者が大体三十四万人と推定しております。それから研究者は十一万八千人でございます。それは三十九年の現在私たちがとりました数字でございます。
養成につきましては、先ほど大臣おっしゃいましたように、三十六年の十七万人、これに対しましてそれから三十七年に二万人の増強をいたしまして、現在、ちょうど三十六年の理工学分野につきましては倍の入学定数という形に国立はしていただいております。その関係から大体の量はうまくいっておりますが、ただ非常に専門分野、それからこまかくなりまして、いろいろなことを知らなければいけないというような関係で、まだその需要者に対します専門分野のところには少し問題がございまして、その点は科学技術会議のほうで御検討いただいております。それからもう一つ、先ほどの再教育と申しますか、産業に役立つ技術者の養成を考えなければならないじゃないか。そこで最近アメリカ等で教育工学という問題が出ておりますが、目と耳と全部使って、本だけで教えない、そこでそうして最高の技術者、産業に合う者にしたらどうか、これがつい最近問題になっておりまして、科学技術庁といたしましてもそれの教育方法、それの検討をやりまして、ことしから約三年計画でどういう企業内における教育体制を、ことに高等教育関係の教育体制をどうしていくかということ、そういうこともいま研究課題に入っております。それで何とか産業の実態に合うような技術者にしていく教育方法を考えていく、そういう所存でやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/7
-
008・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この技術者に対する需要のほうですね、これは近年非常に増加しておると思うのですが、したがって、供給の面はいつも不足がちだと、こういう実情の中にあろうかと思う。そこで先ほど長官も御指摘になったように、昭和三十五年末の科学技術会議の答申では、三十五年から四十五年の間に約十七万人の理工系科学技術者の供給が不足するというそういう推定に立って、それに基づいて三十六年から四十年度の増員を含めて、現在理工系学生定員は三十五年当時の約二倍になっておる、こういうふうに聞いておるわけですが、こういうようなことを中心に一体今度はどういうことになるのか。簡単にはいま長官から御指摘があって、何とか将来間に合うんじゃないか、量の点は。しかし、質の点はなかなか容易じゃない、こういう意味の御答弁があったわけでありますが、これをもう少し具体的に御説明をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/8
-
009・梅澤邦臣
○政府委員(梅澤邦臣君) 非常にむずかしい問題でございまして、私たち、学校、大学を出ます場合の一番問題点としていま文部省にお願いしておりますのは、やはり研究者の場合でいきますと、大学院というものをもっとふやして、それで研究その他わが国の科学技術の分野の人の養成を考えなければならないじゃないか。
それからもう一つは、いまの研究、技術者にできるだけ応募してくる学生というものを考えなければいけません。そうなりますと、研究所の環境その他の整備をまず考えないとうまくいかないのではないか。そういう点で現在科学技術会議の中で第三部会というものを設けまして、そこで人材の問題点並びに待遇に関する問題点を検討していただいております。つい最近、間もなくその検討の意見が出てまいると思います。それに基づきまして政府としても考えていきたいという所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/9
-
010・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いま御指摘のあったように、科学技術者の不足についてはこれはまあ逐次解消されるであろう、そういう方向のようでありますけれども、さらにこれを掘り下げて専門分野別に、教育段階別に見ると、需給の均衡は必ずしも十分にとれているとは思えない、こういう意味の科学技術白書が発表されておるわけです。この白書でも指摘されておるこういう傾向を、科学技術庁としては何とか是正しなければならないということで、いろいろ対策を立てておろうかと思うのです。その対策についてひとつ御説明いただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/10
-
011・梅澤邦臣
○政府委員(梅澤邦臣君) 現在まで私たち白書で書いておりますように、やはり機械、電気、化学、こういう専門分野が依然として需要に対しまして供給のほうが足りない。応用物理、それがそうでございます。そういう関係をどう調和していくかということで現在さしあたりどうするかということが問題でございますが、その関係につきましては非常に企業内におきましても配置と申しますか、中における技術者の配置の問題はどうであるか、そういう問題一つございます。その関係からわれわれが先年からアンケートをやりまして、それで企業内における個人からの配置に対する希望、それから経営者から見ました配置に対する考え方、これのアンケートをとりまして、それをまとめまして、それをまた各企業に流しまして、何とかそこで適正なる配置をして質的にうまく使うようなことを現在考えておるわけでございます。この点技術者の養成のほうからいきますと、すぐに満足にそこはいきませんので、さしあたりの対策として現在そういう形をとっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/11
-
012・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この理工系学生の教育については文科系のそれに比較してどうしても効果が薄い、量を必要とする、あるいはマスプロがきかない、こういうことから不十分な設備と不足する教官によって教育が行なわれておる。そういうことは、裏を返せばなかなか量産はともかくとして、質の点に問題があるのではなかろうかと考えられるわけです。そこで、初級、中級の技術者の養成と同時に、大事なことは高級技術者、高級研究者、こういうものの養成が特に必要ではなかろうかと思うのです。こういう高級な技術者、研究者が初めて科学の発展と技術の革新をはかり得る原動力となると、こういうふうな点から考えて、今後の課題は、すぐれた資質の科学技術者をどのようにして養成していくか、そういうところにあろうかと思うのです。これは一つの重要な課題であろうかと思うのです。こういう課題に対して科学技術庁としては、どのように取り組んでいかれるのか、こういう点をお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/12
-
013・梅澤邦臣
○政府委員(梅澤邦臣君) 現在その点においてわずかながら行なっておりますことは、特に高級技術者として考えますと、さしあたりは地方の公設研究所の連中をどうするかという点につきましては、国立の研究所が公設の研究所の人の研修制度を行なって、こっちへ来て共同研究をやる、あるいは研修を受けて帰って、また自分のところにおります人にそれを教え込むということで、お互いに技術の交換あるいは技術指導を行なう形をしている。それから国土研究所におきましても、やはり大学を出たばかりならば、やはりそれの大学院の数ではなかなか間に合いませんが、大学を出てすぐ入ったものをもう一度適当な大学におきまして研修して、それでなお以上の学力をあげるという体制を現在とっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/13
-
014・伊藤顕道
○伊藤顕道君 繰り返してお伺いしているように、いまの段階では、量よりは質に重点を置いて検討する、真剣に取り組まなければならぬ段階だと思うわけです。そこで、そのためには科学技術者の再教育が必要でしょうし、再訓練も必要でしょうし、あるいは職場における配置の問題も検討しなければなりません。特に大事なのは、処遇の問題にもつながってくると思うのですね。こういうことで、前回にもお伺いしたように、日本のすぐれた科学者が、どうも施設とか、それから研究費の不足、あるいは生活費の不足、こういう点から、たとえばアメリカなどに散ってしまう傾向が、この前、数字をもってお示しになったように、相当憂慮される事態にあるわけです。ことに科学技術者の処遇の問題については、やはりとてもその必要性を強調する必要があろうかと思ってお伺いするわけですが、このような四つの問題、いまお伺いしたわけですが、こういうことについて科学技術庁としてはどのようにお考えになり、そのお考えに基づいてどのように取り組んでおられるか、こういうことについてお聞かせいただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/14
-
015・梅澤邦臣
○政府委員(梅澤邦臣君) いま待遇の問題、あるいは研究所の設備の不足の問題、こういう点については先生のおっしゃいますとおり、たとえば、アメリカにおきましては、一人当たりの研究費が千五百万に対しまして、わが国のほうが三百二十五万、こういうような点から、当然その研究費は不足であるという問題がございます。したがいまして、三十五年の一号答申、あれを受けまして、これが四十五年までという形で出ておりましたが、こういう状況になりますと、四十五年までにもう一度見直して見ないと、あのままいっていいのかどうか、ここに問題があるということを去年から考えましたのが、一つは研究のあり方、こういうことで一つの部会をつくってやっていただいておる。それから人材処遇について、それから最近は情報交流という問題があります。こういう情報交流が相当うまくいきませんと、やはり海外にそのデータをとる、あるいはまた、向こうに研究に行くという環境、そういう環境をもう一つ見直してみようということで、現在まで見直しまして、そして問題点の摘出をしております。そこで、その摘出が出まして、それに対する具体策を考えていこうということで、ほぼ問題点の摘出が出ました。ただその具体的な、先生のいまおっしゃいました措置を短期間で果たしていくということについての問題点を、いま各省と打ち合わせ中でございまして、もう間もなくその点についての意見書をつくりまして、対外的にやる方向もきめていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/15
-
016・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いま御指摘になったように、いろいろな問題点で真剣に取り組んで、これを一つ一つできることから実現していく、こういう姿勢が必要なわけですが、やはり政府自体はもちろんですけれども、学界、あるいは産業界、こういうものが一体となってやらないとなかなか成果をあげがたいのですが、科学技術庁を中心に、あるいは学界、あるいは産業界、こういう方面とどのように横の連携をとりながら、こういう問題と取り組んでいこうとしておるのか、そういうことについての御説明をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/16
-
017・梅澤邦臣
○政府委員(梅澤邦臣君) 現在、先ほど申しました科学技術会議の検討をやります場合に、やはり産業界並びに学界の意見が入りませんと、政府だけでは困ると思います。したがいまして、現在その科学技術会議に、大体学者の方が五十名、それから一般産業界並びに各省関係からの、外の技術者と申しますか、そういう方が五十名、大体百名の方をお手伝い願いまして、そしてわれわれの考え方というものを説明いたしまして、そこでもって、それに対する産業界等の意見を入れて現在つくっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/17
-
018・伊藤顕道
○伊藤顕道君 それでは、最後に科学技術行政の機構のあり方、こういう点について一、二お伺いしておきたいと思うのですが、現在は科学技術に関する行政は、私が指摘するまでもなく、科学技術庁を中心に、文部省もそうですし、あるいは通産省その他の省庁でそれぞれ分担実施しておる。これが実情だと思うんです。しかしながら、これらの官庁では、企画とか、あるいは実施している科学技術行政を全体として見た場合に、機能とか、あるいは機構とか、こういう両面についてほんとうに統合性、統一性が確保されておるのかどうか、こういう点について疑問を持たざるを得ない。現状はですね。こういう点についてはどういうふうに科学技術庁としては考えておられるのか。また、科学技術庁としても総合性へ統一性は欠けておると、そういうことをむしろお認めになるならば、今後はそれに対してどういうふうに取り組まれようとしておられるのか、こういうことについて御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/18
-
019・上原正吉
○国務大臣(上原正吉君) 御指摘のように、科学技術庁という役所が科学技術を総合的に推進をはかる、こういう使命をしょっておりまするけれども、何ぶんにも役所が新しいものでございまするし、科学技術庁が発足しまする前に、各省庁にりっぱな研究所や研究のスタッフがそろえてございまして、これを一気に改革するということは、かえってロスが多くなるだろう、こういうことで、科学技術庁は予算の編成にあたりまして、各省の科学技術に関しまする予算を全部御提出いただいて、重複することのないようにというふうにこれを調整をいたしております。
それからまた、特に各省庁にまたがるような課題につきましては、研究調整費というものを持っておりまして、これを各省庁に配分して、各省庁の研究所で分担して研究していただきまして、それを科学技術庁が集めて、そしてその結論を出す、こういう方法をとっております。しかし、おっしゃるように、隔靴掻痒の感があらゆる面で感ずるわけでございますけれども、また、一ぺんに改革することもとうてい不可能だと思うのでございまして、幸いに——幸いと申し上げては語弊があるかもわかりませんが、臨時行政調査会が科学技術庁のあり方につきましていろいろと案を立てて、政府に勧告をいただいておることは御承知のとおりでございまして、この臨時行政調査会の答申をいたしました科学技術庁のあり方というものが、われわれは大体において賛意が表せるわけでございまして、漸次この答申の線に沿って、政府として改革を遂げていって、さらに一そう効率的な科学技術庁行政を実施してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/19
-
020・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この機能の面について、現在、科学技術庁における調整の対象はこういうことだと思うんですが、科学技術行政に関するすべての事項には及んでいないと思うんです。たとえば、大学における研究に関する事項は現に除かれておるわけですね。そういうところにも問題があるし、また、予算上の調整機能についても、最も有力な手段である予算の一括計上、これが一番望ましいいと思うんです、予算の一括計上。しかし、現実を見ると、科学技術庁関係では原子力等の一部に限定されておるわけですね。こういうところにも問題があるのではなかろうかと思うんです。したがって、科学技術庁における調整の対象の問題と、予算一括計上の問題、こういう二つに問題をしぼってみても、今後十分検討し、さらに改善を要する面があるのではなかろうか、こう私どもは考えられるわけで、そこで、このことについてのひとつお考えをお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/20
-
021・小林貞雄
○政府委員(小林貞雄君) 御指摘の対象の問題につきまして、大学が対象の外になっているというのは、現状そのとおりでございまして、この問題は前からかねがね非常に議論のあるところでございます。さような意味で、先ほど大臣が答弁申し上げましたように、臨時行政調査会の答申でも、科学技術行政を有効にするためには、大学の分野も、必要な限度において科学技術行政の一環として科学技術庁がこれを調整していく。もちろんその際、大学の自治なり学問の自由なりを侵害することは毛頭考えてはいけない問題でございますが、これは当然のことといたしまして、そういう条件を考えながら、大学の分野におきましてもそういう調整の必要があるのじゃないか、かようなことが指摘されておるわけでございます。
それから第二の問題の一括計上につきましては、伊藤委員の御指摘のとおりでございまして、原子力の分野にだけ網羅的に現在一括計上されておりますが、そのほかの分野では、これはまだまだそこまでいっておりませんので、予算の見積もり調整方針ということにとどまっております。そこで、先ほど申し上げました臨時行政調査会の答申ができますときにも、ずいぶんその問題は議論されたところでございます。一括計上するのがいいのか、あるいはもっと見積もり調整方針にとどまらず、もっともっと調整の機能を質的に強化していくのがいいのかというような議論がなされたのでございますが、結論的には、一括計上というもう一つ前の段階、つまり科学技術庁の総合調整機能を質的により強化する。具体的に申し上げますれば、たとえば大臣が答弁申し上げましたように、科学技術庁の重要総合研究費を大幅にふやすことによって、実質的な一括計上的な効果を重要な研究については期待するとか、それから、総合調整機能をさらに一段と強化していくとか、そんなような方向で寄り寄り検討していくべきだ、こういうふうに指摘されておるわけでございます。大臣の答弁申し上げましたように、漸次そういう方向で私は進んでいきたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/21
-
022・伊藤顕道
○伊藤顕道君 それでは時間の関係もございますから、最後に一点だけお伺いしておきたいと思いますが、いま機能の面についてお伺いしたわけですが、機構について考えても、現在の科学技術庁及び関係各機関、この面では、各方面の意見を反映させて基本的政策の企画とか、立案あるいは調整、こういうものを行なうための機構としては不十分な点がまだまだあるように見受けられるので、こういう不十分の点、即これはまあ一つの短所と見られるわけですが、こういう短所を、やはり当面の科学技術行政の改革にあたっては最も大事な問題の一つとして取り組んでいって、この是正に当たらなければならない、こういうかまえが必要であろうと思うのですが、この点について科学技術庁としてはどういう見通しを立ててこれを是正しようとしておるのか、非常に大事な問題でありますので、この点をひとつ明確にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/22
-
023・小林貞雄
○政府委員(小林貞雄君) 国全体の科学技術機構といたしまして、より強化する必要があるのじゃないかというようなことで、先ほども申し上げました臨調答申では、科学技術会議の強化ということと、科学技術政策委員会の設置ということを指摘せられておるわけでございます。科学技術会議の強化といいますことは、いろいろこの科学技術行政に関する重要な問題が、とかくいろいろな事務的な障害にぶつかってなかなか進んでいかない。それをより強力に総合的にやっていくためには、現在の科学技術会議を一段と飛躍さしていく。たとえば先ほど申し上げた、あるいは御指摘のございました大学なんかの問題も考えながら、科学技術会議が一段と強化されるという姿を考えていくというようなことが一つ指摘されておりますし、それから科学技術政策委員会では、科学技術庁長官が科学技術行政を総合的にやる場合に、いろいろ各方面の意見を具体的に聞いていくという場として科学技術政策委員会というものをつくってやっていくべきであるという現在の機構に、より一段と力強い機構を考えていくべきであるという指摘があるわけでございます。一々これもごもっとものところでございます。さような意味で科学技術庁といたしましては、この問題に前向きに取り組むということで、臨調答申全体の歩みとにらみ合わせながらやっていこうとしておるわけでございますが、大臣が先ほども申し上げましたように、順次その精神を取り入れるということで現在いろいろ検討はされております。科学技術基本法の中にも科学技術会議の強化なりあるいは科学技術政策委員会の機能というものをその法案の検討の場で寄り寄り現在討議をしておるわけでございます。できるだけ逐次これを取り入れるという精神でその問題に取り組んでいきたい。さような意味で科学技術行政機構の一段と飛躍を期待していきたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/23
-
024・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/24
-
025・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) じゃ速記起こして。
午前はこの程度としまして、午後は一時から再開いたします。暫時休憩いたします。
午前十一時五十三分休憩
—————・—————
午後一時十五分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/25
-
026・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) それではただいまから内閣委員会を再開いたします。
経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引き続き、本案の質疑を行ないます。
なお、関係当局の御出席は、藤山経済企画庁長官、澄田同官房長、宮沢同調整局長、向坂同総合計画局長、鹿野同総合開発局長、以上の方々で、ございます。御質疑のあるお方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/26
-
027・伊藤顕道
○伊藤顕道君 前回に続いて二、三伺いたいと思いますが、現在の公共料金の決定は、例外もありましょうけれども、ほとんどそのすべてが主務大臣の認可事項となっておるものです。そういうことでありますので、その所管の大臣といわゆる自治省側が話し合いして、一方的にきめられておろうかと思うのです。そういうことであって、公共料金すらそうであるのに、ほかの国民生活にとってきわめて重要な諸物価についてはほとんど野放し状態になっておる。そういうことは言えると思うんです。そこで、このままではなかなか物価問題がいま盛んに論議されておるさなかでありますが、やはり一つの方法としては、公共料金とか、そういう重要な物価の決定については、これは一つの考え方ですが、法律に基づくこととしたら、こういう点がある程度規制できるんじゃないか、こういうふうに考えるわけです。そこで、このことについての大臣のお考えはいかがか、この点についてお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/27
-
028・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) ただいま伊藤委員からお話のございました物価の関係の許認可権は、それぞれ各省が持っております。しかし、それをきめます場合に、経済企画庁が合議をいたすということになっておりますので、全然各省庁がその考え方だけで認可をするという状態にはなっておりません。で、いま伊藤委員から法律でもって何かというのでございますが、どういうふうにその法律についてお考えなのか、あるいは一元的にどこかで認可するようにとか、内容について詳しくお伺いしませんとちょっとお答えしにくいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/28
-
029・伊藤顕道
○伊藤顕道君 また一つ考えられることは、独禁法についてですがね、これには言うまでもなく、適用除外の立法がたくさんあるわけですね。そこで、これをやはり整理する必要があるんじゃないかと私どもは考えるわけです。そしてまた、その運用について十分これを強化して、野放し状態にあるカルテルの追及をやるとか、また、環境衛生法に基づく消費者物価の値上げ、こういうものについてもやはり独禁法違反事件についてはきびしい態度で臨む必要があるのではないか、こういうふうに考えるわけです。この点についてはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/29
-
030・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 自由主義経済の中で、やはり公正な取引をしていく、公正な競争をしていくということは資本主義経済の本質でございます。したがって、何らかの形でカルテルその他の行為をしますことは、やむを得ない場合に例外として行なうということであって、自由な公正な競争が行なわれて価格形成なり、あるいは企業の練磨と申しますか、拡大発展をはかるのがたてまえだと思います。したがって、そういう意味からいいまして、独禁法自体の運用については十分今後とも注意してまいりませんといけない、そういう点について大いに独禁法自体の運用というものを強力にかつ公正に考えて、公正取引委員会で措置されることが望ましいことだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/30
-
031・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なお、このことに関連して、公正取引委員会がございますが、これを十分強化拡充する必要があるのじゃないか。そして、一般の消費者とかあるいは労働者、農民、中小企業者、こういう代表をかかえた民主的な機構で、しかも消費者の意見を十分反映できるような運営をしていくことによってこの問題を相当是正していけるんじゃないか、こういうふうに考えられるわけですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/31
-
032・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 公正取引委員会を強化しますことは私どもも必要だと考えます。今回の予算にあたりましても、人員をふやさないという原則に立っておったのですが、公正取引委員会だけは三十名か定員をふやしまして、そして課長一人置くというようなことをし、それから地方事務所を一ヵ所ふやすというようなことで強化の道をたどっております。
なお、公正取引委員会に消費者代表をどういう形で入れるかということについては、ひとつ公正取引委員長のほうからお聞きをいただければ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/32
-
033・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なおお伺いしたいのは、独占の経済力乱用という問題が考えられるわけですが、これは物価値上げに端的にあらわれておると思うのですけれども、独占のいわゆる経済力の乱用ということがですね。そこでお伺いするわけですが、この経済力乱用を十分規制して、そうして独禁法の運用を強化する、もちろんこういうことが必要なわけですけれども、それではまだまだ十分でないので、結局根本的にこういう問題を改善するために、国民大衆の生活を安定するためにはいろいろ方策はあろうかと思うのですが、経済企画庁としては、そういう問題に対してどういうふうにお考えになっておるのか、そのお考えをお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/33
-
034・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 経済力の強化というと、ちょっと私御質問の趣旨がわかりませんけれども、おそらく物価対策等にあたって、業者各自のいろいろな経済力による不当な形がまずいんじゃないかという御趣旨だと思いますが、やはりこれは業者が不当に値段をつり上げたりあるいはつり上げる行為をしていくというようなことについては、厳に独禁法で取り締まってまいらなければなりませんし、また、特例法によりまして、協同組合その他で合理化カルテルあるいはそういうようなものを認めているものにつきましても、その目的を一日も早く達成して、そうしてそういうカルテルが解消するという方向に行政上の指導翻してまいらなければならぬわけでございまして、やはり自由主義経済の上に立ちますれば、自由な公正な競争によって価格形成をするということが一番望ましいことだと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/34
-
035・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なお、この際お伺いしたいのは、誇大な広告ですね、それと過剰な宣伝、こういうことはいまは野放し状態になっておると思うのですが、やはりこういうことが物価値上がりの一つの要因になっておると思うのです。そういう観点からこの誇大な広告とか過剰な宣伝、こういうものに規制措置を講ずる必要があるのではないか、こういうふうに考えられるわけですが、現在企画庁としては、一体どういうふうにこの問題を考えておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/35
-
036・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 広告の持つ効果というのは非常に大きいのでございまして、これが消費者教育に正しく活用されますと、これは消費者のためになりますけれども、いま御指摘のような誇大な広告あるいは虚偽な広告あるいは不当に景品等をつけてつっていくような広告、そういうものについては、やはりこれは相当自制をしてもらわなければなりませんし、それが乱に流れますれば、それぞれ取り締まりの対象にもなってくると思います。したがって、そういうことについて、効果のあるものだけに、広告の規制と申しますか、自主的な立場に立っての広告業者あるいは広告の媒体業者等が、それらの問題を十分に考えながら運営されることが望ましい。将来あまりに乱に流れますれば、その法的措置がとられる時期があるかと思いますけれども、そういうことがなくして広告が運営されることが一番望ましいことだと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/36
-
037・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いままでいろいろお伺いしてきました物価の値上がりに関連した問題ですが、ここで考えなければならぬのは、物価値上がりで一番大きなしわ寄せをされるいわゆる犠牲者は低所得階層であろうと思うのですね。したがって、この低所得階層救済の立場から、いろいろ具体的に手を打つ必要があるのじゃないか、そういうふうに当然考えられるわけです。たとえば最低賃金制、いま非常に問題になっております最低賃金制の確立。いま業者間の協定というようなことになっておりますけれども、私どもの要求しておる全国一律の最低賃金制の確立とかあるいは基準額を引き上げるとか、あるいはまた、生活保護基準の引き上げ、こういうことも非常に大事じゃないか。なお、社会保障制度を充実したりあるいは社会保険についてはベースの引き上げをやったり、物価にスライドするいわゆるスライド制のとり入れ、幾つかの具体的な問題がそれぞれの見方から非常に大事になってくるわけですけれども、これを一挙に解決するというようなことはなかなか容易じゃない。たとえば社会保障制度の充実、それ一つをとってみても、なかなか遅々として進まない現状にあるわけです。しかし、こういう考え方は正しいと思うのです。経済企画庁としては、これらの問題についてどのように取り組んでおられるのか、こういう点についてお考えをお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/37
-
038・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) その社会保障の拡充という問題は、物価問題は別にしても、当然これから日本がいわゆる近代国家として十分な施設をしてまいります場合には、これを強化していくことが必要であります。ただし、なかなか財政上の問題もございますから、ステップ・バイ・ステップでいくほか方法がないわけであります。しかし、これは私たちも後退しないでやってまいりたいと思います。物価の上がっておりますような現状においては、いま申し上げたような方針がさらに強く打ち出されていかなければならぬので、本年度の予算等におきましても、低所得者対策として各省がそれぞれ相当な予算措置をしてこられております。必ずしも十分かどうかということについてはいろいろの御議論もあろうと思いますけれども、政府といたしましても、そういう点に配意いたしまして努力はいたしておって、予算措置等も従来よりもよけいにその面に考慮を払っておる、こういうことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/38
-
039・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いまお伺いした中で、特に最低賃金制の問題ですが、これは従来はいわゆる業者間協定という段階を出ていなかったわけですけれども、この業者間協定ではおよそ意味がない。こういう問題について経済企画庁としてはどのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/39
-
040・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) いま最低賃金に対する審議会がこれらの問題について御議論をしておられて、成案を得るような努力をしておられると思いますので、政府としてもそれの結論にまっていくべきだと思います。もちろん、今日のような業者間の協定がいいかどうかということについてもこれは問題があろうと思います。むろん一律最低賃金ということが現状においてすぐどの範囲までやるのが適当かどうかということについては相当な問題がございますので、審議会等におきまして十分な御審議を経た上でわれわれもそれに対して対応してまいらなければならぬと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/40
-
041・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、これも関連があるのでお伺いしておきますが、地価の規制ですね、これはたとえば工事用地などについて見ますと、一定の面積以上の土地取得をたとえば国の許可制にするとか、あるいは騰貴を防止するために空閑地には課税するとか、こういう措置を講ずる、まあいろいろ具体的な策が必要でしょうけれども、たとえばそういうようなことをやって地価を抑制しないと、底なしにどんどん上がっていく。特に低所得階層は自分の住宅をと、長年にわたって営々としてわずかな貯蓄を進めていっても、もう土地そのもので障害にぶつかって、なかなか勤労階層には自分の家などは及びもつかぬ。やはりそういうことではいかぬと思うのですね。やはり働く者は、わずかながらも貯蓄をして将来に自分の家をつくりたいと、そういう夢を生かしてやるためにはまず土地の問題から解決しなければ実現せぬ。わずかばかりの貯蓄ではもう土地代で手が出ない、住宅なんか及びもつかぬ、こういうことになろうと思うのです。これはやはり十分検討を必要とする重要な課題の一つであろうと思うのです。こういう点についてはお考えいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/41
-
042・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 企画庁としても物価問題あるいは国土総合開発というようなことを考えてみますときに、土地問題というのは非常に重要な問題でございまして、物価の面にも影響いたしますし、あるいはたとえば新産業都市をつくるというようなときにも地価の暴騰というような問題、あるいは全体としての道路その他の計画というような問題についても地価の値上がりが影響してまいります。したがって土地問題については相当われわれとしても考慮をしてまいらなければなりません。今回建設省におかれましてこの問題に対して一つの法律案を出して、そうして国会の御審議をお願いすることになっておりますが、さしあたり公共用土地の収用に対する改革、それから同時に、それに対する税制の問題等を内容とした法案が提出されておるのでございまして、これはその面からまいりまして一歩前進してまいることだと思うのです。ただ、そうした公共的な問題ばかりでなく、地価全体の問題としてやはり将来一般的に大きな問題でございますので、これを税制上の措置をするのかどうかということについてはいろいろ議論がございます。十分検討した上で、今後ともこの問題については取り組んでまいらなければならぬ、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/42
-
043・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、臨時行政調査会の経済協力行政に関する改善案が各省庁それぞれに出されておるわけです。それに対して各省庁はこれに回答しておると思うのです。そこで、そのうち一つ、二つの問題についてこの際お伺いしておきたいと思うのですが、まずお伺いしたいのは、この経済協力行政に関する改善案の中で特に基本的な考え方を臨時行政調査会が出しておるわけです。それに対する経済企画庁のお考えはどういうものであるのか、こういうことについてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/43
-
044・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 行政調査会の答申全部に対してでございますか。あるいは企画庁所管の部門に関する意見でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/44
-
045・伊藤顕道
○伊藤顕道君 全般でなくして、すべての問題ということでなくして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/45
-
046・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 企画庁に対して関係のございますもので、行政調査会で答申しておりますものは三点に分けて考えられると思います。一は「経済協力行政に関して政府の最高段階における政策の審議・調整機能を強化するため」「閣議の前段階で基本方針の審議や総合調整を行なう機関として経済協力関係閣僚審議会を設置する。」
二は、現行の「対外経済協力審議会を改組して、民間学識経験者のみからなる経済協力に関する審議会とし、これを内閣府に付置する。」この二つの点につきましては、企画庁としては異存のないという返事をいたしております。第三点が、「現行の外務省経済協力局に経済協力に関する基本的政策の企画立案、企画・実施両面にわたる総合調整、関係予算の調整」等の「新たな任務を付与し、これを経済協力行政に関する事務段階における総合調整部局として整備する。」こういうのが第三にございます。
これに対しましては、経済協力は国の全体の経済力その他と見合って的確な評価のもとに行なわれなければならない。したがって、そういうような諸要因を考慮してなさるべきであると考えるならば、その企画、総合調整は現在も企画庁が担当しておるのであって、現在のまま経済企画庁がそういう総合調整をやっていくのが適当だという回答をいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/46
-
047・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そこで特にお伺いしたいのは、いま御指摘のあったように、臨調の経済協力行政に関する改善策の中で、先ほど言った基本的な考え方、これ、まあ幾つかあるわけですが、その中で政策企画とかあるいは総合調整、機構の整備、こういうことについて臨調では外務省への新たな任務の付与、こういうことを勧告しておるわけです。これに対して、臨調のこの意見に対して経済企画庁としてはどういうふうにお考えか、ということをお伺いしたわけですが、これはいま一部御指摘のあったように、経済協力に関する基本政策については、企画立案とか総合調整、こういうのは経済政策に関する総合的な企画とか、調整官庁である経済企画庁が担当するのが適当である、そういう回答を出しておると思うのです。ところが、外務省に新たな任務の付与ということに対して、外務省は賛成しておるわけですね、臨調の意見に。で、経済企画庁としては、いまも御指摘のありましたように、いままでどおり経済企画庁に存置すべきだ、こういう態度を示しておるわけですね。そこでさらに問題を広げますと、たとえば「海外経済協力基金に対する自主性の付与」こういう臨調の改革意見に対して経済企画庁としては、いま御指摘したと同じように、従来どおり経済企画庁とすべきである。したがって、臨調の改革意見に対しては反対、こういう回答をしておると思うのです。ここでお伺いしたいのは、この意見に対しては外務省は賛成、経済企画庁は反対、こういうことを要約いたしますと、これはいまたまたま外務省と経済企画庁の場合だけを一つ、二つ取り出しただけです。臨時行政調査会の各省庁に対する勧告、膨大なものがあるわけです。それを私一通り検討してみたのですけれども、経済企画庁に関係の部分はいま私がお伺いしたような問題点があるわけです。と同じようなことが各省庁にわたって広く回答されておるわけです。その回答の要旨は、結局主管事項が大きくなる、広がっていくことについてはみんな申し合わせたように賛成しておる。そして主管事項が削られる、いわゆる縮小される、そういう面については各省庁はみな反対しておるわけです。この場合でも、いまお伺いした場合でも、外務省は賛成、経済企画庁は反対、こういうことは膨大なこの資料の中に随所に相当数多く見られる。このことを要約すると、各省庁はこの臨時行政調査会の行政改革の意見に対して大局的な立場に立たぬで、自分の所管の省庁だけを単位に考えて、国全体の政治ということを考えないで、主管事項も拡大することにはみな賛成、縮小は反対といわゆるなわ張り争いをしておるのじゃないかという節が随所に相当数多く見られるわけです。こういう状態でいいのかという疑問を持たざるを得ないわけです。で、このままにしておくと、御承知のように、臨時行政調査会があれだけの国費を使って、しかも期限まで延長して相当の数の方々が長い期間かかって答申を出しておるわけです。前の池田内閣でも現佐藤内閣も、臨調の意見は尊重すると総理自体がそれぞれ所信を明らかにしておる、こういう中で、さて現実の姿は各省庁はみななわ張り争いで国全体の視野に立たぬから、主管事項が縮小されることにはみんな反対しておるわけだ。これで一体いいとお思いになりますか。経済企画庁長官としてはいかようにお考えになるのか、それはきわめて重大な問題だと思うのです。この問題を解決しなければ、なわ張り争いをしておったんでは、臨時行政調査会のせっかくの答申も無視された形になって、何ら行政の前進は見られないと思うのです。これはゆゆしい大きな問題であると思いますのでお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/47
-
048・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 臨時行政調査会が、民間の有力な方々を委員として数年にわたって検討されました答申というものに対して、われわれは決して尊重するにやぶさかでございませんし、現在の政府機構というものがこれで万全のものだとは私どもも思っておりません。したがって、そういう意味でとるべきものはとっていかなければならぬと思います。ただ企画庁がいま申し上げましたような意見を出しましたのも、これは企画庁自身の性格の上からの問題でございまして、企画庁としては、私どもの考え方では、やはり各省庁間の総合調整ということが仕事の主体であって、実際の実務行政をなるべく避けていきたいという考え方で私はおります。したがって、各省が所管争いをしてやむを得ず企画庁につけたというようなものについては、必ずしもそれをいつまでも保持している必要はない、適当な所管庁ができれば。ただ総合調整の機能だけはこれは企画庁本来の仕事でございまして、これを失ってしまったら企画庁自身の半分の存在理由がなくなる。と申しますのは、たとえば経済協力の問題にいたしましても、各省は各省でそれぞれの立場で御意見が出ることは当然でございます。また、大蔵省はそれに対応して今日の日本経済の上からいってどの程度の金額あるいはどの程度の範囲あるいはどの程度の協力ができるかという立場に立ってものをお考えになるのもこれは当然でありまして、それぞれの責任者がそれだけの考え方を持って行政を担当していかなければ私はならぬ。しかし、それじゃそれが二つ対立したままで、どうしても動きがとれないというようなときになってまいりまして、初めて企画庁が調整機能を発揮するというところに行政運営のうまみがあるのでありまして、たとえば外務省自身が調整機能を持つということ、外務省自身が一方は経済協力をやっておる、一つは外交という立場を持ってやっておられますから、どうしてもその立場の上に調整機能を持つということは私は非常にむずかしいところだと思います。国内の問題においても、各省がそれぞれ今日のような行政でございますれば、物価問題一つ取り扱ってみましても、通産行政に関するものもあれば、あるいは農林行政に関係するもの、それに伴って道路交通等の問題もある、それらの各省のそれぞれの立場の御意見を調節するということは、各省自身ではなかなか私はできないと思います。それをやるのがやっぱり経済企画庁でなければならぬ。ですから、そういう調整機能というものを企画庁からはずしてしまいますと企画庁の存在がなくなる、しかし、企画庁が何か各省のなわ張り争いの結果どこにつけておいても困るからといって、実施行政を企画庁にあまり持ってこられると困るのであって、そういうことでわれわれ決してなわ張りを広げて、実施行政をたくさん持ってくれば企画庁は人数が多くなるからよいということは考えておりません。したがって、そういう意味において、私は企画庁がこういう回答を行管にいたしたようなわけでございます。しかし、行政機構全般については十分な再検討をして、国民の税金を使うことですから、能率ある行政をやっていかなければなりませんし、企画調整の機能を企画庁が持つにいたしましても、各省がそれぞれの行政のあり方を見て、企画調整が少しでもいいような行政分割の分野ができますればなおけっこうなことなんでございまして、そういうような意味において、行政機構の全般の改革というものについては私ども決してやぶさかではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/48
-
049・伊藤顕道
○伊藤顕道君 たいへんおじょうずな答弁をなさるので、うっかりしているとそのまま肯定したくなるわけですけれども、前の国会の場で、大臣の特に名前を申し上げませんが、大臣の方々のうちで一、二の方は、確かになわ張り争いがある、実に遺憾だ、はっきり正直に申されておるわけです。私がここで特にお伺いしたいのは、臨調の意見は、池田さんのときも佐藤さんのときもこれは尊重するということは明確にしておるわけですね。そういう臨調の答申の尊重という基本的な立場に立った場合、各省庁がいま大臣のお答えになったように企画調整をする、これは大事なことでそれを否定するものじゃありませんけれども、先ほどもお伺いしたように、主管事項が拡大されることはみな賛成しておるんです。それで自分の機構が縮小されることには例外なしに反対しておる。私はこういう膨大な資料の中から拾ってみた、いまここに資料はございませんけれども、またきょうは必要としないわけですけれども、その資料を総括して見ると、いま言ったようなことがこの膨大な数の中から言えると思う。いかなる機構の縮小にもみなほとんど例外なしに反対だ、機構の拡大することには賛成間違いなしです。そういう明確な事項が出ておる。そういうことで具体的にこの問題でお伺いしていくと、ある大臣については確かになわ張り争いがあって遺憾である、そういう面は確かにあろうかと思うんです。そこでお伺いしておるわけです。やはりおのれの省だけを考えないで、国政全般を考えて、やはり譲るべきものは譲り、受けべきものは受けて、国政全般の立場から大所高所に立っていくのでなければ、せっかくの臨調の意見も実施されないんではないか。先ほど大臣の言われるように、各省庁みなそれぞれ考えがあるんだ、考えがなければ行政はできない、それはそのとおりです。しかしながら、臨調の意見を尊重するという内閣の方針を受けて立った各省庁は、やはり積極的にそれに取り組んで、譲るべきものは譲り、受けべきものは受けると、そういう大所高所からの態度を明確にしていかないと、行政改革などはなかなかできないんではないか。そういうことを繰り返し繰り返し、行政改革は抜本的なものができないので、そういう趣旨から臨時行政調査会はできたわけです。今度こそということで、アメリカの例にならって臨時行政調査会ができた。しかも相当の予算をかけて、しかもそれぞれの立場で実力のある方々を網羅して、しかも最初きめた日限を延長してまでも慎重に取り組んで臨調の答申がなされたわけだ。それが片っぱしから無視された形になっておるのはきわめて遺憾である。で、これはなにも経済企画庁だけがそうだということを決して申し上げておるのではなくして、各省庁がみなそういう態度である現実の姿に対して遺憾であるということを申し上げておるので、したがって、繰り返し申し上げるように、やはりおのれの所属の省庁だけを考えないで、国政全般の視野から十分慎重に検討して、譲るべきものは譲る、たとえ機構が縮小されるものであっても譲るべきものは譲る、そういう基本的な態度が必要ではなかろうか、この点について長官のお考えはいかがか、こういう意味でお伺いしたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/49
-
050・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 今日の行政というものは非常に広範な行政になっておりまして、新しい行政が加味されております。したがって、現在の行政官庁の業務配分におきましても、これはやはり各省間でもって改編される問題が私はあると思います。そして、一元的にある程度やらなきゃならぬ問題がたくさんある。それが、必ずしも各省間の、いわゆるなわ張り争いということばで表現されるような形において既設の権能を維持していくという弊害は、これは私も率直に認めております。それから同時に、現状においてもそのなわ張りで各省がなかなか話し合いがつかぬというような問題もございまして、いま伊藤委員のお話のような欠点があるということは、われわれは承知しております。それだけに、私は、今後行政配分をいたしましても、やはりなわ張り争いというものはなかなかやまない。それをやはり総合調整していくことは私は必要であって、現在の企画庁そのままであるかどうかは知りませんけれども、日本の行政機構の中から総合調整の役所をなくしてしまうということは、私はこれは適当ではない。だれがどんなに理想的な案をつくってみても、総合調整というものは必要だと思います。したがって、企画庁としても、決して企画庁自身が大きな世帯になる、あるいは部局をたくさん持つというようなことについてこだわっておりませんし、先ほど申し上げましたように、企画庁は総合調整をやる役所として、そして実際の行政実務は、なるべく、企画庁が小さくなっても引き受けないほうが私は適当だと。たとえば、いろいろな問題が起きて、各省がどこを主管官庁にするかということをきめかねて、企画庁に一応置いとこうじゃないかという形で実務を持ってこられることは実は迷惑であって、そういうものがふえることによって、私は、企画庁が膨大になることを望んでおりません。で、企画庁としては、企画庁のプロパーである、どの時代でも総合調整というものは必要な機能でございますから、これは企画庁という名前でなくてもどこかにそういうものがなきゃならぬ。そうすると、その場合に、私どもがむしろ望むことは、企画庁の、人が多い、部局が多いというよりは、少数で、部局は少なくても、むしろ権能、力がもう少し強いものであることが望ましいことである、それが総合調整をやります上においてのすべてである、部局の大を誇るよりも、企画庁の調整機能の権限の強化ということのほうがむしろ私は望ましい。何でも企画庁が、部がふえ局がふえ、あるいは調整機能以外の実務の仕事を、実地の行政を担任したいとは決して思っておりません。これは企画庁全職員の考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/50
-
051・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) ちょっと速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/51
-
052・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/52
-
053・中沢伊登子
○中沢伊登子君 きわめて基本的な問題ですけれども、今度、企画庁の中に山村振興課を置かれる、こういうことで人員の増加でございますが、農村の婦人たちが非常に生活が苦しくなっておるわけです。それで内職をしておられるわけですね。たとえて言いますならば、私は兵庫県のほうですから、兵庫県の農村の人たちは、釣具の、こんな針金みたいなものを巻きまして、それが一個八銭ぐらいですね、労賃が。一日どれぐらいできるかというと、三千個ぐらいできる。そうすると二百四十円ですか、一日二百四十円ぐらいの、内職を朝から夕方まで一生懸命やってそれぐらいしかできない。今度農繁期になってたんぼを植えるようなときになってまいりますと、その仕事はどんどん来るけれども、それどころじゃない。だけれども、これはアメリカに相当輸出をしておられるようでして、そういうところの調整ができなくて非常に困るということ。それから、それぐらいの労賃しかもらえないのに、やはり農村に電気洗たく機が入ってきたり、テレビが入ってきたりして、お金もないのに、隣近所にあると、子供の手前買ってやらないわけにはいかないので、ずいぶん苦しい生活をしておられるわけです。今度そういうことを山村振興課で十分調査をして、ほんとうに農村の婦人たちももう少し楽でなるような、そういうことを考えていただきたい。
それから、きのうもだいぶ私は質問のところで申し上げたわけですけれども、乳牛は将来だんだんなくなるだろう。牛乳一合しぼって、いま原価が大体、丹波、但馬とは少し違いますけれども、五円五十銭からあるいは六円、やっと値上げをしてもらって七円ぐらい、一合しぼりまして。ところが、私たちいただく牛乳は二十三円から二十五円ぐらいかかる。何とかもう少し牛乳の値段を上げてもらわないと、とてもじゃないけれども乳牛を飼って牛乳をしぼるわけにいかないという話がある。ちょうど企画庁の中に今度山村振興課を置いてくださるのですから、そういうことを一度よくお調べいただいて、ほんとうに農村も山村も生活が立っていけるように、そういうことを十分考えていただきたい、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/53
-
054・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 初めて山村振興法ができまして、これから出発するわけでありまして、ちょうどかつての離島振興と同じように、離島にしても山村にしても非常にいままで恵まれないところがある。離島振興は、幸いにして相当の年数をかけてまいりましたので、だいぶよくなってまいりました。今度山村振興法ができましたので、経済企画庁に山村振興課を置きまして、これを極力推進していきたい。ただ手始めでございますから、本年はまあ振興山村として七十町村ぐらいを指定していくというようなことで、やはり山村振興は総合的に考えないといけませんので、むろんその経済、生産方面を盛んにしていくことが必要でございますが、同時に山村における住民の生活程度を上げていくと、環境をよくしていくということを総合的に考えていかなければなりません。ただ、前提として一番やはり山村で問題になりますのは、道路交通だと思います。経済を発展させるにしても、あるいはただいまお話のような環境をよくしていくためにも、あるいは乳をせっかくしぼってそれを出していくにしても、輸送関係が十分円滑でないとまいりません。したがって、当面としては、やはり重点は道路計画に置かれると思います。しかし、道路をつくれば山村振興が終わったというのではなくて、並行していまのような植林でございますとか、牧野における牧草の栽培でございますとか、あるいは山村における木材加工の仕事、工業をやっていくとか、山村で適当な仕事を道路等が整備されるに従って興していく、同時に、それに伴って学校の問題とか、あるいは学校の配置の問題とか、あるいは無医村の解消とか、そういうような生活環境を改善していくということに山村振興としては一体となってまいりませんと、最終的に山村振興の結着がつかないことになろうと思います。われわれとしても、いま御指摘のような問題については極力やってまいりますけれども、ただ昨年法律が通ったばかりで、本年から出発するのでございますから、若干の時間をかしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/54
-
055・中沢伊登子
○中沢伊登子君 もう一つちょっと。
やはりきのうの質問の中でも申し上げたわけですけれども、農村を回ってみると、ほんとうに三反か五反か七反くらいしかつくっていない、いわゆる小さい百姓さん、そういう人たちが冬場は裏作をつくらんであけっぱなしにしてあるわけですね、たんぼを。私も食糧を輸入しながらずいぶんおかしな状態だなと思いますけれども、やはりあの人たちにしてみたら^近くにゴルフ場ができたら、ゴルフ場のたま拾いに行くとか、いろいろそういう出かせぎに行くほうが収入になるわけです。そうなると子供も何もみなほったらかされておるわけですね。そういう実情も一度よくまた御調査いただきまして、もう少し農村が恵まれるように、少しこの山村振興課の働きとしてほんとうにいいものになってほしいと、こういうふうに願っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/55
-
056・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 山村振興の基礎的な実情調査はやらなければなりません。企画庁としてもそれを十分にやりまして、それでひとつ進んでまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/56
-
057・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/57
-
058・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 速記を起こして。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/58
-
059・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 次に、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案は、去る二十五日本院先議として提出され、本委員会に付託されました。
それでは、提案理由の説明を聴取いたします。安井総理府総務長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/59
-
060・安井謙
○国務大臣(安井謙君) ただいま議題となりました国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
本年二月二日付をもって人事院から国家公務員法第二十三条の規定に基づき、国会及び内閣に対して、先般の労働者災害補償保険法の改正と対応して、国家公務員災害補償法の一部を改正する必要がある旨の意見の申し出があったのでありますが、この申し出に基づき、国家公務員災害補償制度について、年金たる補償の範囲を拡大し、その他補償内容の改善を行なう等の必要があるのであります。これが、この法律案を提出する理由であります。
次に、その内容につきまして概略御説明申し上げます。
第一に、障害補償の年金の範囲を拡大することといたしました。すなわち、従来は障害等級第一級から第三級までの重度障害者にのみ年金を支給し、その他の第四級から第十四級までの者については一時金を支給していたのでありますが、年金支給の範囲を拡大して第四級から第七級までの中度障害者についても年金を支給することとし、公務によって身体障害を生じた者に対する補償を厚くすることといたしたのであります。
第二、従来一時金でありました遺族補償について、現行法に定める遺族のうち、職員との親族関係の深い一定の要件に該当する遺族にかかわるものにつきましては、年金とすることとし、年金の支給を受ける権利を有する遺族及びその者と生計を同じくしている遺族の合計数に応じ、当該年金を受けることができる遺族の数が一人の場合には平均給与額の年額の三〇%、遺族一人がふえるごとに五%を増して最高五〇%までの年金を支給することといたしまして遺族の保護の徹底をはかったのであります。なお、年金を受けることができる遺族がない場合には、遺族補償年金を受けることができる遺族以外の遺族に対し、一時金を支給するものとし、その額は、業務上の死亡にかかわる他の法令による給付との均衡を考慮して人事院規則で定めるのでありますが、当分の間は、従前の額の範囲内において人事院規則で定めることといたしております。
第三に、年金たる補償につきましては、国民の生活水準、国家公務員の給与、物価その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情を総合勘案して、すみやかに改定の措置を講ずるものとする旨の規定を設けることといたしております。
第四に、公務上の災害を受けた職員の福祉に関する施設として、リハビリテーションに関する施設及びその他必要と認める施設を追加することといたしております。
第五に、従来、国家公務員災害補償法の適用外とされておりました船員である職員につきましても、同法を適用することとし、当該船員である職員にかかる補償につきましては、人事院規則で特例を設けることができることといたしております。
なお、この改正案は、昭和四十一年七月一日から施行を予定しております。
以上のほか、この改正案におきましては、休業補償等の支給制限、年金の支給停止、年金たる補償の支給期間等につき規定いたしますとともに、その附則において、以上の改正に伴う経過措置、補償年金と国家公務員共済組合法、恩給法等の規定による給付との調整、関係諸法律の条文の整備等につき所要の規定を設けているのであります。
以上簡単でありますが、この法律案の提案の理由及びその概要につき御説明申し上げた次第であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/60
-
061・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 以上で提案理由の説明は終わりました。本案につきましては、本日はこの程度にいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/61
-
062・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 次に、総理府設置法及び青少年問題協議会設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案は、去る二十二日、衆議院から送付せられ、本委員会に付託されました。なお、本案の提案理由の説明は、去る二十二日に聴取いたしました。それでは、これより本案の質疑に入ります。
なお、関係当局の御出席は、安井総理府総務長官、栗山臨時在外財産問題調査室長、矢倉恩給局長、赤石中央青少年央問題協議会事務局長、以上の方々で、ございます。
御質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/62
-
063・山本茂一郎
○山本茂一郎君 総理府設置法の改正案の中の恩給審議会について御質問申し上げたいと、こう思います。内容は四点についてお伺いしたいと、こう思っております。この恩給法と一般の社会保障との関係は、私は根本的に趣旨が違うものと考えておるわけでありますが、第一に伺いたいと思いますのは、今度つくられます恩給審議会の、この審議の持っている趣旨といいますか、方向というものがどういう趣旨によってこの審議会を進めていかれるのか、こういう点についてお伺いいたしたいと、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/63
-
064・安井謙
○国務大臣(安井謙君) お話のとおり、一般の社会保障、現行法の関係と恩給法とは性質を異にしておると思います。恩給法につきましては、長年にわたりまして社会的、国家的な労苦に対する当然の報償と申しますか、お礼というか、そういう国の義務に属する性格のものであろうと思うのであります。したがいまして、恩給制度が復活いたしまして、すでに過去二回にわたりましていろいろ審議会で御検討を願い、軍人恩給も復活をいたし、その改正が逐次やられてまいりました。しかし、毎年いろいろの部分を部分的に修正をして、全体の体系としてこのあたりでもう一回根本的に体系づけを検討する時期にきたのじゃないか、そういうような意味からひとつ今回審議会を起こしまして、全体的な前向きの体制での整理をしたい、体系づけをいたしたい、こういうことで今回審議会の設置をお願いして御審議を願っておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/64
-
065・山本茂一郎
○山本茂一郎君 それでは私の質問はあとにさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/65
-
066・伊藤顕道
○伊藤顕道君 私は、この法案に関連をして、二、三のことについてお伺いしたいと思います。
まず最初に、この法案の順序から言いまして、青少年局についてお伺いしたいと思います。この青少年を指導育成していくことは結局国家将来の基礎であり基盤であるということは言うまでもないわけですが、現在青少年を対象にしておる行政を所管する省庁が相当数あるわけですね。たとえば青少年の教育面は文部省が担当している、あるいは農村の青少年の育成は農林省、それから勤労青少年は労働省あるいは福祉関係は厚生省、あるいは非行少年、こういう者については法務省とか警察庁というふうに、青少年を対象に取り扱っている省庁はまだまだたくさんあるわけです。そこで、今度総理府に青少年局を設置されようとしたのは、提案理由の説明にもありますように、この点は十分検討された結果であるかと思うのです。そこでこの点についてひとつ長官のお考えをまず最初にお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/66
-
067・安井謙
○国務大臣(安井謙君) いまお説のとおり、青少年問題と申しますと、社会の各般にわたっております。また、年齢的にも相当開きがあります。また、地域的にもいろいろと事情が異なるというようなことがありまして、青少年対策の関係は、各省にそれぞれ非常に関係の深いものだと思います。おそらく十省以上に相なろうかと思います。そこで、そういったそれぞれの部門で特殊なそれぞれの対策を有効に生かしていただくことはけっこうでございますが、それには全体を何としても調整をし、その総合的な効果をあげる必要があろうということで、従来中央青少年問題協議会というのがございまして、これは総理府の附属機関として青少年問題に対する基本的な調査あるいは全体のある程度の総合調整的な役割りを果たしてもらっておったわけであります。いわゆるこれが行政の一部局としてはっきりした組織を持って全体の調整をやる必要があるであろう。同時にまた、青少年の問題の総合的な基本的調査をやる必要があるであろう。また、現在それぞれの各省がやっております省の仕事以外にやはりやらなければならぬ仕事があるであろう、そういうような面から今回青少年局の設置をわれわれとしてはきめまし御審議を願っておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/67
-
068・伊藤顕道
○伊藤顕道君 臨時行政調査会の答申の中でもこのような縦割り行政の矛盾について指摘したわけです。そこで、臨調としては、総務庁に調整官を置いて行政を総合的に行なうべきである、こういう趣旨を強調しておるわけです。ただ、ここで総務庁という文字が出てまいりましたので、その点についてまず一点だけ伺っておきますが、臨調としては、総理府本府と行管を統合して総務庁を新設すると、こういう趣旨の答申をしておるわけです。そこで、今回の法案は、総務庁ではなくして、現総理府に青少年局を設置するという、そういう姿になっておるわけです。そこで、本法案に直接関係ございませんけれども、臨調の答申は、総務庁に少年局を設置するということで関連が出てまいりましたので、まずこの点をお伺いしておきたいと思います。総理府本府と行管を統合して総務庁とすべきであるという臨調の意見に対して、総理府は一体どのようにお考えなのか、その考え方を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/68
-
069・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 臨時行政調査会の御答申によります総務庁という構想は、いまお話の総理府、それから行管を一緒にするだけじゃないんでございまして、内閣官房、企画庁あるいは科学技術庁、そういった、現在、庁として独立しておる、いろいろ総合性を持った機関を全部一本にまとめまして、そこに非常に強力な総務長官といいますか、副総理格の非常に強い権限を持った閣僚を配置して、全体の総合行政をやっていけと、それからまた、予算等につきましても、これをそこへ移せと、こういう非常な内閣官制といいますか、政府の行政機構の根本的な大改正の御意見でございます。しかし、これはなかなか、いますぐというわけにはまいりません。したがいまして、直接できるものから手をつけていきたいというようなことで、その御趣旨の一環でありました青少年問題の調整というものは、これは当然、いまの総理府というものの中で行なうことにより便利な機構を考え出したわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/69
-
070・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この総務庁の構想については、非常に広範であって、いま直ちにはできないから、できるところから、すなわち青少年局ならいますぐできるからと、そういうお考えのようですが、それでは、いますぐできないということについてはわかりますが、将来の展望はどうなんですか、いずれは実現させようとしておるのか、このようなことはなかなか至難で、なかなか取り組みにくい、そしてそのままになっておるのか、そういうことについて、将来の展望に立ってのお考えはどうなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/70
-
071・安井謙
○国務大臣(安井謙君) これはそれぞれの各省庁の問題にもなりますし、また、内閣全体の大きな問題でもございますので、私だけが責任を持ってお答えするのもいかがかと思いますが、いま私どもの受けておる印象から申しますと、方向としては総合調整機能を発揮することが好ましいのでありますけれども、これを文字どおり、そういった形で併合するといいますか、一緒にするについては、まだ技術的に相当検討を要する面も、中には具体的にはあろうかと思うようなことがございます。そのうちでも、少しでもできるものを前進的に考えていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/71
-
072・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この青少年局を設置することによって、縦割り行政のいわゆる矛盾をどの程度解決し得ると、総理府としてはお考えなのか、こういう点お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/72
-
073・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 青少年局を置きますにつきまして、二つの考え方があろうかと思うのであります。というのは、各省で持っております青少年を扱う部局を全部一ヵ所へ集めて、強力な局なり、庁なり、外局なりにする、理想的にいえば省というようなこともありましょうが、これも一つの考え方だと思いますが、実際問題といたしますと、たとえば文部省にある青少年関係と申しても、やはりそれが文部省の中の各局にわたっておりますし、一つの課だけ、あるいは一つの局だけでは片づかないという問題がたくさんございます。各省ともそういった傾向がありますので、やはりもち屋はもち屋で、それぞれの部署においては、各省が十分な能力をできるだけ発揮してもらう。しかし、同時に、全体を並べまして、非常にひずみができておる、ちぐはぐになっておるというものは、十分調整をしながらやっていくという役割りを、この青少年局は役割りの一つとして果たしていかなけりゃなるまい、そういう意味での総合調整をはかっていく、こういうつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/73
-
074・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、行管が今年度の基本方針として、四十一年度においては部局の新設は一切認めない、こういう基本方針を打ち出しておると思うのです。そこで、総理府としても、ここに青少年局を新設するわけですから、この基本方針に触れるとこういうお考えであったと思いますが、総理府としては、こういう基本方針に照らして、最初の段階では、統計局を附属機関として、かわりに青少年局を設置したいというふうに考えたように伺っておったわけです。ところが、現実には、今回の改正案では、統計局はそのままになっておるようですが、これは一体どういうことなのか、その経緯について御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/74
-
075・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 行管の事務当局の考え方といたしましては、御説明のとおり、局の新設というものはこの際やらないという政府全体のたてまえをとっておったわけでございます。したがいまして、青少年局は、実は前年度からの懸案事項になっておりまして、普通に、本年度新しく局を新設するという性格のものじゃないのでございまするが、もし総理府の中でより前向きに合理化できるということがあるならば、それはいたしたほうがよろしいのじゃないか、統計局を何か形だけ格下げをするから少年局を認めるという単なる形式論じゃなくて、青少年局ができるについては、何か前向きに統計局の業務についても検討をしちゃどうか、こういうことについての御意見などがあったことは事実でございます。私どもも、統計業務というのは非常に大事な仕事であると思っておりますので、これを前向きの、より早く、より安く、より正確な統計の取集業務というものが、機構を改めることによって可能な問題があれば、これはぜひひとつ考えたいということで、いまも行管とともども検討しておるわけであります。まあ一例をあげますと、各省にも、いま統計の集計事務を扱っておる機関がございます。そういう単なる集計事務の機関ならば、これはいま統計局が持っておる膨大な機械、電子計算機等も持っておりますので、そういうところへ集約するのも一つの方法じゃないか、そういうようなことによって、内容を前向きにすることによって、統計局のあるべき官制上の機構を変えるということは、内容とともにやるのならたいへんけっこうだと思って、いま相談をしておるわけでありますが、各省から持ってくるといいましても、中には行政事務に属する部分が、統計の中にございます。それを分離するには、どうすればいいか、いろいろ技術的に非常に困難な問題がありますので、その問題はその問題として、ひとつ前向きで今後も一諸に検討して、できるだけ結論が早く出次第、これが成案を得れば、これも法律改正をいたそう、こういうことで、少年局は、従来のいきさつもありますし、また、中央青少年問題協議会における事務局という存在も、局長というのがあったのですから、このほうは解消したというようないきさつもありまして、まあ青少年局は、とにかくいまの段階ではどうしても必要だから、ひとつやっていただきたい、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/75
-
076・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なお、このことについてお伺いいたしますが、いま長官からも、行管の新年度の基本方針として、部局の新設は一切認めない、これは行管の基本方針であるわけですが、それと同時に、衆参の内閣委員会では、御承知のように、国の行政組織を担当しておるわけです。その当委員会で、従来からこの行政組織についての論議の中で、部局の新設は原則として認めない、そういう基本方針を長い間堅持してきたわけです。これも御存じだと思うのです。こういう基本線に沿うて総理府としてもお考えになったのかどうか、この点についても御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/76
-
077・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 政府というのは、国民の皆さまの税金でやっておる仕事でございますから、できるだけこれは安くあがるようにしていって、機構もなるべくならふやさないで簡素化をしていくという内閣委員会等におきましての御議論、御意見というものは、私どもも十分拝聴いたして、できるだけその線に沿ってやりたいと思っております。ただ青少年局は、いま申しましたように、これは今日の時代の特殊的な要求にも沿う特殊なものでございます。また、前年度の予算におきましても、もうすでに設置がある程度認められておったというようないきさつもございます。それから一方では、中背協の事務局というものを今日廃止をいたしまして、そのほうはなくしたわけでございます。そういうようなことによって合理化をやり、また、人員等につきましても、これは不十分じゃないかというおしかりをまだいまでも方々から受けておりますが、われわれ少数精鋭という意味で、総理府の内部の人のやりくりによって人員も補充する、そういうようなことで新しい青少年局は発足させたいと思っている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/77
-
078・伊藤顕道
○伊藤顕道君 安井長官は、この青少年局の新設の方針がきまった際に、青少年に希望と自信を持たせる必要がある、このためには長期の総合的ないわゆる青少年対策を打ち立てなければならない、そのためには関係各省庁との間に磨擦を起こさないように、こういう点を配慮しながら積極的に連絡を強化していきたい、そうして、青少年行政に対する調整をとって、あくまでも一貫性をもっていきたい、こういう意味の抱負を語られておると思います。そこで、このことについて具体的に御説明いただきたいと思うのですが、特に関係各省庁との間に磨擦を起こさぬよう配慮しながら積極的に連絡を強化、調整していきたいということがあるわけですが、この点についてさらに具体的に御説明いただきたいということと、そういう確信がおありなのかどうか。これはなかなかむずかしい、口に言うべくしてなかなかむずかしい問題だと思うのですが、そういう確信の上に立っての御意向であるかどうか、こういう点についても触れて御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/78
-
079・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 御指摘のように、青少年問題というのは非常にたいへんな仕事でございまして、かつ、社会的に各方面にわたっておりまするし、年齢的にも十四、五歳から二十五、六歳というような開きがございます。それから職業の種類といったようなものにつきましても、非常に格差がございますので、こういう手を一本打てば全部解決するといったような思い切った手はなかなかない。そこで、いまお話しありましたように、全体としてひとつ青少年に希望と自覚と責任を持ってもらうような環境づくりを政府は総あげでやりたい、こういう希望で、その全体の連絡調整をひとつ青少年局で当たらしてもらう、こういうことでございまして、各省との連絡調整につきましては、私ども関係のある各省の事務次官をもって構成した対策協議会というものをもちまして、これによって各省の連絡調整をはかりながらいく。それから長期的な視野に立つ調査あるいは施策、立案というようなものにつきましては、中青協を今度改組いたしまして、青少年問題に関する純粋の審議機関に直していただきまして、その点はそこを中心に検討を願う。さらにその必要な補助機関として各省の局課長を中心にした幹部会というものをつくって、そういった長期計画の樹立につきましての各省そこのないようにひとつ努力をしていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/79
-
080・伊藤顕道
○伊藤顕道君 これは三月二十四日の新聞であったと思いますが、安井長官は、四十一年度に総理府に青少年局ができるので、それに対する人選を進めておったようですが、もちろん内々に人選を進めておることは、法が成立した場合には青少年局が現実にできるわけですから、それはけっこうなんですが、ただ、国会の場でこの法案が成立して法律になるかどうかまだ未知数なわけですね。そういう段階で、しかも、まだ三月二十四日ですから、当参議院では審議もしていない、きょうが初めてですからね。ですから、これが成立するかどうかということは未知数と見なければならぬわけです、おそらく成立するであろうと長官はお考えになったかもしれませんけれども。
そこで、お伺いしたいのは、国会の場でまだそういう法が制定しないのに、先走ってこれを発表してもらうことはいささかまずいのではないか。極端な場合は、法がこのまま成立しない場合には、発表された人事はまことにかっこうつかない姿になってしまうと思うのですね。しかし、法が制定するであろうという前提に立ってひそかに人選を進める、これは当然必要かと思うのです。この点はどうなんですか。やはりいままで他にもそういう例があったと思います。初めてのことじゃないんです。それは私も了解しておるわけですけれども、いままでそういうことがあったからといって、やはり国会の場できまらないうちにそれを発表してしまうということは、今後避けたほうがいいんじゃないか。内々にどんどん進めることはたいへんけっこうだと思いますが、そういうことについて、別に悪意もなく、他意もなく発表したということであろうと思うのです。したがって、このことについて何も深追いする意図はありませんけれども、やはりものごとにはけじめをつけて、法制定の上で発表をしてもおそくはなかろうと思うのです。その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/80
-
081・安井謙
○国務大臣(安井謙君) これはもう仰せのとおり、まことにごもっともなお話でございまして、私ども意図しておりますのは、四月一日から実施にかかる、そうなるならば、四月一日に同時に人事の発表もいたしたいという気持ちは事実持っておりました。そうして、ごく内々で、そういった人選を頭に描いて若干の折衝も、その場合にはどうなるという意味のものをやっておったことは事実でございます。しかし、これがどういう間違いでございましたか、一つの新聞に、あたかも既定事実のごとき形で一紙だけに出たわけであります。これはもう全く私どもの本意でないし、また、私どものほうから漏れたことは絶対にないのでございますが、どういういきさつでございますか、一紙だけ漏れました。漏れますと、今度はほかの新聞社が、ここに出ておるが、一体これはうそかほんとうか、こういう詰め寄り方を、正直な話、してこられます。そこで、私は、いまでもでございますが、一切そういうものに対する正式発表等はいたしておりません。これはまだ折衝で考慮中である、こう申しておりますが、といって、出ております事実を頭から全部打ち消すことも、それはうそになるものですから、そこはあなた方がかってに判断されるのは自由だ、われわれは一向きめておらぬという態度をとっておるわけでございます。実は一つだけ出ましたために、ほかの新聞社もそれぞれ、何ですか、見当をつけてお出しになられたかというようなことで、私、こういうようなことはちょっと弁解の余地がない。はなはだ、うちのほうから発表したわけでもなければ、漏らしたわけではございませんが、そういうことが国会で正式にきまる前に取りざたされたり、あるいはいかにも先走って話をしたような印象を受けることはまことに遺憾だと思います。今後、十二分にこの点は気をつけたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/81
-
082・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なお、お伺いいたしますが、昨年十一月閣議で制定されたと思いますが、青年憲章というのがございますが、その後どのようになっておられるのか。その概要についてお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/82
-
083・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 青年憲章の問題につきましては、まあ閣議できまったと言うほど正確なきまり方じゃございませんが、将来、そういうようなものも要るんじゃないか、ついてはひとつ青少年問題の経合調整をいままでも担当しておる総理府で、今後、そういう問題について検討するようにというような意向はございました。
そこで、私ども、これについては、今後どうあるべきかは検討はいたしておりますが、何ぶん青年憲章と言いましても、非常に問題はむずかしいと思います。これは天下りのものであってもいかぬし、おとなの頭ででっち上げたものを押しつけてもいけませんが、内容も非常にむずかしい。また、どういう方法でこれをつくるか、どういう人にお願いしてその構想を練るかという点につきましても、なかなかむずかしい問題がありますので、私どもこれはいずれ早晩必要だと思っておりますものの、拙速で、何か早くでっち上げて発表しようというようなつもりはございませんので、いま、方法、やり方、時期等についても慎重に検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/83
-
084・伊藤顕道
○伊藤顕道君 私の調べによりますと、昭和三十九年じゅうに警察に補導されたいわゆる刑法犯少年の数が二十三万八千三百三十人、これは人口千人当たりにいたしますと、犯罪者率は一一・九と、戦前戦後の最高となるわけです。で、これは三十九年じゅうの数字ですから、一そう新しい数字があったら、ひとつお示しいただきたいということと、あわせてお伺いするわけですが、なお、この虞犯不良行為の少年数は百三十二万三千九百八十一人という、いずれも戦前戦後を通じて最高であろうかと思うんです。これは、まあこの数字が正しいとすると、これは容易ならぬ問題であろうかと思うんです。この現実に対して、長官としては、どのようにお考えになっておられるか。その正しい数字、新しい数字があったら、その数字をお示しいただくことと、この現実に対する長官のお考えをあわせてお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/84
-
085・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 青少年の犯罪の絶対数というやつはかなりふえておりますが、それの内容を分析しますと、比較的、交通事犯であるとか、そういった特殊な犯罪の件数も入れるとかなりのふえ方である。それからそれを抜いて考えますと、まあ大体横ばい。全体の比率から申すと、横ばいといったようなことになっておりますが、これは凶悪犯というようなもの、殺人、暴行といったようなものは比較的数としては減って、窃盗であるとか、あるいは詐欺、脅迫、脅迫未遂、そういう式のものが筋としてはどちらかというとふえる傾向にございまして、いま御指摘の数字につきましては、中青協の事務局長のほうから御答弁させたいと思っておりますが、まあ大体そういうような方向でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/85
-
086・赤石清悦
○政府委員(赤石清悦君) 主要刑事犯だけについて申し上げます。三十九年は、御指摘のように、二十三万八千三百三十人で、ございますが、昨年度、つまり四十年度の一番新しい数字によりますと、若干減りまして、二十三万四千九百五十九人でございます。主要犯罪で、ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/86
-
087・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いいたしたいのは、少年補導センターというのが全国で百七十一カ所たしかあると思いますが、その補導センターは具体的には一体どういうことをしておるのか、その現状についてもあわせて御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/87
-
088・安井謙
○国務大臣(安井謙君) これは、それぞれの地域でそういった総合的な青少年の犯罪防止あるいは純化ということをやるために置いてある機関でございますが、これにつきまして、具体的内容は局長から説明をいたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/88
-
089・赤石清悦
○政府委員(赤石清悦君) 少年補導センターは御承知のように、非行防止のために、人口十万以上の都市のうち青少年の非行が非常に発生する地域におきまして設けられました非行予防をするための教導活動の拠点、こういうふうに私ども理解いたしております。
国が取り上げましたのは、昭和三十九年から補助金五十万円ずつ補助いたしておるのでございますが、実を申せば、このセンターは三十九年以前からやむにやまれず心ある都市の人々によって、各地に少しずつ行なわれてきたものでございます。それが非常に効果がある、この際全国的に広めてはどうであろうか、こういうふうなことでございまして、政府といたしまして、三十九年から取り上げたわけで、ございます。
それで、補助金の対象になっておりますのは、三十九年に九十四ヵ所、四十年に三ヵ所ふえまして九十七ヵ所でございます。それで昭和四十一年度の予算——御審議いただいております予算によりますれば、十ヵ所ふやしていただきまして、百七ヵ所を予定いたしております。なお、補助金によらずして、いろいろ各地でくふういたしましてやっております補導センターの数は二百六十ございます。しかし、この数字は非常に多うございますが、やはり、政府の補助をするかしないかによりまして、その活動のしぶりがかなり違っております。一応、形としてある数を申せば、二百六十、こういう報告をいただいております。
やっております効果につきましては、いろいろと御議論があろうと思いますが、私どもといたしましては、これは警察、学校、児童相談所職員、福祉事務所の職員、また、公務員等々、あるいはまた、民間の指導者、これらの方々が何と申しますか、なわ張りと申しますか、縦割り行政のそういうものを取り払いまして、一緒になって何とかして非行防止に立ち上がろう、こういう気持ちでやっておりますので、相当効果をあげつつあるのではなかろうか、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/89
-
090・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、少年補導員には警察職員とか教育職員、保護司、こういうような方々が多くなっていると思うのですが、その少年を補導するにあたって、どのような資格が与えられておるのか、こういう点についてひとつお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/90
-
091・赤石清悦
○政府委員(赤石清悦君) これは御承知のように、特別、法律の根拠を持って設けられたものではございませんで、ただいま申し上げましたように、当初は自発的にできたものでございまして、途中から政府が補助金の対象にした、こういう関係になっております。したがって、補助金の対象にしておる、私どもの指導している立場を基礎にして御説明申し上げますと、これは特に法律的に的確にそういう資格はこれこれである、こういうふうにきめにくい事情もございますし、要は、補導に非常に効果をあげられるような人々がお互いに相集まってやろうじゃないか、そういうところから発生してまいっておりますので、現職の公務員もございます。警察官、学校の教員、児童相談所の職員あるいはまた、社会教育主事、こういった現職の公務員が自己の本来の職務の延長としてこれをやる、そういう関係の方もいらっしゃいます。それからまた、青年指導者あるいはまた、婦人会あるいはPTAの幹部、こういった民間の指導者もいらっしゃいます。これらについてお互い話し合いでこういう方になっていただこうじゃないか、そういうことはあり得ると思いますけれども、特にむずかしくこの資格などということはきめておりません。もっぱら実効があがるようにこの運営委員会というものをそれぞれ設けることになっておりますので、運営委員会あたりで話し合いできめたい、大体一ヵ所につきまして百名内外の補導員を置いていただきたい、こういうふうに指導しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/91
-
092・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、現在テレビについて見ますると、全国世帯数の八割以上に普及しておる。これを国際的に見てもアメリカに次いで世界第二位にあるというふうに聞いておるわけです。それだけに、そのように普及しておる、事ほどさように普及しておるので、その青少年に与える影響も非常に大きいものがあるのではなかろうかと考えられるわけです。現に番組の中などに対していわゆる低俗物が相当あるというような批判が日ごろ絶えないわけですね。これも青少年保護育成上にとっては見のがしてならない一つの大事な点だと思うのです。そういう意味合いから、ひとつこの事実に対してこの際長官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/92
-
093・安井謙
○国務大臣(安井謙君) お話のとおり、テレビの青少年に与える影響というものは非常に大きいと思います。そこで私どももこれは非常に重視しておりまして、テレビだけでなくて、テレビ、ラジオという放送類、それから映画、それから書籍、雑誌の出版、それから映画館等のその他の俗悪な広告、この四部門に分けまして、実は昨年九月以来この中青協の委員方が中心になられまして、学識経験者、さらに業界の責任者、それぞれの業界四部門の責任者をそれぞれ別個に四つに分けましておいでをいただいて検討をいたし、でき得る限り自主的に規制をしていただく、また、不良なものについてはなくしていただくという話し合いを強力に進めておりまして、映倫等におきましても、今度映画のポスター等についても全面的にこれを検閲するというようなところまで今日進んできております。ただ、法律なり条例というようなものでこれを縛るということになりますとなかなか基準がむずかしい。やはりこれは社会的な良識でもってこれからも是正をしていく施策を強力に進めていかなければならないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/93
-
094・伊藤顕道
○伊藤顕道君 総理大臣の諮問機関として民間有識者からなる社会開発懇談会、こういうものがあるようですが、これは設置されてからどういう……。まずお伺いしたいのは、どのような人で構成されておるかということと、どのような問題にいままで取り組んでこられたのか、そうしてどのような答申をなさっておるのか、こういう点についてお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/94
-
095・安井謙
○国務大臣(安井謙君) これは実は総理府の担当というふうにまいりません内閣全体のものでございますが、これは趣旨としましては、社会開発、人間尊重、こういうテーマのもとに社会各般の改造計画、そのビジョンというものを打ち出したいということであの審議会できたわけでありまして、その内容につきましては事務当局から説明させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/95
-
096・福田勉
○説明員(福田勉君) ちょっと御説明いたします。
まず、社会開発懇談会の委員でございますが、総員六十二名でもって構成されております。これはすべて民間の有識者でございまして、たとえば倉敷レイヨンの大原総一郎委員あるいは大来佐武郎委員、丹下健三委員、そういうような民間学識有識者でもって構成されております。
それから社会開発懇談会そのものの報告でございますが、いままで二度ございまして、まず第一回は、社会開発に関する中間報告というものを出しております。これにおきましては社会開発そのものの目標、意味するところあるいはその範囲と内容、推進の方法、総論といたしましては。各論におきまして社会開発の問題といたしまして大きく健康増進に関する方策、それから教育の振興と能力発揮に関する方策、それから生活の場の改善に関する方策、それから生産の場の改善に関する方策、社会保障及び福祉対策、消費者の保護、支援に関する方策の六部門に分けましてそれぞれ具体的な提案を行なっております。
さらに引き続きまして昨年の十二月に社会開発懇談会報告書というものを提出しておりますが、これはただいま御説明いたしました中間報告を受けまして、さらに新しく社会開発として施策上着手すべきことを中心にいたしまして重点的な報告をいたしております。その内容といたしましては、主として当面の重点といたしまして住宅を中心とする生活環境の整備の問題を取り上げております。そういう生活環境が家庭生活ひいては次代をになう子弟の育成の基盤になるということを配慮いたしまして、その面における施策、特に住宅生活環境施策、教育、社会教育、社会福祉、消費者の保護等の施策を重点的にやる。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/96
-
097・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、恩給審議会についてお伺いいたしますが、この恩給審議会の委員については十名程度のようでありますけれども、どのような人を予定されておるのか、まずそのことからお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/97
-
098・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 先ほど山本委員にもちょっと申し上げましたように、従来いろいろその場その場で直してきておりまする恩給制度全体を少し前向きに体系づけたい、こういう気持ちで今度審議会の設置を政府としては予定して御審議願っておるわけでありまして、したがいまして、その委員には学識経験者、専門でそういった適任の方をお選びするというつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/98
-
099・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この恩給審議会は恩給に関する重要事項を調査審議するということでありますけれども、ここでいう重要事項とはたとえばどのようなことをさしておるのか、この際承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/99
-
100・矢倉一郎
○政府委員(矢倉一郎君) 恩給問題に対する重要事項は各種ございますが、いまわれわれの考えておりますのは、関係団体から非常に切実な要望として出されておる項目がございまして、これらの問題の審議及び恩給に対する基本的な問題というものについても検討を要する課題がございますので、さような点についての審議をお願いしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/100
-
101・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、同和問題で若干お伺いしておきたいと思いますが、同和問題については三十五年の八月に同和対策審議会が設置されておるわけです。そうして二回にわたって存置期間を延長しておるという事実があるわけです。そのことからしてもその問題解決がきわめて重要なものであるということがうかがえるわけですが、そこでこの際お伺いしておきたいと思うのですが、同和の発生の起源とか内容についてもこの際認識を高めておく必要があろうかと思うので、この際お伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/101
-
102・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 同和問題の根源につきましては、御承知のとおり、明治以来、そういったような一つの人間的べっ見、差別を廃止するようにという法律が出ておりますが、これが、残念ながら必ずしも期待されたとおりになっていない。まあ、最近では、非常にそういう傾向が減っておりますが、地方的に見ますと、関西から九州にかけては、やはり依然としてそういった痕跡が、今日でも社会的に残っている。これは私ども、特に新しい憲法下において、そういうことがあってはまことにいかぬということで、早く直したいという気持ちでおりますが、何ぶん長い間の慣習もございまして、思うようにいってない部分もございます。したがって、先般開かれました同和問題審議会におかれましても、非常に慎重かつ適切な答申をいただきましたので、その線に沿って、今後、政府も鋭意ひとつ改善努力したい。さしあたりましては、あの答申にございまするいろんな諸施策——環境の浄化、就職の平等、あるいは教育、文化の平等、また、学問の自由、そういったもの、人種的偏見の抹消というようなものを目標にしてやるわけでございますが、とりあえず同和問題に対する協議会をまずつくって、そういう具体的方向を立てていけという答申がございます。その御趣旨に沿いまして、同和問題協議会を今回設置するようにいたしたいと思っておるわけであります。なお、その答申にも、同和問題の基本法あるいは特別法のようなものを考えるべきであるという御答申もございまして、私どもも、これもいま、あわせて考えようと思っております。ただ、この問題は、一党一派の主義主張の問題ではなくて、日本人であれば、全部が同じような歩調で考えるべき性質のものだと思いまして、この法律案の作成については、ひとつ超党派で御相談の上発足させたいと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/102
-
103・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いまちょっと御指摘もございましたけれども、同和対策に関する基本法ですね、いま長官の御指摘のあったその問題は、現状は一体どうなっておるのか、目下検討中のようでありますけれども、これはただ単に検討中ということでなく、具体性を持って実現の見通しがどの辺に置かれておるのか、そういうことについて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/103
-
104・安井謙
○国務大臣(安井謙君) これは私どもの希望といたしましても、また、国会等における議員の皆さま方の御意見等をいろいろ徴しておりましても、早急につくるべきものであろうということで、でき得べくんば今国会に間に合うように、ひとつ成案を得たいという目途でやっております。しかし、いま申し上げましたように、私ども政府がかってに案をつくる、あるいは、自民党一党だけでかってにつくるということでなく、できれば各党派、皆さんの御協力によって、できるだけいいものをつくりたいと、そういうことでいま各党派の方々にもお願いをして、作業を進めておる最中であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/104
-
105・伊藤顕道
○伊藤顕道君 昨年の八月十一日に、同和対策審議会が総理に対して答申を行なっておるわけです。これはもとより総理に対してでありますけれども、やはり総理府がこれを受けて、いろいろ取り組んでおると思うんですが、そこで長官にお伺いしたいのは、長官はこの答申をどのように受けとめられて、現在、どういうふうにその実現のために努力なさっておるのか、こういうことについてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/105
-
106・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 概括的に申しますと、そういった人種的な差別のない世の中にしたい、したがいまして、現在、答申でも指摘しておりますように、少数のグループがまだあちらこちらにグループとして散在をしておる、そのまわりの環境衛生あるいは就職の状況、また、社会福祉の普及といったようなものについても、かなり不十分な点がありますので、こういう点をなるべく早く除去していく、一番大事なのは環境を浄化していくといいますか、よくしていくということが一番大事じゃなかろうかと思っております。そういうことをやりますために、それぞれ関係各省でも相当、予算額を四十一年度は計上もいたしております。同時に、やはり全体を思い切って前向きで計画的にやっていきますためには、法律をつくったほうがいいのじゃないかという御意向もいろいろ伺います。私どももその方向がよろしかろうと思いまして、あわせて法律もぜひ制定をしたいということで進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/106
-
107・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いまお伺いした同和対策審議会の答申の中に、全国の同和地区が四千百六十あるといっておるわけですが、この地区をきめる何か基準があろうかと思うんですね、こういう地区をきめる基準というのは、一体どのようなものか、この点について御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/107
-
108・福田勉
○説明員(福田勉君) これは同和対策審議会の中に調査部会を設けまして、調査部会が各都道府県あるいは市町村という全国的な調査を実施したわけでございます。で、同和対策を要する地区というものをどう基準し、定義づけるかということについては、その中では特に取り上げておりませんが、いわゆる従来、同和対策として実施すべきことということをうたっております。で、とりあえずその基準、そのめどといたしましては、その地方において従来から一般に同和地区であると考えられている地区というように定義をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/108
-
109・伊藤顕道
○伊藤顕道君 時間の関係もございますから、最後に一点だけお伺いして、本日のところ、私の質問を終わっておきたいと思いますが、全国人口千人に対して同和地区の人口は一一・八のようですが、特に奈良県ですね、奈良県については、同和人口は全国最高の七二・一人、高知県もこれに次いで五二・三人となって、非常に多いわけです。そのよってきた理由は、一体那辺にあるのかということをこの際お伺いしておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/109
-
110・福田勉
○説明員(福田勉君) ただいまの数字でございますが、ちょっと見当たりませんが、高知県、奈良県、和歌山県、兵庫県というのは、全国的に同和地区人口というのが、非常に対象数が多くなっております。それは先生ただいま御指摘のとおりでございますが、これは従来、やはり江戸時代、あるいは江戸時代以前からあったいわゆるその制度というものが、そのまま、まだ多分に残っている状態が続いてきたということではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/110
-
111・山本茂一郎
○山本茂一郎君 それでは、先ほど御質問いたしましたことをただいまからあらためて御質問することにさせていただきたい、先ほどお答えいただきましたことに伴ってあとお尋ねしたい、このように思うわけです。
先ほど長官から、恩給法の精神に基づきまして、根本的に前向きの姿勢において検討される、審議をされる、こういうことを承りました。まことに心強い限りでございますが、それに関連をして、少し私申し上げたいと思うのであります。それは、この恩給問題は特異な問題だと思うのであります。すなわち、戦争前におきまして、すでに旧恩給法に基づいて政府が国民に対して公的な約束をせられた。で、国民は、国民の義務といたしまして、国家に対する奉仕をすでに戦場において終わっておる。それに対して国が恩給問題をいまだに解決せずにおる。いわゆる約束せられた手形が出ておるままで、その実行をどうするかという問題だと、こう思うのであります。また一方から言いますと、占領軍のほうで、特殊の目的があったと想像いたしますが、恩給法を旧軍人に限りこれを停止をした、こういう異例な処置をしておるわけでありまして、別に恩給法の規定に基づきまして恩給権を剥奪されるような犯罪を起こしておらない旧軍人が、今日までいろんな点で特別の待遇を受けておると、こういう事実であります。言いかえますと、日本の独立が完成すると同時にこの恩給法が生きてくるのが自然でございまして、これにいろいろな制肘を加えられるということは、日本の国内における経済問題とか、いろんな形の制肘があるためにこういう形になってきたと、こう考えるわけであります。私はその意味におきまして、先ほど長官がお述べになりました基本的な態度というものは、いまのようなものの観察の上においてそういう形をとっていただきたい。いわゆる白紙で新しい恩給というものを検討するのじゃなくて、そういう経緯のある上に立った恩給という問題である、こういうようにひとつ取り扱っていただくのが至当じゃないかと、こういうように考えるわけであります。
第二点にお尋ねしたい事柄は、委員の問題でございますが、ただいま伊藤委員からお尋ねがございましたので、私はこれを繰り返しません。ただ、第一回の特例審議会におきましては、関係行政機関の職員と学識経験者という形において表現をされておりまして、そのときには旧軍人が委員の中に入っておるわけであります。それから、臨時恩給等調査会におきましては、国会議員、それから関係行政機関の職員、学識経験者と、こういうような表現で委員をきめておられるわけであります。で、今度は学識経験者と、こういうことでございますが、この学識経験者の意味が相当広い意味になってくるんだと思うのでございますが、何ぶん人事のことでございますから、これ以上入りましてもいろいろさしつかえると思いますけれども、問題は、恩給というものが非常にこまかい専門的な知識による問題になってまいりまして、一般的な常識だけでははたして正当な判決が出るかという問題が私はあると思うのであります。そういうことを考えますと、この委員の構成というものが今度の問題のほんとうの大きな実際的な解決になるものだと、こう思うのであります。そういう意味におきまして、ひとつ私は、御質問じゃございませんが、この委員の構成の点につきましては、以上のような趣旨に基づいて十分なる慎重な御配慮をしていただきたい。これが私の第二点であります。
それから第三点の問題でございますが、これは審議項目でございます。この審議項目につきましても、先ほど伊藤委員からの御質疑に対しましてお示しいただいたので、別に私はそれでけっこうでございますが、ただ、それにつけ加えて私が考えますのに、納得のいかない大きな問題としまして、いわゆる一般公務員といいますか、昔で言いますところの文官と武官との間に恩給法の取り扱いにおいて非常な差があるということが私は問題だと思うのであります。言いかえますと、新しい憲法において、法のもとに平等であるという前提が打ち出されている。このときにおいて、旧軍人であったからといって、また、そうでなかった公務員であるからといって、特に待遇上の差別があるということは、私は、恩給法がいかに改正されるかという一つの基本的な大きな問題であると、こういうふうに考えるのであります。この点につきましては、くどいことは申しませんが、ひとつぜひ御考慮をいただきたい、こういうように考えておるわけであります。
それから、その項目のうちで、法律では調査という問題がここにうたわれておるのでございますが、この調査の問題をどういうように実施されるかということについて、腹案を示していただきたいと思うのであります。といいますのは、この委員の構成におきまして、学識経験者というだけになってまいりますと、恩給について一番痛切に感じておる人々の意見をこの委員会に反映さすということが必要だと思うのでありますが、この恩給受給者並びにまだ恩給を——昔の恩給法においては受給者になるべき者がいまだにその資格を得ておらないという人々のいろいろの意見をひとつ十分に反映をしてこの審議会の運営をしていただきたい、こういうことでございます。この三つについてお教えをいただきと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/111
-
112・安井謙
○国務大臣(安井謙君) お話のように、恩給は個人の過去における国家社会に対する貢献に対する報償と申しますか、お報いをするという性格のものでございますから、そういう精神で常に扱われなきゃなるまい、単に恵むとかなんとかというようなことじゃあるまいと私どもは考えております。したがいまして、今度根本的に恩給の制度を検討願うという際にも、そういった恩給の性格あるいは恩給の内容に十分熟達をした学識経験者というものを中心にぜひ人選をいたし、御検討を願いたいと思いますし、同時に、いまの実態につきまして十分に調査が行き届いて、不十分なことのないように、あるいはまた、そういう直接の関係者の方の御意見もできるだけいろんな方法で伺うことができ、また、御披露願えるような運営の方法にこれは考えていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/112
-
113・山本茂一郎
○山本茂一郎君 次には答申の問題でございます。はしょって申しますと、この答申は中間の答申をせられますか、それともこの審議会の最後において答申を出されるかと、こういう問題でございます。そういう質問をいたしますのは、御承知のように、恩給の——たとえてはことばは悪うございますが、ベースというものは、四十二年の一月になりまして初めて二万四千円ベースに近いものになると思うのであります。一般公務員の方の俸給というものは、三万九千円のベースにすでになっておるわけです。ここに一万五千円の差があるというような状況におきまして、これは俸給と仮定俸給とは違うということはよく承知しておりますけれども、そういう著しい差があるこの現状におきまして、四十二年度に恩給を改正するということが、答申が出ないためにこれができないというような政府の御方針をとられますというと、ただでさえいびつになっておる恩給というものが非常にへんぱなものになると、こう考えるのであります。また、答申がまとまった後において思い切った改正をされるというようなことがあるかも存じませんけれども、それは実際国家のいろんな事情において、そういうある程度の限度があらざるを得ない、こう考えますと、いままでのように、おくれている状況においてさらに審議会の存在という理由によってさらにこれをおくらすということになりますと、長官の仰せられました御意思と実際の問題との食い違いがないとは私は言えないと、こう考えます。その意味において私は、中間答申ということを必ずしも主張するものではございませんが、何らかのこのいびつにならぬような措置をとるお考えがありますか、どうでありますか、それをお伺いいたしたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/113
-
114・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 審議会は、形といたしましては二年間の任期で、その間に御答申を願うという全体はたてまえをとっております。しかし、緊急な問題がございますれば、これはあるいは必要に応じて中間答申というような場合もあり得るかと思います。また、答申が必ずしもなくても、次年度の予算において緊急やむを得ざるものということになれば、それはそれなりの考え方もまたその段階ではしなければならぬ場合もあろうかと思います。しかし、できるだけ全体としてひとつ均衡のとれた、また、恩給の本質に合う制度というものを考えていただきたい。そうしていまお話の、この旧額差、内容、とり方といいますかね、若干まだいろいろ議論もありましょうが、いま御指摘の二万四千円、三万九千円というようなことも確かに言われる面があることは私どもも否定できないと思っております。そういう問題も合わせてでき得る限り合理的なひとつ線を出していただきたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/114
-
115・山本茂一郎
○山本茂一郎君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/115
-
116・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) ほかに御発言もないようでございますから、本案につきましては、本日はこの程度にいたします。
それでは暫時休憩いたします。
午後三時二十二分休憩
—————・—————
午後五時二十四分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/116
-
117・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) これより委員会を再開いたします。
科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案につきましては、質疑は尽きたものと認めまして、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/117
-
118・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のおありのお方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めます。
それではこれより採決に入ります。科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/118
-
119・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/119
-
120・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後五時二十五分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01519660329/120
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。